装置損傷が17台に拡大したルネサス工場火災、「明確な復旧時期は聞いていない」

https://newswitch.jp/p/26585

『火災があったルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の稼働停止が長引く懸念が強まっている。損傷を受けて使えなくなった半導体製造装置がルネサスが当初発表した11台から、17台に拡大していることが28日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。半導体需要の高まりを受けて、早期の製造装置の調達が難しい状況。自動車業界では、半導体不足の長期化を危惧する声が広がっている。

火災が発生した生産ラインは主に自動車向けを扱う。ある乗用車メーカー幹部はルネサス側から「(生産ラインの)明確な復旧時期は聞いていない」と話す。

自動車業界は20年末から深刻な半導体不足に悩まされており、減産影響は「最低4―6月まで伸びる認識だ」(同幹部)。今回のルネサスの火災を受けて、各自動車メーカーはさらなる対応を迫られている。

那珂工場内の生産ラインで19日に発生した火災をめぐり、ルネサスは21日の会見で焼損した装置が11台だと公表した。ただ、その後の調査で使用できない装置が17台に膨れたようだ。火災によるススなどの影響を受けたと見られる。

ルネサスはクリーンルーム内の清掃や被害を受けた装置の調達などで、1カ月以内の生産再開を目指している。ただ、被災した装置の台数が増えたことで、半導体製造装置も不足するなか再開に向けたハードルは高くなっている。』

ルネサス火災「生産再開1カ月」 車メーカー追加減産も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ210H40R20C21A3000000/

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは21日、火災により生産停止中の那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産再開に1カ月程度かかるとの認識を示した。半導体は工程が多く一般的に製造に2~3カ月かかり、供給正常化までに3カ月超かかる計算だ。米中貿易摩擦や需要急増で世界で不足する車載半導体は、2月中旬の米国の大寒波で現地工場が止まり拍車がかかる。自動車メーカーの追加減産のリスクが高まっている。

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ルネサスの柴田英利社長が21日の会見で「1カ月以内での生産再開にたどりつけるよう尽力する」と述べた。ただ「一部では不透明感がある」として遅れる懸念も示唆。生産停止が「半導体供給に大きな影響になると危惧している」と話した。

火災は19日午前2時47分に発生し約5時間半後に鎮火した。先端品の量産を担う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ラインに被害が出たが、主に自動車の走行を制御するマイコンと呼ぶ半導体を生産している。ルネサスは約2割のシェアを持ち、世界で2番目に売上高が多い。トヨタ自動車や日産自動車などに供給している。伊藤忠総研の深尾三四郎上席主任研究員は「自動車産業は半年くらい(半導体が)調達難となる可能性が高い」と指摘する。

ルネサスによると「仕掛かり品を含め在庫は1カ月しかない」状況だ。半導体商社の担当者は、メーカーとの仲介役である代理店の保有分とあわせた在庫は2~3カ月分で「車メーカーや部品大手にはほとんど在庫はない」とみる。生産途中だった在庫を使った出荷は早期にできても、火災前の供給水準には3カ月超かかるもようだ。

ホンダは「今すぐ影響は出ないものの(停止が)1カ月となると在庫が切れ始める4月以降に生産への影響が出てくるだろう」と21日にコメント。「ルネサス製以外の製品への代替などで工場を止めないよう調整していくことになる」とする。トヨタは生産車種の変更や代替生産の可能性なども踏まえ、生産への影響台数を精査する。

英調査会社オムディアの南川明氏は「国内メーカーを中心に世界での影響は数万台では収まらないだろう」と話す。ルネサスは自社工場や外部での代替生産を検討するが、300ミリメートルの生産ラインは那珂工場にしか保有していない。少量多品種向けの200ミリメートルの生産ラインで代替生産しようとしても、そのラインも火災で止まった旭化成の半導体工場の代替生産などで稼働率は高く、穴埋めは難しい。

ルネサスの那珂工場は2011年の東日本大震災で被災し操業を約3カ月止めた。自動車生産が打撃を受け「ルネサス・ショック」と呼ばれた。今回は世界で需給が逼迫している中での停止で広がりが懸念されている。

ルネサスエレクトロニクスの半導体工場で起きた火災現場の様子(同社のオンライン会見資料より)

2月に米南部テキサス州に寒波が襲来して大規模停電が起き、マイコンのシェアで世界首位のオランダNXPセミコンダクターズと、3位の独インフィニオンテクノロジーズの工場が停止した。NXPは3月上旬にテキサス州内の工場で約1カ月分の生産が失われたと発表。インフィニオンは生産が元の水準に戻るのは6月になるという。

こうした半導体不足などを受け、18~19日には日産や米フォード・モーター、トヨタが工場を停止した。そこにルネサスの火災が加わり、車載半導体3強のそれぞれの工場が停止する異常事態となっており、不足懸念が高まっている。

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深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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ひとこと解説 現時点では状況は極めて深刻だと考える。完全復旧まで半年はかかるだろう。
焼損面積が小さくても、僅かな埃の付着も許されないクリーンルーム(CR)に煤(すす)が入ってしまったのは一大事。また、半導体の世界需給が長らくひっ迫している状況下で、社内外での代替生産の余力もなく、焼損した設備の代替調達をしようにも、装置在庫も少ないだろう。2階のCRが無傷とはいえ、1階のCRと一体運営されており、稼働低下の範囲が焼損面積より大きい。復旧に向けては、被災した1階CRの清掃、代替装置の調達・搬入、設備の組み直しや装置の再調整、再発防止策の構築などが必要で、1か月以内で生産再開に漕ぎ着けるのは至難の業だと思う。

2021年3月22日 6:51いいね
25

梶原誠のアバター
梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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分析・考察 米中などでの販売増で、自動車メーカーの国内工場の稼働率が上がっていました。低迷していた日産自動車の株価も昨年11月を境に大きく回復しています。それだけに今回のことは気がかりです。国内景気は「世界景気の回復と円安」という追い風と「五輪での海外観光客の受け入れ見送り」という逆風がぶつかる構図を描いていましたが、逆風側に1要素加えなければなりません。

2021年3月22日 7:50いいね
6

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ルネサス、車載半導体の主力工場で火災 20日に現場検証

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ19DEP0Z10C21A3000000/

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは19日、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生したと発表した。先端品を扱う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ラインが被害を受けた。同工場は車載半導体の主力工場で、操業停止が長引けば世界的に不足が続く車載半導体の供給に影響が出る可能性がある。

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ルネサス「自社か外部か」 半導体生産、見えぬ最適解

火災は19日午前2時47分ごろに発生し、午前8時12分ごろに鎮火を確認した。クリーンルーム内の安全確認が取れておらず、午後11時時点で内部の状況は確認できていない。同社は状況が確認できなかったため、対外発表も午後11時40分にずれ込んだとしている。

20日午前9時から現場検証を実施する。火災は300ミリメートルのウエハーに対応した生産ラインのある2階建ての建屋の1階で発生し、別の工場棟には被害が無かった。

同工場は2011年の東日本大震災で被災した際にクリーンルームや装置が損壊。3カ月程度操業を停止し、自動車生産に大きな影響が出た。ルネサスは世界的な車載半導体不足を受け、台湾積体電路製造(TSMC)など外部に委託していた半導体の一部を自社生産に切り替えた。操業停止が続くと、自動車生産への影響が広がる可能性がある。

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ルネサス「自社か外部か」 半導体生産、見えぬ最適解 半導体ショック(2)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ05EFM0V00C21A3000000/

