ロシアの原油の欧州における最良のバイヤーは、ブルガリアである。

ロシアの原油の欧州における最良のバイヤーは、ブルガリアである。
https://st2019.site/?p=20856

『Margarita Assenova 記者による2023-2-2記事「Bulgaria: Russian Oil and Perpetual Elections」。

   ロシアの原油の欧州における最良のバイヤーは、ブルガリアである。全世界でも、支那、インドに次ぐ量を買っている。すなわちトルコよりも多い。

 黒海の港「ブルガス」には、ロシア原油を精製する石油プラント。これを所有するのはロシア企業の「ルコイル」である。原油タンカーはノボロシスクからやってくる。処理能力は19万6000バレル/日。

 ブルガリアには選択肢は他にもあるのに、ロシアの工作員にすっかりやられていて、政府が動けない。
 すなわち、カザフスタン原油をカスピ海パイプラインでノボロシスクで積み取ることは可能なのである。同じくジョージア原油をスプサ港で積み取ることも。

 ようやく1月、暫定ブルガリア政権は、ギリシャとの間で、げんざい機能していない「ブルガス~アレクサンドロポリス」原油パイプラインの再建について相談する覚書を交わした。このパイプラインを使えばブルガリアは、トルコ海峡を迂回してギリシャ経由で原油を輸入できるようになる。

 その場合でも、露企業保有の精油所は問題だ。ドイツ政府はすでに、ロシアのロスネフト社がドイツ領内で保有していた精油プラントをドイツ政府の管轄下に置いた。それと同様の措置をブルガリア政府も早く取ることが西欧諸国から期待されている。

 しかしブルガリア国会内にロシアが操縦するロビイスト議員が多数混じっているため、話は前に進まぬ。

 ブルガリアは2022年のなかば、いちど、ロシア産の天然ガスの代金をルーブルで支払うことを拒否。そしたらプーチンがガスを止め、結果、内閣が崩壊してしまった。ポーランドは、同じ目に遭っても乗り切れているのだが、ブルガリアの政権は4党連立なので、外から揺さぶられると、はなはだ脆い。

 アゼルバイジャンおよび米国からガスを調達しようとした内閣は、ガスプロムの手先の国内企業によって倒壊させられた。

 また、ウクライナに、迂回的に武器と弾薬を提供しようとした内閣も、親露派の議員たちによって、やはり倒された。
 このように、めまぐるしく短命内閣が入れ替わってしまう。ブルガリアでは。

 現在、ロシアからの妨害にもかかわらず、ロシア原油を精製したガソリン、軽油(diesel oil)、エンジン潤滑油(motor oil)が、ブルガリアからウクライナへ有償で輸出されている。その額はブルガリア経済の1%を占める大きさ。
 ということはロシアは、「プライスキャップ」に加わる国へは原油は売らぬ、とイキリながら、淡々と、プライスキャップに加わっているブルガリアへ原油を届け続けているわけだ。

 とはいえ、ウクライナ軍の車両が、元をたどるとロシア原油を精製したブルガリア軽油だとプー之介が知ったら、どうなるだろうか。それは誰も知らない。』

日本の火力発電のカーボンニュートラル,水素化アンモニアの混焼で進めるという

【日刊 アジアのエネルギー最前線】 日本の火力発電のカーボンニュートラル,水素化アンモニアの混焼で進めるという
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/

『2023年1月31日 火曜日 晴れ

2050年のカーボンニュートラル,あくまでこの目標を実現するための最大の難関は火力発電である,車のガソリンと都市ガスと共に,火力は脱炭素の3大難関の一つ,原発と再エネで極限まで圧縮するとしても,現在の7000億KWhを何処まで圧縮できるか,水素とアンモニアが鍵という,

世界の一次エネルギーの年次変化を示す図を見ていると,カーボンニュートラルへの絶望感に打ちひしがれる,人類にとって化石燃料の頸城から逃れるのは不可能と,一次エネルギー総量154兆の中で石油42兆,ガス38兆,石炭40兆,化石計120兆,何れも単位は年KWh,絶望でしょう

日本の火力発電0.7兆を何処まで努力するのか,朝刊の電気代値上げ報道を見ると,KWh当たり37円が42円になる,先日もJERAのアンモニアへの取り組みを見てきたが,水素の調達困難と価格上昇を見ると,地球温暖化など考えていられない,問題は海面上昇だが,人類は適合するだろう』

LNG輸出大国のオーストラリアが,LNG不足に悩んでいる

LNG輸出大国のオーストラリアが,LNG不足に悩んでいる
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2028366.html

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 LNG輸出大国のオーストラリアが,LNG不足に悩んでいる,輸出の傾倒の末に
http://www.adachihayao.net

2023年1月30日 月曜日 晴れ

一次エネルギーの輸入で,日本が常に注目してきたのは,オーストラリアである,豪は私にとっては不思議な国である,ウランの産出が豊富で日本にも輸出,豪のウランが福島事故を引き起こしたことで胸が痛む,と言いながら,自国では原発は開発しない,広大な土地でも,太陽光開発に躊躇する,

