歴史的な寒波によりヨーロッパ各地で農産物に回復不能のカタストロフ的被害

歴史的な寒波によりヨーロッパ各地で農産物に回復不能のカタストロフ的被害。フランスではワイン用の作物のほとんどが失われ、スロベニアでは過去100年で4月として最低の気温を記録
投稿日:2021年4月14日
https://indeep.jp/catastrophic-damage-to-agricultural-products-across-europe-due-to-historic-cold/

『21世紀にも20世紀にも経験したことのない欧州の被害
先週書きました記事「4月に入り過去最大の感染確認数を記録する国が続出…」の冒頭で、ヨーロッパが「過去の歴史にないような 4月の寒波に見舞われる可能性がある」ことにふれました。

通常なら北極の上空を循環している極めて冷たい大気が、気圧の異常な配置により一気にヨーロッパに流れることによるものです。

その後、予測されていた寒波がヨーロッパにやってきたのですけれど、その気温の低さは桁外れであり、ヨーロッパ各地で、農産品や果樹などが徹底的に破壊されたことが報じられていました。

4月8日 イタリア・パラゼッタで凍結したリンゴの木を見つめる生産者

Piero Cruciatti AFP

国や地域によっては、過去数十年、あるいは過去 100年などで経験したことのない春の寒波であり、しかも「第二弾がこれから来る」のです。

これらの寒波は、今年のヨーロッパの食糧生産の状況に大きく関わるものとなりそうで、この数年少しずつ破壊され続けている世界の食糧の問題とも直結する話にもなりそうです。

今回はそのヨーロッパの寒波について取り上げます。

いろいろな国が被害を受けていると思われますが、フランスは特に大きな被害を受けたようです。ワイン用のブドウが地域的に「最大 90%が霜により破壊された」ことが報じられています。

以下は、4月11日のユーロニュースの報道です。

「歴史的な」厳寒の攻撃がフランスのワインメーカーの収穫を破壊した
‘Historic’ bout of frost decimates French winemakers’ harvest
euronews.com 2021/04/11

凍結からブドウ畑を守るためにワラに火をつける生産者。4月7日 フランス・トゥレーヌ

フランスの果物生産者たちとワインメーカーは、今年の収穫の大部分が今週の凍結で失われたと警告している。

フランス農業組合連盟(FNSEA)は以下のように強調した。

「今回の凍結で、ビート、アブラナ、オオムギ、ブドウの木、果樹などの被害を免れた地域はフランスにはありません。生産者たちに対してのあらゆる種類の支援を緊急に活性化する必要があります」

この週を通して、フランス中の生産者たちはたいまつとロウソクで畑で火を燃やすことによって、凍結から収穫を救おうとしたが、その努力は報われなかった。

ドロームとアルデーシュの南東部では、4月7日の夜に気温が -8°Cまで下がった。その前の週は、ヨーロッパは温暖な気温に恵まれていたため、たった 10日間で、この地域の気温は 33℃低下した。

地元のワインメーカーと果物生産者たちは、収穫量の約 90%を失ったとフランス農業組合連盟に報告した。

ローヌワインで知られるフランス南部のローヌのワイン生産者協会の会長であるフィリップ・ペラトン氏は、「今年は、過去 40年間で最低の収穫になるはずだ」と述べる。

ペラトン氏は、この地域の約 68,000ヘクタールのブドウ畑のうちの約「 80パーセントから 90パーセント」が凍結で失われたと推定している。

ペラトン氏は、昨年以来の、ブレグジット、アメリカの関税の問題、COVID-19 パンデミックなど、最近フランスのブドウとワインの生産者たちが対処しなければならなかった複数の問題を強調し、そのすべてが販売と輸出に圧力をかけていた。

ワインで著名な地域のひとつであるブルゴーニュには、28,841ヘクタールのブドウ畑があるが、「少なくとも 50パーセント以上の被害を受けた」と、地域の代表者は述べる。

この地域の権威あるシャブリの原産地も荒廃した。シャブリの原産地防衛連盟事務所のフレデリック・ゲグエン氏は、「 80から 90パーセント被害を受けた」と推定している。そして、ゲグエン氏は以下のように懸念している。

「今後回復する見込みのない農場があるのではないかと心配しています」

ブルゴーニュの南部も -8°Cの気温を記録した。

フランス南西部のボルドー地域のワインメーカーも警鐘を鳴らしている。

ボルドーワイン貿易評議会によると、凍結はボルドーのブドウ園の広大な地域を「激しく襲い」、気温が -5°Cを下回ることもあり、111,000ヘクタールのブドウ畑すべてに影響を及ぼした。これは、フランスのブドウ園の 15%に相当する。

ドルドーニュでは、有名なモンバジャックを含むベルジュラックとデュラスのブドウ園があるが、「被害を免れた生産者は一人もいない」と、地元のワイン連盟の会長であるエリック・チャドゥーン氏は述べる。「被害の程度はさまざまだが、芽の 5%から 100%が被害を受けている」と付け加えた。

フランスでは、他の果実も影響を受けており、リンゴとナシのフランス全国協会の会長は、寒波により「今年は桃、ネクタリン、アプリコットが店舗の棚に並ぶことはほとんどないだろう」と述べた。

フランス農業相は、この遅い時期の凍結の例外的な影響を受けた生産者たちに政府は「必要な支援を提供するために完全に動員されている」と述べている。

ここまでです。

「 2021年産のフランス産ワインというものは、ほぼ存在しない」ことが確定的になったようです。

被害を受けた生産者に対して、フランス政府からの補償はなされるようですが、補償はともかく「生産品自体がない」ということになり、ブドウをはじめとするフランス産の果樹全般が今年は流通する見込みはなさそうです。

フランスは、ワインの著名な生産国であるので、このような報道がなされていましたが、実際には「このような凍結と寒波がヨーロッパの広範囲を襲った」ということが問題であり、4月はさまざまな農作物の植え付けなども始まった時期であり、その被害はヨーロッパ全体に広がっているとみられます。

たとえば、他のヨーロッパでも以下のような状態となっていました。

ベルギーでは、ブリュッセルを含む多くの都市の住民が本物の猛吹雪を目撃した。ベルギーの一部の地域では、20cm以上の雪が振った。

バルカン半島もまた 「4月の真冬」を経験した。西ヨーロッパを襲った北極圏の大気は、さらに南東に広がり、ブルガリアとルーマニアの山々での 4月9日の夜、気温は -17°Cにまで下がった。 (iceagenow.info)

スロベニアでは、4月として、過去 100年で最も低い気温が記録されました。

4月7日、スロベニアの多くの地域は、過去 100年で最も寒い 4月の朝を向かえた。公式の気象観測所の記録で、最低気温は -20.6°Cに達し、観測史上で 4月で最も低い気温記録を樹立した。中央および西ヨーロッパの他の地域でも多数の極寒の記録があり、深い凍結と朝の霜は破壊的なものだった。

スロベニアでは、同日、レッジェ市にある気象観測所で -26.1°Cの気温が記録されたが、この観測所は非公式の気象観測であるため、公式な記録にはならない。

過去のスロベニアの公式の最低気温の記録は、1956年4月9日に標高約1350 m にあるポクルジュカで記録された -20.4°Cだった。 (severe-weather.eu)

以下は、そのスロベニアのノバ・バスという場所で -20.6℃が記録された時の、ヨーロッパの気温分布ですが、スペイン、ポルトガルやギリシャなどを除けば、ヨーロッパの全域とも言える地域が、極大の寒波にさらされていたことがわかります。

2021年4月7日のヨーロッパの最低気温の分布

severe-weather.eu

フランスの壊滅的な農産物の被害からですと、他のヨーロッパ諸国も、地域的には壊滅的な被害となっている場所もあると見られます。

しかも、「次の同じような寒波が今、ヨーロッパにやってきている」のです。

ヨーロッパの主要な気象メディア「シビア・ウェザー・ヨーロッパ」は、4月12日の記事で、またも前回の同じような地域に同じような凍結と寒波が襲う事を報じています。

長い記事ですので、その一部をご紹介します。

原文タイトルの最初に「 Oh no (オーノー)」という文字が含まれる記事でした。』

天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網

天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網
フランクフルト支局 深尾幸生
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR068U30W1A400C2000000/

『ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐってドイツと米国の摩擦が続く。だが、欧州全体を俯瞰(ふかん)すると、このパイプラインだけでなく天然ガスそのものへの風当たりが強くなっている。つい数年前までクリーンなエネルギーとして期待された天然ガスだが、世界が炭素ゼロへ急加速するなかで「化石」のラベルを貼られつつある。世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大…

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世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大きい。

「直ちにパイプラインの作業を放棄すべきだ」。3月、米バイデン政権は明確にノルドストリーム2に反対する意向を打ち出した。トランプ前政権からの懸案はバイデン政権にも引き継がれ、制裁を排除しない構えだ。ノルドストリーム2は年内の完工をめざし9割以上が建設済みだ。ドイツは原子力発電と石炭火力の終了を決めており、天然ガスの重要性は増すとして米国との妥協を模索する。

