ずぼらなリカちゃん、なぜ元気をくれるのか

ずぼらなリカちゃん、なぜ元気をくれるのか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210719/k10013147211000.html?utm_int=news_contents_netnewsup_002

 ※ リカちゃんも、「ズボラな姿」がウケてるのか…。

 ※ だんだん、みんな「お人形のように綺麗なもの」に、共感できなくなってきたんだろう…。

 ※ 「等身大の」「飾らない素顔」に、癒されるのか…。

 ※ さりとて、昔から「秘すれば花」と言って、「現実そのまま」「リアルそのもの」は、また、「目を背けたい現実」でもあるんだよね…。

 ※ そこいら辺が、難しいところだ…。

『あるところにお姉さん(私)がいました。

お姉さんは仕事に疲れて帰宅。

ベッドに横になりスマホの動画を眺めていました。

その動画を見て元気がわいてきました。

動画には、ちょっとずぼらなリカちゃんが映っていたのです。
(ネットワーク報道部 記者小倉真依 柳澤あゆみ)

同じだ!
リカちゃんとはあのリカちゃん。

50年以上前に販売が始まり、連々と新シリーズが登場する人気の人形です。
タカラトミーのホームページでは
「常に時代や流行を反映しながら、子どもたちの憧れや夢を形にした商品」と紹介されています。
ところが私が見た動画やインスタの中では、帰宅したとたん、着替えもせずにソファーで倒れる。
スエット姿になって、たまった食器や洗濯物の片づけは後回し。
なのにベッドに寝転がって、スマホを見ちゃっている。

「私は洗い物はためないけど、結構、同じだ」

そう思い、元気が出たのです。
そうです。

冷蔵庫を足で閉めちゃうなんて、そのほうが早いので当然、やっちゃってます。
みんな、そうなんだ
ただこれは人に言えたことではない。

社会人になったころなんて特に
「あーあ、だめだな、だめだめ。もっとちゃんとしなきゃ、だめじゃん」と思う私がいた。

そして「毎日、忙しいんだよ。これぐらい許してよ」と、だめだと思う私にこい願う私もいた。

みんなはどう思うんだろうと、同僚に動画を見てもらうと、彼女は(柳澤)は私よりつわものだった。
「わかります、わかります。食器って使うと勝手に台所にたまっていきません?」

食器に意志はないから、そんなことはないのよ。

「私はみんな仕事がんばっているんだなって思いました。余裕があればきちんとしたいけれど、現実は疲れてそうはいかないじゃーないですか」

「だめだなっ私って思っていたのが、みんなそうなんだなって肯定された気持ちになりました」

どうも同僚は私より、気持ちをことばで表現するのがうまそうだ。
共に社会にもまれる
この動画はいくつかあがっていて話題になった。

中でも仕事から帰ってきて部屋でうだうだするリカちゃんと、仕事に行く前の朝、うだうだするリカちゃんがよく再生されていた。
仕事がONとすれば、ふだんはOFF。

そのOFFの姿に自分を重ねるコメントが多く寄せられている。
「私を見ているようで泣けてきた」

「あの頃、遊んでたリカちゃんと共に今は社会にも揉まれる切なさ…」
動画を、おもしろいと思って見ているだけではない姿が浮かんできた。
投稿した女性は
この動画ってどんな思いで作ったのだろう。
連絡をとると投稿していたのは20代後半の女性だった。

「会社員です、事務も外回りもやってます」と丁寧に答えてくれた。

リカちゃんは小さいころから好きで、リカちゃんの家族がそろったセットもあったそうだ。
女性
「私、家族にもだらしないと言われていたし自分でもだめだなって思っていたんです」

「“女性はかたづけをちゃんとしないといけない”、育つ中でそう感じていて、まあ、あまり深刻な意味ではないんですけど、負い目がありました」
動画を作るきっかけは、自分がリカちゃんだったらどんなんだろう、自分を投影してみようと思ったことだったという。
女性
「それはきっとキラキラした感じじゃなくて、ずぼらでだらしない感じになる。でもきっとかわいいんじゃないかと思ったし、作ってみるとやっぱりかわいかった。それなら自分も、はた目からみたら、いとしい存在なんじゃないかと思えました」

「だからこの動画は自分のためにあげています。家の中くらいこんなんでもいいじゃんって自己肯定感を高めているんです」
きちんとしているほうが…
このリカちゃんの動画について、同僚はなんと国連に取材の手を伸ばした。

国際の平和および安全を維持することが目的のあの、国際連合。

その中にジェンダー平等などに取り組むUN Womenという機関があって日本事務所の所長に話を聞いてきた。
石川雅恵所長
石川雅恵所長
「反響の多さはたくさんの人たちが、女性はきちんとしているほうがいいというステレオタイプにさらされているからではないでしょうか」

「仕事を頑張り、家もきれいに片づけて、家事もきちんとこなすのが当たり前という考えがあるから、それができない自分を恥ずかしいと感じてしまう」

「それには企業CMやメディアの影響もあります。いまはそうしたステレオタイプを打ち破る先進的な取り組みが求められていると思います」
シミや毛穴、消しません
彼女の取材はどんどん進む。
ステレオタイプを打ち破る取り組みを探し、世界的な企業に取材先を定めた。

大手日用品メーカーのユニリーバ。シャンプーやボディソープ、メーク用品などを世界で取り扱っている。
“世間が決めた美意識にとらわれない”

“ありのままの美しさに気付いてもらおう”
聞くと20年ほど前から、そうしたメッセージをコマーシャルとかで発信し続けているらしい。

ダヴという売れ筋の商品シリーズでは、コマーシャルでシワや毛穴を消したりスタイルを修正したりする画像加工を取りやめた。

モデルをやめて一般の人に出演してもらうことにした。

そしてあるイメージCMにちょっと心を打たれた。
嫌いな部分からでいいですか
CMの現場は実在する高校。
女子生徒たちに、学生証の写真について、話をしてもらうと…。
「きらいなところは肌の色が悪いのと目が小さいのと…」

「好きな部分?…嫌いな部分からでいいですか」
自分に否定的なことばが、どんどん飛び出てくる。

そして生徒たちは学生証の写真を撮り直すと告げられる。
そんなもの、なくしたいんです
カメラの前に座る生徒。

すると突然、側にあるモニターから同級生からのメッセージが流れてきた。
「目がやさしくて内面がにじみでてるなって思う」

「シンプルに笑ったらかわいいんじゃないかな」
同級生が語ったのはその人が持つ、気付いていないかもしれない魅力。

ことばを聞いた後の写真はみなとびきりの笑顔だった。
学生証の写真
撮り直した後
“社会が決めた役割” “社会が思う美しさ”

そこに一石を投じたかったと担当者は話してくれた。
ユニリーバ・ジャパン担当者
「女性はこうあるべき、男性はこうあるべき、母はこうあるべきという認識で窮屈に生きなくてはならないなら、そんなステレオタイプをなくしたいんです。ひとりの人として、その人らしさを大切に描きたいと考えてます」
うれしい
ずぼらを取材して、それが国連やワールドな企業までかけめぐるとは思わなかった。でも、自分を否定せず、大切にしていこうという動きは確かにあるみたいだ。

それがうれしい。

私が疲れて寝転んだベッドで見たずぼらなリカちゃん、それを投稿した女性はこんなことも話してくれて、それもまたうれしかった。
女性
「苦労と無縁の華やかに見えるリカちゃんも、もがきながら頑張っているんだって見てもらえたのかなと思います。優雅に泳いでいるように見える白鳥でも水の下では足をばたばたさせてもがいているように。これはみんなだよ、みんなで自分をほめようよって思います」』

PayPayなどの電子決済は普及するか?

PayPayなどの電子決済は普及するか? : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/26436538.html

 ※ この「責任の所在」ということ、「最後に責任を負ってくれるのは、誰なのか」ということが、キー概念だと思う…。

 ※ 「安ければ、それでよし。」というわけじゃ無いんだ…。

 ※ 熱海の土石流も、ここが問題になってくるだろう…。

 ※ 「人災」の要素がある場合には、「激甚災害」指定は、ムリである…、という話しだしな…。

『日本のこの手のサービスでありがちなのですが、何かトラブルが発生した時に、クレジットカード以外の電子決済手段って、責任の所在がはっきりしていないのですね。クレジットカードの場合、規約によって、決済加盟店、クレジットカード会社の責任の分担が、はっきり決まっていて、カード利用者に対して補償も行われるので、世界中で決済サービスとして広まっています。

手数料の安さ、決済の手軽さを売りにしている電子決済サービスは、そこまでの費用を捻出できないので、全てうまく運用されている事を前提に決済されています。例えば、ハッキングされたり、何がしかの不正利用が行われた場合、どこが責任を持つのか、はっきりしていません。

その為、ローカルな国内で、そこそこのシェアを持ったとしても、国際的な広がりを持って利用されない運命にあるんですね。その上、日本では、官庁がデジタル決済に音頭をとったので、それとばかりに猫も杓子も飛びついて、規格が乱立しました。そして、セキュリティー管理が、ド素人かと思うくらい甘かったので、運用開始初日にハッキングされて、セブンペイなどは、早々にサービス停止に追い込まれました。

実際、日本はIT後進国です。ハードウェアではなく、利用技術で。例えば、ワクチン接種会場の予約システムや、混雑状況のリアルタイムの表示など他の国で当たり前にやっているサービスすら、トラブルで正常に動かなかったり、利用されていなかったりします。

一つには、最低の社会リソースを持つ人に合わせるという日本の文化も関係しています。つまり、スマホを持っていない人がいれば、その人に合わせるんですよね。その人が生きるために必死に、インフラの水準に追いつく必要が無いように仕組みを作ります。その為、全体が非効率になるわけです。

何かのサービスを始めるにあたって、IT部門の会社を作っても、トップがITド素人だったりします。経営のプロで、ゼネラリストでもあっても、技術的な問題や、基本的な常識で、とても交渉ができるレベルじゃないんですね。その為、簡単に誰でも利用できるに寄せて、セキュリティー上の常識を踏みにじったりします。末端は幹部の司令に逆らえないですから、まぁ無様なシステムが出来上がるわけです。その結果、当然のようにトラブルを起こし、信用を無くすと。

色々と電子決済については、日本の各社ともに頑張っていますが、結局は外資が本格的に参入してきたら、一瞬で粉砕されるような気がしています。それくらい、利用のしやすさ、システムの堅牢さ、各種サービスのリレーションと、利用者目線のサービスの質に差があります。一言で言うと不便なんです。』

河野氏要請の省庁ファクス全廃 反論殺到で断念

河野氏要請の省庁ファクス全廃 反論殺到で断念
https://news.yahoo.co.jp/articles/723363984320fff62f4697606b320ee2c1c33b3b

※ まず、インターネット環境が、各省庁の「情報収集先」全部に備わっているのか、という問題がある…。

※ さらに、仮に備わっていたとして、「セキュリティ対策」は、確保できるのか、という問題がある…。

※ さらには、「災害時にも」、機能し得るのかという問題がある…。

※ ドラスティックには、いかんだろう…。

※ ジワジワと、できるところからやって行って、当分は「複線体制」にして、十分「見極め」たら、

「旧体制」を止めていく…、という策だろうな…。

『河野太郎行政改革担当相が先月、霞が関の全省庁に要請したファクス廃止に対し、「できない」との反論が数百件寄せられ、政府が全廃を事実上断念したことが分かった。情報漏えいの懸念や通信環境への不安などが理由で、一定程度の使用を認める方針だ。

【動画】住宅街でクマに襲われ4人けが 札幌・東区

 政府関係者が明らかにした。河野氏はファクスをテレワークを阻害する要因の一つとみて6月末で原則利用をやめ、電子メールに切り替えるよう求めていた。道内を含む各地の出先機関も対象だった。

 しかし、内閣官房行政改革推進本部事務局によると、各省庁から400件程度の反論が寄せられた。民事裁判手続きや警察など機密性の高い情報を扱う省庁でファクスは多用されており、メールに切り替えると「セキュリティーを確保する新システムが必要」との懸念が出されたという。

