ルネサス、旭化成の半導体を代替生産 工場火災受け

ルネサス、旭化成の半導体を代替生産 工場火災受け
供給不安に対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE269JW0W1A120C2000000

 ※ 旭化成関係の工場火災、半導体の製造工場だったんだな…。

 ※ なんか化学関係の、素材工場…だと思っていた…。

『2020年10月に起きた火災で旭化成のグループ会社の半導体工場の生産ラインが停止していることを受け、半導体大手のルネサスエレクトロニクスが代替生産に乗り出すことが26日分かった。工場火災に伴う半導体供給不安が後退し、懸念された自動車生産への影響も軽微に抑えられそうだ。

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ただ、自動車生産の急回復や電気自動車(EV)の普及などによる別の半導体の供給不足の問題は解決されておらず、国内の自動車大手にとって半導体の安定調達は課題とし…

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ルネサスは主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で代替生産する。製品の歩留まりの高い8インチサイズのシリコンウエハーを用いる製造ラインを活用する。那珂工場は別の自動車用半導体などを生産しているが、未稼働分の能力を割り当てた。

生産するのは電波の波長を調整するのに使う水晶発振器と呼ばれる部品向けのIC(集積回路)。自動車の衝突回避や被害を軽減する安全システムなどに用いられ、旭化成が高いシェアを占める。当面ラインの復旧が見込めず、旭化成は供給維持に向け国内外メーカーへの生産委託を調整していた。

既にルネサスは代替品のサンプルを自動車メーカーに供給し始めている。自動車大手は代替品の検証作業に入っており、春ごろまでにルネサスから代替品の供給が始まる可能性がある。

トヨタ自動車はデンソーやジェイテクトなどグループ部品会社を通じて被害にあったラインで生産していた半導体を使っていた。火災前にデンソーなどは一定程度の在庫を持っていたほか、旭化成も安全在庫と呼ぶ不測の事態に備えて多めの在庫を保有していた。トヨタは当面生産を継続できる体制だった。ルネサスによる代替生産にメドが立ち、トヨタの火災影響は限定的になりそうだ。

ただ、世界的に半導体の品薄状態が続いている。車の「走る」「止まる」といった動きを制御するマイコンや、電圧を制御するパワー半導体など幅広い製品でも逼迫感が出ている。

国内外の自動車大手も減産を強いられ、SUBARU(スバル)は2月も減産を続ける。台湾積体電路製造(TSMC)など半導体受託生産会社が立地する台湾当局に対し、独米日など各国政府が半導体増産の協力を要請するといった動きも出ている。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Business/Automobiles/Japan-s-Renesas-steps-in-to-ease-automotive-chip-shortage?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia

給与デジタル払い21年春解禁、銀行口座介さず 政府方針

給与デジタル払い21年春解禁、銀行口座介さず 政府方針
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF266MB0W1A120C2000000

 ※ 日本の場合、銀行口座を開設している人が、多数派だから、その流れは大きくは変わらんだろう…。

 ※ 外国人労働者(技能実習生、特に農林水産業分野での(ここは、票田だ)…。あとは、介護職か…)の大量導入を、睨んでの話しでもあるんだろう…。

 ※ 支持基盤(票田)から、「ご要望」が出たくさいな…。

 ※ 趨勢は、「老いていくアジア」だから、「争奪戦」になっている…。

 ※ そこを、少しでも有利に戦えるように…、という話しがあるような気がするな…。

『政府は今春に給与のデジタル払いを解禁する。企業は銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込めるようになる。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。デジタル払いが広がると、給与振り込みの口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。

日常の買い物ではQRコードなどによるキャッシュレス決済が広く普及している。サービスは金融庁に登録する資金移…

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政府は今春に給与のデジタル払いを解禁する。企業は銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込めるようになる。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。デジタル払いが広がると、給与振り込みの口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。

日常の買い物ではQRコードなどによるキャッシュレス決済が広く普及している。サービスは金融庁に登録する資金移動業者が担っている。給与については労働基準法が労働者保護の観点から遅れなどがないよう「通貨で直接、労働者に全額払うこと」を原則とし、例外的に銀行振り込みを認めてきた。免許制の銀行に比べ安全網が整っていない資金移動業者は対象外だった。

海外では銀行口座を介さない給与支払いの受け皿としてプリペイドカードの「ペイロールカード」が広がる。米調査会社によると、21年に550億ドル(約5兆7000億円)の給与がペイロールカードに振り込まれ、10年前と比べて2倍超になる見通しだ。

かねて日本でもデジタル払いの解禁を検討してきたが、安全性への懸念を訴える声があり、先送りが続いていた。給与は生活資金の土台になるため、資金移動業者が破綻した場合などの影響が大きく、連合などが反対してきた。

政府は安全基準をみたした企業に限ることで理解を得る方針だ。3月末にも労基法に基づく省令を改正し、資金移動業者も例外的に認める対象に加える。個人情報保護や資金保全などでの基準を定め、安全性を担保できる場合に限って解禁する。事業者には保証機関や保険会社と契約し、仮に破綻しても労働者への支払いが遅れないようにする仕組みの構築を求める。

本人確認の体制が十分な企業かどうかも基準とする。パスワードだけでなく利用者の携帯電話に確認コードを送るといった多要素認証の仕組みを導入する必要がある。月に1度は無料で現金化できるようにするといった条件も検討している。

