日本は真の国際秩序を守り、中日関係を正常な発展軌道に戻すべき

日本は真の国際秩序を守り、中日関係を正常な発展軌道に戻すべき
http://j.people.com.cn/n3/2023/0203/c94474-10203238.html

『人民網日本語版 2023年02月03日16:21

2023年1月11日、米日の外務・防衛担当閣僚会合「2プラス2」が開催された。会合後、両国は米日安全保障協議委員会の共同声明で、中国への抑止力向上を念頭に米日同盟の強化を打ち出し、「中国は国際社会全体における最大の戦略的挑戦である」として、悪意をもって理由なく中国を非難した。日本は中国に関わる問題を騒ぎ立て、国際関係の基本準則に深刻に違反し、中日関係を悪化させ、ひいてはアジア太平洋の安定を破壊するという悪影響を及ぼしている。現在、百年間なかった大きな変局と新型コロナウイルス感染症のパンデミック後の経済回復問題が重なり合っており、国際社会が最も必要としているのは団結と協力で、地域が最も期待しているのは平和と安定である。しかし、今回の米日「2プラス2」共同声明が世界に示したのは、米日が「自由で開かれたインド太平洋」の旗印を掲げながら、実際には排他的な小集団を作り、分断と対立を生み出しているというものである。(文/王一晨・中国社会科学院日本研究所)

中国こそが真の国際秩序の擁護者

日本はこのところ、あらゆる場合において中国が国際秩序の「挑戦者」だと中傷し、自らを国際ルールの「守護者」と自称している。この度の共同声明でも、米日は「自らの利益のために国際秩序を作り変える」と中国を中傷した。これは紛れもなく、冷戦思考とイデオロギー的偏見に凝り固まり、いわゆる「ルール・秩序の制定者」を自認し、狭隘な地政学的視点から「小集団」を作るブロック政治を行い、「国際秩序」という名目で、地域と世界で対立や分断を作り出すことであり、「是非を転倒している」と言っても過言ではない。

国際社会においては、現在の「国際秩序」は世界反ファシズム戦争の勝利に基づいた成果であると広く認識されている。しかし、第二次世界大戦の二大敗戦国の一つであり、数多くの戦争犯罪を行った日本は、侵略の歴史を正しく反省しないどころか、周辺の安全保障上の脅威を誇張し、米日同盟によって自らの軍事拡張への束縛を弱め、戦後の制約から抜け出す口実を作っている。これは実質的には、戦後の国際秩序に対する挑発であろう。

今の世界において、国連を核心とする国際体制以外の国際体制は存在しない。中国が順守するのは国連憲章を基礎とする、各国が広く認めている国際関係の基本準則であり、日本または米日が定めた「小集団のルール」ではない。中国は責任ある大国として、一貫して自主独立の平和外交政策を堅持し、揺るぐことなく世界平和の建設者であり続け、世界発展の貢献者であり続け、国際秩序の擁護者であり続けてきた。習近平国家主席が初めて提起したグローバル発展イニシアティブとグローバル安全保障イニシアティブは、全世界、特に発展途上国の発展と安全に主眼を置き、国際秩序を守るための中国の知恵とプランである。

「内政干渉」こそが国際法違反

今回の米日「2プラス2」共同声明は、またも「釣魚島問題」や「台湾問題」に触れ、中国の内政に乱暴に干渉し、国際法に深刻に背いた。釣魚島及びその付属島嶼が中国固有の領土であることにおいて、中国には十分な歴史的根拠と法的根拠がある。したがって、中国の釣魚島海域でのパトロールと法執行は主権的権利の正当な行使である。しかし、日本は対中交渉と協議を行わず、一方的に同地域で米日軍事協力を強化している。これこそが「力による」東中国海情勢の緊張の原因である。

昨年、ペロシ米下院議長(当時)が台湾地区を訪問した際、日本は騒ぎに便乗し、「盗人の提燈持ち」として動き、中日間の4つの基本文書と共通認識の精神に違反した。今回の米日共同声明においても台湾問題に言及したことは、台湾海峡情勢の緊張を拡大し、中国の主権と領土保全に干渉することにほかならない。台湾地区は中国の領土の不可分の一部で、関連する問題は完全に中国の内政であり、外部勢力のいかなる干渉も容認しない。「一つの中国」の原則は国際関係の基本準則であり、国際社会の普遍的共通認識でもある。台湾問題は中日関係の政治的基礎と両国間の基本的信義に関わるものであるため、これ以上中国のレッドラインを越えようとすれば、中日関係の雰囲気を悪化させ、両国関係を深刻に阻害することは間違いないだろう。日本はかつて長期にわたり台湾地区を植民地化し、台湾同胞を含む中国人民に対し消し去りがたい歴史上の犯罪の責任を負っており、いっそう言動を慎み、挑発行動を停止すべきである。

「互いに内政に干渉しない」ことは、中国が提起した「平和五原則」の一部であり、様々な社会制度、発展レベル・規模の国家間関係に適用できる。1955年のバンドン会議、1960年代の非同盟運動、1970年代の国連総会宣言にはいずれも平和共存五原則が取り入れられた。中国は一貫して、主権と領土保全は不可侵であり、互いの核心的利益を尊重すべきと主張している。したがって、各国の政府と人々は手を携えて協力し、共同で対処し、法に基づいてその権利を行使すべきである。「ルールに基づく自由で開かれた国際秩序」と看板を偽って、国際法をねじ曲げ、他国の合法的な権益を侵害し、平和を破壊してはならない。

2022年に中日は国交正常化50周年を迎えた。習近平国家主席と岸田文雄首相はAPECでの会談で、建設的で安定的な中日関係の構築に向けてハイレベル交流と対話を深めることで一致した。2023年は中日平和友好条約締結45周年に当たる。45年前、両国の上の世代の指導者は地域の平和と安定の維持に努める責任を担うことを約束した。45周年という新たなスタート地点において、中国は日本に対し、中日の4つの基本文書の原則と関連する共通認識に従い、溝と対立を効果的に管理し、両国関係の大局が阻害されることを防ぎ、両国関係の政治的基礎を守ることを望んでいる。世界は新たな激動の変革期に入った。一国の安全保障は他国の安全保障を損なうことを代価としてはならず、地域の安全保障も分断と対立によって実現することはできない。中日は平和と安定を大切にするべきであり、冷戦思考を地域で再燃させてはならず、地域をブロック対立の戦場にしてはならず、団結と協力、発展と繁栄のために積極的な役割を果たすべきである。

「人民網日本語版」2023年2月3日
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CIA長官「2027年までに中国は戦争準備完了」

CIA長官「2027年までに中国は戦争準備完了」

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)2月4日(土曜日)弐
       通巻第7620号
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 現役空軍大将「2025年に米中戦争がおこる」
   CIA長官「2027年までに中国は戦争準備完了」
**************************************

 この認識のずれは何から生じているのだろう?
 戦場の現場感覚から「台湾ではなく、米中間の戦争が近い」と感知する兵隊のトップと、いまや「情報サロン」と化した机上の空論組との誤差なのか?

