習氏来日、双方言及せず 日中首脳が電話協議

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64282420V20C20A9MM8000/?n_cid=TRPN0017

『菅義偉首相は25日夜、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と初めて電話で約30分間、協議した。首相は協議後、延期した習氏の国賓来日について「特にやり取りはなかった」と記者団に話した。日中両国や国際社会の諸課題について、両首脳を含むハイレベルで緊密に連携することで一致した。

両国首脳の電話協議は2018年5月以来。首相は「日中の安定は2国間だけでなく地域、国際社会のために極めて大事だ。共に責任を果たしていきたい」と伝えた。首相によると、習氏は首相就任を祝福したうえで「日本との関係を引き続き発展させていきたい」と述べた。

両首脳は新型コロナウイルスへの対応を巡り、日中が様々なルートで連携することで一致した。日中のビジネスに限定した往来再開の早期実現に向け、協議を続けると申し合わせた。

首相は「地域、国際社会の関心が高い課題についても今後しっかり議論していきたい」と述べ、日中間の懸案について提起した。日本政府関係者によると、中国公船の領海侵入が相次ぐ沖縄県・尖閣諸島周辺などの東シナ海情勢や、中国が国家安全維持法に基づいて統制を強める香港情勢が念頭にある。

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首相は北朝鮮による日本人拉致問題についても取り上げ、日中が引き続き連携していくと確認した。日本政府関係者によると、電話は日本側からかけた。

中国国営の新華社によると、習氏は「歴史など重大な敏感な問題をよく処理して新時代が求める中日関係を打ち立てるべく努力しよう」と述べた。21年に予定する東京五輪・パラリンピックについて「中国は成功を支持する」と話した。

首相は「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内の署名を確実にし、日中韓自由貿易協定(FTA)の協議を加速しよう」と強調したという。

日中両政府は今年3月、新型コロナの感染拡大を受けて4月を予定していた習氏の国賓来日を延期すると決めた。加藤勝信官房長官は電話協議に先立つ25日の記者会見で「具体的な日程調整をする段階にはない」と語った。』

日本の中国エクソダス? 日本企業1700社が中国撤退に向け行列作る

『日本企業が中国から大挙撤退し中国を困惑させている。17日に中国環球時報は「1700社余の日本企業が相次ぎ中国から撤退することに対する真相」という記事を掲載した。

今月初めに日本経済新聞が報道した、日本企業が相次いで中国から撤退しているという内容の記事が中国人民に否定的な認識を持たせかねないとの判断から釈明に出た様相だ。

日経の9日の報道によると、中国に進出した日本企業90社が6月末までに中国からの撤退を申請した。続けて7月末までにさらに1670社の日本企業が中国撤退を申請し1700社を超える日本企業が中国を離れることにしたのだ。

こうした日本企業の中国撤退は日本政府が主導している。3月5日に当時の安倍晋三首相は、中国に対する依存を減らすとの趣旨から日本企業に中国から撤退し日本に戻るか、そうでなければ東南アジアに生産施設を移転するよう求めた。

安倍政権は1カ月後の4月7日には新型コロナウイルス流行と関連した緊急経済対策をまとめ、サプライチェーン改革の一環として中国から撤退して帰ってくる日本企業に対して一定の補助金を支給することにした。

これに伴い、6月末まで90社の日本企業が中国撤退を申請し、このうち87社が日本政府の補助金の恩恵を受けることになったという。また、7月末までに1670社の日本企業が中国撤退を決めたのだ。

ここに安倍氏に続き16日に就任した菅義偉首相も官房長官在職中の5日に日経とのインタビューで、日本企業の中国撤退を経済安保的な次元から継続して推進するという意向を明らかにした。

こうした状況は中国人には日本企業が大挙中国から脱出しているという印象を与えるのに十分だ。これを受け環球時報など中国メディアが鎮火に乗り出した。環球時報はまず中国から撤退する日本企業の数が多いのではないと主張した。

現在中国に進出した日本企業は3万5000社に達しており、1700社は5%にも満たない。一般的な状況で5~10%程度の企業が経営環境変化や自社の問題のため中国市場から撤収するため1700社の日本企業撤退は正常という状況に属するということだ。

