范蠡(はんれい)

范蠡(はんれい)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%83%E8%A0%A1

 ※ まず、読めんかったし(人名だ…)、知らんかった…。

 ※ 兵頭大先生のご高説(「哲学者ではないシナ人の理想の人生は「范蠡」である。これは政治家、軍人、商売人を問わない。」)なんで、調べた…。

 ※『狡兎死して走狗烹られ、高鳥尽きて良弓蔵(かく)る』の人だった…。

 ※ この故事自体は、あまりに有名…。

『范 蠡(はん れい、生没年不詳)は、中国春秋時代の越の政治家・軍人である。氏は范、諱は蠡、字は少伯。越王勾践に仕え、勾践を春秋五覇に数えられるまでに押し上げた最大の立役者とされている。』

『略歴

越の謀臣

范蠡がどこで生まれたのか、どのような経緯で越の允常(勾践の父)に仕えるようになったのか、彼の経歴による明確な確証がない。

隣国の呉王闔閭は伍子胥・孫武らの補佐を受けて強勢を誇っていた。越王允常は范蠡の補佐で国力を伸ばしていた。

しかし紀元前496年に允常が逝去し、太子の勾践が父の後を継いだ。允常の訃報を聞いて喪中に服している越に対して、闔閭は出る杭を先んじて叩いてしまおうと判断し、欈李の戦いを起こして攻め込んできた。

しかし、欈李(現在の浙江省嘉興市海寧市)で、范蠡はこれに対して奇計を持って迎えた。その奇計と言うのは決死隊(『左伝』では罪人。こちらが正確か)を集めて敵の目の前まで行かせてそこで自ら首をはねさせるという物で、呉軍が仰天している隙を付いて越軍は呉軍を撃破した。越の武将霊姑孚が射た矢で片足を破傷したのが原因で闔閭は陣没し、太子の夫差が立った。

夫差は伍子胥の補佐を受け、越への復讐(臥薪)を狙い、それを知った勾践は今のうちにと呉を叩こうと出兵しようとしたが、范蠡はこれを諌めた。

しかし勾践は聞き入れずに出兵し、大敗してしまった。勾践は夫差に対し平身低頭で命乞いをし、更に家臣の中の文種は夫差の側近伯嚭(嚭は喜否)に賄賂を贈って夫差に勾践を助けるように吹き込んだ。

この時に伍子胥は勾践を殺す事を強弁したが、夫差はこれを取り上げず、勾践を解放し夫差の馬役人にさせた(嘗胆)。

呉を滅ぼす

国に戻った勾践は国政を范蠡に任せようとするが、范蠡は「軍事なら種(文種)は臣に及びませんが、政治にかけては臣は種に及びません」と応え、文種を推薦した。

勾践は范蠡・文種の補佐を受け、復讐を狙っていたが、表面的には夫差に対し従順な姿勢を見せて、夫差を油断させた。

更に范蠡は伯嚭に賄賂を送り、伍子胥の悪口を夫差に吹き込ませて離間を狙った。

思惑通り、伍子胥は夫差に誅殺され、夫差を諌める者はいなくなった。夫差は調子に乗って北へ出兵して天下の事を争おうとし、越の事など気に止めなくなった。

夫差は呉軍の大半を率いて北の会盟に出かけて、国許を守るのは太子・友とごく僅かの兵になった。

勾践はその隙を衝こうとして、范蠡に訊ねた。范蠡は 「よいでしょう」 とこたえた。そこで越は大軍を発し、一気に呉を襲い、太子を殺して呉を占領した。

夫差は慌てて引き返してきた。勾践は、 「まだ呉の全土を占領するには力が不足している」と判断し、一旦和睦した。

その後も夫差は無理に北へ出兵して国力を消耗した。四年後、越は呉に決戦を挑み、遂に夫差を姑蘇山に追い詰めた。夫差は降伏して命乞いしたが、范蠡は後顧の憂いを断つべく殺すよう進言した。勾践は殺すことはためらい、舟山群島に島流しにしようとしたが、その命令を受けた夫差は自殺した。

引退

悲願が達成されて有頂天になる勾践を見て、范蠡は密かに越を脱出した。

范蠡は文種への手紙の中で「私は『狡兎死して走狗烹られ、高鳥尽きて良弓蔵(かく)る』(狡賢い兎が死ねば猟犬は煮て食われてしまい、飛ぶ鳥がいなくなれば良い弓は仕舞われてしまう)と聞いています[1]。

越王の容貌は長頸烏喙(首が長くて口がくちばしのようにとがっている)です。こういう人相の人は苦難を共にできても、歓楽はともにできないのです。どうして貴方は越から逃げ出さないのですか」と述べた。

そこで文種は災いを避けるため病と称して出仕しなくなったが、文種に謀反の疑いありと讒言する者が現われた。勾践は文種に剣を贈り、「先生は私に呉を倒す7つの秘策があると教えて下さいました。私はそのうちの3つを使って呉を滅ぼしました。残り4つは先生のところにあります。私のために先生は亡くなった父王のもとでその秘策をお試し下さい」と伝え、文種は自殺した。

伝説

范蠡は夫差の軍に一旦敗れた時に、夫差を堕落させるために絶世の美女施夷光(西施(せいし))を密かに送り込んでいた。思惑通り夫差は施夷光に溺れて傲慢になった。夫差を滅ぼした後、范蠡は施夷光を伴って斉へ逃げた。

越を脱出した范蠡は、斉で鴟夷子皮(しいしひ)と名前を変えて商売を行い、巨万の富を得た。

范蠡の名を聞いた斉は范蠡を宰相にしたいと迎えに来るが、范蠡は名が上がり過ぎるのは不幸の元だと財産を全て他人に分け与えて去った。

斉を去った范蠡は、かつての曹の国都で、今は宋領となっている定陶(現在の山東省菏沢市定陶区)に移り、陶朱公と名乗った。ここでも商売で大成功して、巨万の富を得た。老いてからは子供に店を譲って悠々自適の暮らしを送ったと言う。陶朱公の名前は後世、大商人の代名詞となった(陶朱の富の故事)。このことについては、史記の「貨殖列伝」に描かれている。

浙江省紹興市諸曁市内に陶朱山がある。

評価

范蠡の見事な活躍と出処進退は後世の憧れとなり、好敵手の伍子胥と共に長く語り継がれている。

范蠡は日本でも名臣として有名である。『太平記』巻第4「呉越闘事」(西源院本の事書)には、後醍醐天皇の臣児島高徳が「天勾践を空しゅうする莫れ 時に范蠡無きにしも非ず」という句を贈ったという話がある。後醍醐天皇を勾践にたとえ、名臣が出現しないわけではないのだから諦めないようにと励ましたのである。この逸話は「児島高徳」という文部省唱歌に詠み込まれ歌われた。

范蠡を題材とした作品
小説
『越女剣』(金庸)
テレビドラマ
燃ゆる呉越(中国語版)(2006年、演:リー・クワンジェ)
争覇-越王に仕えた男-(中国語版)(2006年、主演:チェン・クン)
復讐の春秋 -臥薪嘗胆-(2007年、演:ジア・イーピン)
孫子兵法(2008年、演:張暁瀟)
三国争乱 春秋炎城(2008年、演:劉長純)
女たちの孫子英雄伝(中国語版)(2012年、演:ケン・チュウ)
脚注
^ 前漢設立の功労者である韓信が失脚した際、皇帝である劉邦に対しこの手紙の語句をそのまま引用して伝えたとされている。
関連項目
范蠡公園
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カテゴリ: 兵家の人物春秋戦国時代の人物中国の亡命者生没年不詳 』

「Chinese HD-1 Supersonic Cruise Missile from the Zhuhai Airshow」

チャイナディフェンスブログの2021-9-25記事「Chinese HD-1 Supersonic Cruise Missile from the Zhuhai Airshow」
https://st2019.site/?p=17544

『※三代目の、誰がみても替え玉と分かる役者が、北鮮メディアで堂々と公表されていたが、あれは在韓米軍のリーパー、韓国の新型地対地弾道弾、および「斬首作戦」演習等を承けて《こっちには無数の影武者がいるので、三代目を殺そうとしても空振りにおわりますよ》と必死で宣伝をしているわけである。

わざとバレバレな役者でないと、影武者軍団のアピールにはならぬわけである。

このように、相手の心にストレートに届く装備を宣伝することが、一国の安全保障政策としては緊要である。

わが国の役人と政治家にはその「演出の才」が全くといっていいほど欠落しているので、ほとんど何の抑止にもならない無駄な高額装備ばかりが、遅すぎるタイミングで整備/研究されるので、敵はちっとも動揺することなく、侵略を諦める気にもならないのである。
具体的には、島に上陸した者は確実に帰路を遮断され、全員捕虜にされ、長期間、遠隔地の収容所にて洗脳を受け、スパイに仕立てられ、ソーシャルクレジットはゼロになる、という確信を、シナ兵に与えられる装備を、今すぐに、ズラリと揃えて誇示しなくてはいけない。

