中国シノバック製ワクチン、有効性83% トルコ治験結果

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03CEE0T00C21A3000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】トルコの研究者らは3日、中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルスワクチンの有効性が83.5%だったとする臨床試験(治験)の最終結果を発表した。入院が必要な重症化率は0%で、重大な副作用は認められなかったとしている。

2020年12月に公表した初期段階の治験結果では有効性91%だった。シノバック製ワクチンの有効性についてはほかに、ブラジルが84%、インドネシアが97%だったなどと報じられている。

ブラジルでは有効性が50%強にとどまったとの報告もあったが、イスタンブール大のヤウズ・ウレシン教授によると、無症状の陽性者をワクチンが「有効」とするケースに含めるかどうかなど、発表や治験の基準に違いがある。

トルコの治験には18~59歳の男女約1万人が参加し、約6000人に2回のワクチン接種を行った。残りには偽薬を与えた。有効性はPCR検査の結果が陽性かつ、発熱やせきなど何らかの症状を発症するかどうかで判断した。

トルコは今年1月にシノバック製ワクチンの一般向け接種を始め、これまでに高齢者ら700万人超が1回目を受け、うち200万人超が2回目の接種を終えた。

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イタリア、豪州向けコロナワクチン輸出を阻止 EUで初

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04DXW0U1A300C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアが英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンについて、オーストラリア向けの輸出を阻止した。4日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などが報じた。1月末に欧州連合(EU)が域外へのワクチンの輸出制限措置を導入して以来、初めての発動となる。

対象はイタリアの工場で生産した25万回分のワクチン。輸出制限では、EUが事前購入契約を結んだ製薬会社に対し、域内で製造したワクチンの出荷計画を事前に申告し、輸出する際には製造している国の政府の許可を得る必要がある。欧州委員会もイタリアの判断を承認した。

2月にイタリアの首相に就任したドラギ氏は最優先事項として新型コロナ対策を掲げ、自国民へのワクチンの普及を急いでいる。EUが米英などに比べワクチン接種が大幅に遅れていることに不満を抱き、2月25日にオンラインで開いたEU首脳会議でも、EUはより厳しい輸出規制が必要との認識を示していた。

ロイター通信は4日、関係者の話としてEUが輸出制限を6月末まで延長することを検討していると伝えた。現時点では3月末で終える予定となっている。一方、世界保健機関(WHO)は「ワクチンの公平な分配を妨げる恐れがある」などとEUを批判している。世界各国でワクチン接種が始まったが、今のところは資金力のある先進国に偏っており、途上国にはほとんど行き渡っていない。』

[FT]米、日豪印とアジアへのワクチン配布で協力へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0423E0U1A300C2000000/

『米国は日本、インド、オーストラリアと協力し、中国の影響力拡大に対抗する広範囲な戦略の一環として、アジア諸国に新型コロナウイルスのワクチンを配布する計画を進めている。

米政権はここ数週間にわたり、外交・安全保障構想である日米豪印の枠組み(英語で4を意味する)「QUAD(クアッド)」関係国と協議を重ねてきた。協議内容に詳しい関係者6人が明らかにした。

事情に詳しい2人の関係者によると、近く発表すること…

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事情に詳しい2人の関係者によると、近く発表することを目指す措置の中には、影響力の拡大を狙う中国に対抗するワクチン配布の取り組みも含まれるという。

バイデン米大統領は、同盟国とより緊密に連携していく姿勢を強調している。中国が軍事的、経済的に攻勢を強めていることに対して、(インド太平洋)地域で警戒感が高まっていることも支援材料となっている。

「バイデン政権は、クアッドを米国のアジア政策活動の中核にすえようとしている」と戦略に詳しいある関係者は説明する。

高まる4カ国の協力機運

米政権のインド太平洋調整官で、クアッドの取り組みを率いるカート・キャンベル氏は、関係国の大使とすでに何度か会談している。2004年、インドネシアと東南アジアの一部に壊滅的な被害をもたらしたインド洋大津波に対応したのがもともとの出発点だ。

現在協議されている戦略は、ワクチン配布よりも野心的で、長期にわたって影響を及ぼすものだとある関係筋は話す。「米国がインド太平洋地域で目指す大規模かつ大胆な取り組みに向けた準備は、最終段階に入っている」という。

