アフガン、民間人死傷者2千人超

アフガン、民間人死傷者2千人超 4月の米軍撤退開始後
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB269ED0W1A720C2000000/

『【イスラマバード=共同】国連アフガニスタン支援団(UNAMA)は26日、アフガン駐留米軍が4月下旬に撤退を始めた後、5月と6月の2カ月間に戦闘などに巻き込まれ死傷した民間人が2392人に上ったとする報告書を発表した。

8月末の米軍撤退完了が迫る中、反政府武装勢力タリバンは力の空白を突いて各地で猛攻を仕掛け、政府軍と激しい戦闘が続いている。米軍によると、全土の約400地区のうちタリバンが200以上を支配下に置いている。UNAMAのデボラ・ライオンズ代表は「暴力を食い止めなければ、今年は前例のない数の民間人が死傷する」と警告した。

UNAMAが同様の統計を取り始めた2009年以降、5、6月の人的被害の規模では最悪となった。

今年上半期の死傷者は5183人(1659人死亡、3524人負傷)で、昨年同期比で47%増加した。タリバンによる死傷者は全体の39%、政府側は25%、過激派組織「イスラム国」(IS)は9%だった。ほかに交戦に巻き込まれた死傷者らがいる。

女性や子ども、医療従事者や少数派のイスラム教シーア派を信仰するハザラ人が巻き込まれる事例も相次ぎ、5月には下校中の女子生徒ら少なくとも85人が死亡、216人が負傷する爆弾テロが起きた。』

米政権が多面外交

米政権が多面外交、閣僚相次ぎアジア訪問 対中にらむ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN271SL0X20C21A7000000/

『【ワシントン=永沢毅】バイデン米政権が「唯一の競争相手」とみなす中国をにらんだ外交を多面的に展開する。ブリンケン国務長官がインド、オースティン国防長官が東南アジアをそれぞれ訪れるほか、ロシアとの高官級軍縮対話も開く。閣僚や高官が同時並行で対中包囲網の構築に取り組む構図が鮮明になる。

オースティン氏はバイデン政権の主要閣僚として初めて東南アジアを訪問した。中国が実効支配を進める南シナ海での領有権問題を巡り、中国の圧力を受けるフィリピンやベトナムを訪れ、支援姿勢を示す。影響力を拡大する中国をけん制する狙いだ。

バイデン政権発足後、日本や韓国、欧州、中東にはバイデン大統領本人を含む高官が訪れたが、対東南アジア諸国連合(ASEAN)はブリンケン氏がオンライン外相会合を開くにとどまっていた。

ブリンケン氏の訪印は初めてで、28日にモディ首相、ジャイシャンカル外相と会う。「バイデン政権は初めからクアッドと米印関係に高い優先順位をおいている」。国務省高官はこう述べ、2国間関係とともに日本、オーストラリアを交えた枠組み「Quad(クアッド)」の協力も推進すると説明した。

クアッドは新型コロナウイルスワクチンの途上国への供給で協力体制にある。インドでの生産増強を米国が支援することなどが柱で、今回も連携を深める方策を話し合う。米国にはワクチン外交で先行する中国に対抗する狙いがある。

18日から26日まで、日本、韓国、モンゴル、中国を訪れていたシャーマン国務副長官は中東のオマーン経由でジュネーブに向かう。28日に米ロ間で核軍縮を話し合う「戦略的安定対話」の初会合に出席するためだ。ロシアのリャブコフ外務次官と協議にあたる。同対話は6月に同じジュネーブでのバイデン政権初の米ロ首脳会談で合意していた。

国務省は「将来の軍縮やリスク提言への地ならしを進める」と開催の目的を説明している。2月に5年延長で合意した米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の後継枠組みを含む幅広い安保問題を話し合うことになる。

米国は中国を含めた軍縮対話を視野に入れる。核・ミサイルを含めて急速な軍拡を進める中国を欠いた軍縮はその脅威を増すだけに終わりかねないためだ。米国が軍縮などでロシアとの接点を探るのは、加速する中ロの接近に一定の歯止めをかけるためでもある。

「米国の一部が中国を仮想敵とみなしている」(中国の王毅国務委員兼外相)。シャーマン氏の26日の訪中であらわになったのは、容易には解消しそうにない米中対立だ。香港や新疆ウイグル自治区、サイバーなどあらゆる問題で王氏らとほぼ全面衝突する結果となった。バイデン政権が各国との関係強化に取り組むのは、対中競争が長期的な課題になるのを見据えた動きだ。

対中シフトは軍事面でも鮮明になっている。「今年の年末までに戦闘任務は終える」。バイデン氏は26日、ホワイトハウスにイラクのカディミ首相を招いてこう宣言した。イラク駐留米軍は約2500人。大半が従事しているイラク治安部隊への訓練や情報提供は継続する。

ただちに大規模な米軍の削減にはつながるわけではない。ただ、今回の宣言は8月末までのアフガニスタン撤収とあわせて中東でのテロ掃討作戦に一定のメドをつけ、中国への対応に注力するバイデン政権の方針に沿う。国務省高官はブリンケン氏の訪印についても、インドに近接するアフガンの安定に向けた協力が重要課題になると指摘する。

【関連記事】
・制裁撤回など是正要求 中国、米国務副長官に
・米、東南ア支援で巻き返し図る ASEANと外相会議
・米中外交トップが電話協議 台湾・人権・コロナ巡り応酬 』

米やブラジルなど21カ国、キューバ政府に非難声明

米やブラジルなど21カ国、キューバ政府に非難声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26CXT0W1A720C2000000/

『【ニューヨーク=外山尚之】米国務省は26日、ブラジルやイスラエル、韓国など20カ国とともにキューバ政府に対する非難声明を発表した。11日にキューバで発生した反政府抗議活動の参加者を逮捕したことに対する措置で、外圧を強める狙いだ。

共同の非難声明には中南米ではコロンビアやエクアドルなど親米の国が参加。欧州からはクロアチアやポーランドなどが名を連ねた。市民の抗議デモを認めないキューバ政府に対し、「すべてのキューバ人に対する、情報の自由な流通を含む、普遍的な権利と自由を尊重することを呼びかける」としている。

バイデン米政権は22日にキューバ国防相や内務省の特殊部隊に経済制裁を科すと発表したばかり。政権交代で対キューバ政策が緩和されるとの見通しもあったが、これまでのところ、トランプ前政権の強硬姿勢を継承している。

【関連記事】キューバで異例の抗議デモ 大統領は火消し』

米軍、年内にイラク戦闘任務を終了へ

米軍、年内にイラク戦闘任務を終了へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26DJM0W1A720C2000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は26日、ホワイトハウスでイラクのカディミ首相と会談した。バイデン氏は会談でイラク駐留米軍の戦闘任務が2021年中に終了すると明らかにした。イラク治安部隊に対する訓練や情報提供に力を入れ、テロとの戦いには関与を続けると強調した。

