楽天携帯「月額0円」廃止の舞台裏 法の壁と想定外

楽天携帯「月額0円」廃止の舞台裏 法の壁と想定外
ITジャーナリスト 石川 温
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC195TL0Z10C22A5000000/

 ※ ネットワーク構築には、巨額の資金がかかる…。

 ※ ドコモは、電電公社の「電話回線(銅線)」がベースだし、KDDIは

『現在のKDDIは2000年10月1日に、
 ・特殊会社として過去に(1986年まで)国際通信サービス事業を独占的に行い、特殊会社で無くなった後にトヨタ自動車が経営参加していたケイディディ(旧:国際電信電話/KDD+旧日本高速通信/TWJ)
 ・京セラ主体の新電電で国内長距離通信サービスを主たる事業としていた第二電電(DDI)
・トヨタ自動車の子会社であった携帯電話サービスの日本移動通信(IDO)

の3社合併(存続会社は第二電電)により誕生した。』という沿革を有する(まあ、NTTから分かれた、兄弟会社)。

 ※ どちらも、「巨額の資金」を投じて、地道に回線を敷設したんだ…。

 ※ そこに、「殴り込み」かけてるわけだから、何を言っても「泣き言」にしか、聞こえんな…。

『楽天モバイルが料金プランを改定する。これまで月間のデータ利用量が1ギガ(ギガは10億、GB)以下であればゼロ円で使えていたが、ゼロ円での利用は不可能になる。2022年7月以降は3GB以下が1078円となる。しかも、すでに楽天モバイルを契約しているユーザーが対象で、自動的に値上げとなる。

この発表を受けて、インターネットのSNS(交流サイト)では「だまされた」「話が違う」といった不満の声が上がった。これまで楽天モバイルはテレビCMなどで「ゼロ円から使える」とアピールしていたので、ユーザーから反発を食らうのは無理もないだろう。

実際のところ、このところ米ネットフリックス(Netflix)などの動画配信サービスも米国などで値上げを実施している。しかも最近は国内でも食料品や燃料などあらゆるものが値上げになっている。「通信料金だけ値上げすると批判される」というのはおかしいような気もするが、一方で楽天モバイルは「ゼロ円」を訴求していたにもかかわらず値上げしてユーザーが料金を支払う必要があるとなれば、他の商品の値上げとは話が違ってくる。

これまで既存の携帯電話キャリア3社も、手数料が無料となるような大盤振る舞いといえる料金でサービスを提供してきた。しかし多くは「終了時期が未定のキャンペーン」と位置づけておくことで、いつでもキャンペーンをやめられる状態にしていた。キャンペーンが終了すると説明すれば、無料のサービスが有料化されてもユーザーは納得してくれるものなのだ。

ただ、楽天モバイルは「既存ユーザーだけ1GB以下ゼロ円」というサービスを継続するつもりであった。三木谷浩史会長は「既存のユーザーには当面このまま使っていただくというのが我々の案だったが、『既存のユーザーをキープしたまま新プランを出す』というのは電気通信事業法上だめだということが分かった」と語っている。

実は、19年に改正された電気通信事業法によって長期間契約しているユーザーを多額の割引で囲い込むような行為は禁じられている。同じ料金プランで既存ユーザーは1GB以下の場合はゼロ円、新規ユーザーは3GBまで1078円というプランでサービス提供をすると、既存ユーザーに対して多額の割引を適用していると受け取られる。これが電気通信事業法違反となる可能性があるため、楽天モバイルは既存のユーザーに対しても、値上げすることになったのだ。

問題は、これを新料金プランとして既存の料金プランとは別建てで新設すればよかったのだが、三木谷会長は「ワンプラン」にこだわった。楽天モバイルが分かりやすさを重視し、ワンプランにこだわった結果が想定外の値上げにつながったのだ。
想定外だったahamoとネットワーク関連費用

そもそも楽天モバイルにとって想定外だったのが、20年12月にNTTドコモが発表したahamoだろう。当時、ahamoは20GBで2980円(税別、その後料金を改定して税別2700円、税込み2970円)という楽天モバイルを狙い撃ちした料金設定をぶつけていた。

携帯電話の市場では「楽天モバイルが窮地に追い込まれた」と思われたが、翌21年1月、楽天モバイルはゼロ円から始まる新料金プランを発表。楽天モバイルにとって破れかぶれの新料金プランであったが、これによって土俵際で踏みとどまる状態になったのだ。
21年1月に料金プランを発表した三木谷楽天モバイル会長

楽天モバイルにとって、喫緊の課題は赤字の解消だ。同社では23年度の黒字化を公約している。三木谷会長は20年5月、「700万契約が損益分岐点」と語っていた。しかし、そのもくろみはあくまで当時の料金プランである「3000円程度で使い放題」というプランでの計算であり、いまのようなゼロ円から始まるプランや、3GBまでは1078円という段階式のプランではなかった。

楽天モバイルとしては、当初の目標であった23年度の黒字化を死守するため、上限いっぱいまで使うユーザーを700万契約まで増やして、損益分岐点を超える必要があるはずだ。

もう一つ楽天モバイルにとって想定外だったのが、ネットワーク関連費用だろう。楽天モバイルは参入当初、全国に2万7000局の基地局を整備して人口カバー率96%を目指すつもりだった。しかしそれでは、つながりやすさといったネットワーク品質で他社にかなわない。

そこで計画を見直し、現在では4万4000局をつくり、人口カバー率97%を超えるまでになった。とはいえ計画していた6000億円では足りず、1兆円規模の設備投資がかかってしまっている。日本郵政などが出資をしているが、設備投資にかけるお金はいくらあっても足りない状態だろう。

また、自前で基地局が建設できていないところではKDDIのネットワークに接続するローミングで対応している。KDDIは21年度に700億円規模のローミング収入があった。このほとんどが楽天モバイルからの収入だといわれている。つまり、楽天モバイルは年間700億円規模の資金をKDDIに支払っていることになるのだ。

三木谷会長は常々「KDDIへのローミング費用が高すぎる」とぼやいている。楽天モバイルは7月からユーザーに対してローミングエリア利用時のデータチャージ料を1GB分は550円から660円に値上げすると発表。赤字体質から少しでも脱却したい考えのようだ。

今回の値上げは、楽天モバイルが早期の黒字化を目指すためには避けて通れなかったはずだ。業界内では「そもそもゼロ円で提供するのは無理がある。値上げすることで健全になるのではないか」という同情の声も聞かれる。

英国では先日、キャリアの経営が厳しくなり、4キャリア体制から3キャリア体制になるのではないか、という報道があった。日本もせっかく4キャリア体制で競争が激化し、料金値下げにつながっているにもかかわらず、これが3キャリアの寡占状態に戻ってしまっては、ここ数年の努力が無駄に終わってしまいかねない。

楽天モバイルとしては「目先の数字」を獲得するために今回、値上げに踏み切った。その英断は経営面を見れば十分理解できるとはいえ、ユーザーの視点で見れば「1年に1回、料金プランがころころ変わり、一斉に値上げするというのは信頼できない」という不信感、ブランドの毀損につながりかねないような気がしている。

1GB以下ゼロ円という、お金を払ってくれないユーザーが離脱するのは経営面にとってプラスかもしれない。しかし、一緒にユーザーとの信頼関係も流出してしまうのではないだろうか。
石川温(いしかわ・つつむ)
月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。ツイッターアカウントはhttps://twitter.com/iskw226
モバイルの達人』

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革
小谷 賢 (日本大学危機管理学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26653

 ※ これは、絶対読んどいた方がいい…。

 ※ 日本国には、表向きは、CIAやMI6みたいな「諜報機関」は、存在しないことになっている…。

 ※ しかし、「裏」においては、それに類するものが存在する…。そして、それは「分散するような形」で存在している…。

 ※ そういうような話しが、語られている…。

『 第二次安倍晋三政権では日本のインテリジェンス分野での改革が大きく進んだ。

 その原点は、2008年2月14日に内閣情報調査室が発表した報告書「官邸における情報機能の強化の方針」にある。これには日本のインテリジェンスについて改善すべき点が多々列挙されているが、その中で特に困難な課題が「対外人的情報収集機能強化」と「秘密保全に関する法制」であった。

 12年12月に成立した第二次安倍政権はこの2つの課題に取り組むことになる。

鍵になった政官のトライアングル

 安倍氏が首相に返り咲くと、町村信孝衆議院議員と北村滋内閣情報官(当時)という政官のトライアングルによって日本のインテリジェンス改革が進んだ。

 このトライアングルで要となったのが、警察官僚で、民主党政権時代に内閣情報官に抜擢された北村氏である。公安警察のキャリアを持つ同氏は、11年から約8年にもわたり情報官を務めた。その間に内閣情報調査室(内調)を中央情報機関として定着させ、さらには安倍政権の政治的原動力を活用してインテリジェンス改革を断行したのである。また、北村氏が首相の信任を得たことによって、インテリジェンス・コミュニティーにおける内調の存在感は、極めて大きなものになった。

 北村氏は安倍氏の要望に応える形で、それまで週に1回だった情報官による首相ブリーフィングを週に2回とし、そのうちの1回はインテリジェンス・コミュニティーを構成する、警察庁警備局、防衛省情報本部、外務省国際情報統括官組織、公安調査庁、内閣衛星情報センターなど、それぞれの担当者による首相への直接のブリーフィングという形式をとったのである。この各省庁による首相ブリーフィングのため、定期的に北村氏が中心となって各省庁の情報担当者と会合を持ち、その省庁がどのような情報を首相に報告するのかを調整していたという。

 各省庁からすれば、それまでは内調に情報を上げ、それを間接的に情報官から首相に報告してもらう、という形だったものが、直接首相に報告する機会が与えられることによって、ブリーフィングに対する責任感が増すと同時に、インテリジェンス・コミュニティーの一員であるという自覚も根付いた。

 第二次安倍政権発足から4カ月後、安倍氏は国会において次のように発言している。

 「秘密保護法制については、これは、私は極めて重要な課題だと思っております。海外との情報共有を進めていく、これは、海外とのインテリジェンス・コミュニティーの中において日本はさまざまな情報を手に入れているわけでございますし、また、日米の同盟関係の中においても高度な情報が入ってくるわけでございますが、日本側に、やはり秘密保全に関する法制を整備していないということについて不安を持っている国もあることは事実でございます」

 この発言から安倍氏が、諸外国との情報共有の必要性から秘密保護法制を推進しようとしていたことが理解できる。13年8月には自民党で町村氏を座長とする「党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」が立ち上がり、内調を事務局として法案の作成が行われた。

 ただ、自民党も一枚岩ではなく、法案に反対する声も多く聞かれたという。そうした議員に対して、法案の必要性を説明して回ったのが北村氏であった。そして同年12月6日に「特定秘密の保護に関する法律」が成立している。

『特定秘密保護法の導入によって各行政機関の機密が特別秘密として管理され、アクセスできるのは大臣政務官以上の特別職の政治家と、適正評価をクリアした各省庁の行政官ということに整理されたため、秘密情報の運用面においては大きな改善が見られる。

 クリアランスを持つ行政官は「職務上知る必要性」の原則に基づいて特定秘密にアクセスし、さらに必要があれば「情報共有の必要性」に応じて、他省庁の行政官や上記の政治家と特定秘密を共有するという、欧米諸国では日常的に行われていることが初めて可能となった。また日本と米国、その他友好国との情報共有も進んだのである。

 17年9月、河野太郎外務大臣 (当時)は記者会見で北朝鮮情勢について「諸外国から提供された特定秘密に当たる情報も用いて情勢判断が行われたが、特定秘密保護法がなければわが国と共有されなかったものもあった」と評価している。

テロ情報の収集が平時から可能に

 シリアでジャーナリストの後藤健二氏と軍事コンサルタントの湯川遥菜氏がイスラム国(IS)に拘束され、15年1月に殺害の様子を記録した動画がネット上で公開された事件は日本人に衝撃を与えた。

 これを受けて同年12月8日、外務省総合外交政策局内に国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)が設置された。CTU-Jは平時から海外で情報収集や分析活動を行い、現地の治安情報や邦人が危険に巻き込まれないよう防止するための対外情報組織である。また有事には邦人救出の交渉等も担い、18年10月にはシリアで拘束されていた安田純平氏の解放に尽力している。

2015年に設置された国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)は、イスラム国(IS)に拘束された邦人の解放に貢献した (AP/AFLO)

 NHKの取材によると、CTU-J設置の舞台裏は次のようなものだったそうだ。

 「『国際テロ情報収集ユニット』の立ち上げの際、組織の実権をどこが握るかをめぐって、外務省と警察庁の間で激しい攻防があった。結局、最終的には、安倍首相や菅義偉官房長官(当時)と関係の深い、北村内閣情報官が主導権を握り、組織のトップのユニット長は、警察庁出身者から出すことに決まった。このときの外務省の恨みはものすごかった。まさにこの瞬間に、この組織が、外務省に籍を置きながら、官邸直轄の組織となることが決まったと言ってもいい」

 CTU-Jはテロ情報に特化した組織であり、外交や経済、安全保障についての情報収集は認められていない。しかし平時に海外で情報を収集し、それを直接官邸に報告できるという点では、対外情報機関としての体裁を整えていると言える。

