〔ナゴルノカラバフ戦争の実相〕

今回、現代戦争史上初めて、一国軍の損害の過半が、相手軍の無人システムによってもたらされた。
https://st2019.site/?p=16543

『Nicole Thomas, LTC Matt Jamison, CAPT(P) Kendall Gamber, and Derek Walton 記者による2021-4-4記事「What the United States Military Can Learn from the Nagorno-Karabakh War」。
   ナゴルノカラバフ自治区は、80年代にソ連が設けた。アゼルバイジャン領内でありながら、住民の95%がアルメニア人なので。
 ソ連が崩壊すると、ナゴルノカラバフの住民はアゼルとの完全分離・独立を欲した。

 こうして自治区軍 vs.アゼル政府軍の内戦が始まった。ロシアは双方に武器と傭兵を供給した。
 1994にロシアは両者を手打ちさせた。しかし双方が不満だった。いらい、協定侵害行為は7000を数えるという。

 2016-4に「四日間戦争」勃発。
 この結果は、アゼルバイジャン政府に、武力行使だけが情況を好転させると確信させた。
 そして4年間、イスラエルやトルコと組んで熱心に軍備改革を進めた結果が、2020に実ったといえる。

 2020年の短期決戦は、スタートから44日間で停戦となった。アゼルは、ナゴルノカラバフの「三分の一」を武力回収できた。

 2020-9-27の開戦からわずか6日目にして、アゼル軍は、250両のAFV、ほぼ同数の砲兵、39の防空システム(その中には、ロシア版ペトリオットである S-300×1も)を、破壊したと公報主張。

 アルメニア軍は、アゼル軍のUAVのために武装解除されようとしたのであった。

 アゼルとトルコの紐帯は強力だ。言語が相通ずる。そしてアゼル難民が大量にトルコ領内に居る。だからトルコ人の意識では、アゼルは近隣国だが、ネイションとしては別ではなく、ひとつだ、と思う。
 いま、アゼル国内にはトルコ国旗がひるがえりまくっている。

 アゼルがソ連邦から離れたとき、アゼル政府は「汎トルコ」アジェンダを掲げた。
 このイデオロギーが、トルコからのあらゆる援助を惹き付けた。

 1992にトルコとアゼルは軍事援助、訓練支援、合同演習に関して合意。
 さらに1999に両国は、経済開発の共通ゴールを策定した。

 トルコ、アゼルバイジャン、ジョージアは、カスピから地中海に達する原油パイプラインを共同運営している。BTC(三国の首府の頭文字)ライン、という。

 このパイプラインを通じて原油を西側に好きなように売れるために、アゼルの収益はものすごいことになった。2011年の統計では、アゼル人ひとりあたりの平均年収は7190ドル。アルメニア人は3526ドル。ジョージア人は4022ドルだ。

 ありあまる資金をアゼル政府は兵器調達に突っ込んだ。2006~2019の総額でみると、アゼルは290億ドルを軍備に投資した。かたや同期間のアルメニアは60億ドルである。

 15年間経済が成長し、余剰資金を軍備に傾注し、トルコを同盟者にもった強みが、とうぜんのように発揮されたのである。

 10種弱の無人機をアゼル軍は揃えている。今次紛争で最も活躍したのは、トルコ製の「バイラクタル TB2」であった。同機は、小型のレーザー誘導兵装(スマート・マイクロ・ミュニション)を4発、翼下に吊下できる。
 加えて、イスラエル製の自爆無人機を2種類、使った。「ハロプ」と「スカイストライカー」である。

 また「オービター1K」もカミカゼドローンとして用いた。
 ロシア製の古い「AN-2」有人機(複葉)を、無人ISR機や無人自爆機に改造したものも、複数機、投入した。

 アルメニア軍も無人機を有していたが、いずれも国産の小さなもので、偵察任務以上の仕事はできなかった。※まさしく今の自衛隊の現況だろ、それ。

 アゼル軍はまず、低空を低速で飛行できる「AN2」を囮として敵SAM陣地上空に放ち、敵SAM陣地の所在を確認した。その確認位置に対して「TB2」や自爆型無人機が差し向けられ、高空から精密攻撃した。

