日本政府「痛切な反省とおわびの気持ち示す。韓国肩代わり案決定で」

日本政府「痛切な反省とおわびの気持ち示す。韓国肩代わり案決定で」・嘘や偽物に馬鹿!学習能力ゼロ
https://ameblo.jp/deliciousicecoffee/entry-12787083083.html

『日本政府は、元徴用工訴訟問題で韓国の原告らが求める日本側の謝罪について、日本企業の賠償を韓国財団に肩代わりさせる解決案を韓国政府が正式決定すれば、「痛切な反省」と「おわびの気持ち」を示す方向で検討に入った。

日本政府関係者が1月28日に明らかにしたと、共同通信が報じた。

まず、『日本企業の賠償を韓国財団に肩代わりさせる解決案』とか報じているが、全然『肩代わり』ではない!

1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」しているため、現時点で日本企業が賠償する必要はゼロだ!

次に、『「痛切な反省」と「おわびの気持ち」を示す』とか言っているが、徴用された労働者たちには高額の給与が払われていたのだから、何について反省してお詫びを示すのか全く意味不明だ!

徴用令は、日本人や台湾人に対してはもっと長期間発令されていたのだから、もしも朝鮮人の元徴用工に対して反省とお詫びの気持ちを示すなら、日本人や台湾人の元徴用工に対しても同様に反省とお詫びの気持ちを示す必要が生じる!

さらに、そもそも当該『韓国の原告ら』は本物の元徴用工ではなく、完全な偽物だ!

つまり、本件については、自称『徴用工』(偽物)が真っ赤な嘘を吐いて被害を捏造していることが明白なのだ!

偽物や嘘に反省と謝罪を繰り返す日本政府は、学習能力ゼロ!

韓国は、竹島から出て行くまで、完全なる日本の敵国!

日韓断交!

1月30日、所謂『元徴用工問題』をめぐって、日本と韓国の外務省の局長が、ソウルて議論した。

日本の外務省関係者は「一致するところと相違するところがある」と述べ、日韓の考えに溝があることを示唆した。

以上が、概要。

20230131日本政府「痛切な反省とおわびの気持ち示す。韓国肩代わり案決定で」・嘘や偽物に馬鹿!学習能力ゼロ』

動くゴールポストにゴールを入れる

動くゴールポストにゴールを入れる | 韓国しじぷさり日記
https://ameblo.jp/edamamemame/entry-12787159379.html

『岸田政権でまた動くゴールポストにボールを入れようとし始めるとは、

なんかしがらみがあるんでしょうか?国益があるんでしょうか?

徴用工問題で、謝罪をするかどうか、自民党内でも慎重論。

しかし、一番大きな問題は、たとえ動くゴールポストに見事にゴールインしたとしても、・・・・実は得点にはならないという問題。

・・・・・保守派のユン大統領は、ゴールしたら得点したことにしてくれるんでしょうかね?

オウンゴールで逆に得点を取られたりしてー笑

日本メディア「強制徴用の日本企業、賠償に直接関与しないことで調整」中央日報 – 韓国の最新ニュースを日本語でサービスしますリンクjapanese.joins.com

徴用工として強制労働をさせられたとして裁判を起こしている韓国人たちが実は徴用工ではなく斡旋工や応募工であったりすることから、日本政府は「旧朝鮮半島出身労働者問題」としており、この問題を、

大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行

としています。ですので、

日本人としてみれば、「韓国政府は条約に基づく義務を履行せよ」。この当たり前のことを言っているだけなのですが、それがどうややこしいことになるのかというと、韓国がややこしいことをしているからです。

今回、日本側としては「蒸し返し」でしかないのですが、韓国側としては進展(つまり韓国としての大後退)があります。

賠償は韓国側で行う、ということです。これは日本から見たら当然なことですが、韓国にしてみればあり得ないこと。でもそれをユン大統領は行います。

申し訳程度に、日本の協賛企業も募る、としてあります。心ある良心的な日本企業は(ロッテとか?ラインとか?)韓国に寄付してもいいんですねー。

韓国が「日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務を履行」する大決断をしたことへの応援として、岸田政権は応援として、もういちど「反省とお詫び」を表明する・・・ことになるわけかな?支持基盤の弱いユン大統領ですから応援。

リップサービスならする? 

いえいえ、「心からの反省とお詫びじゃない」って、いつもの堂々巡りに終わるでしょうよねー。

せっかく無視していたのに蒸し返して、永遠に終わらないことを再確認するだけになりそうな・・・

でも永遠に蒸し返されるのもこの立場としては日本としてはリップサービスを蒸し返されるわけで、申し訳として日本企業も参加するとして、実質の賠償責任は韓国が取るというのが本質かな。

一応大進展なわけですよ。

いやいや、大統領が変われば元の木阿弥ですから何とも言えましぇーんがね。

対馬から盗難の仏像「日本側に所有権」 韓国高裁が1審取り消し【ソウル=時吉達也】長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団が韓国に持ち込んだ仏像をめぐり、「数百年前に略奪された」と所有権を主張する韓国の浮石寺(プソクサ)が像…リンクwww.iza.ne.jp

これも韓国がややこしいことをしていたわけです。そして当たり前なことを当たり前にせよという判決なのですが、韓国人としては本意ではないでしょうね。

本意ではないとしても、

高裁判決は、14世紀の仏像製作当時は浮石寺が所有権を保有していたと認めた上で、現在の浮石寺と同一の運営実体だとする証明が不十分だと指摘。日本に渡った経過については「倭寇による略奪をうかがわせる相当の状況がある」としたが、観音寺が長年占有したことにより日韓の民法上の「取得時効」が成立し、現在の所有権は観音寺側にあると認定した。

民法上は、「10年前に窃盗団に盗まれて不法に韓国に持ち込まれたという事件の本質に立ち返るべきだ」(対馬の観音寺住職さんの訴え)

韓国の情緒法上は「倭寇に奪われたという事件の本質に立ち返るべきだ」なわけですが、大統領が検事さんですときちんと「法を守って」くれるのかもしれません。(大統領が人権弁護士さんですと、「法で弱者を守って」くれるわけですが)

韓国の最高裁でこう決めてくださいましたので、(慰安婦問題は最高裁がああ決めましたが)、

日本としては、韓国の気が変わる前に、つまり政権が変わる前に、引き渡しを急がなければなりません。

日本人として「当たり前」なことは韓国では「当たり前」ではありません。

日本人の約束や法や国際法を守る感覚も韓国では受け入れられない。

けれども、保守脳、リベラル脳というのがきっとあるのでしょうよ。私見ですが、韓国の保守さんたちの考え方は日本人に近い現実的な思考回路をします。もちろん国益の違いはあれども、現実を見ていること、周りを見ていること、それら基本認識が共通であって、その上での考え方やアプローチが似ていれば、すり合わせはしやすいことでしょう。

一方、韓国のリベラルさんたちの考え方は、「楽しいいつものぶっ飛んだ韓国の考え方」なようです。非常に観念的。

見えている世界が違い、思考回路が違い、使う方程式が違う上に代入するXやYやAやBの変数も違うならば出てくる回答は想像を絶するものになります。

事実の選択と観念に基づいた、「こうであるべき韓国論」「こうであったに違いない韓国論」「こんなにひどい日本論」、「半万年の歴史、日本の文明の起源は韓国」「サムライの起源は韓国のサウルアビ(戦う父ちゃん)」「万葉集は全て韓国の流行歌」「日本は韓国が生んだ国」「韓国は全ての面で日本を圧倒した」「二度と負けない」「NO JAPAN」「行きません買いません」「人類普遍の倫理道徳性」「韓国は世界の霊的指導国家」・・・そんな感じ。

(リベラルでひとくくりにまとめてはいけないものまでまとめてしまったかな?現実脳と理想脳、ネガティブ・リアル・シンキングとポジティブ・ファンタジー・シンキングと言いたかったわけですが。)

ムン政権が一つのピークでしたでしょうか。

まぁそれでも、そのお隣の北朝鮮に比べれば、それでも圧倒的に理解しやすい人たちではあります。

だって日本人も隣国の思考回路を、もう相当わかってきているではありませんか。

つまり、それでも比較的わかりやすい人たちなわけですよ。

韓国は序の口で、その後に序二段がいるとな。笑

わたしたちもレベルアップしていかなくてはいけません。

ようやく、一番近い隣国のことをちょっと知って、ちょっと進展しただけなのです。

今年ももう1か月が過ぎてしまいました。

今日から2月、ふぁいてぃ~ん。(韓国式英語)

徴用工 #旧朝鮮半島出身労働者問題 #観音寺 #仏像 』

シェルター ミサイルなどから避難

シェルター ミサイルなどから避難
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67938590X20C23A1EA2000/

 ※ こうキナ臭くなったんじゃ、ざっと「当たり」くらいは、つけておいた方がいいぞ…。

 ※ と言っても、せいぜいが「情報収集」するくらいのものだが…。

 ※ 自分の身と、大切な人の身は、自分自身で守る他はない…。

 ※ 他人は、全く当てにならない…。

 ※ ましてや、「政府」がお膳立てしてくれるなんてことは、絶対無い…。

 ※ ただし、「有事」には、「ミサイル攻撃」されるということは、政権内部においては、「当然の前提」のようだ…。「爆風被害」と言っているからな…。

 ※ 「核攻撃」も、「当然の前提」だろう…。

 ※ 「国民・大衆が、甚だしく動揺・騒ぎ立てる」から、声高には言わないだけの話しだ…。

『2023年1月27日 2:00

▽…ミサイル攻撃などを受けた時に住民が迅速に避難するための施設。明確な定義はなく、整備する際に必要な壁の厚さや扉の強度、換気機能の有無といった基準は定まっていない。核攻撃の爆発に耐える強固さや放射能対策の空気清浄機能を備えるタイプは「核シェルター」と呼ばれる。

▽…日本では都道府県が国民保護法に基づいて一定の基準を満たす場所を「避難施設」に指定する。対象には公民館や体育館などがあり2022年4月時点で全国に9万4424カ所ある。このうちミサイル攻撃による爆風などの被害を軽減できる強固な建物を「緊急一時避難施設」と定める。5万2490カ所あるが、被害防止の効果が高い地下施設は1591カ所にとどまる。

▽…内閣官房の資料によるとスイスやイスラエル、シンガポールは地下鉄駅や学校といった公共施設だけでなく個人の住宅にも一定の義務付けがある。韓国には義務がなく、一部地域で政府が避難施設の設置を補助した。米国は公共シェルターの整備はしていない。』

岸田首相、防衛増税前に衆院解散 具体的時期は言及せず

岸田首相、防衛増税前に衆院解散 具体的時期は言及せず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA27BXT0X21C22A2000000/

