知財訴訟、大口客トヨタも的 日本製鉄「虎の子」保護へ

知財訴訟、大口客トヨタも的 日本製鉄「虎の子」保護へ
電磁鋼板めぐり事前交渉不調
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC148CS0U1A011C2000000/

『電気自動車(EV)など電動車のモーターに使う電磁鋼板に関し、日本製鉄が自社の特許権を侵害したとしてトヨタ自動車と中国の宝山鋼鉄を提訴した。同鋼板は電動車の基幹部品で、脱炭素が進むとともに知的財産保護が課題となっていた。大口ユーザーもまとめて訴えることで宝山製の電磁鋼板の流通をけん制する狙いがある。知財の重みが増す中で訴訟も新しい段階に入った。

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訴訟対象になった「無方向性電磁鋼板」は、EVやハイブリッド車(HV)に載せるモーターの部品だ。EVにはエネルギー効率に優れ、長い航続距離を走行できるモーターが求められる。モーターのエネルギー損失を抑えられ高回転にもつながる電磁鋼板は日鉄にとって「虎の子」素材だ。

英LMCオートモーティブによると、世界のEV市場は2030年に2891万台と、20年の13倍に広がる。需要の伸びを見込み、日鉄は電磁鋼板の増産に総額1千億円以上を投資する計画だ。

一方、トヨタは近年「電動車の普及が進んでおり調達先を多様化する」(幹部)として宝山からも電磁鋼板を仕入れ始めていた。日鉄は「特許侵害を看過できない」と判断し、宝山の電磁鋼板を使って電動車を製造・販売するトヨタも同様に訴える展開となった。

特許に詳しい牧野和夫弁護士は「侵害技術が組み込まれた製品を使用したり販売したりする場合も特許侵害に該当する」と話す。トヨタは「調達時に侵害がないことは確認済み」としているが、日鉄は「認識にかかわらず特許侵害品を使うのは違法だ」との立場だ。

自動車向けの鋼材需要は国内需要全体の約3割を占める。日鉄にとってトヨタは最大の顧客でもある。日鉄は提訴に先立ちトヨタと交渉を重ねたが不調に終わったという。玉井克哉・東大教授は「宝山だけを訴えて勝訴しても中国などでの製造を止めるのは簡単ではない。トヨタという大口販売先も訴えることで実効性の高い解決を目指したのではないか」とみる。
日本製鉄は中国・宝山鋼鉄の電磁鋼板を使って電動車を製造・販売するトヨタも訴えた

仮に宝山の特許侵害が認められても、各自動車メーカーが他の中国企業などから類似部品を調達すれば、日鉄にとって何の解決にもならない。

訴訟の争点は主に、①日鉄の特許が有効か②宝山やトヨタが特許侵害をしていたと認められるか――の2点になるとみられる。裁判ではまず権利侵害の有無を判断。侵害が認められれば損害賠償額の算定に移る流れになるもようだ。牧野弁護士は「和解ではなく徹底的に争うとなれば数年単位の時間を要することになるだろう」と指摘する。

日鉄はトヨタに対し、電動車の販売を差し止める仮処分を申し立てている。仮処分命令を下すかどうかは権利侵害の有無を判断してからとみられる。玉井教授は「申し立ての結果が出るのは半年から1年程度かかる可能性がある」と話す。

中国企業である宝山が敗訴した場合、原則的に判決の効力は日本国内にとどまる。同社が日本国内に持つ財産を差し押さえることなどは可能だが、中国で強制的に執行することはできない。ただその場合、トヨタの製品使用や販売が差し止められる可能性が高いため、日鉄は侵害リスクを防ぐことができる。

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小型モジュール炉とは

小型モジュール炉とは 次世代電源として期待
きょうのことば
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA129210S1A011C2000000/

『▼小型モジュール炉 現在商用化している出力100万キロワット級の原子炉に比べて出力が小さい原子炉。世界が脱炭素にかじを切る中で温暖化ガスを排出しない次世代の電源として期待される。米国や日本、中国などが開発を進める。工場で部品を組み立てて現場で設置する方式で品質管理や工期の短縮ができるため、建設費が通常の原発より安くすむとされる。

小型で熱を外に逃がしやすく、事故時に自然に冷却でき安全性に配慮しているとされる。発電の出力は30万キロワット程度と小さく、スケールメリットが効かないため通常の原発と比べて発電コストが下がりにくい。日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原子力合弁会社や、米スタートアップのニュースケール・パワーなどが開発を進める。ニュースケールには日揮ホールディングス(HD)やIHIも出資している。

放射性物質を環境中に放出してしまうような事故のリスクは低いとされるが、使用済み燃料や廃炉後に放射性廃棄物が生じるのは通常の原発と変わらない。廃棄物は数万年単位で管理が必要なものもあり、最終処分場が決まらないまま開発することに異論もある。』

原子力にいま起こっているイノベーション(前編)~次世代の原子炉はどんな姿?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/smr_01.html

『温暖化の原因になるとされる温室効果ガスの排出量を低減する「脱炭素化」に向け、さまざまなエネルギー分野で、イノベーションに向けた技術開発が進められています。原子力も、脱炭素化の選択肢として例外ではありません。安全性の向上はもちろんのこと、再生可能エネルギーとの共存や、水素の製造、熱エネルギーの利用といった多様なニーズにこたえる原子力技術のイノベーションが進められています。米国では、あのビル・ゲイツ氏が会社を立ち上げたり、ベンチャー企業が開発に参入したりと、これまでにない原子力技術への挑戦が繰り広げられています。また、日本でも、原子力イノベーションに向けた取り組みが進められています。革新的な原子力技術とはどんなもの?どんなことを可能にするの?研究の現状は?2回に分けてご紹介しましょう。
求められているのは、これまでにない「使いやすくて安全な原子炉」

「原子力」には、みなさんもご存じの発電だけではなく、医療、工業、農業、科学などさまざまな用途があります。では、これらの用途において求められている「革新的な原子力技術」の姿とはどのようなものなのでしょうか。

代表的なもののひとつが、「小型モジュール炉」です。SMR(Small Modular Reactor)とも呼ばれ、世界各国で開発が進められています。その特徴をキーワードであらわすとすれば、「小型」「モジュール」「多目的」の3つがあげられます。

原子炉を「小型」にすると、大型の原子炉よりも冷えやすくなります。技術的に言えば、小型炉は体積の割に大きな表面積をもっているために起こる現象なのですが、たとえて言うなら、「同じ運動をしても子供や痩せている人のほうが体温を外へ逃がしやすい」というイメージでとらえればいいでしょう。この特性を突きつめていくと、原子炉に水をポンプで入れて冷やさなくても自然に冷えてくれる、といったことも可能になります。実現すれば、安全性が高まるうえに、原子炉全体を簡単な構造にすることができ、メンテナンスもしやすくなります。その結果、コストの削減ができ、経済性も向上する可能性があります。

「モジュール」については、「モジュール建築」、いわゆるプレハブ住宅をイメージして考えてみるとわかりやすいでしょう。プレハブ住宅とは、規格化された部材一式を工場で生産し、さらに組み立てユニットまで作ってしまうもの。現地ではこのユニットを、ブロックを積み立てるように設置します。自然条件に左右される現地でゼロから作るのではなく、ある程度のところまでを工場で生産・管理することで、高い品質管理や短い工期、コスト低減を実現している工法です。

写真

規格化された部材一式を工場で生産し作った組み立てユニットを、現地で積み立てるように設置するプレハブ住宅(イメージ)

これまで、原子力発電所の建設は、ひとつひとつが1点ものとして現地で建設されており、そのため工期が長くなりがちでした。また、品質保証のために何重もの確認・認可試験を経てつくられてきました。そこで、モジュール建築の手法を最大限取り入れようというアイデアが生まれています。「型式認証」という方法で設計認可を取得しておき、全体を一括で「工場生産+組み立て+輸送+設置」するという手法です。こういった手法が、「小型」の原子炉であれば可能となります。この場合、まず先に、輸送できるサイズ(米国なら鉄道や高速道路、欧州なら内陸運河)まで「小型化」し、それから原子炉の出力を決めるという流れになるでしょう。

「多目的」に関するものとしては、「発電」の用途以外に、「水素の製造」、「熱エネルギーの利用」「遠隔地でのエネルギー源」、「医療」などに特化した原子力技術を開発しようという動きがあげられます。「遠隔地」では、離島や極地、はては宇宙での利用がターゲットに想定されることもあります。一方「医療」では、放射性物質を使ったがん検査や治療に特化した技術開発が進められています。ほかにも、材料改質を目的とした原子力技術の産業利用についても研究が活発化しています。
どんな原子力技術が開発中なの?

世界の原子炉には、大きく分けて、原子炉の冷却に水をつかうものと、水以外の物質をつかったものがあります。それぞれの原子炉で、特徴を活かしたイノベーションが起こりつつあります。代表的なものをご紹介しましょう。
①NuScale SMR

米国NuScale社はSMR開発の先駆者の1つで、これまで米国エネルギー省からの支援を得ながら開発を進めています。初号機の建設はアイダホ国立研究所(INL)の敷地内に計画されており、米国の原子力規制委員会での審査も最終段階にあります。

特徴
リストアイコン 1モジュールの出力は6万kW、通常の「加圧水型」原子炉の1/20程度
リストアイコン 最大12個のモジュールを大きなプールの中に設置
リストアイコン 1モジュールは、「圧力容器」「蒸気発生器」「加圧器」「格納容器」をふくむ一体型パッケージで、大型の冷却水ポンプや大口径配管が不要
リストアイコン 各モジュールは、それぞれ独立したタービン発電機と復水器に接続
リストアイコン 小型化と一体化を図ることにより、大規模な冷却材喪失事故のリスクを回避

イメージCG

(提供)NuScale Power社
②BWRX-300

日立GEニュークリア・エナジー社と米国GE Hitachi Nuclear Energy社はSMRであるBWRX-300を開発中です。同社は、原子力発電所の設計・製造経験と、さまざまな製品のモジュール製造経験が豊富で、その経験を活かした原子力イノベーションを進めています。米国でBWRX-300初号機の建設をめざして、米国原子力規制委員会にはすでに安全審査項目に関する技術レポートを提出しています。また、カナダでの建設も視野に入れ、カナダ原子力安全委員会でも審査を開始しています。

