世界貿易量コロナ前水準に 10~12月、オランダ当局集計

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25EJ40V20C21A2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けてきた世界貿易が回復してきた。オランダ経済政策分析局が25日発表した2020年10~12月の世界の貿易量は前期比4.0%増えた。10月以降、コロナ前の水準を取り戻しつつある。

同分析局の世界貿易モニターは速報性が高く、世界の貿易状況をみる指標として各国政府や中央銀行、投資家が注目する。

四半期ベースでは、4~6月に11.7%減少したのち、7~9月はその反動で11.5%増加した。地域別の輸出をみると、日米欧など先進国が主にけん引したほか、中国もプラス幅が大きかった。

貿易量は輸出入の取引量を合算し、10年を100として指数化する。20年2月は122.4で、10月以降はこの水準を上回っている。12月は125.2だった。

21年は新型コロナの感染は世界の多くの地域でなお深刻な状況が続くが、製造業などがけん引する形で貿易量は回復している。同分析局によると、20年10~12月の世界の鉱工業生産は前期比3.5%増えた。

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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分析・考察 裏を返せば、グローバルな財の経済は元に戻っているということですね。
ただ、あくまで貿易は財市場しか見てませんので、コロナで大きなダメージを受けたサービス経済も含めれば、まだコロナ前に戻っているとは言えないでしょう。
さらに日本に限って言えば、財の市場ですらコロナ前に戻っていませんし、仮にコロナ前に戻ったとしても、日本はコロナ前から消費増税で不況でしたので、日本経済の回復は海外から相当遅れることが予想されます。
2021年2月26日 9:33 (2021年2月26日 9:34更新)
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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ひとこと解説 新型コロナによって国境が閉じられたときは「グローバル化の終わり」などと言われたが、それはあくまでも人の移動が一時的に止まっただけであり、モノのグローバル化が止まったわけではない。多くの国で需要が落ち込んだにもかかわらず、貿易量が戻ってきているということは、それだけ国際的な分業が進み、グローバルサプライチェーンの存在感が高まっているということ。こんな中でバイデン政権が進める脱中国の試みは上手く行くのだろうか。
2021年2月26日 9:12いいね
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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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分析・考察 グローバル化は健在といったニュース。コロナは保護主義由来の反グローバル化に拍車をかけるといわれてきただけに、世界経済にとってほっとする事実でしょう。米長期金利の上昇の背景でもあるインフレの論議にも影響します。価格が安い地域からの輸入を可能にするグローバル化はインフレを抑制するからです。昨夜は長期金利の上昇を理由に米国株相場が急落しました。市場関係者こそ注目すべきニュースです。
2021年2月26日 7:53いいね
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 米調査会社によれば、中国などのアジア地域から米国向けのコンテナ輸送量は今年1月も前年同月比で16%強増えました。1月単月としては過去最多で、6カ月連続での2桁増になっています。「巣ごもり消費」需要に加え、自動車部品などの輸送が増えています。コンテナ輸送では「コンテナ」(箱)の不足も深刻になっており、海上輸送できない分が航空貨物に押し寄せる動きも出ています。
2021年2月26日 7:34いいね
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高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート

高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート
パクスなき世界 夜明け前(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL1091Q0Q1A210C2000000/

『教育は万人に開かれていますか――。

「もうログインしたくない」。米西海岸シアトル市のアドリエン・マックイアンさんの娘、アリアさん(9)は2020年9月、学校のオンライン授業初日で打ちのめされた。生徒同士のあいさつもなく朝から画面を見続ける6時間は苦痛でしかなかった。マックイアンさんは私的な学習活動「ポッド」の利用を決めた。

【前回記事】
中国買い、通貨覇権揺らす 膨張続く「戦時財政」

信頼の置ける隣人や友達同士で教師を雇い、超少人数の授業を受ける。新型コロナウイルスの感染拡大で対面授業が規制された米国で台頭し、情報交換のためのフェイスブックページの参加者は4万人に達した。

アリアさんは午前7時40分から午後2時半まで授業を受けている。教師1人を雇う1家庭あたりの費用は月800ドル。マックイアンさんの家計では食費や光熱費を上回る出費だが、「成長には大事な時期。勉強の質と友人関係を考えれば払う価値がある」。

コロナ禍は各国で一般市民の教育への不安を増幅させた。所得に余裕がある層は教育への支出をためらわない。

米マサチューセッツ工科大の分析では、1963年からの54年間で大学院卒男性の実質賃金は約2倍となる一方、学歴が低いほど賃金も伸びなか…

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米マサチューセッツ工科大の分析では、1963年からの54年間で大学院卒男性の実質賃金は約2倍となる一方、学歴が低いほど賃金も伸びなかった。同大のデービッド・オーター教授はIT(情報技術)産業など「技術の進歩の恩恵は高度教育を受けた者に偏った」と指摘する。

米国の哲学者ジョン・デューイは「教育は社会の進歩と改革の基本的な方法」だと説いた。社会が求める人材は時代とともに変わる。デジタル化の急速な進展に既存の教育システムは追いつかない。高度な教育の裾野をどう広げるか。模索する動きが出始めている。

