安保史映すミサイル防衛 迎撃頼みに限界

安保史映すミサイル防衛 迎撃頼みに限界
中ロが新兵器 「報復力の抑止」に回帰も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61085380S0A700C2000000/

『世界のミサイル防衛は転換期に入った。米国がロシアや中国との軍事優位を保つ要素としてきた迎撃ミサイルへの信頼が揺らぎ、攻撃されたら報復する冷戦期型の抑止の比重が再び高まってきた。迎撃が難しい新型ミサイルの開発が進んだことが主因である。戦後の安全保障史を映し出すミサイル防衛の変遷は日本の安保政策とも密接に絡む。

日本政府は6月24日の国家安全保障会議(NSC)で地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画の断念を決めた。発射時に使うブースターを確実に安全な場所に落とせないと判明したからだと説明した。政府・与党内にはかねて配備の実効性に疑問が出ていた。』
『放物線を描く弾道ミサイルを撃ち落とす日米の迎撃システムは変則的な軌道で飛来する北朝鮮や中国の新型ミサイルに対処できないとの指摘があった。自民党では迎撃システムだけでなく敵基地攻撃能力も持つべきだとの意見が増えてきた。これはミサイル防衛の世界的な潮流である。』
『ミサイル防衛には2つの考え方がある。一つは迎撃などでミサイルを防ぐ能力を持つことにより敵の攻撃する意思をそぐ「拒否的抑止」、もう一つは強烈な報復能力を示すことで攻撃をためらわせる「懲罰的抑止」だ。

ミサイルを防ぐ盾を持つか報復する矛を持つか、という整理である。敵の発射を防ぐための敵基地攻撃は「拒否的抑止」に分類されるものの「懲罰的抑止」につながり得る矛の能力といえる。』
『冷戦期は矛の比重が大きかった。米ソは1960年代、先制攻撃を受けた場合に相手に核兵器で破壊的なダメージを与える報復能力を示すことで互いを安易に攻撃できない環境に置いた。矛と矛を突き合わせる相互抑止の考え方で「相互確証破壊(Mutual Assured Destruction=MAD)」と呼ばれた。

象徴的なのは米ソが72年に迎撃ミサイルの配備を制限する弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を結んだことだ。盾(ABM)があれば矛(核兵器)を使うハードルは下がる。それなら互いに盾を持つのをやめた方が怖くて核を使えなくなるという「恐怖の均衡」の考え方だった。』
『冷戦が終わると状況は変わった。勝者になった米国は迎撃ミサイル開発に本腰を入れ始めた。クリントン米政権は93年に弾道ミサイル防衛(BMD)計画を発表し、日本など同盟国にも参画を求めた。

91年の湾岸戦争で米軍はスカッドミサイルによる攻撃を受けた。北朝鮮は98年に弾道ミサイル「テポドン」を発射した。防衛大の石川卓教授は「ならず者国家へのミサイル防衛が必要だという認識が米国で広がった」と指摘する。

この流れをブッシュ米大統領が加速させた。2001年にミサイル防衛(MD)計画を発表し、02年にはABM条約を脱退した。

日本も03年に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の導入やイージス艦への海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載を決めた。イージス・アショアの配備計画はこの延長線上にあった。』
『ロシアや中国は米国のミサイル防衛網を突破する新兵器の開発に力を注いだ。たとえば変則軌道で飛ぶミサイルは既存の迎撃システムが対処しにくい。目に見える形で顕在化したのが19年だった。

同年5月以降、北朝鮮が低高度で変則軌道を描く新型ミサイルを相次いで発射した。中国は10月に極超音速ミサイル「東風17号」を初公開した。ロシアは12月に極超音速ミサイル「アバンガルド」を実戦配備したと公表した。

米国も対抗するような動きを示した。同年8月、18年に表明した通りロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約を失効させた。新たな矛として中距離ミサイルの開発を再開するためだった。

ミサイル防衛は矛と盾の組み合わせで構築するものだ。従来の弾道ミサイルに対処する迎撃システムの必要性はなくならないとはいえ、矛に頼る比重が増してきた。』
『石川教授は「盾が主流の時代は短かった。我々は矛の時代に回帰しつつある事実を受け入れる必要がある」と語る。国際関係論が専門の鈴木一人北大教授は「ミサイル防衛で米国優位になっていた軍事バランスが元に戻りつつある」と指摘する。

ミサイル防衛を巡る盾と矛の議論は日米同盟で日本を専守防衛の盾、打撃力を担う米国を矛と呼ぶのと重なる。米国は同盟国により大きな役割を求めるようになり、状況は変化しつつある。

ドイツ駐留米軍の削減計画を公表し、在韓米軍の駐留経費交渉は長期化している。日本との交渉も近く始まる。同盟国は自前の抑止力を備える必要性が高まる。

日本国際問題研究所の戸崎洋史主任研究員は北朝鮮が日本に攻撃を仕掛けた場合の想定として「米国による防衛が間に合わない状況になれば、日本は独自の敵基地攻撃も考えざるを得ない」と述べる。』
『鳩山一郎首相が国会で敵基地攻撃が自衛権の範囲内だと答弁したのは1956年のことだった。敵の攻撃を防ぐために他の手段がなければ憲法9条にも反しないと解釈した。政府は先制攻撃と区別し、国際法上も認められるとの立場をとる。

日本はそれから半世紀以上も必要な装備の導入をしていない。自民党内の議論再燃はミサイル防衛の軸足が「盾」から「矛」に移る世界の潮流と軌を一にする。安保環境の変化を踏まえた流れだといえる。

敵基地攻撃という言葉に抵抗感がある人はいるものの、迎撃が難しい北朝鮮や中国の新型ミサイルへの抑止力として必要だとの見方は強まっている。政府は今夏、新たな安保戦略の策定作業に着手する。机上の空論ではなく現実の脅威を見据えた議論をしてほしい。(安部大至)』

特定秘密保護法が改正 対中防衛で情報共有が米から英仏など4カ国へ拡大

特定秘密保護法が改正 対中防衛で情報共有が米から英仏など4カ国へ拡大
https://www.epochtimes.jp/p/2020/07/59091.html

日本はインド、オーストラリア、英国との情報共有を深める
https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Japan-deepens-intelligence-sharing-with-India-Australia-and-UK

『東京 — 日本は、インド、オーストラリア、英国などのパートナーと防衛情報を共有する上での協力を拡大し、米国以外の国々との交流を含む国家機密法の範囲を広げようとしています。

