疑問残すWHO武漢視察 流出巡る説明、一貫性欠く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH1253C0S1A210C2000000/

 ※ 某国は、「感染症大国」だ…。

 ※ そんなことは、外務省ホームページを見れば、すぐ分かる…。「渡航者に対する警告」が、ちゃんと載っているからな…。

 ※ それと、日本国において、どうして、なかなか「結核」が「撲滅」しない(今でも、年間1000人近い患者が発生している…)のか、その原因を考えれば、すぐ分かる…。

 ※ やたら人口が多いし、「四つ足のものは、”机”以外、全て食う。」という食風習が、関係しているんだろう…。

『世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源を突き止めるため中国に派遣した調査団は、どこまで真実に迫れたのだろうか。メンバーから、中国の主張をうのみにするような発言も飛び出したことに、首をかしげる専門家もいる。今後の新たなウイルス発生に備えるためにも、継続的な調査協力が必要だ。

WHOの担当科学者であるベンエンバレク氏は訪問先の湖北省武漢市で開いた記者会見で、中国科学院武漢ウイルス研究所から…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1397文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源を突き止めるため中国に派遣した調査団は、どこまで真実に迫れたのだろうか。メンバーから、中国の主張をうのみにするような発言も飛び出したことに、首をかしげる専門家もいる。今後の新たなウイルス発生に備えるためにも、継続的な調査協力が必要だ。

WHOの担当科学者であるベンエンバレク氏は訪問先の湖北省武漢市で開いた記者会見で、中国科学院武漢ウイルス研究所からのウイルス流出が流行を招いた可能性は「極めて低い」と言明した。今後、この仮説は排除する考えも示した。

中国寄りとの批判を気にしてか、テドロス事務局長は12日、「我々はすべての仮説に対してオープンで、さらなる分析と研究が必要だ」と軌道修正した。一貫性を欠く説明は、調査への信頼性を低下させる。

米国のトランプ前政権は中国が新型コロナウイルスを人工的に作り、流出させたという説を流布していた。だが、そうした「中国陰謀論」はもともと根拠を欠いていた。

2020年3月に米スクリプス研究所のアンダーセン教授らが米科学誌ネイチャー・メディシンで発表した、ウイルスは天然由来の可能性が高いとする論文内容が科学界のコンセンサスになっている。コウモリの間で広がっていたウイルスが、センザンコウなどを介してヒトにうつった公算が大きいとされる。

武漢ウイルス研究所に到着したWHO調査団のメンバー(3日)=ロイター

WHOの見解は、従来の説を再確認したのにすぎない。大切なのは、動物やヒトから分離したウイルスを誤って外部に出した可能性があるかだ。

ベンエンバレク氏らは当初、ウイルス流出事故もなかったとの見方を示した。「武漢のどの研究所でも新型コロナウイルスの報告はないし論文も出ていない」からだ。武漢ウイルス研で危険度の高い病原体を扱う基準を満たした「BSL4」実験施設を視察し、よく管理されているのも確認したという。いずれも流出がなかった根拠としては、極めて弱い。

「バット(コウモリ)・ウーマン」の異名をとる武漢ウイルス研の著名研究者、石正麗(シー・ジェンリー)氏は20年7月、米サイエンス誌の質問に「新型コロナの研究は(危険度の水準が低い)BSL2、3の実験施設を使っている」と答えた。今回、調査団が見た施設とは違うのではないか。

東京大学の黒木登志夫名誉教授は、新しいウイルスの研究がBSL2、3の施設で進められたのを知り驚いたという。WHOの科学者は疑問をもたなかったのだろうか。実験ノートを確認したのか、最初の患者とされる人物から直接話を聞いたのか、なども不明だ。