全米科学財団(NSF)は大手IT企業などと組んで、中高生の段階から次世代テクノロジーの量子技術に触れる人材「量子ネーティブ」の育成を始めた。通常、量子技術にかかわる専門知識は大学で学ぶが、若い世代にも先端の教育機会を広げ、「将来の労働参加の幅を広げる」と意義を強調する。

米IBMは多くの黒人が通う大学で100億円超を投じて量子教育などを充実させる。デジタル時代に続く「量子時代」の到来を見据え、スキルを持つ高度人材育成での格差縮小を狙う。

世界経済フォーラム(WEF)は25年までに自動化で8500万人の雇用が機械に置き換わる一方、9700万人分の新たな仕事が創出されると分析する。日々進歩する技術に対応するには、学び直しができる環境の整備も急務だ。

「必要なスキルを身につけ、より良い仕事を」ロックダウン(都市封鎖)で1億人以上の出稼ぎ労働者の雇用が危機にひんしたインドで、主に低所得者層に職業訓練などを行う施策「スキル・インディア」に人々の関心が集まっている。

オンラインで職業訓練を施し、地域別の労働需要を細かく分析するなどして就労を促す。都市で廃棄物処理の仕事を失った20代の若者は訓練を受け、郊外の地元で携帯電話の修理店を開いた。

より豊かな生活への希望を諦めなければ学びの活力となる。コロナの空白を断絶とするか、新たなスタート地点として転換点とするかは私たち次第だ。

「パクスなき世界」第4部 記事一覧
(1)世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む

世界は転機にある。20世紀の繁栄の礎となった民主主義と資本主義という価値の両輪は深く傷つき、新型コロナウイルスの危機は超大国・米国の衰えに拍車…続きを読む

(2)コロナが迫る国際協調 反グローバリズムの限界

ブレグジットという保護主義がかえって自由貿易を要求する声を増幅させ、分断がさらなる分断を招く。米ソ冷戦の終結から30年たった世界で「国際協調疲れ」…続きを読む
(3)中国買い、通貨覇権揺らす 膨張続く「戦時財政」

カネ余りとSNSが「狂乱」を生む。コロナ禍で政府の借金は積み上がった。米政府債務は2020年に国内総生産(GDP)比で100%を超し、第2次大戦時に並ぶ…続きを読む
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点 日本では大学院を出ても学部生と一緒に就職活動をすることになり、初任給こそ多少の違いはあるが、人事で大きな格差が生まれるわけではないという「格差の解消」がなされている。大学院を出た人ほど昇進するようにできていれば、教育格差が所得の格差につながるが、それがないため、積極的に高等教育を受けるインセンティブになっていないという側面もある。格差を認めれば階級の固定化が進み、格差を縮めればインセンティブが低くなる。そのバランスをどうとるかは各国の社会事情や雇用慣行などを含めて考えていくしかないのだろう。
2021年2月24日 12:35いいね
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山本康正のアバター
山本康正
DNX Ventures インダストリーパートナー
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別の視点 ハーバード等では家庭の所得が一定水準以下であれば奨学金を出すなど教育機会の格差を無くそうという動きが出てきています。大学院卒のところの賃金の格差は大学院での専攻と就職先の業界で見た方が良いかと思います。賃金が上昇しているのは、業界の利益が上昇しているわけですから。また、米国ではそもそも上昇志向の人が奨学金を使ってでも大学院に行く傾向があるため、擬似相関の可能性も否定できないかと思います。日本のデータを見たいです。日本では大学院=モラトリアムの様に扱われていますが、変化が激しい時代では、リスキリングという働きながら学ぶ機会を増やさなければ対応しづらくなります。今ならリモートで大学院に通えますし。
2021年2月24日 14:29いいね
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高井宏章のアバター
高井宏章
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 「教育は原則、すべて無償に」が長年の持論です。

学歴による所得格差自体は本来、公平性の観点から望ましいもののはずです。出自や人種、性別などで生じる格差と違い、本人の努力と能力で「上」を目指せる。人材配置の最適化で経済全体の成長も促される。

それはあくまで「機会の平等」が確保された上での話ですが、現状はそこからほど遠い。
親の所得が子供の学歴と強い相関を示しているのは、学歴と社会階層の固定化を招きます。すでにその傾向はがっしりと社会に根を下ろしています。

教育は、働き手としてだけでなく、「良き市民」を育む土壌でもあります。長期では社会に大きなリターンをもたらす最高の投資です。
2021年2月24日 12:22 (2021年2月24日 13:33更新)
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中国買い、通貨覇権揺らす 膨張続く「戦時財政」パクスなき世界 夜明け前(3)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL085D00Y1A200C2000000/

『あふれるマネーで「安定」を買えますか――。

Tシャツにバンダナの青年がウォールストリートのプロに打ち勝った。キース・ギル氏。ファンドが空売りしていた株の買いをSNS(交流サイト)で呼びかけた。個人の参戦で株価は急騰し、ファンドは巨額の損失を被った。「歴史的な1日だ」。1月、ギル氏は動画配信で勝利を祝った。

