JAXAなどに大規模なサイバー攻撃 中国人民解放軍の指示か

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210420/k10012984761000.html

『JAXA=宇宙航空研究開発機構や防衛関連の企業など日本のおよそ200にのぼる研究機関や会社が大規模なサイバー攻撃を受け、警察当局の捜査で中国人民解放軍の指示を受けたハッカー集団によるものとみられることが分かりました。
警視庁は、日本に滞在していた中国共産党員の男がサイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約したとして、20日にも書類送検する方針です。

捜査関係者によりますと、JAXA=宇宙航空研究開発機構が2016年にサイバー攻撃を受けていたことがわかり、警視庁が捜査したところ、日本国内にあるレンタルサーバーが使われ、当時日本に滞在していたシステムエンジニアで中国共産党員の30代の男が、5回にわたって偽名で契約していたことが分かりました。

サーバーを使うためのIDなどは、オンラインサイトを通じて「Tick」とよばれる中国のハッカー集団に渡ったということです。

また、中国人民解放軍のサイバー攻撃専門の部隊「61419部隊」に所属する人物が指示する形で、別の中国人の男も日本で偽名を使いレンタルサーバーを契約していたことが分かりました。

これまでの捜査で、サイバー攻撃はハッカー集団「Tick」が、中国の人民解放軍の指示で行ったとみられ、JAXAのほか防衛関連の有力企業など、およそ200にのぼる研究機関や会社が標的になったということです。

レンタルサーバーを契約した2人は、すでに出国していますが、警視庁は不正な行為を確認したとして、このうち30代の中国共産党員の男を私電磁的記録不正作出・供用の疑いで、20日にも書類送検することにしています。

警察当局は、中国が軍の組織的な指示で日本の機密情報をねらっている実態があるとして警戒を強化するとともに、サイバー攻撃を受けたおよそ200の企業などに連絡を取って、被害の確認や注意喚起を行ったということです。

JAXAの広報担当者は、NHKの取材に対し、「サイバー攻撃とみられる不正なアクセスを受けたのは事実だが、情報の漏えいなどの被害はなかった」としています。
中国関与の疑い突き止めた捜査の経緯
今回の捜査は、警視庁公安部に4年前に設置された「サイバー攻撃対策センター」が中心になって進められました。

センターには専門知識を持ったおよそ100人が所属していて、主に政府機関や企業などへの海外からのサイバー攻撃について捜査を行っています。

関係者によりますと今回は、2016年から翌年にかけて日本の防衛関連や宇宙・航空関連の企業や研究機関がねらわれたという情報をもとにまず、攻撃に使われたレンタルサーバーを特定しました。

サーバーは、日本国内にあり偽名で契約されていましたが契約した人物の割り出しを進め、日本に滞在していた中国共産党員の男らの存在が判明したということです。

さらに、中国人民解放軍でサイバー攻撃を専門に行っているとされる「第61419部隊」に所属する人物が関与していた疑いも分かり、警察当局は中国のハッカー集団が軍の指揮下で組織的に攻撃を行っている可能性が高いと判断しました。

サイバー攻撃は、発信元を分からなくするために特殊な技術などが使われるため捜査が難しく、今回のように国レベルの関与の疑いを日本の捜査機関が明らかにすることは極めて異例です。
中国の「61419部隊」とは
今回、関与の疑いが持たれている中国人民解放軍の「61419部隊」は、日本に対するサイバー攻撃を専門に担当する部隊だとみられています。

一方、同じ人民解放軍には、アメリカにサイバー攻撃を仕掛ける「61398部隊」という部隊も存在するということです。

アメリカのFBI=連邦捜査局などは、情報通信や宇宙関連の企業から機密データを盗み出したとして、中国のハッカー集団をこれまでに複数回起訴していて、いずれも軍や情報機関の指示を受けて活動していたと分析しています。
専門家「巧妙な攻撃 対策の徹底を」
サイバーセキュリティーに詳しい岩井博樹さんは、「中国では、人民解放軍や国家安全部など軍や、情報機関の指揮のもとで民間の業者などがサイバー攻撃を行っているとみられ、その中の一つが『Tick』というハッカー集団だ。2000年代前半から活動を始め、航空や宇宙に関する研究組織などをターゲットにして巧妙なサイバー攻撃を行っているとみられる」と話しています。

そのうえで、「宇宙開発をめぐっては国家間での競争が激しく、特に、人工衛星に関するものなど、軍用にも使える技術は、中国としては、のどから手が出るほどほしい情報であることは間違いない。今後も中国からのサイバー攻撃は続くとみられ、情報を盗み取られる危険性を事前に認識しておくことや、仮に被害を受けてもダメージを最小限にする対策が重要になる」と指摘しています。
機密情報ねらうサイバー攻撃相次ぐ
警察庁によりますと、去年1年間に国内で確認されたサイバー攻撃に関係するとみられる不審なアクセスは1日当たり6506件と、2016年の1692件に比べて5年間でおよそ4倍に増え、過去最多になっています。

去年には、三菱電機で会社のネットワークが大規模なサイバー攻撃を受け、8000人を超える個人情報のほか、研究開発中の防衛装備品に関する情報も外部に流出した可能性があることが明らかになっています。

また、NECでもサイバー攻撃によって社内のサーバーなどが不正なアクセスを受け、およそ2万8000件のファイルの情報が流出した可能性があることが分かっています。

関係者によりますと、いずれも中国のハッカー集団の関与が指摘されていて、セキュリティ対策が不十分な部署をねらって巧妙に攻撃が行われたとみられています。

サイバー攻撃を受けても機密情報の保護の観点から公表されないケースも多く、表面化していない被害は多数あるとみられています。
加藤官房長官 「緊張感を持って対応」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「報道があることは承知しているが、捜査に関することであり、コメントは控えたい」と述べました。

その上で「政府機関や重要インフラに対するサイバー攻撃は、組織化・巧妙化が進んでおり、こうした攻撃への対応は、政府としても重要な課題であると認識している。サイバーセキュリティー確保については関係機関で緊張感を持って対応していきたい」と述べました。』

菅・バイデン共同会見、3つの疑問点

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22785

『今回のテーマは、「菅・バイデン共同会見、3つの疑問点」です。菅義偉首相は4月16日、ジョー・バイデン米大統領とホワイトハウスでの会談を終了した後、共同会見に臨みました。

 そこで、菅首相は中国、台湾、イノベーション、コロナ対策、気候変動並びにアジア系住民への差別問題などで「一致した」と繰り返しました。合計11回も「一致した」と強調したのです。

 一方、バイデン氏は共同会見で中国の挑戦に対して日米が連携して対抗する重要性について言及しましたが、今夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会及び、日本の中国に対する人権侵害制裁の立場に関して明言を避けています。

 そこで本稿では、共同会見での菅・バイデン両氏のパフォーマンスと内容に関する3つの疑問点を挙げます。

(AP/AFLO)

【疑問点その1】

 なぜバイデン大統領は共同会見でこの夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の支持を表明しなかったのか?

 共同会見で菅首相は、「今年の夏、世界の団結の象徴として東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を実現する決意であることをお伝えしました」と語り、「バイデン大統領からこの決意に対する支持を改めて頂きました」と述べました。共同声明には確かに「バイデン大統領はこの夏の安全・安心な東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するための菅首相の努力を支持する」と明記されました。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、今回の訪米で菅首相が重視していた議題のひとつであったことは間違いありません。というのは、帰国後菅氏はバイデン大統領から再度支持を得たと主張できるからです。バイデン氏は菅氏に「お土産」を持たせたと解釈できます。

 ただし、バイデン大統領は共同会見で東京オリンピック・パラリンピック競技大会への強い支持を表明しませんでした。

 共同会見の前日15日に行われた政府高官とメディアとの電話会議で、同高官はバイデン大統領が東京オリンピック・パラリンピック競技大会を巡る菅首相の置かれた政治状況に対して非常に神経質になっていることを明かしました。その上で、「大会開催まで数カ月あるので状況を見守ろう」と述べました。バイデン氏は東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する自身の発言が、菅政権の存続に影響を及ぼす可能性があると捉えており、軽々な発言をしないように控えているのです。

 20年米大統領選挙を振り返ってみると、バイデン大統領はドナルド・トランプ前大統領とは異なり、支持者の参加人数を制限した小規模集会を開いて、マスク着用及びソーシャルディスタンスを義務づけていました。さらに新型コロナウイルス感染が拡大すると、ドライブイン形式の集会を開催し、参加者は拍手喝さいの代わりに、車内からクラクションを鳴らして支持表明をしました。選挙期間中、バイデン氏は「コロナ対応型選挙」に徹し、それが有権者から支持を受けました。

 となると、菅氏との会談でバイデン大統領は東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関して、かなり高いレベルの安全性の確保ができているのかを確認したとみて間違いありません。共同会見で支持を明言しなかった理由は、バイデン氏は100%確信をもっていないからです。

次ページ » バイデン大統領は菅首相の招待を受け入れたのか?』

『バイデン大統領は菅首相の招待を受け入れたのか?

【疑問点その2】 

 バイデン大統領は菅首相の招待を受け入れたのか?

 菅首相は3月26日の参議院予算委員会で、バイデン大統領を東京オリンピック・パラリンピック競技大会に招待する考えを示しました。この件に関しても、バイデン氏は共同会見で態度を明らかにしませんでした。

 外国人記者が共同会見で菅首相に対して、「公衆衛生の専門家が日本は準備ができていないと指摘しているのに、オリンピックを進めるのは無責任ではありませんか」という厳しい質問をしました。それに対して菅氏は回答をしなかったのです。ホワイトハウスでの共同会見に不慣れな菅氏は、外国人記者はバイデン氏のみに質問をぶつけてくると思い込んでいたフシがあります。

 この場面は今回の共同会見のポイントです。菅首相は明らかに東京オリンピック・パラリンピック競技大会に対する疑問を払拭する機会を逃しました。

 実は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する質問はホワイトハウスでの定例記者会見でも出ています。ある担当記者がジェン・サキ報道官にコロナ禍での東京オリンピック・パラリンピック競技大会へのバイデン氏招待について、「菅首相は大胆な発言(a big statement)をしたと思いませんか」と質問をしました。

 この「大胆な発言」には、「よくもそのような発言をしたものだ」という否定的な意味が含まれています。つまり、コロナ禍でのバイデン招待は、「困難」ないし「失礼」と言いたのです。

 バイデン氏の率直にもの言うパーソナリティを考えると、本当に東京オリンピック・パラリンピック競技大会を支持しているならば、共同会見で「強く支持する」「ヨシからの招待を受ける」と断言したはずです。共同声明の東京オリンピック・パラリンピック競技大会支持は、バイデン政権の対中国戦略においてこれから矢面に立つ菅首相に対する特別な配慮としか思えません。

次ページ » 中国の人権問題 』

『中国の人権問題

【疑問点その3】
 バイデン大統領は日本の中国に対する人権侵害制裁の立場を今後も理解するのか?

