ノルドストリーム、ノルドストリーム2の爆破事件について。

ノルドストリーム、ノルドストリーム2の爆破事件について。 : 机上空間
view-source:http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29816343.html

『ロシアからパイプラインで、ドイツまで天然ガスを運ぶノルドストリームとノルドストリーム2のパイプラインが、何者かによって爆破されました。爆破の起きた現場では、パイプ内に残っていたガスが海中に噴出して、巨大なアブクが円を描いています。まぁ、このガスについては、既にロシアがドイツへの供給を完全に止めてますし、天然ガスは水に溶けるので、環境への影響は軽微と考えられています。

これが爆破テロである事は、ほぼ間違い無いと断定されていて、問題は誰がやったかになっています。海中を通るパイプラインを爆破するには、潜水艦が必要になります。海上だと、ウクライナ侵攻が起きて以降、当然、パイプラインの監視は強化されているので、気が付かれずに爆破を行うのは、不可能です。まず、この現場の条件を頭に入れておく必要があります。その上で、可能性があるのは4カ国だけです。

・ウクライナ

最も可能性が低いのがウクライナです。まず、このテロを行う能力がありません。ウクライナが持っていた潜水艦は、ロシアに占領されたクリミア半島の港にあった1隻だけで、既にロシアに鹵獲されています。つまり、テロを行う手段を持っていません。そして、いくらロシアから天然ガスを買う事に反対していたからと言って、テロ行為がバレれば、西側の支援を打ち切られるのは確実です。それだけのリスクを払う理由になるとは、まったく考えられません。

・アメリカ

実は、アメリカには理由はあります。そもそも、以前からドイツがロシアにエネルギー供給で依存している事に、とても不満を持っていたのがアメリカです。ドイツがロシアと親密にしている事で、NATOの結束が崩れる原因になると考えている事を隠そうともしていませんでした。ここ近年のアメリカ大統領は、誰もが、この件ではドイツを批判しています。なので、物理的に供給不可能にする事で、ドイツがロシアとの縁を切る事を、望むかも知れない可能性はあります。そして、何よりも、このテロを実行する作戦能力を持っています。潜水艦・人工衛星・高性能爆薬、どれも調達可能です。

・イギリス

理由はアメリカと同じです。そして、イギリスは国家でロシアが嫌いです。一時期、ロシア人富豪が、イギリスの金融街であるシティーに乗り込んできて、荒稼ぎをしていましたし、当時のロンドン市長であるケン・リビングストン氏の積極的なロシア資本の誘致もあり、実はロンドンにはロシア富豪の海外資産が集中しています。結果として、一時期、ニューヨークを抜いて、取引高で世界一の金融都市になった事もあるのですが、まぁ、市民からは好かれなかったみたいで、イギリスのロシア嫌いは筋金入りです。そして、テロ現場に一番地理的に近く、実行能力も持っています。もしかすると、アメリカから話を持ちかけられて、イギリスが実行した可能性もあります。

・ロシア

ロシアが自身が管理しているノルドスリームを破壊する理由は、2つ考えられます。一つには、エネルギーの価格がパニック高騰から、世界経済の沈滞ムードで需要が減って、かなり下がってきているという事があります。エネルギー価格を吊り上げるには、何か事件を起こすのが一番てっとり早いです。そして、ウクライナ侵攻に対する経済制裁に対抗して、適当な理由をつけて天然ガスの供給を止めてしまった以上、ロシアの国家の信用はゼロになっています。

ここは、なかなか理解が難しいところなのですが、国家間で交わした約束というのは、その当事者同士が紛争状態になっても守らなくてはならない義務があるのです。ロシアは、年度で区切ってEUと天然ガス供給の契約を交わしていますから、例え何が起ころうと、その義務は果たす必要があります。直接、EUと戦争をしていない限り、例え経済制裁をくらっているとしても、それはそれ、これはこれなのです。なので、ロシアは東西冷戦の時代を通して、約束を違えて天然ガスや原油の供給を止めた事はありませんでした。それだけ、国単位で交わした約束というのは拘束力があるし、もし、違えた場合、例え原因が解決しても、約束違反を理由に、以後は買ってもらえなくなる事を意味します。経済において、信用というのは、それだけ重要です。

それゆえ、以後、使用される事が無いと思われる施設を、破壊する事にロシア側の抵抗は、私達が考える程無く、これでエネルギー価格が吊り上がるなら、やっても不思議ではないのです。そして、もちろん、実行する能力は持っています。

今のロシアの戦況を考えると、真っ先にロシアを疑いたくなるのですが、アメリカ・イギリスの線も、同じくらいあると思っています。まあ、今のロシアの強引な動員令を見ても判りますが、国家戦略にとって、国民というのは、どんな体制の国家であっても、消耗品であり駒なのです。国の指導者が何を言っていても、世界が国境で仕切られて、国という統治機関で成り立っている以上、国民を犠牲にしても国家の存続を計るのは、なんともしがたい現実です。』

人命が大事なら、ロシアに妥協してはいけない理由。

人命が大事なら、ロシアに妥協してはいけない理由。 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29802435.html

『戦況が不利になってきたので、ロシアのプーチン大統領から停戦に応じる事も、やぶさかではないみたいな話が出てきていますが、もし、ウクライナ側が、これ以上の犠牲者を出したくないなら、勝ち切るしか方法はありません。プーチン大統領の言う事に、1ミリでも耳を傾けたら、少なくても5年以内に、今の何倍ものウクライナ国民が意図的に殺されます。

この根拠になっているのは、チェチェン紛争です。第一次チェチェン紛争では、レジスタンスがロシアの介入を排除して、国土を守り抜きました。そして、一度は停戦したのです。しかし、停戦で時間を稼いだロシアは、チェチェン内の不満分子を取り入れたり、再軍備を整えたりして、戦争の準備を進め、第二次チェチェン紛争で、国土の大部分を瓦礫の山に変える猛攻で、チェチェン人を殺しまくり、その時にプーチン大統領の犬として活躍したのが、もとレジスタンスで裏切ったカディロフです。今は、その息子が首長としてチェチェンを治めています。

彼の私兵部隊であるカディロフツィは、裏仕事専門の軍事組織として、殺人・誘拐・拷問・占領地の制圧などに駆り出されるプーチン氏の別働隊です。さらに、私掠行為として、占領地での略奪、身代金目的の誘拐も行います。その悪辣ぶりは、ロシア国内でも鼻つまみ者扱いですが、自分の手を汚さないで済むので、とても便利な存在です。実際、国土を灰にした後の、プーチン大統領のチェチェン共和国に対する金銭的な援助は、破格の扱いで、現在では都市の中心部に高層ビルの立ち並ぶ、近代的な佇まいになっています。その一方で、逆らう人間には容赦なく、家に放火したり、襲撃したりしています。

停戦したとしても、準備を整えて次にロシアが戦争を仕掛けてくる場合、こうした連中を解き放ってウクライナ人を虐殺する事を最初から狙ってきます。なぜなら、プーチン大統領に恥をかかせて、ロシアの国威を失墜させたからです。その為、ウクライナ人は消滅させる対象になり、躊躇無く殺しまくるのは確実です。過去にチェチェンで、やってますからねぇ。過去の実績から想像するに、そうなるのは目に見えてます。ロシアに白旗を掲げて降伏するウクライナ人の存在は許してもよいが、そうでない存在は抹殺の対象です。おそらく、それくらいブーチン大統領は怒ってますねぇ。自分のライフワークであるスラブ人中心の優生社会。大ロシア主義の実現を、妨げたからです。

その時の犠牲者は、今の戦死者や民間の被害者が霞む数になるはずです。虐殺が目的ですから。そして、所有者のいなくなった土地は、ロシア人に分け与えれば、最終的には得をした彼らは、プーチン大統領を称えるはずです。何しろ、世界で一番優れたスラブ民族様の正当な権利を実行したに過ぎないからです。彼らは、スラブ人に生まれたからには、優遇された生活と、豊かな土地を与えられる権利があると信じています。それが、大ロシア主義であり、ロシア正教の主教も「戦闘で死んだ兵士の魂は、全ての罪を赦されて浄化される」と、大真面目にオフレを出しています。まぁ、囚人まで戦場に駆り出しているから、それを正当化する方便でしょうけどね。

ロシアがウクライナを武力で制圧すれば、何百万・何千万の難民が、EU各国に溢れ出て、それが西側諸国の国力を弱めます。おそらく、そこまでプーチン氏は計算しているでしょうね。いわゆる、「難民爆弾」です。そして、最終的に世界のルールを「優秀なスラブ民族が決める」のが、プーチン大統領の目的です。それゆえ、もし、一人でも国民の命を助けたければ、グウの音が出ないくらい、ロシアを打ち負かして、勝ち切るしかないのです。それが見えているので、本当はEU諸国もエネルギー不足やインフレで、ブウブウ言っている場合じゃないのですが、冬が目の前に迫ってきているので、呑気な事も言っていられないのですね。

