中国外相、タリバン幹部と会談 テロ組織との決別要請

中国外相、タリバン幹部と会談 テロ組織との決別要請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26AF40W1A021C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は25日、アフガニスタンのイスラム主義組織、タリバン暫定政権のバラダル副首相代行とカタールの首都ドーハで会談した。王氏は「力の及ぶ範囲で人道支援物資を提供する」と話した。テロ組織との決別も求めた。

中国外務省が26日発表した。王氏はアフガン情勢について「人道、経済、テロ、統治の四重の課題に直面している」と指摘した。中国がタリバンの代わりに米国を中心とする西側諸国にタリバンへの制裁解除を促していると強調した。

王氏はウイグル独立派組織の「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」に言及した。「タリバンがこうしたテロ組織と徹底的に一線を画し、断固とした打撃を与えてくれると期待している」と伝えた。

中国は国境を接するアフガンが内戦に陥ったり、過激派組織の温床となったりしてイスラム過激派が中国・新疆ウイグル自治区に流入する事態を警戒している。バラダル師は「いかなる勢力もアフガンの領土を利用して中国に危害を加えることを断じて許さない」と応じたという。

バラダル師は「(教育などの)施設や経費不足などの困難に直面している。中国と国際社会が援助の度合いを高め、発展の軌道に乗るのを助けてくれるように望んでいる」と話した。中国はすでに34億円相当の支援を表明しているが、改めて経済支援を要請した。』

タリバン政府は労働と引き換えに人々に小麦を提供するプログラムを開始します

タリバン政府は労働と引き換えに人々に小麦を提供するプログラムを開始します| 世界のニュース
https://youtu.be/Ea7X8BKZxC0

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 英語の動画だ…。

 ※ 英語の字幕は、ついている…。

 ※ 彼らが挙げている理由は、

1、全世界が新型コロナウイルスに見舞われていること
2、アフガニスタンとこの地域が干ばつに襲われていること
3、国際的な援助が凍結されていること

のようだ…。

 ※ それで、労働の対価としての「お金」は、もはや支払うことができなくなったんで、「現物(小麦)を、支給する」ということになったようだ…。

テスラ、時価総額1兆ドル 米ハーツからEV10万台受注

テスラ、時価総額1兆ドル 米ハーツからEV10万台受注
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25CGZ0V21C21A0000000/

 ※ 単なる、「フリート販売」だろう…。

 ※ これをやりだすと、「台数」は稼げるが、「利幅」は極端に薄くなるので、収益は確実に悪化する…。

 ※ 大量に引き取った「中古品」の販路も、確保しないといけなくなるしな…。

 ※ それがまた、コスト圧迫要因ともなる…。

 ※ 「中古市場」に大量に自社の「商品」が流れるので、新車買った人が、次に売る時の「価値が下がる」…。そうすると、新車の購入もためらわれることになる…。

 ※ そういう、「負のスパイラル」の入り口…、という側面がある…。

 ※ トヨタの「高収益」の秘密は、新車を購入した「顧客」が、次に「売る」時に、中古市場の「値崩れ」が起きにくい構造を保持しているから…、という側面がある…。

『米株式市場で25日、米テスラの時価総額が一時1兆ドル(約113兆円)の大台を初めて突破した。レンタカー大手の米ハーツ・グローバル・ホールディングスがテスラから10万台の電気自動車(EV)を購入すると表明したのが好感された。10万台は2020年のテスラの世界販売台数(約50万台)の2割に相当し、ハーツが所有するレンタカーは2割以上がEVとなる。

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25日の取引時間中にテスラ株は一時、前週末比14.9%高の1045ドル02セントを付け、上場来高値を更新した。終値は12.7%高の1024ドル86セントだった。終値ベースの時価総額は自動車メーカーとして初めて1兆ドルを超え、米企業ではアップルとマイクロソフト、アルファベット(グーグル親会社)、アマゾン・ドット・コムに次ぐ5番手となっている。

ハーツの発表によると同社は22年末までにテスラ車10万台を注文し、欧米の営業拠点を中心に量販車種「モデル3」を配置する。同社は投資額を明らかにしていないが、米メディアによるとEVの購入費用はおよそ42億ドル(約4700億円)とみられる。

法人需要の大部分を占めるレンタカー業界で採用が進めば、EVの本格普及に一段と弾みがつく可能性がある。

テスラは世界的な排ガス規制の広がりを追い風にEVの販売を伸ばしている。21年通年の販売目標は75万台超とまだ自動車大手の年間販売の10分の1以下だが、高い成長力への期待から20年7月に時価総額でトヨタ自動車を抜き、自動車業界で首位に立った。

21年10月20日に発表した21年7~9月期決算は売上高が前年同期比57%増の137億5700万ドル、純利益が4.9倍の16億1800万ドルとなり、そろって過去最高を更新した。米中の既存の2つの完成車工場に加え、21年内にはドイツと米南部テキサス州で建設中のEV工場が稼働を予定する。(ニューヨーク=中山修志、シリコンバレー=白石武志)

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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ひとこと解説

残価率上昇がEVの本格普及を後押しする。

米自動車専門誌CAREDGEが昨年末に実施した調査によると、2017年に発売したモデル3の購入後3年目の再販売価格は新車価格の77%で、残価率が米国の非高級車の中で最も高かった(平均62%)。

レンタカー会社は数年経過した保有車両を中古車市場で売却するので残価率の高さに特に注目する。

一般的にフリート車両は大量購入によるディスカウント価格で取引されるが、今回ハーツが調達するモデル3の購入単価は最量販グレードの小売新車価格に近く、残価率の高さが評価されている。

欧英でもEVの残価率が上昇中だが、電池の性能向上で航続距離が落ちにくくなってきたことが背景にある。
2021年10月26日 7:05

竹内薫のアバター
竹内薫
サイエンスライター
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別の視点

テスラの成長を見ていて感じるのは、やはり創業者の未来を読む力ですね。

実際に読んでいるというよりは、実現可能な夢を持っていると言った方がいいかもしれません。

アップルもそうでしたが、若い創業者が、科学技術の未来に賭けて「こういう社会を実現したい」と強く願う…夢と実現性のバランスがあって始めて世界的な企業へと成長するのでしょうね。

ちなみに、イーロン・マスクさんは大学で経済学と物理学を専攻していて、高エネルギー物理学の大学院を2日でやめて起業、そして、プログラミングは10歳のときに独学で習得したそうですね。
2021年10月26日 10:28

小平龍四郎のアバター
小平龍四郎
論説委員・編集委員
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別の視点

レンタカーやカーシェアの企業は相当多くのガソリン車を保有しており、脱炭素の流れがさらに強まると、会計的には減損処理をしなくてはならなくなると聞いたことがあります。

ハーツのEV購入も、ガソリン車減損を避ける目的があると思われます。ポイントはレンタカー料金に転嫁されるEVの価格。ガソリン車に比べて競争的な料金になるのだとしたら、日本勢を含め世界中のレンタカー会社の買い替え需要が顕在化するのではないでしょうか。
2021年10月26
日 8:06』

トルコ大統領、米独仏など10大使の追放警告

トルコ大統領、米独仏など10大使の追放警告
人権巡る声明に反発 支持率低迷で対外強硬加速か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2350K0T21C21A0000000/

※ なんでも、トルコ政府側の見解では、例の「クーデター未遂事件に関わった疑い」で拘束しているとのことだった…。

※ それに、米独仏がイチャモンつけたらしい…。

『【イスタンブール時事】トルコのエルドアン大統領が23日、同国で拘束されている実業家の即時釈放を求める共同声明を出した米国やフランス、ドイツなど10カ国の大使の国外追放について、外相に「必要な指示を下した」と演説で発言した。現在、トルコ外務省で対応を慎重に検討しているとみられるが、対米欧関係の悪化は不可避の情勢だ。

 エルドアン氏は演説で、10カ国の大使に対する「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」指定に言及し、「直ちに取り組むよう外相に伝えた」と米欧側への警告を発した。トルコ外務省は24日時点で対応を明らかにしていない。 』

【地球コラム】バイデン米政権、早くも正念場

【地球コラム】バイデン米政権、早くも正念場
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101800569&g=int

『◇「信任」中間選挙まで1年

 今年1月に発足したバイデン米民主党政権への「信任投票」に事実上相当する中間選挙が1年後に迫った。中間選挙は4年ごとの大統領選の中間の年に実施され、下院の全議席(定数435)と上院(定数100)の3分の1の議席が改選される重要選挙。両院で野党側が議席を増やして多数を占めると、大統領選までのその後の2年間の政策遂行に支障を来す公算が大きく、現大統領の再選に「黄信号」がともる。たとえバイデン氏が高齢を理由に2期目は目指さないとしても、民主党政権への逆風が残る可能性も否定できない。
 アフガニスタンからの駐留米軍の完全撤収(出口戦略)をめぐる不手際など、ここに来て外交面で「失策」が目立つバイデン政権。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が依然終息しない中、米経済の動向もインフレ率の高止まりや中国経済の先行き懸念などで不透明感が強まっており、バイデン大統領は早くも政権運営で正念場を迎えている。(時事通信社外信部長 齋藤淳)

