安倍元首相の国葬 軍評議会傘下の駐日ミャンマー大使が参列

安倍元首相の国葬 軍評議会傘下の駐日ミャンマー大使が参列
https://myanmarjapon.com/newsdigest/2022/09/22-45376.php

『2022 年 9 月 22 日

 日本政府は9月22日、安倍晋三元首相の国葬への参列者を発表したところ、ミャンマーからは駐日大使が参列することが明らかになった。

 外務省の発表によると、海外から代表が参列する国・地域等は116、駐日大使等が代表として参列する国・地域等は101だという。

 安倍元首相の国葬を巡っては、クーデターを起こした国軍を是認するとして、軍評議会の代表者を招待しないよう在日ミャンマー人らが外務省に対して申し入れを行っていた。』

原発の新増設・建て替え「評価」53% 本社世論調査「評価せず」38%

原発の新増設・建て替え「評価」53% 本社世論調査
「評価せず」38%
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA15BXV0V10C22A9000000/

『日本経済新聞社の16~18日の世論調査で岸田文雄首相が次世代型原子力発電所の新増設・建て替えを検討するよう指示したことについて聞いた。「評価する」との回答が53%で「評価しない」の38%を上回った。年齢が若いほど「評価する」の割合が大きかった。

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首相の指示は2011年の東日本大震災での原発事故を受けて新増設は想定しないとしてきた政府方針の転換にあたる。世界的なエネルギー市場の混乱や電力需給の逼迫を踏まえ、原発活用に肯定的な回答が多くなったとみられる。

世代別にみると「評価する」が最も多かったのは18~39歳で71%だった。40~50歳代は54%、60歳以上は47%だった。首相に優先処理してほしい政策で「景気回復」を選択した層は56%と全体よりも3ポイント高かった。

支持政党別に分析すると自民党の支持層は71%が「評価する」を選択した。連立を組む公明党の支持層は6割弱だった。野党は立憲民主党の支持層が3割弱、日本維新の会支持層は6割超だった。

特定の支持政党がないと答えた無党派層は「評価する」が41%で、「評価しない」の44%と拮抗した。

次世代型原発は現在の原子炉よりも安全性が高く効率よく発電できるとされる。政府は既存の軽水炉型の原発をベースに安全性を高めた「革新軽水炉」などを検討する。中長期的な電力の安定確保をめざす。

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岸田内閣支持、最低の43% 旧統一教会調査「不十分」79%本社世論調査

岸田内閣支持、最低の43% 旧統一教会調査「不十分」79%
本社世論調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1636O0W2A910C2000000/

 ※ この手の「世論調査」で、いつも疑問なことがある…。

 ※ それは、取り上げられている問題の「プライオリティ」は、どうなっているのか、ということだ…。

 ※ 旧統一教会を巡る問題、安倍氏国葬の問題、それが「現下の国政上の最重要課題」か?

 ※ それが、「国民の生活」ひいては「我々の子供、孫、子孫の生き残り」にとっての「最重要課題」か?

 ※ どーでもいいような「問題」に、血道を上げてるモンだ…、としか思えんな。

『日本経済新聞社とテレビ東京は16~18日に世論調査をした。岸田文雄内閣の支持率は43%で8月調査(57%)から14ポイント低下した。2021年10月の政権発足後で最低となった。内閣を「支持しない」と答えた割合は49%だった。

「支持しない」が「支持する」を上回ったのは岸田政権で初めて。内閣支持率は66%だった5月から4カ月連続で下がった。21年10月以降で一番低かったのは新型コロナウイルスの感染拡大「第6波」の最中だった今年2月の55%だった。

今回は自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係への懸念が影響した。党が公表した所属国会議員と旧統一教会の接点を巡る調査結果について「十分だとは思わない」との回答が79%にのぼった。「十分だと思う」は14%にとどまった。

調査は各議員の自己申告を集計した形式で、結果公表後に新たな接点が判明した事例がある。野党は銃撃事件で死去した安倍晋三元首相や衆参両院議長の細田博之氏、尾辻秀久氏を対象から外した点を批判する。

安倍氏の国葬「反対」60%「賛成」33%

安倍氏の国葬を巡っては「反対」が60%で、「賛成」の33%を上回った。同趣旨の質問をした7月の調査はそれぞれ47%、43%で拮抗していた。首相が国会で国葬の理由を説明したものの理解は広がっていない。

物価高騰への政府・日銀の対応には「評価しない」が69%で、「評価する」は19%だった。1ドル=140円を超える円安にも警戒がある。足元の円相場について「もっと円高が望ましい」が65%で、「望ましい水準だ」は9%、「もっと円安が望ましい」は8%だった。

内閣を支持する理由の首位は「自民党中心の内閣だから」(31%)と「人柄が信頼できる」(同)だった。支持しない理由のトップは「指導力がない」(37%)で、「政府や党の運営の仕方が悪い」(36%)が続いた。

性別で分析すると男性の内閣支持率は42%、女性は45%。世代別では18~39歳が38%、40~50歳代が43%、60歳以上が46%だった。

政党支持率は自民党が37%で、8月から9ポイント下落した。立憲民主党と日本維新の会はともに10%で、支持政党がない「無党派層」は26%だった。8月はそれぞれ9%、13%、15%だった。

調査は日経リサーチが9月16~18日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD)方式による電話で実施し957件の回答を得た。回答率は42.3%だった。
2022年9月定例世論調査の方法 世論調査は有権者の一部に質問する「標本調査」の手法を使う。日本経済新聞社はコンピューターが無作為に決めた電話番号に調査員が架電する「乱数番号(RDD)方式」によって、毎月の定例世論調査や内閣改造後などの緊急世論調査で800~1000人程度の有効回答を集める。
標本調査と全数調査を比べた誤差の目安は、この規模ではおよそ3ポイント以内におさまる。今回の定例世論調査は日経リサーチが16~18日、固定電話と携帯電話にかけて全国の18歳以上の男女から957件の回答を得た。回答率は42.3%だった。

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木村恭子
日本経済新聞社 編集委員
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今後の展望

世代別の内閣支持率で60歳以上が46%と、全体(43%)よりも高いですが、今後は支持が減り、全体の支持率がさらに落ち込むのではないでしょうか。
年金の物価スライドは約1年の遅れが生じるので、足元の物価上昇にもかかわらず、年金は減額。岸田内閣が検討する1世帯あたり5万円の支給対象は「住民税非課税世帯」のみで、中途半端な「バラマキ」です。
10月からは、一定の条件(単身で課税所得月額28万円以上、かつ年収200万円以上の世帯)を満たす75歳以上は、1割だった窓口での医療費の自己負担額が2割に上がります。
高齢者層が政権への不満を募らすだろうことはあっても、現状で支持率浮揚の要素は見あたりません。
2022年9月18日 21:16 (2022年9月18日 21:51更新) 』

政府・日銀、苦渋の為替介入準備

政府・日銀、苦渋の為替介入準備 急速な円安に危機感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA147QM0U2A910C2000000/

『政府・日銀と市場関係者の為替相場を巡る緊張感が高まっている。13日夜に米物価統計が公表された後の急速な円安を受け、日銀は為替介入の準備のための「レートチェック」を実施した。当局者が市場の動きをけん制する「口先介入」から一歩進んだが、金融緩和のもとで円安の基調が変わるとの見方は乏しい。協調介入のハードルは高く、円安を止めるのは難しい状況だ。

14日午前、銀行などの外為担当者に日銀から電話が入った。「ある程度の規模で円買い・ドル売り取引をする際のレートはいくらですか」。通常、政府・日銀が為替介入をする前の準備として行うレートチェックだ。

14日の円相場は午前7時ごろに1ドル=144円台後半を付け、145円が迫っていた。市場関係者は「145円の節目を突破するとどんどん円安が進む可能性があり、危機感が高まっていた」という。

実際に為替介入を準備している姿勢を市場に示す。政府・日銀のこの動きは3月から進む円安について、介入以外にとりうる策が尽きた結果の苦渋の選択でもある。

3月上旬の1ドル=114円台から強まった円安基調に対し、鈴木俊一財務相らは過度な為替の動きをけん制する「口先介入」を繰り返してきた。足元では輸入物価の値上がりへの企業や消費者の不満も無視できない。鈴木氏は4月には「悪い円安」、最近では「あらゆる手段を排除しない」とまで語るようになったが、円安の動きは止まっていない。

鈴木氏は14日午後には円安に対応する手段に為替介入を含むかどうかについて「あらゆる手段であり、そう考えていい」と記者団に述べた。同日夕になると介入は「やるときは間髪入れずに瞬時にやる」と述べ、神田真人財務官も「適切な対応を取る準備ができている」と語った。レートチェックが進む中、当局による円安けん制のメッセージは近年になく強まった。

しかし、市場関係者は「介入のふり」とみているようだ。日経電子版が日銀によるレートチェックの実施を報じたのは午後1時半ごろ。1㌦=144円30銭台だった相場は円高に振れたものの、143円台後半でいったん止まった。

シティグループ証券の高島修氏は過去に介入する際に使っていた「断固たる措置をとる」という表現が政府関係者から発せられていないことから「1ドル=150円に乗せるまでは介入に動く可能性は低い」とみる。

円安に対抗する円買い・ドル売り介入は手持ちのドルを売る必要があり、外貨準備の範囲内でしか実施できない。これまで円高に対応する円売り・ドル買い介入を319回実施したのに対し、円買い・ドル売り介入は32回にとどまる。1998年6月を最後に封印している。

ドル安に転じれば米国の輸入物価は上がる。インフレに苦しむ米国の理解を得るのは難しく、協調介入の機運は乏しい。7月に鈴木氏とイエレン財務長官の会談でまとめた文書に為替安定の記述が入ったのは日本側の働きかけによるものだった。日米の温度差は大きい。財務省幹部は「日本単独でも介入できる」と話すが、効果は限られる。

