いすゞが3年で3000億円投資!トラックのモデルチェンジとCASEに重点化

https://newswitch.jp/p/26753

『いすゞ自動車は2024年3月期までの3年間に合計3000億円規模の設備投資を実施する方針を固めた。21年3月期までの3カ年中期経営計画期間と比較して約30%増となる見通し。主にトラックのモデルチェンジ対応などに割り振る。海外拠点の生産最適化も進める。自動車業界で競争が激しい「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」関連の投資は研究開発費が中心となる。

いすゞは現在、24年3月期までの新中計を策定中。期間中にトラックのモデルチェンジなどを行い、それに伴う工場設備への投資が膨らむ見通し。

デジタル関連投資も進める。22年5月をめどに本社を現在の東京都品川区から横浜市に移転する。本社移転に合わせた情報システムの刷新などで数百億円程度を投じる方向。IT環境の改善で生産性向上を見込む。販売拠点のデジタル化も推進する。

海外ではタイを中心に好調な主力のピックアップトラック「D―MAX」について、生産拠点の整備に力を入れる。CASE関連は開発段階のものが多いことから設備投資への影響は少なく、研究開発費で対応。CASE関連分野の開発については今後3年間で1000億円程度を投じる。

ただ過度な開発投資を防ぐため、スウェーデンのボルボ・グループなど他社との連携を生かして投資効率を高める戦略をとる。

日刊工業新聞2021年4月9日』

スズキの軽、電動化は「つなぎ」簡易HV EVは道半ば

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ19BUS0Z10C21A3000000/

『スズキが急速に押し寄せる脱炭素の荒波に直面している。国内でも政府の方針を受けて、主力の軽自動車を2035年までに全て電動化することを迫られる。軽については簡易型のハイブリッド車(HV)を全車種に設定して当面を乗り切る考え。一方で、世界で勝ち残るには本格HVや電気自動車(EV)への対応が必須だ。機能の簡素化や低価格を強みとしてきたスズキの実力が試される。

「地球温暖化の問題は差し迫った危機。スズキとしても…

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スズキとしても脱炭素に向け協力していかなければならない。挑戦しよう」。2月に退任を発表したスズキの鈴木修会長は昨年末から社内でこう訴えてきた。菅義偉政権は20年12月下旬、35年までに全ての新車販売をHVやEVなどの電動車とする方針を発表。対象には軽も含まれる。2月24日の退任会見で鈴木会長は「若手のチーム力を利用して一気に30年や50年につなげる努力をしてもらいたい」と語った。

簡易型ハイブリッドを搭載するスズキの「スペーシア」
この一環としてスズキは今後、軽の全車種で「マイルドハイブリッド」と呼ばれる簡易型HVを用意する方針だ。低速時などにモーターがエンジンの駆動を補助することで燃費性能を高める。既に販売する軽の約5割に搭載しているが、残り半分にも搭載していく。

トヨタ自動車などが導入している「ストロングハイブリッド」と呼ばれるような本格HVほどの燃費改善効果はないものの、ガソリン車よりも10万円程度の価格の高さと比較的安価で導入できる。「EVなど本格的な電動車までのつなぎとしては現実解」(スズキ幹部)というわけだ。

スズキの主力商品である軽や小型車は電動化のハードルが高いとされる。EVなどに必要な電池やモーターは価格が高く、スペースも必要になる。特に軽の最大の強みである安さや車内空間が失われかねない。地方を中心に、電動化による値上げが消費者離れを招く可能性がある。

消費者がいかに価格に敏感かをスズキは知り抜いている。20年12月にフルモデルチェンジした人気の小型車「ソリオ」。16年に独自開発のストロングHVを初めて設定した車種だが、今回は外した。価格が簡易型HVよりも2割ほど高く、販売が伸びなかったためだ。

政府も簡易型HVを電動車に含めることを決定済みだ。スズキは現時点で軽の電動車を販売していない首位のダイハツ工業やホンダと比べると、一足先にハードルをクリアするかのようにもみえる。それでも、ある幹部は「いずれは来ると思っていた脱炭素の波が一気にやってきて難破しそうだ」と苦境を訴える。

世界の自動車市場ではこの1年で脱炭素の動きが加速した。新型コロナウイルス禍からの経済復興をめざす各国の補助金もEVシフトに拍車をかけた。国内販売で電動化をクリアできたとしても、スズキの世界販売の約2割にすぎない。現状では環境規制が世界でも進む欧州市場では、資本・業務提携しているトヨタから環境性能に優れるプラグインハイブリッド車(PHV)の供給を受けている。

ただ、トヨタに頼りすぎると自社の技術を磨く機会が失われるリスクもはらむ。ある幹部は国内の「ソリオ」ではあえて外した本格HVの技術についても「手放すことはあり得ない。性能を上げつつ、コストを抑える努力を続けるしかない」と語る。鈴木俊宏社長も「あくまで自社開発を進めていきたい」とする。

インドでは「ワゴンR」をベースにした小型EVでの走行試験を続ける
EV対応も道半ばだ。スズキの世界販売の5割を占めるインドでは、トヨタと共同開発したEVを20年に投入する計画で18年秋から走行試験を重ねてきた。ただ「充電インフラやニーズを見るとまだ投入すべき段階ではない」(幹部)と延期。電動化の環境が整っていないがゆえの合理的な判断とも言えるが、厳しい環境規制や他社との競争でEVを磨いている欧州や中国の自動車大手などと差がついてしまうという面もある。

中国ではいま、米ゼネラル・モーターズ(GM)などが出資する上汽通用五菱汽車の50万円程度の小型EV「宏光MINI」が飛ぶように売れている。価格帯はスズキがインドなどで販売するガソリン車と同水準。今後はこうしたEVとの競争を迫られるのは確実だ。

スズキは独自の設計技術などを強みに小型・軽量化や燃費性能を高めてきた。電動化でもこうしたお家芸を発揮できるか。今年で創立102年目の同社に大きな課題が突きつけられた。

(為広剛)

日経産業新聞の記事一覧へ https://www.nikkei.com/theme/?dw=18083101 

不二越、ベアリングをタイに集約 電動化が迫る生産再編

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD268KC0W1A320C2000000/

『自動車用ベアリング(軸受け)大手の不二越は汎用品の生産を国内などからタイに集約する。自動車の電動化でエンジン需要が減り、エンジンに使う軸受け市場も縮む。拠点集約でコストを下げ、工作機械など車以外の顧客を開拓する。デンソーなどもエンジン関連事業の見直しに動いており、電動化にあわせた部品会社の生産再編が広がっている。

形や大きさなどの仕様が決まっている汎用品の生産をタイに移す。約100億円を投じ、タイ中部のラヨーン…

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約100億円を投じ、タイ中部のラヨーン県にある既存工場の近くに新工場を設ける。2022年2月に稼働させ、日本の富山事業所(富山市)や台湾の拠点から生産を移す。全社のベアリングの生産量のうちタイが占める比率を22年末までに4割と倍増させる。日本などの残る拠点は顧客の仕様にあわせた特注品をおもに手がける。

生産移管に伴い富山事業所の人員は契約社員の満期などにあわせ、200人ほど減る見通し。同社の有価証券報告書によると20年11月末の同事業所の従業員は臨時雇用者を含め約2200人だった。今後は耐久性や強度が高い特殊品の生産に集中する。

不二越が生産体制を再編する背景には、自動車業界の急速な電動化がある。英調査会社のLMCオートモーティブは、世界の自動車販売台数に占めるエンジン車の割合が20年の89%から30年には54%に低下すると予想する。

