首相が見据える2年後の総裁選 参議院選挙後もにらむ

首相が見据える2年後の総裁選 参議院選挙後もにらむ
編集委員 大石格
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB213H80R20C22A6000000/

『参院選が22日に公示され選挙戦が始まったが、すでに政界では「ゲームセット感」が漂っている。話題の中心は選挙戦を通り越し、秋の臨時国会の召集前に見込まれる内閣改造・与党役員人事に向きつつある。

岸田文雄首相は選挙後、どこへ向かおうとしているのか。早期に衆院を解散しない限り、しばらく国政選挙がない「黄金の3年間」を迎えるので、政権は当分安泰である、との解説をよく耳にする。だが、首相の視線はそんな先にはない。最大の関心事は、2年後の2024年9月にある自民党総裁選でいかにして再選を勝ち取るかだ。

安倍晋三元首相は党首として戦った3回の衆院選、3回の参院選にいずれも圧勝し、長期政権を築いた。岸田首相も昨年の衆院選に勝ち、今年の参院選を乗り切れば、再選への道筋が見えてくる。首相周辺はそう期待するが、永田町はそう甘くはない。

総裁選で現職が敗れたのは、1978年の福田赳夫氏だけだが、だから現職有利とは言い切れない。告示直前に出馬を断念した海部俊樹氏や谷垣禎一氏らを含めれば、総裁選の歴史は再選失敗の歴史でもある。
新たな派閥抗争の時代

いま自民党は新たな派閥抗争の時代に入っている。小選挙区制のもとで派閥の影響力は失われるというのは、政権交代があり得るときの話だ。

「いまの野党相手ならば誰が表紙でも勝てる」。自民党の幹部はこう言い切る。心置きなく権力闘争に専念できる環境である。

いまの政権はおおまかにいうと、昨年の総裁選で第1回投票から岸田氏に投票した麻生派、茂木派、岸田派、谷垣グループが主流派を形成する。河野太郎氏や野田聖子氏を推した二階派、森山派、石破グループ、菅義偉前首相に近い議員たちは非主流派である。

微妙なのは安倍派で、福田達夫総務会長らは第1回から岸田氏支持だったが、高市早苗政調会長を担いだ安倍氏は決選投票から支持に回った。いわば準主流派である。

向こう2年間、主流派、準主流派、非主流派がどう立ち回るのかで次の勝者が決まる。最終的な決め手は領袖同士の好き嫌いだったりするが、勢力争いには旗印がないと格好が悪い。そこで持ち出されるのが政策である。

中曽根康弘元首相は行財政改革で名を成したが、政界入り当初は経済運営に関心がある方ではなかった。ライバルとなった河本敏夫氏が積極財政論者だったので、財政再建を選ばざるを得なくなった。
再選戦略としての政策の旗

新しい資本主義VSアベノミクスの押し引きも、政策の妥当性で動くわけではない。岸田首相にとって再選に向けて最も重要なのは、準主流派の安倍派を非流派に追いやらないことだ。さりとて、優遇しすぎれば主流派に義理が立たない。今年の骨太の方針の書きぶりは所詮は2年後の戦いへの途中経過にすぎない。

政策の旗は経済分野だけではない。国防体制の強化と憲法改正の行方も政局を動かす重要なキーだ。防衛省の事務次官人事をめぐる岸田首相と安倍氏のあつれきが話題になった。年末の国家安保戦略の改定や防衛予算の増額に伴う財源論争でも、互いの「マウント取り合戦」は頻発するだろう。

安倍派に再選を支持させるにはどうすればよいか。岸田派のある議員によると、こんな構想があるそうだ。総裁選のある24年の通常国会終盤に憲法改正を発議し、総裁選を挟んで秋に国民投票を実施する。そうすれば総裁選で岸田おろしのようなことはしにくかろうというわけだ。

党内にはもっと早期の発議を望む声がある一方、初の国民投票が円滑に進むには国民の理解が足りていないとの見方もある。岸田首相は8月に核拡散防止条約(NPT)再検討会議に初めて出席し、23年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は広島市で開く。核軍縮に力を入れるのは、被爆地選出の首相の持論であるのみならず、改憲への布石でもあり、同時に総裁再選を見据える。

岸田首相にとって今後のあらゆる政策判断の基準はひとつしかない。総裁再選につながるかどうかである。

[日経ヴェリタス2022年6月26日号掲載]

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防衛費「2%」縦割りで定義狭く 細る研究開発指標で読む参院選争点

防衛費「2%」縦割りで定義狭く 細る研究開発
指標で読む参院選争点
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2173K0R20C22A6000000/

『ウクライナ侵攻により参院選は防衛政策の転換を問う選挙となった。与野党の議論は防衛費を欧州並みの国内総生産(GDP)比2%に増やすかに集まる。日本の防衛費は科学技術予算をあまり投じず海外と比べて範囲が狭い。規模だけでなく、どこにお金を投じるかが重要となる。

2022年度当初予算の防衛費は5.4兆円とGDP比で0.96%にとどまる。1976年に三木内閣が「1%」の枠を設けてから半世紀近く、目安が維持されてきた。

同年に新設されたのが防衛計画の大綱だった。冷戦期の緊張緩和(デタント)を背景に防衛力の上限を定める「基盤的防衛力構想」を提起した。軍事的脅威への対抗を想定しない態勢が長期にわたって続き、防衛費の拡大が政治課題にあがることはほとんどなかった。

ウクライナ侵攻で環境は変わった。日本経済新聞の6月の世論調査で参院選で重視する項目を聞いたところ「外交・安全保障」が28%と3番目に多かった。前回の19年参院選前の調査は20%で6番目だった。

与野党は公約で防衛力の転換をうたった。自民党は北大西洋条約機構(NATO)が2%を掲げていることを踏まえ「GDP比2%以上も念頭に必要な防衛費を積み上げ、5年以内に達成する」と書いた。日本維新の会も「防衛費はGDP比2%を目安として増額する」と触れた。

立憲民主党は必要な装備品などを積み上げれば「防衛費の増額はありうる」との立場をとる。公明、国民民主両党とも防衛力強化を唱える。

規模に照準を合わせるあまり、お金を費やす対象についての議論が深まっていない。

岸田文雄首相(自民党総裁)は日本記者クラブの討論会で使途について「ミサイルなどの科学技術の進歩の中で必要な装備はしっかり用意する」とだけ語った。立民の泉健太代表も宇宙、サイバー、電磁波などの新領域の例示にとどめた。

長年、抑制してきた防衛費を実用的なものにするには、防衛費の構造そのものを見直す必要がある。日本の防衛費は防衛省が所管する予算を指す。防衛費を増やしても縦割りが続けば、国防に不可欠な措置はとれない。

代表的なのは研究開発費だ。政府の科学技術の研究開発費は4兆円と防衛費の8割程度にあたる。大学を所管する文部科学省の色彩が強く、防衛に使われるのは1600億円規模と4%ほどだ。安全保障を重視し、科学技術予算の46%を国防用が占める米国とは差がある。

ウクライナの戦場で有用性が示されたのは、無人機やサイバーだった。こうした装備品は宇宙や通信、画像認識などの先端技術が土台となっている。

国土交通省が所管する公共事業にも縦割りの弊害がある。6兆円を上回る公共投資の関係費はGDP比で米国や英国よりも5割ほど多いが、防衛上の視点を欠く。

台湾有事といった危機では、南西方面の民間の空港や港湾施設などは戦闘機や艦船の発着拠点となる可能性がある。住民の避難にも不可欠だが、整備は十分に進んでいるといえない。対する米国は防衛上に必要なインフラを国防費でつくる。

NATOのように海上保安庁などの他省庁の予算を含めると、1%未満だった日本の防衛費はGDP比1.2%を超える。GDP比2%目標は定義をどう定めるかによるところが大きい。

政府は日本の防衛の指針を決める国家安全保障戦略を年末に策定する。GDP比2%なら新たに年6兆円の使途を決めることになる。(三木理恵子)

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三菱商事の総取り許すな 洋上風力発電、政官絡むバトル

三菱商事の総取り許すな 洋上風力発電、政官絡むバトル
洋上風力バトル(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC012TV0R00C22A6000000/

『会議は荒れ模様だった。

5月、洋上風力の推進を議論する審議会。経済産業省と国土交通省が1企業連合の落札可能区域を制限する具体案を示したのがきっかけだった。

政府は洋上風力をエネルギー安全保障のカギを握る発電と位置づけ、2020年11月に秋田県沖と千葉県沖の計3カ所の公募を開始。21年末、3区域全ての事業者に三菱商事連合を選んだ。経産・国交省案が実現すれば三菱商事のように複数落札を狙うとみられる事業展開は制約を受ける。

政府案より踏み込んだのが、約500の企業・自治体が加盟する日本風力発電協会(JWPA)副代表理事の祓川清だ。「(前回と次の公募の)累積で例えば3割に制限してはどうか」。政府案にない独自案で、企業が権益を分け合う寡占防止条項の導入を迫った。

「見たのはきょうが初めてだ」。三菱商事エナジーソリューションズ社長の岩崎芳博は資料を一読すると言い放った。同社はJWPAの正会員。にもかかわらず事前の相談はなかった。「三菱商事の総取りは許せない」。そんな業界の雰囲気を岩崎は感じ取った。

日本で洋上風力の歴史が幕を開けたのは19年4月。政府が「再エネ海域利用法」を施行し、事業者が一般海域を30年間占有できる環境を整えた。40年までに最大4500万キロワットをつくる。原子力発電所45基分に相当する巨大事業だ。

初の大規模案件の公募となる3区域の入札で三菱商事が示したのは1キロワット時11~16円台。2番手以下より約3割低く、政府が設けた29円という上限価格を大きく下回る驚きの低価格だった。

三菱商事は自他共に認める名門企業だ。三菱グループの中核企業として産業界をリードすることはあっても、手荒な価格破壊は仕掛けない。そんな下馬評を覆した応札価格にライバル各社は驚き、「辻つまが合わない」との疑念が相次いだ。

三菱商事も引けない。業績を支えてきた資源事業はいずれ脱炭素の波にのみ込まれる。4月に社長に就任した中西勝也は「脱炭素は転換点。転換はチャンスだ」と説く。風車で米ゼネラル・エレクトリック、運営で子会社のオランダ再生エネ大手エネコ、地域共生で米アマゾン・ドット・コムと手を組む。グローバルな連携で市場を席巻する覚悟を価格に映した。