また、現在中国を離れる日本企業の大多数は中小企業であり、中国の低賃金を狙った労働集約型産業に従事した企業のため中国経済に及ぼす影響は大きくないとした。自動車や健康衛生など日本の主力企業は中国市場を離れる計画がない。

したがって日本企業が相次いで中国を離れているという表現は誇張されているという主張だ。環球時報はまた、日本は2008年の金融危機後に海外進出企業に中国以外に東南アジアなど別の所に生産基地をもうひとつ構築するいわゆる「中国+1」戦略を要求してきたという。

このため今回の撤退はそれほど目新しいことではないという話だ。特に日本貿易振興機構(JETRO)のアンケート調査によると、中国進出日本企業のうち90%以上が現状維持や拡大を試みており、日本企業が大挙中国を離れる現象はないだろうと主張した。

しかしこうした中国メディアの説明にもかかわらず、1700社を超える日本企業が6~7月に中国市場から撤退することにしたという事実は、中国とのデカップリング(脱同調化)を試みる米国の戦略とかみ合わさり中国に大きな懸念を抱かせるのに十分にみえる。』

日本企業1700社余りが「中国撤退」で列をなす?真相は…—中国紙
https://news.biglobe.ne.jp/international/0918/rec_200918_1024344272.html

『2020年9月17日、環球時報は、「日本企業1700社余りが中国撤退の行列に並んでいる」との情報について「真相」を紹介する記事を掲載した。

記事は、日本メディアが「日本企業1700社余りが中国撤退助成金支給の行列に並んでいる」と報じたと紹介。「多くの日本企業がこぞって中国から撤退する感覚を持つが、実際は国外メディアが言い立てているほど単純なものではない」とした。

そしてまず、「1700社余り」という数字について、日本政府が生産拠点移転助成金の一次締め切りとした6月末に申請した90社のうち認可された87社に、10月末を締め切りとする二次締め切りに向けて申請している1670社を合わせた数であると説明した。

また、16日に中国日本商会が発表した「中国経済と日本企業2020白書」内で引用されている日本貿易振興機構(ジェトロ)による調査結果では、「中国に拠点を持つ日本企業の9割が中国事業について現状維持または業務拡大を検討している」ことが示されたと紹介。さらに、日本問題を研究する中国の専門家からも「中国にある日本企業3万5000社のうち1700社というのは10分の1に満たず、経営戦略を変更し、中国から撤退する企業数としては何ら異常ではない」との認識を示したと伝えている。

記事はさらに、一次締め切りで認可された87社は主に労働集約型のローエンド製造業を手掛ける中小企業であり、中国に拠点を持つ日本企業の主力である自動車、金融、商社といった分野の企業は「見当たらない」とした。

その上で「小規模の労働集約型産業を営む企業は、中国経済の成長、人件費上昇により中国経営が難しくなったため中国を撤退した。一方で、自動車や科学、健康、衛生といった有力企業は拡大する中国市場に入り込むべく必死になっており、中国での経営を拡大している」と主張。「日本の保守勢力が米国に追従して中国に対抗姿勢を見せていることに当然警戒すべきだ」とする一方で、「大きな市場、大きな利益を渇望している大多数の日本企業が基本的な理性を持ち、中国経営を続けていくことにも、われわれは自信を持つ必要がある」と論じた。(翻訳・編集/川尻)』

中国、訪台の森氏発言で説明要求

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64095770Z10C20A9000000/

『【北京=共同】中国外務省は19日夜、台湾を訪れた森喜朗元首相が18日の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との会談で、菅義偉首相の言葉として「機会があれば(蔡氏と)電話で話をしたい」と伝えたことを巡り、日本側に説明を求めたことを明らかにした。

中国外務省によると中国は、菅氏に蔡氏との電話会談への意欲があるとの報道について、日本側に説明を要求。日本側は「報道されているようなことは絶対に起こらない」と説明したという。』

菅内閣が「日産救済シフト」、逆境放置すれば破綻も

菅内閣が「日産救済シフト」、逆境放置すれば破綻も
止まらぬ赤字垂れ流し、まさか血税使ってゾンビ企業として延命か
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62182

