ミスター黒田、際立つ国際人脈 最後のジャクソンホール

ミスター黒田、際立つ国際人脈 最後のジャクソンホール
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB313BX0R30C22A8000000/

 ※ 国際金融政策は、こういう「インナーサークル」の中での、「阿吽の呼吸」で決められていく…。「金融マフィア」などという言い方もされるが…。

 ※ そういう「構造」の中で、重大決定の前に「そっと耳打ちされる」立場にあるのか、「事前に何も知らされず、不意打ち食らう」立場にあるのか…、などということが「その国の行く末を」大きく左右していく…。

『経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が閉幕した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長らがインフレ退治の決意を示して話題を集めた同会議だが、トップ同士が腹のうちを明かすインナーサークルの集まりである側面を持つ。日銀の黒田東彦総裁に目立った発言はなかったが、その存在感は国際社会でも際立つ。来春以降に想定される日銀新体制は黒田氏が築いた国際人脈を継承できるかも焦点となる。

ジャクソンホール会議は1982年から始まり、毎年夏に開かれている。米カンザスシティー連邦準備銀行が主催するシンポジウムで中央銀行関係者や経済学者らが参加し、世界経済や金融政策を議論する。新型コロナウイルスの影響で2020、21年はオンライン開催となったが、3年ぶりに対面での開催となった。

「(インフレ退治を)やり遂げるまでやり続けなければならない」(パウエル氏)、「インフレ抑制には犠牲がつきもの」(欧州中央銀行=ECBのシュナーベル専務理事)。各中銀トップの利上げを巡る発言が注目を集める一方、黒田氏は従来の大規模緩和の必要性を強調するにとどめた。

表向き目立った発言はなく、随行したのも秘書らごく一部の職員だけ。来年4月に任期を迎える総裁として最後の出席になるであろう会合は比較的ひっそりと、目立たぬかたちで幕を閉じたように見えた。

それでも「今回の会議は収穫が多かった」。多くの日銀関係者は口をそろえる。それはジャクソンホールのもう一つの顔が理由だ。各国中銀トップが講演やシンポジウムで市場へ強いメッセージを打ち出す側面が注目されるが、各国中銀トップがインナーの場で決して表に出さない本音を交わしている。

異次元緩和を維持する日銀だが、利上げという出口戦略を将来にわたり全く念頭に置いていないわけではない。金融政策で他の主要中銀との違いが鮮明になっても、各国のインフレ対応は今後の政策運営を考える上で重要情報となるのは間違いない。

財務官、アジア開発銀行(ADB)総裁を歴任した黒田氏の国際的な知名度は高い。それに加え、10年目に入った日銀総裁在任期間は今の主要中銀の中で群を抜く。

7月にイエレン米財務長官が来日した際も、財務相会談の前にひそかに黒田氏と面会したとされる。日銀関係者は「(黒田氏は)独自の人脈で海外の高官と直接会い、頻繁に意見を交わしている」と明かす。

他国から日銀の金融政策に干渉する向きはほとんどみられない。「ミスタークロダ」の存在感は依然として大きく、「国際的な会合では他国の中銀関係者が黒田氏のもとにあいさつに訪れるカリスマ的存在だ」(日銀関係者)。

残り任期が半年余りとなった黒田氏だが、今から利上げに踏み切ると見る声は市場でも少なくなりつつある。市場の視線が徐々にポスト黒田へ移るなか、ある日銀OBは「異次元緩和は永遠に続けられるものではない。5年のうちには正常化が求められる。次の総裁は火中のくりを拾うようなものだ」との見方を示す。

金融政策を講じる上で国際社会の置かれた情勢を迅速に、正確に把握できる主要中銀のインナーの地位を築いたのは黒田氏の力が大きい。異次元緩和を維持するにしろ、出口を模索するにせよ、次期正副総裁は黒田氏に匹敵するだけの国際人脈を備えることができるかも試されることになる。

(小野沢健一)

【関連記事】

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

一般論として、日銀総裁は海外の政策当局者と堂々とわたりあえる人物が望ましい。日本の金融政策は、日本だけで鎖国的に完結する事柄ではない。経済がグローバル化しており、かつ金融市場の影響力が以前にも増して大きくなっている中で、日本にとってベストの政策の道筋を探るべく、記事にあるような非公式ベースのものも含めてさまざまな情報を入手した上で、政策運営に生かしていく必要がある。そうした金融政策のプロとしての資質に加え、日銀という大きな会社組織のトップとしての統率力・指導力、国会における参考人質疑を無難にこなすことなどができるコミュニケーション能力なども要求されてくる。次期総裁の人選に、市場は注目している。
2022年9月2日 9:08 』

ドイツ外相、G20会合「ロシアの舞台にはさせない」

ドイツ外相、G20会合「ロシアの舞台にはさせない」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR06DM50W2A700C2000000/

『【ベルリン=南毅郎】ドイツのベーアボック外相は6日、インドネシア・バリ島で開く20カ国・地域(G20)外相会合に先立ち声明を公表した。ロシアのウクライナ侵攻が主要な議題になるとしたうえで「会合の舞台をロシアに任せるわけにはいかない」と主張した。会合にはロシアのラブロフ外相が出席する予定だ。

ベーアボック氏は7~8日のG20外相会合に続き、10~11日の日程で来日する。10日に長崎市の長崎原爆資料館などを訪問したあと、11日に林芳正外相と会談する予定だ。日独の2国間関係やウクライナ危機など国際情勢について意見交換する。

ベーアボック氏は声明で「インド太平洋が今後、世界の舞台で大きな役割を果たすことになる」と指摘。主要7カ国(G7)などで共通の価値観を共有する日本は「100%信頼できる」と期待を寄せた。』

米中外相が会談へ 7~8日、バリ島のG20で国務省発表

米中外相が会談へ 7~8日、バリ島のG20で
国務省発表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CH90V00C22A7000000/

『【ニューヨーク=坂口幸裕】米国務省は5日、ブリンケン国務長官が7~8日にインドネシア・バリ島で開く20カ国・地域(G20)外相会合に出席すると発表した。現地では中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談する予定だ。米中両国が調整しているバイデン米大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席の首脳協議が議題になる見通しだ。米中外相の対面での会談はロシアによるウクライナ侵攻後で初めて。

