【上岡龍次コラム】 米中戦争を覚悟した外交

【上岡龍次コラム】 米中戦争を覚悟した外交
https://www.epochtimes.jp/2023/02/135308.html

『外交の表と裏

外交では表と裏の発言が有り真意は曖昧になる。これは国家間の対立を悪化させないためと友好関係に誘導するために使われる。極端に言えば戦争に向かっていることを隠すか戦争を回避して友好関係に向かうかのどちらか。これは3000年の戦争史で繰り返されていることであり、今では米中関係が典型的な姿を見せている。』

(※ 無料は、ここまで。)

『上岡龍次
戦争学研究家、1971年3月19日生まれ。愛媛県出身。九州東海大学大学院卒(情報工学専攻修士)。軍事評論家である元陸将補の松村劭(つとむ)氏に師事。これ以後、日本では珍しい戦争学の研究家となる。』

日本、マレーシアの海上保安当局が南シナ海警備訓練を実施

日本、マレーシアの海上保安当局が南シナ海警備訓練を実施
https://www.epochtimes.jp/2023/02/135321.html

『日本の海上保安庁は1月中旬、中国政府が他の領有権主張国に対して主張を強めている南シナ海での侵入者を撃退する方法について、マレーシア側を訓練するための警備訓練を完了した。

マレーシア海上法令執行庁(MMEA)のサイフル・リザン・イブラヒム(Saiful Lizan Ibrahim)兵站部次長は、4日間の訓練で、マレーシアが初めて音響砲と呼ばれる長距離音響装置を使用する訓練を受けたと述べた。

サイフル氏は声明の中で、「この訓練は、警察官や隊員に装置の使い方を教えるとともに、外国船、特にマレーシアの海域に侵入してきた外国船に対する有効性を検証するために行われた。 協力を拒んだり、攻撃的な行動をとる侵入船を追い払うために使用される」と述べた。

音波砲は、遠距離の通信に使用することが可能で、 マレーシアが現在使用する装置からのアップグレードとなる。

日本政府は、マレーシアに4台の音響砲を供与した。 この装置は、海上法令執行庁の海上パトロール艇に搭載される予定だ、とサイフル氏は述べた。

海上保安庁の田村誠氏はNHKの取材に対し、「東南アジアは日本にとって重要な航路がある。 各国が海の安全を確保できるよう支援を続けていく」と述べた。

マレーシアとは異なり、日本は中国との南シナ海紛争の直接の当事者ではないが、エネルギー輸入やその他の貿易にとって水路が重要であることからも、利害関係者であることは確かだ。

日本は東シナ海で中国と係争中であり、特に中国政府が自国領と主張する尖閣諸島をめぐって争っている。

中国はまた、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)内の海域や、インドネシアのEEZと重なる部分を含む、南シナ海のほぼ全域の領有権を主張している。

南シナ海における中国の広大な主張を無効とし、マニラが勝訴した2016年の国際仲裁裁判の判決を中国は無視し続けている。

マレーシア政府の2020年の報告書によると、中国の沿岸警備隊と海軍の船が2016年から2019年の間に89回、南シナ海のマレーシア領海に侵入している。 船舶はマレーシア海軍に追い返されるまで領海内に留まっていた。

インドネシア、マレーシア、ベトナムは、中国の沿岸警備隊や海上民兵の船が頻繁に侵入して石油やガスの探査を妨害し、対立に発展していると中国を非難している。

オーストラリア国立大学アジア太平洋問題研究所のデビッド・エンヴァル(David Envall)博士による2022年10月の研究論文によれば、中国によるこうした活動はすべて、「日本から見れば、この地域の他国の領有権主張と支配力を弱め、自国の支配を確立しようとする中国による単一の戦略の一部であると考えられる」ものだ。

日本は東シナ海で同様のグレーゾーン戦術、すなわち「『武力攻撃』とみなされないぎりぎりの圧力の試み」に直面している、とエンバル博士は書いている。

マレーシアと同様に、日本はインドネシアやフィリピンとの関係を強化している。

マレーシア国立大学の戦略研究・国際関係上級講師フー・チュー・ピン(Hoo Chiew Ping)氏は、マレーシア海上法令執行庁がオーストラリアや日本を含む提携国からの支援で、海上警備、緊急対応、執行のリソースを補ってきたと述べている。

同氏はさらに、「このように、日本から提供される音響装置は、海上法執行庁の探知能力を高め、我が国の漁業従事者に警告システムを提供し、我が国の海域における外国船舶との海上衝突や対立のリスクを低減することができる」と述べている。

マレーシアの戦略国際問題研究所のシャリマン・ロックマン(Shahriman Lockman)所長は、日本との共同訓練は中国政府の不興を買うだろうとした上で、 「同時に、中国はマレーシアが自衛能力を高める必要があることをある程度は理解しているはずだ」と述べた。

ロックマン氏は、南シナ海のマレーシアの排他的経済水域における中国の持続的なプレゼンスに言及し、

「中国の存在は新たな常態となっており、通常はマレーシアの政府の船舶が追尾している。 「時折、緊張が走るものの、緩和され、制御されている様子だ」と語った。

Indo-Pacific Defence Forum 』

日本は真の国際秩序を守り、中日関係を正常な発展軌道に戻すべき

日本は真の国際秩序を守り、中日関係を正常な発展軌道に戻すべき
http://j.people.com.cn/n3/2023/0203/c94474-10203238.html

『人民網日本語版 2023年02月03日16:21

2023年1月11日、米日の外務・防衛担当閣僚会合「2プラス2」が開催された。会合後、両国は米日安全保障協議委員会の共同声明で、中国への抑止力向上を念頭に米日同盟の強化を打ち出し、「中国は国際社会全体における最大の戦略的挑戦である」として、悪意をもって理由なく中国を非難した。日本は中国に関わる問題を騒ぎ立て、国際関係の基本準則に深刻に違反し、中日関係を悪化させ、ひいてはアジア太平洋の安定を破壊するという悪影響を及ぼしている。現在、百年間なかった大きな変局と新型コロナウイルス感染症のパンデミック後の経済回復問題が重なり合っており、国際社会が最も必要としているのは団結と協力で、地域が最も期待しているのは平和と安定である。しかし、今回の米日「2プラス2」共同声明が世界に示したのは、米日が「自由で開かれたインド太平洋」の旗印を掲げながら、実際には排他的な小集団を作り、分断と対立を生み出しているというものである。(文/王一晨・中国社会科学院日本研究所)

中国こそが真の国際秩序の擁護者

日本はこのところ、あらゆる場合において中国が国際秩序の「挑戦者」だと中傷し、自らを国際ルールの「守護者」と自称している。この度の共同声明でも、米日は「自らの利益のために国際秩序を作り変える」と中国を中傷した。これは紛れもなく、冷戦思考とイデオロギー的偏見に凝り固まり、いわゆる「ルール・秩序の制定者」を自認し、狭隘な地政学的視点から「小集団」を作るブロック政治を行い、「国際秩序」という名目で、地域と世界で対立や分断を作り出すことであり、「是非を転倒している」と言っても過言ではない。

国際社会においては、現在の「国際秩序」は世界反ファシズム戦争の勝利に基づいた成果であると広く認識されている。しかし、第二次世界大戦の二大敗戦国の一つであり、数多くの戦争犯罪を行った日本は、侵略の歴史を正しく反省しないどころか、周辺の安全保障上の脅威を誇張し、米日同盟によって自らの軍事拡張への束縛を弱め、戦後の制約から抜け出す口実を作っている。これは実質的には、戦後の国際秩序に対する挑発であろう。

今の世界において、国連を核心とする国際体制以外の国際体制は存在しない。中国が順守するのは国連憲章を基礎とする、各国が広く認めている国際関係の基本準則であり、日本または米日が定めた「小集団のルール」ではない。中国は責任ある大国として、一貫して自主独立の平和外交政策を堅持し、揺るぐことなく世界平和の建設者であり続け、世界発展の貢献者であり続け、国際秩序の擁護者であり続けてきた。習近平国家主席が初めて提起したグローバル発展イニシアティブとグローバル安全保障イニシアティブは、全世界、特に発展途上国の発展と安全に主眼を置き、国際秩序を守るための中国の知恵とプランである。

