ファーウェイ包囲の切り札…。

ファーウェイ包囲の切り札 米半導体設計ツール断絶
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61231450X00C20A7000000/

『米国が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への規制を強化している。包囲網の切り札として浮上してきたのが、最先端半導体の開発に不可欠な「EDA(電子設計自動化)」ツールだ。』
『同社が強みとするプロセッサーや通信用ベースバンドICなどの設計には、米企業製のEDAツールが欠かせない。米企業が提供するEDAツールが業界標準となっているからだ。このEDA分野での圧倒的な優位性を生かすことで、ファーウェイに揺さぶりをかけてきた。

米商務省産業安全保障局(BIS)は5月15日、ファーウェイへの規制強化を目的とした輸出管理規則(EAR)の改正を発表した。その狙いは、同社独自開発の半導体のサプライチェーンにおいて、米企業のソフトウエアや製造装置を利用できなくすることにあるとみられる。』
『EARに基づいた禁輸対象(エンティティーリスト)にファーウェイおよび関連企業が追加されたのは、2019年5月16日である。同日以降、「米国で造られた製品(米国製品)」「米国外で造られた製品(非米国製品)のうち、米国で造られた部品(米国製部品)や米国由来技術の価値が金額ベースで25%を超えるもの」をファーウェイに供給することが禁じられた。裏を返せば、米国産部品や米国由来技術の割合が25%以下の非米国製品ならば供給できるということだ。

エンティティーリスト入り後もファーウェイが独自開発のプロセッサーなどを確保できていたのは、この条件のおかげだろう。同社はこれらの半導体について、傘下の海思半導体(ハイシリコン)で設計し、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする半導体受託製造会社(ファウンドリー)に造らせてきた。

エンティティーリスト入りでファーウェイがこのサプライチェーンを維持できるかどうかに関心が集まったが、大きな影響はみられず、同社はむしろ独自開発の対象を高周波(RF)半導体などにも広げてきた。だからこそ、米政府は新規制でさらなる強化に踏み出したわけだ。

〔■わずかな可能性も潰す〕

新規制の効果は、まず製造面に表れた。新規制の発表直後、TSMCが米アリゾナ州に半導体前工程工場を建設することを明らかにしたのである。併せて、「ファーウェイからの新規受注を停止」とも報じられた。TSMCはファーウェイからの受託が新規制に抵触すると判断したもようだ。

ファーウェイの最新プロセッサーや次世代通信規格「5G」対応ベースバンドICは、7ナノ(ナノは10億分の1)メートルプロセスを前提に設計されている。現時点で7ナノメートルプロセスの量産能力を持つのは、TSMCの他には韓国サムスン電子だけ。そのサムスンも、米国の狙いを鑑みればファーウェイの依頼を受けるとは考えにくい。とはいえ、数々の技術を取り込んできた中国が、将来的に最先端半導体の量産体制を構築する可能性も完全には捨てきれない。

そこで、米政府はそのわずかな可能性をも潰すために、EDAツールの利用についても規制を強化したのだ。EDAツールの上位3社は、シノプシス、ケイデンス・デザイン・システムズ、メンターといずれも米企業である。

18年秋に明るみに出たファーウェイ「核心的サプライヤー」のリストにもシノプシスとケイデンスの名前があった。ファーウェイやハイシリコンがプロセッサーやベースバンドICなどの設計に米企業のEDAツールを使っているのは間違いない。

そもそも、米企業のEDAツール自体が米国製品の一種であり、エンティティーリスト入りの時点で何らかの影響が出ていてもおかしくなかった。ファーウェイやハイシリコンが既に購入していた分は引き続き使えたとしても、新規に購入したり、アップデートを受け取ったりすることはできなかったはずである。

しかし、実際には前述の通り、大きな影響はみられなかった。このことから、ファーウェイやハイシリコンはグループ外の企業に技術者を出向させるなどして、規制を回避していたのではないかという見方もある。今年5月にBISが打ち出した新規制は、こうした「抜け道」も封じる狙いがありそうだ。

ここで考えられるファーウェイ側の対策は2つある。第1に、米国製以外のEDAツールを中国など米国外で開発すること。第2に、これまでのように何らかの抜け道を探して米国製のEDAツールを使い続けるということもあり得る。ただ、EDAによってつくり出された強固で複雑な半導体設計チェーンを考えると、いずれの試みもほぼ不可能である。

〔■複雑なEDAチェーン〕

EDAと一言で言っても、例えば業務用ソフトは文書作成にWord(ワード)、表作成にExcel(エクセル)、プレゼンテーション作成にPowerPoint(パワーポイント)があるように、用途や機能が異なるツールがある。複数のEDAツールを使うことで、欲しい半導体の仕様を、半導体製造装置向けのデータに変換することができる。

EDAツールは大きく2種類に分類できる。1つが設計そのもの、すなわち仕様などの抽象的なデータを実物に近いデータにする作業を実行するツール(設計系ツール)。もう1つが設計結果を検証するツール(検証系ツール)だ。

現在、EDAツールが扱える抽象的なデータは、欲しいデータの処理内容を表した動作記述で、ソフトウエアプログラミングでおなじみのC言語やC++で表現する。

ただし、この動作記述を、半導体製造装置向けのデータに一気に変換できるEDAツールは存在しない。複数の設計系ツールを使って、順繰りに、抽象度を下げる。抽象度を下げた設計結果が得られると、検証系ツールを使ってその設計結果が正しいかどうかをチェックする。結果が正しければ、次の設計系ツールを使って抽象度を下げる、そして検証するという繰り返しになる。