◇アフガン出口戦略の失敗

 「(アフガン出口戦略は)完全なる大失敗だ。米指導者最大の失策の一つとして歴史に残るだろう」。下院軍事委員会のアフガン問題に関する公聴会で、ロジャース議員(共和)はバイデン大統領を痛烈に批判した。米国が巨額資金を投じて支援してきたアフガン民主政権と政府軍が予想外にあっけなく崩壊したとはいえ、首都カブールの空港に大勢の人々がなだれ込んだ騒乱や米兵13人を含む約180人が犠牲となった過激派組織によるテロ攻撃発生などは出口戦略の詰めの甘さを露呈した。また、米軍無人機によるアフガン民間人誤爆事件も汚点を残す形となった。

 トランプ前政権の「米国第一主義」から「同盟国重視」の姿勢に転換し、とりわけ外交面では順調な滑り出しを切ったと見られていたバイデン政権。しかし、今や欧州連合(EU)との間にすきま風さえ吹きかねない状況にある。バイデン政権に代わってからも、自国の利益最優先の姿勢が見え隠れしているからだ。

 アフガン駐留米軍の完全撤収に伴う混乱を目の当たりにしたEUは、米軍に依存し過ぎないようにするため安全保障・防衛面の自立性を高める方策の検討を開始。また、米英がオーストラリアと新設する安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の下で豪州の原子力潜水艦建造に協力すると表明し、結果的に豪州がドイツと並ぶEU中核国フランスとの潜水艦開発計画を破棄したことから、EUは米国に対して不信感を強めている。

◇中間選挙は政権側に不利

 大統領選前にセールスポイントとしてアピールしていた外交手腕で得点を稼ぐどころか、むしろ失点を重ねているだけに、バイデン政権は来年秋の中間選挙を控えて厳しい選挙戦を強いられそうだ。もともと「中間選挙は歴史的に見て、政権(与党)側に不利に働く」(米コラムニスト)というジンクスがある。米誌USニューズ・アンド・ワールド・リポートによると、第2次大戦以来、中間選挙は19回行われたが、うち17回は与党が下院で議席を減らした。しかも、議席減の平均は27議席で、これは野党・共和党が来年秋の中間選挙で過半数を獲得するのに必要な議席をはるかに上回る数字だという。

 バイデン政権にとって不利に働く条件はそればかりではない。実は歴史的なめぐり合わせも良くないのだ。下院は小選挙区制で、各州への議席割り当ては10年ごとに実施の国勢調査結果に基づいて決まるが、昨年実施の調査結果(人口統計)に基づいた議席割り当ては共和党に有利に働くとみられている。

 議席割り当ての変更により、民主党が強固な地盤を持つカリフォルニア、イリノイ、ニューヨークの3州でそれぞれ1議席、共和党が強固な地盤を持つオハイオ、ウェストバージニアの2州でそれぞれ1議席失う。また、昨年の大統領選でトランプ氏が勝利したフロリダ、モンタナ、ノースカロライナ、テキサスの4州でそれぞれ1議席ないし2議席増える一方、バイデン氏が僅差で勝利したミシガン、ペンシルベニアの州でそれぞれ1議席失う。ただし、民主党が勝利する傾向のコロラド、オレゴンの2州ではそれぞれ1議席増える。

◇米景気動向にも不透明感

 第2次大戦後、中間選挙で議席を増やせたのはクリントン政権(民主)時の1998年とブッシュ(子)政権(共和)時の2002年の2回のみ。ただし、過去のジンクスも別の角度から見れば、バイデン政権に有利に働く要因がないというわけではない。1998年はクリントン大統領のセックススキャンダルへの攻撃にこだわり過ぎた野党側に不利に働いた。2002年はその前年9月11日の衝撃的な米同時テロ事件により与党側に追い風が吹いた。つまり、与党が議席を増やせた過去2回の中間選挙は、いずれも極めて特殊な事案・事件が投票結果に作用したのだ。

 来年秋の中間選挙も与党側が議席を増やした過去2回の理由に匹敵する極めて特殊な事案が存在していると指摘する声もある。その事案とは新型コロナの大流行とそれに伴う実体経済への深刻なダメージだ。つまり、バイデン政権がこうした事案を逆手に取る形でコロナ禍を事実上克服し、いったんは大幅マイナス成長に落ち込んで傷ついた米経済を大型景気対策などで本格的な回復軌道に乗せることができれば、逆に政権・民主党側に有利に働くというわけだ。

 しかし、その頼みの綱である米経済も今や不透明感が増すばかりで、インフレ率の高止まりは景気回復の腰折れを招きかねない。また、中国経済の先行きが不動産開発大手・中国恒大集団の経営危機などで一段と強まっており、仮に中国景気が急速に冷え込むようであれば、中国との結び付きが依然強い米金融・経済にも想定以上の打撃が及ぶ恐れも否定できない。

◇中間選挙後はレームダック化も

 野党・共和党にも弱点はある。共和党内はトランプ支持派とトランプ反対派に割れるなど、なお足並みが乱れているからだ。しかし、中間選挙は現政権への信任投票の意味合いが強く、野党側の選挙戦略が奏功するかどうかというよりも現政権が繰り出すあらゆる政策が成果を挙げるかどうかに大きく左右されると言っても過言ではない。

 対中政策で弱腰という印象を持たれずに通商摩擦を大幅緩和するなど、外交面でこれまでの失点を帳消しにしても余りあるほどの高得点を稼いだり、あるいは雇用環境も含めて景気動向を大きく好転させたりすることができれば、中間選挙に臨むに当たり優位に立てそうだが、そうでなければバイデン政権は厳しい環境下に置かれたまま選挙戦に突入することになる。バイデン政権としてはワクチン接種の義務化などで力強い景気回復の持続を図りたいところだが、共和党の一部州知事は義務化禁止で徹底抗戦の構えを見せている。
 仮に両院で共和党が多数を占めるようであれば、バイデン政権は早くもレームダック化する可能性が高い。その後、バイデン氏が高齢を理由に大統領選前に「禅譲」の形で副大統領ハリス氏に政権を託すとしても、民主党そのものが逆風にさらされる恐れがあり、その場合は共和党政権への揺り戻しが現実味を帯びることになる。 』

中央アジアの成長にタリバンの影

中央アジアの成長にタリバンの影 岐路の「一帯一路」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR172OJ0X11C21A0000000/

『【モスクワ=石川陽平】中央アジア5カ国が中国の広域経済圏構想「一帯一路」関連の投資を受け、発展している。アジアと欧州をつなぐ要衝の5カ国には高層ビルが立ち並び、物資を運ぶ列車や車が往来する。だが、8月に近隣のアフガニスタンをイスラム主義組織タリバンが制圧し、難民や過激派組織の流入リスクが高まる。旧ソ連から独立後30年の節目を迎え、岐路に立たされた。

ウズベキスタン南部テルメズに16日、タリバンの代表団が到着した。ウズベクはアフガンとの2国間関係の「行程表」を作成することで合意した。タリバンとの関係構築に米欧は慎重だが、ウズベクは経済協力も協議する。「兄弟」と呼ぶアフガンの混乱が長引けば、難民やイスラム過激派の流入で安定が損なわれかねないと危惧する。

ウズベクにカザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスを合わせた中央アジア5カ国はこの夏、アフガンの動乱の影響に直接さらされることになった。タリバンが首都カブールを制圧し、イスラム法の厳格な適用を嫌う市民らの一部はアフガンの国外へ退避する。ウズベクのサファエフ上院第1副議長は「中央アジアの全域で投資が減退しかねない状況だ」と訴えた。

頼みの綱は中国だ。「一帯一路の目標と完全に合致する」。ウズベクのミルジヨエフ大統領は7月半ば、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相に訴えた。提唱したのは中国西部からキルギスを通り、ウズベク南部とアフガンを経由してパキスタンの港に至る新たな鉄道路線の整備だ。

ミルジヨエフ氏は、アフガンを安定させるには、同国も一帯一路に組み込み、成長の果実を共有する仕組みが必要だと考える。そうでなければ、タリバンは現在の収入の柱であるケシ栽培をやめられないからだ。

かつてシルクロードの一部だったアフガンをアジアと欧州の間の物流拡大で支え、「陸の孤島」である中央アジア諸国に海への出口への選択肢を増やす――。タリバンとの関係構築に前向きな中国に期待する。