特徴
リストアイコン 従来の「沸騰水型」よりもさらに構造が単純で、建設コスト、運転コストの低減が可能
リストアイコン SMRのメリットである低い総建設費、工場完成一体据付、建設工期短縮のメリットを生かして資本リスク、建設リスクの低減が可能
リストアイコン ガス火力並みの価格競争力を持ち、米国のガス火力発電プラントの建て替え需要も視野に
リストアイコン 圧力容器と一体になった弁を採用し、大規模な冷却材喪失事故のリスクを実質的に回避

イメージCG

(提供) GE Hitachi Nuclear Energy社
③PRISM

PRISM(Power Reactor Innovative Small Module)も米国GE Hitachi Nuclear Energy社が開発するSMRですが、こちらは原子炉の冷却に水ではなくナトリウムを使った原子炉です。「高速炉」と呼ばれるタイプの原子炉で、従来の原子炉と比べて廃棄物の有害度が低く、量も少ない、ウラン資源を有効活用できるといった特徴があります。米国エネルギー省は、PRISMをベースとした熱出力30万kWの多目的試験炉(VTR)を、アイダホ国立研究所に建設し、2030年までに運転開始する計画を推進しており、これがPRISM型の原子炉の第1号になると見られています。

特徴
リストアイコン 空気の自然循環を利用して熱を冷やす方式を採用し、高い安全性・信頼性をもつ
リストアイコン 高速炉は大気の圧力(大気圧)と同程度の圧力で運転されることから、冷却材喪失事故やそれにともなう格納容器内の圧力上昇が発生しない
リストアイコン 出力あたりの原子炉建屋の大きさは、「加圧水型」や「沸騰水型」のSMRよりもさらに小さい
リストアイコン 高レベル放射性廃棄物の体積を減らすことが効率的にできる
リストアイコン 炉心温度が高く、軽水炉型にくらべて熱効率を飛躍的に向上できる
イメージCG

(提供)GE Hitachi Nuclear Energy社
脱炭素化にも役立つ原子力イノベーションを支援

革新的な原子力技術を開発する動きは、米国で10年ほど先行して起こっていますが、近年、日本企業の研究開発も活発化しています。経済産業省でも、2019年から、「NEXIP(Nuclear Energy X Innovation Promotion)イニシアチブ」の下で、民間企業などによる革新的な原子力技術開発の支援を始めています。

また、2020年1月21日には、エネルギー・環境分野の革新的技術の確立を目指す「革新的環境イノベーション戦略」が策定されました(サイト内リンクを開く「イノベーションを推進し、CO2を『ビヨンド・ゼロ』へ」参照)。原子力は、この戦略の中でも触れられています。

戦略では、「安全性・信頼性・効率性のいっそうの向上」に加えて、「再生可能エネルギーとの共存」、「水素製造や熱利用といった多様な社会的要請の高まり」も見すえて、原子力関連技術のイノベーションを促進することとしています。SMRは、そうしたイノベーションの一例であり、今後の発展が期待されます。

次回は、発電以外の原子力技術の活躍の場についてご紹介しましょう。』

フランス、小型原子炉を30年までに複数導入

フランス、小型原子炉を30年までに複数導入 大統領表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12BSK0S1A011C2000000/

『【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領は12日、発電規模の小さい原子炉「小型モジュール炉」を2030年までに国内で複数導入すると発表した。10億ユーロ(約1300億円)を投じる。環境負荷の低い燃料としての水素生産などを後押しする。

マクロン氏は演説で「水素を作るには、電気分解が必要だ。フランスには原子力の強みがある。30年までにグリーン水素の先駆者になりたい」などと表明した。仏経済紙レゼコーによると、小型炉は軍事、宇宙、石油化学、港湾などの分野での利用も検討している。水素を作る大規模工場を2カ所つくる計画も明らかにした。

マクロン氏は18年、58基(同年時点)ある国内の原子炉のうち14基を35年までに閉鎖し、エネルギー生産に占める原発の依存度を7割超から5割に下げると表明していた。欧州では天然ガスの価格が高騰し、温暖化ガスを出さず安定して電気をつくれるとして、原子力を再評価する声もある。』

世界の石炭の半分を「暴食」する「エネルギー恐竜」中国

世界の石炭の半分を「暴食」する「エネルギー恐竜」中国…大規模停電招く
https://japan.hani.co.kr/arti/international/41294.html

※ 良記事だ…。

※ 今般の「中国の大規模停電」に関する記事で、オレが読んだ中では、ベストだろう…。

※ おそらく、来年早々に開催される「北京(石家荘)冬季五輪」に向けての、「大気汚染の抑制」策も絡んでのことだろう…。

※ そこに言及する記事が、少ないのは、残念だ…。

『[チェ・ヒョンジュンのDB-deep] 

全電力の60%を石炭発電に依存 
習近平、石炭中毒構造からの脱却に努力 
「2060年までにカーボンニュートラル」…まだ掛け声のみ

先月29日、中国遼寧省瀋陽の石炭発電所に職員が向かっている様子=瀋陽/ロイター・聯合ニュース

 先月に始まった中国の電力供給の中断が、中国最大の祝日である国慶節の連休(1~7日)にも続いている。冷房需要が一段落した秋の入り口で発生した異例の停電の原因をめぐっては、様々な分析が出ている。

 中国は以前にも大規模な停電を経験しているが、今回のように予告なしに広範な地域で電力供給が断たれたケースはほとんどなかった。中国メディアによると、先月末に中国の31の省のうち広東省、浙江省、遼寧省、吉林省を含む20省で電気供給が制限された。かなりの数の工場が稼動を全面的に中止したり、操業時間を大幅に縮小したりした。これはエネルギー消費の大きい製鉄所とアルミニウム精錬工場から始まり、繊維、食品、電子など、ほぼ全ての業種へと拡大した。遼寧省瀋陽では停電で信号が消え、電気供給が断たれたためエレベーターに閉じ込められたという訴えが相次いだ。広東省の広州と深センは、国慶節の連休を祝う照明ショーを行わないことを決めた。経済の中心である上海は、先月27日から今月3日にかけて「特定時期、特定地域」で停電すると公示した。

生産できなかったのか、しなかったのか…食い違う二つの原因

 今回の大規模な停電をめぐり、二つの原因が取り沙汰されている。一つ目は、中国全体の電気生産の60.8%を占める石炭火力の燃料となる石炭の不足が今回の危機を招いたという分析だ。今年に入ってコロナ禍が落ち着きを見せたことで世界的に石炭需要が急増し、それに伴って需給の不均衡が発生した。中国やインド(70.6%)のように石炭発電の比率が高い国々は、石炭不足によって電力生産に困難を来しているというのだ。

 二つ目に、中国の習近平国家主席が強力に推し進める「(二酸化)炭素削減」政策を守れなかった地域が、やむをえず電力生産を「一時」中止したという分析もある。中国は習主席就任後の2015年10月(の共産党第18期中央委員会第5回全体会議で)、エネルギー消費総量と消費強度を段階的に減らしていく「エネルギー消費二重統制」政策を導入した。各地方政府にも毎年目標値が課されるが、これを守れなかった地域に対して8月に警告が出され、最終的には各地方政府が電力生産をしばらく中止したというのだ。

 上記の二つの説明のうちの一つは、電力生産を「できなかった」、もう一つは「しなかった」というもので相反する。中国政府は明確な原因を明らかにしていない。結局、メディアも明快な回答は出せず、あいまいに二つの原因を混ぜた説明を提示している。ただし中国の体制の特殊性を強調する側は、習主席の炭素削減政策にもとづく「政治的事件」ということに重点を置いており、一方で経済的普遍性に重点を置く側は、石炭不足による「構造的事件」ということをより強調している。

 現在の停電が政治的事件だとすれば、遠からず解消される可能性はある。構造的な事件なら事態は長期化し、他国にまで影響を及ぼしかねない。事態の序盤では、オーストラリアからの石炭輸入の中断が原因だとの見方が優勢だったが、最近は中国政府のエネルギー政策がより大きな影響を及ぼしたという指摘が力を得ている。それに伴い、中国政府が対応できる範囲内で事態が進行するだろうとの見通しが出ている。

中国の首都北京の中心的な商業地区周辺に送電塔が立ち並んでいる=北京/ロイター・聯合ニュース

石炭発電の比率60%…世界最大の石炭中毒国家

 中国のメディアやエネルギー専門家は、「石炭中毒」と呼ばれるほど石炭発電の比率が高い中国では電力難がよく発生すると指摘する。統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、昨年中国では全世界の電力の約30%(8736テラワット時)が生産された。その60.8%に当たる4631テラワット時が石炭で作られた。石油の比率は2.1%(160テラワット時)、天然ガスの比率は3.3%(253テラワット時)に過ぎず、再生可能エネルギーである水力発電の割合は17.8%(1355テラワット時)と比較的高い。

 中国の石炭発電の比率が高いのは、生産量が多いためだ。中国は2019年に世界の石炭生産量(81億トン)の47%に当たる38億トンを生産し、2億3000万トンを輸入した。世界の石炭の半分を中国が独占する構造だ。エネルギーを石炭に依存しているため、石炭の供給に伴って電力生産は大きく揺らぐ。新型コロナウイルスのパンデミックから回復する過程で石炭の需要が増え、今年1月には80ドルほどだった石炭1トンの価格は、最近では228ドルへと3倍近くに値上がりしている。急激な値上がりで採算が取れなくなったことで、発電所は生産を減らさざるを得なかった。昨年9月以降のオーストラリアとの対立により、同国の石炭の輸入が中止されたことも影響を及ぼしたとみられる。中国は2019年にオーストラリア産の石炭を4500万トン輸入している。

中国の習近平国家主席=北京/新華・聯合ニュース

政権継続を狙う習近平の勝負手、炭素削減

 習主席は昨年9月の第75回国連総会での演説で、中国の二酸化炭素排出は2030年までに頂点に達し、2060年までには炭素中立(カーボンニュートラル)を実現すると明らかにした。カーボンニュートラルは二酸化炭素を排出する分だけの吸収対策を立てることによって、二酸化炭素の排出量を事実上ゼロにするもの。別の言い方をすれば、40年以内に石炭中毒から脱却するという意味でもある。一部からは習主席の計画には具体案がないと指摘されているものの、世界の石炭の半分を消費する国の指導者がカーボンニュートラルを実現するとの国際公約を示したということだけでも進展だと評価されている。習主席は、先月21日の国連総会の演説ではさらに一歩進んで、海外に対する石炭発電所建設支援は行わないとの意思も明らかにしている。

