数字で測れぬ判断必要に キリン、ミャンマー撤退の教訓

数字で測れぬ判断必要に キリン、ミャンマー撤退の教訓
編集委員 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD235K50T20C22A8000000/

『キリンホールディングスがミャンマーのビール市場から撤退する。昨年2月の軍事クーデター発生後、合弁相手の国軍系企業に入る資金が民主派弾圧に使われると批判されてきた。新興国リスクにのみ込まれた同社の経験から、読み取れる教訓は何だろうか。

キリンは6月末、合弁会社ミャンマー・ブルワリー(MBL)の保有株式51%をMBLへ売却することで合意した。9月中にも手続きを終える見通しだ。

MBLの自社株買いという撤退手法には批判もくすぶる。結果的に国軍系の全額出資となり、収益がこれまで以上に国軍へ流れかねないからだ。キリンも当初は第三者への売却を目指し、アジア系の投資ファンドなどから手が挙がった。

だが「売り先によってはかえって無責任な撤退になる。相手の素性調査にも時間がかかる」と西村慶介副社長。選択肢が限られるなかで早期決着を優先した。

政変直後に関係解消を表明し、1年半で撤退を完了する。出口戦略は素早かったが、そこに至る対応には2つの分岐点があった。

ひとつは入り口だ。MBLの買収は2015年8月。民政移管していたとはいえ、それまで半世紀も軍事政権が続き、米欧の制裁下にあった。国軍系と組むリスクは意識したはずだ。

MBLの看板商品「ミャンマー・ビール」はシェア8割を誇る。また同社株を譲り受けた相手はキリンが以前出資していたシンガポール飲料大手だった。ミャンマーが「最後のフロンティア」と騒がれ、世界の企業が参入を競うなかで、高収益の魅力や「知っている」という安心感がデューデリジェンス(投資先調査)に隙を生まなかったか。

もうひとつは投資後の初期段階だ。政変はまさかの事態だが、リスクの芽は17年には顕在化していた。

国軍がイスラム系少数民族ロヒンギャを迫害し、70万人が難民となった。国連や人権団体は傘下企業が資金源だと何度も告発し、外資に提携解消を迫った。新たな事実が浮上するたびにキリンは調査に追われた。

迫害も政変も問題の構図は同じだが、前者では事業見直しの議論は出なかったという。仏教徒が大多数を占める国民の間では国際社会の批判への反発の声が大きかったことも影響した。いざ政変が起きたときの決断を速めた面があるとはいえ、迫害問題への対応が後手に回った感は否めない。

西村副社長は「人権問題への感度が鈍かったのは認めざるを得ない」と打ち明けたうえで自問自答する。

「いま考えれば、歴史的背景にまで遡ってリスクを精査する必要があったかもしれない。でもどこまでできたか、投資判断が変わったかは、正直わからない」

海外での企業買収に詳しい西理広弁護士は、一連の対応は検証が必要だと前置きしたうえで「日本の成長機会が海外市場に偏る以上、少しでもリスクがあったら投資しない、ではビジネスにならない」と話す。

ミャンマーのような新興国は潜在力が高い半面、毀誉褒貶(ほうへん)がつきものだ。カントリーリスクはどこまで許容が可能か。単純な投資採算とは異なる、数字では測れない見極めが、経営に試される。』

バングラデシュに初の日系工業団地 住友商事が年内開所

バングラデシュに初の日系工業団地 住友商事が年内開所
Zoomインフラ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC097Z30Z00C22A8000000/

『バングラデシュで初の日系工業団地が2022年内に開所する。住友商事が建設・運営を主導し総事業費は130億円。円借款で周辺の電力インフラも整備し、日系を軸に製造業が集まる「ものづくり基地」に育てる。経済特区指定を受けた数少ない国際水準の団地で、地元政府も税優遇で支援する。人口1億7千万のフロンティア市場へのメーカー進出を後押ししそうだ。

総事業費130億円、JICAも出資

首都ダッカから東に約20キロメートル。田園地帯に完工間近の工業団地「バングラデシュ経済特区(BSEZ)」が姿を見せる。広さは190ヘクタールと東京ディズニーランド4個分に近く、最大400ヘクタールへの拡張余地を残す広大な敷地だ。

BSEZは日系を中心とする外資メーカーの進出を見込んで住商などが開発してきた。1日には国際協力機構(JICA)が新たに資本参加した。

「バングラデシュはインフラの脆弱さが進出先としての魅力を一段落としていた」。住商の渡辺優二・物流インフラ事業本部長は同国市場の潜在力と受け入れインフラのギャップを指摘する。

実はバングラデシュでは大小約100の経済特区が登録されているが、実際に稼働している場所は限られる。BSEZは日・バングラデシュの官民が前面に出ている点が特徴だ。アジアで7カ所の工業団地を手がけて経験豊富な住商と政府とのパイプが強いJICAが連携し、BSEZの開発や入居企業管理を担う特別目的会社を運営する。日本企業にとって進出のハードルが下がる。

若き人口大国、内需に照準

住商・海外工業団地部の田川智晴氏は「国際水準のインフラが整ったバングラデシュ初の経済特区だ」と自負する。低地の同国にあって、BSEZは盛り土や堤防により水害対策も徹底した。

人口約2千万の巨大消費地ダッカから近く、渋滞がなければ30分ほどで市内と団地を行き来できる。ダッカに住む駐在員も通勤圏だ。それでいて団地周辺の住民は少ない。用地の選定では「(住民の立ち退き問題が生じた)ミャンマーのティラワ経済特区の教訓を生かした」(JICA)。

バングラデシュでは中間層も着々と育っている(6日、ダッカの給油所)=ロイター

バングラデシュは世界8位の人口大国で平均年齢は約27歳。ホンダや味の素は成長が確実視される内需に照準を合わせた現地工場を10年代から稼働している。労働コストもまだ安く、日本貿易振興機構(ジェトロ)によると21年のメーカー作業員の基本給は月105ドル(約1万4千円)とベトナムの半分以下だ。

日系企業の進出は10年で3倍の約340社に増えた。21年には三菱自動車が東南アジア製の部品で車両を組み立てる工場の検討を始めた。BSEZでも「新型コロナウイルス禍で決定が遅れているが、40社が進出を検討している」(住商)。

地元政府は税優遇

日本企業にとってアジアのフロンティア市場では、10年代にバングラデシュの隣国ミャンマーが急速に存在感を高めた。しかし21年2月のクーデターを境に多くの事業が中断を強いられた。最大都市ヤンゴン近郊で日・ミャンマーの官民肝煎りのティラワ経済特区を運営する住商にとっても誤算だった。

そのぶんバングラデシュは「ミャンマーの3倍の人口を持ち、政治も安定している親日国。ベトナムのように経済成長していく」(JICAの中沢慶一郎理事)といった大きな期待を背負う。

政府は縫製産業依存からの脱却を急ぐ(ダッカ郊外のアパレル工場)=ロイター

現地政府も外資の誘致に積極的だ。輸出の8割を縫製業が占めてきたが、人件費の安さ頼みの競争力は持続的でない。製造業の裾野を広げて産業の付加価値向上や輸入の削減につなげることが急務とみて、BSEZでは法人税などの減免でメーカーを支援。投資許認可などを一括で受け付ける窓口を設け、煩雑な手続きを円滑にする。

