トヨタが22年組織再編、ソフト第一へ 統合ECUで後押し

トヨタが22年組織再編、ソフト第一へ 統合ECUで後押し
日経クロステック取材班
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04578/

 ※ これ、投稿にしていなかったようだな…。ちょっと、古いが、貼っておく…。

 ※ メカ+エレクトロニクスで、「メカトロニクス」になったように、「ハード」と「ソフト」が融合して、車も「ある別のもの」になって行くんだろう…。

 ※ ただ、日本の場合、あくまで「ハード寄り」「ハードを生かす(さらに進化させる)」ための「ソフト」…、というスタンスにするのがいいような気がする…。分厚い「ハードの製造業」の蓄積・基盤があるからな…。

 ※ 買う側の「消費者サイド」からすれば、「お題目」なんか、どうでもいい…。しっかり、「作動してくれて、購入費用に見合うだけの『価値』が手に入れば、それで御の字」だ…。

『(2020.09.15)
 トヨタ自動車が2022年度にかけて、ソフトとハードの開発を分離しやすい組織に再編することが日経クロステックの調べで分かった。ソフトの開発周期を短くし、車両改良を待たないで頻繁に機能を高められる「ソフトウエアファースト(第一)」の体制にする。さらに車載電子アーキテクチャー(基盤)を刷新し、ソフト重視の開発を後押しする。ハードの脇役だったソフトを自動車開発の主役に据え、IT企業など新興勢との競争に備える。

移動サービス会社への転換にソフト重視の考えを採り入れる。写真は2019年に発表した試作車で、健康サービスを見据えたもの(撮影:日経クロステック)
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 トヨタはこのほど、幹部社員を集めてソフトを重視した開発体制に移る方針を示した。ソフトとハードの開発体制を分けることで、ハードに先行してソフトを開発し、実装できる組織にする。22年度から本格化させる無線通信によるソフト更新(OTA:Over The Air)と組み合わせ、新しい機能を頻繁に投入する仕組みを実現する考えだ。

 20年3月、トヨタ社長の豊田章男氏はNTTとの提携発表の場で、「ソフトウエアファースト」の開発体制に移行することを宣言した。ソフトとデータを活用し、自動車の機能向上を実現する構想だ。「ソフトを先行して実装し、自動車の走行時にデータを収集する。AI(人工知能)をレベルアップさせて、ある段階でソフトを更新して機能を追加できるようにする」(豊田氏)。組織再編は、ソフト第一を実現する手段の1つになる。

 従来の車両開発は、ハードとソフトの一体開発が基本だった。車両の全面改良に併せて、電子制御ユニット(ECU)とソフトをセットで開発するものだった。ECUの能力に見合うムダの少ないソフトを開発しやすい一方で、進化の遅いハードにソフト開発がしばられる課題があった。

 ソフト第一の開発体制への移行で鍵を握るのが、18年に設立した自動運転ソフト子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)である。「Arene(アリーン)」と呼ぶソフト基盤を開発する。同基盤は、安全で信頼性の高い車載ソフトの統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)と言えそうなもの。この自動車版IDEの出来栄えが、トヨタ全体の今後のソフト開発効率を左右するだろう。

TRI-ADで開発する様子(撮影:日経クロステック)
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電子基盤にテスラ採用方式の検討
 ソフト第一の開発を後押しするため、23年度に電子基盤の次世代版を投入する計画だ。一部のECUを統合し、分散していた主要ソフトを集約していく。ソフトを更新しやすくなる。

 統合ECUの導入と併せて、「ゾーン(区域)型」と呼ばれる新しいネットワーク構成を一部に採用する検討も進める。従来の「ドメイン型」に比べて、ECUの統合を実現しやすくなるとされる。

 統合ECUに主要機能を集約していくと、車両の各部位に分散した部品のECUと統合ECUを結ぶ配線が複雑で長くなる。短く単純にするため、車両の前や中央、後ろといったゾーン(区域)ごとに信号線や電源線を束ねる「ゾーンECU」を配置する。同ECUは入出力機能などに絞り、統合ECUとゾーンECUを高速で少数の信号線とつなげることで、車両全体の配線を短く単純にする。ゾーン型は米Tesla(テスラ)が採用するとされる構成で、自動車業界で注目が高まっている。

 トヨタが19年に導入した現行電子基盤はドメイン型で、シャシーやパワートレーン、ボディーなどの機能群(ドメイン)ごとにECUを設けるもの。主要機能がドメインECUに分散するため、ドメイン間で連動したソフトを更新しにくい。トヨタの次世代電子基盤はドメイン型を併用しつつ、ゾーン型を一部に採り入れる検討を進めている。

 ソフト第一の開発体制を目指すトヨタだが、ハードルは高い。かねて車載ソフトはECUメーカーが手掛けるもので、完成車メーカーのトヨタが自らソフトを開発することは少なかった。

 近年、トヨタはソフト技術者の採用を強化するが、急激な増加に「寄せ集め」との不安の声が漏れる。「Dojo(道場)」と呼ぶ育成システムなどを用意するものの、育成には時間がかかる。競合の独Volkswagen(フォルクスワーゲン)は、最新の電気自動車開発で主要ソフトの内製化を目指したものの、開発にてこずり発売時期が遅れたとされる。ハードが主役だった自動車メーカーで、ソフト重視の開発体制への転換には社内の反発もある。

Dojoと呼ぶ教育の場を設ける(撮影:日経クロステック)
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 「全ての人に移動の自由と幸せを提供する」――。自動車の製造販売から移動サービスへ事業の軸を移すと宣言したトヨタ。ソフト重視の開発への移行は避けて通れない。

 トヨタがVWと異なり優位に立つのは、ソフト技術者がいるECUメーカーを系列に多く抱えることだ。社内の組織改革とともにグループを巻き込む総力戦で、ソフト第一を実現する考えだ。』

