2019年の日中貿易 総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少

2019年の日中貿易
総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/7a3c80fbbd73f456.html

2020年4月7日

ジェトロが財務省貿易統計と中国海関(税関)統計を基に、2019年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、総額は前年比3.7%減の3,407億3,296万ドルとなり、3年ぶりに減少に転じた(表1参照、注1、注2)。

表1:日中貿易の推移(双方輸入ベース)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
年月 輸出額
(日本→中国) 伸び率 輸入額
(中国→日本) 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 176,225,091 34.8 153,424,723 25.2 329,649,814 30.2 22,800,368
2011年 194,296,265 10.3 184,128,640 20.0 378,424,904 14.8 10,167,625
2012年 177,649,842 △ 8.6 188,450,182 2.3 366,100,025 △ 3.3 △ 10,800,340
2013年 162,114,236 △ 8.7 180,840,622 △ 4.0 342,954,857 △ 6.3 △ 18,726,386
2014年 162,512,019 0.2 181,038,865 0.1 343,550,884 0.2 △ 18,526,847
2015年 142,689,642 △ 12.2 160,624,606 △ 11.3 303,314,248 △ 11.7 △ 17,934,964
2016年 144,996,448 1.6 156,631,816 △ 2.5 301,628,264 △ 0.6 △ 11,635,368
2017年 164,865,658 13.7 164,542,081 5.1 329,407,739 9.2 323,577
2018年 180,234,250 9.3 173,598,618 5.5 353,832,868 7.4 6,635,632
2019年 171,514,651 △ 4.8 169,218,304 △ 2.5 340,732,955 △ 3.7 2,296,347
2019年
1月 13,747,142 △ 0.8 16,878,411 7.6 30,625,553 3.7 △ 3,131,270
2019年
2月 11,089,137 0.4 11,514,954 △ 17.6 22,604,090 △ 9.7 △ 425,817
2019年
3月 14,084,386 △ 13.8 13,482,278 5.9 27,566,664 △ 5.2 602,108
2019年
4月 15,539,523 1.4 13,901,148 2.2 29,440,672 1.8 1,638,375
2019年
5月 13,176,426 △ 15.9 14,016,072 △ 1.1 27,192,497 △ 8.9 △ 839,646
2019年
6月 14,002,763 △ 4.8 12,750,127 △ 3.5 26,752,891 △ 4.2 1,252,636
2019年
7月 14,594,818 △ 12.6 14,899,782 5.9 29,494,600 △ 4.1 △ 304,964
2019年
8月 14,365,561 △ 8.9 13,352,861 △ 4.3 27,718,422 △ 6.8 1,012,699
2019年
9月 15,158,135 △ 6.7 15,063,598 3.3 30,221,733 △ 2.0 94,537
2019年
10月 14,139,802 △ 7.3 14,737,797 △ 11.8 28,877,599 △ 9.6 △ 597,995
2019年
11月 15,294,766 △ 0.1 14,498,883 △ 13.0 29,793,648 △ 6.8 795,883
2019年
12月 16,322,194 16.4 14,122,393 △ 0.8 30,444,587 7.7 2,199,801

注1:輸出額は中国の通関統計による対日輸入額、輸入額は日本の財務省貿易統計による対中輸入額。
いずれも貿易データベースGlobal Trade Atlas(ドルベース)を基に作成。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
注3:機械処理の関係上、他の統計とは計数の値が異なる場合がある。
注4:暦年の数値は確定値。各月の数値は速報値を使用。
参考:為替レート(円/ドル):2014年 105.74、2015年 121.05、2016年108.66、2017年112.10、2018年110.40、2019年109.02(米国連邦準備制度理事会発表)。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は4.8%減の1,715億1,465万ドル、輸入は2.5%減の1,692億1,830万ドルとなった。その結果、日本の中国に対する貿易収支は22億9,635万ドルと、3年連続の黒字を維持したが、前年より黒字幅は大きく縮小した。

輸出:米中貿易摩擦などを背景に、4年ぶりにマイナスに
輸出は前年比4.8%減の1,715億1,465万ドルと2015年以来4年ぶりに減少に転じた。構成比で最大品目の電気機器は集積回路が増加したものの、全体では減少した(表2参照)。

表2:2019年の日本の対中輸出(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 171,514,651 △ 4.8 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 43,619,638 △ 1.9 25.4 △ 0.5
階層レベル2の項目8542 集積回路 17,291,186 9.2 10.1 0.8
階層レベル2の項目8536 電気回路の開閉用、保護用または接続用の機器 3,704,298 △ 7.3 2.2 △ 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 3,688,862 △ 13.2 2.2 △ 0.3
階層レベル2の項目8532 コンデンサー 3,611,126 3.3 2.1 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター4 2,029,338 7.0 1.2 0.1
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 36,417,826 △ 10.5 21.2 △ 2.4
階層レベル2の項目8486 半導体、集積回路またはフラットパネルディスプレーの製造用機器 8,928,891 △ 14.1 5.2 △ 0.8
階層レベル2の項目8479 機械類(固有の機能を有するものに限る) 3,702,752 △ 3.8 2.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,124,302 △ 4.8 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8481 コック、弁 1,791,811 0.6 1.0 0.0
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 17,921,778 △ 1.5 10.5 △ 0.1
階層レベル2の項目8703 乗用自動車その他の自動車 10,989,964 9.1 6.4 0.5
階層レベル2の項目8708 自動車の部分品および付属品 6,761,153 △ 15.0 3.9 △ 0.7
第90類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器および医療用機器 15,170,060 △ 4.3 8.8 △ 0.4
階層レベル2の項目9013 液晶デバイス、レーザーおよびその他の光学機器 2,926,052 △ 23.9 1.7 △ 0.5
第39類 プラスチックおよびその製品 9,672,298 △ 1.5 5.6 △ 0.1
第29類 有機化学品 6,505,860 △ 12.3 3.8 △ 0.5
階層レベル2の項目9001 光ファイバー、光ファイバーケーブル、偏光材料製のシートおよび板並びにレンズ 2,523,073 5.9 1.5 0.1
階層レベル2の項目9031 測定用または検査用の機器および輪郭投影機 2,064,428 △ 3.5 1.2 △ 0.0
第72類 鉄鋼 4,712,135 △ 17.3 2.8 △ 0.5
第33類 精油、レジノイド、調製香料および化粧品類 3,711,681 34.7 2.2 0.5
第38類 各種の化学工業生産品 3,484,813 △ 1.0 2.0 △ 0.0
第74類 銅およびその製品 3,105,536 △ 17.0 1.8 △ 0.4
第73類 鉄鋼製品 2,296,522 △ 10.2 1.3 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所::Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス1.9%、構成比25.4%、寄与度マイナス0.5)は、全体の39.6%を占める集積回路(8542)が9.2%増と堅調に推移した。一方、光電性半導体デバイスおよび発光ダイオード(854140)をはじめとする半導体デバイス(8541)が13.2%減、電気回路の閉鎖用、保護用または接続用の機器が7.3%減となるなどして、電気機器全体では1.9%減となった。

機械類(第84類、伸び率マイナス10.5%、構成比21.2%、寄与度マイナス2.4)は、米中貿易摩擦などを受けた中国の設備投資の需要減を背景に10.5%減となった。製造用機器(8486)が14.1%減の2ケタ減となっており、うち、フラットパネルディスプレー製造用の機器(848630)が28.3%減で、最大の押し下げ要因となった。半導体デバイス・集積回路製造用の機器(848620)は2月を除いて8月まで前年同月比マイナスが続いたが、9月以降はプラスに転じ、通年で金額は2.4%増、数量は14.5%減となった。

車両(第87類、伸び率マイナス1.5%、構成比10.5%、寄与度マイナス0.1)のうち、乗用車(8703)は、ハイブリッド車(870340)および排気量1,500cc超3,000cc以下の乗用車(870323)の輸出がそれぞれ116.3%増、9.5%増と好調だった。一方、排気量3,000cc超の乗用車(870324)の輸出が23.9%減へと落ち込み、乗用車全体では9.1%増となった。自動車部品(8708)は、全体の66.9%を占めるギヤボックス・同部品(870840)が19.5%減となり、自動車部品全体では15.0%減となった。

精密機器(第90類、伸び率マイナス4.3%、構成比8.8%、寄与度マイナス0.4)は、液晶デバイスなど(9013)が23.9%減となり、精密機器全体では4.3%減となった。

化粧品(第33類、伸び率34.7%、構成比2.2%、寄与度0.5)は、全体の84.5%を占める美容用、メーキャップ用または皮膚の手入れ用の調製品など(3304)が35.1%増と好調だった。

輸入:電気機器や衣類・同付属品の減少で3年ぶりのマイナス

輸入は前年比2.5%減の1,692億1,830万ドルと3年ぶりに減少に転じた。品目別では、スマートフォンなどの携帯電話端末の大幅減で電気機器が減少し、また、衣類・同付属品のASEANシフトがより一層進み、減少が目立った(表3参照)。

表3:2019年の日本の対中輸入(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 169,218,304 △ 2.5 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 46,275,146 △ 4.0 27.4 △ 1.1
階層レベル2の項目8517 電話機およびその他の機器 18,157,690 △ 9.4 10.7 △ 1.1
階層レベル2の項目851712 携帯回線網用その他の無線回線網用の電話 13,247,177 △ 13.0 7.8 △ 1.1
階層レベル2の項目851762 その他の機器(音声、画像その他のデータを受信、変換、送信または再生するための機械) 3,569,589 7.7 2.1 0.1
階層レベル2の項目8528 モニターおよびビデオプロジェクター 2,580,493 14.7 1.5 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 2,575,090 △ 0.1 1.5 △ 0.0
階層レベル2の項目8544 電気絶縁をした線、ケーブルおよび光ファイバーケーブル 2,054,494 △ 6.2 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター 1,915,276 1.2 1.1 0.0
階層レベル2の項目8542 集積回路 1,837,382 △ 2.2 1.1 △ 0.0
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 31,834,066 3.6 18.8 0.6
階層レベル2の項目8471 自動データ処理機械 13,170,502 11.5 7.8 0.8
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,352,481 0.9 1.4 0.0
階層レベル2の項目8473 事務用機器などに専らまたは主として使用する部分品および付属品 2,213,443 5.4 1.3 0.1
階層レベル2の項目8415 エアコンディショナー 1,932,988 △ 3.4 1.1 △ 0.0
第61類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものに限る) 8,068,011 △ 5.3 4.8 △ 0.3
第62類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く) 7,830,011 △ 7.6 4.6 △ 0.4
第94類 家具、寝具 5,022,258 2.7 3.0 0.1
第90類 光学機器精密機器および医療用機器 4,955,022 1.3 2.9 0.0
第39類 プラスチックおよびその製品 4,919,470 △ 2.7 2.9 △ 0.1
第95類 玩具、遊戯用具および運動用具 4,623,653 △ 7.2 2.7 △ 0.2
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 4,298,102 △ 3.8 2.5 △ 0.1
第73類 鉄鋼製品 4,188,206 2.0 2.5 0.0
第29類 有機化学品 3,638,703 △ 6.3 2.2 △ 0.1
第63類 紡織用繊維のその他の製品 2,740,377 △ 0.3 1.6 △ 0.0
第28類 無機化学品および貴金属、希土類 2,610,735 △ 12.7 1.5 △ 0.2
第42類 革製品、ハンドバッグ 2,604,731 0.2 1.5 0.0
第64類 履物およびゲートル 2,550,098 △ 7.9 1.5 △ 0.1
第16類 肉、魚または甲殻類、軟体動物もしくはその他の水棲無脊椎動物の調製品 2,512,432 △ 2.6 1.5 △ 0.0
第76類 アルミニウムおよびその製品 2,026,270 △ 1.0 1.2 △ 0.0
第00類 特殊取扱品 1,700,668 △ 8.0 1.0 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス4.0%、構成比27.4%、寄与度マイナス1.1)は、全体の39.2%を占める電話機(8517)が前年比9.4%減と1割近く減少した。このうち、主要品目であるスマートフォンなどの携帯電話端末(851712)は単価低下と数量減少により、前年の増加から13.0%減に転じ、金額ベースで2012年以来の低水準となった(数量ベースでも同様)。一方、モニターやプロジェクターなどの受像機器(8528)は数量が2桁増となり、金額ベースで14.7%増となった。

機械(第84類、伸び率3.6%、構成比18.8%、寄与度0.6)は、全体の41.4%を占める自動データ処理機械(8471)が11.5%増となった。このうち、主要品目であるノートパソコン(847130)は数量の増加もあり、全体で16.4%増となった。また、全体の6.1%を占めるエアコンディショナー(8415)は猛暑の影響で好調だった前年の2桁増から3.4%減に転じた。

衣類・同付属品(第61類、伸び率マイナス5.3%、構成比4.8%、寄与度マイナス0.3、第62類、伸び率マイナス7.6%、構成比4.6%、寄与度マイナス0.4)について、第61類(メリヤス編みまたはクロセ編みのもの)は5.3%減となり、全世界からの輸入に占める構成比は59.0%と1996年以来初めて6割を割り込んだ。第62類(メリヤス編みまたはクロセ編み以外のもの)は7.6%減で、全世界からの輸入に占める構成比は54.7%と前年(57.7%)に続き減少した。

