キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」

キリンHD、中国合弁解消「議論しているのは事実」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC141QT0U2A110C2000000/

『キリンホールディングス(HD)は14日、中国の飲料大手、華潤集団との現地での合弁事業について、「(合弁企業の解消に向け)株式売却を議論していることは事実」とのコメントを発表した。現時点で決定している事実はないが、今後開示すべき事が生じた場合には速やかに公表するという。』

送電ロスなし「超電導」実用へ JR系、脱炭素を後押し

送電ロスなし「超電導」実用へ JR系、脱炭素を後押し
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC164JB0W1A211C2000000/

『送電時の損失がほぼゼロの技術「超電導送電」が実用段階に入った。JR系の研究機関がコストを大幅に減らした世界最長級の送電線を開発し、鉄道会社が採用の検討を始めた。欧州や中国でも開発が進む。送電ロスを減らしエネルギーの利用効率を高められれば地球温暖化対策につながる。

送電ロスは主に電線の電気抵抗により電気が熱に変わることで起こる。送電線を冷やして超電導状態にすると、電気抵抗がゼロになるため損失をほぼなくせる。

課題はコストだ。かつてはセ氏マイナス269度に冷やす必要があったが、マイナス196度でも超電導の状態にできる素材の開発が進み、冷却剤を高価な液体ヘリウムから、1キログラム数百円と1割以下の液体窒素に切り替えられるようになった。超電導送電線の費用の相当部分を占める冷却コストが大きく減ったため実用化が近づいた。

JR系の鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)は送電線を覆う形で液体窒素を流し、効率よく送電線を冷やす技術を開発。世界最長級で実用レベルの1.5キロメートルの送電線を宮崎県に設置して実証試験を始めた。鉄道に必要な電圧1500ボルト、電流数百アンペアを流せる。送電線の製造は一部を三井金属エンジニアリングに委託した。

通常の送電に比べて冷却コストはかさむが「送電線1本の距離を1キロメートル以上にできれば既存設備を活用でき、送電ロスが減るメリットが費用を上回る」(鉄道総研)。複数の鉄道会社が採用に関心を示しているという。採用されれば、鉄道の送電線で超電導送電が実用化されるのは世界で初めてとなる。

超電導送電はこのほか風力発電など再生可能エネルギー発電分野でも利用が期待されている。電力会社や通信会社などに広がる可能性がある。

超電導送電は電圧が下がりにくいため、電圧維持のための変電所を減らせるメリットもある。変電所は都市部では3キロメートルおきに設置し、維持費は1カ所で年2000万円程度とされる。鉄道総研はより長い超電導送電線の開発にも取り組んでおり、実現すればコスト競争力がより高まる。

日本エネルギー経済研究所によると国内では約4%の送電ロスが発生している。全国の鉄道会社が電車の運行に使う電力は年間約170億キロワット時。送電ロス4%は、単純計算で一般家庭約16万世帯分に相当する7億キロワット時程度になる。

送電ロス削減は海外でも課題だ。鉄道以外も含む全体でインドでは17%に達する。中国では2021年11月、国有の送電会社の国家電網が上海市に1.2キロメートルの超電導送電線を設置した。ドイツでは経済・気候保護省主導で、ミュンヘン市の地下に12キロメートルの超電導送電線を敷設する「スーパーリンク」プロジェクトが20年秋に始まった。

日本は超電導送電に使う送電線を昭和電線ホールディングスが手がけるなど素材に強みがある。JR東海のリニア中央新幹線も超電導を使っており、鉄道総研の技術基盤が生かされている。

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・超電導とは 電気抵抗をゼロに 』

みずほFG社長に木原氏昇格へ システム障害で体制刷新

みずほFG社長に木原氏昇格へ システム障害で体制刷新
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB067OC0W2A100C2000000/

『みずほフィナンシャルグループ(FG)は10日、指名委員会を開き、4月1日付での辞任を表明している坂井辰史社長(62)の後任に木原正裕執行役(56)を昇格させる方針を決めた。一連のシステム障害を受けて社外取締役で構成する指名委が人選を進めていた。経営体制を刷新し、システム障害の再発防止と顧客の信頼回復をめざす。

金融庁に再発防止策などを盛り込んだ業務改善計画を提出する17日の取締役会で決議して発表する。木原氏は1989年に旧日本興業銀行に入行。みずほ証券の企画部門などを経験し、直近は投資銀行ビジネスのプロダクツをとりまとめるグローバルプロダクツユニット長を務めている。3メガバンクで初の平成入行のトップになる。木原氏は木原誠二官房副長官の実兄。

みずほ銀行の藤原弘治頭取も4月1日付での引責辞任が決まっており、すでに加藤勝彦副頭取の昇格が内定している。同日付で退任するみずほFGの佐藤康博会長の後任は空席を含めて引き続き検討する。

みずほ銀行では21年2月以降、ATMが止まってキャッシュカードや通帳が吸い込まれたり、手続きができなくなったりするシステム障害が相次いで起きた。利用者に影響が出たトラブルは計9回に及び、11月には金融庁から再発防止や経営責任の明確化を求める業務改善命令を受けた。

また、同年9月の障害時にマネーロンダリング(資金洗浄)対策に必要な手続きを省いて送金していたことが発覚し、財務省から外為法違反で是正措置命令も受けた。当初は坂井社長が続投して再発防止に取り組むとしていたが、度重なる障害を受けて経営体制の刷新が不可欠と判断した。

木原 正裕氏(きはら・まさひろ) 89年(平元年)一橋大法卒、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほ証券財務企画部長、常務執行役員などを経て、21年みずほFG執行役、グローバルプロダクツユニット長。

【関連記事】
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みずほが「キングギドラ」と呼ばれた理由

みずほが「キングギドラ」と呼ばれた理由、旧行意識でポストが“3の倍数”だらけ
https://diamond.jp/articles/-/286920?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=2022newyear

 ※ なるほど、「ポストの数」の問題もあるわけだ…。

 ※ 強力な、「統合を邪魔する行動」の「動因」となるな…。

『みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#17では、みずほの旧3行が繰り広げた壮絶なポスト争いを取り上げる。

持ち株会社のみずほホールディングスが誕生し、日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行は翌年に分割・合併し、二つの銀行に再編される――。その当時まで時をさかのぼろう。
「旧行意識に固執し、統合の足を引っ張る人材は管理職としての資格を失うことになる」と、みずほ首脳は断言していた。ところが株式市場でみずほはその時、3本の首を持つ怪獣「キングギドラ」になぞらえられていた。

「週刊ダイヤモンド」2001年9月1日号特集「「興銀・一勧・富士 取引先100万社を巻き込む!『みずほ』統合の暴風」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。』
『3行統合直後のみずほで持ち上がった

ミドルのポスト争い「50年問題」

 みずほグループのなかで、「50年問題」が、ミドルの話題に上っている。昭和50(1975)年入行、2001年の今年50歳の声を聞く行員が、前後の年次に比べて多いのだ。

 昭和50年入行といえば、第一選抜組はすでに部長になっており、遅れている人でも、まだ昇格を狙える位置にある。しかし、ただでさえ人が多いうえに、肝心のポストがまるで足りない。なぜなら、2002年4月の分割合併以降、持ち株会社であるみずほホールディングスは500人程度の小所帯になる。理屈でいえば、残るみずほコーポレート銀行、みずほ銀行のポストを3行で奪い合う構図だ。

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「旧行意識を排除」と叫びつつ、ポストが3の倍数で決まる不条理

(※ 有料会員限定記事。無料は、ここまで)』

クラシエ製薬、中国で漢方薬の新工場 生産能力1.4倍

クラシエ製薬、中国で漢方薬の新工場 生産能力1.4倍
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11E840R11C21A1000000/

『クラシエホールディングス(HD)傘下のクラシエ製薬は、中国・山東省で漢方薬の素材となるエキスを生産する新工場を建設する。国内外の既存工場と合わせて生産能力は1.4倍の年間1300トンに高まる。高齢化などで国内の需要が拡大する見込みで、日本でも原料の保管機能などを拡張し供給体制を整える。総投資額は100億円。

漢方薬は原料の生薬を煮出してエキスを抽出し、乾燥して粉末にしてから、錠剤や顆粒(かりゅう)などの製品に仕上げる。クラシエ製薬は漢方の大衆薬で国内最大手だ。現在は中国・山東省青島市と大阪府高槻市の工場でエキス抽出を、富山県高岡市の工場で製剤を手がけている。

同社は約40億円を投資し、中国で2つ目となるエキス抽出用の新工場を山東省威海市に建設する。生産能力は年間400トンで、国内外の既存工場と合わせると1300トンに高まる。23年後半の稼働を目指す。

国内では高槻市のエキス抽出用工場に約30億円をかけて原料の保管機能を拡張し、容量を従来の1.5倍にあたる年間400トンにした。また、高岡市の製剤工場では25年までに約30億円を投じ、各工場から集まるエキスを製品に仕上げるラインの速度を上げる設備などを導入し、生産能力を高める。

クラシエHDの製薬事業は20年12月期の売上高が300億円規模だった。高齢化で国内市場の需要は今後も拡大すると見られている。供給体制の拡大に加え、医師やドラッグストアに製品情報を提供したり、消費者向けに専用アプリを用意したりして販売を促進する。』

トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ

トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”
https://www.fashion-press.net/news/57048

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ ちょっと、C(Connected)A(Autonomous)S(Shared & Service)E(Electric)どころの話しじゃ無い規模の構想だな…。

 ※ 実際のところ、どの程度が「建設済み」なんだろうか…。

 ※ なるほど、これが「100年に一度の変革」に対処するための、トヨタ流の「テスト・コース」か…。

 ※ 日本じゃ、到底、「公道でテスト」は許可されないからな…。

 ※ 「私有地内に(それとも、借りてるだけ?「東富士工場(静岡県裾野市)の跡地」と言ってるから、私有地くさいな)」、テストできる「公道(法的には、”私道”)」を作ったわけか…。

