長引くマイナス金利、綻ぶ「芸術作品」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF232GD0T20C21A2000000/

 ※ 「マイナス金利の導入」…。最初聞いたときは、耳を疑った…。

 ※ なにしろ、お金を「預けると」、「金利を”取られる”」という話しだからな…。

 ※ 断片的には、その「カラクリ」を聞いていた…。

 ※ しかし、はっきり明言しているものには、お目にかからなかった…。

 ※ この記事で、そこの部分が明確になった…。

 ※ 『金融機関が日銀に預ける残高に適用する金利を3つに分け、マイナス金利の導入以前の残高の一部はプラス0.1%、法定準備額などはゼロ%、それ以外はマイナス0.1%とする仕組みだ。』

 ※ と言うことで、全部が「マイナス金利」になるわけじゃない…。

 ※ しかし、「マイナス金利」になる部分(各銀行の貸付にまわせる部分)については、「なんとか、汗をかいて、リスクを取って、極力貸付に回してくれ。」ということだろう…。

 ※ 『銀行が余剰資金を当座預金に積むのではなく投融資に回すよう促し、経済の活性化につなげる狙いがあった。』と、記事にもあるしな…。

『「金利誘導が近い将来うまくいかなくなるのではないか」。最近、市場関係者が懸念の入り交じった視線を向けている指標がある。無担保コール翌日物金利だ。

金融機関が短期の資金を貸し借りする際の代表的な金利で、ここのところ上昇基調にある。直近の1月の平均金利はマイナス0.01%台半ばと約1年ぶりの高水準となった。マイナス金利政策を導入した2016年以来、約5年ぶりの高さも視野に入る。

背景を読み解くうえで、日銀がマイナス金利政策とセットで導入した日銀当座預金の「3層構造」をおさらいする必要がある。金融機関が日銀に預ける残高に適用する金利を3つに分け、マイナス金利の導入以前の残高の一部はプラス0.1%、法定準備額などはゼロ%、それ以外はマイナス0.1%とする仕組みだ。銀行が余剰資金を当座預金に積むのではなく投融資に回すよう促し、経済の活性化につなげる狙いがあった。

その後、日銀は20年3月に新型コロナウイルス対応の特別オペ(公開市場操作)を導入した。金融機関がこの制度を使うとゼロ金利の適用枠が増える。マイナス金利で短期市場から資金を調達しゼロ金利で預けると、利ざやが稼げてしまう。この結果、短期の資金調達が活発になり、無担保コール翌日物金利が上がる構図が生まれた。

「金利がマイナス圏で推移している分には問題ない」というのが日銀内の一般的な見方だが、政策委員からは「緩和姿勢の後退といった誤ったメッセージと市場に受け取られないよう留意する必要がある」との意見も出ている。

3月からは地域金融機関の再編や経営改善を支援する制度も始まる。改革を促すため、一定の条件を満たした地銀などの当座預金に金利を0.1%上乗せする「あめ玉」も用意した。短期市場で有力なプレーヤーである地銀の資金需要が高まり、無担保コール翌日物金利がプラス圏に浮上する可能性もある。

日銀が金利上昇を抑えるにはオペで資金供給を増やすのが常道だが、「疲弊している市場機能が一段とゆがむ恐れもあり、実際は難しい」(短資会社)。日銀内外で3層構造の見直し論も取り沙汰され始めている。

「3層構造は考え抜かれた芸術作品」。マイナス金利の導入当時、こう評する市場関係者もいた。市場のゼロ金利制約を乗り越えつつ、金融機関に過度な負担がかからないよう配慮した制度設計だったからだ。導入から5年以上たち、複雑さを増したマイナス金利政策は、「芸術作品」に綻びを広げつつある。

(古賀雄大)

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日銀がETF買い抑制? 懸念が生む日本株伸び悩み

日銀がETF買い抑制? 懸念が生む日本株伸び悩み
証券部 佐伯遼
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD222GR0S1A220C2000000/

 ※ 『日銀はETF買い入れの主目的をリスクプレミアムの縮小としている。市場の不安心理による株価の下押し圧力を意味する。日銀が従来のパターンを崩してまでETF買いを見送ったのは、「リスクプレミアムを縮小する必要がない割高な状態に株価が突入したと判断した」可能性があるというわけだ。』

