今度こそロシア国債はデフォルトか

今度こそロシア国債はデフォルトか | 2022年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0519

 ※ 『ロシア政府は支払いの意思と能力があるにも関わらず、不当な米国政府の制裁措置によって支払いが阻まれたのであり、いわば不可抗力であってデフォルトには当たらない』…。

 ※ 「支払いの意思も能力もある。」しかし、一政府の「金融制裁」によって、支払いできない状態に追い込まれている…。

 ※ そういう場合も、「債務不履行」に該当することになるのか…。

 ※ 訴訟になった場合は、裁判所も判断に苦しむだろう…。

 ※ しかし、現実の金融の世界においては、そういう話しは脇に置いておいて、どんどん先に進んで行くことになる…。

 ※ 既に、「格付け各社」は、「格付け」を放棄し、『CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を扱うデリバティブの業界団体である国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)のクレジット・デリバティブ決定委員会』が「CDSのクレジットのレート」を決定するだけの状況になっているようだ…。

『2022/05/19

ドル建てロシア国債のデフォルトを巡る米国とロシアの攻防

米国政府は、ロシアをデフォルト(債務不履行)に追い込む方向に再び動き始めている。米財務省は4月4日のドル建てロシア国債の償還、利支払い日に、ロシア政府が米銀に保有するドル準備を用いて償還、利支払いを禁じる措置を突如打ち出した。その結果、ロシア政府はドルでの償還、利支払いができなくなり、ルーブルでの支払いを余儀なくされた(コラム「米国政府がロシア国債の償還・利払いを阻止との報道。ロシアはデフォルトか」、2022年4月5日、「ルーブルでの支払いを余儀なくされたロシア政府はデフォルトを強く否定」、2022年4月7日)。

通常デフォルトは、主要格付機関がデフォルト格付けを行うことで確定するが、彼らは既にロシア関連の格付け業務を停止していることから、代わりにロシアの債券の保険商品であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を扱うデリバティブの業界団体である国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)のクレジット・デリバティブ決定委員会の判断が注目されてきた。

同委員会は4月20日に、ロシアが4日に期限を迎えたドル建て国債の償還・利子の支払いを自国通貨ルーブルで実施したことが「潜在的な債務不履行」にあたるとの判断を示している(コラム「デフォルト状態にあるロシア国債の海外保有者はどのような行動を起こすか」、2022年4月26日、「ロシア国債のデフォルト認定で何が起こるか」、2022年4月21日、「ロシアのデフォルトは誰が認定するのか」、2022年4月13日)。

さらに4月4日に期限を迎えたドル建て国債の償還・利子の支払いの30日の支払い猶予期間が過ぎる5月4日以降、同委員会が正式にデフォルト認定を行うことが予想されていた。しかしそれに先手を打ち、4月29日にロシア政府は、ロシア国内にあるドル準備から支払いを行い、デフォルト回避に動いたのである(コラム「ロシアがドルで国債の償還・利子を支払い当面のデフォルトを回避か」、2022年5月2日)。

注目される米財務省の例外措置の延長の有無

ところで、ウクライナ侵攻の直後に主要各国は、民間銀行に対してロシア政府、政府機関との取引を禁じる制裁措置を講じていた。しかし、米財務省外国資産管理局(OFAC)は通達を通じて、ロシア国債の償還、利払いを米国投資家に行う取引のみは例外的に認めていたのである。その期限がいよいよ来週の5月25日にやってくる。

現状では、ロシア政府が米銀に持つドル準備を用いたロシア国債の償還、利払いは禁じられているが、ロシア国内や海外に保有するドル準備を用いての支払いは認められている。ところが、5月25日に米財務省がこの例外措置を延長しなければ、ロシア政府は米国投資家にドルで償還、利払いを行うことができなくなり、デフォルトと認定される可能性が出てくる。

イエレン米財務長官は10日に、この制裁の例外措置について、更新を見送るかどうかを財務省が検討していることを明らかにした。また、財務省としてはこの措置を失効させるかまだ決めていないが、そのリスクと影響について検討中であり、近いうちに判断を下す、と述べていた。

ロシアは既にデフォルト状態

財務省内では例外措置を延長して支払いを容認し、ロシア政府にドルを使わせて軍事資金を減らすべきだとの声もあったが、ロシアに対する金融面の圧力を維持するため、延長しない方向に判断は傾きつつあるようだ。

米財務省の例外措置が5月25日に延長されない場合、それ以降に期限を迎えるドル建てロシア国債の利払いが実施されなくなり、クレジット・デリバティブ決定委員会が、猶予期間後に正式にデフォルト認定を行うことになるだろう。

ただし、ロシア政府は支払いの意思と能力があるにも関わらず、不当な米国政府の制裁措置によって支払いが阻まれたのであり、いわば不可抗力であってデフォルトには当たらないとの主張をその後も続けるだろう。

債券のデフォルトの本質は、債券発行者(債務者)が投資家(債権者)の信頼を大きく失い、新規の債券発行を通じた資金調達の道が閉ざされることにある。ロシア政府は既にそうした状態にあることから、正式なデフォルト認定がされるかどうかはもはやそれほど重要ではないのではないか。ロシアのデフォルトが確定しても、ロシア国債の規模が大きくないことや、すでに投資家の間で損失計上などが進んでいることから、世界の金融市場への影響は限られるだろう。

(参考資料)
“US Set to Block Russian Debt Payments, Raising Odds of Default”, Bloomberg, May 17, 2022
「DJ-ロシア政府の債務返済認める制裁例外措置、米財務省が更新見送り検討」、2022年5月10日、ダウ・ジョーンズ債券・為替情報

執筆者情報

木内 登英
エグゼクティブ・エコノミスト 』

ロシア、外貨建て国債「利払い履行」 手続き前倒しか

ロシア、外貨建て国債「利払い履行」 手続き前倒しか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR210FB0R20C22A5000000/

『【ロンドン=篠崎健太】ロシア財務省は20日、期限を27日に控える外貨建て国債2本の利払いについて「義務を完全に果たした」と発表した。ロシア国債の元利金受け取りを投資家に認める米国の特例措置が25日で切れるのを前に、前倒しで手続きした可能性がある。

対象の利払いは2026年償還のドル建て債の7125万ドル(約91億円)と、36年償還のユーロ建て債の2650万ユーロ(約36億円)だ。ロシアの証券保管振替機関が資金を受け取ったという。

ロシア財務省は「発行条件に沿って義務は履行された」と主張したが、今後、債券保有者の手元に届き、最終的に債務不履行(デフォルト)を避けられるかは不明だ。

米政府は経済制裁でロシア当局や政府系ファンドから支払いを受けることを禁じており、一時的に認める特例が25日に失効する。イエレン米財務長官は18日の記者会見で、特例期間について「最終決定ではないが延長される可能性は低い」と発言していた。

【関連記事】

・米財務長官「失効の可能性高い」 ロシア国債巡る特例
・米、ロシアの戦費枯渇へ圧力 国債元利払いを阻止
・ロシア、外債「ドルで支払い」 国内資金利用で米容認か 』

世界を覆うインフレ(悪性) : 机上空間

世界を覆うインフレ(悪性) : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28720285.html

『昨日のアメリカ市場は、近年稀な大暴落でした。ニューヨークダウは最大で1200ドル以上暴落。NASDAQも5%以上の下落。ここ3日間ほど、上げ相場で上昇した分を全部吐き出して、元に戻しました。原因は、インフレを原因とする消費の落ち込みです。それを裏付けるのが、世界最大の小売業者であるウォルマートと、業界第5位のターゲットの決算数字の悪さです。

この原因になってるのが、悪性のインフレです。アメリカでは、先日発表された消費者物価指数でも、相変わらずの前年比8%以上のインフレ高止まり、これは欧州でも同じで、7%以上のインフレです。発端は、いわゆるCO2削減を叫ぶ環境保護の動きによる、グリーンエネルギーシフトによるエネルギー原料の高騰です。これによって、去年の冬からの天然ガスの値段がバカ上がりしました。

イギリスなどでは、ちょっと広めの家屋の月の暖房費が軽く5万円を超えています。暖房費だけです。というのは、欧州の暖房は、床暖房や蒸気によるヒートパイプによって部屋全体を温める暖房が多いので、空間が大きければ大きい程、エネルギーを消費します。

