[FT]習近平氏、中国軍トップを継続へ 16日に共産党大会

[FT]習近平氏、中国軍トップを継続へ 16日に共産党大会
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB301QA0Q2A930C2000000/

 ※ 王洋氏の名前、あまり見なくなったな…。

 ※ やはり、67才という年齢がネックになっているのか…。

 ※ 68才だと「引退」なんで、ギリギリ「政治局常務委員」にとどまるのでは…、という記事もあるのだが…。

 ※ 全ては、「習近平派」と「共青団派」との間の、権力分配(ポストの分捕り合戦)の結果次第…、ということか…。

『中国が10月1日に73回目の国慶節(建国記念日)を祝うとき、国は一歩後ろに引き、共産党と過去10年間にわたり党を支配してきた人物が前面に出る。習近平(シー・ジンピン)国家主席その人だ。

30日、天安門広場での式典に参加した中国の習近平国家主席=ロイター

2022年の記念日はほぼ1カ月間にわたる愛国的式典の始まりを告げ、10月16日に開幕する5年に1度の共産党大会で、習氏が前例のない3期目の共産党総書記、中国軍トップ(中央軍事委員会主席)に任命されてクライマックスを迎える。

国家元首である国家主席としての再任は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が23年3月に次の会期で招集されるまで正式に承認されない。

習氏の祝賀ツアーは9月27日に始まり、共産党の最高指導部にあたる中央政治局常務委員会の委員6人を引き連れ、習氏の就任2期における中国の「新時代の成果」をたたえる展覧会を視察した。

習氏が公の場に姿を現したのは、9月15日にウズベキスタンで地域協力組織「上海協力機構(SCO)」首脳会議に出席し、ロシアのプーチン大統領と会談して以来初めてだった。習氏にしては珍しい不在は、議論を呼ぶ同氏のゼロコロナ政策の下、海外からの入国者に義務づけられる10日間の隔離・観察期間とおおむね重なった。

展覧会でプロパガンダ

展覧会は、もし本人が選ぶなら習氏が終身トップに君臨すべきだとする議論を打ち出す長いプロパガンダ(宣伝活動)キャンペーンにおける新たな号砲だ。

2017年10月の前回共産党大会で、習氏は明らかな後継者を任命せず、その後、同氏が国家主席を3期以上務められるように全人代によって憲法が改正された。より重要な党と軍のポストは任期制限の対象になったことはない。

27日の展覧会開幕にあたって、党序列5位の王滬寧(ワン・フーニン)政治局常務委員が今後1カ月間の基調を打ち出した。「党と国の大義において歴史的な成果と歴史的な変化が達成された根本的な理由は、習近平(総書記)のかじ取りとリーダーシップだ」。中国国営の新華社通信は王氏の言葉をこう引用した。

国営メディアの放送は、王氏と他の常務委員が安全な距離を取って習氏の後に続き、展覧会場を歩く様子を映し出した。習氏らが視察を終えると、党や軍、全人代、司法関係の何百人もの幹部が案内され、最高幹部の足跡を律義にたどった。

習氏とともに政治局常務委員会に名を連ねる委員2人が党大会で引退すると見られている。68歳以上の人は委員会への再任が許されないと定めた内規があるためだ。69歳の習氏はこの年齢制限を67歳に引き下げることで、最高指導部の掌握をいっそう強められるかもしれない。そうすると、李克強(リー・クォーチャン)首相を含め、さらに3人の常務委員が退任を余儀なくされるからだ。

また、共産党の革命の英雄で、習氏が政治家として崇拝する毛沢東が33年間務めた「党主席」の肩書を習氏が復活させ、自ら就任するのではないかという臆測も呼んでいる。

12年秋から13年春にかけて習氏が党、軍、国家のトップに任命される前、これら3つのポストを争う最大のライバルは李氏だと見られていた。10月の党大会に向けて国内外の習氏の批判者の多くは、李氏が動き、中国の経済成長率を今年3%未満に押し下げると見られるゼロコロナ政策を含め、物議を醸している政策の大半の撤廃に一役買うのではないかと期待した。

だが、習氏によって完全に脇へ追いやられた李氏は、ここぞという場面で立ち上がらなかった。「李氏は闘士ではない」と話すのは、シンガポール国立大学の中国学者ランス・ゴア氏だ。「習氏の政策の多くに賛同しないかもしれないし、経済自由化をもっと望んでいるだろうが、彼は忠実な共産党員でもある」

習氏の最初の2期を決定づけたのは、共産党の権力を再度中央に集約したことだった。それ以前は、政府と党の機能の正式な分離や、共産党総書記として胡錦濤(フー・ジンタオ)、江沢民(ジアン・ズォーミン)両氏の力を制約した「集団的」な共産党指導体制の精神がもっと容認されていた。

しかし、ある共産党幹部は、より明確な党と国家の分離は効果的に国を統治する党の能力を妨げる「人為的な線引き」だったと主張する。
危機時の党優位

危機時には、中国共産党は常に党の優位をはっきり示してきた。これを最も劇的な形で実証したのが、毛沢東の後を継いだ鄧小平が1989年6月に天安門広場での殺りくを命じた決断だ。

習氏の憲法改正は、国家主席の任期制限を撤廃したほか、国が「中国共産党の指導の下」で動くという主張も強化した。この不条理な定めによって、共産党は「反共産党」発言や抗議、憲法で定められたその他の公民権を犯罪として禁じる権利を持つと考えている。

米ニューヨーク大学の中国法の専門家、ジェリー・コーエン氏は「理屈の上では、(党がやる)すべてのことは法に従って行われている」と話す。

ただ「実際には、そうと望むときはいつでも法に縛られずに行動する」と同氏は指摘し、2009年に中国の一党支配国家の不透明な法制度のなかへ消え去った著名人権弁護士の高智晟氏などの反体制派が超法規的に長期拘束されていることを引き合いに出す。

英ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)中国研究所の曽鋭生所長は「人権と民主主義は中国憲法で定められている」と語る。「だが、これらを『守る』唯一の正しい方法は党の解釈に従うことだ。党の解釈に疑問を投げかけるような試みは『法の支配』に違反したと見なされるからだ」

「これは中国特有の法の支配だ。習氏は、我々と同じようには、矛盾というものを考えていないと思う」

By Tom Mitchell

(2022年9月29日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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習近平氏、10日ぶりに姿現す 軟禁の噂も

習近平氏、10日ぶりに姿現す 軟禁の噂も
https://www.epochtimes.jp/2022/09/119184.html

『約10日間、公の場に姿を現さなかった中国の習近平国家主席は27日、北京市で開かれたイベントに参加し、健在ぶりをアピールした。SNS上ではこのほど、習近平氏を巡り「自宅軟禁」されたなどの情報が広がっていた。

国営新華社によると、この日は習近平氏がトップに就任してから10年間の成果をアピールする展示会を開催していた。習氏を含む共産党中央政治局常務委員7人と、党中央政治局委員、最高裁や最高検のトップ、党中央軍事委員会委員らが展示会に出席した。

(※ 無料は、ここまで。)』

部分動員の現実

部分動員の現実 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29755046.html

『ロシアのプーチン大統領令で始まった部分動員の酷い現実が見えてきました。この大統領令は、事前に準備をしていたらしく、発令直後から招集令状の発行や、強行動員(いわゆる、人狩り)が始まっています。色々な例が出ているのですが、まず、今年の冬にでも影響が出そうなのが、畑で農作物の収穫をしている農民を、作業を中断させて、その場で連行する様子がSNSに投稿されています。

収穫して、袋に詰めた農作物は、畑に放置されたままで、誰かかが回収しない限り、腐って終わりでしょうねぇ。こういう事が、単に動員条件を満たした市民に対して、無分別に行われているなら、ロシアは、今年の冬に食糧難に襲われるでしょう。制裁処置で、外国から思うように輸入ができない状態で、国内の農業を害するような事を平気でやっているようでは、食料危機がまったなしです。

中国の防疫対策でも見られた事ですが、国が決めた方針を大々的に行う場合、素人が考えても深刻な影響が出る事でも、完全に無視して、与えられた目標を機械的に達成するというのが、共産国の特徴です。それは、事実上の一党独裁で、司法も立法も行政も、組織図では分かれていますが、事実上、党の下部組織に成り下がっている為、眼の前にぶら下げられたニンジンを追いかけるがごとく、とにかく数字を消化する事しか頭に無くなるからです。また、それを、客観的に評価して、止める仕組みもありません。

招集された人々の中には、本来なら動員対象外の45歳以上の市民、退役していて糖尿病の持病を抱えている元中佐、動員対象外なはずの兵役すら経験していない学生も含まれています。プーチン大統領が何と説明しようと、現場では「指示された数を招集する」事が、最優先で動員をかけています。

実は、ロシア市民も、今までの共産党のやり口を知っているので、公に説明されている事が、誠実に実行されると考える人は、殆どいませんでした。何しろ、ロシアが爆速で開発した、コロナ対策ワクチンの「スプートニク」でさえ、その効果と安全性を疑って、接種を拒否する市民が大勢いました。基本的に、一律で国が命令する事は、言葉とおりには信じていないのです。何度も、裏切られているゆえの不信感が、常識と化してしまっている国がロシアです。