それには幾らもかからないのだ。ちなみにカナダで収監されていたファーウェイの女幹部は、米政府と司法取引したことでスパイになったと疑われ、帰国しても、うだつはあがらないだろう。

米国としては、中共人が二重国籍を取得しても北米で安楽な余生は送らせないよ、という強烈なメッセージを全シナ人エリートに与えたので、大成功だといえる。

哲学者ではないシナ人の理想の人生は「范蠡」である。これは政治家、軍人、商売人を問わない。最後の最後にシナ本土に送り返されて、二度と出国もできないであろうあの社長さんは、とうとう「范蠡」にはなれなかった失敗者の見本である。

これほどシナ人をガッカリさせる末路ストーリーはないのだ。米国務省は対支のプロスペクト心理戦術の要諦を掴んだ。』

ウルトラナショナリズム台頭で中国の台湾侵攻が現実味

ウルトラナショナリズム台頭で中国の台湾侵攻が現実味 在日米軍や自衛隊施設が攻撃される危険も
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09240601/?all=1&page=1

『中国の普通のビジネスパーソンまでが

 衆議院選挙を間近に控え、新型コロナウイルスのパンデミック後、初の本格的な自民党総裁選挙が盛り上がりを見せている。コロナ対策が主要テーマになっているのは当然かもしれないが、評論家で合気道凱風館を主催している内田樹氏は、「総裁選より注視すべきは米中両国で喫緊のトピックである台湾侵攻だ」と警告を発している(9月15日付AERA)。上海で仕事をしている台湾出身の門人が一時帰国した際に、台湾出身である彼に向かって同僚の中国人たちが、悪びれることなく「もうすぐ台湾侵攻だ」と放言している、という話を聞いて衝撃を受けたからだ。

 中国政府が「台湾への軍事侵攻を辞さず」と公言し、共産党系メデイアがこれに追随する記事を書きまくるという状況が続いており、共産党員でもない中国の普通のビジネスパーソンまでが、「台湾侵攻は間近だ」と信じているというのだ。米国のアフガニスタンからのぶざまな撤退ぶりを見て、多くの中国人が「現在の米国なら台湾を見捨てるだろう。千載一遇の好機が訪れた」と、考えている可能性もある。

 中国では今、ナショナリズムが猛烈な勢いで台頭している。

支持を取り付けるためナショナリズムを利用

 意外と思われるかもしれないが、中国はもともとナショナリズムが強い国ではなかった。

 ソ連崩壊により「共産主義」という統治の根拠を失った中国政府が、国民の支持を取り付けるためにナショナリズムを利用したのがその始まりだ。

 中国では1996年、『ノーと言える中国』という本が出版された。米国の価値観に憧れる中国人を軽蔑し、「中国がいずれ超大国になる」と予測する内容であり、1990年代の中国のナショナリズムの台頭を示す一冊と言われた。

 中国の近代史は、「アヘン戦争以来一世紀にわたって外国の帝国主義勢力に蹂躙された」という「百年国恥」が刻まれている。植民地化されたという苦い経験が深く刷り込まれていることから、中国は欧米社会が確立した国際秩序に不信感を抱き続けてきた。

 中国のナショナリズムはこれまで防御的な色彩が強かったが、リーマンショック後に中国が世界経済を牽引するようになると、その性格が攻撃的なものに変わった。2012年に習近平政権が誕生し、「中国の夢」を語るようになってから状況はさらにエスカレートした。』

『「中国文明は世界で一番優れている」

 また、政府主導で奨励されてきたナショナリズムだが、最近では国民の方が過激になっている。特に留学経験のある若者たちに、ナショナリズムの傾向が強い。新型コロナウイルスのパンデミック封じ込めに成功したこともあって、「中国文明は世界で一番優れている」と信じるようになったのだ。だがこの偉大な国に対して、国際社会からそれ相応の尊敬が与えられていない。不満は募るばかりだ。

 言論統制が厳しい中国では、国民に世界の非難の声が届かないとの指摘もある。「相手が悪い、自分がちっとも悪くない」と思い続けていれば、非常に尊大なプライドが形成されるのは当たり前のことだ。

 2008年、精神分析学者の岸田秀氏は、こう危惧していた。

「深刻なトラウマを抱えた中国は、自分に対する攻撃者が実際以上に巨大だと誤解して被害妄想に陥る傾向が強いが、この被害妄想は何かの拍子で過剰なまでの排他的ナショナリズムに転じる危険がある」

 世界の強国に返り咲いたことで自国に誇りを持つことは自然なことだが、国際社会の意向を無視して、ひたすら自分のやり方で仕切ろうとしている行動を見るにつけ、国全体がウルトラナショナリズム(自国の利益を他の何よりも追求する極端なナショナリズム)に取り憑かれているのではないか、と危惧せざるを得ない。中国は、もはや単純なナショナリズムだけでは膨張する国家のアイデンティティーを維持できなくなっているとの印象が強い。

国民の不満をそらすために
 普通の中国人は「確実な抑止力を持っていない米軍は応戦しない」と考えているようだが、習近平指導部は、「台湾への軍事侵攻は米国との衝突につながるから著しく危険だ」と認識していると思う。世界有数の軍事力を有する中国だが、兵隊の士気は低い。「よい鉄はくぎにならない、よい人間は兵隊にならない」という言葉があるほど、軍人を軽く見る傾向がある。勝てる保証がない戦争に踏み切ることは、中国共産党にとって政権を失うリスクを冒すことにつながる。

 中国では、「懸命な指導者である習近平氏があらゆる正しい判断を下すはずだ」という個人崇拝が進んでいる。だが事態が悪化した場合、指導者は自らの誤りを認めることができない。ナショナリズムを扇動し、戦狼外交を展開してきた結果、ウルトラナショナリズムというパンドラの箱を開けてしまい、中国政府は制御不能になりつつあるのではないか。

 足元の経済にも赤信号が灯りつつある。不動産バブルが崩壊して苦境に陥れば、「国民の不満をそらすために対外的な強硬手段に出るのでは」との不安が頭をよぎる。

 米中関係に詳しい歴史家のニーアル・ファーガソン氏は、「第1次の(米ソ)冷戦でも早々に朝鮮半島で(軍事衝突を伴う)戦争があった。第2次冷戦が『熱戦』に転じる可能性は相当に高く、明白に起きそうな場所が台湾だ。極めて近い将来かもしれない」と警戒している(9月15日付日本経済新聞電子版)。

 筆者は軍事の専門家ではないが、中国が台湾に侵攻し米国が応戦する事態となれば、在日米軍や自衛隊の施設が攻撃されるリスクが高いと懸念している。このため中国軍の攻撃で致命的な損害を受けないよう、軍事基地などを強化するとともに、防空・ミサイル防衛能力を向上させることが不可欠だ。中国軍の台湾侵攻自体を抑止するため、日本に長距離巡航ミサイルを配備することを真剣に検討する必要がある。

 総裁選挙では安全保障について「敵基地攻撃能力」などが議論されているが、「台湾を巡り米中が衝突するリスクが飛躍的に高まっている」との認識が低い。はたして大丈夫なのだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮取材班編集 』

対米強硬、悩める中国 習氏も避けたい軍事衝突

対米強硬、悩める中国 習氏も避けたい軍事衝突  

本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD227ER0S1A920C2000000/

『秋の訪れとともに、米中を取りまく攻防が熱を帯びてきた。

9月16日の中国に続き、22日には台湾も環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を申請した。バイデン大統領は24日、日本、オーストラリア、インドとの4カ国首脳による初の対面会議を開き、中国包囲網づくりを急ぐ。

冷え切った米中関係の行方はどうなるのか。表面だけみると、雪解けは難しそうだ。習近平(シー・ジンピン)政権は開き直った姿勢を決め込んでいるからである。
協力に条件付ける中国

米中間ではいま、気候変動や感染症なども含め、あらゆる協力が滞ったままだ。中国は連携に応じる前提条件として、まず米側が態度を改め、すべての対立の原因を取り除くよう迫っている。

この立場は7月下旬、中国入りしたシャーマン国務副長官に王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が示した。外交筋によると、8月31日から訪中したケリー大統領特使にも同じ要求を突きつけた。