豪は,いずれにしても,同時に天然ガス大国で,北西部の天然ガスをLNGにして南西部の経済の中心地に送っている,今やカタールを抜いて世界最大のLNG輸出国であるにも関わらず,東部はガス不足に悩んでいる,世界のLNG需要が急増したために,自国市場への供給が滞っていると言う,

世界の一次エネルギーの消費量は,手元の資料では,年154兆KWhである,このうち天然ガスはLNGを含めて38.2兆KWhに達する,恐らく殆どの天然ガス使用はパイプラインを通してと思われるが,日本などのLNG使用に加え中国や特に最近の欧州のLNG使用の急増が情勢を流動的に 』

電力自由化の最大の問題点は,誰が10年後の電源に責任を持つか

電力自由化の最大の問題点は,誰が10年後の電源に責任を持つか
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 電力自由化の最大の問題点は,誰が10年後の電源に責任を持つか,容量市場で果たして
http://www.adachihayao.net

2023年1月28日 土曜日 また雪か

新しい電力自由化制度,誰が電力供給責任を負うのかが不明確になった,自由化に伴って旧電力も新電力も,将来への電源開発の義務はなくたった,本来の意味は,自由化によって,自然に電源市場が形成されて自然に電源が建設されて行く,と言う,本来のエコノミストの臨む世界が期待された,

昭和40年㈹のように,電力のピーク需要が年10%以上の伸びを示していた頃は,地域独占を許された旧電力が責任を持って将来の,言い換えれば10年先までを見越して,電源を準備して行く筋書が進んでいた,電力自由化は,電力需要の伸びが殆どなくなったから成立し得たのかも知れない,

電力の需要も供給力も安定しているときは良いが,経済が動き出す,また既存の発電所が老朽化して設備の更新が必要になったとき,誰がこれを補充する電源を開発するのか,大きな問題に対応するため,容量市場が制度化され,4年先の電源の入札が行われている,発電所を造るのに,4年は短い,』

原発に西側兵器なし ロシアの主張を否定―IAEAトップ

原発に西側兵器なし ロシアの主張を否定―IAEAトップ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023012500159&g=int

 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ 寒波襲来で、家関係の雑用に見舞われた…。

 ※ 外出(そとで)も、できない…。

 ※ 備蓄食料、ちびちび消化して、籠っている他はない…。

 ※ そのうち、寒波も去って行くだろう…。

『【ブリュッセル時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は24日、ブリュッセルの欧州議会で、ウクライナ国内の全ての原発敷地内を確認し、西側諸国から提供された兵器は発見されなかったと明らかにした。ロシアが兵器の存在を主張していたが、これを真っ向から否定した。

ウクライナ高官、ロシア情報はうそ 「原発に西側兵器」で責任転嫁か

 グロッシ氏はこの日、ウクライナ国内のIAEA支援チームに対して、ウクライナの施設管理者と共に全原発を確認するよう指示したという。「点検の結果(兵器は)なかった」と述べた。 』

インドネシア、南シナ海資源開発へ 中国と新たな緊張も

インドネシア、南シナ海資源開発へ 中国と新たな緊張も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1173A0R10C23A1000000/

『【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアが南シナ海の南部で、権益確保の動きを強めている。自国領・ナトゥナ諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)で石油と天然ガスの採掘を近く始める方針だ。ただ開発地域は、中国が一方的に主権を主張する「九段線」の内部と重なり、新たな緊張を生む可能性がある。

インドネシア政府内の担当部局は今月、ナトゥナ諸島の周辺のEEZにある「トゥナ・ブロック」と呼ばれる海域で、英石油・ガス開…

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グリーンエネルギー政策は貧困国を「座礁した生活」の危険に晒す:IEF事務局長

グリーンエネルギー政策は貧困国を「座礁した生活」の危険に晒す:IEF事務局長
https://www.arabnews.jp/article/business/article_84114/

『 国際エネルギー・フォーラムのジョー・マクモニグル事務局長はアラブニュースに対し、開発途上国は富裕国の「グリーンな」投資政策のせいで苦しんでいると語る
同事務局長は、OPECプラスによる原油減産の決定は正しかったことが証明されたと指摘する

フランク・ケイン

ダボス:中南米、アフリカ、アジアの一部などのグローバルサウスは、富裕国の「グリーンな」投資政策のせいでエネルギー危機に不釣り合いに苦しんでいる。リヤドを拠点とするシンクタンク「国際エネルギー・フォーラム(IEF)」の事務局長が指摘した。

IEFのジョー・マクモニグル事務局長は、ダボスで開催された世界経済フォーラムの際にアラブニュースに対し、欧米諸国政府の政策、特に環境・社会・ガバナンスの問題に関する政策は貧困国の「座礁した生活」につながりかねないと語った。