『岸田文雄首相は27日、防衛費増額の財源を確保するための増税を始める前に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見通しを示した。増税開始は2024~27年の適切な時期だと説明した上で「スタート時期はこれから決定するが、それまでには選挙はあると思う」と述べた。
BS-TBS番組で語った。具体的な時期への言及はなかった。いまの衆院議員の任期は25年まで。増税は法人、所得、たばこの3つの税が対象となる。27年度時点で年1兆円強を確保する方針は決定済みだ。

衆院解散に関しては自民党の萩生田光一政調会長が25日、増税前にすべきだと主張した。「7月の参院選で増税でまかなうと約束していない。明確な方向性が出たときは国民に判断いただく必要がある」と指摘した。

首相は自民、公明両党の連立政権の枠組みに国民民主党を加える可能性について聞かれると否定的に答えた。「具体的に連立の組み合わせが変わるような大きな変化はいま頭の中にはない」と言明した。

内閣改造を巡っては「年末年始その周辺での内閣改造はいま私の頭にはない」と話した。「何カ月先も考えていないという意味ではない」とも付け加えた。

【関連記事】

・復興相に渡辺博道氏就任 岸田首相、秋葉賢也氏を更迭
・秋葉復興相交代へ 場当たり閣僚更迭、岸田政権を痛撃
・自民党・萩生田政調会長、防衛増税前に衆院解散必要

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薬剤師の店舗常駐義務を緩和へ 「アナログ規制」見直し工程表

薬剤師の店舗常駐義務を緩和へ 「アナログ規制」見直し工程表
https://www.47news.jp/politics/8719400.html

『政府のデジタル臨時行政調査会は21日、目視や常駐の義務付けなど「アナログ規制」が含まれる法律や政省令9669件の見直しに向けた工程表をまとめた。副作用リスクの高い第1類医薬品の販売では薬剤師の店舗常駐義務を2024年6月までに緩和し、テレビ電話を用いた説明での販売を認める。政府は、アナログ規制見直しの一括法案を来年の通常国会に提出する。

 先端技術の導入を通じて社会のデジタル化を進めるとともに、人手不足の解消につなげる。工程表には、マイナンバーカードを使って年齢確認し、23年1月からコンビニのセルフレジで酒、たばこを買えるようにすることも盛り込んだ。』

「宇宙安保構想」初策定へ 官民協力、産業育成を重視―関連防衛予算5倍・政府

「宇宙安保構想」初策定へ 官民協力、産業育成を重視―関連防衛予算5倍・政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122000976&g=int

『日本政府が初めて、宇宙領域に特化した安全保障構想を文書にまとめる方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。経済や軍事、市民生活のあらゆる面において宇宙の重要度が高まる中、政府が宇宙利用の促進や産業育成を主導し、宇宙領域の能力強化を目指す。岸田文雄首相が近く方針を発表。文書の公表は来夏になる見通しだ。

宇宙能力「死活的に重要」 ウクライナ紛争でも浮き彫り―多国間連携、日本出遅れ

 新構想は米国の「国防宇宙戦略」に相当する戦略文書になる見込みだが、名称は未定。背景には、宇宙の重要性が高まり、陸海空やサイバーに並ぶ「戦闘領域」になった現在、「宇宙領域に特化した安全保障構想が不可欠」(関係者)との認識がある。防衛省の宇宙関連予算は2023~27年度に、最高で過去5年間の約5倍に当たる1兆5000億円規模に増えるとみられる。

 新構想の柱として、自衛隊と海上保安庁などによる宇宙空間の利用拡大、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業との連携強化を盛り込む。また、民間に対する投資拡大を明記。宇宙産業の人材育成や技術革新を促し、その技術力を国家の防衛に還元することで好循環を生み出す。

 中国やロシアが衛星攻撃兵器(ASAT)の開発・配備を進める中、「宇宙領域把握(SDA)」能力向上を図るとともに、多国間連携を通じて人工衛星を含む宇宙システムの防衛態勢も強化する。

 宇宙領域を巡っては、20年時点で約40兆円とされた世界の宇宙産業の市場規模が、40年には約100兆円に膨らむと試算されている。軍事における通信や情報収集、ミサイル防衛だけでなく、全地球測位システム(GPS)や現金自動預払機(ATM)などの社会システムも宇宙に依存している。

 ただ、人工衛星などの宇宙システムは極めて脆弱(ぜいじゃく)で、有事には宇宙システムを破壊するだけで敵国の戦力を大幅に弱体化させ、社会を混乱に陥らせることができる。米国は数千~数万個の安価な小型衛星を張り巡らせる「衛星コンステレーション」を構築し、一部の衛星が使用不能になってもすぐに代わりの衛星を配備できる態勢を整える計画だ。

 日本政府は16日に公表した国家安全保障戦略など安保関連3文書で、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称すると明記。ミサイル防衛用の衛星コンステレーション構築を含め、宇宙作戦能力を強化する方針を示した。 』

日本の防衛を危機に!なぜ公明党は中国に配慮するのか?

日本の防衛を危機に!なぜ公明党は中国に配慮するのか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221214-00328306

『安保3文書案に関して公明党が中国に配慮し「わが国」を削除して「脅威」だけを残した。中国で絶賛されている公明党は、遂に「中国の戦友」とまで呼ばれるようになった。その動画を文字化してご紹介する。

◆中国の顔色を重視して日本の安保理念のレベルを下げる公明党

 日本の安全保障に関する「安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)」の文案討議に当たって、政府が当初示したのは「中国が日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイルを打ち込んだ事例」に触れた上で「わが国および地域住民に脅威と受け止められた」とする文案だった。

 しかし公明党が反対した。

 日本の多くのメディア(たとえば産経新聞)などによれば、公明党の言い分は「せっかく(11月17日にタイのバンコクで)日中首脳会談をやって安定的な関係を築こうと打ち出した矢先に、なぜ『脅威』などと書き込むのか。外交の妨げだ」ということだったという。9日の与党実務者ワーキングチーム会合で、公明党は一連の文言の削除を迫った。

 その結果、「わが国および」を削除して、「地域住民に脅威と受け止められた」とすることになった。

 脅威を受けているのは「わが国」=「日本」ではなく、「弾道ミサイルが着弾した地域住民だけ」という論理だ。

 そのような「中国の顔色を窺(うかが)ってばかりいる公明党」に妥協した岸田政権も許せない。

 北朝鮮の問題もあろうが、日本のEEZに中国のミサイルが着弾したのは日本を戦争に巻き込む危険性があるからこそ安保3文書が出てきているわけだし、防衛費の増額も図ろうとしているのではないのか。

 それなのに、「わが国および」を削除したら、「日本国は脅威を受けていない」ということになり、防衛費を増額する理由も立ちにくい。地域住民だけが脅威を受けているのに、日本国民全体の増税をするという論理も成り立ちにくくなる。

 このような矛盾した論理を平気で持ち込むほど、自民党にとって公明党は大切なのか?
 そして、公明党はそこまでして、なぜ中国の顔を立てなければならないのか?

 公明党が守ろうとしているのは日本国民ではなく、中国への配慮なのか?

◆中国では「戦友」とまで絶賛されている公明党

 中国のメディアでは、公明党が「わが国」を削除したことに関して礼賛の声が高く、「日本は結局、中国を脅威とは位置付けていない」というコメントがネットにも満ち溢れている。

 2021年10月7日のコラム<「公明党から国交大臣」に喜ぶ中国――「尖閣問題は安泰」と>や10月27日のコラム<日本を中国従属へと導く自公連立――中国は「公明党は最も親中で日本共産党は反中」と位置付け>などにも書いた通り、中国では公明党以上に親中的な政党はないと評価している。

 このたびはまた、「安保3文書」に関して、公明党を「中国の戦友」とまで持ち上げる動画を見つけたので、それを文字化して和訳し、ご紹介したい。

 動画を作成したのは劉曉非という論客で、今年10月22日の段階で「日本の公明党は公開で中国を力の限り支えている」というタイトルで、公明党を「中国の戦友」とまで讃えている。以下はその内容だ。

劉曉非氏のウェブサイトより

皆さん、こんにちは。私は劉曉非です。

 最近、日本の自公連立与党が作業グループを結成して会議を開き、国際情勢について議論しました。議論の内容は、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3つの重要文書の改訂に関してです。

 両党は話し合いの中で、ウクライナ問題に関しては、ロシアの脅威が高まっていることで一致しましたが、中国に関しては一致しませんでした。自民党関係者は、中国の判断を重大な安全保障上の脅威のレベルにまで引き上げるべきだと言いましたが、公明党は「そんなことは言ってはならない。公明党は安全保障戦略において中国に対する強硬的な言葉を用いることには賛成できない。日中関係を重視しなければならない」と強く主張したのです。

 もっとも、今回の公明党の主張は意外ではありません。彼らはいつもそうだったからです。1960年代半ばの発足から現在に至るまで、この党の基本方針は、日本の軍国主義に反対し、日中友好と日韓友好を主張することにあります。この党の創始者である池田大作の教師の一人は、第二次世界大戦中に軍国主義に反対したため、刑務所で亡くなりました。池田の兄は、中国での作戦に参加させられましたが、帰国後、池田に中国における日本軍のさまざまな悪行を話して聞かせたので、池田は幼い頃から軍国主義に反対していました。したがって公明党はずっとこの考え方に沿って、こんにちまで歩んできました。

 1968年、中国が国連での法的地位を回復する前から、池田は公明党を代表して政策を発表し、日本は中華人民共和国を承認し、日中は外交関係を正常化し、国連は中華人民共和国の法的地位を回復させるべきだと主張していました。1969年、公明党は「台湾問題は中国の内政問題であり、日本人は干渉してはならない」と主張しました。1971年には、「一つの中国」を支持し、「二つの中国」に反対しました。そして過去における、いわゆる「日台条約は違法で無効であり、米軍は台湾と台湾海峡から撤退しなければならない」とも主張していたのです。

 その後、日本の一部の歴史教科書が戦争を美化した時には、公明党は基本的に私たち中国側に立って、中国の味方をしたのです。

 しかも、2015年、公明党党首の山口那津男が訪中したのは、中国人民抗日戦争記念館に行き、戦争に反対する意思を表明するためでした。靖国神社参拝についても、公明党は日本政府要人の参拝に一貫して反対してきました。今年4月に安倍晋三元首相が靖国神社を参拝したときにも反対表明をして、安倍晋三に釘を刺さなければならないと発言しています。

 だから今、日本の連立与党の一員として、公明党は自民党に対し、中国とアメリカの間で一方的な立場に立たないよう警告を発し続けなければならないし、またアメリカの共犯にならないように注意を喚起しなければならないのです。日本はアメリカの東アジア担当副保安官ではないのですから。

 結局のところ、日中間に横たわる多くの問題に関して、公明党は基本的に私たち中国と同じ立場に立っていると結論付けることができます。これこそが、わが国(中国)の指導者が、公明党を日本の政界との重要なコミュニケーションのチャネルとして積極的に利用する理由なのです(筆者注:こうして中国は公明党などを介して日本の政治をコントロールしている!)。

 では(中国)国内の外交界はどうみているでしょうか?