軸受けは機械の部品を滑らかに回転させる役割を持ち、自動車では主にエンジンや変速機の周辺で使う。エンジン車1台あたり100~150個程度使われており、電気自動車(EV)に切り替わると約3割減るとされている。

不二越の20年11月期の連結売上高2010億円のうち、軸受けは32%を占める。軸受けの6割は自動車用で、残りは工作機械など産業機械向けだ。生産集約などにより製造原価を2割以上引き下げ、産業機械向けの顧客を開拓。産業機械向けの比率を6割に引き上げる。中国製よりもなお割高とみられるが、信頼性などを踏まえれば優位性はあるとみる。

軸受け国内最大手の日本精工もEVなどで使う小型モーターや風力発電機向けを成長分野と位置づける。風力発電向けの大型製品は中国工場に今後3年間に最大50億円を投じて増産し、現地の発電設備会社に供給する。

電動化の影響は軸受けにとどまらない。動力源が複雑な部品機構を含む「エンジン+変速機」から「電池+モーター」に代わると、自動車の部品点数は約3万点から約2万点に減るとの調査もある。エンジンがなくなれば、燃料噴射装置やピストンの動きを支えるピストンリング、排ガス部品などが不要となる。

これに合わせ軸受け以外の部品会社も事業の見直しに動いている。デンソーは自動車向けの燃料ポンプ事業をグループ会社の愛三工業に移管する。電動化対応にあわせ、既存事業での重複を解消して生産や開発を効率化する。

独大手のコンチネンタルもガソリンやディーゼルなど旧来型のエンジン開発を30年までにやめる計画を表明済み。19年には電動化をにらみ、エンジンやモーターなどの動力機構を手がけるパワートレイン部門を分社化した。

もっとも電動化はモーターや電池などで新たな需要も生む。PwCの19年の調査では、40年の自動車部品市場のうちエンジンとトランスミッションが占める比率は19%と17年と比べ5ポイント下がる。一方、モーターや電池などの電動化部品は30年の9%から40年には13%へと高まる見通し。

日本電産はEV用駆動モーターを将来の主力事業と位置づけ、中国だけでなく欧州のセルビアでも約2000億円を投じる新工場の建設を計画する。EV用電池の主力であるリチウムイオン電池では、三菱ケミカルは主要4部材のひとつである電解液の生産能力を約5割引き上げる。旭化成も4部材のうち、セパレーターの増産に約300億円を投じる。

各国政府は脱ガソリン車政策を相次ぎ打ち出している。英国は20年秋に、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を30年までに禁止すると発表。これまでからさらに5年早めた。中国も35年をめどに新車販売のすべてをEVやハイブリッド車(HV)などの環境対応車とする方針だ。東京都も30年までに都内で販売する新車すべてをEVやHVなどの電動車に切り替えることを目指す。

(柘植康文)

〔高炉〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%82%89

『高炉(こうろ、blast furnace)は製鉄所の主要な設備で、鉄鉱石を熱処理して、鉄を取り出すための炉。鉄溶鉱炉(てつようこうろ)と呼ばれることもある。大型のものでは高さ 100 メートルを超え、製鉄所のシンボル的存在となっている。

鉱石から銑鉄を取りだす高炉、その銑鉄を鋼鉄に処理する転炉、生産された鉄を圧延や連続鋳造で製品加工する設備を持つ、銑鋼一貫製鉄所のみが高炉を所有している。このような大規模施設を持つ鉄鋼会社は高炉メーカーと呼ばれている。』

『高炉による銑鉄生産

1.焼結鉱、石灰石 2.コークス 3.ベルトコンベヤ 4.投入口 5.焼結鉱、塊鉱石、石灰石 6.コークス 7.熱風管 8.スラグ 9.溶銑 10.スラグ車 11.トーピードカー 12.ガス分離器 13.熱風炉 14.煙突 15.冷風 16.微粉炭 17.粉砕機 18.分配器

高炉の頂部から鉄鉱石による金属原料とコークスなどの燃料を兼ねる還元材、不純物除去の目的で石灰石を入れ、下部側面から加熱された空気を吹き入れてコークスを燃焼させる。頂部から投入される原料等はあらかじめ簡単に焼かれて固塊状に加工されており、炉内での高温ガスの上方への流路と原料等の流動性が確保されている。高炉内部ではコークスの炭素が鉄から酸素を奪って熱と一酸化炭素、二酸化炭素を生じる。この反応が熱源となり鉄鉱石を溶かし、炉の上部から下部に沈降してゆく過程で必要な反応が連続的に行なわれ下部に到達する頃には燃焼温度は最高となり、炉の底部で高温液体状の銑鉄が得られる。不純物を多く含む高温液体状のスラグは銑鉄の上に層を成してたまる。銑鉄とスラグは底部側面から適時、自然流動によって取り出される。

高炉頂部からは一酸化炭素、二酸化炭素等を多く含む高温の高炉ガスがパイプによって取り出され、粉塵等がサイクロンで除去された後、随時切り替えられる複数組の熱風炉の1つへと送られる。高温ガスは熱風炉内のレンガ等を加熱した後、煙突より排気される。十分に加熱された熱風炉の1つが排気経路とは別に切り替えられて、外気より取り込まれた冷風が熱風炉により加熱される。熱くなった空気は炉下部の側面より粉砕された微粉末炭と共に圧入され、炉内を上昇する内に酸素が燃焼に寄与する。これらの流れにより一連のガスサイクルを形成する。

高炉にはコークス炉や鉄鉱石焼結炉が常に併設され、投入原料の事前加工が行なわれている。一度、火が入れられた高炉は常に稼動されて、数年に一度の程度の炉内壁の修理等の時以外に停止されることはない。

高炉で作られた銑鉄は保温効率と移送の利便性を兼ね備えた「トーピードカー」(混銑車)と呼ばれる細長いタンク車両に流しこまれて、次の工程へと送られる。送られた銑鉄は溶銑予備処理を施した後、転炉へ入れられ、鋼鉄へと変換される。』

日本製鉄、1万人合理化 「がくぜんとした」 瀬戸際の鉄鋼(1)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ258AC0V20C21A3000000/

『3月5日午前10時すぎ、日本製鉄本社14階。取締役会で社長の橋本英二は問いかけた。「ご質問があれば頂戴したい」

居並ぶ取締役17人に示したのは2025年度までの経営計画。橋本の落ち着いた様子とは対照的に内容は大胆だった。

東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)では基幹設備の高炉を1基休止。ほかの拠点とあわせ生産能力を2割減らし、協力会社を含め1万人規模を合理化する。

経営陣には概要を説明してあり、会議は円滑…

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経営陣には概要を説明してあり、会議は円滑に進んだ。一方、その数時間後に本社9階の会議室で橋本たちから正式に知らされた従業員側への衝撃は大きかった。

「驚きを禁じ得ない」。同日中に会社が受け取った労働組合の意見書にはこう記された。無理もない。1年前にも瀬戸内製鉄所呉地区(広島県呉市)の閉鎖など大規模な合理化を発表。高炉休止を2年続けて決める異例の事態となったからだ。

衝撃は製鉄所のお膝元に広がる。「がくぜんとした。市の人口がさらに5千人ほど減ることも覚悟しなければ」。一報に接した鹿嶋市の市長、錦織孝一もうなだれた。

日本の近代化を支えた鉄鋼業と、再編を繰り返しながら国内では最大手として君臨し続けた日本製鉄。内需低迷と中韓勢の台頭により、かつてない苦境に追い込まれている。

合理化の予兆はあった。「構造改革を断行する年になる」。1月、橋本は新年のあいさつで社員に危機感を訴えた。4315億円と過去最悪の最終赤字だった20年3月期に続き、21年3月期も1200億円の最終赤字を見込む。