ライバル企業は急きょ、巻き返しに動く。

2月22日。JWPAは経産省と国交省に提言書を送った。応札した企業の計画の審査で、稼働時期の早さをより重視するよう変更を求めた。同時にこのルール変更を公募済みの案件にも適用するよう訴えた。三菱商事連合の稼働時期が28~30年とほかの陣営より数年遅かった点を突いた。

「正直、言いがかりに近い」。提言書を見た経産官僚は感じた。価格が安ければ消費者に恩恵がいく。すでに公募を始めている案件にもルール変更を適用すれば、一からやり直さざるをえなくなる。それは早期導入という目標と矛盾する。

それでも業界団体は政界へのロビー活動も織り交ぜて圧力を強めた。3月18日、政府は唐突に6月10日だった次の公募の締め切り延期を決めた。

公募延期決定と同日、自民党本部で再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の会合があった。JWPA代表理事で日本風力開発(東京・千代田)副会長の加藤仁も姿をみせた。「1社(三菱商事)独占は無しにしましょう」。公募延期とルール変更を達成した、さながら祝勝会のようだった。

ルール見直しは洋上風力の先進地、欧州でもある。大事なのはなぜ見直すのか、きちんと国民に説明することだ。供給者を増やす大義名分に見え隠れするのは権益分配の下の平等主義。ルール変更や公募延期が頻発すれば開発は遅れる。市場の透明性も保てない。

国際再生可能エネルギー機関は、世界の洋上風力の発電能力は18年の2300万キロワットから30年には2億2800万キロワットに育つとみる。21年の新設量は中国だけで世界全体の8割を占めた。風車製造では中国勢と欧州勢がしのぎを削る。日本が市場育成に手間取るほど、世界の潮流から遠のく。

(敬称略)

日本で洋上風力発電の開発がようやく始まった。巨大市場を巡る内外の動きを追う。
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村上芽
日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
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ひとこと解説

ルール変更はビジネスでもスポーツでもよくある話ですが、「公募済案件への適用」案には驚きました。ワールドカップ予選をやり直すようなことです。脱炭素経済へのスピーディな転換を、公正な経済取引で貫徹するよう、「ムラ」にしない・ならない決意表明を聞きたいものです。
2022年6月21日 8:26 』

海外IT、法の網逃れ成長 各国が税・登記巡り対応

海外IT、法の網逃れ成長 各国が税・登記巡り対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA202IW0Q2A620C2000000/

『政府は海外IT大手に法人登記を求め、規制や監視を強める。SNS(交流サイト)上での中傷問題や偽情報への対応など、IT大手を巡る課題は多い。しかし海外のIT大手は現地での税負担や規制対応を避けており、各国の当局は課税だけでなく法的な権限すら行使できない状況が続いてきた。海外ITの存在感は日本でも大きく、監督を強める必要に迫られている。

海外IT大手はインターネットを通じて世界中にサービスを提供することができる。従来は法規制や税率の緩やかな国に拠点を置き、ビジネスを成長させてきた。SNSなどは人と人、企業と企業を媒介しているだけだとして、インターネットで起きる様々なトラブルに責任を負ってこなかった面もある。

一方、サービスを使う企業や消費者は、トラブルがあっても自国内で救済を受けにくい状況が続いていた。多くの利用者や広告収入がありながら、各国で見合うだけの税金を払わないことも問題視されていた。

各国は新たな規制のあり方を探ってきた。欧州連合(EU)が制定に動くデジタルサービス法は、ヘイトスピーチや海賊版対策などへの対応をIT大手に義務付ける内容だ。これまでは比較的寛容だった米国でも、偽情報対策などを巡りIT大手に責任を持たせる議員立法が相次ぐ。

政府が登記の徹底を求めたのも世界的な流れに沿ったものだ。日本で継続的にビジネスをする外国企業は日本で法人登記をする必要がある。日本での登記がないと、裁判やトラブルのときに海外に訴状を送ったり連絡したりする手間が生じる。消費者保護の支障になるとの指摘が専門家から出ていた。

政府では2021年施行のデジタルプラットフォーム取引透明化法で、サービスの利用条件などの情報開示を義務付けた。今回の登記要請の根拠となった電気通信事業法も外国法人に事業登録を義務付けており、徐々に規制の網をかけつつある。

海外IT大手については、各国の課税権が及ばないことも問題になっている。

日本の法人税は、事業拠点となる「恒久的施設(PE)」を国内に置いていれば外国企業にも課税できる仕組みを取っている。外国企業が日本で登記をして代表者を置くと、PEの一種の「代理人PE」と税務当局が認定し、課税される可能性がある。

海外IT大手は事業基盤を日本国外に持つ。日本に課税根拠となるPEを持つとの判断を避けることが、法人登記の壁になっていた。

法務省は今回、本社登記を求める一方で、当面の課税リスクを避ける手法は容認する方針だ。会社法は代表者に本社を代表して契約を結ぶなど幅広い権限を与えているが、IT企業が日本の代表者の権限に「制限」をかけるという提案を認める。

企業税務に詳しい平川雄士弁護士は、「制限を守る限りは、税務当局が日本国内で代理人PEを認定して課税することは難しくなるはずだ」と話す。

PEを基本とする課税ルールは、約140カ国・地域が21年に合意した「デジタル課税」で修正が図られる見通しだ。巨大IT企業を念頭に、一定の利益率を超える部分の利益への課税権を各国が分け合う。24年にもデジタル課税が導入されれば、日本にPEがないと主張するIT大手も日本での税負担を迫られる。

一連の問題は、税や登記など異なる分野が結びついた課題だ。グローバルでビジネスを拡大するIT大手のような業種が存在感を増すなか、日本政府も省庁の垣根を越えて課題を共有し、対応する必要に迫られている。

(デジタル政策エディター 八十島綾平)

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田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
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昨年のデジタル課税合意の背景となったのは米大手IT企業によるダブル・アイリッシュ&ダッチ・サンドイッチスキーム等を活用しての市場国・税収なしという税務戦略でした。同戦略のスキームでは、無形資産を軽課税国の子会社に移転し税負担軽減、市場国である日本では物理的拠点がないため課税できないといったことが問題とされてきました。背景は、企業の競争力の源泉が無形資産に転化、サービスがデジタルで提供されていること。ここに市場国に拠点をもたない真因がある。私自身、公正取引委員会・独占禁止懇話会メンバーを務めていますが、日本ではGAFAMに対抗するような企業を育成することと規制の両面が求められていると思います。
2022年6月21日 7:27
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

ITサービスの現状についてたとえていえば、道路ができたが、信号システムは完成していない状況。事故が起きたら、警察が来て、どうして?と調べる。日本のネットはまだおとなしい。海外のサイトはなんでもあり。それを取り締まるインターポールのような国際機関がない。ましてやハッキング活動の背後に外国政府が見え隠れする。まあ、アメリカの情報機関はEU首脳の電話を盗聴していたぐらいだから、ほんとうになんでもあり。あとは、利用者は自衛するしかない
2022年6月21日 7:31 』

物価高「許容できず」64% 内閣支持60%に低下

物価高「許容できず」64% 内閣支持60%に低下
本社(※ 日経系)世論調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA17BUF0X10C22A6000000/

『日本経済新聞社とテレビ東京は17~19日に世論調査を実施した。岸田文雄内閣の支持率は60%で、前回の5月調査(66%)から6ポイント低下した。資源高騰や円安などによる足元の物価上昇について「許容できない」は64%で「許容できる」の29%を上回った。

内閣支持率は下がったものの岸田政権が発足した2021年10月の59%を超えている。内閣を支持しないと答えた人は32%で同政権で一番高くなった。

内閣を支持する理由の首位は「安定感がある」(27%)、2位は「自民党中心の内閣だから」(26%)だった。支持しない理由は「政策が悪い」(33%)がトップだった。物価上昇を「許容できない」と回答した層の内閣支持率は55%で全体より低かった。

「許容できない」と答えた割合を世代別にみると18~39歳が63%、40~50歳代が65%、60歳以上が67%だった。

政府・与党の物価高対策を「評価しない」は69%で5月から8ポイント上昇した。「評価する」は21%で5月の28%から下がった。

日銀の政策については金融緩和を「続けるべきではない」が46%、「続けるべきだ」は36%だった。日銀は16~17日の金融政策決定会合で大規模緩和を継続する方針を決めた。景気の下支えが狙いだが、米欧との金利差の拡大が円安要因になっている。

物価上昇を「許容できない」と答えた人の53%が金融緩和を「続けるべきではない」を選択した。

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・参議院選挙で重視、景気回復44% 日経世論調査
・参議院選挙、与党過半「維持を」6割 野党首位は維新

政党支持率の1位は自民党の45%で、2位は日本維新の会の8%、3位は立憲民主党の7%、支持政党がない「無党派層」は25%だった。5月はそれぞれ51%、6%、7%、23%だった。

調査は日経リサーチが17~19日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD)方式による電話で実施し912件の回答を得た。回答率は42.9%だった。

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・入国者上限「増やすべき」49%「増やすべきでない」44%
・自公は賃上げ、立民は金融緩和修正 物価高対応9党論戦
・参議院選挙、各党公約で賃上げ競う 論戦「物価高」軸に

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/46-in-Japan-want-BOJ-to-halt-ultraloose-policy-Nikkei-poll 』

「王子なきハムレット」の愚 創造的破壊を促す政策競え

「王子なきハムレット」の愚 創造的破壊を促す政策競え
本社コメンテーター 小竹洋之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD143UH0U2A610C2000000/

『「経済を考える時には、選挙を考えよ。そして選挙を考える時には、経済を考えよ」。米統計学者のエドワード・タフト氏は、1978年の著書「選挙と経済政策(邦題)」にこう記した。

日本でも同じことが言える。7月10日投開票の参院選では、ウクライナ危機を踏まえた外交・安全保障政策も重要な争点になるが、物価上昇にあえぐ国民の関心はやはり経済政策に向かいがちだ。

各党の公約はどうか。消費税やガソリン税の減免、所得制限抜きの手厚い児童手当、広範な教育の無償化……。野党は非現実的な分配戦略を掲げ、減税や給付の大盤振る舞いを張り合う。

昨秋の衆院選で野党は総じて振るわなかった。バラマキ色の濃い経済公約に、厳しい審判が下ったのは間違いない。それでも「生活安全保障」や「ボトムアップの経済政策」などをスローガンに、似たような主張を繰り返す。