今、ここでロシアを抑えないと、次々と併合される東欧から難民が押し寄せて、西側諸国の経済を破壊して、今どころの話じゃなくなります。もしくは、今の時点でウクライナを裏切って、額をこすりつけてロシアに侘びを入れて、ウクライナのロシアへの併合を認めるかですね。ロシア政府に都合の悪い事をすると、暗殺されて、それが社会のシステムとして仕方なく、生きているだけでもマシというなら、そういう選択もあります。ウクライナ人は死滅しますが、西欧諸国はエネルギーの供給も再開されるし、国土も荒らされずに済みます。状態から言えば、ロシアと完全敵対するより平和ですよ。

国際秩序を維持するのであれば、ロシアの横暴を許すべきではありませんし、今のロシア政府の嘘と欺瞞に溢れたやり口を我慢すべきではありませんが、格言には「命あっての物種」という言葉もあります。実際に失われる命がある以上、軽々しく正義を振りかざすわけにもいきません。第一次世界大戦が終結し、ベルサイユ条約が締結された時、「これは平和などではない。たかだか20年の停戦だ」とフランス軍の陸軍元帥であったフェルディナン・フォッシュは予言しましたが、その通りに、ほぼ20年後に第二次世界大戦が勃発します。

戦争による勝敗と評価は、完全に着けないと、必ずぶり返します。なので、ウクライナに勝ち切る以外の選択肢がないし、陰謀と不正が容認される社会で生きたくなければ、西側諸国は支援し続ける必要があります。』

ウクライナのNATO加盟申請とエスカレーション・ラダー

ウクライナのNATO加盟申請とエスカレーション・ラダー
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2022-10-03.html

 ※ グラスルの「エスカレーション・ラダー」、知らんかった…。

 ※ 非常に、参考になった…。

 ※ 『グラスルは、1~3段階目迄は、WIN-WINの関係が成り立つものの、4~6段階目になると、一方が負け、もう一方が勝ち。7~9段階目では両方が負けになるとしています。
グラスルのエスカレーション・ラダー、今のロシアのウクライナ侵攻について、実にうまく説明できるように思います。』…。

 ※ 『筆者の見るところ、既にロシアは、核攻撃をちらつかせる6段階目の脅迫戦略、ウクライナはロシアのいうことは何一つ信用できないとする5段階目の面目失墜にあるように見えます。

最早当事者間で合意できる段階ではないように思えます。たとえ、停戦合意書に血判を押しても信用しないのではないかとさえ。』…。

 ※ 『グラスルは、自身のエスカレーション・ラダーの解除モデルとして、段階別に次の方法を挙げています。

レベル 1-3: 当事者間で解決可能

レベル 2-3: 友人、家族、または専門家による支援

レベル 3-5: 外部の専門的なプロセス サポートからの支援

レベル 4-6: 外部の社会療法プロセスのサポートによる支援

レベル 5-7: 外部の専門家の仲介による支援

レベル 6-8: 自発的または強制的な仲裁による支援

レベル 7-9: 上からの介入によってのみ支援が可能

もし、今のロシアとウクライナが5、ないし6段階目にあるとするならば、最早、当事者間での解決は不可能で、外部の専門家の仲介が必要な段階にあることになります。

外部の専門家が誰になるのかには色んな議論があるかと思います。現時点でアメリカやNATOは建前上は、当事者ではなく”外部”ということになるかと思いますけれども、先日のプーチン大統領の演説を聞く限り、ロシアはアメリカやNATOは外部の専門家とは見做さないのではないかと思います。

となると、それ以外に、ロシアが認める外部の専門家が必要になるのですけれども、果たして今の世界にそんな存在がいるのか。

それがないとなれば、更に深い段階である「自発的または強制的な仲裁」、あるいは「上からの介入」ということになりますけれども、世界でそんなことができるのは、おそらくアメリカくらいでしょう。けれども、アメリカはウクライナをがっつり支援する側ですから、ロシアは受け入れないでしょう。

もし、望みがあるとすれば、秋の中間選挙で民主党が負け、2024年の大統領選挙でロシアに中立的な大統領が出てくるしかないのかもしれませんね。』…。

『目次

別の機会に検討されるべきだ
ロシアに味方するものは制裁する
NATOは戦争の当事者にならない
エスカレーション・ラダー
紙の上に血を置いたものなど、何の証明になりましょう

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1.別の機会に検討されるべきだ

9月30日、アメリカのサリバン大統領補佐官は記者会見で、ウクライナのNATO加盟手続きについて、「別の機会に検討されるべきだ」との認識を示しました。

その時の記者とのやり取りは次の通りです。

記者:ウクライナはNATOへの早期加盟を求めている。 それは可能なことなのか、あるいは真剣に検討することなのか?

サリバン補佐官:米国は数十年前から、NATOの門戸開放政策を支持することを明確にしてきた。 NATO加盟に関するいかなる決定も、30の同盟国と加盟を希望する国々との間で行われるものだ。今、我々が考えるに、ウクライナを支援する最善の方法は、ウクライナでの実際的な現場での支援であり、ブリュッセルでのプロセスは別の機会に取り上げるべきものだ。

実に素っ気ないというか、まるで相手にしていない感じすら受けます。

その他にも次のようなやり取りもありました。

記者:プーチンがウクライナに核兵器を使用した場合、アメリカは積極的に参戦するのか?

サリバン報道官:以前にも行ったが、私たちはロシアに対して、核兵器を使用した場合のさまざまな影響と、米国が取るであろう行動の種類を直接伝える機会があったのだ。 また、このようなことを公に開示するつもりはないと申し上げた。だから、私が言えることは、ロシアはこの問題で事態がどのような状況にあるのかを理解しているということだ。我々はこの問題で事態がどうなっているかを理解している。このくらいにしておこう。

記者:送られる武器や物資の内容に変化があるのか? 特に戦車を米国や米国の仲介でウクライナに提供すべきかどうかについて、あなたの考えを聞かせて欲しい。【以下略】

サリバン報道官:【前略】。戦車に関しては、東ヨーロッパのパートナーからウクライナに戦車を提供し、ウクライナ軍が訓練を受けて保有するソ連型戦車と同じタイプの戦車を提供することを実際に進めた。その他の兵器システムに関しては、今週大統領が発表したのは、以前にも提供したことのあるHIMARSのさらなる提供だ。 次のパッケージでは、ウクライナ側が効果的に動かしている能力の多くを再提供することになると期待している。 それ以上の新機能や追加機能については発表していない。

記者:NATO標準戦車(エイブラムス戦車、レオパルド戦車)についてはどうなのか? ウクライナ人あるいはその擁護者が求めているのはそれだ。 あなたがそれを排除しているのか? それともNATOが排除しているのか?

サリバン報道官:私は何も除外していない。 私は今日、アメリカの戦車について何の発表もないと言うだろう。 ドイツ軍の戦車については、ドイツ軍がウクライナ側と協議していることを伝えておく。

プーチン大統領が核兵器を使用した場合の対応について聞かれたサリバン報道官は、ロシアには伝えてあるが、公にするつもりはないといい、これくらいにしておこう(I will leave it at that.)と打ち切っています。

その一方で、ウクライナに送る武器や物資の中味が変わるのかと聞かれると、東欧からソ連型戦車と同じタイプの戦車を提供し、その他にはHIMARSをさらに提供するとして、アメリカ製戦車を提供するかには言及しませんでした。

もし、ロシアの核兵器に備えるならば、SLBM搭載の原潜や、核搭載の爆撃機を派遣するでしょうから、このあたりの動きはウォッチする必要があるのではないかと思います。

2.ロシアに味方するものは制裁する

もう一つ、この記者会見で、「ブルメンタール上院議員とグラハム上院議員が、プーチンのウクライナ併合を認めた国へのアメリカの軍事・経済援助を打ち切るという法案を提出したが、これを支持するか」という質問が出たのですけれども、これに対してサリバン報道官は「法案を読む機会がなかった。このような状況では、結局細部が問題になるが大枠では支持する」と答えています。

この法案は、9月29日に前述の両上院議員が提出したもので、文字通りロシアのウクライナ併合の試みを認める国への軍事的および経済的援助をすべて停止するよう求めるものです。

法案について、ブルーメンタール上院議員は「私たちが言いたいのは、この完全に違法な行動でウラジーミル・プーチンを支援し、教唆する国は、その共謀の責任を問われるべきだということだ。この併合を認める国への経済援助も軍事援助もない……土地の奪取だ。盗みだ……これは、ウラジーミル・プーチンによる、西側諸国のウクライナへの支援を試すための、もう一つの卑劣で図々しい戦術だ。我々はそんなことはしない」と語っています。

また、グラハム上院議員は、「国際刑事裁判所の捜査官が米国に来て、ロシア人がウクライナで犯した戦争犯罪に対して私たちが持っている証拠を求められるようにしたい。……私たちが監視していたことをロシア軍に知ってもらいたい。プーチン大統領の戦争犯罪の指示に従い続けるなら、代償を払うことになるだろう」とコメントしています。

これは要するに、ロシアに味方するものは制裁するということです。けれども、その一方で、アメリカ政府はウクライナのNATO加盟には及び腰になっています。

ロシアの味方は許さないが、ウクライナに味方して一緒に戦うという訳でもない。これでは、ロシア、ウクライナ双方が疲弊していく一方ではないかと思いますし、長期戦になればなるほど周辺国にも深刻な影響が出てくることになります。

