ロシア風邪はコロナだった? 「インフル原因」覆す新説

ロシア風邪はコロナだった? 「インフル原因」覆す新説
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC219V80R21C21A2000000/

『約130年前に世界で猛威を振るったロシア風邪の原因がコロナウイルスだったのではないかとの説が浮上している。約6年間で100万人の犠牲者を出した大流行はこれまで、インフルエンザとされていた。ところが新型コロナウイルスに注目する科学者らがロシア風邪の症状と似ていると気づき、教訓を得ようと史実の検証に動き出した。

日本では「お染風邪」と呼ばれ、庶民の間でおまじないも流行した=深川江戸資料館提供

東京都江東区の深川江戸資料館には、ロシア風邪が明治時代の日本でも流行した際に庶民の間で広まったおまじないの展示がある。米屋の入り口に「久松るす」の墨書。当時は、えたいの知れないこの感染症を「お染風邪」と呼んだ。江戸時代前期に心中事件を起こした「お染と久松」が題材の人気歌舞伎が由来だ。「久松るす」には「恋仲の久松はいないからお染風邪は我が家には来ないで」との思いが込められた。

ロシア風邪は1889年にロシア帝国のブハラ(現ウズベキスタンの都市)で最初に確認された。90年にかけて世界で流行し、95年ごろまで流行を繰り返した。約15億人の世界人口のうち、100万人が亡くなったとされている。

ウイルスの正体さえ分からず、ワクチンもない時代だったが、集団免疫とウイルスの変異で感染は落ち着いた。

当時、ドイツの研究者によって、「菌」が検出されて、「インフルエンザ菌」と名付けられた。しかし、その後、「インフルエンザ菌」はロシア風邪の原因ではないことが分かった。

1930年代になってインフルエンザウイルスが確認できるようになった。18~20年に流行して少なくとも5000万人が犠牲になったとされるスペイン風邪は、残った検体から後にインフルエンザウイルスが原因と特定された。一方、ロシア風邪も症状などからインフルエンザウイルスが原因であると思われてきた。

フランスの雑誌に1890年に載ったロシア風邪の風刺画ではフランス語でインフルエンザとの表記が残る(英ウエルカム財団のウエルカムコレクションより)

ベルギーのルーベンカトリック大学の研究チームは2021年夏、「ロシア風邪の英国とドイツでの医療報告は新型コロナと多くの特徴を共有している」と論文で報告した。肺や気管支、胃腸の症状のほか、味覚や嗅覚の喪失などを含む神経への影響だ。新型コロナでは「ロング・コビッド」と呼ぶ後遺症も似ていた。

昭和大学の二木芳人客員教授は「インフルエンザウイルスが原因のスペイン風邪より感染力が強い点などもロシア風邪は新型コロナに似ている」と指摘する。

ルーベンカトリック大学は05年にもロシア風邪のコロナウイルス原因説を論文で発表している。現在の風邪を引き起こすヒトコロナウイルス「OC43」について分子時計分析という手法で遺伝子の変化を過去に遡った。

分子時計は時計の針がリズムを刻むように遺伝子の塩基配列やアミノ酸に一定の速度で突然変異が起こると仮定し、変異の時期を逆算する。変異の違いから共通の祖先もわかる。1960年代に提唱された。

OC43について分子時計分析の手法で調べると1890年前後にウシのコロナウイルスから分岐した可能性が分かった。ロシア風邪が流行した頃だ。

ここから次のような仮説が浮かび上がる。

まずウシからヒトにうつるようになったコロナウイルスが感染症に無防備だった社会にロシア風邪を広げた。そのうち人々は集団免疫を獲得した。ウイルス自身も変異を重ね、ほとんどの人が軽い症状で済む現在のOC43に至ったとする考えだ。

新型コロナも同じ道をたどるのか。二木客員教授は「いずれウイルス自身が弱毒化する可能性はあるが、楽観的に捉えない方がよい」と戒める。

世界の人口は当時の5倍に達し、地球は「密」だ。現代はワクチンや治療薬という武器も手にしたが、ウイルスの変異がどう対応してくるのか分からない。

日本でも感染者が増えている新型コロナの変異型「オミクロン型」は重症化率が低いとされるが、感染者数が増えれば医療現場に負担がかかる。ロシア風邪のコロナは風邪のウイルスになったかもしれないが、ウイルスの気まぐれはあてにならない。私たちはワクチン接種や感染対策、医療体制の拡充などを進める努力をする以外に道はない。

(福岡幸太郎、藤井寛子)』

まずい変異がてんこ盛り オミクロン型出現のわけ

まずい変異がてんこ盛り オミクロン型出現のわけ
日経サイエンス
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC212PC0R21C21A2000000/

『新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン型」の感染が各国で急拡大している。その遺伝情報の解析で見えてきたのが、これまでのデルタ型やアルファ型を上回る変異箇所の数の多さだ。世界中でゲノム解析を通じた変異ウイルスの追跡作業が行われているにもかかわらず、オミクロン型は一体どうしてこの監視網を逃れて変異を積み重ねてこられたのだろうか。
WHOがギリシャ文字の符号をつけた他の変異ウイルスとオミクロン型でスパイク上の変異数を比べた。オミクロン型は変異の数が際立って多く、他の変異ウイルスと共通する変異箇所も多い。変異ウイルスの情報を公開している「Outbreak.info」のデータをもとに、12月13日時点の変異箇所を示した

オミクロン型については、既に遺伝情報が解析され、変異箇所が詳細に調べられている。その結果、オミクロン型の持つ変異はこれまでのデルタ型やアルファ型といった世界保健機関(WHO)が警戒してきた変異ウイルスとは様相が異なることがわかってきた。

ウイルスの突起である「スパイク」に注目すると、デルタ型やアルファ型が有する変異箇所が10カ所前後であるのに対し、オミクロン型はおよそ30カ所もある。30カ所の変異の中には、他の変異ウイルスで見られた変異も多数含まれている。免疫逃避に関わるとされる「E484A (K)」、ウイルスがヒトの細胞に侵入しやすくなる「N501Y」「H655Y」「P681H (R)」などこれまでの研究で要注意とされてきた”まずい変異”がてんこ盛りだ。

次にオミクロン型にしかない変異に目を向けると、ヒト細胞表面のタンパク質と直接結合する「受容体結合領域」という場所に大量の変異が集まっている。受容体結合領域の形状はウイルスが細胞へ侵入する際の成功率に直結する。しかも多くの抗体がここを標的としているため、免疫にも影響する。受容体結合領域に蓄積した大量の変異は、ヒトの体内でより増えやすく、そして集団全体で感染をより広げやすいよう、ウイルスの変異と選択が繰り返されてきたことを意味している。

問題は、それが一体いつ、どこで起きたのかだ。各国のウイルスのゲノム解析結果を基に変異状況を追跡している国際研究プロジェクト「Nextstrain」の解析では、オミクロン型の祖先にあたる変異ウイルスがその他の変異ウイルスから分岐したのは、アルファ型の流行よりはるか前の2020年3~5月ごろだった。つまり、オミクロン型は20年の春以降、1年以上にわたって一切ゲノム解析という監視網に引っかかることなく、水面下で変異を蓄積してきたことになる。

この謎について現在3つの仮説が提唱されている。1つめは、ゲノム解析が行われていない国で変異の蓄積が進んだとする説だ。2つめは、ヒト以外の動物の体内でウイルスの変異が進み、それがヒトに再び感染したという説だ。そして3つめが、免疫不全の患者の体内でウイルスの感染が長期間続き、その間に変異が進んだという説だ。

免疫不全のヒトの体内にはウイルスが残り続けることがある。免疫系が弱い攻撃しか繰り出さない環境に長く置かれると、ウイルスは免疫から逃避する変異を蓄積しやすい。実際に南アではエイズウイルス(HIV)に感染した患者が半年以上新型コロナに感染し続けた事例が報告されている。体内でウイルスの変異が蓄積し、いくつかの変異はオミクロン型と共通の箇所で起きていた。

実は以前流行したアルファ型も、もともとは免疫不全患者の体内で変異が蓄積して生じた可能性が高いと考えられている。現在も誰かの体内に大量の変異を蓄積したウイルスが存在しており、その一部が世界中に感染を広げるという現象が今後も繰り返されるのかもしれない。

オミクロン型の症状についてはデルタ型と比べて重篤度が低いとする報告があり、このまま新型コロナウイルスの病原性は弱まる方向に進むのでは、という希望的な観測もある。しかし、出現前から変異ウイルスの性質を予測することは難しい。必要な感染対策をおこたらず、人間の側が備えを積み重ねて感染症に強くなることが、希望を現実のものにする一番の近道だ。

(日経サイエンス編集部 出村政彬)

詳細は12月25日発売の日経サイエンス2022年2月号に掲載 』

ここまで分かったオミクロン型 感染力は?ワクチンは?

ここまで分かったオミクロン型 感染力は?ワクチンは?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC16DVQ0W1A211C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の感染が南アフリカだけでなく、英国やデンマークなど各国で急速に広がっている。日本でも入国者や濃厚接触者での感染確認が増えてきている。オミクロン型の性質について、これまでの分析や実験で明らかになってきたことをまとめた。

感染力は?

