「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去

「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH242K60U1A220C2000000/

『サウジアラビアの元石油相で、産油国の石油戦略を主導したアハマド・ザキ・ヤマニ氏がロンドンで死去した。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

1973年10月、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が始まった。これにあわせて、サウジなど中東産油国が原油の公式販売価格を引き上げ、アラブの敵対国には禁輸を打ち出したことで、世界中にパニックが広がった。パレスチナを…

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パレスチナを解放する「アラブの大義」のために、石油を武器に使ったのである。

第1次石油危機を招いた戦略の中心にいたのがヤマニ元石油相だ。ただ、ヤマニ氏の評価すべき点はむしろ石油危機後にある。

ガランとした紙、洗剤売り場で買いだめをする人たち(1973年12月)

70年代から80年代初めの2度の石油危機を経て、産油国が石油を戦略商品として使う弊害が表れた。消費国はサウジなど中東産油国が主導する石油輸出国機構(OPEC)への依存を敬遠し、北海やメキシコ、米アラスカなどOPEC以外の産油量が増えた。石油以外へのエネルギー転換や省エネも進んだ。

ヤマニ氏は83年、「値下げは唯一の方法である」と発言し、原油価格の引き下げを初めて決断する。OPECの変遷を見続けてきた帝京平成大学の須藤繁教授は「ヤマニ氏は人為的な石油価格引き上げは消費国の石油離れを招く。石油資源の最後の一滴まで有効利用することがサウジの国益にかなうとの認識に立ち、市場安定を重視する路線の礎を築いた」と指摘する。

代償も大きかった。「逆オイルショック」といわれる80年代の供給過剰と原油価格の低迷の局面で、市場の調整役(スイングプロデューサー)を自任するサウジは率先して減産を繰り返した結果、ピーク時に日量1000万バレルを超えていた生産量は同300万バレルを切る水準まで落ち込んだ。石油収入に頼るサウジの財政は打撃を受けた。

20年以上にわたり石油政策を担ってきたヤマニ氏は86年、事実上この責任を取る形で、「ねぎらいの言葉もなく、更迭ともとれるやり方」(須藤教授)で解任された。

サウジでは石油は国家運営の最重要部門であるために、司令塔となる石油相には石油と市場を熟知する非王族のテクノクラートがついてきた。ヤマニ氏は第3代国王であるファイサル国王に重用され、その下で手腕を振るったが、国王は75年に暗殺される。その後の国王とそりがあわなかったとの見方もある。

サウジのヤマニ元石油相(1982年)=ロイター

ヤマニ氏は2009年7月、日本経済新聞のインタビューで「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。(青銅器や鉄など)石器に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ」と語った。

「ヤマニの箴言(しんげん)」の通り、今日、速度を上げる脱炭素のうねりはエネルギー秩序を崩し、石油の富を享受してきた産油国に対応を迫っている。変革の先にどのような世界が待っているのか。それを見ることなく「石油の巨人」は去った。

水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保

水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH16AJ20W1A210C2000000/

『自動車の大衆化に道を開いた「T型フォード」が米国で発売されたのは1908年。同じ年、ペルシャ湾の奥深く、現在のイラン南西部のマスジェデ・スレイマンで中東最初の油田がみつかった。

第1次世界大戦に向かう情勢緊迫の折、石炭から石油へ艦艇の燃料転換を急ぐ英国政府はアングロペルシャ石油(後のBP)を買収してこの油田を管理下に置いた。

以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れ…

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以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れた。供給地としての中東は20世紀を通してエネルギー地政学の中心にあった。

日本も例外ではない。田中角栄元首相の懐刀として列島改造論を支えた元通商産業(現経済産業)次官の小長啓一氏は「中東産の安い原油にいち早くアクセスし、臨海部の製油所や石油化学コンプレックス(コンビナート)に運び込む体制を政官民一体で整えたことが工業化の原動力になった」と指摘する。

カーボンゼロはこの前提を覆す。石油・天然ガス部門を手放し、風力発電へ事業の軸足を移したデンマークの政府系エネルギー会社オーステッドの時価総額は、日量260万バレルの石油・天然ガス生産量を持つBPに迫る。

