日本国は、エネルギー資源大国になるのか…。

特に注目は、例のメタンハイドレートだ…。

「燃える氷」とか言われている。見かけは、シャーベット状の雪塊みたいなものだが、中にメタンガスが閉じ込められていて、火を付けると、燃える…。

パイプで採取されると、こんな感じ…。

分子構造は、こんな感じ。

メタン分子は、水分子と非常に親和性が高く、水分子が一定の高圧・低温状態でシャーベット状になると、こんな風に、中に閉じ込められるらしい…。

特に珍しいものではなく、一定の条件が揃えば、必ず存在するものらしい…。

商業ベースに乗せるとなると、メタンハイドレートが固まって存在し、大きな群となって存在しているようなところを発見し、ローコストで採集しないといけない、と言う話しになってくる…。いわゆる、「濃集帯」と言われているものだ…。

上記のパイプで採取されたメタンハイドレートの画像は、そういう「濃集帯」をうまく探索・発見できて、そういう場所にパイプを刺したから採取できた例だ。

しかし、実際には、そういう風にうまくいくものでもない。

現実には、砂の層に混じっていたり、砂と泥の層に、ほんの僅かばかりのメタンが混ざりこんでいたりしている…。

こうなってくると、10トンの岩石から、ほんの数グラムの金を採取する、のと同じような話しになってくる。しかも、「メタンガス」の価格は、到底「金」の価格には、及ばない…。到底、商用ベースには乗らない…、という話しになる…。

また、採集に大がかりな装置を必要とする、となると、ドンドンとコストは、かさんでくる…。

現在、メタンハイドレートのコストは、通常の天然ガスの価格の10倍以上と言われている。 http://www.mh21japan.gr.jp/mh/06-2/

しかしまあ、エネルギー資源価格は、世界情勢の激変でいつ高騰するか分からないものだ。また、エネルギー安全保障の面から言っても、キチンと予算をつけて地道に研究・開発しておくべきものだろう…。

そこで、国の支援の下、独立行政法人なんかで基本計画を立てて、工程表を策定して、鋭意、研究・開発を推進することにしている。

注目してほしい点が、2点ある。

第一に、1枚目には「砂層型」というものにしか言及していなかったのが、2・3枚目では、「表層型」というものにも言及していることだ。「砂層型」とは、文字通り砂の層にメタンハイドレートが混ざり込んでいるタイプだ。これだと、砂と一緒にメタンハイドレートを吸って、後に分離する…ということになって、装置も大がかりになり、技術的な難易度も高くなる…。

しかし、メタンハイドレートの存在タイプには、「表層型」と言われるものもあり、文字通り、海底面(あるいは、湖底面)上に、ゴロゴロと雪塊状のメタンハイドレートが転がっているようなものだ。こんな感じのものだ。

日本海側の佐渡周辺の海底には、こういう表層型のメタンハイドレートが存在しており、例の青山繁晴さんが、早くから注意を喚起していて、早く開発に取りかかるように長いこと促していた。

しかし、政府はなかなか重い腰をあげようとせず、何故か太平洋側ばかり探索・開発していた…。一説には、中○や韓○に気兼ねして、その顔色を伺っていたと言われている…。しかし、青山氏は、2016年6月に参議院議員(比例区)に立候補表明を行い、当選し参議院議員となり、同年11月に委員会質疑も行った( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B1%B1%E7%B9%81%E6%99%B4 )。そういうことで、2016年からやっと日本海側のメタンハイドレートの探査・開発・研究にも予算がつくようになったんだよ。そういうことが反映されているのが、2、3枚目の工程表というわけだ。

実は、こういう「表層型のメタンハイドレート」の採取には、大手ゼネコンの清水建設が2009年3月に、ロシアのバイカル湖で成功しているんだよ( https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2009/753.html )。