 米空軍航空機軌道団のマイク・ミニハン大将は「直感」としてメモを認めたのである。
「2025年に米中戦争がおこる」という根拠は「2024年に台湾とアメリカで選挙が行われ、米国の関心事は新政権への移行期となって外交が弛緩することに隙間ができる」という予測からである。

 このメモに対して下院外交委員会のマイク・マコール委員長は「彼が間違っていること願うが、残念ながら彼は正しい」と述べ、中国軍の軍事威嚇の拡充ぶりを指摘した。

 中国軍はペロシ下院議長の台湾訪問(22年8月)直後に大がかりな軍事演習をなし、日本のEEZにも弾道ミサイルを五発撃ち込んだ。
 23年1月8日からは軍用機57機、艦艇四隻を投入して大々的な軍事演習を展開してきた。

 これまでに米国から発せられた中国の台湾侵攻シミュレーションのなかで、もっとも早い時期を予測したのはマイケル・ギルディ海軍大将で「23年の可能性もある」とし、多くの軍事関係者の「2025年以後」という予測より早い時期を挙げた。

 CSISのシミュレーションは2026年を予測した。なぜなら2027年が中国人民解放軍の創立百周年を迎えることと、習近平が三期目の任期を満了するため、派手な「成果」を見せつける必要があるとする。

 「2027年説」はディビッドソン米インド太平洋司令官である。すでに21年三月の時点で「侵攻の脅威は27年までに顕在化する」と予測していた。
 
 一方、CIAのバーンズ長官は2月2日にジョージタウン大学の行事に参加して「CIAの評価は習近平主席の台湾に対する野心を過小評価していない。27年までに台湾侵攻を成功させるための準備をなすよう解放軍に指示したことをCIAは掴んでいる」と述べた。

 バーンズCIA長官は秘密裏にクレムリンを訪問し、またイスタンブールでもロシアの情報機関トップと会合をもっていることが確認されている。

CIAのもっぱらの情報収集はウクライナ戦争の分析で、「向こう半年が重要だろう」と述べるとともに、「中露関係は完全に無限の関係ではなく、中国はロシアへの武器供与を抑制している」とも分析した。

 こうした一連の発言から推測できることは第一に軍の予算獲得にあり、ウクライナへの武器供与で在庫を減らした米軍の装備充填にも置かれているのではないか。

◎☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□   』

中国外交、「戦狼」が「微笑」に急旋回 ロシア不信募る

中国外交、「戦狼」が「微笑」に急旋回 ロシア不信募る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1185P0R10C23A1000000/

『中国が米国や欧州への外交姿勢を修正している。相手国に威圧的に振るまう「戦狼(せんろう)外交官」を異動させ、米欧との対話に動く。「微笑外交」に急旋回した背後には中国のロシアへの不信感がありそうだ。

2022年12月末、北京の中国外務省。記者会見場の裏で報道官と外国メディア記者の交流会が開かれた。普段は厳しい表情を崩さない汪文斌副報道局長や毛寧副報道局長から笑みがこぼれるなかで、姿を見せなかった報道…

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多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
分析・考察

戦狼外交が行き詰まっているのは事実である。本来、外交は友達を増やすのが仕事だが、戦狼外交は友達を敵にして、敵を増やしてきた。これでは、中国経済も成長が難しくなる。戦狼外交より微笑外交のほうがいいに決まっている。ただし、急旋回しても、失われた信頼を取り戻せるか、時間がかかる。都合が悪くなったから旋回するとすれば、信頼を取り戻すことができない。ほんとうに友達を増やすならば、グローバルルールに従う覚悟が必要である
2023年2月2日 8:16 』

『普段は厳しい表情を崩さない汪文斌副報道局長や毛寧副報道局長から笑みがこぼれるなかで、姿を見せなかった報道官がいた。「戦狼外交官」として有名な趙立堅氏だ。

理由はまもなく判明した。中国外務省が1月上旬、趙氏が国境海洋事務局に異動したと公表した。世界のメディアが注目し、退任後に主要国大使などに就くことも多い報道官と比べ、地味な部署との印象は拭えない。

趙氏は20年に報道官に就き、こわもてで威圧的な発言を繰り返して有名になった。20年春には湖北省武漢市で新型コロナウイルスがまん延する中、根拠も示さぬまま「米軍が武漢に持ち込んだ可能性」とツイッターに投稿したこともある。

趙氏の交代だけではない。昨年12月30日に外相に就いた秦剛氏は、年が明けると真っ先にブリンケン米国務長官に電話した。「率直で建設的な話し合いに感謝する。密接な協力関係を続けたい」。電話後はツイッターに投稿し、低姿勢で協力を呼びかけた。1月29日には停止していた日本人向けのビザ発給を再開した。

唐突に思える中国の「微笑外交」。共産党関係者は「習近平(シー・ジンピン)指導部がロシアへの不信感を高めており、米欧との緊張緩和を進めてバランスをとろうとしている」と明かす。

秦剛外相は1月上旬、対ロ外交について「同盟を結ばず、対立もせず、中ロで第三国には対抗せず」の3方針を外務省内部の会合で示した。ウクライナ侵攻前の22年2月上旬、中ロ首脳会談で「中ロ友好には限りがない」と蜜月を誇ったのが遠い昔かのようだ。

中ロ首脳会談では「蜜月」をアピールしたが……(2022年2月、北京)=ロイター

習指導部はロシアからウクライナ侵攻について具体的計画を事前に知らされていなかった。欧米からはロシアとの関係を批判され、経済制裁までちらつかされた。

一方のロシアは中国を欧州に代わる資源輸出先にして戦費調達した。中国との友好関係があったから国連でも孤立しなかった。「ロシアに利用されている」。中国では不信感が広がった。

すでに中央アジアでは両国がさや当てする。

「天然ガス協力の拡大は双方の長期的利益にかなう」。1月6日、習氏は国賓として北京に招いたトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領に伝えた。会談後の共同声明では同国を「エネルギー戦略パートナー」と位置づけ、パイプライン増設やガス田開発の加速を盛った。ロシア産ガスに依存しない態勢をつくるのが狙いだ。

実はロシアのプーチン大統領が侵攻後初の外遊先の一つに選んだのもトルクメニスタン。同氏は旧ソ連諸国を「勢力圏」とみなしており、内心では中国の接近を警戒しているとみられる。

中国メディアの1月の報道によると、海運大手の中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)はロシア産石油の輸送契約を拒絶した。米欧の経済制裁に巻き込まれる事態を懸念したとみられる。

中ロは4200キロの国境を接し、戦火も交えた。ロシアを「安全保障上の脅威」とみる中国の識者もいる。バランスを取り戻す観点からは「微笑外交」は自然ともいえる。

もっとも、ウクライナ侵攻後、米欧は人権や民主主義を強く意識した外交を展開しており、これらの普遍的価値観に距離を置く習指導部と折り合える余地は大きくない。米国が華為技術(ファーウェイ)への全面禁輸を検討中だと報じられるなど「ハイテク封鎖」も止まっていない。

中ロ蜜月は「ロシア以外に親しくしてくれる国がなかった」という中国外交の厳しい現実の裏返しでもある。ロシアと離れたら誰もいなくなった――急ごしらえの「微笑外交」にはそんな危うさもつきまとう。

(北京=羽田野主)

【関連記事】

・中国、「戦狼」外交官が異動 米欧と緊張緩和模索か
・習近平氏一極、中国にもたらす災禍 イアン・ブレマー氏 』

防衛費削減のための中国「軍民融合」に貢献する日本――中国宇宙戦略巨大組織図

防衛費削減のための中国「軍民融合」に貢献する日本――中国宇宙戦略巨大組織図
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20230124-00334144

『習近平は軍事・宇宙戦略を遂行するため軍民融合を導入した。本稿ではアメリカを抜く宇宙力を支える巨大な宇宙戦略組織図を披露し(本邦初公開)、その軸を成す軍民融合に貢献している日本の実態に警鐘を鳴らしたい。

◆アメリカを凌駕する中国の宇宙ステーションと宇宙開発

 かねてより、アメリカが主導する国際宇宙ステーションに加入させてもらえなかった中国は、独自に中国の宇宙ステーションを開発し、昨年末から有人飛行で稼働している。

 アメリカが主導する国際宇宙ステーションの有人飛行の部分に関しては、これまでロシアが担っていたが、ウクライナ戦争によるアメリカからの制裁を受け、ロシアは国際宇宙ステーションから抜けて中国宇宙ステーションに乗り移ることになった。

 中国の宇宙ステーションにはロシア以外にも20か国近くが協力しているので、宇宙ステーションに関しては中国がアメリカをリードすることになる。

 どの国が、どのような形で協力しているかに関しては、拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』の【第四章 決戦場は宇宙に――中国宇宙ステーション稼働】のp.161に掲載した【図表4-1 中国宇宙ステーションと協力関係を結んでいる国・研究機関・領域など】で詳述した。