これは、中国も同じで、武漢肺炎対策の都市封鎖を、やらないと行政が説明しても、それを信じるマヌケが最終的にババを引く事は、判っているので、噂が出た時点で、商店には買い占めに走る市民が殺到しました。そして、案の定、言った舌が乾かないうちに、ロックダウンが行われるわけです。行政の説明を信じた、模範的な市民が、一番苦しむ事になります。

つまり、昨日の記事でも書いたように、建前と実際の乖離が激しいし、現場は指示された数字を達成する事しか考えていないので、政府を信頼したり、誠実に行動した人間が、結果として一番、酷い目に遭います。政府が発表する内容は、広告部が市民の反発を受けないように作った作文に過ぎず、実際は違うのが当たり前なのです。

それゆえ、基本的に血で繋がった身内や、近所に住んでいる知人以外は、信用しない社会が出来上がります。中国では、道でうずくまっている老人を親切心で、病院まで送り届けたら、後で慰謝料を請求されて、裁判所も、それを認めたという事件があってから、道で倒れている人がいても、素通りするのが当たり前になっています。いちゃもんを付けられて、慰謝料を請求される詐欺かも知れないからです。人を信用する奴が馬鹿という常識が蔓延しています。

これは、文化大革命の時代に、密告が推奨されて、密告をしていないと、革命に非協力的であるとして、それ自体が告発されるような地獄の社会を経験しているからこそとも言えます。これによって、子が親を告発したり、友人が知人を告発したりする密告合戦が起きて、相互不信が高ました。共産党にとっては、こういう不信が蔓延る社会というのは、コントロールがしやすくて、ある意味、好ましいのです。「憎しみと不信は、独裁者の糧」なのです。人々が協力する事が無くなり、革命が起きる芽が無くなるからです。

今後、動員をきっかけとして、プーチン大統領が失脚するかいなかは、今までの歴史の中で培われた相互不信の社会を越えて、人々が連携できるかにかかっています。そして、それは、多くのマスコミが、言い出しているように、簡単な事では無いはずです。プーチン大統領は、目的の為に人を動かすのに、恐怖がいかに有効かを、今までの実体験から知り尽くしています。その為、判る人には判る形で、非協力的なオリガルヒ(経済貴族)を、事故死として暗殺しています。見せしめですね。この壁を突破するのは、簡単ではありません。 』

中国はなぜゼロコロナを堅持するのか

中国はなぜゼロコロナを堅持するのか 解除したら医療崩壊し膨大な死者を招く
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220925-00316698

『中国がゼロコロナ政策を維持しているのは、解除したら医療崩壊して数百万人以上の膨大な死者が出る可能性があるからだ。中国の医療資源の実態と、それに沿って行われたシミュレーションの結果を考察する。

 日本では、中国がなぜゼロコロナ政策を堅持しているかに関して、「習近平が自分の権威を保つため」とか「独裁体制を崩さないため」といった批判が多く見られ、最近では「三期目を批判する党の長老たちを家に閉じ込めておくため」といった、「奇想天外」な邪推までが横行し、呆気に取られている。

 中国のゼロコロナ政策が中国自身および世界の経済成長に与える影響が無視できないだけでなく、あまりに目に余る的外れな批判を見るにつけ、このままでは中国の真相を知ることも出来なくなり日本国民に不利益をもたらすと判断し、書くことにした。

◆中国の医療資源の実態

 まず中国の医療資源の実態に関してご紹介しよう。

 中国には「粤(えつ)開証券」というマクロ研究リポート(証券研究報告)があって、2022年4月14日に<コロナ下における医療資源比較:中国の31省市区(自治区)と36都市に基づく分析>というリポートが掲載されている(以下、リポート)。作者は羅志恒氏だ。分析に用いているのは、中国政府側あるいは各行政区分省庁が出している公報のデータである。非常に長いので、各都市に関するデータの紹介は省いて、全国の医療資源分布図をお示ししたい。

 まず全体的なデータを見てみよう。

 たとえば「医師数」では、「国際統計年鑑2020」によると、2017年の高所得国では1000人当たりの医師数は「3.1人」であったが、中国では「2.0人」にとどまった。 2021年までに、1000人当たりの中国の医師数は「3.0人」に増加しているが、2017年当時の高所得国基準を満たしていない。

 看護師数では、WHOの「世界看護報告書2020」によると、2018年の世界平均看護師数は1000人当たり3.7人で、そのうち8.3人がアメリカ、7.9人がヨーロッパだ。それに対して中国では、1000人当たりの看護師数は2.9人だった。2021年には3.5人に増加したものの、2018年の世界平均にさえ達していない。

 では中国における医療資源の分布を見るに当たって、人口密度が必要になってくるので、まずは人口密度分布を見てみよう。

1.中国の人口密度分布

 これはリポートのデータではなく、国連の国際連合児童基金に掲載されている「中国統計年鑑2018」に基づいて作成された人口密度分布を以下に示す。

出典:国際連合児童基金に掲載されている「中国統計年鑑2018」のデータ

 人口密度の高い行政区分地域は、特別行政区も含めれば上から順に「マカオ、香港、上海、北京、天津、江蘇、広東、山東・・・」となっている。全体としては東海岸が高く、北西地域が低くなっているのは歴然としている。簡体字のママだが、図2以下と比較しながら判読をお願いしたい。

 では、この基本情報を頭に入れた上で、リポートによる医療資源分布を見ること

にする。

2.1000人当たりの医師数に関する分布

出典:粤開証券研究院が各行政区分の統計公報に基づいて作成したデータ

 明らかに新疆ウィグル自治区やチベット自治区における人口当たりの医師数が少ないことが見て取れる。西部地域は人口が少ないにもかかわらず、人口当たりの医師数が少ない。

 吉林省や江西省が多いのは、省内の人が都会に出稼ぎに行っていて、人口密度が低いために相対的に多くなっているとみなすことができる。

 広東省が比較的少ないのは逆に、ハイテク企業が急激に集まったために人口密度が高いからである。

3.1000人当たりの看護師数分布

出典:粤開証券研究院が各行政区分の統計公報に基づいて作成したデータ

 同様に吉林省、江西省、陝西省が多いのは、出稼ぎに出て、人口が少ないせいだ。

4.1000人当たりの病院ベッド数分布

出典:粤開証券研究院が各行政区分の公報に基づいて作成したデータ

 北京や天津などで低いのは、胡錦涛政権時代に人口が集中したからで、習近平政権になってからは「新型城鎮化計画」や「京津冀」計画で大都市への人口集中軽減を図ったが、なかなか解消されるには至っていない。

 広東省は逆に習近平政権になってからハイテク企業の突進とともに人口が急増したので、人口当たりとなると非常に小さな値になっている。

5.病院数分布

出典:粤開証券研究院が各行政区分の公報に基づいて作成したデータ

 これは人口当たりの数ではないので、その地区の医療資源度合いが、そのままに出ている。四川省は面積も広く、軍関係の病院も多いので値が大きくなっていると思われる。

6.各地区における高性能病院の数
出典:粤開証券研究院が「中国衛生健康統計年鑑2021」に基づいて作成したデータ

 三甲病院というのは「甲乙丙」の「甲」で、レベルが高いことを意味し、「ベッド数501以上などの条件を満たす大型病院」で、かつ「評価点数が1000点満点で900点以上の高級病院」であることなどを指す。ICU(集中治療室)も備えている。

 面積のわりに北京に多いため、人口当たりの数もトップだ。チベットはあの広い地区に三甲病院が9つしかないが、人口が少ないため人口当たりの数は多い。

 四川省の三甲病院数が多いのは全体的レベルの割に面積が広いことと軍系列病院が多いことが影響しているかもしれない。山東省は自身の経験から言うと、かつてのドイツ租界の影響が至るところで見られた関係もあるだろう。広東が多いのはハイテク企業の進出によるためだろうが、これら三地区とも人口密度が高いため、人口当たりの三甲病院数は少なく、コロナの感染拡大には大きな影響をもたらすリスクを孕む。

 その他、各行政区分地区の財政力も関係してくると思うが、あまりに長くなるので、ここでは省略する。

◆ゼロコロナを解除した時の死亡者数シミュレーション

 以上述べた以外にも、非常に複雑に絡んだ医療資源状況があるが、概ねこのような医療資源状況を基礎として、以下のような初期条件の下で行ったシミュレーションの結果が2022年5月10日公開のNature Medicine(volume28,pages1468–1475)に、Modeling transmission of SARS-CoV-2 Omicron in China(中国におけるSARS-CoV-2オミクロンのモデリング伝播)というタイトルで掲載された。

【初期条件】

(1)2022年3月1日に20人のオミクロン感染者が中国人集団に導入された。

(2)シミュレーション開始時の再生数は、上海での流行の初期段階(2022年3月1日から3月8日まで)の推定値に一致させ、1人が3.4人に感染させるものと想定した。

(3)2022年3月1日から、不活化ワクチンのブースター用量が1日当たり500万回分の速度で展開されると設定した。

(4)一次ワクチン接種スケジュールを少なくとも6ヶ月までに完了した個人の90%がブースター接種を受ける。

【シミュレーション結果】

一、厳格なNPI(非医薬品介入=Non‐Pharmaceutical Intervention=公衆衛生的介入)がない場合、2022年3月に中国でオミクロン変異型が導入されると、COVID-19症例の津波を引き起こす可能性があることを示唆した。