この拡大は先月、東京の最も近い同盟国であるワシントンを既にカバーしている法律の基準を改正した。論争の中で2014年に制定されたこの法律は、防衛、外交、テロ対策などの分野をカバーする「日本の国家安全保障に深刻な損害を与える」リスクがあると考えられる秘密を漏らしたとして、最長10年の懲役刑を科す。

外国軍からの情報を国家機密として分類することは、装備開発のための合同演習や提携を容易にする。また、中国軍の動きに関するデータを共有することも容易になり、東京が自国で北京の活動を追跡することが難しくなっているため、ますます重要な問題となっています。』
『中国沿岸警備隊の船は、中国が釣魚島と主張する日本が管理する尖閣諸島周辺の東シナ海の海域を木曜日に記録的な80日連続で航行した。中国政府は、重要なシーレーンである南シナ海に対する効果的な支配を強化した。

この法律の変更は、英国、オーストラリア、インド、フランスを対象としており、日本は双方に機密防衛情報を秘密にすることを義務付ける協定に署名している。リークのリスクを減らすことは、これらの国々が機密データを共有することを奨励する必要があります。

この改正は、2016年に施行された安全保障法制に基づくより広範な協力を促進し、東京が日本に脅威を与える状況で、集団的自衛権を行使し、他の軍隊に燃料と弾薬を供給する権利を行使させる役割を果たす。このようなタスクを実行するには、これらの力のサイズ、容量、および操作領域に関する情報が必要であり、これには非常に秘密のデータが含まれる可能性があります。』
『この動きは、近年の防衛パートナーシップで東京が分岐する傾向を反映している。昨年秋、日本の自衛隊とオーストラリア軍が日本で初めて戦闘機を含む合同訓練を実施し、海上自衛隊は2015年から毎年米印マラバル海軍演習に参加しています。

提携には防衛装備品の共同開発も含まれており、強力で分類された技術を共有する必要が生じることが多い。日本と英国は空対空ミサイルのプロトタイプを作り、東京はパリと提携して無人クラフトを使って水中鉱山を検出する技術を開発している。

日本は、2030年代半ばに配備予定のF-2戦闘機の後継戦闘機の開発に英国を関与させる計画です。東京はロンドンを主なパートナーとしてワシントンを選んだが、日本は自国の次世代戦闘機に取り組んでいる英国とステルス技術を共有しようとしている。』

次期戦闘機、日米官民協議始動 年末に大枠の計画
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61165740T00C20A7EA3000/

中国船の領海侵入続く 尖閣周辺で、3日連続

https://www.sankei.com/politics/news/200510/plt2005100006-n1.html

中国、入国制限緩和探る 日本に打診 「陰性」が条件
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58936730R10C20A5EA1000/

新型肺炎から垣間見えた、対中・半導体ビジネスの危うさ 「中国製造2025」にどう向き合うか
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00029/

『先日、武漢からチャーター便で日本人数百人が帰国した。そのうち約半数は自動車関連の従事者であったが、残りの大半は半導体関連の従事者だった。日本の半導体製造装置メーカーの技術者がそうした工場の建設とメンテナンスに関わっているのだ。』

 ※ そういうことで、日本に圧力をかけて来ているんだろう…。
 後は、「習近平氏国賓訪日」への圧力だろうな…。天安門後の西側世界で、いの一番に日本が「天皇陛下(現上皇様)」の訪中を行った…。それが一種の「お墨付き」になって、他の西側各国との関係改善が進んだ、と言われている…。今回も、その再来を目論んでいる…、と思われる…。それで、盛んにプレッシャーをかけて来ているんだろう…。
 むろん、「台湾」問題へのけん制もある…。

 ※ それより、注意しなければならないのは、以下のようなことだ…。

問われる日本の「天安門後」外交=学生弾圧に涙した現場-欧米と一線、対中関係改善(2019年06月01日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019053100939&g=int
『89年12月、日本の対中姿勢を非難したスコウクロフトが実は同年7月初めに極秘訪中し、トウ小平と会談していたことが判明した。外務省では、米の「二枚舌」外交に怒り心頭だったが、栗山は「日本は早く円借款の凍結解除をしたい思惑があったのである意味渡りに船で、今度は日本が米側を利用した」と実情を明かした。』
『92年には中国側の求めに応じて天皇訪中が実現した。慎重な対中外交を取るべきだと主張した橋本が、駐中国大使でありながら一時帰国を繰り返し、難色を示す自民党有力議員を説得し、実現の立役者になった。』
『しかし当時の中国外交を統括した銭其シンが後に回顧録で、西側諸国による対中制裁を打破する上で天皇訪中を利用したことを認め、当時の外務省幹部は中国に裏切られた思いを強くした。』

 ※ こういう風に、「外交」というものは、「狐と狸の化かし合い」…、一筋縄ではいかない「虚々実々」の駆け引きなんだよ…。まず、「舌」は、「何枚もある」と思っていないとならない…。逆に、こっちも「何枚も備えておかないと」ならない…。

【新型コロナ】国内回帰+ASEAN

【新型コロナ】国内回帰+ASEAN…自動車や電機の供給網多元化を急ぐ政府の狙い
https://newswitch.jp/p/22144

『経済産業省はサプライチェーン(部品供給網)の多元化に関する枠組みをまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大で露呈した製造業の課題に対し、国内回帰の動きを推進する一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国での新たな供給網確立を促す。早ければ5月から公募を開始し、2024年度までの事業期間による展開を見込む。

支援事業はサプライチェーン強靱(きょうじん)化を目的にASEAN各国での設備導入や実証試験、企業化調査(FS)などを対象に実施する。災害や国際情勢の急激な変化などの発生を想定し、部素材の供給元や製造拠点の複線化によるリスク低減につなげる。在庫管理システムや生産管理システムなどデジタル技術の活用によるネットワーク構築の動きも後押しする。

新型コロナで需要が劇的に拡大したマスクなどの衛生関連製品のほか自動車、電機、医療機器など製造業全般を対象とする。投資額に対して大企業は2分の1、中小企業や企業グループはそれぞれ3分の2、4分の3の補助率を検討している。

事業は「日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)」の枠組みを活用。供給網確立には複数年を要するため、政府からAMEICC事務局へ拠出する方法で進める。

経産省は製造業の国内回帰を掲げる一方、グローバルなモノづくり体制維持と調達経路分散化を目的に、補正予算に「海外サプライチェーン多元化等支援事業」として235億円を計上している。

日刊工業新聞2020年5月6日』

※ こういう動きは、今後、世界で加速して行くだろう…。

日本は、鉱物資源大国になるのか…

※ 「海洋鉱物資源」については、前に投稿を上げたことがある…。

「もう一つ、ここの海域が重要である理由」 ( https://http476386114.com/2019/02/02/%e3%82%82%e3%81%86%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%80%81%e3%81%93%e3%81%93%e3%81%ae%e6%b5%b7%e5%9f%9f%e3%81%8c%e9%87%8d%e8%a6%81%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8b%e7%90%86%e7%94%b1/ )