中国・インドも接近

BSEZの近隣では別の開発プロジェクトも進む。南東部のマタバリ地区では住商などが多目的商業港を建設。深さ16メートルの深海港で大型船が着岸でき、物流の増加に対応する。ダッカ近郊の国際空港のターミナル拡張工事や、空港と都市部をつなぐ鉄道の建設などでも日本勢が受注を重ねる。BSEZは国道でこれらのインフラにつながる。

もっとも、バングラデシュのインフラ開発に力を入れるのは日本ばかりではない。隣の大国インドはロシアと組んでの原子力発電所の建設や、石炭火力発電、港湾の開発を進める。中国は南部を中心に経済特区開発や国道の拡張、鉄道、石炭火力発電など手広く取り組み、将来の大型市場に浸透しようとしている。

経済成長底堅く 経常赤字にリスク

 バングラデシュは新型コロナ禍の影響が限定的で、20年度(19年7月~20年6月)の実質国内総生産(GDP)成長率は3.5%で踏みとどまった。8%超の19年度から鈍化したものの、国際通貨基金(IMF)は21年度以降も5%を超える成長が続くとみている。
 国連決議により26年には「後発発展途上国(LDC)」の分類から外れる見通し。ただ家電や自動車などの普及率は低く、内需の開拓余地は大きい。民主主義も定着し、フロンティア市場の中では政変リスクも小さい。

 ただ、商品価格の高騰などを受け、バングラデシュでも経常赤字が膨らんでいる。IMFは「多くの国々と同様、マクロ経済上の課題に直面している」と指摘している。
 バングラデシュの7月の外貨準備高は395億ドルと輸入の5カ月分はあるものの、前年同月の458億ドルから減少している。主力の観光業が低迷し20億ドルを割り込んだスリランカほど深刻ではないが、経済危機の連鎖を懸念する向きもある。
 地元紙は7月、バングラデシュがIMFに45億ドルの融資を要請したと報じた。IMFは「金額はまだ議論していない」と説明するが、同国は経済環境の悪化や将来の気候変動リスクに備えるための支援に関心を示しているという。

 低地の多い同国はかねて水害がビジネス活動における課題となっていた。今後は企業にとって経済成長に伴う人件費の急上昇や、イスラム過激組織によるテロのリスクも留意が必要だ。
(東京=宮住達朗、ムンバイ=花田亮輔)』

日本人の多い国

日本人の多い国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/japanese.html

 ※ 日本国周辺有事ともなれば、台湾侵攻+尖閣占領+北○○の南進(+中ロの南進)ということが、同時進行で起きる可能性が高いだろうな…。

 ※ いずれ、「在留邦人の退避」が大問題となるだろう…。

 ※ まあ、「関東軍の撤退による大混乱」の再来となる可能性が高い…。

三越伊勢丹、中国・成都の店舗を年末閉店 海外撤退続く

三越伊勢丹、中国・成都の店舗を年末閉店 海外撤退続く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2910E0Z20C22A6000000/

『三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、中国四川省成都市で営業する百貨店「成都伊勢丹」を12月末で閉店する。百貨店が賃貸で入居する土地と建物の所有者が物件の売却を決めた。移転などは予定しておらず、店舗閉鎖に関連する減損損失として約4億3000万円を2022年3月期連結決算に計上した。従業員など関係者には閉店を通知した。

成都伊勢丹は、三越伊勢丹HDの100%子会社の成都伊勢丹百貨公司が運営する。07年に百貨店業態の店舗を開業した後、18年には成都市内の別の複合商業施設に生鮮品や日用雑貨を扱うスーパーマーケット業態の店舗を開いた。売り場面積の合計は約2万8000平方メートル。スーパーマーケット業態の店舗も閉鎖する見通し。

成都伊勢丹の業績は新型コロナウイルス感染拡大前の19年までは上昇基調だったが、直近21年の売上高は約45億円と19年比で5割弱の減収、本業のもうけを示す営業損益は500万円の赤字となっていた。

三越伊勢丹HDは20年にバンコク、21年にローマの店舗を閉めるなど海外事業で撤退が続いている。中国では当初、14年までに10店舗を展開する計画だったが、反日デモなどで営業環境が悪化し、上海や天津など5店舗にとどまる。

日系百貨店大手は2000年代から中国への進出を加速したが、順風満帆とはいえない。高島屋も12年に開業した上海高島屋を経営不振で19年に一時閉店すると発表し、後に家主などからの負担減の申し出を受けて撤回した。コロナ下では都市封鎖などの影響で営業ができない期間も続いていた。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Business/Retail/Isetan-Mitsukoshi-s-overseas-retreat-quickens-with-China-closure?n_cid=DSBNNAR 』

神戸物産 エジプト事業

神戸物産 エジプト事業
https://www.kobebussan.co.jp/business/new.php

『広大な砂漠から
「実りのある農地へ」

神戸物産グループはアフリカ大陸への農業投資を行い、砂漠の農地化に取り組んでいます。
2013年にはエジプト南部ケナ県でセンターピボット農場を竣工。2014年には、かつて砂漠であった広大な土地から小麦の収穫に成功しました。より安定した収穫を得るための、土壌改良や新たな作物の栽培にも取り組む予定です。

エジプト事業

ナイル川の流れるエジプト南部ケナ県エルマラシダ区の砂漠地帯に、約2,900haの広大な土地を取得。何もなかった砂漠の地に、道路、電気網、灌漑パイプなどをマス目状に配置し全14基のセンターピポット(灌漑設備)を設置。

地下に浸水しているナイル川の豊かな恵みを有効活用し、テスト栽培などを経て、2013年より稼働しています。

※2019年12月現在

エジプトである理由

現在は砂漠化していますが、ここは7,000年前に農耕が始まった土地であり、加えて砂漠の厳しい環境は、雑草が生えにくく、除草剤などの使用を抑えることができます。
また数千年にわたり農業をしていなかった砂漠は残留農薬などがない自然のままの状態です。

さらにエジプト南部のケナ県は、ナイル川の流れが湾曲している所(へそ)に位置しているため、伏流水を十分に蓄えた土地であると想定し、ここでの栽培を始めました。
ナイル川の恵み

ナイル川の水は表面を流れるだけでなく、地下に浸透して大きな水瓶のように溜っています。へそのように窪んだ流形は豊富な伏流水の証であり、水質の良いナイル川の水を豊富に確保できる土地です。この水は単なる地下水ではなくナイル川からの資源と考え、当社の技術とノウハウを駆使して有効に活用していきます。

センターピボットとは

乾燥地帯で作物を栽培できるよう地下水を利用して行う灌漑農法。円形の農地にスプリンクラーを回転させ水をまきます。

・全14基
・直径800m
・1台あたり約50ha
(東京ドーム約10個分相当)

砂漠から農地へ

センターピボットは、乾燥地域でも大規模に作物を栽培出来る様に、地下水をくみ上げ、自走式の散水管に圧送し水をまきます。移動速度の速い周辺部の散水量を多くして、散水の不均一を防ぎます。エジプトの農場では合計14基のセンターピポットが稼働しています。
小麦の収穫と今後の展望

2014年春には、広大な砂漠であった土地に黄金に実る小麦を収穫することに成功しました。
農場では小麦のほかにも、トマトやアルファルファ、カモミール、レモングラス、バジルなどの作物のテスト栽培もスタートしています。

