中国、半導体の外資協力奨励、米国との対立「希望せず」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26A650W1A220C2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国の王志剛・科学技術相は26日の記者会見で、米国が対中包囲網を進める半導体分野について「外国企業との協力継続を希望している。対中投資の環境を積極的に改善し、外資との連携強化を奨励する」と述べた。

米国との関係悪化について「我々が希望している状況ではない」と指摘した。半導体は中国経済の重要な基礎であり、産学官によるイノベーションを海外と協力して進め、海外との連携でも知的財産の保護を強化する方針を明らかにした。

バイデン米政権は24日、半導体など重要部材のサプライチェーン(供給網)について、中国に依存しない調達体制の構築を目指す大統領令に署名した。中国の半導体産業はまだ外資の技術などが必要なことから、王氏は米国勢を含めた海外企業との協調路線をアピールしたとみられる。

ただ、習近平(シー・ジンピン)指導部は米国の制裁を受けても影響されない供給網の構築を目指している。王氏は半導体などを指すとみられる中核技術は比較的弱く、供給網の能力は高くないと指摘。半導体は非常に重要な産業であるため、独自開発の能力をさらに強化する方針も示した。

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米、ファーウェイ排除へ2000億円 機器撤去費を肩代わり

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1303G0T10C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米政府は国内の通信会社で使われる中国・華為技術(ファーウェイ)製品を排除する取り組みを始める。19億ドル(約2000億円)を手当てし、機器の撤去や取り換えにかかった費用を肩代わりする。トランプ前政権の中国企業への強硬姿勢が、バイデン政権でも継続する。

米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。…

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米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。対象は通信会社が使う基地局の制御機器や無線装置など。撤去や廃棄、代替製品の購入にかかった費用を政府が負担する「返済プログラム」を設ける。2020年12月に成立した予算に含まれた19億ドルを活用する。

米通信会社は申請して条件を満たせば、費用を受け取れる。新規則では利用者が1000万人以下の通信会社を支援の対象とする方向だ。政府の補助金を受け取る通信会社が中国2社の製品を使うのも禁じる。手続きや設備投資に今後2年以上かかる見通しだ。

新規調達を禁じるだけではなく、既存の機器まで取り除くのは簡単ではない。安価で手厚いアフターサービスに引かれて中国2社と取引してきたのは、主に地方や農村部をカバーする小規模の通信会社だ。

FCCによると、少なくとも中国2社の製品を使う通信会社は50社に上る。経営体力に乏しい企業からは「自前で撤去などの費用を負担するのは厳しい」との声が上がっていた。

FCCが通信網から中国2社を排除するのは、中国政府に情報が抜き取られるリスクを警戒するためだ。18年から規則づくりを開始。安全保障上の脅威がある企業に中国2社を指定するなど、準備を重ねてきた。議会も超党派で関連法案を通した。

ファーウェイやZTEはスパイ活動への関与を否定している。ファーウェイはこのほど新規則の導入撤回を求めてFCCを提訴した。

高速通信規格「5G」への設備投資が本格化するなか、米国の中国企業排除は他国企業には商機となる。基地局の整備を一手に手掛けるスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアが攻勢をかける。

日本勢でもNECや富士通、楽天モバイル、NTTなどが、異なるメーカーの基地局製品を組み合わせて使える「オープンRAN」を推進する。通信網の整備で世界大手のファーウェイが抜けた穴に日本勢が食い込む可能性もある。

米国議会では与野党問わず中国企業に警戒を強めている。トランプ前政権はファーウェイへの事実上の禁輸措置を発動するなど強硬姿勢を貫いた。バイデン政権でも大きな流れは変わらない。

バイデン大統領に商務長官に指名された東部ロードアイランド州のジーナ・レモンド知事は1月の上院公聴会で、ファーウェイとZTEを名指しして「中国が米国の通信網にバックドア(裏口)を設けて、米国の安保を危険にさらすのを許すわけにはいかない」と警戒心をあらわにした。

これまで米国は、政府機関や取引先企業に対し、ファーウェイやZTEなど中国製品の排除を求めてきた。さらに通信網にある既存の製品を取り除く段階に進む。バイデン政権は同盟国と足並みをそろえて中国に対抗する構えだ。日本や欧州も一段と厳しい対応を迫られる可能性がある。

中国も対抗措置を講じる可能性がある。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国はレアアース(希土類)の輸出規制を検討していると報じた。レアアースは米最新鋭ステルス戦闘機F35などの生産に不可欠で、米国は輸入の8割を中国に依存している。

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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別の視点 バイデン政権がトランプ政権の対中強硬政策を継承することはこれでさらに明らかになった。他方の中国もこのことをよく理解している。このところ、習近平国家主席はヨーロッパの主要国首脳との個別会談を相次いで行う一方で、中東欧諸国とのフォーラムも急遽開催している。米中対立が高まるなかで欧州への接近を急いでいるが、その効果はいかほどか。今後の成り行きが気になるところだ。
2021年2月17日 7:54いいね
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米、半導体不足で対策検討 大統領令で供給網見直しも

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN115FP0R10C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】サキ米大統領報道官は11日の記者会見で、世界的な半導体不足で自動車の減産が広がっていることを受け、半導体メーカーや他国と話し合いながら対応策をまとめる方針を明らかにした。サプライチェーン(供給網)の見直しを求める大統領令も検討する。

