バイデン氏、日韓関係改善を支持 午後の米韓首脳会談で

バイデン氏、日韓関係改善を支持 午後の米韓首脳会談で
対北朝鮮コロナ支援も協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2109U0R20C22A5000000/

『【ソウル=坂口幸裕】バイデン米大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日午後、ソウル市内で初の首脳会談に臨む。米政府高官は21日午前、バイデン氏が首脳会談で、日韓関係の改善を支持する意向を示すと明かした。挑発行為を続ける北朝鮮を巡っては抑止策を協議するほか、同国で広がる新型コロナウイルス感染症への支援策も話し合う。

10日に大統領に就いた尹氏は米韓同盟を外交・安全保障政策の基軸に掲げる。5年ぶりとなる韓国の保守政権発足に対する米国の期待は大きい。バイデン政権は、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時に関係が冷え込んだ日本を含む3カ国の安保協力の再構築をめざす。

米高官は記者団に、米韓首脳会談で「バイデン氏は日韓関係の改善を支持する。両国が相互に受け入れ、合意できる方法が必要だと理解していると明らかにする」と述べた。元徴用工や慰安婦の問題などが念頭にある。「日韓関係が強固でないことは米国の利益にならない。関係改善に向けた双方による努力に期待したい」と話した。

両首脳は核実験・ミサイル発射の構えをみせる北朝鮮の行動は地域を不安定化につながるとして結束して反対する。一方、同高官はコロナ感染が急拡大する北朝鮮への支援も議題になるとの見方を示した。北朝鮮へのコロナ支援では中国が先行する。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの対処も話し合う。インド太平洋地域で覇権主義的な振る舞いを強める中国を念頭に、ルールに基づく国際秩序を脅かす動きに協調して対抗していくと申し合わせる。

バイデン氏の来日に合わせて発足する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を巡っても意見を交わす。尹氏は参加を正式表明し、韓国が主導的な役割を果たす意向を示すもようだ。23日に予定するオンラインによるIPEFの首脳会議にも出席する。

経済安全保障の分野でも協力を拡大する。バイデン氏は20日、価値観を共有する同盟国などとサプライチェーン(供給網)構築で協力する重要性を訴えた。中国への経済的な依存を引き下げる狙いで、半導体などの戦略物資を同盟国・友好国から調達できる体制づくりで連携を申し合わせる。

バイデン氏は22日に日本へ移動し、24日まで滞在する。23日に岸田文雄首相との最初の本格的な対面会談を実施する。24日には日米とオーストラリア、インドの「Quad(クアッド)」首脳会議を開く。

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【詳しく解説!】日米首脳会談のポイントは?焦点は?

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https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/82702.html

『5月23日に東京で行われる日米首脳会談。

岸田総理大臣とバイデン大統領の対面での本格的な会談は今回が初めてです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、覇権主義的な行動を強める中国、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮問題、新型コロナウイルス対策など、外交課題が山積する中の今回の日米首脳会談。

会談のポイントや基礎知識を詳しく解説します!

ーーーーー もくじ ーーーーー
◆岸田総理大臣とバイデン大統領

◆ポイント①ロシアの軍事侵攻 制裁は

◆ポイント②ウクライナ情勢めぐる首脳外交

◆ポイント③中国 覇権主義的行動強める

◆ポイント④北朝鮮 ミサイル発射繰り返す

◆ポイント⑤厳しさ増す日本の安全保障環境

◆ポイント⑥日米同盟の拡大抑止 核の傘とは

◆ポイント⑦新型コロナウイルスの水際対策

◆ポイント⑧IPEFとTPP 経済連携は

◆ポイント⑨気候変動問題 どうなる脱炭素

◆過去の日米首脳会談ではパフォーマンスも

岸田総理大臣とバイデン大統領

岸田総理大臣は、4年半余り務めた外務大臣当時、オバマ政権の副大統領だったバイデン大統領と親交を深めてきました。

総理大臣就任から一夜明けた去年10月5日の午前には、バイデン大統領と電話会談を行いました。
岸田総理大臣にとって外国首脳と行った最初の電話会談でした。

翌11月、イギリスで開かれた気候変動対策の国連の会議、COP26の場では、短時間ではあったものの対面で会談しました。

できるだけ早く時間をかけて会談できる場を設けることで一致し、岸田総理大臣は、早期のアメリカ訪問を目指しましたが、新型コロナの感染拡大やアメリカ国内の政治情勢なども影響し、調整は難航しました。

そして、ことし1月、オンラインで1時間余り会談。

バイデン大統領を日本に招き、オーストラリアとインドを加えた4か国の枠組み、「クアッド」の首脳会合をことし前半に日本で開催する方針を確認しました。

ことし3月、ウクライナ情勢をめぐってベルギーで開かれたG7=主要7か国の首脳会議に出席した際も、対面で短時間会談しました。

岸田総理大臣とバイデン大統領の対面での会談は、これまで短時間にとどまっていて本格的な会談は今回が初めてとなります。

ポイント①ロシアの軍事侵攻 制裁は

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり日本政府は、ことし2月以降、G7と足並みをそろえる形で、ロシアや同盟国のベラルーシに対する制裁を強化してきました。

日本国内にある資産の凍結では、これまでに713人の個人と62の団体を対象としています。
個人には、プーチン大統領やラブロフ外相らロシア政府の関係者、プーチン政権に近いとされる「オリガルヒ」と呼ばれる富豪、それに、ベラルーシのルカシェンコ大統領らが含まれています。

団体では、ロシアの中央銀行やロシア最大の金融機関「ズベルバンク」、民間最大の金融機関「アルファバンク」などが対象となっています。

軍事関連団体への輸出の禁止措置は、ロシアとベラルーシの造船所や研究施設など203の団体が対象となっています。

特定品目のロシア向けの輸出も禁止しています。

対象は、半導体など軍事能力の強化に資する一般向け製品や、石油の生産設備、宝石や酒などのぜいたく品、量子コンピューターや3Dプリンターなどです。

ロシア向けの新規の投資も禁止しています。

さらに、ロシアからの輸入も規制していて、機械類や一部の木材、ウォッカなどの輸入を禁止しています。

そして、G7と足並みをそろえ、ロシアへのエネルギーの依存度を低下させるため、石炭の輸入を段階的に削減し最終的に禁止することに加え、石油も原則禁輸する方針で、今後、輸入の削減時期などを検討することにしています。

また、政府は、貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」を撤回し、ロシアからの輸入品への関税を引き上げる措置も実施しています。

日本政府としては、引き続き、アメリカをはじめとする各国と連携し、ロシアへの圧力を強めていく方針です。

ポイント②ウクライナ情勢めぐる首脳外交

ことし2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、岸田総理大臣は、各国の首脳らと対面やオンラインなどで会談を重ねてきました。
G7の取り組みを重視していて、3月にはベルギーでの首脳会議に出席するなど、5回にわたり、G7関連の会議に参加しました。

そして、プーチン大統領をはじめとする政府関係者やロシアの銀行などを対象とした資産の凍結、貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」の撤回など、G7各国と協調して厳しい制裁措置の実施を表明しました。

また、G7各国首脳と個別の会談も行いました。
ドイツ、イタリア、イギリスの各首脳とは対面で会談。アメリカ、カナダとは海外の訪問先で短時間会談し、フランスとも電話会談を行いました。

さらに岸田総理大臣は、アジア唯一のG7メンバーとしてアジア各国の首脳とも会談を重ねています。

3月にはインドとカンボジア、大型連休期間中にはインドネシア、ベトナム、タイを相次いで訪問し、ウクライナ情勢をめぐって意見を交わしました。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領とは、侵攻後、電話会談を3回行いました。
緊急人道支援や借款を行うこと、それに、自衛隊が保有する防弾チョッキやヘルメットを提供することなどを説明しました。

ポイント③中国 覇権主義的行動強める

首脳会談では、覇権主義的行動を強める中国への対応が主要な議題の1つとなります。
両首脳は、中国が東シナ海や南シナ海への進出を強めていることに深刻な懸念を示し、いかなる地域でも力による一方的な現状変更は認められないという認識を共有するものとみられます。

そして、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を推進していく方針で一致するとともに、日米両国で抑止力と対処力を強化する方針を確認するものとみられます。

また、沖縄県の尖閣諸島がアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることをあらためて確認する見通しです。

一方で、バイデン政権は、中国が、将来的に、軍事力を背景に、「核心的利益」と位置づける台湾の統一をはかることへの警戒を強めていることから、台湾をめぐるやりとりも焦点の1つとなります。

このほか、新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題も扱われ、深刻な懸念を共有する見通しです。

ポイント④北朝鮮 ミサイル発射繰り返す

首脳会談では弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応も主要な議題の1つとなります。
両首脳は、北朝鮮による核・ミサイル技術の開発の強化は国際社会への明白かつ深刻な挑戦だという認識を共有し、国連安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向け、日米両国や韓国も含めた3か国で緊密に連携していく方針を確認するものとみられます。

またアメリカ当局が、バイデン大統領の韓国、日本の訪問中にも北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射や核実験に踏み切る可能性があるという見方を示していることから、最新の情勢を踏まえ協議する見通しです。

さらに、岸田総理大臣は、拉致問題についても、改めて解決に向けた理解と協力を求め、明確な支持をとりつけたい考えです。

一方、慰安婦問題などをめぐって日韓関係が冷え込む中、日本政府が新たに就任したユン・ソンニョル大統領との間で関係改善を模索するとしていることについて、バイデン大統領が発言するかどうかも注目されます。

ポイント⑤厳しさ増す日本の安全保障環境

政府は、防衛力を抜本的に強化するため「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の安全保障関連の3つの文書を、ことしの年末までに改定する方針で、同盟国のアメリカと双方の戦略をすり合わせていくことにしています。
改定に向けて、自民党は先月、政府への提言をまとめました。