 一般に、公明党は刹車片(ブレーキ)とみなされています。つまり、日本の自民党や他の人々が歴史の車輪を戻し、極端な右翼に偏り軍国主義の方向への行動が出始めると、公明党が現れて、そういった動きにブレーキをかけるということなのです。少なくとも、この右翼傾向の趨勢を減速させることができます。

 もちろん、公明党の役割には限界があります。日本最大の政党ではなく、日本社会全体が右傾化傾向にある中で、公明党が動員できる人数は多数を占めているわけではないからです。

 したがって私たち(中国人)は、公明党が中国と完全に一致しているから公明党がいてくれさえすれば日本全体にブレーキを掛け、全ての問題を解決してくれると期待するわけにもいきません。

 しかし、日本にこういう一群の人たちがいるということは、限りなく重要なことです。(一部省略)公明党は今もなお、アメリカが日本を使って中国と戦わせようとしていることに反対し、日本の軍国主義に反対しているのです。

 ですから、彼ら(公明党)の声が大きくても小さくても、数が多くても少なくても、私たちは皆、彼ら(公明党)が成し遂げてきた成果を忘れてはなりません。私たちと同じ塹壕の中で戦ってくれている限り、どの国の人であれ、彼らは皆、私たちが尊敬しなければならない戦友なのです。

 以上が動画の内容だ。

 特に太字部分と、そこに書いた「筆者注」にご注目いただきたい。

◆自公連立は日本の国益にかなうのか?

 一部では、公明党の山口那津男氏が、年明けには訪中する予定があるから、「わが国および」を削除させたのだろうという見方もあるが、それはそれで正しいとしても、とてもそのようなレベルではなく、公明党そのものが、「中国のためにある日本の政党」のようなものなのである。

 それも、このような世界一「親中」の党が、日本の政権与党であるという現実を、日本人はどう解釈すればいいのだろうか?

 自民党がなぜ公明党と手を組んだかに関しては少なからぬ本が出版されており、筆者は勉学のために佐高信氏が著した『自民党と創価学会』を読んだ。その帯には「理念なき野合の内幕を暴く」とか「自民党 政権維持のために信義も捨てる」などという言葉が並んでいる。つまり、票集めをするために公明党と組んだのだということが、さまざまな証言を基に書かれている。

 となれば、目的は旧統一教会と組んだのと同じで、違いは、旧統一教会は政党を立ち上げていないということと、公明党は信者から強制的に寄付を集めるという反社会的行動はしていないということになろうか?

 何れにしても、「票集め」により「政権を維持するため」ということでは一致しているわけで、自民党がいつまでも「反日・親中・親韓」的傾向の強い政党と手を結んでいるべきではないと思うのは筆者ひとりではないだろう。

 自民党自身の中にも、二階俊博(としひろ)元幹事長や林芳正(よしまさ)外相のように、中国に高く評価されている親中派がいるので、もし「思想信条」で結ばれているのなら、自民党自身も二つに分けるべきではないかとさえ思うのである。 

 分けないのは、そうすれば「自民党内の右も左も」当選できるからで、政権与党を維持するために「思想信条」=「信義」を捨てたと言われても仕方ないだろう。

 これが日本の民主主義なのだから、何とも情けない。

記事に関する報告

遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

自民党と国民民主党の連立政権構想、実現の可能性

自民党と国民民主党の連立政権構想、実現の可能性…岸田政権、財務省依存の末路
https://biz-journal.jp/2022/12/post_329602.html

『12月2日に時事通信が報じた「国民民主党、連立入り」報道が話題になっている。これは岸田文雄政権の窮余の一策として、自民党が公明党との連立政権に国民民主党を組み込もうと動きだしたというもの。報道によると自民、国民両党幹部はこれまで極秘に接触を重ね、岸田首相も連立構想に「ゴーサイン」を出し、玉木雄一郎・国民民主党代表も腹を固めたなどと報じられた。“死に体”の岸田首相の奥の手が国民民主党との連立だった、ということで永田町はちょっと騒めいたのだ。

 だが、騒めきが「ちょっと」だったのは、この奇手、タネがバレバレのへたくそなマジックみたいなものだったからなのだ。それは岸田政権、国民民主がお互いに秋波を送り合っているのは周知の事実だったからである。実際、今年に入ってから自民党は、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除を唱える国民民主に配慮。国民民主が自民案に賛成するなど、他の野党とは一線を画した行動を取っていたからだ。

 連立報道について、岸田首相は「まったく知らないし、考えていない」と否定し、国民民主の玉木代表も「報道のような事実はない。野党の立場で、是は是、非は非、ということでやっていく」と否定した。しかし前述のように国民民主が野党でありながら、今年度の本予算や第1次補正予算に続いて、第2次補正予算にも賛成しており、岸田政権と近くあろうとしていることは周知の事実なのだ。
財務省コネクション

 実は国民民主に対する連立打診も今回が初めてではない、と永田町ではいわれている。1年前くらいから、岸田首相の切り札は国民民主だということは知られた話だったのだ。

 なぜ、国民民主との連立なのか。要は単純な話なのである。岸田首相の懐刀といわれている木原誠二・官房副長官と玉木代表が東大法学部の同窓で、1993年に旧大蔵省(現財務省)入省の同期というつながりからコネクションが深いということなのだ。また、国民民主の古川元久氏(国対委員長)は88年に同省入省というつながりもある。つまりお友達に、この苦境を打開したいと相談しているということでしかない。財務省コネクションによる発案であり、岸田政権を下支えしている財務省本体もこの話をバックアップしているともいわれている。

 また。玉木氏は自民党の故・大平正芳の選挙区を継いだ議員でもあることもポイントとなる。大平氏は元大蔵官僚であり、政治家に転じてからは宏池会会長も務めた大物政治家だった。そして玉木氏とは縁戚関係にあり、地盤を引き継いだという関係がある。つまり玉木氏は財務省だけではなく、宏池会色もあるわけで、現在の宏池会の領袖でもある岸田首相にとってアレルギーがないともいわれている。

 口の悪い自民党関係者は「官僚出身者の浅知恵」と連立話をバッサリと斬り捨てる。つまり連立話は岸田首相の人脈、そして政治力のなさを浮き彫りにするものだからだ。そして「財務省政権」「官僚政権」などと呼ばれる岸田政権が、いかに財務省に依存しているかを示すものでしかないからだ。

 連立は岸田首相にとってどのようなメリットがあるのか。国会において数を少し増やすというメリットはある。もしかしたら岸田政権と距離を置きつつある公明党に対するけん制という意味合いもあるかもしれない。しかし、世間的には大きなインパクトはない。

 これまで自民党と連立を組んだ野党は、社会党をはじめ軒並み衰退したという歴史がある。生き残っているのは創価学会が母体となっている政党である公明党だけ。つまり国民民主にとっては、連立は党の存亡をかけた決断となる。それでも話が消えないのはナゼか。

「玉木代表は“大臣になりたい病”で連立に常に前向きだからです。岸田首相が重量級の大臣ポストを約束すれば、玉木氏が連立話に乗る可能性は極めて高いとみられています」(政治部記者)

利害が一致した国民民主と岸田首相

 議席数が少ない国民民主にとって、現状を打開するには2つの選択肢しかないとされてきた。「日本維新の会」と合流して強い野党として生き残るか、連立を組んで自民に合流するかの二択。かつての民主党として一緒だったものの、いくつかの禍根を残して袂を分かつことになった立憲民主党と協力するという案はないとされている。

 だが今年に入って玉木氏の与党への秋波が強まったせいで、維新サイドは国民民主との連携に興味を失って行く。2月には国民民主が衆院本会議で政府の新年度当初予算案に賛成したことについて、日本維新の会の松井一郎代表(当時)は「連立を目指しているんだなということがひしひしと伝わってきた。与党になるというなら、もう連携はできない」と厳しく批判したのだ。そして連立報道が出た後も、維新・現代表の馬場伸幸氏が「国民は、完全に与党としての動きをしている。中途半端なことはやめ、与党入りすればいいのではないか」と突き放した。つまり国民民主は常に与党に秋波を送っていたことで、彼らにとって残されたカードは連立入りしかなくなったともいえる状況下にあるのだ。

 一方で岸田首相も同じような苦境にある。山際、葉梨、寺田氏が相次いで沈没と大臣辞任ドミノとなり、支持率は30%台を切るのも時間の問題といわれている状態にある。

「政治とカネの問題で辞任した寺田総務大臣の後任が松本剛明氏だったことで、大臣のなり手がいないことが露呈した。松本氏は民主党出身の外様だったからです。菅義偉氏が入閣にまったく興味を示さないように、おそらく自民の重量級議員は泥船に乗るつもりがなく、岸田政権と距離を置き始めているので、松本氏しかいなかったとみられています。

 同じことが国民民主との連立案についてもいえます。もはや自民をコントロールする力は岸田首相にない。そこで大臣を餌に国民民主を呼び寄せれば、木原官房副長官の存在もあり当面は岸田首相のいうことを聞いてくれる便利な道具、コマとなってくれるわけです」(前出・政治部記者)

 つまり国民民主と岸田首相は利害が一致した関係にあるのだ。果たして国民民主との連立構想が、支持率の低迷に歯止めがかからないダッチロール中の岸田政権にとって、起死回生の一手となるか。本当に連立が実現するかも含めて注視していきたい。

(文=赤石晋一郎/ジャーナリスト)

赤石晋一郎/ジャーナリスト

南アフリカ・ヨハネスブルグ出身。講談社「FRIDAY」、文藝春秋「週刊文春」記者を経て、ジャーナリストとして独立。

日韓関係、人物ルポ、政治・事件など幅広い分野の記事執筆を行う。著書に「韓国人韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち」(小学館新書)、4月9日発売「完落ち 警視庁捜査一課『取調室』秘録」(文藝春秋)など。スクープの裏側を明かす「元文春記者チャンネル」YouTubeにて配信中

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首相に「黄金の3年」は来ない 総裁選と解散カレンダー

首相に「黄金の3年」は来ない 総裁選と解散カレンダー
編集委員 清水 真人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD143KP0U2A210C2000000/