〔■全ツールを提供できるのは2社〕

市場にある、論理ICの設計系ツールは、主に3種類。動作記述をRTL(レジスター転送レベル)記述に変換する「高位合成ツール」、RTL記述をネットリスト(接続情報)に変換する「論理合成ツール」、ネットリストを製造装置で使うマスクのデータに変換する「配置配線ツール(レイアウト設計ツールとも呼ばれる)」である。

検証系のツールは種類が多いが、代表的なツールとしては、論理回路の機能を動的に解析する「論理シミュレーター」、論理回路の遅延時間を静的に解析する「スタチック・タイミング・アナライザー」、マスクデータを検証する「レイアウト検証ツール」を挙げられる。

ここまでの説明で登場したEDAツールをすべて提供できる企業は、現在、シノプシスとケイデンスの2社だけである。先端プロセスの論理ICを受託製造できる2社、すなわちTSMCとサムスンは、シノプシスとケイデンスのツールを使って設計したICを製造できる体制を築いている。

なお、独シーメンスの傘下に入ったメンターもいくつかのEDAツールを提供しているが、レイアウト検証ツールや論理シミュレーター、高位合成ツールを除くと、シノプシスやケイデンスに比べて影が薄い。

EDAツールとともにIC設計で使われるIPコア(回路の設計情報)について触れておく。英アームが提供するCPU(中央演算処理装置)コアはIPコアの代表例で、論理合成ツールに入力可能なRTL記述として提供される。IPコアを購入することで、そのIPコアの設計をしなくて済む。

〔■中国での開発は無理〕

ほぼすべてのEDAツールは米国製であることから、ファーウェイの機器で重要な役割を担う先端論理ICを、米国由来のソフトウエアなしで設計することは不可能といえる。

EDAツール企業で実際に開発しているのは中国系やインド系のエンジニアが多く、中国系エンジニアが中国に戻ってEDAツールを開発すれば大丈夫だという声がある。実際、中国内でEDAツールを開発するプロジェクトは進行している。こうして、米企業のEDAツールの初期バージョンと等価なEDAツールは開発できるかもしれない。とりあえず動けばいいというICはその初期バージョンで設計できるだろう。

しかし、競合するICに勝るどころか、同じような性能で動くICを設計するのさえ、ほぼ不可能だと思われる。

先端論理ICの設計に使われるEDAツールは、EDA企業、スタンダードセル(基本的な回路)を手掛けるアームなどの企業、ICの受託製造企業、半導体メーカーや大手機器メーカーといった世界中の半導体設計者が協力して最適化作業をして、第2、第3バージョンを仕立てている。中国で開発したEDAツールに対して、こうした最適化が行われることは難しく、そのツールでは市場競争力のある先端ICは設計できないといえる。

EDAツールに関しては、もう1つ留意しておきたいことがある。EDAツールはソフトウエアなので、製造装置と比べて、どこで誰が何のために使ったかは分かりにくい。このため、EDAツールの規制は製造装置のそれに比べて網をかけるのが難しいとの声がある。

しかし、米政府が本気になると、設計結果を得るために使ったツールの情報は比較的簡単に割り出せる。デジカメで撮った写真に付加されるカメラの機種や撮影日時のような情報は、EDAツールで得られた設計データにも存在するのが普通である。設計結果本体は業界標準データ形式で表されるため、どのツールを使ったかは分からないかもしれない。しかし、「付加データを見せろ」と言われれば、一発で分かってしまう。

上述したように、EDAツールは初期バージョンから次々に改良されていく。バージョンが異なると、設計結果に差が生じる。このため、ある設計データがどのバージョンで設計したかが分からないと、品質管理面で問題が起こる恐れがある。設計データの付加データは意外に重要で、設計者がそれを保存しないことはあり得ない。「付加データはないです」とは答えられない。

つまり、抜け道経由で米国製EDAツールを使って設計・検証することは、ほぼ不可能に近いのだ。

(日経クロステック 小島郁太郎、高野敦)

[日経クロステック2020年7月6日付の記事を再構成]

そもそも、なぜ中国共産党は香港に手をだしたか?

そもそも、なぜ中国共産党は香港に手をだしたか? : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23037924.html

 ※ いつもながら、鋭い分析をなされておられる…。
  実態は、十分に「支配下」においたはず(実体)なのに、なぜ今、このタイミングで「形式」をも、変えようと乗り出したのか…、という視点だ…。
 それには、このタイミングで行動しなければならなかった「理由」があるはずだ…、と論を進めておられる…。

 その鋭い論考に敬意を示しつつ、全文を引用させていただきます…。

『香港はイギリスとの阿片戦争の結果として、講和条約で清王朝から99年間のイギリスへの租借が決まった地域です。そして、条約の通り1997年に、その時の主権国家である中華人民共和国へ返還されました。当時、当然ながら市民や資産の海外流出が起きたのですが、まだまだ発展途上だった中国は、それを留める目的もあり、一国二制度を世界に対して約束しました。期間は50年間。今年の7月1日は、23年目にあたります。つまり、約束の半分も時間が経過していません。