だが、独米ロの政治的思惑とは別のところでもその意味合いは変わりつつある。
「ガスは終わった」とEIB総裁

「控えめに言って、ガスは終わった」。1月、欧州連合(EU)の政策金融機関、欧州投資銀行(EIB)のベルナー・ホイヤー総裁は記者会見で言い切った。「(ノルドストリーム2のことは)ベルリンが決めること」と述べたものの、「脱ガスは過去からの重大な離別だが化石燃料の使用をやめなければ気候目標を達成できない」と強調した。

EUは2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)を目指すべく、30年の削減目標を強化している。インフラは耐用年数が長いため今から化石燃料への投資をやめないと50年のゼロは達成できないというのがホイヤー氏の発言の趣旨だ。

発電や都市ガスに使われる天然ガスは燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が石炭より約4割、石油より約3割少ない。温暖化対策の有力な選択肢として期待が集まり開発やインフラ整備が進んだが、早くもその地位が揺らぎ始めた。

ノルドストリーム2が領海を通るデンマークは20年12月、北海での石油・ガス開発・生産を50年までに終了すると発表し、新たな入札を中止した。スウェーデンやフランスの公的金融部門でもガス開発プロジェクトなどへの支援の終了時期を定める動きが広がる。

ガスの将来性に決定的な影響を与えかねないのが、EUが近く立法する「タクソノミー規制」だ。タクソノミーは持続可能な経済活動を分類し定義する。つまり、気候変動の緩和の目標に照らしてどの技術が投資対象などとしてふさわしいかを定めるものだ。

20年11月に公表された原案では、ガス火力発電はCO2排出の基準値を満たすものだけ適格と見なされると記載された。そのための基準値が発電1キロワット時あたり100グラム未満と非常に厳しい。最新鋭のガスタービンコンバインドサイクルシステムでも310~340グラムと、既存技術では不可能な水準だ。まだ確立していないCO2を回収・貯蔵する技術(CCS)などと組み合わせるしかない。

原案の公表以降、ガス業界や一部の加盟国から見直しを求める意見が噴出し、利害を反映するための最終調整が進められている。3月下旬にはガス火力の基準は緩和される方向で検討されていることが明らかになり、一部の欧州議会議員などが「科学的ではない」と反発している。EUは4月末にも最終案をまとめる見通しだ。
理想と現実のバランスは

企業の間でも、とりわけ新設に対しては対応が分かれる。独シーメンスの火力発電機部門が分離したシーメンス・エナジーは、石炭火力の新設からの撤退を決めた。だが、ガス火力は今後も新設需要は旺盛とみる。同社の取締役会を監督する監査役会のジョー・ケーザー会長は日本経済新聞のインタビューに対し、「ガスはエネルギーと電力を確保するための中期的に現実的なソリューションだ。企業は現実と理想のバランスをとる必要がある」と述べた。

一方、独電力大手のRWEは40年までにガス火力発電からも撤退する。次期社長のマルクス・クレッバー氏は取材に「ガスへの需要は北米や欧州、アジアの主要市場では30年ごろ縮小に転じる」と語った。風力などの再生可能エネルギーの方が発電コストが安いためで原則、新設はしない。ガスは冬場に数週間、風力と太陽光の電力が足りなくなることなど緊急時に備えるためだけに残るとみている。

日本企業にとっても対岸の火事ではない。EUのタクソノミーは、EU域内で操業する外国企業も適用対象との議論もあり、日本企業が開示義務の対象となる可能性がある。機関投資家の銘柄選定に影響を及ぼすことも必至だ。また、EUは19年に持続可能なファイナンスについての国際的なプラットフォームを立ち上げており、国際的な基準作りへも影響を及ぼそうとしている。

ガスが化石燃料であることは避けようがない事実だ。一方でエネルギーの多様化と安定供給の重要性は変わらない。例えばCCSのような、CO2を確実に回収し閉じ込められる技術を、競争力のあるコストで確立できるかどうかがガスの将来を左右する。いずれは再エネ由来の水素に置き換わるとしても、過渡的な役割がいつまで続くのかの見極めも重要になる。

「夢の燃料」水素の覇権競う 米欧中日、供給網で火花

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ281EP0Y1A320C2000000/

『脱炭素時代の「夢の燃料」と期待される水素。石油製品のように世界中で使われるようになるには、サプライチェーン(供給網)づくりが欠かせない。米国、欧州、中国、そして日本の4軸を中心にじわりと広がる水素供給網をひもとく。

供給網とはモノを「つくる」「運ぶ・ためる」「売る」「使う」の4つの目的をつなげる大きな商流を指す。水素の供給網を広く、太くする試みが世界各地で始まっている。「つくる」の世界3強は米エア…

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「つくる」の世界3強は米エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、仏エア・リキード、独リンデ。いずれも産業ガス大手だ。

エア・リキードの年間生産量は重量換算で約120万トンに相当する140億立方メートル。日本国内の水素供給量全体の半分以上を1社で賄える。リンデは独東部ライプチヒの近くに100キロメートル超の水素パイプラインを持つ。エアープロダクツ社は米西部カリフォルニア州、南部ルイジアナ州やテキサス州に総延長500キロメートルを超えるパイプラインを整える。いずれも水素を成長分野とみて海外展開にも積極的だ。
エア・リキードは神奈川県横須賀市に研究開発拠点を持つ

3強に続くのは中国勢だ。東華エネルギー(江蘇省)はプロパンガスから、美錦エネルギー(山西省)は石炭をガスに加工して水素を取り出す。

水素は製造過程によって大きく3つに色分けされる。天然ガスなどの化石燃料から取り出してつくる水素のうち、製造過程で出るCO2を大気中に放出するものを「グレー水素」と呼ぶ。CO2を回収・貯蔵すると「ブルー水素」、再生エネルギー由来の電気で水を分解してつくるのが「グリーン水素」だ。グリーン、ブルー、グレーの順番で環境に優しく生成コストは高い。

3強や中国勢など、多くの水素関連企業はまずグレーやブルーを使って水素の需要を増やし、市場をつくりながら技術開発を進める絵を描く。

グリーン水素の開発競争も活発になってきた。ここには技術で先行した日本勢が多くからむ。旭化成エンジニアリングは福島県浪江町の水素関連施設向けに、世界最大級の製造装置を開発した。日立造船や東芝エネルギーシステムズも既存設備の増強を進める。欧州勢では独シーメンス・エナジーやノルウェーのネルなどが装置の大型化を進める。英ITMパワーは住友商事と提携し、市場開拓へタッグを組む。

製造拠点から「運ぶ・ためる」のにも技術が必要だ。水素は気体の中でも軽く、一度に運べる量が少ない。貯蔵しやすいように液化するにはマイナス253度まで下げた状態を長時間維持しないといけない。気体のまま圧力をかけてボンベやコンテナに入れる方法もある。各社は場所や時間、量に応じて最適な方法を模索している。

川崎重工業はオーストラリアから日本に水素を運ぶ世界初の液化水素運搬船を開発した。2030年までに大型化して商用化を目指す。千代田化工建設は水素とトルエンを化学反応させてメチルシクロヘキサン(MCH)という液体にして運ぶ技術を開発した。
川崎重工業の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」

MCHにすれば既存の石油タンクやタンカーを使え、安全性も高い。ブルネイで水素をつくり、MCHで川崎市の製油所に運んで水素とトルエンに分ける。水素は発電に使い、トルエンはブルネイに戻して再び水素の運搬に使う循環の仕組みを整えた。

運んだ水素は「売る」企業に渡される。販売場所の代表格は水素ステーションだ。水素を動力源にする燃料電池車(FCV)の普及をにらみ、水素ステーションを建てる動きが国内外で広がってきた。

ENEOSホールディングスは20年10月時点で44カ所の水素ステーションを持つ。22年春からは愛知県と神奈川県の2つの給油所内に水素充塡設備を導入する方針だ。既存の給油所を生かしてコストを抑える。岩谷産業は20年度末で約50カ所に展開する。コンビニエンスストア併設型や移動式など立地条件に合わせて今後も増設していく。
ENEOSホールディングスが横浜市内で運営する水素ステーション

韓国SKグループは1兆6000億ウォン(約1550億円)で水素関連企業の米プラグパワーの株式9.9%を取得した。プラグパワーは1997年設立。液化水素プラントや水素ステーションといった水素燃料の供給網の構築でノウハウを持つ。これを取り込み、25年までに水素ステーションを100カ所整備する。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは独ダイムラー・トラックやスウェーデンのボルボなどとインフラ整備などで手を組む。

中国では手厚い補助金を受け、上海舜華(上海市)などが整備に力を入れる。国有石油大手の中国石油化工(シノペック)は3月末、25年までに1000カ所の水素ステーションを設置する計画を表明した。

「使う」先は主にFCVだ。水素と酸素の反応で発生する電気で走り、走行時に出るのは水だけ。技術の先頭をトヨタ自動車が走る。14年に世界初のFCV「ミライ」を世に送り出した。ホンダは16年に「クラリティ フューエル セル」を発売した。欧米や中国メーカーが電気自動車(EV)に注力する中、日本勢は実用化で一歩先を行く。

トヨタとホンダの国内販売台数は合計でも数千台にとどまる。今のペースでは、政府が掲げる「30年に80万台」との目標には遠く及ばない。中国は35年までにFCV100万台の普及をめざす。欧州連合(EU)は30年までにEVやFCVなどで3000万台の普及を打ち出す。

