英、ミャンマー国軍幹部ら6人を追加制裁 デモ弾圧批判

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25E7Y0V20C21A2000000/

『【ロンドン=中島裕介】英政府は25日、ミャンマーのクーデターに関連した人権侵害があったとして、ミン・アウン・フライン国軍総司令官ら6人を制裁対象に追加すると発表した。英国への渡航の禁止や英国内の資産の凍結を科す。民主主義を傷つける軍事政権回帰の阻止を強める狙いだ。

英政府は今回の追加制裁ではクーデター後の重大な人権侵害を監督したとして、国軍が設けた最高意思決定機関「国家統治評議会」の主要メンバーを対象にしている。治安部隊による抗議デモの弾圧で死傷者が相次いでいることを重くみた。

英政府は今回の制裁にあわせて英国企業がミャンマー国軍の所有企業と取引しないための作業も進めると発表した。ラーブ外相は25日の声明で「ミャンマー国民に選ばれた政府に支配権を返還すべきだ」と訴えた。これに先立ち、英政府は18日に軍政移行を図る中心人物のミャ・トゥン・ウー国防相など3人への制裁を発表している。

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ミャンマー外相がタイ訪問 インドネシア加え3カ国協議

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS2476B0U1A220C2000000/

『【バンコク=村松洋兵、ジャカルタ=地曳航也】ミャンマー情勢を巡り、同国のクーデター後に国軍が指名したワナ・マウン・ルウィン外相、タイのプラユット首相とドーン外相、インドネシアのルトノ外相は24日、バンコクで会談した。

ルトノ氏は会談後、記者団に、事態の打開に向け、インドネシアがミャンマーの国軍や、国軍が拘束したアウン・サン・スー・チー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)などすべての当事者とコミュニケーションを続けると述べた。

会談ではミャンマー側に「国民の安全と幸福が最優先されるべきだ」と伝えたと明かした。

ルトノ氏はドーン氏との会談で、ミャンマー問題を協議する東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別外相会議の開催で合意したとも表明した。

タイ政府筋によると3カ国の外相らはドンムアン空港の空軍施設で会談した。

ルトノ氏は25日のミャンマー訪問を計画していたが、中止した。ミャンマー問題を協議するASEANの特別外相会議の開催に向け調整する方針だったとみられる。加盟国にはルトノ氏のミャンマー訪問に反対する意見があったとみられる。

インドネシア外務省のトゥク報道官は24日、記者団に「ほかの加盟国と協議した結果、いまはミャンマーを訪れるのに適切な時期ではないと判断した」と語った。

プラユット氏は10日、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官から書簡を受け取り、クーデターへの理解を求められたと明らかにしていた。

プラユット氏は陸軍司令官だった2014年にタイでクーデターを主導し、19年の民政移管に向けた総選挙後に親軍政党の支持を受けて首相に就いた。』

ミャンマー情勢膠着 抗議デモ、国軍決め手欠く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2433B0U1A220C2000000/

『【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーでは24日もクーデターを起こした国軍への市民らの抗議デモが続いた。市民側が求める民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏の解放は実現しない。国軍も本格的な武力弾圧に踏み切れないでいる。欧米は市民側を支持する一方、国軍には制裁強化を示唆し、市民への暴力停止を求めている。市民、国軍の双方は決め手に欠け、「持久戦」の様相をみせてきた。

24日には最大都市ヤンゴンの目抜き通りで、道路を封鎖する警官隊と「我々のリーダー(スー・チー氏)を帰せ」と叫ぶデモ参加者が20メートルほどの距離でにらみ合った。デモ隊は警察が設けた規制ラインを越えない。国軍に協力する警察側はすでにデモ側の計3人を銃撃で殺害しているが、いずれも外国メディアの少ない首都ネピドー、第2の都市マンダレーでの出来事だ。ヤンゴンでは自重しているようにみえる。