 宇宙においては、そうでなくとも中国がアメリカをリードしている。

 たとえば月の裏側への着地だ。

 月は公転と自転の周期が一致しているため、地球からは常に月の一つの側面しか見えていない。それを「月の表側」と称すれば、「月の裏側」は地球からは永久に見えないのである。ということは地球からシグナルを発信してコントロールすることができないので、中国は月の近くにあるラグランジュ点に中継通信衛星を打ち当てた。

 ラグランジュ点というのは、理論物理の多体問題において、いかなる力も働かない点のことで、ラグランジュ点に打ち当てることができれば、地球からラグランジュ点に「固定」されている中継通信衛星にシグナルを送り、そのシグナルを反射させて月の裏側に送ることができるので、地球からは絶対に見えない月の裏側を地球上からコントロールすることができる。このことに成功したのは中国だけで、アメリカの科学者はアメリカにも使わせてくれと中国に頼んだほどだ。

 つぎに中国がアメリカよりも先んじているのは量子通信衛星である。

 量子通信に関して中国は早くから着手し、1970生まれの潘建偉は1996年に26歳でオーストラリアに留学し、宇宙航空科学における最高峰であるツァイリンガー教授に師事した。ツァイリンガー教授は2022年、ノーベル物理学賞を受賞した、量子通信領域の最高権威だ。

 中国は2016年8月に世界に先駆けて量子通信衛星「墨子号」の打ち上げに成功している。その意味で中国は量子暗号においてアメリカをリードしているのである。

 中国の量子暗号技術と量子衛星通信に関しては『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』のp.150~154で詳述した。

◆防衛費削減のための習近平の「軍民融合」戦略と巨大な宇宙戦略組織図

 こういったことを可能ならしめたのも、習近平が「軍民融合」国家戦略を走らせているからだ。習近平は政権が誕生した2013年から本格的にハイテク国家戦略「中国製造2025」に着手し、その中で「軍事力増強と経済発展の両立を図る」重要戦略である「軍民融合」を推進するように指示した。

 中国の防衛費はGDPの1.7%を占めているが、14億の人民の生活を支えていくには、軍事のためにのみ、それ以上の国家予算を割くわけにはいかない。

 そこで思いついたのだ「軍民融合」だ。

 民間企業を軍事産業に参入させれば、民間企業が儲かり、民間企業で働く一般庶民の収入が増える。一般庶民の生活が向上すれば中国共産党による一党支配体制を支持するようになる。その結果、中国の軍事力が強化されるようになるのだから、習近平としては最も力を入れている戦略といっても過言ではないだろう。

 一挙両得どころではなく、三得、四得にもつながる。

 以下に示すのは、宇宙開発における国家戦略の組織図である。

 これは本邦初公開だ。

図表:中国の軍民融合と宇宙開発の組織図

出典:『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』p.176-177

 組織図の軸になっているのが「軍民融合」であることは一目瞭然だろう。

◆中国の「軍民融合」に貢献する日本と日本学術会議

 さらにその「軍民融合」の中心にあるのが「中国科学技術協会」である。

 中国科学技術協会というと、何を思い出されるだろうか?

 そう、日本のあの「日本学術会議」だ。

 2015年9月、日本学術会議は中国科学技術協会と提携を結んでいる。

 一方、同じく2015年、日本の防衛省・防衛装備庁は、日本の防衛にも応用可能な先進的な民生技術を積極的に活用することが重要であると考え、日本の大学や研究機関あるいは中小企業などに研究費を供与する公募制度「安全保障技術研究推進制度」を立ち上げた。

 すると日本学術会議は、日本の大学や研究所あるいは民間企業が防衛装備を生産する事業に関わるのは、「軍事目的のための科学研究を行わない」という日本学術会議の趣旨に反するとして、2017年3月に反対声明を発表した。

 図表をご覧になると明瞭な通り、中国科学技術協会はチャイナ・セブンの真下にある「中共中央書記処」の管轄下にある。しかも軍民融合を、中国にある全ての大学や研究機関あるいは民間企業に呼び掛けるための中心的な存在だ。

 ここに示したのは宇宙開発に関してだが、主たる仕事は軍事装備の製造だ。

 中国の軍民融合には協力して、日本の軍民融合には反対声明まで出す日本学術会議の在り方は、きちんと糺(ただ)すべきだろう。この問題を風化させてはならない。

 日本はいま、防衛費をどこから捻出するかに関して議論が始まろうとしている。

 中国の軍民融合の下、中国のほとんどの民間企業も何らかの形で中国軍の防衛装備品製造に関わっている。

 日本は安保三文書を閣議決定し、主として中国の脅威を意識して防衛費の増額を唱えながら、実は中国の防衛装備を強化していくことに大きく貢献していることを知っているのだろうか?

 日本の最大貿易相手国は中国だ。

 多くの大学や研究機関も中国の大学や研究機関と提携している。

 そこで何が行われているのか、日本政府は目を覚まして分析していくべきだと提言したい。
記事に関する報告
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

習近平経済は「改革開放」路線に戻るのか、それとも社会主義色を強めるのか

習近平経済は「改革開放」路線に戻るのか、それとも社会主義色を強めるのか
https://www.nippon.com/ja/in-depth/a08801/

『 国際・海外 経済・ビジネス 2023.01.25

津上 俊哉 【Profile】

昨年12月15、16の両日、北京で2023年の経済運営方針を定める中央経済工作会議が開かれ、経済の落ち込みを受けて「成長を最重点とする」基本方針が示された。中でも目を引くのは、「対外開放の加速・民営経済の保護」がうたわれていることだ。これまで国家統制的な色彩が目立ち、とかく「改革開放から離れていく一方だ」と米国や国際社会から批判されてきた習近平政権の経済政策だが、新たな方針に従って再び、改革開放、市場経済重視の方向へ戻るのだろうか。

統制的傾向その1:経済への影響を顧みない政策の数々

習近平政権の統制的な傾向は、第一に、経済に対する影響を顧慮しない政策を次々と打ち出したことだ。それらは以下の四つに分類できる。

(1)プラットフォーム企業たたき

2021年以降、アリババ、テンセント、ディディ、美団など中国のプラットフォーム企業が金融規制や独禁法の違反、情報セキュリティー対策不備といった名目で次々と罰金や制裁処分を受けた。その結果、これらの企業は業績も株価も大幅に下落、人員整理を余儀なくされた。

(2)営利教育事業の禁止

21年7月、政府が「子育て費用の高騰」を理由に、「学習塾は新設禁止、既存の塾も非営利化させ、授業料を規制する」と発表した。突然の発表に上場教育会社の株価は暴落、存亡の淵に立たされた。

(3)芸能・娯楽産業への規制強化

21年9月、テレビやインターネットの番組の低俗化を正し、道徳的で党や国を愛する健全な精神文化を培養する、との理由から、番組内容や出演者に対する規制が強化された。また、青少年のゲーム依存症対策として、プレー時間の制限、ユーザーの実名登録の強化などの措置も取られた。

(4)その他の「反経済的」な政策

経済への影響を顧慮しない政策は他にもあった。20年から始まった不動産企業に対する金融引き締めは、マクロ経済の大幅な下振れや地方政府の歳入急減を招いた。昨年、経済・社会に多大の損害を及ぼしたゼロコロナ政策もその一例だろう。
相次ぐ修正・緩和はなぜ起きたか

ところが、以上のような政策はその後、立て続けに修正・撤回された。ゼロコロナ政策の突然の廃止は、言うまでもない。不動産に対する過激な引き締めも2021年秋に見直しが始まった。プラットフォーム産業の締め上げも22年3月から「健全な発展を図る」方向転換が始まった。営利教育事業の禁止も、昨年12月に国務院が「規律ある民営教育事業の発展を支持する」と、方針を転換した。

こうした修正・撤回がなぜ立て続けに起きるのか。とみに「権力集中」が指摘される習近平国家主席であるが、気が変わりやすい性格なのだろうか。いや、そうではないだろう。すべての政策を習氏自ら決めているはずはない。

