〔外患罪〕

〔外患罪〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E6%82%A3%E7%BD%AA

『外患罪(がいかんざい)は、外国と通謀して日本国に対し武力を行使させ、または、日本国に対して外国から武力の行使があったときにこれに加担するなど外国に軍事上の利益を与える犯罪である。

現在、「外患誘致罪」(刑法81条)、「外患援助罪」(刑法82条)および両罪の未遂罪、予備・陰謀罪が定められており、刑法第2編第3章に外患に関する罪として規定されている。

刑法が規定する罪で最も重罪のものであるが、現在まで適用された例はまだない。 』

『概説

外患罪は国家の存立に対する罪である。いわゆる国家への反逆となる戦争犯罪(売国行為)であり、刑法の中でも最も厳しい刑罰を科すものである。未遂・予備に留まらず、陰謀をすることによって処罰されうる点でも特異である。内乱罪が国家の対内的存立を保護法益とするのに対し、外患罪は国家の対外的存立を保護法益とする。

本罪の罪質については、国民の国家に対する忠実義務違反であるとする説[1]と国家の存立の危殆化を罰するものであるとする説[2]とがある。

本罪は国内犯はもちろん国外犯にも適用がある(刑法1条・刑法2条3項)。通常、「武力の行使」は国際法上の戦争までは意味しないと解されるが、何を以って武力とし(たとえば国内の自衛隊や警察の装備及び人員の利用など)、どのような手段を以って行使とするかについて明確な法解釈は存在しない。

非常に強権的法規であり、かつ外交問題と直結するため、訴追側(検察)、審判側(裁判所)ともに適用に非常に消極的で、同罪状で審判した例はもちろん、訴追した例すらいまだにない。1942年に起訴されたゾルゲ事件において適用が検討されたが、公判維持の困難さのために見送られ、国防保安法、治安維持法等により起訴された。

外患誘致罪と外患援助罪は裁判員制度の対象となる。

なお、裁判員制度には「裁判員や親族に対して危害が加えられるおそれがあり、裁判員の関与が困難な事件」(裁判員法3条)については、対象事件から除外できる規定がある。

元来は戦争状態の発生及び軍隊の存在を前提とした条文だったが、日本国憲法第9条の関係で、昭和22年(1947年)の「刑法の一部を改正する法律」(昭和22年法律第124号)により根本的に改正され、「戰端ヲ開カシメ」「敵國ニ與シテ」等の字句や、利敵行為条項(第83条?第86条)・戦時同盟国に対する行為(第89条)等、日本国政府が戦争の当事者であることを意味する規定を削除・改正している。

ただし、武力の行使が前提となることに変わりはない(サイバー攻撃や金融・通貨を含む経済戦争には対応していない)。』

『 刑法新旧条文の比較は以下の通り。

旧条文

第81条[外患誘致] 外國ニ通謀シテ帝國ニ對シ戰端ヲ開カシメ又ハ敵國ニ與シテ帝國ニ抗敵シタル者ハ死刑ニ處(処)ス
第82条[外患援助] 要塞、陣營、軍隊、艦船其他軍用ニ供スル場所又ハ建造物ヲ敵國ニ交附シタル者ハ死刑ニ處ス
兵器、彈藥其他軍用ニ供スル物ヲ敵國ニ交附シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
第83条[通謀利敵] 敵國ヲ利スル爲、要塞、陣營、艦船、兵器、彈藥、汽車、電車、鐵道、電線其他軍用ニ供スル場所又ハ物ヲ損壊シ若クハ使用スルコト能ハサルニ至ラシメタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
第84条[同前] 帝國ノ軍用ニ供セサル兵器、彈藥其他直接ニ戰闘ノ用ニ供ス可キ物ヲ敵國ニ交附シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
第85条[同前] 敵國ノ爲メニ間諜ヲ爲シ又ハ敵國ノ間諜ヲ幇助シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ五年以上ノ懲役ニ處ス
軍事上ノ機密ヲ敵國ニ漏泄シタル者亦同シ
第86条[同前] 前五條ニ記載シタル以外ノ方法ヲ以テ敵國ニ軍事上ノ利益ヲ與ヘ又ハ帝國ノ軍事上ノ利益ヲ害シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
第87条[未遂] 前六條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第88条[外患予備・陰謀] 第八十一條乃至八十六條ニ記載シタル罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
第89条[戰時同盟國ニ対スル行爲] 本章ノ規定ハ戰時同盟國ニ對スル行爲ニ亦之ヲ適用ス