すでに中国マネーが中央アジア経済を支えている。

緑豊かなタジキスタンの首都ドゥシャンベは建設ラッシュで、今年の夏も重機の騒音が聞こえない日はなかった。新型コロナウイルスの感染拡大で通常の経済活動が制限を受けても、政府の建物のほか、住宅、道路の建設も急ピッチで進む。

議会ビルの建設現場は高い塀で囲われている。外側には赤字で「中国援助」と書かれている。議会、政府庁舎のビルの建設資金は計3億ドル(約340億円)を超し、中国が無償で提供する。工事を請け負うのは中国の建設大手、烟建集団だ。

東西の交易ルートだったシルクロードのほぼ中心にあたるウズベクの古都サマルカンドはいま、中国の協力で現代的な観光都市に変貌を遂げつつある。

「あれが高層の五つ星ホテルで、中国系の企業が運営する予定です」。観光開発が進むサマルカンド郊外の212ヘクタールの建設用地で、責任者のムーミン・カディロフ氏が工事中のひときわ高い建物を指して説明した。

同氏によると、2021年末の完工を目指し、8つの高級ホテルや大規模な国際会議場や屋外劇場などが建設される。3億ドルを超す事業費の主な出し手は、中国の政府系ファンド、シルクロード基金などだ。

中央アジアは19世紀、英国とロシアが支配を巡って争い、「グレートゲーム」と呼ばれた。5カ国は1991年8月以降、相次ぎ独立を宣言した。その後、ロシアを軸に独立国家共同体(CIS)を形成したが、結束は弱く、中国の進出を受け入れた。

13年9月にカザフを訪れた中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は「シルクロード経済ベルトをともにつくるべきだ」と中央アジア諸国などに訴えた。「一帯一路」の創設宣言だ。中国から中央アジア5カ国への純投資額は12~19年、年平均で9億ドルに達した。キルギスの年間予算の半分に近い。

中国が重視するのは欧州に通じる鉄道、天然ガスのパイプラインなど輸送インフラだ。

1990年代、5カ国は計画経済から市場経済への転換に苦しみ、国内総生産(GDP)は急減した。2000年代に入り、低迷期を脱した各国はシルクロード国家復活の夢を、中国の「一帯一路」に重ねた。経済をテコに各国の政府への影響力も強めようとする中国を警戒する見方もある。

アフガン問題が今後、中央アジア諸国を揺さぶれば、中国との関係にも影響する可能性はある。』

豪原潜で激化する軍拡競争 J・スタブリディス氏 元米海軍大将

豪原潜で激化する軍拡競争 J・スタブリディス氏
元米海軍大将
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD184SU0Y1A011C2000000/

『オーストラリアがフランスと契約していたディーゼル潜水艦12隻の開発を撤回し、米英と協力して原子力潜水艦8隻を配備することは、アジアの地政学的・軍事的な勢力バランスの劇的な変化を示す。中国と豪州の間の緊張は高まった。フランスは憤まんやるかたなく、(英国を除く)欧州は米国からの軍事的・政治的独立の必要性を痛感しただろう。いずれインド、もしかしたら日本も米国の技術供与による原潜の導入を検討するかもしれない。

豪州の決定は、代償は伴うものの理解しやすい。まず太平洋の広大さだ。原潜は長期間潜行できるため、豪州から作戦海域までの距離の長さを考慮すれば、理にかなっている。同時に、米英の原子力技術に関わる機会と、仏潜水艦よりも高い戦闘能力が得られる。

James Stavridis 2009~13年北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官。カーライル・グループ所属。

最も重要なのは、豪州が地政学的に米国と足並みをそろえることだ。西太平洋に配備される英国の空母打撃群と作戦を展開できるという利益も得られる。米英豪とカナダ、ニュージーランド(NZ)による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」への長期的な賭けでもある。

豪州の潜水艦の正確な設計はまだわからないが、米国のロサンゼルス級原潜の技術を反映するならば極めて静かで、トマホークミサイルと魚雷を搭載できることになる。中国の潜水艦の活動を阻止し、豪州と同盟国などの間の海上交通路(シーレーン)を守り、米英の原潜や空母打撃群との協力も円滑にできるようになる。

フランスは猛反発した経緯もあり、しばらくの間、豪州や米国との関係に影響が及ぶだろう。太平洋に領土を持つフランスは、アフガニスタンでの米軍撤収なども含め、米国は信頼できないと主張する。欧州全般が腹を立てているのは、英語圏の国々がファイブ・アイズの枠組みの下で独立して行動し、貿易などについても拡大傾向を強めようとしているからだ。

米国は中国の南シナ海を巡る領有権問題から、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の高速通信規格「5G」通信網などからの排除まで、欧州の協力を求める。しかし欧州は、太平洋で中国と対峙しようとする米国の願望をなかなか支持しなくなるだろう。

中国は予想通り反発し、海軍力などの軍拡競争について警告する。ただ、原潜を含めた中国の軍艦の造船計画は世界最大の規模とみられる。豪州の原潜を巡る選択が、(新型コロナウイルスの起源を巡る対立に伴う)中国による威嚇の結果であることを考えると、偽善的ともいえる。

日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」の一員である日印は、豪州の決定をどのように受け止め行動するか注目される。インドは原潜を保有するが、新しい豪州の原潜の能力には及ばないだろう。日本は原潜を持たない。日印とも米豪と同等になるため、潜水艦の原子力化を進める可能性はある。中国は太平洋を日米豪印に包囲されていると感じ、激怒するだろう。日米豪印の海軍力が台頭し、連携しようとするのは、中国にとって極めて憂慮すべきことだ。

中国にとって幸いなことに、インドはコストや技術面で、日本は法律上の懸念などから、核武装の課題の克服は難しいとみられる。とはいえ、今回の豪州のように原潜の保有国が拡大するかどうかは、太平洋における海軍力の軍拡競争がどれほど激しくなるかを決める重要な要素になるだろう。

関連英文はNikkei Asiaサイト(https://s.nikkei.com/3AQ76wv)に

中国、外交の柔軟性失う

中国の強硬姿勢がインド太平洋海域の軍拡競争の引き金になってしまった。豪州との対立もどこかで手打ちにしていれば、貿易や安保まで広がることはなかった。香港の民主化デモでも穏当な着地を探れば、英国との対立は先鋭化しなかった。そもそも中国が米英豪の英語圏と対立するのならば、日本とインドとの関係は良好にしておくべきだったが、領土を巡って日印との関係はむしろ悪化した。

中国が外交の柔軟性を失った原因は来秋の共産党大会にある。再任を狙う習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は大国外交を標榜してきた手前、外交で弱みを見せられない。習氏の独裁が強まるなか、周囲も忖度(そんたく)から強硬路線に合わせようとする。共産党統治といえども指導者の任期制限は必要かもしれない。(編集委員 村山宏)』

中国と米豪、WTO対中貿易審査で火花

中国と米豪、WTO対中貿易審査で火花
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR22EB10S1A021C2000000/

『【ワルシャワ=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)が22日開いた中国の貿易政策を審査する会合で、米国やオーストラリアと中国が火花を散らした。ジュネーブ貿易筋によると、米国が中国の産業補助金などを「不公平な貿易慣行」として非難した一方、中国は統計などを基に貿易政策の正当性を訴え反論した。

WTOには加盟国が貿易の現状を説明し、各国からの質疑に応じる制度があり、数年に1回のペースで順番が回る。中国を対象とした審査は2018年以来8回目。

20日と22日に開催した会合では、中国のデータ流通の制限やサイバーセキュリティー問題への懸念も出た。ただ、現行のWTOのルールはこの分野に対応できておらず、中国は「存在しないルールを適用することはできない」と強調した。

中国との貿易摩擦が深刻なオーストラリアは、中国の貿易政策がWTOのルールに違反していると非難。「中国当局が輸入業者に対し、特定のオーストラリア製品を購入しないよう指示した信ぴょう性の高い報告がある」とも述べた。これに対し中国はオーストラリアの対中輸出が増えている統計を示し、「根拠がない」と切り捨てた。』

米大統領報道官 次期駐日大使「政策立案の経験に期待」

米大統領報道官 次期駐日大使「政策立案の経験に期待」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1908V0Z11C21A0000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】サキ米大統領報道官は18日の記者会見で、次期駐日大使に指名されたラーム・エマニュエル元大統領首席補佐官について「バイデン大統領は政策立案の幅広い経験に期待しているだろう」と述べた。

バイデン氏は9月にエマニュエル氏を次期駐日大使に指名し、承認権限を持つ上院に通知した。10月20日に上院外交委員会で公聴会が開かれ、エマニュエル氏は対日政策について所信を表明する予定だ。駐中国大使に指名したニコラス・バーンズ元国務次官も同日の公聴会に出る。』