 また、「通信環境が十分ではない」「危機管理上、複数の回線確保が必要」など、メールへの一本化に難色を示す声も相次いだ。

 当初は防災関連など一部業務についてのみ使用を認める方針だったが、情報漏えいの懸念や通信環境への不安などがある場合は利用を認める。同事務局の担当者は「ファクス利用をやめた省庁も多いだろうが、胸を張って大部分を減らせたとは言えない」と話した。』

中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情

中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情
王 青:日中福祉プランニング代表
https://diamond.jp/articles/-/275582?page=3

 ※ 高齢化=介護の問題…、だ…。

 ※ これが、「老いていくアジア」全ての国に共通の問題となる…。逃れられる国は、無い…。

 ※ 日本国は、「高齢化のトップランナー」だから、その課題に「最も早く直面した」…。

 ※ 他国は、初めは「高みの見物」だったろうが、既に、「尻に火が付いた」状態になっている…。

 ※ 誰も、助けてはくれない…。全て、自力で解決していかなければならない…。

『5月11日に、10年ごとに実施されている中国の第7回国勢調査の結果が、中国国家統計局により発表された。それによると、60歳以上の高齢者が2.6億人となり、総人口の18.7%を占めている。65歳以上の人口は10年前と比べて6割増えて1.9億人となり、全体に占める割合は13.5%だった。一方、2020年の新生児数は1200万人となり、3年連続で減少。出生率は1952年の統計開始以来、最低の1.3である。少子高齢化が加速していることが明らかとなった。』

『しかし、このような「熱狂ぶり」とは裏腹に、厳しい数値もある。昨秋、中国国内の行政部門の一つである民政部は、介護施設の現状を公表した。これによると、現在、中国国内の介護施設の総数は約4.2万カ所、429万床。これに対して、214.6万人が入居しているという。全国の平均入居率は50%。

 また、北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%と、3割超に上ることも分かった。』

『この事例は、まさに今の中国の介護を象徴したものといえる。具体的には、以下の三つの深刻な問題が映し出されている。

 まずは、介護にかかる「金」の問題だ。

 中国は、日本の介護保険のような社会保障制度が完備されていないため、施設への入居費など、介護にかかる費用は全額自己負担となっている。最も人口が多い中間層を例にとっても、高齢者本人の年金だけでは足りず、家族の援助が不可欠だ。そのため、できるかぎり入居費を抑えたいので、多床室を選ぶ。結果、最低限の衣食住の環境で、自由も少なく、いわば「生きているだけ」の生活を強いられていることが少なくないのだ。一方で、施設の運営側は赤字にならないように、備品購入費や人件費など、最大限コストを抑えようとする。』

『第二の問題は、介護施設の需要と供給のアンバランスである。

 空室率が高い施設の多くは、富裕層向けもしくは不動産投機が目的であるものだ。高級路線の施設は、五つ星ホテルと間違えられるような、豪華な玄関があり、部屋にも高級家具が置かれている。ただ、そこで悠々自適に老後を送ることができるのは、一握りの富裕層と一部の「上級国民」だけだ。

 一方で、料金がリーズナブルで、立地などの条件も良く、中間層が利用しやすい施設は数が不足している。ゆえに、全体で見ると約5割もの高い空室率であるにもかかわらず、多くの高齢者が入りたい施設はなかなか見つからないという現状がある。』

『最後に、「介護人材の著しい不足」だ。現在、中国の介護人材は約1000万人不足しているといわれている。中国の介護施設では、1人のスタッフが8~12人の入居者を見て、1日12時間働き、休日は週1日というところも多い。

 現場で働くスタッフの特徴は、これまで「三高三低」と称される。つまり、「リスクが高い、労働強度が高い、離職率が高い。一方で、社会的地位が低い、給料が低い、学歴が低い」。ここ数年、スタッフの年齢が年々“高く”なったことで、今は「三低四高」といわれている。

 最新の調査では、50歳以上のスタッフが全体の70%を占めていて、学歴が高卒以上の人は12%である。現場では、人材のほとんどが「4050」といわれる40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ。近年、政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない。』

介護に貯金…まだ間に合う 人生100年時代、お金の誤算

介護に貯金…まだ間に合う 人生100年時代、お金の誤算
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO73420610Q1A630C2W01000/

※ ヤレヤレだ…。

※ フツーに人生送って、フツーに死んでくのが、最も大変…。

※ しかも、「長生きするように」なったしな…。

※ それでも、まあ、長生きしても94~5才くらいで亡くなるケースが多いんでは…。

※ オレの身内でも、それくらいで3人亡くなってる…。

※ まあ、その前に、「脳血管系の病気」や、「心臓・循環器系の病気」、「癌」にならなきゃ、御の字だ…。

※ 最近、「緑内障」を発症して、「目が不自由になり」、晩年は生活が大変だった…、という身内の話しを聞いた…。そういうケースもある…。

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ
日経サイエンス
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC18CCA0Y1A610C2000000/

 ※ こういう「サイエンス・データ」に反する従来からの「文献による言説」は、全く意味をなさなくなった…。

 ※ 「学問の進化」とは、そういうものだ…。

 ※ ただ、「50人」じゃ、ちょっと少ないな…。

 ※ まあ、大まかな「傾向」を探る…、程度のものだろう…。

『私たち日本人は、縄文人の子孫が大陸から来た渡来人と混血することで生まれた。現代人のゲノム(全遺伝情報)を解析したところ、47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率が異なることがわかった。弥生時代に起こった混血の痕跡は今も残っているようだ。』

『東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータのうち、許諾の得られたものを解析した。1都道府県あたり50人のデータを解析したところ、沖縄県で縄文人由来のゲノム成分比率が非常に高く、逆に渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県だった。沖縄県の次に縄文人由来のゲノム成分が高かったのは九州や東北だ。一方、渡来人由来のゲノム成分が高かったのは近畿と北陸、四国だった。特に四国は島全体で渡来人由来の比率が高い。なお、北海道は今回のデータにアイヌの人々が含まれておらず、関東の各県と近い比率だった。』

『近年の遺伝学や考古学の成果から、縄文人の子孫と渡来人の混血は数百~1000年ほどかけてゆっくりと進んだとみられている。弥生時代を通じて縄文人と渡来人が長い期間共存していたことが愛知県の遺跡の調査などで判明している。どのような過程で混血が進んだのかはまだ不明で、弥生時代の謎は深まる一方だ。今回の解析で見えた現代の日本列島に残る都道府県ごとの違いは、弥生時代の混血の過程で起こったまだ誰も知らない出来事を反映している可能性がある。書物にも残されていない日本人の歴史の序章は、ほかならぬ私たち自身のゲノムに刻まれているのだ。

(日経サイエンス編集部 出村政彬)

詳細は6月24日発売の日経サイエンス8月号に掲載』

今だけ人に戻ってアジコさんにお手紙を

今だけ人に戻ってアジコさんにお手紙を – シロクマの屑籠
https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20210625/1624615581

 ※ ネットで「意思疎通」しようとしているということの方が、驚きだ…。

 ※ そういう「媒体」じゃ、無いと思う…。

 ※ 情報取得の一手段にすぎんだろう…(他にも、情報源はあまたある)。

 ※ 重要なのは、どういう情報を取得して、どういうことを考えるのか…、ということの方だと思う…。

 ※ まあ、シロクマ先生は精神科医なんで、他人の「精神状態」がどういうものなのか…、ということを探り続ける習性があるんだろうな…。

『現在のインターネットは、はてな界隈に限らず、ここでいう「機械のような生き物」ばかりですね。『はてな村奇譚』で実際に挙げられていたのは、「オススメ漫画100」「教養を獲得するための12冊」といった文章を吐き続ける機械でしたが、現在は、もっと政治的なことを吐き続ける機械も増えました。確かに何事かをアウトプットしていますが、意思疎通の余地があるようにはみえません。こういう「機械のような生き物」はtwitterにもたくさんいます。ひょっとしたらtwitterのほうが多いのかもしれない。みんな、みんな「機械のような生き物」だ。
 
それらのアカウントだって人が運営しているんでしょう。でも意思疎通の余地があるかといったらはてさて。私のtwitterアカウントをフォローし「いいね」をしてくれる人にも、「この人と意思疎通する余地ってあるのかなー?」とわからない人がたくさんいます。いや、もうひとつひとつのアカウントを人として認識できていない自分がいる。
 
(主語が大きいと他人は言うでしょうけど)インターネットは、人と人とが意思疎通しわかりあおうとする場所じゃなくなりました。意思疎通の難しいアカウントがたくさんいると嘆く前に、自分自身がそもそもインターネット上で意思疎通をしようとしている気がしません。少なくとも、異なった思想信条を持った人と積極的コンタクトをとり、すったもんだを経験してでも何かを獲得しようとする姿勢が私のネットライフから失われてしまいました。そういう気持ちになれる相手がたまさか見つかると嬉しい気持ちになりますが、全体のなかではけして多くありません。そして相手のほうが同じ風に思ってくれるかは全くわからないのです。』

「国会の判断」当面進展せず 自民、集約先送り―夫婦別姓

「国会の判断」当面進展せず 自民、集約先送り―夫婦別姓
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062301123&g=pol

※ 賛成、反対…、どっちに「集約」しても、一定の支持層が離れて、票を減らすことになる…。

※ 「問題先送り」するに、如くは無い…。

※ 「一票の格差」の問題のように、最高裁から「国会の怠慢」の「お𠮟り」を受けることも無いしな…。

※ 「一票の格差」の問題の場合は、「民主制」の大前提たる「投票制度」「一票の価値の平等」の問題だ…。

※ 憲法上も明確に、「現実的に、でき得る限りの平等を図る」という価値判断が成立するところだろう…。ここに異論は、無いだろう…。

※ しかし、「夫婦同氏」「家族同氏」の価値は、人によって様々な考え・価値判断があり得るところだ…。

※ 必ずしも、「一方向に収れんする」というわけのものでも無い…。

『夫婦別姓に関する憲法判断が注目を集めた23日の最高裁決定は、別姓を認めない現行法の規定を合憲とする一方、制度の在り方は「国会で判断されるべきだ」とし、選択的夫婦別姓制度導入の是非の判断を再び立法府に委ねた。ただ、党内で賛否が伯仲する自民党は意見集約を次期衆院選後に先送りしており、当面は進展しそうにない。
自民、衆院選前の意見集約先送り 夫婦別姓、党内の溝埋まらず

 自民党の下村博文政調会長は決定後、記者団に「わが党にも多様な意見がある。衆院選が終わってから本格的に議論し、方向性を見極めていきたい」と語った。

 自民党内では昨年12月、選択的夫婦別姓をめぐる議論がまとまらず、政府の第5次男女共同参画基本計画から「選択的夫婦別氏」の文言が抜け落ちた経緯がある。同党は今年4月、新たに設けたワーキングチームで議論を再開したが、先にまとめた論点整理では「司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進める」と記すにとどめた。

 党内の賛成、慎重両派の議員連盟は23日、それぞれ談話を発表。賛成派議連は選択的夫婦別姓について「(最高裁の)指摘を重く受け止め、一日も早く実現できるよう活発に活動する」と訴え、慎重派議連は「国民が懸念する子に与える影響や社会的混乱、財政的コストの観点から冷静かつ慎重な議論を行う」と強調した。

 別姓賛成の公明党の竹内譲政調会長は記者会見で「時代はものすごい勢いで変わっている。自民党の活発な議論を期待する」と注文を付けた。

 立憲民主党など野党は次期衆院選で別姓推進を訴え、自民党との対立軸としてアピールする方針だ。立民の安住淳国対委員長は記者団に「自民党とわれわれの一番の違い。世界標準に改めることを総選挙で訴えたい」と表明。共産党の穀田恵二国対委員長は会見で「国会で壁になっているのは自民党の一部。理屈にならない理屈で反対している。時代錯誤だ」と指摘した。』

最高裁、夫婦別姓認めず

「いつになったら選べますか」 最高裁、夫婦別姓認めず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE22CDF0S1A620C2000000/

『夫婦同姓を定めた民法と関連する戸籍法の規定について、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は23日、家事審判の特別抗告審決定で「合憲」とする判断を示した。合憲判断は2015年以来だ。婚姻や家族のあり方は時代と共に変わっていくと思っていたが、最高裁の判断は6年を経ても変わらなかった。私たちは120年以上前に作られた枠組みの中でこれからの時代を生きることになる。