『「今さら何を言っているんだ」。3月、台湾の半導体企業に勤める日本人技術者はこう吐き捨てた。かつて働いた半導体大手ルネサスエレクトロニクスを振り返り、語気を強める。「工場を持つのは悪だと教えられ、多くがリストラされた。ルネサスにもう自社生産の力はない」。同社が外部委託か自社生産で揺れるのを冷ややかにみる。

【前回記事】
半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化

「海外の競合が、台湾積体電路製造(TSMC)などの生産受託会社(ファウンドリー)に手数料を上乗せして『横入り』している…

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ルネサスの各部門のトップが集まった昨秋の会議。TSMCに世界中から注文が集中し、同社にルネサスが委託している製品の納期が見通せなくなり、対応策を議論した。自社で作れば外部委託に比べて電気代や材料調達費などがかさむ。ただ「顧客を待たせられない」との意見は根強く、TSMCに委託する一部製品を自社生産に切り替えることにした。

「TSMCの枠を1回外すと『必要になったからすぐにください』とはできない。覚悟をもった決断だ」とルネサス関係者は話す。背景にはファウンドリーとの力関係の変化がある。

半導体業界は2000年代から開発と生産を分離する水平分業が進んだ。ファウンドリーが生産を引き受け、米クアルコムといった主要メーカーは設計開発に特化。ルネサスもその流れに乗って委託を増やし、国内の生産拠点数を10年前の22から9へと減らした。その間に、特に先端の半導体をつくる技術でファウンドリーに追い抜かれた。

2月13日夜に起きた福島沖地震。ルネサスの主力工場、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の電力供給は2時間強、途絶えた。同工場は11年の東日本大震災で被災した際も約3カ月間、生産を止め、その影響で車大手の工場の稼働が止まった。足元で車載半導体が不足し、フル生産状態が続くなか、稼働停止が長引けば再び「ルネサス・ショック」を起こしかねない。14日朝から数百人体制で装置の状態を調べ、16日から生産を再開。今回は影響の長期化を免れた。

「(外部の製造委託を活用して自社工場を最小限にする)『ファブライト』の方針は変わらない」。ルネサス社長の柴田英利はこう話す。平時なら効率を高められても、急変動する需要や災害時のような有事には対応が難しい。そこまで見据えて自社と外部の生産の比率をどうバランスさせるか。その解はなお見えていない。(敬称略)

半導体材料、中国に活路 後発組が政府系と合弁 フェローテックなど、シリコンウエハーで追い上げ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ11DCF0R10C21A3000000/

※ 横たわっている「棒」みたいなものは、「シリコン・インゴット」というものだ…。

※ これを、薄くスライスして、「シリコンウエハー」(円盤みたいなもの)を作成する…。

※ 立てると、こんな感じ…。

※ 製造方法の概念図は、こんな感じ…。

※ シリコンの材料をドロドロに溶かしておいて、何らかの「タネ」を作って、回転させながら、ゆっくりと引き上げる…。

※ インゴット(棒)の直径が大きければ大きいほど、良い…。それだけ、多くの「半導体チップ」を作成することができるからな…。

※ ノウハウの固まりなんで、競合するのは難しい…。それで、上記の円グラフにもあるように、信越化学とSUMCO(日本の会社だ…。住友系列だったはず)で、5割以上のシェアを占めている…。

※ そこへ、「殴り込み」をかけよう…、という話しだ…。

『日台の大手が寡占する半導体材料のシリコンウエハー市場で、フェローテックホールディングスなど非先端品が主力の日本の後発企業が中国で投資を積み上げている。中国の半導体国産化政策をテコに、大手が進出に慎重な中国での生産拡大を急ぐ。大手との技術格差や技術流出リスクなど課題は抱えるが、成長が見こめる市場で先行して大手優位の構図に挑む。

「5年でトップ集団に追い付きたい」。フェローテックの賀賢漢社長の鼻息は荒い。半導体製造装置の部品が主力…

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半導体製造装置の部品が主力の同社は、ウエハー業界では2002年に中国で旧世代品の生産を開始した「後発」だ。

そのフェローテックは20年から、中国政府系や民間のファンドを対象に中国のウエハー子会社などの増資や株の売却を実施した。調達額は21年2月までに合計約700億円にのぼり、同社のジャスダック市場での時価総額(約800億円)に匹敵する。賀社長は「募集金額の何倍もの投資家が集まった」と投資熱に驚く。
現地投資マネー呼び込み

資金の主な使途は先端半導体で用いる直径12インチ品の量産だ。浙江省杭州市で20年度から量産を始め、22年までに月10万枚まで増やす計画だ。ウエハー事業拡大への投資額は少なくとも1500億円を見込み、自社だけでは負担が重い。増資や売却で株式保有比率は3割弱まで下がるが、投資負担で赤字が続いていたウエハー子会社が連結から外れ、財務体質を維持・改善できる利点もある。

半導体ウエハーは日本の信越化学工業とSUMCOが5割強のシェアを持ち、米インテルなど世界の半導体メーカーに供給している。20年には業界3位の台湾・環球晶円(グローバルウェーハズ)が4位の独企業の買収を発表し、さらに集中が進む。

RSテクノロジーズの方永義社長も「25年までにSUMCOを超えたい」と野心を隠さない。同社は半導体の抜き取り検査に使う再生ウエハーの世界最大手。通常のシリコンウエハーは18年、中国政府系の北京有色金属研究総院(GRINM、現・有研科技集団)との合弁で参入した。一部の工程は共通で技術を生かせる。20年10月に山東省徳州市で新工場を立ち上げ、21年中に8インチ品の生産能力を月13万枚まで高める計画だ。12インチ品では徳州市の政府系ファンドの出資も仰ぎ、年内に月1万枚のテスト生産を計画。将来的に月30万枚の量産をめざす。
大手は技術流出警戒

中国政府は産業政策「中国製造2025」で半導体の自給率を7割に高める目標を掲げた。11日閉幕した全国人民代表大会(全人代)でも関連産業の強化を打ち出し、材料や製造装置は重点分野の一つだ。ウエハーでは天津中環半導体(天津市)や新昇半導体(上海市)が量産に取り組むが、大手と渡り合うメーカーはない。

フェローテックやRSテクノロジーズが期待するのが、国策を背景にした補助金や投資マネーだ。「現地資本を入れることで、国営企業と同等の補助金が得られる」(RSテクノロジーズ)。両社とも現地の生産会社を上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」などに上場させる方針だ。
フェローテックHDが生産する半導体の基板素材となるシリコンウエハー

一方、現状で上位メーカーと技術の差は「非常に大きい」(外資系証券アナリスト)。半導体ウエハーは品質を測る指標の一つである純度を高めるために、大手はシリコン結晶の塊を作る「引き上げ装置」を自社開発してノウハウを囲い込んでいる。フェローテックは以前から旧世代ウエハー向けの装置を内製してきたが、先端向けでは「何十年の差がついている。一つ一つクリアしていく」(同社)と認める。再生ウエハーの加工ではこの工程が無く、RSテクノロジーズは「引き上げ装置の開発が一番の課題」(方社長)と話す。

両社の中国での生産が軌道に乗っても、1社で月200万枚規模の12インチウエハーを生産する大手との差はなお大きい。ただ先行する大手は製品は輸出しても技術流出の恐れなどから中国生産に慎重だ。両社は「現地会社の役員構成などで経営の主導権を維持して技術流出を防ぐ」などとする。「パワー半導体基板など中長期的な成長が見込まれる子会社の持ち分比率が低下することで将来の利益がグループ外に流出する」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川義人シニアアナリスト)との指摘もある。