エマニュエル氏、駐日大使候補に浮上 オバマ元大統領首席補佐官―米報道
https://http476386114.com/2021/02/02/%e3%82%a8%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%82%a8%e3%83%ab%e6%b0%8f%e3%80%81%e9%a7%90%e6%97%a5%e5%a4%a7%e4%bd%bf%e5%80%99%e8%a3%9c%e3%81%ab%e6%b5%ae%e4%b8%8a%e3%80%80%e3%82%aa%e3%83%90%e3%83%9e%e5%85%83/

ラーム・エマニュエル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB

米国務省、アフガン特別代表の退任発表

米国務省、アフガン特別代表の退任発表 戦略立て直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN190K60Z11C21A0000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米国務省は18日、アフガニスタン和平担当特別代表を務めてきたハリルザド氏が退任し、副特別代表のウエスト氏を昇格させる人事を発表した。バイデン大統領がオバマ政権で副大統領だった当時、国家安全保障会議に在籍したウエスト氏の起用で政権のアフガン戦略を立て直す。

ブリンケン国務長官は18日、ハリルザド氏について「数十年にわたる米国民への貢献に感謝する」との声明を発表した。米CNNによると、ハリルザド氏はブリンケン氏に「アフガン政策が新たな局面を迎えているこの時期に退任するのが適切だと判断した」と伝えた。

後任のウエスト氏は10月初めにカタールの首都ドーハを訪れた。8月末にアフガンの米軍撤収を完了させて以降、初めてタリバン高官と対面で会談した米代表団のひとりだった。

ハリルザド氏はトランプ前政権時代から特別代表を務め、バイデン氏は今年1月に新政権を発足した後も異例の留任を決めた。イスラム主義組織タリバンと太いパイプを持ち、和平合意をまとめたハリルザド氏の交渉力に期待したとみられるが、米軍撤収後も現地の混乱は収まっていない。』

〔ザルメイ・ハリルザド〕
https://http476386114.com/2021/09/16/%e3%80%94%e3%82%b6%e3%83%ab%e3%83%a1%e3%82%a4%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%aa%e3%83%ab%e3%82%b6%e3%83%89%e3%80%95/

G7と中国、対立の行方

G7と中国、対立の行方
藤原帰一氏/呉軍華氏/トム・トゥーゲンハット氏/ウォルフガング・ニーダーマルク氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD289GI0Y1A920C2000000/

『今月末にイタリアで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれる。昨年の開催からの約1年で、日米欧などの主要7カ国(G7)と中国の安全保障や人権を巡る溝はさらに深まった。一方で両陣営はサプライチェーン(供給網)で深く結びつき、地球温暖化という共通課題も抱える。対立の行方を識者に聞いた。

◇  ◇  ◇

米欧再結束で溝深まる 東大教授 藤原帰一氏
ふじわら・きいち 専門は国際政治学、比較政治学。99年から現職。「不安定化する世界」(20年)など著書多数

バイデン米政権の外交政策の要は、同盟の再結束と中国への対抗にある。トランプ前政権時に分裂状態にあった米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)は、一致して中国は脅威であるとの認識を示すようになった。これは大きな転換だ。国際協調を重視するバイデン政権が、逆説的ながら米国を中心とする同盟と中国との対立を深める構図にある。

バイデン政権は軍事面で中国に譲る姿勢をみせていない。短期間に2回も開いた日本、米国、オーストラリア、インドによる「Quad(クアッド)」の首脳会議は、中国に対する同盟の強化という意味を持つ。中国側も軍事力を強化している。双方とも全く引かない構えだ。抑止力強化が軍事行動に直結するわけではないが、楽観はできない。

貿易など2国間の経済関係が緊密になるほど、戦争のリスクが低下するという国際関係論の見方がある。ただ、バイデン政権の通商政策はまだ明確にみえていない。関税で中国に圧力をかけた前政権の手法を踏襲するとは思わないが、中国を含めた貿易体制をどのようにつくろうとしているのだろうか。近く再開する米中通商協議や年内のオンライン首脳協議の注目点だ。

気候変動対策は歩み寄れるテーマだが、そこでの協調が米中対立を和らげることは期待し得ない。そもそも気候変動問題については他の課題と結びつけて協議しないことで各国は合意している。

中東や南アジアでの存在感を中国は拡大し続けている。こうした動きを食い止めるのに有効な体制はまだ存在しない。人権重視や民主主義といった米欧の価値観よりも、中国やロシアの立場を支持する国が増えているのは事実だ。難航しているイラン核合意の再建交渉などが試金石となる。

米英豪の新たな安保枠組み「AUKUS(オーカス)」発足で、米国と大陸欧州の間に溝が生じた。米欧同盟における弱さを示したのは事実だろう。もっとも、欧州にとって同盟国と協力しようとする米国は望ましいし、中国・ロシアへの対抗上必要である点に変わりはないだろう。

(聞き手は竹内弘文)

◇  ◇  ◇

中国、簡単に変わらない 日本総合研究所上席理事 呉軍華氏

Wu Junhua 専門は米中関係。日米中に長期滞在し、政治経済にまたがる論考を発表。著書に「中国 静かなる革命」など

中国は今年に入って米国や日本との貿易が拡大しているが、経済合理性からみて当然だ。アジアは部品から組み立てまで分業体制が確立している。新型コロナウイルスが一段落し、世界需要が復活すれば中国を核とする国境を越えたサプライチェーンは盛り上がる。

中国も一時は国内で経済が回る仕組みを志向したが、コロナが落ち着くと輸出で成長する形に戻ってきた。国内消費を拡大するには労働分配率を高めるなど、構造改革を実行しなければならない。手っ取り早く経済を成長軌道に戻すにはやはり輸出になる。

もっとも、貿易・投資を短期の経済合理性だけで考えてよいのだろうか。これまでのグローバリゼーションは生産コストにばかり目を向けて展開してきた。だが、今では経済安全保障も取り沙汰されるようになった。政治制度の違いなどを度外視するビジネスがどこまで持続可能なのか。

例えば、専制的な国ほど低コストの労働者を安定して供給でき、進出企業に有利だった。進出先の環境コストにも無頓着でいられた。これに対し「専制的な国家でもグローバルな貿易・投資の仕組みに招き入れれば先進国のシステムに近づく」という反論があった。

2001年の中国の世界貿易機関(WTO)加盟時にも国有企業改革などへの期待が高まったが、予想は外れた。かえって中国のように政府が企業を支援する「大きな政府」が世界の流れになっている。中国の経済力拡大に伴って、世界の「中国化」が進んでいる。

経済が成長しても歴史的に積み上げられてきた中国の仕組みは簡単には変えられないだろう。中国は環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟申請をしており、日本などはまたも大きな決断を迫られている。今度こそ現実に目を向けつつ戦略的な思考で臨んでほしい。

新たなパワーとなった中国に対処する国際的な枠組みとして、G7は時代と合わなくなってきている。G7の源流は旧ソ連に対処する目的で始まったものだ。日米豪印によるクアッドの枠組みが機能するのかはまだわからないが、試みとしては評価したい。

(聞き手は村山宏)

◇  ◇  ◇

対中依存の脱却は有益 英下院外交委員長 トム・トゥーゲンハット氏

Tom Tugendhat 英軍を経て、15年英議会下院初当選。下院外交委員長や、保守党内の対中政策グループのトップを務める

キャメロン英政権時代に称された英中の「黄金時代」が終わったことは疑う余地がない。重要なパートナーであると同時に戦略的な挑戦も伴う中国とは、現実的でより正直な関係を築く必要があるだろう。

英国をはじめ主要国の対応の変化は、中国に責任があると考えるべきだ。ここ3~4年、中国が様々な形で行ってきた高圧的な外交政策がなければ、オーストラリアは原子力潜水艦の開発支援を米英に頼むことはなかった。私が2016年に豪州で同国の政治家と話したとき、同政府は国民が容認しないと考え原潜は導入しない方針だった。

西側諸国は半導体や鉱物資源などの重要物資、マスクなどの必需品の調達で中国依存からの脱却を進めている。これが各国の経済や技術革新に悪影響を与えるとの懸念もあるが、私はむしろ有益だと思っている。

人件費などのコスト面で中国の優位性は薄れている。日本や韓国から始まったアジア経済の奇跡は中国で終わるわけではなく、マレーシアやベトナムなど他の国々にも広がる。調達先の多様化は可能だ。しかも脱炭素の流れをみれば、企業にとってエネルギー効率の良くない中国から生産拠点を温暖化ガスの低排出国へ移転することが、望ましい選択にもなり得る。