家具、寝具(第94類、伸び率2.7%、構成比3.0%、寄与度0.1)のうち、全体の36.0%を占める椅子(9401)は3.8%増、全体の25.3%を占める家具(9403)は4.4%増となった。椅子のうち、回転タイプのものは12.0%増となった。

無機化学品(第28類、伸び率マイナス12.7%、構成比1.5%、寄与度マイナス0.2)について、全体の20.9%を占める主要品目の金属酸化物(2825)の数量が3割以上増加し、金額ベースでも22.0%増となったものの、そのほかの主要品目の単価が1~2割と大幅に減少したことにより、全体でマイナスとなった。

日本の輸出額に占める中国の構成比が減少し2位に

財務省の貿易統計によると、日本の貿易における中国の構成比は、輸出が19.1%で前年比0.4ポイント縮小した(表4、表5、図1参照、注3)。一方、輸入は23.5%で0.3ポイント拡大した(表6、図2参照)。その結果、貿易総額に占める中国の構成比は21.3%と、前年比0.1ポイント縮小した(図3参照)。

表4:2019年の日本の貿易相手上位5カ国・地域およびASEAN・EU(財務省統計)
(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)

輸出

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 705,528 △ 4.4 100.0 —
米国 139,798 △ 0.2 19.8 △ 0.0
中国 134,690 △ 6.4 19.1 △ 1.3
韓国 46,250 △ 11.9 6.6 △ 0.8
台湾 43,002 1.5 6.1 0.1
香港 33,626 △ 3.1 4.8 △ 0.1
ASEAN 106,207 △ 7.2 15.1 △ 1.1
EU 82,116 △ 1.6 11.6 △ 0.2

輸入

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 720,738 △ 3.7 100.0 —
中国 169,218 △ 2.5 23.5 △ 0.6
米国 79,083 △ 3.1 11.0 △ 0.3
オーストラリア 45,447 △ 0.6 6.3 △ 0.0
韓国 29,613 △ 7.9 4.1 △ 0.3
サウジアラビア 27,625 △ 18.2 3.8 △ 0.8
ASEAN 107,764 △ 4.0 15.0 △ 0.6
EU 89,097 1.3 12.4 0.1

総額

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 1,426,266 △ 4.1 100.0 —
中国 303,909 △ 4.3 21.3 △ 0.9
米国 218,880 △ 1.3 15.4 △ 0.2
韓国 75,862 △ 10.4 5.3 △ 0.6
台湾 69,863 0.5 4.9 0.0
オーストラリア 59,935 △ 4.6 4.2 △ 0.2
ASEAN 213,971 △ 5.6 15.0 △ 0.9
EU 171,213 △ 0.1 12.0 △ 0.0
注1:EUは28カ国として計算。
注2:伸び率は前年比。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表5:日本の輸出に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 770,046 32.7 149,679 36.6 19.4 118,675 26.8 15.4
2011年 823,544 6.9 162,013 8.2 19.7 126,075 6.2 15.3
2012年 798,447 △ 3.0 144,174 △ 11.0 18.1 140,096 11.1 17.5
2013年 714,866 △ 10.5 129,093 △ 10.5 18.1 132,400 △ 5.5 18.5
2014年 690,824 △ 3.4 126,459 △ 2.0 18.3 128,785 △ 2.7 18.6
2015年 624,889 △ 9.5 109,236 △ 13.6 17.5 125,819 △ 2.3 20.1
2016年 645,052 3.2 113,890 4.3 17.7 130,102 3.4 20.2
2017年 698,329 8.3 132,839 16.6 19.0 134,811 3.6 19.3
2018年 738,143 5.7 143,962 8.4 19.5 140,100 3.9 19.0
2019年 705,528 △ 4.4 134,690 △ 6.4 19.1 139,798 △ 0.2 19.8
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表6:日本の輸入に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 694,297 25.8 153,425 25.2 22.1 67,443 14.4 9.7
2011年 856,046 23.3 184,129 20.0 21.5 74,485 10.4 8.7
2012年 885,838 3.5 188,450 2.3 21.3 76,237 2.4 8.6
2013年 832,628 △ 6.0 180,841 △ 4.0 21.7 69,825 △ 8.4 8.4
2014年 812,954 △ 2.4 181,039 0.1 22.3 71,386 2.2 8.8
2015年 648,084 △ 20.3 160,625 △ 11.3 24.8 66,590 △ 6.7 10.3
2016年 607,728 △ 6.2 156,632 △ 2.5 25.8 67,459 1.3 11.1
2017年 672,096 10.6 164,542 5.1 24.5 72,155 7.0 10.7
2018年 748,487 11.4 173,599 5.5 23.2 81,586 13.1 10.9
2019年 720,738 △ 3.7 169,218 △ 2.5 23.5 79,083 △ 3.1 11.0
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図1:日本の輸出に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸出に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国19.4 米国15.4 ASEAN14.7 EU11.3、 2011年 中国19.7 米国15.3 ASEAN15.0 EU11.6 、 2012年中国18.1 米国17.5 ASEAN16.2 EU10.2、 2013年米国18.5 中国18.1 ASEAN15.5 EU10.0、 2014年米国18.6 中国18.3 ASEAN15.2 EU10.4 、 2015年米国 20.1中国17.5 ASEAN15.2 EU10.6、 2016年 米国20.2 中国17.7 ASEAN14.8 EU11.4、 2017年米国19.3 中国19.0 ASEAN15.2 EU11.1、 2018年中国19.5 米国19.0 ASEAN15.5 EU11.3、 2019年米国19.8、中国19.1 ASEAN15.1 EU11.6だった。この間の日本の輸出額は、2010年 7,700億ドル、2011年 8,235億ドル、2012年 7,984億ドル、2013年 7,149億ドル、2014年 6,908億ドル、 2015年 6,249億ドル、2016年 6,451億ドル、2017年 6,983億ドル、2018年 7,381億ドル、2019年 7,055億ドルであった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図2:日本の輸入に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸入に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国22.1 米国9.7 ASEAN14.6 EU9.6、 2011年 中国21.5 米国8.7 ASEAN14.6 EU9.4、 2012年中国21.3 米国8.6 ASEAN14.6 EU9.4、 2013年中国21.7 米国8.4 ASEAN14.1EU9.4、 2014年中国22.3 米国8.8 ASEAN14.3 EU9.5、 2015年中国24.8 米国10.3 ASEAN15.1EU11.0、 2016年中国25.8 中国11.1 ASEAN15.2 EU12.3、 2017年中国24.5 米国10.7ASEAN15.3 EU11.6、 2018年中国23.2 米国10.9 ASEAN15.0 EU11.8、 2019年中国23.5、中国11.0 ASEAN15.0 EU12.4だった。 この間の日本の輸入総額は、2010年6943億ドル、2011年 8560億ドル、2012年8858億ドル、2013年8326億ドル、2014年8130億ドル、2015年6481億ドル、2016年6077億ドル、 2017年6721億ドル、2018年7485億ドル、2019年7207億ドルだった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図3:日本の貿易総額に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の貿易総額に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国20.7 ASEAN14.6 米国12.7 EU10.5、 2011年 中国20.6 ASEAN14.8 米国11.9 EU10.5、 2012年 中国19.7 ASEAN15.3 米国12.8 EU9.8、 2013年 中国20.0 ASEAN14.8 米国13.1 EU9.7、 2014年中国20.4 ASEAN14.7 米国13.3 EU9.9、 2015年中国21.2 ASEAN15.2 米国15.1 EU10.8、 2016年 中国21.6 ASEAN15.0米国15.8 EU11.9、 2017年中国 21.7ASEAN15.1 米国15.2 EU11.3、 2018年中国21.4 米国14.9 ASEAN15.2 EU11.5、 2019年中国21.3 米国15.3 ASEAN15.0 EU12.0 だった。 この間の日本の貿易総額は2010年1兆4643億ドル、2011年1兆6796億ドル、2012年1兆6843億ドル 、2013年1億5475億ドル、2014年1兆5038億ドル、2015年1兆2730億ドル、2016年1兆2528億ドル、2017年1兆3704億ドル、2018年1兆4866億ドル、2019年1兆4263億ドル だった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

日本の対世界貿易において、中国は輸出額で2018年に2012年以来6年ぶりに米国を上回り第1位となったが、2019年は再び第2位だった。日本の対世界輸出の減少(4.4%減)に対する寄与度(マイナス1.3ポイント)は最大だった。一方、貿易総額と輸入額では引き続き第1位となった。それぞれ2007年以降13年連続、2002年以降18年連続で第1位となっている。

表7:(参考)日中貿易の推移(財務省統計)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)

年 輸出額 伸び率 輸入額 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 149,678,986 36.6 153,424,723 25.2 303,103,709 30.6 △ 3,745,737
2011年 162,013,144 8.2 184,128,640 20.0 346,141,784 14.2 △ 22,115,496
2012年 144,173,787 △ 11.0 188,450,182 2.3 332,623,970 △ 3.9 △ 44,276,395
2013年 129,092,691 △ 10.5 180,840,622 △ 4.0 309,933,313 △ 6.8 △ 51,747,930
2014年 126,459,184 △ 2.0 181,038,865 0.1 307,498,049 △ 0.8 △ 54,579,681
2015年 109,236,224 △ 13.6 160,624,606 △ 11.3 269,860,831 △ 12.2 △ 51,388,382
2016年 113,889,670 4.3 156,631,816 △ 2.5 270,521,485 0.2 △ 42,742,146
2017年 132,839,145 16.6 164,542,081 5.1 297,381,226 9.9 △ 31,702,936
2018年 143,962,135 8.4 173,598,618 5.5 317,560,753 6.8 △ 29,636,483
2019年 134,690,414 △ 6.4 169,218,304 △ 2.5 303,908,718 △ 4.3 △ 34,527,890
2019年
1月 8,793,757 △ 15.9 16,878,411 7.6 25,672,168 △ 1.8 △ 8,084,654
2019年
2月 10,320,010 3.2 11,514,954 △ 17.6 21,834,964 △ 9.0 △ 1,194,944
2019年
3月 11,739,813 △ 13.5 13,482,278 5.9 25,222,091 △ 4.1 △ 1,742,465
2019年
4月 11,044,266 △ 9.7 13,901,148 2.2 24,945,414 △ 3.4 △ 2,856,882
2019年
5月 10,442,839 △ 10.0 14,016,072 △ 1.1 24,458,911 △ 5.1 △ 3,573,233
2019年
6月 11,529,717 △ 8.4 12,750,127 △ 3.5 24,279,844 △ 5.9 △ 1,220,410
2019年
7月 11,350,259 △ 6.6 14,899,782 5.9 26,250,041 0.1 △ 3,549,523
2019年
8月 11,302,203 △ 8.1 13,352,861 △ 4.3 24,655,064 △ 6.1 △ 2,050,658
2019年
9月 10,945,040 △ 2.8 15,063,598 3.3 26,008,638 0.6 △ 4,118,558
2019年
10月 12,235,578 △ 6.5 14,737,797 △ 11.8 26,973,375 △ 9.5 △ 2,502,219
2019年
11月 12,035,165 △ 1.5 14,498,883 △ 13.0 26,534,048 △ 8.1 △ 2,463,718
2019年
12月 12,951,766 3.7 14,122,393 △ 0.8 27,074,159 1.3 △ 1,170,627
注1:2019年1~12月は確報値。2018年以前は確定値。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
出所:Global Trade Atlasよりジェトロ作成

注1:
この分析は、日本の対中輸出を中国の輸入統計でみる「双方輸入ベース」となっている。貿易統計は輸出を仕向け地主義、輸入を原産地主義で計上しており、香港経由の対中輸出(仕向け地を香港としている財)が日本の統計では対中輸出に計上されない。中国の輸入統計には日本を原産とする財が全て計上されていることから、日中間の貿易は、いずれかの国の貿易統計より、日中双方の輸入統計をみた方が実態に近いと考えられる。このため、日本の対中輸出は中国の通関統計による対日輸入を、対中輸入は日本の財務省統計による対中輸入を使用している。なお、2018年の日中貿易は、調査レポート参照。
注2:
財務省貿易統計の円ベース(輸出確報、輸入9桁速報)では、総額が33兆1,273億円(前年比5.6%減)、輸出が14兆6,827億円(7.6%減)、輸入が18兆4,446億円(3.9%減)となった。
注3:
この分析は貿易総額、輸出額、輸入額の全て、財務省貿易統計に基づいている。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
方 越(ほう えつ)
2006年4月、ジェトロ入構。展示事業部海外見本市課、金沢貿易情報センターを経て2013年6月から現職。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
森 詩織(もり しおり)
2006年4月、ジェトロ入構。海外調査部中国北アジア課、ジェトロ広島、ジェトロ・大連事務所を経て、2016年9月から現職。

「一億総中流」もはや過去 成長と安全網、両輪で パクスなき世界 繰り返さぬために(4)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL031FV0T00C21A4000000/

『コロナ禍で鮮明になった世界の分断は、日本にとって対岸の火事ですか――。

「女性や非正規労働の雇用に深刻な影響が出ている。自殺の増加や孤独・孤立の問題に真正面から向き合っていく」。菅義偉首相は3月16日、新型コロナウイルスの非正規雇用の緊急対策関係閣僚会議で訴えた。

