日銀決済システム、一時不具合 短期国債の入札延期も

日銀決済システム、一時不具合 短期国債の入札延期も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1031Z0Q3A110C2000000/

『日銀は10日、電子決済システム「日銀ネット」が一部利用できない状況になったと発表した。既に不具合を解消したと発表しており、詳しい原因は調査中だという。今回の不具合で財務省の国庫短期証券(短期国債)の入札が延期されるといった影響が出ている。

日銀ネットは民間金融機関と日銀をつなぐ決済システムで、短期金融市場での取引や国債取引にかかる資金決済などに使う。過去には2022年9月に外国為替取引や日銀との国債取引で遅れが生じたほか、07年12月にも1時間ほど日銀ネットに接続できなくなる不具合が生じた。

財務省によると、国庫短期証券の入札が急に延期となるのは、東日本大震災直後の11年3月中旬以来。財務省は「日銀ネットの不調の影響が見極め切れておらず、いつ入札するかは未定」としている。』

2022年12月23日の週_黒田日銀が動いた – ほろうみの正解するポジ

2022年12月23日の週_黒田日銀が動いた – ほろうみの正解するポジ
https://horoumi.hatenablog.com/entry/2022/12/26/102936

『日銀は19~20日に開いた金融政策決定会合で「YCC政策における10年金利の許容変動幅を従来の0%を基準に±0.25%から±0.5%に拡大」方針を発表。このタイミングでの発表は予想されておらず完全にサプライズになって市場が一時的にパニックになった。

ロシアのウクライナ侵攻が拍車をかけたインフレ進行、それを受けての世界各国の金融引締動向を踏まえれば、安倍政権時代から続いた金融緩和政策の方針転換はいつかは来るものとして想定されていたはずだが、自分を含めてもうちょっと先だろうと油断していた市場参加者が多かった。このような方針転換は、市場の反応を考慮して段階的にできないのでサプライズを伴うのが必然だということに思いが及ばなかった。

 中国のコロナ感染者が記録ペースで急上昇している。感染者数、変異種の発生など正確な情報が入ってこないことが怖さに拍車をかけている。日本にも流入しそうなのがさらなる気がかり。思えば習近平政権に希望的観測をすべて潰された1年だった。

 これからは円安というぬるま湯に浸かっていたことを謙虚に認めて、希望的観測を抑えて、生き残ることを優先にした慎重なトレードを心がけたい。

 チェック事項

ロシアの軍事侵攻が続く 
24年秋までにマイナンバーと保険証の一本化
日本のコロナ感染が第8波のサイクルに
木材、半導体など需給ギャップ
来年2月の値上げラッシュ
2023年3月からの人的資本開示
タカ派寄りのFOMCが起点に
中国のコロナ感染者が記録的なペースで急増
20日に日銀が10年物国債金利の許容変動幅を±0.5%に拡大すると発表

 インプット事項

社会課題解決型 (業績改善よりは高レベルの課題)
物価上昇局面でのプライジングの重要性
プライムまで成長するポテンシャルがあるグロース銘柄
EYを意識 EY=持分営業利益÷投資簿価
巡航成長を意識
フローとストック

 2022年度の方針

基本的に昨年のやり方を継続し、現物の主力枠の銘柄はなるべく動かさない
主力枠以外の銘柄は含み益があるうちに利益確定を意識
小型株にさらに資金が抜けたときのプランB(考え中)を用意しておく
キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード
高ROE銘柄 非製造業で30以上、製造業で20以上
グリッチorカタリスト

 返品率およそ2割の米小売店、返品無料ポリシーをやめるケースも | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

米国の小売店が抱えていた過剰な在庫は、2022年秋に多少は解消されたようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の最新統計によれば、在庫率は前年末に比べて約6%減少している。これは良い知らせだ。

しかし、悪い知らせもある。今シーズンの返品量が、記録的だった昨シーズンを大きく上回るとみられているのだ。再び、商品の処分が相次ぐということである。

米調査会社コアサイト・リサーチが12月はじめに発表したところによると、ブラックフライデー(11月25日)直後の週末の返品率は、昨年同時期のほぼ2倍に達した。返品処理サービスを提供するgoTRGのリポートでは、eコマースの返品率をおよそ20%と見込んでいる。

返品無料というポリシーを取りやめるのは、それほど簡単なことではないかもしれない。調査会社ファースト・インサイトが最近公表した調査「The Discount Dilemma and Returns Risk(割引のジレンマと返品のリスク)」では、消費者の75%が「返品する際に手数料がかかる小売店では買い物をしない」と回答している。また、「返品可能な期間は、30日間から60日間が望ましい」と回答した人も約75%にのぼった。

 日銀が金融緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ: 日本経済新聞

日銀は19~20日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を修正する方針を決めた。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大する。20日から適用する。長期金利は足元で変動幅の上限近くで推移しており、事実上の利上げとなる。変動幅の拡大は21年3月に0.2%から0.25%に引き上げて以来となる。

日銀は「こうした状況が続けば企業の起債など金融環境に悪影響を及ぼす」として、従来、0%からプラスマイナス0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%程度に拡大することを決めた。マイナス金利政策や上場投資信託(ETF)の買い入れ方針、政策金利のフォワードガイダンス(先行き指針)は据え置いた。

日銀は同日、長期国債の購入額を従来の月7.3兆円から月9兆円程度に増額すると発表した。購入予定の金額についてもレンジで示す形式に変更し、より弾力的に購入額を決められるようにする。10年物国債を0.25%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りも0.5%に引き上げる。

日銀は黒田総裁就任直後の13年に「2%の物価安定目標を、2年程度の期間を念頭において、できるだけ早期に実現する」ことを目的に大規模緩和を始めた。日銀が世の中に供給するお金を2倍に増やすことを目的に、国債やETFの保有額を2年間で2倍に拡大する方針を掲げた。

インフレを抑制するために欧米が利上げに動くと日本の長期金利にも上昇圧力がかかったが、許容幅の引き上げは「事実上利上げとなり、日本経済にとって好ましくない」として、市場で金利を押さえつけてきた。もっとも、日米の金融政策の方向性の違いを背景に10月には一時、1ドル=151円台まで円安が加速した。

当初、日銀は円安は日本経済にプラスとの立場を示していたが、為替相場の急激な変動が企業活動に及ぼす負の影響も無視できなくなっている。足元の消費者物価の上昇率は3%台半ばに達している。政府・日銀が定める2%の物価安定目標を上回って推移していた。
円安が資源高に拍車をかけ、電力料金や生鮮品など幅広い品目で値上げが進む構図が鮮明になっている。事実上の利上げに踏み切ることで海外との金利差が縮小し、為替相場の急激な変動を抑える効果も期待できる。

 変動幅拡大は市場機能改善が目的、「利上げではない」-日銀総裁 – Bloomberg

黒田総裁は、変動幅拡大は「出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くない」と説明。2023年度全体では消費者物価の上昇率が2%に達しない可能性が高いとし、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)や現在の量的質的金融緩和の見直しは「当面考えられない」と語った。「2%の達成は見通せないので、点検や検証の検討は時期尚早に尽きる」とも指摘した。

日銀は今回会合で、YCCで0%程度に誘導している長期金利の許容変動幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大した。長短金利の誘導水準や上場投資信託(ETF)など資産買い入れ方針は維持した。

黒田総裁は変動幅拡大のタイミングに関しては、一時的に収まった金融資本市場でのボラティリティーが最近再び高まり、「イールドカーブの形状が歪んだ形となり、将来企業金融などにもマイナスの影響を与える恐れがあることが認識されてきた」ためと説明した。「さらなる拡大は必要ないし、今のところ考えていない」と述べた。

予想外の決定を巡り市場との対話不足を問われたのに対し、市場関係者には「非常に裏切られたような気持ちがある」とした上で、「金融資本市場や経済・物価の動向が変われば、それに応じたことをやるのは当然」と説明した。「金利の引き上げでないということは十分市場関係者にもお伝えしたい」との考えを示した。

 みずほなどの収益にプラス効果期待、YCC修正で-銀行株は続伸 – Bloomberg

日本銀行が20日の金融政策決定会合で決めたイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の修正により、3メガバンクをはじめ国内銀行の収益に一定の影響を与えそうだ。保有国債の価格変動などのリスクがある半面、本業の貸出業務などにはプラス効果が期待できるとの声が多い。

日銀は政策金利のフォワードガイダンス(指針)は維持したが、長期金利の指標である10年国債の利回りが一時0.46%と約7年ぶり水準まで急上昇した。市場では日銀が次の一手としてマイナス金利を解除する可能性があるとの見方もあり、これまで長期にわたる超低金利政策で貸出業務を中心に収益が低迷してきた銀行にとっては、待ちに待った動きと言える。

みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は、11月の決算会見で、仮に10年国債利回りが0.4%程度まで上昇した場合、預金と貸出金の収支の改善で200億円、国債運用利回りの改善など市場性運用で150億円と、計年間350億円のプラスの影響があるとの試算を示していた。試算の前提には、今回マイナス0.1%に据え置かれた政策金利をゼロに引き上げることなども含めている。

野村証券アナリストの高宮健氏は20日付メモで、長期金利上昇は銀行セクターにとってファンダメンタルズとバリュエーションの両面からポジティブと評価。2023年4月の日銀総裁交代に向けて、今後は政府との共同声明見直しの有無やマイナス金利撤廃の可能性などが市場で注目される可能性があると指摘した。

一方、日銀のYCC修正に伴う市場金利の上昇(国債価格の下落)は、メガバンクなどが大量に保有する国債の運用にも大きなインパクトを持つ。国債価格の下落で評価損などが拡大すれば、銀行の財務を悪化させる可能性もある。

3メガグループの時価評価の対象となる国債の保有残高は、6月末からは約16兆円減ったものの、9月末時点で56兆2860億円に上る。3メガ各行の決算資料によると、9月末で約2000億円の国債含み損を抱えている。

みずほFGの木原社長は「円金利の上昇に対してリスクに備えたポジションになっている」とし、「抑制的な運営をしており、あまり影響はない」と述べた。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の亀澤宏規社長も、国債価格の変動リスクなどに備え、「全体としてはトレジャリー業務のポジションは抑えている」と語っていた。

 脱炭素社会へ政府が基本方針 原子力政策の方向性は大きく転換 | NHK | ニュース深掘り

新たな基本方針では、安全最優先で原発の再稼働を進めるとした上で、
▽廃炉となる原発の建て替えを念頭に次世代型の原子炉の開発と建設を進めるほか、
▽最長で60年と定められている原発の運転期間については審査などで停止した期間を除外し、実質的に上限を超えて運転できるようにするなど、最大限活用する方針を打ち出しています。

また、カーボンプライシングについては、
▽企業などが排出量を削減した分を市場で売買できるようにする排出量取引を2026年度から本格稼働させるほか、
▽2028年度から化石燃料を輸入する電力会社や石油元売り会社などに「賦課金」として一定の負担を求める制度を導入することにしています。

さらに、取引市場の運営や賦課金の徴収などを担う「GX経済移行推進機構」を新たに創設します。

政府は脱炭素社会の実現に向けた民間投資を後押しするため、新たな国債、「GX経済移行債」を今後10年間で20兆円程度発行することにしていて、機構が集めた資金は、その償還にあてられます。

 ゼレンスキー氏「支援で勝利加速」 米議会で演説: 日本経済新聞

【ワシントン=飛田臨太郎】ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説した。米国によるウクライナへの支援が「我々の勝利を加速させることができる」と強調した。「あなた方のお金は慈善ではない。世界の安全保障と民主主義への投資だ」と述べ、支援の継続を重ねて訴えた。

ゼレンスキー氏の演説は30分ほどに及んだ。2023年が「ターニングポイントになる」と述べ「ウクライナの勇気と米国の決意が、共通の自由の未来を保証しなければならない」と語った。侵攻を続けるロシアを「テロ国家」と表現し「戦争の責任を負わせよう」と呼びかけた。

「ロシア軍が完全に(ウクライナから)撤退するには、より多くの大砲と砲弾が必要だ」と軍事面の支援拡大を求めた。ウクライナに巨額の支援を続けることに慎重論がある野党・共和党が下院で過半数を奪還したことを念頭に、超党派合意の重要性を指摘した。
戦時下の外国首脳が訪米し米議会で演説するのは、過去には第2次世界大戦中だった1941年のチャーチル英首相(当時)の例がある。チャーチル氏はナチス・ドイツとの戦いへ米国の支援を要請した。ゼレンスキー氏は当時のフランクリン・ルーズベルト米大統領の言葉も引用しながら「ウクライナ国民は絶対に勝利を収めるだろう」と語った。

 22年のIPO、調達額4割減 相場軟調響き小粒化: 日本経済新聞

国内での新規株式公開(IPO)の規模が小粒化している。東京証券取引所を中心に国内での上場件数は2022年に90社超と高水準を保つが、1社あたりの市場調達額は前年より4割減る見通しだ。ウクライナ危機や世界経済の不透明さなどで相場が軟調だったことが響いた。大型案件が上場に慎重になり、規模の小さな案件が目立った。投資家は収益性をより重視しており、株価は赤字企業には厳しい局面となっている。