この関係筋はさらに、クアッドがパンデミック(世界的大流行)や気候変動、そして地域の安全保障問題など国際的な問題に対応する必要性について「深く認識している」と指摘し、海洋協力を深め、サイバー防衛などの分野でも関係をどのように強化できるかを協議中だという。

中国はこの枠組みをアジア版「北大西洋条約機構(NATO)」と呼び、地域の緊張を高める引き金になると批判している。

クアッド4カ国は取り組みを純粋な中国対抗策ではなく、建設的な構想に沿う動きだとしている。しかし、複数の関係者が本音で明かしたところによると、中国が攻勢を強めていることを受け、もっとやらなければならないという機運が高まっている。

トランプ前政権時代の枠組み

米シンクタンク、ブルッキングス研究所のインド専門家であるタンビ・マダン氏は、コロナワクチンに焦点を当てることで、クアッドは中国の封じ込めだけを目的としているという他のアジア諸国の懸念を緩和することができるとの見方を示す。

「大津波の後のように、地域に価値を示すことができれば、4カ国だけではなく、地域全体にも付加価値をもたらすことを目に見える形で伝えられる」

トランプ前米大統領は、オーストラリア、日本、インドの政治的な理由もあって機能していなかったクアッドを復活させた。バイデン大統領は、インド太平洋地域の同盟国で親米ムードが強まっている機会をとらえ、構想を強化させたい考えだ。

「米国はクアッドを、これまで築き上げてきた取り組みを基盤に、この地域で決定的な役割を果たすレベルにまで引き上げようと大きく推進している」と交渉に詳しい消息筋は話す。

中国の「威圧的な行動」に懸念

バイデン大統領は、中国が米国の外交政策の最重要課題であることを表明している。最近の演説では、中国政府に対して「経済的虐待と威圧的な行動」をしていると非難し、中国政府の軍事的な圧力も批判している。

中国は、東シナ海の日本が実効支配し中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺で(領海への侵入など)挑発的な行動を強めている。また、オーストラリアに対しては、豪政府が新型コロナウイルスの発生源の調査を求めた後、経済的な圧力をかけている。

インドと中国の関係は、係争地域を巡って昨年両軍が衝突した際にインド側で21人、中国側で少なくとも4人が死亡した後、急速に冷え込んでいる。インドはそれ以降、中国への経済的な依存を断ち切ろうとしている。

米政府は計画についてコメントしなかった。インドの高官は、海外に配布するためのワクチンをインドで製造し、その費用をより豊かな国が支払う方向で協議が進んでいることを認めている。

インドには、輸出志向の巨大な医薬品産業があり、その中の何社かは海外の組織と提携してワクチンを生産している。インドはすでに約4100万回分のワクチンを新興国市場や国連、そして世界保健機関(WHO)主導で低・中所得国にコロナワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」プログラムを通じて輸出している。

By Demetri Sevastopulo and Amy Kazmin

(2021年3月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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フィリピンでワクチン接種開始 シノバック製

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM011NG0R00C21A3000000/

『【マニラ=遠藤淳】フィリピンで1日、新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンで、医療従事者らが接種を受けた。今後、国民への接種を急ぎ、早期の経済再開を目指す。

ワクチン接種はまず、マニラ首都圏にある6病院で医療従事者らを対象に開始。政府からはコロナ対策の責任者のカリート・ガルベス氏らが接種を受けた。同氏は「希望する医療従事者は3月末までに接種を完了したい」と話した。

今回投与されるシノバック製ワクチンは中国から無償提供された60万回分で、中国空軍機で2月28日にマニラの空軍基地に運ばれた。ワクチン到着を歓迎する式典でドゥテルテ大統領は駐比中国大使を前に「年末までにすべてが落ち着いたら、中国に行って、個人的に習近平(シー・ジンピン)国家主席に謝意を伝えたい」と述べた。

ただ、ドゥテルテ氏自身は現在75歳のため、医師から「シノバック製ワクチンの対象年齢から外れており、接種を推奨しない」と言われたという。

フィリピンの2月28日時点の累計の感染者数は53万4271人、死者数は1万2318人。政府が2020年3月中旬から1年近くにわたり外出・移動制限を敷いた影響で経済が停滞している。ワクチンを公平に分配するための国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」を通じて英アストラゼネカ製のワクチンも近く受け取る予定で、ドゥテルテ氏は2000万~4000万回分のワクチンを入手すれば、制限を解除する意向を示した。