具体的には、①中国の体制転覆を企てない②発展を妨げない③主権を侵害しない――ことを要求。さらに共産党幹部や中国高官、企業への制裁撤回も迫っている。

つまり、協力してほしいなら、中国に敵対するのをやめなければならないというわけだ。
バイデン政権には到底、のめる要求ではない。米国はオバマ政権時代、気候変動対策への協力を得る代わりに、南シナ海で中国に厳しく対処できず批判を浴びた。

バイデン政権はこの反省から、中国が気候変動対策の協力に応じても、人権や安全保障問題の圧力は弱めない原則だ。米ジャーマン・マーシャル財団の中国専門家、ボニー・グレイザー氏は語る。

「中国は、あらゆる種類の協力に前提条件を付けることで、米国から譲歩を得られると思っている。特に、気候変動問題がそうだ。しかし、米国はそうした駆け引きには応じるつもりはない。グローバルな課題で協力を得るために、米側が中国に他の分野で譲歩することは考えられない」

実際、米政権は9月15日、米英豪による新しい安全保障枠組み「AUKUS」の創設を決め、さらに対中圧力に踏み込んだ。
米と全面対立の余裕はない

ただ、米中対立の基調は続くにしても、緊迫度は変わっていくかもしれない。舞台裏に光を当てると、強硬一辺倒とは異なる習政権の本音も浮かび上がる。これ以上、緊張が高まり、紛争の危険がさらに強まることは避けたいと考えているようなのだ。

興味深いのが9月10日、約7カ月ぶりとなったバイデン氏と習国家主席の電話協議だ。米側が申し入れ、90分間におよんだ。

会話の概要を知る米中双方の関係者によると、バイデン氏はインド太平洋への関与を深めるとしたうえで、米中衝突を防ぐため、両国が危機管理の枠組みづくりに取り組むよう説いた。

習氏は米国の対中政策に不満を示したものの、対話の推進に同意し、前回(2月)ほどには、とげとげしい態度をみせなかった。

バイデン氏、習氏はそれぞれ副大統領、国家副主席だったとき以来、約10年来の知り合いだ。両氏は電話で、米中の地方都市を一緒に訪れた思い出を語り合う一幕もあったという。
バイデン氏(左)と習氏は副大統領、国家副主席の時代からの知り合い(2011年、北京でのバイデン氏歓迎式典)=共同

中国の内政に目を向けると、習氏には米国と全面的に敵対している余裕はない。共産党内の権力を掌握したとはいえ、国内では格差への不満が広がる。米中対立で経済に大きな影響が広がれば、政治基盤も無傷ではすまされない。

習氏への表だった批判は聞かれないが、ここまで米国と敵対してしまったことに党内では不安や疑問の声も沈殿している。宮本雄二・元駐中国大使は分析する。

「習氏といえども今、米国と全面対立するのは避けたいのが本音だ。来年秋に任期延長をかけた共産党大会を控えるうえ、格差問題や巨大IT(情報技術)企業との摩擦も強まり、それどころではない。共産党幹部も、上から下までそうした実情は分かっている」

中国軍もあながち例外ではない。中国軍はオースティン米国防長官との電話協議になお難色を示しているが、8月下旬、局長級の軍事協議にひそかに応じ、対話のチャネルを開いた。

共産党の内情に詳しい中国の政治研究者は「中国軍首脳は今、台湾海峡などで米軍と全面戦争になったら勝ち目は薄いと分かっている」と解説する。

こうした内情を踏まえてか、習氏は9月21日(米東部時間)、国連総会でのビデオ演説で、海外で石炭火力発電所を新設しないと表明した。かねてバイデン政権が求めていた措置で、米国への明らかな秋波だ。

衝突を望まないのはバイデン氏も同じだ。21日の国連演説で「新冷戦を志向しない」と約束。米政権はその3日後、カナダで拘束された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を解放した。
融和への転換は難しく

米中は激しい覇権争いのトンネルに入っており、ただちに対立が解け、融和に転じることはあり得ない。米主導の秩序を変えたい中国と、それを阻もうとする米国にはぬぐいがたい不信感がある。

それでも、厳冬ともいえる米中関係が、初冬や晩秋くらいに戻ることはあり得る。その見通しは、表面の攻防をながめるだけでは分かりづらい。厚いよろいに隠された習政権の悩める内実にも、貴重な手がかりが隠されている。

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秋田 浩之

長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

対米強硬、悩める中国 習氏も避けたい軍事衝突  (10:00)
米中対立、数十年続く 元米大統領補佐官が予測(25日 更新)』

(社説)米国とアジア 力の対抗より共存探れ

(社説)米国とアジア 力の対抗より共存探れ
https://www.asahi.com/articles/DA3S15056055.html?iref=pc_rensai_long_16_article

『「新冷戦や世界の分断は望まない」。バイデン米大統領が初めての国連演説で宣言した。

 その言葉どおり、大国間で陣営を争う外交ではなく、相互依存と信頼に基づく包摂の秩序づくりに尽力してほしい。

 クアッドと呼ばれる日米豪印4カ国の枠組みは、その試金石だ。中国を「最も重大な競争相手」とみる米国が主導し、今回は対面の首脳会議を開いた。

 国連でバイデン氏は、インド太平洋地域への関与を優先し、同盟国や友好国を重んじる方針を示した。4カ国の首脳会議はその結束を演出したものだ。

 トランプ前大統領は、アジアの国際会合にはほとんど出席しなかった。対照的に、米国が地域との関係を深める姿勢に転じたことは評価したい。

 一方、新たな「同盟重視」はどれほど真剣か、地域の安定に米国がどこまで責任を負う覚悟か、疑念もぬぐえない。

 それを痛感させたのが、アフガニスタンからの米軍撤退だった。同盟国との調整は乏しいまま強行され、結局、バイデン外交も「米国第一」ではないか、との不信を広げた。

 そんな折、米国は英豪との3カ国の安全保障枠組みも立ち上げた。豪州の原子力潜水艦建造への協力を発表したが、逆に契約を破棄されたフランスの怒りを買った。ここでも事前の調整がなかったようだ。

 米国がアフガニスタンで失った威信の挽回(ばんかい)を太平洋地域で急いでいるのならば、危うい。周到な意思疎通を欠く外交では、健全な同盟関係は保てない。

 中国への牽制(けんせい)に、前のめり感が目立つのも懸念材料だ。豪州の唐突な原潜配備は地域の軍事情勢に相当の影響を及ぼす。

 中国の軍拡と強引な海洋進出が緊張を高めているのは確かだが、対抗的な行動は慎重さを要する。単に力を競うだけでは、さらなる環境悪化と分断をもたらしかねない。

 多くのアジア太平洋諸国は、近接する大国・中国との対立を望まない。中国との共存共栄を最善のシナリオと考えるのは、日米豪印も同じである。

 バイデン氏は国連で「戦争の時代は幕を閉じ、外交の時代が始まった」とも述べた。ならばクアッドも軍事機構と一線を画し、地域の公益を求める連合体として活動していくべきだ。

 4首脳は今回、新型コロナのワクチン供給を筆頭に、気候危機やインフラ開発などへの取り組みを強調した。毎年首脳会議を開くことでも合意した。

 人権や法の支配などの原則の下でアジアの平和的発展をめざし、中国を巻き込む秩序を形成する。そんな建設的な枠組み運営を心がけてもらいたい。』

米中、駆け引き激化 ファーウェイ副会長を3年ぶり解放

米中、駆け引き激化 ファーウェイ副会長を3年ぶり解放
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24DQG0U1A920C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成、広州=川上尚志】バイデン米政権は24日、カナダで拘束された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を解放した。中国も解放を前向きに捉えており、3年弱にわたる米中の懸案が1つ片付くことになる。もっとも、米は同社への制裁は続ける構えで、米中間の駆け引きが激しくなっている。

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米司法省は24日、誤りを認める代わりに起訴を猶予することで孟氏と合意し、米国への身柄の引き渡し要請を取り下げた。司法省は米国の制裁対象であるイランと違法に取引したとして、孟氏を銀行詐欺罪などで起訴していた。

孟氏はカナダで即日釈放され、中国へ出国し、25日夜に深圳宝安国際空港に到着した。孟氏は飛行機を降り立った後、中国メディアに対し「1000日以上の苦しみを経て、ついに祖国に帰ってきた。偉大な祖国と人民、共産党と政府の配慮に感謝する」と述べた。

カナダのトルドー首相は24日、中国当局に拘束されていた元外交官らカナダ人の2人が解放されたと発表した。拘束は中国の「報復」とみられ、中国とカナダの関係悪化にもつながっていた。