3.NATOは戦争の当事者にならない

では欧州はウクライナのNATO加盟申請についてどう受け止めているかというと、こちらも慎重姿勢です。

昨日のエントリーでNATOのストルテンベルグ事務総長がNATO加盟国は「自国の道を選ぶ」ウクライナの権利を支持すると表明したものの、加盟に関する決定には全30ヶ国の関与が必要だと述べていることに触れましたけれども、ストルテンベルグ事務総長は「権利」は支持しても、「加入」を支持するとは言っていないのですね。

ウクライナがNATOに加入したら、ほぼ確実に対露戦争に巻き込まれることになりますから、流石に安易に支持するとはいえないでしょう。

これについて、ドイツはもっとはっきりしています。

9月30日、緑の党所属のアナレナ・ベアボック外相はドイツの公共放送連盟(ARD)の番組で次のように述べています。

私達は、この戦争の勃発、ロシアのウクライナ攻撃で、ウクライナの自衛権を支持することを明確にしました……命を救うために、ウクライナをどう支援し続けるか、全力で、責任をもって取り組んできた毎日です。しかし、私達は初日から、戦争が他の国々に広がらないように、またNATO自身が戦争の当事者にならないようにする責任があることも明らかにしてきました。そしてそれは、このウクライナへの残忍な攻撃から200日後の今日にも当てはまるのです。私達は、ウクライナの自衛権について、重火器による支援も続けています。しかし、他の国やNATOがこの戦争に巻き込まれないよう、できる限りのことをしているのです。

はっきりとNATOが当事者にならないようにしている、それは責任だ、とまで述べています。

これを見る限り、NATOは、少なくとも今のドイツはウクライナをNATOに加盟させる気はないように見えます。

逆にいえば、ウクライナがこのタイミングでNATO加盟申請したことは、NATO加盟国に対して、どこまで本気で支援する気があるのか、と踏み絵を迫っている側面があるのではないかという気もします。

4.エスカレーション・ラダー

そのウクライナ軍は、ロシアが4州の併合を宣言した後も進軍を続けています。

10月1日、ウクライナ軍はプーチン大統領が併合を宣言した東部ドネツク州リマンに突入しました。この日、ロシア国防省は「包囲される脅威があることからロシア軍は、リマンからより有利な場所へと撤退した」と部隊の撤退を発表しているところをみると、ウクライナ軍はリマン市内ほぼ掌握したものと思われます。

リマンは、鉄道など交通の重要拠点とされ、ロシア軍は今年5月に掌握したあと、ここを武器の補給地として、東部ドンバス地域への侵攻を続けてきました。

けれども、今回、要衝リマンを失ったことで、ドンバス地域の完全掌握は非常に難しくなったとの見方が出て来ています。

ロシアにしてみれば併合宣言した翌日にリマンを奪還された訳で、併合した街を守ることもできないことを晒された形です。

これから、プーチン大統領は、士気の低い動員兵をドンバス地域につぎ込んで人命を磨り潰しながら侵攻を続けるのか、それとも大規模破壊兵器を使って一気に戦局の打開を図るのか。

20世紀のアメリカの研究者で、軍事学における核戦略理論の発展に貢献したハーマン・カーンは、1965年に核戦争が実際に遂行される可能性について「エスカレーション・ラダー」という概念を提唱しました。

エスカレーション・ラダーとは、武力行使を伴わない脅しのレベルから双方が大都市その他の対価値攻撃そして全面核戦争に至る事態のエスカレートを、梯子を上っていくという概念によって表現したものです。

カーンはこのエスカレーション・ラダーとして44段の梯子を設定しました。

カーンのラダーでは、1~14段目までが通常戦力による脅迫あるいは紛争であり、15段目からが核兵器の使用を前提とした国家実行、そして20段目と 21段目の間に「核兵器不使用の閾値ライン」が引かれ、さらに「大量殺戮を伴う都市攻撃の閾値ライン」を経て最終的には 44段目の「痙攣し、無感覚となった戦争」、すなわち、核兵器戦争と定義しています。

このエスカレーション・ラダーについては国会でも議論されたことがあります。

2020年5月13日の外務委員会で、立憲民主の岡田克也議員からエスカレーション・ラダーについて説明を求められた、当時の茂木外相は次のように答えています。

茂木国務大臣 いわゆるラダーですから、はしごでありまして、はしごには当然段というのがあるわけであります。お互いの段が合っていれば、同じような形での抑止力が機能する。しかし、その段の例えば間隔がずれていた場合に、相手側がその中間の段階の段、そのレベルで何かのことをしたときに、こちら側がどちらの段で対応するかということによって、上の段でまさか対応することはないんであろうと。こういうことがあった場合に、これが中間の段での相手側の攻撃の余地があるのではないか、若しくはそれによってお互いがエスカレートしていく、ラダーがエスカレートしていく、こういう誤解、誤認を避けるために核攻撃の目的等々を明確にしている、このように考えております。

つまり、個々のラダーに応じた兵力・組織といった備えをしておくことで、不足の事態が発生した場合でも抑止力を働かせる。そして、相手に梯子を昇らなければならなくなった場合に背負う負担(コスト)が耐えられないものになると思わせることで、抑止とする考え方です。

カーンのエスカレーション・ラダーはもう50年以上も前の論説ですけれども、今でも十分通用する考え方だと思います。

5.紙の上に血を置いたものなど、何の証明になりましょう

エスカレーション・ラダーについては、その後も様々な研究が進められているのですけれども、紛争研究者のフリードリッヒ・グラスルは、9段階の紛争エスカレーションモデルを提唱しました。

グラスルのエスカレーションモデルは、エスカレーションのより高い段階への上昇としてではなく、ますます深く、より原始的で非人道的な紛争形態への下降として表されます。その9段階は次の通りです。

1)硬直化    :何らかの問題や不満をめぐる対立。

2)討論、論争  :相手に強い不信感が生じる。自分の立場を押し通すために、より強力な方法を探す。

3)言葉より行動 :口頭で言われたことが信用できなくなる。行動や非言語的なコミュニケーションが支配的になる

4)イメージ、連合:相手のイメージを拒絶し、自分のイメージを相手に認めさせようとする。それぞれ積極的に傍観者の支持を得ようとする

5)面目失墜   :建設的に見える相手の動きはすべて欺瞞として片付けられ、たった一つの否定的な出来事が相手の本性を示す決定的な証拠となる

6)脅迫戦略   :退かないことを示すために相互に脅しをかける。制裁の脅しをかけることで、相手に特定の要求や規範に従わせる。

7)限定的破壊攻撃:相手はもはや純粋な敵であり、人間性を持っていない。相手の火力を無力化して、自分の生存を確保する。真のコミュニケーションはない。

8)敵の断片化  :相手を無力な断片にしたり、相手の意思決定能力を破壊する

9)双方破滅   :敵を殲滅しようとする欲求があまりにも強く、自衛本能さえもおろそかになる。自分の存在意義を破壊してでも、敵を殲滅しなければならない

グラスルのエスカレーション・ラダーは、梯子を下りるに従って、どこか人間から話の通じない獣を相手にしていくような印象を受けてしまいます。

グラスルは、1~3段階目迄は、WIN-WINの関係が成り立つものの、4~6段階目になると、一方が負け、もう一方が勝ち。7~9段階目では両方が負けになるとしています。

グラスルのエスカレーション・ラダー、今のロシアのウクライナ侵攻について、実にうまく説明できるように思います。

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筆者の見るところ、既にロシアは、核攻撃をちらつかせる6段階目の脅迫戦略、ウクライナはロシアのいうことは何一つ信用できないとする5段階目の面目失墜にあるように見えます。最早当事者間で合意できる段階ではないように思えます。たとえ、停戦合意書に血判を押しても信用しないのではないかとさえ。

グラスルは、自身のエスカレーション・ラダーの解除モデルとして、段階別に次の方法を挙げています。

レベル 1-3: 当事者間で解決可能

レベル 2-3: 友人、家族、または専門家による支援

レベル 3-5: 外部の専門的なプロセス サポートからの支援

レベル 4-6: 外部の社会療法プロセスのサポートによる支援

レベル 5-7: 外部の専門家の仲介による支援

レベル 6-8: 自発的または強制的な仲裁による支援

レベル 7-9: 上からの介入によってのみ支援が可能

もし、今のロシアとウクライナが5、ないし6段階目にあるとするならば、最早、当事者間での解決は不可能で、外部の専門家の仲介が必要な段階にあることになります。

外部の専門家が誰になるのかには色んな議論があるかと思います。現時点でアメリカやNATOは建前上は、当事者ではなく”外部”ということになるかと思いますけれども、先日のプーチン大統領の演説を聞く限り、ロシアはアメリカやNATOは外部の専門家とは見做さないのではないかと思います。

となると、それ以外に、ロシアが認める外部の専門家が必要になるのですけれども、果たして今の世界にそんな存在がいるのか。

それがないとなれば、更に深い段階である「自発的または強制的な仲裁」、あるいは「上からの介入」ということになりますけれども、世界でそんなことができるのは、おそらくアメリカくらいでしょう。けれども、アメリカはウクライナをがっつり支援する側ですから、ロシアは受け入れないでしょう。

