7割強で5野党一本化 衆院選の構図を読む

『140選挙区で「与野党対決」

衆院選が19日に公示された。全289の小選挙区をみると、野党が候補者を絞って与党に挑む選挙区が多い。野党第1党の立憲民主党など5党が全小選挙区の7割強で候補者を一本化した。全選挙区の半分ほどの140選挙区で与党と野党の一騎打ちに近い「与野党対決」型となった。

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立候補者を与党と5野党、日本維新の会、その他の4勢力にわけて分析した。

与党候補には自民、公明両党の公認のほか①衆院解散時に自民会派に所属②自民が推薦――のいずれかを満たす人を加えた。

5野党の候補は立民、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の各党の公認に①解散時に各党の会派に所属②5党の候補が不在の選挙区で立民などが支援・推薦③連合が推薦――という条件を1つでも満たす人を含めた。

立民は9月、市民団体を介して共産、社民、れいわの3党と政策協定を結んだ。協定に参加しなかった国民とも連合を通じて政策を確認し、小選挙区の候補者の重なりを解消する調整を進めてきた。

衆院選の小選挙区は最多得票の1人が当選者となる。5野党の候補者が乱立して政権批判票が分散すれば、結果として与党の自民、公明の候補に有利に働く。こうした状況を防ごうと5党は腐心した。

前回の2017年衆院選は最大野党だった民進党の勢力が選挙直前に分裂した。旧立憲民主党や旧希望の党などの野党候補が乱立し、与党の自民、公明は再び3分の2の勢力を維持する勝利を収めた。

かつては共産が衆院選でほぼ全ての小選挙区に候補者を立てる例があった。今回の共産の小選挙区の立候補者数は105人で、前回17年の206人からほぼ半分に減り、現行制度下で過去最少となった。

共産票が立民などほかの野党候補の基礎票となれば、過去に接戦を繰り広げてきた選挙区の勝敗に大きく影響する。与党側は警戒を強める。

5党が一本化に成功した選挙区のなかには与党のほかに日本維新の会が候補者を出した選挙区もある。維新は野党5党の候補者の一本化と一線を画す。自民、公明の連立政権の政策に「是々非々」の立ち位置をとる。

与党、野党5党、維新の3勢力の候補者が争う「三つどもえ」の選挙区は69あった。特定の支持政党を持たない無党派層の票が各候補に分散する可能性があり、勝敗の行方が読みにくくなる。

野党間で一本化できず、与党の候補に複数の5党候補が並び立つ「5野党競合」型は76選挙区ある。このうち23選挙区には維新の候補者もいる。野党候補が乱立するほど与党批判票が分散する。

与党側が候補者を立てられなかったり、一本化できなかった選挙区も4つある。静岡5区は旧民主党で閣僚を務めた前職が自民入りをめざして無所属で出馬し、自民公認の前職と保守分裂になった。立民の候補らも届け出た。
与党、3選挙区で公認不在 自民の5%、公明推薦なし

与党はほとんどの選挙区で自民、公明両党が協力する選挙戦になる。自公は1999年に連立政権の樹立で合意し、2009~12年の野党転落時も選挙協力の枠組みを維持してきた。

今回の衆院選で自民は277選挙区、公明は9選挙区に公認候補を擁立した。3選挙区は与党の公認候補がいない。17年も自民が候補を一本化できず候補を公認しなかった選挙区があったが、今回は不祥事による離党が相次いだのが背景にある。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言下に衆院議員3人が銀座のクラブを訪れて批判を浴び、自民の3人が離党した。うち2人は神奈川1区と奈良3区から無所属で出馬した。この2つの選挙区で自民は公認候補の擁立を見送った。

東京15区も自民公認の候補が不在だ。カジノを巡る汚職事件で前職が自民を離党した。自民は17年衆院選で旧希望の党からでて比例代表で復活当選した前職と、当選1回の元職の2人に推薦を出した。立民の元職と維新の新人も交えた乱戦になった。

宣言下で銀座のクラブを訪れた問題を巡っては公明でも1人が衆院議員を辞職した。その選挙区には自民が市議を急きょ擁立した。

公選法違反で実刑判決を受けた河井克行元衆院議員の選挙区は逆に公明が候補者を立てた。選挙前のわずか1年の間に自公が選挙区で候補を入れ替えるのは珍しい。

自民は公明が小選挙区で公認した9人の候補全員に推薦を出した。17年の衆院選も9選挙区全てで推薦した。

公明は自民の小選挙区候補277人のうち261人に推薦を出した。一方で全体の5%にあたる16人への推薦は見送った。前回衆院選で推薦を出さなかったのもほぼ同水準の4%だった。
衆院選、戦後初「4年以上なし」 解散から17日の最短決戦

今回の衆院選は現行憲法下で初めて衆院議員の任期満了日後に投開票を迎える。10月21日の任期満了を10日超えた期日を設定した。

現行憲法下で任期満了まで残り半年を切ってから衆院を解散したのは過去に1952年、90年、2000年、09年の4例がある。今回の解散は21日の任期が終わる1週間前の14日で、満了日に最も近づいた。

今回に次いで遅いタイミングの解散だったのは09年だ。当時の麻生太郎首相が任期まで2カ月を切った1410日目で解散した。自民党が大敗し、民主党などによる連立政権が発足した。

岸田文雄首相は10月4日の就任からわずか10日後の解散に踏み切った。首相就任から投開票日までの期間は戦後で最も短くなった。鳩山一郎氏の1954年12月の首相就任から79日後という記録を更新した。

首相は「思い切って新型コロナウイルス対策、経済対策をできないか。そういった思いから日程を決めた」と語った。

衆院解散から投開票までわずか17日という期間も最も短い。中曽根康弘首相が解散日程を定めた83年の20日間を抜いた。小選挙区比例代表並立制になった96年以降で最短は23日で、2014年などの例がある。

現行憲法下で唯一の任期満了に伴う1976年の衆院選は任期が終わる直前の日曜日だった。2017年の衆院選で選ばれた議員の在職日数はこのときに次いで戦後2番目となった。

衆院選が10月に実施されるのは前回17年に続いて5回目となる。これまでに10月に衆院選を実施したのは1952年、79年、96年、2017年だった。戦後の衆院選の実施月をみると12月の6回が最も多く、10月は2番目だ。4月と11月が3回で続く。

年の終盤に集中するのは政治日程が絡む。当初予算案の審議などがある通常国会より、秋の臨時国会で局面打開や政治基盤固めを狙って解散に踏み切るケースが目立つ。

前回の17年衆院選は直前にあった夏の東京都議選で小池百合子都知事が率いる地域政党が躍進した。野党の選挙準備が整う前に当時の安倍晋三首相が解散をしかけた。

最大野党の民進党が分裂し、与党の自民、公明が12年、14年に続いて3連続で憲法改正発議などに必要な議席の3分の2超を得た。安倍氏は自民総裁として大型国政選の連勝を5に伸ばした。
候補者数、現行制度で最少 競争率は2.3倍

今回の衆院選の立候補者は1051人で、現行の小選挙区比例代表並立制になった1996年以降で最も少なくなった。このうち小選挙区には857人が出馬した。全体の競争率は2.3倍で、過去最低を記録した。

小選挙区の立候補者数は前回2017年には936人だった。800人台となるのは1996年以降で初めてのことだ。比例代表のみに立候補した候補は194人だった。

野党間の選挙区調整が進み、共産党が小選挙区の候補者を絞り込んだことなどが要因に挙げられる。選挙日程が想定より1~2週間早まり、準備が整わなかった例もあったとみられる。

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・衆院選の攻防ライン 与野党が注視する3つの数字
・衆院選公示、候補者の多様化遠く 20~30代初の1割未満

クリックするとビジュアルデータへ
衆院選2021 立候補者一覧 https://vdata.nikkei.com/election/2021/shuin/kaihyo/ 』

【衆院選・神奈川2区】前首相、目に力なく

【衆院選・神奈川2区】前首相、目に力なく 政権交代知る女性候補が脅かす
https://tanakaryusaku.jp/2021/10/00025923

 ※ ここの選挙区は、けっこう注目している…。

 ※ 菅前首相、議席を守れるか…。

 ※ 小此木さんの例が、あったしな…。

 ※ 別にオレは、立憲民主推し(おし)では無い…。一言(ひとこと)お断りしておく…。

『悪政の果てに政権の座を追われた菅前首相。横浜市長選挙で前首相の野望を木っ端みじんに打ち砕いたハマのドンが応援する岡本英子候補(立憲・元)。

 衆院選公示日のきょう19日、二人の候補の一騎打ちとなった神奈川2区を取材した。

 岡本は09年の衆院選挙で自民党候補を大差で破った経験を持つ。政権交代の熱気を知る候補である。

 岡本陣営は横浜市南区の事務所前で出陣式を執り行った。ハマのドンこと藤木幸夫氏が駆け付けた。横浜の選挙を差配する藤木は、8月の市長選では自らが応援する野党候補を圧勝に導いた。菅首相(当時)の推す自民候補を「ゼロ打ち」で破ったのである。

 「藤木会長ほどの大物がせっかく来てくれるのだから、出陣式は横浜駅西口でした方が人目に留まっていいのではないか」と進言する運動員もいたが、岡本が「事務所前で」と押し切った。

このオジサン誰? 後ろにSPが付いていなければ、前首相とは分からなかった。目も虚ろだ。面白うてやがて悲しき。権力を失った人間の姿である。=19日、横浜市内 撮影:田中龍作=

 岡本に理由を聞いた。「ここの方が住民が集まりますから。(横浜駅)西口だとお年寄りには遠いから」と答えた。確かに事務所は住宅地にある。

 09年に自公を破った小沢(一郎)流の「川上作戦」を思い出す。地方(川上)を押さえてから都市部(川下)に出て行く、戦術である。地元の有権者を引き付けて、それから大都会の横浜駅西口に出て不特定多数の有権者に訴えようという寸法だ。