 北村氏は、「人員を拡充し、大量破壊兵器の不拡散や経済安全保障関連での情報収集も担わせることを検討してもいいでしょう」と語っており、将来的には本格的な対外情報機関への脱皮を期待しているようである。08年に公表された方針は、特定秘密保護法とCTU-Jの設置という形で結実したと言える。』

1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く

1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA172JN0X10C22A5000000/

『内閣府が18日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%減、年率換算で1.0%減だった。マイナス成長は2四半期ぶり。感染力の強いオミクロン型の新型コロナウイルスの拡大で、飲食店の営業などを制限するまん延防止等重点措置が適用され、個人消費が伸び悩んだ。

【関連記事】GDP、コロナ前水準に届かず 行動制限が影

マイナス幅はQUICKがまとめた市場予測の中央値(年率1.8%減)より小さかった。前期比で0.2%減の要因をみると、内需が0.2ポイントのプラス寄与、外需が0.4ポイントのマイナス寄与だった。

1~3月は東京都などに重点措置を発令した時期にあたる。GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.03%減少し、2四半期ぶりのマイナスとなった。重点措置で飲食店は時短営業や酒類提供の制限を求められた。外食や宿泊などのサービス消費は0.2%減った。自動車などの耐久財は1.6%減、衣服などの半耐久財は1.8%減だった。

内需のもう一つの柱である設備投資は0.5%増で2四半期連続で伸びた。ガスタービンや研究開発向けの投資が好調だった。

住宅投資は1.1%減と3四半期連続でマイナスになった。名目では0.2%のプラスだった。建築資材の価格上昇の影響を除いた実質では落ち込んだ。公共投資は3.6%減で5四半期連続のマイナス。東日本大震災関連の復興需要が一巡した可能性がある。

政府消費(政府支出)は0.6%増と2四半期ぶりのプラスだった。コロナワクチンの購入や接種にかかる費用が増えた。

外需は3四半期ぶりにマイナスだった。自動車などを中心に輸出は1.1%増えた。海外から購入するワクチンなどで輸入は3.4%増えた。GDPの計算上、外需は輸出から輸入を差し引くため、全体への寄与度は0.4ポイントのマイナスとなった。

名目GDPは前期比0.1%増、年率0.4%増だった。収入の動きを示す雇用者報酬は名目で前年同期比0.7%増となった。

4月以降は重点措置の解除で人出が戻っている。ゴールデンウイークは3年ぶりに緊急事態宣言のない大型連休となり、飲食店や外食、旅行需要などは回復しつつある。4~6月期は個人消費の持ち直しなどで、プラス成長に転じるとの見方が多い。

【関連記事】
・「コロナ貯蓄」日本50兆円 米300兆円、インフレ要因に
・消費支出「コロナ前」届かず 21年度、4年ぶり増も

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

1-3月のGDPデータはやはり前期比減少しましたが、市場予想よりは良い内容でした。

予想どおり、消費がまん延防止対策で横ばいだったこと、とくに耐久財や半耐久財の消費は落ち込んだことがあります。

ただマイナスの主因は輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったことで、純輸出が赤字に転落したことにあります。

輸入は実質的にもガスや石炭などエネルギーの輸入量が大きくなっているようで、価格高騰の中で前倒しで輸入を増やしていたのかもしれません。医薬品や半導体の輸入も増えたようです。4-6月期はプラスの成長に戻ると思われます。

2022年5月18日 9:12 (2022年5月18日 9:17更新)

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

四半期にばかり目をやると、木を見て森を見ずになります。

大勢を観望すれば、①コロナ2年目の2021年1~3月期以降、ゼロ%近傍の足踏みが続いている、②実質GDPの年換算額は537.9兆円と、コロナと消費税増税前のピーク(19年7~9月期の557.7兆円)を19.8兆円下回っているということです。

そして②の原因は、③個人消費が293.0兆円と当時の303.0兆円を20.0兆円下回っていることです。

国全体の付加価値であるGDPがもたつく一方で、企業収益は円安で過去最高益となり、税収も過去最高です。

企業部門や政府部門のお金を家計にうまく回すことが、現下の日本経済の課題にほかなりません。

2022年5月18日 10:56 (2022年5月18日 13:30更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

マイナスは事前予想通りではあるが、幅は小さかった。

実質GDPは21年1-3月期以降、前期比マイナス、プラス、マイナス、プラスで来ており、今回はマイナスの順番。

このような景気の上下動は、新型コロナウイルス感染拡大状況および政府による対応措置によって形成されてきた面が大きい。

ただし、1-3月期は民間最終消費支出(個人消費)が前期比▲0.0%になり、新型コロナ感染拡大にもかかわらず、ほとんど悪化しなかった。

形態別国内家計最終消費支出(実質)で、サービスは前期比▲0.2%。昨年10-12月期の同+3.0%の直後にしては底堅い。コロナ感染拡大防止に向けた政府の措置が人流に及ぼす効果は限られたようである。

2022年5月18日 11:26』

「新しい資本主義」に既視感 いいところ取り、刺さらず

「新しい資本主義」に既視感 いいところ取り、刺さらず
編集委員 小平龍四郎
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK173MI0X10C22A5000000/

 ※ 「貯蓄から、投資へ!」…。

 ※ その「標語」、何回聞いた?

 ※ ごく単純な話しをすれば、日本国の一部上場企業(これも、死語になって、今じゃ”プライム”とか、”スタンダード”とか言うそうだが)の「配当の平均」が、「2.4%」くらいの率だ。銀行の定期預金の「金利」がメガバンク勢で「0.002%」くらい、新興勢で「0.02%」くらいのものだ…。

 ※ それで、「貯蓄から、投資へ!」と言うわけだ…。

 ※ しかし、「ちょっと、待て!」…。

 ※ 金融資産を「株」で持つということは、「リーマンショック」みたいな「経済激変」に見舞われた時は、「資産価値が、4分の1」になるという「リスク」をも覚悟する…、ということだぞ…。あの時、日経平均は「8000円台」になった…。

 ※ そういう「覚悟」を持っている人の割合、「何割ある?」…。

『岸田文雄首相が掲げる看板政策「新しい資本主義」を、「新しい」と感じる人は多いのだろうか。岸田首相は金融所得課税見直しに象徴されるアンチ市場の要素を封印し、5日の英金融街の講演では「貯蓄から投資へ」「資産所得倍増」といった投資家好みのフレーズをちりばめた。その後、米国で広がる「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)の日本版をつくる構想も明らかになった。中身の是非はさておき、米欧事例に範を仰ぎ日本流に調整し輸入するという、キャッチアップの発想と手法には既視感が強い。岸田首相のメッセージが必ずしも市場に刺さらない理由ではないか。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

「貯蓄から投資へ」を加速させる具体的な手立てとして挙げられたのが、少額投資非課税制度(NISA)の「抜本的拡充」だった。2014年に始まったNISAは英国のISAという制度にならって設計された。英ISAに比べ投資対象が制限されているほか、非課税枠の小ささや時限措置であることなどに、日本的な市場改革の漸進主義や換骨奪胎ぶりが表れている。
日本的な制度改革を予想

「抜本的」と言うからには、非課税枠を現行の最大120万円から少なくとも英国並みの300万円強(2万㍀)に一気に引き上げ、入れ替え売買の自由化や制度恒久化を打ち出せばインパクトは出る。しかし、金融界の制度調査畑の声を総合すると「霞が関からそんな威勢の良い話は全く聞こえてこない」。むしろ「海外発でアドバルーンをあげ、市場の反応も見極めながら妥当な落としどころを探る」という日本的な制度改革の着地を予想する向きが多い。

米欧の制度を研究し、国内の利害関係者の声を吸い上げ、摩擦を避けながら少しずつ実施。こと資本市場に関する限り、日本の改革はこんな「小さく産んで大きく育てる」手法をとってきた。本当に大きく育てば良いが、プロセスが細かく刻まれ、独自要素も加えられ、時間がかかる点が問題だ。その間に米欧はどんどん先に進み、新興国は猛烈に追い上げる。

2015年から始まった企業統治(コーポレートガバナンス)改革が典型的だ。ガバナンスコードはすでに2回改定され、さらなる改定を視野に入れた中間点検の会合が16日に開かれた。「細かなルールが増えすぎて(企業経営の背中を押すという)本来の狙いが曖昧になった」「(法律や取引所ルールの強化など)踏み込むべきところは踏み込むべきだ」――。会合参加者からは、漸進主義の弊害を指摘する声も聞かれた。

漸進主義のワナにはまる

日本のガバナンス改革は英国や米国の制度を折衷したもので、キャッチアップの発想が特に強い。しかし、最近では女性管理職の登用などダイバーシティーに関しては、タイなどアジア新興国に見劣りする部分も出てきた。小さな努力を重ねる間に後続への関心が薄れいつの間にか抜かれる、という漸進主義のワナに、日本ははまりつつあるようだ。

新たに浮上した公益重視の日本版PBC構想は、米国の制度を換骨奪胎して取り入れようというものだ。しかし「新しい資本主義」とぶちあげるほど新しさはない。日本でも定款で公益重視をうたう事例はあるからだ。

ユーグレナは完全オンラインで開いた21年の臨時株主総会で、会社の定款をSDGs対応に変えた

例えばエーザイは会社の憲法に当たる定款で会社の使命を「患者様満足の増大」としている。さらに今年の株主総会では、それを「患者様と生活者の皆様の満足の増大」と変更する議案を株主に問う。比較的新しい企業ではユーグレナが21年の臨時株主総会で定款を変え、国連のSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を盛り込んだ。

経営者の意思があれば現行の会社法でも公益の追求は十分に可能だし、丁寧に説明すれば株主の理解を得られることもエーザイやユーグレナの事例が示している。公益を市場に問うために企業が投資家向け広報(IR)のすべを磨くというのが、本筋の話ではないか。

「使命を果たす会社」の低迷

米国では21年、貧困支援に取り組むメガネ販売のワービー・パーカーや低環境負荷の素材を使ったスニーカーのオールバーズなど、公益企業が相次いで上場し、直後は「クール」(カッコいい)などともてはやされた。しかし、その後の株価の推移は決してほめられたものではない。フランスの法改正で誕生した「使命を果たす会社」の代表、食品大手ダノンの経営者が株価低迷で解任されたのも記憶に新しいところだ。

「ESG(環境、社会、企業統治)やサステナビリティーを掲げていても、必要な投資はせず、買収戦略が実を結ばず、株価も低迷。そんな会社はダメだ」。経営者への助言に特徴があるみさき投資の中神康議社長は、ESG経営で知られる丸井グループの青井浩社長とかつてダノンについて議論した時、こう指摘した経験を持つ。

公益重視や環境・人権保護などの大切さは言うまでもない。しかし、資本市場の苛烈な現実から目を背ければ、経済を突き動かすアニマルスピリッツ(血気)が減退しかねない。それは新しい・古いを問わず資本主義の危機であり、大企業・スタートアップの別なく企業経営の挫折につながる。

【関連記事】公益重視の新たな会社形態 政府検討、短期利益偏り修正

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竹川美奈子
ファイナンシャル・ジャーナリスト、LIFE MAP,LLC代表
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別の視点

制度の利用を促すには「シンプル」にすることが一番です。

一般NISAに代わり、24年から2階建てとなる新NISAは制度が複雑すぎます。例えば、資産形成を促すのが目的なら、つみたてNISAに1本化して制度を恒久化すればよいのではないでしょうか。年間拠出額の引き上げより、安心して長期投資ができるよう恒久化を優先してほしいです。

制度の拡充は大事ですが、既存制度の利便性を高めることも必要。例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)は申し込みから口座開設まで2カ月程度かかり、変更手続きに「紙」の書類を郵送するものも多く、手間も時間もかかりすぎます。オンライン化を進めていますが、スピード感が必要です。

2022年5月18日 7:33

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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察

世界はコロナを乗り越える決断を行い、ロシアのウクライナ侵攻を機に、戦後を支えた安全保障体制も根底から変わりつつある。

歴史的なエネルギー価格の高騰、インフレの進行。このような歴史的な転換点において、既視感の強い政策と漸進主義の政治手法は、これからの日本をどうするのかという点に関して、何の答えにもなっていない。

骨太方針がまったく国民の心に刺さらない理由はここにある。国民が知りたいのは、コロナ対策やエネルギー政策、財政再建などにどのように大きな決断をするかである。骨太方針よりも、コロナ克服こそが最大の経済対策だ。まずは、マスクを取り、海外の観光客を受け入れ、自粛ムードを振り払う覚悟をきめてはどうか。

2022年5月18日 8:40 (2022年5月18日 8:43更新)

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為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表
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別の視点

戦略は様々にあると思うのですが、その前にきちんと現状を認識する必要があると思います。

本当はもう勝ち目がないと皆が薄々察していることでも、誰も言い出せず続けられているということがとても多いと感じます。

国民一人一人が都合の悪い情報が出たとしても政治のせいにせず自分たちのこととして受け止めて、その上で適切な戦略を立て実行できる政治家を応援していくようにならなければ、結局変わらないと感じています。現実を直視した上で諦めず勝ち筋を考える力が一人一人に求められています。

2022年5月18日 8:08 (2022年5月18日 8:09更新)

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田村正之
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察

記事にもあるように英国のISAの発展の大きな理由は、当初は時限措置だったものが恒久化され、上限額も引き上げられたことでした。NISAも早期の恒久化が望まれます。
もう一つ、1980年代は今の日本と株式・投信の保有比率が変わらなかった米国で投資が広がったのは企業型確定拠出年金(401K)の普及です。

米国の拠出限度額は年に約260万円。日本の企業型(確定給付年金がない会社で66万円)はあまりに低すぎます。こちらも枠の拡大に加え、デフォルト(当初設定商品)から預貯金など元本確保ををなくして株式投信に誘導することが重要です。

2022年5月18日 8:02

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

小泉郵政民営化、アベノミクスはどういうレガシーを残してくれたのか。

郵政がサービスだとすれば、そのサービスは向上したとは言い難い。

アベノミクスにより景気がよくなったというよりも、日銀の異次元の金融緩和のおかげ。しかし、これからそのつけを払わないといけない。

今度は新資本主義?貯蓄から投資といわれても、日本にはその土壌ができていない。コツコツと働いて、地味な生活をして、些細な幸せを味わえば、それで十分に満足するのは日本人国民性。歴代総理はそれぞれの思い付きで何かをやろうとしても、真面目に生活している庶民は翻弄されているだけではないか。もう少し真剣に議論したほうがいいのでは

2022年5月18日 7:19 』

日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか?