菅内閣が「日産救済シフト」、逆境放置すれば破綻も

菅内閣が「日産救済シフト」、逆境放置すれば破綻も
止まらぬ赤字垂れ流し、まさか血税使ってゾンビ企業として延命か
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62182

『菅新政権が誕生した9月16日、菅氏の地元、横浜市に本社を置く日産自動車が米国と欧州で合わせて1兆1000億円の社債発行を決めた。「資金繰りに行き詰まった町工場がサラ金に手を出したようなもの」という見方が出るほど、日産の経営状況は厳しい。公的資金を投入してゾンビ企業にするか、市場のルールに任せて解体するか。「日産問題」への対応で菅新政権の正体が見えてくる。

日産の社債に外国人投資家が群がった理由
 日本の投資家はすでに日産を見限っている。7月に国内で実施した4年ぶりの起債では、5000億円の枠を設定したが、700億円しか調達できなかった。今回はリスクマネーの引き受け手が多い海外で10年債の利回りを4.81%とした。年間約400億円の金利負担が発生する、まさにサラ金から借りるような条件だが、日産にはなりふり構ってはいられない事情がある。

 2021年3月期の連結最終損益は6700億円の赤字になる見込みだ。新型コロナで自動車メーカー全体が苦境に陥ったため、事業環境の悪化が原因に見えるが、そうではない。日産は前期の2020年3月期も6712億円の赤字である。6月末時点で自動車事業の手元資金が1兆2670億円あるとはいえ、このペースで金庫から金が流れていけば破綻は時間の問題だ。

 そんな会社が、いくら海外とはいえ、よく1兆1000億円もの資金を集められるものだと思われるかもしれないが、これにはカラクリがある。海外の投資家は日産の後ろに日本政府の姿を見ているのだ。

 コロナ禍で資金繰りが怪しくなった4~7月、日産は銀行融資などで約9000億円を調達した。この中に日本政策投資銀行から借りた1800億円があるのだが、この融資に1300億円の政府保証が付いていた。返済が滞った際に8割までを政府が公庫から補填するという異例の融資である。

 政投銀は、金融危機や大規模な災害などの影響を受けた企業へ国からの出資金で融資する「危機対応業務」を担う金融機関に指定されており、政府は3月に新型コロナウイルスの感染拡大を同業務の対象にした。政投銀は大企業を中心に7月末までに185件、1兆8827億円の融資を決定したが、大企業向けで政府保証がついたのは日産だけ。日産は「特別」なのだ。

 国が「日産は潰さない」と宣言したに等しい。国が後ろ盾につくのなら、超高利回りの日産の社債は「おいしい」。そこに抜け目のない海外投資家が群がった。』

GM、テスラ追撃へ分業 エンジン開発はホンダに託す

GM、テスラ追撃へ分業 エンジン開発はホンダに託す
ホンダ・GM 戦略提携の深層(下)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64091280Z10C20A9EA5000/?n_cid=TRPN0017

『「ホンダと長期の関係を築き、必ず電気自動車(EV)で勝利する」。米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は14日、投資家向けのオンラインイベントで、こう力説した。

GMはこれに先だつ3日、ホンダと戦略提携の覚書を交わしたと発表した。北米市場でガソリン車のエンジンや車台などの基幹部品を共通化する。GMは今後は多くのエンジンをホンダから調達することでガソリン車の開発に見切りを付け、EVへのシフトを加速する。

今回の提携にあたり、ホンダ側から「技術重視で信頼できる」(幹部)と評されたバーラ氏。GM研究所(現ケタリング大学)で電気工学を学び、インターンシップで工場に入ったたたき上げだ。無駄な開発投資を絞る手法が評価され、2014年に世界の自動車大手で初の女性トップに就いた。

バーラ氏は09年のGMの経営破綻の原因にもなった拡大路線の修正に動く。17年に赤字続きの欧州事業から撤退し、16年に達成した「1000万台クラブ」の座を自ら手放した。18年には、北米で15%の人員削減と米国内の4工場の閉鎖を発表。トランプ米大統領の猛反発や、全米自動車労組(UAW)による40日間に及ぶストライキを押し切って、3工場を閉鎖した。

ガソリン車事業の縮小への批判をはねのけてでも育成しようとしているのがEV事業だ。バーラ氏は「将来、全ての製品を電動化する」と宣言した。今年5月にはオハイオ州の郊外で、韓国LG化学と合弁で世界最大規模のバッテリー工場の建設に着手した。

GMはガソリン車の代わりにEV事業の育成を急いでいる(ミシガン州のEV組み立て工場)=ロイター

ただ、そこにはEV世界最大手の米テスラが立ちはだかる。GMの「シボレー・ボルトEV」は19年の米国での販売実績が約1万6000台と、テスラ車の1割にも届かない。当面はガソリン車にも経営資源を割かなければ立ちゆかない。打開策に悩んだGMが目を付けたのがホンダだ。

両社は18年にEVと自動運転分野での提携で立て続けに合意した。この協議のためホンダ側が米ロサンゼルスを訪れたときのこと。倉石誠司副社長がGMのダン・アマン社長(当時)との食事の席で、現在は本田技術研究所社長の三部敏宏氏を指さし、「こいつが一番金を使うんだよ」と冗談めかして語った。するとアマン社長も「うちもコストには悩んでいる」と切り出し、その場が一気に打ち解けた。

GMはホンダのエンジン技術に頼ることを決めた(ミシガン州のGMのエンジン工場)=ロイター

コストに対する問題意識を共有した両社はさらに接近し、実務者レベルでの定期的な会合を開くようになった。今回のガソリン車のエンジン共通化も、この会合のなかでGM側が挙げた案だったという。