 ※ これからすると、現状は、「日銀がわざわざ”下押し圧力”を、縮小に持っていく必要が無いくらい、十分に”下押し圧力”は、取り除かれている。」ということだろう…。

 ※ 「下押し」どころか、「もはや、バブルじゃないのか…。」という説も、ちらほら出てきてるくらいだからな…。

 ※ 「あとは、全くの自己責任で、やってくれ。」ということだろう…。

 ※ 日銀にすれば、「バブルの原因を作った!」と言われるのも、「(ETFの買い入れを止めて)バブル崩壊の引き金を引いた!」と言われるのも、イヤだろうからな…。

『2010年以降、日本株を支えてきた日銀の上場投資信託(ETF)に変化の兆しが現れている。前週18~19日には従来なら買い入れていたタイミングにもかかわらず日銀は買いに動かなかった。日銀が日本株を「割高」と判断したとの警戒感も浮上し、日本株の上値を抑えているようだ。

22日の東京市場で日経平均株価は232円(0.78%)高の3万250円で午前の取引を終えた。一時は上げ幅が400円を超えて3万458円に達…

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一時は上げ幅が400円を超えて3万458円に達し、16日に付けた終値ベースでの30年半ぶり高値(3万467円)に迫る場面もあった。ただ、午後の取引を始めると急速に伸び悩み、一時は3万100円を割り込む場面もあった。

日本株伸び悩みの主因は日本の取引時間中、米ダウ工業株30種平均の先物が米金利の上昇を嫌気して下落したことだ。ただ、需給面での支えに対する信頼の揺らぎも株価の重荷となっている。

「日銀のETF買い入れ動向に明確な変化が生じている」。野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは22日付のリポートでこう指摘した。

日銀は従来、前場の東証株価指数(TOPIX)が0.5%超下落するとETF買い入れに動くという市場の経験知があった。日銀はルールを公表していないが、2016年4月以降、前場にTOPIXが0.5%超下落した局面では全てETFを買い入れてきた。それが18、19日と前場のTOPIXがそれぞれ前日の終値比で0.54%、0.76%下落したにもかかわらず、日銀の買い入れは出動しなかった。

「日銀が現在の株価水準を『割高』と受け止めているとの懸念が株式市場の雰囲気を悪くしている」。岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは指摘する。日銀はETF買い入れの主目的をリスクプレミアムの縮小としている。市場の不安心理による株価の下押し圧力を意味する。日銀が従来のパターンを崩してまでETF買いを見送ったのは、「リスクプレミアムを縮小する必要がない割高な状態に株価が突入したと判断した」可能性があるというわけだ。

日経平均が30年半ぶりに3万円を回復して1週間が経過した。日本株最大の株主となった日銀の買いは、大台の回復に寄与した。だが、日銀は3月の金融政策決定会合での政策点検で、ETFの購入枠にとらわれず必要な時だけ買い入れる形に改める見通し。政策修正を目前に控え、日銀買い入れの変化は市場心理に一抹の不安を投げかけている。

ミャンマー政変、国際協調の揺らぎを不安視

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF094NL0Z00C21A2000000/

『「中央銀行の総裁まで辞めさせられたみたいだ」。ミャンマーで起きた国軍によるクーデターを巡り、日銀が情報収集を急いでいる。

1日、ミャンマー国軍はクーデターの強行により立法・行政・司法の全権を掌握した。民主化を主導してきた国家顧問のアウン・サン・スー・チー氏らが拘束された今回の政変では、ミャンマー中銀の総裁も解任。ロイター通信によると、後任には軍事政権下で総裁を務めたタン・ニェイン氏を再任命したという。…

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クーデターの影響は「中銀の独立性」にも及びつつある。

10年前の民主化を機に、高成長を見込んで日本の企業や金融機関が相次ぎ進出したミャンマー。金融制度や市場インフラの整備でも日本の官民が貢献してきた。ミャンマー中銀の基幹システムは国際協力機構(JICA)の協力事業として、NTTデータや大和総研が開発・構築に携わった。

実は日銀との関係も深い。これまでにミャンマー中銀の職員を日銀の本支店に研修で受け入れたり、日銀OBがミャンマー中銀のアドバイザーを務めたりした。

金融協力の枠組みでは「チェンマイ・イニシアチブ」の存在が大きい。金融危機時に外貨準備を多国間で機動的に融通しあい、対外債務の支払いに支障が生じないよう流動性を供給する国際金融の安全網だ。当初は日中韓とインドネシアやフィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国で始まった枠組みだが、後からミャンマーを含む残りのASEAN各国も加わった。