このまま介入に踏み切れば投機的な動きはけん制できる可能性がある。しかし、日米の金利差が埋まるわけではなく、円安の圧力は残り続ける。今後の大きな焦点が、日銀が21~22日に開く金融政策決定会合だ。

黒田東彦総裁は前回7月の決定会合後の記者会見で「少し金利を上げても円安が止まることは到底考えられない」と述べ、円安に対応するための金融政策の変更に否定的な見解を示した。

現在も金融政策の変更を予想する市場関係者は少数派だが、日銀内でも急速に進む円安を無視できない状況になりつつある。ある日銀関係者は「為替は経済を構成する重要要素。(利上げの)リスク、効果などを見極めた上で政策を考える必要がある」と指摘する。

【関連記事】

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・日銀が「レートチェック」 為替介入の準備か

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

レートチェックは、「実弾介入」の一歩手前の動き。介入実行の準備をしていることを市場参加者に対して、強くアナウンスする効果を有する。ドル/円相場の市場実勢は、取引端末や情報スクリーンなどから、リアルタイムで通貨当局も知ることができる。それでもあえて、民間銀行に対して取引可能な相場水準を日銀がきくことには、そうした意味合いがある。市場における円売りに対するそうしたけん制に効果がなく、レートチェックをした水準を超えて急ピッチで円安ドル高が進むようなら、日本単独での介入実施が真剣に検討されるだろう。ドル/円での介入実施には米財務省の容認姿勢が必要とみられる中、岸田首相の米国訪問が近く予定されている。
2022年9月15日 7:48

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

遅いが、やらないよりはやったほうがいい。むろん、円買い介入しても、円安を止めることができない。円買いしながら、金融緩和・ゼロ金利を転換する。そうすれば、状況はかなり変わる。あと2週間で10月に入る。さらなる物価上昇が予想される。需要が供給を上回って物価が上昇しているのではない。輸入インフレだ。輸入インフレは企業経営に直撃する。最近、毎日のようにこのようなコメントを書いている。昨日、ガソリンスタンドにいって給油したら、高い。
2022年9月15日 7:23 』

金融教育を国家戦略として推進へ「国全体として体制を検討」

金融教育を国家戦略として推進へ「国全体として体制を検討」
https://www.nippon.com/ja/news/fnn20220829409447/

 ※ 『現在は、大学生や社会人に対する金融教育については、民間の金融機関に任された形となっているが、これを「国全体として体制を検討する」と明記した上で、国家戦略として推進したい考え。』…。

 ※ 「金融教育」って、何をどう「教育する」つもりなんだろう…。

 ※ 「貯蓄から、投資へ。」の一環として、「投資」を促進するための「啓蒙・啓発」活動を、するつもりなんだろうか…。

 ※ 「投資」とか、「リスクを取る」とか、要は「リスク資産」に投資するということだ…。

 ※ 「リスク資産(株なんか)」は、資産価値が上がったり下がったりする…。

 ※ そういう「リスク資産」を保有して「勝つ」ということは、「安い時に買って、高い時に売る」ということに尽きる…。

 ※ しかし、その「安い時」「下がった時」において、それが本当の「底(もしくは、準底)」であるのかどうかの「見極め」こそが、「眼力」となるわけだ…。

 ※ その「眼力の育成」は、「常日頃からの情報収集」と「不断の鍛錬」の「賜物」であって、一時(いっとき)の「教育」なんかで、どうこうできるものじゃ、無い…。

『金融庁は、金融教育を国家戦略として推進するために、近くとりまとめる2022事務年度の金融行政方針に「国全体として体制を検討する」と明記する。

関係者によると、中学や高校の授業に盛り込まれた金融教育について、金融庁は、近くとりまとめられる2022事務年度金融行政方針で、大学生や社会人にも広げた新たな制度について議論するよう提言するという。

現在は、大学生や社会人に対する金融教育については、民間の金融機関に任された形となっているが、これを「国全体として体制を検討する」と明記した上で、国家戦略として推進したい考え。

また、金融商品の販売では、顧客が自発的に求めないような高いリスクの商品について、開発の段階から規制する体制を強化することなども盛り込まれているという。

この方針は、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」に沿って出される初めてのもので、投資の推進の一方で、投資環境を健全なものに保つことも狙いとされている。

(FNNプライムオンライン8月29日掲載。元記事はこちら)

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.] 』

電力確保・脱炭素へ原発活用にカジ 再稼働7基追加

電力確保・脱炭素へ原発活用にカジ 再稼働7基追加
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA242O10U2A820C2000000/

『政府は電力の安定供給と脱炭素の実現に向け、原子力発電所の再稼働や運転延長、次世代型の建設などの検討に入る。東日本大震災後、安全審査や地元同意のハードルで再稼働は遅れてきたが、現時点で目標を両立できる電源は他にない。ウクライナ危機もエネルギー調達の課題を浮かび上がらせた。再生可能エネルギーを含めた供給網を早急に整える必要がある。

【関連記事】原発新増設へ転換、次世代型の建設検討 再稼働7基追加

日本は東日本大震災前、総発電量の3割ほどを原発に頼っていた。東京電力の福島第1原発での事故を受けてすべての原発が稼働を止め、原子力規制委員会による安全審査に合格した原発から再稼働を進めてきた。

しかし審査を通過した17基のうち、現在稼働するのは6基のみ。審査が10年近くの長期にわたり、結論の出ない原発もある。2020年度の総発電量のうち原発の割合は4%にとどまる。

原発の稼働が少ない状況は、電力の安定供給を危うくしている。夏場の電力は夕方に逼迫する傾向にあり、季節外れの猛暑に見舞われた6月下旬には強い節電要請が出た。電力各社は古い火力発電所を稼働してしのいでいるが、トラブルのリスクは拭えない。

石炭や液化天然ガス(LNG)に頼る電源構成は、ロシアによるウクライナ侵攻で問題が浮き彫りになった。原油や天然ガス価格は高騰し、ロシアからパイプラインで天然ガスを輸入する欧州の指標価格のオランダTTFは、8月中旬に1メガワット時当たり250ユーロ台と、侵攻直後の3月より高い値段をつけた。

欧州ではエネルギー安全保障の観点から原発の活用にカジを切る国が出てきた。英国は30年までに最大8基を新設する方針を掲げた。フランスも50年に向け大型原発を最大14基建設する方針だ。

日本の状況も欧州と共通点がある。LNG輸入のうち1割ほどがロシアからだ。日本の商社が出資するLNG開発事業「サハリン2」から有利な価格で調達しているが、ロシア次第で供給が途絶する恐れがある。

原発は化石燃料を使わずに安定して電力を供給できる。発電時には二酸化炭素(CO2)をほぼ排出しないことから、各国とも「脱炭素」を両立できる電源として意識せざるを得ない。

日本政府は30年度の温暖化ガス排出量を13年度から46%減らす目標を掲げている。達成には発電量のうち再生エネを36~38%に、原発を20~22%に高める必要がある。建設中の原発を含めて、電力会社が稼働を申請した27基すべてが運転しなければならない計算だ。

さらに温暖化ガスの排出を50年に実質ゼロにする目標は、原発の再稼働だけでは不十分との見方が多い。政府は再生エネを主力電源として伸ばす方針だが、天候に左右される特性などを考えれば、火力以外に安定した電源が必要になる。

岸田文雄首相が表明した「運転期間の延長など既設原発の最大限活用」は再生エネへの移行を見据えたつなぎとして有力な手段といえる。いずれ寿命となる既存の原発の後継としては、安全性や経済性の高い次世代型原発の開発が欠かせない。

【関連記事】次世代型原発とは 安全性向上、効率よく発電

もっとも、新設や再稼働は簡単には進まない。公明党は7月の参院選で将来的に原発に依存しない社会をめざすと掲げた。新設にも慎重な姿勢だ。政府が新設を打ち出しても、電力会社の投資判断につながるかは不透明だ。東京電力柏崎刈羽原発はテロ対策の不祥事で信頼が失墜している。

使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業も未完成のまま停滞が続く。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分場もめどはついていない。原発をめぐる後始末の部分にも、政府は道筋を付けなければならない。

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

「現実主義」と「前のめり」の違いは、姿勢が前のめりになると左右や全体像が見えなくなることですね。
各国のグリーントランスフォーメーション政策の中心にありつつ、こうした個別議論でしばしば抜け落ちる項目があります。「かしこいエネルギー消費の抑制」です。例えば夏場の電力消費の主役はエアコンですが、まずは女性社員を凍えさせるような温度設定をやめて、環境省推奨の温度にすることではないでしょうか。
ウクライナ危機は、「軍事標的化」という原発の新たな脆弱さを浮き彫りにしました。高い安全確保のコスト、合意形成のコストと、無理のないエネルギー需要の抑制を俯瞰的に論ずるような記事も、期待したいと思います。
2022年8月25日 7:41 (2022年8月25日 7:43更新) 』

首相、次世代原発の建設検討を指示 来夏以降17基再稼働

首相、次世代原発の建設検討を指示 来夏以降17基再稼働
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23DDG0T20C22A8000000/

『岸田文雄首相は24日午後に首相官邸で開くGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で次世代型の原子力発電所の開発・建設を検討するよう指示する。新増設は想定していないという現在の方針を転換し、中長期で電力確保を目指す。来夏以降に最大で17基の原発を再稼働させる。

