平井氏、デジタル庁への影響否定

平井氏、デジタル庁への影響否定
発足3日目に生みの親、首相辞意
https://nordot.app/806445429529329664?c=39546741839462401

『デジタル庁は発足から3日目に、生みの親である菅義偉首相が退陣の意向を表明する事態に見舞われた。平井卓也デジタル相は、どの内閣でも行政手続きのオンライン化などは重要課題であり、大きな影響はないとの見解を示した。

 退陣の一報は、初代デジタル相に就いた平井氏に対し、報道各社が合同でインタビューする直前に舞い込んだ。平井氏は「お考えがあって決断されたと思う。閣僚として重く受け止めたい」と厳しい表情で語った。

 その上で「国の方針を国会が決めた。政治状況に左右されずに前へ進む。この路線は、いかなる状況になったとしても変わらない」と述べた。』

ソフトウエアの「中の人」が消える

ソフトウエアの「中の人」が消える、日本企業が犯した愚かな過ちの本質
2021.9.2
5件のコメント

木村 岳史=日経クロステック/日経コンピュータ
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00322/082300009/?n_cid=nbpnb_mled_mre

『普通ならブラックボックスには必ず「中の人」がいるものである。何の話かと言うと、ソフトウエアのことだ。ソフトウエアはとても便利だが、それを利用する人を「無知」にする。なぜ無知になるかは単純な話で追々説明するが、利用者が無知になっても大丈夫なようにするのが、中の人である。ところが日本企業や官公庁のシステムでは往々にして、その中の人がいなくなる。これはもう真夏の夜の怪談より恐ろしい。

 ソフトウエアによってブラックボックスが生じるというのは、企業システムでは常識だと思っていたが、どうやらそれも分からない「非常識」な人も多いようだ。なぜそう言えるのかというと、これも後で改めて触れるが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の一大ブームが日本企業の間で続いているからだ。本当に後が怖いのに、後先を考えずに導入を進めるIT部門などの愚かさを見せつけられると、ブラックボックス化の問題を認識していないのだと思わざるを得ない。

 そんな訳なので、まずはソフトウエアが生み出すブラックボックスについて説明しよう。ソフトウエアによるブラックボックス化は3つの領域で起こる。1つ目はコンピューターシステム自体のブラックボックス化だ。もっと正確に言えば、ソフトウエアは自分より下位レイヤーのハードウエアやソフトウエアをブラックボックス化する。

 つまりこういうことだ。今、業務アプリケーションなどを開発している技術者は、コンピューターが「なぜ動くのか」について分かっているだろうか。恐らく分かっている技術者はほとんどいないだろう。つまり、自分がつくっている業務アプリがなぜ動くのかも分かっていないはずだ。コンピューターのハードウエア上では全てのソフトウエアがデータと共に、0と1のビットとして論理回路などで処理されるが、そうしたコンピューター処理の原理をしっかり説明できる人は少ない。

 ソフトウエアの領域でもそれは同じことだ。業務アプリを開発する技術者は、いわゆるOSやミドルウエアがどんな働きをするかという概要と、それを利用するためにはどうすればよいかを知っていればよく、その中身(ソースコード)は知らなくてよい。ITベンダーの製品なら全く知らないし、オープンソースソフトウエア(OSS)でも中身を知る人は限られている。業務アプリを開発する技術者でさえこうであるから、業務アプリを利用するユーザーに至っては全く知るよしもない世界である。

 だがコンピューターの黎明(れいめい)期には、そうではなかった。業務アプリを書く技術者もハードウエアやOSなどに精通している人が多かったし、中にはユーザー企業の技術者なのに独自のプログラミング言語を開発してしまう人もいた。時代は下ってインターネットが普及し始めた頃は、ネットワーク技術者でもないのに通信プロトコルを熟知する人がごろごろいた。そして今、その辺りの下位レイヤーは全てブラックボックス化され、業務アプリの技術者は知るよしもない。つまりその分、技術者は無知になったのである。
パソコン画面の「こちら側」までブラックボックス化

