科学誌、オミクロン派生型「深刻な脅威」 米既存薬効かず

科学誌、オミクロン派生型「深刻な脅威」 米既存薬効かず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160260W2A211C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】米国で新型コロナウイルスのオミクロン型派生型への警戒感が高まっている。米科学誌セルは15日までに、米国内で流行するオミクロン派生型「BQ.1」「XBB」は既存のワクチンや抗体薬では感染予防が難しく「深刻な脅威になる」と指摘する論文を発表した。

米コロンビア大学とミシガン大学の研究者が共同で発表した論文では「BQとXBBのオミクロン派生型は既存のコロナワクチンが効きづらく、深刻な脅威となる。承認されている抗体薬については効果がない」と警告した。同時に「免疫をすり抜ける性質を持つため、両派生型が感染者の大半を占めるようになった可能性がある」と指摘した。

米疾病対策センター(CDC)によると、これらの派生型は全体の新規感染者の7割以上を占めている。12月4~10日の新規感染のうち「BQ.1」が31.1%、「BQ.1.1」が36.8%、「XBB」が4.7%と推定した。

オミクロン派生型にも対応する新型ワクチンを接種した人をサンプルに、感染や重症化に対する効き目を調べた。抗体薬については英アストラゼネカ製「エバシェルド」や米イーライ・リリーの「ベブテロビマブ」を対象にしたが、どちらも「完全に効果がなかった」と指摘した。米食品医薬品局(FDA)は11月下旬に「BQ.1 とBQ.1.1への有効性が期待できない」としてベブテロビマブの緊急使用承認を取り下げている。

研究結果として「オミクロン派生型によって感染の突破や感染を繰り返す人が増える可能性がある」と強調した。一方でワクチンは「感染予防の効果が低いものの、オミクロン派生型に対しても入院や重症化は予防でき、後遺症のリスクを和らげる可能性がある」とも指摘した。』

ウイルス共存へ最低3年 レッドフィールドCDC前所長

ウイルス共存へ最低3年 レッドフィールドCDC前所長
コロナと世界 針路を聞く(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN23F090T21C21A2000000/

『感染が世界に広がり、3年目に突入した新型コロナウイルス。各界の第一人者や論客に意見を聞く。初回は米疾病対策センター(CDC)前所長のロバート・レッドフィールド氏。今後のワクチン接種や検査のあるべき姿、経済や教育を継続するための手法、事態収束への道筋などを示してもらった。さらなる感染症のリスクについても見解を求めた。

レッドフィールドCDC前所長

急速に広がるオミクロン型への対応で最も重要なのは依然としてワクチンの接種だ。ワクチンは時間の経過とともに効果が下がる。持続性の高い次世代ワクチンが開発されるまで、これから何度も打ち続けるのだろう。

いま開発を急ぐべきなのは信頼性の高い「免疫検査」だ。私と妻は同時に接種を受けたが、抗体の量を調べたら結果が大きく違った。追加接種を時期で判断するのは無意味だ。各個人が免疫の有無を年3~4回調べて、いつ次を打つか判断できるのが望ましい。

定期的な感染の検査が不可欠だ。無症状の陽性者をあぶりだし、感染の連鎖を止める必要がある。例えば学校で週2回の検査をして、陽性者は家に居てもらうといった具合だ。

安全で責任ある形で経済を回し、学校を開き続ける手段はある。飲食店であれば立食はなくし、席の間隔を空ける。唾が飛ぶような大声で話さずに済むよう音楽の音量を下げる。単純に店を閉めるのは間違いだ。

「集団免疫」は当初から新型コロナには通用しないと考えていた。感染したり、ワクチン接種を受けたりしても予防効果が長続きしないからだ。感染しにくい集団と感染しやすい集団が常に存在することになる。

このウイルスは人類が地球にいる限り、存在し続けるだろう。消えることはない。うまく共存する方法を学ぶことが大切だ。ワクチン、感染や免疫に関する知識、抗ウイルス薬など、我々は共存するなかで対抗策を見つけていくべきだ。

失望する必要はない。このウイルスは変化している。既にオミクロン型は発病の方法が大きく変わり、従来の肺ではなく気管上部で複製しているようだ。最終的に喉や鼻で複製するようになれば、普通の風邪と同じようになる可能性がある。

新型コロナと共存する手段をすべて手に入れるには3~5年かかるだろう。抗ウイルス薬の開発や検査能力が拡大すれば2022年はより平穏な年になる。ただ今後2~3年「新型コロナからどう自分を守るか」を考え続けることになる。

新型コロナは「大パンデミック(感染症の大流行)」ではない。いまできる最も重要なことは大パンデミックへの準備だ。より深刻な呼吸器系のパンデミックに直面する高いリスクがあり、それは鳥インフルエンザの可能性が高い。

幸い我々はメッセンジャーRNAの技術を獲得し、ワクチンを数年単位ではなく数週間で開発できるようになった。次のパンデミックに向けてワクチン、検査、抗ウイルス薬の生産能力を高めなければいけない。

(聞き手はワシントン=鳳山太成)

Robert Redfield 2018~21年にトランプ米政権でCDC所長。エイズウイルス(HIV)の臨床研究で知られる。米陸軍の医療部隊に20年間所属した。現在は公衆衛生当局に助言する会社AMの上級医療顧問

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多様な観点からニュースを考える

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

レッドフィールド氏の「いま開発を急ぐべきなのは信頼性の高い『免疫検査』だ」という主張は傾聴に値する。

ワクチン接種で形成された抗体の持続期間には個人差があり、年齢が同じでもブースター接種が必要かどうかは変わってくる。個人の実情を把握する手法の普及が必要という主張である。

国内で24日に新型コロナウイルス経口治療薬が初承認されたが、重症化や死亡のリスクを減らす効果は30%程度にとどまり、医療の専門家からの評価は「ないより良い」といったものである。

有効性が高い経口治療薬の開発・普及までにはまだ時間が必要であり、それまでの間はワクチン接種をグローバルに展開することによる「時間稼ぎ」が必要になる。

2021年12月27日 8:41

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察

先週のWSJの記事でも、新型コロナのパンデミックはいずれエンデミックに移行するだろう、ウイルスのリスクをゼロにすることはできないが、感染が続いても社会が混乱することがない状態に持っていくことは可能であり、そのような状態がどれだけ早くに訪れるかは、ウイルスと社会の綱引きだという専門家のコメントが紹介されていました。

https://www.wsj.com/articles/covid-19-marches-toward-endemic-status-in-u-s-as-omicron-spreads-11640255407?page=1

そのためにも、社会のウイルスに対するコントロール能力を高めることが不可欠です。日本に関しては、検査の拡充やワクチン開発・量産体制など、多くの課題がありそうです。
2021年12月27日 9:50 (2021年12月27日 9:51更新) 』

アビガン43 新型コロナの飲み薬 モルヌピラビル承認

アビガン43 新型コロナの飲み薬 モルヌピラビル承認
https://ameblo.jp/edamamemame/entry-12717690035.html

『コロナ経口薬、モルヌピラビル?

ファビピラビル(アビガン)の親戚?