 政府高官はメディアとの電話会談で、中国に対して人権侵害制裁を課さない日本に一定の理解を示しました。その理由として日中両国の経済関係の緊密さを挙げました。中国に対する人権侵害制裁に関して、日本に欧米と一緒に制裁を課すように無理に押し付けないというシグナルを発信したのです。

 帝国データバンクによると、中国進出日系企業数は1万3646社(2020年1月時点)です。業種別では、製造業が5559社で全体の約4割を占めています。

 仮に日本が人権制裁法の法整備を行い、欧米と共に中国に制裁を課した場合、同国は報復措置に出る公算が高いことは言うまでもありません。具体的には日本製品の不買運動、日系企業を標的にした法人税増税、入管手続や日本からの輸入品の手続における嫌がらせなど、多岐にわたる報復措置が可能です。

 中国との経済関係を重視している日本は、人権問題で同国を刺激しないように注意を払っています。ただ、同盟国・友好国が束になって、中国に対して人権侵害の制裁を課してもらいたいというのが、バイデン大統領の本音です。人権はバイデン政権において内政と外交の双方の中核に位置づけられているからです。

 今後、人権を最優先しないグローバル企業は消費者及び投資家から見捨てられる可能性があることを、日本企業は理解しなければなりません。世界的に人権重視の風潮が高まる中で、「人権尊重の経営」が日本企業の存続に直結するときが間近まで来ているといっても過言ではないからです。

 米中の対立が先鋭化したとき、果たしてバイデン政権が日本の人権侵害制裁に対する消極的な立場に理解を示すかは予断を許しません。』

中国「一切の必要措置取る」 日米の台湾言及に対抗示唆

https://www.asahi.com/articles/ASP4M6F9PP4MUHBI01V.html

『中国外務省の汪文斌副報道局長は19日の定例会見で、日米首脳会談後の共同声明で「台湾海峡の平和と安定」に言及したことについて、「台湾は不可分の中国の領土だ。中国は一切の必要な措置を取り、国家主権と安全、発展の利益を断固守る」とし、日米が関与を強める場合は対抗措置を取ることを示唆した。

 声明で香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に「深刻な懸念」を示したことについては、「人権問題では日米こそ負い目がある」と反論。日本の過去の侵略戦争や米国の21世紀以降の戦争を挙げつつ、「日米がすべきことは、自らの侵略の歴史と他国への人権侵害を反省して是正することであり、人権の看板を掲げて中国内政に干渉することではない」と断じた。

 共同声明全般については「日米は国際社会を代表しておらず、国際秩序を定義する資格も自らの基準を他人に押しつける資格もない」と指摘。「口では『自由で開かれた』と言いながら小グループをつくって対抗をあおることこそ、地域の平和と安定に対する真の脅威だ」などと批判した。

 日本には「周辺国や国際社会の懸念を直視すべきだ」とし、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出決定を取り消すよう改めて求めた。(北京=冨名腰隆)』

安保法制「台湾」に対応へ 存立危機事態などに備え

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA183RZ0Y1A410C2000000/

『菅義偉首相とバイデン米大統領は16日(日本時間17日)の会談後に公表した共同声明で、台湾海峡の平和と安定の重要性を訴えた。台湾で軍事的緊張が起こった際、米軍とともに自衛隊も対処するシナリオが現実味を帯びる。日本政府は安全保障関連法に基づく3つの事態への対応について検討を迫られる。

【関連記事】
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日米首脳会談を開いた17日、岸信夫防衛相は台湾に近い沖縄県与那国島を訪問していた。記者団に「我が国の安全保障はもとより…

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記者団に「我が国の安全保障はもとより、国際社会にも台湾の安定が重要だ」と語った。
防衛省・自衛隊が想定する最悪のシナリオは台湾周辺での武力衝突だ。中国が台湾を攻撃し、米国が参戦すれば在日米軍が最前線を担う。日米安全保障条約の6条は極東で有事があれば米軍が日本の基地を使用できると規定する。在日米軍基地は台湾への出撃拠点として攻撃対象になりかねない。

こうした局面で日本は要件を満たせば武力を行使できる。

①日本や密接な関係国への武力攻撃
②他に適当な手段がない
③必要最小限度の実力行使――の3要件だ。

安保関連法では外国軍の日本への直接攻撃は「武力攻撃事態」と分類する。閣議で認定し国会が承認する。上陸侵攻、ゲリラ部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃を想定する。

首相が防衛出動命令を出せば、自衛隊が対処する。台湾に近い南西諸島に脅威が迫れば上陸阻止や離島の奪還に動く。ミサイルの迎撃もできる。

判断が難しいのは日本が直接攻撃を受けず、米軍が攻撃を受けた時だ。安保関連法は日本と密接な関係にある他国が攻撃され、日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合を「存立危機事態」と規定する。集団的自衛権を限定的に行使できる事態だ。

これが台湾にどう適用されるのか、これまで政府は具体的に示していない。2014年には危険地域から邦人を輸送する米艦の防護、15年には中東ホルムズ海峡での機雷掃海、17年には北朝鮮が米国に発射したミサイルの迎撃を具体例に挙げている。

いずれも台湾を念頭においた例示ではない。台湾有事も同様に対処するのか、早急に整理する必要がある。

もう一つの分類は日本の平和と安全に重要な影響を与える時の「重要影響事態」だ。自衛隊は米艦への補給などの後方支援や捜索救助、船舶検査ができる。

他の2つとは違い、日本も米国も武力衝突に突入していない場合が多い。どういう時が「日本の安全に重要な影響がある」のか、判断は難しい。

問題になるのが、軍ではなく武装した民兵や漁船が侵攻するような「グレーゾーン」の状況だ。キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦研究主幹は「中国によるグレーゾーンの攻撃への備えは重要だ」と語る。

台湾を臨む最西端の碑の前で記者団の質問に答える岸防衛相(17日、沖縄県与那国島)

グレーゾーンは沖縄県尖閣諸島でも懸念材料になる。防衛相経験者は「十分に準備ができていない」と話す。宮家氏は「海上保安庁と自衛隊、米軍が連携し作戦計画を立てておかなければならない」と指摘する。

米国を尖閣の危機に関与させるためにも、日米で台湾を含めたグレーゾーンでの協力体制を検討することが重要になる。

自衛隊も台湾対応が課題になる。拓殖大の佐藤丙午教授は「中国軍の台湾への着上陸の妨害が自衛隊の最大レベルの行動だろう」と話す。自衛隊機で台湾侵攻を水際で防ぐ対処が考えられるという。

高精度のレーダーとミサイル迎撃能力を持つイージス艦の活用も有力な手段になる。佐藤氏は「自衛隊が持つミサイル防衛システムの資産を台湾防衛に活用すべきだ」と話す。

(安全保障エディター 甲原潤之介)

「韓国引き込みクアッド拡大を」 兼原・元官房副長官補 日米共同声明を聞く(1)

「韓国引き込みクアッド拡大を」 兼原・元官房副長官補
日米共同声明を聞く(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE193Z80Z10C21A4000000/

『日米首脳の声明で台湾に触れたのは1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領以来となった。中国は当時、ソ連と国境で軍事衝突し、台湾に軍事力を割く余裕はなかった。日米は中国と国交正常化を果たし、中国を脅威と思わなくなった。

台湾有事は2030年ごろが一番危ない。国家は国力の衰退がはじまると軍縮交渉に応えるようになる。ソ連がそうだった。成長途上の中国の国力がピークアウトするのは20年も先であり、それまでは…

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成長途上の中国の国力がピークアウトするのは20年も先であり、それまでは軍拡がやまない。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は伝統的なリーダーでない。胡錦濤(フー・ジンタオ)氏や温家宝氏のような文人タイプでなく、若い頃に文化大革命を経験した紅衛兵世代にあたる。共産主義が懐かしいのだろう。

中国はいまだに国民国家を完成させていない。共産主義は心の芯となる国民的アイデンティティーを確立できない。チベットやウイグルにこだわるのも、国がバラバラになるのを恐れるからだ。

習氏は香港への強引な介入を辞さなかった。武力による台湾の併合は絵空事でない。安全保障面で米国の支援を受ける台湾に手を出し始めているのだから相当な事態である。

中国は米国と四つに組む自信を付けつつある。米国が台湾周辺で頼れるのは日本しかない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は米中双方にいい顔をしている。タイやフィリピンは軍事力が小さい。オーストラリアは頼もしいが遠すぎる。

今回の日米首脳会談は強大になりすぎた中国に対抗する最大のパートナーが日本であると証明した。菅義偉首相とバイデン大統領の関係は順調な滑り出しとなったが、10年、20年先を見据えればまだ1合目にすぎない。

外交の基本的な役割は力関係の維持で、味方を増やして敵を減らすのが鉄則だ。日米にオーストラリアとインドを加えた4カ国(クアッド)の枠組みだけでは足りない。

韓国は文氏の世代に北朝鮮への共感があり、世代交代が進まないと難しい。とはいえ民主主義国であり、60万の兵力を持つ軍事大国である。日本として「クアッド・プラスアルファ」に韓国を引き込まねばならない。

現在の米中対立は米ソ冷戦の類比で理解できない。むしろ第1次世界大戦前の英国とドイツの関係に似ている。英国は工業化の遅れたドイツに多大な投資をしていた。相互依存が進み「戦争は起きない」と言われていたが起きてしまった。

半導体の技術規制は始まったものの、中国に進出する日米欧の民間企業が撤退することはない。成長する中国市場はなかなか捨てがたい。それでも戦争はマーケットと異なる論理で始まる。

日本は中国を抑止するため防衛予算の拡大が必要だ。財政は厳しいが本当に国が危なくなったら出さないといけない。科学技術の進歩が国家安全保障に全く生かされていないのが日本の難点だ。改革が欠かせない。

日米首脳の共同声明について専門家に聞く。

日本、有事へ米と危機感共有 自立した防衛力急務

日本、有事へ米と危機感共有 自立した防衛力急務
新時代の日米㊥
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA16DKD0W1A410C2000000/

『台湾問題などに言及した日米首脳の共同声明を受け、中国外務省の副報道局長は19日の記者会見で「必要な措置をとり国家主権を断固守る」と強調した。示唆した対抗措置がどんなものになるかは見通せない。

沖縄県・尖閣諸島の周辺海域では日本領海の外側の接続水域を19日も中国海警局の船4隻が航行した。機関砲のようなものを搭載した船もあるという。尖閣周辺で中国公船を確認するのは連続65日を超える。

台湾海峡の南西空…

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台湾海峡の南西空域でも、中国の戦闘機や爆撃機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入するのが常態となっている。12日には最多の25機が飛来した。

南シナ海では4月上旬、米中の空母が同時期に展開する事態が起こった。米海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」が南から、中国海軍の空母「遼寧」が北からそれぞれ海域に入った。

米国はこうした東アジアの軍事バランスの変化を踏まえ、世界に散らばる米軍の配置を最適化するための検証を始める。バイデン米大統領が日米首脳会談に先立ち、アフガニスタンの駐留米軍の9月までの撤収を表明したのもその一環だ。

中国をにらみ、インド太平洋地域に兵力や予算をシフトしていく。沖縄からフィリピンを結ぶ第1列島線に沿って中距離ミサイル網を築く案も浮上する。

「インド太平洋地域の軍事バランスは米国と同盟国に一層不利になる」。米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は制海権を保つには戦力の向上が必須だと訴える。米軍は戦闘機や艦艇、ミサイルの数で米中の差がさらに開くと予測。同盟国に応分の役割を求める機会も増えるとみられる。

米ソ冷戦の最前線が欧州なら、日本を含む東アジアは米中対立のフロントライン。日本の防衛力は同盟国の対中抑止力を左右する。

日本の安全保障体制は自立した防衛力と日米同盟の2本柱だ。日米安保条約第5条は米国による日本防衛の義務を定めるものの、敵からの攻撃の第1波に米軍が間に合う可能性は極めて低い。その間は自衛隊だけで守るのが大前提となるが、持ちこたえられるのか。