 つまりワイルドウィーゼルの仕事をぜんぶ、無人機のセットだけでやり遂げたのである。

 もうひとつ特筆されること。今次ナゴルノカラバフ戦争では、回転翼機の出番は無かった。

 「TB2」の高度は十分に高く、旧ソ連製の「2K11」「9K33」「2K12」「9K35」といった地対空ミサイル・システムでは、探知ができても撃墜までは無理であった。

 ロシアがアルメニアに供給していた「Polye-21」というECM装置は、アゼルのドローンを妨害した。ただし、さいしょの4日間だけであった。

 「Buk」と「トール」の2つのSAMシステムは、紛争の後半になってロシアから供給され、アゼルのドローンを数機、撃墜できたようである。しかし日が経つにつれて、これらのSAMシステムも、無人機のために撃破されて沈黙した。

 「S-300」はそもそも対無人機の機能を期待されておらず、開戦早々にロイタリングミュニションの餌食になった。

 アゼル軍は特殊挺進隊を開戦の数日前からアルメニア占領区内に浸透させ、空き家のなかなどで待機させていた。「破壊活動グループ」と称していた。

 アルメニア側では、「アルメニア人ではない謎の人々が町の中に住みつき始めた」ということだけは、わかっていたという。

 「破壊活動グループ」は、攻撃型無人機の兵装誘導補助だけでなく、精密誘導ロケット弾の火力要請もした。空地連絡係でもあったのだ。
 ※そしてじつはトルコ人であったというオチか。

 要するにNATO軍がアフガン討匪作戦で磨き上げた、挺進火力誘導員の仕事を、アゼル兵はきっちりとこなした。レーザー照準/標定装置を携行していたことは言うまでもない。

 現地ナゴルノカラバフは高山帯であって、戦車などは高速で所要点まで移動ができない。よって、歩兵+無人機のコンビが最強なのである。

 留意が必要なこと。現地は植生が乏しい。そのため対空偽装が簡単にはできない。これが無人機側をとても有利にした。地上の敵軍配置を、高空から確実にみきわめることができた。

 偵察用無人機は、「精密グリッド・コーディネーション」を味方ロケット砲兵に提供することができた。アゼルの長射程砲兵は、連絡された座標から10m以内に着弾させることができた。

 両国側によって公表されているビデオは、双方ともに地上軍の偽装についてはアマチュア級であったことを教えてくれる。どちらの軍も、上空からは丸見えに等しかった。

 無思慮に開闊地に展開しようとし、同じ場所に何十分もとどまっていたり、移動が平時ペースのノロノロ運転であったり、人員・車両・装備を蝟集させすぎていた。それで偽装ゼロなのだから、対地攻撃機にとっては好餌以外のなにものでもなかった。

 AFVが新式であるか旧式であるかは、何の関係もなかった。AFVの中に乗っている人間が、空からの脅威を油断なく意識できていたかどうかが、生死を分けている。上空の脅威に対する直感が働かない乗員は、乗っている高額な高性能戦車もろともに、吹き飛ばされた。

 アゼル側は、所定の高価値目標を爆砕してしまうや、すぐに、次等の価値ある目標を即興で探し当てて、その場で無人機で攻撃できることが、ビデオからよくわかる。
 このことはまた、トルコとイスラエルから供給されている精密弾薬/自爆無人機の数がおそろしく豊富で、タマ惜しみをする必要がアゼル側にはなかったことも教えてくれる。ふつうは、数人ばかりの兵隊がこもる塹壕をレーザー誘導爆弾で狙ったりしないものである。

 『ナショナル・インタレスト』のエピスコポス記者は、トルコ軍は事実上、参戦していたと断言する。特殊部隊員や、トルコが雇い挙げたシリア人傭兵を、戦線へ派遣していたと。』

バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

メキシコ、エネルギーで国営企業優遇 民業圧迫の恐れ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29CK10Z20C21A3000000/