それに加えて、ロシアのウクライナ侵攻で、ロシア産の資源の禁輸が制裁処置で加わりました。さらに、侵攻相手のウクライナは、ヨーロッパのパン籠と言われる程の穀倉地帯です。つまり、エネルギーと食料の両方で、供給がストップしています。未だ、実感として日本では感じられていませんが、インドなどが自国の需要を確保する為に小麦の輸出を禁止するなど、既に防衛に入っている国があります。

さらに武漢肺炎で、世界の工場化している中国で、頭のオカシイ、都市封鎖をしているので、工業製品の輸出が停滞しています。その上、今年も相変わらず起きている水害の為、世界中の穀物を高値で買いまくっているので、あらゆる穀物が高騰しています。そろそろ、発展途上国では輸入できなくなるくらい価格があがっています。

つまり、物不足で物価が高騰しているので、これは悪性のインフレです。そして、インフレが原因で消費活動の抑制が始まっています。一般的に、流通が正常であれば、小売業者の業績低迷=モノが売れないというのは、値下げに繋がるので、インフレ抑制の兆候という解釈も成り立つのですが、原因が物不足の場合、原料費が高騰しているのが原因で、モノの値段があがって売れなくなっているので、モノが売れようが売れなかろうが、利益を確保する為に物価は上がります。

また、エネルギー関連のインフレは、副作用が凄いです。なにせ、物流費用、店舗の光熱費と、全てにおいて、コストが上昇しますので、売上が落ちるのにコスト高という最悪の状態になります。そして、そのコスト高は、一般家庭の生活も直撃します。ガソリンの高騰は、車が足になっている社会では、死活問題です。そして、脱原発で高コスト体質になっている世界の発電施設は、バカ高い天然ガスをガンガン燃やして電気を作り出す為、目につかないところで、ガンガンCO2を排出して、結局のところ、何も解決する事無く、さらにCO2排出量は増えるでしょうねぇ。環境活動家が地球環境を破壊するという笑えない状況になっています。実際、太陽光パネルを設置する為に、山の斜面を切り開いて禿山にしてますしね。あれを、元に戻すのに何十年かかることやら。

実際、今回のロシアのウクライナ侵攻で、何年分の資源の浪費と、環境破壊、インフラの破壊が起きたのかを考えると、既に何をしても世界単位で環境を改善する事は不可能とも言えます。ロシア軍がウクライナに人員を割いている為に、シベリアで起きた森林火災が鎮火できずに、膨大な面積の森林が灰になっています。ここで出たCO2と、破壊された森林は、甚大な被害を環境に及ぼします。

何よりも絶望的なのは、本格的な物不足の影響が始まるのは、これからだという事です。恐らくウクライナの農業は、年単位で低迷します。ロシアのエネルギー資源は、制裁が緩和されるまで続くので、ロシアが大ロシア主義の領土拡張を止めない限り続くでしょう。中国では習近平氏が政権を握っている限り、国民の愚民化、旧勢力へのカウンターとしてのIT産業などへの締付け、人類の愚行を見ているかのような武漢肺炎対策で、工業力の衰退が起きるはずです。』

世界景気、物価高で減速 日米欧の成長下振れ

世界景気、物価高で減速 日米欧の成長下振れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA162T00W2A510C2000000/

『世界景気の減速懸念が強まっている。ロシアのウクライナ侵攻で拍車がかかる物価高が重荷となり、新型コロナウイルス禍からの回復シナリオは見直しを迫られる。日米欧とも1~3月の成長率が低下し、4~6月期以降の見通しも下方修正が相次ぐ。中国のゼロコロナ政策が供給網の混乱要因となり、米国の利上げが金融市場の火種になるリスクもくすぶる。

【関連記事】
・1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く
・米GDP予想外の1.4%減 需要健在、利上げ路線に影響薄

コロナワクチンの普及や行動制限の緩和で各国経済は正常化が進んできた。2月のロシアによる侵攻は、その流れを断ちかねないショックだった。

主要国・地域の1~3月期の実質国内総生産(GDP)は回復の鈍化が鮮明になった。米国は感染拡大当初の2020年4~6月期以来、日本は2四半期ぶりのマイナス成長に沈んだ。ユーロ圏や中国も伸び率が縮んだ。

欧州最大の経済大国ドイツではロシアからのパイプラインを通じたガス輸送が全面的に止まる懸念が強まっている。無視できないのがドイツ経済を支える製造業だ。ガス輸入の3~4割をロシアに依存しており、化学や鉄鋼などは工場の生産停止に追い込まれかねない。

欧州委員会が16日公表した最新の経済見通しによると、ユーロ圏の22年の実質成長率は天然ガスの調達が不安定になった場合に2%以上押し下げられる。ドイツ銀行協会のゼービング会長(ドイツ銀行最高経営責任者)は4月、ロシアからのガス・石油の供給が止まれば「独経済は深刻な景気後退に陥る」との見方を示した。

かねて世界経済の不安要因と指摘されてきた中国のゼロコロナ政策のリスクも顕在化している。上海の都市封鎖(ロックダウン)で4月の中国の統計指標は軒並み悪化した。工業生産は前年同月比2.9%減り、社会消費品小売総額(小売売上高)は11.1%も落ち込んだ。

上海の封鎖が今後解除されても、ゼロコロナ政策が続く限り、感染状況次第で他の都市の封鎖に動く可能性は消えない。08年のリーマン危機の後に世界経済を支えた中国は今、むしろ波乱の種だ。

「世界の工場」である中国の変調は各国に波及する。トヨタ自動車は部品不足などで5月16~21日に国内8工場14ラインを停止し、5月の世界生産計画75万台から70万台程度に見直す。先進国の需要回復にもかかわらず、供給網の混乱から日本の鉱工業生産指数は19年の水準をなお下回る。

ロシアや中国に端を発する供給不安は、世界を覆う物価上昇圧力を高め、内需の柱の個人消費にブレーキをかける。経済協力開発機構(OECD)がまとめた4月の消費者信頼感指数を21年12月と比べると、英国が5.7ポイント低下するなど欧州の落ち込みが目立つ。

イングランド銀行(中央銀行)はインフレによって22年の家計の実質所得が前年より1.75%縮むと予測する。この通りなら統計を遡れる1964年以来で過去2番目の減少率になる。ベイリー総裁は「多くの市民とりわけ低所得層に困難をもたらす」と懸念する。

旺盛な需要がけん引する米景気もインフレが影を落とす。米ミシガン大学が13日発表した5月の消費者態度指数は前月比6.1ポイント下がり、10年9カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。米ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「消費者に明るい材料を見いだすのが難しい」と指摘する。

物価と金利の連鎖的な上昇はとりわけ住宅市場への逆風となる。米市場の9割を占める中古の販売件数は3月、前月比3%減の577万戸(年率換算)となった。厳しい移動制限で販売が急減していた20年6月以来の低水準となった。米抵当銀行協会(MBA)によると、新規購入向け住宅ローンの週間申請件数は前年同期比10%前後の減少で推移する。

コロナ後の経済の持ち直しの基調が崩れたわけではない。米ゴールドマン・サックスが14日まとめた4~6月期の米GDPの予測は前期比年率2.5%増。従来比0.4ポイントの下方修正ながら堅調な数字だ。

17日発表の4月の米小売売上高は前月比0.9%増と高インフレの下で4カ月連続で伸びた。セントルイス連銀のブラード総裁は「23年くらいまで消費は強い」とみる。本格的な景気悪化には至らないとの声が市場には多い。米失業率は足元で3.6%。半世紀ぶりの低水準だったコロナ前の3.5%に近づく。日本も4~6月期は行動制限緩和などでプラス成長に戻るとみられている。

今後の世界経済の回復シナリオを左右する大きな材料は米金融政策だ。米国が利上げを急げば緩和マネーの収縮ペースが速まり、金融市場の混乱要因になる。既に新興国の株価指数は22年に入って13%落ち込んでいる。ドル高が進むと、ドル建ての債務を抱える新興国や途上国の負担も増す。