新条文

第81条[外患誘致] 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

第82条[外患援助] 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

第83条乃至第86条 削除

第87条[未遂] 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

第88条[外患予備・陰謀] 第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

第89条 削除 』

『外患誘致罪

保護法益

本罪の保護法益は国家の対外的存立である。

行為

外国と通謀して日本国に対して武力を行使させることを内容とする(81条)。

この場合の「外国」とは、外国人の私的団体ではなく外国政府を意味する。ただし、日本国政府との国交の有無はもちろん、国際法における国家の成立要件を完全に備えていることは要件とはならない。「通謀」とは、意思の連絡を生ずることをいう。

内容としては、外国政府に働きかけ武力行使することを勧奨したり、外国政府が日本国に対して武力を行使しようとすることを知って、当該の武力行使に有利となる情報を提供する行為をいう。「武力の行使」とは軍事力を用い日本国の安全を侵害することを言うが、国際法上の戦争までを意味しない。具体的には、外国政府が、安全侵害の意思を持って、公然と日本国領土に軍隊を進入させたり、砲撃・ミサイル攻撃等を加えることをいう。

本罪の着手時期は、武力行使の目的を持って通謀行為を開始したとき、又は、継続的な連絡行為後、外国政府が武力行使の意思を生じた時に画されるであろう。既遂は、外国が武力を行使したときに成立する。

法定刑

本罪の法定刑は死刑のみ(絶対的法定刑)であり、現行刑法上で最も重い罪である。

また、未遂罪も処罰されるため(刑法87条)、死亡者が発生しなくても死刑となる。

但し、法定減軽・酌量減軽は可能である。たとえば、大掛かりな犯罪であるのでまず考えられないが、少年法上において死刑を科すことのできない18歳未満の者がこの犯罪を犯した場合は無期懲役刑を科すものと考えられている。本法が制定されて以来、現在までにこの犯罪を犯した者および裁かれた者は存在しない。

未遂

本罪の未遂は罰する(刑法87条)。

共犯

外患誘致の教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもってその罪のせん動をなした者は、7年以下の懲役又は禁錮に処される(破壊活動防止法38条1項)。

この場合に教唆された者が教唆に係る犯罪を実行するに至ったときは、刑法総則に定める教唆の規定の適用は排除されず、双方の刑を比較して重い刑をもって処断される(破壊活動防止法41条)。

外患援助罪

保護法益

外患誘致罪の保護法益と同様に、本罪は国家の対外的存立を保護法益とする。

行為

本罪の行為は日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えることである(刑法82条)。

「軍務に服すること」とは、外国政府の組織する軍隊に参加することであり、戦闘への参加の有無、役割(兵站、諜報、医療等)に拘らない。「軍事上の利益を与えること」とは、軍務に服さず協力することであり、その態様は、外国軍に協力し軍事行動を行う、兵站・諜報活動等の後方支援、占領地域において占領政策への協力等全ての形態を含む。しかし、人道的な医療行為等は緊急性における違法性阻却事由として、また、占領下における強制による協力行為は期待可能性を欠くものとして、責任を阻却ないし軽減されるものであると解される。

法定刑

本罪の法定刑は死刑または無期もしくは2年以上の懲役である。本罪は、場合によっては政治犯ないし確信犯であることもあるが、態様として破廉恥犯であるため、内乱罪と異なり、法定刑として禁錮ではなく懲役が定められている。

未遂

本罪の未遂は罰する(刑法87条)。

共犯

外患援助の教唆をなし、またはこれらの罪を実行させる目的をもってその罪のせん動をなした者も、外患誘致の教唆の場合と同様に7年以下の懲役または禁錮に処される(破壊活動防止法38条1項)。