給与の支払いが資金移動業者にうつれば、銀行のビジネスモデルが揺らぐとの見方がある。たとえば新卒社員は入社時に銀行口座を作り、そのまま利用し続ける人も少なくない。銀行口座を作らず、デジタルマネー支払いを選ぶ人が増えれば、銀行の顧客基盤が縮小する。「LINEペイ」や「楽天ペイ」といったスマホ決済業者にとっては、ビジネス拡大のチャンスが広がる可能性がある。

キャッシュレス推進協議会の調査によると、QRコードを月1回は利用したことがある人は20年9月に3000万人を超えた。18年12月の300万人超から10倍に達する。ポイントの還元の恩恵や支払いの簡便さを理由に、消費者を引き寄せている。新型コロナウイルス禍で「非接触」のキャッシュレス決済のニーズも高まっている。

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ゆうちょ銀の手数料上げ波紋 スマホ決済普及に逆風
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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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ひとこと解説 銀行口座が一般的でないアフリカの多くの国では、給与がデジタルウォレットに入金される仕組みが普通になっています。
日本は銀行口座の利便性があるので、どこまで普及するか疑問ではあります。
2021年1月26日 19:08いいね
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小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 会社がサラリーマンの給料を指定の銀行口座に振り込む「給振り」。銀行が個人マネーの受け皿の役割を担い、家計において大きな存在感を誇ることができた要因の1つは、この制度にあると思っています。証券会社がどんなに力をつけても超えられなかった銀行の壁も「給振り」でした。スマホアプリなどへの給与のデジタル払いが実現すれば、「銀行は本当に信頼されているのか」が試されることになります。複数の銀行口座に給料を振り込んでもらっているサラリーマンも少なくないと思います。いきなり銀行とのつながりを全て絶つことに抵抗はあっても、今後は1番信頼できる一行に絞って「第2振込先はアプリ」と考える人も出てくることでしょう。
2021年1月26日 18:32 (2021年1月26日 19:54更新)
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高井宏章
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 この施策がどれだけデジタルマネーの普及を後押しできるかは、インセンティブの設計がカギになると思います。
デジタルマネーの運営事業者が、給与振り込み先として選んでくれた個人へポイントを付与したり、システムを導入する企業へのサポートしたりといった形でどれだけお金の流れを誘導できるか。

日本は銀行口座の開設が比較的容易です。スマホが事実上の決済手段となっている新興国や、口座を持たない移民労働者や出稼ぎ労働者が多い国と比べると、銀行の優位はなお大きいでしょう。
2021年1月26日 19:03いいね
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村山恵一
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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別の視点 「働き方」の多様化を促す効果を秘めた動きのように感じます。副業解禁の流れともあいまって「職」「就業機会」の姿はバラエティーが広がっています。報酬の支払われ方がデジタルになることで、個人がスキルや時間をさらに有効活用することにつながるかもしれません。もちろん安全面の備えが十分なされることが前提です。
2021年1月26日 18:43いいね
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春季労使交渉始まる 3つのポイント 横並びは困難に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ21BXR0R20C21A1000000

『経団連と連合は26日、主要企業の労使が労働問題の意見を交わす「労使フォーラム」を開く。フォーラムを機に2021年の春季労使交渉が事実上始まる。多くの企業が新型コロナウイルス禍で痛手を被り、不透明感も強まる特異な状況での労使交渉。そのポイントを探る。

賃上げ格差どこまで拡大?
労働組合は新年度の4月に向け、賃金などの労働条件を使用者(経営者)と交渉する。賃上げには定期昇給(定昇)とベースアップ(ベ…

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賃上げには定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)がある。定昇は年齢や勤続年数に応じて給与を引き上げる。社員数や社員の年齢別の構成比が前年と同じなら、企業の人件費は増えない。

ベアは社員の基本給を一律に引き上げるため、人件費増につながる。基本給は一度上げると業績が悪化した際に下げるのは難しい。さらに基本給をもとに計算する社会保険料や残業代も上昇する。社員の生産性が高まらなければ収益の押し下げにつながるため、経営者は一般的にベアには慎重だ。

政府は13年に景気回復にむけ経済界にベアを要請し、「官製春闘」と呼ばれる流れが続いていた。連合は今回、6年連続となる「2%程度」のベア要求の方針を打ち出した。もっとも足元では賃上げ率は15年の2.2%をピークに鈍っている。

今回の労使交渉では、賃上げについて要求段階から組合ごとに差がつきそう。旅行や宿泊のように需要が蒸発した業種もあれば、スーパーなど巣ごもり消費の恩恵を受けるところあるからだ。

組合側は交渉力を高めるために、産業ごとに「産業別労働組合(産別)」を組織して賃金などの要求水準を統一してきた。最近はグローバル競争のなかで業績や人材戦略に違いが出るなか、産別や組合の動きにも徐々にバラツキが出ている。今回はそこにコロナの影響が加わる。業績が厳しい企業の労組も抱える電機連合は、ベアに相当する賃金改善分として「月2000円以上」を要求する方針。上部団体の金属労協が打ち出した「月3000円以上」を下回るのは異例だ。

雇用維持できるか?