オミクロン株によって新型コロナ軽症者の治療はどう変わった? 新型コロナ治療薬まとめ
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20211226-00274368

オミクロン株に軽症者向け経口抗ウイルス薬は有効 2021年12月24日、経口抗ウイルス薬であるモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)が特例承認されました。また、ファイザー社のニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パクスロビド)の効果も期待されており、国内でいずれ承認申請される見込みです。新型コロナウイルスのスパイクタンパクの変異とは関係がない作用機序であり、いずれの薬剤もオミクロン株に有効と考えられます。

コロナ飲み薬、英国で世界初承認 米メルク、日本も申請へ | 化学工業日報リンクwww.chemicaldaily.co.jp

飲めるコロナ治療薬 重症化を50%減少させたモルヌピラビルは新型コロナ診療をどう変えるのか(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュースメルク社は新型コロナウイルス感染症の治療薬モルヌピラビルの第3相試験の中間解析の結果を発表し入院または死亡を50%減少させたと発表しました。飲めるコロナ治療薬は新型コロナ診療はどう変わるのでしょうか。リンクnews.yahoo.co.jp

モルヌピラビルは、「エラーカタストロフ(error catastrophe)」というウイルスがRNAを複製する際にエラーを生じさせる作用によりウイルスの増殖を防ぎます。

モルヌピラビルは入院または死亡を約50%減らした

早ければ年内に日本でも緊急承認される可能性があります。

残念ながら抗インフルエンザ薬のタミフルのように「新型コロナと診断されたら誰でも彼でもすぐに処方してもらえる」ということにはすぐにはなりません。 今回の第3相試験の対象者は「発症5日以内の軽症または中等症患者」かつ「少なくとも1つ以上の重症化リスクを持つ」方になっています。 おそらくアメリカのFDAもこの条件で承認を出すと考えられますので、日本もそれにならうことが予想されます。 したがって、重症化リスクのない方は適応から外れてしまう可能性が高いと考えられます。

飲み薬であれば、医療者にとっても点滴準備などが不要となり、診断時に速やかに処方することができるようになります。 第5波では、ワクチン接種が進み致死率が大きく低下しましたが、このモルヌピラビルが承認されれば、新型コロナ診療はよりシンプルになり、大きな進展となることが期待されます。

新型コロナの軽症者向け経口薬 今後期待される薬剤は(倉原優) – 個人 – Yahoo!ニュース現在新型コロナの軽症者向けの経口薬がたくさん開発されています。この中から、近日中に実用化されるものはあるでしょうか?リンクnews.yahoo.co.jp

ファビピラビル…承認見送り…の文字が痛いなあ。

日本では被験者が足りなくて韓国と提携したらしいのですが…..法則が発動したりしませんかね。』

ここまで分かったオミクロン型 感染力は?ワクチンは?

ここまで分かったオミクロン型 感染力は?ワクチンは?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC16DVQ0W1A211C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の感染が南アフリカだけでなく、英国やデンマークなど各国で急速に広がっている。日本でも入国者や濃厚接触者での感染確認が増えてきている。オミクロン型の性質について、これまでの分析や実験で明らかになってきたことをまとめた。

感染力は?

オミクロン型の感染力は非常に強く、デルタ型を上回る可能性がある。世界保健機関(WHO)によると、70を超える国・地域でオミクロン型の感染者が報告されている。海外渡航に関係した感染例だけでなく、市中感染が広がる国も増えている。

京都大学の西浦博教授らが11月1日~12月7日のデンマークのデータを分析したところ、オミクロン型の実効再生産数はデルタ型の約4倍だった。実効再生産数は1人の感染者から平均何人にうつるかを計算した値で、感染拡大スピードを表す。オミクロン型は累計感染者数が約1.4日で倍増するという猛烈なスピードで拡大している。

英保健安全局が10日に公表した初期報告によると、感染者から家庭内の接触者にうつる二次感染リスクはデルタ型の10.7%に対し、オミクロン型では21.6%と約2倍だった。家庭内の二次感染リスクは追跡しやすいため、ウイルスの感染力を調べる重要な指標とされている。ただ、今回の初期分析では感染者や接触者のワクチン接種歴や感染歴などを考慮していないため、免疫の影響は分からない。

ウイルスの真の感染力は、免疫を持たない集団で1人の感染者から平均何人にうつるかを示す「基本再生産数」で比べる。しかし、感染やワクチンによって免疫を持つ人が増えている現在の状況では基本再生産数の分析は難しい。デルタ型の基本再生産数は約5で、従来型の新型コロナウイルスの約2倍と推定されているが、オミクロン型の基本再生産数は今のところ不明だ。

重症度は?

オミクロン型に感染した場合の重症度については、まだ観察期間が短い初期データの段階で、はっきりしたことは分からない。感染から数週間たって重症化する場合もあることから、より長期のデータが集まるのを待つ必要がある。ただ、これまでに重症者の急増は確認されておらず、重症化リスクが高いというわけではなさそうだ。

欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると16日時点で、欧州では重症度のデータがある症例はすべて無症状か軽症で、死亡例は報告されていない。英国では14日までに1人が死亡している。

南ア最大の民間保険会社ディスカバリー・ヘルスが14日に公表した分析では、オミクロン型の流行が始まった時期の成人の入院リスクは、従来型の流行と比べて29%低いという。ただ、南アでは大半の人が感染によって免疫を獲得しており、免疫が重症化を抑えている可能性がある。

オミクロン型の重症化リスクが仮に高くないとしても、感染拡大スピードが著しく速いことから、医療や検査などの逼迫が懸念される。WHOのテドロス事務局長は14日の記者会見で「重症になることもありうる。症状が軽いと決めつける人がいることを懸念している」と危機感をあらわにした。

テドロス事務局長=ロイター

香港大学の研究チームは、人から採取した組織を使ってウイルスを培養する実験で、オミクロン型は気管支ではデルタ型や従来型の70倍以上に増殖するが、肺では増えにくいとする研究結果を公表した。オミクロン型の重症化リスクが本当に低いとすれば、肺で増殖しにくいことが関係している可能性もあるが、あくまで試験管レベルの培養実験にとどまる。東邦大学の舘田一博教授は「実際に人の肺の中で起こっているのかは分からない。今後の検証が必要だ」と指摘する。

再感染しやすい?

オミクロン型は免疫をすり抜けて感染する「免疫逃避」の性質が強い。過去に新型コロナに感染した人の免疫が突破されて再感染するリスクは高くなっているようだ。

英保健安全局が11月20日~12月5日のデータを調べた初期分析によると、オミクロン型の感染者361人のうち25人が新型コロナへの再感染、デルタ型では約8万5千人のうち336人が再感染だった。年齢や地域などの要因を統計処理すると、オミクロン型の再感染リスクはデルタ型の5.2倍(3.4~7.6倍)となった。

南アのステレンボッシュ大学と国立感染症研究所なども、オミクロン型による再感染はデルタ型や南アで見つかったベータ型よりも起こりやすいとの分析を出している。英オックスフォード大学のジェームス・ネイスミス教授は「過去に感染したことがあるだけでは、オミクロン型の感染に対する免疫力はほとんどない」と話す。

ワクチンの2回接種の効果は?

オミクロン型の免疫逃避によって、ワクチンの効果が下がっているとの分析が増えている。特に感染予防や発症予防の効果は大幅に低下している可能性が高い。一方、重症化や死亡を防ぐ効果はある程度高いまま維持されているとの見方が強い。

英保健安全局などの初期分析によると、米ファイザー製ワクチンの発症予防効果は2回目接種から2~9週間後の人では88%(65.9~95.8)だが、10~14週間後では48.5%(24.3~65)、15週間以上たった人では30%台まで下がっている。英アストラゼネカ製ワクチンではさらに低下が顕著で、2回目接種から15週間以上たった人では発症を防ぐ効果がみられなかった。

英国ではワクチン接種が進む=ロイター

南アの民間保険会社ディスカバリー・ヘルスはファイザー製ワクチンの2回接種について、オミクロン型の流行が始まった時期の感染予防効果は33%で、デルタ型の流行期の80%より低いとの分析を公表している。一方、入院予防効果は70%で、デルタ型流行期の93%と比べれば下がっているものの「非常に優れた防御」だとしている。

ワクチン接種を完了した人の「ブレークスルー感染」は各国で確認されている。米疾病対策センター(CDC)は10日、オミクロン型の感染者43人の症例を分析した報告を公表。43人のうち8割はブレークスルー感染で、そのうち14人は追加接種も受けていた。ノルウェーでは、クリスマスパーティーの参加者で100人近い規模のブレークスルー感染のクラスター(感染者集団)が発生している。

長崎大学の森内浩幸教授によると「ワクチンはもともと(新型コロナの流行が初めて確認された)中国・武漢のウイルスに合わせて作ってある。変異を繰り返すと、ワクチンによって作られる抗体のうちウイルスに結合できないものが増えてしまう」という。一方で「抗体とは別の免疫の仕組みである細胞性免疫はウイルスの変異に耐えやすく、重症化を防ぐ効果は保たれやすい」と指摘する。

追加接種の効果は?

