キリンがミャンマー撤退決定 全保有株、合弁企業に売却

キリンがミャンマー撤退決定 全保有株、合弁企業に売却
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC29C4F0Z20C22A6000000/

『キリンホールディングス(HD)はミャンマー国軍系企業と合弁で運営するビール会社「ミャンマー・ブルワリー(MBL)」の全保有株式をMBLに売却する。2月にミャンマー撤退を表明して以降、国軍と関係ない第三者の企業への売却を探ったが、有力な買い手を見つけられずにいた。批判の高まりを避けるため早期撤退を優先する。

29日にMBLが株式譲渡を決議した。キリンHDは30日午後に記者会見を開く。

MBLはキリンHDが51%、ミャンマー国軍系企業のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)が49%をそれぞれ出資している。キリンHDは2021年2月の軍クーデター直後に国軍系企業に合弁解消を要求。22年2月に保有する全ての株式を6月末までに売却する方針を明らかにしていた。

欧米企業を含め売却先を探したが、人権弾圧を続けるミャンマー国軍への国際的な批判が強まるなか、国軍系企業以外の有望な買い手は現れなかった。国軍系企業に直接売却するとキリンに批判が集まるリスクも考慮し、MBLに買い取らせる仕組みを整えた。売却先選びが長引けば、従業員や取引先への影響も大きくなると判断した。

キリンHDは15年にシンガポールの飲料大手フレイザー・アンド・ニーブからMBL株を697億円で取得し、ミャンマー市場に参入した。キリンHDが国軍系企業に合弁解消を申し入れたことで両社の関係は悪化。21年11月に国軍系企業が現地の裁判所にMBLの清算を申し立てた。

キリンHDも21年12月にシンガポール国際仲裁センター(SIAC)に商事仲裁を提起して対抗するなどし、国軍系企業との交渉は一時途絶えた。22年1月下旬に両社の交渉は再開し、2月に入ってキリンHDがMBL株の売却とミャンマーからの撤退を表明した。

MBLはミャンマーのビール市場で8割のシェアを持つ。クーデター前の20年12月期にはキリンHDの事業利益の約1割を稼いでいた。クーデター後に事業環境が悪くなったことが響き、21年12月期に680億円の減損損失を計上した。

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多様な観点からニュースを考える

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白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

人権問題はここ最近アジアでもかなり意識されるようになっていたところに、ウクライナ問題もかさなって一段と重視されるようになっています。人権侵害がある国でビジネスをする場合に、どのようなラインを超えると企業にとって撤退を検討すべきか、はっきりしていません。またロシア制裁でも制裁対象になっていなくても撤退する企業もあれば、継続する企業もあるかと思います。このため企業は進出先でESG観点からの課題をつねに意識して情報収集を行って、リスク管理の一環と位置付けていくことが必要になっています。現地で、日本企業だけでなく、様々な国の多国籍企業とのネットワークを形成して情報交換を増やすことも重要でしょう。
2022年6月30日 12:00
高橋徹のアバター
高橋徹
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説

合弁パートナーの国軍系企業に売るよりは、国軍系企業下の合弁企業に「自社株」として買ってもらうほうがまし、という判断です。他に買い手が見つからない以上、やむを得ない措置と思います。ミャンマー国軍は外貨の強制両替、輸入ライセンスの復活など、経済統制を強めており、外資の企業活動はますます困難になっています。あるゼネコン関係者は「建設現場で工事が中断したら、我慢できるのはせいぜい3年」と言っていました。現場の資機材のメンテナンス費用ばかりが積み上がるためです。政情の袋小路が長引けば、いまは様子見の日系企業も、次第に撤退例が増えると思われます。
2022年6月30日 12:08 』

三越伊勢丹、中国・成都の店舗を年末閉店 海外撤退続く

三越伊勢丹、中国・成都の店舗を年末閉店 海外撤退続く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2910E0Z20C22A6000000/

『三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、中国四川省成都市で営業する百貨店「成都伊勢丹」を12月末で閉店する。百貨店が賃貸で入居する土地と建物の所有者が物件の売却を決めた。移転などは予定しておらず、店舗閉鎖に関連する減損損失として約4億3000万円を2022年3月期連結決算に計上した。従業員など関係者には閉店を通知した。

成都伊勢丹は、三越伊勢丹HDの100%子会社の成都伊勢丹百貨公司が運営する。07年に百貨店業態の店舗を開業した後、18年には成都市内の別の複合商業施設に生鮮品や日用雑貨を扱うスーパーマーケット業態の店舗を開いた。売り場面積の合計は約2万8000平方メートル。スーパーマーケット業態の店舗も閉鎖する見通し。

成都伊勢丹の業績は新型コロナウイルス感染拡大前の19年までは上昇基調だったが、直近21年の売上高は約45億円と19年比で5割弱の減収、本業のもうけを示す営業損益は500万円の赤字となっていた。

三越伊勢丹HDは20年にバンコク、21年にローマの店舗を閉めるなど海外事業で撤退が続いている。中国では当初、14年までに10店舗を展開する計画だったが、反日デモなどで営業環境が悪化し、上海や天津など5店舗にとどまる。

日系百貨店大手は2000年代から中国への進出を加速したが、順風満帆とはいえない。高島屋も12年に開業した上海高島屋を経営不振で19年に一時閉店すると発表し、後に家主などからの負担減の申し出を受けて撤回した。コロナ下では都市封鎖などの影響で営業ができない期間も続いていた。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Business/Retail/Isetan-Mitsukoshi-s-overseas-retreat-quickens-with-China-closure?n_cid=DSBNNAR 』

5月の鉱工業生産7.2%マイナス 自動車など低下

5月の鉱工業生産7.2%マイナス 自動車など低下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29D1Y0Z20C22A6000000/

『経済産業省が30日に発表した5月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)速報値は88.3となり、前月比7.2%下がった。マイナスは2カ月連続。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた中国の上海市などの都市封鎖で生産や物流が停滞した影響が続いた。

自動車工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業などが低下した。無機・有機化学工業、石油・石炭製品工業は上昇した。経産省は生産の基調判断を「足踏みをしている」から「弱含み」に引き下げた。

【関連記事】車8社世界生産、5月は微減の160万台 国内生産16%減 』

トヨタ、インドでスズキの新型SUV生産へ 輸出も計画

トヨタ、インドでスズキの新型SUV生産へ 輸出も計画
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD245QF0U2A620C2000000/

『トヨタ自動車は24日、スズキが開発した新型の小型多目的スポーツ車(SUV)をインドで生産すると発表した。生産した車両はトヨタとスズキがそれぞれインド国内で販売し、アフリカなどへの輸出も計画する。両社の強みを持ち寄り競争力を高める狙いだ。

