北京、自宅待機3日間を要請 市中心部でゼロコロナ堅持

北京、自宅待機3日間を要請 市中心部でゼロコロナ堅持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM12CU60S2A510C2000000/

『【北京=羽田野主】北京市政府は12日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため13~15日は自宅で待機するよう市中心部の市民に要請した。

上海市のようにロックダウン(都市封鎖)する可能性は否定したが、コロナを徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策を堅持する方針を示した。

対象となる地域には日系企業の駐在員が多く住む朝陽区や、共産党の最高指導部が執務室を構える中南海がある西城区、北京大学など大学が集まる海淀区を含む。

約2200万人の北京市の人口の8割以上が対象になる見通し。PCR検査も連日義務づける。

北京市では12日、新たに36人の感染者が見つかった。人の移動を極力制限してゼロに近づける。

市内では12日にスーパーで食品を買いだめする動きが起きた。北京市政府の担当者は同日の記者会見で「北京市を封鎖することはない。野菜を買いだめする必要はない」と呼びかけた。

【関連記事】
・中国、コロナ規制で野菜24%高 物流混乱・運送費高騰で
・WHO、中国のゼロコロナ規制「持続可能ではない」
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坂田亮太郎
日経BP 「日経バイオテク」編集長
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別の視点

「北京市を封鎖することはない」という北京市政府の言葉を信じる北京市民がどれだけいるのでしょうか。

ロックダウン状態が1カ月以上も続く上海市の惨状は、「微信」や「微博」などを通じて中国全土へ広がっています。

オミクロン型が登場するまでの中国は、たしかに封じ込めに成功していました。2020年3月以降の感染者数は多くても1日当たり100人程度(その大半が輸入症例)。2021年1月から約1年間は、中国全土で新型コロナによる死亡者が発生しないという「ゼロ行進」が続いていました。

共産党指導部は大いに自信を深めたことでしょうが、局面が変わっても政策を変えることができていません。もはや人災に近づきつつあります。

2022年5月13日 8:48

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

COVID ZERO Policy(ゼロコロナ政策)はゴキブリをゼロにするような考えであり、実に愚かである。

そして、政府が市場に代わって生活物資を配分し送り届けるのも市場の力を過小評価し、政府の能力を過大評価している。

なによりも、選挙がなく、ガバナンスが確立していない国だから、現場の幹部は住民に対する暴力行為は後を絶たない。

ゼロコロナ政策を続ければ続けるほど、共産党への求心力が低下していく。簡単な理屈なのに、なぜわからないのか

2022年5月13日 7:05 』

中国、ゼロコロナ批判に反発「無責任」

中国、ゼロコロナ批判に反発「無責任」
https://www.sankei.com/article/20220511-2WN3SZZJCZJJNGM4ZTEQIQEFIY/?ownedutm_source=owned%20site&ownedutm_medium=referral&ownedutm_campaign=ranking&ownedutm_content=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%81%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%89%B9%E5%88%A4%E3%81%AB%E5%8F%8D%E7%99%BA%E3%80%8C%E7%84%A1%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E3%80%8D

『【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は11日の記者会見で、中国の「ゼロコロナ」政策について世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が批判したことに対し、「無責任な言論を発表してはいけない」と反発した。

趙氏は、中国の新型コロナウイルスの感染率や死亡率が「全世界で最も低い水準を保っている」などと主張し、自国の感染対策について「科学的、有効であり、中国は世界で感染対策に最も成功した国の一つだ」と自賛。ゼロコロナ政策について「私は最も中国に適した感染対策だと信じている」と強調した。

テドロス氏は10日の記者会見で、中国のゼロコロナ政策について「持続可能とは思えない」と批判。「別の戦略への移行は非常に重要だ」と述べ、方針転換を勧めた。』

中国輸出3.9%増に失速 上海封鎖が打撃、輸入横ばい

中国輸出3.9%増に失速 上海封鎖が打撃、輸入横ばい
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0977D0Z00C22A5000000/

『【北京=川手伊織】中国税関総署が9日発表した2022年4月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比3.9%増で、3月の14.7%増から失速した。上海市の都市封鎖(ロックダウン)など新型コロナウイルス対応の厳格な行動制限で物流が混乱し、電化製品の生産や出荷が滞った。輸入も横ばいにとどまり、内需の低迷も映し出した。

【関連記事】上海封鎖で中国貿易停滞 輸出入額2%増に急減速

輸出の増加率は、20年6月以来の低い伸びだった。品目別でみると、パソコンや部品が5%、携帯電話が7%それぞれ減少した。

新型コロナを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」に伴うサプライチェーン(供給網)の混乱で、部品の調達が滞った。行動制限で工場労働者が出勤できなかった影響も大きい。
新型コロナの関連需要が底堅かったマスクを含む織物も1%増にとどまり、2割増だった3月から伸びが鈍った。衣類も2%増にとどまった。

輸入は国際商品市況の高騰で原油が8割、天然ガスが3割伸びた。対照的に半導体は5%増と、3月に続き1桁の伸びにとどまった。化粧品は前年同月を7%下回り、消費が弱含んでいることを示唆した。

4月の対ロシア貿易は輸出が26%減った。減少率は3月の8%から拡大し、他の国・地域向け輸出と比べても落ち込みが目立った。日米欧の対ロ経済制裁で貿易決済などが混乱した可能性がある。一方、輸入は57%増えた。最大の輸入品目である原油の調達額が膨らんだとみられる。』

上海封鎖で中国貿易停滞 輸出入額2%増に急減速物流混乱 世界経済に波及も

上海封鎖で中国貿易停滞 輸出入額2%増に急減速
物流混乱 世界経済に波及も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM094HR0Z00C22A5000000/

 ※ ゼロ・コロナで、「セルフ制裁」だな…。

『【北京=川手伊織】中国政府が新型コロナウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」で、貿易も停滞してきた。2022年4月の輸出入総額(ドル建て)は前年同月比2.1%増と、20年6月以来の低い伸びにとどまった。厳格な行動制限で物流が混乱し、内需が落ち込んでいる。世界経済の回復にも波及しかねない。

【関連記事】中国輸出3.9%増に失速 上海封鎖が打撃、輸入横ばい

中国税関総署が9日、発表した。輸出入総額の伸びは、新型コロナの感染が再び広がった3月の7.5%増から一段と鈍った。

上海市の都市封鎖(ロックダウン)が打撃となった。3月末から1カ月超に及ぶ封鎖の影響で、世界の港湾別コンテナ取扱量で首位に立つ上海港の混雑ぶりが悪化した。中国メディアによると、4月中旬の国内主要8港のコンテナ取扱量は前年同期を6%下回った。

4月の輸出は前年同月比4%増で、伸び率は3月の15%から大きく縮小した。原材料の調達などサプライチェーン(供給網)が混乱し、パソコンやスマートフォンの出荷が落ち込んだ。

海外からの新たな注文も減っている。4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)によると、輸出に限った新規受注は41.6と節目の50を大きく割り込んだ。米国のPMIが3カ月ぶりに悪化するなど外需の影響もある。

原材料高も重荷だ。天津市で貿易会社を営む李華社長は「一部の輸出企業は原材料価格の高騰で輸出の採算が合わず、注文の受け付けを見合わせている」と明かす。新規受注の減少で先行きの輸出回復が遅れる恐れもある。

海外向け物流の需要の落ち込みは、新型コロナ禍で跳ね上がったコンテナ価格にも表れている。浙江省寧波・舟山港の輸出コンテナ価格指数は年初から2割下がった。ロシアのウクライナ侵攻で国際貿易が混乱した影響もある。

ゼロコロナ規制による経済失速などをうけ、外国為替市場では人民元が下落している。対ドルでは、4月半ばから半月あまりで5%下がった。通貨の下落は一般的に輸出にプラスだが、厳しい行動制限が続くなか、押し上げ効果があるかは不透明だ。李氏は「コスト上昇や新型コロナによる工場稼働率の低下という問題が大きく、元安効果はまだ読めない」と語る。

4月の輸入は、3月に続いて前年同月と横ばいだった。ただ価格が高騰する原油を除くと落ち込みが鮮明だ。4月は7%減少し、3月の3%減からマイナス幅が拡大した。物流の混乱で生産資材の調達が伸び悩んだほか、化粧品など日用品の輸入も減った。雇用の悪化などに伴う内需の弱さが浮かび上がる。