オミクロン型に対しても、ワクチンの追加接種(ブースター接種)によって発症予防効果の回復が期待できるようだ。英保健安全局などの初期分析によると、ファイザー製かアストラゼネカ製の2回接種の後にファイザー製の追加接種を受けた人では、70~75%程度の発症予防効果があった。

ワクチン接種を受けた人の血液を使った試験管レベルの実験でも、感染防御で働く「中和抗体」の効果が追加接種によって高まることが確認されている。米モデルナ製についても、米マサチューセッツ工科大学などのグループ、米国立アレルギー感染症研究所などのグループがそれぞれ査読前の研究結果を発表している。従来型ウイルスに比べると中和抗体の効果は低いものの、2回接種後と比べて大幅に改善した。

一般に、追加接種では中和抗体を含む抗体の量が増えるだけでなく、ウイルスに感染した細胞を排除する免疫細胞の働きなども強化される。感染や発症だけでなく、重症化を防ぐ効果も高くなると考えられている。

バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は追加接種が依然有効だと指摘し、オミクロン型に特化したワクチンは「現時点で必要ない」との見方を示している。東京農工大学の水谷哲也教授は「特化したワクチンが必要かどうかは、オミクロン型の病原性の高さによって変わる。高くなければ既存ワクチンの追加接種を続けたほうがよい。だが高いと分かれば、特化したワクチンを接種したほうがよいだろう」と話す。

治療薬の効果は?

まだ実験データは限られているが、薬の種類によってオミクロン型の影響はかなりの違いが出てきそうだ。飲み薬では一定の効果があると期待できる一方、一部の抗体薬では効果の低下が懸念される。

ファイザーが開発中の「パクスロビド」は2種類の飲み薬を合わせて服用する。同社の初期段階の実験では、このうち1剤がオミクロン型ウイルスの「プロテアーゼ」と呼ぶ酵素の働きを抑え、ウイルスの複製を阻止する効果を確認したという。

ファイザーが開発中の「パクスロビド」=ロイター

英グラクソ・スミスクライン(GSK)は抗体医薬「ゼビュディ(ソトロビマブ)」について、オミクロン型の疑似ウイルスで効果を確認した。

だが、2種類の抗体を使う米リジェネロン・ファーマシューティカルズの抗体カクテル療法「ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)」は、試験管レベルの実験でウイルスを無力化(中和)する活性がないとの研究が複数出ている。感染者に実際に投与した場合の効果はまだ分からないが、効きにくくなっている可能性がある。

抗体薬で影響に違いが出ているのは、抗体が標的とするウイルスたんぱく質の部位が異なるからだと考えられる。ウイルスの変異によって標的部位のたんぱく質の構造が変化し抗体が結合しにくくなれば、薬としての効果が下がる恐れがある。(越川智瑛、落合修平、尾崎達也)』

〔日本の「医療提供体制」は、「民間病院」が主流となっている〕

 ※ 今日も雑用に見舞われたんで、こんなところで…。

 ※ このコロナ対策の問題については、語っておきたいことがある…。

 ※ それは、日本の「医療提供体制」は、「民間病院」が主流となっている…、ということだ。

 ※ 民間病院に対しては、公的機関・公的権力と言えども、「公権力」を直接に行使することは、限定される…。

 ※ まず、一国において、「医者になる能力・資格がある人材」の数は限られている…。

 ※ そういう「人材」を前提に、その周辺に看護師・看護助手を配置し、医療事務関係職員も配置し、医療機器を備えた「病院」「診療所」を建築し、その「総体」がいわゆる「医療提供体制」となっているわけだ…。

 ※ 当然、そういうものの維持・運営には、「お金」がかかる…。

 ※ それを捻出するための一つの仕組みが、「健康保険」とかであるわけだ…。

 ※ 患者視点から見れば、「病気に罹った」ときは、「医者に診てもらいたい。」ということしか考えない…。

 ※ その先の、「病院」とか「医者」「その他の医療従事者」それら全体を包摂する、「一国の医療提供体制全体のシステム」とかということは、まず考えない…。

 ※ オレだって、このコロナ騒ぎになる前は、全く考えなかった…。

 ※ コロナ騒ぎになって、そういう関係の情報が数多く流通するようになったんで、断片的なものを繋ぎ合わせて、「こういうことなんだな…。」と一応把握したという程度のものだ…。

公立病院改革は、病院の経営効率性を高めたか

大阪大学 山内直人研究会 医療分科会
市後彩夏 櫻川京
鳰泰明 大林雅希
水津佐英子
2016 年 11 月

http://www.isfj.net/articles/2016/%E3%80%90%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%80%91%E3%80%90%E5%B1%B1%E5%86%85%E7%9B%B4%E4%BA%BA%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A%E3%80%91%E3%80%90%E6%AB%BB%E5%B7%9D%E4%BA%AC%E3%80%91%EF%BC%88%E5%85%AC%E7%AB%8B%E7%97%85%E9%99%A2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AF%E7%97%85%E9%99%A2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%8A%B9%E7%8E%87%E6%80%A7%E3%82%92%E9%AB%98%E3%82%81%E3%81%9F%E3%81%8B%EF%BC%89.pdf 

 ※ そういうわけで、「公立病院」は、「非効率」「不採算」の極みで、どんどん「統合・廃止」、「民間でできることは、民間で!」という「制度改革」の流れがあったわけだ…。

 ※ そういう「医療提供体制」も、「平時」には、上手く回ってた…。「国民皆保険」に近い仕組みも、機能した…。みなさん、真面目に「保険料」を納付する「国民性」だからな…。

 ※ しかし、このたびの「コロナ事態」みたいな「非常時」には、上手く機能できないんだよ…。

 ※ 民間の「病院」「診療所」は、「自分たちの”食いぶち”」を確保しながら、「コロナへの対応」を迫られた…。

 ※ 「ウイルスによる感染症」が相手だから、通常の「医療の対応」とは、勝手が違う…。

 ※ まず、「一般患者の診療」と、「動線」自体を分離しなくちゃならない…。

 ※ 医者の先生、直接患者と接触する看護師、看護助手のみなさん自身を「防護」するための「防護服」「医療用マスク」「使い捨ての手袋」なんかも、潤沢に準備しなくちゃならない…。

 ※ 「ウイルス対策の知識」を学ぶ「研修」も、必要だ…。

 ※ そういう「非常時の対応」が、ワーっと押し寄せて来たわけだ…。

 ※ だから、「初期段階」では上手く対応できず、「○○病院で、クラスター発生!」となって、世間を驚かせることになったわけだ…。

 ※ 結局、「治にいて、乱を忘れず。」ということだ…。

 ※ 一旦確立したシステムに安住すること無く、常に「先のこと」を考え、「最悪の事態を想定して」システムの不断の改良に取り組んでいく…。

 ※ 非常時にも、ある程度対応できる「伸びたり、縮んだりするシステム」を構築する…。

 ※ まあ、「言うは易く、行うは難し。」だ…。

日本にコロナ飲み薬160万回分供給 米メルクと政府合意

日本にコロナ飲み薬160万回分供給 米メルクと政府合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC109YC0Q1A111C2000000/

『米製薬大手メルクは10日、開発中の新型コロナウイルス治療薬「モルヌピラビル」の供給について、日本政府と合意したと発表した。160万回分を約12億㌦(約1300億円)で供給する。近く承認申請する見通しで、認められれば軽症・中等症の患者向け飲み薬としては日本で初めてとなる。自宅で治療しやすくなり、医療逼迫の抑制が見込まれる。

岸田文雄首相は同日の記者会見で、飲み薬について承認されることを前提に「速やかに60万回分を医療現場に提供する」と述べ、さらに100万回分を確保する姿勢も示していた。政府は実用化した際にすぐに確保できるよう、承認審査に先行して供給を取り付けた。