サキ氏は「サプライチェーンの難点を特定している」と述べ、半導体を確保するための追加策を巡り、産業界や半導体を生産する国と協議中だと説明した。半導体メーカーのほか、自動車メーカーなど需要家の意見も踏まえて、連邦政府の支援策をまとめる構えだ。

今後数週間以内に出す大統領令では半導体を含む重要な製品のサプライチェーンを見直す。他国と足並みをそろえながら国内で増産するなど、品不足の解消に向けて可能な対応策を洗い出す。

半導体不足で自動車メーカーは減産を余儀なくされている。米ゼネラル・モーターズ(GM)は北米の3つの完成車工場で生産を休止した。米政府は台湾積体電路製造(TSMC)など主要な半導体メーカーを抱える台湾に供給拡大を求めている。

バイデン政権が対応を急ぐのは、自動車メーカーの減産が長引けば景気や雇用に悪影響を及ぼすためだ。ただ半導体調達でアジアに強く依存する米国が、どこまで実効性のある対策を打てるかは不透明だ。

【関連記事】
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 自動車向けの半導体が不足しているのは、アメリカが中国のSMICを市場から外した結果。SMICは最先端の7nmや5nmといった半導体ではなく、それよりも付加価値の低い20nm以上のものを作っていたが、TSMCなどは付加価値の低いこれらの半導体の生産能力を増強させるよりも、スマホ向けなど需要が高く付加価値の大きい先端半導体を作るため、投資が進まない。ただでさえ半導体製造は付加価値が低いといって開発や設計と製造を切り離したアメリカが、再度製造に戻ることは考えにくい。どのような政策をとろうとするのか、大いに疑問は残る。
2021年2月12日 8:44いいね
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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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別の視点 「半導体は産業の米」と言われて久しいですが、一時期はその重要性が忘れられがちになっていた印象があります。デジタル化された現代にあって、半導体はまさに要。統廃合や効率化が進んだ国内半導体メーカーの動向も気になります。
2021年2月12日 8:11いいね
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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分析・考察 自動車産業への依存度が高い州の上院議員が半導体不足への対処を求める書簡を出すなど、バイデン政権への圧力が強まっていました。サキ大統領報道官が「生煮え」の大統領令に言及したのは、対応の遅れに対する批判への予防線という印象があります。

米政府はすでに台湾の半導体メーカーから増産の協力をとりつけ、米国内での半導体製造に補助金を出す案も浮上しています。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ292WM0Z20C21A1000000/

サプライチェーン見直しは「米中分断」を超え、米国とアジア全体の依存・競争関係の構図を一変させる動きになるかもしれません。
2021年2月12日 8:40いいね
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半導体、持たざる経営に転機 有事に供給リスク 台韓 生産で日米欧を逆転

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ292WM0Z20C21A1000000/

 ※ 半導体は、とっくに「産業のコメ」…、になっている…。

 ※ しかし、その「製造拠点」を見ると、韓国、台湾と、地政学的・国際政治的には、決して「安定的」とは言えない「国家・地域」において、多くが生産されている…。

 ※ そして、それが、「大国」の「国家戦略」にまで、影響を及ぼしてくるような、状況になっている…。

 ※ 民間各社は、そういう「風向き」も読みながら、「企業経営」「企業戦略」を、立てていかないとならないわけだ…。

『半導体メーカーが進めてきた生産の外部委託が転機を迎えている。米国や欧州企業の多くは開発に重点を置く効率経営で競争力を高めてきたが、特定の受託生産会社への依存度が高まり有事の製品安定供給に懸念が生じている。足元では台湾や韓国の受託会社のほか、中国企業も半導体の生産能力の増強を急ぐ。米中摩擦が供給寸断につながる恐れもあり、米日などは国産強化を模索する。

「米政府と自動車業界から感謝の言葉があった」。台…

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台湾の経済部(経済省)の王美花・経済部長(経済相)は5日、台湾積体電路製造(TSMC)などが米政府からの車載向け半導体の増産要請に応じたことを明らかにした。

米国はインテルやクアルコムを擁する半導体大国だ。それでも供給増を台湾に求めなければならないのは、生産の多くをTSMCなど外部企業に委ねてきたことにある。

半導体業界は2000年代から水平分業と呼ばれる開発と生産の分離を進めてきた。米欧日のメーカーは巨額にのぼる生産ラインの新設投資負担を抑えるため、製造の一定量を韓国サムスン電子のほかTSMCなど受託生産会社(ファウンドリー)に委託してきた。工場を一切持たないクアルコムなどは先端半導体の開発・設計に徹することで業界での存在感を高めてきた。

一方で生産はアジアの特定地域への集中が進む。ボストン・コンサルティング・グループによると、工場立地別の生産能力シェアは20年に台湾と韓国が世界の43%を占めた。米国の同シェアは12%と過去20年で7ポイント減。シェア15%の中国にも抜かれた。中国は10年に比べ4ポイント伸びた。

売上高でみた企業のシェアと供給能力の差は明確だ。米調査会社ICインサイツによると、米国に本社を置く企業は19年の半導体売上高でシェア55%を占め、2位の韓国(21%)などに大差をつけた。一方、先端半導体の量産に必要な300ミリウエハーを用いる半導体工場の20年12月時点の生産能力は台韓が47%を占め、日米欧の30%をしのぐ。