ミャンマーがチェンマイ・イニシアチブに正式参加したのは2010年。黒田東彦総裁が当時、アジア開発銀行(ADB)の総裁を務めていた時期だ。ADBは2日、政変を危惧する声明文をすぐに公表した。「ミャンマーに深刻な後退をもたらしかねない現状を深く懸念している」

米欧諸国はクーデターで成立した軍事政権に対して制裁を視野に入れ、経済的結びつきが強い中国は静観を続ける。民主化の動きが巻き戻されれば、官民投資が停滞する恐れもある。「チェンマイ・イニシアチブはミャンマーにとって国際社会とのつながりを保つ意義がある一方、軍事政権が続けば制度として使われにくくなるのでは」。日銀をはじめ世界の中銀は事態を静観しているが、日銀内では国際協調の揺らぎを不安視する声も出ている。

(南毅郎)

「まだフロッピー」の現実 地銀、現状維持が改革阻む

「まだフロッピー」の現実 地銀、現状維持が改革阻む
地銀大改革(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB160VR0W0A211C2000000/

 ※ 「最も安価で合理的」…。確かに、ユーザー目線では、そうなんだろう…。

 ※ しかし、「部分解」は、全体を見た場合の、「最適解」とは限らない…。

 ※ そういう「ユーザー様のご要望」を叶え続けるためには、まず、FDDの方を整備し続ける必要がある…。

 ※ しかし、マザボにすらFDDの「ソケット」は存在しなくなり、ミツミもFDDの生産を廃止した…。

 ※ それどころか、会社自体が「上場廃止」となり、ミネベアに統合された…( ミツミ電機 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83%9F%E9%9B%BB%E6%A9%9F

 ※ メディアの方も、もはやソニーも、日立マクセルも、TDKも、製造しなくなった…。

 ※ (一方、太陽誘電は、「会社の姿かたち」を変化させて、しぶとく生き残り、それどころか、業績拡大中のようだ…。
  太陽誘電 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E8%AA%98%E9%9B%BB
  
  売上高3000億円達成が目前に迫った太陽誘電の2020年戦略
太陽誘電 社長 登坂正一氏インタビュー
2020年01月30日 11時30分 公開
 https://eetimes.jp/ee/articles/2001/30/news037.html

 ※ そういう状況では、もはや、「ユーザー様のご要望」を叶え続けることは、できない…。

『「まだフロッピーディスク(FD)を使っているのかと驚かれるが、これが現実なんです」。3.5型の雄だったソニーが国内販売を止めて10年。山形市の山形銀行事務センターには、今も多い日で1日400枚が県内各地から郵送されてくる。業務を担う山銀システムサービス業務第一部長の剣持勇が、重ねられた束を前に苦笑いした。

利用するのは自治体や中小事業者など「現状維持」を望む約1000の取引先。山形市幹部は「最も安価で合理的」と…

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山形市幹部は「最も安価で合理的」と強調する。例えば市広報課は広報誌を配布する協力者への謝礼支払いに利用。負担は振込手数料のみで、作業もFD上の既存リストを都度更新するだけですむ。これをネットバンキングに置き換えた場合、新たなリストを作成する手間に加え、決済サービス利用料も必要となる。

ただ銀行側にすれば老朽化したFDの継続利用は「コストがかかるだけ」。読み取りに担当者を配置する必要がある上、返送の手間も生じる。かつては顧客の望むサービスを提供し続けることが利益につながったが、超低金利下ではそれも望みにくい。苦悩の結果、2020年夏、3月末でのFD廃止を顧客に通告した。

人口減で来店客数が減る中、店舗再編の動きも本格化する。南都銀行は20年、全店舗の2割にあたる30店舗を減らした。山陰合同銀行も山陰地方の4分の1、33拠点を統廃合した。福島銀行は「人員を窓口に張り付けていてはもったいない」と、6支店で午後の窓口業務を停止し渉外業務を担わせる。山陰合銀頭取の山崎徹は「収益構造に合わせないと良質なサービスを提供し続けることが難しい」と指摘する。

縮小均衡を打ち破るには、新たな「内需」を創造するほかない。国内最大の鶏卵産地・茨城県を地盤とする常陽銀行は、自らが商圏分析や輸送手配といった商社機能を担い、東日本大震災以後、長く鶏卵輸出を止めていた倉持産業(常総市)の再進出を支えた。