特に本丸の国内製鉄事業は厳しい。在庫評価損益を除く真水の単独営業損益は20年3月期まで3年連続で赤字だった。以前は単独の損益を知るのは限られた部署のみ。それを橋本は19年5月に社内に危機感を植え付けるため初めて公表した。

その翌月、本社で一つの部署が本社12階から13階に移った。「生産設備企画」。製鉄所の設備計画を中長期で考える部門だ。同時に所管は技術を統括する部署から経営企画に移管。生産設備企画と経営企画が連携し、今回の計画をまとめた。

日鉄は事務系が経営企画を牛耳る一方、設備計画は技術系や製鉄所に任せる傾向が強かった。

「(自分は企画部門で)珍しがられている」。19年4月に名古屋製鉄所(愛知県東海市)所長から経営企画担当の常務執行役員に就いた今井正も当初、そう感じるほどに組織の壁は厚かった。

結果として両者の情報共有は遅れがちに。現場で目立つのは生産性が落ち、補修費がかさむ設備。その稼働を維持するために安値で売る悪循環に陥った。今井は「事務だ、技術だといってる時代じゃない」と訴える。

住友金属工業や日新製鋼との統合を重ねた日鉄。各地での設備の老朽化は操業トラブルという形でも出ていた。

「足場が狭く、危ない」。19年8月初旬、呉の拠点を訪ねた橋本は現場で胸騒ぎを覚えた。直後の8月末、予感は的中する。中核設備で火災が発生。自動車用鋼材の供給に支障がでた。最近では名古屋製鉄所でも火災が起きている。

採算改善にむけ、余剰設備の集約はかねて課題だった。ただ製鉄所は地域経済の要であり「鉄は国家なり」との自負もある。アベノミクスで事業環境が好転し、実力値がみえにくくなっていた。

「つくれば売れるとの発想から抜けきれなかった」。旧住金出身で統合後に副社長も務めた本部文雄は嘆く。

そこに政府の脱炭素政策が追い打ちをかける。政府は50年ゼロにむけ、炭素排出に値段をつけるカーボンプライシング(CP)も検討する。

いまの製鉄法は、石炭を使い二酸化炭素が多く発生する。そのためCPは日鉄にはコスト増と同じ。「CPは市場をゆがめる」。橋本は2月に官邸で首相の菅義偉に反対を訴えたが、CP構想がとまる保証はない。

技術革新で対応しようにも、切り札の水素製鉄などの実現には4兆~5兆円かかり、1社で負担できる範囲を超える。

内外に強まる逆風に日鉄の橋本はつぶやく。「脱炭素の競争にも遅れたら日本の鉄鋼業は存亡の危機に陥る」(敬称略)

「鉄冷え」の再来と脱炭素政策にあえぐ鉄鋼業。その最前線を追う。

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竹内純子のアバター
竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説 記事に出てくる茨城県鹿嶋市は、2050年ネットゼロカーボンシティ宣言したんですね。であれば少なくとも今の炉の存在は認められないというメッセージを自ら出したわけです。
日本は世界で唯一、鉄鋼が中国に対して輸出超過とのこと。高機能製品を作る技術でまだ優位性を持っていたから。ただ、鉄の製造プロセスからはCO2は排出されます。記事中には水素還元製鉄の課題をコストだけのように書いていますが、そもそも水素還元製鉄は商用機レベルではまだどこにも存在しません。2050年ネットゼロに向けてどう移行を進めるかを社会として考える必要がありますが、それが鉄鋼業界に丸投げされている感も。

2021年4月5日 9:28いいね
2

深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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ひとこと解説 日本の鉄鋼は中国に量だけでなく環境価値(質)でも大きく水を開けられようとしている。
欧州を模範にする中国は全土での鉄鋼産業向け排出権取引制度(ETS)を近い将来実施する。そして炭素国境調整措置も導入し、ETS非導入国の鉄鋼製品に対して「グリーン関税」を課す可能性がある。中国以外の主要輸出先の韓国やタイもETS整備で日本を先行している。即ち、CPで出遅れる日本の輸出競争力は中国のみならずアジアでも低下するリスクがある。脱炭素技術では、日本は水素還元法の原料(水素)のコストが高く、電炉法も電源にしたい再エネの発電量が少ない。拠点の海外移転で国内雇用が更に減少し、産業が空洞化する懸念が高まっている。

2021年4月5日 7:49 (2021年4月5日 7:49更新)
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15

志田富雄のアバター
志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 いま、日本の高炉は3つの競争に直面していると思います。1つは昨年の粗鋼生産で世界の56%を占める中国の存在。個別企業の生産能力でも世界の上位2社と大きな差ができました。2つ目には軽量化をめざす自動車を中心にアルミなどの非鉄金属や炭素繊維、合成樹脂製品など他素材との競争があります
3つ目は環境負荷という新たな物差しの台頭です。この物差しでは、同じ鋼材でも鉄スクラップを原料につくる電炉製品が優位になります。公共工事や需要家が、リサイクル素材である電炉製品の使用比率目標を導入してくる可能性も否定できません。高炉各社には厳しい環境が続きます。

2021年4月5日 9:04いいね
1

DXシフトへ1兆円買収 日立、先行する欧米勢追う

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ3169Z0R30C21A3000000/

『日立製作所が米IT(情報技術)大手グローバルロジックの買収を決めた。産業向け機器から家電までを手がける製造業の強みを生かしつつ、データを駆使したデジタル企業への転換を目指す。電機業界で過去最大級の1兆円を投じ、遅れが目立つIT事業の世界展開を一気に進める。欧米の競合が先行していた製造業のソフト化が日本でも加速する。

31日、96億ドル(約1兆368億円)を投じる買収を発表した。7月をメドにスイスの大手投資フ…

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7月をメドにスイスの大手投資ファンド、パートナーズ・グループなどの既存株主から全株式を取得する。

2000年創業のグローバルロジックは米シリコンバレーに本社を持ち、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステムを提供している。年間売上高は1000億円強で、米通信大手のTモバイルやスウェーデンの商用車大手ボルボなど欧米の大手企業を中心に世界400社超の顧客を抱える。

日立は鉄道やエレベーター、電源設備など多くの産業向け機器を商品群に持つ。変圧器は受注額のシェアで世界首位だ。

ただ中国勢などの追い上げが激しく、ハード機器を売るだけでは十分な収益を確保できなくなっている。対応策としてデータの収集や分析を駆使した独自のIoT基盤サービスを16年に投入。例えばエレベーターの機器と同サービスをセットで売り込み、センサーデータを基に故障を予知して早期の部品交換を促すビジネスを展開している。

鉄道でも、車両に加えて乗客の増減を基に運行ダイヤを柔軟に変えるIoTサービスを顧客に提案している。ソフトサービスは利用に応じて売り上げが発生するためハード機器売りと組みあわせれば利益率の向上にもつながる。

オンラインで記者会見する日立の東原敏昭社長(3月31日)
デジタルシフトを急ぐなかで課題は海外展開だ。現状ではIT事業は国内官公庁や金融機関向けが中心で海外売上比率は3割程度にとどまる。日立全体の約5割と比較しても見劣りする。IoTシステムの構築は顧客と一体となった開発が不可欠だが、海外での足場が弱く相手の要求に応じきれないなどの限界があった。

