トヨタ、中国で燃料電池システムを販売 清華大学系と

トヨタ、中国で燃料電池システムを販売 清華大学系と
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD2683D0W1A021C2000000/

『トヨタ自動車は26日、清華大学系の企業と協力し、商用車向けの燃料電池システム「TLパワー100」の生産と販売を中国で始めたと発表した。定格出力は101キロワットで3万時間の耐久性を持つ。トヨタの新型FCV「ミライ」に搭載した燃料電池システムをベースに開発した。

協力する企業は燃料電池システムの製造と販売を担う華豊燃料電池など。トヨタは21年、清華大学系で燃料電池システムを開発する北京億華通科技とともに華豊燃料電池を立ち上げていた。中国政府がEVとともに新エネルギー車の柱に掲げるFCVを普及させる。』

首相、中ロ艦隊「不穏な動き」

首相、中ロ艦隊「不穏な動き」 日本列島をほぼ一周
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2570L0V21C21A0000000/

『岸田文雄首相は25日、中国とロシアの海軍艦艇10隻が日本列島をほぼ一周したことについて「不穏な動きだ」と指摘した。大阪府内での街頭演説で述べた。岸信夫防衛相も同日、防衛省で米海軍のデルトロ長官と会談して懸念を示した。

中ロの艦艇は18日に津軽海峡を通過して太平洋を南下した。22日以降には鹿児島県の大隅半島と種子島の間の大隅海峡を通って東シナ海に抜けた。津軽海峡と大隅海峡を中ロ艦隊が同時に航行するのを確認したのは初めて。

中国国防省の発表によると両軍は17日から23日にかけて初の「合同海上パトロール」を実施した。フリゲート艦からのヘリコプターの発着や武器使用の演習もした。

磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で「政府として高い関心を持って注視している。引き続き警戒監視活動に万全を期す」と語った。防衛省は極めて特異な行動とみて意図の分析を急いでいる。』

台湾問題「日米で中国抑止を」 富士山会合パネル討論

台湾問題「日米で中国抑止を」 富士山会合パネル討論
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2304X0T21C21A0000000/

『23日に都内で開催した国際問題を話し合う「富士山会合」(日本経済研究センター、日本国際問題研究所共催)で、台湾問題をテーマにしたパネル討論が開かれた。台湾への圧力を強める中国に対し、ダニエル・ラッセル元米国務次官補は日米両国で「(中国への)抑止力を高める必要がある」と強調した。他の参加者からは緊張緩和に向けて関係国を巻き込んだ議論の必要性を訴える声があがった。

ラッセル氏は中国の台湾侵攻が現実になれば日本も即座に巻き込まれると指摘。中国が台湾への軍事行動を起こせば、「高い代償を支払うことになることを認識させなければならない」と述べた。同時に中国政府を過度に刺激しないよう、米国をはじめとする国際社会が台湾を主権国家として承認することには慎重であるべきだとの認識を示した。

ザック・クーパー米アメリカン・エンタープライズ研究所上級研究員も「日米が持つノウハウを共有し、中国の軍事力に対処する能力を備えるべきだ」と訴えた。台湾周辺では複数の中国軍機が防空識別圏に侵入するなど、中国による軍事的な挑発が続いており、「台湾有事に備え、より突っ込んだ議論が必要」と強調した。

中国による台湾への武力行使については、米議会の公聴会でインド太平洋軍の司令官(当時)が「中国は6年以内に台湾を侵攻する可能性がある」と証言したことがある。河野克俊・前自衛隊統合幕僚長は「日本にも中距離ミサイルを配備し、日米で共同運用すべきだ」と語った。シーラ・スミス米外交問題評議会上級研究員は中国が「宇宙やサイバー空間でも作戦能力を備えている」として、日米がこうした分野にどう対処するのか考えるべきだと述べた。

台湾海峡の緊張が高まっているが、松田康博・東大教授は「中国が台湾を統一できるほどの能力は備えていない」と指摘。益尾知佐子・九州大准教授は「中国の指導者にとって好戦的な戦狼(せんろう)外交は国内向けのショーにすぎない」と話した。その上で、緊張緩和に向けた中国を含めた関係国の対話の必要性を強調した。

パネル討論の司会は佐橋亮・東大准教授が務めた。

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中国抑止へ「日米豪印の協力重要に」 富士山会合

中国抑止へ「日米豪印の協力重要に」 富士山会合
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB226CS0S1A021C2000000/

『日米の政府関係者や有識者らが国際問題を話し合う第8回「富士山会合」(日本経済研究センター、日本国際問題研究所共催)が23日、都内で開催された。インド太平洋地域で一方的な現状変更を試みる中国の行動に対応するため、日米豪印といった同盟国・友好国の連携をより深化させる必要があるとの提言が多く出た。

茂木敏充外相がインド太平洋地域について「パワーバランスの変化が激しい地域」と評するなど、日米を取り巻く情勢変化を指摘する声が相次いだ。懸念の背景には威圧的な行為を通じて周辺国・地域との摩擦を高める中国の存在がある。

中国海警局の船は頻繁に沖縄県尖閣諸島周辺の接続水域に侵入する。南シナ海では領有権問題を巡りベトナムやフィリピンと争う。とりわけ緊迫度を増しているのが台湾情勢だ。
習近平(シー・ジンピン)国家主席は7月、中国共産党創立100周年記念式典での演説で「台湾統一は歴史的任務」と述べた。多くの中国軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入するなど、中国側の示威行為が続いている。

台湾をテーマにしたパネル討論では、ダニエル・ラッセル元米国務次官補が「中国側の意図はどうあれ、危機がエスカレートする可能性がある」と指摘した。当局者や有識者の間では、偶発的な事象が台湾有事に発展するとのシナリオが現実味を帯びつつある。

中国の膨張を食い止めるための一つの方策として挙がったのが、民主主義など価値観を共有する国々の連携強化だ。

ビデオメッセージを寄せた岸田文雄首相は日米同盟を「(日本の)外交・安全保障政策の基軸」と強調したうえで「バイデン大統領とともに『自由で開かれたインド太平洋』の具体化を戦略的に推進する」と述べた。日米豪印4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」が念頭にある。

クアッドは軍事同盟の位置づけではないが、4カ国は定期的に合同軍事演習も実施する。ランドール・シュライバー元米国防次官補も「インド洋における中国の潜水艦の配備状況をみるに、(クアッドの)4カ国の協力は非常に重要だ」と説明した。

経済面の取り組みも欠かせない。自民党の甘利明幹事長は講演で、経済安全保障の観点から「根幹技術は同盟国・同志国での共有にとどめるべきだ」と主張した。戦略物資の確保においても、中国と一定の「デカップリング(調達網の分断)」を図る必要性を訴えた。
もっとも、中国との協調余地や衝突回避の仕組み作りも同時に探るべきだという指摘も聞かれた。気候変動への対応やアフガニスタン問題など「(米中間の)協力案件は具体的に出てきている」(川島真・東大教授)。対話の積み重ねや協力分野の拡大が緊張緩和につながるかが今後の焦点になるとの見方があった。

バイデン氏と習氏は、オンライン形式ながら年内に初の首脳会議に臨む。中国による国際秩序への挑戦を抑え込みつつ、米中対立が最終的な衝突に至る事態をどう回避するか。新たな戦略や仕組みの構築が求められている。

【関連記事】
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元米海軍大将「包括的な対中戦略を」CSIS共催シンポ日経・CSIS共催シンポ

元米海軍大将「包括的な対中戦略を」CSIS共催シンポ
日経・CSIS共催シンポ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB220QI0S1A021C2000000/