イラクでは米軍駐留に反対する世論が強まっており、バイデン氏は戦闘任務の終了でカディミ氏に配慮した。米軍は2020年1月、当時のトランプ大統領の指示を受けてイランの司令官をイラクで殺害。米国とイランの戦闘に巻き込まれるとの懸念がイラクで広がった。イラク議会は米軍撤収を求める決議を採択し、米国とイラクの関係が悪化していた。

イラク駐留米軍は21年1月までに約2500人に減った。任務の重点はすでにイラク治安部隊への訓練や情報提供に移っており、戦闘任務終了が大規模な部隊削減にはつながらないとみられる。

米国のオバマ元政権は14年、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を受けてイラク駐留を再開した。バイデン氏は「地域の安定に向けてISとの戦いは重要で、我々の対テロ作戦は続く」と説明した。』

米実質金利、一時過去最低マイナス1.12%

米実質金利、一時過去最低マイナス1.12% 株価下支え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26DDE0W1A720C2000000/

『【ニューヨーク=後藤達也】26日の米金融市場で、名目金利から予想インフレ率を引いた実質金利が過去最低を更新した。足元ではインフレ圧力が高まる一方、米国債の利回りは投資家のカネ余りを背景に低下(価格は上昇)しているからだ。低い実質金利は株価も下支えしている。

物価連動国債の取引から算出する米国の10年債の実質金利は26日、一時マイナス1.12%まで低下し、1月などにつけたマイナス1.11%を初めて下回った。2~3月には景気急回復や米金融緩和の修正観測を背景にマイナス0.5%台まで上昇していた。

景気回復が一服するとの見方から米国債が買われやすく、米10年債の名目金利は1.27%と3月につけた今年の最高水準から0.5%近く下がった。今後10年間の予想インフレ率は2.4%前後で高止まりしており、実質金利のマイナス幅が広がった。

実質金利が下がれば、企業や家計は借金してでも設備投資や住宅購入をした方がいいと判断しやすくなる。株式や金など別の金融資産におカネが流れやすくなる効果もある。米株式市場ではダウ工業株30種平均が26日に史上最高値を更新するなど緩やかな株高が続いている。』

アフガニスタン防衛に自信

アフガニスタン防衛に自信 米大統領と電話会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2412M0U1A720C2000000/

『【イスラマバード、ワシントン=共同】アフガニスタンのガニ大統領は23日、バイデン米大統領と電話会談した。ガニ氏がツイッターで明らかにし、ホワイトハウスも発表した。反政府武装勢力タリバンの猛攻を前に、アフガン政府軍への支援継続をバイデン氏が再確認。ガニ氏は、バイデン氏と共に「政府軍がアフガンを防衛すると確信している」と自信を見せた。

バイデン氏は、政府軍に対し軍事ヘリコプターの供与や弾薬、燃料供給などを通じて支援を強める考えを示した。

一方で、アフガン駐留米軍が撤退を始めた4月下旬以降、攻勢を強めるタリバンの報道担当者は23日、米軍が南部のカンダハル州とヘルマンド州で22日夜に空爆を行ったとして「野蛮な攻撃を強く非難する」との声明を出した。

8月末までの米軍の撤退完了が迫る中、タリバンは全土の約半数の地区を支配下に置いたとされる。和平の先行きは依然見通せないが、ガニ氏は「(電話会談で)アフガンが団結することの重要性を強調した」と明らかにした。

バイデン氏は6月、ガニ氏とホワイトハウスで会談し、米軍撤退後も同国政府を支え続けると改めて強調している。』

〔米軍の世界戦略〕

【基調提起】米軍の世界戦略とアジア太平洋
ピースデポ 梅林宏道
http://www.peace-forum.com/mnforce/061125antibase/3-02.htm

※ 以下の画像は、いろんなところから収集したものだ…。

※ 画像の様子を見ると、wiki辺りのものかとも思うが…。

※ 再検索してみたが、もはやURLも、分からなくなっている…。

※ まあ、画像を拾い集めて、眺めているだけで、何か分かってくるものも、あるだろう…、くらいの調子で…。

※ 出発点は、やはりこのマップか…。

※ いかに米国・米軍と言えども、この「地政学的情勢」だけは、「変更」しようが無いからな…。

※ この図は、けっこう参考になった…。

※ 何とか「有事」にしない「策」が、求められているわけだ…。

※ まあ、文字通り「脅威と紛争のスペクトラム概念図」に過ぎない…。

※ 「思考の整理」には、役に立つが、現実の「策」の企画・立案の役には立たない…。

※ 「概念図」なんて、そんなものだ…。

『●2つの動因

 アジア太平洋における米軍態勢は、朝鮮戦争以来最大(米国防総省、DOD)といわれるほど、大きく変化しつつある。この変化は、直接にはDODが「世界的国防態勢の見直し」(Global Defense Posture Review、GPR) と名づけているものによって引き起こされた。01年9月末、ブッシュ政権によって作成された「4年ごとの国防政策見直し」(01QDR) の中で打ち出された。

この世界的再編には二つの背景があると考えてよい。一つは長期的な「米軍トランスフォーメーション」(US Forces Transformation) の流れである。「米軍トランスフォーメーション」は97年のクリントン政権に作成された97QDRに始まる米国防総省の数10年をかけた取り組みである。もう一つは、ブッシュ政権の始めた「テロとの戦争」から発生している、より短期的な必要性である。イラクに十数万人、アフガニスタンに一万数千人の兵員を予想のつかない長期にわたって展開するにあたって、兵員のやりくりの困難さが、冷戦時代に起源を持つ現在の世界的な配備態勢の問題点を浮き彫りにした。また同時に、これらの戦争は米軍にとって21世紀型戦争の実験場である。GPRは、これらの戦争に直接的に役立つように部隊や基地を再編する現実的要求にもなっている。

第一の長期的な「米軍トランスフォーメーション」とは、テロ、ゲリラ、ミサイル、大量破壊兵器、サイバー攻撃、宇宙戦争など21世紀型の脅威シナリオに対応するための大転換である。ここでは米国が自負するハイテク情報技術(IT)の圧倒的優位を踏まえた「軍事における革命」(RMA)をめざす。この革命は、単に装備・技術の変化のみならず、戦争のあり方、軍組織の形態を根本的に変えて行くものである。軍隊は、「より機敏でより柔軟な軍隊」(ブッシュ大統領)になることが要求される。その具体的な現れの一つは、「統合(ジョイント)の推進」である。「統合」という概念は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊という軍別に築き上げられてきた部隊や作戦のあり方を一つに統合することを意味する。従来の軍別主義は大部隊主義、物量主義の正規戦争と一体のものであった。しかし、複雑化する不規則戦争においては、距離的に離れていても瞬時に情報を共有するITを活かし、各軍の持ち味を柔軟に発揮することのできる「統合軍」が基本型にならなければならないという認識である。