尖閣諸島に中国軍が上陸して侵攻しようとした場合、それを阻止する陸上自衛隊の水陸機動団の拠点は長崎県内にある。尖閣諸島までおよそ1000キロで、新型輸送機オスプレイでも2時間かかる。中国の侵攻の意図が分かって部隊を派遣しても手遅れとなる。

現状では日本が相手国のミサイル発射の兆候をつかんでも、それを阻止するために敵のミサイル発射拠点を攻撃できない。政府が「敵基地攻撃能力」の保有を否定しており、ここも米軍に頼らざるを得ない。

仮に中国が台湾を武力で統一しようとすれば、台湾に攻め込む中国軍を止めるのも米軍だ。集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃できるようにするには「存立危機事態」に認定する必要がある。台湾有事がそれに当たるかはときの政権の判断となる。

「台湾海峡、また尖閣周辺でも厳しい状況が続いている」。菅義偉首相は日米首脳会談後、記者団に台湾問題と、台湾から170キロと近い尖閣諸島を巡る危機感を並列で語った。

会談から8時間後の17日昼。岸信夫防衛相は日本最西端の沖縄県与那国島を視察した。あいにくの曇天だったが、晴れていれば110キロ先の台湾が見える。台湾有事は対岸の火事で済まない。首脳会談で共有した危機感を防衛力の向上につなげることが急務となる。

(安全保障エディター 甲原潤之介)

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峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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分析・考察 尖閣と台湾の有事を想定した備えを急ぐべきなのは記事の通りです。日本は世界5位と同9位といわれる防衛力と防衛費を持つ一方、憲法や財政などの制約があります。有事やグレーゾーン事態にできることとできないことを早急に整理し、米軍と連携した効率的な防衛態勢づくりが必要です。

台湾海峡が有事になればサプライチェーンなど日本経済への影響は米国とは比べものになりません。米国一本足打法ではなく、アジアに関心を強める欧州やASEANにも協調国の裾野を広げるのは中国へのけん制になります。対中外交をはじめ有事を起こさせないための交渉力が「防衛力」強化なのは言うまでもありません。

2021年4月20日 8:12いいね
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鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 台湾有事が他人ごとではないのは、台湾も尖閣諸島も中国が自らの主権を主張しているという点で共通しているから。中国がアメリカの抑止力を認めず、自らの軍事的優位を過信して武力を用いて台湾侵略を行うということは、すなわち尖閣諸島が日米安保条約第五条が適用されたとしても、中国がアメリカの抑止力を認めない以上、台湾と同じことが起きうるということ。そのためにも、台湾有事は起こしてはならないし、もっといえば中国がアメリカの抑止力を認めないという状況を作ってはならない。

2021年4月20日 7:50いいね

日米首脳ハンバーガー会談舞台裏…台湾明記で対中戦略は?バイデン政権内に不満も

https://news.yahoo.co.jp/articles/f09f98776082d87cc9e72e80c0fd3c8d6b1e75f0?page=1

『日米首脳は、ホワイトハウスの一室で、ハンバーガーを前に、マスクを着用したまま見つめ合っていた。

バイデン大統領が、初めての対面形式の会談相手として、菅首相を招いて行った日米首脳会談。共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記し、中国を強くけん制した。

「雰囲気はすごく良かった」と出席者が口を揃え、首相自身も「私と似ている」と“ベテラン政治家”同士の相性に手応えを語る一方、ある政府関係者からは「米中の事実上の軍拡競争に日本は巻き込まれている」との声も上がる。

いったい何が起きているのか。舞台裏を探った。(ワシントン支局長・矢岡亮一郎)

■食べない“ハンバーガー会談”

「いろいろ人生経験とかの話をして、ハンバーグ(注:ハンバーガー)も全く手をつけないで終わってしまった。それくらい熱中した」

会談終了後、菅首相は少し頬を緩めながら、バイデン大統領との「テタテ」と呼ばれる1対1の会談を振り返った。時間にしてわずか20分間。「たたき上げの政治家という共通点がある」と親近感を寄せるバイデン大統領とは、部屋に飾られた家族の写真を見ながら、孫などの話題で打ち解けたという。

「私と似ているような感じを受けたが、本人もそう思っているようで…」

とバイデン氏との信頼関係の構築に手応えを語った。しかし、この「食事に手をつけないランチ会」に至るまでには、紆余曲折があった。

■ホワイトハウス「幻の夕食会」

日本代表団ホテルに「坂井副長官のお土産」段ボール…「1ドルチョコ」も

「こんなにバタバタの首脳会談は初めてだ」

首相の訪米を翌々日に控えて、ある日本政府関係者はうめいた。ホワイトハウス側との調整が滞り、スケジュールは直前まで定まらなかった。今回、日本政府がこだわったのが、バイデン大統領、ハリス副大統領との食事会。特にバイデン大統領との「夕食会」開催に向けては最後まで粘り強く交渉を続けたというが、結局実現することはなかった。

バイデン大統領自身、コロナ禍での対面の会談にはかなり慎重だとされる。会談中は「常時マスク着用」、しかも高性能のN95マスクの着用が義務づけられた。

この徹底ぶりはハンバーガーを前にしてなお、マスクを外さない一枚の写真によく表れている。

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『■台湾明記も…バイデン政権内に「落胆」

首脳会談では「N95マスクを常時着用」

首脳会談は、1対1のテタテ、少人数会合、拡大会合と3段階で計2時間半に及んだ。

今回の会談の最大の焦点は、共同声明に「台湾」の問題を明記するかどうかだった。そもそも日米首脳の共同文書に「台湾」が明記されれば、1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領以来、半世紀ぶりとなる。「台湾」の文言を盛り込みたいアメリカ側と、慎重な日本側との間で、事前調整はかなり難航したという。この対立構図を英紙フィナンシャル・タイムズが報じ、日本側が米側のリークを疑う場面もあった。

結局、共同声明には「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記された。日本政府の要請で後半に加えられたという「両岸問題の平和的解決を促す」という文言は、台湾問題に触れる場合の日本政府の定型見解で、外務省幹部は「この表現を後ろに付けることで、これまでの日本政府の姿勢と変わっていないというメッセージになる」と解説した。

一方で、あるアメリカ政府関係者は、「日本には共同声明でもっと強い表現に賛同して欲しかった」「落胆している」と不満を口にしている。

■日本「台湾明記」もなお米政府内に不満

「台湾の明記」を「内政干渉だ」とする中国は、共同声明に対し「強烈な不満と断固反対を表明する」と猛反発した。一方、アメリカ政府内には「台湾」を明記してなお、日本への不満が燻る。「日本は台湾有事への危機感が低い」との見方や、別のアメリカ政府関係者からは「日本は経済分野で中国と良い関係を保っていて、少しずるい」との声まで聞かれる。

アメリカが中国と貿易戦争をやって、経済面でも身を切る覚悟で向き合う中で、日本が尖閣など安全保障面で守ってもらおうというのは「不平等」との不満もあるようだ。

■菅首相「一番乗り」のワケ

菅首相訪米も「対中国のメッセージ」に

今回の菅首相の「一番乗り」は、日本重視と言えるのだろうか。ある日米外交筋はこう話す。
「バイデン大統領が菅首相を最初の会談相手に選んだのは、『日本』だからではない。対中国の最大の同盟国だからだ」

菅首相の訪米は、あくまでアメリカの対中国戦略の一環、一つのパーツとの位置づけだ。現にバイデン大統領は、同じタイミングで気候変動問題担当のケリー特使を中国に、台湾にも非公式の代表団を派遣して、台湾トップ蔡英文総統と会談させた。日米首脳会談に同席したブリンケン国務長官とオースティン国防長官は直前まで、欧州を歴訪していた。

バイデン政権は「同盟」を重視しながら、複合的かつ戦略的な外交を展開している。その中の一番重要なパーツとして、日本のトップを米国に招き、首脳会談を通じて「強固な同盟」、台湾などをめぐる厳しい姿勢を中国に見せつけた。

ある日本政府関係者は「ホワイトハウスは今回、バイデン大統領と菅首相が2人で並んでの会見にこだわった。発信したかったのだろう」と打ち明ける。

■日米今後は?「総論はいいが、各論に入ると…」

「ジョー」「ヨシ」が描く対中国戦略は

ある日本政府関係者は「日米は総論はいいが、各論に入ると立場の違いが露呈してくる」と交渉の難しさを語っている。今回の台湾をめぐる文言の調整は「各論の立場の違い」の一つのケースになった。

別の日本政府関係者は「日本はすでに米中の事実上の軍拡競争に巻き込まれている」と語った。今後も中国をめぐる情勢が厳しさを増す中で、アメリカに立場の違いでどう理解を得ていくのか。日本外交の力が試される。』

2019年の日中貿易 総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少

2019年の日中貿易
総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/7a3c80fbbd73f456.html

2020年4月7日

ジェトロが財務省貿易統計と中国海関(税関)統計を基に、2019年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、総額は前年比3.7%減の3,407億3,296万ドルとなり、3年ぶりに減少に転じた(表1参照、注1、注2)。

表1:日中貿易の推移(双方輸入ベース)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
年月 輸出額
(日本→中国) 伸び率 輸入額
(中国→日本) 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 176,225,091 34.8 153,424,723 25.2 329,649,814 30.2 22,800,368
2011年 194,296,265 10.3 184,128,640 20.0 378,424,904 14.8 10,167,625
2012年 177,649,842 △ 8.6 188,450,182 2.3 366,100,025 △ 3.3 △ 10,800,340
2013年 162,114,236 △ 8.7 180,840,622 △ 4.0 342,954,857 △ 6.3 △ 18,726,386
2014年 162,512,019 0.2 181,038,865 0.1 343,550,884 0.2 △ 18,526,847
2015年 142,689,642 △ 12.2 160,624,606 △ 11.3 303,314,248 △ 11.7 △ 17,934,964
2016年 144,996,448 1.6 156,631,816 △ 2.5 301,628,264 △ 0.6 △ 11,635,368
2017年 164,865,658 13.7 164,542,081 5.1 329,407,739 9.2 323,577
2018年 180,234,250 9.3 173,598,618 5.5 353,832,868 7.4 6,635,632
2019年 171,514,651 △ 4.8 169,218,304 △ 2.5 340,732,955 △ 3.7 2,296,347
2019年
1月 13,747,142 △ 0.8 16,878,411 7.6 30,625,553 3.7 △ 3,131,270
2019年
2月 11,089,137 0.4 11,514,954 △ 17.6 22,604,090 △ 9.7 △ 425,817
2019年
3月 14,084,386 △ 13.8 13,482,278 5.9 27,566,664 △ 5.2 602,108
2019年
4月 15,539,523 1.4 13,901,148 2.2 29,440,672 1.8 1,638,375
2019年
5月 13,176,426 △ 15.9 14,016,072 △ 1.1 27,192,497 △ 8.9 △ 839,646
2019年
6月 14,002,763 △ 4.8 12,750,127 △ 3.5 26,752,891 △ 4.2 1,252,636
2019年
7月 14,594,818 △ 12.6 14,899,782 5.9 29,494,600 △ 4.1 △ 304,964
2019年
8月 14,365,561 △ 8.9 13,352,861 △ 4.3 27,718,422 △ 6.8 1,012,699
2019年
9月 15,158,135 △ 6.7 15,063,598 3.3 30,221,733 △ 2.0 94,537
2019年
10月 14,139,802 △ 7.3 14,737,797 △ 11.8 28,877,599 △ 9.6 △ 597,995
2019年
11月 15,294,766 △ 0.1 14,498,883 △ 13.0 29,793,648 △ 6.8 795,883
2019年
12月 16,322,194 16.4 14,122,393 △ 0.8 30,444,587 7.7 2,199,801