『日本経済新聞社は22日、都内で米戦略国際問題研究所(CSIS)と共催の第18回シンポジウム「戦略的競争時代における日米同盟の新たな役割と射程」を開いた。米中競争の行方をテーマにしたパネル討論では、ジェームズ・スタブリディス元米海軍大将が「米国はまだ一貫した対中戦略ができていない」と述べた。外交や軍事、経済の各面でどのように中国と向き合うかについての包括的な戦略作りを急ぐよう訴えた。

スタブリディス氏は、南シナ海や尖閣諸島周辺、台湾海峡で示威的な行動を高める中国が「米国の同盟国や友好国への圧力を高めている」と説明。新疆ウイグル自治区での人権弾圧や、他の権威主義的な国家との連携を強めている点も国際社会に大きな懸念を招いていると指摘した。

ジェームズ・スタインバーグ元米国務副長官は、米中対立が衝突に向かっているように感じられる背景には、双方に「(一方が勝てば、もう一方が負ける)『ゼロサム』のメンタリティーがあるからだ」と説明する。米中関係は緊迫度が高まっているが、最終的な衝突回避に向けての「管理は可能」との見方を示した。「気候変動などのテーマは協力の道を探れる。衝突を避けるための英知が必要だ」と語った。

北岡伸一・東大名誉教授は、米中対立を管理可能なものとするには「逆説的ながら、我々の抑止力を強めることが近道」との考えを示した。「中国は軍事的に慎重であり、簡単に(課題を)処理できると思わなければ軍事行動に出ない」と説明。日本の防衛力を高め、専守防衛に徹してきた日本が一定の反撃力を持つ必要性を訴えた。

青山瑠妙・早大教授は「10年後の世界は米中の2極体制となる」という中国で主流となっている国際情勢の見方を紹介。「こうした認識に基づくと、中国の対米政策・対外政策は非常に強硬にならざるを得ない」と述べた。目先は気候変動分野などで米中の協力余地はあるが、中長期的にみれば「人権問題、海洋(進出)問題、台湾問題で中国が譲歩する可能性は低い」と指摘した。

パネル討論の司会は田中明彦・政策研究大学院大学長が務めた。

【関連記事】

・米政権「対アジアで経済連携強化を」CSIS所長
・台湾情勢「民主主義への圧力」 防衛相、CSISシンポで
・アーミテージ氏「日本の防衛費増額を」CSIS共催シンポ 』

アーミテージ氏「日本の防衛費倍増を」台湾情勢念頭に日経・CSIS共催シンポ

アーミテージ氏「日本の防衛費倍増を」台湾情勢念頭に
日経・CSIS共催シンポ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB218Y40R21C21A0000000/

『日本経済新聞社は22日、都内で米戦略国際問題研究所(CSIS)と共催の第18回シンポジウム「戦略的競争時代における日米同盟の新たな役割と射程」を開いた。オンラインで参加したリチャード・アーミテージ元米国務副長官は、緊迫する台湾海峡情勢を踏まえ「日本が防衛予算を2倍またはそれ以上に増やすのは良い考えだ」と指摘した。

日本の防衛費増額を巡っては、バイデン米大統領が次期駐日大使に指名したラーム・エマニュエル氏も上院公聴会で「同盟に不可欠だ」と表明していた。アーミテージ氏は中国の軍備増強などを念頭に「同盟国として潜在的な脅威に立ち向かい、地域の平和を維持するための能力が重要だ」と強調した。

ジョセフ・ナイ米ハーバード大学特別功労名誉教授も「日本の政治家・指導者らは台湾を巡る問題の深刻さをより認識するようになった」と述べた。「日本が防衛費を国内総生産(GDP)比で増やすべきかどうかという議論が出ているのは健全なことだ」と評価した。

台湾情勢については、米国や関係国は「独立を認めないものの、台湾海峡両岸の安定は交渉によって保たれるべきだとの立場を維持すべきだ」とも語った。

米国、英国、オーストラリアの安全保障協力の新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」について、アーミテージ氏は「最も恩恵を受けるのは日本だ」との見解を示した。豪州に配備をめざす原子力潜水艦を通じて得られる情報が「日本にとって極めて重要だ」と主張した。』

中国、ロシアの艦艇が津軽海峡通過と北極海ルート

中国、ロシアの艦艇が津軽海峡通過と北極海ルート
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5292681.html

『日本の防衛省は、中国軍とロシア軍の艦艇合わせて10隻が2021年10月18日、津軽海峡を初めて同時に通過したと発表した。NHKが報じている。

防衛省によると、日本時間18日午前8時頃、北海道の奥尻島の南西約100キロの日本海で、中国海軍とロシア海軍の艦艇合わせて10隻が航行しているのを海上20211019-00000022-jnn-000-1-thumb自衛隊の航空機や艦艇が確認した。

津軽海峡は国際海峡のため、軍艦を含め外国船舶の航行が国際的に認められている。また中国とロシアは今月14日から17日にかけて日本海で合同軍事演習を行っており、今回通過した艦艇はこの演習に参加していたとみられている。参照記事

20151210hokaido-500x320ibuki02-636×750、、、通常、この海峡を中国や韓国の漁船が通過し、根室沖や千島列島周辺の漁場で乱獲をすると問題になっているが、軍艦となると問題は別で、ここを自由に航行する事で、北極海の温暖化で注目されている北極海ルートの活用にもつながる。ロシアにとってウラジオストクは、冬期間凍結しない重要な軍港でもある。この時期に、中露両国にとっての津軽海峡通過のメリットとして、筆者にはこれしか思い浮かばない。

d86112268f336cad2021年3月に、日本の正栄汽船のタンカーがスエズ運河で座礁した際、ロシア国営エネルギー企業ロスアトム(Rosatom)はすぐに、スエズ運河航路の代替ルートとして北極海航路を検討すべきだと主張したのは記憶に新しい。

気候変動による氷の減少を受けて、ロシア政府は夏以外でも北極海航路を使っての石油や液化天然ガスLNGの輸出を計画し、これまで北極海航路の開発に多額の投資を行ってきている。 

参考:①佐藤優氏が解説 温暖化に伴う北極海融解でロシアの脅威が露呈する 
②、、、、 過去ブログ:2021年4月デンマーク領グリーンランドでの中国資源開発 住民反対でとん挫? 2021年3月正栄汽船(株)所有のコンテナ船がスエズ運河を塞ぐ>離礁成功 2018年3月米国原潜の北極海での耐寒訓練と本格化するロシア産LNG流通 』

台湾有事!中国の台湾侵攻作戦とは?

台湾有事!中国の台湾侵攻作戦とは?:台湾軍、米軍、自衛隊はどう動くか
https://www.nippon.com/ja/in-depth/c10601/?pnum=1

 ※ これまで読んだ「台湾有事」の際の、日本の対応について、最も詳細に論じていると思われる記事だ…。

 ※ 非常に参考になると思われるので、紹介する…。

 ※ 『なお、台湾軍と米軍の共同作戦は、共同訓練を実施していないため不可能である。無理に行おうとしても、最悪の場合、同士討ちという事態も想定される。現実的なのは、台湾軍が台湾本土で解放軍の侵攻に持ちこたえている間に、米軍が解放軍を独自にたたくという戦闘であり、単独行動をとる原潜を最初に戦場に投入することは理にかなっている。』というのは、意外だった…。

 ※ なるほど、「共同訓練」なんか実施すると、某国が黙っていないわけだな…。

 ※ そういう「制約」の中での、支援・応援になるわけだ…。

 ※ いずれ、そういう事態になったら、日本国も「対岸の火事」として座視は、できないことになる…。

 ※ 米軍が動く場合は、「日米安保」があるから、日本国は必ずや「後方支援基地」となる…。

 ※ 米軍基地が攻撃されたり、米軍が攻撃されたりした場合、「武力攻撃事態」や「存立危機事態」の問題になったりするのは、必定だ…。

➊ 武力攻撃事態等及び存立危機事態における対応(※ 令和2年防衛白書より)
https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2020/html/n25101000.html