インフレ下で景気の底割れを防ぐカギは国際協調だ。「我々は輸出に関するいかなる不当な制限措置もとらないようにする」。主要7カ国(G7)の農相は14日、食料価格の高騰をけん制する共同声明を採択した。

その陰で同日、インドが小麦の輸出停止を発表した。「国内の食料価格を抑制し、食料安全保障を強める」。先進国が中心の国際秩序は限界も透けてみえる。世界景気が安定した回復軌道に戻れるかはなお見通せない。

(ベルリン=南毅郎、ロンドン=篠崎健太、ニューヨーク=大島有美子、マクロ経済エディター 松尾洋平)

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ひとこと解説

日米とも1-3月期はマイナス成長となりましたが、詳細を見ると、全く状況が異なります。

というのも、米国は個人消費をはじめ内需が旺盛な中で、外需や民間在庫の大幅押下げによりマイナス成長となっていることから、完全に需要が旺盛な中での供給不足によるマイナス成長です。

一方の日本は、行動制限で個人消費が低迷する中で民間在庫もプラス寄与となっていることから、完全に需要不足によるマイナス成長です。

こうしたことからすれば、景気過熱の米FRBが金融を引き締める一方で、景気低迷から日銀が金融緩和を続けることでドル高円安となるのは自然な結果といえるでしょう。

2022年5月19日 8:27 (2022年5月19日 8:28更新)

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田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
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ひとこと解説

世界全体のGDPの約4分の1を占める米国経済。

1-3期は前期比年率▲1.4%だった一方、その主因は輸入急増と輸出減少や民間在庫の伸び鈍化によるもの。

米国経済の約7割を占める個人消費は+2.7%、住宅投資も+2.1%と堅調でした。

その一方、4月までを含んだ今週の小売企業決算では消費鈍化を示す数値が頻発、昨日発表4月住宅着工・建設許可も減少に転じました。

同数値は景気先行指標です。ウォルマート決算でマクミロンCEOは(米国での景気指標である)ガソリンがガロン当り4ドルを超える状況では当社のワンストップ購買の優位性は高まると発言、実際には同社も原油価格高騰の影響を受けています。2Qがより懸念されます。

2022年5月19日 6:58 』

スリランカ、迫る債務不履行 国債利払い猶予期限に

スリランカ、迫る債務不履行 国債利払い猶予期限に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1870N0Y2A510C2000000/

 ※ おそらく、「債務の全容」が見えてこないんで、「返済計画」の立案の方策が立たないんだろう…。

 ※ 某国の「融資」は、そういう「秘密条項」が多いんで、当事者以外の第三者は、手の出しようがなくなる…。

 ※ 某国の「世界戦略」からすれば、かっこうの「見せしめ」だろうしな…。

 ※ 最後は、「国有資産(領土を含む)」の切り売り(貸し出し)か…。

 ※ ハンバントタが、それだったな…。

『【ムンバイ=花田亮輔】経済危機のスリランカがデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が強まっている。18日は一部国債の利払いの猶予期限だったが、支払いは確認されていない。支援を巡る国際通貨基金(IMF)などとの交渉は長期化するおそれがあり、現時点で支払いのメドは立っていない。

米格付け大手S&Pグローバルは4月下旬、スリランカの外貨建て国債の信用格付けを「部分的なデフォルト」にあたる「選択的デフォルト(SD)」に引き下げていた。スリランカは一部国債の利払いを期日の4月18日までに実施できなかった。30日間の猶予期間が設けられたが、S&Pは期間内の支払いは困難だとみていた。

ロイター通信によると、ウィクラマシンハ首相は16日の国民への演説で「今後の数カ月が人生で最も困難な時期になる」と述べた。財政立て直しに向けて、国営のスリランカ航空の売却なども検討しているという。

スリランカは慢性的な経常赤字に加え、新型コロナウイルスの発生によって外貨獲得の主要な手段である観光業低迷に直面した。4月末時点の外貨準備高は約18億ドル(約2300億円)と、19年末の76億ドルから大幅に減少している。

同国の対外債務は21年末時点で500億ドルを超えている。スリランカ財務省は4月中旬、IMFなどとの協議による経済再建策がまとまるまで債務の支払いを一時停止すると表明していた。IMFとの協議は現在も断続的に続いているが、具体的な支援策が早期にまとまる見通しはたっていない。

足元では輸入品を中心とした生活必需品の値上がりが国民生活を直撃している。4月のコロンボ消費者物価指数は前年同月比29.8%増という記録的な水準だった。政権への抗議デモが続き、政権支持者との衝突などによる死傷者も出ている。

政権の要職を親族で独占してきたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領らへの批判が高まるなか、5月に入って兄のマヒンダ・ラジャパクサ首相が辞任した。ゴタバヤ氏は挙国一致内閣の設立を訴え、12日に野党の統一国民党(UNP)総裁のウィクラマシンハ氏を新首相に任命した。ラジャパクサ兄弟が親中派と目されてきたのに対し、ウィクラマシンハ氏は親インド・欧米派とされる。』

「米国と国際規範主導」 韓国大統領、新枠組み議論へ

「米国と国際規範主導」 韓国大統領、新枠組み議論へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM165190W2A510C2000000/

『【ソウル=甲原潤之介】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は16日、就任後初となる国会の施政方針演説に臨んだ。21日に予定する米国のバイデン大統領との首脳会談で、米国が進める新たな経済枠組みについて議論すると表明した。「重要国と経済安全保障の協力を拡大し、国際規範をリードするため国会の助けが必要だ」と強調した。

米国は新たな構想を「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」と呼び、中国への対抗を念頭に置く。日韓などアジア諸国を巻き込み、サプライチェーン(供給網)の協力や市場経済に関わるルールづくりなどを進める方針だ。

尹氏は週内に韓国を訪れるバイデン米大統領と「IPEFを通じたグローバル供給網の協力強化を議論する」と明言した。議題には「デジタル経済や脱炭素など多様な経済安保関連の事案が含まれる」と語った。

冷戦後30年以上続いた国際政治や経済の秩序が「急変している」と言及した。「地政学的葛藤が産業と資源の武器化と供給網のブロック化という新しい流れを生んでいる。輸出を通じて成長してきた韓国経済にとって大きな挑戦だ」と話した。

尹氏は軍事面や経済面で米国との連携を重視し、新政権の要職に「米国通」と呼ばれる人材をそろえた。北朝鮮や中国との融和を図り、米国と距離を置いた文在寅(ムン・ジェイン)前政権から大きな方向転換となる。

米国との新枠組みのほか、日本が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)も加盟申請を検討している。文政権も末期に加盟申請に動いたが実現しなかった。尹政権はまずはIPEFの議論を優先しながら、TPP加盟も引き続き政策課題に位置づける。

新政権は米国に軸足を寄せながら、中国との過度な対立に陥らないよう一定の配慮をみせる。中国が反発する地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の追加配備は国政課題から外した。

朴振(パク・ジン)外相は12日の記者会見でIPEFについて「特定の国を狙っているものではない。中国との直接の利害衝突はない」と話した。』

[FT]英国、ジャンクフード規制先送り 家計危機に配慮

[FT]英国、ジャンクフード規制先送り 家計危機に配慮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB170YZ0X10C22A5000000/

 ※ 『ジョンソン氏は当時、数カ月前に新型コロナウイルスに感染して重症となり、自分が「太りすぎ」だと認識したため肥満対策に力を入れる方向に転換したと表明していた。』…。

 ※ そういう、ごく「個人的な事情」で、「国家の政策」が決定されてしまうのは、どうなんだ…。

 ※ しかし、まあ、このウクライナ事態による「物価高」局面においては、「穏当な判断」と言えるのか…。

『ジョンソン英首相はスーパーマーケットにおけるジャンクフードのまとめ買いセールを禁止する計画を先送りした。「家計危機」が広がるなか、その種の値引きセールを禁じれば英国消費者の家計に響くと判断した。

ジャンクフードの陳列場所の制限という新規制は予定通り10月から実施されるという=ロイター

健康管理の専門家はジョンソン氏の方針転換について、政府の肥満対策が弱体化すると即座に非難し、英国の国民医療制度(NHS)の負担が著しく増すことになると警告した。

ジョンソン首相は2020年、包括的な肥満対策として「1つ買えば1つ無料」やソフトドリンクの「おかわり無料」といったサービスを禁止するとともに、ジャンクフードのテレビCM放映とオンライン広告掲載を制限する計画を打ち出した。