中国では20年夏、英半導体設計アームと中国合弁の間でトップ人事をめぐる対立が表面化した例もある。後発組の戦略が実を結ぶためには、慎重なかじ取りが必要になりそうだ。

ボストン・コンサルティング・グループの予測によると、半導体の生産能力で中国は30年に世界の24%を占め、台湾などを上回り量で世界最大となる。国策に後押しされて、中国では半導体に関係する様々な分野で多数のメーカーが設立されている。地方政府が出資する半導体製造受託企業が事実上破綻するなど既に淘汰も始まっている。競争環境の厳しさはウエハーも同様だ。

(龍元秀明、福本裕貴、長谷川雄大)

半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化

半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化
半導体ショック1
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0892D0Y1A300C2000000/

『3月5日午前、台湾北部・桃園市。新型コロナウイルス対策で厳格な体制が敷かれた空港に、プライベートジェット機が滑り込んできた。降り立ったのは米パソコン大手HPの最高経営責任者(CEO)、エンリケ・ロレス。2週間の隔離義務を免除する特例を受けたお忍び訪問だった。

「供給を急いでいただきたい」。最低限の検査だけを済ませたロレスは半導体企業の幹部らと次々に会い、直談判を繰り返した。滞在はわずか数時間。半導…

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半導体不足への危機感が表れていた。

「9月以降、華為技術(ファーウェイ)との取引を認めない」。昨年5月、トランプ米政権の決定が世界のモノの流れを大きく変えた。ファーウェイはスマートフォンのシェアで世界首位を争っていた。制裁で最も響くのが、台湾積体電路製造(TSMC)が造る最先端の半導体だった。

ファーウェイは「あらん限りの金と力でTSMCから半導体を確保して在庫を積み増し、9月に備えた」(関係者)。こうした無理が世界の半導体の需給バランスを次第に崩していく。

ファーウェイ向けの新たな米制裁が始まった直後の9月25日。今度は米商務副次官補の名前で2ページにわたる文書が、米半導体各社に突然届いた。

「中国SMICとの取引は今後、容認できないリスクをもたらすかもしれない」。制裁の次の標的が中国最大の半導体受託製造会社、中芯国際集成電路製造(SMIC)であることを示唆するものだった。

「政府は本気だ」。これを境に、米クアルコムなど米大手の半導体幹部らは続々と台湾入りを果たす。有能な半導体企業が集積する台湾。直談判で半導体を確保するのが狙いだった。こうして半導体生産は台湾に集中。世界は本格的な半導体不足の混乱に突き進む。
米国は台湾にあまりにも半導体で依存することを警戒するが、手立てを打てないでいる=ロイター

年明けに米フォード・モーターが最大で2割の減産見通しを発表。ゼネラル・モーターズ(GM)も最大20億ドル(約2200億円)利益が下がると公表した。日米独など各国政府もたまらず、台湾に増産を求める異例の展開をみせる。

それでも状況は変わらない。2月18日、たまりかねたかのような書簡が米ホワイトハウスに届く。「事態は緊急を要する。いまが行動のときです」。差出人は17にも上る米業界団体。不満は限界まで高まっていた。

6日後の2月24日。大統領のバイデンはホワイトハウスで、親指大の半導体チップをつまんでカメラに向けた。「これが自動車の生産を遅らせ、米国の労働者に時短を迫ったのです」

精いっぱいの姿勢を見せたバイデンはこの日、半導体の供給網の脆弱性を再点検し、100日間で見直すよう大統領令に署名。誘致したTSMCの米新工場向けなど、約4兆円の支援を検討する方針も明らかにした。

そんな米国が今、気になって仕方がない企業が台湾以外にもある。大統領令の直前、大統領補佐官(国家安全保障担当)のジェイク・サリバンはオランダ政府の安保顧問に電話をかけた。会談後の声明では「緊密な連携の確認をした」だけとはぐらかしたが「半導体装置メーカーASMLの件だった」。ある米政府関係者はそう明かす。

世界の半導体業界は今、台湾のTSMCとオランダASMLが飛び抜けた技術力を持つ。「この両社を甘く見て、この数年で大きな差をつけられたのがインテルであり米国だ。もう、どうにも追いつけないレベルだ」。両社との取引が長い日系装置メーカー幹部はそう語る。

「中国が台湾に脅威を与える状況でこれ以上、半導体で台湾に依存するのは危険だ」。元グーグルCEOのエリック・シュミットが主導する米議会の諮問委員会は3月1日、こう指摘し、米国の現状に警鐘を鳴らした。

安全保障にも関わり、米中対立の焦点といえる半導体。だが、技術のリード役は米中にはなく、過度に台湾に依存する実態が攻防で顕在化した。人工知能(AI)の台頭で今後、必要な量は爆発的に増えるのに、早くも不足が露呈している。各国は将来戦略をどう描くのか。世界はその入り口でつまずき、動揺を隠し切れずにいる。(敬称略)

なぜ半導体が世界を揺らすのか。国家を超えた「知」の争奪戦を追う。

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特集:EUV露光装置が織り成す半導体革命(レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト)

特集:EUV露光装置が織り成す半導体革命(レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト)
2020/3/13
今中 能夫
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/25984?page=2

 ※ こういう半導体の製造に使う、「露光装置」に関する解説記事を見つけたんで、紹介する…。

※ 半導体チップの「製造」は、何段階もの「工程」を経て、「回路」を作っていくものだ…。

※ そこにおける、「露光装置」の役割を示しているのが、上記のようなイラストだ…。

※ 「Si基盤」とあるのは、いわゆる「シリコン・ウエファー」のことだ…。そこに、酸化膜を作って、「レジスト」というものを塗布する…。

※ 昔の「銀塩フィルム」に塗られていた「感光材」と思えばいい…。

※ そこに、「マスク」をかぶせて、「露光」させる(「パターン露光」と言っている…。「パターン」とは、狙った「回路パターン」を指す)。

※ そうすると、マスクによって、「光線が遮られた部分」と、「光線が当たった部分」ができる…。

※ そして、「光線が当たった部分」は、感光材が化学的に変化し、エッチング・ガスで「エッチング」し易い状態になる…。

※ これも、「銀塩フィルム」を「現像液」に浸して、「洗い流す」作業とのアナロジーで捉えればいい…。

※ 一時期話題になった、「フッ化水素」は、そういう「洗い流し」に使う「エッチング・ガス」の一つだ…。

※ そういう「露光」「洗い流し」を何度も繰り返し、狙った「回路パターン」を形成し、金属を蒸着させて、導体部分を形成したり…、ということを繰り返して、狙った「半導体チップ」を作っていくわけだ…。

※ ということで、「微細回路」になればなるほど、「露光」させるときの「光線の波長」が、ポイントとなってくる…。

『2.EUV露光装置

 前工程の中でも重要な工程は、露光(リソグラフィー)工程です。複雑な回路をシリコンウェハ上の狭い範囲の中に描き込むには、波長が短い光源が必要になります。大昔(1970~80年代前半)はg線という波長436ナノメートル(nm)の光源で描画していました。このg線ではウェハ上に線幅800ナノメートルのパターンが形成できました。パソコンや携帯電話→スマートフォン、データセンターに使うサーバーの技術革新に伴って、半導体に描き込む回路が複雑になり、かつチップサイズを小型化する必要が出てきましたが、その過程でi線(365ナノメートル、パターン幅は500ナノ→350ナノに縮小)、KrF(クリプトン・フッ素エキシマレーザー、波長248ナノ、パターン幅は250ナノ→100ナノ)と技術進歩が進みました。