「内政干渉」こそが国際法違反

今回の米日「2プラス2」共同声明は、またも「釣魚島問題」や「台湾問題」に触れ、中国の内政に乱暴に干渉し、国際法に深刻に背いた。釣魚島及びその付属島嶼が中国固有の領土であることにおいて、中国には十分な歴史的根拠と法的根拠がある。したがって、中国の釣魚島海域でのパトロールと法執行は主権的権利の正当な行使である。しかし、日本は対中交渉と協議を行わず、一方的に同地域で米日軍事協力を強化している。これこそが「力による」東中国海情勢の緊張の原因である。

昨年、ペロシ米下院議長(当時)が台湾地区を訪問した際、日本は騒ぎに便乗し、「盗人の提燈持ち」として動き、中日間の4つの基本文書と共通認識の精神に違反した。今回の米日共同声明においても台湾問題に言及したことは、台湾海峡情勢の緊張を拡大し、中国の主権と領土保全に干渉することにほかならない。台湾地区は中国の領土の不可分の一部で、関連する問題は完全に中国の内政であり、外部勢力のいかなる干渉も容認しない。「一つの中国」の原則は国際関係の基本準則であり、国際社会の普遍的共通認識でもある。台湾問題は中日関係の政治的基礎と両国間の基本的信義に関わるものであるため、これ以上中国のレッドラインを越えようとすれば、中日関係の雰囲気を悪化させ、両国関係を深刻に阻害することは間違いないだろう。日本はかつて長期にわたり台湾地区を植民地化し、台湾同胞を含む中国人民に対し消し去りがたい歴史上の犯罪の責任を負っており、いっそう言動を慎み、挑発行動を停止すべきである。

「互いに内政に干渉しない」ことは、中国が提起した「平和五原則」の一部であり、様々な社会制度、発展レベル・規模の国家間関係に適用できる。1955年のバンドン会議、1960年代の非同盟運動、1970年代の国連総会宣言にはいずれも平和共存五原則が取り入れられた。中国は一貫して、主権と領土保全は不可侵であり、互いの核心的利益を尊重すべきと主張している。したがって、各国の政府と人々は手を携えて協力し、共同で対処し、法に基づいてその権利を行使すべきである。「ルールに基づく自由で開かれた国際秩序」と看板を偽って、国際法をねじ曲げ、他国の合法的な権益を侵害し、平和を破壊してはならない。

2022年に中日は国交正常化50周年を迎えた。習近平国家主席と岸田文雄首相はAPECでの会談で、建設的で安定的な中日関係の構築に向けてハイレベル交流と対話を深めることで一致した。2023年は中日平和友好条約締結45周年に当たる。45年前、両国の上の世代の指導者は地域の平和と安定の維持に努める責任を担うことを約束した。45周年という新たなスタート地点において、中国は日本に対し、中日の4つの基本文書の原則と関連する共通認識に従い、溝と対立を効果的に管理し、両国関係の大局が阻害されることを防ぎ、両国関係の政治的基礎を守ることを望んでいる。世界は新たな激動の変革期に入った。一国の安全保障は他国の安全保障を損なうことを代価としてはならず、地域の安全保障も分断と対立によって実現することはできない。中日は平和と安定を大切にするべきであり、冷戦思考を地域で再燃させてはならず、地域をブロック対立の戦場にしてはならず、団結と協力、発展と繁栄のために積極的な役割を果たすべきである。

「人民網日本語版」2023年2月3日
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存立危機時に反撃力行使も 首相、具体例は説明せず

存立危機時に反撃力行使も 首相、具体例は説明せず
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2fc3f03abf268760492b0e4beb683b09d4d01cf

『1/30(月) 19:00配信

岸田文雄首相は30日の衆院予算委員会で、集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」の際、反撃能力(敵基地攻撃能力)を発動できるとの認識を示した。

立憲民主党から想定しているかどうかを問われ「個別具体的な事案に即して考えなければいけない」と述べた。

ただ、具体的な事例に関しては「細かく説明するのは手の内を明かすことになり、控えなければならない」と説明を拒否した。立民は反発を強めた。

 首相は防衛費増額に伴う増税の開始前に衆院を解散する可能性に関し「解散時期は適切に判断する。増税の前に選挙がある可能性は理屈上、排除されない」と語った。』

首相、比に年間2千億円超支援表明へ

首相、比に年間2千億円超支援表明へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea8af6ddb91df46e7829e90f2bf4fecc7e73bf4e

 ※ 広域強盗の指示者と見られる人物たちの引き渡し問題なんかも、こういう文脈の中で処理されていく…。

『 岸田文雄首相は、8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2千億円を超える支援を表明する方向で調整に入った。複数の政府関係者が2日明らかにした。』

衆院予算委 志位委員長の基本的質疑

衆院予算委 志位委員長の基本的質疑
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2023-02-02/2023020204_01_0.html

 ※ 一部を抜粋して、紹介する。

『2023年2月2日(木)

敵基地攻撃能力の恐るべき実態

志位 長射程ミサイルを大量導入・開発し、搭載する戦闘機、護衛艦、潜水 艦を大増強――なぜ「他国に脅威を与えることはない」と言えるのか

首相 (質問に答えず)まずは外交で国際社会にしっかり説明する

志位 答えになっていない。外交の姿は全く見えない

 志位 さらに聞きます。

 「安保3文書」でやろうとしていることは具体的にどういうことか。

 「GDP比2%以上」の軍事費となれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事費大国になります。

 敵基地攻撃のためにどんな兵器を持とうとしているのか(パネル3)。パネルをご覧ください。これは「安保3文書」で導入するとしている主なスタンド・オフ・ミサイル――相手国の脅威圏の外から発射する長射程ミサイルです。

 「12式地対艦誘導弾能力向上型」――これは、従来のものの射程を大幅に長くするものです。「高速滑空弾(能力向上型)」は、極超音速で飛行する長射程の滑空弾です。「極超音速誘導弾」は、音速の5倍以上の極超音速で飛行することにより、迎撃を困難にするミサイルです。米国製トマホークは、アフガニスタン戦争、イラク戦争などで先制攻撃に使われた長射程の巡航ミサイルです。

写真

(写真)日本共産党の志位和夫委員長の追及を受け、職員に説明を求める岸田文雄首相=1月31日、衆院予算委

 これらの長射程のミサイルを大量に導入、開発し、それを搭載する戦闘機、護衛艦、潜水艦を大増強する。これが、政府が今持とうとしている敵基地攻撃能力であります。

 総理、こうした攻撃能力を保有しても、「他国に脅威を与えることはない」と、どうして言えるか。私は、代表質問でそういうシンプルな問いを聞いたんですが、答弁がありません。端的に説明していただきたい。なぜ「他国に脅威を与えることはない」と言えるのか。どうでしょうか。

 首相 先ほどの田中角栄総理の答弁については、いわゆる海外派兵は一般に憲法上許されないということを述べたものであると申し上げましたが、この考え方は今も変わっておりません。海外派兵は今も憲法違反であるという認識に立っている。

 認識は変わらないということをまず申し上げた上で、他国に脅威にどうしてならないのかということでありますが、まずこの防衛力のこの内容、規模については戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙(たいじ)していく中で、国民の命を守り抜けるか、この極めて現実的なシミュレーションを行った上で必要となる防衛力の内容を積み上げ、そして導き出したものであります。その結果として、ご指摘のような装備を、この今のこの厳しい現実の中で国民の命を守るための反撃能力として必要であるという結論に達したということです。

 そして海外からこれが脅威にならないと理解されるかというご指摘でありますが、だからこそ、この国家安全保障戦略をはじめとするこの防衛3文書の中に、まずは外交というものを掲げて、この地域のこの平和と安定に貢献するという考え方を書いておるわけであり、そしてこうした装備が何のために必要なのか、こうしたものをこの国際社会にしっかり説明することが大事であるというこの観点を重視しているわけであります。