米中首脳協議ではトランプ前政権が課した中国製品への制裁関税の一部引き下げ案などをめぐって話し合う可能性がある。今夏をめざして開催を検討している。

ブリンケン氏は6~11日の日程でインドネシアとタイの首都バンコクを訪れる。タイではプラユット首相とも会談する計画だ。ミャンマー情勢などを話し合う。』

米・ロシア、G20舞台に外交戦 新興国の取り込みに躍起

米・ロシア、G20舞台に外交戦 新興国の取り込みに躍起
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2794S0X20C22A6000000/

『ウクライナ問題で対立する米国とロシアが、中国やインドなど新興国が参加する20カ国・地域(G20)を舞台に、外交戦を展開している。世界の国内総生産(GDP)の約8割を占めるグループで、新興国を中心としたメンバー国を自国の陣営に引きつけることが、国際社会での影響力の確保のために不可欠なためだ。

ロシアのプーチン大統領は6月30日、モスクワのクレムリン(ロシア大統領府)でG20の議長国を務めるインドネシアのジョコ大統領と会談した。11月にインドネシアのバリ島で予定するG20首脳会議(サミット)の開催に向けたジョコ氏の努力への支持を表明した。

プーチン氏はかねてG20サミットに出席する意向を示している。ウクライナ侵攻後も自身の政権基盤は揺るぎないと国際社会にアピールできる利点もあるためだ。G20には中国など友好国も多く、会議や個別会談を通じて米国が主導するロシア包囲網が広がっていないことを示す機会にもなる。

一方、バイデン米政権はG20からのロシアの排除を唱える主戦論者だ。「ロシアの国際社会や国際機関への参加は従来通りとはいかない」(米政府高官)との立場で、ロシアを国際社会から孤立させたい考えだ。インドネシアにもロシアの出席に反対する方針を伝えた。

世界のGDPの約8割、人口の3分の2を占め、国際的影響力のあるG20からロシアを排除すれば、同国の孤立を示す象徴的な動きとなる。2014年のクリミア侵攻後、民主主義国家で価値観を共有する日米欧など主要7カ国(G7)がロシアをG8から追放した経緯もある。

28日までドイツ南部のエルマウで開いたG7サミットでは付属文書に「ロシアは他国を犠牲にして国際規範に明確に違反する限り、世界経済・政治システムの正式なメンバーではあり続けない」と明記した。

ただ、国際社会が一致して圧力をかける構図を演出したいバイデン政権にとり、ロシア排除の主張を強めることはもろ刃の剣にもなる。かえってG20の場でロシアを擁護する声が相次ぐリスクがあるからだ。

実際、G20はロシアへの立場で真っ二つに分かれている。G7や韓国、オーストラリアが厳しい金融・経済制裁で足並みをそろえる一方、中国、インド、インドネシア、ブラジルなどは制裁に加わっていない。

タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は30日、経済の協議体であるG20について「ロシアを抜きにして経済に焦点をあてて話し合うことは不可能だ」と強調した。

G7内ではロシアを巻き込んだ議論が重要だとの見方も出ている。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は26日のドイツの公共放送ZDFのインタビューで「プーチン氏が(G20サミットに)来るなら、面と向かって我々の考えを伝える方がいい」と述べた。

G20サミットで議長を務めるジョコ氏はプーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領の双方がオンラインも含めて会議に出席することで米ロの対立に折り合いをつけ、食料やエネルギー危機を協議したいとしている。ゼレンスキー氏の参加はバイデン米大統領が提案した。

ジョコ氏はプーチン氏との会談に先立つ29日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー氏と会い、G20サミットへの出席を改めて呼びかけた。

G20は来週、バリ島で外相会議を開く。ロシアのラブロフ外相が対面で出席する方針で、11月のサミットをにらんだ外交の前哨戦となる。

(マドリード=坂口幸裕、ジャカルタ=地曳航也)

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・そして3極に割れた世界 協調嫌がる「中立パワー」台頭
・G20の機能不全、どうなる? 民主・強権国家で分断深く 』

「ロシアに『従来通り』はない」 G20退席の米財務長官

「ロシアに『従来通り』はない」 G20退席の米財務長官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E6T0R20C22A4000000/

『【ワシントン=高見浩輔】イエレン米財務長官は21日の記者会見で、前日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を途中で退席したことについて「ロシアに『従来通り』はない」と述べた。ウクライナに侵攻したロシアが国際協調を前提にした会議に出席すべきではないと改めて不快感を示した。

「ロシアの言い分を聞くために、ロシアの参加を認めることはない」と断言した。バイデン米政権はかねてG20の枠組みからロシアを排除すべきだと訴えている。イエレン氏はロシア側が発言をする前に英国やカナダの代表とともに退席した。日本の鈴木俊一財務相らは、ロシア側に強い抗議をしつつ退席はしなかった。

イエレン氏はロシアへの制裁やウクライナへの支援について今後も追加を検討する姿勢を強調したが、欧州がロシアからの資源輸入を止めることについては慎重な考えを示した。欧州のロシア産資源への依存度は高く、原油価格の上昇などを通じたデメリットのほうが大きいと指摘した。

記者会見は世界銀行と国際通貨基金(IMF)の春季総会に伴うもので、米財務省のなかで対面方式で実施された。』

G20決裂、「戦後秩序」構想いまこそ 侵攻が世界に問う

G20決裂、「戦後秩序」構想いまこそ 侵攻が世界に問う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA209NC0Q2A420C2000000/

『制度や秩序にも寿命がある。約30年前の冷戦終結後、経済のグローバル化が進み、日米欧の主要7カ国(G7)の力だけでは国際秩序の綻びを覆い隠せなくなった。21世紀に定着した20カ国・地域(G20)はロシアのウクライナ侵攻で機能不全に陥った。G7は改めて結束を問われ、国際社会は「戦後秩序」の再設計を迫られている。

【関連記事】G7結束が世界経済「最後の砦」 インフレ対処で共同声明

ノルマンディー上陸に続く激戦がまだ続いていた1944年7月、連合国44カ国は米ニューハンプシャー州で第2次大戦後の国際金融秩序を決めるブレトンウッズ会議を開いた。米財務省が戦後構想の検討に着手したのは、さらにその3年前の41年に遡る。国際社会がいまから新たな「戦後秩序」を考え始めても、決して早いとはいえない。