【前回記事】

反グローバリズムの限界 コロナが迫るEU協調
同じ頃、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が急騰した。テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏がツイッターのプロフィルを「#bitcoin」としたのがきっかけだ。

2人の「ヒーロー」の背景に政策がある。マスク氏は脱炭素の時流に乗り、ギル氏を取り巻く個人は新型コロナウイルス対策で現金給付などを手にした。カネ余りとSNSが「狂乱」を生む。

コロナ禍で政府の借金は積み上がった。米政府債務は2020年に国内総生産(GDP)比で100%を超し、第2次大戦時に並ぶ「戦時財政」にある。米連邦…

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米連邦準備理事会(FRB)が緩和策で長期金利を1%程度に抑え、GDP比の利払い負担こそ増えない。だが債務膨張は基軸通貨ドルの覇権を静かにむしばむ。

「中国債は米国債よりずっといい」。世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏は20年11月、米メディアに言い放った。20年もプラス成長だった中国の長期金利は3%台で、海外勢が持つ中国の債券は20年に2.9兆元(約47兆円)と1年で5割増えた。ロシアは5年前に外貨準備の約半分だったドルを半減し、中国の人民元をドルに次ぐ12%に増やした。

戦時中の1944年に開かれたブレトンウッズ会議はドルを基軸通貨として認め、国際通貨基金(IMF)と世界銀行を柱とする戦後の国際金融秩序を定めた。20世紀後半の民主主義と資本主義の繁栄は、経済開発のために世界に出回ったドルを媒介にして広まった。

その秩序を民主主義に染まらない中国が揺さぶる。世界銀行によると20カ国・地域(G20)から途上国への2国間融資で中国は19年に63%を占める最大の貸し手で、13年から18ポイント上昇した。「内政不干渉」を掲げ、支援先に民主化や人権重視を求めない中国に強権体制の多い途上国はなびく。

もっとも中国の融資金利は高く、平均4%強と国際機関の2倍との推計もある。返済に窮したスリランカは99年間の港湾の運営権を中国に事実上譲渡した。借金漬けで影響下に置く「債務のわな」への警戒感は世界で高まった。人民元を使おうにも国境をまたぐ取引が制限され、使い勝手は悪い。ドルに代わって秩序の中心となる道は遠い。

「きのうではなく、きょうとあすの課題に取り組む」。バイデン米大統領はいう。トランプ前政権は国際協調を傷つけただけでなく、財政規律や説明責任と向き合う真摯さを政治から奪った。バイデン政権は野放図な政治に一線を画し、富裕層の課税強化など負担増の是非を問う道を探る。

戦時の英首相チャーチルは大勢に流されず「治療法」を示すことが指導者の役割だと説いた。米国がコロナ禍で膨らんだ「戦時債務」をいかに制御し、ドルの信認を保つか。怠れば米国の衰退は速まる。民主主義、資本主義の盟主として米国がいつまで機能し続けるかという、21世紀の世界を左右する挑戦になる。

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(2)コロナが迫る国際協調 反グローバリズムの限界

ブレグジットという保護主義がかえって自由貿易を要求する声を増幅させ、分断がさらなる分断を招く。米ソ冷戦の終結から30年たった世界で「国際協調疲れ」…続きを読む
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世界の外貨準備に占める人民元の割合、過去最高の2.02%に
タグ:人民元
発信時間:2020-07-07 16:20:09
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2020-07/07/content_76246394.htm

資本規制下の人民元の国際化の限界
― 内外市場間の裁定取引によって歪められた資金の流れ ―
https://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/170807-2world.html

EUのワクチン調達計画は何を間違えたのか?

EUのワクチン調達計画は何を間違えたのか?
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22215

※ 「何を間違えた」もなにも、単に「ワクチン開発企業」が、EU域外企業だった…、というだけの話しだろう…。

※ ファイザーも、モデルナも、アストラゼネカも、米・英企業だ…。確かに、EU域内に、「生産拠点」はあったようだが、それだけの話しだ…。

※ 開発企業は、別に、EUに対して「何らかの義理」があるわけじゃない…。自分たちの「行動規範」に従って「行動する」だけの話しだ…。

※ 「遠慮」も「会釈」も、あるもんじゃ無い…。

『フォン・デア・ライエン委員長も欧州委員会の不手際を認めざるを得ない状況にあるようである。2月4日、同委員長は「(ワクチンとその開発の問題に焦点を当てていたが)大量調達という課題に並行してより大きな注意を払うべきだった」と述べ、更に調達は進展しているが、その速度は遅く、EUによる共同調達という全く新しいプロセスが問題に遭遇するであろうことを人々に語らなかったことが過大な期待を招いたとの趣旨を述べた。』

『何を間違えたのかということについて、ル・モンド紙のシルヴィ・カウフマン論説委員は、2月4日付けニューヨーク・タイムズ紙に‘Europe’s Vaccine Rollout Has Descended Into Chaos’題する論説を掲載し、次の3点を挙げている。(1)フォン・デア・ライエン委員長の秘密主義のマネジメント・スタイルが技術的な失策を許した、(2)EU内の調整の必要性、(3)ワクチンに対する懐疑論に特徴づけられるリスクを嫌う欧州の文化。