ウクライナへの侵攻で日米欧などの経済制裁を受けるロシアとの貿易総額は17%増えた。3月の13%より拡大した。

輸入が57%増と大きく伸びたためだ。詳細な品目は20日公表の予定だが、ロシアからの輸入の5割を占める原油の調達が膨らんだためとみられる。

4月に全世界から輸入した原油は金額ベースで前年同月より8割増えた。国際商品市況が高騰しているほか、数量ベースでも7%伸びた。3カ月ぶりの増加だ。ロシアは在庫がだぶつかないよう割安な価格でアジア向けの供給を増やしており、中国が調達量を増やした可能性もある。

一方、4月のロシア向け輸出は26%減った。3月の8%減から減少幅が広がった。3月は他の国・地域のロシア向け輸出と比べてマイナス幅が小さかったが、日米欧の対ロ金融制裁で貿易決済に支障が生じた可能性がある。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/Trade/Shanghai-lockdown-depresses-China-trade-growth-to-2-year-low?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

イアンブレーマは2022年のグローバルリスクの筆頭に中国のゼロコロナ政策を上げた。

今は氏のいう通り、ゼロコロナ政策は中国経済、そして世界経済を大きく押し下げている。

世界経済にとってゼロコロナ政策のリスクをコントロールできないのは世界経済が下振れするリスクをより深刻化させている。

2022年5月10日 7:40 』

北京市、コロナ対策強化 不順守なら「厳しく処置」

北京市、コロナ対策強化 不順守なら「厳しく処置」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0828Q0Y2A500C2000000/

『【北京=共同】中国北京市当局は8日、在中国日本大使館がある朝陽区で新型コロナウイルス対策を強化する方針を示し、当局の「厳格な要求」に従わない場合は「厳しく処置する」と強調した。市民の移動や企業活動が一層制限されそうだ。

記者会見した朝陽区の幹部は区内の居住者や区外から通勤する市民に「厳格」な在宅勤務を続けるよう要請。「市民生活の維持に関係がない企業」には営業停止を求めた。家族でも集まらず、不要不急の区外への外出も控えるよう呼びかけた。

朝陽区は日系企業が集まり、駐在員も多い。毎日のPCR検査が求められている。百貨店などは休業し、飲食店では店内での飲食ができなくなっている。

北京市の7日の新規感染者は62人だった。』

中国、党大会へ「無傷」優先 ゼロコロナ、変異株抑制に不安か―アジア大会延期

中国、党大会へ「無傷」優先 ゼロコロナ、変異株抑制に不安か―アジア大会延期
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022050601102&g=int

『【北京時事】中国・杭州で9月に開催予定だった夏季アジア大会が、新型コロナウイルスの影響で延期となった。中国の習近平指導部は厳格な「ゼロコロナ」政策に固執しているが、オミクロン株の流行で、海外からの人の流入に不安を感じた可能性がある。秋の共産党大会を前に、北京冬季五輪開催の実績に傷を付けないことを優先したもようだ。

「ゼロコロナ」と両立難しく 東京五輪に続く延期―アジア大会

 「新型コロナの流行発生以来、初めて予定通りに行われる世界的なスポーツ大会だ」。習近平国家主席(党総書記)は1月末、延期せずに五輪を開催できることを強調した。大会では外部との接触を断つ「バブル」方式を採用し、感染を一定程度に抑えた。4月に行われた五輪関係者の表彰式で習氏は、外国人選手の言葉を借り「コロナ対策に金メダルがあれば中国が1枚獲得するはずだ」と誇った。

 だが、杭州アジア大会が同じ方式で成功するとは限らない。国内では3月以降、市中感染が拡大し、最大都市の上海ではロックダウン(都市封鎖)が1カ月以上続く。4月の累計感染者は55万人に達し、感染力の強いオミクロン株の抑え込みに苦戦しているのが現状だ。人の流入で感染爆発が起きれば、党大会で3期目入りを控えた習氏に傷が付きかねず、リスクを回避した形だ。

 一方、杭州市を省都とする浙江省は習氏がかつてトップを務めた思い出の地。今でも当時の部下を側近として重用し、「之江新軍」と呼ばれる浙江閥を形成している。アジア大会の会場は、杭州だけでなく温州や紹興など部下の出身地にまたがっており、党内基盤を強固にしたい習氏にとって、延期は痛手となる。 』

北京市 全飲食店で店内営業停止へ 大型連休の4日間

北京市 全飲食店で店内営業停止へ 大型連休の4日間
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000253245.html

『新型コロナウイルスの感染が拡大する中国・北京で大型連休中の来月1日から4日間、市内すべての飲食店で店内営業が停止されます。

 北京市当局は今月30日の会見で、29日午後3時から30日午後3時までの間に新たに67人の感染が確認されたと発表しました。

 感染は都市部全域に広がったとしています。

 こうした事態を受けて北京市は、大型連休期間中の来月1日から4日まで市内すべての飲食店で店内営業を停止させる措置を取りました。

 出前やテイクアウトは可能だということです。

 また、会見では感染者を収容するための大規模な臨時病院を建設していることも明かされ、すでに4000床分の準備が終わったとしています。』

面目重視の中国、最大の失敗は外国製mRNAワクチン拒否

面目重視の中国、最大の失敗は外国製mRNAワクチン拒否
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-27/RAZ527DWLU6C01

※ 今日は、こんなところで…。

『 ・上海復星医薬はビオンテックに出資-中国当局から販売認可得られず
・習政権が待っているのは国産のmRNAワクチン-アナリスト

中国の金融センター、上海の機能が数週間まひしている。新型コロナウイルスの感染拡大が悪化し、ロックダウン(都市封鎖)が続いているためだ。それでも習近平国家主席は厳しい規制で徹底的に感染を封じ込めようとする「ゼロコロナ」戦略を堅持する構えだ。

  感染力の強いオミクロン変異株に直面しても習政権は外国製メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの導入に目を向けようとしない。導入されれば、高齢者の重症化・死亡リスクを減らし、ゼロコロナ戦略からの脱却を後押しする可能性もある。

  中国が必要な供給を待つのはそれほど難しくはないはずだ。中国の上海復星医薬(集団)は2020年3月、ドイツのビオンテックに0.7%出資することで合意。同社が米ファイザーと共同開発した新型コロナのmRNAワクチンを中国で販売することも決めた。同年中に中国で1億回分を販売する計画に至ったが、中国の監督当局はまだ認可を出していない。

  在中国欧州連合(EU)商業会議所のヨルグ・ワトケ会頭は今月に入って中国政府に宛てた書簡で、mRNAワクチンを認めるよう促した。mRNAがコロナワクチンの「黄金律であることは世界中のデータが明確に示している」と話す同会長は「なぜ時間を無駄にし、何を待っているのか」と疑問を呈す。
Share of Population Fully Vaccinated Against Covid-19

As of April 24

Source: Compiled by Bloomberg

  習政権が待っているのは国産のmRNAワクチンだと多くのアナリストは考えている。習政権はコロナとの闘いで国産の不活化ワクチンを活用し、外国製のワクチンを国内市場から締め出してきた。中国国民14億人のうち 88%強が国産の不活化ワクチンを2回接種済みだ。

  バイオテクノロジー・医薬品関連の顧客に助言するエラディグム・コンサルティングのシニアコンサルタント、アリソン・ヒル氏(ロンドン在勤)は外国製のmRNAワクチン受け入れは習政権の面目をつぶすリスクがあると指摘する。「ビオンテック製を受け入れると今言うのは、中国製のワクチンがそれほど良くないと言うのに等しい」と話す。

  外国に頼らない習政権のコロナ戦略を踏まえ、中国では昨年、雲南沃森生物技術と蘇州艾博生物科技、人民解放軍軍事科学院軍事医学研究院が共同開発しているmRNAワクチンが早期に認可されるとの楽観的な見方も浮上したが、実現はまだだ。

  上海復星医薬の呉以芳CEO(最高経営責任者)は今年3月23日の記者会見で、中国の医薬品当局は引き続きビオンテック製ワクチンを認可すべきかどうか検討していると述べた。