※ この話題について、重要な記事を見つけたんで、遅ればせながら投稿しておく…。2018年4月10日の記事だ…。この頃は、ちょっと個人的に、バタバタしていたんで、投稿を作っている時間が無かった…。大分前の話になるが、まあ年末も近いし、いいだろう…。

「南鳥島のレアアース、世界需要の数百年分 早大・東大などが分析」(2018年4月10日)( https://r.nikkei.com/article/DGXMZO29216170Q8A410C1EA2000?n_cid=NMAIL007&s=3 )

まず、南鳥島の位置からだ…。前提として、日本国の領海・EEZ(排他的経済水域)を確認しておこう…。

日本国は、陸土は狭いが、領海・EEZを合わせた支配海域は、世界有数の国家だ…。

これによると、堂々の世界第6位…、ということだ…。

南鳥島の位置を、地図で確認するとこんな感じ…。「日本国最東端の島」…、ということだ…。

上空からの撮影写真は、こんな感じ…。なんか「電波塔」みたいなものも、建っているようだな…。

その南鳥島から半径370キロメートルの海域に、なんと「世界需要の数百年分(!)のレアアース」があることが判明した…、という話しだ…。

単なる「与太話」では無く、キチンと科学的に実証・解明し、その研究成果は「科学論文」雑誌にも、掲載された…。

「The tremendous potential of deep-sea mud as a source of rare-earth elements」( https://www.nature.com/articles/s41598-018-23948-5 (10 April 2018)

※ 以下では、このサイトの論文紹介記事からキャプチャした画像と、説明文をグーグル翻訳にかけたものを、貼っておく…。

『1 調査地域の地域および海底地形図。星印はピストンコアリングサイトを示し、色分けは凡例に記載されている各研究航海に対応しています。詳細マップに示されている白い長方形は、リソース量の推定が行われたターゲットエリアです。測深データはETOPO1(NOAAの国立環境情報センター; https://www.ngdc.noaa.gov/mgg/global/global.html)から取得しました。右のパネルにあるものは、本文で言及されている各研究航海によって得られました。両方のマップは、Generic Mapping Tools(GMT)ソフトウェア(https://www/soest.hawaii.edu/gmt/)バージョン4.5.8 29を使用して作成されました。』

『2 海底から10 mbsfまでの泥と平均深度1 mの泥の平均ΣREYの濃度マップ。対象エリア(図 1)は、24のエリア(A1〜D6)に分割されています。マップはArcGISによって生成され、2,400グリッド(60×40)で表示されます。コアリングサイトは白い円で示されています。』

『3 EPMAおよびLA-ICP-MSによって決定されたBCP粒子のΣREY。縦軸は、分​​析の合計値[%](左軸)とサンプルの頻度(右軸)を示しています。BCPのΣREYと合計値の間には、中程度の負の相関(灰色の網掛け部分)が見られます。』

『4 テストふるいを用いた粒度分離実験から得られた各画分のΣREY、重量分布、およびREY量分布[%]。』

『5 テストふるい(20 µmを超える成分のΣREY/元のサンプルのΣREY)とハイドロサイクロン分離器(アンダーフロー成分のΣREY/元のスラリーサンプルのΣREY)を使用した粒度分離実験によるΣREYの濃度係数。元のサンプル、アンダーフローコンポーネント、およびオーバーフローコンポーネントのデータは、それぞれグレー、レッド、ブルーで表示されます。ピンクの網掛け部分は、元のサンプル/スラリーのΣREYに対する粒度分離の予想される濃縮係数を示しています。』

ロイターに、この論文の評価記事が載っているんで、それも紹介しておく…。

 『科学誌ネイチャー・サイエンス・ジャーナル4月10日付によると、日本の早稲田大学と東京大学の合同研究チームの調査で、小笠原諸島に属する日本最東端の島・南鳥島の周辺には1600万トン超ものレアアース(希少類)が発見された。これは世界需要の数百年分に相当する。
希土類鉱物は、電池、電気自動車、スマートフォン、ハイブリッド車、レーダー装置、ミサイルシステム、太陽光パネルなど、あらゆるハイテク機器の製造に必要だ。
ネイチャー誌によると、南鳥島のレアアースは、たとえば世界需要の概算で、携帯電話向け液晶やカメラレンズ、超伝導体に使用される各希少類400~780年分に相当するという。むしろ「ほとんど無制限に世界に供給する量がおそらく埋蔵されている」とも指摘した。
研究チームは発表資料で、レアアースについて「再生可能エネルギー技術やエレクトロニクス、医療技術分野など、日本の最先端産業に必須の金属材料」とし、「日本EEZに莫大(ばくだい)なレアアース泥が確認されたことは、日本の資源戦略に対して非常に大きなインパクトだ」とした。』
 『希少類は、世界の情報技術経済において、極めて重要だ。そして中国は世界の供給量と価格を何十年も支配し、独占し、操作してきた。ネイチャー誌によると、2010年、中国が希土類の輸出を抑制した結果、世界のレアアース価格が10%上昇した。
希少土情報ニュース「マイナー・コム」によると、2015年に米国唯一の希土類鉱山だったカリフォルニア州マウンテン・パス鉱山は操業を停止し、2017年6月に中国企業シャンシェ・リソースにより買収された。
市場調査会社テクノロジー・メタル・リサーチの創業者ジャック・リフトン氏は、このたびの南鳥島での発見について「日本にとってゲームチェンジャーになる」とした。
南鳥島のレアアース発見により、日本は中国の市場独占を破り、主要なグローバルサプライヤーになる潜在的な力があるといえる。日本にとっての課題は、高価すぎない抽出方法を開発することだ。』

※ 日本国の支配海域には、こういう海洋鉱物資源が存在している…。

しかし、いずれも「水深3000メートル、6000メートル」の場所にあるんで、現状「絵に描いた餅」的なものだ…。

その生成のメカニズムの淵源は、「地球のマグマの活動」で、それが「海底熱水鉱床」というものを形成し、その周辺に高濃度の鉱物資源が存在することになる…。

そうすると、「商業ベースに乗るかもしれない。」と考える輩が必ずや生じ、「醜い大人の争奪戦」が繰り広げられることになる…。

「日本のレアアースを狙って 中国船が日本EEZで無断採取」(2018年4月20日)( https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20180420_00420180420 )