「経済問題と安全保障を含む国益を切り離すことはますます難しくなる」とイエレン米財務長官は語る。ロシアの蛮行とウクライナの善戦は米欧日など「西側」の結束を高め、ロシアへの厳しい制裁を実現した。世界が民主主義、自由、人権、規範の重要性を再確認し、権威主義国の暴発を抑え込むことが出発点であることは疑いがない。

G7はまず、民主主義を掲げる先進国として結束し、インフレや途上国の過剰債務、エネルギーの安定供給など世界経済が抱える課題の解決に取り組んでいく必要がある。それは結果として、権威主義国に対する民主主義国の存在感を高めることになる。

問題は、民主主義国と権威主義国を二分するだけでは世界が抱える長期的な課題を解決するのに不十分なことだ。

次の30年を見通せば、米国にとって最重要の戦略的競争相手は中国となる。30年前、世界の7割近かったG7の国内総生産(GDP)のシェアは約45%に低下した。一方で経済交流がほぼなかった冷戦時代の米ソと異なり、米国のモノの貿易額のうち中国向けは約14%を占める。中国抜きの国際協調は実効性を伴わない。

その中国は今後10年程度で米国の経済規模を抜くことを視野に入れ、習近平(シー・ジンピン)国家主席は「衰退する米国、台頭する中国」という世界観で米国をみる。中国からのこうした冷えた視線を感じるからこそ、台湾や日本、米国では「中国が覇権拡大へ武力を使うこともためらわなくなるのではないか」との懸念が消えない。

秩序の緩みを招いたのは、米国自身でもある。トランプ前政権が脱退した環太平洋経済連携協定(TPP)にバイデン政権は復帰せず、アジア経済戦略の空白が続いている。党派対立で分断された議会が国内市場の開放でまとまるメドが立たないためだ。

経済力は国力の源泉だ。米国はいったん中国に経済規模で世界首位を譲るものの、今世紀半ばに再び中国を上回る――。日本経済研究センターは米中が拮抗する未来を予想する。米中両大国の取引に振り回される世界が安定するとは思えない。

民主主義という価値を軸に、各国が協調して自由で公正な経済の恩恵をいかに広げるか。「プーチン後」のロシアを見据える視野も必要になる。混乱の先を描く構想力が試されるのは米国だけではない。中ロを隣国に持つ日本がまず貢献すべき課題だ。

(ワシントン支局長 大越匡洋)

【関連記事】
・G20財務相会合、共同声明出せず 米英など途中退席
・G7共同声明、為替安定に言及せず 円安対策厳しく

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

そもそも戦後の世界秩序は冷戦時代には米ソ対立の状態に直面していたので、今の状況は格別なことではない。

ロシアによるウクライナ侵攻で何が変わったかというと、冷戦終結以来の経済優先、国際協力の流れが頓挫したことにある。G20の機能不全はこうした流れを顕著に象徴しているのではないか。

この記事の最後の一文は重く、中ロを隣国とする日本には日米同盟強化以外にも大きな役割が求められている。

2022年4月22日 7:49 (2022年4月22日 7:51更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

ロシアのウクライナ侵攻で武力により破壊された国際秩序をどう立て直すか。重要なテーマだが、妙案がなかなか出てこないテーマでもある。

民主主義という価値観で世界をまとめるという理想論は、強権独裁のメリットを前面にだしている中国の台頭、そして自国の安全保障面で無理筋の要求をつきつけて暴発するロシアの存在により、絶望的な状況に陥った。

では経済的なメリットでつながれるかと言えば。政治・軍事と経済が不可分であることが、米中さらには米欧・ロシア間で展開されている経済制裁合戦により、事実上否定されている。

何か探すとすれば、地球温暖化対策か。人間が住んでいる惑星が壊れてきていることに、もう一度目を向けられないか。

2022年4月22日 7:39

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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分析・考察

新興国・途上国はそれぞれ各国に個別事情をかかえており西側の民主主義や自由公正な競争を全面に掲げる国は多くはない。

G7では世界経済の相対的な影響力が低下しているからこそ、G20が重視されてきた。

しかし、G20でも世界的課題を解決することが難しいことが明らかになっていた中でウクライナ問題でそれが露呈した。

西側の国家感を他の地域にひろげていくことが現実的に可能なのだろうか。新興国・途上国の相対的な経済規模が大きくなっておりなかなか難しそうだ。

むしろ各国地域の異なる事情・歴史・パワーバランスを理解したうえで、対話を継続しながら共通に取り組める課題に焦点をあてた外交が重要になっていくと思う。

2022年4月22日 7:13 』

米欧中銀トップら途中退席G20、鈴木財務相は同調せず

米欧中銀トップら途中退席
G20、鈴木財務相は同調せず
https://nordot.app/889670903025795072?c=39546741839462401

『【ワシントン共同】20日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、ロシア代表の発言時に米欧やカナダの代表がウクライナとともに退席する一幕があった。

「抗議の退席」には、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長や欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁らも同調。一方、鈴木俊一財務相は参加を続けるなど先進7カ国内でも対応が割れた。

 カナダのフリーランド副首相兼財務相はツイッターで、招待されたウクライナのマルチェンコ財務相を中心に、イエレン米財務長官らが会議場の外で立ち並ぶ写真を公開。ロシアへ抗議しウクライナを支援する立場を鮮明化する狙いがある。』

G20財務相会合、共同声明出せず 米英など途中退席

G20財務相会合、共同声明出せず 米英など途中退席
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20EXR0Q2A420C2000000/

 ※ ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、「国際的な協調の枠組み」なるものが、どんどん「壊れて行っている」という事態が、加速している感じだな…。

 ※ 「国連」しかり、「G20」しかりだ…。

 ※ 「世界」は、どうなって行くんだろうか…。有力国の「合従連衡」の昔に戻る気配   だ…。

 ※ クアッド、オーカス(AUKUS)、みんなそういう「合従連衡」の枠組みだ…。ファイブ・アイズなんてのものな…。

 ※ 中国の「一帯一路」もそうだ…。

 ※ ベクトルは、「協調」ではなく、「陣営作り」「味方作り」「囲い込み」の方向へ変わったようだ…。

 ※ 「共同声明を出せなかったうえに、中国が融資取引の開示を拒んで停滞している途上国の債務問題でも具体策を打ち出すことができなかった。」ということなんで、「過剰債務問題」に対する「協調融資」なんかも、雲行きが怪しくなってきた…。

