JT、ロシア事業の売却検討

JT、ロシア事業の売却検討
国際的な批判影響か
https://nordot.app/892312701221076992?c=39546741839462401

 ※ 営業利益の2割(20%)を占めるんじゃ、「大打撃」だ…。

 ※ 日経平均構成銘柄の「株主への配当」の平均が、出資額の「2.4%」くらいだ…。

 ※ これまで通りの配当を続けようとするなら、「内部留保」の取り崩し…、とか言う話しになってくる…。

 ※ うまいこと「事業売却」できればいいが、「損失」でも出ようものなら、その「穴埋め」対策という話しになってくる…。

『日本たばこ産業(JT)は28日、ロシアでのたばこ事業について、売却を含め選択肢として検討していると発表した。JTはロシアでの新規投資を凍結したが、保有する四つの工場の稼働は続けている。ロシアのウクライナ侵攻で国際的な批判があることも踏まえたとみられる。

 JTは「持続的な事業運営に著しい支障が生じる蓋然性」があると説明した。JTはロシア市場で3割強のシェアを持つ。2021年12月期連結決算では、ロシアと周辺国が営業利益の約2割を占めている。』

ディーゼルへの逆風、一段と強く 独検察がスズキを捜査

ディーゼルへの逆風、一段と強く 独検察がスズキを捜査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27EU70X20C22A4000000/

 ※ 「基幹部品」や、「根幹機構」を自社開発せずに、メガ・サプライヤーとやらに「丸投げ」「おまかせ」していると、こういうことになる…。

 ※ 独の新政権は、「緑の党」も連立に参加しているんで、いよいよ「ウルサイ」ことになるだろう…。

 ※ しかも、「日系メーカー叩き」は、かっこうの「点数稼ぎ、票稼ぎ」となる…。

 ※ 独メーカーへの「援護射撃」にも、なるしな…。

『ディーゼル車の排ガス中の有害物質の量を不正に制御する装置を搭載した疑いがあるとして、独検察当局がスズキの独現地法人などに立ち入り捜査した。2015年に独フォルクスワーゲン(VW)への排ガス不正が発覚した欧州ではディーゼル車への不信がいまだ根強い。電気自動車(EV)シフトを急ぐ独政府がエンジン車に厳しい姿勢をとるなかで、今回の捜査はディーゼルへのさらなる逆風となる。

今回、独当局が問題視したのは、スズキが18年までに欧州で販売した2万2千台以上のディーゼル車だ。エンジン性能を高めるため、走行時に排ガスの浄化機能を不正に弱めたり止めたりして規定量以上の有害物質を排出させる装置を、小型車「スイフト」や多目的スポーツ車(SUV)「SX4 Sクロス」「ビターラ(日本名エスクード)」の3車種に搭載していた疑いがもたれている。

独検察当局は27日、「排ガス規制を満たしていない可能性が高いことを公表せず、購入者に損害を与え、だましたと考えられる」との声明を発表。詐欺と大気汚染ほう助などの疑いで捜査を続ける。

エンジン供給元の欧州ステランティスやソフトを供給していた車部品大手マレリ(旧カルソニックカンセイ)も捜査対象で、イタリアやハンガリーの捜査当局と連携し、両国の現地法人や工場にも立ち入った。スズキは28日、「ドイツやハンガリーの工場などの拠点に捜査が入ったことは把握している。詳細な内容は確認中」と説明した。同日、取材に応じたスズキ首脳も「捜査には協力していく」と述べた。

スズキのディーゼル車が欧州当局から問題視されたのは今回が初めてではない。20年、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA、現ステランティス)とともにオランダ陸運局にディーゼル車で排ガス不正があったと認定されている。スズキは今回捜査の対象となった車両と同様、ディーゼルエンジンはステランティスから調達していた。

15年に発覚したVWの排ガス不正をきっかけとして、欧州当局はディーゼル車に対する捜査強化に乗り出した。VWが300億ユーロ(約4兆円)を超える罰金や賠償金を支払ったほか、独検察当局はこれまでに独ダイムラー(現メルセデス・ベンツグループ)や独アウディ、部品世界最大手の独ボッシュにも巨額の罰金を科した。

20年には三菱自動車もディーゼル車に試験時だけ有害物質の排出を減らす不正な装置を搭載した疑いで捜査対象となった。三菱自によると、調査の過程で不正装置の使用などがないと確認したものの、同社と関連会社は排ガス検査への対応に過失があったことを認め、計2500万ユーロの罰金を支払ったという。

燃費性能が高く、有害な窒素酸化物(NOx)などの排出も抑えた「クリーンディーゼル」はかつて環境規制の切り札と目されていた。車大手がこぞってディーゼル車を投入したが、VW不正をきっかけに消費者の信頼を失い、トヨタ自動車や日産自動車はディーゼル乗用車の欧州撤退を決めた。

こうした動きもあり、欧州で10年前には5割を超えていたディーゼル車の新車販売に占める比率は21年には19.6%にまで減少した。代わって環境車の新たな主役と目されるEVの新車販売比率は1割を超えた。

21年12月に誕生したドイツ連立政権は前政権に比べてもエンジン車に対する厳しい姿勢を打ち出している。独政府はこれまでEVとともに、ガソリンと電気を併用するプラグインハイブリッド車(PHV)についても補助金を増額し、振興策を進めてきた。だが連立政権は一転、PHVに対する年内の補助金廃止の検討を始めた。

充電ステーションでの渋滞を避けようと、PHVの多くがガソリンのみで走行しているとの批判が起きていたのを、連立政権の緑の党が問題視。EV以外の車に対して厳格な態度をとるようになった。

ドイツ政府は30年までに国内でのEV保有を1500万台以上にする計画を掲げる。ただEVシフトが進んでいるといっても足元のEV登録台数は60万台超にすぎない。ケルン大学エネルギー経済研究所の試算では、目標達成には少なくとも年平均150万台のEV販売が必要になる。充電ステーションの拡充といった施策と同時に、EV以外の車に対する補助金の打ち切りなどにより、目標達成に近づけたいとの狙いが透ける。

ドイツだけではない。欧州委員会は35年にハイブリッド車を含むエンジン車の販売を禁止する内容の政策を提案。現行よりも厳しい次期排ガス規制(ユーロ7)の草案が近く公表される見通し。EVシフトの加速の裏で、ディーゼル車に向けられる目もより厳しさを増している。

(大本幸宏、フランクフルト=林英樹)』

「想定外」禁物の地政学有事 ビジネスパーソンの心構え

「想定外」禁物の地政学有事 ビジネスパーソンの心構え
学び×海外安全マニュアル(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC0835Y0Y2A400C2000000/

『危機管理のプロに「海外での安全」に関する極意を聞くシリーズ最終回のテーマは、リスク分析の専門家が語る、海外で事業展開する企業やビジネスパーソン向けの危機対処法です。有事が発生した際の行動など、英国ロンドンに本拠地を置くコンサルティング会社、コントロール・リスクス・グループのパートナーで日本法人の代表を務める岡部貴士さんに聞きます。