電力不足や脱炭素の遅れといった2050年に向けた構造的な課題を解決するための対策と位置づける。年末までに時間軸ごとに複数の対応をまとめる。

30年以降の課題として将来を見据えた次世代原発の開発や建設を主要な検討項目に据えた。経済産業省の審議会は次世代原発のうち既存の原発より安全性を高めた改良型の軽水炉について、30年代に商業運転すると盛り込んだ工程表案をまとめていた。

政府はこれまで「新設や建て替えは想定していない」との立場を取ってきた。実際に建設するとなれば11年の東日本大震災後で初めてとなる。

首相は原発の運転期間延長の検討も指示する。原子炉等規制法で原則40年、最長60年と定めており、運転期間を終えれば廃炉になる。北海道電力泊原発1~3号機など審査から10年近くかかっている原発もある。安全審査にかかった時間を運転期間から除外するなど実質的に延ばす方策を探る。

電力会社が原発事業の将来見通しを立てやすくするための対策も検討する。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分など解決していない課題を巡る国の取り組み強化に向けて議論する。

今冬や来年の電力不足の懸念には再稼働を主な対策とする。

首相は7月に今冬へ原発の稼働を最大9基まで増やす方針を示していた。再稼働したことがある10基を活用する内容にとどまっており、来夏以降はあわせて17基の体制に増強する。

国内に原発は33基ある。電力会社が原子力規制委員会に再稼働を申請したのは25基で、17基が規制委の安全審査を通過した。このうち10基は地元の同意も得ていったんは再稼働した。現時点で運転している原発は6基にとどまる。

一方、規制委の審査に合格したのに稼働に至っていない原発が7基にのぼる。来夏以降の再稼働をめざし、安全対策や地元の理解を得るための取り組みについて国が前面に立って対応する。

具体的には東京電力柏崎刈羽原発6~7号機、日本原子力発電の東海第2原発、東北電力女川原発2号機、関西電力高浜原発1~2号機、中国電力島根原発2号機の7基を想定する。柏崎刈羽原発はテロ対策の不備が明るみに出て再稼働が見通せない状態が続いている。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説

「次世代型の原子力発電所の開発」は久々にとても良いビッグニュースです。現在様々な小型モジュール炉の提案が世界中で出されて、アメリカも力を入れています。紛争が起こる可能性が高まっている悲しい現実の中、原子炉も紛争中の安全性と気候変動対策の双方から、これまでとは全く違う視点で見直されなければなりません。是非、今後半世紀を視野に入れて、全く新しい視線で、パートナー諸国との連携も考えつつ検討作業を行っていただきたいです。来年G7に向けても、日本として積極的に国際世論をリードして行ける議題だと思います。
2022年8月24日 11:13

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竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説

本日こちらの会議に参加してきます。再稼働できる原発を全てしたとしても、需給ひっ迫の問題がいきなり解決する訳ではありませんが、我々が原発を稼働させてLNGの消費を減らせば、その分を欧州やその他の国が購入することもできますし、エネルギー供給にはこうしたリスクがあるので、日本は原発をやってきたわけですから、この判断は正しい。
また原発の運転期間延長は「最も安い温暖化対策」で、各国が積極的に進めているところです。米国では80年運転の許可を得る炉も6基ほど出てきています。原子力は定期検査時に予防的な機器取替を行い、格納容器などのような主要機器以外は殆ど生まれ変わっているサイボーグとも言われています。
2022年8月24日 10:17

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

ウクライナ戦争が続くなかで、これしかないじゃない?ただ福島の悪夢を繰り返さないために、予備電源などの対策を備えておく必要がある。ガスと電気の料金が大幅に値上げされている。円安が是正される見込みが立たないなか、輸入インフレも続く。発電できる原発を利用しない選択肢はない。ただし、福島のトラウマが残っている。苦渋の決断が迫られている
2022年8月24日 7:34 』

日中首脳会談を「検討」 林外相表明、秋の実現探る

日中首脳会談を「検討」 林外相表明、秋の実現探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA194NS0Z10C22A8000000/

『日中両政府は岸田文雄首相と習近平(シー・ジンピン)国家主席による首脳会談の調整を始めた。国交正常化50年の節目を9月に控え関係の改善を探る。林芳正外相は19日の日本経済新聞とのインタビューで会談の実現に向け「具体的に検討する」と表明した。

首相と習氏の対話は2021年10月の電話協議以降ない。対面での首脳間の協議は19年12月以降開いていない。

日中両政府は対面やオンライン、電話での協議など形式を含め検討する。現状では今秋のオンラインでの協議が有力だ。11月にインドネシアで開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の場など日中以外の第三国で会談する案もある。

中国は4日、ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発し台湾周辺で大規模な軍事演習を始めた。日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイルが5発落下した。

林氏は中国の行動を非難したうえで「こうしたときこそ意思疎通が重要だ」と言及した。「建設的で安定的な日中関係を双方の努力で構築する必要がある」と語った。

17日には秋葉剛男国家安全保障局長が中国・天津で中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と7時間会談をした。日中間の対話を継続する方針を確かめた。

【関連記事】

・日中首脳会談、オンラインや第三国案 国交正常化50年
・林外相インタビューの要旨
・日中、対話継続で一致 国交正常化50年を前に高官会談

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水面下で奔走するデジタル庁 知られざる司令塔の役割とは

水面下で奔走するデジタル庁 知られざる司令塔の役割とは
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27631

『水面下で奔走するデジタル庁 知られざる司令塔の役割とは
漂流する行政デジタル化 こうすれば変えられる

江﨑 浩 (デジタル庁 Chief Architect/東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)
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日本のデジタル化というミッションを課され、発足したデジタル庁。チーフアーキテクトの江﨑浩氏に同庁の「現在地」を聞いた。

話し手・江﨑 浩
聞き手/構成・編集部(梶田美有)
江﨑 浩 Hiroshi Esaki
デジタル庁 Chief Architect/
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
1963年生まれ。九州大学工学部修士課程修了。東芝入社、米コロンビア大学客員研究員、東京大学大型計算機センター助教授などを経て現職。著書に『インターネット・バイ・デザイン 21世紀のスマートな社会・産業インフラの創造へ』(東京大学出版会)など多数。

 今、われわれが目指しているデジタル化はこれまでのものとは全く異なる。

 2000年代以降、日本が進めてきたのは今あるものを効率化するという「As-Is」のデジタル化であった。一方で、現在目指しているのは「To-Be」のデジタル化だ。これは、やり方を変えることによって、単なる効率化にとどまらず、それ以上の価値や可能性を見出すことを意味する。

 例えば、印鑑のデジタル化。単にデジタルの印鑑を使用するのは「As-Is」だ。一方、「To-Be」のデジタル化では印鑑が必要となる手順を整理することから始める。例えば支払い業務の決裁時、紙の書面に押印することがあるとしたら、その過程を見直すことで、そもそも押印という行為が不要となることもあるだろうし、オンライン決裁によって、決裁者がアイコンをクリックするだけで支払いまで完了されるように手順を変えることもできる。これが「To-Be」のデジタル化だ。

 デジタル庁がこれまで日本のIT戦略を担ってきた組織と大きく異なるのは「実行力」。かつての組織は司令塔として規定やガイドラインを策定し、自治体などへ「推奨」することが主たる業務だった。一方、デジタル庁ではIT分野に精通した民間人材を登用することによって、推奨するだけでなく、システム自体を自分たちで開発して提供することが可能となった。

 司令塔だけでなく、ベンダーとしての役割も担うデジタル庁に与えられたミッションはさまざまだ。

 自治体向けに与えられた最大のミッションは基幹業務システムの標準化・共通化・モダン化(デジタルネイティブ化)だ。自治体のシステムはこれまで、各自治体専用にカスタマイズされてしまっていた。標準化・共有化・モダン化によって、自治体間でのデータ連携が可能になるため、自治体の業務効率化や国民の利便性向上を図ることができる。

 この他にも、自治体同士が事例を共有し合える場を提供することにより、各自治体間でのデジタル化も後押ししている。例えばビジネスチャットツールを活用することで、気軽に「前例」を共有できるだけでなく、タイムリーなアドバイスも可能になった。現在、約5000人の自治体職員が参加し、日々活発な議論を交わしている。』

『デジタル庁に与えられた難題と国民への価値提供

 デジタル庁の重要な役割の一つに各省庁が持っているシステムの共通基盤化がある。通常の入れ替えだけでも5年程度かかるシステムを、相互利用が可能な形で連携させるには、10年あっても難しいと考えている。

 施策自体のコントロールを各所管省庁が担う中、共通基盤を構築・運用する側として、デジタル庁も各省庁と共通の考え方をもってシステムの仕様を決めていかなければいけない。ただ、デジタル庁内の人材も限られている中で、今後、多くの既存案件や新規案件にデジタル庁がどこまで関与するべきか、というのは目下検討中の課題だ。

 デジタル庁の取り組みとして国民の目に見える成果を出すことも重要である。厚生労働省と連携したワクチン接種記録システム(VRS)や、総務省と進めているマイナンバーカード機能のスマホ搭載がその例だ。政府や自治体向けの基盤構築という長期的な取り組みと並行して、これからも国民が実感できるデジタル化を各省庁と連携しながら進めていく。

 国民に対する価値提供として、今後は民間企業との情報連携を進めることも視野に入れている。国が持っているデータを民間企業が自由に正しく活用できれば、国民がメリットを享受することにつながると考えているからだ。

 発足から1年が経ち、日本のデジタル化に向けたさまざまな課題が見えてきた。解決までの道のりは長いが、デジタル化によって次の世代に何を残せるか──。そのことを常に考えながら日々の業務にあたっている。