「思うに、世界的に見て、金融部門や投資家に対して、場合によってはエネルギー産業に特化して、石油・天然ガス事業から脱却するための政策が行われている。グローバルサウスには資金は出せない、アフリカなどの石油・天然ガスプロジェクトには資金は出せないという状況だ。再生可能エネルギーのプロジェクトに資金を出すのはなおさら難しい。アフリカのような場所ではコストが高いからだ」

「この世界経済フォーラムのような会議や私が出席するエネルギー会議では座礁資産に大きな重点が置かれる。しかしアフリカでは、現在の座礁した生活が懸念されているのだ」
マクモニグル事務局長はそれでも、昨年シャルム・エル・シェイクで開催された国連気候変動会議(COP27)やUAEで開催予定のCOP28をはじめとする、エネルギー移行や気候変動についての新たな「双方向対話」の結果として、化石燃料への投資に対する欧米の敵意が下がるのではないかと期待している。

「COP27以前は、対話はかなり一方的なものだった。環境・気候面を重視する団体やNGOは話すばかりで他の意見に耳を貸していなかった。しかし今や、かなり双方的なものになっている」

「(COPが)2年連続で欧米諸国の首都以外で開催されることは、異なる観点をもたらすという意味で非常に重要だ」

「今や、石油・天然ガス企業の参加数が大きく増えている。そして、エネルギー危機の現実やエネルギー安全保障の必要についても全体的に受け入れられているようだ。エネルギー移行は簡単ではないということに皆が気づき始めたのだと思う」

昨年10月にOPECプラスが日量200万バレルの原油減産を決定したことの正しさが証明されたとマクモニグル事務局長は言う。

「この減産の後、彼らは自分たちの正しさが証明されたように感じていると思う。価格への影響について大袈裟な批判が多くなされたが、結局どれも間違っていた」

同事務局長は、原油需要の見通しは明るいと語った。「中国の再開で需要が急増すると思う。完全に予想外のことが起こらない限りは。ただリセッションの可能性についてはまだ未知数だと考える」』

グローバルサウスは化石燃料の座礁資産化に震撼している

グローバルサウスは化石燃料の座礁資産化に震撼している
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2028188.html

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 グローバルサウスは化石燃料の座礁資産化に震撼している,でも温暖化は避けられず
http://www.adachihayao.net

2023年1月23日 月曜日 外は雨

昨夜のNHKスペシャルを聞き込んでいた,半導体,大体の筋書きは私にとって既知だが,米国の退役老政治家の発言,今回の中国への制裁は,かって1980年代に日本に対して制裁し日本の半導体を潰した経験が生きている,と,当時の実感は,HDなどの価格が暴落,高度な経済化の日本は断念

1980年代の半導体戦争の影響を身近に経験した我々だが,半導体製作が当時ニーズと言われた台湾韓国のような新興国に流れていくのは当然,と言う意識であった,でも日米の激しい半導体戦争が生んだ日本の凋落であったのだ,今,世界は,化石燃料が座礁資産に化して行く現実に震撼している

リヤドのシンクタンクの事務局長,ダボス会議を終わって,「グローバルサウスが化石燃料の座礁資産化する現実を目の当たりにして震撼している」と,でもウクライナ以降,米中欧が自国の化石燃料確保に動いている姿は,正に先進国の利益優先の醜い姿,地球温暖化の進展を避けるすべはない,』

ネパール,今も計画停電が続くことに驚く

ネパール,今も計画停電が続くことに驚く
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 ネパール,今も計画停電が続くことに驚く,氷河湖決壊など,インドによる大規模ダムの開発必須
http://www.adachihayao.net

2023年1月21日 土曜日 晴れ

ネパール,先日の生田さんのYTで平将明先生が語っておられた水力開発,私も退役してから月日が経つので調べてみた,相変わらず電力不足に悩み,日12時間の計画停電が続く,我々以降のインドや中国の介入はどうなっているのか,ネパールは約15万平方キロの国土に約3000万人が暮らす

ネパールは豊富な水力資源を持ちながら何故電力不足が続くのか,それはピーク需要が僅か100万KW,日調整ダムはあるが,国内需要では大規模ダムは開発困難,国土の地形上,ヒマラヤからの土砂や氷河湖決壊を呑み込むためにも,大貯水池がなければ,乾季と雨季の季節調整は困難の故である

JICA,Jパワー,日本工営も,ネパールの大規模ダム開発には努力したが,インドとの売電問題があって国際間調整は難しかった,中国はただ大ダムを開発したいだけだが,インドはネパールからの送電を強く希望し,開発コンサルタントを送り込んでいる,親中政権の誕生で調整が困難なのか? 』

[FT・Lex]「悪魔との契約解消」がドイツに残す高コスト

[FT・Lex]「悪魔との契約解消」がドイツに残す高コスト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB190CU0Z10C23A1000000/