『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコ政府がエネルギー分野で国営企業の優遇を加速している。原油の輸出入や給油所の運営で民間企業の許認可を停止できる改正法案を議会に提出したほか、電力取引で国営企業が有利になる法改正も実現した。民業圧迫が進み、外資企業のメキシコへの投資にも影響しそうだ。

26日に提出した炭化水素法の改正案によると、民間企業が持つ許認可を政府の判断で停止できる。安全保障やエネルギー、経済…

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安全保障やエネルギー、経済への差し迫った危機が予見される場合が対象だ。許認可の停止中は、民間企業が使う施設の管理を国営企業に委ねることも可能になる。与党は上下院とも過半数を押さえており、改正案は成立する可能性が高い。

ロペスオブラドール大統領は29日の記者会見で「ガソリン供給を保障するために国営石油会社ペメックスを守らなくてはならない。外国企業に依存することはできない」と述べた。18年の選挙で政権交代を実現したロペスオブラドール氏は、保護により国営企業の業績を改善する方針だ。

民間企業は炭化水素法の改正案に批判的だ。有力経済団体メキシコ経営者連合会(COPARMEX)前会長のグスタボ・デオジョス氏は「法の安定性を壊し、企業を攻撃している」とツイッターに投稿した。メキシコ競争力研究所(IMCO)は「法案が議会を通過すれば、競争力にはマイナスとなる」と指摘した。民間企業からは法改正を差し止める訴訟が相次ぐ可能性がある。

国営企業優遇は石油にとどまらない。今月初めには国営電力公社CFEを優遇する電力産業法の改正案が議会を通過し、9日に公布した。CFEが電力不足を補うために結んだ契約をあとから変更できるなど、民間企業に不利な内容をふくむ。

メキシコではエネルギー部門の非効率さが長年の課題となってきた。12~18年のペニャニエト政権はエネルギー市場の民間開放を進め、多くの企業が給油所の運営や開発に参入した。ロペスオブラドール氏は民間活力を重視した前政権の路線を相次いで見直し、国営企業を保護している。

一連の施策はメキシコの外資誘致には逆風となる。世界銀行が毎年公表するビジネス環境ランキングで、メキシコは20年に60位と19年の54位から順位を落とした。

【関連記事】
メキシコ、電力産業法を国営優先に改定 日本企業も懸念
メキシコ国営石油ペメックス最終赤字2.4兆円 20年12月期

〔メタンハイドレート、再び〕

※ 久々で、「メタンハイドレート」の話しを聞いた…。

※ 過去の投稿から、再掲する…。

日本国は、エネルギー資源大国になるのか…。
https://http476386114.com/2019/02/13/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%af%e3%80%81%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%bc%e8%b3%87%e6%ba%90%e5%a4%a7%e5%9b%bd%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%80%82/

世界のメタンハイドレート開発の現状
https://http476386114.com/2019/02/15/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%81%ae%e3%80%80%e7%8f%be%e7%8a%b6/

※ ということで、「潜在的な有望エネルギー資源」であることは、確かだ…。

※ しかし、これまでは、到底「採算ベース」に乗せることは、難しかろう…、ということだった…。

※ だが、「温暖化対策」「脱炭素」「グリーン・エネルギー」ということで、風向きが少し変わってきた…。

※ 政策の優先順位が、違ってきた…。ドンドン、予算も投入される流れとなってきたようだ…。

三井海洋開発、「燃える氷」の採掘技術 国産水素原料に

三井海洋開発、「燃える氷」の採掘技術 国産水素原料に
21年度に掘削実験 脱炭素に活用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ03E020T00C21A3000000/

『三井海洋開発は水素の原料となるメタンを海底から採掘する技術を開発する。日本近海の比較的浅い海底の表層部に眠るメタンが近年確認されたことを受け、石油などを海底から効率的に吸い上げる自社技術を応用する。現在、水素の調達は輸入した天然ガス由来などが一般的だ。日本近海に豊富にあるメタンを活用すれば、水素の安定確保にもつながりそうだ。

政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素…

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政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素が重要になる。

三井海洋開発は他社に先駆けて21年度に掘削実験に着手する。開発するのは海底でメタンと水分子が結びついた氷状の物質「メタンハイドレート」の採掘技術。1立方メートルから約160立方メートルのメタンガスを取り出せ、さらにメタンを分解すれば水素を生み出せる。

