〔フラッシュメモリの動作原理)

 ※ 前々から、フラッシュメモリの動作原理については、気になっていた…。

 ※ どういう仕組みで、「不揮発性メモリ」を実現しているんだろう…、と思ってな…。

 ※ それで、今回、ついに調べた…。

 ※ 想像していたのと、全然違った…。

 ※ なんか、「リチウムイオン電池」みたいな、「特別な、電荷を帯びた粒子」が移動するもの…、と想像していた…。

 ※ 完全に、「トランジスタ」の一種だな…。

 ※ 絶縁体でくるんであるんで、電源切っても、ある程度の時間は「電子」を貯蔵しておける…、という仕掛けだ…。

 ※ そして、書き換えるときは、電圧かけると、その「絶縁膜」を破って、電子を注入できるという仕掛けだ…。

 ※ なるほど、それでサムスン電子みたいな「メモリ屋」が、どんどこ製造しているわけか…。

フラッシュメモリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA#:~:text=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E7%B4%A0%E5%AD%90%E3%81%AF%E3%80%81%E5%8B%95%E4%BD%9C%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%8A%20%E7%B5%B6%E7%B8%81%E4%BD%93%20%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8B%E9%85%B8%E5%8C%96%E8%86%9C%E3%81%8C%E8%B2%AB%E9%80%9A%E3%81%99%E3%82%8B%20%E9%9B%BB%E5%AD%90%20%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%8A%A3%E5%8C%96%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E6%B6%88%E5%8E%BB%E3%83%BB%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF%E5%8F%AF%E8%83%BD%E5%9B%9E%E6%95%B0%E3%81%8C%E9%99%90%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%80%81%E8%A8%98%E6%86%B6%E7%B4%A0%E5%AD%90%E5%8D%98%E4%BD%93%E3%81%AE%E6%9B%B8%E3%81%8D%E6%8F%9B%E3%81%88%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%81%AF%E7%9F%AD%E5%91%BD%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%20%28TLC%29%20%E3%81%A7%E3%81%AF%E6%95%B0%E7%99%BE%E5%9B%9E%E3%81%8C%E9%99%90%E7%95%8C%E3%80%81%E9%95%B7%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%82%82%20%28SLC%29,%E6%95%B0%E4%B8%87%E5%9B%9E%E7%A8%8B%E5%BA%A6%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%20%E3%80%82%20NOR%E5%9E%8B%E3%82%88%E3%82%8A%E3%82%82NAND%E5%9E%8B%E3%81%AE%E6%96%B9%E3%81%8C%E5%8A%A3%E5%8C%96%E3%81%8C%E6%BF%80%E3%81%97%E3%81%84%E3%80%82%20%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E7%B4%A0%E5%AD%90%E3%82%92%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%BE%E8%A8%98%E6%86%B6%E8%A3%85%E7%BD%AE%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E4%BD%BF%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%80%81%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%81%8C%E7%89%B9%E5%AE%9A%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AB%E5%81%8F%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%80%81%E6%9C%AA%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E7%B4%A0%E5%AD%90%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E4%B8%80%E6%96%B9%E3%81%A7%E7%89%B9%E5%AE%9A%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E7%B4%A0%E5%AD%90%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%8C%E5%8A%A3%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%81%8C%E5%B0%BD%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%8C%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82%20%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E3%81%AE%E8%A3%BD%E5%93%81%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%81%AE%E5%81%8F%E3%82%8A%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%92%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%81%97%E3%81%A6%E6%B6%88%E5%8E%BB%E3%83%BB%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%81%8C%E7%89%B9%E5%AE%9A%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AB%E9%9B%86%E4%B8%AD%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%20%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%20%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82%20%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E6%9B%B8%E3%81%8D%E6%8F%9B%E3%81%88%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%81%AF%E8%AB%96%E7%90%86%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%81%AF%E4%BC%B8%E3%81%B3%E3%82%8B%E3%80%82

※ 最近では、SSDに使われている用途が、一番多いのか…。

※ データセンターでも、HDDから急速に置き換わっている感じのようだしな…。

※ この図が、一番分かりやすいな…。

米、半導体供給網の強化へ情報収集 メーカーと協議

米、半導体供給網の強化へ情報収集 メーカーと協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2427S0U1A920C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権は23日、半導体のサプライチェーン(供給網)に関する官民協議を開いた。半導体不足が続くなか、メーカーや需要家に在庫や増産計画などの情報を提供するよう求めた。供給網の全体像を把握して需給逼迫を早めに察知できるようにする狙いだ。

レモンド商務長官と米国家経済会議(NEC)のディース委員長が主催した。大手半導体メーカーに加え、アップルやマイクロソフト、ゼネラル・モーターズ(GM)、独BMWなど半導体不足で減産を強いられている需要家の幹部も加わった。

商務省は半導体メーカーと需要家を対象に意見公募を始める。生産する半導体の品目や能力、受注状況、在庫、増産計画などの情報を45日以内に提供するよう求めた。供給網のどこに脆弱性があるかを政府が把握できるようにする。

新型コロナウイルスのような感染症で工場が止まる事態にも備える。バイデン政権は、各国の公衆衛生に絡む生産の混乱を察知し、早めに警告する仕組みをつくっていることを参加企業に明らかにした。

足元の半導体不足を巡っては、メーカーと需要家の間で情報共有がうまくいかず、それぞれが需給を読み誤ったために深刻化したとの指摘がある。』

Armの中国合弁企業がArmからの独立を宣言

Armの中国合弁企業がArmからの独立を宣言、一部ライセンスや中国市場の顧客をそのまま横取り – GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20210831-arm-china-robbed-ip/

 ※ ソフバンがArmを買収した時から、米国はそれを注目していた…、ということを紹介したことがあった…。

アメリカはソフトバンクがArm社を買収した時点からマークしてた…、という情報があったんで、紹介しとく。
https://http476386114.com/2018/12/17/%e3%82%a2%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%81%af%e3%82%bd%e3%83%95%e3%83%88%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%8carm%e7%a4%be%e3%82%92%e8%b2%b7%e5%8f%8e%e3%81%97%e3%81%9f%e6%99%82%e7%82%b9%e3%81%8b/

 ※ その「危惧」の通りの「展開」になって来た感じだな…。

『半導体企業・Armが開発したArmアーキテクチャは、携帯電話や自動車、マイクロコントローラー、Amazon Web Services(AWS)のサーバーなどで使われる何十億ものチップで採用されています。Armはイギリスの企業でしたが、2016年にソフトバンクに買収されました。その後、NVIDIAへ売却されることが発表されたものの、中国国内でのライセンス権を持っていた中国合弁企業が一方的に独立を宣言し、知的財産権(IP)のライセンス権を横取りしたまま暴走を続けていると、半導体関連ブロガーのディラン・パテル氏が解説しています。

The Semiconductor Heist Of The Century | Arm China Has Gone Completely Rogue, Operating As An Independent Company With Inhouse IP/R&D – by Dylan Patel – SemiAnalysis
https://semianalysis.substack.com/p/the-semiconductor-heist-of-the-century

2018年6月にソフトバンクは、ArmのIP事業を中国で行うことを目的として、中国子会社であるArm Technologyの持ち株の51%を中国投資コンソーシアムに売却し、「安谋科技(Arm China)」として合弁企業化しました。Arm Chinaは中国国内でArmのIPをライセンス管理する独占権を持つこととなりました。

子会社(アーム)における中国事業の合弁事業化に関するお知らせ | ソフトバンクグループ株式会社
https://group.softbank/news/press/20180605

しかしその後、Arm Chinaのアレン・ウーCEOがArm Chinaの顧客に対してライセンス料の割引を持ちかけ、それと引き換えに自分の会社への投資を誘致していたことが発覚。2020年にArmと株主はウーCEOを追放することに合意し、Arm Chinaの取締役会は利益相反を理由に、賛成7:反対1でウーCEOの解任を可決しました。

しかし、社印をウーCEOが保持していたため、解雇を法的に実行することができなかったとのこと。中国は日本と同じく印鑑に法的な効力を持たせる実印社会で、会社で行われるさまざまな手続きは社印がなければ実行に移すことができません。つまり、取締役会がウーCEOの解任を決議したにもかかわらず、ウーCEOは解任を拒否しながら、会社を実質的に支配したままとなっているわけです。

ウーCEOは取締役会でArm側についた上級幹部を追い出し、Arm Chinaの名義でArm Chinaの取締役会を提訴しました。Armの影響が排除されてしまったことで、Arm Chinaは完全にArmの手から離れ、暴走することとなりました。

もちろんArm側も黙ったままではおらず、新規IPのライセンス委託を停止するという報復を行いました。たとえばArmのCPUであるCortex A77やAWS独自設計のGraviton、Neoverseシリーズなどの主要な技術はArm Chinaには送られていません。また、2021年5月に発表された新アーキテクチャのArmv9も、Arm Chinaに提供されていません。その上でArmは「Arm Chinaが中国の半導体産業に悪影響を与える」と中国政府に訴えようとしています。