ブリンケン米国務長官は24日、カナダ人2人の解放について「中国政府の決定を歓迎する国際社会に賛同する」との声明を発表した。

中国外務省の趙立堅副報道局長は25日、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で、孟氏の帰国を「お帰りなさい」と歓迎した。中国側にも今回の決定が米中の緊張緩和の糸口になることへの期待感があるとみられる。

25日夜、中国の深圳宝安国際空港に到着し、笑顔で手を振るファーウェイの孟晩舟氏=新華社・共同

孟氏の問題は米中間に長らく刺さったトゲだった。貿易戦争が激しくなるなか、ファーウェイ創業者の娘である孟氏が2018年12月にカナダで逮捕され、世界に衝撃を与えた。トランプ前政権はこれを機にファーウェイへの締め付けを一気に強めた。

司法省は19年1月、イランとの違法取引と米企業の秘密を盗み取った罪で孟氏とファーウェイを起訴した。商務省は同年5月に禁輸措置を発動。20年9月に制裁を強化し、半導体を調達しにくくなったファーウェイの経営は苦境に陥った。

バイデン大統領は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談実現を探っている。中国側が訴えてきた孟氏の解放を認めることで、秋波を送る形になる。

米国は南シナ海や台湾、新疆ウイグル自治区の人権問題で中国に厳しく臨む一方、10月末に開幕する第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に気候変動対策では協力を求める。バイデン氏は9月中旬の電話協議でも習氏との意思疎通を深めたい意向を明確にした。

ただ、バイデン政権はファーウェイ自体への強硬姿勢は崩していない。司法省は24日、同社の違法性については引き続き公判で争うと表明した。商務省は「安全保障上の脅威」と断じ、禁輸措置の拡大も検討する。

米国の最大の目的はハイテク技術を抱えるファーウェイを締め付けて、中国の軍事力向上を阻止することだ。孟氏の解放はバイデン政権にとって切りやすい交渉カードの1枚だった。ただ議会の対中強硬派から批判を浴びる可能性がある。

一方、中国は孟氏の解放だけでなく、ファーウェイなど中国企業への制裁解除を求めている。ファーウェイは24日、米国の輸出規制によって21年のスマートフォン事業が300億~400億ドル(約3兆3000億~4兆4000億円)の減収になるとの見通しを明らかにした。米国側は強力な交渉カードを温存したままだ。

中国外務省の華春瑩報道局長は25日にホームページで「中国国民への政治的迫害事件で、中国のハイテク企業の弾圧が目的だ。孟氏に対する『詐欺』の告発は完全なでっち上げだ」と改めて米側を批判した。中国国営の新華社は孟氏の解放は「中国政府のたゆまぬ努力」の結果と伝え、習指導部の成果としてアピールした。

バイデン政権内では対中政策を巡り、硬軟両論が浮上する。強硬派は中国への新たな制裁を視野に入れた圧力強化を検討する一方、穏健派は脱炭素で中国との連携を優先する。米中が水面下で出方を探り合う展開が続く。

【関連記事】

・対中経済政策、米政権内で硬軟両論 「301条」も浮上
・米商務次官候補「ファーウェイ制裁を継続」 上院公聴会 』

中国スマホに監視機能か

中国スマホに監視機能か
リトアニア、不買呼び掛け
https://nordot.app/814019161127108608?c=39546741839462401

『【ベルリン共同】バルト3国のリトアニアの国防省は24日までに、国内で流通する中国スマートフォン大手、小米科技(シャオミ)の製品に「自由チベット」や「台湾独立万歳」など中国政府が警戒する用語を検出、監視する機能が内蔵されていたと発表した。中国製携帯の不買と購入済み製品の廃棄を市民に呼び掛けている。英BBC放送などが伝えた。

 発表は21日付。スマホはシャオミの「Mi 10T 5G」で、リトアニアのサイバーセキュリティー当局による調査で分かったという。』

中国当局、海航集団トップを捜査か

中国当局、海航集団トップを捜査か 再建計画に影響も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24BLT0U1A920C2000000/

『【広州=比奈田悠佑】中国の複合企業、海航集団は24日、陳峰・董事長らが犯罪の疑いで公安当局の強制措置を受けたと発表した。陳氏らは当局に身柄を拘束されるなどした可能性がある。巨額の債務を抱える海航は会社更生計画の途上にあるが、公安の措置については「生産や経営に影響を与えることはない」としている。

創業メンバーで董事長である陳氏のほか、譚向東・最高経営責任者(CEO)が、海航が本拠地を置く海南省の公安当局の強制措置を受けたという。中国の一部のネットメディアは直近、海航の従業員が陳氏に関して「グループが経営難に陥っている際にも、会社の資金を家族や友人へあてがっていた」などと告発したと報じていた。

陳氏は1980年代、習近平(シー・ジンピン)国家主席の盟友、王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席に仕えたことがあり、親しいとされる。

経営が行き詰まり、地方政府の管理下で会社更生計画を策定している海航は傘下の航空会社、海南航空などが今月下旬に2回目の債権者集会を開く。新たな資金の出し手を探している最中で、再建スポンサーの選定についても債権者らと話し合うとみられる。

幹部内で生じた混乱は、再建スポンサー探しを後退させる可能性もある。』

対中経済政策、米政権内で硬軟両論 「301条」も浮上

対中経済政策、米政権内で硬軟両論 「301条」も浮上
産業界は「制裁関税撤廃を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21C3J0R20C21A9000000/

『【ワシントン=鳳山太成】中国に科す経済制裁の扱いを巡り、米政権内が揺れている。「通商法301条」に基づく新たな制裁関税の発動を視野に中国の産業補助金を調べる案が浮上。一方、気候変動対策で協力を得るため、強硬策を控えるべきだとの意見もある。産業界は制裁解除を求めており、バイデン大統領は慎重に判断する構えだ。

「強硬派と穏健派がそれぞれの提案を出している」。米政府関係者は政権内の現状をこう説明する。政権が発足した1月以降、対中政策を点検してきたが、まだ結論を出していない。

強硬派は圧力強化を主張する。新たな制裁発動に道を開く通商法301条に基づき、中国の補助金を調べる案が取り沙汰されている。トランプ前米政権は301条の調査で中国の知的財産権の侵害が不当だと認定し、2018年7月以降に制裁関税を課した。

米中ではトランプ前政権の20年2月、制裁緩和に向けた「第1段階の合意」が発効したが、補助金など構造問題は「第2段階」に先送りされていた。新たな制裁をちらつかせながら、中国を交渉の場に引き出し、不公正な貿易慣行の是正を迫る戦略だ。

一方、穏健派は圧力を強めれば、中国と温暖化対策で協調できなくなると主張する。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はバイデン氏との9月上旬の電話協議で、米国の対中政策が関係悪化を招いていると述べ、修正を求めた。

ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は22日、米テレビを通じ、数週間内に中国を訪れると明らかにした。10月末からの第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に、脱炭素で中国の協力を引き出す狙いだ。

制裁緩和を求める米産業界は態度を明らかにしないバイデン政権に不満を募らせる。主な米経済団体は8月、中国との貿易交渉再開と制裁関税の撤廃を求める書簡を政権側に送った。

中国で事業を展開する米企業で構成する米中ビジネス評議会のクレイグ・アレン会長は「(制裁)関税は米国の損害だ。中国の補助金問題は世界貿易機関(WTO)で対処すべきだ」と強調する。

仮にバイデン政権が制裁緩和に動けば、22年秋の中間選挙を前に野党・共和党から「弱腰」と批判されるのは必至だ。301条調査を進めれば「(実際には)制裁を科さなくても、表面上、強硬姿勢を示せる」と、米政府関係者は解説する。

米企業は、中国以外からは調達が難しい特定品目に限り制裁関税の適用を免除する制度の復活を求める。バイデン政権がこれを受け入れれば、産業界の負担を減らしながら弱腰批判を避けられるとの見方はある。

バイデン政権は、日本や欧州連合(EU)と協調して対中政策を判断すると繰り返してきた。トランプ前政権はWTOで日欧と、中国の補助金問題に取り組んだ。米国が単独行動をとれば、日米欧の足並みが乱れる可能性もある。

中国と台湾は9月、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を相次ぎ申請した。TPP復帰に慎重なバイデン政権はインド太平洋における通商の主導権争いで後れを取っている印象がある。対中で判断が遅れれば、同盟国が不信感を強めかねない。』

米、ネオジム磁石の輸入制限検討 中国依存のEV素材

米、ネオジム磁石の輸入制限検討 中国依存のEV素材
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN250A20V20C21A9000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米商務省は24日、電気自動車(EV)のモーターなどに使われるネオジム磁石の輸入制限を検討すると発表した。輸入の増加で国内産業が弱り、安全保障上の脅威になっていないか調べる。中国への依存を減らしてサプライチェーン(供給網)を強化する狙いだ。