具体的には、「敵基地攻撃能力」という名称を「反撃能力」に変更した上で保有し、対象範囲は敵のミサイル基地に限定せず、指揮統制機能なども含めるとしています。

また、防衛費を増額し、GDP=国内総生産に対する割合で2%以上とするNATO=北大西洋条約機構の加盟国の目標も念頭に、防衛力の抜本的な強化に必要な予算の確保を5年以内に目指すとしています。

先の日米防衛相会談では、岸防衛大臣が、自民党の提言も念頭に、日本の防衛力を抜本的に強化する考えを伝え、オースティン国防長官もこれを歓迎し、日米双方の戦略をすり合わせていくことで一致しました。

ポイント⑥日米同盟の拡大抑止 核の傘とは

日本と核兵器保有国のアメリカは同盟関係にあります。

日米同盟の「拡大抑止」とは、アメリカの核戦力を含む抑止力によって日本を守るという考え方です。

日本は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」を堅持しており、アメリカのいわゆる「核の傘」で守られています。

今月、アメリカの国防総省で行われた日米防衛相会談で、オースティン国防長官は「日本に対する、核を含めたアメリカの拡大抑止への関与は揺るぎないものだ」と述べました。
岸防衛大臣は「現下の国際情勢では、核抑止が、信頼でき、強じんなものであり続けるため日米間の取り組みが従来にも増して重要だ」として「拡大抑止」の重要性について認識を共有しました。

ポイント⑦新型コロナウイルスの水際対策

オミクロン株の世界的な感染拡大で去年11月に強化された日本の水際対策。
感染状況なども踏まえ段階的に緩和されています。

政府はことし3月に、厳しすぎるとの指摘もあった外国人の新規入国の停止措置を観光客を除いて解除しました。

1日あたりの入国者数に5000人の上限を設け、入国を再開させました。

その後、入国者数の上限は、3月中に7000人、先月には1万人と、徐々に引き上げられました。
こうした対応に経済界などからは「全面的な受け入れ再開が進む各国と比べて対応が遅く、経済再生の動きから日本が取り残される」として、さらなる緩和を求める声が出ています。

こうしたなか、岸田総理大臣は、先にイギリスで行った講演で、来月には、ほかのG7並みに円滑な入国ができるよう対策を緩和する方針を示しました。

政府は、来月から1日あたりの入国者数の上限を2万人に引き上げることにしています。
また、海外からの入国者に対する検疫措置は、入国する際に行われたこれまでの検査の陽性率など、流入リスクに応じて緩和することになり、8割程度の入国者は検査や待機措置が免除される見通しです。

岸田総理大臣としては、アメリカも含めた各国に、日本が感染対策とのバランスを取りながら、世界に開かれた貿易・投資立国としての取り組みを進める方針を説明し、理解を得たい考えです。

ポイント⑧IPEFとTPP 経済連携は

「IPEF(アイペフ)=インド太平洋経済枠組み」は、去年10月に、アメリカのバイデン大統領が、東アジア首脳会議で提唱した、新たな経済連携の枠組みです。

台頭する中国を念頭に、インド太平洋地域への関与を強めるねらいから、アメリカ側は、日本やASEAN=東南アジア諸国連合、それにオーストラリアなど、各国に参加をよびかけています。

これまでのところ、半導体などの供給網=サプライチェーンの強化や、質の高いインフラへの投資などでの協力が想定されているということです。

ただ、現時点では、関税の引き下げなど、市場アクセスの向上は含まれておらず、具体的な協定の形になるかどうかなど、その全体像は明らかにはなっていません。

インド太平洋地域の経済連携では、関税の引き下げなど市場アクセスの向上が特徴の11か国による協定、TPPがあります。

日本が結ぶ協定の中では、貿易自由化の水準が最も高いものです。

日本政府は、IPEFとTPPは性質が異なり、併存できるものだとしていて、アメリカ側の参加の呼びかけに応じる方針です。

一方で、TPPの拡大も重要だとして、交渉を主導していたにもかかわらず、トランプ政権時代に「自由貿易は雇用を奪う」として協定を離脱したアメリカに重ねて復帰を求めています。

しかし、バイデン政権も「国内の労働者の保護を優先する」として、復帰には否定的で、IPEFをインド太平洋地域での主要な経済連携の枠組みにしたい思惑もあるものとみられ、今回の首脳会談で焦点の1つとなりそうです。

ポイント⑨気候変動問題 どうなる脱炭素

今回の首脳会談では、気候変動問題も取り上げられる見通しです。

日本は2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度に比べて46%削減する目標を掲げ、2050年までに排出量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとしています。

一方、アメリカは気候変動問題をバイデン政権の重要課題と位置づけ、2030年までに、温室効果ガスの排出量を2005年に比べ50%から52%削減し、2050年までの実質ゼロを目指すとしています。

去年11月にイギリスで開かれた気候変動対策の国連の会議COP26では世界の平均気温の上昇を1点5度に抑える努力を追求するなどとした成果文書が採択されました。

ウクライナ情勢を受けて、日本はロシアへのエネルギー依存度を減らすため、安全を確保した原子炉の有効活用を図るとともに、再生可能エネルギーの導入を推進する方針で、今回の首脳会談では脱炭素関連の技術協力についても協議が行われる見通しです。

また、気候変動問題では温室効果ガスの世界最大の排出国である中国の協力も必要となるため、中国へのアプローチをめぐっても意見が交わされる可能性もあります。

過去の日米首脳会談ではパフォーマンスも

日米の首脳は、これまで、受け入れる側が趣向を凝らして相手をもてなし、個人的な信頼関係を築いてきました。
1983年、中曽根総理大臣は、レーガン大統領を、東京・日の出町に所有していた別荘に招きました。
「ロン」「ヤス」と互いを愛称で呼び合い、中曽根氏がほら貝を吹く姿も話題になりました。

2006年、ブッシュ大統領が、小泉総理大臣を案内したのは、アメリカの国民的歌手、エルビス・プレスリ-の邸宅でした。
プレスリーの大ファンだという小泉氏はサングラスをかけてパフォーマンスを披露。
両首脳の親密ぶりを印象づけました。

安倍総理大臣とトランプ大統領は、共通の趣味のゴルフを通じて、親交を深めました。
2017年11月にトランプ大統領が初めて日本を訪れた際には、松山英樹選手も交えてプレーを楽しみました。』

【詳しく】バイデン大統領 なぜいま日本に?

【詳しく】バイデン大統領 なぜいま日本に?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220521/k10013632861000.html

『アメリカのバイデン大統領が5月22日から24日にかけて日本を訪問します。2021年1月に就任してから初めてのアジア訪問です。

いま、日本を訪問するねらいはどこにあるのでしょうか?
そして、今回はなぜ、中国には行かないのでしょうか?

(ワシントン支局長・高木優)

日本訪問の最大のねらいは?

ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が続く中でも、アメリカのインド太平洋地域への関与は揺るがないと明確に示すことにあります。

ウクライナ危機で、アメリカ政府は、ヨーロッパ諸国などとともにロシアに強力な経済制裁を科し、ウクライナに多額の軍事支援をすることに力を注いできました。

このことによって、中国が軍事力を背景に影響力を増すインド太平洋地域へのアメリカの関与が後回しになったり弱まったりするのではないかという懸念が関係国の間に生じていることが背景にあります。

そのためにバイデン大統領は今回、日本と韓国という、信頼を置く東アジアの同盟国に足を運び、強固な同盟関係や、地域の安全保障への一貫した関与をアピールしたい考えです。

中国には今回、行かないのはなぜ?

それには深いわけがあります。まず、今世紀に入ってからのアメリカ大統領の初の日本訪問をおさらいします。

意外かもしれませんが、アメリカ大統領が初の日本訪問と合わせて中国に行かないのは、この20年余りで初めてです。

ブッシュ大統領の前のクリントン大統領は、1998年に中国に9日間滞在したのにもかかわらず、日本には立ち寄らず、「ジャパン・パッシング(Passing)」とやゆされたことすらありました。

それと比べると、時代は大きく変わりました。その理由をひも解くには、次の米中関係の年表を見れば一目瞭然です。

ニクソン大統領の訪中を境に、米中は接近していき、天安門事件を経て、アメリカは中国に関与することで、中国を国際ルールに従わせ、ともに発展しようと試みました。

ところが習近平指導部の発足と相前後して、中国は軍事拡張と言論統制を一段と強めます。アメリカは中国が戦後の国際秩序に挑戦していると受け止めるようになりました。

トランプ前政権は当初は中国に融和的な姿勢もとりましたが、途中から対中強硬姿勢を一気に強めました。

バイデン政権はそれを踏襲。中国を「最大の競合国」と位置づけ、米中が対抗し合う時代に突入。「新冷戦」とも呼ばれるようになりました。

アメリカ国内の中国に対する世論も悪化していて、バイデン大統領としてはいま、中国に足を運べば、支持を失いかねない状況なのです。

バイデン大統領は日本で何をしたいの?

中国の台頭と、アメリカの相対的な国力の低下もあって、アメリカの日本に対する期待は増しています。

岸田総理大臣との首脳会談では、台湾有事の可能性も念頭に、安全保障分野での連携強化を図りたい考えです。

それとともに、バイデン大統領は、アメリカの「核の傘」を含む「拡大抑止」が、強固で十分であることを再確認する方針です。

「拡大抑止」って何?