当社はグローバルに事業を展開する企業が直面する複雑な問題、リスクへの対応を支援しています。

スウェーデンの民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)によると、世界の国・地域の約5割、人口にして全体の3分の2の人々が「民主主義の後退した国」に住んでいるそうです。権威主義体制の国では現地当局の政策の予見可能性が低かったり、ときに権力者が非合法的な意思決定をしたり、治安が急激に悪化したりするケースがあります。現在、グローバルに事業展開する企業は難しいかじ取りを求められています。

「モノ、カネ、人、情報」 への影響

ただ、リスクは天から降ってくるものではありません。企業・組織のトップの認識が重要で、地政学的な有事が発生したときに「モノ、カネ、人、情報」にどのような影響が及ぶのか、詳細に検討する必要があります。自社の進出地域の政情に不安があるとすれば、現地の担当者にリスクの洗い出しを丸投げするのではなく、調達・供給網、現地社員や関係先、人権に及ぶ影響を考えることが重要になります。

法律ができてから受動的に対応する「コンプライアンス」ではなく、自社が収集・分析したリスク情報に基づく自主的・能動的な意思決定の「インテリジェンスに基づく経営判断」の企業体質をつくれるか。トップの心構えが問われています。

ウクライナ情勢を見てもわかるように、事業展開先の国が他国から侵略・攻撃された場合、従業員や工場など人的・物理的被害が想定されます。周辺国においても、反戦デモ等に参加した従業員の拘束や戦線拡大に伴う物理的被害、エネルギー不足での大規模停電といった事態も念頭に置く必要があります。

こうした海外拠点でのリスクシナリオを、事前になるべく網羅的に検討していた会社は、今回のウクライナの事態発生にも比較的スムーズに対応しています。一方で、事態の発生後に急きょ、リスク対応部門が今後のシナリオを予想した会社も多かったと思います。

シナリオ分析にあたっては、未来を「当てる」ことが重要ではなく、あらゆる可能性とシナリオについて、なるべく幅広くリスト化しておくということがスタートになるでしょう。「全くの想定外」という事態をいかになくすかが重要です。

そのためには日ごろから情報収集が欠かせません。クライアント向けに提供している情報は、公開情報はもとより、世界各地に張り巡らしたインテリジェンスのネットワークで得られたものを含みます。

危機対応に重要な「3Rs」

「危機・危険の前兆」は見つけられます。当社では、世界中の安全情報や有事に関する情報を網羅的に示したプラットフォームツールを会員向けに提供しています。誘拐事案や強盗が発生した場所、反体制派のデモ活動が起きた場所、テロが発生した地点などを地図上に示したものです。現地情報の収集を海外駐在員に丸投げする会社も多いのですが、本社側のリスク管理として実施できる情報収集・分析の仕事は多くあります。

リスク情報管理ツールのイメージ画像、世界のどの地域で危険事案が起きているか見ることができる=コントロール・リスクス提供

実際、このツールを使って「駐在予定の社員の家から、勤務先のオフィスビルまでの経路を調べたところ、以前テロが発生した道路を通ることがわかった」というケースがありました。赴任前にこういったリスクの把握に使うことができるのです。

危機対応には「3Rs」という言葉があります。英語の「Readiness(レディネス=予防)」「Response(レスポンス=対応)」「Recovery(リカバリー=回復)」の頭文字である3つのRをとったものです。

レディネスは危機に対応するための準備の段階で、事業継続計画(BCP)を作成したりシミュレーションの訓練をしたりすることです。非常に重要なフェーズで、危機管理の巧拙はレディネスの善しあしにかかっています。

レスポンスは主にステークホルダー(利害関係者)を念頭に置いた対応です。海外拠点で内部不正が起きたとします。起きてしまったことは変えられないので、どう対応すべきか検討しなければなりません。日本ではなく海外であること、同じ職場で働く同僚であっても、異なる文化・言語背景を有することを忘れてはいけません。

通用しない「日本の当たり前」

実際、海外の現地法人で会計処理に不審な点があることに気付き、直接、その現法で働いていた担当者を社員が厳しく問いただしたところ、後日見知らぬ人々に囲まれ命の危険を感じるような怖い目にあったというような事例はよく発生しています。

上司が担当者に不審点を確認・注意するのは業務上、当然の行為です。ただ、文化・言語や生活水準の異なる海外では、職場にも日本とは異なる流儀や宗教・文化的にタブーとされる言動もあるので「日本では当たり前」は通用しません。海外ではこうしたケースでも、直接担当者に聞くのではなく、現地の文化や商慣習に詳しい専門家に相談しながら不正調査を行うことが一般的です。

また、メディア向けの対応もレスポンスに含まれます。事件・事故に巻き込まれた場合やトラブルが発生し損害が生じた際の情報開示や補償等でも、地域・文化に合った方法で的確かつ素早く対応する必要があります。

リカバリーは危機の発生後に「ビジネスを元に戻す」目的で行う対応です。国・地域ごとの事情や事態の状況を見つつ、事業再開の時期やその可否も含め、より現実的かつ効果的な対応が求められます。場合によってはBCPの再検討や、企業の体制見直しに及ぶこともあります。

海外では、テロや紛争などの危険に巻き込まれる可能性もある=ロイター

銃声が聞こえたらどこに逃げる?

企業の依頼で駐在員向けに派遣前研修を提供しています。研修では危機管理シミュレーションの一環として、「歩いていて銃声が聞こえたらどの建物に逃げますか」という質問をしています。もし駆け込める場所に外食のマクドナルドの店舗と地元の商店があったら、どちらに逃げたらいいでしょうか。

外国人を狙ったテロ事件だとすれば、米国発の企業の店舗に逃げ込むとその後犯人集団に狙われやすくなる恐れがあります。一概には言えませんが、こういった事態でのとっさの判断について駐在予定者の方々と一緒に議論し考えています。各種ケースに基づいた訓練は安全に対するリスク感度を高め、いざというときの助けになるはずです。

また、研修で強調しているのは「誘拐、強奪にあっても抵抗しない」ということです。たとえ大事な資料を入れているカバンを奪われそうになっても抵抗しないでください。すぐにカバンを渡して、命だけは最低限守ってください。日本のビジネスパーソンは機密情報や機密資料の入ったカバンを奪われそうになると抵抗して奪い返そうとする傾向が強いですが、自分と会社の双方にとって何が最悪な事態かを考えてほしいのです。命を失うことは自分自身にとって最悪のシナリオであるだけではなく、会社にとっても最悪のシナリオです。

会社側の備えとしては、資料を紙ベースで持ち歩かせないような電子化への取り組みや奪われた情報をバックアップできる体制、サイバーセキュリティーの強化などで電子化された情報を容易に盗まれないようにする仕組みが重要です。命の危険を顧みずに会社の情報を守った話が美談になるなど、今の時代の企業文化として論外です。