 ※ まあ、トヨタ以外のメーカーには、真似できない規模だろう…。

 ※ この「実験都市」を拠点に、あるゆる「モビリティ」の可能性を、探るわけだ…。

『トヨタ(TOYOTA)は、静岡県裾野市に「ウーブン・シティ(Woven City)」と呼ばれる、実験都市を開発するプロジェクト「コネクティッド・シティ」をスタート。

ロボットやAI技術を駆使、トヨタが作る未来都市
あらゆるモノやサービスを情報で繋ぐ

2020年1月7日(火)、アメリカ・ラスベガスで開催されている世界最大規模のエレクトロニクス見本市「CES 2020」において発表されたトヨタが開発する「ウーブン・シティ」。同プロジェクトの目的は、ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームといった先端技術を人々のリアルな生活環境の中に導入・検証出来る実験都市を新たに作り上げることだ。

パートナー企業や研究者と連携しながら、技術やサービスの開発・実証のサイクルを素早く繰り返し、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスが情報で繋がることで生まれる、新たな価値やビジネスモデルを見出す。なお、NTTとのタッグにおいては、NTTの通信インフラにおける高い技術力を生かした、新たなサービスの開発も進めていくという。

東京ドーム約15個分の土地に2,000人が入居

トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”|写真1

建設場所は、2020年末に閉鎖されたトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地。東京ドーム約15個分に値する175エーカー(約70.8万m2)の範囲で街づくりを進めていく。

2021年2月より着工し、プロジェクト初期はトヨタの従業員や関係者をはじめとする2,000名程度の住民の入居を想定。将来的には、一般入居者の募集や、観光施設としての運営も期待されるところだ。

建築家ビャルケ・インゲルスが都市設計を担当
トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”|写真5

都市設計を担当するのは、世界最高の若手建築家として知られる、デンマーク出身の建築家ビャルケ・インゲルス。CEOとして建築事務所「ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)」を率いる同氏は、これまでにニューヨークの新たな第2ワールドトレードセンターやグーグルの新本社屋、レゴ本社に建てられたレゴハウスなど、革新的でユニークなプロジェクトの数々を手がけている建築界の新星だ。

実験都市「ウーブン・シティ」の構想

街を構成する3つの“道”

トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”|写真4

プロジェクトの核となる実験都市「ウーブン・シティ」は、日本語に直訳すると「編まれた街」の意。これは、街を通る道が網の目のように織り込まれたデザインに由来する。

その道とは具体的に以下、3種類に分類される。

1:スピードが速い車両専用の道として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道

2:歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道

3:歩行者専用の公園内歩道のような道

これらが、まるで血管のように、それぞれが街の交通や物流において重要な役割を担う。なお、人々の暮らしを支える燃料電池発電も含めて、この街のインフラはすべて地下に設置される。

ENEOSの知見を活かした、水素エネルギーの利活用を実現へ

2021年5月10日(月)には、ENEOSをコアパートナーに迎えて、水素エネルギーの利活用について検討を進めると発表。四大都市圏において商用水素ステーションを45カ所展開する、水素事業のリーディングカンパニーであるENEOSの知見を活かし、水素を“つくる”、“運ぶ”、“使う”という一連の流れを実現する。

ウーブン・シティ内に定置式の燃料電気(FC)発電機を設置し、ウーブン・シティおよびその近隣における物流車両の燃料電池化を推進を目指すだけでなく、水素需要の実用化に向けての検証および需給管理システムの構築といった目的も兼ねている。

トヨタ社長 豊⽥章男は、2021年10月6日(水)のトヨタイムズ放送部にて「裾野市全体がWoven Cityになるわけではない」と前置きし、「自動運転車の目的は安全。Woven Cityはクルマの安全とともに、道、人を加えた三位一体で安全を確保するためのテストコース。ヒト中心の街をつくらない限り、安全な自動運転はできないと思い、Woven Cityをつくろうと決断した」と、“街”という形のテストコースの必要性を強調した。』


サステイナビリティを前提とした街づくり
トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”|写真8

街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で建設、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街づくりが基本。住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIで健康状態をチェックするなど、日々の暮らしの中に先端技術を取り入れる。また、街の中心や各ブロックには、住民同士のコミュニティ形成やその他様々な活動をサポートする公園や広場も整備される。
トヨタが実験都市「ウーブン・シティ」を静岡に開発へ、ロボットやAI技術を駆使した“スマートシティ”|写真7
「ウーブン・シティ」発表時のコメント

■トヨタ社長 豊田章男コメント

「ゼロから街を作り上げることは、たとえ今回のような小さな規模であったとしても、街のインフラの根幹となるデジタルオペレーティングシステムも含めた将来技術の開発に向けて、非常にユニークな機会となります。バーチャルとリアルの世界の両方でAIなどの将来技術を実証することで、街に住む人々、建物、車などモノとサービスが情報でつながることによるポテンシャルを最大化できると考えています。このプロジェクトでは、将来の暮らしをより良くしたいと考えている方、このユニークな機会を研究に活用したい方、もっといい暮らしとMobility for Allを私たちと一緒に追求していきたい方すべての参画を歓迎します」

■ビャルケ・インゲルス コメント

「様々なテクノロジーにより、私たちが住む街のあり方は大きく変わり始めています。コネクティッド、自動運転、シェアリングのモビリティサービスは、現代の新しい暮らしの可能性を拡げるでしょう。Woven Cityは、トヨタのエコシステムによって幅広いテクノロジーや業界と協業することができ、その他の街も後に続くような新しい都市のあり方を模索するユニークな機会だと考えています」』

トヨタが挑むソフト発の製造業 新産業革命「SDX」

トヨタが挑むソフト発の製造業 新産業革命「SDX」
編集委員 杉本貴司
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK14EB90U1A211C2000000/

 ※ だんだん、「物つくり」の意味が違って来たんだろう…。

 ※ 人は、「物を買う」のでは無い、「物が提供してくれる”価値”をこそ、買うのだ。」という話しなんだろう…。

 ※ まあ、前々から「ぼんやり」とは、言われてきた話しだ…。

 ※ 『「サービス・ドミナント・ロジック」(SDロジック)という論理』という話しなんかは、そういうことを明確に記述したものなんだろう…。

『ソフトウエア・デファインド(SD)による変革の波が押し寄せている。ソフトがモノやサービスを定義するという発想で、伝統的な製造業では従来の常識が一変する可能性を秘める。日本の産業界は、あらゆるものをソフト発で再定義する「SDX」に対応できるか。

 (※ デファイン(define)とは、「定義する」という意味。ソフトウエア・デファインドとは、ソフトウエアによって定義された or ソフトウエアが定義した、特徴づけた…、くらいの意味なんだろう…。)

カイゼンも仮想空間で

純白に映える富士山頂を間近に見据える土地で、未来都市の建設が進んでいる。トヨタ自動車がつくる「Woven City(ウーブン・シティ)」だ。

ウーブン・シティのイメージ図(トヨタ自動車提供)

全容は公開されていないが、完成予想動画では自動運転車が行き交いドローンも飛ぶ。豊田章男社長は「未来のモビリティー用のテストコース」と表現するが、さらにクルマ作りという観点で語ったのが未来都市づくりを託された子会社、ウーブン・プラネットのジェームズ・カフナー最高経営責任者(CEO)の言葉だろう。

「ソフトウエアのプラットフォームで人・モノ・情報がつながった時、我々に何ができるのか。その実証実験の場だ」

未来都市でソフト主体のモビリティーを築こうとしているのだ。カフナー氏が「このプロジェクトを通じて広がる」と指摘するのが「ソフトウエア・ファースト」のクルマ作りだ。

バーチャル空間を利用したデジタルツインと呼ばれる手法により、リアルではなしえない大量のシミュレーションで設計の効率を大幅に高めていく。常にネットワークとつながり文字通り走りながらカイゼンを加えていく――。そんな未来のクルマ作りの先陣を切るのが、この未来都市というわけだ。

ソフトがクルマの価値を生むソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)。自動車産業は100年に一度の大変革にさらされていると言われる。いわゆる「CASE(つながる、自動、シェア、電動化)」で語られることが多いが、SDVはその先にある自動車の本質的な価値変容と言える。

米テスラがソフトのアップデートという概念を自動車に持ち込んだが、クルマ作りそのものをソフト発に切り替える試みはまだ始まったばかりだ。トヨタはその難題に挑もうとしている。14日に公表した急速なEV(電気自動車)シフトに株式市場は目を奪われがちだが、その先にある自動車の本源的な価値を巡る競争を勝ち抜こうとしていることが分かる。
iPhone再現、鴻海は水平分業のクルマ作り意識

巨大産業のトップに立つトヨタの戦略転換は、部品などサプライヤーのピラミッド構造にも大きな衝撃を与える。それを先取りしたのが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業だ。

自動車の価値がハードからソフトに移るなら、ハードはコモディティー化していくだろう。ならば業界横断で共通化してはどうか――。そんな発想で打ち出したのが「MIH」というEVコンソーシアムだ。発足からわずか1年で2000社以上が加盟した。3万点もの部品の「擦り合わせの妙」を強みとしてきた自動車産業に、iPhoneで実現した水平分業モデルを持ち込もうとしている。

鴻海を巨大企業に育てたアップルもまた、自動車への参入を企てる。詳細は語らないが5年ほど前に始めた「タイタン計画」がいよいよ実用化を見据える段階に来ているようだ。
米アップルはiPhoneで起こしたイノベーションを自動車に持ち込めるか

アップルは自動車産業に何をもたらすのか――。ヒントになるのが他ならぬiPhoneだろう。07年、故スティーブ・ジョブズ氏は「電話を再発明する」と言ってiPhoneを世に知らしめた。