もし、望みがあるとすれば、秋の中間選挙で民主党が負け、2024年の大統領選挙でロシアに中立的な大統領が出てくるしかないのかもしれませんね。』

商品9時30分 原油が続伸、OPECプラスの減産観測で 金は4日続伸

商品9時30分 原油が続伸、OPECプラスの減産観測で 金は4日続伸
https://www.nikkei.com/article/DGXZASQ7IAB01_U2A001C2000000/

 ※ 原油先物は、上げか…。

 ※ OPECプラスの「減産」が、一定の効果を生じ、需給関係は改善する…、という見立てのようだ…。

 ※ 金も、上げてるそうだ…。

 ※ こっちは、米長期金利は下げ予想で、「金利の付かない」金でも、人気になるかも…、という見立てらしい…。

 ※ まあ、こういう状況では、「金利(利息、キャピタルゲインなどの儲け)」よりも、「安定」志向は、一定の支持を集めるだろうな…。

『4日朝方の国内商品先物市場で、原油は続伸して取引を始めた。取引量が多い2023年2月物は1キロリットル7万740円と前日の清算値に比べ520円高い水準で寄り付いた。主要産油国による減産観測から原油先物に買いを集めている。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産出国から構成される「OPECプラス」は5日に控える閣僚会合で、日量100万バレル以上の減産を検討していると伝わった。原油需給の引き締まりを意識した買いが続いている。

金は4日続伸している。中心限月の23年8月物は1グラム7870円と同131円高い水準で寄り付いた。3日のニューヨーク市場で金先物が上昇した流れを引き継いだ。米長期金利が低下し、金利のつかない金先物の投資妙味が増すとみた買いが優勢だった。

4日早朝に北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたと伝わったが、金相場への影響は今のところ限られている。市場では「ミサイル発射が連続するようなら国内金先物に買いが入りやすい」(国内証券の商品アナリスト)という声が聞かれた。

白金は反発。中心限月の23年8月物は1グラム4031円と同122円上回る水準で取引を始めた。4日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、投資家心理が改善したとして景気動向に左右されやすい白金先物には買いが優勢となっている。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕』

妄想を振りまき、虚構に走るプーチン 追うのは?

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:妄想を振りまき、虚構に走るプーチン 追うのは?
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5376589.html

『2022年9月30日朝、ニューヨークにあるロシア総領事館の建物が、赤色のペンキで大きく落書きされているのが見つかった。建物は、アッパーイーストサイトのセントラルパーク近くの閑静な住宅街の一角にあり、近くにはグッゲンハイム美術館など有名施設が立ち並ぶ。

Consulate-General-of-the-Russian-Federation-NY3落書きは、一階の前面の壁全体におよんでおり、鉄製の扉や表札も赤色に覆われた。文字やサインのようなものは見当たらなかった。プロテスターによる犯行かどうかは、明らかになっていない。近くの住人だという男性は、犯罪だが、落書き程度で済んで、ましだったのではないかと話した。参照記事、、、国連でのお偉いさんの演説より、市民の怒りは、トイレの落書きや、こういう事で伝わってくる。乱暴な行為ではあるが、、。

FireShot Webpage Screenshot #2041 – ‘

【ライブ】ドネツク、ルプーチン大統領は9月30日、ウクライナの東部にあるドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国、ザポリージャ州、ヘルソン州を併合する文書の調印式に先駆けて行なった約30分におよぶ演説で、「西側は、ロシアを「攻撃、弱体化、分割」しようとしており、その背景にある動機は「新植民地主義システム」を維持し、そこから得られる利益を獲得し続けることと主張。

このシステムについて「西側が世界に寄生し、世界から略奪し、人類から年貢を集め、繁栄の主たる源を絞り取ることを可能にするもの」と説明し、「独立国家、伝統的な価値観、オーセンティック(正統)な文化」を攻撃するのはこのためだと語った。

続けて「西側諸国が、ロシアに対して繰り広げるハイブリッド(複合的)な戦争は、支配を維持するがための貪欲と決意に起因する」と言い換え、「彼らはわれわれが自由になることを望まず、植民地にしたいのだ。対等な協力を築きたいのではなく、略奪したいのだ。われわれを自由な社会ではなく、魂のない奴隷の集合体にしようと考えている」と非難した。参照記事

446c17c6、、、、

彼、プーチンにとっては、他国への資本投下も、コンビニのチェーン展開もすべて新植民地主義なのだろう。

妄想は勝手だが、こんな事をしそうなのは習近平Xi Jinpingしか見当たらず、実際にすべてを実行し、ネオ・ナチ征伐だと鎧で身を固め、時代錯誤な妄想で、見当違いな突撃にまで出たのはプーチンPutinしかいない。残念にも、彼をさとすサンチョ・パンサは見当たらない。

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「俺が先に行くぞ」と手綱(たづな)を取り、勝手にウクライナの鋼材を売り払い、穀物を略奪したのはどこの国のだれだった?法改正までして動員法で国民の自由を阻(はば)み、それを嫌って膨大な数の国民が逃げ出しているのはどこの国だ?

プーチンも習近平も、頭の中は、どこかの新興宗教の教祖と変わらないようだ。お互い向かう方向だけは違うようだが、、、。

死んでからも笑われる「裸の王様」とは、彼らのことだろう。 右下風刺画はMark Knight作 参照記事より。 YOUTUBE映像:戦死者数わかってますか? ロシア人にきいてみた。』

そして宣伝している。これでイスラエルを直接打撃できる、と。

そして宣伝している。これでイスラエルを直接打撃できる、と。
https://st2019.site/?p=20386

『ストラテジーペイジの2022-10-3記事。

    イランが新型の「アラシュ2」という長距離自爆無人機を完成させたと発表している。いちおうステルス外形だ。

 旧型の「アラシュ」は2021デビュー。そっちはレンジが1400kmだったが、新型は4000kmにも延びている。巡航ミサイル以上の長距離打撃が可能になった。

 そして宣伝している。これでイスラエルを直接打撃できる、と。

 従来でも、最短距離を飛行させれば、イランの無人特攻機でイスラエルまでちょくせつ到達させることは可能であった。というか、そもそも「1400km」という航続距離は、イラン本土の西端からイスラエルの中枢部を直線飛行によって片道攻撃するのに必要ギリギリなベンチマークの数値なのだ。

 問題は、中間地点の諸国がイランの味方とは限らぬこと。だから、途中で迎撃されたり、レーダー情報をイスラエルへ急報されてしまう可能性が高かった。無人機は低速だから、探知されたらそこでもうおしまいなのだ。

 だが、航続距離が4000kmもあるならば、アラビア半島内部のほぼ無人の砂漠上空を悠々と迂回的に飛行させることで、被発見をまぬがれるかもしれない。フーシによる対UAEや対サウジの無人機特攻が幾度も成功していることが、その有望性を証拠立てていよう。

 だとすれば「アラシュ2」は飛行途中での邀撃を回避できてしまう確率が高い。

 尤も、それをわざわざ事前宣伝するということは、実行をためらう要因が今のところ大なのだろう。

 なおイランはこれまで、レバノンやシリアに短距離の自爆無人機を持ち込んでそこから発進させる戦術も試してきた。が、イスラエルの情報機関にすべて事前に察知されて潰されている。』

【ウクライナ発】NATOが叩きたいクリミアの核貯蔵施設

【ウクライナ発】NATOが叩きたいクリミアの核貯蔵施設
https://tanakaryusaku.jp/2022/10/00027722

『ロシアの公式見解としてはクリミア半島に核はない。日本のナイーブな反米原理主義者ならともかく、ロシアの言い分を信じる人は、国際社会において圧倒的に少ない。

 核弾頭の貯蔵施設があるというのが通説だ。

 ロシアがウクライナに大量破壊兵器を使用すれば、NATOはクリミア半島の黒海艦隊司令部とロシア艦隊を完膚なきまでに叩く・・・米国が非公式ルートでロシアに警告しているようだ。

 ロシアは虎の子の黒海艦隊を失いたくない。2014年にクリミア半島を奪取した意味が薄れるからだ。

 だが、ニューズウィークによるとロシアは潜水艦をクリミア半島から避難させているようだ。

 ロシアはNATOの猛攻撃を覚悟のうえでウクライナに大量破壊兵器を使用するのだろうか。

 NATOが本当に叩きたいのは、黒海艦隊ではなく核弾頭貯蔵基地ではないのか。

黒海艦隊が本部を置くセバストポリ港。ドックにロシア国旗が描かれている。=2014年、クリミア半島 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

  ◇
読者の皆様

プーチン大統領が30日、領有を宣言した直後に起こした事件がザポリージャ原発所長の拉致でした。これも核テロです。

これから何が起きても不思議ではありません。現地に滞在して、真実を発信して行かねばならないと考えています。

ご支援何とぞ御願い申し上げます。』

デジタルIDの導入で計算が狂ったが、パイプライン爆破でEUの植民地化は近づいた

デジタルIDの導入で計算が狂ったが、パイプライン爆破でEUの植民地化は近づいた | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210040000/