左上の筒みたいなもの(チャンバー)に、その下の画像では、白っぽいものがギッシリ詰まっているだろう。それが、湖底の表層面にあったメタンハイドレートだ。

こういうタイプにおいては、水面上にリグを建設し、パイプを突き刺す…、というのでは無く、潜水艇でメタンハイドレート群を探索し、潜水艇からマニピュレータを操作して採取する…、という採取方法になる。その存在形態に応じて、多様な技術が必要になってくる…。

そんなわけで、またまた日本国は、潜在的なエネルギー資源大国になる可能性も出て来た…、というわけだ。

去年、安倍さんが国連で演説したとき、国内メディアはこぞって「ガラガラで、閑散としていた。」とクサした。

しかし、演説後の通路では、行列を作って殺到して、大変だったらしいぞ…(皆さん、目が光っていて、ちょっと怖いが…)。

そりゃそうだ…。従前からの技術大国だったのが、それだけでなく、潜在的な鉱物資源大国、潜在的なエネルギー資源大国、おまけに低利の金利でお金も貸せる金融大国…、ともなれば各国が殺到するだろう…。

しかし、こういう新エネルギー資源は、現状の地政学的な秩序をも一変させる可能性を秘めている。アメリカにおけるシェールガス・オイル革命に見るとおりだ( https://http476386114.com/s=%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB )。

上記工程表に、「国際情勢をにらみつつ、技術開発を進める。」とあるのは、そういうことも考えながら慎重に進めて行く…、ということだ(これが、注目点の第二だ)。

現資源国側としても、「自前の資源が採掘できることになったから、もう貴国からは、購入しません。」と言われても、困るだろ?

また、アメリカのシェールガスだって、日米の安全保障での協力関係を考えたら、一定程度は購入せざるを得ないだろ?日本側の巨額の貿易黒字なわけだしな…。

いずれにせよ、充分慎重に考慮して、日本国及び日本国民にとっての国益が最大になるように、うまいこと舵取りして行って欲しいものだ…。

海自がやってる、「遠洋練習航海」ってのがある…(その3)

 バルセロナを出航して、次の寄港地は、スウェーデンのストックホルムなんだが、この間マップの日付けでは、2週間くらい掛かってる…。
 その間、全く補給無しというのは、ちょっと考えにくいんで、マップに記載はないが、あるいはドーバー辺りにでも寄って、補給したかもな…。
いずれ、マップには、往きには、ポーツマスには、寄港していないことになっている…。

洋上訓練

洋上訓練7_s

 そして、イギリス周辺の北海を通って、デンマークのあるユトランド半島の沖を回って、スカンジナビア半島の先端を回って、スウェーデンのストックホルムに寄港した。

ストックホルム入港

ストックホルム(スウェーデン)入港_s

 観光地としても、キレイに整備されている感じだな…。

 そして、わずか1日で、フィンランドのヘルシンキに寄港している…。

ヘルシンキ入港

ヘルシンキ(フィンランド)入港_s

 特筆すべきは、たぶんこの海域でだと思うのだが、やたらNATO海軍と親善訓練を、行っているんだよ…。

NATO加盟国海軍士官(ベルギー、ドイツ、デンマーク、オランダ、英国、米国)に対する乗艦研修

NATO加盟国海軍士官(ベルギー、ドイツ、デンマーク、オランダ、英国、米国)に対する乗艦研修2_s

親善訓練 デンマーク海軍艦艇(NATO軍)「ESBERN SNARE 」

親善訓練 デンマーク海軍艦艇(NATO軍)「ESBERN SNARE 」_s

親善訓練 フィンランド海軍

親善訓練 フィンランド海軍_s

 その理由だが…。ロシアに対する牽制くらいしか、思いつかんな…。

ロシアの軍事行動と周辺国の警戒

ロシアの軍事行動と周辺国の警戒_s

 まあ、これだけ軍事的な行動をされたんじゃ、周辺国は警戒せざるを得ないだろう…。
 スウェーデンの危機感は、相当なものだ。今年の1月には、二次大戦中の「戦争パンフレット」を復刻して、国民に配布した、って話しだ。
( http://lifeupupup.com/sweden-war-book-1862 このサイトに、載っていた。画像も、そこからお借りした。)