多くの人々がそのハードの完成度の高さに心を奪われたが、ジョブズ氏の本当の狙いが美しいデバイスにあったわけではないことを、我々は後に思い知ることになった。モバイルインターネットが生み出す巨大なアプリ経済圏を手中にするため、ジョブズはiPhoneを世界中にばらまいたのだ。

では、アップルがトヨタなどと競うのはEVの販売台数だろうか。答えは言うまでもない。巨大産業の価値の源泉となるソフトに、その照準が定められていると考えるべきだろう。
日立の社名から「製作所」が外れる日

ソフトウエア・デファインドは2010年代前半からIT(情報技術)業界で使われ始めた言葉だ。ネットワークならソフトウエア・デファインド・ネットワーク、略してSDN。ストレージならSDSとなる。

その多くが複数のハード機器をソフトによって統合的に動かす「仮想化」という技術を利用したものだ。米シリコンバレーのヴイエムウエアが先鞭をつけて世界に広がった技術だ。

楽天グループが20年に携帯の回線を提供する「キャリア」に参入する際、通信インフラの汎用設備の一部をソフトで置き換えて価格破壊を実現した。これは仮想化技術を活用した成果が大きい。インターネットの世界で戦ってきた楽天ならではのアイデアで、このシステムを海外に輸出する計画だ。

ソフトウエア・デファインドへの転換は、仮想化に限らず「ソフト主導」という、より広い概念で産業界に広がりつつある。人工知能(AI)など新しいテクノロジーの台頭が後押ししている。本稿ではこの動きを「SDX」と呼ぶ。トヨタが目指すソフトウエア・ファーストのクルマ作りが好例だが、自動車業界にとどまらない。
ファナックの「賢い機械」の根幹は「エッジヘビーコンピューティング」の技術だ

ファナックが17年から展開するフィールドシステム。ロボットや工作機械をネットワークでつないで制御したり故障を未然に防いだりする。いわば「賢い機械」の根幹をなすのが「モノ」、つまり機械やロボットの側で大量のデータを即時処理する「エッジヘビーコンピューティング」の技術だ。ファナックはその後に対応アプリを展開しており、工場の機械をソフト主導に変えたと言える。

SDX的な発想は製品やサービスだけでなく企業経営そのものの変革も迫る。

ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長は「情報製造小売業」への転換を掲げる。自社で服をデザインし、生産を協力工場に委託する製造小売業(SPA)に進出したのが1980年代末のことだ。重要なのは、我々が足を運ぶ店舗がアジアを中心に展開する広大なサプライチェーン網の末端に位置していたということだ。「こんな服が売れるだろう」が最初にあり、それをアジアで作ってお客に届けていた。

柳井氏はこのサイクルを、店舗から入るデータをリアルタイムにサプライ網へ落とし込んで服をつくるという逆回転に変えるという。大量のデータを服づくりに生かすソフト主導の経営への転換を進めているのだ。

日立製作所はかつて「御三家」と呼ばれた化成、電線、金属を売却する一方で、1兆円で米システム企業を買収した。背景にあるのがネットワーク基盤のルマーダに軸足を置くソフト主導経営への転換だ。御三家のなりわいがいずれもソフトとの相乗効果が低いことを考えれば、大胆な事業入れ替えの狙いが透けて見えるだろう。

1910年に鉱山で使う「5馬力誘導電動機」から始まった日本のものづくりの雄もまた、ソフト主導の経営に舵を切っているのだ。いずれ日立の社名から「製作所」が消える日が来ると予言して本稿を終えよう。

[日経ヴェリタス2021年12月19日号]
多様な観点からニュースを考える

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鈴木智子のアバター
鈴木智子
一橋大学 准教授
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ひとこと解説

近年、「サービス・ドミナント・ロジック」(SDロジック)という論理が提唱されています。

SDロジックの世界観では、経済活動のすべてはサービスです。

製造業と呼ばれている企業は「モノを伴うサービス」を、サービス業は「モノを伴わないサービス」を提供していると捉えられます。

また、サービスとは、自らの能力(知識やスキル)を他者・自身の便益を生み出すために活用すること、と考えられています。

企業活動の目的は価値の創出ですが、そのためには、製造業も情報や知識を蓄え、活用していくことが重要であるということを示しています。

2021年12月21日 10:33 (2021年12月21日 10:34更新) 』

みずほ問題、日銀人事にも余波 3メガ輪番に狂いも

みずほ問題、日銀人事にも余波 3メガ輪番に狂いも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB091040Z01C21A2000000/

 ※ 日銀の審議委員の人事においては、いわゆる「銀行OB」枠というものがあり、これを「三メガ」出身者の「輪番制」で、ぐるぐる回してきた…。

 ※ これまでの「慣例」からは、次は「みずほ」の番なんだが、例のアレ問題で、アレなんで、外されて、現在は「三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が就任する方向で調整が進んでいる」らしい…。

 ※ そういう「玉つき、順送り人事」の乱れは、「総裁」人事にも、「余波」が及んで来る…。出身銀行間の、バランスを取らないとならないからだ…。

 ※ そうゆうような話しだな…。

『日銀の審議委員人事をめぐる調整が本格化してきた。2022年7月に退任する鈴木人司氏と片岡剛士氏の後任人事だ。政府が人事案を提示し、国会承認を経て決まる。岸田文雄政権になって初の人事で、金融政策への姿勢を映す鏡になる。23年4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁の後任人事の試金石にもなるが、ここにもみずほ問題の余波が及んでいる。
これまでの例では政府は人事案を着任予定日の3カ月ほど前に国会に提示してきた。まだ余裕があるようにもみえるが、人事案を固めるまでには候補者らの事前の調整が必要で、関係者は「今年のうちに内々に固まっていないと、年明けの調整がかなり窮屈になる」と話す。

人事は衆参両院の承認が必要だが、いまは衆参のねじれもなく、政府案はそのまま通る公算が大きい。安倍晋三政権下では当時内閣官房参与だった浜田宏一氏や本田悦朗氏らの助言にもとづく人事案が多く通ってきた。片岡氏らリフレ派が多く審議委員に選ばれたのも官邸主導の人事だ。

政府は人事案を固めるにあたって日銀から意向を聞き取るとされる。来夏に任期を迎える鈴木氏は三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)出身。日銀の政策運営上、銀行業務や金融市場に精通する人物は重要で、日銀が鈴木氏を推したことが政府の人選に影響を与えた面がある。

鈴木氏の後任は今回もメガバンク出身者を軸に人選が進みそうだ。ただ、今年のみずほフィナンシャルグループの相次ぐ不祥事が人選に影を落とす。いわゆる「銀行OB」枠は鈴木氏の前には三井住友フィナンシャルグループ出身の石田浩二氏、その前はみずほ出身の野田忠男氏だった。

3社でバトンを回すなら、次はみずほの順となるはずだが、不祥事で定石通りとならない可能性が出ている。同じく3メガバンクが輪番で担う全国銀行協会の次の会長(任期1年)も、みずほではなく三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が就任する方向で調整が進んでいる。審議委員の任期が5年であることを考えると、全銀協会長以上に影響は長引く。

総裁人事を占う上では、片岡氏の後任人事も注目を集める。再びリフレ派が選ばれれば、積極的な金融緩和路線の継続を色濃く映すことになる。だが、安倍政権時の浜田氏や本田氏、さらには菅義偉政権時の高橋洋一内閣官房参与といったリフレ派のブレーンは官邸を去った。リフレ派ではない人物が選ばれれば、黒田総裁が就任した13年以降の審議委員人事では一線を画すことになる。

黒田総裁や2人の副総裁の後任人事は22年後半に調整が本格化する。22年7月には参院選もあり不確実な要素はまだ多いが、2人の審議委員人事はそれぞれに重い意味を持つことになる。

(後藤達也)
多様な観点からニュースを考える

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

日本銀行の審議委員の人事はあまり各業界の出身者などにこだわらず多様な人材を採用したほうがいいのではないか。

金融政策の目的として物価安定の下で2%のインフレ目標を掲げているが、つきつめれば国民の購買力安定を目指している。

金融政策は日本と世界のマクロ経済、経済理論・実証分析や金融市場の深い理解が不可欠ではあるが、世界のどの中央銀行も時代の変化とともに従来とは異なる金融政策を実践しており新しい柔軟な考え方が必要になってきている。

環境に配慮した中央銀行の運営も必要だ。ダイバーシティを高め多様な意見をもつ人材が集まれば国民目線でかつイノベーティブでより未来型の金融政策ができる可能性もあるのではないか

2021年12月10日 8:42

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ひとこと解説

銀行枠はどのみち金融緩和に消極的なスタンスになるでしょうから、やはり注目なのは日銀の中でも最ハト派である片岡氏の後任でしょう。

というのも、片岡氏後任の人選次第では、再来年春に控える日銀執行部人事の人選の方向性が見えてくるからです。

アベノミクス以前の日銀への先祖返りが醸し出されるような人選がなされれば、金融市場にはそれなりの影響が及ぶ可能性があることには注意が必要です。

2021年12月10日 8:03 』

BuzzFeed Japan

BuzzFeed Japan
https://ja.wikipedia.org/wiki/BuzzFeed_Japan

『 BuzzFeed > BuzzFeed Japan
ソフトバンクグループ > ソフトバンクグループジャパン > ソフトバンク > Aホールディングス > Zホールディングス > BuzzFeed Japan

BuzzFeed Japan株式会社
BuzzFeed Japan Corporation BuzzFeed.svg

種類 株式会社

市場情報 非上場

本社所在地 日本の旗 日本
〒102-8282
東京都千代田区紀尾井町1-3
東京ガーデンテラス紀尾井タワー

設立 2015年8月12日 (6年前)

業種 オンラインメディア

事業内容 メディア事業、インターネット広告事業など

代表者 スコット・マッケンジー[1]
資本金 9000万円
売上高 7億8475万5000円(2018年12月31日時点)[2]
営業利益 ▲1億1967万5000円(2018年12月31日時点)[2]
純利益 1億5876万7000円(2020年12月31日時点)[3]
総資産 5億5921万8000円(2020年12月31日時点)[3]
従業員数 約70人