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[FT]中国、国内のワクチン接種なかなか進まず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0127S0R00C21A3000000/

『中国は新型コロナウイルスのワクチン数億回分を海外に供給すると約束しているが、国内では接種が思うように進んでいない。このため、海外への渡航制限が少なくとも2022年まで続くのではないかとの懸念が高まっている。

中国は20年7月に世界で初めて新型コロナのワクチン接種に乗り出し、21年2月上旬までの接種回数は4050万回と米国に次いで2番目に多い。だが、人口100人あたりの接種回数は2.9回と他の主要国…

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だが、人口100人あたりの接種回数は2.9回と他の主要国よりもはるかに少なく、集団免疫の獲得に必要な水準にはほど遠い。現時点の接種回数は目標の8割にとどまる。

成功した感染封じ込めの影響も

中国のワクチン接種プログラムは感染封じ込め策の成功のあおりを受けたといえる。20年の迅速な介入により感染拡大が収束して感染者数は激減し、ワクチン接種の意義は薄れた。

同時に、中国でワクチンを開発する中国医薬集団(シノファーム)、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は包括的な臨床試験(治験)データを公表しておらず、一部の医療従事者の間でワクチンへの信頼が損なわれている。一方、中国の多くの市民はまずは他の人へのワクチン接種で副作用を引き起こすかどうかを見定めようとしている。

北京に拠点を置く調査会社プレナムのパートナー、チェン・ロン氏は「今の中国でワクチンを接種してもメリットはほとんどない」と言い切る。「つまり、国境の開放は大幅に遅れることになる」と指摘した。

海外に渡航した中国人は、ワクチン接種の有無にかかわらず帰国時に14日間の隔離措置を義務付けられている。一部の外交官と一握りの企業幹部を除き、外国人の入国は20年3月以降ほぼ完全に途絶えている。

世論調査会社イプソスの調査では、ワクチンを接種するつもりだと答えた中国人は85%と世界で最も高水準だった。だが、この調査ではいつ接種するかについては尋ねていない。北京に拠点を置く市場調査会社、龍洲経訊(ガベカル・ドラゴノミクス)が主に都市部の専門職従事者を対象に実施した調査では、回答者307人(一部はワクチン未接種)のうち、現状のワクチン接種プログラムに参加する予定はなかったと答えた人は半数以上に上った。

医療関係者も接種に抵抗感

ドイツや米国の一部などと同様に、中国でも特に医療関係者の間でワクチン接種への抵抗感が強いようだ。中国の医学誌が2月に発表した調査では、医療従事者はワクチン接種を望まない傾向が強いことが明らかになった。浙江省の医療従事者756人のうち、ワクチンを接種するつもりだと答えたのは28%にとどまった。

ガベカルの調査でも医療従事者を対象にした調査でも、ワクチン接種を控える最大の理由は副作用への懸念だった。医療従事者はワクチンの有効性の低さも不安視している一方、2つの調査の回答者はともに地域での感染リスクが非常に低く、ワクチン接種は必要ないと考えていたという。

北京在勤の匿名希望の医師は「私たちはそもそもワクチンについてほとんど何も知らず、安全性や有効性を裏付けるエビデンス(科学的根拠)も示されていない。しかも、北京ではここしばらく感染は収まっている」と語った。

この女性医師は病院の同僚でワクチンを接種したのは2割程度だろうと話す。もっとも、多くの場合には他の薬を服用していたり、妊娠を考えていたりするなどの健康状態が理由で接種の対象外になったという。

シノファームとシノバックのワクチンの年齢制限も接種がなかなか進まない一因だ。両社のワクチンは18~59歳の健康な人のみに推奨されており、接種を最も望んでいる層は対象外となっている。中国政府はむしろタクシー運転手など感染を拡大させる可能性が高い人たちへの接種に力を入れている。

国民の大半への接種完了は22年か

今の接種ペースでは、人口の大半がワクチン接種を終えるのは22年になるとアナリストは予測している。

北京市当局は1月以降、ワクチン接種の対象となる居住区を拡大し、住民に接種への参加を促す通知を送っている。

ワクチン接種を強制的に進めている国有企業もある。北京の一部地域では市の担当職員がバーの従業員に対し、ワクチンを接種するか新型コロナ検査を毎週受けるよう要請している。北京市当局はタクシー運転手へのワクチン接種も義務付けている。