後藤茂之厚生労働相も同日、記者団に対し、承認された場合は年内にまず20万回分が納入されるとの見通しを明らかにした。続いて来年2月と3月に20万回分ずつ納入され、「さらに追加の100万回分も確保している」と述べた。

モルヌピラビルはメルクと米リッジバック・バイオセラピューティクスが共同開発した抗ウイルス薬。臨床試験(治験)の中間解析データでは、重症化リスクのある患者の入院・死亡リスクを約50%下げる効果があった。

英国では4日に世界で初めて使用が認められた。米国でも緊急使用許可を申請中だが、米政府は既に310万回分を約22億ドルで契約した。英政府とは48万回分、オーストラリア政府とも30万回分の供給で合意している。

メルクは2021年中に1000万回分の薬を生産する予定。各国の需要に対応するため、22年末までに生産体制を年間2000万回分以上に拡大する計画だ。

日本政府はコロナ治療薬の供給について、中外製薬と「抗体カクテル療法」として知られる点滴薬「ロナプリーブ」の供給契約を結んでいる。軽・中等症向けの治療薬を一定数確保したことで、感染の再拡大期に重症患者の数を抑制し、「第5波」で起きた医療逼迫を防ぐことを目指す。』

重症化リスク89%減 開発中のコロナ飲み薬

重症化リスク89%減 開発中のコロナ飲み薬―米ファイザー
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110501199&g=int

『【ニューヨーク時事】米製薬大手ファイザーは5日、開発中の新型コロナウイルス経口治療薬「パクスロビド」の中・後期臨床試験(治験)で、入院や死亡のリスクを89%低減させる効果が得られたとする中間結果を公表した。米メルクの飲み薬よりも強力とみられ、実用化すればコロナ対策で重要な役割を果たす可能性がある。今月中にも米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する方針だ。

英、コロナ飲み薬承認 世界初、米メルク製―対策切り札、日米欧も期待(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110401159&g=int )

 ファイザーによると、重症化リスクがある成人のコロナ患者に対し、発症後3日以内に投与した治験で、投与されていないグループと比べ、入院や死亡のリスクが89%減った。死亡者は出なかったという。』

コロナ飲み薬、米メルクから年内にも調達

コロナ飲み薬、米メルクから年内にも調達 厚労省協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA033GS0T01C21A0000000/

『米製薬大手メルクが新型コロナウイルスの軽症者向けに開発中の飲み薬について、厚生労働省が年内にも特例承認してすみやかに使えるよう調達協議を進めていることが3日わかった。飲み薬は既存の点滴薬と比べて自宅などで使いやすく、コロナ収束の切り札になると期待されている。

メルク製の経口薬「モルヌピラビル」は、臨床試験(治験)で重症化リスクのある軽度から中等症の患者の入院や死亡のリスクを約50%減らすことが確認されている。近く米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する見通し。厚労省は米国などで使用許可が下り、国内で承認申請されれば審査を簡略化する特例承認を検討する。

菅義偉首相は9月28日の記者会見で飲み薬について「早ければ年内を目指して開発が進められており、承認次第、投与できるよう交渉を進めている」と述べていた。

【関連記事】

・米メルクのコロナ飲み薬、入院・死亡リスク「5割減」
・飲み薬のスピード開発、コロナ収束のカギ 世界が注視
・コロナ飲み薬、年内にも実用化 軽症者治療の切り札に 』

コロナ飲み薬、年内にも実用化

コロナ飲み薬、年内にも実用化 軽症者治療の切り札に
メルクやファイザー、治験最終段階
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1744F0X10C21A9000000/

※ いよいよ、コロナ治療薬も「実用化」が、視野に入ったようだ…。

※ ワクチンの接種率も、6割くらいにはなったようだしな…。

※ この両者で、冬場の「寒さ」と「乾燥」による第6派を、乗り切れば、世の中もだいぶ落ち着きを取り戻すだろう…。

※ なんとか、「ピーク」は超えつつあるような感じだな…。

『新型コロナウイルスを治療する飲み薬が年内にも登場する見通しだ。米メルクや米ファイザーが軽症者に使える薬剤の最終段階の臨床試験(治験)を、日本を含む各国で進めている。点滴タイプの既存の治療薬と比べて投与しやすいうえ、量産が簡単なためコストも抑えられる。パンデミック(世界的な大流行)の収束につながると期待されている。

米メルクは米新興リッジバック・バイオセラピューティクスと共同で、抗ウイルス薬「モルヌピラビル」を開発中だ。全世界で治験をしており10月にも治験データを公表するとみられる。2021年中に米国で緊急使用許可を申請する見通しを明らかにした。その1~2カ月後に日本でも特例承認を申請する可能性がある。

もとはインフルエンザの治療用だったが、コロナにも効果が見込まれる。米保健福祉省(HHS)はメルクと170万回分を12億ドル(約1300億円)で購入する契約を結んだ。メルクは21年末までに1000万回分を生産するための量産準備を進めている。

米ファイザーも同様の抗ウイルス薬を手掛ける。02~03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)向けに開発していたものを改良し、静脈注射タイプと経口タイプの2種類を開発中だ。入院していない軽症から中等症の患者を対象とする。21年10月~12月中に初期データを公表する見通しを明らかにしており、早期の実用化が見込まれている。

米国の緊急使用許可はバイオテロなどの非常時に未承認薬などの使用を一時的に許可する制度で、本来は半年から1年かかる審査期間も3週間程度に短縮する。いわば仮免許制度で本承認とは異なるため、安全性や有効性が不十分な場合は許可を取り消すことができる。
日本にも特例承認制度があり、米国や英国など日本と同水準の医薬品審査基準がある海外で使用される医薬品について、非常時の場合は特例として正式に承認し、輸入することができる。通常、半年から1年近くかかる審査期間を2カ月程度に短縮できる。

仮にメルク、ファイザーの治療薬候補への緊急使用許可が年内に米国で出れば、日本でも早ければ21年中、遅くても22年はじめには医療現場で使えるようになる可能性がある。

治療薬では重症化リスクが高い軽症患者に使用できる抗体カクテル療法などもあるが、点滴投与が必要で、問診や経過観察も含めて1回の治療に3~4時間近くかかることもある。コストも高く2種類の抗体を組み合わせる「ロナプリーブ」は米国では1回あたり2100ドル。一定の医療水準と財政的な余裕がある国や地域でしか使いにくい欠点がある。

インフルエンザ治療に使われるタミフルのような飲み薬タイプの抗ウイルス薬が登場すれば、こうした課題を解決できる可能性がある。処方や服用も簡単で在宅療養中の軽症患者の治療に使えるからだ。ウイルスの増殖を防ぐ仕組みのため、変異したウイルスにも効果が期待できる。化学合成で製造できるため既存の医薬品工場を転用でき、増産が簡単なため生産コストは抗体薬の10分の1以下に抑えられる。

錠剤タイプの開発は、塩野義製薬も7月に第1段階の治験を始めた。年内にも大規模な治験を始める予定で、22年中の実用化を目指すもようだ。スイスのロシュが全世界で開発中の抗ウイルス薬は中外製薬が日本での開発と販売権を取得し、22年に全世界で実用化する考えだ。

新型コロナによる感染者は全世界で2億人を超え、死者も470万人以上にのぼる。欧米を中心とした先進国ではワクチン接種が進み、英国では7割、米国や欧州でも6割を超える人が少なくとも1回を接種している。日本でも6割の人が1回を接種済みで、2回接種した人も5割を超える。

ただ、デルタ型など変異ウイルスの登場で、ワクチン接種後も感染する事例が相次ぐ。投与から時間がたつと効果が弱まるとの報告もあり、ワクチンだけでコロナを封じ込めるには限界もある。感染予防と重症化を抑えるワクチン、そして感染した場合、速やかに治療できる経口の抗ウイルス薬。パンデミック(世界的な大流行)に打ち勝つためにはワクチンと経口薬の両輪の戦略が求められている。

【関連記事】
・コロナ飲み薬、ファイザーが日本でも治験へ
・塩野義、軽症コロナ飲み薬1000万人分生産 在宅療養対応
・鼻に噴霧・経口・安価…コロナ次世代ワクチン治験入り
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花村遼
アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー

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今後の展望 年内にも米国で緊急使用許可(EUA)が期待される経口薬は、有効性が出ればゲームチェンジャーになるかもしれません。

先行しているメルクが中心に開発しているモルヌピラビルは細胞内でのウイルスの複製を阻害する作用機序で、試験管レベルではアビガンよりも数十倍から数百倍活性が高いと報告されています。

治験の中間解析では、一定の効果が出ているという話もあり、メルク社のCEOは年内のEUAの可能性を示唆しています。

ただし、発症前や軽症患者は何もせずとも重症化する割合は非常に低いため、明確なエビデンス取得は非常に難しい。

同じ機序のレムデシビルも議論を呼んでいるように、この薬剤も際どい結果が出る可能性もありそうです

2021年9月24日 7:51いいね
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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授

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分析・考察 飲み薬タイプの治療薬は、コロナと共生していく上で、画期的なものとなりそうです。

適切に投与すれば、重症化を防ぎ、人命を救えるのみならず、医療への負担を軽減することにも繋がるからです。

ワクチンと治療薬を併用することで、インフルエンザのように、ウイルスとうまく共生していけるかもしれません。

他方、今後、事が円滑に進むかどうかは、治療薬の価格や供給量にもよるでしょう。また、比較的症状が重くない患者さんを診断し、飲み薬を処方する上で、小規模クリニックの役割も増すことになりそうです。

こうした変化にも適切にかつ柔軟に対応することが、治療薬を最大限活用する上では、併せて求められそうです。

2021年9月24日 7:49いいね
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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター

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ひとこと解説 日本企業はやはり欧米企業に出遅れています。国産ワクチンの開発が出遅れたことを受けて「日本のもの作りのプライドが傷ついた」という声を聞きました。「ペスト菌を発見した北里柴三郎以来の伝統もあるのに」と。

感染症では「開発したときには収束している」事態がありえるので、経営者は巨額の研究開発投資が水の泡になるのを恐れます。そこは政府の出番。例えば開発や成果に対価を出すなど、企業がリスクを取れる仕組みを整える必要があります。企業が社会的役割を果たすための後押しでもあります。

2021年9月24日 7:42 (2021年9月24日 8:19更新)
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増える在宅患者、届かぬ医療機器

増える在宅患者、届かぬ医療機器 体制作りが急務
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC232WB0T20C21A8000000/

『新型コロナウイルス患者が自宅療養するための医療機器活用が十分に進んでいない。自宅療養者(療養先調整中含む)が過去1カ月で9倍に急増し、配布・生産が追いつかない状況だ。呼吸困難に対応するための酸素濃縮器は医師の立ち会いが必要とされるなど制約がある。効率利用できる体制づくりやメーカーの増産が急務だ。

【関連記事】
・厚労省と東京都、医療機関にコロナ患者受け入れ要請
・都、酸素ステーション開設 24時間態勢で重症化阻止

コロナ患者が在宅で利用する医療機器には、空気中に21%ある酸素を25~30%に高めて投与するための酸素濃縮器や、指に装着して血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」がある。現在の課題は数量の確保と、効率的な活用に向けた体制づくりだ。

厚生労働省によると「自宅療養者等」と「療養先調整中」の合計人数(8月18日時点)は全国では12.7万人で、7月21日時点の1.4万人から急増した。都内でも0.6万人から3.4万人に増え、増加傾向が続く。

数万単位で増えた自宅療養者数に対し、都が確保した酸素濃縮器は約500台。ほぼすべてが稼働中で、都は販売会社5社に追加を要請中だ。23日には救急搬送を要請した患者が短期滞在する「酸素ステーション」の運用を始めたが、当初の規模は130床。都とは別に区などが独自に用意している酸素濃縮器もあるとはいえ、心もとない。

厚労省も「近い時期に感染者数が減少に転じなければ不足する恐れがある」と指摘する。8月13日には経済産業省と連名でメーカーに安定供給と増産を求める通知を出した。厚労省の担当者は「合計で月1千台以上の増産が必要」とみる。

パルスオキシメーターも不足する懸念が強まっている。返却は自宅療養者任せで、利用可能な台数が目減りしている可能性がある。約7万5千台を確保している都も返却数は「把握していない」(担当者)という。

大阪府も府管轄の保健所などで約1万7千台確保しているが、8月中に3千~4千台を追加するためメーカー側と調整中だ。神奈川県は8月21日から1人1台としていた方針を1家族1台に転換している。

メーカー側も増産を急ぐ。酸素濃縮器は従来、全国に20万人弱いる慢性呼吸不全患者が主な利用者で、出荷台数は月に2千~5千台程度だった。4月ごろには業界全体で在庫を1千~2千台積み増したが注文が急増。国内最大手で50%前後のシェアを持つ帝人は「需要すべてに応えるのは難しい」と説明する。

パルスオキシメーターは、国内大手のコニカミノルタが6月以降は月産でコロナ禍前の約20倍を生産。オムロンは計画値の約2倍の注文があり、売り切れ状態。9月に生産委託先からの供給を増やす見通しだ。

酸素濃縮器もパルスオキシメーターも、壁は半導体不足だ。フクダ電子は酸素濃縮器や生体情報モニターなど幅広い製品の生産に影響が出ているという。あるパルスオキシメーターメーカーは「マイコンを中心に10種類以上の半導体が不足している」と明かす。

酸素濃縮器が増えるだけでは効率利用に結びつかない。使用の判断は保健所や医師が担うが、インド型(デルタ型)の変異ウイルスの感染急拡大で入院調整そのものが停滞しているのが現状だ。

酸素濃縮器の装着・回収にあたっては、そのつど診察が必要なため、利用台数が増えるほど医師の確保が課題になる。反対に「医師なし」で利用可能にするには、適切な酸素吸入量の設定など安全を保証する仕組みづくりが不可欠だ。

都内の保健所では毎日1回以上、自宅療養者と電話などでやりとりし、血液中の酸素飽和度や体温を聞き取る。酸素飽和度が93%以下になると、酸素投与が必要な「中等症2」にあたり、入院が必要となるが、受け入れ先の病院が見つからないケースが増えている。

「酸素投与は医療行為にあたるため、酸素濃縮器も医師しか使えない。まずは医師会などに連絡して、自宅に行ってもらうところから調整しなければならない」と保健所担当者は話す。ただ都が確保している機器の大半は貸し出され、濃縮器そのものが足りていない。医師が自分の病院から持ち出す例もあるという。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』

抗体カクテル、活用急ぐ

抗体カクテル、活用急ぐ 東京など療養施設で投与開始
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE165PQ0W1A810C2000000/

『新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めない中、軽症・中等症向けの治療薬「抗体カクテル療法」の活用が始まった。医療現場では重症化を防ぐ効果が期待される一方、発症初期でなければ効果を発揮しないため、迅速に投与できる仕組みが欠かせない。軽症者が滞在する宿泊療養施設で活用しているのはまだ東京都などに限られ、医療機関などと連携した体制作りが急がれる。

【関連記事】
・オンライン初診、活用ほぼゼロ 医療逼迫も医師動かず
・抗体カクテル療法やECMO 知っておきたいコロナ治療

抗体カクテルは中外製薬が製造販売元で、2つの中和抗体を組み合わせた点滴薬。軽症や中等症の患者に発症後、原則7日以内に投与すれば重症化を防止する効果があるとされる。厚生労働省が7月に特例承認した。

広く活用できれば入院が必要な症状にまで至る人を減らし、病床逼迫を防ぐ効果も見込める。

実際に投与を始めた医療現場では、一定の効果を指摘する声が上がる。

十三市民病院(大阪市)では11日までに20代から80代の軽症・中等症患者24人に投与し、うち20人で症状が回復した。西口幸雄病院長は「重症化のリスクが大きく下がっている。解熱や倦怠(けんたい)感からの回復具合も早い傾向にある」と指摘する。