ヤンゴンでデモに参加していた銀行員の男性(30)は「銃撃は怖いが、諦めたら(国軍の)恐怖が何十年も続く」と話した。だが、警官隊と衝突する考えはない。「解散しろと言われたら、移動して別の場所で集まればよい」と話した。1988年、2007年にもそれぞれ、当時の軍事政権に市民らはデモで立ち向かったが、いずれも武力で鎮圧された。そのときの事情を伝え聞き、「反省」を生かしているようだ。

デモ参加者が頼るのは、国軍に対する欧米諸国の圧力だ。ヤンゴンで参加者が持つプラカードや横断幕の多くは英語表記。公務員や銀行員が職場を放棄してクーデターに抗議する「不服従運動(CDM=Civil Disobedience Movement)」という標語を掲げる。メディアを通じ、欧米に直接、支援を求めている。

一方、国軍側には、市民の抵抗がここまで広がるとは想定外だったと思われる。ヤンゴンでは自警団の市民が警察に射殺されたが、デモ参加者を放水車や威嚇射撃で解散させるような手荒なことはしていない。22日にはヤンゴンを中心に「全国で計100万人規模」(地元メディア)というデモが起きたが、大きな衝突はなかった。

国軍が恐れるのは欧米の制裁強化だ。特に欧州連合(EU)がミャンマーへの特恵関税の停止に踏み切れば、同国の主力輸出品である繊維製品が大きな打撃を受ける。景気悪化は軍人らが出資する国軍系企業に損失を与え、軍内の不満を高めかねない。欧米諸国はデモ参加の市民らへの暴力停止を強く要請しており、国軍は無視できない。

国軍は司法機関に命じ、スー・チー氏を刑事事件の容疑者として勾留しており、3月1日には本格的な審理が始まる見通しだ。拘束は長引く見通しだ。国軍はクーデターの名目を、スー・チー氏が党首の政党が大勝した2020年11月の総選挙(上下院選)で不正があったためと主張し、いまの非常事態宣言が解除された後は「複数の政党が参加する公正な総選挙を実施する」と公言している。

外交関係者には「国軍が総選挙のスケジュールを明示することで市民側の理解を得ようとする可能性はある」というが、情勢はなお不透明だ。

マレーシア、ミャンマーへ1000人超送還 国連など非難

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM240RT0U1A220C2000000/

『【シンガポール=共同】マレーシア政府は23日、ミャンマーから入国を図り、収容所に拘束されたミャンマー人約1100人を本国に送還した。政府はクーデターを起こしたミャンマー国軍と送還で合意。ミャンマーがマレーシア西岸に派遣した3隻の艦船で出国した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や人権団体は、国軍が政権を握ったミャンマーへの送還は「人命を危険にさらす」と非難。アムネスティ・インターナショナルが22日、高裁に送還差し止めを申し立てた。高裁は23日に差し止めを認めたが、既にミャンマーの艦船に乗船済みで法的効力が及ばなかった。

マレーシアの入国管理当局は、送還対象がUNHCRの難民登録の証明書やパスポートを持っていない「不法移民」だと説明。ミャンマー国内で迫害対象となっているイスラム教徒の少数民族ロヒンギャは含まれていないと主張している。

ただミャンマーには他にも紛争を抱える少数民族が複数ある。UNHCRは送還対象に難民登録証の保持者や未成年が含まれているとして、当局に再考を求めていた。

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米、ASEANに外相協議を打診 ミャンマー制裁の理解訴え

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM204RS0Q1A220C2000000/

『【シンガポール=中野貴司】バイデン米政権が東南アジア諸国連合(ASEAN)に電話やテレビ会議形式での外相協議を打診していることが分かった。ASEAN重視の外交姿勢を示すとともに、ミャンマー問題でも制裁への理解を訴える狙いがあるとみられる。ただ、ASEAN内の意見は一致しておらず、早期に実現できるかは不透明だ。

ASEAN外交筋によると、米国は当初2月11日前後の日程を提案したが、ミャンマー、タイ、…

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ASEAN外交筋によると、米国は当初2月11日前後の日程を提案したが、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスが消極的で実現に至らなかった。そのため、2021年の議長国であるブルネイと有志国のみの協議の選択肢も含め、引き続き検討を進めている。「米国はミャンマー問題に限らず、外交問題全般を話し合いたいという意向」(外交筋)だという。