 09年当時小沢は「辻立ち一日50回」をノルマとした。岡本は一日40回の辻演説をこなした。道路のゴミ収集場所ごとに立ち止まって、有権者に語りかけたのである。「私はその手法しか知らないので、またやると思う」と岡本は静かに闘志を燃やす。

「風がこっちに吹くように頑張るしかない」。淡々とした口調に決意をにじませた。(文中敬称略)

岡本候補の演説に耳を傾ける地元住民。これぞ川上作戦だ。=19日、横浜市内 撮影:田中龍作=

 ~終わり~ 』

うどん県の熱い戦い

うどん県の熱い戦い映画に
衆議院 香川1区
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/69653.html

平井卓也
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E4%BA%95%E5%8D%93%E4%B9%9F

『平井 卓也(ひらい たくや、1958年1月25日 – )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(7期)、自由民主党香川県連会長。

デジタル大臣(初代)、内閣府特命担当大臣(個人情報保護委員会)、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)などを歴任した。

参議院副議長や郵政大臣を務めた元参議院議員の平井太郎は祖父。元労働大臣の平井卓志は父。四国新聞社社主平井温子は母、同社代表取締役CEO平井龍司は弟。妻と二男・一女。 』

 ※ ということで、「政治家の血筋」「四国新聞というメディアの支配」という「地盤・看板」を承継している…。「カバン」については、言及が無いが、それなりに「地元経済界」にも、支持基盤があるんだろう…。

 ※ 『生い立ち

香川県高松市出身。高松第一高等学校を経て、上智大学外国語学部英語学科卒業。1980年電通に入社する。1986年に同社を退社、その後、1987年11月より1999年まで西日本放送代表取締役社長、1993年11月に丸亀平井美術館を設立・館長に就任、1995年4月より親族が経営する高松中央高等学校理事長を務めた[1]。』…。

 ご本人も、こういう「華麗なる経歴」だ…。

小川淳也
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E6%B7%B3%E4%B9%9F

『小川 淳也(おがわ じゅんや、1971年4月18日 – )は、日本の政治家、元自治・総務官僚。立憲民主党所属の衆議院議員(5期)。総務大臣政務官(鳩山由紀夫内閣・菅直人内閣)、旧立憲民主党代表特別補佐[1]などを歴任。』

『来歴

香川県高松市生まれ。香川県立高松高等学校を経て、東京大学法学部卒業。東大卒業後の1994年4月、自治省(現:総務省)に入省する。2001年4月、春日井市役所に出向し、企画調整部長に着任。大臣官房秘書課課長補佐を最後に2003年7月に総務省を退官した。』

 ※ 上記の平井氏と争うのが、小川氏。

 ※ こういう経歴の人物だ…。

町川順子

町川順子のwiki経歴や学歴(高校 大学)|夫や子供(娘・息子)の家族構成やプロフィールを調査!【香川1区】|DRIKIN RESEARCH
https://drift-kingdom.com/machikawa-junko-kagawa1/ (※ wikiが無いようなので、これを貼っておく)

『1959年04月10日
香川県三木町に生まれる

1978年3月
香川県立高松東高校を卒業

東邦相互銀行勤務
東芝クレジット株式会社 高松営業所勤務
百十四銀行本店勤務

2001年~2008年
シュウウエムラメイクアップスクール大阪校メイクアップアーティストクラス修了

2002年~2007年
JMSメイクアップスペシャリスト協会 北海道理事歴任
メイクアッププロ養成講師&技術検定官
日本フェイシャルメイク技能検定協会 検定審査委員長就任
同協会のメイクアップテキスト執筆、講師活動

2009年
日本肥満予防健康協会 肥満予防健康管理士 講座認定講師資格取得
「第45回衆議院議員総選挙」新党大地比例代表 4番候補出馬
新党大地 副代表就任

2009年11月
肥満予防健康管理士 養成講座開講(香川/高松)

2012年
新党大地 女性局長就任
「第46回衆議院議員総選挙」北海道第3区出場

2013年
「第23回参議院議員選挙」全国比例候補

2014年11月
衆議院議員玉木雄一郎代議士の秘書に就任

2015年
日本大学(法学部政治経済学科)入学

2021年10月
日本維新の会より「第49回衆議院議員総選挙」に香川1区から立候補 』

 ※ 上記の2人に割って入って参戦したのが、町川氏だ…。

 ※ まあ、最後は「香川1区の選挙民」が決めるだろう…。

中山元文科相、政界引退を表明

中山元文科相、政界引退を表明
旧希望の党は「絶望の党」に
https://nordot.app/822800277204172800?c=39546741839462401

『政治団体「希望の党」は解散したと説明。衆院議員を通算8期務めた政治生活を振り返り「選挙や後援会活動にエネルギーを費やさざるを得なかった。政策、政治をやりたかった」と述べた。』

 ※ ここが、「地盤・看板・カバン」を有する「世襲議員」との最大の違いだ…。

 ※ 彼らは、盤石の「当選基盤」を有し、粛々と当選回数を重ねることができる…。

 ※ そして、時間も経済的にも「余裕」があるから、「勉強時間」「学習時間」を持つこともできる…。 

 ※ 「政策通」にもなるわけだよ…。

 ※ そして、議員の世界では「当選回数至上主義」だから、着々と「政務官」「副大臣」「大臣」のステップを、上って行く…。または、「党の重要ポスト」を経験して行く…。

 ※ 世の中、そーゆうことになっている…。

『中山成彬元文部科学相(78)は18日、宮崎市で記者会見し、19日公示の衆院選に立候補せず、政界を引退すると正式表明した。所属する希望の党が政党要件を失ったのを受け、発言機会が減ったことを理由に挙げた。小池百合子東京都知事らが設立した旧希望の党に関しては「自民党にものを申せる勢力をつくりたかったが、失速して『絶望の党』になってしまった」と残念がった。

 政治団体「希望の党」は解散したと説明。衆院議員を通算8期務めた政治生活を振り返り「選挙や後援会活動にエネルギーを費やさざるを得なかった。政策、政治をやりたかった」と述べた。』

中山成彬の家族は?父親・母親や兄弟について
https://akasannbiz.com/2021/10/07/nakayamanariaki/

『中山成彬さんの実家は、田畑合わせて一町三反の農家で、米・さつまいも・菜種・養蛮などを経営していました。

両親は朝早くから夕方まで働き詰めだったそうです。

中山成彬さんは、4人の弟妹の長男になります。

こちらは、母親の画像になります。

引用:http://nakayamanariaki.com/contents/wp-content/uploads/2014/11/shounen.pdf
非常に綺麗な方ですね。

中学3年時に校長先生から「この子をラサール高から東大に行かせて同郷の森永貞一郎さんの様に大蔵省を目指せ」と父親が強く勧められて、中山成彬さんはラサール高校に進学されます。

父親は高校2年生の時に、破傷病に似たウイルス氏病という風土病に掛かり、1週間で43歳で亡くなりました。

「期末テストの筈だから知らせるな」と父親が言われてたので、父親の死に目には遭えなかったそうです。

その時、母親は38歳だったそうです。

そして、一番下の兄弟は7歳と幼く、長男として帰って農家を継ぐ事を決めますが、担任の「授業料、寮費を免除し、奨学金も支給する」と言う言葉や「親父があんなに将来を楽しみにしていたのだから、家のことはみんなで加勢するから」と言う親戚中の励ましもあり、学業を続けられたそうです。』

自民は国民政党なのか 保守化が生む民意との微妙なズレ

自民は国民政党なのか 保守化が生む民意との微妙なズレ
編集委員 大石格
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD14B4O0U1A011C2000000/

 ※ ちょっと、何を言っているのか、よく分からない…。

 ※ 日本国憲法の間接民主制下で、投票によって選出された「国会議員の数」こそが、最大の「民意」だろう…。

 ※ それ以外の「民意」が、あろうはずも無い…。

 ※ そもそも、国民の考え・思いと大きく「乖離(かいり)」していたら、「票」は取れないだろう…。

 ※ この人、「世論調査」の結果を、「民意」だとでも言いたいのか…。

 ※ 「世論調査」なんてものは、単なる「アンケート調査」に過ぎない…。調査対象が、「日本国民」かどうかすら、保証されているものじゃ無いんだ…。

 ※ もうすぐ、その「民意」が示される…。

 ※ 結果に不満があろうが、「天の声も、時には、変な声…。」として、一時(いっとき)受け入れて、服する他は無い…。

 ※ しかし、永遠の話しじゃ無い…。また、次の機会がある…。それまで、切磋琢磨し、政策を提案・議論し、現実解を探って行く…。

 ※ そういう営みを繰り返して行くのが、「民主主義」ってもんだろう…。

『自民党はどんな政党か。説明しようとすると、思いのほか簡単ではない。共産党や社民党のような明確なイデオロギーがあるわけではない。目指す国家像を所属議員に聞くと、「国民が安心して暮らせる豊かな国」といった説明が返ってくるが、「不安だらけの貧しい国」にしたい政党などありはしない。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

要するに、戦後の焼け跡から立ち上がり、欧米に追いつけ追い越せと走ってきた国民の生活向上への欲望を体現することで支持を得てきた政党なのだ。民意の実現を最重視する政治姿勢を印象づけるため、自民党は「国民政党」と称してきた。

ときどきの民意を巧みに取り入れることで1955年の結党からの66年のうち4年ほどを除き、政権与党の地位を占めてきた。民意の風向き次第で針路を大胆に右に左に動かす「振り子の論理」が機能した。長らく野党第1党だった社会党の主張を横取り的に取り込むこともよくあり、「日本は世界で最も成功した社会主義国」といわれることもあった。

2009年野党転落で保守化

その風読み政党が2009年の野党転落をきっかけに変化した。リベラル志向の民主党と差別化しないと、次の選挙を戦えない。そう判断し、候補者を大幅に入れ替え、保守色を鮮明にする戦略を採用した。イデオロギー政党化したのだ。