すでに日本は国際社会の中で異質な存在だ。夫婦同姓を強いる国など世界中でほかに見当たらない。独メルケル首相も夫婦別姓を選択しており、今の夫の姓はザウアー氏だ。ニュージーランドのアーダーン首相とパートナーであるゲイフォード氏との間に生まれた娘は両方の姓を持つ。

日本では社会的な圧力からほとんどの妻が夫姓に変えているとして、国連は再三にわたって是正勧告を出している。名前は個人を特定するものであり、生まれたときからの名はアイデンティティーでもある。平均初婚年齢が30歳前後となった現在では男女とも婚姻前にキャリアや信用、人脈、資産を積んでおり、改姓に伴う負担は大きい。

こうした問題に対して政府が提案するのは、別姓ではなく旧姓の通称利用だ。

職場で共に働く仲間が旧姓を利用していれば、本名はなかなかわからない。だから子どもの緊急時に保育所から勤め先に親の戸籍名で問い合わせが入っても、つながりにくくなる。海外の学会に参加しようにもパスポート名と一致しない。同一人物であると証明するためには多大な手間が求められる。特に研究者など国際社会で活躍する人ほど不利益を被る。

パスポートなどを旧姓併記にしても旧姓と戸籍姓の連続性が国際的に証明できるわけではない。外務省によると旧姓を併記する国は少なく、入国時に入国管理当局から説明を求められるケースがあるという。世界的に本人認証が厳格化する中、「私は田中花子ですが、佐藤花子も私です」と言えば〝なりすまし〟と疑われても仕方がない。

企業の負担も大きい。内閣府が17年に公表した調査では旧姓使用を認めている企業は45.7%にとどまった。企業経営者らは「名字の変更や使い分けに対する負荷をビジネスの現場に押しつけており、企業の生産性を下げる一因となっている」などとしてこの春、「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」を発足させた。

少子化で一人っ子の多い時代、婚姻によって実家の名前は次々と消滅していく。家族や先祖を大切に思い、実家の姓を守りたい一人っ子同士が結婚できないという問題は地方で深刻だ。別姓を通すため事実婚を選択するカップルも少なくない。

だが事実婚で家族をつくることに日本の制度は十分対応できていない。先進国の中でも出生率の高いフランスなどは婚外子が半分以上を占めるが、日本は婚外子の割合が著しく低く、出生数の減少スピードは加速している。家族を守るための法律が、家族を守り継承させたいと願う人の未来を奪ってはいないだろうか。

法務省の法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を答申して四半世紀。当時うまれた子どもたちは大人になり、親世代が先送りしてきた問題に直面している。

30歳未満の若者でつくるプロジェクト「#男女共同参画ってなんですか」は昨年、第5次男女共同参画基本計画策定に向けて若者の意見1000件以上をとりまとめた。最も多かったのが「選択的夫婦別姓の早期導入」だ。「現行制度ではお互いの姓のままでいたい人が結婚できない」と主張する。署名活動は5日間で3万筆を集めた。

6年前に最高裁は選択的夫婦別姓について「合理性がないと断ずるものではない」「国会で論ぜられ、判断されるべきだ」とした。だが昨年末の基本計画は、自民党内からの強い反対によって「選択的夫婦別氏(姓)」の文言が削除された上で閣議決定した。

「いつになったら選べますか」。これからの時代を生きる若い世代の問いに、一体誰が答えるのだろうか。

(編集委員 中村奈都子)』

夫婦別姓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E5%88%A5%E5%A7%93

『民法および戸籍法の規定
日本では以下の民法および戸籍法により、日本人間の婚姻の場合、夫婦は同氏と定められている。

民法 第750条(夫婦の氏)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

戸籍法 第74条
婚姻をしようとする者は、左の事項を届出に記載して、その旨を届け出なければならない。
一.夫婦が称する氏
ニ.その他法務省令で定める事項

これに対し、アイデンティティ喪失、間接差別、改氏の不利益[15]などの理由から、別氏のままの婚姻を選択できる制度の導入が検討され、訴訟も起きている[16][17][18][19]。
一方で、改氏する者の不利益は改善されない、別氏の間接強制になりえる、などの主張[20][21]、親子別氏の問題が発生するという主張[22]や、旧姓の通称使用拡大で十分との主張[23]、簡易に氏名変更できるようにする方が先決[24]などの反対論・消極論がある。(「#賛否の論点」参照)』

やはり「電話」はいらないのか…。

やはり「電話」はいらないのか 不要論の背後に、皆が気付かない「力学」:“いま”が分かるビジネス塾(1/4 ページ)
view-source:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2106/22/news053.html

『電話に関していつまでも意見が食い違うのは、背景にある「力学」について多くの人が認識していないからである。電話の是非に関する議論は、基本的に立場が「強い」「弱い」、つまり権力を持っているかどうかに関係しており、最終的には格差問題につながっていく。』

『結局のところ、相手の状況などお構いなしに一方的に電話をかけられるのは、上司や顧客など、立場が上の人(つまり権力を持っている人)に限定される。ひろゆき氏も「立場が強くて無能な人ほど電話を使いたがる」と述べている。

 ひろゆき氏が言うように、立場が強く、かつ無能な人ほど、一方的に電話をかけてきて、メモもしっかり残さないので、後でもめることが多い。つまり電話をストレスなく使えるのは、互いを尊重し合える関係が構築できている相手に限定される。』

『職種によっては、取引相手に電話で長々と説明せざるを得ず、(ムダだと分かっていても)それに付き合わなければならない人もいる。結局のところ、無意味なコミュニケーションを避けられるのは、自身のコミュニケーションスキルと相手のスキル、そして双方の力関係で決まってしまう。

 自身にスキルや能力がない場合、使い慣れたツールしか使えず、相手に迷惑をかけることになる。一方で、自身が高いスキルや能力を持っていても、相手が単一のコミュニケーションを望み、それを回避できなければ、それに付き合うしかない。』

『職種によっては、取引相手に電話で長々と説明せざるを得ず、(ムダだと分かっていても)それに付き合わなければならない人もいる。結局のところ、無意味なコミュニケーションを避けられるのは、自身のコミュニケーションスキルと相手のスキル、そして双方の力関係で決まってしまう。

 自身にスキルや能力がない場合、使い慣れたツールしか使えず、相手に迷惑をかけることになる。一方で、自身が高いスキルや能力を持っていても、相手が単一のコミュニケーションを望み、それを回避できなければ、それに付き合うしかない。』

『電話しか連絡手段がなかった時代は、他に選択肢がないので、どんな環境の人も同じツールを使っていた。だが今の時代は次々と新しいコミュニケーションツールが登場しており、スキルが高い人は新しいツールを積極的に使いこなすだけでなく、必要に応じてツールをうまく使い分けている。連絡を取る相手についても、機転が利くスキルの高い人だけを選別しようと試みるはずだ。』

『結果としてツールをうまく使いこなせる人は、似たような人とビジネスを進めることになるので、生産性が向上し、経済的にも成功しやすくなる。一方でツールを使いこなせない人、使いこなせない人を相手にせざるを得ない人は、低い生産性のほうに引き寄せられてしまい、経済的な利益も小さくなる。

 結局のところ電話の問題は、自身がどれだけ自由に行動できるのか(つまりどれだけ優位な立場にいるのか)に依存しており、最終的には格差問題を引き起こす原動力となってしまうのだ。』

日本企業が不祥事を起こす七つの原因

日本企業が不祥事を起こす七つの原因 ~いつまでこんなことが続くんだ!~【怒れるガバナンス】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122800300&g=eco

『◆作家・江上 剛◆
【作家・江上剛】会社経営とは 渋沢栄一が残してくれたもの

 第一生命保険のセールスレディーが、約19億円もの顧客資金を詐取したという事件が起きた。彼女は89歳という高齢だ。事件が発覚して以来、認知症だと主張しているらしい。

 高齢の人には申し訳ないが、89歳というのは日本人の平均寿命を超えており、亡くなっている人の方が多いということだ。生きている人でも大方は現役を去り、静かな余生を送っていることだろう。

 ところが彼女は、第一生命でただ一人という「特別調査役」の肩書を与えられ、それを材料に使い、自分に任せれば10~30%の利回りを保証すると客を信用させていたというから、すごいという一言に尽きる。

 事件の全体像は、これから解明されるだろうが、人生100年時代とはいえ、こんな高齢の女性を営業の現場に立たせ続け、不正のうわさもあったらしいが、そのことには耳を傾けなかった第一生命の責任は重いと言わざるを得ない。

 ◆不正の予兆
 報道によると、同社は被害額の30%を弁済すると言っているようだが、根拠が分からない。19億円は巨額だが、事件を長引かせることで失う同社の信用、信頼の損失の大きさを考えれば、さっさと全額を弁済し、被害者との訴訟問題を収め、事件解明に努めた方がプラスではないか。

 第一生命は、不正の予兆を感知することはできなかったと説明しているようだが、本当にそうだろうか。3年も前に外部から問題を指摘する情報が上げられていたという報道もある。怪しい、おかしいなどという声が現場から上がってきていたにもかかわらず、上層部は、それを深く追及しなかったのだろう。

 イエス・キリストは「彼らは見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らないからである」(新約聖書フランシスコ会聖書研究所訳注)と語ったが、現場からの声に経営者が耳を傾けなかっただけではないのか。

 実は、彼女をモデルにしたと思われる小説がある。小説なので事実とは異なるだろうが、小説の主人公の生保レディーは、ある地方銀行の実力頭取の庇護(ひご)を受けているという設定だ。

 その銀行では、頭取に認めてもらうため、彼女の保険契約に関し行員が競い合っていたという。その結果、彼女は所属する保険会社でナンバーワンの実績を挙げることが可能となったというストーリーだ。

 下世話な表現を許してもらえれば、女の武器を使い頭取を籠絡し、威光を背に抜群の成績を挙げたのだ。

 小説内の保険会社では、頭取の威光もあり、また成績を挙げた彼女の機嫌を悪くしないように、いつの間にか腫れ物扱いになっていたのだ。

 ◆触らぬ神に
 本事件の報道では、この小説に描かれたような背景の問題は出てこないので、これを事実として扱うことはできない。しかし、第一生命においては、当該の89歳のセールスレディーが何らかの事由で「アンタッチャブル」、すなわち「タブー」、すなわち「触らぬ神にたたりなし」扱いになっていたことは事実だろう。

 第一生命と同様に「触らぬ神にたたりなし」的人物のせいで経営が揺らいだのが、関西電力だ。関電の幹部たちが、福井県高浜町の元助役から数億円に上る多額の現金やスーツ仕立券を受け取っていた事件だ。

 当該元助役は、すでに鬼籍に入っているが、原発立地に貢献した人物らしく、もし金品などの受け取りを拒否すれば、「ワシを軽く見るなよ」と脅迫されたため、受け取らざるを得なかったという。

 関電側は「死人に口なし」とばかりに被害者として振る舞い、当時のトップは「不適切だが、違法ではなかった」と発言し、ひんしゅくを買った。

 この資金が、原発立地に関わる資金であれば、結果として電力料金に跳ね返る。ならば「真の被害者は消費者だ」と強く言いたい。結果、関電側は、事件の責任を取って辞任した旧経営陣たちに善管注意義務違反があったとして約19億円の損害賠償請求訴訟を行うようだ。

 余談だが、関電ともなれば、経営陣を監視する社外取締役には、重厚な人物が就任していたと思うが、彼らの責任追及はどうなったのか。
 現在は、社外取締役などの重要性がいわれているが、彼らに活躍してもらうためには、事件が発覚した際に責任を負う覚悟が必要だ。
 そうでなければ、現役引退後の良い稼ぎ場所として、幾つもの企業の社外取締役を掛け持ちする「なんちゃって社外取締役」ばかりになってしまう。

 後で触れるが、第一勧業銀行(現みずほ銀行)総会屋事件の際には、社外監査役が責任を取らされてはたまらないと、さっさと辞任し、後任を見付けるのに苦労した記憶がある。

 ◆総会屋事件
 なぜ企業に「触らぬ神にたたりなし」的存在が大きくなり、それが原因で不祥事に発展するのか、私が経験した総会屋事件で考えてみたい。

 私が勤務していた第一勧銀は、1997年5月に総会屋との癒着を問われ、東京地検の家宅捜索を受けることになった。第一勧銀総会屋事件である。結果として11人の幹部が逮捕され、宮崎邦次相談役が自殺するという大きな経済事件となった。

