〔世の中が騒然とすると、流言飛語が飛び交うようになる…。〕

 ※ 世に流通する「風説」「流説」の本質は、二条河原の落書の頃から、殆ど変わっていないと思われる…。

 ※ 世の中が「騒然」とすると、人々は「将来の見通し」を希求する…。それで、少しでも「それの参考になること」を求め、時には、「思考を停止し」、そういう「流言」に縋ってしまうことも、生じる…。

 ※ また、「真相はこうだ!」式の、歯切れのよい「断定!」「一刀両断!」に惹きつけられることも、生じる…。

 ※ しまいには、下記「ええじゃないか」にもあるように、「奇妙奇天烈な」大衆運動に走ることも、起こる…。

 ※ ストレスに耐えきれなく、なるんだろうな…。

二条河原の落書
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E6%9D%A1%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%90%BD%E6%9B%B8

『此頃都ニハヤル物 夜討 強盗 謀(にせ)綸旨
召人 早馬 虚騒動(そらさわぎ)
生頸 還俗 自由(まま)出家
俄大名 迷者
安堵 恩賞 虚軍(そらいくさ)
本領ハナルヽ訴訟人 文書入タル細葛(ほそつづら)
追従(ついしょう) 讒人(ざんにん) 禅律僧 下克上スル成出者(なりづもの)

器用ノ堪否(かんぷ)沙汰モナク モルル人ナキ決断所
キツケヌ冠上ノキヌ 持モナラハヌ杓持テ 内裏マシワリ珍シヤ
賢者カホナル伝奏ハ 我モ/\トミユレトモ
巧ナリケル詐(いつわり)ハ ヲロカナルニヤヲトルラム

為中美物(いなかびぶつ)[注釈 1]ニアキミチテ マナ板烏帽子ユカメツヽ 気色メキタル京侍
タソカレ時ニ成ヌレハ ウカレテアリク色好(いろごのみ) イクソハクソヤ数不知(しれず) 内裏ヲカミト名付タル
人ノ妻鞆(めども)ノウカレメハ ヨソノミル目モ心地アシ
尾羽ヲレユカムヱセ小鷹 手コトニ誰モスヱタレト 鳥トル事ハ更ニナシ
鉛作ノオホ刀 太刀ヨリオホキニコシラヘテ 前サカリニソ指ホラス

ハサラ扇[注釈 2]ノ五骨 ヒロコシヤセ馬薄小袖
日銭ノ質ノ古具足 関東武士ノカコ出仕
下衆上臈ノキハモナク 大口(おおぐち)ニキル美精好(びせいごう)[注釈 3]

鎧直垂猶不捨(すてず) 弓モ引ヱヌ犬追物
落馬矢数ニマサリタリ 誰ヲ師匠トナケレトモ
遍(あまねく)ハヤル小笠懸 事新キ風情也

京鎌倉ヲコキマセテ 一座ソロハヌエセ連歌
在々所々ノ歌連歌 点者ニナラヌ人ソナキ
譜第非成ノ差別ナク 自由狼藉ノ世界也

犬田楽ハ関東ノ ホロフル物ト云ナカラ 田楽ハナヲハヤル也
茶香十炷(ちゃこうじっしゅ)[注釈 4]ノ寄合モ 鎌倉釣ニ有鹿ト 都ハイトヽ倍増ス

町コトニ立篝屋(かがりや)ハ 荒涼五間板三枚
幕引マワス役所鞆 其数シラス満々リ
諸人ノ敷地不定 半作ノ家是多シ
去年火災ノ空地共 クソ福ニコソナリニケレ
適(たまたま)ノコル家々ハ 点定セラレテ置去ヌ

非職ノ兵仗ハヤリツヽ 路次ノ礼儀辻々ハナシ
花山桃林サヒシクテ 牛馬華洛ニ遍満ス
四夷ヲシツメシ鎌倉ノ 右大将家ノ掟ヨリ 只品有シ武士モミナ ナメンタラニソ今ハナル
朝ニ牛馬ヲ飼ナカラ 夕ニ賞アル功臣ハ 左右ニオヨハヌ事ソカシ
サセル忠功ナケレトモ 過分ノ昇進スルモアリ 定テ損ソアルラント 仰テ信ヲトルハカリ

天下一統メズラシヤ 御代ニ生テサマ/\ノ 事ヲミキクゾ不思議ナル
京童ノ口スサミ 十分ノ一ヲモラスナリ

注釈
^1 田舎から入ってくる美味しい料理・食べ物。
^2 粗放な風流絵(ばさら絵)を描いた派手な扇
^3 大口(下袴の一種)に精好地を用いること。この大口を上の袴を省略して着ることを「ばさら姿」と呼んでいた。
^4 十種類の茶を飲んで銘柄を当てる「十種茶」と、十種の香を聞いて銘柄を当てる「十種十炷(じっしゅじっしゅ)」を掛けたもの。

安国寺恵瓊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%9B%BD%E5%AF%BA%E6%81%B5%E7%93%8A

『天正元年(1573年)12月12日付児玉三右衛門・山県越前守・井上春忠宛書状で、「信長之代、五年、三年は持たるべく候。明年辺は公家などに成さるべく候かと見及び申候。左候て後、高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候。藤吉郎さりとてはの者にて候」と書いており、織田信長の転落と、その家臣の羽柴秀吉の躍進を予想し、結果的にそれが的中したことで恵瓊の慧眼を示す逸話としてよく引き合いに出される[12]。これより派生して、『太閤記』における恵瓊は、無名時代の秀吉に「貴方には将来天下を取る相がある」と予言し、後年予言通りに天下人となった秀吉から領地を与えられる役どころとなっている。』

ええじゃないか
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%88%E3%81%88%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8B

『ええじゃないかは、日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)8月から12月にかけて、近畿、四国、東海地方などで発生した騒動。「天から御札(神符)が降ってくる、これは慶事の前触れだ。」という話が広まるとともに、民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼しながら集団で町々を巡って熱狂的に踊った。

伊勢神宮の御札が降るおかげ参りと違い、ええじゃないかの御札は地域で信仰されている社寺の御札が降ったため、現地で祭祀が行われる事が多かった[1]。降札があると、藩に届け出た上で屏風を置く、笹竹で家を飾る、酒や肴を供えるなどして町全体で札を祀った。名古屋の場合、降札後の祭事は7日間に及び、その間は日常生活が麻痺した。』

『目的
その目的は定かでない。囃子言葉と共に政治情勢が歌われたことから、世直しを訴える民衆運動であったと一般的には解釈されている。これに対し、倒幕派が国内を混乱させるために引き起こした陽動作戦だったという噂を紹介するものもある[2]。』

『歌詞
岩倉具視の『岩倉公実記』によると、京の都下において、神符がまかれ、ヨイジャナイカ、エイジャナイカ、エイジャーナカトと叫んだという。八月下旬に始まり十二月九日王政復古発令の日に至て止む、とあり、明治維新直前の大衆騒動だったことがわかる。また、ええじゃないか、の語源は、京の都下で叫ばれた言葉であったようだ。

歌詞は各地で作られ、例えば「今年は世直りええじゃないか」(淡路)、「日本国の世直りはええじゃないか、豊年踊はお目出たい」(阿波)といった世直しの訴えのほか、「御かげでよいじゃないか、何んでもよいじゃないか、おまこに紙張れ、へげたら又はれ、よいじゃないか」(淡路)という性の解放、「長州がのぼた、物が安うなる、えじゃないか」(西宮)、「長州さんの御登り、えじゃないか、長と醍と、えじゃないか」(備後)の政治情勢を語るもの、などがあった。』

眞相はかうだ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E7%9B%B8%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%81%86%E3%81%A0

『眞相はかうだ[注釈 1](真相はこうだ、しんそうはこうだ)は、大東亜戦争(太平洋戦争)敗戦後の被占領期、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) の占領政策の一環として、1945年(昭和20年)12月9日より10回に亘(わた)りNHKラジオ第1放送及び第2放送で同時放送された宣伝番組[1]。』

『概要
1945年(昭和20年)12月9日放送開始。毎週日曜の夜8時からの30分番組で、その前後に当時人気の番組が配置、編成されていた。再放送を含めほぼ毎日のように放送された。