メタンハイドレートは天然ガスの原料として調査が進んでいたが、政府は2月の検討会で水素やアンモニアの原料として活用することにも言及した。従来は水深1000メートル程度の海底からさらに数百メートル掘ったところにある「砂層型」の研究開発が進んできた。近年になって比較的陸上に近く、浅い海底にたまる「表層型」の調査も進んでいるが、採掘技術が確立されていなかった。

両タイプとも商業利用は実現していない。このうち、三井海洋開発は表層型の採掘技術の実用化を目指す。メタンハイドレートを削った後に吸い上げてメタンガスを取り出し、海底パイプラインで陸上の基地に送り出す。

同社は石油などを掘削するために海上に設ける浮体式生産設備の世界大手。海底近くの石油や天然ガスが自噴する力をいかし、効率的に吸い上げるノウハウを持つ。メタンハイドレートも海面に近づくにつれて徐々に気化するため、培った技術を応用できるとみる。

三井海洋開発は試験機を開発し、産業技術総合研究所のプロジェクトに採択された。21年度内に北海道北見市で北見工業大学とメタンハイドレートを模した、縦横約3メートル、高さ2メートルの氷柱を使い、陸上での掘削実験を始める。

技術開発後は設備の販売などをめざす。浮体式設備の1基あたりの受注額は数百億円にのぼる見通しだ。

足元では水素の原料としては輸入に頼る天然ガスなどが多くを占め、水素原料の安定確保や価格面が課題だった。日本近海に眠るメタンハイドレートを活用できれば地政学リスクを避けながら、水素原料を調達できる。メタンハイドレートは燃やした場合に排出されるCO2が石炭や石油よりも3割ほど少ないといった利点もある。

政府は水素の導入量を50年に2000万トン程度に拡大する方針だ。そのためには価格を現状の1立方メートルあたり100円程度から、将来は20円に引き下げる必要があるとしている。メタンハイドレートについても一定の産出規模を確保し、輸入した液化天然ガス(LNG)と比べて価格面でも対抗できる水準を目指す。

三井海洋開発は採掘設備の建設や陸上までの輸送コストを含めれば、水素の調達コストは海外産を下回り、政府目標の達成に貢献できる可能性があるとみている。

水素原料の確保に向け、他のエンジニアリング会社も動く。メタンハイドレートの掘削技術の開発には三菱重工業傘下の三菱造船も乗り出している。海洋から海底鉱物を掘削する技術を応用し、掘り出したメタンハイドレートを分離装置を使って船に吸い上げる。

三井海洋開発などには新たな収益源を育てる狙いもある。主力の船舶や海洋構造物は新型コロナウイルス禍によるエネルギー需要の減少や中韓勢との競争の激化で事業環境が悪化している。脱炭素の流れで石油関連の採掘プロジェクトも減る可能性があるなか、次世代資源の開発に活路を見いだす考えだ。(西岡杏)

▼メタンハイドレート メタンと水分が結びついた氷状の物質で、「燃える氷」とも呼ばれる。天然資源が乏しい日本と国内のエネルギー需要が増え続ける中国などが技術開発を進める。「表層型」は上越沖の1カ所だけでもメタンガス換算約6億立方メートルと、日本の天然ガス消費量の約2日分の埋蔵が確認されている。同様の地質構造は日本海側を中心にほかにも1742カ所ある。

水素はエネルギー問題にとってまさに麻薬である,論理の飛躍に注目せよ

http://blog.livedoor.jp/adachihayao/

『2021年3月13日 土曜日 晴れ

昨日は新宝塚オープン参加,後半雨,今日も水素と風力発電の記事が出ている,水素はエネルギー問題にとっては一種の麻薬ですね,NHKも報道していたが,日本企業と豪州の褐炭が協力して,日本へクリーンな水素を供給するという,どの報道にも,褐炭から出る炭酸ガスの始末は,一言もなし,