主要株主 BuzzFeed 51%
Yahoo! JAPAN 49%[4]

関係する人物 古田大輔(創刊編集長)
外部リンク https://www.buzzfeed.com/about

テンプレートを表示

BuzzFeed Japan株式会社(バズフィードジャパン)は、オンラインメディアBuzzFeed(バズフィード)の日本版、及びそれを運営する[5]2015年に設立された東京都千代田区に本社を置く日本の会社。アメリカ合衆国のBuzzFeedと日本のヤフーのジョイントベンチャー[6]。

バズフィードの拠点としてはシドニー、ベルリン、ムンバイ、サンパウロなどに次ぎ12番目にあたる[7]。 』

『概要

2016年1月から始まった[8]BuzzFeedの日本版で、各国のBuzzFeedのコンテンツの翻訳と独自記事が掲載される[5]。2017年1月時点で、編集部は男女25人ずつの総勢50人で構成されている[9]。コンテンツは「Yahoo!ニュース」などに配信され、広告の販売権はヤフーが独占する[5]。

フェイクニュース・キュレーションサイト・まとめサイトの問題を継続的に取材し、また政府の広報や選択的なファクトチェックを行っている[10][11][12]。DeNAのキュレーションサイト問題では、いち早く医療系サイト「WELQ」の正確性・剽窃の問題を関係者への取材も行って報じ、問題の顕在化に一役買った。この一連の記事で日本でのBuzzFeedの知名度も上がり、設立1年で月間訪問者数が1600万人を突破している[9]。

2020年11月にアメリカのBuzzFeedが同業会社のハフポストを買収したことを受けて、日本でも日本版ハフポストを運営しているザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンと2021年5月1日付で合併することを同年3月に発表した[13][14]。なお、BuzzFeedやハフポストなどのメディアは引き続き独立した形態で運営されるとしている[14]。 』

『不祥事

桜井誠の発言誤認

2016年7月18日配信の記事において、都知事選の立候補者である桜井誠が前日におこなった演説内容をもとに「【都知事選】「朝鮮人、あるいはサル」公然と叫ぶ桜井候補。在特会前会長の狙いは?」というタイトルの記事を配信した[17]。その後、読者からの指摘を受けて確認したところ、桜井が実際には「左翼」と発言していたことが判明した[18]。同日18時31分に古田編集長は謝罪文をツイッターに投稿し[19]、桜井に直接謝罪をおこなった[18]。誤記の理由については、「現場で取材した記者が聞き取り、録音でも確認しましたが、スピーカーの音が割れて誤認しました[17]」としている[18]。

BiSHメンバーのウィキペディア立項企画

2018年7月、アイドルグループBiSHのメンバーへのインタビュー記事で、ウィキペディア日本語版にメンバーのページ(項目・記事)があるのはアイナ・ジ・エンドだけということで、「このままでは初めてBiSHを知ったファンが、ウィキペディアを検索できず路頭に迷ってしまう」として、BuzzFeed Japanの記者がウィキペディアに同記事で取材した情報を元に他のメンバーのページを作成したが、宣伝行為などのルール違反によって削除され、さらに再作成と削除が繰り返される状態となった。また、このことについてBuzzFeed Japanはツイッター上で「ソースは本人だから安心安全」と書き込んでいたとも報じられた。また、騒動後、当該記事は見出し・記事本文の一部などが修正され、末尾には修正した旨の説明文が追加されている[20]。

コンビニの成人向け雑誌取扱をめぐる記者の投稿

2019年1月21日には、コンビニ大手が成人向け雑誌の販売をとりやめたことに対し、記者が「来店しやすくなる人がいるのか。非実在なんじゃ」などとツイッターで投稿。#MeTooなどの観点から強い批判を受けたため、記者は投稿を削除してお詫び。同月25日にBuzzFeed Japanは「コンビニに行きやすくなると歓迎する人はいる」ことを紹介する記事を掲載し、その中で、「ツイートは事実とかけ離れた内容であり、記者は社内で厳重な注意を受け、当該ツイートを削除し、お詫びしました」と記載した[21]。 』

みずほ、海外送金で外為法違反 障害で月内に最終処分へ

みずほ、海外送金で外為法違反 障害で月内に最終処分へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB175Y60X11C21A1000000/
(2021年11月18日 21:00 (2021年11月19日 5:27更新))

 ※ はーん…。

 ※ 日付を見たが、昨日の夜の配信記事だな…。

 ※ こっちの方は、某国様のご意向があるから、そりゃトップ引責にもなるわけだ…。


『金融庁は今年8件のシステム障害を起こしたみずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)に対し、月内にも追加の業務改善命令を出す。度重なる障害で企業取引を含め多くの利用者に影響が出たことを重くみた。障害時に海外送金で外為法違反の疑いのある対応をしていたことも新たに判明し、経営責任は一段と重くなる。障害が頻発する異常事態を収束させる再発防止策が問われる。

【関連記事】みずほFG、坂井社長辞任へ システム障害で引責

金融庁は近く、今年3月以降、続けてきた検査の結果をみずほに通知する。金融庁はシステム障害の頻発に伴い、検査途中の9月、システム更新作業などで新たなトラブルを招かないよう異例の業務改善命令を出し、当面の作業計画を提出させるなど監督を強めてきた。今回の業務改善命令は検査終了に伴うもので、経営責任の明確化や再発防止策づくりなどを求める最終処分になる。

関係者によると、金融庁は度重なるシステム障害の背景に経営管理体制に構造的な問題があったことを指摘する。みずほでは21年に入り、ATMに通帳やキャッシュカードが取り込まれたり、振り込みなどの取引が一時できなくなったりするシステム障害が相次いだ。

9月30日に発生した8度目のシステム障害時に、外為法が定める手続きを守らずに海外送金していたことが新たに判明した。外為法を所管する財務省が同様の情報を把握し調査を始めている。今後、外為法に基づき是正を求めるとみられる。

外為法は金融機関に対し、顧客の送金取引がマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがある規制対象取引かといったチェックを求めている。9月30日には外国為替取引システムで不具合が発生し、法人顧客の送金を中心に300件超が滞った。この際、規制対象か十分にチェックできないまま少なくとも数十件の送金を実行したとみられる。

金融庁は、みずほの基幹システム「MINORI」自体に、即座に全面改修が必要となるような根本的な欠陥はないと判断している。ただ、障害発生から復旧まで時間がかかったことや、事前の点検作業を徹底していれば防げた障害があった点を重くみている。

みずほFGの坂井辰史社長ら経営陣のシステム運営に対する認識の甘さがあったことも厳しくみている。システム運営に携わる人員を減らしたことが障害につながった一因とみている。
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

外為法に基づく海外送金管理はマネーロンダリングだけでなく、テロリストへの資金供与や核兵器などの開発への支援なども対象となる。

みずほ銀行のシステムトラブルを予見することはできなかったと思うので、そうした外為法違反事案が最初から意図してこの機会に乗じて行動したとは思えないが、それでもそうした事案が発生しているかもしれない状態で、チェックできなかったことは大きな問題。
金融システムは一民間企業の問題ではなく、公的なインフラとしての性格が強いだけに、しっかりしてもらいたいものである。

2021年11月18日 23:51 』

みずほFG、坂井社長辞任へ システム障害で引責

みずほFG、坂井社長辞任へ システム障害で引責
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB18DMH0Y1A111C2000000/

『みずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長が一連のシステム障害の責任をとって辞任する意向を固めたことが18日分かった。みずほは社外取締役で構成する指名委員会を中心に新体制の議論を始める。金融庁は月内にも経営責任の明確化を求める追加の業務改善命令を出す。システム障害時に外為法違反の疑いのある対応をしていた事態も重く受け止め、トップが辞任し経営責任を明確にする必要があると判断した。

坂井氏は2018年4月から社長をつとめてきた。同氏が社長を退く意向を固めたことを受け、みずほは後任人事など次世代の経営体制の検討を急ぐ。退任する時期や退任後のポストは今後、調整する。

金融庁は近くみずほに通知する検査結果で、度重なるシステム障害の背景に経営管理体制の構造的な問題があったと指摘する。9月30日に発生したシステム障害時に、外為法が定める手続きを守らずに海外送金していたことが新たに判明した。外為法を所管する財務省が同様の情報を把握し調査を始めており、システム障害をきっかけに影響が広がっている。

金融庁はみずほの基幹システム「MINORI」そのものに全面改修が必要となるような致命的な欠陥はないと判断している。ただ、障害発生から復旧まで時間がかかったことや、事前の点検作業を徹底していれば防げた障害があった点を重くみて経営責任を厳しく問う姿勢をみせている。

【関連記事】みずほ、海外送金で外為法違反 障害で月内に最終処分へ

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上杉素直
本社コメンテーター・論説委員
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ひとこと解説

不祥事に絡むみずほのトップ交代というと、2013年に発覚した不適切融資が頭取交代につながった件が思い出されます。当時は金融庁がかなり深く関与する形で後継の人選が進みましたが、今回は社外取締役が仕切る指名委員会が後継社長の人選を主導しそうです。難しい課題を抱えるみずほのトップに社外取締役がどんな人物を選ぶのかが次の焦点です。
2021年11月19日 7:48 』

外国人就労「無期限」に

外国人就労「無期限」に 熟練者対象、農業など全分野
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE019ZY0R00C21A9000000/

『出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格「特定技能」について、2022年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整していることが17日、入管関係者への取材で分かった。熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、家族の帯同も認める。これまでの対象は建設など2分野だけだったが、農業・製造・サービスなど様々な業種に広げる。

【関連記事】特定技能、家族帯同も拡大「選ばれる国」へ支援拡充急務

別の長期就労制度を設けている「介護」を含め、特定技能の対象業種14分野すべてで「無期限」の労働環境が整う。専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に幅広く開く外国人受け入れの転換点となる。