『ファウストは悪魔と取引したために劫(ごう)罰を受けた。ドイツは数十億ドルの損失と新たな出資という、もっと小さな代償でロシアへのエネルギー依存を断ち切ろうとしている。最近の例は化学大手BASFが、石油・ガス開発大手の独ウィンターシャル・デアの持ち分について73億ユーロ(約1兆円)の評価損を計上したことだ。ウィンターシャルはもともと、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)、ミハイル・フリードマン氏との合弁事…

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『ウィンターシャルはもともと、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)、ミハイル・フリードマン氏との合弁事業だった。

独シュバルツハイデにあるBASFの工場=ロイター

ドイツは長年、有利な取引をしてきた。安価なエネルギーで産業は繁栄できた。グローバリストは、ロシアとの貿易関係は双方に礼節をもたらすものと考えた。ところがウクライナ戦争でそれが誤りだったことが証明され、不信とコスト増大の時代が到来した。

早い段階で犠牲になったのは、ロシアからドイツに天然ガスを送る新パイプライン「ノルドストリーム2」だった。95億ユーロのプロジェクトは、ウクライナを迂回してロシアの天然ガスをドイツに輸出することを可能にするはずだった。プロジェクトは完成したが、損傷を受け、うち捨てられた。

一方、長期ガス契約をより高価なスポット契約に切り替えなければならなかった電力会社ユニパーの救済によって、ドイツの納税者は510億ユーロを負担することになる。

BASFは、ウィンターシャルの73%の株式を通して垂直統合を図ろうとしていた。しかし、投資家が現実に即した株価をつけた数カ月後、BASFはその夢が失敗に終わったことを認めた。

ドイツは安価なロシア産ガスを高価な液化天然ガス(LNG)で代替するという、より暗たんとした新たなエネルギー状況に直面している。

500億立方メートルの不足分を埋めるためのドイツの戦略は、2024年初めまでに新規設置する約400億立方メートルのLNG輸入能力が中心だ。だが、これによってガス供給が保証されるわけではない。ドイツは、経済を再開した中国も確保を目指すLNGに対して高い価格を支払うことになるだろう。少なくとも20年代半ばに新たなLNGの供給が始まるまでは、ガス価格の上昇圧力が続くことになる。

これはBASFにとって問題だ。バーンスタインは、23年の上限価格でBASFのエネルギーコストは通常の水準である売上高の4.5%から12%近くに上昇すると推定している。これは利益率を大きく圧迫する。ドイツの産業界の大半もマイナスの影響を受ける。

ドイツは痛みを伴う産業空洞化なしに、数年のコスト上昇を乗り切れることを期待している。回収不能の多額の出資と生産性向上が有益な緩衝剤になるだろう。

かえって幸いかもしれない。ドイツ、そして欧州全般は、エネルギー価格が米国や中東よりも構造的に高くなる。「古い欧州」へのガス輸送には、避けられない経費が伴う。

ドイツは、それにふさわしい高い対価を払って、魂を取り戻しつつある。

(2023年1月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)』

タリバン、油田開発で中国社と契約 「反米」勢力と連携

タリバン、油田開発で中国社と契約 「反米」勢力と連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM10BA30Q3A110C2000000/

『【ニューデリー=花田亮輔】アフガニスタンを実効支配するイスラム主義組織タリバン暫定政権は同国北部の油田開発で中国企業と契約した。海外企業との本格的な資源開発事業は2021年8月の首都カブール制圧後で初めて。ウクライナに侵攻するロシアとは燃料や小麦の輸入で合意したという。

暫定政権は中ロの承認を受けていないが、同様に米国と対立する「反米」勢力として連携を強める。

アフガン北部のアムダリヤ盆地での油田開発の契約は暫定政権が1月上旬に発表した。相手は中国企業の「新疆中亜石油天然気(CAPEIC)」で、期間は25年。中国側の投資額は初年度が1億5000万ドル(約200億円)を見込み、3年間で計5億4000万ドルに積み上げる方針だ。

タリバン暫定政権の出資比率は20%で始め、75%まで引き上げることができる。タリバン側は、この事業で3000人の新規雇用を創出できると考えている。

アフガンには石油のほか、金、リチウムなど、合わせて1兆㌦規模の地下資源が埋蔵されているとされる。だが、タリバンによる制圧後は米欧の制裁を受け、海外からの援助資金の流入が事実上停止した。タリバンのアフガン支配を公式に認める国はないが、困窮する暫定政権に接近したのは米国と対立する中国、ロシア、イランだ。

中国企業との油田開発事業の発表に先立ち、タリバン暫定政権のアジジ貿易相代行は中国、ロシア、イランなどがアフガンへの投資に関心を示していると、ロイター通信に語った。工業団地や火力発電所の建設を巡る議論もあったという。タリバン支配の前に米軍が基地として使用していた土地を経済特区に衣替えする構想も浮上する。