20年9月以降、1月末までに約120万個を香港に輸出した。コンサルティング営業部調査役の永井義久が意気込む。「従来のビジネスモデルには限界があった。客の商売に入り込み一緒に汗をかきながらの伴走型支援をさらに展開し、第2、第3の事例を作りたい」(敬称略)

浅山章、竹蓋幸広、岡部貴典、重田俊介、鈴木卓郎、須賀恭平、四方雅之が担当しました。

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地銀大改革(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF247K80U0A221C2000000

『1月14日、福井県を地盤とする福邦銀行が50億円の第三者割当増資を発表した。頭取の渡辺健雄は「地域の金融仲介機能を果たすため」と説明した。その理由自体は地銀の役割に照らせばごく当たり前。注目すべきは相手が県内のトップ地銀、福井銀行であることだ。

福井銀の頭取、林正博は「子会社化が念頭にある」と明言する。距離は徐々に縮めてきた。

2020年3月に業務提携し、5月には福井銀の支店に福邦銀の支店が入る店舗内店舗…

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2020年3月に業務提携し、5月には福井銀の支店に福邦銀の支店が入る店舗内店舗を設けた。入り口の自動ドアは右を青、左を緑のラインが彩る。それぞれのコーポレートカラーの組み合わせで一体感を演出する。若手を集めた合同勉強会では「従来と同じことをやっても立ちゆかない」と説く。

地銀は首相の菅義偉が20年9月の自民党総裁選で「将来的には数が多すぎるのではないか」と言及し、再編論に火がついた。すかさず金融庁が合併・統合を補助金で後押しする異例の制度案をまとめ、日銀も合併行の当座預金に上乗せ金利をつける新たな仕組みを3月に始める。福井・福邦はこうした支援の適用第1号になる可能性がある。

人口減少や超低金利といった構造問題にあえぐ地銀。これまで再編を阻んできた壁も取り除かれた。

「やっとスタートラインに立った」。20年10月1日に誕生した十八親和銀行。長崎市内で開いた記者会見で頭取の森拓二郎は安堵の言葉を漏らした。旧親和銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループと旧十八銀行が経営統合に合意したのは16年2月。合併までに4年半も費やした。

同じ長崎県が地盤の2行が一緒になると県内シェアが一気に高まる。競争政策の観点から問題視する公正取引委員会の審査は長引いた。地元企業にも期待と不安が交錯する。結婚式場のウエディング石川は新型コロナウイルス禍で新銀行から資金繰り支援を受けた。社長の石川景士は感謝しつつ「長崎で1強体制が続くことでサービスが低下してほしくない」と強調する。

この案件をきっかけに生まれた20年11月施行の特例法は地銀を向こう10年間、独占禁止法の対象外とした。地域に欠かせないインフラとして寡占に目をつぶってでも体力を高めてもらう狙いだ。

もちろん改革の解は合併・統合に限らない。百十四銀行など四国の第一地銀4行による包括提携「四国アライアンス」。狙うのは柔軟な事業連携だ。情報を持ち寄れば取引先支援の選択肢が広がる。4行で地域商社を設立し、販路開拓でも協力する。東北の地銀で総資産トップの七十七銀行は単独路線を鮮明に掲げる。頭取の小林英文は「再編は当行には関係ない」と強気を貫く。

今に至る地銀改革の端緒は13年に遡る。金融庁が地銀との意見交換会で人口動態や収益力で各行の経営状況を分析した書類を提示し、警鐘を鳴らした。しかけた検査局長の森信親は後に長官に就く。この「森ペーパー」によって「地銀が持続可能なのかに着目するようになった」と金融庁幹部は振り返る。

地銀経営は年を追うごとに厳しさを増す。20年3月期は103行のうち46行が融資などの本業の損益が赤字だった。31行は5期以上連続の赤字。岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創は「地銀は構造不況にあるとの認識が必要だ」と説く。

「10年後、約6割の地銀が最終赤字になる」。日銀は19年のリポートで、人口減少によって資金需要が細り、利ざや縮小に拍車がかかると警告した。さらに想定外のコロナ禍が地域経済を襲う。