注1:輸出額は中国の通関統計による対日輸入額、輸入額は日本の財務省貿易統計による対中輸入額。
いずれも貿易データベースGlobal Trade Atlas(ドルベース)を基に作成。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
注3:機械処理の関係上、他の統計とは計数の値が異なる場合がある。
注4:暦年の数値は確定値。各月の数値は速報値を使用。
参考:為替レート(円/ドル):2014年 105.74、2015年 121.05、2016年108.66、2017年112.10、2018年110.40、2019年109.02(米国連邦準備制度理事会発表)。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は4.8%減の1,715億1,465万ドル、輸入は2.5%減の1,692億1,830万ドルとなった。その結果、日本の中国に対する貿易収支は22億9,635万ドルと、3年連続の黒字を維持したが、前年より黒字幅は大きく縮小した。

輸出:米中貿易摩擦などを背景に、4年ぶりにマイナスに
輸出は前年比4.8%減の1,715億1,465万ドルと2015年以来4年ぶりに減少に転じた。構成比で最大品目の電気機器は集積回路が増加したものの、全体では減少した(表2参照)。

表2:2019年の日本の対中輸出(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 171,514,651 △ 4.8 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 43,619,638 △ 1.9 25.4 △ 0.5
階層レベル2の項目8542 集積回路 17,291,186 9.2 10.1 0.8
階層レベル2の項目8536 電気回路の開閉用、保護用または接続用の機器 3,704,298 △ 7.3 2.2 △ 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 3,688,862 △ 13.2 2.2 △ 0.3
階層レベル2の項目8532 コンデンサー 3,611,126 3.3 2.1 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター4 2,029,338 7.0 1.2 0.1
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 36,417,826 △ 10.5 21.2 △ 2.4
階層レベル2の項目8486 半導体、集積回路またはフラットパネルディスプレーの製造用機器 8,928,891 △ 14.1 5.2 △ 0.8
階層レベル2の項目8479 機械類(固有の機能を有するものに限る) 3,702,752 △ 3.8 2.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,124,302 △ 4.8 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8481 コック、弁 1,791,811 0.6 1.0 0.0
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 17,921,778 △ 1.5 10.5 △ 0.1
階層レベル2の項目8703 乗用自動車その他の自動車 10,989,964 9.1 6.4 0.5
階層レベル2の項目8708 自動車の部分品および付属品 6,761,153 △ 15.0 3.9 △ 0.7
第90類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器および医療用機器 15,170,060 △ 4.3 8.8 △ 0.4
階層レベル2の項目9013 液晶デバイス、レーザーおよびその他の光学機器 2,926,052 △ 23.9 1.7 △ 0.5
第39類 プラスチックおよびその製品 9,672,298 △ 1.5 5.6 △ 0.1
第29類 有機化学品 6,505,860 △ 12.3 3.8 △ 0.5
階層レベル2の項目9001 光ファイバー、光ファイバーケーブル、偏光材料製のシートおよび板並びにレンズ 2,523,073 5.9 1.5 0.1
階層レベル2の項目9031 測定用または検査用の機器および輪郭投影機 2,064,428 △ 3.5 1.2 △ 0.0
第72類 鉄鋼 4,712,135 △ 17.3 2.8 △ 0.5
第33類 精油、レジノイド、調製香料および化粧品類 3,711,681 34.7 2.2 0.5
第38類 各種の化学工業生産品 3,484,813 △ 1.0 2.0 △ 0.0
第74類 銅およびその製品 3,105,536 △ 17.0 1.8 △ 0.4
第73類 鉄鋼製品 2,296,522 △ 10.2 1.3 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所::Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス1.9%、構成比25.4%、寄与度マイナス0.5)は、全体の39.6%を占める集積回路(8542)が9.2%増と堅調に推移した。一方、光電性半導体デバイスおよび発光ダイオード(854140)をはじめとする半導体デバイス(8541)が13.2%減、電気回路の閉鎖用、保護用または接続用の機器が7.3%減となるなどして、電気機器全体では1.9%減となった。

機械類(第84類、伸び率マイナス10.5%、構成比21.2%、寄与度マイナス2.4)は、米中貿易摩擦などを受けた中国の設備投資の需要減を背景に10.5%減となった。製造用機器(8486)が14.1%減の2ケタ減となっており、うち、フラットパネルディスプレー製造用の機器(848630)が28.3%減で、最大の押し下げ要因となった。半導体デバイス・集積回路製造用の機器(848620)は2月を除いて8月まで前年同月比マイナスが続いたが、9月以降はプラスに転じ、通年で金額は2.4%増、数量は14.5%減となった。

車両(第87類、伸び率マイナス1.5%、構成比10.5%、寄与度マイナス0.1)のうち、乗用車(8703)は、ハイブリッド車(870340)および排気量1,500cc超3,000cc以下の乗用車(870323)の輸出がそれぞれ116.3%増、9.5%増と好調だった。一方、排気量3,000cc超の乗用車(870324)の輸出が23.9%減へと落ち込み、乗用車全体では9.1%増となった。自動車部品(8708)は、全体の66.9%を占めるギヤボックス・同部品(870840)が19.5%減となり、自動車部品全体では15.0%減となった。

精密機器(第90類、伸び率マイナス4.3%、構成比8.8%、寄与度マイナス0.4)は、液晶デバイスなど(9013)が23.9%減となり、精密機器全体では4.3%減となった。

化粧品(第33類、伸び率34.7%、構成比2.2%、寄与度0.5)は、全体の84.5%を占める美容用、メーキャップ用または皮膚の手入れ用の調製品など(3304)が35.1%増と好調だった。

輸入:電気機器や衣類・同付属品の減少で3年ぶりのマイナス

輸入は前年比2.5%減の1,692億1,830万ドルと3年ぶりに減少に転じた。品目別では、スマートフォンなどの携帯電話端末の大幅減で電気機器が減少し、また、衣類・同付属品のASEANシフトがより一層進み、減少が目立った(表3参照)。

表3:2019年の日本の対中輸入(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 169,218,304 △ 2.5 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 46,275,146 △ 4.0 27.4 △ 1.1
階層レベル2の項目8517 電話機およびその他の機器 18,157,690 △ 9.4 10.7 △ 1.1
階層レベル2の項目851712 携帯回線網用その他の無線回線網用の電話 13,247,177 △ 13.0 7.8 △ 1.1
階層レベル2の項目851762 その他の機器(音声、画像その他のデータを受信、変換、送信または再生するための機械) 3,569,589 7.7 2.1 0.1
階層レベル2の項目8528 モニターおよびビデオプロジェクター 2,580,493 14.7 1.5 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 2,575,090 △ 0.1 1.5 △ 0.0
階層レベル2の項目8544 電気絶縁をした線、ケーブルおよび光ファイバーケーブル 2,054,494 △ 6.2 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター 1,915,276 1.2 1.1 0.0
階層レベル2の項目8542 集積回路 1,837,382 △ 2.2 1.1 △ 0.0
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 31,834,066 3.6 18.8 0.6
階層レベル2の項目8471 自動データ処理機械 13,170,502 11.5 7.8 0.8
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,352,481 0.9 1.4 0.0
階層レベル2の項目8473 事務用機器などに専らまたは主として使用する部分品および付属品 2,213,443 5.4 1.3 0.1
階層レベル2の項目8415 エアコンディショナー 1,932,988 △ 3.4 1.1 △ 0.0
第61類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものに限る) 8,068,011 △ 5.3 4.8 △ 0.3
第62類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く) 7,830,011 △ 7.6 4.6 △ 0.4
第94類 家具、寝具 5,022,258 2.7 3.0 0.1
第90類 光学機器精密機器および医療用機器 4,955,022 1.3 2.9 0.0
第39類 プラスチックおよびその製品 4,919,470 △ 2.7 2.9 △ 0.1
第95類 玩具、遊戯用具および運動用具 4,623,653 △ 7.2 2.7 △ 0.2
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 4,298,102 △ 3.8 2.5 △ 0.1
第73類 鉄鋼製品 4,188,206 2.0 2.5 0.0
第29類 有機化学品 3,638,703 △ 6.3 2.2 △ 0.1
第63類 紡織用繊維のその他の製品 2,740,377 △ 0.3 1.6 △ 0.0
第28類 無機化学品および貴金属、希土類 2,610,735 △ 12.7 1.5 △ 0.2
第42類 革製品、ハンドバッグ 2,604,731 0.2 1.5 0.0
第64類 履物およびゲートル 2,550,098 △ 7.9 1.5 △ 0.1
第16類 肉、魚または甲殻類、軟体動物もしくはその他の水棲無脊椎動物の調製品 2,512,432 △ 2.6 1.5 △ 0.0
第76類 アルミニウムおよびその製品 2,026,270 △ 1.0 1.2 △ 0.0
第00類 特殊取扱品 1,700,668 △ 8.0 1.0 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス4.0%、構成比27.4%、寄与度マイナス1.1)は、全体の39.2%を占める電話機(8517)が前年比9.4%減と1割近く減少した。このうち、主要品目であるスマートフォンなどの携帯電話端末(851712)は単価低下と数量減少により、前年の増加から13.0%減に転じ、金額ベースで2012年以来の低水準となった(数量ベースでも同様)。一方、モニターやプロジェクターなどの受像機器(8528)は数量が2桁増となり、金額ベースで14.7%増となった。

機械(第84類、伸び率3.6%、構成比18.8%、寄与度0.6)は、全体の41.4%を占める自動データ処理機械(8471)が11.5%増となった。このうち、主要品目であるノートパソコン(847130)は数量の増加もあり、全体で16.4%増となった。また、全体の6.1%を占めるエアコンディショナー(8415)は猛暑の影響で好調だった前年の2桁増から3.4%減に転じた。

衣類・同付属品(第61類、伸び率マイナス5.3%、構成比4.8%、寄与度マイナス0.3、第62類、伸び率マイナス7.6%、構成比4.6%、寄与度マイナス0.4)について、第61類(メリヤス編みまたはクロセ編みのもの)は5.3%減となり、全世界からの輸入に占める構成比は59.0%と1996年以来初めて6割を割り込んだ。第62類(メリヤス編みまたはクロセ編み以外のもの)は7.6%減で、全世界からの輸入に占める構成比は54.7%と前年(57.7%)に続き減少した。

家具、寝具(第94類、伸び率2.7%、構成比3.0%、寄与度0.1)のうち、全体の36.0%を占める椅子(9401)は3.8%増、全体の25.3%を占める家具(9403)は4.4%増となった。椅子のうち、回転タイプのものは12.0%増となった。

無機化学品(第28類、伸び率マイナス12.7%、構成比1.5%、寄与度マイナス0.2)について、全体の20.9%を占める主要品目の金属酸化物(2825)の数量が3割以上増加し、金額ベースでも22.0%増となったものの、そのほかの主要品目の単価が1~2割と大幅に減少したことにより、全体でマイナスとなった。

日本の輸出額に占める中国の構成比が減少し2位に

財務省の貿易統計によると、日本の貿易における中国の構成比は、輸出が19.1%で前年比0.4ポイント縮小した(表4、表5、図1参照、注3)。一方、輸入は23.5%で0.3ポイント拡大した(表6、図2参照)。その結果、貿易総額に占める中国の構成比は21.3%と、前年比0.1ポイント縮小した(図3参照)。