【前回記事】
陰謀論に試されるネット 見識が生かす「利器」の真価

2020年に非正規雇用者は前年比で75万人減と比較可能な03年以降で最大の減少幅となった。一方で正規は35万人増えている。飲食・サービ…

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飲食・サービスなどを除けば大企業の正社員の多くには雇用危機が及ばず、コロナ禍で社会の断層は深まった。

特に影響が大きいのが女性だ。野村総合研究所はパート女性らのうち勤務シフトが5割以上減り、かつ休業手当を手にしていない「実質的失業者」は、20年末の90万人から21年2月に103万人に増えたと推計する。

労働力調査によると、母子世帯は20年10~12月に71万世帯と、前年同期から13万世帯も増えた。労働政策研究・研修機構の20年11月の調査では、ひとり親世帯の6割が20年末にかけ暮らし向きが「苦しい」と回答した。

過去30年の低成長で生活保護の受給者も増えていた。コロナ禍は、中間層の厚みを背景に社会の安定を誇った「一億総中流社会」が過去のものであることを鮮明にした。

断層は過去にもあった。大正期、農業から工業に産業の中心が変わる過程で「新中間層」と呼ばれるサラリーマンが都市に誕生。安定した賃金を得て豊かになった層が大衆文化をつくり、大正デモクラシーを生んだ。

だが波に乗れない農家や中小企業の労働者の生活水準は低いまま。くすぶる不満は1923年の関東大震災や29年の世界恐慌で高まった。国民は政党や財閥への不信を募らせ、軍国主義の台頭を招いた。

金融恐慌が発生した1927年、銀行では取り付け騒ぎが起きた=共同

原因の一つは組織優先の文化だ。「リーダーの劣化と組織の硬直化」。20年秋、民間経営者や若手国会議員ら有志の勉強会「プロジェクトT」は日本の課題をこう結論づけた。明治維新では西郷隆盛らが独創性を発揮した。途中から集団の論理を重んじる風潮が強まり、国家のかじ取りを誤り戦争の「転落の歴史」をたどったと指摘する。

個より組織を優先させる構造は、重厚長大な製造業が経済を引っ張る高度経済成長期に好都合だった。終身雇用、年功序列の制度を通じ、「豊かになるため組織の一員として忠実に働く」という労働者の思いと経済成長は軌を一にしていた。

00年以降、デジタル経済を中心に世界のゲームのルールが変わったが、官民とも時代に即した人材育成が遅れた。一橋大の森口千晶教授は「バブル崩壊後の30年、日本は多方面で静かに進む危機に抜本的な改革ができなかった」と話す。

政府は目下、官民で過去最大の計120兆円規模を投じ、科学技術の振興と若手研究者の育成を掲げる。同時にコロナ対策で、ひとり親や女性、非正規らを対象に合計200万円まで貸し付ける。誰もが安心し子育てできる環境をつくる。

変われる日本と変われない日本は過去に何度も姿を見せた。デジタル化の遅れなど日本の旧態依然ぶりを浮き彫りにしたコロナ禍。変えるべきものを変え、成長の道筋を取り戻す。それが忍び寄る分断を防ぐための前提になる。(おわり)

「パクスなき世界」取材班 加藤貴行、島田学、押野真也、大越匡洋、竹内弘文、生川暁、鳳山太成、松浦奈美、奥田宏二、江渕智弘、大島有美子、清水孝輔、高橋元気、佐伯遼、北川開、松田崇、宮沢翔、熊田明彦、天野由衣、塩山賢、森田英幸で構成しました。

インド中間層、新型コロナで4割減 首相支持率に陰り

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB012AY0R00C21A4000000/

『【ニューデリー=キラン・シャルマ、ムンバイ=花田亮輔】新型コロナウイルスの感染拡大がインド市民の雇用や収入を直撃している。米調査会社ピュー・リサーチ・センターの推計では、中間層は2020年に3200万人減り、貧困層は2倍に増えた。高い支持率を維持してきたモディ首相の人気にも陰りが見える。外資が有望視していたインドの個人消費にも打撃となる。

ニューデリーに住むディーパック・クマールさん(29)は20…

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ニューデリーに住むディーパック・クマールさん(29)は20年、職を失い、今は歩道でフライドポテトを売り、1日200~250ルピー(約300~380円)を稼ぐ。以前はホテル専属の電気技師として月1万5000ルピーの給料を得て、パーティー向け食事手配の副業でも月8000~1万ルピー稼いでいた。だが「ホテルは閉鎖され、パーティーも開かれなくなった」。

美容室で働いていた妻も仕事を失い、約30万ルピーあった貯金は底をついた。

クマールさんのように生活苦に陥る人々が急増するきっかけとなったのは、20年3月に実施した全土規模の厳戒なロックダウン(都市封鎖)だ。公共交通機関が止まり、企業は事業を中断した。国内総生産(GDP)は20年4~6月期に前年同期比で約24%減り、過去最悪の落ち込みとなった。直近の同年10~12月期は前年同期比でプラス成長を回復したが、0・4%増にとどまり、かつての高成長は跡形もない。

インド準備銀行(中央銀行)は7日に金融政策決定会合を開く。景気刺激のためには利下げが求められるが、物価上昇を警戒して5会合連続で政策金利を年4%で据え置くとみる専門家は多い。準備銀は消費者物価指数(CPI)上昇率の中期目標を「2~6%」と定めるが、2月の速報値は5.03%で、1月の4.06%から上昇傾向だ。

ピュー・リサーチ・センターによると、1日の収入が2ドル以下の貧困層は20年だけで7500万人増え、世界全体の貧困層の増加数の6割近くを占めた。貧困層は11年から19年にかけて3億4000万人から7800万人に減った。20年には5900万人に減少するはずだったが、新型コロナで逆に1億3400万人へ増えた。

消費の中心となる中間層(1日の収入が10・01~20ドル)は11~19年に2900万人から8700万人に増えた。しかし、20年にはその4割にあたる3200万人が中間層から脱落した。

インドでは10億人以上が低所得層(同2.01~10ドル)にとどまっているという。

ほぼ同じ人口を抱える中国では新型コロナを早期に抑え込んだ。ピュー・リサーチ・センターは、20年に中国で減った中所得層は約1000万人にとどまった。

インディア・レーティングス・アンド・リサーチのエコノミスト、スニル・クマール・シンハ氏は「新型コロナの打撃が最も大きな業種は、インド経済の56~57%を占めるサービス業だ」と指摘する。製造業の規模が大きい中国では多くの人が仕事を続けることができ、新型コロナの打撃が限定的だったと説明する。

インドで生活苦に陥る庶民が増え、モディ氏の支持率にも響き始めた。現地メディアの1月の世論調査によると、回答者の74%が首相の業績を「良い」または「優れている」と評価した。これは20年8月時点の78%からわずかに低下した。

欧州でコロナ債務「帳消し」論 ピケティ氏ら提唱 ECB総裁「考えられない」と一蹴

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31EWG0R30C21A3000000/

『【パリ=白石透冴】フランスを中心としたユーロ圏で、欧州中央銀行(ECB)や各国中銀が保有する国債約3兆ユーロ(約390兆円)の「帳消し」を求める議論が出ている。新型コロナウイルス対策で借金が積み上がっているためで、経済学者を中心にした賛成派は増税や緊縮を防ぐ唯一の方法と主張する。ECBは「考えられない」(ラガルド総裁)と議論を一蹴している。

「コロナ禍の借金の未来は?」(3月下旬の仏経済紙レゼコー…

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(3月下旬の仏経済紙レゼコー)。仏政財界やメディアは、コロナ禍で膨らんだ債務をいかに減らすかの議論が活発だ。きっかけは2月、ベストセラー「21世紀の資本」で知られるトマ・ピケティ氏ら仏独伊スペインなどの経済学者約150人が共同で「徳政令」を求める意見書を発表したことだ。

ユーロ圏各国が発行した国債の約3割を保有するECBや各国中銀が、償還を求めないことで、各国政府の財政を健全化すべきだとの提言だ。個人や機関投資家が保有する国債の扱いは変えない。

ピケティ氏らは、各国政府は自国の中銀とECBを直接・間接的に保有しており、ECBや中銀による国債買い取りは自分で自分に借金しているのと同じだと主張する。

賛成派の仏経済学者ジェザベル・クペスベラン氏は国債の償還を求めないことで「国が財政破綻を起こす可能性が下がり、国債の信頼性が高まる。市場の混乱は引き起こさない」と取材で語った。賛成派は経済学者が中心だが、欧州議会議長でイタリア人のサッソリ氏は2020年11月、伊メディアに「興味深い議論だ」と語った。

前例のない提案にECBや各国政府は否定的だ。ECBのラガルド総裁は2月、仏メディアの取材に「考えられない」と一蹴している。コロナ禍以前に発行した国債も対象とするのか、どのように意思決定するのかなど手続き上も不明点が多い。

反対の立場を取る仏景気経済研究所のアンリ・スタディニアク氏は「急なインフレも起きていない段階で国債の心配をする必要はない。見直すべきは財政規律を定めた欧州連合(EU)のルールだ」と語る。

議論が起きる背景には、コロナ禍で急激に増えた各国の借金がある。外出制限で影響を受けた業界への支援を繰り返し、21年の国内総生産(GDP)比累積債務はフランスとスペインがそれぞれ120%超、イタリアでは約160%に達する見通しだ。

フランスでは各党が債務の扱いについて意見表明する場面が増えており、22年大統領選で争点になる可能性がある。

マクロン大統領の与党「共和国前進」は3月下旬、「安易で非生産的な考えだ」とする声明を出して帳消し論を批判した。超低金利の市場環境では国債発行で集めた資金を成長戦略に充てるのが正しいなどと論じた。野党の中道左派社会党で前回大統領選に出馬したアモン氏らは帳消し論を主張している。

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説 欧州の財政出動の規模は米英に比べて小さく、欧州域内では過剰債務国ほど対策規模が小さい。IMF(国際通貨基金)の「財政モニター」データ・ベースから、確認できる傾向です。
英米との差は、平時のセーフティーネットの厚さで説明できる部分もありますが、過剰債務国の慎重姿勢は、信用危機の再燃や、現在、停止中の財政ルールの再適用を意識せざるを得ないから。結果として危機対応として必要な対応が講じられず、傷痕がより深く、長く残る結果となることが懸念されています。

債務「帳消し」議論の背景は理解できるものの、ユーロ参加国政府の広い賛同を得ることは考えられません。
見直すべきはルール、という意見に賛成です。

2021年4月2日 15:34いいね

クリスティーヌ・ラガルド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%89

『経歴
パリ9区にて、ロベール・ラルエットとニコル・カル夫妻の第1子として誕生。四人兄弟で3人の弟がいる[2][3]。幼年時代をル・アーヴルで過ごし、そこでカトリックの教育を受けた[4]。 10代の頃はアーティスティックスイミングの選手であり、フランスのナショナルチームに所属していた[5] [6]。16歳の時に父が亡くなり、以後母ニコルが1人で子供4人を育てた[7]。1974年にバカロレアを取得。パリ第10大学を卒業し、更に、グランゼコールの一つであるエクス=アン=プロヴァンス政治学院を卒業した。ENAの入学試験に2度失敗しているが、自身はこの失敗を後悔していないと述べている[8]。

卒業後の1981年、アメリカの国際ロー・ファームであるベーカー&マッケンジーのパリ・オフィスで弁護士として働き始める。1995年よりベーカー&マッケンジーのシカゴ本部でのエグゼキューティヴとなり、1999年よりチェアマンに選ばれた。

ジャン=ピエール・ラファランに発掘され、2005年にアメリカから帰国。ドミニク・ド・ヴィルパン内閣の農業・漁業相などを経て、2007年6月からフランソワ・フィヨン内閣の経済・財政・産業相(財務大臣に相当)に就任する。G8最初の女性財相でもある。

2006年には、アメリカの経済誌『フォーブス』が取り上げた世界最強の女性30に選出されている。反トラスト法、労働法専門の弁護士としても著名であり、ベーカー&マッケンジーの所長に女性で初めて就任した。

2011年6月28日、IMFの理事会にて専務理事に全会一致で選出された[9]。女性として初のトップ就任である。かつてラガルドと同じくフランス経済・財政相からIMF専務理事に転じたドミニク・ストロス=カーンが2011年5月に性的暴行容疑で逮捕・起訴されIMF専務理事を辞任したため、その後任の最有力候補として名が挙がっていた[10]。

2019年7月、欧州中央銀行次期総裁に就任が決定。同年11月1日に就任[11]。女性初の総裁となる。これに伴い、9月12日にIMF専務理事を退いた。』

途上国金融支援「8月実施」 IMFの外貨調達枠拡大―米財務省

『【ワシントン時事】米財務省は1日、新型コロナウイルス危機で打撃を受けた途上国の支援策として、国際通貨基金(IMF)が提案した外貨調達枠の拡充策が、8月に実施されるとの見通しを示した。途上国の回復は世界や米国経済にも貢献するとして、拡充策を支持する立場を強調した。