 カウフマンはむしろEUを弁護する立場だが、そもそも欧州委員会に共同調達をさせることにしたことが間違いだったという意見がある。共同調達を主張したのは欧州委員会自身だったらしいが、保健衛生は本来的に加盟国の権限分野であるから、制度的には欧州員会が共同調達をする必要はなく、この意見には一理ある。他方、メルケルもマクロンも共同調達を擁護している。2月5日、マクロンは「欧州としてのアプローチを完全に支持する、ドイツとフランスのような国がワクチンを取り合ったら人々は何と言うだろう、大混乱だ」と述べた。』

『EUには、その市民を守れるのかという疑問を呈されている。EUにとって甚だしく面目を失墜する事態である。フランスの右翼政党「国民連合」のマリーヌ・ル・ペン党首は、ワクチン接種の停滞でフランスは先進世界でお笑い種になったと述べた。ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢」のジルビア・リマーは「(EUのワクチン戦略は)Brexitをもって英国が正しいことをすべてやりおおせたことを示している」と欧州議会で発言した。業を煮やしたハンガリーはロシアのSputnik Vワクチンと中国のSinopharmのワクチンを導入することに踏み切った。どうやら、欧州委員会は些か無謀な試みに挑戦したのかも知れない。』

[FT]レバノン 通貨危機で台所から消えた食料品

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM223EK0S1A220C2000000/

『貧困に苦しむ中東レバノンの第2の都市トリポリで路上カフェを営むサミール・ヒーメイダンさん(55)は、大金持ちになれるとはみじんも思っていない。それどころか今や日々の稼ぎは2ドルほどで、生きていくのも精いっぱいだ。

ヒーメイダンさんは「2万レバノンポンドを稼ぐには70~80杯のコーヒーを売らなくてはならない」と話す。これは2年前なら約13米ドルに相当したが、今では闇相場で2ドル20セントにしかならな…

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これは2年前なら約13米ドルに相当したが、今では闇相場で2ドル20セントにしかならない。このため「子どもと自分の朝食もままならない」うえに、息子2人に加えて両親と妹も支えなくてはならないとため息をつく。

経済危機に新型コロナが追い打ち
1年余りに及ぶ経済危機に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が重なり、レバノン経済はハイパーインフレ、失業、貧困の急増にあえいでいる。2020年の民間部門のフルタイムの雇用者数は前年比4分の1減り、国内総生産(GDP)は5分の1近く縮小した。

一方、金融危機により預金者はドル口座から自由に資金を引き出せず、20年8月に起きたベイルートの港湾地区の大爆発が追い打ちとなり、内閣は総辞職に追い込まれた。

もっとも、貧困地区に最も大きな打撃を及ぼしているのは「ドル危機」だ。通貨レバノンポンドは24年にわたりドルに固定されてきたが、暴落しつつある。

レバノンポンドは1997年以降、1ドル=約1500ポンドで固定されてきた。レバノン中央銀行は国民の購買力を保ち、食品の8割など海外からの輸入に大きく依存するレバノンで輸入品の価格を維持するために、固定相場制の堅持に努めた。だが2019年半ばに国内銀行のドルの流動性が枯渇し始めると、固定相場制は崩れだした。公定レートはなお残るが、ごくわずかな生活必需品の輸入業者以外は利用できない。先週の闇相場では一時1ドル=9500ポンドとなった。

インフレも加速している。レバノン中央統計局によると、20年12月の食品とノンアルコール飲料の平均価格は前年同月比402%増えた。

政権は20年8月の総辞職までに国際通貨基金(IMF)からの支援条件で折り合えなかった。後を継いだのは暫定政権にすぎず、IMFとの協議は進んでいない。世界銀行はレバノン国民の5分の1以上が「極度の貧困」状態にあるとしている。

飢えは国内の混乱を再燃させるとみられている。反政府デモは新型コロナの感染拡大で沈静化したにすぎない。

市民の我慢は爆発寸前
トリポリの社会運動家サラ・アル・シャリフ氏は、トリポリでは「数十年に及び軽視されてきたうっぷんが近く爆発するだろう」と予測する。緊張は既に再び表面化しつつある。1月には新型コロナの規制に反対する抗議デモのさなかに、一部が暴徒化しトリポリ市庁舎に火を放った。

中銀は事実上の通貨切り下げに見舞われても、基本的な食品の価格を維持している。

だが、輸入品は闇市場のドルで支払わなくてはならない。ベイルートの貧困地区で肉屋を営むムハンマド・アリさんは、食肉価格は19年から約3倍に跳ね上がったと話す。「全ての肉が輸入品だ」と述べ、フックでつるした肉の塊を「これはブラジル産だ」と指さした。