平時は効率経営につながる分業だが、有事は弱点もさらけ出す。TSMCなどは20年春ごろからパソコンやテレビ、白物家電向けの生産増に応じていたが、同年秋から車向けの受注も急増し供給が追いついていない。米による対中制裁で中国最大の受託生産会社、中芯国際集成電路製造(SMIC)との新規取引を手控える動きが広がり、その穴を埋める形の半導体の注文もTSMCなどに押し寄せた。海外の受託生産企業関係者は「1~3月期は2~3割の注文を断っている」と明かす。

デジタル化の進展で半導体の重みが増す中、十分な能力を備えた生産会社を持たない国はいまやその国の産業力を高められないリスクを負う。自動車メーカーは販売回復下での生産調整を余儀なくされている。国内大手幹部は「思いも寄らない足かせだ」と嘆く。

「せっかく確保してきたTSMCの生産割り当てを手放してもいいのか」「取引先を待たせられない」。ルネサスエレクトロニクスは半導体不足を受けてTSMCに委託していた製品の一部を自社の国内工場での生産に切り替えた。生産コストは上がるが自動車メーカーなどへの納入優先で決断に踏み切った。

同社は10年代のリストラの過程で、外部への生産委託比率を約3割まで高めてきた。結果として日本の生産ラインがだぶついたが「工場稼働率が会社の目的ではなく、グローバルに勝つことが目的だ」(当時の幹部)として水平分業を推し進めた。過去の経営戦略の前提が崩れた格好だ。

各国が注視するのが中国だ。人工知能(AI)などでの覇権確立を狙う同国は国産半導体メーカーの強化育成を進めている。SMICの趙海軍共同最高経営責任者(CEO)は5日の決算記者会見で「顧客からの増産要請が多く毎日のように話し合っている」と述べた。米制裁下でも「生産能力を引き上げられるかを議論している」と強気の姿勢を崩さない。

台湾周辺では連日にわたり、中国軍機が防空識別圏に侵入し緊張状態が続く。米政府が懸念するシナリオは地理的に中国に近いアジアの受託生産会社への足がかりを失うことだ。

足元の対策は国産強化だ。「米国のイノベーションや国防にとって重要だ」。1月中旬、就任に伴う議会公聴会に臨んだイエレン財務長官はこう述べた。米国での半導体製造への補助金などを視野に入れる。日本では産業界が動く。「どうにかしてほしい」。トヨタ自動車などでつくる日本自動車工業会は経済産業省に車載半導体の安定確保を求めた。政府は台湾当局に増産を要請したほか、このほど半導体関連などの国内生産基盤の投資支援も決めた。国と企業の思惑がからみあい「持たざる経営」の巻き戻しが始まっている。

(廣井洋一郎、龍元秀明、台北=中村裕)

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ルネサス、TSMC委託の半導体を自社生産 車向け一部

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『半導体大手のルネサスエレクトロニクスが、台湾積体電路製造(TSMC)など外部の半導体製造会社に委託する製品について自動車向けの一部を自社生産に切り替えたことが28日分かった。委託先が大量の注文をこなしきれず、顧客への納入が遅れる恐れがあるためだ。半導体は開発と製造の分業で経営の効率化を進めてきたが課題も見え始めた。

主に自動車の動きを制御するマイコンで、半導体の性能を左右する回線幅が40ナノ(ナノは10億分の1)メートル…

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主に自動車の動きを制御するマイコンで、半導体の性能を左右する回線幅が40ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品の内製化率を増やしたもようだ。規模は明らかにしていない。12インチサイズのシリコンウエハーを用いる大量生産向け製造ラインで那珂工場(茨城県ひたちなか市)に不稼働部分があり、一時的な措置として活用する。外部委託した場合よりも電気代や材料調達費などがかさむが、納期を優先した。

ルネサスは2010年代前半からTSMCなど生産受託先(ファウンドリー)の活用を増やし、直近では半導体生産の3割を外部に依存してきた。最先端の生産ラインの新設には巨額の設備投資負担がかかるためだ。自社工場の稼働に余裕を持たせて、少量多品種製品の需要急増に対応する狙いもあった。

【関連記事】
ルネサス、旭化成の半導体を代替生産 工場火災受け
ルネサスやNXP、半導体1~2割値上げ 車やサーバー向け
TSMC、車載半導体さらに値上げへ 価格決定権シフト
TSMC「車産業への影響最小限に」 半導体不足で声明

他の半導体メーカーもルネサス同様に開発と生産の分離を進めてきたが、20年秋ごろから自動車やIT(情報技術)向けの半導体需要が急増しファウンドリーによる供給が追いつかない状況が生まれている。半導体メーカー各社は委託先の確保に奔走しており「高い手数料を払って、ファウンドリーに設備を融通してもらうおうとする企業も出ている」(半導体大手)という。

今回、ルネサスは内製品を増やすものの、回線幅が28ナノメートル以下の製品は自社量産が難しいため外部委託を続ける。足元ではTSMCなどファウンドリー大手が受託手数料を15%引き上げることを検討しており、自前の生産部門を減らしたことに伴うリスクが顕在化している。

富士キメラ総研が車載ECU世界市場を調査

富士キメラ総研が車載ECU世界市場を調査。1台当たりの搭載数や高処理能力が必要なECUの増加で市場が拡大 | clicccar.com
https://clicccar.com/2017/06/06/477039/

