「新しい資本主義」に既視感 いいところ取り、刺さらず

「新しい資本主義」に既視感 いいところ取り、刺さらず
編集委員 小平龍四郎
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK173MI0X10C22A5000000/

 ※ 「貯蓄から、投資へ!」…。

 ※ その「標語」、何回聞いた?

 ※ ごく単純な話しをすれば、日本国の一部上場企業(これも、死語になって、今じゃ”プライム”とか、”スタンダード”とか言うそうだが)の「配当の平均」が、「2.4%」くらいの率だ。銀行の定期預金の「金利」がメガバンク勢で「0.002%」くらい、新興勢で「0.02%」くらいのものだ…。

 ※ それで、「貯蓄から、投資へ!」と言うわけだ…。

 ※ しかし、「ちょっと、待て!」…。

 ※ 金融資産を「株」で持つということは、「リーマンショック」みたいな「経済激変」に見舞われた時は、「資産価値が、4分の1」になるという「リスク」をも覚悟する…、ということだぞ…。あの時、日経平均は「8000円台」になった…。

 ※ そういう「覚悟」を持っている人の割合、「何割ある?」…。

『岸田文雄首相が掲げる看板政策「新しい資本主義」を、「新しい」と感じる人は多いのだろうか。岸田首相は金融所得課税見直しに象徴されるアンチ市場の要素を封印し、5日の英金融街の講演では「貯蓄から投資へ」「資産所得倍増」といった投資家好みのフレーズをちりばめた。その後、米国で広がる「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)の日本版をつくる構想も明らかになった。中身の是非はさておき、米欧事例に範を仰ぎ日本流に調整し輸入するという、キャッチアップの発想と手法には既視感が強い。岸田首相のメッセージが必ずしも市場に刺さらない理由ではないか。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

「貯蓄から投資へ」を加速させる具体的な手立てとして挙げられたのが、少額投資非課税制度(NISA)の「抜本的拡充」だった。2014年に始まったNISAは英国のISAという制度にならって設計された。英ISAに比べ投資対象が制限されているほか、非課税枠の小ささや時限措置であることなどに、日本的な市場改革の漸進主義や換骨奪胎ぶりが表れている。
日本的な制度改革を予想

「抜本的」と言うからには、非課税枠を現行の最大120万円から少なくとも英国並みの300万円強(2万㍀)に一気に引き上げ、入れ替え売買の自由化や制度恒久化を打ち出せばインパクトは出る。しかし、金融界の制度調査畑の声を総合すると「霞が関からそんな威勢の良い話は全く聞こえてこない」。むしろ「海外発でアドバルーンをあげ、市場の反応も見極めながら妥当な落としどころを探る」という日本的な制度改革の着地を予想する向きが多い。

米欧の制度を研究し、国内の利害関係者の声を吸い上げ、摩擦を避けながら少しずつ実施。こと資本市場に関する限り、日本の改革はこんな「小さく産んで大きく育てる」手法をとってきた。本当に大きく育てば良いが、プロセスが細かく刻まれ、独自要素も加えられ、時間がかかる点が問題だ。その間に米欧はどんどん先に進み、新興国は猛烈に追い上げる。

2015年から始まった企業統治(コーポレートガバナンス)改革が典型的だ。ガバナンスコードはすでに2回改定され、さらなる改定を視野に入れた中間点検の会合が16日に開かれた。「細かなルールが増えすぎて(企業経営の背中を押すという)本来の狙いが曖昧になった」「(法律や取引所ルールの強化など)踏み込むべきところは踏み込むべきだ」――。会合参加者からは、漸進主義の弊害を指摘する声も聞かれた。

漸進主義のワナにはまる

日本のガバナンス改革は英国や米国の制度を折衷したもので、キャッチアップの発想が特に強い。しかし、最近では女性管理職の登用などダイバーシティーに関しては、タイなどアジア新興国に見劣りする部分も出てきた。小さな努力を重ねる間に後続への関心が薄れいつの間にか抜かれる、という漸進主義のワナに、日本ははまりつつあるようだ。

新たに浮上した公益重視の日本版PBC構想は、米国の制度を換骨奪胎して取り入れようというものだ。しかし「新しい資本主義」とぶちあげるほど新しさはない。日本でも定款で公益重視をうたう事例はあるからだ。

ユーグレナは完全オンラインで開いた21年の臨時株主総会で、会社の定款をSDGs対応に変えた

例えばエーザイは会社の憲法に当たる定款で会社の使命を「患者様満足の増大」としている。さらに今年の株主総会では、それを「患者様と生活者の皆様の満足の増大」と変更する議案を株主に問う。比較的新しい企業ではユーグレナが21年の臨時株主総会で定款を変え、国連のSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を盛り込んだ。

経営者の意思があれば現行の会社法でも公益の追求は十分に可能だし、丁寧に説明すれば株主の理解を得られることもエーザイやユーグレナの事例が示している。公益を市場に問うために企業が投資家向け広報(IR)のすべを磨くというのが、本筋の話ではないか。

「使命を果たす会社」の低迷

米国では21年、貧困支援に取り組むメガネ販売のワービー・パーカーや低環境負荷の素材を使ったスニーカーのオールバーズなど、公益企業が相次いで上場し、直後は「クール」(カッコいい)などともてはやされた。しかし、その後の株価の推移は決してほめられたものではない。フランスの法改正で誕生した「使命を果たす会社」の代表、食品大手ダノンの経営者が株価低迷で解任されたのも記憶に新しいところだ。

「ESG(環境、社会、企業統治)やサステナビリティーを掲げていても、必要な投資はせず、買収戦略が実を結ばず、株価も低迷。そんな会社はダメだ」。経営者への助言に特徴があるみさき投資の中神康議社長は、ESG経営で知られる丸井グループの青井浩社長とかつてダノンについて議論した時、こう指摘した経験を持つ。

公益重視や環境・人権保護などの大切さは言うまでもない。しかし、資本市場の苛烈な現実から目を背ければ、経済を突き動かすアニマルスピリッツ(血気)が減退しかねない。それは新しい・古いを問わず資本主義の危機であり、大企業・スタートアップの別なく企業経営の挫折につながる。

【関連記事】公益重視の新たな会社形態 政府検討、短期利益偏り修正

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竹川美奈子
ファイナンシャル・ジャーナリスト、LIFE MAP,LLC代表
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別の視点

制度の利用を促すには「シンプル」にすることが一番です。

一般NISAに代わり、24年から2階建てとなる新NISAは制度が複雑すぎます。例えば、資産形成を促すのが目的なら、つみたてNISAに1本化して制度を恒久化すればよいのではないでしょうか。年間拠出額の引き上げより、安心して長期投資ができるよう恒久化を優先してほしいです。

制度の拡充は大事ですが、既存制度の利便性を高めることも必要。例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)は申し込みから口座開設まで2カ月程度かかり、変更手続きに「紙」の書類を郵送するものも多く、手間も時間もかかりすぎます。オンライン化を進めていますが、スピード感が必要です。

2022年5月18日 7:33

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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察

世界はコロナを乗り越える決断を行い、ロシアのウクライナ侵攻を機に、戦後を支えた安全保障体制も根底から変わりつつある。

歴史的なエネルギー価格の高騰、インフレの進行。このような歴史的な転換点において、既視感の強い政策と漸進主義の政治手法は、これからの日本をどうするのかという点に関して、何の答えにもなっていない。

骨太方針がまったく国民の心に刺さらない理由はここにある。国民が知りたいのは、コロナ対策やエネルギー政策、財政再建などにどのように大きな決断をするかである。骨太方針よりも、コロナ克服こそが最大の経済対策だ。まずは、マスクを取り、海外の観光客を受け入れ、自粛ムードを振り払う覚悟をきめてはどうか。

2022年5月18日 8:40 (2022年5月18日 8:43更新)

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為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表
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別の視点

戦略は様々にあると思うのですが、その前にきちんと現状を認識する必要があると思います。

本当はもう勝ち目がないと皆が薄々察していることでも、誰も言い出せず続けられているということがとても多いと感じます。

国民一人一人が都合の悪い情報が出たとしても政治のせいにせず自分たちのこととして受け止めて、その上で適切な戦略を立て実行できる政治家を応援していくようにならなければ、結局変わらないと感じています。現実を直視した上で諦めず勝ち筋を考える力が一人一人に求められています。

2022年5月18日 8:08 (2022年5月18日 8:09更新)

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田村正之
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察

記事にもあるように英国のISAの発展の大きな理由は、当初は時限措置だったものが恒久化され、上限額も引き上げられたことでした。NISAも早期の恒久化が望まれます。
もう一つ、1980年代は今の日本と株式・投信の保有比率が変わらなかった米国で投資が広がったのは企業型確定拠出年金(401K)の普及です。

米国の拠出限度額は年に約260万円。日本の企業型(確定給付年金がない会社で66万円)はあまりに低すぎます。こちらも枠の拡大に加え、デフォルト(当初設定商品)から預貯金など元本確保ををなくして株式投信に誘導することが重要です。

2022年5月18日 8:02

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

小泉郵政民営化、アベノミクスはどういうレガシーを残してくれたのか。

郵政がサービスだとすれば、そのサービスは向上したとは言い難い。

アベノミクスにより景気がよくなったというよりも、日銀の異次元の金融緩和のおかげ。しかし、これからそのつけを払わないといけない。

今度は新資本主義?貯蓄から投資といわれても、日本にはその土壌ができていない。コツコツと働いて、地味な生活をして、些細な幸せを味わえば、それで十分に満足するのは日本人国民性。歴代総理はそれぞれの思い付きで何かをやろうとしても、真面目に生活している庶民は翻弄されているだけではないか。もう少し真剣に議論したほうがいいのでは

2022年5月18日 7:19 』

防衛相「米国が安保戦略改定に期待」 首相に訪米報告

防衛相「米国が安保戦略改定に期待」 首相に訪米報告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA103E30Q2A510C2000000/

『岸田文雄首相は10日、首相官邸で岸信夫防衛相と会った。岸氏は米国を訪問し、4日にオースティン国防長官と会談したと報告した。日本政府が年内を予定する国家安全保障戦略などの改定を巡り「非常に強い期待が米国から寄せられた」と伝えた。

岸氏が面会後の記者会見で明かした。戦略改定に向けて相手のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力」の保有の是非などが焦点になる。

岸氏は「日米同盟の抑止力の強化が大変重要だということなどについて(首相に)理解をいただいた」とも言明した。

オースティン氏は岸氏との会談で、日本が核使用の脅威を受けた際に米国が核を含めた抑止力を行使すると言及した。国家安保戦略など日米両国の文書をすり合わせるとも確認した。』

連携強める自民「麻生―茂木ライン」 思惑一致、野党工作で成果も

連携強める自民「麻生―茂木ライン」 思惑一致、野党工作で成果も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022050700343&g=pol

 ※ 『岸田文雄首相は党務を2人にほぼ任せており、党本部で首相を交えた3氏の会合は定例化している。』…。

 ※ 現在の「権力構造」は、「麻生―茂木ライン」だったのか…。

 ※ 『麻生、茂木両氏は、野党の分断を狙って国民民主党の取り込みを図った。麻生氏は、国民と立憲民主党を支援する連合の芳野友子会長や他の幹部と会談。茂木氏は国民が求めたガソリン税引き下げを材料に、2022年度予算に賛成するよう働き掛けるなど役割分担した。』…。