新型コロナウイルスの流行拡大という危機に日本企業はこの2年半リソースを投じてきました。パンデミックも有事の一つですが、対応にリソースを投じすぎたあまり、海外における安全対策とリスク感度が鈍っていないかが懸念されます。海外出張や駐在の増加が始まれば、日本企業の危機管理能力が再び問われる場面が増えると思います。進出拠点、関係先のある地域に危機が潜んでいないかを今後、改めてチェックする必要があります。

=おわり

(山下美菜子が担当しました)

グラフィックス 鎌田多恵子

連載記事一覧はこちら https://r.nikkei.com/stories/topic_story_22040800?n_cid=DSST001 』

キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」

キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC141QT0U2A110C2000000/

『キリンホールディングス(HD)は14日、中国の飲料大手、華潤集団との現地での合弁事業について、「(合弁企業の解消に向け)株式売却を議論していることは事実」とのコメントを発表した。現時点で決定している事実はないが、今後開示すべき事が生じた場合には速やかに公表するという。』

日本の対イスラエル投資額、過去最高に 21年

日本の対イスラエル投資額、過去最高に 21年
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12CFC0S2A110C2000000/

『【カイロ=久門武史】日本からイスラエル企業への投資額が2021年、過去最高の29億4500万ドル(約3400億円)になったとの調査結果を同国のコンサルティング会社ハレル・ハーツ・インベストメント・ハウスがまとめた。半導体や医療など同国で台頭する新興企業への投資が広がった。

調査結果によると投資額は20年の約2.9倍になった。海外からイスラエルへの投資額全体のうち日本からは15.8%を占めたという。投資件数も85件と前年の63件から増えた。

21年のイスラエル企業の買収としては、10月にルネサスエレクトロニクスが半導体メーカー、セレノコミュニケーションズの買収を発表した。医療分野では旭化成が睡眠時無呼吸症の診断機器を手掛けるイタマーを、オリンパスが泌尿器向け治療機器のメディテイトを買収した。

投資ファンドの進出も相次いだ。NTT傘下のNTTファイナンスが3月、ベンチャー投資のファンドを立ち上げると発表。ソフトバンクグループ傘下の投資ファンドは、イスラエルのベンチャーキャピタル大手アワークラウドに2500万ドルを出資した。

イスラエルへの投資拡大は日本企業に限らない。現地調査会社IVCリサーチセンターなどの調査によると、イスラエルのハイテク企業が21年に調達した資金は前年の約2.5倍の256億ドルと過去最高になった。このうち外国からの投資は186億ドル強としている。

【関連記事】
・ルネサス、イスラエル半導体メーカー買収 359億円で
・旭化成、イスラエルの医療機器メーカー買収 590億円で
・オリンパス、イスラエル治療機器メーカー買収 272億円 』

重油流出で船長ら実刑 モーリシャスの日本船事故

重油流出で船長ら実刑 モーリシャスの日本船事故
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM27C3E0X21C21A2000000/

『【ナイロビ=共同】インド洋の島国モーリシャス沖で昨年夏に日本の貨物船「WAKASHIO」が座礁し燃料の重油が大量流出した事故を巡り、モーリシャスの裁判所は27日、安全に航行する義務を怠った罪で有罪判決を受けていたインド人船長とスリランカ人1等航海士に対し、それぞれ禁錮1年8月の量刑を言い渡した。

2人は昨年8月に逮捕され、公判で罪を認めていた。今月20日に有罪判決を受けた。

裁判所は、船が座礁した昨年7月25日に船内で乗組員の誕生日を祝って酒を飲むパーティーが開かれていたと認定。安全を確認する見張り役がいない中、携帯電話をインターネットに接続するためモーリシャスの陸側へ近づくよう船長が指示を出したことで、事故につながったと結論付けた。

船長は公判で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を懸念する乗組員らが「家族と連絡を取りたがっていた」ことから、通信を確保したかったと証言した。

WAKASHIOは長鋪汽船(岡山県)が保有・管理し、商船三井が手配。座礁後の昨年8月上旬からは重油が流出し、海岸のマングローブを汚染したほか、周辺海域が禁漁となり、漁業が打撃を受けた。

長鋪汽船側の関係者によると、地元漁師らに対する個別の賠償の動きは進んでいるが、環境汚染への賠償を巡るモーリシャス政府との話し合いは、進展していない。』

ベトナム初の都市鉄道、開業なお見えず 政治問題が壁に

ベトナム初の都市鉄道、開業なお見えず 政治問題が壁に
支払い遅延が主因、計画変更相次ぐ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM29B8P0Z20C21A9000000/

『【ハノイ=大西智也】ベトナム初の都市鉄道の開業が宙に浮いている。日立製作所が車両を供給するホーチミン市の案件は2021年末の予定を断念し、2年以上先送りされる見通しだ。中国が支援する首都ハノイの計画は約10回の運行延期を繰り返している。ベトナム特有の政治的な問題による支払い遅延などが主因だ。21年7~9月期に初のマイナス成長に陥った経済発展の足かせになりかねない。

南部の最大都市、ホーチミン市の中心部から北東に延びる国道1号線に沿って、真新しい高架橋や駅舎の整備が進む。ホーチミン・メトロ1号線(全長約20キロメートル)は日本の政府開発援助(ODA)を活用し、総投資額43兆7千億ドン(約2100億円)の大型案件だ。
勝機とみて「オールジャパン」で参画した日本の鉄道関連企業は今、頭を悩ませる。日立のほか、工区や工事の中身で住友商事、三井住友建設、清水建設、前田建設工業などが施工を担当する。「様々な問題を克服し、できるだけ早く完成したい」。コンサルティング業務を請け負う共同事業体の中心である日本工営の担当者は強調する。

12年に着工し、最初は18年の運行開始を見込んでいた。ところが、ベトナム特有の事情が次々と日本企業を襲うことになった。

総事業費の大半は日本のODAだ。支払い遅延は生じないはずだが、設計変更などで事業費が当初計画の3倍近くに増えたことが問題を複雑にした。予算の修正は国会の承認が必要とされたが、政府側は公的債務残高の拡大を避けるため、国会審議がなかなか進まなかった。中央政府からの予算措置が遅れたことが、未払いにつながった。

「支払いが進まなければ工事を中止する」。18年に未払い金額が1億ドル(約110億円)を超え、梅田邦夫大使(当時)がベトナム指導部に対して書簡を送付する異例の事態に発展した。19年に入って徐々に解消したものの、7月には4年以上に及ぶコンサル業務への未払いを理由に、コンサル共同事業体が業務の停止に踏み切り、全体の工程がさらに遅れている。

背景にはベトナム政府の現行法令の問題がある。インフラ工事で当局の責任者が「ゴーサイン」を出した後、手続きのミスや事故などの問題が発覚した場合、遡って刑事罰に問われる可能性がある。党幹部が汚職と絡めて捜査されるケースがあり、「誰も最終責任を取りたがらない」。工事関係者は打ち明ける。