現在、資格認定の前提となる技能試験のあり方などを同庁や関係省庁が検討している。今後、首相官邸や与党と調整し、22年3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定している。

特定技能は人材確保が困難な業種で即戦力となる外国人を対象に19年4月に設けられた。

実務経験を持ち特別な教育・訓練が不要な人は最長5年の「1号」を、現場の統括役となれるような練度を技能試験で確認できれば「2号」を取得できる。更新可能で家族も滞在資格が得られ、在留10年で永住権取得が可能になる。

入管庁などは、2号の対象に11分野を追加し、計13分野にする方向で調整している。介護は追加しないが、既に日本の介護福祉士の資格を取れば在留延長などが可能となっている。

ただ、自民党の保守派などの間では、外国人の長期就労や永住の拡大は「事実上の移民受け入れにつながりかねない」として慎重論が根強い。結論まで曲折を経る可能性もある。
特定技能の制度導入時、入管庁は23年度までに34万5千人の労働者が不足するとみていた。足元では特定技能の取得者は月3千人程度で推移している。就労期限がなくなれば計算上、20年代後半に30万人規模になる。

かねて国は外国人の長期就労や永住に慎重な姿勢を取ってきた。

厚生労働省によると、20年10月末時点で国内の外国人労働者は172万人。在留期間が最長5年の技能実習(約40万人)や留学生(約30万人)など期限付きの在留資格が多く、長期就労は主に大学卒業以上が対象の「技術・人文知識・国際業務」(約28万人)などに限っている。

「農業」「産業機械製造業」「外食業」など14分野で認められている特定技能も、長期就労できるのは人手不足が慢性化している「建設」「造船・舶用工業」の2分野にとどまる。

新型コロナウイルスの水際対策の影響もあり、特定技能の資格で働くのは8月末時点で約3万5千人。日本商工会議所は20年12月、「外国人材への期待と関心は高い」と対象分野追加などを要望していた。

外国人受け入れ政策に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事は「現業の外国人に広く永住への道を開くのは入管政策の大きな転換だ」と指摘する。

(外国人共生エディター 覧具雄人)

特定技能

国内で生活する外国人は6月末時点で約282万人。活動内容などによって「永住者」(約81万人)、「技能実習」(約35万人)といった在留資格がある。

出入国管理法改正で2019年に設けられた「特定技能」は技能試験や日本語試験の合格などを条件に、人手不足が深刻な業種14分野での就労を認めている。

出入国在留管理庁によると、8月末時点で約3万5千人のうち、飲食料品製造業(約1万2千人)と農業(約4600人)の2分野で半数近くを占める。3年間の技能実習を終えた人が特定技能の資格取得を望む場合、日本語試験は免除され、実習時と同じ分野なら技能試験の合格も不要になる。

新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限で、新たな人材の確保が困難になった。実習終了後に帰国できない人が、在留資格を特定技能に切り替えて日本に残るケースが相次いでいる。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説

事実上のコロナ鎖国をどうにかしないことには、人の入ってきようがないですが、そこをクリアしたとしても、家族連れの外国人を長期に受け入れるような社会インフラを整えずに受け入れるのは、無謀としか言いようがありません。

国がガイドラインを作って自治体単位で様々なサービスを提供して、かつ日本で育つ子供たちのための教育上の配慮も考えなければ、社会的統合など望めません。

逆にこれをチャンスとして、行政も教育も、デジタル化と多言語化を同時に進める計画でやれば、ある種の起爆剤になるかもしれません。

2021年11月18日 0:32

竹中治堅のアバター
竹中治堅
政策研究大学院大学 教授

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ひとこと解説

特定技能2号の対象分野の拡大は岸田政権が目指す賃上げの政策と極めて矛盾している。

人手不足というが、十分な賃金を支払わないために成り手が十分現れないというのが実態ではないか。高い賃金を支払わないで済む外国人の労働者としての受け入れを拡大するのであれば、これは賃金への下方圧力となる。

新しい資本主義を目指し、中産階級の拡大を目指すのであれば特定技能の資格を緩和するのではなく、対象業種での賃上げを促すべきである。

2021年11月18日 0:12 (2021年11月18日 0:13更新)

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー

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別の視点

移民受け入れ是非の議論を曖昧にしたまま特定技能労働という名の実質的な移民をバンバン受け入れてきたのが現与党の移民取り扱いの歴史である。

支援団体の頑なな姿勢と労働力確保という財界の要請の板挟みにあい、その答えとして玉虫色にしてきた事のツケとして、外国人労働者の教育や社保や不法滞在など様々な人権問題が鬱積しており、その急場凌ぎ的な対応であるが、本質的には真っ向からの国民的な移民論があるべきだろう。

2021年11月18日 8:03
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為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表

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ひとこと解説

よく単一民族の日本と言われますが、DNAを調べても単一民族ではなく、平安京時代の奈良は世界でも有数の多国籍都市でした。

宗教の共存などを見ても、根本の部分では日本は多文化共生ができると思います。一方で、自分達は何者であるかを定義づけるために作り上げた物語が今も人々の意識の根底に流れていることも感じます。

すでにスポーツの分野ではたくさんの両親が外国籍の日本人が活躍しています。当たり前ですが流暢な日本語を喋り、振る舞いもとても日本的です。

移民の受け入れを正面からしっかり議論し、日本をアジアのジパングと捉え、多民族国家を目指すという方法もあるのではないでしょうか。

2021年11月18日 9:05 (2021年11月18日 9:08更新) 』

大手銀5行、コロナ禍でも最高益へ 倒産が歴史的低水準

大手銀5行、コロナ禍でも最高益へ 倒産が歴史的低水準
5グループの4~9月期純利益 大幅増益に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD125R10S1A111C2000000/

 ※ ちょっと意外な話しだ…。

 ※ 『最大の増益要因は与信費用の少なさだ。融資が焦げ付く危険性があると見て、あらかじめ費用として積み増していた貸倒引当金を使わずに済んだ。三井住友と三井住友トラストは引当金を取り崩し、傘下銀行が「戻り益」を計上した。4グループ合計の与信費用(傘下銀行合算)は8割強減少の332億円で、前年同期と比べ2000億円近く利益を押し上げた。』ということなんだが…。

 ※ 飲食、宿泊、航空業界なんかは、「需要の消失」で大打撃なのは確かのハズだ…。
 ※ 政府の「手厚い保護策」が奏功した…、ということなんだろうか…。

『大手銀行5グループの連結純利益が新型コロナウイルス禍で不透明感が漂う中、最高益を更新する勢いだ。4グループの4~9月期の合計額は前年同期比66%の大幅増益。コロナ禍に伴い経済活動が停滞したものの、倒産件数が歴史的な低水準だった結果、損失計上を回避した。海外や個人分野で事業が復調し始め、15日に発表する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も最高益を更新する見通しだ。

【関連記事】

・三井住友FGの4~9月、純利益69%増 与信費用が減少
・みずほ、純利益8割増も障害重荷 新サービス投入できず

三井住友FG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)、りそなHDの決算が12日に出そろった。4グループ合計の4~9月期の純利益は前年同期比66%増の1兆335億円で、コロナ禍前の19年4~9月期(9026億円)を上回った。

MUFGの4~9月期決算も前年同期(4008億円)を大きく上回る見込み。与信費用が減り、持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの業績好調が寄与したもよう。上半期で過去最高だったのは米モルガン出資に伴う負ののれんが生じた11年4~9月期(6960億円)。負ののれんをのぞいた実質ベースでは18年4~9月期(6507億円)。今中間期はいずれも超えそうで、通期で最高だった15年3月期(1兆337億円)を超えるかが注目点になりそうだ。

5グループ合計で上半期に過去最高だったのは18年4~9月期(1兆6964億円)。三井住友トラストが発足し11年3月期に今の5グループ体制になったが、メガバンク体制が整った03年3月期までさかのぼっても最高だった。今回、MUFGが最高益を更新すれば、リーマン・ショック前の最高値(06年4~9月期の1兆6712億円)を再び超えることになる。

最大の増益要因は与信費用の少なさだ。融資が焦げ付く危険性があると見て、あらかじめ費用として積み増していた貸倒引当金を使わずに済んだ。三井住友と三井住友トラストは引当金を取り崩し、傘下銀行が「戻り益」を計上した。4グループ合計の与信費用(傘下銀行合算)は8割強減少の332億円で、前年同期と比べ2000億円近く利益を押し上げた。

東京商工リサーチによると、4~9月の倒産件数は57年ぶりの少なさ。歴史的な低水準が銀行業績を押し上げる構図だ。

一方、成長を見込める分野で事業が回復し始めていることも大きい。その象徴が海外の投資銀行部門だ。

増益率が4グループ中、最高だったみずほは米国でのM&A(合併・買収)の助言や株式・債券の引き受け業務が好調だった。関連部門の業務純益は2割増えた。

各国中央銀行の積極的な金融緩和策を背景にカネあまりの様相が強まっている。ファンドによるM&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)、株式や社債の調達が活発になっており、追い風が吹いた。

米国勢も大幅増益基調で、7~9月期の最終増益率はゴールドマン・サックスが6割、モルガン・スタンレーが約4割に上った。

もう一つが国内における個人や中小企業向けリテール事業だ。

資産運用や不動産仲介が好調で、本業のもうけを示す業務純益が2割超増えた三井住友トラストの高倉透社長は「かなり手応えのある決算だった」と語る。

三井住友は中小企業の再編や不動産売買に伴う収入が増加。株高を背景に金融商品の販売も好調で、りそなも個人向けの投信販売やファンドラップが伸びた。「ずっと種をまいてきたストック型の収益が実ってきた」(りそなHDの南昌宏社長)という。