与党は予想以上に成長戦略を押し出した。岸田文雄首相の看板政策「新しい資本主義」を国民に問い、人、科学技術、スタートアップ、脱炭素、デジタルへの投資に広く理解を求める構えだ。
大盤振る舞いに走る危険

だが確たる財源を示さぬまま、資金の投入ばかりを訴えるのはいかがなものか。国費だけで50兆円規模の補正予算案編成を求める声が出ており、与党も同じく大盤振る舞いに走る危険をはらむ。

参院選の経済論戦で競ってほしいのは、財政出動の単なる規模ではない。日本経済のエンジンを再起動する施策の中身である。

かの経済学者シュンペーターは42年の著書「資本主義、社会主義、民主主義」に名言を刻んだ。「産業上の突然変異で経済構造に絶えず内部から革命が起き、古い構造が絶えず破壊され、新しい構造が絶えず生み出されている。この『創造的破壊』の過程こそ資本主義の本質を示す事実だ」

そんな本質を見落とす理論は「デンマーク王子の登場しない『ハムレット』のようなものだ」とも断じた。劇作家シェークスピアの四大悲劇に含まれる名戯曲から、肝心の主役を消去するに等しい愚行とみなしたのである。

日本は安易な痛み止めやカンフル剤を多用し、創造的破壊を促す改革を先送りしてきた。シュンペーターが発した警告を、今こそ真剣に受け止めねばなるまい。

米誌フォーチュンによる世界500社の売上高番付。ここに名を連ねる日本の企業は、95年の148社から2020年には53社に減った。米欧に比べて縮み方が大きい。日本の国内総生産(GDP)が世界に占める割合は、同じ期間に18%から6%に落ちた。
停滞根治の改革に本腰を

技術革新に合わせて産業構造を変えるのが米国型の「イノベーション・トランスフォーメーション」なら、企業の競争力を合併・買収で高めるのが欧州型の「コーポレート・トランスフォーメーション」だ。日本はどちらにも振り切れず、「昭和モデル」の改善と改良でしのいできた――。経営共創基盤グループの冨山和彦会長は、そこに真の病巣をみる。

入れ子構造で知られる伝統的なロシア人形のごとく、ひと回り小さい同質の経営者が次々に出てくるさまを、サントリーホールディングスの新浪剛史社長は「マトリョーシカ現象」と呼ぶ。そしてアニマルスピリットの喪失こそが、日本停滞の病根だと話す。

こうした病を根治する改革に、本腰を入れるべきだ。仏経済学者のフィリップ・アギヨン氏らは、国の豊かさの指標とされる1人当たりGDPの成長率と、開廃業率や特許登録数との間に密接な関係があると分析した。フロンティアを開く民間の活力を引き出すため、政府も効果的な税財政支援や規制緩和に取り組みたい。
マイナス成長常態化の可能性

日本経済研究センターは3月に最新の中期経済予測をまとめた。新型コロナウイルスの感染が22年度中に収束し、ウクライナ危機の打撃が20年代半ばに峠を越す標準的なシナリオでも、30年代にはマイナス成長が常態化する可能性があるという。

企業収益の低迷による設備投資の落ち込みや、少子高齢化の進展に伴う労働力人口の減少が主因だ。産業の新陳代謝や生産性の向上を後押しする努力を、もはやためらっている時間はない。

与党は曲がりなりにも本質の一端を突いてきた。3年間で4千億円の能力開発・再就職支援、5年間で起業を10倍に増やす構想などは一定の成果だ。確かに多くの課題は残るが、より深刻なのは野党の対案の貧しさだろう。

09年に発足した旧民主党政権は、企業の活性化を通じて家計に雇用や賃金の恩恵をもたらす政策から、個人の懐を直接温める政策への転換を目指した。ところが子ども手当や高校無償化などの目玉政策に必要な年間10兆円規模の財源を確保できず、国民の信頼を失った記憶はまだ生々しい。

野党はその失敗を直視した方がいい。分配偏重の経済政策は巨額の財源を要するだけでなく、個人の自立も妨げかねない。大恐慌下のニューディール政策で「大きな政府」を極めたルーズベルト元米大統領でさえ、過剰な救済策を人間の精神を巧みに破壊する「麻薬」に例えたことがある。

もちろん分配は重要だ。コロナ禍や物価高で困窮する人々には、手を差し伸べなければならない。これらの原資を確保するためにも、成長の源泉を探る論戦が不可欠である。「王子なきハムレット」を見せられるのではたまらない。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD143UH0U2A610C2000000/ 』

何に使うの?突如掲げた脱炭素への新国債20兆円

何に使うの?突如掲げた脱炭素への新国債20兆円
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26966

『脱炭素社会の実現に向けた産業振興のため、岸田文雄首相が新たな国債「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債(仮称)」を発行する方針を表明した。20兆円規模の資金を確保して民間資金を呼び込むとしているが、GX推進を話し合う委員からは「全く議論されていない数字」という声も聞こえてくる。実際、GXとは何で、いかなる事業に多額な予算がつぎ込まれるのか。経済産業省のグリーントランスフォーメーション推進小委員会の資料や新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)を基に紐解いてみたい。
(metamorworks/gettyimages)
突如出てきた「20兆円」という数字

 政府は、脱炭素社会を進めるために今後10年間で官民合わせて150兆円の投資が必要であると試算。これに対し、岸田首相は5月19日に首相官邸で開かれた「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会で「20兆円ともいわれている必要な政府資金をGX経済公債、これは仮称ではありますが、これを先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討してまいります」と明らかにした。

 脱炭素に移行するための投資といった使い道を限定する国債を発行し、必要とされる150兆円の一部を補填するとともに、民間投資の呼び水としている。今年夏にGX実行会議を設置し、議論を深めていく方針という。

 官民一体となって脱炭素という目標にまい進していくものと見えるが、この20兆円という数字について経済産業省のグリーントランスフォーメーション推進小委員会の1人は「議論してできあがった数字のように発表されているが、委員会では議論すらされていない。20兆円という数字を見て驚いた」と話す。実際、同じタイミングでまとめられた「クリーンエネルギー戦略 中間整理」では、10年間で150兆円の投資が必要であることは盛り込まれているものの、「脱炭素投資の一部を支援」と記載してあるのみで、「20兆円」いう数字は見られない。
(出所)クリーンエネルギー戦略 中間整理  写真を拡大』

『岸田首相がGX経済移行債を発表する2日前、日本経済団体連合会(経団連)が提言書「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」を発表し、「政府は、民間の継続的な投資を促すため、自ら中長期の財政支出にコミットすべきである」と指摘。欧米の投資事例を紹介し、「日本で必要となる政府負担額を、世界に占める各国の二酸化炭素(CO²)排出量割合(米国=約 14%、欧州連合(EU)=約9%、日本=約3%)に基づき機械的に計算すると、年平均で約2兆円程度となる」とし、「財源については、カーボンニュートラル(CN)に向けたトランジション及びイノベーションに関する技術の開発・社会実装に使途を限定した国債「GXボンド」の発行等で賄うべきである」と述べている。この一致を不思議に思うのは筆者だけではないだろう。
そもそもGXって?

 委員会で議論がなされていないのならば、何のための20兆円だかが見えてなくなってしまう。

 たしかに、世界各国では、脱炭素に向けた投資がなされている。「クリーンエネルギー戦略 中間整理」によると、米国が超党派のインフラ法案の中で5年間に約70兆円、EUが10年間に官民協調で約136兆円、ドイツが約7兆円のグリーン分野の景気刺激策、英国が2030年までに政府支出約4.2兆円と誘発民間投資約14.6兆円、韓国が5年間でグリーン分野に約4.3兆円の公共投資、をそれぞれ掲げている。

 こうした世界の動きは国債の発行の根拠となり得るが、他がやっているからと言って進めるべきということにはならないだろうし、世界で巨額の資金が動いているからこそ日本として何をやるか示さないといけないのではないだろうか。それがいつか返さないといけない国の借金を使うとならばなおさらだ。

 そもそもGXとは、何をすることなのだろうか。「トランスフォーメーション」は「変化、変換」といった意味なのだが、クリーンエネルギー戦略の中間整理ではGXという転換について「産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させるもの。また、この大転換に向け、世界規模で、先に新しい市場・ルールを作ったところが勝ち残る先行投資者優位の大競争が既に始まっている」と位置付けている。
 実は、このGXは、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」にも大きく関わる。5月末に発表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」では、重点投資の対象として、「人への投資と分配」「科学技術・イノベーションへの重点的投資」「スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進」に並ぶものとして、「GX及びDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資」が挙げられている。』

『手段のみしか見えてこない戦略

 では、どのように実現するのかという部分だが、クリーンエネルギー戦略の中間整理は「5本の柱」を示している。それは、①予算措置、②規制・制度的措置、③金融パッケージ、④GXリーグの段階的発展、⑤グローバル戦略(アジア・ゼロエミ共同体構想等)である。④のGXリーグとは、経産省が旗振り役となり、日本を代表する企業が手を取り合い未来像や市場の創造、ルールメイクを議論しながらCO₂の削減などを進めていくもの。したがって、5本の柱はすべて、〝手段〟でしかなく、中身が見えていないのだ。

 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画においても、この「5本の柱」が掲げられている。具体的な取り組み例として、「水素・アンモニア」「洋上風力等の再生可能エネルギー」「CCS(CO₂回収・貯留)」「カーボンリサイクル」「自動車」「住宅・建築物」「省電力性能に優れた半導体」「蓄電池」「その他産業部門の脱炭素化」「地域・くらしの脱炭素化」と多岐にわたっているが、ここにも国としての方針は示されていない。

 投資するという場合には、「目的のために必要なものは何で、それをするためにはこれだけのお金がかかるが、達成できれば投資額以上のメリットを出せる」という考えを持ち、検討するのが正しいやり方ではないのだろうか。金額とやり方だけをまず決めるというのは疑問でしかない。これが新しい資本主義の目玉の一つとなっているのならば、「数合わせの議論」にだけはなって欲しくない。』

https://note.com/wedge_op/m/me1dfc8d145ee

宏池会

宏池会
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8F%E6%B1%A0%E4%BC%9A

『宏池会(こうちかい)は、自由民主党の派閥。2021年12月現在において、自由民主党内で最古の派閥である。

通称は岸田派。宏池会は池田勇人が佐藤栄作と袂を分かって旗揚げしたのが始まりで、通称の変遷としては、池田派→前尾派→大平派→鈴木派→宮澤派→加藤派[注釈 1]→堀内派→古賀派→岸田派。 』