 さて、2つ目のブラックボックスだ。こちらは1つ目のテクノロジーサイドと違って、業務サイドのブラックボックス化だ。こちらは極めて分かりやすい話だ。例えば、企業そして官公庁などの基幹系システムは、その組織の業務のやり方や業務プロセスなどをソフトウエアの機能として組み込んでいる。以前に人が紙とペンとそろばんなどで行っていた個々の業務や、一連の業務の流れ(プロセス)がシステムによって機械化されている。

 随分前の話だが、日本企業にコンピューターシステムが導入され始めた頃を知るシニア技術者から、当時の話を聞いたことがある。昔、企業には社内の業務に精通した「生き字引」みたいな人が何人かいた。初めてシステムを導入する際には、そうした生き字引たちの協力も得て、自社の業務プロセスなどをほぼ全てあぶり出したそうだ。

 あぶり出した業務プロセスは紙に書いて、システム導入プロジェクトの推進室の壁一面に貼り出したとのこと。で、壁に貼り出された業務プロセスを眺めながら、会計処理など各業務のプロセスのどの部分を機械化(システム化)するのかを、業務担当者やITベンダーの技術者などを交え、かんかんがくがくの議論をして決め、会計などのシステムを順次構築していったという。

 そんな訳なので、企業システムの黎明期には、多くの日本企業で業務プロセスが完全に見える化されていた。それを基に業務の一部をソフトウエアによりシステム化したものだから、システム導入によって業務はものすごく効率化された。ただ、業務プロセスなどがソフトウエアの機能として組み込まれた途端、ブラックボックス化も進んだ。業務担当者は時を経るに従って、システム化する前にやっていた業務を忘れてしまうからだ。

 しかも半世紀近くの時を経て、今やソフトウエアでブラックボックス化された業務の範囲は広大になった。特に大企業では、従業員はパソコン画面の「向こう側」で処理されている業務プロセスについてほとんど無知と言ってよい。そういえば、システム化の進んだ大企業では、従業員が自社の業務を知らな過ぎることにIT部門が危機感を持ち、ソフトウエアのブラックボックスの中で粛々と処理されている業務プロセスを、何らかの形で従業員に「見せよう」というプロジェクトを進めていると聞いた。

 このソフトウエアによる業務のブラックボックス化は、もう行き着く所にまで行き着いた感があったが、さらに「延長戦」があった。それが日本で一大ブームのRPAの導入である。RPAではご存じの通り、システムからデータを「コピペ」して他のシステムに入力するなどの作業を自動化するソフトウエアロボットを多数つくり出す。これによりパソコン画面の向こう側だけでなく、「こちら側」に残されていた業務までをブラックボックス化してしまうわけだ。

 ソフトウエアロボが代行する作業の多くは、単純作業だけれどもシステム化できなかった領域だから、目先の業務の効率化への貢献度は大きい。人海戦術でデータ入力などをしてきた企業では、コンピューター黎明期のシステム導入に匹敵するくらいの効果があったりする。だから、業務の変革でも何でもないのに「我が社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の成果だ」と悪ノリする経営者は多い。しかも、既存のシステムだけでなくRPAで業務を二重にブラックボックス化する恐ろしさに気づいていないのだ。

ブラックボックス化しても「中の人」さえいれば

 ソフトウエアによるブラックボックス化の3つ目の領域は、ソフトウエア自身のブラックボックス化だ。これは1つ目に挙げた「下位レイヤーのハードウエアやソフトウエアのブラックボックス化」とは意味合いが全く違う。抽象度を高くして述べたので「何のことだ」と不審がる読者もいると思うが、種明かしをすれば「何だ、そのことか」と言うだろう。例のトホホなブラックボックス化である。

 つまり、基幹系システムなどのソフトウエアが長年の改修作業でスパゲティ化して、改修を担当する技術者以外はプログラムコードを「解読」できなくなる現象である。そういえば、「2025年の崖」で有名になった経済産業省の「DXレポート」では、基幹系システムでのこのブラックボックス化を、企業のDXを阻む深刻な問題として取り上げていたな。

 こちらのブラックボックス化が深刻な問題となるのは、2つ目に挙げた業務のブラックボックス化ともつれ合うように進むからだ。業務のブラックボックス化が進行するのは、単に業務担当者がシステム化以前の業務を忘れてしまうからだけではない。その後の業務の変化もブラックブックス化に寄与する。業務の変化は、新商品の発売に伴ってのことかもしれないし、法制度対応のためかもしれない。はたまた何らかのカイゼン活動の「成果」を取り入れたのかもしれない。いずれにせよ、そのたびにソフトウエアは改修されていく。

