脳はほどほどのお酒でも老化する 英の追跡調査で判明

脳はほどほどのお酒でも老化する 英の追跡調査で判明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC056L20V00C22A8000000/

 ※ オレは、退院して以来、一切酒類は止めた…。

 ※ 一滴も飲んでは、いない…。

 ※ まだまだ、役割振られていて、死んでるわけにもいかないからな…。

 ※ 死んでるどころか、「再発」喰らって、「使いものにならなくなる」わけにもいかんのよ…。

 ※ しかーしだ…。

 ※ 「降圧剤」処方されて、血圧管理している…。

 ※ 血圧下がるのは、けっこうだ…。

 ※ しかーしだ…。そうすると、今度は「頭がボーっとして」、そっちのお蔭で「使い物にならなく」なるのよ…。

 ※ ヤレヤレだ…。

 ※ 酒なんか飲まなくても、脳の老化は、確実に進行しているものと思われる…。

 ※ なんとか頑張って、「使いものにならなくなる」時期を、先に延ばさないと…。

 ※ まあ、それも、限界のある話しではあるんだが…。

『どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、「健康」にまつわる研究について、注目の最新結果を紹介します。

今回紹介するのは、お酒好きには気になる「ほどほどの飲酒でも脳は老化する」という報告だ。

ほどほどの飲酒でも、アルコールは脳に悪影響を及ぼすことが、世界最大規模の遺伝情報や健康情報のデータベースである英国の「UKバイオバンク」の「前向きコホート研究」[注1]のデータを用いてわかった。

[注1]最初に健康な集団の生活習慣を調べて、その後、疾病の発生状況を追跡する研究。
ほどほどの飲酒でも、アルコールは脳に悪影響を及ぼす(写真はイメージ=PIXTA)

大量のアルコール摂取は、脳の萎縮や神経細胞の減少と関連することが知られているが、軽度から中程度のアルコール摂取がどのくらい影響するかはわかっていなかった。

研究では健康な中高年者3万6678人(女性が52.8%、48~78歳)の脳の画像データを使って、アルコール摂取と脳組織との関連性を調べた。アルコール摂取量は、ビール1パイント(568ミリリットル)が2単位、ウイスキーなどの蒸留酒25ミリリットルは1単位、ワイン1杯(175ミリリットル)は2単位と定義された。

解析の結果、参加者の1日あたりのアルコール摂取量は平均で1.16単位だった。脳の画像データから、神経細胞(ニューロン)の細胞体が集まる「灰白質」の体積は脳全体で平均616立方センチ、神経線維が集まる「白質」の体積は547立方センチだった。

年齢別に見ると、灰白質と白質の体積(頭の大きさで調整)は男女とも加齢とともに減少していた。また1日あたりのアルコール摂取量が多いほど、灰白質と白質の体積は減少し、軽度から中程度の飲酒でも脳の老化につながることが示唆された。

50歳の場合、1日のアルコール摂取量が1単位から2単位に増加すると、灰白質も白質も2年の老化に相当する。2単位から3単位の増加では3.5歳の老化、3単位から4単位の増加では4.9歳の老化になるという。

灰白質の減少は脳全体で見られたが、運動や判断・思考に関わる前頭葉、触覚や痛覚などの体性感覚に関わる頭頂葉などで顕著だった。白質では特に脳弓という部位がアルコール摂取との関連性が深く、この部分は記憶障害に関連しているという。ただし、脳のエリアと飲酒との因果関係はまだ明らかにすることはできないため、さらなる研究が必要だと研究者らはまとめている。

データ:Nat Commun. 2022;13(1):1175.