関係深化の兆しは戦略提携の発表前にもあった。GMは4月、ホンダとEV分野での提携を発表。GM側が供給する高効率のバッテリーを搭載したホンダ車をGM工場で生産するという、ホンダにとって有利な内容だった。GMがEV分野でホンダに協力する代わりに、エンジンについてはホンダから調達する合意がほぼ形成されつつあった。

GMはホンダの後ろ盾を得て、テスラを追撃する体制を整えた。ホンダから調達したエンジンでガソリン車を効率良く生産し、捻出したキャッシュをうまくEVに注ぎ込めるか。ホンダとの分業の成否は、GMのEV事業の未来を左右する。

花田亮輔、ニューヨーク=中山修志、押切智義が担当しました。』

HEVに現実を見た中国、判断ミスで自縄自縛の欧州

HEVに現実を見た中国、判断ミスで自縄自縛の欧州
第2回 この2年の変化
藤村俊夫 愛知工業大学工学部客員教授(工学博士)、元トヨタ自動車
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01416/00002/

『世界の自動車産業はここ2年で劇的に変化した。その動きを規制動向と規制への対応状況、電動化の拡大、エネルギー動向の観点で分析すると、次のようにまとめることができる。

[1]電動車の「現実解」はハイブリッド車(HEV)である。電池性能を含めて依然として多くの課題がある電気自動車(EV)の拡大は難しい。

[2]エンジン車とHEV、プラグインHEVに搭載するエンジンは脱化石燃料に転換し、エンジン車を存続させる。これにより、新興国を含めた多くの人が購入できる価格の実現と二酸化炭素(CO2)の削減の両立を図ることができる。

 世間にはさまざまな報道があるが、冷静に見ると世界の自動車産業はこれまで筆者が唱えてきたシナリオ(第1回の図1)の信頼性を裏付ける方向に進んでいる。以下、詳細について解説しよう。

第1回 基本方針:鍵はHEVと低炭素燃料、売れないEVでCO2は減らせない
全く強化になっていない各国・地域のCO2基準値
 CO2削減率(年)に関して、先進各国・地域の2021年~30年の基準値が出そろってきた。ところが、それらはわずか5%前後。2015年~21年の5%前後とほぼ同等であり、全く強化されていない。パリ協定(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議;COP21)の目標達成(2℃以下)を意識した新車削減率(年)である12~13%にも遠く及ばない。

 一方で、先進各国の政府は2030~40年に電動車構成比を100%(エンジン車はゼロ%。英国はHEVも除外)にすると、あたかもパリ協定を意識したかのような野心的なシナリオを表明している。だが、基準値とのギャップがあまりにも大き過ぎて、実効性に欠ける。まさに「絵に描いた餅」と言わざるをえない。日本を例にとると、国土交通省と経済産業省が、基準値とシナリオに関して全く調整していないという、まさに縦割り行政の弊害が出ている。

 CO2基準値は自動車メーカーが可能な範囲を想定して決められている。その基準値が今後見直されるとは思えない。従って、各国・地域の自動車メーカーには、生き残りを懸けて先のシナリオ(年率12~13%削減)に近い開発の推進を期待したい。

 併せて、日本をはじめ各国の政府には、せめてCO2削減を後押しする補助金と優遇税制へと見直しを進めてほしい。ZEV(無公害車)に対応するEVや燃料電池車(FCV)などで一律に手厚くするのではなく、Well to Wheel (WtW)*1でのCO2やLCA*2でのCO2と、段階的にレベルに応じて補助金や優遇税制を決めれば、地域のエネルギー事情に応じて実効性のあるCO2削減が可能になるはずだ。

*1  WtW  油田からタイヤを駆動するまでのCO2排出量。

*2  LCA 自動車のライフサイクル全体でみたCO2排出量。

進まない欧米メーカーの電動車展開
図1 世界の主要な自動車メーカーのエンジン車と電動車の構成比
2018年の主要5社の電動車構成比率を示す。非常に低調である。(作成:筆者)
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 図1は、2018年における世界の主要な自動車メーカーのエンジン車と電動車の構成比を示したものである。彼らは2025~30年の間にほぼ25~50%を電動車とし、残りをエンジン車とすると表明している。だが、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン;VW)と米General Motors(ゼネラル・モーターズ;GM)のEVおよびPHEVの比率は、2018年で共にわずか0.4%。2019年においても1%以下と非常に低調だ。

 中でもVWは、同グループ最高経営責任者(CEO)のヘルベルト・ディース氏(VW乗用車ブランドのCEOは2020年7月に退任)の下で、2025年に25%をEVとする目標を掲げて世間の注目を集めた。だが、技術的な課題が山積している上、製造ライン構成の見直しや人員削減など生産面での対応にまで苦慮している。25%という目標の実現は非常に厳しいと予想される。

 一方、HEVを得意とする日本メーカーは、HEVとPHEVの比率がトヨタ自動車が15.4%、ホンダが7%と欧米メーカーと比べて相当高い。しかも、トヨタ自動車は2019年にはこれをさらに3ポイント上積みした。今後は日産自動車も含めて日本メーカーの電動車比率はさらに高まるはずだ。

HEVが電動車の「現実解」と気付いた中国政府
 2019年、それまで拡大していた世界のEV販売にブレーキがかかった。主因はEV販売の50%を占める中国の減速だ。中国では同年9月に補助金が大幅に減額された。2016年に最大330万円もあった補助金が50万円に下がったのだ*3。これにより、それまでの急速な拡大基調から一転、前年比-2%となる78万台へと減少したのである。

*3 ただし、補助金の終了期限は2020年から2022年に延長された。

 これはEVの販売がいかに補助金に支えられてきたかを如実に表している。

 それまで自国産業を育成するためにEV一辺倒だった中国は、NEV(New Energy Vehicle;新エネルギー車)規制に含まれるCAFC(Corporate Average Fuel Consumption;企業平均燃費)への対応を考えると、やはりHEVは外せないと気付いた。そこで、2021年1月からNEV規制で優遇する低燃費車にHEVを加える方針に転換したのである。具体的には、HEVを量販するメーカーにNEVに対するクレジットを与える。