「通商拡大法232条」に基づき、ネオジム磁石の輸入が安保上の脅威となっていないか2022年6月までに調べる。同法では、輸入制限が必要と判断した場合に追加関税を課せる権限を大統領に与えている。

ネオジム磁石はミサイル設備や戦闘機など軍事用品のほか、EVや風力発電のタービン、磁気共鳴画像装置(MRI)、パソコンの記憶装置などに幅広く使われる。世界で生産地が中国に偏っており、バイデン政権は供給網の安定性の観点から問題視してきた。

バイデン政権が232条に基づく調査を実施するのは初めて。トランプ前政権はこの法律を活用して、日本など世界各国から輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課したほか、自動車への関税発動を検討した。欧州連合(EU)などとの貿易摩擦に発展した。

レモンド商務長官は声明で「商務省は米国の安保、技術のリーダーシップを守るため、サプライチェーンの強化に取り組む」と述べた。』

圧力か対話か ドイツの対中政策の行方

圧力か対話か ドイツの対中政策の行方
欧州総局編集委員 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR240HL0U1A920C2000000/

『ドイツ連邦議会選(総選挙)が26日に行われ、4期16年の任期を終えてメルケル首相は退任する。次期政権の対中政策はどうなるのか。ドイツ政界における外交政策の論客への取材から考察してみる。

足元の各種世論調査では中道左派の社会民主党(SPD)が25%強の支持率で首位。僅差でメルケル首相の保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が追う。メルケル政権では連立を組むSPDと保守系による接戦だ。続く主要政党では緑の党が15%強、中道・自由民主党(FDP)と極右・ドイツのための選択肢(AfD)が10%強、共産系の左派党が約6%という展開だ。

ドイツの総選挙は政党の得票率に応じて議席配分が決まる比例代表制がベース。過半数の議席を得るには5割近い得票率が必要となる。足元の情勢では左派・中道連立の「SPD+緑+FDP」もしくは保守・中道連立の「CDU・CSU+緑+FDP」という組み合わせが有力だとされる。

連立交渉のカギを握る緑の党とFDPはいずれも人権重視を党の看板に掲げ、中国に批判的な議員が多い。

例えば緑の党の外交担当、ノウリポーア連邦議会議員は対中強硬派の国際ネットワーク「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」のメンバーだ。欧州連合(EU)の対中制裁を強力に後押しし、2022年開催の北京冬季五輪の外交ボイコットを訴える。取材に「中国と対話は続ける」と語ったものの、人権侵害には沈黙しないと何度も繰り返した。

FDPも中国に手厳しい。「近代的な独裁国家である中国への依存度を下げるべきだ」。同党の外交政策通、ラムスドルフ連邦議会議員(元欧州議会副議長)は取材に語ったことがある。

連立の組み替えで、これまで野党だった緑の党とFDPが与党入りすれば、強権国家により毅然とした姿勢で臨みそうだ。外交対話を探りつつ、非常にゆっくりとしたスピードで中国離れを進めていくことになると見られる。

ところが、そのシナリオが崩れかねない連立構想がある。SPDの党内左派が提唱する共産系の左派党との共闘だ。中道のFDPを外し、「SPD・緑の党・左派党」の左派連合で政権樹立を目指すべきだと党執行部に圧力をかけている。左派党は北大西洋条約機構(NATO)に懐疑的で、ロシアや中国など旧共産圏に郷愁を感じる党員も多い。

社会民主党の首相候補ショルツ氏(写真=ロイター)が党内左派を抑え込み、中道路線を歩めるかが焦点となる

SPDの首相候補ショルツ氏は党内右派の現実主義者。大きな政策変更は望んでいないが、党内左派に押し切られて左派党と組めば外交政策にも影響しかねない。NATO離脱などの激変はありえないが、強権国家には「制裁より対話」を意識したアプローチになるかもしれない。

そもそもSPDは冷戦時代、共産圏との融和を狙った「東方外交」を繰り広げたことがあり、その伝統が勢いを盛り返す可能性がある。

対中政策における論客のひとりが同党のシャーピング元党首だ。EUが対中制裁を発動すると同じSPDのガブリエル元副首相と連名で「破壊的な対立よりも協調の道を選ぶべきだ」と独紙に寄稿した。中国を孤立させるのではなく、対話で自由貿易の世界につなぎとめることが大切だと訴えたのだ。

シャーピング氏に取材すると「難しい関係であればあるほど、対話を続けなければならない」と強調した。制裁で脅すのではなく、むしろ「気候変動やテロ、大量破壊兵器(の削減)などのグローバルな課題」で中国と協力すべきだとも語った。

欧州議会が審議を凍結した中国との投資協定は「批准すべき」だという。中国寄りというよりドイツ企業の利益を代弁した発言のようにも聞こえる。ドイツ国内には中国との投資協定を求める声がそれなりにある。

結局のところ「SPD・緑の党・左派党」のなかでは緑の党の対中強硬色は薄まり、対中政策を巡る米国との温度差が際立つようになるのは間違いない。ドイツからすれば「全方位外交」のつもりでも、中国との対決姿勢を強める英米豪などからみれば「ドイツは弱腰」と映るかもしれない。

危ういのは民主主義陣営の亀裂が強権国家のチャンスになりかねないことだ。欧州の未来を左右するドイツの連立交渉から目が離せない。

【関連記事】「中国との投資協定批准を」ドイツ社民党元党首に聞く 』

「中国との投資協定批准を」ドイツ社民党元党首に聞く

「中国との投資協定批准を」ドイツ社民党元党首に聞く
欧州総局編集委員 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2409I0U1A920C2000000/

『ドイツ国防相や、全欧州の社民勢力のとりまとめ役などを歴任したドイツ社会民主党(SPD)のシャーピング元党首はドイツで対中関係の論客として知られる。欧州連合(EU)が中国の新疆ウイグル自治区における人権侵害を問題視し、対中制裁に踏み切ると、同じSPD出身のガブリエル元副首相と連名で「破壊的な対立よりも協調の道を選ぶべきだ」と独紙に寄稿した。人権を重んじる欧州で、なぜ中国配慮ともとれる発言をするのか。真意を聞いてみた。

――EUは中国を体制上のライバルと見なしていますが、あなたは対話にこだわります。SPDの伝統的な東方政策(共産圏融和策)の立場ですか。

「SPD出身のブラント首相(在任1969~74年)のデタント政策はドイツだけでなく、北大西洋条約機構(NATO)内でも激しい論争を巻き起こした。だが(共産圏との)平和的共存への扉を開き、欧州に平和をもたらし、最終的には欧州統合を可能にした。これは(ブラント氏の)東方政策と、(東西ドイツ統一を決断した)コール首相の断固とした判断のおかげだといえる」

「私と中国の接点は1980年代初頭にさかのぼる。飢餓の恐ろしさ、文化大革命の恐怖を知る人たちに会った。それから中産階級は着実に増えた。重要なのは鄧小平氏の改革開放路線で平均余命がほぼ倍に伸び、教育と医療制度が大きく改善されたことだ。これを尊重しなければ、法の支配、公正な競争、あるいは知的財産の保護など我々が解決したい問題について話し合うことができない」

――ドイツ政府はインド太平洋にフリゲート艦を派遣しました。明らかに中国への政治的警告です。

「そう思わない。平和構築を願う意志のシンボルだ。(欧州という)価値観共同体は対極をつくることで存在意義を示すものではない」

――オーストラリアがフランスとの契約を破棄し、英米と協力して原子力潜水艦を配備します。

「どのように安全保障上の利益を追求するか、誰をパートナーに選ぶのかはオーストラリアに決める権利がある。ただ契約済みのものが尊重されなかったことは憂慮すべきだ。これを教訓に欧州は外交・安全保障政策で統合を深めるのが望ましい」

――今後の対中政策のあるべき姿は。

「東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)で世界最大級の自由貿易圏が生まれる。ドイツおよび欧州はうまい戦略を描かないといけない。環境などを含めた共通ルールが世界経済には必要で、そのためにはパートナーがいる。だからこそ欧州議会は(審議を棚上げした)中国との投資協定を批准すべきだ」

「対中政策では自らの利益を明確に順序づけるべきだ。気候変動やテロ、大量破壊兵器(の削減)などのグローバルな課題で共通の答えを見つける必要がある。これは中国と一緒でしかできない」