 ※ 国民民主の「取り込み」も、このラインが取り仕切ったのか…。

 ※ 茂木さんが、「総裁選」で勝利するには、麻生-安部に、+菅グループの取り込みが、必要になるだろう…。

 ※ 岸田さんは、二階派を取り込む他は、無くなる感じか…。

※ この他に「無派閥」が60人くらいいて、そのうちの30人くらいを、菅さんが握っていると言われている…。

※ 細田派は、安倍派へと「代替わり」し、竹下派は茂木派へと「代替わり」した…。石原派は、大将が落選したんで、「森山派」となっている…。

『自民党の麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長が夏の参院選対応で連携を強めている。「麻生―茂木ライン」で主導した野党分断工作は一定の成果を収めた。連携の背景には、総裁候補の一人に名前が上がる茂木氏を影響下に置きたい麻生氏と、「ポスト岸田」へ重鎮の支持を得て足場を固めたい茂木氏の思惑が重なっていることがあるようだ。

「政権安定へ参院選勝利」 自民茂木派がパーティー

 「茂木幹事長の人柄が私と付き合ったおかげでさらに良くなった」。麻生氏は4月26日、茂木派パーティーに駆け付け、親密ぶりをアピールした。

 両氏は3月、最大派閥・安倍派会長の安倍晋三元首相を交え会食した。当初は安倍氏と麻生氏の2人だけの予定だったが、麻生氏が「ゲスト」として茂木氏を招いたという。岸田政権主流派の領袖(りょうしゅう)でもある3氏は今月も会食を調整している。

 麻生、茂木両氏は、野党の分断を狙って国民民主党の取り込みを図った。麻生氏は、国民と立憲民主党を支援する連合の芳野友子会長や他の幹部と会談。茂木氏は国民が求めたガソリン税引き下げを材料に、2022年度予算に賛成するよう働き掛けるなど役割分担した。

 連携強化が奏功したのか、野党統一候補は現段階で約10選挙区にとどまる。参院選山形選挙区での不戦敗検討も両氏の仕掛けと見る向きもある。岸田文雄首相は党務を2人にほぼ任せており、党本部で首相を交えた3氏の会合は定例化している。

 麻生氏が茂木氏との距離を縮めるのは、麻生派の河野太郎広報本部長の「雑巾がけ」(党関係者)が足りないとの思いもあるようだ。河野氏は昨年の総裁選で、派内の反対論を押し切り出馬し敗北。麻生氏は「首相を支えて長期政権を築く」(同派中堅)のが基本戦略で、「首相に何かあれば茂木氏を担ぐ」(周辺)と見られている。

 茂木氏も党と政府の要職を歴任しながら総裁選出馬の経験はない。首相よりも2歳上の66歳で、岸田政権が長期に及べばそれだけチャンスは限られることになる。周辺は「麻生氏から支援を受けることに懸けている。安倍氏の信頼も得て、総裁選へのレールをひたすら進もうとしている」と代弁する。

 ただ、麻生、茂木氏とも公明党とのパイプは細い。参院選の相互推薦に続き、22年度補正予算案編成の是非でも与党はぎくしゃくしたままだ。自民党の閣僚経験者は、公明党への不満を口にしつつ、「茂木氏らも、もう少しやりようがないのか」と漏らした。 』

首相「資本主義バージョンアップ」 日本の成長持続訴え

首相「資本主義バージョンアップ」 日本の成長持続訴え
英シティーで講演、金融所得課税触れず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA050P40V00C22A5000000/

 ※ 「お題目」を企画・立案すれば、結果は自ずと「達成」できるハズという思想・思考に染まっていて、サヨクと同じ匂いがする…、と感じるのは、オレだけか…。

『【ロンドン=秋山裕之】岸田文雄首相は5日、英国の金融街シティーでの講演で自らの経済政策「新しい資本主義」を巡り「一言で言えば資本主義のバージョンアップだ」と訴えた。2021年の政権発足時からある市場や成長を重んじないとの印象の払拭につなげる。

首相は講演の冒頭、ロシアのウクライナ侵攻について経済制裁や人道支援を続けるなどと主張した。その後、時間を割いたのは新しい資本主義を巡る投資家らへの説明だった。

「日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資してほしい」と呼びかけた。「日本市場、日本企業・製品・サービスは買いだ」と力説した。

1980年代に旧日本長期信用銀行(現新生銀行)で勤務した経験に触れ「戦後の首相で金融業界出身は私が最初だ」と紹介した。融資などを担い「民間のアニマルスピリッツに支えられた強い経済こそ最も重要だと強く確信した」と説いた。

資本主義の歴史に関し「レッセフェール(自由放任主義)から福祉国家、福祉国家から新自由主義」という「大きな転換を経験した」と指摘した。2回の転換期に「市場か国家か、官か民か、振り子のように大きく揺れてきた」と振り返った。

新しい資本主義は「市場も国家も、官も民も」だと発言した。「官民連携で新たな資本主義をつくっていく」と提唱した。英国で1990年代にブレア政権が掲げた「第3の道」に近い考え方を披露した。

市場が警戒した金融所得課税の引き上げや自社株買いのガイドライン策定には触れなかった。上場企業の四半期開示の廃止も言及しなかった。

安倍晋三元首相は13年に米国のウォール街で「バイ・マイ・アベノミクス」(アベノミクスは買いだ)と演説した。13、14両年に英シティーでも投資家らを前に講演した。

首相は今回、この経緯も意識した。「引き続き大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める」と唱えた。アベノミクスの骨格を引用し、同様の政策を継続する考えを示した。

【関連記事】
・首相「資産所得倍増」、脱炭素150兆円投資 シティー講演
・岸田首相のシティー講演要旨 「強く持続的な資本主義へ」

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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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分析・考察

所得をフローとストックからパッケージ化して表現した点は、過去の政策と比較しても新しいと思います。

過去30年間で日本の個人金融資産は2倍、アメリカは6倍です。このストックの増加の差は、①金融資産の収益力の差(日本のリスクフリー・リターンフリー資産への偏重)、②労働分配率の差、③労働分配源となる企業が創造する付加価値の差、から説明できます。
「金融所得課税の言及を避けた」という指摘と、上記①を踏まえれば、米国のような短期売買に係る金融所得税率引上げと、(検討中のNISA改革に加え)iDeCo非課税枠の抜本的見直しなど、金融関連税制全体の包括的見直しについて省庁の壁を越えて官邸主導で進めるべきです。

2022年5月6日 7:32 (2022年5月6日 7:35更新)

上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

岸田首相は「日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい」とした上で、「インベスト・イン・キシダ」と述べた。「バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買いだ)」という安倍元首相のウォール街での有名な発言を意識したものだろう。

だが、岸田首相が行おうとしているのは「アベノミクス」の否定ではなく、その継承と部分的修正であることも確認しておく必要がある。

記事はその点をしっかりとらえており、「『引き続き大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める』と唱えた。アベノミクスの骨格を引用し、同様の政策を継続する考えを示した」と記事の末尾に書かれている。

2022年5月6日 7:36

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

新資本主義という固有名詞で言葉遊びするのはよくない。

成長か分配かといわれれば、その両方。しかもバランスよくやらないといけない。

成長の4分野に人が入っているが、具体的に何をするかはない。結局、これまでほとんど改革されたことのない分野にメスを入れないといけない。それは教育。個性的、感性豊かな人材を育成しないと、成長なんで絵に描いた餅に過ぎない。

人口が減少し、出生率が低下しているのに、大学だけ増えている。まさに粗製乱造。大学の基本は少数精鋭。既存の多くの大学は技術を教える専門学校に転身すべき。ここから出発しないと、古い資本主義だろうが、新しい資本主義だろうが、成長に結びつかない

2022年5月6日 7:35 』

もう限界?それとも再起はある?「小泉純一郎・進次郎」父子の存在感が政界で急低下している事情

もう限界?それとも再起はある?「小泉純一郎・進次郎」父子の存在感が政界で急低下している事情
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ab518e3d4c231cf191171d69b113db8841f4d5f?page=1

※ この人も、メッキが「モロに、剥がれた。」感じだからな…。

※ 再起と言っても、なかなか「前途は、多難」という感じだな…。

『芸能界風に言えば「一世を風靡」し続けた“政界親子鷹”、小泉純一郎元首相と進次郎総務会長代理の存在感がここにきて急低下している。父・純一郎氏は表舞台の活動停止を宣言、息子・進次郎氏も「近未来の総理総裁」の呼び声がほとんどなくなったからだ。

 純一郎氏はこのほど、政界引退後の2013年から公式、非公式を問わずにさまざまな場で訴え続けてきた「原発ゼロ」活動の中止を宣言。1月に80歳となったことを理由とするが、ウクライナ危機などで国民の間でも「原発再稼働」を求める声が高まっていることが背景にあるとみられている。

■寂しさが際立つ進次郎氏の現在地

 一方、進次郎氏は2019年秋の第4次安倍第2次改造内閣での環境相就任後に相次いだ意味不明な言動などで「自民党のスーパースター」の座を失った。政界デビュー以来独走を続けてきた各種世論調査での「首相にしたい政治家ナンバーワン」からも滑り落ち、再起に向けた下積み生活を余儀なくされている。

 小泉親子は政界でも数少ない4代にわたる政治家一家の3・4代目。「自民党をぶっ壊す」と叫んで首相の座を奪取、国民的人気で5年半の長期政権を築いた父と、その威光も存分に活用して、「自民の救世主」として特別扱いされてきた息子の現在地には寂しさが際立つ。

 親子に共通するのは明快な弁舌で大衆を扇動するトリックスターの資質。いわゆるポピュリストとしての卓抜なアピール術の限界を露呈した結果ともみえるが、政権復帰から10年で目立ち始めた自民党の傲慢さへの国民的反発が高まれば、再登場のチャンスが巡ってくる可能性はある。

 純一郎氏は3月末、メディアの取材に対し「(講演会は)もうやんない。4月からやめることにした」と明言した。1月に80歳になったことから「いつ体調が悪くなるかわからない。1年前にいいと言っても、行けなくなったら来た人に悪いから」と高齢による体調不安が理由だと説明。すでに、依頼のあった3回の講演会を断ったという。』

『もちろん、持論の原発ゼロについて変える気持ちはまったくない。4月10日の新潟市での集会でのあいさつでも「これから原発を動かしてやろうという動きが強く出て、良くない」と口を尖らせた。今後についても「あいさつくらいなら」と言うが、元首相としての原発ゼロ運動では、一線から身を引く構えだ。

 純一郎氏は今年1月末、細川護煕、村山富市、鳩山由紀夫、菅直人の首相経験者4氏との連名で、東京電力福島第一原発事故で「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」とする書簡を欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会に送り、EU内での原発反対を求めた。

 これに対し、政府は「誤った情報」(西銘恒三郎復興相)として山口壯環境相が反論文書を送付、さらに福島県内や自民党からも「風評(被害)が広がる」(高市早苗政調会長)と非難の声が相次ぐ騒ぎに。小泉氏は「活動停止とは関係ない」と語ったが、影響は否定できない。

 そもそも純一郎氏は、2009年に67歳で政界を引退後、東京電力福島第一原発事故を機に脱原発派へ転向。2013年秋から講演会などで「原発ゼロ」を主張し始めた。首相を5年以上務めた保守派リーダーの脱原発論は極めて異例で、2014年の都知事選で原発ゼロを掲げて支援した細川護煕元首相が落選した後も、全国各地での講演を続けてきた。

■政治家としての実績に乏しい進次郎氏

 一方、進次郎氏は、華々しく政界入りした後、再登板で“1強”として君臨し続けた安倍晋三元首相と距離を置き、2012年の総裁選でも石破茂元幹事長を支持。その後も、安倍氏が求めた官房副長官就任も断わるなど、反安倍の立場を続けた。