オミクロン型の感染力は非常に強く、デルタ型を上回る可能性がある。世界保健機関(WHO)によると、70を超える国・地域でオミクロン型の感染者が報告されている。海外渡航に関係した感染例だけでなく、市中感染が広がる国も増えている。

京都大学の西浦博教授らが11月1日~12月7日のデンマークのデータを分析したところ、オミクロン型の実効再生産数はデルタ型の約4倍だった。実効再生産数は1人の感染者から平均何人にうつるかを計算した値で、感染拡大スピードを表す。オミクロン型は累計感染者数が約1.4日で倍増するという猛烈なスピードで拡大している。

英保健安全局が10日に公表した初期報告によると、感染者から家庭内の接触者にうつる二次感染リスクはデルタ型の10.7%に対し、オミクロン型では21.6%と約2倍だった。家庭内の二次感染リスクは追跡しやすいため、ウイルスの感染力を調べる重要な指標とされている。ただ、今回の初期分析では感染者や接触者のワクチン接種歴や感染歴などを考慮していないため、免疫の影響は分からない。

ウイルスの真の感染力は、免疫を持たない集団で1人の感染者から平均何人にうつるかを示す「基本再生産数」で比べる。しかし、感染やワクチンによって免疫を持つ人が増えている現在の状況では基本再生産数の分析は難しい。デルタ型の基本再生産数は約5で、従来型の新型コロナウイルスの約2倍と推定されているが、オミクロン型の基本再生産数は今のところ不明だ。

重症度は?

オミクロン型に感染した場合の重症度については、まだ観察期間が短い初期データの段階で、はっきりしたことは分からない。感染から数週間たって重症化する場合もあることから、より長期のデータが集まるのを待つ必要がある。ただ、これまでに重症者の急増は確認されておらず、重症化リスクが高いというわけではなさそうだ。

欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると16日時点で、欧州では重症度のデータがある症例はすべて無症状か軽症で、死亡例は報告されていない。英国では14日までに1人が死亡している。

南ア最大の民間保険会社ディスカバリー・ヘルスが14日に公表した分析では、オミクロン型の流行が始まった時期の成人の入院リスクは、従来型の流行と比べて29%低いという。ただ、南アでは大半の人が感染によって免疫を獲得しており、免疫が重症化を抑えている可能性がある。

オミクロン型の重症化リスクが仮に高くないとしても、感染拡大スピードが著しく速いことから、医療や検査などの逼迫が懸念される。WHOのテドロス事務局長は14日の記者会見で「重症になることもありうる。症状が軽いと決めつける人がいることを懸念している」と危機感をあらわにした。

テドロス事務局長=ロイター

香港大学の研究チームは、人から採取した組織を使ってウイルスを培養する実験で、オミクロン型は気管支ではデルタ型や従来型の70倍以上に増殖するが、肺では増えにくいとする研究結果を公表した。オミクロン型の重症化リスクが本当に低いとすれば、肺で増殖しにくいことが関係している可能性もあるが、あくまで試験管レベルの培養実験にとどまる。東邦大学の舘田一博教授は「実際に人の肺の中で起こっているのかは分からない。今後の検証が必要だ」と指摘する。

再感染しやすい?

オミクロン型は免疫をすり抜けて感染する「免疫逃避」の性質が強い。過去に新型コロナに感染した人の免疫が突破されて再感染するリスクは高くなっているようだ。

英保健安全局が11月20日~12月5日のデータを調べた初期分析によると、オミクロン型の感染者361人のうち25人が新型コロナへの再感染、デルタ型では約8万5千人のうち336人が再感染だった。年齢や地域などの要因を統計処理すると、オミクロン型の再感染リスクはデルタ型の5.2倍(3.4~7.6倍)となった。

南アのステレンボッシュ大学と国立感染症研究所なども、オミクロン型による再感染はデルタ型や南アで見つかったベータ型よりも起こりやすいとの分析を出している。英オックスフォード大学のジェームス・ネイスミス教授は「過去に感染したことがあるだけでは、オミクロン型の感染に対する免疫力はほとんどない」と話す。

ワクチンの2回接種の効果は?

オミクロン型の免疫逃避によって、ワクチンの効果が下がっているとの分析が増えている。特に感染予防や発症予防の効果は大幅に低下している可能性が高い。一方、重症化や死亡を防ぐ効果はある程度高いまま維持されているとの見方が強い。

英保健安全局などの初期分析によると、米ファイザー製ワクチンの発症予防効果は2回目接種から2~9週間後の人では88%(65.9~95.8)だが、10~14週間後では48.5%(24.3~65)、15週間以上たった人では30%台まで下がっている。英アストラゼネカ製ワクチンではさらに低下が顕著で、2回目接種から15週間以上たった人では発症を防ぐ効果がみられなかった。

英国ではワクチン接種が進む=ロイター

南アの民間保険会社ディスカバリー・ヘルスはファイザー製ワクチンの2回接種について、オミクロン型の流行が始まった時期の感染予防効果は33%で、デルタ型の流行期の80%より低いとの分析を公表している。一方、入院予防効果は70%で、デルタ型流行期の93%と比べれば下がっているものの「非常に優れた防御」だとしている。

ワクチン接種を完了した人の「ブレークスルー感染」は各国で確認されている。米疾病対策センター(CDC)は10日、オミクロン型の感染者43人の症例を分析した報告を公表。43人のうち8割はブレークスルー感染で、そのうち14人は追加接種も受けていた。ノルウェーでは、クリスマスパーティーの参加者で100人近い規模のブレークスルー感染のクラスター(感染者集団)が発生している。

長崎大学の森内浩幸教授によると「ワクチンはもともと(新型コロナの流行が初めて確認された)中国・武漢のウイルスに合わせて作ってある。変異を繰り返すと、ワクチンによって作られる抗体のうちウイルスに結合できないものが増えてしまう」という。一方で「抗体とは別の免疫の仕組みである細胞性免疫はウイルスの変異に耐えやすく、重症化を防ぐ効果は保たれやすい」と指摘する。

追加接種の効果は?

オミクロン型に対しても、ワクチンの追加接種(ブースター接種)によって発症予防効果の回復が期待できるようだ。英保健安全局などの初期分析によると、ファイザー製かアストラゼネカ製の2回接種の後にファイザー製の追加接種を受けた人では、70~75%程度の発症予防効果があった。

ワクチン接種を受けた人の血液を使った試験管レベルの実験でも、感染防御で働く「中和抗体」の効果が追加接種によって高まることが確認されている。米モデルナ製についても、米マサチューセッツ工科大学などのグループ、米国立アレルギー感染症研究所などのグループがそれぞれ査読前の研究結果を発表している。従来型ウイルスに比べると中和抗体の効果は低いものの、2回接種後と比べて大幅に改善した。

一般に、追加接種では中和抗体を含む抗体の量が増えるだけでなく、ウイルスに感染した細胞を排除する免疫細胞の働きなども強化される。感染や発症だけでなく、重症化を防ぐ効果も高くなると考えられている。

バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は追加接種が依然有効だと指摘し、オミクロン型に特化したワクチンは「現時点で必要ない」との見方を示している。東京農工大学の水谷哲也教授は「特化したワクチンが必要かどうかは、オミクロン型の病原性の高さによって変わる。高くなければ既存ワクチンの追加接種を続けたほうがよい。だが高いと分かれば、特化したワクチンを接種したほうがよいだろう」と話す。

治療薬の効果は?

まだ実験データは限られているが、薬の種類によってオミクロン型の影響はかなりの違いが出てきそうだ。飲み薬では一定の効果があると期待できる一方、一部の抗体薬では効果の低下が懸念される。

ファイザーが開発中の「パクスロビド」は2種類の飲み薬を合わせて服用する。同社の初期段階の実験では、このうち1剤がオミクロン型ウイルスの「プロテアーゼ」と呼ぶ酵素の働きを抑え、ウイルスの複製を阻止する効果を確認したという。

ファイザーが開発中の「パクスロビド」=ロイター

英グラクソ・スミスクライン(GSK)は抗体医薬「ゼビュディ(ソトロビマブ)」について、オミクロン型の疑似ウイルスで効果を確認した。

だが、2種類の抗体を使う米リジェネロン・ファーマシューティカルズの抗体カクテル療法「ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)」は、試験管レベルの実験でウイルスを無力化(中和)する活性がないとの研究が複数出ている。感染者に実際に投与した場合の効果はまだ分からないが、効きにくくなっている可能性がある。

抗体薬で影響に違いが出ているのは、抗体が標的とするウイルスたんぱく質の部位が異なるからだと考えられる。ウイルスの変異によって標的部位のたんぱく質の構造が変化し抗体が結合しにくくなれば、薬としての効果が下がる恐れがある。(越川智瑛、落合修平、尾崎達也)』

新型コロナの特徴とは?かぜやインフルエンザと肺炎の違い

新型コロナの特徴とは?かぜやインフルエンザと肺炎の違い、重症化について
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1253.html