シノファームとシノバックは年内に合計20億回分のワクチン生産能力があるとしている。もっとも、この目標を達成できるかどうかは定かではない。シノバックの1日あたりの生産量は公表済みの生産能力を大幅に下回っている。

ワクチンメーカー各社はワクチンを入れるガラス製のバイアル瓶の不足にも悩まされている。瓶は大半を輸入に頼っている。シノファーム製ワクチンは1瓶に1回分しか入らないため、瓶の確保に特に苦労している。一方、独ビオンテックと米ファイザーが共同開発したワクチンは6回分、英オックスフォード大学と英アストラゼネカが開発したワクチンは10回分が入る。

シノファームとシノバックは国内の需要と海外への供給の約束とのバランスもとらなくてはならない。中国外務省は新型コロナのワクチンを平等に分配する国際的枠組みCOVAX(コバックス)に1000万回分を提供すると約束している。さらに、ガべカルによると、中国のワクチンメーカー各社は各国と個別に計5億回分以上を供給する契約を結んでおり、既に約2100万回分を提供している。

もっとも、状況は改善しつつある。2月6日にシノバックのワクチンが承認されるまでは、一般向けに承認されていたのはシノファームのワクチン1種類しかなかった。2月25日にはカンシノ製ワクチンとシノファーム系列の2つめのワクチンも承認され、利用可能なワクチンは計4種類に増えた。

By Yuan Yang

(2021年2月28日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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米で初の1回接種ワクチン承認 J&J、日本で調達協議も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2703K0X20C21A2000000/

『【ニューヨーク=野村優子】米国で初めてとなる1回接種の新型コロナウイルスワクチンが承認された。米日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したワクチンで、輸送や保管もしやすいのが特徴。J&Jは米国向けに1億人分、世界には年10億人分のワクチンを供給する見通しだ。日本も調達の協議中だが、供給量が限られる中で交渉の出遅れが懸念される。

【関連記事】
米、J&Jのコロナワクチン承認 初の1回接種

米食品医薬品局(FDA)は27日、J&Jの新…

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米食品医薬品局(FDA)は27日、J&Jの新型コロナワクチンについて、18歳以上を対象に緊急使用を承認した。臨床試験(治験)の最終分析によると、1回の接種で中程度から重症の新型コロナに対する予防効果が66%、重症化に対する予防効果は85%だった。

米国で接種が進む米製薬大手ファイザー・独ビオンテック連合と米バイオ製薬モデルナのワクチンは、3~4週間の間隔で2回の接種が基本となる。米疾病対策センター(CDC)によると、27日までに1回目の接種を受けたのは4843万人と、米人口の約14.6%に相当。一方、2回目の接種を受けたのは2369万人で、米人口の7.1%にとどまる。

2回接種には時間や人手、管理や予約手続きなどの手間もかかるため、1回接種で済むワクチンの重要性は指摘されていた。英国などでは多くの人に1回接種することが感染抑制につながるとして、2回目の接種を遅らせる措置もとられている。米国では2回接種に伴う混乱も出ており、ペンシルベニア州フィラデルフィアでは2回目の接種に充てるはずのワクチンを一部、1回目の接種に使用。10万人超のワクチン予約が延期されたと、現地メディアは報じている。

輸送や保管もしやすくなる。ファイザーやモデルナが遺伝子情報から作る「メッセンジャーRNA(mRNA)」という新技術を使うのに対して、J&Jは「ウイルスベクター」という別の新技術を使う。mRNAが熱に弱く壊れやすい一方、ウイルスベクターはセ氏10度以下程度で保管が可能。J&Jのワクチンは、2~8度と冷蔵庫での輸送・保管が可能となる。

ワクチン供給を巡る混乱が続くなか、1回接種と扱いやすさから、ワクチン普及が加速するとの期待は高い。ワクチンの不足や供給遅れを訴えてきたニューヨーク州のクオモ知事は「J&Jのワクチンは、供給面でゲームチェンジャーになりうる」と指摘している。米国では供給ペースが加速しているものの、ワクチン不足などから接種所を一時閉鎖する動きも各州で相次いでいる。

バイデン政権は7月末までに約3億人の米国民全員分のワクチンを供給すると表明している。ファイザーとモデルナは、7月末までにそれぞれ3億回(1.5億人)分のワクチンを米国に供給する計画だ。J&Jは2021年に年10億回(10億人)分を生産し、米国には6月末までに1億回(1億人)分を供給する見通しだ。