また、エジプト事業を通じ、収穫した小麦の一部をエジプトの支援が必要な地域への寄付、エジプト農業学校への技術提供など、国際社会貢献活動も行っています。

観光事業

地熱を利用した観光果樹園など、自然や文化を生かした観光事業により地域活性化に貢献しています。』

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革
小谷 賢 (日本大学危機管理学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26653

 ※ これは、絶対読んどいた方がいい…。

 ※ 日本国には、表向きは、CIAやMI6みたいな「諜報機関」は、存在しないことになっている…。

 ※ しかし、「裏」においては、それに類するものが存在する…。そして、それは「分散するような形」で存在している…。

 ※ そういうような話しが、語られている…。

『 第二次安倍晋三政権では日本のインテリジェンス分野での改革が大きく進んだ。

 その原点は、2008年2月14日に内閣情報調査室が発表した報告書「官邸における情報機能の強化の方針」にある。これには日本のインテリジェンスについて改善すべき点が多々列挙されているが、その中で特に困難な課題が「対外人的情報収集機能強化」と「秘密保全に関する法制」であった。

 12年12月に成立した第二次安倍政権はこの2つの課題に取り組むことになる。

鍵になった政官のトライアングル

 安倍氏が首相に返り咲くと、町村信孝衆議院議員と北村滋内閣情報官(当時)という政官のトライアングルによって日本のインテリジェンス改革が進んだ。

 このトライアングルで要となったのが、警察官僚で、民主党政権時代に内閣情報官に抜擢された北村氏である。公安警察のキャリアを持つ同氏は、11年から約8年にもわたり情報官を務めた。その間に内閣情報調査室(内調)を中央情報機関として定着させ、さらには安倍政権の政治的原動力を活用してインテリジェンス改革を断行したのである。また、北村氏が首相の信任を得たことによって、インテリジェンス・コミュニティーにおける内調の存在感は、極めて大きなものになった。

 北村氏は安倍氏の要望に応える形で、それまで週に1回だった情報官による首相ブリーフィングを週に2回とし、そのうちの1回はインテリジェンス・コミュニティーを構成する、警察庁警備局、防衛省情報本部、外務省国際情報統括官組織、公安調査庁、内閣衛星情報センターなど、それぞれの担当者による首相への直接のブリーフィングという形式をとったのである。この各省庁による首相ブリーフィングのため、定期的に北村氏が中心となって各省庁の情報担当者と会合を持ち、その省庁がどのような情報を首相に報告するのかを調整していたという。

 各省庁からすれば、それまでは内調に情報を上げ、それを間接的に情報官から首相に報告してもらう、という形だったものが、直接首相に報告する機会が与えられることによって、ブリーフィングに対する責任感が増すと同時に、インテリジェンス・コミュニティーの一員であるという自覚も根付いた。

 第二次安倍政権発足から4カ月後、安倍氏は国会において次のように発言している。

 「秘密保護法制については、これは、私は極めて重要な課題だと思っております。海外との情報共有を進めていく、これは、海外とのインテリジェンス・コミュニティーの中において日本はさまざまな情報を手に入れているわけでございますし、また、日米の同盟関係の中においても高度な情報が入ってくるわけでございますが、日本側に、やはり秘密保全に関する法制を整備していないということについて不安を持っている国もあることは事実でございます」

 この発言から安倍氏が、諸外国との情報共有の必要性から秘密保護法制を推進しようとしていたことが理解できる。13年8月には自民党で町村氏を座長とする「党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」が立ち上がり、内調を事務局として法案の作成が行われた。

 ただ、自民党も一枚岩ではなく、法案に反対する声も多く聞かれたという。そうした議員に対して、法案の必要性を説明して回ったのが北村氏であった。そして同年12月6日に「特定秘密の保護に関する法律」が成立している。

『特定秘密保護法の導入によって各行政機関の機密が特別秘密として管理され、アクセスできるのは大臣政務官以上の特別職の政治家と、適正評価をクリアした各省庁の行政官ということに整理されたため、秘密情報の運用面においては大きな改善が見られる。

 クリアランスを持つ行政官は「職務上知る必要性」の原則に基づいて特定秘密にアクセスし、さらに必要があれば「情報共有の必要性」に応じて、他省庁の行政官や上記の政治家と特定秘密を共有するという、欧米諸国では日常的に行われていることが初めて可能となった。また日本と米国、その他友好国との情報共有も進んだのである。

 17年9月、河野太郎外務大臣 (当時)は記者会見で北朝鮮情勢について「諸外国から提供された特定秘密に当たる情報も用いて情勢判断が行われたが、特定秘密保護法がなければわが国と共有されなかったものもあった」と評価している。

テロ情報の収集が平時から可能に

 シリアでジャーナリストの後藤健二氏と軍事コンサルタントの湯川遥菜氏がイスラム国(IS)に拘束され、15年1月に殺害の様子を記録した動画がネット上で公開された事件は日本人に衝撃を与えた。

 これを受けて同年12月8日、外務省総合外交政策局内に国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)が設置された。CTU-Jは平時から海外で情報収集や分析活動を行い、現地の治安情報や邦人が危険に巻き込まれないよう防止するための対外情報組織である。また有事には邦人救出の交渉等も担い、18年10月にはシリアで拘束されていた安田純平氏の解放に尽力している。

2015年に設置された国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)は、イスラム国(IS)に拘束された邦人の解放に貢献した (AP/AFLO)

 NHKの取材によると、CTU-J設置の舞台裏は次のようなものだったそうだ。

 「『国際テロ情報収集ユニット』の立ち上げの際、組織の実権をどこが握るかをめぐって、外務省と警察庁の間で激しい攻防があった。結局、最終的には、安倍首相や菅義偉官房長官(当時)と関係の深い、北村内閣情報官が主導権を握り、組織のトップのユニット長は、警察庁出身者から出すことに決まった。このときの外務省の恨みはものすごかった。まさにこの瞬間に、この組織が、外務省に籍を置きながら、官邸直轄の組織となることが決まったと言ってもいい」

 CTU-Jはテロ情報に特化した組織であり、外交や経済、安全保障についての情報収集は認められていない。しかし平時に海外で情報を収集し、それを直接官邸に報告できるという点では、対外情報機関としての体裁を整えていると言える。

 北村氏は、「人員を拡充し、大量破壊兵器の不拡散や経済安全保障関連での情報収集も担わせることを検討してもいいでしょう」と語っており、将来的には本格的な対外情報機関への脱皮を期待しているようである。08年に公表された方針は、特定秘密保護法とCTU-Jの設置という形で結実したと言える。』

JT、ロシア事業の売却検討

JT、ロシア事業の売却検討
国際的な批判影響か
https://nordot.app/892312701221076992?c=39546741839462401

 ※ 営業利益の2割(20%)を占めるんじゃ、「大打撃」だ…。

 ※ 日経平均構成銘柄の「株主への配当」の平均が、出資額の「2.4%」くらいだ…。

 ※ これまで通りの配当を続けようとするなら、「内部留保」の取り崩し…、とか言う話しになってくる…。

 ※ うまいこと「事業売却」できればいいが、「損失」でも出ようものなら、その「穴埋め」対策という話しになってくる…。

『日本たばこ産業(JT)は28日、ロシアでのたばこ事業について、売却を含め選択肢として検討していると発表した。JTはロシアでの新規投資を凍結したが、保有する四つの工場の稼働は続けている。ロシアのウクライナ侵攻で国際的な批判があることも踏まえたとみられる。