新規ライセンスの停止によって、Arm Chinaの暴走も収まるかと思われました。しかし、Arm ChinaはArmからの独立を正式に宣言するイベントを開催し、「Arm Chinaこそ中国最大の半導体IPサプライヤーである」とアピールしました。さらに、Arm Chinaは独自に開発した「XPUライン」と呼ばれる新しいIPを発表。今後はスマートフォンなどのモバイル機器やIoT機器向けに独自のNPUやVPUをリリースすると宣言しました。

結果として、Arm ChinaはArmからの独立をうたいながら、Armの一部IPを奪い、世界第2位の規模を持つ中国市場をかすめとった形になります。パテル氏は「Arm Chinaは中国の合弁企業が暴走した最も有名な例です。中国では何十年にもわたってIPが奪われコピーされてきましたが、今回のArm Chinaの一件はこれまでで最も大胆な試みかもしれません」とコメントしています。

さらにパテル氏は「このArm Chinaの暴走がNVIDIAの買収にどのような影響を及ぼすのかは不明ですが、ソフトバンクの近視眼的な利益追求がこのような大規模な問題を引き起こしたことは明らかです」と述べ、ソフトバンクのやり方を批判しました。』

〔日米半導体協定〕

日米半導体協定
https://kotobank.jp/word/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E5%8D%8A%E5%B0%8E%E4%BD%93%E5%8D%94%E5%AE%9A-858300

『日本とアメリカとの間で結ばれた半導体貿易に関する協定。

 日米間の半導体に関する問題は、1978年(昭和53)首相福田赳夫(たけお)が訪米した際にアメリカの半導体メーカーが、日本側の輸入障壁、政府補助、流通システムの問題について陳情したことに端を発している。以後、日本の産業政策批判、通商法301条に基づく提訴、ダンピング提訴などが相次いだ。アメリカのメーカー側の論拠は、日本半導体のアメリカ市場への進出は、アメリカのハイテク、防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題として、のちには産業への波及懸念を表面上の論拠としている。

 1986年7月、日米政府間で「日米半導体協定」が最終合意された。内容は非公表だが、概略は、(1)日本政府は国内ユーザーに対して外国製半導体の活用を奨励する、(2)日本政府はアメリカへ輸出される6品目の半導体のコストと価格を監視する、(3)アメリカ商務省はダンピング調査を中断する、(4)日本政府は第三国市場に輸出される3品目のコストと価格を監視する、(5)協定期間は5年、以上の5点である。

 1987年4月、アメリカ大統領レーガンは、日本の第三国向け輸出のダンピング、また日本市場でのアメリカ製品のシェアが拡大していないことの2点を理由に、日本の特定商品(パソコン、電動工具、カラーテレビなど)に対し関税を100%に引き上げる措置を発動した(同年6月に解除)。これに対して日本は「半導体ユーザー協議会」を設立するなど対日アクセス促進のための措置を取った。

 1991年(平成3)8月、先の第1次協定は満期になったが、「新」協定(第2次)が発効、日本市場へのアクセス拡大を図るアメリカは、ヨーロッパに比べて日本市場でのシェアが低いことをあげ、シェア20%を要求した。その後この目標が達成されたため、1996年7月に協定は期限切れとなり失効。同年8月には、日米にヨーロッパを加えてダンピング防止や市場への参入障壁除去などを検討する民間主体の「世界半導体会議(WSC)」、政府主体の「半導体主要連合」が誕生した。第1回世界半導体会議は1997年に日米両国、ヨーロッパ連合(EU)に韓国を加えハワイで行われた。1999年6月、日本、アメリカ、EU、韓国、台湾の5か国・地域は、半導体主要連合を廃止し、世界半導体会議を「新世界半導体会議」として再編成することを決めた。

[三輪芳郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) 』

米国は30年前と同じ、半導体交渉当事者がみる米中対立

米国は30年前と同じ、半導体交渉当事者がみる米中対立
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65263770R21C20A0000000/

『半導体をめぐる米中の対立の余波を分析する。今回は、歴史をひもときながら米中半導体戦争の本質を探る。歴史は繰り返すのか。

「このままでは中国は八方ふさがりだ。まるで30数年前と同じですよ」

こう話すのは元日立製作所専務の牧本次生氏。1986年から10年間続いた日米半導体協定の終結交渉で日本側団長を務めた、半導体産業の歴史の証人だ。米国と中国が繰り広げる半導体をめぐる対立に日米半導体摩擦を重ね合わせる日本人は多い。牧本氏は「ここで覇権争いに負けたら、中国は30数年前の日本のように競争力がそがれるだろう」と警鐘を鳴らす。

米国は2020年9月に華為技術(ファーウェイ)に対する輸出規制を発効し、中芯国際集成電路製造(SMIC)向けの製品出荷にも規制をかけた。「『一国の盛衰は半導体にあり』をよく理解している米国は、ファーウェイやSMICへの禁輸など、中国のエレクトロニクス産業の生命線を絶とうとしている」(牧本氏)

牧本氏は、最先端半導体の製造技術で中国に追いつかれないよう米国が神経をとがらせていることに注目する。微細化に欠かせない露光装置を手掛けるオランダの装置メーカー、ASMLの機器や技術が中国に渡らないよう、米国は19年からオランダ政府に働きかけてきた。

国防の観点から米国が警戒心
「米国の半導体関係者を刺激したのも日本の先端半導体開発プロジェクトだった」。牧本氏はこう記憶をたどる。

1970年代、米国ではIBMがICを大きく上回る性能の大規模集積回路(LSI)を使ったコンピューター「フューチャーシステム」の構想を進めていた。これに対抗すべく76年に日本で立ち上がったのが「超LSI技術研究組合」。富士通や日立製作所、三菱電機などが参加した官民連携計画で、コンピューターの中核となる超LSIを開発することが目標だった。シリコンウエハーに回路パターンを転写する露光装置など半導体製造技術の発展に大きく貢献し、その後の半導体材料や製造装置などの川上産業の強化につながった。その結果、「国防の観点から米国が日本の半導体産業に大きな警戒心を持つようになった」と牧本氏は分析する。

官民プロジェクトの成果もあり、日立製作所や富士通、NECなど「日の丸半導体」の中核製品だったDRAMは世界市場を席巻した。81年には64キロビットDRAMのシェアで日本メーカーは合計70%を占め、米国の30%を大きく上回った。米国の雑誌に「不吉な日本の半導体勝利」と題した記事が出るなど、日本脅威論が米国内に広がっていった。

「日本の半導体メーカーが不当に廉価販売している」。85年6月、米国半導体工業会(SIA)が日本製半導体をダンピング違反として米通商代表部(USTR)に提訴した。ここから日米政府間交渉が始まり、1年後の86年9月に締結したのが日米半導体協定だった。(1)日本市場における外国製半導体のシェア拡大、(2)公正販売価格による日本製半導体の価格固定――。協定で定められたこの2つの取り決めが「日本の半導体産業が弱体化する1つの引き金になった」と牧本氏は振り返る。

「85年は日米経済関係が一番緊張した時代に入った頃だった。米国が一番うるさかったのは、繊維、通信機器、自動車で、アメリカの財界が悲鳴をあげていた。日本からアメリカへの輸出過多の品目に一つ一つ手当てをしていった記憶がある」。故・中曽根康弘元首相はインタビュー形式の著書『中曽根康弘が語る戦後日本外交』でこう触れている。

公正販売価格でじわじわと競争力を失う
対日貿易赤字が拡大し米国企業の業績が悪化する中、高品質で低価格の「メード・イン・ジャパン」製品の勢いをどう食い止めるか。米国が狙い撃ちしたのが「日本の技術力の象徴だった半導体、しかも強いDRAM、巨大な日本市場だった」(牧本氏)。日本の半導体産業は世界で圧倒的な存在感があっただけに、持ちこたえられるだろうという甘い読みがあった。

その後の日本のDRAM産業は、気付かないまま競争力を失っていった。「日本の半導体産業は米国からたたかれたイメージが強いが、内部にいるとぬるま湯のようだった。(日米半導体協定の)公正販売価格がじわじわと麻薬のように効き、開発意欲が失われていった」。総合電機メーカーの半導体部門OBはこう証言する。

協定によって決めた最低価格以下では販売できないため固定価格になり、その価格が高く安定していたため各社のDRAM事業は「特段なにもしなくても高い利益率を得られる状況だった」(同幹部)。他社と新製品の技術開発で競争をしようというモチベーションがなくなった日本企業は、現状維持に甘んじるようになった。短期的にはマイナスの影響が見えづらかった日本製DRAMの価格安定は、後に韓国企業が安値で攻勢をかける要因にもなった。

100%の報復関税に衝撃受け半導体減産

日本市場における外国製半導体のシェア拡大という協定も半導体産業の競争力をむしばんだ。日本の電子機器メーカーは、半導体の調達額の5分の1程度は外国製を買わなければならなかった。協定締結の翌年には「日本が半導体協定を守っていない」として米政府が日本製のパソコンやカラーテレビ、電動工具に100%の報復関税をかけるなど、強硬な手段もいとわなかった。

「DRAMは需要がある分だけつくれ」。報復関税に衝撃を受けた日本側は、通商産業省(現経済産業省)が半導体メーカーに指示を出した。各社は減産を余儀なくされ、その結果、外国製半導体の日本市場でのシェアが拡大していった。