グローバルロジックは製造現場などから吸い上げたデータを活用し、経営全体の改善までつなげるシステムの構築などに強みがある。また世界各地に開発や顧客との接点となる拠点網がある。同日、記者会見した東原敏昭社長は買収について「グローバル展開を加速させるためだ」と明言。1兆円の金額も「妥当だ」と述べた。

IT技術を取り込んでの構造転換は欧米製造業が先行する。独シーメンスは家電や通信機器などの事業の株式を売却。一方で産業用機器からデータを集めて分析する新サービスを強化し、故障予知などのビジネスを拡大している。米ゼネラル・エレクトリック(GE)もデータ分析を使った産業向けIoT基盤「プレディックス」を展開している。

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杉本貴司
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点(再掲)
もはや日立製作所が社名から「製作所」を外してHitachiに変更しても驚かない。会社が向かうべき方向性をはっきりと示したと言えます。課題解決型のIoTプラットフォーマーへの大転換を、グローバル規模で進められるか――。割高との指摘もありますが、その決意がにじむ超大型ディールだと思います。

ものづくりからソフトウエア主導の企業への転換は日本の電機産業全体の課題です。パナソニックもブルーヨンダーの買収交渉が伝えられ、1日はソニーが社名を変更。エレクトロニクスの会社から「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニー」への転換をうたう。日本の巨象はもう一度踊るか。

2021年4月1日 0:45いいね
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マツダの世界販売4%増 2月、中国販売伸びる

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB307DB0Q1A330C2000000/

『マツダが30日発表した2月の世界販売台数は、前年同月比4%増の10万2317台だった。増加に転じるのは14カ月ぶり。新型コロナウイルスの影響で昨年2月に中国での販売が激減していたこともあり、反動で増えたことが寄与した。一部改良した多目的スポーツ車(SUV)「CX-8」が伸び、国内販売は1%増の1万8038台と2カ月連続で増えた。

一方、感染拡大が続く欧州では苦戦が続いている。欧州の販売台数は11%減の1万2565台と14カ月連続で減った。2月16日時点で6割の販売店が休業しており、回復はまだ見通せない。米国は8%減の2万6008台となり、3カ月ぶりに減少。営業日数が前年同月より2日少なかったことや、米南部での寒波の影響で販売店への来客が減少したことが響いた。

国内生産は5%減の7万2633台となった。世界的な半導体不足が3月以降の生産に与える影響については、「取引先と日々協議をしている。生産台数への影響についてのコメントは控える」(広報担当者)としている。

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装置損傷が17台に拡大したルネサス工場火災、「明確な復旧時期は聞いていない」

https://newswitch.jp/p/26585

『火災があったルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の稼働停止が長引く懸念が強まっている。損傷を受けて使えなくなった半導体製造装置がルネサスが当初発表した11台から、17台に拡大していることが28日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。半導体需要の高まりを受けて、早期の製造装置の調達が難しい状況。自動車業界では、半導体不足の長期化を危惧する声が広がっている。

火災が発生した生産ラインは主に自動車向けを扱う。ある乗用車メーカー幹部はルネサス側から「(生産ラインの)明確な復旧時期は聞いていない」と話す。

自動車業界は20年末から深刻な半導体不足に悩まされており、減産影響は「最低4―6月まで伸びる認識だ」(同幹部)。今回のルネサスの火災を受けて、各自動車メーカーはさらなる対応を迫られている。

那珂工場内の生産ラインで19日に発生した火災をめぐり、ルネサスは21日の会見で焼損した装置が11台だと公表した。ただ、その後の調査で使用できない装置が17台に膨れたようだ。火災によるススなどの影響を受けたと見られる。

ルネサスはクリーンルーム内の清掃や被害を受けた装置の調達などで、1カ月以内の生産再開を目指している。ただ、被災した装置の台数が増えたことで、半導体製造装置も不足するなか再開に向けたハードルは高くなっている。』

トヨタ、SUVタイプのEVを公開 上海国際自動車ショーで

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD159EI0V10C21A3000000/

『トヨタ自動車は15日、新型の多目的スポーツ車(SUV)の電気自動車(EV)を4月21~28日に開かれる上海国際自動車ショーで公開すると発表した。EV専用につくられた共通の部品や設計を使い開発効率を高める設計手法「e-TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を初めて採用した新型車をお披露目する。

EVの需要が高まる中国で新型車を公開し、市場にアピールする狙いがあるもようだ。これまで2020年12月に欧州市場への投入が公表されていた。

初めて採用される「e-TNGA」はスバルと共同開発しており、前輪、後輪、および四輪駆動に対応する。スバルとは、モーターをはじめとしたEV専用部品も共同企画した。人気のSUV「RAV4」と同程度の中型サイズになる見通しで、日本国内の工場で生産する。発売時期や価格などは明らかにしていない。

トヨタは20年代前半に世界で10車種以上のEVを投入する計画を持つ。20年には中国と欧州などで、高級車「レクサス」として初めての市販EVを発売した。2月には米国でEV2車種を発売すると発表している。

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トヨタの新型EVは中型SUV、数か月以内に発表—新世代電動車向け車台を採用
https://response.jp/article/2020/12/08/341078.html

トヨタ「RAV4」に発火リスク 米当局が初期調査

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01C8X0R00C21A3000000/

『【ニューヨーク=中山修志】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は1日、トヨタ自動車の多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」にバッテリーの発火のリスクがあるとして初期調査に入ったことを明らかにした。米国で販売した約186万台が対象で、バッテリー付近の発熱や発火などこれまでに11件の報告があったという。

NHTSAによると、報告の大部分は車両前部に搭載したバッテリー付近の発熱や発火で、走行時にスピードが低下したという報告もあった。バッテリーの取り付け不良や過去の修理が影響した可能性もあるが、報告件数が多いため調査を行うという。

調査対象は2013年~18年型の北米モデルのRAV4で、日本では販売していない。トヨタは「NHTSAの初期調査は認識しており、調査に協力していく」とコメントした。』

コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」、1万台以上売れた秘密

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2102/08/news042.html

 ※ これは、絶対見といた方がいい…、記事だと思うので、紹介しておく…。

 ※ 商品開発というものの”ツボ”とか、人(この場合は、小学生)のやる気というものの”勘どころ”なんかが、満載だ…。

 ※ 特に、「むげんの庭」の話しなんか、秀逸だ…。

米高裁、ゴーン被告逃亡支援の親子の日本移送を支持

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN120200S1A210C2000000/

 ※ こっちも、外堀は徐々に埋まってきた感じだ…。

『【ニューヨーク=中山修志】米ボストン連邦高裁は11日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の海外逃亡を手助けしたとして拘束された米国人の親子2人について、日本への身柄の引き渡しを認めた地裁判決を支持した。

陸軍特殊部隊グリーンベレー元隊員のマイケル・テイラー容疑者と息子のピーター・テイラー容疑者は、保釈中だったゴーン被告が2019年12月にレバノンに逃亡するのを手助けしたとして、昨年5月に米当局に拘束された。

ボストンの連邦地裁は今年1月、日米間の犯罪人引渡条約に基づいて日本への両容疑者の引き渡しを認めた。両容疑者の弁護士は判断を不服として上訴していたが、ボストン高裁は11日、弁護側の異議申し立てを却下した。

【関連記事】

米親子移送の不服申し立て棄却 地裁、ゴーン被告逃亡で
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トヨタ、米でもEV発売へ 22年めど2車種