二、6ヶ月間のシミュレーション期間にわたって、このような感染は1億1,220万例(1,000人あたり79.58人)見られた。

三、その内、510万人の入院(非ICU)入院(1,000人あたり3.60人)が見られた。

四、510万人の内、270万人の患者がICUに入院(1,000人あたり1.89人)した。

五、その間、160万人が死亡した(1,000人あたり1.10人の死亡)。流行の主な波は2022年5月から7月の間に発生した。

六、以上より、約3ヵ月の間に約160万人近くが死亡することがわかった。(結果、以上)

 これに関して中国政府系の中国日報(チャイナ・デイリー)は、7月18日、<コンピュータ・シミュレーションが、なぜゼロコロナを堅持しなければだめかを示してくれた【コンピュータ・シミュレーションの動画は、中国がもしゼロコロナ政策を放棄したら、どうなるかを教えてくれた】>というタイトルの動画を発信した。

 Natureの論文を基にしながら、一般庶民にわかりやすく、端的に解説している。

 ――集中治療室ICU の需要が急増しており、白い曲線をすぐに超えていることがわかります。空いている ICU のベッドは、これまでになく感染者で埋め尽くされます。病院は混乱状態にあり、ICU のベッドは絶望的に不足しており、集中治療室のキャパシティは予想を超えています。ピーク時には、ICUの需要は現在の容量の 15.6 倍に達すると予想されています。

と危機感を以て警鐘を鳴らしている。つまり完全に医療崩壊するのである。

◆習近平は犠牲者の上に経済を築くのか、それとも犠牲者を抑えて経済成長を目指すのか?

 以上より、もしゼロコロナ政策を解除したら、中国の医療資源では3ヵ月で約160万人が死去することが分かった。

 いま日中米の累計死者数および総人口に占める割合を略記するならば以下のようになる。

 日本(総人口1.2億人) : 累計死者数4.4万人(死者数は総人口の0.035%)

 中国(総人口14億人) : 累計死者数5000人(死者数は全人口の0.0004%)

 アメリカ(総人口3.3億人):累計死者数100万人(死者数は人口の0.32%)

 習近平は今、この累計死者数が増加しないようにゼロコロナ政策を堅持している。

 もし、3か月間で約160万人が死んでもいいと考えることが許されるなら、ゼロコロナ政策を解除し、経済成長に集中することができる。その代りに、一回の感染流行期間3ヵ月間で約160万人が亡くなるので、日本やアメリカのようにほぼウィズ・コロナで動いたとすれば、数回の流行の波が来て、その都度、類似の人数が犠牲になると考えた場合、数回のコロナ流行の波により約1000万人が命を落とすことになる。もちろんウイルスの種類が違うことによる微小なシミュレーション初期条件の調整をしなければならないが、犠牲者の数は大差ないだろう。

 それら犠牲者の上に経済繁栄を築き上げるのか、それとも命の重みを重視して、ゼロコロナ政策を堅持するのか。

 それは時の為政者の判断に委ねられることにもなろう。

 日本では習近平が独裁であるがゆえに、あるいは権威を保つためにゼロコロナ政策を解除しないと非難しているが(中には党の長老を家の中に閉じ込めておくためにという奇想天外のこじつけをする人もいるが)、逆に習近平がゼロコロナ政策を解除すると指令した時、今度は「ならば、この膨大な数の犠牲者をどうするつもりだ!」とか「人命を軽視するのか!」といった、逆方向の批難も出てこないわけではない。

 少なくともわれわれに言えるのは、「習近平がなぜゼロコロナ政策を堅持するのか」、その真相(客観的事実)を知っておく必要があるということだ。

 中国日報の動画の最後に、「春はまた巡ってきて、春が来れば、また花が咲く。しかし人の命は一度失ったら、二度と戻ってこない」というフレーズがある。

 私は1948年晩秋、7歳のときに、中国共産党に食糧封鎖された長春を逃れて難民行をしている内に体力尽きて地面に倒れたことがある。そのとき私のそばに野あざみの花が逞しく咲いていた。

 アザミになりたい――!

 アザミになって何年も咲き誇っていたいと、薄れゆく意識の中で思ったものだ(詳細は拙著『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』p.187-188)。

 あのとき毛沢東は「長春を死城たらしめよ」と命令し、数十万の庶民が餓死したが、習近平は毛沢東のように「屍の上」に繁栄を築くのか、それとも経済発展を抑えてでも人命を重んるのか――。

 動画の最後の言葉が胸にしみる。

 なお、このコラムは中国問題グローバル研究所のウェブサイトから転載した。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

中国でのクーデターは恐らく嘘だが、何かが起きている??

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:中国でのクーデターは恐らく嘘だが、何かが起きている??
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5374374.html

『まだ噂(うわさ)の域を出ないが、習近平国家主席が人民解放軍PLAの軍事クーデターにより自宅軟禁され、中国共産党CPC (Communist Party of China)から解任されたとの噂が記事で流出した。

習近平国家主席は2022年9月14~15日に中央アジアを訪問し、当ブログの記録でも、9月15日午後、ウズベキスタンのサマルカンド国賓館でロシアのプーチン大統領と2国間会談を行っている。

その間に、胡と温 Hu and Wenは14日の午後、元常務委員の宋平d6387bf2-66e9-469d-b02e-d055b1992754Song Ping, a former member of the Standing Committee:左の説得に成功し、宋はその夜、人民解放軍、中央警備局を掌握した。

江沢民と北京の中央委員会のメンバーには、電話一本で知らされた。元の常務委員は挙手によって、習近平の人民解放軍トップの地位を解任した。

それを知った習近平は、9月16日夜、北京に戻ったが、空港で逮捕された。中国共産党政治局は習近平を更迭し、現在習近平国家主席がは自宅軟禁されている。噂によると、北京の西に位置する河北省に80キロの装甲車の列が移動し、彼は逮捕されているとも書かれている。

また、中国でのクーデターの噂(うわさ)はおそらく嘘だが、何かが起きている とのツイートもあるとtheresa_fallon言う。

中央アジア研究の米国人教授、テレサ・ファロン氏Theresa Fallon:右, a US professor of Central Asian studiesのツートには”中国で軍事クーデターが起き、中国共産党の幹部が習近平をPLAのトップから解任し、逮捕されたという噂がインターネット上で飛び交っている。中国での大規模なフライト中止は単なる軍事演習なのか、それとも何か裏があるのか?” と書かれていると言う。

習近平主席は現在、10月16日の第20回中国共産党全国代表大会The National Congress of the Chinese Communist Partyを控え、国家主席と陸軍のトップとして3期目の5年を目指しているが、最近は上海などの都市でコロナ対策で厳格な隔離政策ロックダウンを行い、国民からの不満が高まっている。英文記事 、、、、名前の出た写真のSong Ping氏はすでに105歳である 参照記事。』

習近平氏「強軍思想」の経済学 軍民融合の挙国体制

習近平氏「強軍思想」の経済学 軍民融合の挙国体制
風見鶏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM219170R20C22A9000000/

『10月の中国共産党大会を前に、中国人民革命軍事博物館は習近平(シー・ジンピン)中央軍事委員会主席の強軍思想と改革をたたえる特別展を開いた。7月末に来館した習氏は強調した。「あと5年で人民解放軍は建軍100年を迎える。『建軍100年奮闘目標』を全力で実現しよう」

習氏がしばしば言及するこの目標は実は中身が明確にされていない。習氏が3期目の総書記に就けば、5年後の2027年は任期の最終年となるだけに「秘めたる野心」への懸念は強い。

習氏は最高指導者としての10年間で「強軍建設」に加え、陸海空・宇宙・サイバーをつなぐ広大な空間を安全保障の対象とする概念を構築した。26兆円に達するいまの軍事費だけでは足りない。

そこであらゆる資源を活用する挙国体制をとった。代表例が国防と民間のイノベーションの相乗効果を図る「軍民融合」だ。

「海の万里の長城」とも呼ばれる海洋観測網がある。平時は漁業や海洋資源の開発を支援するが、有事は一転して潜水艦や軍艦の偵察網になる。習氏が4月に視察した中国海洋大学の研究院が開発した。衛星や調査船、海底装置など空と海の情報網を連動する。

同事業は別のイノベーションにも連鎖した。海底装置をつくるハイテク企業は昨年、海底技術の蓄積も生かして中国初の海中データセンター事業を発表した。

スマート漁業も安全保障と表裏一体だ。中国の漁船は衛星と連動する民間のアプリで海上でもチャットができ、漁場や魚の市況の情報も入手可能という。便利なシステムを通じて当局は漁船を統制し組織化する。

中国は南シナ海を含む広大な海域を「管轄海域」と主張する。海軍や海警局の船だけでは管理しきれない。100万隻ともいわれる漁船を監視や占拠、他国の海中探査機の回収に使って戦力化する戦略だ。
中国福建省石獅市の漁港から出港する漁船群(22年8月16日)=共同