『首相の岸田文雄が今夏の参院選で与党過半数を維持すれば、国政選挙の予定がない「黄金の3年」の安定期が到来する――。永田町に流れるこんな観測に現実味は乏しい。野党が力不足でも、政局カレンダーは甘くない。次の自民党総裁選と衆院解散・総選挙の順序をどう設定し、勝ち抜くか。新型コロナウイルス対策やウクライナ危機など目の前の懸案に追われる岸田。先を見据えた緻密な戦略も求められる。
「広島サミット」から次期衆院選にらむ
岸田首相にG7サミットの開催を要望した広島市の松井一実市長(左から2人目)=1月27日(広島市提供、共同)

「参院選が終われば、最長3年ほど大型国政選挙がない期間が続く。その間に憲法改正の国民投票を実施できればいい」

自民党憲法改正実現本部長の古屋圭司は日本経済新聞社のインタビューで、改憲への意欲をこう示している。今夏の参院選で与党が過半数を守れば、岸田は衆参両院で安定した権力基盤を手にする。次の参院選は3年後の2025年夏。衆院議員の任期4年の満了は25年10月だから、次の参院選まで解散しなければ、国政選挙のない「黄金の3年」がやって来るはずだ、というのだ。

国民民主党代表の玉木雄一郎もこの見解に同調している。岸田が衆参で自前の多数与党の基盤を固めることは、長期政権への一里塚にはなる。だが「黄金の3年」は幻になる公算が大きい。参院選から2年余り先の24年9月に岸田の再選がかかる自民党総裁選の壁が待つからだ。ここを突破しようとするなら、最大のカギとなるのは「首相の専権事項」とされる衆院解散・総選挙をいつに設定するかだ。解散風は必ず吹く。

カレンダーを足元から眺めてみよう。参院選で権力基盤を安定させると、岸田の目に入る次の重要な政権運営の節目は、23年初夏に日本が議長を務める主要7カ国首脳会議(G7サミット)だ。今年6月26~28日にドイツで開くエルマウ・サミットまでに開催地を決める。岸田の地元である広島市と名古屋市、福岡市が誘致に動く。

「米国に加え、英国やフランスといった核保有国のリーダーが被爆地に足を運ぶことには議論がある。いずれにせよ、これから各都市のアピールを比べて判断したい」

岸田は1月4日のBSフジの報道番組で、「広島サミット」には核保有国の理解など課題が多いとの言い回しで、逆説的だが意欲をにじませた。議長としてサミットを成功させれば、政権運営に追い風となる期待大。その余勢を駆って、前回衆院選から3年近くとなる24年9月の総裁選より前に解散する選択肢も出てくる。先に有権者の政権選択を仰ぎ、その勝利をテコにして総裁選を乗り切る戦略だ。
解散の前提に「1票の格差」是正
記者会見する自民党の茂木敏充幹事長(1月18日、党本部)

いまは党執行部を形成する幹事長の茂木敏充、政調会長の高市早苗、広報本部長の河野太郎ら「ポスト岸田」候補たち。総裁選で岸田に挑戦するつもりなら、遅くとも1年前の23年秋の内閣改造・党役員人事で無役に転じ、独自の政権構想を打ち出すのがセオリーだ。外相で岸田と同じ派閥の林芳正は、戦うより禅譲狙いだろう。岸田は総裁選情勢と内閣支持率を両にらみし、解散カードをいつ切るかを熟考するはずだ。

総裁選後に解散を持ち越し、任期満了を迎える25年に入ると夏の衆参同日選くらいしか有力な選択肢が見当たらない。政権運営が下り坂だと逃げ場のない「追い込まれ選挙」となるリスクもある。

岸田が解散権をいつでも行使できるようにしておく条件は2つだ。第1は、低くても40%超の内閣支持率を維持し、党内で「選挙の顔」として求心力を保つことだ。

そのためにはサミットなど外交・安全保障面の実績作りに加え、長期政権を狙う大義名分となる内政の重要課題への取り組みも必須だ。23年暮れには診療報酬と介護報酬の同時改定、24年には年金の財政検証が控える。コロナ禍で露呈した医療システムの非効率に切り込むなどの社会保障改革は待ったなしだ。脱炭素社会に向け、原子力発電の位置づけを含めた骨太なエネルギー戦略も欠かせない。
衆院選の「1票の格差」訴訟の判決を受け、札幌高裁前で「違憲状態」と書かれた紙を掲げる弁護士(2月7日午後)=共同

条件の第2は、衆院の1票の格差を最大2倍未満に抑える定数是正だ。21年の衆院選に対し「違憲状態」だったとの判決が高裁レベルで相次ぐ。衆院議員選挙区画定審議会(会長=帝京大教授の川人貞史)は20年国勢調査に基づき、都道府県ごとの小選挙区定数を「10増10減」とする区割り改定勧告をこの6月25日までに岸田に提出する。

定数は東京都で5、神奈川県で2、埼玉、千葉、愛知の3県で1ずつ増える。宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の10県で1ずつ減る。元首相の安倍晋三と林芳正が対峙する山口、元幹事長の二階俊博がいる和歌山などが減員県に含まれ、次期衆院選の公認調整の難航を危ぶんで自民党に強い反対がくすぶる。

「10増10減」勧告は格差を2倍未満に抑えるため、「アダムズ方式」と呼ぶ定数配分を採用する現行の区画審設置法に従った手続きだ。だから、他党からは自民党内の異論に対する批判が相次ぐ。岸田内閣は1月28日に閣議決定した答弁書で「勧告に基づき、速やかに必要な法制上の措置を講ずることとなるものと考えている」と表明した。区割り改定法案を国会に提出するのは、参院選の後だろう。
「首相の権力」安倍氏と菅氏の明暗
自民党総裁選への出馬見送りの意向を明らかにする菅義偉首相(21年9月、肩書は当時)

「総裁選と解散カレンダー」の教訓として、前首相の菅義偉の退陣劇を振り返ろう。20年9月に登板した菅は21年9月に総裁選、同年10月に衆院議員の任期満了を控えていた。当初は内閣支持率も高く、早期の解散・総選挙で有権者の信任を勝ち取り、その勢いで総裁選を乗り切る選択肢もあったはずだ。ただ、コロナ対策に追われ、解散カードを切るタイミングをつかみ損ねた。

総裁選が迫った21年8月。コロナ禍の拡大で支持率は30%台に低迷し、菅は「選挙の顔」として不適任だ、との逆風が党内で急加速する。そこへ岸田が出馬を宣言し、菅は守勢に回った。土壇場になって内閣改造・党役員人事を実施し、すぐ解散・総選挙を断行して総裁選は先送りする選択肢も描いたが、総選挙で自民党が敗北しかねないと猛反発を招き、退陣に追い込まれた。

支持率が下落し、首相が「選挙の顔」としての信任を党内で失うと、政権には急激な遠心力が働く。解散カードもさびつく。それを避けるため、好機とみればためらいなく「小刻み解散」を連発し、衆院選で勝ち続けて史上最長政権を築いたのが安倍だ。
衆院が解散され、一礼する安倍晋三首相(17年9月、衆院本会議場、肩書は当時)

野党自民党の総裁だった安倍は12年12月の衆院選で大勝して首相に再登板した。13年7月の参院選でも与党で過半数を獲得し、16年夏の参院選まで「黄金の3年」か、とささやかれた。だが、14年11月に任期4年の半分以上を残して衆院を突然、解散し、総選挙で大勝する。15年の通常国会で、集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障法制の整備に取り組むための足場固めだった。

安倍は16年7月の参院選も勝って「改憲勢力」で衆参の3分の2超を制した。今度は18年12月の衆院議員の任期満了までの2年半の間に改憲を本腰で目指すとみられたが、17年前半に森友学園問題で支持率が急落した。それが底を打って反転し始めた同年9月、またも自民党すら想定外だった抜き打ち解散。与党3分の2超を維持する圧勝を収めた。その代わりに改憲論議は寸断され、停滞した。

参院選は3年ごとの半数改選だ。そのはざまに任期3年の自民党総裁選も巡ってくる。衆院議員は任期4年だが、時の宰相は解散権をいつでも行使できると解される。この「首相の権力」の使い方で安倍と菅は明暗を分けた。結果として毎年のように重要な選挙があるので「黄金の3年」は訪れな

い。改憲も含め、じっくり取り組むべき政策課題はなかなか進まない。=敬称略

政治アカデメイア https://www.nikkei.com/theme/?dw=17090313 

解散風吹く2023年 岸田首相に「サミット花道論」の壁

解散風吹く2023年 岸田首相に「サミット花道論」の壁
編集委員 清水 真人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0946V0Z01C22A2000000/

『防衛費の大幅増額と増税案の骨格を何とか示した首相の岸田文雄。政局の長期カレンダーを眺めると、2023年5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)を成功にこぎつければ、その後は衆院解散・総選挙を考えてもおかしくない。半面、政権運営を安定させないと、むしろ岸田退陣を迫る「サミット花道論」が自民党から出かねない。

24年に自民総裁選の剣が峰

「国民の生命や暮らしを守る裏付けとなる安定財源の確保は将来世代に先送りせず、いまを生きる我々が対応すべきだ。将来の国民負担は明らかなので、誠実に率直にお示ししたい。未来の世代、未来の日本に責任を果たすため、ご協力をお願いしたい」

岸田は16日の記者会見でこう訴え、1兆円強の防衛増税案の実行に強い意欲を見せた。与党税制改正大綱で骨格は示したが、実施時期は玉虫色。この日は全閣僚と個別に面会し、異論を唱えた経済安全保障相の高市早苗や経済産業相の西村康稔にクギを刺した。増税を争点とする衆院解散・総選挙は「全く考えていない」と打ち消す。 

「岸田さんにとっては黄金の3年間ではなくなった。場合によっては、来年5月の広島サミットの後くらいに(衆院解散・総選挙の)チャンスを狙うしか方法がなくなってきている。このままジリ貧に陥るよりは何か(したい)と考えるだろう」

立憲民主党最高顧問で元首相の野田佳彦は11月2日のラジオ日本の番組で、内閣支持率が下落し、臨時国会でふらついた岸田の23年の政権運営をこう占って見せた。

3年後の25年7月の参院改選議員の任期満了と、同年10月の衆院議員の任期満了まで大型国政選挙の予定はない。その頃まで安定政権が見込める「黄金の3年」説もあったが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題などで、マスメディア各社による世論調査の内閣支持率は総じて30%台で低迷。最近では「地獄の3年」(日本維新の会代表の馬場伸幸)の局面反転の切り札として、抜き打ちの解散を野党は警戒する。