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN110GH0R10C21A2000000/

『【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車は10日、米国で電気自動車(EV)2車種を発売すると発表した。販売車種の詳細は明らかにしていないが、日本から輸入する多目的スポーツ車(SUV)になるとみられる。年内に販売車種を公表し、22年をめどに売り出す見通し。

EVの普及拡大を掲げるバイデン米政権の発足に合わせ、米国でEVの品ぞろえを追加する。米国はEVの販売比率が1%台と欧州や中国に比べ普及が遅れていたが、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターなど米大手がEVシフトを強めている。

トヨタは20年代前半に世界で10車種以上のEVを投入する計画で、20年9月には欧州で高級車「レクサス」のSUVを発売した。12月には日本製のSUV型のEVを欧州市場に追加する計画を表明しており、米国でも同モデルを発売する見通しだ。

トヨタは12年にテスラに生産委託したSUV「RAV4」のEVモデルを発売したが、既に生産を終了している。

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トヨタ生産5年ぶり最高 10~12月、調達力生かし急回復
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パナソニック、マスク氏との同床異夢

パナソニック、マスク氏との同床異夢
苦闘パナソニック(2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHD26AZH0W1A120C2000000/

『米テスラの電気自動車(EV)工場があるカリフォルニア州フリーモント近く。真新しい電池の製造装置が港で続々と陸揚げされる。電池の内製化に向け、テスラが購入した特注品だ。「ベイエリアに電池の自社工場を造る」。1月27日、テスラの決算会見で最高経営責任者(CEO)イーロン・マスクは年内の生産開始に自信をみせた。

【前回記事】
このままでは勝てない パナソニック、持ち株会社化へ

2020年秋、マスクが電池の内製化を発表する少し前。「電池を内製したい。何か提案はないか」。…

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パナソニックは突然打診を受けた。パナソニック社長の津賀一宏は「そうですか」と冷静に振るまったが即座にテスラが内製する電池と同タイプの開発を指示した。

「単独でなんてつくれへんやろ」。パナソニック幹部はこう漏らした。テスラ事業はようやく21年3月期に黒字化を見込み、持ち株会社化を機に電池事業を「基幹事業」に引き上げる。「(テスラは)ええ加減にせえよ」(幹部)と言いつつも新型電池開発に追随するほかない。

マスクは内製化後もパナソニックなどから電池購入を続けると話す一方、「調達価格には上限がある」とくぎを刺す。テスラは2万5000ドル(約260万円)のEV投入を目指す。生産コストの3割を占める電池価格の値下げ圧力は増す。

これまでも苦労の連続だった。14年に米ネバダ州の巨大電池工場「ギガファクトリー1」の共同建設で合意し、日本人技術者300~400人が現地に飛んだ。工場は山々が囲む乾燥地帯。ホテルと工場を往復する日々を重ね、4年かけて量産を軌道に乗せた。津賀は「テスラは運命共同体のパートナー」と公言し年1回は渡米して工場などでマスクと顔を合わせてきた。だが最初からマスクとは同床異夢だったのかもしれない。

10年秋、テスラに出資する契約調印式。マスクはパナソニック幹部を自ら立ち上げた米宇宙開発のスペースXに招いた。「宇宙のサプライチェーンをつくるんだ」。EVの話題をよそにロケット打ち上げに成功したビデオを見せながらうれしそうに話した。「なんやそれ」。報告を聞いた当時の社長、大坪文雄は周囲にこぼした。

「次の社長は電池にも詳しい」。20年11月の社長交代発表の直前、津賀は車載事業担当の楠見雄規への社長交代を知らせる英文メールをマスクに送った。だがマスクから返ってきたのは親指を立てた「いいね!」マークだけだった。(敬称略)

リチウムイオン電池素材競争、中国台頭 瀬戸際の日本

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ139U50T10C21A1000000

『脱炭素で重要な役割を担い、ノーベル化学賞受賞者も輩出した日本のお家芸のリチウムイオン電池材料。その雲行きが怪しくなっている。電気自動車(EV)など電動化の需要に日本勢がついて行けなくなりつつある。セパレーター(絶縁体)では旭化成が中国メーカーにシェア首位を奪われた。電池メーカーではパナソニックに代わって中国勢が台頭する。日本の素材産業はサプライチェーンの変化の波を乗り越えられるか。

中国のセパレーターの単価、日本の半分程度
「2019年以降のセ…

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「2019年以降のセパレーターの価格下落は想像以上だ」。住友化学の岩田圭一社長は自社想定を上回る市況の下落に危機感を募らせる。セパレーターはリチウムイオン電池の正極と負極を隔てるために使う薄い素材で、電池の中核素材。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が所属する旭化成や住化など日本勢が得意としていた。

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が所属する旭化成は、セパレーターの首位を中国に明け渡した。

なぜ、19年以降に価格下落のスピードがあがったのか。探っていくと、ある事実が浮かび上がった。中国勢の台頭という電池材料のサプライチェーンの構造変化だ。

旭化成は19年、主力のセパレーターの世界シェア首位の座を明け渡した。トップに立ったのは中国の上海エナジーで、18年比4ポイント増の18%のシェアだった。中国や韓国LG化学などの電池メーカーに納め、米テスラが中国で生産するEVにも搭載されているとみられる。

上海エナジーは現在、中国や東欧で生産増強を相次いで進めている。価格競争力も高く、「上海エナジーのセパレーターの単価は日本勢の半分程度」(業界関係者)という。中国勢がけん引するかたちで、市況の下落が急速に進む構図だ。

電池素材、中国勢が相次ぎ台頭

電池材料では上海エナジーのような中国勢が台頭する。矢野経済研究所によると、19年の世界出荷シェアは14年比で正極材、負極材、セパレーターで15~20ポイント増えた。一方の日本勢は軒並みシェアを落とした。パソコンやスマートフォンなど電子機器から車載向けへの電池市場の転換や、中韓勢の電池メーカーの台頭、そして世界的なEV化推進の潮流が背景にある。

電池素材の車載向けシフトは急速だ。リチウムイオン電池の出荷量の構成比率は電動車向けが19年の57%から23年には全体の71%に急拡大する見込み。自動車向けは電子機器用に比べて電池の容量が大きくなる。コスト要求も厳しくなり、量産勝負になってしまう。

供給先の電池メーカーでも中韓勢の台頭が著しい。19年は車載向けの世界シェアでは中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が首位に立った。LG化学も米ゼネラル・モーターズとの合弁で大型投資するなど、急速に出荷量を増やしている。

一方、業績が低迷するパナソニックは、テスラと共同運営する巨大電池工場「ギガファクトリー1」に巨額投資をして以降、大規模な電池投資に踏み切れていない。20年4月にはトヨタ自動車と車載電池事業の共同出資会社を発足したが、パナソニックの出資比率は49%で、経営の主導権をトヨタに渡した。電池事業で機動力を失い、テスラの中国生産分への供給は中国や韓国の電池メーカーが中心になっている。

日本の電池素材メーカーもLG化学など海外電池メーカーに納入実績があるが、主な納入先はパナソニックだ。中韓メーカーが取引する現地素材メーカーとはコスト面などで苦しい戦いになる。

CATLは車載リチウムイオン電池分野で急速にシェアを拡大している(同社の電池工場)
実際、CATLは電池素材を主に中国メーカーから調達しており、「日本に頼る必要性は低い」(CATL幹部)と言う。日本勢が劣勢に回るなか、「パナソニックにはなんとか頑張って欲しい」(日系化学メーカー幹部)との声が漏れる。