地方政府や国有企業は次々と軍民融合投資ファンドを設立した。把握可能な20の基金の公開情報だけでも規模は約7000億元(14兆円)に達する。投資先は半導体や人工知能から電磁波、レーダー、ブロックチェーンなど多岐にわたる。

中国が挙国体制をとる一方で、日本は対中戦略でも縦割りが目立つ。

対中国で重要なサイバー防衛も、国家レベルの攻撃をどう抑止するかについて大きな絵図を描く体制はない。中国はあらゆる分野が国防で連携するのに、日本は産業界や学術界に分散する中国情報を集め、効率的な戦略を考える仕組みも不足する。

権威主義の中国だが、自動的に挙国体制が生まれたわけではない。最初に軍民融合を唱えたのは胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席だ。当時は軍内部に利権がはびこり、縦割りの組織は命令しても十分に動かなかった。

習氏は「反腐敗闘争」の名目で利権を握る幹部らを追放した。無期懲役の厳罰や死者も相次いだ粛清を経て、ようやくトップダウンを可能とする組織改革を断行した。「軍にメスを入れれば返り血を浴びる」といわれるなかで、習氏にとっても危険な賭けだった。
中国人民革命軍事博物館(手前)の右奥には「八一大楼」と呼ばれる中央軍事委員会の入るビルがある(北京市内)

習氏は強い意志をもって強軍路線を進めてきた。そのために、持てる資源の価値を最大化する道を模索した。日本はどう対峙すべきか。防衛予算の増額も必要となるが、いまの国のあり方のまま予算を増やすだけでは十分な効果は発揮できないのではないか。

9月29日に日中は国交正常化50年を迎える。次の50年によりよい日中関係を維持するためにも中国への隙のない備えが必要となる。

(中国総局長 桃井裕理)』

中国で囁かれる、常軌を逸したゼロコロナ政策が終わらない本当の理由

中国で囁かれる、常軌を逸したゼロコロナ政策が終わらない本当の理由
ゼロコロナは「インビジブル文革」?党大会に向けた事実上の戒厳令か
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71936

 ※ あまりに、「ありそうな話し」だ…。

『(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国の貴州省三都県で、ゼロコロナ政策のために隔離施設に移送される市民47人を乗せた「防疫バス」が深夜谷底に転落、27人が死亡し20人が負傷する大事故が起きた。ネット上では、この事故に人災だと怒りをぶつける声であふれた。

 なぜこのような事故が起きたかと言うと、現在中国では全国各地で部分的ロックダウンと「静態管理」と呼ばれるゼロコロナ政策が展開されており、それに伴う市民の強制隔離が夜中に闇に紛れて行われるケースが多いからだ。

 運転手も乗員も白いガサガサした動きにくい防護服を着せられて、何時間もバスを走らせて、遠方の山奥に陽性者や感染の可能性がある市民を隔離する。運転手は息苦しくて視野の狭い防護服を着たまま、街灯もない山道を猛スピードで運転するし、乗客の市民も防護服で息苦しい。バスは満員で子供も老人も妊婦もいるわけだし、どこに連れていかれるかわからないから、車内は不安と怒りで怒号や悲鳴があふれる。運転手も焦るだろうし、事故は起こるべくして起きたといえる。

 ネットでこの隔離バス(事故を起こしていない車両)の中の様子の動画が流れているが、市民が「バスから降ろせ」とものすごい剣幕で騒いでいる。市民が悪いのではない。いきなり夜中に強制隔離され、トイレ休憩もなく、何時間もバスでどこか知らないところに連れていかれようとすれば、私でも騒ぐだろう。

 事故を起こしたバスは、貴陽市から黔南州茘波県の隔離ホテルに向かうため、9月18日午前零時に出発した。事故は午前2時40分ごろだという。貴陽から東南へ約170キロの地点で、山中の高速道路から谷に転がり落ちたそうだ。20人が病院に搬送されて治療を受けているという。おそらくすぐには救助も来なかっただろう。

 ちなみに隔離された市民は陽性者ではない。地域に1人、濃厚接触者が出た、ということでコミュニティの住民全員の隔離措置をとったのだ。貴陽の人間をわざわざ黔南州まで連れて行くのは、おそらく強制収容者が多すぎて貴陽の施設がいっぱいだったからか。』
『だが、貴州省の感染者はいったい何人なのか。9月20日現在で350人だ。1日の新規感染者は41人で、死者は2人。ほとんどが無症状。ちなみに、中国全体では、感染者は98.3万人で死者は5226人である。

新疆、チベットでの新たな民族弾圧

 もっと悲劇的なのは新疆やチベットのゼロコロナ政策だ。

 新疆ウイグル自治区のイリでは、すでにロックダウン50日目を過ぎている。住民は自宅から外に出ることができない。そして、他の漢族の都市と違い、日ごろからウイグル人市民に対して厳しい弾圧を加えている当局は、自宅に閉じ込められた市民たちに十分なケアをしていない。食糧や医薬品をほとんど支給しない地域もある。このため少なからぬ市民が餓死しているようだ。あるいは餓えの苦しさ、辛さに耐えられず自殺する人もいるという。

 イリでは7月末からロックダウンが開始された。9月上旬に漏れ伝わってくる動画やSNSの声を総合すると、すでに数十人の餓死者がでているようだ。また数百人が病院で医療が受けられないために死亡したという。

 もちろん、この数字の裏は取れていない。だが公式には、新疆で確認された新たな感染者はこの1週間で1人。感染者合計は9月20日時点で1168人で、死者は3人だ。イリ市民のSNS投稿の中には、食べる者がないから庭の木の葉でスープを作っているといった話もある。1歳5カ月のわが子が病気になっても病院に行かせてもらえず亡くなったという話も投稿されていた。』

『新疆ではウイグル人の強制収容問題や弾圧が国際社会でも問題視されたが、このイリの今の状況は、新型コロナ防疫の名を借りた新たな民族弾圧ではないか、と疑われるくらいひどい。

 この仕打ちは、イリは人口の半分がウイグル人とカザフ人が占める北部都市で、第2次東トルキスタン共和国の拠点の1つであり、中国政府がトルキスタン独立勢力の動きを最も警戒する地域だからではないか。

 チベット自治区のラサも1カ月以上ロックダウンが続く。ラサの人口は90万人で7割がチベット人。連日、多くのチベット市民が深夜の闇に紛れてバスに詰め込まれて隔離施設に送りこまれている。

 チベット人女性が微博でこう訴える。PCR検査では陰性だったが、集中隔離施設に連行されることになった。未完成のコンクリート打ち放しの部屋に男友達ら4人が一緒に収容され、トイレも使えない。食べ物もトイレットペーパーも生理用品もない。惨状を訴えると、管理当局者が彼女を殴った。その傷をSNSでアップすると、当局者から削除命令がきた。だが、彼女は削除を拒否したという。

 今年(2022年)は上海、西安、成都、重慶などの一級、二級の大都市でも厳しいゼロコロナ政策の洗礼を受けているが、これら都市では、抗議活動や時に官民衝突に発展するようなデモが頻発していると聞く。だが少数民族地域で漢族と同様の抗議活動をすれば、テロとして弾圧される可能性もあり、抗議の声は上げにくい状態だと推察される。』

『長老たちを軟禁状態にするため?

 しかし、中国はどうしていまだにゼロコロナ政策から抜け出せないのだろう。世界的にみても中国の感染拡大はけっして深刻というほどではない。ましてやオミクロン株の重症化率は比較的低いのではないか。コロナで死ぬのではなくコロナ政策で殺される。苛政(かせい=民衆を苦しめる政治)は虎より猛し、いやコロナより猛し、だ。

 今ここに、チャイナウォッチャーの間に出回っている党内部筋からの「リーク」というのがある。私はこの手の「リーク」の信頼性は3割以下だと思っているので無視しようかと思ったが、友人のニューヨーク在住の華人評論家の陳破空も、このリークを受け取ったそうで、紹介していたので、ここでちょっと引用する。

 そのリークによれば、ゼロコロナ政策の目的は防疫ではなく、党大会前に習近平が政敵、特に力のある長老たちに、会議に出たり発言したりできないように自宅に足止めさせるため、いわゆる軟禁状態にするためだ、というのだ。

 その「リーク」は、ゼロコロナ政策に関する方針についての共産党内の内部通達と、リーク者である党内人士の反応からなる。およそ9項目ある。その概要を列挙してみよう。

(1)目的は防疫を口実に政治老人(長老、引退指導者)約50人を軟禁すること。外出、会議、集会への出席を阻止する。

(2)感染状況がなくても感染状況を作り出せ。PCR検査を継続し、別動隊によって感染を拡大せよ。

『(3)言論を封鎖せよ。感染状況は深刻でない、ウイルスは大して怖くないなどの言論、WHOのテドロス事務局長の「コロナ感染拡大が間もなく終息する」といった発言なども抑え込め。