「拡大抑止」は今回の首脳会談のキーワードです。

「拡大抑止」とは、同盟国に対する攻撃を自国への攻撃と見なし、もし攻撃したら報復することをあらかじめ宣言することで、相手国に攻撃を思いとどまらせるという考え方です。自国の抑止力を同盟国にも提供する形になるので、「拡大抑止」と言います。

バイデン大統領としては、日本と韓国で「拡大抑止」を再確認することで、地域で広がる安全保障上の懸念の払拭(ふっしょく)をはかるとともに、中国や、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮をけん制するねらいがあります。

また、「拡大抑止」の再確認は、中国軍による軍事的な圧力にさらされている台湾に対する、アメリカのメッセージになるとも考えています。

台湾へのメッセージにもなるの?

はい。

実は、アメリカは台湾有事の際の対応の仕方は明確にしていません。アメリカは、台湾に対しては「あいまい戦略」と言って、中国が軍事力を駆使して台湾統一を図った場合の対応をあらかじめ明確にしないことで、中国の行動を抑止すると同時に、台湾が独立へとかじを切らないようにする戦略をとっています。

そのことが、地域の安定につながると考えているからです。

しかし、台湾では、アメリカがウクライナに軍を派遣しないことを早々に宣言し、外からの軍事支援に徹しているのを見て、台湾有事の際にアメリカが支援してくれないのではないかと考えている人が増えているという世論調査の結果も出ています。

このためバイデン大統領が、今回、台湾と中国の「目と鼻の先」の日本で「拡大抑止」を再確認することには、そうした台湾の人たちに力強いメッセージを送るねらいもあるのです。

日米豪印のクアッド首脳会合のねらいは?

日米首脳会談の翌日、24日に行われる日米豪印の4か国からなるクアッドの首脳会合のいちばんのねらいは、インドとの関係の深化です。

インドは武器の購入などを通じて歴史的にロシアとの関係が強く、ウクライナ危機を受けて、クアッドの枠組みでロシアへの圧力強化を打ち出そうとすると、インドは賛同しづらいという事情があります。

このため、クアッド首脳会合では、中国を念頭に、コロナや気候変動対策、宇宙協力など4か国が一致して取り組みやすい分野で、関係をさらに深めることで、中国への圧力を強めたい考えです。

(※ そういう意味でも、21日の豪の選挙結果が、注目だ。)

最近よく聞く「IPEF」も大事なの?

そのとおり。

バイデン大統領の日本訪問の、隠れたもう一つのねらいは、そのIPEF=インド太平洋経済枠組みの東京での発表です。

IPEFは「アイペフ」と読みます。

Indo-Pacific Economic Frameworkの頭文字をとった新たな経済連携で、トランプ前政権時にアメリカが離脱したTPP=環太平洋パートナーシップ協定に代わる枠組みとして、バイデン政権が提唱しました。

サプライチェーン=供給網の構築や国境を越えたデータ管理などで中国に対抗していくのがねらいです。

ところがアメリカが参加を期待するASEAN=東南アジア諸国連合の国々の反応がいまひとつです。

ASEAN諸国のなかには、アメリカの「本気度」に対する懐疑的な見方や、経済的結び付きの強い中国との関係悪化を懸念する声が少なくないからです。

さらに、関税の引き下げといった目に見えるメリットが感じられないことへの不満もあります。

このためバイデン大統領は今回、ASEAN諸国の間で信頼度の高い日本の後押しを受ける形で、IPEFの立ち上げに向けた協議の開始を東京で発表することで、スタートダッシュを図りたい考えです。

IPEFの具体的な中身のほか、何か国が参加するのかが注目されています。

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【特設サイト】ウクライナ情勢 』

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革
小谷 賢 (日本大学危機管理学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26653

 ※ これは、絶対読んどいた方がいい…。

 ※ 日本国には、表向きは、CIAやMI6みたいな「諜報機関」は、存在しないことになっている…。

 ※ しかし、「裏」においては、それに類するものが存在する…。そして、それは「分散するような形」で存在している…。

 ※ そういうような話しが、語られている…。

『 第二次安倍晋三政権では日本のインテリジェンス分野での改革が大きく進んだ。

 その原点は、2008年2月14日に内閣情報調査室が発表した報告書「官邸における情報機能の強化の方針」にある。これには日本のインテリジェンスについて改善すべき点が多々列挙されているが、その中で特に困難な課題が「対外人的情報収集機能強化」と「秘密保全に関する法制」であった。

 12年12月に成立した第二次安倍政権はこの2つの課題に取り組むことになる。

鍵になった政官のトライアングル

 安倍氏が首相に返り咲くと、町村信孝衆議院議員と北村滋内閣情報官(当時)という政官のトライアングルによって日本のインテリジェンス改革が進んだ。

 このトライアングルで要となったのが、警察官僚で、民主党政権時代に内閣情報官に抜擢された北村氏である。公安警察のキャリアを持つ同氏は、11年から約8年にもわたり情報官を務めた。その間に内閣情報調査室(内調)を中央情報機関として定着させ、さらには安倍政権の政治的原動力を活用してインテリジェンス改革を断行したのである。また、北村氏が首相の信任を得たことによって、インテリジェンス・コミュニティーにおける内調の存在感は、極めて大きなものになった。

 北村氏は安倍氏の要望に応える形で、それまで週に1回だった情報官による首相ブリーフィングを週に2回とし、そのうちの1回はインテリジェンス・コミュニティーを構成する、警察庁警備局、防衛省情報本部、外務省国際情報統括官組織、公安調査庁、内閣衛星情報センターなど、それぞれの担当者による首相への直接のブリーフィングという形式をとったのである。この各省庁による首相ブリーフィングのため、定期的に北村氏が中心となって各省庁の情報担当者と会合を持ち、その省庁がどのような情報を首相に報告するのかを調整していたという。

 各省庁からすれば、それまでは内調に情報を上げ、それを間接的に情報官から首相に報告してもらう、という形だったものが、直接首相に報告する機会が与えられることによって、ブリーフィングに対する責任感が増すと同時に、インテリジェンス・コミュニティーの一員であるという自覚も根付いた。

 第二次安倍政権発足から4カ月後、安倍氏は国会において次のように発言している。

 「秘密保護法制については、これは、私は極めて重要な課題だと思っております。海外との情報共有を進めていく、これは、海外とのインテリジェンス・コミュニティーの中において日本はさまざまな情報を手に入れているわけでございますし、また、日米の同盟関係の中においても高度な情報が入ってくるわけでございますが、日本側に、やはり秘密保全に関する法制を整備していないということについて不安を持っている国もあることは事実でございます」

 この発言から安倍氏が、諸外国との情報共有の必要性から秘密保護法制を推進しようとしていたことが理解できる。13年8月には自民党で町村氏を座長とする「党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」が立ち上がり、内調を事務局として法案の作成が行われた。

 ただ、自民党も一枚岩ではなく、法案に反対する声も多く聞かれたという。そうした議員に対して、法案の必要性を説明して回ったのが北村氏であった。そして同年12月6日に「特定秘密の保護に関する法律」が成立している。

『特定秘密保護法の導入によって各行政機関の機密が特別秘密として管理され、アクセスできるのは大臣政務官以上の特別職の政治家と、適正評価をクリアした各省庁の行政官ということに整理されたため、秘密情報の運用面においては大きな改善が見られる。

 クリアランスを持つ行政官は「職務上知る必要性」の原則に基づいて特定秘密にアクセスし、さらに必要があれば「情報共有の必要性」に応じて、他省庁の行政官や上記の政治家と特定秘密を共有するという、欧米諸国では日常的に行われていることが初めて可能となった。また日本と米国、その他友好国との情報共有も進んだのである。

 17年9月、河野太郎外務大臣 (当時)は記者会見で北朝鮮情勢について「諸外国から提供された特定秘密に当たる情報も用いて情勢判断が行われたが、特定秘密保護法がなければわが国と共有されなかったものもあった」と評価している。

テロ情報の収集が平時から可能に

 シリアでジャーナリストの後藤健二氏と軍事コンサルタントの湯川遥菜氏がイスラム国(IS)に拘束され、15年1月に殺害の様子を記録した動画がネット上で公開された事件は日本人に衝撃を与えた。

 これを受けて同年12月8日、外務省総合外交政策局内に国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)が設置された。CTU-Jは平時から海外で情報収集や分析活動を行い、現地の治安情報や邦人が危険に巻き込まれないよう防止するための対外情報組織である。また有事には邦人救出の交渉等も担い、18年10月にはシリアで拘束されていた安田純平氏の解放に尽力している。

2015年に設置された国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)は、イスラム国(IS)に拘束された邦人の解放に貢献した (AP/AFLO)

 NHKの取材によると、CTU-J設置の舞台裏は次のようなものだったそうだ。

 「『国際テロ情報収集ユニット』の立ち上げの際、組織の実権をどこが握るかをめぐって、外務省と警察庁の間で激しい攻防があった。結局、最終的には、安倍首相や菅義偉官房長官(当時)と関係の深い、北村内閣情報官が主導権を握り、組織のトップのユニット長は、警察庁出身者から出すことに決まった。このときの外務省の恨みはものすごかった。まさにこの瞬間に、この組織が、外務省に籍を置きながら、官邸直轄の組織となることが決まったと言ってもいい」

 CTU-Jはテロ情報に特化した組織であり、外交や経済、安全保障についての情報収集は認められていない。しかし平時に海外で情報を収集し、それを直接官邸に報告できるという点では、対外情報機関としての体裁を整えていると言える。

 北村氏は、「人員を拡充し、大量破壊兵器の不拡散や経済安全保障関連での情報収集も担わせることを検討してもいいでしょう」と語っており、将来的には本格的な対外情報機関への脱皮を期待しているようである。08年に公表された方針は、特定秘密保護法とCTU-Jの設置という形で結実したと言える。』

Quad、強まる結束の意義 対ロシアでインドどう動く

Quad、強まる結束の意義 対ロシアでインドどう動く
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA080OY0Y2A500C2000000/