一つ仮説を立てるなら、政権や共産党の内部にも保守的な人々と経済を重視する人々の両方がいて、政策は両派のときどきの力関係で変動しているのではないか。20年から21年にかけて中国が初期のコロナ禍を封じ込め、経済もいち早く回復させた頃には「中国のやり方が一番優れている」という考え方が盛行し、保守派の声が強くなって上記のような政策が打ち出された。その後、経済情勢が悪化したため、経済重視、改革志向の人々の声が強くなり、「弊害の大きい」政策が修正・撤回された、と私はみている。

昨年12月の中央経済工作会議では、「対外開放のレベルを引き上げて外資利用に力を入れる」「CPTPP(環太平洋パートナーシップ)などへの参加を積極的に進める」「国有企業と民営企業の平等取り扱い要求に応えていく」「プラットフォーム企業が経済発展を先導し、雇用を創出し、国際競争でも活躍することを支持する」との一項が盛り込まれた。

こうした「改革開放再起動」とも受け取れるシグナルを出したことで、世間では「23年には、13年の三中全会のように改革開放が再宣言されるのでは」と期待する向きもある。

果たしてそうなるかどうか。また、そうなったとしても、どの程度実のある「再起動」になるかは今後の経済情勢次第だが、「苦しい時の外資・民営企業頼み」は中国共産党が難局を打開するためによく使う手である。13年に打ち出された、改革志向の強い三中全会改革もその後は空文化している。前例から判断すると、今後も経済情勢が好転すれば保守派の声が再び強まり、反経済的な政策が打ち出される可能性は否定できない。

統制的傾向その2:民営企業に対する資本的支配

2013年の三中全会改革では、「混合所有制(国有企業と民営企業が共存する経済体制)を積極的に発展させる」という考え方も打ち出された。これには(1)国有企業の経営に民営企業が参画する(2)民営企業に国家、国有企業が参画する??の双方向があるが、実際には後者の事例がはるかに上回っている。

習近平政権の統制的な傾向の二つ目は、この「混合所有制の推進」を名目とした民営企業に対する資本的支配の強化だ。

格付け大手のフィッチ・レーティングスによると、中国の国有企業によるA株(上海証券取引所、深セン証券取引所に上場されている中国企業の株式のうち、人民元建てで取引されているもの)上場民営企業の買収は、17年に6社、18年に18社だったのが、19年および20年には50社に上った。18年頃から増加した買収の多くは、業績の悪化や資金繰り難に陥った民営企業が地元政府傘下の投資基金などに買収された事例という。

最近は、研究開発力の強化や戦略産業の育成を目的とした各地域の民営企業に対する投資も増えており、その中にはベンチャー投資の形態も含まれる。国有資産監督管理委の発表によると、20年には1月から8月までの間に中央直轄国有企業が全国で6000社以上の民営企業に投資し、投資額の合計は4000億元に上ったという。

経営困難に陥った重要企業の救済や産業育成のために政府が民間企業に投資することは、中国以外でも行われている。しかし、中国が特異なのは、経済全体に占める国有企業の比重の大きさと民営企業の買収事例の多さだ。

A株上場企業全体の4社に1社、時価総額では実に約5割、売上高の約3分の2、利益の約4分の3を国有企業で占めている。さらに、有望な民営企業の多くが「資金調達や補助金獲得、許認可取得の上で有利」なことを理由に、政府系の投資を受け入れていることを考え合わせると、事は国の経済支配力というマクロな経済構造に関わる問題になってくる。

国がアリババやティックトックのようなプラットフォーム企業の「特殊管理株」を取得して取締役を派遣し始めたことは、国による企業支配の最新事例である。特殊管理株とは、1%程度の持分だが重要な議決事項について否決権を有する優先株(「黄金株」とも称される)のことだ。

先に述べたように、政府が金融規制や独禁法の違反、情報セキュリティー対策不備といった名目でプラットフォーム企業を厳しく締め上げたのは、海外市場に上場し創業者が支配権を持つ私営プラットフォーム企業が巨大な社会的影響を有するに至ったことに、共産党が強い危惧を覚えたためだ。

共産党はこうした締め付けによって事実上、これら企業の生殺与奪の権限を得たが、特殊管理株の取得によって、名実ともに企業の支配権を掌中にした。最近になって「プラットフォ-ム企業が経済発展を先導し、国際競争で活躍することを支持する」方向に転じたのも、すでに「我が物にした」からなのだろう。

統制的傾向その3:党組織を通じた企業統制の強化

習近平政権の統制的な傾向の三つ目は、共産党組織を通じた民営企業に対する統制強化だ。

中国共産党は2020年に「民営経済の規模は拡大を続けており、民営経済人の価値観や訴求する利益も日を追って多様化しているため、民営経済に対する管理・統制(「統一戦線工作」と呼ぶ)も新たな形勢と任務に直面している」との認識を明らかにしている。

この認識に基づいて進められているのが、民営企業や外資企業に党支部を設け、さらには経営への参画を促す指導だ。その実態は明らかでないが、17年に共産党が明らかにしたところによると、非国有企業の7割に党支部が設置されており、外資企業も合弁企業を中心に、全体の7割にあたる約7万4000社が党支部を設置していたという。最近では、国内業務への参入を認められた外資金融機関が党支部を設置することを求められているという。

「大きな政府」は世界的潮流だが…

すでに述べたように、中国は2020年以降のいっとき「中国のやり方が一番優れている」との昂揚感に覆われて不賢明な政策を次々と打ち出したが、経済情勢が悪化して「憑(つ)き物」が落ちると、これらの政策は撤回された。

一方で、共産党による指導・統制の強化は、習近平国家主席が強い信念のもと進めていることで、習氏がトップであり続ける限り変わることは考えにくい。22年末の中央経済工作会議で「改革開放再起動」のシグナルを打ち出したといっても、この一点が変わらない限り、いっときの便法以上のものにはならないだろう。なぜなら、「改革開放」の根本は、「経済は市場に委ねる」覚悟をするかどうかに尽きるだからだ。

ただ、中国政府の経済介入強化に関しては、いま世界中で起きていることにも留意する必要がある。

1980年代に始まった「小さな政府」という世界的潮流は、40年の歳月を経て今や完全に逆転した。習近平氏は「共同富裕(皆が共に豊かになること)」に強いこだわりを持つと言われるが、根底にあるのは「資産格差を中心に拡大する貧富格差への危惧」であり、これも世界的なトレンドと合致している。

中国が特異なのは「大きな政府(党)」が経済介入にとどまらず、「党・政・軍・民・学の各方面、東・西・南・北と中央の一切を党が領導する」ところまで行ってしまうことだ。それで国がうまく運営していけるのか。イエスマンで固めた3期目習近平政権の人事を見るにつけ危惧を覚えさせられる。ゼロコロナ政策の撤回を巡るドタバタぶりが中国の将来を暗示するものでないことを願うばかりだ。

バナー写真:公式訪問先のサウジアラビアで、出迎えた同国首相のムハンマド皇太子と笑顔で握手を交わす中国の習近平国家主席。習氏のサウジ訪問は、経済面を中心に戦略的な関係を強化する狙いがあるとされる(2022年12月8日、サウジアラビア・リヤド)AFP=時事

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中国 習近平 中国共産党 改革開放 中国経済 社会主義経済

津上 俊哉TSUGAMI Toshiya経歴・執筆一覧を見る

現代中国研究家・(公財)日本国際問題研究所客員研究員。1957年生まれ。1980年通商産業省入省。在中国日本大使館経済部参事官、通商政策局北東アジア課長、経済産業研究所上席研究員などを歴任。「中国台頭 日本は何をなすべきか」(日本経済新聞社/2003年)でサントリー学芸賞。近著に「米中対立の先に待つもの」(日本経済新聞社/2022年)。』

4年内の台湾攻撃、依然懸念 中国巡り前米司令官

4年内の台湾攻撃、依然懸念 中国巡り前米司令官
https://www.47news.jp/world/8847209.html

『米インド太平洋軍のデービッドソン前司令官は23日、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じ、中国の習近平指導部の3期目任期が満了する2027年までに中国が台湾を攻撃する可能性があるとの見解は変わらないと強調した。日本の反撃能力(敵基地攻撃能力)保有の動きを歓迎し、米国製巡航ミサイル「トマホーク」導入が「最速の方法だ」と語った。