高岡工場のハリアー生産の様子(2020年6月、愛知県豊田市)

トヨタの現地法人のトヨタ・キルロスカ・モーターが8月から南部カルナタカ州の郊外にある工場で年20万台生産する。同社がスズキにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する形で、スズキ側は生産しない。販売する予定の車両の名称や価格、販売計画の詳細は7月に改めて公表するという。

トヨタの豊田章男社長は「両社の強みを生かしてインドで様々な選択肢を提供したい」とコメントした。スズキの鈴木俊宏社長は「今回の車両生産でインドの成長にも貢献できる」とした。

両社はインド政府が進める「メーク・イン・インディア」にあわせた投資活動を積極化している。トヨタの現地法人は5月、インド国内での脱炭素対応にグループ合計で約480億ルピー(約810億円)を投じると発表。工場のあるカルナタカ州で電動車部品の製造などに取り組む。スズキも同時期に、西部グジャラート州でのEVや電池生産に向けて約1044億ルピー(約1800億円)を投資すると発表した。

トヨタとスズキは19年に資本提携した。トヨタは環境関連などの先進技術を、スズキは小型車作りのノウハウを、互いに提供している。インド事業では、19年にトヨタのインド子会社が、スズキからOEM供給を受けたハッチバック「グランザ」を発売した実績がある。』

「出ばなくじかれた」 トヨタとSUBARU、新型EV販売停止

「出ばなくじかれた」 トヨタとSUBARU、新型EV販売停止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD244RT0U2A620C2000000/

『トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が5月に発売した新型の電気自動車(EV)の提供を止めた。国内では日産自動車が軽自動車のEVを投入するほか、世界でも競合がしのぎを削る。トヨタとスバルにとっては今後のEV戦略の試金石となる新型車だけに、発売後1カ月ほどでの急ブレーキに、販売店などから困惑の声が広がっている。

【関連記事】トヨタとSUBARU、新型EVの販売停止 脱輪恐れ

新型EVは両社が共同で開発し、トヨタが生産する車両だ。トヨタは「bZ4X」、スバルは「ソルテラ」という車名で売る。元町工場(愛知県豊田市)で製造する。トヨタは今後、EV専用のラインを整備する方針だが、現時点ではハイブリッド車(HV)など複数の車種が流れる「混流」で立ち上げた。EVとHVは部品が違うため、混流の難易度は高いという。

今回、タイヤを車両に固定するボルトが外れて脱輪の可能性があるとして、国内ではリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。問題がボルトの強度なのか、車両なのか、締め付け工程や設計なのか、といったことは明らかになっていない。新型EVで使われているボルトの締め方は、トヨタにとっては比較的新しい。だが、既にレクサス車に導入済みで、これまでリコールはない。

新型EVの開発が本格的に始まったのはスバルの技術者がトヨタに出向した19年で、開発期間は約3年間だ。車台から新たに開発した車両の開発期間としては短い。

ソルテラ開発責任者の小野大輔プロジェクトゼネラルマネージャーは「EVの共同開発はトヨタにとってもスバルにとってもこれまでにはない新しい取り組み。出向してトヨタの社員となることで、短期間での共同開発をやり切った」と説明していた。トヨタとスバルは今回の問題がEVならではの課題なのかどうかを含めて原因究明を進め、対策を打つ方針だ。

トヨタはグループ会社の「KINTO(キント)」を通じて、サブスクリプション(定額課金)サービスの申し込みを5月から始めていた。今回の問題を受け、東京都や大阪府、愛知県で予定していた試乗会を中止した。大阪は23日にスタート予定だったが、急きょ取りやめた。

EVは消費者にとってまだなじみが薄く、試乗会で実際に乗ってもらうことを最重要の販売戦略と位置づけていた。キントが5月に神奈川県で開いた試乗会では約200組が乗車し、約1000組に接客したという。ある販売店幹部は「やっと納車というところで納期延期の説明をしなければならない」と肩を落とす。

スバルのある販売店社長は「いよいよ納車が始まるタイミングだったので、出ばなをくじかれ非常にショックだ」と表情を曇らせる。顧客への説明はまだ。別の販売店幹部は「タイヤのボルトという初歩的なところでのリコールであり、短期間で共同開発することの難しさを感じた。これだけで終わってくれるといいが」と話す。

24日のトヨタ株は前日比1%安の2111円50銭で取引を終え、日経平均株価の1%高に対し逆行安となった。東海東京調査センターの杉浦誠司氏は「リコールの株価影響は台数規模からすると限定的。利益確定売りが先行した形だろう」と指摘する。一方、ボルトのような基礎的な箇所でのリコールに「トヨタのEVにレピュテーションリスク(評判を害する危険)が生まれてしまった」とも話した。』

日銀VS海外ヘッジファンド その爪痕 : 机上空間

日銀VS海外ヘッジファンド その爪痕 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29010879.html

『まずは、このチャートを見て欲しい。これは、日本の10年国債の利率の変化を示すチャートです。そして、右端の2回起きているチャートのフタコブラクダのような山に注目です。これは、日銀と海外ヘッジファンドが戦った傷跡です。国債は売られると利率が上がり、買われると利率が下がります。意図的に売りを仕掛けているのが海外ヘッジファンドで、それを無制限の買い支えで迎え撃っているのが日銀です。このチャートの上下1本あたり、10兆円の金額が動いています。

国債の利率が上がると、通貨の円が供給されるので、円安が誘導されます。ヘッジファンドは、円売り方向にも資金を投入して、リスクヘッジしているので、日本国債を売って、円安圧力を強めて、円を売る事で利益を出しています。理論上、通貨発行権をもっている日銀は、無制限に円を供給できるので、まともな頭なら敵に回そうとは思わないのですが、まともな事をやっていては稼げないのが金融の世界です。日銀は、国が抱える膨大な借金の為に、利率を上げる事ができないという縛りがあります。その為、国債の利率を0.25%に固定する必要があるのですが、その事情を知って勝負を仕掛けてきているのが海外ヘッジファンドです。

つまり、日銀は国家財政を安定させる為に、取れる手段が限られていて、それを売り崩せば、巨額の利益を得る事ができます。国とヘッジファンドでは、資金量が違うというのは、昔の話で、大手のヘッジファンドの資金供給元には、アラブの富豪や国家の資金運用委託、大企業の資金運用部などから、巨額のマネーが供給されています。そうした大手ヘッジファンドがア・ウンの呼吸で手を結べば、国と言えどたたき潰す事も可能なのです。