供給網は市場が大きい地域を軸につくられる。技術で先を行く日本勢がいつの間にか海外勢に追い越される――。童話「ウサギとカメ」のウサギに日本がならないように、企業は技術革新を推進する。政府は効果的な補助金や国際連携で普及を支える。技術革新のうねりを超え、水素先進国になるために待ったなしの課題だ。

カーボンゼロ
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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説

CO2フリー水素のサプライチェーン構築を巡っては、記事の通り、日米欧中国の4軸が主導権争いの鎬を削る激しい競争状況にある。ただ日本にとって、世界にとって、水素の国際サプライチェーン構築に関しては、資源国とアジアという別の軸も極めて重要である。CO2フリー水素は様々な方法で製造可能だが、化石燃料由来のブルー水素・アンモニアの供給力確保という面で、中東・ロシア・豪州等の資源国は重要な役割を果たす。また石炭火力への依存が高いアジア諸国において、ブルー水素・アンモニアの混焼・専焼化で火力のゼロエミッション化に向かうことはアジアの脱炭素化のコスト効率的推進にとって重要で世界的にも極めて有意義だ。
2021年4月12日 8:16

〔ナゴルノカラバフ戦争の実相〕

今回、現代戦争史上初めて、一国軍の損害の過半が、相手軍の無人システムによってもたらされた。
https://st2019.site/?p=16543

『Nicole Thomas, LTC Matt Jamison, CAPT(P) Kendall Gamber, and Derek Walton 記者による2021-4-4記事「What the United States Military Can Learn from the Nagorno-Karabakh War」。
   ナゴルノカラバフ自治区は、80年代にソ連が設けた。アゼルバイジャン領内でありながら、住民の95%がアルメニア人なので。
 ソ連が崩壊すると、ナゴルノカラバフの住民はアゼルとの完全分離・独立を欲した。

 こうして自治区軍 vs.アゼル政府軍の内戦が始まった。ロシアは双方に武器と傭兵を供給した。
 1994にロシアは両者を手打ちさせた。しかし双方が不満だった。いらい、協定侵害行為は7000を数えるという。

 2016-4に「四日間戦争」勃発。
 この結果は、アゼルバイジャン政府に、武力行使だけが情況を好転させると確信させた。
 そして4年間、イスラエルやトルコと組んで熱心に軍備改革を進めた結果が、2020に実ったといえる。

 2020年の短期決戦は、スタートから44日間で停戦となった。アゼルは、ナゴルノカラバフの「三分の一」を武力回収できた。

 2020-9-27の開戦からわずか6日目にして、アゼル軍は、250両のAFV、ほぼ同数の砲兵、39の防空システム(その中には、ロシア版ペトリオットである S-300×1も)を、破壊したと公報主張。

 アルメニア軍は、アゼル軍のUAVのために武装解除されようとしたのであった。

 アゼルとトルコの紐帯は強力だ。言語が相通ずる。そしてアゼル難民が大量にトルコ領内に居る。だからトルコ人の意識では、アゼルは近隣国だが、ネイションとしては別ではなく、ひとつだ、と思う。
 いま、アゼル国内にはトルコ国旗がひるがえりまくっている。

 アゼルがソ連邦から離れたとき、アゼル政府は「汎トルコ」アジェンダを掲げた。
 このイデオロギーが、トルコからのあらゆる援助を惹き付けた。

 1992にトルコとアゼルは軍事援助、訓練支援、合同演習に関して合意。
 さらに1999に両国は、経済開発の共通ゴールを策定した。

 トルコ、アゼルバイジャン、ジョージアは、カスピから地中海に達する原油パイプラインを共同運営している。BTC(三国の首府の頭文字)ライン、という。

 このパイプラインを通じて原油を西側に好きなように売れるために、アゼルの収益はものすごいことになった。2011年の統計では、アゼル人ひとりあたりの平均年収は7190ドル。アルメニア人は3526ドル。ジョージア人は4022ドルだ。

 ありあまる資金をアゼル政府は兵器調達に突っ込んだ。2006~2019の総額でみると、アゼルは290億ドルを軍備に投資した。かたや同期間のアルメニアは60億ドルである。

 15年間経済が成長し、余剰資金を軍備に傾注し、トルコを同盟者にもった強みが、とうぜんのように発揮されたのである。

 10種弱の無人機をアゼル軍は揃えている。今次紛争で最も活躍したのは、トルコ製の「バイラクタル TB2」であった。同機は、小型のレーザー誘導兵装(スマート・マイクロ・ミュニション)を4発、翼下に吊下できる。
 加えて、イスラエル製の自爆無人機を2種類、使った。「ハロプ」と「スカイストライカー」である。

 また「オービター1K」もカミカゼドローンとして用いた。
 ロシア製の古い「AN-2」有人機(複葉)を、無人ISR機や無人自爆機に改造したものも、複数機、投入した。

 アルメニア軍も無人機を有していたが、いずれも国産の小さなもので、偵察任務以上の仕事はできなかった。※まさしく今の自衛隊の現況だろ、それ。

 アゼル軍はまず、低空を低速で飛行できる「AN2」を囮として敵SAM陣地上空に放ち、敵SAM陣地の所在を確認した。その確認位置に対して「TB2」や自爆型無人機が差し向けられ、高空から精密攻撃した。

 つまりワイルドウィーゼルの仕事をぜんぶ、無人機のセットだけでやり遂げたのである。

 もうひとつ特筆されること。今次ナゴルノカラバフ戦争では、回転翼機の出番は無かった。

 「TB2」の高度は十分に高く、旧ソ連製の「2K11」「9K33」「2K12」「9K35」といった地対空ミサイル・システムでは、探知ができても撃墜までは無理であった。

 ロシアがアルメニアに供給していた「Polye-21」というECM装置は、アゼルのドローンを妨害した。ただし、さいしょの4日間だけであった。

 「Buk」と「トール」の2つのSAMシステムは、紛争の後半になってロシアから供給され、アゼルのドローンを数機、撃墜できたようである。しかし日が経つにつれて、これらのSAMシステムも、無人機のために撃破されて沈黙した。

 「S-300」はそもそも対無人機の機能を期待されておらず、開戦早々にロイタリングミュニションの餌食になった。

 アゼル軍は特殊挺進隊を開戦の数日前からアルメニア占領区内に浸透させ、空き家のなかなどで待機させていた。「破壊活動グループ」と称していた。

 アルメニア側では、「アルメニア人ではない謎の人々が町の中に住みつき始めた」ということだけは、わかっていたという。

 「破壊活動グループ」は、攻撃型無人機の兵装誘導補助だけでなく、精密誘導ロケット弾の火力要請もした。空地連絡係でもあったのだ。
 ※そしてじつはトルコ人であったというオチか。

 要するにNATO軍がアフガン討匪作戦で磨き上げた、挺進火力誘導員の仕事を、アゼル兵はきっちりとこなした。レーザー照準/標定装置を携行していたことは言うまでもない。

 現地ナゴルノカラバフは高山帯であって、戦車などは高速で所要点まで移動ができない。よって、歩兵+無人機のコンビが最強なのである。

 留意が必要なこと。現地は植生が乏しい。そのため対空偽装が簡単にはできない。これが無人機側をとても有利にした。地上の敵軍配置を、高空から確実にみきわめることができた。

 偵察用無人機は、「精密グリッド・コーディネーション」を味方ロケット砲兵に提供することができた。アゼルの長射程砲兵は、連絡された座標から10m以内に着弾させることができた。

 両国側によって公表されているビデオは、双方ともに地上軍の偽装についてはアマチュア級であったことを教えてくれる。どちらの軍も、上空からは丸見えに等しかった。

 無思慮に開闊地に展開しようとし、同じ場所に何十分もとどまっていたり、移動が平時ペースのノロノロ運転であったり、人員・車両・装備を蝟集させすぎていた。それで偽装ゼロなのだから、対地攻撃機にとっては好餌以外のなにものでもなかった。

 AFVが新式であるか旧式であるかは、何の関係もなかった。AFVの中に乗っている人間が、空からの脅威を油断なく意識できていたかどうかが、生死を分けている。上空の脅威に対する直感が働かない乗員は、乗っている高額な高性能戦車もろともに、吹き飛ばされた。

 アゼル側は、所定の高価値目標を爆砕してしまうや、すぐに、次等の価値ある目標を即興で探し当てて、その場で無人機で攻撃できることが、ビデオからよくわかる。
 このことはまた、トルコとイスラエルから供給されている精密弾薬/自爆無人機の数がおそろしく豊富で、タマ惜しみをする必要がアゼル側にはなかったことも教えてくれる。ふつうは、数人ばかりの兵隊がこもる塹壕をレーザー誘導爆弾で狙ったりしないものである。

 『ナショナル・インタレスト』のエピスコポス記者は、トルコ軍は事実上、参戦していたと断言する。特殊部隊員や、トルコが雇い挙げたシリア人傭兵を、戦線へ派遣していたと。』

バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

メキシコ、エネルギーで国営企業優遇 民業圧迫の恐れ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29CK10Z20C21A3000000/

『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコ政府がエネルギー分野で国営企業の優遇を加速している。原油の輸出入や給油所の運営で民間企業の許認可を停止できる改正法案を議会に提出したほか、電力取引で国営企業が有利になる法改正も実現した。民業圧迫が進み、外資企業のメキシコへの投資にも影響しそうだ。