 デービッドソン氏は習国家主席が昨年10月の共産党大会で台湾統一に向けて「武力行使の放棄を約束しない」と述べたことに触れ、自身が現職司令官時代に27年までに台湾有事が起きる可能性があるとした分析が「今も当たっている」と指摘した。

共同通信 』

「新中華圏」とのつきあい方 中国の統制がつくる新勢力

「新中華圏」とのつきあい方 中国の統制がつくる新勢力
風見鶏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM190580Z10C23A1000000/

『中国のIT(情報技術)政策が大転換している。

中国共産党は2023年の経済運営方針の重点項目として「プラットフォーム企業の発展、雇用創出、国際競争での能力発揮を支持する」と掲げた。

景気回復のためIT業界への締め付けを緩めたように見えるが、実態はその逆だ。清華大学の李稲葵教授は「政府はIT企業が社会的統治に与える影響を懸念していたが2年かけて是正は終わった」と説明する。

企業を統制下に置く段階が…

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『昨年、テック関係者や投資家の注目を集めた論文がある。タイトルは「web3.0と中国は無関係」。

「量子学派」を名乗る話題の科学者グループからの情報発信で、各国が開発を競う次世代インターネット「web3.0」を巡り技術者に中国からの脱出を呼びかけた。「シンガポールや中東にいけば資金はいくらでも得られて好きな技術開発ができる」

web3.0はブロックチェーン(分散型台帳)を使った分散型ネットワークで、ネットを国家の監視や巨大IT企業の独占から解き放つと期待されている。中国も国家戦略としているが、開発するのは本来の理念を覆す「統制可能なweb3.0」だ。

論文は技術の冒瀆(ぼうとく)への失望と技術者の矜持(きょうじ)がにじんだ。すぐに削除されたが、思いは社会に広がった。

イノベーションと統制を同時進行しようとする中国の矛盾に満ちた戦略は今後、世界にどのような影響を与えるのだろうか。』

『「世界に新しい中華経済圏が出現する」。東京財団政策研究所主席研究員の柯隆氏は予測する。

理不尽な統制下、海外でも活躍できる人材は次第に出国意欲を高めている。web3.0といった自由志向を持つ分野の技術者はその代表だ。アリババ集団の創業者、馬雲氏のように中国の統制から押し出された人材もいる。

バイタリティーにあふれ、人脈も資金力もある彼らは「新世紀の華僑」として世界経済をけん引する新勢力となるだろう。どう向き合うかは日本も想定しておくべき課題となる。』

『日本で先行するのは「防御」を巡る議論だ。中国政府は国民を国家利益のために総動員することが法律的に可能であり、警戒を怠ることはできない。日本の社会や経済が混乱しないよう土地や企業の売買における規制の見直しも必要だ。』

『一方で「攻め」の準備も求められる。ネットや電気自動車(EV)など中国のイノベーション能力は高い。基礎技術よりアプリケーション開発に強く、日本とは得意分野が違う。祖国から飛び出したアントレプレナー(起業家)たちへの支援や取り込みは相乗効果が期待できる。』

『新中華圏が中国と世界を結ぶ情報流通の新たな結節点となる可能性もある。中国内の情報を得る一方、世界の情報を中国の人々に伝えるルートとなる。情報は安全保障の根幹だ。米国はいち早くネットワークを築くだろうが、日本がやらなくていいわけではない。

なによりも自由な人生を求めて統制社会から逃れてきた人々は、すでに民主主義社会の一員といえるのではないだろうか。

あらゆる個人が受け入れられ、夢を追求できたのが自由主義社会の強さだった。「国家の夢」のために個人を犠牲にする。そうした国とは一線を画す柔軟な姿勢で新しいチャイナ・ワールドと向き合いたい。

(中国総局長 桃井裕理)』

尖閣対処、海保に防衛任務検討を 松田康博東大教授

尖閣対処、海保に防衛任務検討を 松田康博東大教授
安保3文書 識者の提言
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1958G0Z11C22A2000000/

『台湾有事はいつかという話がよく出るが、それは中国にとって条件がそろったときだ。中国はまだ台湾を占領して統一する全面侵攻に自信がない。習近平(シー・ジンピン)国家主席は後継者をつくっておらず、最低10年は続ける。

そのため猛烈な勢いで核軍拡をしている。2030年から35年にかけて1000〜1500発の核弾頭が使用可能になり、米国は手を出しにくくなる。中国はこれから5〜10年の間に能力をつけて機会を…

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『台湾有事はいつかという話がよく出るが、それは中国にとって条件がそろったときだ。中国はまだ台湾を占領して統一する全面侵攻に自信がない。習近平(シー・ジンピン)国家主席は後継者をつくっておらず、最低10年は続ける。

そのため猛烈な勢いで核軍拡をしている。2030年から35年にかけて1000〜1500発の核弾頭が使用可能になり、米国は手を出しにくくなる。中国はこれから5〜10年の間に能力をつけて機会を狙う。』

『沖縄県・尖閣諸島の周辺で活発に活動する中国海警局の船舶に対処するには本来は海上保安庁法を改正して、海保にも領域防衛の任務を一部負担してもらう方が良い。

海保が劣勢だからといって海上警備行動で海上自衛隊の艦艇を出せば、日本が事態をエスカレーションさせたという口実にされる可能性がある。海保への任務や装備の付与に踏み込めるかどうかは引き続き課題になる。』

中国、不動産支援に転換 銀行の融資態度一変

中国、不動産支援に転換 銀行の融資態度一変
ASIA政策ナビ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM173CL0X10C23A1000000/

『中国が不動産市場を支援する姿勢に政策を転換した。金融監督当局が国有銀行に融資を指導し、銀行の融資態度は一変している。危機に瀕していた不動産各社は生き残りの道が見えてきたが、不動産バブル問題の解決は先送りされることになる。

「銀行の長年の信頼と支援に感謝します」。16日、上海市内で復星集団の郭広昌董事長が銀行団に謝意を示した。同日、中国工商銀行など8行と結んだ融資契約の総額は計120億元(約230…

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中国 ゼロコロナからのハードランディングを可能にしている中国政治・社会の“怖さ”

中国 ゼロコロナからのハードランディングを可能にしている中国政治・社会の“怖さ”

https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/347d67562af0b1028d90b72488c30902

 ※ 一部を抜粋して、紹介する。

『【政府の欺瞞を承知していながら受け入れる社会 多数派の人々は少数派の苦しみをなかったことにして生きていくことに慣れている】

強権的なハードランディングに伴う犠牲者・混乱は非常に大きなものになっていますが、それでも表面上は春節を迎える華やかさで覆われています。

多くの国民も政府発表の数字のいい加減さには気付いているとは思いますが、それでも中国社会では大きな問題とはなっていないようです。

****コロナ感染拡大でドタバタでも中国世論が荒れない事情****

(中略)
それでも中国共産党の危機にならない
では、(デマが飛び交うような世論統制の)この緩みは中国共産党にとっての危機になるのだろうか? 