金融庁長官の氷見野良三は毎週オンラインで各地の地銀頭取と意見を交わす。金融システムの安定にさえ目配りしていれば良かった金融行政も変化を求められる。「前例のない課題に試行錯誤している」と打ち明ける。

地銀の経営は地域経済に根ざす。どの地域も成長の制約となる少子高齢化などの大きな流れは止まらない。それぞれの地域でいかに生き残るか。地銀の改革に残された時間は少ない。

各県に複数行が並び、長くオーバーバンキング(銀行過剰)と指摘されてきた地銀。構造不況とコロナ危機が迫る改革の最前線を追う。(敬称略)

多様な観点からニュースを考える
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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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分析・考察 再編は持続可能性に向けた解決策ではなく、解決策に向かうための手段の一つに過ぎません。このため、置かれた環境や銀行の経営規模により、必ずしも再編が適当な選択肢ではない場合もあることも認識しておくべきでしょう。
いくつか指摘しておきたい点があります。
第一に、銀行の数は諸外国に比べて多いわけではありません。経済規模調整後の米国は日本の銀行数の7.6倍もあります。
第二に、オーバーバンキングというよりオーバーデポジットによる過当競争です。貸出では使いきれない預金を抱え、特にリスクの高い債務者を避け優良な借り手に群がる傾向が強いため、金利競争が激化しています。
これらを踏まえた、戦略見直しが急務です。
2021年2月3日 7:58いいね
18

中空麻奈のアバター
中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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今後の展望 そんなこと、全部わかっていたこと。超低金利、人口減少、過疎化、オーバーバンキング。よくぞここまで耐えている、くらいの経営環境にある。統合支援も重要だが、地域金融機関が持っている資産に基づく個人情報をさらに活かすビジネス機会への規制緩和はもうないか。地域経済に根付いているサステナブルな技術を地域だけに埋もれさせていないか。そういった小さな技術をまとめてサステナブルファイナンスとして資金を誘導できないか。地方債に優遇税制を適用できないか。地方にVCを集められないか。・・・など、地方に資金を根付かせる工夫が足りないのではないか。地方創生が空回りしていることと地方銀行の苦境はワンセットである。
2021年2月3日 8:55いいね
16

追い詰めない長官 未踏の金融行政は手探り

追い詰めない長官 未踏の金融行政は手探り
経済部 岡部貴典
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF263W80W1A120C2000000/

『「コロナ後の新しい社会を築くなかで要となるのは地域金融機関の皆さんだ」。13日、地方銀行頭取との非公開の意見交換会で氷見野良三金融庁長官は企業の資金繰り支援への協力を訴えた。「再編に向けた覚悟を求められるのではないか」と身構えた地銀関係者を追い詰めるようなコメントはなく、安堵のため息が漏れた。

氷見野氏の発言が注目されたのは、近年の歴代長官が年頭に厳しいメッセージを発信してきたからだ。遠藤俊英前…

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遠藤俊英前長官は2年前に「(経営統合を含めた)抜本的な経営改革は自らの任期中に決断し、実現するとの強い認識を持ってほしい」と各行の頭取に具体的な行動を迫った。

再編を唱える菅義偉首相の意向を踏まえ、金融庁は昨年末、合併・統合する地銀に対して補助金を交付する制度の導入を打ち出したばかり。日銀も3月をメドに地域金融機関向けの支援策を始める。地銀幹部が必要以上に金融庁の姿勢を気にするのも無理はない。「緊急事態宣言下で地銀には中小企業を支えてもらわないといけない。地銀の立場を気遣ったのだろう」と金融庁幹部の一人は推察する。

民間金融機関にとって極めて大きな経営判断となる合併や統合の是非について、規制当局がどこまで関与すべきかは難しい。実際に金融庁はかねて「地銀の合併は選択肢の一つ」との姿勢を示しつつ、銀行の判断に委ねてきた。ただ今夏にも導入する交付金制度は返済を前提としない。「なぜ地銀にだけアメを配るのか」という批判も覚悟し、金融行政として大きく踏み込んだのは事実だ。

日本の地域金融行政には海外からも関心が高まる。米ウォール・ストリート・ジャーナルは昨秋「日本の地銀支援策、世界は注目すべき」と題したコラムを掲載。主要国で超低金利が続けば金融機関の経営が悪化し「世界中の地方銀行で同様の問題が発生する公算が大きい」と指摘した。