この取引自体には、何の違法性も無いので、市場の公平性を保つ為にも、介入する事はできません。どちらが折れるのが早いかという勝負になります。もし、日銀側が負けて国債の金利の上昇を容認すれば、それを売る事で利益が出ますし、円安に耐えきれなくなって、政策金利が上がれば、方針を転換して、円買いで利益を出せます。どちらにしても、単純に言い換えると、日本政府の財政が痛む事で、海外のヘッジファンドは巨額の利益を得る事ができます。

先週と今週で大きな山がありましたが、これが何ヶ月続くか、どちらが先に音を上げるかという戦いです。』

ホンダ、中国・広州でEV新工場 700億円で

ホンダ、中国・広州でEV新工場 700億円で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM20BDR0Q2A620C2000000/

『【広州=川上尚志】ホンダは20日、中国南部の広東省広州市で電気自動車(EV)の新工場の建設を始めたと発表した。投資額は34.9億元(約700億円)。生産能力は年12万台で、2024年の稼働開始をめざす。中国ではEV市場が急成長し、現地勢を中心に競争が激しくなっている。生産体制の拡充を急ぎ、中国勢の追い上げを狙う。

合弁会社の「広汽ホンダ」が、敷地面積40万平方メートルの新工場を建てる。広汽ホンダにとって5つ目の乗用車工場で、EV専用は初めて。もう一つの主力合弁会社「東風ホンダ」でも年間生産能力12万台のEV新工場を建設する。ホンダの中国でのEVを含む自動車全体の生産能力は24年に173万台と、現状より約2割増える見通し。

広汽ホンダのEV新工場は、東風ホンダの新工場とともに、中国で展開するEV専用ブランド「e:N(イーエヌ)」シリーズの主力生産拠点にする計画だ。ホンダは第1弾として多目的スポーツ車(SUV)を東風ホンダで4月に発売し、広汽ホンダでも6月20日に売り出した。27年までに同シリーズで10車種を投入して市場を掘り起こす。

4月に発売したSUV「e:NS1」は、補助金込みの実売価格が17万5000元(約350万円)からになり、米テスラなどに比べて価格を抑えた。オンライン販売を本格化し、注文から納車までネットで完結する販売にも力を入れる。ホンダのEVの中国販売は21年に約1万台にとどまっているが、30年に80万台に伸ばす構えだ。

ホンダは脱炭素に向け、世界の新車販売全てを40年にEVか燃料電池車(FCV)にする目標を掲げる。北米でもEV専用ラインを設けることを検討する。北米では米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する中大型のEVを24年に2車種発売する。27年には小型SUVを含め、300万円台からの量販EVを複数車種発売する計画だ。

【関連記事】

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設備投資回復25%増 22年度、脱炭素などで積み残し挽回

設備投資回復25%増 22年度、脱炭素などで積み残し挽回
本社調査 供給制約が実現左右
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1398Q0T10C22A6000000/

『日本経済新聞社がまとめた2022年度の設備投資動向調査で、全産業の計画額は前年度実績比25%増える見通しだ。伸び率は1973年度以来の高水準で投資額は07年度に次ぎ過去2番目に多い。サプライチェーン(供給網)の混乱などで21年度に積み残した投資を挽回する動きが底上げする。脱炭素などへの投資が目立つが、部材の供給制約が長引けば、計画が下振れする可能性がある。

調査は国内の上場企業と資本金1億円以上の有力企業876社を対象に集計した。22年度の設備投資の総額は28兆6602億円と3年ぶりに増加し、過去最高だった07年度(28兆9779億円)に迫る。増加率も調査を始めた73年度(26.2%)以来の高水準となる。

製造業では電気自動車(EV)向けの需要拡大や半導体の世界的な逼迫などを受け、投資額は17兆4975億円と27.7%増となる計画だ。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた小売りやサービスなどの非製造業でも、先送りしていた投資の再開を目指す動きが出ており、20.8%増の11兆1626億円となる。

21年度調査では当初、設備投資額は20年度比10.8%増を見込んだが、実績は0.2%減にとどまった。半導体などの部品不足で計画した投資を実行できなかった事例も相次いだ。22年度に25%増を見込む設備投資のうち、10%程度は21年度の積み残しが押し上げた可能性もある。

日産自動車は21年度に当初4400億円を計画したが、実績は3450億円だった。新型コロナの感染拡大で生産設備や営業関連の投資抑制を迫られた。22年度も4400億円を計画して挽回し、EV生産設備などにあてる。内田誠社長は「半導体不足などで厳しい環境だが、先の投資をしていく」と語る。

産業機械大手の村田機械も21年度に当初約140億円を計画したが実績は85億円。22年度は2倍超の188億円を投じ、半導体工場向けの搬送設備などを増産する。だが村田大介社長は「原材料などが十分手に入るかが不透明で計画通り進むか分からない」と懸念する。

22年度の当初計画達成も、今後の供給制約次第となる側面が強い。部材不足などで投資をしたくてもできない状況が続けばロシアによるウクライナ侵攻の長期化などで景気が減退し、投資自体がやりにくい環境になる可能性がある。

業種別では自動車が23.6%増を計画する。インドでEVや電池の新工場を計画するスズキは53.1%増の2900億円を投じる。26.7%増となる電気機器でもEVシフトがけん引する。パナソニックホールディングス(HD)は45.5%増の3450億円を計画。米テスラなどに供給する新型電池の量産に備える。世界的に需給が逼迫する半導体関連の投資も伸び、ソニーグループはスマートフォンなどに搭載する画像センサーへの投資を積み増す。

日銀が4月に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、22年度の大企業製造業の設備投資計画(国内向けのみ)は21年度計画比8.4%増を見込む。だが、みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介上席主任エコノミストは「資源高と円安が同時進行し、企業の約7割が円安にデメリットを感じる状況にある」と指摘。「ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、下振れリスクは大きい」とする。

今後も半導体などの部品や材料の供給制約が続けば、設備投資が滞って需給がさらに逼迫し、最終製品の価格上昇にも拍車がかかる可能性もある。世界的なインフレが一段と進めば、企業の投資意欲が再び冷え込む悪循環に陥る懸念もある。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Business-trends/Japan-Inc.-s-capital-spending-poised-to-roar-back-25?n_cid=DSBNNAR 』

円安下の通貨政策は 榊原英資氏「介入は米国同意せず」

円安下の通貨政策は 榊原英資氏「介入は米国同意せず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA168DH0W2A610C2000000/

『外国為替市場で円安・ドル高が急速に進んでいる。政府・日銀はアジア通貨危機に見舞われた1998年を最後に、円安を阻止する円買い・ドル売りの為替介入を実施していない。その最後の介入から17日でちょうど24年がたつ。当時、財務官だった榊原英資氏と、BNPパリバ証券の河野龍太郎氏に通貨政策のあり方を聞いた。(聞き手は江渕智弘)