 ※ 「世界のお財布」だった日本国も、「経常赤字」になったんで、「とても、他国を 援助している余裕は、ございません…。」状態になりつつある…。

 『20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が20日、米ワシントンで閉幕した。ウクライナに侵攻したロシアを非難する声が相次ぎ、共同声明も出せずに終わった。米国を含めた一部の代表がロシア側の出席に反対して途中退席する異例の会合となった。

「戦争は正当化できず、国際法に違反するものだ」。予定より30分遅れて始まった議長国会見では、インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相がロシアに飛んだ厳しい声を紹介した。途中退席について「驚きではない」とも話した。一部のメンバーは、米欧日の経済制裁による経済的影響に懸念を表明した。

会見では記者からG20の枠組みが実効性を持てるのか問う質問も出たが、スリ氏は「参加国の全員がG20での協調を続けるよう望んだ」と説明した。エネルギーと食品価格の高騰や中央銀行の利上げなど世界経済が直面する難題には国際的な協調を模索する枠組みが欠かせないためだと指摘した。

ロイター通信によると、イエレン米財務長官など米英とカナダの参加者は、ロシア側の発言が始まる前に席を立った。共同声明を出せなかったうえに、中国が融資取引の開示を拒んで停滞している途上国の債務問題でも具体策を打ち出すことができなかった。

(ワシントン=高見浩輔、江渕智弘)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

G20はいったい何を話し合う場なのだろうか。

先進国のみで構成されるG7では、時代が変わり、世界経済の問題を話し合うにはカバレッジが足りなくなったということで、経済パワーを増した新興国を取り込むなどしてG20は発足した。

本来は世界経済の問題を話し合う場という性格が濃い。

だが、国家レベルでの経済と政治の問題は、密接不可分である。

ロシアのウクライナ侵攻による米欧とロシアの政治対立の先鋭化をうけて、G20という国際協調の場は今回の会議で完全に行き詰まったことが露呈した。

国連も、ロシアと中国を含む安全保障理事会の常任理事国が拒否権を持っていることからうまく機能してくれない。難しい時代に突入した感が強い。

2022年4月21日 7:33
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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

コロナからの景気回復途上でインフレ率が上昇し、とくに新興国でインフレ率が大きく上昇し予想外の速さで金融緩和の正常化を行っている。

そこにロシアのウクライナ侵攻により一段とインフレとなり引き締めを急がざるを得なくなっている。

ウクライナ問題がなければ、化石燃料価格の高騰と気候変動対応、国内の格差と先進国と途上国の間の格差などが議論の中心になったとみられる。

しかしウクライナ問題で西側による激しい制裁とロシアによる対抗制裁への見方や国連人権理事会のロシアの理事国ポストをめぐる採決での意見のばらつきが明確になっており、ワンボイスにはなりにくい。

ただできるだけ国際的な対話の場は維持したほうがよいと思います。

2022年4月21日 7:18
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

これは国際社会の縮図といえる。

みんなが集まって、国際社会の問題を解決するための話し合いをするためだが、話し合いにはならない。

ロシアと日米欧が対立するなかで、間にはギョフの利を得ようとする国々が言葉を濁す。
肝心のウクライナが出てこない。G20の役割はもう終わったと言って過言ではない

2022年4月21日 7:11 』

G20会議、ロシア参加なら「欠席」 米財務長官

G20会議、ロシア参加なら「欠席」 米財務長官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06EE90W2A400C2000000/

『【ワシントン=高見浩輔】イエレン米財務長官は6日、20カ国・地域(G20)が開く複数の会議について、ロシアが参加する場合は「欠席する」と表明した。すでに議長国のインドネシアに伝達した。バイデン米政権はウクライナ侵攻を続けるロシアをG20から排除するよう求めている。

米下院の金融サービス委員会で証言した。G20は直近では20日に財務相・中央銀行総裁会議を開く予定だ。ロシアが出席するかどうかはまだ判明していない。

イエレン氏はウクライナ侵攻を「世界秩序に対する許しがたい侮辱」だと糾弾した。そのうえで「米国やパートナーに経済的損害がない範囲で、ロシアに最大限の苦痛を与える」と強調した。これまでの経済制裁は「ロシアに壊滅的な打撃を与えている」とも分析した。』

習近平氏「経済発展に自信」 ダボス準備会合で講演

習近平氏「経済発展に自信」 ダボス準備会合で講演
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM179KW0X10C22A1000000/

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は17日、世界経済フォーラム(WEF)のオンライン形式の準備会合「ダボス・アジェンダ」で講演した。減速している中国経済の先行きについて「発展の前途に自信を持っている」と述べ、懸念の払拭に努めた。

2021年の実質経済成長率が8・1%となったことについて「比較的高い成長と比較的低いインフレという二重の目標を実現した」と強調した。

「長期的に良好な経済の基礎的条件に変化はない」とも話した。開放政策を続け、海外からの投資を積極的に受け入れる考えを示した。

中国が経済浮揚のカードと位置づけるのが経済連携協定の推進だ。習氏は環太平洋経済連携協定(TPP)とデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)の加盟に向けて交渉を加速する考えを示した。

市場では習氏が旗を振る「(ともに豊かになる)共同富裕」が経済成長の阻害要因との見方がくすぶるが、習氏は「平均主義をやるのではない」と力説した。

「まずケーキを大きくし、合理的な制度を通じてうまく分け、発展の成果がより多く公平に行き渡るようにしなければならない」と説明した。あくまで経済成長が優先との認識を示した。

台湾や人権問題などを巡り対立する米国を念頭に「対話を堅持して対抗せず、包容をして排他しない」と訴えた。22年秋に共産党最高指導部の人事を決める党大会が控えており、対米関係を安定させたいのが習指導部の本音だ。

一方で「あらゆる形式の覇権主義と強権政治に反対する」と主張。新疆ウイグル自治区など共産党が「核心的利益」と位置づける問題に踏み込めば一切譲歩しない強硬姿勢もちらつかせた。

2月に開幕する北京冬季五輪に関して「簡潔で、安全で、素晴らしい五輪にする自信がある」と表明した。

ダボスの関連会議で演説するのは2年連続。習氏は新型コロナウイルスのワクチンを巡る協力もアピールした。』

米商務長官「TPPに代わる経済連携を」

米商務長官「TPPに代わる経済連携を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM159S70V11C21A1000000/