ブリンケン米国務長官は1月下旬の就任後、タイやベトナムなどの外相と相次ぎ個別に電話で協議した。シンガポールやインドネシア外相との電話協議では、ミャンマーのクーデターに関して「深刻な懸念」を共有した。ASEANの枠組みでの協議を打診する背景には、地域の平和や安定に積極的に関与する姿勢を強調する意図があるようだ。中国の域内での影響力が増す中で、南シナ海問題の対応でも連携をはかる。トランプ前米大統領はASEAN関連首脳会議を連続欠席するなど、ASEAN軽視の姿勢が目立っていた。

ミャンマー情勢も主要な議題となる見通しだ。米政府はミャンマー国軍のクーデターに関わったとして10個人や3企業を制裁対象に指定している。ASEANは内政不干渉の原則から制裁のような強い措置には距離を置く一方、民主主義や人権の尊重は重視している。米国はASEANの多くの国に制裁の狙いへの理解を深めてもらい、国軍への圧力を強めていきたい考えだ。

ただ、批判の矢面に立つことを恐れるミャンマーが米国との協議出席に否定的なほか、中国に近いカンボジアやラオスも米国と共同歩調をとる可能性は低い。仮に外相協議が実現しても、具体的な成果に結びつくかは未知数だ。

ASEAN内にはミャンマー問題を協議する特別外相会議の開催を目指す動きもある。インドネシアのジョコ大統領とマレーシアのムヒディン首相は2月初旬に会談し、特別会議を開くよう両国外相に調整を指示した。18日に会談したシンガポールのバラクリシュナン外相とインドネシアのルトノ外相も、ミャンマー問題に関する特別会議の早期開催を目指す考えで一致した。関係者によると、クーデター後に外相など主要閣僚を差し替えたミャンマー国軍は「ASEANの定例の会議には出席するが、特別会議には出席しない」方針を伝えてきているという。

ASEANはクーデターが起きた1日、「加盟国の政治的安定は、平和で繁栄した共同体の実現に不可欠だ」などとする議長声明を出した。ASEANが強い批判を控える背景には、「ミャンマーをいたずらに孤立させれば、中国やインドに接近してしまう」との思いがある。ただ、デモ参加者などが相次ぎ死亡し、ミャンマー情勢は混乱を増している。ASEANが主体性を持ち、事態の正常化へ役割を発揮できるかが問われている。

天災が起きた時に、露出する貧富の差による行政待遇の格差

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

 ※ 「机上空間」さんのサイトからだ…。

 ※ 例によって、「卓見」だと思うので、紹介する…。

『富裕層が言う、「俺たちだって、遊んで財産を築いたわけじゃない。リスクも負ったし、努力は惜しまなかった。何で、貧民に分配しなきゃならんのだ。自分たちの生活向上の為に使って、何が悪い」という理屈も判ります。しかし、歴史的な事実として、その社会が最も、富むのは、貧困層が少なく、富が分配されて、分厚い中間所得層が大部分を占める時です。過去のアメリカの黄金時代、日本の経済成長時代、その他、どの国の歴史を紐解いても、国力として繁栄したのは、中間所得層が爆増した時期です。

その理由は、富裕層が一方的に富むように、資本主義は形成されていなくて、必ず消費を旺盛にしてくれる消費者がいて成り立っているからです。つまり、貧困層が国の多くを占めるようになると、彼らに富を供給してくれる消費者の質が下がって、消費をしてくれなくなります。すると、富裕層の中でさえ、貧富の差が発生して、没落する者と、先鋭化して巨万の富を得る者に分かれていきます。今は、良いからも知れない。しかし、貧富の格差が酷い社会というのは、必ず破綻します。

国の内部が貧困層だらけになれば、「俺達にパンをよこせ」で起きたフランス革命のように、自分の周りを屈強な軍隊で固めていても、富裕層も破滅する事になります。所詮、富裕層は少数派であり、貧困層が多数派である事を忘れると、国なんていう組織は、簡単にひっくり返ります。』