このような考え方の下に、米軍の統合幕僚長会議は「ジョイント・ビジョン2010」(96年7月)、「ジョイント・ビジョン2020」(2000年5月)を策定した。そして、国防総省は「米太平洋軍」と並ぶ地域軍であった「米大西洋軍」を99年に廃止し、「統合部隊軍(ジョイント・フォーシズ・コマンド)」を形成した。02年には「統合部隊軍」は純粋に統合化推進のみを任務とする部隊に純化した。

第二の対テロ戦争の影響については、まず04年8月16日のブッシュ大統領の演説に注目したい。彼は米軍再編の結果「今後も相当量の海外配備を続けるであろうが、今日発表する計画の下では、次の10年にわたり約6~7万人の制服軍人、約10万人の家族および民間従業員が本国に帰されることになるだろう。…軍人たちは、より多くの時間を家庭で過ごし、より予測可能な状態におかれ、より配備転換が少なくなるのである。軍人配偶者たちは仕事を変える必要が少なくなり、より大きな安定を得て、より多くの時間を子どもや家族と過ごすことができるのである。」これは、志願兵制度のなかで、対テロ戦争への兵員供給が困難になった結果の選択である。米本国に多くの部隊を呼び戻し、ドイツ、韓国、沖縄といった配備先からイラク、アフガニスタンに転戦させることからくる不満を解消しようとしている。

さらに、米国防戦略(05年3月)は、この米軍態勢の転換が進行形の戦争を支援するとともに、米軍部隊や基地を防護するためのものでもあることを明らかにした。当然のことながらイラク、アフガニスタンの戦争の必要性が色濃く反映せざるを得ない。』

『●同盟国巻き込みと「蓮の葉」戦略

米軍は、GPRに当たって5つの目標を掲げた(DOD「合衆国の国防戦略」05年3月)。

1.同盟国の役割を強化する。

2.予測不可能な状況に対応できるように軍の柔軟性を高める。

3.配備される地域を超えた役割を担う部隊をめざす。

4.迅速に展開する能力を強化する。

5.数ではなくて能力を重視する。

つまり、全体として米軍は、基地を受け入れている国が米軍の行動を制約せず、米軍自身の判断によって柔軟に、機敏に、基地から戦地へと軍隊を展開できるような基地のネットワークを世界的に張り巡らせることを狙っている。

なかでも、反米軍基地の運動にとって第1番目の目標が重要である。ここには、米軍再編は同盟国と米国との共通の利益のために行われるのであるという「再編イデオロギー」が展開されている。それは利益誘導の手法であるのみならず、恫喝の踏み絵手法でもある。米国の望む世界秩序の形成を、同盟国や友好国政府が主体的に取り組む共通の目標とすることを求め、それを受け入れる「同盟国や友好国が彼ら自身の軍隊、軍事ドクトリン、戦略を近代化するのを助け」、また「彼らと共に軍事能力を転換するような方法を探求」する(ファイス国防次官、当時)という狙いである。

 同盟国の「主体性」(あくまでも米国の自己中心的な意味であるが)を引き出そうとする狙いの中で、ファイス国防次官は「事故やその他の地域感情に根ざして生じるような受け入れ国との摩擦を減らせる」ことに触れた。この点に関しては、ラムズフェルド国防長官は、さらに具体的に「歓迎されないところには基地を置かない」という議会証言を行っている。「部隊は、要求され、歓迎され、必要とされるところに配置すべきである。我が軍のプレゼンスや活動が、地元住民の不快を誘って受け入れ国の苛立ちになっている場合がある。好い例が、韓国の首都ソウルの特等地に我が軍の巨大な司令部が置かれている。これが多くの韓国人の長い間の怒りを買ってきた。」これらの言動は二枚舌であってはならず、反基地運動の中で活用されるべきであろう。

この目標を達成し、同盟国の責任を明らかにしながら自国の負担を軽減するために、米軍は海外基地の概念を次の3種類に整理した。

この考え方は、しばしば「蓮の葉」戦略(リリー・パッド・ストラテジィ)とニックネームで呼ばれている。池に蓮の葉が浮かんでいるように、地球上のさまざまな場所に米軍基地が配置される。カエルが蓮の葉を跳びながら移動するように、それらの基地を跳躍台として、米国は世界中の何処にでも短期間に兵を送り、そこで持久力のある戦争を行えるような世界態勢の構築をめざす。蓮の葉の大きさにしたがって3種類の基地を想定した。

主要作戦基地(MOB=メイン・オペレイティング・ベイス) 常駐部隊が配備された、しっかりとしたインフラをもっている恒久基地。訓練、安保協力、作戦部隊の配備や基地従業員の雇用が可能である。

前進作戦地(FOS=フォワード・オペレイティング・サイト) より簡素な基地で、ローテーションの作戦部隊を配置する。必要に応じて拡大使用ができる。しばしば装備を事前集積する場所があり、そのための少人数支援部隊が常駐する。

安保協力地点(CSL=コーペラティブ・セキュリティ・ロケーション)さらに簡素な基地で、短い通告で使用可能な一定の軍事活動を支援する。不測の事態におけるアクセス、兵站支援、ローテーション作戦部隊の一時使用などに使われる。通常、常駐人員はゼロか少数である。

DODは、このように基地機能についてメリハリをつけ、大型の「主要作戦基地」の数を減らし、機動性のある基地ネットワークを再構築しようとしている。』

『●グローバル・ストライク、ミサイル防衛と朝鮮半島

アジア太平洋の米軍態勢の変化をみるときに、米戦略の新しい三本柱(トライアド)についても述べておく必要がある。三本柱の一つ目は、ブッシュ政権の先制攻撃論と密接に関係しているグローバル・ストライク(地球規模の長距離・精密攻撃)を中心とし、二つ目はミサイル防衛を中心とする。三つ目はこれらの能力を危機に即応して拡大できるようなインフラストラクチャーの維持である。03年1月に出された大統領指令(秘密文書)によると、グローバル・ストライクの定義は次のようなものであり、核兵器・通常兵器の両方を含む攻撃である。

 「戦域や国家の目的のために、迅速で、長距離の射程を持ち、精密な、力学的効果(核及び通常兵器)及び非力学的効果(宇宙や情報の諸要素)を生み出す能力。」

 グローバル・ストライクの場合もミサイル防衛の場合も、朝鮮半島危機を口実として急速に実戦配備されている。

 グローバル・ストライクを任務とする新司令部「宇宙及びグローバル・ストライク(SGS)統合機能部門司令部(JFCC)」は、米戦略軍の中に05年1月に設立され、同8月9日に任務を開始し、同11月18日に初期作戦能力(IOC)を達成したと発表された。その初期作戦能力の達成は、「グローバル稲妻」(05年11月1日~10日)というコードネームをもつ演習によってグローバル・ストライクのIOCを達成したが、その演習は北朝鮮への核兵器攻撃を伴うシナリオをもった演習であった。