 ※ これは、ちょっと注目しておいた方がいい動きだと思う…。

 ※ 「覇権国」の要件の一つに、「自国市場を開放して、他国の輸出品が入って来るのを認める。」というものがある…。

 ※ TPPは、そういう「自由貿易志向」の多国間協定の枠組みの一つだ…。

 ※ 米国は、「そういう多国間の枠組みよりも、二国間協定で行く(その方が、米国の要求を飲ませやすいから…。)」「遠くの国との間の協定よりも、近場の身近な国(メキシコ、カナダなんか)との協定で行く。」と言っているのも同然だ…。

 ※ そういう「動き」に出られた場合、日本国の「戦略」としては、どうすべきなのか…。

 ※ 一方、対中国・北朝鮮では、「防波堤・不沈空母になれ!」と言われているわけだ…。

 ※ 台湾有事事態の時は、「後方支援しろ!」と言われているわけだ…。

 ※ あまつさえ、「そういう”東アジア有事”事態に備えて、ミサイル防衛網を整備しろ!」と言われているわけだ…。

『来日したジーナ・レモンド米商務長官は15日、テレビ東京番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」とのインタビューで、環太平洋経済連携協定(TPP)に代わる経済連携を目指す意向を明らかにした。

「米国は伝統的な自由貿易協定(FTA)より強健な経済枠組みを追求する」と語り、デジタル技術やサプライチェーン(供給網)など、広範な分野で日本など友好国との協調体制を構築する意欲を示した。

バイデン米大統領は東アジア首脳会議などで「インド太平洋地域での新たな経済枠組み作り」を表明している。レモンド氏はその具体策として、「この地域の強健な経済を持つ国々と合意を結びたい」と明言した。

米国が現在のTPPに復帰するよりも、米国主導の新たな枠組みを作る考えを強調した。

今回の訪日について「日米には相互に利益をもたらし、関心を寄せる分野が数多くある」と指摘。新たに締結した「日米商務・産業パートナーシップ」の重点分野として、サプライチェーンの目詰まり解消、半導体の供給体制、グリーンエネルギーなどを挙げた。

デジタル経済については「民主主義の価値観を共有し、プライバシーを保護しながら発展させる必要がある」との原則を提示した。

岸田文雄政権との間でも「グリーンエネルギー、半導体生産、サプライチェーンなどの分野で協力を深めたい」と語った。バイデン政権が進める米国内でのインフラ投資計画でも「今回の訪日で多くの企業関係者と会った。日本企業と提携できる方法を模索したい」と、日米協力への期待を示した。

鉄鋼やアルミニウムでの対日追加関税については「日米は同盟国であり、解決できるようにしたい」と指摘した。そのうえで「鉄鋼では中国の過剰生産が世界市場をゆがめ、日米の労働者に打撃を及ぼしている」と述べ、「日本と協力して中国の過剰生産能力に対抗していきたい」と提言した。(編集委員 滝田洋一)』

強制労働排除の声明「大きな成果」

強制労働排除の声明「大きな成果」 政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021102500464&g=pol

『磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で、先進7カ国(G7)貿易相会合が中国を念頭にサプライチェーン(供給網)から強制労働を排除するとの共同声明を採択したことに関し、「G7として強制労働に特化した共同声明を初めて取りまとめたことは非常に大きな成果だ」と歓迎した。 』

法人最低税率、なぜ15%で合意? 企業の税逃れに歯止め

法人最低税率、なぜ15%で合意? 企業の税逃れに歯止め
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA08CZ20Y1A001C2000000/

『経済協力開発機構(OECD)加盟国を含む136カ国・地域が8日、国際的な法人課税の新たなルールで合意した。法人税の最低税率を15%にするなど、国際社会が100年ぶりとも言われる歴史的な改革に踏み出したのはなぜか。3つのポイントから読み解く。

・税率の引き下げ競争はなぜ起きたのか
・国際的な課税ルールの改革機運が高まったきっかけは
・グローバル企業への課税はどう変わるのか

(1)法人税率の引き下げ競争はなぜ起きたのか

企業が事業などを通じてもうけたお金にかかるのが法人税だ。多くの国にとって法人税は、個人が稼いだ給与などに課す所得税、モノやサービスの取引にかける消費税(付加価値税)と並んで税収の大きな柱になっている。

税の徴収は国家の主権にかかわる問題だ。自国の領土内で活動する企業にどんな税金をどのくらい課すかはその国だけが決められる。企業が国境を越えて活動する機会が少なく、特定の国の領土内にとどまっていた時代は、法人税がどんなに高くてもその国の企業は甘んじて受け入れるしかなかった。

状況を大きく変えたのが、1970年代以降に加速した経済のグローバル化だ。国境を越えて世界中の国に活動の拠点を置く企業が増えた。こうした多国籍企業は事業環境がより有利な国に工場を建てたり、店舗を置いたりする。どの国で活動するかを決める際に、重要な判断材料の一つとなるのが税制だ。法人税など税負担の軽い国が企業をひき付ける。

特に80年代に入ると、サッチャー英政権やレーガン米政権が経済を活性化する切り札として法人税率の引き下げに動き始めた。背景にあったのが、新自由主義と呼ばれる経済思想だ。国家は企業の活動にできるだけ介入すべきでないという主張で、税金も安ければ安いほどいいと考える。

英米による法人税率の引き下げをきっかけに、世界的な減税競争が始まった。税金が高いままでは企業がどんどん税率の低い国に逃げてしまうからだ。日本もこうした競争と無縁ではいられず、80年代に40%を超えていた法人税率(国税)は2018年度に23.2%まで下がった。

(2)国際的な課税ルールの改革機運が高まったきっかけは

IT大手の課税逃れへの批判が国際ルール見直し機運が高まる一因となった

グローバル化に続き、2000年代に入って押し寄せたのがデジタル化の波だ。IT(情報技術)を駆使して世界中で稼ぐ米GAFA(親会社のアルファベットを含むグーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)のようなデジタル企業が経済の中心に躍り出た。