『 1 正式な法律の名称は、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」

 2 「武力攻撃事態」とは、わが国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は当該武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態。また、「武力攻撃予測事態」とは、武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態。両者を合わせて「武力攻撃事態等」と呼称。

 3 「存立危機事態」とは、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態。

 4 緊急対処事態(武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態、又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することが必要なもの)を含む、武力攻撃事態等及び存立危機事態以外の国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす事態

 5 正式な法律の名称は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」

 6 対策本部長は内閣総理大臣を充てることとされているが、両者は別人格として規定されている。』

『 門間 理良(もんま りら) 【Profile】

米中関係の趨勢(すうせい)とインド太平洋地域における台湾の政治的・軍事的重要性が増している中、解放軍の台湾本島侵攻を米国が座視することはありえない。中国側も今すぐに台湾に侵攻しなければならない差し迫った理由がなく、そのような危険な賭けにでるとは想像しにくいが、あらかじめ想定を詳しく立てておくことは重要だ。本稿は現時点で解放軍の侵攻作戦が始まると仮定して、どのような事態が想定され、解放軍・台湾軍・米軍・自衛隊の能力で何ができるのかについて考察する。 』

『サイバー攻撃から始まる中国の台湾侵攻

中国人民解放軍(以下、解放軍)による台湾本島侵攻形態は統合作戦による短期決戦となる。戦いはまず、台湾側が事前に察知できないサイバー攻撃から始まる。攻撃目標は台湾の送電システム、空港、港湾、鉄道、高速道路の管制システム、証券取引システム、銀行業務システム、政府機関のサーバーなどが考えられる。台湾各地で混乱が始まると同時にミサイル攻撃が波状的に行われる。空港や空軍基地の滑走路に対しては、破壊力の大きい弾道ミサイルが使用され、レーダーサイトやミサイル迎撃システムなどに対しては精度の高い巡航ミサイルが使用される。海底ケーブル切断による情報コントロールも狙ってくるだろう。

ミサイル攻撃は在日米軍基地に対しても行われ、サイバー攻撃はそれにとどまらず、東京やワシントンDC、ハワイ、グアムなども対象になる可能性がある。

次の段階で行われるのが、航空優勢・海上優勢を確保したうえでの輸送機と強襲揚陸艦、民間船を利用した着上陸作戦と考えられている。現状で解放軍の輸送能力は台湾全土を一挙に制圧できるだけの兵員を送り込むことはできない。よって、高速で移動可能な少数の精鋭部隊を台北と高雄に送り込むと考えられる。

台北市に直結する淡水河を大型ホバークラフトで遡上(そじょう)させるほか、海岸への強襲揚陸だけでなく、民間のカーフェリーなどを利用して台北に近い基隆港から部隊上陸を試みる可能性も指摘されている。着上陸部隊は総統府や国防部、台北松山空港の制圧を図る。松山空港が奪取できれば、そこに兵員を送り込むこともできるからだ。同時に台湾要人の拉致や暗殺を狙う解放軍特殊部隊の斬首作戦も行われるだろう。台湾にすでに潜伏しているとも言われる特殊部隊が呼応し、台湾を内部からかく乱する可能性も否定できない。』

『解放軍の猛攻に耐えて米軍の来援を待つ台湾軍

台湾軍も統合作戦による迎撃を考えている。解放軍の台湾侵攻作戦への対応を想定した「漢光演習」では、戦力保存、総合防空、統合制海、統合国土防衛というシナリオで実動演習を実施している。

解放軍の第一撃から生き残るために、台湾軍は一定数の戦闘機を台湾東部に所在する山をくりぬいた佳山基地格納庫に退避させる。軍港に停泊中の駆逐艦・フリゲートなども狙い撃ちを避けて一斉に出港するだろう。解放軍のミサイル攻撃に対して、台湾軍はPAC-3や国産の防空システム「天弓3型」等で迎撃するほか、解放軍のミサイルを誤誘導させたり通信を妨害したりする電子戦部隊も動く。とはいえ、解放軍の初弾の飽和攻撃に対してどれほど効果を上げられるかは心もとない。

台中や台南、澎湖島の空軍基地からは空対地ミサイルを搭載した戦闘機が離陸し、解放軍のレーダーサイト、弾道ミサイル発射機、防空ミサイルシステムに攻撃を加える。解放軍の前線の攻撃拠点や兵たん支援を行う後方基地攻撃も念頭に置いた巡航ミサイルの配備やその長射程化も進められている。仮に台湾が射程2000キロメートルの弾道ミサイルの開発に成功すれば、北京を射程に収めることが可能になる。斬首作戦には、総統護衛部隊である特種勤務指揮センターや憲兵部隊、海巡署特殊部隊が対応する。

台湾軍は渡海してくる解放軍に対して、空中・海上・陸上からの迎撃を試みるが、解放軍が渡海作戦を実行する段階は、航空優勢と海上優勢をほぼ握った段階であるはずで、その反撃は十分ではない。台湾軍にとってある程度の救いは、解放軍の渡海能力が十分でない点である。解放軍が台湾北部に着上陸した場合、北部を統括する第3作戦区に配置された陸軍第六軍団を中心に海空軍を含めた統合作戦で迎え撃つことになる。台湾軍が組織的・有機的に作戦を行えるか否かは、解放軍による台湾軍の指揮・管制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察の機能破壊の程度にも左右されるが、解放軍は既にその能力を有していると台湾側は予測している。解放軍の猛攻をしのぐ間に、1日も早く米軍が介入するのを台湾軍は待つことになる。』

『米軍の反撃は衛星とのリンク破壊と巡航ミサイル

米軍が台湾有事に介入する場合、「自軍将兵の犠牲を最小限に抑える」ことが最優先の考慮事項となる。解放軍の対艦弾道ミサイルDF-21DやDF-26が有効に機能している間には空母機動部隊を射程内に近づけたくない米軍は、中国の偵察衛星の機能をつぶすことを考えるだろう。これはなにも衛星に対して直接攻撃を行う必要はない。衛星と地上通信施設を結ぶリンクを攻撃する電子妨害を行うことで、偵察衛星から送られてくる情報を遮断すればよいのである。北斗3号衛星測位システムや衛星通信に対するジャミング(電波妨害)やサイバー攻撃も考えられる。

さらにオハイオ級巡航ミサイル原子力潜水艦(SSGN)からの巡航ミサイル攻撃で、中国本土のレーダーサイトや衛星との通信施設等を物理的に破壊することも考えているはずだ。SSGNは1隻あたりトマホーク巡航ミサイルを154発搭載している。米軍は同艦を4隻保有し、そのうち2隻をインド太平洋軍に配備している。通常体制であれば、4隻すべてが稼働しているわけではないと思われるが、台湾有事ともなれば全てを台湾海峡に派遣すると考えられる。

亜音速巡航ミサイルは速度が遅いことが弱点のため、できるだけ中国本土に接近し、数多く発射することで解放軍の防空システムをかいくぐる必要がある。SSGNは第一列島線付近の海域まで進出してから、合計600発強のトマホークを一斉に発射し、すぐに現場海域を離脱するだろう。トマホークの精密打撃によって中国の衛星を利用した探知能力や攻撃能力は大幅に低下する。米軍の正確な位置把握が不可能になった解放軍の対艦弾道ミサイルや、地上発射式あるいはH-6K爆撃機から発射される巡航ミサイルの命中精度は、格段に低下する。この機を逃がさず米空母機動部隊は中国本土に急速に接近し、台湾侵攻の後続部隊や補給を断つことができる。その間にSSGNはグアム(あるいは横須賀・佐世保でも可能?)でミサイルを再装填して再び出撃できる。