スウェーデンの戦争パンフレット

パンフレット1_s

 核攻撃まで、想定されているようだな…。

パンフレット2_s

 すぐに持ち出せるように、荷造りしとけということのようだ…。日本の、災害に備える防災グッズみたいなものか…。

パンフレット3_s

 避難経路の指示だ…。やはり、普段からどう避難するのか、考えておかないとな…。

ロシア軍の予想侵攻ルート

ロシア軍の侵攻ルート_s

 まず、フィンランドとエストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国に侵攻して、それからポーランドへと攻め入るだろう…、という予想のようだ…。

 しかし、これをロシア側から見ると、無理からぬところもある…。ソ連崩壊後、旧ソ連の衛星国は、次々と寝返って、NATOに加入した…。ロシア側からしたら、ジワジワとNATOが攻め入って来てる感じなんだろう…。

拡大するNATO

拡大するNATO_s

 2004年には、バルト三国どころか、ルーマニア、ブルガリア、スロバキアまでNATOに加盟した。
(プーチン政権は、2000年から開始。クリミア併合は、2014年。)

ロシア周辺のNATO非加盟国

中・東欧、地図_s

 あとは、ベラルーシとウクライナくらいしか、残っていない感じだ…。それで、ウクライナ東部を実効支配しようとしたってわけか…。

 しかし、どうなんだ…。海自がこの海域に到達するまでは、3か月くらい掛かってるぞ…。助太刀はおろか、補給任務を担うにしろ、到底急場の用には、間に合わんだろ…。
しかし、これはあくまで遠洋練習航海なわけで、各寄港先で歓迎セレモニーとか、演習とか、一定の行事をこなしつつの話しだ。
そういうものを一切省いて、水と食料と燃料の補給だけに専念したら、相当短縮できるには、できるんだろう。それでも、1か月半くらいは、掛かるんじゃないのか…。そういう状況で、ロシアの軍事行動の牽制になるのかは、相当疑問な感じだ…。
 また、あれか…。ユーラシア大陸の東のへりから、日本にロシアを牽制させようとする、日英同盟の時の大戦略か…。日本が、NATO側に立つ…、その意思表示だけで、充分に牽制の役には立つ…、って話しなのか…。そして、それに乗っかると、梯子をはずされて、孤立するっていう結末だけは、もうゴメンだぞ…。
 いずれ、日本は中国とロシアの二国を、同時に敵に回す愚だけは、何としても回避しないとな…。

 ロシアは、エネルギー資源大国で、特に天然ガスについては、ヨーロッパ各国は大きくそれに依存している。

欧州の天然ガスパイプラインの分布

欧州における天然ガスパイプライン_s

 このように、ヨーロッパ全土に網の目のようにガスパイプラインが敷設され、その相当数がロシアからの天然ガスだ。

各国の依存度

天然ガス供給のロシア依存度_s

 バルト三国とフィンランドは、100%だ。ブルガリア、スロバキア、ハンガリーの旧衛星国は80%以上、スロベニア、オーストリア、ポーランドが60%くらい、意外なところでは、トルコが6割くらいの依存度だ。ドイツが、4割くらい(フランスからも、電力供給を受けてるはずだが、旧東独をかかえているんで、その関係もあって、ロシアから天然ガスも買っているんだろう)。
 原子力大国のフランスは、16%…。そこから、電力の供給を受けているスイス、ルクセンブルクは2割くらい。
 北海油田のある英国が0なのは、当然だ。同じく、北海油田のあるノルウェーが見当たらないな…、と思ったら、EU未加盟国だった。スウェーデンは、ノルウェーから供給を受けているんだろう。
 スペイン、ポルトガルは、むしろ北アフリカ方面から供給を受けているんだろう。ジブラルタル海峡のあたりに海底パイプラインでも、有るんじゃないか。マップだと、ちょっと赤いラインが見えてるが、途中で切れてて、判然とはしないな…。