 『Wedge』2022年9月号では、「漂流する行政デジタル化 こうすれば変えられる」を特集しております。全国の書店や駅売店、アマゾンでお買い求めいただけます。
 コロナ禍を契機に社会のデジタルシフトが加速した。だが今や、その流れに取り残されつつあるのが行政だ。国の政策、デジタル庁、そして自治体のDXはどこに向かうべきか。デジタルが変える地域の未来。その具体的な〝絵〟を見せることが第一歩だ。

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入国前の現地コロナ検査免除、政府検討

入国前の現地コロナ検査免除、政府検討 水際対策見直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22A4R0S2A820C2000000/

『政府は日本への入国・帰国時に求めている海外での新型コロナウイルス検査について、条件付きで不要とする検討に入った。ワクチン接種済みなら免除するなど段階的に緩和する案がある。入国者数の上限引き上げも調整する。国内の新規感染者を全数把握する運用も見直す。感染状況を踏まえ、近く判断する。

岸田文雄首相は22日、新型コロナの対応について「保健所や医療機関のさらなる負担軽減策を一両日中に示すようにしたい」と述べた。首相公邸からオンラインで記者団の質問に答えた。

現状の水際対策では1日の入国者数の上限を2万人とし、出国前72時間以内の陰性証明書を求めている。主要7カ国で最も厳しく、検査体制が縮小する国では証明書の取得が難しくなっているとの指摘もある。日本から海外出張や旅行がしにくいほか、一部再開した訪日客受け入れの障害になっているとの批判があった。

新型コロナ感染者の全数を把握する運用を改める。医師が詳細を報告する対象者を高齢者ら重症化リスクの高い人に限定する方向だ。

新型コロナは感染症法上、新型インフルエンザ等感染症に分類され、診断した医師はすべての患者について保健所に届け出る義務がある。足元の感染急増で医療機関や保健所の業務負担が大きい。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志も見直すよう提起していた。

新型コロナ特集ページへ https://www.nikkei.com/theme/?dw=20012202&n_cid=DSBNHE

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Japan-weighs-ending-pre-arrival-COVID-test-requirement 

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察

先月のフランス出張の際、この検査要請は様々な意味で負担でした。タイトなスケジュールの中、わざわざ検査を受けにいかねばならず(もっともこの要請が国際的にあまりにも有名になっていたお陰で、会議を抜け出して検査を受けに行くことの許可や理解はすんなり得られましたが)、また万が一感染した場合を憂慮する精神的な負担も大きかったです。加えて、コロナが共生の対象となる一方、サル痘など新たな脅威が出現する中、この検査要請が水際対策としてどのくらい効果的なのか疑問に感じていました。脅威は流動的です。変化する脅威を適切に見極め、ヘルスセキュリティと利便性を賢く両立させられる水際対策のあり方を目指して頂きたいです。
2022年8月23日 9:15 (2022年8月23日 9:23更新)

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加藤史子
WAmazing 代表取締役/CEO
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分析・考察

コロナ禍前の2019年、訪日外国人旅行者数は3188万人でした。これを365日で割ると1日8.7万人になります。3割を占めていた中国はゼロコロナ政策が続いているので、3割減にしても平均して1日6万人は入れないとコロナ禍前には戻れません。現在は2万人、かつ旅行目的の場合にはビザ申請必要、旅程提出必要、添乗員必要(究極1人旅行でも要件を満たせば入れるので団体とは限りませんが実質的には管理型団体旅行)ということで現在、自由旅行者は殆ど入国できていません。国内感染者が1日に20万人を超える日もある中で「水際対策とは何か」を再考する時期かと思われます。
2022年8月23日 6:03

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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ひとこと解説

リテール、飲食、観光宿泊等の訪日関連産業においては近々押し寄せる観光客需要への対応力準備を万端にすべきでしょう。欧米のみならずシンガポールもタイバンコクもかなり観光客が戻ってきています。日本も早晩そうなるはずにて。報道の内容についてはいずれももって改むるに憚る事なかれという類のものですが特に個人観光客の解放やビジネス入国におけるインビテーション等煩雑手続き廃止、1日上限数の解放などの優先度が高いでしょう。搭乗前PCR検査についてはもはや無意味な手間とコストが省ける事よりも万が一陽性が出るとしばらく足止めをくらい予定が全て狂うというリスクと恐怖の軽減効果でしょう。
2022年8月22日 23:52

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津川友介
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) 准教授・医師
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分析・考察

妥当な判断だと思いますが、いつも通り対応がワンテンポ遅いと思います。新型コロナは変異するごとに特性も状況も変わっているので、状況の変化に合わせてスピード感を持った迅速な対応の変更が重要です。日本は非常にリスク回避型になっている気がするのですが、制度変更のタイミングが遅くなることで生じる「機会損失」もきちんと計算すべきです。日本の方が感染者数が多い状況において、水際対策の必要性があるとは思えません。ワクチン接種証明書の提示だけで十分だと考えます。外国人の日本入国の制限の緩和もスピード感を持って行われることを期待します。
2022年8月23日 9:28

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小平龍四郎
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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貴重な体験談

6月下旬にロンドンに出張しましたが「出国72時間前PCR検査」は本当に精神的な重荷でした。セントポール寺院近くの検査所は日本人出張者がよく利用するところで、検査してくださる方々も手慣れたもの。出国時にプリントアウトして携えていった証明書も完備し、結果はPDFでスマホに送ってくれました。サインやスタンプがなくて本当に大丈夫か何度も念を押しても、先方は笑って「大丈夫、大丈夫。日本人は心配性だね」と取り合ってくれません。日本式ルールは相当に奇異の目で見られ、しかも運用が形骸化していると実感した次第です。「この程度のことはもったいぶらずに、とっととやっておいてほしい」というのが記事の率直な読後感です。
2022年8月23日 8:36 (2022年8月23日 9:21更新)

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楠木建
一橋大学 教授
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分析・考察

手段の目的化、ここに極まれり。感染対策ではなく、誰かに叱られないようにすることが目的になっています。ここまでくると、もはや滑稽です。
2022年8月23日 7:53

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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貴重な体験談

まだどなたも指摘されていないことを。

個人的な体感でしかないことを最初にお断りしておきますが、私が直接見聞きした範囲では日本に入国する人に限らず海外でも、フライトに乗る前にPCR検査・抗原検査を受けて陰性でも、帰国後体調の不調を覚えて改めて検査すると陽性であることが判明する方が、フライト前の検査で陽性となる人とほぼ同じ数いる印象です。きっと潜伏期間などの関係で現地では出ないのでしょう。
2022年8月23日 6:04 (2022年8月23日 6:38更新)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

入国前72時間のPCR検査は、多少の効果があるとはいえ、それによって失っている利得の方が圧倒的に大きいので、止めるというのは合理的な判断。しかし、外国からの旅行者を増やすためには、PCRだけでなく、ビザの取得や団体旅行限定という制約がなくならなければ意味がない。PCR検査免除は基本的にビザの取得が不要で、団体旅行を義務づけられない日本国籍保持者のみにとって恩恵となる。
2022年8月23日 3:06

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室橋祐貴
日本若者協議会 代表理事
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分析・考察

ちょうど来月海外渡航の予定が入っているのですが、明らかに過度に厳しいので現地でのコロナ検査、免除してもらいたいです。そもそも出国前72時間以内の陰性証明書提示にどこまで効果があるのか不明です。現状、日本から外国への短期渡航の場合は、日本で取得した検査証明書でも使えるようになっており(つまり、日本出国前に陰性証明を取得すれば、渡航先で仮に新型コロナウイルスに感染したとしても、日本への帰国便に搭乗できます)、形骸化しているのではないでしょうか。
2022年8月22日 22:53 』

防衛費2%、抑止力向上が急務 台湾有事で継戦能力など

防衛費2%、抑止力向上が急務 台湾有事で継戦能力など
岸田改造内閣の課題④
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE12AMO0S2A810C2000000/

『岸田文雄首相は防衛力の強化を「年末に向けた最重要課題のひとつ」と位置付ける。防衛費を国内総生産(GDP)比2%の水準に増やすことが軸となる。台湾有事の懸念が強まり、本質的に重要なのは実際に機能する抑止力の向上だ。米国との協力や財源などの具体論を巡り、自民党との調整も欠かせない。

ロシアによるウクライナ侵攻は半年近くに及び、なお続く。内閣改造前には中国が台湾周辺の演習で日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイルを撃ち込んだ。台湾有事が日本に直結することを想起させた。

日本が仮に防衛費をGDP比2%にあたる11兆円ほどに増やしても、中国の2022年度の国防予算の半分に満たない。現実に抑止力を高めるには従来の延長線で積み増すだけでは不十分だ。

「何から何を守るのか」という基本の徹底がまず必要になる。首相は防衛相に任命した浜田靖一氏に防衛力強化を巡る方針を伝達し、そのひとつに「弾薬の確保など継戦能力」を挙げた。

冷戦時は米軍が日本防衛の態勢を整えるまでの数週間を耐えることを基本的な考え方にした。戦闘継続の想定は曖昧で、弾薬は南西諸島の防衛に必要な2カ月分しか貯蔵していない。

しかも弾薬の7割は北海道にあり、南西方面に即応できる配置とは言い難い。

安倍晋三元首相のもとで弾薬の追加などに踏み切ったものの、沖縄や九州などへの備えは途上だ。地元の理解を得ながら必要な保管場所を増やす努力は引き続き求められる。

台湾を巡る緊張の高まりも継戦能力への懸念を浮き彫りにした。中国の軍事演習は日本が輸入する原油の9割が通る台湾南方のバシー海峡に及んだ。日本の石油の国家備蓄は半年分に満たない。

中国のハイテク装備への対処も急務だ。

中国は軍事演習にあわせ沖縄県周辺などで偵察型無人機を飛ばした。民生技術を活用した無人機で日本は後れをとる。「防衛省の予算」にとどまってきた縦割りの防衛予算の弊害などもあり、防衛に役立つ科学技術研究が広がってこなかった。