※ 雑用に見舞われているんで、今日は、こんなところで…。

※ もう一度、風邪(かぜ)、インフルエンザ、新型コロナ感染症肺炎の違いなんかを、復習しておこう…。

※ まず、「炎症」が起きる”場所”が違うんだよね。

※ 風邪の場合は、上気道がやられるというくらいで、「とどまって」いる…。

※ しかし、そこからさらに「奥に侵入される」と、気管や気管支までやられてしまう…。

※ インフルエンザは、こういう辺りまで侵入する…。

※ さらにはその先にある「肺胞」までもやられてしまう…。「肺胞」までやられて、「炎症」状態になると、「肺炎」となる…。

※ 新型コロナは、ここまで「侵入してくる」んだ…。

※ 身体にあらわれる「症状」にも、違いがある…。

※ 肺胞までやられて、「肺炎」となると、「酸素を体内に取り込むこと」ができなくなるから、いくら「呼吸しても」「息苦しい」状態となる…。

※ 血中酸素濃度も下がるから、身体の各細胞に、「酸素が、供給されなく」なる…。

※ この血中酸素濃度を、簡易的に測定するのが、「パルスオキシメーター」だ…。

※ こういう状態の人が、肺炎となりやすい…。

※ 肺炎になるのは、別に、「ウイルス」だけが原因では無い…。

※ 新型コロナが問題となる前には、「肺炎球菌」という細菌(ウイルスよりも、大きい。黄色ブドウ球菌とかの名前は、聞いたことがあるだろう)の方が、問題だった…。

※ 毎年、高齢者が罹患(りかん)して、けっこうな数が亡くなるんで、その「対策ワクチン」を一定の年齢に達した「ご老人」に、無料で接種したりしてた…。

※ そういう状況だったところへ登場したのが、この「新型コロナウイルス感染症」だ…。

※ 一定の割合で「重症化」し、肺炎を引き起こして、「人口呼吸器」が必要となる人が、「続出した」…。

※ どこの国でも、そんなに「大量の人口呼吸器必要患者」が発生することは、想定されていなかった…。「医療提供体制」が対応できず、どの国も右往左往したわけだ…。

※ トリアージ(医療リソースが限定されているんで、患者に”優先順位”をつけて、治療する患者と、そうでない患者を”選別”すること)を、泣く泣く実行した国もあった…。

※ 日本でも、「入院できず」「自宅待機」を迫られて、「自宅で亡くなる人」も出て、散々だった…。

※ いろいろ調べると、この新型コロナウイルスは、「ACE2」という受容体(細胞に侵入するときに使用するたんぱく質の配列(いわゆる、スパイクたんぱく質)を持っていて、「肺で増殖しやすい」性質を持っている…、ということが分かった…。

※ そして、また最近の報告では、「オミクロン株」は、この「肺炎まで引き起こす」ケースが、以前の株より「少ない」のでは、との説も出されている…、という状況なわけだ…。

『肺炎を起こすのは高齢者に多い

肺炎は、かぜやインフルエンザと同様に感染症の一つで、肺に炎症が起こる病気をまとめて「肺炎」といいます。一般には、細菌やウイルスの感染による急性のものを差し、重症化して命に関わることもあります。
また、高齢者は肺炎を起こしやすく、肺炎による死亡も高齢者になるほど多いといわれており、かぜやインフルエンザにかかると、肺炎になることがあります。
高齢者の場合、入院しているときや介護を受けている場合も、肺炎にかかりやすいとされています。

かぜ・インフルエンザと肺炎の違い

かぜのウイルスは、鼻やのど、いわゆる上気道に感染することがほとんどです。インフルエンザの場合は、ウイルスが上気道に加え、気管や気管支に感染することもあります。

一方、肺炎は肺そのもの、いわゆる「肺胞」にウイルスや細菌が感染し、炎症を起こします。肺胞は酸素と二酸化炭素の交換を行う組織ですが、肺炎の場合、この肺胞が炎症を起こすために息苦しさが起こります。

かぜやインフルエンザのウイルスが肺胞まで達することは、あまりありません。ただし、かぜやインフルエンザにかかって、気管や気管支まで感染して炎症を起こしていると、肺炎の原因である細菌が肺まで侵入しやすくなり、肺炎になるリスクがあります。

また、かぜと肺炎では発熱や症状も異なります。

かぜの場合、発熱はあまり持続せず、症状も鼻水やのどの痛みなど上気道の症状にとどまることが多いのですが、肺炎の場合は、発熱が持続し、せきやたん、呼吸困難などの呼吸器症状が目立つほか、寒気さやだるさといった全身の症状も起こります。また、肺炎になると、黄色や緑色の膿のようなたんが出るのも特徴です。

ただし、高齢者は肺炎にかかっていても発熱やせきといった症状が出にくいため、肺炎に気づきにくいことがあります。食欲がなかったり、ぐったりしているなど、普段と違って活動に乏しい様子があれば肺炎を疑うようにし、家族など周囲の人も注意しましょう。

肺炎を防ぐには

肺炎の予防が特に重要なのは、肺炎にかかりやすいとされている高齢者のほか、次のような人です。

呼吸器病(COPDなど)
喫煙している
心臓病、脳卒中、肝臓病、腎臓病、糖尿病
えん下機能が低下している
低栄養・運動能力低下で体がぜい弱

これらの肺炎のリスクが高い人は特に、「肺炎球菌」のワクチンを予防接種することがすすめられます。肺炎球菌は、市中感染の肺炎では原因としてもっとも多いとされ、特に高齢者の感染が非常に多い細菌です。

ワクチンには23価ワクチンと13価ワクチンがあり、13価ワクチンのあとに23価ワクチンを接種することで、予防効果が増強される可能性が期待されています。23価ワクチンには高齢者などに一部公費助成がありますので、市区町村に問い合わせてみましょう。

肺炎の検査と治療

肺炎が疑われると、発熱や呼吸数などを調べ、胸部X線検査、尿検査、たんの検査、血液検査などを行います。肺炎球菌が原因の場合、抗原が尿中に出てくるため、尿検査をするとわかります。たんも結核との鑑別を行うために必要な検査です。

肺炎とわかれば、原因となる病原体に合わせた抗菌薬を使って治療します。症状が軽ければ外来で治療できますが、重症化しやすい人は入院治療になります。

新型コロナウイルスと肺炎

新型コロナウイルスに感染すると、発症した人のおよそ80%は軽症のまま治りますが、20%は1週間ほどで重症化します。さらに5%は集中治療室に入り、2~3%は致命的な状態になると報告されています。

重症化する人は、当初、かぜのような症状がだらだらと続き、1週間ほどたってから呼吸困難があらわれます。重症化すると、血液が固まってできる「血栓」ができやすくなるといわれ、エコノミークラス症候群(肺塞栓)、や脳梗塞など血管の障害が起こることがあります。

新型コロナウイルスは鼻やのどに感染しやすく、この点はかぜと似ていますが、さらに肺自体にも感染して肺炎を起こします。新型コロナウイルスは、細胞のACE2という受容体と結合して侵入するのですが、肺の細胞にはこのACE2が多数あるため、感染しやすいのです。

新型コロナウイルスの場合、発熱は長くは続かず1日か2日で治ることもあります。そのため、治ったと勘違いする人も少なくありません。また、新型コロナウイルスは、症状のない人でも感染力があるということが知られています。このことから、無症状でも肺炎を起こしている可能性があると考えられます。

たとえ症状がなくても、感染を広げないためには、マスクをつけることが大切です。

新型コロナウイルスの治療

発症の2、3日前から発症の8日後くらいまで、新型コロナウイルスは増殖するため、感染しやすい状態になっています。この時期には抗ウイルス薬(レムデシビル)が有効といわれています。酸素吸入が必要な中等症から重症の成人の患者では(バリシチニブ)も併用します。

重症化する場合、発症後5日目くらいから症状が重くなるとされ、サイトカインストームという過剰な免疫反応が起こりやすくなります。この時期は、ステロイドなどの免疫調整薬が有効といわれています。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年10月号に詳しく掲載されています。』

英研究、オミクロンは「風邪の症状」

英研究、オミクロンは「風邪の症状」 全体の感染最多に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16F7O0W1A211C2000000/

※ オミクロン株の場合、肺までやられる(肺炎となる)ケースは、少ないのではないか…、という報告だ。

※ しかし、まだまだ「データが少ない」し、「後遺症」の問題もあるんで、「せいぜいが、風邪程度だ!」と決めつけるのは、早計だろう…。

※ 感染者が増加すれば、免疫力の低い人は、一定の割合で「重症化」し、一定の割合で「亡くなる」…。

※ 極力、用心するに越したことはない…。

『【ロンドン=佐竹実】英国で感染が広がっている新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」について、鼻水や喉の痛みなど通常の風邪に似た症状が多いことが16日、首都ロンドンでの調査で分かった。英全体では同日、過去最多の約8万8千人の新規感染者を確認した。重症化率が低いとしても全体数が圧倒的に増えれば重症者や死者が増えかねないとして、政府は警戒を強めている。

ロンドンで実施された調査は、英キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学者ティム・スペクター教授が立ち上げた「ゾエCOVIDシンプトム・スタディー」。アプリで感染者が自分の症状を入力することで、流行中のウイルスの症状を把握する仕組みだ。オミクロン型で多かった症状は鼻水、頭痛、疲れ、喉の痛みなど通常の風邪と同様だった。スペクター教授は「風邪の症状がある人は家にいるべきだ。これにより流行を遅らせられる」と指摘した。

ロンドンでは感染者の7割強がオミクロン型とみられる。スペクター教授は、英国全体ではクリスマスまでにオミクロン型が支配的になり、年明けにはさらに多くの感染者が出ると予想している。