 今、国際社会にこうしたわが国の取り組みについて今説明をし続けています。もちろん一部、こうした内容について、わが国の内容について反論している国があるというのは事実でありますが、ほとんどの国において、こうしたわが国の取り組みに対して批判的な声は上がっていないと認識をしております。ぜひ引き続きまして、この厳しい安全保障環境の中で、なぜ、わが国がこうした体制を国民の命を守るために必要としているのか、そしてわが国はどういったこの外交政策を進めようとしているのか。こういった点について説明努力を続けたいと思っています。

 志位 まずは外交とおっしゃいましたが、外交の姿が全く見えません。それから、丁寧な説明をするとおっしゃった。しかし私が聞いたのは、「他国に脅威を与えるようなことにならない」と、なぜかと聞いた。それに対する答えがありません。

志位 長射程ミサイルの射程距離は、何キロか

防衛相 お答えできない

志位 「説明する」というが一番大事なことは説明しない。射程距離を明らかにしないこと自体が脅威になっていく

 志位 一つ、具体的に聞きます。この四つの長射程ミサイルの射程距離、それぞれ何キロですか。通告してあります。総理どうぞ。

 根本匠予算委員長 防衛大臣。

 浜田靖一防衛相 誘導弾の射程距離は、これを明らかにすれば国の具体的な防衛能力を明らかにすることとなるため、安全保障上控えるべきであり、お答えできないことをご理解いただきたいと思います。

 志位 射程距離は明らかにしない。「説明する」って言うけど、一番大事なことは説明しない。射程距離を明らかにしないこと自体が、私は脅威になっていくと思います。

 報道では、「12式地対艦誘導弾能力向上型」の射程は1000キロ、「高速滑空弾(能力向上型)」の射程は2000キロ、「極超音速誘導弾」の射程は3000キロ。トマホークの射程は1600キロとされます。中国や北朝鮮の主要都市がすっぽり射程内に入ることになります。文字通り「他国に脅威」を与える兵器そのものじゃないですか。
志位 マッハ5を超える「極超音速兵器」――中国やロシアが持てば「脅威」で、日本が持つことは「脅威」でないと、どうして言えるか

首相 (質問に答えず)G7はじめとする諸国、国際社会は歓迎している

志位 首相の言う「国際社会」とはアメリカを中心とする社会ではないか。「脅威」に「脅威」で対抗したら軍事対軍事の悪循環に陥る

 志位 具体的に聞いていきます。

 パネルご覧ください(パネル4)。これは防衛装備庁が作成したもので、敵基地攻撃能力を獲得した後の「将来像」が描かれております。

 ここで非常に重要な位置づけを与えられているのが、「極超音速誘導弾」です。音速の5倍以上で飛行し、飛行コースを機動的に変えることができ、空母の飛行甲板等を撃破可能な貫徹弾頭、地上目標を面的制圧可能な高密度弾頭を持つと書かれています。

 「極超音速兵器」とはどんなものか。ここに持ってまいりましたが、海上自衛隊幹部学校のウェブサイトに掲載された戦略研究室3等海佐の米田光一氏の一文では、「極超音速兵器」について次のように述べております。

 「極超音速兵器とは、飛行速度が概(おおむ)ねマッハ5を超える飛翔(ひしょう)体で、飛翔中に一定の機動(飛行コースの変化)が可能なものを指す」「極超音速兵器の特徴は、『弾道ミサイルに比べて飛翔高度が低い』、『飛翔体が一定の機動性を有する』及び『巡航ミサイルに比べて高速』、である。これらの特徴が重なることにより、探知の遅れ、飛翔経路予測の困難性、迎撃時間の短縮、という3重の困難を防御側に強いる。……極超音速兵器は、従来の弾道ミサイルや巡航ミサイルに比して突破力に優れた兵器である」

 そして、こう結んでおります。中国やロシアが「極超音速兵器」の開発を進めていることについて、「極超音速兵器の脅威に対し、各国がどのように対応していくのかが注目される」と。「極超音速兵器の脅威」ということを述べているわけであります。

 「極超音速兵器」とは今、軍事の専門家が述べたように、マッハ5を超える超高速で飛行し、飛行コースを機動的に変えることができ、弾道ミサイルや巡航ミサイルと比較しても「突破力」に優れ、そして日本にとっての「脅威」だと言っている。総理、中国やロシアがこの兵器を持つことは「脅威」で、日本が持つことは「脅威」ではない。どうして言えるんですか。

 首相 わが国の今回の防衛力強化について、たしかに北朝鮮をはじめいくつかの国はこの否定的なコメントを発している。これは事実ではありますが、一方で、今月、私が訪問した欧州、北米そしてG7をはじめとする諸国は、この歓迎をしておりますし、多くの国々も否定的なことをこの発しているということは承知しておりません。

 そして、こうした能力についてご説明がありましたが、これは大切なのは、こうした兵器をどう運用するかということであります。わが国は基本的な運用の仕方として、憲法、あるいは国際法、そしてわが国の国内法、これに準じて、専守防衛、これはしっかり守っていく。非核三原則は維持する。こうした考え方を再三繰り返し、繰り返し国際社会に対して説明をし続けてきました。こうした原則のもとに、わが国がこうした兵器を、運用するんだということ、これに対する信頼感を本当に得られるかどうか、これが大事であり、結果として、先ほど申し上げたように、多くの国際社会は今回のわが国の取り組みに否定的なコメントを発している国は少ないという状況にあるということ、これが重要であると認識をしております。

 志位 あなたのいう「国際社会」というのは、結局、G7、アメリカを中心とする世界じゃないですか。そういう世界が、軍事ブロックのもとにある世界が、応援しているというだけのことじゃないですか。

 私が聞いたのは、これが「脅威」にならないとどうして言えるのかと聞いたわけですけども答えがない。

 私は、「脅威」に対して「脅威」で対抗したら、それこそ軍事対軍事の悪循環が起こる。そんなことをやりだしたら、結局、核兵器を持たなきゃならなくなる。その道をとらない。日本は「盾」に徹する。これが「専守防衛」じゃないんですか。

「抑止力」とは恐怖であり威嚇

志位 敵基地攻撃能力が「抑止力」になるというが、「抑止力」とは恐怖であり、威嚇ではないか

首相 脅威にならないことを丁寧に説明する

志位 「抑止」の本質が相手に脅威を与えることにあることは軍事の常識だ。相手国に脅威を与える敵基地攻撃能力保有を進めながら、「他国に脅威を与えない」とは、根本的に論理が矛盾している

 志位 もう1問聞きたいと思います。総理、私の代表質問に対して、「反撃能力は相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力になる」とおっしゃいましたね。それでは敵基地攻撃能力がなぜ抑止力になるのか。それは、“もし日本を攻撃したら、手痛い反撃を受け、耐え難い損害を被ることになるぞ”と相手を威嚇し、恐怖を与えることによって、攻撃を思いとどまらせるということではないんですか。「抑止力」とは、恐怖であり威嚇じゃないですか。どうですか。

 首相 わが国の今回の対応に対して理解を示している国は、G7諸国だけではありません。アジアをはじめ、多くの国々がこうした厳しい安全保障環境の中で、わが国が対応しようとしている努力に対して理解をし、評価している。こうした声を上げているということは、事実であります。

 そうした中で、抑止力、対処力を強化するということは、おっしゃるように、このわが国に対して、不当な武力攻撃をする国々に対する行動を抑止、対処するという意味で重要であると思っておりますし、わが国が国際社会において、この平和や安定に貢献するための外交力の裏付けとしても、こうしたものは重要であると認識をしています。こうした取り組みは決して他国に対する脅威にはならないということ。これからも、丁寧に説明を続けていきたいと思っています。

 志位 脅威を与えることによって抑えるというのが、「抑止力」の基本であります。

 ここに私、持ってまいりましたけれども、防衛大学校のグローバルセキュリティセンターが出しているものでありますけれども、『日本の防衛政策と抑止』(と題して)、岩田修一郎さんという防衛大学校の教授の方が、かなり突っ込んだ考察を書いております。この論考は、結びでこう述べているんです。

