ゼロコロナ「経済的で有効」 習氏、武漢を視察―中国

ゼロコロナ「経済的で有効」 習氏、武漢を視察―中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062901010&g=int

『【北京時事】中国国営新華社通信は29日、習近平国家主席が28日、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市を視察したと伝えた。習氏は、感染を厳格に抑え込む「ゼロコロナ」政策について、総合的に見れば「最も経済的かつ効果的だ」と主張し、堅持する方針を重ねて示した。

ゼロコロナ「あと5年」に騒然 市トップ発言めぐり混乱―北京

 習氏は、中国は人口大国であり、集団免疫などの政策を取れば「結果は想像できない」と指摘。一時的に経済発展に影響を与えても、大衆の命と健康への損害を回避できるとして、ゼロコロナ政策の正当性を強調した。』

G7首脳声明に反発 中国

G7首脳声明に反発 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062901067&g=int

『北京時事】中国外務省の趙立堅副報道局長は29日の記者会見で、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明で東・南シナ海や台湾問題が明記されたことに関し、「内政に乱暴に干渉して中国の顔に泥を塗り、対抗感情をあおっている」と反発した。

 趙氏は、国際社会が新型コロナウイルス対応と経済回復の重要な時期にある中で「G7は団結と協力に力を入れるどころか、分裂と対抗をつくり出すことに熱中している」と批判。「いかなる形の攻撃や内政干渉もやめるべきだ」と主張した。 』

米制裁に「断固反対」 中国

米制裁に「断固反対」 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062901075&g=int

『【北京時事】中国外務省の趙立堅副報道局長は29日の記者会見で、ロシアの軍事行動を支援したとして、米政府が中国企業5社に対し、米製品や技術の輸出を事実上禁止する制裁措置を取ったことについて、「断固として反対だ。既に米側へ厳重に申し入れた」と反発した。』

世界の7割「中国好ましくない」 人権問題に懸念―米調査

世界の7割「中国好ましくない」 人権問題に懸念―米調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022063000067&g=int

『【ワシントン時事】米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターは29日、欧米や日本、東南アジアなど世界19カ国の68%(中央値)の人が中国の印象を「好ましくない」と回答したとする調査結果を発表した。同センターは「(中国への否定的な見方が)多くの国で最高レベルを維持、もしくは増加している」と分析。対中感情が悪化傾向にあることが示された。

中国で対日好感度大幅低下 コロナで観光客減影響か―新聞通信調査会

 米国での調査期間は3月21~27日で、計3581人の成人を対象にオンラインで行われた。残りの18カ国(調査期間2月14日~6月3日)では、計2万944人の成人を対象に電話などで実施された。

 その結果によると、中国で最も懸念する深刻な問題として、79%(中央値)の人が新疆ウイグル自治区での弾圧などに象徴される「人権状況」を挙げた。「軍事力」を選択した人は72%(同)だった。また、中国の習近平国家主席に対して76%(同)が「信頼していない」と答えた。 』

中国、「50万円EV」の販売急減速 主戦場は中価格帯に

中国、「50万円EV」の販売急減速 主戦場は中価格帯に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM276Y30X20C22A6000000/

『【広州=川上尚志】日本円で約50万円という格安な電気自動車(EV)のブームが中国でしぼみつつある。火付け役の「宏光MINI EV」の販売台数は5月まで2カ月連続で前年同月実績を割り込んだ。原材料高などに伴う値上げや、同車種の人気をみて参入した他社との競争激化で市場が飽和した。各社とも原材料の高騰などで利幅の維持が難しくなっており、主戦場を中価格帯にシフトしつつある。

中国で格安EV人気に火が付いたのは、2020年7月に上汽通用五菱汽車が宏光MINI EVを発売したのがきっかけだ。街乗りに十分な120キロメートルの航続距離を確保しつつコストを切り詰め、2万8800元(当時の為替レートで50万円弱)からという異例の安さが話題を呼び、主に地方都市で急速に販売を伸ばした。

【関連記事】

・中国の「50万円EV」を分解 機能割り切り格安を実現
・中国製50万円EV、テスラ上回る人気と安さの秘密

宏光MINI EVは米テスラの「モデル3」などを抑え、EV中心の新エネルギー車の車種別販売で22年5月まで「20カ月連続首位」(五菱)とうたうが、販売は足元で陰りが出てきた。中国の乗用車の業界団体、乗用車市場信息聯席会の統計によると、同車種の4月の販売台数は前年同月比6%減の約2万5000台で、発売以来初めて前年実績を下回った。5月も2%減った。

上海市のロックダウン(都市封鎖)が影響した可能性もあるが、4、5月ともに新エネ車全体の販売台数は前年を上回っており、それだけが要因と言い切れない。理由の一つは値上げによる消費者離れだ。宏光MINI EVは3月に平均1割強の値上げを実施した。最低価格は3万2800元となり、割安感が薄れた。

下位機種ではエアコンをオプション装備とし、半導体は家電向けを転用するなどして低価格を実現した側面がある。車業界アナリストの張翔氏は「機能の向上が遅れている面もあり、競合車種に一部消費者が流れている」と指摘する。

もう一つは市場の飽和だ。中国調査会社のGGIIによると、格安EVが中心の「A00クラス」と呼ばれる小型の新エネ車の販売台数は1~5月に前年同期比5割増の約39万台だったが、新エネ車全体に占める比率は8ポイント減の25%になった。前年実績を上回っているものの「今後の成長は減速する」(GGII)という。

もともと格安EVの利幅は薄く、五菱の21年12月期の売上高純利益率は1%強にとどまる。同じ上海汽車集団の傘下である上汽フォルクスワーゲン(VW)の6%などに比べ見劣りする。それでも宏光MINI EVの好調を受け、奇瑞汽車の「QQ冰淇淋」や重慶長安汽車の「奔奔E-Star」といった格安EVの競合車種の販売も伸びた。

【関連記事】中国勢が新エネ車で急伸 国内販売、上海汽車は7倍

市場の活性化に加え、これらの競合があてにしたのは、中国政府が自動車メーカーに対し新エネ車の製造・販売を義務付ける「クレジット制度」だ。目標未達の企業はマイナスのクレジットが付与され、基準を超えた企業からクレジットを購入して相殺する必要がある。こうしたクレジットを売却することで利益を得られるため、各社は利幅の薄い格安EVを手掛けるメリットがあった。

ただ各社が一斉に新エネ車の製造・販売を進めたことで需給が緩み、クレジットの1ポイント当たりの取引価格は下落傾向だ。中国メディアによると21年の価格は平均2088元だった。複数の証券会社の試算では、22年に1000元前後まで下がるという。

このため、メーカー側は安価なEVから距離を置き始めている。クレジットの利益減少に加え、22年に入ってからは原料高も加速し、格安EVを手掛ける利点は一段と縮小している。中国メディアによると、長城汽車のEVブランド「欧拉」の董玉東・最高経営責任者(CEO)は2月、自社のアプリ上で、約7万元からの価格で販売していたEV「欧拉・黒猫」などの受注を停止すると通知した。「黒猫1台の赤字は1万元を超える」との理由だ。