「政府は経済危機の主因であるドル問題を解決すべきだ」。アリさんは訴える。「以前は1日5万レバノンポンドで家族を養えたが、今では15万ポンド以上かかる」と嘆いた。利益はすぐに蒸発するため、4人いた従業員を解雇し、今では1人で店を切り盛りしている。

中銀のサラメ総裁は外貨準備率が低迷しており、中銀は補助金の打ち切りを迫られると繰り返し警告している。物価は既に上昇し始めている。政府は2月、ピタパン1袋の価格を40%引き上げ、1750レバノンポンドとした。

地中海沿いの街でも魚は口にできず
ヒーメイダンさんが息子と暮らす1間の家のがらんとした冷蔵庫の中で、ピタパンは最もおなかにたまる食べ物だ。他には数少ない国産品であるジャガイモ、卵、オリーブ、皿半分のヨーグルトに加え、輸入品のレンズ豆しか入っていない。地中海に面したトリポリは魚介類で有名だが、ヒーメイダンさんは20年春の断食月(ラマダン)以来、魚を口にしていない。それでも食料品店にはツケがたまっている。

ヒーメイダンさんは「下の息子のことが心配だ」と打ち明ける。10歳になるヤヒヤ君の年齢の時には、ヒーメイダンさんは既に学校に通っていなかった。ヤヒヤ君の教科書を買う余裕はなく、19歳の兄イーハブ君は職に就いていない。

仕事がないことでヒーメイダンさんは既に息子を1人失っている。シリアの反政府勢力は21歳の息子に、戦闘員になれば月500ドルの報酬を払うと約束した。ヒーメイダンさんは自分の携帯電話を開き、息子の写真を見せてくれた。「ここで仕事があれば、シリアで命を落とさずに済んだ」と話し、画面にキスした。

ヒーメイダンさんは老朽化した10階建てのビルの屋上にある自宅から、近くの丘を見つめた。丘の上には城のように広大な地元の政治家の豪邸がそびえ立つ。

「彼は丘の上に豪邸を建てたが、私たちにはパンを買うお金もない。レバノンは天国のような場所であるはずなのに、多くの政治家とその取り巻きのせいで市民は貧しい暮らしを強いられている」

By Chloe Cornish

(2021年2月21日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053

天災が起きた時に、露出する貧富の差による行政待遇の格差

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

 ※ 「机上空間」さんのサイトからだ…。

 ※ 例によって、「卓見」だと思うので、紹介する…。

『富裕層が言う、「俺たちだって、遊んで財産を築いたわけじゃない。リスクも負ったし、努力は惜しまなかった。何で、貧民に分配しなきゃならんのだ。自分たちの生活向上の為に使って、何が悪い」という理屈も判ります。しかし、歴史的な事実として、その社会が最も、富むのは、貧困層が少なく、富が分配されて、分厚い中間所得層が大部分を占める時です。過去のアメリカの黄金時代、日本の経済成長時代、その他、どの国の歴史を紐解いても、国力として繁栄したのは、中間所得層が爆増した時期です。

その理由は、富裕層が一方的に富むように、資本主義は形成されていなくて、必ず消費を旺盛にしてくれる消費者がいて成り立っているからです。つまり、貧困層が国の多くを占めるようになると、彼らに富を供給してくれる消費者の質が下がって、消費をしてくれなくなります。すると、富裕層の中でさえ、貧富の差が発生して、没落する者と、先鋭化して巨万の富を得る者に分かれていきます。今は、良いからも知れない。しかし、貧富の格差が酷い社会というのは、必ず破綻します。

国の内部が貧困層だらけになれば、「俺達にパンをよこせ」で起きたフランス革命のように、自分の周りを屈強な軍隊で固めていても、富裕層も破滅する事になります。所詮、富裕層は少数派であり、貧困層が多数派である事を忘れると、国なんていう組織は、簡単にひっくり返ります。』

 ※ 確かに、「中間所得層」が分厚くないと、「民主主義」も、「フツーの暮らし」も、成り立っていかないような気がする…。

 ※ しかし、今現在の状況は、その保持されるべき「中間所得層」という社会的階層が、どんどん削られていって、「やせ細って」いっている状況のように見える…。

 ※ その原因は、どこにあるのか…。その処方箋とは、何なのか…。誰も「現実解」を、持ち合わせていないところに、「重大な危機」があるんだろう…。

 ※ なお、「臓器移植」に関する「恐ろしい話し」も、書かれているんで、興味がある人は、自分で読んでくれ…。

世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む

世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む
パクスなき世界 夜明け前(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL0169D0R00C21A2000000/

『世界は転機にある。20世紀の繁栄の礎となった民主主義と資本主義という価値の両輪は深く傷つき、古代ローマで「パクス」と呼ばれた平和と秩序の女神は消えた。新型コロナウイルスの危機は超大国・米国の衰えに拍車をかけ、世界の重心は力を増す中国に傾く。あなたは歴史の転換を傍観するだけですか――。

【関連記事】
民主主義再生、法の支配を砦に フクヤマ氏
いまは夜明け前 「パクスなき世界」を考える

「『トランプ』はどこにでもいる」。トランプ前米大統領の支持者らによる米連邦議会議事堂の襲撃から一夜明けた1月7日、欧州連合(EU)のトゥスク前大統領は世界に警鐘を鳴らした。