26日に提出した炭化水素法の改正案によると、民間企業が持つ許認可を政府の判断で停止できる。安全保障やエネルギー、経済…

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安全保障やエネルギー、経済への差し迫った危機が予見される場合が対象だ。許認可の停止中は、民間企業が使う施設の管理を国営企業に委ねることも可能になる。与党は上下院とも過半数を押さえており、改正案は成立する可能性が高い。

ロペスオブラドール大統領は29日の記者会見で「ガソリン供給を保障するために国営石油会社ペメックスを守らなくてはならない。外国企業に依存することはできない」と述べた。18年の選挙で政権交代を実現したロペスオブラドール氏は、保護により国営企業の業績を改善する方針だ。

民間企業は炭化水素法の改正案に批判的だ。有力経済団体メキシコ経営者連合会(COPARMEX)前会長のグスタボ・デオジョス氏は「法の安定性を壊し、企業を攻撃している」とツイッターに投稿した。メキシコ競争力研究所(IMCO)は「法案が議会を通過すれば、競争力にはマイナスとなる」と指摘した。民間企業からは法改正を差し止める訴訟が相次ぐ可能性がある。

国営企業優遇は石油にとどまらない。今月初めには国営電力公社CFEを優遇する電力産業法の改正案が議会を通過し、9日に公布した。CFEが電力不足を補うために結んだ契約をあとから変更できるなど、民間企業に不利な内容をふくむ。

メキシコではエネルギー部門の非効率さが長年の課題となってきた。12~18年のペニャニエト政権はエネルギー市場の民間開放を進め、多くの企業が給油所の運営や開発に参入した。ロペスオブラドール氏は民間活力を重視した前政権の路線を相次いで見直し、国営企業を保護している。

一連の施策はメキシコの外資誘致には逆風となる。世界銀行が毎年公表するビジネス環境ランキングで、メキシコは20年に60位と19年の54位から順位を落とした。

【関連記事】
メキシコ、電力産業法を国営優先に改定 日本企業も懸念
メキシコ国営石油ペメックス最終赤字2.4兆円 20年12月期

〔メタンハイドレート、再び〕

※ 久々で、「メタンハイドレート」の話しを聞いた…。

※ 過去の投稿から、再掲する…。

日本国は、エネルギー資源大国になるのか…。
https://http476386114.com/2019/02/13/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%af%e3%80%81%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%bc%e8%b3%87%e6%ba%90%e5%a4%a7%e5%9b%bd%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%80%82/

世界のメタンハイドレート開発の現状
https://http476386114.com/2019/02/15/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%81%ae%e3%80%80%e7%8f%be%e7%8a%b6/

※ ということで、「潜在的な有望エネルギー資源」であることは、確かだ…。

※ しかし、これまでは、到底「採算ベース」に乗せることは、難しかろう…、ということだった…。

※ だが、「温暖化対策」「脱炭素」「グリーン・エネルギー」ということで、風向きが少し変わってきた…。

※ 政策の優先順位が、違ってきた…。ドンドン、予算も投入される流れとなってきたようだ…。

三井海洋開発、「燃える氷」の採掘技術 国産水素原料に

三井海洋開発、「燃える氷」の採掘技術 国産水素原料に
21年度に掘削実験 脱炭素に活用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ03E020T00C21A3000000/

『三井海洋開発は水素の原料となるメタンを海底から採掘する技術を開発する。日本近海の比較的浅い海底の表層部に眠るメタンが近年確認されたことを受け、石油などを海底から効率的に吸い上げる自社技術を応用する。現在、水素の調達は輸入した天然ガス由来などが一般的だ。日本近海に豊富にあるメタンを活用すれば、水素の安定確保にもつながりそうだ。

政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素…

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政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素が重要になる。

三井海洋開発は他社に先駆けて21年度に掘削実験に着手する。開発するのは海底でメタンと水分子が結びついた氷状の物質「メタンハイドレート」の採掘技術。1立方メートルから約160立方メートルのメタンガスを取り出せ、さらにメタンを分解すれば水素を生み出せる。

メタンハイドレートは天然ガスの原料として調査が進んでいたが、政府は2月の検討会で水素やアンモニアの原料として活用することにも言及した。従来は水深1000メートル程度の海底からさらに数百メートル掘ったところにある「砂層型」の研究開発が進んできた。近年になって比較的陸上に近く、浅い海底にたまる「表層型」の調査も進んでいるが、採掘技術が確立されていなかった。

両タイプとも商業利用は実現していない。このうち、三井海洋開発は表層型の採掘技術の実用化を目指す。メタンハイドレートを削った後に吸い上げてメタンガスを取り出し、海底パイプラインで陸上の基地に送り出す。

同社は石油などを掘削するために海上に設ける浮体式生産設備の世界大手。海底近くの石油や天然ガスが自噴する力をいかし、効率的に吸い上げるノウハウを持つ。メタンハイドレートも海面に近づくにつれて徐々に気化するため、培った技術を応用できるとみる。

三井海洋開発は試験機を開発し、産業技術総合研究所のプロジェクトに採択された。21年度内に北海道北見市で北見工業大学とメタンハイドレートを模した、縦横約3メートル、高さ2メートルの氷柱を使い、陸上での掘削実験を始める。

技術開発後は設備の販売などをめざす。浮体式設備の1基あたりの受注額は数百億円にのぼる見通しだ。

足元では水素の原料としては輸入に頼る天然ガスなどが多くを占め、水素原料の安定確保や価格面が課題だった。日本近海に眠るメタンハイドレートを活用できれば地政学リスクを避けながら、水素原料を調達できる。メタンハイドレートは燃やした場合に排出されるCO2が石炭や石油よりも3割ほど少ないといった利点もある。

政府は水素の導入量を50年に2000万トン程度に拡大する方針だ。そのためには価格を現状の1立方メートルあたり100円程度から、将来は20円に引き下げる必要があるとしている。メタンハイドレートについても一定の産出規模を確保し、輸入した液化天然ガス(LNG)と比べて価格面でも対抗できる水準を目指す。

三井海洋開発は採掘設備の建設や陸上までの輸送コストを含めれば、水素の調達コストは海外産を下回り、政府目標の達成に貢献できる可能性があるとみている。

水素原料の確保に向け、他のエンジニアリング会社も動く。メタンハイドレートの掘削技術の開発には三菱重工業傘下の三菱造船も乗り出している。海洋から海底鉱物を掘削する技術を応用し、掘り出したメタンハイドレートを分離装置を使って船に吸い上げる。

三井海洋開発などには新たな収益源を育てる狙いもある。主力の船舶や海洋構造物は新型コロナウイルス禍によるエネルギー需要の減少や中韓勢との競争の激化で事業環境が悪化している。脱炭素の流れで石油関連の採掘プロジェクトも減る可能性があるなか、次世代資源の開発に活路を見いだす考えだ。(西岡杏)

▼メタンハイドレート メタンと水分が結びついた氷状の物質で、「燃える氷」とも呼ばれる。天然資源が乏しい日本と国内のエネルギー需要が増え続ける中国などが技術開発を進める。「表層型」は上越沖の1カ所だけでもメタンガス換算約6億立方メートルと、日本の天然ガス消費量の約2日分の埋蔵が確認されている。同様の地質構造は日本海側を中心にほかにも1742カ所ある。

水素はエネルギー問題にとってまさに麻薬である,論理の飛躍に注目せよ

http://blog.livedoor.jp/adachihayao/

『2021年3月13日 土曜日 晴れ

昨日は新宝塚オープン参加,後半雨,今日も水素と風力発電の記事が出ている,水素はエネルギー問題にとっては一種の麻薬ですね,NHKも報道していたが,日本企業と豪州の褐炭が協力して,日本へクリーンな水素を供給するという,どの報道にも,褐炭から出る炭酸ガスの始末は,一言もなし,

中国の石油企業が2050年までに6千万トンの水素を製造する,これも放出される炭素には一言も触れていない,6千万トンというと日本の計画の3倍,2兆KWhに匹敵するが,中国の一次エネルギー消費量は30兆KWh,日本の7倍以上であるから,水素では殆ど温暖化問題に貢献できない,

水素を論ずるときには,必ずその製法を論じてほしい,どこかに矛盾があり,まさにエネルギー問題に於ける麻薬の観がある,JERAが60万KWの洋上風力計画を発表している,63機と言うから単機1万KWに近い最大級,ただ洋上風力の場合,年間発電時間は2500時間程度であることに注意』

OPECプラス減産、4月もほぼ維持 原油1年2カ月ぶり高値

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04E9D0U1A300C2000000/

『【カイロ=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日、現行の協調減産を4月もほぼ維持すると決めた。サウジアラビアは大規模な自主減産を続ける。ニューヨーク市場の原油先物は同日、一時1バレル64ドル台と前日比6%上昇し、1年2カ月ぶりの高値をつけた。

OPECプラスの閣僚は4日のオンライン協議後の声明で「4月に3月の生産水準を継続することを承認した」と表明した。そのうえで、例外としてロシアとカザフスタンにはそれぞれ日量13万バレル、2万バレルの減産縮小を季節要因を理由に認めるとした。