英政府は16日、新規感染者が約8万8千人だったと発表した。前日よりも約1万人増えて過去最多を更新した。オミクロン型の流行に周辺国も警戒している。フランス政府は16日、英国からの入国を18日から原則禁じると発表した。観光、ビジネス目的の渡航ができなくなる。

英国の感染者数は1月のピークを越えているが、ワクチン効果もあって入院患者は当時の5分の1以下に抑えられている。ただ感染者の母数が増えると重症者も一定数出る。医療従事者が感染することで働けなくなり、医療システムが回らなくなる懸念も出ている。

欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると16日時点で27カ国で3158人のオミクロン型を確認した。症状が分かるケースは全て無症状か軽症で、死亡は報告されていない。

新型コロナ特集ページへ
https://www.nikkei.com/theme/?dw=20012202&n_cid=DSBNHE 』

『坂田亮太郎のアバター
坂田亮太郎
日経BP 「日経バイオテク」編集長
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別の視点

私がこのニュースで着目したのは「ZOE COVID Study」というアプリです。

英国政府の助成を受け、データの監修ではキングス・カレッジ・ロンドンも協力しています。英国内で既に470万人が利用しており、利用者はワクチン接種歴や感染していればその症状などをスマホのアプリを通じて入力します。こうしたプラットフォームがきちんと機能しているからこそ、急速に広まるオミクロン株の状況もリアルタイムに把握できるのでしょう。

日本のCOCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)はダウンロード数が3000万を超えていますが、話題になるのはバグ情報ばかり。もっと有効に活用できないのでしょうか。

2021年12月17日 7:49 』

世界で急拡大 オミクロン型は”終わりの始まり”か【動画解説】

※ 今日は、こんなところで…。

※ 新型コロナのオミクロン株に関して、「朗報」が2つあったんで、紹介しておく…。

※ 朗報その1は、これだ…。

※ 今現在承認されている or 承認予定の「コロナ治療薬」(飲み薬、抗体治療薬)は、オミクロン株にも「効く可能性が高い」のではと言われている…。

※ その理由は、その「作用機序」が、「ウイルスの増殖を阻害」するものだからだ…。

※ いくら、オミクロン株が「スパイク・タンパク質を変異させても」、増殖を阻害されては「増殖できない」…。それで、オミクロン株の増殖も抑制されるだろうと、考えられている…。

※ オミクロン株全体の構造は、こういう「複雑至極なもの」だ…。

※ 朗報その2は、これだ…。

※ ウイルスの「変異」は、全く「ランダム」に生じるものらしい…。

※ それで、ドンドン変異して、「感染力が高まったり」「重症化率が高まったり」「致命率が高まったり」する方向の「変異」が、危惧されているわけだが、そういう方向の「変異」だけが生じるものでは「無い」…、ということだ…。

※ 逆に、自らの複製や感染性を、「妨げる方向」へも変異するものらしい…。

※ こういう方向での変異も、生じ得るものらしい…。

※ ということで、南アの「重症化が少ない」「致命率が少ない」という報告は、このウイルスの「終わりの始まり」なのではないか…、そういうことも「あり得る」という説を言ってる学者もいるらしい…。

※ とは言え、まだまだ「データが少ない」んで、注意して見ていく必要があるだろう…。

入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地

入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EEY0T01C21A2000000/

 ※ どこの国でも、重症化しやすいとされていた「お年寄り」から、ワクチン接種を開始したからな…。30代、40代は後回しになったハズだ…。

 ※ その影響が出ている、ということか…。

 ※ この保険相の言うには、「感染力は、強いようだが、重症化する率は低い。従来のワクチンも、重症化予防の効果はある」ということのようだ…。

 ※ まあ、だんだん各国のデータが揃って来れば、もっと「確としたこと」が、判明して来るだろう…。

『【イスタンブール=木寺もも子】新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大を巡り、南アフリカのファーラ保健相は3日、入院患者の大半が40歳以下の若年層だと明らかにした。うちほとんどがワクチン未接種だという。ファーラ氏は南アが感染「第4波」に入ったとの認識も示した。

米ブルームバーグ通信は南ア国立感染症研究所のデータとして、オミクロン型の感染が集中するハウテン州ツワネで、40歳以下が入院患者の68%を占めると報じた。今年半ばに起きた感染第3波の初期段階では、50歳超が66%を占めていたという。

一方、南アのステレンボス大の研究グループは3日、1人の感染者が何人にうつすかを示す「実効再生産数」について、オミクロン型はデルタ型の2倍を超えるとする報告を公表した。感染力自体の強さと、ワクチンなどによる免疫をすり抜ける能力がどう影響しているかはなお不明だ。

南アでは3日、新たに約1万6000人の感染が確認された。前日より39%増えた。

ファーラ氏はオミクロン型が席巻する第4波について「これまでで最も感染増加ペースが速い」としたうえで、「症状は従来より軽く、特にワクチンを受けていれば軽い」と述べた。

【関連記事】欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」』

オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”

オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013373951000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_024

『 オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”

2021年12月3日 20時41分

新型コロナの新たな変異ウイルスオミクロン株の存在を最初に発表した南アフリカでは、感染が急速に拡大しています。

NHKの取材に応じた地元の医師は、オミクロン株とみられる感染者はデルタ株とみられる感染者と多くが症状が異なり、呼吸困難に陥っていない、などと証言しました。

南アフリカでは、2日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者が1万1535人とこの2週間ほどで30倍以上に増えています。

NHKの取材に応じた首都プレトリア近郊の医師、モゼセ・ポアーネさんは保健当局によるウイルスのサンプル調査で、ことし9月には全体の91%がデルタ株だったのに対し、先月には74%がオミクロン株だったことから、ことし9月以前に診察した患者はデルタ株に感染し、この1週間余りで診察した7人の患者はオミクロン株に感染していたとみています。
ポアーネさんは以前のデルタ株とみられる感染者と最近のオミクロン株とみられる感染者は多くが症状が異なると指摘し「冬の間やことしの始めごろ、患者は頭痛、めまい、食欲の減退、体力の低下、せきなどを訴えていたが、せきは肺の奥深くからだった。だから多くが酸素が必要で、入院治療が必要だった。私が今、目にしている傾向は、のどにとどまっているせきで、入院治療の必要がない」と証言しました。

また、ポアーネさんは「先週、診察した感染者のうち、何人かはワクチンを接種済みだった」と述べ、オミクロン株でいわゆるブレイクスルー感染が起きた可能性があるとしています。

一方でその感染者たちの症状は軽いと述べ、オミクロン株に感染してもワクチンが重症化を防いでいるのではないかとの見方を示しました。

オミクロン株の感染力やワクチンの効果に及ぼす影響などはまだ分かっておらず、世界各国の科学者が調査を進めています。』

欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」

欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03E720T01C21A2000000/

『【ロンドン=佐竹実、ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は3日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者が16カ国で109人だったと発表した。現時点では無症状か軽症が目立ち、死者の報告はない。世界保健機関(WHO)にも死亡の報告は入っておらず、冷静な対応を呼びかけている。

ECDCによると、感染が確認されたのはドイツ(13人)やポルトガル(19人)など16カ国。多くがアフリカへの渡航歴があった。ドイツやベルギーなどでは感染が確認された地域との関連がないケースもあり、市中感染が広がっている可能性がある。症状がわかったケースは全てが無症状か軽症で、死亡の報告はなかった。

世界では35カ国で486人を確認した。南アフリカの国立感染症研究所によると、11月の新型コロナ感染の74%がオミクロン型だった。10月はデルタ型が92%で、急速にオミクロン型に置き換わった。重症者の割合はこれまでの流行時よりも低く、ワクチンなどでできた免疫が一定の効果を発揮している可能性がある。

オミクロン型は症例が少ないため毒性などはまだ正確には分かっていない。重症化しやすいのかどうかが今後の調査の焦点となりそうだ。WHOの報道官は3日、オミクロン型の感染者の死亡は報告されていないことを明らかにした。

イタリア政府の諮問機関、高等保健評議会のロカテッリ会長は3日、「オミクロンは強い感染力がある。だが重症化を引き起こし、ワクチンが効かないということを意味するものではない」などと語った。

ロイター通信によると、WHOのスワミナサン首席科学者は3日、オミクロン型について「パニックになるのではなく、準備と用心が必要だ」と呼びかけた。パンデミック(世界的大流行)の1年目とは異なり、現在はワクチンや治療薬の開発が進んで、新型コロナ対策のノウハウも蓄積されているからだ。

同氏によると、現在は世界の新型コロナ感染の99%はデルタ型。オミクロンが世界で優勢になるためには、「より感染力が強くなければならない」と述べたうえで「可能性はあるが、予測はできない」と強調した。

もっとも、欧州では冬場のデルタ型の流行で医療体制が逼迫するなどしており、各国はオミクロン型の拡大には神経をとがらせている。ベルギー政府は3日、6歳以上はマスクの着用を義務づけるなどの対策を発表した。小学校が冬休みに入る時期をほぼ1週間早めるほか、200人超が参加する屋内でのイベントは禁止される。デクロー首相は記者会見で患者数が増えて医療現場が逼迫していると強調し、「現状は受け入れられない」と国民に理解を求めた。

【関連記事】

・入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地
・オミクロン型、30カ国・地域に拡散 懸念指定から1週間 』