ベンエンバレク氏は中国側の主張に沿って、冷凍輸入品を介してウイルスが流入した可能性にも言及した。中国でコウモリなどからうつった可能性と同等に扱うという。

北海道大学の喜田宏特別招聘(しょうへい)教授は「輸入説など無視してよい」と一蹴する。むしろ、中国で「以前からウイルスはヒトへの病原性を持たないまま広がっていたのではないか」とみる。「感染を繰り返すうちにヒトで一気に増える変異ウイルスが登場し病気を引き起こすようになった可能性がある」

仮にWHOが再調査に踏み切ったら、真実は明らかになるだろうか。新型コロナの最初の報告から1年以上たっており「今更何もわからないし、自国に不利な情報は出さないだろう」と中国で研究経験のある感染症研究者は予想する。

だが新型コロナの起源をたどれれば、次の「出番」を待つウイルスが見つかるかもしれない。洞窟のコウモリ捕獲などは命懸けだが、先端的な遺伝子解析技術を使えば、ウイルスの特徴や変異の仕方を把握できる。

喜田教授は「世界中の野生動物が多数の未知のウイルスを持っており、ヒトにうつるリスクは常にある」と警鐘を鳴らす。過去にいくつものヒトや家畜の感染症の源となった中国に対し、隣国の日本は率先して国際協力を呼びかけ、データ収集や新たな感染症の予兆をつかむ工夫をすべきだ。

(編集委員 安藤淳)

新型コロナ特集ページへ

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
コメントメニュー

貴重な体験談 WHOの調査団はIAEAのような査察権を持たず、あくまでも中国との協力に基づき、中国が提供するデータに基づいて調査をするしか権限がない。そのため、調査団に強制査察の権限を付与しなければ、何度調査しても同じ結果しか出ないだろう。人獣感染を避けるためのヒントを見つけるという目的であるとはいえ、これはあくまでも中国に協力させるための論理であり、表面的な協力以上のものを求められるものではない。私もイラン制裁専門家パネルの委員として査察を行ったが、国連憲章第七章に基づく活動とはいえ、加盟国の表面的な協力を得るのがやっと。その中で独自の情報ルートを作って分析するしかなかったが、今回の場合はそれすら難しい。
2021年2月19日 8:06いいね
7

青山瑠妙のアバター
青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
コメントメニュー

ひとこと解説 今回のWHOの調査結果は中国が提供した分析報告に基づくものである。初期の新型コロナ患者の生データを提供すべきだというのがアメリカやイギリスの主張であるが、中国は政治干渉だと強く反発している。現状では「武漢ウイルス研究所からのウイルス流出説」を否定しただけで、これ以上の調査結果は今後も出ないだろう。
2021年2月19日 8:40いいね
1

[FT]変異ウイルス対策の最前線で闘う南アの科学者

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM170NQ0X10C21A2000000/

『英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同開発した新型コロナウイルスワクチンは南アフリカで広がる変異ウイルスへの効果が限定的だとの研究結果を受け、南アは同ワクチンの接種開始を一時見合わせた。このことは世界的な議論を引き起こすとともに、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の今後を占う上で、南アの科学研究が重要な鍵を握っていることを浮き彫りにした。

南アで最初に発見された変異ウイルス「…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り2844文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

南アで最初に発見された変異ウイルス「501.V2」による軽症から中程度の感染に対してアストラゼネカ製ワクチンの効果が薄いことを示した初期の研究結果を受け、南ア政府は先週、同社製ワクチンの接種の開始を延期した。南アは現在、米日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンに切り替えて接種を開始する予定だ。

南ア政府による一時停止の判断は、国内で実施された比較的小規模なアストラゼネカ製ワクチンの臨床試験(治験)に基づく。ただし、この治験では重症化や死亡に対する効果は検証されていない。

501.V2によるものも含めて、重症化の予防効果が高いことが示されている他社製のワクチンは複数ある。またアストラゼネカは、自社のワクチンにも同様の効果があることを確信していると主張している。