 しかし、2019年秋の内閣改造に先立ち、当時の菅義偉官房長官の仲介で人気タレント滝川クリステルとの結婚を官邸でお披露目するという前代未聞の行動後、環境相就任を快諾して官邸の軍門に下った。

 もともと進次郎氏は「独立独歩の個性派」のイメージを押し出してきたが、内実は政治家一家の4代目として、父・純一郎氏から地盤、看板、カバンを継承した典型的世襲議員。環境相就任前には、一部週刊誌に「国会質問ゼロ、議員立法ゼロ、質問主意書ゼロのトリプルゼロ」の議員として批判されたこともある。

 それでも、各種世論調査での「次の総理にふさわしい人」ではつねにトップ争いを続け、国政選挙ではナンバーワン応援弁士として活躍してきた。ただ、政策実現など本来の政治家としての実績は乏しく、農業改革、こども保険、国会改革などに取り組んだが、いずれも頓挫。「平成のうちに」と大見えを切った国会改革も、国会のペーパーレス化だけで終わった。』

『このため、国民的人気とは裏腹に、党内には「口先だけで何もできない」との陰口が公然化。目玉人事とはやし立てられた環境相就任で失地回復を狙ったが、「閣僚としての不安定な言動」ばかりがクローズアップされ、「スターの座から滑り落ちる結果」となったのが実態だ。

 もちろん、初入閣の際は、男性として戦後最年少(38歳)記録を更新、2020年9月発足の菅義偉内閣で再任されると、首相経験者の子女では唯一の閣僚と騒がれたことは事実。2021年9月の総裁選では河野太郎氏を支持し、石破氏とも連携することで「小石河(こいしかわ)連合」として話題を振りまいた。

 しかし、人気より組織固めに勝負をかけた岸田氏が勝ち名乗りを上げ、進次郎氏は「完敗に近い。負けは負けです。ルールの中でやって負けたんです」と想定外の党内の反応に肩を落とした。

 進次郎氏は、総裁選を受けた2021年10月総選挙で5選を果たし、再浮上を目指す。しかし、雑誌や週刊誌の「近未来の総理総裁候補」企画では名前が消え、総務会長代理として「一から出直し」(周辺)となり、自民党神奈川県連会長就任などで「党務に専念」(同)する日々が続く。

■父のように「反骨無頼の政治家」で再起できるか

 その進次郎氏がここにきて、党内「反岸田」グループの旗頭とされる菅前首相と接近して話題になった。4月20日には、菅氏が参院選前の発足を狙う勉強会で「一緒に汗をかいていきたい」と参加の意欲を示したからだ。

 進次郎氏の後見人を自任する菅氏にとって、「進次郎氏の勉強会参加は格好のアピール材料」(側近)ではある。

 ただ、野党陣営の四分五裂で参院選が自民勝利となれば、岸田政権は次期衆院選まで「黄金の3年」を手中にし、反岸田勢力は「ますます冷や飯組となる」(自民幹部)のは避けられない。

 「思い込んだら命がけ」で政界を駆け抜けた純一郎氏のように、進次郎氏が今後、「反骨無頼の政治家」(菅氏周辺)として再起を目指すのかどうか。「本質的には父親とは真逆の優等生だけに、そこから脱皮できなければ、未来への期待もしぼむ」(自民長老)との冷たい声も少なくない。

泉 宏 :政治ジャーナリスト 』

子どもへの5万円給付、6月開始

子どもへの5万円給付、6月開始
自治体で時期に差、国発表
https://nordot.app/892231903118589952?c=39546741839462401

 ※ バラマキ以外の、何ものでも無いな…。

 ※ まあ、夏の参院選対策と、公明党への配慮でもあるんだろう…。

 ※ 岸田氏は、財務省の「推しメン」なんで、押し切られたと見える…。

『厚生労働省は28日、政府による物価高騰対応の緊急対策に盛り込まれた、低所得の子育て世帯に対する子ども1人当たり5万円の給付について、6月から順次始まると発表した。実施主体は自治体となっており、準備状況により開始時期に差が出る見通しだ。対象は原則18歳以下。2022年度予算の予備費から2043億円を支出する。

 受け取りが最も早いのは、児童扶養手当を受給しているひとり親の低所得世帯となる予定で、申請は不要。

 住民税非課税で両親がいる世帯も対象となり、同様に申請は要らない。直近で収入が減少して新たに対象となる子育て世帯や、子どもが高校生のみの世帯も受け取れる。』

「デザインで行政に貢献していきたい」デジタル庁CDO浅沼尚さんのデザインプロセスとは?

「デザインで行政に貢献していきたい」デジタル庁CDO浅沼尚さんのデザインプロセスとは?
https://www.wantedly.com/companies/bcgdv/post_articles/357799

『今回のゲストは、今年9月に設立されたデジタル庁にてCDO(Chief Design Officer)に就任された、Japan Digital Design株式会社の浅沼尚さん。

これまでのデザイナーとしてのキャリアの変遷や、CDOやCXO(Chief Experience Officer)としての役割、普段から実践しているデザインのプロセスについてうかがいました。

■ プロフィール

浅沼 尚(あさぬま・たかし)

デジタル庁 Chief Design Officer、Japan Digital Design株式会社 Chief Experience Officer。

2018年から三菱UFJグループ戦略子会社においてCXO(Chief Experience Officer)としてデザインチームの組成、三菱UFJグループと協業による新サービス開発の体験デザイン、従業員体験デザインを中心とした組織開発に従事。

2021年9月からデジタル庁のCDOに就任。

大手企業のインハウスデザインとデザインコンサルティング経験を活かし、大規模プロジェクトにおいてデジタルプロダクトからハードウェアまで幅広い領域でデザインプロジェクトに参画。

IF Design Award、Red Dot Design Award、グッドデザインアワード等、国内外のデザイン賞を受賞。

花城 泰夢(はなしろ・たいむ)

BCG Digital Ventures, Partner & Director, Experience Design。

2016年4月、BCG Digital Ventures Tokyo の立ち上げから参画。東京拠点のExperience Designチームを牽引し、ヘルスケア、保険、消費財、金融などの領域で新規事業立ち上げやカスタマージャーニープロジェクトを実施。

日本のみならず、韓国でも金融や小売業界にて新規事業立案やカスタマージャーニープロジェクトを行ってきた。UI/UXを専門領域としている。

CXOとして一番大事なのは組織のカルチャーをつくること。

花城:デジタル庁でCDOに就任されたことをはじめ、浅沼さんのデザイナーとしてのキャリアの変遷が気になる方は多いと思います。

これまではどのようなキャリアを歩まれてきましたか?

浅沼:キャリアはちょっと特殊かもしれません。

デザインコンサルティングの仕事はここ5年ほどで、もともとはメーカーのインハウスデザイナーとして活動していました。

2017年頃からデザインファームで金融、航空、リテール、流通などでUXのコンサルティングに従事し、その後、MUFGの戦略子会社Japan Digital Design株式会社で新サービス開発や金融サービスの体験デザインを行っています。

そして今年の9月から政府の仕事を始めることになりました。

花城:政府の仕事を始める前に、金融業界を経験しているんですね。

金融サービスのデザインをしていた経験が行政に役立ったりもするのでしょうか?

浅沼:そうですね。

金融業界は、タイムラインや仕事の進め方が特徴的ですし、他の業界と比べると開発費も大きく社会インフラとしての責任も負っています。

そういう意味で、政府の仕事に近しいものはあるかもしれません。

花城:デザイナーとしての役割も、過去と比べて変わってきているんですか?

浅沼:はい、私は工業デザイナーからキャリアを始めているのですが、比較的歴史の長いクラシカルな領域なので、一人前になるまでに5年、10年は当たり前なんです。

当時はUXデザインの明確な定義がないなか、デザイナーはあたりまえのようにUXデザインと近似したアプローチでデザイン業務をしていました。

製品開発においてあたりまえのようにUXデザイン的なことをやりながら、デザインマネジメントやデザインディレクターとしての経験も積んできた。

大雑把に言うと、そんな感じのキャリアです。

花城:ちなみに「Chief Experience Officer」のような肩書きになったのはいつ頃からですか?

浅沼:ここ数年の話なので、2018年くらいからですね。

「CXO」のようなタイトルを設置すると、会社としてデザインに注力しているという姿勢を対外的に示せると思うんです。そういう意図もあり、戦略的につけたという背景がありました。

花城:浅沼さんの考えるCDOやCXOの役割はなんだと思いますか?

浅沼:これまでの自分の業務を俯瞰してみると、次の4つが挙げられるかなと思います。

組織に魂が宿るためには、3つ目の「カルチャー」の部分が特に大切だと思っています。

花城:僕も企業のインハウスデザインを支援したり、組織づくりの支援をしたりするのですが、取り組みの中でもとりわけ難しいのが「カルチャー」だと思います。

もともとあった企業文化や働き方も活かしながら、「アジャイル」や「ヒューマンセントリックなものづくり」といったトレンドも組み込もうとすると、組織内から思わぬ抵抗にあったり、周囲の理解を得ていくのがなかなか大変です。

カルチャーづくりのポイントはありますか?

浅沼:イレギュラーなのであまり参考にならないかもしれませんが、CXOになった翌年にコーポレートカルチャーのチームをつくり、そこのヘッドも兼任させてもらったですよね。

デザインチームとカルチャーチームの両方の権限を持たせてもらったかたちです。

「カルチャーは大切」ということを経営層に啓蒙することはとても重要です。

トップにカルチャーへの理解を促し、お金と人と時間をかけるべき経営資源であることを伝え続けました。

カルチャーづくりをするなら、ハイレイヤーなマネージャーたちを巻き込むことが必須だと思っています。

花城:なるほど!経営層にも理解を得ていく為にカルチャーチームをつくるのはいいですね。

カルチャーチームは何人くらいの規模だったんですか?

浅沼:チーム自体は3人だったのですが、大事なのは社長直下に部署をつくるということです。

「会社の方針」というメッセージになるので。やっぱりカルチャーがないと人材が定着しないし、プロダクトやサービスをつくる上で迷った時に拠り所になるものがなくなってしまうので。最近では、戦略つくるよりカルチャーつくったほうが早いなんて思ったりしています。

花城:それはめちゃくちゃ共感します。

カルチャーづくりには横断的に物事を見えるデザイナーがやるから相性がいいですよね。
それから、「つぎのCXOやCDOのポジションをつくる」というのはどういうことですか?

浅沼:今って「CXO」や「CDO」の存在が認知され始めた時期だと思うんですよね。

「CXOをつくってみたけど意味なかったね」とならないように、ポジションとしての価値や存在意義をきちんと示していくことが大切だと思っています。

まずは、つくってみる。デザインプロセスの考え方

花城:次は、浅沼さんのデザインのプロセスをお聞きしたいです。

普段どのようにプロジェクトに関わっているのか、秘伝のタレ(笑)を教えていただけますか。

浅沼:特殊なことはぜんぜんしていません。私はいわゆるデザインシンキングのプロセスに則っているのですが、「ダブルダイヤモンド」のプロセスを「トリプル」にしています。

金融サービスのような規模の大きなサービスを動かすとき、プロトタイプフェーズと開発フェーズを混同してしまうことってよくあると思うんですよ。

基本的にはプロトタイプでソリューション検証をしてから開発のフェーズに進まなければいけないんだけど、検証しないで本開発に着手してしまう。

花城:そこを一緒にしないためにダブルダイヤモンドにひとつ加えて「トリプル」に切り分けたんですね。

浅沼:そうです。

「お客さんのニーズを捉えていますね」「課題解決の検証もできましたね」という二つのゲートを通った上で初めて「開発して、グロースさせていきましょう」という段階を踏むべきだと思うんです。

それに、明確なプロセスにまとめることで、デザイナーが入るべきタイミングの見極めや適切なデザイン活動ができると思っています。

花城:BCGDVでも顧客への理解からはじまり、AsIs(現状の姿)とToBe(あるべき姿)を可視化しながら、プロトタイプで解決策をどんどん形にしていき、そこから開発へと繋げていくのでプロセスは非常に近いですね。

ちなみに、③(開発実装・評価)まで進んで「2マス戻る」みたいなこともあるんですか?