――EUは中国を含めた強権国家に人権や法の支配を尊重するよう求めています。この路線に反対ということですか。

「優先順位を間違えてはならない。グローバルな課題、例えば気候変動ではアフリカや南米、そしてアジアと協力して効果的な改善策を見つける必要がある。(中国などと対立に動く)ドイツ、そして欧州は優先順位が曖昧で不完全だ。変わることを期待したい。あらゆる場所で人権と法の支配は守られるべきだ。だが対等な対話とは相手の視点を知り、尊重することでもある。そうでなければ会話が成り立たない」

――EUは人権侵害を理由に中国に制裁を科しました。

「誤った対応だ。難しい関係であればあるほど、対話を続けなければならない。時には明確で厳しい対応が必要だが、外交は(有権者におもねる)内向きの動機でなされてはいけない」

――主要7カ国(G7)で対中制裁に加わっていないのは日本だけです。しかしジャーナリストとして中国における報道の自由には問題があると言わざるを得ません。

「(欧米諸国と日本の)人権や法の支配などを巡る見解の違いはよく知られている。だが日本の方が、相手のメンツを傷つけない外交センスを持ち合わせているかもしれない。1990年代初頭に天皇が訪中した際、第2次世界大戦中の出来事について(直接的な表現を避け)極めて丁寧な言葉遣いをしたが、これは欧州にとって理解しがたいものだった。歴史的、政治的な問題は多面的だ」

――習近平(シー・ジンピン)体制で中国は強権化しました。もはや以前の中国とは違います。私は対話だけで歯止めになるとは思えません。

「少なくとも試してみることはできる。対話と競争、そしてリアリズムに基づいてだ。中国について語るとき、(欧米列強の侵略による)19世紀の屈辱や20世紀の日本の役割、つまり第2次世界大戦中の残虐行為を忘れてはならない」

――欧州はアフガニスタンで民主主義を定着させようとして失敗しました。軍事介入は誤りだったのでしょうか。あなたは介入開始時、国防相でした。

「駐留は間違いではなかった。(米国とイスラム主義組織タリバンが2020年に結んだ)ドーハ合意が決定的な誤りだった。当時のトランプ米大統領が見返りなしに具体的に(撤兵を)約束した。過去最悪の国際合意だ。アフガンでは長年にわたり戦乱が続き、氏族などが入り乱れ、汚職がはびこり、武器があふれ、麻薬(の原料)が栽培されている。法の支配と人権で進展があるには、現地の人たちが望むように長期の包括的な対策が必要だった」

――軍事作戦がこれほど長く続くと予想していましたか。

「20年以上かかると想定していた。民間復興と法の支配の確立が早く進むと思っていたが、残念ながら予想が外れた」

――バイデン米大統領が撤兵を撤回しなかったのが間違いでは。

「評価を避けたい。バイデン氏はトランプ氏のせいで深く分裂した国の大統領になった。彼は政策に優先順位をつけないといけない。それを考慮すれば(撤兵は)理解できる。これは欧州への警鐘だ。欧州はより強く、より包括的なグローバルプレーヤーになるべきだ」

――世界は分断され、強権的な国が増えています。民主主義陣営は、人権や報道の自由、民主主義、男女同権といった価値観をどう守るべきですか。

「(強権国家とは)協力、対話、競争が必要で、どうしても必要な場合には紛争に備える必要がある。対立や見解の相違も指摘できるようにしないといけない。ただ、これは軍事的な衝突を意味しない。非常に丁寧に、できれば外交的に、共通の利益を求めるべきだ。民主主義には絶え間ない闘いがあり、天から与えられるものではない。つねに民主主義の強化を図り、時には防衛することが必要になる」

(聞き手は欧州総局編集委員 赤川省吾)

Rudolf Scharping 社会民主党(SPD)の元党首で、独西部の州首相やシュレーダー前政権の国防相などを歴任した。現在はコンサルティング会社を立ち上げ、ドイツ企業の中国ビジネスを支援する。 』

中国、仮想通貨締め付け強化 資金流出の穴塞ぐ

中国、仮想通貨締め付け強化 資金流出の穴塞ぐ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24B690U1A920C2000000/

『中国が暗号資産(仮想通貨)への締め付けを一段と強めている。マネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺への対応などに加え、中国の中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元の準備を進めていることも一因にある。

【関連記事】
・中国人民銀行、仮想通貨を全面禁止 海外取引も違法に
・仮想通貨業者、韓国で淘汰 半数以上は停止か廃業

中国人民銀行(中央銀行)は24日、海外の取引所からインターネットを経由したサービスも含め、仮想通貨の決済や関連サービスを全面的に禁止すると発表した。刑事責任を追及するなど踏み込んだ内容だ。

かつてはビットコインの取引もマイニング(採掘)も8割以上が中国で行われているとされていた。仮想通貨の投資家の間では「中国コイン」と呼ばれることもあった。

変わり始めたのは2017年。国内の取引所の閉鎖などが始まり、18年には中国人民元建てのビットコイン売買は全体の1%にも満たなくなった。マイニング量は21年4月時点でまだ5割近くを中国が占めていたが、締め付けにより6月にはほぼなくなったとみられている。

中国の仮想通貨市場への影響力は小さくなっている。それでも規制を強化するのは資金流出への対応がある。新型コロナウイルスの感染拡大前、中国では資金流出が続き、金融当局が海外とやり取りする資本の規制を強めていた。仮想通貨は規制をかいくぐる抜け穴となっており、当局が監視を厳しくしてきた。

もうひとつの背景が中国で22年にも発行が正式に始まる予定のデジタル人民元。仮想通貨は当局の監視が届きにくい。仮想通貨との取引を通じて貨幣供給が不安定になるのを防ぐ。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「中国内は中央銀行が発行するデジタル通貨以外の仮想通貨は禁じる措置を進めており、その延長線上の動き」とみる。

CBDCの発行は各国が準備を進めており、米国では取引所への監視強化が強まる。国際的な規制強化の網がどの程度広がるかが焦点になる。

(金融工学エディター小河愛実)』

米、ファーウェイ副会長の中国帰国を容認

米、ファーウェイ副会長の中国帰国を容認 司法取引で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24CVW0U1A920C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】カナダで拘束された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡り、米司法省は24日、中国帰国を容認することで同氏と合意した。司法取引が成立し、即日釈放された。米中対立の懸案が1つ解消する。

孟氏は24日、米東部ニューヨーク州の裁判所にオンラインで出廷した。米司法省によると、同氏は米国の制裁対象であるイランとファーウェイの取引を続けるため、金融機関に誤った説明をしたことを認めた。同省は代わりに起訴を猶予し、米国への身柄引き渡し要請を取り下げる。同氏はカナダ西部バンクーバーで即日釈放された。

孟氏は2018年12月、米政府の要請に基づき、バンクーバーの空港で逮捕された。米司法省は19年1月、同氏とファーウェイを銀行詐欺罪などで起訴した。後に保釈され、米国に身柄を送還すべきか判断する審理がカナダの裁判所で続いていた。同氏は一貫して無罪を主張してきた。

ファーウェイは日本経済新聞の取材に「コメントできない」とした。

ファーウェイの創業者の娘である孟氏の身柄を巡って米中は対立してきた。トランプ前政権は米国法で同氏を裁くため、米国に身柄を送還するようカナダに求めた。

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は、孟氏を中国に帰国させるよう繰り返し要請してきた。中国は元外交官らカナダ人2人を拘束し、中国とカナダの外交問題にも発展した。

バイデン政権はファーウェイを安全保障上の脅威と断じ、トランプ前政権が課した禁輸措置を続ける構えをみせている。孟氏が中国へ帰国しても、ファーウェイを中心とした米中のハイテク摩擦は終わらない。

【関連記事】米中、駆け引き激しく ファーウェイ副会長を3年ぶり解放
この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』

中韓、自民新総裁との距離感見極め 中国は反中政策警戒

中韓、自民新総裁との距離感見極め 中国は反中政策警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM227SD0S1A920C2000000/

『【北京=羽田野主、ソウル=恩地洋介】29日投開票の自民党総裁選で、候補者の外交姿勢をとりわけ注視しているのが中国と韓国だ。中国は候補者が打ち出す対中政策が「反中」に傾いていると警戒する。韓国メディアにも日韓関係の改善を期待する論調は少なく、総裁選における安倍晋三前首相の影響力に注目が集まる。

「総裁選の候補者がこともあろうに中国カードを切り始めた」。中国共産党系メディアの環球時報は14日付の1面トップ記事で岸田文雄前政調会長の発言にかみついた。

動画投稿サイト「ユーチューブ」に出演した岸田氏が、中国によるウイグル族への人権侵害などに対処するため人権問題担当の首相補佐官を設ける考えを示したからだ。環球時報は「(中国への)人権カードを使って存在感を高めようとしている」と批判した。