全世界にとって重要

だが今回の南ア政府の決定は、「南アだけでなく全世界にとって重要」な「(抗体の)中和作用が抑制されるという一連の証拠」に基づくものだと、南アの専門家による共同体のメンバー、トゥリオ・デオリベイラ氏は話す。南アでの感染拡大第2波の最中に同氏らが501.V2を発見したことで、ゲノム解析を用いて変異ウイルスを探す動きが世界に広まった。

南アの専門家チームは、抗体を無効化する「E484K」という重要な変異を501.V2が持つことも発見した。この変異は世界各地で出現した別の変異ウイルスでも見つかっている。このことはパンデミック対策の最前線として浮上している次世代のワクチンやブースター(免疫の維持・増強のための薬)の開発に影響を与えている。

南アフリカでのコロナワクチンの治験で集められた血液サンプル=AP

「迅速に変異ウイルスを特定し、その結果を今回の治験に反映させることができる南アの研究者がいなければ、世界は今もこの変異ウイルスに対するワクチンの効果について知らなかっただろう」と米ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団のマーク・サズマン最高経営責任者(CEO)は語る。

こうした貢献には、アフリカで最も工業化が進んだ南アに、高度な技術を備えた研究施設群と学術ネットワークが存在していることが背景にある。南アに健康被害をもたらしている2大要因であるエイズウイルス(HIV)と結核菌の研究を目的とした施設だったが、今回のパンデミックでは新型コロナ研究にすばやく転用できた。

建設費1億ドル(約106億円)のビル1棟に、危険な病原体を扱うバイオセーフティーレベル(BSL)3〜4の実験室を9つも備えた施設がある。こうした設備は国立の研究組織の一部でもあり、先行する英国に倣ったウイルスのゲノム監視ネットワークとして統合することが比較的容易だった。

「(南アの科学者が)それまで研究していたのが結核かHIVか臨床研究かゲノム学かは関係ない。皆すばやく行動したからこそ、これほど力強く対応できているのだ」と英オックスフォード大グローバル保健ネットワークを率いるトルーディ・ラング氏は評価する。

変異ウイルス培養に新手法

南ア東部ダーバンにあるアフリカ保健研究所(AHRI)の32歳の研究者サンディル・セレ氏は、501.V2を実験室で培養する新手法を発見した。501.V2が抗体を逃れることができ、再感染を引き起こすおそれがあることを示した研究につながる重要なブレイクスルーだった。

セレ氏のような「昨年、協力的なアプローチで懸命に研究を進めた南アの研究者」にとって次の優先課題となるのは、ワクチンや世界中から集めたワクチン接種済みの人の血漿(けっしょう)のサンプルを用いて501.V2に対する効果を検証することと、他国で行われる同様の研究を支援することだとデオリベイラ氏は言う。「我々は余ったウイルスを世界各国の主要な病原体保管施設に送り、我々が手掛けない場合でもできるだけ科学が進歩するように努力している」

501.V2などの変異ウイルスに対するワクチンの効果をさらに解明することは「間違いなく現時点で最も重要な研究課題」であり、実験室の中だけでは解決できない問題だと、AHRIの所長で501.V2を研究する科学者共同体の共同代表も務めるウィレム・ハネコム氏は指摘する。

J&Jと米バイオ製薬ノババックスの両ワクチンが501.V2による感染の重症化に対して高い予防効果があることが示されたのは、ひとえに南アがこうしたワクチンの治験に参加していたおかげだ。「(治験に)地理的な多様性を持たせることがいかに重要かを示す啓発的な事例だ」とハネコム氏は話す。

アフリカで実施される治験は最大でも世界全体の2%ほどでしかない。アフリカ疾病対策センター(CDC)は2020年、「アフリカで実施されるワクチンの後期治験がなるべく早期に10回を超えるようにする」ことを行動目標に掲げたが、まだ実現には程遠い。