『概要

木曜研究会が前身の政策科学的機構としては、宏池政策研究会と定義される。吉田茂が率いた自由党の流れをくむ、現在の平成研究会と共に保守本流とされる(宏池会から分裂した志公会(麻生派)や有隣会(谷垣グループ)もこれに含まれる)。

吉田茂の直系の弟子である池田勇人によって創立されて以来[1]、大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一・岸田文雄と5人の内閣総理大臣・自民党総裁を輩出、野党時代にも河野洋平、谷垣禎一と2人の自民党総裁が出ており、自他共に名門派閥と見なされてきた。更に、宏池会に源流を持つ分派の麻生太郎や、かつて所属経験のある菅義偉も総理・総裁となっている。

元来、池田を取り巻く官僚出身の議員やスタッフを中心に形成されたという沿革もあり、今日に至るまで政策に通じた議員が多く在籍する。しかし、政策に明るいものの政争に暗いと評され、「公家集団」と揶揄されることもしばしばみられる[2][3]。

当初から離合集散を繰り返してきた自民党各派閥に比べて、各会長の下で一致結束して派閥を継続してきたとされ、自民党草創期の名称を今日まで維持している唯一の派閥でもある。しかし、後述のように派内抗争とも無縁ではなく、特に1993年の野党転落を機に派の主導権争いが激化してからは分派や合流を繰り返し、先述のように現在では宏池会、志公会(麻生派)や有隣会(谷垣グループ)と3つの集団に分かれている。

「大宏池会構想」も参照

出身地

創設者の池田を始めとして広島県に圧倒的に強く、そのほか独立した派閥も含めると、領袖の出身地・地盤が京都府、福岡県、東北地方に偏っている[注釈 2]。

政策

政策面では、保守リベラル派に属し[4]、特に安全保障では日米関係を重視しながらも、ハト派的傾向が見られる。第1次小泉内閣以降、タカ派が主流化する中、宏池会再結集においてはリベラル派の再結集をアピールした。

名称について

「宏池会」の名は、後漢の学者・馬融の「高光の榭(うてな)に休息し、以て宏池に臨む」という一文(出典は『広成頌』)から、陽明学者安岡正篤が命名したものである。池田勇人の「池」の字、池田の出身地である広島の「ひろ」を「宏」に掛けているともいわれる。

事務所

創設以来、赤坂の日本自転車会館(のちの赤坂貿易会館、日本短波放送会館)1号館に事務所が置かれていたが、再開発によりビルの取り壊しが決定したため、永田町の全国町村会館に移った。

酒豪

底なしで知られた創設者の池田以降、前尾、宮澤、岸田ら伝統的に酒豪の揃った派閥として知られ、会合や宴席では部外者が唖然とする光景が繰り広げられている[注釈 3]。

沿革

結成

1957年6月[5]に池田勇人を中心に結成された。

池田は、旧自由党の吉田茂派(吉田学校)を同門の佐藤栄作(周山会)と分ける形で派閥を形成し、池田の下には前尾繁三郎・大平正芳・黒金泰美・鈴木善幸・宮澤喜一・小坂善太郎など官僚系を中心とした人材が結集した。また、派のブレーンにはやはり大蔵官僚出身の下村治・田村敏雄などが集まり政策を立案していった。

前尾派・大平派時代

大平正芳

池田の退陣・死去後は前尾繁三郎が主導権を握ったが、佐藤四選を許した前尾に飽き足りない田中六助・田沢吉郎・塩崎潤ら若手議員は大平正芳を担いで、前尾を会長から下ろした(大平クーデター)。

大平派においては、伊東正義・斎藤邦吉・佐々木義武が「大平派三羽烏」と呼ばれた。大平は総理総裁に就任すると椎名裁定以来の総幹分離の慣例を破って総裁派閥である斎藤邦吉を幹事長に起用し、大平―斎藤ラインで1979年衆院選を行い、自派閥衆議院議員を50名に増やした。

鈴木派・宮澤派時代

鈴木善幸

宮澤喜一

1980年衆院選の最中に大平が急逝、鈴木善幸が宏池会代表(のち会長)・首相となる。鈴木は元来、大平を総裁とすべく尽力してきた裏方の調整役であり、派閥を率いて総裁を目指す人物とはみなされていなかったが、反主流派の造反に端を発する総選挙の中での大平急逝という特異な状況下、党内融和を求める空気の中で、同じ宏池会の実力者でありキングメーカーの田中角栄とも関係が良好な鈴木に白羽の矢が立つことになった。

この時期の宏池会では、大平の後継を巡り宮澤喜一と田中六助の間に「一六戦争」と呼ばれる抗争が繰り広げられていたため、鈴木の代表就任は決着がつくまでの当面のつなぎという性格も強かった。

宮澤は早くから将来を嘱望される存在であったものの、人望と政治的手腕に欠け、一方の田中(六)は鈴木善幸の擁立や新自由クラブとの連立工作などで存在感を増してゆく。

背景には宮澤嫌いで知られる田中角栄と、宮澤を好んだ福田赳夫による「角福戦争」がある。

鈴木退陣後は中曽根康弘総裁の下で「半主流派」などと揶揄される。

二階堂擁立構想では、鈴木ら派幹部が主導的役割を演じた。

宮澤と田中(六)の後継争いは田中(六)の死去による宮澤の継承で落ち着いた。

宮澤は竹下登、安倍晋太郎とポスト中曽根を争うが、1987年の「中曽根裁定」により竹下に敗れた。

宮澤は1991年に竹下派の後押しもあって念願の総裁に就くが、その竹下派の分裂が引き金になり、自民党は野党に転落することになった。

野党転落後は宮澤が会長に留任したまま、宏池会の河野洋平が総裁となり、1994年に自社さ連立を実現させ、与党に復帰する。

しかし河野総裁の任期中から宮澤の後継争いも絡んで加藤紘一と河野との対立が深刻化し(「KK戦争」)、加藤が1995年の総裁選で橋本龍太郎を支持したこともあり、河野は総裁続投断念に追い込まれる。河野は総理に就任しない最初の総裁となった。

宮澤後継を巡る対立はその後も燻り続けたが、宮澤から加藤へ派閥の継承が決定的になると1998年12月に河野は派閥を離脱、派内の反加藤議員を結集して1999年1月に大勇会を結成した。長らく結束を保ってきた宏池会にとって最初の分裂だったが、翌年にはさらなる激震に見舞われることになる。

加藤の乱と派閥の分裂

2000年11月に野党から提出された森内閣不信任案に加藤は同調。しかし派閥全体を動かすことができずに尻すぼみに終わった(加藤の乱)。

結果、加藤を支持するグループと、反加藤グループ(堀内派)に分裂し、両派が互いに「宏池会」と名乗る異常な事態となった(加藤グループは、2年後に加藤が秘書のスキャンダルで議員辞職に追い込まれて小里貞利が継承。その後小里が政界引退し、2005年9月26日の派閥総会で谷垣禎一が会長に就任)。

宏池会分裂時の各派閥についての詳細は、以下の項目も参照。

宏池会 (古賀派)
宏池会 (谷垣派)

小泉政権

5年半の長期政権となった小泉政権においては、谷垣派は谷垣自身がほぼ一貫して重要閣僚を担っていたため事実上の主流派として政権を支える一方、堀内派は政権に対する距離が定まらず、2003年の総裁選などでも派内対立が激化した。

2005年のいわゆる郵政法案とその後の郵政解散を巡っては、堀内会長が反対票を投じて離党に追い込まれ、古賀も棄権票を投じたため誓約書を書かされた上でようやく公認を得るなど苦汁を舐めさせられている。

小泉の「脱派閥」方針で一貫して派閥の弱体化が進んだ時期だったが、相対的に小泉の出身派閥である清和会の存在感が増していくと、それに対する対抗の意味もあり、宏池会の再結集が語られるようになっていった。

宏池会結集構想

2006年に入ると、河野グループも含めた旧宮澤派の流れを汲む三派の再結集を目指す大宏池会構想が具体的に表面化した。

谷垣と河野グループ(当時)所属の麻生太郎がポスト小泉に名乗りを上げているため、2006年9月の自民党総裁選が終了した10月頃の合同で三派幹部の認識は一致しており、「大宏池会」への流れは加速していると見られてきた。

ところが、総裁候補を有しない丹羽・古賀派内部では若手議員を中心に安倍待望論が根強く、丹羽雄哉・古賀誠も事実上の安倍支持を表明、さらに丹羽・古賀派のベテランである柳澤伯夫が安倍陣営の選対本部長に就任(後に厚生労働大臣)。安倍が勝利した総裁選後の人事では丹羽・古賀派からは丹羽が総務会長に就任したのに加え、4人を閣僚に送り込み、河野グループ(2006年12月以降、麻生派)でも麻生外相が留任するなど主流派となったのと対照的に、谷垣派は完全に要職から外れた。さらに総裁選後は丹羽・古賀派の古賀系の議員による丹羽外しの動きが見られた。

2007年、安倍退陣後の総裁選においては総裁選の過程で早くから谷垣・古賀が派として福田康夫支持を打ち出し、対立候補の麻生を一転劣勢に追い込んだため「麻生包囲網」などと言われた。

福田政権においては古賀・谷垣自ら三役入りする一方で、麻生は入閣を拒否し反主流派に回った。かつての盟友である麻生・古賀の関係が冷え込んだのもこの時期である。

このように三派の関係や各派内部においても溝が生じたため、総裁選を過ぎた後は、大宏池会としての合流は困難な情勢となった。

古賀派・谷垣派の再合流

他方、上述の総裁選をきっかけに谷垣・古賀両派の関係は緊密化し、2007年末になって麻生派抜きの「中宏池会」として古賀派と谷垣派が2008年5月にも再合流することで両派閥が合意。これに伴い「宏池会」の名称で2つの派閥が並立する状態は7年ぶりに収束することになった。

その後、再合流は通常国会前が望ましいとの観点から2008年5月13日に前倒しされ、古賀が派閥会長に、谷垣が代表世話人に、堀内光雄が名誉会長に、逢沢一郎が事務総長に、それぞれ就任した。