右傾化の代表例が、12年に作成した憲法改正草案である。05年に自民案を発表済みだったのに、わざわざつくり直した。基本的人権の条文のあちこちに「公益及び公の秩序に反しない限り」とただし書きを付けるなど、個人よりも国家に重きを置いた体系に置き換えるためだった。

中国の対外圧力の強まりなどもあり、日本の世論全体が右寄りになり、自民党の戦略は奏功した。12年以降の3回の衆院選、3回の参院選にいずれも勝利を収めた。

外交・安保政策で選ばれる自民

国際政治学者の三浦瑠麗氏は著書「日本の分断」(21年、文春新書)で、自身のシンクタンクが実施した「日本人価値観調査2019」に基づき、与党の支持層と野党の支持層で最も志向が異なるのは外交・安全保障分野であると指摘している。経済政策において、自民党の社会福祉政策に不満を抱いている有権者は少なくないが、立憲民主党の外交・安保政策に不安があるので、自民党に投票しているという分析だ。

各種の世論調査で、重視する政策は何かと問われると、「年金」「介護」「医療」という回答が多いにもかかわらず、実際には「経済に関する価値観よりも外交安保に関する価値観の方が投票に強く影響を与えている」という。つまり、野党が現実的な外交・安保政策を打ち出せば、与野党の差は縮まるということだ。

与野党の支持層で距離がある政策としては、原子力発電所を維持するのかどうかもそうだ。選挙で争点に据えやすい課題といえるが、裏返せば強調しても自党の支持者の支持固めには役立っても、他党の支持者を引きはがす効果はあまりない。

それよりも注目すべきは、日本人価値観調査で自民党支持層で否定的な回答が多かった設問である。例えば「日本は将来、核保有を目指すべきだ」などだ。自民党内にそうした主張がないわけではないが、現状において多数派ではないのは、票につながらないからだろう。

選択的夫婦別姓で民意とズレ

ほかには「夫婦別姓」も賛同は多くなかった。

こうしてみていくと、喫緊の課題は夫婦別姓だ。政府が20年末に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画において、第1次から第4次まであった「選択的夫婦別氏(姓)」について「必要な対応を進める」という表現が、「夫婦の氏(姓)に関する具体的な制度」の「さらなる検討を進める」に後退した。自民党内で激論があり、選択的夫婦別姓に反対する高市早苗氏らが推進派を抑え込んだ。

その高市氏が政調会長に就いて作成した今回の衆院選公約は、性的少数者(LGBT)への理解促進は掲げているが、選択的夫婦別姓には触れていない。

皇位継承も民意とズレが大きい。共同通信社の20年の世論調査によると、女性天皇の実現に85%、女系天皇に79%が賛成した。一方で自民党は旧宮家の男系男子の皇籍復帰を主張している。

岐路に立つ保守志向の維持

いまの自民党は12年以降に当選した国会議員が46%を占める。民主党政権の崩壊で、リベラル寄りの有権者が自民党支持に回帰しているにもかかわらず、自民党はなお保守志向を維持している。

やや古いデータではあるが、東京大学の谷口将紀教授は17年に朝日新聞との共同研究で、有権者と国会議員の政策志向を調査してグラフ化している。これをみても、自民党が多数を占める国会議員の志向は、民意よりもかなり右に位置しているのがよくわかる。
東京大学の谷口将紀教授は、有権者と国会議員の志向にズレがあると指摘する。グラフは右の山が議員の志向、左の山が有権者の志向を示している。横軸はゼロが中立で、プラス方向に行くと右傾化、マイナス方向に行くと左傾化を示す。縦軸は数値が大きくなるほど政策志向に合う人物が多い確率を示す。(東大・谷口教授と朝日新聞の共同研究から抜粋)

「自民党を再び国民政党として国民の皆さんに支えていただける政党に生まれ変わらせなければならない」

「聞く力」を掲げる岸田文雄首相は9月の自民党総裁選に勝利した直後、陣営の報告会でこう訴えた。自民党は国民政党でいくのか、イデオロギー政党でいくのか。岐路に立っている。

編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へNikkei Views 』

惜敗率

惜敗率
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%9C%E6%95%97%E7%8E%87

 ※ よく知らんかったので、調べた…。

 ※ なるほど、「比例」で、「同一順位」候補の場合、「惜敗率」で決めるのか…。

 ※ 誰を、「名簿の上位にするか」「同一順位にするか」は、各政党の意思によるんで、「幹事長」の権限が重要になるわけだ…。

『惜敗率(せきはいりつ)とは、日本の選挙におけるある候補者の得票数を同一選挙区で最多得票選者の得票数で割ったもの[1]。』

『1996年以降の日本の衆議院議員総選挙では小選挙区比例代表並立制で立候補者が「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」に重複立候補できる。

比例代表の名簿には政党が複数の重複候補者を同一順位にすることがあるが、この場合、候補者の惜敗率を求め、惜敗率の高い候補者から比例名簿の順位が決められていく[1]。

惜敗率を使うと、より近く当選者に肉薄していた落選者が優先される[1]。』

「233」「310」…… 政権を左右する数字

「233」「310」…… 政権を左右する数字
衆院選ライブ
(2017年10月22日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22347960X11C17A0000000/

 ※ 前回の2017年衆院選の時の記事だ…。

 ※ しかし、今回にも参考になると思われるんで、貼っておく…。

『衆院選で獲得する議席数は政権運営を大きく左右する。

まず過半数の233。選挙制度改革で衆院の定数は2014年衆院選より10減り465となっている。安倍晋三首相は自民、公明両党あわせて与党で「過半数」を勝敗ラインに設定した。政権維持に必要な最低限の議席数だ。

国会運営を考えれば、過半数以外にも数の目安がある。

たとえば安定多数の244。予算委員長など17の常任委員長ポストを与党が独占し、各委員会でも野党と同数かそれ以上の委員数を確保できる。もう一つが絶対安定多数の261。各委員会で与党委員が過半数となり、主導権を握れる。

公示前勢力で自民党は290、公明党を含めると324だった。選挙戦が始まってからの情勢調査でも与党で300議席を獲得する勢いをみせる。首相は憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席、310も視野に入れている。』

岸田・自民党はご祝儀相場も消えて日々失速中

岸田・自民党はご祝儀相場も消えて日々失速中 議席予測257→244→239に危機感
https://news.yahoo.co.jp/articles/c99badeaeed21bc6931b37dcc0e157205804c193?page=1

 ※ 各週刊誌の「選挙予測」の紹介記事だ…。

 ※ 内容読むと、タイトルと全く違っていて、「自民圧勝」「自公圧勝」の議席予測となっている…。

 ※ 「失速中」は、どこへ行ったんだ?

 ※ まあ、フタを開ければ、判明するだろう…。

『史上最短のスピード決戦となる総選挙が事実上スタートした。就任したばかりの岸田文雄首相は「未来選択選挙」と位置づけ、自らの求心力上昇と政権基盤強化を狙う。4年ぶりの政治決戦で野党共闘はどこまで効果を発揮するのか。10月19日の告示を間近に控え、その行方を探った。

「この総選挙で国民の信任をいただければ、数十兆円規模の総合的かつ大胆な経済対策を最優先でお届けする」。岸田氏は首相就任11日目の10月14日、衆院解散後の記者会見でこう力説した。マスコミ各社の世論調査では歴史的な低支持率での船出となったが、菅義偉政権末期には「与党過半数割れ」もあり得ると悲観されていただけに、新政権発足の「ご祝儀相場」で党勢が持ち直したとの自負があるのだろう。


メディアの予測を繙くと

 では、メディアによる最新の予測はどうなっているのか。まずは、10月12日発売の「サンデー毎日」』(10月24日号)の「10.31総選挙 看板倒れ岸田 自民19減」。選挙プランナーによる党派別獲得議席予測を掲載し、自民党は小選挙区191、比例区66の計257議席という分析を紹介している。自民党は前回衆院選で218の選挙区での勝利をつかんだが、今回は19人が涙を飲むとの予測だ。3議席増の公明党(32議席)を足せば、与党は計289議席絶対安定多数(261)上回る

 10月14日発売の「週刊文春」(10月21日号)は、「自民、想定外! 289全選挙区予測」と題した12ページの特集記事を掲載。選挙区別の情勢分析や党派別の獲得議席をシミュレーションしている。その「党派別獲得議席予測」を見ると、自民党は選挙区で171(現有議席210)、比例区で73(同66)の計244(同276)を獲得。32議席減らすものの、わずかに単独で過半数(233)上回る。公明党の選挙区8(同8)、比例区25(同21)の計33(同29)を加えれば、全465議席のうち277議席を確保するとしている。

 野党は立憲民主党が選挙区で競合していた共産党との候補者調整を進め、日本維新の会を除いた野党系の一本化は210超の選挙区で決着した。しかし、野党共闘の効果は限定的と見られ、立憲は選挙区で81(同48)、比例区は34(同62)の計115(同110)。共産は比例区で5議席増やすものの、計17(同12)と予測されている。』

『自民の勢いに「下降傾向」

 10月15日発売の「週刊ポスト」(10月29日号)は、「安倍と二階が真っ青に! 10・31総選挙289選挙区当落予測」と題し、政治ジャーナリストの情勢分析から全465議席の当落をシミュレーション。自民党は小選挙区153~188、比例区は67~71の計220~259議席。公明党は7~9、比例で20~21の計27~30議席で、自公両党の予想獲得議席数は247~289となっている。中央値は、自民が現有議席から37議席減の239、公明はマイナス1議席の28だ。立憲民主党は小選挙区が70~98、比例区は51~53の計121~151。中央値は26議席増の136で、共産党は16~18(中央値は6議席増)となっている。

 今回は主要政党の情勢分析に取材も加味し、その行方を独自に探った。自民党の候補者が強い選挙区は全289のうち150超に上り、僅差でリードする選挙区も40近くあるとみられる。厳しい接戦を強いられているのは約30選挙区で、各誌の予測と大きな差はない。気になるのは、自民の勢いに「下降傾向」がみられていることだ。