OPECプラスは3月、合わせて日量705万バレルの減産に取り組んでいる。毎月段階的に減産幅を縮めており、4月は50万バレル縮小するとの観測が出ていた。5月の協調減産については4月に協議する。

一方、OPECの盟主を自任するサウジは2~3月としていた日量100万バレルの独自の追加減産を4月も続けるとした。例外扱いするロシアなどの減産縮小分を上回る大規模な自主減産で、過剰在庫の取り崩しが進むとの見方が広がった。

新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、原油相場は需要回復への期待から上昇してきた。このためロシアなどは減産の緩和に前向きだ。ただサウジのアブドルアジズ・エネルギー相は閣僚協議で「改めて慎重さと警戒を促す」と述べ、産油国の油断を戒めた。自主減産の終了について判断を急がない考えも示した。

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米の空爆、日本は立場明示せず 規模限定・対イランが背景

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE2710N0X20C21A2000000/

『日本政府は米軍によるシリアの親イラン武装勢力への空爆を受け、明確な立場を示さない見通しだ。米国が「防御的だ」と主張し規模が限定的なのに加え、イランと友好関係を保つ背景もあり、当面は静観する。

茂木敏充外相は26日の記者会見で「高い緊張感を持って注視している。関係国と緊密に連携しつつ地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて外交努力を継続していきたい」と述べた。

27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢…

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27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢を注視する」と語った。同日時点で政府としての声明などは出ていない。

英国のラーブ外相は米国の行動を支持すると自身のツイッターで表明した。フランスは声明で支持を打ち出した。

過去に米軍が中東で空爆に踏み切った際には日本は米国への「理解」や「決意を支持」との表現でメッセージを発したこともあった。

2017年4月に米軍がシリアを攻撃した際は数時間後に国家安全保障会議(NSC)を開いて情勢分析をしたうえで、当時の安倍晋三首相が「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持する」と言明した。

米国の行動は「事態の深刻化を防ぐための措置だと理解している」と言及した。18年4月に米国、英国、フランスがシリアを攻撃した際も「決意を支持」との表現だった。いずれもアサド政権が化学兵器を使用したとされることに対する措置だった。

日本政府は今回は性質が異なると分析する。イラクにある米国関連施設に対するロケット弾攻撃への報復の側面が強い。米国は「防御的な精密攻撃だ」と主張する。

2国間の駆け引きでもあり「化学兵器の使用が疑われたアサド政権への攻撃とは違う」と政府高官は語る。

イランとは歴史的に関係が深く立場を鮮明にしにくい事情もある。

トランプ前政権時代の20年1月に米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した時も「支持」などの立場を明確にしなかった。米軍の攻撃の根拠が定まらなかったのも理由の一つだった。

当時首相の安倍氏は緊張が高まる状況でも中東訪問を予定通り実施して緊張緩和を周辺国に呼びかけた。

菅義偉首相は現時点で中東情勢に積極的に関与する姿勢は見せていない。新型コロナウイルスなど国内の対応に追われているのも影響する。

一方で米国はトランプ政権からバイデン政権に代わりイランと直接対話をする構えだ。そうなれば日本が間に立つ必要性が薄れる。

三菱総研の中川浩一主席研究員は「日本は石油の輸入の9割近くを中東に依存している。米国、イランなどと直接ハイレベルでやりとりして、日本の国益に関わる問題だというメッセージをもっと強く発信すべきだ」と提起する。

メキシコ国営石油ペメックス最終赤字2.4兆円 20年12月期

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2704B0X20C21A2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコの国営石油会社ペメックスが26日発表した2020年12月期決算は、最終損益が4809億6600万ペソ(約2兆4千億円)の赤字(前の期は3479億1100万ペソの赤字)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外の経済が停滞して販売が大幅に減った。

売上高は32%減の9537億3000万ペソだった。内訳は国内販売が38%減、輸出は24%減となった。

輸出した原油の平均販売価格は1バレルあたり35.82ドルと、前の期を36%下回った。10~12月期は41.29ドルで前年同期より約2割低い水準だった。

20年12月末時点の負債総額は2兆2587億ペソと、1年前から14%増えた。財務体質の悪化は深刻で政府による減税などの支援を受けているが、改善への道筋は明確になっていない。

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国内最大級の水素製造プラント 伊藤忠、仏大手と提携

国内最大級の水素製造プラント 伊藤忠、仏大手と提携
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ186ZE0Y1A210C2000000/

『産業ガス世界大手の仏エア・リキードと伊藤忠商事は2020年代半ばに、世界最大級の液化水素製造プラントを中部地方に設置する。液化天然ガス(LNG)から製造する方式を採るとみられ、現状よりも価格を抑えながら燃料電池車(FCV)など向けに供給する。世界が水素活用の取り組みを加速する中、普及のカギを握る水素生産の体制作りが国内で本格化してきた。

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政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素…

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政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素を有力な脱炭素エネルギーと位置づけている。同戦略では30年に年間最大300万トンの水素供給を掲げており、実現に向けた供給整備が課題になっている。現状、日本で供給される水素の大半は産業用途の圧縮水素だが、大量輸送が可能なことなどからエネルギー利用は液化水素が今後の本命技術で、エア・リキードと伊藤忠の連合も液化に対応する。

このほど日本での水素供給網の構築を巡る戦略的協業の覚書を結んだ。新プラントが生産する1日あたりの液化水素はFCV4万2000台分をフル充填できる約30トンを想定。現在、国内での液化水素は岩谷産業を中心に1日約44トン程度が生産されており、これに匹敵する規模となる。

投資額はエア・リキードが米ネバダ州で約200億円を投じて建設している世界最大級の液化水素プラントと同等規模になる見通しだ。水素の製造方法はLNGを水素と二酸化炭素(CO2)に分解する方式を軸に検討する。製造段階で発生するCO2は回収し、飲料品向けの発泡剤やドライアイスなど工業用途で外部に販売する。

セ氏0度、1気圧、湿度0%の基準状態での体積をノルマル立方メートルと呼ぶが、1ノルマル立方メートルの水素単価が足元で100円程度なのに対し、政府は30年に3分の1以下となる30円の水準とすることをめざしている。

大規模設備で水素普及の壁となっているコストを削減する。現在、LNGからつくる液化水素はCO2の回収費用も含めて1キログラムあたり1100円前後の最終価格で企業間取引がされている。水素を用いた発電コストを電力換算(1キロワット時)すると約52円と一般電力の約2倍する。エア・リキードなどは1000円以下での提供を目指す。

水素の供給先は国内にある自動車向けの水素ステーションを見込む。20年12月時点で国内の水素ステーションは137カ所あるが、政府は30年に900カ所に引き上げる方針だ。現在FCVの国内保有台数は4000台程度だが、伊藤忠ではトラックなど商用車を含めたFCV市場が膨らむと想定し水素供給のビジネスを強化する。

火力発電や製鉄業界に対しても水素の利用を促していく。石油化学業界など工業向けとあわせエア・リキードと連携して販路を開拓する。

水素普及で先行する欧州連合(EU)は20年7月に「水素戦略」を公表した。EUはCO2を発生させないように再生可能エネルギーを使って水を電気分解し水素を得る「グリーン水素」に注力している。30年にグリーン水素だけで1000万トンの導入を目指す。1キログラムあたり300~700円で製造できるとされる。

日本でも福島県に再生エネを活用して水素を製造する世界最大級の設備があるが、再生エネのコストが高い日本で欧州並みを実現するには時間がかかる。当面は化石燃料由来の製造法で水素普及を急ぐ。

エア・リキードは水素製造では独リンデなどと並ぶ世界大手。20年12月期の連結純利益は3100億円、売上高は2兆6000億円だった。水素ステーションでも世界に存在する約500カ所のうち約120カ所を設置している。日本国内でも13カ所を運営し、22年中に4カ所を新設する。

カーボンゼロ
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Itochu-and-France-s-Air-Liquide-to-build-giant-hydrogen-plant?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia

「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去

「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH242K60U1A220C2000000/

『サウジアラビアの元石油相で、産油国の石油戦略を主導したアハマド・ザキ・ヤマニ氏がロンドンで死去した。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

1973年10月、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が始まった。これにあわせて、サウジなど中東産油国が原油の公式販売価格を引き上げ、アラブの敵対国には禁輸を打ち出したことで、世界中にパニックが広がった。パレスチナを…

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パレスチナを解放する「アラブの大義」のために、石油を武器に使ったのである。

第1次石油危機を招いた戦略の中心にいたのがヤマニ元石油相だ。ただ、ヤマニ氏の評価すべき点はむしろ石油危機後にある。

ガランとした紙、洗剤売り場で買いだめをする人たち(1973年12月)

70年代から80年代初めの2度の石油危機を経て、産油国が石油を戦略商品として使う弊害が表れた。消費国はサウジなど中東産油国が主導する石油輸出国機構(OPEC)への依存を敬遠し、北海やメキシコ、米アラスカなどOPEC以外の産油量が増えた。石油以外へのエネルギー転換や省エネも進んだ。

ヤマニ氏は83年、「値下げは唯一の方法である」と発言し、原油価格の引き下げを初めて決断する。OPECの変遷を見続けてきた帝京平成大学の須藤繁教授は「ヤマニ氏は人為的な石油価格引き上げは消費国の石油離れを招く。石油資源の最後の一滴まで有効利用することがサウジの国益にかなうとの認識に立ち、市場安定を重視する路線の礎を築いた」と指摘する。