WHO「ワクチン変えるべきとの証拠無い」 オミクロン

WHO「ワクチン変えるべきとの証拠無い」 オミクロン
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EGZ0T01C21A2000000/

『【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するライアン氏は3日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」について「今のワクチンを変えなければいけないという証拠はない」と語った。変異ウイルスはワクチンの効果を下げる恐れがあると指摘されるが、接種率を高める努力をやめないよう呼びかけた。

SNS(交流サイト)上で質問を受け付ける方式で答えた。ライアン氏は「ワクチンは効果をあげている。重症化の危険が高い人への接種に注力しなければいけない」と強調した。ただ「やり方を変えなければいけないときに備えて、科学的な準備をすることも必要だ」と語り、ワクチンが効果をあげにくくなる時が来る可能性も論じた。

製薬各社は既にオミクロン型への対応を急いでおり、米ファイザーや米ノババックスが既に新しいワクチンを開発する意向を示している。』

アフリカ諸国、「差別的」渡航制限に反発

アフリカ諸国、「差別的」渡航制限に反発 WHOも懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29CWA0Z21C21A1000000/

『新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」を巡る渡航制限にアフリカ諸国が反発している。欧州やアジアなどでも広く感染例が見つかっているにもかかわらず、主にアフリカが規制対象となっていることや、効果が不透明な点を「差別的」「非科学的」としている。国連や世界保健機関(WHO)もアフリカの孤立に懸念を示している。

「差別的な措置だ」。南アフリカのファーラ保健相は29日、オミクロン型が確認されても渡航制限の対象になっていない国があると指摘した。これまで英国、ドイツ、スウェーデン、スペイン、カナダ、香港など広範囲で感染が見つかっているが、多くの国の渡航制限は南アなどアフリカ南部に集中している。

南半球のアフリカ南部は夏を迎えており、欧米がクリスマス休暇に入る12月は観光産業にとって稼ぎ時のため渡航制限の影響は大きい。南アの国際関係・協力省は声明で、いち早くウイルスを検知して報告したことを「罰しているようなもの」と反発した。

アフリカ南東部、マラウイのチャクウェラ大統領は28日、自身のフェイスブックで、一連の渡航制限を「アフロフォビア(アフリカ恐怖症)」だと批判。「対策はアフロフォビアではなく科学に基づかなくてはならない」と指摘した。アフリカ疾病管理予防センターは渡航制限が「意義のある結果につながらないことが明らかになっている」と主張している。

オミクロン型を初期に診察した南ア医師会のクッツェー会長はオミクロン型について「患者は極めて軽症で、入院した人は誰もいない」と英BBCの番組で指摘した。世界各国が必要以上にパニックに陥っているかを問われると、「現時点では明らかにそうだ」と答えた。

渡航制限は、WHOも非現実的だとして懐疑的だ。BBCによると、WHOアフリカ地域事務局長のモエティ氏は「世界の複数の地域でオミクロン型が検出されているいま、アフリカだけを対象とした渡航禁止は世界的な連帯を損なう」と指摘した。WHOは各国に「リスクをもとにした科学的な対応」を促している。

先進国が人口分以上のワクチンを確保する一方、分配の遅れるアフリカでは接種率が1割にも満たない問題もある。国連のグテレス事務総長は29日の声明で渡航制限による「アフリカの孤立」に懸念を示したうえ、「低い接種率が変異ウイルスの温床となっている」と指摘した。

南アのラマポーザ大統領は29日、セネガルで開かれた中国とアフリカ諸国の首脳会議に際し、「国の富によって病と健康が分かれてしまう世界の構造がある」と述べた。

(イスタンブール=木寺もも子、ロンドン=佐竹実、カイロ=久門武史)』

オミクロン・デルタ・アルファ…よくわかるコロナ変異型

オミクロン・デルタ・アルファ…よくわかるコロナ変異型
(2021年9月17日 11:00 (2021年11月29日 17:06更新))
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA104PK0Q1A910C2000000/

※ この記事によれば、「オミクロン型」の変異は、RNAの「塩基配列」の変異にとどまるものでなく、「スパイクタンパク質」部分の「アミノ酸配列」の変異を確認した…、ということだ…。訂正しておく…。他の「○○型」においても、同様のようだな…。

感染力、重症化はまだ不明 再感染のリスク高い可能性―WHO

感染力、重症化はまだ不明 再感染のリスク高い可能性―WHO
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021112900365&g=int

 ※ 感染力は、「6倍」という話しもあるようだ…。

 ※ 変異は、RNAの「塩基配列」においての話しであり、それが人間の細胞に侵入する際のスパイク(突起状の形状)部分の変異にまで及ぶのか、感染し易さに結びつくのか、重症化率・死亡率の上昇に及ぶのか…、などということは、「まだ、データ不足で、明確なことは言えない…。」というのが、現状であるようだ…。

 ※ しかし、ワクチンが全く「効力が無い」ということでは無いようだ…。

 ※ 個人でできることは、限られている…。

 ※ マスク予防、手指の消毒・手洗いの励行、密を避ける…という「感染症対策」を取ること…。

 ※ 情報収集、しっかりやって、注視しておくこと…。

 ※ ワクチン接種情報(広報)を、見逃さないこと…。

 ※ 特に、「世界の感染状況」の把握は、重要だろう…。

 ※ これまで通り、という話しだな…。

『南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、世界保健機関(WHO)は28日、最新の調査結果を発表した。デルタ株など他の変異株より感染が広がりやすいかは「まだ不明」としつつ、「暫定的な証拠は、コロナに感染したことのある人が再び感染するリスクはより高いことを示唆している」と明らかにした。
ワクチンの効果などへの影響は専門家と調査中という。

オミクロン株、欧州・豪で確認相次ぐ 感染拡大受け規制復活―入国、全面禁止も

 重症化を起こしやすいかも「まだ不明」とした。判断には数日から数週間かかるが、初期の研究報告では「若い人は症状が軽い傾向がある」と若年層が重症化しにくい可能性を指摘。南アの入院率が上昇傾向にあるが、「感染者全体の数が増えていることが理由の可能性もある」と評価を控えた。PCR検査は「オミクロン株の感染も検出している」と、精度への影響は現時点で見られないと明らかにした。

 個人が取れる最も効果的な対策は他者との距離の確保だと強調。マスクの着用や換気の実施、人混みを避けるなどの基本的な取り組みとワクチン接種を呼び掛けた。最も警戒レベルが高い「懸念される変異株(VOC)」に指定しており、各国に監視の強化などを改めて要請。世界的なワクチン供給の不平等を解消することが急務だとも訴えた。』

変異ウイルス命名、中国に配慮? 米FOXニュース

変異ウイルス命名、中国に配慮? 米FOXニュース
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM282UA0Y1A121C2000000/

『【ニューヨーク=共同】米FOXニュースは27日、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスの名前「オミクロン」について、世界保健機関(WHO)が中国への配慮などから原則を曲げて決めたとの見方が出ていると伝えた。ギリシャ文字のアルファベット「クサイ」が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の姓である「習」の英語表記「XI」と同じため飛ばされたという。

変異株はこれまで最初の「アルファ」から12番目の「ミュー」まで確認され、次は順当なら「ニュー」「クサイ」と続く予定だったが、15番目の「オミクロン」と命名された。WHO報道官はFOXに「ニューは(英語で『新しい』を意味する)『NEW』と混同されやすい」と説明。「XI」は「一般的な姓であり、WHOはいかなる集団にも嫌がらせとなることをしない」と強調した。

対中強硬派の米野党共和党のコットン上院議員はツイッターで「WHOは公衆衛生より中国共産党の機嫌を気にしている」と批判した。』

中国「発生時期」議論再燃も PCR機器、19年5月に急増

中国「発生時期」議論再燃も PCR機器、19年5月に急増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0518U0V01C21A0000000/

『オーストラリアに拠点を置くサイバーセキュリティー会社「インターネット2.0」主体の調査チームは新型コロナウイルスの発生源とされる中国の湖北省のPCR検査機器の調達を巡る報告書をまとめた。2019年5月以降に発注が急増しており、最初の感染例が12月に見つかったとの中国の説明に疑問を呈した。発生源や時期の議論が再燃する可能性がある。

同社が主体で、米国と豪州の元情報機関の職員や、英国の情報分析の専門家らで構成する「AUKUS(オーカス)調査チーム」と呼ぶチームが調査した。米英豪の安保協力の枠組み「AUKUS」にちなんだ。同社は中国から中国共産党員の名簿とされる200万人のデータを入手して解析するなど、独自の情報収集活動を展開してきた。

報告書は19年の湖北省でのPCR検査機器の調達額が約6740万元(約11.6億円)と18年と比べて2倍近くに増えたと言及。月別では5月にいったん発注が顕著に増え、7~10月にかけても大幅に増えた。

PCR検査は遺伝子の配列を調べるものだ。コロナだけに使われるものではなく断定できないが、報告書は発注や調達の傾向を「コロナの感染拡大と関連づけられる」と分析。感染拡大の時期は「中国が世界保健機関(WHO)に通知するよりもはるかに早いと、高い確度で結論付けられる」と強調した。

米ブルームバーグ通信によると中国の外務省はこの調査結果に対して異議を唱えているという。

ウイルスの起源は中国と米欧の間で論争してきた。研究所からの流出説と、動物からの感染とする説が有力だが、十分な手がかりは得られていない。WHOは21年1~2月に湖北省の武漢で調査を実施し、動物のウイルスが人に感染した可能性が高いと結論づけた。