 IMFは、加盟国がドルや円などを調達できる権利「特別引き出し権(SDR)」を6500億ドル(約72兆円)相当拡大し、外貨不足にあえぐ途上国の資金繰りを支援する枠組みを検討。7日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の議題となる。

 加盟国はSDRをIMFへの出資比率に応じて受け取る。現行計画では、最大出資国の米国に約17%、低所得国に3%、中国を除く新興・途上国に33%がそれぞれ配分される見通し。
 米財務省筋は、配分計画はIMFの最高意思決定機関である総務会で今夏に承認された後、8月に実施されるだろうと説明した。』

国際通貨基金
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%9F%BA%E9%87%91

『出資額と議決権
IMFの融資財源の大半は、主に加盟国が払い込むクォータ(出資割当額)を原資としており、更に一部加盟国からの借り入れによってクォータ資金を補っている。低所得国向けの譲許的融資及び債務救済は、別途、拠出ベースの信託基金により賄われている。[35]

IMFでの議決権は一国一票ではなく、下記のクォータ(出資額)による。各加盟国は基礎票(約750票)に加え、出資額100,000SDRごとに1票が与えられる。[36]2010年のクォータ改革によって新興国の占める比率が大幅に高まり、BRICs4国は常時10か国入りした。出資比率は2018年1月現在下記の通り。現在第15次一般クォータ見直しの議論が進行中であり、2019年秋の年次総会までに見直しを完了することとしている。[37]』

「大きな政府」成長力底上げカギに バイデン米政権

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31ENJ0R30C21A3000000/

『【ワシントン=大越匡洋】バイデン米大統領は3月31日、今後8年でインフラや研究開発などに2兆ドル(約220兆円)を投じる構想を表明し、「大きな政府」への傾斜をさらに強めた。日本も2021年度予算で過去最大の総額106兆円超を計上。危機対応で前例のない規模に政府債務が膨らむ財政を持続的に運営するには、成長力の底上げへ投資対象の重点化がカギとなる。

「底辺から経済をつくり上げる」。バイデン氏は東部ペン…

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バイデン氏は東部ペンシルベニア州ピッツバーグで計画を公表し、こう訴えた。3月中旬に民主党主導で1.9兆ドルの「米国救済計画」を成立させたばかり。それから間を空けず、経済政策の次の青写真を示した。

巨額の財政資金を一気に費やす「救済計画」と異なり、今回の「米国雇用計画」は投資が8年にわたる。新型コロナウイルス危機を脱するためだけでなく、平時も政府が経済に関わり、雇用を生むために財政を使う。そんな政権の基本路線を際立たせた。

老朽化した道路や橋の刷新などに6210億ドル、安全な水道網の整備に1110億ドル、高速通信網の普及に1000億ドル――。計画には気前のよいメニューが並ぶ。気候変動や災害に対応する投資を増やし、新たな成長につなげる考えも強調した。

財源は企業増税を想定する。17年のトランプ減税で35%から21%に下がった法人税率を28%に上げる。さらに多国籍企業の課税強化など、これまでの公約に沿った内容で15年かけて2兆ドルを賄うと提案した。

実現への道筋が見えているわけではない。米国の歳出入改革は議会の専権事項で、上院は民主、共和が各50議席で勢力が拮抗する。野党共和党は計画公表前から「計画は大増税につながる『トロイの木馬』」(マコネル共和党上院院内総務)と反対してきた。民主党内でも左派に「気候変動への対応が不十分」との不満がくすぶる。

たとえ財源を確保できても課題は残る。コロナ禍の財政出動により、2月時点の予測ですでに米連邦債務総額は国内総生産(GDP)の130%に膨らみ、第2次大戦直後の最悪期(1946年、119%)を上回る。一時的に景気をふかすだけでなく、中長期の成長軌道を描けなければ、膨張債務を超低金利で支える危機モードから抜け出せない。

シンクタンクのタックス・ファンデーションによると、法人税率の28%への引き上げは長期的にGDPを0.8%押し下げるという。その負の効果を打ち消すだけでなく、さらに新しく成長を生み出す目算はあるのか。バイデン氏は語っていない。

代わりにバイデン氏が付け加えたのは「中国との競争に打ち勝つ」という政治的な味付けだ。与野党を問わず、米国にとって対中戦略は最大のテーマ。人工知能(AI)など先端分野の研究開発に1800億ドル、半導体をはじめとするサプライチェーン(供給網)の強化や製造業の振興に3000億ドルを投じると計画に盛った。

バイデン政権は医療や育児などの支援策も詰め、近く公表する。まだ封印している富裕層への増税策も同時に打ち出す可能性がある。「パラダイムを変えたい」というバイデン氏の賭けは、政府の肥大化という非効率を社会全体に広げる恐れをはらむ。

日本も財政頼みに傾斜 民間主導路線 どう推進

新型コロナウイルス禍は、政府債務がもともと高水準だった日本にも、危機回避へ欠かせない財政出動の拡大を迫った。2020年度は大型の補正予算を3回組み、合わせると約70兆円だ。21年度の当初予算にも予備費5兆円を積み、一般会計は総額106兆円と過去最大になった。

だが財政頼みには限界もある。東京都立大学の宮本弘曉教授は、財政刺激が民間の需要を引き出す乗数効果は高齢化する経済で弱まる傾向にあると指摘する。経済刺激が長期化すれば、効果が切れた際に経済活動が冷え込む「財政の崖」への対処も難しくなる。

産業構造が大きく転換するなか、これから伸びる環境技術やデジタル化の分野で民間主導の技術革新を生み出せるかが潜在成長率を高めるカギになる。政府債務残高が国内総生産(GDP)比で米国の約2倍と先進国で突出する日本は、財政支援の「量」だけではない工夫が一段と求められる。

IMF、コロナで「貧富の差拡大」 ワクチン・教育に懸念

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN015XU0R00C21A4000000/

『【ニューヨーク=後藤達也】国際通貨基金(IMF)は1日、新型コロナウイルスが世界的に貧富の格差を拡大させたとの分析結果を公表した。所得格差だけでなく、国によって医療やワクチン接種、学校の運営にも大きな差が出ている。財政余地が限られる国も多く、IMFは歳出の効率化や分配が欠かせないと指摘している。

IMFによると、厳しい貧困のもとにいる人々は2020年に世界で9500万人増えた。特に財政に余裕が乏しい国では不平等が今後数年でさらに拡大する可能性が高いという。IT(情報技術)などの技術進展によりスキルの低い仕事が減り、所得格差が一段と広がるおそれもある。

コロナによる教育の寸断も深刻だ。新興国や発展途上国は先進国と比べ、学校が閉鎖された期間が長い。ワクチンの接種も先進国より遅れており、今後も学校の再開に時間を要するおそれがある。教育の機会を失った子供は長期間にわたって所得などの不平等を被るおそれがある。IMFは不平等拡大に対処するため、ワクチン接種や教育といった問題により焦点を当てて政策対応を考えるべきだと各国に訴えている。

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労働者襲う新たな産業革命 デジタルの富、社会に広く パクスなき世界 繰り返さぬために(2)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG180SZ0Y1A310C2000000/

『あなたは進歩を歓迎しますか――。

「壊滅的な打撃だ」。英西部ウェールズのスケーツ経済相は危機感をあらわにした。約40年にわたって地域経済を支えてきた米フォード・モーターのエンジン製造拠点、ブリジェンド工場が2020年9月に閉鎖になったときのことだ。

【前回記事】
酷似する危機の予兆 豊かさ90年ぶり低迷

18世紀後半から始まった産業革命。ウェールズは産炭地としてエネルギー供給で貢献した。フォードは100年前に世界初の量産車を世に出した20世紀を代表する…

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フォードは100年前に世界初の量産車を世に出した20世紀を代表する企業だ。産業構造の転換期、ともに岐路に立つ。

大量生産を通じ物質的な豊かさをもたらした製造業は、社会の安定と繁栄を支える力を失いつつある。英国では1960~70年代に雇用全体の3割近くを占めたのが近年は1割未満だ。

グローバル化やデジタル化、そして脱炭素。次々起こる変化に企業は揺れる。19世紀後半に生まれた内燃機関で動く車は電動化の潮流にもまれる。エンジン生産の見直しは世界の自動車業界が向き合う課題だ。

かつての産業革命も世界のありようを根本から変えた。繊維産業から始まった機械化は生産性を劇的に向上させ、経済成長をもたらした。激しい変化ゆえに「痛み」も大きかった。手工業で生計を立てていた働き手は自らの技能が役に立たなくなる苦境に直面。中程度の賃金の仕事は減り、富は工場経営者に集中して格差が拡大した。

18世紀後半から始まった産業革命は経済成長をもたらした一方で、労働者に「痛み」を強いた=ゲッティ共同

英オックスフォード大のカール・フレイ氏は庶民が工業化の恩恵を享受するまで「70年を要した」と話す。当時の労働者の苦悩を調べ、栄養状態の悪化で1850年に生まれた人の身長は1760年生まれの人より低い傾向にあったと指摘した。

社会が不安定になった19世紀の英国では「ラッダイト」と呼ばれる機械破壊運動が起きた。それでも政府などは労働者の不満を押さえ込み技術を採用。英国は競争力を高め覇権国家になった。

現代もヒトに置き換わる技術が広がる。調査会社リサーチ・アンド・マーケッツの予測では、産業用ロボットの市場は27年に1017億ドル(約11兆円)と20年の2.3倍に膨らむ。人工知能(AI)の進化もめざましい。

価値の源泉がモノからデータやソフトウエアに移り、「GAFA」に代表されるIT(情報技術)企業が力を握る時代。労働者は勤勉さでは評価されず、優れた頭脳とスキルをもつ一握りの人材が「高評価」を得る。

生み出す付加価値の差は賃金に反映される。米労働省の19年の統計によるとコンピューター・情報関連の職種の年収(中央値)が8万8千ドルにのぼるのに対し、製造部門の職種は半分以下の3万6千ドルと大差がついた。

激動期、労働者の痛みがいつ収束するかは見えない。だが技術の進歩を拒んだ国家や社会は衰退の道をたどる。

自動車産業の黎明(れいめい)期を引っ張った欧州。業界団体や独フォルクスワーゲン(VW)などの企業、有力大学は産業競争力に加え、「経済的・社会的責任を果たすため、労働力の再教育に多大な投資が必要」との考えで一致した。毎年労働者の5%にデジタル関連などのスキルを習得してもらう投資を始める。数年で対象は70万人、総額70億ユーロ(約9100億円)との試算もある。

富を社会に広く行き渡らせることができない「勝者総取り」のゲームはどこかで行き詰まる。個々人のスキルを21世紀仕様に高めつつ、誰もがデジタル革命の恩恵を享受できるような枠組みをどう構築していくか。政府や企業の知恵が問われている。

「パクスなき世界」第5部
(1)酷似する危機の予兆 豊かさ90年ぶり低迷

格差と不平等が常態となり、富の再配分が弱まった社会はもろい。公共心や他者への寛容さを失い、異質なものを安易に排斥するムードが漂う…続きを読む

「パクスなき世界」第1部~第4部を読む

不連続の未来へ 「パクスなき世界」第1部まとめ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63110190X20C20A8000000/?n_cid=DSREA001

世界は変わった。新型コロナウイルスの危機は格差の拡大や民主主義の動揺といった世界の矛盾をあぶり出した。経済の停滞や人口減、大国…第1部まとめを読む
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63110190X20C20A8000000/?n_cid=DSREA001

自由のパラドックス 「パクスなき世界」第2部まとめ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65020570V11C20A0EA8000/?n_cid=DSREA001

民主主義が衰えている。約30年前、旧ソ連との冷戦に勝利した米国は自国第一に傾き、自由と民主主義の旗手の座を退いた。かつて自由を希求…第2部まとめを読む
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65020570V11C20A0EA8000/?n_cid=DSREA001

大断層の先に目を凝らす 「パクスなき世界」第3部まとめ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67368890W0A211C2EA8000/?n_cid=DSREA001

新型コロナウイルスの危機は低成長や富の偏在といった矛盾を広げ、世界に埋めがたい深い断層を刻んだ。過去の発想で未来は描けない…第3部まとめを読む
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67368890W0A211C2EA8000/?n_cid=DSREA001

いまは夜明け前 「パクスなき世界」第4部まとめ https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF108JQ0Q1A210C2000000/?n_cid=DSREA001

持つ者と持たざる者の差が開き、世界を切り裂く「K字」の傷。衰える米国と、力を増す中国。豊かさが行き渡らず、人の声に耳を傾けない不寛容…第4部まとめを読む
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パクスなき世界へ https://www.nikkei.com/theme/?dw=20081701&n_cid=DSBNPAX

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岩間陽子のアバター
岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察 イギリスは幸い、上からと下からの改革主義が結びついて、選挙権を拡大し、労働組合の声を政党が吸い上げ、既存の体制を改革して乗り切ることができました。しかし同時期、フランスを発端にヨーロッパ中をくりかえし革命の波が襲い、最終的にはロシアで共産革命が起こります。都市労働者層の増大に、政治が対応しきれなかったからです。20世紀に入り、社会民主主義が議会制度の中で、労働組合の声を政治に反映し、労働者の生活を改善していく方法が見出されました。しかし今、産業構造の激変により、労組が衰退し、社会民主党が力を失っています。底辺の人々の声を吸い上げる新しい仕組みが見出されなければ、再び政治の大変動がやってきます。