 また、ブッシュ政権は、技術的に未完成であるにもかかわらず04年10月からミサイル防衛の初期配備を開始したが、その中心は対北朝鮮のミサイル防衛であった。第7艦隊のイージス艦(母港:横須賀)による日本海パトロール、韓国へのパトリオット配備が実行された。日本政府は、この機会を利用して一気に自国のミサイル防衛を推し進め、米国との共同体制の構築を目指している。』

『●各地の動き

GPRの結果、ヨーロッパ10万人、アジア太平洋10万人、計20万人といわれた海外配備の米軍(イラク戦争、アフガニスタン戦争を除く)は、計13万人となり、ヨーロッパ5.5万人、アジア太平洋7.5万人(グアムを含む)とアジア太平洋の比重が極めて大きくなろうとしている。

ドイツを中心としたヨーロッパの陸軍の大規模削減、ブルガリアやルーマニアで初めて旧東側ブロックに上述のFOSである米軍基地が置かれるなど重要な変化があるが、ここではアジア・太平洋における注目すべき変化を概観しておく。

日本では3年間にわたる日米協議の結果、3つの重要文書に合意した。外見上は、憲法や日米安保条約の条文や解釈を変更しなかったが、実質は米戦略にそって「日米同盟」を変質された。平時からの司令部レベルの一体化が実行されるように、キャンプ座間(対テロ戦争)、横田(ミサイル防衛、共同統合作戦)に自衛隊と米軍の同居が行われる。沖縄では、数の多少の削減と引き替えに基地恒久化が目指される。

韓国では、12500人の削減と引き替えに、在韓米軍の「戦略的柔軟性」が基本合意(06年1月共同声明)され、ピョンテクに住民を弾圧して大基地が建設されようとしている。

オーストラリアではノーザン・テリトリーに米豪統合合同訓練センターを設置することが合意され新しい訓練基地として強化されるとともに、通信・情報基地としてグロ-バル・ストライクやミサイル防衛を支援する。海兵隊訓練基地の建設も計画されている。

フィリピンでは、「訪問軍協定(VFA)」とそれを補う02年の相互兵站支援協定(MLSA)が今日の米軍再編の概念を先取りしており、事実上の対テロ戦争の前進基地であるFOSとして機能している。それに加えて、米軍指導によるフィリピン国軍の強化が進行している。

「蓮の葉」戦略のなかで、米施政下のグアムの戦略的価値が見直され、グアムは目を見張る変貌をとげつつある。グローバル・ストライクの前進ハブとして空爆撃基地として復活するとともに、原子力潜水艦基地、海兵隊基地となろうとしている。沖縄海兵隊の8000人を含め、人員は現在の3倍の21000人に膨れあがるという予測もある。

シンガポールは米国との間に戦略的枠組み合意に署名し(05年7月)、CSLとしての任務を強化・拡大した。その現れの一つは、アジアで初めてのPSI(拡散防止イニシャチブ)の合同・統合演習を実行したことである(05年8月)。

インドと米国は新しい同盟関係に入った。05年6月に対テロ戦争における協力を約束した「防衛関係における新しい枠組み」文書に閣僚レベルで署名した。ミサイル防衛、宇宙計画など広範囲に及ぶ協力関係が進行している。インドの核保有を事実上容認し、NPT体制の根幹を崩すとして批判の的になっている米印原子力協定の追求は、新しい米印関係を象徴するものである。

中央アジアにおいては、米国はアフガニスタンのカルザイ政権との間で「戦略的パートナーシップ」に署名し(05年5月)、バグラム空軍基地など軍事拠点の自由使用の権利を獲得した。ウズベキスタンの基地使用は拒否された。キルギスとはかろうじてFOSを確保する協定に調印することができた(05年10月)。しかし、中央アジアにおいては上海協力機構と米国との覇権争いが発生している。

 GPRによる米軍再編は多くの場所で強い反対運動に直面している。この国際集会において、主権、人権、環境などさまざまな側面から、その反民衆的本質が暴露され、世界的な連帯と共同闘争が生まれることを期待する。(終わり)』

〔米比相互防衛条約〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E6%AF%94%E7%9B%B8%E4%BA%92%E9%98%B2%E8%A1%9B%E6%9D%A1%E7%B4%84

『米比相互防衛条約(べいひそうごぼうえいじょうやく)は、アメリカ合衆国とフィリピンの間で結ばれた相互防衛のための安全保障条約。

1951年8月調印・有効期間は無期限となっている。』

『設立

ヨーロッパでソビエト連邦の影響力が増し、米ソ対立の冷戦構造が深まる中、1949年に共産主義の中華人民共和国が成立したことに伴い、アジア諸国が立て続けに共産化するのではといったドミノ理論が湧き起った。

1950年に朝鮮戦争の勃発により冷戦構造がいよいよ激化し、アメリカはアジアにおいても共産主義の封じ込めを図る必要に迫られた。1946年まで植民地として支配していたフィリピンと、既に1947年に米比軍事基地協定及び米比軍事援助協定を締結して[1]アメリカ軍が駐留していたが、正式に相互防衛条約を結ぶことで、西部太平洋における安全保障の一角を担わせることとした。

なお1954年から1977年にかけては、反共主義の集団防衛機構として東南アジア条約機構も設置されていた。』

『冷戦から対テロ戦争・対中警戒へ

この体制は1989年の冷戦終結から1991年12月のソビエト連邦の崩壊によって見直しが図られる。緊張緩和によるアメリカ軍兵力の削減と、1991年のピナトゥボ山大噴火によって基地が被災したこともあり、基地協定は期限延長されず、両政府間で在比米軍の撤退が決定した[1]。まずクラーク空軍基地から撤収を始め、1992年にスービック海軍基地からも撤収し、フィリピンにおけるアメリカの軍事的な影響は著しく減少した。またアメリカのビル・クリントン大統領が軍事費削減を政策としたため、1995年以降米比共同軍事演習が取りやめとなった(後に再開・後述)。

ところが、このアメリカ軍撤収の直後から南シナ海で中国と東南アジア各国が領有を主張する南沙諸島(スプラトリー諸島)において中国人民解放軍の活動が活発化し、フィリピンが領有権を主張する環礁(ミスチーフ礁)を占領して建造物を構築した。またアメリカ軍・アメリカ政権内でも中国脅威論が唱えられ始め、1998年に「訪問米軍に関する地位協定」が締結され[1]、1999年に共同軍事演習を再開した。

2001年9月にアメリカ同時多発テロ事件が発生すると、同年1月に就任したフィリピンのグロリア・アロヨ大統領はクラーク・スービック両基地の再使用を承認し、アメリカの対テロ戦争に協力した。また2000年半ばからマニラなどで頻発していた爆弾テロをイスラム原理主義過激派「アブ・サヤフ」による犯行と見ていたアロヨは軍による掃討作戦を行っていたが、アメリカ軍もこれに参加して陸軍特殊部隊などがミンダナオ島などで軍事活動を行っている。