案外、最近、各国が日本に寄ってきているように見受けられるのは、こういうことも影響しているのかもしれない…。

それから、「科学技術の進歩」によって、それまでは「開発不可能」と思われていた「資源」も、開発可能なものとなることがある…。したがって、「自国の領土に関する主張」は、やはり、しっかりとして行かなくてはならない…、という話しになる…。

韓国「GSOMIA維持」の裏側、対日シナリオ崩壊と米国頼みの“万事休す”に

https://diamond.jp/articles/-/221694

※ これも、一読しておいた方がいい記事だ(会員記事だけど…。会員登録(無料だけど…)しないと読めない)。

「牧野愛博
朝日新聞編集委員
1965年生まれ。91年、朝日新聞入社。瀬戸通信局長、政治部員、全米民主主義基金(NED)客員研究員、ソウル支局長などを経て、19年4月から朝鮮半島、米担当の編集委員。著書に「絶望の韓国」(文春新書)、「ルポ金正恩とトランプ」(朝日新聞出版)など。」という人が、書いている…。

どっかのサイトにもあったが、日韓双方の交渉担当者の内部情報に通じた情報源からの、情報提供がある…、と見られる感じだ…。

さわりの部分を、紹介する…。

『11月6日午前、韓国外交省で康京和外相と会談した。スティルウェル氏が「GSOMIA破棄を撤回しない韓国に失望した」と、改めて米国政府の考えを伝えると、康氏は「失望する、失望すると何度も言わないでほしい」。苦悶と困惑の表情で返した。
 スティルウェル氏は午後には、GSOMIA破棄を主導した韓国大統領府の金鉉宗国家安保室第2次長とも面会した。
 スティルウェル氏が繰り返し、GSOMIA延長を求めると、金氏は「文大統領は8月15日の光復節演説で日本を批判しなかった。李洛淵首相も日本に派遣した。それなのに、日本は何も対応しないではないか」と反論した。』
『大統領府は、安倍首相が、10月24日、訪日した李洛淵首相と21分間にわたって会談したことに心証を良くしていた。同時に、自らが打ち出した「日本が輸出管理規制措置を撤回すれば、韓国はGSOMIA延長も検討できる」という原則に苦しんでいた。
 文政権の売り物は「原則(ウォンチク)」だ。
 国際社会が制裁を続けるなかでの北朝鮮への融和政策や、経済界が反発する最低賃金の大幅な引き上げなどの大胆な政策も、「目先の利益にとらわれない」基本原則がきちんとしていればこそだ。
 無原則な政策変更をすれば、保守・野党勢力に格好の攻撃材料を与え、一方で有権者の3割とも4割ともいわれる文政権の「コンクリート支持層」の離反を招く。
 そのことを意識して、対日関係改善についても、従来の原則が表向きは守られる形で妥協する「名分」を探ろうとしたのが、バンコク郊外での日韓首脳対話だった。
 だが、韓国側が一方的に考えたシナリオは簡単に崩壊した。』
『 北朝鮮が新型ミサイルなどの実験を加速させる一方で、米韓同盟が揺らげばどうなるか、すでに韓国側は今年5月にそれを身をもって体験していた。
 5月4日、北朝鮮は金正恩朝鮮労働党委員長が視察するなか、短距離弾道ミサイルを発射した。韓国軍合同参謀本部は当初、「短距離弾頭ミサイル」と発表したが、大統領府が「短距離発射体」と説明すると、慌てて表現をそう修正した。
 この迷走の原因は「米軍から事前情報をもらえなかったからだ」(韓国の軍事専門家)といわれている。』
『北朝鮮がミサイルを発射する場合、特に金正恩氏が参加する行事であれば、1~2週間前にはその兆候が現れる。米国の高高度偵察機や情報衛星などで現地の準備状況などを把握できるからだ。
 その場合、韓国政府内では事前に、混乱を避けるために表現の統一を図るが、5月に表現が混乱したのは、事前情報がなかったからだという。』
『 韓国は現時点で、衛星も高高度偵察機も持っておらず、従来は南北軍事境界線沿いでの偵察活動が有力な情報収集手段だったが、それも昨年9月の南北軍事合意後はやらなくなっている。』
『ただ、韓国大統領府はこの時点でも、まだ「日本による輸出管理規制措置の撤回確約」という、より韓国に都合の良い解決策にこだわっていた。
 GSOMIA延長を重要視する米国を頼り、「米国が日本を説得してくれるかもしれない」という期待を捨てきれなかったからだ。』
『11月18日から19日にかけ、韓国の外交安保政策の実質的統括者である金鉉宗国家安保室第2次長がワシントンを訪れた。
 米国に「日本が輸出規制措置の撤廃を確約しない限り、GSOMIAを延長できない」という韓国政府の方針に理解を求め、場合によっては「日本が言うことを聞かないので破棄するしかない」という結論への支持を求めると同時に、日本に対する説得を依頼するためだった。
 だが、金氏と面会したポッティンジャー米大統領副補佐官(国家安保担当)は、「GSOMIAは日韓関係とは別の問題だ。北東アジアの安全保障を維持するため、GSOMIAを維持してほしい」。改めて米国政府の強い姿勢を示した。』
『 とかく、トランプ米大統領の関心は駐韓米軍経費の削減といったカネの問題だけなので、ホワイトハウスの大統領スタッフらを説得すれば、GSOMIA延長にこだわる米国務省や米国防総省が騒いでも問題はない、という金氏らの計算は崩れた。』
『 最後に、日本に韓国に対し「救命ブイ」を投げるよう促したのは米国だった。
 名古屋で開かれるG20外相会議のために来日したスティルウェル米国防次官補が21日、東京で北村滋国家安全保障局長と面会。その席で北村氏に対し「日本もぜひ、柔軟な姿勢を発揮してほしい」と強く訴えた。
 この会談を受けて首相官邸が最終的にゴーサインを出したのは、韓国側が「条件付きで破棄を凍結」を発表した22日だった。』
『 安倍首相は22日夕、記者団に対して表情を変えることなく、「韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と述べた。
 素っ気ない言い方に聞こえたが、緻密に練られた発言だった。
 日本政府関係者の1人は、「韓国の措置を評価するとは言わない。だが、この間の韓国の迷走ぶりを批判もしない。表情管理もしっかりして、韓国に誤解を与えないように努めた」と語る。
 米国に頼まれた末、望まない形で至った「合意」であることを言外にアピールした格好になった。』
『 一方で日本側も解決の糸口が見えているわけではない。今回の協議の対象にならなかった徴用工判決問題も解決の糸口は見つかっていないままだ。日本政府関係者の1人は「実際、日本も韓国も米国の顔を立てただけ。日韓ともに、GSOMIAなんて要らないと思っている人も少なくはない」と語る。
 米国頼みで、とりあえずのGSOMIA「失効」は回避したものの、日韓が独自に関係改善を進める道筋は相変わらず見えないままだ。』