結果として、これは海外にとっても中国にとっても、緩衝地帯として有利に働きました。世界が中国に対して制裁的処置をしても、香港だけは制度が違う特別行政区なので、対象になりませんでした。その為、実際には、ここを経由して、制限されている軍事転用可能な物資も輸入できていましたし、建前上禁輸になっている物品も輸出できていました。また、中国共産党が直接介入できない為、投資先としてルールの点で信用ができると考えられていて、海外の投資家も香港を経由させて投資ができました。

ただし、実際には長い時間をかけた切り崩しで、香港の行政長官には中国共産党に忠誠を誓った人間しか着任できませんし、議会の過半数が必ず中国共産党寄りの人間で固められるように、既に選挙の立候補枠で制限がかけられています。実質的に、民主派が勝って、行政権を握る事が無い仕組みになっています。司法も中国とは別になっているので、今までは勝手に中国本土の警官が、香港にいる人間を逮捕する事はできませんでした。しかし、実際には、香港でホテル住まいをしていた中国人や、香港で民主活動をしていた出版社の社長などが、拉致されていて、あきらかな主権侵害ですが、結局はウヤムヤに処理されています。つまり、実質的に統治下に置いていたという事です。

つまり、何が言いたいかと言うと、あと27年ほど我慢していれば、世界に非難される事も無く、自動的に香港は中国共産党の手に落ちる運命だったという事です。民主派の抵抗はあるでしょうが、世界に対して結んだ約束は、守っているので、恐らく強くは非難されません。また、香港が機能している事は、中国にとっても都合が良いのです。特にアメリカと揉めている時には。一国二制度を盾にして、制裁対象になっている品目でも、香港経由で輸入できますし、輸出もできます。よりによって米中貿易紛争が起きているタイミングで、事を荒立てる必要は、どう考えてもありません。

つまり、何かしら、表に出ている理由とは別に、香港で国家安全維持法を成立させなくてはならない理由が発生したと考えるのが自然です。ただ、単に50年が待てなかったという事は、中国に限ってはありません。そもそも、そういう単位で戦略を立てる国家なので、50年程度が待てないはずがないのです。

その理由は、政治的な理由と経済的な理由と2通りが考えられます。

一つには、反習近平派。はっきり言えば、江沢民派が、米国と揉めているタイミングで、わざと香港で騒動を起こしたと見る考え方です。民主主義にかかわる問題になると、アメリカは反応せざるを得ません。そういう錦の御旗を掲げているからです。香港にかかわる騒動の発端は、逃亡犯条例という、今から考えれば、限定された香港の主権の侵害でした。もしかしたら、観測アドバルーンとして、始めたのかも知れませんが、それがあっという間に武力制圧に発展する事になります。ここまでの展開を予想していたかどうかは不明です。

香港・マカオを担当する責任者は、共産党のエリート・コースの一つで、かつては登り詰める過程で、習近平氏も担当していた時期があります。基礎を築いたのは、江沢民派の曽慶紅元国家副主席、張徳江氏、韓正氏という系列です。習近平氏が牙を剝いて、江沢民派の幹部を粛清し始めてからは、習近平氏にとって、暗殺を警戒する程の危険な地域になっています。その為、習近平氏を失脚させる目的で、内乱状態を作ったとしても、まったく不思議では無い情勢です。敢えて習近平氏サイドから政治的な理由を探すと、色々と内政がヤバイ状態で、共産党幹部の資産の流出窓口になっている香港の蛇口を締める目的があったかも知れません。共産党幹部による資産の海外持ち出しというのは、かなりシャレにならないレベルになっていて、看過できないのも事実です。

もう一つの理由が、外貨準備資金の枯渇から、香港の4000億ドルの外貨準備資金の強奪を狙ったと見る向きです。中国は公式発表では、2兆ドル超えの米国ドルを所有している事になっていて、世界一の外貨準備高を誇っています。ただし、中国の発表です。そのまま信じるのは、日本のメディアくらいです。中国は今までに、20兆ドルを貿易で稼いだと推察されています。それが、そのまま利益ではないですから、製品を作る為の原材料費として、10兆ドルがかかっていて、粗利が10兆ドルと言われています。すごい金額ですが、その大部分が共産党の上級幹部に流れていて、動員できる外貨準備高は、2000億ドルとも言われています。つまり、十分な外貨準備高を確保していないのです。

さて、借金で困窮した人が行う行動の一つが、強盗とか詐欺です。個人が国になっても、やはりそうなります。戦争の原因の一つである経済は、だいたい内政が崩壊して、金欠になったあげく、周囲の国の資産を強奪するのが目的である事が大部分です。好き勝手に強奪し放題なので、濡れ手に泡で財政が潤うわけです。戦争の原因なんて、結局はこんなもんです。立派な理由は、後で周りから非難されないように、他に準備するわけです。

金欠が原因と見ると、50年待っていられない理由も、実にスッキリと理解できます。また、金が原因と考えると、内政の混乱から香港を通じて共産党幹部が海外へ流出させている資産の流れを、止める意味合いも強いのかも知れません。同時に、幹部の海外逃亡の抑制ですね。ちょっと前まで、愛人にカナダ国籍を取得させて、カナダで購入した土地と屋敷の管理をさせておき、いざとなったら、いつでも逃亡できる準備をしておくのが流行りでした。今は、中国で担当していた職務によっては、制裁対象として資産没収される可能性があるので、さほど盛んではないようです。