 JTは「持続的な事業運営に著しい支障が生じる蓋然性」があると説明した。JTはロシア市場で3割強のシェアを持つ。2021年12月期連結決算では、ロシアと周辺国が営業利益の約2割を占めている。』

ディーゼルへの逆風、一段と強く 独検察がスズキを捜査

ディーゼルへの逆風、一段と強く 独検察がスズキを捜査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27EU70X20C22A4000000/

 ※ 「基幹部品」や、「根幹機構」を自社開発せずに、メガ・サプライヤーとやらに「丸投げ」「おまかせ」していると、こういうことになる…。

 ※ 独の新政権は、「緑の党」も連立に参加しているんで、いよいよ「ウルサイ」ことになるだろう…。

 ※ しかも、「日系メーカー叩き」は、かっこうの「点数稼ぎ、票稼ぎ」となる…。

 ※ 独メーカーへの「援護射撃」にも、なるしな…。

『ディーゼル車の排ガス中の有害物質の量を不正に制御する装置を搭載した疑いがあるとして、独検察当局がスズキの独現地法人などに立ち入り捜査した。2015年に独フォルクスワーゲン(VW)への排ガス不正が発覚した欧州ではディーゼル車への不信がいまだ根強い。電気自動車(EV)シフトを急ぐ独政府がエンジン車に厳しい姿勢をとるなかで、今回の捜査はディーゼルへのさらなる逆風となる。

今回、独当局が問題視したのは、スズキが18年までに欧州で販売した2万2千台以上のディーゼル車だ。エンジン性能を高めるため、走行時に排ガスの浄化機能を不正に弱めたり止めたりして規定量以上の有害物質を排出させる装置を、小型車「スイフト」や多目的スポーツ車(SUV)「SX4 Sクロス」「ビターラ(日本名エスクード)」の3車種に搭載していた疑いがもたれている。

独検察当局は27日、「排ガス規制を満たしていない可能性が高いことを公表せず、購入者に損害を与え、だましたと考えられる」との声明を発表。詐欺と大気汚染ほう助などの疑いで捜査を続ける。

エンジン供給元の欧州ステランティスやソフトを供給していた車部品大手マレリ(旧カルソニックカンセイ)も捜査対象で、イタリアやハンガリーの捜査当局と連携し、両国の現地法人や工場にも立ち入った。スズキは28日、「ドイツやハンガリーの工場などの拠点に捜査が入ったことは把握している。詳細な内容は確認中」と説明した。同日、取材に応じたスズキ首脳も「捜査には協力していく」と述べた。

スズキのディーゼル車が欧州当局から問題視されたのは今回が初めてではない。20年、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA、現ステランティス)とともにオランダ陸運局にディーゼル車で排ガス不正があったと認定されている。スズキは今回捜査の対象となった車両と同様、ディーゼルエンジンはステランティスから調達していた。

15年に発覚したVWの排ガス不正をきっかけとして、欧州当局はディーゼル車に対する捜査強化に乗り出した。VWが300億ユーロ(約4兆円)を超える罰金や賠償金を支払ったほか、独検察当局はこれまでに独ダイムラー(現メルセデス・ベンツグループ)や独アウディ、部品世界最大手の独ボッシュにも巨額の罰金を科した。

20年には三菱自動車もディーゼル車に試験時だけ有害物質の排出を減らす不正な装置を搭載した疑いで捜査対象となった。三菱自によると、調査の過程で不正装置の使用などがないと確認したものの、同社と関連会社は排ガス検査への対応に過失があったことを認め、計2500万ユーロの罰金を支払ったという。

燃費性能が高く、有害な窒素酸化物(NOx)などの排出も抑えた「クリーンディーゼル」はかつて環境規制の切り札と目されていた。車大手がこぞってディーゼル車を投入したが、VW不正をきっかけに消費者の信頼を失い、トヨタ自動車や日産自動車はディーゼル乗用車の欧州撤退を決めた。

こうした動きもあり、欧州で10年前には5割を超えていたディーゼル車の新車販売に占める比率は21年には19.6%にまで減少した。代わって環境車の新たな主役と目されるEVの新車販売比率は1割を超えた。

21年12月に誕生したドイツ連立政権は前政権に比べてもエンジン車に対する厳しい姿勢を打ち出している。独政府はこれまでEVとともに、ガソリンと電気を併用するプラグインハイブリッド車(PHV)についても補助金を増額し、振興策を進めてきた。だが連立政権は一転、PHVに対する年内の補助金廃止の検討を始めた。

充電ステーションでの渋滞を避けようと、PHVの多くがガソリンのみで走行しているとの批判が起きていたのを、連立政権の緑の党が問題視。EV以外の車に対して厳格な態度をとるようになった。

ドイツ政府は30年までに国内でのEV保有を1500万台以上にする計画を掲げる。ただEVシフトが進んでいるといっても足元のEV登録台数は60万台超にすぎない。ケルン大学エネルギー経済研究所の試算では、目標達成には少なくとも年平均150万台のEV販売が必要になる。充電ステーションの拡充といった施策と同時に、EV以外の車に対する補助金の打ち切りなどにより、目標達成に近づけたいとの狙いが透ける。

ドイツだけではない。欧州委員会は35年にハイブリッド車を含むエンジン車の販売を禁止する内容の政策を提案。現行よりも厳しい次期排ガス規制(ユーロ7)の草案が近く公表される見通し。EVシフトの加速の裏で、ディーゼル車に向けられる目もより厳しさを増している。

(大本幸宏、フランクフルト=林英樹)』

「想定外」禁物の地政学有事 ビジネスパーソンの心構え

「想定外」禁物の地政学有事 ビジネスパーソンの心構え
学び×海外安全マニュアル(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC0835Y0Y2A400C2000000/

『危機管理のプロに「海外での安全」に関する極意を聞くシリーズ最終回のテーマは、リスク分析の専門家が語る、海外で事業展開する企業やビジネスパーソン向けの危機対処法です。有事が発生した際の行動など、英国ロンドンに本拠地を置くコンサルティング会社、コントロール・リスクス・グループのパートナーで日本法人の代表を務める岡部貴士さんに聞きます。

当社はグローバルに事業を展開する企業が直面する複雑な問題、リスクへの対応を支援しています。

スウェーデンの民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)によると、世界の国・地域の約5割、人口にして全体の3分の2の人々が「民主主義の後退した国」に住んでいるそうです。権威主義体制の国では現地当局の政策の予見可能性が低かったり、ときに権力者が非合法的な意思決定をしたり、治安が急激に悪化したりするケースがあります。現在、グローバルに事業展開する企業は難しいかじ取りを求められています。

「モノ、カネ、人、情報」 への影響

ただ、リスクは天から降ってくるものではありません。企業・組織のトップの認識が重要で、地政学的な有事が発生したときに「モノ、カネ、人、情報」にどのような影響が及ぶのか、詳細に検討する必要があります。自社の進出地域の政情に不安があるとすれば、現地の担当者にリスクの洗い出しを丸投げするのではなく、調達・供給網、現地社員や関係先、人権に及ぶ影響を考えることが重要になります。