 ※ 確かに、「中間所得層」が分厚くないと、「民主主義」も、「フツーの暮らし」も、成り立っていかないような気がする…。

 ※ しかし、今現在の状況は、その保持されるべき「中間所得層」という社会的階層が、どんどん削られていって、「やせ細って」いっている状況のように見える…。

 ※ その原因は、どこにあるのか…。その処方箋とは、何なのか…。誰も「現実解」を、持ち合わせていないところに、「重大な危機」があるんだろう…。

 ※ なお、「臓器移植」に関する「恐ろしい話し」も、書かれているんで、興味がある人は、自分で読んでくれ…。

世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む

世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む
パクスなき世界 夜明け前(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL0169D0R00C21A2000000/

『世界は転機にある。20世紀の繁栄の礎となった民主主義と資本主義という価値の両輪は深く傷つき、古代ローマで「パクス」と呼ばれた平和と秩序の女神は消えた。新型コロナウイルスの危機は超大国・米国の衰えに拍車をかけ、世界の重心は力を増す中国に傾く。あなたは歴史の転換を傍観するだけですか――。

【関連記事】
民主主義再生、法の支配を砦に フクヤマ氏
いまは夜明け前 「パクスなき世界」を考える

「『トランプ』はどこにでもいる」。トランプ前米大統領の支持者らによる米連邦議会議事堂の襲撃から一夜明けた1月7日、欧州連合(EU)のトゥスク前大統領は世界に警鐘を鳴らした。

ドイツでは昨夏、極右勢力が国会議事堂に侵入を図った。オランダの地方都市の首長はコロナ下の夜間外出禁止に反発する暴動をみて「内戦になる」とおびえた。トランプ氏本人は権力の座を去る前、イラクで市民殺害に関与し有罪判決を受けた米民間軍事会社の4人を恩赦した。国連の専門家グループは「正義への冒とくだ」と批判する。

古くから「夜明け前が最も暗い」という。私たちはいま内なる敵と外からの脅威を同時に抱えている。世界を内から切り裂くのは「Kの字」の傷だ。米国の上位1%の富裕層は資産全体の3割を握る。コロナ下の財政出動と金融緩和で株価は上がり、持つ者と持たざる者の差はさらに開いた。

力の逆転という外部環境の激変が追い打ちをかける。中国の名目国内総生産(…

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力の逆転という外部環境の激変が追い打ちをかける。中国の名目国内総生産(GDP)は2028年にも米国を抜く。30年代とみられていた時期がコロナ禍で早まり、35年に中国と香港を合わせたGDPは日米合計を上回る勢いだ。中国は共産党の支配体制を守るためなら自由や人権を犠牲にすることもいとわない。

1カ月前、第46代米大統領に就いたジョー・バイデン氏は「民主主義はもろい」と語る。古代ギリシャ以来、2500年以上の歴史を持つ民主主義は長く衆愚政治に陥ると忌避された。それがこの2世紀ほどで自由や法の支配という価値と結びつき、経済成長に伴って普遍的価値に高まった。

そして今。豊かさが行き渡らず、人の声に耳を傾けない不寛容が広がる。英歴史家エリック・ホブズボームは民主主義を実現する条件の一つに「富と繁栄」を挙げた。民主主義と資本主義を磨き直し、闇のなかで未来を探る挑戦が始まった。

「今こそ大胆に動くべきときだ」。米財務長官に就いたジャネット・イエレン氏は12日、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁に訴えた。バイデン政権はコロナ禍からの脱却を最優先し、1.9兆ドル(約200兆円)の「米国救済計画」の実現を急ぐ。家計への追加現金給付や失業給付の上乗せなどをめざす。

米製造業の雇用は約40年間で4割弱、700万人減った。バイデン政権は中間層の復活を掲げるが、税制改革などで格差を是正し、中間層に厚みをもたらすのは時間がかかる。「K」の傷を癒やすにはまず底辺を支え、引き上げるしかない。