『公開日 2017/06/06 15:33
最終更新日 2017/06/06 15:33

執筆者 山内博

市場調査の富士キメラ総研は、センサー情報を基に車載システムを制御するECU(Electronic Control Unit)の世界市場を調査しました。

今回の調査では、自動車1台当たりの搭載数が増加し、拡大しているECUの世界市場を調査、結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017 下巻:ECU関連デバイス編」にまとめています。

この報告書では、パワートレイン系ECU、HV/PHV/EV/FCV系ECU、走行安全系ECU、ボディ系ECU、情報通信系ECU、スマートセンサー/アクチュエーターの市場を地域別に調査・分析しています。

まず、車載ECU世界市場については、2016年の市場規模は、金額で8兆1,435億円、個数で19億7,095万個となる見込まれています。これに対して、2025年には13兆9,175億円、36億3,866万個まで拡大すると予測しています。

エリア別では、金額/数量ベースともEU、NAFTA、中国の市場規模が大きく、今後は中国やその他地域の市場規模が自動車生産台数の増加にともなって拡大すると予測しています。

分野別にみると、金額ベースの市場で最も大きいのがボディ系、次いで走行安全系、情報通信系のECUの順になっています。ボディ系ECUは、単価は低いものの数量が9億5,410万個と圧倒的に多く、走行安全系ECUは3億2,226万個、情報通信系ECUは2億7,217万個と個数は少ないですが、単価が比較的高額で、金額ベースで2位を占めています。

今後、数量ベースの伸び率が高くなると予測されるのはHV/PHV/EV/FCV系ECUとスマートセンサー/アクチュエーターの分野。HV/PHV/EV/FCV系ECUは環境対応車の生産台数増加に伴ってECUも増えていき、スマートセンサー/アクチュエーターは自動車1台当たりのECU搭載数が増加することが原因で増加していくと予測しています。

次に、自動車1台当たりのECU搭載数については、車種によって大きな差がありますが、2016年で平均21.6個、2025年には同30.4個になると予測。エリア別では、日本とEUが他エリアより多くのECUを搭載する傾向があると分析しています。

分野別では、ボディ系ECUが平均10.5個(2016年見込)と最も多く、2025年には同13.1個まで増加し、ボディ系ECUが自動車1台当たりの搭載数の半分近くを占めています。

ECUというと、エンジン制御が真っ先に思いつく用途ですが、いまでは自動車のあらゆる場所にECUが使用されていることがわかります。今後は、スマートセンサー/アクチュエーター系が大幅に増加し、2025年の搭載数は平均5.4個となるため、ボディ系ECUの自動車1台当たりの搭載数に占めるウェイトは低下すると予測しています。

そして、近年増加が目立つのが要放熱対策ECU。2016年の要放熱対策ECU市場は11億4,878万個に達して、全体(車載ECU世界市場)の約6割が何らかの放熱対策が必要なECUになっています。これは高出力アクチュエーターを使うシステムが増加していることや機電一体化が進んでいることが原因と分析しています。

例えば、GEM(Gasoline Engine Management System)では、PFI(Port Fuel Injection)からDI(Direct Injection)化が進むことによって燃料を噴射するインジェクターの高圧化が必須となるため、高圧噴射用のパワーデバイスが多く必要となっています。

さらにそれらを制御するECUはワイヤーハーネス削減のために、アクチュエーター近傍に搭載されるため、高温のエンジンルームへの搭載が必須で、耐熱対策と高温下における放熱対策も必要になります。

機電一体化については、機電一体化によってセンサーやアクチュエーターと一体化したECU搭載が求められています。高熱を発するアクチュエーターにECUを直付けするので、ECUの放熱対策が欠かせません。また、センサーと一体化する場合には、高度な信号処理をするICを使用するため、そのIC自体が高熱を発するため一層放熱の必要性が増大しています。

したがって、全体に占める要放熱対策ECUの構成比はあまり変わりませんが、数量は大幅に増加していくと予測しています。

(山内 博・画像:富士キメラ総研)』

[FT]半導体不足で露呈する自動車製造の新しいカタチ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271M00X20C21A1000000

 ※ CASEが進展すればするほど、自動車産業における「半導体」の占める地位は、増大する…。

『中国の自動車市場は2020年下半期に目覚ましい回復を遂げた。だが、それには大きな代償が伴った。独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダなど、世界の大手自動車メーカーが半導体不足に見舞われている。

新型コロナのパンデミックで、世界各地でロックダウン(都市封鎖)が実施されるなか、販売が好調なゲーム機、ノートパソコン、テレビ向けの半導体需要も急増し、半導体メーカーの供給が追いつかな…

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台湾や中国の半導体メーカーは各業界の需要急増に対処しきれず、今年に入って、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)など十数社の自動車メーカーが減産を余儀なくされている。

自動車には、パワーステアリングやアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)など様々な機能の制御に半導体が欠かせない。従業員の一時解雇を迫られるなか、自動車メーカーの幹部は半導体の増産に向けて政府に協力を働きかけている。

FCAと仏グループPSAの統合で発足した欧州ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、「私の役目は当社が公正に取り扱われる状況を守ることだ」とフィナンシャル・タイムズ(FT)に述べた。「解決のためにあらゆる可能性を探るつもりだ。必要とあらば(半導体の発注契約が確実に履行されるよう)抵抗も辞さない」

半導体部品の調達で、自動車メーカーと民生用電子機器メーカーが競り合う形だが、今回の危機は、自動車産業が半導体とその複雑なサプライチェーン(供給網)に依存度を高めている現実を浮き彫りにした。

