アリババ包囲網の深謀

アリババ包囲網の深謀
中国、デジタル人民元普及へ本腰 決済の仲介役は不要に?
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67910520W1A100C2EA1000

 ※ 昨日疲れて、貼れんかったものを貼っておく…。

 ※ この手の「デジタル通貨(デジタル人民元もその一つ)」に関する記事を読む場合、属する「階層」が異なる話しが、ごちゃごちゃになるんで、注意が必要だ…。

 ※ 1、まず「通貨」というものの話しの階層がある。
     定義は知らんが、その「機能」は押さえておくべきだ。
    (1)価値の確定
    (2)価値の運搬
    (3)価値の貯蔵
    (4)そして、これは経済の教科書には、あまり書かれていないが、実際には最も重要だ…。
     価値の「創造」

   2、次に、「デジタル通貨」というものの話しの階層がある。
    大きく分けて、2種類ある。
    (1)トークン型
    (2)口座型

   3、「ブロックチェーン」という話しの階層は、「デジタル通貨」のさらに上層の、「デジタル資産(ビットコイン、リブラなんか)」一般に関する、その「資産性」を支える、「耐改ざん性」に関する話しの階層だ…。
 「分散台帳方式だから、改ざんするのは、現実には「不可能」だ。」とか、論ずるわけだな…。

『中国政府がかつて保護していた巨大IT(情報技術)企業のアリババ集団や騰訊控股(テンセント)の事業拡大阻止に動き始めた。金融業にも手を伸ばし、既存の金融システムを脅かし出したからだ。こうしたなかでデジタル人民元がIT企業から決済事業を奪い、拡大に歯止めをかけるとの見方が浮上する。

中国金融当局は昨年12月26日、アリババ傘下の金融会社アント・グループを聴取し、規則に反した信用貸し付けや保険、資産運用…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1432文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

・中国金融当局は昨年12月26日、アリババ傘下の金融会社アント・グループを聴取し、規則に反した信用貸し付けや保険、資産運用などの金融業務を見直すよう求めた。アントはアリババのキャッシュレス決済サービスのアリペイを運営する。

「反独占を強化」

・これに先立ち、中国共産党・政府は18日に閉幕した中央経済工作会議で「独占に強く反対し、無秩序な資本拡張を防ぐ」との方針を決めていた。11月にはアントの株式上場を延期させている。

・アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は10月、上海で開かれた金融会合で、規制強化の動きについて「昨日の手法で未来を管理できない」と反発していた。アリババはアリペイを使った消費者ローンに乗り出しており、人工知能(AI)による与信審査も手がける。中国政府はアントの上場延期でアリババをけん制し、その間にIT企業の膨張を抑える策を導入する狙いとみられる。

・当初、中国政府はアリババが始めたキャッシュレス決済を流通や金融を革新するテクノロジーとして保護し、都市部では現金が使われなくなるほどに浸透。電子決済のシェアはアリババのアリペイが55%、テンセントのウィーチャットペイが39%と2社の寡占状況を生んだ。新興企業や消費者も借り入れを銀行ではなく、IT企業の金融事業に頼るようになった。

・なかでも銀行の脅威となったのがアリババの投資ファンドだ。アリペイ型の電子決済では銀行口座などのお金をアリペイに移して使う。アリババは利用者が使い切れなかった資金を銀行に戻さずに、アリペイから投資できる「余額宝」というMMF(マネー・マーケット・ファンド)をつくった。解約はスマホで簡単にでき、戻された資金は再び支払いに使える。銀行預金より高い利回りで提供したため、アリペイの利用者は銀行口座から余額宝に資金を移した。

・国有銀行などを脅かし始めると、中国政府はIT企業の金融事業に対して徐々に規制を強め、急成長していたネットを媒介とする小口融資に網をかけた。銀行と同じように準備預金を中国人民銀行(中央銀行)へ積むことを義務付けた。

銀行・証券危うく

・金融当局の力の及ばないところでIT企業の金融事業が拡大すれば金融政策は効力を失い、既存の銀行・証券業も危うくなる。中国証券監督管理委員会の姚前・科技監管局長は12月に入り、IT企業に対し「デジタルサービス税の課税を検討すべきだ」と発言している。

・だがIT企業の力を一気にそぐことはリスクが大きい。スマホ決済は庶民の生活インフラになっており、過度に規制すれば小売業やネット通販など実体経済が落ち込む。中国政府がこの状況を変えるゲームチェンジャーとして期待するのがデジタル人民元だ。