登場人物は、軍人とその親友である民主主義者の文筆家というのが主な設定であった。軍人が「太郎」という男の子となっていたという情報もある[1]。

「脚本は、その中心をアメリカ人が占めたGHQ内部部局の民間情報教育局(CIE)ラジオ課が担当し、1931年(昭和6年)の満州事変から終戦(日本の降伏)に至るまでの15年間に軍国主義者の犯罪や国民を裏切った人々を白日の下に、偽りない事実を、などという論評で、叙情的な音楽や音響効果音を駆使しながら、ドキュメンタリー形式を装ったドラマ仕立てに編成された番組であった」という[2]。

「眞相はかうだ」の元となったのは「Now It can be told(今だから話せる)」と題した第二次世界大戦中のイギリスの番組を、GHQ上層部が民間情報教育局へ企画として持ち込み、「日本の変革をするため」に実施をされた[3][4][5]。

当番組は、日本人の精神構造から軍国主義的な精神を排除するようコントロールすることを目的としていた。その為ならば、真珠湾攻撃や原爆投下などの罪を日本側に押し付けるといった事実の捏造も行われていた[1]。

番組の内容を巡って、これらはGHQ作成であることが隠蔽されたためにNHKへ手紙、電話などが殺到した[2]。その中には「あの放送は面白い、軍部の罪悪をもっと徹底的にたたいてくれ」と好意的に捉える意見もあったが、それらが抗議や非難などの批判的な内容が大半であることを知ったGHQは、その成果を取り入れてより巧妙にそれに続く番組を作成[2]、昭和21年(1946年)2月以降「眞相箱」、「質問箱」などへ形を変えながら1948年(昭和23年)1月まで放送された[1]。

「眞相箱」は、疑問に回答するという形式を取り、また、日本の短所だけでなく長所の面も随所に挿入されるなど、国民への聴き心地の良さも取り入れられた[2]。真実の中に巧妙に織り交ぜられた虚偽等々の手法が用いられたこれらの番組の思想は、プレスコードやラジオコードなどのGHQの指令により言論統制されていた実情もあり、次第に国民の間に押し広められていった[2]。これを批評した雑誌の対談記事は、民間検閲支隊(CCD)による検閲により「占領政策全般に対する破壊的批判である」という理由で「全文削除」に処されている[6]。

『眞相はかうだ』は『太平洋戦争史』を劇化したもので、これらGHQによるプロパガンダは「各層の日本人に、彼らの敗北と戦争に対する罪、現在及び将来の苦難と窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の理由と目的を、周知徹底せしめること」を眼目として開始され、「大東亜戦争」という用語(1941年/昭和16年12月12日、東條内閣閣議決定、「今次戦争ノ呼称並ニ平戦時ノ分界時期等ニ付テ」第1項「今次ノ對米英戰爭及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ生起スルコトアルヘキ戰爭ハ支那事變ヲモ含メ大東亞戰爭ト呼稱ス」)の抹殺(使用禁止)及びそれに代る「太平洋戦争」という用語の導入によってそれが持つ意味、価値観が入れ替えられることとなった[7]。

(「大東亜戦争#GHQによる使用禁止」も参照)

櫻井よしこや保阪正康が、「これら一連のGHQによる歴史観は、現在主流の根底を占めることになっている」との見解を示している[2][8]。』

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」
編集委員 大林 尚
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK227OM0S1A320C2000000/

 ※ 国民負担率=(税負担+社会保障負担)/国民所得(GDP)

   潜在的国民負担率=国民負担率+財政赤字の比率

『新聞の1面トップ級ニュースだと思うが、これまでのところほとんど報じられていない。税金と社会保険料に関する国民負担の数字である。

財務省によると、分母に国民所得、分子に税負担と社会保障負担の合計値をおいて算出した国民負担率は、2021年度に44.3%になる見通しだ。国民負担率に将来世代の税負担になる財政赤字の比率を加えた潜在的国民負担率は、56.5%と見通している。けっこう高いと感じるが、この数字だ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1912文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

けっこう高いと感じるが、この数字だけなら中程度のニュースだ。

目を注ぐべきは、同時に明らかになった20年度の実績見込みである。国民負担率は46.1%だが、潜在的負担率は66.5%と、法外に高い値が記されている。高負担国家の代名詞であるスウェーデンでさえ潜在的負担率は58%台止まりだ(18年実績)。むろんコロナ対策で、今は同国の負担率も上がっているかもしれない。だが18年の財政赤字比率がゼロという巧みな財政運営を考えると、コロナ対策費を借金でまかなったとしても国の財政の余裕は日本よりはるかに大きい。

ちなみに、日本の財務省が昨年2月に公表した資料をみると、20年度の潜在的負担率の見通しは49.9%だった。この1年間に16.6ポイントも跳ね上がったのは、ひとえにコロナ対策のせいだ。赤字国債の発行という将来世代へのつけ回しで財源を工面した。その事実を物語る数字である。

振り返ると、1970年度以降で潜在的負担率がもっとも高かったのは2011、12年度の50.3%だった。この両年度を除くと、50%を超過した(する)のは20、21年度のみだ。

ちょうど2年前、19年3月の小欄の見出しは「江戸の五公五民と平成の国民負担」だった。江戸時代、百姓が苦労して収穫した米の半分を領主が年貢として召し上げ、残り半分は領民の取り分とする「五公五民」に象徴される重税感を引き合いに、令和時代の国民負担を論じたコラムだ。潜在的負担率をリアルの国民負担率に近づけるのが課題になると書いたが、あまい夢想にすぎなかった。

根源的な問題は、潜在的負担率が66.5%に膨れあがる過程で、コロナ対策を名目にすれば将来世代につけをどんどん回してもいいんだという空気が醸成されたことではないか。もちろん100年に1度のパンデミックである。蒸発した需要をカバーする責務は、一義的に国・自治体など公的セクターにある。だが「対策費は大きいほど善だ」という意見に疑問を呈する声はかき消され、異論を封じてしまった政策決定プロセスは、改めて検証が必要になるだろう。

昨年5月、当時の安倍首相はコロナ対策を空前絶後の規模、世界最大の対策と胸を張った

20年5月25日、最初の緊急事態宣言を全面解除した安倍晋三首相(当時)が首相官邸で記者会見に臨んだ。力説したのは、政府が用意しようとしているコロナ対策のスピードと巨額さだった。会見録から抜粋する。

「多くの事業者がこの瞬間にも経営上ぎりぎりの困難に直面しているなかで、さらなる時間を要することは死活問題だ。希望は見えてきた。事業と雇用はなんとしても守りぬく。その決意のもとに2次補正予算を決定する。1次補正と合わせて事業規模は200兆円を超す。GDP(国内総生産)の4割にのぼる空前絶後の規模、世界最大の対策で100年に一度の危機から日本経済を守りぬく」

首相をはじめ官邸中枢メンバーの念頭にあったのは、08年の米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した経済金融危機の再来はなんとしても防ぎたいという思いであろう。

その問題意識は正しいが「空前絶後」「世界最大」のアピールが目的化していたとすれば、安倍政権自身が掲げていた「根拠に基づく政策立案」(EBPM)は、顧みられなかったことになる。令和の日本を、江戸期の五公五民をしのぐ重税国家に陥らせた経過が軽すぎないだろうか。

今はなき首相の諮問機関、経済審議会の構造改革推進部会が財政と社会保障の構造改革を求める報告書をまとめたのは1996年だ。その主眼は、制度改革を断行しなければ潜在的負担率が当時の40%程度から2025年度に70%を上回る水準になるという警告だった。経済審はこれを「破局のシナリオ」と形容した。報告書はまた、財政赤字を考慮しないリアルの国民負担率よりも、潜在的負担率を政策目標にする必要性を説いていた。

小林陽太郎氏が部会長を務めた経済審の構造改革推進部会は潜在負担率の重要性を指摘した

さらに遡れば、第2次臨時行政改革推進審議会(行革審)が国民負担率を2020年ごろに50%未満に抑えるべきだという政策目標を盛り込んだ答申を海部俊樹元首相に提出したのは、1990年であった。30年先を見据え、座視していれば将来世代が被るであろう不利益をやわらげようと、時々の政権が英知を結集させて結論を導く過程には、重厚な議論の積み重ねがあった。