保有する地下資源の多寡はもはや力の源泉ではない。左右するのは脱炭素の技術を支配する力だ。勝敗は気候変動問題の行方にとどまらない。企業の競争力、ひいては国力を左右する。技術革新をいち早くなし遂げた者が飛躍を手にし、遅れれば存亡の機を迎える。

担い手は違う世界から現れる。電気自動車(EV)を手掛ける米テスラの時価総額はトヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)など、世界の主要自動車メーカーを合わせた規模を上回る。

T型フォードは市中から馬車を駆逐した。テスラのEV「モデル3」がガソリン車を駆逐する現代のT型フォードとなるのかどうか、結論を出すのは早いかもしれない。しかしイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は二酸化炭素(CO2)の回収技術を競う競技会に賞金1億ドル(約105億円)を提供すると表明した。車載電池からCO2回収まで脱炭素技術を根っこから押さえにかかる。

米アップルがEV生産を探り、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)も自動車大手と提携しEVの製造販売に乗り出す。異業種が脱炭素で結びつき、社会・産業構造を変える。

日本にためらう余裕などない。ただし変革の土台はカーボンゼロのエネルギー供給と利用が前提だ。経済産業省は50年の電源構成に占める太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を50~60%とする参考数値を審議会で示した。

なぜ50~60%なのか。議論の余地はあるだろう。しかし再生エネで電力をすべて賄えないならば、選択肢は原子力を使うか、水素やアンモニアなど燃焼させてもCO2を出さない脱炭素燃料を使うか、化石燃料を使いながら排出するCO2を集めて処理するかだ。

仮に電力をすべてカーボンゼロにできても、電力では代替が難しいエネルギー用途がある。たとえば製鉄だ。生産の主流である高炉法では鉄鉱石の還元に石炭(コークス)を使うために大量のCO2が出る。スクラップを原料に使う電炉に変えても、鉄鋼需要の純増分は鉄鉱石に頼らざるを得ない。

石炭の代わりに水素を還元に使う技術が脱炭素の切り札とされる。日本鉄鋼連盟によれば足元の年間8千万トン前後の銑鉄生産には水素700万トン(約800億立方メートル)が要る。現在の水素価格は1立方メートルあたり100円程度。政府の水素戦略は長期で20円に引き下げる目標を掲げる。石炭から置き換えるには8円を切る必要があり「大量の水素を安価に安定的に確保する体制」(日本鉄鋼連盟の小野透特別顧問)が欠かせない。

脱炭素に寄与する水素のつくり方は2つある。再生エネを使って水を電気分解して取り出すのが一つ。石油や石炭など化石燃料から水素を取り出し、残るCO2を回収して地中に戻したり、工業原料に再利用したりするCCUS(CO2の回収・利用・貯留)技術と組み合わせるのがもう一つだ。

福島県浪江町に世界最大級の能力を持つ電気分解装置がある。ここで東京ドーム5つ分の敷地の施設を使ってできる水素は定格運転で年間約900トンだ。鉄鋼業界が必要とする量やコストは現実と「桁が違う」(製鉄会社幹部)。

またCO2の地中埋設の技術が確立できても、日本周辺に埋めることができる適地がどの程度あるのかとなると話は別だ。これを見極める必要がある。

化学やセメントの生産も高温の熱を使う。発電や燃料電池自動車も水素をあてにする。国内で需要を満たす水素が入手できず、CO2を埋める場所もないなら、海外に求めるしかない。

安定した風が吹き、日射量が豊かで広大な土地がある国、またはCO2を埋める地下構造がある国が候補となる。すなわち脱炭素時代の資源国が出現する。中東やオーストラリアで広大な土地をいかした水素生産やCO2を埋め戻す場所の獲得競争が始まっている。

脱炭素の前途に控えるのは水素の争奪戦だ。日本も資源国との関係や輸送路の安全、貿易ルールの整備など安定確保のための資源戦略が欠かせない。脱炭素時代にエネルギー安全保障の重要性は軽減されるどころか増すのである。