J&Jは日本でも20年9月から250人規模の治験を実施中だ。米国で緊急使用が認められたことにより、海外で使用されている薬の審査を簡略する「特例承認」への道が開けた。海外での治験結果とあわせて今後、日本でも承認申請する見込みだ。

もっとも、今のところ厚生労働省は同社とワクチン調達の契約を結んでいない。田村厚労相は2月26日の記者会見で「承認されれば、重要な国策なので検討しないといけない」と述べ、今後の調達の可能性に言及した。J&J日本法人は「日本政府と協議中」とコメントした。

日本政府が既にワクチン供給で契約を結ぶのは、ファイザーとモデルナ、英アストラゼネカの3社だ。3社合計で1人2回接種の計算で1億5700万人分を契約しているが、世界的なワクチン不足によって供給遅れの懸念も強まっている。調達先の選択肢を広げることは有効な手立てのはずだが、J&Jの供給量にも限りがあり、日本への供給を実現するには政府との迅速な契約が欠かせない。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーを務める専門家からは、「物流管理が格段に容易になる可能性があるのに、積極確保に向けた政府の動きが見えてこない」と出遅れを懸念する声もあがる。

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察 より効率的なワクチン登場で、ワクチン獲得競争は益々激化する勢いです。経済と社会の早期正常化が目指される中で、各国が自国分のワクチン確保に明け暮れることは致し方ないですが、一方で、ゲームのルールや制度を整えないままの競争は混乱を来すだけだと危惧します。ワクチンを巡っては製造側の生産能力をいかに加速化させるか、製造されたワクチンをいかに迅速に公平に分配するか、そして国内でいかに円滑に接種するか、といった複数の問題が混雑しています。国内での接種体制の整備は勿論のこと、世界的なワクチン製造体制の見直しや、安定的供給にむけた体制づくりにも、日本は積極的に関与すべきです。
2021年3月1日 12:05いいね
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米、J&Jのコロナワクチン承認 初の1回接種

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26ET20W1A220C2000000/

『【ニューヨーク=野村優子】米食品医薬品局(FDA)は27日、米日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認したと発表した。米国での承認は米製薬大手ファイザー・独ビオンテック連合、米バイオ製薬モデルナのワクチンに続いて3例目で、初の1回接種となる。

FDAは26日の第三者委員会で使用が支持されたことを受け、緊急使用の許可を求めたJ&Jの申請を承認した。接種の対象は18歳以上となる。FDAは24日の報告書で「承認に求める基準を満たした」としていた。

米政府によると、第1弾としてまず300万~400万回分のワクチンが来週中に各州や薬局、接種所などに出荷される。J&Jは米国向けに3月末までに2000万回分、6月末までに1億回分を供給する見通し。2021年には10億回分を生産する計画だ。

J&Jのワクチンは接種が1回のみで、セ氏2~8度と冷蔵庫での保管が可能。輸送や保管に特別な設備を必要としないため、接種ペースの加速につながるとの期待が高い。ファイザー製とモデルナ製のワクチンは2回の接種が必要で、3カ月以上の保管についてはセ氏マイナス70度~同20度前後が求められている。

約4万人が参加した臨床試験(治験)の最終分析で、中程度から重症の新型コロナに対する予防効果が1回の接種で66%、重症化に対する予防効果は85%だった。接種後の主な副作用は頭痛や倦怠(けんたい)感などだった。』

コロナ変異型、抑制正念場 米は200億円投入

コロナ変異型、抑制正念場 米は200億円投入
EU、ワクチン強化 新規感染下げ止まり
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODB26E190W1A220C2000000/

『日米欧で変異した新型コロナウイルスへの警戒が高まっている。経済活動の制限やワクチン接種の開始で、新規感染者はピーク時に比べて減少したが、感染力が強いとされる変異型の広がりが足元で目立ち始めている。米国では政府が2億ドル(約210億円)を投じて、変異型の監視態勢を強化。欧州連合(EU)も巨額予算を投じて対応ワクチンの開発支援を強化するなど対策強化を急いでいる。

【関連記事】
新型の変異ウイルス、米で懸念広がる ワクチン効果に影
ブラジル型の変異ウイルス、感染率30~50%高い恐れ

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計による…

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米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国の1日あたりの新規感染者数(7日移動平均)はピークだった1月上旬の約30万人から2月下旬は7万人程度まで7割強減少。英国やドイツ、フランスもピーク時と比べて6~8割減少した。