企業のEVの競争軸は格安帯からより高い価格帯にシフトしつつある。4月に入り、QQ冰淇淋や奔奔E-Starも3万元前後の最安モデルの受注を停止した。欧拉は黒猫などの受注を止めた後は14万元超の「好猫」などに注力することを決めた。

五菱も宏光MINI EVの後継で、より高価格の初のグローバル車種「五菱Air ev」の投入を計画する。インドネシアで工場を建設中で、中国のほか東南アジアやアフリカ、欧州や日本での販売も視野に入れる。

ただ、10万~30万元の中価格帯にも比亜迪(BYD)や外資メーカーなど競合がひしめき、価格帯が上がれば安全性や品質に対する消費者の要求は厳しくなる。これまでの格安EVの製造ノウハウが生かせるかが課題となる。
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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別の視点

半導体の調達力が高い新興EVメーカーの販売が増えている。

中国では車載半導体の国内生産が増えている。ファウンドリの中国SMICが前工程を担うかたちで、投資資金を掻き集めた新興企業含む地場半導体メーカーが海外から半導体製造装置を大量に買いだめし、生産能力を拡大させているため。

これらチップメーカーの主要顧客は中国新興EVメーカー。価格帯が上のモデルを展開するメーカーが廉価EVメーカーよりも半導体を調達しやすいので、EVの価格帯が上がっている。

足元では欧州向け中国製EVの輸出が急拡大しており、国内小売台数(内需)と輸出を含む工場出荷基準の汽車工業会の販売統計(生産)に乖離が出始めていることに要注意。

2022年6月29日 13:44 』

中国の対外債務6年ぶり減少 3月末、景気悪化懸念で

中国の対外債務6年ぶり減少 3月末、景気悪化懸念で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271QB0X20C22A6000000/

『【北京=川手伊織】中国の政府や商業銀行が3月末、海外からの債務を減らしていたことが分かった。ドル建てで2021年12月末を1.3%下回り、6年ぶりに減少した。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で景気悪化の懸念が強まり、海外投資家が中国の国債などを売り越した。ロシアのウクライナ侵攻に伴う貿易の停滞も響いた。

中国国家外貨管理局が四半期ごとに対外債務の動向を示す「全口径外債」をまとめている。24日に発表した3月末のデータによると、対外債務の残高は2兆7102億ドル(約368兆円)だった。

内訳をみると、広義の政府部門が0.4%減り、5年ぶりのマイナスとなった。海外投資家が中国国債などの売却を進めたためだ。景気悪化への懸念のほか、米利上げ観測をうけ、米中の金利差が縮まった影響も大きい。

中国の商業銀行の対外債務も2.6%減った。大和総研の斎藤尚登主席研究員は「ウクライナ問題の台湾有事への連想などから、海外の金融機関が中国との取引を控えたことが影響している」と分析する。

輸入の停滞も対外債務が落ち込んだ一因だ。中国企業が商品を輸入してから代金を払うまで一時的に生じる買掛債務を、対外債務として計上するためだ。

短期の買掛債務は4.9%減った。新型コロナが初めて中国経済に打撃を与えた20年3月末(10.3%減)以来の減少率を記録した。

3月中旬に広東省深圳市がロックダウン(都市封鎖)に踏み切り、航空運輸など貿易物流が打撃を受けた。3月の輸入額は前年同月比でほぼ横ばいにとどまった。

中国では3月末に上海市もロックダウンに追い込まれ、4月に景気が大きく悪化した。同市は6月1日にロックダウンを解除し、中国経済も足元では正常化に向けて動き出している。

中央銀行関係者は「海外投資家の債券売り越しは5月にほぼ止まり、6月は買い越しに転じたとみられる。海外機関投資家も分散投資の観点から中国の債券を一定程度、組み入れざるを得なくなっている」と語る。』

[FT]中国はザンビアの債務再編に応じるか

[FT]中国はザンビアの債務再編に応じるか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB296LT0Z20C22A6000000/

『アフリカ南部ザンビアのヒチレマ大統領は、2021年の大統領選で当選してから数カ月のうちに、国際通貨基金(IMF)から14億ドル(約1900億円)の金融支援を引き出すことに成功した。だが、債務に苦しむ同国の全債権者、とりわけ中国と合意にこぎ着けるのは、はるかに長い時間がかかりそうだ。

中国人民銀行は不良債権処理を強いられるなどの再編手法を受け入れる余地があるという=ロイター

中国は現在、低所得国向けの2国間融資で最大の貸し手となっている。ザンビアが直面する苦境は、中国がデフォルト(債務不履行)に陥った国の債務再編に率先して取り組むかどうかを測る試金石となる。中国はこれまで、借り手とは秘密裏に1対1で交渉している。
スリランカがデフォルトに陥り、パキスタンがその寸前に至るなど、経済への圧力が高まっているいま、中国に多額の債務がある国は、ザンビアの債務問題の進展に目を光らせている。中国以外の債権者もまたしかりだ。ザンビアの危機はまた、利害の異なるさまざまな中国の政府機関が融資し、それが債務再編に向けた取り組みを必要以上に複雑にしていることも浮き彫りにしている。

パリクラブに加盟していない中国

世界銀行のマルパス総裁は、フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで「途上国の債務の割合は、過去10年間で中国および民間部門へと劇的にシフトしている」と語った。「中国は(ザンビアの他の債権者とかかわることが)国際社会と協調する上で重要だと認識している。中国が債務再編における自国の役割を認識しているという点で、これは重要な一歩だ」

ザンビアは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下でデフォルトに陥った最初の国となり、20年は170億ドル相当の対外債務の返済が滞った。IMFとの金融支援交渉に臨んだ結果、同国は経済成長と開発を再び促進できるよう、債権者と協議して迅速に行動する必要に迫られている。

IMFは資金支援の条件として、他の公的債権者(最大の債権者は推計60億ドルを融資した中国)から債務救済に合意するという「確約」を得るよう求めている。中国がどのような条件で融資しているのか、今後どう対応するのかはほとんど分かっていない。

中国は、欧米諸国が供与した融資の再編を目的に発足したパリクラブ(主要債権国会議)のメンバーではなく、IMFが財政難の債務国に課す緊縮措置に懸念を表明してきた。中国では、政策銀行から商業銀行までさまざまな機関が融資し、それぞれ優先事項は異なる。米ジョンズ・ホプキンス大学中国アフリカ研究所(CARI)のデボラ・ブローティガム所長によると、中国の権威主義はここでは「一本化」されておらず、むしろ「断片化」していると理解することが重要だという。

ザンビアの場合、貸し手には中国国家国際発展協力署のほか、中国輸出入銀行や中国国家開発銀行が率いるグループが含まれる。CARIによれば、融資の条件は異なるという。

ザンビアの債務整理は長期戦になる公算が大きいが、これはソブリン債(国債や政府機関債など)のデフォルトに世界がうまく対応できていないことも物語っている。世界銀行は、ソブリン債のデフォルトが近いうちに1980年代の水準まで急増する可能性があると警鐘を鳴らしている。