ただ、調査は感染が判明してから1年以上が経過しており、日米英韓など14カ国の政府は「調査は大幅に遅れ、完全な情報へのアクセスも欠いていた」などと共同声明で懸念を示した。中国はWHOの追加調査を受け入れない姿勢を示す。

今回、同社が調査したのは、コロナの起源を巡る中国の情報開示が不十分だとの問題意識がある。調査チームのデービッド・ロビンソン氏は「中国から意義のあるデータが提供されていないことで多くの仮説や誤情報がはびこる状況になった」と指摘している。

調査チームからデータ提供を受け分析した井形彬・多摩大大学院客員教授は「これだけでは断定的なことは言いにくいが、コロナの起源に関する議論を再燃させるきっかけになりうる」と話す。

【関連記事】
・19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析
・米報告書、コロナ起源特定できず 中国に協力要求

新型コロナ特集ページへ 』

19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析

19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析
コロナ12月発生説を疑問視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA233970T20C21A9000000/

『米国、英国、オーストラリアの民間研究者は、新型コロナウイルスの発生源となった中国の湖北省で2019年5月以降にPCR検査機器の発注が急増していたとの報告書をまとめた。同年秋までに新型コロナが広がっていた可能性が高いと指摘。同年12月に最初の感染例が見つかったとする中国の説明を疑問視した。

米英豪の元情報機関の職員らで構成する調査チームが、中国の公共調達の入札情報を集約したウェブサイトからデータを収集して分析した。

報告書は19年の湖北省でのPCR検査機器の調達額が約6740万元(約11.6億円)と18年と比べて2倍近くに増えたと言及した。発注機関別にみると大学が2倍、疾病予防管理センターが5倍で、動物の疾病対策機関の発注も10倍に増えた。病院は1割超減った。

PCR検査は遺伝子の配列を調べるもので、必ずしもコロナだけに使われるものではないが、湖北省の武漢周辺で新たな感染症の発生が認識されていた可能性が高いという。

湖北省の月別のデータでは、5月にいったん発注が顕著に増えた。疾病予防管理センターと人民解放軍の発注が目立ち、早ければ5月には初感染があった可能性があると分析している。

7~10月にかけても大幅に増加した。この間、発注が急増したのは武漢科技大学だ。総額は19年の1年間で892万元と前年の約8倍に増えた。調査チームは同大学が周辺の病院や衛生当局と連携しており、ウイルスの流行の初期に対応する機関とみている。

報告書はこうした発注や調達の傾向は「新型コロナの感染拡大と関連づけられる」と指摘。感染拡大の時期は「中国が世界保健機関(WHO)に新型コロナについて通知するよりもはるかに早いと、高い確度で結論付けられる」と強調した。

新型コロナの発生源や時期を巡っては米中で対立している。中国はWHOに19年12月8日に武漢で初めて症状のある患者が記録されたと報告しているが、米国内ではウイルス研究所から流出し、12月以前に感染が広がっていたとの指摘がある。

米ハーバード大などは衛星画像をもとに、武漢の病院の駐車場の利用率が19年8月に大幅に上昇したとの研究結果を公表している。

ただ、米国家情報長官室は8月に発生源を巡り①動物から人間に感染②中国のウイルス研究所からの流出――のどちらかを結論づける決定的な証拠を得られず、特定できなかったと発表した。

チームからデータ提供を受けて独自に分析した井形彬・多摩大大学院客員教授は「これだけでは断定できないが、コロナの拡大を武漢周辺で把握し始めたのが19年12月の半年~数カ月前だったと論じる上で有力なデータだ」と話す。「今回の報告書は、各国が改めて中国に情報開示を強く迫る契機になる可能性がある」と語る。

調査チームのデービッド・ロビンソン氏は「中国から意義のあるデータが提供されていないことで多くの仮説や誤情報がはびこる状況になった。技術を使って信頼性の高いデータを提供している」と調査の意義を説明する。
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『』多様な観点からニュースを考える

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

炎上的な状況は、「受け手における情報の重要性」と、「情報・状況の曖昧さ」の乗数が、大きい時に生じるとされます。

今回の指摘の真偽は全くわかりませんが、コロナは世界の人々にとってあまりに重要な惨事であり、その発生状況について中国の情報開示が極めて不十分だったことは紛れない事実でしょう。状況が曖昧な間はこうした指摘と厳しい反応は続くでしょうし、それは何より中国にとって致命的です。

十分な情報開示に踏み切る以外には、解決策はないように思えます。

2021年10月5日 8:01

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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ひとこと解説

状況証拠でしかないが、中国がいつ感染に気が付いたのかを示唆するデータではある。

しかし、8月に感染が始まっていたとすると、年末までに感染を一定規模に抑えていたということになり、本当にそれが可能だったのか、疑問は残る。

中国が意図的に隠していたかどうかは国際政治上、重要な問題ではあるが、中国への攻撃材料として、何とか中国が隠ぺいしていた事実をひねり出そうとするようなことだけは避けなければならない。

大事なことは事実をきちんと確認することであり、パンデミックを繰り返さないようにすることであり、中国を攻撃することではない。

2021年10月5日 7:28 (2021年10月5日 7:29更新)』

武漢の科学者は洞窟のコウモリにコロナウイルス粒子を放出することを計画し、漏れた論文が明らかに

武漢の科学者は洞窟のコウモリにコロナウイルス粒子を放出することを計画し、漏れた論文が明らかに
文書は、研究者が2018年に論争のプロジェクトに資金を提供するために$14mを申請することを明らかにします

によって
サラ・ナプトン,
サイエンスエディター
2021年9月21日 17:48

https://www.telegraph.co.uk/news/2021/09/21/wuhan-scientists-planned-releaseskin-penetrating-nanoparticles/

 ※ 元記事は、これのようだ…。

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

武漢と米国の科学者は、強化された空中コロナウイルス粒子を中国のコウモリ集団に放出して、人間に飛びつく可能性のある病気に対して接種することを計画していました。(※ 無料は、ここまで。)』

中国の研究者、2018年にコロナウイルスをコウモリに感染させることを計画=テレグラフhttps://jp.sputniknews.com/covid-19/202109228704704/

『テレグラフは、中国・武漢の研究者らは2018年に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を洞窟に生息するコウモリに感染させる計画だったと報じた。

研究者らはこのプロジェクトに1400万ドル(約15億3000万円)を割り当てるよう米国防総省高等研究計画局(DARPA)に依頼したが、DARPAは、武漢ウイルス研究所がある湖北省の住民にとってあまりにもリスクが高いと考え、研究資金の提供を拒否したという。

テレグラフが引用した文書によると、研究者らはコロナウイルスの新たなキメラスパイクタンパク質を構成成分とするナノ粒子を、コウモリの皮膚を通して注入する考えだった。
また、ヒトに感染しやすくするために、遺伝子組み換えされたキメラウイルスをつくる計画もあったという。

さらに武漢の研究者らは、コウモリのコロナウイルスに変更を加え、ヒトの細胞にウイルスをより簡単に感染させようとしていたとされる。

テレグラフ紙は事実確認のために、 すでに武漢ウイルス研究所にこの件についてのコメント要請を行っ ている。

関連ニュース

新型コロナ自然起源の新たな証拠が見つかる
進化した新型コロナウイルスの危険性

スプートニクは新型コロナウイルスに関する信憑性の高い最新情報 をお届けしています。特設ページをご覧ください。 』

新型コロナウイルス発生起源に関する調査結果を読む

新型コロナウイルス発生起源に関する調査結果を読む
深まる疑惑と今後の見通し
小谷哲男 (明海大学外国語学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24105

『2021年8月27日に、バイデン政権が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の発生起源に関する調査結果を公表した。5月に、バイデン大統領が情報機関に対して90日以内の報告書の提出を指示したことを受けたものである。

 調査結果は、SARS-CoV-2が生物兵器として生成されたものではないとしたが、予想されていた通り、生物を介して自然にヒトに感染したのか、あるいは武漢ウイルス研究所から事故で流出したのかについては、結論を出すことはできなかった。

(gopixa/gettyimages)

 調査結果の要点は以下の3点である。

① SARS-CoV-2の最初のヒトへの感染は遅くとも19年11月で、武漢で同年12月にクラスターが確認される前と考えられる。生物兵器ではないが、ワクチンや治療薬開発のため、武漢ウイルス研究所によってヒトに感染しやすいように遺伝子操作(機能獲得)された可能性については、ほとんどの情報機関が考えにくいとしたが、2つの情報機関は十分な判断材料がないとした。また、中国当局は事前に新型コロナの蔓延を把握していなかったと推測される。

② 自然発生、研究所流出、どちらの可能性もある。4つの情報機関は中国当局が事前に把握していなかった点を重視して自然発生説を、情報機関の1つは武漢ウイルス研究所における作業の危険性を重視して流出説を主張したが、前者の確信度は低く、後者のは中程度となっている。3つの情報機関は情報が不十分なため、断定できないとした。

③ 発生初期の臨床データなどが入手できなければ断定は難しい。中国の協力は必要、しかし中国は調査を妨害し、米国などに責任を転嫁しようとしている。中国も再調査がどのような結論になるかわからないからであり、また国際社会が本件を政治利用しようとしていることへの不満もあるだろう。