中国当局は2月、ファイザー製の新型コロナ感染症経口薬「パクスロビド」を緊急承認したと発表。国内の製薬会社に同じような抗ウイルス薬がなく、中国側にニーズがあったためだ。

国産mRNAワクチンの完成が遅れれば、同じように中国当局はしびれを切らし、ビオンテック製を受け入れるかもしれない。

relates to 面目重視の中国、最大の失敗は外国製mRNAワクチン拒否

雲南沃森生物技術が共同開発しているmRNAワクチン(2021年4月)
Photographer: FeatureChina/AP Photo

原題:China’s Biggest Covid Failure Is Not Deploying an mRNA Vaccine (抜粋)
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)』

[FT]「中国は外国ワクチンに切り替えを」 専門家が提言

[FT]「中国は外国ワクチンに切り替えを」 専門家が提言
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB210TQ0R20C22A4000000/

『新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する中国製ワクチンの有効性について懸念が募るなか、科学者らが中国に対し、オミクロン型の感染拡大と闘うため2種類の国産ワクチンに代わるワクチンを探すよう呼びかけている。
人影のない上海の街路=ロイター

中国は新型コロナのパンデミック(感染大流行)下で最悪の感染急拡大に直面し、2つの問題に苦しめられている。1つは追加接種(ブースター接種)のペースの鈍さで、当局は今週、60歳以上の人口のうち3回の接種を完了した人が57%にとどまると明らかにした。もう一つは外国製ワクチンより効果が大幅に劣る国産ワクチンだ。

複数の研究は、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンは、独ビオンテックや米モデルナが生産している「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンなど、より効果が高いワクチンの追加接種で免疫を補強することを推奨している。中国医薬集団(シノファーム)製ワクチンについてはデータがほとんどないため、多くの研究者は同社製ワクチンもオミクロン型にあまり効かないと考えている。

米スクリプス・トランスレーショナル研究所のエリック・トポル所長は、データは「限られている」ものの、ウイルスの死んだ部分を使って生産される「不活化ワクチン」は競合ワクチンより効果が劣り、時間とともに効果がさらに落ちると話す。

オミクロンで問題が露呈

「ワクチンの有効性は60%で、そもそも有望ではなかったが、オミクロンによって問題がすっかり露呈した」

中国は直近の感染拡大に対処するため、国産ワクチンのブースター接種を急速に進めるだけでなく、外国製ワクチンの承認に消極的な姿勢も克服しなければならないかもしれない。さもないと、莫大な数になりうる死者を防ぐために、中国は恐らくより厳しく、コストもかかるロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされるだろう。

3月に発表された香港大学の研究では、シノバック製ワクチン「コロナバック」を2回接種した60歳以上の人は、ビオンテックと米ファイザーが共同開発したワクチンを2回接種した人に比べ、新型コロナで死亡する確率が3倍に上ることが分かった。

この論文はピアレビュー(同分野の専門家による評価)をまだ受けていないが、どちらのワクチンでも3回目の接種は重症化を防ぐ高い効果があると結論づけている。

シノバックにコメントを求めたが、返答がなかった。

香港大学の疫学者ベン・カウリング教授は、中国製ワクチンの3回目の接種は「ブースター」ではなく、単に最低限の接種コースの完了と見なすべきだと話している。

「世界保健機関(WHO)が高齢者には不活化ワクチンの3回接種を推奨しているのを知っておくことが重要だ。2回では不十分だと指摘している」

重要なのは、香港大学の論文が、3回接種の効果がどれくらい続くか示すのは時期尚早だと記していることだ。同大の金冬雁教授(ウイルス学)は、論文で検討された3回目の接種の多くは香港での2022年の感染拡大の波の直前に実施されたため、コロナバックがオミクロン型に対して時間と共にどれほど効果があるかは実証されていないと語る。

どんな効果も急激に衰えるとの懸念から、多くの科学者は今、不活化ワクチンに依存している国は別のプラットフォーム(基盤技術)で作られたワクチンでの追加接種を検討すべきだと提言している。中国はワクチン外交戦略の一環として、低所得国や中所得国に国産の不活化ワクチンを送っている。

ブラジルでは、21年9月から22年3月にかけてエビデンス(科学的根拠)を収集した研究で、コロナバックのブースター接種は追加の予防効果が限られていたが、ファイザーのブースター接種は少なくとも3カ月間、重症化を防ぐ効果があることが分かった。

米エール大学の研究はさらに踏み込み、不活化ワクチンを2回接種した人はmRNAワクチンのブースター接種が2回必要かもしれないとしている。

エール大の免疫学者で論文の執筆に携わった岩崎明子教授は、不活化ワクチンはCD8と呼ばれる(タンパク質を発現した)免疫系のT細胞から大きな反応を引き出さない傾向があると語る。つまり、長期的な効果が当てにならないかもしれないということだ。

「このため、シノバック製ワクチンを2回接種した人は、中和抗体価(抗体の量)をmRNAワクチンの3回接種と似たようなレベルに引き上げるためだけに、mRNAワクチンのブースターを2回接種する必要がある」

中国製品使用減る国も

多くの国は別のワクチンで追加接種を実施している。インドネシア、パキスタン、ブラジルは中国製ワクチンを大量に受け入れた国に数えられるが、英医療調査会社エアフィニティによると、3カ国ともブースター接種では中国製ワクチンの使用が大幅に減っている。

ブラジルの生物学研究機関、フィオクルス財団の感染症専門家のジュリオ・クロダ氏は、大半の中南米諸国は特に高齢者については、別のワクチンプラットフォームを推奨していると語る。

だが、一部の国は不活化ワクチンに代わるワクチンを入手できず、世界でのワクチン供給全体に占めるシェアも小さいという。

ビオンテックはファイザーとの提携を発表する以前、開発に成功したコロナ向けmRNAワクチンを中国に提供するため、20年3月に上海復星医薬との提携に調印していた。だが、それから2年以上たった今も、中国は本土での使用についてビオンテック製ワクチンを承認していない。

金教授は、中国当局は「直ちに」同ワクチンを承認すべきだと語る。

中国企業は独自の新型コロナ向けmRNAワクチンの開発に取り組んできた。康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は最近、国内でmRNAワクチンの臨床試験(治験)を始める許可を得た。シノファームもmRNAワクチン候補を開発している。

だが、金氏はこうしたmRNAワクチンも同じように有効かどうかは誰にも分からないと話す。mRNAワクチンは遺伝情報を使い、免疫系にウイルスの「スパイクたんぱく質」を認識するよう教える仕組みで、一見シンプルに見えるが、成功したワクチンには特許で保護されている多くのイノベーションが盛り込まれている。ワクチンメーカーの独キュアバックは21年、市場のリーダーより有効性が低かったために、初代のmRNAワクチンの開発を打ち切った。

中国企業による努力は最近、挫折に見舞われた。艾博生物科技(アボジェン・バイオサイエンシズ)が開発したmRNAワクチン候補について、オミクロン型に対抗できるほど多くの抗体を生まないことが初期の研究で示された。

研究機関インフォーマの医療専門家、ブライアン・ヤン氏は、中国当局は国産ワクチンの開発に力を入れてきたが、mRNAへの投資は必ずしも成功につながらないと指摘する。

「中国は常に、十分な資金と正しい専門知識をつぎ込めば必ずうまくできると考えるが、mRNAは大量の蓄積された知識が必要になる」

By Hannah Kuchler, Eleanor Olcott and Andy Lin

(2022年4月20日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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[FT]中国の中間層、都市封鎖嫌い国外脱出目指す

[FT]中国の中間層、都市封鎖嫌い国外脱出目指す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB210MF0R20C22A4000000/

『中国の複数の移民コンサルタントによると、3月末に上海にロックダウン(都市封鎖)が導入されてから、国外脱出を希望する裕福な個人からの問い合わせが急増している。そこからは中国政府が打ち出したゼロコロナ政策に対する国民のいら立ちが強まっている状況が浮かび上がる。

上海に導入された厳格な行動規制で市民が生活必需品を入手するのも困難になっている=ロイター

新型コロナウイルスのオミクロン型感染拡大で当局が厳格な行動規制を課したのをきっかけに、4月に入ってから移民手続きの問い合わせが急増したと十数人のコンサルタントが口をそろえる。