(4)西安、上海、重慶、成都、貴陽、ウルムチ、ラサなどでは、感染状況を作り出し、ゼロコロナ政策、ロックダウンを徹底せよ。

(5)党大会で習近平が連任したのち、ゼロコロナ政策の大勝利を宣言する。そこでゼロコロナ政策を終わらせ、人心を買い、習近平の英明のおかげだと、党に感謝させよ。

(6)ゼロコロナ終結の期日は最も早くて10月20日、最も遅くて来年3月の全人代後。

(7)北戴河会議では、政治老人たちをコロナから守る名目で参加せさない。

(8)李克強は、ゼロコロナに対し怒り心頭だが、内部会議の守秘義務の原則によって、対外的には発言していない。

(9)党内では、党と国家が最も危険な時期を迎えているとびくびくしている。どのように党と国家を救えばよいか分からない。』

『105歳の大長老が異例の改革開放アピール

 裏も取れていない話で、鵜呑みにできるものではないが、多くの市民が、今中国が直面しているゼロコロナ政策の本当の目的は、防疫や人民の健康を守るためのものではなく、経済の悪化や社会の不安定化に対して不満をもつ人民が党大会前に騒ぎ出さないようにコントロールする口実ではないか、と疑っているのも確かだ。

 なので、感染状況をわざと作り出し、全国的に人の動きを管理し、ラサやイリなど要注意地域では長期のロックダウンを実施し、党内の反習近平派や長老たちの動きも、コロナ感染予防のため、といって会議や集会への欠席を促して、その発言を封じ込めようとしている、というのは妙に納得のいく話なのだ。

 老い先短い長老は怖いもの知らずで、習近平に対して面と向かって苦言する。江沢民、曽慶紅、朱鎔基、胡錦涛、温家宝はじめ長老のほとんどが、今の習近平の反鄧小平路線・毛沢東回帰路線に反対だ。

 105歳の大長老で、習近平を総書記に推した1人であり、歴代の総書記選びで強い発言権を持ってきた共産党のキングメーカーこと宋平(元政治局常務委員)が9月12日、珍しく公の場にオンラインで出席し、「改革開放は中国の発展に必要な道だ」と強く訴えた。ネット上に流れたこの短い動画はすぐに削除されたという。

 会議は江蘇省の奨学金の基金会の10周年記念のイベントだったが、そんな地方のイベントに宋平が105歳の高齢にかかわらずビデオ出演し、改革開放を訴えること自体が異様な印象を与えた。

 もし、このリークが本物なら、コロナのせいで発言の機会を奪われている長老たちの不満を代弁する形で、105歳のキングメーカーが高齢をおして出てきたということだ。

 陳破空は、この徹底したゼロコロナ政策は、習近平の穏形文革、あるいは穏形政変、つまり目に見えない「インビジブル」な文革、あるいは政変ではないか、という。政変というと、習近平から権力の座を奪おうとする軍のクーデターや反習近平派官僚による宮廷内クーデターをイメージするが、本来、鄧小平の打ち立てた集団指導体制と任期を2期に制限した平和的な権力禅譲システムを破壊して、独裁的権力を打ち立てようとする習近平の方が政変を起こそうとしているのだ、という見方だ。

 では、この政変が成功し、習近平が個人独裁体制を打ち立てた時、今度はビジブルな、目に見える文革が発動するのだろうか。中国が直面しつつあるこの政治的危機をどうやって回避することができるのか、私も想像がつかない。』

習近平政権の外交政策

習近平政権の外交政策
大国外交・周辺外交・地域構想の成果と矛盾
https://www2.jiia.or.jp/kokusaimondai_archive/2010/2015-04_005.pdf?noprint

 ※ 「2015年(成立後約2年経った、という時点)」での分析・考察した論稿のようだが、非常に参考になったんで、資料として貼っておく…。

 ※ 「習近平政権の外交政策」を、「大国外交・周辺外交・地域構想」という3つの斬り口から斬って、考察したものだ。

G7貿易相は対中強硬で合意

G7貿易相は対中強硬で合意=独経済相
https://www.epochtimes.jp/2022/09/117944.html

 ※ どうも、「強制的に、技術移転を迫る。」なんて行為に対する、全世界的な「苦情・紛争処理機構」みたいなものを、立ち上げる…、というような話しのようだな…。

『主要7カ国(G7)貿易相会合は15日、2024年までに世界貿易機関(WTO)の全加盟国が利用可能な紛争処理システムを完全に機能させることを目指すと共同声明で発表した。ドイツのハベック経済相は「中国に対してより強硬な立場をとることで合意した」と会合後の会見で語った。

ベルリンで開かれた2日間のG7貿易相会合のなかで、ハベック氏は「高い国際貿易基準を確保することで、中国が経済力を背景に他国を圧迫することを防ぐ」と記者団に述べた。
(※ 無料は、ここまで。)』

中国新築物件価格、値下がり都市7割超に増加 8月

中国新築物件価格、値下がり都市7割超に増加 8月
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15B820V10C22A9000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局が16日発表した2022年8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の71%にあたる50都市で、7月から10都市増えた。建設工事が止まったマンションで購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きが相次ぎ、住宅市場が混乱している。新規購入を控える人も多く取引が低調だった。

前月比で上昇したのは19都市で、7月から11都市減った。横ばいは1都市だった。各都市平均の価格下落率は0.3%で、7月から拡大した。12カ月連続で前月を下回った。前年同月比では2.1%下落し、15年8月以来のマイナス幅となった。

都市の規模別で見ると、北京、上海、広州、深圳の「1級都市」のマンション価格は平均で前月を0.1%上回った。上昇幅は7月の0.3%から縮まった。省都クラスの「2級都市」は前月より0.2%低く、それ以下の「3級都市」も0.4%低下した。

取引価格が比較的自由で市場の需給を反映しやすい中古物件では、全体の8割に相当する56都市で価格が下落した。7月より5都市多かった。値上がりは13都市だった。価格変動を単純平均すると0.4%の下落で、13カ月連続で前月を下回った。前年同月比では3.3%下がった。

【関連記事】

・深まる中国の不動産危機 日本型バブル崩壊の懸念も
・中国、住宅融資50兆円に不払いリスク 債務依存のツケ
・中国に複合不況の足音 不動産苦境、金融・財政に波及

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

中国家電、在庫膨張2兆円 消費低迷で製販関係ひずみも

中国家電、在庫膨張2兆円 消費低迷で製販関係ひずみも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM272CG0X20C22A6000000/

『【広州=比奈田悠佑】中国の家電在庫が膨張している。主要メーカー5社系列の完成品在庫総額(6月末時点)は、前年同期比15%増の980億元(約2兆円)と3年間で2倍に上った。長年放置してきた過剰生産問題に、新型コロナウイルス禍に伴う消費低迷が重なった。メーカーと、販売を支えてきた小売り側との関係にきしみもみられ、業界の構造改革は先行きが見通せない。

中国家電業界を代表する総合メーカーの美的集団、冷蔵庫に強みを持つ海爾集団(ハイアール)、エアコンの珠海格力電器、テレビ大手のTCL電子、白物・黒物を手掛けるハイセンス系2社がそれぞれ提出した財務諸表をもとに、日本経済新聞が集計した。

在庫総額の伸び率は、総売上高の伸び率(2割)をはるかに上回る異常なペースとなっている。なかでも、格力は2022年1~6月期の売上高が前年同期比で5%増に対し、在庫額の伸び率は28%にふくらんでいる。

在庫のダブつきは小売り側も同じだ。家電量販2強の国美零售では、22年1~6月の在庫回転日数が約81日と3年前よりも50%拡大。蘇寧易購集団も21年時点で約50日と、20年から25%増えた。

中国の家電市場は10年ごろまで、旺盛な消費を背景に年2桁ペースの拡大が続いてきた。各社はシェア争いにしのぎを削るなかで過剰な生産能力を抱えるようになり、業界の問題となっていた。

それでも景気のいい時代は、値引きさえすれば在庫を一掃することができた。小売り側による値引きなどの努力に対し、メーカーは次に投入する新製品を割安で卸すといった手法で報いてきた。

だが、ここに来て家電業界の成長モデルが崩れてきた。

調査会社の北京奥維雲網大数据科技によると、22年1~6月の中国家電小売総額は3389億元と前年同期比9%減った。家電の売れ行きは不動産市況と連動性が高い。その不動産業界は当局による締め付けを受けて低迷する。

コロナの感染再拡大で上海などで都市封鎖(ロックダウン)が起き、消費全体が停滞していることも大きい。奥維雲網の郭梅徳・総裁は「中国の家電市場はあらゆるボーナスを使い果たした」と説明する。少子高齢化も重なり、業界は今後、縮小に進む可能性が高まる。

市場の変調は、業界の成長を二人三脚で支えてきた製販の関係も揺るがしつつある。

格力のビジネスはもうやらない――。8月下旬、河北省のホテルで徐自発氏がこう宣言したと、中国メディアが一斉に報じた。

徐氏とは、地元で「家電流通界のドン」とされる人物だ。過去には格力の幹部でもあり、現在は格力の重要な代理商(販売代理店)グループと間接的な資本関係にある。

直前の6月には、格力がこの代理商グループから保有している格力株の一部を売却する意向を受け取ったと公表していた。市場関係者には、格力と徐氏ら代理商側との間に溝が深まっているように映った。

格力だけではない。有力紙の新京報(電子版)は5月、美的従業員による情報として、同社が契約する代理商の3割を削減する計画だと報じた。美的はかねて投資家に対し「販路は転換期を迎えている。ネット以外のルートを削減する」と説明していた。