ゼロコロナを貫くと宣言した舌の根も乾かぬうちの手のひら返し。その後の準備不足が招いたドタバタ。そして、今現在進行しているであろう大量の高齢者の死。いずれも政権の正当性に疑念を抱くに十分な材料に思えるが、それが体制危機にはつながらないというのが筆者の見立てだ。

というのも、中国のソーシャルメディアのリサーチや、中国人からの情報収集でも、怒りよりもあきらめを感じるからだ。ゼロコロナ対策に対する抗議活動「白紙運動」のような怒りは間欠泉のようなもので、一時は盛り上がっても持続させることは難しい。

ましてや、今の中国では若く健康な人にとっては一度感染すれば、後はゼロコロナ対策よりもよっぽど自由で快適となる。高齢者や基礎疾患を持つ人、そしてその家族にとっては不安な日々が続くが、そうした少数派の苦しみに寄り添うムードは社会にはない。

神戸大学の梶谷懐教授との共著『幸福な監視国家・中国』(NHK出版新書、2019年)では、現在の中国の統治思想が功利主義に親和性を持つことを指摘した。監視国家化に傾斜する中国だが、それは多くの人民が日々苦しみにあえぐ強圧的な社会ではなく、少数の人々の犠牲には目をつぶることで大多数の人々は豊かで秩序だった幸福が与えられる社会である。

ゼロコロナ解除後の中国もまさにこの構図にあてはまりそうだ。高齢者や基礎疾患を持つ人々を排除することによって、大多数の健康な人々は長いコロナ禍から脱出し日常を取り戻す。この状況が社会不安につながるかどうかは損をしない大多数の人々が、苦しむ少数派の人々に共感するかどうかにかかっている。

しかし、今の中国では少数派の悲哀は検閲によって覆い隠されている上、多数派の人々は少数派の苦しみをなかったことにして生きていくことに慣れている。ここに中国共産党の統治の強靱さがあるのだろう。【1月18日 WEDGE】
******************

“少数派の悲哀は検閲によって覆い隠されている上、多数派の人々は少数派の苦しみをなかったことにして生きていくことに慣れている”・・・非常に怖い政治・社会体制です。』

『【密かに力でねじ伏せられる抵抗者】

春節に浮かれるその陰では、抵抗者への国家権力による厳しい報復が進行しています。

****ゼロコロナデモの女性、失踪状態に 助け求める動画****

ユーチューブに投稿された動画で助けを求める曹?馨さん(共同)

昨年11月に中国各地で相次いだ「ゼロコロナ」政策に対する抗議デモを巡り、中国当局が参加者を相次いで拘束していると告発する動画がインターネット上で拡散している。参加者の一部が公然と習近平政権を批判したため、態度を硬化させた当局が水面下で取り締まりを進めているもようだ。

ツイッターで20日までに、当局に拘束されたとみられるデモ参加者の女性の動画が出回った。中国の人権問題を扱うウェブサイト「維権網」などによると、女性は北京大学出版社で編集の仕事に従事している曹?馨(そう・しけい)さん(26)。曹さんは「皆さんがこの動画を見ているとき、私は既に警察に連行されている」と述べ、自分が行方不明になったら動画を公開するよう友人に頼んだと説明した。

曹さんは、ゼロコロナ政策に基づく封鎖措置で被害が拡大したとされる新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市の火災の犠牲者を追悼するため、昨年11月27日に北京市中心部で行われたデモに友人と参加。その後、警察に拘束されて取り調べを受けた。その際は解放されたが、12月18日に複数の友人が逮捕され、曹さんは24日に消息を絶ったという。

曹さんは動画で「私たちは現場で秩序を守り、警察との衝突も一切なかった」と強調。「私たちは、いわれもなく消え去りたくない」と助けを求めた。

動画は、曹さんら計13人のメディア関係者らが昨年12月10日から今年1月7日にかけて連絡が途絶えたと指摘している。中国当局は、デモ参加者に対する対応について明らかにしておらず、拘束の実態は不透明となっている。【1月20日 産経】

*********************** 』

王滬寧

王滬寧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E6%BB%AC%E5%AF%A7

『王 滬寧(おう こねい、ワン フーニン、1955年10月6日-)は、中国の政治哲学者[1]、政治家。第18期・第19期・第20期中国共産党中央政治局委員、第19期・第20期中央政治局常務委員・中央書記処書記・中央精神文明建設指導委員会主任。党中央政策研究室(中国語版)主任。復旦大学教授。

江沢民・胡錦涛・習近平政権を理論面で支えたことから「三朝帝師」[2][3][4]の異名を持つ。

経歴

1974年に華東師範大学外国語学部でフランス語を学ぶ傍ら、上海社会科学院で研究活動をする。1978年に復旦大学の修士(碩士)課程に入学[5]、1981年に法学修士を取得した。

1984年4月に中国共産党に入党、1980年代は「半月談」(新華社発行)など時事雑誌の表紙を飾る青年学者として名をはせ、復旦大学国際政治系教師(講師)、副教授(准教授)、教授を歴任し、アメリカ合衆国のアイオワ大学とカリフォルニア大学バークレー校で客員研究員にもなった。1989年から復旦大学の国際政治系主任(研究科長)、1993年に「国際中国語大学ディベート大会」で復旦大学ディベートチームを率いて優勝し、1994年から法学院長(学部長)となり、さらに名声を高めた。中国の発展には「強人(中国語版)」による開発独裁的な権威主義体制が必要と主張する「新権威主義(英語版)」[5][6][7][8]と呼ばれる一派の論客として活躍し、中国共産党上海市委員会宣伝部の注目を得て、第13回全国代表大会以降、党の重要理論の起草に関わることなる。

1995年、曽慶紅・呉邦国の強い推薦により、江沢民総書記(当時)によって党中央政策室政治グループ長に任命され、1998年4月には研究室副主任となり、2002年から主任を務めた。「三つの代表」、胡錦濤時代の「科学的発展観」など重要理論の起草に直接関与し、2007年10月、第17期中央委員会第一全体会議で中央書記処書記に選出され、鄧力群以来の理論家による書記処書記就任となった[9]。2012年11月には第18期中央委員会第一全体会議で中央政治局委員に選出され[10]、習近平の掲げる「中国の夢」「中華民族の偉大なる復興(中国の夢の一部)」という国家スローガンを考えたとされ[11]、その内政から外交にまで及ぶ影響力から米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「カール・ローブとヘンリー・キッシンジャーを一体にした存在」と評した[12][13]。

2017年12月3日、GoogleやAppleのCEO[14]や「インターネットの父」の一人であるロバート・カーン[15]などIT業界関係者を集めて浙江省烏鎮で開幕した第4回世界インターネット大会(英語版)で中国のネット検閲を正当化した上で、ネットビジネスの国際制度設計に中国が積極的に関与していく姿勢を示した。中国式のサイバー主権(英語版)を世界に広めたい考えとみられる[16]。

主な著作

いずれも日本未刊のため、邦題は参考として掲げる。英題は英語版 (22:28, 20 November 2012 UTC) により、同様に参考として掲げる。

《比较政治分析》、比較政治分析、"Analysis of Comparative Politics"、1987
《当代西方政治学分析》、現代西洋政治学分析、"Analysis of Modern Western Politics"、1988 ISBN 7220002904
《美国反对美国》、アメリカ対アメリカ、"America against America"、1991 ISBN 7532107108
《狮城舌战》(編)、シンガポールディベートコンテスト、"Debate Contest in Lion City"、1993 ISBN 730901247X
《政治的逻辑——马克思主义政治学原理》、政治論理--マルクス主義政治学原理、"Logic of Politics - the Principal of Marxism Politics"、1994 ISBN 7208018413
《新政治学概要》(共編)、新政治学概要、"General Introduction to New Politics"、1998 ISBN 7309020731 』

予測通り全国政協主席になる王滬寧と4人の妻の物語

予測通り全国政協主席になる王滬寧と4人の妻の物語
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20230119-00333481

 ※ 「三朝帝師」の異名を持つ王滬寧氏だが、彼に関する情報は、驚くほど少ない(あまり、流通していない)…。

 ※ 貴重な情報だ…。

『予測した通り王滬寧(おう・こねい)が全国政治協商会議主席になる。3代の紅い皇帝に知恵袋として仕えてきた王滬寧は習近平にかつて「デタラメを言うな!」と怒鳴った男だ。そんな王滬寧の妻たちの物語を知っている人は少ない。

 (注:1月20日、文末に「4人の妻の物語」の略記を加筆した。)

◆予測通り全国政治協商会議主席になることが判明した王滬寧

 1月18日、新華網は<中国人民政治協商会議第十四回全国委員会(全国政治協商会議)委員名簿>を公表した。全体で2172人が代表になったが、このうち、体育や芸術など他ジャンルからの選出も含めて852人が中国共産党員で、全代表の39.2%を占める。純粋に中国共産党員からのみ選出された代表は99人で、その中に王滬寧の名前がある。