タイトルは、相当日本側に寄ったものになっているし、日本側の一部には、「パーフェクト・ゲームだ」なんて声もあるようだが、交渉事は、そういう類いの話しでは無い…。米国の日本側に対する圧力も、強烈だったようだ…。

二匹の仲の悪い子犬を、「頭を撫でたり、エサを与えたりして」手なずける…。他方で、厳しく、「伏せ!」「待て!」と叱咤して、しつける…。これに、最近では、もう一匹、威勢のいい若いのが、加わった…。そういうような、構図だな…。

そして、その背後には、恐ろしい二匹の猛獣が、控えている…。紅い火を吐くドラゴンと、獰猛な熊だ…。こういうものを、操り、意に従わせようとしているのだから、調教役も大変だ…。油断していると、すぐに「手を噛まれ」かねない…。

CSBAの対中国新構想「海洋プレッシャー戦略」に唖然とする(「東京の郊外より…」さん)

https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13

※ 米軍の、対中国軍に関する軍事戦略の貴重な情報と思うので、紹介する。

※ 元の報告は、ここのようだ。 https://csbaonline.org/research/publications/implementing-a-strategy-of-maritime-pressure-in-the-western-pacific/publication

※ 日本側でも、それを読んでの記事が、出されている。

中国の台湾や尖閣攻撃に対処する米最新戦略
米国有名シンクタンクCSBAが新戦略「海洋プレッシャー戦略」発表
2019.6.11(火)
渡部 悦和  https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56655

※ 上記CSBAの報告は、英文で、しかも.pdfなんで、グーグル翻訳に掛けるにもちょっと大変(84ページもある)なんで、例によってキャプチャした画像を貼っておくくらいしか、できないな…。あとは、上記の記事を、参考にしてくれ。

※ まず、この地域(西太平洋地域)における米軍のプレゼンスの要は、「グアムの米軍基地」なんだが、一旦、中国と事を構えるとなると、中国本土までの距離が、圧倒的な妨げとなる…。救援に駆けつけようにも、距離が遠すぎて、時間がかかる…。その間に、中国軍は電撃戦を展開でき、そうなれば、生じてしまったその軍事的なプレゼンスを排除するには、相当以上の手間と犠牲が、避けられないわけだ…。

※ 中国側から見た、東アジアの眺めだ…。韓国、日本国、台湾、東南アジア、フィリピン、インドネシア、オーストラリアの一部…。アメリカと相互防衛条約を結んでいる国(いわゆる、「同盟国」)が、多くある…。むろん、長年投資も行ってきたから、アメリカの権益・投資・資産も、たっぷり存在している…。

※ しかし、中国軍のミサイルの射程範囲は、こういう状況だ…。アメリカ御自慢の空母打撃群も、ミサイルの格好の餌食になるだけだ…。空母は、的がデカイし、動きが鈍重だからな…。むろん、イージス艦が護衛につくが、積める迎撃ミサイルの数は、限定されている…。中国ミサイルは、精度はそれほどでもないとして、めったやたら射ってくる(いわゆる、「飽和攻撃」)だろう…。

※ そういう状況で、考え出したのが、「海洋プレッシャー戦略」だ。敵ミサイルの命中精度を下げるべく、洋上艦は、妨害電波を放出し、地上では、迎撃ミサイル部隊が、連携して降り注いで来る敵ミサイルを迎撃する…。迎撃ミサイル部隊は、「マルチ・スペクタクル・カモフラージュ」を施して、敵の探査から逃れる(どういうものなんだろう…)。そうやって、何とか第一波のミサイル攻撃の効果を低下させ、致命的な打撃に至るのを回避し、兵力を温存する…、という作戦だ。

※ まあ、こういうもので、迎撃しようと言うのだが、とても間に合う話しじゃないような、気がするな…。

※ そう思ったんだが、PAC3を調べて行くうちに、そう捨てたものでもないな…、という情報に、当たったんで、少し訂正しておく。

※ まず、PAC3は、単発でなく、何発も発射できるんだ。上記イラストでも、5発射ってる(防衛白書平成30年版より)。

※ それから、一番上の発射直後の画像だと、いかにもミサイル本体を当てようとしている感じがするんだが、そうでは無く、弾頭部分から、ペレット状の榴弾を発射して、当たる確率を高める仕組みになっている。だから、相当程度の確率で、敵ミサイルを、空中で爆発させることができるらしい…。「とても間に合う話しじゃないような、気がする。」とか、勉強不足だったな…。

※ 誘導部は、電子回路の固まりだ…。細かく噴射を制御して、当たる確率を高めるんだろう…。

※ 次は、「インサイド・アウト戦略」だ。第一列島線内部にある戦力を、「インサイド戦力」とし、外部にある戦力を、「アウトサイド戦力」とする。「インサイド戦力」は、連携して第一列島線を死守し、地上ベースの航空機や、艦船を繰り出して、「アウトサイド戦力」が救援に来ることや、敵に致命的な打撃を加えるまで、持ちこたえる…。潜水艦や、ステルス爆撃機を繰り出しての敵の心臓部に打撃を与える「高度な作戦(朝鮮戦争の時の、インチョン上陸作戦みたいなものが、想定されているのか…)」が実行されるまで、持ちこたえる…。

※ 第一列島線内部の地上ミサイル部隊の、カバーしている範囲の図だ…。

※ 第一列島線内部の地上ミサイル部隊から、中国本土に向けて反撃した時の射程の及ぶ範囲を示した図だ…。1000キロと言うところが、ポイントか…。「イージス・アショア」のレーダーの範囲と、合致するな…。

※ 米軍保有のミサイルの弾道と、到達距離を示した図のようだ…。

※ 確かに、「東京の郊外より…」さんが、唖然としたように、第一列島線内部に生活している日本国民の立場からすれば、「総員玉砕しても、死守しろ!外部から反撃するまで、持ちこたえろ!」と言われているようにしか、聞こえないな…。

※ こういう軍事的な情勢下において、Fー35を大量に取得したり、ヘリ空母を、軽空母に改修したりすることに、どれだけの意味があるんだ…。それらを、どういう風に、使うつもりなんだ…。第一、それらをどこに隠しておくつもりなんだ…。