「何をやるにしてもがんじがらめだった。『もうDRAMをエース格の事業としては扱えない』との雰囲気が広がった」。牧本氏は、日立では日米半導体協定の締結後すぐに別の半導体に経営資源を移そうという議論が始まったと明かす。

企業側だけではない。日米半導体摩擦の心的外傷は大きく、超LSIプロジェクト終了後は半導体関連の大きな国家プロジェクトがなくなった。80年から90年代半ばまで大型の官民プロジェクトがなかった時期を牧本氏は「空白の15年間」と呼び、「その時期に米国や欧州、韓国などが産官連携による半導体産業の強化策を次々と打ったのも日本半導体の産業基盤の足腰が弱くなった要因」と指摘する。

十分に競争力をそいだはずなのに…

86年に日本は半導体の世界シェアで46%を取って米国を追い抜いたが、93年には米国が日本を逆転して首位に返り咲く。日本の競争力が十分にそがれた96年にようやく日米半導体協定は終結を迎えることになるが、牧本氏は米国が終結交渉で見せた執念深さに驚きを隠せなかったという。

96年2月にハワイで始まった交渉は、「日米の思惑が180度違った」(牧本氏)。日本側が「不公平な協定を一刻も早くきれいに終わらせたい」と交渉に臨んだのに対し、米国は「協定が完全になくなればまた日本がダンピングをするかもしれない。エッセンスを残そう」と主張。引き続き政府を関与させることを提案してきた。

5回に及ぶ会合を経て、牧本氏らは政府関与をなくすことを米国側に飲ませた。その一方で、日本市場での外国製半導体のシェア確保を目的とする協議会を3年間残すことを承諾せざるを得なかった。協定下の10年間で日本市場の外国製半導体シェアは20%を超えるまでに拡大していたが、米国側はどこまでも日本半導体の復活の芽をつもうとしていたのだ。

86年には世界の半導体メーカートップ10のうち6社を占めていた日本勢。しかし、最新の2019年にトップ10に入ったのは東芝から独立したフラッシュメモリーのキオクシアホールディングスのみ。日米半導体協定によって牙を抜かれた日本のDRAMは日立とNEC、三菱が事業を統合させてエルピーダメモリとして再出発したが、韓国や台湾との投資競争に敗れて経営破綻した。東芝はDRAMを捨ててフラッシュメモリーに集中し、世界2位を堅持してきたが、システムLSI事業からの撤退を9月に決めた。富士通やパナソニックも半導体事業や工場を海外企業に譲渡した。

1986年には半導体売上高トップ10のうち日本企業が6社を占めるほどの隆盛を誇ったが、各社の半導体部門は徐々に本体から離れ、規模も縮小。多くの事業が最終的に売却や撤退に追い込まれた
日本の半導体メーカーの衰退には3つの遅れが関係している。パソコン市場の急激な拡大に乗り遅れ、総合電機メーカーの1事業だったために設備投資の意思決定も遅れた。ファウンドリー(半導体受託製造)や設計専業などの水平分業への対応も遅れた。ただ、「日米半導体協定がトリガーとなって競争力がそがれたのはやはり大きかった。その後は冷え切った半導体への熱を取り戻せていない」と牧本氏は悔やむ。

「一国の盛衰は半導体にあり」。牧本氏は結局、この認識があるかないかが日本と米国の違いだったと振り返る。日本は半導体摩擦で敗れた結果、国内市場を開放し、産業振興も影を潜め、企業は巻き返しのすべを見つけられなかった。

「もっと一緒にできないか」

牧本氏は「中国はここで負けたら国の将来に関わるとして必死に反撃するだろう」と予測する。米国に反発する中国には復活シナリオがまだ残されている。

「米国の攻撃は終わりが見えないが、必ずアジアの時代が来る。もっと一緒に何かできないか」

ある国内半導体メーカーの経営幹部は最近、中国・清華大学の教授からこんな連絡をもらって驚いたと明かす。習近平(シー・ジンピン)国家主席の母校で、半導体を中心としたハイテク産業振興をけん引する清華大学。その姿勢から見えてくるのは、攻め手を止めない米国を前にしても、中国が決してあきらめていないということだ。

日米半導体摩擦からの学びが、中国を徹底抗戦へと向かわせたというのはうがち過ぎだろうか。技術の覇権争いであきらめない中国の姿勢こそ、今の日本が学ぶべきことなのかもしれない。

(日経ビジネス 岡田達也)

[日経ビジネス電子版2020年10月21日の記事を再構成]』

ファーウェイ新旗艦スマホ、5G非対応

ファーウェイ新旗艦スマホ、5G非対応 米規制が影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM29AB70Z20C21A7000000/

『【広州=川上尚志】中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は29日、新しい旗艦スマホ「P50」を8月中旬から中国で順次発売すると発表した。高速通信規格「5G」には対応せず、一世代前の「4G」の技術を使う。米政府による規制で半導体の調達を厳しく制限されるなか、5Gに必要な部品の確保が難しい状況を反映しているとみられる。

ファーウェイは29日に新製品説明会をオンラインで開き、スマホなど消費者向け事業の余承東(リチャード・ユー)最高経営責任者(CEO)がP50について「5Gの技術を搭載しないが、4GとWi-Fi(ワイファイ)、人工知能(AI)の技術を通じて、よりよい通信性能を体験できる」と説明した。

米政府はファーウェイのサプライヤーに対し、4Gなど古い通信技術の部品については一部供給を認めているが、5Gの中核部品では大半で許可を出していない。ファーウェイは規制に備えて5Gに対応する半導体などの在庫を前倒しで確保してきたが、一部の中国メディアは21年末にも在庫がなくなる可能性があると報じており、今後は4Gスマホが中心となる可能性がある。

P50は「標準版」の価格が4488元(約7万6000円)からで9月に発売する予定。カメラの性能などを高めた「Pro版」は5988元からで、8月12日から順次発売する。中核部品である半導体セットは自社設計の「キリン」か、米クアルコムの「スナップドラゴン」を採用する。高性能のカメラを標準版で4個、Pro版で5個搭載し、夜景なども細部まで写し込むことが可能という。

基本ソフト(OS)は独自開発した「鴻蒙(ホンモン、英語名ハーモニー)」を採用する。発表会では同じOSを搭載するスマートスピーカーやテレビ、子供向けの学習用端末などの新製品も紹介し、スマホと連携して手軽に操作できるなどの特徴をアピールした。

調査会社のカナリスによると、ファーウェイのスマホ出荷台数は20年4~6月期に初めて世界首位になった。ただ米政府が規制を強化した20年9月以降は減速が鮮明で、20年10~12月期からは3四半期連続で5位圏外に転落している。』

蘭ASML社、中国にEUV露光装置販売せず 米政府の要請で

蘭ASML社、中国にEUV露光装置販売せず 米政府の要請で
https://www.epochtimes.jp/p/2021/07/76271.html

 ※ 相当「強力に」圧力かけたようだな…。

 ※ 基軸通貨を握っているから、「金融で脅されると」逆らいようがない…。

 (※ ユーロも、円も、「ドルの裏付けがあればこそ」人々が受け取ってくれる。)

 ※ いくら、製品・技術を保有していても、それが「金銭に替えられない」のでは、絵に描いた餅となる…。

『米メディアによると、半導体国産化を急ぐ中国当局は、オランダの半導体製造装置メーカー、ASML社に対して、半導体製造に欠かせない露光装置を中国に輸出するよう圧力を引き続きかけている。

ASML社は、世界最先端の極端紫外線(EUV)露光装置を生産している。同措置は米国の技術を使っているため、米政府の対中輸出規制の対象となっており、ASML社は中国へのEUV露光装置の輸出を停止した。これは、半導体国産化を急ぐ中国当局にとって痛手となっている。
(※ 公開は、ここまで。後は、登録しないと読めない。)』

経営破綻の中国・国策半導体企業「紫光集団」、強欲の末路

経営破綻の中国・国策半導体企業「紫光集団」、強欲の末路
「半導体完全国産化の野望」が無惨な状況に
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66083?page=3

 ※ 清華紫光集団破綻のニュースは、既に貼ったところだ…。

 ※ その「内幕」を語っている記事を見つけたんで、一部を紹介する…。

『紫光集団の海外債務の変動が表面化し始めたのが2019年ごろ。当時の紫光集団は、子会社の海外債務が増加しながらも、経営は正常であると強弁し続けてきた。本土、オフショアともに社債デフォルトが発生し始めても、「資金は十分にあり、流動性は安定している」と言い続けてきた。

 2019年の紫光集団の財務諸表などをまとめた年報によれば、金利を含めたグループの負債は前年同期比で209億元減少し、1402億元だった。しかし実際のところ負債は増え続け、すでに2000億元を超えていることが明らかになった。』

『中国の企業情報データバンク「Wind」のデータによれば、紫光集団の目下のデフォルト総額は元本金利を含めて68.83億元。2021年12月末までに、さらに13億元規模の債務が満期を迎えるので、おそらく2021年末には、償還期限を過ぎた債務は80億元以上となる。2020年の年報はまだ発表されていないが、2019年の年報をもとにすれば、紫光集団の総資産は2977.62億元で、負債合計は2197.47億元。2019年の集団の売上総額は769.38億元で親会社の純利益は14.30億元。つまり資産の負債率は73.46%となる。』

