バイデン氏「クリーンエネで日本と協力」、脱炭素で協調

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1702F0X10C21A4000000/

『バイデン米大統領は16日の日米首脳会談後の記者会見で「気候変動の脅威に立ち向かうため積極的な行動をとることを約束した」と述べ、脱炭素で協調することで合意したと明らかにした。菅義偉首相も気候変動を巡り「2国間の協力と連携を強化することを確認した」と述べた。

バイデン氏は「我々はクリーンエネルギー技術の促進で協力する」と説明した。インド太平洋で途上国の再生エネルギー開発を支援するという。首相は「『日米気候パートナーシップ』を始めることで合意した。極めて意義があり、大事だ」と強調した。

ハイテク分野でも連携を確認した。バイデン氏は日米が取り組む技術に関して、中国を念頭に「専制主義国家ではなく、民主主義国家によって共有されたやり方で管理されている」と指摘して、両国が協力する必要性を訴えた。

バイデン氏は具体的な協力分野として「安全で信頼できる高速通信規格5Gのネットワークを後押ししたり、半導体など重要分野のサプライチェーン(供給網)で協力を拡大したりする」と説明した。人工知能(AI)や遺伝子、量子コンピューターなどの共同研究にも注力すると表明した。

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中国製EV、日本に本格上陸 佐川急便が7200台採用

中国製EV、日本に本格上陸 佐川急便が7200台採用
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC136SH0T10C21A4000000/

『中国の自動車・部品メーカー、広西汽車集団が小型商用の電気自動車(EV)を日本企業に供給する。SGホールディングス傘下の佐川急便が国内での配送用トラックとして7200台採用することを決めた。EVの普及で先行する中国製のEVが日本に本格上陸する事例となる。

広西は中国南部の広西チワン族自治区柳州市に本拠を構える。供給するEVは軽自動車サイズの商用バンで航続距離は200キロメートル以上。配送拠点から配達先までの短距離を走り、配送拠点で夜間などに充電する。8月に仕様を固めて、広西が9月にも量産を始める。実際の納入は2022年9月になる見通し。

生産を担当する広西のグループ企業は日本経済新聞の取材に対し「量産に向けた準備を進めている」とコメントした。

日本の自動車メーカーが手薄な小型商用分野を市場開拓の足がかりにする。当初は並行輸入車などとして日本に供給する。並行して国内で継続的にナンバーをとるのに必要となる国土交通省の型式認証手続きを進める。

車両の企画開発や製品保証は日本のEV関連スタートアップのASF(東京・港)が担当する。広西はASFからOEM(相手先ブランドによる生産)を受託する形となる。佐川は今回採用するEVのコストを明らかにしていないが、現状のガソリン車の軽ミニバンの130万~150万円を下回る水準とみられる。

小型EV商用車は、採算性や安全性の確保、ブランド維持の観点から日本メーカーがあまり手を付けていない領域だ。三菱自動車が世界初の軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」を11年に発売したが、累計で9100台の販売にとどまる。

中国製EVは商用車ではそろりと浸透し始めた。中国大手の比亜迪(BYD)が日本での納入例を増やしており、上野動物園(東京・台東)やハウステンボス(長崎県佐世保市)などが園内バスとして採用しており、のべ53台を納入済みだ。BYDは22年6月までに100台まで増やすことをめざしている。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Electric-cars-in-China/Japan-s-Sagawa-to-buy-7-200-low-priced-EVs-made-in-China?n_cid=DSBNNAR

ケリー米気候変動特使が週内に訪中か 米紙報道

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN113NM0R10C21A4000000/

『【ワシントン=永沢毅】米紙ワシントン・ポストは米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)が週内に中国を訪問すると報じた。訪問地は上海とされ、中国の解振華・気候変動担当特使と会談する。バイデン政権の高官の訪中が明らかになるのは初めて。米国が22、23両日に主催する「気候変動サミット」を前に米中協力の可能性を探る。

ケリー氏の訪中が実現すれば、同氏によるインド、アラブ首長国連邦、バングラデシュのアジア歴訪の一環となるもようだ。米中両国は米アラスカ州での外交トップの協議で安全保障や人権を巡って激しく対立した。中国側には深刻になっている米中関係の改善に向けた糸口を探るねらいがあるとみられる。