この場合に教唆された者が教唆に係る犯罪を実行するに至ったときは、刑法総則に定める教唆の規定の適用は排除されず、双方の刑を比較して重い刑をもって処断される点も同様である(破壊活動防止法41条)。

外患予備罪・外患陰謀罪

罪質の重大性に鑑み、予備・陰謀をした者も1年以上10年以下の懲役に処せられる(刑法88条)。』

(過去の投稿)

「強力に人権(自由)が制約されている例」…。
https://http476386114.com/2020/05/04/%e3%80%8c%e5%bc%b7%e5%8a%9b%e3%81%ab%e4%ba%ba%e6%a8%a9%ef%bc%88%e8%87%aa%e7%94%b1%ef%bc%89%e3%81%8c%e5%88%b6%e7%b4%84%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e4%be%8b%e3%80%8d%e3%80%82/ 

『 ※ 外患誘致罪なんて、法定刑は「死刑」だけだぞ…。「無期懲役」ですら規定されていない…。

 だから、「死刑廃止論」を声高に唱える人には、気をつけた方がいい…。もしかして、暗に「外患誘致罪」の廃止を狙っているのかもしれない…。そこいら辺を、よくよく見極めないとな…。

 その周辺罪として、「外患援助罪」というものもある…。こっちも、「死刑又は無期若しくは二年以上の懲役」だから、相当な「重刑」だ…。

 さらには、「外患誘致罪」「外患援助罪」は、「未遂罪」も処罰される…。

 そればかりでは無い…。両罪の「予備罪」さらには、「陰謀罪」も処罰される…。「予備罪」とは、一定の「予備行為」を必要とする…。「陰謀罪」だと、そういう「予備行為」すら必要無い…。

 「陰謀」する行為だけで、処罰される…。まあ、そういう「陰謀」が発覚して、逮捕される…、なんて事態は、ごくごく稀なケースだろうがな…。』

 ※ ドイツのケースでは、どの段階だったんだろうな…。

 ※ 外患罪ではなく、内乱罪が疑われたんだろうが…。

 ※ 一応、「保護法益」の「侵害からの距離」という観点からは、

 順に、既遂 → 未遂 → 予備 → 陰謀…、となる。

〔内乱罪〕

〔内乱罪〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E4%B9%B1%E7%BD%AA

『この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。』

『内乱罪(ないらんざい)は、国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をする犯罪である(刑法77条)。内乱予備罪・内乱陰謀罪(刑法78条)や内乱等幇助罪(刑法79条)とともに、刑法第2編第2章に内乱に関する罪として規定されている。』

『概説

内乱罪は国家の存立に対する罪である。本罪は国家の秩序を転覆せしめる重大な罪であるが、仮に内乱が成功した場合、革命成功ということでその行為は(「勝てば官軍」の論理により)正当化されて犯罪性が否定されるので危険犯として規定する他ない。

本罪について刑法学では、刑罰が国家制度を維持するための機構であるという性質から「最も犯罪らしい犯罪」と表現され[1]、それとは反対に、仮に目的が完遂すればもはや犯罪として処罰することができなくなるという性質から「最も犯罪らしくない犯罪とすらいえる」と表現されることもある[2]。

内乱罪は国内犯はもちろん国外犯にも適用される(刑法1条・刑法2条)。

非常に強権的な法規であるためか、訴追側(検察)、審判側(裁判所)ともに適用に非常に消極的で同罪状で訴追された例は以下の数件のみであり、いずれも判決においては内乱罪適用を回避している。

なお、刑法施行後、最大の内乱といえる二・二六事件では、刑法の適用はなく、陸軍刑法による軍法会議で関係者は死刑に処されている。

また、戦前においては、内乱罪の特別法ともいうべき大逆罪が存在したことにも留意すべきである。

第二次世界大戦後は、オウム真理教事件の際に新実智光の弁護側が一連のオウム事件について内乱罪の成立を主張し、首謀者を除いて死刑は適用されないとして裁判で争われたが、判決において否定された。