『失敗に終わった台湾半導体技術「乗っ取り」

 なぜ紫光集団にこれほど多額の負債があるのかというと、無謀な子会社買収を続けたからである。

 わかっている範囲で、紫光集団は2013年から60以上の企業を買収。中でも、台湾半導体技術を併呑(へいどん)するという野望のために、かなりの無茶をやった。とりわけ激しかったのが2015年の動きだ。』

『紫光集団は2015年に、米ヒューレット・パッカードの子会社「H3Cテクノロジーズ」の株51%を25億元を投じて取得した。さらに、同年11月、台湾の半導体パッケージング・検査大手「パワーテック・テクノロジー」の株25%(194億ニュー台湾ドル)を取得したことを発表した。一躍筆頭株主となって役員メンバーの座を獲得、台湾半導体業界に切り込んだ最初の中国資本となったことが報じられた。』

『紫光集団はこれに満足せず、さらに趙偉国会長は「もし台湾の法律が許すようなら、早急に『メディアテック』と合弁する」と語った。台湾メディアテックは、工場を持たずに半導体設計を専門に行う「ファブレス」と呼ばれる業態の大手企業である。中国当局はこれを受けて台湾の半導体産業に圧力をかけ、「市場開放しないならば、台湾ブランドや台湾製造のチップおよび関連商品の禁輸措置を取る」などと脅しをかけた。』

『この動きに危機感を募らせたのが台湾の半導体分野の有識者たちだ。紫光の台湾企業買収攻勢は、台湾の命運を左右し、世界の半導体産業の勢力地図を書き換えかねないと見たからだ。メディアテックが株を紫光に買われ、台湾企業としての自主経営ができなくなれば、台湾半導体業界における米中パワーゲームの勝敗にも大きく影響することになる。』
『米メディア「ラジオ・フリー・アジア」の台湾成功大学・電機学部の李忠憲教授へのインタビューによれば、2015年当時、台湾の半導体分野の学者たち500人以上が、チャイナマネーをかさに着た紫光集団の台湾半導体企業買収を阻止すべく、連名で反対署名を集めた。学者たちは、ことの重大さに気付いていなかった民進党政府を説得して、紫光の野心を阻んだのだという。

 李忠憲教授は、「もし、あのとき紫光とメディアテックの合弁を阻止できていなかったら、おそらく米国は台湾を信用できないと判断し、悲惨なことになっていただろう」「いったん中国資本が入り込めば、それは不可逆であり、対処のしようがなかった。トランプの米中貿易経済戦争の時、台湾は米中どちらの陣営に入るかで進退窮まっていたはずだ。(中国は)経済を政治目的に利用することに成功していただろう」と振り返る。』

『台湾の半導体産業は米国の技術移転により発展してきた。それが中国企業に乗っ取られた場合、台湾半導体業界は、米中半導体戦争において中国陣営側とみなされて制裁対象になっていたかもしれない。

 さらには、中国が台湾の半導体技術を併呑することで、習近平の半導体国産化計画の成否も変わり、それに伴う米中5G戦争の勝敗や、米国による中国ハイテク企業のデカップリング政策の結果も大きく変わることになっただろう。

 つまり、中国の半導体完全国産化が計画通りに進み、米国を中心とした民主主義国陣営から台湾が外れ、米国の台湾に対する関心と信頼もなくなる。それは台湾にとって最も重要な主権保護のための盾が完全に失われることを意味する。

 そして、自由主義陣営と中華全体主義陣営の地図が変わり、その悪影響の前面にさらされるのは、言うまでもなく日本であっただろう、ということだ。』

『「技術」がなかった紫光集団
 この一件ののち、紫光集団はさらにTSMC(台湾セミコンダクター・マニファクチャリング)の株買収によって台湾半導体業界をコントロールしようと画策していた。だが資金不足と審査を通過しなかったことで頓挫した。』

『TSMCは2016年に南京に進出し、最初の12インチウェハー工場を設立するが、それはこうした中国との半導体市場のパワーゲームの中での妥協の産物だったようだ。TSMC南京工場は特別扱いでTSMC独資で建設されていたが、中国は巨大市場を餌に技術移転を迫った。またTSMC南京工場の現地雇用者からの、製造関連の機密情報漏えいも懸念されていた。TSMCは米国からも圧力を受け、当時は沈黙せざるを得ない状況だったようだ。

 結局、台湾半導体産業は米中対立のはざまで踏み絵を迫られた結果、トランプ政権の米国陣営に入る決断に舵を切った。紫光集団の台湾半導体技術を併呑しようという野望は破れ、これまでの金にあかせた買収のツケが今の破産危機につながっている、という。』

『李忠憲教授は紫光集団が失墜した理由として、この業界において、基礎技術を持たずに金にあかせて発展するのは困難であることが判明したという。半導体設計というのは地に足をつけてトライアンドエラーを重ねて発展していくものであり、技術をだまし取ろうとする詐欺師や、恫喝で技術供与を迫るやくざのような企業には限界があったということだ。』

経営破綻の中国・国策半導体企業「紫光集団」、強欲の末路

経営破綻の中国・国策半導体企業「紫光集団」、強欲の末路
「半導体完全国産化の野望」が無惨な状況に
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66083?page=3

 ※ 清華紫光集団破綻のニュースは、既に貼ったところだ…。

 ※ その「内幕」を語っている記事を見つけたんで、一部を紹介する…。

『紫光集団の海外債務の変動が表面化し始めたのが2019年ごろ。当時の紫光集団は、子会社の海外債務が増加しながらも、経営は正常であると強弁し続けてきた。本土、オフショアともに社債デフォルトが発生し始めても、「資金は十分にあり、流動性は安定している」と言い続けてきた。

 2019年の紫光集団の財務諸表などをまとめた年報によれば、金利を含めたグループの負債は前年同期比で209億元減少し、1402億元だった。しかし実際のところ負債は増え続け、すでに2000億元を超えていることが明らかになった。』

『中国の企業情報データバンク「Wind」のデータによれば、紫光集団の目下のデフォルト総額は元本金利を含めて68.83億元。2021年12月末までに、さらに13億元規模の債務が満期を迎えるので、おそらく2021年末には、償還期限を過ぎた債務は80億元以上となる。2020年の年報はまだ発表されていないが、2019年の年報をもとにすれば、紫光集団の総資産は2977.62億元で、負債合計は2197.47億元。2019年の集団の売上総額は769.38億元で親会社の純利益は14.30億元。つまり資産の負債率は73.46%となる。』

『失敗に終わった台湾半導体技術「乗っ取り」

 なぜ紫光集団にこれほど多額の負債があるのかというと、無謀な子会社買収を続けたからである。

 わかっている範囲で、紫光集団は2013年から60以上の企業を買収。中でも、台湾半導体技術を併呑(へいどん)するという野望のために、かなりの無茶をやった。とりわけ激しかったのが2015年の動きだ。』

『紫光集団は2015年に、米ヒューレット・パッカードの子会社「H3Cテクノロジーズ」の株51%を25億元を投じて取得した。さらに、同年11月、台湾の半導体パッケージング・検査大手「パワーテック・テクノロジー」の株25%(194億ニュー台湾ドル)を取得したことを発表した。一躍筆頭株主となって役員メンバーの座を獲得、台湾半導体業界に切り込んだ最初の中国資本となったことが報じられた。』

『紫光集団はこれに満足せず、さらに趙偉国会長は「もし台湾の法律が許すようなら、早急に『メディアテック』と合弁する」と語った。台湾メディアテックは、工場を持たずに半導体設計を専門に行う「ファブレス」と呼ばれる業態の大手企業である。中国当局はこれを受けて台湾の半導体産業に圧力をかけ、「市場開放しないならば、台湾ブランドや台湾製造のチップおよび関連商品の禁輸措置を取る」などと脅しをかけた。』

『この動きに危機感を募らせたのが台湾の半導体分野の有識者たちだ。紫光の台湾企業買収攻勢は、台湾の命運を左右し、世界の半導体産業の勢力地図を書き換えかねないと見たからだ。メディアテックが株を紫光に買われ、台湾企業としての自主経営ができなくなれば、台湾半導体業界における米中パワーゲームの勝敗にも大きく影響することになる。』
『米メディア「ラジオ・フリー・アジア」の台湾成功大学・電機学部の李忠憲教授へのインタビューによれば、2015年当時、台湾の半導体分野の学者たち500人以上が、チャイナマネーをかさに着た紫光集団の台湾半導体企業買収を阻止すべく、連名で反対署名を集めた。学者たちは、ことの重大さに気付いていなかった民進党政府を説得して、紫光の野心を阻んだのだという。

 李忠憲教授は、「もし、あのとき紫光とメディアテックの合弁を阻止できていなかったら、おそらく米国は台湾を信用できないと判断し、悲惨なことになっていただろう」「いったん中国資本が入り込めば、それは不可逆であり、対処のしようがなかった。トランプの米中貿易経済戦争の時、台湾は米中どちらの陣営に入るかで進退窮まっていたはずだ。(中国は)経済を政治目的に利用することに成功していただろう」と振り返る。』

『台湾の半導体産業は米国の技術移転により発展してきた。それが中国企業に乗っ取られた場合、台湾半導体業界は、米中半導体戦争において中国陣営側とみなされて制裁対象になっていたかもしれない。