ドイツの半導体メーカーインフィニオンは自動車メーカー向けの半導体を多く製造する=ロイター
パニック状態
自動車向けは半導体重要の1割にすぎないため、部品調達における交渉力で自動車メーカーは民生用電子機器大手に及ばない。すぐに解決策が見つかりそうにはなく、半導体不足は半年以上続く見通しだ。

米調査会社オートフォーキャスト・ソリューションズによると、自動車の減産台数はすでに28万台を超える。英調査会社IHSマークイットの予測では、最終的には約50万台の減産となる可能性がある。

劣勢に立つ自動車産業だが、一方の半導体業界も激動の時期を迎えている。米インテルは今月、CEOの交代を発表し、台湾積体電路製造(TSMC)に明け渡した先端半導体トップの座を取り戻そうとしている。

そのTSMCは、米国が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中国半導体受託生産大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)に制裁を科したことによる影響と格闘している。

台湾・新竹にあるTSMC本社。米国が中国のSMICに制裁を科したため、TSMCに発注が集まっている=ロイター
ある中国の半導体サプライヤーは、「制裁の結果、一部のユーザーが発注先をSMICからTSMCなど他社に切り替えた」と話す。「業界内は皆、相当なパニックに陥っている。半導体不足の規模が大きく、広範な種類に影響が出ているからだ。短期的には解決の糸口が全く見えない」

半導体メーカーが供給力不足に直面するのは初めてではないが、今回の危機が深刻化したのには理由がある。

複数のアナリストによると、ロックダウン期間中にノートパソコンやテレビ向け半導体の需要が伸びたが、それらは薄利で、メーカーにとっては増産に投資するインセンティブに乏しいという。むしろ、次世代通信規格「5G」のネットワークやデータセンター、そして20年後半にソニーと米マイクロソフトが発売された最新ゲーム機用の半導体の方が利益率は大きく、半導体メーカーにとってはるかに魅力的だという。

IHSマークイットのシニアプリンシパルアナリスト、リチャード・ディクソン氏は、「半導体の製造工場は何もかもがギリギリで回っているため、需要が急増すると毎回この問題が起こる。不況の後は特にそうだ」と話す。

独インフィニオン社製の半導体部品=ロイター
自動車メーカー側が半導体をピックアップトラックなど収益性が高い重点車種に振り向けることで、半導体メーカーは問題解決に応じつつある。

アルトマイヤー独経済相は先週、台湾の王美花経済部長(経済相)に対し、台湾当局による介入を要請する書簡を送った。FTが確認した文面によると、アルトマイヤー氏は、ドイツの自動車メーカーの回復は世界経済全体にとって重要だと訴え、優先的に供給するようTSMCを説得するよう求めた。TSMCは問題の解決を優先事項とすると回答したという。

一方、ルネサスエレクトロニクスやオランダのNXPセミコンダクターズは、半導体の需給逼迫と原材料価格の高騰を理由に値上げを検討していると発表した。関係者によれば、スイスのSTマイクロエレクトロニクスも追随する見通しだという。STマイクロはコメントしなかった。

複雑なサプライチェーン
すべての自動車メーカーが一様に苦しんでいるわけではない。トヨタ自動車は11年の東日本大震災の後サプライチェーンの多角化と部品在庫の増量を進めていたため、比較的ダメージは軽かった。

自動車世界5位の韓国・現代自動車も深刻な半導体不足を逃れている。20年前半に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で販売が落ち込み、工場の閉鎖を余儀なくされたが、それでも半導体の発注をキャンセルしなかったためだ。

だが大半の自動車メーカーは部品在庫を必要最小限に抑え、「ジャストインタイム」方式の調達に頼ってコストを削減している。また、半導体の確保を部品メーカーに任せる会社もあれば、半導体メーカーとの直接交渉を志向する会社もあり、サプライチェーンを構成する中間業者の数はメーカーによってまちまちだ。

VW傘下の独アウディのマルクス・ドゥスマンCEOは、同社は最高ランク「ティア4」のサプライヤーを通じて半導体を調達しており、「不足している部品では、様々な供給能力を持った非常に長いサプライチェーン」に依存していると述べた。

今回の危機は、パンデミック中に需要を予測することの危険性を明らかにしたと同時に、電気自動車(EV)の人気が高まり自動運転技術が進展するなかで、自動車業界の運命が半導体に左右されてしまうというまた別の問題を浮き彫りにした。

IHSマークイットによれば、EVは世界の自動車販売台数のわずか3%にすぎないとはいえ、EVに使われている半導体は、金額ベースでガソリン車のほぼ3倍に上る。

アナリストは、自動車に用いられるテクノロジーが変遷は自動車企業と半導体メーカーの関係を大きく変える可能性が高いとアナリストはみている。また、半導体大手は、アジアのファウンダリーに生産委託するビジネスモデルのあり方も再考を迫られるだろう。

米ロサンゼルスのハイウエーを走るテスラの自動運転車。EVと自動運転の動向がこれからの自動車業界の産業構造を左右する=ロイター
「コロナの後、今後数十年で起きる業界の抜本的な構造変化は、EVと自動運転の普及の進捗に左右される」とオートフォーキャスト・ソリューションズのジョセフ・マケイブCEOは言う。「半導体の後は、バッテリーの材料になるレアアースの枯渇が次の混乱を招く可能性がある。常に、そうした次なるものに目を光らせておく必要がある」