榊原氏「円安、日本売りではない」

――今の円安をどうみますか。

「米欧と日本の金融政策の差によるものだ。日本売りで円安になっているのではない。その意味では悪い円安でない。1ドル=140~150円まで進むというのがマーケットの一般的な見方だ。150円でも理由がはっきりしているから、危機的な状況だとは思わない。金融政策を変えれば円高に転じる。極度に心配する必要はない」
元財務官の榊原英資氏

――円安は日本経済にプラスですか。

「円安にメリットがあるという時代は終わった。日本企業は海外にどんどん進出している。海外で活動する企業には円高がプラス。『強いドルは米国の国益』と語ったロバート・ルービン元米財務長官にならえば『強い円は日本の国益』という状況だ」

――円買い・ドル売り介入による円安抑制は正当化されますか。

「今は介入するような状況ではない。最後にドル売り介入をした1998年はアジア通貨危機や日本の金融機関の破綻などで危機的だった。そういう状況ではない」

「介入には米国の支持が要る。私が現役のころは『介入するぞ、支持してくれ』と伝えて、少なくとも『反対しない』という了解を取った。インフレ抑制にドル高を歓迎する今の米国は同意しない。ということは介入できない。日本の単独介入でも米国の支持は必要だ。もちろん異常な値動きなど状況次第で米国が同意することもある」

――98年より為替市場の規模が拡大しています。

「当時より相当大量に介入しないと効かない。ドル買い介入ならいくらでもできるが、外貨準備を使うドル売り介入は限界がある。円安阻止は難しい。私もドル売り介入で外貨準備の10分の1くらいを使い『これ以上できない』と思ったことがある」

「円安を招く金融政策と円安阻止の介入をするのはちぐはぐだ。円高に持っていきたければ金融引き締めに入ることだろう。2023年夏以降、あり得ると思っている」

河野氏「為替安定の金融政策を」

――為替相場の見通しは。

「円安・ドル高傾向は簡単に変わらない。米連邦準備理事会(FRB)の利上げで住宅投資や耐久財消費は抑えられても、金利の影響の小さいサービス消費の堅調は続く。米国のインフレは収まりにくく、当面は米長期金利の上昇でドル高が進む」

「低金利と同じく円安が景気を刺激するのは事実だ。ただ、輸入物価の上昇で家計の負担は増している。消費がなかなか回復しない原因のひとつになっている」
BNPパリバ証券の河野龍太郎氏

――生産の海外移管で企業の利点も薄れています。

「円安にメリットがあるという発想の企業はもう多くない。リスクに対して分散型のサプライチェーン(供給網)が重要性を増した。世界の消費地の近くで生産する流れが強まるため利点はさらに薄れる」

――円安でも企業投資は盛り上がりを欠いています。

「ゼロ金利を続ける日銀には利下げ余地がない。将来、世界経済の減速で米国などが利下げすれば円高になる。輸出企業が懸念するのは、景気減速のなかで円高に直面する事態だ。利益が膨らんでいる円安の今も設備投資や賃上げに慎重になっている」

「安倍晋三政権の経済政策『アベノミクス』以降、景気が悪くないときも金融緩和を続けてきた。それによって、ゼロ金利や超円安がなければ、収益を上げられない企業が増えたことも実質賃金や潜在成長率の低迷につながっている」

――金融政策を見直すべきでしょうか。

「企業と家計が欲するのは為替レートの安定であって、極端な円安を助長する政策は望ましくない。物価上昇率が安定的に2%に達しないかぎり緩和を続けるという発想はやめたほうがいい。望ましいインフレ率は国によって違う。日銀はそろそろ政策を転換すべきだ。金融緩和や財政出動が足りないから経済が成長しないわけではない」』

今、密かに日銀と海外ヘッジファンドで行なわれている戦い : 机上空間

今、密かに日銀と海外ヘッジファンドで行なわれている戦い : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28953920.html

 ※ コエー話しだ…。

 ※ 株や投信なんかの、「リスク資産」を持ったり、「資産運用する」ということは、こういう世界を「搔い潜って行く」ということだ…。

 ※ 「貯蓄から、投資へ!」「老後に備えて、金融リテラシーを高めましょう!」などという「お題目」を唱えていれば済むような世界じゃ無いんだ…。

 ※ そういう「もの事の、両面性(特に、マイナスの側面)」を、さっぱり語らないから、困るよ…。

『皆様は、日銀砲という言葉をご存知だろうか。ネットスラングと言って良い、一部のネットユーザーの間で流行った言葉です。この言葉が流行りだしたのは、2004年の円高が進んでいた時です。この円高は、アメリカのハゲタカ・ファンドが、故意に仕掛けてきているもので、はっきり言ってしまえば、日本の経済を崩壊させる事で、大儲けしようという経済攻撃でした。以後、大規模な日銀の市場介入を行う事を、「日銀砲」と呼びます。なぜ、武器みたいな呼び方をしているかと言えば、この時の日銀の介入で、35日間に渡るヘッジファンドとの抗争のあげく、ヘッジファンド側が資金で負け、日本が防衛に成功したからです。

日銀との戦いに負けた結果、アメリカのヘッジファンドが2000社倒産し、行方不明や自殺者も出ました。何かしら経済事件が起きた時、かさにかかって襲いかかり、傷口を広げて利益を出すというのは、相場の世界では普通に行なわれている事で、ルールを破っていない限り、止める方法はありません。実際、世界三大投資家の一人であるジョージ・ソロス氏は、まだEUが結成される前のイギリスに対して、大資金のポンド売りを仕掛けて、女王陛下御用達の歴史あるイングランド銀行を破綻させました。この時、当時の貨幣価値で、15億ドル以上の利益を叩き出したと言われています。イギリス一国が、個人投資家の仕掛けに敗れたのです。

国の財政が歪になって、その国の中央銀行の金融政策によって、支える状態になった時、その傷を広げて、国の財政を破綻させ、巨額の利益を得るというのは、金融市場ではあり得る事なのです。国すら攻撃の対象にして、可能なら食いつぶすのが攻撃的なヘッジファンドです。その国の国民の生活など、知った事ではありません。勝てば、目が眩まんばかりの巨額の利益を得る事ができます。

そして、今、日本国債で行なわれているのが、日銀と海外ヘッジファンドのガチ勝負です。日銀が介入して、買い支えて、高値・低金利に固定された日本国債を売り崩そうとしています。国相手に、債権の売りを仕掛けた場合、途中で止める事は、破滅を意味しますので、海外ヘッジファンドも本気です。それに対して、日銀は無制限の債権買取で、買い支えています。6月14日の債権買取額は、3兆1629億円。日銀が買い支えられなくなるまで、攻撃は続きます。もしくは、ヘッジファンド側の手持ちの資金が尽きるまでですね。