債務減免したがらない中国の貸し手

ザンビアに助言する仏系投資銀行ラザードは6月、主要20カ国・地域(G20)が迅速な債務再編を実現するためにパンデミック下で設けた共通の枠組みは曖昧すぎると指摘した。調整に関する指針が欠如しているため「(民間であれ公的であれ)債権者だけでなく、債務国にも多くの不満が生じる」という。

中国のかたくなな姿勢をたびたび批判してきたマルパス氏は、枠組みの見直しを呼びかけている。債務再編にあたっては、民間債権者が後から既成事実を一方的に提示されるのではなく、公的債権者と一緒に交渉に臨むべきだという。

だが、1兆ドル規模にのぼる広域経済圏構想「一帯一路」を背景に、中国は今世紀に入って最も重要な2国間融資の貸し手となっており、同国政府の同意なくして改革は実現しそうにない。

英資産運用大手Abrdn(旧スタンダード・ライフ・アバディーン)で新興国債券の投資責任者を務め、ザンビアの債権者を代表する委員会のメンバーでもあるケビン・デーリー氏は「中国には、共通の枠組みの推進を遅らせたり、場合によっては阻止したりする影響力がある」と話す。「枠組みの成否はザンビアにかかっているといっても過言ではない」

中国の貸し手は、他の民間債権者とは異なるアプローチをとっている。返済に苦しむ債務者に対し、返済期限の延長や支払い猶予を認めることはいとわないが、国内の政治的反発を恐れ、債務の減額を受け入れることには消極的だと観測筋はいう。この姿勢は債券保有者などの民間債権者とは相いれない。

中国は、新たな解決策を見いだすよう求める圧力にさらされていることを認識している。ある政府顧問は「融資の延長や(主に無利子融資の)債務救済を中心とする既存の方法は、続けるのがますます難しくなっている」と明かす。

ただ、中国財政省と中国人民銀行(中央銀行)は、解決策を巡って意見が対立している。「財政省は一般的に、譲歩すれば財政負担が膨らむため、慎重姿勢に徹している。同省は国家開発銀行や輸出入銀行といった政策銀行の筆頭株主であるため、無利子融資や低利融資の再編に伴う損失を負担することになるからだ」と政府顧問は語った。

また「それと対照的に、人民銀行の規制を受けている中国工商銀行(ICBC)などの商業銀行、ひいては人民銀自体も、損失の早期穴埋めにつながるが、貸し手側が不良債権処理を強いられる可能性のあるさまざまな再編手法を受け入れる余地がある」とし、各行は協調して損失を最小限に抑えることに前向きだと付け加えた。
実行に移すかどうかに注目

注意を促す声もある。米ブルッキングス研究所のダグラス・レディカー上級研究員は「中国が歩み寄るということかといえば、決してそうではない」とし、「中国の協力的な一面が、別の事例でも発揮されるというのは甘い考え」だと強調した。

ヒチレマ大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が最近実施した電話会談が突破口となり、6月にはパリで中国が共同主導する協議が実現した。フランスの当局者は、協議はうまく運び、今後も話し合いは続けられると述べた。仏財務省国庫局長で、パリクラブの議長を務めるエマニュエル・ムーラン氏は「中国は約束をした」とし、「今後は実行に移す必要がある」と語った。

ザンビアの当局者は、そうしたかすかな希望を胸に、債務交渉で合意にこぎ着けられると楽観視している。ザンビア政府のある高官は「中国がようやく乗り気になり、IMFの迅速な対応の必要性を声高に主張しているという事実を考慮すると、いまこそもう少し忍耐強く事を進めるべきときだ」との考えを示した。

By Jonathan Wheatley, Joseph Cotteril and Sun Yu

(2022年6月28日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

NATOの防衛範囲拡大 米の対中シフトの重荷に

NATOの防衛範囲拡大 米の対中シフトの重荷に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2951I0Z20C22A6000000/

『【マドリード=坂口幸裕】北欧2カ国の北大西洋条約機構(NATO)への加盟が実現する見通しになり、NATOの防衛範囲が大幅に広がる。最大の兵力を拠出する米軍の「対中国シフト」にとって重荷になる可能性がある。

バイデン米大統領は28日の声明で、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟について「NATOの集団安全保障を強化し、同盟全体にも利益をもたらすだろう」と指摘。「我々の同盟はこれまで以上に強く団結している」と記した。

北大西洋条約の第5条はNATO加盟国が武力攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃とみなして反撃する集団安全保障の原則だ。加盟国への攻撃をためらわせる狙いがある。一方、北欧2カ国の加盟に伴うNATO拡大により防衛対象も広がり、各国の軍事負担は増す。

ロシアとの国境が約1300キロメートルに及ぶフィンランドの加盟で、NATOが接するロシアとの境界線は2倍に伸びる。NATOのストルテンベルグ事務総長は有事の際に派遣する多国籍の即応部隊を現在の4万人から30万人以上に増やす意向を示す。米軍の割り当てが増えるのは確実だ。

冷戦終結以降、欧州の米軍は減少傾向にあった。米国防総省によると、地域最大拠点のドイツの駐留米軍は2008年の3万9千人から21年9月には3万5千人に減らした。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに欧州での米軍縮小は難しくなり、全体では侵攻前より2万人以上増やし、10万人規模にした。当面は欧州にとどまる公算が大きい。

ロシアの侵攻は米軍が21年8月にアフガニスタンから撤収し、テロとの戦いから中国との競争に重心を移すさなかに起きた。米国防総省はロシアによるウクライナ侵攻後の3月に発表した国家防衛戦略(NDS)の概要で、脅威が高まる中国への対処を最優先事項に位置づけた。

バイデン政権は中国を「最も重要な戦略的競争相手」と位置づけ、インド太平洋地域での抑止力の維持・強化を加速すると打ち出した。優先順位として中国の次にロシアへの対応をあげた。

現在の在日米軍は5万6千人ほどの規模だ。中国をにらんで08年から3割以上増えた。2023会計年度(22年10月~23年9月)の国防予算ではインド太平洋地域での米軍の能力向上に使う基金「太平洋抑止イニシアチブ」の要求額を22年度より2割ほど積み増した。

米軍のインド太平洋戦略に狂いが生じれば台湾海峡や東・南シナ海の安定のための抑止力が揺らぐ事態につながるリスクもある。それは日本の安全保障にも影を落としかねない。
米カーネギー国際平和財団のクリストファー・チビス上級研究員は「ただ単にロシアを罰するためにNATOを拡大するのは良い考えとは言えない」と話す。米軍の欧州防衛への関与が強まれば、中国対抗に向けたインド太平洋へのシフトが遅れたり、アジアに十分な戦力を割けなかったりすることを懸念する。』

対中国認識、NATOで温度差 「脅威」か「挑戦」か

対中国認識、NATOで温度差 「脅威」か「挑戦」か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29DTE0Z20C22A6000000/