アジジ氏によると、22年9月にはロシアから燃料や小麦を輸入することで合意した。ウクライナ侵攻を続けるロシアは米欧の制裁を受け、石油・天然ガスなどの輸出を制限されている。タリバン暫定政権はロシアへの制裁に加わらない姿勢を示した形だ。

タリバン暫定政権は、米国と対立する勢力との関係構築で国際社会での「孤立」から脱却しようとするが、奏功するかどうかはアフガン国内で活動する反タリバン勢力がカギを握る。

22年12月にはアフガンの首都カブールの中国系ホテルが武装集団に襲撃され、複数の外国人が負傷した。同年9月にはカブールのロシア大使館を狙った自爆テロで大使館員を含む少なくとも6人が死亡した。いずれも過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。

ISとタリバンはイスラム法に基づく共同体の構築を目指す点で同じだが、路線が異なり、対立している。タリバンを助ける中国やロシアはISの攻撃対象になる。

タリバン暫定政権は1月、中国系ホテルの襲撃事件に関わったISの構成員らを殺害したと発表した。アジジ氏はロイター通信に「ビジネス関係者に危害が及ばぬよう最善を尽くしている」と主張した。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Taliban-build-ties-to-U.S.-rivals-with-new-China-oil-deal2?n_cid=DSBNNAR 

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プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。

プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。
https://st2019.site/?p=20799

『AFPの2023-1-17記事「Kremlin: Russian Firms Can Ignore ‘Unfriendly’ Foreign Shareholders」。

   プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。非友好国の株主の意向は無視してかまわないそうだ。
 プー之介は火曜日にこの指令に署名した。2023-12末まで、有効。

 ※サハリン油井の株式なんか握っていても、何にもならないわけ。』

今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。

今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。
https://st2019.site/?p=20777

『Sergio Miller 記者による2023-1-7記事「Russian oil and gas industry: the impact of sanctions」。

 今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。これがロシア戦費のベースだから、戦争勃発と同時に欧米は、この部門に経済制裁を加えた。

 2021年の統計によると、ロシアは470万バレル/日の原油を国外へ輸出していた。それは世界の石油供給量全体の14%を占めていた。

 戦争前、欧州は、ロシア原油を240万バレル/日、輸入していた。

 そのうち、全長5500kmの「ドルジバ・パイプライン」によって欧州の精油所まで圧送されていたのが、75万バレル/日。
 残りは、タンカーによって、欧州の諸港まで運ばれていた。

 ロシアは天然ガスでは米国に次ぐ世界第二の生産国である。

 2021年に欧州が輸入した天然ガスのうちほぼ4割は、ロシア産天然ガスだった。
 最大の買い手は、ドイツ、トルコ、イタリアだった。

 2021年にロシアが中共に「シベリア・パイプライン」を通じて売った天然ガス量は、欧州向けの輸出量の6%ちょいである。

 LNGの形態でロシアが輸出した天然ガスは、2021年において、世界のLNG取引量の8%だった。LNG輸出国の中では、ロシアは輸出量が第四位であった。

 今次戦争前、米国はロシアからも原油と石油製品を輸入していた。それは総輸入量の8%だったが、2022-3に、天然ガスとともに全面禁輸。(ロシアからの天然ガス輸入量は、ほぼ無視できるレベルだった。)

 2022-12初旬、EUはタンカーで運ばれるロシア産の石油の輸入を停止した。またロシア産石油製品の全面禁輸は2023-2からスタートする。これは、スロヴェニアやハンガリーがドルジバ・パイプラインにものすごく依存してしまっているための遅れである。

 米国とEUと同盟諸国は、2022-12から、ロシア産原油をバレルあたり60ドルを超えた値段では買わないことを申し合わせた。これに対してプー之介は、2023-2から5ヵ月間、石油をそれら諸国に売ることを禁ずるという正式命令を国内に出している。

 このキャップ規制、ロシア産の天然ガスには、かけられていない。
 しかしEUは、ロシアからの天然ガス輸入を「三分の二」減らすことで合意している。
 英国は、もともとロシア産天然ガスをわずかしか輸入していなかったので、2022末に全面禁輸とした。

 ロシアは「ノルドストリーム1&2」をわざわざ水中爆破したことで、EUの努力目標「三分の二」削減のオーバー達成を助けてしまった。
 すなわち、戦争前はEUは全天然ガスの40%をロシアから買っていたのに、いっきょにそれが4%に落ち込んだ。
 おそらくロシアはEUという最上のガス市場を永久に失ったと見ていいだろう。