移民に関連するキーワード検索も急増した。対話アプリ「微信(ウィーチャット)」で検索されたキーワードの人気を示す公開モニター「微信指数」によると、4月初め以降、「移民」の検索回数がほぼ7倍に跳ね上がっている。

移民コンサルタントらは、新型コロナ感染の恐れや海外で敵意を向けられることへの不安から一度は海外移住を先送りするか、取りやめていた顧客が再び移住を検討し始めたと指摘する。

上海に拠点を置く移民コンサルタントのジェームズ・チェンさんは「季節性インフルエンザより少し症状が重いだけの病気と戦うために、当局は市民に必需品にも事欠く生活を強いている」と言う。「当社の顧客が移住を選択する背景には、当局への反発がある」

問い合わせが1日で200件以上

上海を拠点とする移民サービス会社QWOSの担当者も「ここ数週間は多くの問い合わせを受けており、すぐには返信できないほどだ」と語る。16日には200件以上の問い合わせがあったという。

四川省成都市で移民コンサルタント会社を営むルーシー・ワンさんは、顧客からの要望に対応するために1日12時間も働いていると話す。「こんなに忙しいのは久しぶりだ」という。

上海の住民の間では、行動規制へのいら立ちが次第に高まりつつある。多くの住民が食料品や医薬品など基本的な生活必需品を手に入れるのも困難だと訴え、市内で先週、小規模な抗議行動が発生した。

中国政府はゼロコロナ政策への支持を広げるためにプロパガンダを強化しており、厳格な措置に対する批判をオンラインに書き込んでもすぐに削除されてしまう。

上海では3月以降、35万人以上の新規感染者が報告されているが、医療専門家は公的データの信頼性を疑問視している。当局は18日、持病のあった高齢者3人がコロナで死亡したと発表した。足元の感染拡大局面で、当局が正式に認めた上海市内の死亡事例はこれが初めてだ。60歳以上の上海市民のうち、ワクチンを3回接種した人の割合は38%にすぎない。
「食べ物もろくにない状態で長期間自宅に閉じ込められるなんて、考えてもみなかった」。そう語る上海の市場調査員ジェーン・ワンさん(38歳)は、4週間以上にわたる自宅隔離から解放された後、QWOSと連絡を取った。「上海で起きていることを見て不安になった。恣意的な隔離を心配しなくていい場所で暮らしたい」と話す。

米国やカナダの人気は低下

米国やカナダは長い間移民先として人気だったが、中国との関係悪化を受けて人気がやや落ちている。その一方、シンガポールやアイルランドなど中国政府と比較的良好な関係を保ってきた国の人気が高まっていると移民コンサルタントは説明する。

「米国の政治家や報道機関が中国について否定的なことを言い続けているのを見ると、中国人移民は米国では歓迎されないと感じる」。そう話す北京在住エンジニアのジョン・リさんはサンフランシスコに転居する夢を諦め、シンガポールの居住許可を得るために先週、代理店に4万元(約80万円)を支払った。「どうせ引っ越すなら中国人が敬意をもって扱われる国がいい」と話す。

しかし専門家は、中国の中産階級が不満を抱えていたとしても、国際的な渡航制限や仕事がみつからないことから中国を離れるのは難しいと警告する。

寧波諾丁漢大学の曹聰教授は「他の国に住みたければ、その国に受け入れられ、複雑な移民手続きをクリアする必要がある」と指摘する。「上海を含む中国の多くの都市の現状に嫌気が差した中産階級の間で国外脱出が加速する可能性があるが、この動きが流行と呼べるようになるかどうかはまだ不明だ」と同教授は話す。

By Sun Yu

(2022年4月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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本当の医療崩壊が起きると何が起きるか

本当の医療崩壊が起きると何が起きるか : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28553503.html

 ※ 『結局のところ、マスコミがギャーギャー騒ぐのは、そのニュースが換金できる期間だけです。その間は、できるだけ不安を煽ったほうが、雑誌も売れるし、視聴率も上がります。その黄金方程式があるので、無責任に政府批判を繰り返します。継続的に国民の健康に責任を持つ政府と、ただの勢いで騒ぐマスコミの意見を同列に見てはいけないという事です。 』…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 「世の中に流通する情報」には、こういう「換金システム」の上に成立しているものが多い…。いや、殆んどそれか…。

 ※ 「踊らされないように」、よほど気を付けんとな…。

『最初に私事から書かせていただきますが、迷惑レベルで執拗なauの販売代理店からの勧誘電話は、auひかりの行っている「勧誘停止登録」に登録する事で、対策をうちました。ただし、これは調べている過程で判ったのですが、NTTやKDDI(au)やNuro光を詐称して営業電話をかけてくるようなチンピラ販売代理店は、非正規で営業を請け負っているようなところが多いらしく、いわゆる大企業のブランドで信頼させて騙すという手法のようです。なので、正規代理店で周知徹底されて勧誘停止処置がされても、まだ、継続してかかってくる可能性もあります。ただし、そもそも、どこから私の電話番号が、インターネットを利用しているという情報と一緒にばら撒かれたのかという話です。元はauとしか考えられないので、やはり、この会社の顧客に対する考え方に問題があると言えます。

武漢肺炎が最初に流行した頃、医療崩壊を防止する為に、徹底したPCR検査体制は行わず、強制もしないという方針が日本では行われました。これに対して、やけに民放のコミュニティー番組で、徹底したPCR検査を行えと、まるで専門家のように口から泡を飛ばして言い放っていた人々がいましたが、今の中国や韓国を見て、同じ事が言えるのか是非聞いてみたいと思います。

まず、徹底したPCR検査が意味を持つのは、中国や韓国のように、個人情報が追跡できる監視社会である必要があります。特に韓国の場合、他国から人権侵害を指摘されるレベルで、個人の行動が追跡できるシステムがすでに存在したので、クラスターが起きた時の感染者の追跡ができたわけです。そうではない、マイ・ナンバーカードの導入で、人権侵害だぁと大騒ぎしている日本で、厳格なPCR検査を実施したところで、その情報を活かすシステムがありません。つまり、無駄なんです。

そして、PCR検査自体が、そこまで精度の高い検査方法では無い点です。これだけ広範に、この検査方法が武漢肺炎に採用されているのは、それに代わる簡易で実施可能な検査方法が無いからで、この検査方法が優れているからではありません。実際、PCR検査キットの取り扱い説明書には、この検査キットの結果を、感染治療の必要性の有無の判断に使用してはいけないと書いてあります。

そして、実際にヒステリーとも言えるPCR検査をおこなった結果、医療崩壊を起こした社会で何が起きるかという実例は、今の中国を見れば判ります。病院が機能しなくなった上海では、とうとう膵炎を発症した患者が、どこの医療機関にも受け入れてもらえず、激痛に耐えかねて自殺する事件も起きました。また、重篤化した患者に必要な酸素ボンベも足りず、治療が行えなくなりつつあります。

はっきり言ってしまえば、PCR検査は安心感を得る為の政治的なパーフォーマンスと言えます。これは、私見ではありますが、ワクチンの接種についても言えます。そもそも、変異する流行性のウィルスに対して、ワクチンの効用には限界があり、日本では最近、4回目の接種も検討されているくらい、効力に持続性がありません。「何もできない」という政治の無策を覆い隠す為のパーフォーマンスの面があるのは否めないです。重篤化しにくくなるというプラスの効果が確認されていますが、同時に副作用で苦しんでいる人も少ないですが出ています。

このPCR検査の結果を盲信して、厳格な隔離政策をとっている中国では、子供が高熱を出しても外出が許可されず、医療を受けさせられなくなっています。また、親が陽性判定された場合、生後3ヶ月の乳児であっても、親から引き離されて施設に隔離されます。PCR検査という、数値化された目標が設定された事で、共産国家の行政にとっては、実にお得意の分野に疾病対策が落とし込まれています。ゼロ・コロナという目標の為に、何をしても許されるお墨付きが出るからです。

例えば、ショッピング・モールで買い物をしていて、中で陽性反対の患者が出ると、そのモールは、その時点で封鎖されます。買い物客は、外に出れません。そのまま、最悪の場合、2週間も隔離されます。しかも、そのPCR検査の判定自体が、絶対なものではないので、その処置自体が、まったく無駄である可能性もあります。