表4:2019年の日本の貿易相手上位5カ国・地域およびASEAN・EU(財務省統計)
(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)

輸出

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 705,528 △ 4.4 100.0 —
米国 139,798 △ 0.2 19.8 △ 0.0
中国 134,690 △ 6.4 19.1 △ 1.3
韓国 46,250 △ 11.9 6.6 △ 0.8
台湾 43,002 1.5 6.1 0.1
香港 33,626 △ 3.1 4.8 △ 0.1
ASEAN 106,207 △ 7.2 15.1 △ 1.1
EU 82,116 △ 1.6 11.6 △ 0.2

輸入

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 720,738 △ 3.7 100.0 —
中国 169,218 △ 2.5 23.5 △ 0.6
米国 79,083 △ 3.1 11.0 △ 0.3
オーストラリア 45,447 △ 0.6 6.3 △ 0.0
韓国 29,613 △ 7.9 4.1 △ 0.3
サウジアラビア 27,625 △ 18.2 3.8 △ 0.8
ASEAN 107,764 △ 4.0 15.0 △ 0.6
EU 89,097 1.3 12.4 0.1

総額

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 1,426,266 △ 4.1 100.0 —
中国 303,909 △ 4.3 21.3 △ 0.9
米国 218,880 △ 1.3 15.4 △ 0.2
韓国 75,862 △ 10.4 5.3 △ 0.6
台湾 69,863 0.5 4.9 0.0
オーストラリア 59,935 △ 4.6 4.2 △ 0.2
ASEAN 213,971 △ 5.6 15.0 △ 0.9
EU 171,213 △ 0.1 12.0 △ 0.0
注1:EUは28カ国として計算。
注2:伸び率は前年比。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表5:日本の輸出に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 770,046 32.7 149,679 36.6 19.4 118,675 26.8 15.4
2011年 823,544 6.9 162,013 8.2 19.7 126,075 6.2 15.3
2012年 798,447 △ 3.0 144,174 △ 11.0 18.1 140,096 11.1 17.5
2013年 714,866 △ 10.5 129,093 △ 10.5 18.1 132,400 △ 5.5 18.5
2014年 690,824 △ 3.4 126,459 △ 2.0 18.3 128,785 △ 2.7 18.6
2015年 624,889 △ 9.5 109,236 △ 13.6 17.5 125,819 △ 2.3 20.1
2016年 645,052 3.2 113,890 4.3 17.7 130,102 3.4 20.2
2017年 698,329 8.3 132,839 16.6 19.0 134,811 3.6 19.3
2018年 738,143 5.7 143,962 8.4 19.5 140,100 3.9 19.0
2019年 705,528 △ 4.4 134,690 △ 6.4 19.1 139,798 △ 0.2 19.8
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表6:日本の輸入に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 694,297 25.8 153,425 25.2 22.1 67,443 14.4 9.7
2011年 856,046 23.3 184,129 20.0 21.5 74,485 10.4 8.7
2012年 885,838 3.5 188,450 2.3 21.3 76,237 2.4 8.6
2013年 832,628 △ 6.0 180,841 △ 4.0 21.7 69,825 △ 8.4 8.4
2014年 812,954 △ 2.4 181,039 0.1 22.3 71,386 2.2 8.8
2015年 648,084 △ 20.3 160,625 △ 11.3 24.8 66,590 △ 6.7 10.3
2016年 607,728 △ 6.2 156,632 △ 2.5 25.8 67,459 1.3 11.1
2017年 672,096 10.6 164,542 5.1 24.5 72,155 7.0 10.7
2018年 748,487 11.4 173,599 5.5 23.2 81,586 13.1 10.9
2019年 720,738 △ 3.7 169,218 △ 2.5 23.5 79,083 △ 3.1 11.0
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図1:日本の輸出に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸出に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国19.4 米国15.4 ASEAN14.7 EU11.3、 2011年 中国19.7 米国15.3 ASEAN15.0 EU11.6 、 2012年中国18.1 米国17.5 ASEAN16.2 EU10.2、 2013年米国18.5 中国18.1 ASEAN15.5 EU10.0、 2014年米国18.6 中国18.3 ASEAN15.2 EU10.4 、 2015年米国 20.1中国17.5 ASEAN15.2 EU10.6、 2016年 米国20.2 中国17.7 ASEAN14.8 EU11.4、 2017年米国19.3 中国19.0 ASEAN15.2 EU11.1、 2018年中国19.5 米国19.0 ASEAN15.5 EU11.3、 2019年米国19.8、中国19.1 ASEAN15.1 EU11.6だった。この間の日本の輸出額は、2010年 7,700億ドル、2011年 8,235億ドル、2012年 7,984億ドル、2013年 7,149億ドル、2014年 6,908億ドル、 2015年 6,249億ドル、2016年 6,451億ドル、2017年 6,983億ドル、2018年 7,381億ドル、2019年 7,055億ドルであった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図2:日本の輸入に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸入に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国22.1 米国9.7 ASEAN14.6 EU9.6、 2011年 中国21.5 米国8.7 ASEAN14.6 EU9.4、 2012年中国21.3 米国8.6 ASEAN14.6 EU9.4、 2013年中国21.7 米国8.4 ASEAN14.1EU9.4、 2014年中国22.3 米国8.8 ASEAN14.3 EU9.5、 2015年中国24.8 米国10.3 ASEAN15.1EU11.0、 2016年中国25.8 中国11.1 ASEAN15.2 EU12.3、 2017年中国24.5 米国10.7ASEAN15.3 EU11.6、 2018年中国23.2 米国10.9 ASEAN15.0 EU11.8、 2019年中国23.5、中国11.0 ASEAN15.0 EU12.4だった。 この間の日本の輸入総額は、2010年6943億ドル、2011年 8560億ドル、2012年8858億ドル、2013年8326億ドル、2014年8130億ドル、2015年6481億ドル、2016年6077億ドル、 2017年6721億ドル、2018年7485億ドル、2019年7207億ドルだった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図3:日本の貿易総額に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の貿易総額に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国20.7 ASEAN14.6 米国12.7 EU10.5、 2011年 中国20.6 ASEAN14.8 米国11.9 EU10.5、 2012年 中国19.7 ASEAN15.3 米国12.8 EU9.8、 2013年 中国20.0 ASEAN14.8 米国13.1 EU9.7、 2014年中国20.4 ASEAN14.7 米国13.3 EU9.9、 2015年中国21.2 ASEAN15.2 米国15.1 EU10.8、 2016年 中国21.6 ASEAN15.0米国15.8 EU11.9、 2017年中国 21.7ASEAN15.1 米国15.2 EU11.3、 2018年中国21.4 米国14.9 ASEAN15.2 EU11.5、 2019年中国21.3 米国15.3 ASEAN15.0 EU12.0 だった。 この間の日本の貿易総額は2010年1兆4643億ドル、2011年1兆6796億ドル、2012年1兆6843億ドル 、2013年1億5475億ドル、2014年1兆5038億ドル、2015年1兆2730億ドル、2016年1兆2528億ドル、2017年1兆3704億ドル、2018年1兆4866億ドル、2019年1兆4263億ドル だった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

日本の対世界貿易において、中国は輸出額で2018年に2012年以来6年ぶりに米国を上回り第1位となったが、2019年は再び第2位だった。日本の対世界輸出の減少(4.4%減)に対する寄与度(マイナス1.3ポイント)は最大だった。一方、貿易総額と輸入額では引き続き第1位となった。それぞれ2007年以降13年連続、2002年以降18年連続で第1位となっている。

表7:(参考)日中貿易の推移(財務省統計)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)

年 輸出額 伸び率 輸入額 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 149,678,986 36.6 153,424,723 25.2 303,103,709 30.6 △ 3,745,737
2011年 162,013,144 8.2 184,128,640 20.0 346,141,784 14.2 △ 22,115,496
2012年 144,173,787 △ 11.0 188,450,182 2.3 332,623,970 △ 3.9 △ 44,276,395
2013年 129,092,691 △ 10.5 180,840,622 △ 4.0 309,933,313 △ 6.8 △ 51,747,930
2014年 126,459,184 △ 2.0 181,038,865 0.1 307,498,049 △ 0.8 △ 54,579,681
2015年 109,236,224 △ 13.6 160,624,606 △ 11.3 269,860,831 △ 12.2 △ 51,388,382
2016年 113,889,670 4.3 156,631,816 △ 2.5 270,521,485 0.2 △ 42,742,146
2017年 132,839,145 16.6 164,542,081 5.1 297,381,226 9.9 △ 31,702,936
2018年 143,962,135 8.4 173,598,618 5.5 317,560,753 6.8 △ 29,636,483
2019年 134,690,414 △ 6.4 169,218,304 △ 2.5 303,908,718 △ 4.3 △ 34,527,890
2019年
1月 8,793,757 △ 15.9 16,878,411 7.6 25,672,168 △ 1.8 △ 8,084,654
2019年
2月 10,320,010 3.2 11,514,954 △ 17.6 21,834,964 △ 9.0 △ 1,194,944
2019年
3月 11,739,813 △ 13.5 13,482,278 5.9 25,222,091 △ 4.1 △ 1,742,465
2019年
4月 11,044,266 △ 9.7 13,901,148 2.2 24,945,414 △ 3.4 △ 2,856,882
2019年
5月 10,442,839 △ 10.0 14,016,072 △ 1.1 24,458,911 △ 5.1 △ 3,573,233
2019年
6月 11,529,717 △ 8.4 12,750,127 △ 3.5 24,279,844 △ 5.9 △ 1,220,410
2019年
7月 11,350,259 △ 6.6 14,899,782 5.9 26,250,041 0.1 △ 3,549,523
2019年
8月 11,302,203 △ 8.1 13,352,861 △ 4.3 24,655,064 △ 6.1 △ 2,050,658
2019年
9月 10,945,040 △ 2.8 15,063,598 3.3 26,008,638 0.6 △ 4,118,558
2019年
10月 12,235,578 △ 6.5 14,737,797 △ 11.8 26,973,375 △ 9.5 △ 2,502,219
2019年
11月 12,035,165 △ 1.5 14,498,883 △ 13.0 26,534,048 △ 8.1 △ 2,463,718
2019年
12月 12,951,766 3.7 14,122,393 △ 0.8 27,074,159 1.3 △ 1,170,627
注1:2019年1~12月は確報値。2018年以前は確定値。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
出所:Global Trade Atlasよりジェトロ作成

注1:
この分析は、日本の対中輸出を中国の輸入統計でみる「双方輸入ベース」となっている。貿易統計は輸出を仕向け地主義、輸入を原産地主義で計上しており、香港経由の対中輸出(仕向け地を香港としている財)が日本の統計では対中輸出に計上されない。中国の輸入統計には日本を原産とする財が全て計上されていることから、日中間の貿易は、いずれかの国の貿易統計より、日中双方の輸入統計をみた方が実態に近いと考えられる。このため、日本の対中輸出は中国の通関統計による対日輸入を、対中輸入は日本の財務省統計による対中輸入を使用している。なお、2018年の日中貿易は、調査レポート参照。
注2:
財務省貿易統計の円ベース(輸出確報、輸入9桁速報)では、総額が33兆1,273億円(前年比5.6%減)、輸出が14兆6,827億円(7.6%減)、輸入が18兆4,446億円(3.9%減)となった。
注3:
この分析は貿易総額、輸出額、輸入額の全て、財務省貿易統計に基づいている。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
方 越(ほう えつ)
2006年4月、ジェトロ入構。展示事業部海外見本市課、金沢貿易情報センターを経て2013年6月から現職。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
森 詩織(もり しおり)
2006年4月、ジェトロ入構。海外調査部中国北アジア課、ジェトロ広島、ジェトロ・大連事務所を経て、2016年9月から現職。