対策導入のきっかけは首相のコロナ感染

ジョンソン氏は当時、数カ月前に新型コロナウイルスに感染して重症となり、自分が「太りすぎ」だと認識したため肥満対策に力を入れる方向に転換したと表明していた。

だが、首相官邸は14日、「世界経済の異例の状況」を踏まえ、業界の準備期間を延長するために実施時期を1年遅らせると発表した。

「1つ買えば1つ無料」の禁止と広告制限は、脂肪分、塩分、糖分が多い食品に適用される。

一方で政府は、ジャンクフードなどの店頭陳列場所を制限する新規制は予定通り10月から実施するとしている。これにより、対象商品はレジ前や店舗入り口、エンド(陳列棚の両端)などの目立ちやすい場所に置けなくなるほか、オンライン販売でも同様の措置をとることが求められる。

フィナンシャル・タイムズ(FT)は2月、「(政府が国民生活に過度に介入する)子守国家」に陥りかねないとジョンソン氏が懸念していることをあげて、政策転換の可能性があると報じていた。
ウクライナ紛争が家計危機に拍車

それ以降、ロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギー価格の上昇に拍車がかかり、首相官邸は家計危機に懸念を募らせるようになった。

食品価格はこの1年で6%近く上昇し、物価全体の上昇率は22年内に10%に達するとみられている。

折しも、首相官邸で新しく首席補佐官代理に就任したデービッド・カンジニ氏が中心になって「反企業的」あるいは「反保守的」とみられる施策の打ち切りが幅広く進んでいる。これを受け、監査業界やプロサッカーリーグ、インターネット規制の改革が遅れている。

首相官邸は「まとめ買いセールの禁止措置を先送りすることで、政府が世界経済の異例の状況を加味しつつ家計への影響を確認しモニタリングできる」と述べた。

一方、午後9時以前のジャンクフードのテレビCM放映とオンライン上の有料広告を禁止する措置が導入されるまでの1年間、政府は幅広く意見を募るコンサルテーションを新たに実施する。

保健・社会福祉省のマギー・スループ政務次官はまとめ買いセールの制限延期で、消費者への影響について政府の理解が深まると述べた。
対策の棚上げに懸念する声も

だが、21年まで同省の政務次官を務めていたジェームズ・ベテル卿(保守党)は政府が健康問題で掲げる目標の多くで肥満対策が不可欠だと指摘し、政策を放棄することは「完全に保守党の政策に反する」と語気を強めた。

政府は今後も変わらず肥満対策に注力するとしている。その一例として、4月に大型レストランやカフェ、テークアウト取扱店でカロリー表示を義務付けたことを挙げた。

英国の王立内科医師会(RCP)で肥満関連の特別顧問を務めるレイチェル・バタハム氏は政策先送りにより、英国国民の将来の健康に「重大な脅威」がもたらされるとの見解を示した。

「世界保健機関(WHO)が先ごろ報告書で欧州以上に肥満度が高いのは米国だけと公表したことを考えると、方針転換は著しく期待外れであり、近視眼的だ。こうしたマーケティング攻勢で得をするのはメーカーだけであり、初等学校卒業時には生徒の5人に1人が肥満という現状を招いている」と同氏は言う。

「『1つ買えば1つ無料』というプロモーションを維持する理由として、家計危機が理由に挙げられることが多いが、調査では家計が助かるわけではなくかえって出費増を促すだけということが明らかになっている。また、ジャンクフードのテレビCMを午後9時以前は放映禁止とする措置を先送りすることで、子供たちは長期にわたって不健康な食習慣を形成しやすくなる」

By Jim Pickard

(2022年5月13日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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小麦価格急騰 専門家「インド、輸入国に転じる可能性」

小麦価格急騰 専門家「インド、輸入国に転じる可能性」
専門家の見方
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16D2V0W2A510C2000000/

『週明け16日のシカゴ市場で小麦の国際価格は急伸し、今年3月につけた過去最高値に迫った。ロシアのウクライナ侵攻により両国の輸出が大きく減るなか、インド政府が14日に国内供給を優先する輸出停止を発表し、供給不足の深刻化が警戒された。米農務省によると世界の期末在庫は6年ぶりの低水準にある。シカゴの穀物調査会社アグリソースのダン・バッシ社長に今後の見通しを聞いた。

シカゴの穀物調査会社アグリソースのダン・バッシ社長

――インドの輸出停止は世界的な品薄に拍車をかけるとみられます。

インドの輸出停止の影響は甚大だ。ロシアのウクライナ侵攻により世界輸出の3割を占めた両国からの供給が滞るなか、インドは不足分を補う「つなぎ」の役割を果たす。輸出停止は我々を食料危機の入り口へと追い込む。

今回の輸出停止については食料安全保障を考慮し必要と認めた場合の輸出は許可するとしているが、世界の需給の現状は逼迫した状況にある。インドは熱波に見舞われており、減産が深刻化すれば年間800万トンの輸出国から300万~500万トンの輸入国に転じる可能性もある。

――米国や欧州産地の干ばつも警戒されています。

注目しているのはフランスなど欧州だ。向こう3~4週間に生産を左右する重要な生育時期を迎えるが、産地では乾燥した状態が続いている。雨が降らなければ減産に見舞われ、供給不足に拍車をかける。

一方で需要の低下は見込めない。考えてみてほしい。例えば、パン1個に含まれる小麦の原料費は8セントにすぎない。小麦価格の上昇がパンの買い渋りにつながるとは思えない。食品会社の購入担当者も原料の手当てが先決であり、価格はどうあれ買うしかないだろう。

――今後の価格見通しはどうでしょう。

小麦価格は未踏の領域にある。現物価格はすでに過去最高値をつけており、先物も時間の問題だ。どこまで上がるか予想はつかないが、ウクライナ情勢が長引いており、供給不足の解消には数年かかる。高値は数年続くだろう。

(聞き手はシカゴ=野毛洋子)

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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別の視点

日本の小麦輸入は政府によって一元的に行われ、政府が決めた売り渡し価格で国内メーカーに売り渡されます。

規定に基づいて、2022年4月の小麦売り渡し価格は17%程度の上昇となりましたが、仮に足元の小麦先物価格とドル円レートが横ばいで推移すると想定すれば、今年10月の価格改定時にはさらに4割以上の価格上昇となる可能性があります。

これは、直近ボトムの2020年度後半対比2倍以上の売渡価格になることを意味します。
このため、10月の価格改定時にどの程度政府が負担軽減に介入するかに注目でしょう。

2022年5月17日 8:16 』

ドイツ最大州でも選挙敗北 ショルツ与党、物価高が逆風

ドイツ最大州でも選挙敗北 ショルツ与党、物価高が逆風
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR153VP0V10C22A5000000/

※ 後で出てくるが、豪モリソン政権も「旗色悪い」らしい…。

※ コロナで大変なところへ、ウクライナ事態+ロシア制裁…、なんだもんだから、エネルギー資源高(ガソリン高)、食料資源高(小麦や食用油高、生鮮食料品高)、金利高(物価対策で、FRBが金利上げ → 各国の中央銀行が、対策で金利上げ)…、となっている…。

※ まさに、「泣きっ面に蜂」状態だ…。

※ 決して、自国政府の「失政」というわけじゃ無いんだが…。

※ もはや、「気候変動対策」とかは、どっかに行った感じだな…。

『【デュッセルドルフ=南毅郎】ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州で15日投開票された州議会選挙で、ショルツ首相の所属するドイツ社会民主党(SPD)の敗北が確実になった。8日の北部での選挙に続く連敗で、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)が第1党を維持する。環境政党「緑の党」も躍進した。ウクライナ危機やインフレによる逆風でSPDの失速が鮮明になっている。

同州は日本企業が多く進出するデュッセルドルフを州都とし、人口は約1800万人と国内最大だ。CDUの地盤であるため、2021年12月に発足したショルツ政権への評価を測るうえで選挙の結果が注目されていた。SPDは3月下旬の西部ザールラント州で勝利したものの、5月上旬の北部シュレスウィヒ・ホルシュタイン州では大敗した。