このほか2018年9月以降、普天間基地移設問題に関連し、元参院議員の平野貞夫らにより内閣総理大臣の安倍晋三が内乱予備罪等で刑事告発されたが[3]、いずれも不起訴となっている[4]。

五・一五事件 - ただし、軍関係者は陸海軍の軍法会議にて処断。農民決死隊を組織する橘孝三郎ら民間人のみが刑法の適用となった。
神兵隊事件
三・一事件 - 検察官は内乱罪の適用を求めたが、朝鮮高等法院は公訴事実につき内乱罪ではなく騒擾罪が成立するとし事件を京城地方法院に移送した。

内乱罪の第一審は高等裁判所が管轄する二審制(裁判所法16条4項)。従って、地方裁判所で行われる裁判員制度の対象外である。三審制の例外として代表的なものである。』

『 条文

第77条(内乱)国の統治機構を破壊し、またはその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。

    一 首謀者は、死刑または無期禁錮に処する。

    二 謀議に参与し、または群衆を指揮した者は無期または三年以上の禁錮に処し、その他諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する。

    三 付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の禁錮に処する。
二 前項の罪の未遂は、罰する。ただし、同項第三号に規定する者については、この限りでない。

第78条(予備及び陰謀)内乱の予備または陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

第79条(内乱等幇助)兵器、資金もしくは食糧を供給し、またはその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

第80条(自首による刑の免除)前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。』

『内乱罪

保護法益

本罪の保護法益は、国家の対内的存立である。なお、内乱罪の保護法益が国家の対内的存立であるのに対し、外患罪は国家の対外的存立を保護法益とする。

主体

本罪の主体は多人数である(必要的共犯)。本罪の行為である暴動には多人数を要するため、本罪は必要的共犯の一種たる多衆犯である。国家にとって危険思想を持ち、クーデターなどの具体的な行動を引き起こそうとする団体・個人を指す。

本罪の主体は次の区別にしたがって処断される(刑法77条1項)。

首謀者

死刑又は無期禁錮。

謀議参与者・群衆指揮者、諸般の職務従事者

謀議参与者・群衆指揮者については無期又は3年以上の禁錮、諸般の職務従事者については1年以上10年以下の禁錮。

付和随行者・単なる暴動参加者

3年以下の禁錮。

行為

本罪の行為は暴動である。暴行・脅迫は最広義の暴行を意味する。騒乱罪と同様に少なくとも一地方の平穏を害することで足りるとする説と、本罪の保護法益からみて国家の存立を危うくする程度のものであることを要するとする説がある。

着手時期

本罪の着手時期は、暴動を行うための集団行動が開始された時とされる。

既遂時期
暴動が行われた結果、少なくとも一地方の平穏を害するに足りる程度に至ると既遂である。

主観的要件

本罪の成立には、統治機構を壊乱する目的が必要であるから本罪は目的犯である。憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的としていなかった場合は騒乱罪(刑法106条)となる。

共犯

本罪が行われるにあたり、集団外にあって内乱に関わった者(教唆者等)に刑法総則の共犯に関する規定が適用されるかには争いがあり、本罪はその性質上必要的共犯であり刑法はそのうち一定の行為を内乱罪の行為として限定しているものと解する否定説と、共犯処罰を前提としながら独立行為として処罰規定を設けていないに過ぎないとみる肯定説がある。
破壊活動防止法41条も参照

罪数

内乱の目的で暴動に付随して行われた殺人、傷害、放火などは本罪に吸収される(通説[5]・判例[6])。犯罪類型上、殺人、傷害、放火などが起こる事は、大方予想の範囲内であるからである。ただし、本罪は目的犯であり内乱の目的とは無関係の殺人・傷害・放火等は、本罪には吸収されず別罪を構成する。