結局のところ、1000兆円もの債務を国が抱えて、財政を支える借金体質になっているので、日銀が取れる手段は、非常に限られています。そこに、目をつけられたのです。売り崩して破綻させてしまえば、歴史に残るくらいの利益を得る事ができます。金融の世界では、日米関係もクソもありません。弱った奴がいれば、死体蹴りをして、衣服まで剥ぎ取るのが流儀です。日銀が前回のように勝てるかどうか、オペレーションは数段難しいと思われます。

相手も命がけで仕掛けてきているので、交渉の余地はなく、まさに戦いです。日銀の総裁の黒田氏の生涯年収が11億だから、上級国民だなんだとワイドショー・ネタで、盛り上がっている場合じゃないのですが、実際に事が起きて、日本経済が危機に晒されるまで、日本のマスコミは報道しないでしょうねぇ。』

トヨタに見るウィルス攻撃の脅威

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:トヨタに見るウィルス攻撃の脅威
view-source:https://nappi11.livedoor.blog/archives/5349224.html

『2022年6月17日:ロシア侵攻後の2022年2月27日、トヨタ関連6万社のうち、1社のセキュリティーが破られた。
FireShot Webpage Screensho現場は、愛知県豊田市の自動車部品メーカー「小島プレス工業」本社。約500台あるサーバーを調べたところ、ウイルスは給与支払いなどの総務部門だけではなく、部品の生産に関わる受発注システムにまで侵入していた。「このままだと、トヨタの全工場が止まってしまう」。幹部は息をのんだ。

従業員約1650人の小島プレスは、トヨタ創業時からの取引先。サプライチェーン(供給網)を担う重要な企業だ。製造する運転席周りの樹脂部品は、トヨタ車に欠かせない。トヨタの生産ラインは、翌日まではストック部品で動かすことができる。しかし、その後も小島プレスのシステムが復旧せず、部品供給が途絶えれば、トヨタの工場も稼働停止に陥る。トヨタは100人態勢で支援に乗り出した。

img_793f10173febc828d239b4f12c1faf0c26259malware_02事件は、身代金要求型コンピューターウィルス・ランサムウェア(Ransomware:マルウェアMalwareの一種)の侵入で、 ロシア系の疑いのあるハッカー集団「ロビンフッドRobinHood」によるものだった。左は、過去のサイバー攻撃でランサムウエアに感染したコンピューターに表示されたハッカー集団「ロビンフッド」の脅迫文。参考:マルウェアとは?ウイルスとの違いや感染時の症状

受発注システムを仮復旧させるメドもついた。だが、幹部は不安をぬぐえなかった。知られていないウイルスで挙動が不明だったからだ。「システムを再起動させた場合、感染が再び広がるかもしれない。影響はもっと大きくなる」、、「賭けはできない」――。それが現場の判断だった。3月1日にはトヨタの国内全14工場が稼働停止に追い込まれた。

トヨタの工場は3月2日、稼働を再開した。その後の調査で、ウイルスの侵入口は、小島プレスの子会社の通信用機器だったことが判明。機器には、攻撃を受けやすい 脆弱(ぜいじゃく) 性があった。トヨタの供給網は6万社に上る。そのうち1社のセキュリティーが破られるだけで、全体がマヒする危うさを示した。

1765672 「脆弱性対策をしっかりお願いします」。4月下旬、トヨタが初めて直接取引先約460社を対象に実施したセキュリティー講習で、担当者はそう訴えた。トヨタは、関連会社や取引先に「日本自動車工業会」(東京)などがまとめたセキュリティー指針を渡し、順守を求めてきた。しかし、専門用語が並ぶ指針を難解と感じる担当者もおり、浸透していなかった。「、、再び狙われてもおかしくない」トヨタは今後も2か月に1回のペースで講習を実施する。直接取引先からその先へと対策を広げていく考えだ。

ランサムウェアには、攻撃者によって様々な種類があり、2021年10月に被害を受けた徳島県つるぎ町立半田病院は「ロックビット2.0」、2022年2月のパナソニックは「コンティ」、3月のデンソーは「パンドラ」と呼ばれるハッカー集団から攻撃を受け、それぞれのグループが開発したウイルスが使われた。だが、小島プレス工業を攻撃したのは、知られていないウイルスで挙動も不明。トヨタはセキュリティー専門家と入念に対応を検討する必要があると判断し、サイバー攻撃の影響としては初めてトヨタの国内全工場を停止し、約1万3000台の生産がストップしたと伝えている。参照記事 参照記事 参照記事 』

京阪神「バレー」構築 京大など41機関、起業数2倍狙う

京阪神「バレー」構築 京大など41機関、起業数2倍狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF232W50T20C22A5000000/

『京阪神エリアの産学官が一丸となり、スタートアップの創出に弾みをつける。京都大や関西経済連合会、関西広域連合など41機関が参画する支援組織は9月にも、経営候補人材と大学の研究者をマッチングする新たな枠組みを本格稼働させる。京都のバイオや大阪のものづくり、神戸の医療機器といった各地域の強みを生かし、スタートアップが集積する新たな「バレー」の構築を目指す。

起業支援組織「京阪神スタートアップアカデミア・コアリション(KSAC)」が旗振り役を担う。主要な大学や経済団体、自治体、金融機関などが集まり、2021年秋に立ち上がった。20~24年度の5年間に、大学発スタートアップで従来の約2倍となる214社の創出を狙う。

活動の目玉の一つとして4月、起業を志望する人材と大学の研究者を仲介する枠組み「ECP-KANSAI」を立ち上げた。従来の人材マッチングは起業志望者が「起業のタネ」になる研究成果を探すことが多い。ECP-KANSAIでは各大学が音頭を取って研究者からも研究成果を売り込んでもらい、双方向のやり取りを起業につなげる点が特徴だ。

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KSACは経営候補者として500人程度に登録してもらう構想で、メーカーや金融機関などを行脚している。早ければ9月に、人材獲得のために活用されるストックオプション(株式購入権)の制度設計などを伝える研修も始める。現在は研修を手掛ける人材会社の選定を進めている。

機運醸成が課題

KSACが参考にしたのは京大系ベンチャーキャピタル(VC)、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP、京都市)の取り組みだ。17年に双方向型の仲介プラットフォームを設立、京大発の技術をビジネスに結び付けてきた。

これまでの約5年間で18社の起業を実現した。核融合発電の世界的な研究者である京大の小西哲之特任教授らが設立した京都フュージョニアリング(京都府宇治市)もその一社だ。