先日、観たSNSに投稿された動画では、モール内で感染者が出たというアナウンスがあった瞬間、出口に殺到する買い物客の姿が映っていました。ここで、グズグズしていると、外に出れなくなるからです。当然、制止する警備員と悶着になるわけで、もう出入り口付近は怒号の飛び交うカオス状態です。もし、本当に感染があった場合、よほど悪影響が出るのではないかと思える状況です。

PCR検査を厳しくやって、その結果を活かすという事ならば、ここまでの監視社会を容認するという事です。PCR検査という言葉が独り歩きして、万能の判断基準かのように言われていますが、感染判定ができたところで、個人を追跡できるシステムがなければ役に立たないのです。実際、韓国の監視システムは、感染爆発が起きた事でキャパシティーが足らず、今は機能しなくなっています。つまり、システム的にもK防疫というのは、破綻した事になります。

数値化すると、何となく説得力が出るので、良く使われるのですが、無症状感染者も多いオミクロン株が流行している状態で、毎日、感染者を発表する意味が、果たしてあるかというと微妙とも言えます。歩いている人が、いきなり倒れて動かなくなる程に急激に症状の進む初期の武漢肺炎とは、今のウィルスは、別のものになっています。

結局のところ、マスコミがギャーギャー騒ぐのは、そのニュースが換金できる期間だけです。その間は、できるだけ不安を煽ったほうが、雑誌も売れるし、視聴率も上がります。その黄金方程式があるので、無責任に政府批判を繰り返します。継続的に国民の健康に責任を持つ政府と、ただの勢いで騒ぐマスコミの意見を同列に見てはいけないという事です。 』

[FT]極端に少ない中国のコロナ死者 真実を覆う公式統計

[FT]極端に少ない中国のコロナ死者 真実を覆う公式統計
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB183NA0Y2A410C2000000/

『中国による新型コロナウイルスの感染者数の分類方法や死者数の報告方法のせいで、変異型「オミクロン型」の真の影響が見極めにくく、パンデミック(世界的大流行)から2年以上たつのに公衆衛生上の対処を難しくしている――。複数の医療専門家は指摘する。
上海の医療施設に運び込まれる酸素ボンベ=ロイター

中国当局の報告では、3月1日以降の新型コロナの新規感染者数は44万3000人を超えているが、死者数はわずか2人でともに北東部吉林省の患者だ。人口2600万人の上海市では2週間近く、1日2万人を超える新規感染者が報告されているが、死者はゼロだ。もっとも、何人もの市民がフィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に対し、身内が検査で陽性と判定された後、死亡したと話している。

他国と異なる死者数の数え方に問題

専門家らは中国の公式発表で死者数が少ないのは数え方に問題があるためで、実際にはもっと多いとみている。

新型コロナの死者数を正確に評価するのは難しいと専門家は指摘する。公式発表の感染者数が信頼できず、ワクチンの効果が不透明な上に、中国の死亡数全体についての公開データもないからだ。

公式発表への疑念から、中国政府の新型コロナ対応への批判が再燃する可能性がある。中国政府は2020年初め、武漢から始まった感染拡大を軽視していたとして批判を浴びた。

香港大学の金冬雁教授(ウイルス学)は、米国や香港などでは新型コロナ感染後に死亡した人を死者に含めるが、中国本土では異なる数え方をすると話す。

中国の病院では新型コロナの感染者でも、がん、心臓病や糖尿病などの慢性疾患を死因にする傾向があり、こうした患者は新型コロナの死者数に含まれないという。

金氏は「死者数は正確ではないが、上海の病院が意図的に除外しているとは限らない。中国はもともとこうした数え方をする」と語った。

英オックスフォード大学のチェン・ゼンミン教授(疫学)は、中国は新型コロナの感染拡大前から西側諸国に比べてインフルエンザの死者数が少なかったと指摘する。

意図的な隠蔽とはいえないものの

「これは故意の隠蔽とはいいがたい。むしろ、中国では感染症での死亡診断プロセスが限られていると言えそうだ」

米ワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)のマイ・ハー准教授(病理学、免疫学)は、中国政府は自国のコロナ対策が西側諸国よりも優れていることを示すため「統計をごまかしている」と主張する。

「(まん延している)都市やウイルスの型は変化しており、パンデミックから丸2年がたっているが、中国での透明性の欠如と科学や医学への政治的圧力は変わらない」と同氏は批判した。

オミクロン型の感染拡大による死者数への疑念は、20年の武漢での感染拡大への懸念に通じるものがある。

中国政府の疾病対策機関に所属する研究者らは英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表した論文で、20年1~3月の武漢での新型コロナの実際の死者数は公式発表よりも少なくとも16%多いと推計した。

英誌エコノミストの分析では、この期間の武漢での平年の死者数を上回る「超過死亡」は1万3400人と結論づけた。これは新型コロナの公式の死者数の3倍以上に上る。

新型コロナの影響を実際よりも少ないか誤って報告していると非難されているのは中国だけではない。英医学誌ランセットに掲載されたある研究では、世界の新型コロナの死者数は公式統計の3倍に上る可能性があるとしている。

報告が届くまでに時間がかかるシステム

他の国でもみられる報告の遅れも、中国で死者数が少ないという事態に一役買っている可能性がある。チェン氏は「死者数が統計システムに伝わるまでに時間がかかる」と指摘する。

チェン氏は中国でのオミクロン型の感染拡大により、今後数週間で中国の死亡率は西側諸国を上回り、死者数も増えるとみている。中国では感染者数が多く、3回のワクチン接種を完了していない高齢者の「割合が非常に高い」からだ。

上海での無症状者と有症状者の分け方も、当局がオミクロン型の上海への影響を正確に把握できていない一因だと専門家は指摘する。公式発表では新規感染者数の大部分が無症状者で、この1週間の上海での新規感染者の92%以上を占めている。

中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)に近いある当局者は、上海がどの程度感染拡大が続くかを正確に予測できないのは、有症状者の数が実際よりもかなり少なく数えられていたことも原因だと明かす。

この人物によると、上海は肺の画像診断で感染が確認された場合にしか患者を「有症状」と判断しない。つまり、検査で陽性と判定され、風邪のような症状がある数万人は、他の多くの国とは違い「無症状」と記録される。

中国CDCと上海支部にコメントを求めたが、回答はなかった。

削除された高齢者施設での大量死亡の情報

中国の死者数の数え方のせいで、死因も分からないまま愛する家族を奪われた人もいる。
上海にある高齢者介護施設「上海市東海老年護理医院」の入居者の家族によると、同施設ではここ数週間で少なくとも27人が新型コロナ検査で陽性と判定された後に死亡した。

73歳の入居者の娘である女性は、この施設でオミクロン型の集団感染が発生し、多くのスタッフが隔離を余儀なくされていた3月24日、父親が陽性判定を受けたと語った。

「父は13年に脳卒中で倒れた後、話すことも動くこともできなかったので、心配していた」とこの女性は話した。「病院にも施設にも連絡がつかなかったが、30日に施設の医師から電話があり、父が亡くなったと告げられた」

新型コロナの集団感染で入居者が死亡したかについてこの施設にコメントを求めたが、回答はなかった。

中国当局はこの施設の入居者の死を巡る市民の議論を封じようとしている。地元のオンラインメディアの集団感染についての報道はことごとく削除された。

ある男性は、この施設に入居していた母親が死亡し、賠償金として1万5000元(約30万円)を提示されたが、見返りにSNS(交流サイト)に投稿した不満を削除しなくてはならなかったと明かす。

地元の警察からも中国のイメージを損なうコメントを投稿しないよう警告されたという。
「本当のことを言っただけなのに。家族が死んでもなぜこれが許されないのか」。男性は悔しさをにじませた。

By Eleanor Olcott, Sun Yu, Oliver Barnes and Andy Lin

(2022年4月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

いったいウクライナ周辺の「新コロ」防疫はどうなっている?

いったいウクライナ周辺の「新コロ」防疫はどうなっている?
https://st2019.site/?p=19163

『500万の難民も残留国民も、予防注射を受けてないはず。それをどうしてる?
 そしてなぜ露軍部隊内では新コロが蔓延してない?