中宏池会の成立により宏池会(2008年10月15日現在[6]、61人)は、清和政策研究会(2008年6月20日現在[7]、玉澤徳一郎含めて89名)、平成研究会(2008年2月13日現在[8]、69人)に次ぐ第3派閥となり、ハト派勢力として党内に影響を与えると見られた。

詳細は「中宏池会」を参照

総裁派閥に

谷垣禎一

自民党が野党に転落した第45回衆議院議員総選挙では宏池会も所属衆議院議員を25人と半減させたが、第1派閥の清和会、第2派閥の平成研がそれぞれ1/3に議席数を減らしたため、衆議院では第1派閥となった。

麻生総裁退任を受けた2009年9月の自民党総裁選では、谷垣禎一が勝利。

自派も含めて幅広く支持を集めての圧勝だったが、小野寺五典が自ら立候補を模索した上河野太郎支持に回ったほか、菅義偉も派閥を退会して河野を積極的に支持するなど、総裁選は派閥単位の動きよりは世代対立の様相を呈した。

宏池会が総裁派閥となるのは、皮肉にも前回の野党転落時の河野洋平以来14年ぶりだが、就任後もしばらくは離党者が相次ぐなど、厳しい党運営が続いた。

谷垣と菅は同じ日本海側出身として関係が深く、第174回国会の予算委では菅が民主党鳩山由紀夫・小沢一郎の金の問題を徹底的に追求した。

古賀派から岸田派へ

岸田文雄

しかし翌年の第22回参議院議員通常選挙で与党を過半数割れに追い込むと、各種地方選や2011年の統一地方選挙などでも勝利を重ね、総裁としての谷垣は一定の評価を得るようになっていった。

総裁再選を目指し、2012年自由民主党総裁選挙への立候補に意欲を示す谷垣は、出身派閥の領袖である古賀へ支援を要請した。

しかし古賀は「若い人へバトンタッチするべき」と述べて、谷垣への支援を拒否した。

派内の旧谷垣派議員らが反発する中、古賀は参議院議員の林芳正擁立に乗り出した。

出身派閥の支援を得られなくなった谷垣は脱派閥を打ち出し、党内最大勢力となった無派閥議員の支持を得ようとするも、幹事長の石原伸晃の立候補もあって推薦人の確保すらままならなくなり、執行部内の候補一本化を理由に最後は立候補の断念に追い込まれた。

次期総選挙における自民党の政権奪還が有力視される中、谷垣は総理の座を目前で逃すことになったが、こうした展開は皮肉にも、やはり宏池会出身の総裁であった河野洋平のケースと酷似したものだった[9]。

こうした状況に派内では対立が激化。

事態の収拾のため、古賀は会長職の辞任を表明した。

後任には谷垣側近の逢沢一郎を充て、派内の融和を図ろうとするも、谷垣系の反発は収まらず、逢沢や川崎二郎などの約10人の旧谷垣派出身議員が退会届を提出した。

逢沢らは、総裁退任後に宏池会への復帰を見送った谷垣や、谷垣の再選を支持した議員らと共に、「有隣会」を旗揚げし、宏池会は再び分裂した。

結局、新会長には古賀に近い岸田文雄(元沖縄・北方対策担当相)が就任し、ナンバー2の座長には林芳正が、名誉会長には古賀が就くこととなった。

これを受け、以後マスメディアなどでは岸田派と呼ばれるようになる。

総裁選での支援候補の敗北や、派閥の分裂で、求心力が大幅に低下した古賀は、第46回衆議院議員総選挙に立候補せず、政界を引退した。

岸田派

総選挙後に誕生した第2次安倍内閣では岸田(外務大臣)、林(農林水産大臣)、小野寺五典(防衛大臣)、根本匠(復興大臣)の4人が入閣した。

2014年9月3日に発足した第2次安倍改造内閣では林、小野寺、根本が閣外へ去り、岸田が留任、塩崎恭久(厚生労働大臣)、事務総長の望月義夫(環境大臣)が新たに入閣。後任の事務総長に宮腰光寛が就任した。

その後辞任した閣僚の後任として上川陽子、宮澤洋一、林がそれぞれ法務大臣、経済産業大臣、農林水産大臣として入閣し、合計6人となった。

その後は塩崎が退会したほか、2015年10月に発足した第3次安倍第1次改造内閣では岸田が留任したのみで、1名の入閣にとどまった[10]。

2016年は「加藤の乱」前後の派閥の長だった堀内光雄、加藤紘一、小里貞利が相次いで他界した。

2017年8月3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣では上川が法務大臣、小野寺が防衛大臣再任、林が文部科学大臣、松山政司が内閣府特命担当大臣の4名が入閣し派閥最多。岸田は党の政務調査会長に就任した。

2019年7月21日、第25回参議院通常選挙では溝手顕正、中泉松司、大沼瑞穂、二之湯武史が落選した[11]。

2020年9月1日、同年9月14日に行われる自民党総裁選挙に岸田が立候補を表明した[12]。結果は内閣官房長官の菅義偉に敗れ、2位に終わった[13]。

2021年8月26日、菅の任期満了に伴い同年9月29日に行われる自民党総裁選挙に、昨年に引き続き岸田が立候補を表明した[14]。

1回目の投票で得票数は岸田がトップであったがいずれの候補者も過半数に届かなかったため決選投票の結果、河野太郎を破り、第27代総裁に選出され[15]、更に10月4日に第100代内閣総理大臣に選出された。宏池会所属の総裁は谷垣以来、総理は宮沢喜一以来となった。

なお、近年の自民党の総理大臣は在任中派閥を離れることが多かったが、岸田は総理就任後も宏池会会長にとどまっている[16]。

歴代会長

代 会長 派閥呼称 期間

1 池田勇人 池田派 1957年 – 1965年
2 前尾繁三郎 前尾派 1965年 – 1971年
3 大平正芳 大平派 1971年 – 1980年
4 鈴木善幸 鈴木派 1980年 – 1986年
5 宮澤喜一 宮澤派 1986年 – 1998年
6 加藤紘一 加藤派 1998年 – 2001年

  • 分裂※1 加藤派→小里派→谷垣派
    堀内派→丹羽・古賀派→古賀派 2001年
    7 堀内光雄 堀内派 2001年 – 2006年
    8 古賀誠※2 古賀派 2006年 – 2012年
    9 岸田文雄 岸田派 2012年 –

※1 加藤の乱をきっかけに、加藤派と堀内派に分裂
※2 谷垣派が古賀派に合流
※3 太字は首相(総裁)経験者

※4 代数、期間は宏池会公式HPに拠る

現在の構成

2021年12月現在。

役員
会長 会長代行 座長 副会長 事務総長 事務総長代行 事務局長 政策委員長 最高顧問

岸田文雄 根本匠 林芳正 (竹本直一)
(宮腰光寛)
(山本幸三) 根本匠 小野寺五典
松山政司
木原誠二 宮沢洋一 金子原二郎

※根本匠は会長代行と事務総長を兼任

衆議院議員

岸田文雄
(10回、広島1区) 根本匠
(9回、福島2区) 石田真敏
(8回、和歌山2区) 小野寺五典
(8回、宮城6区)
金子恭之
(8回、熊本4区) 北村誠吾
(8回、長崎4区) 平井卓也
(8回、比例四国・香川1区) 上川陽子
(7回、静岡1区)
寺田稔 
(6回、広島5区) 葉梨康弘
(6回、茨城3区) 石原宏高
(5回、比例東京・東京3区) 木原誠二
(5回、東京20区)
盛山正仁
(5回、比例近畿・兵庫1区) 岩田和親
(4回、比例九州・佐賀1区) 古賀篤
(4回、福岡3区) 國場幸之助
(4回、比例九州・沖縄1区)
小島敏文
(4回、比例中国・広島6区) 小林史明
(4回、広島7区) 武井俊輔
(4回、比例九州・宮崎1区) 辻清人
(4回、東京2区)
藤丸敏
(4回、福岡7区) 堀内詔子
(4回、山梨2区) 村井英樹
(4回、埼玉1区) 渡辺孝一
(4回、比例北海道)
西田昭二
(2回、石川3区) 深澤陽一
(2回、静岡4区) 林芳正
(1回・参院5回、山口3区) 石橋林太郎
(1回、比例中国)
神田潤一
(1回、青森2区)

(計29名)

参議院議員

松山政司
(4回、福岡県) 藤井基之
(3回、比例区) 水落敏栄
(3回、比例区) 金子原二郎
(2回・衆院5回、長崎県) 宮澤洋一
(2回・衆院3回、広島県)
磯﨑仁彦
(2回、香川県) 古賀友一郎
(2回、長崎県) 馬場成志
(2回、熊本県) 森屋宏
(2回、山梨県) 足立敏之
(1回、比例区)
小鑓隆史
(1回、滋賀県) 藤木眞也
(1回、比例区[17])

(計12名[18])

逸話

参議院議員の田中直紀(参2回・衆3回、新潟県)は、古賀派を経て中宏池会結成(2008年5月13日)にも参加していたが、無所属で民主党会派の衆議院議員・田中眞紀子の夫という立場でもあるため、2008年9月26日、「地元の事情」を理由に自由民主党に離党届を提出した。離党届が幹事長・細田博之預かりとなった後、10月15日に党本部から正式に離党を受理承認され、田中直紀は無所属となり、2009年8月に妻の田中真紀子と共に民主党に入党した。これは夫人からの選挙応援に差し障りがないようにするためと見られた[6][19][20]。』

「新しい資本主義」 市場に配慮、かすむ岸田色

「新しい資本主義」 市場に配慮、かすむ岸田色
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0650T0W2A600C2000000/

 ※ そういう「内政事情」ばかり言っていて、大丈夫なのか…。

 ※ 「国際情勢」は、「激変中」だと思うのだが…。

 ※ まあ、参院選終わるまでは、そういう感じで行くんだろうな…。

『岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実行計画が7日に決まった。自ら率いる岸田派の議員と5年前から練り続けた構想を結実させた。公共や公益、格差是正、分配を重視する姿勢と、成長や市場への目配りの狭間(はざま)で計画づくりは難航した。

柱が固まったのは5月5日、英国・ロンドンの金融街シティーでの講演だ。首相は「マーケットの声、現場の声をよく聞き政策を進めていく」と宣言した。

原稿は木原誠二官房副長官が書いた。2021年秋の政権発足前から長く岸田氏の政策や演説をつくってきた最側近だ。木原氏は事前に野村証券やJPモルガン証券、みずほ証券で講演し、金融所得課税の強化について質問を受け「考えていません」と答えていた。