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松尾博文(まつお・ひろふみ)1989年日本経済新聞社入社。エネルギーや商社、機械・プラントなどの業界や経済産業省、外務省などを取材。イラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国に駐在した。現在は編集委員兼論説委員。エネルギー問題、インフラ輸出、中東・アフリカ情勢などを担当。

豪州で相次ぐ製油所の閉鎖、中国の「メガ製油所」脅威に

豪州で相次ぐ製油所の閉鎖、中国の「メガ製油所」脅威に
エネルギー安保と脱炭素 両立険しく 商品部 山本裕二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODJ163OH0W1A210C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『オーストラリアで製油所閉鎖が加速している。中国や中東で大量に石油製品をつくれる「メガ製油所」の新設が相次ぎ、豪州の製油所は価格競争力の面で太刀打ちできないためだ。石油製品の輸入依存度が高まりエネルギー安全保障の議論も活発になっている。脱炭素の流れから、国内の製油所新設は難しくジレンマに陥っている。

「(石油精製をやめて)石油製品の輸入基地への転換がベストな選択と判断した」。BPオーストラリアは20…

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BPオーストラリアは2020年10月末に豪州西部のクイナナ製油所を6カ月以内に閉鎖し、輸入基地にすると発表した。同製油所は65年の歴史に幕を閉じ、雇用人数は650人から60人程度に減る。

これに続き米エクソンモービルも今年2月10日にビクトリア州のアルトナ製油所を閉鎖する方針を発表。国内の製油所は約20年前の8カ所から2カ所に減る見込みで、そのうちの1カ所も停止を検討している。政府は製油所維持のために支援金の提供を決めたが、閉鎖の流れは止まらなかった。

豪州はガソリンや軽油を多く輸入しており、今後さらに海外依存度が高くなる。19年の石油製品の輸入量は日量63万8千バレル程度と国内需要の6割に達する。精製停止で20年7月~21年6月の輸入量は78万5千バレルに増えるとの試算もある。

相次ぐ閉鎖の背景には中国や中東での大規模かつ輸出志向の「メガ製油所」新設により、豪州産の石油製品の競争力低下があるうえ、新型コロナウイルス禍による需要減も追い打ちをかけた。世界的な脱炭素の流れで、天然ガスや石炭の一大生産地である豪州も、水素事業の推進など施策を打ち出している。

国際エネルギー機関(IEA)によると中国の石油精製能力は19~25年にかけて日量180万バレル、中東は同160万バレル増える見込み。米国の増加幅(同70万バレル)を大きく上回る。世界での石油製品のシェアは中国で4%、中東で30%に達する見通しだ。中国は21年にアジア地域でのシェアは50%を超え、この比率は一段と高まる見通し。

「メガ製油所」の脅威により、国内の製油所が淘汰されるのは豪州にとどまらない。IEAは米国など先進国の製油所は市場のシェアを失い続け、30年にはそのうち約14%が低稼働や閉鎖のリスクに直面するとみている。日本でも石油元売りENEOSは1月14日に根岸製油所(横浜市)の一部装置を22年10月をめどに廃止すると発表した。国際競争の激化や新型コロナによる需要減を受けて廃止を決めたという。

豪州では「外国によって燃料輸送が中断されたら、軽油などを使う国防軍をどのように運営するのか」との疑問も浮上し、懸念は安全保障にも及んでいる。コロナ発生源の調査をめぐり豪州は、石油製品の調達先である中国との関係が悪化。すでに食肉などの貿易が一部停止している。世界的な脱炭素の流れから、製油所は将来、「座礁資産」になる恐れもあり巨額な投資は難しい。

石油製品の貿易について「中国にとって豪州への石油製品の輸出は利益が多いため制限しないだろう」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の李智雄チーフエコノミスト)との声もある。電気自動車(EV)など電動車に移行するまでの間、ガソリン、ディーゼル車に依存せざるを得ない。同様のケースは世界でも今後増えそうで、先行して淘汰が進む豪州の次の一手が注目されている。