日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか? 「政治的課題の解決」である!
https://st2019.site/?p=19543

※ 原発を「利用し続ける」上で、最大の「課題」は、「高濃度放射性廃棄物」の処理の問題だろう…。

※ しかし、「技術的には」、解決策はほぼ出されている…。

※ ガラス製容器に封じ込めて、放射線対策して、地下深くに、厚いコンクリートの「地下貯蔵所」作って、そこに「何千年、何万年も」保管する…。

※ しかし、そういう「施設」を、「どこに」作る?「手を上げる地域・自治体」があるのか?

※ 世界中で、未だ「建設したところ」は、聞かない…。

※ 中国で「作った」という記事を読んだことがあるが、その後、続報を見ない…。

※ 別に、「原子力エンジニアリング」の問題じゃないと思う…。

『日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか? 「政治的課題の解決」である!

 どうして、票田に関連施設を抱えていない大多数の自民党議員たちが、原子力を見放しているのか、原発村の技術者たちがわかってないのは、困ったことだ。

 ロシア制裁と戦乱にともなう地球的なエネルギー危機は、おそらく2年~5年スパンの嵐となって、わが国を襲うであろう。

 しかるに日本の原子力村ときたら、あいかわらず「20年~30年スパン」の事業案しか、呈示し得ないのである。おまけにそれは社会の危機を解決してくれるものではなくて、ただの「一里塚」。

 そんなものしか呈示し得ないことに開き直り、国が30年スパンで予算をつけたり汗を流すのは当然だとまで錯覚している集団なのである。

 彼らには、日本の「政治的課題」の解決に、貢献する意思がないようだ。いままでとは全然別な角度の提案が必要なのだ。それが無い。
 だから自民党の方から、原発を見放すようになる。しかたのない流れではないか。

 プライオリティーは「廃棄物」の未来活用だ。これは「処分」ではダメだ。それは政治家に大荷物を与えるだけ。庶民の気持ちも明るくならない。政治家から見て、何の魅力もない。そんなものが「正答」だと思い込んでいるところに彼らの脳内の限界がある。

 「活用」でなかったら目はないのだ。「活用」は、一挙に社会問題を解決するレベルである必要はない。庶民の気持ちを明るくするものなら良いのだ。それなら政治家にとってマイナスの荷物とはならない。それであれば、票田的に無縁な政治家も、協賛する気になる。』

EV苦戦

EV苦戦
中古市場が映す「充電が不便」見切り売りも
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00001420X20C22A4000000/

※ 「補助金」目当てで買って、「縛りの3年」過ぎたら「売り払う」というパターンが多いんだろう…。

※ 「バッテリー」がヘタって来て、充電しても「走行距離」が短くなり、「バッテリー交換」を考えるが、「交換費用を聞いて、ビックリして」、手放す人も多いらしい…。

※ 積んでるバッテリーの重量は、プリウスみたいなHVで「20㎏」くらい…。PHVで「80㎏」くらいと聞いたぞ。ピュア・EV(リーフみたいなヤツ)については、知らない…。(調べたら、「バッテリー重量は310kgから440kgに増加した。」ということだ…。)

※ しかも、車の買取価格が、相当な「安値」で、「二度ビックリ!」という人も、多いらしい…。

※ そりゃ、中古自動車屋も、「走行距離が短くなってる前提」で、売らないとならないわけだから、「高値」じゃ買えないだろうさ…。

電気自動車(EV)の中古車が市場に出回り始めた。売買情報サイトのデータを分析すると、EVはガソリン車やハイブリッド車(HV)より走行距離が短く、新車に比べた値下がり幅も大きいことがわかった。充電設備の少ない不便さなどから早めに手放す傾向が見られ、中古車市場がEVの苦戦を映している。

中古リーフの平均走行距離、
プリウスの6割どまり

ネット上の特定の情報を自動的に集める「スクレイピング」の技術を使い、中古車情報サービス「カーセンサー」のサイトの掲載データを日本経済新聞が収集。運営元のリクルートから提供を受けたデータも合わせて分析した。

カーセンサーには50万台程度の中古車データが掲載されている。EVは新車の国内販売が年2万台ほどと全体の1%未満にとどまり中古車も少なかったが、カーセンサーへの掲載は1700台以上まで増えてきた。BMWやテスラなど海外メーカーのモデルの中古車が出ているほか、掲載台数が圧倒的に多いのは2010年12月に初代が発売された日産自動車「リーフ」だ。
年式や走行距離、価格といったスペックの分析で見えてきたのは、まず走行距離が短い車が目立つことだ。約1100台のリーフを走行距離で分類すると最も多いのは1万キロメートル前後で、平均は3.6万キロメートルにとどまる。

トヨタ自動車のHV「プリウス」は4万キロメートル前後が最も多く、平均は5.7万キロメートル(いずれもリーフ発売後の11年以後の中古車)。リーフの平均走行距離はプリウスの6割程度で日産の小型車「ノート」(平均4.1万キロメートル)も下回る。

中古EVの走行距離が短いのはなぜか。カーセンサーの西村泰宏編集長に聞くと、主に3つの理由が浮かんできた。第1はEVの中心購入層が新技術に関心が高いアーリーアダプターで「次の車への買い替えサイクルが短い」こと。第2はEVは買い物など中短距離の日常使いが多く距離が伸びにくい点だ。

心配なのは第3の理由。使い勝手が悪いと感じたユーザーが早々にEVを手放すケースだ。地図大手ゼンリンのデータによると国内の公共EV充電器は全国で3万基ほどで頭打ちになっている。人口あたりの基数はドイツや英国の半分以下にとどまる。

「電池残量が30%を切ると充電を心配し始める人が多い。ストレスなく乗れる距離はカタログの記載内容より短い」(西村氏)。旅行などの遠出にも使いにくく、中古EVは古くても走行距離が短い車が目立っている。

中古EV、値下がりしやすく

次に価格を分析すると値下がりしやすい傾向が見てとれた。現行モデルの19年式は走行距離3万キロ以下の場合で240万円程度。新車価格(約370万~約480万円)から大幅に下がっている。

現行プリウスの同じ条件の中古車も240万円前後だが、現行モデルの新車価格(約260万~約360万円)からの下げ幅は小さい。新車の品薄感からトヨタのプリウスやアクアといったHVの中古車が高値圏で推移する一方、EVの中古車価格は下落傾向にある。

理由の一つは電池にある。中古電池の性能は走行距離だけでなく急速充電や家電への給電回数にも左右される。劣化度合いの判断はエンジンより難しく買い手が不安を感じる場合も多い。メーカーのバッテリー容量の保証期間である8年などを超えるとなおさらでバッテリー交換に数十万円かかることも価格に響く。

中古車売買のカレント自動車の担当者は「EVを手放した人の半分は別のEVに乗り換える。あとの半分はガソリン車に戻る」と話す。EV離れを防いで普及を促すには充電インフラの拡充や電池の性能向上を急ぐ必要がある。

充電器「目標15万基」なお遠く

電気自動車(EV)は脱炭素を実現する切り札のひとつと期待されているが、充電する場所が増えなければ普及は遠のく。公共の充電設備の数は2019年以降、約3万基で頭打ち。国は導入に補助金を用意しているものの、EVの販売台数が伸び悩むなか商業施設などから見れば設置するメリットが小さいためだ。

マンションへの設置も低調だ。東京都での大型住宅の建築計画をみると、EV充電器を設置する予定の物件は約7%にとどまる。充電設備の維持管理費用は入居者の負担になる場合が多いため、デベロッパーが二の足を踏む。海外で広がり始めた新築マンションへの充電器の設置義務も現時点で日本にはない。

EV充電器の設置事業を手がける中央電力(東京・千代田)の担当者は「既存のマンションも住民の合意形成が難しく設置は容易ではない」と話す。30年に全国で15万基の充電器を設置するという政府の目標はハードルが高い。

編集
伊地知将史、宗像藍子

グラフィックス
渡邉健太郎

オンキヨー破産申請、続いた誤算 資金や半導体不足

オンキヨー破産申請、続いた誤算 資金や半導体不足
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF13DXV0T10C22A5000000/

 ※ 世の中(市場)の「変化」に、「適応」できないものは、「淘汰」される…。

 ※ 「人」も「組織」も「会社」も「国家」も、同じだ…。

『オンキヨーホームエンターテイメント(大阪府東大阪市)が大阪地裁に自己破産を申請した。高級オーディオメーカーとして一時代を築いた名門企業の歴史に幕が下りる。経営陣は会社存続へ「あらゆる可能性を模索した」ものの、いくつもの誤算が重なった。

ここ数年は資金調達の誤算が続いた。

2019年5月、虎の子の家庭向けAV事業を米音響機器大手サウンド・ユナイテッドに約80億円で売却すると発表したものの、交渉が頓挫して10月に破談になった。

20年7月、英領ケイマン諸島の投資ファンド「エボファンド」に8回にわたり新株を発行し総額46億円を調達する計画を公表。新株発行は4回で打ち切りになった。

21年1月、上場廃止の基準となる2期連続の債務超過を避けるため再びエボファンドに頼り新株予約権の割り当てを決めた。株式の現物出資も含め最大62億円相当を調達する計画だった。しかし新株予約権行使は一部で調達は12億円にとどまった。

同日中に債務超過が解消されないと上場廃止になる21年3月31日。夕方までファンドと予約権の行使を交渉した。オンキヨー側は「債務超過解消」のリリースも用意していたが、不調に終わる。21年3月期末時点で23億円の債務超過が決まった。

帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「ファンドなどに足元を見られた」とみる。

半導体不足も誤算だった。AV機器事業はシャープなどに売却したが、日本国内の販売代理店として他社のAV機器を販売して収益を上げるはずだった。しかし半導体不足と物流混乱でアンプやスピーカーの生産が滞った。
会見する破産管財人の小松陽一郎弁護士(大阪市)

このため22年3月、販売代理業務の主要子会社の破産を余儀なくされた。今回の破産手続きの申請理由にも「半導体供給問題解消の見込みが立たないこと」を挙げた。

最大の誤算は視聴スタイルの変化だ。スマートフォンなどの普及によるハードの変化と、「スポティファイ」など定額課金型(サブスクリプション)の楽曲配信サービスの普及による音源の変化が重なった。CDをミニコンポで聞くスタイルは廃れた。

電子情報技術産業協会(JEITA)によると、11年に1521億円あった国内の音響機器市場は21年に723億円に縮小した。オンキヨーホームエンターテイメントの林亨社長は21年の取材で「成長を支えてきたミニコンポ需要は消滅に近い」と語っていた。

ここ1~2年は新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で、海外中心に家庭向けAV機器の需要は回復局面だった。だが資金も半導体も足りなかった。林社長は「製品を生産できる資金があればシェアを取り戻せる状態だった」と語る。

帝国データバンクの昌木氏は今回の破産申請について「日本の電機産業が隆盛を誇っていた時代からピークアウトした象徴的な事例」と語る。

(平嶋健人)』

2021年3月期 第3四半期 決算ハイライト 2021/2/12 オンキヨーホームエンターテイメント株式会社

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 一年前の「IR資料」を、見つけた…。

 ※ いろいろ、頑張ってはいたようだが、「これじゃあな…。」というような内容だ…。

 ※ 結局、B to Cで行くのか、B to Bで行くのか、方向性が定まらなかった感じだな…。
 ※ いろいろ、「芽」は探していて、ものになりそうな感じのものもあったようだが、「時間切れ」となったようだ…。

 ※ まあ、「従業員」との話し合いも、うまくいかなかったんだろう…。

 ※ こういう場合の「常道」としては、「希望退職」募って、ともかくも、「労務コスト」を下げてからの展開となる…。

 ※ そこがうまく行かないと、「赤字垂れ流し」「出血、止まらず」ということになる…。

「オンキヨー」が経営破綻 裁判所から破産手続きの開始決定

「オンキヨー」が経営破綻 裁判所から破産手続きの開始決定
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220513/k10013625051000.html