代償も大きかった。「逆オイルショック」といわれる80年代の供給過剰と原油価格の低迷の局面で、市場の調整役(スイングプロデューサー)を自任するサウジは率先して減産を繰り返した結果、ピーク時に日量1000万バレルを超えていた生産量は同300万バレルを切る水準まで落ち込んだ。石油収入に頼るサウジの財政は打撃を受けた。

20年以上にわたり石油政策を担ってきたヤマニ氏は86年、事実上この責任を取る形で、「ねぎらいの言葉もなく、更迭ともとれるやり方」(須藤教授)で解任された。

サウジでは石油は国家運営の最重要部門であるために、司令塔となる石油相には石油と市場を熟知する非王族のテクノクラートがついてきた。ヤマニ氏は第3代国王であるファイサル国王に重用され、その下で手腕を振るったが、国王は75年に暗殺される。その後の国王とそりがあわなかったとの見方もある。

サウジのヤマニ元石油相(1982年)=ロイター

ヤマニ氏は2009年7月、日本経済新聞のインタビューで「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。(青銅器や鉄など)石器に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ」と語った。

「ヤマニの箴言(しんげん)」の通り、今日、速度を上げる脱炭素のうねりはエネルギー秩序を崩し、石油の富を享受してきた産油国に対応を迫っている。変革の先にどのような世界が待っているのか。それを見ることなく「石油の巨人」は去った。

水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保

水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH16AJ20W1A210C2000000/

『自動車の大衆化に道を開いた「T型フォード」が米国で発売されたのは1908年。同じ年、ペルシャ湾の奥深く、現在のイラン南西部のマスジェデ・スレイマンで中東最初の油田がみつかった。

第1次世界大戦に向かう情勢緊迫の折、石炭から石油へ艦艇の燃料転換を急ぐ英国政府はアングロペルシャ石油(後のBP)を買収してこの油田を管理下に置いた。

以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れ…

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以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れた。供給地としての中東は20世紀を通してエネルギー地政学の中心にあった。

日本も例外ではない。田中角栄元首相の懐刀として列島改造論を支えた元通商産業(現経済産業)次官の小長啓一氏は「中東産の安い原油にいち早くアクセスし、臨海部の製油所や石油化学コンプレックス(コンビナート)に運び込む体制を政官民一体で整えたことが工業化の原動力になった」と指摘する。

カーボンゼロはこの前提を覆す。石油・天然ガス部門を手放し、風力発電へ事業の軸足を移したデンマークの政府系エネルギー会社オーステッドの時価総額は、日量260万バレルの石油・天然ガス生産量を持つBPに迫る。

保有する地下資源の多寡はもはや力の源泉ではない。左右するのは脱炭素の技術を支配する力だ。勝敗は気候変動問題の行方にとどまらない。企業の競争力、ひいては国力を左右する。技術革新をいち早くなし遂げた者が飛躍を手にし、遅れれば存亡の機を迎える。

担い手は違う世界から現れる。電気自動車(EV)を手掛ける米テスラの時価総額はトヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)など、世界の主要自動車メーカーを合わせた規模を上回る。

T型フォードは市中から馬車を駆逐した。テスラのEV「モデル3」がガソリン車を駆逐する現代のT型フォードとなるのかどうか、結論を出すのは早いかもしれない。しかしイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は二酸化炭素(CO2)の回収技術を競う競技会に賞金1億ドル(約105億円)を提供すると表明した。車載電池からCO2回収まで脱炭素技術を根っこから押さえにかかる。

米アップルがEV生産を探り、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)も自動車大手と提携しEVの製造販売に乗り出す。異業種が脱炭素で結びつき、社会・産業構造を変える。

日本にためらう余裕などない。ただし変革の土台はカーボンゼロのエネルギー供給と利用が前提だ。経済産業省は50年の電源構成に占める太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を50~60%とする参考数値を審議会で示した。

なぜ50~60%なのか。議論の余地はあるだろう。しかし再生エネで電力をすべて賄えないならば、選択肢は原子力を使うか、水素やアンモニアなど燃焼させてもCO2を出さない脱炭素燃料を使うか、化石燃料を使いながら排出するCO2を集めて処理するかだ。

仮に電力をすべてカーボンゼロにできても、電力では代替が難しいエネルギー用途がある。たとえば製鉄だ。生産の主流である高炉法では鉄鉱石の還元に石炭(コークス)を使うために大量のCO2が出る。スクラップを原料に使う電炉に変えても、鉄鋼需要の純増分は鉄鉱石に頼らざるを得ない。

石炭の代わりに水素を還元に使う技術が脱炭素の切り札とされる。日本鉄鋼連盟によれば足元の年間8千万トン前後の銑鉄生産には水素700万トン(約800億立方メートル)が要る。現在の水素価格は1立方メートルあたり100円程度。政府の水素戦略は長期で20円に引き下げる目標を掲げる。石炭から置き換えるには8円を切る必要があり「大量の水素を安価に安定的に確保する体制」(日本鉄鋼連盟の小野透特別顧問)が欠かせない。

脱炭素に寄与する水素のつくり方は2つある。再生エネを使って水を電気分解して取り出すのが一つ。石油や石炭など化石燃料から水素を取り出し、残るCO2を回収して地中に戻したり、工業原料に再利用したりするCCUS(CO2の回収・利用・貯留)技術と組み合わせるのがもう一つだ。

福島県浪江町に世界最大級の能力を持つ電気分解装置がある。ここで東京ドーム5つ分の敷地の施設を使ってできる水素は定格運転で年間約900トンだ。鉄鋼業界が必要とする量やコストは現実と「桁が違う」(製鉄会社幹部)。

またCO2の地中埋設の技術が確立できても、日本周辺に埋めることができる適地がどの程度あるのかとなると話は別だ。これを見極める必要がある。

化学やセメントの生産も高温の熱を使う。発電や燃料電池自動車も水素をあてにする。国内で需要を満たす水素が入手できず、CO2を埋める場所もないなら、海外に求めるしかない。

安定した風が吹き、日射量が豊かで広大な土地がある国、またはCO2を埋める地下構造がある国が候補となる。すなわち脱炭素時代の資源国が出現する。中東やオーストラリアで広大な土地をいかした水素生産やCO2を埋め戻す場所の獲得競争が始まっている。

脱炭素の前途に控えるのは水素の争奪戦だ。日本も資源国との関係や輸送路の安全、貿易ルールの整備など安定確保のための資源戦略が欠かせない。脱炭素時代にエネルギー安全保障の重要性は軽減されるどころか増すのである。

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松尾博文(まつお・ひろふみ)1989年日本経済新聞社入社。エネルギーや商社、機械・プラントなどの業界や経済産業省、外務省などを取材。イラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国に駐在した。現在は編集委員兼論説委員。エネルギー問題、インフラ輸出、中東・アフリカ情勢などを担当。

豪州で相次ぐ製油所の閉鎖、中国の「メガ製油所」脅威に

豪州で相次ぐ製油所の閉鎖、中国の「メガ製油所」脅威に
エネルギー安保と脱炭素 両立険しく 商品部 山本裕二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODJ163OH0W1A210C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『オーストラリアで製油所閉鎖が加速している。中国や中東で大量に石油製品をつくれる「メガ製油所」の新設が相次ぎ、豪州の製油所は価格競争力の面で太刀打ちできないためだ。石油製品の輸入依存度が高まりエネルギー安全保障の議論も活発になっている。脱炭素の流れから、国内の製油所新設は難しくジレンマに陥っている。

「(石油精製をやめて)石油製品の輸入基地への転換がベストな選択と判断した」。BPオーストラリアは20…

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BPオーストラリアは2020年10月末に豪州西部のクイナナ製油所を6カ月以内に閉鎖し、輸入基地にすると発表した。同製油所は65年の歴史に幕を閉じ、雇用人数は650人から60人程度に減る。

これに続き米エクソンモービルも今年2月10日にビクトリア州のアルトナ製油所を閉鎖する方針を発表。国内の製油所は約20年前の8カ所から2カ所に減る見込みで、そのうちの1カ所も停止を検討している。政府は製油所維持のために支援金の提供を決めたが、閉鎖の流れは止まらなかった。

豪州はガソリンや軽油を多く輸入しており、今後さらに海外依存度が高くなる。19年の石油製品の輸入量は日量63万8千バレル程度と国内需要の6割に達する。精製停止で20年7月~21年6月の輸入量は78万5千バレルに増えるとの試算もある。

相次ぐ閉鎖の背景には中国や中東での大規模かつ輸出志向の「メガ製油所」新設により、豪州産の石油製品の競争力低下があるうえ、新型コロナウイルス禍による需要減も追い打ちをかけた。世界的な脱炭素の流れで、天然ガスや石炭の一大生産地である豪州も、水素事業の推進など施策を打ち出している。

国際エネルギー機関(IEA)によると中国の石油精製能力は19~25年にかけて日量180万バレル、中東は同160万バレル増える見込み。米国の増加幅(同70万バレル)を大きく上回る。世界での石油製品のシェアは中国で4%、中東で30%に達する見通しだ。中国は21年にアジア地域でのシェアは50%を超え、この比率は一段と高まる見通し。