 円高×株安 日銀、おまえもか!? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

12月20日、日銀の政策決定会合はYCC(イールド・カーブ・コントロール)の要である10年物国債金利の許容変動幅を、0±0.25%から±0.5%に拡大する決定をしました。日本市場ばかりか世界の市場も、かたくなに動かないと思っていた日銀が、金融引き締めに転換した「かの」サプライズになり、株安、債券安(金利上昇)、円高ドル安と波紋が広がりました。メディアでは、大見出しで異次元緩和の見直しだ、解除だと大騒ぎです。アベノミクスの終わりの始まりといった論調も多数。

しかし、上昇動意をくすぶらせていた10年物金利とはいえ、日銀がコントロールする上限を0.25%から0.5%にわずかに引き上げた微調整です。実体経済への影響も限定的でしょう。それほど大騒ぎするものか、ここからダムが決壊するように異次元緩和の牙城が崩れるかの拡大解釈をすべきなのか、私には疑問です。

むしろ、今回垣間見せた円高、株安のリスクが示唆するように、2023年には、日銀の政策修正に恐らく強い制約がかかると見ます。後継総裁が異次元緩和解除の意向を抱いているかもしれません。しかし、強行するとなれば、ほんの少し踏み込むだけで、円高と株安があおられ、日銀が日本を苦境に陥れたかの批判が出る、そんな巡り合わせの悪い局面になるのではないか、という想定です。円安は日銀のせいであるかの批判論調が、手のひら返しですね。円安も円高も動いて不安なことは日銀が悪い、これは昔から変わらない国内論調でもあります。

日銀の微々たる政策修正が、サプライズとされ、ショックと受け止められたのはなぜでしょう。地蔵のように動かないはずのものが、ピクッと動いたから、というのが第1の理由です。もっと動いたらと想像したらさらに怖くなったというのが第2の理由、ただし、そもそもビクつく事情を人々が抱えていたから、大仰に反応してしまったというのが第3の理由、といったところでしょう。特にドル/円が137円から一時130円台まで急反落し、為替恐怖症が強い国内論調をあおった面がありそうです(後述で相場力学について詳しく解説します)。

米景気後退のリスク、米株の逆業績相場のリスクを侮ってはいけない
米政策金利が上振れても、中長期金利の反落は起こり得る
円安はメリット、デメリット両面あるものの、マクロ全体で見て日本の経済にも株価にもプラス
海外の株式などリスク資産の相場が苦境の中、日本投資家は円安による為替差益で大いに救われた(図3)
円高はこのプラス面を消し、マイナス作用が浮上する
米景気悪化、米金利低下の局面はドル安円高をもたらす可能性が高く、日本経済は圧迫され、日本株がアンダーパフォームしやすい

2023年は、まさにこの1から6への巡り合わせが現実のものになるかと、警戒を解くことができません。そんな状況で、日銀の後継総裁がアベノミクスの見直しを信念とする人でも、自ら円高、株安をあおりかねない決断を下せるか、大いに疑わしく考えています。逆に、米経済がそれほど悪化しておらず、インフレ高止まりへの懸念が再燃しているうちにと、異次元緩和の修正に動いても、短期的な相場の急反落か、後々の反落か、いずれにしても政策判断の間の悪さが問われかねないでしょう。

 中国企業の米上場廃止で猶予期間を2年に短縮-大統領の署名で成立へ – Bloomberg

米連邦議会を23日に通過した2023会計年度(2022年10月-23年9月)の包括的歳出法案には、中国本土と香港に本拠を置き監査結果の検査を認めない米上場企業について、上場廃止までの猶予期間を現行法の3年から2年に短縮する条項が盛り込まれており、成立の運びだ。

ホワイトハウスはバイデン大統領が法案に署名して成立させるとしており、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックで取引される約200社に影響が及ぶ可能性がある。

 中国、コロナ感染の日次データ公表中止-地方の発表と食い違い – Bloomberg

ブルームバーグは先に同委が21日に開いた内部会議の議事録を基に、最大で中国人口の18%近くに相当する2億4800万人が12月1-20日に感染したもようだと報道。北京や上海など大都市では医療体制が逼迫(ひっぱく)、火葬場にも長い列ができている。

上海市に接する浙江省は1日当たりの新規感染者が現在100万人強であり、ピークには200万人に達すると予想していると明らかにした。浙江日報が25日、地元当局者の医療関連ブリーフィングでの発言を引用して伝えた。中国本土全体をまとめた公式データによれば23日の新規感染はわずか4103人で、両者の間には大きな開きがある。

広東省東莞市の衛生健康局は23日、毎日25万-30万人が感染しているとソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)を通じ発表。モデルリングに基づく推計と専門家の分析を引用した。製造業の拠点である東莞市の人口は2021年時点で約1050万人。

 来週の相場見通し(12/26~12/30)|村松 一之(和キャピタル 運用本部部長)|note

今回の日銀金融政策決定会合の変更は、Blommbergサーベイにおける著名エコノミスト47名で予想した人は誰もいなかった。要するにサプライズである。何がサプライズかといえば、タイミングである。決定された「YCC政策における10年金利の許容変動幅を従来の0%を基準に±0.25%から±0.5%に拡大」という内容自体は、市場においては全くサプライズではない。いずれ、そうなるだろうと広く予想されていたものである。但し、市場では「黒田日銀総裁の任期中ではなく、次期総裁の下で行われるだろう。早くても春闘の状況を確認してからだろう」との見方が一般的であった。

これは完全に個人的な推察に過ぎないし、黒田総裁の任期、次期総裁への配慮など色々な複合要因であろうが、私は「為替水準がベストタイミングであったから」と考えている。どういうことか?仮に今年の10月のように為替が150円を超えて、明らかに日本経済において行き過ぎた円安リスクが語られているときに今回のような中途半端な金融政策の修正をしてしまうと、「日銀は円安防止のために金融政策を修正した」と市場に捉えられてしまう。そうなると、為替が円安に進行するたびに、日銀の金融政策が変更になるという思惑から、市場は乱高下してしまう。投機筋の関心を駆り立てることになる。為替政策は財務省の所管であり、日銀の金融政策は結果として為替に影響を及ぼすものの、為替政策のために金融政策を行うわけではない。この原則を崩壊させるリスクは大きいので、円安局面では金融政策の変更がむしろできないのである。

これはまだ何とも言えない。海外の市場参加者が休暇から戻ってこないと何とも言えない。しかし、今のところ円債市場は全く混乱していない。一番不安定になっているのが為替市場であり、その為替市場の影響で株式市場も弱い。しかし、日銀の金融政策の影響をダイレクトで受ける円債マーケットは、秩序だった動きをしているのだ。円金利の10年は、仮に日銀がYCCの幅を±0.5%に拡大したら、一夜で10年金利の水準は0.25%から0.5%になるだろう。日銀は今度は0.5%で無制限に国債を買う必要に迫られる。これが一般的な見方であった。しかし、日銀の金融政策の当日に0.46%程度まで10年金利は上昇したものの、その後は低下している。0.5%に届いてもいないのだ。何故、こんなことになるのか?本邦投資家には、もう売るべき国債をほとんど保有いていないのだ。

日銀ショックの余波はまだ継続している。というか、まだ本格的に開始するのはこれからだろう。円金利は所詮は上限は0.5%となるであろうから、それほど問題はない。市場の関心は為替である。為替相場はまだ、いつでも130円割れをトライできる射程距離圏にあるため、要注意だ。日経平均株価もドル円が135円~140円のレンジ内に移行するまでは、為替が気になって、なかなか力強い反発は見込めないかもしれない。
材料としては26日に黒田総裁が日本経団連審議委員会で講演する。先般の会見のようにYCC政策の修正は、金融引き締めではないと繰り返すのだろう。28日は日銀金融政策決定会合の主な意見が公表される。来年の1月5日は10年国債の新規入札がある。1月中旬には東京都債の値決めが予定されている。

今年は銀行株に追い風が吹いた。特に地域金融機関の株は稀に見る堅調さであった。地域金融機関の株価上昇は、日銀の金融政策の修正で地銀を苦しめてきたマイナス金利が解除されるのではとの思惑や、法律改正で地銀の業務拡大が可能になったこと、アクティビストの地銀への注目、株価の割安さ、地銀の生き残りをかけた改革が加速してきたことなど、複合要因であろうが、今回はYCC政策の修正に伴う短期的なポイントだけに絞りたい。下のチャートは、東証銀行業指数であるが、今年の厳しい相場の中でも、年初荒大きく上昇している数少ないセクターであり、11月以降は売買高も含めて、一段と上昇ペースを加速させている。

まず金利が上昇すると、金融機関の株が買われやすいのは、貸出金利が上昇するのに対し、預金金利はなかなか引き上げられないため、単純に預金と貸金の利ザヤが拡大し、いわゆる銀行の本業の業績が上向くためである。また、金融機関は貸金よりも預金が多く、大量の余剰資金を日銀への預け金や有価証券運用に使っている。金利が上昇すれば、そうした余剰資金の運用の資金利益が改善することが予想されるわけだ。
しかし、まず今回のYCC政策の修正では、貸出金利はほとんど上昇しない。市場性貸出金利のベースとなるTiborの日銀金融政策決定会合後の動向が下のチャートだ。急上昇しているように見えるが、なんと0.135%から0.14364に僅かに1bp上昇したに過ぎない。銀行の過当競争も激しい中、これでは貸出金利を引き上げようがないだろう。

金利が上昇して、銀行の本業収益が改善するためには、短期金利が上昇する必要があるのだ。それにはマイナス金利政策の解除が伴う必要がある。逆にマイナス金利が解除され、例えば現在の▲0.1%から+0.1%等に引き上げられると、そのインパクトはかなり大きい。短期金利も急上昇するし、日銀当座預金からも利息を得られるようになるからだ。残念ながらYCC政策の修正で長期金利だけが上昇している場合は、むしろ地域金融機関の有価証券評価損を極めて悪化させる。近年は地域金融機関が外債での実損や評価損の拡大が話題になってきたが、円債と外債では大きな違いがある。外債の場合は、逆ザヤであるほか、単純な有価証券投資のために、地域金融機関は保有している外債をロスカットする。例えば政策投資で保有している株式の益と併せて損切りしてポートフォリオリオを改善させる。しかし、円債の場合には地域金融機関は、ほとんどロスカットはせずに、満期まで保有することを選択するだろう。何故なら、まずは逆イールドでなく多少なりともインカムが得られること、そして資金があり余っており、何かキャッシュを潰するために投資する必要があるからだ。円債をロスカットして、円資金が戻ってきても、困るのだ。また地域金融機関は国債だけではなく、地方債なども大量に保有している。この地方債の評価損悪化も大きい。足元では地方債のスプレッドが拡大しており、地域金融機関を苦しめている。来年以降も日銀の政策変更への思惑が高まり、円金利上昇圧力や地方債のスプレッド拡大が続くとしよう。それでも地域金融機関は円債や地方債は保有を継続する。満期まで持てば損はしない。しかし、その過程で評価損だけは、かなり拡大することになる。この評価損の拡大を投資家が冷静に受け止めることができるかどうかだ。リートも問題だ。リートは海外投資家がこれから売り越し主体に転じていくだろう。リート売りも海外投資家にとっては、日銀と戦うディールの1つだ。そして、リートへは地域金融機関もかなりの投資をしており、リートが下落すると、これまた評価損拡大になるし、地域金融機関はリートはロスカットを検討し、それが実現損として決算を悪化させることになる。しかもリートを損切りしてしまえば、この低金利下の環境で高い配当利回りを失い、業務純益を減らす要因になるかもしれない。このように今回のYCC政策修正は、銀行の業績を改善させるというよりは、次の決算等の短期的な視点では、有価証券評価損を拡大させるものだ。地域金融機関への投資は、日銀のマイナス金利解除も見据えた長期的な視点が必要になるだろう。

 日本銀行がYCCを突如修正した背景と評価 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

  ◆ 円高 急速に
・昨日、日銀のサプライズ緩和修正
・ドル円は一時130円台
 …1日で6円ほどの円高に
 …円買い介入なみの衝撃
・日経平均先物はさらに0.8%安
 …昨日の現物は2.5%安
・米国株は一進一退
・年末近づき、取引は縮小傾向 pic.twitter.com/wWDwZAafZa
— 後藤達也 (@goto_finance) 2022年12月20日

  🇯🇵 値上げ 目立つのは?
今朝発表の11月のインフレ指標。3.7%と41年ぶりの高騰を記録しました。年明け後も値上げ予定がたくさんあります。最近の円高反転も踏まえ、2023年の値上げ見通しをnoteで解説しました。無料部分を長くしたので、ぜひ

👇note【12月は初月無料】https://t.co/r4k9PpSVo6 pic.twitter.com/mHUTNb9Rcv
— 後藤達也 (@goto_finance) 2022年12月23日  』