そもそも「黄金の3年」を決め込み、任期満了の年まで衆院選を持ち越すのは、時の首相から見てハイリスクだ。25年まで衆院選を待てば、同年夏の参院選は決まっているため、選挙時期は夏の衆参同日選の一本に事実上、絞られてしまう。この年に内閣支持率の下落などで政権運営が下り坂をたどっていれば、もはや衆院選を先に延ばす逃げ道は封じられ、「追い込まれ選挙」になりかねない危うさをはらむ。

21年に前首相の菅義偉は衆院の任期満了を目前に退陣を強いられた。それも支持率下落でこの悪い流れにはまったためだ。俗に「首相の専権事項」と言われる解散。国民に信を問う大義名分は求められるが、衆院選の時期を自由に選べることこそ、最大の妙味だ。では、岸田はいつその機を狙うのが合理的なのか。

「現総裁任期中に改憲」の公約

茂木幹事長はポスト岸田の有力候補の一人だ(8日、東京・永田町)=共同

政局カレンダーを25年から逆算してみると、24年9月に自民党総裁選が控える。岸田が再選されれば、2期6年の在任が視野に入る。長期政権を見据えた剣が峰はここだ。たとえば、幹事長として今は岸田を支える茂木敏充は、65歳の岸田に対し、年長の67歳だ。次の総裁選に挑戦しなければ、第2派閥の領袖として後がない。

最大派閥の安倍派も不安定要因だ。総裁選に向けて政調会長の萩生田光一、経産相の西村康稔、参院幹事長の世耕弘成らが次の領袖の座を争う。元首相の安倍晋三の「遺志」に誰が最も忠実かを競うあまり、防衛増税で反対論の震源地となった。最大派閥を維持して総裁候補を立てるのか、割れて党内秩序が流動化するのか。これも第5派閥の領袖にすぎない岸田の権力基盤を揺るがす。

最大派閥の安倍派では自民総裁選に向けて萩生田政調会長らによる後継領袖争いが続く(11日、台北市)=共同

そんな総裁選での再選に向け岸田が主導権を握る一手。それは総裁選前に解散権を行使し、衆院選で自民党を勝利に導くことだ。勝利の後に総裁選となれば、「岸田おろし」の大義名分は探しづらくなる。そう考えると、24年前半の衆院解散・総選挙が浮かぶかに見えるが、さらに考慮を要するのは憲法改正に関する岸田の「公約」だ。

「時代の変化に対応した憲法改正を進めていくべきだ。自民党が掲げている自衛隊の明記などの4項目は、どれも現代的な意味で重要な課題で、次の総裁任期中に改正の実現を目指し、少なくともメドはつけたい」

これは21年9月17日、総裁選の候補者による共同記者会見での岸田の発言だ。今年7月の参院選直後の会見で「できる限り早く改憲発議に至る取り組みを進めていく」と強調。10月18日の衆院予算委員会で「私自身、総裁選を通じて、任期中に憲法改正を実現したいと申し上げてきた。その思いは全く変わっていない」と繰り返した。

これだけ現総裁任期中の「改憲の実現」を口にしながら、具体的な成果がゼロでは党内保守派などから「公約違反」を問われかねない。24年9月の総裁選までに最終関門の国民投票までは行けなくても、目に見える「メド」が求められる。24年前半の通常国会で改憲発議にこぎつけるか、少なくとも、改憲原案を提出するなどの取り組みだ。ここまで前進すれば、保守派からの「岸田おろし」への抑止効果も期待できる。

迫り来る防衛増税や高齢者負担増

このように改憲論議を加速するにも、先に衆院解散・総選挙で国民に信を問うことが必須だとの声が党内で根強い。衆参両院で改憲発議に必要な3分の2以上の勢力を確保したうえで、事と次第では立民や共産党など改憲に慎重・反対の野党を押し切ってでも動く。そう腹をくくるには、衆院選での信任が不可欠というわけだ。

この改憲シナリオに従えば、24年前半の通常国会で改憲原案の提出や発議を目指すために、その前の23年中にも衆院解散・総選挙を断行する選択肢が浮かび上がる。

さらに最終決着を持ち越す防衛増税も「24年以降」の段階的実施を想定する。24年度からは全世代型社会保障改革の一環で、一定以上の収入がある75歳以上の後期高齢者の医療保険料の引き上げを見込む。65歳以上の介護保険料の一部上げも検討。これらの負担増も、それに先立つ23年中の衆院解散・総選挙の誘因となりうる。

ここまで政局カレンダーを逆算してきた。次に足元から23年の政治日程を見てみよう。岸田は1月召集の通常国会で、23年度予算案の3月中の成立に全力を挙げる。春闘での賃金引き上げは「新しい資本主義」の核心だ。4月8日に任期満了となる日銀総裁の黒田東彦の後任を、国会の同意を得て任命する。4月には岸田の求心力を左右しかねない統一地方選も控える。5月19~21日の広島サミットまで息つくいとまもない。

4月のこども家庭庁発足を踏まえ、岸田は年央に閣議決定する予算編成の指針「骨太の方針」で「こども予算の倍増を目指すための道筋を示す」という。これら外交、内政両面での政策課題の推進と並行して、自民党内では衆院の「10増10減」の定数是正に伴う公認候補の調整作業も急ぐ。衆院議員は解散をいや応なく意識する。

「国際賢人会議」の閉会セッションに出席後記者団の質問に答える岸田首相㊧(11日、広島市)=共同

野党陣営の立民と維新は国会では共闘するものの、政権交代を目指して大同団結するまでの迫力は見えない。岸田がサミットまでたどりつけば、その後はいつ解散を考えても不思議のない「常在戦場」となる。ただ、政権運営を立て直せず、支持率の低迷も続くようなら、もはや「選挙の顔」たりえないとして「サミット花道論」が与党内から強まりかねない。綱渡りの政権運営が続く。=敬称略 』

海保強化、「自衛隊と連携」明記 3文書改定で新方針

海保強化、「自衛隊と連携」明記 3文書改定で新方針
https://www.47news.jp/politics/8697842.html

『政府は16日、安全保障関連3文書の改定に合わせ、自衛隊との連携強化を盛り込んだ新たな海上保安庁の能力強化方針を決定した。自衛隊との関係は「それぞれの役割分担の下、あらゆる事態に適切に対応する」と明記。有事の際に防衛相が海保を指揮下に置く「統制要領」の策定やこれに基づく共同訓練の充実を図るとしている。

 岸田文雄首相は、首相官邸で開いた関係閣僚会議で「日本の海の安全を守り抜くため、関係省庁の持てる力を結集する」と表明。海保は、安保3文書改定に連動し、自衛隊との結びつきを強める形になる。海上保安庁法25条は非軍事性を定めており、整合性を問われる可能性もある。』

公明、中国「脅威」認識に難色 防衛3文書改定で

公明、中国「脅威」認識に難色 防衛3文書改定で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA129WT0S2A211C2000000/

『国家安全保障戦略など防衛3文書の改定作業で公明党が慎重論を唱える場面が目立った。中国を巡る情勢認識では自民党が主張した「脅威」という表現が国際秩序への「挑戦」と後退した。防衛装備品の輸出ルールの大幅な変更にも消極的だった。

【関連記事】

・中国の動き、秩序への「挑戦」 防衛3文書で自公合意
・防衛3文書、対中国を前面 「懸念」から「挑戦」に

日本をとりまく安全保障環境をどう理解するかで防衛力強化の具体策も変わってくる。台湾有事への備えなどで米国と歩調を合わせる必要性は高まっており、公明党の存在は日米同盟の不安定要因となりかねない。

自公の実務者は当初、10日までに3文書の骨子で大筋合意するとみられていた。複数の項目で公明党が難色を示し合意自体が12日にずれ込んだ。

公明党は特に中国に関する表現にこだわった。

自民党は4月の3文書への提言で中国を「安全保障上の重大な脅威」とした。日本政府が使ってきた「懸念」よりも強い表現だ。公明党の山口那津男代表は「あえて『脅威』と呼ぶのは望ましくない」と訴えた。

最終的に国家安保戦略で国際秩序への「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と盛り込んだ。

米国が10月に公表した国家安保戦略の「最も重要な地政学上の挑戦」に倣ったものだ。とはいえ、米国はオースティン国防長官が公の場で中国を「脅威」と発言しており日米の目線がそろっているとは言い難い。

米国は同戦略で中国について「国際秩序を塗り替える意図と能力を持つ唯一の競争相手」とも記している。

与党は3文書のうち国家安保戦略の下位文書にあたる国家防衛戦略で「脅威」という言葉は残したものの公明党の意向に配慮した。

脅威認識の対象を8月に中国の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した事態に絞り、さらに脅威は日本国でなく「地域住民」の受け止めという書きぶりで折り合った。

公明党は結党以来たびたび訪中団を送り、中国との関係を重視してきた。日中国交正常化で橋渡し役を果たしたことでも知られる。山口氏は近く3年ぶりとなる訪中を探っており、機運を保つために「脅威」という文言の明記を避けたとの見方がある。

拓殖大の佐藤丙午教授は「『脅威』という表現を避けたことがどう解釈されるかによって米中それぞれに誤ったメッセージを送ることになる」と指摘する。

公明党は海上保安庁の役割強化の是非についても主張を通した。

自民党内では海保が果たせる役割を広げるため、海保の軍隊としての機能を否定する海上保安庁法25条の改正や撤廃を求める意見がある。中国の海上法執行機関にあたる海警局の公船が大型機関砲を搭載するなど装備を増強しているのに対抗するためだ。

山口氏は「海保は軍事組織ではない。自衛隊とは区別すべきという考え方だ」と力説した。

3文書は海保に関し「自衛隊との連携・協力を不断に強化」という趣旨の記述にとどめた。海保を所管する国土交通相を公明党議員が務めることが多い事情もある。

防衛装備品の輸出ルールを定める防衛装備移転三原則でも「可及的速やかに見直せるよう検討」という箇所に反発した。

現状では護衛艦や戦闘機といった殺傷能力のある装備品は第三国に原則輸出できない。

自民党は防衛装備品を巡る外国との連携を強めるため輸出できる装備品の対象拡大を目指している。公明党との隔たりは大きく、運用指針の緩和を検討する方針を示し時期には触れなかった。

笹川平和財団の小原凡司上席研究員は緩和の議論が進まなければ「公明党の姿勢は防衛産業の維持に向けた足かせになりかねない」と話す。

ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、公明党は防衛力の強化自体には賛成の立場で自民党との協議に臨んだ。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」の保有でも厳格な歯止めは求めなかった。

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中林美恵子
早稲田大学 教授
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別の視点