真の構造変化
一部の自動車メーカーや自動車用半導体メーカーは内製化を進めようとするかもしれない。VWは危機の繰り返しを避けるため、独コンチネンタルなどの部品大手を介さず、半導体メーカーとの直接取引を増やすことを検討していると表明した。

それと同時に、iPhoneを製造する米アップルのように、半導体市場で強い交渉力を持つ企業が、優位な立場を利用して自動車に参入しようとする可能性もあるとマケイブ氏は指摘する。

中国の半導体企業に対しては、半導体の国産化への圧力が一層強まっている。好調だった高級車やEVの販売が12月に始まった半導体の不足で危うくなったためだ。

「今回の半導体不足は、自己完結していて統制可能なサプライチェーンを早急に確立することの必要性を改めて示した」と中国汽車工業協会の陳士華副秘書長は述べた。

ディスプレードライバーIC(DDI)を用いるノートパソコンやテレビの供給は今のところ不足していない。だが、多くの国でロックダウンや行動制限が長引いていることから今後は逼迫もありうるとアナリストは警告している。

半導体のサプライチェーンにひび割れが広がるなか、自動車メーカーには順番待ちをする以外に選択肢はないのが実情のようだ。

「公平性と平等性の問題だ。各人がそれぞれの取り分をもらうことになる」と日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は言う。日産は日本国内で新型のコンパクトカー「ノート」の減産を強いられている。「各社が生産調整しているが、我々はすぐに抜け出すつもりだ」

By Kana Inagaki, David Keohane, Yuan Yangand Joe Miller

(2021年1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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TSMC、車載半導体さらに値上げへ 価格決定権シフト

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『【台北=中村裕】世界的な半導体の不足を受け、台湾積体電路製造(TSMC)などが最大で15%の値上げを検討していることが、25日分かった。車載用が中心だ。昨秋から値上げを一部で実施してきたが、再度の値上げ要求に踏み切る。短期間での相次ぐ値上げは、自動車メーカーから半導体メーカーへの価格決定権のシフトを映す。

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値上げを検討しているのは、半導体の受託生産で世界最大手のTSMCの子会社で、車載用半導体を扱う世界先進積体電路のほか、同世界4位の聯華電子(UMC)など台湾企業だ。直接の取引先であるオランダのNXPセミコンダクターズ、ルネサスエレクトロニクスなど、自動車用の半導体を専門に扱う欧日の半導体メーカーに打診したもよう。

ルネサスなどは既に車メーカーなどに値上げを要請している。生産委託先の台湾勢が値上げに動けば、さらなる値上げも避けられず、車メーカーの収益に響く可能性が高い。

最大15%、2月以降段階的に実施の見込み

TSMCなどの値上げは、早ければ2月後半から3月にかけて段階的に実施するとみられる。値上げ幅は最大で15%程度になる見込み。世界的な需給逼迫に加え、台湾ドルが米ドルに対して過去1年間で約6%と急上昇していることも値上げの根拠となる。

値上げは昨秋以降にも実施した。車の増産に応じるための追加発注や緊急発注については、10~15%引き上げたという。2月以降の値上げ交渉がまとまれば、昨秋に続く、異例の大幅値上げとなる。

自動車メーカーと自動車部品メーカー(半導体含む)は通常、年1回交渉し、車メーカーが「原価低減」という名目などで2~3%の値下げを求めるのが一般的だ。これが車メーカーの利益の源泉になる。

ただ今回は、半導体を扱う部品メーカーが、供給先の自動車メーカーに対して値上げを要求する構図。従来の立場が逆転し、その意味でも今回の半導体不足の深刻さがうかがえる。半導体の最終ユーザーである車メーカーは今後、半導体不足による減産と、製造原価の上昇という二重の問題を抱えることになる。

台湾半導体大手のUMCの劉啓東・最高財務責任者(CFO)は25日、半導体の値上げ交渉について日本経済新聞の取材に応じ、「価格については答えられない。ただ需給状況からすると、我々、半導体メーカーが(車メーカーに比べ)比較的有利な立場にあることは確かだ」と語った。

「増産体制、半年以上かかる」

そのうえで、今後の半導体不足の解消見通しについては「既に工場はフル生産状態で、短期間での増産は難しい。いつ解決できるか分からないが、生産ラインを整備するにも、あと半年以上はかかる」と述べた。

車載用の半導体は特に不足が深刻で、独米日の政府が台湾当局に、増産要請を行う異例の事態に発展している。こうしたことも、台湾勢が大幅な値上げを検討する背景にあるとみられる。

今後、影響はさらに広がる恐れもある。TSMCやUMCが半導体そのものを生産する中核メーカーであるのに対し、半導体には、それ以外にも多くの工程を担う企業がある。

半導体の「後工程」といわれ、半導体のパッケージングを行う封止大手で有名な日月光投資控股もその一つで、台湾企業だ。同社も今後、1割程度の値上げを検討しているとみられ、半導体業界全体で今後、値上げが一気に広がるリスクがある。

自動車だけでなく、パソコンなどの家電製品でも今後、品薄感が広がるのと同時に、値上げが早いペースで進む可能性もある。

半導体業界はもともと、欧米日などが先行する形で業界が発展した。だが2000年代に入り、IT(情報技術)革命が起こると、投資がかさむうえ需給の波も激しくなり、多くの企業が半導体から撤退した。現在も市場に踏みとどまるのは、TSMCや韓国サムスン電子といった大手か、もしくは車や家電など、ある特定分野に強い半導体企業が残るのみとなっている。