ドイツでは昨夏、極右勢力が国会議事堂に侵入を図った。オランダの地方都市の首長はコロナ下の夜間外出禁止に反発する暴動をみて「内戦になる」とおびえた。トランプ氏本人は権力の座を去る前、イラクで市民殺害に関与し有罪判決を受けた米民間軍事会社の4人を恩赦した。国連の専門家グループは「正義への冒とくだ」と批判する。

古くから「夜明け前が最も暗い」という。私たちはいま内なる敵と外からの脅威を同時に抱えている。世界を内から切り裂くのは「Kの字」の傷だ。米国の上位1%の富裕層は資産全体の3割を握る。コロナ下の財政出動と金融緩和で株価は上がり、持つ者と持たざる者の差はさらに開いた。

力の逆転という外部環境の激変が追い打ちをかける。中国の名目国内総生産(…

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力の逆転という外部環境の激変が追い打ちをかける。中国の名目国内総生産(GDP)は2028年にも米国を抜く。30年代とみられていた時期がコロナ禍で早まり、35年に中国と香港を合わせたGDPは日米合計を上回る勢いだ。中国は共産党の支配体制を守るためなら自由や人権を犠牲にすることもいとわない。

1カ月前、第46代米大統領に就いたジョー・バイデン氏は「民主主義はもろい」と語る。古代ギリシャ以来、2500年以上の歴史を持つ民主主義は長く衆愚政治に陥ると忌避された。それがこの2世紀ほどで自由や法の支配という価値と結びつき、経済成長に伴って普遍的価値に高まった。

そして今。豊かさが行き渡らず、人の声に耳を傾けない不寛容が広がる。英歴史家エリック・ホブズボームは民主主義を実現する条件の一つに「富と繁栄」を挙げた。民主主義と資本主義を磨き直し、闇のなかで未来を探る挑戦が始まった。

「今こそ大胆に動くべきときだ」。米財務長官に就いたジャネット・イエレン氏は12日、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁に訴えた。バイデン政権はコロナ禍からの脱却を最優先し、1.9兆ドル(約200兆円)の「米国救済計画」の実現を急ぐ。家計への追加現金給付や失業給付の上乗せなどをめざす。

米製造業の雇用は約40年間で4割弱、700万人減った。バイデン政権は中間層の復活を掲げるが、税制改革などで格差を是正し、中間層に厚みをもたらすのは時間がかかる。「K」の傷を癒やすにはまず底辺を支え、引き上げるしかない。

バイデン、イエレン両氏が胸に刻むのは副大統領、米連邦準備理事会(FRB)幹部として支えたオバマ政権の教訓。リーマン危機後の09年に発足したオバマ政権は医療保険改革に注力して雇用回復が後手に回り、最初の中間選挙で大敗した。

1.9兆ドルの財政出動は米国のGDPの1割近い規模となる。その大盤振る舞いに、同じく民主党政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏は「未知の領域だ」と経済の過熱を警戒する。

財政措置が大きすぎ、増税などで資金を吸収できなければ、急激なインフレやバブルの発生・崩壊などの深刻な打撃を経済にもたらしかねない。社会はさらに傷つき、24年の次期米大統領選で「トランプ」に再び取って代わられる――。そんな未来さえ引き寄せるリスクのある賭けにバイデン政権は打って出た。

「私たちの無為や怠惰は次世代に引き継がれる」。1月20日、バイデン大統領の就任式で詩を朗読した22歳のアマンダ・ゴーマンさんは「新たな夜明け」へ行動を呼びかけた。価値の修復への挑戦はあすも続く。

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小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 資本主義と民主主義の関係について考えさせられる記事です。
分配の問題を軽んじる資本主義は中間層を痩せ細らせ、文章にあるような「人の声に耳を傾けない不寛容」を産みます。効果的な分配機能を市場経済の中に埋め込む必要があります。「お金持ちの富が滴り落ちて社会全体に行き渡る」と考えるトリクルダウン理論が現実的ではないことを、多くの人は直観的に理解していると思います。
上手に設計されていない分配政策はインフレやバブルのリスクを孕みますが、現状を放置する危うさはさらに大きいと考えます。
2021年2月22日 8:49 (2021年2月22日 8:51更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 「世界の強権国家は力を拡大して米国と対峙しても、代償を払わなくて済むと分かってきている」。米政治学者フランシス・フクヤマ氏は関連記事でこう語っています。
「忘れられた人たち」に寄り添うと訴えたトランプ前大統領は強権的な手法で共和党を「個人崇拝の政党」(フクヤマ氏)へ変質させ、強固な支持層をつかみました。彼らの怒りの根底にある格差は埋まらず、新型コロナウイルスで米国の死者が50万人に迫る災禍を招いたのはトランプ氏の負の遺産。それでも不満は「正統性を欠いた大統領」と彼らがみなすバイデン氏に向かいます。
「底辺の引き上げ」を目に見える形で達成できるのか。民主主義の再建は険しい道です。
2021年2月22日 8:44いいね
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米、ワクチン普及へ最大4200億円 G7で説明へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN190MS0Z10C21A2000000/