これは安全保障の協議であるはずだが、根底にあるのは各選挙区での選挙協力に映る。抑止に資する安全保障能力向上で今が非常に重要な局面であるがゆえに、この記事は憂えるべき問題点を提示している。公明党の主張がどれほど一般国民の意向を反映しているものか(議席数も含めて)推し量った上で慎重に協議すべきだろうが、妥協の本質が実は(安全保障以上に)選挙協力であるとすれば、この記事で示された妥協の産物は、自民党本来の「選択」と「方針」ということになる。安全保障のために確保すべき安定的財源の議論や、このうように重要な3文書については、本質的な議論を望みたいものである。
2022年12月15日 8:10

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小泉悠
東京大学先端科学技術研究センター 専任講師
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分析・考察

「脅威」という言葉を使っても使わなくても中国が軍事的脅威であることはほぼ明らかであり、今回の戦略三文書では凄まじいまでの防衛力強化策も盛り込まれていますから、実態としては問題ないのだと思います。
むしろ公明党的なスタンスは安全保障のチェック・アンド・バランスを政権内で果たす上であった方がいいのではないでしょうか。
もうちょっと小狡いことを言うと、真正面から中国を脅威と位置付けるよりは、我が方の抑止力がもう少し向上するまでは日中関係が小康状態であってくれた方がいい、と言う気もしています。
2022年12月15日 9:54

川島真のアバター
川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
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分析・考察

「軍事と外交」はセットであり、通常兵器、サイバーなど多様な面で防衛力を向上させて抑止力を高めながら、外交の世界では無闇に相手を刺激したりしないでおき、何か生じたら事態の打開に向けて努力するのが、「平和と安定」を保つ上での基礎だ。中国を脅威と表現するか、挑戦にするかということは「言葉」の問題、すなわち外交だが、海保、サイバー攻撃、反撃能力は抑止力にも直結する問題だ。安定した関係は、こちらが抑止力を下がれば実現できるのだろうか。「軍事と外交」は両輪であり、その両面で中国を刺激しないように「低調」で臨めば、中国が一層日本に対して優勢になるだけで、「平和と安定」に至らないことも十分に考えられる。
2022年12月15日 6:45 』

防衛費財源、法人税4~4.5%上げ 自民税調案

防衛費財源、法人税4~4.5%上げ 自民税調案
所得税は1%
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA151VL0V11C22A2000000/

『自民党税制調査会は15日の幹部会合で、防衛費増額の財源として法人税を2027年度時点で4~4.5%上乗せする案をまとめた。増税の開始時期は「24年以降の適切な時期」として詳細は明記しなかった。16日にもまとめる23年度の与党税制改正大綱に反映を目指す。

政府は今後5年間の防衛費を43兆円程度とする方針だ。27年度時点で1兆円強を増税でまかなう。党税調は法人税、所得税、たばこ税の3つを組み合わせる案を示した。

法人税は本来の税率を変えず特例措置を上乗せする「付加税」方式をとる。法人税額から所得1000万円相当の税額控除をしたうえで、4~4.5%の付加税率をかける。中小企業の9割は増税の対象から外れる見通しだ。

所得税は「当分の間、税率1%の新たな付加税を課す」と記した。足元の物価高を考慮し、消費を冷え込ませないようにする。所得税額に対し2.1%の東日本大震災の復興特別所得税を1%引き下げ、負担が増えないよう配慮する。

37年で期限を迎える復興特別所得税は課税期間を延長する。1%の引き下げ分で復興の財源が減らないようにし「総額を確実に確保する」と強調した。延長幅は14年間を想定していたが、党内の反発を踏まえ具体的な延長幅は示さなかった。

たばこ税は1本あたり3円の増税とし段階的に引き上げる。国内の葉たばこ農家への影響に「十分配慮する」とも説明した。

3つの税目の増税の実施時期は「24年以降の適切な時期」との表現にとどめ、具体的な増税時期には触れなかった。

与党税制改正大綱には増税の方針を書き込むが、政府・与党は23年の通常国会に提出する税制改正関連法案で防衛財源を確保する増税は先送りする方向だ。

自民党の宮沢洋一税調会長は15日午前の幹部会合後、増税案について「全員に賛成してもらった」と記者団に語った。同日午後に開く党所属議員が参加できる会合で増税案を提示する。

党内には復興特別所得税の延長や増税そのものに反対する意見がなお残る。』

「密室」実務者協議15回 議事録非公開…国会素通りの安保大転換 政府3文書改訂で自公合意

「密室」実務者協議15回 議事録非公開…国会素通りの安保大転換 政府3文書改訂で自公合意
https://www.tokyo-np.co.jp/article/219489

 ※ やけに「唐突」な印象だったが、実は「15回」も会合したのか…。

 ※ 「寄らしむべし。知らしむべからず。」を、「地(ぢ)」で行ってるな…。

 ※ こりゃ、「国会」で紛糾ものだろう…。

 ※ それとも、「集団的自衛権の一部容認」の時で、「懲りて」「ステルスで行く」と決めたものか…。

 ※ いずれ、「王道を行くもの」じゃ無いな…。

 ※ 東京新聞も、「たまには」、良記事を書くな…。

『自民、公明両党は12日、政府の外交・安全保障政策の指針「国家安全保障戦略」など安保3文書の改定内容に合意した。敵基地攻撃能力(反撃能力)保有や防衛費の大幅増を了承したが、15回にわたる実務者協議は非公開の「密室」で、議事録は公表されない。政府は国会で「検討中」と曖昧な答弁に終始。戦後の安全保障政策の大転換にもかかわらず、国会で内容を巡る議論を素通りしたまま、政府は16日にも改定3文書を閣議決定する。(川田篤志、市川千晴)

【関連記事】安全保障、国民巻き込んだ議論必要 武力によらない道筋を…憲法や軍縮の専門家らが安保3文書の対案提言へ

 与党協議は10月中旬に始まり、実務者による協議は毎週1?2回のペースで計15回、両党幹部でつくる親会議は2回開かれた。実務者協議には政府側も出席し、敵基地攻撃能力の保有をはじめとした3文書改定の素案を提示。両党が協議し、了承する形をとった。

 協議は非公開。毎回、協議終了後に両党の代表者が記者団の取材に応じるが、政府の素案の内容や出席者の発言は「合意前なので」などと説明しないことも多く、どのような案がどのような議論で修正、合意されたかは不明。議事録を公表する予定もない。

 10日閉会した臨時国会では、野党議員から敵基地攻撃能力保有の目的や攻撃対象、軍拡競争が激化する懸念などさまざまな角度から質問が出たが、政府は多くの場合で明言を避け、「もっと情報を出さなければ国会で深い議論ができない」などの反発が相次いだ。

 安倍政権下での集団的自衛権の行使容認の場合、憲法解釈の変更は閣議決定だけで行ったが、集団的自衛権を実際に行使する手続きなどを定めた安全保障関連法の国会審議は200時間を超えた。敵基地攻撃能力の保有は憲法に基づく専守防衛を逸脱するとの指摘があるが、政府は国会審議が不十分なまま、閣議決定のみで決めようとしている。

 今回の3文書改定を巡っては、当初から「密室」議論が続いてきた。政府は1月から開始した有識者会合で計52人からヒアリング。全17回のやりとりをまとめた「議論の要旨」は公表したが、議事録は作成せず、各回の議事要旨も非公表だったため、各発言者の具体的な発言内容は分からなかった。9月に設置した別の有識者会議はわずか4回の開催で、議事要旨によると、敵基地攻撃能力の保有に関する言及は5カ所のみ。目立った議論はなかったが、報告書で保有が盛り込まれた。

 3文書を決定する首相や閣僚による国家安全保障会議は16回議論してきたが、これも内容は非公表だ。

 法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「専守防衛を変質させる安保政策の大転換なのに、情報公開がなく、国民は何も知らされていない。政権は全て結論ありきで進めている。選挙で防衛力増強のために増税するとは説明していなかった。議論の過程や根拠が見えず、国民は納得できない」と批判している。』

政府、自衛隊施設予算に建設国債 防衛力強化へ方針転換

政府、自衛隊施設予算に建設国債 防衛力強化へ方針転換
https://www.47news.jp/politics/8684193.html

『政府は2023年度から5年間での防衛力強化に向け、自衛隊施設の整備費の一部に建設国債を活用する方針を固めた。5年間で投じる約43兆円のうち、約1兆6千億円を建設国債の発行による借金で対応する方向だ。関係者が13日明らかにした。

政府は防衛関連施設は耐用年数の短さなどを理由に建設国債の活用を認めてこなかった経緯があり、従来方針の転換となる。明確な説明もないまま、なし崩し的な借金容認につながることに疑問の声も上がりそうだ。

 建設国債は財政法で定められ、道路や橋など将来世代にも恩恵をもたらす公共事業などが対象となる。』

防衛費増額、国民に理解求める 首相「重み背負い対応を」

防衛費増額、国民に理解求める 首相「重み背負い対応を」
https://www.47news.jp/politics/8685106.html

 ※ 言ってることは、「正論」だ…。

 ※ しかし、ただ唐突に「正論」ぶつけるだけでは、「政治家」じゃ無いだろう…。

 ※ 「評論家」じゃなく、「一国の舵取り」担う役職だ…。

 ※ 時には、「苦い処方箋」も、処方していく必要もあるだろう…。

 ※ それを、ある程度「飲み込ませるように」持って行くのも、「手腕」の内だろう…。

 ※ いかに安全保障環境が悪化し、対策打つのが喫緊の課題であるのか…。日本国民の一人一人が、「覚悟」を決めて、「一丸となって、立ち向かう」必要があるのか…。

 ※ そういう、「情勢」を醸しだしたり、雰囲気づくりしたり、「国民に語りかけたり」する行為が、あったのか…。

 ※ オレは、寡聞にして、聞いたこと無いぞ…。

 ※ 単に「正論」述べていれば、「周りが意を汲んで、お膳立てしてくれる」というハズも無い…。

『岸田文雄首相は13日の自民党役員会で、防衛費増額を巡り「責任ある財源を考えるべきだ。今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と述べ、増税を含めた財源確保に理解を求めた。

 ウクライナ情勢に触れ「自らの暮らしを守り、国を守るという国民一人一人の主体的な意識こそ何より大切だ」とも強調。「このことも十分念頭に置いて(財源確保策の)議論を進めていただきたい」と語った。

 2023年度から27年度まで5年間の防衛費を約43兆円に増やす方針については「財源面の理由で制約を課すことがあってはならないとの立場で指示した」と説明した。』

防衛費増額、岸田首相の指示小出しが裏目に

防衛費増額、岸田首相の指示小出しが裏目に
岸田予算 2年目の試練(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2961P0Z21C22A1000000/