 2000年代に入ると、ArF(アルゴン・フッ素)露光装置が現れ露光技術は大きく進歩しました。液浸リソグラフィー(レンズとシリコンウェハの間に液体を介することで解像度を上げる)やマルチプルパターニングという新技術を取り入れることで、ArF液浸露光装置は2018年に始まった7ナノという非常に細かい線幅のパターン形成にも対応できるようになりました。

 しかし、7ナノ以降の線幅に対応するには高額なArF液浸露光装置を何台も製造ラインに並べる必要があります。そのため、より効率的により細かい線幅の回路の描画が可能な露光装置が求められてきました。それがEUV(Extreme Ultraviolet、極端紫外線)露光装置です。

 EUV露光装置の開発には、現在のところオランダの大手半導体製造装置メーカー、ASMLのみが成功し、同社が市場シェア100%を獲得しています。ASMLはArF液浸、KrF露光装置でも大手なので、半導体用露光装置では最大手となります。露光装置の価格が高いこともあって、2018年の半導体製造装置メーカーの売上高ランキングでは第2位となっています(1位はアプライドマテリアルズ、3位は東京エレクトロン)。

 EUV光源の波長は、13.5ナノメートルとArFに比べ大幅に波長が短くなっています。そのため、効率的に7ナノ以降の半導体の露光ができるようになります。EUV露光装置は2019年から量産ラインに導入されていますが、世界最大の半導体受託製造メーカーでありEUV露光装置の大口ユーザーと思われるTSMCではEUV露光装置を導入したラインを「7ナノプラス」と呼んで、2018年から量産開始したEUV導入前の7ナノ製造ラインと区別しています。

 TSMCの7ナノプラスラインでは、EUV露光装置は製造ラインの中でごく数台のみ導入されただけのもようです。しかし、2020年から始まる計画で現在構築中のTSMC5ナノラインには、EUV露光装置が本格的に導入される見込みです。

 また、TSMCを追って半導体受託製造事業に注力しているサムスンもEUV露光装置を導入しつつあると思われます。パソコン、サーバー用CPU最大手のインテルも同様と思われます。

 EUVはロジック半導体だけでなく、最先端のDRAM製造工程にも導入され始めています。DRAMは微細化による高速大容量化が進んでいるためです。このため、EUV露光装置のユーザーは、DRAMメーカーであるサムスン、マイクロン・テクノロジー、SKハイニックスにも広がっていると思われます。

図3 半導体用露光装置の仕組み

表1 半導体製造装置の主要製品市場シェア(2018年)

出所:会社資料、報道、ヒアリングより楽天証券作成。一部楽天証券推定。
表2 半導体用露光装置の出荷台数

単位:台、暦年
出所:電子デバイス産業新聞より楽天証券作成
注:EUVは販売台数(ASMLの売上高として認識されたもので出荷台数とは異なる場合がある)

グラフ1 半導体用露光装置の光源の波長

単位:nm(ナノメートル)、出所:各社資料より楽天証券作成

3.拡大するEUV市場と半導体製造装置市場

 EUV露光装置は、先端半導体の微細化の進展に対応するだけでなく、工程が複雑になりコストが膨れ上がる一方の先端半導体製造工程を効率化する目的で開発されたものです。そのため、EUV露光装置が製造ラインに導入されると、エッチング装置や成膜装置のような主要な製造装置の製造ラインへの設置台数が減少し、これらの前工程装置の市場規模が減少するのではないかと懸念されていました。

 しかし実際には、EUV露光装置による最先端半導体の生産効率化は、前工程の膨張をある程度まで抑えはするものの、縮小まではさせないことがわかってきました。そのため、酸化・成膜装置、エッチング装置、コータ/デベロッパ、洗浄装置などの前工程の主要装置は、半導体設備投資の増加、EUV露光装置の導入増加に伴って市場が拡大すると予想されます。

 この大きな要因は、スマートフォンにあります。スマートフォンの中のCPU、アプリケーションプロセッサからなるチップセットが、スマートフォンの性能向上に伴い加速的に高性能化し複雑化しているのです。5G時代を迎えると、この傾向は一層強くなると思われます。超高速送受信、同時多接続、低遅延など5Gの特色を生かした機能がいずれチップセットの中に付加されると思われます。また、カメラ機能、ゲーム機能の強化も進んでいます。これらの複雑化した機能を制御するために、既にスマートフォンには高性能AI(人工知能)が搭載されていますが、このAIもより一層高性能化し複雑になると思われます。

 このように高性能化し中身が複雑になる一方のスマートフォン用半導体の製造のために、EUV露光装置が導入されたわけですが、今度は逆にEUV露光装置が実用化されたことによって、更により一層高性能で複雑なスマホ用半導体を作る動きが出てくる可能性があります。その結果、前工程全体では、メモリ向けは波があるにせよ、ロジック向けは設備投資が順調に伸び続けると予想されます。

 後工程では、このスマホ用半導体、5G用半導体の複雑化の影響がすでにでています。5G用半導体の検査に必要なテスタ台数が増えているのです。5Gテスタの数量増加は昨年前半からアドバンテストの決算によって明らかになっていますが、5Gスマホが本格的に量産される今年以降は更に本格的に増える可能性があります。

 半導体製造ラインにEUV露光装置を導入する場合は、検査装置、各種の半導体素材もグレードアップしなければならない場合があります。フォトマスク(フォトマスクに半導体回路を描いて、それを強い光でシリコンウェハ上に転写する)とその素材であるマスクブランクスはEUV用が必要になります。その検査装置(EUV用マスク欠陥検査装置、EUV用マスクブランクス欠陥検査装置)も専用のものが必要になります。シリコンウェハに塗るレジストとその原材料もEUV用が必要になります。

 他の製造装置もEUV用にセッティングしたものが出てきました。東京エレクトロンのコータ/デベロッパでEUV用の製品はEUV露光装置向けのシェアが100%になっています。

 半導体関連の最重要材料であるシリコンウェハにはEUV用はありません。ただし、EUVの登場によって、今後3ナノ、2ナノと微細化が進む場合、より純度の高いシリコンウェハが必要になる可能性があります。このことは最先端半導体向けシリコンウェハで先行している信越化学工業、SUMCOと他社とをこれまで以上に引き離す要因になる可能性があります。

 同じことがシリコンウェハの洗浄やエッチングに使う高純度フッ化水素にも言えます。微細化が進むにつれて、現在の主流の10N(99.99999999%)が11N、12Nにグレードアップするきっかけになる可能性があります。その場合、超高純度品の安定供給が可能なステラケミファの市場シェアが上昇する可能性があります。

図4 スマートフォンの中身は複雑になる一方である』

蘭ASML、中国SMICと契約延長 旧型の半導体装置納入

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EHO0T00C21A3000000/

『【ロンドン=佐竹実】半導体製造装置世界大手のオランダASMLは3日、中国の半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)と結んだ納入契約を延長したと発表した。米国は安全保障上の理由などで最新の半導体装置を中国企業に輸出しないよう各国に働きかけているが、旧型の装置のため規制の対象にならないという。