デジタル企業は事業所など物理的な拠点を置かない国でもインターネットを通じてビジネスを展開できる。いまの法人課税には1920年代にできた「恒久的な施設なくして課税なし」という国際的な原則がある。これに基づけば、デジタル企業はある国で消費者にモノやサービスを売ってどんなに巨額の利益をあげても、その国に工場や店舗といった物理的な拠点がなければ法人税を払わなくて済む。法人税率が低い国に拠点を置き、サービスの利用者がいる別の国で税金を払わずに稼ぐやり方が広がった。

法人税率の引き下げ競争とデジタル化の流れが加速する中で、課税をうまく逃れた多国籍企業やデジタル企業は富を蓄積した。こうした企業の税逃れを問題視する機運が高まった契機は、2008年秋に起きたリーマン・ショックだ。危機を克服するために各国は大規模な景気対策を打ち出し、財政状況が悪化した。にもかかわらず、富をため込んだ多国籍企業が払うべき税金を払っていないという批判がわき起こった。

OECDは2012年に「BEPS(税源浸食と利益移転)」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げた。各国政府が連携して多国籍企業による税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整える手立てを話し合うためだ。

(3)グローバル企業への課税はどう変わるのか

法人税の最低税率とデジタル課税の国際ルールづくりを柱とするBEPSの議論はなかなか進まなかった。参加国が多く、利害の調整が難しかったからだ。しかし、2020年に始まった新型コロナウイルスの危機が転機となる。各国が巨額の財政出動を繰り返し、税財源の確保が必要になったためだ。法人税率の低さを競う余裕はなくなった。

21年1月に発足したバイデン米政権は5月に法人税の最低税率を「少なくとも15%」とする案を提示し、主要7カ国(G7)が同調した。OECD加盟国を含む130以上の国・地域も賛同し、8日の最終合意にこぎ着けた。

今回の合意では、法人税の最低税率を「15%」とする各国共通のルールを設けるとともに、GAFAのような巨大IT企業を念頭にデジタル課税の仕組みも決めた。全世界の売上高が200億ユーロ(約2.6兆円)を超し、利益率が10%超の企業が対象だ。

この条件に合う約100社のグローバル企業が稼いだ利益のうち、総収入の10%を超える利益を「超過利益」とし、その25%にサービスの利用者がいる国・地域が課税できるようにする。対象企業が工場や店舗などの物理的な拠点を置かない国や地域も課税できるようになるわけだ。実際の課税権は、売上高に応じて各国・地域に配分する。

1920年代にできた「恒久施設なくして課税なし」の原則をおよそ100年ぶりに転換する歴史的な改革だ。新ルールは2023年からの実施をめざす。

(経済部長 高橋哲史)』

<Q&A>法人課税強化、国際合意のポイントは? デジタル課税、最低税率15%以上
2021年7月3日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/114283

『OECDが多国籍企業の課税逃れを防ぐため、法人税の新たな国際ルールをつくることに大枠で合意しました。このルールの狙いと中身についてまとめました。(原田晋也)

 Q なぜ、新ルールが必要なのですか。

 A 現行ルールでは、工場や支店など拠点がなければ、その国は企業に課税しないのが原則です。しかし、拠点を世界各国に置かなくても、インターネットを使って事業を展開する「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」などの巨大IT企業が登場。これらの企業に対し、課税ができない国が増えました。サービスを展開しているのに拠点がないとの理由で課税を逃れる企業が増え、経済の変化に税制が追いついていませんでした。
 「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれる法人税率が低い国に拠点を置く多国籍企業が増えたことも理由です。企業誘致のために各国で税率引き下げ競争が起き、財政悪化や格差拡大を招いたとの批判が根強くありました。

 Q 合意の内容は。

 A 巨大IT企業を想定した「デジタル課税」と、「最低法人税率」の二つがあります。デジタル課税では、多国籍企業の拠点がない国でも、サービスが行われていたら、消費国(市場国)として課税できるようになります。具体的には、巨大IT企業の利益率のうち10%を超える部分に、20~30%の税率が適用され、市場国に税収が分配されます。
 Q 最低法人税率の方はどんな仕組みですか。

 A 最低法人税率を「15%以上」とすることで合意しました。仮に、多国籍企業が税率がより低い10%の国に子会社を置いても、親会社が所在する国からも、15%から10%を差し引いた5%分を追加的に課税できるようになります。タックスヘイブンを使った課税逃れが難しくなるかもしれません。

 Q 各国はなぜ合意に向かうことができたのでしょうか。

 A 米国は従来、多国籍企業に対する課税強化には否定的でした。しかし、バイデン政権が誕生し、税の公平性に重きを置くようになり、最低税率導入を推進するようになったためです。また、新型コロナウイルス対策で大型の景気対策を打った各国の財政状況が厳しくなっているという事情があります。

【関連記事】デジタル税、日本も数社対象か OECD大枠合意 』

ウォール街、米中金融円卓会議の年内再開を準備

ウォール街、米中金融円卓会議の年内再開を準備=ブルームバーグ
https://www.reuters.com/article/idJPL4N2PW1FQ?edition-redirect=ca

(August 25, 2021 3:41 PMUpdated a month ago)

『[25日 ロイター] – ブルームバーグは(8月)25日、ウォール街の重鎮と中国政府の高官が米中の共通した立場を探る「米中金融円卓会議」の年内再開に向けて準備を進めていると報じた。

ウォール街は中国へのアクセス拡大を望んでいるという。複数の関係筋の情報として報じた。

ゴールドマン・サックス・グループに長年勤務し、バリック・ゴールドの会長を務めるジョン・ソーントン氏が現在、北京で中国政府高官と協議しているという。

ブルームバーグによると、ソーントン氏は米中金融円卓会議の議長の一人。同会議は2018年に米中関係の緊張がエスカレートした際に構想が持ち上がった。

これまでの会議にはブラックロック、バンガード、JPモルガン、フィデリティなどが参加している。』

〔寧徳時代新能源科技(CATL, Contemporary Amperex Technology)〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%A7%E5%BE%B3%E6%99%82%E4%BB%A3%E6%96%B0%E8%83%BD%E6%BA%90%E7%A7%91%E6%8A%80

『概要

2011年に設立。電気自動車やエネルギー貯蔵システムのバッテリー管理システムのリチウムイオン電池のほか、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の製造を行っている[3]。福建省の寧徳市に本社を置き[4]、寧徳市、青海省、溧陽市に製造拠点がある。主要研究開発センターは寧徳市とベルリンであったが[5]、2018年5月に横浜市にも営業と開発の拠点を開設した[2]。