『【マドリード=坂口幸裕、白石透冴】北大西洋条約機構(NATO)は29日に発表した今後10年の指針となる「戦略概念」で、初めて言及した中国について「体制上の挑戦」を突きつけていると警戒感をあらわにした。一方で「直接の脅威」と位置づけたロシアに比べ表現を抑え、インド太平洋地域での覇権主義的な行動に懸念を強める日米との温度差もにじんだ。

「脅威」か「挑戦」か――。米紙ニューヨーク・タイムズによると、NATO内では中国を「脅威」とみなすべきだとの声があった。しかし、フランスやドイツは慎重だった。地理的に欧州と近いロシアとは異なり、経済的なつながりもある中国とは決定的な対立を避けたいとの思いがあるとみられる。

NATO首脳会議に先立ち、フランス大統領府関係者は記者団に「NATOは欧州・大西洋の安全保障の問題に集中すべきだ」と予防線を張った。中国を「最も重大な競争相手」とみなす米国とは一線を画したい欧州内の空気を映す。

戦略概念では中国について「航行の自由を含むルールに基づく国際秩序を守るために立ち上がる」と記した。NATO軍としてインド太平洋地域に艦艇を派遣する計画はないとみられるが、英国やフランス、ドイツなど欧州の個別の国が同地域で日米との安保交流を深めている。

現時点では30カ国が加盟するNATOが一枚岩になるほど欧州で中国の脅威が高まっているとは言いがたい。戦略概念では「中国が欧州・大西洋の安全保障にもたらす課題に対処し、同盟国の防衛と安全を保証するため責任を持って一致協力していく」と明記するにとどめた。

民主主義国家を敵視する中国とロシアの共闘にも触れた。「ルールに基づく国際秩序を破壊する両国の試みは我々の価値と利益に逆行する」と断じた。

NATO首脳会議では29日、軍事力や経済力を通じて覇権主義的な行動をとる中国の行動に対処する能力構築を議論したもようだ。

米国のジュリアン・スミスNATO大使は中国が提唱する広域経済圏「一帯一路」やインフラ投資によって「同盟国の安全保障環境に変化をもたらしており、課題に対処したり強靱(きょうじん)さを構築したりする手段を考えなければならない」と話す。

地理的に遠い欧州は中国との経済関係を重視して対立を招く発言は控えがちだったが、最近は批判的な姿勢に転じつつある。2020年に香港で国家安全維持法が制定されたのを機に対中観は厳しくなり、新疆ウイグル自治区での人権侵害で不信感を強めた。

今回のNATO首脳会議は日本から見た中国の示威行動を直接、欧州首脳に伝える好機になった。中国に自制を促すためにも、会議に参加した岸田文雄首相らが欧州を含む国際社会に「中国の脅威」に共感を広げる努力は欠かせない。』

NATO事務総長、対ロシア「欧州で大戦以来の安保危機」中国の深刻な挑戦認識

NATO事務総長、対ロシア「欧州で大戦以来の安保危機」
中国の深刻な挑戦認識
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300BZ0Q2A630C2000000/

『【マドリード=坂口幸裕】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は29日の記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻について「第2次世界大戦以来、欧州で最大の安全保障上の危機をつくり出している」と述べた。一方、威圧的な行動を強める中国については深刻な挑戦を認識しなければならないと表明した。

NATOは29日に採択した今後10年の指針となる新たな「戦略概念」はこれまで「戦略的パートナーシップ」と表現していたロシアを「最も重要で直接の脅威」と定義した。ウクライナ侵攻を受け、NATOと対立を深める現状を反映した。

ストルテンベルグ氏は「新たな安全保障の現実に対応するため、防衛と抑止の根本的な転換を決めた」と強調した。新しい戦略概念では初めて中国に言及。中国が「体制上の挑戦」を突きつけていると明記した。採択は2010年以来、およそ12年ぶりになる。

ストルテンベルグ氏は「中国は我々の敵ではない」と話した。一方「中国の深刻な挑戦について明確に認識し、ルールに基づく国際秩序を維持するためパートナーと立ち向かい続けなければならない」と強調した。

ストルテンベルグ氏は「中国の自己主張の強まりと威圧的な政策は同盟国・有志国の安全保障に影響を及ぼす」と明言。「核兵器を含む軍事力を大幅に増強し、近隣諸国や台湾を脅している」と批判した。

中国が覇権主義的な動きを強めるインド太平洋地域で「パートナーとの協力を強化する」と述べた。サイバー防衛や先端技術、海洋安全保障などグローバルな課題で連携する意向を示した。

民主主義国家と敵対する中国とロシアについて「戦略的パートナーシップを深化させている」と分析した。新しい戦略概念でも「ルールに基づく国際秩序を破壊する両国の試みは我々の価値と利益に逆行する」と断じた。

NATOは29日の首脳会議で、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟を認める方針で合意した。ストルテンベルグ氏は「NATOの門戸が開かれていることを示すものだ」と指摘。「すべての国が自らの道を選択する主権的権利を尊重している」と訴えた。

【関連記事】

・ロシア、北欧のNATO加盟に反発 プーチン氏誤算か
・対強権主義、価値観超え結束 民主主義の影響力に陰り
・NATO「中国は体制上の挑戦」 戦略概念で初言及
・米大統領、トルコ大統領に謝意 戦闘機の近代化支援へ 』

誰が中国を養うのか 揺れる穀物相場に新たな波乱も

誰が中国を養うのか 揺れる穀物相場に新たな波乱も
編集委員 吉田忠則
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD283GL0Y2A620C2000000/

『ウクライナ危機をきっかけに、食料問題が世界を揺るがしている。最大の焦点はウクライナからの穀物輸出を阻むロシアの黒海封鎖の行方だが、その背景で静かに浮上しつつある新たな波乱要因がある。中国の動向だ。

ロシアのウクライナ侵攻で穀物相場が急騰し、中東や北アフリカなど両国からの穀物輸入に頼っている国の一部が飢餓のリスクに陥っている。ウクライナの穀物輸出の主要なルートである黒海の封鎖が原因の一つで、国連のグテレス事務総長は「世界的な食料不足の不安に直面する」と警告する。

価格の高騰は、軍事紛争による輸送の停滞が引き起こした。ではそこに、巨大な需要を抱える国が新たな動きを見せればどうなるか。
突然、世界一の輸入国に

まずデータから確認しよう。中国政府によると、中国のトウモロコシの輸入は2019年までは500万トン以下で推移していた。だが20年に一気に1000万トンを超え、21年はいきなり2800万トンを上回った。

これがどれほどの大きさなのかを示すため、メキシコなどと並び、つい最近までトウモロコシの輸入量が世界で最も高い水準にあった日本と比べてみよう。中国と違って量はほぼ安定しており、おおむね年1500万~1600万トン。そして中国は日本やメキシコも抜いて突然、世界一のトウモロコシの輸入国になった。
中国の穀物事情は国外にも影響する(遼寧省の養豚の様子)=ロイター

問題は輸入先だ。日本はほとんどが米国で、ほかにブラジルからも輸入している。これに対し中国もメインの輸入先は米国だが、2番目はウクライナなのだ。日本などと同様、中国が輸入しているトウモロコシは家畜のエサに使われている。その輸出の停滞はもちろん、中国の食料生産に影響する。
「政府が生産抑制を決断」