 EUも、これからはロシアに天然ガスをほとんど依存しないようになるであろう。

 石油に関する対露経済制裁は2022-12-5に発動されたばかりだが、すでにロシアはタンカーによる石油輸出量を22%減らしている。

 この制裁にともなって、インド、中国、トルコの3国が、ロシア産原油のタンカー輸出全体の70%を買いつけるようになった。

 どのくらい買い叩いているか。2022-12中旬のウラル原油は、バレルあたり30ドル以下で買い取られた。これは世界ベンチマークであるブレント原油よりも安い。

 インドが最も得をした。戦争前は全石油輸入の2%しかロシアから買っていなかったのだが、いまやロシア石油の最大の買い手である。ただし、ディスカウント価格で。

 中共は、買い増したようでも、全需要の7%にあたる石油しか、ロシアからは買っていない。ロシアの必死の売り込み努力にもかかわらず。

 ※深入りすると弱みを握られるとよく分かっている。』

LNG問題,欧州ではパイプライン供給を打ち切られ,急遽LNGに転換,自国優先顕著

LNG問題,欧州ではパイプライン供給を打ち切られ,急遽LNGに転換,自国優先顕著http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2027741.html

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 LNG問題,欧州ではパイプライン供給を打ち切られ,急遽LNGに転換,自国優先顕著
http://www.adachihayao.net

2023年1月6日 金曜日 晴れかな

2000年初頭,日本の会議室で専門家に対し,小規模のLNG基地は採算に乗るのか,と論議を挑んでいた,天然ガスを液化して船で運ぶLNGは日本の得意な分野で世界の先端を切っていた,当時は資源のないスリランカの支援が話題になり,石炭火力建設が揉める中,LNGが代替として話題に

資源がなく海に遮られた日本は,天然ガスをパイプラインで運ぶ手段がなく,やむを得ずLNGを編み出して,現在では,一次エネルギー全体5.52兆KWhの中でLNGは1.62兆,約30%を占める,日本と韓国の専用であったLNGは,今や中国の大規模な発展などの影響で世界に汎用される

今日の日経,ヘレン・ケンブリッジ大学教授の「エネルギー、自国優先顕著に,危機と分断の時代」の主題にLNGが取り上げられ,エネルギー巡る国際協調の困難を浮き彫りを論じている,矛先は欧州であり,ウクライナ事変でロシアからの輸入困難,慌ててLNG基地の建設に拍車をかけている,』

ロシア、原油輸出を禁止 価格上限制裁国に対抗

ロシア、原油輸出を禁止 価格上限制裁国に対抗
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR27DEG0X21C22A2000000/

『ロシアのプーチン大統領は27日、同国産原油の輸入価格に上限を設けた国に対し、2023年2月から原油の輸出を禁止する大統領令に署名した。長期化するロシアのウクライナ侵攻への打撃を目指す主要7カ国(G7)などへの対抗制裁となる。

大統領令によると、G7などに対して23年2月1日から5カ月間、原油輸出を禁じる。石油製品も対象とし、同年2月以降で政府が定めた日から適用する。プーチン氏の特別な決定があれば、禁輸を解除できるとした。

米国などの行動からロシアの国益を守るためとしている。G7や欧州連合(EU)は22年12月5日、ロシア産原油の取引価格に上限を設ける制裁を発動した。上限を1バレル60ドル(約8000円)とし、これを超えて取引する場合には、海上輸送に欠かせない保険契約ができないようにした。

ウクライナ侵略を続けるロシアの戦費を削ることが狙いだ。価格の急騰など市場の混乱を避け、ロシア産原油が国際市場に供給される流れを保つ目的もある。

プーチン氏は9日の会見で、こうしたG7やEUの制裁について「我々はそのような決定をする国には(原油を)売らない」と述べ、対抗制裁を実施する考えを示していた。「必要であれば減産の可能性についても考えていく」とも発言し、西側諸国をけん制した。

米国や英国はロシアからの原油輸入を停止し、EUも海上輸送のロシア産原油の輸入をやめている。

日本政府はG7の合意に基づき、ロシア産原油の上限価格を超えた輸入を禁じた。ただ日本企業が参画するロシアの資源開発事業「サハリン2」で産出する原油は制裁の対象外としている。これに対するロシア側の反応は明確になっていない。

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林外相、中央アジアと関係強化 対中ロで国際秩序維持要請

林外相、中央アジアと関係強化 対中ロで国際秩序維持要請
https://www.47news.jp/politics/8733754.html

 ※ 今日は、こんな所で…。

『林芳正外相は24日、中央アジア5カ国と東京都内で外相会合を開いた。中央アジアの持続的な発展に向け、人材育成や「成長の質」を重視した協力で関係強化を図る方針を伝えた。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な行動を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序維持へ連携を求めた。

 林氏は会合で「自由で開かれた国際秩序を維持、強化する上で重要なパートナーだ。日本と中央アジアの連携はこれまで以上に重要になっている」と協力強化を訴えた。

 会合では、エネルギー輸送路に関し、ロシアを経由しないカスピ海ルートの拡充に関し議論。中央アジアに隣接するアフガニスタン情勢も取り上げた。』

トルクメニスタンのガス、欧州に輸出構想 トルコなどと
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19CW50Z11C22A2000000/