浅沼:さすがに「2マス」はないですね(笑)。

でも、②(ソリューション発想・検証)で検証してみたらビジネスとして成り立たなそうだと分かり、①(顧客理解・課題定義)に戻ることはあります。

それでも、実装してしまってから気づくよりはマシですよね。検証の結果「できない」と分かることは一つの知見だと思っています。

花城:それぞれの期間はどれくらいですか? 「顧客理解」に1ヶ月、「ソリューション検証」が1ヶ月、「実装・開発」が1年とか?

浅沼:いい線ですね。金融サービスは開発に1年くらいかかるものも多いですね。

花城:なるほど、金融となると基幹システムとの連携やセキュリティも含めると長期の開発期間がどうしてもかかりますね。

ソリューションを産み出していく際のデザインをするときに心掛けていることはありますか?

浅沼:「Thinking(仮説) ⇄ Doing(検証)」と書いたのですが、デザイナーの立場としては「まずはつくってみよう」という姿勢を大切にしています。

頭でっかちにならないで、まずは手を動かしてみる。

花城:プロトタイプ思考にはすごく共感します。

僕もプロジェクトにおいては「Thinking」と「Doing」の往復を高速で繰り返すようにしています。

リサーチと並行しながら、得た気付きをもとにDay1からプロトタイプをつくっていくことで「Thinking」の深みが増していくんじゃないかと思ってます。

エンジニアとデザイナーでイテレーションしながらプロダクトを進化させていくことで理想の顧客体験に近づくはずなので。

社会的意義が大きいのにビジネスになりにくい分野に、デザインの力で取り組んでいく

花城:普段は、どんなインプットをされているんですか?

浅沼:今回まとめてみて、コロナ禍でうまくインプットできていないなと改めて気付かされたのですが、個人的に心に残るインプットの手段は、人、本、実体験の3つくらいです。

やっぱり人と会って話した内容は、自分が行動するときに影響しますよね。

デザイナー同士でコミュニケーションするときも、そのときのトレンドを踏まえようとすると、やっぱり「話す」が一番早いんですよね。

花城:本だと、どうしても半年から1年くらい情報が遅いと感じることもありますよね。

その点、現場で活躍するデザイナーの生の声や意見は貴重ですよね。

浅沼:「本」は、体系化されているので学びやすいですよね。

デザインでも業界が変わると、かなり勉強しないといけないです。

一般的な業界のルールや、ビジネスの成り立ちのようなところを新たに学ばないといけない。

プロジェクトによってはビジネスコンサルティング会社が出しているようなレポートを3年分くらい読むこともあります。

花城:それから、実体験ですね。

浅沼:はい、自分の中に残るという意味で、実体験は影響力が大きいですよね。

最近って、物の売買がかんたんになりましたよね。気になったガジェットは一旦買って使ってみる。それで、ダメだったら数ヶ月で売っちゃうというやり方をしています。

花城:これから挑戦していきたいことは何かありますか?

浅沼:ここ数年は、デザインでどのように社会に貢献できるかについて考えています。

企業のなかで新規事業のデザインを行ってきましたが、企業にいるとそもそも取り組むのが難しい領域があることが分かってきました。

その一つが、社会課題の解決といわれる領域です。この図は、書籍『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す(山口周著)』からの引用です。

出典:『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周・プレジデント社

浅沼:横軸が「問題の普遍性」で、縦軸が「問題の難易度」です。

問題の普遍性が高いということは、解決するとスケールしやすいので、収益性が高くなりやすいですよね。

一方で、普遍性が低いということは個別対応になりでスケールしにくいので、収益性を上げるのが難しくなります。

そして縦軸は、問題が難しければ難しいほど必要な投資額が大きくなる。現在の資本主義活動のなかでは、必然的に「経済合理性限界曲線」という線の内側しか解決できなくなる傾向にあります。

企業活動においては、問題の普遍性が大きくて、難易度が比較的低いもの、図でいうと右下の部分はスイートスポットで、みんながやりたがる事業領域ですよね。

一方で、比較的少人数しか困っていなくて、解決するために多くの投資が必要な左上の部分は、現在の資本主義の考え方でいうと「儲からない」領域でなかなか手がつけられないんですよね。

でも、ここを本当に切り捨てていいのかというのは最近考えています。

花城:なるほど。「問題の難易度が高いけど、収益性が低い」領域で何か具体例はありますか?

浅沼:例えば、高齢者福祉や児童教育の世界ですよね。

個別性が高いのでみんなに同じものを渡してもなかなか解決できないけど、カスタマイズしようとすればお金がかかるので、本当はすぐにでも着手したほうがいいのに放置されがちなんです。

それから「難病」とか「地域の過疎化問題」などは、社会的意義が大きいのに、ビジネスにはなりにくい。

こういう領域での課題を解決できるような活動に携われるといいなと、最近は考えています。

花城:BCGDVでも、SDGsや企業の環境への取り組みをイノベーティブにサポートしていく”Green Ventures” という取り組みを始めました。社会課題に向けた動きは今後も加速していきそうです。

それでいうと、行政への取り組みも浅沼さんの中ではデザインで挑戦していきたい領域ということですね。。

浅沼:そうですね。

行政や社会課題解決の分野においてデザインで貢献するというのは、チャレンジングでありながらもやり甲斐があるデザイン領域だと思っています。

花城:今回、浅沼さんとお話してデザイナーのキャリアとしてCDOやCXOへの道があることや、まずは「カルチャー」に取り組むことへの重要性を伺うことができました。

デザイナーだからこそ部門を横断したり、カルチャーの基点づくりになっていけるのだと改めて思いました。

そして行政を含め、まだまだデザインの手が届いていない領域でのチャレンジで社会に貢献していく姿を感じることができたので、今後のご活躍も期待しています。

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「デザインで行政に貢献していきたい」デジタル庁CDO浅沼尚さんのデザインプロセスとは?

Akiko Tanaka
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石倉デジタル監の交代発表 事務方トップ、後任に浅沼氏

石倉デジタル監の交代発表 事務方トップ、後任に浅沼氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA260XR0W2A420C2000000/

 ※ 何回も、繰り返し言っていることだ…。

 ※ 「デジタル化」とは、「コンピュータ」の支援を受けるということだ…。

 ※ 日常の業務において、どこが「コンピュータの支援を受けること(≒コンピュータにやらせること)」が可能なのか、「絶えず、探ること」「絶えず、考えること」が必要不可欠となる…。

 ※ そのためには、「コンピュータとは、何なのか」「限界は、どこにあるのか」を把握していることが不可欠だ…。

 ※ 昨今では、これに、「インターネット」の仕組み、「ネットワーク」の知識なんかも、必須となる…。

 ※ そういう知識基盤の上に、前述のように、「絶えず、業務のコンピュータ化」を探っていく…。

 ※ そういう「ベクトル」が無いところに、ヒト・モノ・カネを注ぎ込んでも、ダメの皮だ…。

『デジタル庁は26日、事務方トップのデジタル監を交代する人事を発表した。2021年9月の同庁発足から務めた石倉洋子氏が4月26日付で退任する。チーフ・デザイン・オフィサー(CDO)を務める浅沼尚氏が後任に就く。

牧島かれんデジタル相は同日の記者会見で、石倉氏が退任する理由に言及した。「デジタル庁立ち上げという当初の役割を果たし次の世代に引き継ぐと本人から申し出があった」と説明した。

浅沼氏は商品やサービスのアイデアづくりから企画、開発などに一貫して関わるデザイン部門を歩んできた。直近は三菱UFJフィナンシャル・グループのフィンテック子会社に在籍した。デジタル技術を使った新サービスの開発などを担ってきた。

牧島氏は「国民目線のサービスの提供に必要な知見を備えている」と評価した。およそ600人の職員で発足したデジタル庁は700人規模にまで拡大した。

【関連記事】
・石倉デジタル監が退任へ デジタル庁の事務方トップ
・「原点は絶対に見失わない」 牧島かれん・デジタル相

【ルポ迫真「もがくデジタル庁」連載一覧】
・デジタル庁迷走「誰が決めているのか」 発足から半年
・「会議に出たくない」 デジタル庁、民間出身職員が反発
・「お手並み拝見だ」 デジタル庁、試される突破力
・「結局アマゾンか」 デジタル庁、クラウドで米2社選定

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多様な観点からニュースを考える

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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この人事が失敗した一番の原因は、年輩の方を差別するつもりはないが、デジタル庁といわれるぐらいだから、もっと若い方に託すべきではなかったのか。

かつての経歴は輝かしかったかもしれないが、体調もあまり優れないことを考えて、本人も苦しかったはずだった。

このポストは役所との折り合いも重要だが、同時に、国際社会と行き渡らないといけない。前政権の平凡さは明々白々

2022年4月26日 11:07

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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最近は毎日、海外出張から帰国した人から「帰国した際の日本の空港での手続きが外国より煩雑でかなわない」という不満を聞きます。

同じ事を何度も聞かれたり長い間待たされたり。

一時間半で解放された米企業のトップは、「短くて良かったですね」と日本人に言われて激切れしたそうです。

デジタル化の遅れが原因です。大型連休で海外旅行から帰った多くの人々の不満が爆発するかもしれません。立ち止まっている余裕はありません。

2022年4月26日 11:39

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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任命責任云々という声もあまりメディアからも野党からも聞かれない。

本件がそれほどマスメディアで大きく取り上げられないこと自体が皮肉にも日本のデジタル化、DXの遅れを物語る象徴ではなかろうか。

2022年4月26日 11:22 』

「株主資本主義からの転換」にある「財務省の遠大なる戦略」とは

「株主資本主義からの転換」にある「財務省の遠大なる戦略」とは
https://news.yahoo.co.jp/articles/29a081c6074d29e91aaafa34d1f9a4d2a354a2dc

※ 今日は、こんなところで…。

『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。岸田総理が「株主利益の最大化を重視する『株主資本主義』の弊害を是正したい」と語ったというニュースについて解説した。
岸田総理「株主資本主義からの転換へ」と発言

2022年1月24日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202201/24bura.html

岸田総理大臣は1月25日の衆議院予算委員会のなかで、看板に掲げた「新しい資本主義」の分配政策面に関し、株主利益の最大化を重視する「株主資本主義」の弊害を是正したいとの考えを示した。「株主資本主義からの転換は重要な考え方の1つだ。政府の立場からさまざまな環境整備をしなければいけないという問題意識を持っている」と述べた。

飯田)国民民主党の前原さんの質問に対して答えたということですが、どう見たらいいでしょうか?

高橋)普通の経営者から言わせれば、「株主資本主義ではなくて株主社会主義でしょう」とみんな冷やかして言います。このなかには「財務省の遠大なる戦略」があるのですが、それを誰も解説したことがありません。

飯田)裏にそんな戦略があるのですか?