南アの科学者は20年、治験結果に多様性を確保するため、アストラゼネカが同国で実施する治験に自らが関与できるよう熱心に働きかけた。

アフリカCDCは今週、変異ウイルスがまん延する地域におけるワクチン接種の指針を発表した際、アフリカでの治験の実施を増やすこととともに、ウイルスのゲノム監視の拡大も改めて求めた。

アフリカCDCのジョン・ヌケンガソン所長によると、アフリカではこれまでに約2500件の新型コロナウイルスのゲノム解析が行われており、多くは南アで実施されているものの、ナイジェリア、セネガル、コンゴ民主共和国の科学者も貢献している。その上で同氏は、501.V2や他の変異ウイルスを追跡するには、解析件数を今後半年で5万件まで大幅に増やす必要があると指摘する。オックスフォード大のラング氏は「ゲノム変異はあらゆる場所で見つかるだろう。変異が見つかるのは、そこできちんと科学が行われている証拠だ」と話している。

By Joseph Cotterill and David Pilling

(2021年2月15日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

英フィナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の記者が、アジアのテクノロジー業界の「いま」を読み解くニュースレター「#techAsia」の日本語版をお届けします。配信は原則、毎週金曜。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053

【関連記事】
アストラゼネカのワクチン、9000万回分を日本で量産へ
ワクチンは万能にあらず それでも接種を勧めるワケ
ワクチン2回で陽性率「0.01%」 イスラエルの速報値
南ア変異ウイルスに低い効果か、アストラゼネカワクチン
新たなコロナ変異種を確認 ブラジルから入国の4人
米の感染ペース、減速鮮明 一部でワクチン在庫不足も 
独当局、アストラゼネカ製ワクチンを65歳以上に推奨せず
[FT]南ア、英アストラゼネカ製ワクチンの接種停止へ
見てわかる変異ウイルス 新型コロナ、感染力増も
アストラゼネカのワクチン、高齢者に推奨せず 独仏など

米、WHOの武漢調査に「深い懸念」 中国に情報要求

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1343S0T10C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源を突き止めるために中国湖北省武漢市で実施した調査について「初期の調査結果の伝えられ方に深い懸念を抱いている」との声明を発表した。

サリバン氏はパンデミック(感染症の大流行)への理解を深めるため「中国は発生初期のデータを利用可能にしなければいけない」と述べ、中国政府に適切な情報提供を求めた。中国政府による介入や修正を阻止して「独立性の高い報告書が重要だ」とクギを刺した。

WHOは調査結果について近く概要を公表する。中国側がWHOの調査団に一部の情報しか提供しなかったとの報道もあり、米国が事前にけん制した形だ。

WHOが中国寄りとの批判が根強いなか、サリバン氏は「WHOの信頼性確保が最優先だ」と強調した。バイデン政権は、トランプ前政権のWHO脱退を取り下げた。WHOに協力する一方、中国への厳しい姿勢を示す狙いがあるとみられる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

[FT]WHO武漢調査団、コロナ発生源の解明に高い壁

[FT]WHO武漢調査団、コロナ発生源の解明に高い壁
WHOの調査チームを中国政府が厳重管理
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM100RR0Q1A210C2000000/

『武漢ウイルス研究所の前の歩道には、ガードマンと私服警官が列をなしていた。微生物・病原体の研究で中国最高の安全性を誇る実験室を持つこの施設に、世界保健機関(WHO)の調査団を乗せた公用車の一群が到着した。

先週、世界のメディアが見守る中で繰り広げられたこの場面は、科学者たちが1月に中国入りして以来、チームに付いて回ってきた中国外務省高官や地元政府機関の職員にとって緊張の一瞬だった。WHO調査団の一員…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り3089文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

WHO調査団の一員であるピーター・ダスザック氏が自分を乗せた車が記者団の前に差し掛かると、車の窓ガラスを開けた。同氏は取り囲む記者たちに「調査団は聞かなければならないことは全て尋ねている」とコメントした。