 謎がありすぎる。』

封鎖長期化、忍耐限界に ゼロコロナ不満、政権に矛先

封鎖長期化、忍耐限界に ゼロコロナ不満、政権に矛先―中国・上海
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041600232&g=int

『【上海時事】中国最大の都市、上海でロックダウン(都市封鎖)が始まって間もなく3週間。一部を除く大半の地域でなお、厳しい外出制限が続き、多くの住民が食料不足など深刻な生活難に直面している。忍耐は限界に近づきつつあり、不満の矛先は、感染を厳格に封じ込める「ゼロコロナ」に固執する習近平指導部にも向き始めた。

北京五輪「国際社会が評価」 コロナ対応も自賛―中国主席

 「食料が届いていない!」。今月11日、住宅街を視察した上海市のトップ、李強・共産党委員会書記が市民らに囲まれ、詰め寄られる動画がインターネットに投稿された。

直ちに削除され、メディアも報じていないが、李氏は次期首相とも目される習氏の最側近。ネット上でこうした姿がさらされるのは異例で、習氏自身も政治的な打撃を被りかねない状況だ。

 交流サイト(SNS)では「ウイルス検査の結果待ちで救急医療を受けられず、患者が亡くなった」「老人ホームで集団感染が発生し、複数人死亡した」「防疫対策に不満を募らせた住民が暴動を起こした」といった情報が出回り、当局は「デマや流言は徹底して取り締まる」と警戒を強めている。ただ、SNSの反応は「政府の出す情報より、よほど信用できる」と冷ややかだ。

 厳しい外出制限にもかかわらず、感染者はなお、1日2万人を超えるペースで増え続けている。市民の間では「やみくもなウイルス検査が接触を増やし、むしろ感染を広げている」などと、防疫対策の有効性を疑問視する声が増えている。 』

中国首相人事、習氏側近の上海トップ逆風 コロナで批判

中国首相人事、習氏側近の上海トップ逆風 コロナで批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1291C0S2A410C2000000/

『【北京=羽田野主】中国共産党の高官人事を決める5年に1度の党大会が秋に迫るなか、中国の李克強(リー・クォーチャン)首相の後継レースが混沌としてきた。

習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の側近で上海市トップの李強氏が有力視されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大への対応に批判が相次いでいるからだ。

上海市共産党委員会書記の李強氏は、習氏が浙江省トップを務めていたときに秘書長として支えた側近。党大会で最高指導部の政治局常務委員に昇格し、2023年3月に退任する李首相の後任に就くと目されてきた。

ところが3月から上海で新型コロナの感染が急拡大し、李強氏への逆風が止まらない。

「私たちの生活の問題をどうやって解決してくれるのか」「上海人は物資が欠乏しているんだ」。李強氏に中年女性が詰め寄る動画がインターネット上で拡散しては当局が削除するいたちごっこが続く。中国で党幹部の失態をさらす動画が出回るのは異例だ。

香港紙、明報は12日付紙面で「李強氏の(コロナ対策の)成績は天津市や広東省、深圳市のトップよりも劣る」と指摘した。上海より先にコロナ感染が広がった3地域と比較し、李強氏に異例の厳しい評価をくだした。

上海市では「コロナの拡散を抑え込むことができなかった」として末端組織幹部の更迭も相次ぐ。「トップではなく現場の責任」と印象づける狙いもありそうだが、あるベテラン党員は「党内で李強氏の手腕を疑問視する声が増えている。習氏が強引に首相に就かせれば混乱は避けられない」との見方を示す。

歴代の上海トップは党大会で政治局常務委員になってきた。習氏も07年に上海トップに就き、同年秋の党大会で常務委員に昇格、12年に党トップに上り詰めた。李強氏が常務委員就任を逃せば06年に汚職で失脚した陳良宇氏以来となる。

新型コロナの感染者ゼロをめざす「ゼロコロナ」政策は20年の感染初期には機能し、習氏の成功体験となった。民主主義国と比べ、社会を機能させるためには個人の私権を大胆に制限できる「一党支配の優位性」を示すと中国政府は主張する。

だが、感染力が極めて強い「オミクロン型」の流行後、中国は毎月のように都市を封鎖し、経済への打撃も大きい。上海の混乱はゼロコロナの矛盾が噴き出したものだ。すでに限界はあらわだが、習氏の権威に傷をつけかねないため、政策を転換できない。

李強氏が失速する一方で、首相候補のライバルは手堅い。

汪洋(ワン・ヤン)全国政治協商会議(政協)主席は3月下旬に米欧が人権問題でやり玉に挙げる新疆ウイグル自治区を視察。現地の党幹部に「新疆のイスラム教の中国化を深く推進せよ」と指示し、引き締めた。胡春華(フー・チュンホア)副首相も実務能力の高さに定評がある。

汪氏は習氏と接点が少なく、胡氏は胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席や李克強現首相らを輩出した中国共産主義青年団(共青団)と関係が深く、習氏とは距離がある。党内で李強氏昇格への慎重論がさらに広がれば、習氏が2人のいずれかの起用を迫られる可能性もある。

中国では国家主席が政治や外交に責任を負う一方、首相は経済運営の責任者だ。

習氏は党大会で異例の3期目続投が確実視されるが、経済の安定が3期目の政権運営を左右する。

潜在成長率が下がるなか、中国経済のかじ取りは難しさを増す。習氏と距離のある人物が首相に就けば、習氏の政権運営にも微妙な影響を与えそうだ。』

中国・西安、全市民1300万人に移動制限 コロナ拡大で

中国・西安、全市民1300万人に移動制限 コロナ拡大で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15EBE0V10C22A4000000/

『【大連=渡辺伸】中国中部の陝西省西安市は15日、新型コロナウイルスの拡大を受けて、約1300万人いる全住民の移動を厳しく制限すると発表した。

実施期間は16~19日。高水準の新規感染が続く上海市でも一部地域で都市封鎖が続いており、中国では厳しい対策が主要都市に広がっている。

西安市が導入する対策では、企業に在宅勤務を推奨する。スーパーやコンビニエンスストア、病院など生活に必要な施設は通常通りの営業を認める。同市には韓国のサムスン電子や電気自動車(EV)中国大手の比亜迪(BYD)が工場を構えている。

屋外の活動はマンションや団地の敷地内のみに制限し、不要な外出をしないよう求める。
やむをえず敷地を出入りする場合には登録が必要となる。大型商業施設やカラオケ、銭湯、ジムや映画館などの営業を一時停止する。飲食店は持ち帰り・出前のみを許可する。

2021年12月23日から1カ月間、事実上の都市封鎖を実施したが、感染拡大を受けて、再び対策の強化を余儀なくされた。

香港・マカオを除く中国本土の市中感染者(無症状含む)は5日以降、毎日2万人以上と、高水準で推移している。

上海市のほか、東北部や南部など広範囲で感染が広がっている。中国政府は隔離やPCR検査を駆使する「ゼロコロナ政策」を継続しているが、その有効性に陰りが見える。

【関連記事】上海封鎖、細る供給網 アップル取引先の工場停止 』

上海防疫に習近平氏が「ダメ出し」 焦る首相候補・李強氏

上海防疫に習近平氏が「ダメ出し」 焦る首相候補・李強氏
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK111RT0R10C22A4000000/

『「もし新型コロナウイルス対策に金メダルがあるなら、中国は必ずや、金メダルをもう1枚もらえる」。中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)は8日、大々的に開いた北京冬季五輪・パラリンピック総括表彰式で、中国によるもう一つの「世界制覇」を紹介した。これに肝を冷やしたのは、ロックダウン(都市封鎖)が続く上海市のトップ、李強だろう。
北京冬季五輪・パラリンピック関係者を表彰する中国の習近平国家主席(左端、8日、北京の人民大会堂)=共同

なぜなら、もう1枚の金メダルは主催都市、北京市に授けられたものでもあるからだ。感染者が出ると地域を丸ごと封鎖する厳しい「ゼロコロナ」政策の体現を称賛されたライバル北京と、崖っぷちの上海は対照的である。