ただ足元では新規感染者数に下げ止まりの兆しも出てきた。米独仏では2月中旬以降、前日比で新規感染者が増加する日が目立ち始めた。背景にあるのが、変異型の感染の広がりだ。

「感染者が再び増える可能性がある。警戒をゆるめるときではない」。26日、米南部テキサス州のワクチン接種施設を視察したバイデン大統領も、変異ウイルスによる感染の再拡大リスクに警鐘を鳴らした。

米国ではこれまでに発見された「英国型」「南アフリカ型」「ブラジル型」の変異ウイルスに加え、新しい変異型がニューヨーク、カリフォルニアの両州で確認された。米国の研究者らによると、いずれも「米国型」の新しい変異ウイルスの可能性がある。

米メディアによるとニューヨークの変異型は入院患者の比率が従来より高いという。カリフォルニアの変異型についても、米疾病対策センター(CDC)のウイルス遺伝子分析の責任者が従来型より感染力が高い可能性があるとの見方を示した。

米政府は17日、2億ドルを投じて変異ウイルスの分析能力を高めると発表。CDCが分析できる変異型の件数を、従来の3倍にあたる週2万5000件に引き上げて監視を強めている。

米国よりも変異型の感染拡大が深刻なのが欧州だ。EUのミシェル大統領は25~26日にオンラインで開いた首脳会議に先立ち、加盟国首脳に送った書簡で「多くの加盟国で、変異型が最も支配的になっている」と指摘。従来型より感染力が高いとされる変異型の域内での感染拡大へ強い警戒をみせた。

新規感染者数が再び増加傾向を見せ始めたドイツでは現地メディアによると、新規感染に占める変異型の割合は3割程度にまで高まっている。フランスでも英国型が新規感染に占める割合がパリで約5割に達する。カステックス仏首相は25日の記者会見で「感染者数がここ1週間で増えている。原因としてもっとも明らかなのは変異ウイルスで、日増しに拡大している」などと警戒感をあらわにした。

EU首脳会議では変異ウイルスに対応するワクチンの開発や原材料調達、生産拡大の支援策を拡充するとの声明を採択。EUの執行機関である欧州委員会は少なくとも7500万ユーロ(約96億円)を変異ウイルスの検査手法の開発にあてるほか、1億5千万ユーロを研究開発に投じる。承認ずみの既存ワクチンをベースに変異型に対応できる改良をめざす場合には、欧州医薬品庁(EMA)が迅速に承認する制度も整える。

日本も監視体制拡充

国内での変異ウイルス感染例は26日時点で158件、17都府県に広がった。緊急事態宣言が解除されても変異ウイルスを抑え込まないと感染再拡大につながるおそれがあり、国などは監視体制を強化している。

変異ウイルスの判定は1月半ばごろまで、国立感染症研究所(感染研)が全国の地方衛生研究所(地衛研)などから陽性検体の1割程度を集め、ゲノム(全遺伝情報)を解析して実施していた。判明まで約2週間かかり、効率も良くなかった。

そこで感染研は、PCR検査とゲノム解析を組み合わせた新しい検査方法を開発し、ノウハウや試薬を全国の地衛研に伝えた。早ければ数日で変異ウイルスを検出できるといい、国は自治体と協力して感染者の5~10%を新たな検査方法で調べる方針だ。

厚生労働省によると、新しい検査方法は25日までに41都道府県で導入された。同日までに実施した検査数は東京の1742件が最も多く、静岡が387件、滋賀が374件で続く。菅義偉首相は3月から全都道府県で新しい検査方法を実施すると表明しており、検査数はさらに拡大する見通しだ。

民間の力も活用する。田村憲久厚労相は新しい検査方法を検査会社にも公開する方針を示した。感染研は第1弾として17日、臨床検査受託大手H.U.グループホールディングス傘下企業のSRLと契約。検体の検査からゲノム解析まで請け負ってもらう体制を整えた。同省は「今後も民間との協力を広げていきたい」とする。

新しい検査方法は万能ではない。英国や南アフリカで見つかったタイプには対応するが、国内外で確認されている「E484K」という変異をもつタイプは検出できず、ゲノム解析で見分けるしかない。専門家によると、このタイプに感染すると既存ワクチンが十分効かない可能性がある。次々に登場する変異ウイルスに対応した検査方法の開発も必要になっている。