日立はすでに20年10月から車両の引き渡しを始めている。17編成(51両)のほか、信号システムや受変電設備などを一括して受注した。鉄道建設全体では9割弱の作業が完了したが、開業までにはなお障壁が残る。ホーチミン市当局は事業者側と今後のスケジュールの修正作業を進めている。

当局は開業遅れの理由について「新型コロナウイルスの感染拡大のため」と説明するが、複数の工事関係者は「ベトナム側の支払い遅延などの問題が主因」と言い切る。開業時期は23年末~24年にずれ込むもようだ。

首都ハノイでも、ハノイ・メトロ2A号線(全長約13キロメートル)の開業のめどがいまだに立っていない。中国のODAを活用した総投資額が約9億ドルの案件だ。現地メディアによると、11年に着工し、当初は15年に開業する予定だった。幾度となく延期を繰り返す事態になっている。

直近では「21年4月に運行を始める」とアナウンスしていた。ベトナム政府は大幅な遅れについて「請負業者の中国鉄道第6グループに主な原因がある」と説明してきたが、工事はすでに終了し、フランスのコンサル会社による「安全性」も確認された。今年9月になり、追加コンサル費用の約780万ドルの未払いが判明した。コロナも影響し、交渉に一段と時間がかかっているもようだ。

ベトナムではホーチミン市とハノイの二大都市だけで、合計20弱の都市鉄道の計画があるが、スケジュールは総じて遅れている。大規模なインフラ案件の遅延は他の東南アジアの国でも度々起きるが、ベトナムの場合、一党支配する共産党や中央政府、市の権限が曖昧で「政府支出が絡む案件は特に時間がかかる。敬遠する動きも出ている」(外交関係者)という。

ベトナムはコロナ前まで年7%の成長が続いてきた。大都市の渋滞は年々悪化し、開業の遅れは環境問題や経済発展の阻害要因になる。21年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.17%減と、00年の四半期開示以降で初のマイナス成長になった。

政府が積極的に打開策を講じなければ、成長をけん引してきた外国企業の投資判断にも影響を与えることになる。』

「アフガン居たら命を失う」 邦人保護の脆弱さ浮き彫り

「アフガン居たら命を失う」 邦人保護の脆弱さ浮き彫り
アフガンに惑う世界(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA16E9W0W1A910C2000000/

『「危機管理という観点から法改正を議論しないといけない」。29日の自民党総裁選で勝って新総裁に就いた岸田文雄は総裁選中、アフガニスタンへの自衛隊派遣の教訓を語った。日本の邦人保護の脆弱さが浮き彫りとなり衝撃を受けた一人だ。

首都カブールがイスラム主義組織タリバンの手に落ちた8月15日。「ここにとどまりたい」。現地にある日本大使館の職員数人からの訴えを外務省は「そのまま居たら命を失うからだめだ」と却下した。

この時、米英などはすでに軍用機や軍隊を現地に送っていた。市内で銃撃戦が起き、軍がいなければ危ないと判断したためだ。軍のヘリコプターを大使館の屋上まで飛ばして職員らを退避させた国もある。

カブール陥落は日本政府の想定外の早さだった。自衛隊に派遣命令をだしたのは23日。15日時点で当然現地にいない。米軍ヘリでの移動を依頼したが断られた。

「とにかく生きていてほしい」。次官の森健良ら外務省幹部の頭には万が一の事態もよぎったという。結局、上空から米軍ヘリによる監視を受けてなんとか空港に到着。英国軍用機でアラブ首長国連邦(UAE)に逃れた。

現地に日本大使館の現地職員らは残っていた。救出を目指した自衛隊機の輸送機が26日にカブール空港に到着したものの自衛隊員は降りたってしばらく立ち尽くした。助けるべき職員らの姿がなかったからだ。

自衛隊法上の制約で自衛隊員は安全を確保できない空港の外には出られない。役割は空港から第三国への輸送に限られる。

出国希望者は争乱状態の市内から空港まで「自力での移動」が求められた。アフガン人職員を含む500人を救出する任務だったが、空港にたどり着けたのは邦人1人だけだった。

帰国後に悔しさを訴えた自衛隊員は多い。「フィクションの世界でつくられた法体系のせいで命を守れなかったら元も子もない」。自民党国防部会長の大塚拓は再考のきっかけにすべきだと主張する。

韓国や台湾在住の日本人はそれぞれ4万人と2万5千人ほど。朝鮮半島や台湾での有事の退避シミュレーションは十分か。「想定外の事態」との言い訳は通用しない。(敬称略)

馬場燃、中村亮、木寺もも子、羽田野主、石川陽平、飛田臨太郎が担当しました。

【ルポ迫真「アフガンに惑う世界」記事一覧】

・「必ず殺される」 タリバン報復におびえる市民
・アフガン難民の受け入れ「もう限界」
・「米欧はパンドラの箱開けた」 アフガン巡りプーチン氏 』

邦人救出、アフガンの教訓

邦人救出、アフガンの教訓 台湾有事にも出遅れ懸念
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA308IM0Q1A830C2000000/

『政府は8月31日、アフガニスタンから邦人や現地協力者を退避させるために派遣した自衛隊機に撤収命令を出した。各国が数百~十数万人を国外へ輸送したなかで自衛隊は15人どまり。法律や慣習の制約による出遅れは台湾海峡や朝鮮半島で起こり得る有事に備える教訓となる。

「わが国の組織で働く現地の従業員もファミリーだ」。岸信夫防衛相は23日、自衛隊に出動命令を出し、記者団にこう述べた。邦人だけでなく日本大使館などに勤務していたアフガン人協力者も救うのが任務だと強調した。

現地には数人の邦人と最大500人のアフガン人協力者が残る。イスラム主義組織タリバンがカブールを制圧し、外国人や協力者に危険が及ぶ恐れがある。希望者を国外へ避難させるのが国家としての使命だという判断があった。

実際に運べたのは邦人1人と米国のアフガン人協力者14人だけ。500人を25台ほどのバスに乗せて空港へ運ぶ予定だった26日、空港周辺で起きた自爆テロで計画が崩れた。米軍が撤収すると日本が輸送するすべはなくなった。

米国は12万人、英国は1万人以上を国外へ出すのに成功した。ドイツやフランスは数千人、韓国も390人で日本の少なさが際立つ。派遣を決めるのに時間がかかりテロの前に運べなかったのが響いた。日本以外の主要7カ国(G7)は15日前後に着手していた。

決定の遅れを招いた要因の一つは日本の法的な制約だった。自衛隊が邦人らを救うには2つの方法がある。一つは騒乱が起きた国の外へ連れ出す「輸送」。もう一つは場合によっては武器も使いながら救出にあたる「保護」だ。