なお、台湾軍と米軍の共同作戦は、共同訓練を実施していないため不可能である。無理に行おうとしても、最悪の場合、同士討ちという事態も想定される。現実的なのは、台湾軍が台湾本土で解放軍の侵攻に持ちこたえている間に、米軍が解放軍を独自にたたくという戦闘であり、単独行動をとる原潜を最初に戦場に投入することは理にかなっている。』

『「台湾有事」は「日本有事」に他ならない

中国が台湾侵攻を企図した場合、まず外交ルートを通じて日米に台湾を支援しないよう働きかけてくるだろう。日本に対しては「攻撃するのはあくまでも米軍基地だけであり、日本が米台を支援しなければ日本に対する攻撃はしない」などの甘言で日米の離間を図ることも十分考えられる。

解放軍は「積極防御」の軍事戦略を掲げているが、情報化戦争へシフトする過程で先制攻撃をより重視するようになっている。よって、嘉手納・佐世保・岩国・横須賀の米軍基地に対して、解放軍がサイバー攻撃とミサイルで先制攻撃してくることを日本は想定しておいた方がよい。常識的に考えて、在日米軍基地へのミサイル攻撃は日本への武力攻撃と同義になると思われる。日本政府が武力攻撃事態を認定すれば、首相が自衛隊に防衛出動を命じて中国に反撃することになる。自衛隊は本来任務である日本を守るために戦うことになるだろう。

飛来する弾道ミサイルなどに対して自衛隊は、近代化改修を行った「あたご」型や「まや」型のイージス艦から発射されるSM-3ブロック2Aを、次いで陸上発射式のPAC-3で対処することになるが、その前段階として弾道ミサイル発射を検知する機能や弾道の捕捉、情報の即時伝達・共有が重要となってくる。そのためには早期警戒衛星、通信衛星の増強が望まれる。超音速ミサイルを探知するためには無人偵察機の前方展開も考えられる。

米軍が台湾有事に介入する場合、自衛隊は日本を守りながら米軍に対する後方支援を行うことになる。さらに、自衛隊には台湾在留邦人救出ミッションも課せられる可能性が高い。これらのミッションを並行して遂行することは、防衛省・自衛隊にとって極めて困難な作業となろう。有事に突入してから台湾や米国の関係機関と協議する余裕はない。中国による通信妨害も十分に考えられる。常識的に考えて、平時から台湾の内政部や外交部、国防部、米国の関係機関と邦人避難ミッションに関する協議をしておかなければ間に合わない。

中国に台湾侵攻(=在日米軍基地攻撃)を思いとどまらせるだけの実力があることを台湾と日本が示すことと、国交はなくとも日米台の友好関係がゆるぎないものであり、日米同盟が強固であることを示して、中国の侵攻を抑止することは何よりも重要である。

※本稿は筆者の個人的見解をまとめたもので、所属機関とは関係ありません。
【参考文献】

武田康裕編著『在外邦人の保護・救出』東信堂、2021年
防衛研究所編『中国安全保障レポート2021 新時代における中国の軍事戦略』防衛研究所、2020年
尾形誠「近代化を進める解放軍と台湾軍の対応」『東亜』一般財団法人霞山会、2021年9月
門間理良「日本はいかに動くべきか? サイバー・ミサイルから始まる中台激突」『中央公論』2021年10月号
門間理良「台湾の動向」『東亜』各号
『世界の艦船』(海人社)各号所収の論考及び艦艇諸元

バナー写真=中国国際航空航天博覧会で展示された(左から)大型爆撃機「轟6K(H6K)」、大型輸送機「運20(Y20)」、中型輸送機「運9(Y9)」、2018年11月6日、中国珠海市(新華社/共同通信イメージズ)』

米国「東アジア版NATO」を加速化…

米国「東アジア版NATO」を加速化…「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/37718.html

(2020-09-10 06:08 修正:2020-09-10 15:27)

 ※ 韓国の「ハンギョレ」の記事だ…。

 ※ 当然、こういう「米国の世界戦略」における「韓国の位置付け」は、日本国の「対韓国」外交にも、影響を与えて来る…。

『米日豪印の「4カ国安保対話」が水面上に浮上 
 
米国の狙いをうかがわせたビーガン発言 
「インド太平洋地域にはNATOがない 
4カ国が先に始めるのが重要」 
中国を包囲する集団安保体制を構築する意思 
 
米日同盟、グローバル同盟の主軸に 
オーストラリアやインドと様々な軍事演習 
「クアッド」結成のための基礎固め中 
 
「クアッド・プラス」への圧力、韓国の選択は 
来年、米次期政権で本格化する見込み 
米中の間で韓国のバランス外交が試験台に 
中途半端に巻き込まれた場合は、中国の反発は必至 』

『香港問題と南シナ海などをめぐり鋭く対立している米中が、9日にテレビ電話会議で開かれた東アジア首脳会議(EAS)の外相会議で初めて向き合い、熾烈な舌戦を繰り広げた。米中の対立が激しさを増すにつれ、中国牽制に向けた米国のインド太平洋戦略が、米国、日本、オーストラリア、インドによる「4カ国安全保障対話」(クアッド、QUAD)などで具体化されており、両国の間で“外交的バランス”を守ろうとする韓国政府の賢明な対応が求められる。

 カン・ギョンファ外交長官は9日、テレビ電話会議で行われたASEANプラス3(韓中日)、韓-ASEAN、東アジア首脳会議の外相会議に順に出席した。同日の会議の目玉は、米国のマイク・ポンペオ国務長官と中国の王毅外交部長が共に出席した東アジア首脳会議の外相会議だった。ポンペオ長官は昨年は同会議に出席しなかったが、今年は2日に出席する意向を表明した。彼は同日の記者会見で「我々は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や北朝鮮、南シナ海、香港などをはじめ、トランプ大統領が米中関係で互恵性を回復するため、いかなる努力をしてきたかについても言及するつもりだ」と述べた。今回の会議を“中国牽制”と共に、理念を同じくする同盟国・パートナー国間の“結束の誇示”の舞台に活用する考えを明らかにしたのだ。

 これと関連し、スティーブン・ビーガン米国務副長官は先月31日、米印戦略的パートナーフォーラムで、インド太平洋地域には「明らかに北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)のような多国間構造がない」としたうえで、(クアッドと呼ばれる)4カ国が先に始めることも非常に重要であろう」と述べた。この発言が注目を集めたのは、米国が2010年代に入って推進した対中国牽制の動きが「リバランス戦略」や「インド太平洋戦略」など抽象的概念を超え、対中包囲のための集団安保体制「クアッド」構想などに具体化しているからだ。

 中国を牽制するために「リバランス戦略」を掲げたオバマ政権は、2015年4月に米日防衛協力指針の改正を通じて米日同盟をグローバル同盟に強化した。トランプ政権はその後、日本を中心パートナーとし、2017年11月に「自由で開かれたインド太平洋」を両国の共同戦略にすると共に、米国防総省は2019年6月に「インド太平洋戦略報告書」を発表し、韓国や日本、オーストラリアなどインド太平洋地域の同盟国・パートナー国と力を合わせて中国の挑戦をはねのけ、地域の覇権を維持する意思を明らかにした。米国はこうした決意を誇示するかのように、同時期にアジア太平洋軍司令部の名前を「インド太平洋軍司令部」に変えた。

 以後、米日は太平洋~インド洋でオーストラリアやインドなどと多様な形態の合同軍事演習を行い、クアッドの結成に向けて基礎を固めてきた。彼らは昨年9月にはニューヨークで初めて4カ国外相会議を開き、「『自由で開かれたインド太平洋構想』の実現に向けて協力する」ことで合意した。