美的を巡っては、国美が4月、両社の担当者が販売方法などで意見の不一致があり、「身体的な衝突」に発展したと暴露した。その国美も中堅家電メーカーとの資金トラブルが明らかになった。足元では、家電業界の各所で隙間風が吹く。

ある家電アナリストは「家電メーカーは近年、ネット通販への販売強化を進めている。その分、代理商はパイを奪われている」と説明する。在庫リスクなどを押しつけられる一方で客を奪われ、代理商側の我慢が限界を迎えた、との分析だ。

中国の家電業界は、普及期の00年代にメーカー直営を中心とした販路の拡大が進められていた。量販店もその補完的役割を担った。10年代に成長に一服感が出始めると、リスク分散を目的に代理商などを経由するようになった。

そこに、京東集団(JDドットコム)などネット通販サービスが台頭。メーカーはネット大手との直接取引に力を入れるようになった。メーカー側の思惑で販路が複雑になるなか、代理商や量販店の不信が増幅。そこに急速な市場の冷え込みが決定打を放った格好だ。

市場が縮小期へと突入するなか、美的や格力は蓄電関連など再生可能エネルギー事業を強化。TCLやハイアールは海外市場の開拓で成長維持を模索する。

ただ市場の縮小ペースによっては、事業や人員、販路などのリストラが必要になる。積み上がった在庫も減損処理や廃棄を迫られれば、業績へのさらなる悪影響は避けられない。家電メーカーの構造改革は、社内外で大きな痛みを伴いそうだ。』

中国恒大トップ、住宅など工事再開指示

中国恒大トップ、住宅など工事再開指示 停止中の38件
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM132MM0T10C22A9000000/

『【広州=比奈田悠佑】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は12日、住宅などの工事が全国で38件停止しており、経営トップの許家印・董事局主席が再開を指示したと発表した。中国では恒大など不動産会社の資金繰りが悪化、予定を過ぎてもマンションが購入者へ引き渡されないケースが出ており、中国政府は対応を急いでいる。

恒大によると、購入者へ引き渡すべきプロジェクトは中国で706件あり、そのうち工事が停止しているものが38件。工事を再開していてもまだ「正常な施工過程に回復中」の案件があるという。許氏は30日までに正常に再開するよう指示した。

中国政府は最近、住宅市場の混乱を解消するため、工事が遅れたり停止したりしている物件への金融支援方針を打ち出すなどの対応を進めている。地方政府も不動産会社へ工事の再開と物件引き渡しを促している。

工事再開へ意欲を見せる恒大だが、経営の立て直しはなお不透明だ。7月末に暫定案をまとめるとしていた外貨建て債務の再編計画の公表は先送りしており、グループ会社の預金の不適切な流用に関わったとして複数の幹部を事実上更迭するなど企業統治面での問題も明るみとなっている。

8月には巨大サッカースタジアムの建設プロジェクトからの撤退を発表した。土地の使用権を当局に返上して得る資金を関連債務の返済に充てるという。全国で抱える開発プロジェクトの売却と債務の整理が焦点となっている。』

中国、2.9億人が封鎖・移動制限

中国、2.9億人が封鎖・移動制限 大連や成都が対策延長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM08DJD0Y2A900C2000000/

『【大連=渡辺伸】中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、地域の封鎖が広がっている。大連市や成都市も封鎖措置を延長した。民間調査によると、事実上の都市封鎖や移動制限の対象は約2億9100万人に達した。商業や娯楽施設の閉鎖が長引き、経済への悪影響が深刻になるなか、住民の不満も高まっている。

野村ホールディングスの野村国際(香港)による推計では、都市封鎖や移動制限の対象は49都市の約2億9170万人(9月6日時点)となった。中国の総人口の20.7%を占める。

東北部の遼寧省大連市はオフィスが集中する主要地域で住民に自宅待機を命じた。当初は8月30日~9月3日の予定だったが、10日に再延長が決まった。封鎖は17日ごろまで続く見通しで、市民からは「とにかく外を歩きたい」(30代女性会社員)との不満が漏れる。

四川省成都市は9月1~4日、約2100万人の全市民を原則的に自宅待機とした。だが感染は収まらず、現在も一部地域で自宅待機が続く。

北京市に近い天津市でも一部地域で封鎖が続く。8月下旬以降、約1370万人の全市民にPCR検査を複数回行った。チベット自治区でも区都ラサなど感染者が出た地域を封鎖中だ。

封鎖地区では、トラック輸送に対する制限などもあって、食料や生活物資が不足する問題も起きている。南部貴州省のメディアによると、同省貴陽市南明区で副区長が記者会見を開き、「経験が足りず供給不足を招いた」と謝罪した。

SNS(交流サイト)の微博(ウェイボ)では新疆ウイグル自治区伊寧市の複数の住民らが「食べ物がない」と不満を書き込んでいる。

国家衛生健康委員会によると、中国本土の感染者数(無症状含む、入国者を除く)は9月11~12日、900人台で推移している。中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針だ。

米ゴールドマン・サックスは8月に公表したリポートで「中国はコロナの感染拡大と猛暑による電力不足という2つの逆風に直面している」と指摘。2022年の実質経済成長率予想は3.0%と、従来の3.3%から引き下げた。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Nearly-300m-residents-caught-in-China-s-latest-lockdown-wave?n_cid=DSBNNAR 』

強権・習近平氏の「魔法の杖」

強権・習近平氏の「魔法の杖」、中国憲法も縛る新規約
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK123IU0S2A910C2000000/

『9600万人超の中国共産党員が守るべきおきてである党規約は、強権を手にした党総書記兼国家主席、習近平(シー・ジンピン)が操る「魔法の杖(つえ)」でもある。建国の父、毛沢東の命日だった9月9日に開かれた政治局会議は、10月16日から開催する第20回共産党大会で党規約を再び改正する方針を決めた。

改正案の全容は未公表だ。ただ、習近平外交思想、習近平法治思想、習近平生態文明(環境)思想、習近平経済思想など、あらゆる分野で個人名を冠した思想の研究センターが続々と立ち上がった以上、思想面で何らかの突破があるのは間違いない。

まず、党大会直前で緊迫するこの時期、規約改正の方向性を示す発表があったこと自体に意味がある。思い返すべきなのは、前回2017年10月の党大会から、18年3月にかけての経緯だ。

習近平思想、領袖、そして党主席

「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」という個人名を冒頭に置いた思想の明記は、元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)や前国家主席の胡錦濤(フー・ジンタオ)にはできなかった離れ業だった。

憲法改正案の投票結果が映し出された人民大会堂のモニター(2018年3月11日、北京)=三村幸作撮影

それでも17年10月段階で、最長2期10年までだった国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正にいきなり踏み込むという正確な予想は、内外ともほぼなかった。とはいえ毛沢東、鄧小平に続いて個人名を書き込んだ以上、習が主導する新時代が、簡単に終わるはずはない。22年党大会も超えて続くという強い予感はあった。

中国では「中国共産党がまずありき」だ。党が全てを決める。これが大原則である。その上で中国という国家が存在する。選挙という政権選択手段がある民主主義国家とは全く逆になる。

上下構造は、中国共産党員が守るべき党規約と、国家と国民のあり方を示す中国憲法の関係にも当てはまる。党規約がまずあり、その上で憲法が存在する。原則に関わる重大な党規約変更があったなら、憲法も必然的に改正される理屈になる。17年もそうだった。

では今回の党規約改正は、憲法の再改正まで伴う重大な内容なのか。論点は幅広い。まず中国語で16文字にもなる長たらしく、覚えにくい思想の表記について、個人の権威を明確にする「習近平思想」などと簡略化するのか。

党規約改正を予告した発表文には、わずかなヒントがある。「第20回党大会の(習による)報告で確立される重大な理論的な観点と、重大な戦略思想を党規約に書き入れる」としたのだ。これは党中央=習による指導強化と一体である。

既に新時代の思想が明記されているなかで、あえて新たな「重大な戦略思想」を盛り込むという。それは、習がトップとして3期目に入るために必要な思い切った措置を示唆している。

憲法再改正まであるのか

もうひとつは、習の党内呼称に関して、毛沢東を思わせる「領袖」と位置付けるのか、である。これは4月、広西チワン族自治区の会議報告で、習を指す「核心」への忠誠について「永遠に領袖をいただき、領袖を守り、領袖に従う」という表現をとって以来、大きな話題になった。

ただ、最近は新たな動きに乏しかった。21年11月の「第3の歴史決議」は、習時代の成果が、鄧小平の業績を超すような雰囲気さえ醸し出した。これを具体的な呼称で示すのかは大きな焦点だ。

現行中国憲法の前文には、党中央委員会主席(党主席)だった毛沢東を党の領袖と明記している。習の名を冠した思想も、毛沢東思想、鄧小平理論の後に並べた。もし、現トップを領袖に格上げし、その考え方を明確に習近平思想とするなら、憲法を再改正してもよい理屈になる。
習近平国家主席は、共産党規約に続き、憲法にも個人名を書き込む改正に成功した

もっとわかりやすいのは、習を毛沢東に倣う党主席に格上げした場合だ。党主席は毛の終身の地位だった。そのときは、強まった権威を何らかの形で憲法でも体現する必要がある。