公共放送ARDによると、得票率の予想はSPDが27%と、前回17年の選挙から5ポイント近く下がった。第2次世界大戦後の1947年に実施した初回の選挙以降で最低となる見通しだ。

一方、CDUは36%と3ポイント近く伸ばして第1党を維持する。自由民主党(FDP)は6%と7ポイントほど低下し、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」とほぼ同程度になる可能性がある。

今回の選挙ではインフレや気候変動への対応が有権者の関心を集めた。ドイツは消費者物価の伸び率が7%超と歴史的な高水準にある。ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安から天然資源や食品などの価格が高騰しているためだ。インフレは家計の負担を増やすため、政権への不満につながりやすい。

選挙では環境政党「緑の党」が受け皿になった。得票率は18%と前回から12ポイントほど大幅に支持を伸ばす見通しだ。ウクライナ危機をめぐり、緑の党を率いてきたベーアボック外相やハベック経済・気候相が積極的に発言していることも支持につながったとみられる。

ドイツ国内では、ショルツ氏の指導力を疑問視する声もあがる。ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援をめぐり、重火器などの武器供与の判断が遅れたとして国内外から批判が高まった。ウクライナでの戦闘が長引くなか、政権浮揚を図るためにも政策対応を迫られる可能性がある。』

米銀、遠いロシア「全面撤退」 債権・事業の売却難しく

米銀、遠いロシア「全面撤退」 債権・事業の売却難しく
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN233PY0T20C22A4000000/

『米国の大手銀行が銀行免許返上などロシアからの全面撤退に踏み込めないでいる。ロシアのウクライナ侵攻を受け、各行は3月に段階的な事業縮小を公表したが、既存顧客との融資・サービス契約が残っているほか、ローン債権や事業の売却先を探すのも難しい。風当たりは強まりかねない。

「ロンドン―モスクワ便はいつも金融関係者で満席だった」。米シティグループのウクライナ拠点で責任者を務め、モスクワ勤務経験もあるスティーブン・フィッシャー氏は原油価格の上昇で1998年の債務危機から立ち直りつつあった2000年代初頭の対ロ投資の熱気を振り返る。

企業財務の透明性や法の支配の向上など投資家がマネーを振り向けやすい状況が整備され、米欧銀は政府機関やエネルギー・資源関連の新興財閥との取引を拡大させた。米政府が「プーチン大統領の裏金」とみなす政府系ファンド「ロシア直接投資基金」にも当初、ウォール街は関与した。

ところがロシアによる14年のクリミア半島併合、今回のウクライナ侵攻で状況は一変した。米欧は厳しい制裁でロシア政府や企業を西側の資本市場から締め出そうとしている。米銀各行は3月、新規案件停止や投融資残高の縮小方針を公表した。もはや米銀がロシアで収益機会をみつけるのは困難といえる。

シティ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカは22年1~3月期の決算発表で、ロシア関連の引当金を計上した。シティは即時撤退を迫られるなど「深刻なシナリオ」で最大30億ドル(約3840億円)の損失が発生すると見積もる。同社の自己資本で十分吸収できる規模とはいえ、同四半期の純利益額(43億ドル)に迫る。

それでも各行は全面撤退に踏み切ろうとはしていない。JPモルガンが4月13日に開いたメディアとの電話会議。ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は銀行免許を返上する可能性について問われると「現時点でまだ計画はない」と答えた。ゴールドマン・サックスも免許をすぐに手放す考えはないようだ。

焦点はロシア企業に対する既存融資の扱いだ。仮に銀行免許を返上し、契約途中で融資を打ち切れば、訴訟のリスクがある。残存ローン債権をヘッジファンドや投資会社に売却しようとしても、現時点では買い手をみつけにくい。シティやJPモルガンは機関投資家の株式や債券を保管する業務を手掛けている。顧客との契約上、証券の保管義務を放棄できない。

事業の切り離しも難しい。シティは侵攻前からロシアのリテール業務を売却しようとしていた。ところが買い手候補だったロシアのVTB銀行が米国の制裁対象となった。マーク・メイソンCFOは4月14日、「制裁や規制の行方は誰にも分からない」と述べ、具体的な売却時期を示さなかった。

結局、現時点では全面撤退まで踏み込まず、段階的に事業を縮小する戦略をとらざるを得ない。中途半端な戦略はもろ刃の剣といえる。ロシアでの銀行免許を維持していれば、仮に西側による制裁解除が実現した場合、事業を再建しやすい。現実には、侵攻が長期化しており非難は避けられない。

「あなた方の取引がプーチン政権にどのような利益をもたらすのか、ロシアのウクライナ侵攻でどのように利益を得ているのかについての情報を求めている」。米与党・民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員らは10日、ゴールドマンとJPモルガンの最高経営責任者(CEO)宛てに、質問状を送った。3月、両行が値下がりしたロシア社債を買い集めていると報じられたためだ。

ゴールドマンは投機目的の社債購入を否定するが、「強欲」イメージが根強いウォール街は、民主党左派の攻撃対象になりやすい。ロシア事業に関連した損失は、銀行財務面への影響が軽微だったとしても、間接的にでもプーチン体制を支えているとみなされれば、評判を落とすリスクは残る。

(ニューヨーク=宮本岳則)』

IMF、外貨調達枠の人民元比率を引き上げ 円はやや低下

IMF、外貨調達枠の人民元比率を引き上げ 円はやや低下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN144WF0U2A510C2000000/

『【ワシントン=高見浩輔】国際通貨基金(IMF)は14日、SDR(特別引き出し権)と呼ぶ外貨調達枠の通貨構成比を見直すと発表した。人民元とドルの比率が上昇する一方で、円の比率は8.33%から7.59%に低下する。貿易や金融取引での国際的な地位が相対的にやや弱くなったことを反映している。

前回、構成比を見直したのは2015年11月の理事会で、初めて人民元の組み入れを決めた。比率は5年に一度修正する決まりだが、今回は新型コロナウイルス禍などの影響で遅れていた。新しい比率は22年8月1日から適用する。

ドルは41.73%から43.38%に、人民元は10.92%から12.28%にそれぞれ引き上げる。ユーロは30.93%から29.31%に低下する。主要通貨の順位は変わっていない。

IMFによると、構成比は2017~21年に貿易や金融の取引で果たした役割の重さを考慮して決定した。コロナ禍やフィンテックの台頭は通貨の相対的な地位に大きな影響を及ぼさなかったという。ロシアによるウクライナ侵攻を受けた金融・経済の分断や各国で進む歴史的なインフレの影響は今後のモニタリング対象となる。

次の見直しは27年7月末までに完了する。理事会では中国に対して人民元市場の開放を進めるよう努力を求める声が出た。一部の理事はデータの透明性をさらに高めるように要望した。

SDRは加盟国が外貨不足に陥った際に引き出せる調達枠だ。各国の出資割合によって配分される大きさが異なる。コロナ禍では途上国への支援策として21年8月に6500億ドル相当の追加配分が実施された。』

EV苦戦

EV苦戦
中古市場が映す「充電が不便」見切り売りも
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00001420X20C22A4000000/

※ 「補助金」目当てで買って、「縛りの3年」過ぎたら「売り払う」というパターンが多いんだろう…。

※ 「バッテリー」がヘタって来て、充電しても「走行距離」が短くなり、「バッテリー交換」を考えるが、「交換費用を聞いて、ビックリして」、手放す人も多いらしい…。

※ 積んでるバッテリーの重量は、プリウスみたいなHVで「20㎏」くらい…。PHVで「80㎏」くらいと聞いたぞ。ピュア・EV(リーフみたいなヤツ)については、知らない…。(調べたら、「バッテリー重量は310kgから440kgに増加した。」ということだ…。)

※ しかも、車の買取価格が、相当な「安値」で、「二度ビックリ!」という人も、多いらしい…。

※ そりゃ、中古自動車屋も、「走行距離が短くなってる前提」で、売らないとならないわけだから、「高値」じゃ買えないだろうさ…。

電気自動車(EV)の中古車が市場に出回り始めた。売買情報サイトのデータを分析すると、EVはガソリン車やハイブリッド車(HV)より走行距離が短く、新車に比べた値下がり幅も大きいことがわかった。充電設備の少ない不便さなどから早めに手放す傾向が見られ、中古車市場がEVの苦戦を映している。