2021年4月1日 2:19いいね
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鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点 技術は進歩しても、人間社会はすぐに劇的に変化するわけではない。貧富の格差による生活苦だけでなく、感情的な反発が人種差別やヘイトクライムにつながるというのも過去に繰り返されてきたこと。こうした問題を解決していくのが技術ではなくガバナンス。しばしば貧富の格差を覆い隠すためにナショナリズムに訴え、他国民に対しての優越感でごまかすということもなされてきたが、今もまさに同じようなことが起こりつつある。技術の進歩により生まれた格差を埋めていくには政治的な再分配と、技術がカバーできない分野に雇用を生み出すこと。それを支えるガバナンスのイノベーションが求められている。

2021年3月31日 19:41いいね
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[FT]今夏の集客は 気をもむ南欧の観光業

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM290JJ0Z20C21A3000000/

『スペインのマヨルカ島でマリア・アントニア・リュイさんが経営するホテルチェーンは、月に少なくとも150万ユーロ(約1億9000万円)の赤字を出しているが、彼女は夏に立ち直れることを願っている。

そのヒポテルズ・グループは営業する30のホテルのほぼ全てが新型コロナウイルス禍の影響で休業となり、従業員3000人のほとんどを一時帰休させている。営業しているのは唯一の海外拠点、メキシコのリゾート地カンクンに…

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営業しているのは唯一の海外拠点、メキシコのリゾート地カンクンにある1館だけだ。

リュイさんだけではない。新型コロナワクチンの接種が進まず、ここにきての感染再拡大が2度目の「失われた夏」をもたらす恐れが強まるなか、南欧の観光業は先が見えない状態にある。

2020年の観光業の落ち込みはスペイン経済に大打撃を与えた。先週公表されたスペイン銀行(中央銀行)の推計では、最大の書き入れ時である7~9月の外国人旅行者からの観光収入が前年同期比78%減った。

通常、観光業はスペインの国内総生産(GDP)の約12%を占める。観光業の不振が響き、20年の同国のGDPは約11%減と欧州連合(EU)内で最大の下落率を記録した。

最も打撃が大きいのはスペインだが、観光業は南欧全体のGDPの11%、フランスを含む南欧諸国の雇用の6分の1を占める。

南欧は北部欧州よりもコロナ禍の痛手が大きく債務水準が高いので、苦境にある企業や雇用を下支えしようにも限界がある、とスイス資産運用大手ピクテ・ウェルス・マネジメントのシニアエコノミスト、ナディア・ガルビ氏は説明する。「失われた夏の再来というリスクが問題を悪化させ、政策にしわ寄せが行くだけだろう」と同氏は警鐘を鳴らす。

回復は昨年の減収分の4分の1との分析も
米金融大手モルガン・スタンレーの欧州経済担当責任者のジェイコブ・ネル氏は、ワクチン接種が十分なスピードで進んでいないことを問題視する。「(欧州諸国の)ワクチン接種の遅れで、またひと夏を失いそうなリスクが現実に高まっている。南欧は(経済的に)北部諸国からさらに引き離されるかもしれない」

スペイン銀が公表したシナリオでは、21年の同国の国際観光収入は19年実績の56%に回復し、経済成長率はプラス6%に達する見通しだ。同銀は観光業と経済が大幅に上振れする可能性もあるとする一方、経済成長率はわずか3%、観光業は20年実績をさらに割り込んで19年水準の14%にとどまるという悲観シナリオも示している。

他国も打撃が続くことに身構えている。ギリシャ観光業協会によると、同国の雇用の2割を支える観光業の収入は20年に77%減少した。

21年の見通しも同様に暗い。最新のデータでは、ギリシャの2月のホテル予約は前年同月比で74%減少し、インターネットによるホテルの空室の検索件数も63%減っていた。セオハリス観光相は先日、今年は「昨年よりは良い年」になるとの楽観的な見方を示したが「予約が落ち込んでいる」ことも認めた。

独保険大手アリアンツのアナリストチームは、欧州の独立系ホテルの売上高が20年は半減し、21年夏はその減収分の25%しか取り戻せそうにないと分析している。

米金融大手ゴールドマン・サックスは観光業の急回復を見込み、スペインでは21年のGDPを1.4ポイント、ギリシャでは1ポイント、それぞれ増加させると予測する。ただし、これは6月までに経済活動制限がほぼ解除されることが前提だ。ゴールドマンは夏が終わるまで制限が維持された場合には、南欧全体の成長率が1.3ポイント低下するという下降シナリオも示した。

「市民の移動は制限、海外観光客は受け入れ」に批判
鍵となるのはワクチン接種だ。旅行者の出発国と訪問国の両方で感染拡大を食い止め、各国政府による渡航制限解除に道を開く。EUは夏が終わるまでに成人の7割に接種することを目指しているが、フォンデアライエン欧州委員長は9月21日までを夏とする見解で、観光業界は危機感を募らせている。それでは休暇シーズンはほとんど終わってしまうからだ。

オンライン旅行会社として再出発した英トーマス・クックのアラン・フレンチ最高経営責任者(CEO)は「この夏に休暇旅行があるのは間違いないだろう」としつつも「その時期と基準がどうなるか、私たちは見極めかねている」と話す。

現時点で観光業界が直面する障害は増えている。ドイツ政府はマヨルカ島があるバレアレス諸島を旅行したドイツ人旅行者数の多さに驚き、独航空大手ルフトハンザに4月初めのイースター(復活祭)休暇期間には、現在ほぼ満席というマヨルカ島への便を増やさないよう命じた。同時に国外への休暇旅行を一時禁止する措置も検討している。スペインへの国別旅行者数で最多の英国は、海外渡航の制限を強化している。

そのスペインでは、市民の国内移動を制限する一方、EUからは観光客を受け入れようとしているとして、当局は国内から批判を浴びている。

「肝心なのは観光業が再起しなければならないということ、そして持続可能でなければならないということだ」とスペインの観光業界団体の幹部は述べる。「そのために今、制限の強化が必要であるのなら、それは構わない。しかし我々が求めているのはワクチンの接種を早めることだ」

スペイン、ギリシャ両政府は、EU共通のワクチン接種証明書の導入が間に合わない場合に備え、英国と2国間で渡航に関する取り決めを交わそうと動いている。

「夏のピークシーズンを救うためなら何でもしなければ」と冒頭のリュイさんは言う。「19年の半分の数でもお客を入れてくれるという話が来たら、喜んでどこでもサインするわ」

By Daniel Dombey, Martin Arnold and Alice Hancock

(2021年3月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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マヨルカ島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A8%E3%83%AB%E3%82%AB%E5%B3%B6

『観光業の特徴
バレアレス諸島経済の主要な原動力となっている2つの部門は、工業と農業を押しのけて観光業と建設業である[13]。マヨルカ島には世界有数のホテル企業がある[13]。マヨルカ島の沿岸はほぼ全域が観光地となっているが、観光客の大半は南岸のパルマとカルビア、さらに北岸のポリェンサ湾とアルクーディア湾に集中している[13]。数多くの美しい砂浜やビーチ・リゾートが島内に点在しており、マヨルカ島にあるビーチの数は139か所に上る[103]。特にバカンスの季節になるとビーチは海水浴を楽しむ観光客でごった返す。ビーチ以外にも、北部には海へと切り立つ断崖絶壁やその間に点在する村々、また東部のポルト・クリスト(英語版)にはドラック洞窟など多数の巨大な鍾乳洞がある。

アンドラッチ港
今日でもマスツーリズム観光客は「太陽と砂浜」を求めてマヨルカ島にやってくる[104]。旅行会社のイメージ戦略によって5S (Sea、Sand、Sun、Sangría、Sex)を目的とした夏季の観光客が多く、特に浜辺での飲酒と性行為を目的とする若者による騒音問題やモラルの低下は社会問題にもなっている[105]。2011年の国別観光客数はドイツが37%、イギリスが21%、スペインが13%だった[5]。平均滞在日数は8.5日間だった[5]。

パルマにあるオテル・メディテラネの宿泊者名簿には、エヴァ・ガードナー(アメリカの女優)、リチャード・ニクソン(アメリカ大統領)、イラン国王、エロール・フリン(オーストラリアの俳優)、アガサ・クリスティ(イギリスの作家)などの名前がみられ、オテル・ソン・ビダが開業した際の主賓はモナコ大公レーニエ3世とグレース・ケリー妃だった[75]。ポリェンサにあるオテル・フルマントールの宿泊者名簿には、ウィンストン・チャーチル(イギリス首相)、ダグラス・フェアバンクス(アメリカの俳優)、チャーリー・チャップリン(アメリカの俳優)、クリストファー・プラマー(アメリカの俳優)、ウェールズ公チャールズ、モナコ大公レーニエ3世とグレース・ケリー妃、スペイン国王フアン・カルロス1世とソフィア妃などの名前が書かれており[75][106]、ジャクリーン・ケネディ・オナシス(アメリカのファーストレディ)やその夫アリストテレス・オナシス(実業家)もこのホテルを起点にヨットで地中海を巡航した[106]。』

マヨルカ島のおすすめ観光スポット11選
https://tabippo.net/majorca-vacation-rentals/

バイデン氏、新経済対策は2段階で提案 31日にインフラ投資

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290EQ0Z20C21A3000000/

『【ワシントン=鳳山太成】サキ米大統領報道官は28日、新たな経済対策を2段階で提案すると明らかにした。バイデン大統領が31日にまずインフラ投資の詳細を発表する。4月後半には育児や医療の支援策を打ち出す。矢継ぎ早に政策を示し、経済再建を急ぐ姿勢を鮮明にする。

サキ氏は米FOXテレビで「バイデン氏は提案を賄ういくつかの方法も伝える」と述べ、財源確保のための増税にも言及する可能性を示唆した。バイデン氏は31日に東部ペンシルベニア州ピッツバーグを訪れ、経済政策について演説する予定だ。

サキ氏は政策の規模には触れなかった。米メディアは総額3兆ドル(約330兆円)にのぼると伝えている。バイデン氏は2020年の大統領選で環境インフラに4年間で2兆ドルを投じるとの公約を掲げており、脱炭素の実現に向けた投資も含まれそうだ。

議会では共和党もインフラ投資には前向きだ。サキ氏は「道路や鉄道の再建は党派的な問題ではない」と指摘し、共和党の支持を得られると自信を表した。

一方、総額1.9兆ドルの経済対策が成立したばかりで、野党・共和党内では政府債務のさらなる膨張への懸念も根強い。バイデン氏が唱える企業や富裕層への増税には反対しており、新たな法案の先行きは不透明だ。

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ジェン・サキ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%AD

『ジェニファー・ルネ・”ジェン”・サキ(Jennifer Rene “Jen” Psaki、1978年12月1日 – )は、アメリカ合衆国のホワイトハウス報道官。2013年2月11日から2015年3月31日までアメリカ合衆国国務省報道官を務めていた。

目次
1 経歴
1.1 バイデン政権
2 日本に関連する発言
3 脚注
4 関連項目
5 外部リンク

経歴
1978年、コネチカット州スタンフォードに生まれる。バージニア州に位置するウィリアム・アンド・メアリー大学を2000年に卒業し、翌2001年から、2004年アメリカ合衆国大統領選挙における民主党の大統領候補であったジョン・ケリーの副広報官を務めるようになった。また、2008年アメリカ合衆国大統領選挙においては、当時上院議員であった、バラク・オバマの遊説広報官を務め、オバマがアメリカ合衆国大統領に就任すると、ホワイトハウス副報道官に任命された[1]。2012年アメリカ合衆国大統領選挙には、大統領再選を目指すオバマ陣営の広報官を務め、オバマ再選後の2013年からは、アメリカ合衆国国務省報道官(英語版)を務めることになった。2015年4月からは、ホワイトハウス広報部長を務めていた[2]。

2017年2月からは、CNNの政治評論家として働き始めた。

バイデン政権
2020年11月から、バイデン政権移行チーム(英語版)に加わり、バイデン政権のホワイトハウス報道官に任命された[3]。就任後、2021年1月20日に最初の記者会見を行った[4][5] [6]。』

ドイツ憲法裁、EU復興基金の承認手続きを停止

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26EAY0W1A320C2000000/

『【ベルリン=石川潤】ドイツ連邦憲法裁判所は26日、欧州連合(EU)の7500億ユーロ(約97兆円)規模の復興基金を承認する手続きを停止する判断を下した。承認のための法案は両院を通過したが、シュタインマイヤー大統領に必要な署名をしないように命じた。復興基金の稼働が遅れれば、欧州経済の先行きにも影を落としかねない。

EU懐疑派から反対の申し立てがなされたためで、憲法裁判所が申し立てに対する判断を下すまで承認手続きは凍結される見込みだ。EUの復興基金が動き出すには、加盟各国の承認が必要になる。今回の決定によってドイツによる承認がどの程度遅れるかは今のところ不透明といえる。