 さらには、中国が台湾の半導体技術を併呑することで、習近平の半導体国産化計画の成否も変わり、それに伴う米中5G戦争の勝敗や、米国による中国ハイテク企業のデカップリング政策の結果も大きく変わることになっただろう。

 つまり、中国の半導体完全国産化が計画通りに進み、米国を中心とした民主主義国陣営から台湾が外れ、米国の台湾に対する関心と信頼もなくなる。それは台湾にとって最も重要な主権保護のための盾が完全に失われることを意味する。

 そして、自由主義陣営と中華全体主義陣営の地図が変わり、その悪影響の前面にさらされるのは、言うまでもなく日本であっただろう、ということだ。』

『「技術」がなかった紫光集団
 この一件ののち、紫光集団はさらにTSMC(台湾セミコンダクター・マニファクチャリング)の株買収によって台湾半導体業界をコントロールしようと画策していた。だが資金不足と審査を通過しなかったことで頓挫した。』

『TSMCは2016年に南京に進出し、最初の12インチウェハー工場を設立するが、それはこうした中国との半導体市場のパワーゲームの中での妥協の産物だったようだ。TSMC南京工場は特別扱いでTSMC独資で建設されていたが、中国は巨大市場を餌に技術移転を迫った。またTSMC南京工場の現地雇用者からの、製造関連の機密情報漏えいも懸念されていた。TSMCは米国からも圧力を受け、当時は沈黙せざるを得ない状況だったようだ。

 結局、台湾半導体産業は米中対立のはざまで踏み絵を迫られた結果、トランプ政権の米国陣営に入る決断に舵を切った。紫光集団の台湾半導体技術を併呑しようという野望は破れ、これまでの金にあかせた買収のツケが今の破産危機につながっている、という。』

『李忠憲教授は紫光集団が失墜した理由として、この業界において、基礎技術を持たずに金にあかせて発展するのは困難であることが判明したという。半導体設計というのは地に足をつけてトライアンドエラーを重ねて発展していくものであり、技術をだまし取ろうとする詐欺師や、恫喝で技術供与を迫るやくざのような企業には限界があったということだ。』

清華紫光集団が破産申請した。

清華紫光集団が破産申請した。市場価値3,000億元(5兆1000億円)の巨大半導体企業が
なぜこのような事態に陥ったのか?
https://www.ednchina.com/news/a7435.html

 ※ 清華紫光集団、破産申請したのか…。

 ※ 中国の半導体戦略を担う中核企業の一つだと思っていたが…。

 ※(記事は、中国文。翻訳は、Google翻訳文)
   テキストでコピペは、できんかったんで、画像としてキャプチャして貼っておく…。

「CHIPs funding should feed the future, not the corporate trough」

Bryan Clark and Dan Patt 記者による2021-6-22記事「CHIPs funding should feed the future, not the corporate trough」
https://st2019.site/?p=17044

『米国が必要とするマイクロチップが足りていない。米国内製が無い。台湾のTSMC製や韓国のサムスン製に頼るようではいざというとき困る。
 そこで連邦議会は「チップ法」を成立させ、連邦政府が半導体工場に公的資金を投資できるようにした。

 しかし、政府のカネは、チップ量産工場の新しいプラントの建設などに使われるべきではない。

 既存の国内メーカーが、台湾メーカーや韓国メーカーよりも税金やインセンティヴに関して不利にさせられている、「経営コスト」の不公平なギャップを埋めるために、政府の資金を投ずるべきである。まず既存工場の経営を、楽にしてやれ。

 そのあと、どんな工場を建設し、どんな製造機械を据えるかは、各私企業が決めればいいのだ。

 ※自動車用とゲーム用(これは巨大サーバー拠点用でもある)のチップに限れば、生産力の「弾撥性」がキーワードなのである。ある時点の需要以上の製造能力をメーカーが寝かせておくとそれに税金がかかる、そのような制度ではダメなのである。

 マイクロチップや医療製品の大量生産能力の有事弾撥性を担保している「休止プラント」に関してはかんぜんに免税されるという優遇措置が必要なのだ。スマホ用の最先端チップに関しては、必要なのは工場ではなく、国の予算で運営される基礎研究所だろう。軍用チップもそこでしか開発できないはずだ。』

装置損傷が17台に拡大したルネサス工場火災、「明確な復旧時期は聞いていない」

https://newswitch.jp/p/26585

『火災があったルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の稼働停止が長引く懸念が強まっている。損傷を受けて使えなくなった半導体製造装置がルネサスが当初発表した11台から、17台に拡大していることが28日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。半導体需要の高まりを受けて、早期の製造装置の調達が難しい状況。自動車業界では、半導体不足の長期化を危惧する声が広がっている。

火災が発生した生産ラインは主に自動車向けを扱う。ある乗用車メーカー幹部はルネサス側から「(生産ラインの)明確な復旧時期は聞いていない」と話す。

自動車業界は20年末から深刻な半導体不足に悩まされており、減産影響は「最低4―6月まで伸びる認識だ」(同幹部)。今回のルネサスの火災を受けて、各自動車メーカーはさらなる対応を迫られている。

那珂工場内の生産ラインで19日に発生した火災をめぐり、ルネサスは21日の会見で焼損した装置が11台だと公表した。ただ、その後の調査で使用できない装置が17台に膨れたようだ。火災によるススなどの影響を受けたと見られる。

ルネサスはクリーンルーム内の清掃や被害を受けた装置の調達などで、1カ月以内の生産再開を目指している。ただ、被災した装置の台数が増えたことで、半導体製造装置も不足するなか再開に向けたハードルは高くなっている。』

ルネサス火災「生産再開1カ月」 車メーカー追加減産も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ210H40R20C21A3000000/

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは21日、火災により生産停止中の那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産再開に1カ月程度かかるとの認識を示した。半導体は工程が多く一般的に製造に2~3カ月かかり、供給正常化までに3カ月超かかる計算だ。米中貿易摩擦や需要急増で世界で不足する車載半導体は、2月中旬の米国の大寒波で現地工場が止まり拍車がかかる。自動車メーカーの追加減産のリスクが高まっている。

【関連記事】

ルネサス工場で火災 車載半導体、供給に影響の恐れ
車載半導体、相次ぐ想定外リスク 自動車減産拡大も 
ルネサス、車載半導体の自社生産切り替え 火災で裏目に
ルネサスの柴田英利社長が21日の会見で「1カ月以内での生産再開にたどりつけるよう尽力する」と述べた。ただ「一部では不透明感がある」として遅れる懸念も示唆。生産停止が「半導体供給に大きな影響になると危惧している」と話した。

火災は19日午前2時47分に発生し約5時間半後に鎮火した。先端品の量産を担う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ラインに被害が出たが、主に自動車の走行を制御するマイコンと呼ぶ半導体を生産している。ルネサスは約2割のシェアを持ち、世界で2番目に売上高が多い。トヨタ自動車や日産自動車などに供給している。伊藤忠総研の深尾三四郎上席主任研究員は「自動車産業は半年くらい(半導体が)調達難となる可能性が高い」と指摘する。

ルネサスによると「仕掛かり品を含め在庫は1カ月しかない」状況だ。半導体商社の担当者は、メーカーとの仲介役である代理店の保有分とあわせた在庫は2~3カ月分で「車メーカーや部品大手にはほとんど在庫はない」とみる。生産途中だった在庫を使った出荷は早期にできても、火災前の供給水準には3カ月超かかるもようだ。

ホンダは「今すぐ影響は出ないものの(停止が)1カ月となると在庫が切れ始める4月以降に生産への影響が出てくるだろう」と21日にコメント。「ルネサス製以外の製品への代替などで工場を止めないよう調整していくことになる」とする。トヨタは生産車種の変更や代替生産の可能性なども踏まえ、生産への影響台数を精査する。

英調査会社オムディアの南川明氏は「国内メーカーを中心に世界での影響は数万台では収まらないだろう」と話す。ルネサスは自社工場や外部での代替生産を検討するが、300ミリメートルの生産ラインは那珂工場にしか保有していない。少量多品種向けの200ミリメートルの生産ラインで代替生産しようとしても、そのラインも火災で止まった旭化成の半導体工場の代替生産などで稼働率は高く、穴埋めは難しい。

ルネサスの那珂工場は2011年の東日本大震災で被災し操業を約3カ月止めた。自動車生産が打撃を受け「ルネサス・ショック」と呼ばれた。今回は世界で需給が逼迫している中での停止で広がりが懸念されている。

ルネサスエレクトロニクスの半導体工場で起きた火災現場の様子(同社のオンライン会見資料より)

2月に米南部テキサス州に寒波が襲来して大規模停電が起き、マイコンのシェアで世界首位のオランダNXPセミコンダクターズと、3位の独インフィニオンテクノロジーズの工場が停止した。NXPは3月上旬にテキサス州内の工場で約1カ月分の生産が失われたと発表。インフィニオンは生産が元の水準に戻るのは6月になるという。

こうした半導体不足などを受け、18~19日には日産や米フォード・モーター、トヨタが工場を停止した。そこにルネサスの火災が加わり、車載半導体3強のそれぞれの工場が停止する異常事態となっており、不足懸念が高まっている。