臨床試験(治験)では、入院や死亡のリスクが7割減少したというデータがある。

東京都では都立・公社病院に抗体カクテル療法の専用病床20床程度を確保する。今後、コロナ患者を受け入れる約170の「入院重点医療機関」のうち、120程度の病院でも使えるよう薬剤の確保を進めている。

ただ、重要なのは抗体カクテルをできるだけ発症後、早期に投与することであり、医療機関だけでなく宿泊療養中の感染者にも届くかが今後のカギになる。

実際に一部で取り組みが始まっている。

厚生労働省は13日、入院患者への投与に限るとしていた地方自治体向けの通知を改正し、宿泊療養施設などでの活用を可能とした。

都は13日、医師を常駐させる形で宿泊療養施設1カ所で抗体カクテルの投与を開始した。都の小池百合子知事は「新たな武器となる治療法として重症化を防ぐ効果が期待できる」と強調する。福岡県も16日にスタートし、大阪府も8月下旬には始める。

だが、こうした例はまだ限られている。宿泊療養施設での投与を進めるには、医師の常駐が欠かせないためだ。

抗体カクテルは投与24時間以内に重いアレルギー反応、アナフィラキシーが報告されている。厚労省は十分な経過観察ができる体制を確保するよう求めている。重症患者の対応のため医療機関は逼迫し、難しいとの声もあがる。

千葉県は宿泊療養での活用を検討する一方、医療機関の負担を考慮。宿泊療養者自身が医療機関に行って点滴することも視野に入れる。担当者は「現場の負担が最も軽く、現実的な方向で実施したい」と話す。

厚労省の集計によると、11日時点の自宅療養者は全国で約7万4千人。宿泊療養者は約5分の1の約1万5千人。感染者急増に伴い、希望しても宿泊療養に入れないケースも各地で起きている。

抗体カクテルの活用は重症化を防ぎ病床逼迫の改善につながる可能性がある。病院や宿泊療養施設など幅広い施設での投与に向け、医師の柔軟配置など自治体や医療機関の連携が不可欠となる。

新型コロナ患者の治療にあたる横須賀共済病院の長堀薫院長は「抗体カクテル療法はとにかく早く投与することが重要で、地域の医療人材の活用が不可欠だ」と指摘する。

十分な供給量の確保も欠かせない。薬剤は中外製薬の親会社スイス・ロシュなどが海外で製造し、年間あたり少なくとも200万回分の製造体制を見込んでいる。中外製薬は日本政府と2021年分の供給契約を結び、国の調達予定量は20万回分ほどとみられる。

【関連記事】
・宿泊療養施設で抗体カクテル、8月中にも 大阪府方針
・抗体カクテル療法、ホテルも拠点 首相「全国で整備」
・福岡県、宿泊療養でも「抗体カクテル療法」 』

〔「自宅療養」になると、こういう支援物資が届くらしい…。〕

自宅療養者にはカップ焼きそばとか舐めてるのですかね?小池百合子さん?
http://blog.livedoor.jp/abechan_matome/archives/58334536.html

※ 「肺炎一歩手前」ではなく、こうなったら「肺胞」相当やられて、酸素を取り込めない状態になっていると思われる…。

※ まあ、「酸素吸入」「人工呼吸器」一歩手前か…。

※ 未だに、「誤解している」向きが多いようだな…。

※ 再度言う…。

※ インフルエンザにおける「タミフル」「リレンザ」みたいな、近所のかかりつけ医が処方してくれるような、お手軽な「治療薬」も、「治療方法」も、無い…。

※ だから、世界中の「名医」をかき集めても、世界最高峰の病院に「入院」しても、「基本は、一緒」だ…。

※ ひたすら、自分の免疫力がウイルスに打ち勝つのを待つしか無い…。

※ それまでは、ミネラルウォーター飲んだり、ウーロン茶飲んだり、カップ焼きそば食ったり、缶詰め食ったり、海藻サラダ食ったり、コンソメスープ飲んだりして、凌ぐしかないんだ…。

※ 自分の免疫力>コロナウイルスだったら、生還できる…。

※ 自分の免疫力<コロナウイルスだったら、あの世行きだ…。

首相、コロナ入院制限の撤回拒否

首相、コロナ入院制限の撤回拒否
与党要求に「必要な措置」
https://nordot.app/795595768226775040?c=39546741839462401

『菅義偉首相は4日夕、新型コロナウイルス患者の入院制限方針に関し、撤回を求める与党の要求に対し「撤回しない」と拒否した。首相官邸で記者団に「必要な医療を受けられるための措置だ。説明し理解してもらう」と述べた。これに先立ち自民党は同日、新型コロナ感染症対策本部などの合同会議を開き、入院制限方針の撤回を求めた。公明党幹部は衆院厚生労働委員会で、再検討を要求した。

 政府が2日に決定した方針に対し、与党がそろって見直しを迫る異例の事態。首相は入院制限方針の対象について「東京や首都圏など爆発的感染拡大の地域であって、全国一律ではない」とも説明した。 』

「ホテル療養」という名の「虐待」

「ホテル療養」という名の「虐待」 | にゃんころりんのらくがき
https://ameblo.jp/ba7-777/entry-12690230498.html

 ※ 有効な「治療薬」が無く、有効な「治療法」も、無いんだから、「療養」であるハズも無い…。

 ※ 体よく、「隔離」されてるだけの話しだ…。

 ※ 中国の、「プレハブ病棟」で、「監視人」が、「いいか、此処は”病院”では無い!もう一度言う。此処は”病院”では無い!」と説明している動画を、ネットで見なかったのか…。

 ※ 認識不足だな…。あんたが、知らないだけの話しだ…。

 ※ 罹ったら、ひたすら「咳止め」と、「解熱剤」飲んで、自分の「免疫力」が「ウイルスに打ち勝つ」のを、待つしか無い…。

 ※ 自分の免疫力>ウイルスならば、生還できる…。

 ※ 自分の免疫力<ウイルスならば、あの世行きだ…。

 ※ 有効な治療薬・治療方法が無いとは、そういうことだ…。

 ※ そうでなければ、全世界で死者数が423.4万人も出たりすることは無い…。

『コロナに感染し自宅療養→ホテル療養→入院となった人の記録「日に日に呼吸しにくくなる恐怖感やばいです」
快復されますように…

(抜粋)

VER @vercut
あかん。 ロキソニン2時間前に飲んだのに下がらないの辛すぎ _:(´ཀ`」 ∠): pic.twitter.com/SrNEAQZgXV

2021-07-25 16:03:22

コロナ発熱8日目 連日の39度台で意識朦朧 今、ロキソニン飲んで汗かいて熱下がった意識復活して38.8度 確実に肺炎発症してるのがわかるレベルで呼吸がきついが入院出来ない 会話がむりなレベル 電話で話せてるので大丈夫と看護師に言われる。 やばい人は話せないらしい。 肺炎自力で治せるのか?

2021-08-01 12:45:56

酸素濃度は92-96行ったり来たり。 ホテルはアセトアミノフェンしか処方してくれない。 飲んでも39.5度→39度くらいしか変わらず。 途中ロキソニンが切れて差し入れもらう間、1日耐えた時が1番地獄の苦しみでした 肺の状況が日に日に悪くなってるのが恐怖でしかないがまだ軽症扱い

2021-08-01 12:51:50

💢ちなみにホテル療養中なんですが療養とは名ばかりでただの監禁されてるだけです

薬もアセトアミノフェンとコンタックくれただけで抗生剤やその他何もありません。 ロキソニンも自力で調達しないと手に入りません。 オキシメーターは自宅に持ってないからこれの数値がわかるだけしかメリット無し

2021-08-01 14:16:05

あと、看護師と電話で話をするくらいで医者も観てくれません。 早くここから出たい。
2021-08-01 14:16:5

監禁ホテルはアイスノンや冷やすアイテム何もくれないので経口補水液(これは事務局がくれる)のパックのやつを凍らせてタオルで巻いて冷やしてる。 あとWi-Fi遅いのなんとかならないのか