EUは2020年に復興基金の創設で合意した。これまで共通の借金に強く反対していたドイツのメルケル首相が、コロナ危機から抜け出すためにはやむを得ないとして賛成に転じたことが決め手になった。ただ、豊かな国から貧しい国への財政移転につながり、ドイツの主権が脅かされるとの声も根強くあった。

ドイツなどの欧州各国では出口の見えないロックダウン(都市封鎖)が続き、ユーロ圏経済は20年10~12月、21年1~3月と2四半期連続のマイナス成長になる見通しだ。頼みの復興基金が宙に浮けば、米国などに比べて遅れがちな景気回復へのさらなる逆風となる。

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22年春の大卒採用4.4%増、12年連続プラス 本社調査

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ16DGG0W1A310C2000000/

 ※ リーマンの時と、全く様相が違っているのは、「企業の採用計画」の側面からも、見て取れるな…。

 ※ これが、2~3年後には、ジワジワとマイナスの影響が及ぶという可能性も、無いわけではない…。

 ※ しかし、各国上げての緩和策・財政拡大の大盤振る舞い、ワクチン接種の進展具合なんかを見ると、そういう可能性は低い…、というのが、大方の見方だろう…。

 ※ むしろ、過熱や、軟着陸に失敗しての「世界的崩壊」を心配した方がいいような状況なんでは…。

『日本経済新聞社が21日まとめた2022年春入社の新卒採用計画調査(1次集計)で、大卒採用計画は21年春実績見込み比4.4%増となった。新型コロナウイルスの影響により旅行や鉄道などが採用を抑える一方、電機は2桁増を計画する。自動車も増やす方針で、デジタル化や脱炭素に必要な人材への強い採用意欲が鮮明になった。

【関連記事】

採用、巣ごもり需要で明暗 スーパーのライフ25%増 
主要企業4878社の採用計画を聞き、3月4日までに未確定と回答した企業も含め2213社を集計した。大卒の採用計画総数は約8万9600人とリーマン・ショック後に採用数が回復した11年度以降12年連続で増えた。増加幅も前年の2.6%から拡大した。

前年の当…

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前年の当初計画は4.2%増だったが増加幅が縮んだ。22年春も事業環境や学生の応募状況によっては下振れる可能性がある。

リーマン危機の影響が強く出た10年度は19.6%減。新型コロナの影響を多くの企業が受けるなか、当時と異なるのは一定の新卒を確保しようとする動きだ。企業によってはリーマン危機後の採用抑制により、世代別の人員構成に偏りが出た。その反省から「極端な採用減には慎重になり、新卒獲得の意欲は底堅い」(浜銀総合研究所の遠藤裕基主任研究員)。

リーマン危機後とのもう一つの違いは、電気自動車(EV)といった環境分野やデジタルなど新たな事業領域を伸ばそうとする企業の動きだ。理工系は8.4%増と、文科系の2.9%増を大幅に上回る。

業種別では電機が10.8%増を計画し、なかでも電子部品は13.8%増だ。半導体大手のロームは32.8%増の約170人とする。電力を制御するパワー半導体などの需要がEV向けに高まるとみて「エンジニアを中心に積極的に採用する」。

日本電産グループも理工系学生を増やし、全体で2割増の139人とする。EV用駆動モーターの需要が増えており、理系人材を確保して事業拡大につなげる。

ほかの電機大手も高水準の採用を続ける。日立製作所は600人、ソニーグループは1100人とそれぞれ前年並みの新卒確保を目指す。ソニーは稼ぎ頭のゲームや画像センサー事業を中心に積極的に採用する。京セラグループはスマホ用電子部品に加えて「システム関連の採用を増やす」ために全社で12.8%増の約580人を計画する。

自動車・部品は5.4%増だ。EVの開発競争が激しくなるなか、有望な人材の確保にむけ企業が採用を増やす。

デジタルなど専門人材への採用意欲は非製造業でも強い。パソナグループは2割多い約180人を計画する。「企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を開拓するためにエンジニアなどを増やす」という。大和証券グループも18.5%増の385人を採用する。個人向け営業の人員に加え、ITやリスクマネジメントなど専門性の高い学生を確保する。

クリックするとビジュアルデータへ https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/research-starting-salary/

コロナ禍で事業環境が大きく変わり、採用を控えざるを得ない企業も多い。鉄道・バスは外出自粛や訪日客需要の蒸発をうけ、29.1%減を計画する。

「経営環境の激変により事業全般の構造改革が必要」「厳しい経営状況を踏まえた効率化などを勘案した」。JR東日本とJR東海はそれぞれ採用数を38.8%、19.7%減らす理由をこう説明する。JR東はチケットレス化や保守・点検の機械化も合わせて進め、スリム化を急ぐ。

旅行需要が激減したJTBグループは採用を見送る。21年3月期の連結経常損益は過去最悪の約1000億円の赤字を見込む。早期退職などに合わせ採用も見合わせる。

在宅勤務の普及により、アパレルを含むその他小売業は5.8%減だった。青山商事グループは80人と前年度から4割減らす。オフィス着のカジュアル化でスーツ販売が苦戦しており、22年3月期までに全店の2割にあたる160店を閉じる計画。事業縮小にあわせて採用も抑える。

22年春入社の採用活動は3月から本格化している。就職情報大手のディスコ(東京・文京)によると、1日時点の内定率は21.1%と前年同月を5.2ポイント上回っており、有望な学生を前倒しで囲い込む動きが強まっている。

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永浜利広のアバター
永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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別の視点 マクロで見た新卒採用計画調査といえば、日銀短観にも注目でしょう。
6月調査と12月調査の年2回しか実施されませんが、日銀短観の中に新卒採用計画というのがあり、細かい業種別のみならず、中堅・中小企業も含めた企業の規模別の調査結果も公表されます。
短観で22年度の採用計画が公表されるのは、7月頭に公表される6月調査まで待たなければなりませんが、今回の日経調査と比較してみたら面白いと思います。
2021年3月22日 8:56 (2021年3月22日 8:58更新)

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大湾秀雄のアバター
大湾秀雄
早稲田大学 教授
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ひとこと解説 旺盛な採用需要の背景には二つの要因がある。まず、大手企業の多くに見られるいびつな年齢構成である。バブル期世代の大量退職を控え、新卒・中途両面で人財を補いながら若手登用を急ぐ必要がある。二つ目に、DXの進行に伴い事業モデル、業務プロセスの変革が進んでおり、会社が求めるスキルと現存するスキルの乖離が生じている。このスキルギャップを埋めるため、新しいスキルを身につけた新卒や中途の採用を急いでいる。しかし、高技能人財の供給は限られ、今いる従業員に新しいスキルを身につけさせるリスキリングに力を入れざるを得ない。タレントマネジメントに注力し、スキルギャップを認識した企業ほど、採用・育成における動きは早い。

2021年3月22日 11:19いいね
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上杉素直
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説 コロナ禍で新卒採用も大きく減るのかと心配されましたが、実際には企業の人材確保への意欲は依然として旺盛です。記事に指摘されているように専門分野向けのニーズが強いことに加え、バブル期の大量入社組の定年退職が近づいてきた事情もあるでしょう。気になるのは、業績と同じく、採用でも二極化がはっきりしてきたことです。日本の産業構造や競争力にどんな影響を与えるのか注視したいと思います。

2021年3月22日 8:05いいね
6

イタリア、4.2兆円コロナ追加支援策 ワクチン接種加速

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR200FD0Q1A320C2000000/

 ※ イタリアの国家予算規模は、
『歳入:9,033億ドル(101兆1,696億円)
歳出:9,481億ドル(106兆1,872億円)
赤字:448億ドル(5兆176億円)

ヨーロッパで3番目に国家予算が大きいイタリアですが、実はEUからの金融支援が最も多いギリシャの次に支援を受けています。そのため、財政状況は決して良いとは言えません。加速する一方の貧困問題を終息させるために、減税や定年引き上げを撤廃するなどの策を投じていますが、2018年にはEUの欧州委員会から予算案の修正を要求されています。

EUから厳しい目を向けられているイタリアは、EUからの制裁だけは何とか回避したい構えですが、付け焼刃の国家予算案という印象は否めません。イタリアの債務状況は警告が必要なレベルとされています。』…、ということだ…。

 ※ まあ、そういうこともあって、ドラギ氏(※元ECB総裁)の登板となった側面もあるんだろう…。

 ※ 「ドラギ・マジック」を、見せることができるか…。

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリア政府は19日、新型コロナウイルスで痛んだ経済回復を目指し、総額320億ユーロ(約4兆2000億円)の追加支援策を閣議決定した。企業や自営業者への助成やワクチン接種の拡大が柱となる。現在、同国は感染の「第3波」に見舞われ、主要地域で再びロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされている。

企業や自営業者向けに110億ユーロを充て、営業中止に追い込まれたスキー場の運営事業者らを支援する。雇用や貧困対策にも80億ユーロを割り当てる。従業員の解雇禁止は6月末まで延長する。今月15日から経済都市ミラノなどで終日外出禁止や飲食店の閉鎖など厳しい規制が敷かれており、景気の一段の悪化を懸念する声は多い。

医療対策には50億ユーロを振り向け、ワクチン接種の加速に重点を置く。ワクチンの製造設備に投資するほか、接種に向けた医師ら人員も拡充する。イタリアは接種後に血栓ができる疑いが出ていた英製薬大手アストラゼネカ製ワクチンの接種を見合わせていたが、19日から再開した。ドラギ首相も近く、アストラゼネカ製を接種する。

19日の閣議後に記者会見したドラギ氏は「これは最初の一歩にすぎない」と述べ、さらなる支援策を打ち出すと表明した。これまでの大規模な財政出動で2020年の政府債務は国内総生産(GDP)比で155%超と19年(約135%)から大きく悪化しているが、ドラギ氏は「まだ債務削減を考える局面ではない」との見方を示した。 

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世界の国家予算ランキング (2017年度情報)
https://koumu.in/articles/200524

米で経済再開の動き広がる ワクチン接種加速で

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16DDA0W1A310C2000000/

『【ニューヨーク=後藤達也】米国で経済再開の動きが広がっている。外食のほか、娯楽施設も営業規制の緩和が相次ぐ。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、新規感染者数は減少傾向だ。変異ウイルスを巡る不透明感が残るものの、米国民の生活は徐々に正常化へ向かっている。

米レストラン予約オープンテーブルの15日現在の集計では、3月の予約件数は新型コロナの感染が拡大する前の2019年の同時期と比べ37%減だった。1月の同57%減から改善した。感染拡大後の減少率では最も低い。ニューヨーク市は2月に店内飲食を再開した。客数の上限も段階的に緩和し、19日には平時定員の35%から50%に引き上げる予定だ。

【関連記事】
米航空に回復の兆し ワクチン普及、空港利用1年ぶり水準
米ワクチン接種1億回を突破 1日200万回、2カ月で3倍に

カリフォルニア州は4月、屋外の競技場の営業を人数制限付きで再開する。オフィスへの出勤規制を緩める自治体も相次ぐ。グーグルが地図アプリから集計するデータによると、米国でのオフィスへの移動は感染拡大前の4分の3程度に回復してきた。

背景にはワクチン接種の加速と新規感染の減少がある。アワー・ワールド・イン・データによれば、米国のワクチン接種は15日、のべ1億900万回を超えた。診療所や配送の態勢が整い、最近の1日あたりの接種は200万回強に加速した。バイデン米大統領は15日「(接種が)想定よりも早く進展している」と述べた。

医療関係者や高齢者への接種が進み、ほかにも接種対象者が広がってきた。ミシシッピ州では16日から成人全員を接種対象者とした。米政府は5月1日までに18歳以上の希望者全員に接種できるようにする構えだ。

米国では新型コロナの新規感染者が足元で1日あたり5万人強となり、1月上旬のピーク時の2割強に減った。入院する人や死者も減る傾向だ。だが、2月半ば以降は新規感染者などの減少ペースが鈍くなり、変異ウイルスが流行する気配もある。マスク着用義務を緩和する自治体が増えているが、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「リスクが高い」としてなお、着用が必要だと訴えている。

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米200兆円経済対策が成立 バイデン氏が署名

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11E330R10C21A3000000/

 ※ ある意味、究極の「バラマキ政策」だ…。

 ※ あれだけの、経済大国・内需主導経済国で、ここまでの「バラマキ政策」を実行した例は、無いだろう…。

※ 日本の国家予算→約90~100兆円 ただし、「一般会計」。「特別会計」を、合わせると、300兆円くらい。 米国の国家予算→大体、500兆円くらい。そこから、「200兆円をばら撒く。」という話しになる…。まあ、5分の2くらいか…。

 ※ 日本の一般会計予算にあてはめると、40兆円くらいに該たることになる…。自衛隊の予算規模が、5兆円くらいだから、自衛隊を8個運用する…、というくらいの規模に該たることになる…。そういう規模(自衛隊8個分)の国家予算を、「ばら撒く」という話しになる…。

 ※(ちなみに、かの民主党政権においては、「9兆円の埋蔵金」をひねり出す…、という話しだった…。それを聞いたときは、「どうやって、自衛隊の予算2個分相当を、ひねり出すんだろうな…。」と思ったものだった…。結果は、みなさんご存じの通りだ…。)