高橋)まず、「労働者の利益のため」と言うのだけれど、撒き餌というか見せ金があって、それが「賃上げ税制」なのです。岸田政権でも賃上げ税制による税収効果がわかるのですが、せいぜい1000億円程度なのです。

飯田)なるほど。

高橋)その次に、「資本家の方から金を取る」という話になって、配当課税の強化になるわけです。これが本命で、こちらは数千億円~1兆円規模のオーダーの増収になるのです。このセットでいつもやっていて、撒き餌としての賃上げ税制があり、その後に配当課税の強化をやる。そういう遠大なる計画があって、それに則っているだけなのです。体よく「労働者のために」という言い方をしますが、逆に言うと経営者、資本家の方から金を取るという政策です。

飯田)配当課税の強化というのは、例の分離課税を見直して行くという話ですか?

高橋)そうです。今回の「株主資本主義」という名称は、その布石です。労働者の賃上げを少し見せて撒き餌を行い、最後に配当課税の方に持って行くというストーリーです。

飯田)総裁選のときに少し出たけれども、批判が多くて一旦うやむやになった話ですよね。

高橋)言ってしまったのですよね。だから今回は「株主資本主義」などと遠回しに言っているのです。聞かれたときは当面、賃上げ税制の話をしておくわけです。賃上げ税制は効果がないから、いくら言っても大丈夫なのです。そのうち頃合いを見て、配当課税の話に行くはずです。

飯田)そうすると、働いている者からすれば、賃上げはほとんどなく。

高橋)ありません。そして配当課税の方に「ドカン」と行くわけです。そちらの方が税収も大きいから、そこを狙っています。要するに増税ですね。

飯田)分離課税をするというのは、日本でも広く一般に投資をやってもらおうという、NISAやiDeCoと同じ流れのように見えたのですが。

高橋)そうなのですが、そこに手を入れたいと。資本家の方に手を入れると成長の元手がなくなるのだけれど、今回の岸田政権には成長戦略がないでしょう。それと表裏一体ですよ。

飯田)成長戦略がなく、パイを大きくせずに、パイの切り分け方だけを考えると。

高橋)そこに財務省がいるから、取りやすいところに手を突っ込むという戦略があるのです。

飯田)財務省にとっても、パイを大きくしてからの方が財政再建になるのではと、素人的には思うのですが。

高橋)財政再建を考えていないのです。はっきり言えば、財政再建は必要ないですからね。

飯田)財政再建は言うだけで必要ない。』

参院選へ逆風の公明 敵基地攻撃で対応に苦慮

参院選へ逆風の公明 敵基地攻撃で対応に苦慮
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010200133&g=pol

『参院選が控える2022年を、公明党は逆風の中で迎えた。昨年末、党に所属していた元衆院議員が融資口利き事件で在宅起訴され、党の看板であるクリーンなイメージは失墜。10年近く歴代閣僚を出してきた国土交通省では、不正な統計書き換えを防げなかった。敵基地攻撃能力保有をめぐる議論も公明党の意に反して具体化する見通しで、党の存在意義が問われかねない事態に直面しつつある。

「敵基地攻撃」検討本格化へ ミサイル防衛、重層化図る―政府

 「公明党のいる連立政権だからこそ政治が安定し、課題を着実に乗り越えていける。その先頭に立つ」。2日、東京・新宿駅前で新春恒例の街頭演説に臨んだ山口那津男代表は党のアピールに力点を置き、不祥事には触れずじまいだった。
 公明党は参院選で、現職のいる兵庫、福岡など7選挙区全勝と、比例代表での7議席維持に向けた800万票獲得を目標に据える。昨年の衆院選では、国政選挙で下落傾向にあった比例票を5年ぶりに700万の大台に回復させ、公示前29だった議席を32に増やした。

 だが、12月28日には党の「ホープ」と称された遠山清彦元財務副大臣が貸金業法違反の罪で在宅起訴された。連立を組む自民党に「政治とカネ」の問題が起こるたび自浄作用を促してきた公明党のイメージは損なわれた。参院選に向け、ただでさえ弱体化が指摘される支持母体・創価学会の動きにも響きかねない。「いくら実績を訴えても、かすんでしまう」。党関係者は声を落とす。

 これに先立つ臨時国会では、国内総生産(GDP)の算出にも用いられる基幹統計を国交省が書き換えていた問題が発覚。17日召集見通しの通常国会では、党幹事長まで務めた斉藤鉄夫国交相が追及の矢面に立たされそうだ。党幹部は「省内の問題」として党への影響をかわしたい考えだが、「これまでの国交相にも責任論が出かねない」(関係者)との懸念も拭えない。

 岸田文雄首相が国家安全保障戦略改定の課題に挙げる敵基地攻撃能力の保有も悩みの種だ。公明党は与党協議を参院選後に先送りさせる構えだが、自民党は5月に提言を取りまとめる方針。安全保障法制整備では「ブレーキ役」を自任した公明党だが、首相や自民党の現執行部とは太いパイプがなく、対応に苦慮しそうだ。

 秋には2年に1度の党大会を控え、代表任期を迎える山口氏の去就が焦点。山口氏は12月、就任あいさつに訪れた立憲民主党の泉健太代表らに「われわれも若返りしないと」と漏らし、交代をにおわせた。その場合、後任には石井啓一幹事長(63)が有力視されるが、「官僚的で発信力が弱い」との評価もあり、不安の種は尽きない。 』

再生エネ普及へ送電網、2兆円超の投資想定 首相が指示

再生エネ普及へ送電網、2兆円超の投資想定 首相が指示
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA231B10T21C21A2000000/

『政府は再生可能エネルギーの普及のために次世代送電網を整備すると打ち出す。都市部の大消費地に再生エネを送る大容量の送電網をつくる。岸田文雄首相は2022年6月に初めて策定する「クリーンエネルギー戦略」で示すよう指示した。総額2兆円超の投資計画を想定する。政権をあげて取り組むと明示して民間の参入を促す。

【関連記事】北海道―本州に海底送電網構想 「洋上風力銀座」現実味

日本は大手電力会社が各地域で独占的に事業を手掛けてきた。送配電網も地域単位で地域間の電力を融通する「連系線」と呼ぶ送電網が弱い。

再生エネの主力となる洋上風力は拠点が地方に多く、発電量の変動も大きい。発電能力を増強するだけでなく消費地に大容量で送るインフラが必要だ。国境を越えた送電網を整備した欧州と比べて日本が出遅れる一因との指摘がある。

①北海道と東北・東京を結ぶ送電網の新設②九州と中国の増強③北陸と関西・中部の増強――を優先して整備する。①は30年度を目標に北海道と本州を数百キロメートルの海底送電線でつなぐ。

平日昼間に北海道から東北に送れる電力量はいま最大90万キロワット。新たに北海道から東京まで同400万キロワットの線を設ける。合わせて30年時点の北海道の洋上風力発電の目標(124万~205万キロワット)の3~4倍になる。

九州から中国は倍増の同560万キロワットにする。10~15年で整備する。

送電網を火力発電が優先的に使う規制を見直し、再生エネへの割り当てを増やす。送電方式では欧州が採用する「直流」を検討する。現行の「交流」より遠くまで無駄なく送電できる。

新規の技術や設備が必要になり、巨大市場が生まれる可能性がある。一方で国が本気で推進するか不透明なら企業は参入に二の足を踏む。

菅義偉前首相は温暖化ガス排出量の実質ゼロ目標などを表明し、再生エネをけん引した。岸田氏も夏の参院選前に「自身が指示した看板政策」として発表し、政権の公約にする。国の後押しを約束すれば企業も投資を決断しやすい。

電気事業者の関連機関の試算では投資は総額2兆円超になる。主に送配電網の利用業者が負担する。必要額は維持・運用の費用に利益分を加えて算定する。欧州と同様、コスト削減分を利益にできる制度も導入して経営努力を求めながら送電網を整える。

英独やスペインは再生エネの割合が日本の倍の4割前後に上る。欧州連合(EU)は復興基金を使って送電網に投資し、米国は電力に650億ドル(7.4兆円)を投じる。

【関連記事】
・エネ転換で製造業後押し 経産省、6月に工程表
・再生エネ活用へ火力発電抑制 経産省、供給超過時に 』

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高村ゆかり
東京大学未来ビジョン研究センター 教授
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別の視点

2020年8月から、電力広域的運営推進機関(OCCTO)で、送配電網=系統をより長期的な視野をもって効率的に「プッシュ型」の系統整備を行うためのマスタープランが検討されている。

2021年5月の中間整理 https://www.occto.or.jp/iinkai/masutapuran/2021/files/masuta_chukan.pdf にもあるように、複数のシナリオ、想定を置いて検討を行い、これらの増強候補案は複数のシナリオで費用対効果が大きいとされた。

広域融通の促進は、再エネ導入拡大、CO2削減効果だけでなく、上記の費用便益分析には含まれていないが、需給逼迫時、災害時などのレジリエンスも高めることが期待できる。事業コストの精査は不可欠だが、事業と投資の経済効果を含め、長期でマクロな観点から国は明確な方針を早く示してほしい

2022年1月3日 14:45

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竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説

日本は小さな系統の集合体なので送電線のボトルネック解消は重要ですし、再エネを活用する良いことのようにみえるのですが、無駄な設備投資をしそうな匂いがかなり強い。

電力広域的運用推進機関でマスタープラン検討することになっているので、その場を利用してオールジャパンで、様々なシナリオに対するシミュレーションや費用便益評価をやり、それを踏まえた投資計画であるべき。

本来、再エネは「地産地消」をうたい文句にしていたのであり、そうした動きも徐々に生まれつつある。そうした動きにこそ新しい産業の芽がある。安定供給とコスト低減を両立するかに知恵を絞ることが大切で、まずは費用便益評価に基づいた議論をすべき。

2022年1月3日 11:49 』

【点描・永田町】「山口3区の乱」舞台裏の策謀

【点描・永田町】「山口3区の乱」舞台裏の策謀
(2021年11月14日18時30分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021111000280&g=pol

 ※ なんと、早や(はや)岸田さんは、来年の参院選で勝利したら、任期満了まで衆院を解散せずに」「退任する意向」まで語られている…。

 ※ また、安倍vs.林だけでなく、高村元副総裁の後継者までが参戦し、三つ巴の戦いとなっているらしい…。

 ※ ちゃんと、裏付けがあるんだろうな…。

 ※ いずれにせよ、激しい情報合戦、魑魅魍魎うごめく奇々怪々、一寸先は闇…、というのが「政界情勢」ということのようだ…。

『与野党が激突した10・31衆院選は、自民党が単独で絶対安定多数の261議席を獲得、公明党(32議席)を加えた与党合計でも公示前勢力(305議席)に迫る293議席と、事前の苦戦予想を覆して勝利した。国民の信任を受けた岸田文雄首相は、11月10日召集予定の特別国会冒頭での首相指名を受け、同日中に第2次岸田政権を発足させる。

長州戦争、残る遺恨 党本部裁定、程遠い「円満決着」―山口3区

 そうした中、衆院山口3区では参院からくら替えした自民党の林芳正元文部科学相が圧勝し、「次回以降の総裁選への挑戦権を手に入れた」(自民幹部)として注目された。当初は、くら替え出馬への党内の賛否が入り乱れ、当選10回で現職だった河村建夫元官房長官との激しい公認争いは「山口3区の乱」と呼ばれた。しかし、衆院選公示直前に河村氏が不出馬・政界引退を表明したことで、表向きは“円満決着”の形となった。ただ、対立と迷走を繰り返した公認争いの舞台裏は、党内の権力闘争に加え、次期衆院選やポスト岸田も絡めた「策謀が渦巻く政争」(自民長老)だったのが実態だ。