しかも感染が上海からほかの地域に広がれば、習が秋の共産党大会で誇示したい「コロナへの大勝利」も雲散霧消しかねない。習から信頼される「最側近」を自任してきた次期首相候補、李強としては一大事だ。冒頭の習の言葉が重くのしかかる。
ゼロコロナ徹底を伝えた使者の意味

「上海の新規感染者数は(中国)本土全体のなんと95%を占める。(習は)上海で突出する感染爆発に相当、不満なのだ」

「『ゼロコロナの大方針は決して揺らがない』というトップの厳命を急きょ、上海入りした孫春蘭(副首相)から伝えられるようでは、先が思いやられる」

「(李強は)トップと頻繁に電話で連絡を取り合い、直接、指示を受ける関係だったはずだが……」

そもそも政治に関心が薄い商都、上海の市民らだが、生活が脅かされている以上、無関心ではすまない。様々な臆測が飛び交うゆえんである。隔離先に向かった飼い主を追いかけようとしたコーギー犬が防疫要員に撲殺される映像が出回るなど、街は殺伐とした空気に包まれている。

上海市トップの李強・共産党委員会書記㊨に指示を伝える孫春蘭副首相(上海市政府ホームページから)

上海の庶民が、奇異に感じたのも当然だった。中国のコロナ対策を統括する孫春蘭が突然、上海入りしたのは4月上旬である。李強は、共産党政治局委員として同格のはずの副首相の視察に神妙な面持ちで付き従い、彼女から事細かに指示を受けた。

習の「上意」を使者の副首相から間接的に受け取るしかない姿は、不満が鬱積している上海の人々の格好の話題になった。同じ頃、中国全土から人民解放軍の医療支援部隊2000人も上海入りしていた。

感染者は、上海の外の浙江省などに強制的に連れ出され、濃厚接触者も市の郊外などに設置した臨時隔離施設に次々収容される厳しさだ。緊迫度は封鎖開始の3月28日とは比べものにならないほど高い。

上海市に設置された臨時病院=新華社AP

焦燥感を抱く李強も異例の行動に出た。6日、上海市の全共産党員に向けて公開書簡を出したのだ。「習近平同志を核心とする党中央の強いリーダーシップの下、万難を排して勝利を勝ち取ろう」という趣旨である。「党委員会の名義とはいえ、公開書簡は極めて珍しい」。北京を意識したなりふり構わぬ姿勢には、上海の関係者も驚きを隠さない。

民間主導の発想が住民を救う

鉄の規律に縛られる党員が応じるのは義務だが、長期にわたる封鎖、外出禁止で生活が成り立たなくなった庶民からは悲鳴が聞こえる。小さな子供がいる家庭では、野菜や牛乳などが不足して四苦八苦。何よりも「食」を大事にする中国、とりわけ上海の人々には耐えがたい。食い物の恨みは根深く、後々まで尾を引くのは必定である。

一方、未曽有の危機に直面した上海市民らは、縦割りの官に頼らないユニークな横の連携手法を用い始めたという。行政の末端組織である居民委員会だけでは食料配給、PCR検査の手配、医療提供など様々な仕事をこなしきれない。爆発寸前の住民の姿を見て立ち上がったのが、社区内マンションに住む高いスキルを持つ人々だ。

中小企業の社長さん、IT技術を巧みに駆使する若者、お医者さん、大学の先生……。スマートフォンやパソコンの上でつながる彼らが、手を取り合って独自に団体購入などの様々な仕事を割り当てる。少しの時間、効率よくテキパキ動くことで、コミュニティー全体がスムーズに回り出したのだ。

都市封鎖が続く上海市に運び込まれた医療関連物資(10日)=CFOTO共同

「開放的な上海は、全てにおいて官が口を出す北京とは全く違う。大半のことは民間に任せておけばうまくいく。そういう街だ」。事情通の指摘は興味深い。中央が押し付けるロックダウンとは全く逆の民間の発想が苦しむ庶民を助けているのは、ひとつの救いである。

上海では4割強の地区で順次、外出制限を解除する方向だ。とはいえ感染収束への道はまだ見えない。各地での感染拡大は、近く発表される1~3月期の中国の成長率の下押し要因になる。3月の新車販売数は2ケタ減だった。上海封鎖の影響は4~6月に反映される。2022年の実質成長率の目標である5.5%前後の達成は早くも疑問視されている。

首相として最後の1年になると明言した李克強(リー・クォーチャン)も危機感をあらわにした。経済専門家や企業家らとの座談会では「目下の国際的、国内的な環境には突発的な要因があり、予想を超えている」と率直に吐露している。
責任をとるのは誰か

その「ポスト李克強」の有力候補のひとりが李強と噂されてきた。だが皮肉なことに李克強が触れた国内の突発要因の代表例が、上海で続く都市封鎖なのだ。早期収拾できなければ、李強の経歴にも大きな傷が付く。

そもそも中国経済の中心地が異常事態に陥った政治的な責任は、いつか誰かがとらなければならない。たしかに陝西省西安市などが都市封鎖に至った責任は曖昧になった。だが、少なくとも、しくじった張本人が、政府の経済政策を担う責任者に抜てきされるのならば、かなりの違和感がある。共産党独裁といえども、ひそかに民意は気にせざるをえないのだ。

「李強はすでに(習から)最も信頼される側近ではなくなった」「(来春の首相就任を視野に入れる)早期の中央転出は消えたようだ」。上海で気の早い見方が広がる裏には、習と距離がある各勢力の冷ややかな視線もある。

「浙江閥」と呼ばれる習側近集団の破竹の勢いをそぎたいなら、李強は格好の標的だ。北京と異なる雰囲気が漂う上海は、隠れた政治闘争の舞台になってきた。かつて絶大な勢力を誇ったのは、元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)が束ねる「上海閥」だった。習は、党大会を控えた上海での前哨戦にも気を使わざるをえない。

北京冬季五輪・パラリンピックの総括表彰式に出席した習近平国家主席(8日、北京の人民大会堂)

ゼロコロナも絡み政局の不安要因が増えるなか、習は10日、海南島の南部に位置する三亜に現れた。余裕をみせているようでも、決して海外には出ない。過去2年以上、一切、外国を訪問しなかったのは、20年1月のミャンマー訪問での不在中、湖北省武漢市で最初の感染爆発が起き、対策が後手に回ってしまった反省からでもある。

一連の教訓は、ゼロコロナへのこだわりにつながる。感染力の強い変異ウイルス「オミクロン型」への効果は限定的と指摘されても、20年1月に自ら決定し、自ら手配した政策の「輝かしい成功体験」を捨てるわけにいかない。

コロナ禍の2年間で世界と中国は激変した。習が大手を振って海外に出るのは、コロナへの不安がほぼ解消した時になる。間もなくなのか、それとも、かなり先なのか。それは誰にも予想できない。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)

1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

上海市、コロナ外出制限を4割強の地区で解除へ感染高水準、全面解除にはなお時間

上海市、コロナ外出制限を4割強の地区で解除へ
感染高水準、全面解除にはなお時間
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM112Y80R10C22A4000000/

『【上海=土居倫之】新型コロナウイルスの感染拡大で都市封鎖(ロックダウン)中の中国・上海市は11日、市内の4割強の地区に相当する7565地区で外出制限を解除すると発表した。地区のリストを順次公表しており、中国メディアによると、すでに外出が可能になった地区もあるという。残る6割弱の地区は引き続き、外出を制限する。高水準の新規感染が続いており、都市封鎖の全面的な解除にはなお時間がかかる可能性が高い。

上海市の顧洪輝副秘書長が11日の記者会見で明らかにした。上海市は全市を感染リスクに応じて3地区に分類して管理している。14日間感染者がゼロの地区は「防範区」と呼び、外出を認める。ただ必要性のない外出は自粛を求め、外出できる範囲にも制限を設ける。

9日に実施した全市民対象のPCR検査などの分析の結果、現時点で7565地区が「防範区」に該当するという。

一方、7日間感染者が発生せず、敷地内の移動に限って認める「管控区」は2460地区、7日以内に感染者が発生し、自宅から出ることも認めない「封控区」は7624地区という。

10日の上海市の市中の新規感染者数(含む無症状)は、2万6087人と10日連続で最多を更新した。感染に歯止めが掛かっておらず、都市封鎖の全面解除の見通しは立っていない。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Shanghai-eases-COVID-lockdown-despite-record-infections?n_cid=DSBNNAR 』