4兆円規模の科学技術研究費のうち防衛費における研究開発費は3%ほどで、同盟国の米国の15%に見劣りする。

米国は国防総省の下に「国防高等研究計画局(DARPA)」を置き、軍事利用を見据えた先端技術の研究・開発を担ってきた。全地球測位システム(GPS)衛星やインターネットの基盤技術を生み出した。

拓殖大の佐藤丙午教授は「個別の装備品の取得や能力向上の話はでているが日本がどういう防衛戦略を採るかが見えていない」と話す。「どう戦争を抑止するかなどを明確にする構想力が問われている」と指摘する。

足元の政府・与党の増額論は防衛費がGDP比で2%になるかどうかに関心が集中してきた。

自民党最大派閥の安倍派に所属する萩生田光一政調会長は就任直後から「GDP比2%以上を念頭に置く」と強調した。GDP比2%は安倍氏らが唱えてきた経緯があり、安倍派などが重視する。

首相は10日の記者会見で防衛費増を巡り「安倍氏の意見を念頭に置きながら議論を深める」と語った。

一方で浜田氏は「必要な事業をしっかりと積み上げ、防衛力を5年以内に抜本的に強化していく」との見解を示す。「積み上げ」は「GDP比2%ありきではない」との姿勢だと捉えられる。

抑止力を高めるうえでの財源論は積極財政派と財政再建派の主張の違いが絡む。安倍氏らは財源について増税でなく国債の発行で賄うべきだとの立場をとってきた。財務省などには増税論がある。
防衛力強化へ8本柱 防衛省、概算要求最大5.5兆円に

政府・与党は国家安全保障戦略などを改定する年末にかけ、防衛力強化の具体策を協議する。防衛省は8月末までの2023年度予算の概算要求へ柱となる8項目をまとめた。過去最大の5兆5000億円台を計上したうえで、金額を示さない「事項要求」として掲げる方向だ。

相手の攻撃圏外から撃ち込む長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」の早期装備を示した。島しょ部などに部隊を迅速に展開する輸送力の整備も重視した。

技術の進展や戦い方の変化を映し、無人機や宇宙・サイバー・電磁波など新領域の分野も重点に置いた。軍事的手段と非軍事的手段を組み合わせる「ハイブリッド戦」に対応するために情報収集力を高める。

弾薬・燃料の確保や部品不足の解消、自衛隊施設の強靱(きょうじん)化といった継戦能力の維持を盛った。国内で装備品の開発や生産、修理などを手掛けられるよう防衛産業の支援も挙げた。

概算要求で示す5兆5000億円台は「これまでの延長線上にある防衛力整備事業」との位置付けだ。人件費や維持費などが軸になる。「防衛力の5年以内の抜本的強化」に資する項目は別建てで事項要求にあげる。

【「岸田改造内閣の課題」記事一覧】

・旧統一教会問題の不信増幅、政策遂行に影 改造内閣発足
・根拠薄れた感染対策、見直し急務 ウィズコロナへ岐路
・揺れるエネルギー安全保障 原発活用、議論は不可避

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小黒一正
法政大学経済学部 教授
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別の視点

戦前の財政基盤は脆弱でした。例えば、『昭和財政史 第四巻-臨時軍事費-』(大蔵省昭和財政史編集室編)によると、日本の過去の戦争(日清戦争以降)において、戦費に占める国債および借入金の割合は、日清戦争が51%、日露戦争が82%、第1次世界大戦が61%であり、太平洋戦争では86.4%にも達しています。国債発行にも限界があり、安全保障上の脅威に対する日本の対応力を増すためにも、平時では、防衛費の増強に関する議論のみでなく、過剰な政府債務を適切な水準まで引き下げることにより、有事に陥っても大規模な国債発行が可能な余力を高める議論も重要と思います。
2022年8月16日 8:59 (2022年8月16日 8:59更新)

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

2%枠の話が独り歩きしているのはその通りだと思うが、増えた分を何に使うのかというといきなり弾薬とかスタンドオフミサイルといったお買い物リストが出てくる。大事なのは、どういう防衛戦略に基づいてそれらの装備を必要とするのか、ということ。買い物に行って、目立つ材料を手あたり次第買ったところでちゃんとした料理を作れるわけではない。メニューを決め、レシピがあって、初めて仕入することが出来る。「良いミサイルが手に入ったから、こういう防衛戦略にしよう」という「シェフの気まぐれ防衛戦略」というのがあれば別だが。
2022年8月16日 0:59 』

スピード感持ち取り組むと高市経済安保相、機密資格制度に意欲

スピード感持ち取り組むと高市経済安保相、機密資格制度に意欲
https://jp.reuters.com/article/econ-security-minister-idJPKBN2PG18E

『[東京 10日 ロイター] – 高市早苗経済安全保障相は10日夜の就任会見で、安全保障に関わる機密などを取り扱う関係者の適性を評価し、情報にアクセスできる資格を与える制度「セキュリティ・クリアランス」を含め、スピード感を持って課題に取り組む考えを示した。

高市氏は「セキュリティ・クリアランスは非常に重要だと考えている。なんとしても盛り込みたいという強い思いだ」と発言し、5月に成立した経済安保推進法を改正していく考えを示唆した。

また、同推進法について、この法律で定められた制度の円滑、かつ実効的な実施へ確実に準備を進めるとした。

一方、旧統一教会との関係については、約20年前に関連する雑誌で対談が掲載されたことを明らかにした。この雑誌が、旧統一教会と関わりがあることを知らなかったと説明した上で、大変申し訳なく、お詫びを申し上げると発言。今後、様々なメディアから取材を受ける場合、バックグラウンドを調べることを約束すると述べた。

また、自身が承知している限りでは、選挙応援や資金提供を受けたことはなく、行事に出席したこともないと説明した。』

内閣改造でなぜロシア協力相を続ける必要があるのか

内閣改造でなぜロシア協力相を続ける必要があるのか
樫山幸夫 (元産經新聞論説委員長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27569

『侵略国との経済協力をまだ継続するのか。

 10日に行われた内閣改造で、「ロシア経済分野協力担当相」ポストの存続が明らかになった。日本はロシアのウクライナ侵入を受けて強い制裁を課し、共同経済活動も見合わせている。その一方で、「協力」を推進するというのだから、矛盾はなはだしいというほかはない。
内閣改造でも「ロシア経済分野協力担当相」ポストが存続した(代表撮影/ロイター/アフロ)

 ロシアからは足元を見られ、 連携してきた主要7カ国(G7)からは疑念の目を向けられるだろう。 懸念されていた対露制裁からの日本の落伍が現実になるのだろうか。
ロシアを刺激したくなかった?

 松野博一官房長官が10日午後、新しい閣僚名簿を読み上げた。西村康稔経済産業相のくだりで、他の兼任ポストとともに、「ロシア経済分野協力担当」と明確に述べた。過去の資料でも誤って読み上げたのかとも思ったが、訂正されることはなかった。

 同日午後にアップされた時事ドットコムは、サハリン2からの日本向け天然ガス供給をめぐって、「ロシアが日本に揺さぶりをかけており、先方を刺激するのは得策ではないと判断した」と報じた。

 この方針について、同日夕に記者会見した岸田文雄首相の口から何の説明もなく、メディア側から質問もでなかった。官邸詰めの記者は不思議に感じなかったようだ。

 同日夜、就任会見した西村新経産相は、冒頭発言でこのポストに触れ「ウクライナ情勢を踏まえた日露経済分野における協力プランに参加した企業への対応」と述べたにとどまった。

経済協力見合わせなのに何を担当?

 ロシア経済分野協力担当相は2016年9月に新設された。この年5月、安倍晋三首相(当時)がプーチン大統領に、エネルギー開発、医療・など8項目の経済協力を提案、合意した経緯があり、これら事業を促進することが目的だった。

 同年12月には、安倍首相の地元、山口・長門で行われた日露首脳会談で、北方領土での風力発電、養殖漁業など5項目の共同経済活動開始でも合意した。安倍政権が、ロシアとの経済協力に前のめりになった年であり、北方領土交渉を促進するという思惑からだった。』

『しかし、ロシアとの経済協力に慎重な意見が国内にあり、北方領土での共同事業にしても、日本固有の領土であるにもかかわらず、いずれの法律を適用すべきかなどで対立、進展を見ていなかった。そうした中で、ことし2月、ロシアのウクライナ侵略が始まった。
 その直後、の3月2日、岸田首相が参院予算委で「ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業は当面見合わせることを基本とする」と表明。松野官房長官も同月11日の衆院内閣委で、「幅広い分野で関係全体を発展させるよう粘り強く平和条約交渉を進めてきたが、ウクライナ情勢を踏まえれば、これまで通りはできない。8項目を含む協力事業は当面見合わせる」と説明した。

 見合わせている事業のために担当相を存続させて何をさせようというのだろう。兼任とはいえ理解不能だ。「見合わせ」は一時的であり、時機を見て復活させようという思惑なのか。

これまでは、強い制裁を課してきたが

 今回のロシアによるウクライナ侵略を受けて日本は当初から、対露制裁、ウクライナ支援でG7各国とよく協調してきた。

 ウクライナに対して、食糧、シェルターなど2億ドルにのぼる人道支援、3億ドルの円借款に加え、防衛装備品の供与を断行。防弾チョッキ、ドローン 防衛装備品にヘルメット、双眼鏡など攻撃用武器との境界が微妙な物品も含まれた。

 ロシアに対しては、最恵国待遇除外、プーチン大統領らロシア要人の資産凍結など矢継ぎ早に行い、もっとも強い手段として、東京のロシア大使館員8人を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからぬ人物」として追放した。ロシア外交官を日本政府が一挙に8人もの多数を、しかも、制裁の一環として追放するのははじめてだった。 

 ロシアの侵略直後、日本はどの程度の制裁を打ち出せるか懸念する向きが少なくなかった。

 というのも、2014年、ロシアがクリミアを併合したときの日本の制裁は、ビザ発給緩和の停止、関係者23人へのビザ停止など軽微な内容だったからだ。しかし、日本がとった措置は、こうした懸念を払しょくするに十分だった。

 それだけに、今回の「ロシア経済分野協力担当相」の存続は、「やはり」という疑念を再び呼ぶことになるだろう。

サハリン1、2の権益維持も念頭か?