『菅新政権が誕生した9月16日、菅氏の地元、横浜市に本社を置く日産自動車が米国と欧州で合わせて1兆1000億円の社債発行を決めた。「資金繰りに行き詰まった町工場がサラ金に手を出したようなもの」という見方が出るほど、日産の経営状況は厳しい。公的資金を投入してゾンビ企業にするか、市場のルールに任せて解体するか。「日産問題」への対応で菅新政権の正体が見えてくる。

日産の社債に外国人投資家が群がった理由
 日本の投資家はすでに日産を見限っている。7月に国内で実施した4年ぶりの起債では、5000億円の枠を設定したが、700億円しか調達できなかった。今回はリスクマネーの引き受け手が多い海外で10年債の利回りを4.81%とした。年間約400億円の金利負担が発生する、まさにサラ金から借りるような条件だが、日産にはなりふり構ってはいられない事情がある。

 2021年3月期の連結最終損益は6700億円の赤字になる見込みだ。新型コロナで自動車メーカー全体が苦境に陥ったため、事業環境の悪化が原因に見えるが、そうではない。日産は前期の2020年3月期も6712億円の赤字である。6月末時点で自動車事業の手元資金が1兆2670億円あるとはいえ、このペースで金庫から金が流れていけば破綻は時間の問題だ。

 そんな会社が、いくら海外とはいえ、よく1兆1000億円もの資金を集められるものだと思われるかもしれないが、これにはカラクリがある。海外の投資家は日産の後ろに日本政府の姿を見ているのだ。

 コロナ禍で資金繰りが怪しくなった4~7月、日産は銀行融資などで約9000億円を調達した。この中に日本政策投資銀行から借りた1800億円があるのだが、この融資に1300億円の政府保証が付いていた。返済が滞った際に8割までを政府が公庫から補填するという異例の融資である。

 政投銀は、金融危機や大規模な災害などの影響を受けた企業へ国からの出資金で融資する「危機対応業務」を担う金融機関に指定されており、政府は3月に新型コロナウイルスの感染拡大を同業務の対象にした。政投銀は大企業を中心に7月末までに185件、1兆8827億円の融資を決定したが、大企業向けで政府保証がついたのは日産だけ。日産は「特別」なのだ。

 国が「日産は潰さない」と宣言したに等しい。国が後ろ盾につくのなら、超高利回りの日産の社債は「おいしい」。そこに抜け目のない海外投資家が群がった。』

経済重視で対日接近 二階氏に期待―中国

『【北京時事】中国共産党・政府は、経済分野を中心に菅義偉新政権と安定した対日関係の継続を目指している。中国は米国との対立が深まる中、日本を重視しており、親中派の代表格である二階俊博自民党幹事長の続投を歓迎している。

日本主導で自由貿易圏 アジア広域、中国巻き込み―通商政策の課題

 菅首相が7年8カ月にわたり安倍晋三前首相の下で官房長官を務めたことから、中国では「中国に一定の配慮を見せた安倍氏の路線を受け継ぐ」(日本専門家)という見方が強い。15日付の共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説で「(新政権は)日米同盟を基軸として中国との関係も発展させ、利益の最大化を図る」と予想した。
 一方で、沖縄県・尖閣諸島や南シナ海をめぐる問題などで、菅政権が強硬な方針を取ることへの警戒感は根強い。延期された習近平国家主席の国賓訪日も時期が定まっておらず、「二階氏の続投は中国にとって期待が大きい」(日中関係筋)ようだ。』

※ 今日は、こんなところで…。

安倍氏、恐れた同盟の悪夢 当然視できぬ日米の絆

安倍氏、恐れた同盟の悪夢 当然視できぬ日米の絆
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63457270U0A900C2TCR000/

『経済再生をうたったアベノミクスなど、安倍晋三首相がやり残した仕事はたくさんある。ただ、外交と安全保障では後世に評価されるべき成果をあげた。

いちばん大きいのは民主党の鳩山政権下で傷ついた日米同盟を立て直し、強めたことだ。オーストラリアやインドとも連携し、インド太平洋に安全保障の協力網をつくる足掛かりも築いた。