『ロシアからドイツへ天然ガスを運ぶパイプラインがバルト海の海底に敷設されている。ノード・ストリームとノード・ストリーム2だが、これらから天然ガスが流出していることが9月26日と27日に発見された。状況からみて爆破された可能性が高い。

 アメリカのアンソニー・ブリンケン国務長官は9月30日、カナダの外務大臣と共同で行った記者会見で、この出来事はEUをロシアから切り離す絶好の機会だと口にした。これまで見向きもされなかったアメリカのLPG(液化天然ガス)を売り込むチャンスだというだけでなく、戦略的な意味もある。潜在的ライバルのEUを破壊し、アメリカなしには存在できなくできるということ、さらにロシアを制圧するための拠点にできるということだ。

 ロシアを制圧して世界の覇者になるというプランは長期、中期、短期で考えることができる。短期的には2014年2月にアメリカ政府がキエフで実行したクーデター、中期的には1991年のソ連消滅にともなってネオコンが作成した世界制覇プロジェクト、そして長期的には19世紀に始まったプランである。

 その長期戦略をハルフォード・マッキンダーがまとめ、発表したのは1904年のこと。この戦略をアメリカが引き継ぐ。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づいている。

 そして1991年12月にソ連が消滅して始まったのが中期戦略。ボリス・エリツィンの下でロシアはアメリカやイギリスを拠点にする巨大資本の属国になった結果、ロシアの富はそうした巨大資本に略奪され、その手先になったロシア人も巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。その中心にいたのがエリツィンの娘タチアナだ。

 その直後、アメリカの国防総省を掌握していたネオコンは世界制覇プランを「DPG草案」として作成した。ディック・チェイニー国防長官の下、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官が中心になって書き上げられたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 そこでは、ライバルだったソ連が消滅したことでアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、他国に配慮することなく独断で行動できる時代に入ったとされている。さらにアメリカへの従属度が低い国や体制を制圧、その一方で新たなライバルの出現を防ぐことも重要なテーマとして掲げられた。

 注目すべき国としてキューバ、朝鮮、韓国、イラク、パキスタン、インド、ロシア、またエネルギー資源の産出国が挙げられているが、それだけでなく、ヨーロッパが独自の安全保障計画を打ち出してNATOの仕組みを揺るがすこと、あるいはアメリカ軍が日本から撤退することで独自の動きをしてアメリカ中心の支配システムを揺るがすことも警戒している。

 それに対し、中国人は「カネ儲け」で操れると考え、若手エリートをアメリカへ留学させて「洗脳」しているのでコントロールできるとアメリカの支配層は信じていたようだ。「リベラル派」とされる日本人の中にもそうした考え方をする人がいた。

 日本は1990年代にスキャンダルで揺れ、95年2月にはジョセイフ・ナイが「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が発表され、アメリカの戦争マシーンに組み込まれた。アメリカの対中国戦略が背後にあることは確かだろうが、それだけでなく、NATOと同じように日本を支配する仕組みを強固なものにすることも目的だった可能性が高い。いうまでもなく、ナイ・レポートはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいている。

 第2次世界大戦でドイツ軍と戦い、勝利したのはソ連軍。全兵力の約4分の3をソ連への侵攻に投入したが、1943年1月にスターリングラードでドイツ軍は降伏した。この時点でドイツの敗北は決定的だったのだが、この時点でドイツが正式に降伏するとソ連が勝者ということになる。

 そこでイギリスやアメリカは「無条件降伏」を打ち出して戦争を長引かせ、アレン・ダレスたちはフランクリン・ルーズベルト大統領には無断でナチスの高官と善後策を協議している。アメリカ軍やイギリス軍がシチリア島へ上陸したのは1943年7月。そこから米英はヨーロッパへ軍隊を展開していく。アメリカ軍がドイツ軍を破ったという印象を世界に広めたのはハリウッド映画にほかならない。

 ソ連を消滅させた後、ネオコンはソ連が支配していた地域を自分たちに利益をもたらす新たな「縄張り」とする。それを宣言したのがウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。言い換えると、アメリカは犯罪組織化を強めた。自分たちに従わないと「重い代償を払わねばならない」とアメリカ政府は盛んに言うが、「言うことを聞かないと、タダじゃおかないぞ」と凄むチンピラのようだ。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づき、ネオコン系シンクタンクのPNACは2000年に「アメリカ国防の再構築」を発表、01年から始まるジョージ・W・ブッシュ政権はその報告書に基づいて政策を策定。その政策を打ち出す上で好都合な出来事が2001年9月11日に引き起こされたわけである。

 こうしたアメリカの計算を狂わせたのがウラジミル・プーチンにほかならない。西側の支配層はプーチンを権力者に忠実の人物だと判断、エリツィンの後継者と考えていたのだが、ロシアの大統領に就任する頃から別の顔を見せ始めたのだ。「詭道」をプーチンを中心とするグループは使ったと言えるかもしれない。

 この計算間違いを修正しようとアメリカやイギリスの支配層はもがいているのだが、ノード・ストリームの爆破はEUをアメリカに従属させる上で大きな意味を持つ。独立した存在として必要な術を失い、このまま進むと米英の植民地になり、住民は家畜化される。

 COVID-19騒動が起こる前から欧州委員会がEU市民向け「ワクチン・カード/パスポート」を2022年に実現することを予定していた。この予定は狂ったが、デジタル技術を使った管理システムの導入を欧州委員会が決めていたのは、EU市民の家畜化に彼らが協力していたことを示しているのかもしれない。

TWITTER

最終更新日 2022.10.04 00:46:54 』

「核使用すれば黒海艦隊を殲滅」とロシアに警告…プーチン大統領に「二の足」を踏ませるか?

「核使用すれば黒海艦隊を殲滅」とロシアに警告…プーチン大統領に「二の足」を踏ませるか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/46984fa393aa551420875c9b0fb4ed8e5ed5011b

『編入でロシアの核攻撃に口実

FNNプライムオンライン

プーチン大統領がウクライナ4州のロシアへの編入を強行し、この地方の奪回を「ロシアに対する攻撃」と核兵器で反撃する口実を与えることになったが、米国を含む北大西洋条約機構(NATO)諸国は、その場合ロシアの黒海艦隊の殲滅など壊滅的な打撃を与えると警告しているようだ。

【画像】クリミア半島と黒海の位置関係を地図で確認する

米国を訪問していたポーランドの ズビグニェフ・ラウ外相は27日NBCテレビの報道番組「ミートザプレス」に出演し、ロシアのプーチン大統領が核兵器使用も辞さないという態度を示していることについて次のように語った。

「我々の知る限りプーチンは戦術核兵器をウクライナ国内で使用すると脅しており、NATOを攻撃するとは言っていないのでNATO諸国は通常兵器で反撃することになるだろう」

ラウ外相はこうも続けた。

「しかしその反撃は壊滅的なものでなければならない。そして、これはNATOの明確なメッセージとしてロシアに伝達している」

NATO側の壊滅的な反撃とは

これに先立ち、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安全保障問題担当補佐官は25日の「ミートザプレス」に出演し、ロシアが核兵器を使用した場合は「ロシアに破滅的な結果を与える」と言い、これはロシアの当局者との個人的なやりとりを通じてロシア側にはっきりと伝えてあると言明した。

その「壊滅的反撃」や「破滅的な結果」をもたらすものが具体的にどんな作戦なのかは不明だが、それを示唆するような記事が英紙「デイリー・メイル」電子版21日にあった。

「独自取材:プーチンがウクライナで核兵器使用に踏み切った場合、米国はロシアの黒海艦隊やクリミア半島の艦隊司令部に対して壊滅的な報復をするだろう、元米陸軍欧州司令官が警告」

2018年まで米陸軍欧州司令官をしていて、今はシンクタンク欧州政策分析センターの戦略研究の責任者をしているベン・ホッジス退役中将がその人で、「デイリー・メイル」紙のインタビューに次のように語っている。

「プーチンがウクライナで核攻撃を命令する可能性は非常に低いと思う。しかし、もし戦術的な大量破壊兵器が使われたならば、ジョー・バイデン大統領の素早く激しい反撃に見舞われることになるだろう」

その具体的な作戦についてホッジス中将はこうとも言う。

「米国の反撃は核兵器ではないかもしれない。しかしそうであっても極めて破壊的な攻撃になるだろう。例えばロシアの黒海艦隊を殲滅させるとか、クリミア半島のロシアの基地を破壊するようなことだ。だからプーチンや彼の取り巻きたちは米国をこの紛争に巻き込むようなことは避けたいと思うはずだ」

ホッジス中将が米国の作戦を承知していたとは思わないが、米軍の元司令官と現在の作戦立案者が考えることはそうは違わないはずだ。ロシア国内に被害を及ぼさない限りでロシア軍に壊滅的な打撃を与えるためには黒海艦隊を攻撃することは効果的だろう。