※ 「破産」となれば、最終的には「従業員は解雇」され、「会社は消滅」だ…。

※ オレらの世代には、懐かしい「老舗の音響機器メーカー」だ…。

※ 栄枯盛衰だな…。

『 大阪に本社を置くオーディオメーカーで、経営不振が続いていた「オンキヨーホームエンターテイメント」が資金繰りに行き詰まって経営破綻し、13日、裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。

会社の発表によりますと、負債総額はおよそ31億円に上るということです。

オンキヨーは、スマートフォンで音楽を楽しむ人が増えたことなどを背景に2020年度の決算で2期連続の債務超過に陥り、去年、上場廃止になっていました。

その後、スピーカーやアンプといった主力事業をシャープなどで作る合弁会社に売却したものの、収益の改善には至らず、経営再建を断念しました。』

ソフトバンクG、投資会社化急ブレーキ

ソフトバンクG、投資会社化急ブレーキ 「守りを徹底」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB122VB0S2A510C2000000/

『金利上昇を背景とする世界的な成長(グロース)株の下落で、ソフトバンクグループ(SBG)が苦境に立たされている。

12日発表した2022年3月期連結決算(国際会計基準)は投資先企業の価値が減り、過去最大の赤字になった。現預金などはなお3兆円近くあるが、「徹底した守りに徹する」(孫正義会長兼社長)としており、SBGの投資会社化に急ブレーキがかかっている。

【関連記事】
・ソフトバンクG、最終赤字1兆7080億円 22年3月期
・ソフトバンクG孫社長「取るべき行動は徹底した守り」

人工知能(AI)関連の未公開企業に投資するビジョン・ファンド1・2号で約3兆7000億円の投資損失を計上した。米ウーバーテクノロジーズなど上場する投資先企業の株価が大幅に下落したことが響いた。

2017年設定の1号ファンドではサウジアラビア政府系ファンドなどの外部投資家の一部に投資元本の7%を「固定分配」として毎年支払ってきた。

利払い負担は年2000億~3000億円規模とみられる。SBGには現預金などの手元流動性が3月末時点で約2兆9000億円あり、足元の資金繰りが危機的な状況にあるわけではない。

ただし、孫社長は会見で「手元に現金を厚く、投資基準を厳格にする」と繰り返し強調した。

資金の確保はすでに進めており、上場した投資先の株式売却や株担保ローンによる調達は約5兆6000億円にのぼり、ビジョン・ファンドに投じた約5兆2000億円を上回った。

投資の減速はすでに数字にあらわれている。ビジョン・ファンドの新規投資の承認額は22年1〜3月が25億ドルと、その前の四半期に比べ約8割急減した。

「AI革命」を旗印にSBGが推進してきた投資会社化は足踏みが必至だ。

12日の会見で孫社長は「(投資先企業の売却手段となる)新規株式公開も今後1年間は減るだろう。(新規投資について)より慎重な運営をする」などと神妙な面持ちで語った。
今後は投資回収のスピードが鈍化する可能性が高く、絶え間ない新規投資と回収によって収益基盤を拡大する戦略に暗雲が垂れこめる。

連結決算の内訳を見ると、投資会社であるSBGの特殊な収益構造も浮かぶ。

22年3月期はビジョン・ファンドの巨額の赤字に加えて、大幅な円安・ドル高で約7000億円の為替差損を計上した。

円安は通常、トヨタ自動車など製造業の業績にはプラスに働く。

SBGの場合は社債など米ドル建て債務が多く、円安が進むと為替差損が膨らむ。

一方で、デリバティブ関連損益で約1兆2000億円の利益を計上した。

保有する中国アリババ集団の株式を担保に金融機関から資金調達しており、同社の株価が下がると逆に会計上の利益が膨らむ特殊な契約を結んでいる。

グロース株の全面安で、SBGが最重要の経営指標と位置づける時価純資産(NAV)も減少した。SBGの投資先の株式価値から単体の純有利子負債を差し引いて算出する。

アリババの株安などが響き、22年3月末時点のNAVは18兆5000億円と21年3月末から3割減った。

懸念材料は多いが保有株式の資産価値に対する純有利子負債の割合を示す負債カバー率(LTV)は22年3月末で約20%。21年3月末の約12%からは悪化しているが、手元資金を積み増すなどした結果、平時で25%未満に抑える自社基準内には収まっている。

SBGにとっての誤算は中国リスクの長期化だ。アリババの株安が止まらず、一時は約6割に達していたNAVに占める同社株の比率は約2割まで下がった。

中国依存度は結果的に低下したが、アリババ株はSBGにとって重要な資金調達手段であり続けている。米中分断や専横的な政治体制で中国のハイテク株を巡る環境は不透明さを増す。中国市場がSBGの経営にとってアキレスけんであることに変わりはない。

多様な観点からニュースを考える

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田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
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ひとこと解説

困難な環境下で守りを徹底しLTVを改善させたことは評価すべき一方、SBGに同時に求められているのは情報革命で人々を幸せにというパーパスの強化や刷新ではないかと思います。

数年前の孫社長からはメガトレンドを先行して掴みそれを壮大なビジョンにして事業化していく大義や気概を感じ取れました。

ファンド会社を標榜している以上は外部投資家を再び呼び込めるかが本格的な再成長の必要条件ですが、十分条件は日本や世界の人々をどのように幸せにしていくかについて壮大かつ具体的なグランドデザインを示し事業化していくことではないかと思います。

AIの民主化が進む中でAI群戦略という戦略の刷新も真の再成長への軌跡には不可欠です。
2022年5月13日 5:28

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

マネーゲームか、技術か、時代の寵児とされていたこの経営者は明らかに稼ぎやすい方向へ走りすぎた。汗をかかないで金を稼ごうとするから、しっぺ返しを食らう。

もしだれかにこの会社は何をしている会社かと聞かれた場合、どう答えるかを考えさせられてしまう。なぜならば、街中でときどきみる携帯電話のキャリアだけで、それ以外、何をやっているの、て何も見えてこないからである。

中国のプラットフォーマーへの投資で儲かったと報道されているが、しょせん一過性の儲けに過ぎない。今こそ原点に戻るべき

2022年5月13日 7:25

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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分析・考察

孫代表も毎回言及する最重要KPIたるNAV、即ち時価純資産が3四半期連続下落、かつその額は2016年度の水準まで後退してしまった。

これはNasdaqインデックスが2020年後半水準までしか下落していない事に比して大幅アンダーパフォームである。

さて今後の論点は「ベンチャー投資のルールを変えた」と言われる程の超高額バリュエーションで大きな金額を投資するスタイルがジャスティファイされる程エグジット市場価格水準が戻るか否か。

NAVがオントラックに戻るか否かはその一点に掛かっている。

その点ファンド形式から自己資本投資に変えたため時間と戦わなくてよい、戻るまで持ち続ければ良い点は正しい戦略変更だった。

2022年5月13日 7:23 』

21年度の経常黒字12兆円、7年ぶり低水準 原油高が影響

21年度の経常黒字12兆円、7年ぶり低水準 原油高が影響
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA099BW0Z00C22A5000000/

『財務省が12日発表した2021年度の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支の黒字は12兆6442億円と、20年度から22.3%減少した。黒字幅の縮小は4年連続。原油などエネルギー価格が高騰し、貿易収支が1兆6507億円の赤字となったことが響いた。貿易収支の赤字は14年度以来、7年ぶり。

経常収支は輸出から輸入を差し引いた貿易収支や、外国との投資のやりとりを示す第1次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。8兆7031億円の黒字だった14年度以来の低水準となる。

経常収支の黒字幅は20年度に比べて3兆6231億円減った。輸出額は前年度から25.1%増の85兆4957億円、輸入額は35%増の87兆1464億円で、ともに過去最高となった。エネルギー価格の高騰による輸入額の伸びが輸出額を上回った。

商品別では、輸入は原油を含む原粗油が97.6%増、液化天然ガス(LNG)は58.8%増だった。輸出は世界的な半導体不足により、半導体製造装置が33.9%増と伸びた。鉄鋼は62.7%増、自動車は12.8%増だった。

サービス収支は4兆7960億円の赤字で、02年度以来の低水準となった。赤字幅は前年度と比べ35.5%拡大した。日本企業が海外の検索サイトなどに支払う広告費が膨らんだ。新型コロナウイルスの感染拡大で訪日外国人の旅客数の減少が続いていることも影響した。旅行収支は1914億円の黒字にとどまった。

第1次所得収支の黒字は21兆5883億円と14.7%増え、経常黒字を支えた。海外子会社からの配当金をはじめ直接投資収益の黒字幅が伸びた。

同時に発表した22年3月の経常収支の黒字は、前年同月比2.8%増の2兆5493億円だった。8カ月ぶりに前年同月を上回った。輸出、輸入額ともに単月として過去最高だったが、貿易収支は1661億円の赤字だった。

第1次所得収支の黒字は3兆2603億円と前年同月から75.6%増え、単月として過去最高だった。海外の企業から大口の配当金を受け取る案件があったためで、貿易収支の赤字を補った。
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

現状はまるで「働けど我が暮らし楽にならざり」の石川啄木の世界です。

経常黒字は前の年に比べて①3兆6231億円減りましたが、その原因は貿易赤字。貿易収支は②5兆4277億円悪化しました。さらにその原因はエネルギー価格の高騰で、石油・ガス・石炭の輸入額は③7兆6755億円増えました。

③より②が小さいのは、エネルギー高騰の一部を他の貿易取引でカバーしたためです。

②より①が小さいのは、貿易収支の悪化を第1次所得収支(日本企業の海外での稼ぎ)の拡大で一部埋めたからです。

これらは企業と従業員の頑張りの成果ですが、エネルギーの重圧には、岸田文雄首相のいう原子力の有効活用を真剣に検討するときでしょう。

2022年5月12日 10:24 (2022年5月12日 10:31更新) 』

苦境地銀に「永久公的資金」 起点は山形・きらやか銀行

苦境地銀に「永久公的資金」 起点は山形・きらやか銀行
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB11E210R10C22A5000000/

※ いよいよ、コロナ不況は、地銀の屋台骨を揺るがす事態をも発生させているようだ…。

※ リーマン事態で分かるように、一旦「金融機関」の「バランスシート」が傷んでしまうと、その回復には「長い時間」がかかることになる…。

※ 日々の「乏しい利益」の中から、「地道に」傷んだ「バランスシート」を回復していかないとならないからな…。

※ 特に、それが「金融機関」の場合、波及するところは大だ…。「返済繰り延べ(再貸付)」の停止、さらには「急に、返済を求める(貸しはがし)」なんかやられたら、たちまちのうちに「倒産」だ…。

※ そういう「苦い経験」があるんで、「早め早めの対応」をしているんだろう…。

『発火点は山形県だった。じもとホールディングス(仙台市)傘下のきらやか銀行(山形市)が金融機能強化法に基づく公的資金を申請する検討に入ったことが11日、分かった。新型コロナウイルス禍で地域経済を下支えするため、銀行の申請のハードルを下げた公的資金の「コロナ特例」の第1号となる見込みだ。

【関連記事】山形・きらやか銀行に公的資金注入へ 初の「コロナ特例」

特例による公的資金は通常15年の返済期限を事実上撤廃したいわば「永久公的資金」。果たしてコロナ禍からの回復に向けた特効薬になるのだろうか。

「ポストコロナを見据えたら、資本が足りなくなる。早め早めに対応する」。金融当局関係者は公的資金の申請を検討するじもとホールディングスの動きについて、苦渋の表情を浮かべた。

じもとホールディングスとSBIホールディングスは資本提携をして収益力の向上を目指している。きらやか銀行が2021年3月期に最終赤字を計上したものの、健全性を示す自己資本比率は行政処分を受ける最低基準の4%を大きく上回る8%台をキープしている。

それでも、公的資金を検討するきっかけになった理由は2つ。ひとつは「有価証券運用の苦戦」(関係者)だ。米国の金融政策が利上げへ大きく動き、ロシアによるウクライナ侵攻が世界の市場を混乱させた。世界的な金利上昇で保有する外国債券の価格が下落し、経営を圧迫した。

だが、公的資金に頼る理由はそれだけではない。もうひとつの理由は、ポストコロナを見据えた企業再生がこれから本番を迎えることだ。今までは政府による財政支援が企業を支えてきたが、いつまでも続くわけではない。企業の再生を後押しする役割は金融機関に託され、不良債権処理を迫られる場面も今後増えることになる。

そんな金融機関を支えるため、金融庁が2年前の2020年に用意した切り札が、金融機能強化法の改正案だった。その目玉が公的資金の「コロナ特例」だ。

コロナ特例は収益性や効率性の目標を求めず、経営責任も求めない。それまでの公的資金の原則とは一線を画していた。最大の違いは15年以内に返済を求めていた期限の事実上の撤廃。いわゆる「永久型」に転換したことだ。

この狙いは自己資本不足で貸し渋りや貸しはがしを起こさないようにすること。銀行に対して甘い措置にも見えるが、コロナ禍で落ち込む企業を銀行が支え続けられるようにするための安全網だった。