CATLの年間販売量は2016年のエネルギー貯蔵能力の6.8GWhに達した[6]。同社は2020年までに50GWhのリチウムイオンの生産能力を目標としている[2][7]。

2017年にはパナソニックを抜いて電気自動車用の電池メーカーで世界一となった[2]。

2018年7月にドイツのテューリンゲン州に海外初の工場の建設を発表した[8]。

提携

CATLのバッテリー技術は現在多くの電気自動車メーカーが使用している。国際市場では、CATLはトヨタ自動車[9]、本田技研工業[10]、日産自動車[11]、PSA[12]、現代自動車[13]、BMW[14]、フォルクスワーゲン[10]、ダイムラー[8]と協力している。中国では同社の顧客は北京汽車、吉利汽車、宇通客車、中通客車、金龍客車、上海汽車及び福田汽車が含まれる[15][16]。

2017年1月、CATLはヴァルメト・オートモーティブと戦略的提携を結ぶ計画を発表した。その提携の一環として、CATLはヴァルメト・オートモーティブの株式の22%を取得した[1][17]。』

寧徳時代新能源科技(CATL)ってどんな会社?
https://companeer.net/catl/

『基本情報

正式名称 :寧徳時代新能源科技股/Contemporary Amperex Technology Limited.
創業日  :2011年
創業者  :曾毓群(ロビン・ゼン)
社長(CEO):曾毓群(ロビン・ゼン)※2021年5月29日現在
本社   :福建省/中国
事業内容 :車載用電池製造業

CATLの読み方は、「コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド」

ATLという香港の電池メーカーの自動車用電池部門が独立して誕生した。ATLは、日本メーカーTDKの子会社というつながりもある。

ドイツの自動車メーカーBMWとの協業で、大きく成長した。また、中国政府の補助金も追い風となって、CATLの成長をあと押した。

現在、CATLは中国国内以外にもドイツやインドネシアなどの海外工場を複数建設している。EVの需要に向けて電池の生産能力を大幅に向上させた。』

中国巨大バッテリーメーカーの誕生と日韓のバッテリーメーカーの応戦(後)
https://www.data-max.co.jp/article/30203

『CATLはドイツ企業のBMWとの協業がきっかけとなり、力をつけ始めた。その後、同じくドイツのフォルクスワーゲン(VW)やダイムラー、仏プジョー・シトロエングループとの取引にも成功。中国市場に進出している外資系自動車会社と協業することで、成長の足場を築いた。

 外資系自動車メーカーがCATLの電池を採用せざるを得なかったのには背景がある。現在、世界最大の市場となっている中国で電気自動車を販売するためには、中国政府が推奨する電池メーカーの製品を使わないといけない。その推奨メーカーには、日本のメーカーも、韓国のメーカーも、入っていないので、中国で一番価格競争力があり、高品質なCATLの製品が選ばれたわけだ。

 その結果、外資系自動車メーカーのほとんどにCATLの電池が採用され、CATLはパナソニックを抜いて世界最大の電池メーカーになったわけである。ロイター報道によれば、2020年のCATLの生産能力は、合計で50GWhに達するといわれているが、生産規模を拡大し、100GWhにするという噂もある。

 2016年まで世界シェア首位をキープしていたパナソニックだが、2017年にはCATLに首位の座を譲っている。市場シェアだけでなく、価格競争力、生産能力、利益率においても、CATLに負けているので、パナソニックの前途は多難だろう。』

TDK、中国EV向け電池大手と提携
営業益は5年ぶり高水準に、22年3月期(2021年4月28日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC288VY028042021000000/

『TDKは28日、子会社で香港のアンプレックステクノロジー(ATL)と中国の車載向けリチウムイオン電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が業務提携すると発表した。ATLはCATLと合弁会社を設立し、電動バイクなど産業用途向けのリチウムイオン電池の開発や製造に取り組む。車載向けに強いCATLの技術を生かし、大容量向けの市場開拓を狙う。また同日、2022年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比34%増の1500億円になるとの予想を公表した。 17年3月期の最高益に次ぐ高水準になる。

中国のCATLは車載向けリチウムイオン電池で強みを持つ。同社はもともとTDKが買収したATLの車載部門から分離・独立して誕生した。新興企業ながら中国の自動車メーカーのほか、米テスラやトヨタ自動車などに車載向け電池を納め、車載向け電池では世界最大の企業にまで成長している。

ATLはTDKの子会社でスマホ向けリチウムイオン電池で高いシェアを誇る。05年に約100億円で買収し、今や売上高7000億円規模まで成長しTDKの稼ぎ頭となっている。

ただ足元ではスマホ向け需要は頭打ちになっており、今後の市場成長も期待しにくい。CATLの技術力を生かし市場の拡大が見込める中国の電動バイクや、電動スクーターなど高容量向けの需要開拓を狙う。

同時に発表した22年3月期の連結業績(米国会計基準)予想は、売上高で前期比8%増の1兆6000億円、営業利益で34%増の1500億円、純利益で26%増の1000億円を見込む。スマホやパソコン向けの電池が伸びるほか、コンデンサーをはじめとした受動部品の販売が自動車向けに増える。年間配当は190円と10円増やす方針だ。』

〔世界の貿易協定(アジア関連のもの)〕

 ※ 「世界の貿易協定」みたいな情報を、ちょっと集めた…。 

 ※ なるほど、こういう「経済回廊」計画は、「広域経済協定」と連動しているわけなんだな…。

 ※ せっかく、地域の物流・人の移動網を整備して、「工業団地」作ったりして、「製品を生産」しても、「高関税」かけられたんじゃ、あまり販売は進まない…。

※ そこは、「あらかじめすり合わせる」必要があるわけだ…。

G7、途上国支援で協調 外貨調達枠を拡充へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF195WL0Z10C21A3000000/

『主要7カ国(G7)は19日、財務相会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大が続く途上国への支援強化で一致した。国際通貨基金(IMF)の制度で特別引き出し権(SDR)と呼ぶ外貨調達枠を拡充する方向だ。コロナ後、経済回復で先行した中国が途上国への影響力を強めている。国際社会に復帰した米国や欧州、日本など先進国の協調が試されている。