企業や業種によっては雇用維持が優先課題となる。航空大手など一部の企業はグループ外への社員の出向にも乗り出している。航空関連の労組でつくる航空連合は賃金交渉については一律の基準を定めない。一方、グループ外出向や一時帰休を実施する際には労使で運用などを確認するよう求める。

繊維や小売り、サービス業などの労組でつくるUAゼンセンのうち、外食産業などの部門では組合員が前年と比べ約1万人減った。新型コロナによる店舗閉鎖などが響いたという。UAゼンセンの松浦昭彦会長は「しっかりと雇用を守ることを大前提に動く」と話す。

格差是正も焦点の一つだ。UAゼンセンは今年は幅を持たせた要求とする方針。契約社員やパートといった非正規雇用の組合員については「定期昇給分に加え、2%を目標に時間額を引き上げる」と具体的に要求する方針だ。同一労働同一賃金の実現を後押しする狙いだ。こうした要求を踏まえ、経営側が雇用維持と格差是正のバランスをどう取るかも課題となる。

働き方、ジョブ型広がるか?

コロナ禍を契機に多くの企業が導入したテレワークなどの新たな働き方の議論も進みそうだ。電機連合はテレワークに関する費用の会社負担や、長時間労働の防止への考え方を確認する。組合側も「課題も多いがテレワークは生産性向上のチャンスでもある」(電機連合の神保政史・中央執行委員長)とみる。

企業が求める能力を明確にして雇用契約を結ぶ「ジョブ型雇用」の導入も日本企業にとっては検討課題だ。欧米では一般的で、職務に必要な能力をまとめた「職務定義書」(ジョブディスクリプション)を作成して社内外から人材を募る。日本では社内で幅広い業務を経験させる「メンバーシップ型雇用」が長く主流だった。

経労委報告では成果を重視するメンバーシップ型雇用と、雇用が安定したジョブ型を組み合わせ、各社で「自社型」の雇用制度をつくることを提案している。

いずれ来るであろうコロナ収束後に自社の競争力をどう高めるか。そのための賃金や働き方の在り方について労使で話し合う場とすることが欠かせない。(大平祐嗣)

設備投資、計画比2.9%減 2020年度・本社調査

設備投資、計画比2.9%減 2020年度・本社調査
1割の企業は上方修正 脱炭素・医療に重点
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ209NP0Q1A120C2000000

『日本経済新聞社がまとめた2020年度の設備投資動向調査(20年11月末時点の修正計画)で、全産業の投資額が当初計画(同6月末時点)に比べて2・9%減る見通しだ。減少幅はデータのある1990年以降で最大となる。新型コロナウイルス禍が響いた。一方、脱炭素や医療、デジタル化など成長領域で投資を積み増す企業も目立つ。

調査は上場企業と資本金1億円以上の有力企業958社を対象に集計した。11月末までの修正を…

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11月末までの修正を経た20年度の設備投資計画額は24兆3215億円を見込む。前年度比では3.5%減となり、マイナスは4年ぶりだ。

製造業は当初計画比で3・8%減、非製造業は1・7%減る。全32業種の7割超にあたる24業種で当初計画を下回る。化学や空運、ゴムなどの業種で落ち込みが大きい。

ただ、コロナ禍という未曽有の逆風下でも全体の1割強にあたる133社は投資を上方修正した。TDKは20年度の設備投資を2000億円と当初計画から11.1%増やす。世界的な脱炭素の流れを受け、石黒成直社長は「電動バイクや家庭向けの蓄電池の開発・生産に投資する」と語る。

塩野義製薬は当初比8割増の195億円を投じる。増額分は開発中の新型コロナワクチンの生産に向けて、岐阜県の協力工場に投資する。「いいワクチンができても、量を作れなければ意味がない」(手代木功社長)

感染対策や省力化のためのデジタル投資も急務だ。食品スーパーのライフコーポレーションは当初比35.4%増の310億円を予定する。現金やカードのやりとりを減らすセミセルフレジの導入を前倒しで進める。

人口減などで国内市場が縮むなか、海外展開の重要性は増している。セブン&アイ・ホールディングスは海外投資を当初比2割増の1606億円に引き上げ、米国でコンビニエンスストアの新規出店を拡大する。

08年のリーマン・ショック後は日本企業の投資回復が遅れるなか、中国や韓国、台湾勢がエレクトロニクス分野などへの積極投資でシェアを奪った。「デジタル化などの成長領域で先行投資を続けないと乗り遅れる」(日本総合研究所の成瀬道紀副主任研究員)

コロナ禍からの需要回復を受け、自動車などの業種では20年度の業績見通しを上方修正する動きもある。一方で、自動車市場では半導体不足による減産の拡大なども懸念されている。自動車の動向は景気への波及効果が大きいだけに、21年度を含む今後の設備投資に影響する可能性もある。

【関連記事】

2020年度の設備投資、素材・運輸で下振れ コロナが打撃

資生堂「TSUBAKI」など日用品事業売却へ 1000億円超

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『資生堂は22日、へアケアブランド「TSUBAKI」を含む日用品事業を売却する方針を固めた。売却先は欧州系大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズで、売却額は1000億円を上回る可能性がある。新型コロナウイルス禍で業績が悪化するなか、事業の選択と集中を進め、主力の化粧品事業に経営資源を集中させていく。

今回売却の対象になるのは主に日用品を手掛ける「パーソナルケア事業」。ドラッグストアやスーパーなど…

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ドラッグストアやスーパーなどの量販店向けにヘアケアやスキンケア、ボディーケア、日用品を扱っている。シャンプーの「TSUBAKI」や男性用ブランド「uno(ウーノ)」といった資生堂を代表する著名ブランドを含んでいる。同事業の売上高は2019年12月期に日本・中国・アジアの合計で1053億円と全体の9%を占める。