4グループ合計の連結業務純益は6%増の1兆3159億円。純利益と比べ伸び率が低調なのは、本業の稼ぐ力に課題が残っているからだ。

みずほは顧客部門で大幅に伸びたが市場部門の反動減で連結の業務純益はほぼ横ばいだった。みずほの場合、店舗統廃合などを進め採算確保を目指しているものの、国内の銀行単体の総資金利ざやはマイナスのまま。度重なるシステム障害の対策投資枠として通期で130億円も計上した。

22年3月期の通期の純利益見通しは、4グループ合計で1兆5000億円。18年3月期以来、4年ぶりの高水準を予想するものの、通期業績見通しを上方修正した三井住友とみずほの4~9月期の進捗率は約7割におよぶ。「足元の業績に比べて上方修正幅が慎重と言わざるをえない」(国内証券アナリスト)

慎重姿勢で構えているのはなお漂う不透明材料だ。

「半導体をはじめ供給網の寸断やエネルギー価格の高騰など不確定要素があるので十分注意しなければならない」。三井住友FGの太田純社長は警戒する。

「このまま回復に向かっていくとみるのは時期尚早」。みずほFGの坂井辰史社長は世界的な供給制約による取引先企業の業績悪化に備え、与信コストを積み増している。コロナ禍が一本調子で終息するか、なお半信半疑で見ている。

コロナ禍で支援した企業が再生できるか見極めるには時間がかかる。倒産が歴史的な水準で推移しているのは銀行が資金繰りを支援している成果だが、損失リスクがなくなったわけではない。』

7~9月の実質GDP、年率3.0%減 2期ぶりマイナス

7~9月の実質GDP、年率3.0%減 2期ぶりマイナス
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA129QR0S1A111C2000000/

『内閣府が15日発表した2021年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.8%減、年率換算で3.0%減だった。マイナス成長は2四半期ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言などで個人消費が落ち込み、自動車の減産で輸出も伸び悩んだ。

年率換算のマイナス幅はQUICKがまとめた7~9月期の民間エコノミスト予測の中心値(年率0.7%減)を大きく上回った。前期比で0.8%減った要因をみると、内需が0.9ポイント分押し下げ、外需が0.1ポイント分押し上げた。

GDPの半分以上を占める個人消費は前期比1.1%減と、2四半期ぶりに減少した。自動車の販売減が響いたほか、パソコン需要が一服するなど家電も落ち込み、耐久財は13.1%減で2四半期ぶりに減少した。衣服などの半耐久財も5.0%減だった。サービス消費は0.1%増とほぼ横ばいだった。外出自粛や飲食店での時短営業による消費抑制が続いた。

内需のもう一つの柱である設備投資は3.8%減で、2四半期ぶりのマイナスだった。企業の投資意欲は底堅いものの、自動車や生産用機械などが振るわなかった。半導体不足も影響した。住宅投資は2.6%減、公共投資は1.5%減だった。

政府消費(政府支出)は1.1%増で2四半期連続のプラスだった。新型コロナのワクチン接種が進み、ワクチンの購入や接種にかかる費用が増えたのが要因だ。

外需では輸出が2.1%減り、5四半期ぶりにマイナスに転落した。東南アジアでのコロナ感染拡大による部品供給の遅れや半導体不足を受けた自動車の減産が響いた。輸入も2.7%減で4四半期ぶりに減少した。携帯電話や衣服などが減った。

収入の動きを示す雇用者報酬は名目で前年同期比1.8%増となった。

10月以降は緊急事態宣言が解除されて人出が戻っている。飲食店でも時短営業の制限がなくなり酒類提供が再開したため、10~12月期は個人消費を中心に持ち直す想定で、プラス成長に転じる見通しだ。

21年の日本のGDPは1~3月期は東京などへの緊急事態宣言の発令で個人消費が落ち込んだのを背景に3四半期ぶりのマイナスになった。4~6月期は企業による設備投資の再開を受けて1.5%増のプラスに転じた。7~9月期は東京五輪・パラリンピックが開催される一方、緊急事態宣言が東京や大阪などに拡大・延長した時期と重なる。

【関連記事】

・GDP、コロナ前水準の回復遠く 政府目標達成に黄信号
・日銀黒田総裁、コロナ前のGDP水準「来年前半に回復」
・実質GDP2期ぶりマイナス 市場関係者の見方

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永浜利広
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ひとこと解説

ヘッドラインでは前期比年率▲3.0%ですが、売れ残りを示す民間在庫増で+1.2ポイント押し上げられてますから、より景気実感に近い実質最終需要ベースでは前期比年率▲4.2%となります。

他の主要国でも7-9月期は感染拡大や部品不足などで成長率は減速しましたが、ここまで大幅マイナス成長なのは日本だけです。

これによって、10-12月期は年率+9.5%以上成長しないとコロナショック前の水準に実質GDPが戻りませんから、政府の当初目論みだった2021年中にコロナショック前の水準に実質GDPを戻すことは絶望的になったと言えるでしょう。

2021年11月15日 12:28 (2021年11月15日 13:50更新)

白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

実質GDPは4-6月期統計が発表されたときは予想以上に強い結果となったが、今回は逆に予想以上に悪い結果となった。

オリンピックもあったが感染者数が増加し緊急事態宣言による飲食店の営業時間の短縮などの影響が消費の下落に影響した。

半導体不足やアジアでのデルタ株の感染者数の増加で中間財部品の生産が停滞したことも製造業の生産に打撃を与えた。

輸出は自動車が大きく下落しているが、中間財やIT関連製品など幅広く低迷した。中国向けの輸出コロナ危機前の状態を大きく超え製造業を支えていたが足元では低迷しており、中国経済減速が日本の輸出に長期的影響がでるか注視したい。成長率は10-12月は大きくプラスに転じるだろう。

2021年11月15日 12:08 』

楽天、携帯なお低迷 黒字化には契約数1000万上積み必要

楽天、携帯なお低迷 黒字化には契約数1000万上積み必要
小池颯
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC051DQ0V01C21A1000000/

 ※ 自前で「ネットワーク」を、構築する話しは、どうなった…。

 ※ 専用ネット機器でなく、「汎用コンピュータ」でネットワークを構築する話しは、どうなった…。

 ※ ユーザーは、「お題目」なんかどうでもいい…。

 ※ ただ、「速く」「安定して」、できれば「安く」、ネットワーク網に接続したい…。

 ※ ただ、それだけの話しだ…。

『楽天グループは11日、2021年1~9月期の連結決算(国際会計基準)を発表する。電子商取引(EC)や金融関連が利益を稼ぐ一方で、7~9月期に5四半期連続の営業赤字が濃厚なのは携帯事業の赤字が響くためだ。足元で自社回線の拡充や顧客獲得を本格化するなか、先行投資を重ねてきた携帯で早期に成果を出すことが大きな課題だ。

21年7~9月期の営業損益は、事前の市場予想平均(QUICKコンセンサス)で543億円の赤字。前年同期(397億円の赤字)からは赤字幅が拡大する。前四半期(635億円の赤字)に引き続き多額の損失を計上するのは、携帯の低迷に尽きる。同事業は1~3月と4~6月にそれぞれ1000億円に迫る営業赤字を計上した。利益を圧迫するのが他社から通信回線を借りる「ローミング」だ。

楽天は自社の通信設備が整っていないエリアでは、KDDIに料金を支払って通信回線を借りる形でサービスを提供している。契約約款をもとに算出すると、その「利用料」は1ギガバイト(ギガは10億)で税込み約550円。楽天モバイルの現行の料金プランでは、KDDI回線で6ギガ以上消費すると、楽天がそのユーザーから受け取れる損益は赤字になる計算だ。

「ローミング費用が想定を上回ってしまっている」。三木谷浩史社長はこうこぼす。楽天側は実額を公表していないが、その傾向をつかめるのがKDDIが開示する「モバイル通信料収入」と「マルチブランド通信ARPU収入」の差分だ。ここにはMVNO(仮想移動体通信事業)サービス関連の収入なども含まれるが、アナリストらへの取材によれば大部分が楽天から受け取るローミング収入とされる。

ここ1年ほどは増加の一途をたどっている。21年7~9月期は前年同期の2倍超に膨らんだ。岡三証券による21年12月期の予想ベースで、ローミングは携帯事業の営業費用の1割以上を占めている。利益に与えるインパクトが大きい。

顧客獲得ペースの鈍化も気がかりだ。1~3月の150万に対し、4~6月は約90万と落ち込んでいる。KDDIなど競合他社の新プランで「楽天モバイルの価格優位性は後退している」(UBS証券の高橋圭氏)との声も聞かれる。

会社側が想定する「23年度中の黒字化」とは、どれほどハードルが高いのか。ARPU(1回線あたりの月間売り上げ、無料キャンペーンユーザーを除く)や端末販売収入、営業費用の予想をもとに営業黒字に必要な携帯プランの契約数を概算してみよう。

ARPUを2000円と高めに見積もった場合でも、23年度末には1400万の契約が必要になる。21年6月に442万だった契約数をここから1000万ほど上積みするとなると、1カ月で30万強の新規獲得が目安になるが、モルガン・スタンレーMUFG証券の津坂徹郎氏は、7~9月期の契約獲得数を「60万~80万(1カ月あたり20万~約26万)」と推計。前四半期から獲得が減速している可能性を指摘する。

楽天も手をこまぬいてはいない。ここにきてコスト構造を転換する施策に力を注いでいる。

「10月からローミングエリアを過去最大規模で縮小した」。こう説明するのは楽天モバイルの矢沢俊介副社長。北海道や沖縄県など23の道県が自社回線エリアに切り替わり、人口カバー率は10月中旬時点で94%となった。1年前の6割台から大きく伸びている。

足元は世界的な半導体不足で基地局の整備に遅れが生じているが、混乱が緩和すれば再び急ピッチで整備する見通しだ。来年3月には96%を目指す。ローミング費用の軽減は利益増に直結するだけに影響度は大きい。