 「抑止の要件の一つは、敵対国に対する威嚇であり、日本の専守防衛の考え方と相いれない面がある。抑止の本質は昔も今も恐怖である」

 これは私は、軍事の常識だと思いますよ。「抑止」の本質は、まさに、威嚇と恐怖、相手に脅威を与えることにある。

 私は、「抑止力」を強めるということで、相手国に脅威を与えるような敵基地攻撃能力の保有を進めながら、「他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」という。これは根本的に論理が矛盾していると思います。

志位 「専守防衛」を投げ捨てることは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、地域の緊張と対立を激化させる。絶対に許されない

 志位 「安保3文書」が「専守防衛に徹し」と言いながら、「専守防衛」を完全に投げ捨てるものであることは、私は明らかだと思います。

 日本弁護士連合会の意見書では、「専守防衛」について、「近隣諸国に対する『攻め込まれない』という『安心の供与』となって、平和的外交関係の形成・維持に大きく寄与してきた」と評価しています。そして、敵基地攻撃能力保有について、「近隣諸国に脅威と不信を呼び起こし、限りない軍拡競争に陥ることになりかねない」と警鐘を鳴らしています。

 私は、その通りだと思うんですよ。「専守防衛」を投げ捨てることは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、地域の緊張と対立を激化させる有害極まりないものだということを強く述べ、絶対に許されないということを表明したいと思います。

日米が「融合」して先制攻撃の危険

志位 日米合意では、敵基地攻撃能力は「米国との緊密な連携の下」で「効果的に運用」されるものであり、その取り組みの一つが「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)と言っている

首相 「統合防空ミサイル防衛」は、アメリカと日本は全く別物であり、自衛隊は独立の指揮系統で動く

志位 日米共同声明で「協力を強化する」と 言っている。単独でやるわけではない

 志位 さらに進みます。

 重大なことは、「反撃能力」の名での敵基地攻撃能力が、米軍と自衛隊が融合するように一体化するもとで、行使されるということです。

 総理に確認したい。1月13日に出された日米共同声明では、「日本の反撃能力及びその他の能力の開発および効果的な運用について協力を強化する」ことを確認しています。
 それに先立つ11日の日米安全保障協議委員会――「2プラス2」共同発表では、「米国との緊密な連携の下での日本の反撃能力の効果的な運用に向けて、日米間の協力を深化させることを決定した」とあります。そして、「日米同盟の抑止力・対処力」の強化の冒頭に、「統合防空ミサイル防衛」――IAMDをあげています。

 総理、これは確認です。政府が今保有しようとしている「反撃能力」――敵基地攻撃能力は、「米国との緊密な連携の下」で「効果的に運用」されるものであり、その取り組みの一つとして、「統合防空ミサイル防衛」――IAMDがあることは間違いないですね。これは確認です。

 首相 まず、わが国の防衛力の強化は、他国に恐怖や脅威を与えるために、強化しているわけではありません。これはわが国に対する不当な武力攻撃に対して、対処力、そして抑止力を高めるために、強化していくということは、もう今一度確認しておきたいと思います。

 その上で、ご質問の統合防空ミサイル防衛能力ですが、これはわが国の国家防衛戦略において、統合防空ミサイル防衛能力、これを強化し、わが国に対するミサイル攻撃については、ミサイル防衛システムを用いて迎撃しつつ、反撃能力を持つことにより、ミサイル防衛と相まって、ミサイル攻撃そのものを抑止していくこととしている。

 こうしたことですが、その際におっしゃるように、日米の連携は重要であります。しかし、アメリカの統合防空ミサイル防衛とわが国の統合防空ミサイル防衛、これは全く別物であり、自衛隊、米軍はですね、おのおの独立した指揮系統に立って行動するわけです。わが国としてはあくまでも、自衛隊、憲法、国際法、国内法に従って行動していく。こうしたことであります。こうした日米の連携、もちろん大事ではありますが、それぞれ独立した指揮系統に従って行動するということは、わが国として今一度確認しておりますし、これからも変わっていかないと思っています。

 志位 「抑止力」について、またおっしゃったけども、「抑止」の本質は、恐怖と威嚇だというのは、これは軍事の常識です。それがなければ「抑止」にならない。これを私は言いました。

 今ご答弁がありました、IAMD(「統合防空ミサイル防衛」)について、これが重要な柱だということをお認めになった。しかし、日本は独自にやるんだということもおっしゃった。しかし、あなたは、日米共同声明の中で「効果的な運用について協力を強化する」、こう言っているわけですから、単独でやるわけじゃないでしょう。ですから、この問題を突っ込んで聞いていきたいと思うんです。

志位 米国の「統合防空ミサイル防衛」に自衛隊が参加することがことの本質。米軍の基本原則では公然と先制攻撃を宣言している

首相 アメリカとて国際法違反を堂々とやることはあり得ない

志位 アメリカは数限りなく国連憲章違反の先制攻撃をやってきた。日本政府は一度も「ノー」と言ったことがない

 志位 もともと「統合防空ミサイル防衛」は、アメリカが2013年ごろから同盟国と一体に、地球的規模で構築しているシステムですが、敵基地攻撃能力を持つことによって、ついに自衛隊がこのシステムに参加するというのが、今起こっていることの本質だと思います。

 では、アメリカは「統合防空ミサイル防衛」をどのように説明しているのか。ここに私、持ってまいりましたが、2017年4月、(米)統合参謀本部が作成した『対航空・ミサイル脅威』と題する文書であります。この文書では、「統合防空ミサイル防衛」の基本原則を詳しく明らかにしております。

 パネルご覧ください(パネル5)。この文書では、米国と同盟国の、このシステムの一体的な運用の重要性を繰り返し、繰り返し強調したうえで、米軍の「統合防空ミサイル防衛」では「ミサイル防衛」とともに、「相手国の領域」において攻撃作戦を行う「攻勢対航空作戦」――オフェンシブ・カウンターエアが重要な構成部分となっていることを述べ、そして、米軍の基本原則として二つの点を明記しております。

 まず第一は、「攻勢対航空作戦」の攻撃目標です。米軍の基本原則では、「ミサイルサイト、飛行場、指揮統制機能、インフラストラクチャー」と明示しています。つまりミサイル基地、軍用飛行場だけでなく、指揮統制機能、さらには軍事基地を支えるインフラストラクチャー――鉄道、道路、港湾、空港などが攻撃対象になることを明示しております。

 第二は、「攻勢対航空作戦」は、「敵の飛行機やミサイルを離陸・発射の前と後の双方において破壊、または無力化する」。「前」と言うことが出てきます。「攻勢対航空作戦は、先制的にも対処的にもなる」。「先制的」という言葉が出てきます。つまり、公然と先制攻撃を行うことを宣言しているのが、このドクトリンであります。

 総理にうかがいます。自衛隊と米軍が協力して進める「統合防空ミサイル防衛」――一体ではないというけど、協力してやることは認めました――米軍がこういう原則を持っているということをご存じですか。

 首相 まず、最後の質問にお答えすると、米国のIAMDにご指摘のような方針を示しているということは承知しておりますが、先制攻撃は国際法違反であります。アメリカとて、国際法違反を堂々とやることはあり得ません。これは、国際法の範囲内で対応するものであると認識をしております。

 なおかつやっぱり、基本的に申し上げたいのは、わが国はこのIAMDに参加する、統合される、そんなことは全くありません。わが国のこの統合防空ミサイル防衛と米国のIAMDは全く別物であり、わが国として、わが国の国民の命を守るために必要とするこの統合防空ミサイル防衛をしっかりと準備しようと。その際に日米同盟に基づいて協力を得ることはある。しかしながら、このわが国の目的は、あくまでもわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、わが国はこの武力を行使するわけです。その範囲を超えて、わが国が行動することはないということも、丁寧に世界にしっかり説明をしていく必要があると思っています。