中国当局は、WHOチームによる新型コロナウイルス「Sars-Cov-2」の発生源調査に全面的に協力していると主張している。しかし、調査団の訪問は中国政府に厳しく管理されており、実地調査の時間は制限されている。武漢でウイルスが発見されてから調査が開始されるまでに1年以上掛かっている。政治色が深まり、科学的にも難しいこの問いにWHOのチームが答えを出せるのか、疑問視する見方が広がっている。

国際連合(UN)生物兵器禁止条約のための支援機関の元副長官、ピアス・ミレット氏はWHO調査団に大きな期待をかけるべきではないと断言する。エボラ出血熱のウイルス発生源がいまだに解明されていないことを引き合いに出し、「多くの場合、こうした(ウイルスの)発生源を特定するのはほぼ不可能だ」と述べた。

調査団の訪問は今週終了するが、米ラトガーズ大学ケミカルバイオロジー学部のリチャード・エブライト教授はこの訪問を「茶番」だと言い切った。同教授は「有意義なアクセス」や「有意義な調査」が許されていないと主張する。

中国政府は、ウイルスの世界的流行が同国のせいではなく、それに伴うあらゆる世界経済の混乱の責任がないことを世界に認めさせようと必死になっている。世界の政治家の一部が、中国に責任を負わせようとするなかで、異なる見解が対立する事態になっている。

WHO調査団のメンバーのピーター・ダスザック氏は記者団に「調査団は聞かなければならないことは全て尋ねている」と語った=ロイター

トランプ前米政権下で国務長官だったマイク・ポンペオ氏は、ウイルスが武漢ウイルス研究所から漏れたという証拠のない説を主張した。一方で、中国政府高官は、病原菌が米軍の訓練を通して武漢に入り込んだと根拠もなく主張した。中国の国営メディアはウイルスは輸入冷凍食品によってもたらされた可能性があるとも伝えている。

米コンサルティング会社、クローム・バイオセイフティ・アンド・バイオセキュリティ・コンサルティングの共同創始者で、イラクでの国連武器査察官を務めたティム・トレバン氏は、「一部の大国が自分自身で真実を作り出せるという秩序の世界ならば、あまねく受け入れられる真実が存在する状況はあり得ない」と話す。「中国と米国は異なる結論を導き出そうとしている」

こうした議論の裏で、そもそも、武漢ウイルス研究所のようなところで実施される実験では、危険を上回る恩恵が得られるのか、また、次のウイルス流行を防ぐために政府はどのような研究に資金を注ぐべきか、科学的な論争が繰り広げられている。

武漢ウイルス研究所がコロナウイルスに関する実験を進めていたことから、ウイルスの「研究所からの漏出」説に火が付いた。同研究所のコロナウイルス研究の第一人者である石正麗氏は漏出説を否定する。同氏は実験室で新型コロナのようなウイルスを研究していたが、研究対象のウイルスのほとんどは「Sars-Cov-2」とは遺伝子的に違いが大きく、現在流行しているウイルスの近い祖先とは考えられない主張する。

ウイルス学者の間で主流となっている説は、「Sars-Cov-2」の前身がコウモリの体内で生まれ、おそらく別の動物が仲介となって、さらに危険なウイルスに変異したというものだ。ダスザック氏と石氏は緊密に共同研究に取り組んできた関係にあり、2013年にこうした病原体は人間にも感染する可能性があると警告している。

両氏は、新しい動物ウイルスを見つけて解析することが、人類が次のウイルス流行を防ぐために最も有効な手段であると主張している。トランプ政権が昨年、米国立衛生研究所(NIH)経由で提供されていた武漢ウイルス研究所のコウモリのコロナウイルス研究への資金援助を打ち切った際、ダスザック氏は失望をあらわにした。