英国の場合、調達の多様化が難しい物資は全貿易のわずか3%ほどだろう。貿易相手の多様化や脱炭素への対応などの工夫を講じることで、西側諸国を支えてきた自由とルールに基づいた秩序を守ることの方が重要だ。中国への経済依存により、対中政策面での不自由を抱えるリスクを弱めることにもつながる。

新たな局面の対中政策は中国に戦争をしかけるということではない。(日露戦争で)1905年に日本海軍が英国製の軍艦により成功をおさめたように、日英は100年以上前を起源とする深い同盟関係にある。ともに島国で戦略的立場も似ている。国際的なルールに基づく世界のシステムを守り、より良くするために、国連や世界貿易機関(WTO)など様々な分野での日英協力を期待したい。

(聞き手はロンドン=中島裕介)

◇  ◇  ◇

企業、強権も分断も反対 独産業連盟理事 ウォルフガング・ニーダーマルク氏

Wolfgang Niedermark 対アジア貿易に長年かかわり香港駐在経験も。独経済界を代表するアジア通(写真はドイツ産業連盟提供)

強権国家には毅然とした態度で臨むべきだ。

米中のどちらかを選ばなければならないようなことは避けたい。デカップリング(分断)や新しいブロックの形成は好ましくない。難しい相手ともグローバルな問題の解決に向けて協力するというのが我々の経済的、政治的なスタンスだ。

とはいえ企業は社会的・道義的責任を負う。消費者や金融市場の厳しい視線、政治からの圧力、社員の突き上げがあり、企業は世論と対話しなければならない。中国の新疆ウイグル自治区のように宗教的少数派を抑圧するのは行き過ぎだ。そのように一線を越えたら、声をあげねばならない。

中国は公約通りに市場を開放せず、デジタル化などの分野で独自基準を設けた。同じ土俵で競争しているとは言いがたい。

だが、中国はグローバル経済に深く組み込まれ、独米などの企業には大切な市場であり投資先だ。真の意味での分断は非現実的で望ましくない。

だからこそ(欧州議会が審議を棚上げした)欧州連合(EU)と中国の投資協定が実現すれば基本的には歓迎したい。何もかも犠牲にして批准すべきではないが、協定は公平な競争条件に向けた一歩だ。中国が市場開放に動くことを望む。

香港で「一国二制度」の原則がなくなり、中国流の権威主義が浸透したのは遺憾だが、それでも依然として重要な国際金融センターだ。独自の通貨や関税率など多くの特権を持つ魅力的なビジネス拠点であり続ける。香港から撤退するドイツ企業は多くない。

EUのインド太平洋戦略は世界の成長地域において、欧州の存在感を示すための基盤となる。

ドイツ経済は中国に依存しすぎと言われるが、私はそう思わない。ドイツ企業は中国事業を縮小せず、ほかの市場の開拓を進める。日韓印やインドネシア、アフリカが視野に入る。日本は地政学的、経済的にみて中心的なパートナーで、ハイテク市場としても興味深い。日独の産業構造は似ており、経済協力を深める余地は大いにある。

(聞き手は欧州総局編集委員 赤川省吾)

◇  ◇  ◇

〈アンカー〉経済の一体化、安定保証せず

中国の台頭がこれまでの国際関係の見方に修正を迫りつつある。藤原氏が言及したように、2国間の経済関係が緊密になるほど戦争のリスクが低下すると長く信じられてきた。中国についても世界各国との貿易が拡大し、世界経済と一体になれば世界との協調路線が深まると期待した。

ところが、中国は成長の果実を軍備拡張に回し、逆に周辺諸国・地域との緊張を高めている。このような中国の振る舞いに世界は対処法を見いだせずにいる。中国を含むサプライチェーンをすぐに分断できるわけではない。かといってこのままの形で中国を大きくすれば、世界はさらに不安定になるかもしれない。

この難題を解こうとしても、残念ながらG7の対中姿勢はまとまりにくい。呉氏が指摘したように、中国に対処するための適切な枠組みが求められているのかもしれない。

(編集委員 村山宏)』

米・カナダ軍艦、台湾海峡通過

米・カナダ軍艦、台湾海峡通過 中国「挑発には反撃」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB173AY0X11C21A0000000/

『【ワシントン、北京=共同】ロイター通信は17日、米軍の駆逐艦とカナダ軍のフリゲート艦が先週、共同で台湾海峡を通過したと報じた。中国が台湾防空識別圏に多数の軍用機を進入させたことで緊張が高まる中、米カナダ両軍による共同作戦となった。

中国軍東部戦区の報道官は「台湾海峡の平和と安定に深刻な危害を与える」と非難する談話を発表して反発した。「一切の挑発に断固反撃する」と強調した。

報道官は米カナダの軍艦は15日に海峡を通過したと指摘。海空戦力を動員して全行程を監視、警戒に当たったとし、「米国とカナダは結託して挑発し、事態をかく乱して悪質だ」と批判した。

米軍は両艦の行動について「自由で開かれたインド太平洋に向けた米国と同盟国やパートナーの決意を示すものだ」と説明した。台湾海峡は米軍艦が頻繁に航行しているほか、英軍艦も先月、通過した。

中国側はこうした行動こそが地域の緊張を招くと反発を強める一方で、台湾周辺での中国軍の活動に関しては「台湾独立」と「外部勢力」の介入を阻止することが狙いだと正当性を主張している。』

慰安婦合意、最後まで警戒していた安倍総理も退任後に「合意しておいてよかった」と語る

慰安婦合意、最後まで警戒していた安倍総理も退任後に「合意しておいてよかった」と語る……その理由とは?
http://rakukan.net/article/483927298.html

『日韓合意4日前の24日の首相執務室。外相の岸田文雄や国家安全保障局長の谷内正太郎、外務事務次官の斎木昭隆、首相秘書官の今井尚哉らが安倍を囲み、向き合っていた。

 関係者によれば、安倍は慰安婦問題で「日本政府は責任を痛感」と記述した合意案に難色を示していた。

 張り詰めた空気のなか、岸田が切り出した。「ここでまとめるべきです。いま合意できなければ、来年の日韓関係は漂流します」

 「わかった。岸田さんの言う通りだ」。安倍も最後はゴーサインを出した。(敬称略。肩書は当時) (中略)

 合意へ背中を押したのが外相の岸田文雄と国家安全保障局長の谷内だ。岸田は「未来を考えた時、どこかで決着をつけないといけない」と考えていた。谷内も安倍を説得。何度も一対一で「韓国は慰安婦問題が解決すれば、全て解決すると言っている」と促した。
(引用ここまで)』

『最近の記事ではないのですが、ちょっと調べ物をしていたら引っかかったのでピックアップ。
 今年の5月に書かれた「安倍政権を総括する」というような朝日新聞のシリーズ記事のひとつです。

 2015年の年末ギリギリに発表された慰安婦合意が、日韓政府間でかなり丁寧に練り上げられたものであることが分かります。

 で、それを主導したのが現在の首相である岸田外相と国家安全保障局長であった谷内正太郎氏だった、と。

 引用外ですが安倍総理も退任後には「合意してよかった」「私たちは韓国に『約束を守れ』と言え、国際社会訴えることができる」としていたと雑誌「外交」とのインタビューで語っていたとのことです。

 まあ、他でもないアメリカオーダーで作られたものでしょうし、これで日韓関係を改善するという意思の元に作られた合意ですからね。
 特に当事者のひとりである岸田外相(当時)は気を揉んだことでしょう。

 そうして日韓両政府間で築いたはずの合意を、ムン・ジェイン政権はぽいっと捨ててしまい、財団も叩き潰した。ムン・ジェイン政権発足後になってから元慰安婦の遺族が合意に基づく支給金を求めても、支給金を払わなかったほど(後に支給を決定)。

 そりゃまあ……安倍−菅−岸田と政権担当者が代わろうとも、韓国への対応が替わるわけないよなぁ。

 政権交代の度に「韓国との関係改善を……」みたいに言いますが。
 まあ、無理ですわ。

 先日、ムン・ジェイン大統領と電話で会談した岸田総理が「韓国側に適切な対応を求めた」としていましたが。

 要するに「韓国が動かなければ日本は一切動かない」という宣言ですからね。首脳会談をやらない、とまで言っている。

 これは徴用工問題について日韓請求権協定を破っているのだから当然なのですが。

 外交部には「国際司法裁判所に提訴しましょう」くらいのことすら言える人材もいないのかねぇ……韓国政府が国際法上、合法の手段を取ることができてかつ韓国人を説得できるのはICJ提訴くらいなものなのに。

 まあ、そのくらいの人材もすでに外交部からは追いやっている、ということかな。』

慰安婦合意、警戒した安倍氏 前夜も念押し「大丈夫か」
https://www.asahi.com/articles/ASP5M4Q0JP4NUTFK00F.html