中国はバイデン米政権と歩調を合わせ、中国に強硬姿勢をとる日本政府にいらだっている。岸田氏には「軽武装・経済重視の宏池会会長を務め、元外相として経験も豊富だ。注目している」(中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長)と期待する声があっただけに、失望が広がっている。

中国メディアは河野太郎規制改革相が慰安婦問題に関する1993年の「河野談話」について「これまで自民党政権が継承してきた歴史認識は受け継いでいきたい」と発言したことに注目した。環球時報は河野氏が「親中派」とレッテルを貼られて批判にさらされていると伝えた。保守派の支持を得ようと「カメレオン」のように態度を変える可能性にも触れている。

高市早苗前総務相は「保守派」の筆頭格として知られる。「首相になった高市氏が靖国神社に参拝すれば、中日関係は大きく後退する」(北京の大学教授)と警戒する声が出ている。

「靖国神社に対する中国の立場は一貫し、明確だ。日本の政治屋は中国を持ち出すのをやめるべきだ」。中国外務省の趙立堅副報道局長は14日の記者会見で、高市氏が首相就任後も靖国神社参拝を続ける考えを示していることに不快感を示した。

安倍政権下で長く外相を務めた河野、岸田両氏は韓国でも知名度は高いが、冷却した日韓関係に大きな変化はないとの見方が支配的だ。大手紙の朝鮮日報は、総裁選を分析する記事で「誰がなっても韓日関係は冷気流」との見出しを掲げた。

メディアに登場する日本専門家は、河野氏を「国民世論をよく見て動く政治家」と紹介している。外相だった2019年に元徴用工訴訟を巡って呼び出した駐日韓国大使に「無礼だ」と抗議するなど、韓国では政治的パフォーマンスにたけた人物との印象が強い。

他方、河野氏が康京和(カン・ギョンファ)前外相と良好な関係を築いたことも知られている。文在寅(ムン・ジェイン)政権の元高官は「国際感覚が優れている点で最も期待できる」と評価している。

岸田氏は慰安婦問題に関する15年の日韓合意当時に外相だった。朴槿恵(パク・クネ)政権の後の文政権では、合意に基づいて設立した元慰安婦を支援する財団を解散するなど合意は大きく形骸化した。

このため、ある放送局は「韓国が約束を守らなかったとの思いから、岸田氏は積極的な関係改善には動かない」とする日本専門家の岸田評を報じた。岸田氏が任期中の憲法改正に言及したことへの批判的な視線もある。

むしろ関心は安倍前首相の動向に注がれている。大手紙の中央日報は安倍氏が支える高市氏に「安倍前首相の本音を代弁する拡声器の役割を自任する」と警戒のまなざしを向けた。京郷新聞は総裁選の行方を「安倍氏の影響力が変数」と分析している。

過去に韓国紙のインタビューで日韓関係の重要性を語った野田聖子氏は「代表的な親韓派議員」(朝鮮日報)と見られている。

【関連記事】自民党総裁選、海外の目は 東京特派員に聞く 』

中国恒大、共産党が距離 習氏と異なる派閥と親密か

中国恒大、共産党が距離 習氏と異なる派閥と親密か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2330Z0T20C21A9000000/

『中国の不動産大手、中国恒大集団を巡り、習近平(シー・ジンピン)指導部で擁護論が鳴りを潜めている。借金頼みの放漫経営に批判があるうえ、恒大は胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席らを輩出した党の青年組織、共産主義青年団(共青団)と親密とされる。「1強」の習国家主席と距離があるのが一因との見方もある。

【関連記事】習近平氏は恒大を救済するか、危うい綱渡り
7月1日、北京市で開いた中国共産党100年の式典に参加し、天安門の楼上で記念撮影に興じる1人の男性がいた。恒大創業者でトップの許家印氏だ。党幹部しか近づけない厳戒態勢で天安門に登ったのは、党とのパイプを示すためだ。

中国では共産党が国有、民間を問わず企業の生殺与奪を決める。許氏が天安門に登ったことで市場では一時「恒大は難関をくぐり抜けた」との観測が浮上したが、実際には党内では擁護論は少なかったようだ。

運営するサッカークラブに高額年俸で外国人選手を引き抜いたり、本業と関連がうすい電気自動車に投資したりと経営の危うさは以前から指摘された。「虚業から実業へ」を掲げる習指導部にとっては遠ざけたい相手だ。

政治的な側面を指摘する声もある。許氏は共青団と親密な関係とみられてきた。2009年11月に恒大は急拡大のきっかけとなった香港証券取引所への上場を果たした。当時の党トップの胡錦濤氏は上場11カ月前、許氏と面会し貧しい学生を支援した功績をたたえた。

恒大が本社を構える広東省のトップも当時、共青団出身の汪洋(ワン・ヤン)広東省党委員会書記(現・全国政治協商会議主席)だった。上場には時の政権の中枢を占めた共青団の後押しがあったとみる向きは多い。胡錦濤氏も7月の党100年の式典に姿を見せ、健在ぶりをアピールした。

広東省は「共青団の地盤」といわれた。17年6月、広州で許氏は胡春華(フー・チュンホア)広東省党委員会書記(現・副首相)と会談し、貧困救済活動に4億元(約70億円)を寄付すると表明した。2年間で寄付総額は6億元にのぼった。

米誌フォーブスは17年に許氏を「中国一の富豪」に選んだ。広東省トップをへて胡春華氏は副首相に就き、いまも共青団のホープだ。許氏と共青団の親密さが浮かぶ。

12年に党トップの総書記に就いた習氏は組織力を誇る共青団を遠ざけてきた。党と政府の主要ポストから共青団出身者を外し、力をそいだ。広東省のトップも自らの側近の李希氏に交代した。いまや省幹部に共青団出身者はほぼいなくなった。

習氏が共青団出身の李克強(リー・クォーチャン)首相や汪氏、胡春華氏と溝があるとの見方は絶えない。とくに汪氏や胡氏は一時、習氏の後継者との観測もあった。共青団と近い恒大の危機は習氏にとって「対岸の火事」と映ったとしても不思議ではない。

9月中旬、恒大の経営危機がささやかれるなか、習氏は内陸の陝西省に視察に出かけた。マクロ経済運営の司令塔、劉鶴(リュウ・ハァ)副首相らを連れて北京を留守にしたことで「習指導部は恒大問題を静観する」との見方が広がった。

習氏は20年10月、恒大が本社を置く広東省深圳市を訪れ、経済特区の設立40年を記念する式典に参加した。式典にあわせ、特区40年にちなんで40人の「模範人物」が表彰されたが、許氏は外れた。

経済の危機では果断に動いてきた中国共産党。恒大問題でいまひとつ動きが鈍いのは、習氏と恒大の距離も背景にある可能性がある。党内の事情を知る有識者は「(共青団という)意に沿わない部下の地盤沈下には手を貸さない」と語る。

もっとも、海外投資家も注目する恒大の処理を誤れば、中国の金融システムへの不信すら招きかねない。18、19日には経済政策を担う韓正(ハン・ジョン)筆頭副首相を深圳に派遣し、広東省トップの李希氏らと地元を視察させた。習指導部が重い腰を上げようとしている可能性はある。

(北京=羽田野主)

【関連記事】
・恒大処理が占う「習経済」 危機回避と格差是正で苦悩
・中国、金融危機回避に一歩 恒大の前途なお多難 』

中国当局、恒大の破綻準備を指示 米紙報道

中国当局、恒大の破綻準備を指示 米紙報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB233ZW0T20C21A9000000/

『中国当局が不動産大手、中国恒大集団の経営破綻に備えるよう地方政府に指示していたことが23日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが電子版で関係者の話として報じた。恒大の破綻による社会への悪影響を最小限に抑えるための措置とみられる。

同紙によると、中国当局は地方政府に対し、会計士や法律家で構成する専門チームをつくり、各地で恒大が手掛ける事業の財務状況などを調査するほか、同社の不動産開発事業を引き継ぐ準備を進めるよう指示した。

中国恒大集団は23日の人民元建て債の利払いを表明した。ただ、過剰負債は不動産会社に共通する問題で、当局の救済措置などがなければ経済の重荷となる可能性がある。』

【寄稿】クジラ同士の戦いでエビはまたとばっちりを受けるのか

【寄稿】クジラ同士の戦いでエビはまたとばっちりを受けるのか
米中の包容時代は終わった

ホワイトハウス・国務省のアジア担当部局に中国専門家
香港・ウイグル・北朝鮮人権・貿易など
重要経済分野で中国に圧力、対立予想
(記事入力 : 2021/02/14 07:14)
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/10/2021021080191_3.html