もっとも、公的資金で地銀を支え続けることが健全であるとはいえない。きらやか銀行が公的資金を申請するのは、リーマン・ショック後の09年、東日本大震災が起きた後の12年、そしてコロナ・ショック後の今回と3度目になる見込み。公的資金に依存する状況が恒常化しているようにもみえる。

厳しい経営環境のなかで公的資金への依存から脱却していくためには、地銀の大胆な統廃合などが欠かせない。公的資金がそうした動きを後押しするのではなく、経営不振の地銀を温存するために使われるのだとすれば、地域金融の将来は暗い。

永久公的資金を使ってどのように自らを変革させていくのか。経営責任を問われないとはいえ、将来の青写真を投資家や納税者に示す義務までが経営者から免除されるわけではない。

(金融エディター 玉木淳)』

トヨタ23年3月期減益へ「資材値上がり1兆4500億円」

トヨタ23年3月期減益へ「資材値上がり1兆4500億円」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD10BR50Q2A510C2000000/

 ※ まあ、こういうものだ…。

 ※ 『「3000億円レベルの原価改善をやり続けるのは大変難しいこと」』…。

 ※ そういう「努力」を、やり続けていたんだ…。

 ※ 「黙っていても、何もしなくても」などと言って、スマンかった…。

 ※ 「円高」「円安」は、トヨタ自身の行為では、変えられないこと…。

 ※ そういう「領域」は、さておいて、「自分のできることを、やる。」んだったな…。

『トヨタ自動車は11日、2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は営業利益が前の期比36%増の2兆9956億円だったと発表した。16年3月期の2兆8539億円(当時は米国会計基準)を上回り、6年ぶりに最高を更新した。トヨタ自身の記録を塗り替え、国内企業で過去最高となった。

午後1時半から2022年3月期決算(国際会計基準)の記者会見をオンライン形式で開いた。会見では最高財務責任者(CFO)の近健太副社長が22年3月期の決算と23年3月期の業績予想を説明した。日経電子版では発言をタイムライン形式でとりまとめた。

【午後1時30分】 オンライン形式の会見始まった

冒頭、山本正裕経理本部本部長は納車の遅れが続いてることについて「減産により多くのお客様への納車をお待たせしておりますこと、大変申し訳ございません」と陳謝。「少しでも早くお届けできるように努力してまいります」と語った。

【午後1時35分】 「かつてない資材価格・物流費の上昇により減益を見込む」

山本氏は23年3月期の見通しについて「安全品質を最優先に身の丈にあった生産台数を前提といたしました。かつてない資材価格・物流費の上昇により減益を見込みますが、引き続き成長投資は緩めず、諸活動はぶずに推進してまいります」と話した。23年3月期の見通しは、連結販売台数は前期比7.5%増の885万台で、各地域で増やす。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車については「各地域の顧客ニーズにあった商品ラインアップを一層充実させ、前期比13.6%増の307万台と、電動車比率を31%に高める」という。

【午後1時40分】「22年3月期の実績は収益改善の積み重ね」

近健太副社長は「22年3月期の実績は収益改善の積み重ね」と指摘した。「リーマン・ショック時を100とすると、足元の損益分岐台数は60~70まで下がり、13年間で体質改善は大きく進んだ」と強調した。さらに近氏は「以前は単発的に新車を投入することが多かったが、現在はヤリスやカローラなどのロングセラー車を継続的に進化させられている」とし、その結果として「収益性が高まっている」と話した。

【午後1時50分】「資材値上がり、原価改善に新しい着眼点」

山本氏は原価改善の取り組みについて問われ、「3000億円レベルの原価改善をやり続けるのは大変難しいこと」としたうえで「収益体質をあげるために長期間やってきたことは続けていきたい。資材価格が上がったときにどういう資材を使ったらいいのか、新しい着眼点も出てくる。いろいろなところでチャンスが出てくると思います」

【午後1時53分】「材料高騰の転嫁値上げ、どこできるのかよく見て決めたい」

長田准チーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)は原材料の高騰を受けた価格転嫁への考え方を問われ「(グローバルの)各地域でいろいろなセグメントのお客様にきめ細かく対応していく必要がある」と述べた。「少しお金を頂戴してもいい層のお客様もいらっしゃると思います。一方で、日常の足として使っているお客様もいらっしゃる。資材が上がったということで価格を上げるのは難しい問題だと思っています。各地域のライアップでどこでそういうこと(値上げ)ができるのか、厳しいのか、よく見て決めていきたいというのが基本的なスタンスです」と語った。

【午後2時】23年3月期の資材コスト上昇1兆4500億円「過去に例がないレベル」

23年3月期の業績予想に織り込んだ資材のコスト上昇分1兆4500億円について近氏は「過去に例がないレベル。22年3月期の6400億円も過去で一番大きかったが、それを超える非常に大きな影響だ」と説明した。23年3月期の1兆4500億円の半分は海外の事業体の影響で、残りが日本の事業体によるものと説明した。「仕入れ先と一体となってどう対応していくかを考えないといけない。使用量を少なくしたり、安価な材料に変えたりする取り組みを進める」とした。

23年3月期の生産台数970万台に見直し「コロナ禍や半導体調達を織り込んだ」

23年3月期の生産台数の見通しを1月に示した1100万台から、今回970万台に見直した。山本氏は「新型コロナウイルスの流行や半導体の調達状況を現時点で織り込んだ。これも先々どうなるかわからない」と述べた。「急な減産によって、生産現場からは仕事が急になくなったり、部品が余ってしまったりと、大変な苦労を聞いた」としたうえで「前々から計画を早めにお伝えできれば、例えば工程時間を短くするなどの対策ができると思う」と話した。

【午後2時4分】日野自動車の排ガス不正「親会社としても申し訳ない」

近副社長は、子会社の日野自動車の排ガス不正について問われ「ここまで支えていただいたお客様、販売店、仕入れ先、行政当局にご迷惑おかけし、信頼を失う事態になり本当に残念。親会社としても申し訳ない」と謝罪した。特別調査委員会の調査結果も聞きながら「親会社として、ガバナンスや風土改革、ステークホルダーからの信頼回復に向けて一緒に取り組みたい」とした。

【午後2時17分】「世界の市場見通し、例年以上に難しい」

長田氏は世界の市場見通しについて「いつも以上に23年3月期は難しい。グローバル全体でコロナ禍からの回復はプラス要因だが、資材高を含めたインフレ、それが生活に及ぼす影響などがあります。ウクライナ問題もいろいろな不安があります。半導体の供給制約もあり、プラスマイナスありながら23年3月期が進行していく」と述べた。地域別では現時点での見通しとして、米中は22年3月期を上回り、日本・アジアは「プラス・マイナスの要因がゼロ程度」との認識を示した。一方、ウクライナ問題の影響を大きく受ける欧州では「リスクの方が上回る。22年3月期実績を下回るのではないかという見通しです」と語った。

【午後2時25分】日本市場での値上げ「車によって可能性ある」

ロシアのウクライナ侵攻について長田氏は「トヨタとしても心を痛めている状況だ」とした上で、事業の継続性については「ステークホルダーの共感を得るという軸をぶらさずに考え続ける」とするのにとどめた。

また、原材料価格の高騰に伴う、日本市場での値上げについても考えを説明。「日本は全体的に成長が足踏みしている地域だ。日常の足で使うような軽自動車やコンパクトカーで価格を頂戴するのは厳しいが、車によっては、可能性はある」と話した。

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト
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ひとこと解説

追記:115円前提でした笑。
通常、トヨタの前提為替決定メカニズムは、恣意性を避けるため発表月の前月(今回は4月)の15日頃のレートを基に、5円刻みで端数を切り下げで決定します。当てはめればドル=125円が最も可能性の高い前提です。22/3期実績が112円ですので、約13円の円安、恐らく8,000億円前後の営業増益要因となるはずです。恐らく、為替を除くと実態は減益予想となるはずで、その構造・原因を精査するのが今回の決算のポイントとなります。コストと価格のバランスを理解したいところです。余談ですが、今回の説明者は新副社長3名のうちの2名が登壇します。近い未来の新社長の顔かもしれません。
2022年5月11日 12:39 (2022年5月11日 13:31更新)』

〔為替感応度・自動車関連株〕トヨタ、対ドルで400億円=「デメリット」企業も

〔為替感応度・自動車関連株〕トヨタ、対ドルで400億円=「デメリット」企業も
https://financial.jiji.com/main_news/article.html?number=468

 ※ つまり、「想定レート」よりも、1円でも「円安」になると、「黙っていて、何もしなくても」、「利益」は積み上がっていく…、というわけだ…。

『(2021年07月06日 10時00分)

自動車関連企業の2022年3月期の想定為替レートが出そろった。時事通信の調べでは、完成車メーカー8社と自動車部品大手10社では、トヨタ〈7203〉、ホンダ〈7267〉、デンソー〈6902〉など多くの企業が想定レートを「1ドル=105円、1ユーロ=125円」に設定しており、現在の実勢レートとの比較では円安メリットを享受する企業が多い。

なお、インドでの新型コロナ感染拡大の影響などで業績予想を未定としているスズキ〈7269〉は、想定レートを開示していない。

 今期、4年ぶり高水準となる純利益を見込むトヨタ。想定為替レートに対し1円円安になると、対ドルでは400億円、対ユーロでは70億円の営業利益押し上げ効果があるとしている。

他企業の円安による営業益押し上げ効果(為替感応度)を見ると、同水準で想定レートを設定しているホンダは、対ドルで1円当たり120億円、対ユーロで15億円。自動車部品最大手のデンソーは対ドルで25億円、対ユーロで10億円となっている。

 一方、想定レートが1ドル=109円のマツダ〈7261〉は、1ドル=1円円安が進むと営業益が3億円目減りするといい、円安で「デメリット」を被る場合もあることがわかる。(了)』

トヨタ営業益2.9兆円、日本企業で過去最高 22年3月期

トヨタ営業益2.9兆円、日本企業で過去最高 22年3月期
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD106NM0Q2A510C2000000/

『トヨタ自動車が11日発表した2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前の期比36%増の2兆9956億円だった。16年3月期の2兆8539億円(当時は米国会計基準)を上回り、6年ぶりに最高を更新した。トヨタ自身の記録を塗り替え、国内企業で過去最高となった。

新型コロナウイルスの影響を受けた前の期からの生産挽回が貢献した。為替相場の円安傾向も後押しし、原材料高による利益の下振れ分を吸収した。営業利益はアナリスト予想の平均を示すQUICKコンセンサスの3兆202億円を下回った。

売上高は15%増の31兆3795億円。純利益も27%増の2兆8501億円と、18年3月期(2兆4939億円、当時は米国会計基準)を上回り、4年ぶりに最高となった。

期末配当は28円とし、年間配当(21年10月の株式分割考慮ベース)は4円増の52円となった。あわせて2千億円を上限とする自社株買いも発表した。

23年3月期は減益に転じる。売上高は前期比5%増の33兆円、営業利益は20%減の2兆4千億円、純利益は21%減の2兆2600億円としている。想定為替レートは1ドル=115円と、実勢の約130円より15円円高の水準とした。

「トヨタ・レクサス」ブランドの世界生産台数の見通しは970万台と、22年3月期実績を13%上回る前提とした。ダイハツ工業と日野自動車を含めた世界販売台数は3%増の1070万台を見込む。ともに過去最高の計画だ。豊田章男社長は2年連続で通期決算のオンライン記者会見への出席を見送り、財務担当の近健太副社長らが業績を説明した。』

防衛相「米国が安保戦略改定に期待」 首相に訪米報告

防衛相「米国が安保戦略改定に期待」 首相に訪米報告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA103E30Q2A510C2000000/

『岸田文雄首相は10日、首相官邸で岸信夫防衛相と会った。岸氏は米国を訪問し、4日にオースティン国防長官と会談したと報告した。日本政府が年内を予定する国家安全保障戦略などの改定を巡り「非常に強い期待が米国から寄せられた」と伝えた。

岸氏が面会後の記者会見で明かした。戦略改定に向けて相手のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力」の保有の是非などが焦点になる。

岸氏は「日米同盟の抑止力の強化が大変重要だということなどについて(首相に)理解をいただいた」とも言明した。

オースティン氏は岸氏との会談で、日本が核使用の脅威を受けた際に米国が核を含めた抑止力を行使すると言及した。国家安保戦略など日米両国の文書をすり合わせるとも確認した。』

新生銀行

新生銀行
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E7%94%9F%E9%8A%80%E8%A1%8C

『株式会社新生銀行(しんせいぎんこう、Shinsei Bank, Limited)は、東京都中央区に本店を置く、SBIホールディングス傘下の普通銀行である。

1952年、長期信用銀行法に基づき、北海道拓殖銀行と日本勧業銀行の信用部門を分離して設立された(名称:日本長期信用銀行、略して「長銀」)。

1998年10月に倒産し、金融再生法により、初めて一時国有化された。

1999年、リップルウッド・ホールディングスが率いる米国の投資組合「ニューLTCBパートナーズ」に売却され、2000年3月に新銀行として営業を開始した。

この時までに、新銀行には資本金と過剰債務を補うために7兆円近い公的資金が投入されていた。

2000年6月には新生銀行に名称を変更し、2004年には金融機関の合併及び転換に関する法律に基づき、長期信用銀行から普通銀行に転換した。2021年12月にSBIホールディングスの子会社となる。