関連記事:中国「HEV外し」を急転換、VWに試練 トヨタに追い風か
 この方針転換は、HEVを得意とする日本メーカーにとって追い風だ。反対に、EVの拡販を狙っていたVWなどにとっては、EVへの補助金の減額も含めて大きな逆風となる。既に、2019年のトヨタ自動車とホンダの中国におけるHEV比率はそれぞれ16%と9%を占めている。今後はさらに拡大すると予想される。

 中国がHEVを優遇する動きは、2019年4月にトヨタ自動車が発表したHEV関連特許の無償開放と、中国メーカーへのHEVシステムの販売決定が大きく影響していることは言うまでもない。

関連記事:「次世代ハイブリッド完成の自信」か、トヨタの特許無償提供
2021年欧州CO2基準で苦しむドイツメーカー
 現実を見て軌道修正した中国に対し、それができずに苦境に陥っているのが欧州メーカーだ。原因は、2020年1月から始まったCO2基準の強化である*4。課せられたCO2基準は95g/kmと、2015年の130/kmから3割も厳しくなった。

*4 新型車は2020年1月から、継続生産車を含めたものは2021年1月から。

 欧州では「ディーゼルゲート」、すなわちVWによるディーゼル車の排出ガス不正問題で、頼みの綱であったディーゼル車の販売が落ち込んだ。この売り上げの落ち込みと傷ついたイメージの向上のために、欧州メーカーはEV路線への転換を打ち出した。ところが、肝心の顧客が付いてこず、EVの販売は欧州メーカーの期待を大きく裏切っている。

 それでもなんとかCO2を削減しようと、2017年から「マイルドHEV」の販売拡大を図ったのだが、CO2の削減効果が小さくて基準を満たす「特効薬」にはなり得ない*5。苦しんだあげく出てきたのが、パラレル方式(CO2削減効果が小さい)のHEVをベースとしたPHEVだ。欧州委員会の救済措置とも言われるこのPHEVを、欧州メーカーは2018年から押し出している。

*5 欧州メーカーは「マイルドHEV」と呼ぶが、本来は48V電源を使うエンジンのモーターアシストシステムと定義すべきものだ。この呼称は、日本メーカー(トヨタ自動車とホンダ)が得意なCO2削減効果の高いストロングHEVを造れない欧州メーカーの苦肉の策と言える。

PHEVを「クリーン車」に位置付ける欧州のカラクリ
図2 VWのPHEV「Touareg R」
(出所:VW)
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 欧州メーカーがCO2削減効果の高いHEV(ストロングHEV)を造れない理由は、日本メーカーがHEVに関する重要な特許の大半を押さえているからである。そこで欧州委員会が救済策として打ち出したのが、PHEVへの優遇だ。現に、ドイツの乗用車メーカーはHEVよりもむしろPHEVをラインアップに加えている図2。ところが、これはまさに名ばかりの「クリーン車」と言わざるを得ない。モーター走行(EV走行)が終了すると大量のCO2を排出するからである。

 図3は、1トリップの距離に応じたPHEVのCO2排出量を示したものである。PHEVでは「Electric Range(EV走行)」を基に「削減係数(Reduction factor;K)」が決まり、実際のCO2排出量を削減係数(K)で除したものを認証値にすることとなった。

図3 PHEVの実走行と認証値とのかい離
PHEVはモーター走行を終えると大量のCO2を排出するが、長い距離を走るほど認証値から計算したものよりも、実際のCO2排出量は大きくなる。これには削減係数(K)というカラクリが効いている。(出所:筆者)
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 ところが、1トリップの距離が延びるほどPHEVで認可された値から算出したCO 2排出量と、実走行を考慮したCO2排出量とのギャップが広がってしまう。例えば、100~300kmでは認証値に対して1.5~2.5倍のCO2が実際には排出されることになる。アウトバーンなどでは200~300kmの走行は日常茶飯事であるにもかかわらず、だ。

 これに対し、日本メーカーのPHEVは電池が切れてもCO2排出量の少ないHEV走行を行うため、CO2の総排出量はもともと少ない。シリーズやシリーズ/パラレルという日本メーカーが得意なHEVを持たない欧州メーカーは十分なCO2削減効果を得られないため、PHEV化と削減係数で規制を乗り切ろうという戦略なのである。

 これでは欧州委員会は、「大気中のCO2の実質的な改善よりも、自動車メーカーの救済を優先している」と非難されても仕方がないだろう。欧州メーカーも、世界でESG(環境・社会・企業統治)投資が叫ばれる中、何を重視して開発をしているのかと疑いたくなる。さらに言えば、欧州委員会はディーゼルゲートの際も、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)から指摘を受けるまで、既に認知していた自動車メーカーの不正を公にしなかった。その上でこの2020年CO2規制においても、環境よりも欧州メーカーの利益を優先しているのである。

ドイツメーカーに数千億円規模の罰金の可能性
 ところが、ここまでしても欧州メーカーの平均CO2排出量は、それまでの減少基調から2016年以降に悪化に転じている。ディーゼル車の販売減や大型SUV(スポーツ多目的車)の販売拡大、WLTP(国際調和排出ガス・燃費試験法)の導入などの影響を受けているからだ。

 図4に、各社のCO2基準への対応状況を示す。このままいくと大半の自動車メーカーは達成できず、販売台数の多い「ジャーマン3〔VW、BMW、Daimler(ダイムラー)〕」などは、数千億円規模の罰金が課せられる可能性がある。唯一、基準達成が見込めるのは、欧州におけるHEV比率が50%に達するトヨタ自動車だけだ。