「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国

「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国
ミャンマー政変(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM09AYQ0Z00C21A2000000/

『中国の在ミャンマー大使館は16日、国軍のクーデターで混乱する同国の現状を「中国は決して望まない」と批判する大使、陳海の発言を公表した。前日に取材を受けた地元メディアとの一問一答をウェブサイトに掲載。「政変があるとは事前に知らなかった」と指摘し、「国軍の背後にいる中国が黒幕だ」という噂を懸命に否定した。

【前回記事】
米「選挙結果消してはならぬ」 ミャンマーに民主化要求

1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声を…

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1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声をあげてきた。「国軍を支持するな」「内政干渉をやめろ」――。

この国を中国は経済、軍備で支えてきたが、国軍寄りだったとは言い切れない。拘束された民主化指導者アウン・サン・スー・チーの文民政府も尊重した。

1月にミャンマーを訪れた中国の国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)はスー・チーに「中国は(当時の与党)国民民主連盟(NLD)の順調な施政を断固支持する」と伝えた。国軍総司令官ミン・アウン・フラインとも会い、NLDが大勝した2020年11月の総選挙(上下院選)が「不正だ」という不満も聞いていた。

中国にとってミャンマーは地政学上の重要国だ。ミャンマーを上空から見ると、西部から中国南部の雲南省まで2本のパイプラインが横たわる。中東・アフリカからの原油、ミャンマー沿海産の天然ガスをそれぞれ、中国に運ぶ。

中国の輸入原油の多くが通過するマラッカ海峡と南シナ海が封鎖された場合、エネルギー供給の生命線になる。

中国外務省の副報道局長、汪文斌は1日、クーデター後の記者会見で「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と言明した。

一方、中国の官製メディアはさかんに、ミャンマーでの抗議デモを伝える。国軍が盤石だと中国の指導部はみていない。

政変にどう対応するか決めあぐねているのは、周辺の東南アジア諸国も同様だ。

バンコクで10日、タイ首相プラユット・チャンオーチャーは報道陣に、全権を掌握したミン・アウン・フラインから「ミャンマーの『民主主義』を支持してほしい」という書簡が届いたと明かした。

同じくクーデターを主導し、軍事政権トップから横滑りしたプラユットだが、表情を変えずに突き放してみせた。「ミャンマーの民主化プロセスを支持する。どう進めるかは彼次第だ」(敬称略)

【関連記事】
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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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分析・考察 中国のサイバーセキュリティ部隊がミャンマー国軍への支援に入ったという噂や、ヤンゴン市に出ている戦車の一部が中国のものであるという噂もあります。事実関係はまだ不明ですが、もし鎮圧に中国が関わっているのであれば、事態は極めて深刻だと思います。

人には生活があり、熱狂は長く続きません。毎日抗議活動をしていると、生活に困ってしまいます。また、海外メディアの注目も、一定期間で終わりが来ます。ミャンマーの民主主義にとって最も厳しいシナリオは、国軍が特に暴力などを振るわず(それにより厳しい制裁を回避する)、ネットや通信を監視し、少しずつ人を逮捕しながら、じわじわと反対者たちを黙らせることだと思います。
2021年2月18日 10:10いいね
4

水素供給網の整備加速 ENEOSは給油所で来春販売

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ02D4H0S1A200C2000000/

『脱炭素の切り札とされる燃料電池車のインフラ整備が規制緩和で進み始めた。石油元売り最大手のENEOSホールディングス(HD)はこれまで難しかった市街地の給油所で燃料電池車(FCV)向け水素充塡サービスを展開する。国内水素販売トップの岩谷産業は簡易型水素ステーションの建設を推進。欧州や中国が水素への取り組みを強化する中、日本は規制の見直しをテコに水素インフラ整備を急ぐ。

日本は2017年に世界で初めて…

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日本は2017年に世界で初めて国の政策として水素基本戦略を策定。規制改革案に水素ステーション関連の規制見直しが盛り込まれた。ガス保安や立地安全を巡る規定が厳しく、水素ステーション設置はコストや技術面で難易度が高かった。