今回は輸送だけの対応にとどめた。自衛隊法84条の4は「安全に実施できると認めるとき」に限ると規定する。絶対条件とされた空港の安全確認に時間がかかった。自衛隊の海外派遣はこれまで世論を二分してきた。外務省幹部は「首相官邸や与野党に大丈夫と言い切る根拠がなければ決断できなかった」と語る。

政府が現地と交渉して人々を空港に送る手段を探すのにも手間取った。空港外の活動は危険とみなされて任務から外れ、自衛隊は市街地に残る邦人や協力者を運ぶことができなかった。

救出を含む保護に関する自衛隊法84条の3を適用しなかったのはなぜか。保護のためなら任務遂行の妨害行為を排除するのに武器を使え、空港外で活動しやすくなる。

壁となったのは輸送よりも厳しい制約だ。84条の3が明記する①当該国の権限ある当局による秩序維持②当該国の同意③当該国当局との連携――の3要件を満たさなかった。

タリバンによる統治の見通しは不透明で、同意を取り付けるべき明確な相手が存在しない状態だったためだ。

治安が悪化した地域から日本の民間人を退避させることは自衛隊の重要な任務の一つとなる。日本周辺で想定される危機でも出遅れかねないとの見方がある。

朝鮮半島や台湾海峡での有事は、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」とみなせば自衛隊の防衛出動による武力を使った邦人救出が可能になる。この場合も派遣先の国の同意が前提となる。

半島有事で自衛隊が邦人を保護する場合に想定する相手は韓国だ。韓国は植民地支配の記憶があり、自衛隊の受け入れに慎重になりがちだ。防衛省には「邦人保護の目的でもスムーズに派遣できるかわからない」との懸念がある。

中国が台湾を攻撃した場合はより複雑になる。中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を日本は尊重する立場だ。防衛省幹部は「攻めてくる中国側の同意が必要という奇妙な状況に陥りかねない」と話す。

慶大の鶴岡路人准教授は「自衛隊機を出す決定が遅かったのは否定しようがない。どういうときにどういう対応を取るか政府内でリアルな準備をしておく必要がある」と指摘する。

<記者の目>「戦後の宿題」考えるとき

「多くの外国軍は『やってはいけないこと』を法律で定めている。自衛隊は『やっていいこと』だけを法律に書いている」。防衛省でよく聞く言葉だ。活動に制約が多く迅速に対応しにくいという問題意識がある。

自衛隊は戦争の反省や憲法9条を踏まえて活動に枠をはめてきた。1995年の阪神大震災では自主的に動きにくく救助活動が遅れた。この教訓を基に出動要件を簡略化したように時代に合わせた法律や運用の見直しはあってしかるべきだろう。

世界各地でテロや紛争が頻発し、邦人の犠牲者が出る事例も相次ぐ。危機に直面してからでは間に合わない。自衛隊にどこまでの活動を任せるべきか。政府や与野党だけでなく社会全体で「戦後の宿題」を考えるときが来ている。(安全保障エディター 甲原潤之介 』

アフガン退避、2度の計画断念

アフガン退避、2度の計画断念 幻に終わった救出劇
想定外の早期陥落、テロで移動困難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA31BR20R30C21A8000000/

 ※ 相当に「裏話」にまで、踏み込んだ記事だ…。

 ※ これが、現状だ…。

 ※ 「カントリー・リスク」ある地域に進出する民間企業は、そういう現状を覚悟で現地に行く必要がある…。

 ※ 「イザと言う時には、どこからも”援助”は来ない…。」「日本の自衛隊は、手足を縛られていて、活動できない。」という覚悟で…。

『アフガニスタンから邦人や日本大使館の現地職員らを退避させる政府の作戦が8月31日に終わった。結果は邦人1人と米政府の協力者であるアフガン人14人の移送にとどまった。最大500人の救出を想定し、外務省が練った2度のプランは想定外の事態に断念を迫られた。

「早期退避を検討してください」。イスラム主義組織タリバンが支配地域を着々と広げていた8月上旬、アフガニスタンの日本大使館は在留邦人に警戒を呼びかけていた。多くの人は従ったが、仕事や家族など様々な事情から出国を留保する人もいた。

東京では外務省が4日から水面下で、邦人と大使館の現地職員を含むアフガン人協力者の退避を検討し始めた。10日前後には「90日以内にタリバンが首都カブールを制圧する」との米情報機関の分析をメディアが報じた。

民間チャーター機を手配し、18日にカブール空港から飛び立つ――。外務省は14日、1度目の救出計画を立てたが、翌15日、カブールは想定外の早さで陥落した。空港への民間機の離着陸は不可能になった。第1の計画は失敗に終わった。

外務省は大使館の邦人職員12人の退避に忙殺され、アフガン人職員ら協力者への対応は後回しになった。市街地では刑務所から囚人が逃げ、銃撃戦も始まった。

米国からは大使館の撤収を促す連絡が入った。米軍からは「退避が遅れたら安全を保証できない」と迫られた。大使館は米軍と覚書を結び、撤収への協力を要請した。

大使館員は空港を目指したが、移動もままならなかった。森健良外務次官はシャーマン米国務副長官に電話し、米軍ヘリによる車両の保護を求めた。出国には英国の軍用機の力も得て17日、ドバイに逃れた。

まだアフガンに残る500人ほどのアフガン人協力者をどう救出するか。「救出を引き受けてくれないか」。外務省は翌18日からアフガンにすでに軍を展開していた米欧各国に打診した。19日まで続けたものの、各国とも自国の協力者の救助が精いっぱいで確約は得られなかった。

万策尽きた外務省が防衛省に自衛隊派遣を打診したのは20日朝。防衛省は1日で作戦をまとめ、岸信夫防衛相が21日に部隊出動を決断した。菅義偉首相の了承を得て、23日、自衛隊に派遣命令を出した。

外務省には「自衛隊の派遣は最後の手段」という考え方が根強い。過去の派遣で野党などの追及を受けてきたからだ。争乱状態のアフガンに自衛隊を送ることへの懸念から判断が遅れた。

外務省は2度目の救出プランを練った。大使館職員らが第三国からアフガンに戻って25台ほどのバスを手配し、希望者を乗せて検問をくぐり抜ける計画だ。タリバン幹部へ退避対象者リストを渡して検問通過の合意に見込みをつけると、26日に希望者を集めてバスに乗り込んだ。

タイミング悪く26日午後に空港周辺での自爆テロが起きた。混乱から検問所は100台に及ぶバスの列ができ、検問でのタリバンの規制は急激に厳しくなった。テロの再発のリスクも考慮し出発を断念した。

自国民の保護すら危ぶまれる事態を受け、茂木敏充外相は23日に会談したばかりのカタールのムハンマド副首相兼外相に急きょ接触。カタールは求めにこたえ、渋滞でも動きやすい10人乗りの小型バスを用意した。

テロで態度を硬化したタリバンが「外国人」の出国のみを認める方針に転換し状況はさらに悪くなった。外務省は残る数人の邦人に出国の意向を最終確認し、希望した共同通信の通信員1人のみが空自輸送機「C130」でカブールを脱出した。