 そもそも、林氏は岸田派ナンバー2の座長で、河村氏は二階派の会長代行だった。このため、公認争いは「岸田VS二階」の代理戦争となったが、幹事長だった二階俊博氏が総裁選での岸田氏勝利を受けて「自民最高実力者」の座を失ったことで、それまでの「現職優先」方針が覆り、後ろ盾を失った河村氏が涙をのむ結果となった。

 加えて、河村氏の後継者の長男・建一氏は、当選確実な比例中国ブロック単独候補としての上位登載がかなわず、縁もゆかりもない同北関東ブロックでの32位に追いやられ、次点で落選した。しかも、この党本部決定につながったのは、山口県連会長の岸信夫防衛相らが提出した「(建一氏は)県連と何ら関わりのない候補」とする抗議文書。岸氏は安倍晋三元首相の実弟で、党内では「山口のドンの安倍さんが河村家を地元から追い出すための陰謀」との臆測が飛び交う。

◇次期衆院選とポスト岸田で思惑

 というのも、次期衆院選では山口県の小選挙区がこれまでの4から3に減る予定で、現職の安倍(4区)と岸(2区)の両氏、高村正大氏(1区)、林氏のうちの3人が小選挙区公認候補となる。高村氏の父・正彦元副総裁は安倍氏と極めて親しい関係だが、林氏は安倍家と肩を並べる山口の名門政治家一家の4代目。安倍氏の父・晋太郎元外相(故人)と林氏の父・義郎元蔵相(同)は、中選挙区時代に「安倍家VS林家」の激しい覇権争いを展開しただけに、「次は高村氏がはじき出される」とのうわさもささやかれている。

 さらに事情を複雑にしているのは、すでに林氏が岸田派(宏池会)の次期総裁候補として、ポスト岸田での総裁選出馬を目指していることだ。林氏は近い将来、首相の後継者として岸田派を林派に衣替えするとみられている。しかも、来夏の参院選での与党勝利で首相が3年の任期を全うできる状況となれば、「任期満了まで解散せずに退陣する意向」(側近)だとされる。

 もちろん、安倍氏周辺はこうした動きに不快感を隠さない。山口の自民党参院議員を見れば、10月24日の参院山口補選で当選した北村経夫氏や来夏参院選で改選予定の江島潔氏も安倍氏側近で、「林氏の総裁選出馬など許さない雰囲気」(安倍氏側近)とされる。しかし、林氏は10月発売の月刊誌で「次の総理はこの私」と宣言し、首相も今後、同氏を党・内閣の要職に起用する構えだ。このため、3年間は首相を輩出してきた山口県の覇権をめぐる「安倍・林戦争」が激化することは、間違いなさそうだ【政治ジャーナリスト・泉 宏/「地方行政」11月8日号より】。 』

首相「調査チームをジブチに派遣」 エチオピア対応で

首相「調査チームをジブチに派遣」 エチオピア対応で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA270WJ0X21C21A1000000/

『岸田文雄首相は27日、紛争が激化するエチオピアへの対応で「(26日に)外務省と防衛省からなる調査チームを(隣国の)ジブチに派遣した」と表明した。「予断を許さないエチオピア情勢を踏まえ情報収集を強化するため」だと説明した。自衛隊機で現地に住む日本人を退避させる場合に備える。

陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京・練馬など)で開いた観閲式の訓示で話した。現地では反政府勢力による首都アディスアベバへの進攻が間近との情報も伝えられ、米欧各国は自国民の退避を呼びかけている。』

憲法改正「機は熟している」

憲法改正「機は熟している」 将来の総裁選出馬に意欲 自民・茂木幹事長
(2021年11月21日)
https://www.jiji.com/jc/v4?id=20211118motegiinterview0001

 ※ これ、11月21日の記事なんだが、「憲法改正」、けっこう「前のめり」に語っている…。

 ※ 参院選で勝利した時は、本気で「政治日程」に乗せる気があるのかもしれない…。
 ※ 今までとは、少し風向きが違って来た感じだ…。

 ※ 台湾有事事態もあり得る情勢なんで、某国様に尻でも叩かれたのか…。

『スピード感を持って党改革進める
インタビューに答える自民党の茂木敏充幹事長=2021年11月18日、東京都千代田区【時事通信社】

 自民党の茂木敏充幹事長が時事通信の単独インタビューに応じた。10月の衆院選で前任の甘利明氏が地元選挙区で敗れて辞任。これを受け、急きょ登板した茂木氏に、岸田政権の政策課題や党改革の方向性、来年の参院選に向けた取り組みなどを聞いた。(インタビューは2021年11月18日に行いました)

 ―党改革実行本部の本部長に就任した。記者会見では「3カ月以内ぐらいには何かの結論を出したい」と述べたが、どのような論点で進めていく考えか。

 スピード感を持ってやりたい。党改革実行本部の第1回会合を来週にも開き、早急に改革の方向性を打ち出していきたい。実行本部では前法相の上川陽子幹事長代理が座長に、若手で元法相の山下貴司議員には事務局長に就いてもらい、具体的な議論を進めていきたい。

 一つのテーマとしては、党役員の任期制限をはじめとする人事のあり方だ。岸田文雄首相も総裁選の際、「1期1年、3期まで」という話をされているが、こういった人事のあり方や政党のガバナンス、近代政党としてのルール作りを検討していきたい。

 早い段階でできるものから実行していきたい。「聞く力」とも言っているが、国民との距離を縮めるためにインターネットを活用し、党員や国民との対話集会を開催するなど、ただ開くだけではなく、そこから出てきた意見を党の政策に反映していくことも進めていきたい。例えば安全保障や経済、社会保障など、いろいろなテーマ別に。必ずしも政策でなくてもよい。

 改革の全体像も提示するが、報告書を作ることに意味があるわけではない。実行できることから、スピード感を持って実行に移す。「自民党は進化している」という姿を国民に示していきたい。

 ―来年夏には参院選がある。幹事長として陣頭指揮を執るが、どのような政策を訴えていくか。

 経済対策は真水で30兆円を超えることが大きなメッセージになると思っているが、こういった経済対策を補正予算にしていく。さらに来年度に向けての税制改正の中で、分配政策を進めるために賃上げを進めた企業に対する税制上の措置を取るなど、来年度本予算の編成と対策で切れ目なく講じていきたい。

 こういった政策を速やかに実行に移すことによって、新型コロナウイルスの影響を受けている家計や事業者への支援、そして早期の景気回復を図ると同時に、日本経済の新たな成長や活力を生み出し、成長と分配の好循環を実現していきたい。

参院選へ体制立て直し
インタビューに答える自民党の茂木敏充幹事長=2021年11月18日、東京都千代田区【時事通信社】

 今回の衆院選では、今まで以上に接戦区が非常に多かった。最終的に競り勝った選挙区が多かったが、いくつかの地域では厳しい結果にもなった。参院選に向け、競り勝った選挙区ではその勢いを維持しながら、大阪など大変厳しい結果となった地域の立て直しを急ぎたい。

 ―獲得目標の議席は。

 獲得議席(の目標を言うの)は少し早いと思うが、候補者が決まってない選挙区もあるのでフレッシュな新人や女性など、アピール力のある候補者の選定を急ぎたい。参院選は衆院と比べて選挙区も広い。候補者自身の魅力や活動はもちろんだが、自民党全体としての政策実現力や将来ビジョンが問われる極めて重要な選挙だ。全力で取り組みたい。

 ―衆院選では野党が候補者の一本化を進めた。参院選でも改選数1の「1人区」で野党陣営が一本化するかが焦点になる。立憲民主党内でもそこが争点になっているが、どう見ているか。

 今回(衆院選)は88の選挙区が与野党1対1の対決で、立民と共産が一本化した候補者と戦った。88選挙区中、結果的には自民党が58勝30敗と、ほぼ3分の2を取ったわけだ。私もいろいろなところに応援に行ったが、自民党の候補者、それから地域、地方組織、地方議員も全力で取り組んだ。

 立民が、自衛隊を否定し、この厳しい安全保障環境の中で日米安保を否定する共産党と野合するということに対する国民の皆さんの拒否感は強かったことも事実なのではないか。(野党共闘を)今後どうされるかは、それぞれの党が決めることだ。

 ―共闘はマイナスの方が多かったとの分析か。

 それは分からないが、結果的には(自民が)58勝30敗だったということは事実だ。』

『ポスト岸田? いつかは期待に応えなきゃ
インタビューに答える自民党の茂木敏充幹事長=2021年11月18日、東京都千代田区【時事通信社】

 ―衆院選の結果、憲法改正に前向きな勢力が3分の2を超えた。岸田首相も改憲を進めるため党内の体制を強化するよう指示した。どう議論を進めていくか。

 カウントの仕方はなかなか難しいが、衆院選により少なくとも自民党以外にも憲法改正に前向きな考えを持った勢力、議員が増えたのは事実だ。

 これまで一度も(改憲の是非を)判断する機会がなかった国民の皆さんも、自らが判断する機会を待っているのではないか。例えば、コロナ禍を経験し、今まで自然災害は想定していたと思うが、感染症も含めた緊急事態への国民の認識も高まっていると思う。

 憲法改正について党の考え方はまとまっており、今後、議論の主戦場は国会の場に移っていく。さまざまな政党とも議論を深めていきたい。実際には衆参の憲法審査会で議論することになるわけだが、具体的な議論を活発に進めてもらい、それが具体的な選択肢やスケジュールにつながっていくことを期待したい。

 ―憲法改正推進本部を「実現本部」へ改称する狙いは。

 党の公約でも「憲法改正実現」との言葉を使っている。お約束した言葉遣いで、よりコミットメントが強まった表現かなと思う。

 ―国民投票に持ち込むことは大変だ。長期政権だった安倍政権もできなかった。岸田政権のうちに国民投票まで進めるか。

 もちろんスケジュール感を決めるのは国会の現場だと思うが、かなり機は熟しているということも確かだと思う。形式で物事が進まないということではなく、実質的な議論をする中で、自民党としてもこの4項目(9条への自衛隊明記など)だと。これを押し付けるというよりも、各党がいろいろな考えがあるだろうから、それを持ち寄る中で、どういう選択肢をまず優先的に取り上げるのか。こういう議論の進め方を行っていただければと思っている。

岸田政権を全力で支える

 ―閣僚や党の役職を歴任し、直前まで外相を務めた。今回幹事長に就き「ポスト岸田」の呼び声も高くなってきていると思うが、どう応えるか。

 今、幹事長(という立場)だから、私が「ポスト岸田」という議論をするのはちょっとおかしいが、幹事長として岸田政権を全力で支える、ということに尽きる。その上で、グループ(派閥)の仲間や支援者の皆さんの期待に、いつかは応えていかなきゃならない。こういう自覚はしっかり持っているつもりだ。

 ―幹事長就任に当たって「親しみを持ってもらえるような幹事長に」と言っていたが、何か意識していることは。

 国民との直接の対話もあるが、やはりいろいろな意味でマスコミを通じて国民の皆さんに発信をする。ストレートに、そして率直に、物が伝わるよう心掛けていきたい。

 ―「自民党が変わったと国民に受け取ってもらう改革を進める」と発言するなど、国民の目線を意識していると思うが、その背景にある危機感とは。

 やはり自民党というのは、政権与党として確かに守らなくてはいけない部分があるが、大切なものを守るために時代を先取りしながら変わっていくことが極めて重要ではないか。国民感覚からずれていると思われないようにするということは非常に大切なのではないか。