しかし、日本の安全保障が盤石になったかと言えば、残念ながらそうではない。安倍政権の功績も相殺してしまうほど、日本をめぐる安全保障の環境は厳しくなっているからだ。

そのことは安倍氏自身が痛感しているに違いない。側近らによると、在任中、彼が抱き続けてきたのは「日米同盟をもっと強めないと、日本の安定を保てない」という懸念だ。

安倍政権は安全保障関連法を定め、2016年3月に施行した。日本はこれにより、米軍を支援するため、限定的ながら集団的自衛権を行使できるようになった。

防衛予算の減少にも歯止めをかけ、13~20年度に続けて増やし、自衛隊の能力を高めた。さらに国家安全保障局も設け、対外政策をすばやく調整し、決められる体制をつくった。

これに対し、一部の政治家や識者は武力行使のタガを緩め、「戦争できる国」にしようとしていると批判を浴びせた。米軍占領下で制定された憲法の改正に執着したことから、軍事力を強め、米国からの「自立」を目指しているとみる向きもあった。

だが、安倍政権の内幕を振り返ると、現実はそれどころではなかった。米国からの自立とは逆に、米軍による対日関与をどうつなぎとめ、日本の安定を守るかで必死だったのだ。

複数の政府・自民党関係者によると、安倍氏はさまざまな内部の会議で、次のような趣旨の不安や懸念を示してきたという。

▼日本がもっと防衛力を強める努力を尽くさなければ、米有権者はいずれ、日本の防衛義務を負うことに納得しなくなるだろう。

▼北朝鮮の核武装や中国軍の増強で、日本防衛に伴う米国のコストと危険はかなり高まっている。

▼その分、日本がより多くの役割を担わないと、同盟があっても安定を保つのは難しい。

中国国旗を掲揚して航行する潜水艦(2018年1月、東シナ海、防衛省提供)=共同

実際に物量でみると、米中の海軍力は逆転しつつある。米国防総省は9月1日に発表した報告書で、中国海軍の水上艦・潜水艦は350隻に達し、米軍の293隻を抜いて「世界最大」になったと認めた。中国は地上配備の中距離ミサイルを千数百発に増やしたとされるが、米国はゼロだ。

世論を二分し、支持率を下げてまで安倍氏が安保法を制定したのは、このままでは将来、日米同盟が弱体化するか、瓦解しかねないと恐れたからだ。

この懸念は大げさなのか。近年の日米のやり取りは決してそうではないことを暗示している。

トランプ大統領は14回にわたる安倍氏との会談で、日米同盟は「公平ではない」と執拗に不満をぶつけた。

「空母3隻を派遣するには巨額の費用がかかる。日本はもっと面倒をみてほしい」

例えば北朝鮮危機が高まった17年、空母3隻を朝鮮半島沖に送り込んだトランプ大統領は日本にこう迫ったという。

彼は「米国が日本を守るのに、日本が米国を守らないのは不公平だ」とも公言する。乱暴なトランプ節にすぎず、真に受けなくてもよいと考えるのは大間違いだ。

米国は「世界の警察」ではないと宣言したのは、オバマ前大統領であってトランプ氏ではない。米大統領選で民主党のバイデン候補が勝ったとしても、流れは変わらないだろう。

米国は約20年間、中東やアフガニスタンで戦争し、国内では空前の格差と分断に苦しむ。他国を守るより、まず国内再建だとの空気は米世論にも広がっている。

在日米軍横田基地に配備されているC130輸送機(2019年撮影)

米ユーラシア・グループ財団が昨年11月に公表した米世論調査では、アジア駐留米軍を減らすべきだという人々が57.6%にのぼった。新型コロナウイルスによる被害が広がるなか、この傾向はさらに強まっているだろう。

次期政権はこうした潮流を再認識するところから出発し、日米同盟を息切れさせないことが肝心だ。新しいミサイル防衛網のあり方や自衛隊に反撃力を持たせる議論など、米側と直ちに擦り合わせるべき課題はたくさんある。

一方で野党には、今も安保関連法に反対する向きが少なくない。ならば、同盟をどう強め、厳しくなる安全保障の環境に対応していくのか、もっとち密で詳しい代替策を示さなければならない。