自爆テロの前日の25日、韓国は300人超の退避に成功した。成否を分けたのは「1日」だった。政府高官は「自衛隊出動があと1日、早ければ……」と悔やむ。

災害やテロ、戦争など有事のオペレーションは判断の遅れが成否を分ける。さらに協力者を救出できなかったことはこれからの日本の外交力にも影響を与えかねない。

「今回のオペレーションの最大の目標は邦人保護だった。そういう意味では良かった」。首相は1日、首相官邸で記者団の質問に笑顔なく答えた。 』

自衛隊派遣、後手批判に反論

自衛隊派遣、後手批判に反論 アフガン人退避できず「残念」―茂木外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021083100800&g=pol

 ※ 退避した「たった一人の邦人」は、「共同通信社通信員」か…。

 ※ しかも、名前からすると、「女性」のようだな…。

 ※ 別の情報によると、「退避したのは現地で事業を営みながら共同通信カブール通信員を務める安井浩美さん(57)」だそうだ…。

 ※ 『安井/浩美
1963年、大阪で生まれる。京都の聖母女学院短期大学を卒業後、アパレル会社勤務。約1年間のシルクロードの旅を経て写真の道へ。1993年、フリーのフォトグラファーとしてアフガニスタンを取材し、戦争取材とともにアフガン遊牧民の記録をライフワークとする。2001年の米同時多発テロをきっかけにアフガン入り。現在、共同通信社のカブール支局で通信員として働くかたわら、アフガン難民の子供たちの教育に関わる。アフガニスタンの外国人ジャーナリストの中で、最も長い滞在者のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)』こういう経歴にも、ヒットした…。

『茂木敏充外相は31日の記者会見で、アフガニスタンからの邦人退避などをめぐり、自衛隊機派遣が遅れたとの批判に対し、「決して遅かったとは思わない。十分退避に間に合うタイミングで行き、輸送手段も確保した」と反論した。自爆テロの影響で空港への移動が困難になったと指摘。アフガン人の現地スタッフらが「まだ退避できない状況は残念だ」と語った。

EU、難民危機阻止急ぐ アフガン周辺国支援に軸足

 一方、与野党有志による「人権外交を超党派で考える議員連盟」は同日、衆院議員会館で総会を開き、アフガン人やその家族の出国に向け、タリバン側と交渉を続けるよう政府に求めた。自民党の中谷元・元防衛相は記者団に対し、今回の政府対応を問題視。「検証が必要だ」と強調した。

 総会には、自衛隊機で退避した共同通信社通信員の安井浩美さんもオンラインで出席した。』

自衛隊、退避作戦に法的制約

自衛隊、退避作戦に法的制約 安全確保できず、空港くぎ付け―アフガン
2021年08月29日08時41分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082800467&g=pol

 ※ これで、「どーしろと…。」、…。

『日本政府によるアフガニスタンからの邦人や大使館の現地スタッフの退避作戦は、事実上の活動期限である27日を過ぎ、継続は困難な状況となってきた。自爆テロによる治安悪化などの影響で、最大500人と想定する退避希望者の多くはアフガン国内に残されたまま。派遣の根拠である自衛隊法に活動を制約され、自衛官は首都カブールの空港から一歩も外に出られなかった。

米、空港から撤収開始 新たなテロに最大級の警戒―アフガン

 政府は当初、退避希望者の空港までの移動手段について、「各自で確保していただくしか仕方ない」(岸信夫防衛相)としていた。しかし、イスラム主義組織タリバンが24日にアフガン人の出国を認めない考えを表明したことを受け、方針を転換。26日には空港へ向かうバスを20台以上用意したものの、空港ゲート付近で自爆テロが発生したため、移動を断念した。

 今回、自衛隊員の任務は自衛隊法84条の4に基づく「輸送」で、空港内での邦人らの誘導と空自機による退避が中心。同法は輸送を「安全に実施することができると認めるとき」に限定しており、米軍が安全をコントロールできる空港内でのみ活動することとした。自衛官が市中に退避希望者を迎えに行き、警護して連れてくることはできなかった。

 2016年施行の安全保障関連法で、新たに在外邦人らの救出や警護を認める「保護」(自衛隊法84条の3)が可能となり、より強い武器使用権限も与えられた。しかし、派遣先となる受け入れ国の同意や現地の治安が維持されていることが要件で、タリバンが支配するアフガンでの適用は見送った。

 要件をめぐっては、24日の自民党国防部会などの合同会議で「安定していないからこそ(保護の)ニーズがある」として、緩和を求める声が上がった。防衛省内からも「今回の件をきっかけに議論を始めてほしい」と法改正に期待する声も出ている。』

茂木外相 アフガンの大使館機能ドーハに移す方針

茂木外相 アフガンの大使館機能ドーハに移す方針 米軍撤退で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013234561000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

『茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退が完了したことなどを受けて、一時閉鎖した日本大使館の機能を、タリバンとのパイプを持つ、カタールのドーハに移す方針を明らかにしました。

この中で茂木外務大臣は、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退が完了したことについて「軍を中心にした退避オペレーションというフェーズから、新たなフェーズに入っていくと考えている。出国を希望される方々の安全な退避のために、どういう手段がとり得るのか考えていきたい」と述べました。

そのうえで茂木大臣は、一時閉鎖したアフガニスタンの大使館について「仮の事務所をトルコのイスタンブールに置いているが、今後はおそらくタリバンが政治事務所を置いているカタールで、いろいろなコミュニケーションが行われることになる」と述べ、大使館機能をカタールのドーハに移す方針を明らかにしました。

また、茂木大臣は、記者団が、自衛隊機を派遣したタイミングが適切だったか質問したのに対し「状況が刻々と変化するなか、日本として取り得る手段を考え、派遣も決して遅かったとは思わない。空港近くで自爆テロが起こったことによって、退避を希望していた方々が、まだ退避できない状況にいることは残念だ」と述べました。』

アフガニスタンからの退避 派遣の自衛隊機の撤収決定

アフガニスタンからの退避 派遣の自衛隊機の撤収決定 岸防衛相
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013234941000.html

『アフガニスタン情勢の悪化を受け、岸防衛大臣は、日本人などを国外に退避させるために派遣していた自衛隊機について、輸送の終結を命じ、撤収させることを決めました。』

「邦人保護」口実に海外派兵訓練 防衛省に塩川梅村両議員が中止求める(2016年12月13日(火))

「邦人保護」口実に海外派兵訓練
防衛省に塩川・梅村両議員が中止求める(2016年12月13日(火))
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-13/2016121314_01_1.html