廃止された党主席が復活すれば、総書記職は党主席の下で党内事務を統括する格下のポストとなる。その際、逆に問題化するのは、国家主席の任期制限を撤廃した18年の憲法改正部分だ。

この改正は、総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3ポストを「三位一体」で運用するところに本旨がある。想定していない党主席の復活で総書記の位置付けを下げるなら大前提が崩れる。

習が党主席と国家主席、中央軍事委主席を兼任すればひとまず問題は出ない。だが、あまりに権力が集中しすぎており、次世代の指導者らを本格的に育成すべきだとの党内世論に逆らうことになる。この声に応えるとすれば、23年以降のどこかの時点で国家主席を別の人物に譲る選択肢が出てくる。

憲法改正案の投票をする習近平国家主席(2018年3月、北京の人民大会堂)=三村幸作撮影
習ではない格下の人物が国家主席になるのに、任期制限がなく、終身さえ可能というのは論理矛盾だ。それなら18年の改正部分を白紙に戻し、再び任期を制限するのは理にかなう。しかし、党主席制度の復活は、党規約が厳しく禁止している個人崇拝につながり、大きな組織改正も伴う。ハードルは相当高い。

習の名を冠した指導思想は、既に21年9月から全国の小学校の教室で子どもらにたたきこまれている。教材は「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想 学生読本」だ。だが、5年前の党大会で突如、登場した政治的産物だけに、中身はいまも曖昧だ。

習には毛沢東のような自著、論文が豊富にあるわけでもない。乱立の感もある思想研究センターで、上からハッパをかけられて無理やりひねり出しているのが実態だ。毛沢東思想や、「黒猫・白猫論」に代表される鄧小平理論のように自然に確立されたものではなく、人工的なにおいがする。

思想研究センターの立ち上げが他分野より遅れた経済分野は、特に迷走が目立つ。今後の国民経済を左右する「習近平経済思想」は注目の的だ。今年6月には「習近平経済思想学習要綱」も出版された。

中国国務院(政府)系列で党中央宣伝部が管理する経済紙、経済日報の最新の論評も「習近平経済思想が中国経済をリードする」と持ち上げ、所得の格差解消に向けた「共同富裕」(皆が豊かに)という文字が躍っている。

一方で「共同富裕は一気に達成できるわけではない」と釘(くぎ)を刺している。実現の程度は場所によってデコボコがあってよいという。「『平均主義』に陥ってはならない」「長期的に実現すべき共同富裕というテーマの難しさ、複雑さを理解すべきだ」とも強調した。

「平均主義なら、共同貧困になりかねない」という党内からの批判に配慮しているのだ。習主導で一時強調された「資本の無秩序な拡張防止」という先鋭的な言葉も見当たらない。習近平経済思想の根幹は、ぼけてしまっている。

2年8カ月ぶりの国外で外交思想強調

そうしたマイナスを補う手段になるのが、本日14日からの外国訪問である。習が国外に出るのは、湖北省武漢で新型コロナウイルス感染症が発生・まん延して以来、実に2年8カ月ぶりだ。

目的は新時代10年の外交成果のアピールである。まず13年9月、広域経済圏構想「一帯一路」につながる新シルクロード経済圏を現地演説で打ち出したカザフスタンを国事訪問する。

2月4日、北京で会談した中ロ首脳=スプートニク・ロイター

その足で上海協力機構(SCO)首脳会議のためウズベキスタン入りし、ロシア大統領のプーチンやインド首相のモディとも会談する方向だ。習近平外交思想の中身を醸し出せれば、党大会に向けて弾みがつく。

習は、明確な形で自らの思想を示し、領袖という呼称を獲得できるのか。既に党規約の再改正確定まではたどり着いた。強権を固め、トップとして3期目を狙う手段として魔法の杖を握り、ふるおうとしているのだ。中国的な表現なら、手にしたいのは如意棒だろう。西遊記の主人公、孫悟空が持っていた何事も自由自在になる武器だ。

確かに習の魔法は、この10年間、政敵を排除する選択的な「反腐敗」という名の汚職追放運動で威力を増してきた。それでも、あくまで魔法である以上、いつかはとける。限界があるのだ。結果として「意のごとく自由自在に」となるのかは、最後まで予断を許さない。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

中国主要銀行、「不良債権」急増 広がる恒大ショック

中国主要銀行、「不良債権」急増 広がる恒大ショック
6月末27%増 不動産向け焦げ付きリスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM097Q70Z00C22A9000000/

『【香港=木原雄士】中国で不動産業界向けの不良債権が急増している。香港に上場する主要銀行の2022年6月末残高は21年末に比べて27%増えた。不動産大手、中国恒大集団などのデフォルト(債務不履行)や市場悪化が響いた。銀行から不良債権を買い取って処理を進める専門会社の業績も悪化している。

香港に上場する32行の22年1~6月期決算を集計した。6月末の不良債権比率は平均1.65%と21年末と変わらなかった。不動産業界に絞ると3.74%と21年末から0.76ポイント悪化した。

不動産関連の不良債権残高はデータを開示する29行のうち20行で増えた。不良債権比率が高いのは準大手の中国光大銀行(11%)のほか、地方を拠点とする晋商銀行(10.68%)や錦州銀行(10.37%)。開発業者の工事中断に抗議する住宅ローン返済拒否が頻発する河南省を地盤とする中原銀行は21年末の3%台から9.38%に大幅悪化した。

中国工商銀行など四大国有銀行の不良債権比率は平均1.39%と21年末(1.4%)に比べて低下した。一方、不動産業界に絞ると4.52%と21年末(3.77%)より悪化した。4行の不動産向け不良債権残高は1366億元(約2兆8000億円)と、半年前に比べて24%、1年前に比べて51%増えた。

中国農業銀行は関係する1112件の住宅プロジェクトに未完成のリスクがあり、12億3000万元の住宅ローンが延滞されていると明らかにした。ただし、全体に占める対象ローンの割合は0.02%程度で管理可能だと説明した。

格付け会社フィッチ・レーティングスは「大手銀は資産の劣化に耐えられるが、小規模な銀行は高リスクの貸し出しが多く、業績が大きく振れる可能性がある」と指摘する。

不動産市場の悪化はこれまで銀行の不良債権処理の受け皿になってきたAMCと呼ばれる資産管理会社の活動にも影を落とす。大手の中国華融資産管理は22年1~6月期の最終損益が赤字に転落。中国信達資産管理も純利益が33%減った。ともに保有資産のリスク評価を見直し、多額の減損損失を計上したのが主因だ。

AMCは銀行から不良債権を買い取り、再生して転売するのが基本。華融や信達が手掛ける案件の大半が不動産や建設業界に絡んでおり、市場悪化で再生が難しくなっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「資本の制約などでAMCの不動産業界への支援は限定的になる」とみる。

AMCの業績が悪化すれば、銀行の不良債権処理が滞る可能性がある。四大銀行の総資産は6月末時点で約133兆元と、日本の3メガバンクの3倍に上る。中国の金融システムが抱える潜在的なリスクは大きい。』

東亜銀行の中国法人幹部を拘束 収賄の疑い

東亜銀行の中国法人幹部を拘束 収賄の疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM144030U2A910C2000000/

『【香港=木原雄士】香港の地場大手、東亜銀行の中国法人幹部が収賄の疑いで中国公安当局に拘束されたことが14日、分かった。東亜銀は「従業員個人の問題であり、銀行の融資事業に影響はない」とコメントした。東亜銀は三井住友フィナンシャルグループの持ち分法適用会社。

中国メディア財聯社によると、7月に拘束されたのは東亜銀の中国法人行長助理の陳智仁氏。北京支店長を務めた経験もある人物で、融資に絡み賄賂を受け取った疑いが持たれている。他の関係者も取り調べを受けているという。

東亜銀は中国本土で幅広く融資などを手掛けているが、ここ数年は中国事業の業績が悪化し、店舗や人員の削減を続けてきた。』

習近平氏、党大会直前に異例の外遊

習近平氏、党大会直前に異例の外遊 政権安定を誇示か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM143MT0U2A910C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が新型コロナウイルスの世界的流行後に止めていた外遊を再開した。中国共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会を10月に控えた中での外国訪問は異例だ。3期目入りを固めた習氏が、内外に政権基盤の安定を誇示する狙いがあるとみられる。

習氏は14日に隣国カザフスタンに到着し、トカエフ大統領と会談した。ローマ教皇フランシスコも15日までカザフに滞在する予定で、習氏との会談の可能性に関心が集まっている。

15~16日はウズベキスタンで開く上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する。ロシアのプーチン大統領らと会談する。

習氏を含む共産党最高指導部は2020年1月に習氏がミャンマーを訪問して以来、海外訪問を止めていた。最高指導部内で新型コロナ感染が広がる事態を避けるためだったとみられる。外遊は2年8カ月ぶりとなる。

第20回党大会の開幕が10月16日に迫ったタイミングでの外遊は、中国内外で予想外と受け止められている。

党大会の約1カ月前に外遊したのは、02年に国家主席だった江沢民(ジアン・ズォーミン)氏が米国などを訪問して以来となる。当時は胡錦濤(フー・ジンタオ)氏への権力委譲がすでに決まり、党大会の準備も胡氏が取り仕切っていた。