 前述した各誌の予測は、日が増すごとに「257-244-239」と自民党の予想獲得議席が減少している。政党の情勢分析を見ても、8月時点と比べて10月にプラスになったのは新政権発足に伴う「ご祝儀相場」の影響などで約80選挙区あるが、逆に悪化した選挙区も60以上ある。

 NNN・読売新聞が10月14、15日に実施した世論調査によると、岸田内閣の支持率は発足直後の56%から4ポイント減の52%。比例代表の投票先でも自民党は48%から4ポイント下がっている。この傾向は10月の時事通信の調査(8~11日実施)も同様で、自民党を比例代表の投票先に選んだ人は43.6%と最多であるものの、9月の調査から6.3ポイントも低下した。

 超短期決戦とはいえ、このまま下降傾向が続いていけば、「接戦区で取りこぼしがみられることもある。十分に気持ちを引き締めなければ危ない」(自民党中堅議員)と懸念の声もあがる。不穏な空気を感じたのか、岸田首相は15日、甘利明幹事長や麻生太郎副総裁、遠藤利明選対委員長と対応を協議した。9月末の総裁選では、国民感覚に近い党員・党友票で河野太郎党広報本部長に引き離されながらも、国会議員票の比重が重い決選投票で圧勝した岸田氏。そうした「永田町の論理」は来る総選挙でどこまで国民に通用するのだろうか。』

衆院選予測、突発的な出来事なければ自民単独過半数

衆院選予測、突発的な出来事なければ自民単独過半数
https://www.thutmosev.com/archives/86957761.html

 ※ 「トトメス大王」の「ご託宣」だ…。

 ※ 「政党支持率」というデータから、判定したものだ…。

 ※ 「与党(自民+公明)で過半数」どころか、「自民だけで単独過半数」という線もアリ…、とのご託宣だ…。

 ※ まあ、フタを開けてみれば、判明するだろう…。

『自民支持率が4割超だと、単独過半数の結果が多い
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画像引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211011/k10013302581000.html 各党の支持率は NHK世論調査 _ 2021衆院選 _ NHKニュース

データでは自民党単独過半数濃厚

21年10月14日、岸田新総理が衆議院を解散し10月31日の投票が決定しました。

衆議院の任期は10月21日に満期なので実質1週間早まっただけだが、政治的には少し意味がある。

歴代の総理大臣は解散権を行使することで権威を示し、総選挙で勝つことで安定政権を築いた。

解散権を行使できない総理はそれだけ弱い総理と見なされ、もちろん選挙で負ければ辞任を迫られる。

菅前総理は解散を口にしたが”影の総理”こと二階を怒らせてしまい、結局解散できず辞任した。

岸田総理は解散権を行使したので『菅より上』になり、衆院選で勝利すれば操り人形から人間に昇格する。

岸田政権は麻生、安倍の両グループから支持されたが、今のままでは両派には逆らえない。

だが衆院選で大勝すれば2014年の安倍首相のように、岸田1強体制を作るのも可能になる。

安倍首相は自民党総裁選で勝ったものの党員票は石破の方が多く、政治力は希薄だった。
だが衆院選で単独過半数を大きく超える6割以上の議席を獲得したので、「安倍の自民党」になった。

安倍首相の問題点はそれだけの支持と7年の時間がありながら何もしなかった事で、大半を妻と自分の不祥事で浪費した。

もし今回の衆院選で岸田首相が「新資本主義」「所得倍増」を掲げて圧勝したら、安倍首相のようになる可能性がある。

公約なんか聞くな

メディアの世論調査では岸田内閣の支持率は45%から60%ほど、NHKが49%など5割を切る調査もあった。

選挙に直接影響するのは政党支持率で自民41%、野党最多の立憲が6.1%、特になしが36%だった。

現行制度になった過去の選挙では、自民支持率が3割なら与党で過半数、自民4割なら単独過半数という傾向が出ている。

内閣支持率は浮動票の「特になし」層に影響し、内閣支持率が高ければ浮動票も与党に流れる。

今回は内閣支持率50%程度なので、特になしの層は与野党に半々づつ別れるでしょう。
こうした世論調査からは、今回の衆院選は自民党単独過半数は硬いのではないかと思います。

これをひっくり返す要因としては投票日までに再びコロナ感染者が激増したり、閣僚や自民党のスキャンダルなどがあり得る。

選挙では内閣や政党の公約が色々出てくるが、「誰も絶対に守らない」ので公約なんか読む必要が無い。

Wバフェットは「そいつが今まで何をやったかを知れば、これから何をするか分かる」と言っていたが、その通りでしょう。

岸田氏は「信念のなさ」で定評があり、あっちにもこっちも調子の良い事を言って、外務大臣時代に日韓対立を引き起こした。

特に岸田外務大臣がソウルで「日本が慰安婦を強制的に連行した」と言ったことが、韓国側に有利な証拠になった。

だが最近は「韓国側が合意を果たすべきだ」と安倍氏のような事を言っていて、また後で変わるでしょう

岸田氏はこんな人なので、首相になっても昨日言った事を平気で撤回したり、相手に合わせて話を変えるでしょう。』

立憲民主党・小沢一郎氏「野党には非常に厳しい選挙」

立憲民主党・小沢一郎氏「野党には非常に厳しい選挙」東京8区のドタバタにも苦言呈す
https://news.yahoo.co.jp/articles/7bb73aa63ddbeb4e1f5f01ba733db7280ff9ce3d

 ※ 小沢御大の見立てだ…。田原氏とは、真逆だな…。

 ※ 「日本国」とは、47都道府県すべてを含んで「日本国」だ…。

 ※ 東京、大阪、名古屋、福岡なんかの「大都市圏」だけが、「日本国」では無い…。
 ※ そこのところが、マスコミ関係者、有識者、専門家、学者先生なんかは、分かって無い…。

 ※ 大体は、江戸城(今は、皇居)の周辺の各藩の「江戸藩邸」の跡地、又はその周辺に居住している人たちだ…。

 ※ 言ってみれば、「定府(じょうふ)」の「江戸侍」たちで、「国元の事情」については、ご存知ない…。

 ※ まあ、フタを開けてみれば、判明するだろう…。

『【10.31衆院選 野党「戦いの方程式」】#2

「非常に厳しいね、野党は。1年前から敵失の風がそよそよと吹いていたけれど、悪いことは全部、菅前首相に押しつけた。自民党というのは、それぐらい権力に執着しているということ。岸田首相はソフトで悪い人じゃない、というイメージを与える。日本人はそういう人が好きなんだよ」

山本太郎氏「東京8区出馬断念」の裏で何が…ブチまけた立憲民主党との交渉のすべて

 再びの政権交代の実現を訴え続けてきた小沢一郎氏だが、いきなり「厳しい」の一言から始まった。通常、選挙の直前になれば、野党の政党支持率は上がるもの。ところが、自民党が40%近い支持があるのに対し、野党第1党の立憲民主党は相変わらずの1ケタだ。

「むしろ自民党の支持率が上がって、与野党の差がどんどん広がっている。野党として発信が足りないからだろう。自民党は今は『分配』と言っているけれど、小泉政権からの弱肉強食の考え方は変わっていない。一方、野党は『国民の生活が第一』『命と暮らしを守る』『富の公平な配分』が政治の役割であるという政党。政治の基本原理を異にしているのだから、両者は根本的に対立する。そこを明確に打ち出さないから、国民が『野党って何をするの?』となってしまう」

■「何が何でも政権、という執着が必要」

 野党への支持が高まらないもう一つの理由として、小沢氏は“体質”の問題に言及した。

「何が何でも政権という執着がないから、『万年野党でいい』という雰囲気を醸し出してしまう。それでは国民はバカバカしくて野党に投票しない。現在のポジションを維持できればいいというだけならば、そんな政党は解散してしまえ、と国民が思っているから、支持が上がらないのだろう」

 野党共闘のための統一候補の調整も最終盤になってモタモタしている。象徴的なのは、東京8区で統一候補を目指した「れいわ新選組」の山本太郎代表が、立憲の地元支持者の反発が強すぎて、出馬を断念した一件だ。

「(枝野代表が)決断と責任をもっと発揮しないといけない。誰かが憎まれ役をしなければ、物事は進まない。みんなが八方美人では、物事は決まらない。『俺が責任を取る』と言える人が必要なんだ」

 厳しい戦いでは個々の候補者の力が試される。小沢氏は先週末(9日)、沖縄・石垣島に出向くなど、応援依頼に応えて、選挙期間中も全国を回るという。

 最後にこう言った。

「当然、政権交代を目指して選挙に臨むのだけれど、少しまだ、道遠しの感はある」』

自民・河村氏、衆院選不出馬へ 保守分裂を回避

自民・河村氏、衆院選不出馬へ 保守分裂を回避―山口3区
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101400222&g=pol

 ※ まあ、詰め腹を切らされた形だな…。

 ※ 潮目は、完全に変わった…。

 ※ 親※派には、ずっと逆風が吹くだろうよ…。

 ※ ただ、下記の記事によれば、長男を比例で処遇する案とのバーター…、との説もあるようだ…。

 ※ ここいら辺が、「政権与党」の強みだ…。

 ※ 野党の「統一候補」のすったもんだなんかは、及びもつかんだろう…。

『自民党の河村建夫元官房長官(78)=衆院山口3区=は、衆院選(19日公示、31日投開票)に不出馬の意向を固めた。関係者が14日、明らかにした。同区をめぐっては、参院議員を辞職した林芳正元文部科学相(60)も公認を求め、保守分裂の可能性が高まっていた。

衆院選公認争い、力学一変 首相交代、二階氏退任で―自民

 事態収拾に向け、甘利明幹事長は13日に河村氏と会談し、出馬見送りを打診。河村氏も分裂回避のため、これを受け入れる考えを執行部側に伝えた。 』

河村氏に出馬見送り打診 衆院山口3区で自民執行部
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101301167&g=pol