 炭素削減政策は、共同富裕論とともに習主席の最重要政策の一つとして浮上している。「分配に力を入れよう」という共同富裕論が中国内部をターゲットにしたものなら、「炭素の発生を減らそう」というカーボンニュートラルは国内外を包括するものだ。2018年3月に国家主席の任期制限を廃止した習主席は最近、「カーボンニュートラル」を自らの政権の継続が必要な理由の1つに挙げている。習主席の「独裁的リーダーシップ」が強い脱炭素政策を牽引するかたちとなっている。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1013913.html
韓国語原文入力:2021-10-05 14:51』

〔世界の電力事情…日本への教訓〕

世界の電力事情…日本への教訓 【北欧編】
https://criepi.denken.or.jp/koho/journal/eneco/2013/007.pdf

『結語

日本の電力システム改革でも、発電部門の競争促進や新電力の電源調
達の円滑化などを目指し、卸電力市場を活性化させるためのモニタリン
グの実施、電力先物市場の創設などの改革が検討されている。

2014年には、2016年の小売全面自由化を盛り込んだ電気事業法の改正も行われ
た。

北欧4カ国の自由化の経験は、日本にとっても参考になる点が多いと
期待される。

その際、北欧4カ国全体の電源構成や電力消費量、輸出入の
違いなどを念頭に置くことが必要だろう。

いずれにせよ、一気に改革を実現するのではなく、さまざまな問題を徐々に克服し、制度改正や改善を重ねながら現在に至っていることだけは忘れないようにしたい。』

ノルウェーの国情および原子力事情 (14-05-06-01)
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_14-05-06-01.html

(※ JAEA発の資料のようだ…。)

『<概要>
 ノルウェーは人口からみると512.4万人の小国であるが、IT産業、アルミ産業など電力集約型産業が主要産業で、1人当たりの電力消費量は23,660kWh、世界有数の電力多消費国である。

 この国は、欧州最大の水力発電国であるほか、欧州の石油埋蔵量の60%、ガス埋蔵量の50%を有する資源大国である。

しかし、石油生産は2000年にはピークに達し、天然ガスは増産が見込まれているものの、石油減少分を補填できる見込みはない。

また、石油・天然ガスの資源量は既に約44%が開発済であり、資源探査は行われているものの、全体的に大規模な鉱区が見つかりにくく、2020年頃から減少することが予想されている。

 なお、ノルウェーでは、石油・天然ガスエネルギー資源は主に輸出用であり、自国の電力は水力発電によって賄われる。

渇水時等で電力不足が発生した場合は、スウェーデンなどの隣国またはロシアからの輸入電力によって不足分を補う。

ノルウェーには原子力発電所はないが、1950年代から原子力の基礎研究を行っている。』

EVのリアル、ノルウェーは街ごと

EVのリアル、ノルウェーは街ごと スタンドから家まで
EVのリアル 先駆け欧州を歩く(2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR210AK0R20C21A9000000/

 ※ こういう、「リアル」じゃ無い記事が蔓延るから、困るよ…。

『北欧ノルウェーで政府や企業が交通インフラを「脱炭素仕様」に塗り替えようとしている。給油所は電気自動車(EV)の急速充電設備に置き換わり始め、タクシーやトラック、フェリーに至るまで電動化が進む。EVを生活のメインとして普及させるためには、住宅も含めて街のインフラをまるごと脱炭素社会に合わせる必要がある。最先端のノルウェーで、EV仕様に変貌しつつある街の未来を探った。

首都オスロから西に約80キロメートル、5月に開業したガソリンスタンドとコンビニエンスストアの複合店「サークルKコングスベルポーテン店」を訪ねた。日本でも親しまれた、円の中にKのロゴが見える。

客がミニバンを止めようとしたが、けげんな顔で出て行った。並んでいたのは全てEV用の急速充電設備だったからだ。6基の充電器が計12台に充電できるようになっている。1基の出力は300キロワット。急速充電でも22キロワットや50キロワットがまだ多いなか、乗用車向けでは世界最速クラスだ。

ガソリンは店の奥

韓国・現代自動車「アイオニック5」を充電していたイェンスさんに聞くと「80%までなら18分」と教えてくれた。18分で約350キロメートル走れる。敷地内には子供が遊べる遊具や50席の飲食スペースがある。店員のビヨリグさんは「『ガソリンはどこにいった』と聞かれることもある」と話す。ガソリンも給油できるが敷地の奥で目立たない。
サークルKコングルベルポーテンに並ぶ18口の急速充電器のうち12口は300キロワットと非常に速い

サークルKはノルウェーで450カ所のガソリンスタンドを運営し、そのうち約90カ所に600台分の急速充電設備を備える。主要な幹線道路には設置を完了した。サークルKのeモビリティー事業のトップ、ホーコン・スティクスレッドさんは充電ステーションについて「成長の速度は速い」と手応えを感じる。

コングスベル店の給油と充電の売上高の比率は7対3だが、ノルウェーではEVシフトで2年前から燃料販売量は毎年数%ずつ減り始めた。スティクスレッドさんは「来るべきエネルギー構成の変化に備える必要がある」と語る。

ノルウェーEV協会のスべイヌン・クオーレ上席顧問は「EVがメインの車として日常から休暇までカバーする過程で、インフラの充実がカギになる」と話す。ノルウェー政府は2017年に主要幹線道路の50キロメートルごとに少なくとも2口の急速充電器を設置するプログラムを開始し、民間企業のために基金を設けた。

欧州代替燃料オブザーバトリー(EAFO)によると、最新のノルウェーの高速道路100キロメートルあたりの公共急速充電器(22キロワット以上)の口数は1200以上と5年前の約5倍。欧州連合(EU)全体の26、ドイツの70をはるかに上回る。スべイヌンさん自身も「電池残量10%を切らないと不安に感じない」と話す。
スマホで充電操作

集合住宅も変わり始めた。4年前の取材ではオスロ市役所のEV推進担当、ストゥア・ポトビックさんは「人口の7割が住む集合住宅が課題」と話していた。再会したポトビックさんと市郊外にある集合住宅「ロベコレン・ボレスラグ」を訪れた。
集合住宅「ロベコレン・ボレスラグ」のガレージ(写真中央)には屋上に太陽光パネルを敷いた(オスロ)

ガレージでは屋上に太陽光パネルがあり、中には蓄電池が置かれていた。住人理事会のキェティル・ヘトランド会長は「スマート充電システムを導入し充電時間の管理が簡単になった」と話す。

現在246戸の住人のうち約4分の1がEVを保有する。19年に保有者がガレージで充電器を設置できるようにした。だが、充電の際に容量の問題で15台までしか同時に充電できず、誰がいつ充電するかを決める必要があった。

そこで21年5月にスマート充電システムを導入した。何%まで充電したいのかや車を使う時間などをスマホのアプリで入力するとシステムが最適な配分をするので、住人はプラグを差すだけでいい。

太陽光パネルで発電した電気を蓄電池にためて売電もすることで、電気代を下げられる。負荷を分散すれば電力網への高額な投資も不要だ。ヘトランドさんは「EVに乗り換える住人が増えても対応できるし、住宅の資産価値も上がる」と胸をはる。
蓄電池も設置し電力料金を抑える

今後、ロベコレンのような事例が増えるのは確実だ。ノルウェー政府は20年12月、集合住宅の住人が共用部分の駐車場に充電設備がほしいと要求した場合、集合住宅の理事会はそれを拒否することを禁じる法律を定めた。充電ボックスの費用は個人の負担だが、理事会は配線などを整備しなければならない。

オスロ市はインフラ整備費用の20%と個人の充電ボックス費用の50%を補助する。ポトビックさんは「街中に充電用ポールを立てるのに比べれば安く済む」と話す。ノルウェーで見た変化は、需要が高まると新たな問題解決方法が生まれることを示している。
トラックもフェリーも電動化

オスロから南に広がるオスロ・フィヨルドの交通の要衝、モス。対岸のホルテンとをつなぐフェリーのルートはノルウェーでも最も忙しい海路とされる。フェリー乗り場の岸壁で工事が進む。高さ4メートルほどの黒い箱には「フェリーチャージャー」の文字。このルートで運航する世界最大級全長139メートルの電動フェリー「MFバストエレクトリック」を充電するためのものだ。

フェリーは完全電気駆動に

同フェリーは現在はディーゼルエンジンとのハイブリッドで運航しているが、モスの充電設備が完成すると、ホルテン側で稼働中の充電器と合わせて完全電気駆動に移行する。MFバストエレクトリックの電池容量は4300キロワット時と日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ(通常モデル)」107台分だ。

現在は5隻のうち1隻だけで、22年夏に全運航を電気フェリーに切り替える。二酸化炭素(CO2)削減効果はガソリン車1万台分にのぼる。運航会社バスト・フォーセンのオイヴィンド・ルンド最高経営責任者(CEO)は「地域全体のグリーンシフトに貢献する」と意気込む。
フェリー用の充電器の出力は9000キロワット。停泊中に約10分充電すればディーゼルエンジンの使用は不要に(ノルウェー・モス)

船舶向けの充電システムを開発する独シーメンス・エナジーによると、ノルウェーでは2021年末までに70隻の電動フェリーが運航する予定だ。運輸部門のCO2排出では乗用車に注目が集まりがちだが、バスやタクシーを含んでも約半分で、船舶は航空と並んで約1割を占める。

■商用バンの充電拠点整備

残りの3割がトラックなどの商業輸送だ。オスロではこの分野でも実験が進む。オスロ港の一角にコンテナを積んで作った仮設風の建物が白、黄、赤と並ぶ。ドイツ鉄道系のDBシェンカーのコンテナでは三菱ふそうトラック・バスの電気トラック「eキャンター」が充電されていた。

ここは「オスロシティーハブ」。その名の通り市外から荷物を運んでくる大型トラックが荷物を下ろし電動の小型トラックやバン、自転車に載せ替えて市内に運ぶハブだ。
大型トラックで運ばれてきた荷物は、配送用EVに載せかえて市内各地へ(オスロシティーハブ)