『2015年末、日韓両政府は歴史的な慰安婦合意にこぎつける。水面下では、政権幹部たちの思惑が交錯していた。ある官邸幹部は、合意当日の安倍首相は不満げな様子だったと証言する。

「未完の最長政権」第3部第4回

 慰安婦問題で日韓両政府が合意に達した2015年12月28日、首相の安倍晋三は腑(ふ)に落ちない表情だった。官邸幹部は当時の様子をそう証言する。安倍は周囲にこうこぼしたという。

 「官邸に抗議のメールが大量に届いているんだ。こんなことは、官邸始まって以来だよ」

 慰安婦合意は、ソウルを訪問した外相の岸田文雄と、韓国外相の尹炳世(ユンビョンセ)の間で交わされ、安倍首相による「おわびと反省」の表明や、日本政府による韓国の財団への資金拠出を約束し、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」した。安倍は東京でその様子を見守っていた。

 合意当日、米国大統領補佐官のスーザン・ライスは「困難な問題で恒久的な解決に至った、日韓の指導者の勇気とビジョンを称賛する」との声明を発表し、国連なども歓迎した。だが、自らの支持基盤である保守層からの抗議が官邸に次々と寄せられた。

 日韓合意4日前の24日の首相執務室。外相の岸田文雄や国家安全保障局長の谷内正太郎、外務事務次官の斎木昭隆、首相秘書官の今井尚哉らが安倍を囲み、向き合っていた。

 関係者によれば、安倍は慰安…(※ 無料は、ここまで。)』

https://www.asahi.com/articles/ASP5M4Q0JP4NUTFK00F.html?iref=pc_special_kensho_abeseiken

米国「東アジア版NATO」を加速化…

米国「東アジア版NATO」を加速化…「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/37718.html

(2020-09-10 06:08 修正:2020-09-10 15:27)

 ※ 韓国の「ハンギョレ」の記事だ…。

 ※ 当然、こういう「米国の世界戦略」における「韓国の位置付け」は、日本国の「対韓国」外交にも、影響を与えて来る…。

『米日豪印の「4カ国安保対話」が水面上に浮上 
 
米国の狙いをうかがわせたビーガン発言 
「インド太平洋地域にはNATOがない 
4カ国が先に始めるのが重要」 
中国を包囲する集団安保体制を構築する意思 
 
米日同盟、グローバル同盟の主軸に 
オーストラリアやインドと様々な軍事演習 
「クアッド」結成のための基礎固め中 
 
「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は 
来年、米次期政権で本格化する見込み 
米中の間で韓国のバランス外交が試験台に 
中途半端に巻き込まれた場合は、中国の反発は必至 』

『香港問題と南シナ海などをめぐり鋭く対立している米中が、9日にテレビ電話会議で開かれた東アジア首脳会議(EAS)の外相会議で初めて向き合い、熾烈な舌戦を繰り広げた。米中の対立が激しさを増すにつれ、中国牽制に向けた米国のインド太平洋戦略が、米国、日本、オーストラリア、インドによる「4カ国安全保障対話」(クアッド、QUAD)などで具体化されており、両国の間で“外交的バランス”を守ろうとする韓国政府の賢明な対応が求められる。

 カン・ギョンファ外交長官は9日、テレビ電話会議で行われたASEANプラス3(韓中日)、韓-ASEAN、東アジア首脳会議の外相会議に順に出席した。同日の会議の目玉は、米国のマイク・ポンペオ国務長官と中国の王毅外交部長が共に出席した東アジア首脳会議の外相会議だった。ポンペオ長官は昨年は同会議に出席しなかったが、今年は2日に出席する意向を表明した。彼は同日の記者会見で「我々は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や北朝鮮、南シナ海、香港などをはじめ、トランプ大統領が米中関係で互恵性を回復するため、いかなる努力をしてきたかについても言及するつもりだ」と述べた。今回の会議を“中国牽制”と共に、理念を同じくする同盟国・パートナー国間の“結束の誇示”の舞台に活用する考えを明らかにしたのだ。

 これと関連し、スティーブン・ビーガン米国務副長官は先月31日、米印戦略的パートナーフォーラムで、インド太平洋地域には「明らかに北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)のような多国間構造がない」としたうえで、(クアッドと呼ばれる)4カ国が先に始めることも非常に重要であろう」と述べた。この発言が注目を集めたのは、米国が2010年代に入って推進した対中国牽制の動きが「リバランス戦略」や「インド太平洋戦略」など抽象的概念を超え、対中包囲のための集団安保体制「クアッド」構想などに具体化しているからだ。

 中国を牽制するために「リバランス戦略」を掲げたオバマ政権は、2015年4月に米日防衛協力指針の改正を通じて米日同盟をグローバル同盟に強化した。トランプ政権はその後、日本を中心パートナーとし、2017年11月に「自由で開かれたインド太平洋」を両国の共同戦略にすると共に、米国防総省は2019年6月に「インド太平洋戦略報告書」を発表し、韓国や日本、オーストラリアなどインド太平洋地域の同盟国・パートナー国と力を合わせて中国の挑戦をはねのけ、地域の覇権を維持する意思を明らかにした。米国はこうした決意を誇示するかのように、同時期にアジア太平洋軍司令部の名前を「インド太平洋軍司令部」に変えた。

 以後、米日は太平洋~インド洋でオーストラリアやインドなどと多様な形態の合同軍事演習を行い、クアッドの結成に向けて基礎を固めてきた。彼らは昨年9月にはニューヨークで初めて4カ国外相会議を開き、「『自由で開かれたインド太平洋構想』の実現に向けて協力する」ことで合意した。

 韓国に関しては具体的な動きはないが、米国がインド太平洋の繁栄と発展の「核心軸」(linchpin)と呼ぶ韓米同盟の戦略的重要性を考えると、「クワッド」を拡大した「クワッド・プラス」には何らかの形で参加を要請するものとみられる。9日、横須賀に空母を置く米海軍第7艦隊は、「統合された多国間領域の作戦遂行のため」米駆逐艦がハワイからグアムまで、韓国・日本・オーストラリア海軍とともに航海すると明らかにした。

 これまで韓国政府は、米国が首脳会談などで反中国色の強いインド太平洋戦略に触れるたびに、ASEAN諸国との経済協力を深める独自の戦略「新南方政策」を打ち出してきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年6月30日に訪韓したトランプ大統領との首脳会談後、「開放性・包容性・透明性という域内協力の原則に基づき、韓国の新南方政策と米国のインド太平洋政策間の調和と協力を推進することにした」と述べており、チョ・セヨン前次官も7月9日のビーガン副長官との外交次官韓米戦略対話で、このような基調を維持した。

 クアッド構想の具体化に向けた動きは、来年1月末に米次期政府が発足した後、本格化するものとみられる。ビーガン副長官も11月の米大統領選挙の日程を考慮したように、「トランプ政権2期か次期大統領の第1期に一度試してみるといいと思う」という意見を明らかにした。現在トランプ大統領もバイデン民主党大統領選候補もインド太平洋戦略推進には意見が一致しており、誰が当選しても「クアッド」構想が進められる可能性が高い。

 もちろん、米中の間でバランスを維持しようとする韓国やインド、ASEANなどの抵抗と中国の強い反発で、計画が順調に実行されるかどうかは不透明だ。韓国が安易な判断を下した場合、「中国と韓国の戦略的協力パートナー関係を新たな段階に引き上げよう」(先月22日、楊潔チ外交担当政治局員)と提案した中国が強く反発するものと予想される。
キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/961552.html
韓国語原文入力:
訳H.J 』

Quadで変わるアジア通商秩序 自由貿易より安全保障

Quadで変わるアジア通商秩序 自由貿易より安全保障
編集委員 太田泰彦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD118A20R11C21A0000000/

『米国、日本、オーストラリア、インドが組んだ新しい枠組み「Quad(クアッド)」が囲い込もうとしている場所はどこか。中国ではない。東南アジア、そして台湾である。

地図の上で4カ国を線で結んでみよう。ゆがんだひし形の中に、東南アジア諸国連合(ASEAN)と台湾がすっぽりと収まる。

9月にワシントンで開いた首脳会議の共同声明が単刀直入に語っている。新型コロナウイルス禍や気候変動より先にASEANに4回も言及し、インド太平洋の「中心」とまで呼んだ。
中国を刺激しすぎない配慮から台湾の文字は見えないが、ここだけは中国に渡さないという決意表明と読むべきだろう。

ひし形の内側を埋める米中の争奪ゲームは既に始まっている。バイデン米政権は英国だけでなく親中的なドイツまで担ぎ出し、南シナ海に海軍を派遣させた。8月にハリス副大統領をASEANに送ると、追うようにして中国の王毅外相が9月に各国を歴訪した。