京都iCAPに限らず、経済団体や自治体はそれぞれに起業支援に取り組んできた。産学官が集まった「関西イノベーションイニシアティブ」という支援組織もある。その中でKSACは企業の「創出」に重点を置き、京阪神全域で大規模に連携する動きになる。

京阪神にとって起業都市としての地位向上は喫緊の課題だ。20年7月、東京と愛知、福岡の3都市圏とともに、国がスタートアップを重点支援する「グローバル拠点都市」に選ばれた。だが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査では、京阪神のスタートアップの7割が制度や支援内容を「知らない」などと回答。機運醸成は盛り上がりを欠いてきた。

都市間競争も激しさを増している。スタートアップ情報データベースのイニシャルによると、京阪神のスタートアップの資金調達額は21年に計350億円。首位の東京(6531億円)の18分の1ほどの規模だ。大阪(前年比12%増の139億円)は4年ぶりに福岡(同43%増の144億円)に逆転された。

各地の強みを生かす

巻き返しのためには各地の特徴を生かすことがカギになる。京都はiPS細胞を中心とするバイオ系に強く、町工場が集まる大阪はものづくりスタートアップを下支えする環境が整う。人工島・ポートアイランドで医療産業都市をうたう神戸は医療機器開発を後押しする制度が充実している。

仮想現実(VR)を活用したストレスチェック技術を開発する大阪大発のニューラルポートは兵庫県西宮市に本社を構え、神戸市の支援プログラムを受けている。将来的には神戸市に移転したい考えだ。

島藤安奈社長は「ヘルスケア事業の支援が手厚く、医療機器の薬事承認を得る際の後押しも受けられる」と理由を説明する。製品の実用化に向け、神戸市から企業の紹介を受けるなど結び付きは強まっている。

優れた技術に京阪神それぞれの強みを組み合わせてスタートアップを創出し、その企業が地域に根付いて大きなビジネスを展開する。この循環がうまく回り出せば、新たな「バレー」の完成像が見えてくる。

(田村匠)』

財務相「急速な円安を憂慮」 必要なら「適切に対応」

財務相「急速な円安を憂慮」 必要なら「適切に対応」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1419U0U2A610C2000000/

『鈴木俊一財務相は14日の閣議後の記者会見で、円相場について「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」と述べた。「過度な変動や無秩序な動きは経済や金融に悪影響を与え得る」という主要7カ国(G7)の合意に言及したうえで「必要な場合には適切な対応を取りたい」と語った。

外国為替市場で円相場は13日に一時1ドル=135円台前半と1998年以来の円安・ドル高水準に下落した。鈴木氏は「日銀と緊密に連携しつつ、為替市場の動向や経済・物価などへの影響を一層の緊張感を持って注視する」と強調した。

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・あるか、米不支持でも円安阻止介入 「弾薬切れ」懸念も
・円安、98年危機以来の一時135円台前半 競争力低下映す 』

あるか円安阻止介入 米が不支持でも

あるか円安阻止介入 米が不支持でも
編集委員 清水功哉
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1409U0U2A610C2000000/

『急速な円安が進む中、日本の当局による円買い為替介入の有無に関心が強まってきた。米国は日本のドル売りを支持しない姿勢を示唆しており、実施するなら同国の理解を得ない状況での行動になりそうだ。米国に支持されない介入は2011年にも前例があるが、これは円売りだった。円買いの場合、「弾薬」が尽きる懸念が効果をそぐかもしれない。

介入への関心が強まったきっかけは、10日に財務省、金融庁、日銀が開いた「3者会合」。最近の急速な円安を「憂慮」する声明をまとめ、「各国通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、必要な場合には適切な対応をとる」とした。介入の示唆だ。

背景には、家計や企業を苦しめる輸入物価上昇の原因として、円安を軽視できなくなっている事情がありそうだ。3者会合開催の前に発表された5月輸入物価指数は前年同月比43.3%上昇。うちエネルギー・原材料などの価格自体の上昇を反映する契約通貨建ての上昇率は26.3%だった。両者の差の17%が円安に起因する部分と考えられ、全体の4割近い。この比率は徐々に上がってきており、参院選を控え政権も円売りを放置しにくくなっているようだ。

13日には円相場が一時1ドル=135円台前半に下落。約24年ぶりの安値をつけた。介入に対する注目が一段と集まる状況だが、問題は米国の反応だ。3者会合開催の後、米財務省は為替政策報告書を公表。介入は「極めて例外的な状況」に限られるべきで、「事前の適切な協議」も必要とした。

従来、米国は日本の輸出競争力引き上げにつながる円売りには批判的だが、円買い介入は容認するとの見方もあった。しかし、高インフレに直面する今の米国は、物価上昇圧力を強めるドル売りも望ましくないと考えているとみられる。

ちなみに、日本の有力通貨当局OBによれば、米国が言う「極めて例外的な状況」とは11年3月に起きた東日本大震災の後のような市場混乱を指すという。実際、当時米国は円高防止の介入に協調した。

米国の支持を得ない状況下で日本が動いた前例もないわけではない。例えば日本にとっての最後の介入となった11年夏~秋の円売りだ。米財務省は為替政策報告書に「支持しなかった」と明記した。

ただし、米国に批判的な空気がある介入は市場に与える印象が良くなく、効果を上げるには規模を膨らませる必要がある。11年夏~秋もたった6日間に13兆円超に相当するドルを買った。同年の日本の経常黒字を超える規模のドルを一気に買い上げ、80円を上回る水準で推移していた円の急騰阻止に努めた。

もっとも、円売りだったから大胆に動けた面もある。自国通貨を元手とするので限界をあまり気にしなくていいからだ。一方、円買いの場合、外貨準備(5月末時点で約1.3兆ドル=約175兆円)が事実上の上限。そう簡単には限界に達しないだろうが、「弾薬切れ」の懸念を市場が意識するだけでも、効果は減殺されるかもしれない。 

やはり、円滑な介入には米国の理解や支持が意味を持つ。「国際協調を見込めないもとで財務省が容易に動けるとは考えにくい」(SMBC日興証券の丸山義正氏)。それでも、今後円の急落が続くなら、財務省が賭けに出る展開にも注意が必要になってくる。

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円安、98年危機以来の一時135円台前半 競争力低下映す

円安、98年危機以来の一時135円台前半 競争力低下映す
金融政策・市場エディター 大塚節雄
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB130OO0T10C22A6000000/

『13日の外国為替市場で円相場が一時、1ドル=135円台前半まで下落した。金融不安で「日本売り」に見舞われていた1998年以来、約24年ぶりの円安・ドル高水準に逆戻りした。円安を招く構図は当時と様変わりした。浮かび上がるのは産業競争力を底上げしてこなかった日本経済のもろさだ。