ここにきて規制見直しが進み、民間企業の水素ステーション設置に広がりが出てきた。

ENEOSHDによると給油所内に水素充塡設備を設置するのは国内初。22年春から神奈川県と愛知県の給油所2カ所から始める。ENEOSブランドの給油所は全国1万3000カ所あり、水素充塡は新ビジネスとしても期待がかかる。

給油所での併売が可能になったのは、20年1月に経済産業省がガスなどの安全対策などを規制する高圧ガス保安法の法解釈を明確にしたことがある。水素充塡に必要な圧縮機などの関連機器は安全のため他の設備と距離を取り鉄筋コンクリートで仕切る必要があったが、簡便にできるようになった。その結果、市街地の給油所でも水素充塡機の設置が可能になった。

一連の規制緩和では高圧ガス保安規制の省令も改正し、水素ステーションの無人営業を可能にした。機器の材料、立地や運営面などこれまで見直された規制は数十項目に及ぶ。政府は21年度予算案には110億円を計上し、資金面でも民間の取り組みを支援する。

岩谷産業は全国で水素ステーション整備を進めている。経産省の見解で、水素を保管するトレーラーの温度を冷やす散水装置の設置を不要化した。コストを抑えられる簡易型の水素ステーションを現在、6カ所建設中だ。

「燃料電池実用化推進協議会」(FCCJ)によれば、水素スタンドの建設費は当初約5億円だったが、一段の規制改革などで2億円まで減らせると試算している。

【関連記事】水素、脱炭素の主軸に 大量導入がコスト削減のカギ
札幌市が水素先進都市へ始動、FCVなど需要調査


自治体レベルでも脱炭素の取り組みが広がり、東京都中心に全国で100台の燃料電池バス普及を見込む。ただ、各地で水素供給のインフラ不足が課題で、30年までに3000台のFCV導入を掲げる札幌市には、水素ステーションは移動式の1台しかない。

政府は30年にFCV80万台、水素ステーションも900カ所に増やす目標を掲げる。約3万店あるガソリンステーションの約3%で、水素供給の整備は緒に就いたばかりだ。

海外も水素への傾斜を強めている。調査会社マークラインズによると、20年のFCV(乗用車と小型商用車)販売台数は韓国が5350台と日本の約7倍。欧州連合(EU)が20年7月に水素戦略を発表し、トラックやバスなど商用車で水素利用を重点展開する。中国も燃料電池バスを先行して普及を進めている。水素燃料の活用で国家間の競争も始まっている。

FCV、コストなお課題 日本での普及EVに後れ
燃料電池車(FCV)は日本勢が世界をリードする技術だが、日本での普及は電気自動車(EV)に比べても遅れている。EVより航続距離が長いなどのメリットはあるが、コストの高さやインフラ整備が課題となっている。