中古リーフの平均走行距離、
プリウスの6割どまり

ネット上の特定の情報を自動的に集める「スクレイピング」の技術を使い、中古車情報サービス「カーセンサー」のサイトの掲載データを日本経済新聞が収集。運営元のリクルートから提供を受けたデータも合わせて分析した。

カーセンサーには50万台程度の中古車データが掲載されている。EVは新車の国内販売が年2万台ほどと全体の1%未満にとどまり中古車も少なかったが、カーセンサーへの掲載は1700台以上まで増えてきた。BMWやテスラなど海外メーカーのモデルの中古車が出ているほか、掲載台数が圧倒的に多いのは2010年12月に初代が発売された日産自動車「リーフ」だ。
年式や走行距離、価格といったスペックの分析で見えてきたのは、まず走行距離が短い車が目立つことだ。約1100台のリーフを走行距離で分類すると最も多いのは1万キロメートル前後で、平均は3.6万キロメートルにとどまる。

トヨタ自動車のHV「プリウス」は4万キロメートル前後が最も多く、平均は5.7万キロメートル(いずれもリーフ発売後の11年以後の中古車)。リーフの平均走行距離はプリウスの6割程度で日産の小型車「ノート」(平均4.1万キロメートル)も下回る。

中古EVの走行距離が短いのはなぜか。カーセンサーの西村泰宏編集長に聞くと、主に3つの理由が浮かんできた。第1はEVの中心購入層が新技術に関心が高いアーリーアダプターで「次の車への買い替えサイクルが短い」こと。第2はEVは買い物など中短距離の日常使いが多く距離が伸びにくい点だ。

心配なのは第3の理由。使い勝手が悪いと感じたユーザーが早々にEVを手放すケースだ。地図大手ゼンリンのデータによると国内の公共EV充電器は全国で3万基ほどで頭打ちになっている。人口あたりの基数はドイツや英国の半分以下にとどまる。

「電池残量が30%を切ると充電を心配し始める人が多い。ストレスなく乗れる距離はカタログの記載内容より短い」(西村氏)。旅行などの遠出にも使いにくく、中古EVは古くても走行距離が短い車が目立っている。

中古EV、値下がりしやすく

次に価格を分析すると値下がりしやすい傾向が見てとれた。現行モデルの19年式は走行距離3万キロ以下の場合で240万円程度。新車価格(約370万~約480万円)から大幅に下がっている。

現行プリウスの同じ条件の中古車も240万円前後だが、現行モデルの新車価格(約260万~約360万円)からの下げ幅は小さい。新車の品薄感からトヨタのプリウスやアクアといったHVの中古車が高値圏で推移する一方、EVの中古車価格は下落傾向にある。

理由の一つは電池にある。中古電池の性能は走行距離だけでなく急速充電や家電への給電回数にも左右される。劣化度合いの判断はエンジンより難しく買い手が不安を感じる場合も多い。メーカーのバッテリー容量の保証期間である8年などを超えるとなおさらでバッテリー交換に数十万円かかることも価格に響く。

中古車売買のカレント自動車の担当者は「EVを手放した人の半分は別のEVに乗り換える。あとの半分はガソリン車に戻る」と話す。EV離れを防いで普及を促すには充電インフラの拡充や電池の性能向上を急ぐ必要がある。

充電器「目標15万基」なお遠く

電気自動車(EV)は脱炭素を実現する切り札のひとつと期待されているが、充電する場所が増えなければ普及は遠のく。公共の充電設備の数は2019年以降、約3万基で頭打ち。国は導入に補助金を用意しているものの、EVの販売台数が伸び悩むなか商業施設などから見れば設置するメリットが小さいためだ。

マンションへの設置も低調だ。東京都での大型住宅の建築計画をみると、EV充電器を設置する予定の物件は約7%にとどまる。充電設備の維持管理費用は入居者の負担になる場合が多いため、デベロッパーが二の足を踏む。海外で広がり始めた新築マンションへの充電器の設置義務も現時点で日本にはない。

EV充電器の設置事業を手がける中央電力(東京・千代田)の担当者は「既存のマンションも住民の合意形成が難しく設置は容易ではない」と話す。30年に全国で15万基の充電器を設置するという政府の目標はハードルが高い。

編集
伊地知将史、宗像藍子

グラフィックス
渡邉健太郎

フィリピンGDP8.3%増 1~3月期

フィリピンGDP8.3%増 1~3月期 個人消費持ち直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM119CK0R10C22A5000000/

『【マニラ=志賀優一】フィリピン統計庁は12日、2022年1~3月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期比8.3%増になったと発表した。新型コロナウイルスの感染者数が減少し移動・行動制限を緩和したことで、個人消費が持ち直した。

フィリピンでは新型コロナ新規感染者数が1月下旬に減少に転じた。行動制限が緩和されて外出が原則認められていなかった子供を連れて商業施設などを訪問できるようになった。個人消費が上向き、サービス業は前年同期比8.6%増となった。製造業や建設業も堅調だった。

同日記者会見した国家経済開発庁のチュア長官は「経済も(新型コロナの)健康面の課題も克服している。1~3月期はパンデミック(世界的流行)前のGDP水準を超えた」と語った。

今後は観光業の回復がカギを握る。同国は2月10日から新型コロナワクチンの接種完了などを条件に外国人観光客の受け入れを再開した。ホテルでの隔離措置もない。観光省によると4月下旬までに30万人以上の外国人観光客が訪問した。航空会社も国際便を増やしており、経済回復をけん引することに期待がかかる。』

米、ASEANと新経済枠組みを協議 12日から首脳会議

米、ASEANと新経済枠組みを協議 12日から首脳会議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN120400S2A510C2000000/

 ※ 「話しは、聞く。」だけに終わるんじゃないか…。

『【ワシントン=鳳山太成】米政府高官は11日、記者団に対し、米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との協議を深める意向を示した。12~13日にASEANと特別首脳会議を首都ワシントンで開くのを前に表明した。

米政府高官はIPEFに関して「前進させるためにASEAN各国と緊密な協議を開いている」と述べた。特別首脳会議でも議題になる見通しだ。

IPEFは米国がアジアで経済連携を深めるため、環太平洋経済連携協定(TPP)の代わりに苦肉の策として打ち出した枠組み。

日本やオーストラリアが参加する方向だが、中国に対抗するためASEAN各国をどれほど巻き込めるかが焦点となる。

米政府高官によると、バイデン大統領のほか、ハリス副大統領やブリンケン国務長官、ペロシ下院議長らがASEAN各国の首脳と一堂に会する。

同高官は「バイデン氏は各国首脳と個別に短い私的な時間も取る」と説明した。

経済連携のほか、中国やウクライナ、ミャンマーなどの情勢を巡って意見交換し、関係を深めたい考えだ。』

露呈した市場のだまし絵 バフェット氏、株急落「予告」

露呈した市場のだまし絵 バフェット氏、株急落「予告」
本社コメンテーター 梶原誠
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD071M90X00C22A5000000/

『「株式市場の転機だったと語り継がれるかもしれない」。米連邦準備理事会(FRB)による4日の利上げ決定を受けた世界の株安に、こんな感想が広がった。

震源地・米国で株が急騰した直後に下げが続くジェットコースターのような展開。その真相を、利上げの4日前に解き明かした大物投資家がいる。投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏だ。4月30日、ネブラスカ州オマハで開いた株主総会が舞台だった。

同氏はカネ余りで熱狂する投資心理の危うさを、「イリュージョン(錯覚)」と題するだまし絵で説明した。絵は解釈によって、向かい合う2人の顔にも1本の花瓶にも見える。

顔だと長く信じ込んでいた絵が、実は花瓶だったことに気づく「アハ・モーメント(「そうだったのか」と理解する瞬間)」。バフェット氏は、投資家がそれまでの勘違いを悟る転機が「突然訪れる」と予告した。
バブル末期の危険な心理