米中が競うのはサプライチェーン(供給網)の支配力だ。先端技術の分野では2000年代に国際水平分業が進んだ。その結果、半導体では台湾が世界で最も重要な生産地となった。
台湾だけではない。貿易と金融のハブであるシンガポールは、表からは見えにくいが、東南アジア最大の半導体生産国でもある。マレーシアには、半導体を加工して電子製品をつくる企業の集積がある。

クアッドの声明が言う通り、南シナ海周辺はサプライチェーンの「中心」なのだ。バイデン政権から見れば、台湾海峡と南シナ海の有事は、米国のデジタル産業の崩壊を意味する。

ASEAN事務局が集計した対内直接投資額を見ると、日本からは19年には239億ドルだったが、20年には85億ドルと、3分の1近くに激減した。コロナ禍の影響だから仕方がない。

ところが米国は346億ドルから347億ドルへと、むしろ増えている。中国と香港を合わせた投資額も、218億ドルから196億ドルへと僅かな減少にとどまった。逆境の中で米中が直接投資で張り合う構図だ。

環太平洋経済連携協定(TPP)は、太平洋を囲む国々の経済同盟とされた。だが、実際にはASEANの大半と台湾は参加していない。しかも重要法案が目白押しのワシントン情勢をみれば、バイデン政権が議会から通商交渉権限を得られる見込みはない。米国の復帰はまず無理だ。

こうした虫食い状態が続く限り、TPPは環太平洋の水平分業の土台にはならない。バイデン政権は、自由貿易主義に基づく通商秩序に見切りをつけ、別の手段でASEANと台湾を囲い込むしかない。それが安全保障という大義である。

日米豪印の首脳が共同声明とは別に、技術に関する「クアッド原則」を特別に発表した意図がここにある。民主主義、人権尊重の名の下で、先端技術の設計、開発、管理、利用法に至るまで連携することが決まった。現状では中国が入り込めない価値観の壁だ。

クアッドを起点に新たな通商秩序づくりが始まる。その大波に、企業はいやが応でも巻き込まれていく。』

ロシア「米艦の領海侵犯阻止」 日本海で

ロシア「米艦の領海侵犯阻止」 日本海で、米軍は否定
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101600170&g=int

『【モスクワ、ワシントン時事】インタファクス通信によると、ロシア国防省は米海軍の駆逐艦「チェイフィー」が15日に日本海でロシア領海への侵入を試みたと主張した。ロシア艦が対応し、領海侵犯を阻止したとしているが、米側は「虚偽だ」と否定した。

 ロシア極東ウラジオストク沖の日本海では、14~17日の日程でロシアと中国の海上合同軍事演習が行われている。ロシア国防省は「数日前から日本海海域で活動していた米駆逐艦がロシア領海に接近し、国境を越えようとした」と説明した。
 ロシア太平洋艦隊の軍艦が数回警告を行った後、領海侵犯阻止のために対応。米駆逐艦はロシア艦まで60メートルに迫ったところで引き返したという。ロシア側は砲撃演習のために当該海域は封鎖されていたとして、国際規範や米ロ政府間協定に違反する行為だと批判した。

 一方、米太平洋艦隊も声明を発表し、チェイフィーは日本海の国際水域で「国際法と慣習に基づいて通常の行動をしていた」と反論。ロシアが同海域の封鎖を発表したのは両軍艦艇が接近した後だったと指摘した。 』

米英豪の原潜協力、NPTに打撃 イラン核開発に口実も

米英豪の原潜協力、NPTに打撃 イラン核開発に口実も
ドバイ支局長 岐部秀光、欧州総局編集委員 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB04CK50U1A001C2000000/

 ※ 「専門家の警告」というのも、「思考停止語」の一つじゃね?

 ※ 『同盟国の理解を得ない拙速な動きは大混乱を引き起こす。ちぐはぐな外交は結局、中国やロシアなどの強権国家を利するばかりだ。』…。

 ※ それで、結局、「どーしろと?」…。

 ※ 「核拡散防止条約(NPT)体制」なんてのは、その程度の、最初から「限界」ありまくりのものだった…、というだけの話しだろ…。

『米国、英国、オーストラリアの3カ国が「AUKUS(オーカス)」と呼ぶ安全保障の枠組みを創設した。海洋進出を加速する中国に対する包囲網を強めるねらいだ。目玉は豪海軍への原子力潜水艦技術の供与だ。しかし、そこには重大な落とし穴が潜んでいる。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

原子力エネルギーを推進力につかう原潜は静音性や潜水の持続力、広い活動範囲が特長で、レーダーによる捕捉がきわめてむずかしい。空母に匹敵する抑止力の切り札で、中国に対抗するうえでは歓迎すべき話のようにみえる。

だが、この合意は核拡散防止条約(NPT)体制の重大な抜け穴をあらわにした。核兵器の技術が世界に広がるリスクを高めたと、あいつぎ専門家が警告を発した。
潜水艦用は国際管理から除外可能

艦艇の動力などとして使う「海軍原子炉」の技術は実は国際原子力機関(IAEA)保障措置の適用外だ。非核保有国も潜水艦向けの原子炉に用いる核分裂性物質を国際管理の対象から除外できる。原潜につかう燃料となる濃縮ウランはIAEA査察の対象外となるのだ。

抜け穴の存在は多くの専門家が認識していたが、海軍原子炉の技術を他国に譲り渡さないのは暗黙の合意でもあった。米国のローズ・ゴッテモラー元国務次官(元北大西洋条約機構=NATO=事務次長)は「高濃縮ウランを燃料とする原潜技術の共有は、過去60年の米の政策を吹き飛ばす」と懸念を示した。

米国は1980年代、英仏が原潜をカナダに売却しようとした際、不拡散体制を守るためとしてこれを断固阻止する側に立った。今回はみずからが進んでこの抜け穴を使ったことになる。

米国のトランプ前大統領はイラン核合意から2018年に一方的に離脱し、多国間主義や法の支配を揺さぶった。一方、バイデン大統領はルール重視をかかげながら「規範(ノーム)に反する動き」によって不拡散体制を揺さぶったと、ロンドン大学のポール・ドーフマン氏は指摘する。
イランが「監視外」主張の恐れ

9月下旬、イランのガリブアバディIAEA大使(当時)は「平和利用のため60%のウラン濃縮をしようとしているイランをしかりつける国が豪州に90%以上の濃縮度の燃料をつかう原子力潜水艦を売ろうとしている」と、米英の「二重基準と偽善」を批判した。
イランでは対米強硬派のライシ師が大統領になった(6月21日、大統領選後のテヘランでの記者会見)=ロイター

米英が持つ原潜は、核兵器級である濃縮レベル90%以上の高濃縮ウラン(HEU)を燃料とする。フランスなど他の原潜保有国が用いる低濃縮ウラン(LEU)に比べ搭載する燃料の重さが軽くてすむ利点がある。

米カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン氏は「イランが海軍原子炉の開発計画を持っていると主張し、核物質をIAEAの監視外におくことが可能だ」と指摘する。

原潜配備をどのように進めるのかについて3カ国は詳細を明らかにしていない。潜水艦が退役するまで核燃料を補充する必要がないよう、燃料とともに潜水艦を引き渡す案が有力視されている。

AUKUSの交渉は3カ国の一握りの代表で進められた秘密協議だったとみられる。そこにはNPTの専門家は含まれなかっただろう。
英米と欧州大陸諸国に亀裂

AUKUSは欧州の安全保障体制にも大きな影響を及ぼす恐れがある。フランスを排除し、英米豪で新しい安全保障の枠組みを立ち上げたことで、西側陣営における「アングロサクソン諸国と欧州大陸諸国」の亀裂が露呈した。

仏米は10月末の首脳会談で歩み寄る意向だが、これは表面上の溝を修復するにすぎない。フランスだけでなく、欧州連合(EU)加盟国の多くが「米なき欧州安保」を探る時期にきたと悟る。米主導のNATOの傘のもとでロシアと対峙する欧州がどこまで米国分を肩代わりするのか、域内で議論が本格化しそうだ。

ただEUの足並みがそろっているとは言い難い。フランスなどは「欧州軍」の創設を提唱するが、ラトビアのリンケービッチ外相は取材に「各国議会が軍をコントロールする権利を手放すのか」と突き放す。

ドイツも立場が定まらない。9月の総選挙で第1党となり、次期政権の主軸となる可能性のある中道左派・社会民主党のシャーピング元党首は「AUKUSを教訓に欧州は外交・安全保障政策で統合を深めるのが望ましい」と取材に語った。しかし党執行部の重鎮ミュッツェニヒ院内総務は軍縮が持論の根っからの平和主義者。次期政権で国防費を大幅に引き上げ、正面装備を一気に拡充するハードルは高い。