FCVは水素と空気中の酸素を反応させて電気を発生させる。走行時に排出するのは水だけで「究極のエコカー」とされる。技術で先頭を走るのがトヨタ自動車で、2014年に世界で初めて量産型となる「ミライ」を投入。20年12月には6年ぶりの全面改良となる新型を発売した。
新型ミライの航続距離は約850キロメートルと、200~400キロメートルが多いEVを大きく上回る。EVのフル充電までの時間が1時間ほどかかるのに対して、FCVに必要な水素の充塡にかかる時間は大幅に短いのも特徴だ。
それでも19年度末までの日本での保有台数は約4000台と、EVの約12万4000台と差が開いている。大きな要因がコストだ。代表的なEVである日産自動車の「リーフ」は電池容量が大きいタイプの最低価格が441万円。ミライは710万円からと高い。
新型ミライは基幹部品のひとつである水素タンクの原価を従来車種と比べ約7割下げるなどコスト削減の技術開発も進めたが、本格的な普及へさらなる上積みが必要だ。
インフラ整備もなお課題だ。EVの充電ステーションが日本全国で約2万カ所に増えたのに比べ、水素ステーションは約140カ所にとどまる。
解決策として進めるのが水素活用の裾野を広げる取り組みだ。例えば新型ミライの燃料電池システムは乗用車だけでなく、商用車や産業車両、船舶、鉄道などさまざまな用途向けの外販を念頭に開発している。水素需要が増えれば充塡インフラ整備などに弾みがつく。
バスやトラックなど商用車で普及を促す動きもある。基本的に同じルートを走るため、水素ステーションが少なくても運行しやすいからだ。
海外勢も商用車を中心にFCVを強化する。欧州では商用車大手の独ダイムラーとボルボ(スウェーデン)が発電装置の開発を統合し効率化。25年以降に航続距離1千キロメートルを超えるFCVトラックを量産する計画だ。中国政府も商用車中心にFCV供給網を築く方針で、35年までに100万台前後の保有台数をめざす。
FCVとEVとの関係についてトヨタは「インフラ整備状況や充塡時間、航続距離など得意分野が異なっており、互いに共存していく」(幹部)とみる。豊田章男社長も20年11月の決算記者会見で「世界各地でエネルギー事情が異なるため、いろいろな電動化のメニューを持っていることが強みになる」と指摘。引き続きFCVやEVに加えてハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの開発と販売を続ける考えだ。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Japan-s-hydrogen-fueling-network-expands-to-gas-stations?n_cid=DSBNNAR

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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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今後の展望 「2050年カーボンニュートラル」が宣言されて以降、日本では2035年を目処に電動車100%を目指すことになっている。しかし、どういう自動車のポートフォリオを提供すれば、これからの勝ち組となるのか、よくわからない。そもそも漠とした疑問が山積みだ。水素ステーションなどインフラ設置が遅れてボトルネックにならないよう、併せて提供されなければならないが、今のスピード感で間に合うのか。水素の製造過程で出る二酸化炭素の排出をどう捉えるのか。ハイブリッド車の扱いの違いが将来的に日本自動車に悪影響とならないか。軽自動車の基準をどうするか。全体を踏まえた鳥瞰図と具体的なロードマップが必要である。
2021年2月17日 9:33いいね
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竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説 結局水素をどこでどうやって大量に作り持ってくるかなのです。究極的には再生可能エネルギーの電気で水を電気分解するのが望ましいわけですが、特に再エネが高い日本ではあまりに高コストなので、今は海外で天然ガス等から水素を作り日本に輸送+CO2はその国の地中に埋める方法がメインで考えられています。化石燃料資源国への依存はいまと変わるものではありませんが、脱炭素化のための投資。一昨日参加した石油天然ガス小委資料がよくまとまっていました。https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/pdf/013_03_00.pdf
2021年2月17日 9:25 (2021年2月17日 9:26更新)
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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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ひとこと解説 セルフガソリンスタンドであっても、給油開始は監視カメラで安全を確認した人の手によって許可が出されているのをご存知でしょうか。AIなどによる支援が人手不足の鍵になると考えています。

FCVやEVもステーションの数や充電にかかる時間など課題が山積です。次のイノベーションやブレイクスルーが何なのか、目が離せません。
2021年2月17日 8:10 (2021年2月17日 8:15更新)
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 今では当たり前になっているセルフ式のスタンドも、かつては規制に阻まれていました。危険物の特性を知らないドライバーが自身でガソリンなどを給油することは危険だとされていたからです。今でも無人の給油所は認められていません。水素となるとさらに規制は厳しくなります。安全性を確保しながら、さまざまな規制を緩和していかなければインフラ整備は進みません。
2021年2月17日 7:12いいね
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日本が抱えているエネルギー問題

2020-11-18

2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2020_1.html

※ まあ、課題山積、難問山積みなわけだ…。

※ そこへ持って来て、「カーボン・ニュートラル」「脱炭素」宣言なわけだ…。

※ どうするんだろな…。

〔兵頭二十八氏のサイトからの情報〕(その1)

『Peter Keller 記者による2021-2-2記事「The Outlook for LNG as a Marine Fuel」。
    現在、新造発注商船の燃料としてLNGが選ばれる率は13%で、これはますます増えると予想されている。
 2020年には、「バイオLNG」で走る外航船も、初登場した。