 韓国に関しては具体的な動きはないが、米国がインド太平洋の繁栄と発展の「核心軸」(linchpin)と呼ぶ韓米同盟の戦略的重要性を考えると、「クワッド」を拡大した「クワッド・プラス」には何らかの形で参加を要請するものとみられる。9日、横須賀に空母を置く米海軍第7艦隊は、「統合された多国間領域の作戦遂行のため」米駆逐艦がハワイからグアムまで、韓国・日本・オーストラリア海軍とともに航海すると明らかにした。

 これまで韓国政府は、米国が首脳会談などで反中国色の強いインド太平洋戦略に触れるたびに、ASEAN諸国との経済協力を深める独自の戦略「新南方政策」を打ち出してきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年6月30日に訪韓したトランプ大統領との首脳会談後、「開放性・包容性・透明性という域内協力の原則に基づき、韓国の新南方政策と米国のインド太平洋政策間の調和と協力を推進することにした」と述べており、チョ・セヨン前次官も7月9日のビーガン副長官との外交次官韓米戦略対話で、このような基調を維持した。

 クアッド構想の具体化に向けた動きは、来年1月末に米次期政府が発足した後、本格化するものとみられる。ビーガン副長官も11月の米大統領選挙の日程を考慮したように、「トランプ政権2期か次期大統領の第1期に一度試してみるといいと思う」という意見を明らかにした。現在トランプ大統領もバイデン民主党大統領選候補もインド太平洋戦略推進には意見が一致しており、誰が当選しても「クアッド」構想が進められる可能性が高い。

 もちろん、米中の間でバランスを維持しようとする韓国やインド、ASEANなどの抵抗と中国の強い反発で、計画が順調に実行されるかどうかは不透明だ。韓国が安易な判断を下した場合、「中国と韓国の戦略的協力パートナー関係を新たな段階に引き上げよう」(先月22日、楊潔チ外交担当政治局員)と提案した中国が強く反発するものと予想される。
キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/961552.html
韓国語原文入力:
訳H.J 』

Quadで変わるアジア通商秩序 自由貿易より安全保障

Quadで変わるアジア通商秩序 自由貿易より安全保障
編集委員 太田泰彦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD118A20R11C21A0000000/

『米国、日本、オーストラリア、インドが組んだ新しい枠組み「Quad(クアッド)」が囲い込もうとしている場所はどこか。中国ではない。東南アジア、そして台湾である。

地図の上で4カ国を線で結んでみよう。ゆがんだひし形の中に、東南アジア諸国連合(ASEAN)と台湾がすっぽりと収まる。

9月にワシントンで開いた首脳会議の共同声明が単刀直入に語っている。新型コロナウイルス禍や気候変動より先にASEANに4回も言及し、インド太平洋の「中心」とまで呼んだ。
中国を刺激しすぎない配慮から台湾の文字は見えないが、ここだけは中国に渡さないという決意表明と読むべきだろう。

ひし形の内側を埋める米中の争奪ゲームは既に始まっている。バイデン米政権は英国だけでなく親中的なドイツまで担ぎ出し、南シナ海に海軍を派遣させた。8月にハリス副大統領をASEANに送ると、追うようにして中国の王毅外相が9月に各国を歴訪した。

米中が競うのはサプライチェーン(供給網)の支配力だ。先端技術の分野では2000年代に国際水平分業が進んだ。その結果、半導体では台湾が世界で最も重要な生産地となった。
台湾だけではない。貿易と金融のハブであるシンガポールは、表からは見えにくいが、東南アジア最大の半導体生産国でもある。マレーシアには、半導体を加工して電子製品をつくる企業の集積がある。

クアッドの声明が言う通り、南シナ海周辺はサプライチェーンの「中心」なのだ。バイデン政権から見れば、台湾海峡と南シナ海の有事は、米国のデジタル産業の崩壊を意味する。

ASEAN事務局が集計した対内直接投資額を見ると、日本からは19年には239億ドルだったが、20年には85億ドルと、3分の1近くに激減した。コロナ禍の影響だから仕方がない。

ところが米国は346億ドルから347億ドルへと、むしろ増えている。中国と香港を合わせた投資額も、218億ドルから196億ドルへと僅かな減少にとどまった。逆境の中で米中が直接投資で張り合う構図だ。

環太平洋経済連携協定(TPP)は、太平洋を囲む国々の経済同盟とされた。だが、実際にはASEANの大半と台湾は参加していない。しかも重要法案が目白押しのワシントン情勢をみれば、バイデン政権が議会から通商交渉権限を得られる見込みはない。米国の復帰はまず無理だ。

こうした虫食い状態が続く限り、TPPは環太平洋の水平分業の土台にはならない。バイデン政権は、自由貿易主義に基づく通商秩序に見切りをつけ、別の手段でASEANと台湾を囲い込むしかない。それが安全保障という大義である。

日米豪印の首脳が共同声明とは別に、技術に関する「クアッド原則」を特別に発表した意図がここにある。民主主義、人権尊重の名の下で、先端技術の設計、開発、管理、利用法に至るまで連携することが決まった。現状では中国が入り込めない価値観の壁だ。

クアッドを起点に新たな通商秩序づくりが始まる。その大波に、企業はいやが応でも巻き込まれていく。』

GPIF、中国国債への投資見送り 取引環境など考慮

GPIF、中国国債への投資見送り 取引環境など考慮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28DY20Y1A920C2000000/

『公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が中国の人民元建て国債への投資を見送ることがわかった。GPIFが運用の目安とする指数に10月末から中国国債が組み入れられるため、対応に注目が集まっていた。中国の不動産大手、中国恒大集団の債務危機などで市場混乱の懸念が高まるなか、債券の取引環境などを考慮して判断した。

GPIFの運用資産は6月末時点で193兆円に上る。そのうち47兆円あまりを外国債券に回しているが、中国の人民元建て国債には投資していない。中国国債は米国債などと比べて利回りが高いのが魅力だが、流動性が比較的低く市場の混乱時などに売りにくくなるリスクがある。

英指数算出会社のFTSEラッセルは3月、世界的な国債指数「FTSE世界国債インデックス(WGBI)」に中国国債を組み入れると発表した。GPIFはWGBIに連動した運用に約20兆円を振り向けており、GPIFが投資に踏み切るかどうかに市場の関心が高まっていた。

GPIFが指数に合わせて運用資産の構成を変更すれば、中国国債への投資額が単純計算で1兆円規模に上る。GPIFは決済システムなどを含めて中国国債の取引環境を幅広く検証し、中国恒大集団の債務問題が深刻になる前から投資を手控える方向で内部で議論を進めていたとみられる。

国内では大手生命保険会社などが中国国債への投資を始めつつあるが、高い利回りを優先する欧米勢に比べると消極的な姿勢が目立つ。GPIFの動向は国内機関投資家も注視しており、慎重姿勢が一段と強まる可能性もある。

【関連記事】

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説

中国当局は気になるでしょう。人民元に対する海外マネーの信任を守るために金利の引き上げを迫られるシナリオが残るからです。

日本の経験が示すとおり、金融引き締めは不動産バブルを潰しかねません。

先週、中国本土と香港で債券を取引するボンドコネクトの「南行き」、つまり本土の投資家による香港市場での売買が始まりました。恒大問題にもかかわらずキャピタルフライトが起きないという自信の表れという見方もありましたが、どうだったのでしょうか。

2021年9月29日 11:40 (2021年9月29日 11:41更新)』

台湾もTPP申請、中国に虚つかれた日本がとるべき道

台湾もTPP申請、中国に虚つかれた日本がとるべき道
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK282H50Y1A920C2000000/