2021-08-01 14:32:40

しんどすぎて目が覚める 再度39度台復帰。 解熱剤また飲む。 記録用

2021-08-02 01:37:33

おはようございます コロナ発熱10日目 ホテル療養6日目 熱38.8度 酸素93 今日は咳が酷い とても息苦しい 肺にダメージゴリゴリきてて 咳のたびに命削られてる気がする コンタック飲んでお祈りコロナで苦しんでるみんな頑張ろう ちなみに私の感染経路は不明です 周りの人は誰もかかってません

2021-08-02 09:05:13

入院が決まりました 療養ホテルの看護師さんありがとうございました pic.twitter.com/gF3a2Mwkfb

2021-08-03 05:19:08

詳しくはこちら↓で

https://togetter.com/li/1754038


https://times.abema.tv/news-article/8668570

軽症でも「死ぬかと思った…」新型コロナ 若者感染のリアル「咳で呼吸困難」「喉を針で刺される感じ」 【ABEMA TIMES】
Twitterに投稿された“ある画像”が、話題を集めている。 「『若者は重症化しないからワクチンは必要ない』と言う人がいます。日本の『重症』の定義は人工呼吸器や集中治療が必要な状態です」(安川康介医師のTwitterより) 【映像】思ってたのと違う……! 医者がイメージする現実の新型コロナ「重症患…
リンク
times.abema.tv

軽症でも「死ぬかと思った…」新型コロナ 若者感染のリアル「咳で呼吸困難」「喉を針で刺される感じ」
2021.08.01 07:30

(抜粋)

これ↓、知らない人がまだいるんですね?

楽観的な人は知らないから楽観的なのかも?

 実際に、新型コロナに感染して「軽症から中等症程度」だったにも関わらず、「死にそうになった」と告白している人がいる。以前、ニュース番組『ABEMAヒルズ』にも出演した元官僚系YouTuber、おもちさんだ。

 おもちさんは自身が経験した入院生活をTwitterで紹介。基礎疾患はなく、普通体型(BMIは22)の平成生まれだという。

■ おもちさんが挙げた「新型コロナ」の症状
1:咳で呼吸困難になる。
2:常時40度前後の熱が出る。
3:喉が腫れて、唾飲み込むと針で刺される感じがする。
4:1~3の繰り返しで寝られない。

===========================================================

いつまで経っても相変わらず、出されるのは咳止めと熱冷ましだけ。

しかも医者にも見てもらえず、あるのは看護師との電話での会話だけ。アイスノンは取り換えてもらえないどころか最初から支給すらされないとは・・・

いい加減にしてほしいです。

こんなことなら「監獄」の方がず~~~~っと手厚い。

これ、助ける気ないでしょ?

初期にアビガンなりイベルメクチンなりを飲ませればいいだけなのに、意地でも飲まさない。

何が「コンタック」やねん!せめて患者に選ばせてほしい。

放置して、苦しむだけ苦しめて殺して、医療現場も疲弊させて、医療崩壊?バカの極み。
それアンタらの所為やん!

厚労省、今までの「薬害」を超える罪を犯しても、「何も飲ませてない」から罪はないという気なんでしょうけど、死ななくてもいい人を死なせているんですから、それ、もう、立派な殺人じゃないですか?

ワクチンの害(抗体依存性免疫増強や免疫の喪失)についてはまだ可能性の段階なので置くとして、ワクチンとウイルスの変異はもう「永遠のイタチごっこ」。

その上マスクもし続けなければいけない。

そろそろ、予防薬・治療薬に方向転換するべきでは?

と言ってももう手遅れかな?

アビガンなら耐性もできなかったものを。。。』

新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(3日午後7時時点) 死者423.4万人に
https://www.afpbb.com/articles/-/3359994

アビガン、カナダでコロナ薬の申請 インド後発薬大手

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ239TM0T21C20A2000000

『インドの後発薬大手ドクター・レディーズ・ラボラトリーズなどは23日までに、カナダで新型コロナウイルス感染症の治療薬として「アビガン」の緊急使用を申請したと発表した。アビガンを開発した富士フイルムホールディングスは、日本で実施した臨床試験(治験)のデータを提供する。

日本では厚生労働省が21日、「有効性を明確に判断することは困難」としてアビガンの承認を見送り、審査を継続することを決めている。カナダで緊急使用が認められれば、欧米の主要国で初めてとなる。

アビガンは富士フイルム子会社の富士フイルム富山化学が開発した。富士フイルムは6月、ドクター・レディーズとアラブ首長国連邦(UAE)の医療物資販売会社グローバル・レスポンス・エイド(GRA)に海外での製造・販売のライセンスを供与している。

すでにアビガンはインドやインドネシアで緊急使用が認められている。アビガンの後発薬はインドや中国、ロシアなどで承認されているが、欧米で承認している国はほとんどない。

日本には、承認制度が日本と同水準の国が薬の使用を認めている場合、審査手続きを短縮する「特例承認」と呼ばれる制度がある。政令で米国やドイツなどとともに、カナダは同水準の国として挙げられている。』

武田開発のコロナ薬、国内治験開始 患者の血から抗体

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ212400R21C20A2000000

『武田薬品工業などが開発を進める新型コロナウイルス感染症治療薬の最終段階の臨床試験(治験)が23日までに日本で始まった。回復した患者の血液から「抗体」を取り出してつくる血液製剤で、免疫力を高める効果が期待される。治験は世界規模で進めており、一部の治験結果は2021年3月末までに出る見通しだ。

国立国際医療研究センター(東京・新宿)が藤田医科大学とともに治験を始めたことを同日発表した。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が主導する国際共同治験の一環で、海外では10月に始まっている。日米を含む18カ国で500人程度が参加する計画で、日本では10人の患者が対象になる。

血液製剤の開発には武田や米CSLベーリングなど世界12社が関わっている。武田は19年に買収したアイルランド製薬大手シャイアーの技術を活用した。人間がウイルスに感染すると、免疫機能でウイルスを排除する抗体が体内につくられる。武田などは回復した患者の血漿(けっしょう)から抗体を抽出し、精製した薬をほかの患者に投与することで免疫力を高められるとみている。

国内で新型コロナ治療薬として承認されたものは抗ウイルス薬「レムデシビル」、抗炎症薬「デキサメタゾン」の2薬のみ。いずれもほかの疾患向けの薬を転用したものだ。武田などの血液製剤は今冬の実用化は見込めないが、コロナをターゲットとして一から開発した治療薬として、その効果が注目されている。』

アビガン効果検証大幅遅れ 治験体制、欧米と大差

アビガン効果検証大幅遅れ 治験体制、欧米と大差
被験者集めにコストと時間
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64233890V20C20A9EA1000/

『富士フイルムホールディングスが新型コロナウイルス感染症に対する「アビガン」の臨床試験(治験)で、効果を確認したと23日に発表した。治験は3月末に始め6月に終わる予定だったが大幅に遅れ、承認申請は10月以降にずれ込む。途中で新たな感染者が減り患者集めが難航した影響もあるが、国の体制整備が不十分な点も大きい。

【関連記事】
富士フイルム、10月にもアビガン承認申請
「米国の治験のスピード感、規模感、体制に圧倒された」。8月下旬に都内で開かれた日本感染症学会の講演で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は明かした。

大曲医師は2月、米医師らの打診を受けて米企業の「レムデシビル」の効果を調べる国際共同治験に加わった。4月に1000人規模で検証し患者の回復が早まると確認されたが、迅速に計画を進める「米国に必死に食らいついていった」。結局、米当局がレムデシビルに緊急使用許可を出し、日本も特例承認した。

新型コロナがパンデミック(世界的流行)を起こし各国が一斉に治療薬探しや治験に向けて走り出した。その中でも米国には周到な準備と国を挙げた取り組みがあった。

2001年に炭疽(たんそ)菌テロが起きた米国はバイオテロと感染症対策を並行して進める法律を作った。感染症対策を国の安全保障の柱の一つと位置づけ、平時から感染症をリスト化して研究開発を支援してきた。レムデシビルの早期承認は備えが生きた格好だ。