英グラスゴー大学ウイルス研究センターでバイオインフォマティクス部門を率いるデビッド・ロバートソン氏は、「重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こしたようなウイルスが拡散するという、既に良く知られている自然の出来事に対して、世界がなぜこれほど無防備であったのか? 同様のことが過去に起こり、今後も起こると言われていたのに」と問い、大勢の声を代弁した。

野生動物から病原体を捕えて実験室で培養することには危険が伴うという見方は広く受け入れられている。オバマ政権は14年、実験室での事故が相次いだのを受けてNIHにこうした研究への資金提供の停止を命じた。これは、17年には再開されている。ミレット氏は「ずいぶん前から、世界で最先端の高い技術を持つ実験室でもウイルス流出事故が起きていた」と話す。

研究に対する中国の厳しい管理や、階層性の構造が安全の実現を難しくしていると指摘する向きもある。

トレバン氏は「中国は生物学的リスクが高い実験室を持つべきでないという議論は間違っている。中国はバイオテクノロジーで素晴らしい発展を遂げており、(遺伝子を調べる)ゲノミクスでは世界をリードしている」と話す。

一方で、同氏は、計画やプロトコル(手順)だけで事故は防げないと指摘する。「ラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)にならなければならない。一点を中心にした学びや上意下達ではなく、皆が声を上げることが許され、あらゆる事柄に疑問を投げかけられる組織作りが必要だ」という。新型コロナ流行の初期、中国政府は科学者に対し、コロナウイルスに関連して発言が許されることと許されないこと、あるいは、どのような研究が許され、許されないか、に関して厳しい規制を徹底した。

武漢のホテルのベランダに立つWHO調査団のメンバー=ロイター

中国では、ウイルスの発生源については公の場で議論されない。地元メディアはWHO調査団の訪問のことはほとんど報道していないし、調査団自身、ホテルに特別に設けられた立ち入り禁止の200室の棟に隔離された状態だ。

WHO調査団の訪問の数週間前から、インターネット検索大手の百度(バイドゥ)の地図から武漢ウイルス研究所の位置標識が消えた。競合する地図サービス大手の高徳地図(Autonavi)には載っている。バイドゥは消えた理由を説明していない。

武漢市の住人で新型コロナが最初に同市を襲った際、ボランティアとして働いたエバン・ゾウ氏はこう語った。「ほとんどの武漢市民はWHOの訪問に興味がない。我々は、毎日を前向きに生きたいだけだ」

By Yuan Yang

(2021年2月9日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

英フィナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の記者が、アジアのテクノロジー業界の「いま」を読み解くニュースレター「#techAsia」の日本語版をお届けします。配信は原則、毎週金曜。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053
【関連記事】

WHO調査団、武漢の海鮮市場を視察
WHOの中国コロナ調査に遅れ 事務局長「大いに失望」
WHO調査団、武漢ウイルス研究所を初訪問 石氏らと面会
WHO調査団が入った武漢、市民の思い複雑(FT)
米中、コロナ起源で応酬 WHO国際調査団巡り

中国・武漢、感染警鐘の医師死去から1年 続く言論弾圧

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM071I10X00C21A2000000/

『【大連=渡辺伸】中国で新型コロナウイルスの感染拡大にいち早く警鐘を鳴らして処分され、自らも感染した湖北省武漢市の医師、李文亮氏(享年34)が亡くなって7日で1年となった。SNS(交流サイト)では哀悼の書き込みが相次いだ。中国では医療従事者が「英雄」と称賛されているが、言論への弾圧は続いたままだ。

「武漢市の病院で関係者たちが口を閉ざす中、勇気をもって感染症を告発した。李医師は英雄だ」「私たちは永遠にあなたを忘れない」。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」では6~7日、こうした哀悼の声が続々と書き込まれた。

李氏は2019年12月、原因不明の肺炎を確認し、SNSに「(2002~03年に流行した)重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生した」などと投稿した。武漢市公安当局は20年1月3日、「デマを流した」として李氏を処分した。