むろん危うい局面を迎えているからだ。総会では、マネーの投機でカジノ化した市場の象徴としてスマートフォン証券のロビンフッド・マーケッツを取り上げた。

2021年7月末に38ドルで株を上場したが、「ミーム株(はやり株)」ブームでマネーが群がった結果、8月には早くも70ドルを超えた。だが、同じ月には業績不安が台頭して大量の売りを浴び、今年4月には10ドルを下回った。

バフェット氏なら、先週からの株急落を「ロビンフッド現象が市場全体で起きただけだ」と言うだろう。実際、だまし絵で市場心理の激変が説明できる。

まず4日。マネーが飛びついたのは「FRBは怖くない」という油断だった。パウエル議長は記者会見で、市場が恐れていた0.75%の利上げ説を「積極的に議論していない」と語った。広がったのは「曲が鳴っているうちは踊らなければならない」というバブル末期の危険な心理だ。同日のダウ工業株30種平均は932ドル高と、今年最大の上げ幅になった。

マネーには、だまし絵の半分を占める不都合な真実が見えていなかった。パウエル氏は株安の景気への悪影響を聞かれた際「特定の市場を見てはいない」と冷淡だった。かつてインフレ退治のため、政権の圧力に屈することなく引き締めを断行したボルカー議長を「勇気を持って正しいことを貫いた」と絶賛もしていた。

市場はFRBが株に優しいと思い込んでいた。「株高で国民の富が膨らめば消費が増える」。10年のバーナンキ議長の寄稿は、今も強気の根拠に使われる。だが当時は08年のリーマン危機の後遺症でデフレ懸念すらあった。インフレ封じの使命を負うパウエル氏の姿勢が異なるのは当然でもある。

ダウ平均は5日からの4営業日で1900ドルも下げ、世界の市場を揺さぶった。FRBと市場の蜜月という幻想のもろさが、インフレを前に浮かび上がった。
静かに逃げ始める投資家

米国株の歴史的な割高感を示す指標もある。景気循環を加味したPER(株価収益率)で、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が考案した「CAPEレシオ」は、大恐慌の引き金を引いた1929年の株価大暴落「暗黒の木曜日」の前と同じ水準だ。

抜け目のない投資家は、静かに逃げ始めている。4月末、米投資銀行が本国で開いたM&A(合併・買収)市場の分析会議で話題を集めたのは、「米買収ファンドの売り急ぎ」だった。保有企業の売却作業を始めると、秋には完了する。その後の市場環境が読めないので今から動くのだ。

再びオマハでのバークシャー総会。バフェット氏は、混迷の世界でも投資家に選ばれる企業の条件を明かしている。「並外れて何かに秀でている」「そのために自己投資をする」の2つだった。

日本企業には耳の痛い忠告だ。横並び意識の強さは、金融などの規制業種を中心になお多い。売上高に対する研究開発費の比率は米企業に引き離されている。
明暗両方のシナリオ浮上

注目すべき「攻めの姿勢」もある。ダイキン工業は4月28日、約300億円を投じてイタリアの油圧機器メーカーを買収すると発表した。M&A業界が色めきだったのは、買収実績のある看板の空調事業ではなかったためだ。ダイキンは地味な油機事業を、市場が拡大しているのに手薄だった海外部門を強化して収益源に育てる。

見逃せないのはダイキンが、8千億円を超える現預金を持つ日本屈指の金持ち企業である点だ。有利子負債をほぼ完済できる実質的な無借金経営を続けてきた。

投資家の立場で見ると、世界の企業より豊富に抱える現金こそが日本企業にちらつくだまし絵だ。金利の急騰に苦しむ外国企業を出し抜く軍資金に化けるか、手元に置いてインフレで価値をすり減らすか。経済環境の一変で、明暗両方のシナリオが浮上した。

世界のカネ余りは峠を越え、市場はかつての寛容さを失った。現金を活用して企業が価値を高めることへの期待は大きくても、説明が苦しければ突然怒りに変わる。これこそが、ウォール街の急変が放つ日本企業への警告だ。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/opinion/deepinsight/

梶原コメンテーターがウクライナ危機後の世界景気、マーケットの行方を解説するライブ配信イベントを開きます。5月18日(水)18時~19時30分。お申し込みはこちらで
す。https://www.nikkei.com/live/event/EVT220408003

梶原 誠

東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。

露呈した市場のだまし絵 バフェット氏、株急落「予告」(10:00)
「強い円」は企業が創る ルービン時代の米国に処方箋(4月22日)』

トヨタ23年3月期減益へ「資材値上がり1兆4500億円」

トヨタ23年3月期減益へ「資材値上がり1兆4500億円」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD10BR50Q2A510C2000000/

 ※ まあ、こういうものだ…。

 ※ 『「3000億円レベルの原価改善をやり続けるのは大変難しいこと」』…。

 ※ そういう「努力」を、やり続けていたんだ…。

 ※ 「黙っていても、何もしなくても」などと言って、スマンかった…。

 ※ 「円高」「円安」は、トヨタ自身の行為では、変えられないこと…。

 ※ そういう「領域」は、さておいて、「自分のできることを、やる。」んだったな…。

『トヨタ自動車は11日、2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は営業利益が前の期比36%増の2兆9956億円だったと発表した。16年3月期の2兆8539億円(当時は米国会計基準)を上回り、6年ぶりに最高を更新した。トヨタ自身の記録を塗り替え、国内企業で過去最高となった。

午後1時半から2022年3月期決算(国際会計基準)の記者会見をオンライン形式で開いた。会見では最高財務責任者(CFO)の近健太副社長が22年3月期の決算と23年3月期の業績予想を説明した。日経電子版では発言をタイムライン形式でとりまとめた。

【午後1時30分】 オンライン形式の会見始まった

冒頭、山本正裕経理本部本部長は納車の遅れが続いてることについて「減産により多くのお客様への納車をお待たせしておりますこと、大変申し訳ございません」と陳謝。「少しでも早くお届けできるように努力してまいります」と語った。

【午後1時35分】 「かつてない資材価格・物流費の上昇により減益を見込む」

山本氏は23年3月期の見通しについて「安全品質を最優先に身の丈にあった生産台数を前提といたしました。かつてない資材価格・物流費の上昇により減益を見込みますが、引き続き成長投資は緩めず、諸活動はぶずに推進してまいります」と話した。23年3月期の見通しは、連結販売台数は前期比7.5%増の885万台で、各地域で増やす。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車については「各地域の顧客ニーズにあった商品ラインアップを一層充実させ、前期比13.6%増の307万台と、電動車比率を31%に高める」という。

【午後1時40分】「22年3月期の実績は収益改善の積み重ね」

近健太副社長は「22年3月期の実績は収益改善の積み重ね」と指摘した。「リーマン・ショック時を100とすると、足元の損益分岐台数は60~70まで下がり、13年間で体質改善は大きく進んだ」と強調した。さらに近氏は「以前は単発的に新車を投入することが多かったが、現在はヤリスやカローラなどのロングセラー車を継続的に進化させられている」とし、その結果として「収益性が高まっている」と話した。

【午後1時50分】「資材値上がり、原価改善に新しい着眼点」

山本氏は原価改善の取り組みについて問われ、「3000億円レベルの原価改善をやり続けるのは大変難しいこと」としたうえで「収益体質をあげるために長期間やってきたことは続けていきたい。資材価格が上がったときにどういう資材を使ったらいいのか、新しい着眼点も出てくる。いろいろなところでチャンスが出てくると思います」

【午後1時53分】「材料高騰の転嫁値上げ、どこできるのかよく見て決めたい」

長田准チーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)は原材料の高騰を受けた価格転嫁への考え方を問われ「(グローバルの)各地域でいろいろなセグメントのお客様にきめ細かく対応していく必要がある」と述べた。「少しお金を頂戴してもいい層のお客様もいらっしゃると思います。一方で、日常の足として使っているお客様もいらっしゃる。資材が上がったということで価格を上げるのは難しい問題だと思っています。各地域のライアップでどこでそういうこと(値上げ)ができるのか、厳しいのか、よく見て決めていきたいというのが基本的なスタンスです」と語った。