トルクメニスタンの天然ガスパイプラインを取り巻く最近の情勢
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/res/projects/default_project/_project/pdf/1/1906/0801_out_j_tm_gas_pipeline3.pdf

更新日:2008/1/22 調査部:古幡 哲也

国内損保、ロシア全域で船舶保険停止 LNG輸入に影響か

国内損保、ロシア全域で船舶保険停止 LNG輸入に影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB23D7O0T21C22A2000000/

『【この記事のポイント】
・戦争による沈没などの被害を補償する船舶保険を停止
・損保3社が船主に通知。背景に再保険の引き受け拒否
・無保険での航行は困難。ロシアからのLNG輸入に影響も

国内損害保険各社は2023年1月1日から、ロシアやウクライナの全海域で戦争による船舶の沈没などの被害を補償する保険の提供を停止する。ロシアのウクライナ侵攻から約10カ月が経過するが、戦争が収束するめどはいっこうに立っていない。海外の再保険会社がロシア関連のリスクの引き受けを拒否したことが、今回の判断の背景にある。

東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険の3社が23日から船主への通知を始めた。日本企業が参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」からの液化天然ガス(LNG)の輸入などに影響する可能性がある。

船舶保険はほぼ全ての船舶が加入している。被害を補償する保険がなければ、航行は極めて難しくなる。今回の措置の対象には、ウクライナに近い黒海やアゾフ海だけでなく、ロシア東部や北極海航路などの全海域が含まれる。

これまでウクライナやロシアの海域を航行する場合、軍事行動に伴う被害でも補償を受けるには、主契約とは別に「船舶戦争保険」に加入する必要があった。航行する際には事前に保険会社に通知して補償条件や保険料を確認し、割増保険料を払うことで補償を受けることができた。今後は保険に加入することができなくなる。

世界最大の保険市場を運営するロイズ保険組合を中心とした英国の委員会は22年2月、ウクライナ周辺を「リスクの高い地域」に指定し、4月には対象をロシア全域に広げた。損保各社は危険海域の拡大にあわせ、沈没リスクなどを補償する船舶保険で高めの保険料を設定する地域を広げてきた。

無保険の状況が続けば、ロシアから日本への資源輸入に影響を与える公算が大きい。損保各社は保険サービスの提供を再開することが可能か、再保険会社との交渉をクリスマス休暇明けから始める見通しだ。だが、再保険会社が再び引き受けに転じるかは不透明な情勢だ。

【関連記事】

・EUがガス価格に上限 高騰抑制、実効性に課題
・ドイツ、初の浮体式LNG設備が稼働開始 調達では苦戦も
・米研究家ヤーギン氏、脱ロシア産エネに「コストかかる」

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/Ukraine-war/Japanese-insurers-to-halt-ship-insurance-for-all-of-Russia?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

EUがロシアの原油上限価格の設定をするに当たって、その上限を超える原油を輸送するタンカーには保険をつけない、という保険制裁をかけることになっているが、それ以前に、保険業界がロシアをハイリスク地域にするだけでなく、ロシア産原油や天然ガスを運搬するタンカーに保険をつけないという、一種の「業界制裁」を行っているというのが興味深い。

ここで保険をつけたり、再保険を引き受けたりすると、ビジネスのレピュテーションに響くという判断なのか、それとも企業として自らが持つ力を使って戦争に介入しようという倫理的な判断なんだろうか。
2022年12月24日 1:02 』

[FT]建前と偽善の米国左派 「裏庭」には原発・風力拒絶

[FT]建前と偽善の米国左派 「裏庭」には原発・風力拒絶
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB192EG0Z11C22A2000000/

『バイデン米大統領が推進する、米国におけるクリーンエネルギー推進策を盛り込んだインフレ抑制法の可決は8月に大きく報道された。地球温暖化への取り組みとしては、米国最大の動きだったからだ。だが、残念ながら、12月上旬にこの法が骨抜きにされたことを告げるニュースはあまりみられなかった。

79年に炉心溶融事故を起こしたスリーマイル島原発。同原発での事故以降、米国では新規原発の建設はほぼ不可能になっている=ロイター

煩雑な手続きを省くことでクリーンエネルギー事業を迅速に推進できるようにする関連法案を、民主党の左派(編集注、民主党系の無所属議員も含む)と共和党による不自然な連合が葬り去ったのだ。

共和党の動機は明白だった。バイデン氏が推進する政策はどれもつぶしたかったのだ。一方の民主党の左派の動機は「完璧でなければ反対する」といういつもの自滅的行為だった。
排出量の実質50%削減、達成がほぼ不可能に

一連の動きは米国の急進左派の例外的な行動ではなく基本構造ともいえる。

今回の法案にはリベラル派の代表格であるバーニー・サンダース上院議員を含め72人の民主党系議員が反対に回った。同法が成立すれば東部ウェストバージニア州への天然ガスパイプライン敷設が可能になり、化石燃料の採掘増加につながると異議を唱えた。