資源のない台湾では、当局が半導体を「国策」として80年代から育てて支援してきた。市場環境が急変した際も撤退せず、経営が苦しくとも踏みとどまってきた企業が多い。今回のような形で、ひとたび需給が引き締まると、業界で数少ないプレーヤーの台湾勢に世界から注文が集中する、好循環を生む形となっている。

実際、台湾勢の業績は絶好調だ。TSMCの20年12月期の通期の売上高は前の期比25%増、純利益は50%増と大きく伸び、いずれも過去最高だった。UMCの20年7~9月期も、純利益が3倍と急伸している。

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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説半導体の価格は一般的に生産量の拡大につれて下がっていく傾向があります。ただ、需要が拡大する局面で「値上がり」はあり、DRAMの大口取引価格も昨年12月には上昇しました。中でも不足感の強い車載用で半導体メーカーが値上げ姿勢を強めたとみられます。半導体に限らず、価格の趨勢を決めるのは需給バランスです。不足感が後退するまでメーカー優位は続くでしょう。
2021年1月26日 7:37いいね
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台湾に半導体増産要請 日米独など、不足の早期解消求め

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『【台北=中村裕】自動車を中心に世界で半導体が足りないなか、独米日など各国政府が台湾当局に半導体増産などの協力を要請していることが、24日わかった。米国による対中制裁や自動車市場の急回復による半導体需給の逼迫ぶりを裏づけた。半導体不足による自動車の減産が長引けば、世界経済の波乱要因にもなりかねない。

台湾当局の関係者は24日、「自動車用の半導体が世界で不足しており、昨年末から各国の外交ルートを通じて…

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台湾当局の関係者は24日、「自動車用の半導体が世界で不足しており、昨年末から各国の外交ルートを通じて(台湾からの半導体供給を増やすように)要請を受けている」と語った。自動車の生産が盛んなドイツ、米国、日本などから協力要請を受けているという。製造業の部材不足を理由に、各国が特定の国や地域に対し、増産などの協力を求めるのは異例だ。

台湾で製造業を所管する経済部(経済省)はすでに半導体の生産に強い企業に増産などを求めたという。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)や、同世界4位の聯華電子(UMC)などに、車用半導体の増産対応を急ぐよう促した。

TSMCの広報責任者は24日、日本経済新聞に「(世界で今最も不足する)車用の半導体の需要に応えることが、当社の最優先事項である。我々は引き続き、自動車関連企業と緊密に協力し、需要に応えられるように支援していく」とコメントした。

半導体不足は昨秋、あらわになった。新型コロナウイルスの影響でテレワークが世界で広がり、パソコンに使う電源管理用の半導体がまず足りなくなった。さらに世界最大の中国の自動車市場の回復を受け、車でも半導体が不足し始めた。

米国が中国最大の半導体受託生産企業、中芯国際集成電路製造(SMIC)に制裁を科したことが問題に拍車をかけた。SMICが生産する半導体は技術水準は高くないものの、車や家電に数多く搭載する。こうした半導体を生産する企業は世界でも少ないため、最先端から汎用品まで幅広く半導体を製造する台湾勢に世界中から多くの生産依頼が舞いこむ。

半導体の生産量をすぐに増やすのは難しい。車用の半導体は利幅が薄いうえ、需給が緩むとすぐに値段が下がる恐れもあり、増産のために急いで投資をすれば無駄になりかねない。半導体各社が車メーカーに対し、半導体の1~2割の値上げを要請する動きもあるが、半導体不足はすぐに解消されない。

影響は世界の自動車大手に広がる。独フォルクスワーゲン(VW)は中国や北米、欧州での生産調整を発表。米フォード・モーターも北米の一部工場の停止を表明した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は減産規模は1~6月を中心に世界で150万台前後とみる。日本の経済産業省幹部は「自動車など逼迫している業界からの増産要請は強い。半導体不足は少なくとも数カ月は続きそうだ」と語った。

国内でもホンダは1月、小型車「フィット」など約4000台を減産する見通し。日産自動車は国内で主力の小型車「ノート」の減産に入った。トヨタ自動車も米国などで生産調整を余儀なくされ、スバルは国内唯一の生産拠点である群馬製作所(群馬県太田市)の稼働が止まる日も出てきた。

車向け半導体では20年10月に宮崎県にある旭化成のグループ会社の工場で火災が発生し、一部製品の供給が滞っている。火災の影響が長引けば車生産をさらに下押ししかねない。

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Automobiles/Taiwan-asks-TSMC-and-other-chipmakers-to-help-ease-global-crunch?n_cid=DSBNNAR