南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設などに対抗して、米比両国は2016年3月にアメリカ軍がフィリピン国内の5基地を利用する協定を結んだ。パラワン島のアントニオ・バウティスタ空軍基地、ルソン島のバサ基地やフォート・マグサイサイ基地などが対象である[2]。

2017年5月にフィリピン軍はミンダナオ島マラウィ市にてアブ・サヤフと交戦状態になった。フィリピン政府はアメリカに対して支援を要請し、アメリカの特殊部隊がフィリピン軍を支援した[3]。

「マラウィの戦い」も参照』

米国防長官、比大統領と会談へ

米国防長官、比大統領と会談へ 軍事協定存続を直接協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN230SS0T20C21A7000000/

『【ワシントン=中村亮、マニラ=志賀優一】オースティン米国防長官は23日、東南アジア歴訪へ出発する。フィリピンでは米国と距離を置くドゥテルテ大統領と会談する見通しで、同盟関係の土台である軍事協定の存続について直接協議する。両国の関係修復は、対中国包囲網の構築を目指すバイデン政権の戦略の試金石にもなる。

オースティン氏はシンガポールとベトナム、フィリピンを回る。オースティン氏は21日の記者会見で歴訪を通じて「米国が信頼できるパートナーであることを示す」と強調した。南シナ海の実効支配を着々と進める中国をめぐり「新たな形の侵攻や抑圧に対し、我々の能力をどのように近代化するかについて各国と協議する」と説明し、防衛協力の強化に意欲を示した。

27日にはシンガポールで英国の国際戦略研究所(IISS)が主催するイベントで、インド太平洋戦略について演説する。

歴訪の焦点はフィリピンとの同盟修復だ。ドゥテルテ氏は2020年2月、米国と結んでいる「訪問軍地位協定(VFA)」を一方的に破棄する方針を示した。VFAは米兵のフィリピン国内での法的地位を定めた取り決めで、破棄すれば軍事同盟の維持が困難になるとの見方が多い。

両国は交渉を重ねてきたものの最終決定の先送りが続く。仮に破棄すれば南シナ海をめぐり中国に対する抑止力が低下することにもなる。ドゥテルテ氏は反米姿勢を示しており、米国が望むVFA存続には同氏の説得がカギになる。

フィリピンのホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米大使は日本経済新聞のインタビューで、ドゥテルテ氏がオースティン氏と会談すると明らかにした。

フィリピンのホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米大使は「経済面で中国と協力を目指す」と語った(20日、ワシントン)
VFA存続に向けて「(事務レベルで)米国といくつかの合意に達しており、ドゥテルテ大統領に提示した」と説明した。ドゥテルテ氏はVFAをめぐり罪を犯した米兵の扱いなどに関する規定が不公平だと不満を持っているとされ、米国がドゥテルテ氏の要望に応じている可能性がある。

ロムアルデス氏は「仮にVFAについて問題が残るとしてもそれはささいなものであると確信している」と語り、VFA存続に楽観的な見方を示した。会談を通じ「米国とフィリピンの関係が強力かつ安定的であることを示す」とも述べた。

ドゥテルテ氏自身がVFAを巡り米側と交渉に意欲を示していることから、ロレンザーナ比国防相も21日「ドゥテルテ氏のもとで(VFA存続が)サインされると信じ、自信も抱いている」と発言した。

ドゥテルテ政権は中国との良好な関係も目指している。ロムアルデス氏は南シナ海の領有権をめぐって中国と多くの対立点があると指摘しつつ「だれも衝突を望んでいない」と述べた。バイデン米大統領が対立関係にあるロシアのプーチン大統領と会談したことを引き合いに「各国は他国と対話する方策を探っている」と語り、フィリピンも中国との対話を続けていくとした。「特に経済面で中国と協力を目指す」と述べた。

オースティン氏はバイデン政権で東南アジアを訪れる初めての主要閣僚となる。バイデン政権は発足後6カ月間で欧州のほか、日本や韓国、インドとの関係修復に注力し、東南アジア外交は後回しになっていた。米国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は7月上旬、米シンクタンクのイベントで「効果的なアジア戦略を実行するために東南アジアでやるべきことがたくさんある」と語った。

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NYダウ最高値、初の3万5000ドル台 企業業績に期待

NYダウ最高値、初の3万5000ドル台 企業業績に期待
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN235KT0T20C21A7000000/

『【ニューヨーク=後藤達也】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値で初めて3万5000ドル台を付けた。米企業収益の拡大期待が強まる中で、潤沢なマネーが金融市場に向かう構図が続いている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で景気への懸念もある。19日には株価が急落しており不安定な値動きが続いている。

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23日の終値は前日比238ドル(0.68%)高の3万5061ドル。ビザやマクドナルド、アップルなど幅広い銘柄の上昇が目立った。IT(情報技術)株の多いナスダック総合指数や米大型株全体の値動きを映すS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。

今週から本格化した4~6月期の米企業決算が市場心理を明るくしている。22日の取引終了後に好決算を発表したツイッターの株は23日に3%上昇した。主要企業の利益が市場予想を上回る例が多く、来週に決算発表を控えるアップルやマイクロソフトへの期待も高まっている。

ただ、ダウは2020年末からの上昇率が14%を超えており、高値警戒感も残る。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)は米国でも感染が急増しており、景気の先行きには警戒もある。ゴールドマン・サックスのクリスチャン・ミュラーグリスマン氏は「経済成長への悲観論がくすぶり、当面は株価がさらに調整する可能性がある」と指摘する。

年明け以降の株高を支えてきた経済対策への不安も出ている。米連邦政府の債務上限の一時適用停止は7月末に期限切れとなる。対応を巡って与野党で溝があり、今後一部の政府サービスが滞るリスクも意識されている。米連邦準備理事会(FRB)は27~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入の減額の議論を進める見通しだ。

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米ロ、28日に戦略安定対話 スイス・ジュネーブで開催

米ロ、28日に戦略安定対話 スイス・ジュネーブで開催
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2402X0U1A720C2000000/

『【ワシントン、モスクワ=共同】米国務省とロシア外務省は23日、6月の米ロ首脳会談で合意した両国間で核軍縮などを話し合う「戦略的安定対話」を28日にスイス・ジュネーブで開催すると発表した。同対話の実施は初めて。米側からシャーマン国務副長官、ロシア側からリャプコフ外務次官が出席する。

国務省は声明で、対話開催についてバイデン米大統領とロシアのプーチン大統領の合意に基づき「米ロ間で将来的な軍縮やリスク軽減に向けた下地をつくる」のが目的だと強調した。