なぜ中国はこうした農業構造になったのか。背景はいくつかある。農林中金総合研究所の阮蔚・理事研究員はその一つとして「中国政府が15年にトウモロコシの生産抑制を決断した」ことを挙げる。

トウモロコシを含む穀物の国際相場が12年ごろから下がり始め、中国の畜産農家は安い輸入物を使うようになった。これを受け、国産を高値で買い入れて増産を促してきた政策を、中国政府は16年に抜本的に転換した。阮蔚氏は「徐々に輸入を増やしていくという了解があったのだろう」と指摘する。

政策の効果はまず生産面で表れた。中国のトウモロコシの生産は00年前後からほぼ一貫して増え続けていたが、16年に急ブレーキがかかった。その後、わずかの増減をくり返しながらほぼ横ばいの状態が続いている。
ウクライナのトウモロコシ畑を耕すトラクター(キーウ郊外)=共同

一方、中国とウクライナの農業分野での関係強化は、ちょうど穀物の国際相場が下がり始めたころにスタートした。肥料工場の建設などのウクライナの農業関連インフラの整備に中国の政府系金融機関が資金を出し、ウクライナは中国に対してトウモロコシを輸出するといった内容だ。

こうして中国は輸入先の確保に努めながら、トウモロコシ政策の見直しを進めてきた。21年の輸入量が一気に日本などを抜いたのは、トウモロコシの国内生産を抑えたことの帰結といえる。輸入先の比率を見ると、貿易摩擦をやわらげるため積極的に輸入した米国が約7割で、残りはほとんどウクライナだ。そこをロシアの侵攻が直撃した。

国内に深刻な富の格差を抱える中国にとって、食品価格の上昇はいまも最も神経をとがらせるテーマだ。ウクライナからのトウモロコシの輸入が細れば畜産業を圧迫し、食肉の価格にはね返りかねない。
ブラジルからの輸入で合意

世界の関心がウクライナ危機に集中しているさなかの5月下旬、中国は新たな手を打った。ブラジルからトウモロコシを輸入するための検疫要件で同国と合意したのだ。中国商務省のホームページにごく短く載った発表文が、世界の穀物貿易の関係者の注目をにわかに集め始めている。

ブラジルから中国へトウモロコシの出荷が始まるのはしばらく先になる見通しで、現時点で相場に大きな影響は与えていないもようだ。だが中国には必要とする量を買いつけるだけの十分な資金力がある。中国は国内での増産も模索しているが、その動向は、穀物の国際相場の新たな波乱要因にもなりかねない。

だれが中国を養うのか――。米国の思想家のレスター・ブラウン氏は1990年代にこう問いかけた。中国はコメや小麦など主食の穀物の自給を堅持することでその問いに答え、国内の食料事情の安定を保ってきた。

一方、トウモロコシをはじめ自給の方針から漏れた食料の需要拡大は、供給側にとって恩恵になった。だが、この巨大な国が新たな動きをみせれば、広がる波紋は小さくない。動揺が続く国際相場と食料危機に直面する各国にそれがどう影響するか。世界は新たな難題を抱えたのかもしれない。

Nikkei Views
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NATO「中国は体制上の挑戦」 戦略概念で初言及

NATO「中国は体制上の挑戦」 戦略概念で初言及
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29D3B0Z20C22A6000000/

『【マドリード=竹内康雄】北大西洋条約機構(NATO)は29日、今後10年の指針となる新たな「戦略概念」を採択するとともに、首脳宣言を発表した。NATOの戦略概念として初めて中国に言及。中国が「体制上の挑戦」を突きつけていると明記した。

新しい戦略概念は2010年に採択して以来約12年ぶり。これまでの戦略概念はロシアとの関係を「戦略的パートナーシップ」と呼ぶ一方、中国には触れていなかった。新概念はロシアを「最も重要で直接の脅威」と定義。ウクライナに侵攻し、NATOと対立を深める現状を映した。

中国について、核兵器の開発に加え偽情報を拡散したり、重要インフラ取得やサプライチェーン(供給網)を支配したりしようとしていると分析。宇宙やサイバー、海洋で、軍事的・経済的な影響力を強めていると主張した。中ロが、ルールに基づく秩序を破壊しようとしていることは「我々の価値と利益に反している」と強調した。

ストルテンベルグ事務総長は記者会見で「中国の威圧的な政策は、我々の利益、安全、価値に挑んでいる」と戦略概念と同様の表現で訴えた。中ロの位置づけを大きく変えたことで、米欧の軍事同盟であるNATOは歴史的な転換点を迎えた。

首脳会議には日本やオーストラリアなどアジア太平洋の4カ国を招いた。戦略概念はインド太平洋地域の情勢が「欧州・大西洋に直接影響することを考えると、同地域は重要だ」として、対話と協力を深める方針を明記した。

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
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別の視点

NATOへの日韓首脳の参加は確かに画期的だ。それにより中露との対立軸が明確になりつつある。ここでは、軍事的脅威と共に経済にも言及するが、それは経済が安全保障の一領域だからだろう。中国は、NATOや日米などアメリカを中心とする安保ネットワークに強く反発し、そして日韓の首脳のNATO首脳会議への参加を強く警戒してきた。中国からすれば包囲網の形成に映るからだ。対立軸は明確になったが、他方で依然中国と先進国との経済関係は緊密だし、新興国や開発途上国も先進国か中露かという対立を必ずしも望まない。中国の「挑戦」を安全保障に関わる領域に限定するのか、広く経済関係全般に広げてみるのか。依然、先行きは不透明だ。

2022年6月30日 4:57

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

「中国の野心や威圧的な行動は、我々の利益、安全、価値に対する挑戦である」。NATOが採択した「戦略概念」。パラグラフ13の表現に誤解の余地はありません。脅威は軍事と経済が融合したもので、「中国は重要技術や産業分野、死活的インフラ、戦略物資や供給網を支配下に置こうとしている」と断じます。そして中ロ両国は「戦略的提携」を深め、ルールに基づく国際秩序に挑戦する意思を両国が固めつつある、との認識をNATOは示すのです。
つい数年前までドイツのメルケル首相が中国詣でを重ねていたことが噓のようです。欧州がようやく目覚めてくれた。日本からすればそんな感じです。この機をとらえて、具体的な連携強化が急がれます。

2022年6月30日 2:13 』

イラン、BRICS加盟申請 侵攻のロシアが働きかけか

イラン、BRICS加盟申請 侵攻のロシアが働きかけか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB28DB50Y2A620C2000000/

『【カイロ=時事】ロイター通信は28日、イランが中国、ロシア、ブラジル、インド、南アフリカで構成する新興5カ国(BRICS)への加盟を申請したと伝えた。イラン外務省当局者は、加盟が実現すれば「双方にとって付加価値となる」と強調した。

南米アルゼンチンのフェルナンデス大統領も24日、BRICS加盟を希望する意向を表明していた。ウクライナに侵攻したロシアは制裁の骨抜きを図っているほか、制裁に消極的なこれらの国々と欧米諸国の間にくさびを打ち込もうと、加盟を積極的に働き掛けている可能性がある。』