EU首脳、ワクチン接種遅れに危機感 具体策乏しく

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25E8T0V20C21A2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)で新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れている。25日にオンラインで開いた首脳会議は接種を加速させる必要性で一致したが、実効性のある具体策は乏しい。国民に不満がたまって首脳に批判が向かうなど、政治リスクになりつつある。

「今後数週間は難しい状況が続く」。EUのミシェル大統領は25日夜の記者会見で、域内でのワクチン接種の遅れを認めた。英オックスフォード大の研究者らが運営するデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、EUでワクチンを接種した人数は100人あたり6人強。英国の28人弱、米国の20人に比べて見劣りする。

首脳会議では接種の遅れに危機感を訴える声が相次いだ。EU議長国ポルトガルのコスタ首相は「ワクチンの生産、流通、承認能力を高めるべきだ」と力説した。ロイター通信によると、イタリア首相として初めてEU首脳会議に出席したドラギ氏は、製薬会社が十分なワクチンを供給するよう「強いスタンスでのぞむべきだ」と主張した。

国民の不満が各国の指導者に向かう政治リスクが意識されている。欧州各地では厳しい制限措置に反発する抗議デモや暴動が起きている。

25日の会議終了後、加盟27カ国は対応策を盛り込んだ声明を発表した。当面は不要不急の移動制限を続け、変異ウイルスに対応するワクチンの開発や原材料調達、生産拡大の支援策を拡充する方針を打ち出したが、問題をすぐ解消できる即効薬はない。フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で、6月までに約6億回分のワクチンの供給が予定されていると説明し、夏までに成人の70%の接種を終えるEU目標は「達成可能」と訴えた。

EUに向けられる視線は厳しい。10日、欧州議会に立ったフォンデアライエン氏は欧州議員から突き上げられ、「ワクチン開発に集中し、生産が抱える課題を過小評価していた」と認めざるを得なかった。英アストラゼネカが契約の順序を理由に英国を優先する姿勢を示し、EUへのワクチン供給が遅れると通告したことが背景にある。必要なワクチンを確保するために輸出制限という強硬措置に踏み切ったが、EU外の反発を招いた。

各国の足並みは乱れている。ワクチン調達はEU各国を代表して欧州委員会が窓口になっているが、ハンガリーは独自に中国産ワクチンの採用に踏み切った。域内の移動を巡っても、欧州委はドイツやベルギー、デンマークなど6カ国が「必要以上の制限をしている」として是正するよう書簡を送った。EU高官は「衛生対策だけでなく、世論対策もあるのだろう」とみる。混乱が長引けば、EUの求心力に疑問符がつきかねない。

首脳会議でのもう一つの論点は、ワクチン接種者に証明書を与え、域内を自由に移動できるようにする「ワクチンパスポート」構想だ。観光業に経済を依存するギリシャやスペインがEUでの採用を強く求めているほか、デンマークとスウェーデンは単独で導入に動いている。

観光シーズンが本格化する夏前に導入をめざし、経済を活性化する狙いがある。だがフランスのマクロン大統領は「(接種の順番が後になる)若者に不公平になる」などと慎重姿勢を示し、調整は長引きそうだ。

首脳会議は26日も開かれ、同日は安全保障や防衛分野の統合を討議して閉幕する。

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[FT]ロシア製ワクチン、実は割高 アフリカで露見

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『アフリカ連合(AU)はロシアの新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」に、英オックスフォード大学・英アストラゼネカ製と米ノババックス製のワクチンの3倍の値段を払う。調達について事情を知る関係者が明らかにした。

ロシアの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発したスプートニクVは接種3億回分が供給され、価格は1回分9.75ドル(約1040円)。ロシア政府は欧米製のワクチンに手が届かない国々に安価な…

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ロシア政府は欧米製のワクチンに手が届かない国々に安価なワクチンを提供するとしているが、それとは食い違う価格水準だ。

世界有数のワクチンの買い手になりつつあるAUが交わした契約から、製薬会社が伏せておこうとしてきた価格の実態が珍しく浮かび上がった。

スプートニクVの海外販売を監督するロシアの政府系ファンド、ロシア直接投資基金(RDIF)は「アフリカはスプートニクVの主要市場」であり「1回分10ドル弱という国際販売価格は全市場で同一」と表明している。