日米首脳会談で菅首相が踏んだ踏み絵の意味

日米首脳会談で菅首相が踏んだ踏み絵の意味
米議会は超党派で「戦略競争法案」提出、後戻りできない日本
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64976?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

高濱 賛のプロフィール
Tato Takahama 米国在住のジャーナリスト

1941年生まれ、65年米カリフォルニア大学バークレー校卒業(国際関係論、ジャーナリズム専攻)。67年読売新聞入社。ワシントン特派員、総理官邸キャップ、政治部デスクを経て、同社シンクタンク・調査研究本部主任研究員。1995年からカリフォルニア大学ジャーナリズム大学院客員教授、1997年同上級研究員。1998年パシフィック・リサーチ・インスティテュート上級研究員、1999年同所長。

『出されたのはハンバーグ・ランチのみ

 菅義偉総理大臣とジョー・バイデン米大統領による初めての日米首脳会談が行われた。
 異例だらけの日米首脳会談で両首脳は何を話し、どんな約束をしたのか。菅氏は記者会見では「やり取りの詳細については外交上、明かさない」と突っぱねた。

 表に出ては国民向けにも中国向けにも支障が出るような発言や密約があるのだろうか。機密文書は30年経たねば解禁されない。ということは30年間国民は知らされないことになる。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックス禍で公式の昼食会も晩餐会もなし。ジル・バイデン夫人も顔を見せなかった。

 両首脳は2人だけでハンバーグ・ランチを食べた。

 異例と言えば、菅氏は大統領に会う前にカマラ・ハリス副大統領をホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルの副大統領室に表敬訪問したことだ。

 何やら外国訪問など外交面でのハリス氏の今後の積極的な活動を暗示している。

 首脳だけのテタテ(1対1)会談、外務閣僚らを入れた少人数会議、拡大会合を合わせると2時間50分。

 会談後に発表された共同声明(U.S-Japan Joint Leaders’ Statement:”U.S.-Japan Global Partnership for a New Era”)は英文で2500字の長文。実務事項びっしりの外交文書だ。

 共同声明は共同宣言に次ぐ国家間の最重要文書だ。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/04/16/u-s-japan-joint-leaders-statement-u-s-japan-global-partnership-for-a-new-era/

 これだけ詳細な実務事項を盛り込むには、事前に閣僚、事務レベルでの綿密なすり合わせがあったといっていい。

 内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区…』

『内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区、香港、尖閣諸島、半導体サプライチェーン、気候変動、東京五輪、普天間米空軍基地の辺野古移転まで、今後5年、10年の日米間の約束事を網羅している。

 首脳会談直前まで日本メディアの外交通と称する連中はこう見ていた。

「ウイグルや台湾、ミャンマーといった厄介な問題に深入りするのを避けて、半導体サプライチェーンや気候変動問題などで日米同盟が強固なことを世界(中国)にアピールすることでお茶を濁せるだろう」

 ところがどっこい。舞台裏では、米側は日本側に「中国の脅威」に対する危機感を大いに煽った。危機感は生半可なものではなかった。

 中国の脅威、特に台湾海峡周辺で中国が繰り広げている軍事威嚇行動に米国は神経をとがらせてきた。一触即発の危険性すらあるとみている。

 今回の共同声明では「台湾」は対中戦略の主軸となる最重要なパーツ(部品)だった。

 バイデン政権の外交当局者とは密接な関係にある主要シンクタンクの研究員、T氏は筆者にこう指摘している。

「バイデン氏が『台湾明記』に自信を深めたのは3月中旬だった。対中スタンスでは慎重な日本も乗って来ると確信したのは、3月16日の2プラス2(日米安全保障協議委員会)での日本の外務・防衛閣僚の対応だった」

「『台湾海峡の平和と安定の重要性についての認識を共有する』ことに合意したからだ。閣僚レベルでの合意事項が首脳同士で覆されることはあるまい、というわけだ」

「共同声明に『(台湾海峡)両岸問題の平和的解決を促す』という文言を入れるよう要求したのは日本側だが、これに米国が異議を申し立てる正当な理由はなかった」

「挑発しているのは中国なのだから、中国が矛を収めればこれに越したことはない」

人権、対中制裁は煙幕…』

『人権、対中制裁は煙幕
 もう一つは、菅氏を迎え入れたバイデン氏のきめ細かい受け入れ態勢だった。

 バイデン政権の最優先議題になっている人権問題をめぐっては米メディアは菅政権の対応に厳しい目を向けてきた。

 バイデン政権は、新疆ウイグル自治区での中国のウイグル族抑圧を「ジェノサイド」だとまで言い切り、制裁措置に踏み切っていた。欧州共同体(EU)はじめG7加盟国は日本以外全員が制裁に同調した。

 こうした中で、バイデン政権は政府高官による記者向けの事前説明などで日本には対中経済依存度などデリケートな理由があることを指摘するなど異例の根回し工作までしていた。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/press-briefings/2021/04/15/background-press-call-by-a-senior-administration-official-on-the-official-working-visit-of-japan/

 首脳会談後の記者会見も極端に記者の人数を制限するなど、通常の米国式記者会見とは趣を異にしていた。米記者団からは人権に対する質問は一切なかった。

 なぜ、そこまでバイデン氏は気を使ったのか。

 それよりも何よりもバイデン氏が菅氏をホワイトハウスに招き入れる最初の外国首脳に選んだ理由は何だったのか。

 ブルッキングス研究所東アジア政策研究センター所長のミレヤ・ソリス博士はこう指摘している。

「バイデン政権としては、日本が地域的、世界的なチャレンジに立ち向かう不可欠な同盟国としての地位を確固たるものにし、インド太平洋戦略が日本にとって最優先議題であることを再確認させようとした」

「日米は同盟関係を深化させており、責任分担する準備も整ってきた。中国のチャレンジを戦略的に抑え込むことでも両国は収斂している」

 先の2プラス2で日本が中国の独断的行動が国際秩序を不安定化させているという米国に同調、特に台湾海峡の安定の重要性を強調したことは多くの人々を驚かした」

https://www.brookings.edu/blog/order-from-chaos/2021/04/13/suga-biden-summit-to-rekindle-can-do-spirit-of-the-us-japan-alliance/

 外交専門家の間には、これまで国際政治を動…』

『外交専門家の間には、これまで国際政治を動かしてきた米国と中国を指す「G2」(Group of Two)という表現はいよいよ米国と日本に当てはまると主張する者も現れている。

https://www.japantimes.co.jp/opinion/2021/04/15/commentary/japan-commentary/china-u-s-quad-indo-pacific-development-aid/

 佐藤(栄作)・(リチャード・)ニクソン時代から日米首脳外交をフォローしてきた在米日系ジャーナリストG氏はこう見ている。

「日本人が日本重視を買いかぶりと失笑するかどうか。かつて日本は自分のことをを米国の『サイレント・パートナー』(日本語英語で何も言わずに黙ってついていくパートナーという意味)などと自虐的に言っていた時期がある」

「だが今や日本は米国の『ポジティブ・パートナー』(積極的に参画するパートナー)になった。今回の首脳会談はそれを再確認するターニング・ポイントになった」

「『台湾明記』はただ中国を激怒させただけでなく、米国、そして世界に日本の存在の大きさを見せつけたと言っていいかもしれない」

 バイデン政権が欲しかったのは、新疆ウイグル自治区でのウイグル族や香港の人権問題でも、そのための対中制裁措置でもなかった。

 どうしても日本に台湾問題について米国の危機感を共有してもらいたかったのだ。その「証文」が欲しかった。

 日本はその「証文」に判を押した。

香港は台湾併合シナリオのタイムライン… 』

『香港は台湾併合シナリオのタイムライン
 米国がいかに台湾海峡情勢に危機感を抱いているか。その好例が米議会の超党派の対中スタンスだ。

 上院外交委員会は中国に対応するための包括法案を4月24日に採択し、直ちに本会議に上程、可決・成立させる。

「米議会の認識」(Sense of Congress)を示すという位置づけで、法的拘束力はないが、バイデン政権の対中政策に少なからぬ影響を及ぼすことは間違いない。

 法案名は「2021年戦略的競争法案」(Strategic Competetion Act of 2021)。

 ボブ・メネンデス外交委員長(民主、ニュージャージー州選出)とジェームズ・リッシュ筆頭委員(共和、アイダホ州選出)が共同提案した民主、共和両党が超党派で提出する初の本格的な対中政策法案だ。

https://www.foreign.senate.gov/imo/media/doc/DAV21598%20-%20Strategic%20Competition%20Act%20of%202021.pdf

 同法案は台湾については、こう指摘している。

「中国の香港での人権弾圧は、台湾併合に向けたシナリオのタイムラインを実践している。台湾防衛は今やより緊急を有する優先事項だ」

「台湾防衛は、①台湾の人々を守り②中国軍を対米防衛線である第1列島線内に抑止し③日本の領土保全を防衛④中国軍の広範囲にわたる軍事的野望を阻止し⑤台湾の自由市場体制と民主的価値観を守る擁護者としての米国に対するクレディビリティ(信頼性)を堅持する――といった目的にとって死活的に重要である」

 本法案には何と「台湾」が47回も出てくる。

民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想… 』

『民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想
 2プラス2を受けて首脳会談で合意した「台湾海峡の平和と安定の重要性」について認識を共有したバイデン大統領と菅首相。

 台湾情勢が緊迫し、在日米軍が出動すれば、日本は何をするのか。日本も安全保障関連法に基づき、米軍の後方支援を行うことになる。

 日本が米軍に補給できる「重要影響事態」の要件は、日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす状況だ。

 前述の「2021年戦略的競争法案」には、日本に何を期待するかについての記述がある。バイデン政権が今後、具体的にどのような対日要求をしてくるか、を示唆している。

一、インド太平洋戦略での米国のパートナーシップを強化するステップとして、日本が以下の分野での自主開発を促進させることをサポートする。

①長距離精密火力(LRPF)

②弾薬

③対空、対ミサイル防衛能力

④全領域での米軍とのインターオペラビリティ

⑤インテリジェンス・偵察・索敵能力

二、日米安全保障目的のために資する民間セクターによる新技術開発を促進させる「日米技術刷新基金」の創設。

 菅バイデン首脳会談で署名された共同声明の文言の行間には、「40年来の米国の曖昧な対中戦略に終止符を打ち、中国に力で対抗すべきだ」(リチャード・ハース外交問題評議会会長)とする米国の意気込みがにじみ出ているとみるべきだろう。

https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/american-support-taiwan-must-be-unambiguous)』

日米韓外相会談見送りへ 関係悪化が長期化、失われる改善機運

https://news.yahoo.co.jp/articles/1692a92ee51d15161f682306cb32d78bee63b2ac

『4月下旬にワシントンでの開催を調整していた日米韓外相会談が見送られる見通しとなった。複数の政府関係者が15日、明らかにした。3カ国会談を機に実現を模索していた日韓外相会談のめどが立たなかったためとみられる。日本側が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決定したことを韓国政府は強く批判しており、日韓関係改善の機運は失われている。

 関係悪化が長期化する日韓両国は、外相レベルの協議も困難な状況となっている。茂木敏充外相は韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相が2月に就任した後、電話協議を含めて一度も会談していない。バイデン米政権は北朝鮮問題などへの対応で日米韓3カ国による連携を重視しており、自然な形で両外相が向き合えるよう、3カ国会談の開催を呼び掛けていた。