法律ができてから受動的に対応する「コンプライアンス」ではなく、自社が収集・分析したリスク情報に基づく自主的・能動的な意思決定の「インテリジェンスに基づく経営判断」の企業体質をつくれるか。トップの心構えが問われています。

ウクライナ情勢を見てもわかるように、事業展開先の国が他国から侵略・攻撃された場合、従業員や工場など人的・物理的被害が想定されます。周辺国においても、反戦デモ等に参加した従業員の拘束や戦線拡大に伴う物理的被害、エネルギー不足での大規模停電といった事態も念頭に置く必要があります。

こうした海外拠点でのリスクシナリオを、事前になるべく網羅的に検討していた会社は、今回のウクライナの事態発生にも比較的スムーズに対応しています。一方で、事態の発生後に急きょ、リスク対応部門が今後のシナリオを予想した会社も多かったと思います。

シナリオ分析にあたっては、未来を「当てる」ことが重要ではなく、あらゆる可能性とシナリオについて、なるべく幅広くリスト化しておくということがスタートになるでしょう。「全くの想定外」という事態をいかになくすかが重要です。

そのためには日ごろから情報収集が欠かせません。クライアント向けに提供している情報は、公開情報はもとより、世界各地に張り巡らしたインテリジェンスのネットワークで得られたものを含みます。

危機対応に重要な「3Rs」

「危機・危険の前兆」は見つけられます。当社では、世界中の安全情報や有事に関する情報を網羅的に示したプラットフォームツールを会員向けに提供しています。誘拐事案や強盗が発生した場所、反体制派のデモ活動が起きた場所、テロが発生した地点などを地図上に示したものです。現地情報の収集を海外駐在員に丸投げする会社も多いのですが、本社側のリスク管理として実施できる情報収集・分析の仕事は多くあります。

リスク情報管理ツールのイメージ画像、世界のどの地域で危険事案が起きているか見ることができる=コントロール・リスクス提供

実際、このツールを使って「駐在予定の社員の家から、勤務先のオフィスビルまでの経路を調べたところ、以前テロが発生した道路を通ることがわかった」というケースがありました。赴任前にこういったリスクの把握に使うことができるのです。

危機対応には「3Rs」という言葉があります。英語の「Readiness(レディネス=予防)」「Response(レスポンス=対応)」「Recovery(リカバリー=回復)」の頭文字である3つのRをとったものです。

レディネスは危機に対応するための準備の段階で、事業継続計画(BCP)を作成したりシミュレーションの訓練をしたりすることです。非常に重要なフェーズで、危機管理の巧拙はレディネスの善しあしにかかっています。

レスポンスは主にステークホルダー(利害関係者)を念頭に置いた対応です。海外拠点で内部不正が起きたとします。起きてしまったことは変えられないので、どう対応すべきか検討しなければなりません。日本ではなく海外であること、同じ職場で働く同僚であっても、異なる文化・言語背景を有することを忘れてはいけません。

通用しない「日本の当たり前」

実際、海外の現地法人で会計処理に不審な点があることに気付き、直接、その現法で働いていた担当者を社員が厳しく問いただしたところ、後日見知らぬ人々に囲まれ命の危険を感じるような怖い目にあったというような事例はよく発生しています。

上司が担当者に不審点を確認・注意するのは業務上、当然の行為です。ただ、文化・言語や生活水準の異なる海外では、職場にも日本とは異なる流儀や宗教・文化的にタブーとされる言動もあるので「日本では当たり前」は通用しません。海外ではこうしたケースでも、直接担当者に聞くのではなく、現地の文化や商慣習に詳しい専門家に相談しながら不正調査を行うことが一般的です。

また、メディア向けの対応もレスポンスに含まれます。事件・事故に巻き込まれた場合やトラブルが発生し損害が生じた際の情報開示や補償等でも、地域・文化に合った方法で的確かつ素早く対応する必要があります。

リカバリーは危機の発生後に「ビジネスを元に戻す」目的で行う対応です。国・地域ごとの事情や事態の状況を見つつ、事業再開の時期やその可否も含め、より現実的かつ効果的な対応が求められます。場合によってはBCPの再検討や、企業の体制見直しに及ぶこともあります。

海外では、テロや紛争などの危険に巻き込まれる可能性もある=ロイター

銃声が聞こえたらどこに逃げる?

企業の依頼で駐在員向けに派遣前研修を提供しています。研修では危機管理シミュレーションの一環として、「歩いていて銃声が聞こえたらどの建物に逃げますか」という質問をしています。もし駆け込める場所に外食のマクドナルドの店舗と地元の商店があったら、どちらに逃げたらいいでしょうか。

外国人を狙ったテロ事件だとすれば、米国発の企業の店舗に逃げ込むとその後犯人集団に狙われやすくなる恐れがあります。一概には言えませんが、こういった事態でのとっさの判断について駐在予定者の方々と一緒に議論し考えています。各種ケースに基づいた訓練は安全に対するリスク感度を高め、いざというときの助けになるはずです。

また、研修で強調しているのは「誘拐、強奪にあっても抵抗しない」ということです。たとえ大事な資料を入れているカバンを奪われそうになっても抵抗しないでください。すぐにカバンを渡して、命だけは最低限守ってください。日本のビジネスパーソンは機密情報や機密資料の入ったカバンを奪われそうになると抵抗して奪い返そうとする傾向が強いですが、自分と会社の双方にとって何が最悪な事態かを考えてほしいのです。命を失うことは自分自身にとって最悪のシナリオであるだけではなく、会社にとっても最悪のシナリオです。

会社側の備えとしては、資料を紙ベースで持ち歩かせないような電子化への取り組みや奪われた情報をバックアップできる体制、サイバーセキュリティーの強化などで電子化された情報を容易に盗まれないようにする仕組みが重要です。命の危険を顧みずに会社の情報を守った話が美談になるなど、今の時代の企業文化として論外です。

新型コロナウイルスの流行拡大という危機に日本企業はこの2年半リソースを投じてきました。パンデミックも有事の一つですが、対応にリソースを投じすぎたあまり、海外における安全対策とリスク感度が鈍っていないかが懸念されます。海外出張や駐在の増加が始まれば、日本企業の危機管理能力が再び問われる場面が増えると思います。進出拠点、関係先のある地域に危機が潜んでいないかを今後、改めてチェックする必要があります。

=おわり

(山下美菜子が担当しました)

グラフィックス 鎌田多恵子

連載記事一覧はこちら https://r.nikkei.com/stories/topic_story_22040800?n_cid=DSST001 』

キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」

キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC141QT0U2A110C2000000/

『キリンホールディングス(HD)は14日、中国の飲料大手、華潤集団との現地での合弁事業について、「(合弁企業の解消に向け)株式売却を議論していることは事実」とのコメントを発表した。現時点で決定している事実はないが、今後開示すべき事が生じた場合には速やかに公表するという。』

日本の対イスラエル投資額、過去最高に 21年

日本の対イスラエル投資額、過去最高に 21年
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12CFC0S2A110C2000000/

『【カイロ=久門武史】日本からイスラエル企業への投資額が2021年、過去最高の29億4500万ドル(約3400億円)になったとの調査結果を同国のコンサルティング会社ハレル・ハーツ・インベストメント・ハウスがまとめた。半導体や医療など同国で台頭する新興企業への投資が広がった。