半導体不足「対中制裁」が発端 台湾勢に注文集中

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM135F60T10C21A1000000

 ※「災害」は、思わぬところに影響を与える…。

 ※ 3.11による「ルネサス東北工場」の被災が、世界的な「エンジン・コントロール用の半導体」不足を引き起こしたのは、記憶に新しい…。

 ※ 当時、同社の「世界シェア」は、確か7割くらいもあったはずだ…。

 ※ しかし、あの災害を機に、自動車各社はリスク分散を図り、同社のシェアは激減し、3割くらいになったはずだ…。

 ※ それで、同社は生き残り戦略として、「自前・独自設計の半導体」路線から、Arm系の汎用品の採用へと舵を切った…。

 ※ しかし、それがまた、今回の「コロナ禍」で仇(あだ)になっている…。

 ※ 汎用品だから、「ゲーム機」「サーバー用」なんかとの取り合いになったようだ…。

 ※ いずれ、各社は「リスク分散」に動くだろう…。そういうことの、繰り返しだ…。

※ スゲーな…。これが「車載用半導体の要求仕様書」だ…。

※ 温度、湿度、振動、耐静電気性…。

※ どれをとっても、「汎用品」のレベルをはるかに超えている…。

※ 無理もない…。ヒトの生命(いのち)を乗っけて、2トンの巨体が、時速100キロ超えて走るんだ…。しかも、「最低20年」の耐久性も要求される…。

『【台北=中村裕】世界で半導体不足が深刻になっている。発端は米政府による中国企業への制裁だ。受託生産大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)などが標的となり、台湾勢などに注文が集中。自動車用の需要急回復が重なり、品薄感が広がった。世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などを中心に対応を急ぐが、回復は2021年後半との見方がある。

「昨年10~12月に突然、車用の半導体の発注が膨れ、今の半導体不足を招…

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・「昨年10~12月に突然、車用の半導体の発注が膨れ、今の半導体不足を招いている」

・14日に台北市内で開かれたTSMCの決算記者会見。魏哲家・最高経営責任者(CEO)は困惑気味に語り、半導体不足への対応が当面は困難との見方を示した。

自動車用の半導体需要も急回復

・新型コロナウイルスの影響で昨春、自動車業界は大幅な減産を余儀なくされた。ところが感染拡大を抑えた中国市場は、驚異の回復をみせる。6月には前年同月比で11%増えるまでに回復した。

・それでも自動車業界は当時、「向こう3カ月の半導体などの部品発注で、強気な生産計画は立てられなかった」(中国の車大手幹部)。コロナ感染が世界に広がっていたためだ。

・ただ同じ7月には、世界で全く別の動きが起きていた。トランプ米政権による華為技術(ファーウェイ)への制裁強化で、TSMCなど台湾半導体各社は7月から異例の繁忙期に突入した。新たな制裁が9月に始まるのを前に、ファーウェイが半導体を大量に確保しようとしたためだ。「猛烈なオーダーが入った」と関係者も振り返る。

・実際、台湾の輸出額は8月に単月で過去最高を記録。輸出の36%を半導体が占め、当局幹部も「ファーウェイ向けの輸出だけで8月は約2000億円に達した」と話す。

・新たなファーウェイ制裁が始まった9月中旬、「二の矢」が業界を襲う。今度は米制裁の矛先がSMICに向かうとの噂が広まった。早速動いたのは、米クアルコム。TSMC、聯華電子(UMC)など同業の台湾企業を相次ぎ訪れ、SMICから切り替えるべく大量の注文を出した。

・ただ状況は容易ではなかった。TSMCの受託生産の世界シェアは足元で5割強。UMCと合計すると台湾2社で約6割を占めるが、新型コロナの影響で在宅需要が膨らみ、パソコンやゲーム機、新型iPhone向けの仕事などが重なり、ただでさえ忙しかった。

・さらに問題となったのが、SMICが生産するものが技術レベルの低い一般的な半導体だったことだ。センサーや電源に使う半導体などで、利幅も薄くうまみが少ない。それでも製品には必要不可欠だ。台湾2社は結局、こうした半導体の注文をクアルコム以外からも大量に抱え、9月からさらに繁忙を極めた。

・こうした状況に追い打ちをかけたのが、車業界の動きだった。7月はまだ様子見だったが、世界最大の中国市場が8、9月に2ケタ成長を見せると、各社は一転して10月からの増産を決めた。だが、慌てたような発注に車載用の半導体メーカーは準備が整わなかった。独インフィニオンなどの企業だ。

・自社で造れない分は、TSMCやUMCなどに委託する方法がある。今回もそう望んだが、台湾勢は既にフル生産状態。まして車用の半導体も一般的な半導体が多く、利幅は薄い。生産は後回しにされ、今回の半導体不足を招くことになった。

「需給の正常化は21年後半以降」

・今後の見通しも明るくない。車用の半導体は利幅が薄いため、減価償却済みの設備を使い、追加投資は抑えて需給が緩むのを待つのが基本姿勢だ。TSMCも今年約3兆円の巨額投資をするが、付加価値の高い最先端品向けが大半となる。

・TSMC子会社で、自動車向け半導体を手掛ける世界先進積体電路の方略董事長は15日、「車業界の急な要求に応えるのは無理だ。ダブルブッキング(二重発注)も多く、本当にどれだけ半導体が必要なのか把握できない」と指摘した。

・もし仮に半導体を造りすぎれば値崩れを起こし、経営を直撃する。各企業が半導体を欲しいと言うだけで、今後需給が緩めば、注文はキャンセルされる恐れもある。半導体各社はそれが不安で、増産には簡単に踏み切れない。

・昨年12月には、米によるSMICへの制裁も正式に発表された。半導体に詳しい台湾民間シンクタンク、拓●(つちへんに僕のつくり)産業研究院の姚嘉洋アナリストは「半導体不足の解消は21年後半になる。楽観論で6月末だが、解決には年末まで時間がかかる」と指摘する。