国債に日銀「影の目標」 本格利上げけん制、市場抑圧も

国債に日銀「影の目標」 本格利上げけん制、市場抑圧も
金融政策・市場エディター 大塚節雄
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB239NE0T21C22A2000000/

『日銀が期間10年の長期金利目標の上限を引き上げ、債券市場は「ポスト異次元緩和」へ動き始めた。日銀は「期間5年は0.17%」など幅広い年限で「影の目標」ともいえるような目安を打ち出し、金利の急上昇を防ぐ姿勢を強める。本格的な利上げを織り込むマネーの奔流を遮断する狙いだ。金利安定の名のもとに債券市場の公的管理が強まるリスクも残る。

「来年1月に日銀がマイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)の解除に動いても驚かない」。電撃的な金利目標の引き上げを経て、野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは海外の投資家からこんな声を聞くようになった。

松沢氏自身、今回の措置を「日銀はYCCの撤廃に向けた『パンドラの箱』を開けた」とみる。YCCは期間10年の長期金利を低く抑えるのが肝。急激な円安や社債市場のかく乱といった副作用を生み、今回の措置につながった。今後も市場機能への配慮という名目さえたてば、特段の政策検証もなしに、目標上限を段階的に1%くらいまで高め、有名無実化してもおかしくないという。

ただし日銀は今回、「YCCの柔軟化と、その後の本格的な金融政策の正常化を明確に切り分けた」と松沢氏は読む。短期金利のマイナス解除や利上げには、あくまで賃金上昇を含めた望ましい2%インフレへの確かな道筋が問われるわけだ。

実際、日銀は今回の措置が本格利上げに直結するとの思惑を打ち消そうとしている。国債購入の増額も決め、10年以外の年限の金利変動にも機動的に対応するとうたった。日銀金融市場局は20日の決定直後、幅広い年限での金利上昇を踏まえ、あらかじめ指定した利回りで市場から無制限に国債を買う「指し値オペ」の拡充を決断した。

現行の10年物国債のみから2年、5年、20年の新発国債を対象に広げた。新発2年債と5年債の購入は、YCC導入時に創設した指し値オペを初めて発動した2016年11月以来。20年債ではこれまでなかった。

とくに日銀が危機感を募らせたのが5年債の動きだ。利回りは前日の0.14%から一時0.26%に跳ね上がり、約9年3カ月ぶりの高水準をつけた。オペでは5年債の固定金利の水準を0.17%と、市場実勢よりも明らかに低い金利(高い価格)に設け、金利低下を促す構えをみせた。

市場関係者らの声を総合すると、日銀は本格的な利上げを織り込もうとする市場の動きを「見過ごせない」と判断し、5年物金利の抑止へ強いメッセージを打ち出した。2年債と20年債に市場からの応札はなかったが、5年債は1兆円あまりを買い上げた。

金利上昇圧力は鎮まらず、21、22日も利回りを入札で決める通常方式のオペで期間3~5年の国債購入に動いた。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは「現物債市場では5年債が短期金利引き上げのスペキュレーション(投機的な取引)の中心」と語る。海外当局の外貨準備運用などの需要も厚い2年債に比べ、海外投機筋が動かしやすいからだ。

みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストが21日までの市場の初期反応を分析したところ、期間2~5年の金利は短期金利の0.6%近辺までの引き上げを織り込んだ。この動きに日銀が対抗するには、0.5%を新たな上限に据えた10年債だけでなく、5年債も焦点となる。

日銀の積極的な国債購入もあって足元の債券相場は落ち着きつつあるが、債券売りが再燃する可能性は高い。日銀は「5年物0.17%」という金利水準自体に重い意味はないと説明しているようだが、市場関係者には「絶対的な目標ではないが無視できない指針」との声も多い。

問題は、市場機能に配慮したからこそのYCC柔軟化のはずなのに、金利水準の指定や国債買い入れの強化を通じ、債券市場の「公的管理」の色彩がむしろ強まりかねない点にある。

内外の研究によると、YCCは中央銀行の制度維持に対する市場の信頼が厚いほど実際に国債を買う量は少なくてすむ。ニューヨーク連銀のエコノミストが、日銀のYCCについて国債を大量に買わずに幅広い年限の金利を厳密に制御していると評価したこともある。

だが、YCCを厳格に運営しないケースでは市場の信頼を失い、国債を大量に買っても目標維持は難しくなるとの分析結果もある。今の実態はこのケースに近づいているようにもみえる。

だとすれば、国債購入はあくまで無秩序な金利上昇を抑える目的にとどめ、円滑なYCCの廃止につなげる「撤退戦」と位置づけるべきではないか。とくに固定的な金利水準へのこだわりは投機筋の攻撃を誘う。

日銀の現時点の意図がどうあれ、2023年の市場は金利のある「普通の経済」に向けたダイナミズムを取り戻すための重要な準備期間に入る。激変緩和の工夫は欠かせないが、「影の目標」の存在感があまりに高まりすぎると円滑な移行を妨げてしまう。

(金融政策・市場エディター 大塚節雄)

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

日銀はようやく金融政策の方向を転換してよかった。問題はこれからはどれぐらいのスピードで利上げを実施するかである。利上げは最小限に抑えるべきだが、物価はすでに高騰している。報道によれば、1月に入って、7千品目以上の商品が値上げされるといわれている。アメリカの景気と中国のコロナ感染拡大による影響を考えれば、これからの金融政策の取り方はより難しくなる
2022年12月26日 8:32

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

日銀が今回行ったイールドカーブ・コントロール(YCC)の手直しには、将来いずれかの時点で想定されるYCC解除(長期金利ターゲット撤廃)の「予行演習」になった面があることは否めない。突然の政策修正で動揺する債券市場を安定化させるため、長期国債買い入れの増額や機動的実施に加え、各年限での指値オペの活用によって、日銀の金融市場局が債券市場を落ち着かせようと、日々工夫を凝らしている状況である。10年債以外についても固定した利回り水準で指値オペを毎回打ち続けると「影の目標」と受け止められてしまい、不都合が生じる。10年債以外の指値オペの頻度は低く、その利回り水準はある程度可変的だとみておくべきだろう。
2022年12月26日 7:24』

https://www.nikkei.com/promotion/?n_cid=DSPRM1RT02_white

投機筋に追い込まれた日銀 国債空売り再燃、緩和限界に

投機筋に追い込まれた日銀 国債空売り再燃、緩和限界に
動いた日銀 緩和修正を読む
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB214JQ0R21C22A2000000/

 ※ 『※ またもや、「日銀」は、時々は、こういう「荒業(あらわざ)」に出るんだということを、満天下に示した形だな…。

※ ある意味、「見事な」仕事だった…。』…。

 ※ と書いた…。

 ※ しかし、「そう単純な話し」でも、無かったようだ…。

 ※ こういう「一国の通貨政策」を材料に、「儲けようとするヤカラ」との闘いは、延々と続いていくんだろう…。

『日銀が10年続いた大規模な金融緩和政策の修正に動いた。止まらぬ円安に政府の危機感が強まり、政策変更を見越した投機筋の債券売りも膨らむなか、10年債利回りの上限金利の引き上げという「事実上の利上げ」に追い込まれた。政策変更の準備は11月には始まっていた。日銀との賭けに勝った投機筋の攻勢が、さらに激しくなるとの見立てもある。

【関連記事】2年債、7年ぶりプラス圏 日銀の利上げ織り込む市場

政策転換に向けた動きが本格化したのは、円相場が32年ぶりに151円台まで下落した直後の11月10日。黒田東彦総裁は首相官邸で岸田文雄首相と面会すると、金融政策を従来よりも機動的に運営すると説明した。具体策には踏み込まなかったが、円安の原因になっている日銀のかたくなな緩和姿勢の修正をにじませた。

その動きの裏で、日銀幹部がメガバンク幹部と接触して金利を引き上げた場合の影響を探っていた。金融機関を無視して猛反発を食らった2016年のマイナス金利導入時の轍(てつ)を踏むわけにはいかない。ある関係者は「(金融政策を)いつか修正しないといけないのはわかっていたこと。必要なコミュニケーションだった」と振り返る。

20日の金融政策決定会合後の記者会見。これまで金融引き締めにあたるとして上限金利の引き上げに否定的だった黒田氏は、今回の決定と過去の発言との整合性を厳しく問われた。「期待と違うことが出て裏切られた気持ちという方もいるが、市場や経済・物価の動向が変わればそれに応じたことをやるのは当然」。黒田氏は開き直るしかなかった。

日銀を追い詰めたのが、投機筋の債券売りだ。「日銀はいずれ政策修正に踏み込まざるを得なくなる」(海外ヘッジファンド)との思惑で6月に海外投資家を中心に国債を売り浴びせる動きが拡大。一度沈静化したものの、9月から10月に再燃した。

防戦に回った日銀。金利を抑え込むため国債を大量に買う状況に追い込まれ、22年の国債購入額は6年ぶりに100兆円を超えた。9月末時点の国債発行残高に占める日銀の保有割合は50.3%と初めて5割を超えた。日銀が操作対象とする10年金利が低く維持される一方、それ以外の年限の金利は米欧発の圧力によって上昇し、利回り曲線(イールドカーブ)に大きなゆがみが生じた。

「私たちが予想していた通りだった」。日本国債を空売りしていた英ブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)は日本経済新聞の取材にこう勝利宣言した。ダウディング氏は日銀が23年春にも長期金利上限を撤廃するとみて、空売りを続ける構えだ。

日銀は政策を維持し続ければ、いずれ投機筋は攻撃の矛先をほかに向け始めると高をくくっていた節がある。だが、市場のゆがみはどこかの時点で解消されるとみるヘッジファンドなどの信念は日銀以上に固かった。日本国債の空売りで利益を得た米系の債券運用会社の関係者も「それなりにパフォーマンスがよかった」と満足げだ。

ブルーベイのような空売り勢をもうけさせてでも、緩和修正に踏み切ったのは別の投機筋に対抗するためだった。日銀は0.25%という10年債の水準を死守し続けたが、30年債など日銀の目標から離れた国債については相対的に防御が甘くなった。投機筋は日銀が抑え込む10年債を買って30年債を売り、長短金利差が拡大すると自動的に儲かるポジションを組んだ。

こうした投機筋の動きはイールドカーブのゆがみを増幅させた。日銀が長期金利の変動幅拡大に動いたのは、投機筋がイールドカーブをゆがませることを許容しない姿勢を鮮明する意味があった。ゆがみを放置したままだと企業や地方自治体は起債しにくくなり、日本経済への悪影響が強まる。

もっとも今回の政策修正の「後遺症」への警戒も残る。日銀は20日、2年、5年、20年の新発国債を対象に、指定した利回りで無制限に買い入れる「指し値オペ」を実施すると通知した。日銀は10年だけでなく、利回り曲線全体を抑え込む姿勢を鮮明にしたといえるが、戦線の拡大は投機筋との戦いをさらに激しくする危うさをはらむ。

今回の投機筋との戦いの過程で日銀の情報発信の信頼性は揺らいだ。黒田総裁は利上げ観測に対して「全くない」と否定し続けていた。10月28日の記者会見でも「今すぐ金利引き上げとか、出口が来るとは考えていない」と語ったが、まさかの豹変(ひょうへん)。市場関係者からは「もう信じられない」との声が漏れる。

今回の政策変更で金融政策は正常化に向けて一歩踏み出した。ある関係者は「黒田氏の決断。退任前の置き土産だ」との見方を示す。ただ、緩和からの出口に向けた市場との攻防戦が本格化するのはむしろこれからで、来年春に就任する新総裁は重い課題を背負い込むことになる。

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ニューズレター
多様な観点からニュースを考える

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

YCCを巡る海外投資家との攻防が想定外に長期化する中、日銀は11月10日時点ですでに、YCCを手直しする方針を固めていたようである。その背後には、円安への対応で苦慮する首相官邸からの度重なる要望と、地方債や社債などにも及んで無視し得なくなった市場機能低下の弊害の2つがあったとみられる。振り返ってみると、11月14日 に発売された週刊エコノミスト11月22日号「深層真相」には、「木原誠二官房副長官を中心に日銀に対して、『指値オペ』の修正や、記者会見での円安けん制発言などを官邸側は連日要望」との記述があった。日銀総裁が交代した後の23年4月の金融政策決定会合に向けて、海外投資家の動きが焦点になる。
2022年12月22日 8:23』

日銀が金融緩和(YCC)を修正する条件

日銀が金融緩和(YCC)を修正する条件
藤代 宏一
https://www.dlri.co.jp/report/macro/212115.html

『 2022.11.15
 
金融市場 注目点

金融市場

前日の米国株は下落。NYダウは▲0.6%、S&P500は▲0.9%、NASDAQは▲1.1%で引け。VIXは23.7へと上昇。

米金利カーブはベア・フラット化。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.376%(▲3.7bp)へと低下。実質金利は1.487%(+8.4bp)へと上昇。