 ※ 『リーマン危機後の回復局面でオバマ政権のとった控えめな経済対策が不興を買い、2010年の中間選挙で民主党が敗北したことの反省が、当時副大統領だったバイデン氏を突き動かしています。』

 ※ ここが、「トランプ政権誕生」の原動力となった…。

 ※ ただ、「危機」の性質が大分違っていると思う…。

 ※ リーマン危機は、「金融危機」で、「金融機関」のバランスシートが痛んでしまった…。バランスシートが痛むと、それを「回復」するのは、もの凄く時間がかかる…。コツコツ、乏しい「利益」の中から、積んで行く他は、無いからな…。

 ※ このコロナ・ショックでは、「需要が、消えてしまった。」…。旅行・飲食業界で、「需要」が消滅した…。航空運輸業界もそうだ…。イベント関係、スポーツなんかの興行業界もそうだ…。

 ※ なにしろ、「密になっては、ならん!」ということだからな…。

 ※ よって、「策」としては、ワクチン接種を促進しつつ、「消滅した需要を喚起する」というものになる…。

 ※ しかし、経済政策というものは、「ちょうど、良い加減」というものが、難しいものなんだよ…。過熱、減速自体も把握するのが難しい…。そして、「策を講じて」も、それが効果を生じるまでには、タイム・ラグがある…。策を打った時は、もう手遅れ…、後手後手ということが、よくある…。

 ※ 米国は、「世界の基軸通貨国」だから、影響は「世界経済全体」に広がることになる…。

 ※ 各国は、そういう「波」をモロにかぶって、右往左往することになる…。

 ※ こういう「劇薬」が、どういう結末を迎えることになるのか、明確に予測できる人は、いないだろう…。

『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権が提案した1.9兆ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス経済対策法案が11日、成立した。バイデン大統領が署名した。家計を支援するため、1人当たり最大1400ドルの現金給付を週内にも始める。新政権で初めてとなる財政出動で経済再建を急ぐ。

【関連記事】
米の現金給付、恩恵は業種で濃淡 ローン返済や必需品購入

バイデン氏はホワイトハウスで「米国救済計画」と名付けた新対策に署名した。「この歴史的な法律は我が国の根幹を立て直すものだ」と述べ、公約実現の意義を強調した。

法案は上下両院が10日までに可決した。バイデン氏は12日に署名する予定だったが、支援を速やかに実行に移すため1日前倒しした。今後は同氏やハリス副大統領らが全米各地を回って、新対策の成果を有権者に直接訴える予定だ。

新対策は家計への現金給付が柱で、総額4000億ドル規模に上る。年収8万ドル以上の所得層は対象外とした。サキ大統領報道官は11日の記者会見で、早ければ今週末にも銀行口座への振り込みが始まると説明した。

3月14日の失効が迫っていた失業給付の特例加算も9月まで延長する。州政府の支給に加えて、連邦政府が週300ドルを積み増す。

コロナ対策として、ワクチンの接種や検査の拡大に必要な予算も盛り込んだ。飲食店や航空などの企業支援ほか、コロナ対策の実務を担う州・地方政府への財政支援も実施する。

コロナ下で2020年3月以降に実施した米国の財政出動は今回で第5弾だ。総額は約6兆ドル弱に上る。経済成長や雇用回復を促すとの期待が大きい一方、インフレを引き起こしたり、長期金利が上昇したりして市場が混乱するリスクを懸念する声もある。

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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分析・考察 緊急性の低いグリーンやデジタル向け支出の割合が高い日本の緊急経済対策と異なり、家計向け現金給付や失業給付加算といった家計向け絵の支援が柱となっているところが日本の経済対策と大きく異なります。
それだけ景気刺激効果も強いということになりますから、サマーズ氏やブランシャール氏など一部の主流派経済学者がやりすぎに心配するのも頷けます。
2021年3月12日 8:21いいね
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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別の視点 世界中で債務残高が増えている。新型コロナウイルス以降、米国で出動した財政総額は約6兆ドルというのだから、そりゃそうだ。必要な財政措置は必要に違いないが、債務総額が積みあがって金利が上昇すれば、金利支払いだけで大きな負担になることは自明である。7月31日には、米国で債務上限問題回避の期限切れも来る。これについては、回避を継続か、上限引き上げの対応ができると見られるものの、まだわからない。財政出動しているうちは金融緩和が欠かせないが、正常化がちらつく中、どうバランスを取るか。悩ましい。
2021年3月12日 9:01いいね
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 リーマン危機後の回復局面でオバマ政権のとった控えめな経済対策が不興を買い、2010年の中間選挙で民主党が敗北したことの反省が、当時副大統領だったバイデン氏を突き動かしています。
記事にあるようにバイデン大統領やハリス副大統領は全米各地を行脚し、今回の巨額対策の成果を米国民に売り込む構えです。インフラ増強策など「攻め」の手を続けて繰り出し、2022年の中間選挙に向けてとにかく勢いを保ちたいのでしょう。とはいえ、今回の対策で共和党からの賛同は皆無でした。バイデン氏が突き進むほど、米国の政治的分断も一段と進む恐れがあります。

2021年3月12日 7:35いいね
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新型コロナ長期化と新たな危機 イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO69186830X10C21A2TCT000/

『2021年2月18日 2:00 [有料会員限定]

新型コロナウイルスの感染が世界に拡大してから約1年がたつ。公衆衛生上の影響は明らかだ。世界全体の感染者は1億人を超え、死者は200万人に達する。有効なワクチンの接種が進んでいるのは朗報だが、少なくともあと1年は政治、経済、社会全般における活動全てが、開始と停止を繰り返す回復となるだろう。

もちろん、一部の国やその国の一定の層は、次に何が起きても対処できる態勢を整えている。世界がニューノーマル(新常…

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世界がニューノーマル(新常態)に向けてそろり踏み出すなか、まさにそこが問題となる。株式市場で上位と下位の分断が進む「K字回復」も懸念材料だが、国単位のK字回復は、はるかに悪い事態を引き起こす恐れがあるからだ。その理由について説明しよう。

まず、回復に差が出ることで各国内の分断が広がる。先進国では、コロナは主に低所得層とサービス業従事者の収入に打撃を与えている。これは多くの場合、女性と有色人種が影響を受けているという意味でもある。国民を支援できる資金力がある国は恵まれているが、世界で最も豊かな国である米国でさえ、景気刺激策は政治闘争によって何度か妨げられている。

バイデン米大統領と与党・民主党が議会で刺激策の成立にこぎ着けても、生活困窮者を十分に支援できる保証はない。欧州はコロナ復興基金の設立で早々と合意したが、資金の本格的な供給は今年後半になる。欧米ではここ数年、既成政治への不満と不確実性が増す未来への不安に伴うポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭している。必要な層にただちに十分な支援を届けられなければ、こうした闘争はさらに長期化しかねない。

発展途上国でも経済的な打撃は弱者に集中している。多くの国で階級や民族、宗派間の緊張が一段と高まるだろう。しかも、発展途上国には大規模な刺激策を講じ、強固なセーフティーネット(安全網)を張り巡らせる資金力がない。これは中南米や中東などの国に特に大きな問題をもたらす。各国はコロナによる喫緊の課題を乗り切るために資金を借り入れたくなるだろうが、その資金を適切に使わなかったり、世界経済の回復に予想以上に時間がかかったりすれば債務危機に陥りかねない。変異ウイルスの広がりを考えれば、その可能性は十分にある。

各国間の回復の差も問題をはらんでいる。ワクチンを自国で生産できない国や、製薬会社から直接購入する手段がない国はワクチン確保が難しくなる。世界保健機関(WHO)が共同購入して発展途上国などに配る「コバックス」は有用な枠組みだが、途上国への配分が本格化するのは豊かな国が大半の国民への接種を済ませてからになるとみられる。接種が遅れれば、貧しい国への渡航制限は長引き、こうした国が経済的苦境から脱するのは一段と難しくなる。ワクチン接種を順調に進められない国の多くは観光地としての魅力も薄れる。国の経済を外国人観光客に依存する東南アジアなどでは、この点が問題となるだろう。

こうした懸念は世界全体ではなく、特定の国の問題だと切り捨てようとする向きもあるかもしれない。だがグローバル化が進んだ現在の世界では、発展途上国の苦境は世界全体に波及することを忘れてはならない。全ての国で感染が制御されるまで、世界経済はコロナ前の状態を回復できない。

2020年の世界はパンデミック(世界的大流行)との闘いという点では深刻な状況にあったが、経済対策はほぼ一様に徹底していた。だが景気回復が進み、公衆衛生上の危機を脱すると、国によって経済や政治への対応に差が出てくる。そうなれば各国の国内政治だけでなく、地政学も複雑化する。政策立案者はこの点をそろそろ考慮に入れておくべきだ。

看過できぬ不平等

新型コロナはときに「不平等のウイルス」と呼ばれる。未知の疫病との闘いは強者よりも弱者に厳しい試練を課し、先進国と途上国、富裕層と貧困層との格差を助長してきた。人命と経済の両方を救うのが容易ではなく、「感染して死ぬ」か「飢えて死ぬ」かのジレンマに陥る人々さえいる。

苦境にあえぐ途上国を置き去りにしたままでは、世界的なコロナ退治も景気の本格回復もおぼつかない。困窮する人々の不満や怒りを放置すれば、各国の分断や亀裂を深める恐れがある。危機下で「自国第一」や「自分第一」に傾きすぎるのを抑え、国内外の不平等を和らげる安全網の構築に知恵を絞るべきではなかろうか。

米スタンフォード大学のウォルター・シャイデル教授は自著「暴力と不平等の人類史」で、戦争、革命、国家の崩壊、疫病を平等化の「4騎士」と評した。より公平な社会の実現を目指す大胆な改革は、得てして壊滅的な状況から生まれるという。この危機はどちらに転ぶのか。コロナ禍を奇貨として、様々な格差是正の道を探れればいい。

(編集委員 小竹洋之)

[FT]中南米 コロナで貧困が10年前に逆戻りの危機

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM054E20V00C21A3000000/

『国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC) は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて貧困者と失業者が急増している中南米が10年以上前の状況に逆戻りしかねないと警鐘を鳴らした。

ECLACのアリシア・バルセナ事務局長 は、同地域で「持続不可能な」水準にまで広がった格差を解消するには早急に新しい福祉体制を確立する必要があると述べた。

国連地域委員会が「変革」を呼びかけ

「(新型コロナ前の)かつ…

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「(新型コロナ前の)かつての状況には戻りたくない。これからは平等と持続可能性を軸に復興を図り、大きな変革を果たしていかなければならない」 。同事務局長は4日、チリの首都サンティアゴで開いた記者会見で発言した。

中南米は新型コロナの感染が拡大する以前から、超低成長と社会の硬直が続く「失われた10年」に苦しんでいた。今では、人口が世界のわずか8.4%にすぎない同地域で新型コロナの死者数が世界の27.8%を占め、途上国・地域で最悪の状況になっている。大勢の犠牲者を出した2020年には、地域全体の実質域内総生産(GDP)が平均7.7%減少したともみられている 。

新型コロナの感染拡大が社会に及ぼした影響に関するECLACの報告書によると、中南米で極度の貧困生活を強いられている人は7800万人に急増し20年ぶりの高水準に達した。貧困層は2億900万人と、域内人口の3分の1を超える。10人に8人が「貧困に対して脆弱」な状況におかれているという。

中南米の各国政府は新型コロナに伴う甚大な影響を軽減するため、860億ドル(約9兆2800億円)規模の支援策を実施した。バルセナ事務局長は支援が不十分だと指摘し、あらゆる人に最低限の所得水準を保障する「ユニバーサル・ベーシックインカム」を緊急導入する方向に向かうべきだと訴えた。

ECLACは中南米が世界で最も格差が広がっている地域とみており、新型コロナ禍で域内の状況はさらに悪化している。富裕層は海岸沿いに立つマンションや郊外の一軒家、都市部の広々とした邸宅、海外の別荘からリモートワークをする一方、貧困層のほとんどは人口密度の高い都心部で生活費を稼ぐために現場で働き続けなければならない。

同地域の20年の失業率は10.7%と、前年から2.6ポイント悪化した。その影響が万人に等しく広がっているとは限らない。

大きな影響を受けた女性と子ども

バルセナ氏は「新型コロナ禍で最も影響を受けたのが女性であることはまぎれもない事実で、女性の労働市場への参加という点では10年後退した」と指摘する。若年層や非公式経済就業者への打撃も大きい。

世界銀行が4日に公表した調査報告書でも、中南米の女性が新型コロナ禍で職を失う可能性は男性より44%高いと試算されている。一部で再雇用が進んでも、男女差は解消されていない。

子どもへの影響も深刻だ。国連児童基金(ユニセフ)が4日に公表したデータによると、中南米・カリブ地域では新型コロナによる休校が世界で最も長期化し、児童・生徒の6割近くがまるまる1学年、学校に通えない状況という。

ユニセフの中南米・カリブ地域事務所代表のジーン・ゴウフ氏は「中南米・カリブ地域では、子どもや親、社会全体が受けた被害は世界のどの地域よりも悲惨で広範囲にわたっている」と述べた。