つまり欧州独自の安保体制というのは理念先行にすぎず、議論は緒に就いたばかり。実現には長い時間がかかる。

米国が外交、軍事の資源を中国に集中しようとするのは当然の動きだ。しかし、アフガニスタンからの撤兵やAUKUSに象徴されるように、同盟国の理解を得ない拙速な動きは大混乱を引き起こす。ちぐはぐな外交は結局、中国やロシアなどの強権国家を利するばかりだ。
編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へNikkei Views 』

陸曹が見たイラク派遣最前線

陸曹が見たイラク派遣最前線 単行本(ソフトカバー) – 2021/10/15
伊藤 学 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4890634142?tag=maftracking272143-22&linkCode=ure&creative=6339

『出版社からのコメント

自衛隊イラク派遣に関する書籍は複数あるが、その多くは指揮官、幹部クラスの隊員が執筆したものであり、実際に現場で任務についた曹・士(下士官・兵)の声や姿、任務の実態はほとんど明らかにされていない。彼ら彼女らの声を代弁したいという思いも本書を書く動機の一つである。

そうはいっても「自分にあの日々のことを本にして世に出す資格があるのか?」「15年以上前の出来事を今さら書いて何になるのか?」と、何度も自問自答した。
しかし、沈黙していれば、サマーワでの私の体験は後世に伝わることなく私の中で消え去ってしまう。これだけは避けたい。公式記録には記されていない生の声を伝えねばならない。
「誰もやらないなら自分がやる」
そう肚を決めて、あの時のことを書き始めた。
(「まえがき」より)

著者について
伊藤 学(いとう・まなぶ)

1979(昭和54)年生まれ。岩手県一関市出身、在住。岩手県立一関第一高等学校1年次修了後、退学し、陸上自衛隊生徒として陸上自衛隊少年工科学校(現、高等工科学校)に入校。卒業後は機甲科職種へ進み、戦車に関する各種教育を受け、第9戦車大隊(岩手県・岩手駐屯地)に配属、戦車乗員として勤務。2004年、第3次イラク復興支援群に参加。
イラク・サマーワ宿営地で整備小隊火器車輌整備班員として勤務。2005年、富士学校機甲科部に転属、砲術助教として勤務。2008年、陸上自衛隊退職。最終階級は2等陸曹。
現在、航空・軍事分野のカメラマン兼ライターとして活動中。』

好企画。

好企画。
https://st2019.site/?p=17647

『並木書房さんから、伊藤学氏著『陸曹が見たイラク派遣最前線』が10月20日に刊行される。その見本を読ませてもらいました。

 著者は2004年8月から11月までイラクのサマーワ基地に駐屯。原隊は岩手の第9戦車大隊だった。

 人間、めぐりあわせで、いろんな経験をします。
 2003年に米英軍がイラク全土を完全占領することになり、その作戦の直後から、日本もイラクの「復興」を手伝えという話になった。
 それでまず空自がクウェートに輸送拠点をつくり、ついで陸自の小部隊が、北の師団から持ち回りで、イラクへ送り出されることになった。

 次は第9師団から派遣部隊を出すぞ――というタイミングに、著者が偶然めぐりあわせた。それで、そのチャンスに乗ることができた。

 羨ましいと思います。

 つまり2004年に第9師団の現役自衛官で、若くて身体が絶好調で、家庭の事情にも拘束されないという身軽さにも恵まれていたおかげで、テッポウ持ってイラクへ飛ぶという激レアな体験ができたわけである。

 (本書では当然のこととして解説はされてないのだが、陸自はイラクへ戦車を搬入しなかった。4輪の軽装甲車はサマーワにはあったが、数は、陸曹・陸士を全員乗せるほどはなかった、と本書でわかる。)

 派遣隊員の選抜。隊と隊員の諸準備。青森空港を747型機で離陸してタイの中継空港を経てイラクへ降りるという道すがら。……ことごとく好いテンポで同書は擬似体験をさせてくれる。

 砕石路面では普通の自転車のタイヤはすぐにパンクしてしまって使いものにならない、などの情報が貴重だ。

 約3ヵ月の勤務を終えて青森空港に戻ったら、迎えの3トン半トラックのバンパーに原隊の部隊名が読めて、非常に懐かしくなるという描写はイイ。「9戦車本管」とでもテンプレスプレーされていたのかな。

 これが兵隊だったら、さらに続けて、営内居室の鉄枠二段ベッドとOD毛布の寝心地が、極上に感じられたりするところであるが、この人は陸曹だからふだん営外の家で寝泊りしているのかもしれず、その感想は聞けない。

 ともあれこの本は一晩で目を通せるテキスト量ながら、じっさいにイラクに行って帰ってきた気分になれるのである。

 私は、読んで満足しました。いちども出征の機会は無かった元自衛官として、ずっと心にかかっていた空白を、いささか満たされた思いがします。』

量的緩和縮小、11月中旬にも着手へ

量的緩和縮小、11月中旬にも着手へ FOMC9月議事要旨
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DNG0T11C21A0000000/

『【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は13日、9月21~22日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開した。11月初めの次回会合で量的緩和縮小(テーパリング)の開始を決める場合、「11月中旬または12月中旬」から資産購入額を減らし始め、2022年半ばごろにテーパリングを終える道筋を示した。

次回FOMCは11月2~3日に開く。パウエル議長は9月の記者会見で11月にもテーパリング開始を決める意向を示した。議事録によると「参加者は景気回復がおおむね順調なら、22年半ばごろに終了する緩やかなテーパリング手続きが適切だろうと総じて評価した」。11月の次回会合で量的緩和政策の修正を正式に決める公算が大きい。

FRBは現在、米国債800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)400億ドルの計1200億ドルを毎月購入している。議事要旨によると事務局が毎月、米国債を100億ドル、MBSを50億ドルの計150億ドルずつ購入額を減らす案を例示。参加者は総じて「わかりやすい道筋」と評価した。順調にいけば8カ月でテーパリングを終える計算だ。

回復ペースが鈍る景気について、会合参加者は「年前半に比べて急速ではないものの拡大を続けている」との認識を確認した。参加者は経済情勢が想定と大きく異なる場合はテーパリングの縮小ペースを調整できると指摘。これに対し、何人かの参加者は例示されたペースよりも速くテーパリングを終えることを求めた。

テーパリング開始を決める条件である最大雇用と物価安定に向けた「さらなる著しい進展」に関し、ほとんどの参加者が「基準が満たされたか、近く満たされる可能性が高い」と表明。多くの参加者が「労働市場は改善を続けている」と指摘した。

雇用が伸び悩む主因は求人減など需要側の要因ではなく、新型コロナウイルスの感染リスクの敬遠など労働供給の制約にあるとの見方から、量的緩和を続けても対応できず、むしろ「資産購入を続けるコストがメリットを上回り始めている」との指摘が出た。

インフレについては自動車関連の生産や物流の目詰まりや人手不足など「供給制約が従来の想定よりも大きく、長引く可能性が高い」と警戒を強めた。物価上昇率の見通しを前回6月時点の予測から上方修正した。

そのうえで、高水準のインフレはコロナ禍からの回復局面での需要増と供給制約という一時的な要因を反映して「今後数カ月続く」ものの、その後は緩やかになるとの見方を共有した。会合では家計や企業の長期的なインフレ期待への影響を懸念する声が出た一方、需給の不均衡が解消されれば価格上昇圧力は弱まるとの指摘もあった。

9月の会合は参加者の見通しの中央値として22年中にも利上げする可能性を示した。議事要旨によると、参加者はテーパリング開始と利上げ判断の基準は異なるとして「資産購入の抑制に向けた政策転換は金利政策に関する直接のシグナルにはならない」と再確認し、急速な金融引き締めに対する市場の警戒感に目配りした。

【関連記事】米消費者物価5.4%上昇 9月、品不足で高止まり

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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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今後の展望

先週の雇用統計は明らかな弱含みだったのに、メディアなどで専門家が「11月のテーパリングが可能なギリギリの線」と解説していた。

これは、11月のテーパリングは既に織り込み済みであることの証拠と見ていいのではないか。

次に織り込みに行くのは、金融引き締めの“やり方”だと考える。できれば緩やかな金利上昇としたいはずだが、それができるか。足元の世界同時エネルギー危機は、そうできない可能性をちらつかせているように思われ、要警戒レベルのリスクに見える。

2021年10月14日 9:04

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説

22年半ばにテーパリングが終わり、同年中にも利上げというシナリオが浮かびます。

秋には米国でバイデン政権の行方を占う中間選挙が、中国では習近平国家主席が続投を目指す共産党大会があります。

つまり来年秋以降の世界は読めなくなるということ。成長力が弱い企業はそれまでに逆境に耐えるだけの力をつけておかなければなりません。

2021年10月14日 8:12 』