為替(G10)はUSDが全面高。USD/JPYは140近傍へと低下。コモディティはWTI原油が85.9㌦(▲3.1㌦)へと低下。銅は8375.0㌦(▲117.5㌦)へと低下。金は1776.9㌦(+7.5㌦)へと上昇。

図表1

注目点

黒田総裁は11月14日に名古屋で開催された金融経済懇談会にて「現在は金融緩和を継続することによって、経済活動をしっかりと支えていくべき局面にある」とした。輸入物価上昇によって消費者物価は3%を超える状況が続くものの、国内景気の回復が不十分であるとの認識から金融環境を引き締める必要性は乏しいというこれまでの判断を維持した。

筆者は黒田総裁の任期中は現在のYCCを軸とする金融緩和が継続するとみている。しかしながら、次期総裁(ここでは雨宮氏、中曽氏のどちらかと仮定)が金融政策をより持続可能なものにするための措置として、マイナス金利の撤回を含めたYCC修正に着手する可能性は十分にあると判断している。その際のポイントとして①賃金上昇率(所定内賃金)が安定的に上昇する、②海外金利の上昇が一服し10年金利急騰のリスクが低下する、が挙げられる。

①については現在、代表的な賃金指標である毎月勤労統計に基づくと2022年9月の現金給付総額は前年比+2.1%と比較的高い伸びが実現し、また基本給に相当する概念である所定内賃金も+1.3%と安定的に1%を上回っている。前年比上昇率は比較対象となる2021年の値が抑制されていたことによって誇張されている点を割り引く必要があるほか、物価上昇を加味した実質賃金がマイナスであることを踏まえる必要があるものの、人手不足感が深刻な下で、物価上昇を受けて労働者(組合)が賃上げ要求を強めると予想されることを踏まえると、2023年入り後も現在の比較的高い伸び率が維持される可能性はある。そうした期待もあってか黒田総裁は「労働需給の引き締まりに加え、これまでの物価上昇が相応に賃金に反映されると考えられる」と言及した(14日)。仮に賃金上昇によって内生的なインフレが発生するとしたら食料やエネルギーなど輸入要因を除いたベースの物価も安定的に上昇する。10月の展望レポートでは生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(日銀型コアCPI)は2023~24年度が共に+1.6%とされており2%には届かないものの、「デフレではない」状況が実現する見通しが示されていた。日銀型コアCPIの+1.6%という見通しに日銀自身が自信を深めるなら、現在の「超」緩和的な金融政策の修正を模索する可能性は十分にあるだろう。もちろん、企業業績が悪化し賃金上昇シナリオが崩れる可能性はあるが、内生的な物価上昇メカニズムが整いつつあることは認識しておきたい。

図表6

②についてはYCC修正にあたって、最大の障壁となる金利急騰リスクを和らげる。この6月がそうであったように、ひとたびYCCの修正観測が生じると国債の売り圧力が一気に高まり、それ自体がYCC修正を難しくしてしまう。現在のようにFedの金融引き締めを背景に海外金利の上昇圧力が残存している状況で、日銀が出口戦略に着手することを少しでも仄めかせば、イールドカーブ全体が乱高下してしまうリスクは相応に高い。その点、海外金利が低下基調にあれば出口戦略は幾分容易になる。例えば米国の金融引き締めが終了し10年金利が現在の4%程度から中立金利(Fed推計値)とされる2.5%に居所を探るような動きとなっていれば、日本国債の上昇圧力は現在よりも和らぐと期待される。

日銀が国内の賃金上昇にある程度の自信を持ち、その時点で海外金利が低下基調にあれば、YCC修正の機運は高まるだろう。仮にそうした環境が整うとしたら、それは春闘賃上げ率の結果が判明し国内の賃金動向がある程度明確になる2023年後半、またFedの金融政策をより慎重に見極めるなら2024年前半頃になるだろう。

藤代 宏一

本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘等を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針等と常に整合的であるとは限りません。

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藤代 宏一

ふじしろ こういち

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 金融市場全般
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日銀が長期金利の許容変動幅を拡大:識者はこうみる

日銀が長期金利の許容変動幅を拡大:識者はこうみる
https://jp.reuters.com/article/japan-economy-boj-idJPKBN2T406C

 ※ 『 YCC(イールドカーブコントロール)

政策金利の誘導目標に加え、長期金利の誘導水準(2020年12月現在、10年国債利回りを概ねゼロ%程度に設定)を定め、その水準になるよう国債買入れを実施すること。』

『[東京 20日 ロイター] – 日銀は19―20日に開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の下での10年物国債金利の許容変動幅について、従来のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.5%に拡大することを決めた。政策金利は短期、長期ともに据え置いた。金利のより自由な変動を許容することで市場機能の改善を促し、金融緩和の持続性を高める狙い。市場関係者の見方は以下の通り。

 日銀は12月19―20日に開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の下での10年物国債金利の許容変動幅について、従来のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.5%に拡大することを決めた。市場関係者に聞いた。都内で2014年1月撮影(2022年 ロイター/Yuya Shino)

●新総裁下の柔軟化先取り、正常化策には直結せず

<野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏>

日銀の金融緩和姿勢が悪い円安を助長しているとの外部からの批判を受け入れたかのようなYCC(イールドカーブ・コントロール政策)修正を決めたのは非常に驚きだったが、足元では円安が一巡して批判が沈静化してきたこのタイミングだからこそ、YCCの修正を行っても日銀が外部からの圧力に屈したとの印象を回避できると考えたのではないか。
今回の措置は、YCC修正に強く反対してきた黒田総裁が新体制に一定程度の配慮を示し、政策移行を多少なりともスムーズにするために柔軟化姿勢に転じたことを意味すると思われる。この点から、新総裁下での政策の柔軟化を先取りしたものと解釈できるのではないか。

といっても、すぐに金融政策が大きく修正され、正常化策が講じられるわけではない。その前には、2%の物価安定目標の位置づけを中長期の目標へと修正すること、総括検証のようなものを実施すること、の2つの段取りが必要となる。

●不意打ちの政策修正、日銀にとっては危険な賭け

<みずほ証券 チーフエコノミスト 小林俊介氏>

かつて日銀理事からもイールドカーブ・コントロール(YCC)を修正する際は不意打ちで行う旨の発言が出ていたが、今回の決定はそれを実現した格好だ。市場参加者の多くが政策修正を見込んで日本国債をショートしている中で行えばデメリットが大きい。市場の催促に負けた格好となって中央銀行の沽券にかかわる上、金利が急騰して市場のショックは大きくなり、投機の成功がさらなるショートを誘発するためだ。年末で参加者が少なくなるタイミングで不意打ちの変更を行うことは理にかなっていたと言える。

来年1─3月の長期国債買い入れ額を増額するなど、YCC修正に伴う打撃を一定程度抑制する工夫もみられた。それでもなお、今回の決定が日銀にとって危険な賭けであることに変わりはない。

一度市場に屈服してしまった以上、さらなる政策変更を催促されうることは自明の理だ。よほど強いコミットメントを発しなければ中銀の信認は回復しないだろうし、そもそも日銀自身がコミットメントを反故にし続けている以上、もはや市場の期待に働きかける政策が効果を発することはないかもしれない。

今後の政策変更の本丸は、YCCのさらなる修正というよりマイナス金利の撤廃となる可能性が高い。YCC修正の前にプラス付利への回帰を行うことは人為的に日本国債のイールドカーブを完全にフラット化させることと同義であり、今回の決定が先んじたことは納得感がある。

日銀はその後、相応に強い経済環境とインフレ率という一定の条件下で、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)の購入停止やYCCのさらなる修正を目指すことになるだろう。もちろん、そうした政策変更の時間軸は次期総裁・副総裁の人事に強く依存することになる。

●総裁会見で円もう一段変動か

<JPモルガン証券 市場調査本部 為替ストラテジスト 中村颯介氏>

タイミング的にはサプライズだったが、ここまでのドル/円の動きは、長期金利の変動幅拡大は3―4円程度の円の押し上げ効果がある、と従来から試算していた程度の下げとなっている。

黒田総裁がこの後の会見で、さらなる政策修正に関するヒントを提示すれば、円は一段高となってもおかしくない。だが、あくまで市場機能の低下に配慮した修正だと強調するようなら、急変動の反動として、多少の円売り戻しがあるかもしれない。

●正常化へマーケットは「疑心暗鬼」に

<大和証券 チーフエコノミスト 末広徹氏>

日銀は長期金利の変動許容幅を従来の「プラスマイナス0.25%程度」から「プラスマイナス0.5%程度」に拡大した。もっとも、声明文のフォワードガイダンス部分は変わっておらず、今回の措置も「緩和の持続性を高めることで物価安定目標の実現を目指す」ものと書いている。日銀はあくまでボラティリティーに対応したレンジ拡大と説明するとみられる。ただ、マーケットはこの先、金融政策の正常化に疑心暗鬼になると思う。正常化の議論がくすぶり続けることになるだろう。

●YCC延命で次期総裁に時間的猶予

<T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネジャー 浪岡宏氏>

今回の政策はある意味YCC(長短金利操作)の延命に寄与する。黒田東彦総裁の退任が近い中で、今の金融政策の枠組みはある程度維持しつつ、一方でこのまま何もしないで引き継ぐと新総裁にはやりにくい状況になってしまう。新たな政策手段を講じるための時間的な猶予を与えることに寄与した。

米国がまだ利上げ局面にある中で、環境としてはぎりぎりのタイミングだった。もし遅れていたら、より一層の円高につながりかねないリスクがあった。

今の政策枠組みでは大量の買い入れを続けなければいけなかった。そういう市場予想がなされてしまうと日銀のバランスシートが一層拡大するリスクがあった。ある意味みんなが現状維持を予想していた中で変えたことは、日銀としては「してやったり」だろう。

●政策正常化を市場は意識、株安は一時的か

<GCIアセットマネジメント ポートフォリオマネージャー 池田隆政氏>

日銀が長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.25%から0.5%に拡大し、その数字自体にはそこまで驚かなかったが、このタイミングで決定したことは市場にとって大きなサプライズとなった。長期金利の上昇で政策金利も今後変更される可能性があり、マーケット参加者は「日銀が金融政策正常化に舵を切った」と認識したのではないか。

株式市場にとっては将来的な長期金利の上昇が嫌気され、幅広く売りが出ているが、この売りが長続きする可能性は低いとみている。初期反応としては株安だが、冷静に考えればイールドカーブ・コントロールの許容変動幅しか政策は変わっていないので、今回の日銀会合を材料にした売りも落ち着いてくるだろう。

●ファンダメンタルに即した政策で違和感ない

<JPモルガン証券 チーフエコノミスト 藤田亜矢子氏>

YCCの修正は思っていたより若干早かった。来年3月か、それより早い段階とみていた。政策として自然な動きであり、ファンダメンタルズに即した政策を行ったという意味では違和感はない。この先どのように解除していくか、例えばもう一段拡大させるのか、あるいはこれを維持したままマイナス金利に着手するのかが注目される。

今回日銀は市場機能の低下を理由にしてYCCを修正したが、やはりインフレ動向なくしてはできなかったことだと思う。政治的にも、金融政策正常化の機運は高まっている。黒田東彦総裁の任期中にマイナス金利解除があるとは見込んでいないが、超緩和政策を長期にわたり維持したことの弊害への意識が与党内でも出てきているのだろう。

●先行き不透明な中で害及ぼしかねないサプライズ

<ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏>

長期金利の許容幅拡大はサプライズだった。いずれ緩和を縮小することは間違いではないが、海外の景気の先行きが不透明で市場が不安定な中では、このようなサプライズは実体経済にも市場にも害を及ぼしかねない。大きな変更をするのであれば、もう少し事前に織り込ませるべきだった。日銀に対する信任も揺らぎかねない。』

円相場(ドル)

円相場(ドル)
https://www.nikkei.com/markets/kawase/

 ※ こりゃ、スゲーな…。

 ※ こういう「断崖」、久々で見た…。

 ※ 原因は、コレか…。

( 日銀が緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ
  https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB173480X10C22A6000000/ )

 ※ 『基本的にはこれまでの枠組みを変えずに変動幅だけを上下0.25%から0.5%へ拡大する』というだけの話しなんだが…。

 ※ ヘッジファンドの連中には、「サプライズ」だったようだ…。

 ※ まあまあ、「死屍累々」、「がん首並べて、討ち取られ」だな…。

日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から

『日銀が「デジタル円」の発行に向け、3メガバンクや地銀と実証実験を行う調整に入った。2023年春から民間銀行などと協力し、銀行口座での入出金といったやりとりに支障がないか検証する。災害時などを想定し、インターネットの届かない環境でも稼働するか確かめる。2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断する考えだ。

中銀のデジタル通貨はCBDC(Central Bank Digital Currency)と呼ばれる。デジタル化が進む中、世界の主要中央銀行は紙幣や硬貨に代わるCBDCの発行を模索している。