調査結果によると投資額は20年の約2.9倍になった。海外からイスラエルへの投資額全体のうち日本からは15.8%を占めたという。投資件数も85件と前年の63件から増えた。

21年のイスラエル企業の買収としては、10月にルネサスエレクトロニクスが半導体メーカー、セレノコミュニケーションズの買収を発表した。医療分野では旭化成が睡眠時無呼吸症の診断機器を手掛けるイタマーを、オリンパスが泌尿器向け治療機器のメディテイトを買収した。

投資ファンドの進出も相次いだ。NTT傘下のNTTファイナンスが3月、ベンチャー投資のファンドを立ち上げると発表。ソフトバンクグループ傘下の投資ファンドは、イスラエルのベンチャーキャピタル大手アワークラウドに2500万ドルを出資した。

イスラエルへの投資拡大は日本企業に限らない。現地調査会社IVCリサーチセンターなどの調査によると、イスラエルのハイテク企業が21年に調達した資金は前年の約2.5倍の256億ドルと過去最高になった。このうち外国からの投資は186億ドル強としている。

【関連記事】
・ルネサス、イスラエル半導体メーカー買収 359億円で
・旭化成、イスラエルの医療機器メーカー買収 590億円で
・オリンパス、イスラエル治療機器メーカー買収 272億円 』

重油流出で船長ら実刑 モーリシャスの日本船事故

重油流出で船長ら実刑 モーリシャスの日本船事故
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM27C3E0X21C21A2000000/

『【ナイロビ=共同】インド洋の島国モーリシャス沖で昨年夏に日本の貨物船「WAKASHIO」が座礁し燃料の重油が大量流出した事故を巡り、モーリシャスの裁判所は27日、安全に航行する義務を怠った罪で有罪判決を受けていたインド人船長とスリランカ人1等航海士に対し、それぞれ禁錮1年8月の量刑を言い渡した。

2人は昨年8月に逮捕され、公判で罪を認めていた。今月20日に有罪判決を受けた。

裁判所は、船が座礁した昨年7月25日に船内で乗組員の誕生日を祝って酒を飲むパーティーが開かれていたと認定。安全を確認する見張り役がいない中、携帯電話をインターネットに接続するためモーリシャスの陸側へ近づくよう船長が指示を出したことで、事故につながったと結論付けた。

船長は公判で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を懸念する乗組員らが「家族と連絡を取りたがっていた」ことから、通信を確保したかったと証言した。

WAKASHIOは長鋪汽船(岡山県)が保有・管理し、商船三井が手配。座礁後の昨年8月上旬からは重油が流出し、海岸のマングローブを汚染したほか、周辺海域が禁漁となり、漁業が打撃を受けた。

長鋪汽船側の関係者によると、地元漁師らに対する個別の賠償の動きは進んでいるが、環境汚染への賠償を巡るモーリシャス政府との話し合いは、進展していない。』

ベトナム初の都市鉄道、開業なお見えず 政治問題が壁に

ベトナム初の都市鉄道、開業なお見えず 政治問題が壁に
支払い遅延が主因、計画変更相次ぐ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM29B8P0Z20C21A9000000/

『【ハノイ=大西智也】ベトナム初の都市鉄道の開業が宙に浮いている。日立製作所が車両を供給するホーチミン市の案件は2021年末の予定を断念し、2年以上先送りされる見通しだ。中国が支援する首都ハノイの計画は約10回の運行延期を繰り返している。ベトナム特有の政治的な問題による支払い遅延などが主因だ。21年7~9月期に初のマイナス成長に陥った経済発展の足かせになりかねない。

南部の最大都市、ホーチミン市の中心部から北東に延びる国道1号線に沿って、真新しい高架橋や駅舎の整備が進む。ホーチミン・メトロ1号線(全長約20キロメートル)は日本の政府開発援助(ODA)を活用し、総投資額43兆7千億ドン(約2100億円)の大型案件だ。
勝機とみて「オールジャパン」で参画した日本の鉄道関連企業は今、頭を悩ませる。日立のほか、工区や工事の中身で住友商事、三井住友建設、清水建設、前田建設工業などが施工を担当する。「様々な問題を克服し、できるだけ早く完成したい」。コンサルティング業務を請け負う共同事業体の中心である日本工営の担当者は強調する。

12年に着工し、最初は18年の運行開始を見込んでいた。ところが、ベトナム特有の事情が次々と日本企業を襲うことになった。

総事業費の大半は日本のODAだ。支払い遅延は生じないはずだが、設計変更などで事業費が当初計画の3倍近くに増えたことが問題を複雑にした。予算の修正は国会の承認が必要とされたが、政府側は公的債務残高の拡大を避けるため、国会審議がなかなか進まなかった。中央政府からの予算措置が遅れたことが、未払いにつながった。

「支払いが進まなければ工事を中止する」。18年に未払い金額が1億ドル(約110億円)を超え、梅田邦夫大使(当時)がベトナム指導部に対して書簡を送付する異例の事態に発展した。19年に入って徐々に解消したものの、7月には4年以上に及ぶコンサル業務への未払いを理由に、コンサル共同事業体が業務の停止に踏み切り、全体の工程がさらに遅れている。

背景にはベトナム政府の現行法令の問題がある。インフラ工事で当局の責任者が「ゴーサイン」を出した後、手続きのミスや事故などの問題が発覚した場合、遡って刑事罰に問われる可能性がある。党幹部が汚職と絡めて捜査されるケースがあり、「誰も最終責任を取りたがらない」。工事関係者は打ち明ける。

日立はすでに20年10月から車両の引き渡しを始めている。17編成(51両)のほか、信号システムや受変電設備などを一括して受注した。鉄道建設全体では9割弱の作業が完了したが、開業までにはなお障壁が残る。ホーチミン市当局は事業者側と今後のスケジュールの修正作業を進めている。

当局は開業遅れの理由について「新型コロナウイルスの感染拡大のため」と説明するが、複数の工事関係者は「ベトナム側の支払い遅延などの問題が主因」と言い切る。開業時期は23年末~24年にずれ込むもようだ。

首都ハノイでも、ハノイ・メトロ2A号線(全長約13キロメートル)の開業のめどがいまだに立っていない。中国のODAを活用した総投資額が約9億ドルの案件だ。現地メディアによると、11年に着工し、当初は15年に開業する予定だった。幾度となく延期を繰り返す事態になっている。

直近では「21年4月に運行を始める」とアナウンスしていた。ベトナム政府は大幅な遅れについて「請負業者の中国鉄道第6グループに主な原因がある」と説明してきたが、工事はすでに終了し、フランスのコンサル会社による「安全性」も確認された。今年9月になり、追加コンサル費用の約780万ドルの未払いが判明した。コロナも影響し、交渉に一段と時間がかかっているもようだ。

ベトナムではホーチミン市とハノイの二大都市だけで、合計20弱の都市鉄道の計画があるが、スケジュールは総じて遅れている。大規模なインフラ案件の遅延は他の東南アジアの国でも度々起きるが、ベトナムの場合、一党支配する共産党や中央政府、市の権限が曖昧で「政府支出が絡む案件は特に時間がかかる。敬遠する動きも出ている」(外交関係者)という。