・姚前氏は中国人民銀行デジタル通貨研究所長の時代に「デジタル通貨の決済では仲介機能に依存しなくとも済む」と主張していた。現段階の構想では、デジタル人民元の利用者は預金口座を持つ銀行にデジタル人民元口座(デジタルウォレット)を設定し、必要な額を換えて使う。スマホに入れたウォレットからデジタル人民元を相手側に直接支払うことができる。ネットを使わずにスマホを相手のスマホに近づける方法でも支払いが可能だ。アリペイのような仲介役の第三者の決済機関にお金を移す必要はない。これなら預金は銀行にとどまる。

・中国がデジタル人民元を導入すれば、直ちにアリペイとウィーチャットペイの牙城を崩すには至らないにしても、2社の寡占状況は変わるかもしれない。通貨を巡る政府と企業の攻防は世界各地で激しさを増している。アリババ帝国にも逆風が吹き始めている。

(編集委員 村山宏)

中国「デジタル人民元」構想について

野村資本市場研究所
北京事務所首席代表
関根栄一
2019年12月3日
https://www.fsa.go.jp/singi/chuukinken/siryou/1203nomuracap2.pdf

『現在、決済を始めとした金融取引にはブロックチェーンは向いていない、といわれている。まだ使える余地があるとしても、たまにデータを書き換える不動産の登記簿などぐらい』

https://blog.goo.ne.jp/2005tora

元記事は、こちら。
『とうとう国際決済銀行までダメ出しした「ブロックチェーンの欠陥」』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56873

今年の6月に出た、BIS(国際決済銀行)の年次報告は、こちら。
https://www.bis.org/publ/arpdf/ar2018e.pdf

第5章が、「Cryptocurrencies(暗号通貨)」についてだ。
冒頭部分とそれをオレが持ってる機械翻訳ソフトにかけたものを貼っておく。
「コリャ英和!一発翻訳」とかフザケた名前だが、そこそこ役に立つ。

『V. Cryptocurrencies: looking beyond the hype
Less than 10 years after their inception, cryptocurrencies1 have emerged
from
obscurity to attract intense interest on the part of businesses and
consumers, aswell as central banks and other authorities. They garner
attention because theypromise to replace trust in long-standing
institutions, such as commercial andcentral banks, with trust in a new,
fully decentralised system founded on theblockchain and related
distributed ledger technology (DLT).
This chapter evaluates whether cryptocurrencies could play any role as
money:looking beyond the hype, what specific economic problems, if any,
can current cryptocurrencies solve? The chapter first reviews the
historical context. Manyepisodes of monetary instability and failed
currencies illustrate that the institutionalarrangements through which
money is supplied matter a great deal. This reviewshows that the essence
of good money has always been trust in the stability of itsvalue. And
for money to live up to its signature property – to act as acoordination
device facilitating transactions – it needs to efficiently scale with
the economy and be provided elastically to address fluctuating demand.
These considerations call forspecific institutional arrangements – hence
the emergence of today’s independentand accountable central banks.
The chapter then gives an introduction to cryptocurrencies and discusses
theeconomic limitations inherent in the decentralised creation of trust
which theyentail. For the trust to be maintained, honest network
participants need to control the vast majority of computing power, each
and every user needs to verify the history of transactions and the
supply of the cryptocurrency needs to be predetermined by its protocol.
Trust can evaporate at any time because of the fragility of the
decentralised consensus through which transactions are recorded. Not
only doesthis call into question the finality of individual payments, it
also means that acryptocurrency can simply stop functioning, resulting
in a complete loss of value.
Moreover, even if trust can be maintained, cryptocurrency technology
comes with poor efficiency and vast energy use. Cryptocurrencies cannot
scale with transactiondemand, are prone to congestion and greatly
fluctuate in value. Overall, the decentralised technology of
cryptocurrencies, however sophisticated, is a poor substitute for the
solid institutional backing of money.
That said, the underlying technology could have promise in other
applications,such as the simplification of administrative processes in
the settlement of financial transactions. Still, this remains to be
tested. As cryptocurrencies raise a host of issues, the chapter
concludes with a discussion of policy responses, including
regulation of private uses of the technology, the measures needed to
prevent abuses of cryptocurrencies and the delicate questions raised by
the issuance of digital currency by central banks.
Putting the rise of cryptocurrencies into perspective
A good way to examine whether a new technology can be a truly useful
addition to the existing monetary landscape is to step back and review
the fundamental roles of money in an economy and what history teaches us
about failed attempts to create new private moneys. Then one can ask
whether money based on this new technology can improve upon the current
monetary landscape in any way』
『V. 暗号通貨: 誇大宣伝の先を見ること
(彼・それ)らの発端の10年以下後に、 cryptocurrencies1 が中央銀行と他の
当局と同様、激しい利付、ビジネスと消費者の地域、を引き付けるために無名状
態から出現しました。 (彼・それ)らが、コマーシャルと中央銀行のような、長
期継続の団体に対しての信頼をブロックチェーンに基づかせられた新しい、完全
に分散したシステムと関連した分配された元帳技術(DLT)に対しての信頼で置き
換えることを約束するから、(彼・それ)らは注意を獲得します。
この支部は暗号通貨が金としての役割を果たすことができたかどうかを評価しま
す:誇大宣伝の先を見て、もしあるとしたら、現在の暗号通貨はどんな特定の経
済問題を解決することができますか? 章は最初に歴史の状況を再検討します。
通貨不安と失敗した通貨の多くのエピソードが金が供給される制度上の取り決め
が大いに重要であることを説明します。 このレビューは良貨の本質が常に(今ま
で)その価値の安定性に対しての信頼であったことを示します。 そしてそれが揺
れ動いている需要を取り上げるために経済で効率的に大きさを調整して、そして
柔軟に提供される必要があるその看板の不動産まで - 取引を容易にしている調
整装置の役割を果たすために - 生活するべき即時決済。 これらの考慮は特定の
制度上の取り決め - それ故今日の独立した、そして説明責任がある中央銀行の
出現 - を必要とします。
章はそれから暗号通貨にイントロダクションをして、そして(彼・それ)らが必
要とする信頼の分散した創作に固有の経済の限界を論じます。 信頼が維持される
ために、正直なネットワーク参与者が計算能力の圧倒的多数をコントロールする
必要があります、それぞれのユーザーがトランザクションの歴史を実証する必要
があります、そして暗号通貨の供給はそのプロトコルによってあらかじめ方向づ
けられる必要があります。 信頼が取引が記録される分散したコンセンサスのもろ
さのためにいつでも消滅することができます。 これは単に個人支払いの決着に疑
問を呈するだけではありません、それは同じく暗号通貨が、価値の完全な喪失を
もたらして、ただ作用するのをやめることができることを意味します。
さらに、たとえ信頼が維持されることができるとしても、暗号通貨技術がひどい
効率をもたらします、そして膨大な電力利用。 暗号通貨が取引で需要の大きさを
調整することができません、混雑に陥りやすくて、そして価値で大いに揺れ動き
ます。 全体的に、しかしながら洗練された暗号通貨の分散した技術はひどい代用、
金の堅実な制度上の支持、です。
それはそうとして、基礎をなしている技術は金融取引の和解で管理上のプロセス
の簡略化のような、他のアプリケーションに約束を持っていることができまし
た。 それでも、これはテストされなければなりません。 暗号通貨がたくさんの
問題を引き起こす(とき・から・につれて・ように)、章は、技術の私的な使用
の規制、暗号通貨の乱用を防ぐために必要な法案とディジタル通貨の発行によっ
て中央銀行によって提起されたデリケートな問題を含めて、政策回答の議論で終
わります。
暗号通貨の上昇を釣り合いのとれた見方で見て、新技術が既存の貨幣の風景への
本当に有用な付加であり得るかどうか吟味する良い方法は後退して、そして経済
における金の基本的な役割を再検討することです、そして歴史が失敗されて我々
に教えることは新しい民間資金を作ろうと試みます。 それから1つはこの新技術
に基づいた金がどんな面にしても現在の貨幣の風景を改善することができるかど
うか尋ねることができます。』