オスロでは30年までにすべての商用バンや重量輸送を原則CO2排出ゼロにすることを義務付けている。そのため19年にDBシェンカーが市に協力を要請しその後、黄のドイツポストDHL、赤の地元郵便会社ポステンが加わり大手5社のうち3社が集まる。

ポトビックさんは「オンラインショッピングが増えるなかでCO2削減の目標を達成するには、商業輸送のインフラ整備が重要だ」と話す。
タクシーは非接触で充電

ポトビックさんのチームはタクシーの充電にもメスを入れた。非接触充電だ。英ジャガー・ランドローバーや充電技術スタートアップの米モメンタム・ダイナミクスなどと協力してテストを進める。改造したジャガー「Iペース」25台を使い、市内3カ所に充電ポイントを設けた。

タクシー運転手は道路に埋め込まれた青い充電パッドの上に車を止めれば、ケーブルの抜き差しをすることなく客を待つ間に充電ができる。充電出力は50キロワットを突破し、さらなる高速化を目指す。

ポトビックさんは「非接触充電はゲームチェンジャーになりうる」と期待する。オスロ市や第2都市のベルゲンは24年に新規登録だけでなく営業するすべてのタクシーを温暖化ガスを排出しないゼロエミッションにすることを決めている。インフラ整備の支援と規制の導入という、アメとムチを駆使して、脱炭素を目指す壮大な社会実験から目が離せない。
(オスロで、深尾幸生)

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日経産業新聞の記事一覧へ 』

中国、米に圧力緩和要求

中国、米に圧力緩和要求 気候変動巡る協議終了
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM037PE0T00C21A9000000/

『【北京=羽田野主、ワシントン=永沢毅】米中高官による気候変動を巡る協議が3日までに終わった。中国の天津を訪れたケリー米大統領特使は中国側に気候対策の強化を求めた。中国側は共産党幹部が入れ替わり応対し、米国の対中圧力の緩和が先行すべきだと主張する異例の展開となった。

バイデン米政権で気候変動を担当するケリー氏は8月31日に天津を訪問、9月3日まで滞在した。中国は共産党序列7位の韓正(ハン・ジョン)副首相や中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員、王毅(ワン・イー)国務委員兼外相がそれぞれオンラインで協議に臨んだ。

米国務省報道官によると、ケリー氏は二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた「追加措置」を要請した。ロイター通信によると、ケリー氏は一連の協議後、電話で記者団に、気候危機は政治的な問題ではないとして、中国に温暖化対策で「最高の目標」を追求するよう促したと説明した。対話の継続で合意したことも明らかにした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ケリー氏は中国の排出削減を加速して早ければ50年に排出量の実質ゼロを達成すべきだと訴えた。

中国国営中央テレビによると、韓氏は「気候変動への対応は中米協力の重要な一部で、信頼を前提とすべきだ」と話した。米国が先に関係改善に動くように対応を求めた。楊氏も「米国の内政干渉で中米関係はひどい困難にあっている」と批判した。王氏は関係悪化の原因は米国にあると主張した。』

「President Biden’s Electric Car Future Is Union Made」

「President Biden’s Electric Car Future Is Union Made」
https://st2019.site/?p=17299

 ※ 米国における「EV促進」の流れと、UAW(全米自動車労組)の関係が、ずっと疑問だった…。

 ※ EVを促進すればするほど、組合員の「仕事」は減って行くわけだからな…。

 ※ その「解答」の一端が、明かされている…。

 ※ おそらく、ヨーロッパでも、中国でも、事情は同じなんだろうと思う…。

 ※ 日本でも、似たようなものだろう…。

 ※ さらに、日本の場合は、「軽自動車」規格もあるんで、さらに複雑化する…。

 ※ それと、住宅事情が厳しいという事情もある…。

 ※ 都市部で、賃貸住宅・マンションに住んだり、駐車場借りたりしている人は、充電をどうするつもりなんだろう…。急速充電器は、エアコン3台分の電力を食う…、とも聞いたぞ…。
 
 ※ そういう電力負担を、回収する仕組みは、どう構築するつもりなんだろう…。

 ※ 難問は、山積みだ…。

『バイデン政権がこのたび打ち出した「2030年には、米国内で製造する自動車の半分は電気とする」という路線は、全米の消費者が負担し、自動車産業労組に対して助成金を支払うのにも等しい仕組みである。

 現状、電動車のシェアは2%しかない。

 ちなみに国内ビッグ3は、フォード、GM、ステランティス(=以前の「フィアット-クライスラー」)。全米自動車労組の牙城である。
 環境主義者と州知事たちが、この計画の政府発表に、ビッグ3幹部たちとともに立ち会った。

 かたや、全米自動車労組の牙城ではない他の多数の自動車メーカーはこの発表には立ち合わなかった。
 電気自動車の先駆企業であるテスラ社からも立会いがなかった。流れを作ったパイオニア功労者のイーロン・マスク氏は純然アメリカ実業家ではないか。
 ヒュンダイ、ニッサン、トヨタの幹部の顔も無かった。それぞれ、バイデン政権の目標を応援したいと声明をしているのに、この場には呼ばれなかったのである。

 要するにバイデン・プランは、全米自動車労組UAWのための政治だ。

 UAW牙城メーカー製の電動新車の購入に対し、政府は1万2500ドルを補助する。UAW牙城ではないメーカーの電動新車に対しては、1万ドルを補助する。そんなことになりそうだ。

 UAWの状態は今、ピンチである。
 1970年代にはメンバーは150万人もいた。今は25万人に減ってしまっている。
 さらに電動車化がすすめば、工場には熟練工がほとんど必要ではなくなってしまう。
 電動車化は、UAWの棺桶に蓋をしめる、最後の釘なのだ。バイデン政権は、その死に体を救ってやろうとしているわけである。

 フォード、GM、ステランティスが生き残るためには、既存GS網に代わる充電所のネットワークが全米に整備されなくてはならない。
 だが、それは、既存のテスラの充電所(それはテスラが自社負担で建設している)の拡充ではいけないか? いけないのである!
 米国の納税者が、UAW牙城たる3大グループのために全費用を持ってやる。そういう仕組みを、バイデン政府は導入する気でいるのだ。当該3社には、テスラのように充電所を自社負担で建設する気などないからである。

 国費すなわち税金で建設された充電所は、すべてのメーカーの電動車に給電することができる。しかしそれによって最も救われるのは、フォード、GM、ステランティスとその労組なのだ。』

〔EVの行く手に待ち受ける試練〕

 ※ 前にも語ったが、EVの「真の課題」は、「エネルギー問題(電力の確保)」と、「鉱物資源の問題」だ…。

 ※ その後者の「鉱物資源の問題」に焦点を当てた、良記事だ…。

EVの行く手に待ち受ける試練(前編)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2107/12/news016.html

レアメタル戦争の背景 EVの行く手に待ち受ける試練(中編)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2108/09/news007.html

ヨーロッパ “想定外”の洪水被害

ヨーロッパ “想定外”の洪水被害 その実態は?原因は?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210803/k10013177551000.html?utm_int=news_contents_netnewsup_008

『7月中旬にドイツとベルギーを中心に起きた洪水被害。

死者数はこれまでに200人を超え、市民生活への深刻な影響がいまも続くなど、未曽有の被害が出ています。

その実態は?原因は?

ベルリン支局の山口芳支局長に話を聞きました。

Q なにが起きたの?
7月14日から15日にかけてヨーロッパ各地で大雨による洪水が発生しました。

特に被害が大きかったのは、ドイツ西部ラインラント・プファルツ州のアールワイラー郡です。

ヨーロッパを縦断するドイツの「父なる川」、ライン川の支流アール川があふれて流域の家屋が倒壊したり浸水したりしました。

7月29日現在、134人が亡くなり、行方不明者は69人に上っています。

ノルトライン・ウェストファーレン州では47人が死亡。

さらに隣国ベルギーでも38人が死亡、1人が行方不明になっています。

Q 被災地の様子は?

7月17日、NHKの取材班はアールワイラー郡に入りました。

川沿いの道路や鉄道は地盤がえぐられて崩れ落ち、線路は浮いた状態に。

橋脚が折れている橋もあり、当時の水の流れの激しさがうかがえました。

中世の趣を残す商店街は石畳の道が一面泥に覆われ、多くの店が2メートルほどの高さまで水につかったそうです。

現地では片づけ作業が始まっていましたが、泥をかぶった商品は売り物にならず、店主のひとりは「40年以上ここで店を続けてきましたが、もう営業の再開は無理です」と疲れた様子で話していました。

Q 暮らしにはどんな影響が?

被災地では広い範囲で電気やガス、水道が止まったほか、通信インフラも被害を受けて携帯電話が不通となりました。

依然として復旧作業が続けられるなど、市民生活に大きな支障が出ています。
公共交通機関への影響も甚大です。

鉄道は土砂の崩落などで600キロにわたって線路に被害がでたほか、多くの駅や50か所以上の橋が被災しました。

鉄道事業者によりますと被害総額はおよそ13億ユーロ、日本円にしておよそ1700億円に上るといいます。

また、ノルトライン・ウェストファーレン州では135の学校で校舎が被害を受け、夏休み明けの8月下旬に通常どおり授業が再開できない学校が出てくる可能性も指摘されています。

被災地の子どもたちの心のケアも大きな課題となっています。

Q 洪水が起きた原因は?

直接の原因は集中豪雨です。

アール川の流域では1日だけで、7月の平年の1か月分の雨量を超えました。

洪水が起きる3週間前から断続的に雨が降った影響で、土壌の水分量が増したところに集中豪雨が重なり、山あいを流れるアール川に、土壌で吸収しきれなかった大量の水も流れ込んだことから、川の水位が急上昇したとみられています。

Q 被害が広がった理由は?

地元メディアは、住民たちに、事前に災害の危険性が十分伝わっていなかったのではないかという見方を伝えています。

それぞれの被災地では「自分が住む地域では警報が出ていなかった」とか「大雨の警報は出されていたが、まさか洪水が起きるとは思わなかった」といった声が聞かれます。

これについて、地理学が専門で災害対応に詳しい、ボン大学のロタール・シュロット教授は次のように指摘しています。

ボン大学 ロタール・シュロット教授

「警報が出された地域でも、すぐに自宅を離れて避難する必要があるといった、具体的な行動を、切迫感をもって伝えていなかったことが大きな問題だ」

Q 気候変動も要因としてあげられるの?