『日本、米国、オーストラリア、インドの各首脳は24日に東京で「Quad(クアッド)」の会議を開く。クアッドは安全保障や世界経済について意見交換する4カ国の枠組みで、対面での首脳会議は2回目となる。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに結束の意義が強まる。

クアッドは英語で「4つの」を意味する。4カ国はインド洋と太平洋を囲むように位置する。米国のバイデン大統領の来日に合わせた日本での開催となる。

自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を共有する。インド太平洋地域の安定を目指し、新型コロナウイルスや気候変動など幅広い課題を取り上げてきた。

クアッドの構想は安倍晋三元首相が第1次政権時の2006年に掲げた。4カ国で対話の枠組みを提唱し外交当局による事務レベルの会合にこぎ着けた。中国への距離感で一致点を見いだせず安倍政権も退陣したことから立ち消えになった。

12年に第2次安倍政権が発足し再び結束の機運が高まった。念頭にあるのは覇権主義的な行動を繰り返す中国の存在だった。

日本は中国海警局の船が頻繁に沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に侵入することなどを警戒する。インドも国境地域で係争を抱える。

米国はバイデン大統領の就任以降、専制主義の国として中国を批判する。オーストラリアも新型コロナの発生源を解明するための国際調査を中国に求めたことなどをきっかけに関係が悪化した。中国は豪州からのワインや大麦に関税を上乗せした。

クアッドは17年11月にフィリピンで局長級会合を開いた。19年9月には初の外相会合を米ニューヨークで開催した。

新型コロナ禍の21年3月にオンラインで首脳会議を開いた。9月に米ワシントンで各首脳が対面で集まった。日本から菅義偉首相(当時)が参加した。

世界銀行によると、20年のクアッド4カ国合計の名目国内総生産(GDP)は30兆ドルほどで、中国の2倍くらいになる。ストックホルム国際平和研究所のデータで国防費の合計額を比較すると3倍超にのぼる。

インド太平洋地域を巡る多国間の枠組みには米国と英国、オーストラリアの3カ国が21年9月に立ち上げた「AUKUS(オーカス)」がある。安全保障での連携に軸足を置き、人工知能(AI)やサイバーセキュリティーなどの軍事技術で協力する。

クアッドの4カ国も合同の軍事演習を定期的に実施するなど安全保障面でも力を合わせる。ただ北大西洋条約機構(NATO)のような軍事同盟ではなく足元では経済分野での関係を重視する。

21年9月の首脳会議で宇宙分野での技術開発、水素エネルギーの活用、半導体のサプライチェーン(供給網)構築なども共同文書に盛り込んだ。22年4月には初めて4カ国共同で新型コロナのワクチンを供給した。カンボジアに32万5千回分を供与した。

林芳正外相は4月28日の記者会見で「日米豪印の取り組みは自由で開かれたインド太平洋の推進に中心的な役割を果たしている」と述べた。

5月24日に開く会議については「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け力強いコミットメントを日本から世界に示す機会としたい」と強調した。

クアッドはロシアによるウクライナ侵攻を経て重要度が高まる。侵攻が始まった1週間後に4カ国でテレビ会議形式の会合を設け、1時間ほどロシアへの対応を議論した。

岸田文雄首相は5日、大型連休を使った東南アジアと欧州への外遊を締めくくる内外記者会見で「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と危機感を示した。

「ロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示し、国際社会に間違ったメッセージを発することにならないようにする」と語り、同盟国・友好国同士で歩調を合わせることの重要性を訴えた。

ウクライナ危機を巡るインドの立場はロシアへの批判を強める日米豪と異なる。国連総会が3月2日に開いた緊急会合でもロシアを非難する決議を棄権した。

背景にはロシアとの軍事上の結びつきがある。旧ソ連時代から協力関係にあり、武器の調達先として最大の国でもある。

ジャイシャンカル外相は3月25日、電撃的にインドのニューデリーを訪れた中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談した。

会談後に記者会見したジャイシャンカル氏によると、両外相はロシアによるウクライナ侵攻を巡り、即時停戦と対話の継続を促す方針で一致したという。

岸田首相も王氏に先立ってインドを訪れモディ首相と会談した。力による一方的な現状変更を許さないことを確認したものの、共同記者会見でウクライナ情勢への直接的な言及はなかった。

今回のクアッド首脳会議でもウクライナ情勢は主要議題になりそうだ。インドが日米豪にならってロシアを非難する可能性は低いとみられる。

東京外国語大の篠田英朗教授(国際政治)は「インドに民主主義陣営に少しでも近づいてもらうためにクアッドというつながりは非常に重要になる。長期の目線で会合を重ね一体感を醸成すべきだ」と指摘する。

記者の目 つなぎとめが日本の役割

岸田文雄首相は大型連休にベトナムなど東南アジア各国の首脳と会談した。ロシアを巡る各国の態度はインドと似る。ロシアと結びつきの強いベトナムはロシアを非難する国連決議を棄権した。植民地政策に翻弄された歴史を持ち主要7カ国(G7)に肩入れするように映る行動には慎重だ。

ベトナムがウクライナへの人道支援で50万ドルの供与を表明するなど首相は会談で一定の成果を得た。首相周辺は「ウクライナ危機以降、米欧の日本を見る目がはっきりと変わってきた」と指摘する。アジア各国をつなぎとめる期待を強く感じるという。

首相は理想と現実のバランスを重視する「新時代リアリズム外交」を掲げる。アジア唯一のG7としてインドの理解を得る意味でも、クアッドで日本の役割の重みは増す。(上田志晃)』

中国、日米韓の連携を警戒 外交担当トップが警告

中国、日米韓の連携を警戒 外交担当トップが警告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM192O00Z10C22A5000000/

『【北京=羽田野主、ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領の日韓訪問を前に、中国が日米韓の連携に警戒を強めている。とくに日米首脳が台湾問題で関与を強める事態を懸念し、警告を発している。

「米側が台湾カードを行使するならば、必ず情勢を危険な境地に導く。中国は自身の主権と安全利益を守るために断固とした行動を取るだろう」。中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は18日、米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)との電話協議に応じ、こう伝えた。

中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も18日に林芳正外相とテレビ会議方式で協議し「日本側は最近、台湾など中国の核心的利益と重大な関心事に関わる問題で消極的な動きが目立つ」と批判した。

王氏は16日にも韓国の朴振(パク・ジン)外相とのオンライン協議で「新冷戦の危険を防ぐことが中韓両国の根本的利益に関わる」と語り、米中間で中立的な立場を維持するように促した。

中国側が意識するのは、5月20~24日に予定されるバイデン大統領の韓国と日本への訪問にほかならない。バイデン氏はインド太平洋地域で影響力を強める中国に対抗するため、米国が安全保障と経済の両面で地域に関与する姿勢を明確にする。

中国共産党系メディアの環球時報は19日付社説で「一つの大国(米国)がもう一つの大国(中国)の周辺国をけしかけ、陣営に組み入れるメカニズムを設計しようとしている」と警戒心をあらわにした。

もっとも日米韓の当局への電話攻勢だけでは手詰まり感は否めない。中国が影響力を強めてきた東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳らが5月にそろって訪米し、バイデン氏と対面で首脳会合を開いたのは中国にとって衝撃だった。

ロシア軍のウクライナ侵攻が泥沼化したことで、共産党内では習近平(シー・ジンピン)指導部の最大の目標である台湾統一の難しさも改めて認識されるようになった。

とはいえ、秋の党大会で異例の3期目を目指す習氏にとって、台湾統一が「後退」したと受け止められるのは避けたい。それだけに日米の台湾問題への関与には強く反発せざるをえない状況だ。』

台湾有事、日本は安保法に基づき対応

台湾有事、日本は安保法に基づき対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA198TY0Z10C22A5000000/

『中国が日本の航空自衛隊の早期警戒管制機(AWACS)「E767」を模した構造物を設けたのは、台湾有事の際に日米両国が一体で対処する事態を懸念しているためだ。日本は2015年に成立した安全保障関連法に基づき対応する。

自衛隊の行動は政府がどう事態を認定するかによって決まる。台湾だけでなく日本の領土の沖縄県・尖閣諸島などが攻撃を受ければ「武力攻撃事態」となり、相手の攻撃に反撃する。

それ以外のケースは明確な基準がなく、判断が難しい。

放置すれば日本への武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」なら米軍への補給などの後方支援ができる。

密接な関係にある国への武力攻撃が発生して日本の存立が脅かされる明白な危険がある「存立危機事態」なら、集団的自衛権の限定的な行使を認める。

AWACSは空中からレーダーで日本周辺の状況を監視して情報を集め、自衛隊の戦闘機に指示を出す役割も持つ。政府が事態を認定しなければ平時の活動しかできない。

大中国の時代

中国を巡る世界情勢が新たな段階に入りました。変化の渦の中心にいるのが、異例の3期目をめざす習近平(シー・ジンピン)国家主席です。膨張を続ける「大中国」と、それに向き合う世界の動きを追います。

台湾有事、日本は安保法に基づき対応(5:00)
早期警戒管制機(AWACS)とは レーダーで全方位監視(5:00) 』

北朝鮮、ICBMに燃料注入か

北朝鮮、ICBMに燃料注入か
核実験準備も、米韓当局警戒
https://nordot.app/899870737204854784?c=39546741839462401

『【ソウル共同】韓国の聯合ニュースは19日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に燃料を注入する状況を米韓当局が把握したと伝えた。発射準備を終えたとみられるとしている。米韓両軍が警戒を強めている。

 韓国の情報機関、国家情報院も19日、コロナ拡散にもかかわらずミサイル発射の兆候があり、核実験の準備も全て終え実施のタイミングを見計らっている段階だとの見方を示した。国会情報委員会に非公開で報告し、出席議員が明らかにした。