ASMLの発表によると、SMICと「深紫外線(DUV)」露光装置の輸出で合意したのは2018年。20年末までの契約だったが、21年末まで延長することでこのほど合意した。すでに完了した契約は12億ドル(約1300億円)だった。ASMLはDUVについて「最新の技術ではないため、オランダから中国への輸出は問題ない」(広報担当者)としている。

DUVよりも新しい「極端紫外線(EUV)」の露光装置が造れるのは世界でオランダのASMLだけだ。米国はEUVの中国への輸出を禁じており、オランダ政府も許可していない。

ASMLは2020年の年次報告で米中対立に触れ、「輸出規制により、世界の貿易はグローバル化から地域化にシフトしている。すでに我々の輸出や特定の顧客向けシステムに影響している」と記載している。20年の売上高約140億ユーロ(約1兆8千億円)のうち、中国は約17%を占めた。台湾、韓国に次ぐ主要輸出先となっている。

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中国、半導体の外資協力奨励、米国との対立「希望せず」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26A650W1A220C2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国の王志剛・科学技術相は26日の記者会見で、米国が対中包囲網を進める半導体分野について「外国企業との協力継続を希望している。対中投資の環境を積極的に改善し、外資との連携強化を奨励する」と述べた。

米国との関係悪化について「我々が希望している状況ではない」と指摘した。半導体は中国経済の重要な基礎であり、産学官によるイノベーションを海外と協力して進め、海外との連携でも知的財産の保護を強化する方針を明らかにした。

バイデン米政権は24日、半導体など重要部材のサプライチェーン(供給網)について、中国に依存しない調達体制の構築を目指す大統領令に署名した。中国の半導体産業はまだ外資の技術などが必要なことから、王氏は米国勢を含めた海外企業との協調路線をアピールしたとみられる。

ただ、習近平(シー・ジンピン)指導部は米国の制裁を受けても影響されない供給網の構築を目指している。王氏は半導体などを指すとみられる中核技術は比較的弱く、供給網の能力は高くないと指摘。半導体は非常に重要な産業であるため、独自開発の能力をさらに強化する方針も示した。

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米、ファーウェイ排除へ2000億円 機器撤去費を肩代わり

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1303G0T10C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米政府は国内の通信会社で使われる中国・華為技術(ファーウェイ)製品を排除する取り組みを始める。19億ドル(約2000億円)を手当てし、機器の撤去や取り換えにかかった費用を肩代わりする。トランプ前政権の中国企業への強硬姿勢が、バイデン政権でも継続する。

米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。…

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米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。対象は通信会社が使う基地局の制御機器や無線装置など。撤去や廃棄、代替製品の購入にかかった費用を政府が負担する「返済プログラム」を設ける。2020年12月に成立した予算に含まれた19億ドルを活用する。

米通信会社は申請して条件を満たせば、費用を受け取れる。新規則では利用者が1000万人以下の通信会社を支援の対象とする方向だ。政府の補助金を受け取る通信会社が中国2社の製品を使うのも禁じる。手続きや設備投資に今後2年以上かかる見通しだ。

新規調達を禁じるだけではなく、既存の機器まで取り除くのは簡単ではない。安価で手厚いアフターサービスに引かれて中国2社と取引してきたのは、主に地方や農村部をカバーする小規模の通信会社だ。

FCCによると、少なくとも中国2社の製品を使う通信会社は50社に上る。経営体力に乏しい企業からは「自前で撤去などの費用を負担するのは厳しい」との声が上がっていた。

FCCが通信網から中国2社を排除するのは、中国政府に情報が抜き取られるリスクを警戒するためだ。18年から規則づくりを開始。安全保障上の脅威がある企業に中国2社を指定するなど、準備を重ねてきた。議会も超党派で関連法案を通した。

ファーウェイやZTEはスパイ活動への関与を否定している。ファーウェイはこのほど新規則の導入撤回を求めてFCCを提訴した。

高速通信規格「5G」への設備投資が本格化するなか、米国の中国企業排除は他国企業には商機となる。基地局の整備を一手に手掛けるスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアが攻勢をかける。

日本勢でもNECや富士通、楽天モバイル、NTTなどが、異なるメーカーの基地局製品を組み合わせて使える「オープンRAN」を推進する。通信網の整備で世界大手のファーウェイが抜けた穴に日本勢が食い込む可能性もある。

米国議会では与野党問わず中国企業に警戒を強めている。トランプ前政権はファーウェイへの事実上の禁輸措置を発動するなど強硬姿勢を貫いた。バイデン政権でも大きな流れは変わらない。

バイデン大統領に商務長官に指名された東部ロードアイランド州のジーナ・レモンド知事は1月の上院公聴会で、ファーウェイとZTEを名指しして「中国が米国の通信網にバックドア(裏口)を設けて、米国の安保を危険にさらすのを許すわけにはいかない」と警戒心をあらわにした。

これまで米国は、政府機関や取引先企業に対し、ファーウェイやZTEなど中国製品の排除を求めてきた。さらに通信網にある既存の製品を取り除く段階に進む。バイデン政権は同盟国と足並みをそろえて中国に対抗する構えだ。日本や欧州も一段と厳しい対応を迫られる可能性がある。

中国も対抗措置を講じる可能性がある。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国はレアアース(希土類)の輸出規制を検討していると報じた。レアアースは米最新鋭ステルス戦闘機F35などの生産に不可欠で、米国は輸入の8割を中国に依存している。

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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別の視点 バイデン政権がトランプ政権の対中強硬政策を継承することはこれでさらに明らかになった。他方の中国もこのことをよく理解している。このところ、習近平国家主席はヨーロッパの主要国首脳との個別会談を相次いで行う一方で、中東欧諸国とのフォーラムも急遽開催している。米中対立が高まるなかで欧州への接近を急いでいるが、その効果はいかほどか。今後の成り行きが気になるところだ。
2021年2月17日 7:54いいね
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米、半導体不足で対策検討 大統領令で供給網見直しも

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN115FP0R10C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】サキ米大統領報道官は11日の記者会見で、世界的な半導体不足で自動車の減産が広がっていることを受け、半導体メーカーや他国と話し合いながら対応策をまとめる方針を明らかにした。サプライチェーン(供給網)の見直しを求める大統領令も検討する。

サキ氏は「サプライチェーンの難点を特定している」と述べ、半導体を確保するための追加策を巡り、産業界や半導体を生産する国と協議中だと説明した。半導体メーカーのほか、自動車メーカーなど需要家の意見も踏まえて、連邦政府の支援策をまとめる構えだ。

今後数週間以内に出す大統領令では半導体を含む重要な製品のサプライチェーンを見直す。他国と足並みをそろえながら国内で増産するなど、品不足の解消に向けて可能な対応策を洗い出す。

半導体不足で自動車メーカーは減産を余儀なくされている。米ゼネラル・モーターズ(GM)は北米の3つの完成車工場で生産を休止した。米政府は台湾積体電路製造(TSMC)など主要な半導体メーカーを抱える台湾に供給拡大を求めている。

バイデン政権が対応を急ぐのは、自動車メーカーの減産が長引けば景気や雇用に悪影響を及ぼすためだ。ただ半導体調達でアジアに強く依存する米国が、どこまで実効性のある対策を打てるかは不透明だ。