ロシアは既に黒海の潜水艦を移動

それを米国がロシア側に警告したかどうかも定かではないが、ロシア海軍は最近クリミア半島のセバストポル基地に駐在させていたキロ級攻撃潜水艦をロシア南部に移動させたと英国国防省が明らかにしていた。黒海艦隊の「虎の子」をまず逃したようにも見える。

プーチン大統領「これはハッタリではない」と豪語していたが、米国やNATOの警告は核兵器使用に二の足を踏ませることができるだろうか。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【表紙デザイン:さいとうひさし】』

バイデン氏「イランに代償科す」 デモ弾圧を非難

バイデン氏「イランに代償科す」 デモ弾圧を非難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040AY0U2A001C2000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は3日の声明で、イランの風紀警察に拘束された女性が死亡した事件に関連し「平和的なデモ参加者に対する暴力的な弾圧が激しくなっているとの報告を深く懸念している」と表明した。「米国は週内に暴力を振るう者にさらなる代償を科す」と断言した。

バイデン氏は「イランの政権は長年にわたって人々の基本的な自由を否定し、威嚇や脅迫、暴力で複数の世代にわたる切望を抑圧してきた」と糾弾した。「我々はイラン当局者に責任をとらせ、イラン市民が自由に抗議できる権利を支援していく」と唱えた。

イランでは9月13日、女性がスカーフで頭髪を十分に隠していなかったとして首都テヘランで拘束された。この女性は16日に死亡し、警察による暴行を疑う市民らが抗議デモを始めた。イランの最高指導者であるハメネイ師は今月3日、抗議デモについて「米国とシオニスト(イスラエル)政権が計画した」と主張していた。

バイデン政権は9月下旬、米企業がイランでインターネットサービスを提供しやすくするための指針を出した。イランは抗議デモを受けてネット規制を強化したとされ、米国がイラン市民の抗議デモを支援する対抗措置を打ち出したと受け取られている。

女性の死亡事件は、米国とイランの核合意の再建協議をいっそう難しくする。最近はイランがウクライナ侵攻を続けるロシアに無人機を提供したり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のアルバニアへサイバー攻撃を実行したりしたとして、米国が反発してきた。

核合意はイランの核開発を制限する国際的な取り決めで2015年にまとまった。米国のトランプ前政権は18年に一方的に破棄を表明し、バイデン政権は復帰に向けた協議を重ねてきたが突破口は見えていない。』

「プーチン氏抑制利かず」 米長官、核使うなと警告

「プーチン氏抑制利かず」 米長官、核使うなと警告
https://nordot.app/949421991110590464?c=302675738515047521

『【ワシントン共同】オースティン米国防長官は2日放映の米CNNテレビの番組で、ウクライナ侵攻を巡り核兵器使用の可能性を示唆するロシアのプーチン大統領について「抑制が利いていない」と危機感を示した。

ロシアのショイグ国防相に対し、核使用に関して「無責任な行動をするな」と警告したことも明らかにした。

 ロシアが核を使用するかどうかはプーチン氏自身が決めるとの認識を示し「ウクライナに侵攻するという無責任な決断をしたように(核使用という)別の決断もし得るが、そのような兆候は見受けられない」と語った。

オースティン米国防長官(ゲッティ=共同)

© 一般社団法人共同通信社 』

動員令で混乱の国内治安と国境、ウクライナ4州併合 ロシア

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:動員令で混乱の国内治安と国境、ウクライナ4州併合 ロシア
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5375652.html

『ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は2022年9月28日、ウクライナ侵攻を巡る部分動員を逃れるためロシアを出国する人が続出する中、市民の不満拡大を懸念する当局が国境での暴動を懸念して閉鎖できずにいると伝えた。プーチン大統領が部分動員を21日に表明後、近隣国に脱出を図る人々の流れが絶えない。

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ジョージアGeorgeと国境を接するロシアの北オセチアNorth Osettia地域では、国境を越えようとする車が15キロほど列をなし、深刻な交通渋滞が起きている。参照記事 記録映像;ロシアからジョージア国境へ向かう膨大な数の車両の列

ロシアの部分的動員令は予備役兵に限定されていたが、63歳の糖尿病の男性や17歳の少年まで招集され、政府は9月26日手違いを認めた。参照記事  過去ブログ:2022年9月ロシア正教会が説く殉教、殺戮への免罪符と他の気になる動き
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ウクライナの情報総局関係者は、「私たちは、一時的被占領下ルハンシク州・ドネツィク州にてほぼ全ての男性住民が動員されたのを目にしている。私たちは、ロシアによる占領下ヘルソン州・ザポリッジャ州Kherson and Zaporizhzhia oblastsの『併合』後には、そこでも動員が発令されると評価している」と発言した。

さらに、ロシアによる戦術核兵器の対ウクライナへの使用の脅威は「非常に高い」との見方を示し、「それを止めるためには、私たちは地対空システムだけでなく、ミサイル防衛システムが必要だ」と発言した。

現在、人数は定かではないが、北東部のリマン(ライマン) Lymanに、DPR,LPRからと思われる部隊が退路、補給路を断たれてウクライナ軍に包囲されて孤立しており、投降にも応じないため、ウクライナ軍が攻撃に出るとの戦況報告がある。点線丸が現在戦闘地域 参照記事
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写真は露軍徴集兵。併合された州に住むウクライナ人の可能性もある。プーチン氏は、部分的な動員の対象者について、従軍経験を持つ予備役のみに限られるとしたほか、これらの予備役を軍務に就かせる前に、追加訓練を受けさせるよう命じており、彼らはいずれも若く、到底予備役兵には見えない。 参照記事 参照記事

552fd6f7-8570-2022年9月30日:

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ヘルソン州とザポリージャ州の「独立」を認める法令に署名し、一方的にロシアへ併合し、2月にはウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州を独立国家として承認しており、これでウクライナの4州がロシア領内の自治共和国扱いとなったが、国際的にはクリミアと同じく未承認。英文記事

ヘルソンとザポリージャの占領地から脱出した住民たちは、現在のところロシア軍が通過を認めている検問所は1カ所のみだとし、その検問所もいつまで開いているのかは分からないと述べる。住民たちが最も心配しているのは、徴集可能年齢の男性も脱出できるのかどうかだとボイコさんは語った。
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ゴロベツさんの家族と共に脱出してきたリュドミラ・サフロノフさん(48)は「圧迫感を感じて去ることを決心した」とし、ヘルソンの学校は来月からロシアの教育課程が導入され、授業もロシア語で行われる予定だと語った。サフロノフさんは、自分の息子にはそのような学校には戻ってほしくないと付け加えた。

 ヘルソン州北部のベリスラフで農業をしていたという30代の男性は「ロシアとの合併のための住民投票のせいで、住民の70%程度が村を去った。電気とガスの供給が途絶え、仕事もできない中で、突然投票が実施された」と述べた。

彼は、占領地を脱出しようとする車列の端が見えないと付け加えた。参照記事 参照記事 過去ブログ:2022年7月ウクライナ人に蘇るホロドモールの記憶 4月ロシア軍の市民虐殺が国際問題化 3月プーチンには良い出口がない。それが本当に怖い・ニューヨーク・タイムズ紙

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米国製兵器のロシア領に対する使用禁止は多連装ロケットシステム「ハイマース」のみに適用され、その他の兵器はすべてロシア領に使用可能となっている。

また、クリミアへの攻撃はウクライナの自衛措置にあたると米国側は判断しており、クリミアにはあらゆる兵器の使用を許可している事から、装備が整い次第、南部ヘルソンkherson近郊、クリミア半島の露軍キャンプに熾烈な攻撃が行われる可能性が高い。

米上院は、2022年12月16日までに1兆8000億円相当のウクライナ追加支援法案を可決している。参照記事、、、、この攻撃が開始されれば、ロシアはロシア領への攻撃として大規模な報復に出る可能性が在り、ウクライナ戦争は、新たなステージに突入する。

米CNNテレビは29日、ロシアで21日に部分的動員令が発令された後、20万人を超えるロシア人が国外に逃れたとのまとめを公表した。

隣国カザフスタンは28日、1週間で約10万人がロシアから流入したと明らかにした。

国境を接するジョージア(グルジア)も、21~26日に少なくとも5万3000人がロシアから越境してきたとしている。欧州連合(EU)の欧州国境・沿岸警備隊は、19~25日に約6万6000人がEU域内に入ったと公表した。

このほか、モンゴルやアルメニアへのロシア人の入国も確認されているという。参照記事』

米空軍が最初にバンカーバスター爆弾を導入したのは1985年であった。

米空軍が最初にバンカーバスター爆弾を導入したのは1985年であった。
https://st2019.site/?p=20377

『David Hambling 記者による2022-9-20記事「The Covert Arms Race Between Bombs and Concrete」。

    イスラエルがイランの地下核工場を破壊するのにバンカーバスターが必要だと考えたのは2005年。米国は2009年にそのリクエストに応えて 重さ5000ポンドの「GBU-28」を与えた。これはそれ以前にイスラエル空軍に売られていた重さ2000ポンドの「GBU-31v3」爆弾の四倍の侵徹力があった。

 いまイスラエルは対米要求をさらに引き上げている。
 「GBU-72」をくれと言っている。5000ポンドだが、さらに貫通力を強化したタイプだ。ただし性能の詳細はまったく外部には漏れていない。