民間の電子マネーが普及し始めているが、CBDCはお金を即時にやりとりできるのが利点だ。クレジットカードなどは利用者の支払いからお店への入金まで通常、1カ月程度かかる。CBDCは支払いと同時に入金され、売掛金も発生しないため決済コストの低下が期待できる。夜間や休日でも銀行間で送金できるようになり、支払いの利便性が高まる。

使える場所の多さも特徴だ。企業などが提供する電子決済は、使えるお店や公共交通機関が限られる。CBDCは現金と同じ利便性を追求するため原則、日本のどこでも使える必要がある。日銀が実際に導入すれば、遅れていたキャッシュレス決済の起爆剤となり得る。

先行する中国は一部地域でデジタル人民元を試験発行し、実際に買い物などに使える。米連邦準備理事会(FRB)では11月からニューヨーク連銀がシティグループなど民間銀行と実証実験を行っている。欧州中央銀行(ECB)も米アマゾン・ドット・コムなどの企業とパイロット実験を進め、23年にも導入の是非を判断する。国際決済銀行(BIS)の調査では世界の中央銀行の約9割がCBDCの研究に着手している。

日本も米欧と足並みをそろえており、日銀が21年から発行や流通など通貨に必要な基本機能の検証などを内部で独自に進めてきた。23年から実施するのは実用化を見据えた最終段階にあたる「パイロット実験」で、3メガ銀や地銀などといった企業に参加意向の確認を始めている。企業は前向きな姿勢を示しているという。

パイロット実験では参加した銀行と連携し、銀行口座でCBDCのやりとりができるか検証する。停電時などに使えるようインターネットがない環境で機能するかも試す。フィンテック企業やIT(情報技術)ベンダーの参加も募り、本人確認などセキュリティー機能の開発も進める。実験にあたり、民間企業から日銀への出向者も受け入れる。

日銀は現時点ではCBDCの導入を決めておらず、実験の結果を踏まえて判断するとの立場だ。導入には国民的な合意が必要で、法改正やシステム整備にも時間がかかる。日銀の黒田東彦総裁は1月、CBDC発行の可否について個人的見解として「26年までに判断する」と話した。発行が決まったとしても当面は紙幣の発行を続け、CBDCと併用できるようにする。
世界ではビットコインなど、政府の監督が及ばない暗号資産(仮想通貨)が広がりつつある。ブロックチェーンなど技術を用いる仮想通貨は、国境をまたぐ決済にかかる時間やコストを大幅に圧縮できる利点がある。一方で、マネーロンダリングや、FTXトレーディングの破綻にみられるような不正のリスクも大きく、中銀によるデジタル通貨の発行を求める声が上がっている。

CBDCの導入にあたっては、ハッキングなどのリスクをゼロに抑える必要がある。プライバシーの観点から、中央銀行がどの程度の情報を管理するかという課題もあり、FRBやECBなどでも導入の最終判断は下っていない。

政府は骨太の方針に「22 年度中までに行う概念実証の結果を踏まえ、パイロット実験や発行の実現可能性・法制面の検討を進める」と記している。日銀は関連費用の予算計上に向け、財務省など関係機関との調整を進める。

中銀のデジタル通貨

中央銀行が発行するデジタル通貨で「CBDC(Central Bank Digital Currency)」とも呼ぶ。一般に①デジタル化されている②法定通貨建てである③中銀の債務として発行される――といった要件を満たす。発行により決済の効率性向上やキャッシュレス決済の普及などが期待される。

世界の中銀の約9割がCBDCの研究に着手している。米国では2022年3月にバイデン大統領が研究の加速を指示。ユーロ圏は26年以降の発行を見据えて研究を進めている。中国は北京五輪で「デジタル人民元」をお披露目した。銀行口座がなくてもスマホがあれば利用できるため、金融サービスが行き届いていない新興国が積極的に導入している。
日本では日銀がCBDCの実現可能性を探るために実証実験を進めている。実証実験は3段階に分かれており、21年4月に始めたCBDCの基本的な機能(発行や流通など)を試す第1段階は既に終了した。22年4月からの第2段階では、一括送金のような決済の利便性向上や外部システムの連携といった周辺的な機能の検証を進めている。

【関連記事】

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ニューズレター

多様な観点からニュースを考える https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

国内の個人・企業向けのリテールCBDCは、日本のように銀行が多くほぼだれでも銀行口座をもっており、クレジットカードや多様な電子マネーが普及しており、かつ現金を持ち歩いても犯罪が少ない国では、CBDCを利用するベネフィットがないため利用が広がらない可能性があります。中国でも前から実験していますが、電子マネーがかなり浸透していることもあり、利用があまり伸びていないようです。より将来性があるのは、ホールセールCBDCで特に国際間の資金移転でCBDCを使い手数料を下げて送金のスピードを高めることにあるように思います。

2022年11月23日 19:42

小黒一正のアバター
小黒一正
法政大学経済学部 教授
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分析・考察

このようなオープンの場で詳しいことは記載できませんが、CBDC(Central Bank Digital Currency)は、財政や日銀のバランスシート問題の改善にも利用できる可能性があると思います。
2022年11月23日 23:22 (2022年11月23日 23:24更新)』

ゆうちょ銀が500億円規模の出資検討、東芝買収案で-報道

ゆうちょ銀が500億円規模の出資検討、東芝買収案で-報道
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-19/RLKIKET1UM0W01?srnd=cojp-v2


『日本産業パートナーズ(JIP)が提出した東芝の買収案で、ゆうちょ銀行が500億円規模の出資を検討しているもようだと、19日付の朝日新聞朝刊が関係者への取材を基に報じた。

  同紙によると、第一生命保険や三井住友海上火災保険なども買収案に名を連ねている。ただ、正式な出資の決定に至っていない企業もあるとみられ、買収案には不透明さが残っているという。

東芝非公開化でJIPが約20社と連携、出資総額は約1兆円-関係者 』

22年度税収が過去最高68兆円超に、2次補正で3.1兆円増額=政府筋

22年度税収が過去最高68兆円超に、2次補正で3.1兆円増額=政府筋
https://jp.reuters.com/article/japan-tax-revenue-idJPKBN2RU0BD

 ※ 「円安」の功罪について、いろいろ言われている…。

 ※ しかし、『主要税目のうち所得、法人税収などが堅調に推移している』ということも、厳然たる「事実」なんだろう…。

 ※ そういうことも「勘案」して、政府・日銀が「金融政策」全体を、舵取りしていくべき話しだ…。

『[東京 4日 ロイター] – 2022年度の一般会計税収が68兆3500億円余りと、過去最高だった21年度実績を上回る見通しであることが4日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。政府が近く閣議決定する22年度2次補正予算案で、昨年末の見積りを増額修正する。

主要税目のうち所得、法人税収などが堅調に推移していることを反映する。当初は22年度税収を65兆2350億円と想定していた。新たに3.1兆円上振れすると見込み、政府が先月28日に決定した総合経済対策の財源に充てる。

国の税収はコロナ禍でも伸び続け、20年度にそれまで最大だった18年度の60兆3563億円を抜き、一般会計税収が60兆8216億円となった。21年度は67兆0378億円と、再び過去最高を更新していた。想定通りに推移すれば3年連続で過去最高を更新することになる。

2次補正では、税収の上振れ分に加えて税外収入なども歳入に計上する。足りない分は新規国債を22兆8500億円余り追加発行することで補う。歳出総額は28.9兆で、世界的な景気減速に備えて創設する「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」には1兆円を計上する。

補正予算案は8日の概算閣議決定を想定する。20カ国・地域(G20)首脳会議などに出席する岸田文雄首相の帰国後に国会に提出し、年内の早期成立を目指す。』

政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に

政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA273UO0X20C22A9000000/

『【この記事のポイント】

・政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った
・日米の金利差拡大で151円90銭台まで円安が進んでいた
・円相場は短時間で一時144円台まで7円ほど急騰した

政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったと関係者が22日未明、明らかにした。21日に一時1ドル=151円90銭台となり、32年ぶりの安値を更新していた。通貨当局として過度な動きを阻止する姿勢を改めて示した。政府・日銀は9月22日にも約24年ぶりに円買い介入を実施していた。

21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時1ドル=144円台までわずか1時間ほどで7円程度戻したが、介入後の急変動の一巡後は円売りも出て、147円台後半で取引を終えた。

神田真人財務官は記者団に対して「介入の有無についてはコメントしかねる」と話した。

【関連記事】

・NY円終値、147円台後半 介入「前回より積極的」の見方
・岸田首相、過度な為替変動認めず 介入「コメントせず」

欧州中央銀行(ECB)の広報担当者は21日、日本経済新聞の取材に「ECBは外国為替市場で介入していない」と明らかにした。為替介入は日本が夜間や休日の場合は海外市場でも実施できる。各国の中央銀行に委託する形で、欧州ではECBなどが対応する。政府・日銀が9月22日に実施した為替介入でもECBは為替介入の実施を否定していた。

日本時間21日夜に円安・ドル高が進んだのは、27~28日に日銀の金融政策決定会合を控えていたためだ。日米の金融政策の方向性の違いを意識した円売り・ドル買いが膨らんでいた。

9月22日に実施した円買い介入では、円相場が1ドル=146円近くから一時140円台まで上昇した。今回の追加介入について、市場では「値動きの速さと大きさは前回の介入よりも積極的だったことを示唆している」(米資産運用会社ニューバーガー・バーマンで通貨戦略を統括するウーゴ・ランチオーニ氏)との声が上がった。

9月22日は日銀の金融政策決定会合で金融緩和の維持が決まり、1ドル=146円目前まで円安が進んだ。政府・日銀は同日夕に24年ぶりの円買い・ドル売り介入に踏み切り、一時1ドル=140円台まで円高に動いた。

その後は日米の金利差が拡大するとの見方から円を売ってドルを買う動きが強まり、足元では9月22日の前回介入前よりも円安・ドル高になっていた。

【関連記事】

・円150円、円安招いた「日本病」 賃金低迷・低成長のツケ
・32年ぶり円安「円、さらに下げ余地」 市場関係者に聞く
・物価上昇31年ぶり3% 9月、円安が押し上げ

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Japan-stages-new-forex-intervention-to-stop-falling-yen?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

小黒一正のアバター
小黒一正
法政大学経済学部 教授
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分析・考察

財務省の公式見解通り「為替介入は急激な変動を均すもの」で、中長期的なトレンドを変えることではないことも注意する必要があると思います。一時的に円安の流れを逆転しても、①アメリカと日本の金利差や、②構造的な貿易赤字(輸出入取引でのドルに対する超過需要)など、ファンダメンタルな要因は一切変わっておらず、為替レートに関する今後の動きを注視する必要があると思います。
2022年10月22日 9:35 (2022年10月22日 9:49更新)

滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

①為替介入はタイミングが勝負。市場参加者のドルの買い持ちが溜まった。そんな局面をとらえての円買い介入だったと思います。円売り勢の損切りを誘い、円相場を一気に上昇させる――いわば「押し上げ介入」です。
②バイデン大統領やイエレン財務長官の「ドル高容認」発言で、日本が介入しづらくなった。そんな思惑を打ち消すことも、今回の介入は狙っているようにみえます。
③折しも米WSJ紙が21日朝、「FRBは11月のFOMCで、その次の12月会合での利上げ幅縮小について協議する」と報道。この日は米長期金利が4.3%台から4.2%スレスレへ低下したことも、円買い介入の効果を高めたはずです。
2022年10月22日 1:28 (2022年10月22日 6:33更新)』

政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に

政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA273UO0X20C22A9000000/

『【この記事のポイント】

・政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った
・日米の金利差拡大で151円90銭台まで円安が進んでいた
・円相場は短時間で一時144円台まで7円ほど急騰した

政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったと関係者が22日未明、明らかにした。21日に一時1ドル=151円90銭台となり、32年ぶりの安値を更新していた。通貨当局として過度な動きを阻止する姿勢をあらためて示した。政府・日銀は9月22日に約24年ぶりに為替介入を実施しており、今回は追加介入となる。

【関連記事】NY円終値、147円台後半 介入「前回より積極的」の見方

外国為替市場では日本時間21日夜に円安・ドル高が進んだ。27~28日に日銀の金融政策決定会合を控え、日米の金融政策の方向性の違いを意識した円売り・ドル買いが膨らんでいた。

円相場は一時1ドル=144円台までわずか1時間ほどで7円程度戻した。神田真人財務官は記者団に対して「介入の有無についてはコメントしかねる」と話した。21日のニューヨーク外為市場では介入後の急変動が一巡した後、円売りも出て147円台後半で取引を終えた。

9月22日は日銀の金融政策決定会合で金融緩和の維持が決まり、1ドル=146円目前まで円安が進んだ。政府・日銀は同日夕に24年ぶりの円買い・ドル売り介入に踏み切り、一時1ドル=140円台まで円高に動いた。

その後は日米の金利差が拡大するとの見方から円を売ってドルを買う動きが強まり、足元では前回介入前よりも円安・ドル高になっていた。

【関連記事】

・円150円、円安招いた「日本病」 賃金低迷・低成長のツケ
・32年ぶり円安「円、さらに下げ余地」 市場関係者に聞く
・物価上昇31年ぶり3% 9月、円安が押し上げ