 企業に寄生し、不当な利益を上げる総会屋は、82年10月の商法改正以降も、たびたび事件化していた。イトーヨーカ堂、高島屋、キリンビール、味の素、野村証券などだ。事件が発生するたびにトップは辞任していた。

 そんな事態を第一勧銀の幹部は見ていながら、自分の銀行にも総会屋が巣くっている事実から目をふさいでいた。まさに「彼らは見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らないからである」状態だった。

 私は、当該事件の処理を直接担当したが、出てくる事実に驚愕(きょうがく)、当惑、困惑するばかりだった。
 大物総会屋は事件発覚当時、すでに亡くなっていた。にもかかわらず、彼との関係は、後任の総会屋に引き継がれていたのだ。

 第一勧銀は、第一銀行と日本勧業銀行が71年に合併して発足したが、大物総会屋はその際に暗躍したらしい。それ以来、26年にも及ぶ総会屋との関係が、彼らをいつの間にか「触らぬ神にたたりなし」的存在に祭り上げてしまったのだ。

 ◆「呪縛」という言葉

 私は、東京地検が家宅捜索に入った後の記者会見の原稿を作っていた。その際、トップの責任回避を考えて、総会屋との癒着関係は、総務部や審査部などが、いわば勝手にやっており、頭取などは関係していないという文章を作った。そして、それを頭取たちが居並ぶ会議で発表した。

 するとM副頭取が、「それは違う。責任は自分たち経営陣にある。総務部や審査部の責任ではない。長年にわたる総会屋との関係を断ち切れなかった経営陣である自分たちの責任だ。そういうことをはっきりさせる会見文に直してほしい」と発言した。

 この発言で、その場がシンと静まり返ったのをよく覚えている。経営陣は、この事件は自分たちの責任で、現場はそれに従った、忖度(そんたく)しただけで、責任はないと言い切ったのだ。

 私は少なからず、感動を覚えた。それで、会見文を書き直すため、N法人企画部長と2人で、どういう内容に直すべきか、呻吟(しんぎん)した。

 N部長は漢字に強かったのだろう。「呪縛という言葉はどうだろうか」と言った。私は即座に、その言葉に飛びついた。大物総会屋という存在の呪いに縛られ、身動きが取れなくなった状態を表していたからだ。

 それに経営陣の責任も、何となく曖昧な感じ、やむを得ない感じがするではないか。当時は、今のようにコンプライアンス(法令順守)意識が強くなかったせいもあるが、長い歴史の中で、経営陣が思うに任せないほど巨大化してしまった「悪」の存在に、責任を負わせるのにふさわしい言葉だと思った。

 案の定、その「呪縛」という言葉を記者会見でK頭取が発言すると、会見場に集まった記者たちは目の色を変え、その言葉を原稿に打ち込んだ。「呪縛」という、それ以前はあまり使われなかった言葉が、世間に広まった瞬間だった。

 ◆なぜ失敗するのか

 「名経営者が、なぜ失敗するのか?」(シドニー・フィンケルシュタイン著)という本がある。この本は、著者が多くの企業経営者の失敗を分析した内容で、失敗の原因を次の7項目に集約している。

 1、傲慢(ごうまん)=自分と会社が市場や環境を支配していると思い込む
 2、私物化=自分と会社の境を見失い、公器であることを忘れ、公私混同する
 3、過信=自分を全知全能だと勘違いする
 4、排斥=自分を100%支持する人間以外を排斥する
 5、空虚化=会社の理想像にとらわれ、現実を見なくなる。現場を忘れる
 6、鈍感=ビジネス上の大きな障害を過小評価して見くびる
 7、執着=かつての成功体験にしがみつく (※番号は、オレがつけた)

 この7項目を活用して第一生命や関電、そして第一勧銀の「触らぬ神にたたりなし」的存在による不祥事の説明を試みてみよう。

 カッコ内は私の見た第一勧銀のそれぞれの項目に関連する実態である。
 3社とも社会的に尊敬される大企業であり、自分たちは不祥事と縁はないと「傲慢」になっていた。

 〔銀行に東京地検が家宅捜索に入るはずはない。そんなことになれば金融システムが揺らぐ、と裁判官出身の大物顧問弁護士が発言した〕

 本来の顧客のことを考えず、経営を「私物化」していたからこそ、「触らぬ神にたたりなし」的存在と癒着してしまった。

 〔総会屋の言うなりに不良債権になることが分かっているのに、無担保、無審査で巨額融資を繰り返した〕

 自分たちの不祥事は発覚しない、あるいは問題にならないと「過信」していた。

 〔他社での総会屋事件を他山の石ではなく、対岸の火事と考えていた。総会屋と関係するのも仕事だと思っていた浅はかな経営者がいた。また大蔵省(当時)検査のごまかし、検査官を接待し籠絡することが常態化しており、他行も同じようにしているから、問題ないとうそぶく役員がいた〕

 経営陣に「触らぬ神にたたりなし」的存在について警告、諫言(かんげん)する人を「排斥」していた。

 〔総会屋との関係を続けてはならないと経営陣に諫言した総務部長は左遷されてしまった〕

 自分たちが在籍するのは立派な会社である、その評判を落としてはならない、と不祥事を隠蔽(いんぺい)することが常態化し、経営が外見のみにとらわれ、「空虚化」していた。

 〔大物総会屋が亡くなったにもかかわらず、後任総会屋やその他の総会屋との関係を断とうとしなかったのは、銀行の評判が落ちることを懸念したからだ。銀行=無謬(むびゅう)との空虚な神話にとらわれていた〕

 長い間の「触らぬ神にたたりなし」的存在に「鈍感」になっていた。

 〔総会屋事件発覚後の株主総会においてさえ、ある経営者は現場に「うまくやってくれよ」と言った。言われた総務部長は逮捕されたため、私が株主総会を仕切ることになった。事態の深刻さを自覚せず、うまくやってくれよと発言した経営者の名前を総務部長は明かさなかった。彼は「トップに忠誠を誓うのが男のロマンだ」と悲しくつぶやいた〕

 生保も、電力も、銀行も、かつての成功体験に「執着」し、ビジネスモデルの変換に苦労している業界だ。だから過去の経営者たちの「触らぬ神にたたりなし」的存在との関係をそのまま引き継いでしまう。

 〔株主総会は、行員株主ばかりでシャンシャン総会。総会屋関係の会社から物品などを購入し、彼らに資金提供を続けていた。それらを断ち切ったら「行員の命が危ないから」とある役員は恐怖におののきながら語った。しかし、自己保身でしかないだろう。昔の経営者が彼らとうまく付き合ったのに、自分が関係を悪化させたくないと思っただけだ。過去もうまくやってきたのだから、先々もうまくやらねばならないと思っていた〕

 ◆傲慢こそ最悪

 この本が指摘する7項目の失敗の原因に、第一生命も関電も第一勧銀も見事に符合するではないか。

 私は7項目の中でも「傲慢」が最悪だと考えている。企業は、傲慢になれば、その時が失敗のわなに落ちる時である。「この世をば わが世とぞ思ふ 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば」(藤原道長)の古歌にあるように、望月になれば次は欠けるだけなのである。

 今や、世の中の価値観は大きく変わった。また変わらねばならない。特に感染症拡大で、私たちは生き方そのものの変革を迫られている。
 しかし、いまだに会社の中に「触らぬ神にたたりなし」的存在がいる企業は多いのではないだろうか。

 それは「悪」というべき存在ばかりではないだろう。過去の成功体験、偉大な先輩経営者の遺訓、失敗を恐れる気持ちなどなど。「悪」であろうとなかろうと、「触らぬ神にたたりなし」的存在を断ち切ってこそ、日本企業のイノベーションがあるのではないだろうか。
 (時事通信社「金融財政ビジネス」より)』

物価は上昇しても「給料」は上がらない、根本的な問題

“物価は上昇しても「給料」は上がらない、根本的な問題:“いま”が分かるビジネス塾(1/4 ページ)”
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/13/news038.html

『4月から公共料金や食品など多くの商品が値上がりしているが、一方で給料はまったく上がる気配が見えない。コロナ後の景気回復を期待する声もあるが、今後、賃金をさらに下落させる新しい制度が始まっている。収入を増やすには、副業などに積極的に取り組むしなかさそうだ。

日本は事実上の生涯労働制へ
 日本ではデフレが続いているとされてきたが、実際はそうではない。物価の上昇率こそ低く推移してきたが、物価そのものは着実に上がっている。しかも、インフレやデフレというのは、多数の商品価格を平均した消費者物価指数を基準に判断される。高額商品など不景気で値下がりした商品があると、それに引っ張られて指数も下落しがちだが、生活必需品は価格が上昇しているケースが圧倒的に多い。つまり多くの人にとって日本社会はデフレでも何でもなく、インフレというのが現実である。

 生活必需品が値上がりしても、給料も上がっていくのなら何とか生活は維持できるが、日本の場合、賃金だけは上がらない。それどころか賃金下落のダメ押しとも言える制度が4月からスタートしている。それは企業に対して70歳までの就業機会確保を努力義務とする「改正高齢者雇用安定法」の施行である。

改正高齢者雇用安定法が4月にスタート(出典:厚生労働省)
 これまで、企業は希望する社員について65歳まで雇用することが義務付けられていたが、4月1日以降は、70歳までの就業機会の確保が努力義務となる。これは雇用ではなく就業機会の確保なので、再雇用とは限らず、フリーランスとして業務委託契約を結ぶといった形態も可能となる。加えて、現時点では「努力義務」なので、企業は順守しなければいけないというものではない。

 だが大手企業にとって努力義務というのは、限りなく義務化に近いものであり、コストという点からいっても、雇用を延長したことと大きく変わるわけではない。つい最近まで企業の定年は60歳だったが、それが事実上、70歳まで伸びたようなものである。

 近い将来、70歳までの雇用が完全義務化される可能性はそれなりに高いと考えられるので、今回の法改正によって日本は事実上、生涯労働時代に入ったと考えてよいだろう。

社員数が多すぎる最大の理由は…… 』

『社員数が多すぎる最大の理由は雇用制度
 とりあえず70歳まで働けるということは、年金減額が確実な状況において朗報といってよいかもしれない。だが賃金という面で考えた場合、この制度は、日本のビジネス社会に致命的な影響を与える可能性が高い。

 日本企業はもともと大企業を中心に終身雇用と年功序列の雇用体系となっており、ビジネスの規模に比して社員数が多すぎる。日本企業の生産性データなどから計算すると、日本企業は米国やドイツなど諸外国と比較して、同じ収益を稼ぐために投入する社員数が1~2割多い。

 これは事業の付加価値が低いというビジネスモデル上の原因もあるが、社員数が多すぎることも大きく影響している。日本企業には、会社に在籍しているにもかかわらず、事実上、仕事がないという、いわゆる社内失業者が400万人以上もいるとの調査結果があるが、これは全正社員数の1割に達する数字である。諸外国と比較して、社員数が多すぎるのはウソではない。

ビジネスパーソンの給与は、やはり上がらないのか
 そして日本企業において社員数が過剰となる最大の要因は、やはり雇用慣行と考えられる。

 諸外国の場合、業務内容をあらかじめ決めた上で採用を行う、いわゆるジョブ型雇用がほとんどなので、同じ仕事をずっと続ける社員が多い。一方、日本はそうではないことから、新入社員に現場仕事や雑務を割当て、年齢が上がると、多くの人は能力にかかわらず管理職に昇進する仕組みになっている。

 このため、常に新卒社員を採用し続けないと現場の業務が回らない。一方で、定年は延長になっているので、中高年社員は管理職として、長期間、会社に雇用され続けることになる。結果として、日本企業では社員数が膨れあがってしまうのだ。

賃金を取るのか、雇用を取るのか』

『賃金を取るのか、雇用を取るのか
 以前は「60歳定年」という切り札があったが、これが65歳に延長され、今回の改正で事実上、70歳まで延長された。社員の平均在籍期間が延びれば、当然の結果として総社員数が増えることになる。一方で、企業が社員に支払う人件費の原資は決まっているので、1人当たりの賃金は下がらざるを得ない。