比較的恵まれた子どもは自宅からオンラインで授業を受けることもできるが、インターネットに接続できない貧困家庭の子どもはそれもできない。ECLACのデータによると、所得水準が下位20%の世帯では、コロンビアで80%、メキシコで89%がインターネットに接続できないという。

しかも、同地域ではワクチン接種も進んでいない。各国とも総じてワクチンが不足しているためで、同地域は22年に入ってもしばらくは集団免疫を獲得できないとみられており、さらに遅れるとの試算もある。

メキシコは先頭に立って、世界での平等なワクチン配布を求めている。ロペスオブラドール大統領は1日、バイデン米大統領とのオンライン協議でワクチン供与を求めたが、すぐに支援するという約束は得られていない。

By Michael Stott

(2021年3月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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英、大企業法人税25%に上げ 半世紀ぶり、23年から

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03E1D0T00C21A3000000/

 ※ コロナの後には、「大増税時代」が待っているのか…。

 ※ この流れで考えてみれば、「脱炭素」「グリーン電源」も、大増税の口実、高等戦術の「隠れみの」かも知れんな…。

『【ロンドン=中島裕介】英政府は3日、2023年4月から大企業向けの法人税率を現行の19%から25%に引き上げると発表した。経済が完全に再開するまで休業者支援など新型コロナウイルス対策を続ける一方、大規模な財政支出に対応した財源確保にも着手する。休業者の給与の80%を補塡する対策は9月末まで延長する。

ロイター通信によると、法人税率の引き上げは1974年以来、約50年ぶり。引き上げは3日に英政府が発表した21年度の予算案に盛り込まれた。英国は金融危機後、企業の投資を呼び込むために10年時点の28%から足元の19%まで法人税率を下げてきた。コロナ危機をきっかけに法人税の引き下げ促進の方針を大きく転換した。

政府の説明によると、23年度から年間の利益が25万ポンド(約3700万円)以上の企業の税率が25%に上がる。利益が5万ポンド以下の企業は19%の税率を据え置く。利益がその間の企業には19%超から25%未満の税率が課される。政府は中小企業を中心に英国の7割の企業の税率は19%のままと説明するが、大企業はほぼ25%への引き上げとなる見通しだ。

政府は3月から6月下旬にかけて段階的にロックダウン(都市封鎖)を解除する方針を掲げる。予算案にはそれまでの支援策も盛り込まれた。

20年3月から続く休業者の給与を80%補塡する対策は9月末まで延長する。7~9月は企業に1~2割の負担金を求める。飲食や宿泊、娯楽業を対象にした日本の消費税にあたる「付加価値税」の引き下げも9月末まで続ける。通常の20%から5%への引き下げが維持される。温暖化対策向けの投資資金を集めるため、個人向け環境債の発行も発表した。

コロナ対応への財政出動の結果、20~21年の政府の借入金の合計は約5900億ポンド(約88兆円)に達する見通し。英予算責任局は政府債務の残高が当面は同国の国内総生産(GDP)を超えた状態が続くと予測する。

スナク財務相は3日の演説で法人税率の引き上げなど負担増を伴う政策について「それをやりたい財務相はいないし、人気がない政策だとわかっている」と強調した。そのうえで「政府債務の問題を未来へ放置するのは責任ある財務相のやり方ではない」と理解を求めた。

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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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別の視点 今回の予算は、ポスト・コロナであるとともにポスト・ブレグジットの予算でもあります。設備投資額の130%を課税控除する「スーパー控除」(4月からの2年間)、イングランドの8カ所への経済特区「フリーポート」の新設など、投資喚起の政策も盛り込まれており、その効果が注目されます。

英国は,今年、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の主催国として脱炭素化でのグローバルなリーダーの役割を果たすことにも意欲的で、「緑の産業革命」題する10項目の行動計画を示しています。移行の財源としてグリーン債の発行を予定していますが、一部は世界初の個人向けのグリーン貯蓄国債とする計画です。

2021年3月4日 9:04いいね
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赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局編集委員
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分析・考察 世界の法人税制に大きな影響を及ぼす決定。グローバルな法人減税の動きをリードしてきた英国が減税競争から離脱し、税率上げに転じます。EU諸国でも「しばらくは財政拡張だが、コロナ禍から完全回復すれば増税局面にならざるを得ない」と取材に答える政治家が少なくなく、ポスト・コロナの課題のひとつが増税になる気配です。

焦点は副作用。英国では増税を見越して昨年からファンド・企業経営者らの間で、欧州大陸に不動産を買うのがちょっとしたブーム。税負担を見極め、拠点を移せるように準備中。
⑴相対的に物価が安いドイツ
⑵節税できるモナコやスイス
⑶リゾート地の南仏
の3カ所が人気。

今後は欧州の税財政論議に注目です。

2021年3月4日 4:58いいね
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小平龍四郎のアバター
小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 直接のきっかけはコロナ危機への対応ですが、やや引いてみれば、経済政策の重心が「成長」一辺倒から「分配」の方向に傾き始めたとも見ることができるのではないでしょうか。これまで各国政府は企業を引き止めたり誘致したりする目的で、法人税を引き下げてきました。けれど永遠の減税はあり得ないのですし、いくら下げても内部留保や株主還元に回るばかりで、投資や研究開発に十分にお金が回りにくくなっている現実があります。そこで、法人税の形で一度お金を吸い上げ、最適と思われる分野に再分配する政府の役割が、重要になっています。

政府の小ささを競ってきた資本主義の変質を、強く感じます。

2021年3月4日 8:12 (2021年3月4日 8:22更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 キャメロン元首相時代に先進国の低税率競争を先導した英国の方針転換。ブレグジットを経て大陸EU諸国に対する企業立地の優位が問われる段階で、しかも保守党の政権が税率上げを決めたところが興味深いです。

バイデン米大統領もトランプ時代に下げた法人税率の再引き上げを公約し、経済協力開発機構(OECD)を舞台とする法人税の共通最低税率づくりも意識していると言われます。12.5%の低税率を敷く隣国アイルランドはどう動くのでしょうか。

新型コロナ対策、そしてポストコロナの支出増をどう賄うかは世界共通の課題です。英国は今年、G7サミットの議長国。税制がテーマのひとつに浮上するかもしれません。

2021年3月4日 8:00いいね
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メキシコ・中米への送金、最高を更新 米経済対策が支え

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN270AU0X20C21A2000000/

『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコと中米への外国からの送金が2020年に軒並み過去最高を記録した。主な就労先である米国で失業給付が増額されたことなどが後押しした。エルサルバドルなどは送金受け入れ額が国内総生産(GDP)比で20%を占め、メキシコは、原油収入の2倍以上だ。米国の新型コロナウイルス経済対策がメキシコや中米経済を支える構図となっている。

新型コロナの感染が世界中に広がった20年前半時点…

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新型コロナの感染が世界中に広がった20年前半時点では、国外で働く労働者から親族への送金は減るとの見方が一般的だった。ただ米国ではトランプ前政権が失業給付の上乗せ策などを実施した。正規の就労ビザを保有する移民労働者は失業給付の受給資格を持つため、平時の給与よりも多くの給付を受け取った移民も多く、送金の増加につながった。

メキシコへの外国からの送金額は20年に19年比11%増の406億660万ドルとなった。5年連続で過去最高を更新した。中米各国でも軒並み過去最高を記録しており、グアテマラが8%増の113億4041万ドル、エルサルバドルは5%増の59億1860万ドル、ホンジュラスは4%増の57億2990万ドルだった。

メキシコ出身のアルマンド・モンテスさん(54)は、米カリフォルニア州ロサンゼルスのワイン工場で働く。20年は新型コロナの影響で工場が一時閉鎖した時期もあった。それでも、メキシコ中部ケレタロ州に住む親族からの苦しい生活を訴える声に応じて「これまでと同じように必要に応じて数カ月ごとに500~2000ドルの送金を続けた」という。

メキシコや中米で海外からの送金を受け取るのは主に低所得者層で、食料や日用品購入の原資になる場合が多い。非正規雇用に従事する比率も高く、狭い住居に大勢で住み、新型コロナのまん延で打撃を受けた人々とも重なる。各国の消費は依然として厳しい状況だが、仮に送金が減少していた場合には、一段と経済が落ち込んだ可能性もある。

メキシコや中米は新型コロナによる経済活動の制限だけでなく、20年11月には大型ハリケーンが相次いで直撃した。投資の受け入れや輸出も低調で、住居と就労先を同時に失った人々も多いが、米欧のような公的なセーフティーネット(安全網)は乏しい。メキシコのロペスオブラドール大統領は20年を通じ、堅調な送金が「貧しい家庭の助けになっている」と何度も述べていた。

国際金融協会(IIF)によると、エルサルバドルとホンジュラスは送金額がGDP比で20%、グアテマラは12%、メキシコは3%に達しており、送金が経済の重要な構成要素となっている。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスによると、2019年の海外送金の受け入れ額のランキングでは1位がインド、2位は中国で、メキシコは3位だった。

1月に発足したバイデン米政権は総額1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策を計画している。2月27日には、議会下院が対策法案を可決した。失業給付を積み増す特例措置は延長し、上乗せ額は週400ドルとなる見込み。

失業給付とは別に、これまでに計2回、1人あたり最大1800ドルを配った現金給付は3度目として1人あたり最大1400ドルの支給を目指す。米国の大規模な経済対策がコロナ禍や自然災害に苦しむ中米の経済を下支えする構図が続きそうだ。

米、過熱覚悟の財政出動 200兆円対策を下院で可決

米、過熱覚悟の財政出動 200兆円対策を下院で可決
市場の混乱回避が課題に
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『【ワシントン=河浪武史】米下院は27日未明、1.9兆ドル(約200兆円)の新型コロナウイルス対策法案を、民主党単独で可決し、3月中旬の対策発動へ前進した。金融市場は巨額の財政出動による経済過熱を警戒して動揺している。その中での下院通過には、コロナ禍からの経済回復を優先させるバイデン政権の姿勢が映る。市場混乱を避けつつ、雇用や経済活動の立て直しにつなげられるかが課題となる。

バイデン大統領は政権のス…

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バイデン大統領は政権のスタートダッシュを印象づける経済対策法案を重視し、「米国の結束」を求めて超党派合意を探っていたが、与野党分断は埋まらなかった。格差是正を求める低中所得層の底上げを優先した。

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追加対策は名目国内総生産(GDP)の9%分に当たる。米経済の潜在成長率は2%弱。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日の議会公聴会で、21年の成長率が6%程度になる可能性があると指摘した。

米実質GDPはすでに危機前の97.5%まで戻っている。名目GDPの9%分の巨額対策は需要不足を大きく上回る。米議会予算局(CBO)の試算では24年までの累計需給ギャップは約7000億ドル。1.9兆ドル対策は景気を過熱させかねず、「過大でインフレリスクがある」(サマーズ元財務長官)との指摘も出てきた。

追加対策の柱は現金給付だが、既に議会は2回の給付で1人あたり1800ドルを支給済みだ。ニューヨーク連銀の調査では消費に回ったのは26%にすぎない。ゴールドマン・サックスの試算では、21年半ばまでの「過剰貯蓄」は2.4兆ドルに達するという。名目GDPの11%分にも相当し、コロナ禍が収束に向かい経済活動が強まれば、消費が一気に過熱する可能性がある。

サマーズ氏の指摘通り、既に物価には部分的に過熱感がある。1月の消費者物価指数をみると主要家電は価格が1年前から15.8%も上昇。宝石・時計も3.9%上昇するなど、家計支出は耐久財や高級品の価格を押し上げ始めている。

FRBのパウエル議長は「物価上昇は一時的で長続きしない」と繰り返す。物価の基調を左右するのは、消費の6割強を占めるサービス分野で、決め手は人件費だ。雇用回復の遅れで賃金は上昇しにくく、パウエル氏は安定的に2%のインフレ目標を維持できるまで「3年以上かかるかもしれない」と言う。

金融市場も一時的な過熱を警戒し、長期金利の上昇など波乱含みとなってきた。株価が下落に転じるなど市場に持続的な成長期待があるわけではない。ゴールドマンは21年の米成長率を7%と見込むが、23年には再び2%を切る水準まで大きく減速すると予測する。

サマーズ氏らの「財政出動は過大(Too Big)」との批判に対し、バイデン氏やイエレン財務長官は「経済対策は大胆に(Go Big)」と反論する。

背景には戦後最悪の水準にある経済格差がある。富裕層が異例の金融緩和の恩恵で潤ってきたのとは対照的に、コロナ禍で低所得層は雇用危機に直面している。バイデン政権が雇用回復へ巨額対策を急ぐ背景には、ここで経済支援の手を緩めれば米政治の分断を再加速し、禍根を残しかねないとの焦りがある。

ワクチン接種を急ぐ米国でも接種が行き届くのは「夏の終わりか秋の初め」(バイデン氏)。感染拡大が止まる「集団免疫」にめどをつけられるのは秋以降だ。

それまでは休業を強いられるサービス業などの雇用を財政で下支えし続ける必要がある。一方で財政頼みの長期化は景気過熱の懸念を通じ、市場のインフレ警戒を一段と刺激しかねない。格差是正と市場の混乱回避のバランスが問われる難しい局面に入った。