1人分が20ドル弱
スプートニクVは2回接種型で、1人分20ドル弱となる。

RDIFは、ロシア製ワクチンの価格は「同様の有効性を持つ他種のワクチンの半値」とうたい、他の製薬会社が先進国を優先するなかで途上国と供給契約を交わしていると強調している。

RDIFのキリル・ドミトリエフ総裁はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、「世界の国々は、とてつもない二重基準を目の当たりにしている。西側の一部諸国は平等なアクセスを約束しながら、基本的に全てを自分たちのために買い入れているのだ。ワクチンの配分は豊かな国々に大きく偏っている。率直に言って倫理にもとることだ」と語った。

24日、ガーナの空港に到着したCOVAXによる新型コロナワクチン(ユニセフ提供)=AP
だが、AUのワクチン調達の関係者によると、スプートニクVがアフリカに届くのは5月以降で、AUはオックスフォード大・アストラゼネカのワクチンと、インドのセラム・インスティチュート・オブ・インディア(SII)が製造するノババックスのワクチンをそれぞれ1回分3ドルで購入する契約を交わしている。

AUは独ビオンテック・米ファイザー製ワクチンを1回分6.75ドル、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の1回接種型のワクチンを1回分10ドルで調達する。1回分32~37ドルで2回接種の米モデルナ製ワクチンは購入しない。

AUは3億回分のスプートニクVに加え、他種のワクチン計6億7000万回分を仮発注している。世界保健機関(WHO)の支援を受けてワクチンを公平に分配するための国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」による供給分を補う目的で、AUは加盟国向けにワクチンを購入している。COVAXは多くのアフリカ諸国を含む世界92カ国にワクチンを無償提供している。

AUは価格についてコメントの要請に応じなかった。

RDIFは、スプートニクVの有効性は92%で、価格と保存のしやすさは「比類がない」としている。だが、米食品医薬品局(FDA)の専門家は今週、同じく一般的な冷蔵庫で保存できるJ&J製ワクチンについて、米国での臨床試験(治験)で86%、変異ウイルス「501.V2 」の感染が広がる南アフリカで82%の重症化予防効果が確認されたと発表した。接種1回で済み、1回分10ドルなのでスプートニクVのほぼ半値となる。 

オックスフォード大・アストラゼネカのワクチンの治験での有効性は約70%、冷凍保管が必要なビオンテック・ファイザーのワクチンの有効性は95%だ。

高値で早期確保
アフリカ諸国の政府はワクチンの供給遅れに失望しており、早期確保のために高値で裏取引する動きも出てきている。南アは、SIIが製造するオックスフォード大・アストラぜネカのワクチン150万回分を1回分5.25ドルの価格で発注したが、その後、同国で最初に検出された変異株501.V2による中等症の予防効果に疑問が生じたことを受けて、供給を停止した。

今週、COVAXの分配によるアストラゼネカのワクチンの第1便がアフリカに到着した。ガーナへの60万回分の供給だ。COVAXは、インドで製造されるワクチンを1回分3ドルで調達しているという。

COVAXは当初、2月中に1500万回分のワクチン、3月に4000万回分をアフリカに配分したいと考えていたが、遅れが出ているようだ。COVAXは2021年内に、条件を満たす国々の人口の少なくとも2割に接種できる量を供給すると約束している。

世界銀行のマルパス総裁は、製薬会社が高値で買う豊かな国々に供給を振り向けているのは事実だと述べ、透明性を高める必要があるとした。

「彼ら(製薬会社)のCOVAXとの契約と、途上国がCOVAXから得られる量について、透明性が必要だ」とマルパス氏は語った。「この2つが供給計画の鍵になる」

アフリカ諸国はワクチンの確保に、アフリカ輸出入銀行(本部エジプト・カイロ)が設置した20億ドルの基金と世銀の金融支援を利用できる。

中国は現時点でアフリカにほとんどワクチンを提供しておらず、中国側の供給に制約が生じた可能性が疑われている。中国政府は2月、経済破綻寸前のジンバブエにワクチン20万回分を無償提供した。両国は深い関係にあるが摩擦も抱えている。

ビオンテックは価格についてはコメントしないとする一方、多くの低・中所得国に原価でワクチンを提供していると強調した。コロナ下で高所得国にも「通常の基準から大幅に割り引いた」価格になっているという。

By David Pilling & Henry Foy

(2021年2月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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