 全代表2172人の中で、新チャイナ・セブン(7人の中共中央政治局常務委員会委員)であるのは王滬寧一人なので、自ずと、王滬寧が全国政治協商会議主席になることになる。
 昨年10月の第20回党大会閉幕翌日である10月23日に開催された一中全会で、新チャイナ・セブンが選出されたが、その顔ぶれが公開された瞬間に、王滬寧は全国政治協商会議主席になると予測し、その詳細を『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』に書いたが、予測通りの結果になったのを知り、ひとまずホッとしている。

◆14億人の中で唯一、習近平を叱責できる男

 学者としての王滬寧を政治の世界に引きずり込もうとしたのは江沢民の大番頭だった曽慶紅だ。1995年になると江沢民は曽慶紅の勧めにより王滬寧を中央に呼び、「中央政策研究室政治組」の組長に任命し、「三つの代表」論の論理的根拠を執筆させた。胡錦涛政権になっても王滬寧は中央に留まって中央政策研究室主任(2002年~12年)、中央書記処主任(2007年~12年)などを歴任し、胡錦涛の「科学的発展観」の原稿も執筆した。

 いうならば、中国の「紅い皇帝」の知恵袋。

 しかし胡錦涛時代、習近平がまだ国家副主席だったときに、習近平に対して「あなたは何もわかってない!不用意にしゃべらないでくれ!」と面と向かって言ったことがある。
 この「不用意にしゃべらないでくれ!」という日本語の中国語原文は「不要乱説!」だ。これはかなり失礼な言い方である。「メチャクチャなことを言うな!」あるいは「デタラメを言うな!」と訳した方が適切かもしれない。

 激怒した習近平は「やめた!」と切れてしまった。

 つまり、次期中共中央総書記、次期国家主席など、国家のトップになるのを「やめた!」という意味だ。

 もし習近平が国家のトップに立たないとなると、第18回党大会は成立しない。今後の中国共産党一党支配体制が崩れる可能性がある。

 周りは慌てて習近平の説得に当たった。特に曽慶紅が説得して、ようやく元のさやに納まった。

 曽慶紅は習近平が清華大学卒業後に国務院弁公庁および中央軍事委員会弁公庁において、副総理および中央軍事委員会常務委員をしていた耿飈(こう・ひょう)の秘書をかけ持ちで務めていたときに習近平と親しくなっている。習近平はその当時、曽慶紅のことを「慶紅兄さん」と呼んで慕っていた。だから、習近平は曽慶紅の言うことは聞く。

 このたび王滬寧は新チャイナ・セブンの一人として残ったが、おそらくその中で習近平に対して「上から目線で、遠慮せずに、ピシャリとものが言える」のは王滬寧一人ではないだろうか。全中国14億人の中で、習近平を抑制することのできる唯一の人物が王滬寧だと言っても過言ではない。

 それでも習近平は、江沢民や胡錦涛と同様に彼の英知を欲しがった。

 結果、王滬寧は三代の「紅い皇帝」に仕える知恵袋となっているわけだ。

◆知られざる王滬寧の「4人の妻たちの物語」

 しかし、人間の性格はわからないものである。

 女性が王滬寧を好きになるのか、それとも王滬寧が「女好き」なのか分からないが、王滬寧は4回も結婚・離婚をくり返している。

 生い立ちを見ると、王滬寧は1955年10月に上海で生まれたが、中学に上がるころに文革が始まり、授業はなかったから家に閉じこもって本ばかり読んでいた。体が弱く勉強好き。1974年、上海師範大学幹部外語培訓班(養成班)法語(フランス語)に入学。19歳のときだった。

 78年に大学入学統一試験が再開されたので、すぐさま正式に復旦大学の大学院を受験し、国際政治を専攻した。文革終息後の第一期の大学院生である。卒業後、復旦大学に残って助教授、教授、博士指導教官となり、その間に多くの論文を発表した。

 最初の妻は、この上海師範大学と関係がある。

 それでは「4人の妻たちの物語」をご紹介しよう。

最初の妻の物語

 実は上海師範大学の幹部外語培訓(養成)班には、かつて国家安全部のスパイ活動をするために世界各国の言葉を学ばせていたという歴史がある。王滬寧はフランス語だけでなく英語も話せる。最初に結婚した女性は国家安全部の幹部の娘だった。スパイ活動という謎めいたこともあったためか、結婚も離婚も秘密のうちに行われている。

二番目の妻の物語

 二番目の妻の名前は周琪(しゅう・き)で、1952年11月、北京で生まれた。国際関係の専門家で、1980年2月に上海復旦大学国際政治学科を卒業し、1980年9月から1983年7月まで復旦大学国際政治学の修士課程で学び修士号を取得。1986年11月~1988年1月はアメリカのジョンズ・ホプキンス大学高等研究所に留学し、1990年1月~1991年1月はアメリカのハーバード大学客員研究員を務めた。現在は研究室の副主任を務めると同時に英国研究協会理事、上海欧州学会理事などを担う。

 周琪と王滬寧は復旦の同窓生で、卒業後も学校に残って教え、結婚した。1994年5月、周琪は上海を離れ、北京にある中国社会科学院アメリカ研究所に異動したため、王滬寧とは1年間離れ離れで暮らした。1995年、王滬寧も江沢民に呼ばれて北京転勤となり、中国共産党中央委員会政策調査室の政治グループの責任者を務めたが、夫婦は1996年に離婚した。

三番目の妻の物語

 三番目の妻、肖佳霊(しょう・かれい)は1966年4月に湖南省で生まれた。復旦大学法学博士で、現在は復旦大学国際関係広報学院准教授、上海国際関係学会会員、および復旦大学日本研究センターの研究員。復旦大学国際政治学科の国際関係学科で学部、修士、博士課程を修了し、1997年5月に法学博士の学位を取得したのだが、実は指導教官は王滬寧だった。よくある話だが、王滬寧は教え子の肖佳霊が好きになり、1998年に結婚した。

 三番目の妻が博士学位を取得するまでには少なくとも3年はかかったはずだ。つまり博士学位を取得する1997年5月よりも3年前である1994年4月辺りから、三番目の妻となる教え子とは接触していたことになる。いわゆる「不倫」をしていたことになろうか。この「教え子」の存在が原因で夫婦仲が悪くなったと考えるのが普通だろう。

 肖佳霊はしかし、1999年から2001年まで、日本の東京大学法学部のポスドク研究員として勤務し、その後アメリカにわたってイェール大学の客員研究員を務めたり、パリ政治学院の客員研究員を務めたりしている。そんなことからなのか理由はわからないが、結局離婚してしまった。

四番目の妻の物語

 四番目の妻は1985年に山東省青島市生まれということだけはわかっているが、さすがに公表もしにくくなったのだろう、名前はわからない。2014年5月に結婚した。専業主婦をして、ひっそりと家で暮らしているらしい。

 以上が「4人の妻の物語」だが、拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』のp.63-66には「王滬寧の妻たちの物語」を特集して、エッセイ風にまとめた。

 政治界における王滬寧は、その目の奥に、「怪しげな」と言ってもいいほどの「情報」を潜ませている。この目つきはゾッとするほどに冷たく、だから中南海でも王滬寧をよく言う人はあまりいない。

 中国には「二奶(妻以外の愛人)村」というのが江沢民政権や胡錦涛政権にはあったほど、「好色な官僚」は掃いて捨てるほどいる。

 しかし王滬寧は、その手の、文字にしたくもないほどの嫌悪すべき連中とは無縁のような存在でいながら、妻をつぎつぎに取り換えているという現実に、何とも複雑な気持ちになるのを禁じ得ない。

遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

中国国家副主席に韓正氏、香港紙 習近平氏後継置かず

中国国家副主席に韓正氏、香港紙 習近平氏後継置かず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1956I0Z10C23A1000000/

『香港紙の星島日報は19日、中国共産党の最高指導部から外れた韓正(ハン・ジョン)氏が3月に国家副主席に就く見通しだと伝えた。国家副主席は本来、将来の最高指導者をうかがう立場。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は一線を退いた韓氏を任命し、後継候補を置かない姿勢を示すとみられる。

韓氏は3月5日に開幕する中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)で国家副主席に就く見込み。現職の王岐山(ワン…

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『韓氏は3月5日に開幕する中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)で国家副主席に就く見込み。現職の王岐山(ワン・チーシャン)氏の後任になる。

韓氏は2022年10月の党大会を経て最高指導部である政治局常務委員会のメンバーから外れた。党幹部の退職年齢に該当したことなどが影響した。星島日報は「習氏の信任が厚い」ため国家副主席に起用されると解説した。

習氏や胡錦濤(フー・ジンタオ)前党総書記は国家副主席として外交などの経験を積んで党総書記と国家主席のポストに就いた。

習氏は2018年3月に最高指導部から引退した王岐山氏を国家副主席に配置した。今回は韓氏を充てることで、長期政権を敷く構えとみられる。(羽田野主)』

1からわかる!習近平国家主席と中国(2)なぜ権力を一手に?