 国際商船協会IMOは、2030年までにカーボン排出を21%減らせ、という方針。これはウェル(油井)からウェーク(航走)までの全過程が対象なので、地下からLNGを採掘するのでは理想的ではない。
 だから バイオLNGの次は 合成LNGが実用化されることが期待されている。2050年までに。

 しかし合成LNGができるようになるには最低10年かかるだろう。そのくらいに、見通しが立っていない。

 銀行はグリーンファイナンスに傾いているので、LNG船の建造資金を融資してくれという申し込みは、受け入れられやすい。

 バイオLNGは、食料廃棄物や畜産業廃棄物、森林にうっちゃられているバイオマスを原料とするので、「カーボン・ニュートラル」である。つまり、もともとは大気中に存在していた二酸化炭素が、燃やされて、ふたたび大気中に帰るだけ。

 ナタネ油とかパーム油だと、食料生産活動と競合したり、森林破壊を助長してしまう。今考えられているバイオLNGは、そうした競合や自然破壊を最初から回避するのである。

 しかもバイオLNGは化学成分としては化石LNGと同じなので、エンジンも、貯蔵施設も、これまでのLNG用のものでOK。すべて今のもので、対応できる。

 現行のLNG専焼エンジンは、メタンガス漏出はゼロである。しかしLNG供給網の途中で、メタンの大気中への漏出をゼロにはできまい。このメタンは、二酸化炭素以上に、地球を温暖化するガスである。

 最終的には太陽光や風力で発電した電力によって合成LNGをつくるところまでいかないと、「ゼロエミッション」とはならない。それはいつの日であろうか。

 ※核融合炉なんてものができたとしても、そのマシンの内部には中性子線が飛び交うので、内部の機械類は強烈な放射性を帯びてしまう。それが古くなれば、それらはすべて、高放射性の廃棄物となるしかないのである。』

韓国タンカー拿捕1カ月、米イラン対立で解決遠く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM02DBK0S1A200C2000000/

『【ドバイ=岐部秀光、ソウル=鈴木壮太郎】イラン革命防衛隊が中東ホルムズ海峡を航行中の韓国船籍のタンカーを1月4日に拿捕(だほ)して1カ月となる。韓国は米国とイランとの間で板挟みとなり、イランは米国による制裁解除が進まないことにいらだちを強めている。イランは乗員の解放を発表したが、問題解決は見通せない。

イラン外務省は2日、乗員19人を解放しイランからの出国を認めると発表した。しかし、韓国人船長はな…

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しかし、韓国人船長はなお国内に拘束されたままだ。拿捕の表向きの理由である「環境汚染」についてイランでは法的な手続きが続いている。韓国タンカーは7200トンのエタノールを搭載していた。

拿捕の本当の理由は、韓国が米制裁にしたがって凍結したイランの資金70億ドル(7200億円)をめぐる対立とみられる。イランはトランプ前米政権のイラン敵視政策に乗るかたちで資産を凍結した韓国に圧力をかけることで、国際社会へのゆさぶりをかける意図があるようだ。

イランは、バイデン米大統領が1月の就任直後に脱炭素政策の強化や隣国メキシコとの国境の壁の建設中止など、続けざまに大きな政策転換を打ち出したにもかかわらず、イラン政策で具体的な動きがないことに不満を強める。トランプ前米政権がイラン核合意から離脱して復活させた制裁による経済への打撃は深まる一方だ。

韓国は米国とイランの板挟みに悩む。韓国は米制裁下でもイランとの貿易を続けるため、イラン中央銀行が韓国の民間2行に口座を開設。イランからの原油輸入や韓国からの工業製品の輸出代金をウォンで決済する仕組みをつくった。凍結資金はウォン貨だ。

イランは韓国に凍結資金の国外移転を要求しているが、韓国は米国の承認なしには動けない。韓国政府関係者は「米国とは実務レベルで協議中だが、バイデン政権はまだ体制づくりの段階で、進展には時間がかかりそうだ」と語る。