 つまり日本においては、雇用制度を抜本的に変えて雇用の流動性を高めない限り、今後も継続して賃金が下がる可能性が高いのだ。若いビジネスパーソンにとっては、逃げ切りにも見える中高年社員に対しては複雑な感情だろうが、とりあえず雇用だけは保障されている点において、若い世代も日本型雇用慣行の恩恵を受けている。

雇用制度を変えなければ、賃金は下がる可能性が高い
 企業によって程度の違いはあるものの、日本全体としては、賃金を取るのか、雇用を取るのかという二択が迫られていると考えてよい。

 これは日本特有の現象であり、海外事情とは無関係である。一方、諸外国は新興国を中心に高い成長が続いており、全世界の物価は今後もさらに高騰することが予想されている。しかもコロナ後を見据えた先行投資が相次いでおり、食糧品価格や資材価格はすでにコロナ前を大きく上回っている。

今後、節約は意味をなさない 』

『今後、節約は意味をなさない
 日本で消費される製品の多くは輸入なので、日本国内の状況とは関係なく価格が決まってしまう。つまり今春の値上げは前哨戦である可能性が高く、年後半から来年にかけて、さらに生活必需品の価格は上がっていくと考えられる。そうなると、今後、モノの値段だけが上がり、給料は上がらないという悪夢のような事態になる可能性が十分にある。

平均給与の推移(出典:厚生労働省)
 これまでの時代は、節約が事態を解決する有力な方法の一つだったが、その概念は崩壊していくだろう。もはや節約だけでカバーできる状況ではなく、年収の絶対値を増やさなければ、今の生活水準は維持できない。スキルアップに成功し、年収が上がっている一部のビジネスパーソンを除き、副業への取り組みはもはや必須になったと考えるべきだろう。』

仕事ができない高学歴社員はなぜ生まれるか

仕事ができない高学歴社員はなぜ生まれるか
同志社大学政策学部教授 太田 肇
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO7051546031032021000000/?n_cid=TPRN0016

 ※ いわゆる、「優秀」の中身を、はき違えているんだろう…。

 ※ 企業は、「利益獲得目的団体」だから、「利益獲得」に役立つと思って、「優秀人材」を採用する…。

 ※ それで、「仕事をさせてみると」、カラッキシなわけだ…。

 ※ おそらく原因は、以下のようなことなのでは…。

 ※ こういう「優秀人材」は、抽象的な「目標」「方針」「戦略」を立案することには、長けている…。

 ※ しかし、それらを「実現するためには、実際にどうすればいいのか。」という現実の方策を立てることができない…。

 ※ 企業側としては、「方策を立てる」から、さらに踏み込んで、「実際に、実現に向かって、行動して行ってもらいたい。」わけだが、そういう「現実処理能力」「実務の遂行・推進能力」が”皆無”と来ている…。

 ※ 結局は、「口ばかり達者で、使えないヤツ。」という烙印が押される…。

 ※ 最後は、「なんで、あんなヤツを採用した!」と、人事担当者の責任問題まで生じてくる…。

 ※ そういう「現実処理能力」「実務遂行・推進能力」は、書類選考や面接、インターンでの様子の観察なんかでは、なかなか見抜くことができない…。

『あなたの周りにこんな若手社員はいないだろうか?

・失敗を認めようとせず、何でも周りのせいにする。

・いつも自分の評価が低すぎると不満を口にする。

・自分にはもっと高度な仕事を任せられるべきだと思っている。

 彼らに共通するのは、自己評価と周囲の評価に大きなギャップがあることだ。それが、はた迷惑な態度や行動につながっている。

学歴社会が生んだ「能力」の過大評価

 多くはいわゆる一流大学を卒業したり、MBA(経営学修士)の資格を持ったりしている。そのため自分は優秀だと信じ込んでいる。彼らにとって学歴=能力、偏差値=「頭のよさ」なのだ。したがって、いくら間違いを周りから指摘されても、仕事ができなくても自分に問題があることを認めようとしない。なかには「頭の悪いやつにはわからない」と吐き捨てる者もいる。

 しかし、彼らが責任を周囲のせいにするのは、必ずしも的外れではない。会社や社会が彼らの能力を評価しないのが問題なのではなく、むしろ高く評価しすぎたことが問題なのだ。

 周囲も「いくら優秀でも人間性が備わっていないとだめだ」とか、「頭がよいのと仕事ができるのとは違う」というように、彼らの優秀さ、頭のよさを認めた議論をしてしまうことがある。そのような議論を続けている以上、彼らの思い上がりと責任転嫁はなくならない。

 大事なのは、そもそも「優秀」や「能力」といったことは何かを真正面から考え直すことである。とくに技術革新などによって人間を取り巻く環境が大きく変化している現在、会社も社会も評価や選別の前提になっている「能力」の基準が変わってきたことを頭に入れておかなければならない。

 たしかに工業社会、キャッチアップの時代には記憶力や理解力に優れ、豊かな知識を応用して問題を解決する能力が重宝された。また語学力や計算力なども重要だった。受験秀才=優秀と考えても、あながち間違いではなかったわけである。

IT、AIで「能力」の基準が一変

 しかしIT化が進み、AI(人工知能)も普及したいま、これらの能力が決定的に重要だとはいえなくなっている。つまり受験で問われる能力の大部分がAIなどに取って代わられつつあるのだ。極端な話、大学入試問題の大半はAIを使えば瞬時に解ける。なお読解などAIが苦手とする問題も、単に人間用の問題をAIが解けないだけであって、人間が介在しない世界では読解力も必要としないだろう。

 逆にAIがなかなか代替できないのは、勘やひらめき、感性、想像力、空気を読む力といった人間特有の「つかみどころがない能力」である。そして、これらの能力は学歴や偏差値とほとんど関係がない。また、これらの能力の発揮は状況依存的、すなわち本人が置かれた状況や実際の場面に応じて発揮される性質のものである。したがって企業が採用試験などを工夫し、人物をふるいにかけようとしても限界がある。

 要は、実際に仕事をさせてみないと「優秀」かどうかわからないのである。』

『責任転嫁できない環境をつくること

 その点、欧米では半年から1年といった長期のインターンシップで能力と適性を見定めて採用するし、採用後は個々人に権限と責任を与え仕事を任せる。したがって、少なくとも自分にどれくらい仕事の能力があるかを知ることができる。

 いっぽう日本では学歴(学校歴)中心で、あとは簡単な適性検査と面接くらいで採用するケースが多い。最近はインターンシップを取り入れる企業も増えてきたが、それでも期間は数日からせいぜい1カ月程度である。そのため仕事に必要な能力や適性はほとんどチェックされていないといってよい。

 それでは自信過剰型の社員が現れるのは当然である。

 問題は、彼らにほんとうの実力をどうやって自覚させるかである。

 対策として、まず仕事を思い切って任せてみること。そして顧客や市場の中に出すことである。上司や社内の評価には文句を言えても、顧客や市場の評価は受け入れざるを得ない。つまり、責任転嫁ができない環境をつくり、自分の実力を冷静に見つめさせる必要がある。

 ただ、それでも自分の「優秀さ」「頭のよさ」を疑わないかもしれないし、逆にリアリティー・ショック(理想と現実のギャップ)で挫折する恐れもある。そこで問われるのが、無条件に彼らを優秀だと信じ込ませてきた学歴社会と、彼らをエリートとして迎え入れた会社の責任である。

 いずれにしても自分の実力を過大評価させてきた以上、彼らをいかにフォローするか、難しい課題が残る。』

〔世の中が騒然とすると、流言飛語が飛び交うようになる…。〕

 ※ 世に流通する「風説」「流説」の本質は、二条河原の落書の頃から、殆ど変わっていないと思われる…。

 ※ 世の中が「騒然」とすると、人々は「将来の見通し」を希求する…。それで、少しでも「それの参考になること」を求め、時には、「思考を停止し」、そういう「流言」に縋ってしまうことも、生じる…。

 ※ また、「真相はこうだ!」式の、歯切れのよい「断定!」「一刀両断!」に惹きつけられることも、生じる…。

 ※ しまいには、下記「ええじゃないか」にもあるように、「奇妙奇天烈な」大衆運動に走ることも、起こる…。

 ※ ストレスに耐えきれなく、なるんだろうな…。

二条河原の落書
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E6%9D%A1%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%90%BD%E6%9B%B8

『此頃都ニハヤル物 夜討 強盗 謀(にせ)綸旨
召人 早馬 虚騒動(そらさわぎ)
生頸 還俗 自由(まま)出家
俄大名 迷者
安堵 恩賞 虚軍(そらいくさ)
本領ハナルヽ訴訟人 文書入タル細葛(ほそつづら)
追従(ついしょう) 讒人(ざんにん) 禅律僧 下克上スル成出者(なりづもの)

器用ノ堪否(かんぷ)沙汰モナク モルル人ナキ決断所
キツケヌ冠上ノキヌ 持モナラハヌ杓持テ 内裏マシワリ珍シヤ
賢者カホナル伝奏ハ 我モ/\トミユレトモ
巧ナリケル詐(いつわり)ハ ヲロカナルニヤヲトルラム

為中美物(いなかびぶつ)[注釈 1]ニアキミチテ マナ板烏帽子ユカメツヽ 気色メキタル京侍
タソカレ時ニ成ヌレハ ウカレテアリク色好(いろごのみ) イクソハクソヤ数不知(しれず) 内裏ヲカミト名付タル
人ノ妻鞆(めども)ノウカレメハ ヨソノミル目モ心地アシ
尾羽ヲレユカムヱセ小鷹 手コトニ誰モスヱタレト 鳥トル事ハ更ニナシ
鉛作ノオホ刀 太刀ヨリオホキニコシラヘテ 前サカリニソ指ホラス

ハサラ扇[注釈 2]ノ五骨 ヒロコシヤセ馬薄小袖
日銭ノ質ノ古具足 関東武士ノカコ出仕
下衆上臈ノキハモナク 大口(おおぐち)ニキル美精好(びせいごう)[注釈 3]

鎧直垂猶不捨(すてず) 弓モ引ヱヌ犬追物
落馬矢数ニマサリタリ 誰ヲ師匠トナケレトモ
遍(あまねく)ハヤル小笠懸 事新キ風情也

京鎌倉ヲコキマセテ 一座ソロハヌエセ連歌
在々所々ノ歌連歌 点者ニナラヌ人ソナキ
譜第非成ノ差別ナク 自由狼藉ノ世界也

犬田楽ハ関東ノ ホロフル物ト云ナカラ 田楽ハナヲハヤル也
茶香十炷(ちゃこうじっしゅ)[注釈 4]ノ寄合モ 鎌倉釣ニ有鹿ト 都ハイトヽ倍増ス

町コトニ立篝屋(かがりや)ハ 荒涼五間板三枚
幕引マワス役所鞆 其数シラス満々リ
諸人ノ敷地不定 半作ノ家是多シ
去年火災ノ空地共 クソ福ニコソナリニケレ
適(たまたま)ノコル家々ハ 点定セラレテ置去ヌ

非職ノ兵仗ハヤリツヽ 路次ノ礼儀辻々ハナシ
花山桃林サヒシクテ 牛馬華洛ニ遍満ス
四夷ヲシツメシ鎌倉ノ 右大将家ノ掟ヨリ 只品有シ武士モミナ ナメンタラニソ今ハナル
朝ニ牛馬ヲ飼ナカラ 夕ニ賞アル功臣ハ 左右ニオヨハヌ事ソカシ
サセル忠功ナケレトモ 過分ノ昇進スルモアリ 定テ損ソアルラント 仰テ信ヲトルハカリ

天下一統メズラシヤ 御代ニ生テサマ/\ノ 事ヲミキクゾ不思議ナル
京童ノ口スサミ 十分ノ一ヲモラスナリ

注釈
^1 田舎から入ってくる美味しい料理・食べ物。
^2 粗放な風流絵(ばさら絵)を描いた派手な扇
^3 大口(下袴の一種)に精好地を用いること。この大口を上の袴を省略して着ることを「ばさら姿」と呼んでいた。
^4 十種類の茶を飲んで銘柄を当てる「十種茶」と、十種の香を聞いて銘柄を当てる「十種十炷(じっしゅじっしゅ)」を掛けたもの。