中国の石油企業が2050年までに6千万トンの水素を製造する,これも放出される炭素には一言も触れていない,6千万トンというと日本の計画の3倍,2兆KWhに匹敵するが,中国の一次エネルギー消費量は30兆KWh,日本の7倍以上であるから,水素では殆ど温暖化問題に貢献できない,

水素を論ずるときには,必ずその製法を論じてほしい,どこかに矛盾があり,まさにエネルギー問題に於ける麻薬の観がある,JERAが60万KWの洋上風力計画を発表している,63機と言うから単機1万KWに近い最大級,ただ洋上風力の場合,年間発電時間は2500時間程度であることに注意』

OPECプラス減産、4月もほぼ維持 原油1年2カ月ぶり高値

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04E9D0U1A300C2000000/

『【カイロ=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日、現行の協調減産を4月もほぼ維持すると決めた。サウジアラビアは大規模な自主減産を続ける。ニューヨーク市場の原油先物は同日、一時1バレル64ドル台と前日比6%上昇し、1年2カ月ぶりの高値をつけた。

OPECプラスの閣僚は4日のオンライン協議後の声明で「4月に3月の生産水準を継続することを承認した」と表明した。そのうえで、例外としてロシアとカザフスタンにはそれぞれ日量13万バレル、2万バレルの減産縮小を季節要因を理由に認めるとした。

OPECプラスは3月、合わせて日量705万バレルの減産に取り組んでいる。毎月段階的に減産幅を縮めており、4月は50万バレル縮小するとの観測が出ていた。5月の協調減産については4月に協議する。

一方、OPECの盟主を自任するサウジは2~3月としていた日量100万バレルの独自の追加減産を4月も続けるとした。例外扱いするロシアなどの減産縮小分を上回る大規模な自主減産で、過剰在庫の取り崩しが進むとの見方が広がった。

新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、原油相場は需要回復への期待から上昇してきた。このためロシアなどは減産の緩和に前向きだ。ただサウジのアブドルアジズ・エネルギー相は閣僚協議で「改めて慎重さと警戒を促す」と述べ、産油国の油断を戒めた。自主減産の終了について判断を急がない考えも示した。

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米の空爆、日本は立場明示せず 規模限定・対イランが背景

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE2710N0X20C21A2000000/

『日本政府は米軍によるシリアの親イラン武装勢力への空爆を受け、明確な立場を示さない見通しだ。米国が「防御的だ」と主張し規模が限定的なのに加え、イランと友好関係を保つ背景もあり、当面は静観する。

茂木敏充外相は26日の記者会見で「高い緊張感を持って注視している。関係国と緊密に連携しつつ地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて外交努力を継続していきたい」と述べた。

27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢…

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27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢を注視する」と語った。同日時点で政府としての声明などは出ていない。

英国のラーブ外相は米国の行動を支持すると自身のツイッターで表明した。フランスは声明で支持を打ち出した。

過去に米軍が中東で空爆に踏み切った際には日本は米国への「理解」や「決意を支持」との表現でメッセージを発したこともあった。

2017年4月に米軍がシリアを攻撃した際は数時間後に国家安全保障会議(NSC)を開いて情勢分析をしたうえで、当時の安倍晋三首相が「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持する」と言明した。

米国の行動は「事態の深刻化を防ぐための措置だと理解している」と言及した。18年4月に米国、英国、フランスがシリアを攻撃した際も「決意を支持」との表現だった。いずれもアサド政権が化学兵器を使用したとされることに対する措置だった。

日本政府は今回は性質が異なると分析する。イラクにある米国関連施設に対するロケット弾攻撃への報復の側面が強い。米国は「防御的な精密攻撃だ」と主張する。

2国間の駆け引きでもあり「化学兵器の使用が疑われたアサド政権への攻撃とは違う」と政府高官は語る。

イランとは歴史的に関係が深く立場を鮮明にしにくい事情もある。

トランプ前政権時代の20年1月に米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した時も「支持」などの立場を明確にしなかった。米軍の攻撃の根拠が定まらなかったのも理由の一つだった。