 今回の文書通信交通滞在費(文通費)の問題についても、今までだと野党が先に進めて最終的に自民党もついていくことが多かったのではないかと思うが、今回、最初に党として決めたのは自民党だ。その翌日から手続きに入っている。やはり国民感覚から見て(10月31日投開票の衆院選で当選した新人・元職が)1日しか勤めていないにもかかわらず(10月分の)100万円全額をもらえるのは「おかしいよね」と。こういう感覚には素直に応えていきたい。

 ―経済対策に関する公明党との協議が、政調会長レベルではなく幹事長間で始まったが、どのような理由からか。

 今回コロナによって困ってらっしゃる方や学生、18歳以下の若い人、もしくは子育て世代に対する支援策で、給付金の部分については特にスピード感を持って進めたいということだった。協議は(通常)政調会長レベル、幹事長レベル、最終的には党首レベルということになるが、早く決めようということで2段階目から始めたということだ。

 ―迅速かつ円満に決まった一方で、所得制限に関しては「世帯内で所得の最も高い人」の年収を基準とする児童手当の制度を援用した。所得制限の基準については「世帯で合算すべきだ」という議論もある。児童手当の仕組みの見直しは。

 児童手当の仕組みを見直すことは今後の議論としてあり得べきことだと思っているが、まずスピード感を持って困っている方にお届けをする。今使える制度を使わないと、それはできないわけだ。合算するとなると新たに市町村が世帯主じゃない方々などに対する所得の捕捉を行っていかなければならない。そのためにシステムを変えなければならない。仮に今から始めるにしても5~6カ月は時間がかかってしまう。

 同時に、平等感で言えば、これは必ずしも所得の問題だけではない。例えば金融資産をどれだけ持っているか。これによっても全く違ってくる。持ち家の方と借家の方でもいろいろ違ってくる。何をもって平等なのかは、今後よく議論していく必要があるのではないか。(聞き手=政治部平河クラブ 大塚洋一、堀内誠太)

自民党の茂木敏充幹事長

◇茂木氏略歴

 茂木 敏充氏(もてぎ・としみつ)66歳。米ハーバード大院修了。自民党政調会長、経済再生担当相、外相。衆院栃木5区、当選10回(旧竹下派)』

外国人就労「無期限」に

外国人就労「無期限」に 熟練者対象、農業など全分野
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE019ZY0R00C21A9000000/

『出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格「特定技能」について、2022年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整していることが17日、入管関係者への取材で分かった。熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、家族の帯同も認める。これまでの対象は建設など2分野だけだったが、農業・製造・サービスなど様々な業種に広げる。

【関連記事】特定技能、家族帯同も拡大「選ばれる国」へ支援拡充急務

別の長期就労制度を設けている「介護」を含め、特定技能の対象業種14分野すべてで「無期限」の労働環境が整う。専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に幅広く開く外国人受け入れの転換点となる。

現在、資格認定の前提となる技能試験のあり方などを同庁や関係省庁が検討している。今後、首相官邸や与党と調整し、22年3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定している。

特定技能は人材確保が困難な業種で即戦力となる外国人を対象に19年4月に設けられた。

実務経験を持ち特別な教育・訓練が不要な人は最長5年の「1号」を、現場の統括役となれるような練度を技能試験で確認できれば「2号」を取得できる。更新可能で家族も滞在資格が得られ、在留10年で永住権取得が可能になる。

入管庁などは、2号の対象に11分野を追加し、計13分野にする方向で調整している。介護は追加しないが、既に日本の介護福祉士の資格を取れば在留延長などが可能となっている。

ただ、自民党の保守派などの間では、外国人の長期就労や永住の拡大は「事実上の移民受け入れにつながりかねない」として慎重論が根強い。結論まで曲折を経る可能性もある。
特定技能の制度導入時、入管庁は23年度までに34万5千人の労働者が不足するとみていた。足元では特定技能の取得者は月3千人程度で推移している。就労期限がなくなれば計算上、20年代後半に30万人規模になる。

かねて国は外国人の長期就労や永住に慎重な姿勢を取ってきた。

厚生労働省によると、20年10月末時点で国内の外国人労働者は172万人。在留期間が最長5年の技能実習(約40万人)や留学生(約30万人)など期限付きの在留資格が多く、長期就労は主に大学卒業以上が対象の「技術・人文知識・国際業務」(約28万人)などに限っている。

「農業」「産業機械製造業」「外食業」など14分野で認められている特定技能も、長期就労できるのは人手不足が慢性化している「建設」「造船・舶用工業」の2分野にとどまる。

新型コロナウイルスの水際対策の影響もあり、特定技能の資格で働くのは8月末時点で約3万5千人。日本商工会議所は20年12月、「外国人材への期待と関心は高い」と対象分野追加などを要望していた。

外国人受け入れ政策に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事は「現業の外国人に広く永住への道を開くのは入管政策の大きな転換だ」と指摘する。

(外国人共生エディター 覧具雄人)

特定技能

国内で生活する外国人は6月末時点で約282万人。活動内容などによって「永住者」(約81万人)、「技能実習」(約35万人)といった在留資格がある。

出入国管理法改正で2019年に設けられた「特定技能」は技能試験や日本語試験の合格などを条件に、人手不足が深刻な業種14分野での就労を認めている。

出入国在留管理庁によると、8月末時点で約3万5千人のうち、飲食料品製造業(約1万2千人)と農業(約4600人)の2分野で半数近くを占める。3年間の技能実習を終えた人が特定技能の資格取得を望む場合、日本語試験は免除され、実習時と同じ分野なら技能試験の合格も不要になる。

新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限で、新たな人材の確保が困難になった。実習終了後に帰国できない人が、在留資格を特定技能に切り替えて日本に残るケースが相次いでいる。

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多様な観点からニュースを考える

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説

事実上のコロナ鎖国をどうにかしないことには、人の入ってきようがないですが、そこをクリアしたとしても、家族連れの外国人を長期に受け入れるような社会インフラを整えずに受け入れるのは、無謀としか言いようがありません。

国がガイドラインを作って自治体単位で様々なサービスを提供して、かつ日本で育つ子供たちのための教育上の配慮も考えなければ、社会的統合など望めません。

逆にこれをチャンスとして、行政も教育も、デジタル化と多言語化を同時に進める計画でやれば、ある種の起爆剤になるかもしれません。

2021年11月18日 0:32

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竹中治堅
政策研究大学院大学 教授

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ひとこと解説

特定技能2号の対象分野の拡大は岸田政権が目指す賃上げの政策と極めて矛盾している。

人手不足というが、十分な賃金を支払わないために成り手が十分現れないというのが実態ではないか。高い賃金を支払わないで済む外国人の労働者としての受け入れを拡大するのであれば、これは賃金への下方圧力となる。

新しい資本主義を目指し、中産階級の拡大を目指すのであれば特定技能の資格を緩和するのではなく、対象業種での賃上げを促すべきである。

2021年11月18日 0:12 (2021年11月18日 0:13更新)

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー

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別の視点

移民受け入れ是非の議論を曖昧にしたまま特定技能労働という名の実質的な移民をバンバン受け入れてきたのが現与党の移民取り扱いの歴史である。

支援団体の頑なな姿勢と労働力確保という財界の要請の板挟みにあい、その答えとして玉虫色にしてきた事のツケとして、外国人労働者の教育や社保や不法滞在など様々な人権問題が鬱積しており、その急場凌ぎ的な対応であるが、本質的には真っ向からの国民的な移民論があるべきだろう。

2021年11月18日 8:03
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為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表

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ひとこと解説

よく単一民族の日本と言われますが、DNAを調べても単一民族ではなく、平安京時代の奈良は世界でも有数の多国籍都市でした。

宗教の共存などを見ても、根本の部分では日本は多文化共生ができると思います。一方で、自分達は何者であるかを定義づけるために作り上げた物語が今も人々の意識の根底に流れていることも感じます。

すでにスポーツの分野ではたくさんの両親が外国籍の日本人が活躍しています。当たり前ですが流暢な日本語を喋り、振る舞いもとても日本的です。

移民の受け入れを正面からしっかり議論し、日本をアジアのジパングと捉え、多民族国家を目指すという方法もあるのではないでしょうか。

2021年11月18日 9:05 (2021年11月18日 9:08更新) 』

コロナ対策、岸田首相は脱「厚労省」試す 財務省を軸に

コロナ対策、岸田首相は脱「厚労省」試す 財務省を軸に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA023F10S1A101C2000000/

 ※ 非常に興味深い内容だ…。

 ※ 安部さんの時に、コロナ対策でもたついたのは、厚労省中心で行ったからなのか…。
 ※ それを、菅さんが財務省中心で行って、バンバン、ワクチンを打ちまくったのか…。
 ※ 岸田さんになっても、引き続き財務省が重きをなしていると言うわけか…。

 ※ 当初、相当に「強毒ウイルス」という認識で、厚労省の言うことに重きを置いたが、「それほどでもない…。むしろ、弱毒ウイルスだ…。」という認識となった話しも、興味深い…。

 ※ いずれ、各省庁は、「自省の勢力を伸長しようとして」、陰に陽に「政権中枢に働きかける」ものであることは、確かのようだ…。

『岸田文雄首相は「第6波」対策の全体像のとりまとめ作業で厚生労働省に依存しない手法を試行した。実務で財務省出身の官僚が主軸となった。政策決定で「岸田官邸」が機能するかは来年夏の参院選に向けた政権運営を左右する。

首相は12日、全体像を決めた新型コロナウイルスの対策本部で「まず重要なのは最悪の事態を想定し、次の感染拡大への備えを固めることだ」と語った。

全体像は10月15日に示した「骨格」を基礎に作成した。デルタ型より感染力が2倍程度のウイルスが広がると想定し、入院患者の受け入れを3割増強する内容だ。従来は医療界に配慮して踏み込んでこなかった施策を含む。

「感染力2倍という前提はいいかげんな話だ。専門家の意見を聞いてほしい」。10月26日、厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」(座長・脇田隆字国立感染症研究所所長)で骨格に批判が相次いだ。

感染症の専門家には意見を聞かれずに作られたとの不満がある。骨格作りに厚労省はほとんど関与していない。医療界や専門家の意見に沿って主張しがちな同省が主導していないため、関係者に不満が募る内容となっている。

実務の中心を担ったのは財務省出身の首相秘書官、宇波弘貴氏だった。厚労予算を査定する主計局次長や主計官を長年務め、首相が要望してこのポストに置いた。

財務省がもともと推薦した中山光輝氏と合わせ同省出身の秘書官は2人体制になる。菅政権で置いた厚労省出身の秘書官は採用しなかった。

安倍、菅両政権では首相補佐官だった国土交通省出身の和泉洋人氏が厚労省や同省出身者が室長を務める内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室を指揮してきた。和泉氏は岸田政権発足に合わせて退任した。

政府の新型コロナ感染症対策分科会(尾身茂会長)も積極的に提言した。経済財政・再生相だった西村康稔氏が政府で専門家の意見を反映させるように動いた。

「厚労省は言うことを聞かないんだろ」。首相は就任前から、同省が首相官邸の意向に沿って動かない印象を抱いていた。

前政権は菅義偉前首相自らが主導したワクチン接種で1日100万回を超えるペースを実現する一方、医療体制の整備は「厚労省の壁」に阻まれた。首相が政権発足時に財務官僚に実務を担わす体制を選んだ背景にある。

首相は11日、首相官邸で菅氏と会い、ワクチンで感染状況が抑えられていると謝意を伝えた。菅氏からは「総理が自分で直接指示しないと役所は動きませんよ」と助言を受けた。首相の頭には菅前政権の教訓がある。