経済審の部会長は、のちに経済同友会代表幹事に就く小林陽太郎氏が、第2次行革審会長は日経連会長だった大槻文平氏がつとめた。将来世代への責任を果たしたいという経済人の自負が見てとれる。

潜在的負担率を1年で66.5%に上昇させた過程には、その重みが感じられない。経済人の発信力は残念ながら衰えている。この過程の検証が十分でないままに、21年度の政府予算案は週内にも国会で成立する運びだ。重税国家への足音がひたひたと忍び寄ってくる。

コロナ禍の5大システムトラブル、みずほ銀行だけではない「あきれた事情」

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00148/030400162/

 ※ 「木村岳史大先生」のご託宣だ…。

 ※ 非常に、本質的なところを抉って(えぐって)いると思われ、参考になる…。

 ※ ざっと一読しただけだが、「システム・トラブル」と言っているが、実は、問題は「システム」にあるのでは無い…。

 ※ 『そろそろ読者にも「木村が選ぶ5大システムトラブル」に共通する問題の本質が見えてきているのではないかと思う。そう、組織をまたぐ制度やルール、体制の欠如、丸めて言うと「仕組み」の欠如である。では、今回のみずほ銀行の「ATMにカードを吸い込まれた客を長時間放置」事件はどうか。もちろん同じことが言える。他と違い、みずほ銀行だけで「完結」するトラブルだったが、今回のような非常事態の際に誰がどう動くかという、部門をまたぐマニュアルに「バグ」があったのだ。やはり仕組みの不備である。

 冒頭でも書いた通り、休日にシステムトラブルが発生すればATMにカードを吸い込まれた大勢の客を長時間放置してしまうリスクがあると、容易に想定できたはずだ。にもかかわらず、ただちに各支店の担当者らが出向いて対応に当たったり、即座に緊急記者会見を開いたりして、カードなどを取り戻せない客を安心させる措置をとらなかった。その結果、客にとっても、みずほ銀行にとっても、今回のトラブルで考え得る最悪の結果を招いてしまったわけだ。』…。

 ※ ということで、問題の「根源」は、「システム」を包摂する、「仕組み」にある…。

 ※ オレの考えでは、世の中というものの「構造」は、「層構造」になっている…。ちょうど、マトリョーシカ(あるいは、玉ねぎ)みたいに、上部の層は、下部の層を”くるんで”(”包摂”して)いる構造になっている…。

 ※ だから、ここでの問題は、「システム」自体に存在するだけ…、という話しじゃ無い…。

 ※ オレの用語では、システムの「上部の層」、木村さんの用語では「仕組み」に存在している…。

 ※ 前に、「指揮官」というものの「資質」を、「その局面での、プライオリティの判断を、的確に下せる人材。」という観点から、語った…。

 ※ さらに、もう一つある…。それは、「事がらの”全体の層構造”を把握していて、そういう”層構造のプライオリティ”の判断を、的確に下せる人材。」というものだ…。

 ※ 『このように5大システムトラブルの問題の根っこは、システムに潜むプログラムのバグや不具合といった技術面にあるのではない。もちろん、バグや不具合が直接のきっかけとなって重大なトラブルが起こったわけだが、「きっかけ」はあくまでもきっかけにすぎない。そうではなく問題の根っこは、そのシステムを活用するビジネスやサービス全体の仕組みがきちんと設計・実装できていない点にある。

 サービス全体のきちんとした仕組みを検討せず、とりあえずつくってみたりするものだから、役に立たないどころか余計な仕事を増やすだけのシステムが出来上がるし、バグや不具合があっても放置されて重大な結果に立ち至る。そして、システムに障害など非常事態が発生した際に、サービスへの影響を極小化してリカバリーする手順やルールが、組織に「仕組みとして実装」されていないから、被害を無駄に大きくする。』…。

 ※ 『経営者など組織のトップも大いに問題がある。東証やみずほ銀行の記者会見で示されたように、経営者はシステムトラブルに対する自らの責任を自覚するようにはなっている。ただし、それは結果責任の自覚にすぎない。システムも含めたサービス全体の仕組み、ビジネス全体の仕組みや、何かあったときに被害を極小化してリカバリーする仕組みをつくるのはトップの責任だ、と心底理解している人はまだまだ少ない。トップにその自覚がないから「勝手にやっている現場の集合体」となり重大トラブルの火種を宿すのだ。』…。

 ※ しかし、現実の「指揮官」の姿は、こういうものが「現状」だ…。

 ※ 『 2020年度の5大システムトラブルは、そのことを如実に示したと言ってよい。極言暴論の熱心な読者ならよくご存じの通り、最近の極言暴論ではこの問題をいろいろな観点から取り上げてきた。まさに日本企業(そして公的機関)は「勝手にやっている現場の集合体」であり、全社的な仕組みをつくるのが苦手だ。特に複数の企業や公的機関にまたがる仕組みづくりとなると、お手上げ状態である。これはもう「日本の組織文化の病」とでも言うしかない。

関連記事:アマゾンの正論「善意は役に立たない」を理解しない日本企業、DXで赤っ恥は確実だ
関連記事:「ビジネスの仕組み」がないダメ企業ばかりの日本、そりゃ基幹系システムも最悪だな
関連記事:日本企業は「勝手にやっている現場の集合体」、だからDXは絶望的にうまくいかない 』

 ※ ということで、話しは「システム」だけ、「指揮官の資質」だけの問題じゃ、無くなってくる…。

 ※ 「日本型の組織」の特徴…、というものにも波及してくる…。

 ※ どこまで行っても、日本型の組織は、「勝手にやっている現場の集合体」で、「それぞれの階層での最適解」だけを追求するものなっている…、という話しになる…。

 ※ 「全体の層構造」の把握・認識ができていない限り、打つ手や策の立案は、「部分解」を探るものにしかならない…。

 ※ そこへ持って来て、「他人の領域については、口を出さない。」という文化・風土が、「部分解」の横行・暴走に、拍車をかけることになる…。

 『そう言えば最近、意味不明の重大トラブルが多すぎる。2020年度の新型コロナウイルス禍のさなかに発生した5つの重大トラブルをここに並べてみよう。いわば「木村が選ぶ2020年度の5大システムトラブル」である。

・新型コロナ禍対策の10万円「特別定額給付金」でオンライン申請が大混乱
・「ドコモ口座」を使った不正出金事件がゆうちょ銀行などで相次ぎ判明
・東京証券取引所のシステム障害で株式売買が終日停止
・接触確認アプリ「COCOA」の不具合を4カ月以上も放置
・みずほ銀行のシステム障害でATMにカードを吸い込まれた客を長時間放置

 こう並べてみると、読者の皆さんも改めてそのひどさにあきれるだろう。トラブルを引き起こしたのは官庁や金融機関、通信事業者といった面々で、いずれも他の企業以上にシステムトラブルやセキュリティー関連の事件事故を避けなければいけない立場にある。しかも、単なるシステム面だけの問題ではないので罪深い。あまりに愚か過ぎて、まさに意味不明である。』

 『そう言えばTwitterで、これら5大トラブルを列挙したうえで「日本のIT劣化を実感する1年だな」と締めてツイートしたら、フォロワーの人から「劣化」というのはおかしいと指摘を受けた。劣化というからには「以前は良かった」との前提が必要だが、日本のITは以前からペケだったのでは、との指摘だ。まさにその通りである。日本の政府や企業のIT利活用の駄目さ加減が、ここに来て一気に事件事故として表面化したと言ってよい。

 新型コロナ禍の対策として急きょシステムをつくらなければいけなくなったり、システムの運用面などに新たな制約が生じたりしたのかもしれないが、それはトラブルの言い訳にはならない。むしろ、開発の丸投げや保守運用体制の不備など、これまでいいかげんなことを続けてきたからこそ、新型コロナ禍という危機的状況で一気に惨事を招いたと言える。これら5大トラブルは、まさに新型コロナ禍のさなかにあぶり出された日本の惨状のショーケースなのである。』