関係者によると、CVCキャピタルがつくる特別目的会社(SPC)に事業を譲渡する。資生堂が35%、CVCが65%を出資する方向で検討している。資生堂は「同事業を運営する新会社の株主として参画し、成長と発展に協力することを検討している」という。早ければ1月中に取締役会で正式決定し、3月末にもSPCが立ち上がる。

新型コロナウイルス禍で訪日外国人客の需要が蒸発し、資生堂は本業の化粧品事業で苦戦している。20年11月時点では、20年12月期の連結最終損益は300億円の赤字(前の期は735億円の黒字)としていた。15年に決算期を変更しているが、最終赤字は13年3月期以来となる。

ライバルとなるグローバル企業との競争も激しい。ロレアルなどは高価格帯の化粧品に注力。QUICK・ファクトセットによると、資生堂の売上高販管費率はここ数年、7割ほどで推移するが、ロレアルは50%台半ば、エスティー・ローダーは6割にとどまる。

売却を検討しているパーソナルケア事業は低価格な商品が多く、収益性を圧迫する要因になっている。特にヘアケア事業は新興メーカーの攻勢を受け、シェアを落としている。値引き合戦が激しく利益を出しにくいこともあり、十分な商品開発や広告宣伝などへの投資を資生堂単体で続けるのが難しいと判断した。

資生堂はこれまでも事業の見直しを進めてきた。18年には低収益だったホテル向けなどアメニティ事業から撤退した。一方で、19年に米国の新興スキンケアメーカー、ドランク・エレファントを約900億円で買収。高価格帯スキンケア事業への経営資源の集中を進めている。

リチウムイオン電池素材競争、中国台頭 瀬戸際の日本

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ139U50T10C21A1000000

『脱炭素で重要な役割を担い、ノーベル化学賞受賞者も輩出した日本のお家芸のリチウムイオン電池材料。その雲行きが怪しくなっている。電気自動車(EV)など電動化の需要に日本勢がついて行けなくなりつつある。セパレーター(絶縁体)では旭化成が中国メーカーにシェア首位を奪われた。電池メーカーではパナソニックに代わって中国勢が台頭する。日本の素材産業はサプライチェーンの変化の波を乗り越えられるか。

中国のセパレーターの単価、日本の半分程度
「2019年以降のセ…

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「2019年以降のセパレーターの価格下落は想像以上だ」。住友化学の岩田圭一社長は自社想定を上回る市況の下落に危機感を募らせる。セパレーターはリチウムイオン電池の正極と負極を隔てるために使う薄い素材で、電池の中核素材。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が所属する旭化成や住化など日本勢が得意としていた。

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が所属する旭化成は、セパレーターの首位を中国に明け渡した。

なぜ、19年以降に価格下落のスピードがあがったのか。探っていくと、ある事実が浮かび上がった。中国勢の台頭という電池材料のサプライチェーンの構造変化だ。

旭化成は19年、主力のセパレーターの世界シェア首位の座を明け渡した。トップに立ったのは中国の上海エナジーで、18年比4ポイント増の18%のシェアだった。中国や韓国LG化学などの電池メーカーに納め、米テスラが中国で生産するEVにも搭載されているとみられる。

上海エナジーは現在、中国や東欧で生産増強を相次いで進めている。価格競争力も高く、「上海エナジーのセパレーターの単価は日本勢の半分程度」(業界関係者)という。中国勢がけん引するかたちで、市況の下落が急速に進む構図だ。

電池素材、中国勢が相次ぎ台頭

電池材料では上海エナジーのような中国勢が台頭する。矢野経済研究所によると、19年の世界出荷シェアは14年比で正極材、負極材、セパレーターで15~20ポイント増えた。一方の日本勢は軒並みシェアを落とした。パソコンやスマートフォンなど電子機器から車載向けへの電池市場の転換や、中韓勢の電池メーカーの台頭、そして世界的なEV化推進の潮流が背景にある。

電池素材の車載向けシフトは急速だ。リチウムイオン電池の出荷量の構成比率は電動車向けが19年の57%から23年には全体の71%に急拡大する見込み。自動車向けは電子機器用に比べて電池の容量が大きくなる。コスト要求も厳しくなり、量産勝負になってしまう。

供給先の電池メーカーでも中韓勢の台頭が著しい。19年は車載向けの世界シェアでは中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が首位に立った。LG化学も米ゼネラル・モーターズとの合弁で大型投資するなど、急速に出荷量を増やしている。

一方、業績が低迷するパナソニックは、テスラと共同運営する巨大電池工場「ギガファクトリー1」に巨額投資をして以降、大規模な電池投資に踏み切れていない。20年4月にはトヨタ自動車と車載電池事業の共同出資会社を発足したが、パナソニックの出資比率は49%で、経営の主導権をトヨタに渡した。電池事業で機動力を失い、テスラの中国生産分への供給は中国や韓国の電池メーカーが中心になっている。

日本の電池素材メーカーもLG化学など海外電池メーカーに納入実績があるが、主な納入先はパナソニックだ。中韓メーカーが取引する現地素材メーカーとはコスト面などで苦しい戦いになる。