むろん経済協力と対話を深め、中国と安定した関係を築くことも大切だ。安倍氏も17年以降、習近平(シー・ジンピン)国家主席の広域経済圏構想「一帯一路」に、条件付きで支持を表明。コロナ危機がなければ、今年は習氏を国賓で日本に招くはずだった。

それでも中国による尖閣諸島への挑発や、東・南シナ海での軍拡は勢いづいている。中国との融和に努めるとともに、安全保障面の手当ても進めていくしかない。

最長政権を率いた安倍氏をもってしても、日米同盟を強めるのはたやすいことではなかった。この努力を続け、二度と戦争の惨禍を招かない体制を保っていくことが、政治指導者の最大の使命だ。』

自由で開かれたインド太平洋に向けた日本の取組

第4章 アメリカのインド太平洋戦略:日米同盟へのインプリケーション
小谷 哲男
http://www2.jiia.or.jp/pdf/research/H30_Indo_Pacific/04-kotani.pdf

 ※ 安倍辞任の原因につながるような、重要な記述があったので、紹介しておく…。

『そもそも、日本政府が FOIP(※自由で開かれたインド太平洋戦略)構想を打ち出したのは、中国が一帯一路構想の推進によって地域での影響力と存在感を増していたことにバランスを取るためであった22。FOIP は中国を封じ込めることを狙ったものではなく、地域諸国に一帯一路に代わる代替案を示すこ
とがその主目的であったと考えられる。そして、その性格は日中関係の改善によってやや変化し始めている。日中は、2018 年 10 月の日中首脳会談で、第三国民間経済協力で合意し、52 本の協力覚書が交換された23。これは、事実上日本が一帯一路に協力するということを目指すことを意味している。ただし、日本政府は協力の条件として、適正融資による対象国の財政健全性、プロジェクトの開放性、透明性、経済性の 4 つを挙げている24。また、これはあくまで民間の協力を促すものであり、日中第三国民間経済協力の最初の事例になると期待されたタイにおける高速鉄道事業は、結局日本企業が応札せず、幻に終わった25。しかし、日本としては、条件付きで第三国協力を進めることで一帯一路の負の側面を改善させることができ、中国としては日本の協力を得ることで「債務の罠」と批判される一帯一路の正当性を高めることができる。なお、日本政府は当初 FOIP を「戦略」と位置づけてきたが、最近は「構想」と改めており、これは中国を刺激することを避けるためだと考えられる。

より深刻な相違は、中国の一帯一路構想への立場である。トランプ政権の高官は同構想への強い警戒感を隠さず対決的な姿勢を維持しているが、日本は一帯一路への事実上の協力を表明している。このため、トランプ政権の中には日本の動きを「裏切り」と捉える向きもある27。

一帯一路が突きつける挑戦は、中国がインフラの輸出を通じて地域での政治的・経済的影響力を拡大するとに留まらない。一帯一路のプロジェクトで整備された港湾を人民解放軍が利用するという軍事的な懸念や、デジタル経済のルールを中国が決めてしまうこと、デジタル監視社会モデルを地域に輸出すること、さらには偽情報の流布によって民主主義を弱体化させることなどが挙げられる28。このため、日米のアプローチをうまく調整し、これらの問題に取り組む必要がある。

また、アメリカにとって普遍的価値は FOIP の主要な要素となっているが、日本は価値の側面を意図的に前面に出していない。東南アジア諸国の中には、日米が FOIP を通じて国内改革を求めてくるのではないか、さらには日米豪印が ASEAN に取って代わり、中国を封じ込めようとしているのではないかと警戒する傾向がある29。基本的価値の拡大は日本にとっても重要な外交課題であるが、FOIP を推進する上で東南アジアは重要なパートナーであり、無用な警戒感を高めるのは得策ではない。2018 年 11 月にシンガポールで開
かれた日米豪印協議で、インド太平洋地域における法の支配やインフラ開発の重要性に加えて、ASEAN の中心性に支持を表明した30のはこのためである。FOIP の推進に当たっては、日米とも引き続き地域諸国の懸念を払拭していく必要がある。