『官のお笑いプロジェクト(失礼!)と言ってよい2つの炎上案件から振り返ってみよう。まずは、トラブル判明からあまり時がたっていない「『COCOA』の不具合を4カ月以上も放置」事件だ。新型コロナ感染の拡大防止策として導入したのに、Android版の不具合を4カ月以上にもわたって放置していたというから、これはもうあきれ果てるしかない。しかもその不具合は、陽性登録したアプリ利用者と接触しても検知・通知されないという重大な不具合である。

 原因として、官からITベンダーへ、そして下請けへの丸投げといった保守運用体制の問題などが指摘されている。もちろん、それもあるだろうが、COCOAが「とりあえずつくってみた」アプリにすぎない点も大きい。COCOAが本来の役割を果たすには、利用を促す制度面・体制面の仕組みが不可欠なはずなのにそれがない。陽性者との接触の通知が来ても保健所などですぐに検査できない状況が長く続いたというから、ひどいものだ。その程度の存在にすぎないCOCOAの不具合が放置されても、むべなるかなである。』

『とりあえずつくってみたという点では、「10万円『特別定額給付金』でオンライン申請が大混乱」事件を引き起こしたシステムも似たようなものだ。マイナンバー制度の個人向けサイト「マイナポータル」に専用フォームを設け、マイナンバーカード保有者が給付金をオンラインで申請できるようにしたまではよかったが、実際の業務を担う各自治体のシステムが間に合わない。専用フォームでは申請者の入力ミスをチェックできないという問題もあり、自治体の現場は大混乱に陥るという、トホホな事件だった。

関連記事:コロナ対策で政府のIT活用はコントなのか、透けて見える構造問題
 普通、自治体の担当者らと綿密に打ち合わせて要件を詰めてからシステムを構築し、業務がうまく回るように人的な体制面なども整えるでしょ。それを丸っきりやらずに、システムをとりあえずつくってみて、マイナンバーカードを持つ国民に「さあ使ってください」としたものだからたまらない。国民はオンラインで「電子申請」したはずだが、その裏で自治体の職員が手作業で処理するしかない事態に追い込まれた。まさに「システムの中に人がいた」状態である。』

『官のお笑い炎上案件のほうを先に見たが、企業が引き起こしたトラブルも似たようなものだ。違いと言えば、とてもじゃないが「お笑い」では済まない結果を招いたことぐらいか。中でも最も間抜けなのは「『ドコモ口座』を使った不正出金事件がゆうちょ銀行などで相次ぎ判明」事件である。NTTドコモの電子決済サービスである「ドコモ口座」を使った不正出金事件が相次いで分かり、その多くがゆうちょ銀行の口座からの不正出金だった。

 この事件では、決済サービス事業者側が厳密に本人確認をするか、銀行側がサービス連携の際に、口座や暗証番号などによる認証ではなく2要素認証を導入するかしていれば、被害の大半は防げたはずだ。ところが両者とも自らの対策を怠り、多数の不正利用を許してしまった。「相手のサービスのセキュリティーは万全のはず」との思い込みがあったのかもしれないが、連携するサービス全体でのセキュリティーを考慮しないのは、驚くべき思考停止である。

関連記事:ドコモとゆうちょ銀での不正利用は大事件、セキュリティー無視のお粗末な理由

 何が間抜けかって、人様のお金を扱うサービスを連携して提供するにもかかわらず、各企業の担当者が(時にはオンラインで)集まって、サービス全体の課題や問題点を検討した形跡がないことだ。当然「もしも」は想定されておらず、「もしも」に備える仕組みもルールも何もなかったわけだ。実は、同じことが「東証のシステム障害で株式売買が終日停止」事件にも言えるから、頭が痛いのだ。』

『東証のシステムトラブルでは、システムの再起動が可能であったにもかかわらず、取引開始時間前に受け付けていた注文の取り扱いを巡り「大きな混乱が予想される」として、終日の売買停止を選択せざるを得なかった。その結果、多くの投資家が丸1日、株式を売買する機会を奪われる結果となった。まさに重大なトラブルだが、記者会見で東証の経営陣の受け答えがあまりに「まとも」過ぎたため、私としたことが少し感動してしまうという「不覚」をとった。

関連記事:「富士通に損害賠償請求」発言から15年、東証のシステム障害会見に不覚を取った訳

 しかし、そのお粗末さは先ほどのドコモやゆうちょ銀行らと何ら変わりはない。早い段階でシステムを再起動できる状況にあったにもかかわらず、なぜ終日にわたりシステムを止めざるを得なくなったかというと、証券会社との間で明確なルールや手順を定めていなかったからだ。証券会社など市場参加者との間では、システムを相互に接続して密接に連携しているにもかかわらず、障害発生時における再起動の手順やルールを決めていなかったというから、たまげた話である。』

教育は民主主義の土台、格差ない多様化を 多喜弘文氏 パクスなき世界 法政大准教授

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG298VJ0Z20C21A1000000/

 ※ 「教育の機会均等を!」「教育機会格差の是正を!」…、これまた、「増税要因」だ…。

 ※ 「コロナ事態にも、対応できるようなセーフティ・ネットの構築を!」「時短要請するなら、応分の補償を!」「感染症対策と、補償はセットだろ!」…。

 ※ そうやって、国家予算の要求は、際限なく膨らんでいく…。

 ※ そういうことの中身は、みんなオレらの「税金」で支払われるわけだ…。

 ※ 一体、どこのどなた様が、ずっとそういう税金を払っていけるんだ?

『新型コロナウイルスにより世界中で学校は休校や対面授業の中止に追い込まれた。コロナ禍は教育格差を広げるとの見方もある。格差の是正策やコロナが教育に与えた影響などについて、教育社会学を専門とする法政大の多喜弘文准教授に聞いた。

【関連記事】
高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート
世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む

――教育機会の平等はなぜ大切なのでしょうか。

「社会理念として、生まれで人生が左右されるべきではない。頑張っても報われない社会は分断を生む。教育機会の保障は民主主義の土台だ」

「近代以降、社会は平等になったように見えて、実は子どもの学歴には親の階層が強く影響している。子どもが親の学歴を再生産するという傾向は先…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1337文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

近代以降、社会は平等になったように見えて、実は子どもの学歴には親の階層が強く影響している。子どもが親の学歴を再生産するという傾向は先進国に共通し、日本では戦後一貫している」

「新型コロナが家庭にもたらす作用は平等ではなく、子どもへの影響が強まらないように注視していかなければならない。画一的に支援していれば平等だという考えは危ない。不利な環境に置かれた子どもを重点的に支援しながら、学力テストなどで継続的に状況をモニタリングしていくべきだ」

――コロナ禍でオンライン授業の導入も進みました。

「デジタル教材を供給する民間企業の市場原理が学校現場に入り、教育格差を生む懸念がある。日本では2020年春の休校中、地方よりも都市圏で、収入が低い家庭よりも高い家庭で、小中学校に通う児童生徒がオンライン教育を受講する割合が高かった。学びの多様化が格差に結びつかないよう、慎重な制度設計が必要だ」

――公教育の役割とは何でしょうか。

「社会で十分な力を発揮できる人材を育てることだ。求められる人材像は時代によって異なり、学校だけを変えてもうまくいかない。労働や福祉の領域を含めて、社会に合った教育をデザインしていく必要がある」

――学歴格差はますます広がっています。

「1990年代ごろまでは高卒でも製造業などブルーカラーとして就職できる社会構造があり、生計を立てられた。その仕組みが崩壊するとともに正社員の枠も縮小した今、一見すると働き方は多様化したが、実際は不安定な雇用が大卒以外の層に集中している。社会のパイが小さくなっており、自己責任とは言えない」

――成人後の学び直しは学齢期の格差を埋めますか。

「日本では依然、新卒の一括採用や長期雇用慣行が残り、一度つまずくと再チャンスを得にくい。出産や育児で女性に不利が集中しやすいという問題もある。リカレント教育(学び直し)で身につけたスキルを生かすためには、教育界と経済界が人材のニーズをすり合わせ、柔軟性のある労働市場に変えていくことが大切だ」

(聞き手は松浦奈美)

インターンで青田買い? 学生の8割が就活制度に不満

インターンで青田買い? 学生の8割が就活制度に不満
就活探偵団
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ158E80V10C21A2000000/