 結果として、業務はどんどん変わり複雑になっていくが、その複雑さの大半はソフトウエアの機能として、つまりシステムで処理されるから、従業員の仕事が複雑になっていくわけではない。ただし業務プロセスなどはますます分からなくなっていく。しかも、こうした業務の変更に伴うソフトウエアの改修などによって、ソフトウエアもどんどん訳が分からなくなる。技術者不足や緊急の改修要求などのせいで場当たり的な改修が繰り返されるケースが多いから、いつの間にか担当の技術者以外には理解できないスパゲティ状態となる。

 ただし、ソフトウエアによるブラックボックス化は、ただちに大きな問題になるわけではない。記事の冒頭で書いた通り、ブラックボックスには「中の人」がいるからだ。中の人とは、ハードウエアやOS、ミドルウエアなどの場合で言えば、それらの製品を開発・保守しているITベンダーの技術者たちだ。一方、2つ目と3つ目、つまり業務のブラックボックス、そしてスパゲティ化によるソフトウエア自体のブラックボックスでは、システムの保守運用を担う技術者が中の人に相当する。

 中の人がいるからといって、安心してよいというわけではない。中の人が突然いなくなることもあるからだ。あっ、そうだ。「突然いなくなる」というのは表現がおかしいな。十分に時間があったにもかかわらず、事の重大性を認識しようとせずに放置し、そのうちに中の人がいなくなるケースがほとんどだ。3つの領域のブラックボックスの全てで中の人がいなくなり、「このシステム、どうするんだ」とぼうぜんとしている企業もあるから、まさに中の人の消滅は真夏の夜の怪談より恐ろしいのだ。

RPA導入が恐ろしい理由は「中の人」の不在

 基幹系システムなどを利用する業務担当者から自身の絡む業務プロセスが見えなくなっても、保守運用を担当する技術者はブラックボックスの中の人として、少なくとも自身の担当する範囲の業務を把握している。プログラムコードがスパゲティ化して他の技術者にはソフトウエアがブラックボックスになっても、担当の技術者は自身がぐちゃぐちゃにしてきたコードだから、そのコードに手を入れられる。

 そんな訳なので、これらのブラックボックスの中の人である技術者は、本来ならとても貴重な存在だ。ところが、その価値はあまり認知されておらず、中の人が「外の人」だったりする。何の話かと言えば、IT部門が丸投げ体質で、システムの保守運用をITベンダーの常駐技術者に頼り切っているケースだ。これは企業だけでなく官公庁でもおなじみの話。自分たちの業務もシステムも「外の人」しか知らないのだから本当に恐ろしい。

 で、この中の人ならぬ外の人がいなくなるという事件が起こる。例えば、企業なら毎年のように保守運用料金の値下げをITベンダーに要求し続けた場合に起こり得る。ITベンダーは当初、値下げ要求をのんで常駐技術者の人数を減らすなどして対応するのだが、そのうち採算面で耐えられなくなり、常駐技術者の疲弊や不満も限界に達する。ついにITベンダーが撤退を通告し、ブラックボックスの中の人は誰もいなくなる。これは「本当にあった怖い話」だ。

 ちなみにRPAによる業務のブラックボックス化の場合、そもそも初めから中の人がいない。RPAの導入前にデータの入力業務などを担っていた人は、派遣など非正規雇用の人が多く、RPA導入から時を置かずにいなくなってしまう。正規雇用の従業員も別の業務に就くから中の人ではない。RPA導入を支援した技術者も中の人を続けることはない。かくして中の人がいないままソフトウエアロボは動き続ける。さて将来、何が起こるか。乞うご期待、である。

 もう1つのブラックボックス、つまりハードウエアやOS、ミドルウエアなどの中の人がいなくなるというのは、なかなか想定しにくいかもしれない。だが、これは極めて頻繁に発生する。何せ日本企業は最新の製品、最新バージョンのソフトウエアを使いたがらない。古い製品、古いバージョンのソフトウエアを使い続けているうちに、ITベンダーが製品に対する保守サポートを停止し、開発や保守に携わった中の人である技術者も担当を外れていなくなるというわけだ。