 韓国大統領府高官は18日、バイデン米大統領の日韓訪問を前に、北朝鮮によるICBMを含む飛翔体の発射が差し迫っているとの見方を示している。』

中国爆撃機が沖縄-宮古間通過 空母「遼寧」と連携か

中国爆撃機が沖縄-宮古間通過 空母「遼寧」と連携か―防衛省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051801095&g=soc

『防衛省統合幕僚監部は18日、中国空軍のH6爆撃機2機が沖縄本島と宮古島の間を通過したと発表した。爆撃機は東シナ海方向から南下し、沖縄南方の太平洋上を周回飛行して戻った。周辺の海域では、今月初めから空母「遼寧」など中国海軍の艦艇が活動を続けており、同省は関連を含め、詳しく分析している。

昨年度の緊急発進1000回超え 過去2番目、中国機増で―防衛省

 同省によると、中国機の沖縄―宮古間通過は2月以来。航空自衛隊の戦闘機が対応し、領空侵犯はなかった。爆撃機は対艦ミサイルのようなものを搭載していたという。
 遼寧は沖縄南方の太平洋上を移動しながら、艦載機の発着艦を200回以上実施。爆撃機は周辺を飛行しており、連携して探知や戦闘の訓練を行った可能性がある。 』

ウクライナ侵攻でにわかに関心が高まる「核共有」

ウクライナ侵攻でにわかに関心が高まる「核共有」: 日本が導入するための前提条件
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00809/

 ※ オレは、「豚のように、屠殺される」のは、嫌だね…。

 ※ 捕らえられて、後ろ手に縛られて、頭を討ち抜かれるなんてのは、真っ平ごめんだ…。

 ※ たとえ、「死んで行く」にしても、「敵に食らいついて」、「敵の心胆寒からしめて」死んで行きたいものだ…。

 ※ それが、「侍(サムライ)」ってもんだろう…。

『 高橋 杉雄 TAKAHASHI Sugio

防衛研究所 政策研究部 防衛政策研究室長。1995年、早稲田大学政治経済学部卒。97年、同大学院同研究科同課程修了(政治学修士)。97年、防衛研究所入所。2006年、ジョージワシントン大学コロンビアンスクール修士課程修了(政治学修士)。2009年、政策研究部主任研究官を経て現職。共同編著に『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房)『「核の忘却」の終わり: 核兵器復権の時代』‎ (勁草書房)。

『 谷田 邦一TANIDA Kuniichi経歴・執筆一覧を見る

ジャーナリスト、シンクタンク研究員。元朝日新聞編集委員。1959年生まれ。90年に朝日新聞社入社。東京社会部、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て、2021年5月に退社。現在は、ジャーナリスト、未来工学研究所(東京)のシニア研究員(非常勤)。主要国の防衛政策から基地問題、軍用技術まで幅広く外交・防衛問題全般が専門。防衛大学校や防衛研究所で習得した知見を生かし、新しい時代にふさわしい安全保障問題のアプローチ方法を切り開きたいと考えている。共著に『自衛隊 知られざる変容』『海を渡った自衛隊』(朝日新聞社)など。』

『 83%の人が核共有を議論すべきと回答

―産経新聞とFNN(フジネットワーク)が2022年3月19、20日に行った合同世論調査では、米国の核兵器を同盟国内に配備して共同で使う核共有について「議論すべき」と答えた回答者が全体の83.1%を占めました。この数字をどうみますか。

近年、東アジアの安全保障環境が悪化し、不安感や恐怖感が高まっていることが背景にあるのではないでしょうか。北朝鮮がミサイルの開発を進め、台湾海峡でも危機が叫ばれている中、ウクライナ侵攻でロシア軍の核部隊に戦闘準備を求めたプーチン氏の発言で核使用の現実的リスクに直面し、国民感情が変わってきたのでしょう。

―NATOの核共有とはどんなシステムなのか、解説をお願いします。

核共有の取り決めを結んでいる5カ国(ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコ)が、各国内の基地に米国の核弾頭を保管し、例えばドイツなら、ドイツの首相と米国の大統領が核使用について決定が一致した場合に限り、ドイツの航空機に核弾頭を積んで攻撃するというシステムです。

ただし、核弾頭はあくまでも米国のものであって、ドイツに保有権はありません。

また、ドイツ側が核兵器を使いたいと言っても、米大統領が「使うべきではない」と判断したら使えません。

逆にドイツが反対しても、米国は自国の航空機やミサイルを使って核攻撃ができるので、ドイツ側には実質上、拒否権がありません。

― 冷戦期の核共有と現代の核共有にはどんな変化があるのでしょうか。

冷戦期には航空機搭載型の核爆弾の他に核ミサイルもありましたが、それは中距離核戦力(INF)全廃条約(2018年にトランプ米大統領が本条約の破棄を表明し、19年8月に失効)で廃止されました。

欧州では戦略環境も変化しています。

冷戦期の欧州においては、旧ソ連やワルシャワ条約機構軍に比べ、NATO軍は通常戦力において圧倒的に劣勢でした。その劣勢を挽回するために核兵器を使うという枠組みでした。そうした戦略的背景の中で、欧州に配備した核兵器の運搬を同盟国が一部担うという仕組みが出来上がってきたわけです。

核共有が有する大きな価値

―日本を含むアジアは当時どうだったのでしょうか。

アジアでは米国の海空軍力が旧ソ連に対して優位にありましたから、欧州と違ってソ連の通常戦力に対して核兵器を先行使用する必要はありませんでした。しかも日本では核アレルギーが強かったですし、米韓でも米国が韓国の軍事独裁政権との関係は微妙なものでしたから、欧州のような核共有メカニズムを必要とすることはなかったと言えます。

―ウクライナ戦争をきっかけに、日本でも核共有を巡る議論をすべきという機運が高まる一方、核共有の是非については、米国の核抑止に依存する現行の日米安全保障体制に肯定的な専門家たちの間でさえも意見が割れています。なぜでしょうか。

理由の1つは、今のNATOの核共有の在り方と日米同盟の在り方の2つのオプションを前提にして、どちらを選びますかという議論になっているからではないかと思います。

確かに核共有には単独の使用権も拒否権もないのですが、大きな価値があります。核兵器は究極の兵器であり、その共有を内外に示すことは同盟の強化になり、強い抑止力になります。

また、軍事作戦とは、「知る必要」がある相手にしか共有されません。たとえ自国の中においてでもです。しかし、核共有協定に基づいて核兵器の使用を伴う作戦を共同で実行することになれば、作戦計画を「知る必要」が同盟国に発生します。シンプルに言えば、核兵器の使用に関する計画を共有できるようになるのです。

米国の軍事的支援を信じる究極的な担保は作戦計画の共有です。

通常戦力において、日米同盟では、ガイドラインに基づいて共同作戦計画を策定し、日米共同訓練を重ねています。こうした計画の共有と訓練の実施が同盟の実効性と相互の信頼性を高めることになります。

核共有協定を結んでいる国の間では、一部の核兵器において計画が共有され、訓練が行われます。この価値やメリットは他では代替できません。だから冷戦後も、核共有は制約がありつつも存続してきたのです。

―NATOの核共有に対する意識も時代とともに変化があるのですか。

冷戦後、NATOの加盟国が拡大したことで、核共有を巡る考え方にある種の分裂が生じるようになりました。

ロシアのクリミア併合(2014年)前のことですが、ドイツをはじめとして、核弾頭の前方(欧州)配備は有事の時に限り、普段は核弾頭を米本土に戻した上で核共有協定だけ続ければいいというような意見が出てきました。

反対に、ロシアに近いポーランドやチェコ、バルト三国などはロシアへの深刻な脅威を常に感じていて、欧州内の配備を求めています。

そうした不信感を埋め合わせるために行われている方策の一例が、核弾頭を運ぶドイツの戦闘機をポーランドの戦闘機が護衛する共同軍事訓練の実施です。

訓練を通して、ポーランドも核兵器の使用を伴う作戦に参加することになり、核作戦計画の共有の範囲を広げたというわけです。

NATOでは多数の同盟国に安心感を与えるために冷戦後、試行錯誤を重ねています。だから冷戦期の5カ国だけの核共有を念頭に議論すると本質を見誤るように思います。

国民が納得するまで議論を

―核共有を実現するとすれば、一般的にどのような手順や課題があるのでしょうか。

当たり前の話ですが、核兵器は軍事作戦の1つとして使われます。

陸海空の通常兵力を用いた通常作戦の協力が深まっていく中に、核兵器が組み込まれているのです。

核共有で言いますと、参加国が核政策をシェアする核計画グループ(NPG)だけが注目されがちですが、全ての通常作戦の上に核作戦が乗っているわけで、それだけを切り出して議論すると整合性を欠くことになります。

実は、米韓同盟は統一的な指揮系統を持っており、軍事作戦計画の面では日米同盟より深化していて議論しやすい。

米韓連合軍には朝鮮戦争時の戦時統制権が存続し、綿密な作戦計画もある。

核については作戦計画に統合されていませんが、そこに持ってくることはできる。

日米の場合は、まだそういう関係まで構築できていません。ようやく両国の統合司令部の必要性が議論され始めたばかりで、まずはそこから始めなければなりません。

―日本の安全保障において、北朝鮮がすでに日本に届くミサイルに核弾頭を積んで配備していると言われています。その脅威が高まれば、日本国内で核共有の議論は盛んになるでしょうか。

北朝鮮の脅威を巡る日米の拡大抑止の考え方は、米国の立場から見ると、米国が北朝鮮を抑止する方策と、米国が日本を安心させる方策の2つから成る三角形の関係です。

この2つは求められることが違う。

核共有は、一義的には同盟国を安心させるための枠組みなので、メリットやデメリットは国民が安心できるかどうかが唯一最大のポイントです。

NATO型の核共有をやろうとしても、核弾頭を同盟国の国内に前方配備することで国民の不満が高まってしまえば、かえって同盟関係が悪化して安心感が低下することもある。

だから国民の理解が得られることが最も重要です。

これは専門家が客観的に評価すべき問題ではなく、国民の主観に関わる問題なのです。そのためにも正しい知識の下で国民が納得するまで議論することが大事になると考えています。