CATLは車載リチウムイオン電池分野で急速にシェアを拡大している(同社の電池工場)
実際、CATLは電池素材を主に中国メーカーから調達しており、「日本に頼る必要性は低い」(CATL幹部)と言う。日本勢が劣勢に回るなか、「パナソニックにはなんとか頑張って欲しい」(日系化学メーカー幹部)との声が漏れる。

車載向け電池は今後、一段と需要が拡大する。欧米や中国メーカーのEVシフトが、世界のガソリン車規制と並行して進むためだ。英国が30年、仏が40年にガソリン車の新車販売を禁止する方針を表明した。中国も35年をメドに新車販売をEVやハイブリッド(HV)車などに限る方針だ。

EV普及の課題である電池コスト削減を目指すテスラは20年9月、電池のセルを自社生産する方針を表明した。電極素材や製造工程を抜本的に見直し、容量当たりの生産コストを現在に比べ56%引き下げる計画だ。米ゴールドマン・サックスは蓄電池のコストは27年に1キロワット時あたりのコストが、19年比で半分の100ドルを切ると予想する。

中国台頭で岐路に立つ日本の電池素材メーカー

ただ、日本の化学メーカーからは「テスラの内製化とは距離を置きたい」との声が相次ぐ。コスト要求が厳しくなり、製造する電池の安全性の担保に不安があるためだという。では、こうした状況下で日本の化学メーカーはどう戦うのか。

生産増強やコスト削減に動くのは三菱ケミカルや住化だ。三菱ケミカルは電解液の生産で数十億円を投じ、23年までに米国と英国、中国の各工場の設備を増強し、生産能力を現在より5割増の年9万トンに増やす。増強は生産プロセスのデジタル化が中心となる予定で、在庫管理システムの導入や原料の投入や計量の自動化を進めて少ない投資で生産能力を高める戦略だ。

住友化学も車載向けに使われるアラミド樹脂を使ったセパレーターの生産改善を進め、製造コストを17年比で4割削減を目指す。

一方、東レは車載向けの量産競争に距離を置く姿勢だ。22年までにハンガリーでセパレーターを生産増強するが、その後の増産計画は白紙だ。日覚昭広社長は「車載向けはもうからない。車載はハイエンドに特化し、強みが生かせる民生向けも強化したい」と語る。

大和証券の梅林秀光シニアアナリストは「車載向けは先行投資が重い。原料調達力より加工技術が求められる領域や放熱材料などニッチな分野から勝負する発想が必要だ」と話す。

中国勢と提携する動き、日本では再編も

環境性や安全性など技術に活路を求める動きもある。三菱ケミカルは負極材で製造時の環境負荷が低い天然黒鉛を使った製品の量産化を計画する。電池容量の低下につながる充放電の許容回数が2倍にする技術を確立しており、自動車向けへの採用を23年にも実現したい考えだ。東レも容量を2~3倍にすることができる金属リチウムを使った電池向けのセパレーターを開発した。3~5年後の製品化を目指す。

中国の電池素材メーカーが台頭するなか、アライアンスで中国勢と強みを持ち寄る動きも出てきた。帝人はリチウムイオン電池のセパレーターにコーティングを施す事業を行う。コーティングで電池容量を大きくしたり、安全性を高めたりできる。この製造に関する技術ライセンス契約を19年に上海エナジーと結び、20年末には対象となる技術と用途を広げた。帝人の鈴木純社長は「車載向けは市場規模が非常に大きい。自社生産は一定規模にとどめ、外部に製造委託する考えだった」と話す。

中国との競争が激しくなり、今後、多数のメーカーが競う日本では事業再編も進みそうだ。電解液では三菱ケミカルと宇部興産が20年に中国に加え、日本でも事業を統合した。三菱ケミカルは電解液で300弱の特許を持つ。宇部興産の泉原雅人社長は「知財も含めて三菱ケミカルと事業を統合し競争力を高めた」と話す。

三菱ケミカルの英国の電解液工場

最終製品を作り上げるメーカーが競争力を失うと、そこに連なる部品・素材メーカーの弱体化につながる。素材は装置産業で、大規模な設備が伴う。投資から回収までビジネスの息が長いが、急速な環境変化に対応する経営の柔軟性の向上が課題となる。

電子部品や半導体製造装置メーカーのように、日本の最終品メーカーが力を失っても、常に先頭集団を走る最終品メーカーの上位企業に食らいつき続け、世界で競争力を高めている部品・素材メーカーは多い。電池素材という日本のお家芸を残すには、サプライチェーンの変化に向き合い、事業構造を転換できるか否かがカギを握る。

(企業報道部 福本裕貴、岩野恵)

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日銀、大規模緩和維持へ きょう決定会合

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF202RL0Q1A120C2000000

『日銀は21日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルスに対応した大規模な金融緩和策の維持を決める見通しだ。企業の資金繰り支援や金融市場の安定に向けた施策を続け、コロナ下の国内経済を下支えする。政府の緊急事態宣言の再発令で景気に下押し圧力がかかっており、2020年度の成長率見通しを引き下げるとみられる。

日銀は20日からの2日間にわたり決定会合を開く。21日昼ごろに結果を公表し、午後に黒田東彦総裁が記者会…

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・21日昼ごろに結果を公表し、午後に黒田東彦総裁が記者会見する。