金融所得課税は20年の岸田氏の著書の第1章冒頭、21年秋の自民党総裁選公約のそれぞれに記載している。格差是正に力点を置く岸田氏の「一丁目一番地」とみられていた。

投資家や市場は嫌がる政策だった。政権発足後は日経平均が下がり「岸田ショック」と呼ばれた。ウクライナ侵攻や物価高も重なり、その後も相場は力強さを欠く。夏は参院選だ。その前に市場の不安を解消したい。切迫感がシティー講演につながった。

「新しい資本主義」の原点は17年、宏池会(岸田派)創設60周年のイベントにさかのぼる。政策パンフレット「K-WISH」を公表した。「kindな政治、 warmな経済、inclusive(包括的)な社会……」と続く標語の頭文字からとった。ほぼ岸田、木原両氏でつくった。

その場には渋沢健・コモンズ投信会長も招いた。高祖父・渋沢栄一の合本主義をひき、社会全体の利益を重視するステークホルダー資本主義を唱える人物だ。今回の実行計画をつくった政府の会議にも入っている。

当時、木原氏らは総裁選のキャッチフレーズを岸田氏に提案した。「合本資本主義、公益・公共資本主義、持続可能な資本主義、誰一人取り残さない資本主義」と列挙した。

「特定の考え方を正解と押しつけるのは良くない。新しい資本主義がいいな」。こう話したのは岸田氏自身だ。多様な概念を包摂するために「新しい」と冠をつけた判断が後々まで響く。

20年の総裁選はベテランも含む派閥全体で「分断から協調へ」を掲げて戦った。政策がみえにくい言葉は菅義偉氏が訴えた「アベノミクスの継承」に敗れた。

永田町も霞が関も「首相の目は乏しい」とみるようになった。起死回生を期す岸田氏は側近を頼みにし、独自色を前面に出す戦略を選んだ。

木原氏のほかに加わったのはいま首相補佐官の村井英樹、デジタル副大臣の小林史明の両氏だ。21年総裁選は「岸田色」を追求して「新しい資本主義」を前面に出して勝利した。

木原、村井両氏は元財務官僚で小林氏はNTTドコモ出身だ。木原氏は1999~2001年に英大蔵省に出向し、ブレア英首相の「第三の道」に触れた。「市場重視の新自由主義」と「国家による福祉充実」の対立を越える構想は岸田政権につながる。

難題もあった。「新しい資本主義」は従来の資本主義の否定にも映る。12~20年の安倍晋三首相が進めたアベノミクスも乗り越える対象かとも受け止められる。

「新しい資本主義は『分配』のメッセージが多過ぎだった。市場から『社会主義じゃないか』と批判があった」。安倍氏も7日、周囲にこう漏らしている。

党の実力者・安倍氏を否定すれば支持は限定される。大規模な金融緩和・財政出動で潤った市場も警戒する。アベノミクスの継承や市場の声との狭間で悩んだ結果がシティー講演になった。

計画をまとめる会議は渋沢氏のほか、柳川範之東大教授、経団連や連合のトップが入った。霞が関では新原浩朗内閣審議官らが動いた。

新原氏らはノーベル経済学賞のジャン・ティロール氏ら人的資本やステークホルダーの重要性を説く学者を参考にした。成長路線にもつながる「人への投資」は目玉になった。

「新しい資本主義はもちろん資本主義である」。実行計画にはわざわざこんな文言が入った。最後まで市場や世間の懸念にとらわれた証しだ。

「新しい資本主義」は当初「市場の機能や競争が過剰なことの弊害」を強調する側面が目立った。経済界などからは「規制緩和や競争が十分でない弊害が大きい」と真逆の見方がでている。

首相はひとまず軌道修正した。それでも「分配偏重になるのでは」「本当に雇用改革をするのか」と疑念は残る。市場や経済界は注視し続けている。

【関連記事】

・欧米を拙速だと笑えるか
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政策研究大学院大学 教授
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分析・考察

「新しい資本主義」のもとで岸田政権は規制緩和による競争促進よりも、国家が科学技術開発投資を主導することや、経済安全保障を確保することを重視する。背景には日本の所得水準や科学技術力の低下への政権の強い危機感がある。「規制緩和や競争が十分でない弊害が大きい」」という見方が経済界にはあるという。これに対し、政権は経済界に対し投資も賃金も十分増やさず内部留保だけを増やしてきた考えているのが実情だ。一連の政策には政治的要素もあるだろう。宏池会は、小泉政権が展開した新自由主義的政策のもとで、2005年の総選挙で派閥会長が自民党を追い出されるという憂き目にあっていることにも留意する必要がある。
2022年6月12日 2:09 (2022年6月12日 2:13更新) 』

電力危機,こんな電力に誰がした

日刊 アジアのエネルギー最前線 : 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい – livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2021478.html

※ 何事も、「プライオリティ」というものがある…。

※ 世の中の、ほぼ全ての「事がら」は、「あちら立てれば、こちら立たず。」という関係にある…。

※ 「電力の安定供給を、重視すれば、コストは犠牲になる。」…。

※ 「コストを重視すれば、電力の安定供給は犠牲になる。」…。

※ そういう中で、「この局面で」「何を重視し、何を捨てて行くのか」…。

※ それを決めて行くのが、「プライオリティ」の決定だ…。

※ むろん、国家政策において、一般論としては、「最大多数(国民)の、最大幸福」ということを目標とすべきだ…。

※ しかし、現実の策としては、「どの方面の国民も、そんなに酷いことにならない線」に落ち着くことが多いだろう…。

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい
http://www.adachihayao.net

2022年6月11日 土曜日 曇かな

今年の夏の電力需給逼迫が懸念され,更に今冬には,関東エリアで需給が破綻することへの現実的な問題が話題となっている,誰がこんな電力にしたのか,池田信夫氏の議論であるが,池田氏は経済学者であり,私達から見れば,経済屋さんが電力のデリバティブ化を目指して自由化を推し進めた,と

池田氏が言っておられるように,電力自由化の本質は発送電分離で,その制度の下では誰でも発電を作ることが出来る,太陽光と共に拡大してきたこの制度は,今問題となっている上海電力の参入も防ぐことは出来なかったわけであるが,この発送電分離の結果,電力会社には,供給責任がなくなった

国も手を出せなかった東京電力が,原発事故の影響もあって,少なくとも長期の需給計画には全く手が出せなくなった,池田氏は将来の需給計画,即ち中長期の電源開発は一体誰が考えているのか,と私達と同じ質問を発しているが,発送電分離の前に分かっていた,経済屋さんの発想が危機を生んだ』

鳩山元首相が政界復帰の意向 次期衆院選への出馬に意欲 参院選に候補者擁立

鳩山元首相が政界復帰の意向 次期衆院選への出馬に意欲 参院選に候補者擁立
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/692027

『鳩山由紀夫元首相は10日、東京都内で記者会見し、次期衆院選に出馬し、政界復帰を目指す意向を明らかにした。また、自身が代表を務める政治団体「共和党」から夏の参院選の東京、神奈川の両選挙区にもそれぞれ候補者を擁立すると発表した。

 鳩山氏は、首相時代に沖縄県・普天間飛行場の移設先を巡って混乱を招いたことに触れ「何らか沖縄に関わる形を求めていきたいというのが心の中にある」と政界復帰への意欲を強調。出馬予定の選挙区は「決めていない」と述べた。

(※  残り:209文字 全文:428文字 続きはログインするとお読みいただけます。無料は、ここまで)』

岸田内閣不信任案を否決 与党と維新、国民民主が反対

岸田内閣不信任案を否決 与党と維新、国民民主が反対
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA091MK0Z00C22A6000000/

 ※ 野党が、この体たらくでは、与党は安泰だろう…。

 ※ 7月10日投票日という日程が、有力のようだ…。

 ※ 参院選の焦点は、どれくらい「勝つか(負けるか)」という点と、参院選後の「勢力地図」(自民党の各派閥も)というようなところに、移っているような感じか…。

『衆院は9日の本会議で、立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案を与党などの反対多数で否決した。共産党などが賛成し、日本維新の会と国民民主党は反対した。

立民の泉健太代表は不信任案提出の理由について、政府の物価高対策が「無策」だからだと主張した。自民党の上川陽子氏は米国などに比べて物価上昇幅を抑えていると反論した。

維新の馬場伸幸共同代表は本会議後、記者団に「慣例で会期末が来れば内閣不信任案を出すことが続いている」と立民の対応を批判した。国民民主の玉木雄一郎代表は「国難の状況で政治空白をつくるべきではない」と反対した理由を説明した。

衆院は同日の本会議で立民が提出した細田博之衆院議長への不信任決議案も与党の反対多数で否決した。

【関連記事】

・細田衆院議長の不信任案を否決 維新・国民は棄権
・野党の対応割れ、国会も選挙も 参議院選挙まで1カ月

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

立憲民主党が出したタイミングが悪すぎだし、それが結果として維新の会と国民民主党をより与党に近づけてしまったということで、政治戦略としても筋が悪い選択だったと思う。これから完全に参院選モードになるが、野党は分裂状態であり、自民・公明は維新や国民民主党と連立を組む可能性は低いと考えると、維新や国民民主の戦略としては、少しでも選挙区でアピールし、選挙区の議席は少なくても比例票を積み増すということで議席を増やすことを目指す、ということになるだろう。与党に近い野党という「売り」がどこまで票を集めるかが今回の参院選の注目ポイント。
2022年6月9日 18:25
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

今回の内閣不信任案への賛否は、参院選後に日程に上るはずの憲法改正への各党のスタンスとも重なるように思います。自民の改正案のなかでも、「自衛隊」の明記と「自衛の措置」の言及、緊急事態への対応の強化については、維新と国民が賛同し、公明がその後をついて行く。一方で、立民、共産、社民はこうした改正に反対の立場です。
その意味で内閣不信任案をめぐって、自民、公明、維新、国民と立民、共産、社民の色分けが出来たことは興味深いところです。ただ立民は支持率が低迷し、参院選後は党分裂の可能性さえ取り沙汰されています。憲法改正反対だけを唱えてどれだけ国民に遡求するかは疑問です。
2022年6月9日 21:01 (2022年6月9日 22:56更新)』

骨太方針決定「人に投資」3年4000億円 世界水準には差

骨太方針決定「人に投資」3年4000億円 世界水準には差
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25C380V20C22A5000000/