 志位 アメリカは国際法に違反するようなことはしないとおっしゃった。しかし、戦後、アメリカは、数限りなく、国連憲章に違反した先制攻撃の戦争をやっていますよ。1980年代には、グレナダ侵略、リビア爆撃、パナマ侵略、これらについて、国連総会で「国連憲章違反」と非難決議があがっている。そして、日本政府は1回もアメリカの武力行使に「ノー」と言ったことがない。そのだらしのない政府が、「アメリカは先制攻撃をやらない」と言っても、誰も信用するものではありません。

 そして、日米は別々にやるんだとおっしゃいますが、先ほど言ったように、あなたも確認したように、「日米で協力して開発し運用する」と合意を結んでいるじゃないですか。別々ってことはないんです。

志位 米国と同盟国が「シームレス――切れ目のない融合」をはかるというのが米軍の方針だ。自衛隊だけは独立した指揮系統などあり得ない。米国が先制攻撃の戦争に乗り出した時に、自衛隊も一緒に戦争することになる

首相 わが国独自の「統合防空ミサイル防衛」に日米同盟に基づいて協力を得る

志位 あなたがどう信じようと米軍は(融合運用という)方針を持っている

 志位 「自衛隊は独立指揮系統に従って行動する」とおっしゃいますが、「統合防空ミサイル防衛」で自衛隊が独立した指揮系統に従って行動することがありうるか。

 これは米空軍が発行している『航空宇宙作戦レビュー』(ASOR)という機関誌です。2022年の夏号です。米インド太平洋軍が進めている「IAMD構想2028」についての解説が載っております。公式の解説です。パネルをご覧ください(パネル6)。その要点を書き抜きました。

 第一に、インド太平洋軍の広大な管轄で「統合防空ミサイル防衛能力」を高めることは、米国単独では不可能であり、同盟国や友好国が絶対に重要だと書かれています。

 第二に、同盟国との協力のあり方は、「サイド・バイ・サイド――隣に並んでの統合」でなく、「シームレス――切れ目のない融合」が必要だと強調されています。「融合」――合金を意味する「アマルガム」という言葉も使っています。

 これはどういうことか。これまでの米国と同盟国との協力は、「サイド・バイ・サイド――隣に並んでの統合」だった。例えば、ノルマンディー上陸作戦では、それぞれの同盟国が、それぞれに上陸する海岸を受け持った。イラク戦争、アフガニスタン戦争の際にも、多国籍軍は各国の責任地域に分かれてたたかった。

 しかし、「統合防空ミサイル防衛」とはそういうものじゃないと書いてある。ここでは、米国と同盟国とは、「シームレス――切れ目のない融合」をしていくことが必要だ。「すべてのプレーヤー・コーチが、同じプレーブックを持ち、一緒に訓練し、一緒に作戦を実行し、敵からは一つのチームとして見られる」――そうした「シームレス――切れ目のない融合」こそが求められる。そのように米軍は強調しているんですよ。

 これが、米軍の「統合防空ミサイル防衛」の方針なんです。総理、あなたがいくら自衛隊は独自にやると言ったって、「シームレスな融合」が必要だと、これが米軍の方針なんです。自衛隊だけは、独立した指揮系統に従って行動するなんてことはあり得ない。あり得ない。どんな方針を持ったって、「シームレスな融合」と言っているんですからね。

 アメリカが、この方針に基づいて、先制攻撃の戦争に乗り出した時に、自衛隊も一緒に戦争することになる。つまり、憲法違反であるだけでなく、国連憲章と国際法に違反する無法な戦争に乗り出すことになる。どうですか。いかがですか。

 首相 文書は、さまざまな文書があり、さまざまな表現が行われているかとは思いますが、わが国は、再三申し上げているように、わが国のこの憲法と国際法と国内法に従って、専守防衛、非核三原則、この従来の、この原則をしっかり守りながら、こうした拡充される、その最新のこの、さまざまな装備を運用していく、こうした姿勢が国際社会から信用されるんだと思っています。

 アメリカのIAMDに参加する、こんなことはあり…ありえません。わが国独自のこの統合防空ミサイル防衛、これに日米同盟に基づいて協力を得る、これは当然、抑止力、対処力を向上させるために重要であると思っています。

 しかし、いずれにせよ、その中で行動するわが国の対応、これはわが国の存立が脅かされて、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限られている、この武力行使の3要件、これをしっかり守って対応するんだということ、これをしっかりと、この繰り返し確認をし、国民の…あっ、国際社会に理解をしてもらうことこそ、わが国の信頼につながると信じております。

 志位 あなたがどう信じようと、米軍はこういう方針を持っている。だから自衛隊が単独で行動することはできないんです。

結果は、相手国の報復攻撃による国土の焦土化

志位 南西地域への敵基地攻撃兵器配備の動きのもと、沖縄では甚大な犠牲をこうむるとの強い批判の声があがっている

首相 南西地域の体制強化は、柱の一つだ

志位 「沖縄戦」では県民の4人に1人が亡くなった。歴史の教訓を踏まえよ

 志位 そして、それがもたらす結果は何か。報復攻撃による日本の国土の焦土化です。

 総理は、敵基地攻撃兵器の配備先を明らかにしておりませんが、「南西地域の防衛体制を強化する」ことを強調しておられます。

 大軍拡の最前線に立たされようとしている沖縄では、万一有事となったら甚大な犠牲をこうむるとして強い批判の声が上がっている。

 石垣市議会では、昨年12月に採択された意見書で、「ここにきて突然、市民への説明がないまま、他国の領土を直接攻撃するミサイル配備の動きに、市民の間で動揺が広がっており、今まで以上の緊張感を作りだし危機を呼び込むのではないかと心配の声は尽きない。石垣市議会は、『平和発信の島』、『平和を希求する島』との決意のもと議会活動しており、自ら戦争状態を引き起こすような反撃能力をもつ長射程ミサイルを石垣島に配備することを到底容認することはできない」

 総理、この声にどう答えますか。そういう心配をたくさんの方が持っているんです。どうですか。

 首相 あのー、わが国の防衛力の強化、存立危機事態をはじめとするさまざまなこの対応については、これはあくまでも武力行使の3要件をはじめ、わが国の原則に従って、わが国の原則に従って、この行使するものであり、このわが国の防衛のために行うものであり、そして国民の保護にもつながるものであると思っています。

 そして、さまざまな意見があること、これは丁寧におうかがいしていかなければならないと思いますが、このわが国のこの基本的な考え方、そして装備の運用のあり方、そして国際社会の理解を得る努力、こうしたものもしっかり示しながら、国民の理解をより深めていくことは重要だと思っています。

 そして、南西地域の防衛体制を強化すること、これは今回の防衛力強化の柱の一つであると思っています。

 こうした、あの、この考え方について、丁寧に沖縄県をはじめ地域のみなさま方にも説明を続けていきたいと考えています。

 志位 沖縄県民というのは、「沖縄戦」で4人に1人が亡くなったんです。その歴史の教訓を踏まえて言っている。

 そして、「日本を守るため」というけど、日本に対する武力攻撃がなくても、集団的自衛権の行使としても敵基地攻撃がやれるとあなた方が言っている。このような動きには私たちは断固反対です。

平和を望むならば平和の準備を

 志位 そして、私は、「戦争の準備をすれば、戦争になる確率が大きい。もし平和を望むならば、戦争を準備せよではない。平和を望むならば、平和を準備した方がいい」――この評論家の加藤周一さんの言葉を訴えて、終わりたいと思います。』

日NATO会談 ようやく対中認識が一致した

日NATO会談 ようやく対中認識が一致した
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230201-OYT1T50207/

『(※ 読売新聞の社説)

日本は、欧米の軍事同盟には参加できない。だが、抑止力を向上させるため、安全保障協力を深める意義は大きい。

 岸田首相は、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と首相官邸で会談し、防衛分野での連携を強化する方針を確認した。