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
コメントメニュー

ひとこと解説 現時点では状況は極めて深刻だと考える。完全復旧まで半年はかかるだろう。
焼損面積が小さくても、僅かな埃の付着も許されないクリーンルーム(CR)に煤(すす)が入ってしまったのは一大事。また、半導体の世界需給が長らくひっ迫している状況下で、社内外での代替生産の余力もなく、焼損した設備の代替調達をしようにも、装置在庫も少ないだろう。2階のCRが無傷とはいえ、1階のCRと一体運営されており、稼働低下の範囲が焼損面積より大きい。復旧に向けては、被災した1階CRの清掃、代替装置の調達・搬入、設備の組み直しや装置の再調整、再発防止策の構築などが必要で、1か月以内で生産再開に漕ぎ着けるのは至難の業だと思う。

2021年3月22日 6:51いいね
25

梶原誠のアバター
梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
コメントメニュー

分析・考察 米中などでの販売増で、自動車メーカーの国内工場の稼働率が上がっていました。低迷していた日産自動車の株価も昨年11月を境に大きく回復しています。それだけに今回のことは気がかりです。国内景気は「世界景気の回復と円安」という追い風と「五輪での海外観光客の受け入れ見送り」という逆風がぶつかる構図を描いていましたが、逆風側に1要素加えなければなりません。

2021年3月22日 7:50いいね
6

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

ルネサス、車載半導体の主力工場で火災 20日に現場検証

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ19DEP0Z10C21A3000000/

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは19日、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生したと発表した。先端品を扱う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ラインが被害を受けた。同工場は車載半導体の主力工場で、操業停止が長引けば世界的に不足が続く車載半導体の供給に影響が出る可能性がある。

【関連記事】
半導体供給リスク広がる スマホ・車・パソコン向け品薄
ルネサス「自社か外部か」 半導体生産、見えぬ最適解

火災は19日午前2時47分ごろに発生し、午前8時12分ごろに鎮火を確認した。クリーンルーム内の安全確認が取れておらず、午後11時時点で内部の状況は確認できていない。同社は状況が確認できなかったため、対外発表も午後11時40分にずれ込んだとしている。

20日午前9時から現場検証を実施する。火災は300ミリメートルのウエハーに対応した生産ラインのある2階建ての建屋の1階で発生し、別の工場棟には被害が無かった。

同工場は2011年の東日本大震災で被災した際にクリーンルームや装置が損壊。3カ月程度操業を停止し、自動車生産に大きな影響が出た。ルネサスは世界的な車載半導体不足を受け、台湾積体電路製造(TSMC)など外部に委託していた半導体の一部を自社生産に切り替えた。操業停止が続くと、自動車生産への影響が広がる可能性がある。

【関連記事】
続く工場火災、4年で22件 日鉄は愛知でも発生
ルネサス、震災で鍛えた復元力 問われる想定外の備え
「あの事故を防げたかも」日本製鉄が採用したAI

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

ルネサス「自社か外部か」 半導体生産、見えぬ最適解 半導体ショック(2)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ05EFM0V00C21A3000000/

『「今さら何を言っているんだ」。3月、台湾の半導体企業に勤める日本人技術者はこう吐き捨てた。かつて働いた半導体大手ルネサスエレクトロニクスを振り返り、語気を強める。「工場を持つのは悪だと教えられ、多くがリストラされた。ルネサスにもう自社生産の力はない」。同社が外部委託か自社生産で揺れるのを冷ややかにみる。

【前回記事】
半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化

「海外の競合が、台湾積体電路製造(TSMC)などの生産受託会社(ファウンドリー)に手数料を上乗せして『横入り』している…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り775文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

ルネサスの各部門のトップが集まった昨秋の会議。TSMCに世界中から注文が集中し、同社にルネサスが委託している製品の納期が見通せなくなり、対応策を議論した。自社で作れば外部委託に比べて電気代や材料調達費などがかさむ。ただ「顧客を待たせられない」との意見は根強く、TSMCに委託する一部製品を自社生産に切り替えることにした。

「TSMCの枠を1回外すと『必要になったからすぐにください』とはできない。覚悟をもった決断だ」とルネサス関係者は話す。背景にはファウンドリーとの力関係の変化がある。

半導体業界は2000年代から開発と生産を分離する水平分業が進んだ。ファウンドリーが生産を引き受け、米クアルコムといった主要メーカーは設計開発に特化。ルネサスもその流れに乗って委託を増やし、国内の生産拠点数を10年前の22から9へと減らした。その間に、特に先端の半導体をつくる技術でファウンドリーに追い抜かれた。

2月13日夜に起きた福島沖地震。ルネサスの主力工場、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の電力供給は2時間強、途絶えた。同工場は11年の東日本大震災で被災した際も約3カ月間、生産を止め、その影響で車大手の工場の稼働が止まった。足元で車載半導体が不足し、フル生産状態が続くなか、稼働停止が長引けば再び「ルネサス・ショック」を起こしかねない。14日朝から数百人体制で装置の状態を調べ、16日から生産を再開。今回は影響の長期化を免れた。

「(外部の製造委託を活用して自社工場を最小限にする)『ファブライト』の方針は変わらない」。ルネサス社長の柴田英利はこう話す。平時なら効率を高められても、急変動する需要や災害時のような有事には対応が難しい。そこまで見据えて自社と外部の生産の比率をどうバランスさせるか。その解はなお見えていない。(敬称略)

半導体材料、中国に活路 後発組が政府系と合弁 フェローテックなど、シリコンウエハーで追い上げ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ11DCF0R10C21A3000000/

※ 横たわっている「棒」みたいなものは、「シリコン・インゴット」というものだ…。

※ これを、薄くスライスして、「シリコンウエハー」(円盤みたいなもの)を作成する…。

※ 立てると、こんな感じ…。

※ 製造方法の概念図は、こんな感じ…。

※ シリコンの材料をドロドロに溶かしておいて、何らかの「タネ」を作って、回転させながら、ゆっくりと引き上げる…。

※ インゴット(棒)の直径が大きければ大きいほど、良い…。それだけ、多くの「半導体チップ」を作成することができるからな…。

※ ノウハウの固まりなんで、競合するのは難しい…。それで、上記の円グラフにもあるように、信越化学とSUMCO(日本の会社だ…。住友系列だったはず)で、5割以上のシェアを占めている…。

※ そこへ、「殴り込み」をかけよう…、という話しだ…。

『日台の大手が寡占する半導体材料のシリコンウエハー市場で、フェローテックホールディングスなど非先端品が主力の日本の後発企業が中国で投資を積み上げている。中国の半導体国産化政策をテコに、大手が進出に慎重な中国での生産拡大を急ぐ。大手との技術格差や技術流出リスクなど課題は抱えるが、成長が見こめる市場で先行して大手優位の構図に挑む。

「5年でトップ集団に追い付きたい」。フェローテックの賀賢漢社長の鼻息は荒い。半導体製造装置の部品が主力…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1799文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

半導体製造装置の部品が主力の同社は、ウエハー業界では2002年に中国で旧世代品の生産を開始した「後発」だ。

そのフェローテックは20年から、中国政府系や民間のファンドを対象に中国のウエハー子会社などの増資や株の売却を実施した。調達額は21年2月までに合計約700億円にのぼり、同社のジャスダック市場での時価総額(約800億円)に匹敵する。賀社長は「募集金額の何倍もの投資家が集まった」と投資熱に驚く。
現地投資マネー呼び込み

資金の主な使途は先端半導体で用いる直径12インチ品の量産だ。浙江省杭州市で20年度から量産を始め、22年までに月10万枚まで増やす計画だ。ウエハー事業拡大への投資額は少なくとも1500億円を見込み、自社だけでは負担が重い。増資や売却で株式保有比率は3割弱まで下がるが、投資負担で赤字が続いていたウエハー子会社が連結から外れ、財務体質を維持・改善できる利点もある。

半導体ウエハーは日本の信越化学工業とSUMCOが5割強のシェアを持ち、米インテルなど世界の半導体メーカーに供給している。20年には業界3位の台湾・環球晶円(グローバルウェーハズ)が4位の独企業の買収を発表し、さらに集中が進む。

RSテクノロジーズの方永義社長も「25年までにSUMCOを超えたい」と野心を隠さない。同社は半導体の抜き取り検査に使う再生ウエハーの世界最大手。通常のシリコンウエハーは18年、中国政府系の北京有色金属研究総院(GRINM、現・有研科技集団)との合弁で参入した。一部の工程は共通で技術を生かせる。20年10月に山東省徳州市で新工場を立ち上げ、21年中に8インチ品の生産能力を月13万枚まで高める計画だ。12インチ品では徳州市の政府系ファンドの出資も仰ぎ、年内に月1万枚のテスト生産を計画。将来的に月30万枚の量産をめざす。
大手は技術流出警戒

中国政府は産業政策「中国製造2025」で半導体の自給率を7割に高める目標を掲げた。11日閉幕した全国人民代表大会(全人代)でも関連産業の強化を打ち出し、材料や製造装置は重点分野の一つだ。ウエハーでは天津中環半導体(天津市)や新昇半導体(上海市)が量産に取り組むが、大手と渡り合うメーカーはない。