・日銀は20年12月の前回会合で、企業の資金繰り支援策の期限を21年9月末まで半年間延長した。社債などを大量購入したり、金融機関に有利な条件で貸し出しの原資を供給したりする内容で、日銀は企業が資金を調達しやすい環境は保たれているとみている。

・円高・ドル安の進行も一服し、株式相場も上昇基調が続く。日銀は上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れ方針も維持する見通し。短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債の利回りをゼロ%程度に誘導する長短金利操作も続ける。

・日銀は次回3月の決定会合で政策の点検を予定しており、資産買い入れや金利操作の修正が次の焦点になる。

・今回は四半期に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。20年度の実質成長率の予測値を従来のマイナス5.5%から引き下げる方向だ。緊急事態宣言の再発令で店舗の営業時間短縮や外出の自粛が広がり、サービス分野の消費が落ち込む懸念が強まっている。

・ただ、20年春時点の緊急事態宣言と異なり、メーカー各社は輸出や生産活動を継続している。日銀内でも景気の回復基調が完全に腰折れしたとの見方は限定的だ。日銀は政府のコロナ対応や市場動向などを注視しながら、今後の追加対応が必要か検討する。

電力需要増やす脱ガソリン車、立ちはだかる電源の壁

電力需要増やす脱ガソリン車、立ちはだかる電源の壁
脱ガソリン車 戦略と課題
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF192W30Z11C20A2000000

『菅義偉首相は18日の施政方針演説で、すべての新車販売を電動車へと切り替える時期を「2035年まで」と明言した。目標達成には多くの課題があるが、温暖化ガスの排出が少ないクリーンな電源をどう確保するかもその一つだ。

「国家のエネルギー政策の大変化なしには、なかなか達成は難しい」。日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は昨年、50年に「温暖化ガス排出量実質ゼロ」にするとした政府目標に注文をつけ…

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・自工会は業界として実質ゼロに取り組む方針だが、安価でクリーンな電源を安定して確保できるかに神経をとがらせている。

【関連記事】
豊田自工会会長、脱炭素には「発電時のCO2削減が重要」
自動車業界も2050年までに脱炭素、自工会が方針

・「脱ガソリン車」を増やしていくと、どうしても電力需要は増える。充電の必要が増えるからだ。デロイトトーマツグループで環境・エネルギーが専門の加藤健太郎氏は、政府が目指す脱ガソリン車の動きが進めば「電力需要は5~10%増える見通しだ」とみる。「総電力需要のうち、今は数%にとどまる輸送部門の割合は10~15%になるだろう」と話す。

・「電気自動車(EV)のほうが製造時のCO2のインパクトが大きい」。昨年9月、経済産業省との検討会で、トヨタの開発部門のトップである寺師茂樹取締役はこう強調した。「走行時だけでなく車両の製造や燃料となる電気を生み出す過程の環境負荷も考えるべきだ」と主張。蓄電池の製造が主な要因で、EVは一般的なガソリン車に比べて2倍もの電力を消費するとされる。

・自工会も危機感を強めている。「サプライヤーを含む生産の脱炭素化が進まなければ欧米への輸出が阻害され、競争力を喪失する可能性がある」とみる。欧米では部品製造の段階から再生可能エネルギーを使っていると証明するよう迫られる可能性もある。「安価な再生エネを入手できなければ、国内生産の半分を占める輸出車が影響を受ける」(トヨタ幹部)と焦りがにじむ。

・ガソリン車から電動車への移行に伴って増える電力需要に対し、いかに温暖化ガスの排出を抑えた電源を確保するか。この点は各国共通の課題になっている。19年のEV販売台数で世界の半分を占める中国では、全発電量の約6割を石炭火力発電が占める。EVの普及で増加する電力需要を石炭火力など二酸化炭素(CO2)を排出する電源で賄えば「カーボンニュートラル」の目標達成は遠のく。

・政府はガソリンエンジンを搭載するハイブリッド車(HV)を販売禁止の対象にはしていないが、欧州では脱HVの動きも出ている。再生エネに加え、原子力発電やCO2の排出を抑えた火力発電なども含め、電源構成の見直しを急ぐ必要がある。

ジョブ型を甘くみるな 人事・組織、根本から見直しを

ジョブ型を甘くみるな 人事・組織、根本から見直しを
編集委員 水野裕司
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK184VY0Y1A110C2000000

『経団連は19日に公表した春季労使交渉の企業向け指針で、「ジョブ型」雇用制度の積極的な導入を呼びかけた。職務ごとに最適な人材を充てるこの制度は企業の競争力強化策として関心が高まってきたが、従来の人事や組織を根本から見直す必要があり、安易な導入は禁物だ。どうすればジョブ型雇用をうまく実践できるのだろうか。

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ジョブ型制度は社内各ポストの職務内…

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ジョブ型制度は社内各ポストの職務内容を明確にし、その能力を持った人材を起用する。入社年次にとらわれず、有能な社員ほど難易度が高く待遇も良いポストに就くことができる。年功賃金や順送り人事を否定する人事処遇制度だ。

【関連記事】
高度人材は争奪戦 「ジョブ型」が武器に
「ジョブ型=成果主義」 日本に特有の誤解

肝は、社員間の競争を活発にする点にある。専門的な知識や技能が必要で報酬も高い職務に就くには、自らの能力を向上させなければならない。ポスト獲得競争を通じて個々人のレベルを引き上げ、企業の成長力を高めることがジョブ型制度の眼目だ。