【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは18日、新型コロナウイルスのワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」に最大40億㌦(約4200億円)を拠出すると発表した。ワクチン供給が先進国に偏る現状を是正し、新型コロナの収束に向けた指導力を国内外にアピールする。

バイデン大統領が19日、オンライン形式で開く主要7カ国(G7)の首脳会議で拠出について説明する。米国が資金拠出するのは、世界保健機関(WHO)が主導するコバックス。新型コロナのワクチンが低・中所得国へ平等に行き渡るようにすることを目的としている。米国はまず20億㌦を拠出し、他国の拠出状況を踏まえてさらに最大20億㌦を追加する。

ワクチン普及に向けた拠出は国際協調を重視するバイデン氏の意向に沿うもので、「米国第一」を外交政策の柱に据えたトランプ前政権からの転換を印象づける。米政府は2020年12月に成立した予算でコバックス向けの拠出金の財源を手当てしていた。

バイデン政権はトランプ政権の決定を覆し、WHOに残留する方針に転じた。ブリンケン国務長官は17日の国連安全保障理事会のオンライン会合で、WHOに対して2月末までに約2億㌦を拠出すると表明していた。

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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ひとこと解説 戦後の保健協力においては米国が様々な
プロジェクトを立ち上げたり、プロジェクトに率先して資金を投じるということをやってきました。今回の発表には、従来のアメリカが戻ってきたような、懐かしさを覚えました。
COVAXが設立されながらもその不確実性が高かったのは、米国不在の影響もありました。米国のコミットメントは、ワクチン公平アクセスに向けた確かな一歩になるでしょう。ワクチン公平アクセスのためには、この他、ワクチン増産体制の整備や価格の調整といった課題もあります。バイデン政権にはそうした課題にも広くリーダーシップを発揮してもらいたいです。
2021年2月19日 14:22いいね
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点 中国やロシアが「ワクチン外交」を展開する中、アメリカはまず国内でのワクチン接種を優先しているが、一通り接種が進み、国内の人口の7-8割が接種することになれば一定の集団免疫ができることが期待される。そうなれば、現在のワクチン製造のペースを続ければ余剰が出る事になり、それを「ワクチン外交」に転用して、中露と張り合うことも考えられる。しかし、それをせずにCOVAXを通じて公正な分配を進めるということで、中露に対してモラル優位性(Moral Authority)を得ることができるようになる。適切な判断だと思う。
2021年2月19日 12:51いいね
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疑問残すWHO武漢視察 流出巡る説明、一貫性欠く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH1253C0S1A210C2000000/

 ※ 某国は、「感染症大国」だ…。

 ※ そんなことは、外務省ホームページを見れば、すぐ分かる…。「渡航者に対する警告」が、ちゃんと載っているからな…。

 ※ それと、日本国において、どうして、なかなか「結核」が「撲滅」しない(今でも、年間1000人近い患者が発生している…)のか、その原因を考えれば、すぐ分かる…。

 ※ やたら人口が多いし、「四つ足のものは、”机”以外、全て食う。」という食風習が、関係しているんだろう…。

『世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源を突き止めるため中国に派遣した調査団は、どこまで真実に迫れたのだろうか。メンバーから、中国の主張をうのみにするような発言も飛び出したことに、首をかしげる専門家もいる。今後の新たなウイルス発生に備えるためにも、継続的な調査協力が必要だ。

WHOの担当科学者であるベンエンバレク氏は訪問先の湖北省武漢市で開いた記者会見で、中国科学院武漢ウイルス研究所から…

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世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源を突き止めるため中国に派遣した調査団は、どこまで真実に迫れたのだろうか。メンバーから、中国の主張をうのみにするような発言も飛び出したことに、首をかしげる専門家もいる。今後の新たなウイルス発生に備えるためにも、継続的な調査協力が必要だ。

WHOの担当科学者であるベンエンバレク氏は訪問先の湖北省武漢市で開いた記者会見で、中国科学院武漢ウイルス研究所からのウイルス流出が流行を招いた可能性は「極めて低い」と言明した。今後、この仮説は排除する考えも示した。

中国寄りとの批判を気にしてか、テドロス事務局長は12日、「我々はすべての仮説に対してオープンで、さらなる分析と研究が必要だ」と軌道修正した。一貫性を欠く説明は、調査への信頼性を低下させる。

米国のトランプ前政権は中国が新型コロナウイルスを人工的に作り、流出させたという説を流布していた。だが、そうした「中国陰謀論」はもともと根拠を欠いていた。

2020年3月に米スクリプス研究所のアンダーセン教授らが米科学誌ネイチャー・メディシンで発表した、ウイルスは天然由来の可能性が高いとする論文内容が科学界のコンセンサスになっている。コウモリの間で広がっていたウイルスが、センザンコウなどを介してヒトにうつった公算が大きいとされる。