 特筆されるのは、日・NATO間でまとめた共同声明だ。

 声明では中国を名指しし、「軍事力強化と軍事活動の拡大」について、透明性の向上が必要との認識を示した。「台湾海峡の平和と安定の重要性」にも言及した。

 ストルテンベルグ氏が前回2017年に来日した際の声明にも、中国の現状変更の試みを懸念する表現はあったが、名指しでの批判は避けていた。

 中国は南シナ海で軍事拠点化を進め、台湾周辺では威圧的な活動を繰り返している。こうした覇権主義的な行動に対するNATOの警戒感の高まりが、今回の声明に反映されたと言えるだろう。

 共同声明では、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難し、中露の軍事連携に懸念を示した。

 中露が揺るがしている国際秩序を回復するには、日米欧の結束が欠かせない。

 共同声明ではまた、日・NATO間で具体的に協力する防衛分野として、サイバーや宇宙を掲げた。欧州とアジアといった地理的な距離に関係がなく、連携しやすい分野と言えるのではないか。

 ストルテンベルグ氏は来日前、韓国を訪問した。現地での講演では、韓国によるウクライナへの軍事支援の必要性を訴えた。

 日本は昨年、防衛装備移転3原則の運用指針を見直し、ウクライナに防弾チョッキや防護マスクを提供したが、殺傷能力のある装備は対象外のままだ。

 政府は先月から、ロシア軍が敷設した地雷などの除去に向け、ウクライナ政府職員に対する訓練をカンボジアで始めた。内戦後のカンボジアで地雷除去に携わった経験を踏まえたものだ。日本の強みを生かした支援を続けたい。

 政府はこれまでに、ウクライナに対して食料や発電機の提供、財政援助などで総額約15億ドル(約1950億円)を投じている。だが、先進国の中では見劣りする。

 日本周辺の安保環境の悪化を考えれば、ウクライナ危機は人ごとではない。アジアで有事が発生した場合、日本が欧州の支援を頼ることもあり得よう。着実にウクライナ支援を重ね、欧州との信頼関係を醸成することが大切だ。』

NATOと日本の共同声明 中国「地域の対抗」をけん制

NATOと日本の共同声明 中国「地域の対抗」をけん制
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/306978?display=1

『岸田総理がきのう、NATOの事務総長と会談し、ロシアと中国の軍事連携を懸念するとの共同声明を発表したことを受け、中国外務省の毛寧報道官は会見で次のように述べ、けん制しました。

中国外務省 毛寧報道官
「関係国が中国脅威論を誇張せず、地域の対抗を引き起こさないよう希望する」

そのうえで、「日本は歴史の教訓を真剣にくみ取り、平和発展の道を歩むことを堅持すべきだ」と主張。NATOに対しては、「アジア太平洋は地政学的な争奪の戦場ではなく、冷戦思考や対立を歓迎しない」と述べました。』

日本とNATO、連携深化を確認 サイバーや宇宙で協力

日本とNATO、連携深化を確認 サイバーや宇宙で協力
https://news.yahoo.co.jp/articles/d17bee9b0b5fe794fe9f7d402fe78bc02853fd2b

『[東京 31日 ロイター] – 日本政府と北大西洋条約機構(NATO)は31日、国際社会が直面する課題に対して連携強化を確認する共同声明を発表した。日本が新たに策定した国家安全保障戦略を歓迎するとともに、サイバー空間、宇宙、偽情報、重要・新興技術など安保の新領域で協力する重要性を再確認した。

岸田文雄首相は同日夕、来日中のストルテンベルグNATO事務総長と会談した。両者は、力や威圧による一方的な現状変更は世界のいかなる場所でも認められないとの認識を共有。ロシアと中国の軍事連携に懸念を示した。

南シナ海における軍事化、威圧と威嚇の報告に対して深刻な懸念を表明。中国の軍事力強化と軍事活動拡大に関して軍備管理や軍縮の国際的な取り組みに協力するよう強く促した。改めて台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を訴えた。

日NATO間は情報共有を強化するための取り組みを加速しており、北大西洋理事会(NAC)とNATO参謀長会議への日本の定期的な参加の意向を歓迎した。』

国民保護概要

国民保護概要
https://www.kokuminhogo.go.jp/gaiyou/index.html

『 はじめに

我が国に対する外部からの武力攻撃に際し、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な法制を整備することは国としての当然の責務であるとの観点から、平成15年6月に、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(事態対処法)が成立しました※。さらにこの法律を受けて、翌16年6月には、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)が成立し、事態対処法と相まって、国全体として万全の態勢を整備し、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するための基本的な法制が整備されました。

※平成27年9月に成立した平和安全法制整備法により、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」と改称

平成15年の通常国会で成立した「事態対処法」( https://www.kokuminhogo.go.jp/gaiyou/yujikanrensei/taishoho.html )

平成16年の通常国会で成立した「国民保護法」( https://www.kokuminhogo.go.jp/gaiyou/yujikanrensei/hogoho.html )

一方、「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」が平成16年12月に閣議決定され、我が国の安全保障の目標として

我が国に直接脅威が及ぶことを防止・排除すること
国際的な安全保障環境を改善して我が国に脅威が及ばないようにすること

の2つを掲げ、これらの目標を達成するため、国際の平和と安全の維持に係る国際連合の活動を支持し、諸外国との良好な協調関係を確立するなどの外交努力を推進するとともに、日米安全保障体制を基調とする米国との緊密な協力関係を一層充実させるなど我が国自身の努力、同盟国との協力及び国際社会との協力を統合的に組み合わせることとしています。
このうち我が国自身の努力としては、国として総力を挙げた取り組みにより、我が国に直接脅威が及ぶことを防止すべく最大限努めるとともに、我が国に脅威が及んだ場合には、政府が一体となって統合的に対応すること、このため、平素から国民の保護のための各種体制を整備するとともに、国と地方公共団体とが緊密に連携し、万全の態勢を整えることとの考え方が示されています。

平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について(官邸ホームページ)

これらの背景を踏まえ、国民保護法の適切かつ円滑な執行を図るため、平成17年3月、国民の保護のための措置の実施に関する基本的な方針などを定めた国民の保護に関する基本指針が閣議決定されるとともに、この基本指針に基づき、同年10月には各指定行政機関の国民保護計画が、平成18年3月には全都道府県の国民保護計画が作成されました。また、各市町村においては、国民保護計画の作成作業が鋭意進められているとともに、各指定公共機関などにおいても、国民保護業務計画が作成されています。

国民の保護に関する基本指針
基本指針と国民保護計画の関係
関係機関の国民保護計画

このように、我が国に対する外部からの武力攻撃やテロなどが万が一発生した場合には、国や都道府県、市町村などが連携し対応することとしていますが、こうした事態が、いつ、どこで、どのように発生するのかを事前に予測することは極めて困難です。内閣官房では、こうした事態が万が一発生した場合に、みなさんがどのように行動すればよいか、あるいは普段から何を備えておけばよいか、といったことについても「武力攻撃やテロなどから身を守るために」としてとりまとめ、公開しています。

「武力攻撃やテロなどから身を守るために」?避難にあたっての留意点をまとめました?(PDF形式)

外部からの武力攻撃やテロなどが、万が一我が国で起こったらどうするかといっても、みなさんにとっては現実の問題として考えることは難しいかもしれません。しかし、このような事態への必要な備えは、平和なときにこそ十分に考えておくべきではないかと考えられます。「国民保護」は、みなさん一人ひとりの命や財産に直接関係するとても大事なことです。政府としましても、関係機関と連携しつつ、万全の態勢を整備すべく努力してまいりますので、みなさんの一層のご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
国民保護概要

国民保護法とは
武力攻撃事態等における国民の保護のための仕組み
武力攻撃事態の類型ごとの特徴
緊急対処事態とは
国民保護のための情報伝達の手段
有事関連法制について
国民保護サイレン
参考資料 』

中国の太平洋島嶼国関与に警戒 日米豪など連携で対処

中国の太平洋島嶼国関与に警戒 日米豪など連携で対処
https://www.sankei.com/article/20220613-4DZOU7HXWRNI7KFB2AFBR3PIZE/