被災地を視察したメルケル首相

今回の洪水との直接の因果関係は、今のところ分かっていません。

ただ、18日に被災地を訪れたドイツのメルケル首相は「科学を信じるならば、気候変動との関連がある」と述べました。

また、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長も、気候変動が影響しているという見方を示しています。

北欧フィンランドの首都ヘルシンキでは、6月の平均気温が史上最高を観測するなど、ヨーロッパ各地は熱波にも見舞われています。

ヨーロッパの人々の間では気候変動に対する危機感が一層強まっていて、ドイツでは気候変動対策が9月に行われる連邦議会選挙でも重要な争点となりそうです。
Q 選挙にはどんな影響があるの? 
およそ16年にわたってドイツを率いてきたメルケル首相の後任が決まる重要な選挙で、ラシェット氏が率いる与党「キリスト教民主・社会同盟」をベアボック氏が率いる野党「緑の党」が追う展開となっています。

7月28日に発表された世論調査では、与党の支持率が26%だったのに対して「緑の党」は21%と差が縮まっています。

「緑の党」はこれまでも気候変動対策の強化を訴えてきただけに、今回の洪水被害をきっかけに選挙に向けて支持を広げていく可能性もあります。

行方不明者の捜索や復旧が急がれる一方で、ドイツの政府与党にとっては、防災・減災への取り組みや気候変動対策が喫緊の課題になっています。』

IHIや三菱造船、欧州で洋上水素プラント

IHIや三菱造船、欧州で洋上水素プラント、600億円投資
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC164OA0W1A710C2000000/

 ※ 案外、採算ベースに乗りやすいかもな…。

 ※ と言うのは、風力発電を「電源の一つ」として使うものじゃ無いんで、「需要予測」とか、「他電源の出力制限」とか、「他電源からの出力の確保」などということを、考える必要が無いからだ…。

 ※ 「エネルギー保存の法則」から言って、「電気エネルギー」を「液体水素の化学エネルギー」に変えて保持するものだ…。

 ※ まあ、最後はコスト問題だろう…。

 ※ 風力発電設備の建設コスト、遠い場所からの運搬コスト…。

 ※ それと、もちろん運搬中の「ロス」なんかの問題がある…。

 ※ あまり、太陽光発電による「グリーン水素」事業の話しを、多く聞かないな…。

 ※ そっちは、米欧勢の「得意カテゴリー」なのか…。

『IHIなどは、洋上で水素を生成するプラントを欧州で開発する。洋上風力発電所の余剰電力を使い、生産段階から二酸化炭素(CO2)を排出しない「グリーン水素」をつくる。投資額は約600億円で2030年度の商用化を目指す。洋上水素プラントは世界的にも珍しく、日本勢はノウハウを積みながら、今後膨らむアジアでの商機をにらむ。

IHIや三菱重工業子会社の三菱造船などが参加するJ-DeEP技術研究組合が、スコットランド国際開発庁と連携する。英スコットランド沖の新しい洋上風力発電所の近くに、海水淡水化装置と水を電気分解して水素を取り出す装置を組み合わせたプラントを設ける。

新しい洋上風力発電所の発電容量はまだ決まっていないが、30年時点で欧州の一般的な洋上風力発電所の発電容量は、原子力発電所1基分にあたる約100万キロワットとなる見通しだ。J-DeEPはそのうち約3割が水素生産に回ると想定する。この想定を今回のプロジェクトにあてはめると、水素の年産能力は2万5000トン程度になる見込み。経済産業省の補助金も活用し、23年度まで事業化調査をする。

生成後の水素は、既存の海底パイプラインを使って運搬することを想定している。液化など運搬向け装置が必要になれば、追加の投資も検討する。

調査会社のブルームバーグNEFによると、グリーン水素の生産コストは、再生エネが割高な日本では現状、1キログラムあたり5.7~8.6ドル(630~950円)程度かかる。一方、風力発電が盛んな英国では現状、1キログラムあたり2.6~4.6ドルで30年には1.6~2.1ドルまで下がる見通しだ。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、世界の洋上風力発電所の20年の発電容量は約34ギガワット(GW、ギガは10億、約3400万キロワット)で、欧州はその70%強を占める。欧州では再生エネによる余剰電力をいかすために、水素などに転換する議論が盛んだ。

洋上風力発電所から陸上への送電は海底ケーブルを活用しており、コストは30万キロワットの電力を1キロメートル送るのに100万ユーロ(約1億3000万円)程度かかる。さらに100キロメートルを送電すると最大1割程度の電力が失われるとの試算もある。欧州では開発地がより沖合に向かっており、洋上風力発電所の近くで水素をつくれば、送電にかかるコストや送電中の電力ロスを避けられる。

日本政府は洋上風力を脱炭素エネルギーの切り札としており、40年までに最大で4500万キロワットの洋上風力を開発する計画だ。今回の洋上水素プラントの運用は「商社やエネルギー会社など日本勢に任せることも視野に入れている」(J-DeEP)といい、洋上風力から水素を生産するノウハウを蓄積する絶好の機会になる。

洋上風力の導入は今後、アジアでも大きく進む。IRENAによると、欧州の発電容量は30年に78ギガワット、50年には215ギガワットになる見通しだが、アジアは30年に126ギガワット、50年に613ギガワットと欧州を上回る。スコットランド開発庁も日本企業と組み、将来は日本を含むアジア市場を開拓したいとの思惑がある。

(川崎なつ美、杉垣裕子)』

米政権の環境規制、欧州と差

米政権の環境規制、欧州と差 車メーカー・労組に配慮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN062VT0W1A800C2000000/

『【ニューヨーク=中山修志、ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領が5日、2030年までに米国販売に占める電動車を5割に引き上げる大統領令に署名した。電気自動車(EV)振興への決意を表明したかたちだが、ガソリン車の全廃を宣言した欧州との差は大きい。22年の中間選挙に向け、米自動車メーカーや労働組合への配慮が透ける。

5日、大統領令の署名式でバイデン氏に先立ってスピーチしたのは全米自動車労組(UAW)の幹部だった。フォード・モーターのEV工場があるミシガン州ディアボーン地区のバーニー・リッキー代表が「我々はEVを生産する準備ができている」と切り出し、バイデン氏は「UAWが自動車産業の未来をつくる」と応じた。

大統領令に署名するバイデン氏をゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)やフォードのジム・ファーリーCEOら米自動車大手の首脳が囲み、官民・労使の協調ムードを演出した。

バイデン氏が署名した30年に米国販売に占める電動車を5割にする大統領令は、35年にガソリン車を全廃する英国や欧州連合(EU)の計画と大きな差がある。トランプ前政権の規制緩和を撤回した新たな燃費規制も、欧州規制に比べると3割近く緩い内容だ。

7月にガソリン車の全廃を表明したEUの欧州委員会は、自動車業界から猛反発を受けている。欧州は日本や米国に比べ電動車の普及が進んでいるが、メーカー各社は「規制が厳しすぎる」と訴えている。

米メーカーは表向きバイデン政権のEV普及策を歓迎しているが、米市場で9割以上のシェアをもつガソリン車やハイブリッド車(HV)の全廃は認められないのが本音だ。GMやフォードは今年に入ってEV戦略を加速しているが、足元の燃費性能は日欧メーカーに大きく見劣りする。

EVシフトを急げば、雇用を重視するUAWの支持を失う恐れもある。EVはガソリン車に比べ部品や生産工程が少なくすむため、工場従業員の雇用減につながるとの指摘がある。UAWはバイデン政権発足後にEVシフトを容認する姿勢に転じたが、組合員の間にはガソリン車の生産が減ることへの危機感が強い。

バイデン政権は長期の環境規制について、「30年を見据えた規制づくりに着手する」との説明にとどめた。米メディアの間では、今回の規制内容で50年のカーボンニュートラル計画が達成できるか疑問視する声も上がる。22年の中間選挙と24年の大統領選をにらみつつ、さらに踏み込んだ規制を示せるか。バイデン政権と自動車業界の距離が試されている。』

ホンダ、早期退職2000人超

ホンダ、早期退職2000人超 EV見据え世代交代
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC051GS0V00C21A8000000/

 ※ トヨタの章夫社長も獅子吼しているように、「100年に一度の変革に対応できない者は、去れ!」ということだろう…。

 ※ ガイシのところでも見たように、「時代の変化」に適応して、「自らの姿を、変えて行けないもの」は、生き残ることはできない…。

 ※ 生物も、ヒトも、会社も、それは同じだ…。

『ホンダが55歳以上の社員を対象に募った早期退職に2000人超が応募したことが5日、分かった。国内正社員の約5%に当たる。電気自動車(EV)シフトを見据え、担い手となる社員の世代交代を進める。自動車メーカーで内燃機関の生産・販売を主体とした従業員構成を見直す動きが広がる可能性がある。

【関連記事】ホンダ早期退職が映すEVの波 崩れる産業ピラミッド

ホンダが早期退職を募集するのは約10年ぶり。今回の早期退職優遇制度は55歳以上64歳未満が対象で、退職金に最大3年分の賃金を上乗せする。4月に募集を始めすでに締め切り、応募状況を労働組合に伝えた。ホンダは応募者の目標を設けなかったが、当初想定の1000人を大幅に上回った。同社の国内従業員数(期間従業員やパートなど除く)は制度対象の子会社を含め3月末時点で約4万人。

応募者は半分ほどが60歳未満で、すでに7月末から退職者が出ている。ホンダは2022年3月期に退職金の割増費用を数百億円程度計上する見通し。22年度以降も制度を続ける予定で、対象者は59歳未満に絞る。同社は日本経済新聞の取材に「退職する社員の転進を支援する狙いが主だ」とコメントした。

同社が人員削減に踏み切るのは、内燃機関から電動化や自動運転へシフトが急務となるなか、中高年層に偏った社員構成を見直すためだ。若手登用を進め、新技術への対応を急ぐ。ホンダは40年までに新車販売をEVと燃料電池車のみにする目標を4月に公表している。

ホンダは4日、22年3月期の連結純利益(国際会計基準)を上方修正し、前期比2%増の6700億円となる見通しだと発表した。米国などで販売が上向いているためだが、主力の四輪事業は営業利益率が前期で1%と低迷している。電動化や自動運転で研究開発などの投資負担が増しており、人件費削減による採算改善の効果もある。