高い賃金に見合った成果が出せていない中高年社員の人件費抑制策――ジョブ型雇用をそうとらえるだけでは、本質を見誤る。組織・人事コンサルティング大手マーサージャパンの白井正人取締役は、企業に求められるのは「社員個人の自律的なキャリア形成を促すこと」だと話す。

社員が就きたいポストに立候補できる仕組みがなければ、自らの能力を伸ばそうという意欲も高まりにくい。自分のキャリアを自分で切り開けるようにする手立てのひとつは、ポストの公募制だ。

2020年10月、全管理職約5千人にジョブ型の人事制度を導入した三菱ケミカルは、まず約200のポストの人事を社内公募で決めることにした。今後、公募対象のポストを広げる。3カ月ごとに公募を実施するという。

デジタル化とグローバル化が進み、経営環境の変化は激しさを増している。コロナ禍の収束が見通せず、世界経済の先行きは混沌としてきた。企業は環境変化に合わせて経営戦略や事業モデルを柔軟に変えていく必要がある。管理職も専門性やマネジメント能力を高め続けなければならず、公募制はそれを後押しする。

公募制は会社主導の人事異動の軌道修正を迫る。社員が雇用保障と引き換えに異動や転勤の命令に従ってきた日本型雇用の転機ともいえる。会社と社員の関係にもジョブ型雇用は変化をもたらしそうだ。

他部署の仕事を経験できる「社内副業」も、社員のキャリア形成を支援する仕掛けになる。

ジョブ型人事制度を21年から本格導入するKDDIは、社内公募制に加え就業時間の約2割を目安に所属部署以外の業務ができる社内副業制度を設けた。持ち場以外の仕事を実際に経験することは、キャリア形成上、いい刺激になる。

経団連は新卒入社者もジョブ型制度の対象とするよう求めている。KDDIはまだ少ない例のひとつだ。21年4月に入社する新卒者約270人の約4割は「ジョブ型採用」1期生。データサイエンス、法務、会計など、配属する業務を約束して採用した。

「若い社員ほど新たな挑戦がしやすく、異なる分野へ仕事の幅を広げやすい。ジョブ型は若手を対象にしてこそ意味がある」(白井氏)。日本企業のジョブ型導入は現在、管理職が中心。幅広い年齢層への展開が課題だ。

権限移譲もジョブ型雇用では求められる。ジョブ型が定着した欧米企業では、各部署のリーダーの重要な役割は組織の力を最大化できる「ベストチーム」をつくることだ。トップの方針に沿って組織の目標を立て、その達成に貢献できる人材を集める。人材の採用権限は各組織にある。

ジョブ型制度を管理職から拡大する計画の富士通は、採用権限を順次、各事業部門に移していく考えだ。事業戦略をもとに、新卒・中途とも通年で各部門が採用する。人事部が一括して調達し、社内に割り振ってきた日本企業の採用は、ジョブ型の浸透とともに変わらざるを得ない。

ジョブ型雇用は本来、社外からも多様な経験を持った人材を集め、環境変化への対応力を高めるための制度だ。日立製作所が全社的なジョブ型制度の導入を急ぐのも、デジタル化が急速ななかで企業が成長するには人材の流動性の向上が不可欠と判断したからだ。技術革新やグローバル競争の最前線にいる企業ほど、ジョブ型雇用は適している。

改革が社内で実力主義を徹底するといった狙いからなら、あえて労力のかかるジョブ型を導入しなくても道はある。「目標管理制度をしっかり機能させ、仕事内容と賃金をきっちり連動させれば、課題を解決できる企業が多いのではないか」とリクルートワークス研究所の中村天江主任研究員は指摘する。どんな雇用制度を採るべきかは目的によって異なってくる。何のための雇用制度改革か、明確にすることが先決だ。

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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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別の視点 現在多くの日本企業が抱える問題の本質は、雇用形態の問題ではなく、人事制度の根幹の問題ではないでしょうか。

昇格はさておき、昇進と人事評価を結びつけることが年次管理であったり、マネジメント能力の欠如する上席者を作ってしまいます。

管理能力と仕事の評価を分けて、前者とポスト、後者と報酬を結び付ければ、よりシンプルにインセンティブ設計ができると思います。
2021年1月20日 14:01いいね
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点 ジョブ型の雇用が定着することになれば、大学などのキャリア前の教育の在り方も変わっていく。学生はより即戦力としての能力をつけられるような学部や大学院に集中し、教養的な学問は敬遠される可能性はある。若手のうちにジョブ型のキャリアを積んでいくとなると、将来管理職の地位に上がっていくにつれ、そうした教養や視野の広さが必要になった時に、そうしたバックグラウンドがないまま狭隘な実学的世界でしかものを見られない人材になってしまう。その意味でも大学教育では視野を広げるような学問をしっかりと教え、新卒学生だけでなく、管理職になっていく人たちのための学問も考えていかなければならないかもしれない。
2021年1月20日 13:54いいね
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石塚由紀夫
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 ジョブ型雇用は企業の競争力を削ぐ――本場欧米では、こんな見方も広がっています。
生産性向上には新技術導入や業務プロセス合理化などが必須です。ただジョブ型雇用だと、こうした生産性向上策は自分の仕事の削減・消滅につながるため、当事者は技術革新に消極的な行動を取りがちだという指摘です。
日本型のメンバーシップ型雇用であれば、目先の仕事がなくなっても社内でジョブチェンジできます。そのため雇用者も経営効率化を最優先し、最善の生産性向上策を導入できました。
いずれにせよジョブ型雇用の課題は出口戦略。辞めてもらうか、ほかのジョブに就け替えるか。今、安易にジョブ型雇用を導入しても将来に禍根を残します。
2021年1月20日 12:39いいね
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山本康正
DNX Ventures インダストリーパートナー
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別の視点 サッカーなどのスポーツの強豪で、年次でチームメンバーを決めることはあるでしょうか。まずないと思います。攻めのプロは攻めのプロ、守りは守りのプロがいると思います。これまでの考え方はゴールキーパーをさせて、フォワードをさせてと主要なポジションを経験させてから社長というキャリアパスだったと思いますが、今の時代は違うと思います。更に言うと、データの活用によってビジネスモデル自体が変動しているため、サッカーから突然ラグビーにスポーツのルールが突然変わっている様な状態です。チームメンバーを社内補充だけではまず負ける可能性が高いです。同窓会組織の活用など、あの手この手で外の知見も取り込まなければなりません。
2021年1月20日 11:38 (2021年1月20日 11:40更新)
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ユニクロ、スマホ決済参入 自社アプリ通じ購買履歴収集