『2022/6/13 21:09 岡田 美月

政府は太平洋島嶼国への関与を強める中国に警戒を強めている。ソロモン諸島が中国と安全保障協定を締結した上、この地域が中国軍の拠点となれば日本の安全保障環境の悪化につながるからだ。米国、オーストラリアも中国の影響力拡大に懸念を深めており、日本も関係強化を加速させる。

「太平洋島嶼国との協力関係を一層強化していく考えだ」。松野博一官房長官は1日の記者会見でこう強調した。林芳正外相は5月にフィジーとパラオを訪問。4月には上杉謙太郎外務政務官がソロモンを訪れソガバレ首相に中国との安保協定に懸念を伝えた。今月13日からは海上自衛隊護衛艦「いずも」などをインド太平洋地域に派遣し、太平洋島嶼国や米豪印など計12カ国・地域に寄港する。

政府の念頭には地域で影響力の浸透を図る中国の存在がある。中国は4月にソロモンと安保協定に調印し、5月下旬から今月4日にかけては王毅国務委員兼外相がソロモンなど太平洋島嶼国7カ国と東ティモールを歴訪した。王氏は、訪問先のフィジーで南太平洋など10カ国とオンライン形式の外相会議を開き、安保協定の締結を提案したが、合意できなかった。

太平洋島嶼国は中国が拡大を目指す防衛ラインのうち、小笠原諸島や米領グアムを結ぶ「第2列島線」から米ハワイを含む「第3列島線」の間に広がる。中国海軍が遠洋展開能力を強化し、太平洋側から米軍や自衛隊を牽制するシナリオも想定される。自民党の佐藤正久外交部会長は「中国の海軍基地ができれば、米ハワイ、グアムに対して足背から影響を及ぼすことも出てくる」と警鐘を鳴らす。「いずも」の空母化は飛行場に乏しい太平洋で中国軍に対抗するためでもある。』

森元首相発言 官房副長官“ロシアの侵攻に厳しい対応継続”

森元首相発言 官房副長官“ロシアの侵攻に厳しい対応継続”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230126/k10013961411000.html

『ロシアのプーチン大統領と親交があった森元総理大臣が、ウクライナ支援に力を入れる日本の外交姿勢に疑問を呈したことについて、木原官房副長官は、ロシアのウクライナ侵攻は暴挙だとして、G7などと結束して厳しい対応を継続する重要性を強調しました。

ウクライナ情勢をめぐり、森元総理大臣は25日、ウクライナ支援に力を入れる日本政府の外交姿勢に疑問を呈したうえで、「ロシアが負けることは考えられない」などと述べました。

これについて、木原官房副長官は記者会見で「ロシアのウクライナ侵略は国際社会が築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かす暴挙で、G7=主要7か国をはじめとする国際社会が引き続き結束して断固たる決意で対応することが重要だ。国際社会と連携し、対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推進していく」と強調しました。

一方、今後の日ロ関係については「大変厳しい状況にある今の時点では、平和条約交渉の展望を具体的に言える状況ではないが、北方領土問題を解決し平和条約を締結する対ロ外交の基本方針は不変だ」と述べました。』

日本のウクライナ支援を疑問視 森元首相「ロシア負けず」

日本のウクライナ支援を疑問視 森元首相「ロシア負けず」
https://www.47news.jp/politics/8856934.html

『森喜朗元首相は25日、東京都内のホテルで開かれた会合で、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、日本政府の対応を疑問視した。「こんなにウクライナに力を入れてしまって良いのか。ロシアが負けることは、まず考えられない」と述べた。

 日本は、ロシアのウクライナ侵攻について「不当かつ残虐な侵略戦争」(岸田文雄首相)と非難しており、森氏の発言は物議を醸しそうだ。

 森氏は、自身がかつて会長を務めた「日印協会」の会合に出席。「今のロシア問題もそうだ。せっかく(日ロ関係を)積み立てて、ここまで来ている」として、ウクライナに肩入れしすぎれば日ロ関係が崩壊しかねないとの認識を示した。』

防衛費削減のための中国「軍民融合」に貢献する日本――中国宇宙戦略巨大組織図

防衛費削減のための中国「軍民融合」に貢献する日本――中国宇宙戦略巨大組織図
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20230124-00334144

『習近平は軍事・宇宙戦略を遂行するため軍民融合を導入した。本稿ではアメリカを抜く宇宙力を支える巨大な宇宙戦略組織図を披露し(本邦初公開)、その軸を成す軍民融合に貢献している日本の実態に警鐘を鳴らしたい。

◆アメリカを凌駕する中国の宇宙ステーションと宇宙開発

 かねてより、アメリカが主導する国際宇宙ステーションに加入させてもらえなかった中国は、独自に中国の宇宙ステーションを開発し、昨年末から有人飛行で稼働している。

 アメリカが主導する国際宇宙ステーションの有人飛行の部分に関しては、これまでロシアが担っていたが、ウクライナ戦争によるアメリカからの制裁を受け、ロシアは国際宇宙ステーションから抜けて中国宇宙ステーションに乗り移ることになった。

 中国の宇宙ステーションにはロシア以外にも20か国近くが協力しているので、宇宙ステーションに関しては中国がアメリカをリードすることになる。

 どの国が、どのような形で協力しているかに関しては、拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』の【第四章 決戦場は宇宙に――中国宇宙ステーション稼働】のp.161に掲載した【図表4-1 中国宇宙ステーションと協力関係を結んでいる国・研究機関・領域など】で詳述した。

 宇宙においては、そうでなくとも中国がアメリカをリードしている。

 たとえば月の裏側への着地だ。

 月は公転と自転の周期が一致しているため、地球からは常に月の一つの側面しか見えていない。それを「月の表側」と称すれば、「月の裏側」は地球からは永久に見えないのである。ということは地球からシグナルを発信してコントロールすることができないので、中国は月の近くにあるラグランジュ点に中継通信衛星を打ち当てた。

 ラグランジュ点というのは、理論物理の多体問題において、いかなる力も働かない点のことで、ラグランジュ点に打ち当てることができれば、地球からラグランジュ点に「固定」されている中継通信衛星にシグナルを送り、そのシグナルを反射させて月の裏側に送ることができるので、地球からは絶対に見えない月の裏側を地球上からコントロールすることができる。このことに成功したのは中国だけで、アメリカの科学者はアメリカにも使わせてくれと中国に頼んだほどだ。

 つぎに中国がアメリカよりも先んじているのは量子通信衛星である。

 量子通信に関して中国は早くから着手し、1970生まれの潘建偉は1996年に26歳でオーストラリアに留学し、宇宙航空科学における最高峰であるツァイリンガー教授に師事した。ツァイリンガー教授は2022年、ノーベル物理学賞を受賞した、量子通信領域の最高権威だ。

 中国は2016年8月に世界に先駆けて量子通信衛星「墨子号」の打ち上げに成功している。その意味で中国は量子暗号においてアメリカをリードしているのである。

 中国の量子暗号技術と量子衛星通信に関しては『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』のp.150~154で詳述した。

◆防衛費削減のための習近平の「軍民融合」戦略と巨大な宇宙戦略組織図

 こういったことを可能ならしめたのも、習近平が「軍民融合」国家戦略を走らせているからだ。習近平は政権が誕生した2013年から本格的にハイテク国家戦略「中国製造2025」に着手し、その中で「軍事力増強と経済発展の両立を図る」重要戦略である「軍民融合」を推進するように指示した。

 中国の防衛費はGDPの1.7%を占めているが、14億の人民の生活を支えていくには、軍事のためにのみ、それ以上の国家予算を割くわけにはいかない。

 そこで思いついたのだ「軍民融合」だ。

 民間企業を軍事産業に参入させれば、民間企業が儲かり、民間企業で働く一般庶民の収入が増える。一般庶民の生活が向上すれば中国共産党による一党支配体制を支持するようになる。その結果、中国の軍事力が強化されるようになるのだから、習近平としては最も力を入れている戦略といっても過言ではないだろう。

 一挙両得どころではなく、三得、四得にもつながる。

 以下に示すのは、宇宙開発における国家戦略の組織図である。

 これは本邦初公開だ。

図表:中国の軍民融合と宇宙開発の組織図

出典:『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』p.176-177

 組織図の軸になっているのが「軍民融合」であることは一目瞭然だろう。

◆中国の「軍民融合」に貢献する日本と日本学術会議

 さらにその「軍民融合」の中心にあるのが「中国科学技術協会」である。

 中国科学技術協会というと、何を思い出されるだろうか?