図4 2021年欧州CO2基準に対する世界の自動車メーカーの対応状況
トヨタ自動車以外の大半の自動車メーカーが基準を満たせないと見られる。(出所:筆者)
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 ここで欧州におけるEVとPHEVの販売に目を向けてみよう。世界全体で見るとEVとPHEVの販売は2019年からブレーキがかかっているが、欧州における販売は前年比で40%程度増え、42万台から58万台(欧州シェアは3.6%)に増加した。2020年に入り、コロナ禍で自動車全体の販売が落ち込む状況下においても、EVとPHEVの販売は伸びている。

 だが、ここにもカラクリがある。欧州メーカーが赤字覚悟の大幅値引きをしているからだ。背景には、「2020年CO2規制の未達で罰金を払い、企業イメージを悪化させるくらいなら、利益度外視でEVとPHEVを売った方がまだましだ」という欧州メーカーの思惑がある。

 だが、果たしてその思惑通りにいくのか。上述のようにEVとPHEVのシェアがたかだか4%弱程度では“焼け石に水”にしかならない上、いつまでも赤字覚悟の販売を続けるわけにはいかない。そこで次の救済策として出てきたのが、EVとPHEVへの補助金の増額というわけだ。ドイツでは新型コロナによる経済ダメージからの再始動という名目で、EV補助金が現状の約37万円から約74万円に倍増される。ドイツ以外の国の政府も、補助金拡大を既に表明している。

 このように、欧州メーカーは現在2020年CO2規制への対応にもがき苦しんでいる。2014年のディーゼルゲートの後、拙速にEV戦略に転換したドイツ勢(言うまでもなく主犯はVWである)の判断ミスの影響が、今噴出しているのである。』

トヨタの庇護は吉と出るか スズキ、出資仰ぎ技術吸収

トヨタの庇護は吉と出るか スズキ、出資仰ぎ技術吸収
ビッグBiz解剖(下)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63537050X00C20A9TJ1000/

『昨年6月、浜松市内の「グランドホテル浜松」。ホテル内のサウナに、スズキの鈴木修会長とトヨタ自動車の豊田章男社長の姿があった。

【前回記事】
スズキ、揺らぐインド頼み 「安い小型車」人気に陰り

スズキは同8月末、トヨタとの相互出資による提携を発表した。それに先だつこの日、修会長は静岡県内の本社や工場に豊田社長を招いた。そして会食の前に「汗を流しませんか」と誘ったのだ。サウナに入って提携への感謝を伝えた後、かみしめるように言葉をつなげた。「息子の俊宏(社長)を頼みます」

90歳を目前にしていた修会長。トヨタとの資本提携を「最後の大仕事」と位置づけていた。「わかりました」。豊田社長は笑顔で応じた。

提携の具体策の一つとして、今年7月にはトヨタから環境性能に優れたプラグインハイブリッド車(PHV)の供給を欧州市場で受けると表明した。自社技術で欧州の排ガス規制に対応するのは難しいと判断し、トヨタに頼ると腹をくくった。

自動車業界は電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる100年に1度の大変革を迎えている。この変化に対応するには巨額の投資が必要だ。だがスズキの研究開発費は2019年度で1481億円。独フォルクスワーゲン(VW)の1兆8000億円超などと比べると見劣りする。

スズキはこれまでも米ゼネラル・モーターズ(GM)など同業大手と組みながら、独立を保ってきた。だが買収でスズキをのみ込もうとしたVWとは11~15年まで約4年間にわたる裁判に発展した。CASE時代にスズキの立場を尊重し、庇護(ひご)してくれる存在は誰なのか。たどり着いた答えが、創業家同士が縁のあるトヨタだった。

自社の経営資源にこだわらない――。スズキはこの割り切りを一段と強める。修会長は自動運転車や電気自動車(EV)でも「トヨタなど他社の力を借りていきたい」と公言する。

トヨタに対しては小型車関連の技術などを提供する。スズキは利幅が小さめといわれる小型車が主力ながらも、部品の共通化などで「1円でも安く」つくるのが得意だ。インド市場の減速などが響いた20年3月期を除けば、17年~19年同期の連結売上高営業利益率の平均は8.9%と、トヨタの7.9%を上回った。修会長は「大同団結して量産効果を出せば開発コストは3分の1になる」と豪語する。

ただ、トヨタとの提携がバラ色になる保証はない。トヨタはマツダやSUBARU(スバル)など国内の同業他社にも出資している。グループ傘下には、軽自動車でスズキと長年のライバルである全額出資子会社のダイハツ工業も抱える。大競争時代のなか、4.94%という小規模出資のスズキにどこまで経営資源を割くかは読み切れない。

トヨタ傘下のダイハツ工業は、軽自動車でスズキと激しい価格競争を繰り広げてきた

すでにスズキの下請けの部品メーカーには負の影響も出ている。スズキが一部の部品調達をトヨタ系に切り替えた結果、スズキ系のメーカーの受注が減る例も出始めた。

修会長が多少のあつれきを恐れず、トヨタを選んだ理由はもう一つある。自らの引退後のスズキの経営陣の後ろ盾になってほしいとの期待だ。

もともと2代目社長の娘婿としてスズキに入社し、「中興の祖」となった修会長。当初、後継者と見定めたのは、経済産業省出身で娘婿の小野浩孝専務だった。だが小野氏は07年に病気で他界した。その後は息子の俊宏氏を鍛え上げ、15年に社長に昇格させた。

息子の鈴木俊宏社長(左)への権限委譲はなお課題だ(写真は2016年)

俊宏社長は現在61歳。東京理科大学で修士号を取得後、日本電装(現デンソー)を経てスズキに入社した。真面目で調和を重んじるタイプで若い頃は寡黙さも目立ったとされるが、「徐々に自分の色を出せるようになってきた」(スズキ幹部)。修会長も意識的に権限委譲を進めている。