車載向け電池は今後、一段と需要が拡大する。欧米や中国メーカーのEVシフトが、世界のガソリン車規制と並行して進むためだ。英国が30年、仏が40年にガソリン車の新車販売を禁止する方針を表明した。中国も35年をメドに新車販売をEVやハイブリッド(HV)車などに限る方針だ。

EV普及の課題である電池コスト削減を目指すテスラは20年9月、電池のセルを自社生産する方針を表明した。電極素材や製造工程を抜本的に見直し、容量当たりの生産コストを現在に比べ56%引き下げる計画だ。米ゴールドマン・サックスは蓄電池のコストは27年に1キロワット時あたりのコストが、19年比で半分の100ドルを切ると予想する。

中国台頭で岐路に立つ日本の電池素材メーカー

ただ、日本の化学メーカーからは「テスラの内製化とは距離を置きたい」との声が相次ぐ。コスト要求が厳しくなり、製造する電池の安全性の担保に不安があるためだという。では、こうした状況下で日本の化学メーカーはどう戦うのか。

生産増強やコスト削減に動くのは三菱ケミカルや住化だ。三菱ケミカルは電解液の生産で数十億円を投じ、23年までに米国と英国、中国の各工場の設備を増強し、生産能力を現在より5割増の年9万トンに増やす。増強は生産プロセスのデジタル化が中心となる予定で、在庫管理システムの導入や原料の投入や計量の自動化を進めて少ない投資で生産能力を高める戦略だ。

住友化学も車載向けに使われるアラミド樹脂を使ったセパレーターの生産改善を進め、製造コストを17年比で4割削減を目指す。

一方、東レは車載向けの量産競争に距離を置く姿勢だ。22年までにハンガリーでセパレーターを生産増強するが、その後の増産計画は白紙だ。日覚昭広社長は「車載向けはもうからない。車載はハイエンドに特化し、強みが生かせる民生向けも強化したい」と語る。

大和証券の梅林秀光シニアアナリストは「車載向けは先行投資が重い。原料調達力より加工技術が求められる領域や放熱材料などニッチな分野から勝負する発想が必要だ」と話す。

中国勢と提携する動き、日本では再編も

環境性や安全性など技術に活路を求める動きもある。三菱ケミカルは負極材で製造時の環境負荷が低い天然黒鉛を使った製品の量産化を計画する。電池容量の低下につながる充放電の許容回数が2倍にする技術を確立しており、自動車向けへの採用を23年にも実現したい考えだ。東レも容量を2~3倍にすることができる金属リチウムを使った電池向けのセパレーターを開発した。3~5年後の製品化を目指す。

中国の電池素材メーカーが台頭するなか、アライアンスで中国勢と強みを持ち寄る動きも出てきた。帝人はリチウムイオン電池のセパレーターにコーティングを施す事業を行う。コーティングで電池容量を大きくしたり、安全性を高めたりできる。この製造に関する技術ライセンス契約を19年に上海エナジーと結び、20年末には対象となる技術と用途を広げた。帝人の鈴木純社長は「車載向けは市場規模が非常に大きい。自社生産は一定規模にとどめ、外部に製造委託する考えだった」と話す。

中国との競争が激しくなり、今後、多数のメーカーが競う日本では事業再編も進みそうだ。電解液では三菱ケミカルと宇部興産が20年に中国に加え、日本でも事業を統合した。三菱ケミカルは電解液で300弱の特許を持つ。宇部興産の泉原雅人社長は「知財も含めて三菱ケミカルと事業を統合し競争力を高めた」と話す。

三菱ケミカルの英国の電解液工場

最終製品を作り上げるメーカーが競争力を失うと、そこに連なる部品・素材メーカーの弱体化につながる。素材は装置産業で、大規模な設備が伴う。投資から回収までビジネスの息が長いが、急速な環境変化に対応する経営の柔軟性の向上が課題となる。

電子部品や半導体製造装置メーカーのように、日本の最終品メーカーが力を失っても、常に先頭集団を走る最終品メーカーの上位企業に食らいつき続け、世界で競争力を高めている部品・素材メーカーは多い。電池素材という日本のお家芸を残すには、サプライチェーンの変化に向き合い、事業構造を転換できるか否かがカギを握る。

(企業報道部 福本裕貴、岩野恵)

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日経産業新聞

中国、レアアースの統制強化 日本企業にも影響

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15AUM0V10C21A1000000

『【北京=多部田俊輔】中国政府は15日、レアアース(希土類)の統制を強化すると発表した。これまでは生産分野を管理してきたが、輸出を含めたサプライチェーン(供給網)全体に統制の対象を広げる。米国の対中包囲網を念頭とした法整備の一環とみられ、高性能磁石に強みを持つ日本企業の事業に影響が出る可能性もある。

中国の工業情報化省が同日、レアアース管理条例の草案を発表した。条例制定の理由について「新興産業の発展と国防科学技術の進歩に重要な意義があり、特別に保護する必要がある」と説明した。2月中旬まで専門家らの意見を募り、年内にも施行する見通し。

条例案は29条で構成。鉱山開発から精錬分離、金属精錬などの生産、利用、製品流通までのサプライチェーン全体を適用範囲とする。従来の鉱山開発や精錬分離を中心とする管理から大幅に広げた。輸出入についても企業は輸出管理の法律法規を順守しなければならないと明記し、戦略物資の輸出管理を強化するために2020年12月に施行した輸出管理法との連携も視野に入れるとみられる。

レアアースは電気自動車の基幹部品のモーターに組み込む高性能磁石などに不可欠な材料で、ドローンやミサイルにも使われているとされる。中国は世界生産の6割超を占める。日本企業は中国産レアアースを調達して高性能磁石を生産しており、顧客には米国企業も含まれる。

レアアースを巡っては、2010年の尖閣諸島を巡る日中対立で中国当局は輸出を一時的に停止した経緯がある。中国側はレアアースを外交カードと利用できる「戦略資源」と位置づける。米国がハイテク分野で日本を含めた対中包囲網の構築に動くなかで、「中国当局が対抗措置として新たな条例を利用する懸念もある」と外資系企業幹部は指摘する。米国企業を顧客に顧客に持つ日本企業が輸出停止などの措置の対象となる事態も懸念される。

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車生産、半導体不足で混乱 トヨタも米国で1車種減産

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ086CP0Y1A100C2000000

『自動車生産に必要な半導体不足が深刻化している。電動化の進展で不可欠な部品だが、スマートフォン向けなども需要が旺盛で、自動車に回す余裕が半導体業界でなくなっているためだ。独フォルクスワーゲン(VW)やホンダに続き日産自動車も減産に踏み切る。トヨタ自動車も米国時間8日、同国で生産するピックアップトラック1車種の生産を減らす方針を明らかにした。影響はグローバルに広がっている。

【関連記事】

日産、半導体不足で減産 1月から「ノート」5000台規模
トヨタは米南部テキサス州のサンアントニオ工場で生産する…

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・トヨタは米南部テキサス州のサンアントニオ工場で生産する北米向けの大型ピックアップトラック「タンドラ」の生産ペースを抑える。減産の規模や期間は明らかにしておらず、その他の生産車種についても半導体不足の影響を精査している。

・「半導体をしっかり確保できるか見極める必要がある」。2020年12月下旬、トヨタの担当者は国内の一部のグループ部品会社にこう説明してまわった。トヨタは例年ならばこの時期に翌年の生産計画を部品会社に説明する。今回は「暫定値」しか示せない異例の事態となった。