歌舞伎で読み解く空母「福建」命名、悩む習氏が脅す台湾

歌舞伎で読み解く空母「福建」命名、悩む習氏が脅す台湾
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK274NR0X20C22A6000000/

 ※ 鄭成功のお母さんが、平戸藩士の娘だった話しは、知らんかった…。

 ※ 国姓爺合戦、明の遺臣…、なんかは、時代小説読んでると、よく出てきてたな…。


『17日、上海で進水した中国で3隻目の最新鋭空母は、大方の予想を覆して「福建」と命名された。なぜなのか。東北部の遼寧省大連で改造された中国初の空母は「遼寧」、同く大連で建造した初の国産空母は、対岸の「山東」の名を取った。

3番艦の建造地、上海は軍都の色を前面に出しにくい中国を代表する国際的な商都だ。それなら隣接する「江蘇」「浙江」という名が順当だが、さらに南の「福建」が選ばれた。これでは中国の軍事的な脅威をひしひしと感じている台湾の人々の心情を逆なでしかねない。
進水する中国の新型空母「福建」(17日、中国上海市)=新華社・共同

命名の意図と、それが抱える大問題は、直前に福建省で開催された興味深い政治的な大行事と、日本人になじみ深い歌舞伎の演目を組み合わせれば読み解ける。進水式の3日前にあった政治的行事とは何か。鄭成功が台湾で政権を樹立してから360年を記念する式典だ。39歳の若さでの死も政権樹立と同じ年の6月だった。故地である福建省泉州での大行事には360年忌の大祭という意味もあった。

行事の重要性は、新型コロナウイルス警戒下での福建省共産党トップらの参加と、北京から党中央台湾弁公室、国務院台湾弁公室のトップである劉結一がテレビ方式で演説したことから推測できる。台湾の企業家らも出席した。
「国姓爺合戦」とアモイ、そして台湾

中国で英雄視される鄭成功は、明朝の遺臣として満州族の清朝に抵抗した。攻勢をかける清にあらがう根拠地を確保するため、オランダ支配下だった台湾を制圧し、短期間ながら台湾で初めての漢民族政権となった。

鄭成功(中央上)と日本人だった母(中央下)は近松門左衛門の「国姓爺合戦」のモデル(福建省泉州の廟)

鄭成功は、江戸時代の著名な人形浄瑠璃、歌舞伎の作者だった近松門左衛門の代表作のモデルだ。63歳の円熟期に世に出した「国姓(性)爺合戦」は、フィクションも交えた異国情緒で人気を博し、ロングラン公演となる。鄭成功は日本の平戸(現長崎県)で生まれ、日本人の母を持つ。2つの故郷を持つ風雲児の海を股にかけた物語は江戸の人々の心をつかんだ。

鄭成功の母、マツは平戸藩士だった田川氏の娘だった(福建省泉州の展示)

ただ、現代中国では鄭成功の母が日本人だった事実が伏せられることも多い。一部の記念館ではあえて説明を省いている。史実であっても、台湾を「奪還」したと教えている英雄が日本人の子なのは都合が悪い。父は武装船団を率いた海商だった。鄭成功の軍事的な根拠地は福建省のアモイで、ここからオランダ支配下の台湾を攻略した。

そのアモイは、まだ30代前半の若手幹部だった習近平(国家主席、シー・ジンピン)が志を抱いて副市長として赴任した地だ。軍所属の超有名歌手だった彭麗媛と再婚し、中央政界への道を切り開く原点にもなった。アモイのコロンス島には鄭成功を記念する文物も多い。そこから連想できる対岸の台湾統一に特別な思い入れがあってもおかしくない。海岸には「一国二制度による中国統一」を掲げた大看板も立つ。

福建省時代の若き習近平氏(同省内の展示から)

習はアモイを起点に福建省で17年を過ごしており、台湾との関わりは続く。省都の福州市トップだった1996年に起きた台湾危機では、中国軍がミサイル発射演習に踏み切った。福建省の平潭島では陸海空3軍が初めての大規模な合同作戦演習を実施した。

台湾上陸も想定した福建省平潭島での三軍統合作戦演習の記念碑

軍トップは元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)で、最高実力者の鄧小平もなお存命だった。台湾上陸も想定した演習は周辺国を震撼(しんかん)させた。だが、中国はまだ空母を持っていない。習は、トップとしての任期中に台湾統一へ道筋を付けることで、江沢民を抜てきした鄧小平の事績を超え、共産党史に名を残せるのだ。

地元関係者によれば、長く福州にいた習は「たびたび平潭島に来ていた」という。アモイと似て平潭島も台湾を身近に感じる場所だ。もし自らが中国トップに立った場合、統一を見据えて台湾とどう向き合うか。この時期から軍事、経済両面で考えていたとしても不思議ではない。

清朝以来、海軍に絡む事績や条約締結には、なぜか17という数字がつきまとう。清朝の近代海軍「北洋艦隊」の設立、日清戦争での同艦隊の敗北、台湾割譲などが盛り込まれた下関条約の締結は月は違っても17日の出来事だ。

中国が初めて水爆実験に成功したのは1967年6月17日で、空母「福建」の進水と同じ日だった(建国70年の記念展示)

「福建」が進水した6月17日という日付けには、新中国の軍事史上、 もう一つ意味がある。1967年6月17日、中国が水爆実験に成功してから55年の記念日に当たる。文化大革命の混乱期にもかかわらず、中国は毛沢東の指導の下、水爆保有国になった。

技術上、最先端の米国に伍(ご)する電磁カタパルト(発射装置)を持つ最新鋭空母の保有。短距離で多くの艦載機を射出できる技術が軌道に乗り、続いて建造される4番艦以降にも標準装備できれば、台湾への米艦隊の接近をけん制できる。

毛沢東時代の水爆に比肩する習時代の大きな軍事的な成果としたい思惑も見え隠れする。これは、秋の共産党大会で毛沢東の呼び名だった「領袖」の地位獲得をめざす習にとって重要だ。

鄭成功の台湾時代の評価でさや当て

台湾を見据える習の意思は、2035年までに高速鉄道(新幹線)や高速道路を北京から台湾の台北までつなげる壮大な構想に既に反映されている。明らかになったのは昨年だ。予想ルートは平潭島を通り、台湾海峡をまたぐ架橋か、海底トンネルが考えられる。台湾側が同意する見込みはなく、一方的な中国側の計画は威圧的だ。

経済、軍事両面で米国に追い付く目標の期限である35年までの台湾統一を習が視野に入れている証拠でもある。最近、中国は米国との協議で「台湾海峡は国際水域ではない」とまで繰り返し主張し始めた。米艦隊などの自由な航行を妨げる狙いがある。

2035年までの国家総合交通網計画には台北までの鉄道・道路計画が明示されている(交通運輸省ホームページから)