【午後2時】23年3月期の資材コスト上昇1兆4500億円「過去に例がないレベル」

23年3月期の業績予想に織り込んだ資材のコスト上昇分1兆4500億円について近氏は「過去に例がないレベル。22年3月期の6400億円も過去で一番大きかったが、それを超える非常に大きな影響だ」と説明した。23年3月期の1兆4500億円の半分は海外の事業体の影響で、残りが日本の事業体によるものと説明した。「仕入れ先と一体となってどう対応していくかを考えないといけない。使用量を少なくしたり、安価な材料に変えたりする取り組みを進める」とした。

23年3月期の生産台数970万台に見直し「コロナ禍や半導体調達を織り込んだ」

23年3月期の生産台数の見通しを1月に示した1100万台から、今回970万台に見直した。山本氏は「新型コロナウイルスの流行や半導体の調達状況を現時点で織り込んだ。これも先々どうなるかわからない」と述べた。「急な減産によって、生産現場からは仕事が急になくなったり、部品が余ってしまったりと、大変な苦労を聞いた」としたうえで「前々から計画を早めにお伝えできれば、例えば工程時間を短くするなどの対策ができると思う」と話した。

【午後2時4分】日野自動車の排ガス不正「親会社としても申し訳ない」

近副社長は、子会社の日野自動車の排ガス不正について問われ「ここまで支えていただいたお客様、販売店、仕入れ先、行政当局にご迷惑おかけし、信頼を失う事態になり本当に残念。親会社としても申し訳ない」と謝罪した。特別調査委員会の調査結果も聞きながら「親会社として、ガバナンスや風土改革、ステークホルダーからの信頼回復に向けて一緒に取り組みたい」とした。

【午後2時17分】「世界の市場見通し、例年以上に難しい」

長田氏は世界の市場見通しについて「いつも以上に23年3月期は難しい。グローバル全体でコロナ禍からの回復はプラス要因だが、資材高を含めたインフレ、それが生活に及ぼす影響などがあります。ウクライナ問題もいろいろな不安があります。半導体の供給制約もあり、プラスマイナスありながら23年3月期が進行していく」と述べた。地域別では現時点での見通しとして、米中は22年3月期を上回り、日本・アジアは「プラス・マイナスの要因がゼロ程度」との認識を示した。一方、ウクライナ問題の影響を大きく受ける欧州では「リスクの方が上回る。22年3月期実績を下回るのではないかという見通しです」と語った。

【午後2時25分】日本市場での値上げ「車によって可能性ある」

ロシアのウクライナ侵攻について長田氏は「トヨタとしても心を痛めている状況だ」とした上で、事業の継続性については「ステークホルダーの共感を得るという軸をぶらさずに考え続ける」とするのにとどめた。

また、原材料価格の高騰に伴う、日本市場での値上げについても考えを説明。「日本は全体的に成長が足踏みしている地域だ。日常の足で使うような軽自動車やコンパクトカーで価格を頂戴するのは厳しいが、車によっては、可能性はある」と話した。

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中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト
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ひとこと解説

追記:115円前提でした笑。
通常、トヨタの前提為替決定メカニズムは、恣意性を避けるため発表月の前月(今回は4月)の15日頃のレートを基に、5円刻みで端数を切り下げで決定します。当てはめればドル=125円が最も可能性の高い前提です。22/3期実績が112円ですので、約13円の円安、恐らく8,000億円前後の営業増益要因となるはずです。恐らく、為替を除くと実態は減益予想となるはずで、その構造・原因を精査するのが今回の決算のポイントとなります。コストと価格のバランスを理解したいところです。余談ですが、今回の説明者は新副社長3名のうちの2名が登壇します。近い未来の新社長の顔かもしれません。
2022年5月11日 12:39 (2022年5月11日 13:31更新)』

〔為替感応度・自動車関連株〕トヨタ、対ドルで400億円=「デメリット」企業も

〔為替感応度・自動車関連株〕トヨタ、対ドルで400億円=「デメリット」企業も
https://financial.jiji.com/main_news/article.html?number=468

 ※ つまり、「想定レート」よりも、1円でも「円安」になると、「黙っていて、何もしなくても」、「利益」は積み上がっていく…、というわけだ…。

『(2021年07月06日 10時00分)

自動車関連企業の2022年3月期の想定為替レートが出そろった。時事通信の調べでは、完成車メーカー8社と自動車部品大手10社では、トヨタ〈7203〉、ホンダ〈7267〉、デンソー〈6902〉など多くの企業が想定レートを「1ドル=105円、1ユーロ=125円」に設定しており、現在の実勢レートとの比較では円安メリットを享受する企業が多い。

なお、インドでの新型コロナ感染拡大の影響などで業績予想を未定としているスズキ〈7269〉は、想定レートを開示していない。

 今期、4年ぶり高水準となる純利益を見込むトヨタ。想定為替レートに対し1円円安になると、対ドルでは400億円、対ユーロでは70億円の営業利益押し上げ効果があるとしている。

他企業の円安による営業益押し上げ効果(為替感応度)を見ると、同水準で想定レートを設定しているホンダは、対ドルで1円当たり120億円、対ユーロで15億円。自動車部品最大手のデンソーは対ドルで25億円、対ユーロで10億円となっている。

 一方、想定レートが1ドル=109円のマツダ〈7261〉は、1ドル=1円円安が進むと営業益が3億円目減りするといい、円安で「デメリット」を被る場合もあることがわかる。(了)』

トヨタ営業益2.9兆円、日本企業で過去最高 22年3月期

トヨタ営業益2.9兆円、日本企業で過去最高 22年3月期
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD106NM0Q2A510C2000000/

『トヨタ自動車が11日発表した2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前の期比36%増の2兆9956億円だった。16年3月期の2兆8539億円(当時は米国会計基準)を上回り、6年ぶりに最高を更新した。トヨタ自身の記録を塗り替え、国内企業で過去最高となった。

新型コロナウイルスの影響を受けた前の期からの生産挽回が貢献した。為替相場の円安傾向も後押しし、原材料高による利益の下振れ分を吸収した。営業利益はアナリスト予想の平均を示すQUICKコンセンサスの3兆202億円を下回った。

売上高は15%増の31兆3795億円。純利益も27%増の2兆8501億円と、18年3月期(2兆4939億円、当時は米国会計基準)を上回り、4年ぶりに最高となった。

期末配当は28円とし、年間配当(21年10月の株式分割考慮ベース)は4円増の52円となった。あわせて2千億円を上限とする自社株買いも発表した。

23年3月期は減益に転じる。売上高は前期比5%増の33兆円、営業利益は20%減の2兆4千億円、純利益は21%減の2兆2600億円としている。想定為替レートは1ドル=115円と、実勢の約130円より15円円高の水準とした。

「トヨタ・レクサス」ブランドの世界生産台数の見通しは970万台と、22年3月期実績を13%上回る前提とした。ダイハツ工業と日野自動車を含めた世界販売台数は3%増の1070万台を見込む。ともに過去最高の計画だ。豊田章男社長は2年連続で通期決算のオンライン記者会見への出席を見送り、財務担当の近健太副社長らが業績を説明した。』

米、ウクライナ産鉄鋼関税を1年免除 経済再建を支援

米、ウクライナ産鉄鋼関税を1年免除 経済再建を支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09CVR0Z00C22A5000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米商務省は9日、ウクライナ産の鉄鋼に課している25%の追加関税を1年間免除すると発表した。輸入制限を取り除き、同国の主力産業である鉄鋼の輸出を促す。ロシアの侵攻で打撃を受けた経済の立て直しを支える。

米商務省によると、多くの鉄鋼工場は攻撃を受けながらも給料を払い続けており、いくつかの拠点は生産を再開したという。レモンド商務長官は声明で「ウクライナ経済の繁栄にとって最も重要な産業のひとつを支えなければいけない」と述べた。

2021年のウクライナからの鉄鋼輸入額は1億6100万ドル(約210億円)で全体に占める比率は0.5%と小さい。一方、ウクライナにとっては多くの雇用を抱える主力産業だ。

トランプ前政権は18年3月から国内産業を保護するため、各国・地域から輸入する鉄鋼に25%の関税を上乗せした。労働組合を支持基盤とするバイデン政権も関税を続けている。22年4月には日本産鉄鋼への関税を一部免除した。』