安国寺恵瓊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%9B%BD%E5%AF%BA%E6%81%B5%E7%93%8A

『天正元年(1573年)12月12日付児玉三右衛門・山県越前守・井上春忠宛書状で、「信長之代、五年、三年は持たるべく候。明年辺は公家などに成さるべく候かと見及び申候。左候て後、高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候。藤吉郎さりとてはの者にて候」と書いており、織田信長の転落と、その家臣の羽柴秀吉の躍進を予想し、結果的にそれが的中したことで恵瓊の慧眼を示す逸話としてよく引き合いに出される[12]。これより派生して、『太閤記』における恵瓊は、無名時代の秀吉に「貴方には将来天下を取る相がある」と予言し、後年予言通りに天下人となった秀吉から領地を与えられる役どころとなっている。』

ええじゃないか
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%88%E3%81%88%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8B

『ええじゃないかは、日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)8月から12月にかけて、近畿、四国、東海地方などで発生した騒動。「天から御札(神符)が降ってくる、これは慶事の前触れだ。」という話が広まるとともに、民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼しながら集団で町々を巡って熱狂的に踊った。

伊勢神宮の御札が降るおかげ参りと違い、ええじゃないかの御札は地域で信仰されている社寺の御札が降ったため、現地で祭祀が行われる事が多かった[1]。降札があると、藩に届け出た上で屏風を置く、笹竹で家を飾る、酒や肴を供えるなどして町全体で札を祀った。名古屋の場合、降札後の祭事は7日間に及び、その間は日常生活が麻痺した。』

『目的
その目的は定かでない。囃子言葉と共に政治情勢が歌われたことから、世直しを訴える民衆運動であったと一般的には解釈されている。これに対し、倒幕派が国内を混乱させるために引き起こした陽動作戦だったという噂を紹介するものもある[2]。』

『歌詞
岩倉具視の『岩倉公実記』によると、京の都下において、神符がまかれ、ヨイジャナイカ、エイジャナイカ、エイジャーナカトと叫んだという。八月下旬に始まり十二月九日王政復古発令の日に至て止む、とあり、明治維新直前の大衆騒動だったことがわかる。また、ええじゃないか、の語源は、京の都下で叫ばれた言葉であったようだ。

歌詞は各地で作られ、例えば「今年は世直りええじゃないか」(淡路)、「日本国の世直りはええじゃないか、豊年踊はお目出たい」(阿波)といった世直しの訴えのほか、「御かげでよいじゃないか、何んでもよいじゃないか、おまこに紙張れ、へげたら又はれ、よいじゃないか」(淡路)という性の解放、「長州がのぼた、物が安うなる、えじゃないか」(西宮)、「長州さんの御登り、えじゃないか、長と醍と、えじゃないか」(備後)の政治情勢を語るもの、などがあった。』

眞相はかうだ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E7%9B%B8%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%81%86%E3%81%A0

『眞相はかうだ[注釈 1](真相はこうだ、しんそうはこうだ)は、大東亜戦争(太平洋戦争)敗戦後の被占領期、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) の占領政策の一環として、1945年(昭和20年)12月9日より10回に亘(わた)りNHKラジオ第1放送及び第2放送で同時放送された宣伝番組[1]。』

『概要
1945年(昭和20年)12月9日放送開始。毎週日曜の夜8時からの30分番組で、その前後に当時人気の番組が配置、編成されていた。再放送を含めほぼ毎日のように放送された。

登場人物は、軍人とその親友である民主主義者の文筆家というのが主な設定であった。軍人が「太郎」という男の子となっていたという情報もある[1]。

「脚本は、その中心をアメリカ人が占めたGHQ内部部局の民間情報教育局(CIE)ラジオ課が担当し、1931年(昭和6年)の満州事変から終戦(日本の降伏)に至るまでの15年間に軍国主義者の犯罪や国民を裏切った人々を白日の下に、偽りない事実を、などという論評で、叙情的な音楽や音響効果音を駆使しながら、ドキュメンタリー形式を装ったドラマ仕立てに編成された番組であった」という[2]。

「眞相はかうだ」の元となったのは「Now It can be told(今だから話せる)」と題した第二次世界大戦中のイギリスの番組を、GHQ上層部が民間情報教育局へ企画として持ち込み、「日本の変革をするため」に実施をされた[3][4][5]。

当番組は、日本人の精神構造から軍国主義的な精神を排除するようコントロールすることを目的としていた。その為ならば、真珠湾攻撃や原爆投下などの罪を日本側に押し付けるといった事実の捏造も行われていた[1]。

番組の内容を巡って、これらはGHQ作成であることが隠蔽されたためにNHKへ手紙、電話などが殺到した[2]。その中には「あの放送は面白い、軍部の罪悪をもっと徹底的にたたいてくれ」と好意的に捉える意見もあったが、それらが抗議や非難などの批判的な内容が大半であることを知ったGHQは、その成果を取り入れてより巧妙にそれに続く番組を作成[2]、昭和21年(1946年)2月以降「眞相箱」、「質問箱」などへ形を変えながら1948年(昭和23年)1月まで放送された[1]。

「眞相箱」は、疑問に回答するという形式を取り、また、日本の短所だけでなく長所の面も随所に挿入されるなど、国民への聴き心地の良さも取り入れられた[2]。真実の中に巧妙に織り交ぜられた虚偽等々の手法が用いられたこれらの番組の思想は、プレスコードやラジオコードなどのGHQの指令により言論統制されていた実情もあり、次第に国民の間に押し広められていった[2]。これを批評した雑誌の対談記事は、民間検閲支隊(CCD)による検閲により「占領政策全般に対する破壊的批判である」という理由で「全文削除」に処されている[6]。

『眞相はかうだ』は『太平洋戦争史』を劇化したもので、これらGHQによるプロパガンダは「各層の日本人に、彼らの敗北と戦争に対する罪、現在及び将来の苦難と窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の理由と目的を、周知徹底せしめること」を眼目として開始され、「大東亜戦争」という用語(1941年/昭和16年12月12日、東條内閣閣議決定、「今次戦争ノ呼称並ニ平戦時ノ分界時期等ニ付テ」第1項「今次ノ對米英戰爭及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ生起スルコトアルヘキ戰爭ハ支那事變ヲモ含メ大東亞戰爭ト呼稱ス」)の抹殺(使用禁止)及びそれに代る「太平洋戦争」という用語の導入によってそれが持つ意味、価値観が入れ替えられることとなった[7]。

(「大東亜戦争#GHQによる使用禁止」も参照)

櫻井よしこや保阪正康が、「これら一連のGHQによる歴史観は、現在主流の根底を占めることになっている」との見解を示している[2][8]。』

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」
編集委員 大林 尚
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK227OM0S1A320C2000000/

 ※ 国民負担率=(税負担+社会保障負担)/国民所得(GDP)

   潜在的国民負担率=国民負担率+財政赤字の比率

『新聞の1面トップ級ニュースだと思うが、これまでのところほとんど報じられていない。税金と社会保険料に関する国民負担の数字である。

財務省によると、分母に国民所得、分子に税負担と社会保障負担の合計値をおいて算出した国民負担率は、2021年度に44.3%になる見通しだ。国民負担率に将来世代の税負担になる財政赤字の比率を加えた潜在的国民負担率は、56.5%と見通している。けっこう高いと感じるが、この数字だ…

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けっこう高いと感じるが、この数字だけなら中程度のニュースだ。

目を注ぐべきは、同時に明らかになった20年度の実績見込みである。国民負担率は46.1%だが、潜在的負担率は66.5%と、法外に高い値が記されている。高負担国家の代名詞であるスウェーデンでさえ潜在的負担率は58%台止まりだ(18年実績)。むろんコロナ対策で、今は同国の負担率も上がっているかもしれない。だが18年の財政赤字比率がゼロという巧みな財政運営を考えると、コロナ対策費を借金でまかなったとしても国の財政の余裕は日本よりはるかに大きい。

ちなみに、日本の財務省が昨年2月に公表した資料をみると、20年度の潜在的負担率の見通しは49.9%だった。この1年間に16.6ポイントも跳ね上がったのは、ひとえにコロナ対策のせいだ。赤字国債の発行という将来世代へのつけ回しで財源を工面した。その事実を物語る数字である。

振り返ると、1970年度以降で潜在的負担率がもっとも高かったのは2011、12年度の50.3%だった。この両年度を除くと、50%を超過した(する)のは20、21年度のみだ。

ちょうど2年前、19年3月の小欄の見出しは「江戸の五公五民と平成の国民負担」だった。江戸時代、百姓が苦労して収穫した米の半分を領主が年貢として召し上げ、残り半分は領民の取り分とする「五公五民」に象徴される重税感を引き合いに、令和時代の国民負担を論じたコラムだ。潜在的負担率をリアルの国民負担率に近づけるのが課題になると書いたが、あまい夢想にすぎなかった。

根源的な問題は、潜在的負担率が66.5%に膨れあがる過程で、コロナ対策を名目にすれば将来世代につけをどんどん回してもいいんだという空気が醸成されたことではないか。もちろん100年に1度のパンデミックである。蒸発した需要をカバーする責務は、一義的に国・自治体など公的セクターにある。だが「対策費は大きいほど善だ」という意見に疑問を呈する声はかき消され、異論を封じてしまった政策決定プロセスは、改めて検証が必要になるだろう。

昨年5月、当時の安倍首相はコロナ対策を空前絶後の規模、世界最大の対策と胸を張った

20年5月25日、最初の緊急事態宣言を全面解除した安倍晋三首相(当時)が首相官邸で記者会見に臨んだ。力説したのは、政府が用意しようとしているコロナ対策のスピードと巨額さだった。会見録から抜粋する。

「多くの事業者がこの瞬間にも経営上ぎりぎりの困難に直面しているなかで、さらなる時間を要することは死活問題だ。希望は見えてきた。事業と雇用はなんとしても守りぬく。その決意のもとに2次補正予算を決定する。1次補正と合わせて事業規模は200兆円を超す。GDP(国内総生産)の4割にのぼる空前絶後の規模、世界最大の対策で100年に一度の危機から日本経済を守りぬく」

首相をはじめ官邸中枢メンバーの念頭にあったのは、08年の米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した経済金融危機の再来はなんとしても防ぎたいという思いであろう。

その問題意識は正しいが「空前絶後」「世界最大」のアピールが目的化していたとすれば、安倍政権自身が掲げていた「根拠に基づく政策立案」(EBPM)は、顧みられなかったことになる。令和の日本を、江戸期の五公五民をしのぐ重税国家に陥らせた経過が軽すぎないだろうか。

今はなき首相の諮問機関、経済審議会の構造改革推進部会が財政と社会保障の構造改革を求める報告書をまとめたのは1996年だ。その主眼は、制度改革を断行しなければ潜在的負担率が当時の40%程度から2025年度に70%を上回る水準になるという警告だった。経済審はこれを「破局のシナリオ」と形容した。報告書はまた、財政赤字を考慮しないリアルの国民負担率よりも、潜在的負担率を政策目標にする必要性を説いていた。

小林陽太郎氏が部会長を務めた経済審の構造改革推進部会は潜在負担率の重要性を指摘した

さらに遡れば、第2次臨時行政改革推進審議会(行革審)が国民負担率を2020年ごろに50%未満に抑えるべきだという政策目標を盛り込んだ答申を海部俊樹元首相に提出したのは、1990年であった。30年先を見据え、座視していれば将来世代が被るであろう不利益をやわらげようと、時々の政権が英知を結集させて結論を導く過程には、重厚な議論の積み重ねがあった。

経済審の部会長は、のちに経済同友会代表幹事に就く小林陽太郎氏が、第2次行革審会長は日経連会長だった大槻文平氏がつとめた。将来世代への責任を果たしたいという経済人の自負が見てとれる。

潜在的負担率を1年で66.5%に上昇させた過程には、その重みが感じられない。経済人の発信力は残念ながら衰えている。この過程の検証が十分でないままに、21年度の政府予算案は週内にも国会で成立する運びだ。重税国家への足音がひたひたと忍び寄ってくる。