 企業によっては、3つのブラックボックスの全てで中の人がいなくなったという悲惨な話もある。中堅クラスの企業での悲話だが、随分前に構築した基幹系システムを延々と使っているうちに、ハードウエアやOSなどはサポートが切れた。それでも問題ないと判断して使い続けているうちに、今度は基幹系システムのブラックボックスの中身を知る唯一のIT担当者が退社し、中の人は消滅してしまった。社長が事の重大性に気づいたときは、まさに後の祭りだったという。

 さて、いかがだったであろうか。この「極言暴論」ではブラックボックス化問題を何度か取り上げているが、今回は「中の人問題」の観点でまとめてみた。結局のところ、企業が何もしなくても、いつまでも中の人として献身的に尽くしてくれる技術者やITベンダーなどいないということだ。付加価値の少ない基幹系システムにはITベンダーに中の人が大勢いるパッケージソフトウエアやクラウドなどをそのまま使い、どうしても独自システムが必要ならば自社で中の人を育てるしかない。そう思うが、いかがか。』

河野氏要請の省庁ファクス全廃 反論殺到で断念

河野氏要請の省庁ファクス全廃 反論殺到で断念
https://news.yahoo.co.jp/articles/723363984320fff62f4697606b320ee2c1c33b3b

※ まず、インターネット環境が、各省庁の「情報収集先」全部に備わっているのか、という問題がある…。

※ さらに、仮に備わっていたとして、「セキュリティ対策」は、確保できるのか、という問題がある…。

※ さらには、「災害時にも」、機能し得るのかという問題がある…。

※ ドラスティックには、いかんだろう…。

※ ジワジワと、できるところからやって行って、当分は「複線体制」にして、十分「見極め」たら、

「旧体制」を止めていく…、という策だろうな…。

『河野太郎行政改革担当相が先月、霞が関の全省庁に要請したファクス廃止に対し、「できない」との反論が数百件寄せられ、政府が全廃を事実上断念したことが分かった。情報漏えいの懸念や通信環境への不安などが理由で、一定程度の使用を認める方針だ。

【動画】住宅街でクマに襲われ4人けが 札幌・東区

 政府関係者が明らかにした。河野氏はファクスをテレワークを阻害する要因の一つとみて6月末で原則利用をやめ、電子メールに切り替えるよう求めていた。道内を含む各地の出先機関も対象だった。

 しかし、内閣官房行政改革推進本部事務局によると、各省庁から400件程度の反論が寄せられた。民事裁判手続きや警察など機密性の高い情報を扱う省庁でファクスは多用されており、メールに切り替えると「セキュリティーを確保する新システムが必要」との懸念が出されたという。

 また、「通信環境が十分ではない」「危機管理上、複数の回線確保が必要」など、メールへの一本化に難色を示す声も相次いだ。

 当初は防災関連など一部業務についてのみ使用を認める方針だったが、情報漏えいの懸念や通信環境への不安などがある場合は利用を認める。同事務局の担当者は「ファクス利用をやめた省庁も多いだろうが、胸を張って大部分を減らせたとは言えない」と話した。』

「知識乏しくテストせず」 接触確認アプリ「COCOA」不具合

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012977841000.html

 ※ 毎度毎度、同じような話で、ウンザリだが…。

 ※ 日本には、「デジタル化」とか、「コンピューティング」とかの基盤が、全く無い…、ということだ…。

 ※ 賢い人々が集結しているハズの、国家公務員の世界にしてコレだ…。

 ※ 一体、どこに問題があるのか…。どこに、どんな「壁」があるのか…。

 ※ いずれ、黙って放置しておいても、成り行きに任せておいても、問題は解決されなさそうだ…。

 ※ ある程度、外部から強力に、「力(ちから)を注入する」他は、無さそうだな…。


 ※ さりとて、「現実」から遊離しては、「実効性を持たせること」はできない…。

 ※ 気長に、ジワジワやって行く他ない…。

『新型コロナウイルスの接触確認アプリで一部の利用者に通知されていなかった問題で、厚生労働省が調査結果を公表しました。
原因について、アプリの開発などに関する職員の知識が乏しく、不具合を見つけるためのテストを実施していなかったなどと指摘しています。