『「企業はウソをつく」「部活が忙しくて就活できない」――。就活探偵団が実施したアンケート調査で、学生の8割が今の就職活動の制度になんらかの不満を抱いていることが分かった。学生たちが社会への第一歩となる就活でつまずくことは、企業や社会の損失にもつながりかねない。具体的に何が問題なのか。取材と調査結果を基に学生の悲痛な叫びを紹介する。

【関連記事】
就活に苦しむ外国人留学生 日本語の壁、いっそう厚く
テレワーク拡大は追い風 コンピューター業界早わかり
デザインの力、就職で社会に生かす 東北芸術工科大学
来春大卒内定率、はや13.5% コロナでも採用前倒し進む

調査は1月下旬、日経電子版の会員と公式ツイッターで学生を対象にインタ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り2674文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

調査は1月下旬、日経電子版の会員と公式ツイッターで学生を対象にインターネットで実施した。有効回答数は289人。

まず、今の就職活動の制度・慣習に不満はあるか尋ねたところ、「ある」との回答は76%に達した。具体的に何に不満を感じているのか、複数の選択肢を用意し1つ挙げてもらった。最も多かったのは「選考状況が不透明」(18%)。次いで「インターンシップ(就業体験)が青田買いの場になっている」(17%)、「服装などの独特な就活ルール」「学業への支障」(ともに14%)だった。

実際に学生に聞いてみた。

「インターンが選考と関係ないというのはウソ。就活情報サイトで調べればすぐに分かる」。早稲田大3年の男子学生は不満げに語る。6社のインターンに参加し、その内5社はインターン後に接触があったという。

ある企業の採用ページには「インターンと本選考は関係ない」と書いてあったが、実際は既に3回の「面談」をしており「選考に関係ないわけがない」と笑う。「企業が言っていることを信じている学生はチャンスを失うことになる。企業の話は本当なのか疑いながら聞くようになった」

企業側の本音と建前が生まれるのは、政府が企業の採用活動に直結するインターンは認めないとの姿勢を示しているため。しかし、一度接点を持った有望学生をつなぎ留めたいのは企業のサガだろう。

部活で忙しく……
「『エントリー締め切り』の文字にがくぜんとした」。立命館大3年の男子学生は昨夏、日用品メーカーのサイトを見て肩を落とした。体育会系の部活に所属。部活と就活を両立しようとしていた。もちろん夏インターンがあることは知っていたが、部活の試合や練習の忙しさにかまけて、リサーチや自己分析が間に合わずエントリーができなかった。

夏や冬のインターンに本選考と企業によって採用活動が分散していてわかりにくい。「どこかの期間に一本化してほしい」と訴える。

就活スケジュールに不満を抱く学生も多い。特定の時期に卒業予定の学生を集中して選考し、在学中に内定を出す新卒一括採用。現在の政府が定めたルールは3月の説明会解禁、6月の選考解禁が軸だ。

しかし実態は3年生の夏インターンの選考が事実上の就活のスタートになっている。部活動や研究などに取り組んでいる学生にとって、就活に大学生活の多くの時間を奪われるのは痛手だ。

調査では就活で不安なことについても聞いた(複数回答)。最多は「個人面接」で構成比は16%、次いで「エントリーシート」(15%)、「集団面接」(14%)と続いた。ただでさえ、学生にとって大人と接する面接は緊張するものだ。それが従来の対面からオンラインになり、どう扱ったらよいのか戸惑っている人が多いようだ。

一方で「交通費・宿泊費」を挙げた人は3%にとどまった。例年はお金に関する悩みが出てくるが、オンライン化で金銭的な負担は限定的になったようだ。

コロナ禍で大学のキャンパス入構には制限があったり、飲み会がなかったりして、就活の情報を集めるのに苦労している人も多いだろう。就活の情報源は何なのか、複数回答で尋ねたところ、意外にも最も多かったのは「マイナビなどの就活サイト」で構成比は21%だった。次いで「企業のホームページ」(20%)、「友人」(13%)、「ツイッターなどのSNS」(11%)と続いた。

採用の透明化を

コロナ禍ではOB・OG訪問の機会が少なく、自分の足で情報をつかむのが難しいようだ。こんな声もあった。

関東地方の大学に通う3年の男子学生は「福利厚生や給与については会社からの説明が足りない」と語る。例えば社宅に入るにはどのような条件があるのか、入る場合に住宅手当は出るのか。入社から5年後にはどのような役職に就いていて、どのくらいの給与が見込めるのか。「学生から福利や給与について質問するのは気が引ける。だからこそ企業には情報を提供してほしい」

大学名で説明会の参加を制限したり、面接で不合格にしたりするような「学歴フィルター」がしばしば話題になる。実際学生は学歴フィルターを感じたことはあるのか聞いたところ、「はい」は49%、「いいえ」は51%と拮抗した。

「はい」と答えた人に具体的にどんな場面で感じたか聞くと、「会社の働いている人の学歴を知って」が36%と最多。以降、「書類選考」(28%)、「エントリー」(27%)と続いた。

自由回答では「参加したインターンシップでMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政の各大学)、関関同立(関西学院、関西、同志社、立命館の各大学)より(偏差値で)下の大学の学生を見たことない」(関西学院大22年卒)、「選考を突破した人しか参加できないインターンなどでグループディスカッションで一緒になったのは有名大学の学生ばかりだった」(法政大22年卒)などの声が聞かれた。

就活

これまで経団連や政府などが音頭を取って就活ルールを定めてきた。しかし、優秀な学生を確保したいと一部の企業が青田買いを進めてきた。これに拍車をかけたのが2010年代に本格化したインターンだ。表向きは選考の機会ではないと強調するが、実態は選考の一部になっている例が多数ある。

ならば、「インターンは選考の一部にしてもよい」とルールを改めてはどうか。そのためには各社に「うちのインターンは選考直結」「うちは選考しない」などを明言させるなどの決まりがあってもよいだろう。

スケジュールも再考の余地がありそうだ。インターンが始まる3年生の夏は海外留学したり、ボランティアなど課外活動に精を出したりと、短い学生生活を満喫しているまっただ中だ。それをインターンが妨げてしまっているのが実情だ。

もちろん、夏休みというまとまった時期に職業体験ができるのは有意義だと考える学生もいるだろう。ならば、選考やインターンの時期を複数回用意して、様々な事情を抱える学生にもチャンスを与えてはどうか。もちろんそのためには、「この時期に○○人採用する」「昨年○○大学からは○人採用した」などの情報を開示して透明性を図る。そうすれば、疑心暗鬼になる学生は減るのではないかと考える。

経済のグローバル化が進み、かつて戦後の高度経済成長を支えた日本独特の採用慣行は曲がり角に来ている。様々な経験を積んだ学生に平等に選考の機会を与えることが、企業の活力にもなるはずだ。コロナ禍が図らずも選考のオンライン化を後押しし、わずか1年で就活の風景は様変わりした。今度は制度の根本部分にメスを入れるときだと言えそうだ。

(企業報道部 鈴木洋介、赤堀弘樹)

※アンケート調査のより詳細な内容を28日(日)に日経電子版で公開します。

天災が起きた時に、露出する貧富の差による行政待遇の格差

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

 ※ 「机上空間」さんのサイトからだ…。

 ※ 例によって、「卓見」だと思うので、紹介する…。

『富裕層が言う、「俺たちだって、遊んで財産を築いたわけじゃない。リスクも負ったし、努力は惜しまなかった。何で、貧民に分配しなきゃならんのだ。自分たちの生活向上の為に使って、何が悪い」という理屈も判ります。しかし、歴史的な事実として、その社会が最も、富むのは、貧困層が少なく、富が分配されて、分厚い中間所得層が大部分を占める時です。過去のアメリカの黄金時代、日本の経済成長時代、その他、どの国の歴史を紐解いても、国力として繁栄したのは、中間所得層が爆増した時期です。

その理由は、富裕層が一方的に富むように、資本主義は形成されていなくて、必ず消費を旺盛にしてくれる消費者がいて成り立っているからです。つまり、貧困層が国の多くを占めるようになると、彼らに富を供給してくれる消費者の質が下がって、消費をしてくれなくなります。すると、富裕層の中でさえ、貧富の差が発生して、没落する者と、先鋭化して巨万の富を得る者に分かれていきます。今は、良いからも知れない。しかし、貧富の格差が酷い社会というのは、必ず破綻します。