 ※ 既に、この時から議論はされていた…。

 ※ 『塩川氏は、同省が主要訓練事項に「在外邦人等の一時集合場所が暴徒に取り囲まれてしまった場合」「唯一の輸送経路がバリケードで通行妨害にあってしまった場合」の対処を含めていることに触れ「紛争状態にある国に行き、武器を使って邦人救出を行うものだ」と指摘。「自衛隊員が殺し殺されることを想定した訓練は認められない」と中止を求めました。』…。

 ※ まあ、いつもの話しだ…。

『日本共産党の塩川鉄也衆院議員は12日、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市、入間市)、陸上自衛隊相馬原演習場(群馬県榛東村)などで同日から行われる「在外邦人等保護措置訓練」の詳細について防衛省の担当者から聞き取り、訓練の中止を求めました。

写真
(写真)在外邦人等保護訓練の中止を求める(右2人目から)梅村さえこ、塩川鉄也両衆院議員ら=12日、衆院第2議員会館

 訓練は、自衛隊が海外在住の日本人を救出するために、武器を使用することも可能にした安保法制=戦争法に基づくもの。「保護」された在外邦人に見立てた隊員らは、相馬原演習場から入間基地へ、地雷などの攻撃に耐えるとされる輸送防護車「MRAP」などで公道を使い輸送されます。机上訓練は12日実施。実動訓練は14~16日です。

 防衛省担当者は、参加部隊の詳細や訓練スケジュールの公表を拒否しました。

 塩川氏は、同省が主要訓練事項に「在外邦人等の一時集合場所が暴徒に取り囲まれてしまった場合」「唯一の輸送経路がバリケードで通行妨害にあってしまった場合」の対処を含めていることに触れ「紛争状態にある国に行き、武器を使って邦人救出を行うものだ」と指摘。「自衛隊員が殺し殺されることを想定した訓練は認められない」と中止を求めました。

 聞き取りには、梅村さえこ衆院議員、はせだ直之(群馬2区)、伊藤たつや(同5区)の両衆院候補、埼玉、群馬両県の平和団体のメンバーや地方議員らが同席しました。』

日本のアフガン退避難航 自衛隊派遣、初動の遅れ響く

日本のアフガン退避難航 自衛隊派遣、初動の遅れ響く
邦人・協力者保護、薄い危機感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA273SN0X20C21A8000000/

『日本政府によるアフガニスタンの邦人やアフガン人大使館職員らの退避が難航している。最大500人の希望者の移送を目指したが、実現しないまま27日の事実上の活動期限を迎えた。自衛隊機派遣の初動の遅れが一因だ。すでに退避作戦を終えた欧州などと比べ、自国民や協力者保護への危機感の薄さもにじむ。

政府が自衛隊機の派遣を決めたのは23日。15日のカブール陥落を受けてすぐに軍用機を現地に送った米欧から1週間ほど遅れた。その間、現地の状況は日に日に厳しさを増していった。

政府は17日までに日本人の大使館員や国際協力機構(JICA)職員、出国を望む邦人を第三国に退避させた。米軍と連携し、実際の移送では英国軍の協力を得た。このとき日本に過去20年間協力してきたアフガン人職員らは取り残された。

英国が駐アフガン大使を現地にとどめ、アフガン人への査証(ビザ)発給などの作業を続けたのと対照的だ。

日本の外務省は今回の救出対象の邦人は数人で、アフガン人職員とその家族を含む協力者は数百人と想定した。

政府が派遣した自衛隊の輸送機「C130」が拠点とするパキスタンのイスラマバードからカブールの空港に到着したのは26日になってからだ。出国希望者が空港まで来られず、複数回の輸送が空振りに終わった。27日に出国した邦人1人が最初の退避者だった。

欧州は着々と計画を進めた。ドイツやベルギー、オランダは自国民とアフガン人協力者の退避作戦を終了したと発表した。ドイツは5千人ほどを国外に脱出させた。

東大の鈴木一人教授は日本政府の危機意識の乏しさを指摘する。「大使館などで協力していたアフガン人の方針が決まらないまま、大使館員が先に脱出したのは拙速だった」と述べた。「日本は緊急事態対応の計画が十分でない」と説明した。

一連の経緯で他国との協力などソフト面の課題も浮かび上がった。

政府はアフガンの日本大使館に防衛駐在官を置いていたが、17日に他の大使館員とともに退避した。自衛隊機の派遣のため、防衛省が現地に先遣隊を向かわせたのは22日。この間、現地に自衛隊員は不在だった。

米欧各国はカブール陥落後も現地で軍関係者が情報交換を続けており、ここでも出遅れた。

その後、いったん周辺国に出た大使館職員らがアフガンに戻り、派遣された自衛官とともにカブールで退避希望者の支援にあたっていた。

日本の今回の退避オペレーションには①首都カブールの空港までの移動②本人確認③アフガンからの脱出④日本への輸送⑤日本への入国――という関門がある。

最大の問題は邦人やアフガン人らの空港への移動だ。米国や欧州の一部の国は軍用ヘリコプターを市街地に飛ばし、脱出を進めた。

自衛隊の場合、自衛隊法の制約で米軍によって安全が保たれている空港を出ると活動できず、空港までの安全な移動を手助けできない。

岸信夫防衛相は23日、空港までの移動手段は「各自で確保していただくしかない」と述べた。

今回の出動は外国での騒乱時に邦人らを輸送できると定める自衛隊法「84条の4」に基づく。同条項に「安全に実施できると認めるとき」との要件がある。

政府はカブールの空港内は米軍により安全が保たれていると判断し活動を認めた。空港外の市街地については米軍のコントロールが及ばず、治安が悪化しているため活動範囲に含めなかった。

より強い武器使用権限を付与する「84条の3」を根拠とすれば、自衛隊が外国で生命の危険がある邦人らを保護できる。この条項は相手国の同意を厳格に求めている。タリバンが制圧した現在のアフガンで適用するのは現実的でなかった。

政府は憲法で自衛隊に自衛のための必要最小限度の武力行使しか認められていないと解釈しており、自衛隊法も活動範囲を厳しく制限する。特に今回のような部隊の撤退時は軍事上リスクの高い場面だ。自衛隊の対処にもおのずと限界はある。

海外での本格的な活動は現地で他国軍の手厚い支援を得ながら進めている。外国からの退避など同盟国にも余力がない場合、日本にはどこまで独自の行動ができるのか。

これまでもイラクへの派遣など自衛隊の海外活動を巡って、現実と制度上の制約とのギャップを憲法解釈で乗り切ってきた。今回は国家の役割そのものに関わる自国民保護という問題に直面し、そうした矛盾が改めて浮き彫りになっている。

【関連記事】邦人1人が空自機で退避 アフガン人職員らなお現地に
この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』

アフガニスタンからの邦人退避で自衛隊機派遣表明

アフガニスタンからの邦人退避で自衛隊機派遣表明 官房長官
(※URL、省略)

※ C130。

※ C2。

『アフガニスタン情勢の悪化を受け、加藤官房長官は、記者会見で、出国を希望する現地の邦人などを迅速、安全に退避させるため、自衛隊機を現地に派遣し、調整が整い次第、輸送活動を始めることを明らかにしました。