接触確認アプリ「COCOA」をめぐっては、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」の利用者に感染者と濃厚接触した可能性があっても、ことし2月までのおよそ4か月間、通知がされず、把握もできていなかったことが明らかになっています。

厚生労働省の調査チームによる報告書が16日公表され、不具合が見逃された原因について、去年6月に運用を始めた時点で動作確認のテストを行う環境が整備されず、10月に環境が整ってからも優先的な課題とせずにテストを実施していなかったなどと指摘しました。
その背景として、アプリの開発や運用に関する厚生労働省の職員の知識や経験が乏しく、専門的な判断ができる人材が不足していたうえ、頻発する別の不具合の対応や改修に追われ、適切に管理できない状態に陥っていたことなどを挙げています。

また、技術者などが意見を交わすサイトで、問題が発覚する前から不具合の可能性が指摘されていたことについては、サイト上の意見を管理するよう去年9月ごろに委託業者に依頼していたものの、業務の流れや分担があいまいで、具体的な対応が検討されていなかったと指摘しました。

厚生労働省が不具合を隠していた事実は、確認されなかったということです。

今回の問題を受け、厚生労働省は、樽見事務次官と正林健康局長に管理責任があったとして、16日付けでいずれも文書による厳重注意の処分にしました。

厚生労働省は「相次いだ不具合の修正に集中した結果、本来、最優先すべき指摘を見逃していた。業者任せにせず、重要な指摘を見逃さないリテラシーを職員全体で身につける必要がある」としています。

田村厚労相「管理できず反省」

田村厚生労働大臣は記者団に「アプリの開発、運用にあたって厚生労働省の知識や経験が非常に乏しく、人員体制も不十分だった。発注者としてこのプロジェクトを適切に管理できなかったことは非常に反省しなければいけない。専門知識を持った人の力をかしてもらいながら、しっかりと運用していきたい」と述べました。』

健康保険証 「誤り3万件」が映すマイナンバーの不思議 知っ得・お金のトリセツ(45)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB056F00V00C21A4000000/

『菅義偉首相肝煎り、「デジタル庁」の発足が間近だ。関連法案は6日に衆院を通過し月内にも成立する見通し。デジタルガバメント成否のカギを握るのはいわずと知れた個人番号、通称・マイナンバー。日本に住む1億2000万人超の全員に割り振られている12ケタの数字だ。1960年代まで遡る国民的な侃々諤々(かんかんがくがく)を経て制度そのものは5年以上も前に発足したにもかかわらず、いざ使いこなそうとすると必要になるプラスチック製のICチップ付きカード(マイナンバーカード)の普及率は1割前後の低空飛行を続けてきた。皮肉にも新型コロナウイルス禍での10万円給付金の配布を巡るドタバタで必要性が認識され、税金によるキャッシュバック、マイナポイント事業も相まってようやく3割弱まで普及が進んだ。

個人情報の誤り3万件

だが、問題は依然山積み。最近ではマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする「マイナ健康保険証」の稼働が予定の3月下旬から半年程度の延期を余儀なくされた。”好例”という言葉は適切ではないが「なんでそんな問題が起きるの?」と素朴に疑問を持つと、マイナンバーを取り巻く課題が浮かび上がってくる。

本来であれば3月下旬には準備ができた病院・薬局の受付に顔認証用のカードリーダーが設置され、マイナンバーカードを読み取らせれば瞬時に本人確認ができるシステムの本格導入が始まるはずだった。だが昨年10月以降、健康保険組合など公的医療保険の保険者が持つデータとマイナンバーを突き合わせる作業を進める中で、氏名・年齢など本人の基本情報とマイナンバーとが合致しないケースが多数発見されたのだ。その数は2月には最大3万件に達した。マイナ保険証は受付だけでなく医療データの収集・閲覧も可能な機能を持つため、このまま本番に突入すれば最悪の場合、自分の特定健診データや薬剤情報などが他人の目に触れる恐れさえあった。