ヨーロッパ諸国のエネルギーの相互依存

ヨーロッパ諸国のエネルギーの相互依存_s

 ああ、こっちのマップで見ると、明かだ…。やはり、ジブラルタル海峡にパイプラインが敷設されてるようだ…。
 面白いのは、イタリアだ。南部は、北アフリカ方面から、北部は、ロシア方面から供給されてるようだ…。
 スウェーデンは、ノルウェーからではなく、デンマーク経由で北海油田地帯の天然ガスの供給をうけているんだな…。
 スウェーデンとノルウェー間には、スカンジナビア山脈ってのがあって、とてもパイプラインは敷設できない地形のようだ…。

スカンジナビア半島の地形図
スカンジナビア半島、地形図_s

 こんな風に、各国とも対立しながら相互に依存関係にある…、ということだ。
 しかし、「依存関係」というものは、直ちに「従属関係」に陥りがちだ…。
 「独立」を保持するには、「相互」依存関係(平たく言えば、「持ちつ、持たれつ」の関係)である必要がある。
 そこが、難しいところだな…。

海自がやってる、「遠洋練習航海」ってのがある…(その2)

フィリピン周辺海域から、インドネシア近辺で、赤道を通過することになる。

その時、行われたと見られるのが、これだ。
赤道祭

赤道祭

神主や、巫女まで登場してるようだな…。

ジャカルタ入港

ジャカルタ入港_s

東南アジア及びアジア、インド方面の物流の一大拠点だ。大量のコンテナが、見受けられる。

そして、おそらくチョーク・ポイントの一つたるズンダ海峡を脱け、インド洋方面に向かった、と思われる。

洋上訓練

洋上訓練6_s

洋上訓練8_s

艦艇間の情報のやり取りは、通常は無線なんかで連絡し合うものと思われるが、どうしても人の往来が必要な時は、こんなリフトみたいなものも、使うんだろう…。相当、難易度は高そうだ…。

そして、インド洋を抜け、アラビア半島近辺へとやって来る。
最初に寄港したのは、UAE(アラブ首長国連邦)のフジャイラだ。

フジャイラ入港
フジャイラ(UAE)入港_s

次は、同じくUAEのアブダビだ。

アブダビ(UAE)入港_s

砂漠地帯に忽然と現れる高層ビル群と、おそらく砂煙だと思われるが、それが霞んで見えるのが、幻想的だ…。

次は、バーレーンのミナサルマンだ。
ミナサルマン入港
ミナサルマン(バーレーン)入港2_s

何かの遺跡のようだな…。おそらく、要塞の遺跡だろう…。古くからの、海運の要衝地だ…。

ミナサルマン(バーレーン)入港_s

移動中の様子だ…。おそらく、歓迎セレモニーの会場に向かう途中なんだろう…。

上記、3港は、ホルムズ海峡にある要衝地だ…。対岸は、イラン領だ…。ここが封鎖されると、日本だけで無く、インド、東南アジア、中国、韓国、ヨーロッパ及び全世界に影響が及ぶことになる…。
その時は、世界経済はガタガタになって、オイルショックの時みたいなことに成り兼ねない…。

その後、アラビア半島の先端を回って、アラビア半島の西側に回って行く…。

そして、サウジアラビアのジッダに入港する…。

ジッダ入港

ジッダ(サウジアラビア)入港_s

やはり、砂漠地帯の中に、忽然と近代的ビル群が現れる感じだな…。

ジッダ(サウジアラビア)入港2_s

歓迎セレモニーの様子だろう…。万国共通で、子供は可愛いよな…。

西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)というものを、開催したようだ…。

西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)

西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)_s

西太平洋海軍シンポジウム_s.jpg

西太平洋海軍シンポジウム2_s

それぞれが、将来は自国の海軍を背負って立つ人材だ…。当然、英語で議論し合ってるんだろうな…。

そして、スエズ運河を通過し、地中海を渡って、スペインのバルセロナに寄港する…。この間が、8日くらいだ…。それくらいは、水と食料の補給無しでも、活動が可能…、ということか…。