・既にVWは半導体不足を理由に中国や北米、欧州での生産調整を発表。ドイツでは主力車「ゴルフ」の生産を12月から21年1月中旬まで停止する。VW傘下のセアトもスペインで1月下旬から4月まで減産。ホンダも生産調整を決め、1月は鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)で手がける小型車「フィット」など約4千台を減産する方針だ。SUBARU(スバル)幹部も半導体不足を巡り「1月中には何らかの影響は必ず出る」と身構える。

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・混乱の原因は、主に独ボッシュや独コンチネンタルなど自動車部品大手からの半導体を搭載した部品の供給が遅れていることだ。半導体をオランダのNXPセミコンダクターズやスイスのSTマイクロエレクトロニクスなどの半導体大手から調達しているが、一部が滞っているもようだ。

・電気自動車(EV)や自動運転技術の普及で、車載半導体の重要度は高まっている。KPMGジャパンによると、EV1台あたりの半導体使用量はガソリン車に比べ2倍多い。足元では新型コロナ禍からの需要が急回復し多くの半導体が必要に。一方で巣ごもり需要などでパソコンやスマホ向け半導体調達も増えた。半導体業界には複数の業態から異なる仕様の製品発注が集中し、応じきれなくなっているようだ。

・供給が滞る大きな原因に、半導体産業で進む「水平分業」と呼ばれる開発と生産の分離がある。半導体メーカーは自社生産でなく、半導体受託生産会社に発注する場合も多い。装置の条件や組み合わせを変えるなどして、多様な半導体を生産するため一定の時間がかかり、同時に異なる半導体を作るのは難しい。

・現在は業界を超えて奪い合う状態で「受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)への最先端品の注文は半年先まで埋まっているとの話もある」(英調査会社オムディアの杉山和弘コンサルティングディレクター)。コンチネンタルは車載半導体の供給の正常化までに「半年近くかかる可能性がある」とする。

・車は20年前半にコロナ禍で大半の生産が止まった。その間もビジネスを広げたスマホや携帯基地局などのハイテク業界に半導体を買い負けている側面もある。車の高度化で存在感を増す半導体が生産のボトルネックになっていることは業界の新たな課題と言えそうだ。

日本車メーカーの米新車販売、20年23%減 コロナ響く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CVH0V00C21A1000000

『【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車など日本車メーカー6社が5日に発表した2020年の米新車販売台数は19年比23%減の494万台となった。新型コロナウイルスの感染拡大で春から夏にかけて販売が落ち込んだ。年後半から売れ行きは復調してきたが、足元では感染が再拡大しており、21年の自動車市場がどこまで回復するかは不透明だ。

20年通年の販売はトヨタが19年比11%減の211万台、ホンダが16%減の134万台など5社が前年を1~3割下回った。利益改善のため値引きを抑えた日産自動車は33%減の89万台と大きく落ち込んだ。新型SUV(多目的スポーツ車)が好調だったマツダは27万台と前年と横ばいだった。

新型コロナの影響で4~5月に米国の自動車の生産が停止し、日本車6社の販売は4~6月期に35%減となった。6月以降は販売が持ち直し、10~12月期は同3%減まで戻した。新型コロナの感染ペースは11月ごろから再拡大しているが、「販売への目立った影響は出ていない」(北米トヨタ)という。12月は営業日が前の年に比べ3日多かったこともあり、トヨタの販売は前年同月比で20%伸びた。

米自動車大手ではゼネラル・モーターズ(GM)の20年通年の米国販売が19年比12%減の254万台、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が17%減の182万台だった。フォード・モーターは6日に販売実績を発表する。

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逃亡1年のゴーン元会長、自省なく活動活発 狭まる包囲網

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『日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(66)が海外に逃亡して29日で1年がたつ。中東レバノンに逃れたかつてのカリスマ経営者は同社の苦境をよそに、大学などで精力的に活動、自省の念はうかがえない。身柄引き渡しの見通しは依然として立たないが、仏当局も追及を強める。徐々に狭まる包囲網。日本の法務・検察当局も身柄確保への期待を捨てていない。

「レバノンだけでなく(中東)地域トップになる」。9月、レバノンの大学の壇上…

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・英語やフランス語で経営者や起業家の育成計画を雄弁に語り、自身の協力で大学に設けられた新課程の未来に胸を張った。2021年3~5月の6日間のみの授業に参加者は1万5000~2万ドル(約150万~200万円)を支払う。

・日産の資金を流出させたなどとして会社法違反罪などに問われた元会長は19年12月29日、保釈条件に違反して関西国際空港から出国した。逃亡先は少年時代を過ごしたレバノン。元会長と政府との関係は深いとされ、地元メディアによると、レバノンの検察当局は今年11月、敵国のイスラエルに入国したなどとして弁護士らが要求していた元会長の訴追を行わないと決めた。日本からの逃亡を巡る訴追にも消極的とみられる。

・海外逃亡で手に入れた〝自由〟の下、最近の活動は精力的だ。フランスの映像制作会社などは10月、元会長のドキュメンタリー映像の制作を発表した。元会長夫妻の協力の下、既にレバノンの首都ベイルートで撮影を始めている。

・11月には公式ウェブサイトも開設し、改めて日本の司法制度を「人質司法」と批判。自身の役員報酬過少記載事件の共犯として日本で続く日産元役員の公判について「長い戦いになる」と推測してみせた。ベイルートでは8月に大規模な爆発が起きたが、元会長の自宅に目立った被害はみられなかった。今も自宅で生活しているかどうかは判明していない。

・元会長がうかがわせる余裕は、逃亡計画を主導したとみられる〝キーマン〟の置かれた状況と無関係ではなさそうだ。米陸軍特殊部隊元隊員のマイケル・テイラー容疑者(60)親子について米連邦地裁や国務省がいったん日本への身柄引き渡しを認め、日本で裁判を受ける可能性が高まったが、弁護側の申し立てを受けて10月末に移送手続きは中断された。

9月、レバノンの大学に姿を見せたゴーン元会長=ロイター

・ただ、元会長への追及は厳しさを増しつつある。国際刑事警察機構(ICPO)を通じてレバノンなど各国に身柄拘束を求める日本の検察当局だけではない。仏捜査当局は自動車大手ルノーの会長当時、同社の資金を不正使用した疑惑の捜査を続けている。今年12月には、元会長が税法上の居住地を虚偽申告したとして仏税務当局が夫妻の所有財産約1300万ユーロ(約16億円)相当を差し押さえた、と仏紙が報じた。

・レバノンの国内情勢が元会長の出方を左右する可能性もある。レバノンは3月に債務不履行(デフォルト)に追い込まれ、8月には首都ベイルートで起きた大爆発で中心部が甚大な被害を受けた。長年の政治腐敗や行政の機能不全も絡み、8月以降、新政権すら発足していない。各銀行は資金不足から顧客の預金引き出しの限度額を月数万円に絞っている。

・人々の不満が頂点に達しようとするなか、英スタンダードチャータード銀行の現地トップなどを歴任したエコノミストのダン・アジ氏は「(元会長も含め)特権を享受してきた富裕層の資産をカットするしかない」と指摘する。

・レバノンに滞在する限り元会長の刑事責任追及は困難だが、元会長を取り巻く環境は変わっている。日本の法務・検察幹部の一人は「政権の考え方が国内情勢を受けて変わる余地もある。海外当局などの動向も注視し、身柄の引き渡しにつなげたい」と話している。

日産、大きな傷痕 ブランド力回復には時間

・日産自動車はゴーン元会長の逮捕後、独裁体制を生んだとの反省などからコーポレート・ガバナンス(企業統治)改革を進めてきた。2019年6月には監督と業務執行を分離する指名委員会等設置会社に移行。社外取締役を大幅に増やすなど透明性を高めた。