『自民党公認で衆院山口3区から出馬を目指す現職の河村建夫元官房長官は13日夜、山口市内で後援会会合を開いた。関係者によると、河村氏は党執行部から立候補見送りを打診されたと説明した。同時に長男の建一氏を衆院比例代表で処遇する案も伝えられたという。

衆院選公認争い、力学一変 首相交代、二階氏退任で―自民

 後援会は河村氏に今後の対応を一任。河村氏が14日に党執行部に回答し、記者会見を開く。
 3区をめぐっては、山口県連が林芳正元文部科学相の公認を求めている。甘利明幹事長は保守分裂を避けるため、13日午前に党本部で河村、林両氏と個別に会談し、調整が行われた。』

田原氏「自民・岸田総裁で、野党は大幅に議席を伸ばす」

田原氏「自民・岸田総裁で、野党は大幅に議席を伸ばす」
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00254/100100009/

 ※ この「ご託宣」が当たるのかどうか、注目だ…。

『衆院選で自民党は大きく議席を減らすだろう

 これに対し、チャンスとみているのが野党だろう。

 そもそも自民党は衆院選で議席を失わないために総裁選に踏み切ったはずなのに、結局のところ、安倍氏の影響力が強いという点においては、菅内閣と何ら変わらない状況になってしまったからだ。

 国民の期待からかけ離れた総理大臣が誕生する以上、11月の衆院選では相当数の議席を失うことになるはずだ。立憲民主党の枝野幸男代表も共産党の志位和夫委員長も、衆院選を大いに期待しているだろう。僕は、与野党は逆転こそしないものの、野党が大きく議席を伸ばすと思う。

 一方、新体制で迎える秋の衆院選を、岸田氏はどのように戦うのか。岸田内閣には、岸田氏とは考え方の違う人をかなり入れる方向であり、岸田氏は人事によって自民党内を一体化させる考えだ。

 衆院選では、新型コロナウイルスの感染症対策のほか、パンデミック(世界的大流行)によって失われた雇用の問題や経済支援も争点になってくる。野党はこれに対し、思い切った規模の予算を計上すべきだと主張している。一方、自民党は菅首相が新型コロナウイルスの感染者が拡大した7月、8月にも国会を開かなかった。ここを国民はどのように評価するのか。引き続き注目している。』

「新・闇将軍」安倍晋三の誕生

「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか
上久保誠人:立命館大学政策科学部教授
https://diamond.jp/articles/-/283819

 ※ 重要な「視点」を、提供していると思う…。

 ※ それは、「総裁選」と「総選挙戦」は、「投票する層」が、違う…、ということだ…。

 ※ 『自民党にとって、党総裁選では「保守派」の支持が重要となるが、総選挙では、「保守派」の支持の重要性が薄れる。自民党総裁選では、各候補者が日本遺族会や日本会議など、保守系の団体に配慮をしてきた。選挙の勝敗に一定の影響を持つからだ。
「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されています。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)』…。

 ※『しかし、総選挙になると、自民党は保守派に配慮しなくなる。むしろ、子育て世代、現役世代のいわゆる「中道層」の票の獲得を狙う。声が大きいが、実は多数派ではない右派や左派ではなく、日常的に政治に声を上げることは少ないが「サイレントマジョリティー」である中道層の支持を得ることが、野党を破って、政権を維持することにつながるからだ。』…。

 ※ 『それが、安倍政権が保守層にリップサービスをしつつ、実際に社会民主主義的な政策を実行し続けた理由だ。一方、野党の弱体化は、左傾化して中道層に失望されてしまったことで、安倍政権は長期政権を実現した(第169回・p3)。

 なぜ、総選挙では保守派が重要でなくなるのか。

 保守派は、自民党に不満があっても、総選挙で野党に投票することは、絶対にないからだ。だから、岸田政権も、保守へのリップサービスを続けつつ、実際には中道層に支持される社会民主主義的な政策を拡大していくことになる。それが、野党をつぶす常套策であり、自民党の権力維持のためのリアリティーなのである。』 …。

 ※ 「総裁選」という「疑似”首相の予備選”まがいのもの」(実態は、一政党の党首選)で「世間の耳目を集中」させ、「票の掘り起こし」を実行し、「選挙民の心理を、ホットな状態にしておいて」、投票行動に誘導し、ガッポリと票を頂く…。

 ※ そういう「構図」が、透けて見えるな…。

 ※ 今回の「総裁選」でも、結局は、「女性候補」が2人となり、華やかな「論争」が繰り広げられ、その周辺の動きも、連日、面白おかしく報道された…。

 ※ そして、その「ホットな状態」が冷めないうちに、「総選挙」へと突入して行く…。
 ※ その間、野党は、ボソボソと「選挙区での、”野党統一候補”のこと」を語る他は無い…。

 ※ さっぱり、「国政の舵取り」をどうするのか、「政策」をどう打つのか、という話しは聞こえてこない…。

 ※ これじゃ、結果は、もう見えている…、と言わざるを得ない…。

 ※ この人の言うように、安倍さんが「新・闇将軍」となっているのかどうかはさておき、そういう「構図」だけは、押さえておくべきだろう…。

『かつて、田中角栄元首相が、首相退任後も政界で隠然たる影響力を保ち「闇将軍」と呼ばれた。「闇将軍」とは、公式には自民党所属ですらなかった政治家が、役職に何も就かず、何の権限も持たないのに、政治のすべてを一人で決めるほどの隠然たる権力を持つという、得体の知れないものだった。しかし、今回の総裁選・党役員人事・組閣を通じて、自民党・政府の資金、人事権、公認権、利益誘導の公的な権限・権力を実質的につかんだ「新・闇将軍」が誕生した。安倍晋三元首相である。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)』

『「勝者」にさせてもらった岸田新総裁

 自民党総裁選は、岸田文雄新首相が「圧勝」したといわれるが、私は彼が「勝ったのではない」と思う。総裁選で、さまざまな政治家の激しい政争の結果、岸田新首相が「勝者」になっただけだ。

 岸田氏の選挙戦は、到底「勝者」のものではなかった。政局勘、戦略眼のなさは相変わらずだった(本連載第285回)。

 高市早苗新政調会長が安倍氏の支援を得て出馬すると、保守派の支持を集めてネットが盛り上がった。高市氏の勢いはすさまじく、投開票日前には、第1回投票では岸田氏と高市氏のどちらが2位となるかわからなくなった。

 それでも、第1回投票の開票では、岸田氏が河野氏を1票上回り1位となった。それは、安倍氏が選挙戦の最終盤で「手を緩めた」からだ。

 総裁選半ば、安倍氏は、福田達夫氏ら若手が結成した「党風一新の会」の参加者などに「アベノフォン」と呼ばれるほど電話をかけまくった。「河野氏の『脱原発』に支持団体は怒っている。次の選挙で支援を得られないぞ」という内容を話し、河野氏支持を切り崩していったという。だが、アベノフォンは、投開票前にパタッと止まった。

 その頃、岸田陣営と高市陣営が、決選投票での協力で合意したという報道が流れた。福田氏も決選投票では岸田氏に投票すると表明し、岸田氏勝利の流れが出来上がっていった。だが、これは岸田派側の戦略的な動きでなかったのは明らかだろう。岸田派幹部が、高市陣営との合意で勝利を確信しながらも、岸田政権は「安倍かいらい政権になる」という「自虐的」な発言もあったという。これは、岸田氏勝利の流れは、安倍氏の仕掛けだったことを示唆している。

 岸田氏は、安倍氏に「勝たせてもらった」だけなのだ。』

『安倍氏による「新・闇将軍」体制の確立

 自民党総裁選が、血で血を洗う権力闘争であることはいうまでもない。勝者はおいしい権力の蜜をすべて取る。一方、敗者は徹底的に干し上げられるが常だ。安倍政権時の石破茂元幹事長の冷遇は誰もが知るところだ(第190回)。今回の総裁選後も、敗者となった河野氏は「党広報委員長」へ「格下げ」となった。

 ところが、岸田新総裁は、敗者を干しただけではなかった。党四役に総裁派閥・岸田派から1人も起用しないという露骨な「岸田派外し」を行ったのだ。

 党四役は、「3A(安倍・麻生・甘利)」の一角・甘利明幹事長、安倍氏の「側近」・高市早苗政調会長、アベノフォンに籠絡された福田達夫総務会長、そして谷垣グループ(有隣会)の遠藤利明選対委員長となった。

 内閣人事も発表され、内閣官房長官は細田派の松野博一氏が起用された。萩生田光一氏の起用も取りざたされたが、松野氏が起用された理由は、当選回数が上だからだという見方がある。

 だが、それ以上に重要なのは、萩生田氏が安倍政権時のコロナ対策「全校一斉休校」に文科相として公然と異を唱えたり、菅義偉政権の組閣でも官房長官起用が取りざたされたほどの「実力者」になったことだ(第253回・p4)。安倍氏は、「実力者」の官房長官起用を嫌がった。一方、松野氏ならば、安倍氏が支配する岸田政権の方針に従い、忠実に粛々と「実務」をこなすと考えたのではないだろうか。

 また、財務相には「3A」の一角・麻生太郎氏の側近にして親戚の鈴木俊一氏が起用された。鈴木氏は大ベテランだが、財政通と呼ばれる経歴はない。麻生氏は党副総裁に移るが、その後も実権を握り続けるつもりなのだ。

 これが、安倍氏による「新・闇将軍」体制の確立なのである。』

『小選挙区制の時代では、「闇将軍」は現れないはずだった

 正直、これまでちまたでよくいわれる安倍氏の「影響力」について懐疑的だった。派閥の親分のような大物政治家が、裏でカネを配って権力を振るったのは遠い昔の話だからだ。

 90年代、「政治・行政改革」によって資金と人事と公認の権限を握るのは、首相(党総裁)と党幹事長、そして官房長官となった。一方、派閥は力を失った。だから、資金、人事、公認の権限を与えない限り、史上最長の長期政権を築いた元首相といえども、権力を振るうことはできない。首相を退任して無役となった政治家が政界に隠然たる影響力を保つというのは、難しいと考えていた。