『「国家の統一、民族復興に向けた両党の協力を期待する」。中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)は26日、共産党総書記の名義で、台湾最大野党である国民党の主席(党首)に選ばれた朱立倫に祝電を送った。台湾の独立に反対する政治的基礎を強調している。
25日、台北の国民党本部で勝利宣言する朱立倫氏=中央通信社・共同

習近平は、中国と距離を置く民主進歩党(民進党)の蔡英文(ツァイ・インウェン)が過去の総統選で2回当選した際や、朱立倫の前任の国民党主席が選ばれた際には祝電を送っていない。台湾の民進党政権が22日、中国に続いて環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式申請したこともあり、中台の政治的な駆け引きが一気に激しくなっている。

日本は既に巻き込まれている。米国不在のTPP参加11カ国で最大の経済規模を持つ中心メンバーとして、この中台の引っ張り合いを仕切る行司役を担わざるをえない。しかも2021年は、各国閣僚による最高意思決定機関「TPP委員会」の議長国を務めている。
「次回はシンガポールで」、無警戒だった日本

問題は日本に十分な準備がなかったことである。9月上旬、首相の菅義偉が自民党総裁選に出馬しない意向を示した突然の退陣表明によって日本は政局モードに入り、対外政策への目配りがおろそかになっている。

そもそも日本には慢心があった。「習近平がいくらTPP加盟検討を口にしたとしても、日本が議長国である21年中に中国が正式な加盟申請をするはずがない――」。日本政府は高をくくっていた。

「日本の不注意がわかる証拠がある」。TPP交渉に詳しい関係筋は指摘する。それは9月1日、オンライン形式で開かれた第5回TPP委員会が終了後、発表した閣僚共同声明だ。「次回TPP委員会は、22年に(次期議長国である)シンガポールによって主催される予定である」。文書の末尾にこう明記している。

オンライン形式による各国閣僚らによる「TPP委員会」に出席した西村経財相㊨(6月2日、東京・千代田)

つまり、日本はその後、21年内に重大な事態が起きても、議長として議論を主導できない文言を自ら盛り込んだ。自分の動きを縛ってしまう宣言だった。直後に中国が正式な申請に動く兆候をまったく把握できていなかったのは明らかである。

英国のTPP加盟申請に伴う手続き開始、作業部会の設置にメドをつけたことで、今年の議長としての役割を果たした。そう安心しきっていたのだ。

これを確認してほくそ笑んだのが中国だった。前週、このコラムで紹介した米バイデン政権の動きをにらむ「300日計画」に沿って、すぐに国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)が22年議長国のシンガポールに接触した。

21日、ビデオ形式で国連総会一般討論演説を行う中国の習近平国家主席(北京)=新華社・共同

そして一定の根回しを終えてから、満を持して新規加入の際の寄託国であるニュージーランドに加盟を正式申請した。いわば周到な「日本はずし」「ジャパン・パッシング」でもあった。

日本主導で年内に「閣僚委員会」開催も

虚をつかれたのは米国、そして台湾も同じである。米バイデン政権は15日、英国、オーストラリアとの安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設を発表したが、中国のTPPを巡る動きには無警戒だった。

TPP加盟に積極姿勢を示してきた台湾は、既に加盟交渉時に必要な法的な問題を十分に検討し終えていた。あとは対中関係と国際情勢をにらみながら、いつ実際の行動に出るかだった。ところが、思わぬ形で中国に先を越されたことで、このまま動かなければ台湾の立場は一層、難しくなる可能性が出てきた。これが中国の申請から6日後という早い段階で行動に出た理由である。

加盟申請した中台の扱いは、交渉入り、加盟決定ともに全メンバーの合意が必要だけに簡単には決まらない。中台それぞれとの距離もメンバー国ごとに異なる。それでもTPP委員会の議長国である日本には、将来に向けて、この難しい議論を引っ張る責任がある。

新たに中台からの加盟申請という極めて大きな課題が急浮上した以上、加盟国の意思を直接、確認しながら現状に対する共通認識をつくり上げる機会を持つのは当然だ。

それには日本が主導して各国と意思疎通したうえで、TPP委員会を年内に開くのが望ましい。新型コロナウイルス禍が収まっていれば、今年初めてとなる対面形式の会合も可能かもしれない。新首相の選出、衆院解散・総選挙といった日本の政治的な事情で諦めるべきではない。年末まで十分に時間はある。

高いレベル、原則重視で議論を

その時、肝要なのは中台の政治的対立をTPP内に持ち込ませない論理と手法である。TPPには、もともと中国を意識した枠組みという面があるにしても、議論を仕切る議長国は、あくまで公正さを保つ必要がある。ここでは高いレベルを満たす原則の堅持が極めて重要になる。それをクリアできるものだけに、交渉入りや加盟に向けた扉が開かれる。

中国は「台湾が公的な性格を帯びたいかなる協定や組織に参加することにも断固反対する」と主張している。しかし、中台はともに世界貿易機関(WTO)に加盟している。台湾のWTOでの名義は「台湾、澎湖、金門、馬祖からなる独立の関税地域」である。

今回、台湾は「独立の関税地域」としてTPP加盟を申請し、蔡英文が自身のツイッターで「すべてのルールを受け入れる用意がある」と表明している。
台湾・屛東で、軍事演習を視察する蔡英文総統(左)=15日(総統府提供・共同)

日本政府は外相の茂木敏充、官房長官の加藤勝信、TPP交渉を担当する経済財政・再生相の西村康稔らが「歓迎」を表明した。TPPの協定上、新規加入の対象を国または独立の関税地域としていることを根拠に「台湾加入は協定上可能だ」と説明している。この論理に沿うなら、純粋に高いレベルをクリアできるのかという問題だけになる。

28日には、英国の加盟を巡る第1回作業部会がオンライン形式で開かれた。18年の発効以来、初めての新規加盟交渉が順調に始まったのは議長国、日本の功績である。しかし、日本の役割はまだ終わっていない。シンガポールにバトンを渡す前の残り3カ月間、中長期的なTPPの発展を見据えて全力を尽くすべきだ。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

試される国際秩序、中国TPP申請 貿易・安保切り離せず

試される国際秩序、中国TPP申請 貿易・安保切り離せず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA174WC0X10C21A9000000/

 ※「プライオリティ」ということを、常に考えた方がいい…。

 ※「安全保障」と「経済価値」が衝突するときは、直ちに安全保障>経済活動…だと、オレは価値判断している…。

 ※ たとえ、一部の国民が失われても、生き残った残存勢力の国民が、必ずや立ち上がり「復興」してくれると信じているからだ…。

 ※ そういう「強靭な残存国民」を、どう育成していくのかということを、考えた方がいい…。

 ※「生存競争」「自然淘汰」というのは、何も「種の保存」に限ったことじゃ無い…。
 ※「国家・国民」にも、当てはまる話しだ…。

 ※ 泣き言ばっかり垂れて、他人がしてくれることを要求ばかりしているような種類の「国民」だけが残存しているならば、「国(クニ)」としては、滅亡する他は無い…。

 ※「一国の興亡」は、そういう「国民としての性質・能力」にかかっている…。

『自由主義陣営が主導する国際秩序が中国に試されている。中国は16日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を申請した。巨大な国内市場を武器に自国に都合のよいルールづくりを目指す中国を受け入れれば秩序は保てない。米中の対立が激しさを増す中、TPP加盟国は安全保障の観点も交えた判断を迫られる。

中国の加盟申請に各国は身構える。「高い基準を満たす用意ができているか見極める必要がある」(梶山弘志経済産業相)。17日、日本の閣僚からは慎重な発言が相次いだ。国有企業への補助など、中国の経済ルールでは加盟交渉入りは難しいとみる関係者が多い。