 そう、日本のあの「日本学術会議」だ。

 2015年9月、日本学術会議は中国科学技術協会と提携を結んでいる。

 一方、同じく2015年、日本の防衛省・防衛装備庁は、日本の防衛にも応用可能な先進的な民生技術を積極的に活用することが重要であると考え、日本の大学や研究機関あるいは中小企業などに研究費を供与する公募制度「安全保障技術研究推進制度」を立ち上げた。

 すると日本学術会議は、日本の大学や研究所あるいは民間企業が防衛装備を生産する事業に関わるのは、「軍事目的のための科学研究を行わない」という日本学術会議の趣旨に反するとして、2017年3月に反対声明を発表した。

 図表をご覧になると明瞭な通り、中国科学技術協会はチャイナ・セブンの真下にある「中共中央書記処」の管轄下にある。しかも軍民融合を、中国にある全ての大学や研究機関あるいは民間企業に呼び掛けるための中心的な存在だ。

 ここに示したのは宇宙開発に関してだが、主たる仕事は軍事装備の製造だ。

 中国の軍民融合には協力して、日本の軍民融合には反対声明まで出す日本学術会議の在り方は、きちんと糺(ただ)すべきだろう。この問題を風化させてはならない。

 日本はいま、防衛費をどこから捻出するかに関して議論が始まろうとしている。

 中国の軍民融合の下、中国のほとんどの民間企業も何らかの形で中国軍の防衛装備品製造に関わっている。

 日本は安保三文書を閣議決定し、主として中国の脅威を意識して防衛費の増額を唱えながら、実は中国の防衛装備を強化していくことに大きく貢献していることを知っているのだろうか?

 日本の最大貿易相手国は中国だ。

 多くの大学や研究機関も中国の大学や研究機関と提携している。

 そこで何が行われているのか、日本政府は目を覚まして分析していくべきだと提言したい。
記事に関する報告
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

G20で世界の仲介役めざすインド 中国との対立が影

G20で世界の仲介役めざすインド 中国との対立が影
ムンバイ支局 花田亮輔
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM182P40Y3A110C2000000/

『インドが中国との関係に苦慮している。インドと中国は長年にわたり国境紛争を抱えており、最近も衝突が発生した。インドは現在、20カ国・地域(G20)の議長国を務めている。先進国と途上国の橋渡し役として存在感を発揮したいインドにとって、挑発を続ける隣国への対応が頭痛の種になっている。

「民主主義の母国がG20をホストする」。いまインドの首都ニューデリーやムンバイといった大都市で、G20関連のポスターや…

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『米ハドソン研究所の長尾賢研究員は「中国側ではインドとの緊張関係を高めた軍人が出世する傾向にあり、中国政府として意図的に挑発行動をとっている可能性が高い」とみる。長尾研究員は中国側の意図について「一度侵入すれば、中国側は『撤退』をインドに対して『譲歩してやった』という外交上の駆け引きに使えるようになる」と指摘する。米国などとの協調姿勢も見せるインドに対する揺さぶりとして、国境地域での衝突を利用しようとしているとの見方だ。』

『インドのジャイシャンカル外相は20年に出版した著書(邦題『インド外交の流儀』)で、同国の指針を「米国を巻き込み、中国を管理(マネージ)し、欧州を開拓し、ロシアを安心させ、日本により大きな力を発揮してもらい、隣人を引き込み、隣国を広げ、従来の支持層を拡大する」と表現した。もくろみ通り中国との関係を「管理」できるか。例年以上に外交手腕が問われる一年となりそうだ。』

ロシア、安全操業の交渉応じず 北方領土周辺、日本に伝達

ロシア、安全操業の交渉応じず 北方領土周辺、日本に伝達
https://nordot.app/989403916970541056?c=302675738515047521

『北方領土周辺水域での日本漁船の安全操業を定めた日本とロシアの間の漁業協定に関し、ロシア側が現時点で今年の操業条件を決める政府間交渉に応じない方針を日本政府側に伝えたことが21日、分かった。ウクライナ侵攻に伴う制裁を巡る日ロ関係の悪化が要因とみられる。例年1~3月が漁期となるスケトウダラ刺し網漁などの操業に影響が出そうだ。
 この取り決めは「安全操業協定」と呼ばれ、1998年に結ばれた。2023年の操業に関しては22年中に交渉入りできないまま初めて越年。在ロシア日本大使館の関係者が19日、ロシア外務省に呼ばれ、政府間交渉には入れないと伝えられたという。

c 一般社団法人共同通信社 』

中国無人機、沖縄本島・宮古島間を通過 防衛省発表

中国無人機、沖縄本島・宮古島間を通過 防衛省発表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19DA20Z10C23A1000000/

『防衛省は19日、中国軍の偵察型無人機「BZK005」1機が沖縄本島と宮古島の間の上空を通って東シナ海と太平洋を往復したと発表した。同省が両島間の無人機通過を公表するのは9回目。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対応した。

中国海軍の情報収集艦1隻も19日、沖縄本島と宮古島の間の海域を南東に進んで太平洋に向かった。海上自衛隊の哨戒機や掃海艇が警戒監視にあたった。』

G7、「デジタル」も中ロ警戒

G7、「デジタル」も中ロ警戒 議長国日本、米国と連携
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023011800706&g=int

『【ワシントン時事】今年の先進7カ国(G7)議長国を務める日本は、新型コロナウイルス危機をきっかけに重要性が高まっている「デジタル経済」の国際ルールづくりを主導する方針だ。民主主義の価値観に基づく世界標準を確立し、データの囲い込みを図る権威主義の中国やロシアをけん制する狙いもある。

ゼレンスキー氏の対面参加期待 広島サミットでウクライナ有識者

 年明けから岸田文雄首相や関係閣僚が相次ぎ訪米し、4月に群馬県高崎市で開かれるG7デジタル・技術相会合への協力を求めた。国境を越えたデータ通信量が過去5年間で3倍以上に拡大したことなどを踏まえ、日米首脳は13日に発表した共同声明で「信頼性のある自由なデータ流通」を目指す構想を推進すると、改めて宣言した。
 同構想は、2019年に大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で日本が正式に提唱した。ワシントンを訪問中の松本剛明総務相は17日、「日米関係をベースに、世界各国から理解を得て組み立てていく必要がある」と記者団に説明した。
 松本総務相はG7会合を見据え、高速大容量通信規格「5G」と次世代規格「6G」を含むネットワークの強靭(きょうじん)化に向けた協力覚書を米政府と締結。河野太郎デジタル相も11日に米シンクタンクで講演し、国境を越えた個人や企業の自由なデータ流通を促すため、官民による新たな国際組織の設立を提案すると表明した。
 米国と中ロの対立が深刻化する中、サイバー空間の分断は現実味を帯びている。米国は中国における検閲や監視活動を警戒。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する制裁を強化し、同盟国に足並みをそろえるよう求めている。また日米欧は、ウクライナに侵攻したロシアによるインターネット制限や偽情報の拡散を問題視している。』

プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。

プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。
https://st2019.site/?p=20799

『AFPの2023-1-17記事「Kremlin: Russian Firms Can Ignore ‘Unfriendly’ Foreign Shareholders」。

   プー之介はロシア企業に、外国人株主を無視する許可を与えた。非友好国の株主の意向は無視してかまわないそうだ。
 プー之介は火曜日にこの指令に署名した。2023-12末まで、有効。

 ※サハリン油井の株式なんか握っていても、何にもならないわけ。』