※ 誰が考えても、「兵糧攻め」しかない、んじゃないか…(秀吉じゃ、ないが)。

※ 現在の「兵糧」は、エネルギー資源、食料、情報(それも、技術情報)だろう。

エネルギー資源 ← シーレーン確保に動いているのを、邪魔する。「一帯一路」も、パイプライン確保と密接に絡むので、邪魔する。ウイグル自治区は、パイプラインの結節点なので、ウイグル族を支援する。CPECは、重要なパイプライン確保戦略の一つなので、破綻に追い込む…。

食料 ← 豚肉食にハマっているようなので、大豆(大豆油のしぼりカスが、豚の飼料になる)の確保の邪魔をする。豚コレラが蔓延しているようなんで、ワクチンなんかの情報にアクセスすることを、邪魔をする。

技術情報 ← 半導体を、自製することを遅らせる。製造装置を、売らない。設計ソフトを使わせない。5Gで覇権を握ることを、阻止する。留学生に、ビザを発給しない。ビザの延長は、認めない。学術団体(IEEEみたいな)からも、排斥する。

ドルの確保 ← まだまだ、基軸通貨はドルである。軍備増強の原資である、対米貿易黒字を、許さない。高関税を、かける。中国で生産することを、止めるように、圧力をかける。

※ みんな、トランプ政権が、やっていることだな…。

世界のメタンハイドレート開発の現状

アメリカに、「U.S.DEPARTMENT OF ENERGY」ってお役所がある            ( https://www.energy.gov/ )。

その傘下に、「The National Energy Technology Laboratory」という研究所がある( https://netl.doe.gov/ )。ここは、世界各国からエネルギー資源開発に関する研究や開発途中で得られたデータの論文なんかを受け付けて、定期的に刊行物(最近は、電子データ)にまとめて、世界各国の研究者や一般人がアクセスできるようにしている機関だ。むろん、自分自身でも研究・開発におけるデータを作成し、定期的に発表したりしている。

そこで、「Methane Hydrates」という検索をかけて、ヒットしたのが次のpdf だ。

・『2017-Methane-Hydrate-Primer[1].pdf』 

『Fire in the Ice, Volume 18 Issue 1』                             ( https://www.netl.doe.gov/node/6991 )

特に、1個目は、非常に参考になるんで、興味のある人は、自分で読んでみてくれ。一部を、紹介する。

まずは、お約束の「燃える氷」の画像と、原子モデルから。

次は、世界のメタンハイドレートの推定分布のマップ。

別に日本周辺にのみ分布する… 、というわけではなく、広く世界に分布していると推測されている。

特に注目点は、インドだ。人口13億人を抱え、おそらく中国を抜いて世界最大の人口を抱える国になるだろうと推測されている。だが、エネルギー資源という点では、日本同様「貧資源国」という位置づけだった。しかし、メタンハイドレートに関しては、アラビア海側(西海岸側)、ベンガル湾側(東海岸側)両者に分布しているだろう、と推測されている。これを開発できたら、エネルギー安全保障上の大きなアドバンテージとなる。日本に接近を図っているのも、うなずけるな…。

次は、そもそものメタンハイドレートや、石油や天然ガスの成り立ちの説明がこちら。

植物の堆積物や動物の死骸なんかの有機物が、地中に埋まって、地下の圧力と地熱によって、徐々に炭化水素物に変化して行き、ガスやなんかになって地層中を移動して行き、地層の形態によっては、石油になって溜まったり、天然ガスとして溜まったり、メタンハイドレートとして溜まったりする…、という話しのようだな…。

次は、その中でも特にメタンハイドレートについて、地層どういう形態の部分に溜まるのかという話し。ほぼ、水面下の話しのようだな…。

だと、砂や泥との分離が大変そうだ…。だと、肝心のメタンハイドレートの混じり具合が僅少で、商業ベースに乗りにくそうだ…。が、いわゆる「表層型」だろう。分離は容易そうだが、大量に存在する場所の探索が難しそうだ…。は、斜面に沿って濃集したもので、大量に存在することは見込まれるんじゃないか…。しかし、採集は、水平掘りの技術が必要となるだろうな…。は、睦土だから極地に近くて気温が低い場所じゃないと、ハイドレート状にはなかなか成ることが難しいだろう…。こうして見ると、大量に濃集し、かつ、採集も容易という場所は、なかなか難しいもののようだな…。

そういうことで、の海底の傾斜面に濃集したものを、さらに説明したのがこちらだ。

採集方法は、結局のところ、在来型の資源である石油や天然ガスを採集するように、縦坑を掘ってパイプ突き刺して、採集を図る…という方法が、最も現実的、ということになる。

その方法と、ハイドレートの形態との組み合わせを、検討したのがこちら。

こういう風に、垂直に縦坑を掘って、パイプを突き刺すやり方だと、ハイドレートの層が相当に厚みがあるものでないと、回収できる量が僅少で、なかなか商業ベースには乗りにくい…、と言う話しになってくる…。

そこで、シェールガス・オイルの採集に使ったような水平堀りを応用する、という構想も生じてくる。実際、そういう水平堀りマシンのようなものも、構想されているようだ…。

ただ、シェールの場合は、薬剤を注入して頁岩の中にある生成途上の炭化水素物を、溶かして、その液体と一緒に吸引する…、という方法を採る。

この時、パイプの周辺は、強力に薬剤まみれになって、環境汚染の懸念が生じるんだが、地中のことだから、まあ大丈夫だろう…、とされている。

しかし、同様のことを海中でやっても、大丈夫なものだろうか…。周辺海域で漁をしたり、養殖をしたりしている人達は、強力に反対するだろうな…。

せいぜい、近隣の海水を汲み上げて、注入するというところまでだろう…。そうすると、今度は、そうやって溶かしたハイドレートの中に、メタンは充分に存在するのか…、なんてことが問題になってくるだろう…。

こんな風に、メタンハイドレートと言う新エネルギー資源は、確かにそこに存在し、試掘に成功する事例も生じているが、存在形態多種・多様で、一つの採掘技術だけで攻略できると言うものでも無いもののようだ…。

しかし、机上の計算では、大量に存在するエネルギー資源で、在来型のエネルギー資源が枯渇する事態に備え、あるいは、枯渇を先延ばししようとして各国が競って、開発に走り出しているのが現状だ。

こんな風に、計算上は、大西洋太平洋メキシコ湾に大量のメタンハイドレートが眠っている…、と見積もられている(meanって、この場合、「平均」という意味のようだ)。

各国での取り組みを示したマップが、こちら。民間主導で、企業連合で取り組む例が多いようだ。

むろん、韓国の研究者達も、参戦して来ている。

次は、JOGMEC南海トラフ試掘に成功した時の、画像だ。

アメリカも、工程表を作成して、鋭意、開発に取り組んでいる。

アメリカの場合、海底では無く、アラスカの陸上で、取り組んでいるようだ…。

ここまでが、1個目の『 2017-Methane-Hydrate-Primer[1].pdf 』からの紹介だ。

次からは、2個目の『 Fire in the Ice, Volume 18 Issue 1 』(https://www.netl.doe.gov/node/6991  )から、紹介する。