(文 八倉巻尚子)

[日経ヘルス2022年5月2日付記事を再構成]』

アルツハイマー病治療薬 発病前に阻止する戦略に転換

アルツハイマー病治療薬 発病前に阻止する戦略に転換
日経サイエンス
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64169110U0A920C2000000/

 ※『アルツハイマー病では多くの場合、50代で脳内にアミロイドβの蓄積が始まる。このときは何の症状もない。60代の後半から別の異常たんぱく質「タウ」が蓄積し、神経細胞が死滅し始める。すると「知人の名前が出てこない」といった軽度な認知能力の低下が起きるが、社会生活に支障はない。タウの蓄積が進むにつれて神経細胞が減っていき、ついにアルツハイマー病を発症する。一度減ってしまった神経細胞が増えることはないので、発症前にアミロイドβの蓄積を防ぐ必要がある。』

 ※「知人の名前が出てこない。」とか、日常茶飯事だぞ…。軽度の認知能力の低下に、見舞われているわけだ…。

 ※ もはや、「神経細胞の死滅」が生じている可能性が、高いわけだな…。ヤレヤレだ…。

『9月は世界アルツハイマー月間だ。日本には約600万人の認知症患者がいるとみられ、その7割をアルツハイマー病が占めている。アルツハイマー病は1906年に最初に報告されたが、100年以上たった今でも根治薬は存在しない。アルツハイマー病の治療薬を研究している理化学研究所脳神経科学研究センターの西道隆臣チームリーダーに、治療薬の今後の展望について寄稿してもらった。

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アルツハイマー病治療薬の研究は、転換点を迎えている。これまで患者の脳に異常たんぱく質の「アミロイドβ」が蓄積するのを防ぐ、あるいは蓄積したたんぱく質を除去する薬の開発が積極的に進められてきたが、その多くが失敗した。近年、アルツハイマー病には感染症でいう「潜伏期間」のような無症状の期間が約20年もあることが明らかになり、発症してから治療するのではなく、無症状の間に病気の進行を食い止めて発症を防ぐほうが効果的だと考えられるようになった。

アルツハイマー病では多くの場合、50代で脳内にアミロイドβの蓄積が始まる。このときは何の症状もない。60代の後半から別の異常たんぱく質「タウ」が蓄積し、神経細胞が死滅し始める。すると「知人の名前が出てこない」といった軽度な認知能力の低下が起きるが、社会生活に支障はない。タウの蓄積が進むにつれて神経細胞が減っていき、ついにアルツハイマー病を発症する。一度減ってしまった神経細胞が増えることはないので、発症前にアミロイドβの蓄積を防ぐ必要がある。

なぜ異常たんぱく質が蓄積するのかというと、分解が進まないためだ。体内のたんぱく質は、合成と分解のバランスによって適切な量に保たれている。この分野の研究は日本の「お家芸」で、大隅良典東京工業大学栄誉教授をはじめ多くの日本人研究者が貢献してきた。

私たちはマウスやラットを使った実験で、脳内でアミロイドβを分解する酵素を突き止めた。この酵素は、加齢とともに作られる量が減ってくる。さらにこの分解酵素を活性化する因子を探し、ソマトスタチンという神経ホルモンを見いだした。ソマトスタチンが神経細胞の膜にある受容体に結合すると、細胞内で一連の反応が起き、分解酵素が活性化される。ソマトスタチンに代わって受容体に結合する薬を開発できれば、アミロイドβの分解を促進できるとみられる。

幸いなことに、ソマトスタチン受容体は、ヒトの体に800種類ほどある「Gたんぱく質共役受容体」(GPCR)の一種だとわかった。一般に酵素は複数の物質に結合するが、GPCRは特定の1つとしか結合しない。このためGPCRに結合する薬は体内のほかの作用に影響せず、安全な薬になる可能性が高い。またGPCRに作用する薬は、化学的に合成できる。アルツハイマー病に対しては抗体医薬の開発も進んでいるが、抗体は細胞に産生させて作る必要があるためコストが高い。アルツハイマー病患者は5年後には日本で500万人に達するとの推計もあり、安価に製造できる薬が求められている。

(理化学研究所脳神経科学研究センター 西道隆臣)

(詳細は9月25日発売の日経サイエンス11月号に掲載)

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