国の内部が貧困層だらけになれば、「俺達にパンをよこせ」で起きたフランス革命のように、自分の周りを屈強な軍隊で固めていても、富裕層も破滅する事になります。所詮、富裕層は少数派であり、貧困層が多数派である事を忘れると、国なんていう組織は、簡単にひっくり返ります。』

 ※ 確かに、「中間所得層」が分厚くないと、「民主主義」も、「フツーの暮らし」も、成り立っていかないような気がする…。

 ※ しかし、今現在の状況は、その保持されるべき「中間所得層」という社会的階層が、どんどん削られていって、「やせ細って」いっている状況のように見える…。

 ※ その原因は、どこにあるのか…。その処方箋とは、何なのか…。誰も「現実解」を、持ち合わせていないところに、「重大な危機」があるんだろう…。

 ※ なお、「臓器移植」に関する「恐ろしい話し」も、書かれているんで、興味がある人は、自分で読んでくれ…。

コロナ対策で拘束力なき通知、年900件 厚労省が連発

コロナ対策で拘束力なき通知、年900件 厚労省が連発
自治体・病院の混乱要因に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE162C10W1A210C2000000/

 ※ 何を今さら…、という感じだ…。

 ※ 日本国は、紛れもない「官僚主導国家」で、その「指導・監督」の強力なツールが、こういう「通知・通達」だ…。

 ※ 特に、実務では、「通達」が重要だ…。

 ※ 通達は、本来は、「行政機構内部」において、上位の職が、下位の職に対して出す「業務執行のやり方の指令書」みたいなものだ…。会社で言えば、「業務命令」というところか…。

 ※ 本来は、役所内部の話しなんで、その「指揮命令系統」の系列の外にいる「民間人、一般人」にとっては、「無関係」のようにも思われる…。別に、自分は「お役人」じゃ無いからな…。

 ※ しかし、「と~んでもない。」…。お役所仕事は、この「通達」に従って処理されていく…。

 ※ そのための「通達」だからな…。「こういうケースは、このように処理してください。」という上位の職からの、下位の職に対する「指令・命令の内部文書」だ…。その指示に従わない場合は、お役人の世界で、大変なことになる…。

 ※ 前にちょっと語った「登記」の世界は、ほぼ、「通達の世界」と言っていい…。通達で指定されている「形式」に合致していないと、「受け付けてもらえない」から、実務は一歩も進まないんだよ…。

 ※ よくは知らないが、「税務関係の処理」も、同じような状況のハズだ…。

 ※ そういう風に、本来は「行政機構内部の指示書」のはずのものが、強力に、一般・民間人に「作用を及ぼす」わけだ…。

 ※ 「通知」というものも、よくは知らない…。どうも、さらに「拘束力」が下がって、「連絡書」「情報の周知・徹底を図るもの」と言った感じのもののようだ…。

 ※ コロナ騒ぎで、てんやわんやになっている…。それで、「確としたことは、言えない。しかし、一応、耳にいれておいた方がいいこと、ではある。」(そっちの方が、後から「責任追及」を回避できそうだしな…。)ということで、「ご連絡」を連発しているんだろう…。

『政府の新型コロナウイルス対応で「通知」と呼ばれる行政文書を多用する問題点が浮上してきた。厚生労働省が発出したコロナ関連の通知は1年間で900件超にのぼる。受け取る地方自治体や医療機関が対応しきれず、現場の混乱要因になりかねない。

通知は行政機関が作成する文書の一つで、都道府県や市町村にメールなどで送付する。地方自治法に基づく「技術的助言」という位置づけで、国会での手続きを経ずに各省庁の判断で出すこ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1170文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

地方自治法に基づく「技術的助言」という位置づけで、国会での手続きを経ずに各省庁の判断で出すことができる。

機動的に出せる半面、法律や政令のように法的拘束力を持たせることはできない。

厚労省はPCR検査やワクチン接種の基準などに関する通知を連日のように発出している。16日は医療従事者へのワクチン接種を17日から始めるとの通知を出した。

新型コロナ患者と接触機会が多く、医療提供体制の確保に必要な人が優先対象だとする通知も流した。別の通知では副作用の疑いがある場合は積極的に報告するよう求めた。

日本経済新聞が集計したところ、20年1月以降、コロナ対策に関する通知だけで900件を超えた。感染が拡大した20年3月の1日平均は5件近かった。

通知を受け取った自治体は業界団体などを通じて周知することが想定されているものの、通知が行き届いたかの確認は不十分になりがちだ。自治体ごとに人員や財政の体制が異なるため、地域によって通知内容の実行に差がでる恐れもある。

民間の有識者でつくる「新型コロナ対応・民間臨時調査会」は20年10月にまとめた報告書で問題点を指摘した。「通知は指示が一方通行となり、現場で実施されているかどうかの確認や効果を判断する材料がない」と明記した。「通知行政の限界だ」と批判した。

たとえば厚労省は20年8月、無症状や軽症の人でも「ホテルなどでの宿泊療養を基本とする」と通知した。現実には施設不足などを理由に自宅で療養せざるを得ない事例が相次いだ。21年1月末時点で自宅療養者は全国で3万人を超えた。

PCR検査の体制強化を求める通知は複数回出しており、検査を受ける症状の目安が変わった。基準がわかりにくいとの批判が相次いだ。

加藤勝信官房長官は16日の記者会見で「次々に発生する課題に機動的に対応するため、多数の通知を発出してきた。読むことすら難しいとの声ももらっていた」と問題点を認めた。

「通知の内容がしっかり伝わり、それぞれの現場で運用がなされていくことをフォローアップしていくことが必要だ」と改善に努める考えを示した。

政府は通知の冒頭にポイントをまとめたり、厚労省のホームページ(HP)に体系的に掲載したりするなどの対応を進めている。

民間臨調の報告書作成に携わった東大の鈴木一人教授は「通知に書いてあることが絶対的な基準なのか、指示なのか、単なる目安なのかが分かりにくい。緊急時の連絡はコロナ対応を定めた特別措置法に基づく『命令』に引き上げるなどの検討が必要だ」と提起する。

「現場の実態を踏まえずに役所で考えて通知を出すため、混乱が起きている。フィードバックの仕組みが必要だ」とも強調した。

神戸大の砂原庸介教授は「実務を担う個々の自治体に十分な知識を持つ専門組織がないため、国と情報共有するのに通知が使われる」と説明する。「コロナ禍では通知とセットの説明会も開きにくく、実効性のある情報共有は簡単ではない」との認識を示した。

【関連記事】
ワクチン接種、首都圏病院で開始 副作用の情報収集
ワクチン、高齢者に効果 英で80歳以上の4割に抗体
ワクチン接種、医師ら「心強い」 感染者治療の最前線
首相、18日にワクチン接種会場を視察

冷える米中、試される同盟 日本「受け身」は愚策

冷える米中、試される同盟 日本「受け身」は愚策
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH015T40R00C21A2000000/

 ※ お説ごもっともで、全くの「正論」だ…。

 ※ しかし、「国民」がついてくるのか…。

 ※ 現政権党は、永いこと「国民生活の安全、安心は、任せてくれ。国民のみなさんは、あれこれ思い煩う(わずらう)ことなく、趣味・し好に打ち込んで、毎日楽しく暮らしてくれ。そういう”楽しい人生”の基盤は、われわれが整備する。」という幻想を振りまくことで、政権維持を図ってきた…。

 ※ その点では、「反日」で世論を統合し、国民の糾合を図ってきた某国と、あまり変わるところは無いわけだ…。

 ※ それを今さら、「実は、国際情勢・世界情勢は、大変なことになっている…。皆さんの安全・安心な生活は、明日をも知れない状況なんだ…。」と言ったところで、目を白黒…、というのが関の山だろう…。

『中国に弱腰になってしまうのではないか。約2週間前にバイデン米政権が生まれたとき、米国内外にはこんな観測があった。

だが、米国が厳しい対中政策を緩めることはなく、米中はさらに寒い冬を迎えるだろう。

バイデン大統領や閣僚らは、すでに中国に強硬な言動を重ねている。特に目立つのが、中国が最も敏感になる台湾と人権問題だ。

まずバイデン氏は1月20日、駐米代表に相当する台湾高官を大統領就任式に招いた。1979…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1843文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