ベトナムはコロナ前まで年7%の成長が続いてきた。大都市の渋滞は年々悪化し、開業の遅れは環境問題や経済発展の阻害要因になる。21年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.17%減と、00年の四半期開示以降で初のマイナス成長になった。

政府が積極的に打開策を講じなければ、成長をけん引してきた外国企業の投資判断にも影響を与えることになる。』

「アフガン居たら命を失う」 邦人保護の脆弱さ浮き彫り

「アフガン居たら命を失う」 邦人保護の脆弱さ浮き彫り
アフガンに惑う世界(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA16E9W0W1A910C2000000/

『「危機管理という観点から法改正を議論しないといけない」。29日の自民党総裁選で勝って新総裁に就いた岸田文雄は総裁選中、アフガニスタンへの自衛隊派遣の教訓を語った。日本の邦人保護の脆弱さが浮き彫りとなり衝撃を受けた一人だ。

首都カブールがイスラム主義組織タリバンの手に落ちた8月15日。「ここにとどまりたい」。現地にある日本大使館の職員数人からの訴えを外務省は「そのまま居たら命を失うからだめだ」と却下した。

この時、米英などはすでに軍用機や軍隊を現地に送っていた。市内で銃撃戦が起き、軍がいなければ危ないと判断したためだ。軍のヘリコプターを大使館の屋上まで飛ばして職員らを退避させた国もある。

カブール陥落は日本政府の想定外の早さだった。自衛隊に派遣命令をだしたのは23日。15日時点で当然現地にいない。米軍ヘリでの移動を依頼したが断られた。

「とにかく生きていてほしい」。次官の森健良ら外務省幹部の頭には万が一の事態もよぎったという。結局、上空から米軍ヘリによる監視を受けてなんとか空港に到着。英国軍用機でアラブ首長国連邦(UAE)に逃れた。

現地に日本大使館の現地職員らは残っていた。救出を目指した自衛隊機の輸送機が26日にカブール空港に到着したものの自衛隊員は降りたってしばらく立ち尽くした。助けるべき職員らの姿がなかったからだ。

自衛隊法上の制約で自衛隊員は安全を確保できない空港の外には出られない。役割は空港から第三国への輸送に限られる。

出国希望者は争乱状態の市内から空港まで「自力での移動」が求められた。アフガン人職員を含む500人を救出する任務だったが、空港にたどり着けたのは邦人1人だけだった。

帰国後に悔しさを訴えた自衛隊員は多い。「フィクションの世界でつくられた法体系のせいで命を守れなかったら元も子もない」。自民党国防部会長の大塚拓は再考のきっかけにすべきだと主張する。

韓国や台湾在住の日本人はそれぞれ4万人と2万5千人ほど。朝鮮半島や台湾での有事の退避シミュレーションは十分か。「想定外の事態」との言い訳は通用しない。(敬称略)

馬場燃、中村亮、木寺もも子、羽田野主、石川陽平、飛田臨太郎が担当しました。

【ルポ迫真「アフガンに惑う世界」記事一覧】

・「必ず殺される」 タリバン報復におびえる市民
・アフガン難民の受け入れ「もう限界」
・「米欧はパンドラの箱開けた」 アフガン巡りプーチン氏 』

邦人救出、アフガンの教訓

邦人救出、アフガンの教訓 台湾有事にも出遅れ懸念
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA308IM0Q1A830C2000000/

『政府は8月31日、アフガニスタンから邦人や現地協力者を退避させるために派遣した自衛隊機に撤収命令を出した。各国が数百~十数万人を国外へ輸送したなかで自衛隊は15人どまり。法律や慣習の制約による出遅れは台湾海峡や朝鮮半島で起こり得る有事に備える教訓となる。

「わが国の組織で働く現地の従業員もファミリーだ」。岸信夫防衛相は23日、自衛隊に出動命令を出し、記者団にこう述べた。邦人だけでなく日本大使館などに勤務していたアフガン人協力者も救うのが任務だと強調した。

現地には数人の邦人と最大500人のアフガン人協力者が残る。イスラム主義組織タリバンがカブールを制圧し、外国人や協力者に危険が及ぶ恐れがある。希望者を国外へ避難させるのが国家としての使命だという判断があった。

実際に運べたのは邦人1人と米国のアフガン人協力者14人だけ。500人を25台ほどのバスに乗せて空港へ運ぶ予定だった26日、空港周辺で起きた自爆テロで計画が崩れた。米軍が撤収すると日本が輸送するすべはなくなった。

米国は12万人、英国は1万人以上を国外へ出すのに成功した。ドイツやフランスは数千人、韓国も390人で日本の少なさが際立つ。派遣を決めるのに時間がかかりテロの前に運べなかったのが響いた。日本以外の主要7カ国(G7)は15日前後に着手していた。

決定の遅れを招いた要因の一つは日本の法的な制約だった。自衛隊が邦人らを救うには2つの方法がある。一つは騒乱が起きた国の外へ連れ出す「輸送」。もう一つは場合によっては武器も使いながら救出にあたる「保護」だ。

今回は輸送だけの対応にとどめた。自衛隊法84条の4は「安全に実施できると認めるとき」に限ると規定する。絶対条件とされた空港の安全確認に時間がかかった。自衛隊の海外派遣はこれまで世論を二分してきた。外務省幹部は「首相官邸や与野党に大丈夫と言い切る根拠がなければ決断できなかった」と語る。

政府が現地と交渉して人々を空港に送る手段を探すのにも手間取った。空港外の活動は危険とみなされて任務から外れ、自衛隊は市街地に残る邦人や協力者を運ぶことができなかった。

救出を含む保護に関する自衛隊法84条の3を適用しなかったのはなぜか。保護のためなら任務遂行の妨害行為を排除するのに武器を使え、空港外で活動しやすくなる。

壁となったのは輸送よりも厳しい制約だ。84条の3が明記する①当該国の権限ある当局による秩序維持②当該国の同意③当該国当局との連携――の3要件を満たさなかった。

タリバンによる統治の見通しは不透明で、同意を取り付けるべき明確な相手が存在しない状態だったためだ。

治安が悪化した地域から日本の民間人を退避させることは自衛隊の重要な任務の一つとなる。日本周辺で想定される危機でも出遅れかねないとの見方がある。

朝鮮半島や台湾海峡での有事は、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」とみなせば自衛隊の防衛出動による武力を使った邦人救出が可能になる。この場合も派遣先の国の同意が前提となる。

半島有事で自衛隊が邦人を保護する場合に想定する相手は韓国だ。韓国は植民地支配の記憶があり、自衛隊の受け入れに慎重になりがちだ。防衛省には「邦人保護の目的でもスムーズに派遣できるかわからない」との懸念がある。

中国が台湾を攻撃した場合はより複雑になる。中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を日本は尊重する立場だ。防衛省幹部は「攻めてくる中国側の同意が必要という奇妙な状況に陥りかねない」と話す。

慶大の鶴岡路人准教授は「自衛隊機を出す決定が遅かったのは否定しようがない。どういうときにどういう対応を取るか政府内でリアルな準備をしておく必要がある」と指摘する。

<記者の目>「戦後の宿題」考えるとき

「多くの外国軍は『やってはいけないこと』を法律で定めている。自衛隊は『やっていいこと』だけを法律に書いている」。防衛省でよく聞く言葉だ。活動に制約が多く迅速に対応しにくいという問題意識がある。