 ところが、安倍氏は総裁選で、したたかに動いて岸田氏を勝たせた。そして「人の話をよく聞くこと」が長所だという岸田氏によく話をしたのだろう。資金配分権、人事権、公認権を握る幹事長、官房長官は、安倍氏の手中に収まった。さらにいえば、選挙に直接影響する支持者への利益誘導を決める財務相と政調会長まで、安倍氏の影響下に入ったのだ。

 これが、派閥の親分たちが支配した「中選挙区制の時代」とはまったく違う、「小選挙区時代」の新しい「闇将軍」の誕生だと思う。

 本来、選挙制度が改革されたのは、何の公的な権限も権力も持たないはずの派閥の親分たちが、首相や党幹事長などよりも影響力を発してしまう「権力の二重構造」を壊すためだった(第16回)。

 言い換えれば、小選挙区制の時代では、「闇将軍」は現れないはずだった。実際、首相や党幹事長などのポジションを実際に得た政治家が、その任期の間に権力・権限を行使する。その結果が、政権交代が起きやすい小選挙区制の選挙によって、国民から民主的に審判を受ける制度に変わった。長期的には、権力・権限は特定の政治家には集中しないはずだった(第115回)。

 ところが、安倍氏は、岸田首相に「総裁派閥外し」をさせて、権力・権限を持つポジションをすべて掌握することで、「小選挙区時代」の「新・闇将軍」になった。』

『岸田政権が長引けば、「新・闇将軍」の力が強大に

 安倍氏が、岸田政権期にこの支配体制をしっかり構築し、岸田政権が総選挙、参院選を乗り切り長期政権化すれば、どうなるか。人事権、資金配分権、公認権を「新・闇将軍」が掌握し続け、新人候補は「新・闇将軍」の推薦する人ばかりになることはありえる。現在でさえ、自民党議員の約4割は、安倍政権期に初当選した若手だが、それ以上に安倍氏の影響下にある政治家が増えて、党内の多数派となっていく。総裁選で勝てるのは、「新・闇将軍」に従う人ばかりになる。

 そうなれば、誰が首相になろうと、人事権、資金配分権、公認権を行使するポジションに就くのは「新・闇将軍」の影響下にある政治家だけになる。だから、安倍氏をただの「首相の後見役」とみなすのは甘いと思う。「新・闇将軍」と呼ばせていただくのが妥当だ。

 永田町に「新・闇将軍」が誕生しようと、国民にとって重要なことは、政治が国民の生命と安全、生活を守ってくれるかどうかだ。「新・闇将軍」の影響が強まると、岸田政権が「保守化」「右傾化」すると思われるだろうが、事は単純ではない。

 安倍政権時代の国内政策は、実は「女性の社会進出」「全世代社会保障」「教育無償化」「外国人単純労働者の受け入れ」など、社会民主主義的な傾向が強かった(第218回)。これらは、保守派の不満が強かったが、それを押し切って実行された。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」も含めて、世論・社会情勢の変化に対して「現実的対応」をするのが安倍政権の特徴だったのだ(第163回)。この傾向は、岸田政権でも継続されるのではないだろうか。

 総裁選でも論争になった「同性婚」「選択的夫婦別姓」など多様性・人権に関わる政策は、高市政調会長の下で自民党内の議論が停滞すると思われるかもしれない。だが、私はむしろ着実に前進すると考える。

 高市政調会長は、本質的には保守というより徹底したリアリストだ。それは、女性政治家として政界を生き抜く術だった(第285回・p3)。例えば、選択的夫婦別姓の問題については、「通称使用の拡大」に取り組んできたと総裁選で説明してきた。選択的夫婦別姓は、女性差別の問題であると捉えられがちだが、それと同時に、女性の社会進出の促進という「競争政策」の側面がある。高市政調会長は、女性の社会進出を否定するのではなく、現実的な取り組みをしてきた。多くの女性議員など「推進派」の議員との間で、党内の議論は活発化する。議論の活発化は、岸田首相の総裁選時の発言と一致している。

 来る衆院選、来年の参院選に向けて、自民党は権力を死守するためのリアリティーを見せつけるだろう。「同性婚」「選択的夫婦別姓」など社会民主主義的な政策の党内議論を進めていくことは、野党の存在意義を消すことになるからだ。』

『総選挙では、保守派の支持はスルーする自民党

 自民党にとって、党総裁選では「保守派」の支持が重要となるが、総選挙では、「保守派」の支持の重要性が薄れる。自民党総裁選では、各候補者が日本遺族会や日本会議など、保守系の団体に配慮をしてきた。選挙の勝敗に一定の影響を持つからだ。
「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されています。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)

 しかし、総選挙になると、自民党は保守派に配慮しなくなる。むしろ、子育て世代、現役世代のいわゆる「中道層」の票の獲得を狙う。声が大きいが、実は多数派ではない右派や左派ではなく、日常的に政治に声を上げることは少ないが「サイレントマジョリティー」である中道層の支持を得ることが、野党を破って、政権を維持することにつながるからだ。

 それが、安倍政権が保守層にリップサービスをしつつ、実際に社会民主主義的な政策を実行し続けた理由だ。一方、野党の弱体化は、左傾化して中道層に失望されてしまったことで、安倍政権は長期政権を実現した(第169回・p3)。

 なぜ、総選挙では保守派が重要でなくなるのか。

 保守派は、自民党に不満があっても、総選挙で野党に投票することは、絶対にないからだ。だから、岸田政権も、保守へのリップサービスを続けつつ、実際には中道層に支持される社会民主主義的な政策を拡大していくことになる。それが、野党をつぶす常套策であり、自民党の権力維持のためのリアリティーなのである。』

衆院選、異例の短期決戦

衆院選、異例の短期決戦 高い内閣支持率保ち投開票狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA043EU0U1A001C2000000/

『岸田文雄首相は4日、衆院を14日に解散し次期衆院選を19日公示―31日投開票の日程で実施すると表明した。首相就任から1カ月弱の異例の短期決戦になる。政権発足時に期待する高支持率を維持したまま投票日を迎える狙いだ。与野党は事実上の選挙戦に入る。

首相は就任後初めての記者会見で「可及的速やかに衆院選を実施し、国民から信任をいただいて国政を担っていく」と強調した。「思い切って新型コロナウイルス対策、経済対策をできないか。そういった思いから日程を決めた」と説明した。

衆院選の日程は異例ずくめだ。4日の首相指名から14日の解散はわずか10日後にあたり、戦後最短となる。公示日と投開票日は共にこれまで多くの政権が避けてきた「六曜」の仏滅になった。

いずれも仏滅なのは2000年の森喜朗内閣以来だ。このときは天皇陛下の訪欧と衆院議員の任期切れの間隔が短く、日程の選択肢が少なかった。首相は「六曜」よりも早期の投開票を優先した。

与党内にはもともと11月7日か14日投開票を想定する見方が多かった。1~2週間の投開票前倒しはどう影響するのか。

日本経済新聞社による過去の内閣の発足直後の支持率を見ると理由が浮かび上がる。

20年9月に発足した菅義偉内閣は74%の高支持率で始まり、1カ月後に63%、2カ月後に58%、3カ月後に42%と低下した。新型コロナウイルスの感染状況が年末にかけて悪化し、批判が高まったのが響いた。

06年発足の第1次安倍内閣以降の5つの自民党政権のうち4内閣の支持率が発足から1カ月後に下落した。

下落幅は就任1カ月後が3~11ポイント、2カ月後は4~22ポイントと拡大した。発足時に53%だった麻生政権は2カ月後に危険水域の31%に落ち込んだ。

新型コロナ禍ではさらに下落するリスクがある。首相は記者会見で、31日投開票について「国民に貴重な判断をいただくわけだから新型コロナの状況も当然、念頭においた」と説明した。

足元で減少基調にある新規感染者が再び増加すれば、世論の関心は新型コロナに集中する。冬場には「第6波」が懸念されており、それまでに医療提供体制を拡充しておかなければならない。投票までの期間が長引くほど、政権にとっては不安要素が増える。

衆院選を見据えた野党側の準備も考慮した。総裁選で自民党の支持率があがり、野党共闘の動きが加速していた。

立憲民主党の枝野幸男代表は9月30日に共産党の志位和夫委員長と会い、政権交代が実現した場合には「共産党が限定的な閣外からの協力をする」と一致した。

両党が候補者調整を進めれば、現時点で70ほどある競合区は一段と減る。時間的余裕を与えてしまうと野党候補の一本化が進み、与党との接戦区が広がる構図だ。

国会対策上の効果もある。野党は首相が出席を前提とした予算委員会の開催を要求してきた。一問一答形式で政権を追及できる予算委は野党にとっての見せ場だからだ。これまでは総裁選などで自民党への関心が高まったが、予算委中は立場が逆転する。

自ら政治日程を組み立て主導権を示した。総裁選中からあった11月7日や14日投開票との観測を打ち消し、首相の専権事項の解散権を自ら行使する姿勢を明確にした。

党内では一連の人事を巡り「首相が人事で他派閥に配慮しすぎだ」との声が出ていた。党四役には自ら率いる岸田派から一人も入らず、内閣の要となる官房長官や財務相、外相も他派閥に譲った。

一方、早期の投開票はデメリットもある。首相が意欲を示す数十兆円規模の経済対策や補正予算案の決定は選挙後に先送りとなる。

子育て世帯への給付金や企業への持続化給付金の復活といった政策の実績をほとんどあげないうちに、政権を選ぶための十分な判断材料を国民に示すのは難しい。

学習院大の野中尚人教授は「本来は経済対策などこれからやることを具体的に国民に提示してから衆院選に臨むべきだ」と話す。「衆院選後に政策を肉付けすると、その政策が国民の信任を受けたといいきれない。政策の推進力を欠く」と指摘する。

【関連記事】
・岸田首相「14日に衆院解散、31日総選挙」 記者会見
・新内閣が正式発足、初の閣議開催 岸田人事を追う
・「コロナ対策一刻も早く」 岸田内閣、戦後最短で解散へ 』