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Japan-stages-new-forex-intervention-to-stop-falling-yen?n_cid=DSBNNAR 』

円、一時149円台に下落 32年ぶり安値を更新

円、一時149円台に下落 32年ぶり安値を更新
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB163CZ0W2A011C2000000/

『【ニューヨーク=竹内弘文】17日のニューヨーク外国為替市場で円が対ドルで下落し、1ドル=149円台を付けた。14日に付けた32年ぶりの安値(148円86銭)を更新した。米長期金利が再び4%台に乗せたことで日米の金利差拡大に注目して円売り・ドル買いの動きが加速した。

英国のハント財務相が17日、トラス英政権が9月に掲げた大規模減税策のほぼすべてを撤回すると表明し、世界の金融市場を揺らした英国の財政規律を巡る市場の懸念はやや和らいだ。英国債利回りが低下(債券価格は上昇)した流れを引き継いで、米10年債利回りも米国東部時間の17日午前に3.92%程度まで低下した。

ただ、インフレを抑えるために米連邦準備理事会(FRB)が大幅利上げを継続するとの大方の見方は変わらず、米長期金利には上昇圧力がかかったまま。じりじりと金利は上昇して午後には4%台に乗せた。日銀が緩和姿勢を緩めないなか、日米の金融政策の方向性の違いが際立ち、円安・ドル高が進んだ。

米国のバイデン大統領がドル高を容認する姿勢を示していることも、投資家のドル買いを支えている。バイデン氏は15日に「ドルの強さを懸念していない」と述べ、市場の一部で浮上していた、急速に進むドル高を各国が協調して是正するとの期待感を打ち消した。

もっとも、記録的な円安・ドル高が進んでいることで、市場では政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切るとの警戒は根強い。政府が秘密裏に介入を実施しているとの見方もある。

【関連記事】

・トラス政権、異例の「Uターン」減税撤回も続く退任圧力
・英財務相、大規模減税策「ほぼ全て撤回」
・NYダウ反発、550ドル高 企業の業績懸念が後退

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Yen-weakens-past-149-to-dollar-in-new-32-year-low?n_cid=DSBNNAR 』

英国の混乱、日本に教訓 財制審で異例の他国政策討議

英国の混乱、日本に教訓 財制審で異例の他国政策討議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1335Q0T11C22A0000000/

『英国のトラス政権の経済対策に端を発した市場の混乱が収まらない。やみくもな大規模減税は財政と経済成長を損ないかねないと市場は警鐘を鳴らした。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が13日の分科会で英国の状況を議論するなど日本の当局も異例の関心を寄せる。大規模の財政出動が慢性化する日本にとって対岸の火事ではない。

「経済対策を撤回するつもりはないのか」。12日、英議会での党首討論。野党労働党のスターマー党首はトラス首相を激しく追及した。トラス氏が「正しく財政資金を使うことで経済成長する」と応じ、見直さない考えを示すと、やじが飛び交い騒然となった。

英政府は9月23日、年450億?(約7.4兆円)の大減税や半年で600億?の家庭・企業向けエネルギー対策を柱とする経済対策を発表。対策の資金は当面借り入れに頼るとし、国債発行計画を大幅に上積みした。

インフレが進む金利上昇局面での財政悪化を政府が制御できなくなり、経済成長の土台も崩壊しかねない。そう見た市場は債券・通貨・株の「トリプル安」で反応した。その後、英政府は高所得者向けの減税を撤回した。ただ、経済対策の大部分は維持されているため市場の警戒は続く。

日本の財政当局も動向を注視している。13日の財制審では急きょ、英国に関する資料を追加。市場や国際機関の反応などを細かく記載した。他国の状況について討議するのは異例だ。財務省幹部は「先進国でも、ふとしたことがきっかけで財政への市場の信認が損なわれれば、通貨や国民経済に大きな影響が出うることを示した」と話す。

終了後に記者会見した増田寛也分科会長代理は「財政運営への信認が低下しないよう対応していく必要がある」と話した。

インフレ率など前提条件は異なるが、英国の危機から引き出せる教訓は小さくない。

インフレ率が10%もの英国で物価高対策などへの一定の財政支出の必要性は否定されるものではない。

市場の不信を招いたのは、目的や対象を絞らず、やみくもだった点だ。減税策では所得税や印紙税の引き下げ、法人増税凍結などあらゆるメニューが並んだ。英国では労働需給は逼迫しており、減税でさらに需要を刺激すればインフレの助長につながりかねない。

国際通貨基金(IMF)は「対象を限定しない大規模の財政パッケージを推奨しない」と批判。高所得者減税や法人増税の凍結は不平等助長の懸念があるとも指摘した。インフレ抑制のために金利引き上げを進めていた金融政策と財政政策の方向のズレも懸念を大きくさせた。

日本政府は新型コロナウイルス禍以降、大規模の経済対策を繰り返し、金融緩和を続ける日銀と今のところ足並みはそろっている。ただ、財政政策が必要な部分に絞られているかという点で英国と同様に問題を抱える。

足元で検討が進む総合経済対策は、電気代の直接支援などが盛り込まれ、巨額の財政支援から抜け出せなくなる恐れがある。一方、コロナ対策である雇用調整助成金の特例の縮小・終了は与党側が慎重で調整が進まない。成長分野への労働移動を妨げるなど中長期で成長率を下げかねないメリハリのない財政出動が慢性化している。

SMBC日興証券の丸山義正氏は「財政拡張策が経済成長の基盤や規律を著しく損なうと市場から判断されたときには日本売りという形で円安が一段と進むリスクがある」と話す。

世界経済の先行きに警戒感が強まる中、各国にとって財政出動の誘惑は大きく、役割も大きい。だが「賢くない」とみなされた政策の代償がどれだけ怖いかも明らかになった。

(税財政エディター 小滝麻理子)』

SMBC日興、法令軽視の責任が親会社にも 金融庁処分

SMBC日興、法令軽視の責任が親会社にも 金融庁処分
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB075320X01C22A0000000/

『金融庁が大手証券会社の一角、SMBC日興証券に一部業務停止命令を出したのは、今回の相場操縦事件が金融の根幹である信用を揺るがしかねないと判断したためだ。株式売買の仲介と自己勘定取引を同時に担う証券会社の特権をSMBC日興は悪用していた。銀行と証券の間の情報共有を制限するファイアウオール規制にも違反していた。法令順守を軽視し続けた代償が、親会社の三井住友フィナンシャルグループ(FG)や三井住友銀行にも突きつけられた。

「極めて厳しい処分をした」。鈴木俊一金融担当相が7日夕、記者団の取材に対し相場操縦事件を犯したSMBC日興を批判した。「根本的な原因や経営上の責任を明らかにし、適切な対応を講じていただく必要がある」と述べ、経営責任にも言及した。

今回、SMBC日興は、顧客から預かった大口株式の売り注文を投資家に市場外でさばく「ブロックオファー」取引を成立させるため、人為的に価格を操作していた。金融への信用を失墜させる行為で「本来、不公正取引を防止する立場にある証券会社にあってはならない行動」(幹部)だった。

大手証券会社への業務停止命令は異例の措置といえる。2012年と19年にインサイダー取引や情報漏洩を起こした野村証券は業務改善命令止まり。06年、大和証券に一部停止命令を出したが、姫路支店1店のみ。部門や関係する業務を停止させる大がかりな命令は03年の大和証券SMBC以来のことだ。

さらに、SMBC日興証券への行政処分は三井住友FGが買収した09年以降、4度目。不正が起きた該当部署の新規業務を3カ月停止する一部業務停止命令は避けられなかった。「本来なら登録取り消し相当」という声もあり、SMBC日興は抜本的な対策を求められることになった。

三井住友FGにとっても、金融庁が今回出した行政処分は2つの意味で「イエローカード」となる。

1つは相場操縦事件に絡んで、親会社の三井住友FGに対して改善措置命令が出されたこと。「再建に対する保護者としての責任」(関係者)を課した格好で、再び不正が起きた場合、責任追及の矛先は三井住友FGに向かうことになる。

もう1つは、相場操縦とは別に証券取引等監視委員会の検査で見つかったファイアウオール規制違反だ。銀行法で禁止する優越的地位の乱用こそ認めなかったが、顧客に無断で非公開情報を共有していたと監視委が指摘した3つの案件を金融庁も追認した。三井住友FGと三井住友銀行には銀行法に基づく報告徴求命令が出された。

金融庁幹部は「類似例がないのか調べてもらう。調査手法や範囲の妥当性も検証してもらう」と語る。三井住友銀行は06年に優越的地位を乱用したとして、銀行法に基づき業務停止命令を受けたことがある。金融庁が今後、銀行法違反を検証する余地を残した意味は重い。

「主体的に検討いただくと言うことだ」。鈴木金融担当相の記者会見でも事務方の説明でも、報道陣からの質問は「経営責任の明確化」の意味に集中した。大臣の発言には突き放したようなニュアンスもにじむ。

SMBC日興はコンプライアンス部門、社員の評価体系も見直し、再発防止へ動き始めた。三井住友FG、三井住友銀行も巻き込んで実効性のある対策を求めた金融庁の要求に誰がどう応えていくのか。場当たり的な対応に終始することは、もはや許されない。

(金融エディター 玉木淳)

【関連記事】

・金融庁、SMBC日興に一部業務停止命令 相場操縦事件で
・SMBC日興の相場操縦、行政処分でどうなる?
・SMBC日興の相場操縦事件、ガバナンス「異常な状況」 』

それでも政府・日銀が金利を引き上げない理由

それでも政府・日銀が金利を引き上げない理由
島澤 諭 (関東学院大学経済学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/28033

『9月22日、政府・日本銀行は、1998年6月以来24年ぶりに円安に対応した円買いドル売りの為替市場介入を断行した。この介入により、円ドル相場は午後4時台1ドル=145.90円から約5時間後には140.40円と3.8%の円高となるなど、一定の介入効果はあったように見えた。

政府・日本銀行による市場介入により、円は一時140円台に上昇した(ロイター/アフロ)
 しかし、9月26日現在、円ドルレートは144円台後半まで円安が進むなど、再度1ドル=150円を目指した動きになりつつある。

 主要先進国がインフレ退治のために軒並み金利を引き上げる中、政府・日銀が金利の引き上げを頑なに拒否し、米国による為替操作国認定のリスクを冒してまで円安局面での介入という戦後日本では稀有な対処に及んだ。理由は、故安倍晋三元首相の悲願であったデフレからの脱却、インフレ率2%達成というよりはもっと深いものがあるのではないか。
 つまり、金利を引き上げたくても引き上げられないのだ。

日本国債の最大の保有者は日銀

 なぜ、政府・日銀は金利を引き上げられないのだろうか。

 金利引き上げが日本経済に与える影響は広範囲に及ぶが、最大の懸念は国債価格暴落、つまり、国債バブルの破裂にある。』

『現状では、国債の保有主体は、日本銀行44.3%を筆頭に、生保等19.6%、銀行(預金取扱機関)14.7%となっている。
(出所)日本銀行「資金循環統計」 写真を拡大

 つまり、日銀は世界最大の日本国債保有主体であり、金利引き上げによる国債バブルの破裂の影響を最悪の形で受けることになる。

 ただし、金利引き上げにより国債価格が暴落したとしても、あくまでも含み損でしかなく、日銀が日本国債を満期まで保有すれば形式上問題はない。しかし、日銀が満期償還まで含み損を抱えている事実に変わりはない。マーケットがこの含み損をどう評価するかに日銀の信用力は依存することになる。

 仮に、マーケットが問題なしとすれば日銀の信用力は維持され、したがって日銀の信用力に裏打ちされる日本円の信用力も維持される。

 反対に、マーケットが日銀の国債関連の含み損について、日銀のバランスシートを著しく棄損し、日銀の経営基盤に大きなマイナスだと評価すれば、日銀の信用力は地に落ちる。そうすれば日本円の価値も地に落ち、日本経済と日本国民は激しいインフレと激しい円安に見舞われる。
金利を引き上げても引き上げなくても結果は同じ

 このとき、金利を現状から据え置いても、円安によるインフレの高騰が生じるのに対して、金利を引き上げても日銀が大量に日本国債を保有することから生じる財務悪化を懸念してインフレが生じる。面白いことに、金利を引き上げても引き上げなくても結局同じ結果が生じていることに注意が必要だ。

 結局、日銀が金利を引き上げても引き上げなくても、現状の世界経済環境が続くのであれば、日本経済はいずれハイパーインフレとハイパー円安のリスクに直面する。

 つまり、黒田東彦日銀が現状のインフレに対して金利を引き上げないということは、結果が同じならば、円安に対しては米国に睨まれない程度に要所要所の介入で対応し、世界的なインフレに対しては、資源価格や食料品価格への政府補助金で対応してもらう方がましと判断したのだろう。インフレはともかく、円安であれば海外に展開する企業からの利益還流による税収増が見込めるのに対し、円高では元々国際競争力が落ちてしまっている日本企業の競争力がいっそう低下して景気も冷え込むだけだからだ。』