バルセロナ入港

バルセロナ(スペイン)入港_s

夜になって、寄港したようだ…。観光絵ハガキみたいに、キレイな景色だな…。

しかし、現実は厳しい…。

親善訓練 スペイン海軍「MENDES NUMEZ」

親善訓練 スペイン海軍「MENDES NUMEZ」_s

 「親善訓練」とあるから、必ずしも「有事」を想定した「演習」では無い…、ということか…。
 お互いの操船技倆を披露し合うということか…。
 しかし、武道の試合に見られるように、対面して向き合えば、それぞれの実力がどの程度のものかは、直ぐ分かる…、ということなんだろう…。そうやって、お互いに「コイツ、手強い…。」と思わせて、味方になるときは、安心させ(または、味方になる方向に誘導し)、敵になるときは、抑止力を高める(または、敵対しない方向に誘導する)という話しなんだろうな…。

海自がやってる、「遠洋練習航海」ってのがある…(その1)

http://www.mod.go.jp/msdf/operation/training/enyo/2018/

「平成30年度遠洋練習航海
遠洋練習航海とは
海上自衛隊の遠洋練習航海は、(海上自衛隊幹部候補生学校の一般幹部候補生課程を卒業した)初級幹部に対し、外洋航海を通じて、学校等において修得した知識・技能を実地に修得させるとともに、慣海性をかん養し、幹部自衛官として必要な資質を育成するために実施しております。
また、諸外国を訪問することにより、派遣員の国際感覚のかん養に資するとともに友好親善の増進にも寄与しています。
昭和32年以降、毎年、実施しており、平成30年度で62回目となります。」、と言うようなものだ。
海上自衛隊幹部候補生学校(昔の海軍兵学校だ)卒の将来の士官候補生達に、外洋航海させて、「慣海性をかん養」する(まあ、勝海舟みたいに、海軍奉行のくせに船酔いが酷くて、外洋を航行すると、船室から一歩も出られなかった…、と言うんじゃ、ちょっとみっともないからな…。まあ、勝海舟の値打ちは、そういうところには、無かったんだろうがな…)と共に、各国の海軍士官と交流して、友好親善を促進し、国際感覚も養おう、というものだ。
有り体に言えば、日本の「シーレーン確保」の策の、一環というわけだろう。
驚いたのは、昭和32年から毎年実施されていて、今年で62回目になるということだ。
国内マスコミでは、全く報道されていないんで、全く知らなかった。
海自のホームページにアクセスして初めて、知った。
なるほど、そういう地道な活動の上に、オレらの日常の安穏な生活が乗っかっているわけだ…。
上記のURLにアクセスすると、動画や写真がたくさん挙がっている。
日本国民のはしくれとして、彼らに感謝し、陰ながら応援する意味で、ここに一部の写真を転載し、拡散することに一役買おうと思う。

遠洋練習航海、航路概要は、こんな感じのものだ。
遠洋練習航海、航路概要_s

文章で説明すると、
「平成30年度遠洋練習航海について
期間
平成30年5月21日(月)~10月30日(火)(163日間)

派遣部隊
指揮官 練習艦隊司令官 海将補 泉 博之(いずみ ひろゆき)
艦長 練習艦「かしま」 1等海佐 金子 純一(かねこ じゅんいち)
護衛艦「まきなみ」 艦長 2等海佐 大日方 孝行(おびなた たかゆき)
派遣人員 第68期一般幹部候補生課程修了者約190名(うちタイ王国海軍少尉1名)を含む約580名
訪問予定国(10カ国、12寄港地)
インドネシア共和国(ジャカルタ)
アラブ首長国連邦(フジャイラ、アブダビ)
バーレーン(ミナサルマン)
サウジアラビア王国(ジッダ)
スペイン(バルセロナ)
スェーデン王国(ストックホルム)
フィンランド共和国(ヘルシンキ)
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(ポーツマス)
メキシコ合衆国(マンサニージョ)
アメリカ合衆国(ノーフォーク、パールハーバー)
総航程 約58,000km」
というようなもので、5か月以上に渡って洋上を航海し、地球を一周する、というものだ。
大航海だな…。タイ王国海軍少尉も1名参加しているようだ…。
しかも、ただ航海するだけじゃない。洋上で各種の訓練をこなしながらだ…。また、各国の海軍と、合同で演習をやりながらだ…。また、各寄港先で各種の歓迎セレモニーを、こなしながらだ(キチンと正装して、臨んでいる)…。
そうやって、日本海軍(呼称は、海上自衛隊だがな)の実力と、威容を示し、寄港先に好印象を与えるべく、任務を遂行しているんだよ。