香港を通じて、海外勢力が民主化運動へ加担しており、それをニガニガしく思っていたのは事実ですが、行政を実質的に支配していたので、何も、このタイミングで事を荒立てる必要というのは、感じません。時間的に待てない理由があったと考えられます。』

 ※ こちらの記事も、オススメです。

 デジタル共産主義というパワーワード : 机上空間
 http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23029297.html

米中経済の断裂不可避…。

米中経済の断裂不可避 中国が最悪想定あえて暴露
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61241030X00C20A7I10000/

『南シナ海で米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の2隻が軍事演習を実施し、同じ頃、中国海軍も南シナ海、東シナ海と黄海で実戦演習をした。米中が同じ海で軍事的に張り合う異例の事態である。

そんな緊張の中、中国国内で大きな話題になっている論文がある。中国内と世界が長期にわたり新型コロナウイルス感染症から抜け出せない事態を前提にした内容は衝撃的だ。産業サプライチェーン(供給網)の断裂、人民元圏と米ドル圏の分断が招く米中経済の事実上のブロック化。そんな最悪のシナリオに備える覚悟を中国国民に迫っている。

■危うい習近平政権の将来設計

論文の書き手は中国共産党の政党外交を担う対外連絡部の元副部長、周力(65)。閣僚級に相当する立場にいた高級党官僚である。その警告は、目下の中国政府の公式見解と大きく異なり、極めて先鋭的だ。ポイントは以下の6点である。(※ 番号は、オレがつけた)

1、「対米関係悪化の加速に備え、闘争レベルが全ての面で上がる事態に備えよ」

2、「外部の需要の萎縮に対応し、サプライチェーン断裂への準備を怠るな」

3、「新型コロナウイルス感染症の常態化、ウイルスと人類の長期的な共存に備えよ」

4、「米ドルの覇権から脱するため、一歩一歩、人民元と米ドルのデカップリングを実現する準備をしよう」

5、「地球規模の食糧危機の爆発に備えよ」

6、「国際的なテロ勢力の復活に備えよ」

冒頭で紹介した軍事的対峙がエスカレートする実際の戦闘を回避できたとしても、中国経済は当面、かなり苦しい我慢を強いられる。その表現は役所の作文と異なり、かなり直接的だ。

「国際組織による今年の世界経済成長予想はマイナス4.9%程度に下方修正され、1930年代の世界恐慌以来、最もひどい経済衰退が進む。我が中国の輸出企業の受注は大きく減り、企業の生産は停滞し、国際的な物流は滞る。原料が供給されず、製品は運び出せない現象が激増し、我々の安定的な成長や雇用確保に巨大な圧力になる」

そう言い切っている。さすがに直接の言及はないが、中国経済もゼロ成長、マイナス成長さえありうる厳しさが浮き彫りになっている。まさに想定外の事態を指す「黒い白鳥」の到来である。

しかも中国、ロシア、イランの企業による国際決済までも大半の情報は、国際銀行間通信協会(SWIFT)が関与する米ドル中心のシステムを通じて米当局に握られているとして、人民元圏の劣勢をにじませた。今後、サプライチェーン分断が進めば、中国の通信機器最大手、ファーウェイ(華為技術)の5G戦略などにも大きな圧力になりうる。

周力の予測が正しいならば、国家主席で共産党総書記である習近平(シー・ジンピン)の政権がこれまで思い描いてきた様々な将来設計も大きく崩れてしまう。それどころではない。こうした「経済ブロック化」から「鎖国システム」にまで突っ込んでいくなら、中国は高度成長の足掛かりとなった2001年末の世界貿易機関(WTO)加盟以前の世界に確実に戻ってしまう。

いや、もしかしたら1979年の米中国交樹立の前にまでタイムスリップしかねない危機に陥る。その少し前は、毛沢東が発動した政治運動である「文化大革命」で多くの無実の人々が反革命の汚名を着せられ、さらに前の「大躍進」では膨大な数の餓死者が出ているのだ。

確かに習近平は最近、「ボトムライン思考」という表現で対米関係を含む最悪の事態に備えるよう号令を発してきた。しかし、どこまで中国を巡る情勢が悪化するのかという「新冷戦」の具体的な水準への言及はタブーだった。

周力は、対米関係悪化に関して、米トランプ政権と米議会による対中圧力の継続的な強化を指摘し、香港国家安全法に絡む香港への優遇の取り消し、米艦船の台湾海峡への派遣、南シナ海での挑発を挙げた。

新型コロナウイルスに「中国ウイルス」という汚名をかぶせて国連安保理決議に盛り込もうとするばかりではなく、中国が保有する米国債を差し押さえて賠償金に充てる形でアフター・コロナの清算をしようとしている。そう批判している。

■共産党独特の特殊な諫言か

唱えたのは単なる学者ではなく、共産党外交の中枢にいた人物である。しかも論文が掲載されたのは、中国政府のシンクタンクである社会科学院が発行する新聞が組んだ「人類運命共同体」特集の一部だ。新聞には簡略版だけが掲載され、全文は他の中国内のインターネットメディアなどを通じて流布された。

新聞紙面は、習近平が唱える国際政治上のスローガンである「人類運命共同体」を持ち上げる宣伝が趣旨なのに、周力論文の内容だけが浮いている。これでは人類運命共同体が、米国にケンカを売る「ブロック経済」的な枠組みであることが浮き彫りになってしまう。