まずバイデン氏は1月20日、駐米代表に相当する台湾高官を大統領就任式に招いた。1979年の断交後、初めてのできごとだ。その3日後には米国務省が声明を出し、台湾への武器供与を続けていく方針なども確約している。

人権問題では、中国によるウイグル族弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」とみなした。いずれも、トランプ時代の強硬策をそのまま引き継ぐものだ。

厳しい対中姿勢は同盟国への対応にも、くっきりと表れている。1月24~28日に相次いだ日米の首脳、外相、防衛相による電話協議。米側は判で押したように、尖閣諸島への日米安全保障条約の適用を確認した。

舞台裏を探ると、日本から事前に働きかけた形跡はない。日本から頼まれるまでもなく、米側は「安保適用」に言及することを決めていたのだ。それほど、挑発を強める中国への警戒感は深い。

とはいえ、バイデン政権の対中政策が将来、腰砕けになる不安が消えたわけではない。サキ大統領報道官は1月25日、中国への対応について「戦略的忍耐」をもって臨みたいと語り、各国に波紋を広げた。

戦略的忍耐とは、オバマ元政権による北朝鮮政策のキーワードであり、北朝鮮の時間稼ぎを許し、核量産を招いた失策だ。中国に適用するとしたら、足元を見透かされるのは目に見えている。

しかし、サキ発言をまともに受け止め、対中政策の行方に不安を抱くのは誤りだ。表現を十分に考慮せず、誤った発言をしてしまったというのが真相だからだ。

ホワイトハウスで記者らに向かって話すサキ米大統領報道官(1月25日)=ロイター

オバマ時代の北朝鮮政策を中国に当てはめることはない――。内情を知る米外交専門家によると、ホワイトハウスはサキ発言が誤解を招いたと直ちに気づき、主要各国にひそかにこう説明した。サキ報道官も数日後の記者会見で発言を修正し、「あの言葉を深読みしないでほしい」と強調した。

環境対策への協力を得るため、バイデン政権が安全保障問題などで中国と取引してしまう危険も、今のところ考えづらい。ケリー大統領特使(気候変動問題担当)は自分が対中融和派だとみなされることを嫌がっており、中国との外交取引を否定している。

4年の任期中には曲折もありえるが、1期目のオバマ元政権当時のような融和策に米国が逆戻りする可能性は極めて低い。

だとすれば、日本など同盟国が考えておくべきなのは、バイデン政権が対中融和に傾いてしまうシナリオではない。逆に米国が対中強硬路線を続けるなかで、同盟国にも中国への圧力を強めるよう求めてくる展開だ。

米政府筋によると、バイデン政権は現時点で、オバマ時代のような米中戦略・経済対話(閣僚級)の枠組みを設けることには慎重だ。それよりもまず同盟国と協議し、対中政策を密にすり合わせることを優先する。

同盟国は、喜んでばかりはいられない。米国の本意は中国に対抗するため、何を協力してくれるのか、まず同盟国側から発案してほしいという点にある。

トランプ前大統領は同盟国の助けをあてにせず、まるで学校の番長のように中国の胸ぐらをつかみ、不公正な通商慣行や技術スパイをやめさせようとした。このためアジアや欧州の国々は中国との矢面に立つ必要はなかった。

しかし、バイデン大統領は生徒会長のように皆に協力を求め、多国間で中国に対抗するつもりだ。同盟国は米中の覇権争いを傍観するのではなく、当事者として参加しなければならなくなる。

では、どうすればよいのか。大切なのは対中政策でどのような協力ができるか、同盟国側からバイデン政権に提案し、結束の足がかりを築くことだ。焦点は主に3つある。

第1はインド太平洋への米軍関与を息切れさせず、現在の米中軍事バランスを保つための協力策だ。米政府内には、国内総生産(GDP)比約1%にとどまる日本の防衛予算について、大幅な増額を期待する空気が漂っている。

航空自衛隊入間基地(埼玉県)を訪れた菅義偉首相(20年11月)

第2に、深刻になる中国の人権侵害への対応だ。バイデン政権はウイグル族弾圧や香港の自治侵害で圧力を強める構えだ。米国はこれらで既に対中制裁を発動しているが、日本など同盟国にも追随を求める可能性がある。

米民主党の外交ブレーンからは「民主主義を重視するなら、日本はなぜ、人権問題で中国に制裁しないのか」との声が聞かれる。

そして、第3は中国とのハイテク覇権争いに勝つための協力だ。対中ハイテク供与や重要インフラへの中国企業の参入について、バイデン政権はあらかじめ同盟国の意見を聞く代わりに、トランプ前政権よりも密な連携を求めてくるにちがいない。

対中政策でバイデン政権に注文をつけるよりも、中国に対応するため、自分たちは何ができるかを先に考え、行動する。日本を含めた同盟国に求められるのは、こんな発想だ。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/opinion/deepinsight/

秋田 浩之
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

強権国家、親中にあらず 対ミャンマーの視点(2:00)
冷える米中、試される同盟 日本「受け身」は愚策(4日)

ワクチン接種ようやく始動 17日から、欧米に2カ月遅れ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF142CT0U1A210C2000000/

 ※ やっと、第一歩だな…。

 ※ 厚労省の「ブイシス」なるものも、稼働するらしい…。うまく、機能してくれるといいんだが…。

 ※ ワクチン供給先との交渉・情報入手…、全体の戦略の企画・立案…、各自治体への情報提供…、それを受けての各自治体側のシミュレーション及び予行演習…。

 ※ 自治体側も、各都道府県→中核市→市町村…と別れている…。これに、それぞれの医師、看護師、保健所職員、自治体職員がいて、それを束ねる医師会、看護師団体、県知事、市町村長なんてものがある…。中間には、局長・課長なんてものもいる…。

 ※ そういうものが、一丸となって「職務遂行」していくわけだ…。一大オペレーションだ…。

 ※ 企画・立案部隊が、「大体のところ」を考えて、「大まかな作戦」を立案する…。しかし、到底、初手から「使えるもの」であるはずがない…。

 ※ 「やってみて」「実際に動いてみて」不具合・修正すべき点が、山ほど生じる…。そこが、キチンとフィードバックされて、修正され、その修正がまた、キチンと末端の実働部隊まで降りてくるようになっているかどうか…。

 ※ こういう、「走りながら、考える。」「考え、修正しては、また、走り出す。」というオペレーションで要求される「人材」像を考えてみた…。

 ※ それは、「自分に振られた役割」をキチンとこなすだけでは、足りないだろう…。「他人の役割」「他の部署の役割」も、「ある程度把握していること」が要求されるだろう…。できれば、「眼前の役割」の「全体構造」の中での「位置付け」が、ある程度「分かっていること」が要求されるだろう…。

 ※ よく聞いた話しが、ある…。

 ※ 戦闘激化で、部隊の指揮官が倒れることがある…。弱い部隊は、「頭(かしら)」を失うと、もはや「一兵卒」どもは、何をしたらいいのか、どう動いたらいいのか分からずに、右往左往し、機能しなくなる…。

 ※ しかし、「強靭な部隊」は、直ちに「副官」が立ち、平然と「指揮をとり続け」「従前同様に、機能する」…。「一兵卒」どもも、落ち着いてそれに従う…。

 ※ そういう「強靭な部隊」に、なっていればいいんだが…。

 ※ 案外、日本人の「組織」は、こういう「走りながら、考える。」「考えながら、走り続ける。」ということに、苦手なところがある…。

 ※ よく聞くのは、「国が、キチンと細部まで、詰めてくれ。」「ちゃんと、決まっていないと、動きようがない。」という声だ…。

 ※ 気持ちはわかるが、ちょっと待ってくれ…。「細部まで、キチンと把握している人」なんか、どこにもいないんだ…。それを、アンタが、これから「走りながら、考えて、詰めて」行くんだ…。
 