日本国は、エネルギー資源大国になるのか…。

特に注目は、例のメタンハイドレートだ…。

「燃える氷」とか言われている。見かけは、シャーベット状の雪塊みたいなものだが、中にメタンガスが閉じ込められていて、火を付けると、燃える…。

パイプで採取されると、こんな感じ…。

分子構造は、こんな感じ。

メタン分子は、水分子と非常に親和性が高く、水分子が一定の高圧・低温状態でシャーベット状になると、こんな風に、中に閉じ込められるらしい…。

特に珍しいものではなく、一定の条件が揃えば、必ず存在するものらしい…。

商業ベースに乗せるとなると、メタンハイドレートが固まって存在し、大きな群となって存在しているようなところを発見し、ローコストで採集しないといけない、と言う話しになってくる…。いわゆる、「濃集帯」と言われているものだ…。

上記のパイプで採取されたメタンハイドレートの画像は、そういう「濃集帯」をうまく探索・発見できて、そういう場所にパイプを刺したから採取できた例だ。

しかし、実際には、そういう風にうまくいくものでもない。

現実には、砂の層に混じっていたり、砂と泥の層に、ほんの僅かばかりのメタンが混ざりこんでいたりしている…。

こうなってくると、10トンの岩石から、ほんの数グラムの金を採取する、のと同じような話しになってくる。しかも、「メタンガス」の価格は、到底「金」の価格には、及ばない…。到底、商用ベースには乗らない…、という話しになる…。

また、採集に大がかりな装置を必要とする、となると、ドンドンとコストは、かさんでくる…。

現在、メタンハイドレートのコストは、通常の天然ガスの価格の10倍以上と言われている。 http://www.mh21japan.gr.jp/mh/06-2/

しかしまあ、エネルギー資源価格は、世界情勢の激変でいつ高騰するか分からないものだ。また、エネルギー安全保障の面から言っても、キチンと予算をつけて地道に研究・開発しておくべきものだろう…。

そこで、国の支援の下、独立行政法人なんかで基本計画を立てて、工程表を策定して、鋭意、研究・開発を推進することにしている。

注目してほしい点が、2点ある。

第一に、1枚目には「砂層型」というものにしか言及していなかったのが、2・3枚目では、「表層型」というものにも言及していることだ。「砂層型」とは、文字通り砂の層にメタンハイドレートが混ざり込んでいるタイプだ。これだと、砂と一緒にメタンハイドレートを吸って、後に分離する…ということになって、装置も大がかりになり、技術的な難易度も高くなる…。

しかし、メタンハイドレートの存在タイプには、「表層型」と言われるものもあり、文字通り、海底面(あるいは、湖底面)上に、ゴロゴロと雪塊状のメタンハイドレートが転がっているようなものだ。こんな感じのものだ。

日本海側の佐渡周辺の海底には、こういう表層型のメタンハイドレートが存在しており、例の青山繁晴さんが、早くから注意を喚起していて、早く開発に取りかかるように長いこと促していた。

しかし、政府はなかなか重い腰をあげようとせず、何故か太平洋側ばかり探索・開発していた…。一説には、中○や韓○に気兼ねして、その顔色を伺っていたと言われている…。しかし、青山氏は、2016年6月に参議院議員(比例区)に立候補表明を行い、当選し参議院議員となり、同年11月に委員会質疑も行った( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B1%B1%E7%B9%81%E6%99%B4 )。そういうことで、2016年からやっと日本海側のメタンハイドレートの探査・開発・研究にも予算がつくようになったんだよ。そういうことが反映されているのが、2、3枚目の工程表というわけだ。

実は、こういう「表層型のメタンハイドレート」の採取には、大手ゼネコンの清水建設が2009年3月に、ロシアのバイカル湖で成功しているんだよ( https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2009/753.html )。

左上の筒みたいなもの(チャンバー)に、その下の画像では、白っぽいものがギッシリ詰まっているだろう。それが、湖底の表層面にあったメタンハイドレートだ。

こういうタイプにおいては、水面上にリグを建設し、パイプを突き刺す…、というのでは無く、潜水艇でメタンハイドレート群を探索し、潜水艇からマニピュレータを操作して採取する…、という採取方法になる。その存在形態に応じて、多様な技術が必要になってくる…。

そんなわけで、またまた日本国は、潜在的なエネルギー資源大国になる可能性も出て来た…、というわけだ。

去年、安倍さんが国連で演説したとき、国内メディアはこぞって「ガラガラで、閑散としていた。」とクサした。

しかし、演説後の通路では、行列を作って殺到して、大変だったらしいぞ…(皆さん、目が光っていて、ちょっと怖いが…)。

そりゃそうだ…。従前からの技術大国だったのが、それだけでなく、潜在的な鉱物資源大国、潜在的なエネルギー資源大国、おまけに低利の金利でお金も貸せる金融大国…、ともなれば各国が殺到するだろう…。

しかし、こういう新エネルギー資源は、現状の地政学的な秩序をも一変させる可能性を秘めている。アメリカにおけるシェールガス・オイル革命に見るとおりだ( https://http476386114.com/s=%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB )。

上記工程表に、「国際情勢をにらみつつ、技術開発を進める。」とあるのは、そういうことも考えながら慎重に進めて行く…、ということだ(これが、注目点の第二だ)。

現資源国側としても、「自前の資源が採掘できることになったから、もう貴国からは、購入しません。」と言われても、困るだろ?