おわりに
日米は FOIP という共通の構想に基づいて、インド太平洋地域にルールに基づく秩序と法の支配をもたらし、質の高いインフラを整備して連結性を高め、航行の自由を維持することで、地域の安定と繁栄に貢献しようとしている。一方、日米は中国の一帯一路への対応についてアプローチが異なる。アメリカは FOIP を通じて一帯一路に代わる選択肢を提供することでこれを封じ込めようというアプローチだが、日本は一帯一路への協力に条件をつけることでこれを無害化しようとしていると言えるだろう。日米が一帯一路の無害化
という共通の目的を共有できるのであれば、双方のアプローチが異なることは問題とはならない。

重要なのは、日米が FOIP を通じて目指す地域ビジョンを常にすり合わせることである。さもなければ、日米間にくさびを打ち込む隙を中国に与えてしまうだろう。
また、日米は FOIP の普遍的価値の側面について立場が異なっている。インド太平洋地域は多様な国家から成り立っており、国内体制もバラバラであるが、FOIP が価値の押しつけであると受け止められてしまえば、地域諸国の協力を得ることは難しくなる。FOIP を成功させるためには、地域諸国の懸念の払拭にも努めていく必要がある。この点について、日米間で調整を続けるとともに、東南アジア、特に海洋国家のインドネシアやシンガポールなどが東南アジア版の FOIP を打ち出すのを支援することが望ましい。』

中国が拒んだ解決案 司法管轄巡り決裂、直後に邦人拘束

中国が拒んだ解決案 司法管轄巡り決裂、直後に邦人拘束
検証・尖閣沖衝突10年(上)強硬措置へ心構えを
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63299300R00C20A9PP8000/

『沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりした2010年の事件から7日で10年になる。ぶつけた側の中国が強硬な姿勢を続け、邦人の拘束までしたのはなぜか。内部資料や証言で浮かび上がる経緯は中国と付き合うための心構えを日本に示唆する。

 動画サイト「ユーチューブ」に投稿された中国漁船衝突事件の映像
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10年9月20日午後9時、北京の釣魚台迎賓館。「極秘裏にメッセージを伝える」。当時の仙谷由人官房長官の命を受けて訪中した政府高官が中国の外交トップ、戴秉国国務委員と向き合った。

衝突から14日目だった。逮捕された漁船船長は前日に10日間の勾留延長が決まり、反日デモも起きていた。菅直人首相は早く船長を帰すべきだと主張したものの、司法手続きを無視はできない。仙谷氏は高官に「唯一の解決案」を託した。

「中国側の協力が得られれば29日までに船長を釈放できる」。高官が説明を始めると、最初はところどころ反論した戴氏もやがて耳を傾けた。

仙谷氏の提案は海保の船に体当たりしたという公務執行妨害の容疑を認めれば、罰金で拘束を解く「略式起訴」という方法だった。

起訴の一種なので日本の司法手続きとして進められ、中国が求める早期釈放にもこたえられる。問題は船長があらゆる調書への署名を拒否し、被疑者が事実関係を認めるという条件を満たせていないことだった。

「公判になれば何カ月も必要になる」。高官は早期解決のために船長が署名するよう中国が働きかけることを求めた。

船長の対応には理由があった。「日本が求める事実確認には一切同意しないように」。逮捕当日、那覇へ飛んだ中国大使館員が船長に指示していた。中国は尖閣の領有権を主張しているため、日本の司法管轄権を認めるわけにはいかなかった。

戴氏もこの一線は譲らなかった。指導部に報告すると約束しつつ提案は拒否した。「説明に本当にがっかりした。いかなる形式の起訴も受け入れられない」。高官が持参した衝突時のビデオ映像を見ることさえ拒んだ。

戴氏は事件は海保から衝突したもので、司法手続きを通じて尖閣の実効支配を強化する戦略だという日本陰謀論をまくし立てた。中国の国営メディアは事件直後から日本側がぶつけてきたと国内に喧伝(けんでん)していた。この見解を変えにくい状況ではあった。