コロナ禍の5大システムトラブル、みずほ銀行だけではない「あきれた事情」

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00148/030400162/

 ※ 「木村岳史大先生」のご託宣だ…。

 ※ 非常に、本質的なところを抉って(えぐって)いると思われ、参考になる…。

 ※ ざっと一読しただけだが、「システム・トラブル」と言っているが、実は、問題は「システム」にあるのでは無い…。

 ※ 『そろそろ読者にも「木村が選ぶ5大システムトラブル」に共通する問題の本質が見えてきているのではないかと思う。そう、組織をまたぐ制度やルール、体制の欠如、丸めて言うと「仕組み」の欠如である。では、今回のみずほ銀行の「ATMにカードを吸い込まれた客を長時間放置」事件はどうか。もちろん同じことが言える。他と違い、みずほ銀行だけで「完結」するトラブルだったが、今回のような非常事態の際に誰がどう動くかという、部門をまたぐマニュアルに「バグ」があったのだ。やはり仕組みの不備である。

 冒頭でも書いた通り、休日にシステムトラブルが発生すればATMにカードを吸い込まれた大勢の客を長時間放置してしまうリスクがあると、容易に想定できたはずだ。にもかかわらず、ただちに各支店の担当者らが出向いて対応に当たったり、即座に緊急記者会見を開いたりして、カードなどを取り戻せない客を安心させる措置をとらなかった。その結果、客にとっても、みずほ銀行にとっても、今回のトラブルで考え得る最悪の結果を招いてしまったわけだ。』…。

 ※ ということで、問題の「根源」は、「システム」を包摂する、「仕組み」にある…。

 ※ オレの考えでは、世の中というものの「構造」は、「層構造」になっている…。ちょうど、マトリョーシカ(あるいは、玉ねぎ)みたいに、上部の層は、下部の層を”くるんで”(”包摂”して)いる構造になっている…。

 ※ だから、ここでの問題は、「システム」自体に存在するだけ…、という話しじゃ無い…。

 ※ オレの用語では、システムの「上部の層」、木村さんの用語では「仕組み」に存在している…。

 ※ 前に、「指揮官」というものの「資質」を、「その局面での、プライオリティの判断を、的確に下せる人材。」という観点から、語った…。

 ※ さらに、もう一つある…。それは、「事がらの”全体の層構造”を把握していて、そういう”層構造のプライオリティ”の判断を、的確に下せる人材。」というものだ…。

 ※ 『このように5大システムトラブルの問題の根っこは、システムに潜むプログラムのバグや不具合といった技術面にあるのではない。もちろん、バグや不具合が直接のきっかけとなって重大なトラブルが起こったわけだが、「きっかけ」はあくまでもきっかけにすぎない。そうではなく問題の根っこは、そのシステムを活用するビジネスやサービス全体の仕組みがきちんと設計・実装できていない点にある。

 サービス全体のきちんとした仕組みを検討せず、とりあえずつくってみたりするものだから、役に立たないどころか余計な仕事を増やすだけのシステムが出来上がるし、バグや不具合があっても放置されて重大な結果に立ち至る。そして、システムに障害など非常事態が発生した際に、サービスへの影響を極小化してリカバリーする手順やルールが、組織に「仕組みとして実装」されていないから、被害を無駄に大きくする。』…。

 ※ 『経営者など組織のトップも大いに問題がある。東証やみずほ銀行の記者会見で示されたように、経営者はシステムトラブルに対する自らの責任を自覚するようにはなっている。ただし、それは結果責任の自覚にすぎない。システムも含めたサービス全体の仕組み、ビジネス全体の仕組みや、何かあったときに被害を極小化してリカバリーする仕組みをつくるのはトップの責任だ、と心底理解している人はまだまだ少ない。トップにその自覚がないから「勝手にやっている現場の集合体」となり重大トラブルの火種を宿すのだ。』…。

 ※ しかし、現実の「指揮官」の姿は、こういうものが「現状」だ…。

 ※ 『 2020年度の5大システムトラブルは、そのことを如実に示したと言ってよい。極言暴論の熱心な読者ならよくご存じの通り、最近の極言暴論ではこの問題をいろいろな観点から取り上げてきた。まさに日本企業(そして公的機関)は「勝手にやっている現場の集合体」であり、全社的な仕組みをつくるのが苦手だ。特に複数の企業や公的機関にまたがる仕組みづくりとなると、お手上げ状態である。これはもう「日本の組織文化の病」とでも言うしかない。

関連記事:アマゾンの正論「善意は役に立たない」を理解しない日本企業、DXで赤っ恥は確実だ
関連記事:「ビジネスの仕組み」がないダメ企業ばかりの日本、そりゃ基幹系システムも最悪だな
関連記事:日本企業は「勝手にやっている現場の集合体」、だからDXは絶望的にうまくいかない 』

 ※ ということで、話しは「システム」だけ、「指揮官の資質」だけの問題じゃ、無くなってくる…。

 ※ 「日本型の組織」の特徴…、というものにも波及してくる…。

 ※ どこまで行っても、日本型の組織は、「勝手にやっている現場の集合体」で、「それぞれの階層での最適解」だけを追求するものになっている…、という話しになる…。

 ※ 「全体の層構造」の把握・認識ができていない限り、打つ手や策の立案は、「部分解」を探るものにしかならない…。

 ※ そこへ持って来て、「他人の領域については、口を出さない。」という文化・風土が、「部分解」の横行・暴走に、拍車をかけることになる…。

 『そう言えば最近、意味不明の重大トラブルが多すぎる。2020年度の新型コロナウイルス禍のさなかに発生した5つの重大トラブルをここに並べてみよう。いわば「木村が選ぶ2020年度の5大システムトラブル」である。

・新型コロナ禍対策の10万円「特別定額給付金」でオンライン申請が大混乱
・「ドコモ口座」を使った不正出金事件がゆうちょ銀行などで相次ぎ判明
・東京証券取引所のシステム障害で株式売買が終日停止
・接触確認アプリ「COCOA」の不具合を4カ月以上も放置
・みずほ銀行のシステム障害でATMにカードを吸い込まれた客を長時間放置

 こう並べてみると、読者の皆さんも改めてそのひどさにあきれるだろう。トラブルを引き起こしたのは官庁や金融機関、通信事業者といった面々で、いずれも他の企業以上にシステムトラブルやセキュリティー関連の事件事故を避けなければいけない立場にある。しかも、単なるシステム面だけの問題ではないので罪深い。あまりに愚か過ぎて、まさに意味不明である。』

 『そう言えばTwitterで、これら5大トラブルを列挙したうえで「日本のIT劣化を実感する1年だな」と締めてツイートしたら、フォロワーの人から「劣化」というのはおかしいと指摘を受けた。劣化というからには「以前は良かった」との前提が必要だが、日本のITは以前からペケだったのでは、との指摘だ。まさにその通りである。日本の政府や企業のIT利活用の駄目さ加減が、ここに来て一気に事件事故として表面化したと言ってよい。

 新型コロナ禍の対策として急きょシステムをつくらなければいけなくなったり、システムの運用面などに新たな制約が生じたりしたのかもしれないが、それはトラブルの言い訳にはならない。むしろ、開発の丸投げや保守運用体制の不備など、これまでいいかげんなことを続けてきたからこそ、新型コロナ禍という危機的状況で一気に惨事を招いたと言える。これら5大トラブルは、まさに新型コロナ禍のさなかにあぶり出された日本の惨状のショーケースなのである。』

『官のお笑いプロジェクト(失礼!)と言ってよい2つの炎上案件から振り返ってみよう。まずは、トラブル判明からあまり時がたっていない「『COCOA』の不具合を4カ月以上も放置」事件だ。新型コロナ感染の拡大防止策として導入したのに、Android版の不具合を4カ月以上にもわたって放置していたというから、これはもうあきれ果てるしかない。しかもその不具合は、陽性登録したアプリ利用者と接触しても検知・通知されないという重大な不具合である。

 原因として、官からITベンダーへ、そして下請けへの丸投げといった保守運用体制の問題などが指摘されている。もちろん、それもあるだろうが、COCOAが「とりあえずつくってみた」アプリにすぎない点も大きい。COCOAが本来の役割を果たすには、利用を促す制度面・体制面の仕組みが不可欠なはずなのにそれがない。陽性者との接触の通知が来ても保健所などですぐに検査できない状況が長く続いたというから、ひどいものだ。その程度の存在にすぎないCOCOAの不具合が放置されても、むべなるかなである。』

『とりあえずつくってみたという点では、「10万円『特別定額給付金』でオンライン申請が大混乱」事件を引き起こしたシステムも似たようなものだ。マイナンバー制度の個人向けサイト「マイナポータル」に専用フォームを設け、マイナンバーカード保有者が給付金をオンラインで申請できるようにしたまではよかったが、実際の業務を担う各自治体のシステムが間に合わない。専用フォームでは申請者の入力ミスをチェックできないという問題もあり、自治体の現場は大混乱に陥るという、トホホな事件だった。

関連記事:コロナ対策で政府のIT活用はコントなのか、透けて見える構造問題
 普通、自治体の担当者らと綿密に打ち合わせて要件を詰めてからシステムを構築し、業務がうまく回るように人的な体制面なども整えるでしょ。それを丸っきりやらずに、システムをとりあえずつくってみて、マイナンバーカードを持つ国民に「さあ使ってください」としたものだからたまらない。国民はオンラインで「電子申請」したはずだが、その裏で自治体の職員が手作業で処理するしかない事態に追い込まれた。まさに「システムの中に人がいた」状態である。』

『官のお笑い炎上案件のほうを先に見たが、企業が引き起こしたトラブルも似たようなものだ。違いと言えば、とてもじゃないが「お笑い」では済まない結果を招いたことぐらいか。中でも最も間抜けなのは「『ドコモ口座』を使った不正出金事件がゆうちょ銀行などで相次ぎ判明」事件である。NTTドコモの電子決済サービスである「ドコモ口座」を使った不正出金事件が相次いで分かり、その多くがゆうちょ銀行の口座からの不正出金だった。

 この事件では、決済サービス事業者側が厳密に本人確認をするか、銀行側がサービス連携の際に、口座や暗証番号などによる認証ではなく2要素認証を導入するかしていれば、被害の大半は防げたはずだ。ところが両者とも自らの対策を怠り、多数の不正利用を許してしまった。「相手のサービスのセキュリティーは万全のはず」との思い込みがあったのかもしれないが、連携するサービス全体でのセキュリティーを考慮しないのは、驚くべき思考停止である。

関連記事:ドコモとゆうちょ銀での不正利用は大事件、セキュリティー無視のお粗末な理由

 何が間抜けかって、人様のお金を扱うサービスを連携して提供するにもかかわらず、各企業の担当者が(時にはオンラインで)集まって、サービス全体の課題や問題点を検討した形跡がないことだ。当然「もしも」は想定されておらず、「もしも」に備える仕組みもルールも何もなかったわけだ。実は、同じことが「東証のシステム障害で株式売買が終日停止」事件にも言えるから、頭が痛いのだ。』

『東証のシステムトラブルでは、システムの再起動が可能であったにもかかわらず、取引開始時間前に受け付けていた注文の取り扱いを巡り「大きな混乱が予想される」として、終日の売買停止を選択せざるを得なかった。その結果、多くの投資家が丸1日、株式を売買する機会を奪われる結果となった。まさに重大なトラブルだが、記者会見で東証の経営陣の受け答えがあまりに「まとも」過ぎたため、私としたことが少し感動してしまうという「不覚」をとった。

関連記事:「富士通に損害賠償請求」発言から15年、東証のシステム障害会見に不覚を取った訳

 しかし、そのお粗末さは先ほどのドコモやゆうちょ銀行らと何ら変わりはない。早い段階でシステムを再起動できる状況にあったにもかかわらず、なぜ終日にわたりシステムを止めざるを得なくなったかというと、証券会社との間で明確なルールや手順を定めていなかったからだ。証券会社など市場参加者との間では、システムを相互に接続して密接に連携しているにもかかわらず、障害発生時における再起動の手順やルールを決めていなかったというから、たまげた話である。』

教育は民主主義の土台、格差ない多様化を 多喜弘文氏 パクスなき世界 法政大准教授

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG298VJ0Z20C21A1000000/

 ※ 「教育の機会均等を!」「教育機会格差の是正を!」…、これまた、「増税要因」だ…。

 ※ 「コロナ事態にも、対応できるようなセーフティ・ネットの構築を!」「時短要請するなら、応分の補償を!」「感染症対策と、補償はセットだろ!」…。

 ※ そうやって、国家予算の要求は、際限なく膨らんでいく…。

 ※ そういうことの中身は、みんなオレらの「税金」で支払われるわけだ…。

 ※ 一体、どこのどなた様が、ずっとそういう税金を払っていけるんだ?