データ扱う保険者は約3000 随所にヒューマンエラーの可能性

一体、なぜ? 原因は保険者が持つデータにマイナンバーを加える際の誤りとみられる。国民皆保険の日本では全員が何らかの公的医療保険に加入している。自治体が運営する市町村国保や公務員が入る共済組合の他に民間企業が母体の組合健保や協会けんぽなど計3000以上が存在する。ザックリ割ると1保険者平均10の誤入力があった計算だ。多いか少ないかは微妙だが、保険者によるマイナンバー収集過程を考えると確かに随所に誤りが起きる可能性を内包している。

マイナンバーは「番号法」という法律にガチガチに縛られ運用される。企業や団体はむやみに個人に対して番号の提供を求めてはならず、その取得や保管・管理にも罰則規定のある厳しいルールが課されている。健保は個人から直接マイナンバーの提供を受けられる主体でないため、通常企業を経由して番号を入手する。そして企業の場合の入手方法は会社員個人からの自己申告だ。

12ケタもある個人番号を手書きで提出すれば誤記の可能性は常にある。しかも家族で1番号の健康保険証に対し、マイナンバーは個人ごとの番号だから5人家族なら誤記の可能性も5倍に。原本(マイナンバーカード、もしくは通知書のコピー)との突き合わせ確認をしているはずだが、現場でどこまで徹底できているかは疑問も残る。さらに大企業では外部のデータ入力会社に作業を委託するケースも多い。会社→委託会社→健保と関係者が増えれば、誤入力や情報漏洩の危険性は増大する。

強制と任意のはざま 定まらぬ覚悟

問題のあった3万件については厚生労働省がそれぞれの保険者に伝え、担当者が人海戦術で潰していった結果、現時点では問題はほぼ解消しているという。今後は「ヒューマンエラーが起こりうることを前提にシステム対応を強化する」(厚労省)。この手のことに百%ミスなしがあり得ないのは当然だが、効率化のための仕組みづくりなのに逆説的に膨大な作業量が生じているのは皮肉な現状だ。

それも「なぜ?」と考えるに、行政と国民の間で土台となる共通認識が欠如している現実に行き着く。マイナンバーとはどういう数字で、どう生かし、どう規制するか――。議論の整理を避けたまま運用の拡大は続く。マイナンバー自体は日本に住む全員に好むと好まざるとにかかわらず、いわば強制的に付番されている。にもかかわらず「自己情報コントロール権の侵害」という批判を恐れてか、運用プロセスにおいては随所で「任意」を組み込むことで不要なヒューマンエラーを呼び込んでいるようにもみえる。任意でつくるマイナンバーカードの低普及率しかり、健保の情報収集の誤りしかりだ。問題の在りかについて同志社大学の北寿郎教授は「政府側にマイナンバーを使う覚悟ができていないという根本的な問題があり、利用者側にも誤解を含めてそんな政府を信用していないという事情がある」と指摘する。

山本由里(やまもと・ゆり)

1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー編集センターのマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

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「マイナ健康保険証」医療機関の導入が進まない理由

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK096HD0Z00C21A3000000/

 ※ まあ、リモート・ワークが進まないのと、状況は一緒のような感じだな…。

 ※ 「デジタル革命だ!」と、かけ声は勇ましい…。

 ※ しかし、それを実現するとなると、業務環境→コンピューター環境→ネットワーク環境…、の全てが「機能を果たしている」必要がある…。

 ※ コンピューター環境:ハード環境→コンピューター本体+周辺機器
     
             ソフト環境→OS+アプリケーションソフト

 ※ 大体、コンピューターの「起動スイッチ、オン」で、PC/ATアーキテクチャだと、まずBIOSが周辺機器の情報を読み込んで、続いて起動ドライブ(SSD、HDD)の特定部分を読みに行って、BIOSとOSが連動して、メインメモリにドライバなんかをセットして、徐々にOSの起動体制を構築していく…、なんていう段取りを、理解している人間が何割いる?

 ※ ネットワーク環境とは、物理的な「ファイバー・ケーブル」網と、「プロバイダー」網とに分かれていて、NTT東・西は前者に相当する仕事をしていて、OCNとかプララとかは、後者に相当する仕事をしているなんてことを、正確に理解している人間が何割いる?