別れ際、両氏は握手をした。「船長を即刻、無条件に釈放してほしい」。「日本の考えを深く検討してほしい」。深夜11時までの異例の極秘会談は平行線に終わった。

中国の温家宝首相が「強制的措置を取らざるを得ない」と表明したのは交渉決裂の翌21日だった。この日、日本向けレアアース輸出の通関手続きが滞り始めた。23日には邦人4人が軍事管理区域で撮影したとして拘束されたことが判明した。日本企業には中国側から商談の中止が相次いだ。

中国が尖閣と無関係と主張しても、そうは受け止められない。あらゆる手段で圧力をかけてきた中国に日本は困惑した。

那覇地検は急きょ、外務省の担当者を呼び寄せて説明を受けた。24日、検察は検事総長らの会議で船長を処分保留で釈放すると決めた。官房副長官だった立憲民主党の福山哲郎幹事長は「仙谷氏と検察のあうんの呼吸だったのではないか」と振り返る。

処分保留は十分な証拠がそろわない場合などに、起訴か不起訴の判断を保留して釈放する措置である。司法管轄権を行使したとは言える。福山氏は「事なかれ主義ではなく、日本の司法手続きを貫徹した」と強調する。

衝突時の映像という動かぬ証拠はあっただけに、圧力に屈したとの受け止めもあった。事件後、政権幹部が残した非公式の総括文書に、裁判まで持っていくべきだったとの批判への反論がある。

「中国経済に依存する状況で、平時における戦争とも言える措置に日本社会、ビジネス界は耐えることができただろうか。備えや心構えを有していただろうか」

中国は主権を主張する問題で譲歩しない。事件から2年後の尖閣国有化でも繰り返された。対中関係ではこのリスクは認識しなければならない。

新型コロナウイルスや米中対立でも企業は中国がかかわる供給網の見直しを迫られる。10年前の教訓は現在にも通じる。』

マスク、中国依存から徐々に脱却、8月に国内生産5億枚

https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/61569.html

『日本政府は中共ウイルス(新型コロナウイルス)流行に対応し、中国への過度の依存を解消するためにマスクの生産能力を徐々に伸ばしている。

菅義偉官房長官は8月26日の記者会見で、8月の国内供給量が10億枚程度となる見込みで、このうち国内生産分は5割程度と明らかにした。

菅長官は、現時点で国内の需給は行き詰まって余裕のない状況にはないが、緊急時に柔軟に対応できる生産体制の構築が必要であることと、今後も国内生産能力の確保と中国への依存度の高い供給元の多様化を早期に進めていく考えを示した。

また、現在、日本国内のマスク供給は安定しており、政府はこれまで転売が禁止されていたマスクやアルコール消毒液の転売を29日に解禁すると発表した。

日本で中共ウイルスの感染が拡大したとき、国内で使われるマスクのおよそ20%しか国内生産されておらず、残りの約70%は中国からの輸入に頼っていた。またマスクの原材料となる不織布の46%も中国から輸入しており、マスクやアルコール消毒剤の生産工場のほとんどが中国に集中していた。 当時、日本ではマスクの供給は一時的に中断され、深刻な品薄状態が続き、入手が困難な状況に陥った。

ウイルスの感染拡大後、日本政府はマスクの不足に対処するために、「国内のマスク生産能力を高めるために複数の補助金の提供」「自国企業の中国からの撤退、または他の国への移転を支援」という2つの主要な措置をとった。

日本政府は、サプライチェーンの国内回帰のため、マスクや消毒用アルコール生産工場に約700億円の補助金を提供したと報じられている。 これらの補助金は、仙台のマスクメーカーや大阪のアルコール消毒剤メーカーなど57社と、中国から東南アジアに移転した約30社のマスクや自動車部品メーカーに配分されたという。

(大紀元日本ウェブ編集部)』

〔中国・台湾関連〕

防衛相、中国大使に「強い懸念」 尖閣・南シナ海で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62759830Y0A810C2PP8000/

米中貿易協議、トランプ氏「私が延期した」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62789030Z10C20A8EAF000/

中国通信大手3社、5G基地局2割増 投資額は抑制
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62767310Y0A810C2FFJ000/

豪州産ワイン、中国が課税調査 香港問題の報復か
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62765200Y0A810C2910M00/