いかにも不可思議な状況だけに、絶望的に見えるシナリオをあえて暴露した意図を巡って様々な解釈、臆測が広がった。

万一、いきなり米中分断に突っ込んでいけば中国国民が動揺し、社会不安につながりかねない。その前に建前を排した本音を暴露し、いわば「ダメージコントロール」につなげる。素直な解釈だろう。「中国は決して負けない」「米国をやっつけろ」。中国国民の読後の感想として多い反応だ。

その一方で「米中分断なんて夢想だ。そんな手法でやっていけるはずがない」という冷ややかな声もかなり聞かれる。中でも気になるのは、共産党独特の意見表明の手法である「暗喩論」である。党の意志に忠実なように見せかけながら批判、諫言(かんげん)する伝統的なやりかただ。

論文後半では既に顕在化している食品価格高騰と、世界的な食糧危機の到来に触れている。中国の大豆輸入は世界最大で、そもそも工業化とともに食糧自給を放棄した歴史がある。グローバル経済が機能する良好な国際環境なしに、中国人の食卓は成り立たない。

論文の最後では国際テロ組織の復活という大胆な予想もしている。食糧危機と国際テロへの対処という2項目は、巨大な食糧輸出国で世界の警察でもある米国との良好な関係なしに解決するのは難しい。

「周力論文は特殊な形の諫言ではないのか」「食い止めにくい上層部の暴走に対し、形を変えて不満を表明している可能性がある」。共産党内の一部には、こうした見方さえある。

周力の経歴も興味深い。1989年のベルリンの壁崩壊から91年のソ連崩壊までの現代史を現地感覚で知り抜いている。外交官としてモスクワに駐在していたのだ。経済的に追い詰められたソ連の自壊を彼がどう分析しているのか大いに気になる。

■「男は一人もいなかったのか」

一方の習近平もソ連崩壊に思い入れが強い。その歴史を反面教師とする強烈な慨嘆の言葉を吐いているのだ。「最後はゴルバチョフの軽い一言でソ連共産党は解散した。党員の比率から見てもソ連は我々を超えていたのに。男は一人もいなかったのか。出てきて抗い戦うような……」。党のトップである総書記に就任したばかりの2012年12月、広東省で口にしたエピソードだ。

何としても共産党が統治する中国を守り抜く。「カラー革命」につながりかねない動きは断固、力で阻止する。そのための強硬手段の一つが、香港で突如、施行された香港国家安全法だった。米国をはじめとする自由主義諸国との関係が犠牲になったり、サプライチェーンの分断が起きたりしても致し方ない。そういう中国共産党独特の政治を優先する考え方である。

習近平の経済ブレーンとして米中貿易第1段階合意を取りまとめた副首相の劉鶴も最近、国内循環を主とした経済への転換に言及している。6月中旬のことだった。そこには、習が対米貿易戦争が勃発した初期に触れた毛沢東式の「自力更生」のにおいがする。

高級党官僚、周力による突然の最悪シナリオ暴露の真意はどこにあるのか。その言葉通り絶望的な米中経済圏の分断に突っ込んでいくのか。軍事的な衝突は本当に回避できるのか。世界中が今、注視している。(敬称略)』

ここまで強いかファーウェイ 米中分離後の世界

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61020530R00C20A7000000/

『これから世界は「梅雨」の季節に入るだろう――。アナリストを経て現在は東京理科大学大学院経営学研究科教授の若林秀樹氏は、米中対立が長期化すると予想する。現時点では平和的に対立を解消できる見込みが薄く、短期間に決着がつく様子もない。この対立は自由貿易などの基礎である「国際協調体制にショックを与える可能性がある」と同氏は言う。』
『英調査会社オムディアのコンサルティング・シニアディレクターの南川明氏も、かつての米ソ冷戦を引き合いに出して「第2の対共産圏輸出統制委員会(COCOM)規制の様相を呈する可能性がある」と述べた。その象徴が、ファーウェイやその子会社などが記載された「禁輸対象リスト(エンティティーリスト)」である。

米商務省は安全保障などに懸念がある企業を同リストに記しており、米企業は事実上、指定企業に製品提供・技術開示ができない。米国外の製品でも、米国由来の技術を一定の割合以上含めば抵触する。』
『特に5G基地局のシェアで世界トップ、スマートフォンでも世界2位のファーウェイに対しては、米国政府が本気で潰しに来ている姿勢がみえる。それが表れたのが、ファーウェイ傘下の半導体設計会社、海思半導体(ハイシリコン)の高性能な半導体チップを受託製造する台湾積体電路製造(TSMC)に対して、同社との取引をやめるように圧力をかけたことだ。』
『さらに、半導体設計支援ツール「EDA」大手の米シノプシス、米ケイデンス・デザイン・システムズなどにもエンティティーリストに記載された企業とは取引しないよう圧力をかけたもようである。半導体開発の最上流から息の根を止めようという算段だ。

さらに「現状は半導体を手掛けるファブレスメーカーがEDAツールを購入しているため、そこにハイシリコン社員が常駐すればツールを利用できてしまう。こうした抜け道も潰していくだろう」(南川氏)』
『米国政府の強硬姿勢は、2020年の大統領選挙で仮に民主党に政権が移行しても変わらない、と識者はみる。若林氏は「中国に対する圧力はオバマ前大統領の時代から続いている」、南川氏は「こうした動きは米通商代表部が主導している。かつての日米貿易摩擦の際は、政党が変わっても10年続いた」としている。』
『それでも、米国政府がもくろむようにファーウェイを弱体化させられるかといえば、話はそう単純ではない。若林氏は、5G関連技術については「ファーウェイ抜きでは標準化などの話が進まないのではないだろうか」と指摘する。