だが「生涯現役」を公言し、スズキを40年以上引っ張る修会長の目には、まだ物足りなく映るようだ。俊宏社長が15年に就任後、会長以外の取締役だけで集まる「四役会議」があった。だが18年ごろからいつの間にか修会長が加わった。

「40年と4年の経験の差は大きく、(経営は)簡単にできるものではない」。俊宏社長は19年、自らと父親を比べて謙虚にこう語った。

鈴木俊宏社長は実直な性格で知られる(2019年の東京モーターショー)

最近もある「事件」があった。スズキは8月の決算発表時に、21年3月期の業績予想の公表を5月に続いて見送った。実は準備を進めていたが、修会長が「新型コロナウイルスでインドの先が読めないでしょ」と一喝し、お蔵入りとなった。

市場からは「自らが引退しても問題ない体制を築けていないのは相当なリスクだ」(証券アナリスト)との声も漏れる。一介の地方企業からグローバル展開し「小さな巨人」と呼ばれるまでになったスズキ。円滑な事業承継という大きな課題はなお残されたままだ。

浅山亮、早川麗が担当しました。』

「リアル+VR」は未来の展示会スタイルになるか、ユアサ商事の挑戦

https://newswitch.jp/p/23564

『ユアサ商事は、リアルとバーチャルの両空間を組み合わせた展示会を11月と12月に関東・関西の2地域で開催する。人工知能(AI)を活用した最先端商材などを紹介する商品展示ブースと、ウェブ上の仮想空間で商品などを紹介する仮想現実(VR)ブースを会場内に併設する。こうした形式の展示会は機械商社業界では初めて。ウィズコロナ時代を見据え、「3密(密閉・密集・密接)」状態を回避しつつ効果的な情報発信を行える新たな展示スタイルの確立を目指す。

展示会「YUASA Growingフェア」を11月13、14の両日に幕張メッセ(千葉市美浜区)、12月11、12の両日にインテックス大阪(大阪市住之江区)でそれぞれ開催する。百数十社の出展を見込む。

リアルブースでは、AIやIoT(モノのインターネット)を活用した未来のビジネス創出に向けた最先端の商材などを展示。ユアサ商事が資本提携するAIベンチャーのコネクトーム・デザイン(東京都千代田区)のAI技術・サービスを中心に、実機を交えたAIの活用事例や関連商材などを幅広く提案する。

バーチャル展では、会場内のパソコンからアクセスする「仮想展示場」を設け、出展各社の商品画像や動画、説明パネルを閲覧可能。また単独で出展する企業のブースも設け、パソコンからの仮想ショールーム訪問など特別コンテンツの体験や、個別説明などを受けられるようにする。

昨年の「グランドフェア」
ユアサ商事では例年、販売店で構成する組織主催の「グランドフェア」を全国5カ所で毎年開催し、6万人以上の来場者が訪れている。しかし今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、それに代わる新たな展示会として開催を決めた。

今回、VRの活用方法や展示形式などについて来場者の声を集め、2021年以降の展示会にもフィードバックすることで、より訴求効果の高い展示スタイルの確立を図る。』

「日本ガイシ」という会社…。

※ そう聞いても、あまり知らない人が殆んどじゃないか…。世間的には、あまり有名とは言えないからな…。

※ しかし、この会社は、その時その時の「社会状況」「経済状況」に応じて、収益の柱となる事業を見つけ、自らの姿を変えて、生き延びてきた「見本」みたいな会社なんだ…。

※ そういうことで、紹介しておく…。

※ 直近5年間の損益計算書だ…。まあ、率直に言って、それほど売上が伸びているわけでも無いし、利益をたたき出しているわけでも無い…。

※ セグメント構成は、こんな感じ…。「セラミックス事業」というものが、6割近くで、収益の中心なんだな…。「プロセステクノロジー事業」というものが、次の大きな事業のようだ…。「エレクトロニクス」と「電力関連」事業が、1割くらいを占めているようだ…、というような感想しか持てない人が殆んどだと思う…。

※ そこら辺の話しが分かるためには、「この会社の歴史」というものを調べる必要がある…。

※ 後で出てくるが、社名にもなっている「ガイシ(がいし)」とは、送電線なんかで見かける、「絶縁体」のことだ…。それから、これも後で詳しく説明するが、NAS電池とは、電力事業において「電気を貯蔵する」ために使用する「二次電池」の一種だ…。

※ これも知らない人が殆んどだと思うが、例のディーゼル車で問題になるPM(パーティクル・マター、早い話しが煤(すす)だな)を除去する「ハニカム構造」の除去装置だ…。この製品分野では、この会社は「シェア・トップ」なんだよな…。

※ そこまでは、オレも知っていたが、「高精度NOxセンサー」というものは、知らんかった…。そういうものも、開発・製品化に成功していたんだな…。

※ ここいら辺は、全く知らんかった…。知識が、「PM除去装置」までで、更新されていなかったな…。

※ 半導体の製造過程で使用する、そういう製品群のようだ…。

※ 半導体製造過程だけにとどまらず、様々な製造過程で使用できる「セラミック」を使用した「製品群」であるようだ…。「放射性廃棄物の処理装置」で使用されるものもあるようだ…。

※ こういう「製品群」も、知らんかった…。

※ 「金属」では具合が悪く(食品なんかだと、味に影響が出たりする…)、さりとて「耐久性も高い」というあたりを、狙っているんだろう…。

※ お定まりの「研究開発」だ…。既に、事業化されたものもある…。そのうちの一つが、先に紹介した「チップ型セラミックス二次電池」の「エナセラ」シリーズというわけだ…。

※ 最初は、日本全国を電化していく課程での、送電線に使用する「ガイシ」の国産化事業から出発した…。あの「ノリタケ(そう言っても、知らん人が多いか…)」から、分離独立した会社だったんだな…。