「メガ製油所」の脅威により、国内の製油所が淘汰されるのは豪州にとどまらない。IEAは米国など先進国の製油所は市場のシェアを失い続け、30年にはそのうち約14%が低稼働や閉鎖のリスクに直面するとみている。日本でも石油元売りENEOSは1月14日に根岸製油所(横浜市)の一部装置を22年10月をめどに廃止すると発表した。国際競争の激化や新型コロナによる需要減を受けて廃止を決めたという。

豪州では「外国によって燃料輸送が中断されたら、軽油などを使う国防軍をどのように運営するのか」との疑問も浮上し、懸念は安全保障にも及んでいる。コロナ発生源の調査をめぐり豪州は、石油製品の調達先である中国との関係が悪化。すでに食肉などの貿易が一部停止している。世界的な脱炭素の流れから、製油所は将来、「座礁資産」になる恐れもあり巨額な投資は難しい。

石油製品の貿易について「中国にとって豪州への石油製品の輸出は利益が多いため制限しないだろう」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の李智雄チーフエコノミスト)との声もある。電気自動車(EV)など電動車に移行するまでの間、ガソリン、ディーゼル車に依存せざるを得ない。同様のケースは世界でも今後増えそうで、先行して淘汰が進む豪州の次の一手が注目されている。

中国農業政策、安保に重点 食糧生産年6500億トン堅持

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM227IU0S1A220C2000000/

『【北京=川手伊織】中国の農業農村省は22日、2025年までの農業政策として食糧安全保障を重視する方針を示した。過去6年連続で達成した年6500億トン以上の生産量を数値目標として掲げた。対米摩擦を念頭に海外調達の不確実性が高まると懸念を示した。

唐仁健農業農村相が記者会見で明らかにした。20年の生産量は約6700億トンと最高を記録した。今後は就農人口の減少が生産規模を保つうえでの足かせとなる。農業の現代化を進めて、大豆やトウモロコシで米国の6割に満たない単位面積当たりの収穫量を増やす。

食糧安全への懸念を拭えないのは「外部の情勢を巡る不確実性や不安定さが明らかに増える」(唐氏)ためだ。大豆やトウモロコシを大量に海外から仕入れている。米国との覇権争いをはじめ外国との摩擦が続けば、食糧の安定輸入という問題は中長期的に中国にのしかかる。

習近平(シー・ジンピン)国家主席(総書記)も昨年12月、中国共産党の農業政策における重要会議で「食糧安全は国家の重要事項だ」と強調した。中国が長期目標で掲げるように中間所得層が拡大すれば、食糧需要も膨らむ。

食糧安保を巡っては、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会がすでに食品の浪費を禁じる法案の審議に入った。飲食店が顧客に過剰な注文をさせたり、「大食い」を売りにしたテレビ番組や動画を流したりすることを禁じる。21年には「食糧安全保障法案」も審議する方針だ。

唐氏は中国人の食卓に欠かせない豚肉について「供給量は21年後半に正常な水準に戻る」と語った。豚肉はアフリカ豚熱(ASF)の流行や20年の長江流域の洪水被害で供給量が落ち込んだ。

消費者物価指数(CPI)でみた豚肉価格は19年末から20年初めにかけて、前年同期の2倍超と高騰していた。必需品の値上がりをうけ、家計が節約意識を高める一因となった。

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「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国

「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国
ミャンマー政変(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM09AYQ0Z00C21A2000000/

『中国の在ミャンマー大使館は16日、国軍のクーデターで混乱する同国の現状を「中国は決して望まない」と批判する大使、陳海の発言を公表した。前日に取材を受けた地元メディアとの一問一答をウェブサイトに掲載。「政変があるとは事前に知らなかった」と指摘し、「国軍の背後にいる中国が黒幕だ」という噂を懸命に否定した。

【前回記事】
米「選挙結果消してはならぬ」 ミャンマーに民主化要求

1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声を…

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1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声をあげてきた。「国軍を支持するな」「内政干渉をやめろ」――。

この国を中国は経済、軍備で支えてきたが、国軍寄りだったとは言い切れない。拘束された民主化指導者アウン・サン・スー・チーの文民政府も尊重した。

1月にミャンマーを訪れた中国の国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)はスー・チーに「中国は(当時の与党)国民民主連盟(NLD)の順調な施政を断固支持する」と伝えた。国軍総司令官ミン・アウン・フラインとも会い、NLDが大勝した2020年11月の総選挙(上下院選)が「不正だ」という不満も聞いていた。

中国にとってミャンマーは地政学上の重要国だ。ミャンマーを上空から見ると、西部から中国南部の雲南省まで2本のパイプラインが横たわる。中東・アフリカからの原油、ミャンマー沿海産の天然ガスをそれぞれ、中国に運ぶ。

中国の輸入原油の多くが通過するマラッカ海峡と南シナ海が封鎖された場合、エネルギー供給の生命線になる。

中国外務省の副報道局長、汪文斌は1日、クーデター後の記者会見で「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と言明した。

一方、中国の官製メディアはさかんに、ミャンマーでの抗議デモを伝える。国軍が盤石だと中国の指導部はみていない。

政変にどう対応するか決めあぐねているのは、周辺の東南アジア諸国も同様だ。

バンコクで10日、タイ首相プラユット・チャンオーチャーは報道陣に、全権を掌握したミン・アウン・フラインから「ミャンマーの『民主主義』を支持してほしい」という書簡が届いたと明かした。

同じくクーデターを主導し、軍事政権トップから横滑りしたプラユットだが、表情を変えずに突き放してみせた。「ミャンマーの民主化プロセスを支持する。どう進めるかは彼次第だ」(敬称略)

【関連記事】
ミャンマー、狙い澄ましたクーデター 直前に中国と接触
ミャンマー「最後の成長市場」暗雲 中国への傾斜懸念
ミャンマー、脱中国に暗雲 貿易・債務なお3割依存

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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分析・考察 中国のサイバーセキュリティ部隊がミャンマー国軍への支援に入ったという噂や、ヤンゴン市に出ている戦車の一部が中国のものであるという噂もあります。事実関係はまだ不明ですが、もし鎮圧に中国が関わっているのであれば、事態は極めて深刻だと思います。

人には生活があり、熱狂は長く続きません。毎日抗議活動をしていると、生活に困ってしまいます。また、海外メディアの注目も、一定期間で終わりが来ます。ミャンマーの民主主義にとって最も厳しいシナリオは、国軍が特に暴力などを振るわず(それにより厳しい制裁を回避する)、ネットや通信を監視し、少しずつ人を逮捕しながら、じわじわと反対者たちを黙らせることだと思います。
2021年2月18日 10:10いいね
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水素供給網の整備加速 ENEOSは給油所で来春販売

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ02D4H0S1A200C2000000/

『脱炭素の切り札とされる燃料電池車のインフラ整備が規制緩和で進み始めた。石油元売り最大手のENEOSホールディングス(HD)はこれまで難しかった市街地の給油所で燃料電池車(FCV)向け水素充塡サービスを展開する。国内水素販売トップの岩谷産業は簡易型水素ステーションの建設を推進。欧州や中国が水素への取り組みを強化する中、日本は規制の見直しをテコに水素インフラ整備を急ぐ。

日本は2017年に世界で初めて…

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日本は2017年に世界で初めて国の政策として水素基本戦略を策定。規制改革案に水素ステーション関連の規制見直しが盛り込まれた。ガス保安や立地安全を巡る規定が厳しく、水素ステーション設置はコストや技術面で難易度が高かった。

ここにきて規制見直しが進み、民間企業の水素ステーション設置に広がりが出てきた。

ENEOSHDによると給油所内に水素充塡設備を設置するのは国内初。22年春から神奈川県と愛知県の給油所2カ所から始める。ENEOSブランドの給油所は全国1万3000カ所あり、水素充塡は新ビジネスとしても期待がかかる。

給油所での併売が可能になったのは、20年1月に経済産業省がガスなどの安全対策などを規制する高圧ガス保安法の法解釈を明確にしたことがある。水素充塡に必要な圧縮機などの関連機器は安全のため他の設備と距離を取り鉄筋コンクリートで仕切る必要があったが、簡便にできるようになった。その結果、市街地の給油所でも水素充塡機の設置が可能になった。

一連の規制緩和では高圧ガス保安規制の省令も改正し、水素ステーションの無人営業を可能にした。機器の材料、立地や運営面などこれまで見直された規制は数十項目に及ぶ。政府は21年度予算案には110億円を計上し、資金面でも民間の取り組みを支援する。

岩谷産業は全国で水素ステーション整備を進めている。経産省の見解で、水素を保管するトレーラーの温度を冷やす散水装置の設置を不要化した。コストを抑えられる簡易型の水素ステーションを現在、6カ所建設中だ。

「燃料電池実用化推進協議会」(FCCJ)によれば、水素スタンドの建設費は当初約5億円だったが、一段の規制改革などで2億円まで減らせると試算している。

【関連記事】水素、脱炭素の主軸に 大量導入がコスト削減のカギ
札幌市が水素先進都市へ始動、FCVなど需要調査


自治体レベルでも脱炭素の取り組みが広がり、東京都中心に全国で100台の燃料電池バス普及を見込む。ただ、各地で水素供給のインフラ不足が課題で、30年までに3000台のFCV導入を掲げる札幌市には、水素ステーションは移動式の1台しかない。