実際、ファーウェイは多くの標準化団体や業界アライアンスなどに所属しており、「(5G関連以外も含めて)その数は360以上、要職に就いている団体が300以上ある」(若林氏)

特許については、「19年3月時点で、5G標準必須特許を15.1%握る」(ニッセイ基礎研究所経済研究部上席研究員の三尾幸吉郎氏)』
『その力の源泉は研究開発(R&D)にある。「(5G関連技術以外を含むが)全従業員の45%、約8万人がR&Dに従事している。基礎研究に1.5万人、うち博士が6000人近くいる。19年は売上高の15%の約2兆500億円をR&D費用に回した」(若林氏)

つまり、ファーウェイを業界から排除し過ぎると、米国の5G、そして次世代の6Gの開発に遅れが生じてしまう可能性がある。

そこで米国ではファーウェイに対して制限をかけるだけでなく、一部で協調しようとする動きもみられる。例えば6月15日、標準化活動に限った米国企業とファーウェイの協業許可を発表している。米国は先端技術の開発競争のために、「制限と協調」を使い分けている。』
『それでは米中対立が長期化し、「国際協調」が揺らぐと、どのような問題が世界経済に発生するのだろうか。まず影響を受けるのが、製造業のサプライチェーンである。

南川氏は「(米国やその同盟国を中心に)中国にある工場の2~3割を自国に戻そうとするのではないか。『世界の工場』である中国に安価な賃金を求めた時代から変化の兆しがみられる」とする。』
『こうした「水平分業(生産地)の見直し」の動きは、結果的にコスト上昇を招く。モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・アラン・フェルドマン氏はこの影響として「さまざまな製品でインフレが発生するだろう」と話す。

一例として、トランプ米大統領の支持者向けに生産された帽子を引き合いに出した。「製品の価格は米国製が25ドル、中国製が20ドルだった。この帽子のように自国生産することで価格が25%も上昇するかは分からないが、対立が続けば、あらゆる製品の価格が上がる可能性もある」(同氏)

もうすでに、企業活動で変化していることがあるという。各企業が保有する在庫量だ。「(米中対立と新型コロナウイルス禍を通して)完成品メーカー、部品メーカー、商社などが製品・部品などの在庫を抱えるようになった」(若林氏)。これまでは在庫を減らしてコスト効率を高めるのが是だったが、その常識が変わり、企業は難しいかじ取りを強いられている。』
『米中対立の日本企業への影響はどうか。複数の識者がソニーの名前を挙げた。最先端技術を詰め込み、世界で5割超のシェアを握るCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを開発・製造しているためだ。複数の識者が「ファーウェイのスマホの出荷台数が減少すれば、業績に悪影響が出る」と指摘する。

さらに懸念されるのが、米国がエンティティーリストと別に、政府機関における調達に関して、一部の中国企業を指定して排除している点だ。18年8月13日に米議員の賛成と、トランプ大統領の署名で「国防権限法」が成立した。

同第889条を基に2019年8月13日から中国企業の取引を規制している。指定を受けているのが、ファーウェイ、通信機器を手掛ける中興通訊(ZTE)、世界最大シェアの監視カメラメーカーである杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、世界シェア2位の監視カメラメーカーの浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、無線機器を手掛ける海能達通信(ハイテラ)の5社である。

さらに米国は今年8月13日から、この中国5社の製品・サービスを主要なシステム・重要な技術として利用するあらゆる企業も政府機関の調達先から排除する。

当然、日本企業も対象になる。19年の規制と比較すると対象範囲が格段に広くなるため、同法の影響を受ける企業も出てくるかもしれない。』
『これまで米国に一方的に攻められているようにみえる中国だが、何らかの反撃に出る可能性はないのか。例えば、フッ化水素の原料となる蛍石の輸出制限など、資源をネタに揺さぶりをかける方法だ。フッ化水素は半導体製造に必要な材料の1つで、中国は蛍石の産出量で約60%の世界シェアを持つとみられる。

この仮説に対しては、「中国は5G技術で先行しているものの、他の多くの研究分野は米国が優勢だ。強硬路線は取りづらいのではないか」(三尾氏)、「中国も米国も共倒れになるような方針は取れないだろう」(南川氏)という意見が出た。』
『一方で、中国が米国と同盟国の市場から締め出しを食らった場合、独自の広域経済圏構想「一帯一路」で友好国を確保して米国に対抗できるのか。これに対してフェルドマン氏は、「中国が他国と友好な関係を築けたかというと必ずしもそうとはいえない。セメントや鉄鋼を輸出したいという中国側の都合が目立つからだ」と述べる。』
『いずれにせよ、こうした対立は消費者に不利益しかもたらさない。フェルドマン氏は「米国であれ、中国であれ、国家が消費者のニーズを無視して製品・技術をコントロールすべきではない。市場の独占など新たな問題も発生する。お互いにより良い技術の開発を目指すべきだ」と主張する。

同氏は日本の姿勢にも注文をつけた。対立を傍観しているだけでなく、これを機に自らの競争力を高めるべきだという。「日本も『STEM(科学・技術・工学・数学)教育』などに積極的に投資し、IT(情報技術)技術などに造詣が深い人材を生み出してほしい」(同氏)と述べた。