それじゃ、写真を貼って行こう。
呉出港
呉出港_s

出国行事
出国行事_s
子供がいる人も、いるようだ…。「早くかえってちてね」とか、言ってるのかもな…。
上記のマップによると、「横須賀」から出国したとあるが、一枚目は「呉出港」だ。西日本組は呉に、東日本組は横須賀に集結でもしたものか…。

洋上訓練
洋上訓練等(ヘリ)_s

洋上訓練9_s
艦載ヘリの、発・着艦訓練のようだ…。

フィリピン周辺海域に入った。
その時、行われたのが、次のセレモニーだ。

レイテ沖 洋上慰霊祭
レイテ沖 洋上慰霊祭_s

 大日本帝国海軍は、太平洋戦争において、三つの大海戦を戦っている。
 ミッドウェー海戦( https://ja.wikipedia.org/wiki/ミッドウェー海戦 )、マリアナ沖海戦( https://ja.wikipedia.org/wiki/マリアナ沖海戦 )、レイテ沖海戦  ( https://ja.wikipedia.org/wiki/レイテ沖海戦 )の三つだ。
 最初のミッドウェー海戦で、空母と艦載機と重要な戦艦と多くの指揮官や戦闘員を失い、後の作戦行動は、著しく不利な戦いとなった。
 しかも、初戦のミッドウェー海戦は、敵が集結している基地を、こちらから出向いて行って、叩こうとしたものだ。
 長官の山本五十六は、米国留学組だ。米国の生産力、国力の分厚さは、知り抜いていたことだろう…。それで、いずれジリ貧になることは、目に見えている…、守りを固めていたところで、勝ち目は無い、一か八かの短期決戦をするしかない、という戦略を立てたんだろう…。
まあ、真田幸村が、3千の兵力で2万の徳川軍に突入して、家康の首級を挙げようとしたのと、同じようなものですな…。

 その結果、第二戦のマリアナ沖海戦でも、「マリアナ沖海戦の敗北、それに伴うあ号作戦の失敗は、日本の戦争継続に大きな影響を及ぼした。全力をあげての決戦で、機動部隊は3隻の空母、搭載機、搭乗員の多くを失い再起不能となった。基地航空部隊も壊滅して作戦継続不能の判断のもと、被害防止対策、特攻使用などの打開策が必要になり、当分反撃戦力を有しない状況となった。マリアナ、ビアクの失陥は連合軍にフィリピン、沖縄進攻の重要拠点を与える結果になった。アメリカのマリアナ基地獲得は大型機による日本本土空襲を可能にし、潜水艦も活発に前進できるようになり、フィリピン進攻に必要な要地攻略が容易になった。さらにあ号作戦の失敗で東条英機内閣の総辞職が行われた」という結果となった。