習の台湾への思い入れを裏付けるように、6月14日の鄭成功の式典では北京から台湾問題を担う責任者、劉結一がテレビ方式で演説した。「鄭成功が部隊を率いてオランダを駆逐し、台湾を奪還した。最も重要なのは祖国の平和統一の推進だ。『台湾独立』勢力は絶えず挑発を企て、一部外部勢力は台湾を使い中国を抑え込もうとする。挑発と冒険行為は台湾を危険に追い込むだけだ」

中国側は鄭成功を「一つの中国」の象徴として統一の雰囲気づくりに利用したい。一方、台湾総統の蔡英文(ツァイ・インウェン)が率いる民主進歩党(民進党)はこれに強い警戒を抱く。台湾側では、鄭成功の台湾時代の歴史的な評価が政治対立の種になってきた。国民党の馬英九前政権は「鄭氏統治」を「明鄭統治」に書き換え、漢民族の明王朝との密接な関わりを主張した経緯がある。

ちなみに劉結一はここにきて次期外相の有力候補として急浮上している。まさにこの演説と同じ日、ライバルとされた「親ロシア派」の筆頭外務次官だった楽玉成の外務省の外への転出が発表され、注目度が高まった。

福建は1884年、清仏戦争で両軍艦隊が激突した地だが、日本や米国に渡航する華僑の故郷としても有名だ。その流れは1978年の改革・開放後、加速した。日本行きが主流だった福清、米国をめざした長楽などの街には、成功して帰国した華僑らが建てた3階建て以上の目立つ「御殿」も多い。

「ウクライナ」での誤算から来る苦境の打開策

それでも中国は、開放性を象徴する福建の名をこのタイミングで空母に与えた。台湾の人々が鄭成功に親しみを感じたとしても、続いて「福建」と命名された最新鋭空母の進水が重なれば雰囲気は一変する。「脅しだ」と感じても仕方がない。

しかも今、国際情勢は不安定だ。ありえないはずだったロシアによる突然のウクライナ全面侵攻は、必然的に中国の台湾に対する武力統一の可能性を想起させた。中国はロシアの行動を一切、非難していない。

主要7カ国首脳会議(G7サミット)に続き、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議も中国に厳しい視線を送るだろう。その圧力にあらがいながら、なんとか威厳を保つには、台湾問題で強い姿勢を示す必要があった。

あえて衣の下から鎧(よろい)をのぞかせる「福建」という命名を最終的に決断できるのは、集権に成功した党、軍、国家のトップである習のほかいない。ウクライナ侵攻のあおりで中国が陥った苦境の打開には逆効果なのに、事前に待ったをかける真の側近はいなかったようだ。党大会という難関を前にしたトップは孤独である。胸中では野望と悩みが交錯しているに違いない。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

米、中国企業5社に禁輸 「ロシア軍を支援」で制裁

米、中国企業5社に禁輸 「ロシア軍を支援」で制裁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290F60Z20C22A6000000/

『【エルマウ=鳳山太成】バイデン米政権は28日、ロシア軍を支援したとして中国企業5社に事実上の禁輸措置を課すと発表した。ロシアが2月にウクライナに侵攻を始めた後も、ロシア軍などに製品の供給を続けたと批判した。

米商務省が安全保障上問題のある企業を並べた「エンティティー・リスト(EL)」に中国企業5社を28日付で加えた。対象企業に米国製品などを輸出するのを事実上禁じる。

制裁を科したのはコネック・エレクトロニックやキング・パイ・テクノロジーといった電子部品などを扱うメーカー。さらに既に制裁対象に加えている中国の2社もロシア軍を支援したと糾弾した。

バイデン政権は2月、ロシアのウクライナ侵攻を受けてハイテク製品の輸出を禁じる制裁をロシアに科した。これまでは制裁に違反する事例はないと説明してきたが、違反者にはELへの追加を含む厳しい罰則を科す構えをみせてきた。

対ロシア制裁を担うエステベズ商務次官は声明で「ロシアを支援しようとすれば米国は(対象企業を経済から)遮断するという、強力なメッセージだ」と述べ、ロシア支援を続ける企業に警告した。

【関連記事】

・米、中国半導体大手に禁輸も ロシア支援発覚なら
・米国「ウイグル製品輸入禁止法」施行 供給網に懸念 』

「地政学的たくらみに反対」中ロ、G7に反発

「地政学的たくらみに反対」中ロ、G7に反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM285PG0Y2A620C2000000/

 ※ アンタの「一帯一路」は、違うのか…。

 ※ 対象国としては、「選択肢」が増えて歓迎だろう…。自分で、吟味して、お得だと思うほうを、選択すればいい…。

『【北京=羽田野主】主要7カ国(G7)で拠出し投融資を計画する「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」に中国が反発を強めている。中国外務省は「インフラ建設を旗印にした地政学的なたくらみだ」と強調。ロシアと連携し、BRICS首脳会議の拡大で対抗する構えだ。

中国共産党系メディアの環球時報は28日付社説で、PGIIを提唱した米国について「目的は一帯一路を壊すことにある」と指摘した。中国外務省の趙立堅副報道局長も27日の記者会見で「一帯一路に泥を塗って汚す言動に反対だ」と話し、警戒心を示した。

ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長は28日公開のロシア紙のインタビューで、G7によるロシア制裁強化に関して「我々の対立国は、ロシアが屈し、経済が崩壊することを待っている」と述べ、「そうしたことは起こらない」と強く否定した。

中ロが主導するBRICSは24日に発展途上国の代表らを招いた拡大会合をオンラインで開いた。BRICSの枠組みを広げ、食糧やエネルギー分野などの連携を進める考えとみられる。

議長国となった中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は「新興国と発展途上国の団結の意志は強い」と語り、連携強化を呼びかけた。既存の途上国援助の基金に10億ドル(約1350億円)を拠出する方針も明らかにした。

拡大会合には「反米」を掲げるイランや、親中のカンボジア、中立的な立場をとってきたインドネシアやマレーシアなどの首脳がオンラインで参加した。

ロシア大統領府高官は27日「より多くの好意的な国々がBRICSの側に立とうとしている」と訴えた。ロシア外務省も同日、アルゼンチンとイランがBRICS加盟の申請をしたと明らかにした。』

習氏側近、上海トップ続投 最高指導部入りは不透明

習氏側近、上海トップ続投 最高指導部入りは不透明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM272PO0X20C22A6000000/

『【北京=羽田野主、上海=土居倫之】中国共産党は28日、上海市党幹部の選出を巡り、習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の側近で、上海市トップの李強・共産党委員会書記の続投を決めた。当面は上海市トップを続ける見込みだが、都市封鎖(ロックダウン)を巡る不手際に対する国民の反発が根強く、2022年秋の党大会で最高指導部入りできるかどうかは不透明だ。

共産党は現在、31の省・直轄市・自治区ごとに、党大会に出席する代表を選び直している。28日の上海市の会議で李強氏の続投を決めた。

上海市は新型コロナウイルスの封じ込めに失敗し、6月1日に解除されるまで2カ月におよぶロックダウンに追い込まれた。いまも多くの上海市民が不満を抱える。上海市は27日に党大会に出席する地元代表を決めたものの、李強氏を書記に再任したのは28日で、時間がかかった。党内で続投に異論が出たのではとの観測もくすぶる。