『防衛費を2023年度から5年間で総額43兆円に増やし、そのための財源も年末までに結論を出すと表明した首相の岸田文雄。それに先立ち与党幹部との会談を重ねた。

「結論を得るべく協力してもらいたい」。11月24~27日、自民党副総裁の麻生太郎、幹事長の茂木敏充、政調会長の萩生田光一らと相次ぎ会って呼びかけた。28日は公明党代表の山口那津男の携帯電話も鳴らした。山口は「国民の理解が大事です」と伝えた。

その7時間後。岸田は首相官邸に財務相の鈴木俊一と防衛相の浜田靖一を呼び「財源がないからできないというのは通らない。様々な工夫で必要な規模を迅速に確保してほしい」と指示した。

□   □

岸田が自ら根回しせざるを得なかったのは岸田を支えるはずの自民党内で財源論自体を先送りする声が強まったためだ。

一因は政府の「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が11月22日に岸田に手渡した報告書にあった。

法人税などを念頭に「幅広い税目による負担が必要」とした内容に、23年春に統一地方選を控えた議員らが増税論を嫌って反発。当面は赤字国債を財源に充てるべきだとの意見が噴出した。

「少なくとも23年度からの増税は22年末に決めない」。報告書が岸田に手渡された翌々日の24日、萩生田は党政調全体会議でこう発言し報告書の内容にも「あれは参考文書だ」と難色を示した。岸田が萩生田に声をかけ食事をともにしたのはその翌日の夜だった。

溝は政府と党の間だけではない。27年度までの5年間の関連予算の総額を巡り政府内でも見解が割れた。防衛省は必要な額を48兆円程度、財務省は35兆円規模と訴えた。

落としどころを探ったのは自民党だった。萩生田らを中心に40兆~43兆円との目安を示し、それをもとに岸田は総額を43兆円にすると決めた。

その時点で与党の税制調査会や財務省と入念に相談した形跡はない。いまの官邸は党からは財務省寄りだと批判され、霞が関では党との調整不足への不安が広がる。

□   □

7月に元首相の安倍晋三が銃撃されて亡くなり政策の仕切り役が不在となった影響は大きい。

それまではまず安倍が主張を掲げ、岸田は安倍の意見を取り入れながら政策の着地点を探ればよかった。防衛費の国内総生産(GDP)比2%以上への増額や当面の財源を国債で賄う案も、もとは安倍が生前唱えていたものだ。

安倍がいなくなり、岸田は主導する力と調整力の双方を要求されるようになった。岸田のために前さばきする人材を要路に配置しなかった自らの人事のツケともいえる。

円滑に予算編成できるかどうかは政権基盤の強度を映す。

日本経済新聞社の世論調査で11月の内閣支持率は政権発足後で最低の37%まで落ちた。岸田が党側の意向を必死にくみ取ろうとする姿は支持率が低迷する状況でも物事を決めなければならない難しさを物語る。

「年内にある程度の姿を示さないと無責任なことになる」。岸田は首席の首相秘書官、嶋田隆にこう告げていた。11月末以降、党内の動向を見極めながら数日おきに決定を重ねたが、指示を小出しにする印象はかえって指導力に疑問符をつけた。

11月28日に防衛費増額の規模と財源の年内決着を、12月5日には5年間で総額43兆円にするよう求めた。8日には23年度は増税しないと表明。同時に27年度以降は毎年度、歳出改革などでは足りない1兆円強を増税で賄う方針も打ち出した。

さらなる反発が早々に公然と出た。翌9日の党政調全体会議では反対や慎重論が7割超に及び、なかには「増税するなら国民の信を問うべきだ」との声もあった。

安倍派内の主導権争いも絡む。国債発行という安倍の主張を後退させるわけにいかず、岸田への対決姿勢は先鋭化する。政策論議が政局とないまぜになって進む。

中国の軍事的台頭を前に国をどう守るかが本旨のはずだ。単なる増税への賛否という議論に陥れば本質を見誤る。財源論を巡る政府・与党内の混乱を中国はどうみているだろうか。(敬称略)

岸田政権にとって2度目の予算編成や税制改正が山場を迎えた。政権が目指す姿を示そうと苦しむ様子を追う。

【関連記事】

・中国の動き、秩序への「挑戦」 防衛3文書で自公合意
・首相の増税方針、閣僚・自民党三役に異論 防衛費財源で

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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貴重な体験談

なお、世界的経済学者のブランシャール氏は、今年3月の某寄稿で、一般的に安全な政府債務水準の普遍的な基準値はないとしています。
そして、マーストリヒト基準(財政赤字/GDP≦3%、政府債務/GDP≦60%)や「ブラック・ゼロ」と呼ばれる財政均衡政策は、遵守さえできれば、持続可能性の確保につながりますが、しかしそれでは制限すべきでない局面で財政政策を制限するという代償を払うことにもなると指摘しています。
2022年12月13日 8:25 (2022年12月13日 8:42更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

「安倍がいなくなり、岸田は主導する力と調整力の双方を要求されるようになった」という一文が、首相の置かれた立場を凝縮している。レーガン米大統領がいなければ米ソ冷戦の終結はなかったと言われることが多い。タカ派のレーガン氏であればこそ、米国内のタカ派を説得し、旧ソ連との妥協を実現することができた。強力なリーダーだった安倍元首相が急逝したことにより、安倍派は後継者を決められないまま、岸田首相が推し進める「防衛増税」に反発している。時事通信によると、ある政権幹部は「岸田首相対『安倍氏なき安倍派』の対決構図だ」と形容したという。この対決の決着の仕方によっては政権基盤が揺らぐ恐れもあると、同通信は報じた。
2022年12月13日 8:10』

防衛3文書、対中国を前面 「懸念」から「挑戦」に

防衛3文書、対中国を前面 「懸念」から「挑戦」に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA120T60S2A211C2000000/

『自民、公明両党が合意した国家安全保障戦略などの防衛3文書は中国の軍事動向への対応を前面に示した。2013年の安保戦略で「懸念」とした表記を「挑戦」に引き上げた。戦後、政策判断として控えてきた反撃能力の保有を打ち出した。

安全保障の最上位の文書と位置づける安保戦略はまず日本の安全保障環境を評価したうえで、政府としての目標やその手段を記す形式をとる。安保環境の内容は日本が防衛力を強化する根拠に相当する。

自公が最終局面まで詰めたのがその安保環境の分析だ。ロシアや北朝鮮よりも先に中国を取り上げ「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記述すると確認した。

防衛政策を定める国家防衛戦略にはより踏み込んだ言葉を用いた。中国による8月の日本の排他的経済水域(EEZ)へのミサイル発射に対象を絞りつつ「地域住民に脅威と受け止められた」と言及した。

中国はこの30年間で軍事費を40倍ほど増やし、米国が「米国の最も重要な地政学上の挑戦」と位置づけるまで軍事力を増強した。

防衛3文書は「挑戦」「脅威」を抑止するために、新たな防衛の手段を獲得する必要があると結論づけた。

踏み出したのが憲法9条に基づく専守防衛を背景とした戦後の防衛政策の転換だ。

反撃能力の保有を新たな防衛力強化の柱とする。専守防衛下の「必要最小限度の自衛措置」と位置づけ、武力行使3要件を満たせば相手領域にある「軍事目標」に反撃できる力を持つ。

反撃手段となる長射程のミサイルを導入する。国産型の改良に加え、米国製巡航ミサイル「トマホーク」を購入する。音速の5倍以上で変則軌道を飛ぶ極超音速誘導弾については潜水艦発射型も含めて開発する。

防衛費は「27年度に現在の国内総生産(GDP)の2%に達することを目指す」と記した。日本は1976年に国民総生産(GNP)比1%以内の枠組みを設け、それ以降ほとんど1%を超えたことがなかった。

国を挙げて安保政策に取り組むため、GDP比2%を達成する新たな枠組みも明記した。自衛隊や海上保安庁が空港や港湾などの公共インフラを使うための仕組みをつくり、科学技術研究を安保に転用しやすくする。

サイバーや宇宙、無人機などの新しい戦闘方法への対応を打ち出した。サイバー攻撃を未然に防ぐため、平時でも兆候があれば攻撃元に監視、侵入などで対処する「能動的サイバー防御」を導入する。

戦闘機や艦船の防衛装備品は維持整備費を倍増し、いつでも使える状態に保って稼働率を上げる。いまは交換部品の購入費が不足し動かせる状態にある稼働率は5割あまりに低下している。
自衛隊再編 着手へ 統合司令部・沖縄部隊格上げ

政府は与党の合意を経て中国をにらんだ自衛隊の再編作業に着手する。陸上自衛隊の定員を2千人ほど削り、海空に振り替える。沖縄方面の旅団をおよそ60年ぶりに格上げする。

再編の柱が台湾有事などの際に米軍と自衛隊の一体運用を可能にする組織の創設だ。陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」を設ける。

統合司令部を率いる「統合司令官」が部隊の指揮や米軍司令官との調整を担う。統合幕僚長が首相や防衛相の意思決定の補佐に軸足を置けるようにする。

南西方面で中国に対処するのが沖縄県の防衛や警備、災害派遣などを担う陸自の第15旅団だ。普通科連隊を1つから2つに増やし「師団」に格上げする。指揮官の階級は陸将補から陸将に上げる。

陸自は人員を縮小する。攻撃型無人機の導入に転換し、対戦車・戦闘ヘリコプターのAH1SやAH64Dは順次廃止する。60機ほどを減らし、1000人規模で人員を移す。観測ヘリコプターのOH1も偵察用無人機に移管する。

台湾有事で不可欠となる海空の部隊も増やす。航空自衛隊は宇宙領域の活用に力を入れるため「航空宇宙自衛隊」に改称する。3月に発足した宇宙作戦群を空将が指揮官となる「宇宙作戦集団」に改める。

サイバー要員を確保する。2027年度までにサイバー防衛に関する知識を持った自衛隊の人材を2万人規模に増やす。このうち3月に新設した自衛隊サイバー防衛隊を中心にしたサイバー防衛の専門人員は4000人程度に増員する。

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予算・税制2023
予算・税制2023 https://www.nikkei.com/theme/?dw=22110101 

2023年度(令和5年度)の税制改正と予算編成の議論が大詰めを迎えています。政府・与党は12月中旬にも与党税制改正大綱をまとめます。NISAやインボイス、自動車税、相続税など暮らしに関わる税制はどうなるのでしょうか。最新ニュースをこちらでご覧になれます。

【Q&A】税制改正の目的と手続きは
【解説】23年度概算要求、上限ない項目3倍に

生前贈与の相続税対象期間、7年に延長へ 政府・与党(5:24 更新)
所得30億円超の課税強化、政府・与党 25年にも(5:15 更新)