(日経クロステック/日経エレクトロニクス 野々村洸)

[日経クロステック2020年6月30日付の記事を再構成]』

米軍も南シナ海で軍事演習へ、中国対抗を鮮明に

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61169000U0A700C2NNE000/

『【ワシントン=中村亮】米軍が原子力空母2隻を南シナ海に派遣し、大規模な軍事演習を近く実施することが3日、明らかになった。米軍当局者が日本経済新聞の取材に語った。中国も1日から南シナ海で軍事演習を行っているとみられ、米軍が中国に対抗する姿勢を一段と鮮明にした。

米軍は空母ニミッツとロナルド・レーガンを南シナ海に派遣した。米中が近接した海域で同時に軍事演習を行うのは異例だ。米軍当局者は軍事演習の狙いに関し「あらゆる戦闘の状況下で突出した柔軟性や耐久力、機動性、兵力を備えるためだ」と指摘。「国際法が認める地域で飛行や航行、展開する全ての国の権利を支持する米国の意思を示す」と強調した。

ポンペオ国務長官は3日、ツイッターに「米国は東南アジアの友好国に同意する。南シナ海の係争中の海域での中国による軍事演習は極めて挑発的だ」と書きこんだ。「我々は中国の違法な領有権の主張に反対する」と強調した。国防総省も2日の声明で中国の軍事演習について「中国が南シナ海の軍事拠点化や近隣諸国に対する威圧を改めると期待しつつ状況を注視する」とけん制していた。

南シナ海では米中対立が鮮明になっている。中国が南シナ海で防空識別圏の設定を否定していないことに関し、チャールズ・ブラウン太平洋空軍司令官は6月下旬に記者団に対し「ルールに基づく国際秩序に反する」と懸念を示した。南シナ海で行う米軍の「航行の自由」作戦には中国が反発している。

中国海南海事局は6月28日、7月1~5日に南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島の海域で軍事演習を行うと発表した。同海域はベトナムも領有権を主張している。中国は4月に南沙(英語名スプラトリー)諸島などを管轄する行政区の新設を明らかにして、南シナ海の実効支配を強めている。』

デジタル通貨、覇権争い新局面に

デジタル通貨、覇権争い新局面に 官民が連携の兆し
編集委員 西村博之
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60007960V00C20A6I00000/

※ これは、絶対読んでおいた方がいい記事だ…。今日見た記事の中で、「最重要」記事だ…。残念ながら、会員限定記事だが…。

※ さわりは、紹介しておく…。

『提案では広域デジタル通貨は4通貨のバスケットで価値を裏打ちし、その比重は各国・地域の経済規模に応じて決める。元が6割超、円が2割超になる計算だ。

国境をまたぐ決済網を築き、企業が電子財布を使って取引する仕組みだ。為替変動リスクを減らせるので、貿易拡大につなげられるという。

日中韓が交渉中の自由貿易協定(FTA)を補完する位置づけで、デジタル通貨と通商政策を絡め貿易圏をつくる新たな試みといえる。米国が中国とのデカップリング(分断)を進めるなか、日韓をつなぎ留める狙いがあるのだろう。

「元の国際化」の一環でもある。特に近年は米国が敵対する国に、国際ビジネスに不可欠なドルでの取引を断つ金融制裁を乱発しており、中国はドルに依存しない決済網の構築を急いでいる。

中国当局は昨年6月に発表されたリブラ構想を警戒し、デジタル人民元の研究を加速させた。フェイスブックが主導するドル中心のバスケット通貨を「事実上のドル」とみたからだ。今回の中国の構想では逆に自らがバスケット通貨を使い、元の国際的な浸透を狙う。』
『本家のリブラの運営団体は4月、当局からの批判に応えた新計画を発表した。バスケット通貨の仕組みを棚上げし、ドルやユーロなど単独通貨を裏付けとするリブラの発行を先行させる。異なる通貨が国内で普及すると金融政策の効果が弱まるなどの懸念に配慮した。』
『気になる動きもある。単独通貨建てリブラから円が外れたのだ。バスケットで想定された通貨で落ちたのは円のみ。シンガポールドルは入った。

金融当局の担当者は言う。「日本は拒否していない。国をまたぐ取引が見込みにくい円に魅力を感じていないのだろう」

将来の円のグローバルな位置づけも視野に入れた骨太なデジタル通貨の戦略が必要になる。』

※ 日中韓FTA構想(あるいは、「東アジア広域経済圏」構想)なるものがあることは、知っているだろう…。

※ 中国は、そこに「デジタル人民元」を絡めて、誘っている…。

※ 一方、アメリカは、表向きは「お好きなように。」というスタンスだが、内心は違っているだろう…。

※ それが、「リブラ」の通貨バスケットからの「日本円」の脱落…、という形で圧力をかけて来た…、とオレは見る…。

※ そういう風に、通商圏の構築、経済圏の構築、通貨圏の構築というものは、直ちに「安全保障」に直結するものなんだ…。お気楽に、「自由貿易を、最大に!」とか、お題目を唱えていて済む話しじゃ無い…。