『このように、黒田日銀は金利を引き上げた場合のリスクの蓋然性の方が大きいと判断した可能性が高い。

利上げで早まる財政破綻

 現在、国家予算は新型コロナ対応もあって、2020年、21年と140兆円を超え膨張した。22年度当初予算は107.6兆円だが、自民党の茂木敏充幹事長は30兆円規模の補正予算を提言していることもあり、最終的には140兆円近くの予算規模と引き続き拡張的な予算となるだろう。

 一方で、大規模な歳出を支えるのは国債の発行だ。新発債と借換債を含めて毎年200兆円を超える国債を発行しても、低金利で推移しているのは、先にも見た通り、日銀が事実上の財政ファイナスを行っているからだ。この結果、日銀が保有する国債からの受取利息は1兆1233億円である上、国税を加えると1兆2584億円を国庫納付金として政府に還流させている。

 現状では、政府がさらに歳出規模を拡大させ、日銀が引き続き財政ファイナンスを行ったとしても、問題なさそう見える。しかし、金利を引き上げた場合、この好循環が断たれてしまうどころか、日銀のバランスシートが含み損のせいで棄損するのに加えて、政府の財政破綻を早めるリスクまで抱えてしまう。

 黒田日銀はインフレ率を口実に金利政策の変更は時期尚早としているが、実はそもそも何が起きようとも金利の引き上げは困難なのである。内外金利差の拡大で円安になれば、「円安のデメリットももちろんあるが、輸出が伸びるメリットが上回る」と言ってみたり、インフレ率が2%を達成したら「コアインフレ率はまだ2%に到達していない」と言ってみたり、今後も金利引き上げの要求が高まったとしても、結局、あれこれ理由を付けてそれに応じることはないだろう。

  なぜなら、日銀が安心して金利を引き上げられる環境が整うのは、政府債務の削減が進んだ時であり、そのためには短期的にはバラマキ的な財政運営からの脱却、中長期的には社会保障制度の抜本的な改革という2つの政府財政赤字の根源を退治することが必要だからだ。

 政府も政治も高齢者の票を大切にするあまり、日本経済や若者の未来を大きなリスクに晒している点を反省すべきだろう。』

政府・日銀、24年ぶり円買い介入 円一時140円台に上昇

政府・日銀、24年ぶり円買い介入 円一時140円台に上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12A5H0S2A410C2000000/

『【この記事のポイント】
・輸入物価の高騰で家計の負担増につながる円安を阻止
・一時1ドル=145円台まで進んだ円安、介入後5円程度上昇した
・大規模な介入繰り返すのは難しく、効果は限定的との見方も

政府・日銀は22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。日銀が金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持することを決め、利上げを進める米国との金融政策の違いから円安・ドル高に拍車がかかっていた。輸入物価の高騰で家計の負担増につながる円安を阻止する姿勢を示した。

円安の原因である日米の金利差はさらに広がるとみられる。円買い介入の効果が持続するかは見通せない状況にある。

鈴木俊一財務相は介入後の22日夜に財務省内で記者会見した。為替は原則として市場で決まるものだと前置きしつつ、「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない」と理由を述べた。関係者によると介入規模は「兆円単位」という。

今回は他国と足並みをそろえる協調介入ではなく、日本の単独介入だった。米財務省の広報担当者は22日、日本経済新聞の取材に対して「米財務省は為替介入には参加していない。日本の当局は為替介入は最近の円のボラティリティー(変動)の高まりを抑えるのが目的だと述べており、我々は日本の行動を理解している」とコメントした。欧州中央銀行(ECB)の広報担当者は22日、取材に対し「為替市場で介入はしていない」とした。

会見に同席した神田真人財務官は判断の決め手は円相場の水準そのものではなく、値動きの荒さだと強調した。「あまりにもおかしなボラティリティーの場合はマーケットを正常化する営みが求められる」と述べた。

訪米中の岸田文雄首相は22日のニューヨークでの内外記者会見で為替介入に言及し、「過度な変動に対しては断固として必要な対応をとりたい」と強調した。

夕方の介入を受け、円相場は一時1ドル=140円台と、直前から5円程度上昇した。

米連邦準備理事会(FRB)は21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利上げを続ける方針を示した。日銀は22日まで開いた金融政策決定会合で金融緩和の維持を決めた。

今後も日米の金利差が開くとの見方から金利の高いドルを買う動きが強まり、22日正午ごろには一時1ドル=145円台まで円安が進んだ。午後1時30分過ぎには神田財務官が記者団に対し、為替介入の可能性について「スタンバイの状態と考えていい。いつでもやる用意がある」と語っていた。

3月初めまで1ドル=115円程度で安定していた円相場は同月の途中から円安に振れた。半年あまりで30円も円安に進んだことになる。

ロシアによるウクライナ侵攻で原油や天然ガスの国際価格が上がった。円安は輸入する資源や原材料の値上がりにつながり、日本の企業や家計を圧迫している。

ただ、介入の効果は限定的との見方がある。金利差を背景に円安・ドル高になりやすい構造は変わらない。円買い・ドル売り介入は手持ちのドルを売る必要があり、原資となる外貨準備の範囲内でしか実施できない。大規模な介入を繰り返すのは難しい。

不良債権問題などで日本経済が低迷していた1998年6月も1ドル=140円を超えて円安が進んだ。歯止めをかけようと日米で協調介入に踏み切った。円安に誘導する円売り・ドル買い介入は日本が単独で実施した11年11月が最後だった。米国の景気不安や欧州の信用不安などを背景に直前の10月末に1ドル=75円32銭の史上最高値をつけた。

【関連記事】

・財務相「投機的な動き見過ごせず」 24年ぶり円買い介入
・日銀は緩和維持・FRBは0.75%利上げ 金利差で円安加速

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Japan-intervenes-in-forex-market-to-stem-yen-s-slide?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

日本の通貨当局は言行一致を貫いた形である。日銀が異次元緩和続行を決めた前後の急激な相場変動に対して、G7・G20合意で認められている「スムージングオペ」、相場の過度の変動を落ち着かせる目的だという体裁で、今回為替介入に踏み切ったのだろう。だが本音では、大きな問題にもなっている円安ドル高に、そろそろ歯止めをかけたいはずである。介入は、タイミングと効率が重要。勝ちを収めたいのなら、円を売り持ちにしている海外などのプレーヤーを、損失確定の円買い戻しに追い込む必要がある。チャート上の節目は近いところでは142.40円、141.50円など。これらの水準に到達することで、介入の効果はより大きくなる。
2022年9月22日 17:51

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尾河真樹
ソニーフィナンシャルグループ執行役員兼金融市場調査部長
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ひとこと解説

145円を超える円安は日本政府として容認できないというメッセージを市場に明確に示した点で、意味のある介入だ。したがって、当面ドル円の145円付近は重くなるのではないか。ただ、今の円安は日本の経常黒字の急速な減少や、諸外国の利上げに対し、日本だけが緩和維持姿勢であることが際立っていることなどが背景にあり、こうしたファンダメンタルズに変化がなければ、介入でドル円を「上昇トレンド」から「下落トレンド」へと向きを変えることは難しいとみている。今後米国経済が悪化し、インフレが抑制されれば自然とドル円は反落しよう。それまでの時間稼ぎという趣旨であれば、今後複数回の介入が必要になるかもしれない。
2022年9月22日 18:49

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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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分析・考察

焦るFRBの大幅利上げ、動けぬ日銀の現状維持で円安が進む展開は見えていたのですが、このまま何ら反応しない「ゼロ回答」では為替市場ににらみが利かず、日本の当局として「やってる感」を出さねばならなかったというところでしょう。円安による値上がりで国民の不満が蓄積するなか、岸田政権としても「円安無策」の批判は避けたいはずで、思惑が一致したということでしょうか。過度の為替変動には断固対処するという筋道は通したわけですが、構造的な円安要因は全く消えません。介入の足元をみてくる市場と日本政府の我慢比べが始まったということかと思います。
2022年9月22日 18:40

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

円安阻止のための利上げの可能性を否定した黒田総裁の会見終了後に円安傾向が加速、146円が目前に迫っていたが、足もとは142円台まで押し戻されている。
日本時間16時30分には、スイス中銀が0.75%の大幅利上げを決め、マイナス金利政策採用国が日本のみという構図になったことも、円安に拍車をかけた可能性がある。
今夜は日本時間20時にイングランド銀行の金融政策委員会が少なくとも0.5%の利上げと量的縮小の開始を公表する見込み。
「動かない日銀」がクローズアップされやすい環境で、介入がどこまで効果を発揮するのか見極めたい。
2022年9月22日 17:33』

円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ

円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13ART0T10C22A9000000/

『【この記事のポイント】
・ドルでみた日本が縮小。GDPは30年前に逆戻り
・国力低下、円安止まらず。安い賃金、株買いも弱く
・ITなど投資不足。高付加価値の産業へ転換が重要

ドル建てでみた日本が縮んでいる。1ドル=140円換算なら2022年の名目国内総生産(GDP)は30年ぶりに4兆ドル(約560兆円)を下回り、4位のドイツとほぼ並ぶ見込み。ドル建ての日経平均株価は今年2割安に沈む。賃金も30年前に逆戻りし、日本の購買力や人材吸引力を低下させている。付加価値の高い産業を基盤に、賃金が上がり通貨も強い経済構造への転換が急務だ。

経済協力開発機構(OECD)によると日本の今年の名目GDPは553兆円の見込み。1ドル=140円でドル換算すると3.9兆ドルと1992年以来、30年ぶりに4兆ドルを下回る計算だ。現時点での期中平均は127円程度だが、円安が進んだり定着したりすると今年や来年の4兆ドル割れの可能性が高まる。

ドルでみた経済規模はバブル経済崩壊直後に戻ったことを示す。世界のGDPはその間、4倍になっており、15%を上回っていた日本のシェアは4%弱に縮む。12年には6兆ドル超とドイツに比べ8割大きかったが、足元で並びつつある。

経済成長や景況感は円ベースのGDPに連動する。今年のドル建てGDPが21年に比べ2割減るといっても、大不況というわけではない。ただ、ドル建てでの国際比較は長い目でみた「国力」の指標になる。

一橋大学の野口悠紀雄名誉教授は「通貨安は『国力』を低下させる。海外から人材を引き付けられなくなり成長を妨げる」と指摘する。

1ドル=140円なら平均賃金は年3万ドルと90年ごろに戻る計算だ。外国人労働者にとって日本で働く魅力は低下している。今年の対ドルの下落率は円が韓国ウォンを上回り、ドル建ての平均賃金は韓国とほぼ並ぶ。11年には2倍の開きがあった。物価差を加味した購買力平価ベースでは逆転済みだが、市場レートでも並ぶ。

世界経済を揺るがすエネルギー高も通貨安の国には重くのしかかる。原油先物の代表的な指標であるドル建てのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は昨年末に比べ13%上昇した。円建ての東京商品取引所の原油先物(中心限月)は33%とさらに上昇している。

かつての円安局面の特徴だった、外国人が企業収益拡大を期待して日本株を買う動きは見られない。

外国人は22年1~8月に日本株を2.7兆円売り越した。日銀が異次元緩和を始めて急速な円安となった13年1~8月に9.1兆円買い越したのと様変わりだ。「調達コスト増を価格転嫁できず、企業の利益が落ち込む例がある」(仏コムジェスト・アセットマネジメントのリチャード・ケイ氏)とマイナス面を警戒する。

外国人が運用成績の評価に使うドル建てでは日経平均は今年23%安と、年間の下落率で金融危機の2008年(42%)以来となっており、海外からみれば日本の資産は価値が急減している。

円安は輸出競争力を高めるほか、海外からの直接投資や旅行者の誘因にもなる。景気刺激の面では望ましい。ただ、90年代以降の円安を志向する政策の下で、IT(情報技術)投資不足などで産業競争力は落ちた。「円安が続かないと生存できない企業が増えて全体の生産性が低下し、賃金低迷を招いた」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)。円安や金融緩和の支えに甘え、改革を怠れば国力低下は止まらない。

(真鍋和也、今堀祥和、小池颯、南泰葉、川路洋助)

【関連記事】

・政府・日銀、苦渋の為替介入準備 急速な円安に危機感
・日銀が「レートチェック」 為替介入の準備か
・株、円安はもはや売り材料か 「業績にもマイナス」の声 』

住宅ローン契約者の3人に1人が破綻する? 統計が浮き彫りにした金利上昇の大きなリスク

住宅ローン契約者の3人に1人が破綻する? 統計が浮き彫りにした金利上昇の大きなリスク
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2209/15/news207.html

 ※ 円安による「物価上昇」を回避するため、「異次元緩和政策」を変更すると、こういう問題が浮上する…。

 ※ この世の中、「誰一人、取り残さない!」「三方丸く収まる。」「誰にとっても、ソンの無い話し。」なんてものは、「無い」んだ…。

 ※ 有るのは、「なるべく多くの人が、それほど酷い目に合わないライン」「なるべく多くの人が、生存すらして行けなくなる事態を、回避する策」などの、ごくごく「現実的なもの」だけだ…。

 ※ それを、標語的に表現すれば、「最大多数の、最大幸福」ということになる…。

『1ドル140円を超える急激な円安で、日銀の異次元緩和政策が岐路に立たされている。

 9月13日には、8月の企業物価指数が前年同月比で9.0%も増加し、過去最高を更新した。日本の消費者物価指数(コアCPI)も、足元では年率2.0%の水準を超えている。いよいよ日銀も、「緩和の縮小」ないしは「利上げによる金融引き締め」へ舵取りをしていかなければならないタイミングになってきたといえる。

 金融緩和を縮小する金融政策には、「市中金利を高める」という効果がある。簡単にいえば、今後借金の金利が上がることになる。そんな局面では、大規模なローンを組んでいる者ほど割を喰らうことになる。

 では、企業を除いて最も大きな借金とは何だろうか。それは「住宅ローン」である。
(写真提供:ゲッティイメージズ)

これから「3人に1人が破綻」する?