バイデン、プーチン両氏は首脳会談時の共同声明で「核戦争に勝者はなく、決して行われてはならない」との1985年に当時の米ロ首脳会談でうたわれた原則を守ると約束。対話では、2月に5年間延長した米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の将来像を協議し、条約対象外の兵器にも議論を広げる構え。

バイデン政権はロシアを中国と共に「専制主義」と位置付け、民主主義国家で結束して対抗する姿勢を示しているが、核軍縮や気候変動など地球規模の課題では対話する意向を示している。』

米航空大手、コロナ下初の黒字 4~6月純利益260億円

米航空大手、コロナ下初の黒字 4~6月純利益260億円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN224OV0S1A720C2000000/

『【ニューヨーク=大島有美子】米航空大手の業績が急回復している。22日に出そろったアメリカン航空など大手3社の2021年4~6月期決算は、合計の純利益が2億3700万ドル(約260億円、前年同期は94億ドルの最終赤字)と、新型コロナウイルス下に入った20年1~3月期以降で初めて黒字になった。ワクチン普及で米国内線の需要増が回復をけん引した。変異ウイルスの拡大が懸念されるなか、国際線や法人需要の動向が持続的な回復の焦点となる。

最終損益で黒字だったのはアメリカンとデルタ航空の2社。ユナイテッド航空は最終赤字だったが、赤字幅はコロナ下で最も小さく7~9月期の黒字転換を見込む。22日に発表したアメリカンの純利益は1900万ドル(前年同期は20億ドルの最終赤字)だった。

業績の底となった20年7~9月期には3社合計の赤字額が100億ドル近くに達した。今年4月時点の市場予想では21年後半まで赤字が続く見通しだったが、予想より早く黒字に浮上した。

「パンデミック(世界的大流行)が始まって以来の猛烈な需要回復がみられた」。アメリカンのダグ・パーカー最高経営責任者(CEO)は黒字確保の要因をこう説明した。21年4~6月の売上高は前年同期比4.6倍の74億ドルだった。3社合計の売上高は4.4倍の200億ドル。21年1~3月からは76%増の急回復ぶりだ。

けん引役は「19年の同時期を上回る米国内の観光需要と法人需要の持ち直し」(デルタのエド・バスティアンCEO)だ。アメリカンでは今年3月に19年の20%にとどまった米国内の法人需要が6月には45%に上昇した。コロナ下で在宅勤務が中心だった企業の多くがオフィス勤務や出張を再開しており、これまでの慎重な見方を転換。「22年には完全に回復する」(アメリカン幹部)との見通しも出た。ユナイテッドは「夏の終わりと、年始めの22年1月が回復の節目になる」と期待する。

米運輸保安局(TSA)によると米国内空港の保安検査所の通過人数は7月に入り、7日移動平均で前年比2割減の水準まで回復した。ユナイテッドは旅客不足で貨物専用に回していた便の大半を21年中に旅客向けに戻す。

決算発表で各社は財務の健全性も強調した。前年同期は3社合計で1日当たり1億ドル近くの現金流出が続いていたが、3社とも純現金収支が黒字に転換した。現金などの手元資金も4~6月は1~3月から1割増え621億ドルとなった。

アメリカンは収入回復の持続を見込み、逆風下で巨額の手元資金を積み上げる必要性は薄れたと判断。6月末で213億ドルを抱える手元資金は22年に、コロナ前と同水準の100億~120億ドルまで減らす方針だ。一方、25年までの負債削減の目標額は従来の80億~100億ドルから150億ドルに引き上げ、財務の立て直しを急ぐ。

今後懸念されるのがインド型(デルタ型)など変異ウイルスのまん延と、人手不足などに伴う費用負担だ。

「フライトを終え、法定休息時間を過ぎた途端に次のフライトの電話がかかってくる」。コロナ下での無給休暇を終え、現場に復帰したある大手航空会社の客室乗務員は人手不足を実感している。米労働省によると航空業界の雇用者数は6月時点で43万人と、コロナ前の約8割にとどまったままだ。

デルタ幹部は「取引先から備品や食材などの値上げ要請を受けている」と明かす。需要増に人手が追いつかず6月に数百便をキャンセルしたアメリカンは、22年にかけてパイロットを1300人超、乗務員を800人新規で採用する。

変異ウイルスの拡大に対して各社は「キャンセルは生じていない」(ユナイテッド幹部)、「陽性率上昇に伴う予約の鈍化はない」(アメリカン幹部)という。ユナイテッドの調査ではマイレージ会員の84%が6月末時点でワクチン接種を終えており、ワクチン普及が需要を下支えするとの見方だ。

ただ米証券スティーフル・フィナンシャルのジョセフ・デナルディ氏は変異ウイルスのまん延によって「渡航制限の延長や新たな制限措置が設けられ、国際線の回復を遅らせる可能性がある」と指摘する。ユナイテッドは最も回復が遅いアジア路線について「コロナ前の運航に戻るのは早くても23年になる」としており、「コロナ前の利益水準を取り戻すにはまだ坂道を上らないといけない」(スコット・カービーCEO)。

JPモルガンのジェイミー・ベーカー氏は、米アップルのオフィス再開が9月より遅れると報じられたことに触れ「オフィス再開の遅れで法人需要の回復が鈍る恐れがある」とみる。夏の旅行需要は前年のリベンジ消費の色合いが強い。今後の回復は、政府の渡航制限や企業の指針に左右されることになる。

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米失業保険申請、41.9万人 約2カ月ぶり高水準

米失業保険申請、41.9万人 約2カ月ぶり高水準
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19DN90Z10C21A7000000/

『【ワシントン=長沼亜紀】米労働省が22日発表した失業保険統計(季節調整済み)によると、11~17日の週間の新規失業保険申請件数は41万9000件で、前月の改定値から5万1000件増えた。2週ぶりの増加で、5月上旬以来約2カ月ぶりの高水準となり、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(35万件程度)を大幅に上回った。

一方、失業保険の総受給者数は4~10日の週は323万6000件で前週の改定値から2万9000件減り、新型コロナウイルス感染が本格化した2020年3月以降の最低水準を更新した。

経済再開が進み、労働市場は改善しており、業種や地域によって人手不足が問題となっている。このため20州以上が、コロナ対策で実施していた失業給付の積み増しや対象・期間の拡大といった特例を打ち切り始めた。

6月27日~7月3日の週は、すでに打ち切ったアラバマ州などに加え、人口が多く受給者も多いテキサス州やジョージア州などでも打ち切りが始まったため、全体の特例措置による受給者数は約926万9000人(季節調整前)で約112万9000人減と大きく減少した。』

米オピオイド訴訟、2.9兆円で和解案

米オピオイド訴訟、2.9兆円で和解案 企業と自治体
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21F610R20C21A7000000/

『【ニューヨーク=西邨紘子】医療用麻薬「オピオイド」を含む鎮痛剤の中毒問題の訴訟をめぐり、ニューヨーク州などの司法長官は21日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と医薬品卸・流通大手3社が最大260億ドル(約2兆9000億円)を各州や自治体に支払う和解案を公表した。