 ※ 非常に良い分析だ…。

 ※ 米中対立の構造を解析しようとする場合の、鋭い視点を提示している…。

 ※ 「潜在的モデル」と言っているが、むしろ、「層構造」と捉える方がいいだろう…。

 ※ 米中は、そういう「層構造」の中で、対立したり協調したりして行く…。

 ※ そうして、「周辺国」は巻き込まれ、「対応」「立ち位置」を決定して行くことを迫られることになる…。

『韓国には「クジラの喧嘩にエビの背中が裂ける」ということわざがある。このことわざは韓国が米国、中国の競争を懸念する際によく使われる。中国と米国が衝突すると、韓国もとばっちりで不利な状況に置かれることを指した表現だ。トランプ政権でもそうだった。南シナ海での航行の自由、香港の民主主義と人権、5Gネットワークからの華為(ファーウェイ)外し、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題などで韓国は選択を強要された。

 バイデン大統領はまだ確定的な政策を発表していないが、それでもいくつか確実な部分がある。まず、米国が中国を「責任ある利害関係者(responsible stakeholder)」として扱った時代は終わった。オバマ政権でアジア担当補佐官だったカート・キャンベル、エリー・ラトナーの両氏は中国を「包容対象」から「戦略的ライバル」へと転換した最初の人物たちだった。彼らは中国が自由貿易秩序を利用するばかりで、政治的に開放することも、国際システムに実質的に寄与することもなかったことから、包容政策は失敗に終わったと宣言した。

 第二に、トランプ前大統領とは異なり、バイデン大統領の外交・安全保障チームは中国を相手にした経験が豊富だ。ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官に就任したカート・キャンベル氏はオバマ政権で「アジアへの中心軸の移動(Pivot to Asia)」政策を立案した人物だ。NSCのアジア担当部局には中国の専門知識を備えた外交官エドガー・ケーガン氏、国務省とNSCで中国を担当した経歴を持つローラ・ローゼンバーガー氏がいる。国務省のアジア担当部局はベテランの中国専門家であるダニエル・クリテンブリンク駐ベトナム大使が率いるといううわさだ。』

第三に、それでもトランプ政権当時のように鋭く刃を立てることはできないとみられることだ。政策が柔軟化するという意味ではない。政策は依然として競争的でも外交的なレトリックはこれまでより侮辱的、敵対的ではなくなるという意味だ。

 バイデン大統領の中国政策について、4つの潜在的モデルを予測することが可能だ。ある1つのモデルにばかり従うことはないだろう。むしろ当面する問題によって、異なる人物が異なるモデルで引き続き緊張と綱引きの状況をつくり出すだろう。

 このうち、1つのモデルが「戦略的権力競争」だ。すなわち、米国と中国による物理的な力の競争だ。このモデルでは両国政府を率いる人物がバイデン大統領と習近平国家主席であることは特に重要ではない。2つの大国はシステム内で地位のために幅広く競争せざるを得ない。こうした戦略的競争関係は領土、世界的なルールと規範、国際間での政治的権威という国際システムの3つの側面で米ソ冷戦と同様の様相になるだろう。

 2つ目の衝突は貿易のいくつかの分野で展開されている激しい競争だ。例えば、新型コロナウイルスの大流行で医薬品とハイテク分野の脆弱性が浮き彫りとなったが、これら分野のサプライチェーン復元が重要な競争領域になる可能性がある。人工知能(AI)、宇宙開発、次世代の無線通信、モノのインターネット(IoT)など4つの産業革命分野も重要なフィールドだ。中国の技術に対する依存度を軽減している分野でもある。韓国は既に5Gネットワークから中国・華為の設備を排除するよう求める米国の要求でこの問題をある程度経験している。』

『米中の競争関係で3つ目のモデルは価値観と民主主義が焦点だ。トランプ政権は両国関係で民主的価値と人権増進に関心を払わなかったが、バイデン政権は異なるだろう。香港、ウイグル、北朝鮮などどこについても米国が中国を追及し、伝統的な人権議題に回帰するとみられる。

 4つ目のモデルは世界が共に直面した「世界的脅威」に関するものだ。これまで述べた3つのモデルは競争と関係あるが、4つ目は協力志向的だ。最も確かな例は世界のあらゆる指導者がウイルスを抑制し、ワクチン接種を早めるために努力しているコロナ問題だ。このカテゴリーでバイデン政権が最も強調するであろう問題は気候変動だ。バイデン大統領は気候政策があらゆる政策で普遍的な要素になることを明確にした。気候専門家のブライアン・ディーズ氏を国家経済会議(NEC)委員長に任命し、コロナ後の「グリーン経済回復計画」を立案していることからも確認できる。外交面でもジョン・ケリー元国務長官を気候変動対策の大統領特使に任命した。ケリー氏の任命は環境だけでなく、安全保障、経済、政治などNSCが下す決定が気候変動の面で天びんにかけられることを意味する。米中関係の3つのモデルは持続的な競争を起こす可能性が高いが、気候問題が米中関係にどんな影響を与えるかはまだはっきりしない。ケリー氏は中国と協力的な対話を推進し、2060年までにカーボンニュートラルを達成するという中国の約束を激励し、努力するはずだ。気候問題は過去2つの政権よりも重要な変数になるだろうが、他の3つの競争モデルを相殺するほど十分な協力的刺激を与えるかどうかは確かではない。

ビクター・チャ=米戦略国際問題研究所(CSIS)韓国専門家 』

米国国務部トップ2、東ア・太平洋次官補も「対北強硬論者」=韓国報道

米国国務部トップ2、東ア・太平洋次官補も「対北強硬論者」=韓国報道
(2021/03/30 09:14)
https://www.wowkorea.jp/news/korea/2021/0330/10293496.html

『最近国務省の東アジア・太平洋次官補に抜擢された ダニエル・クリテンブリンク駐ベトナム大使が、中国だけでなく、北朝鮮についても強硬な立場をとるとみられ、韓国政府が期待する「朝鮮半島の平和プロセス」に力を添えることができるか注目される。

クリテンブリンク大使が引き受ける次官補は、国務省で韓国と日本、中国など、朝鮮半島周辺国を担当する最高位である。米国務省はブリンケン国務長官、シャーマン国務省副長官、クリテンブリンク次官補まで全員が「対北朝鮮強硬派」となった。

クリテンブリンク大使は1994年から外交官の業務を開始した。オバマ政権において2015年から2017年までホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)アジア太平洋担当上級部長を務めた。2017年10月ドナルド・トランプ政権時はベトナム大使に抜擢されるまで、北朝鮮問題に対する諮問役を務めた。

当時、大統領府国家安保室第1次長でありクリテンブリンク次官補と会ったことがある韓国のジョ・テヨン国民の力議員は「ニュース1」との通話で、 「完全な非核化原則に忠実な正統管理という印象を受けた」と述べた。

クリテンブリンクがホワイトハウスにいた当時、北朝鮮が4・5・6回目の核実験を強行しても北朝鮮の核・ミサイル問題について「戦略的忍耐」で一貫していたオバマ大統領だけでなく、トランプ大統領と一緒に高強度対北朝鮮制裁など、北朝鮮の核圧迫も議論していたことが分かった。

今月25日、北朝鮮が日本海上に弾道ミサイル2発を発射し、バイデン大統領がこれを国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に違反するとしながら、国際舞台で責任を問うことを明らかにしたという点でも、このような姿勢を垣間見ることができるという評価だ。

一方、クリテンブリンク次官補は「中国通」としても評価されている。中国語と日本語に堪能な彼は駐北京米国大使館に約7年間滞在し、日本でも東京と札幌などで5年間勤務した。

バイデン政権の外交政策の最優先基調が対中国牽制政策に合わせており、この基調に沿う人事だという評価も出ている。

2021/03/30 08:36配信 Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 88最終更新:2021/03/30 09:14』

米上院、クリテンブリンク国務次官補を承認 日中韓担当

米上院、クリテンブリンク国務次官補を承認 日中韓担当
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240MR0U1A920C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米議会上院は23日、バイデン大統領が東アジア・太平洋担当の国務次官補に指名したダニエル・クリテンブリンク氏を賛成多数で承認した。日本や中国、韓国をめぐる外交実務を仕切り、バイデン政権の対アジア政策の要となる。

ブリンケン国務長官は23日、クリテンブリンク氏について「地域を深く知る経験豊かなリーダーであり、外交官だ」とツイッターに書き込み、承認を歓迎した。

クリテンブリンク氏は米国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長や在中国米大使館の首席公使を歴任し、2017年に駐ベトナム大使に就いた。東京の米大使館で勤務した経験もあり知日派とされる。日本語と中国語を流ちょうに話す。』