オーストラリアも難色を示す。同国が新型コロナウイルスの発生源に関して独立調査を求めたことに反発した中国は、豪産大麦やワインに高関税を課し、一部の食肉や石炭の輸入を制限した。

オーストラリアのテハン貿易・観光・投資相は声明を出し「(豪中の間では)閣僚間で取り組むべき重要な問題がある」と指摘。中国が高関税などの問題を解決しない限りは、中国の交渉入りを支持しない姿勢を示唆した。巨大市場の力をちらつかせて強権を振りかざす中国のやり方にTPP加盟国は懸念を強める。

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中国が受け入れられるとの見方は多くないが、それでも申請したのは、米国が新たな自由貿易協定の締結に後ろ向きな中、その隙をつく狙いもあった。習近平(シー・ジンピン)国家主席は17日に講演し、米国などを念頭に「ルールという旗印を使って国際秩序を壊し、対抗と分裂を作り出す行動に反対しなければならない」と語った。

そもそもTPPは日米が主導し、インド太平洋で中国に対抗する経済圏をつくる構想だった。ただ17年に米トランプ政権が離脱を表明。日本政府は中国への対抗には米国の復帰が最善とみるが米国では反対論が根強い。

米国務省の報道官は16日、「中国の非市場的な貿易慣行と他国に対する経済的な威圧が(加盟を認めるかどうかの)加盟国の判断要素となるだろう」と述べた。

TPPには対中国で安全保障上の焦点となっている台湾も加盟への関心を示す。米国、英国、オーストラリアは15日、対中国を念頭に新たな安保協力の枠組みを創設した。欧州連合(EU)は16日に「インド太平洋協力戦略」を公表し、台湾との関係強化を打ち出した。その直後のTPP加盟申請は、通商だけの意味合いにとどまらない。

現在加盟する11カ国の実質国内総生産(GDP)は世界の1割超で、中国が加わると3割になる。安全保障上の中国の脅威が高まる中、加盟国は単純に経済の観点で判断できない状況になっている。(江渕智弘、北京=川手伊織、ワシントン=鳳山太成)

この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』

中国が放ったくせ球 TPP加盟申請、日米分断の思惑も

中国が放ったくせ球 TPP加盟申請、日米分断の思惑も
Angle 高橋哲史
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1765G0X10C21A9000000/?n_cid=NMAIL006_20210917_Y

『中国が環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を申請した。実現のメドは立っていないのにこのタイミングで突然、一歩踏み出したのはなぜか。

「(中国がTPPに加盟申請すれば)日本にとっては試練になるだろう。断れば中国と敵対することになるからだ。かといって、簡単に受け入れるわけにもいかない。米国が絶対に同意しないからだ」

2020年11月、北京大学国際関係学院の賈慶国・前院長にインタビューしたときの発言だ。賈氏は国政の助言機関である全国政治協商会議の常務委員も務め、中国の外交政策に深く関わる。

インタビューの3日後、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がTPPへの参加を「積極的に考える」と表明した。賈氏はそれを事前に知ったうえで、「TPP参加」の思惑を語ったとみられる。

中国がTPPへの加盟を真剣に考え、準備を進めてきたのは事実だ。特に2017年に発足したトランプ米政権がTPPから離脱し、中国に貿易戦争を仕掛けてからその動きを加速させた。米国に対抗するため、アジア太平洋地域の貿易ルールづくりで主導権を握りたい。中国の真意はそこにあった。

中国の李克強(リー・クォーチャン)首相が初めてTPP参加に意欲を示したのは、20年5月だ。新型コロナウイルスの猛威が世界を襲い、4月に予定していた習氏の国賓訪日が延期になった直後だった。

米国をけん制するために習氏の訪日を何としても実現したかった中国は、それまで「TPP参加」を口にしてこなかった。日中首脳会談で話題にすれば日本が米国との板挟みになり、習氏の訪日に難色を示しかねないと判断していたからだ。

習氏訪日のメドが立たなくなり、日本に配慮する必要はなくなった。20年11月に習氏が検討を表明してからは、いつでも正式に参加申請できる状態だった。

中国自身、TPPの高いハードルをクリアし、すぐに加盟できるとは思っていない。それでも今のタイミングで申請したのは、米国が主導するかたちで中国包囲網の構築が進んでいる状況と無縁ではないだろう。

米国、英国、オーストラリアは15日、対中国を念頭に新たな安全保障協力の枠組みを創設した。米英は中国から圧力を受ける豪州に原子力潜水艦の技術を提供する。欧州連合(EU)は16日、「インド太平洋協力戦略」を公表し、台湾との関係強を打ち出した。

日本が主導する現在のTPPには11カ国が参加し、英国も加盟を申請している。経済面に限れば、巨大市場の中国を取り込むメリットは大きい。中国の参加に前向きな加盟国が現れるかもしれない。中国はTPP陣営の足並みを乱すつもりだろう。

日本の立ち位置は難しい。中国を門前払いすれば、習指導部が対日批判を強めるのは必至だ。かといって中国に甘い顔をみせれば、米国が反発する。中国のTPP加盟申請には日米分断の思惑も透ける。その真意を冷静に見極める必要がある。

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吉野直也政治部長と高橋哲史経済部長が自民党総裁選、衆院選とその後の経済・外交の行方を展望するライブ配信イベントを27日午後6時から開きます。お申し込みはこちらです。
https://www.nikkei.com/live/event/EVT210820001

経済・社会保障グループ長(経済部長) 高橋哲史
大蔵省(現・財務省)を振り出しに霞が関の経済官庁や首相官邸、自民党、日銀などを取材。中国に返還される前の香港での2年間を含め、計10年以上に及ぶ中華圏での駐在経験をもつ。2017年4月からは中国総局長として北京を拠点に中国の変化を報じ、21年4月に帰国した。』

中国の姿勢、見極めへ TPP加入申請、閣僚発言相次ぐ

中国の姿勢、見極めへ TPP加入申請、閣僚発言相次ぐ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091700468&g=pol

『中国が環太平洋連携協定(TPP)に加入申請したことを受け、17日には閣僚から発言が相次いだ。TPP担当の西村康稔経済再生担当相は閣議後記者会見で、「中国が高いレべルのTPPルールを満たす用意ができているか、見極める必要がある」と指摘した。
中国、TPP参加を正式申請 通商交渉で主導権狙う

 正式な交渉に入るには、最高意思決定機関「TPP委員会」の決定が必要で、日本は今年議長国を務める。西村氏は「TPPは知的財産保護、政府調達などで極めてレベルの高いルールがある」と強調。「他の参加国と相談し、対応していきたい」と語った。

 梶山弘志経産相は「データ流通の公平性、強制労働の問題などで懸念を抱かれないようにしないといけない。国有企業への補助金や政府調達の在り方でも透明性を維持する必要がある」と指摘した。

 米国はトランプ政権時代の2017年にTPP離脱を表明。中国の申請には米国をけん制する狙いもあるとみられるが、加藤勝信官房長官は「アメリカ政府自体がTPPに対しどう考えるかだ」と述べるにとどめた。』

中国からみた自民総裁選

中国からみた自民総裁選 日本政治「混迷期に」
Angle 高橋哲史
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14BL00U1A910C2000000/

『17日告示、29日投開票の自民党総裁選には、中国も強い関心を寄せる。日本の次の首相がだれになるかだけではない。二階俊博幹事長が党内でどこまで影響力を保つか。むしろ、そちらを気にしている。