人道支援は制裁下でも可能なため、韓国は凍結資産を使い、イランが必要とする新型コロナウイルスのワクチンを世界保健機関(WHO)などが主導する「COVAX(コバックス)」から調達する案を提示している。だがイラン側はウォンがドルに両替された段階で米国に差し押さえられることを警戒し、拒否しているという。

韓国政府は凍結資金の一部をスイスの口座に移し、欧州での医薬品購入に使えるようにする案や、未払いになっているイランの国連分担金を凍結資金から支出する案など様々な方策を検討し、残る船長と船舶の解放を急ぐ。

この1カ月のあいだにイラン、韓国の双方と良好な関係を持つカタールが仲介を申し出た。隣国サウジアラビアなどとの対立が雪解けに向かったカタールは、米イラン対立の解消でも役割を果たしたいという意図があったもようだ。しかし、第三国の仲介をイランの保守強硬派が拒否している。

米制裁と新型コロナ危機で経済が打撃を受けたイラン国内では穏健派であるロウハニ大統領らの発言力が弱まっている。保守強硬派が勢いを増し、6月のロウハニ師の任期満了にともなう大統領選で勝利をうかがう。

イラン、韓国の双方が歩み寄りをしにくい環境にあり、問題は長期化する可能性がある。

住友商事、シェール開発から完全撤退 米国権益を売却

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ013PW0R00C21A2000000/

『住友商事がシェール開発から完全撤退した。米国テキサス州に保有しているシェールオイル事業の権益を売却した。シェール開発の規制を強める米バイデン新政権の意向もあり事業の先行きが不透明だった。米国の化石燃料事業に注力してきた日系商社だが、今後は再生可能エネルギーへの対応が本格化する可能性がある。

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テキサス州のシェール鉱区であるイーグルフォード地域でのオイル生産事業を米国の石油開発会社に数十億円程度で売却したとみ…

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中国、ミャンマー通じガス・原油調達 軍側ともパイプ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM016BG0R00C21A2000000

『【北京=多部田俊輔】中国政府はエネルギー安全保障上の観点からミャンマーを重視する方針を変えないとみられる。米国の影響力が強いマラッカ海峡を経由せずに、中国石油天然気集団(CNPC)がミャンマーからパイプラインを使って天然ガスと原油を輸入しているからだ。

中国国営の新華社によると、ミャンマーにある中国大使館は1日、現地の中国企業に「驚き慌てることなく、緊急事態に備えるように」との通知を出した。中国は…

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中国はミャンマーの政権側だけでなく、軍側とも太いパイプを持つとされる。中国企業は中国大使館との緊密な連携で安全確保や事業継続を模索する。

CNPCが主導するパイプラインは2013年に天然ガス用、17年に原油用がそれぞれ開通した。中国メディアによると、19年のパイプラインによる天然ガス輸入量に占めるミャンマー産の比率は9%で4位を占めた。

中国では天然ガスの需要が急増している。ミャンマー産を増やせば外交的に対立するオーストラリアなどへの依存を軽減できる。原油は約5割を依存する中東産などの原油をミャンマー西部で陸揚げして、パイプラインで中国南部まで運ぶ仕組みだ。

「米国の中国包囲網が続くなか、ミャンマーの役割はますます重要になる」。中国石油大手幹部は打ち明ける。米国の影響が強いマラッカ海峡が封鎖されるような事態も想定し、中国は今後もミャンマーを活用していく方針とみられる。

エネルギー以外でも、習近平(シー・ジンピン)国家主席が旗を振る広域経済圏構想「一帯一路」の沿線国として中国企業の進出が相次ぐ。19年に中国企業がミャンマーで新たに契約した建設プロジェクトの金額は63億㌦(約6600億円)に達した。中国の建設大手が現地で発電所の建設などを手掛ける。

電力インフラの整備にあわせ、安い人件費を求めて繊維業界の企業も多い。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は1月のミャンマー訪問時に政府だけでなく、軍側とも会談しており、「中国政府は今後もミャンマーとの連携を続けていくだろう」(中国の電力会社幹部)との見方が多い。