22年4月から顧客単価が上がるインパクトも小さくない。21年4月末に1年間の無料キャンペーンが終了したため、来春からはほぼ全ての契約者が課金対象になる。収益増が期待できる。

ローミングの打ち切りに合わせ、顧客獲得施策を加速している。テレビや動画投稿サイトでのCM出稿を積極化させただけでなく、10月からは新規契約者向けに楽天ポイントの還元や、月額課金制の音楽配信アプリを期間限定で無料にするキャンペーンにも乗り出した。

今後を見渡すと、競合との競争激化や半導体不足の余波、7月の格下げなど懸念要素には事欠かない。ECや金融関連の一層の利益拡大が容易でないなか、収益力の底上げには携帯の損益改善が不可欠だ。ローミング費用の減少と契約者数の増加を両立できるかがカギを握る。』

熟練職人の焼成技術を再現、ユーハイムが開発したバウムクーヘン用AIオーブン

熟練職人の焼成技術を再現、ユーハイムが開発したバウムクーヘン用AIオーブン
人工知能ニュース
2020年12月01日 10時30分 公開
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2012/01/news039.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

『ユーハイムは2020年11月30月、同社の熟練職人の技術を学習させた「世界初」(ユーハイム)のバウムクーヘン専用AI(人工知能)オーブン「THEO(テオ)」を開発したと発表した。AIがバウムクーヘンの最適な焼き上がり具合を判定して、自動的に調理する。開発プロジェクトには遠隔操作ロボット(アバター)関連事業を展開するavatarin(アバターイン)が参画しており、同社の技術を用いた取り組みを今後進める予定。

バウムクーヘン専用AIオーブン「THEO」[クリックして拡大]

勤続40年以上の職人の焼成技術を学習したAI

 THEOの外形寸法は高さ90×幅77×奥行き75cmで、重量は130kgとなっている。消費電力は5.4kW。バウムクーヘンを1本あたり約30分で焼成可能だ。THEOの側面にはavatarinの開発した遠隔コミュニケーションロボット「newme(ニューミー)」の技術を用いたディスプレイやデバイスなどが取り付けられている。

THEOのオーブン機構[クリックして拡大]

 THEOはユーハイムのバウムクーヘン職人の焼成技術を学習させた画像認識AIを組み込んでいる。これによって、バウムクーヘンの焼き上がり具合を1層ずつ確認しながら自動的に調理する仕組みを整えた。THEOの正面部分には「日本製の高速伝送イメージセンサー」(ユーハイム)を備え付けており、これで焼き具合を確認する。AIが最適な焼き具合だと判断すると、バウムクーヘンを支える中心軸ごと動かして、生地の素が入ったトレイに漬けて新たな生地層を作り、トースター内に戻して再び焼成する。

THEO正面に取り付けられたイメージセンサー[クリックして拡大]

 なお、ユーハイムの担当者によるとTHEOのオーブン機構自体はユーハイムが設計、製造したが、AIは協力会社との連携のもと開発したという。

ユーハイムの河本英雄氏

 ユーハイム 代表取締役社長の河本英雄氏はTHEOの開発過程を振り返り、「THEOに搭載するAIは現在3パターン分を用意している。合計40年以上勤務する当社随一の熟練職人を始め、合計3人分の焼成技術をカメラなどで撮影して学習データを作り、それぞれのAIを作成した。当初、職人の間ではAIを使うことへのある種の抵抗のようなものもあった。ただ、実際にTHEOの開発プロジェクトを進める中で、自身の焼成技術が各種データによって可視化されることで、自身の技術を見直す機会になり得るといった気付きも得られたようだ。前出の熟練職人は自分の焼き方を改めて見直すことで、より柔らかな仕上がりのバウムクーヘンを作り上げられるようになった。AIを用いた自動調理機器の導入は、当然工場の省人化などにも役立つが、職人のクリエイティビティを刺激する側面もある」と語った。
avatarinの技術を活用した、遠隔地での菓子製造も構想

 ユーハイムはTHEOの将来的な展開として、avatarinの遠隔コミュニケーション技術などを活用した新たな取り組みも構想する。avatarinの担当者は、具体的な構想として固まっているわけではないと前置きしつつも、「例えば、THEOのオーブン内の温度やバウムクーヘンの焼き具合の進捗状況に応じて、ディスプレイの表情を『暑がっている様子』や『楽しそうな様子』に切り替えて表現することは可能だろう。また、バウムクーヘンの材料生産者と、バウムクーヘンの買い手がコミュニケーションを取るなど、新たな関係性構築にもつなげられるのではないか」と語る。

 また、ユーハイムの担当者は「当社がTHEOの開発プロジェクトをスタートしたのは5年前の2015年から。もともとTHEOは『地球の裏側に位置する南アフリカ地域にも、バウムクーヘンを届けたい』という思いから立ち上がった開発プロジェクトだった。南アフリカには菓子職人や材料の不足などさまざまな課題があるため、これまで実現は難しかった。しかし、THEOやavatarinの遠隔操作技術などを用いればこうした目標も実現できるのではないかと考えている」と説明した。

 なお、avatarinでは遠く離れた2拠点間で通信を行う際に、通信遅延を抑えるハードウェアやソフトウェアなどを開発している。こうした技術も国内から離れた地点でバウムクーヘン生産を行う際に役立つ可能性もある。

THEOで焼き上げたバウムクーヘン[クリックして拡大]

 2021年3月に愛知県名古屋市で開業する「食の未来」をテーマとした複合施設「バウムハウス」内で、THEOを導入したショップをオープンする予定。現時点では、THEOの外販などは検討していない。』

ユーハイム、AIバウム英国でも コロナ禍の人手不足対応

ユーハイム、AIバウム英国でも コロナ禍の人手不足対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF267MB0W1A021C2000000/

『洋菓子大手のユーハイム(神戸市)は英ロンドンで人工知能(AI)を搭載したオーブンを使ったバウムクーヘンの製造販売を始める。新型コロナウイルス禍でのロックダウン(都市封鎖)の影響で、職人が店を離れるなどした人手不足に対応する。

AIを搭載した焼成機「THEO(テオ)」を導入する。画像認識技術を用いて職人技を再現し、バウムを焼きたてで提供する。テオはANAホールディングスグループのスタートアップ企業、avatarin(アバターイン、東京・中央)などと共同で開発、2020年に実用化した。

ユーハイムは1909年の創業以来、バウムの生地に乳化剤などの食品添加物を使用していないのが特徴で、職人が同社の専用オーブンのそばで焼き具合を確認しながら仕上げる手間をかけてきた。2019年から仏パリ市内、20年からはロンドン市内の店舗でバウムを製造販売していたが、コロナ感染拡大の影響で20年春以降は両国で休止、職人の離職が再開のネックとなっていた。

テオは職人による生地の焼き具合を画像センサーで解析し、AIに機械学習させることで「職人のこだわりをデータ化し、どこでも技を再現できる」(河本英雄社長)のが強み。約20分で1本(直径約12センチメートル、長さ約33センチメートル)を焼き上げる。国内ではすでに神戸市内のカフェなどに導入例がある。』

「新しい資本主義」会議、看板掛け替えの懸念も

「新しい資本主義」会議、看板掛け替えの懸念も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA261EH0W1A021C2000000/

『岸田文雄首相は26日、「新しい資本主義」の実現に向けた有識者会議の初会合を開いた。行き過ぎた競争による格差拡大や社会分断に直面する米欧を中心に、資本主義を問い直す動きは世界でも広がる。日本は企業に成長へと変化を迫る市場の競争メカニズムがうまく機能せず、低成長に苦しんできた。事情が違う米欧の議論を当てはめ、会議の看板を掛け替えるだけでは成長は描けない。

首相は会議でデジタルやグリーンなどを柱に11月上旬にも緊急提言案をまとめるよう指示した。

会議を担当する山際大志郎経済財政・再生相は記者会見で、首相が数十兆円規模での策定を指示した経済対策に盛り込むメニューも緊急提言に「含まれる」と述べた。目先の経済対策に議論が偏れば「新たな資本主義の構築を目指す」という構想は掛け声倒れに終わる懸念が大きい。

首相が「新しい資本主義」を持ち出したのは初めてではない。2020年に出馬した自民党総裁選でも渋沢栄一の談話録「論語と算盤(そろばん)」を引き合いに、格差や分断に向き合う資本主義の見直しを訴えた。ただ首相就任後も具体的な政策のイメージは示さず、首相がめざす「新しさ」が何かは見えない。

資本主義の見直しは世界の潮流だ。米欧では一部の富裕層にお金が集まる構造が社会分断を広げる。地球温暖化も持続可能な資本主義を求める議論を呼ぶ。26日の初会合に向けて事務方が作成した資料は世界の有識者による「新しい資本主義」の議論を紹介した。

ノーベル賞も受賞した仏経済学者ジャン・ティロール氏は、株主だけでなく顧客や従業員などステークホルダー(利害関係者)全体を考慮した企業統治を提唱する。「資本主義の再構築」などの著書で知られる米経営学者のレベッカ・ヘンダーソン氏も、気候変動や格差問題には株主価値の最大化という考え方を離れる必要があると説く。

見直し論は投資の世界にも広がる。資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は18年、投資対象企業に宛てた書簡の中で、企業は株主、従業員、顧客、地域社会など全てのステークホルダーに恩恵をもたらさないといけないとした。

各国政府も積極的な不平等の是正へ政策の軸足を移す。米バイデン政権は富裕層向け増税などを財源に大型インフラ整備の実施を打ち出す。12月にも誕生するドイツの次期政権も最低賃金の引き上げを通じ格差是正に取り組む姿勢を打ち出す。

こうした世界の潮流を日本に単純に当てはめられるとは言い切れない。経済協力開発機構(OECD)によると、米国ではトップ1%の富裕層が国全体の富の40%を独占する。日本のトップ1%が握る富は11%にとどまる。労働市場の流動性が高い米英に比べて所得水準の格差も小さい。日本の平均年収は実質ベースで30年間ほぼ横ばいで、分配の原資を稼ぎ出す成長の乏しさが社会の足かせになっている。