日本は金融政策で世界に先駆けてゼロ金利や量的緩和策を導入してきた。金融危機以降に米欧の中央銀行が追随したことから日銀を非伝統的政策の「フロントランナー」と呼ぶ向きもある。地銀再編に向けて補助金を含め相次いで施策を導入する金融庁内では「金融行政もいつの間にかフロントランナーになってしまった」との声が漏れる。

金融システムの安定を担う規制当局にとって、地銀改革を通じた地方経済の再生というテーマは未踏の領域だ。金融行政もまた試されている。

〔中央銀行の役割の話し〕

あなたが知らない中央銀行とは?その役割をわかりやすく解説
https://greenapple-investment.com/the-task-of-centralbank.html

※ ちなみに、米国の場合も画像を見つけたんで、貼っておく…。

※ 米国の場合、経済規模が大きいし、各地域でそれぞれ「実情」も異なるので、「地区連銀」というものに分かれていて、それぞれ「管轄地域」を有している…。

※ 日本の「中央銀行」にあたる「FRB」は、その「地区連銀」の集合体…、と言った組織になっている…。

※ ただし、果たしている役割(やっていること)は、日銀と同じだ…。

給与デジタル払い、破綻時の早期保証など条件 厚労省案

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF2841U0Y1A120C2000000

 ※ 表面的には、連合(労組)vs.フィンテック協会の対立か…。

 ※ 対立している表面的な「価値」は、労働者の給与支払いの確実性(労働者の生活の保証)vs.支払い手段の利便性・効率性(銀行の牙城の取り崩し)か…。

 ※ そういう「対立」が、規制官庁・監督官庁の「規制方針」「規制内容」をめぐって激突し、自陣営に有利な方向へ持っていこうとして、取り合いになる…。

 ※ 特に菅内閣は、「デジタル化の促進」という「大看板」を掲げているんで、フィンテック勢にとっては、追い風だ…。

 ※ ここを突破すると、「銀行の牙城」を崩す道筋も見えてくるんで、「天王山」と見ているんだろう…。

 ※ 逆に、厚労省・政府としては、銀行口座の安全性vs.フィンテックの利便性・効率性を天秤にかけることになる…。

 ※ CBDCのところでも問題になるが、「銀行口座」というものは、単に「自分のお金の出し入れ」というだけではない…。「本人確認業務の肩代わり」「一国の金融政策の末端を担う(そういう意味では、金融行政の末端組織)」などの機能も、果たしている…。

 ※ それだから、どうしても「銀行口座」は、高コストとなる(その代わり、政策的にいろいろ優遇されている)…。

 ※ だから、厚労省の背後には、金融庁や財務省がいて、陰に陽に「いろいろ吹き込んでいる」ハズだ…。

 ※ そういう中での、「舵取り」「すり合わせ」となる…。

『厚生労働省は28日に労使を交えた審議会を開き、会社員への給与のデジタル払いを取り扱える事業者の条件として、破綻時に早期に保証する仕組みの整備などを求める案を示した。柔軟に換金できることや、厳格な本人確認の体制なども条件とする。連合は審議会で「資金移動業者が銀行と同等の安全性があるか懸念がある」と主張し、慎重な姿勢を鮮明にした。

政府は給与のデジタル払いについて、2020年7月に閣議決定した成長戦略…

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政府は給与のデジタル払いについて、2020年7月に閣議決定した成長戦略の文書に「20年度できるだけ早期の制度化をはかる」と明記した。フィンテックなどの新しいテクノロジーの競争環境を公平にし、金融サービスの利便性を高める狙いがある。21年3月末までに詳細な制度設計を終える必要があり、制度を所管する厚労省の審議会の議論が焦点になる。

厚労省が示した給与の安全性を守るための案では資金移動業者に対して①資金保全②不正引き出しへの対応③換金性④厳格な本人確認の体制――を求めることを掲げた。基準を満たさない業者にはデジタルでの給与支払いを認めない。あくまで利用者が銀行口座かデジタル払いかを選ぶ形にし、希望する企業と労働者が利用するものだと厚労省は説明した。

ソフトバンク系の「PayPay(ペイペイ)」やLINEの「LINEペイ」などのサービスの資金移動業者から給与を受け取る場合、支払いが遅れる懸念があるのは破綻した場合だ。そのため、事業者が保証会社や保険会社と契約することで、仮に破綻しても数日以内で支払いができるようにする「保険」の仕組みの導入を条件とする方向だ。