首相が掲げる「新しい資本主義」は分配政策が特徴で、厚労省の所管になる分野が多い。目玉である看護師や介護士、保育士の賃上げは同省だけに任せず、官邸に「公的価格評価検討委員会」を立ち上げた。宇波氏ら「財務官僚」が調整の中核を担う。

政権の看板政策は首相が20年や今年9月の党総裁選で掲げてきた公約が基本になる。公約をつくってきた首相側近の木原誠二官房副長官が政権発足後も政策全般に目配りする。各省庁は木原氏への説明を徹底している。

(秋山裕之)』

『多様な観点からニュースを考える

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

感染症対策は当初より、医療の目的である感染拡大防止、最終的にはゼロコロナを目指すことと、緊急事態宣言などの行動制限による経済への負担をどう減らすかということのバランスの中で検討されてきた。

当初は未知のウイルスであり、致死性の高い感染症としての認識が強かったため、医療(厚労省)が優勢に立ったが、第一波の後は政治が優勢となり、経済回復を優先した。

しかし、それが結果的に後手に回り、五輪開催という政治資源をマックスに使ったイベントがあったため、医療(厚労省)が優勢な状況にあった。

岸田政権になり、ワクチン接種も進んだことで、今度は景気回復がアジェンダとなった、ということなのだろう。

2021年11月15日 11:21

峯岸博のアバター
峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説

1990年代半ばに財務省(当時は大蔵省)主計局を取材しました。

かつては長く「官庁の中の官庁」と呼ばれ、内部で外交・内政から野党の審議拒否、調整期間まですべての要素を織りこんで法案など重要案件のスケジュールを組み立てる「国会カレンダー」をつくり、時の自民党政権と連携しながら陰の実力者の地位を不動のものにしていました。財務省出身の首相秘書官も他省庁に比べ実質「格上」でした。

近年は財務省の相対的地位が低下し、安倍政権では経済産業省が力を強めました。

旧大蔵・財務省と縁の深い宏池会政権の久しぶりの誕生によって、コロナ対策に限らず政権内や霞が関の力学に変化が生じる兆しが見えます。

2021年11月15日 9:19』

自民は公明頼みの選挙から目覚めよ

自民は公明頼みの選挙から目覚めよ 有元隆志(産経新聞月刊正論発行人兼国基研企画委員)
https://jinf.jp/feedback/archives/36026

 ※ 『だが、甘利氏自身は言及しなかったものの、自民党の選対関係者は「公明党とその支持母体である創価学会からの支援が十分に得られなかったことも敗北の大きな要因だ」』…。

 ※ 『前述の選対関係者によると、甘利氏と公明・学会との対立は、甘利氏が安倍晋三政権下で選挙対策委員長を務めていた時に深まった。甘利氏は当時、周辺に「学会は選挙協力という〝美名〟の下に、自民党支持層を侵食している」と語っていたという。』…。
 ※ 『甘利氏の危機意識を示したのが令和元年7月の参院選だった。自民党は公明党と選挙協力の合意文書を交わしたが、その中には「与党としての支持層拡大を目的とし、結果的に与党内部での集票活動の競合につながるような行為を互いに慎む」との文言が入った。

公明党幹部も認めるように、公明・学会は自民党候補を一律に支援するわけではない。選挙区内での地方選への協力の度合いなどを勘案し、選別している。その結果、特に公明党が強い都市部を中心に、選挙に弱い自民党候補ほど公明・学会への依存度が高くなっていく。甘利氏はそのことに警鐘を鳴らしたのだった。』…。

 ※ これが本当だとしたら、「獅子身中の虫」「大木を内部から浸食するシロアリ」だな…。

 ※ 自民党の各有力者の「勢力」を測る場合、「公明党との距離感」という視点も当てる必要があるだろう…。

 ※ それと、その選挙区が「都市部なのか、そうでないのか。」という視点も必要か…。

 ※ 甘利さん、公明党の「落選させる力」を見せつける「標的」にされた…、という側面もあるんだろう…。

 ※ その結果が、「18歳未満への一律10万円」だとしたら、本末転倒だ…。

 ※ それよりも、「思わぬ落選になったケース」が、こういう「力学」が働いた結果じゃないのかの「点検」が必要なのでは…。

 ※ 前記の記事の岸田さんが示した、菅さんへの「異例の気遣い」も、この文脈から見た方がいいかもしれないな…。

『自民党の現職幹事長だった甘利明氏が10月31日投開票の衆院選小選挙区神奈川13区(大和市・海老名市・綾瀬市・座間市の一部)で敗れた衝撃は大きい。甘利氏は比例代表で復活当選し、自民党も絶対安定多数(261)を上回ったが、油断は禁物である。それどころか、与党・公明党の支援なしに勝ち抜ける地力をつけないと、次回以降の選挙で勝ち続けるのは危うくなるだろう。

現職幹事長敗退の衝撃と背景

甘利氏が小選挙区で敗れた原因としては、自身の金銭授受問題への批判がメディアで大きく取り上げられたことが挙げられる。甘利氏を対象とした「落選運動」も展開され、本人も31日夜のテレビ東京の選挙特番で「ここまで苦戦するとは思っていませんでした」と語った。甘利氏はこのほか、野党の候補者一本化や新型コロナウイルスの感染拡大が影響したと指摘した。

だが、甘利氏自身は言及しなかったものの、自民党の選対関係者は「公明党とその支持母体である創価学会からの支援が十分に得られなかったことも敗北の大きな要因だ」と語る。

公明党は10月14日の中央幹事会で衆院選の第1次推薦を決定したが、その中に甘利氏の名前はなかった。岸田文雄首相をはじめとして自民党公認候補225人を推薦したにもかかわらずだ。自民党幹事長が第1次推薦に入らなかったのは異例だ。甘利氏は第2次推薦でも入らず、16日の第3次推薦でようやく入った。

前述の選対関係者によると、甘利氏と公明・学会との対立は、甘利氏が安倍晋三政権下で選挙対策委員長を務めていた時に深まった。甘利氏は当時、周辺に「学会は選挙協力という〝美名〟の下に、自民党支持層を侵食している」と語っていたという。

小が大を呑むことへの危惧

甘利氏の危機意識を示したのが令和元年7月の参院選だった。自民党は公明党と選挙協力の合意文書を交わしたが、その中には「与党としての支持層拡大を目的とし、結果的に与党内部での集票活動の競合につながるような行為を互いに慎む」との文言が入った。

公明党幹部も認めるように、公明・学会は自民党候補を一律に支援するわけではない。選挙区内での地方選への協力の度合いなどを勘案し、選別している。その結果、特に公明党が強い都市部を中心に、選挙に弱い自民党候補ほど公明・学会への依存度が高くなっていく。甘利氏はそのことに警鐘を鳴らしたのだった。

甘利氏の認識は正しい。自民党は公明党よりもはるかに多くの議席数を有しているにもかかわらず、選挙で頼っていると、「いつの間にか小が大を呑む形となり、公明党の意向を受け入れるようになってしまうとの危惧を甘利氏は抱いた」(同選対関係者)という。

甘利氏の推薦が第3次まで遅れた理由は明らかにされていないが、選対委員長当時の軋轢も影響しているといえるだろう。

甘利氏は、そうした認識を持っているならば、たとえ公明党の支援が十分に受けられなくても、小選挙区で勝ち抜くべきだった。甘利氏が小選挙区で敗北したことで、公明・学会の支援がないと幹事長といえども小選挙区では勝利できないとの印象を自民党内に植え付けてしまった。その意味では、甘利氏の責任は大きい。

自民党と公明党は連立を組んでいるといっても別の政党である。公明党は公明党の利益に沿って行動してきた。大阪では自民党だけでなく日本維新の会とも住み分けをしてきた。

東京都議選で公明党は4年前は長年続いた自公連携を解消し、小池百合子都知事が率いた都民ファーストの会と手を組んだ。自民党は半分以上減らす23議席という歴史的惨敗を喫した。自民党都連はこの屈辱を忘れたのか、6月の今回都議選では再び公明党と連携した。

パーマストンの名言かみしめよ

公明党への依存度を深めれば、公明党の意向に沿わない政策を進めにくくなる。岸田首相は北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて、国家安全保障会議(NSC)で敵基地攻撃能力の保有を含め、あらゆる選択肢を検討するよう指示した。ところが、岸田首相のこの方針に対し、公明党の山口那津男代表は選挙戦で敵基地攻撃能力の保有について「昭和31年に提起された古めかしい議論の立て方だ」と否定的な見解を示した。

公明党は昭和39年の結党以来、「全党を挙げて日中友好を推進してきた」(山口氏)。隣国と良好な関係を構築することは望ましいが、軍事力を急速に拡大しているのは中国だ。その現実に目を背けて、防衛費の増額や敵基地攻撃能力の保有に公明党が反対するというなら、連立の解消も考えるべきだろう。それくらいの覚悟を自民党は持つべきだ。

国際情勢を語る上でしばしば引用されるのが19世紀中葉に英国首相を務めたパーマストンの「わが英国にとって、永遠の友人もなければ永遠の敵もない。あるのは永遠の英国の国益のみ」という有名な言葉だ。これは日本にも当てはまる。20年以上の自公連携に慣れ切っている自民党議員にはこの言葉の重みをかみしめてほしい。』

菅氏と会談、異例の気遣い 政権安定へ関係修復狙う

菅氏と会談、異例の気遣い 政権安定へ関係修復狙う―岸田首相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021111100912&g=pol

『岸田文雄首相は11日、菅義偉前首相と首相官邸で会談した。菅氏の在任中の新型コロナウイルス対応に謝意を示した上で、政権運営への協力を要請した。不仲が指摘される両氏だが、岸田氏は出迎えと見送りを自らの執務室ではなく、わざわざ階下のエントランスで行うなど異例の気遣いを見せた。政権安定に向け、関係を修復する狙いがあるとみられる。

第2次岸田内閣が本格始動 菅前首相に協力要請

 10月4日の首相交代後、2人の面会は初めて。菅氏は岸田氏の自民党総裁選出馬表明を引き金に退陣に追い込まれていった経緯があり、しこりが残っているとされる。

 会談は岸田氏が「議員会館の事務所に伺いたい」と申し入れ、菅氏が自分から出向くと応じて実現した。岸田氏はコロナ対策について「今後も協力してほしい」と求め、菅氏は「もちろんそうする」と答えた。会談時間は約20分間で、甘党の菅氏の大好物であるどら焼きを食べながらだった。岸田氏は「気になることがあったら、いつでも言ってほしい」とも語ったという。

 菅氏をめぐっては、岸田氏と距離を置く二階、石破、石原各派との連携強化の臆測が自民党内で飛び交う。政府内では、菅氏退陣後に政権批判を強める日本維新の会とのパイプ役になってもらう期待もあり、「首相は菅氏に接近を図っているのではないか」(関係者)との見方が出ている。 』

安倍政権の看板部署廃止

安倍政権の看板部署廃止
「岸田内閣の政策進める」
https://nordot.app/831743365922750464?c=39546741839462401

『松野博一官房長官は12日の記者会見で、安倍政権の看板政策を進めた四つの部署を廃止したと発表した。1億総活躍働き方改革人生100年時代統計改革を推進した4室。松野氏は統廃合の理由を「岸田内閣の政策を進めるためだ」と説明した。

 感染症対策を担う内閣官房組織も統廃合した。「新型コロナウイルス感染症対策推進室」「新型インフルエンザ等対策室」「国際感染症対策調整室」の三つを「新型コロナウイルス等感染症対策推進室」に一本化した。』