政府は低成長からの脱却に何度もつまずいてきた。12年に発足した安倍晋三政権は未来投資会議を立ち上げ、後を継いだ菅義偉政権も成長戦略会議で成長戦略を議論してきた。それでも12年と20年の実質国内総生産(GDP)を比べると米国は14%、ユーロ圏は4%伸びたが、日本は2%の伸びにとどまる。民間企業の競争を促し、創意工夫やイノベーションを喚起するには至らなかった。

資本主義は市場の競争を通じて企業の新陳代謝を促す特性がある。日本は競争がうまく働かず、デジタルやグリーンなど付加価値の高い分野へ企業が変化していくダイナミズムを欠く問題のほうが深刻だ。

所信表明演説で「改革」に言及しなかった首相だが「成長と分配の好循環」の実現には民間の競争を促す抜本的な改革の提示が欠かせない。

(マクロ経済エディター松尾洋平、藤田祐樹)

【関連記事】新しい資本主義会議が初会合 「成長と分配」具体策議論

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諏訪貴子
ダイヤ精機 社長
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貴重な体験談

この会議に出席させて頂きました。様々な分野の視点からのお話を沢山聞くことが出来ました。詳細は語れませんが、大変勉強になりました。私は中小企業の現状と今後についてお話させて頂きました。これからどのようにこの会議が進められていくのか楽しみです。
私も問題提起をしっかりさせて頂き、微力ながら貢献していきたいと思ってます。
2021年10月27日 11:48

諸富徹のアバター
諸富徹
京都大学大学院経済学研究科 教授
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分析・考察

これまでの世界の経験から、成長が必ずしもトリクルダウンをもたらさないと分かった以上分配の経路を政策的に確保、消費を刺激して成長に持っていく着眼点は良いと思います。

ただ記事指摘のように、日本の宿題である生産性低迷を打破しなければ、継続的な賃金上昇も叶いません。

有形資産経済から無形資産経済へ、化石燃料資本主義から脱炭素資本主義への大きな転換期にあるいま、産業構造転換によって、より大きな付加価値を生み出せる産業にシフトして成長率を高めていく必要があります。

衰退産業に退出を促すこうした構造政策は政治的に困難に直面しますが、ここに着手できない成長戦略は、過去30年間の失敗の繰り返しに終わるでしょう。

2021年10月27日 8:45

村上臣のアバター
村上臣
リンクトイン日本代表
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別の視点

日本の成長戦略が低迷している理由は2つあると思います。

1つは官民が一体となって「ここを伸ばす!」という新産業を決めかねている・もしくはスピード感をもったリソース投入ができていないから。

2つ目に成長産業へのシフトのための労働移動を促す仕組みが不足しているからです。

このどちらもが過去の成功モデルである製造業を中心とした事業モデルおよび制度に囚われているからであり、企業がリスクをとって大胆に労働移動を推進できるよう制度面で官が支援するような枠組みが整備できるかがポイントとなるでしょう。

2021年10月27日 9:43

花村遼のアバター
花村遼
アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー
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別の視点

経済成長を目指すには産業の新陳代謝を進めて新しい産業を生み出す大胆な仕掛けが欠かせない。

デジタルやグリーンはどの産業にとっても必要不可欠な最重要なアジェンダであることに間違いないが、それだけで成長エンジンとなる新産業が生み出せるわけではない。

次々と新しいビリオンダラー企業が出てくる米国と比べ、この20年間の日本のトップ企業の顔ぶれはほとんど変わらない。

シーズを育てて大胆な投資をイノベーションを起こすためのエコシステムの形成と、それを拒む障壁を丁寧にに一つずつ取り払うのが近道ではないだろうか。

2021年10月27日 8:48

野崎浩成のアバター
野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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別の視点

スローガンが抽象的であるため、看板かけ替え懸念が出てきても仕方ありません。

ふわっとした言葉で国民のハートに刺さった例は、記憶にありません。

このため、「成長」「分配」のそれぞれを支える、分かりやすく揺るがない「背骨」の存在が必要です。背骨に改革を用いるのも決して遅くありません。

背骨を作ればあとは、グリーンであろうが多様性やデジタルであろうが、より具体的かつ実行可能性の高い施策まで落とし込むべきです。検証に耐えられない方針は落とすべきでしょう。

2021年10月27日 7:40 (2021年10月27日 7:41更新)

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説

「新しい資本主義」と銘打つのは10年近く続いた「アベノミクス」の路線と一線を画したい岸田首相の思いなのでしょう。

とはいえ衆院選という真剣勝負を前に具体策が示されず、スローガンが上滑りしている印象があります。

有権者も何に期待したらいいのかイメージをつかめないのでは。

聞き上手を自認する岸田さんのこと、有識者会議でじっくり知恵を集めたいのかもしれませんが、記事にあるように成長の低迷という日本の課題に正面から向き合うことが肝要です。

民間部門の活力を促し、力強い経済を築くことをやはり主眼に置くべきだと思います。

2021年10月27日 7:37 』

トヨタ、中国で燃料電池システムを販売 清華大学系と

トヨタ、中国で燃料電池システムを販売 清華大学系と
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD2683D0W1A021C2000000/

『トヨタ自動車は26日、清華大学系の企業と協力し、商用車向けの燃料電池システム「TLパワー100」の生産と販売を中国で始めたと発表した。定格出力は101キロワットで3万時間の耐久性を持つ。トヨタの新型FCV「ミライ」に搭載した燃料電池システムをベースに開発した。

協力する企業は燃料電池システムの製造と販売を担う華豊燃料電池など。トヨタは21年、清華大学系で燃料電池システムを開発する北京億華通科技とともに華豊燃料電池を立ち上げていた。中国政府がEVとともに新エネルギー車の柱に掲げるFCVを普及させる。』

付加価値生む人材乏しく 博士号取得、欧米の半分以下

付加価値生む人材乏しく 博士号取得、欧米の半分以下
データが問う衆院選の争点
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC118D70R11C21A0000000/

『人口減少の制約を超えて成長を続けるにはイノベーションにつながる発想が欠かせない。日本は高い付加価値を生み出せる人材の育成で世界に後れを取る。博士号の取得者は欧米の半分以下の水準にとどまる。未来への投資を怠れば停滞は避けられない。国の成長の礎となる教育・研究の針路を探り直す必要がある。

「日本の教育をどう改善するか、考えてほしい」。2021年のノーベル物理学賞を受賞する米プリンストン大学の真鍋淑郎上席研究員。授与決定後の5日の記者会見で表情を引き締める場面があった。日本の研究環境について問われ、好奇心に基づく研究が減っているとも指摘した。

自然科学の世界で日本の地盤沈下は顕著だ。研究者の間で引用される回数が上位1%の「トップ論文」のシェアはわずか2%(17~19年平均)。国別の順位は20年前の4位から9位に下がった。

産業界でもイノベーションを担える先端人材が乏しい。付加価値をもたらす働き手が増えなければ生産性や賃金を押し上げる力は高まらず、成長の道筋はかすむ。

経済産業省によると、IT(情報技術)でも特に付加価値の高い人工知能(AI)などを専門とする人材は30年に27万人以上不足する見通しだ。科学や数学など「STEM」と総称される分野の教育を受けた人がそもそも少ない問題もある。

米国は大学院で最先端のテクノロジーを学んだ若者の力をビジネスにいかす太い流れができている。米スタンフォード大学の報告書によると、19年に北米でAI研究の博士号を取得した人の66%は産業界に進んだ。割合は10年時点の44%から急上昇した。

世界ではデジタル時代の次の扉を開く「量子革命」の競争が激化している。原理的にスーパーコンピューターをはるかにしのぐ計算能力を持つ量子コンピューターや、安全性の極めて高い量子暗号通信などが主戦場だ。米国では関連の新興企業の上場や資金調達のニュースが相次ぐ。

横浜国立大学の堀切智之准教授は量子暗号通信のスタートアップ、LQUOM(ルクオム、横浜市)を20年に立ち上げ、テクニカルアドバイザーの立場に就いた。「人材を育てるところから始める必要がある」と危機感を隠さない。

国内では大学院の博士号の取得者が06年度をピークに減っている。直近の18年度は人口100万人当たり120人(人文・社会科学系を含む)と米英独の半分以下。優れた頭脳の育成を競う世界の潮流に逆行してきた。

若手研究者の多くは不安定な任期付きポストに就く。限られた期間で成果を求められ、大胆な研究に挑戦する気風は失われた。閉塞感が強まり、野心的な研究を志す若者が減る。悪循環がとまらない。

経済的な後押しも乏しい。内閣府が20年にまとめた調査結果によると、米国では博士課程の学生の9割が大学や国からの支援を受けていた。日本は4割弱にとどまる。年間の平均受給額も米国の270万円強に対し、日本は約78万円だった。

日本の教育に対する財政支出は国内総生産(GDP)比で3.0%にとどまる。経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の4.4%を下回り、比較可能な38カ国で最も低い。初等・中等教育向け、高等教育向けのいずれも大きく見劣りする。

13年に安倍晋三政権で始まった教育再生実行会議は9月に廃止が決まった。入試改革が頓挫するなど、教育・研究の環境整備は迷走も目立つのが実情だ。

岸田文雄首相は8日の所信表明演説で「成長戦略の第一の柱は科学技術立国の実現」と訴えた。立憲民主党も政策集に「研究開発のあり方を質量ともに変革」と盛り込んだ。しかし具体論も含む政策論争には発展していない。国の基盤となる人材育成の骨太な戦略は見えないままだ。

(AI量子エディター 生川暁、マクロ経済エディター 松尾洋平)

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衆院選2021 https://www.nikkei.com/special/shuin2021?n_cid=DSREA_shuinsen202109』