 ※ IPアドレスには2種類あって、「グローバルなもの」と「ローカルなもの」があって、それぞれ役割が異なっているなんてことを、正確に理解している人間が何割いる?

 ※ 日本のデジタル環境なんてものは、殆ど存在していないに等しい…。

 ※ あるのは、「業務環境」+「パソコン、使ってま~す。」と言ってるだけの話しだ…。

 ※ だから、いざトラブルとなると、「原因」すら掴めずに右往左往する他は無くなる…。

 ※ まあ、あまり人のことは、言えない…。

 ※ オレも、旧機、結局起動させることができなくて、ほぼ「パーツ全取っ換え」でしか解決できんかった…。やれやれな話しだった…。

『医療機関などで健康保険証としてマイナンバーカードを利用するプレ運用が3月4日に始まった。政府は3月末に医療機関など全施設の6割に関連システムの導入を目標としているが、2月時点で申し込み施設は全施設の3割と目標の半分にとどまり、早くも暗礁に乗り上げつつある。

見積もりが補助金上限額を上回る

健康保険証としてマイナンバーカードを利用できるようにするには、医療機関などが顔認証付きカードリーダーを導入する…

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健康保険証としてマイナンバーカードを利用できるようにするには、医療機関などが顔認証付きカードリーダーを導入するほか、ネットワーク環境の整備や診療報酬明細書(レセプト)を作成するコンピューター(レセコン)などのシステム改修も必要だ。医療機関はレセコンを通じて請求のための閉域ネットワークである「オンライン請求ネットワーク」にアクセスし、患者の保険資格を確認する。こうした一連の仕組みを「オンライン資格確認」と呼ぶ。

厚生労働省はオンライン資格確認の普及促進のため、顔認証付きカードリーダーを無償で提供するほか、システム改修などの費用を補助している。もともとは上限額の半額などを補助するとしていたが、3月末までの申し込みで全額補助に引き上げるとして導入を促している。

だが、2月21日時点で顔認証付きカードリーダーの申込数は、全施設の32.8%にとどまる。政府は3月末までに全体の6割程度、2023年3月までにほぼ全ての施設で導入すると19年9月のデジタル・ガバメント閣僚会議で決定しているが、目標にはほど遠い。

厚労省は導入が進まない理由の1つとして、システム改修を担うIT(情報技術)ベンダーの見積もりが過大になっていると指摘する。

「パソコンやルーターの購入で77万9400円、設定やセットアップに20万円で合計97万9400円。そこに37万9400円を値引きするとして、60万円という見積もりが診療所に対してあった」(厚労省医療介護連携政策課)。診療所向けの補助金上限額42万9000円を大きく上回る。

厚労省は事前のITベンダーからのヒアリングをもとに補助金の上限を決めており「標準のパッケージなら、上限額で収まるはずだ」(同)とする。

日本医師会が会員医療機関にITベンダーの見積もりをヒアリングしたところ「診療所全体では50万~60万円が多かったが、高いところでは80万円以上のケースもあった」(日本医師会でIT施策を担当する長島公之常任理事)

福井県医師会会長で池端病院(福井県越前市)の池端幸彦院長は県医師会として導入を推進している。池端病院でも、普段から付き合いのある地元ITベンダーに見積もりを依頼した。

池端病院のレセコンはオープンソースの基本ソフト(OS)Linux(リナックス)で動いており、パソコンOSのWindows(ウィンドウズ)よりも追加の費用がかかるとして、見積もりは合計約500万円だった。病院向けの厚労省の補助金上限額210万1000円の2倍以上だ。「補助金額を大幅に上回っているので、どうしようかと様子見になっている」(池端院長)

北陸地方を中心に70~80件の医療機関のシステムを担当するミタスにはこれまで約60件の問い合わせや見積もり依頼があったが、同社による見積もり結果の多くは厚労省の補助金額の上限を上回る。

「そもそも外部とのネットワーク環境がない医療機関もある。ネットワークを構築して、そのうえでレセコンのシステム改修が必要となってくる」(立石正治専務取締役)。同社が担当する医療機関で実際に導入までこぎつけた医療機関はまだないという。