【関連記事】
GMの10~12月、純利益2900億円 21年は半導体不足響く
日本車5社、最終損益予想を上方修正 21年3月期 

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 自動車向けの半導体が不足しているのは、アメリカが中国のSMICを市場から外した結果。SMICは最先端の7nmや5nmといった半導体ではなく、それよりも付加価値の低い20nm以上のものを作っていたが、TSMCなどは付加価値の低いこれらの半導体の生産能力を増強させるよりも、スマホ向けなど需要が高く付加価値の大きい先端半導体を作るため、投資が進まない。ただでさえ半導体製造は付加価値が低いといって開発や設計と製造を切り離したアメリカが、再度製造に戻ることは考えにくい。どのような政策をとろうとするのか、大いに疑問は残る。
2021年2月12日 8:44いいね
8

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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別の視点 「半導体は産業の米」と言われて久しいですが、一時期はその重要性が忘れられがちになっていた印象があります。デジタル化された現代にあって、半導体はまさに要。統廃合や効率化が進んだ国内半導体メーカーの動向も気になります。
2021年2月12日 8:11いいね
5

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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分析・考察 自動車産業への依存度が高い州の上院議員が半導体不足への対処を求める書簡を出すなど、バイデン政権への圧力が強まっていました。サキ大統領報道官が「生煮え」の大統領令に言及したのは、対応の遅れに対する批判への予防線という印象があります。

米政府はすでに台湾の半導体メーカーから増産の協力をとりつけ、米国内での半導体製造に補助金を出す案も浮上しています。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ292WM0Z20C21A1000000/

サプライチェーン見直しは「米中分断」を超え、米国とアジア全体の依存・競争関係の構図を一変させる動きになるかもしれません。
2021年2月12日 8:40いいね
4

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米通信当局を提訴 「安保の脅威」に反発―中国ファーウェイ

米通信当局を提訴 「安保の脅威」に反発―中国ファーウェイ
2021年02月10日09時53分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021000365&g=int

『【ワシントン時事】中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は9日までに、米連邦通信委員会(FCC)が同社を「安全保障上の脅威」に当たる企業に指定したことを不服として、米連邦高裁に提訴した。訴状によると、FCCの決定は違法だとして取り消しを求めている。

ファーウェイ排除を強調 制裁緩和「理由ない」―次期米商務長官

 FCCは昨年、ファーウェイが中国政府・軍の影響下にあると判断し、安保上の脅威と正式に認定。ファーウェイの異議申し立てを却下し、連邦政府から補助金を受けた通信会社に対して同社製品の購入を禁じた。』

ルネサス社長「5G技術の穴埋める」 英半導体大手を買収

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ088LL0Y1A200C2000000/

 ※ 英ダイアログの買収、本決まりになったようだ…。

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは8日、同業の英ダイアログ・セミコンダクターを6179億円で買収すると発表した。同社が開いたオンライン会見でルネサスの柴田英利社長兼最高経営責任者(CEO)は「不足していた技術を買収で強化する」と述べた。主なやり取りは以下の通り。

【関連記事】

ルネサス、英半導体ダイアログ買収合意 6179億円で
――ダイアログ買収の狙いは。

「自社に不足していた技術を買収で強化する。当社はエアコンなど白物家電向けの半導体に強みを持っていた。買収によって(高速通信技術…

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買収によって(高速通信技術の)5Gを含むIoTに必要な技術のピースが埋まる。近い将来はウエアラブルやヘルスケアでの貢献が大きい。車載向けは時間がかかるが、長期的に(買収の)相乗効果が見込める」

「(ダイアログが強みとする)電力制御ICは間違いなく重要な技術要素だと考えている。2050年の(温暖化ガス排出実質ゼロを意味する)カーボンニュートラルを待たずとも、爆発的に増える電力を効率的に使う重要性が高まっている。効率の高い電力制御の需要は非常に大きな拡大を続ける」

――買収の決め手と今後の買収戦略は。

「買収先は常に10社ぐらいの候補を見ており、ダイアログも何年も前からリストに入っていた。株価も一つの要因になるが、事業の構成変化が組み合わさって今回のタイミングで買収を決めた。買収対象の候補は今でもあるが、当面はダイアログとの統合をやらないといけない。ある程度規模の大きい買収をやるつもりはない。技術の獲得を目的とした小さな規模の買収はあり得る」

――米中摩擦などの地政学リスクで買収手続きに影響が出る可能性は。

「ダイアログを選んだ理由の一つにリスクが低いことがある。過去の買収と比べてもダイアログはセンシティブな製品を扱っていない。今回は安全保障のハードルは問題なく越えていけると考えている。当社とダイアログは補完関係にあるので、独占禁止法で問題になるほどのシェアを持つこともないと思っている」

――ダイアログの優秀な人材をどう維持するのか。

「優秀な人材の獲得は買収の理由の重要な一つだ。能力のある人材が意識高く働いてくれる環境を用意することに本気で取り組んでいる。これまでに買収した2社はうまくいっている。株価に連動した報酬の仕組みを用意している。経済的な理由だけで引き留めるのではなく、ルネサスの文化をもっと先進的にしようと本腰を入れている」

英半導体ダイアログ、ルネサスに会社売却協議 6220億円

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR080GR0Y1A200C2000000/

 ※ 様々な「ASIC」を、設計・製造・販売している会社のようだ…。

ASIC
https://ja.wikipedia.org/wiki/ASIC

https://www.dialog-semiconductor.com/ja

『【ロンドン=佐竹実】米アップルなどを顧客に持つ英半導体大手ダイアログ・セミコンダクターは7日、同業大手のルネサスエレクトロニクスへの会社売却について協議していると発表した。ルネサスが提示した買収額は約49億ユーロ(約6220億円)にのぼる見込み。ダイアログは交渉の進捗について「必要に応じて公表する」としている。

ダイアログはロンドン郊外に本社を置き、独フランクフルト証券取引所に上場している。発表によると、ルネサスは現金による買収を提示した。1株当たり67.5ユーロで、5日の終値を約2割上回る水準だ。

ルネサスは8日、ダイアログの買収について「協議している」との声明を発表した。買収金額についても認めた。

ブルームバーグ通信が7日、ダイアログがルネサスから49億ユーロで買収提案を受けていると報じ、ダイアログは協議が進展していることを認めた。複数の買い手候補と交渉しており、スイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスとも協議していたという。

ルネサスはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」やデータセンターなど成長分野を強化し、主力の車載事業への依存度を減らしている。2019年12月期の非車載事業の売上高比率は46%まで高まった。

ダイアログは足元で高速通信規格「5G」向けスマートフォンやタブレット向けの需要が好調だ。ルネサスは5Gの電波の送受信の技術開発も進めており、ダイアログの買収には5Gの基幹技術を取得する狙いもありそうだ。

一方、大型買収を懸念する見方もある。8日の東京株式市場でルネサス株は一時、前営業日比86円(7%)安の1162円まで下げた。

ルネサスは17~19年にかけて累計1兆円規模の買収を実施し、財務が悪化した経緯がある。「財務負担リスクを懸念する投資家もいるのだろう」(楽天証券経済研究所の今中能夫氏)との指摘があった。

【関連記事】
エヌビディアのアーム買収、EUも調査開始へ FT報道

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半導体、持たざる経営に転機 有事に供給リスク 台韓 生産で日米欧を逆転

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 ※ 半導体は、とっくに「産業のコメ」…、になっている…。