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ180M30Y1A110C2000000

 ※『ユニクロの店舗では以前からソフトバンクグループのペイペイやNTTドコモの「d払い」といった他社のスマホ決済が使えた。ただ性別や年齢といった細かい顧客情報はユニクロのアプリも提示してもらわないと収集できない。2つのアプリを開く手間を嫌がる顧客もおり、情報収集には限界もあった。』

 ※こういう辺りを読むと、もはや、「個人の購買情報の収集」が、目的のようだな…。

『ファーストリテイリング傘下のユニクロはスマートフォンを使った決済サービスに参入する。3千万人強の会員を持つ同社のアプリに支払い機能を加える。これまで店頭での電子決済には他社のサービスが必要だった。自社のアプリ経由で購買履歴を集めやすくし、商品企画や生産、販売などの効率化に生かす。

スマホ決済の最大手はソフトバンクグループ傘下の「PayPay(ペイペイ)」で、利用者が3千5百万人を超える。ユニクロのアプリのダウンロード数も3千万件に達してお…

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・ユニクロのアプリのダウンロード数も3千万件に達しており、小売業の決済サービスとして最大規模になる。

【関連記事】
ファストリ、コロナ下の最高益へ 国内ユニクロが好調
体力勝負のスマホ決済、勝者はどこか?

・ファストリは三井住友銀行と共同開発した「ユニクロペイ」を19日に始める。ユニクロのアプリに決済方法となる銀行口座かクレジットカードの情報をひも付ける。レジでの会計時にアプリ内にあるQRコードを提示すれば支払いまで済む。

・国内のユニクロのほぼ全店(約800店)で使え、将来はファストリの電子商取引(EC)サイトやジーユー(GU)への適用も検討する。他社では使用できない。

・ユニクロの店舗では以前からソフトバンクグループのペイペイやNTTドコモの「d払い」といった他社のスマホ決済が使えた。ただ性別や年齢といった細かい顧客情報はユニクロのアプリも提示してもらわないと収集できない。2つのアプリを開く手間を嫌がる顧客もおり、情報収集には限界もあった。

・新たにユニクロアプリに決済機能を付けることで、利用率を高めて購買データの収集率を高めたい考えだ。支払時のアプリを一本化することでレジ待ち時間の削減にもつなげる。

・安全性の担保にも配慮する。2019年にはセブン&アイ・ホールディングス(HD)の「セブンペイ」で不正利用が起き、20年9月にもNTTドコモの「ドコモ口座」で預金の不正引き出しが発覚した。ユニクロペイは銀行口座とのひも付け時に、本人確認のために一度しか使えないパスワードを発行する「2要素認証」を採用。対象行は三井住友銀行と三菱UFJ銀行、りそなグループの3行に限る。

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山本康正
DNX Ventures インダストリーパートナー
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別の視点 全ての消費者向け業界にとって今顧客との接点を掴む上で大事なのは決済機能のついたアプリです。セキュリティは必須として、どういったお客さんがどの様な商品を購入しているか、更に言うと、どの様な商品と比較して、最終的に買わなかったものは何か、という情報があると、次にどの様な商品を作ればいいかがわかってくるからです。ユニクロは2017年に「もう一度創業期に入った」として物を買う動機まで手掛ける「情報製造小売業」と自社を再定義しました。業界など他人がつけたラベルに過ぎません。常に変革できる状態が今の時代では必須になりつつあります。DXの手本です。無印良品もそうなろうとしています。米ウォルマートが最先端です
2021年1月19日 10:57いいね
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大岩佐和子
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説 消費者の立場からすれば、1つのアプリでどの店でも支払いできるのが一番便利です。しかし小売業にとっては、どんなにペイペイが浸透しても得られる情報には限界があり、お客さんと双方向のコミュニケーションを実現するためには、やはり独自決済が必要となります。コロナで非接触サービスが求められている今は、スマホ決済を利用してもらう好機でもあります。以前ペイペイでヒートテックの下着を買うともう1枚無料になったことがあります。ユニクロ決済に誘導するため、同様のかなりお得なキャンペーンを継続的に展開してくるでしょう。
2021年1月19日 8:04いいね
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