 しかし、日本側は徴用工問題などで受け入れ可能な措置を講じない韓国政府への不信感が強い。鄭氏が3月31日の記者会見で、日韓外相会談の早期開催に意欲を示すと、外務省幹部は「日本を悪者にしようとする韓国国内向けのアピールだ」として、協議ができない責任を日本に押し付けていると不快感を示していた。

 一方、韓国側は今夏に予定している東京オリンピック・パラリンピックを舞台にした南北関係改善を狙い、対日関係の修復も図っていた。ところが北朝鮮は4月5日付の記事で、五輪不参加を表明。13日に日本政府が処理水の海洋放出を決定すると、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は法的措置を講じるよう指示した。こうした現状で会談しても非難の応酬となるとみて、双方とも当面会談は見送るべきだと判断した模様だ。【佐藤慶】』

「すべて米国同調ではない」日本、対中国「距離感」に腐心 日米首脳会談

https://mainichi.jp/articles/20210417/k00/00m/010/284000c

『菅義偉首相とバイデン米大統領による初の日米首脳会談で、両国は緊張が高まる台湾情勢を明記した共同声明をまとめた。安全保障から経済分野まで台頭する中国に対する警戒感がにじむ。

 バイデン氏は会談後の共同記者会見で「日米は中国からの挑戦に力を合わせて立ち向かう」と述べ、「日米はこの地域の強い民主主義国だ」と強調した。首相も「世界の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について真剣に議論を行った」と歩調を合わせた。

 共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。3月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書に盛り込まれた「台湾海峡の平和と安定の重要性」を踏襲した。

 米国は香港の統制強化を着々と進めた中国が台湾周辺で軍事的行動を強めたことで危機感を強めている。急速に軍事力を拡大する中国に対し、民主主義国との連携で対抗する姿勢を打ち出した。日米同盟をその中心に据えた形で、声明で台湾に言及することで、日本と一体で台湾情勢に関与する姿勢を鮮明にした。

 日本にとっても、沖縄県・尖閣諸島周辺への進出を強める中国への警戒感は強く、米国との同盟強化は喫緊の課題だった。声明で明記した日米安全保障条約第5条(米国の日本防衛義務)の尖閣への適用は日本の要望によるものだ。その一方で米側が強く求める台湾情勢への関与は応じざるを得なかったのが実情だ。

 だが、日本にとって隣国・中国とは経済面を中心につながりが深まっている。中国が「核心的利益」と位置づける台湾情勢に米国と足並みをそろえて関与を強めれば、中国を強く刺激し大きな影響を受けかねない。政府高官は「米国より中国に距離が近く、経済的な影響も大きい。日本がすべてで米国に同調できるわけではない」と漏らした。

 声明で盛り込まれた「両岸問題の平和的解決を促す」の文言は、05年と11年の2プラス2の「対話を通じた(台湾問題の)平和的解決を促す」の文言がベースだ。過去…

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踏み込む日米、中国猛反発「台湾に手を出す意味考えよ」

踏み込む日米、中国猛反発「台湾に手を出す意味考えよ」
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北京=冨名腰隆 台北=石田耕一郎 北京=高田正幸

2021年4月18日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP4K71J7P4KUHBI02T.html

『日米首脳の共同声明に「台湾」が明記された。中国の台頭に強い危機感を抱く米国に引きずられるように、日本が足並みをそろえるとのメッセージを発信する形になった。人権侵害に示した「懸念」を含め、中国側は猛反発しており、関係諸国に与える今後の影響は、見通せない。

 「米日の発言はすでに二国間関係の正常な発展という範囲を完全に超えており、第三者の利益を損ない、地域国の相互理解と信頼を損ない、アジア太平洋の平和と安定を損なっている」。在米中国大使館の報道官は日米首脳会談を受けた談話を発表し、「強い不満と断固反対」を表明した。在日中国大使館も同様の談話で「台湾、新疆ウイグル自治区などの問題は中国内政であり干渉は許さない。日米が何を言っても、何をしても釣魚島(尖閣諸島の中国名)が中国に属する客観的事実は変えられない」と続いた。

 今回の会談で、中国が重く見るのが台湾への言及だ。建国以来、中台統一は共産党政権の悲願であり、歴代指導者の課題だった。とりわけ台湾海峡を隔てて台湾と向き合う福建省や浙江省で政治キャリアを積んだ習近平(シーチンピン)国家主席にとって、統一は「最大の使命」(党関係者)とも言える重要テーマだ。

 習氏は2015年、当時の馬英九(マーインチウ)総統と中台分断後初となる首脳会談に臨み、「一つの中国」原則を確認。翌年の総統選で中国と距離を置く民進党の蔡英文(ツァイインウェン)氏が当選した後も、19年の演説で包括的な台湾政策を打ち出し「一国二制度」の導入を正式に呼びかけた。台湾への武力的な圧力を強める現在でも、この方針は変更していない。

 それだけに習指導部にとって、日米が台湾情勢への関与を示した点は重い。特にこれまでの政治文書で「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の立場に理解を示し、「専守防衛」の方針からも中台問題に深く関わってこなかった日本の変化に不満を抱いている。

 党機関紙・人民日報系の環球…

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中国、日米共同声明に「断固とした反対」表明 対日圧力強化へ

中国、日米共同声明に「断固とした反対」表明 対日圧力強化へ
2021年04月17日15時42分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041700412&g=int

『【北京時事】中国の在米大使館報道官は17日、「台湾」に言及した日米首脳共同声明に「強烈な不満と断固とした反対を表明する」との談話を発表した。習近平政権は、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況にも「深刻な懸念」を示した共同声明に反発しており、菅義偉政権に対し強硬な態度に転じる可能性がある。

 談話は「台湾、香港、新疆ウイグル自治区に関する問題は中国の内政であり、東・南シナ海は中国の領土主権に関わり、干渉は受け入れられない」と強調。沖縄県・尖閣諸島周辺や南シナ海への強引な海洋進出を含め、中国が関係する問題を幅広く取り上げた共同声明を「2国間関係の正常な発展の範囲を逸脱しており、第三国の利益や地域の相互理解と信任、アジア太平洋の平和と安定を損なう」と指弾した。

 また、「中国は国家主権、安全、発展の利益を確実に守る」と述べ、日米に対抗していく構えを示した。』

日米首脳会談へ…焦点は「中国」

https://news.yahoo.co.jp/articles/fdcbb9af5c88e72559a28705317a0d287592f125

『菅首相とバイデン大統領の日米首脳会談が、まもなく始まります。コロナワクチンや東京オリンピックなど気になることはいろいろありますが、一番の焦点は中国への対応です。ワシントンの山崎記者に聞きます。

    ◇

Q.中国をめぐってどのような話し合いになりそうですか?

注目の台湾問題については首脳会談の共同文書に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記される見通しです。

台湾問題は中国がかねて、「核心的利益」と位置づけ最も重要で敏感な問題だとしています。

それだけに日本としては1972年の日中国交正常化以来、首脳会談の共同文書に台湾を明記することを避けてきました。

しかし、バイデン政権は台湾情勢に強い懸念を示していて、先月行われた日米の外務・防衛閣僚協議に続いて、今回の首脳会談でも共同文書に台湾を明記することを求めてきました。

日本の外務省内では、「閣僚と首脳の共同文書は重みが違う」として、共同文書には明記せず会見で台湾について発言する案などを検討していましたが、結局、アメリカ側に押し切られた形で明記することになりました。外務省幹部も「最後は政治判断だった」と話しています。

    ◇

Q.中国が反発していますが、今後の日中関係への影響は?

外務省幹部は「日米が毅然とした態度で発信する」と話しています。

ある政府関係者が「経済的な報復も十分考えられる。日系企業が多く進出しているので、どういう影響が出るのか」と懸念を示すなど、政府内には中国が何らかの報復措置に出るのは確実との見方が広がっています。

外務省幹部は「中国の反発を受けて態度を変える方がよくない。今後、海上保安庁の体制の拡充など、日本が具体的な行動をとれるかが重要だ」と指摘しています。

こうした中、菅首相はさきほど、ケネディ元駐日大使と朝食会を行いました。

ケネディ氏とは菅首相が官房長官時代から定期的に面会をする気心しれた関係で、首脳会談に臨むにあたり意見交換をしたものとみられます。

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緊迫高まる台湾問題、「対処措置はたくさんある」=日本自衛隊制服組トップ

https://www.epochtimes.jp/p/2021/04/71680.html

『インド外務省およびシンクタンクORFが開催する多国間フォーラム「ライシナ・ダイアローグ(Raisina Dialogue)2021」は13〜16日の日程でオンライン形式で行われた。緊迫が高まる台湾問題に対して、参加者の間で懸念が広がっている。

会議に参加した自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は15日、「台湾周辺で生じるいかなる不測の事態も日本の防衛に影響が出る」とし、「日本に対処措置はたくさんある」と述べた。

山崎幕僚長は、中国による台湾への嫌がらせについて、「東シナ海、尖閣諸島海域、台湾海域および南シナ海など、近年の日本周辺での中国(共産党)の行動は航行の自由の原則に違反している」と述べたうえ、「中国が今年から施行した『海警法』は国際法を弱体化させ、日本をはじめとする各国の利益を侵害し続けている」と指摘した。

また「中国による現状変更を試みるこれらの行動は非常に危険で、インド太平洋地域の不安定性をもたらすため、日本としては非常に懸念している。まったく容認できないことだ」と述べた。

さらに、中国は日本をはじめとするインド太平洋地域の国々の正当な利益を認めず、一方的に国際秩序を変え、地域の緊張を高めている」と中国側の行動を非難した。

「インド太平洋地域の安定のためには、ルールベースの秩序強化が必要だ。志を同じくする国々が協力しあい、(中共の)「グレーゾーン戦術」に反撃する必要があるため、日本は米、印、豪と協力している」と山崎幕僚長は述べた。

中国が台湾に対してどのような行動を取れば日本の「レッドライン」に触れるのかとの質問に対して、「台湾周辺で生じるいかなる不測の事態も日本の防衛に影響が出る」とし、「日本に対処措置はたくさんあるが、詳細は説明できない」と答えた。

同氏は、「台湾問題は中台自身で解決しなければならないが、日本もインド太平洋地域のメンバーとして、ルールに基づく国際秩序とインド太平洋地域の安定の維持に努めていく」としている。

山崎幸二統合幕僚長のほか、印国防参謀長ビピン・ラワット(Bipin Rawat)陸軍大将と豪国防軍司令官アンガス・キャンベル(Angus Campbell)陸軍大将、米ロッキード・マーティン社ティム・ケーヒル(Tim Cahill)上席副社長らも会議に出席した。

豪国防軍司令官のキャンベル氏は、「民主主義の時代では、衝突は最後の手段である」とし、「中台の将来は必ず平和的に解決されなければならない」と同国政府の立場を表明した。

キャンベル氏はまた、中国の「グレーゾーン戦術」が「領土を蚕食する」方法であると呼び、南シナ海で見られるそのような状況に対し、衝突せずに対応するのは、非常に困難だ」と明かした。

インド国防参謀長のラワット氏は、「私の(中国への)やり方に従え、さもなくば、他の方法はない」というメッセージを発し、世界秩序の再構築を試みる中国を批判した。

同氏はまた、「中国はハイテク技術の優位性を利用して、他の国を脅して、服従させようとしている」と指摘した。中国はネットを麻痺させたり、銀行、電力網、交通輸送、通信システムを崩壊させることが可能だとしている。