連合の代表は28日の審議会で「資金移動業者は事業体の健全性に疑問がある。デジタル技術が悪用され、思いも寄らぬ事故がおこる」と話し、導入に慎重な姿勢を示した。一方、フィンテック協会は28日に記者会見を開き、感染症予防のために非接触で給与を受け取れる利点や、外国人労働者から要望が出ていることなどを挙げて「社会的な意義が高まっている」と強調した。

公正取引委員会がQRコード決済を利用している人を対象に実施した調査では、仮にデジタルマネーの給与支払いが可能になった場合、4割の人が利用を検討すると回答した。銀行口座とQRコード決済の間でお金のやり取りをする場合、特定の銀行でしか使えないものも多い。直接、給与がQRコードの決済アプリに振り込まれるようになれば利便性は増す。

QRコード決済を月1回は利用する人は20年9月時点で3000万人を超え、2年前の10倍程度に膨らんだ。デジタルマネーは、企業と雇用契約のないフリーランスらへの報酬の支払いではすでに広がっている。会社員の給与の支払いだけ、安全基準を過度に厳しくすると、利便性を下げてしまう可能性もある。

給与デジタル払い21年春解禁、銀行口座介さず 政府方針

給与デジタル払い21年春解禁、銀行口座介さず 政府方針
【イブニングスクープ】
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 ※ 日本の場合、銀行口座を開設している人が、多数派だから、その流れは大きくは変わらんだろう…。

 ※ 外国人労働者(技能実習生、特に農林水産業分野での(ここは、票田だ)…。あとは、介護職か…)の大量導入を、睨んでの話しでもあるんだろう…。

 ※ 支持基盤(票田)から、「ご要望」が出たくさいな…。

 ※ 趨勢は、「老いていくアジア」だから、「争奪戦」になっている…。

 ※ そこを、少しでも有利に戦えるように…、という話しがあるような気がするな…。

『政府は今春に給与のデジタル払いを解禁する。企業は銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込めるようになる。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。デジタル払いが広がると、給与振り込みの口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。

日常の買い物ではQRコードなどによるキャッシュレス決済が広く普及している。サービスは金融庁に登録する資金移…

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政府は今春に給与のデジタル払いを解禁する。企業は銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込めるようになる。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。デジタル払いが広がると、給与振り込みの口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。

日常の買い物ではQRコードなどによるキャッシュレス決済が広く普及している。サービスは金融庁に登録する資金移動業者が担っている。給与については労働基準法が労働者保護の観点から遅れなどがないよう「通貨で直接、労働者に全額払うこと」を原則とし、例外的に銀行振り込みを認めてきた。免許制の銀行に比べ安全網が整っていない資金移動業者は対象外だった。

海外では銀行口座を介さない給与支払いの受け皿としてプリペイドカードの「ペイロールカード」が広がる。米調査会社によると、21年に550億ドル(約5兆7000億円)の給与がペイロールカードに振り込まれ、10年前と比べて2倍超になる見通しだ。

かねて日本でもデジタル払いの解禁を検討してきたが、安全性への懸念を訴える声があり、先送りが続いていた。給与は生活資金の土台になるため、資金移動業者が破綻した場合などの影響が大きく、連合などが反対してきた。

政府は安全基準をみたした企業に限ることで理解を得る方針だ。3月末にも労基法に基づく省令を改正し、資金移動業者も例外的に認める対象に加える。個人情報保護や資金保全などでの基準を定め、安全性を担保できる場合に限って解禁する。事業者には保証機関や保険会社と契約し、仮に破綻しても労働者への支払いが遅れないようにする仕組みの構築を求める。

本人確認の体制が十分な企業かどうかも基準とする。パスワードだけでなく利用者の携帯電話に確認コードを送るといった多要素認証の仕組みを導入する必要がある。月に1度は無料で現金化できるようにするといった条件も検討している。

給与の支払いが資金移動業者にうつれば、銀行のビジネスモデルが揺らぐとの見方がある。たとえば新卒社員は入社時に銀行口座を作り、そのまま利用し続ける人も少なくない。銀行口座を作らず、デジタルマネー支払いを選ぶ人が増えれば、銀行の顧客基盤が縮小する。「LINEペイ」や「楽天ペイ」といったスマホ決済業者にとっては、ビジネス拡大のチャンスが広がる可能性がある。