当時首相の安倍氏は緊張が高まる状況でも中東訪問を予定通り実施して緊張緩和を周辺国に呼びかけた。

菅義偉首相は現時点で中東情勢に積極的に関与する姿勢は見せていない。新型コロナウイルスなど国内の対応に追われているのも影響する。

一方で米国はトランプ政権からバイデン政権に代わりイランと直接対話をする構えだ。そうなれば日本が間に立つ必要性が薄れる。

三菱総研の中川浩一主席研究員は「日本は石油の輸入の9割近くを中東に依存している。米国、イランなどと直接ハイレベルでやりとりして、日本の国益に関わる問題だというメッセージをもっと強く発信すべきだ」と提起する。

メキシコ国営石油ペメックス最終赤字2.4兆円 20年12月期

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2704B0X20C21A2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコの国営石油会社ペメックスが26日発表した2020年12月期決算は、最終損益が4809億6600万ペソ(約2兆4千億円)の赤字(前の期は3479億1100万ペソの赤字)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外の経済が停滞して販売が大幅に減った。

売上高は32%減の9537億3000万ペソだった。内訳は国内販売が38%減、輸出は24%減となった。

輸出した原油の平均販売価格は1バレルあたり35.82ドルと、前の期を36%下回った。10~12月期は41.29ドルで前年同期より約2割低い水準だった。

20年12月末時点の負債総額は2兆2587億ペソと、1年前から14%増えた。財務体質の悪化は深刻で政府による減税などの支援を受けているが、改善への道筋は明確になっていない。

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国内最大級の水素製造プラント 伊藤忠、仏大手と提携

国内最大級の水素製造プラント 伊藤忠、仏大手と提携
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ186ZE0Y1A210C2000000/

『産業ガス世界大手の仏エア・リキードと伊藤忠商事は2020年代半ばに、世界最大級の液化水素製造プラントを中部地方に設置する。液化天然ガス(LNG)から製造する方式を採るとみられ、現状よりも価格を抑えながら燃料電池車(FCV)など向けに供給する。世界が水素活用の取り組みを加速する中、普及のカギを握る水素生産の体制作りが国内で本格化してきた。

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脱炭素で脚光 水素ビジネスまとめ読み

政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素…

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政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素を有力な脱炭素エネルギーと位置づけている。同戦略では30年に年間最大300万トンの水素供給を掲げており、実現に向けた供給整備が課題になっている。現状、日本で供給される水素の大半は産業用途の圧縮水素だが、大量輸送が可能なことなどからエネルギー利用は液化水素が今後の本命技術で、エア・リキードと伊藤忠の連合も液化に対応する。

このほど日本での水素供給網の構築を巡る戦略的協業の覚書を結んだ。新プラントが生産する1日あたりの液化水素はFCV4万2000台分をフル充填できる約30トンを想定。現在、国内での液化水素は岩谷産業を中心に1日約44トン程度が生産されており、これに匹敵する規模となる。

投資額はエア・リキードが米ネバダ州で約200億円を投じて建設している世界最大級の液化水素プラントと同等規模になる見通しだ。水素の製造方法はLNGを水素と二酸化炭素(CO2)に分解する方式を軸に検討する。製造段階で発生するCO2は回収し、飲料品向けの発泡剤やドライアイスなど工業用途で外部に販売する。

セ氏0度、1気圧、湿度0%の基準状態での体積をノルマル立方メートルと呼ぶが、1ノルマル立方メートルの水素単価が足元で100円程度なのに対し、政府は30年に3分の1以下となる30円の水準とすることをめざしている。

大規模設備で水素普及の壁となっているコストを削減する。現在、LNGからつくる液化水素はCO2の回収費用も含めて1キログラムあたり1100円前後の最終価格で企業間取引がされている。水素を用いた発電コストを電力換算(1キロワット時)すると約52円と一般電力の約2倍する。エア・リキードなどは1000円以下での提供を目指す。

水素の供給先は国内にある自動車向けの水素ステーションを見込む。20年12月時点で国内の水素ステーションは137カ所あるが、政府は30年に900カ所に引き上げる方針だ。現在FCVの国内保有台数は4000台程度だが、伊藤忠ではトラックなど商用車を含めたFCV市場が膨らむと想定し水素供給のビジネスを強化する。