 日本政府は石油などロシア極東の資源開発事業「サハリン1」、天然ガス開発事業「サハリン2」について、従来通り堅持したい方針を示している。これに対し、プーチン大統領は制裁への報復として、サハリン1の株式取引を禁じ、サハリン2をロシアの新会社に譲渡するよう命じた。

 萩生田光一経産相(当時)は8月8日、サハリン1について、「われわれはいままでの方針を維持する」と述べ、サハリン2については、日本の商社に対して、ロシアが設立したあらたな運営会社に出資継続を求めた。』

『担当相ポストの継続は、こうした方針とも関係があるのかもしれない。西村経産相は就任会見で、同様に権益維持の方針を表明したが、冒頭に「参加した企業への対応」と述べたのは、商社への働きかけを指しているとみられる。

 しかし、日本が事業を継続した場合、各国からの非難は免れないだろう。ロシアのウクライナ侵略直後、米国のエクソンモービル、英国石油大手のシェルがそれぞれ「サハリン1」、「サハリン2」からの撤退を決めている経緯からだ。

 日本国内でも侵略開始の翌日の2月25日、自民党の佐藤正久外交部会長が党内の会合で「片方で制裁と言いながら、片方で共同経済活動を続けたら、各国は日本をもう信用しない」と強い調子で中止を主張、与党内で同調が広がっていた。

再び制裁の「弱い部分」になるのか

 1989年の中国の天安門事件をめぐって各国は強い制裁を課した。日本も同調したが、日中国交正常化20年の1992年、天皇(現上皇)の訪中を契機に制裁解除の先鞭をつけた。中国とは地政学的に各国と異なる立場にある日本独自の判断だった。

 当時、中国外相だった銭其?氏は回想録の中で、西側の制裁の輪の中でもっとも弱かったのは日本であり、そこに狙いをつけたと告白。結果的に利用された日本側は悔しさを隠せなかった。

 日本は今度は対露制裁で「もっとも弱い部分」になるのだろうか。銭其?氏の回想をよもや忘れまい。』

岸田改造内閣、初入閣は9人 女性閣僚は2人のみ

岸田改造内閣、初入閣は9人 女性閣僚は2人のみ
「派閥均衡色」強く 平均年齢は62.65歳
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1002S0Q2A810C2000000/

『10日発足の第2次岸田改造内閣は9人が初入閣した。うち8人が議員経験が比較的長い「入閣待機組」からの登用だ。岸田文雄首相(自民党総裁)は「派閥均衡型」で挙党体制の構築を目指す。閣僚19人のうち女性は改造前と変わらず2人だった。

首相は10日の記者会見で「数十年に一度ともいわれる難局を突破するため、経験と実力に富んだ新たな連立政権を発足させた」と述べた。「約束してきた政策を本格的な実行に移す段階となる」とも語った。

今回の内閣改造では党内の「入閣待機組」80人ほどの処遇が焦点だった。衆院当選5回以上、参院当選3回以上で閣僚経験がない議員を指すことが多い。日本経済新聞社の調べによると衆院で50人ほど、参院でおよそ30人の国会議員が該当する。

今回の内閣改造は9人が初入閣した。うち8人が待機組だ。

最大派閥の安倍派は衆院当選6回の西村明宏氏が環境相、参院当選4回の岡田直樹氏が地方創生相で入閣した。第2派閥の茂木派は衆院当選7回の秋葉賢也氏が復興相、参院当選4回の野村哲郎氏が農相に入った。麻生派は衆院当選6回の永岡桂子氏が文部科学相に就いた。

総裁派閥の岸田派は寺田稔氏が総務相、葉梨康弘氏が法相に就任した。いずれも衆院当選6回を数える。

組閣前は安倍派会長代理の塩谷立氏が2回にわたり首相と面会した。二階派の事務総長を務める武田良太氏も官邸に首相を訪ねて人事の要望を伝えた。それぞれ派閥を率いる麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長は首相と事前に人事を協議した。

内閣改造では各派閥が入閣を要望する議員リストを首相側に事前提出するのが通例だ。実現の可否は派閥の求心力に直結する。首相は待機組の登用で派閥に一定の配慮を示した。
派閥への配慮は19ある閣僚ポストの配分からもうかがえる。

安倍派と麻生派が4つずつ、茂木派と岸田派がそれぞれ3つだった。2021年の総裁選で野田聖子氏を推す動きがあった二階派にも前回同様2つを配した。大枠は前回21年11月の組閣時とほとんど変わらない。

首相が各派閥へ配慮を示すのは政権基盤を固める狙いがあるためだ。岸田派は党内で第4派閥で、安定した政権運営には安倍派をはじめ他派閥の支援が欠かせない。

留任と再入閣はともに5人で、経験者を重用した。新型コロナウイルス対策を指揮する厚生労働相は3回目の登板となる加藤勝信氏を充てる。山際大志郎経済財政・再生相は留任する。食料品やエネルギーなどの物価高も喫緊の課題になる。

外交・安保担当の閣僚は浜田靖一氏が2回目の防衛相で、林芳正外相も続投する。「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を年末までに改定する。

首相を含む新内閣の閣僚の平均年齢は62.65歳で、前回組閣時の61.66歳から1歳ほど上回った。二階派で41歳の小倉将信氏を少子化相に抜てきし年齢構成に配慮したものの、過去5年で発足した内閣の中では2番目に高い。

女性閣僚は永岡氏と高市早苗経済安全保障相の2人にとどまった。現憲法下の女性閣僚は小泉、安倍両政権の5人が最多だ。岸田政権は21年秋の発足時は3人だった。閣僚枠が1つ減るのに伴って今春、堀内詔子氏がワクチン担当相を辞任し2人になった。

男女格差に関する国際ランキングで日本は146カ国中116位(22年版)と低迷を続ける。特に政治分野は139位と低い。』

サハリン2権益「維持方針変わらず」経産相

サハリン2権益「維持方針変わらず」経産相
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA041380U2A800C2000000/

『萩生田光一経済産業相は4日、日本企業が出資するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の権益について「エネルギーの安定供給のためには極めて重要な拠点だ。維持していくことに基本的に変わりはない」と語った。ロシア政府が新たな運営会社を設立すると決定したことを巡り「現時点で政府として中身を精査中だ」と話した。

経産省内で記者団の質問に答えた。

同事業には三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資する。既存株主は新たな運営会社設立から1カ月以内に、従来の出資比率に応じた株式取得に同意するかどうか通知するよう迫られている。萩生田氏は「国内企業とこの間、様々なシミュレーションをしてきた。基本的な方針に変わりはない」と強調した。

政府は商社側に権益を維持するために出資を継続するよう打診し、米国にも理解を求めてきた。』

岸田文雄首相、核戦力の情報開示を要請 NPT会議演説

岸田文雄首相、核戦力の情報開示を要請 NPT会議演説
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA303T40Q2A730C2000000/

『【ニューヨーク=奥山美希】岸田文雄首相は1日(日本時間2日未明)、ニューヨークで開いた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席して英語で演説した。核兵器数のさらなる削減などに向けて「全核兵器国に責任ある関与を求める」と述べ、各国に核戦力の情報開示を求めた。

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日本の首相が同会議に出席したのは初めて。首相は核兵器の危険性を世界に伝えるため各国の若年層に被爆地への訪問を呼びかけた。そのために国連へ1000万ドル(13.2億円)を拠出して基金を創設すると表明した。

包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を目指し、9月に初の首脳級会合を主催すると説いた。各国リーダーが核軍縮を議論する国際賢人会議を11月23日に広島で開くと明らかにした。

首相は「核兵器のない世界」という目標を掲げる一方で核の脅威が増す安全保障環境に対応した行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」に取り組むと訴えた。①核兵器不使用の継続②核戦力の透明性向上③核兵器数の削減傾向を維持④原子力の平和利用の促進⑤被爆地訪問の促進――が骨子だ。

「世界の核兵器数が冷戦期のピークから減少したが、いまなお1万数千発の核兵器が残されている」と指摘した。「減少傾向の継続は極めて重要」と話した。

核戦力の透明性に関しては特にプルトニウムなどの核分裂性物質の生産実態を示すよう唱えた。情報を明らかにしない中国が念頭にある。「核軍縮・軍備管理に関する米中間での対話を後押しする」とも主張した。

ロシアのウクライナ侵攻に触れ「核兵器による威嚇や使用はあってはならない。長崎を最後の被爆地にしなければならない」と語った。核兵器の不使用を続ける重要性を国際社会で共有すべきだと強調した。

核兵器の開発や使用、威嚇を全面的に禁じる核兵器禁止条約には言及しなかった。核兵器国と非核兵器国の双方が参加するNPTの下で核軍縮を進める方向性を示した。
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