バイデン、イエレン両氏が胸に刻むのは副大統領、米連邦準備理事会(FRB)幹部として支えたオバマ政権の教訓。リーマン危機後の09年に発足したオバマ政権は医療保険改革に注力して雇用回復が後手に回り、最初の中間選挙で大敗した。

1.9兆ドルの財政出動は米国のGDPの1割近い規模となる。その大盤振る舞いに、同じく民主党政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏は「未知の領域だ」と経済の過熱を警戒する。

財政措置が大きすぎ、増税などで資金を吸収できなければ、急激なインフレやバブルの発生・崩壊などの深刻な打撃を経済にもたらしかねない。社会はさらに傷つき、24年の次期米大統領選で「トランプ」に再び取って代わられる――。そんな未来さえ引き寄せるリスクのある賭けにバイデン政権は打って出た。

「私たちの無為や怠惰は次世代に引き継がれる」。1月20日、バイデン大統領の就任式で詩を朗読した22歳のアマンダ・ゴーマンさんは「新たな夜明け」へ行動を呼びかけた。価値の修復への挑戦はあすも続く。

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小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 資本主義と民主主義の関係について考えさせられる記事です。
分配の問題を軽んじる資本主義は中間層を痩せ細らせ、文章にあるような「人の声に耳を傾けない不寛容」を産みます。効果的な分配機能を市場経済の中に埋め込む必要があります。「お金持ちの富が滴り落ちて社会全体に行き渡る」と考えるトリクルダウン理論が現実的ではないことを、多くの人は直観的に理解していると思います。
上手に設計されていない分配政策はインフレやバブルのリスクを孕みますが、現状を放置する危うさはさらに大きいと考えます。
2021年2月22日 8:49 (2021年2月22日 8:51更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 「世界の強権国家は力を拡大して米国と対峙しても、代償を払わなくて済むと分かってきている」。米政治学者フランシス・フクヤマ氏は関連記事でこう語っています。
「忘れられた人たち」に寄り添うと訴えたトランプ前大統領は強権的な手法で共和党を「個人崇拝の政党」(フクヤマ氏)へ変質させ、強固な支持層をつかみました。彼らの怒りの根底にある格差は埋まらず、新型コロナウイルスで米国の死者が50万人に迫る災禍を招いたのはトランプ氏の負の遺産。それでも不満は「正統性を欠いた大統領」と彼らがみなすバイデン氏に向かいます。
「底辺の引き上げ」を目に見える形で達成できるのか。民主主義の再建は険しい道です。
2021年2月22日 8:44いいね
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「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国

「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」 対応探る周辺国
ミャンマー政変(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM09AYQ0Z00C21A2000000/

『中国の在ミャンマー大使館は16日、国軍のクーデターで混乱する同国の現状を「中国は決して望まない」と批判する大使、陳海の発言を公表した。前日に取材を受けた地元メディアとの一問一答をウェブサイトに掲載。「政変があるとは事前に知らなかった」と指摘し、「国軍の背後にいる中国が黒幕だ」という噂を懸命に否定した。

【前回記事】
米「選挙結果消してはならぬ」 ミャンマーに民主化要求

1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声を…

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1日の政変後、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの同大使館前では連日のように、多数の市民らが抗議の声をあげてきた。「国軍を支持するな」「内政干渉をやめろ」――。

この国を中国は経済、軍備で支えてきたが、国軍寄りだったとは言い切れない。拘束された民主化指導者アウン・サン・スー・チーの文民政府も尊重した。

1月にミャンマーを訪れた中国の国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)はスー・チーに「中国は(当時の与党)国民民主連盟(NLD)の順調な施政を断固支持する」と伝えた。国軍総司令官ミン・アウン・フラインとも会い、NLDが大勝した2020年11月の総選挙(上下院選)が「不正だ」という不満も聞いていた。