円相場は対ドルで一時1ドル=135円22銭近辺まで下落した。今年の円の下落率は1割強に達し、世界の主要通貨で最も価値を下げた。

米欧でインフレが加速し、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めを急ぐ一方、金融緩和を続ける日銀との差が一段と鮮明になっている。海外と日本の金利差がさらに広がるとの見方から海外ヘッジファンドなどの円売りが勢いづいた。

円は2002年1月の安値を下回り、1998年10月以来の円安水準をつけた。当時は日本長期信用銀行が破綻し、金融危機下の日本売りが激しかったころだ。97年ごろから相次いだ金融機関の破綻の連鎖はなお止まらず、経済がデフレ局面の入り口に立ち、企業は投資を絞り、賃金抑制も始まりつつあった。

旧大蔵省(現財務省)は98年4~6月に計3兆円を超す円買い・ドル売り介入で異例の通貨防衛に動いた。それでも円は8月に一時147円台まで売られた。

現在、金融システムは強さを保ち金融不安に根ざす日本売りはみられない。一方でエネルギー価格が急騰するなか円安は「輸入インフレ」に拍車をかけ、家計や企業を苦しめる。原油価格の国際指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は足元で1バレル120ドル前後で推移し、24年前の8倍だ。日銀の黒田東彦総裁は13日、急激な円安を「経済にマイナスで望ましくない」と述べた。

根本的な問題は円安を生かすための産業競争力が失われている点にある。

内閣府によると、98年度に10%だった日本の製造業の海外生産比率は20年度に22%強と2倍になった。国内産業の空洞化が進み、コンピューター(周辺機器含む)は98年時点で輸出が輸入を7000億円強上回っていたが、21年に2兆円を超す輸入超過になった。人手不足が深刻になるなか、日本企業は国内産業の高度化に向けた設備投資も出遅れた。

新型コロナウイルスとウクライナ危機は国際的な供給網の再構築の必要性を浮かび上がらせた。今後も欧米との金利差拡大を意識した投資家の円売り圧力は強まる。円安を生かすためにも長期的な視点にたった産業強化策を急ぐべきだ。

(金融政策・市場エディター 大塚節雄)

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この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Weak-yen-turns-from-boon-to-bane-for-Japanese-stocks?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

岩間陽子のアバター
岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説

人にも研究にも投資してこなかったので、当然と言えば当然の結果でしょう。短期に効果が出る策はありませんが、できるだけ早く、才能ある外国人が日本に来て働けるように、法制度も企業の在り方も大転換するくらいしかありません。外国人との共生のために、自治体サービスや教育制度も根本的に見直さなければなりません。日本に対するポジティブなイメージが少しでも残っている間にやらないと、幻滅が拡がってからでは遅すぎます。入管や難民認定制度も、国のイメージを左右するという視点で根本的改善が必要です。
2022年6月13日 23:39 』

電力危機,こんな電力に誰がした

日刊 アジアのエネルギー最前線 : 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい – livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2021478.html

※ 何事も、「プライオリティ」というものがある…。

※ 世の中の、ほぼ全ての「事がら」は、「あちら立てれば、こちら立たず。」という関係にある…。

※ 「電力の安定供給を、重視すれば、コストは犠牲になる。」…。

※ 「コストを重視すれば、電力の安定供給は犠牲になる。」…。

※ そういう中で、「この局面で」「何を重視し、何を捨てて行くのか」…。

※ それを決めて行くのが、「プライオリティ」の決定だ…。

※ むろん、国家政策において、一般論としては、「最大多数(国民)の、最大幸福」ということを目標とすべきだ…。

※ しかし、現実の策としては、「どの方面の国民も、そんなに酷いことにならない線」に落ち着くことが多いだろう…。

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい
http://www.adachihayao.net

2022年6月11日 土曜日 曇かな

今年の夏の電力需給逼迫が懸念され,更に今冬には,関東エリアで需給が破綻することへの現実的な問題が話題となっている,誰がこんな電力にしたのか,池田信夫氏の議論であるが,池田氏は経済学者であり,私達から見れば,経済屋さんが電力のデリバティブ化を目指して自由化を推し進めた,と

池田氏が言っておられるように,電力自由化の本質は発送電分離で,その制度の下では誰でも発電を作ることが出来る,太陽光と共に拡大してきたこの制度は,今問題となっている上海電力の参入も防ぐことは出来なかったわけであるが,この発送電分離の結果,電力会社には,供給責任がなくなった

国も手を出せなかった東京電力が,原発事故の影響もあって,少なくとも長期の需給計画には全く手が出せなくなった,池田氏は将来の需給計画,即ち中長期の電源開発は一体誰が考えているのか,と私達と同じ質問を発しているが,発送電分離の前に分かっていた,経済屋さんの発想が危機を生んだ』

次世代バイオ燃料、給油所で販売ユーグレナ、全国初の常設

次世代バイオ燃料、給油所で販売
ユーグレナ、全国初の常設
https://nordot.app/907923548531310592

 ※ 『BDFは通常の軽油にバイオ燃料を20%混ぜたもので、』…。

 ※ そんなんで、「二酸化炭素」が大幅に減るものなのか…。よく分からんな…。

 ※ まあ、「植物由来(食用油も、植物由来)」なんで、トータル的には「2割減る」という話しなんだろう…。

 ※ 『10日の販売価格は1リットル300円。』…。

 ※ そんなんで、「買う人」いるのか…。よく分からんな…。

『ベンチャー企業のユーグレナ(東京)は10日、藻類のミドリムシと使用済み食用油を原料の一部に使った次世代バイオディーゼル燃料(BDF)を名古屋市の給油所で一般向けに発売した。給油所でBDFを常時販売するのは全国で初めてという。自動車産業が盛んな東海地域で、環境に優しい燃料の普及を目指す。

 導入した給油所は名古屋港の工業地帯にあり、貨物トラックなどを中心に一般の乗用車も含めた顧客の利用を想定。自社の二酸化炭素(CO2)排出削減を進める企業の需要も見込む。BDFは通常の軽油にバイオ燃料を20%混ぜたもので、10日の販売価格は1リットル300円。』

英政府、アーム「流出」阻止へ一丸 SBG説得に首相動員

英政府、アーム「流出」阻止へ一丸 SBG説得に首相動員
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20DZW0Q2A520C2000000/