習氏は党大会で、2期10年が原則とされる党総書記のポストの3期目入りを目指している。党内の調整に時間がかかり、党大会は11月になるとの観測もあった。本来いまの時期は党幹部の人事や習氏が読み上げる活動報告の内容を巡り、最終調整をする時期に当たる。

党幹部や長老らは8月上中旬に北京に近い河北省の北戴河に集まり、党大会の人事案などを話し合ったとされる。習氏の3期目が事実上固まり、外交の立て直しに動けるようになったとの指摘がある。

東京大の松田康博教授は「国内で後顧の憂いがあれば外遊はできない。習氏は党内で不満を持つ勢力の意見を聞き入れ、バランス型人事を敷いたのではないか」と予想する。

習氏は13日、カザフの新聞に寄稿し、経済圏構想「一帯一路」に基づいて貿易を拡大し、人工知能(AI)など先端分野でも協力を進める方針を示した。

13年に同国を訪問し、陸路で中央アジアを通り欧州に向かう「シルクロード経済ベルト」の建設を提唱した。一帯一路の根幹をなす構想だ。一帯一路を巡っては中国内でも途上国へのばらまき批判が出ている。習氏肝煎りの政策だけに、正統性を誇示して継続を訴える思惑もありそうだ。

中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は「新型コロナの流行やロシアとウクライナの戦争で一帯一路は大きな困難に直面している」と指摘する。中国がてこ入れに乗り出すとの見方を示した。
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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第20回党大会の前の外遊は、確かに政権安定を誇示するという意味合いが強い。しかし、それだけではない。ウクライナ戦争でロシアが身動きの取れないなか、中国は中央アジアで影響力をじわじわと伸ばしている。中央アジアは今、中国の外交戦略で重要な位置を占めている。それだからこそ、習近平国家主席の外遊が実現した、ということでもある。
2022年9月14日 19:05 』

中国、習近平氏側近が軍最高幹部へ 台湾統一にらみ

中国、習近平氏側近が軍最高幹部へ 台湾統一にらみ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0262F0S2A900C2000000/

『【北京=羽田野主】中国で10月16日に開幕する共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会で、中国人民解放軍の最高幹部が入れ替わる。異例の3期目入りを固めた習近平(シー・ジンピン)党総書記は将来の台湾統一に向け、自身の側近を新たなメンバーにすることを検討しているもようだ。

 中国建国70年の軍事パレードで人民解放軍を閲兵する習近平国家主席=2019年10月、北京(新華社=共同)

中国軍の最高意思決定機関は、党中央軍事委員会だ。習氏は党トップの総書記と国家主席に加え、中央軍事委主席の肩書ももつ。

中央軍事委は習氏をトップに計7人の幹部で構成する。台湾の武力統一や核弾頭を搭載できる弾道ミサイルの使用の是非といった重要事項はすべて、習氏を中心とする中央軍事委の決裁が必要とされる。中央軍事委の判断は、先々の日本の安全保障を揺るがしうるものともなる。

軍の出身者として実質的な指揮権を握ってきた許其亮副主席や、党の思想教育を担当した張又俠副主席、魏鳳和国防相ら4人が定年で引退する見通し。米国と対決姿勢を強め、台湾統一を目指す習氏がどのような布陣とするかに関心が集まっている。

軍内で有力視されているのが、中央軍事委の苗華氏の副主席への昇格だ。習氏が福建省勤務時代に知り合った30年来の関係だ。習氏は2015年に陸軍偏重だった軍を陸・海・空軍などが一体となって戦える体制に改める軍改革に着手した。その目玉の人事となったのが、陸軍出身の苗氏の海軍への転籍だ。いわば軍の縦割り打破のため起用した。

習氏が評価しているとされる北部戦区前司令官の李橋銘氏も抜てきするとの見方が出ている。「旧ソ連が崩壊したのは、党の軍隊を持たなかったためだ」。李氏はかつてこうした論文を執筆し、党による軍の掌握を強めようとしていた習氏の目に留まったとされる。順調に昇格してきた。

習氏の子飼いといわれるのが陸軍司令官の劉振立氏だ。首都防衛の責任者を長年務め、陸軍で最も優秀な精鋭部隊を任された経歴がある。李氏も劉氏も共産党の序列200位以内の中央委員で、副主席をうかがう位置にいる。

習氏は10月の党大会で台湾統一の目標を改めて掲げる見通し。武力統一を巡っては軍内で慎重論が多い。習氏が状況に応じて判断しやすいように苗氏らを引き上げるとの見方が強い。軍内の腐敗を取り締まってきた張昇民氏も副主席に昇格させて習氏が軍内ににらみをきかせるとの観測がある。

焦点になるのが台湾情勢に精通した人材の登用だ。台湾や沖縄県・尖閣諸島方面の作戦を担当する東部戦区の司令官を務める何衛東氏と、同区の陸軍司令官を務めた徐起零氏らの名前が挙がっている。何氏は8月上旬に台湾周辺で実施した大規模な軍事演習にも関わったとされる。

空軍司令官の常丁求氏も有望だ。習氏から最年少で軍の最高位である「上将」を付与された。

習氏は2017年の党大会で中央軍事委を11人から7人に減らした。陸海空軍やロケット軍などでどのようにバランスを取るかも注目される。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Taiwan-tensions/Xi-poised-to-build-support-on-Taiwan-with-senior-military-picks?n_cid=DSBNNAR 

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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どの国にとっても同じことだが、人事の鉄則は適材適所。強権政治が強いようにみえるが、突然混乱し崩れてしまう。なぜか。人的資源の配置は適材適所ではないからである。政治指導者は要所要所に意中の人物を配置するが、適材かどうかの基準は違う。結局のところ、友達を重要なポストに据える。チームとなったときに、力が最大限に発揮されないことが多い。これはマフィアの組織構造とよく似ている。一定レベルまで強くなるが、それ以上強くなれないのはマフィアである。本来、人事を決定づけるのは制度であり、指導者個人の好みであってはならない。これから中国はどのような道を辿るのか
2022年9月13日 7:17 』

中国「影の銀行」取引拡大 8月5年ぶり規模

中国「影の銀行」取引拡大 8月5年ぶり規模
インフラ建設加速で資金需要増大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1124D0R10C22A9000000/

『【北京=川手伊織】中国で銀行の帳簿に計上されない「影の銀行」からの資金調達が増えている。8月の純調達額は2017年3月以来5年5カ月ぶりの大きさとなった。地方政府傘下の投資会社がインフラ建設のため銀行を介さない取引で資金を調達した。銀行からの借り入れが難しい中小零細企業の調達が膨らんだ可能性もある。

中国人民銀行(中央銀行)によると、銀行の簿外で扱う委託融資、信託融資、手形引き受けの純増額は4768億元(約9兆8500億円)だった。返済が調達を上回る月が大半で、調達が上回ったのは5カ月ぶりだ。

影の銀行からの資金調達が急増した一因は、地方で加速するインフラ投資だ。

新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で景気が停滞から抜け出せないなか、国務院(政府)はインフラ建設を成長のけん引役に位置づける。22年分のインフラ債発行枠で調達した資金を8月末までに原則使い切るよう指示していた。

地方政府は債券発行で得た資金を建設現場に投じたほか、傘下の投資会社である融資平台が銀行融資以外の形でも必要な資金を賄ったという。この部分が、8月の「影の銀行」からの調達額を押し上げた。

銀行からの借り入れが難しい中小零細企業が手形などを活用して資金を確保しているとの見方もある。

人民銀行は8月に今年3回目の利下げを実施した。貸出金利の平均は下がった。ただ調査対象に民間企業が多い長江商学院の景況指数によると、資金調達のしやすさを示す指数は7月と比べて悪化した。小規模事業者を中心に民間企業の資金繰りは厳しく、「影の銀行」に頼る企業も少なくないとみられる。

一方、8月の銀行貸し出しの純増額は前年同月比で約3%増にとどまった。企業向けに貸し出す中長期資金は41%増えた一方、住宅ローンが大半を占める個人向けの中長期融資は38%減った。

不動産開発企業の資金不足でマンション工事が止まる物件が続出し、今夏には未完成物件の家主が住宅ローンの支払いを拒否する動きが全国に広がった。住宅市場の混乱をうけ、新規購入の様子見だけでなく、住宅ローンの前倒し返済も増えているという。』

庶民は「刈り取られるニラ」か?

庶民は「刈り取られるニラ」か?【現代中国キーワード】
https://www.epochtimes.jp/2022/09/117379.html

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『「割韮菜(ニラを刈る)」という中国語がある。
畑のニラが伸びた頃、鎌で刈り取ってしまうことを指すが、「刈り取った後でもニラはまた生えてくるから、大きな損をこうむることはない」というのが本来の意味である。

そこから派生した意味として、この言葉は株式用語のひとつにもなっていた。
例えば、全財産を投じた個人投資家が「刈り取られて」消えたとしても、また次の投資家が(新たなカモになって)新規参入してくるという、いわば元締めの視点から見た、ややブラックな含みをもつ言葉なのだ。
(※ 無料は、ここまで。)』