「ITベンダーには同情する」

厚労省は富士通や医療機器販売のPHC(東京・港)などの大手ITベンダーに対して「見積もりの適正化」を依頼したほか、個別医療機関からの相談に対応していくと説明する。「見積もりを下げてほしいと言っているわけではなく、内訳を明確にするなどしてちゃんと医療機関が納得するように説明してほしいと依頼している」(厚労省医療介護連携政策課)

ただ、日本医師会の長島常任理事は、「ITベンダーには同情する」と話す。医療機関のレセコンの導入率はほぼ100%近いものの、オンライン請求ネットワークで外部に接続するのは月1回の請求時のみという診療所も少なくない。マイナンバーカードの保険証としての利用には、まずはオンライン請求ネットワークの常時接続が必要となる。

「これまで医療機関は外部とネットワーク接続しないのが常識だった。常時接続になると、今までと全く変わる。医療機関だけでなくITベンダーにとっても未知の世界だ」(長島常任理事)

医療機関ごとに状況が異なるうえ、これまでにない改修やシステム構築では、実際にかかる費用を見極めにくい。安全をみて多めに見積もっているケースもあるとみられる。これらを一律に「適正化」するのは無理があるというわけだ。

その上で長島常任理事は、「プレ運用があと3カ月や半年あれば、そこで出た課題をもとに、環境を整えられる。ITベンダーがやることも見えてくる」として、プレ運用期間をより長くとるべきだと指摘する。

厚労省の当初の計画では、20年秋から医療機関のシステムを順次改修し、秋から冬にかけて医療機関で運用テストを行い、テスト後に順次運用を開始する予定だった。だが、厚労省が本格稼働前のプレ運用の参加機関を募集し始めたのは21年1月末。約500機関を募ったものの、設備の導入などが遅れ、3月4日にプレ運用を開始したのは19機関にとどまった。

マイナンバーカード普及が課題

オンライン資格確認は、マイナンバーカードを保険証として利用できるだけでなく、オンライン請求ネットワークを介して、全国の医療機関などが連携する医療情報連携のプラットフォームとなる。患者自身も薬剤情報や健康情報などを閲覧できるようになる。

長島常任理事は、「今後必要な仕組みだ」としながらも、「医療機関にとっては今すぐに導入するだけのメリットがあるものではない」と話す。

厚労省はオンライン資格確認の医療機関側のメリットとして、患者の保険資格を正確に確認できるようになり、資格過誤によるレセプトの払い戻しが発生しにくくなるとする。ただ、厚労省が試算する医療機関や薬局の事務コスト削減効果は年間で約50億円と、全体からすればごくわずかにすぎない。今導入するだけのインセンティブにならないのが実情だ。

「オンライン資格確認の普及には、何よりもマイナンバーカードの普及が第一だ」と長島常任理事は話す。マイナンバーカードの交付実施済み数は2月時点で人口の25.9%(有効申請受付数は人口比29.6%)。健康保険証としての利用申し込みをしているのは約270万件と、マイナンバーカード交付枚数のわずか8.2%だ。

池端院長は「患者から『なぜここでは保険証としてマイナンバーカードを使えないのか』と言われるのが一番こたえる」と打ち明ける。それでも「まだマイナンバーカードが十分に普及していないので今すぐ導入するとならない」と指摘する。マイナンバーカード普及率が約56%と全国屈指の石川県加賀市近辺の医療機関では、「導入の機運が高い。患者のためになるなら医療機関は導入する」(ミタスの立石専務)という。

「(医療者の間で)積極的に導入を進めていこうというムードが出来上がっていない。ITベンダーの営業活動もあまりない。皆がもう少し様子見をする空気感になっている」と池端院長は言う。医療機関の中には、「いまは新型コロナウイルス対策やワクチン接種でそれどころではない」という声もある。会員向けにオンライン資格確認の導入告知をしていない地域の医師会もあるという。

3月末の申請をもって医療機関などへの導入の全額補助が終了する。4月以降は病院などは半額補助、診療所などは4分の3補助となるが、全額補助が終了することで、導入の足かせになりかねない。厚労省がオンライン資格確認を本気で使えるようにしたいなら、まずはプレ運用期間と全額補助申請期間の延長が必要となりそうだ。

(日経クロステック/日経コンピュータ 長倉克枝)

[日経クロステック2021年3月8日付の記事を再構成]