別の薬「デキサメタゾン」の治療効果を確かめた英国も同様だ。首席医務官らが医療機関や患者に、オックスフォード大学主導の治験への協力を要請した。国家事業となった治験には患者1万人超が加わった。6月、デキサメタゾン投与による死亡率改善を報告した。

一方、日本が5月中の承認を目指したアビガンは治験ではなく「観察研究」での投与が主流となった。患者が同意し医師が必要と判断したら投与できる仕組みで、手っ取り早い。アビガンへの期待の高まりに押され、学会が定めた投与条件もなし崩し的に緩和された。

8月下旬までに5000人以上に投与したが有効性は示せない。効果検証には投与した患者としなかった患者で結果を比べる必要があるからだ。

日本でも3月から2つの比較試験を始めた。藤田医科大学の臨床研究と富士フイルムの治験だ。 だが参加患者数は前者が89人、後者が156人にとどまった。「医療現場は治験どころではなく、被験者集めに苦労した」と同社幹部は打ち明ける。患者数が少なくアビガンの有効性を確認できなかった藤田医大の土井洋平教授は日本には試験が早く進まない「構造的な課題がある」と話す。

日本は小規模病院が多く、患者数をそろえるのには多くの病院の協力が要る。海外より時間がかかり、製薬会社のコストも増える。国立病院機構の楠岡英雄理事長は「20年間で改善したが欧米に比べると不十分だ。厚生労働省に繰り返し提言してきたが、遅々として進まない」と指摘する。

公的機関が治験の候補薬の優先順位を決めたり全国規模の体制を作ったりするなどの戦略を練ることもなく、小規模試験が複数立ち上がり分散した。緊急時の治験手順もなく、どこまで科学的厳密さを追求するかを巡り富士フイルムは厚労省との調整に手間取った。

海外の成功事例との差を目の当たりにし責任の押しつけ合いも起きている。「なぜ最初から、きちんと効果を比較できる全国規模の試験を組み立てられなかったのか」。国の医療研究の司令塔である日本医療研究開発機構(AMED)の8月の審議会で、委員から疑問の声が上がった。

その場では回答がなかったが、AMED幹部は「観察研究か別の形かを決めるのは厚労省だ。我々に権限はない」と話す。一方、同省幹部は「優れた計画を選ぶのはAMEDの役目だ」と反論する。

有用なデータを素早く出せれば緊急時の政策や診療に生かせる。日本は大規模な治験などが進みやすい仕組みを作る必要がある。手間と時間がかかる治験などを担う医師らの養成も重要だ。国の実行力が問われている。

(編集委員 安藤淳、岩井淳哉)』

【図解】新型コロナ、加速するワクチン開発競争

【図解】新型コロナ、加速するワクチン開発競争
2020年6月5日 15:00 発信地:香港/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3286449?pid=22416028

『【6月5日 AFP】国際赤十字(IRC)と国連(UN)は今週、急ピッチで開発が進められている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンについて共同アピールを発表し、真に「全ての人のものとする」ことの重要性を訴え、自国のためだけにワクチンを確保しようとしないよう各国政府に呼び掛けた。COVID-19の世界の感染者は650万人、死者は38万人を超えている。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の保健部門を統括するエマニュエル・カポビアンコ(Emanuel Capobianco)氏がAFPの取材に応じ、「『ワクチンのナショナリズム(自国優先主義)』と呼ばれるようになったこうした考え方と闘う必要がある」と語った。

 この問題では、全世界が結束して取り組むというはっきりとした国際的な約束がなければ、個々の国々が自国民のために必要なワクチンを先を争って確保しようとする事態に陥る恐れがある。

 こうした状況についてカポビアンコ氏は、ワクチンを待っているこの時間に各国ができることは、あらゆる地域と人々にワクチンを行き渡らせることを目指し、生産と配布の規模拡大に投資することで、「今こそ、それを優先させるべき時だ」と提言した。

 カポビアンコ氏の提言は、IFRCが所属する国際赤十字・赤新月運動(International Red Cross and Red Crescent Movement)と国連が、ワクチンが発見された時点で公正な入手機会を確保するよう国際社会に呼び掛けたことを受けてのものだ。

 共同アピールでは「国際的な連帯の精神を広く行き渡らせなければならない。誰も取り残されないようにするべき」「COVID-19ワクチンを皆のものとするための国際的な社会契約は、共有する人間性の下に世界を団結させる道徳的要請だ」との考えが示された。

■病気の「差別待遇」

 世界保健機関(WHO)の加盟諸国も先月、新型コロナウイルスに対する大規模な免疫付与を「全世界の公共の利益」とすることで合意した。ワクチンが実際に登場したら全員に公平に分配するべきだと、加盟諸国は主張している。

 だが、製薬各社のみならず、米政府からも反発が起きている。米政府は、国際的な知的財産権の行使に異議を唱えることに反対している。(c)AFP/Nina LARSON』

中国ハッカー、コロナ研究窃取か 米発表、日本企業も被害

2020年7月22日 5:43 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3295074?cx_part=related_yahoo

『【7月22日 AFP】(更新)米司法省は21日、米国をはじめとする各国の企業数百社から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン研究関連の情報や知的財産を盗もうとしたとして、中国人2人を起訴したと明らかにした。米国のほか、日本を含む各国の企業数百社が標的になったとしている。

【図解】新型コロナ、加速するワクチン開発競争

 ジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補(国家安全保障担当)によると、起訴されたのは李シャオ宇(Li Xiaoyu、34)と董家志(Dong Jiazhi、33)両被告。2人は米国、中国本土や香港の人権活動家らも標的としていたという。両被告は米国の法執行管轄権の及ばない中国にいるとみられている。

 デマーズ氏は記者会見で、両被告が「自らの個人的利益」のため、あるいは中国国家安全省の利益のために行動していたと説明した。

 デービッド・ボウディッチ(David Bowdich)FBI副長官は、「中国政府の情報機関の指示で行われたサイバー犯罪は、米国のみならず、フェアプレー、国際規範、法の支配を支持する他のすべての国に対する脅威となる」と指摘した。

 ウィリアム・ハイスロップ(William Hyslop)検察官は、両被告が世界各地の企業を標的としていたと説明。「米国をはじめとする世界各地の多数の事業や個人・団体のコンピューターシステムが不正に侵入され、機密性の高い価値ある企業秘密や技術、データおよび個人情報が大量に盗まれ、危険にさらされている」と述べた。

 司法省によると、標的となった企業には米国のほか、オーストラリア、ベルギー、ドイツ、日本、リトアニア、オランダ、スペイン、韓国、スウェーデン、英国の会社が含まれる。(c)AFP』

30カ国からアビガン提供の要望、無償供与する方向=菅官房長官

https://jp.reuters.com/article/suga-avigan-idJPKBN21L12T

『[東京 3日 ロイター] – 菅義偉官房長官は3日午後の会見で、新型コロナウイルスの治療薬として臨床試験に使用するため、30カ国がアビガンの提供を求めてきているとの見解を明らかにした。政府内では無償提供する方向で調整していると語った。

ドイツが新型ウイルスの治療薬として、アビガンの提供を求めていることに関連し「各国からの要請が増えており、希望する国と臨床試験などで協力していきたい」と述べた。

一方、新型ウイルス感染の防止には、人と人との接触を止めることが必要とされ、これから予定されている各種の自治体などの選挙に対し、政府はどのような対応方針を示すのかとの質問に対し、菅官房長官は「選挙は民主主義の根幹である」と述べ、直ちに選挙を中止、延期する考えのないことを示した。今後の選挙では「有権者が予防的対策取って投票に参加してほしい」と述べた。

政府が近く取りまとめるコロナ対策の中に盛り込まれる予定の現金給付については、収入が減少し、生計維持に困難を生じる世帯を対象に検討が行われていると説明。外国人が含まれるかどうかに関しては「過去の現金給付では外国人にも配布しており、その例も参考に対象を決めていく」と述べた。

また、安倍晋三首相が表明した全世帯にマスク2枚を配布する際には、国籍によって対象を限定することはないとの見解も示した。』