また、アメリカのシェールガスだって、日米の安全保障での協力関係を考えたら、一定程度は購入せざるを得ないだろ?日本側の巨額の貿易黒字なわけだしな…。

いずれにせよ、充分慎重に考慮して、日本国及び日本国民にとっての国益が最大になるように、うまいこと舵取りして行って欲しいものだ…。

海自がやってる、「遠洋練習航海」ってのがある…(その3)

 バルセロナを出航して、次の寄港地は、スウェーデンのストックホルムなんだが、この間マップの日付けでは、2週間くらい掛かってる…。
 その間、全く補給無しというのは、ちょっと考えにくいんで、マップに記載はないが、あるいはドーバー辺りにでも寄って、補給したかもな…。
いずれ、マップには、往きには、ポーツマスには、寄港していないことになっている…。

洋上訓練

洋上訓練7_s

 そして、イギリス周辺の北海を通って、デンマークのあるユトランド半島の沖を回って、スカンジナビア半島の先端を回って、スウェーデンのストックホルムに寄港した。

ストックホルム入港

ストックホルム(スウェーデン)入港_s

 観光地としても、キレイに整備されている感じだな…。

 そして、わずか1日で、フィンランドのヘルシンキに寄港している…。

ヘルシンキ入港

ヘルシンキ(フィンランド)入港_s

 特筆すべきは、たぶんこの海域でだと思うのだが、やたらNATO海軍と親善訓練を、行っているんだよ…。

NATO加盟国海軍士官(ベルギー、ドイツ、デンマーク、オランダ、英国、米国)に対する乗艦研修

NATO加盟国海軍士官(ベルギー、ドイツ、デンマーク、オランダ、英国、米国)に対する乗艦研修2_s

親善訓練 デンマーク海軍艦艇(NATO軍)「ESBERN SNARE 」

親善訓練 デンマーク海軍艦艇(NATO軍)「ESBERN SNARE 」_s

親善訓練 フィンランド海軍

親善訓練 フィンランド海軍_s

 その理由だが…。ロシアに対する牽制くらいしか、思いつかんな…。

ロシアの軍事行動と周辺国の警戒

ロシアの軍事行動と周辺国の警戒_s

 まあ、これだけ軍事的な行動をされたんじゃ、周辺国は警戒せざるを得ないだろう…。
 スウェーデンの危機感は、相当なものだ。今年の1月には、二次大戦中の「戦争パンフレット」を復刻して、国民に配布した、って話しだ。
( http://lifeupupup.com/sweden-war-book-1862 このサイトに、載っていた。画像も、そこからお借りした。)

スウェーデンの戦争パンフレット

パンフレット1_s

 核攻撃まで、想定されているようだな…。

パンフレット2_s

 すぐに持ち出せるように、荷造りしとけということのようだ…。日本の、災害に備える防災グッズみたいなものか…。

パンフレット3_s

 避難経路の指示だ…。やはり、普段からどう避難するのか、考えておかないとな…。

ロシア軍の予想侵攻ルート

ロシア軍の侵攻ルート_s

 まず、フィンランドとエストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国に侵攻して、それからポーランドへと攻め入るだろう…、という予想のようだ…。

 しかし、これをロシア側から見ると、無理からぬところもある…。ソ連崩壊後、旧ソ連の衛星国は、次々と寝返って、NATOに加入した…。ロシア側からしたら、ジワジワとNATOが攻め入って来てる感じなんだろう…。

拡大するNATO

拡大するNATO_s

 2004年には、バルト三国どころか、ルーマニア、ブルガリア、スロバキアまでNATOに加盟した。
(プーチン政権は、2000年から開始。クリミア併合は、2014年。)

ロシア周辺のNATO非加盟国

中・東欧、地図_s

 あとは、ベラルーシとウクライナくらいしか、残っていない感じだ…。それで、ウクライナ東部を実効支配しようとしたってわけか…。

 しかし、どうなんだ…。海自がこの海域に到達するまでは、3か月くらい掛かってるぞ…。助太刀はおろか、補給任務を担うにしろ、到底急場の用には、間に合わんだろ…。
しかし、これはあくまで遠洋練習航海なわけで、各寄港先で歓迎セレモニーとか、演習とか、一定の行事をこなしつつの話しだ。
そういうものを一切省いて、水と食料と燃料の補給だけに専念したら、相当短縮できるには、できるんだろう。それでも、1か月半くらいは、掛かるんじゃないのか…。そういう状況で、ロシアの軍事行動の牽制になるのかは、相当疑問な感じだ…。
 また、あれか…。ユーラシア大陸の東のへりから、日本にロシアを牽制させようとする、日英同盟の時の大戦略か…。日本が、NATO側に立つ…、その意思表示だけで、充分に牽制の役には立つ…、って話しなのか…。そして、それに乗っかると、梯子をはずされて、孤立するっていう結末だけは、もうゴメンだぞ…。
 いずれ、日本は中国とロシアの二国を、同時に敵に回す愚だけは、何としても回避しないとな…。

 ロシアは、エネルギー資源大国で、特に天然ガスについては、ヨーロッパ各国は大きくそれに依存している。

欧州の天然ガスパイプラインの分布

欧州における天然ガスパイプライン_s

 このように、ヨーロッパ全土に網の目のようにガスパイプラインが敷設され、その相当数がロシアからの天然ガスだ。

各国の依存度

天然ガス供給のロシア依存度_s

 バルト三国とフィンランドは、100%だ。ブルガリア、スロバキア、ハンガリーの旧衛星国は80%以上、スロベニア、オーストリア、ポーランドが60%くらい、意外なところでは、トルコが6割くらいの依存度だ。ドイツが、4割くらい(フランスからも、電力供給を受けてるはずだが、旧東独をかかえているんで、その関係もあって、ロシアから天然ガスも買っているんだろう)。
 原子力大国のフランスは、16%…。そこから、電力の供給を受けているスイス、ルクセンブルクは2割くらい。
 北海油田のある英国が0なのは、当然だ。同じく、北海油田のあるノルウェーが見当たらないな…、と思ったら、EU未加盟国だった。スウェーデンは、ノルウェーから供給を受けているんだろう。
 スペイン、ポルトガルは、むしろ北アフリカ方面から供給を受けているんだろう。ジブラルタル海峡のあたりに海底パイプラインでも、有るんじゃないか。マップだと、ちょっと赤いラインが見えてるが、途中で切れてて、判然とはしないな…。

ヨーロッパ諸国のエネルギーの相互依存

ヨーロッパ諸国のエネルギーの相互依存_s

 ああ、こっちのマップで見ると、明かだ…。やはり、ジブラルタル海峡にパイプラインが敷設されてるようだ…。
 面白いのは、イタリアだ。南部は、北アフリカ方面から、北部は、ロシア方面から供給されてるようだ…。
 スウェーデンは、ノルウェーからではなく、デンマーク経由で北海油田地帯の天然ガスの供給をうけているんだな…。
 スウェーデンとノルウェー間には、スカンジナビア山脈ってのがあって、とてもパイプラインは敷設できない地形のようだ…。

スカンジナビア半島の地形図
スカンジナビア半島、地形図_s

 こんな風に、各国とも対立しながら相互に依存関係にある…、ということだ。
 しかし、「依存関係」というものは、直ちに「従属関係」に陥りがちだ…。
 「独立」を保持するには、「相互」依存関係(平たく言えば、「持ちつ、持たれつ」の関係)である必要がある。
 そこが、難しいところだな…。