 ※ しかし、その「製造拠点」を見ると、韓国、台湾と、地政学的・国際政治的には、決して「安定的」とは言えない「国家・地域」において、多くが生産されている…。

 ※ そして、それが、「大国」の「国家戦略」にまで、影響を及ぼしてくるような、状況になっている…。

 ※ 民間各社は、そういう「風向き」も読みながら、「企業経営」「企業戦略」を、立てていかないとならないわけだ…。

『半導体メーカーが進めてきた生産の外部委託が転機を迎えている。米国や欧州企業の多くは開発に重点を置く効率経営で競争力を高めてきたが、特定の受託生産会社への依存度が高まり有事の製品安定供給に懸念が生じている。足元では台湾や韓国の受託会社のほか、中国企業も半導体の生産能力の増強を急ぐ。米中摩擦が供給寸断につながる恐れもあり、米日などは国産強化を模索する。

「米政府と自動車業界から感謝の言葉があった」。台…

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台湾の経済部(経済省)の王美花・経済部長(経済相)は5日、台湾積体電路製造(TSMC)などが米政府からの車載向け半導体の増産要請に応じたことを明らかにした。

米国はインテルやクアルコムを擁する半導体大国だ。それでも供給増を台湾に求めなければならないのは、生産の多くをTSMCなど外部企業に委ねてきたことにある。

半導体業界は2000年代から水平分業と呼ばれる開発と生産の分離を進めてきた。米欧日のメーカーは巨額にのぼる生産ラインの新設投資負担を抑えるため、製造の一定量を韓国サムスン電子のほかTSMCなど受託生産会社(ファウンドリー)に委託してきた。工場を一切持たないクアルコムなどは先端半導体の開発・設計に徹することで業界での存在感を高めてきた。

一方で生産はアジアの特定地域への集中が進む。ボストン・コンサルティング・グループによると、工場立地別の生産能力シェアは20年に台湾と韓国が世界の43%を占めた。米国の同シェアは12%と過去20年で7ポイント減。シェア15%の中国にも抜かれた。中国は10年に比べ4ポイント伸びた。

売上高でみた企業のシェアと供給能力の差は明確だ。米調査会社ICインサイツによると、米国に本社を置く企業は19年の半導体売上高でシェア55%を占め、2位の韓国(21%)などに大差をつけた。一方、先端半導体の量産に必要な300ミリウエハーを用いる半導体工場の20年12月時点の生産能力は台韓が47%を占め、日米欧の30%をしのぐ。

平時は効率経営につながる分業だが、有事は弱点もさらけ出す。TSMCなどは20年春ごろからパソコンやテレビ、白物家電向けの生産増に応じていたが、同年秋から車向けの受注も急増し供給が追いついていない。米による対中制裁で中国最大の受託生産会社、中芯国際集成電路製造(SMIC)との新規取引を手控える動きが広がり、その穴を埋める形の半導体の注文もTSMCなどに押し寄せた。海外の受託生産企業関係者は「1~3月期は2~3割の注文を断っている」と明かす。

デジタル化の進展で半導体の重みが増す中、十分な能力を備えた生産会社を持たない国はいまやその国の産業力を高められないリスクを負う。自動車メーカーは販売回復下での生産調整を余儀なくされている。国内大手幹部は「思いも寄らない足かせだ」と嘆く。

「せっかく確保してきたTSMCの生産割り当てを手放してもいいのか」「取引先を待たせられない」。ルネサスエレクトロニクスは半導体不足を受けてTSMCに委託していた製品の一部を自社の国内工場での生産に切り替えた。生産コストは上がるが自動車メーカーなどへの納入優先で決断に踏み切った。

同社は10年代のリストラの過程で、外部への生産委託比率を約3割まで高めてきた。結果として日本の生産ラインがだぶついたが「工場稼働率が会社の目的ではなく、グローバルに勝つことが目的だ」(当時の幹部)として水平分業を推し進めた。過去の経営戦略の前提が崩れた格好だ。

各国が注視するのが中国だ。人工知能(AI)などでの覇権確立を狙う同国は国産半導体メーカーの強化育成を進めている。SMICの趙海軍共同最高経営責任者(CEO)は5日の決算記者会見で「顧客からの増産要請が多く毎日のように話し合っている」と述べた。米制裁下でも「生産能力を引き上げられるかを議論している」と強気の姿勢を崩さない。

台湾周辺では連日にわたり、中国軍機が防空識別圏に侵入し緊張状態が続く。米政府が懸念するシナリオは地理的に中国に近いアジアの受託生産会社への足がかりを失うことだ。

足元の対策は国産強化だ。「米国のイノベーションや国防にとって重要だ」。1月中旬、就任に伴う議会公聴会に臨んだイエレン財務長官はこう述べた。米国での半導体製造への補助金などを視野に入れる。日本では産業界が動く。「どうにかしてほしい」。トヨタ自動車などでつくる日本自動車工業会は経済産業省に車載半導体の安定確保を求めた。政府は台湾当局に増産を要請したほか、このほど半導体関連などの国内生産基盤の投資支援も決めた。国と企業の思惑がからみあい「持たざる経営」の巻き戻しが始まっている。

(廣井洋一郎、龍元秀明、台北=中村裕)

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米、5G・半導体の開発・供給で基金 日英豪と中国対抗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0114O0R00C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米政府は高速通信規格「5G」や半導体の開発・供給で日英豪などと連携する基金を設立する。信頼できる同盟国とサプライチェーン(供給網)の構築で協力し、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など世界で競争力を高める中国企業に対抗する。

1月に成立した2021会計年度(20年10月~21年9月)の「国防権限法」に盛り込まれた。「多国間通信セキュリティー基金」は日本のほか、英豪など機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」と、安全性の高い通信機器を開発したり供給網を強化したりするのに使う。規模は今後詰めるが、企業間の提携を支援する。

7月をメドにつくる「多国間半導体セキュリティー基金」は、米国並みの厳しい輸出管理を運用する同盟国と半導体を共同開発する取り組みを資金面で支える。中国に依存しない半導体のサプライチェーンづくりを後押しする。

米国は5Gの基地局供給で先行するファーウェイに対し、半導体の禁輸措置を発動するとともに、同社製機器の排除を進めている。中国政府に情報が抜き取られるリスクがあるとして、他国にも同調を求めてきた。基金設立で同盟国の協力を一段と引き出す狙いがある。

バイデン米政権もハイテク分野で中国に強硬姿勢を続けており、日本も米国に同調するよう引き続き迫られる見通しだ。

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ルネサス、TSMC委託の半導体を自社生産 車向け一部

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ27COR0X20C21A1000000

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスが、台湾積体電路製造(TSMC)など外部の半導体製造会社に委託する製品について自動車向けの一部を自社生産に切り替えたことが28日分かった。委託先が大量の注文をこなしきれず、顧客への納入が遅れる恐れがあるためだ。半導体は開発と製造の分業で経営の効率化を進めてきたが課題も見え始めた。

主に自動車の動きを制御するマイコンで、半導体の性能を左右する回線幅が40ナノ(ナノは10億分の1)メートル…

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主に自動車の動きを制御するマイコンで、半導体の性能を左右する回線幅が40ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品の内製化率を増やしたもようだ。規模は明らかにしていない。12インチサイズのシリコンウエハーを用いる大量生産向け製造ラインで那珂工場(茨城県ひたちなか市)に不稼働部分があり、一時的な措置として活用する。外部委託した場合よりも電気代や材料調達費などがかさむが、納期を優先した。

ルネサスは2010年代前半からTSMCなど生産受託先(ファウンドリー)の活用を増やし、直近では半導体生産の3割を外部に依存してきた。最先端の生産ラインの新設には巨額の設備投資負担がかかるためだ。自社工場の稼働に余裕を持たせて、少量多品種製品の需要急増に対応する狙いもあった。