消費者金融事業などノンバンク事業に強みを持つとされている[4]。

傘下にクレジットカードのアプラス、消費者金融の新生パーソナルローン(シンキ)および新生フィナンシャル(レイクALSA)を所有する。

公的資金注入行である。 』

『社歴

日本長期信用銀行時代については「日本長期信用銀行」を参照

1998年(平成10年)10月に、経営破綻し日本政府により一時国有化された日本長期信用銀行は、2000年(平成12年)3月、中央三井信託銀行グループ他との競争入札の末にアメリカの企業再生ファンド・リップルウッドや他国の銀行らから成る投資組合「ニューLTCBパートナーズ」(New LTCB Partners CV)に10億円で売却された。

代表取締役(2004年(平成16年)6月の委員会等設置会社移行に伴い代表執行役)会長兼社長にエクソンモービルやシティバンクで日本代表を務めた八城政基が就任。同年6月に「新生銀行」に改称した。

新生銀行の取締役会には、スタンフォード大学のMichael Boskin博士、サンタンデール銀行会長のEmilio Botin、リップルウッドのTimothy C. Collins、新日鉄(新日本製鐵)(現・日本製鉄)名誉会長の今井敬、日銀の可児滋、三菱商事の槙原稔、UBSペインウェーバーのDonald B. Marron、メロン・フィナンシャル会長兼社長のMartin G. McGuinn、ロックフェラーグループ元会長のDavid Rockefeller Jr.、他5名が席を占めた[5]。

ニューLTCBパートナーズとのパートナーシップは2006年(平成18年)11月に解消され、これにより2007年(平成19年)2月でRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)の最高経営責任者であるティモシー・C・コリンズは新生銀行の取締役を辞任した。

2010年(平成22年)6月、あおぞら銀行との合併破談や赤字決算、業務改善命令発動の見通しなどの要因が重なったことから、八城政基取締役会長代表執行役社長らの経営陣が退任を余儀なくされ、旧第一勧業銀行・いすゞ自動車出身の当麻茂樹を代表取締役社長として迎える体制となった[6]。

2015年6月で当麻社長が体調不良を理由に相談役に退き、後任には同じくDKB出身の工藤英之常務執行役員が昇格。この人事に関しては、あおぞら銀行やりそなホールディングスが公的資金完済の道筋をつけたにも関わらず、返済の方途を示せない新生銀に対し、金融庁からの圧力が強まり辞任に至ったとの見方も報道もされている[7][8]。

インターネットバンキングでの振込手数料の無料化やATMの365日24時間営業、窓口営業時間の延長、円建てと外貨建ての預金がワンセットになった預金通帳を発行しない総合口座「PowerFlex」の販売など、リテール業務の充実を図りつつ、投資銀行業務などを主軸に積極的な業務展開を行っている。

あおぞら銀行との経営統合交渉

2008年(平成20年)の世界金融危機により、海外投資で多額の損失が生じたこともあり、2009年(平成21年)4月25日、新生銀行とあおぞら銀行が将来の経営統合について交渉に入ったと報道された[9]。

同年6月25日に、2010年中に合併することで基本合意したと報じられ[10][11]、これにより総資産が約19兆円、国内第6位の銀行グループが誕生する見込みであった。

しかし、新生側が2010年(平成22年)3月期の連結決算で最終赤字に陥ったこと、経営方針をめぐっての対立が解消できなかったことを理由に、予定していた合併を2010年5月14日付けで解消することを正式に発表した[12][13][14]。

セブン銀行との提携

2014年(平成26年)9月10日、セブン銀行が新生銀行の35店舗内のATM全76台の運営業務を受託したと発表し[15][16]、2017年6月23日までに新生銀が自行で設置するATMは0台となった[17]。

2001年6月より開始した中核店舗で個別ブースを設けた資産運用コンサルティングサービスやコールセンター・インターネットバンキングでの金融商品提供など、リテール分野での付加サービス拡充を強化している[18]。

マネックス証券との提携とSBIによる敵対的買収

2021年(令和3年)1月27日、マネックス証券と投資信託の販売など証券ビジネスで業務提携することを発表。

2022年1月に新生銀行の投資信託の口座をマネックス証券に移管、新生銀行側が販売を担うこととなった[19]。

なお、新生銀行の筆頭株主であるSBIホールディングスも包括提携を持ちかけており、新生銀行もSBIグループが主導する形で2020年8月に設立した地方創生パートナーズに出資していて関係が良好と見られていたことから、マネックス証券との提携は意外感を持って受け止められた。

SBI証券社長の高村正人は、決算説明会において「マネックスさんとの対比では、弊社で扱っている商品群やIFA(金融商品仲介としての提携)スキームの実績は圧倒的。

どういう理由で(新生銀行の経営陣が)ああいう選択をされたのか、よくわからない」と述べ、SBIホールディングス会長の北尾吉孝は「こういうの(提携)をみていると経営者や会社の将来がよくわかる」とした。

マネックスグループCEOの松本大は2008年-2011年の間、新生銀行の社外取締役を務めており、SBI証券が筆頭株主となる以前から経営陣と旧知の仲であったことを東洋経済オンラインは指摘している[20]。

その後、SBIホールディングスとの関係は悪化。

2021年6月の株主総会においては、SBIホールディングスが、工藤英之社長ら複数の取締役選任議案に反対票を投じるなど対立姿勢が鮮明になる一方、新生銀行の株式を断続的に取得し続け、9月までに銀行法の規定により金融庁の認可が必要となる20%をやや下回る程度まで保有割合を増加。

9月9日には、金融庁の認可を取得した上で最大48%まで保有割合を増やすことを目指す株式公開買付け(TOB)の実施を発表(過半数の株式を取得しないのは、銀行法の規定により親会社の業務も制限されるため[21])。

さらに、臨時株主総会の招集を要請し、元金融庁長官の五味広文を会長候補に、SBIインベストメント社長の川島克哉を社長候補とする経営陣の刷新を提案することを発表した。
新生銀行は、同日「SBIホールディングスより事前の連絡を受けておらず、公開買い付けは当行取締役会の賛同を得て実施されるものではない。」と声明、日本の金融業界では極めて異例となる事前通告なしの買収に発展した[22][23]。

9月17日、新生銀行は、SBI以外の株主が株式の割り当てを受けられる新株予約権を無償で発行し、SBIの新生銀株の保有比率を低下させる「ポイズンピル(毒薬条項)」と呼ばれる買収防衛策を発表。

あわせて10月25日のTOB期限について、12月8日に延期するよう要請を行なった。

SBIは、これらの対応策を「経営陣の保身」「無益な時間稼ぎにすぎない」と厳しく批判し、期限延長を拒否する構えを見せたが[24]、9月29日には、新生銀行が買収防衛策導入を進める可能性があるため、株主などに混乱を生じさせないため、やむをえず要請に応じるとして、12月8日まで期限を延長。

併せて、新生銀行に対して買収防衛策の発動の是非を問う株主総会を開催する場合は、決議の際にSBIを外すことがないよう重ねて要請した[25]。

10月21日、新生銀行はSBIによるTOBに反対(但し取得金額の引上げ、取得上限撤廃の場合は賛同する条件付き)を表明。銀行業界では初となる敵対的買収となることが決定的となった[26]。

同日、SBIは、取得金額の引上げ及び取得上限の撤廃について応じないことを表明した[27]。

10月28日、読売新聞は、新生銀行が発動する買収防衛策について、SBI以外の株主に無償で0.8株を割り当て、SBIの株式公開買付後の保有比率を最大でも20%程度にとどめるものであると報じた[28]。

同日、SBIホールディングスの決算説明会において、北尾は「これは建設的なTOBなんです。資本市場を活性化するメソッドとして“ぼんくら”経営者の退場があるわけです」とした上で、新生銀行に注入されている公的資金についても「銀行としてカネを借りて返さないのはあり得ない。泥棒と一緒」と痛烈に批判した。

新生銀行がSBIに代わるホワイトナイト探しに苦戦していることについては、「(SBI以上の価格で)ホワイトナイトが買うならどうぞ、お譲りします」 と述べ、買付価格は「高すぎるくらい」と主張した[29]。

関係性の悪化が決定的となった6月の株主総会以降、ホワイトナイト探しを本格化させた新生銀行は、セブン銀行を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスやソニーフィナンシャルホールディングスを完全子会社化したソニーグループなどに接触するもいずれも不調に終わった。

イオン銀行を傘下に持つイオンフィナンシャルサービスやオリックス銀行を抱えるオリックスなどとの交渉も続けているが、SBIホールディングスを上回る買収価格を打ち出さなくてはならず、TOB発表前の株価水準に対して73%強のプレミアムをつけた価格を提示しなければならない点や公的資金の返済のためには株価をTOB開始前の価格の3.7倍に引き上げなければならない点がネックとなっているとされる[30]。

11月24日、新生銀行は買収防衛策を取り下げ、TOBに対する意見を「反対」から「中立」に変更する事を発表した。

これにより、翌日の25日に予定していた臨時株主総会は中止となり、TOB成立かつ新生銀行がSBIの傘下に入る可能性が高くなった[31]。

新生銀行側が臨時株主総会直前に買収防衛策を取り下げた背景には計2割超の同行株を保有している国(預金保険機構・整理回収機構)が買収防衛策に反対する一方で敵対的買収成立によるしこりを回避するために双方に協議を呼び掛け、「SBIが経営方針や事業戦略を尊重し、業務運営の安定性に配慮して経営体制を移行する」条件付きで譲歩した経緯がある[31][32]。

12月11日、SBIは前日(12月10日)に締め切られた新生銀行に対する株式の公開買い付けで27.28%分の応募があり、既にSBIが保有している20.48%分と合わせ、保有比率は47.77%となり、TOBが成立したと発表した[33][34]。

これを受けて、SBIは2022年2月8日に行われた臨時株主総会において、SBI前副社長の川島克哉や元金融庁長官の五味広文など取締役7人を推薦。SBIの選任案は可決され、新生銀行社長の工藤英之など6人は退任した[35][36]。

12月17日、SBIは新生銀行を連結子会社化したと発表した[37]。

また、同行株の9.16%を保有していた旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンスがSBIのTOBに応募し、同行株を全て売却していたことが同日関東財務局に提出された変更報告書で判明した[38]。

なお、前述の通り、新生銀行は1月にSBI証券と同業会社であるマネックス証券との間で業務提携を締結しているが、連結子会社化の時点では契約内容の全体をSBIがまだ把握できず、提携を解消することが事実上困難であることから、SBIグループ入り後も当面の間はマネックス証券との提携を継続することを明らかにしており、この結果、SBIの系列銀行が競合する証券会社と提携するねじれ関係が生じる事態になった[39]。

2022年2月28日、同日行われたSBIの決算記者会見において、新生銀行の社名変更を検討していることを明らかにした。北尾は早くて同年6月開催予定の新生銀行株主総会において、具体的な新社名を提案したいとしている[40]。』

『沿革

日本長期信用銀行時代については「日本長期信用銀行#沿革」を参照

2000年(平成12年)6月5日 - 日本長期信用銀行から新生銀行へ商号変更。

2001年(平成13年)6月5日 - 各支店を個人顧客の取引拠点「新生フィナンシャルセンター」へ改装し、アカウント型の新型口座「PowerFlex(パワーフレックス)」取り扱い開始。

2003年(平成15年) - 帝人から帝人クレジットを買収(後に新生セールスファイナンスへ改称し、アプラスフィナンシャルへ譲渡)

2004年(平成16年)1月 - 子会社に含めていたノンバンクのエクイオン(1996年(平成8年)倒産)を新生プロパティファイナンスへ改称。同年中に旧長銀融資先のノンバンクを同社に吸収合併させる。

2004年(平成16年)

    2月19日 - 東京証券取引所第一部へ上場(法人格上は長銀以来の再上場)

    4月1日 - 長期信用銀行から普通銀行へ転換。

    9月 - 準大手信販のアプラス(現:アプラスフィナンシャル)と全面的な業務・資本提携。第三者割当増資により連結子会社化。

    10月 - リッチョーワイド(長期信用債券(利子一括払))や機関投資家向けの募集債、財形用リッチョーを除く債券の発行を打ち切り(個人の場合、償還後は、パワーフレックス普通預金に購入債券の金額が振替えられる)。消費者金融のシンキを、業務提携で取得した転換社債の行使により持分法適用会社化。

2006年(平成18年)11月 - 支配株主であったニューLTCBパートナーズの母体であるRHJインターナショナルとのパートナーシップを解消。

2007年(平成19年)6月29日、収益実績が目標を大きく下回ったため、金融庁が「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」と銀行法に基づく業務改善命令。

2008年(平成20年) - GEキャピタルからGEコンシューマー・ファイナンス株式会社とその子会社群(ジーシー等)を買収し、翌年新生フィナンシャルへ改称。

2010年(平成22年)

    5月14日 - あおぞら銀行との統合交渉打ち切りを発表。

    6月 - 八城政基取締役会長代表執行役社長らが退任。委員会設置会社形態を同時に廃止し、当麻茂樹が代表取締役社長に就任。

    12月 - 新生銀行保有のアプラスフィナンシャル株式を新生フィナンシャルへ譲渡。
2011年(平成23年)

