スルメイカ不漁の裏に中国漁船、日本の4倍を乱獲か

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 ※ イカも、だんだん、食えんようになるのか…。

『北海道のスルメイカ(マイカ)漁獲量(速報値)は前年比44%減の約6000㌧と、スルメイカのみの集計を始めた1985年以降で最少だった。全国的に続く記録的な不漁の一因は中国漁船による日本海での乱獲。日本全体の4倍近い量を乱獲しているという推計もある。

イカ研究の第一人者である函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大学名誉教授)によると、海水温や海流の変化によるイカの増減は過去にもあり、回復も期待…

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イカ研究の第一人者である函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大学名誉教授)によると、海水温や海流の変化によるイカの増減は過去にもあり、回復も期待できる。より深刻なのは、資源保護に配慮しない中国漁船による乱獲だ。

スルメイカの寿命は1年。東シナ海や日本海西部で産まれて日本海と太平洋を北上し、再び南下する。全国の漁獲量も10年代前半から減っており、20年も低水準が続いたもようだ。

スルメイカの回遊ルートである日本海に入り込む中国漁船が日本全体の4倍近い年15万㌧を乱獲していると推計され、資源減少を招いている。

中国漁船は21世紀に入り、北朝鮮からの漁業権取得や日韓の排他的経済水域(EEZ)での違法操業により日本海へ本格進出した。国立研究開発法人水産研究・教育機構(横浜市)は漁船の人工衛星データ分析などから、19年の日本海のスルメイカ資源量は約54万㌧、中国による漁獲量は年15万㌧とする推計を20年10月に公表した。

中国は日本のEEZ内で1000㌧級の大型船から網を下ろし、産卵前を含むイカや魚類を根こそぎ狙う。日本の漁船は魚介類を横取りされたうえ、危険を避けるため出漁を見合わせることもある。全国漁業協同組合連合会と日本海側各県の漁協は20年10月、外国船違法漁船取り締まりを政府に要請した。水産庁の担当者は「取り締まりと、中国や韓国、ロシアを交えた資源管理を並行して進めたい」と話すが、中国が協力するかは不透明だ。

「イカの街」北海道函館市では最近、新鮮なイカ刺しの入荷がない飲食店も目立つ。漁獲量の急減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大も追い打ちをかけ、かつて100億円を超えていた北海道の漁獲金額も38億円へ激減している。

函館市水産物地方卸売市場で20年6月~21年1月に取引されたスルメイカの1㌔㌘単価は生鮮が前年同期より16円安い836円、冷凍は143円安い731円。生鮮・冷凍ともに1㌔㌘200~300円台だった2010年代前半に比べ高騰していたところに、外食や土産物の需要減が直撃した。

不漁は、東北地方や日本海側も同様だ。農林水産省の全国統計によると、19年のスルメイカ漁獲量は17%減の3万9587㌧で、6年連続で減少。平成以降で豊漁だった1996年の約44万4000㌧の1割以下にすぎない。水産庁の月次集計によると、20年4~11月の漁獲量は合計2万3000㌧で、16~17年の半分程度にとどまる。

北海道では輸入品やアカイカなど他のイカを使う水産加工会社も増えた。函館市はスルメイカ以外の魚介類・農産物加工に進出する企業を助成しているが、こうしたリスク分散も緒に就いたばかり。漁師や飲食店を含めたスルメイカ経済圏の復調には時間がかかりそうだ。

(伊藤政光)