 3月に、筆者は金利上昇リスクの高まりによって現住宅ローン契約者の4人に1人が破たん予備軍となることを説明した。そして、9月の状況は当時の市況よりもさらに悪化している。

 2022年3月当時における日本の長期金利は、今の水準から2割ほど低い0.186%であった。さらに、米国の利上げターゲットとされている水準も、当時は2%程度であったが、今ではその倍の4%程度への利上げも視野に入ってきている状況だ。

 ここで、以前に紹介した金利上昇の到来によって破綻する可能性がある「4人に1人」はどのような根拠があったかをおさらいしたい。この「1人」に共通するのは、ある”危険な住宅ローンの組み方”をしていることだ。

 それは、「頭金が最小限で、固定金利だと借りられない金額を、変動金利では借りられるためにローンを組んだ」という人だ。

 固定金利は変動金利を上回るのが原則だ。そのため、借入可能額と毎月の支払額を一定とした場合、固定金利よりも変動金利の方が、総返済額に対する元本の割合が高くなる。そのため、変動金利を選んだ方がグレードの高い家に住めるようになるのだ。

 固定金利では立地、間取り、日当たりなどのさまざまな条件に目を瞑って、妥協した家を買うことになる。しかし、変動金利では妥協しない理想の家でも、(今の金利の想定では)ギリギリ返済できるというという想定で満額を借りてしまう人が4人のうちの1人の破綻予備軍に該当するのである。

 住宅金融支援機構によれば、金利上昇が始まる前の21年10月時点において「変動金利」を選択した顧客は67.4%と全体の3分の2以上であった。しかし、驚くべきことに、最新の調査結果では、目先で金利上昇が発生しているにもかかわらず「変動金利」を選択している契約者が73.9%まで増加しているのだ。

出所:住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月)金利上昇で変動型を選択する契約者が増加している

 それだけではない。変動型の融資を選択した顧客において48.5%が、物件価格に対する融資の割合が90%を超えているのだ。

出所:住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月)融資の比率が90%を超える変動金利の選択者は44.8%にものぼる。

 住宅ローン契約者で変動金利を選択した73.8%のうち、9割以上の融資率となっているのは44.8%である。つまり足元では、全住宅ローン契約者のうち33%、3人に1人が住宅ローンの破綻予備軍となっている。』

『少しでも高級な物件を買うために……

 「変動金利で融資率が90%以上の分布が異様に突出している」という“歪み”からは、「固定金利だと借りられない金額を、変動金利では借りられるので、借りられるだけ借りる」という危険なローンの組み方が半ば当然かのように設定されている節もある。

 不動産会社としては、変動金利であれば固定金利よりも高額な物件を購入してもらえるため、目先の営業成果が最大化するというメリットがある。筆者が実際に目にした例では、自社リノベ物件を「頭金10万円」で、変動金利で目いっぱい借りさせ、買わせようとする例もあった。その担当者の「みんな変動(金利)です」といった発言があったことからも、この統計には説得力があると思われた。

 しかし変動金利の場合、金利上昇によって、場合によってはその時に固定金利を組んでいた場合よりも高い金利を支払わなければならないパターンに陥ることもある。「金利が上がれば固定に乗り換えればいい」という言説もSNSでは散見されるが、金利上昇局面で、変動金利から固定金利に乗り換えようとしても、今よりさらに高い金利で固定されてしまうため、あまり有効な手段とはいえない。

 そもそも、変動金利でギリギリの額を借りていたとしたら、今よりさらに高い金利の固定金利に乗り換えることは難しいのではないだろうか。このような住宅ローン破綻予備軍が金利上昇局面に備えてできることは「収入を増やす」か、「物件を売却する」か、はたまた「金利が下がるように祈る」といったものしかない。

 変動金利のローン商品は、金利の見直しが半年ごとであるため、足元では目立った変化こそ生じていない。しかし、足元の状況を踏まえれば、次回の見直しで変動金利で組んだローンの金利負担が増えてくる可能性は高い。

 また住宅ローンには5年ルールという、「毎月の返済額が5年毎にしか見直されない」というルールがあり、金利が上がってもしばらくは支払額は一定であるため、直ちに家計の負担を圧迫するとはいえない。

 しかし、金利が上がっても返済額が一定ということは、借入元本の返済ペースがスローダウンし、支払い総額を高めてしまうことにもつながる。金利上昇局面においてはやはり変動金利のデメリットを避けることはできない。

本当に金利は上がるのか

 ここで気になるのが、目に見えない「金利」の上昇をどうやって事前に察知するかという点ではないだろうか。

 この点について、日本国債の利回りを確認することで、すでに将来の金利上昇を市場が織り込み始めていることを確認できる。一般的に「金利」として参照される日本の長期国債(10年物)利回りを確認すると、ここ1カ月でその利回りは年率0.160%程度から0.246%まで急騰している。

 日銀は「イールドカーブコントロール」という政策で、一定の価格で無限に日本国債を買い支えて、事実上の金利上限を0.25%に抑えようとしている。

 しかし、最近は0.25%の水準を突破してくる回数が増えてきた。これは、日銀の吸収スピードを上回るほどの国債売りが発生していることを表しており、市場は日銀の政策変更を見込んで大量に日本国債を売っているということになる。つまり、市場と日銀の攻防戦が繰り広げられているのである。

筆者プロフィール:古田拓也 カンバンクラウドCFO

1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CFOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら https://twitter.com/full_tangent 』

止まらぬ円安、日銀のレートチェックって何?

止まらぬ円安、日銀のレートチェックって何?
イチからわかる金融ニュース
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB154BY0V10C22A9000000/

 ※ 世の中、「構造」から生じている現象を、その「構造」を変化させること無くして、現象の方だけ「変える」ということは、難しい…。

 ※ 今般の「円安」も、根本は「日米金利差」という「構造」から生じているもので、これが「変わらない」限り、「ドル高・円安」という「力学」は働き続ける…。

 ※ それでも、「政治的思わく」や、「時の政権のご意向」なんかにより、「力学を無視して、打って出る」可能性は、無いわけではない…。

 ※ 案外、安倍氏の「遺産」である「アベノミクス」の根幹であった「異次元緩和」を取りやめることで、「安部カラー」の払拭を図る…、なんてことが、時の政権の「最大の目的」となる可能性が、無いわけではない…。

 ※ これに、次期日銀総裁の「人事」なんてものも、絡んでくるんで、事態は、ますます複雑化してくる…。

 ※ 日銀総裁の人事は、基本、「たすき掛け」で、「財務官僚畑」の人と、「日銀生え抜き畑」の人とで、交互に就任することになっているらしい…。

 ※ 現黒田総裁は、「財務官僚畑」の人だったんで、次期は、「日銀生え抜き畑」から就任するだろうと目されているらしい…。

 ※ 有力候補としては、『最多数は現日銀副総裁の雨宮正佳氏で、エコノミスト30名中29名が次期日銀総裁だと予想した。次点は28名が予想する大和総研理事長 中曽宏氏。雨宮氏とほぼ拮抗する結果となった。3番目に予想が多かったのは、アジア開発銀行総裁の浅川雅嗣氏(9名)だった。

この結果を素直に受け取れば、現在点では雨宮氏、中曽氏、浅川氏の3名が次期日銀総裁の有力候補となるだろう。』という3名の名前が上がっているらしい…。

『日銀が為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施しました。今は1ドル=140円を超える円安水準で為替相場が推移していることは、市場参加者に聞かなくても分かります。なぜ、わざわざ日銀は相場水準を聞いたのでしょうか。このタイミングで聞く狙いは何でしょうか。

何を聞くの?誰が聞くの?

レートチェックは当局者が市場の動きをけん制する口先介入から一歩踏み込み、為替介入の準備段階にあたります。聞くのは日銀金融市場局為替課の職員です。東京・日本橋本石町にある日銀本店の4階にある一室から、銀行など金融機関で為替売買をするディーラーに電話で聞きます。質問は「ドル売りだと、いくらのレートでいけますか」といった内容です。

もちろん、日銀もオンラインで為替の動向をリアルタイムで把握しており、相場の見通しについても日ごろから市場参加者と情報交換しています。あえて電話という手段で複数のディーラーに売買のレートを問い合わせることで、為替介入の実行部隊である日銀が準備に動いていることをアピールする狙いがあります。

日銀はレートチェックを実施したかどうかについて、過去の実績も含めて公表していません。関係者によると、為替課の部屋は周囲からの視線を遮るために、ブラインドやシャッターを閉め切っているそうです。

【注目記事】

・日銀が「レートチェック」 為替介入の準備か
・鈴木財務相、為替介入「やるときは間髪入れず瞬時に」

なぜこのタイミング?

急速に進む円安に対して、政府・日銀は口先介入を繰り返してきました。7日に鈴木俊一財務相が急激な為替の変動には「必要な対応をとる」と発言。8日には財務省、日銀、金融庁の3者が会合を開き為替相場の急変に強い警戒感を示しました。9日には日銀の黒田東彦総裁が官邸の岸田文雄首相を訪ねています。それでも円安・ドル高傾向は止まらず、強いメッセージを出して市場をけん制しました。

もう一つは世界の主要中銀の政策決定スケジュールです。日銀が21~22日に金融政策の方向性を決める金融政策決定会合を開くほか、直前の20~21日に米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を予定しています。FRBなど海外中銀が大幅な利上げを表明すれば、市場は大規模緩和を続ける日本との金利差をより強く意識します。

一般的に、金利が低い通貨から金利の高い通貨にお金は流れます。今は米国と比べて日本の金利が低い状況なので、金利の低い円を売り、金利が高いドルを買う動きが活発です。FOMC後に金利の高い米ドルを買って低い円を売る動きが加速する前に、レートチェックによって介入の可能性をにおわせてけん制したとの見方もあります。

【注目記事】

・日銀が実施した「レートチェック」とは?
・政府・日銀、苦渋の為替介入準備 急速な円安に危機感
・円安、なぜ止まらぬ? 政府・日銀は介入・利上げに動くか
・米国、問われる利上げ耐性 年内に4%超との見方も

円安を止める効果はありますか?

14日の円相場は午前7時ごろに1ドル=144円台後半を付け145円が迫っていました。複数の関係者の話では、日銀は1ドル=144円90銭付近に差し掛かったところでレートチェックに踏み切ったようです。レートチェック後の15日の円相場は1ドル=143円台を中心に推移しています。ユーロなど他の幅広い通貨に対しても円高が進みました。日系の為替ディーラーは「為替介入の可能性がちらつく中であえて円を売る動きはなくなっている」と話します。現時点では効果を発揮しているようです。

この効果が続くかははっきりしません。というのも、現在の円安の要因は、金融引き締めを強化する米国と大規模緩和を続ける日本という金融政策の構造の違いが大きいためです。市場関係者は、円買い・ドル売りの「実弾介入」があるかどうかに注目しています。レートチェックが「介入のふり」と見る市場関係者が増えれば再び為替は円安に戻る可能性もあります。

【注目記事】円、レートチェック後は全面高 「介入で反転」過去3割

(三島大地、前田尚歩)
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

レートチェックには、(1)為替介入の準備が進んでおり「臨戦態勢」であること、(2)相場の変化スピードに対して通貨当局が懸念を抱いていること、以上2点を知らしめるアナウンスメント効果がある。介入は、相場は市場で形成されるという原理原則への例外措置であり、必ずしも適切な例えではないかもしれないが、警官が犯人に対して拳銃を向け、引き金に指がかかっているものの、できれば発砲せずに済ませたい状況のようなもの。なお、過去には、レートチェックが行われた(行われたという観測が市場で流れた)ものの、その後に介入がなかったケースもある。レートチェックから介入実施までのインターバルが1か月以上と長かったこともある。
2022年9月16日 7:31 』