 それでも、残存戦力を掻き集め、乾坤一擲の戦いを挑んだのが、第三戦のレイテ沖海戦だ。
 その時の参謀達のやり取りが(関係記録とか、関係者への聞き取りとかで、後に再構成したものだろう)Wikiに載っているので、引用しておこう。
『第一遊撃部隊を船団攻撃のためレイテ湾に突入させるという作戦を聞いた小柳少将は、神大佐と以下の議論をしたと証言している。
小柳 第2艦隊参謀長
「この計画は、敵主力との撃滅を放棄して、敵輸送船団を作戦目標としているがこれは戦理の常道から外れた奇道である。我々は飽くまで敵主力撃滅をもって第1目標となすべきと考えているのだが。」
神 連合艦隊参謀
「敵主力の撃滅には、機動部隊の航空兵力が必要です。しかしサイパン攻防戦で大打撃を受けた機動部隊と航空隊の再建には、少なくとも半年の日時が必要です。いまは、その余裕が全くありません。同時に敵が次の目標としているのがフィリピンであることは明白です。そこでフィリピンの基地航空兵力と呼応して、第一遊撃部隊の全力をもって敵上陸船団を撃滅していただきたい。それがこの作戦の主眼なのです。」

小柳
「よろしい、敵の港湾に突入してまで輸送船団を撃滅しろというなら、それもやりましょう。一体、聯合艦隊司令部はこの突入作戦で水上部隊を潰してしまっても構わぬ決心なのですか?」


「フィリピンを取られたら本土は南方と遮断され、日本は干上がってしまいます。そうなってはどんな艦隊をもっていても宝の持ち腐れです。どうあってもフィリピンを手放すわけにはいきません。したがって、この一戦に聯合艦隊をすり潰しても、フィリピンを確保できるのなら、あえて悔いはありません。国破れてなんの艦隊やある。殴り込みあるのみです。これが長官のご決心です。」

小柳
「そうですか。連合艦隊長官がそれだけの決心をしておられるのなら、よくわかった。ただし突入作戦は簡単に出来るものではありません。敵艦隊はその全力を挙げてこれを阻止するでしょう。したがって、好むと好まざるとを問わず、敵主力との決戦なくして突入作戦を実現するなどということは不可能です。よって、栗田艦隊はご命令どおり輸送船団を目指して敵港湾に突進するが、万一、途中で敵主力部隊と対立し、二者いずれかを選ぶべきやという場合、輸送船団をすてて、敵主力の撃滅に専念します、差支えありませんか?」

「差し支えありません。」

小柳
「このことは大事な点であるから、よく長官に申し上げて欲しい。」


「承知しました。」
(佐藤和正『レイテ沖海戦~日米海軍最後の大激突』上巻より)』
 
 いやいや、「国破れてなんの艦隊やある。殴り込みあるのみです。」とか、ヤクザのカチ込みじゃないんだから、もっと冷静に慎重に利益衡量しろよ、と言いたくなる話しだな…。

 その結果、
『日本軍
1.損失 戦艦:武蔵、扶桑、山城
航空母艦:瑞鶴、瑞鳳、千歳、千代田
重巡洋艦:愛宕、摩耶、鳥海、最上、鈴谷、筑摩
軽巡洋艦:能代、多摩、阿武隈、鬼怒
駆逐艦:野分、藤波、早霜、朝雲、山雲、満潮、初月、秋月、若葉、不知火、浦波
潜水艦:伊26、伊45、伊54

2.損傷(作戦途上で後退した艦艇) 重巡洋艦:高雄、妙高、熊野、青葉、那智
駆逐艦:初霜、浜風

※この他にも参加艦艇の多くに損傷有り。また作戦参加後の内地帰還時に戦艦金剛(11/21)、重巡洋艦熊野(11/25)、駆逐艦浦風(11/21)がアメリカ軍の攻撃により沈没。一部の艦艇は内地帰還前にマニラ湾に進出[注釈 69]し、レイテ島への増援輸送作戦多号作戦などに投入され重巡洋艦那智(11/5)、駆逐艦島風(11/11)、若月(11/11)、長波(11/11)、浜波(11/11)、初春(11/13)、沖波(11/13)、秋霜(11/14)、曙(11/14)、桑(12/3)、岸波(12/4)、らがレイテ島を巡る攻防で失われた。』という結果となった。
 
 その結果、多くの将官・乗員がレイテ沖に沈んだ艦船とともに海の藻屑となったんだよ…。

レイテ沖海戦図
レイテ沖海戦図_s