和解案によると、米医薬品卸のカーディナル・ヘルス、アメリソースバーゲン、マッケソンの3社が210億ドルを18年かけて支払い、J&Jが50億ドルを9年かけて支払う。ニューヨーク州がすでに4社と合意していた総額125億ドルの和解金は、今回の支払いに組み入れられる。

支払金はオピオイド中毒患者の治療や回復の支援、中毒防止活動の資金などに充てられる。和解案は医薬品卸各社への受注や流通の透明性を高める第三者組織を設立するとの条件も含む。

J&Jなど4社は、他にも数多くの州や自治体が起こした訴訟に直面する。今回の和解案は、4社を同じく訴えている他の州や自治体が一定数、合意に加わることが条件になっている。今後、この和解案に同意する州や自治体が少なければ、企業側が合意を撤回する可能性もあるという。

米メディアによると、これまでにニューヨーク、コネティカット、ペンシルベニア、デラウェア、テネシー、ノースカロライナ、ルイジアナの7州が同案による和解で合意している。

オピオイド系鎮痛剤は従来薬に比べ依存症の危険が少ないとして1990年代に売り出され、使用が急速に拡大した。だがその後、乱用による中毒問題が深刻になった。オピオイド系の中毒による死者数は99年から2019年に計50万人近くに達した。

オピオイド系鎮痛剤を巡っては、危険性の周知を怠ったなどとして製薬各社の責任を問う訴訟が全米で相次ぎ起きた。医薬品の流通各社も特定の薬局からの大量受注など乱用が疑われる「不審な処方」について当局への報告義務をおろそかにしたとして訴えられていた。』

米超党派インフラ法案、審議入りいったん否決 再調整へ

米超党派インフラ法案、審議入りいったん否決 再調整へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21F360R20C21A7000000/

『【ワシントン=大越匡洋】米議会上院は21日、8年で1.2兆ドル(約130兆円)を投じる超党派のインフラ投資法案の即時審議入りを問う動議を否決した。法案の詳細が詰まっていないとして共和党が反対し、賛成に必要な60票に届かなかった。上院民主党は8月の休会前の可決をめざし、審議入り日程を再調整する。

インフラ投資はバイデン大統領の経済分野の看板政策の一つ。バイデン政権は6月、超党派グループとインフラ投資法案の大枠で合意した。予算配分が決まっている修繕費などを除く新規の財政支出は6000億ドル弱を見込む。

共和党は増税に反対し、バイデン政権は企業と個人富裕層以外の負担増に反対している。このため財源は新型コロナウイルス対策の未使用資金などから捻出する考え。超党派グループは今回の動議否決後も法案の詰めに向けた協議を続ける。

上院民主党トップのシューマー院内総務は超党派インフラ投資法案と並行し、子育て・教育支援、気候変動対策などに10年で3.5兆ドルを投じる予算決議案の民主単独での可決をめざしている。

8月の休会前の両案可決を確実にするとともに、民主党内の各議員の動向を瀬踏みするため、即時審議入りを問う投票を設定した。動議がいったん否決され、審議日程は一段と窮屈となる。

上院は民主、共和両党が50議席ずつで勢力が拮抗している。一般的に法案可決にはフィリバスター(議事妨害)阻止のため60票の確保が必要となる。上院民主は3.5兆ドル案について単独過半数での可決に道を開く「財政調整措置」の対象とする方針。

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米独、ガス計画めぐる対立に終止符 ウクライナ支援合意

米独、ガス計画めぐる対立に終止符 ウクライナ支援合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2215F0S1A720C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米国とドイツの両政府は21日、ドイツとロシアを結ぶパイプライン計画(ノルドストリーム2)に関する共同声明を発表した。米国が計画を事実上容認する一方、ロシアの影響力が増すと警戒するウクライナに対し、ドイツがエネルギー支援を行うことで合意した。米独は計画をめぐる長年の対立に終止符を打った。

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ノルドストリーム2はバルト海を通って独ロを直接結ぶ全長1200キロメートルのガスパイプライン計画。ウクライナや東欧はロシアへのエネルギー依存度を高めればロシアがガス供給停止をちらつかせて欧州を威圧すると懸念してきた。

ロシアから欧州向けのガス供給をめぐっては、ウクライナを経由するパイプラインがある。ウクライナを迂回するノルドストリーム2によってロシアはドイツなどに対するガス供給を継続しつつ、ウクライナ向けのガスを停止しやすくなる。

ウクライナはエネルギー安全保障が脅かされると懸念してきた。ウクライナは自国のパイプラインを通るガスが減り、通過料収入が少なくなることも反対の理由に挙げてきた。

米独は共同声明で、2024年に期限が切れるウクライナとロシアのガス輸送協定を10年間延長することを支持すると表明した。ドイツはウクライナのエネルギー調達の多様化などに資金を支援する。

ロシアがウクライナ向けのガス供給を停止する場合に備え、ウクライナのロシアへのエネルギー依存度を下げる狙いがある。ロシアがガス供給停止を盾にウクライナへ圧力をかけた場合、ドイツが制裁措置を講じることでも合意した。

ドイツのメルケル首相は21日、ロシアのプーチン大統領と電話し、ノルドスリーム2について協議した。ガス供給をめぐりウクライナに圧力をかけないよう要求したとみられる。米ホワイトハウスは21日、バイデン大統領が8月30日にウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談すると発表した。ロシアの脅威にさらされるウクライナへの支援を印象づける狙いがある。

歴代の米政権はノルドストリーム2に反対してきたが、バイデン氏は21日にケンタッキー州の空港で記者団に対し、ノルドストリーム2について「99%完成した」と指摘。制裁を科しても建設を阻止できないとの見方を強調した。バイデン氏は5月、ノルドストリーム2の事業会社やその最高経営責任者(CEO)に制裁を科さない方針を決めて建設完了を容認していたが、ドイツに対してウクライナや東欧の懸念を和らげる政策を講じるよう求めていた。

トランプ前政権下で米独同盟が揺らいだことを踏まえ、バイデン政権はドイツとの関係改善を重視している。バイデン氏は7月中旬には退任間際のドイツのメルケル氏を欧州首脳として初めてホワイトハウスに招いていた。欧州へのガス輸出拡大を目指すロシアに配慮し、米ロ関係の改善につなげる思惑も透ける。

ノルドストリーム2に対して米議会では反発が強い。バイデン氏が率いる与党・民主党のジャンヌ・シャヒーン上院議員は21日の声明で「米独合意によって欧州の同盟国を十分に安心させることができるとの確信は持てない」と懸念を示した。共和党のテッド・クルーズ上院議員も米国がノルドストリーム2の建設完了を認めることについて「プーチン氏の勝利であり、米国や同盟国にとって大惨事だ」と批判していた。』