※ 戦後は、「ベリリウム鋼」というものに、注力していた時期もあったようだ…。

※ 折からの「モータリゼーション」の波に適応して、「ハニカム構造」の「PM除去装置」の開発に成功した…。

※ バブルは崩壊し、社会全体も、もう「右肩上がり」の成長は無い…、ということになり、それに適応して行くことを迫られた…。それで、そういう社会でも「売れていく」製品を開発・製品化して行った…。

※ そういう姿の一つが、「エレクトロニクス事業」であり、「プロセステクノロジー事業」である…、ということなんだろう…。

※ もちろん、いつでも「順風満帆」というわけには、いかない…。時には、激しい逆風に見舞われ、「会社存亡の危機」という緊急事態に陥ることもある…。

※ この会社が襲われたのは、「NAS電池」の「発火・火災事故」だ…。

ナトリウム・硫黄電池
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%BB%E7%A1%AB%E9%BB%84%E9%9B%BB%E6%B1%A0

『ナトリウム・硫黄電池(ナトリウム・いおうでんち、英: sodium-sulfur battery)とは、負極にナトリウムを、正極に硫黄を、電解質にβ-アルミナを利用した高温作動型二次電池である。NAS電池(なすでんち)またはNAS(なす)とも呼ばれる。特に大規模の電力貯蔵用に作られ、昼夜の負荷平準や、風力発電と組み合わせ離島での安定した電力供給などに用いられる。ちなみにNAS電池は日本ガイシの登録商標である。』
『特徴と用途
長所
従来の鉛蓄電池に比べて体積・質量が3分の1程度とコンパクトなため、揚水発電と同様の機能を都市部などの需要地の近辺に設置できる。また出力変動の大きな風力発電・太陽光発電と組み合わせ出力を安定化させたり、需要家に設置して、割安な夜間電力の利用とともに、停電時の非常時電源を兼用できる。また構成材料が資源的に豊富かつ長寿命[1]、自己放電が少ない[1]、充放電の効率も高い[2][1]、量産によるコストダウンも期待できる[1]などの長所を併せ持つ。

短所・課題等
常温では動作しないため、ヒーターによる加熱と放電時の発熱を用いて、作動温度域(300 ℃ 程度[1])に温度を維持する必要がある。充放電特性が比較的長い時間率(6 – 7時間[1])で設計されている。また現状では、一定期間内に満充電リセットの必要がある[1]。

火災事故を起こした場合、通常の水系の消火薬は金属ナトリウムと反応してしまうため使用できない(乾燥砂等を用いる)。このため一般の消防では火災への即応が難しい。』
『βアルミナ固体電解質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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βアルミナ固体電解質(ベータアルミナこたいでんかいしつ、英: Beta-alumina solid electrolyte、BASE)とは、イオン導電体材料(固体電解質)で、半透膜として複数の溶融塩電解質電池に使用される。代替品は知られていない。

概要
β-アルミナは酸化アルミニウム (Al2O3) の同素体ではなく、ナトリウムを含んだ酸化アルミニウムを酸化アルミニウム同素体と誤解して命名されたものである。通常は、Na2O-11Al2O3 の組成で知られ、結晶やセラミックスとして得られ、固体でありながらナトリウムイオンが移動できるため、固体電解質と呼ばれている。Na+、K+、Li+、Ag+、H+、Pb2+、Sr2+ または Ba2+ のイオンなどが移動する。

構造は、アルミナブロックが作る二次元の層間にナトリウムイオンが分布し、その層間をナトリウムイオンは高速で移動する(超イオン導電性)。アルミナブロックの重なり方により、β-aluminaとβ”-alumin(βダブルプライムアルミナ)の2種類が存在する。

BASEはフォード自動車が電気自動車のバッテリーとしてナトリウム・硫黄電池(NaS電池)を開発する過程で最初に開発した。NaS電池は陽極に硫黄、陰極にナトリウムを活物質として使用する。β-アルミナは高温でナトリウムイオン伝導性を持つので電解質として使用される。300℃ で作動し、両極とも液体であるが、電解質は固体である。内部抵抗は低く保たれ NaS電池は優れた特性を示す。充放電により継続的に使用できる。その後、日本ガイシなどが定置用の大規模蓄電池として研究開発を行い、NAS電池の名称で商品化に成功した。既にいくつかの商業施設では停電対策や負荷平準化に用いられている。最近では、太陽光や風力などの自然エネルギーの欠点である、電力出力の変動を吸収する平準化用として、あるいは夜間電力を蓄電し昼間のピーク需要時に放電するピークシフト用として注目を浴びている。β-アルミナ固体電解質の性能、耐久性がナトリウム硫黄電池の鍵を握っているといっても過言ではない。

ZEBRA電池にもβ-アルミナ固体電解質が用いられる。その場合、350℃、200MPa の高温高圧化で使用される。電解質の厚みはわずか 1.25mm である。低価格で10年間の耐久性を要求される。電気自動車の場合だと振動、急激な負荷変動充放電にも耐える必要がある。多くの場合ゾルゲル法で製造される。

BASEはアルカリ金属熱電変換機 (AMTEC) にも使用される。AMTECは高効率の直接熱から電気に変換する素子である。BASE膜を透過する時に発電する。BASEはいくつかの溶融炭酸塩型燃料電池でも使用される。』
『事故
国内では今までに2件の火災事故が発生している。 2010年(平成22年)2月15日午前7時40分ごろ、日本ガイシが製造し、高岳製作所小山工場に設置されたNAS電池で火災が発生した[3]が、納入品が特別仕様だったため、更なる安全性留意の上NAS電池の生産と販売を続けていた。