『新型コロナウイルスにより世界中で学校は休校や対面授業の中止に追い込まれた。コロナ禍は教育格差を広げるとの見方もある。格差の是正策やコロナが教育に与えた影響などについて、教育社会学を専門とする法政大の多喜弘文准教授に聞いた。

【関連記事】
高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート
世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む

――教育機会の平等はなぜ大切なのでしょうか。

「社会理念として、生まれで人生が左右されるべきではない。頑張っても報われない社会は分断を生む。教育機会の保障は民主主義の土台だ」

「近代以降、社会は平等になったように見えて、実は子どもの学歴には親の階層が強く影響している。子どもが親の学歴を再生産するという傾向は先…

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近代以降、社会は平等になったように見えて、実は子どもの学歴には親の階層が強く影響している。子どもが親の学歴を再生産するという傾向は先進国に共通し、日本では戦後一貫している」

「新型コロナが家庭にもたらす作用は平等ではなく、子どもへの影響が強まらないように注視していかなければならない。画一的に支援していれば平等だという考えは危ない。不利な環境に置かれた子どもを重点的に支援しながら、学力テストなどで継続的に状況をモニタリングしていくべきだ」

――コロナ禍でオンライン授業の導入も進みました。

「デジタル教材を供給する民間企業の市場原理が学校現場に入り、教育格差を生む懸念がある。日本では2020年春の休校中、地方よりも都市圏で、収入が低い家庭よりも高い家庭で、小中学校に通う児童生徒がオンライン教育を受講する割合が高かった。学びの多様化が格差に結びつかないよう、慎重な制度設計が必要だ」

――公教育の役割とは何でしょうか。

「社会で十分な力を発揮できる人材を育てることだ。求められる人材像は時代によって異なり、学校だけを変えてもうまくいかない。労働や福祉の領域を含めて、社会に合った教育をデザインしていく必要がある」

――学歴格差はますます広がっています。

「1990年代ごろまでは高卒でも製造業などブルーカラーとして就職できる社会構造があり、生計を立てられた。その仕組みが崩壊するとともに正社員の枠も縮小した今、一見すると働き方は多様化したが、実際は不安定な雇用が大卒以外の層に集中している。社会のパイが小さくなっており、自己責任とは言えない」

――成人後の学び直しは学齢期の格差を埋めますか。

「日本では依然、新卒の一括採用や長期雇用慣行が残り、一度つまずくと再チャンスを得にくい。出産や育児で女性に不利が集中しやすいという問題もある。リカレント教育(学び直し)で身につけたスキルを生かすためには、教育界と経済界が人材のニーズをすり合わせ、柔軟性のある労働市場に変えていくことが大切だ」

(聞き手は松浦奈美)

インターンで青田買い? 学生の8割が就活制度に不満

インターンで青田買い? 学生の8割が就活制度に不満
就活探偵団
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ158E80V10C21A2000000/

『「企業はウソをつく」「部活が忙しくて就活できない」――。就活探偵団が実施したアンケート調査で、学生の8割が今の就職活動の制度になんらかの不満を抱いていることが分かった。学生たちが社会への第一歩となる就活でつまずくことは、企業や社会の損失にもつながりかねない。具体的に何が問題なのか。取材と調査結果を基に学生の悲痛な叫びを紹介する。

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調査は1月下旬、日経電子版の会員と公式ツイッターで学生を対象にインタ…

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調査は1月下旬、日経電子版の会員と公式ツイッターで学生を対象にインターネットで実施した。有効回答数は289人。

まず、今の就職活動の制度・慣習に不満はあるか尋ねたところ、「ある」との回答は76%に達した。具体的に何に不満を感じているのか、複数の選択肢を用意し1つ挙げてもらった。最も多かったのは「選考状況が不透明」(18%)。次いで「インターンシップ(就業体験)が青田買いの場になっている」(17%)、「服装などの独特な就活ルール」「学業への支障」(ともに14%)だった。

実際に学生に聞いてみた。

「インターンが選考と関係ないというのはウソ。就活情報サイトで調べればすぐに分かる」。早稲田大3年の男子学生は不満げに語る。6社のインターンに参加し、その内5社はインターン後に接触があったという。

ある企業の採用ページには「インターンと本選考は関係ない」と書いてあったが、実際は既に3回の「面談」をしており「選考に関係ないわけがない」と笑う。「企業が言っていることを信じている学生はチャンスを失うことになる。企業の話は本当なのか疑いながら聞くようになった」

企業側の本音と建前が生まれるのは、政府が企業の採用活動に直結するインターンは認めないとの姿勢を示しているため。しかし、一度接点を持った有望学生をつなぎ留めたいのは企業のサガだろう。

部活で忙しく……
「『エントリー締め切り』の文字にがくぜんとした」。立命館大3年の男子学生は昨夏、日用品メーカーのサイトを見て肩を落とした。体育会系の部活に所属。部活と就活を両立しようとしていた。もちろん夏インターンがあることは知っていたが、部活の試合や練習の忙しさにかまけて、リサーチや自己分析が間に合わずエントリーができなかった。

夏や冬のインターンに本選考と企業によって採用活動が分散していてわかりにくい。「どこかの期間に一本化してほしい」と訴える。

就活スケジュールに不満を抱く学生も多い。特定の時期に卒業予定の学生を集中して選考し、在学中に内定を出す新卒一括採用。現在の政府が定めたルールは3月の説明会解禁、6月の選考解禁が軸だ。

しかし実態は3年生の夏インターンの選考が事実上の就活のスタートになっている。部活動や研究などに取り組んでいる学生にとって、就活に大学生活の多くの時間を奪われるのは痛手だ。

調査では就活で不安なことについても聞いた(複数回答)。最多は「個人面接」で構成比は16%、次いで「エントリーシート」(15%)、「集団面接」(14%)と続いた。ただでさえ、学生にとって大人と接する面接は緊張するものだ。それが従来の対面からオンラインになり、どう扱ったらよいのか戸惑っている人が多いようだ。

一方で「交通費・宿泊費」を挙げた人は3%にとどまった。例年はお金に関する悩みが出てくるが、オンライン化で金銭的な負担は限定的になったようだ。

コロナ禍で大学のキャンパス入構には制限があったり、飲み会がなかったりして、就活の情報を集めるのに苦労している人も多いだろう。就活の情報源は何なのか、複数回答で尋ねたところ、意外にも最も多かったのは「マイナビなどの就活サイト」で構成比は21%だった。次いで「企業のホームページ」(20%)、「友人」(13%)、「ツイッターなどのSNS」(11%)と続いた。

採用の透明化を

コロナ禍ではOB・OG訪問の機会が少なく、自分の足で情報をつかむのが難しいようだ。こんな声もあった。

関東地方の大学に通う3年の男子学生は「福利厚生や給与については会社からの説明が足りない」と語る。例えば社宅に入るにはどのような条件があるのか、入る場合に住宅手当は出るのか。入社から5年後にはどのような役職に就いていて、どのくらいの給与が見込めるのか。「学生から福利や給与について質問するのは気が引ける。だからこそ企業には情報を提供してほしい」

大学名で説明会の参加を制限したり、面接で不合格にしたりするような「学歴フィルター」がしばしば話題になる。実際学生は学歴フィルターを感じたことはあるのか聞いたところ、「はい」は49%、「いいえ」は51%と拮抗した。

「はい」と答えた人に具体的にどんな場面で感じたか聞くと、「会社の働いている人の学歴を知って」が36%と最多。以降、「書類選考」(28%)、「エントリー」(27%)と続いた。

自由回答では「参加したインターンシップでMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政の各大学)、関関同立(関西学院、関西、同志社、立命館の各大学)より(偏差値で)下の大学の学生を見たことない」(関西学院大22年卒)、「選考を突破した人しか参加できないインターンなどでグループディスカッションで一緒になったのは有名大学の学生ばかりだった」(法政大22年卒)などの声が聞かれた。

就活

これまで経団連や政府などが音頭を取って就活ルールを定めてきた。しかし、優秀な学生を確保したいと一部の企業が青田買いを進めてきた。これに拍車をかけたのが2010年代に本格化したインターンだ。表向きは選考の機会ではないと強調するが、実態は選考の一部になっている例が多数ある。

ならば、「インターンは選考の一部にしてもよい」とルールを改めてはどうか。そのためには各社に「うちのインターンは選考直結」「うちは選考しない」などを明言させるなどの決まりがあってもよいだろう。

スケジュールも再考の余地がありそうだ。インターンが始まる3年生の夏は海外留学したり、ボランティアなど課外活動に精を出したりと、短い学生生活を満喫しているまっただ中だ。それをインターンが妨げてしまっているのが実情だ。

もちろん、夏休みというまとまった時期に職業体験ができるのは有意義だと考える学生もいるだろう。ならば、選考やインターンの時期を複数回用意して、様々な事情を抱える学生にもチャンスを与えてはどうか。もちろんそのためには、「この時期に○○人採用する」「昨年○○大学からは○人採用した」などの情報を開示して透明性を図る。そうすれば、疑心暗鬼になる学生は減るのではないかと考える。

経済のグローバル化が進み、かつて戦後の高度経済成長を支えた日本独特の採用慣行は曲がり角に来ている。様々な経験を積んだ学生に平等に選考の機会を与えることが、企業の活力にもなるはずだ。コロナ禍が図らずも選考のオンライン化を後押しし、わずか1年で就活の風景は様変わりした。今度は制度の根本部分にメスを入れるときだと言えそうだ。

(企業報道部 鈴木洋介、赤堀弘樹)

※アンケート調査のより詳細な内容を28日(日)に日経電子版で公開します。

天災が起きた時に、露出する貧富の差による行政待遇の格差

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

 ※ 「机上空間」さんのサイトからだ…。

 ※ 例によって、「卓見」だと思うので、紹介する…。

『富裕層が言う、「俺たちだって、遊んで財産を築いたわけじゃない。リスクも負ったし、努力は惜しまなかった。何で、貧民に分配しなきゃならんのだ。自分たちの生活向上の為に使って、何が悪い」という理屈も判ります。しかし、歴史的な事実として、その社会が最も、富むのは、貧困層が少なく、富が分配されて、分厚い中間所得層が大部分を占める時です。過去のアメリカの黄金時代、日本の経済成長時代、その他、どの国の歴史を紐解いても、国力として繁栄したのは、中間所得層が爆増した時期です。

その理由は、富裕層が一方的に富むように、資本主義は形成されていなくて、必ず消費を旺盛にしてくれる消費者がいて成り立っているからです。つまり、貧困層が国の多くを占めるようになると、彼らに富を供給してくれる消費者の質が下がって、消費をしてくれなくなります。すると、富裕層の中でさえ、貧富の差が発生して、没落する者と、先鋭化して巨万の富を得る者に分かれていきます。今は、良いからも知れない。しかし、貧富の格差が酷い社会というのは、必ず破綻します。

国の内部が貧困層だらけになれば、「俺達にパンをよこせ」で起きたフランス革命のように、自分の周りを屈強な軍隊で固めていても、富裕層も破滅する事になります。所詮、富裕層は少数派であり、貧困層が多数派である事を忘れると、国なんていう組織は、簡単にひっくり返ります。』

 ※ 確かに、「中間所得層」が分厚くないと、「民主主義」も、「フツーの暮らし」も、成り立っていかないような気がする…。

 ※ しかし、今現在の状況は、その保持されるべき「中間所得層」という社会的階層が、どんどん削られていって、「やせ細って」いっている状況のように見える…。

 ※ その原因は、どこにあるのか…。その処方箋とは、何なのか…。誰も「現実解」を、持ち合わせていないところに、「重大な危機」があるんだろう…。

 ※ なお、「臓器移植」に関する「恐ろしい話し」も、書かれているんで、興味がある人は、自分で読んでくれ…。