だが1月8日、中国の専門家チームは病原菌がSARSを含むコロナウイルスの一種であることを確認。李氏による早期の警鐘が市民らに評価され、市当局への批判が強まった。李氏が新型コロナに感染して2月7日に死去した後、市当局は処分を撤回した。

中国政府は現在、展覧会などを通じて、感染拡大に対応した医師らを「英雄」と称賛している。李氏は生前、中国メディアに「健全な社会には多様な声があるべきだ」と語ったが、「初期対応の遅れ」などを批判する言論への弾圧は続いている。上海市の裁判所は20年12月、武漢の感染状況を報じた市民記者に実刑判決を下した。

世界保健機関(WHO)の調査団が1月14日に武漢市に入った後、新型コロナで家族を亡くした武漢市の遺族ら約100人が参加するSNSのチャットグループが閉鎖された。遺族のひとりが日本経済新聞に明らかにした。遺族らは調査団との面会を求めていたが、中国当局がそれを阻むため、遺族側に圧力を加えた可能性がある。

新型コロナ特集ページへ
すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

新型コロナウイルス SARS-CoV-2 のゲノム分⼦疫学調査 2

新型コロナウイルス SARS-CoV-2 のゲノム分⼦疫学調査 2
(2020/7/16 現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/research_info/genome-2020_SARS-CoV-MolecularEpidemiology_2.pdf

『欧州系統(3⽉中旬)から 6塩基変異あり、この3ヶ⽉間で明確なつなぎ役となる患者やクラスターはいまだ発⾒されておらず、空⽩リンクになっている。この⻑期間、特定の患者として顕在化せず保健所が探知しづらい対象(軽症者もしくは無症状陽性者)が感染リンクを静かにつないでいた可能性が残る。』

 ※ たぶん、そういうことなんだろう…。発熱や咳症状が無いのに、他者に感染させる…。それは、ずっと言われ続けてきたことだ…。
対策としては、マスク予防で飛沫感染を防止、石鹸手洗い、手指の消毒、うがいの励行…、そういうことを「セッセと、やって行く。」他は無いんだ…。
 ウンザリな話し…、ではあるが…。

新型コロナ「夏には終止符?」9割が気温3〜17℃で感染 米MIT研究

https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33587.html

『世界的な流行が続く新型コロナウイルスについて、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、「世界の感染の90%が平均気温3〜17℃で発生している」という中間報告を発表した。平均気温が18℃、1㎥あたりの湿度が9グラム以上の高温多湿地域では、発生率が6%未満にとどまっているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、今夏に予定されていた東京五輪パラリンピック大会の開催が、遅くても来年夏まで延期されることが決まった。一方で、新型コロナウイルスは、インフルエンザのように夏に終息するかという点に注目が集まっている。

来年に延期される五輪はいつ?

研究グループは32万件分の症例と、その発生条件を分析した
 国際ジャーナル『ソーシャル・サイエンス・リサーチ・ネットワーク(SSRN)』に掲載された研究報告によると、MITのカシム・ブハーリー氏(Qasim Bukhari)と、ユースフ・ジャミール 氏(Yusuf Jameel)のグループは、中国・武漢市で感染が最初に報告された昨年12月から今年3月22日にかけて、世界各国で発生した約32万件の症例を分析し、感染が起きた場所の気温と湿度との関係を調べた。

 その結果、症例の90%が平均気温3〜17℃、1㎥あたりの空気中に含まれる水蒸気量が4〜9グラムの国や地域で起きていることが明らかになった。一方で、平均気温18℃以上、絶対湿度9g/㎥を超える国・地域で報告された症例は6%未満にとどまっていた。

6月になれば…
高い気温
気温と湿度が高くなると…
 研究グループは「新型コロナウイルスは高温多湿の気候では拡散しにくくなる可能性を示している」としたうえで、北米大陸やヨーロッパの大部分で、湿度が高くなる6月以降は感染の広がりが抑制されると期待を寄せている。