政府は30年にFCV80万台、水素ステーションも900カ所に増やす目標を掲げる。約3万店あるガソリンステーションの約3%で、水素供給の整備は緒に就いたばかりだ。

海外も水素への傾斜を強めている。調査会社マークラインズによると、20年のFCV(乗用車と小型商用車)販売台数は韓国が5350台と日本の約7倍。欧州連合(EU)が20年7月に水素戦略を発表し、トラックやバスなど商用車で水素利用を重点展開する。中国も燃料電池バスを先行して普及を進めている。水素燃料の活用で国家間の競争も始まっている。

FCV、コストなお課題 日本での普及EVに後れ
燃料電池車(FCV)は日本勢が世界をリードする技術だが、日本での普及は電気自動車(EV)に比べても遅れている。EVより航続距離が長いなどのメリットはあるが、コストの高さやインフラ整備が課題となっている。

FCVは水素と空気中の酸素を反応させて電気を発生させる。走行時に排出するのは水だけで「究極のエコカー」とされる。技術で先頭を走るのがトヨタ自動車で、2014年に世界で初めて量産型となる「ミライ」を投入。20年12月には6年ぶりの全面改良となる新型を発売した。
新型ミライの航続距離は約850キロメートルと、200~400キロメートルが多いEVを大きく上回る。EVのフル充電までの時間が1時間ほどかかるのに対して、FCVに必要な水素の充塡にかかる時間は大幅に短いのも特徴だ。
それでも19年度末までの日本での保有台数は約4000台と、EVの約12万4000台と差が開いている。大きな要因がコストだ。代表的なEVである日産自動車の「リーフ」は電池容量が大きいタイプの最低価格が441万円。ミライは710万円からと高い。
新型ミライは基幹部品のひとつである水素タンクの原価を従来車種と比べ約7割下げるなどコスト削減の技術開発も進めたが、本格的な普及へさらなる上積みが必要だ。
インフラ整備もなお課題だ。EVの充電ステーションが日本全国で約2万カ所に増えたのに比べ、水素ステーションは約140カ所にとどまる。
解決策として進めるのが水素活用の裾野を広げる取り組みだ。例えば新型ミライの燃料電池システムは乗用車だけでなく、商用車や産業車両、船舶、鉄道などさまざまな用途向けの外販を念頭に開発している。水素需要が増えれば充塡インフラ整備などに弾みがつく。
バスやトラックなど商用車で普及を促す動きもある。基本的に同じルートを走るため、水素ステーションが少なくても運行しやすいからだ。
海外勢も商用車を中心にFCVを強化する。欧州では商用車大手の独ダイムラーとボルボ(スウェーデン)が発電装置の開発を統合し効率化。25年以降に航続距離1千キロメートルを超えるFCVトラックを量産する計画だ。中国政府も商用車中心にFCV供給網を築く方針で、35年までに100万台前後の保有台数をめざす。
FCVとEVとの関係についてトヨタは「インフラ整備状況や充塡時間、航続距離など得意分野が異なっており、互いに共存していく」(幹部)とみる。豊田章男社長も20年11月の決算記者会見で「世界各地でエネルギー事情が異なるため、いろいろな電動化のメニューを持っていることが強みになる」と指摘。引き続きFCVやEVに加えてハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの開発と販売を続ける考えだ。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Japan-s-hydrogen-fueling-network-expands-to-gas-stations?n_cid=DSBNNAR

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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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今後の展望 「2050年カーボンニュートラル」が宣言されて以降、日本では2035年を目処に電動車100%を目指すことになっている。しかし、どういう自動車のポートフォリオを提供すれば、これからの勝ち組となるのか、よくわからない。そもそも漠とした疑問が山積みだ。水素ステーションなどインフラ設置が遅れてボトルネックにならないよう、併せて提供されなければならないが、今のスピード感で間に合うのか。水素の製造過程で出る二酸化炭素の排出をどう捉えるのか。ハイブリッド車の扱いの違いが将来的に日本自動車に悪影響とならないか。軽自動車の基準をどうするか。全体を踏まえた鳥瞰図と具体的なロードマップが必要である。
2021年2月17日 9:33いいね
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竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説 結局水素をどこでどうやって大量に作り持ってくるかなのです。究極的には再生可能エネルギーの電気で水を電気分解するのが望ましいわけですが、特に再エネが高い日本ではあまりに高コストなので、今は海外で天然ガス等から水素を作り日本に輸送+CO2はその国の地中に埋める方法がメインで考えられています。化石燃料資源国への依存はいまと変わるものではありませんが、脱炭素化のための投資。一昨日参加した石油天然ガス小委資料がよくまとまっていました。https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/pdf/013_03_00.pdf
2021年2月17日 9:25 (2021年2月17日 9:26更新)
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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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ひとこと解説 セルフガソリンスタンドであっても、給油開始は監視カメラで安全を確認した人の手によって許可が出されているのをご存知でしょうか。AIなどによる支援が人手不足の鍵になると考えています。

FCVやEVもステーションの数や充電にかかる時間など課題が山積です。次のイノベーションやブレイクスルーが何なのか、目が離せません。
2021年2月17日 8:10 (2021年2月17日 8:15更新)
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 今では当たり前になっているセルフ式のスタンドも、かつては規制に阻まれていました。危険物の特性を知らないドライバーが自身でガソリンなどを給油することは危険だとされていたからです。今でも無人の給油所は認められていません。水素となるとさらに規制は厳しくなります。安全性を確保しながら、さまざまな規制を緩和していかなければインフラ整備は進みません。
2021年2月17日 7:12いいね
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日本が抱えているエネルギー問題

2020-11-18

2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2020_1.html

※ まあ、課題山積、難問山積みなわけだ…。

※ そこへ持って来て、「カーボン・ニュートラル」「脱炭素」宣言なわけだ…。

※ どうするんだろな…。

スルメイカ不漁の裏に中国漁船、日本の4倍を乱獲か

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC071MO0X00C21A2000000/

 ※ イカも、だんだん、食えんようになるのか…。

『北海道のスルメイカ(マイカ)漁獲量(速報値)は前年比44%減の約6000㌧と、スルメイカのみの集計を始めた1985年以降で最少だった。全国的に続く記録的な不漁の一因は中国漁船による日本海での乱獲。日本全体の4倍近い量を乱獲しているという推計もある。

イカ研究の第一人者である函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大学名誉教授)によると、海水温や海流の変化によるイカの増減は過去にもあり、回復も期待…

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イカ研究の第一人者である函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大学名誉教授)によると、海水温や海流の変化によるイカの増減は過去にもあり、回復も期待できる。より深刻なのは、資源保護に配慮しない中国漁船による乱獲だ。

スルメイカの寿命は1年。東シナ海や日本海西部で産まれて日本海と太平洋を北上し、再び南下する。全国の漁獲量も10年代前半から減っており、20年も低水準が続いたもようだ。

スルメイカの回遊ルートである日本海に入り込む中国漁船が日本全体の4倍近い年15万㌧を乱獲していると推計され、資源減少を招いている。

中国漁船は21世紀に入り、北朝鮮からの漁業権取得や日韓の排他的経済水域(EEZ)での違法操業により日本海へ本格進出した。国立研究開発法人水産研究・教育機構(横浜市)は漁船の人工衛星データ分析などから、19年の日本海のスルメイカ資源量は約54万㌧、中国による漁獲量は年15万㌧とする推計を20年10月に公表した。

中国は日本のEEZ内で1000㌧級の大型船から網を下ろし、産卵前を含むイカや魚類を根こそぎ狙う。日本の漁船は魚介類を横取りされたうえ、危険を避けるため出漁を見合わせることもある。全国漁業協同組合連合会と日本海側各県の漁協は20年10月、外国船違法漁船取り締まりを政府に要請した。水産庁の担当者は「取り締まりと、中国や韓国、ロシアを交えた資源管理を並行して進めたい」と話すが、中国が協力するかは不透明だ。

「イカの街」北海道函館市では最近、新鮮なイカ刺しの入荷がない飲食店も目立つ。漁獲量の急減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大も追い打ちをかけ、かつて100億円を超えていた北海道の漁獲金額も38億円へ激減している。

函館市水産物地方卸売市場で20年6月~21年1月に取引されたスルメイカの1㌔㌘単価は生鮮が前年同期より16円安い836円、冷凍は143円安い731円。生鮮・冷凍ともに1㌔㌘200~300円台だった2010年代前半に比べ高騰していたところに、外食や土産物の需要減が直撃した。

不漁は、東北地方や日本海側も同様だ。農林水産省の全国統計によると、19年のスルメイカ漁獲量は17%減の3万9587㌧で、6年連続で減少。平成以降で豊漁だった1996年の約44万4000㌧の1割以下にすぎない。水産庁の月次集計によると、20年4~11月の漁獲量は合計2万3000㌧で、16~17年の半分程度にとどまる。

北海道では輸入品やアカイカなど他のイカを使う水産加工会社も増えた。函館市はスルメイカ以外の魚介類・農産物加工に進出する企業を助成しているが、こうしたリスク分散も緒に就いたばかり。漁師や飲食店を含めたスルメイカ経済圏の復調には時間がかかりそうだ。

(伊藤政光)