自動車業界では19年に日産自動車が22年度までに世界で約1万人超の人員削減を実施すると発表した。ホンダは四輪を中心に国内外の工場を閉鎖するなど構造改革を進めており、業績が堅調な中での人員削減となる。

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室橋祐貴
日本若者協議会 代表理事

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ひとこと解説 EUでは産業転換(脱炭素化)を促すためにジャストトランジション(公正な移行=気候変動に対応する過程で発生する雇用問題・失業問題に対し対策を取ること)に注力し、例えば9兆円規模の社会気候基金を立ち上げていますが、日本はスピードも規模も小さく、官民が連携してもっと本腰を入れるべきです。
2021年8月5日 18:42いいね
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中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト
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貴重な体験談 7月末に過去からお世話になった数名のベテランHonda社員のかたから退職のご挨拶を受けていました。こういう背景だったわけですね。皆さん、ハッピー・アーリー・リタイアメントでした。

数年前、GMも好業績下にもかかわらず大構造改革を実施し我々を驚かせました。その痛みが現在の同社のEV化やデジタル転換への優勢を生み出しています。
2021年8月5日 18:26いいね
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大湾秀雄
早稲田大学 教授

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ひとこと解説 EVや自動運転へのシフトが加速する中、陳腐化した技能を持つ社員の早期退職だけでは不十分だし、残った社員のエンゲージメントも低下する。早急に社員が腹落ちする事業ビジョンを構築し、そのために必要な人材を確保するための、全社的なリスキリングと採用プラン作りに取り組まなければいけない。しかし、これまでホンダはエンジン技術の強みを軸に事業戦略を立ててきただけに、新たな強みをどこに置くのかというビジョンの構想は他社よりも難航するだろう。
2021年8月5日 18:35いいね
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風早隆弘
クレディ・スイス証券 株式調査部 株式調査共同統括部長

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ひとこと解説 小売り業界というと、販売という印象がありますが、企業の競争優位性を確保するためには、IT物流、在庫管理、商品開発などのビジネスの仕組みを進化させるための人材獲得と組織づくりも重要な経営テーマです。こうした観点で、本記事を捉えてみると、自動車メーカーの経営判断を受けて、業界の枠組みを超えた人材確保の機会が、小売り業界にも到来していると考えることも可能です。実際に、ベビー子ども用品専門店の西松屋チェーンは、一見すると小売り業界とは全く畑の違うパナソニックやシャープなど家電メーカーの人材を積極採用し、自社商品の開発力を引き上げることに成功しています。
2021年8月6日 8:08いいね
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杉本貴司
編集委員・論説委員

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別の視点 ホンダといえば2040年までの「脱エンジン宣言」が話題になりました。ご自身も内燃機関のエンジニアだった三部敏宏社長に先日、「エンジンなき後のホンダは競争力を失わないか」と単刀直入に聞きました。三部さんの答えは「エンジンを作ってきたエンジニアそのものがホンダの武器だ。エンジンを失ってもホンダがダメになるわけではない」、でした。

三部さんは研究所の出身。創る対象が変わっても同僚たちの能力は十分に通用する。そういう趣旨と受け取りました。「ゼロカーボンは極めて高い壁。(今から)やらないと間に合わなくなる」とも。早期退職というと後ろ向きなイメージもありますが、ホンダのシフトチェンジに期待です。
2021年8月5日 19:53いいね
63

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石塚由紀夫
日本経済新聞社 編集委員

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ひとこと解説 内燃機関から電動化へ。クルマという外観は変わらずとも、必要とされる技術はガラリと変わります。どんなに内燃機関に詳しいエンジニアであっても、これまでに培った知識や情報を基に働き続けるのは困難です。それはホンダに限らず、自動車産業全体にいえることです。

働く側と会社側が双方納得したうえでの早期退職が理想的ですが、転職先が見つからないなど退社後の展望が開けず、会社にとどまざるを得ない社員もいるはず。技術・知識が陳腐化した社員のリスキリング(技術の習得し直し)を会社がどう支援するのか。今後の課題になるでしょう。
2021年8月5日 18:44いいね
68 』

EVが崩す「自動車ピラミッド」

EVが崩す「自動車ピラミッド」 部品産業、雇用1割減も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC131TX0T10C21A7000000/

『ホンダが電気自動車(EV)への移行を見据えて2000人超の社員を早期退職で減らす。EVシフトでは複雑な加工が必要となるエンジンなどが不要になって部品数が半減する。国内の車部品メーカーで働く約70万人のうち、1割の雇用がなくなるとの試算もある。日本の製造業出荷額の2割を占める基幹産業に「脱炭素」の大波が構造変化を迫る。

【関連記事】ホンダ、早期退職2000人超 EV見据え世代交代
栃木県真岡市。ここにEVシフトによる産業構造の移り変わりを象徴する工場がある。エンジン部品やガソリン車の駆動部品を生産するホンダのパワートレインユニット製造部だ。
6月4日、2025年の閉鎖が発表された。約900人の従業員は他の拠点へ配置転換する。ホンダは4月に40年にガソリン車を全廃して新車をすべてEVなどにする方針を打ち出した。同工場の閉鎖も電動化でエンジン部品の生産量が減少することなどが背景にある。

EV化を見据えて今春に募った55歳以上の社員を対象とする早期退職には2000人超が応募した。国内の正社員の約5%に当たる規模だ。

崩れる自動車ピラミッド

ガソリン車で3万点ある部品数はEVになると4~5割減るとされる。中でも車の最重要部品であるエンジンがなくなる影響が大きい。

世界の大手自動車メーカーはこれまで一貫してエンジンを自社で開発、生産して乗用車に搭載してきた。車大手が関連部品を生産する多数のメーカーを束ねて産業ピラミッドをつくり、利益を部品会社と囲い込むことで競争力を維持してきた。東京商工リサーチによると、自動車メーカーに直接部品を納入する国内の一次取引先は7500社、一次に部品を納める二次取引先は1万5000社に達する。

EVの駆動部品はモーターやインバーター、それらを一体化した「eアクスル」などの駆動装置に置き換わる。いずれも構造はエンジンよりも単純だ。車メーカーが部品会社を囲い込む巨大な産業ピラミッドの重要性は薄れ、異業種からの参入障壁も大幅に下がる。新規参入組を含む「自動車メーカー」は車の設計やデザイン、ソフトウエアなどの開発に専念し、生産は別の企業に任せるデジタル家電と同様の「水平分業」モデルが広がる可能性がある。

電子機器の受託生産世界最大手の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業はEVの受託生産を始めることを決めた。鴻海に委託すれば、工場を設けて生産設備を持たなくても自社ブランドのEVが容易に造れるようになる。スズキの鈴木修前会長は水平分業が進むと「既存の産業ピラミッドは崩れ去る」と語る。

雇用1割減も

EVへの移行で懸念が大きいのが雇用への影響だ。コンサルティング会社のアーサー・ディ・リトル・ジャパンによると、国内で68万6000人の自動車部品に関連する雇用のうち、EV化で50年までに8万4000人の従業員が減る可能性がある。エンジン関連などの基幹部品ほど国内で生産している企業が多く、雇用への影響が大きくなる。

エンジンがなくなることで雇用が減る

日本と並ぶ自動車大国のドイツでは早くもEVシフトで雇用が減り始めた。独Ifo経済研究所は5月、EVシフトが進むと、30年までに少なくとも同国で21万5000人の雇用に影響が出るとの調査をまとめた。内燃機関にかかわる雇用は19年に61万3000人だったとし、約4割に影響が及ぶことになる。

独ボッシュのフォルクマル・デナー社長は「エンジンの燃料噴射装置の生産に10人が必要だった。モーターは1人だ」と話す。同国の車大手ではフォルクスワーゲン(VW)やダイムラーなどがすでにEVへの移行を見越して工場従業員の整理を決めた。

EV市場の拡大を見込み素材価格が上昇している

素材価格は高騰

EV化はサプライチェーン(供給網)の上流にある原材料の価格にも影響を及ぼす。電池の材料に使う希少金属(レアメタル)の「リチウム」は、最大輸入国である中国で炭酸リチウムの取引価格が4月に9万元と2年半ぶりの高値を付けた。

モーターなどに使う銅もEV向けの需要などを見込んだ投機マネーが流入し、指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格が5月、10年ぶりに最高値を更新した。モーター用磁石などに使われる希土類(レアアース)の「ネオジム」の国際価格も高い。国際エネルギー機関(IEA)の予測ではEV関連のネオジムの需要は40年に20年の6倍になる。

リチウムや銅などは家電などにも幅広く使われている。EVへの移行が生活に欠かせない様々な家電製品の価格を引き上げる可能性もある。

(山田遼太郎、阿部晃太朗)』

〔スペインの電源構成〕

World Report from Spain
「風力発電大国」の実像 ~その背景に電力系統制御への挑戦~
石原孟
東京大学 大学院工学系研究科
社会基盤学専攻 教授
http://windeng.t.u-tokyo.ac.jp/ishihara/posters/nikkei110711.pdf#:~:text=%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%9B%BB%E6%BA%90%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E6%9C%80%E3%82%82%E5%A4%9A%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E7%81%AB%E5%8A%9B%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8A%E3%80%81%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%AE%B9%E9%87%8F%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AE41%EF%BC%85%E3%82%92%E5%8D%A0%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%8C%E3%80%81%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E9%A2%A8%E5%8A%9B%E3%81%A8%E6%B0%B4%E5%8A%9B%E3%81%AE%E5%90%88%E8%A8%88%E3%82%82%E5%90%8C37%EF%BC%85%E3%81%AB%E9%81%94%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%EF%BC%88%E5%9B%B31%EF%BC%89%E3%80%822010%E5%B9%B4%E6%9C%AB%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%82%92%E9%99%A4%E3%81%8F%E7%99%BA%E9%9B%BB%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%AE%B9%E9%87%8F%E3%81%AF6384%E4%B8%87kW%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8A%E3%80%81%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB6554kW1%29%E3%80%82%20%E5%8A%9B%E3%81%AE%E4%B8%87%E3%81%A8%E3%81%BB%E3%81%BC%E5%90%8C%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%94%AF%E4%B8%80%E3%81%AE%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E9%81%8B%E7%94%A8%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8BRed%20Electrica,de%20Espana%EF%BC%88REE%E7%A4%BE%29%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E9%A2%A8%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%AE%B9%E9%87%8F%E3%81%AF2000%E5%B9%B4%E3%81%AE223%E4%B8%87kW%E3%81%8B%E3%82%892010%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%81%AF%E7%B4%8410%E5%80%8D%E3%81%AE2068%E4%B8%87kW3%29%E3%81%BE%E3%81%A7%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%88%E5%9B%B31%EF%BC%89%E3%80%82%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%AB2020%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AB4500%E4%B8%87kW%E3%81%AE%E9%A2%A8%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%82%92%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E7%9B%AE%E6%A8%99%E3%82%92%E6%8E%B2%E3%81%92%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B3%29%2C%20%E6%B3%A8%EF%BC%91%EF%BC%89%E3%80%82