NPT再検討会議に首脳レベルが出席するのは異例のことですが、それゆえに岸田首相のメッセージを世界に伝えるには、いい機会だったと思います。演説にもあるように、ウクライナ侵攻を行ったロシアが、核兵器の使用の可能性を排除せずに威嚇にも使っている中で、世界は核兵器が使用される懸念を持つようになっており、そのような中で、改めてNPTの意義を強調して賛同を求めることに意味があると思います。また核兵器禁止条約に言及せずに既存の核兵器による相互抑止体制を否定しない現状に即した姿勢は、自国の安全保障のためにも、空虚な理念先行に陥らずに核保有国の賛同を得るためにも、重要だと思います。
2022年8月2日 8:19

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インドネシア、日本産食品の輸入規制撤廃 首脳会談

インドネシア、日本産食品の輸入規制撤廃 首脳会談
G20サミットへ協力確認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA272J30X20C22A7000000/

『岸田文雄首相は27日、首相官邸でインドネシアのジョコ大統領と会談した。首相は共同記者発表で、ジョコ氏からインドネシアで一部に残っていた日本産食品の輸入規制を完全に撤廃したとの説明があったと明かした。ジョコ氏は日本企業による投資拡大に期待を示した。

両首脳は11月にインドネシアで開く20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の成功に向けて協力すると確認した。

ジョコ氏は共同記者発表で「G20が国際的な経済危機からの回復に寄与していきたい」と主張した。「日本と優先アジェンダを常に調整していきたい」と語った。

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に関し「G20サミットで改正議定書に署名することで一致した」とも表明した。インドネシア産のマグロやパイナップル、バナナに日本が課す関税の軽減・撤廃を要望したと説明した。

首相は「G20サミットの成功に向け引き続きインドネシアを支え緊密に連携していく」と述べた。インドネシアでの水力発電所の完成に向けた436億円程度の円借款を供与すると伝えた。

両首脳の正式な会談は4月にインドネシアで会って以来となる。両首脳は自由で開かれたインド太平洋の実現へ連携すると確かめた。海上保安や安全保障を巡り協力を深めると合意した。

日本からインドネシアへの巡視船供与に関する覚書の署名を歓迎した。陸上自衛隊は8月にインドネシアで実施される多国間の共同訓練に初めて参加する。会談ではインフラや気候変動、エネルギー、防災など幅広い分野での連携強化も話し合った。

Twitterで最新情報を発信 https://twitter.com/nikkeiseijibu/?n_cid=MCH998 』

「アベなきキシダ」なら騙せるはずが…

「アベなきキシダ」なら騙せるはずが… 韓国は安倍元首相死去で右往左往
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07160600/?all=1

『韓国が一喜一憂する。安倍晋三元首相の死去で日本が再び言うことを聞く国になると喜んだり、岸田文雄政権は思いのほか右傾化すると怯えたり……。右往左往する様を韓国観察者の鈴置高史氏が報告する。

佐渡金山でも韓国に配慮したキシダ

――7月8日の安倍元首相の死去を韓国人はどう見たのでしょうか?

鈴置:韓国政府は哀悼の意を表明しましたが、ネットでは快哉を叫ぶ声が多い。これが韓国人の本音でしょう。ほとんどの大手メディアも「韓日関係を悪化させた張本人」と安倍元首相を回顧しています。「テロはいけない」といった建前論も付け加えてみせますが。

 当初は「外交的に韓国の得になる」という見方が出ていました。安倍元首相さえいなくなれば、岸田首相を思う存分に騙せる、との計算です。

 代表例が中央日報の「韓日関係、『安倍氏の影から抜け出す』にはこの3年がゴールデンタイム」(7月11日、日本語版)です。

 筆者は金玄基(キム・ヒョンギ)巡回特派員ら3人の記者です。この記事はまず、自民党が右傾化するかもしれないとの「懸念」を表明しました。

・安倍氏死去以降、自民党特有の保守右翼的色彩が深まり、これに伴って韓国に敵対的な雰囲気が弱まらない場合もあるという懸念も出ている。

 ただ、以下のような楽観論――「アベというお目付け役がいなくなったキシダを操縦するのは簡単だ」も開陳しました。要は「チャンス到来」と解説したのです。見出しの「安倍氏の影から抜け出す……ゴールデンタイム」からして、楽観論の実現を訴えた記事といえるでしょう。

・今すぐは難しいが、岸田首相の自民党内のリーダーシップが次第に強化される場合には状況が変わる可能性もある。実際、今年1月、日帝強占期の朝鮮人強制労役現場である佐渡金山を国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に推薦する過程でも、当初岸田首相は韓国の反発を意識して保留しようとした。

・また、岸田首相は4月に韓日政策協議団に会った際に「日韓関係の改善は待ったなしだ」とし「ルールに基づく国際秩序が脅かされている国際情勢において、日韓、日米韓の戦略的連携がこれほど必要なときはない」と強調した。

騙すのは日本の外務省

――岸田首相は韓国で人気がありますね。

鈴置:「自民党の宏池会は言うことを聞いてくれる」というのが中国と韓国での定説です(「尹錫悦はなぜ『キシダ・フミオ』を舐めるのか 『宏池会なら騙せる』と小躍りする中韓」参照)。

 実際、佐渡金山の問題で韓国は岸田政権を騙すことに成功しかけました。「推薦(登録申請)に動いたら“拒否権”を発動する」と韓国に脅された日本の外務省はそのままメディアにリーク。

「『佐渡金山』推薦見送りへ」(1月20日、読売新聞)、「佐渡金山 推薦見送りで調整」(1月21日、朝日新聞)、「佐渡金山見送りへ」(同、毎日新聞)などと新聞に書かせ「登録断念」の空気を作りました。

 外務省の陰謀を見てとった安倍元首相が岸田首相を説得、日本は一転して登録申請に踏み切ったのです。そもそも、韓国に拒否権などありません。登録申請に動く日本を見て韓国政府は大慌てしました。韓国が反対しようが、ユネスコ世界遺産委員会で3分の2の国が賛成すれば認められるのですから。

 また、外務省はしきりに「日韓関係改善を求める米国から怒られる」とリークしていましたが、登録申請を決めた後もそんな現象は起きていません。

――韓国ではなく、日本の外務省に騙されるのですね。

鈴置:その通りです。岸田氏は外相時代もしばしば韓国に騙されました(「岸田首相から3匹目のドジョウ狙う韓国 米中対立で日本の『輸出規制』が凶器に」参照)。

 ただ厳密に言えば、韓国政府とつるんだ日本の外務省に騙された部分が大きいのです。首相就任後も「佐渡の金山」で外務省に騙されましたし、中央日報が引用した「日韓関係改善は待ったなし」との発言も外務省の振り付けと言われます。

 韓国はこの発言から「キシダは後戻りできない」と強気になりました。そこで林芳正外相が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会っている最中に、海洋調査船を日本のEEZ(排他的経済水域)で活動させたのです(「尹錫悦はなぜ『キシダ・フミオ』を舐めるのか 『宏池会なら騙せる』と小躍りする中韓」参照)。

 岸田政権は「韓国の海洋調査に抗議しなかった」実績を作ってしまった。国際司法裁判所などで争った場合「日本が領有を主張してこなかった」証拠として韓国は思う存分に活用できます。』

『改憲を宣言したキシダに驚く

――「韓国とタッグを組んだ外務省」の騙しを阻んできた安倍元首相が逝去したので……。

鈴置:「しめた!」と韓国の外交専門家は小躍りしたのです。もっとも、直後の参院選で大勝した岸田首相の会見(7月11日)を見た韓国人はショックを受けました。

 憲法改正に前向きな「改憲勢力」が、国会発議に必要な3分の2を参院で維持したことを受け、岸田首相が「できる限り早く発議に至る取り組みを進める」と表明したからです。
 自民党は改憲の目玉の1つに「自衛隊の明記」を掲げています。驚いた韓国各紙は、社説で一斉に日本の改憲を批判し牽制しました。

 東亜日報の「岸田首相『できるだけ早く改憲』、まずは『平和離脱』への懸念を払拭せねば」(7月12日、日本語版)のポイントが以下です。

・日本の平和憲法の改正は保守右派が推進してきた長年の課題だが、岸田氏はこれまで改憲推進に慎重だっただけに、改憲加速化の発言は注目される。世界的な新冷戦の激化とともに右派の象徴である安倍氏に対する追悼ムードが加勢し、今以上の改憲の好機はないと見ているようだ。

・直ちに憲法9条改正の議論に弾みがつくだろう。自民党は、「武力行使の永久放棄、陸海空戦力不保持」を規定した9条を維持しながらも、「必要な自衛措置」を掲げて自衛隊の保有を明記する案を推進する方針だ。

・さらに、事実上の先制攻撃が可能な「敵基地攻撃能力」の保有を公式化し、防衛費を国内総生産(GDP)の1%から2%に増額する案まで推進すれば、日本は「戦争のできる国」を越えて「世界第3位の軍事大国」に変貌することになる。

『韓国民主政治の自壊』
鈴置 高史 著

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謝罪しない日本に改憲は許さぬ

――韓国は北朝鮮に対抗するため、日米韓の軍事協力強化に合意しています。

鈴置:尹錫悦大統領は6月29日の3カ国首脳会談で「北朝鮮への核・ミサイルへの対応で、韓米日の安保協力の水準を高める」と約束したばかりです。

 これもあって韓国政府は“準同盟国”日本の軍事力強化に文句は言いにくい。でも韓国人とすれば、せっかく経済力の伸長をテコに軍事費が日本と同水準となったのに、再び「日本の下」に立つのは面白くない。

 韓国の軍事費はGDPの3%前後の水準で推移してきました。韓国のGDPは日本の3分の1程度まで追い付いてきましたから、GDPの1%前後の日本の防衛費とほぼ同じ額に膨らんだ。
「この調子なら追い越せる」と喜んでいたところだったのに、日本が防衛費を2倍に増やせば、また、引き離されてしまう。