「中国は、インドがその技術的優位性の圧力に屈すると考えていたが、そうはならなかった。インドは(中国との)国境をしっかり守っている」と述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)』

首相「台湾海峡、平和解決を最優先」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA170EJ0X10C21A4000000/

『【ワシントン=重田俊介】訪米中の菅義偉首相は16日夜(日本時間17日午前)、台湾海峡や尖閣諸島をめぐる情勢について言及した。「厳しい状況が続いているのは事実だ。平和裏に解決することを最優先にしていく」と述べた。

「中国に対して言うべきことははっきり言っていく。地域の安定と平和に寄与していきたい」と強調した。ワシントンで記者団の質問に答えた。

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日米首脳 「台湾」有事へ協力探る 軍事挑発の中国抑止

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA155EY0V10C21A4000000/

『菅義偉首相とバイデン米大統領の16日午後(日本時間17日未明)の会談で台湾海峡の安定が主要議題の一つになる。北東アジアの軍事バランスは中国優位が鮮明になってきた。台湾で軍事的な挑発を続ける中国の抑止を念頭に、日本政府は有事に備えた米軍との協力のあり方を探る。

台湾は日本最西端の沖縄県与那国島から110キロ、同県尖閣諸島から170キロに位置する。不測の事態が起これば日本への影響は避けられない。…

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バイデン氏が就任後初めて対面で会談する相手に首相を選んだ背景には威圧的に振る舞う中国に近い日本の戦略的価値の高まりがある。

中国は台湾への威嚇を続ける。12日に中国軍の戦闘機など25機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した。台湾国防部が中国機の動向を公表し始めてから最多だった。

台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は15日、訪台した米国のアーミテージ元国務副長官らと会談した。挑発行為の阻止へ米国と連携する考えを表明した。

アーミテージ氏は共和党のブッシュ政権(第43代)で国務副長官を務め、北東アジア情勢に精通する。民主党のバイデン氏が超党派で台湾問題に臨む姿勢を明確にした。

岸信夫防衛相は16日の記者会見で「台湾は地理的にも日本に非常に近い。台湾海峡の情勢を高い関心を持って注視したい」と述べた。

中国が台湾で力による現状変更の試みをエスカレートさせれば、尖閣周辺を含む東シナ海での領海侵入や軍事演習などを一段と活発化させる恐れがある。最近も実施している日米の訓練が中国の行動に歯止めをかけているとは言い難い。

台湾海峡を巡っては、1996年の中国のミサイル訓練を発端に中台の軍事的緊張が高まった。米政権が空母を派遣して危機が収まった当時と比較すると中台の軍事バランスは様変わりした。

96年時点で中台の国防費はほぼ同規模だった。2000年代に入ると、中国は経済成長をテコに急増させた。20年は公表ベースで中国が台湾の16倍を投じている。

各国が主力と位置づける「第4世代」以降の戦闘機や近代的な駆逐艦の保有数は00年時点で台湾が大きく優勢だった。足元では戦闘機、駆逐艦の数ともに中国が台湾の3倍に達する。

台湾で軍事的緊張が発生すれば米軍も最前線に立つ。中国軍とアジア前方に展開する米軍との戦力も開く一方だ。

米国は中国が台湾を射程に収める短距離弾道ミサイルを750~1500発保有すると分析する。95年には50発ほどしか持っていなかったとされる。中国は空母建造に動き、現在は2隻を保有する。米領グアムを射程に入れる中距離弾道ミサイルの増備も進める。

半導体の最大の生産地である台湾で有事が起きればサプライチェーン(供給網)が混乱し、電子機器や自動車の生産に支障をきたす。台湾への依存リスクも米政権が焦りを募らせる要因だ。

台湾有事に日本はどう対処するのか。15年に成立した安全保障関連法に基づき米軍を補助する役割を米国から要請される可能性がある。

政府は日本の安全を脅かす状況になった際は「重要影響事態」に認定する。自衛隊は米艦への補給など後方支援ができるようになる。

土屋貴裕京都先端科学大准教授は「シーレーン(海上交通路)の重要な場所にある台湾で緊張が長期化すれば、日本経済の大きな打撃になる」と話す。重要影響事態の認定はあり得ると見る。

米艦が攻撃を受けるなど危機の度合いが高まれば「存立危機事態」の認定も選択肢になる。安保法は日本と密接な関係にある他国が攻撃を受け、日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合と定める。集団的自衛権の限定的な行使ができる。

政府は14年に集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更をした際、具体的な対処事例を一つ示した。有事の際、危険地域から邦人を輸送する米艦を自衛隊が防護するケースだ。台湾有事でも排除はされない。

安保法成立後の17年には当時の小野寺五典防衛相が北朝鮮が米領グアムに向け撃ったミサイルの対処に言及した。存立危機事態に認定し、イージス艦で迎撃することは法的に可能だとの認識を示した。

政府は国会などで北朝鮮や中東のケースを中心に見解を示した。中国による台湾攻撃が現実になれば、重要影響事態や存立危機事態を迅速に認定できるか懸念が残る。土屋氏は「実務レベルや日米間のオペレーションの整理が必要だ」と語る。

(安全保障エディター 甲原潤之介)

首相、米ファイザー社にワクチン追加供給要請へ

首相、米ファイザー社にワクチン追加供給要請へ
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1643V0W1A410C2000000/

『【ワシントン=重田俊介】米国訪問中の菅義偉首相は米製薬大手のファイザーに新型コロナウイルスワクチンの追加供給を要請する調整に入った。17日、ファイザー幹部と電話協議する。日本が確保するワクチン量を増やす。

複数の同行筋が明らかにした。政府はファイザーと1億4400万回(7200万人)分、英アストラゼネカと1億2000万回(6000万人)分、米モデルナと5000万回(2500万人)分の契約を結んでい…

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1643V0W1A410C2000000/

政府はファイザーと1億4400万回(7200万人)分、英アストラゼネカと1億2000万回(6000万人)分、米モデルナと5000万回(2500万人)分の契約を結んでいる。

このうち現時点で承認を終えたのはファイザー製だけだ。同社製以外は接種開始の時期のメドはたっていない。田村憲久厚生労働相は3月、アストラ、モデルナの両社のワクチンについて「早ければ5月、6月に薬事承認が出る可能性がある」との見方を示した。

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アストラのワクチンは欧州で接種後に血栓ができる事例が報告されている。ドイツ政府が原則として60歳以上に使用を限定する方針を示すなど、日本への供給日程も見通せなくなってきた。

首相は6月までに全国民分のワクチンを確保すると約束している。アストラやモデルナの承認が遅れれば計画に狂いが生じるとの懸念が広がる。

首相はワクチン担当に河野太郎規制改革相を指名した。首相が民間企業に直接働きかけることには政府内で慎重論もあったものの、訪米の機会をいかすべきだと判断した。

これまではファイザーから6月末までに1億回(5000万人)分を供与される予定だった。65歳以上の全ての高齢者が2回接種できる量を6月までにまかなえる算段がついた。その後に控える一般向け接種の確実な道筋は描けていない。

ファイザーが日本への追加供給を認めれば、基礎疾患者や一般の人への接種開始の時期が早まる可能性がある。

新型コロナに関し、変異ウイルスの拡大などで収束の兆しが見えていない。首相は訪米前も愛知県などにまん延防止等重点措置の適用方針を決めた。ワクチンの早期普及を収束の「切り札」と期待している。

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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察

ワクチンに関しては、政府から、うまくいっているという情報しか出てこないが、そのどれもが不確定な情報であり、本当のところどうなっているのか皆目わからない。しかし、渡米した首相が、バイデン大統領に会うと同時にファイザー製薬に直談判しなければならない状態では、とても順調だとは思われない。

アストラゼネカやモデルナのワクチンについて、厚労省の承認手続きがうまく進まないのであれば、「緊急使用許可」を政治決断するべきではないか。他国では既に使用されているわけであるから、緊急事態として時限的に承認すればよい。ただ、厚労省が後で責任を取らされるのでは役人たちは動かなくなるので、政治が決断する必要がある。

2021年4月16日 19:06 (2021年4月16日 22:46更新)

バイデン氏「クリーンエネで日本と協力」、脱炭素で協調

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1702F0X10C21A4000000/

『バイデン米大統領は16日の日米首脳会談後の記者会見で「気候変動の脅威に立ち向かうため積極的な行動をとることを約束した」と述べ、脱炭素で協調することで合意したと明らかにした。菅義偉首相も気候変動を巡り「2国間の協力と連携を強化することを確認した」と述べた。

バイデン氏は「我々はクリーンエネルギー技術の促進で協力する」と説明した。インド太平洋で途上国の再生エネルギー開発を支援するという。首相は「『日米気候パートナーシップ』を始めることで合意した。極めて意義があり、大事だ」と強調した。

ハイテク分野でも連携を確認した。バイデン氏は日米が取り組む技術に関して、中国を念頭に「専制主義国家ではなく、民主主義国家によって共有されたやり方で管理されている」と指摘して、両国が協力する必要性を訴えた。

バイデン氏は具体的な協力分野として「安全で信頼できる高速通信規格5Gのネットワークを後押ししたり、半導体など重要分野のサプライチェーン(供給網)で協力を拡大したりする」と説明した。人工知能(AI)や遺伝子、量子コンピューターなどの共同研究にも注力すると表明した。

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ハリス米副大統領「インド太平洋で協力」 首相を表敬

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE16EJN0W1A410C2000000/

『菅義偉首相は16日午前(日本時間17日未明)、ワシントンでハリス副大統領の表敬を受けた。ハリス氏は冒頭「インド太平洋地域の平和、繁栄について共に協力したい」と強調した。首相は「自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値で結ばれている日米同盟はかつてないほど(緊密)だ」と述べた。

アーリントン国立墓地で献花

米国訪問中の菅義偉首相は16日午前(日本時間16日夜)、バイデン米大統領との首脳会談に先立ち、ワシントン近郊のアーリントン国立墓地で無名戦士の墓に献花した。

ケネディ元駐日米大使と朝食

米国訪問中の菅義偉首相は16日午前(日本時間16日夜)、ワシントンでキャロライン・ケネディ元駐日米大使と朝食会を開いた。首相はこれまでの日米同盟への貢献に謝意を伝えた。米国情勢や日米間の学生交流を巡って意見を交わした。
ケネディ氏が駐日米大使を務めた2013~17年、首相は官房長官だった。両氏は月に1度のペースで会食を重ね、離任後も関係を保った。首相が官房長官時代の19年に訪米した際も面会した。

ブレアハウスに宿泊

米ワシントン滞在中の菅義偉首相は現地時間の15日夜(日本時間16日)、大統領迎賓館ブレアハウスに宿泊した。米大統領の賓客として宿泊するための施設で過去にも日本の首相が滞在してきた。
バイデン米大統領との会談の場となるホワイトハウスからほど近く、感染対策を考慮したとみられる。
ブレアハウスはもともと1824年に建てられた陸軍軍医総監の邸宅だった。当時のフランクリン・ルーズベルト大統領のもとで政府が1942年に買収し、賓客施設にした。安倍晋三前首相は第2次政権の発足以降、計4回宿泊した。
同施設は4月上旬まで、ハリス副大統領が仮住まいとしていた。副大統領公邸の改築作業が遅れ、入居できなかったもようだ。

ワシントン到着

菅義偉首相は15日夜(日本時間16日午前)、政府専用機でワシントンに到着した。
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