トランプ政権による調査との比較

 バイデン政権の調査結果を、トランプ政権が21年1月に公表したファクトシートの内容と比較してみよう。

 トランプ政権のファクトシートも、自然発生なのか研究所からの流出なのかわからないとしながら、人民解放軍が生物兵器禁止条約に違反する形で武漢ウイルス研究所において秘密裏に生物兵器を開発していた可能性を排除していなかった。バイデン政権はこの点については否定したことになる。

 一方、トランプ政権は武漢ウイルス研究所の職員3人が19年11月に新型コロナ感染症に似た症状で病院に運ばれたことを明らかにしているが、バイデン政権の報告書が最初の感染を遅くとも19年11月としたのは、最初の感染確認が同年12月とする中国の主張を否定し、11月の時点で武漢ウイルス研究所の職員が新型コロナウイルスに感染したと結論づけたと考えられる。』

『最大の焦点は、武漢ウイルス研究所での機能獲得実験がSARS-CoV-2を生み出したのかどうかである。13年に雲南省で鉱山労働者がSARS肺炎の症状で死亡する事案があり、武漢ウイルス研究所はそこで採取されたコウモリウイルス(RaTG13)がSARS-CoV-2と96.2%類似していると20年1月に発表した。

 トランプ政権は、同研究所が16年以降RaTG13を使って集中的に機能獲得実験を行っていた事実を明らかにしたが、同研究所はこれを否定し、保有するウイルスのデータベースも19年9月からオフラインにしたままである。

 CNNによれば、バイデン政権はハッキングによってこのデータベースを入手したようだが、今回の調査結果ではその分析結果には触れられておらず、どこまで機能獲得説に信憑性があるのか不明なままである。今後公開される報告書でより詳しい情報が明らかになる可能性はあるが、いずれにせよ中国の協力なしに真相を解明することはできない。

米中対立の中で真相解明にいたるのか

 今回の調査結果の公表に当たって、バイデンはパンデミックの起源に関する重要な情報は中国国内にあると指摘し、他国と協力して中国に再調査の受け入れとすべてのデータの共有を要求すると強調した。しかし、中国はワシントン郊外にある米軍の研究所がウイルスの発生源であると根拠のない主張を繰り返しており、再調査に応じる見込みはない。

 SARS-CoV-2の発生起源の解明は、次のパンデミックを防ぐためにも重要である。しかし、2003年のSARSについては起源が解明されているが、エボラ出血熱など起源が解明されていない感染症もある。

 より重要なのは、感染症対策には国際協力、特に米中の連携が不可欠であるということである。SARS発生時に、米国内では中国に対する批判が高まったが、当時のブッシュ大統領は側近の反対を押し切って、胡錦濤政権の対応を賞賛した。

 それが米中の感染症対策での協力につながり、武漢ウイルス研究所は両国の協力の最前線となった。その研究所が新型コロナの発生源として米中対立を深める結果になったのは、最大の皮肉であり、仮に発生源であることが判明すれば最大の悲劇である。

米国内でも軋轢が起きる調査の進展

 中国による情報の開示が期待できない中、次に考えられるのは米連邦議会による調査委員会の立ち上げである。議会共和党を中心に独立委員会の立ち上げを求める声が強まっており、9・11同時多発テロに関する調査委員会を率いたフィリップ・ゼリコウは所属するヴァージニア大学で調査を引き受ける用意があると表明している。

 しかし、議会による調査委員会の立ち上げは、米国内政治の影響を強く受けることになるであろう。武漢ウイルス研究所には、米国立衛生研究所(NIH)から、非営利団体エコヘルス・アライアンスを通じて資金提供が行われており、米国民の税金で武漢ウイルス研究所が危険な機能獲得実験を行っていた可能性が指摘されている。

 とりわけ、議会共和党は、NIH傘下のアレルギー感染症研究所のファウチ所長が、エコヘルス・アライアンスのダシャック理事長と共謀して、武漢ウイルス研究所にコウモリウイルスの危険な機能獲得研究を委託した事実を隠蔽しようとしていると批判を強めている。議会民主党は、コロナの発生起源をめぐる問題が政治利用されることを警戒しているため、調査委員会の立ち上げに慎重な姿勢を崩していない。

 中国の隠蔽体質、深まる米中対立、そして米国内政治が、新型コロナウイルスの発生起源の解明を遠ざけている。しかし、次のパンデミックを防ぐために行うべきことはある。
 SARS-CoV-2の発生起源が何であれ、野生動物の売買は禁止されるべきであるし、危険なウイルスの機能獲得に関する規制も強化されるべきである。加えて、国際的な監視体制や情報共有制度、ワクチンや治療薬の開発と配布の枠組みもさらに効果的かつ効率的なものにしていく必要がある。

 バイデン政権による調査に区切りがついたことを機に、これら喫緊の課題により力を入れるべきである。』

非難合戦は終わるか 新型コロナウイルスの発生源論争

非難合戦は終わるか 新型コロナウイルスの発生源論争
編集委員 滝順一
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1370M0T10C21A8000000/

『米国で新型コロナウイルスの発生源をめぐる論争が再燃し激しさを増している。野生動物から人間に感染が広がったのか。中国湖北省武漢市にある中国科学院武漢ウイルス研究所からウイルスが流出したのか。1年前には「動物感染説」が大勢を占めた科学界からも「流出説」を排除せず調査を求める声が上がった。バイデン米大統領は5月26日、情報機関に対しウイルスの起源の再調査と90日以内の報告を指示した。まもなく公表される見込みだ。世界保健機関(WHO)も再調査に動こうとしている。

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「嘘つきはあなたの方だ」。バイデン政権の首席医療顧問で、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は強い言葉で言い返した。7月半ばの米上院公聴会で、共和党議員がファウチ氏にパンデミック(世界的大流行)の責任があるとほのめかしたためだ。

米上院公聴会で発言する米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(21年7月)=ロイター

アレルギー感染症研究所の上部組織である米国立衛生研究所(NIH)の資金が武漢ウイルス研究所の研究に使われていた。共和党議員は、ファウチ氏らが支援した研究がウイルスの流出源になったとファウチ氏を責めた。ファウチ氏は流出説には否定的な立場だ。2人の言い分はウイルスの発生源を巡ってまったく相いれない。共和党の一部の議員は流出説を裏付けるとする「最終報告書」を議会で公表している。

新型コロナウイルスが、感染力や病原性が強いウイルスを研究対象として扱う武漢ウイルス研究所から流出したとの仮説は、アウトブレーク(感染拡大)直後から取り沙汰されてきた。所員の感染などで市内に広がったとする見方だ。

当時のトランプ米大統領は、流出を隠蔽していると中国政府を強く非難、ポンペオ国務長官(当時)は「証拠もある」とした。中国は反発、非難合戦となった。

しかし米国の科学界は、新型コロナウイルスはコウモリ由来のコロナウイルスが突然変異し何らかの媒介動物を経て人間に感染するようになったと考える動物感染説を支持、研究所からの流出説を否定する声が大勢だった。ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙などリベラルな立場の主要メディアも科学界の見方を追認した。一部では流出説を科学的な根拠のない「陰謀論」として強く非難する見方すらあった。トランプ政権からは確固たる証拠は出なかった。

再燃した論争

こうして表面上は収まっていたかに見えた論争が2021年春以降、再燃した。今回は科学界からも流出説を退けずに「ありうるケース」として考えるべきだとの主張が前面に出ている。

米国の著名な免疫学者ら18人が米サイエンス誌(5月14日付)に、動物感染説と流出説の扱いが「バランスを欠いている」と指摘する書簡を公表し、公正な調査を求めた。「はっきりとした情報が得られていないのに(流出説はないと)決めつけるのは早すぎる」と、書簡に署名した米エール大学の免疫学者、岩崎明子教授は話す。

6月15日には、米国の科学、工学、医学の3つのアカデミーのトップが連名で「科学の原則に照らして新型コロナウイルスの起源について調査を求める」声明を公表した。米科学界の主流が流出説の可能性も排除しない姿勢を示した。

報道では、流出説の可能性を昨年から指摘してきた米ブロード研究所(マサチューセッツ州ケンブリッジ)のポスドク(博士研究員)、アリーナ・チャン氏に大手メディアのスポットライトが当った。同研究所は生命科学研究の有力拠点の一つ。チャン氏は新型コロナウイルスが人間の細胞に侵入することに最初から適応し過ぎているとし、研究所で培養されていた可能性を指摘した。若い研究者が科学界での孤立を恐れず自説を主張し続けたことを称賛する声がある。

ニューヨーク・タイムズ紙などの記者を長年務めたベテランのサイエンス・ジャーナリストであるニコラス・ウェイド氏が学術誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」に長文の記事を掲載。20年に流出説を否定した複数の科学者グループの主張には確かな根拠がないとし、流出説を陰謀論と決めつけて退ける考え方に疑問を呈した。同誌は人類滅亡までの残り時間を示す「終末時計」の発表で知られる。

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、未公開の米情報機関の報告書に基づくとして、武漢ウイルス研究所の3人の研究者が19年11月に入院して治療を要するほど体調を悪化させていたと報じ、ウイルス流出を示唆した。こうした報道や論評はいずれも流出説を裏付ける確定的な証拠を示したわけではない。ただ流出説を根も葉もない陰謀論と片付けてきた流れを変えたのは間違いない。