1からわかる!習近平国家主席と中国(2)なぜ権力を一手に?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji109/

 ※ 就活生向けに、時事問題を分かりやすく解説したものだが、参考になった…。

 ※ 是非一読をおすすめする…。

ダボス会議、中国・劉鶴副首相が出席へ

ダボス会議、中国・劉鶴副首相が出席へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM139BR0T10C23A1000000/

『【北京=羽田野主】中国外務省は13日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に劉鶴(リュウ・ハァ)副首相が出席すると発表した。15日から19日までの日程で、会場となるスイスを訪問する。

劉氏は習氏の側近で金融や通商問題などを担当している。2021年には習近平(シー・ジンピン)国家主席がWEFのオンライン形式の準備会合「ダボス・アジェンダ」で…

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『ダボス会議は各国の首脳や国際機関トップ、企業幹部など2700人以上が参加する。ロシアによるウクライナ侵攻に象徴される世界の分断と今後の協調の可能性や、インフレ、食糧危機,、気候変動といった問題について議論する。

ドイツのショルツ首相や欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長、米ケリー大統領特使(気候変動問題担当)などが出席する予定。』

2023年春節の休暇スケジュールが発表

2023年春節の休暇スケジュールが発表
http://j.people.com.cn/n3/2023/0104/c94475-10191903.html

『人民網日本語版 2023年01月04日14:50

北京市人民政府弁公庁は4日、2023年の春節(旧正月、2023年は1月22日)の休暇スケジュールを発表した。大晦日に当たる1月21日(土曜日)から27日(金曜日)までの7連休となる。また1月28日(土曜日)と1月29日(日曜日)は振替出勤日となる。スケジュールに基づき、事前に仕事などの手配を行った上で、連休中は個人レベルでも新型コロナウイルス対策を講じるなど、安全対策をしっかりと行い、楽しく、和やかな連休を過ごせるようにしよう。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年1月4日 』

中国当局、内部文書で「国民にとことん感染」…体制維持危ぶまれゼロコロナ放棄か

中国当局、内部文書で「国民にとことん感染」…体制維持危ぶまれゼロコロナ放棄か
https://www.epochtimes.jp/2023/01/131170.html

『「国民にとことん感染させる」ーー。中国政府の新たな政策がネット上で噂になっている。大紀元が入手した中国政府の内部文書によると、当局は3年続いた厳しい封鎖により体制維持が危ぶまれたと指摘。政権崩壊を防ぐため、厳しい感染対策ゼロコロナの放棄を選んだという。

中国共産党(中共)上層部が地方政府に出した「指示文書」によれば、政権維持のためにいち早く経済活動を再開するよう要求。そのために「国民には『とことん感染』させていち早く感染ピークを乗り越え、両会(今年3月開催予定の中国人民政治協商会議及び全国人民代表大会)前には集団免疫を獲得」させるよう指示した。』

(※ 無料は、ここまで。)

中国全人代、反スパイ法改正へ 台湾巡り外国介入警戒か

中国全人代、反スパイ法改正へ 台湾巡り外国介入警戒か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM265VZ0W2A221C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は27日から反スパイ法の改正案を審議する。改正案の内容は現時点で公表されていないが、台湾統一をにらむ習近平(シー・ジンピン)指導部が取り締まりをさらに強化するとの見方がでている。

審議は30日までの予定で、2023年前半にも可決される可能性がある。14年11月に施行された現行の反スパイ法は「外国などのスパイ組織に参加する」…

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『ペロシ米下院議長の訪台にあわせ、習指導部が掲げる中台統一を拒む台湾の住民を威嚇する狙いがあったとみられる。共産党関係者は「反スパイ法の改正で台湾独立をあおる反中勢力はすべて取り締まりの対象になるだろう」と指摘する。

習指導部は台湾統一を巡り、米欧日といった「外国勢力」が介入を強めていると警戒している。習国家主席は11月の米中首脳会談でバイデン米大統領に「いかなる者も台湾を中国から分離させようと考えるなら、決して許さない」と強調した。中台間のビジネスなどにも影響が出る可能性がある。

反スパイ法の改正案の検討作業が進むようになったのは19~20年の香港の抗議デモも関係している。習指導部は米英を念頭に「外国勢力」が香港の民主活動家らと結びつき、国家の転覆を企てていると断定。香港国家安全維持法を制定した。対象が香港に限られていることから、反スパイ法も強化すべきだとの意見がでたという。』

https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM265VZ0W2A221C2000000&n_cid=DSPRM1AR07

[FT]中国のコロナ感染、実態は密室の中に

[FT]中国のコロナ感染、実態は密室の中に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2524U0V21C22A2000000/

『中国当局は、12月1~20日に総人口の18%にあたる約2億5000万人が新型コロナウイルスに感染したと推計している。政府が3年近く感染を封じ込めてきた規制を突然緩和したことが背景にある。

この推計は、中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)の孫陽副主任が21日に開かれた国家衛生健康委員会(NHC)の会議の中で説明したと、事情に詳しい関係者2人が明らかにした。20日単日で人口の2.6%にあた…

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習近平氏3期目、「1極」体制が完成 台湾統一「公約」に

習近平氏3期目、「1極」体制が完成 台湾統一「公約」に
激動2022
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM096HW0Z01C22A1000000/

『2022年10月に開いた中国共産党大会で、習近平(シー・ジンピン)党総書記(国家主席)は異例の3期目続投を決めた。最高指導部の政治局常務委員に相次いで側近を引き上げ「1極」体制を完成させた。台湾統一を公約に掲げ、対外強硬路線も継続する公算が大きい。新型コロナウイルスの感染にどう対応していくかも含め、世界への影響力を高めた大国の行方から目が離せない。

新最高指導部のメンバーが公表された10月下旬、…

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『「会談の内容が新聞に漏れている」。習氏は会場でカナダのトルドー首相を呼び止めて苦言を呈した。前日の非公式会談の内容がカナダ紙に漏れたのが我慢ならなかったようだ。

習氏は叱責するかのようなきつい中国語で話し、トルドー氏の反論も遮って「(対話できる)環境をつくらないといけない」と注文をつけた。首脳外交では異例の振る舞いだ。習氏の演説や文章を研究する日本の大学教授は「少し前はあれほど尊大な態度ではなかったが……」と懸念する。』

『とくに懸念されるのは危機対応だ。地方政府と国有企業が過剰債務を抱えるなか、中国の潜在成長率は急速に下がっていく。地方金融機関で預金者の取りつけ騒動が散発するのは偶然ではない。金融危機の芽はあちこちに見え隠れする。

1997~98年のアジア金融危機、2015年の中国ショックのように市場が激しく動揺した場合、新指導部ではだれが「消防隊長」として火消しするのか。習氏に忠誠を誓う側近だけで固めた「1極体制」の本当の実力が試される。

(北京=羽田野主、川手伊織)』

『今回の党大会では李克強首相や劉鶴副首相ら「経済通」が指導部から外れた。中国は独自の広域経済圏構想「一帯一路」で東南アジアなど新興国へのインフラ投資を進めてきたが、資金が続かなくなっている。持続可能性が小さくなり、実力を伴わなくなるとみる。
習氏が台湾武力統一の時期を決めているとは思えない。共産党の歴史を振り返ると指導者は権力基盤を強くするため戦争を利用してきた。習氏が自らの地位が揺らいだと判断したときに危機が起きるかもしれない。』