2011年(平成23年)9月21日午前7時20分ごろ、日本ガイシが製造し、三菱マテリアル筑波製作所に設置された東京電力所有のNAS電池で2例目となる火災事故が発生した[4]が、こちらは普及タイプの製品だったため急遽全納入先事業者に連絡を取り「NAS電池利用の蓄電システムの使用停止」を要請、代替システムを持たない事業者には「運転中の厳重監視」付きでの継続使用をやむをえず認めた。

第三者による事故調査委員会の火災原因究明報告と事故対策がまとまるまで、日本ガイシはNAS電池の生産を当分停止する事となったが、2012年(平成24年)6月から操業を再開した[5]

事故原因は、製造不良の単電池(セル)が溶融し、それが隣接する単電池 → モジュール全体 → 隣接するモジュールへと延焼していったことにあった[6]。』

※ ということで、そもそも、NAS電池を動作させるためには、300℃くらいの温度を保つ必要がある…。

※ それで、製造不良品を出してしまい、それが原因で発火・火災事故になってしまった…、という話しだ…。

※ しかも、今回調べて初めて分かったが、消火活動に「水系」を使用できないんだな…。「乾燥砂」で覆って、酸素を遮断する必要があるようだ…。

※ そういうことで、会社というものは、何度も何度も「危機」に襲われるものだ…。

※ その都度、「後始末」を行って、それでも「前を向いて」、「次のことを考えて」進んで行くしかないんだ…。

失敗恐れず 挑戦の姿勢で 日本ガイシ 大島卓社長(上)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63097410X20C20A8EAC000/

『日本ガイシは1919年に誕生した老舗メーカーだ。祖業は送電線に付ける絶縁体「がいし」だが、現在は排ガス浄化用部品を核に、電子部品や半導体向け部品などを広く手掛ける企業に成長した。大島卓社長は2014年に就任、古い企業体質の改善に取り組んできた。リーダーとしての信念は「失敗はしても後悔はしない」。失敗を恐れず挑戦する姿勢が重要だと、社員に説いている。

――リーダーに必要な資質は何でしょうか。

「当然かもしれませんが、リーダーには目標に向かって組織を強く引っ張る力が不可欠です。トップがそう簡単にぶれていては、従業員からの信頼は得られません。課題を明確に打ち出し、戦略を示すことが重要だと思います。また現場に任せきりもいけません。自ら現場に足を運んで、何が起きているのかを把握することはトップになっても大事だと感じました。現場を感じ取るような、小さなアンテナを張ることで、新たな課題が見えてきます」

「現役の大企業のトップをみていると共通する部分があります。皆さんそれぞれ個性がありますが、総じて明るくて責任感も強く、みんなに信頼されているからこそ選ばれたのだと感じています」

技術畑を歩みながらも、学会などを通じて社外の人たちと交流を広げた(写真中央、2001年)

125℃の高温下でも作動!コイン型リチウムイオン電池、日本ガイシが車載向けに

https://newswitch.jp/p/23528

『日本ガイシは車載など向けのコイン型小型リチウムイオン二次電池「エナセラコイン」で、125度Cの高温下でも動作する超高耐熱タイプを2020年度内にも実用化する。すでに105度Cの高耐熱タイプを開発、9月に量産を始めるが、より過酷な環境下にも対応。車載向けでは自動運転などで小型電源のニーズが高まっており、迅速なラインアップ拡充で幅広いニーズに応える。

エナセラコインは独自開発した結晶配向セラミックス電極板を使用した半固体電池と呼ばれる電池。小型で耐熱性が高く、大量生産に向いているリフローはんだ付けで実装できる。自動運転向けセンサーなど、IoT(モノのインターネット)デバイス用電源として需要が増えている。耐熱温度を125度Cまで引き上げれば、ほぼ車載部品向けをカバーできるとみている。

日本ガイシは19年12月に動作温度が上限85度Cのエナセラコインを開発。さらに電極材料の改良などで、上限105度Cまで引き上げたタイプも製品化したばかりだ。

ただ車載向けでは、パワートレーンなどより高い耐熱性が要求され、電子部品でも耐熱125度C対応品への需要が拡大。そのため同電池でも耐熱性を強化することで、車載、産業分野などより幅広い用途でデバイス用電源として売り込む。

日刊工業新聞2020年8月24日』

トヨタがサブスクで狙うインド…。

トヨタがサブスクで狙うインド、相乗り避けて自家用車ニーズ増加
https://newswitch.jp/p/23470 

『トヨタ自動車はインドで、車両のリースと短期のサブスクリプション(定額制)サービスを始めた。トヨタのサブスク運営会社「KINTO(キント=サービス名も同様)」や地場のリース会社2社と提携し、サービス基盤を整備。初年度に10都市でサービスを提供する。インドでは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて相乗りが減る一方、自家用車の需要が増えている。新サービスの導入で、多様化する顧客ニーズを取り込む。

現地法人のTKM(トヨタ・キルロスカ・モーター)がサービスを運営する。すでにデリー首都圏、ベンガルール、ムンバイでサービスを開始しており、初年度に10都市に広げる計画だ。

カーリースは法人向けと個人向けプランを用意し、契約期間は3―5年。月額は2万1000ルピー(約1万5000円)からとし、定額のリース料には車両整備や保険などが含まれる。サブスクサービスでは24カ月から48カ月の間で、利用期間を選択できる。対応車種はハッチバック「グランザ」や小型車「ヤリス」、スポーツ多目的車(SUV)「フォーチュナー」などに加え、11月に投入予定の小型SUV「アーバンクルーザー」も対象とする。

キントのサービスモデルを活用するほか、現地リース会社のALDオートモーティブやSMASオート・リーシングと組み、サービス体制を盤石にする。

インドでも世界的な潮流である自動車を所有せずに利用するニーズが拡大しており、トヨタは定額サービスの充実で販売シェアの積み上げを狙う。同国ではスズキ子会社のマルチ・スズキや韓国の現代自動車が、同様のサービスを提供している。』