フェローテックやRSテクノロジーズが期待するのが、国策を背景にした補助金や投資マネーだ。「現地資本を入れることで、国営企業と同等の補助金が得られる」(RSテクノロジーズ)。両社とも現地の生産会社を上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」などに上場させる方針だ。
フェローテックHDが生産する半導体の基板素材となるシリコンウエハー

一方、現状で上位メーカーと技術の差は「非常に大きい」(外資系証券アナリスト)。半導体ウエハーは品質を測る指標の一つである純度を高めるために、大手はシリコン結晶の塊を作る「引き上げ装置」を自社開発してノウハウを囲い込んでいる。フェローテックは以前から旧世代ウエハー向けの装置を内製してきたが、先端向けでは「何十年の差がついている。一つ一つクリアしていく」(同社)と認める。再生ウエハーの加工ではこの工程が無く、RSテクノロジーズは「引き上げ装置の開発が一番の課題」(方社長)と話す。

両社の中国での生産が軌道に乗っても、1社で月200万枚規模の12インチウエハーを生産する大手との差はなお大きい。ただ先行する大手は製品は輸出しても技術流出の恐れなどから中国生産に慎重だ。両社は「現地会社の役員構成などで経営の主導権を維持して技術流出を防ぐ」などとする。「パワー半導体基板など中長期的な成長が見込まれる子会社の持ち分比率が低下することで将来の利益がグループ外に流出する」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川義人シニアアナリスト)との指摘もある。

中国では20年夏、英半導体設計アームと中国合弁の間でトップ人事をめぐる対立が表面化した例もある。後発組の戦略が実を結ぶためには、慎重なかじ取りが必要になりそうだ。

ボストン・コンサルティング・グループの予測によると、半導体の生産能力で中国は30年に世界の24%を占め、台湾などを上回り量で世界最大となる。国策に後押しされて、中国では半導体に関係する様々な分野で多数のメーカーが設立されている。地方政府が出資する半導体製造受託企業が事実上破綻するなど既に淘汰も始まっている。競争環境の厳しさはウエハーも同様だ。

(龍元秀明、福本裕貴、長谷川雄大)

半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化

半導体「台湾依存は危険だ」 米中対立で顕在化
半導体ショック1
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0892D0Y1A300C2000000/

『3月5日午前、台湾北部・桃園市。新型コロナウイルス対策で厳格な体制が敷かれた空港に、プライベートジェット機が滑り込んできた。降り立ったのは米パソコン大手HPの最高経営責任者(CEO)、エンリケ・ロレス。2週間の隔離義務を免除する特例を受けたお忍び訪問だった。

「供給を急いでいただきたい」。最低限の検査だけを済ませたロレスは半導体企業の幹部らと次々に会い、直談判を繰り返した。滞在はわずか数時間。半導…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1451文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

半導体不足への危機感が表れていた。

「9月以降、華為技術(ファーウェイ)との取引を認めない」。昨年5月、トランプ米政権の決定が世界のモノの流れを大きく変えた。ファーウェイはスマートフォンのシェアで世界首位を争っていた。制裁で最も響くのが、台湾積体電路製造(TSMC)が造る最先端の半導体だった。

ファーウェイは「あらん限りの金と力でTSMCから半導体を確保して在庫を積み増し、9月に備えた」(関係者)。こうした無理が世界の半導体の需給バランスを次第に崩していく。

ファーウェイ向けの新たな米制裁が始まった直後の9月25日。今度は米商務副次官補の名前で2ページにわたる文書が、米半導体各社に突然届いた。

「中国SMICとの取引は今後、容認できないリスクをもたらすかもしれない」。制裁の次の標的が中国最大の半導体受託製造会社、中芯国際集成電路製造(SMIC)であることを示唆するものだった。

「政府は本気だ」。これを境に、米クアルコムなど米大手の半導体幹部らは続々と台湾入りを果たす。有能な半導体企業が集積する台湾。直談判で半導体を確保するのが狙いだった。こうして半導体生産は台湾に集中。世界は本格的な半導体不足の混乱に突き進む。
米国は台湾にあまりにも半導体で依存することを警戒するが、手立てを打てないでいる=ロイター

年明けに米フォード・モーターが最大で2割の減産見通しを発表。ゼネラル・モーターズ(GM)も最大20億ドル(約2200億円)利益が下がると公表した。日米独など各国政府もたまらず、台湾に増産を求める異例の展開をみせる。

それでも状況は変わらない。2月18日、たまりかねたかのような書簡が米ホワイトハウスに届く。「事態は緊急を要する。いまが行動のときです」。差出人は17にも上る米業界団体。不満は限界まで高まっていた。

6日後の2月24日。大統領のバイデンはホワイトハウスで、親指大の半導体チップをつまんでカメラに向けた。「これが自動車の生産を遅らせ、米国の労働者に時短を迫ったのです」

精いっぱいの姿勢を見せたバイデンはこの日、半導体の供給網の脆弱性を再点検し、100日間で見直すよう大統領令に署名。誘致したTSMCの米新工場向けなど、約4兆円の支援を検討する方針も明らかにした。

そんな米国が今、気になって仕方がない企業が台湾以外にもある。大統領令の直前、大統領補佐官(国家安全保障担当)のジェイク・サリバンはオランダ政府の安保顧問に電話をかけた。会談後の声明では「緊密な連携の確認をした」だけとはぐらかしたが「半導体装置メーカーASMLの件だった」。ある米政府関係者はそう明かす。

世界の半導体業界は今、台湾のTSMCとオランダASMLが飛び抜けた技術力を持つ。「この両社を甘く見て、この数年で大きな差をつけられたのがインテルであり米国だ。もう、どうにも追いつけないレベルだ」。両社との取引が長い日系装置メーカー幹部はそう語る。

「中国が台湾に脅威を与える状況でこれ以上、半導体で台湾に依存するのは危険だ」。元グーグルCEOのエリック・シュミットが主導する米議会の諮問委員会は3月1日、こう指摘し、米国の現状に警鐘を鳴らした。

安全保障にも関わり、米中対立の焦点といえる半導体。だが、技術のリード役は米中にはなく、過度に台湾に依存する実態が攻防で顕在化した。人工知能(AI)の台頭で今後、必要な量は爆発的に増えるのに、早くも不足が露呈している。各国は将来戦略をどう描くのか。世界はその入り口でつまずき、動揺を隠し切れずにいる。(敬称略)

なぜ半導体が世界を揺らすのか。国家を超えた「知」の争奪戦を追う。

【関連記事】
米、同盟国と供給網整備 半導体・EV電池で中国に対抗
半導体、持たざる経営に転機 有事に供給リスク
米が基幹産業で脱中国 半導体など、同盟国と連携模索
半導体、EUも脱海外依存 域内増産でシェア2割めざす

特集:EUV露光装置が織り成す半導体革命(レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト)

特集:EUV露光装置が織り成す半導体革命(レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト)
2020/3/13
今中 能夫
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/25984?page=2

 ※ こういう半導体の製造に使う、「露光装置」に関する解説記事を見つけたんで、紹介する…。

※ 半導体チップの「製造」は、何段階もの「工程」を経て、「回路」を作っていくものだ…。

※ そこにおける、「露光装置」の役割を示しているのが、上記のようなイラストだ…。

※ 「Si基盤」とあるのは、いわゆる「シリコン・ウエファー」のことだ…。そこに、酸化膜を作って、「レジスト」というものを塗布する…。

※ 昔の「銀塩フィルム」に塗られていた「感光材」と思えばいい…。

※ そこに、「マスク」をかぶせて、「露光」させる(「パターン露光」と言っている…。「パターン」とは、狙った「回路パターン」を指す)。

※ そうすると、マスクによって、「光線が遮られた部分」と、「光線が当たった部分」ができる…。

※ そして、「光線が当たった部分」は、感光材が化学的に変化し、エッチング・ガスで「エッチング」し易い状態になる…。

※ これも、「銀塩フィルム」を「現像液」に浸して、「洗い流す」作業とのアナロジーで捉えればいい…。

※ 一時期話題になった、「フッ化水素」は、そういう「洗い流し」に使う「エッチング・ガス」の一つだ…。

※ そういう「露光」「洗い流し」を何度も繰り返し、狙った「回路パターン」を形成し、金属を蒸着させて、導体部分を形成したり…、ということを繰り返して、狙った「半導体チップ」を作っていくわけだ…。

※ ということで、「微細回路」になればなるほど、「露光」させるときの「光線の波長」が、ポイントとなってくる…。

『2.EUV露光装置

 前工程の中でも重要な工程は、露光(リソグラフィー)工程です。複雑な回路をシリコンウェハ上の狭い範囲の中に描き込むには、波長が短い光源が必要になります。大昔(1970~80年代前半)はg線という波長436ナノメートル(nm)の光源で描画していました。このg線ではウェハ上に線幅800ナノメートルのパターンが形成できました。パソコンや携帯電話→スマートフォン、データセンターに使うサーバーの技術革新に伴って、半導体に描き込む回路が複雑になり、かつチップサイズを小型化する必要が出てきましたが、その過程でi線(365ナノメートル、パターン幅は500ナノ→350ナノに縮小)、KrF(クリプトン・フッ素エキシマレーザー、波長248ナノ、パターン幅は250ナノ→100ナノ)と技術進歩が進みました。