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防衛財源、24年度から段階増税 法人税は中小に軽減措置

防衛財源、24年度から段階増税 法人税は中小に軽減措置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA123860S2A211C2000000/

『政府・与党は12日、防衛費増額の財源の協議を続けた。2024年度から段階的に増税する方向で調整している。法人税を中心に、たばこ税と東日本大震災の復興特別所得税の枠組みを使った新税を組み合わせ年1兆円強の確保をめざす。

自民党税制調査会の幹部会合などで議論を続行した。岸田文雄首相は27年度以降に必要な年4兆円の防衛費増加分のうち、1兆円強を増税でまかなう考えを示した。

政府内には法人増税とたばこ増税でそれぞれ7千億~8千億円と2千億円強をまかなう案がある。さらに防衛財源向けの新税をつくり2千億円ほどを確保する案も浮上している。

所得税額に2.1%をかける復興所得税は22年度に4624億円の税収を見込む。このうち2000億円程度は新たにつくる防衛財源向けの所得税に振り向ける。

復興所得税の課税期間は37年までの25年間だ。この期限を延長して復興所得税の税率を下げ、浮いた分を防衛向けの新税に活用する。

首相は「個人の所得税の負担が増加するような措置はとらない」と強調した。復興と防衛の合計の税率は2.1%で据え置き個人の負担感が増えないようにする。

復興財源の総額も課税期間を延長することで、従来の計画と同額を維持する。

法人税は湾岸戦争の多国籍軍支援や震災復興の財源確保のために増税した。湾岸戦争のときは法人税額から300万円を差し引いた金額に2.5%をかけた特別税を課した。今回もこの付加税方式が検討の軸になる。

22年度の法人税収は13兆7870億円を見込む。7千億~8千億円の確保には単純計算で5~6%の税率をかける必要がある。もうけが少なく法人税の納税額が小さい中小企業は事実上増税の対象から外す方針だ。

たばこ税収は22年度の見通しで9340億円。21年度の販売本数は紙巻きが937億本、加熱式は460億本だった。

単純に1本あたり1円の増税で1400億円ほどの財源になる。東日本大震災の際もたばこ増税を検討したものの、葉たばこ農家の反発で見送った経緯がある。

一連の増税の大半は法人税が占める。防衛力強化の受益は個人や企業に幅広く及ぶ一方、大企業に負担が偏る可能性が高い。潤沢な内部留保や法人税の引き下げ競争からの世界的な反転に着目し、比較的批判が出にくいところに負担を求めた印象は残る。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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分析・考察

「防衛力強化の受益は個人や企業に幅広く及ぶ」わけであり、個人・法人を問わず、国民が広く負担するのが筋である。だが実際には、物価高に苦しむ家計や中小企業に追加で負担させることは政治的に回避され、議論の流れは「大企業に負担が偏る」「比較的批判が出にくいところに負担を求める」状況になってきた。この「とれるところからとる」発想に政府が傾く場面は、社会保障負担増をどこに求めるかでも増えている。だが、それらは弥縫策(びほうさく)と言わざるを得ない。縦割りで前例踏襲色が濃い予算編成手法の抜本的見直し、税収増加につながる可能性が高い海外からの人材受け入れ強化など、もっと早くやっておくべき施策があったと考える。
2022年12月13日 8:01

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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別の視点

『赤字国債=将来世代への負担先送り」ととってつけたように言われますが、政府債務はその裏で民間の資産となります。
そして賢く使われれば、その資産も将来世代に財産として引き継がれることになります。
このため、財政規律を過度に意識する前に、金融・財政政策を総動員して一刻も早く経済の長期停滞から脱することが未来の世代に対する政治の責任だと思います。
2022年12月13日 8:20

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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察

短期間に官邸と与党間のドタバタ劇が続いているが、国民の側からは、理解に苦しむ事ばかりである。まず、防衛予算を43兆円増やすというが、何に使うのか、中身が全くわからない。普通、何にどう使うから、予算を増やしたい、そのために国民に増税をお願いするというのが順番ではないか。予算増ありきで、中身は白紙委任というのは、政府としては自由度Maxで都合が良いのだろうが、国民としては(例え、予算増はやむを得ぬと思っている人でも)、納得いかないだろう。また、1兆円増税も唐突である。なぜ1兆円なのか。歳出改革で多くを捻出すると言うが、その積算根拠は何か。防衛費財源の「イメージ」?とは、随分、国民を馬鹿にした話だ。
2022年12月13日 7:52』

近く閣議決定へ “安保3文書”って何ですか?どうなるの?

近く閣議決定へ “安保3文書”って何ですか?どうなるの?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221212/k10013920331000.html

『防衛力強化に向けた「国家安全保障戦略」など3つの文書の案について、自民・公明両党が実務者協議で合意しました。両党は、アメリカの巡航ミサイル「トマホーク」の取得を新たに文書に盛りこむことも確認していて、政府は近く閣議決定することにしています。

3つの文書とは何なのか、どう変わるのでしょうか?

Q. “3つの文書”とは?

A. 国の安全保障に関する「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」を指します。

政府は防衛力の抜本的な強化に向けて年末にかけて改定する方針で、今の「防衛計画の大綱」が「国家防衛戦略」に、「中期防衛力整備計画」が「防衛力整備計画」に名称が変わることになります。

このうち、
▽「国家安全保障戦略」は外交・防衛の基本方針を定めたもので、平成25年に初めて策定されました。10年程度の期間を念頭に置いていて、改定は初めてになります。今の戦略では、基本理念に「積極的平和主義」の立場から国際社会の平和と安定に寄与することを掲げる一方で、中国の対外姿勢や軍事動向を「国際社会の懸念事項」と明記しています。

▽「国家防衛戦略」と名称が変更される「防衛計画の大綱」、いわゆる「防衛大綱」は日本の防衛力整備の指針で、10年程度の期間を念頭に防衛力のあり方や保有すべき水準を規定しています。昭和51年以降、過去6回、策定されています。改定されれば、平成30年以来となります。

▽「防衛力整備計画」に名称が変更される「中期防衛力整備計画」、いわゆる「中期防」は、「防衛大綱」に基づいて具体的な装備品の整備の規模や防衛費の総額などを定めたものです。今の「中期防」は、令和元年度から5年度までの5年間の計画で、防衛力整備の水準を総額27兆4700億円程度としています。

Q. なぜ改定するの?

A. 政府は覇権主義的な動きを強める中国と、過去に例のない頻度で弾道ミサイルを発射している北朝鮮、そして国際秩序の根幹を揺るがすロシアなど、日本を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増していることを背景に挙げていて、これまで自民党と公明党は防衛力の抜本的な強化に向けて協議を重ねてきました。

Q. 改定内容は?

では、具体的にどのように改定されるのでしょうか。それぞれについて詳しく見ていきます。

A. 「国家安全保障戦略」 中国の動向 “最大の戦略的な挑戦”

「国家安全保障戦略」では中国の動向に関する記述について「国際社会の懸念事項」としていたのを「わが国と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的な挑戦」と表現しています。

A.「国家防衛戦略」“反撃能力の保有”明記

「国家防衛戦略」には敵の弾道ミサイル攻撃などに対処するため、ミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」を保有することが明記されています。

具体的には、日本ではこれまで弾道ミサイルへの対処は迎撃に限られていましたが、攻撃を防ぐのにやむをえない必要最小限度の措置として相手国のミサイル発射基地などをたたくことができることになります。

反撃能力については「日本に対する武力攻撃が発生し、弾道ミサイルなどによる攻撃が行われた場合、武力行使の3要件に基づき、攻撃を防ぐのにやむをえない必要最小限度の自衛の措置として相手の領域でわが国が有効な反撃を加えることを可能とする『スタンド・オフ防衛能力』などを活用した自衛隊の能力」と定義しています。

「反撃能力」の保有が明記されたことについて、「国家防衛戦略」では日本へのミサイル攻撃が現実の脅威となっている中で、迎撃によるミサイル防衛だけでは対応できなくなっているためだとしています。

一方で、「反撃能力」は「必要最小限度の自衛の措置」などと定義し憲法や国際法の範囲内で行使されるとした上で、先制攻撃は許されないとして専守防衛の考え方に変わりがないことを強調しています。

A.「防衛力整備計画」 “スタンド・オフ防衛能力”に5兆円

3つの文書のうち「防衛力整備計画」では来年度から5年間の防衛費、およそ43兆円の内訳が明記されています。

それによりますと

▽敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ防衛能力」の分野におよそ5兆円の経費を盛り込んだのをはじめ、

▽航空機や艦船といった装備品の維持や整備におよそ9兆円、

▽新たな装備品の確保におよそ6兆円を計上しています。

また

▽自衛隊の隊舎や宿舎の老朽化対策などにおよそ4兆円、

▽弾薬や誘導弾の購入などにおよそ2兆円のほか、

▽無人機の早期取得や宇宙分野、サイバーの分野にそれぞれおよそ1兆円などとしています。

「反撃能力」を行使するための「スタンド・オフ防衛能力」などの装備として、

▽国産のミサイル「12式地対艦誘導弾」の改良型や
▽島しょ防衛に使う「高速滑空弾」を開発・量産するほか、
▽アメリカの巡航ミサイル「トマホーク」を念頭に外国製のミサイルの着実な取得を進めることが盛り込まれています。

令和元年度から5年度までの5年間の計画で総額27兆4700億円程度だったのが、来年度から5年間でおよそ43兆円になるとしています。

Q. 課題は?

A.「反撃能力」をめぐって、政府は行使のタイミングは相手が武力攻撃に着手した時点であり、先制攻撃は行わず、専守防衛を堅持するとしていますが、武力攻撃の着手をどう判断するのか難しいという指摘も出ていて、先制攻撃にあたらず、専守防衛の考え方に変わりがないことに理解を得られるかが課題となります。

また「反撃能力」を行使する装備として念頭においている国産の誘導ミサイル「12式地対艦誘導弾」の改良型についても、配備先となる地域の理解がえられるかどうかも今後の焦点となる見通しです。

最後まで調整続いた「国家防衛戦略」の記述

最後まで調整が続いてきた、中国の弾道ミサイルが日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したことをめぐる「国家防衛戦略」の記述については、公明党が、外交上の配慮を主張したことを受けて「わが国および地域住民に脅威と受け止められた」としていた当初の記述から「わが国」を削除し「地域住民に脅威と受け止められた」とすることで決着しました。

また両党は装備品の整備規模などを定める「防衛力整備計画」に敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」としてアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」の取得を新たに盛りこむことも確認しました。

自民・公明両党は、13日にそれぞれ党内の意見集約を図ることにしていて、政府は近く閣議決定することにしています。』