火力発電や製鉄業界に対しても水素の利用を促していく。石油化学業界など工業向けとあわせエア・リキードと連携して販路を開拓する。

水素普及で先行する欧州連合(EU)は20年7月に「水素戦略」を公表した。EUはCO2を発生させないように再生可能エネルギーを使って水を電気分解し水素を得る「グリーン水素」に注力している。30年にグリーン水素だけで1000万トンの導入を目指す。1キログラムあたり300~700円で製造できるとされる。

日本でも福島県に再生エネを活用して水素を製造する世界最大級の設備があるが、再生エネのコストが高い日本で欧州並みを実現するには時間がかかる。当面は化石燃料由来の製造法で水素普及を急ぐ。

エア・リキードは水素製造では独リンデなどと並ぶ世界大手。20年12月期の連結純利益は3100億円、売上高は2兆6000億円だった。水素ステーションでも世界に存在する約500カ所のうち約120カ所を設置している。日本国内でも13カ所を運営し、22年中に4カ所を新設する。

カーボンゼロ
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Itochu-and-France-s-Air-Liquide-to-build-giant-hydrogen-plant?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia

「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去

「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH242K60U1A220C2000000/

『サウジアラビアの元石油相で、産油国の石油戦略を主導したアハマド・ザキ・ヤマニ氏がロンドンで死去した。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

1973年10月、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が始まった。これにあわせて、サウジなど中東産油国が原油の公式販売価格を引き上げ、アラブの敵対国には禁輸を打ち出したことで、世界中にパニックが広がった。パレスチナを…

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パレスチナを解放する「アラブの大義」のために、石油を武器に使ったのである。

第1次石油危機を招いた戦略の中心にいたのがヤマニ元石油相だ。ただ、ヤマニ氏の評価すべき点はむしろ石油危機後にある。

ガランとした紙、洗剤売り場で買いだめをする人たち(1973年12月)

70年代から80年代初めの2度の石油危機を経て、産油国が石油を戦略商品として使う弊害が表れた。消費国はサウジなど中東産油国が主導する石油輸出国機構(OPEC)への依存を敬遠し、北海やメキシコ、米アラスカなどOPEC以外の産油量が増えた。石油以外へのエネルギー転換や省エネも進んだ。

ヤマニ氏は83年、「値下げは唯一の方法である」と発言し、原油価格の引き下げを初めて決断する。OPECの変遷を見続けてきた帝京平成大学の須藤繁教授は「ヤマニ氏は人為的な石油価格引き上げは消費国の石油離れを招く。石油資源の最後の一滴まで有効利用することがサウジの国益にかなうとの認識に立ち、市場安定を重視する路線の礎を築いた」と指摘する。

代償も大きかった。「逆オイルショック」といわれる80年代の供給過剰と原油価格の低迷の局面で、市場の調整役(スイングプロデューサー)を自任するサウジは率先して減産を繰り返した結果、ピーク時に日量1000万バレルを超えていた生産量は同300万バレルを切る水準まで落ち込んだ。石油収入に頼るサウジの財政は打撃を受けた。

20年以上にわたり石油政策を担ってきたヤマニ氏は86年、事実上この責任を取る形で、「ねぎらいの言葉もなく、更迭ともとれるやり方」(須藤教授)で解任された。

サウジでは石油は国家運営の最重要部門であるために、司令塔となる石油相には石油と市場を熟知する非王族のテクノクラートがついてきた。ヤマニ氏は第3代国王であるファイサル国王に重用され、その下で手腕を振るったが、国王は75年に暗殺される。その後の国王とそりがあわなかったとの見方もある。

サウジのヤマニ元石油相(1982年)=ロイター

ヤマニ氏は2009年7月、日本経済新聞のインタビューで「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。(青銅器や鉄など)石器に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ」と語った。

「ヤマニの箴言(しんげん)」の通り、今日、速度を上げる脱炭素のうねりはエネルギー秩序を崩し、石油の富を享受してきた産油国に対応を迫っている。変革の先にどのような世界が待っているのか。それを見ることなく「石油の巨人」は去った。