なぜ今になって流出説への支持が高まってきたのか。医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の記事は2つの要因を指摘した。一つはトランプ前大統領の退陣だ。前大統領が流出説を声高に唱え中国を非難していたことから、トランプ支持と受け取られたり党派対立に巻き込まれたりするのを避けたい配慮があった。その呪縛が解けた。

もうひとつはWHO国際調査団の不首尾だ。1月に武漢入りした調査団は中国政府の監視下に置かれ十分な事実解明ができたとは言えない。「極めて可能性が低い」と流出説を事実上否定した調査団の報告書に対し、WHOのテドロス事務局長も失望を隠さず再調査を指示した。

中国政府が調査団を受け入れたのは、感染拡大から1年以上経過した後だ。調査に非協力的な印象を与えた結果、中国政府による隠蔽への疑念を広げ、流出説への同調者を増した。流出説に否定的なファウチ氏も中国にはさらなる情報開示を求めている。

「機能獲得」への懸念も

また流出の可能性を口にする科学者には「機能獲得(ゲイン・オブ・ファンクション)」研究のリスクを懸念する勢力もある。遺伝情報に手を加えるなどしてウイルスの能力を変える研究のことで、ウイルスの性質を解明しワクチン開発につなげるため必要だが、危険なウイルスをつくりだす恐れが指摘されてきた。一部の科学者は新型コロナの場合に限らず、機能獲得研究への規制強化を求める文脈で流出説の精査を求めている。

武漢ウイルス研究所は、中国南部、雲南省の洞窟に生息するコウモリから多数のコロナウイルスを採取して調べる研究に取り組み、1万以上の試料を保有するとされる。機能獲得の手法で、コロナウイルスを人間に感染できるよう手を加え、新型コロナが生まれたのではないかとの疑いが指摘されている。

武漢ウイルス研究所でコロナウイルス研究を率いる石正麗研究員(2017年2月)=AP

これに対し、同研究所でコロナウイルス研究を率いる石正麗研究員は、ニューヨーク・タイムズ紙の記事(6月14日付)で「ウイルスの毒性を高めるような機能獲得研究はやっていない」と強く否定した。「機能獲得研究」という言葉の定義が科学者の間で違っている可能性もある。

石氏はまた流出説自体を昨年から否定し続けているが、十分なデータが公開されない現状では確認しようがない。新型コロナウイルスはこれまでに世界で2億人以上に感染し400万人以上の命を奪った。しかし発生源についてはわからないことばかりだ。

武漢ウイルス研究所はエボラ出血熱など危険な病原体を安全に扱える、最も高い安全基準の施設であるBSL(バイオセーフティーレベル)4の実験施設を備える。BSL4施設は中国に2つしかない。石氏らは03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)のパンデミックを契機にコウモリ由来のコロナウイルスの研究をしていた。石氏は安全基準の緩いBSL2レベルの実験室でウイルスを扱っていたとしている。ただ研究所からウイルスが流出した明確な証拠はない。

一方、武漢市の華南海鮮卸売市場で動物から人間に感染が広がったと当初から考えられてきたが、中国政府の調査では新型コロナウイルスが検出された動物は見つかっていない。コウモリの生息地から武漢までウイルスを運ぶ役割の動物がいるはずだが、特定できていないのだ。

いったいどこからどうやって現れたのか。すべてを明らかにするのは非常に困難だろう。真相に近づくのにすらまだ時間がかかるのかもしれない。米国側が科学的根拠に基づく真相を突きつけたとしても、中国側が認めるかどうかもわからない。その間、「嘘つきだ」「陰謀だ」と不信の応酬が続くのでは、科学や医学への不信を増幅させるばかりだ。

「物事の不確実性が大きく、自らが属する社会システムが脅かされていると感じる時、人間は陰謀論を信じやすい」と社会心理学者の唐沢かおり東京大学教授は話す。誰かの悪巧みだとする見方は、理解し難い状況にわかりやすい解釈を与え、善悪をはっきりさせたいという心情にも沿う。

終わらない論争の背景には問題が政治化していることもあるが、米国社会の分断も影を落とす。またインターネットの情報環境は、自分が信じることに符合する情報ばかりが目に入る「確証バイアス」に陥りやすいこともあるだろう。

「未来のパンデミックを防ぐためにも新型コロナウイルスの起源を知ることは大切だ」とエール大学の岩崎教授は話す。今回のパンデミックの経験から学ばなければならないことは多い。短兵急な政治的論争を避け、データに基づき事実が明らかになるまで忍耐強く調べ続ける。そこにしか道はないように思える。

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授

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分析・考察 発生源解明は次のパンデミックを予防する上で極めて重要です。このままだと「Covid-26とCovid-32が起こりうるだろう」とCNNのインタビューで米医学者ピーター・ホッテズ教授は語っていました。

問題はそのための調査が米中対立にどっぷり組み込まれていることです。科学的な論拠を積み上げ、中国に真相を迫る米国。その米国に米中対立の構図の中で反発し、自国のメンツを守ろうと奮闘する中国。この問題は米中に任せていては埒があきません。地道に科学的な証拠を積み上げ、中国に対して国際社会として、発生源解明の意義とそれにむけた協力を、必要があれば圧力をかけていく必要があると感じます。

2021年8月18日 9:23いいね
3 』

コロナ発生源で応酬、米共和党「武漢から」

コロナ発生源で応酬、米共和党「武漢から」 中国は反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM040LB0U1A800C2000000/

『【大連=渡辺伸、ワシントン=中村亮】新型コロナウイルスの発生源を巡って、米中が火花を散らしている。米国は野党・共和党が「中国の研究所から流出した証拠がある」と主張し、バイデン米大統領の指示で別の調査も進む。中国は対抗措置として米起源説を持ち出して国内外で宣伝工作を展開し、情報戦の様相を呈してきた。

「コロナウイルスは中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所から流出した。多くの証拠がある」。米下院外交委員会の共和党トップ、マコール議員らは8月1日に発表した報告書で主張した。

報告書では武漢の研究者らが誤って感染し、ウイルスを外部に広げた流出説を裏付ける理由を列挙。「19年9~10月、研究所近くの病院を訪れる人が急増した衛星写真がある」「19年9月、研究所でウイルスに関するデータベースが説明なく削除された」「研究所の空調設備には不備がある」などとした。

米国では別の調査も進む。バイデン氏は5月、研究所からの流出説を含め、コロナの起源を調査し、90日以内に報告するよう情報機関に指示を出した。将来のパンデミック防止に注力するとしたそれまでの方針を突然転換した。バイデン政権に近い関係者は「バイデン氏が中国の非協力的な態度に不満を持っていた」と指摘する。

米CNNテレビは8月5日、米情報機関が武漢ウイルス研究所で扱っていたウイルスの遺伝情報などの膨大なデータを入手したと報じた。起源を解明するカギになる可能性があるとみて解析を進める。

中国は反発を強める。外務省の趙立堅副報道局長は7月30日の記者会見で、米メリーランド州にある陸軍の医学研究施設「フォート・デトリック」などからウイルスが漏洩した可能性にふれ、調査すべきだと訴えた。中国はもともと自国以外の起源調査を求めており、米国に矛先を向けた。

中国政府は国内外で宣伝工作に動く。趙氏は7月20日の会見で、世界規模の調査を支持し、調査の政治化に反対する手紙を世界保健機関(WHO)に送った国は「55カ国に達した」と主張した。中国が友好国に働きかけたとみられる。

共産党系メディア、環球時報はフォート・デトリックに対する調査をWHOに求める署名運動をネット上で展開し、すでに約2500万人分が集まった。中国国営中央テレビ(CCTV)も8月1日、フォート・デトリックの内幕を描く番組を放送した。

「誤報」騒動も起きた。国営新華社など官製メディアは7月下旬以降、スイス人の生物学者だと名のる人物のフェイスブックへの投稿を引用し、米国を非難した。だが、在中国スイス大使館がこの学者の存在を否定し、記事の削除と訂正を求めた。

新型コロナの起源特定を巡っては、19年12月に世界で初めて感染が広がった中国・武漢市で21年1~2月、WHOの専門家チームと中国の研究チームが共同調査を実施。3月末に発表した調査では「動物から人間への感染が最も可能性が高い」とし、ウイルス研究所からの流出説はほぼ否定していた。

だが、WHOのテドロス事務局長は7月、武漢の研究所を含めた再調査を加盟国に提案した。「中国には関連データのすべてを提供することを期待したい」と話した。1~2月の調査では中国当局が感染初期の患者データの提供を拒否した。

国家衛生健康委員会の曽益新副主任は7月の記者会見で、WHOによる中国での追加調査を拒否する意向を表明。研究所からの流出説は「科学に反する」と否定した。別の幹部も、患者データについて「プライバシー保護のため提供しなかった。(WHOの)専門家チームも理解していた」と反論した。

米情報機関は8月下旬に報告書をまとめるとみられ、その内容が当面の焦点だ。米シンクタンク、ジャーマン・マーシャル・ファンドのボニー・グレイザー氏は、バイデン政権が決定的証拠をつかむのは難しいとみるが、「中国が協力しなかった」として中国包囲網をつくると指摘。「かなり大きな米中摩擦を引き起こす」と分析する。 』