自衛隊は戦争の反省や憲法9条を踏まえて活動に枠をはめてきた。1995年の阪神大震災では自主的に動きにくく救助活動が遅れた。この教訓を基に出動要件を簡略化したように時代に合わせた法律や運用の見直しはあってしかるべきだろう。

世界各地でテロや紛争が頻発し、邦人の犠牲者が出る事例も相次ぐ。危機に直面してからでは間に合わない。自衛隊にどこまでの活動を任せるべきか。政府や与野党だけでなく社会全体で「戦後の宿題」を考えるときが来ている。(安全保障エディター 甲原潤之介 』

アフガン退避、2度の計画断念

アフガン退避、2度の計画断念 幻に終わった救出劇
想定外の早期陥落、テロで移動困難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA31BR20R30C21A8000000/

 ※ 相当に「裏話」にまで、踏み込んだ記事だ…。

 ※ これが、現状だ…。

 ※ 「カントリー・リスク」ある地域に進出する民間企業は、そういう現状を覚悟で現地に行く必要がある…。

 ※ 「イザと言う時には、どこからも”援助”は来ない…。」「日本の自衛隊は、手足を縛られていて、活動できない。」という覚悟で…。

『アフガニスタンから邦人や日本大使館の現地職員らを退避させる政府の作戦が8月31日に終わった。結果は邦人1人と米政府の協力者であるアフガン人14人の移送にとどまった。最大500人の救出を想定し、外務省が練った2度のプランは想定外の事態に断念を迫られた。

「早期退避を検討してください」。イスラム主義組織タリバンが支配地域を着々と広げていた8月上旬、アフガニスタンの日本大使館は在留邦人に警戒を呼びかけていた。多くの人は従ったが、仕事や家族など様々な事情から出国を留保する人もいた。

東京では外務省が4日から水面下で、邦人と大使館の現地職員を含むアフガン人協力者の退避を検討し始めた。10日前後には「90日以内にタリバンが首都カブールを制圧する」との米情報機関の分析をメディアが報じた。

民間チャーター機を手配し、18日にカブール空港から飛び立つ――。外務省は14日、1度目の救出計画を立てたが、翌15日、カブールは想定外の早さで陥落した。空港への民間機の離着陸は不可能になった。第1の計画は失敗に終わった。

外務省は大使館の邦人職員12人の退避に忙殺され、アフガン人職員ら協力者への対応は後回しになった。市街地では刑務所から囚人が逃げ、銃撃戦も始まった。

米国からは大使館の撤収を促す連絡が入った。米軍からは「退避が遅れたら安全を保証できない」と迫られた。大使館は米軍と覚書を結び、撤収への協力を要請した。

大使館員は空港を目指したが、移動もままならなかった。森健良外務次官はシャーマン米国務副長官に電話し、米軍ヘリによる車両の保護を求めた。出国には英国の軍用機の力も得て17日、ドバイに逃れた。

まだアフガンに残る500人ほどのアフガン人協力者をどう救出するか。「救出を引き受けてくれないか」。外務省は翌18日からアフガンにすでに軍を展開していた米欧各国に打診した。19日まで続けたものの、各国とも自国の協力者の救助が精いっぱいで確約は得られなかった。

万策尽きた外務省が防衛省に自衛隊派遣を打診したのは20日朝。防衛省は1日で作戦をまとめ、岸信夫防衛相が21日に部隊出動を決断した。菅義偉首相の了承を得て、23日、自衛隊に派遣命令を出した。

外務省には「自衛隊の派遣は最後の手段」という考え方が根強い。過去の派遣で野党などの追及を受けてきたからだ。争乱状態のアフガンに自衛隊を送ることへの懸念から判断が遅れた。

外務省は2度目の救出プランを練った。大使館職員らが第三国からアフガンに戻って25台ほどのバスを手配し、希望者を乗せて検問をくぐり抜ける計画だ。タリバン幹部へ退避対象者リストを渡して検問通過の合意に見込みをつけると、26日に希望者を集めてバスに乗り込んだ。

タイミング悪く26日午後に空港周辺での自爆テロが起きた。混乱から検問所は100台に及ぶバスの列ができ、検問でのタリバンの規制は急激に厳しくなった。テロの再発のリスクも考慮し出発を断念した。

自国民の保護すら危ぶまれる事態を受け、茂木敏充外相は23日に会談したばかりのカタールのムハンマド副首相兼外相に急きょ接触。カタールは求めにこたえ、渋滞でも動きやすい10人乗りの小型バスを用意した。

テロで態度を硬化したタリバンが「外国人」の出国のみを認める方針に転換し状況はさらに悪くなった。外務省は残る数人の邦人に出国の意向を最終確認し、希望した共同通信の通信員1人のみが空自輸送機「C130」でカブールを脱出した。

自爆テロの前日の25日、韓国は300人超の退避に成功した。成否を分けたのは「1日」だった。政府高官は「自衛隊出動があと1日、早ければ……」と悔やむ。

災害やテロ、戦争など有事のオペレーションは判断の遅れが成否を分ける。さらに協力者を救出できなかったことはこれからの日本の外交力にも影響を与えかねない。

「今回のオペレーションの最大の目標は邦人保護だった。そういう意味では良かった」。首相は1日、首相官邸で記者団の質問に笑顔なく答えた。 』

自衛隊派遣、後手批判に反論

自衛隊派遣、後手批判に反論 アフガン人退避できず「残念」―茂木外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021083100800&g=pol

 ※ 退避した「たった一人の邦人」は、「共同通信社通信員」か…。

 ※ しかも、名前からすると、「女性」のようだな…。

 ※ 別の情報によると、「退避したのは現地で事業を営みながら共同通信カブール通信員を務める安井浩美さん(57)」だそうだ…。

 ※ 『安井/浩美
1963年、大阪で生まれる。京都の聖母女学院短期大学を卒業後、アパレル会社勤務。約1年間のシルクロードの旅を経て写真の道へ。1993年、フリーのフォトグラファーとしてアフガニスタンを取材し、戦争取材とともにアフガン遊牧民の記録をライフワークとする。2001年の米同時多発テロをきっかけにアフガン入り。現在、共同通信社のカブール支局で通信員として働くかたわら、アフガン難民の子供たちの教育に関わる。アフガニスタンの外国人ジャーナリストの中で、最も長い滞在者のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)』こういう経歴にも、ヒットした…。

『茂木敏充外相は31日の記者会見で、アフガニスタンからの邦人退避などをめぐり、自衛隊機派遣が遅れたとの批判に対し、「決して遅かったとは思わない。十分退避に間に合うタイミングで行き、輸送手段も確保した」と反論した。自爆テロの影響で空港への移動が困難になったと指摘。アフガン人の現地スタッフらが「まだ退避できない状況は残念だ」と語った。

EU、難民危機阻止急ぐ アフガン周辺国支援に軸足

 一方、与野党有志による「人権外交を超党派で考える議員連盟」は同日、衆院議員会館で総会を開き、アフガン人やその家族の出国に向け、タリバン側と交渉を続けるよう政府に求めた。自民党の中谷元・元防衛相は記者団に対し、今回の政府対応を問題視。「検証が必要だ」と強調した。

 総会には、自衛隊機で退避した共同通信社通信員の安井浩美さんもオンラインで出席した。』