未遂

本罪の未遂は罰するが、付和随行者・単なる暴動参加者については、この限りでない(刑法77条2項)。

内乱予備罪・内乱陰謀罪

内乱の予備又は陰謀をした者は、1年以上10年以下の禁錮に処する(内乱予備罪・内乱陰謀罪。刑法78条)。

暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する(刑の必要的免除。刑法80条)。実行着手後の自首は刑法42条1項(刑の任意的免除)による。

内乱予備罪・内乱陰謀罪を教唆した者は、5年以下の懲役または禁錮に処される(破壊活動防止法38条2項1号)。

この場合に教唆された者が教唆に係る犯罪を実行するに至ったときは、刑法総則に定める教唆の規定の適用は排除されず、双方の刑を比較して重い刑をもって処断される(破壊活動防止法41条)。

電波法では、無線設備又は電線路に十キロヘルツ以上の高周波電流を通ずる電信、電話その他の通信設備によって日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する通信を発した者に対して、刑事罰が規定されている。

内乱幇助罪

兵器、資金もしくは食糧を供給し、またはその他の行為により、内乱、予備・陰謀を幇助した者は、7年以下の禁錮に処する(内乱等幇助罪。刑法79条)。暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する(刑の必要的免除。刑法80条)。実行着手後の自首は刑法42条1項(刑の任意的免除)によるのは予備・陰謀の場合と同様である。

内乱等幇助罪を教唆した者は、5年以下の懲役または禁錮に処される(破壊活動防止法38条2項1号)。教唆された者が教唆に係る犯罪を実行するに至ったときの扱いは、内乱予備罪・内乱陰謀罪の教唆の場合と同じである(破壊活動防止法41条)。』

〔国家の存立に対する罪〕

〔国家の存立に対する罪〕

 ※ 刑法各論の問題を考える場合、出発点となるのは「保護法益」だ。

 ※ すなわち、「刑罰」という重い措置を科してまで、法が保護しようとしている「法益」は、何であるのかという問題だ。

 ※ 「国家の存立」は、それ自体、保護法益となり、関連の諸犯罪を規定している。

『国家的法益
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%9A%84%E6%B3%95%E7%9B%8A

(この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
出典検索?:?”国家的法益”???ニュース?・ 書籍?・ スカラー?・ CiNii?・ J-STAGE?・ NDL?・ dlib.jp?・ ジャパンサーチ?・ TWL(2012年2月))

国家的法益(こっかてきほうえき)とは、法益の帰属主体が国家であるものを指す。』

『国家の存立に対する罪

内乱罪
    反政府武装闘争を行う行為。
    日本国からの分離独立を宣言する行為。

以上の行為を行った場合、死刑とされるのは首謀者だけで、現場指揮者は最高でも無期禁錮となることから、あさま山荘事件(1972年)でも地下鉄サリン事件(1995年)でも実行犯が主張した。特別永住者が犯した場合、国外退去の対象になる。一審は高等裁判所。ただし、内乱が成功したら、内乱行為が裁かれることは無い。

外患罪
    外国軍隊に、日本国に対し武力を行使させる行為(外患誘致罪)。
    日本国に侵攻した外国軍隊に、従軍する行為(外患援助罪)。

外患誘致罪の法定刑は死刑のみ。祖国に対する裏切りとして、最大の破廉恥行為とされる。内乱罪と同様、特別永住者が犯した場合、死刑にならなくても国外退去の対象となる。
国家の作用に対する罪

公務執行妨害罪
逃走の罪
犯人隠避罪
証拠隠滅罪
証人威迫罪
偽証罪
虚偽告訴等罪
公務員職権濫用罪
贈賄罪・収賄罪
通貨偽造罪(社会的法益にも分類される)
公文書偽造罪(社会的法益にも分類される)

国交に対する罪

外国国章損壊等の罪
私戦予備等の罪
中立命令違反罪

廃止された罪

皇室に対する罪(旧73条から76条)
利敵行為罪(旧83条から86条、旧89条)
外国元首等に対する暴行等の罪(旧90条、91条)
皇居等侵入罪(旧131条)

関連項目

個人的法益
社会的法益
国益

カテゴリ: 刑法 』