 2000年代に入ると、ArF(アルゴン・フッ素)露光装置が現れ露光技術は大きく進歩しました。液浸リソグラフィー(レンズとシリコンウェハの間に液体を介することで解像度を上げる)やマルチプルパターニングという新技術を取り入れることで、ArF液浸露光装置は2018年に始まった7ナノという非常に細かい線幅のパターン形成にも対応できるようになりました。

 しかし、7ナノ以降の線幅に対応するには高額なArF液浸露光装置を何台も製造ラインに並べる必要があります。そのため、より効率的により細かい線幅の回路の描画が可能な露光装置が求められてきました。それがEUV(Extreme Ultraviolet、極端紫外線)露光装置です。

 EUV露光装置の開発には、現在のところオランダの大手半導体製造装置メーカー、ASMLのみが成功し、同社が市場シェア100%を獲得しています。ASMLはArF液浸、KrF露光装置でも大手なので、半導体用露光装置では最大手となります。露光装置の価格が高いこともあって、2018年の半導体製造装置メーカーの売上高ランキングでは第2位となっています(1位はアプライドマテリアルズ、3位は東京エレクトロン)。

 EUV光源の波長は、13.5ナノメートルとArFに比べ大幅に波長が短くなっています。そのため、効率的に7ナノ以降の半導体の露光ができるようになります。EUV露光装置は2019年から量産ラインに導入されていますが、世界最大の半導体受託製造メーカーでありEUV露光装置の大口ユーザーと思われるTSMCではEUV露光装置を導入したラインを「7ナノプラス」と呼んで、2018年から量産開始したEUV導入前の7ナノ製造ラインと区別しています。

 TSMCの7ナノプラスラインでは、EUV露光装置は製造ラインの中でごく数台のみ導入されただけのもようです。しかし、2020年から始まる計画で現在構築中のTSMC5ナノラインには、EUV露光装置が本格的に導入される見込みです。

 また、TSMCを追って半導体受託製造事業に注力しているサムスンもEUV露光装置を導入しつつあると思われます。パソコン、サーバー用CPU最大手のインテルも同様と思われます。

 EUVはロジック半導体だけでなく、最先端のDRAM製造工程にも導入され始めています。DRAMは微細化による高速大容量化が進んでいるためです。このため、EUV露光装置のユーザーは、DRAMメーカーであるサムスン、マイクロン・テクノロジー、SKハイニックスにも広がっていると思われます。

図3 半導体用露光装置の仕組み

表1 半導体製造装置の主要製品市場シェア(2018年)

出所:会社資料、報道、ヒアリングより楽天証券作成。一部楽天証券推定。
表2 半導体用露光装置の出荷台数

単位:台、暦年
出所:電子デバイス産業新聞より楽天証券作成
注:EUVは販売台数(ASMLの売上高として認識されたもので出荷台数とは異なる場合がある)

グラフ1 半導体用露光装置の光源の波長

単位:nm(ナノメートル)、出所:各社資料より楽天証券作成

3.拡大するEUV市場と半導体製造装置市場

 EUV露光装置は、先端半導体の微細化の進展に対応するだけでなく、工程が複雑になりコストが膨れ上がる一方の先端半導体製造工程を効率化する目的で開発されたものです。そのため、EUV露光装置が製造ラインに導入されると、エッチング装置や成膜装置のような主要な製造装置の製造ラインへの設置台数が減少し、これらの前工程装置の市場規模が減少するのではないかと懸念されていました。

 しかし実際には、EUV露光装置による最先端半導体の生産効率化は、前工程の膨張をある程度まで抑えはするものの、縮小まではさせないことがわかってきました。そのため、酸化・成膜装置、エッチング装置、コータ/デベロッパ、洗浄装置などの前工程の主要装置は、半導体設備投資の増加、EUV露光装置の導入増加に伴って市場が拡大すると予想されます。

 この大きな要因は、スマートフォンにあります。スマートフォンの中のCPU、アプリケーションプロセッサからなるチップセットが、スマートフォンの性能向上に伴い加速的に高性能化し複雑化しているのです。5G時代を迎えると、この傾向は一層強くなると思われます。超高速送受信、同時多接続、低遅延など5Gの特色を生かした機能がいずれチップセットの中に付加されると思われます。また、カメラ機能、ゲーム機能の強化も進んでいます。これらの複雑化した機能を制御するために、既にスマートフォンには高性能AI(人工知能)が搭載されていますが、このAIもより一層高性能化し複雑になると思われます。

 このように高性能化し中身が複雑になる一方のスマートフォン用半導体の製造のために、EUV露光装置が導入されたわけですが、今度は逆にEUV露光装置が実用化されたことによって、更により一層高性能で複雑なスマホ用半導体を作る動きが出てくる可能性があります。その結果、前工程全体では、メモリ向けは波があるにせよ、ロジック向けは設備投資が順調に伸び続けると予想されます。

 後工程では、このスマホ用半導体、5G用半導体の複雑化の影響がすでにでています。5G用半導体の検査に必要なテスタ台数が増えているのです。5Gテスタの数量増加は昨年前半からアドバンテストの決算によって明らかになっていますが、5Gスマホが本格的に量産される今年以降は更に本格的に増える可能性があります。

 半導体製造ラインにEUV露光装置を導入する場合は、検査装置、各種の半導体素材もグレードアップしなければならない場合があります。フォトマスク(フォトマスクに半導体回路を描いて、それを強い光でシリコンウェハ上に転写する)とその素材であるマスクブランクスはEUV用が必要になります。その検査装置(EUV用マスク欠陥検査装置、EUV用マスクブランクス欠陥検査装置)も専用のものが必要になります。シリコンウェハに塗るレジストとその原材料もEUV用が必要になります。

 他の製造装置もEUV用にセッティングしたものが出てきました。東京エレクトロンのコータ/デベロッパでEUV用の製品はEUV露光装置向けのシェアが100%になっています。

 半導体関連の最重要材料であるシリコンウェハにはEUV用はありません。ただし、EUVの登場によって、今後3ナノ、2ナノと微細化が進む場合、より純度の高いシリコンウェハが必要になる可能性があります。このことは最先端半導体向けシリコンウェハで先行している信越化学工業、SUMCOと他社とをこれまで以上に引き離す要因になる可能性があります。

 同じことがシリコンウェハの洗浄やエッチングに使う高純度フッ化水素にも言えます。微細化が進むにつれて、現在の主流の10N(99.99999999%)が11N、12Nにグレードアップするきっかけになる可能性があります。その場合、超高純度品の安定供給が可能なステラケミファの市場シェアが上昇する可能性があります。

図4 スマートフォンの中身は複雑になる一方である』

蘭ASML、中国SMICと契約延長 旧型の半導体装置納入

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EHO0T00C21A3000000/

『【ロンドン=佐竹実】半導体製造装置世界大手のオランダASMLは3日、中国の半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)と結んだ納入契約を延長したと発表した。米国は安全保障上の理由などで最新の半導体装置を中国企業に輸出しないよう各国に働きかけているが、旧型の装置のため規制の対象にならないという。

ASMLの発表によると、SMICと「深紫外線(DUV)」露光装置の輸出で合意したのは2018年。20年末までの契約だったが、21年末まで延長することでこのほど合意した。すでに完了した契約は12億ドル(約1300億円)だった。ASMLはDUVについて「最新の技術ではないため、オランダから中国への輸出は問題ない」(広報担当者)としている。

DUVよりも新しい「極端紫外線(EUV)」の露光装置が造れるのは世界でオランダのASMLだけだ。米国はEUVの中国への輸出を禁じており、オランダ政府も許可していない。

ASMLは2020年の年次報告で米中対立に触れ、「輸出規制により、世界の貿易はグローバル化から地域化にシフトしている。すでに我々の輸出や特定の顧客向けシステムに影響している」と記載している。20年の売上高約140億ユーロ(約1兆8千億円)のうち、中国は約17%を占めた。台湾、韓国に次ぐ主要輸出先となっている。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

中国、半導体の外資協力奨励、米国との対立「希望せず」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26A650W1A220C2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国の王志剛・科学技術相は26日の記者会見で、米国が対中包囲網を進める半導体分野について「外国企業との協力継続を希望している。対中投資の環境を積極的に改善し、外資との連携強化を奨励する」と述べた。

米国との関係悪化について「我々が希望している状況ではない」と指摘した。半導体は中国経済の重要な基礎であり、産学官によるイノベーションを海外と協力して進め、海外との連携でも知的財産の保護を強化する方針を明らかにした。

バイデン米政権は24日、半導体など重要部材のサプライチェーン(供給網)について、中国に依存しない調達体制の構築を目指す大統領令に署名した。中国の半導体産業はまだ外資の技術などが必要なことから、王氏は米国勢を含めた海外企業との協調路線をアピールしたとみられる。

ただ、習近平(シー・ジンピン)指導部は米国の制裁を受けても影響されない供給網の構築を目指している。王氏は半導体などを指すとみられる中核技術は比較的弱く、供給網の能力は高くないと指摘。半導体は非常に重要な産業であるため、独自開発の能力をさらに強化する方針も示した。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login