アジアのコメ、輸出価格高騰 ベトナム産は9年ぶり高値

アジアのコメ、輸出価格高騰 ベトナム産は9年ぶり高値
コロナで食糧確保広がる、コンテナ船運賃高響く アジアマーケットウオッチ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODJ124LE0S1A210C2000000/

『アジアでコメの輸出価格が高騰している。輸出大国タイが天候不順で生産が減る一方、最大の輸入国フィリピンを中心に消費は底堅い。食糧安全保障の観点から調達を増やす動きも広がり、需給の逼迫感が強まった。ベトナム産は9年ぶり高値をつけ、外貨を稼ごうと自国の高品位米を輸出して安価なコメを輸入する動きが目立っている。

輸出価格の上昇は、主食用米の輸出市場で存在感が強いタイ産の輸出減少が一因だ。タイ産米の輸出価格…

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タイ産米の輸出価格は現在、1トン537ドル前後(5%破砕米)。20年4月に567.5ドルと約7年ぶりの高値をつけた後いったん下落したが再び上昇し、高止まりしている。

産地での高温乾燥や水不足で生産量が減り、輸出余力が急激に低下した。海上貨物輸送量のバランスが崩れてコンテナ不足に陥り、運賃が上昇したことも響いた。米農務省によれば20年のタイのコメ輸出量は過去24年間で最低だった。

一方、アジアでのコメ消費は底堅い。特に、世界最大のコメ輸入国フィリピンでは人口増加を背景に積極的な調達が続いている。新型コロナウイルス禍の収束に時間がかかっており、食糧安全保障の観点からアジア各国で備蓄量を増やす動きが広がった。

タイ産の供給減で商機を得たのがベトナムだ。

「我々がベトナムにコメを輸出するのは初めて」。インドのコメ輸出業者協会のクリシュナ・ラオ会長は1月、ロイター通信の取材にこう話した。業界関係者によると、ベトナムはインドから1月と2月に合計7万トンの100%破砕米を輸入する契約を結んだ。価格は1トンあたり310ドルという。

正確なデータはないが、ベトナムがコメ輸出の競争相手で輸出首位のインドからコメを調達するのは数十年ぶりとみられる。

インドからわざわざ輸入する背景にあるのがベトナム産の高騰だ。調査会社リフィニティブによると、ベトナム産の輸出価格(5%破砕米)は2月上旬に1トンあたり512.50ドルと2011年12月以来の高値をつけ、足元も507ドル程度と高値が続く。

インド産の輸出価格はベトナム産より2割ほど安い。高価で売れるコメを輸出して外貨を稼ぐ一方、「安価なインド産のコメを輸入して加工品や家畜の飼料の原料にしている」(農林中金総合研究所の阮蔚理事研究員)とみられる。

実際、ベトナムは自国の品質の高いコメをフィリピンなどに積極的に輸出している。米農務省によると20年の輸出量は617万トン。輸出量が落ちたタイ(567万トン)を抜き輸出世界2位に浮上した。

ベトナムは10年代以降、メコンデルタ地域などでコメの高付加価値化を進めている。機械化も大幅に進み、収量も上がった。農林水産政策研究所の古橋元氏は「20年初めからの輸出価格上昇で農家の生産意欲が高まり、輸出の増加が続いている」と指摘する。

コロナ禍が続くなか、食糧の安定確保への備えとコンテナ船の運賃高騰も相まって、アジアのコメ輸出価格は高値が続く可能性がある。品種も用途も異なり、価格もはるかに高い日本産米の輸出への影響は軽微にとどまりそうだ。(黒瀬幸葉、ハノイ=大西智也)

アフリカ、南アジアにバッタ襲来 食糧危機も

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60820460W0A620C2000000/

『アフリカ東部からインドに及ぶ一帯で大量繁殖したバッタの襲来が続き、食糧被害が深刻化している。有数の農業大国を抱える南米でも発生し、世界の食糧事情に影響が出る懸念が拡大。地球温暖化が一因だと指摘する声もあり、国連食糧農業機関(FAO)は「新型コロナウイルスと合わせ、甚大な結果となり得る」と警鐘を鳴らしている。

5月29日にパキスタン中部で撮影されたバッタの一群=AP

FAOの担当者は「コロナの影響で航空便が激減し、殺虫剤の供給が遅れた」と説明。被害地域の大半では例年より多い降雨が見込まれ、繁殖が加速して個体数が現在の8千倍に増大するとの予測もある。1平方キロに広がる群れの場合、1日当たり約3万5千人分の作物を食い尽くすという。

2018年にアラビア半島で発生した群れが各地へ広がった。サイクロンの多雨で繁殖環境が整い、爆発的に増えたとみられる。ケニアは過去70年で最悪の事態に発展。雨期を迎えたインド西部ラジャスタン州では5千平方キロ超の土地が被害を受け、住宅街にも侵入した。今夏、世界で約490万人が飢餓に直面する危険がある。

小麦やトウモロコシなど穀物の一大生産地として知られるアルゼンチンには、今年5月下旬、隣国パラグアイから大群が飛来した。農産物や家畜の飼料への被害が懸念されており、群れはブラジル南部に到達する可能性もある。(共同)』