 21世紀に入って以降の韓国の異様な対日強気外交は、「もう、国力で日本に負けていない」との自信から来るのです(『韓国民主政治の自壊』第4章第3節「ついに縮み始めた韓国経済」参照)。

――では、どういう理屈で日本の軍拡に反対したのですか。

鈴置:「日本は謝罪していないから」との理屈を持ち出しました。東亜日報のその部分が以下です。

・日本の軍事強国化は、周辺国の警戒心を刺激するほかない。帝国主義侵略の歴史を持つ日本が、第2次世界大戦の敗戦後に経済的繁栄を成し遂げることができたのは、憲法9条が象徴する「非武装平和」を受け入れたからだ。過去の反省と謝罪がない日本が再び軍事大国に浮上することに対して、周辺国が懸念するのは当然だ。

・日本は歴史を直視するどころか回避することに汲々としている。右傾化への疾走の前に平和に対する信頼から築かなければならない。

 朝鮮日報の社説「安倍元総理死亡で強まる日本の『平和憲法』改定への動き」(7月12日、韓国語版)も、同じ理屈で日本は改憲すべきではないと主張しました。

・日本は侵略の歴史に対し、被害国の許しと信頼を勝ち得ていない。反省と謝罪の表明が十分でないうえ、一部の政治家の歴史に関する暴言と攻撃的な言動も続いている。

・日本が隣国の最小限の共感も得られずして平和憲法をむなしいものにしようと熱中すれば、その反作用も避けられないだろう。』

『日韓共同宣言で謝罪をもう一度

――韓国は日本が何と言おうと「謝罪が不足だ」と言います。

鈴置:韓国は「日本が本心から謝罪したか」を決めるのは自分と規定したうえ「まだ不十分だから、言うことを聞け」と日本に様々の要求を突き付けてきた。「謝罪」は韓国外交にとって貴重な切り札なのです。

 ところが、安倍元首相が2015年8月の戦後70年談話で「歴史問題でこれ以上、謝らない」との姿勢を明確に打ち出し、韓国の外交カードを粉々に打ち砕いてしまった。安倍元首相が韓国で蛇蝎の如くに憎まれているのは、このためです。

 外交関係者は対日交渉カードを失った。国民は日本をひざまずかせる快感を得られなくなった。政権は人気取りの材料を失った。そこに「韓国にすぐに謝ってくれる宏池会」の首相が登場したのです。韓国が謝罪カードの復活に全力をあげるのはある意味で当然です。

 尹錫悦大統領は「1998年10月に金大中大統領と小渕恵三首相が署名した日韓共同宣言を再確認しよう」と日本に繰り返し呼びかけています。

 韓国が日本文化の開放を約束した宣言と記憶する日本人が多いのですが、韓国側は「日本が植民地支配を反省し謝罪した」宣言と認識しています。

 尹錫悦政権は「日韓共同宣言の再確認」というオブラートにくるんで日本にもう一度、謝罪させることを狙っているのです。

 大統領選挙中に尹錫悦氏は元慰安婦に「日本に必ず謝罪させる」と約束したと報じられています(『韓国民主政治の自壊』第3章第1節「猿芝居外交のあげく四面楚歌」参照)。政権維持に「日本の謝罪」は必要不可欠なのです。

良心派の日本市民と連帯

――「謝罪疲れ」した日本が応えるでしょうか?

鈴置:韓国は常に日本の内側から「我々は謝罪と反省が足りない」と声を上げさせる作戦を展開してきました。今回もそれを画策しているようです。

 左派系紙のキョンヒャンが日本の改憲に関し載せた社説「『改憲早期発議』岸田、アジア人の苦痛から目をそむけるのか」(7月11日、韓国語版)が興味深い。結論部分を訳します。

・改憲するかどうかはあくまでその国の市民が決めることだ。だが、日帝の過酷な支配を経験した韓国の市民としては日本の再武装を可能にする改憲にはっきりと反対する。

・平和憲法の価値は極めて貴重だ。軍備競争に歯止めをかけようとする良心的な声が国家次元でも可能であることを見せよう。平和憲法を護ろうと闘う日本の市民たちに支持と連帯を送る。

 もっとも、「連帯すべき日本の良心派」がどれだけ存在するかは不明です。良心派市民の元締めである朝日新聞や毎日新聞も、岸田首相の憲法改正発言に関し社説で一切論じていません。少し前までなら「軍国主義の復活」と非難の嵐だったでしょうに。

 メディアを含め韓国の対日外交は空回りしているなあ、と見ていたら、わずかですが冷静な分析を発見しました。中央日報のイェ・ヨンジュン論説委員の「【時視各角】韓日『可能な次善』が最善策だ」(7月12日、日本語版)です。

・[日本製品]不買運動に出た韓国の大衆には安倍氏さえ消えれば韓日関係が改善されるだろうという漠然とした期待感があった。だが安倍氏の後に続いた菅義偉前首相や岸田文雄現首相も韓国に対する立場は変わりがなかった。

・安倍氏が不帰の客となったいまでもそうした期待があるようだ。岸田首相は安倍「上王」の顔色をうかがうほかなかったがこれからは態度を変えるだろうという期待だ。安倍氏が属する派閥の清和会と岸田首相が属する宏池会の政策性向を比較するもっともらしい分析まで付け加える。

・こうした期待は保守本流と傍系が逆転した自民党派閥間の力学関係の変化、派閥間の政策差別性の希薄にともなう「総保守」への収束現象、特に韓日関係懸案に対する一致した声などをすべて無視してこそ到達できる楽観論ないし希望的観測にすぎない。

日本研究界に爆弾発言

――日本をよく見ている韓国人もいるのですね。

鈴置:ある意味、爆弾発言です。韓国の日本専門家たちは自民党の派閥分析をやってみせ、素人を煙に巻くのを常套手段にしてきた。それを「古い手口」と決め付けたのですから。

 それに「キシダなら韓国の言いなりになる」という楽観論を否定したら、韓国には打開策がないことになってしまう。実は、この記事の結論は「日本も譲歩せよ」と至って平凡でした。

 日本が容易に譲歩しないことは分かっているイェ・ヨンジュン論説委員も「ここはなんとかキシダに譲歩させる」という案しか考えつかなかったのでしょう。韓国の苦境が分かる記事でした。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『韓国民主政治の自壊』『米韓同盟消滅』(ともに新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

デイリー新潮編集部 』

原発、冬に最大9基稼働 消費電力の1割

原発、冬に最大9基稼働 消費電力の1割
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA133Z30T10C22A7000000/

『岸田文雄首相は14日、首相官邸で記者会見し原子力発電所を今冬に最大で9基稼働すると表明した。国内消費電力のおよそ1割に相当する電力を確保する。火力発電の供給能力も10基増やす。電気代負担を実質的に軽減する新枠組みも打ち出し、電力不足解消へ政策総動員で臨む。

首相はこれまで参院選を控え、原発の再稼働などを巡り「最大限の活用」といった発言にとどめてきた。選挙後、初の首相としての記者会見で電力の確保を「政府の責任」と言明し積極姿勢を鮮明にした。

電力会社が再稼働を申請した原発は25基ある。このうち10基は原子力規制委員会の安全審査を通過し、いったんは地元の同意を得て再稼働していた。定期検査や安全対策の工事を理由に現在稼働しているのは5基にとどまっている。

首相は再稼働に向け「国が前面に立ち、立地自治体など関係者の理解と協力が得られるよう粘り強く取り組む」と意欲を示した。萩生田光一経済産業相に対応を指示したと明らかにした。

首相は最大9基の原発が再稼働した場合「ピーク時に余裕を持って安定供給を実現できる水準を目指す」と強調した。火力発電もあわせ「過去3年間と比べ最大限の供給力確保を実現できる」と指摘した。

関西電力や四国電力、九州電力では冬に原発9基を動かす体制をめざしていたものの、首相が明言することで実現の可能性を高める狙いがある。

首相が追加で確保する方針を示した火力発電所10基は一般的に500万~800万キロワット程度の規模となる。古くなって停止中の火力発電所の再稼働を電力会社に求める。新設や試験中の発電所の活用も模索する。

電力広域的運営推進機関によると、もっとも需給が厳しい2023年1月に全国で最低限必要な予備率3%を確保するには200万キロワットの追加の供給力が必要だ。500万キロワットを確保できれば、東北から九州の予備率は5%程度まで高まる計算になる。

電気代負担を実質的に軽減する枠組みを設けるとも説明した。節電に協力した家庭などに電力小売り各社がポイントを付与する制度に関し、政府が秋以降に加算を始める。電気料金の1~2割ほどの抑制をめざす。

物価高対策は自治体の判断で低所得者への給付金の上乗せや給食費支援などを実施すると明言した。地方自治体向けの国の地方創生臨時交付金を積み増す。5.5兆円の予備費の一部の支出を月内に閣議決定する。

足元で急拡大する新型コロナウイルスを巡りワクチンの4回目接種の対象を拡大する。60歳以上などに限る対象者を全ての医療従事者と高齢者施設の従事者およそ800万人にも広げる。

駅や空港に無料の検査場を100カ所以上設ける。水際対策については「強化することは具体的に考えていない」と言及した。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Japan-wants-up-to-9-nuclear-reactors-running-this-winter?n_cid=DSBNNAR 』

“計画的な犯行”で元首相を銃殺した山上徹也容疑者(41)の“正体”とは

《安倍元首相銃撃》「家を全然出たがらない子だった」「挨拶しても俯いたり、目をそらす」“計画的な犯行”で元首相を銃殺した山上徹也容疑者(41)の“正体”とは
https://bunshun.jp/articles/-/55801