    1月 - 本店を東京都千代田区内幸町から中央区日本橋室町へ移転。

    3月 - 海外募集による普通株式690百万株を新規発行。

    10月1日 - 新生フィナンシャルの消費者金融「レイク」の商標と営業部門を譲り受け、新生銀行カードローン レイクとして取扱開始。

    12月‐データセンターを、東京から大阪へ移転し、バックアップセンターを福岡に設けることを発表。

2013年(平成25年)

    4月27日 - リッチョーワイドの新規売出を、同日の営業終了時を以って停止。
2015年(平成27年)

    1月29日 - 池袋労働基準監督署からの時間外労働に対する割増賃金の支払いなどについての是正勧告および指導に関する対応を公表[41]。

    6月 - 当麻茂樹社長が相談役に退き、後任には、当麻と同じくDKB出身の工藤英之常務執行役員が昇格。

2016年(平成28年)

    8月1日 - 総合口座及び債券総合口座の規定を「PowerFlex(パワーフレックス)」の規定に変更(併せて、PowerFlexへの正式な切替に関する経過措置が設けられる)。これにともない、同年11月末を以て、通帳取引(記帳や繰越を含む)を停止

    12月1日 - 昭和リースを完全子会社化

2017年(平成29年)
    4月1日 - 新生銀行グループを統括する「仮想グループ本社」を設立[42]。

2018年(平成30年)
    4月 - 新生銀行で兼業・副業を解禁

2019年(平成31、令和元年)
    5月 - 中期経営戦略「金融リ・デザイン」(2019年度~2021年度)を策定
    8月 - ドレスコードを撤廃、全社員の服装を自由化
    8月 - ドコモユーザー向け「新生銀行スマートマネーレンディング」の取扱い開始

2021年(令和3年)
    1月 - マネックス証券との包括提携を発表
    9月 - SBIホールディングスが新生銀行に対してTOBを実施[43]
    12月11日 - SBIホールディングスがTOBで27.28%を取得。保有比率で47.77%に引き上げたことを発表[33]。
    12月17日 - SBIホールディングスが連結子会社化[37]。
    12月28日 - 翌年4月の東京証券取引所の市場再編において、スタンダードを選択したと発表[44]。日経225構成銘柄でプライムを選択しなかったのは新生銀行が唯一。

2022年(令和4年)
    1月4日 - マネックス証券との連携を開始[45]。
    2月8日 - 同日行われた臨時株主総会において、SBIホールディングス前副社長の川島克哉が代表取締役社長に就任。現経営陣の社長の工藤英之など6人は退任[35][36]。

    4月4日 - 東証の市場再編により、東証一部からスタンダードへと移行。これに伴い、日経225構成銘柄から外れた[46]。』

『批判

長銀破綻処理

長銀破綻から新生銀行誕生に至る一連の処理への批判には、次の2点がある。

瑕疵担保条項の積極的行使

    旧長銀の売却契約の中に、瑕疵担保条項(新生銀行が引き継いだ債権が、3年以内に2割以上下落したら、国に買取請求を行う)があった。

新生銀行にとり、有効期限内に不良債権を一掃し、かつこれにより貸倒引当金戻入益を計上できるメリットがあったため、積極的にこれを行使した。

この結果、ライフ、そごう、第一ホテル、エルカクエイなど、長銀をメインバンクにしていた企業が破綻に追い込まれ[† 1][† 2]、社会的非難を浴びることにもなった。

    これと関連し、長銀の破綻処理で金融再生委員会のアドバイザリーに指名されたゴールドマンサックスに対して、『瑕疵担保条項の危険性を忠告する義務があった』と与野党から批判が集まった。

このほか同社は、日債銀売却に際しても、買手側のソフトバンクサイドのアドバイザリーに就いていた他、長銀子会社の日本リース売却の仲介や日本ランディックの資産買取などに関与しており、利益相反の観点から批判があがった。

2000年(平成12年)7月、国会は金融庁・金融再生委員会幹部職員、八代・新生銀行社長(当時)と共に、ゴールドマン・サックス担当者も参考人招致をしたが同社はこれを拒否している。

東証再上場

    2004年(平成16年)2月20日、投資組合側は、新生銀行を東証一部に再上場させ約2300億円の売却益を手に入れた。出資金を含めた諸費用は約1210億円で、1000億円以上の純益を稼いだ。

    これに対し、国民負担が巨額(旧長銀に投入した公的資金は約7兆9000億円、そのうち債務超過の補填分約3兆6000億円は損失が確定。

さらに、前述の瑕疵担保条項の行使で、預金保険機構を通じ国が買い取った債権も将来的には損失が予想され、最終的な国民負担額は4 – 5兆円に達することが予想される)の上、その売却益に課税できない(投資組合は本拠地が海外にあるため、日本政府はその売却益に課税できない)ことが報道され、前回以上の批判が沸き起こった。

そもそも約8兆円もの公的資金を投入し特別扱いで救う価値があったのかと自民党、民主党の一部議員からも疑問や批判が出された。特に民主党衆議院議員の仙谷由人は瑕疵担保条項に強い疑問を投げかけた。

もっとも批判に対して、以下のような反論もある。

    旧長銀売却に際し日本政府は、投資組合側が要求した資産査定に対し、資産査定の時間的問題と債権が相当劣化していたのを見せないために拒否しており、瑕疵担保条項はその代償である。

    瑕疵担保条項の行使は、企業価値の最大化の目的に対してはむしろ妥当であり、またこのことが、旧長銀の債権が相当劣化していたことの証左でもある。

    巨額の投資純益に関しては、当時旧長銀買収で競合した中央三井信託銀行グループが、投資組合を上回る条件を提示できなかったことを考慮しても、投資組合側が相当なリスクを踏まえた結果である。

    仮に日本政府が課税措置をとった場合、投資組合の本拠地国でも当然課税措置が生じるため、当該企業にとっては二重課税の問題が生じる。海外に本拠地を置く企業に課税できないのは本件に限ったことではなく、国際取引課税では二重課税が生じないような取決めがある。

投資信託口座の取得価格などで誤計算

2013年12月末までに投資信託特定口座の取引を開始した一部顧客について投信の取得価額および取得単価に誤りがあったと2022年4月21日に発表した。対象口座は最大で5万9729件。取得価額に間違いが生じていれば、顧客の譲渡所得金額や納めるべき税額が変わる可能性がある[47][48]。

関連会社

詳細は「公式サイトの子会社・関連会社一覧」を参照

主な国内子会社

昭和リース りそなホールディングスより買収したリース会社

新生信託銀行 ホールセール系信託銀行

新生証券 ホールセール系証券会社

新生インベストメント・マネジメント 資産運用部門

新生企業投資 ベンチャー投資・バイアウト投資を行う投資部門

新生インベストメント&ファイナンス[49] 旧新生プリンシパルインベストメンツ。2017年新生プロパティファイナンスを吸収合併。不動産担保ローンならびにオーダーメイド不動産ファイナンスの取扱事業者。

アルファ債権回収 個人向け小口債権と不良債権・商業用担保債権の管理回収業務

アプラス アプラスフィナンシャルのクレジットカード・信販事業を承継

全日信販 アプラス傘下のクレジットカード、個人ローン事業者

新生フィナンシャル 旧GEコンシューマーファイナンス。レイクALSAを展開する消費者金融・カードローン事業者

新生パーソナルローン 旧シンキ 2016年商号変更。新生フィナンシャル傘下の消費者・事業者金融業者

ファイナンシャル・ジャパン 訪問型の保険乗合代理店

全国賃貸保証 賃貸不動産における賃貸借料の保証サービス

主な海外子会社

新生インターナショナル ロンドンに設立された証券部門

Nippon Wealth Limlted. 香港に設立された投資部門

UDC 個人向けオートローン、法人向け資産担保ファイナンス、オートディーラーに対する在庫ファイナンスを手がけるニュージーランド最大手のノンバンク

基幹システム

2001年に構築した基幹システムは、当時「異例」と評された[50]。

メインフレームと専用線で基幹システムを構成するのが当たり前という時代において、勘定系ホストにWindows 2000 Server搭載のIAサーバ、業務システムソフトウェアにインド製[† 3]の総合銀行業務パッケージソフトウェア「FLEXCUBE」、各店舗とホスト間をIPネットワークで接続するというものであった。

これらの「異例」によって短期間・安価な費用でのシステム構築ができたと当時のシステム企画部部長は語っている。

当時としては画期的な振込手数料やATM手数料の無料化、インターネットバンキングサービスの24時間365日無停止提供などリテール業務拡大施策の原資を、当基幹システム構築費用の圧縮により生み出したとの主旨の発言を当時の社長がしている。

一方で、二重出金 などの重大なシステムトラブルも発生しており[51][52][53][54][55]、 2013年3月時点では「多いときには毎日のようにシステム障害が起こっている」との報道[56]もある。

新生銀は2002年にFLEXCUBEを動かしてから、一度もバージョンアップをしていなかった。
2012年に起きたシステム障害を引き金として,2019年1月に勘定系システムを全面刷新した。具体的にはオラクルフィナンシャルサービスソフトウェア(旧i-flexソリューションズ)製のオープン勘定系パッケージ「FLEXCUBE」をバージョンアップした。

ただし旧システムは,年輪のように改修を積み上げてきたため,パッケージを使っているとはいえ中身はほとんど独自のガラパゴス状態になっていた。FLEXCUBE2から12へと大幅にバージョンを上げるために,当初予定より1年延期を要した[57]。

商品

総合口座「PowerFlex」

個人向け基幹商品である「PowerFlex」は、円建預金・外貨建預金・インターネットバンキングサービス「新生パワーダイレクト」の3つがセットになった総合口座である。

特に、円建預金と外貨建預金のセット化は日本法人の銀行としては初めての試みである。
従来、外貨建預金は総合口座とは別個に開設しなければならず、資金移動も米ドルなど主要通貨を除いて店頭に赴く必要があった。

また、インターネットバンキングがセットになっているため「新生パワーダイレクト」が口座開設当初より利用できる。従来、インターネットバンキングサービスも総合口座とは別個に申し込む必要があった(メールオーダーでの新規開設など一部のケースを除く)。このパワーダイレクトを用いて円建預金と外貨建預金間の資金移動が即座に行えるのも特長といえる。もちろん円建普通預金では給与振込や公共料金引落も他行同様に利用できる。

2020年(令和2年)7月20日現在、新生パワーダイレクトを用いた振込手数料は、自行宛は一律無料であり、他行宛は新生スタンダードのランクの場合1件314円(税込)の振込手数料が、毎月1回分キャッシュバックされる。

これは「新生ステップアッププログラム」の優遇サービスの1つである。同プログラムは、口座ごとに、前月の平均残高などの条件によって3つのステージに分類されるもので、それぞれに優遇枠が決定される。

新生プラチナ: 預入総資産の月間平均残高が2,000万円以上か、所定の金融商品(外貨預金や仕組預金、内外の投資信託、保険商品と金融商品仲介)の前月末残高(一部は前月末残高)が300万円以上、もしくは住宅ローン利用の場合が該当する。この場合、当月の10回分までが対象となる。

キャッシュバック対象回数以上の振込は1回あたり105円(税込)。

新生ゴールド: 預入総資産の前月平均残高が200万円以上か、所定の金融商品の前月平均残高30万円以上、または円普通預金・パワー預金の月間平均残高合計が100万円以上、あるいはカードローンの借り入れ月間平均残高が100万円以上の場合に、当月5回分が対象となる。

キャッシュバック対象回数以上の振込は1回あたり210円(税込)。

新生スタンダード: 上記の条件を満たさない場合に該当し、当月の1回分だけキャッシュバックされる。

キャッシュバック対象回数以上の振込は1回あたり314円(税込)。

なお、自行宛の振込手数料一律無料は営業開始当初から現在まで続くが、他行宛についても2004年(平成16年)8月31日までは何度でも無料であった。

預金総額に対して振込件数が異常に多い、例えば株のデイトレードやインターネットオークションなどで多用する顧客が増加し、サービス維持に支障をきたしたことから、2004年(平成16年)9月1日に、他行宛は1件300円、但し月間5回(前月末の残高が1,000万円以上の場合は月間30回)のキャッシュバックと変更され、2007年(平成19年)10月31日に現在のように再度変更された。

2019年12月9日より新生銀行間の振込も他行宛ての振込もモアタイムシステム加盟銀行宛ての振込であればシステムメンテナンスの時間帯を除き、土日祝日であっても、即時振込が可能となった。

国内の各種提携ATMからの入出金については、PowerFlex開始より手数料が一切無料となっている(MICS経由の場合も新生銀行側が手数料を負担)。ただし、2018年10月7日より「新生スタンダード」ステージの口座に対して一律108円の出金手数料(現在は110円)を徴収することになった[58]。なお利用可能なATMについては公式情報を参照。

2021(令和3)年1月25日から

ゆうちょ銀行、都市銀行、信託銀行、商工中金

のATMについては新生ステップアッププログラムの出金手数料無料優遇の対象外となり、現在新生ゴールド、新生プラチナのランクで出金手数料無料優遇を受けることができている人も一律110円のATM出金手数料がかかるようになる。