『【ロンドン=佐竹実】英政府がソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームのつなぎ留めに必死になっている。上場先として米ナスダックが有力視されているためで、ロンドン証券取引所への誘致にジョンソン首相も動員して説得にあたる。テック企業の集積は英国の成長シナリオに欠かせないほか、半導体は経済安保の要でもある。高いシェアを持ち、「クラウンジュエル(王冠の宝石)」と言われる英企業が流出すれば政権へのダメージになりかねない。

「我々はアームが英国の比類無い技術と資本を活用し、ここでビジネスを続けることを望む」。英政府の報道担当者は日本経済新聞の取材にこう答えた。4月以降、経済担当閣僚らを総動員してSBGの説得に当たっている。英政府はこれについて直接の言及は避けたが、「革新的な企業が成長して資金を調達するための最も魅力的な場所になることを約束する」とも指摘した。

あるSBG幹部は書簡を受け取り、目を丸くした。差出人にジョンソン首相の名があったためだ。英フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、政府は英国の投資家に上場した際にアームの株式を買うよう働きかけているとみられ、ロンドン証取上場の利点をアピールしているようだ。国のトップまで動員して一企業を自国市場に誘致するのは異例だ。

英政府がここまで必死になるのは、アームの上場先として米ナスダックが有力視されているからだ。SBGの孫正義会長兼社長は2月、アームの新規株式公開(IPO)について「おそらくハイテクの中心であるナスダックになるのではないか」と述べた。5月12日には「いつでも上場できる体制は整いつつある」と年内にも上場させることを示唆。早ければ今夏にも上場先などが決まる可能性がある。

英国が欧州連合(EU)離脱後の成長シナリオの一つとしてテック企業のハブとなることを掲げていることも背景にある。

英金融規制当局は企業を呼び込むため、ロンドン証取への上場に必要な浮動株比率を引き下げるなど要件を緩和した。21年には英国際送金フィンテックのワイズなど地元有力スタートアップを上場させている。

世界のスマートフォンの約9割にはアームが設計した半導体が使われている。今後の技術革新を陰で支えるアームをなんとしてでも自国市場に上場させたいとの思いがある。

SBGが米半導体大手エヌビディアへのアームの売却で合意(後に断念)した21年時点で、アームの企業価値は約400億㌦(約5兆3600億円)。ロンドン証取に上場すれば過去最大級の規模となる。

そのアームがナスダックに流れてしまえば、政治問題にも飛び火しかねない。SBGは16年、上場企業だったアームを約3兆円で買収した。当時のメイ政権が日本企業による「クラウンジュエル」の買収を阻止しなかったとして、後に批判も出た。

それから5年がたち、人工知能(AI)やサイバーセキュリティーなどの成長産業に欠かせないアームは、経済安全保障の面からも重要度が増している。英政府としては国内にとどめたいとの思いが強いほか、与党・保守党内にはアームに政府が出資すべきだとの声すらある。

SBGは「上場先は決まっておらず、様々な可能性を検討している」(広報室)としている。投資先の株価下落で業績が落ち込むSBGにとってアームは虎の子だ。アーム上場による業績の回復やさらなる資金調達を期待する。市場規模や投資家の数を考えればナスダックの方が高い企業価値を期待しやすい一方、首相のラブコールを断って米国を選べば英政府とのしこりが残る。SBGは難しい判断を迫られている。

EU離脱後に物流が混乱するなどし、離脱は間違っていたとの批判もくすぶる。大型上場を逃すことは、EU離脱後のロンドン証取の地盤沈下を印象づけかねない。負けられない誘致合戦にメンツをかけて臨む英政府が、今後どんな条件をSBGに提示するのかが注目だ。

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・ソフトバンクG、最終赤字1兆7080億円 22年3月期
・ソフトバンクG、続く「テックの冬」 孫氏の打開策は
・英アームの中国合弁トップ解任 混乱収束か、なお対立か 』

神戸物産 エジプト事業

神戸物産 エジプト事業
https://www.kobebussan.co.jp/business/new.php

『広大な砂漠から
「実りのある農地へ」

神戸物産グループはアフリカ大陸への農業投資を行い、砂漠の農地化に取り組んでいます。
2013年にはエジプト南部ケナ県でセンターピボット農場を竣工。2014年には、かつて砂漠であった広大な土地から小麦の収穫に成功しました。より安定した収穫を得るための、土壌改良や新たな作物の栽培にも取り組む予定です。

エジプト事業

ナイル川の流れるエジプト南部ケナ県エルマラシダ区の砂漠地帯に、約2,900haの広大な土地を取得。何もなかった砂漠の地に、道路、電気網、灌漑パイプなどをマス目状に配置し全14基のセンターピポット(灌漑設備)を設置。

地下に浸水しているナイル川の豊かな恵みを有効活用し、テスト栽培などを経て、2013年より稼働しています。

※2019年12月現在

エジプトである理由

現在は砂漠化していますが、ここは7,000年前に農耕が始まった土地であり、加えて砂漠の厳しい環境は、雑草が生えにくく、除草剤などの使用を抑えることができます。
また数千年にわたり農業をしていなかった砂漠は残留農薬などがない自然のままの状態です。

さらにエジプト南部のケナ県は、ナイル川の流れが湾曲している所(へそ)に位置しているため、伏流水を十分に蓄えた土地であると想定し、ここでの栽培を始めました。
ナイル川の恵み

ナイル川の水は表面を流れるだけでなく、地下に浸透して大きな水瓶のように溜っています。へそのように窪んだ流形は豊富な伏流水の証であり、水質の良いナイル川の水を豊富に確保できる土地です。この水は単なる地下水ではなくナイル川からの資源と考え、当社の技術とノウハウを駆使して有効に活用していきます。

センターピボットとは

乾燥地帯で作物を栽培できるよう地下水を利用して行う灌漑農法。円形の農地にスプリンクラーを回転させ水をまきます。

・全14基
・直径800m
・1台あたり約50ha
(東京ドーム約10個分相当)

砂漠から農地へ

センターピボットは、乾燥地域でも大規模に作物を栽培出来る様に、地下水をくみ上げ、自走式の散水管に圧送し水をまきます。移動速度の速い周辺部の散水量を多くして、散水の不均一を防ぎます。エジプトの農場では合計14基のセンターピポットが稼働しています。
小麦の収穫と今後の展望

2014年春には、広大な砂漠であった土地に黄金に実る小麦を収穫することに成功しました。
農場では小麦のほかにも、トマトやアルファルファ、カモミール、レモングラス、バジルなどの作物のテスト栽培もスタートしています。

また、エジプト事業を通じ、収穫した小麦の一部をエジプトの支援が必要な地域への寄付、エジプト農業学校への技術提供など、国際社会貢献活動も行っています。

観光事業

地熱を利用した観光果樹園など、自然や文化を生かした観光事業により地域活性化に貢献しています。』