キャッシュレス推進協議会の調査によると、QRコードを月1回は利用したことがある人は20年9月に3000万人を超えた。18年12月の300万人超から10倍に達する。ポイントの還元の恩恵や支払いの簡便さを理由に、消費者を引き寄せている。新型コロナウイルス禍で「非接触」のキャッシュレス決済のニーズも高まっている。

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野崎浩成のアバター
野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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ひとこと解説 銀行口座が一般的でないアフリカの多くの国では、給与がデジタルウォレットに入金される仕組みが普通になっています。
日本は銀行口座の利便性があるので、どこまで普及するか疑問ではあります。
2021年1月26日 19:08いいね
56

小平龍四郎のアバター
小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 会社がサラリーマンの給料を指定の銀行口座に振り込む「給振り」。銀行が個人マネーの受け皿の役割を担い、家計において大きな存在感を誇ることができた要因の1つは、この制度にあると思っています。証券会社がどんなに力をつけても超えられなかった銀行の壁も「給振り」でした。スマホアプリなどへの給与のデジタル払いが実現すれば、「銀行は本当に信頼されているのか」が試されることになります。複数の銀行口座に給料を振り込んでもらっているサラリーマンも少なくないと思います。いきなり銀行とのつながりを全て絶つことに抵抗はあっても、今後は1番信頼できる一行に絞って「第2振込先はアプリ」と考える人も出てくることでしょう。
2021年1月26日 18:32 (2021年1月26日 19:54更新)
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47

高井宏章のアバター
高井宏章
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 この施策がどれだけデジタルマネーの普及を後押しできるかは、インセンティブの設計がカギになると思います。
デジタルマネーの運営事業者が、給与振り込み先として選んでくれた個人へポイントを付与したり、システムを導入する企業へのサポートしたりといった形でどれだけお金の流れを誘導できるか。

日本は銀行口座の開設が比較的容易です。スマホが事実上の決済手段となっている新興国や、口座を持たない移民労働者や出稼ぎ労働者が多い国と比べると、銀行の優位はなお大きいでしょう。
2021年1月26日 19:03いいね
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村山恵一のアバター
村山恵一
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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別の視点 「働き方」の多様化を促す効果を秘めた動きのように感じます。副業解禁の流れともあいまって「職」「就業機会」の姿はバラエティーが広がっています。報酬の支払われ方がデジタルになることで、個人がスキルや時間をさらに有効活用することにつながるかもしれません。もちろん安全面の備えが十分なされることが前提です。
2021年1月26日 18:43いいね
28

日銀、大規模緩和維持へ きょう決定会合

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF202RL0Q1A120C2000000

『日銀は21日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルスに対応した大規模な金融緩和策の維持を決める見通しだ。企業の資金繰り支援や金融市場の安定に向けた施策を続け、コロナ下の国内経済を下支えする。政府の緊急事態宣言の再発令で景気に下押し圧力がかかっており、2020年度の成長率見通しを引き下げるとみられる。

日銀は20日からの2日間にわたり決定会合を開く。21日昼ごろに結果を公表し、午後に黒田東彦総裁が記者会…

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・21日昼ごろに結果を公表し、午後に黒田東彦総裁が記者会見する。

・日銀は20年12月の前回会合で、企業の資金繰り支援策の期限を21年9月末まで半年間延長した。社債などを大量購入したり、金融機関に有利な条件で貸し出しの原資を供給したりする内容で、日銀は企業が資金を調達しやすい環境は保たれているとみている。

・円高・ドル安の進行も一服し、株式相場も上昇基調が続く。日銀は上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れ方針も維持する見通し。短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債の利回りをゼロ%程度に誘導する長短金利操作も続ける。

・日銀は次回3月の決定会合で政策の点検を予定しており、資産買い入れや金利操作の修正が次の焦点になる。

・今回は四半期に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。20年度の実質成長率の予測値を従来のマイナス5.5%から引き下げる方向だ。緊急事態宣言の再発令で店舗の営業時間短縮や外出の自粛が広がり、サービス分野の消費が落ち込む懸念が強まっている。

・ただ、20年春時点の緊急事態宣言と異なり、メーカー各社は輸出や生産活動を継続している。日銀内でも景気の回復基調が完全に腰折れしたとの見方は限定的だ。日銀は政府のコロナ対応や市場動向などを注視しながら、今後の追加対応が必要か検討する。