 米空軍が最初にバンカーバスター爆弾を導入したのは1985年であった。通常の投下爆弾(汎用爆弾)よりも弾径を細くし、充填炸薬は少ないが、殻が厚い。

 2000年代の前半、米空軍は、「エグリン・スチール」という、専らバンカーバスターの弾殻に用いる特殊な合金を開発した。「エルウッド・ナショナル鍛造会社」の協力を得て。

 「エグリン鋼」は、炭素含有量が少ない。ニッケルも少ない。タングステン、クロム、マンガン、珪素などの元素をそれぞれ微量に含む。

 ながらく、徹甲爆弾用の金属素材としてこれがスタンダードだっが、近年米空軍は「USAF-96」という番号の特殊鋼を調達し始めた。硬さや靭強性は「エグリン鋼」に等しいが、製造コストがより低く、しかも加工しやすいという。

 防弾チョッキのインサートプレートは「ボロン・カーボン」でできたセラミック。やたらに硬いが、至近距離から射たれたタングステン・チップのライフル弾が当たれば、割れる(タマの前進エネルギーはそのかわりに減殺される)。

 地下施設を空爆から防護するための硬化コンクリートも、セラミックプレートに似ている。それは基本的に、割れ易い。コンクリートはそもそも、粘り強い結合をしておらず、引っ張られる力には弱いのだ。

 最新の強化コンクリートのいくつかは、アルミニウムよりも強い。しかし、比較的に割れ易いという特性は、なくすことができない。

 だが、UHPC=ウルトラ高機能コンクリート の性能向上も目覚しい。すでに「1平方インチあたり4万ポンド」の押し圧に耐えられるものがつくられている。多くは、砂利のかわりに強靭な「金属繊維」「特殊繊維」が混ぜられたコンクリートだ。

 繊維が引っ張り力を担任する。それによって「割れ」に抵抗し、もしヒビが生じても、それが拡大するのを阻止する。

 スチールのウィスカーを考えてみよう。これをセメントにまぜればまぜるほど、コンクリートは強靭になる。ところがしかし、もしも重量にして1%よりも多く、繊維を混ぜ込もうとすれば、その繊維素材が互いにくっついてしまう。まずい現象だ。これが、解決至難な、ハードルなのだ。

 1991年1月、米空軍は察知した。バグダッドの周辺に新しい地下の指揮所が建設されていた。それは厚さ数フィートの耐爆コンクリートで囲まれていて、米空軍が持っている2000ポンドのバンカーバスター弾では貫徹は難しいだろう、と。

 そこで5000ポンドの新型爆弾が開発されたのだ。
 フロリダ州エグリン空軍基地内に「空軍弾薬研究本部」があった。そこが1月18日に相談を受けた。

 とにかく時間が無いため、ありあわせの素材として「203ミリ榴弾砲」の砲身を、爆弾外殻として転用することにした。炸薬充填は手作業であった。弾頭部分だけは、ゼロから製造する必要があった。

 1ヵ月もしないで試作品ができた。それを、橇の上に縛りつけ、水平にロケットで加速させてコンクリート標的にぶつける試験にかけたところ、厚さ20フィート以上を侵徹できると確かめられた。

 2月27日、F-111が2機、この爆弾を1発ずつ、イラクの地下指揮所に投弾。
 6秒後、入り口から煙が出てきたので、中味はあらかた片付いたと推定された。

 2012年、米空軍は、UHPC製の防爆壕を貫徹破壊できる新型爆弾の研究開発プロジェクトをスタートした。米空軍はこのために、かれら独自のUHPCをまず製造する必要があった。「エグリン高強度コンクリート」と呼ぶ。

 前後するが、米空軍は2011年に、重さ3万ポンドという「MOP(大型徹甲)」爆弾を受領している。5000ポンドのバンカーバスターでは貫徹できない目標が現れるのではないか、心配だったのだ。

 ちなみに「空気爆発大型爆弾」略して「MOAB」の全重は2万1000ポンドだから、MOPはそれを凌ぐ横綱サイズである。でかすぎるため、B-2爆撃機だけが、これを運用できる。

 トロントにある「先進マテリアル開発会社」のヴァルタノフ博士いわく。UHPCと徹甲弾の勝負は、徹甲弾が「エグリン・スチール」のような「均質合金」の弾殻素材を使う限りは、UHPCの方に分があり、徹甲弾は負ける運命だ、という。
 (その主張の根拠となる数式を、博士が『Aerospace & Defense Technology』誌の2021-2月号に寄稿している。)

 さいきん、中共の研究所が「GFGC」(段階機能性セメント複合材)を研究していることが明らかにされた。
 それは三層からなる。表層は薄い砂利コンクリートのUHPC。中層は分厚い複合素材繊維入りのUHPC。そして最終層はスチールファイバー入りのUHPCだ。

 最終層は特に引っ張り力を強化してあり、固体中を伝導する衝撃波が起こす「スポーリング」(コンクリートの塊が内側壁から剥離して高速で飛び散る現象)を抑止してしまう。

 中共はすくなくも4年間、すでにこの「重層コンクリート構造」による防空壕設計の研究を続けてきていたようだ。

 英国のシンクタンク「RUSI」に所属しているジャスティン・ブロンクいわく。マッハ5で飛翔するハイパーソニック弾に、タングステンの弾芯を仕込み、炸薬なしでバンカーに突入させれば、それは理想的なバンカーバスターになるだろうと。

 敵の指揮所の地下壕を完全破壊する必要はない。入り口にダメージを与え、通気孔や通信線を遮断するだけでも、目的は達成されると。

 ※究極の地下防爆壕構造は、断面が六角形の「コンクリート製土管」を、巨大な集束ケーブルのように束ねて、それを水平に長~く伸ばして埋めてある構造だと思う。つまりおおきなスペースをまるごと包もうとするのではなくて、おおきなスペースを細長く分割して、敵空軍が狙いをつけられないようにしてしまうのだ。この「土管」の下層、もしくは端縁部の内部は、誰が考えたって無傷で生き残るだろう。米空軍は、コンクリートの床の階数をカウントできる、特殊な徹甲弾用のスマート信管をもっているが、六角形土管が積層されている地下構造物が対象となったら、その信管もまた無力であろう。』

露軍の捕虜になって先日、捕虜交換されたウクライナ兵たちの証言がすさまじい。

露軍の捕虜になって先日、捕虜交換されたウクライナ兵たちの証言がすさまじい。
https://st2019.site/?p=20377

『※雑報によると、露軍の捕虜になって先日、捕虜交換されたウクライナ兵たちの証言がすさまじい。

なんとメシの時間として毎回「30秒」しか与えられなかったという。しかもわざと、カチコチのパンが出てくる。

だから歯を折る者が続出したという。

まったく食事を与えないのでは国際法違反だから、30秒に制限して目一杯の嫌がらせを創意工夫しているわけだ。

自衛隊は「捕虜にされたときの訓練」を、とうぜんながらやっているだろうね? 新メニューとして「30秒メシ」も加えなくちゃいかんぞ。』

10月1日、ドイツ国防省は警報。同国内の「ヴィルトフレッケン」陸軍訓練基地の周辺に、謎のドローンが多数、執拗に飛来していると。

10月1日、ドイツ国防省は警報。同国内の「ヴィルトフレッケン」陸軍訓練基地の周辺に、謎のドローンが多数、執拗に飛来していると。
https://st2019.site/?p=20377

『Boyko Nikolov 記者による2022-10-2記事「Suspicious drones spy the Ukrainian military training in Germany」。

   10月1日、ドイツ国防省は警報。同国内の「ヴィルトフレッケン」陸軍訓練基地の周辺に、謎のドローンが多数、執拗に飛来していると。

 そこではウクライナ兵が「ディンゴ」APCの操縦訓練を受けている。それをロシアのスパイが覗きたがっているらしい。

 スパイは乗用車を兵舎の近くに駐車し、そこからドローンを飛ばしている。』

「T-80BVM」には、「ソスナ-U」という先端的な射撃統制コンピュータがとりつけられる。これはフランスのタレス社の集積回路を使ったものである。

「T-80BVM」には、「ソスナ-U」という先端的な射撃統制コンピュータがとりつけられる。これはフランスのタレス社の集積回路を使ったものである。
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『Defense Express の2022-10-2記事「The russian Army to Receive New T-80BVMs, No Further T-72B3 Upgrade Expected」。

    ウラルヴァゴンザヴォド〔このヴァゴンとはワゴンと語源が同じ。つまり車両の意味〕工場は、近代化改修した「T-80BVM」を、まとまった台数〔おそらくは10両未満で、たぶん7両くらい〕、露軍に納品したと広報した。乗員保護を強化したという。

 「T-80BVM」には、「ソスナ-U」という先端的な射撃統制コンピュータがとりつけられる。これはフランスのタレス社の集積回路を使ったものである。ところでこの「ソスナ-U」は、従来、「T-72B3」にもとりつけられていた。西側から制裁を受ける前は、ウラル戦車工場は毎年、最多で50両の「T-80BVM」と、最多で170両の「T-72B3」を、露軍に納品できた。つまり「ソスナ-U」のついた戦車を露軍は毎年200~250両も受領ができたのである。