3Aに響く不協和音 岸田人事に安倍氏は「不満」

3Aに響く不協和音 岸田人事に安倍氏は「不満」
【イブニングスクープ】
2021年10月4日 18:00 (2021年10月4日 20:19更新) [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA033HP0T01C21A0000000/?n_cid=NMAIL006_20211004_Y

『岸田文雄内閣が4日、発足した。首相は閣僚や自民党執行部の人事で党総裁選への論功行賞をする一方、若手も登用した。安倍晋三元首相、麻生太郎氏、甘利明幹事長の「3A」の影響力が強く働いた人事と受け止められているが、内実は異なる。安倍氏は不満を漏らしており、3氏と岸田氏の間に出た不協和音は政権運営に響きかねない。

「正直、不愉快だ」。安倍氏は閣僚人事の全容が固まると周辺につぶやいたという。最大派閥・細田派を事実上率いる立場として同派からの起用が前回より減っただけではない。
人事の要は党幹事長と内閣の官房長官だ。自身が推す萩生田光一氏をどちらかに、という希望が通らなかった。

「もう少し巻き返せないのか。岸田さんと話してくれ」。先週後半、安倍氏は官房長官に内定していた細田派の松野博一氏に促した。萩生田氏は文部科学相から経済産業相になったものの、全体では期待通りの人事とは言い難い。

安倍氏は一連の人事の前からクギを刺していた。「人事は人に相談すると自分の思い通りにならなくなる。1人で考えた方がいい」と岸田氏に伝えていた。

今回は幹事長になった甘利氏が推した人物の登用が目立つ。安倍氏周辺では「こちらに相談がないのに甘利氏とは相談するのか」との不信感が生まれた。

一方、岸田氏にも異論がある。「ずっと自民党改革はやると言ってきたじゃないか」。岸田氏は細田派で衆院当選3回の福田達夫氏を総務会長に抜てきする人事に「反発がある」と聞くと、周囲に反論した。

8月26日の総裁選への出馬表明で党改革を訴え、若手・中堅の登用を掲げた。福田氏は党改革を唱える党内のグループの代表世話人を務めていた。

政調会長に据えた高市早苗氏は無派閥とはいえ総裁選で安倍氏が全面支援した。岸田派からみれば党三役に事実上の細田派を2人起用し、官房長官まで同派に譲ったという認識がある。

岸田氏は総裁選の1回目の投票から安倍氏の支持を受けたわけではない。2018年の前々回の総裁選は安倍氏が3選するため、岸田氏は立候補を見送った。前回20年の総裁選は安倍氏が岸田氏ではなく菅義偉氏を支持した。

今回の人事に関して岸田派内では「細田派にそこまでの借りはない。譲りすぎだ」との意見が出た。

「これ以上ない満額回答だ」。閣僚に4枠を得た第3派閥の竹下派幹部は喜んだ。

総裁選2日前の9月27日、会長代行の茂木敏充外相は派の大勢が岸田氏支持だと表明した。茂木氏は総裁選中から頻繁に岸田氏とやりとりし、誰を起用するかも電話で協議した。岸田氏は今回、派閥会長や派閥幹部と事前に人事を相談した。

昨年9月に総裁選で敗れた後、菅内閣の組閣で岸田氏は自派の平井卓也、上川陽子の両氏を一本釣りされた。

当時、岸田氏は「俺はよっぽど嫌われているんだな」と語っていた。派閥トップとして人事の相談がないほどつらいことはない。自らの経験をもとに今回は細田派会長の細田博之氏とも調整した。これが安倍氏らとの食い違いを生んだ可能性がある。

甘利氏が所属する麻生派は嫉妬の対象になっている。岸田氏は総裁選終盤の段階で「幹事長は甘利さんしかいない」と決めていた。

閣僚人事では甘利氏が推した麻生派の山際大志郎氏や二階派の小林鷹之氏が入閣した。

甘利氏が座長を務める自民党の新国際秩序創造戦略本部で、小林氏は事務局長、山際氏は幹事長を務める。ポストは甘利氏の狙い通りではないが他派閥は「甘利人事だ」と説く。
麻生派で総裁選に出馬した河野太郎氏の広報本部長就任も同派が主導した。「日が当たらず業務も大変な役職はないか」。麻生派が河野氏の人事を岸田氏に提案した。

「受けるように」。河野氏に伝えたのも麻生氏だ。河野氏周辺ではこの人事に不満を持つ人もいたが、麻生氏直々の指示になる。河野氏は「なんでもやらせていただきます」と答えた。

総裁選翌日の9月30日、麻生氏は都内のホテルで岸田氏と向き合った。

「9年近く常に首相のそばに居た。新しいイメージでやった方が良い」。麻生氏が副総理・財務相を離れる意向を伝えると、岸田氏は「政高党低と言われているのを何とかしたい。党の存在感を上げていただきたい」と副総裁への就任を要請した。

3Aのうち麻生派の麻生、甘利両氏が党の副総裁、幹事長に並ぶ。内閣に強い重心がある「政高党低」も微妙な修正を迫られるかもしれない。

高市氏を推した安倍氏と、今回細田派内で処遇された面々の一部にも微妙な距離ができる。岸田政権の人事は一部で「安倍色が目立つ」との指摘もあったものの実情は違う。麻生、甘利両氏と安倍氏とのズレもうかがえ、長く自民党政権を支えてきた3Aの基盤にも変化の兆しがでている。

イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時頃に配信します 。』

初入閣13人「岸田色」映す

初入閣13人「岸田色」映す 経済安保、対中国で党と連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0229Z0S1A001C2000000/

『自民党の岸田文雄総裁が4日発足させる新政権で初入閣は13人に上る見通しだ。新設の経済安全保障相に党側で関与してきた小林鷹之氏を起用し、対中国で党と連携を深める。厚生労働相など新型コロナウイルス対応を担う閣僚は刷新する。重要政策の陣容で「岸田色」をうかがわせる。

内定した顔ぶれをみると初入閣の13人は全閣僚の65%を占める。2020年に発足した菅義偉内閣の5人、12年の第2次安倍晋三内閣の発足時の10人と比べると多い。

初入閣組は衆院当選3回の若手3人を含む。岸田氏が党総裁選で「中堅・若手を登用することが大事だ」と繰り返してきたのを意識したとみられる。

女性閣僚は3人になる。総裁選で戦った野田聖子元総務相は少子化相に起用し、子ども庁創設に向けた取り組みを期待する。

目玉閣僚の経済安保相に初入閣組を充てる。小林氏は衆院当選3回で、党内の経済安保を議論してきた党新国際秩序創造戦略本部の事務局長を務める。座長の甘利明幹事長と近く、両氏で提言づくりなどを担ってきた。

甘利氏は3日のフジテレビ番組で、経済安保相について「全省庁に対して指示が出せるようなポジションになる必要がある」と強調した。国家安全保障局(NSS)も含めて掌握できる仕組みにすべきだと唱えた。

半導体などの重要物資の確保や技術流出の防止といった経済安保を担当する閣僚は岸田氏が党総裁選の公約として掲げた。担当相は中国などに過度に依存せずに有事も国民生活と経済活動を安定させる「経済安全保障推進法」の策定を担う。

政府内に「担当閣僚が入ると情報ラインが複雑になる」との懸念も出ていたが、岸田氏は経済安保の司令塔を置く必要性を重視して新設を実現する。甘利、小林両氏の連携を新政権での円滑な政策運営に生かす狙いもみえる。

新政権最大の難題は引き続きコロナ対策だ。今冬にも到来が想定される感染拡大の「第6波」への備えは欠かせない。

岸田氏は安倍、菅両政権がコロナ対策で批判を浴びてきた経緯を研究してきた。厚労省が法令の整合性を重視し、首相官邸の方針に繰り返し慎重論を唱えてきたとの認識がある。
焦点となる厚労相につけるのは初入閣の後藤茂之氏だ。旧大蔵省出身で、政調会長代理として党側でコロナ対策を議論してきた。岸田氏は厚労省の主張を客観的に判断して官僚を動かす実務能力に期待する。

コロナ対策を担う経済財政・再生相は麻生派の山際大志郎氏、ワクチン接種の担当は岸田派の堀内詔子氏といずれも初入閣の中堅・若手を充てる。

野党はコロナ対策の担当閣僚が乱立していると批判していた。甘利氏は3日の番組で「厚労相がこの指揮を一番中心にとればいいのではないかと個人的には思う」と述べた。

11月にも2回のワクチンが希望者に行き渡る見通しで、接種証明書を活用しながら行動制限を段階的に緩和する局面に入る。閣僚の役割分担の整理も検討する。

岸田氏が指導力を発揮して新閣僚を通じて行政組織を円滑に動かせるかが新政権の支持に直結する。

内定した閣僚20人のうち再任は茂木敏充外相と岸信夫防衛相の2人だけとなる。外交・安保は中国の影響力拡大を踏まえ、自由や法の支配を重視した国際秩序をつくる「自由で開かれたインド太平洋」をはじめ基本的な方針を受け継ぐ。

総裁選で自らが会長を務める宏池会(岸田派)に対する「親中」との印象を払拭するのを意識し、新政権でさらに一歩進める議論に入る。

攻撃を受ける前に敵のミサイル発射拠点をたたく「敵基地攻撃能力」の保有は「有力な選択肢だ」と前向きな姿勢をみせた。岸氏が議論を主導する。

【関連記事】

・経産相に萩生田氏、厚労相は後藤氏 岸田内閣4日発足
・岸田新政権、成長呼ぶ財政が急務 規模ありきの予算懸念

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

岸田色というよりは甘利色が強い組閣になった気がするが、党と政府の関係がスムーズになり、より建設的な政策決定が出来るようになるのであれば、それはそれでよい気がする。

ただ、初入閣の閣僚が重要政策を担うという形になっているので、官僚を動かす力、政策を実現する力が問われるようになる。

首相や幹事長、ベテラン大臣が中心になりながら、若手が実務をこなしていくという連携が上手くできれば、それが一番望ましいのだが。

2021年10月4日 7:16

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深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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別の視点