ケリー氏はインド訪問の際、現地メディアに気候変動問題での米中協力について「現時点で自信があるわけではないが、期待している」と述べた。米政府高官によると、ケリー氏は就任以来、解氏との接触を続けており、今後も対話は続ける見通しだ。

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COP26「最後の機会」 米EU、温暖化対策主導へ
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天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網

天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網
フランクフルト支局 深尾幸生
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR068U30W1A400C2000000/

『ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐってドイツと米国の摩擦が続く。だが、欧州全体を俯瞰(ふかん)すると、このパイプラインだけでなく天然ガスそのものへの風当たりが強くなっている。つい数年前までクリーンなエネルギーとして期待された天然ガスだが、世界が炭素ゼロへ急加速するなかで「化石」のラベルを貼られつつある。世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大…

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世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大きい。

「直ちにパイプラインの作業を放棄すべきだ」。3月、米バイデン政権は明確にノルドストリーム2に反対する意向を打ち出した。トランプ前政権からの懸案はバイデン政権にも引き継がれ、制裁を排除しない構えだ。ノルドストリーム2は年内の完工をめざし9割以上が建設済みだ。ドイツは原子力発電と石炭火力の終了を決めており、天然ガスの重要性は増すとして米国との妥協を模索する。

だが、独米ロの政治的思惑とは別のところでもその意味合いは変わりつつある。
「ガスは終わった」とEIB総裁

「控えめに言って、ガスは終わった」。1月、欧州連合(EU)の政策金融機関、欧州投資銀行(EIB)のベルナー・ホイヤー総裁は記者会見で言い切った。「(ノルドストリーム2のことは)ベルリンが決めること」と述べたものの、「脱ガスは過去からの重大な離別だが化石燃料の使用をやめなければ気候目標を達成できない」と強調した。

EUは2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)を目指すべく、30年の削減目標を強化している。インフラは耐用年数が長いため今から化石燃料への投資をやめないと50年のゼロは達成できないというのがホイヤー氏の発言の趣旨だ。

発電や都市ガスに使われる天然ガスは燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が石炭より約4割、石油より約3割少ない。温暖化対策の有力な選択肢として期待が集まり開発やインフラ整備が進んだが、早くもその地位が揺らぎ始めた。

ノルドストリーム2が領海を通るデンマークは20年12月、北海での石油・ガス開発・生産を50年までに終了すると発表し、新たな入札を中止した。スウェーデンやフランスの公的金融部門でもガス開発プロジェクトなどへの支援の終了時期を定める動きが広がる。

ガスの将来性に決定的な影響を与えかねないのが、EUが近く立法する「タクソノミー規制」だ。タクソノミーは持続可能な経済活動を分類し定義する。つまり、気候変動の緩和の目標に照らしてどの技術が投資対象などとしてふさわしいかを定めるものだ。

20年11月に公表された原案では、ガス火力発電はCO2排出の基準値を満たすものだけ適格と見なされると記載された。そのための基準値が発電1キロワット時あたり100グラム未満と非常に厳しい。最新鋭のガスタービンコンバインドサイクルシステムでも310~340グラムと、既存技術では不可能な水準だ。まだ確立していないCO2を回収・貯蔵する技術(CCS)などと組み合わせるしかない。

原案の公表以降、ガス業界や一部の加盟国から見直しを求める意見が噴出し、利害を反映するための最終調整が進められている。3月下旬にはガス火力の基準は緩和される方向で検討されていることが明らかになり、一部の欧州議会議員などが「科学的ではない」と反発している。EUは4月末にも最終案をまとめる見通しだ。
理想と現実のバランスは

企業の間でも、とりわけ新設に対しては対応が分かれる。独シーメンスの火力発電機部門が分離したシーメンス・エナジーは、石炭火力の新設からの撤退を決めた。だが、ガス火力は今後も新設需要は旺盛とみる。同社の取締役会を監督する監査役会のジョー・ケーザー会長は日本経済新聞のインタビューに対し、「ガスはエネルギーと電力を確保するための中期的に現実的なソリューションだ。企業は現実と理想のバランスをとる必要がある」と述べた。

一方、独電力大手のRWEは40年までにガス火力発電からも撤退する。次期社長のマルクス・クレッバー氏は取材に「ガスへの需要は北米や欧州、アジアの主要市場では30年ごろ縮小に転じる」と語った。風力などの再生可能エネルギーの方が発電コストが安いためで原則、新設はしない。ガスは冬場に数週間、風力と太陽光の電力が足りなくなることなど緊急時に備えるためだけに残るとみている。