※ 今回、最も参考になったのは、コレ…。

※ 結局、「再生可能エネルギー」を発電に使うと、最も「大変」なのは、「需要予測」と、それに合わせた「電源別の出力の調整」と言うことだ…。

※ 後で、ドイツのところでも、出てくる…。

※ なにしろ、「風力」は「風まかせ」、「太陽光」は「お天気まかせ」、「水力」は「雨まかせ」という話しだからな…。

異常気象、世界で猛威

異常気象、世界で猛威 トルコやイタリアで山火事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05F7T0V00C21A8000000/

『世界で異常気象が猛威をふるっている。トルコやイタリアでは大規模な山火事が発生し、ドイツやベルギーでは大洪水がおきた。地球温暖化の影響とみられ、国際商品価格の上昇や難民の増加にもつながっている。新型コロナウイルスの感染再拡大とともに、経済や社会活動への懸念が増している。

「これだけの火災は歴史上なかった」。トルコのエルドアン大統領は4日、地元テレビのインタビューで語った。トルコでは7月28日以降の約1週間で、南西部の地中海、エーゲ海地方を中心に180か所以上の山火事がおき、8人が死亡した。大部分は鎮圧したが、5日時点でなお15カ所で火災が続く。

【関連記事】トルコで山火事相次ぐ、消防士含め死者8人に
イタリア南部のシチリア島やサルデーニャ島でも7月下旬以降、100カ所以上で大規模な火事が発生し、森林やオリーブ畑、ビーチなど数万ヘクタールが焼失した。サルデーニャ州は「前例のない災害」として非常事態宣言を出し、航空機も投入して消火活動にあたった。フランスなど周辺国も航空機を派遣するなど支援した。

トルコの観光地マルマリス近くの森林でも山火事が起きた(3日、南西部ムーラ)=AP
ベルギーのルーバン大学の災害疫学研究センターがまとめている国際災害データベースによると、2021年は7月までで214件の災害があった。前年同期(222件)をやや下回るが、10年前に比べて4割近く増えている。

欧州連合(EU)のレナルチッチ欧州委員(危機管理担当)は声明で「欧州各地で火災が発生しているため、我々は24時間体制で救援を送っている」と述べた。大規模な災害やテロ事件の発生後に迅速に援助を提供する枠組み「EU市民保護メカニズム」を通じて支援し、欧州委が輸送費の多くを負担する。

米国やカナダでは今夏、記録的な熱波が続いた。観測史上の最高気温の記録を更新した都市も多かった。米カリフォルニア州では4日午後、北部サクラメント近郊で山火事が発生した。延焼面積は約1000ヘクタールに達し、数千人が避難している。

7月にはドイツやベルギーを襲った豪雨で大規模な洪水がおき、死者が200人を超えた。濁流が家屋を押し流し、道路などインフラを寸断した。依然行方不明者もおり、さらに被害者数が広がる可能性が高い。

【関連記事】ドイツの壊滅的な洪水、忍び寄る気候変動の影響
ブラジルでは霜や降雨不足の影響が広がっている。世界有数の生産量を誇るコーヒーやトウモロコシの生産地が打撃を受けており、国際商品価格の上昇につながっている。味の素AGFは3日、10月1日納品分から家庭用レギュラーコーヒーを約20%値上げすると発表した。
ノルウェー難民評議会(NRC)の国内避難民監視センター(IDMC)によると、自然災害や紛争によって自国内で避難生活を余儀なくされている国内避難民は2020年末時点で5500万人と、過去最高になった。中米を襲った暴風雨などで、20年1年間で新たに避難を余儀なくされた人数は4050万人に達し、過去10年で最多になった。(メキシコシティ=宮本英威、ウィーン=細川倫太郎、イスタンブール=木寺もも子) 』

〔寧徳時代新能源科技(CATL, Contemporary Amperex Technology)〕

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%A7%E5%BE%B3%E6%99%82%E4%BB%A3%E6%96%B0%E8%83%BD%E6%BA%90%E7%A7%91%E6%8A%80

『概要

2011年に設立。電気自動車やエネルギー貯蔵システムのバッテリー管理システムのリチウムイオン電池のほか、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の製造を行っている[3]。福建省の寧徳市に本社を置き[4]、寧徳市、青海省、溧陽市に製造拠点がある。主要研究開発センターは寧徳市とベルリンであったが[5]、2018年5月に横浜市にも営業と開発の拠点を開設した[2]。

CATLの年間販売量は2016年のエネルギー貯蔵能力の6.8GWhに達した[6]。同社は2020年までに50GWhのリチウムイオンの生産能力を目標としている[2][7]。

2017年にはパナソニックを抜いて電気自動車用の電池メーカーで世界一となった[2]。

2018年7月にドイツのテューリンゲン州に海外初の工場の建設を発表した[8]。

提携

CATLのバッテリー技術は現在多くの電気自動車メーカーが使用している。国際市場では、CATLはトヨタ自動車[9]、本田技研工業[10]、日産自動車[11]、PSA[12]、現代自動車[13]、BMW[14]、フォルクスワーゲン[10]、ダイムラー[8]と協力している。中国では同社の顧客は北京汽車、吉利汽車、宇通客車、中通客車、金龍客車、上海汽車及び福田汽車が含まれる[15][16]。

2017年1月、CATLはヴァルメト・オートモーティブと戦略的提携を結ぶ計画を発表した。その提携の一環として、CATLはヴァルメト・オートモーティブの株式の22%を取得した[1][17]。』

寧徳時代新能源科技(CATL)ってどんな会社?
https://companeer.net/catl/

『基本情報

正式名称 :寧徳時代新能源科技股/Contemporary Amperex Technology Limited.
創業日  :2011年
創業者  :曾毓群(ロビン・ゼン)
社長(CEO):曾毓群(ロビン・ゼン)※2021年5月29日現在
本社   :福建省/中国
事業内容 :車載用電池製造業

CATLの読み方は、「コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド」

ATLという香港の電池メーカーの自動車用電池部門が独立して誕生した。ATLは、日本メーカーTDKの子会社というつながりもある。

ドイツの自動車メーカーBMWとの協業で、大きく成長した。また、中国政府の補助金も追い風となって、CATLの成長をあと押した。

現在、CATLは中国国内以外にもドイツやインドネシアなどの海外工場を複数建設している。EVの需要に向けて電池の生産能力を大幅に向上させた。』

中国巨大バッテリーメーカーの誕生と日韓のバッテリーメーカーの応戦(後)
https://www.data-max.co.jp/article/30203

『CATLはドイツ企業のBMWとの協業がきっかけとなり、力をつけ始めた。その後、同じくドイツのフォルクスワーゲン(VW)やダイムラー、仏プジョー・シトロエングループとの取引にも成功。中国市場に進出している外資系自動車会社と協業することで、成長の足場を築いた。

 外資系自動車メーカーがCATLの電池を採用せざるを得なかったのには背景がある。現在、世界最大の市場となっている中国で電気自動車を販売するためには、中国政府が推奨する電池メーカーの製品を使わないといけない。その推奨メーカーには、日本のメーカーも、韓国のメーカーも、入っていないので、中国で一番価格競争力があり、高品質なCATLの製品が選ばれたわけだ。

 その結果、外資系自動車メーカーのほとんどにCATLの電池が採用され、CATLはパナソニックを抜いて世界最大の電池メーカーになったわけである。ロイター報道によれば、2020年のCATLの生産能力は、合計で50GWhに達するといわれているが、生産規模を拡大し、100GWhにするという噂もある。

 2016年まで世界シェア首位をキープしていたパナソニックだが、2017年にはCATLに首位の座を譲っている。市場シェアだけでなく、価格競争力、生産能力、利益率においても、CATLに負けているので、パナソニックの前途は多難だろう。』

TDK、中国EV向け電池大手と提携
営業益は5年ぶり高水準に、22年3月期(2021年4月28日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC288VY028042021000000/

『TDKは28日、子会社で香港のアンプレックステクノロジー(ATL)と中国の車載向けリチウムイオン電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が業務提携すると発表した。ATLはCATLと合弁会社を設立し、電動バイクなど産業用途向けのリチウムイオン電池の開発や製造に取り組む。車載向けに強いCATLの技術を生かし、大容量向けの市場開拓を狙う。また同日、2022年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比34%増の1500億円になるとの予想を公表した。 17年3月期の最高益に次ぐ高水準になる。

中国のCATLは車載向けリチウムイオン電池で強みを持つ。同社はもともとTDKが買収したATLの車載部門から分離・独立して誕生した。新興企業ながら中国の自動車メーカーのほか、米テスラやトヨタ自動車などに車載向け電池を納め、車載向け電池では世界最大の企業にまで成長している。

ATLはTDKの子会社でスマホ向けリチウムイオン電池で高いシェアを誇る。05年に約100億円で買収し、今や売上高7000億円規模まで成長しTDKの稼ぎ頭となっている。

ただ足元ではスマホ向け需要は頭打ちになっており、今後の市場成長も期待しにくい。CATLの技術力を生かし市場の拡大が見込める中国の電動バイクや、電動スクーターなど高容量向けの需要開拓を狙う。

同時に発表した22年3月期の連結業績(米国会計基準)予想は、売上高で前期比8%増の1兆6000億円、営業利益で34%増の1500億円、純利益で26%増の1000億円を見込む。スマホやパソコン向けの電池が伸びるほか、コンデンサーをはじめとした受動部品の販売が自動車向けに増える。年間配当は190円と10円増やす方針だ。』