核兵器の使用は連帯責任

―米国の核抑止を高めて核攻撃の可能性を未然に防ぐために、日本ができることは何でしょうか。

「核抑止には2つの考え方があります。

核兵器がありさえすれば抑止はできるという考え方と、核兵器を実際に使う準備をしなければ抑止はできないという考え方です。

日本の置かれた状況は後者に近づいていると私は考えています。逆説的ですが、核兵器を使う準備をすることが逆に使用する可能性を下げていくということです。

もう1つ大事なことがあります。

それは万が一、米国が日本を守るために核兵器を使った場合は、他人事としてとらえないということです。

責任をちゃんと共有する覚悟が必要です。責任を米国の大統領だけに負わせるのではなく、日本の首相や国民も負わなければなりません。ともに歴史の法廷に立つ覚悟がなければ、米国に核抑止を期待する資格はありません。拡大抑止の基盤は責任を一緒に負う覚悟にあるのです。

― 安倍晋三元首相は「核共有についてタブー視すべきではない」と語っていますが、自民党内では核共有について国会で議論をしようという機運には至っていないようです。

今、北朝鮮は米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発しつつあり、おそらく日本に届く核ミサイルをすでに配備している。

中国は2000発持っていて、15年もすれば、ICBMも1000発ぐらいになると言われている。

ロシアはいつ暴発するか、分からない状況です。

20年前と比べて日本を取り巻く核の脅威が増大しているのに、安全保障体制は同じでよいのか。国民はどうすれば安心できるのか。議論を尽くして、納得するプロセスが不可欠です。

バナー写真:ドイツ空軍の戦闘爆撃機Tornado-RIAT 撮影:Airwolfhound 』

米大統領補佐官「対北朝鮮で抑止力強化の用意」

米大統領補佐官「対北朝鮮で抑止力強化の用意」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18EMA0Y2A510C2000000/

『【ワシントン=中村亮】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日の記者会見で、北朝鮮に対する抑止力を強めるために米軍の態勢変更の用意があると明らかにした。北朝鮮が核実験とミサイル発射の両方を近く実行する可能性があると言及し「全ての不測の事態に備えている」と強調した。

サリバン氏は、20日からのバイデン大統領の韓国と日本への訪問について記者会見した。北朝鮮がバイデン氏の訪問中やその前後に核実験をしたり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含むミサイルを発射したりする可能性があると分析した。北朝鮮は緊張をさらに高めて米国から経済制裁緩和などの譲歩を探るシナリオが考えられる。

北朝鮮に対する抑止力強化にも触れた。「地域の同盟国に対して防衛力と抑止力を確実に提供するため必要に応じて米軍の態勢を短期的かつ長期的に調整する用意がある」と話した。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は抑止力強化に前向きで、21日に予定する米韓首脳会談で具体策を議論するとみられる。

サリバン氏は日韓歴訪について「重要な安全保障に関する2つの同盟関係を再確認・強化し、活発な経済パートナーシップを深め、同志である2つの民主主義国とともに21世紀のルールを形成していく」と説明した。ウクライナ侵攻を続けるロシアについても議論するとした。これまでの日韓のロシアへの対応をめぐり「ある意味で予期していなかった貢献」と評して謝意を示した。

バイデン氏と岸田文雄首相のもとでの日米同盟について「史上最高だ」と語った。「日米同盟はインド太平洋における平和と安定の柱であり、地域安全保障の情勢が困難でダイナミックになるにつれて安保パートナーとしての日本の貢献は適切に増している」と話した。23日の日米首脳会談では中国の抑止が主要議題にのぼる。

ジャンピエール大統領報道官は18日の記者会見で、バイデン氏が韓国と北朝鮮を分け隔てる非武装地域(DMZ)を訪れる予定はないと言及した。
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

こういう国は抑止しなくてもいずれ自滅する。北朝鮮は古くて残忍な王朝政治をやっている。自国民からわずかしか残っていない「栄養」を吸い上げ、兄弟二人でミサイルを爆竹のように放つ。ときには周りの国に対して、犬のように吠える。一般的に人を咬む犬は吠えない。地域にとって北朝鮮の脅威はそれが崩壊してしまうことである。崩壊さえしなければ、吠えられるのは鬱陶しいかもしれないが、大きな害はない。

2022年5月19日 7:56

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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN18EMA0Y2A510C2000000&n_cid=DSPRM1AR08 』

日米、中国を「共同抑止」 首脳声明へ明記調整

日米、中国を「共同抑止」 首脳声明へ明記調整
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE174FY0X10C22A5000000/

『日米両政府は23日の首脳会談でまとめる共同声明に、中国の行動を共同で「抑止し対処する」方針を明記する調整に入った。米国の「核の傘」による日本防衛や両国の安全保障戦略の共有も打ち出す。米国はインド太平洋の新たな経済枠組みを発足すると表明しアジア関与を明確にする。

岸田文雄首相はバイデン米大統領の来日に合わせて会談する。日米首脳会談で中国抑止に言及する背景にはロシアのウクライナ侵攻がアジアへ波及するとの懸念がある。

米国はロシアに対処するため当面は欧州、中東、東アジアの3正面作戦を強いられる。こうした状況でも最優先に対処すべきは米国が唯一の競争相手と位置づける中国であることを内外に示す。

2021年に当時の菅義偉首相とバイデン氏が発表した共同声明は半世紀ぶりに「台湾海峡」の平和と安定の重要性について書き込んだ。地域における「抑止の重要性(the importance of deterrence)も認識する」との文言も入れた。

今回は中国による地域の安定を損なう行動を「抑止(deter)」し、協力して「対処(respond)」するとの表現に強める方向だ。「力による現状変更は許さない」と強調し、台湾を巡る書きぶりも踏襲する。

ロシアへの経済制裁を継続すると確かめ、核兵器による威嚇を非難する。北朝鮮には改めて完全な非核化を求める。

米国は「核の傘」で日本を守る姿勢を明確にする。ウクライナ侵攻ではロシアを思いとどまらせることができず、核抑止の有効性に不安が広がる。米国は核を含む戦力で日本を守る「拡大抑止」を堅持する意思を示し、共同声明に記す。

日米が年内にそれぞれ策定する国家安保戦略を見据え、目標や戦略を共有することも申し合わせる。首相は防衛費の増額や「敵基地攻撃能力」の検討状況を伝える。

日米は経済版の閣僚協議「2プラス2」の早期初開催でも一致する。半導体の安定した供給網をつくる基本原則を示す。

首相はバイデン氏が立ち上げる新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」へ参加する方針を伝える。韓国やオーストラリアなど10カ国以上が加わる見込みだ。

【関連記事】
・日米首脳会談「核抑止」再確認へ ロシア侵攻で懸念拡大
・日米首脳会談、米識者に課題を聞く

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Indo-Pacific/U.S.-Japan-weigh-pledging-to-jointly-deter-China-at-Tokyo-summit?n_cid=DSBNNAR 』

日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか?

日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか? 「政治的課題の解決」である!
https://st2019.site/?p=19543

※ 原発を「利用し続ける」上で、最大の「課題」は、「高濃度放射性廃棄物」の処理の問題だろう…。

※ しかし、「技術的には」、解決策はほぼ出されている…。

※ ガラス製容器に封じ込めて、放射線対策して、地下深くに、厚いコンクリートの「地下貯蔵所」作って、そこに「何千年、何万年も」保管する…。

※ しかし、そういう「施設」を、「どこに」作る?「手を上げる地域・自治体」があるのか?

※ 世界中で、未だ「建設したところ」は、聞かない…。

※ 中国で「作った」という記事を読んだことがあるが、その後、続報を見ない…。

※ 別に、「原子力エンジニアリング」の問題じゃないと思う…。

『日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか? 「政治的課題の解決」である!

 どうして、票田に関連施設を抱えていない大多数の自民党議員たちが、原子力を見放しているのか、原発村の技術者たちがわかってないのは、困ったことだ。

 ロシア制裁と戦乱にともなう地球的なエネルギー危機は、おそらく2年~5年スパンの嵐となって、わが国を襲うであろう。

 しかるに日本の原子力村ときたら、あいかわらず「20年~30年スパン」の事業案しか、呈示し得ないのである。おまけにそれは社会の危機を解決してくれるものではなくて、ただの「一里塚」。

 そんなものしか呈示し得ないことに開き直り、国が30年スパンで予算をつけたり汗を流すのは当然だとまで錯覚している集団なのである。

 彼らには、日本の「政治的課題」の解決に、貢献する意思がないようだ。いままでとは全然別な角度の提案が必要なのだ。それが無い。
 だから自民党の方から、原発を見放すようになる。しかたのない流れではないか。

 プライオリティーは「廃棄物」の未来活用だ。これは「処分」ではダメだ。それは政治家に大荷物を与えるだけ。庶民の気持ちも明るくならない。政治家から見て、何の魅力もない。そんなものが「正答」だと思い込んでいるところに彼らの脳内の限界がある。

 「活用」でなかったら目はないのだ。「活用」は、一挙に社会問題を解決するレベルである必要はない。庶民の気持ちを明るくするものなら良いのだ。それなら政治家にとってマイナスの荷物とはならない。それであれば、票田的に無縁な政治家も、協賛する気になる。』

北朝鮮、原子炉建設再開か 米専門家が衛星画像分析

北朝鮮、原子炉建設再開か 米専門家が衛星画像分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB153Q30V10C22A5000000/