同法案は、インフレ抑制法の予算を財源にした、新しい太陽光発電所や次世代送電網、風力発電所を建設する上で障害となっているお役所仕事を減らすことになるはずだった。

関連法案のお蔵入りを許した結果、2020年代末までに温暖化ガス排出量を実質50%削減するというバイデン氏の目標は事実上、達成不可能となった。

これは米国の左派が抱える2つの問題を浮き彫りにする。1つ目は実利につながる行動より道徳的に正しいかどうかを求める傾向があることだ。

哲学者の多くは、行動の善しあしは結果で判断すべきだと主張するが、中には行動の意図が重要だと言う人もいる。今回の事例では、左派は前者である炭素排出量を大幅に削減するより、後者の自らの信条に妥協しないことをよしとしたのだ。

渋滞が多いニューヨーク州にはなぜ、交通量に応じて通行料金が変わるロードプライシング制度が導入されていないのか。あるいはカリフォルニア州が計画している高速鉄道はなぜコストが膨らむだけの無用の長物となっているのか。

その理由は、左派の道徳観が立ちはだかっているからだ。これらの政策がいずれも失敗した原因は共和党ではない。

左派の2つ目の欠点は偽善だ。至る所に「NIMBY(ニンビー)」の本能が見え隠れする。ニンビーは「Not In My Back Yard」(うちの裏庭には勘弁)の略だ。そう考えれば超リベラルなことで知られるサンフランシスコの住宅価格が異様に高いことにも説明がつく。

お金持ちは建築物が増えて所有する不動産の価値が下がったり、近所に好ましくない人が住んだりすることが嫌なのだ。

同じくリベラル派の牙城であるマサチューセッツ州の富裕層向けの保養地であるナンタケット島の住民が、地元のクジラの邪魔になるというお粗末な主張に基づき洋上風力発電所の建設を阻止しているのも同じ発想だ。自分たちの景観が損なわれるのが嫌なのだ。これは米国初の大型洋上風力発電所になったかもしれないプロジェクトだ。

これに先立ち、この近くのコッド岬沖で洋上風力の建設計画が打ち出されていたが、地元選出の上院議員で同地に屋敷がある一族の御曹司、故エドワード・ケネディ氏の反対もあってつぶされた。

まき散らされる「バナナ」の皮

こうしたNIMBYの精神は、実利を軽視し偽善的な左派の最も悪い特徴を表している。自らの生活のマイナスになることを真っ先に拒否するのは、多くの場合、自分の信念を最も声高に唱える人たちだ。

経済学者のタイラー・コーエン氏はこの問題を「バナナ」と称している。「Build Absolutely Nothing Anywhere Near Anything」(どんなものの近くにも一切、絶対に何も建てない)の頭文字だ。左派と共和党は米国の脱炭素の行く手にバナナの皮をまき散らしているのだ。

1970年に施行された米国の国家環境政策法の下では、プロジェクトは環境影響評価を完了するまでに訴訟などの問題に見舞われなくても平均4.5年かかっている。同法の最大の欠点は、よその地域に暮らす数百万人が受ける恩恵より地元社会の見解を重視していることだ。

過去の事例をみると幾度となく、時間がたっぷりある裕福な退職者と弁護士が「コミュニティーへの参加」を通じてプロジェクトの成立を阻んできた。地球温暖化が深刻な社会問題になる前に制定されたこの法律は時代遅れといえる。

同じことが米国の原子力規制にも当てはまる。米国の民生用の原子力産業では、79年のスリーマイル島原発事故以来、事実上何一つ動きがない。同事故では死者が出なかったにもかかわらず、米原子力規制委員会(NRC)は新規原発の建設をほぼ不可能にした。

ドイツのメルケル前首相が首相時代に犯した最大の過ちは2011年に原発の稼働停止を決めたことだ。これがドイツのロシア産エネルギーへの依存を一層強め、ロシアのプーチン大統領を増長させる一因になった。

ただし書きが前提条件に

米国の原発に対する毛嫌いは、メルケル氏の過ちと同じ結果を招いている。民生用の原子力で死亡した米国人はわずか10人で、放射線被ばくで死んだ人は1人もいない。一方で昨年、何万人もの米国人が大気汚染が原因で死亡した。

米国がネットゼロ(温暖化ガスの排出実質ゼロ)を達成するには、原子力発電を拡大しなければならないことは疑問の余地がない。風力と太陽光を増やすだけでは実現できない。
米国の左派が、地球温暖化は人類の「存亡にかかわる最大の脅威」だと主張していることは正しい。ただ現状では、「原発のメルトダウン(炉心溶融)への行き過ぎた不安は除く」や「我々の不動産の価値を害するなら、その限りではない」といったただし書きが加わり、前提条件になっている。

米国の左派は自分たちに都合がよい話は実現しないと気付く必要がある。

By Edward Luce

(2022年12月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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