EV電池の中国CATL、納入先の自動車メーカーが競合に

EV電池の中国CATL、納入先の自動車メーカーが競合に
秦野貫
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC212A60R20C21A7000000/

『2011年の創業からわずか6年で電気自動車(EV)向け電池のシェア世界一となった中国・寧徳時代新能源科技(CATL)。世界的な脱炭素の追い風を受けるとの評価から、時価総額は直近で20兆円を超えた。だが、EVに欠かせない電池は自動車メーカーの内製化などの動きもあり、積極的な設備投資がもくろみ通りの成長につながらない懸念も浮上している。

CATLは11年、TDKの電池子会社から独立して発足した。供給先を当初の地場メーカーから独フォルクスワーゲン(VW)や米テスラなど海外に拡大し、17年にEV向けリチウムイオン電池のシェアでパナソニックから世界首位を奪取。韓国調査会社のSNEリサーチによると、20年の出荷容量シェアは26%に達する。

18年に上場し、足元の時価総額は1兆2800億元(約21兆7000億円)と、上場後3年で約10倍になった。車載電池で競合するLG化学(62兆ウォン=約5兆9000億円)やパナソニック(3兆2000億円)を大きく引き離す。「CATLは今後10年間世界のリチウムイオン電池市場で圧倒的な地位を維持するだろう」。大和証券キャピタル・マーケッツ香港のケルヴィン・ラウ氏はこう指摘する。

世界的に脱炭素政策が急速に進み、自動車メーカーは一斉にEV化に舵を切った。当然CATLには喜ばしい変化だが、必ずしも先行きは万全とは言い切れない。収益性を示す指標の低下が目につくようになってきたためだ。特に低下が目立つのは総資産利益率(ROA)で、QUICK・ファクトセットによると前期は4.3%と3年で約5ポイント下がった。

ROAは工場や現金といった資産でどの程度稼げているかを示し、総資産回転率と売上高純利益率の積に分解できる。CATLの場合、売上高純利益率は直近3年間は11%前後でほぼ横ばいで、3年前の19%からほぼ半減した。加えて総資産回転率は悪化傾向にある。

ROAの分母となる総資産は前期末に1566億元と3年前から3倍に増えた。うち43%は現預金が占め、工場などの有形固定資産も196億元と3年で2.3倍に拡大している。現金の使途はさらなる増産投資だ。

現状ではEVに対して電池供給は大きく不足している。CATLは中国で10カ所超の工場の新増設を計画しているほか、21年にはドイツで初の海外工場の稼働を予定する。20年から今年にかけて公表した投資額は1000億元規模にのぼる。大和証券によると、生産能力は23年に20年比約5倍の349ギガワット時まで増える見通し。

だが、こうした巨額の設備投資がシェアの拡大や利益率の向上につながるかは不透明だ。QUICK・ファクトセットによると前期の粗利率は25.4%で、この3年で約8ポイント低下。20年末時点の生産能力は年間69.1ギガワット時と1年で3割増え、20年12月期の減価償却費は45億7679万元と前の期から11%増えた。

増産投資が利益を圧迫することに加え、販売価格は下落している。電池の容量1ギガワット時あたりの売上高は前期に8億4100万元と前の期から11%下がった。背景には競争激化のほか中国政府の補助金縮小がある。中国はEVなどへの補助金を段階的に減らしており、納入先の自動車メーカーから値下げ圧力が強まっている。

足元ではリチウムやコバルトなど原材料価格の高騰も重しとなっている。モルガン・スタンレー・アジアのジャック・ルー氏は「21年4~6月期は車載電池事業の粗利率が前四半期比2ポイント程度下がった」とみる。

EVシフトに伴い、自動車メーカーはEV製造コストの3~5割を占め、価格競争力に直結する電池の自社生産に乗り出している。主要顧客のVWは3月、30年までにEV500万台分に相当する規模の生産能力を整えると公表した。

VWは内製化のほか、出資するスウェーデンのノースボルトから供給を受ける。伊藤忠総研の深尾三四郎上席主任研究員は「ノースボルトは30年に市場シェア25%を目指している。欧州の厳しい規制をクリアするための『国策』に近い会社で、CATLにとっては大きな脅威だ」と指摘する。リチウムイオン電池は汎用品化のリスクも抱える。

こうした状況を乗り切るための次の戦略は何か。豊富な資金を生かした同業やカーメーカーのM&A(合併・買収)や一段のシェア拡大で価格競争力を握ったり、8割を占める車載電池以外の収益源の確保などをすすめたりするほか、伊藤忠総研の深尾氏は「環境に配慮したリユースやリサイクル対応も重要」と指摘する。

深尾氏はCATLが29日に発表したナトリウムイオン電池にも注目する。有限な資源のリチウムに比べてほぼ無尽蔵にあるナトリウムを原料とするため、今後を占う上で重要になる。
(秦野貫)』

中東、輸出視野にグリーン水素

中東、輸出視野にグリーン水素 脱炭素に備え、資源温存
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB224BN0S1A720C2000000/

『【ドバイ=岐部秀光】中東の産油国が再生可能エネルギーの電気で水を分解してつくる「グリーン水素」の投資を本格化する。オマーンが世界最大の製造拠点を整備するほか、サウジアラビアも欧米企業を誘致する。脱炭素時代の「輸出産業」に育てるほか、豊富な化石燃料資源を温存して残存者利益を総取りする思惑もありそうだ。

オマーンの国営石油会社OQは、香港を拠点とする水素開発会社インターコンチネンタル・エナジー、クウェートのエネルギー会社、エネルテックと協力し、国内に世界最大級のグリーン水素の生産施設を建設する。

水を分解する電気をつくる風力と太陽光の発電設備の合計出力は大型原発25基分にあたる2500万キロワット。2028年に着工し、38年に完成する予定だ。完成時には年180万トンのグリーン水素を生産する計画。アジアや欧州向けの輸出を計画している。オマーンはベルギーのエネルギー会社DEMEともグリーン水素事業で連携することで合意している。

サウジアラビアは北西部に建設中の未来都市NEOMでグリーン水素の生産を計画する。米産業ガス大手のエアープロダクツ・アンド・ケミカルズが協力するほか、ドイツなど欧州勢もサウジを水素戦略の重要拠点と位置づけ関係を強化する。

サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの施設内にある水素自動車の充塡ステーション=ロイター
いま世界で流通する水素の99%は天然ガスや石油製品を改質してつくる「グレー水素」だが、製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出する。温暖化ガス排出を削減できるとして注目されるのは、化石燃料からつくるが発生するCO2を回収する「ブルー水素」と製造過程でCO2を排出しない「グリーン水素」だ。

中東は石油や天然ガスを産出するのでブルー水素にも取り組んでいる。

サウジ国営石油会社サウジアラムコは、日本エネルギー経済研究所、三菱商事などと、天然ガスから分離回収した水素をアンモニアに加工し、日本へと運ぶ実証実験に着手した。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)も7月、日本のJERA、INPEX(旧国際石油開発帝石)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とブルー水素からつくるアンモニアの供給網づくりの共同調査で契約を交わした。

ただ、本音では中東産油国はブルー水素よりグリーン水素を重視しているとみられる。サウジのある有力経済閣僚に、サウジはブルー水素とグリーン水素のどちらを有望視しているか尋ねたところ「サウジの国(旗)の色は緑だ」と答えた。

グリーン水素は中東と地理的に近い欧州向けに巨大な需要が見込める。ブルー水素は炭素に値段をつける「カーボンプライシング」が本格化すれば、コスト競争力を失う恐れもある。

中東の産油国は一般に原油の生産コストが低い。サウジはライバルの生産者が市場から振り落とされても最後のプレーヤーとして残り、残存利益を総取りする戦略とみられる。グリーン水素ならば、石油やガスを温存しつつ、化石燃料に代わる「輸出商品」の柱として育てることができる。

課題はブルー水素の2~4倍とされる製造コストの高さ。ただ、水を分解する装置の大型化とコスト低減が進んでおり、30年ごろにはブルーとグリーンの製造コストが並ぶとの見方もある。

湾岸産油国は再生エネも豊富だ。国土の大半を占める広大な砂漠に太陽が照りつけ、海岸線も長く、風力や太陽光発電の立地場所として理想的。サウジは30年までに国内エネルギーの半分を再生可能エネルギーでまかなう目標を掲げる。

高い潜在力がありながら、湾岸産油国の再生エネの発電量は世界全体の1%にとどまる。逆にいえばグリーン水素の製造に回す再生エネの余力も極めて大きい。

エネルギー調査会社ライスタッドエナジーによると、カタールのグリーン水素の生産コストは1キログラムあたり5.8ドル(約640円)。デンマークの3分の2の安さで、世界でも価格競争力がある。

製鉄や石油精製、飛行機など再生エネによる電化が難しい分野に水素を活用することで温暖化ガス排出を減らせる。いま水素のほとんどは工業原料として使われ、エネルギー源としての利用はほぼない。英石油大手BPによれば、50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにするには、最終エネルギー消費の16%を水素でまかなう必要がある。』

米司法省、新興EVニコラの創業者を起訴

米司法省、新興EVニコラの創業者を起訴「虚偽の説明」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29EAJ0Z20C21A7000000/

※ こういう「先端的な」EVやFCVを作っている…、と喧伝していたんだが…。

『【ニューヨーク=中山修志】米司法省は29日、電気自動車(EV)の新興メーカー、米ニコラの創業者トレバー・ミルトン元会長を詐欺罪で起訴したと発表した。ミルトン元会長はニコラの技術力を誇大に宣伝して投資家を欺いた疑いが浮上。司法省と米証券取引委員会(SEC)が調査に入るなか、昨年9月に会長を辞任していた。

米連邦検察当局はニューヨークの連邦地裁に提出した起訴状で、ニコラの筆頭株主であるミルトン元会長が「自身の富と名声のために詐欺的な計画を実行し、事業のほぼ全てにおいて虚偽の説明をした」と指摘した。

ミルトン元会長は29日、裁判所に出廷し無罪を主張した。

SECも同日、同地裁にミルトン元会長を提訴した。ミルトン元会長がSNS(交流サイト)などで虚偽の説明を繰り返し、数千万ドルの個人利益を得たと訴えた。

同日の米株式市場で同社株は一時11%下落した。ニコラの広報担当者は「当局の調査に協力している」とコメントした。』