トランプ氏の威光と暗影 米共和党はどこへ向かうのか

トランプ氏の威光と暗影 米共和党はどこへ向かうのか
本社コメンテーター 菅野幹雄
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160E30W1A710C2000000/

『1月6日の連邦議会襲撃事件で厳戒下にあったバイデン米大統領の就任式から半年。1年3カ月後の米中間選挙を控え、ホワイトハウスと上下両院の優位を失った共和党で、トランプ前大統領が活動を再開した。共和党はどこに向かうのかを探ろうと、フロリダ州サラソータの集会を訪ねた。

今月3日、屋外会場は6時間前から数千人規模の聴衆で埋まった。激しいスコールを物ともせず、びしょぬれで主役を待つ支持者たち。取材した全員が「2020年の大統領選は不正」と答えた。

「私はダイ・ハード(屈強)なトランプファン」。そう語るサンフランシスコ在住のエリザベス・キロスさんは「24年? とんでもない。今にも選挙が覆りトランプ氏が返り咲くわ」と声を弾ませる。近郊に住むデービッド・クライトン氏は「性格は破滅しているが言ったことは全部実行する。こんな人物は初めてだ」と激賞する。

「今の政権は5カ月で我々が積み上げた成果を襲撃した」。トランプ氏は演台につくやいなや、バイデン攻撃を始めた。「あれは本当にジョー本人なのか。誰か知ってる?」と小ばかにして笑いを集める。移民急増やガソリン高を失策だと非難する一方で、「共和党には新しいリーダーが必要だ」と上院トップのマコネル院内総務の退陣を求めた。選挙結果の転覆を企てたトランプ氏と、それを非難したマコネル氏は絶縁状態だ。

トランプ氏の威光、党内を照らす

毒づくトランプ氏の人気は衰えない。保守政治活動会議(CPAC)が集会で実施した非公式の調査で、24年の大統領選でのトランプ氏の出馬を70%が支持した。

前大統領は中間選挙の党候補を決める予備選で、意に沿わない者を追い出す荒技に出ている。

大統領選の集計後、バイデン氏との差を逆転するための「票を見つけろ」という要求を拒んだジョージア州の州務長官に、トランプ氏は改選阻止の「刺客候補」をぶつけた。選挙不正を否定する共和党議員には「RINO(名ばかりの共和党員という略語)」とレッテルを貼る。人気と資金力を盾にした同氏の「威光」は、党内をトランプ色に照らしている。

新大統領が就任した翌年の中間選挙では、ホワイトハウスを逃した野党側が議会の議席を伸ばす例がほとんどだ。共和党ストラテジストのマーク・ウィーバー氏は、トランプ効果が共和党を一段と有利に導くと読んでいる。「共和党の柱となる支持者には奪われた者の『怒り』がある。『怒り』は投票率を高める一番の要因だ」

党の再生不可能と不安視する声

一方、取材を通じ、トランプ氏の「暗影」への懸念が共和党で蓄積している実態もみえてきた。

「共和党は保護主義、孤立主義の党に変わり果てた。いまの党に親近感は全く感じない」。ルイジアナ州選出で05~17年に下院議員を務め、自由貿易を巡る法案作りに奔走したチャールズ・ブスタニー氏は嘆く。予備選の苦戦を嫌う上院議員の引退表明が相次ぐなど伝統的な共和党員がトランプ信奉者に置き換わっているとみる。「中間選挙で共和党が勝てばトランプ効果は永続し、党の再生は不可能になる」と心配する。

24年の大統領選にも霧が立ちこめる。次世代の候補としてはペンス前副大統領、ポンペオ前国務長官、女性のヘイリー元国連大使や若手の上院議員の名が挙がる。最近、注目を浴びるのが42歳のデサンティス・フロリダ州知事だ。新型コロナウイルスでの経済制限を積極的に緩め、前大統領に次ぐ支持を集める。トランプ氏は出馬に含みを残しつつ、結論は口にせず隠然と影響力を示す姿勢をとる。

ここでも「対トランプ」の距離感が明暗を分ける。1月6日に議会でバイデン氏の大統領選出を進めたペンス氏はトランプ支持者からは反逆者扱いだ。デサンティス氏も早くから支持を高めすぎると宿敵を容赦なくたたくトランプ氏の標的になりかねない。忖度(そんたく)が党内を支配する。

国際的な信頼失墜、再び孤立主義に懸念

共和党が掲げてきた小さな政府、自由貿易、国際協調といった理念の揺らぎを心配する声も多い。「トランプ効果は短命だ。長期にわたる理念や問題解決策を示すことが、共和党の直面する最大の懸案だ」とウィーバー氏は指摘する。現在25~40歳前後の「ミレニアル世代」や、人口が増加する都市部の支持テコ入れが構造的な課題だが、手つかずになっている。

トランプ氏が復活すればグローバルな協調路線が再び否定されることになりかねない=ロイター

トランプ路線に逆戻りすれば、気候変動への対応や法人税制改革などのグローバルな協調がまたも否定され、世界の信頼は失われる。米国が再び孤立主義に陥れば、中国やロシアなど強権主義の勢力には願ってもない展開になる。

地方でも未来を案じる声を聞いた。共和党の地盤であるウェストバージニア州モーガン郡の行政委員を務める35歳のショーン・フォーマー氏は「トランプ主義はいつか去る。共和党は小さな政府や市民の自由の確保といった理念を守れるのか。子供たちの将来に悪影響を残したくない」と訴える。

「目を覚ます必要がある。伝統的な共和党支持の有権者を抜きにして選挙には勝てない」。5月、保守系経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルで、レーガン元大統領のスピーチライターを務めたペギー・ヌーナン氏が評した。党有力者はトランプ氏の見せかけの力に惑わされすぎだとの警告だ。

民主党の手回しか。冒頭のトランプ集会の上空で「LOSER(敗者)」と機体に投影した飛行機が旋回していた。思考停止の共和党を風刺する光景にもみえた。

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米、中国に気候目標強化要求 来月にも対面交渉

米、中国に気候目標強化要求 来月にも対面交渉―ケリー特使
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072100247&g=int

『【ワシントン時事】バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は20日、訪問先のロンドンで講演し、世界最大の温室効果ガス排出国である中国が石炭火力発電所の建設を続けていると批判した上で、中国に排出削減目標の強化を促す考えを表明した。また、米中両政府が8月にも対面で交渉を行うとの見通しを示した。
炭素排出権の取引始まる 環境対策に弾み―中国

 人権や安全保障をめぐり鋭く対立する米中にとって、気候問題は協調が可能な数少ない分野の一つとされる。
 ケリー氏は、11月に英国で開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を成功に導くため、「中国は2030年までの早い時期に排出量削減に向けた取り組みを始めるべきだ」と訴えた。緩やかな削減目標にとどめている中国に対し、より厳格で明確な目標の策定を求める構えだ。』