 ※ それこそが、アンタに「振られた役割」なんだ…。

『新型コロナウイルスワクチンの国内での接種が17日、欧米に2カ月遅れて始まる。医療従事者から着手する。臨床試験で発症予防効果が確認されており、経済の回復を後押しできる可能性がある。円滑な普及には、デジタル化した流通や履歴管理のシステムを有効活用できるかが問われる。

厚生労働省は14日、米ファイザーのワクチンを承認した。16歳以上が対象で、3週間間隔で2回注射する。臨床試験のデータなどから発症を予防する効果があると確認した。偽薬との比較試験で95%の有効性があった。

急ピッチの開発でデータが不十分な面もある。効能などを示す添付文書は「予防効果の持続期間は確立していない」と注意を喚起している。

副作用は接種部位の痛みや疲労が半数以上で出ているが、大部分は数日以内に消える。米疾病対策センター(CDC)によると、重症化すると命にかかわるアレルギー症状のアナフィラキシーは20万回に1回程度だ。

英国や米国は2020年12月に承認し、接種を始めた。日本は2カ月遅れとなる。予防接種法に基づく臨時接種で「疾病のまん延予防上緊急の必要」があるとして妊婦を除き努力義務を課す。罰則はない。国費でまかない、無料で受けられるようにする。期間は22年2月までを想定する。

17日、国立病院機構などの100病院でコロナに対応する医師や看護師らから始める。政府高官は15日「2万人近くになる見通しだ」と話した。

3月に医療従事者370万人に広げる。千葉県は対象者を19万人超と見込み、約280会場を選んだ。会場となる医療機関からは「対象者数が把握できず体制作りが難しい」と困惑の声も出る。

コロナ患者を受け入れている病院が多く負担軽減も課題だ。遅れが出れば後の日程に影響する。4月からは65歳以上の高齢者3600万人に打ち始める。その後、延べ300万人で接種後の健康状態の調査も実施する。

カギは効率的な接種体制の構築だ。15日にはワクチンの流通を管理する厚労省のシステム「ブイシス」が本格稼働した。国が都道府県経由で市町村に配り、市町村が各会場に割り当てる。その配備や在庫の状況を常時把握できるようにする。会場検索や予約状況の確認用のサイトもつくる。

政府は接種履歴を管理する別システムも4月までの稼働をめざす。マイナンバーの活用も可能とし、転居なども容易に捕捉できるようにする。

1億人超が対象となる巨大事業で安全と効率を両立できるか。失敗続きの日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)が改めて試される。

【関連記事】
新型コロナワクチンを常温コンテナで輸送 
コロナワクチン、日本でも承認 治験、世界で60種類超に

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

リモートが揺さぶる長期雇用 消える3つの「無限定」

リモートが揺さぶる長期雇用 消える3つの「無限定」
編集委員 水野裕司
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH099390Z00C21A2000000/

『長期の雇用保障と引き換えに、転勤命令に従い長時間の残業も受け入れる。そうした日本の正社員の雇用慣行に、新型コロナウイルス禍で広がるリモートワークが風穴を開け始めた。たとえば遠く離れた地域の仕事もネットを介してこなせば、転勤は不要になる。気になるのは会社命令に従う代わりに正社員が享受してきた雇用保障の行方だ。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。
日本の雇用システムは職務を定…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り2013文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

日本の雇用システムは職務を定めない雇用契約を土台に形づくられている。雇用契約は会社という組織の一員になる資格を得る意味があり、そのため日本型雇用はメンバーシップ(資格)型と呼ばれる。

職務が限定されず、受け持つ仕事の範囲が不明確なことは、さらに2つの正社員の特徴を生んだ。ひとつは仕事量が増えがちで、慢性的な長時間労働に陥りやすいこと。働く時間も限定されないわけだ。

もう一つは配置転換に柔軟に従う必要があり、本意でない転勤命令にも応じなければならないことだ。つまり働く場所も限定されず、どこに赴任することになるか分からない。日本の正社員の雇用はこうした3つの「無限定」の慣行から成ってきた。

リモートワークで急速に崩れるとみられるのがまず、勤務地が会社都合で決まり、本人の自由度が乏しい慣行だ。

富士通は本人が望まない単身赴任を解消する制度を始めた。社員に「遠隔勤務」を認め、親の介護など家族の事情で居住地を変えるのが難しい場合、転居せずに遠方からのリモートワークで業務をこなせるようにした。奈良県や福岡県に住みながら東京の本社の仕事をする社員もいる。地理的な距離を取り払うネットの力のおかげだ。

離れた2つのオフィス空間をつなぎ、双方の社員が協力して仕事を進められるようにして、転勤を不要にするリモート技術も登場した。内装会社のフロンティアコンサルティング(東京・中央)は、東京本社と大阪支店を常時接続し、互いに相手方の等身大の映像を映し出すシステムを導入した。会議や打ち合わせに活用している。

tonariが開発したシステムで大阪支店とやり取りするフロンティアコンサルティングの東京本社(東京都中央区)

ベンチャー企業のtonari(東京・渋谷)が開発したシステムで、画面の中央に高解像度の微少なカメラを埋め込んで自然と目線が合うようにし、相手が隣にいるような感覚で臨場感のあるコミュニケーションがとれる。「分散する事業拠点を、あたかもひとつの空間のように運営できる」とフロンティアコンサルティングの稲田晋司執行役員は話す。技術の進歩が在宅勤務に限らない「リモートワーク」を広げている。

転勤をめぐっては東亜ペイント(現トウペ)訴訟で1986年に最高裁が出した判決が知られる。転勤を拒否して解雇された元社員がその無効と損害賠償を求めた。単身赴任を強いられるこのケースで最高裁は、家庭生活への影響は「通常甘受すべき程度のもの」とみなし、転勤命令が会社の権利乱用には当たらないとした。

雇用保障があるのだから単身赴任は我慢すべきだという考え方だ。この判決は会社の転勤命令は原則拒否できないという暗黙のルールのよりどころとなった。だがリモートワークの普及で転勤自体が不要になっていけば、判決の重要性は薄れる。

正社員の働き方の根っこにある「職務が無限定」の慣行も、リモートワークが見直しを迫る。離れた場所で働く社員を的確に評価するには、受け持ってもらう仕事の内容を明確にし、可視化することが第一歩になるからだ。

経団連が1月に発表した人事・労務分野の調査によると、テレワークが広がるなかでは職務の明確化が求められると考える会員企業が目立った。「従業員個人の職務内容・範囲の明確化」を実施済み、実施予定の企業は合わせて30.3%。検討中とした企業も33.6%あった。

人材の活性化策として、ポジションごとに使命、役割や具体的な仕事内容を明確にする「ジョブ型」人事制度も産業界に広がり始めている。テレワークとの親和性が高いとする経営者が多い。職務を曖昧にし、正社員を便利な労働力と位置づけてきた日本的慣行は確実に崩れる方向にある。

「職務が無限定」の見直しが進めば長時間労働もおのずと是正に向かう。

政府の働き方改革では時間外労働への罰則付き上限規制が設けられた。長時間労働の是正に一定の成果を上げているが、職務が不明確という根っこの原因が除かれる効果は大きい。

「無限定」な働き方が見直されれば、その見返りに正社員が得てきた長期的な雇用保障は緩み始めておかしくない。現に、職務を曖昧にする慣行が崩れていけば様々な変化が起きると指摘されている。

「社員が携わる業務の可視化が進めば、正社員にまかせず外部委託で足りる仕事があることも見えてくる。リモートワークは正社員の人数を絞るきっかけになるのではないか」。経済学者の間にはそんな見方がある。

経団連は2021年春季労使交渉の企業向け指針である「経営労働政策特別委員会報告」で、ジョブ型雇用が企業に浸透すれば転職の橋渡しをする外部(企業外)労働市場の発達が期待できるとした。プロジェクトごとに専門性を備えた人材を期限付きで雇用するなど、人材の流動化が今後の方向性との認識だ。

労働組合の中央組織である連合はジョブ型について、「人工知能(AI)分野など高度専門人材の採用ではあり得る」としながらも、「技能育成を誰が担うのかなど、職場における課題の深掘りも必要」としている。テレワークの急速な広がりを背景に経団連が普及に積極的なジョブ型に対し、警戒感は強い。それだけ長期雇用の慣行への逆風を感じ取っているのではないか。

編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へNikkei Views
https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/