中国にとってミャンマーは地政学上の重要国だ。ミャンマーを上空から見ると、西部から中国南部の雲南省まで2本のパイプラインが横たわる。中東・アフリカからの原油、ミャンマー沿海産の天然ガスをそれぞれ、中国に運ぶ。

中国の輸入原油の多くが通過するマラッカ海峡と南シナ海が封鎖された場合、エネルギー供給の生命線になる。

中国外務省の副報道局長、汪文斌は1日、クーデター後の記者会見で「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と言明した。

一方、中国の官製メディアはさかんに、ミャンマーでの抗議デモを伝える。国軍が盤石だと中国の指導部はみていない。

政変にどう対応するか決めあぐねているのは、周辺の東南アジア諸国も同様だ。

バンコクで10日、タイ首相プラユット・チャンオーチャーは報道陣に、全権を掌握したミン・アウン・フラインから「ミャンマーの『民主主義』を支持してほしい」という書簡が届いたと明かした。

同じくクーデターを主導し、軍事政権トップから横滑りしたプラユットだが、表情を変えずに突き放してみせた。「ミャンマーの民主化プロセスを支持する。どう進めるかは彼次第だ」(敬称略)

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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分析・考察 中国のサイバーセキュリティ部隊がミャンマー国軍への支援に入ったという噂や、ヤンゴン市に出ている戦車の一部が中国のものであるという噂もあります。事実関係はまだ不明ですが、もし鎮圧に中国が関わっているのであれば、事態は極めて深刻だと思います。

人には生活があり、熱狂は長く続きません。毎日抗議活動をしていると、生活に困ってしまいます。また、海外メディアの注目も、一定期間で終わりが来ます。ミャンマーの民主主義にとって最も厳しいシナリオは、国軍が特に暴力などを振るわず(それにより厳しい制裁を回避する)、ネットや通信を監視し、少しずつ人を逮捕しながら、じわじわと反対者たちを黙らせることだと思います。
2021年2月18日 10:10いいね
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ミャンマー国軍、兵士・装甲車を展開 再びネット遮断

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM143AD0U1A210C2000000/

『【ヤンゴン=新田裕一、バンコク=村松洋兵】クーデターを起こしたミャンマー国軍は14日、最大都市ヤンゴンなどで国軍兵士の市街地への展開を始めた。国軍は同日夜、「今夜から国軍、警察、消防が協力して治安維持の責務を負う」と発表した。国軍は15日未明からインターネット接続を再び遮断した。

【関連記事】
ミャンマー国軍、令状なしで逮捕可能に 法律を停止

クーデターに抗議する数十万人規模のデモが全土で広がるなか、これまでは警察が治安維持に当たってきた。国軍がデモ鎮圧に武力…

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国軍は同日夜、「今夜から国軍、警察、消防が協力して治安維持の責務を負う」と発表した。国軍は15日未明からインターネット接続を再び遮断した。

【関連記事】

ミャンマー国軍、令状なしで逮捕可能に 法律を停止
クーデターに抗議する数十万人規模のデモが全土で広がるなか、これまでは警察が治安維持に当たってきた。国軍がデモ鎮圧に武力行使する懸念が強まった。

現地メディアがSNS(交流サイト)に投稿した写真や動画によると、14日夕方からヤンゴン市内の複数の主要道路を装甲車が進行した。装甲車は国軍基地を出て、市街中心部にある政府庁舎の敷地などに展開したという。

国軍関係者は14日夜、日本経済新聞の電話取材に、装甲車の展開を認めたうえで「治安悪化に市民がおびえているため」で、現時点では夜間に限定すると説明した。国軍は12日に収監中の囚人2万3000人以上に恩赦を与えて刑務所から釈放しており、多くの市民が治安悪化を警戒。近隣同士で自警団をつくるなどして対応していた。

15日は拘束中のアウン・サン・スー・チー国家顧問の勾留期限で、大規模デモが起きると予想されている。現時点では国軍が日中も市街地に展開するかどうかは不明だ。

国内の通信事業者は14日、「ミャンマー当局から15日午前1時(日本時間同3時30分)から同9時までインターネットを遮断するよう指示を受けた」と公表した。ヤンゴンでは15日午前1時ごろからインターネットが利用できなくなったが、同9時ごろに復旧した。