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他の半導体メーカーもルネサス同様に開発と生産の分離を進めてきたが、20年秋ごろから自動車やIT(情報技術)向けの半導体需要が急増しファウンドリーによる供給が追いつかない状況が生まれている。半導体メーカー各社は委託先の確保に奔走しており「高い手数料を払って、ファウンドリーに設備を融通してもらうおうとする企業も出ている」(半導体大手)という。

今回、ルネサスは内製品を増やすものの、回線幅が28ナノメートル以下の製品は自社量産が難しいため外部委託を続ける。足元ではTSMCなどファウンドリー大手が受託手数料を15%引き上げることを検討しており、自前の生産部門を減らしたことに伴うリスクが顕在化している。

ルネサス、旭化成の半導体を代替生産 工場火災受け

ルネサス、旭化成の半導体を代替生産 工場火災受け
供給不安に対応
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 ※ 旭化成関係の工場火災、半導体の製造工場だったんだな…。

 ※ なんか化学関係の、素材工場…だと思っていた…。

『2020年10月に起きた火災で旭化成のグループ会社の半導体工場の生産ラインが停止していることを受け、半導体大手のルネサスエレクトロニクスが代替生産に乗り出すことが26日分かった。工場火災に伴う半導体供給不安が後退し、懸念された自動車生産への影響も軽微に抑えられそうだ。

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ただ、自動車生産の急回復や電気自動車(EV)の普及などによる別の半導体の供給不足の問題は解決されておらず、国内の自動車大手にとって半導体の安定調達は課題とし…

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ルネサスは主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で代替生産する。製品の歩留まりの高い8インチサイズのシリコンウエハーを用いる製造ラインを活用する。那珂工場は別の自動車用半導体などを生産しているが、未稼働分の能力を割り当てた。

生産するのは電波の波長を調整するのに使う水晶発振器と呼ばれる部品向けのIC(集積回路)。自動車の衝突回避や被害を軽減する安全システムなどに用いられ、旭化成が高いシェアを占める。当面ラインの復旧が見込めず、旭化成は供給維持に向け国内外メーカーへの生産委託を調整していた。

既にルネサスは代替品のサンプルを自動車メーカーに供給し始めている。自動車大手は代替品の検証作業に入っており、春ごろまでにルネサスから代替品の供給が始まる可能性がある。

トヨタ自動車はデンソーやジェイテクトなどグループ部品会社を通じて被害にあったラインで生産していた半導体を使っていた。火災前にデンソーなどは一定程度の在庫を持っていたほか、旭化成も安全在庫と呼ぶ不測の事態に備えて多めの在庫を保有していた。トヨタは当面生産を継続できる体制だった。ルネサスによる代替生産にメドが立ち、トヨタの火災影響は限定的になりそうだ。

ただ、世界的に半導体の品薄状態が続いている。車の「走る」「止まる」といった動きを制御するマイコンや、電圧を制御するパワー半導体など幅広い製品でも逼迫感が出ている。

国内外の自動車大手も減産を強いられ、SUBARU(スバル)は2月も減産を続ける。台湾積体電路製造(TSMC)など半導体受託生産会社が立地する台湾当局に対し、独米日など各国政府が半導体増産の協力を要請するといった動きも出ている。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Business/Automobiles/Japan-s-Renesas-steps-in-to-ease-automotive-chip-shortage?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia

富士キメラ総研が車載ECU世界市場を調査

富士キメラ総研が車載ECU世界市場を調査。1台当たりの搭載数や高処理能力が必要なECUの増加で市場が拡大 | clicccar.com
https://clicccar.com/2017/06/06/477039/

『公開日 2017/06/06 15:33
最終更新日 2017/06/06 15:33

執筆者 山内博

市場調査の富士キメラ総研は、センサー情報を基に車載システムを制御するECU(Electronic Control Unit)の世界市場を調査しました。

今回の調査では、自動車1台当たりの搭載数が増加し、拡大しているECUの世界市場を調査、結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017 下巻:ECU関連デバイス編」にまとめています。

この報告書では、パワートレイン系ECU、HV/PHV/EV/FCV系ECU、走行安全系ECU、ボディ系ECU、情報通信系ECU、スマートセンサー/アクチュエーターの市場を地域別に調査・分析しています。

まず、車載ECU世界市場については、2016年の市場規模は、金額で8兆1,435億円、個数で19億7,095万個となる見込まれています。これに対して、2025年には13兆9,175億円、36億3,866万個まで拡大すると予測しています。

エリア別では、金額/数量ベースともEU、NAFTA、中国の市場規模が大きく、今後は中国やその他地域の市場規模が自動車生産台数の増加にともなって拡大すると予測しています。

分野別にみると、金額ベースの市場で最も大きいのがボディ系、次いで走行安全系、情報通信系のECUの順になっています。ボディ系ECUは、単価は低いものの数量が9億5,410万個と圧倒的に多く、走行安全系ECUは3億2,226万個、情報通信系ECUは2億7,217万個と個数は少ないですが、単価が比較的高額で、金額ベースで2位を占めています。

今後、数量ベースの伸び率が高くなると予測されるのはHV/PHV/EV/FCV系ECUとスマートセンサー/アクチュエーターの分野。HV/PHV/EV/FCV系ECUは環境対応車の生産台数増加に伴ってECUも増えていき、スマートセンサー/アクチュエーターは自動車1台当たりのECU搭載数が増加することが原因で増加していくと予測しています。

次に、自動車1台当たりのECU搭載数については、車種によって大きな差がありますが、2016年で平均21.6個、2025年には同30.4個になると予測。エリア別では、日本とEUが他エリアより多くのECUを搭載する傾向があると分析しています。

分野別では、ボディ系ECUが平均10.5個(2016年見込)と最も多く、2025年には同13.1個まで増加し、ボディ系ECUが自動車1台当たりの搭載数の半分近くを占めています。

ECUというと、エンジン制御が真っ先に思いつく用途ですが、いまでは自動車のあらゆる場所にECUが使用されていることがわかります。今後は、スマートセンサー/アクチュエーター系が大幅に増加し、2025年の搭載数は平均5.4個となるため、ボディ系ECUの自動車1台当たりの搭載数に占めるウェイトは低下すると予測しています。

そして、近年増加が目立つのが要放熱対策ECU。2016年の要放熱対策ECU市場は11億4,878万個に達して、全体(車載ECU世界市場)の約6割が何らかの放熱対策が必要なECUになっています。これは高出力アクチュエーターを使うシステムが増加していることや機電一体化が進んでいることが原因と分析しています。

例えば、GEM(Gasoline Engine Management System)では、PFI(Port Fuel Injection)からDI(Direct Injection)化が進むことによって燃料を噴射するインジェクターの高圧化が必須となるため、高圧噴射用のパワーデバイスが多く必要となっています。

さらにそれらを制御するECUはワイヤーハーネス削減のために、アクチュエーター近傍に搭載されるため、高温のエンジンルームへの搭載が必須で、耐熱対策と高温下における放熱対策も必要になります。

機電一体化については、機電一体化によってセンサーやアクチュエーターと一体化したECU搭載が求められています。高熱を発するアクチュエーターにECUを直付けするので、ECUの放熱対策が欠かせません。また、センサーと一体化する場合には、高度な信号処理をするICを使用するため、そのIC自体が高熱を発するため一層放熱の必要性が増大しています。

したがって、全体に占める要放熱対策ECUの構成比はあまり変わりませんが、数量は大幅に増加していくと予測しています。

(山内 博・画像:富士キメラ総研)』