 とはいえ、モンスーン気候の東南アジアでは3月15日以降も、気温18℃を超える地域で1万件を超える感染が報告されている。さらに蒸し暑い季節になれば、バーやイベントなどを訪れる機会が増えて、他人との距離が近くなるおそれもある。

 この研究はあくまでも中間段階での発表なので、時間の経過によって感染状況がどう変化するかが注目だ。研究グループは「北欧諸国や米国・カナダ北部では、平均気温が20℃になるのは7月〜9月までと限定されている。同時に感染拡大を遅らせるためには環境要因だけでなく、社会的な努力を続けなければならない」と話している。

インフルエンザの場合は

乾燥した冬は、ウイルスを覆う水分の粒子が乾燥してしまうため、ウイルスが空気中に浮遊しやすくなるという
 米テネシー州ヴァンダービルド大学の感染症の専門家ウィリアム・シャフナー教授は、この研究報告を受けて「期待が持てる内容だ」と評価している。

 シャフナー氏は、インフルエンザに代表される呼吸器ウイルスが、高温多湿の気候で減少するのかという理由については正確には解明されていないとしながらも、喉の奥にあるウイルスが空気中に放出される際に、湿度が高い環境だと、ウイルスの周囲を微小な粒子の水分が覆うため、その重みで地面に落ちるが、冬の乾燥した気候だと、ウイルスを覆う水滴が蒸発し、長時間空気中に浮遊しやすくなることから、近くにいる人が感染しやすくなると指摘している。』

新型コロナ、無症状の感染者からも発症者並みのウイルスを検出 SARSとは異なるウイルス排出パターンが感染拡大の一因に?

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/022800660/?waad=KOqJ8ACd

『中国・広東省で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したものの、症状が出なかった(発症しなかった)患者の鼻とのどから、発症者と同程度の量のウイルスが検出されたことが、2020年2月19日付New England Journal of Medicine誌のCorrespondence欄に報告されました(*1)。この結果は、感染しても症状がない、またはわずかな症状しかない人からも、新型コロナウイルスの感染が広がる可能性を示唆するものです。』
 ※ 前々から言われていたことだ…。
『SARSコロナウイルスの特徴

・患者本人の発症から数日を経てから、周囲の人に感染し始める
・発症から間もない患者の気道にはウイルスは少ない
・気道のウイルス量が最も多くなるのは、発症から10日前後

 SARSは、ウイルスの持つこうした特徴から、古典的な「隔離と検疫」によって終息したと考えられています。』
『今回の分析結果は、新型コロナウイルス感染者のウイルス排出パターンは、SARS患者とは異なることを示唆しました。無症状の患者の鼻とのどに存在するウイルス量が、症状のある患者と同程度であったことは、感染しても症状がない、またはわずかな症状しかない人からも感染が広がる可能性を示唆しており、「感染拡大を防ぐためにはSARSの場合とは異なる戦略が必要だ」とZou氏らは述べています。』

 ※ 新型コロナは、SARSとは違っている… 、と見た方がいい…。
 感染しても、無症状 or 症状が軽く、元気に動き回っている人の中に、ウイルスをまき散らしている人がいる…。
 自衛する他は無い…。
 できることは、人混み(特に、閉鎖空間)を避ける、手洗い・手指の消毒(石鹸または食器用洗剤でも、代用可能)、マスク予防(無ければ、自分で作る。台所用キッチンペーパーと、輪ゴムなんかで自作する)、うがいの励行、十分な栄養と睡眠…。

警視庁の手作りマスク!キッチンペーパーと輪ゴムで簡単!防災アイディア
https://monokoto.jp/%E8%AD%A6%E8%A6%96%E5%BA%81%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AF%E6%89%8B%E4%BD%9C%E3%82%8A/ 

※ まあ、飛沫感染対策くらいにはなるだろう…。