『【ワシントン=共同】北朝鮮が北西部寧辺の核施設で凍結されていた原子炉建設を再開した兆候があることが、米専門家らによる衛星画像の分析で15日までに分かった。完成時期は不明だが、プルトニウム生産能力が10倍に高まる可能性があるという。

米ミドルベリー国際大学院モントレー校の核専門家ジェフリー・ルイス氏らが10日に分析を発表した。この原子炉は1994年に建設が凍結された。

4月と5月に撮影された衛星画像を分析したところ、原子炉の冷却系統と、冷却用の水をくみ上げるポンプ場を結ぶパイプラインを敷設している状況が写っていた。4月20日には建設機器が見えており、5月7日にはパイプが埋められていた。ルイス氏らは「原子炉の建設を完了させる意思を示している」としている。

北朝鮮は今年に入りミサイル発射を繰り返している。日米韓は北朝鮮が核実験再開に踏み切ることを警戒している。』

尖閣沖 中国海警局の船4隻 日本の領海に侵入 海保が警告続ける

尖閣沖 中国海警局の船4隻 日本の領海に侵入 海保が警告続ける
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220514/k10013626021000.html

『 14日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で中国海警局の船4隻が日本の領海に侵入し、海上保安本部は直ちに領海から出るよう警告を続けています。

第11管区海上保安本部によりますと、中国海警局の船4隻が14日午前10時30分ごろから45分ごろまでに相次いで尖閣諸島の沖合で日本の領海に侵入しました。

午前10時50分現在、4隻は南小島の沖合の日本の領海内を航行しているということです。

海上保安本部は直ちに領海から出るよう警告を続けています。』

防衛相「超大型放射砲の可能性」 12日の北朝鮮ミサイル

防衛相「超大型放射砲の可能性」 12日の北朝鮮ミサイル
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA131SR0T10C22A5000000/

『岸信夫防衛相は13日の記者会見で、北朝鮮が12日に発射した3発の弾道ミサイルに関する見解を示した。「超大型放射砲(多連装ロケット砲)の可能性を含めさらなる分析を進めている」と述べた。

2019~20年に発射が相次いだ短距離弾道ミサイルの一種で、複数のロケット弾をほぼ同時に飛ばす。韓国メディアによると韓国軍も同様の見方を提示している。

日本の防衛省は12日、3発について最高高度100キロメートル程度、通常の弾道軌道なら350キロメートルほどの距離を飛んだと公表した。日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したと推定した。

岸氏は13日の記者会見で北朝鮮の行動を「断じて容認できない」と非難した。日本政府は12日、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

【関連記事】北朝鮮、短距離弾道ミサイル3発発射 日本EEZ外に落下か 』

ウクライナの次に「餌食」になるのは台湾と日本か?

ウクライナの次に「餌食」になるのは台湾と日本か?―米政府HPから「台湾独立を支持しない」が消えた!
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220512-00295668 

 ※ 『 北京の場合は「台湾独立」が中華人民共和国誕生以来の「最大の怒り」となることをバイデンは知っている。習近平が「反国家分裂法」を発動して台湾を武力攻撃するしかないところに追い込まれるかもしれない。

 その場合、アメリカ人は戦わないで、「台湾有事は日本有事」という概念を日本人に刷り込み、「アメリカは遥か離れた所にあるが、日本は台湾のすぐ隣なのだから、さらに尖閣問題だってあるから、これは日本の問題だ」として、「戦うべきは日本人」と主張し、日本国民を戦場に駆り立てる可能性がある。

尖閣に関しては日米同盟が対象としていると言っているが、中国は尖閣を狙って武力攻撃をするわけではないのでアメリカは回避する理由を見つけられるし、また日米安保条約も、米議会の承諾がなければ米軍を動かせないので、そこで否決すれば済むことだ。

 戦費も日本が出しなさいと、金を日本からむしり取ることもするだろう。

 アメリカにとって、日本人の命が犠牲になることは「痛くない」のだ。アメリカの言う通りに動くことに、日本は慣らされてきたので文句は言うまいと高を括っているだろう。1945年8月15日以来、その方向に日本を手なづけてきたのだから。』…。

 ※ そういう「可能性があること」は、常に念頭に置いておかんとな…。

『プーチンを怒らせるには「ウクライナのNATO加盟」を煽ることだったが、北京を怒らせるには「台湾独立」を煽ることだ。

台湾が政府として独立を叫べば北京は必ず武力攻撃をしてくる。独立を叫んでくれないと中国が武力攻撃してこない。戦争が永久に地球上で起きていないとアメリカの戦争ビジネスは儲からない。

 バイデンはウクライナと同じ構図を、今度は台湾と日本で築こうとしている。

 次にバイデンの餌食になるのは台湾と日本だ!

◆これまでの台湾関係の米政府文書

2022年5月3日付のアメリカ政府のウェブサイトには、台湾との関係のページで、以下の文言があった。( )内の日本語は筆者。

  Government of the People’s Republic of China as the sole legal government of China, acknowledging the Chinese position that there is but one China(一つの中国) and Taiwan is part of China(台湾は中国の一部). The Joint Communique also stated that the people of the United States will maintain cultural, commercial, and other unofficial relations with the people of Taiwan. The American Institute in Taiwan (AIT) is responsible for implementing U.S. policy toward Taiwan.

The United States does not support Taiwan independence(アメリカは台湾の独立を支持しない). Maintaining strong, unofficial relations with Taiwan is a major U.S. goal, in line with the U.S. desire to further peace and stability in Asia.(引用ここまで)

 バイデン大統領が習近平国家主席と電話会談するときも、ブリンケン国務長官が楊潔篪・中央外事工作委员会弁公室主任や王毅外相と会談するときも、必ずと言っていいほど「アメリカは台湾の独立を支持しない」という言葉を、決まり文句のように言っていた。だから、対中包囲網とかいろいろな連盟を結成しても、中国は決して本気で怒ることはなかった。

 台湾政府もまた、政府として「独立」を宣言すると、必ず中国の全人代で2005年に制定された「反国家分裂法」が火を噴くのを知っているので、民進党の蔡英文総統といえども、やはり「独立」を宣言することだけは避けている。

 だというのに、バイデンは今般、ウクライナでプーチンを軍事侵攻に持っていくことに成功したため、同じ手法を用いて、遂にその刃を台湾に、そして結局は日本に向け始めたのである。

◆5月5日の更新で消えた「台湾は中国の一部分」と「アメリカは台湾独立を支持しない」

今年5月5日に更新されたアメリカ政府のウェブサイトにおける台湾関係のページをご覧いただきたい。このページには、以下の二つの文言がない。

     ●Taiwan is part of China

     ●The United States does not support Taiwan independence

 すなわち「台湾は中国の一部」という言葉と「アメリカは台湾の独立を支持しない」という言葉が削除されてしまっているのだ。それでいて

     ●one China

という言葉だけは残っている。

これは何を意味しているかといえば、中国は「中華人民共和国」なのか、それとも「中華民国」なのかという違いはあるが、少なくとも「一つの中国」で、アメリカは場合によっては「中国=中華民国」として、「一つの中国」を認める可能性があることを示唆している。

 これが実際行動として起きたら、中国は必ず台湾を武力攻撃するだろう。

 それは「ウクライナはNATOに加盟すべき」と言ってプーチンを激怒させたのと同じことを、習近平に対しても仕向ける可能性を秘めている。

 習近平は本来、台湾を武力攻撃するつもりはない。

なぜなら、ウクライナと違い、統一した後に統治しなければならないので、武力攻撃を受けて反中感情が高まっているような台湾国民を抱え込んだら、一党支配体制が崩壊するからだ。したがって経済でがんじがらめにして、搦(から)め取っていこうというのが、習近平の基本戦略だ。

 しかし、バイデンは、それでは困る。

 戦争をしてくれないと、アメリカの戦争ビジネスが儲からない。

 戦争ビジネスで儲けていかないと、やがて中国の経済規模がアメリカを抜くことになるので、それを阻止するためにもバイデンには「戦争」が必要なのである。

◆中国は激しく反応

5月10日の18:24に公開された中国外交部のウェブサイトによれば、定例記者会見で、ロイター社の記者が趙立堅報道官に以下のように聞いている。

 ――アメリカ国務省のウェブサイトが最近「米台関係に関する事実のリスト」を更新し、「台湾は中国の一部である」や「米国は「台湾の独立」を支持していない」などの表現を削除したと、多くの報道が注目している。これに関して外交部はどのように考えているか?