武漢ウイルス研究所に到着したWHO調査団のメンバー(3日)=ロイター

WHOの見解は、従来の説を再確認したのにすぎない。大切なのは、動物やヒトから分離したウイルスを誤って外部に出した可能性があるかだ。

ベンエンバレク氏らは当初、ウイルス流出事故もなかったとの見方を示した。「武漢のどの研究所でも新型コロナウイルスの報告はないし論文も出ていない」からだ。武漢ウイルス研で危険度の高い病原体を扱う基準を満たした「BSL4」実験施設を視察し、よく管理されているのも確認したという。いずれも流出がなかった根拠としては、極めて弱い。

「バット(コウモリ)・ウーマン」の異名をとる武漢ウイルス研の著名研究者、石正麗(シー・ジェンリー)氏は20年7月、米サイエンス誌の質問に「新型コロナの研究は(危険度の水準が低い)BSL2、3の実験施設を使っている」と答えた。今回、調査団が見た施設とは違うのではないか。

東京大学の黒木登志夫名誉教授は、新しいウイルスの研究がBSL2、3の施設で進められたのを知り驚いたという。WHOの科学者は疑問をもたなかったのだろうか。実験ノートを確認したのか、最初の患者とされる人物から直接話を聞いたのか、なども不明だ。

ベンエンバレク氏は中国側の主張に沿って、冷凍輸入品を介してウイルスが流入した可能性にも言及した。中国でコウモリなどからうつった可能性と同等に扱うという。

北海道大学の喜田宏特別招聘(しょうへい)教授は「輸入説など無視してよい」と一蹴する。むしろ、中国で「以前からウイルスはヒトへの病原性を持たないまま広がっていたのではないか」とみる。「感染を繰り返すうちにヒトで一気に増える変異ウイルスが登場し病気を引き起こすようになった可能性がある」

仮にWHOが再調査に踏み切ったら、真実は明らかになるだろうか。新型コロナの最初の報告から1年以上たっており「今更何もわからないし、自国に不利な情報は出さないだろう」と中国で研究経験のある感染症研究者は予想する。

だが新型コロナの起源をたどれれば、次の「出番」を待つウイルスが見つかるかもしれない。洞窟のコウモリ捕獲などは命懸けだが、先端的な遺伝子解析技術を使えば、ウイルスの特徴や変異の仕方を把握できる。

喜田教授は「世界中の野生動物が多数の未知のウイルスを持っており、ヒトにうつるリスクは常にある」と警鐘を鳴らす。過去にいくつものヒトや家畜の感染症の源となった中国に対し、隣国の日本は率先して国際協力を呼びかけ、データ収集や新たな感染症の予兆をつかむ工夫をすべきだ。

(編集委員 安藤淳)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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貴重な体験談 WHOの調査団はIAEAのような査察権を持たず、あくまでも中国との協力に基づき、中国が提供するデータに基づいて調査をするしか権限がない。そのため、調査団に強制査察の権限を付与しなければ、何度調査しても同じ結果しか出ないだろう。人獣感染を避けるためのヒントを見つけるという目的であるとはいえ、これはあくまでも中国に協力させるための論理であり、表面的な協力以上のものを求められるものではない。私もイラン制裁専門家パネルの委員として査察を行ったが、国連憲章第七章に基づく活動とはいえ、加盟国の表面的な協力を得るのがやっと。その中で独自の情報ルートを作って分析するしかなかったが、今回の場合はそれすら難しい。
2021年2月19日 8:06いいね
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説 今回のWHOの調査結果は中国が提供した分析報告に基づくものである。初期の新型コロナ患者の生データを提供すべきだというのがアメリカやイギリスの主張であるが、中国は政治干渉だと強く反発している。現状では「武漢ウイルス研究所からのウイルス流出説」を否定しただけで、これ以上の調査結果は今後も出ないだろう。
2021年2月19日 8:40いいね
1

ドラギ伊首相「あらゆる手段でコロナ対策」所信表明演説

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17DW60X10C21A2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアのドラギ新首相は17日、議会上院で所信表明演説をした。新型コロナウイルスに対し「あらゆる手段を使いパンデミック(世界的大流行)と闘う」と強調。迅速なワクチン接種や経済復興に全力を注ぐ考えを表明した。

ドラギ氏が率いる連立政権は、最大与党の左派「五つ星運動」や極右「同盟」など幅広い政党で構成する。17日に上院、18日に下院での信任を得て、正式に発足する。

ドラギ氏は「我々は戦後間もない政府と同じように、新たな復興に着手する責任がある」と述べた。イタリアは新型コロナが欧州でいち早く流行し、経済や社会が甚大な打撃を受けた。同国では医療従事者や高齢者ら約130万人がワクチンを接種したが、ドラギ氏は施設やボランティアのスタッフを増やしてスピードを速める。

イタリアは欧州連合(EU)から新型コロナからの復興基金として2000億ユーロ(約25兆円)以上が割り当てられる見通し。経済復興へ復興基金は欠かせなく、ドラギ政権は早急に資金の使い道を示した計画を策定し、欧州委員会に提出する。

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