英国に本拠を置くネット監視団体「ネットブロックス」はミャンマー全土で午前1時ごろにネット通信量が急減したと報告した。ネット遮断は6~7日以来、2度目だ。

在ミャンマー米国大使館は14日深夜、英国やカナダ、欧州連合(EU)などと連名で「治安部隊にデモ参加者や市民への暴力を控えるように求める」とする声明を出した。米国大使館は同日、在留米国人向けのメールで「国軍が部隊を動かすとの情報がある」としたうえで、夜間は屋内に避難するように求めた。

国軍の展開はヤンゴン以外でも進んでいるとみられる。SNS上には北部カチン州で迷彩服を着た兵士とみられる一団が放水車とともに道路を進行する映像が投稿された。複数の発砲音も聞こえた。西部ラカイン州の現地メディアは、州都シットウェーで装甲車や警察が共同でパトロールする様子を撮影した動画を投稿した。

15日は国軍が拘束したアウン・サン・スー・チー国家顧問の勾留期限を迎える。スー・チー氏は無線機を無許可に輸入した嫌疑がかけられており、裁判所が15日間の勾留を認めていた。

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土屋大洋
慶應義塾大学 総合政策学部学部長
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別の視点 ミャンマーのネットワーク構成を見ると、南の旧都ヤンゴンから北方内陸部の首都ネピドーを通り、中国の昆明市に抜けていくルートが主要ルートのように見えます。海外につながる海底ケーブルが数本、他に隣国タイとの接続点が数カ所あるようです。国際的なゲートウェーを政府が押さえていれば、海外とのアクセスの遮断は容易でしょう。記事によれば国内の通信事業者も当局から要請を受けたとのことですから、インターネットの回復は政府の意向次第なのかもしれません。ただ、この時代にどこまで完全に情報封鎖ができるのか、注目したいと思います。
2021年2月15日 11:28いいね
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米大統領選に見る民主主義を守るために必要なこと

米大統領選に見る民主主義を守るために必要なこと
原田 泰 (名古屋商科大学ビジネススクール教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22077

 ※ 「なるほど…。」と、ちょっと感心したんで、紹介しておく…。

 ※ 民主主義の「基盤」の考察なんだが、この視点は無かった…。

 ※ 『繁栄した資本主義の国では、政権から離れても仕事がある。まして米国は転職が多く、雇用の流動化が進んでいる。日本の同一企業での平均勤続年数が12.1年であるのに対し、米国は4.2年である。英独仏伊と比べても短い(労働政策研究・研修機構「データブック国際比較2019」)。良い仕事を見つける機会は大いにあるのだ。

 一方、アフリカ、東欧、中南米では、大統領の配下より良い仕事が少ない。最後まで独裁者と運命を共にするしかない人がたくさんいる。このたくさんの人に支持されて、独裁者は最後まで頑張ることができる。』…。

 ※ 『米国の資本主義、市場主義の繁栄が、チェックアンドバランスを考えた憲法体制と、それを支える伝統とともに米国民主主義を守っている。新型コロナウイルスの対応で中国の全体主義が注目を浴びているが、全体主義は気に入らないと思えば誰でも解雇できる。これでは経済的にも中国共産党一党独裁に抵抗することができない。

 選挙結果に反するクーデターという横暴がまかり通らないためにも、公平な選挙を担保することはもちろん、誰もが自由に仕事を作れる資本主義を守ることが必要だ。資本主義体制では、独裁者が働いている人を自由にクビにできないし、独裁者の子分にならなくても良い仕事を見つけることができる。民主主義と資本主義はセットで機能するものだ。』…。

 ※ 「政権」や、「権力」に阿ら(おもねら)なくても、「明日の飯のタネ」を手に入れることができること…。

 ※ それこそが、「自由にものを言い」「自由にものを考える」ことの基盤だったな…。

 ※ そういう「当たり前」の話しを、忘れていたよ…。