キャッシュカードの新規発行には通常1 – 2週間を要するが、店頭において口座を開設した場合に限りPowerFlexではキャッシュカードを即時発行している[† 4]。これも日本法人の銀行としては初のサービスである。なお、店頭申込以外(メールオーダー扱)は全て本店(店番:400)に口座が開設され、キャッシュカードは郵送される。

カードのデザインは当初、ロゴを模したものであったが、現在は32色のカードからキャッシュカードを選ぶことができる[† 5]。これはグッドデザイン賞を受賞した。

また、カードの偽造や変造による預金者の損害については、条件付で300万円までの補償制度がある。

本人確認手段として、届出印に替えて外国銀行では主流となっているサインを登録することが可能である[† 6]。

ただし、以下のとおりシステム設計の面で柔軟性を欠く部分がある。

「・(中黒)」を名義登録できない。
日本国籍ではミドルネームが受け付けられない。

また、新生パワーダイレクトにおいては以下の様な不便さもある。

ログイン画面がフルサイズで表示される。
カナ入力は全て半角カタカナを使用しなければならない(ただしソフトウェアキーボードが用意されている)。

右クリックが使用できない(ただし「Ctrl」+「C」などのキーボードショートカットは使用可能)。

なお、電話連絡は、原則新生パワーコール(0120-456-007。口座未開設の顧客の場合は、0120-456-860)で行うこととなり、法人顧客専用の電話番号を除き、フィナンシャルセンターごとの番号は公開されていない。また、新生パワーコール(利用者向けのみ)は、米国から掛ける場合は専用のトールフリー番号が別途用意されている(+1-866-SHINSEI = +1-866-744-6734)。それ以外の国から掛ける場合は、東京03から始まる番号を、コレクトコールにてかけてもよいことになっている。

旧来の口座利用者についても、2016年8月よりPowerFlexの規定が原則適用(債券総合口座利用者は、別途同口座の規定が引き続き適用されるが、PowerFlex切替を前提としたものに変更される)されることになり、取引はPowerFlex利用者同様、ステートメント発行によるものとなり、窓口での正式な切替手続を完了した後は、一般のPowerFlex利用者と同じ扱いとなる(インターネットの取引やパワーコールの利用も可能となる。また、キャッシュカードは、従来のものから海外での利用も可能となる、PowerFlex利用者向けのものへの切り替えの措置をとる)。また、同年11月末を以て、正式な切り替えを行っていない顧客に対する通帳の記帳及び繰越を含む発行手続きは終了される。
仕組預金

新生銀行の金融商品の大きな特徴としては、デリバティブを組み込んで高い利息を実現した「仕組預金」が多いことがある。現在では残高が1兆円を越えており、同行の預金のおよそ3分の1を占める。

この仕組預金は、一見すると定期預金的な商品として売り出されている。しかし、中途解約は原則できず、行えたとしても大きく元本割れ(1~5割程度)する可能性があり、この点が通常の定期預金とは大きく異なる。

なお、中途解約して元本割れした者が商品の危険性について銀行側が十分な説明をしなかったとの苦情を金融庁に寄せており、同庁ではこれを受け、顧客に不利な情報についても、広告で目立つように掲載することを全国銀行公正取引協議会へ指示した。

また、顧客への説明義務を強化するために、銀行法の改正も検討している。これらを受け、同行でも中途解約時の元本割れリスクについて広告などで詳しく説明するようになった。

以下は、その一覧。

日本力(にほんぢから)円預金

パワーステップアップ預金 - 基本的には3年の運用であるが、銀行側の判断で最大10年まで運用期間が延長される場合があり、期間が延長された場合、1年ごとに定めた幅で適用金利を引き上げる

パワード・ワン(現在は募集停止) - 基本的に5年間の運用であるが、銀行側の判断で運用期間が8年に延長される場合がある

ニュー パワード・ワン - 基本的に3年間の運用であるが、同様に5年間に延長される場合がある

パワード・ワン プラス(現在は募集停止) - 基本的に5年間の運用であるが、同様に10年間に延長される場合がある

パワーリンク225(現在は募集停止)

パワー10(現在は募集停止)

店舗

現行店舗は、公式サイトの店舗一覧を参照

2011年(平成23年)10月1日付けでコンシューマーファイナンス本部レイク事業部を設置し新生銀行カードローン レイクの取扱開始に伴い、新生フィナンシャルが保有する「レイク」店舗(自動契約コーナー)を譲り受け、新生銀行本店を母店とするレイク出張所(無人の自動契約コーナー)が加わったことで店舗数が大幅に増加することになった。店舗に設置されているATMは、セブン銀行のものに切り替えられ、自前のATMはすべて撤去された。
旧本社ビル(内幸町)

 新生銀行本店ビルも参照

1993年(平成5年)、日本長期信用銀行(当時)は日比谷公園至近の東京・内幸町に本店ビルを完成、側面がアルファベットのTの字に似た外観を持ち、無機質なビルが多い周囲の中では特段に目立つランドマーク的な存在となっていた。ビルは地上22階、地下5階建てで、延べ床面積は約6万平米であった[59]。

新生銀行は設立当初これをそのまま引き継いで本店としたが、長銀時代には総ガラス張りで豪華さを際だたせていた玄関ホールにはインブランチストアとして、スターバックスコーヒーの店舗やYahoo! Cafeが設置されていた。また、ビルの一部フロアは賃貸され、日本原子力研究開発機構東京事務所などが入居していた[† 7]。

2008年(平成20年)3月、銀行関連会社の有限会社ドルフィン・ジャパン・インベストメントの所有となっていたビルの信託受益権はモルガン・スタンレー系不動産ファンド傘下の特定目的会社「藤沢ホールディング」に売却され、新生銀行は3年以内に退去することが決定した[60]。この取引は当時の不動産ミニバブルを象徴するものといわれ、取引額は1,180億円であった[59]。

その後、あおぞら銀行との合併が破談となったことなどもあり、内幸町の本店フィナンシャルセンターは2010年(平成22年)12月30日の15時を以って閉鎖され、中央区日本橋室町二丁目のYUITO(日本橋室町野村ビルのうち、商業施設部分を指す名称)8Fへ本店フィナンシャルセンターを移設した上で、2011年(平成23年)1月4日より営業開始した[61]。本部機構は、予定通り日本橋室町野村ビルの上層フロアの事務所エリアにおかれ、YUITOのB1Fには、相談専用拠点として日本橋室町コンサルティングスポットが別途設置された(2012年7月12日付で営業を終了し、住宅ローンセンターとしてリニューアル[62])。

新生銀行の退去後、ビルはほぼ空室のままとなっていたが、2012年(平成24年)7月には不動産ファンド運営会社ケネディクスがモルガンスタンレー系ファンドから約510億円で取得[59]。同年12月6日、解体の上で地上20階建ての新しいビル(現・日比谷パークフロント)が建設される事になった[63]。建設から20年足らずに解体となった。

新生銀行、「SBI新生銀行」に社名変更で調整 23年1月に

新生銀行、「SBI新生銀行」に社名変更で調整 23年1月に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB09C3M0Z00C22A5000000/

『SBIホールディングス傘下の新生銀行が社名を「SBI新生銀行」に変更する方向で最終調整していることがわかった。2023年1月に社名を変更する予定だ。新生銀は21年12月にSBIの傘下に入った。新生銀とSBI傘下の各社との連携を深める狙いがある。

6月に開く株主総会に社名を「SBI新生銀行」に変更する議案を提出する方向だ。社名を正式に変更するには、金融庁による認可に加え、株主総会での承認が必要になる。

新生銀は21年12月に成立したTOB(株式公開買い付け)で、SBIが株式の約48%を握る連結子会社となった。かねて新生銀の川島克哉社長は「(社名変更で)SBIが新生銀にコミットすることを表せる」と述べ、6月の株主総会に向けて行名の見直しを検討していた。

【連載「ルポ迫真 SBI・新生 攻防の果て」記事一覧】

(1)新生銀行の公的資金返済「3年でけりをつけてこい」
(2)新生銀行・工藤社長「辞める覚悟ないと会社がゆがむ」
(3)村上ファンド「株上昇、最大の防衛策」 新生銀TOB参戦
(4)「SBIはハゲタカじゃない」 金融庁、苦渋のTOB支持 』

連携強める自民「麻生―茂木ライン」 思惑一致、野党工作で成果も

連携強める自民「麻生―茂木ライン」 思惑一致、野党工作で成果も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022050700343&g=pol

 ※ 『岸田文雄首相は党務を2人にほぼ任せており、党本部で首相を交えた3氏の会合は定例化している。』…。

 ※ 現在の「権力構造」は、「麻生―茂木ライン」だったのか…。

 ※ 『麻生、茂木両氏は、野党の分断を狙って国民民主党の取り込みを図った。麻生氏は、国民と立憲民主党を支援する連合の芳野友子会長や他の幹部と会談。茂木氏は国民が求めたガソリン税引き下げを材料に、2022年度予算に賛成するよう働き掛けるなど役割分担した。』…。

 ※ 国民民主の「取り込み」も、このラインが取り仕切ったのか…。

 ※ 茂木さんが、「総裁選」で勝利するには、麻生-安部に、+菅グループの取り込みが、必要になるだろう…。

 ※ 岸田さんは、二階派を取り込む他は、無くなる感じか…。

※ この他に「無派閥」が60人くらいいて、そのうちの30人くらいを、菅さんが握っていると言われている…。

※ 細田派は、安倍派へと「代替わり」し、竹下派は茂木派へと「代替わり」した…。石原派は、大将が落選したんで、「森山派」となっている…。

『自民党の麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長が夏の参院選対応で連携を強めている。「麻生―茂木ライン」で主導した野党分断工作は一定の成果を収めた。連携の背景には、総裁候補の一人に名前が上がる茂木氏を影響下に置きたい麻生氏と、「ポスト岸田」へ重鎮の支持を得て足場を固めたい茂木氏の思惑が重なっていることがあるようだ。

「政権安定へ参院選勝利」 自民茂木派がパーティー

 「茂木幹事長の人柄が私と付き合ったおかげでさらに良くなった」。麻生氏は4月26日、茂木派パーティーに駆け付け、親密ぶりをアピールした。

 両氏は3月、最大派閥・安倍派会長の安倍晋三元首相を交え会食した。当初は安倍氏と麻生氏の2人だけの予定だったが、麻生氏が「ゲスト」として茂木氏を招いたという。岸田政権主流派の領袖(りょうしゅう)でもある3氏は今月も会食を調整している。

 麻生、茂木両氏は、野党の分断を狙って国民民主党の取り込みを図った。麻生氏は、国民と立憲民主党を支援する連合の芳野友子会長や他の幹部と会談。茂木氏は国民が求めたガソリン税引き下げを材料に、2022年度予算に賛成するよう働き掛けるなど役割分担した。

 連携強化が奏功したのか、野党統一候補は現段階で約10選挙区にとどまる。参院選山形選挙区での不戦敗検討も両氏の仕掛けと見る向きもある。岸田文雄首相は党務を2人にほぼ任せており、党本部で首相を交えた3氏の会合は定例化している。

 麻生氏が茂木氏との距離を縮めるのは、麻生派の河野太郎広報本部長の「雑巾がけ」(党関係者)が足りないとの思いもあるようだ。河野氏は昨年の総裁選で、派内の反対論を押し切り出馬し敗北。麻生氏は「首相を支えて長期政権を築く」(同派中堅)のが基本戦略で、「首相に何かあれば茂木氏を担ぐ」(周辺)と見られている。

 茂木氏も党と政府の要職を歴任しながら総裁選出馬の経験はない。首相よりも2歳上の66歳で、岸田政権が長期に及べばそれだけチャンスは限られることになる。周辺は「麻生氏から支援を受けることに懸けている。安倍氏の信頼も得て、総裁選へのレールをひたすら進もうとしている」と代弁する。

 ただ、麻生、茂木氏とも公明党とのパイプは細い。参院選の相互推薦に続き、22年度補正予算案編成の是非でも与党はぎくしゃくしたままだ。自民党の閣僚経験者は、公明党への不満を口にしつつ、「茂木氏らも、もう少しやりようがないのか」と漏らした。 』

立民・西村幹事長が自民改憲案批判 「日本にプーチン大統領作るな」

立民・西村幹事長が自民改憲案批判 「日本にプーチン大統領作るな」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b1518886bdf96faf802232b2325cdd7037149d7

 ※ この人、そもそも、「大統領制」と「議院内閣制」の違いとか、理解しているのか…。

 ※ 『藤沢市民会館などで参院選候補予定者の応援演説』ということなんで、「立憲民主の支持者」に対しての演説のようだ…。

 ※ まあ、「支持者」も、その程度の「レベル」なんだろう…。

『 立憲民主党の西村智奈美幹事長は8日、藤沢市民会館などで参院選候補予定者の応援演説に立ち、自民党改憲案を「権力を持っている人たちの権限を強くし、主権者である国民の権限、権力を弱くする内容だ」と批判。「日本に(ロシアの)プーチン大統領を作ってはいけない」と訴えた。

 西村氏は「プーチン大統領は自身の権力を増すために憲法を変えて自分の任期を長くした。そのようなことが日本で起きないように参院選で政治の流れを変えなければいけない」と述べた。』