中国・習指導部、上海に統制強める ゼロコロナ徹底要求

中国・習指導部、上海に統制強める ゼロコロナ徹底要求
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0778A0X00C22A4000000/

『【上海=土居倫之】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が、新型コロナウイルスの早期封じ込めに失敗した上海市政府に対する統制を強めている。衛生政策担当の孫春蘭副首相を派遣し、「ゼロコロナ」政策の徹底を上海市政府に求めた。軍医など中国軍約2000人も派遣した。党中央・中央政府が上海市政府の防疫政策を直接指導し、全国への感染波及の防止を目指す。

「党中央と国務院(政府)の決定に従い、ゼロコロナの総方針を揺るがしてはならない」。2日に上海入りした孫氏は約1週間にわたって市内を視察し、市トップの李強党委員会書記ら幹部に連日こう指示している。7日には市中心部の住宅街を訪れ、「一刻も早く感染者と濃厚接触者を洗い出せるように」と指示した。孫氏は病院や学校のほか港なども訪問。その指導内容はPCR検査の徹底から円滑な物流の確保、東洋医学の活用にまでわたる。

こうした指導の背景には感染拡大に歯止めを掛けられない上海市政府に対する習指導部の不満がある。上海市の7日の新規感染者数(無症状を含む)は2万1222人と7日連続で過去最多を更新。東西に二分してロックダウン(都市封鎖)を始めた3月28日の5倍近くに膨らんだ。

オミクロン型は感染力が強い半面、重症化しにくい。上海市の新規感染者のうち無症状の割合は9割以上に達する。国際的なサプライチェーン(供給網)への影響など経済に配慮して、上海市は3月28日のロックダウン直前まで感染者や濃厚接触者がいる地域に限定した小規模な封鎖にとどめていた。だがこうした戦略が裏目に出て、初期段階での感染封じ込めに失敗した。上海は7日時点で中国本土の市中感染者数(2万4101人)の9割近くを占めている。

7日付の共産党機関紙、人民日報は、上海市の感染拡大に関する論評で「人口大国である中国では、ゼロコロナ政策のみが、医療資源の枯渇を回避し、高齢者や基礎疾患を持つ人の死亡を防ぐことができる」と政策の堅持を訴えた。中国疾病予防コントロールセンターの疫学首席専門家、呉尊友氏は6日の北京市での記者会見で「感染がいつまで続くかは、防疫戦略とその実行力にかかっている」と強調した。

上海市トップの李氏は習氏の腹心の一人で今秋の共産党大会での最高指導部入りがささやかれていた。だが早い段階での感染拡大を阻止できず、政治的に背水の陣にある。香港メディアは、ネットに流出した上海市政府の会議での議事録をもとに李氏の「(コロナに)もし勝てなければ、歴史的な失敗となる」との発言を報じた。3月31日の記者会見では上海市の馬春雷秘書長(上海市共産党委員会副秘書長)が「オミクロン型ウイルスに対する理解が不十分で備えも十分でなかった」と異例の陳謝をしていた。』

[FT]「ゼロコロナ」政策が招く中国の食料不足

[FT]「ゼロコロナ」政策が招く中国の食料不足
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0726T0X00C22A4000000/

 ※ ある意味、「自分で自分の首を締めている」「セルフ・制裁」みたいなものだな…。

 ※ しかし、「国産ワクチン」への信頼の観点(特に、感染予防力の点)からは、「ウイルスとの共生」とはいかないんだろう…。

 ※ 人口も桁違いに多いんで、「感染爆発」ともなれば、収拾がつかなくなるんだろう…。

『公式データによると、東北部の吉林省と遼寧省、黒竜江省の3分の1もの農家は、当局がロックダウンを敷いた影響で、農業資材の不足に直面している。この3省は、中国の穀物生産の2割以上を占めている。

コメやトウモロコシなど春に作付けする穀物の生産量が減少すれば、主食の自給自足を目指す中国政府の数十年に及ぶ努力は台無しになりかねない。結果的に輸入拡大を強いられ、世界の食料インフレを加速させる恐れもある。

この1週間は、上海市の全市民を対象としたロックダウンが国内外で注目を集めているが、吉林省は過去1カ月のほとんどの期間、さらに厳しい措置を講じて感染拡大と戦っている。

吉林省政府によると、農家の約3分の1は3月末、つまり作付け開始の約3週間前になっても、肥料を十分に確保できていなかった。

交通規制など厳しい制限

農家や工場経営者は、感染を完全に抑え込む中国の「ゼロコロナ」政策がこうした混乱の原因だと非難している。当局はこの政策の下で、交通規制や店舗の営業停止など厳しい制限を行っている。

北京を拠点とする中国政府の農業政策アドバイザーは、中国は「食料不足に直面する」リスクがあると警鐘を鳴らす。

匿名を条件に取材に応じた同アドバイザーは「農業のためにゼロコロナ政策を調整する必要がある」と語った。「ウイルス対策を何よりも優先すべきではない。これをいつまでも続けるわけにはいかない」という。

吉林省・吉林市政府は、春の作付けの準備は非常に難しいことが分かったという。「すべての農家に肥料を供給するのが(予定より)遅れている」と市のウェブサイトで通知している。

吉林市の60エーカーの土地でコメを栽培する農家のリー・チンホワさん(38)は、配達の遅れで肥料の在庫が通常より8割以上も少なくなっていると明かした。「発注分が来週中に届かないと、種まきに最適なタイミングを逃してしまう」という。

中国農業農村省にコメントを求めたが、回答はなかった。

ロックダウンは23都市で実施

野村のアナリストの推計によると、中国では現在、少なくとも23都市(合計人口は1億9000万人超)が全面的ないし部分的なロックダウンを実施している。「新型コロナは夏場に収束するとの見方が一般的だった2020年春とは異なり、現在は終わりが見えない」と同社アナリストは指摘している。

折しも春の作付けの問題は、ウクライナ紛争で中国にとって重要な家畜飼料であるトウモロコシの出荷が停止する中で起きた。国際貿易センター(ITC)のデータによるとウクライナは2013年以降、中国にトウモロコシを出荷しており、この2年後には海外の最大の供給国となった。

肥料工場は苦境に立たされている。河北省にある大手肥料メーカー、根力多生物科技の幹部は、顧客への出荷や原料の確保に「多くの困難」を抱えていると語った。これは業界全体で問題となっており、中小メーカーの多くは操業を停止しているという。

3月以降に5万人以上の新型コロナ感染者が報告されている吉林省では、地元で手に入らない種子や肥料を運んできても、他地域からのトラックの乗り入れを拒否する町や村が少なくない。

農家の不満をさらに増しているのが、都市部のロックダウンで多くの出稼ぎ労働者が行動を制限され、農村部の作付けに戻れないという実態だ。戻れたとしても、14日間の隔離期間を経なければ作業に取りかかれない。
原料の仕入れや労働者の採用に影響

吉林省梨樹県で80エーカーの農場を営むリー・ジジョンさんは「今回の作付けシーズンはこれまで経験した中でも指折りの厳しさだ」と嘆く。「原料の仕入れや労働者の採用にこれほど苦労することはめったにない」

吉林市政府は3日、地元のトラック運転手が市外に種子や肥料を配送できる「グリーンチャネル」を開設すると発表した。だが、市外への配達後に市内に戻ることは認められないという。

この措置は「コロナ禍が春の作付けに及ぼす影響を可能な限り軽減する」狙いがあるとしている。

吉林市の運転手、ガオ・フカイさんは「肥料を出荷するために家族と離ればなれになるリスクを冒すつもりはない」と話す。帰宅が認められなければ「トラックでの生活」を強いられかねないと不安を口にしている。

山東省の農業都市・臨沂市は、地元の運転手が上海への配送後に新型コロナの陽性判定を受けたため、他都市からのトラックの受け入れを停止した。当時、同市で確認された感染者数はわずか58人だった。

結果として肥料不足が生じ、いまだ解消されていない。臨沂市で肥料販売を手がけるワン・タオさんは「私たちと政府とでは優先するものが違う」と語る。「政府はウイルスを撲滅することしか頭にないが、私たちには生活がある」

By Sun Yu

(2022年4月6日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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