・「ゴーン時代は取締役会が議論すらなく、重要事項が10分で決まることもあった。今は議論が活発になった」。ある幹部は打ち明ける。

・一方、経営の立て直しは道半ばだ。19年12月に内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)がトップの新経営体制が発足したが、この1年は元会長が進めた拡大路線の後処理に追われた。値引きに依存しながら規模を追求してきたためブランド力が低下。新型コロナウイルス禍を受けた販売低迷も重なった。21年3月期の連結最終損益は6150億円の赤字と、2期連続で6000億円台の巨額赤字を見込む。

・日産は20年5月に新たな中期経営計画を公表した。内田社長は規模を追う経営からの決別を宣言し、「日産を必ず成長軌道に戻す」と力を込めた。20年秋に米国で最量販車「ローグ」の新モデルを投入するなど新型車攻勢も始まり、足元で最悪期は脱しつつある。

・もっとも、ブランド力の回復には時間がかかる。筆頭株主である仏ルノーとの資本関係を巡る議論も中長期の懸念材料だ。かつては日産との経営統合をルノーに迫る仏政府などの圧力を元会長がかわしていたが、「再び同じ状況になった時に、ゴーンのように立ち回れる人間がいないのは大きなリスクだ」(日産幹部)。カリスマ経営者の退場は同社になお大きな傷痕を残している。

カルロス・ゴーン氏が不法出国した飛行機がリアルタイムで確認か / Flightradar24(2020.01.02)
https://buzz-plus.com/article/2020/01/02/carlos-ghosn-flightradar-news/

レクサス初の市販BEV「UX300e」が登場

レクサス初の市販BEV「UX300e」が登場。EVオーナー目線でメカニズムをチェック
2019/11/26 06:45 carview!
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/db2236f3dd4567a3f8c42e454075761fe6c64a0a/

※ スゲーな…。シートの下は、ほぼ「電池ユニット」で占められている…。

※ 当たり前の話しだが、「動力伝達機構(プロペラシャフトなんか)」なんてものは、無い…。モーターで、フロント・タイヤをぶん回すだけだ…。

※ 「電池ユニット」には、カバーが施されている…。けっこう発熱するんだろう…。基本、「化学電池」なんで、「温度のコントロール」が重要らしい…。

※ サスペンションとか、ブレーキとかは、そのまま…という感じだな…。

※ 「電池ユニット」は、相当な「重量物」とみえる…。丹念に、「補強材」を入れている…。

※ こうなると、「モノコック」ボディ構造(特に、シャシーでではなく、フロアパンとか、縦に入れる「ピラー」なんかの「ボディ構成材」全体で、形成する手法)というよりも、かつての「ラダー・フレーム」構造の復活だな…。

※ 下から見たところ…。やはり、「補強材」がすごいな…。

※ これは、「サスペンションの構造」を示すもののようだ…。

※ 代表的なものとして、上記のようなものがあるらしい…。

※ 「モーター+変速機」の拡大図のようだ…。いかにもゴツイな…。

※ 最後に、「電池ユニット」とその「配線」の俯瞰図だ…。配線ケーブルとて、ちゃんと気を配らないと、「被覆が燃えて」火災事故につながったりする…。家庭用の電気製品とは、比べものにならないくらいの「巨大電流」が流れることもあるんだろうからな…。

『シーンに応じた駆動力コントロールとバッテリーの温度管理がポイント

東京モーターショーでは近未来のモビリティ社会へのアプローチを示していたトヨタ。いわゆる「クルマの電動化」についての具体的な提示としては燃料電池車「MIRAI」の次期型を見せたくらいという印象もあったが、11月に入って世界のモーターショーにて具体的な電動車両を相次いで発表している。ロサンゼルスオートショーではプラグインハイブリッド「RAV4 Prime」を、そして広州モーターショーではレクサス初の電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)として「UX300e」を世界初公開した。

それぞれコンベンショナルなエンジン車も用意されている車種をベースとしているが、それは新世代プラットフォームが様々な電動化に対応した設計となっていることを示す。電動車両であることで個性をアピールするのではなく、魅力的なモデルを作り、その中に選択肢としてプラグインハイブリッドやBEVといった選択肢を用意するという商品企画の考え方も、この2台は示しているように感じられる。

さて、ここで注目したいのはレクサス「UX300e」だ。レクサス初のBEVという謳い文句だが、トヨタとしても自社技術による量産BEVとしてはほぼ初めてといえる。過去に量産したといえるBEVはコンパクトカー「iQ」をベースに100台限定で作られた「eQ」とテスラと共同開発したものの2年ほどで生産を終了した「RAV4 EV」くらいしかないからだ。

UX300eは従来のBEVによる経験は活かしているかもしれないが、技術的な流れとしてはまったく新しいものと考えるのが妥当だ。では、そのポイントはどこにあるのだろうか? 実際に国産BEVをオーナーとして日常的に使っている経験から三点に注目したい。

まず、ひとつ目はレクサスらしい静粛性へのこだわりだ。メーカー発表では『床下バッテリーに遮音壁としての機能を持たせたほか、エンジンやトランスミッションの音がないゆえに聞こえる風切り音や小石・砂などの巻き上げ音にも配慮』と記されているが、たしかにBEVというのはパワートレイン由来のノイズがエンジン車に対して圧倒的に少ないぶん、ほかの走行ノイズが目立つ。とくにハッチバックボディではリアタイヤハウスから発生する音が気になるのは事実。そのあたりを対処しているのであればBEVらしい静粛性が強調されているだろうし、また床下バッテリーパックを遮音壁に利用するというアイデアも興味深い。

ふたつ目はトヨタ・ハイブリッド技術の応用による駆動力コントロールだ。こちらもメーカー発表では『ハイブリッドで培ったモーター制御技術を軸として、パワートレーン・ステアリング・サスペンション・ブレーキなどを統合的に制御。これにより走行シーンに応じた駆動力コントロールを行うことで理想的な車両姿勢を実現』とある。電動モーターのレスポンスが鋭いことは知られているだろうが、既存のBEVであっても1/1000秒という単位で駆動力を制御して走りのスムースさを生み出している。また、駆動力によるコーナリングアシストといった技術も実装されている。トヨタが同様か、それ以上の制御を入れているというのは不思議な話ではない。

みっつ目がバッテリーの温度管理だ。メーカー発表では『低温/高温下でも正常に動作するようバッテリーに温度調整機能を備える』と書かれているだけだが、バッテリーの温度管理というのは実際の航続距離にてきめんに効いてくる。それは空冷バッテリーのBEVに実際に乗っていると感じる部分だ。季節によって航続距離や充電時の入り方が如実に変わってしまう。冷えすぎても熱すぎても性能は変化する。具体的にいえば同じ充電量での航続距離が外気温の影響を受けるため、そのあたりを考慮する必要がある。バッテリーの温度管理はBEVの使いやすさには欠かせないメカニズムだといえる。

どのような仕組みでバッテリーの温度管理を行なうのか具体的なことは不明だが、公開されている画像では強制空冷システムらしきユニットが確認できる。夏場は冷房の、寒いときには暖房の空気を送り込むことでバッテリーの温度管理を行なうのだろう。バッテリーの温度管理に水冷式を使っているモデルもあるが、あえて強制空冷を使った意図は重量増を嫌ったのだろが、その効果はどれほどなのかは気になるところだ。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)』