挙党態勢で総選挙に臨む岸田新首相のカラーが牧島かれん氏と小林鷹之氏の初入閣に表れている。

総理・総裁への登竜門となる自民党青年局長の牧島かれん氏は、神奈川17区で河野洋平氏から後継者に指名され政界入りした。規制改革・行革大臣を兼務し前任・河野太郎氏の意思を引き継ぐ。

女性初の青年局長に指名した菅首相の肝いり・デジタル庁を牧島氏に任せて、河野氏と菅氏に配慮するとともに、将来の女性首相候補をひとり加えたことで自民党の若返りも期待させる。

新内閣の目玉である新設・経済安保相には関連テーマで甘利氏・山際氏と連携している小林氏を二階派から一本釣り。各派閥や総裁選他候補に配慮しつつ自民党の若返りを狙った布陣。

2021年10月4日 8:24 (2021年10月4日 8:26更新)』

〔これからの政治日程…。〕

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29CZT0Z20C21A9000000/

※ この予想だと、31日に衆院選の投票か…。

※ オレも、日本国民のはしくれとして、「清き一票」を投じないとな…。

※ 地方選挙は、「棄権」することもあるのだが、「国政選挙」は、そうもいくまい…。

※ せいぜい、「情報収集」に励んで、しっかり「政権選択」しないとな…。

※ 上記の「日程表」だと、衆院選の後、11月中には「内閣改造」もあり得るという予想のようだ…。

※ 当たるのかな?

※ 来年の夏には、「参院選」か…。

※ 「政治の季節」が、続くな…。

『これからの政治日程は

新首相は10月8日に所信表明演説、11~13日に代表質問に臨む。臨時国会の会期末にあたる14日を軸に衆院を解散する調整に入っている。

岸田氏は9月29日の記者会見で衆院選の勝敗ラインについて「与党で過半数だと思っている」と明言した。「政権選択選挙なので自公政権を選んでいただけるのか、野党政権を選ばれるのか、これを決める選挙だ」と語った。

10月7日には同月24日投開票の参院静岡、山口両選挙区が告示される。衆院選を前に新政権にとって最初の国政選挙だ。来夏には参院選があり、1年以内に2つの大型国政選挙を戦うことになる。

岸田新政権特集ページはこちら 
https://www.nikkei.com/theme/?dw=21092903&n_cid=DSREA_kishida2021 』

第100代首相に岸田氏、衆参両院で指名

第100代首相に岸田氏、衆参両院で指名 岸田人事を追う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29CZT0Z20C21A9000000/

『自民党の岸田文雄総裁は4日午後、衆参両院で第100代首相に指名された。官房長官による新閣僚の名簿読み上げ、皇居での首相親任式、閣僚認証式などを経て岸田内閣が始動する。次期衆院選は19日公示―31日投開票の日程で実施する意向だ。政権運営の第一歩となる閣僚や党役員人事の動きなどを追う。

【関連記事】データとランキングで見る首相100代64人

13人が初入閣へ 新内閣午後始動

菅内閣が4日午前、総辞職した。岸田氏は党本部で記者団に「これからが本当の意味でのスタートだ。強い思いで、強い覚悟をもって臨みたい」と述べた。夜に記者会見に臨む。
最後の閣議に臨む菅首相(4日午前、首相官邸)

新内閣の陣容が3日までに固まった。初入閣組は閣僚20人のうち13人にのぼる。岸田氏は総裁選への出馬にあたり、幹事長以下の党役員の任期を「1期1年、連続3期まで」とする方針を掲げた。「老・壮・青のバランスが大事だ」と述べ、中堅・若手や女性の起用にも意欲を示していた。

岸田氏は3日、自民党本部で官房長官に内定した松野博一氏(細田派)や官房副長官に起用する木原誠二氏(岸田派)、首相秘書官に就く予定の嶋田隆・元経済産業次官らと断続的に協議した。同日夕から閣僚内定者に電話などで伝えた。

新設の経済安全保障相に当選3回の小林鷹之氏(二階派)をつける。岸田氏が総裁選で掲げた「経済安全保障推進法」の整備に取り組む。ワクチン担当相の堀内詔子、デジタル相の牧島かれん両氏を含め、当選3回の3人を抜てきした。

参院からは文部科学相の末松信介(細田派)、農相の金子原二郎(岸田派)、国家公安委員長の二之湯智(竹下派)の3氏が閣内に入る。

外交・安全保障を担う茂木敏充外相と岸信夫防衛相は菅内閣に続いて再任する。

政務の官房副長官には木原氏のほか、参院から磯崎仁彦元経産副大臣をあてる。事務担当の官房副長官は安倍・菅両政権で9年近く務めた杉田和博氏が退き、後任に栗生俊一元警察庁長官が就く。

自民党役員の顔ぶれは

党四役は幹事長に甘利明氏が就いた。総裁選で岸田陣営の選対顧問を務めた。5年以上にわたり幹事長に在職してきた二階俊博氏は退いた。

総務会長は当選3回の福田達夫氏、政調会長は高市早苗氏、選挙対策委員長は遠藤利明氏が就任した。国会対策委員長には高木毅氏を内定し、組織運動本部長には竹下派の小渕優子氏をあてた。

岸田氏は1日の総務会で新型コロナウイルス対策などを踏まえ「経済対策をしっかり進めていかなければならない」と述べた。「アフターコロナをにらみながら、日本の経済、再生していかなければいけない。世界においては、自由で開かれたインド太平洋の実現を進めなければいけない」と語った。

岸田派からの党四役の起用は見送った。岸田氏は総裁選で細田派や第2派閥の麻生派、第3派閥の竹下派を中心に幅広い支持を得た。

総裁選で競った河野太郎氏は広報本部長にまわった。河野氏は1日の記者会見で「政権与党の広報あるいはコミュニケーションですから、政治と国民のコミュニケーションを変えるということになると思う。非常に重要な仕事だと思っている」と述べた。

岸田氏は9月29日の記者会見で、総裁選の候補者について「一緒に政策論争するなかで素晴らしさを実感した。党内でその能力をしっかり発揮してもらえるようなことを考えたい」と言及した。』

甘利幹事長人事が持つ外交安全保障上の意味

甘利幹事長人事が持つ外交安全保障上の意味
https://www.newsweekjapan.jp/watase/2021/10/post-27_1.php

『<幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる>

岸田文雄新総裁・新総理が誕生し、党役員人事及び組閣が進んでいる。今回の人事で日本の行く末を左右する最も重要な人事は自民党幹事長だ。

自民党幹事長は党公認権や政党助成金の扱いに関して絶大な権限を持つ。したがって、幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる。

親中派として揶揄されてきた二階氏

日本の財界が自民党を支持していることは自明だ。そして、自民党幹事長が財界の意向を踏まえた意識決定を行うことは当然のことと言える。巨大な中国市場で鎬を削っている日本企業が反中姿勢を取ることは考え難く、米中対立が激化していく中、自民党幹事長は中国との適度な協力関係を維持する困難な仕事が求められてきた。

2016年から幹事長ポストは二階俊博議員によって長期間独占されてきた。二階氏は自民党幹事長に求められる役割をこなしてきた人物であり、それ故に同氏は親中派として揶揄される立場に置かれていたと言えるだろう。ただし、安倍政権時代のように官邸の保守色が強い場合、二階氏による党運営が対中政策でバランスを取ることは必然であったように思う。
甘利新幹事長、日本の未来を変える出来事となる可能性

岸田総理の誕生によって、この幹事長ポストが二階氏から甘利明氏に受け渡されることになった。これは単なる権力の入れ替えというだけでなく、日中関係などに多大な影響をもたらすことになり、日本の未来を変える出来事となる可能性がある。

岸田総理は必ずしも対中姿勢で強い姿勢を取ってきた人物とは言えない。総裁選挙中に、岸田総理は中国の人権問題に対して強気の姿勢を示す発言をしていたが、言葉に真実味を帯びさせるだけの政治的の裏付けは十分ではない。

一方、甘利幹事長は自民党における経済安全保障の第一人者である。同氏は自民党で経済安全保障政策を主導する「ルール形成戦略議員連盟」会長として、対中サプライチェーンの見直しなどを積極的に打ち出してきた人物だ。同連盟は2017年に設立されて以来、感情的な反中議論ではなく、対中国を念頭に貿易・投資に関する法案策定や国際機関人事での競争力強化などを打ち出し、冷静かつ理知的に日本が国際社会でリーダーシップを発揮する動きを推し進めている。

甘利幹事長の誕生は経済安全保障議論を急速に加速させる可能性があり、日本が同盟国・友好国に対して同分野で主導権を発揮する動きが活発化になるだろう。財界の意向を考慮しつつも、安全保障上の観点から現実的な政策が党から打ち出されていくものと思う。』
『今後は党側からの経済安全保障の政策提言の重みが増す

また、対中世論を喚起するため、保守強硬派からの支持が厚い高市早苗氏が政調会長ポストについたことから、自民党内の対中融和を求める声が大きく後退することは自明だ。この面でも党内に対中強硬政策を止める要素は減少していくことになる。

したがって、安倍・菅政権時代と異なり、岸田政権では日米同盟を基軸とすることは当然として、官邸は中国をある程度安心させながら、党が対中強硬策を主導する形に転換する形となると筆者は予測している。

そして、安倍・菅時代は日本の安全保障政策の方向性を見極めるためには主に官邸の動きを追うことが重要であった。外交安全保障上の重要な方針のフレームワークは官邸側から打ち出されてきたが、今後は党側からの経済安全保障の政策提言の重みが増す形となるだろう。

我々は頭のスイッチを切り替えて、日本の外交安全保障政策の政策形成過程の枠組みを捉え直す必要がある。今回の幹事長人事が意味する外交安全保障上の変化のシグナルを敏感に感じ取ることは、日本の未来を考える上で極めて重要なことだ。』