※ そういう中で、日本国の国益を最大になるようにもっていかないとならない…。

※ 国家の舵取りというものは、そういう危ういものなんだ…。

半導体関連情報…。

※ 本来は、じっくり腰を据えて、分析したいところだ…。しかし、雑用に追われて、その時間が無い…。

※ リンクと画像を貼っておくくらいが、関の山だ…。

TSMC、苦渋の米シフト ファーウェイ制裁で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60169730Z00C20A6FFJ000/
『ただし、米生産は「コストが高く、補助金について米政府などと交渉中だ」(劉氏)といい、収益化の見通しは完全ではない。同社が1987年の設立時、台湾で受託生産に特化する新たなビジネスモデルを選んだのは、多くの有能な技術者を安価に採用できたからだ。収益性の低下を招けば巨額投資で技術競争に先行する勝ちパターンが揺らぎかねない。

「TSMCだけでなく、世界中の企業が二大国の板挟みになるだろう」。劉氏は株主総会でこう述べた。半導体業界は米中の需要を両取りする路線が厳しさを増し、不透明な状況で決断を迫られる試練に直面している。』

香港国家安全法、詳細詰め 18日から全人代常務委
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60177870Z00C20A6FF8000/
『香港では高度な自治を保障する「一国二制度」がある。ただ今回は香港の憲法にあたる香港基本法の例外規定を使うことで、香港立法会(議会)では審議・採択することなく中国本土の法律が適用できるようになる。

国家安全法は5月末に閉幕した全人代で導入を決めたが、具体的に反体制活動に対する罰則や取り締まりについては明らかになっていなかった。習指導部は9月の香港立法会選で民主派が過半数の議席を占めるのを阻止するため、同法の施行を急いでいるとの見方が強い。一部の香港紙は6月中に可決し、月内に施行する可能性も伝えている。』

米半導体設計ソフト、制裁下も中国事業堅調の謎
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60138260Z00C20A6FFE000/
『ファーウェイは「5G」規格対応の通信機器の頭脳に当たる半導体チップを子会社の海思半導体(ハイシリコン)に開発させる戦略をとってきた。5月15日の制裁強化を受けて台湾積体電路製造(TSMC)がチップ製造の新規受注を中止したが、そもそもハイシリコンの開発自体がEDAソフトの調達難で早晩行き詰まるとの見方もあった。』
『ところがEDA3社は中国売上高が増え、ハイシリコンの開発が滞ったとも聞こえてこない。なぜか。機械振興協会経済研究所の井上弘基首席研究員は「中国の地方政府がEDAソフトを大量購入していることに注目すべきだ」と語る。

中国では地方政府系の投資会社が半導体のファブレス(工場無し)メーカーの育成を進めている。いわばハイシリコンの小型版で、その数は全土で500社弱にのぼるとされる。

井上氏の調査によると、地方政府が高価なEDAソフトを購入し、これらの小さなファブレス会社に使わせる例が急増。ハイシリコン向けの販売減を補う存在になり得る。井上氏は「ハイシリコンが技術者を送れば、小さな会社でもハイシリコン並みの開発環境を再現できる」と指摘する。

シノプシス経営陣が学んだ「制裁との共存」がこんな事象を指しているのかは不明だ。ただファーウェイとしては、たとえハイシリコンが干上がっても、半導体の開発環境を維持する”抜け道”が理屈上は成り立つ。』

EDAツール(電子設計自動化)のベンダーは3強で寡占(2017/10/2)
https://www.americabu.com/eda
『日本の大手半導体メーカーは自社内で開発した独自のEDAツールを持っていたこともあり、もっぱら自社のEDAツールを利用して製品開発を行なっていました。

自社のEDAツールに固執していた日本メーカーはEDA技術の急速な進歩に遅れを取り、またそれで設計したIPは汎用性を失うだけではなく、外部の優れたIPを簡単には利用できなくなるという、遅れた開発環境に取り残されていきました。』
←『EDAツールの補助なしに電子機器の設計・製造は可能だが、EDAベンダーのEDAツールを使うことによって早く市場に製品を投入できるようになるメリットで、EDAベンダーのツールを使わなかったことも日本半導体の凋落原因の1つだと以下の記事では指摘されているが、これは中の人によると確かに自社EDAツールはあったが十分EDAベンダーのツールも取り入れていたし、敗因はそこじゃないという反論もある』

そもそもEDAって何なの?
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1003/24/news094.html

MIT、小さな人工頭脳を開発 中村 真司2020年6月10日
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1257920.html

MITと共同でニューロン単位での脳解析を目指す東芝メモリ
~2019年には96層QLC NANDを投入(佐藤 岳大2018年11月30日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1156125.html

香港ドルの位置づけ…。

香港市場、深まる中国化 米中対立の矢面に
チャートは語る
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO6007895006062020SHA000?disablepcview=&s=5

※ これを見ると、香港は単なる「中国」の「行政区」の一つでは無く、西側資本主義国からの「投資」の「窓口」である…、ということがよく分かる…。

※ それを背後から支えている「仕組み」が、香港ドルの「米ドルへのペッグ制」であるわけだ…。

※ トランプ政権は、その「米ドルへのペッグ制」までを、「破壊」するつもりがあるのか…、という点が注目点だ…。そこまで踏み込むと、米企業だけでなく、西側資本主義国のあまたの企業が、とてつもない「返り血」を浴びることになる…。そこまで、やるつもりがあるのか…。

※ むろん、その「構え」を見せつつ、中国へ圧力を加えようとしているのだろうが…。

※ いずれ、そういう「カード」も、持っている…。使えるかどうかは、別にして…。