難局をひとまず乗り切った李強氏だが、最高指導部である政治局常務委員に昇格できるかは見通せなくなったとの見方が広がる。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は党序列7位の韓正(ハン・ジョン)副首相が李強氏の更迭を習氏に求めたと報じた。

党大会で党トップとして3選を確実にしたい習氏にとって、李強氏の処遇を巡って意見対立が生まれるのは望ましくない。党内事情に詳しい関係者は「無理に李強氏を引き上げようとすると、党内であつれきが強まるのは必至だ」と指摘する。

李強氏は習氏が浙江省トップを務めた際の秘書長として知られる。上海市トップは本来、党大会で最高指導部入りが見込まれる重要ポストだ。李強氏は23年3月に首相職を退く李克強(リー・クォーチャン)首相の後任になるとの観測もあった。

最近の上海市トップは06年に汚職で失脚した陳良宇氏を除くと、いずれも政治局常務委員に昇格してきた。習氏も07年に上海市トップに就き、同年秋の党大会で政治局常務委員に就任。12年には党トップの総書記にのぼり詰めた。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/Xi-ally-Li-Qiang-keeps-Shanghai-party-chief-job-but-star-fades?n_cid=DSBNNAR 』

「ゼロコロナあと5年」 習氏側近の北京トップ表明か

「ゼロコロナあと5年」 習氏側近の北京トップ表明か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM283DC0Y2A620C2000000/

『【北京=羽田野主】中国・北京市トップの蔡奇・市共産党委員会書記が新型コロナウイルスの感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策を今後5年間堅持すると訴えたと中国メディアが伝えたが、記事の「これからの5年」の部分をすぐに削除する騒ぎがあった。個人や企業に重い負担を強いる同政策を巡る国内の反発を懸念したという見方がある。

北京日報(電子版)によると、蔡氏は27日の党の市代表大会開幕式で「これからの5年、北京市は断固として新型コロナウイルス対策の常態化を続ける」と表明し、ゼロコロナ政策の継続を強調した。蔡氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席の側近として知られる共産党幹部の一人だ。

「これからの5年」の部分はすぐに削除されたが、その前に中国のSNS(交流サイト)で拡散。「さらに5年もゼロコロナを続けるつもりなのか」といった反発が広がった。北京市では最近までゼロコロナ政策の徹底で庶民の憩いの場である食堂や公園なども閉鎖に追い込まれていた。

北京日報は27日「記者が誤って『これからの5年』を書き加えた」と釈明した。香港紙の星島日報は今回の騒動について「ゼロコロナの死守は、市民にとっては我慢ならないということだ」と評した。』

G7首脳宣言「台湾海峡の安定重要」、2年連続明記

G7首脳宣言「台湾海峡の安定重要」、2年連続明記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28CHV0Y2A620C2000000/

『【エルマウ=坂口幸裕、鳳山太成】主要7カ国首脳会議(G7サミット)が28日に採択した首脳宣言で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と記した。台湾海峡に言及するのは2年連続で、2021年にG7首脳の宣言で初めて盛った文言を踏襲した。

G7は宣言で中国が軍事的威圧を続ける東・南シナ海の現状に懸念を表明した。「緊張を増大させる力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する」と明記した。

台湾周辺や南シナ海では偶発的な衝突が起きる懸念が強まっている。中国軍は台湾周辺で軍事演習を常態化させ、米軍は対抗措置として台湾海峡に艦船を派遣している。

首脳宣言では中国に対し、ウクライナからの撤退をロシアに働きかけるよう要求した。日米欧はロシアによるウクライナ侵攻を非難しない中国の姿勢を批判してきた。
対中課題、積み残し ウクライナ問題を優先

21年は中国への対応が最大の焦点だったが、今回は足元のウクライナ問題を最優先せざるを得なかった。サプライチェーン(供給網)や産業補助金など中国問題の具体策では課題を積み残した。

国有企業の優遇や巨額の産業補助金など「不透明で市場をゆがめる中国の介入」と認識したうえで協調して対処すると強調。新疆ウイグル自治区の少数民族への人権侵害について「強制労働が主な懸念」と明示し、中国に人権と自由を尊重するよう求めた。

長期的な視点で中国を最大の競争相手とみなす米国や、隣国として多くの火種を抱える日本は今回のG7サミットで中国問題に焦点を当てようと苦心した。

バイデン米大統領はサミット初日の26日、低・中所得国のインフラ開発を支援する「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の発足を表明した。「我々がやることは、各国が共有した理念に基づくもので根本的に異なる」と述べ、中国の広域経済圏構想「一帯一路」への対抗意識を鮮明にした。

岸田文雄首相は、対立する国家に貿易制限などを科す中国の行動を念頭に「経済的威圧にG7が中核となって明確な立場を示すべきだ」と強調した。経済安全保障の連携強化を訴えた首相の発言に、複数の首脳から「非常に重要」との反応があったという。

G7首脳宣言の調整にあたる米政府高官は記者団に「ロシアのウクライナ侵攻によって中国への関心が薄れたのではなく、むしろ逆だ」と述べた。中国が台湾に一方的な行動を仕掛けるリスクを再認識し、対応を一段と強化するよう各国に働きかけた。

ただウクライナ問題を最優先した今回のサミットでは、前回2021年のサミットよりも中国問題に関する具体策を議論する時間が減った。

半導体など戦略物資で中国に依存しない供給網の構築を巡っては、首脳宣言で脆弱で目詰まりが起きやすい部分を特定するなど「協力を拡大する」とした。実際には日米欧で工場の誘致競争が起きている。

最先端半導体の9割を生産する台湾で有事となれば、自動車やIT(情報技術)機器など世界の供給網への影響は計り知れない。ロシアの10倍の国内総生産(GDP)を持つ中国に大規模な制裁を科せば、日米欧が浴びる返り血は対ロシアの比ではない。

秋の中間選挙を見据えるバイデン米政権は、高インフレに対処するため対中制裁関税の引き下げを検討する。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は27日、数週間以内に米中首脳の電話協議を開く可能性を示した。米国自身も対中姿勢が定まらない状況で、新たな策を打ち出す余裕は乏しかった。

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太平洋諸国と7月に外相会合か 中国、地域会議に割り込み

太平洋諸国と7月に外相会合か 中国、地域会議に割り込み
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062700687&g=int

『太平洋諸国の地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」が7月に開く首脳会議の日程に割り込む形で、中国がこれらの諸国に対し、オンライン形式の外相会合を提案していることが27日、明らかになった。オーストラリア公共放送ABCが報じた。

中国、太平洋諸国と連携強化 米の包囲網に対抗、安保は見送り―外相会合

 それによると、中国はPIFに加盟する18カ国・地域のうち、外交関係を持つ島国10カ国の外相を招待した。7月14日の開催が計画されているが、フィジーで3年ぶりに対面式で開かれるPIF首脳会議の最終日に当たることから、少なくとも2カ国は開催時期が適切ではないとして反対しているという。

 これについて、ある専門家はABCに対し、「中国がその一員でない既存の地域機構を意図的に分断する試みのようだ」と分析した。 』