中国共産党の対外部門に属する幹部から、何度も同じせりふを聞いた。「二階さんは必ず約束を守ってくれる。中国にとって特別な存在だ」

中国が最も信頼する日本の政治家といっていいだろう。1972年に首相として国交正常化を実現した田中角栄氏から続く対中人脈を引き継ぎ、日中間で問題が起こるたびに動いてきた。新型コロナウイルス危機の前はしばしば訪中し、習近平(シー・ジンピン)国家主席ら要人と会談を重ねた。

2020年7月、自民党の外交部会が習氏の国賓来日を中止するよう求める決議をした際の発言は、中国でも語り草だ。

「外交部会長か何部会長か知らんが、そう軽々に判断すべきものじゃない」。二階氏がすごむと、決議の表現は原案の「中止を要請する」から「中止を要請せざるを得ない」に弱まった。

その二階氏に党内で逆風が吹く。

総裁選に出馬する岸田文雄前政調会長は「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期まで」と言い切った。5年にわたって幹事長を務める二階氏の再任を否定した発言だ。

菅義偉首相も総裁選への不出馬を表明する前、二階氏の交代を探った。二階氏の党運営に不満を抱く若手議員は多く、だれが新総裁になっても同氏の幹事長続投は考えにくい。

米国と激しく対立する中国は、日本とそこそこ良い関係を保っておきたいのが本音だ。自民党内の対中強硬論を抑えてきた二階氏が総裁選後に権力の中枢から外れるとすれば、中国にとっては痛手となる。

「中国は日本の政治が再び短期間で首相が繰り返し代わる時代に入ったとみている」。こう指摘するのは中国政治が専門の加茂具樹・慶大教授だ。

06年から12年にかけて、日本では6人の首相がほぼ1年ごとに代わった。日中関係はそのたびに仕切り直しを迫られ、12年に民主党の野田佳彦政権が尖閣諸島を国有化すると、かつてない険悪な状態に陥った。

米国をけん制するために日本をひき付けておきたい中国は、そんな時代に逆戻りするのを望んでいない。しかし、現実には日本政治の混迷がしばらく続くと判断し、対日戦略の練り直しに動いている。

折しも、5年に1度の中国共産党大会が1年後の22年秋に迫る。政治の季節に入った中国は、どんどん内向きになる。9月の新学期から小中高で「習近平思想」を必修科目にするなど、民主主義を掲げる側からすると時代錯誤にしかみえない危うげな動きが続く。

内政に連動し、外交でも強硬姿勢を強めるのは必至だ。台湾や新疆ウイグル自治区の問題で圧力をかける米国に、妥協する余地はない。米国との連携を深める日本にも、より厳しい姿勢で臨んでくるだろう。

巨大な中国市場は、日本経済にとって死活的に重要だ。日本の経済界は日中関係の行方に気をもむ。しかし、だからといって政治と経済を分けて考える「政経分離」は、もはや中国に通用しない。

中国とどう向き合うか。総裁選で、もっと突っ込んだ議論があってもいい。

吉野直也政治部長と高橋哲史経済部長が自民党総裁選、衆院選とその後の経済・外交の行方を展望するライブ配信イベントを27日午後6時から開きます。お申し込みはこちらです。
https://www.nikkei.com/live/event/EVT210820001

経済・社会保障グループ長(経済部長) 高橋哲史

大蔵省(現・財務省)を振り出しに霞が関の経済官庁や首相官邸、自民党、日銀などを取材。中国に返還される前の香港での2年間を含め、計10年以上に及ぶ中華圏での駐在経験をもつ。2017年4月からは中国総局長として北京を拠点に中国の変化を報じ、21年4月に帰国した。』

〔RCEPの概要〕

地域的な包括的経済連携(RCEP)協定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000231134.pdf

https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/epa/rcep/#:~:text=%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%8C%85%E6%8B%AC%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA,%28RCEP%29%E5%8D%94%E5%AE%9A%20%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%8C%85%E6%8B%AC%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%EF%BC%88RCEP%EF%BC%89%E5%8D%94%E5%AE%9A%E3%81%AF%E3%80%812012%E5%B9%B411%E6%9C%88%E3%81%AB%E4%BA%A4%E6%B8%89%E3%82%92%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%81%97%E3%80%812020%E5%B9%B411%E6%9C%8815%E6%97%A5%E3%81%AB%E7%BD%B2%E5%90%8D%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

※ このイラストは、共同通信社のもの。

※ 参加国ベースで捉えると、日中韓+ASEAN(10カ国)+オーストラリア・NZ…と言った感じのものだ…。

※ インドも参加予定だったが、国内産業の保護がネックとなって、最後に離脱した…。

※ 中国の安価な工業製品がなだれ込んでくるという事態を、危惧したと言われている…。

※ まあ、コロナによる経済低迷もあって、合意できる国だけででも合意を急いだ…、という側面もあるようだ…。

RCEP、22年1月発効

RCEP、22年1月発効 日中韓ASEAN経済担当相が声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA13BS80T10C21A9000000/

『日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済担当相は13日、オンライン形式で会合を開いた。会合後の共同声明で、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を巡り2022年1月までの発効を目指す方針を盛り込んだ。発効のめどを示したのは初めてとなる。

RCEPは関税の削減などを通じて貿易自由化を促す枠組みで、日中韓やASEAN諸国など15カ国が参加する。20年11月に署名した各国は国内での批准手続きを進めている。声明には発効時期について「22年1月早々までに」と明記した。

RCEPはASEAN諸国のうち6カ国以上に加え、ASEAN以外の5カ国のうち3カ国以上が手続きを終えていないと発効の手続きにのせられない。日本と中国は手続きを終えており、韓国とニュージーランドは現在、手続きを進めている。一方、ASEAN諸国ではシンガポールだけしか手続きを終えておらず、今回の合意通りに発効できるかは不透明な要素もある。

共同声明には、新型コロナウイルス感染拡大からの回復を見据えて「コロナの経済回復を達成することを可能にする、多角的貿易体制への地域のコミットメントを示す強いシグナルを送るものだ」と盛り込んだ。』

対越関係強化を強調 日中閣僚、相次ぎハノイ訪問

対越関係強化を強調 日中閣僚、相次ぎハノイ訪問
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091200232&g=int

『【ハノイ時事】日本の岸信夫防衛相、中国の王毅国務委員兼外相が10日から12日にかけて、相次いでハノイを訪問し、ベトナムとの関係強化を互いにアピールした。「地政学的に東南アジアと東アジアが重なり合い、地域で重要な役割を果たす」(岸氏)と期待されるベトナムをめぐり、日中が積極的に外交戦略を展開した。

日ベトナム、防衛装備協定に署名 東・南シナ海の航行の自由確認

 岸氏は11日、日越防衛相会談を開催。日本からの武器輸出を可能とする日越防衛装備品・技術移転協定の署名にこぎ着け、「両国の防衛協力が『新たな段階』に入った」と表明した。12日には、グエン・スアン・フック国家主席、ファム・ミン・チン首相を表敬訪問した。
 王氏は10日、ファム・ビン・ミン副首相と2国間の定期会合を開催。新型コロナウイルスの流行封じ込めに苦戦するベトナムに、ワクチンを追加供与する考えを伝えた。11日には、グエン・フー・チョン共産党書記長らを表敬し、関係強化を強調した。』

中国海警法に懸念 岸防衛相がベトナムで講演

中国海警法に懸念 岸防衛相がベトナムで講演
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091200279&g=pol

『 岸信夫防衛相は12日、訪問先のベトナム・ハノイで講演し、中国で2月に施行された海警法について、「曖昧な適用海域や武器使用権限など、国際法との整合性から問題がある規定を含む」と懸念を示した。東・南シナ海での中国による海洋進出の動きに言及しつつ、日越両国がともに法の支配を重視していることを強調した。』