『政府は7日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。岸田文雄首相が掲げる「人への投資」に重点を置き、3年間で4千億円を投じる。付加価値を生み出せる人材の育成が成長のカギを握る。現状では日本の投資は官民とも先進国で最低水準。先を行く世界との差を埋めるのは容易ではない。

【関連記事】

・骨太の方針要旨「成長と分配の好循環を早期に」
・首相、骨太に「財政規律」残す 高市氏に調整指示
・骨太の方針ポイント コロナから経済再生へ
・投資家の警戒感和らぐ、「骨太」決定 政権評価は上昇

「新しい資本主義」の実行計画も閣議決定し、骨太の方針に反映した。

社会人のリスキリング(学び直し)、デジタルなど成長分野への労働移動、兼業・副業の促進、生涯教育の環境整備などが主な課題になる。デジタルスキルは職業訓練の講座の割合を今の2割程度から3割超に高める。企業間での転職が容易になるよう外部コンサルタントと相談しやすくなる体制も整備する。

日本は経済の地力を示す潜在成長率が2000年代半ば以降、1%にも届かず低迷する。経済協力開発機構(OECD)の21年のデータでは0.5%にとどまる。ギリシャ(0.4%)やスペイン(0.6%)などと同水準で、米国(1.8%)やドイツ(1.3%)との差は大きい。

女性や高齢者の働き手が増える一方で全体的な人口減少の制約があり、足元では労働力が頭打ちになっていることが影を落とす。デジタル化などに対応し、一人ひとりのスキルや生産性を高められなければ世界の成長から取り残されかねない。

これまでの取り組みは手薄だった。内閣官房によると、企業による人への投資額は国内総生産(GDP)比で10~14年に0.10%にとどまった。米国(2.08%)やフランス(1.78%)に比べ圧倒的に少ない。米仏が横ばいや増加傾向なのに対し、日本は右肩下がりで差が拡大している。

日本企業は従来、人件費をコストとみなす傾向があった。近年はデジタル化の加速などを背景に企業の競争力の源泉は従業員のスキルやアイデアとの考え方が広がる。

経済産業研究所の森川正之氏が日本企業のデータから試算したところ、教育訓練投資の累積額が2倍になると労働生産性が2.2%上昇した。特にサービス業は2.5%高まり、効果が顕著だ。

新しい資本主義の実行計画は従来の日本企業について「安価な労働力供給に依存し、コストカットで生産性を高めてきた」と総括し、軌道修正を図る。24年度までの3年間で4000億円の予算を人への投資に充てると明記した。成長分野への労働移動で100万人を支援する。企業による投資も倍増をめざす。

なお踏み込み不足との見方もある。みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹氏の試算によると、潜在成長率を欧米並みの1%台半ばに引き上げるには官民の人への投資額を3.9兆円まで増やす必要がある。現状は年1.6兆円にとどまる。

服部氏は「より大規模な投資が不可欠」と指摘する。特に中小企業向けの税額控除や助成強化が不可欠とみる。ばらまきではなく、働き手の能力を引き出す施策が要る。

世界は先を行く。デンマークは職業訓練の内容を労使が協議し、ニーズにあうスキルアップを支援する。手厚い失業給付とセットの雇用政策はフレキシキュリティーと呼ばれ欧州各国に広がる。

スウェーデンは1974年に就学休暇と仕事復帰の権利を保障する教育休暇法を制定した。就労後の学び直しを国全体で後押しする土壌がある。米国では従業員教育を含む人的資本の開示が進んでおり、企業の投資を促す圧力にもなっている。

人への投資はコロナ後の成長競争も左右する。シンガポール政府は21年に米ボストン・コンサルティング・グループと組み、転職希望者らがデジタル関連スキルを学べる取り組みを始めた。

骨太方針は既存の政策の延長線上にあるように映るメニューも多い。今後、企業の競争力や日本の成長力を高める実効的な具体策を打ち出せるかが問われる。労働移動の加速には投資を手厚くするのと同時に硬直的な雇用システムの見直しを官民で進める必要もある。
多様な観点からニュースを考える

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察

日本企業は、1990年代から米英欧よりも大幅に少なかった人的投資をさらに削減して圧倒的な差がついたという根が深い問題です。発展途上国モデルを転換できなかった結果では。日本に足りないのは大学など外部の教育機関での社会人教育でしょう。それは米国の大学等の社会人教育プログラムの充実ぶりから推測できます。
逆にここまで差が開いたことが知れ渡れば、社会人教育など不要と言う経営者や人事部もいなくなると思います。キャッチアップの絶好の機会です。その上で課題は米英欧の企業が実際に行っている人的投資の具体的な内容を細かく調べて参考にすること、日本企業、政府、大学が連携してすぐに取り掛かるべきだと思います。
2022年6月7日 20:36
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

水を差すつもりはない。官邸の危機感と意思が分かるが、企業は経営の合理性に基づいて動く。企業は人に投資しても得しないと思えば、人には投資しない。官邸は企業の経営ビヘイビアを変えるには、政策を使って誘導するしかなく、直接介入することができない。かつて、企業は従業員を留学に生かすなどインセンティブとして考えていた。今は、ほとんどの企業はコストを削減する一貫して従業員の留学プログラムを廃止した。したがって、官邸が考えていることは市場から大きく乖離してしまうと、結局、絵に描いた餅に過ぎない
2022年6月7日 18:53
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チャールズ・レイク
アフラック生命保険 代表取締役会長
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分析・考察

政府が新しい資本主義に向けた対応の第一の柱として、次なる成長の機会を生み出す「人への投資」を掲げた。グローバル企業の多くで、従業員のエンゲージメントを強化することは、人財獲得競争に勝ち企業価値の向上を実現する上で極めて重要な経営課題である。容易なことではないが、多くの日本企業で働き方の変革が進んでいる。従業員エンゲージメントの国際比較において、日本は低水準である状況を考慮すると、実は「人への投資」は秘められた日本の経済成長の大きなチャンスになる。経営者は確固たる信念で、従業員エンゲージメントを高める取組みを推進し、ワークライフマネジメントを向上させ、社会の発展に貢献することが求められている。
2022年6月8日 7:52 』

NATO首脳会議に岸田首相出席、自民党幹事長が見通し

NATO首脳会議に岸田首相出席、自民党幹事長が見通し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA052GY0V00C22A6000000/

『自民党の茂木敏充幹事長は5日、今月下旬にスペインで開く北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に岸田文雄首相が参加する可能性が高いとの見方を示した。松山市での街頭演説で語った。

「首相は今月後半にG7サミット(主要国首脳会議)でドイツに行く。おそらくその後、日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席する」と述べた。

首相が実際に出席した場合について「揺れる国際社会の中で、日本の存在感はますます高まっていく」と強調した。〔共同〕』

自民幹事長「22日公示」と明言参院選

自民幹事長「22日公示」と明言
参院選
https://nordot.app/905670705978671104?c=39546741839462401

『自民党の茂木敏充幹事長は4日、甲府市での会合で、参院選に関し「間違いなく6月22日公示になる」と述べた。15日に会期末を迎える今国会の会期延長がない場合、慣例通り日曜日に投票するなら公選法の規定で7月10日が投票日となる。選挙日程は政府が閣議決定する。

 7月10日投開票の場合、原則17日間の選挙期間を当てはめると、公示は6月23日。ただ「沖縄慰霊の日」と重なるため、1日前倒しされる見通しとなっている。』

改正資金決済法が成立 暗号資産のマネロン対策強化

改正資金決済法が成立 暗号資産のマネロン対策強化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB028Q30S2A600C2000000/

『金融のデジタル化に向けた体制整備を促す改正資金決済法が3日の参院本会議で可決、成立した。法定通貨に価値を連動させる暗号資産(仮想通貨)の一種「ステーブルコイン」や、高額送金が可能な電子ギフト券などのマネーロンダリング(資金洗浄)対策を強化する。

ステーブルコインの取引・管理を担う仲介業者に登録制を導入するのが柱。犯罪の疑いのある取引をモニタリングするなど、従来より厳しいマネロン対策を求める。国内の発行体は銀行と資金移動業者、信託会社に限定し、利用者が損失を被るリスクを防ぐ。

メールで番号を送るなどの方法で送金する電子ギフト券やプリペイドカードにも規制をかける。1回の送金額が10万円、1カ月の合計が30万円を超える場合を対象とし、発行者に本人確認手続きなどを義務づける。

金融機関が検討を進めるマネロンの共同監視システムには許可制を導入する。システムの運営機関には「為替取引分析業」という新たな業種を設ける。

【関連記事】
・ステーブルコイン、投資家保護に軸足 海外勢参入難しく
・「ドル連動」仮想通貨の安定、規制の焦点に 識者に聞く』

インフラ点検、目視不要 アナログ規制4000条項を改正へ

インフラ点検、目視不要 アナログ規制4000条項を改正へ
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA017PJ0R00C22A6000000/

 ※ こういうことは、一気には難しい…。

 ※ ジワジワ、行かないとな…。

 ※ それでも、「コロナ」のおかげで、問題点が炙り出された形だ…。

 ※ 既存の制度は、「それなりの意味」があって「既存の地位」についている…。

 ※ もの事、何でも「両面」がある…。「プラス」を増やして、「マイナス」を減らす方向を探らないと…。

『政府は対面や常駐といったデジタル社会に適合しない「アナログ規制」を義務付ける法令について、およそ4000条項を改正する調整に入った。ダムや堤防といったインフラ点検で目視を求める規制などを撤廃する。ドローンなどデジタル技術の活用を認めて効率化につなげる。

デジタル化と規制・行政改革を一体で進めるデジタル臨時行政調査会(臨調)が3日にも公表するアナログ規制の改革案に盛り込む。法令を改正する時期は原則明示せず、9月までの調整をめざす。期限を区切って実行に移せるかが問われる。

政府の調査によると日本の法律・政省令はアナログ規制に関する条項が5000程度あった。このうち8割についてデジタル技術を活用した手法で代替できるようにする。残りの1000条項の扱いは年内に判断する。

インフラ点検の規制は河川法などが定める。ドローンによる点検は道路やトンネルで可能だったものの、河川やダム、都市公園には使えなかった。デジタル機器の導入を促し、人手不足でも老朽設備の安全対策を進めやすくする。