この中で、加藤官房長官は、アフガニスタン情勢が流動化している中、出国を希望する人たちの安全な退避が国際社会にとって喫緊の課題になっていると指摘しました。

そのうえで、出国を希望する現地の邦人などを迅速、安全に退避させるため、自衛隊機を現地に派遣し、調整が整い次第、輸送活動を始めるとして、第1陣として、23日夕方、輸送機1機が出発し、最終的には、C130輸送機2機とC2輸送機1機が任務に当たる予定だと明らかにしました。

そして、加藤官房長官は「現在、カブール空港では、アメリカ軍が空港内と周辺の安全確保や、周辺区域での航空管制を行い、航空機の離着陸が正常に行われている。タリバンについても、カブール空港からの人員輸送を妨害する動きは見られていない」と述べ、現地での輸送の安全は確保されているという認識を示しました。

また「政府としては、運用上も国際法上も問題が生じないよう、関係しうる当事者の同意を得るための意思疎通を図っている。ただ、緊急的措置として人道上の必要性から安全が確保されている状況で自国民などの退避のために輸送を行うものであり、仮に明確な同意がとれていないとしても、国際法上、問題ないと考えている」と述べました。

一方、加藤官房長官は、輸送を行う対象について「今回は、邦人、大使館の職員などをはじめとした関係者や家族の輸送を念頭に進めている。実際、そうした皆さんが、どこまで空港に結集して来られるのか、不確実なところがある。また、場合によっては、他の国から、いろいろな意味での要請が来る場合もあるかと思う」と述べました。

また、輸送する人数については「機微な話なので、現時点ではコメントは差し控えたい」と述べるにとどめました。

海外での自衛隊による輸送 これまでに4回

今回のように、治安情勢が悪化した海外で日本人の安全を確保するため、自衛隊法に基づき、自衛隊が輸送を行ったケースは、これまでに4回あります。

初めて実施されたのは平成16年で、自衛隊が派遣されていたイラクで情勢が悪化したことから、現地で取材活動にあたっていた日本の報道関係者10人を航空自衛隊の輸送機で隣国のクウェートまで退避させました。

また、平成25年にアルジェリアで起きた人質事件の際には、政府専用機を派遣し、無事だった7人と、亡くなった9人を日本に運びました。

平成28年には7月に2度行われ、バングラデシュの首都、ダッカで起きた襲撃事件では、死亡した7人と家族を日本まで運んだほか、その翌週には、政府軍と反政府勢力の間の武力衝突で治安が悪化した南スーダンから、航空自衛隊の輸送機を使って大使館職員4人を退避させました。

“日本人の安全確保” 5年前の安保関連法施行で拡大

海外で自衛隊が行うことのできる日本人の安全を確保する任務は、5年前の安全保障関連法の施行によって拡大されましたが、今回の派遣は従来の自衛隊法に基づくもので新たに可能になった任務は行われません。

従来は、自衛隊法に基づいて部隊が行えるのは、国外退避のための日本人の「輸送」とされていました。

しかし、平成25年にアルジェリアで起きた日本人の人質事件を受けて、空港や港に航空機や艦艇を派遣して輸送する従来の任務に加え、車両による陸上での輸送ができるようになりました。

さらに、安全保障関連法の施行によって、輸送だけでなく、日本人の救出や警護も可能になりました。

これに伴って自衛隊の武器使用が認められる範囲も拡大され、自分の身を守る場合だけでなく妨害行為を排除するなど、「任務遂行のための武器使用」も可能になりました。

安全保障関連法に基づく救出や警護の任務は、これまでに実施されたことはなく、今回も行われません。

C130輸送機とは

C130輸送機は、※※県にある航空自衛隊の※※基地に16機配備されています。

全長はおよそ30メートル、主翼を含めた幅はおよそ40メートルで、乗員を除いて最大で92人を輸送できます。

また、5トンの人や荷物を載せた状態でおよそ4000キロ飛行する能力があるということです。

自衛隊がこれまで行ってきた国連のPKO=平和維持活動や、イラク派遣、それに国際緊急援助活動など、海外での任務にもたびたび派遣され、物資や人員の輸送にあたってきました。

また、自衛隊法に基づく海外での日本人輸送でも活用されていて、平成16年にはイラクから日本の報道関係者10人を隣国のクウェートまで退避させたほか、平成28年には、政府軍と反政府勢力の間の武力衝突で治安が悪化した南スーダンから、日本大使館の職員4人を輸送しました。

C2輸送機とは

C2輸送機は最新鋭の国産輸送機で、乗員を除いて最大で110人を輸送することができます。

現在、※※県にある航空自衛隊※※基地に10機、※※県にある航空自衛隊※※基地に1機の、合わせて11機が配備されているということです。

海外への部隊の派遣や物資の輸送といった任務に対応するため、従来の輸送機より大型化し、航続距離も長くなっていて、最大で36トンの人や荷物を載せられるほか、20トンを搭載した状態でおよそ7600キロ飛行することができます。

これまでに、UAE=アラブ首長国連邦やオーストラリアなど、海外への運航訓練を重ねてきたほか、去年6月には、海賊対策からの帰国中に不具合を起こした海上自衛隊の哨戒機の整備を支援するため、整備要員や機材をベトナムまで輸送しました。』

自衛隊機の派遣「検討していた」

自衛隊機の派遣「検討していた」 アフガン大使館員退避
防衛相「現地の治安、急激に悪化」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA203C20Q1A820C2000000/

 ※ 日本から、延々と派遣するとなると、時間の問題や給油の問題がある…。

 ※ それと、今回の情勢では、「空港」に行きつくまでの「経路」の「警護」が問題だった…。

 ※ 各要衝で、タリバンが「検問」してたようだからな…。

 ※ スピード重視で、「とっとと、逃げた。」のが、功を奏した形なんだろう…。

 ※ 某国(米国では、無い)が協力してくれたようだ…。

 ※ まあ、日頃からの行い(信用)と、意思疎通(何かと、お互い協力しておく…)が重要だ…。

 ※ ヒトでもクニでも、「信用第一」と言うことだ…。

 ※「信無くば、立たず。」って、ホントだな…。こういう「土壇場」「極限状態」でこそ、効いてくる…。

『岸信夫防衛相は20日の記者会見で、アフガニスタンの日本大使館職員の退避に自衛隊機の派遣を検討していたと明らかにした。派遣に至らなかった理由について「現地の治安情勢が急激に悪化した。関係国の軍用機で退避するのが最も迅速な手段だということを踏まえた」と説明した。

大使館職員12人はイスラム主義組織のタリバンによるアフガン制圧を受け、17日にドバイに退避した。

自衛隊機による邦人退避は2016年に南スーダンで大使館職員を輸送した事例などがある。自衛隊法は外国で騒乱が発生した際、外相からの依頼で邦人を保護・輸送できると規定する。』