多分、アメの息がかりで、中国経済潰しの一環でもあるんだろう。
中国人民は、元を全く信用しておらず、ビットコインなんかに相当突っ込んで
たらしいからな。また、ドル支配を崩そうとして、中国政府も後押ししてた節も
あったんだろう。韓国人も、一攫千金ねらいで、相当突っ込んでたヤツがいたら
しい。一時、100万円超の値を付けてたりしてたろ?
これは、是非言っておきたいことなんだが、こういう「通貨」とか「資産」の
問題を考えるとき、そういうものの「価値」って、実は人間の「心理」に立脚し
てるということだ。
というか、人間の「心理」しか立脚してる基盤が無いものなんだよ。
「金」とか「ダイアモンド」とか「ピカソの絵」とか、一般に価値あるものと
されているが、それは、そういうものが「価値」あると世間の人々が思っている
(と、されている)からだ。
世間の人々が、そういう風に思わなければ、単なる「金属」にすぎないし、単
なる「炭素」の同位体にすぎないし、単なる訳分からないヘンテコな絵にすぎな
い…。そういうことだろ?
だから、そういう信頼(心理)の構図が一旦崩壊すると、あっという間に資産
の「価値」はゼロになるんだよ…。
サブプライムローンの問題が、そうだった…。「価値」あるとされていた信頼
が、一夜にして崩れ去ったんだよ…。人々の「心理」が、一夜にして変わったん
だよね…。
だから、このビットコインなんかの暗号通貨も、BISがどう言ってるかなん
てのは、問題の本質ではない。
そういうことも踏まえて、人々の信頼や心理がどうなのか、価値あるものとし
て評価され続けるのかという点が、問題の核心なんだ。