 ところがフランスのこうした長年の悪徳がついに世界にバレてしまい、2022-2-24以降は特殊軍用チップをロシアに売り渡せなくされてしまったことから、ウラル戦車工場では、「T-72B3」の近代化工事をあきらめるしかなくなった。乏しい在庫のチップをすべて「T-80BVM」に使うことに決めた模様である。

 かつてドイツは1944-12以降、パンターとティーガーI/IIの新造を絞って、3突と4突の増産に生産資源を集約する路を選ぶしかなかった。同じことが、2022のロシアに今、起きているのである。

 ※雑報によるとフランスは、デンマーク陸軍へ納品するはずだった「カエサル」SP×12両を、ウクライナに贈る。』

ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており…。

ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており…。
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『ストラテジーペイジの2022-10-2記事。

   民間会社の衛星画像を解析していたチームは発見した。ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており、それらをウクライナ国境へ集中させていると。地対地ミサイルがわりに用いようというのである。

 ロシアではとっくのむかしに「S400」という新型SAMができあがっているわけだが、2014のクリミア侵略の結果、西側から制裁をくらったために、ロシア軍にはカネがなくなり、「S300」(NATOコードは「SA-10」)は、ほとんどが更新されずにいまだに現役だ。

 「S300」のアップグレードもなされていない。というのは、「S400」のレンジは「S300」の2倍あり、かつまた、射撃統制ソフトが新式だから、「S400」の1個発射大隊は、「S300」の発射大隊×2個分に相当する。そんな古い「S300」を、いまさらアップグレードする予算などつけていられない。

 それで地対地ミサイルに転用されることになった。

 今日までにすでに500発以上の「S300」が対地攻撃に使われた。しかしさらにまだ7000発くらいは、残っているはずだという。

 露軍が「S300」を地対地ミサイルに転用するテストをしているらしいことは、2022-7月にベラルーシの発表で西側にバレた。

 そもそも「S300」は開発の当初から、対地攻撃にも使えるように考えてあった。そのモードにする場合は、ミサイルの落下直前自爆回路を遮断する。

しかし誘導は、発射車両のレーダーを使うしかなかったから、いくらポテンシャルの水平レンジが150kmあるといっても、それを精密に落とすことはできなかった。

そこでロシアはことし緊急に、GPS誘導回路を組み込んだのだろうと推定されている。
 なお弾頭重量は100~200kgもあるので、着弾するとハイマース以上の大クレーターができる。先日、民間車列を狙った1発の写真はその傍証である。

 ちなみに台湾軍がもっている「ナイキ・ハーキュリーズ」SAMにも、SSMモードがある。もともと1960年代からそういう設計なのだ。

 ※雑報によると、ロシアの退役中将で国会議員のグルレフが糾弾。ザバイカル軍区にて、帳簿上はあるはずの150万着の冬用戦闘服が、どこにも見当たらない、という。』

このたび豪州ダーウィンにローテ駐留していたオスプレイ×2機が、6100海里を洋上飛行してハワイまで戻った。

このたび豪州ダーウィンにローテ駐留していたオスプレイ×2機が、6100海里を洋上飛行してハワイまで戻った。
https://st2019.site/?p=20377

『Kevin Knodell 記者による2022-10-2記事「Marines make 6,100-mile trans-Pacific flight in Ospreys」。

   ハワイに原隊のある、海兵隊の第268チルトローター・スコードロン。このたび豪州ダーウィンにローテ駐留していたオスプレイ×2機が、6100海里を洋上飛行してハワイまで戻った。

 クインズランド州アムバーレイ空軍基地を離陸したのが9-13。2機のMV-22と、空中給油機のKC-130Jが1機で。

 途中、フィジー、米領サモア、キリバチ共和国に立ち寄り、9-18にカネオエ湾の海兵隊基地に帰還。

 キリバチには中共が外交攻勢をかけていて、2019には台湾と断交した。それでアメリカが手配して今年1月には日本がキリバチに新しく大使館を開設すると発表。7月にはカマラ・ハリスも新大使館の開設と新投資を約束した。

 海兵隊のオスプレイは今年の「バリカタン22」演習で、ハワイから比島まで5000海里を飛べることも見せ付けている。

 ※10月の徳間書店さんからの新刊のタイトルが分かりました。『台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』で、アマゾンでは予約可能です。台湾が《Z侵略》されたとき、ウクライナの戦訓はどう活かせるか――を徹底的に論じてあります。乞う御期待。』

グリーンベレーとイラク政府軍が、マーディ・ゲリラのアジトであった屋敷を急襲。

グリーンベレーとイラク政府軍が、マーディ・ゲリラのアジトであった屋敷を急襲。
https://st2019.site/?p=20364

『Paul Szoldra 記者による2022-9-29記事「How disinformation shut down US special operators B.S. can really hurt on the battlefield」。

    2006年3月26日、イラク。
 グリーンベレーとイラク政府軍が、マーディ・ゲリラ(※ イラクの宗教指導者が率いているとされるシーア派民兵組織)のアジトであった屋敷を急襲。捕虜を引きたて、建物内部を検分し、発見した貯蔵弾薬を爆破して、死体はそのままにして、そこから去った。
 ところが、ゲリラはその屋敷に舞い戻り、死体を再配列し、あたかもそこがモスクであったかのようにインテリアも整え、「米軍がモスクを襲撃して無辜の信者多数を虐殺」という絵をスマホで撮影し、世界に大配信したのだ。

 このディスインフォメーションは有効だった。陸軍が部内調査を終えるまで、それから30日間、米軍は特殊部隊による急襲作戦を自粛するしかなかった。

 教訓。特殊部隊の将校は戦闘のプロではあったが、宣伝戦に関してはアマチュアだった。隙だらけだった。

 さいわい、兵隊たちがヘルメットカムを回していたおかげで、嫌疑は晴れている。』

Nストリームの破壊でドイツは壊滅的なダメージを受け、米国にとって絶好の機会

Nストリームの破壊でドイツは壊滅的なダメージを受け、米国にとって絶好の機会 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210030000/

『エネルギー資源と食糧は社会システムを維持する上で重要な物資であり、必然的に戦略の上でも重要な要素になる。ロシアを制圧して世界の覇者になるという長期戦略をアングロ・サクソンの支配者は19世紀から描いているが、そのプランの上でウクライナは重要。その西側、バルト海からアドリア海にいたる地域はかつて「インテルマリウム」、現在は「3SI(三海洋イニシアチブ)」と呼ばれ、戦略上、大きな意味を持つ。

 アメリカ政府(バラク・オバマ政権)は2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権が事実上の軍事クーデターで倒した。そのクーデターで中心的な役割を果たしたのがNATOの軍事訓練を受けたネオ・ナチで、クーデター体制はナチズムの影響を受け続けている。その体制に西側の政府や有力メディアは「民主主義」というタグをつけているが、実態は逆だ。

 クーデターにはいくつかの目的がある。ひとつは西側の巨大資本による利権の獲得。次にNATOの影響下に置くことでロシアへ軍事的な圧力を加え、場合によっては軍事侵攻の拠点にすること。「新バルバロッサ作戦」の開始とも言える。そしてもうひとつがロシアとドイツの分断だ。

 ロシアとドイツを結びつけていた天然ガスを輸送するためのパイプラインがウクライナを通過しているため、ウクライナを制圧することでパイプラインをコントロールしようとしたわけだが、ロシアとドイツはウクライナを迂回するルートも建設していた。ロシアのビボルグからバルト海を南下してドイツのグライフスバルトへつながるノード・ストリーム(NS1)だ。2012年に完成している。

 そして​2015年11月、スウェーデン軍はノード・ストリームの近くで爆発物を装着した無線操縦の無人潜航艇を発見、処理している​。その前年にバラク・オバマ政権はウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行、ウクライナを通過するパイプラインをアメリカが管理できる態勢を整えている。2015年6月にはノード・ストリーム2の建設に向かって動き始めている。このパイプラインは2021年9月に完成するが、アメリカ政府(ジョー・バイデン政権)の妨害で稼働できないまま9月26日から27日にかけての間に破壊された。

 この破壊によってアメリカは絶好の機会を手にすることをアンソニーブリンケン国務長官も認めている。ロシアとドイツとの関係を壊し、潜在的なライバルであるドイツの製造業に致命的なダメージを与えられる。今後、ドイツ企業をアメリカへ移転させる動きが出てくるかもしれない。ドイツを含むヨーロッパはアメリカから高額のエネルギー資源を購入しなければならなくなり、イラクやリビアのようになるかもしれない。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は自国を巨大なイスラエルにしたいと語っている。イスラエルでは先住のアラブ系住民をさまざまな手段で排除し、支配層の政策に合致する人びとを世界中から集めてきた。2014年のクーデター後に破綻国家になったウクライナに見切りをつけて出国する人は少なくないようだが、今後、アメリカやイギリスの巨大資本にとって都合の良い人びとを移住させ、ヨーロッパを支配し、ロシアを攻撃するための拠点にするつもりかもしれない。』