SDRは危機時などにドルやユーロなどを引き出せる権利。IMFへの出資比…

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SDRは危機時などにドルやユーロなどを引き出せる権利。IMFへの出資比率に応じて各国に割り当てている。総額で6500億ドル(約70兆円)程度を新規に配分する案が有力だ。途上国はドル建ての借り入れが多いため、外貨の確保を支援することで破綻懸念を和らげる効果がある。

今回の会合前から地ならしは進んでいた。「新たなSDRの割り当てが貧困国を支援する重要なツールになりえる」。G7議長国を務める英国のスナク財務相は15日夕、イエレン米財務長官との電話協議で見解を一致させた。新規配分について英財務省は「交渉は進行中」と説明する。IMFが4月に開く春季会合での合意を目指す。

トランプ前米政権ではムニューシン前財務長官が新規配分に反対していた。バイデン政権になりG7の足並みがようやくそろった格好だ。なお残る大きな課題は途上国向けの最大の貸し手となっている中国の扱いだ。

G7は途上国向け公的融資の返済猶予措置を6月末の期限からさらに半年延長する方向で一致した。その枠組みに中国は背を向ける。政府が100%出資する中国国家開発銀行を「民間銀行」と主張し、国際協調から距離を置く。同行は実際は広域経済圏構想「一帯一路」での融資を担い、その融資実態が不透明と指摘されてきた。

先進国の財務当局は途上国を支援した結果、余力の生まれた途上国が中国への債務返済を優先してしまうことを懸念している。麻生太郎財務相は中国を非難してきたが、取引の実態開示を迫る有効な手立てはないのが現状だ。各国はIMFが途上国のSDRの使い方を事前・事後にチェックする手段を議論している。

途上国が経済の悪化で十分なウイルス対策を打てなければ、国境をまたぐ感染拡大の収束は難しくなる。債務不履行(デフォルト)が増えれば、金融市場への悪影響も避けられない。

世界を覆うコロナ禍に対し、グローバル経済の大きな課題である途上国支援の枠組み

を再構築する正念場だ。

(高見浩輔、ロンドン=中島裕介)

国際通貨基金
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%9F%BA%E9%87%91

『国際通貨基金(こくさいつうかききん、英語: International Monetary Fund, IMF)は、国際金融、並びに、為替相場の安定化を目的として設立された国際連合(国連)の専門機関である。本部は、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にある。2018年現在、加盟国は189か国である[2]。

加盟国の経常収支が著しく悪化した場合などに融資などを実施することで、国際貿易の促進、加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、為替の安定、などに寄与する事を目的としている。 また、為替相場の安定のために、経常収支が悪化した国への融資や、為替相場と各国の為替政策の監視などを行っている。各国の中央銀行の取りまとめ役のような役割を負う。世界銀行と共に、国際金融秩序の根幹を成す。』

G7結束回復へまず一歩 財務相会議、中国を警戒

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1201O0S1A210C2000000/

『【ロンドン=中島裕介】日米欧の主要7カ国(G7)は12日、財務相・中央銀行総裁会議をオンラインで開いた。バイデン新政権発足後、初めてのG7会合で、米国からはイエレン財務長官らが出席した。

新型コロナウイルスで苦しむ途上国の債務削減やデジタル通貨のルール作りなど、G7共通の課題は中国へのけん制が必要な案件が多い。会議はトランプ前政権で亀裂が深まった米欧が関係を修復し、結束を取り戻す一歩となる。…

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2021年のG7議長国は英国で、スナク英財務相とイングランド銀行(中央銀行)のベイリー総裁が共同議長を務めた。英政府によると、会議ではコロナ危機からの経済再生について協議。スナク氏は「公平で迅速なワクチンの配布が重要だ」と呼びかけた。日本から麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦総裁が参加した。

オンラインでG7財務相・中銀総裁会議に出席する麻生太郎財務相(12日夜、財務省)

前米連邦準備理事会(FRB)議長のイエレン氏は財務長官としては初参加となった。イエレン氏はすでにフランスやドイツの財務相らに経済協力開発機構(OECD)を軸とした国際課税協議への復帰を伝えた。バイデン政権の国際協調重視の姿勢を示す。

トランプ政権が発足した17年の5月のG7会議では、当時のムニューシン米財務長官が閉幕後の記者会見で「(米国は)保護主義を講じる権利がある」と主張。自国産業保護の輸入制限を正当化する発言は日米欧の協調の場だったG7に亀裂を走らせた。

一方、G7で結束して中国をけん制しなければならないテーマは増えている。

その一つが新型コロナによる経済低迷で債務返済に苦しむ途上国への対応だ。20年11月の20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議では困窮する途上国の債務を削減する場合の枠組み作りで合意した。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」の参加国に、インフラ建設資金などの融資と引き換えに天然資源や港湾など重要施設を担保にとる「債務のわな」問題が指摘されている。中銀発行のデジタル通貨(CBDC)を巡っては、中国が22年の北京冬季五輪までの「デジタル人民元」発行に向けて実証実験中だ。G7各国よりもデジタル通貨導入に向けた動きは先行している。

利用する個人や企業の取引データが中国当局に筒抜けになる懸念も指摘される。麻生氏は9日の記者会見で「議論を詰めないといけない」とG7での対応を急ぐ考えを強調していた。

バイデン新政権が国際協調を重視するとはいえ、どこまでG7の足並みがそろうかは見通せない。

ここ数年の課題だった巨大IT(情報技術)企業へのデジタル課税の国際ルール作りを巡って、麻生氏は12日の会議終了後、記者団に「春くらいまでに目に見える形になっている可能性が出てきた」と述べ、米国の政権交代で協議が進展しつつあるとの評価を示した。自国企業への悪影響を警戒したトランプ前政権下で協議は停滞していた。

ただ国際課税協議への復帰を伝えたイエレン氏も、米国にとって不利な面もあるデジタル課税に前向きかは微妙だ。

G7各国の経済は新型コロナで深いダメージを受け21年に国内総生産(GDP)をコロナ禍前の水準に戻せるのは米国だけの見通し。その米国も財政依存の色は濃く、自律的な経済成長を取り戻せるかは不透明だ。経済再生が見通せず、各国が内向き志向に終始すれば国際社会のG7全体の影響力は取り戻せない。