 すると、趙立堅が眉間にしわを寄せて、概ね以下のように回答した(概略)。

――世界に中国は1つしかなく、台湾は中国の領土の不可分の一部であり、中華人民共和国政府は全中国を代表する唯一の合法的な政府だ。

これは国際社会が普遍的に認める共通認識で、国際関係の原則だ。歴史を改ざんすることは許されない。

アメリカは、3つの米中共同コミュニケにおいて、台湾問題と「一つの中国」原則について、厳粛な約束をした。今になってアメリカが米台関係を改訂することは、危険な火遊びをするようなもので、必ず大やけどをすることになる。

 バイデン大統領は何度も「アメリカは台湾の独立を支持しない」と誓ったではないか。
それを言葉通りに実行せよ。台湾問題を口実に政治的小細工を弄して、「台湾を以て中国をコントロールする」ような愚かな行為はやめることだ。(引用ここまで)

 5月11日06:47には、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」が外交部のコメントを引用して激しい批判を展開している。そこでは

 ●2018年8月31日にアメリカ国務省の東アジア局が更新したウェブサイトには、「米国は、中華人民共和国政府が中国唯一の合法的な政府であることを認め台湾は中国の一部であり、米国は台湾の独立を支持しておらず、台湾との強い非公式な関係を維持することは米国の主要な目標であり、アジアにおける平和と安定の追求に対する米国の期待に合致している」と書いてあるが、それは今アーカイブ入りしてしまった。

 ●5月5日に更新されたヴァージョンでは、厳粛な中台間の約束事が削除され、「台湾は民主主義のリーダーであり、科学技術の要人であり、インド・太平洋地域における米国の重要なパートナーである」と書いてある。

 ●「台湾カード」を用いて、卑劣な小細工を弄することは絶対に許されない。

という趣旨のことが書いてある。

 さらに5月11日15:41、中共中央台湾工作弁公室と国務院台湾工作弁公室は同時に記者会見を開いて以下のようにアメリカを批判した。

 ――「台湾が中国の一部である」という事実を変えることはできない。 米政府に対し、「一つの中国」原則を空洞化させることをやめ、「一つの中国」原則と三つの米中コミュニケを遵守するよう要求する。

◆台湾のネット番組は

台湾のネット番組【頭條開講】が【台湾海峡は煉獄になったのか? ホワイトハウスはどうしても北京を怒らせたい(北京を怒らせるためには手段を択ばない)! 文字によるゲームは中国のレッドラインに挑戦しようとしている! 「台湾の独立を支持するか否か」がカードになってしまった! アメリカはかつての承諾を覆そうとしている!】といった、やたら長いタイトルの番組を報道した。

 コメントしているのは、元ニュージーランドの「中華民国」代表(大使級)の介文汲氏で、彼はアメリカの今般の台湾に関する変化を「戦争に誘うため」と解釈している。

 【頭條開講】は台湾の「中天新聞」傘下のニュースチャンネルで、国民党側のメディアだ。そのため中天新聞は民進党の蔡英文政権からテレビ局としての運営許可を2020年11月に取り上げられ、今のところはYouTubeチャンネルを運営している。その上でご紹介すると、介氏は概ね以下のように言っている

 ●これはほんの始まりに過ぎない。フルコースの料理で言うなら、前菜が出たといったところか。

 ●今は当該文章を削除しただけだが、そのうち明確に「台湾は中国の一部ではない」と書いてくるかもしれないし、「アメリカは台湾の独立を支持する」と明言するようになるかもしれない。

 ●そこまで行ったら、当然、戦争が始まる。

 ●そもそも、考えてみるといい。アメリカがちょっとした策を講じただけで、ロシアは見事に引っ掛かって手を出してしまったじゃないか。今度は似たような手で「台湾」を道具に使って中国に戦争を誘発させようとしている。GDP1.7兆ドルのロシアと比べたら、何と言っても中国はGDP17兆ドル!アメリカにしてみれば、この中国こそが本当の敵なんだ。

 ●アメリカにとっては、台湾海峡での緊張が高まれば高まるほど有利で、その分だけアメリカの懐にお金が転がりこむという寸法だ。

 ●アメリカは大臣クラスの人が台湾を訪問したり台湾に武器を売りつけたりして、できるだけ北京を怒らせ、台湾海峡の緊張を高めて、戦争に持っていこうと準備している。

 ●だから、台湾人自身が、自分たちの未来を、どのようにして決定し、どういう道を選ぶのかを考えなければならない。

◆ウクライナの次に「バイデンの餌食」になるのは日本か

 ウクライナ戦争をきっかけに、日本は軍備への意向が強くなっている。その方向に日本人の意識を醸成した上で、アメリカは「日本をNATOに加盟させる」雰囲気をちらつかせて、「餌」にしている。

 こうしておいて「台湾独立」という北京が激怒する「台湾カード」を用いて、武力を使って台湾統一をすることを避けようとしてきた北京を何とか怒らせ、武力を使わざるを得ない方向に持っていこうとしているのだ。

 これはミアシャイマーが「棒で熊(プーチン)の目を突いた」ことに相当する。   

 ウクライナの場合は「NATO加盟」を煽ればプーチンは動くと、バイデンは2009年から周到に計画して行動してきたことは、これまで何度も書いてきた通りだ(拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』だけでなく、たとえば5月1日のコラム<2014年、ウクライナにアメリカの傀儡政権を樹立させたバイデンと「クッキーを配るヌーランド」>や5月6日のコラム<遂につかんだ「バイデンの動かぬ証拠」――2014年ウクライナ親露政権打倒の首謀者>など)。

 結果、獰猛なプーチンは愚かにもその手に乗って軍事行動に出てしまった。

 北京の場合は「台湾独立」が中華人民共和国誕生以来の「最大の怒り」となることをバイデンは知っている。習近平が「反国家分裂法」を発動して台湾を武力攻撃するしかないところに追い込まれるかもしれない。

 その場合、アメリカ人は戦わないで、「台湾有事は日本有事」という概念を日本人に刷り込み、「アメリカは遥か離れた所にあるが、日本は台湾のすぐ隣なのだから、さらに尖閣問題だってあるから、これは日本の問題だ」として、「戦うべきは日本人」と主張し、日本国民を戦場に駆り立てる可能性がある。

尖閣に関しては日米同盟が対象としていると言っているが、中国は尖閣を狙って武力攻撃をするわけではないのでアメリカは回避する理由を見つけられるし、また日米安保条約も、米議会の承諾がなければ米軍を動かせないので、そこで否決すれば済むことだ。

 戦費も日本が出しなさいと、金を日本からむしり取ることもするだろう。

 アメリカにとって、日本人の命が犠牲になることは「痛くない」のだ。アメリカの言う通りに動くことに、日本は慣らされてきたので文句は言うまいと高を括っているだろう。1945年8月15日以来、その方向に日本を手なづけてきたのだから。

 筆者がなぜ執拗にバイデンの動きを追いかけてきたかというと、実はこれがバイデンの行きつくところであろうことを最初から予感していたからだ。

 従って、「遂に来たか」という思いしかない。

 1945年からアメリカに飼いならされてきた(少なからぬ)日本人には到底信じられない「妄想」のように見えるかもしれないが、これが現実だ。嘘と思うならアメリカ政府のウェブサイトをしっかりご覧になるといい。

 ウクライナで起きたことは。必ず日本でも起きる。

 それをどのようにすれば防ぐことができるのかを考えることこそ、日本人の責務なのではないだろうか。』

遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略 世界はどう変わるのか』(4月16日出版、PHP)、『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史  習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
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ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略 世界はどう変わるのか

政府、ファイブ・アイズと協力拡大 機密情報の枠組み

政府、ファイブ・アイズと協力拡大 機密情報の枠組み
対中ロ念頭、本格参加には壁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA261U80W2A420C2000000/

『政府は機密情報を共有する英語圏の枠組み「ファイブ・アイズ」5カ国と協力を拡大する。中国やロシアへの警戒を強める一環だ。米国と同盟を結ぶ英国やオーストラリアと安全保障に関わる情報を互いに伝えあう。日本は秘密情報を扱う専門機関を持たず本格的な協力には壁もある。

岸田文雄首相は5日、訪問先の英国でジョンソン首相と会談し、自衛隊と英軍が共同訓練をしやすくする「円滑化協定」について大枠で合意した。日本にとって地位協定を結ぶ米国を除けば、豪州に続き2カ国目の合意となった。

英国は2021年9月に空母打撃群を米軍横須賀基地(神奈川県)に寄港させ、アジア地域への関与を強めてきた。日英は高いレベルの安保協力に乗り出しており、13年に締結した機密情報のやりとりを可能にする情報保護協定が前提になる。

日本は4月、ニュージーランド(NZ)との間でも情報保護協定の交渉を始めると合意した。NZはファイブ・アイズに参加する。

この枠組みは米英を中心に立ち上げ、カナダと豪州、NZが加わった。通信傍受網を通じて電話やメールなどの情報を収集し、参加国の情報機関は相互に傍受施設を共同活用している。

日本は米英豪3カ国と情報保護協定を締結した。NZとも結べばファイブ・アイズとの情報共有の幅が広がる。日本も偵察衛星など宇宙からの情報収集を強化する。

米議会ではロシアによるウクライナ危機の前からファイブ・アイズのメンバーを増やす議論が提起されてきた。

21年11月に下院の軍事委員会のもとにある情報・特殊作戦小委員会が中心となって作成した国防権限法案に「韓国、日本、インド、ドイツとの情報共有拡大について報告書を提出するよう指示する」と明記した。

厳しさを増す安保環境が背景にある。最近では中国とソロモン諸島が安全保障協定を結んだ。中国軍の派遣や艦船の寄港を認める内容を含むとみられ、南太平洋に軍事進出する可能性がある。

米英豪は21年9月、インド太平洋地域での安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設した。米英が豪州に原子力潜水艦の技術を供与すると合意し、22年4月には極超音速兵器の開発など新たに8分野での協力をまとめた。

ロシアによるウクライナ侵攻で強権的な国家に対する安全保障への危機感が高まる。自由や民主主義、法の支配といった価値観を共有できる国での協力が重要になる。

日本は米豪とインドによる「Quad(クアッド)」の枠組みで中国に対抗する。インドはロシアとの軍事的な結びつきが強いほか、冷戦時代は東西どちらの陣営にもくみしない非同盟主義を掲げた経緯がある。日米と歩調を合わせるのには限界もにじむ。

米国を中核とした別の枠組みも重要になる。韓国で保守系の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が大統領に就任したのを機に、日米韓3カ国の連携への期待が高まるのは似た文脈にある。

日本には情報の収集や保持の体制に不安が残る。国内の通信傍受を制限しているほか海外で独自に情報を集める組織も持たない。

14年に機密を漏らした人に厳罰を科す特定秘密保護法を施行したものの、機密や先端技術の取り扱いの資格(セキュリティー・クリアランス)制度などが整っていない。情報漏洩を防ぐ体制に依然もろさが残りファイブ・アイズの枠組みに加わるハードルは高い。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Japan-pursues-greater-Five-Eyes-intel-sharing-amid-China-concerns?n_cid=DSBNNAR 』