デパートやホテルに設置する消火器具や火災報知機に関し、専門資格を持つ人が6カ月に1度点検することを求める消防法も改める。機器が正常に稼働すると自動で確認できる機能を設ければ、人による点検を不要にする方向で検討する。

国家資格の更新などで求める対面講習はオンライン受講を可能にする。介護施設で管理者の常駐が必要だった規制は、利用者のサービスにかかわらない業務であればテレワークへの切り替え容認を探る。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Technology/Japan-to-expand-drone-inspection-of-infrastructure-in-law-reform?n_cid=DSBNNAR 』

首相直轄、感染症の司令塔爆発的拡大に対処、概要判明

首相直轄、感染症の司令塔
爆発的拡大に対処、概要判明
https://nordot.app/904113096178057216?c=39546741839462401

『政府が感染症の拡大防止や社会機能の維持など、幅広い施策を迅速に進めるための司令塔として設置を検討している「健康危機管理庁(仮称)」の概要が30日、分かった。

独立した省庁ではなく、首相を補佐する内閣官房の中で官房副長官クラスをトップとし、首相直轄の機関と位置付ける。爆発的な感染拡大などの緊急時には関係省庁から職員を招集、増員する。複数の政府関係者が明らかにした。

 このほか医療研究の拠点として国立感染症研究所など2機関を統合し、米疾病対策センター(CDC)をモデルとした「日本版CDC」創設も検討する。』

「剛腕」と「無常観」 JR東海元社長・葛西敬之氏死去

「剛腕」と「無常観」 JR東海元社長・葛西敬之氏死去
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD273MW0X20C22A5000000/

 ※ この人、確か「国鉄改革派三人衆」みたいな感じの一人じゃなかったか…。

 ※ 国鉄から民間企業のJRに移行する時、内部にあって活躍した「三人衆」の一人みたいなストーリーを、聞いたことがある…。

 ※ 日本の大企業は、後発資本主義国なんで、「資本の蓄積」が十分でなく、初めはみんな「官頼み」の「官営企業」として始まったものが多い…。

 ※ 国鉄しかり、電電公社(NTT)しかりだ…(三公社五現業とか言われた)。

 ※ 特に、「鉄道事業」は、「兵員輸送」「軍需物資輸送」の任務があるんで、長らく「国有鉄道」として運営された…。

 ※ そうすると、「労働組合」の力が強くなり、「効率的な配置転換」どころの話しじゃなくなる…。「社会主義者」の巣窟にもなるしな…。

 ※ 「ゼネスト」とか、「スト権スト」とか、ぼんやり記憶している人もいるだろう…。
 ※ そこで浮上したのが、「国鉄民営化プラン」だ…。「民営化した上で、好きなだけストライキやれ!」というわけだな…。

 ※ そういう「荒療治」を推進した、中にいた人の一人だったわけだ…。

 ※ まあ、今の「学術会議」なんかにも、通じる話しだな…。

 ※ そういう「民営化」のおかげで、「労働組合」はガタガタになり、それの上に立脚していた「連合」とかの力は弱まり、「社会党」は四部五裂し、「社民党」は今年の参院選で政党要件なくなるか…、というところまで落ちぶれた…、というわけだ…。

 ※ 栄枯盛衰、世のならいだ…。

『アイデアとしてはあっても、実現は不可能。そう思われていた国鉄の分割・民営化を、いち職員の立場で推し進めた。対立する上司や経営陣と激しく渡り合い、政界や経済界のキーマンに仕掛けを打ち、労働組合をねじ伏せ――。

25日死去したJR東海元社長、葛西敬之氏の「剛腕」ぶりは、つとに知られる。

戦後史に残る国鉄改革について葛西氏は、「東海道新幹線を救出するための作戦でもあった」と、自ら評していた。

国鉄は東海道新幹線や首都圏の鉄道網が生み出す利益によって、地方のローカル線を支える構造だった。ただひたすら、赤字補塡のため走る新幹線は老朽化し、本格的な技術改良がなされないまま陳腐化していく。その新幹線を、1987年の分割・民営化によって「全国一律」のくびきから解き放った。

JR東海に移った後も、「救出作戦」は続く。輸送力と利用客の利便性向上を狙い、品川に新幹線の新駅を建設。アルミ合金を採用するなどフルモデルチェンジとなった300系以降、新型車両を相次いで開発し、投入するなど、新幹線の「磨き上げ」に力を注いだ。

こうした場面でも、剛腕のエピソードには事欠かない。品川新駅では用地をめぐり、JR東日本と「兄弟げんか」も繰り広げられた。「政府と刺し違えてでもやり抜く」という言葉も聞いた。

自らが主導した新幹線事業の集大成といえるリニア中央新幹線の計画でも剛腕を発揮。近い将来に想定される大規模地震の際のバイパスとしての意義などを訴え、「JR東海が手がける国の事業」のような形で強力に推し進めた。

保守の論客としての存在も大きかった。特に安倍晋三元首相のブレーンとして活躍し、国家公安委員や原子力損害賠償支援機構の運営委員などを歴任した。どんな取材で訪れても、まずは、「いまの国際情勢をどう見るか」「国のリーダーはどうあるべきか」といった大局観を聞くことから始まるのが常だった。

自らの判断基準、行動原理について尋ねると、「正しいか否か、だけ」「こちらに大義があり、合理性があれば、妥協せず筋を通す」と、淡々と話していた。

一方で、ときおり口にする「無常観」が印象に残る。「しょせんこの世は仮の宿り。明日死んでも不思議はないし、人生はその程度のものなんです」――。

時代や社会の流れに翻弄され、転変する人や組織。改革を成し遂げた側であったが、分割民営化に至る4年間の「戦い」の日々も影響していたのだろうか。「無常だからこそ、いまできることを最大限やる」となるあたりは、やはり剛腕に違いないのであるが。

米国へシステムとしての輸出に乗り出すなど、最期まで「日本の精華」と誇る新幹線、そしてリニアとともに歩んだ生涯。リニアの開業に間に合わなかったのは心残りだったろう。

3週間ほど前、病床から最後に届いたメールには、「試乗会でリニアにぜひ乗って、完成度の高さを実感してください」とあった。

(編集委員 坂口祐一)

【関連記事】
・日米でリニアをけん引 JR東海・葛西敬之元社長が死去
・JR東海元社長・葛西敬之氏―私の履歴書 』

【点描・永田町】“絶滅危惧種”二階氏に迫る危機

【点描・永田町】“絶滅危惧種”二階氏に迫る危機
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051301435&g=pol

※ 栄枯盛衰、世のならい…。

『昨年10月の岸田文雄政権発足で自民党幹事長の座を追われ、党内反主流の「冷や飯組」となった二階俊博氏が、政治生命の危機をささやかれている。

次期衆院選での政界引退が既定路線とみられる中、二階氏直系での選挙区継承が困難視されているからだ。

二階氏の地元・和歌山県は、1票の格差是正のための「10増10減」で小選挙区が3から2に減る。しかも、同氏の新たな選挙区に自民党の世耕弘成参院幹事長がくら替え出馬を公言しており、「二階VS世耕」の戦いは世耕氏優勢との見方が強い。

自民二階派、求心力維持が課題 パーティー開催、岸田首相も出席

 二階氏は安倍晋三、菅義偉両政権で自民党の最高実力者として君臨。

ひと昔前の手だれの政局仕掛け人を想起させる言動などから「政界の絶滅危惧種」と呼ばれてきた。

しかし、ここに来て「来るものは拒まず」と無派閥や元野党議員の積極的取り込みで、「政界駆け込み寺」とも呼ばれた二階派の内情が一変。退会者が相次ぎ、後継者も不透明で「解体寸前」(自民幹部)との見方が出始めている。

このため参院選で与党が改選過半数を確保し、岸田政権での「国政選挙のない黄金の3年」が現実となれば、現在83歳の二階氏が次期衆院選で「選挙区と政治生命を同時に失う絶体絶命の危機」(同)に陥る可能性も少なくない。

 二階氏は2016年8月、当時の谷垣禎一幹事長の自転車転倒事故での負傷による辞任を受け、幹事長に就任。その後の安倍、菅両政権で政局運営の中枢として豪腕を振るってきた。

特に安倍首相の総裁3選を主導する一方、その後の「ポスト安倍レース」では安倍4選に言及しながら、ライバルの石破茂元幹事長を「期待の星」と持ち上げるなど、変幻自在の「二階劇場」を展開。20年夏の安倍氏の退陣表明時には、電光石火で「菅後継」をまとめ上げた。

◇「権力」喪失は“自業自得”との声も

 こうした実績から二階氏は、安倍氏や菅氏、麻生太郎副総裁をしのぐ「最強のキングメーカー」として権勢を誇示。

岸田政権発足後も党内反主流の旗頭として、党内ににらみを利かせてきた。

しかし昨年10月の衆院選で圧勝した首相が、その後の政局運営でも、売り物の「聞く力」と新型コロナウイルスやウクライナ危機への対応で、国民的評価を獲得。

今年4月に政権半年を迎えた時点で内閣支持率が就任後の最高水準となり、参院選勝利による長期安定政権が確実視される状況となったことで、二階氏の存在感が急速に低下した。

 そもそも二階氏の力の源泉は、幹事長として選挙での公認調整や資金配分、さらには党・内閣人事で駆使した絶大な権限だった。

しかし「二階外し」を掲げて誕生した岸田政権では、その「権力」を喪失、派閥領袖(りょうしゅう)としての求心力も急低下したことで、二階派の退会者が相次ぐ事態を招いた。

 まず、昨年末に二階氏に退会を申し出たと主張した片山さつき参院議員(元地方創生担当相)に対し、二階氏は今年2月にあえて事実上の除名処分を決定。片山氏は安倍派に入会して参院選東京選挙区からの出馬を模索し、二階氏の逆鱗(げきりん)に触れたとされる。

さらに、衛藤晟一元沖縄北方担当相(参院比例)も4月8日付で派閥を離脱したが、周辺には「二階さんはもう政治家として終わった」などと漏らしている。

 しかも、二階派の後継者と目される武田良太前総務相は菅氏と極めて親密で、「手兵を連れて派閥を割って菅グループに加わる」(自民幹部)との臆測も絶えない。

もともと二階派は「寄せ集め集団」とやゆされてきただけに、党内他派閥からは二階氏の窮状に「自業自得」(同)との厳しい声も少なくない。

【政治ジャーナリスト・泉 宏/「地方行政」5月16日号より】。 』