日本企業にとっても対岸の火事ではない。EUのタクソノミーは、EU域内で操業する外国企業も適用対象との議論もあり、日本企業が開示義務の対象となる可能性がある。機関投資家の銘柄選定に影響を及ぼすことも必至だ。また、EUは19年に持続可能なファイナンスについての国際的なプラットフォームを立ち上げており、国際的な基準作りへも影響を及ぼそうとしている。

ガスが化石燃料であることは避けようがない事実だ。一方でエネルギーの多様化と安定供給の重要性は変わらない。例えばCCSのような、CO2を確実に回収し閉じ込められる技術を、競争力のあるコストで確立できるかどうかがガスの将来を左右する。いずれは再エネ由来の水素に置き換わるとしても、過渡的な役割がいつまで続くのかの見極めも重要になる。

「夢の燃料」水素の覇権競う 米欧中日、供給網で火花

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ281EP0Y1A320C2000000/

『脱炭素時代の「夢の燃料」と期待される水素。石油製品のように世界中で使われるようになるには、サプライチェーン(供給網)づくりが欠かせない。米国、欧州、中国、そして日本の4軸を中心にじわりと広がる水素供給網をひもとく。

供給網とはモノを「つくる」「運ぶ・ためる」「売る」「使う」の4つの目的をつなげる大きな商流を指す。水素の供給網を広く、太くする試みが世界各地で始まっている。「つくる」の世界3強は米エア…

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「つくる」の世界3強は米エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、仏エア・リキード、独リンデ。いずれも産業ガス大手だ。

エア・リキードの年間生産量は重量換算で約120万トンに相当する140億立方メートル。日本国内の水素供給量全体の半分以上を1社で賄える。リンデは独東部ライプチヒの近くに100キロメートル超の水素パイプラインを持つ。エアープロダクツ社は米西部カリフォルニア州、南部ルイジアナ州やテキサス州に総延長500キロメートルを超えるパイプラインを整える。いずれも水素を成長分野とみて海外展開にも積極的だ。
エア・リキードは神奈川県横須賀市に研究開発拠点を持つ

3強に続くのは中国勢だ。東華エネルギー(江蘇省)はプロパンガスから、美錦エネルギー(山西省)は石炭をガスに加工して水素を取り出す。

水素は製造過程によって大きく3つに色分けされる。天然ガスなどの化石燃料から取り出してつくる水素のうち、製造過程で出るCO2を大気中に放出するものを「グレー水素」と呼ぶ。CO2を回収・貯蔵すると「ブルー水素」、再生エネルギー由来の電気で水を分解してつくるのが「グリーン水素」だ。グリーン、ブルー、グレーの順番で環境に優しく生成コストは高い。

3強や中国勢など、多くの水素関連企業はまずグレーやブルーを使って水素の需要を増やし、市場をつくりながら技術開発を進める絵を描く。

グリーン水素の開発競争も活発になってきた。ここには技術で先行した日本勢が多くからむ。旭化成エンジニアリングは福島県浪江町の水素関連施設向けに、世界最大級の製造装置を開発した。日立造船や東芝エネルギーシステムズも既存設備の増強を進める。欧州勢では独シーメンス・エナジーやノルウェーのネルなどが装置の大型化を進める。英ITMパワーは住友商事と提携し、市場開拓へタッグを組む。

製造拠点から「運ぶ・ためる」のにも技術が必要だ。水素は気体の中でも軽く、一度に運べる量が少ない。貯蔵しやすいように液化するにはマイナス253度まで下げた状態を長時間維持しないといけない。気体のまま圧力をかけてボンベやコンテナに入れる方法もある。各社は場所や時間、量に応じて最適な方法を模索している。

川崎重工業はオーストラリアから日本に水素を運ぶ世界初の液化水素運搬船を開発した。2030年までに大型化して商用化を目指す。千代田化工建設は水素とトルエンを化学反応させてメチルシクロヘキサン(MCH)という液体にして運ぶ技術を開発した。
川崎重工業の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」

MCHにすれば既存の石油タンクやタンカーを使え、安全性も高い。ブルネイで水素をつくり、MCHで川崎市の製油所に運んで水素とトルエンに分ける。水素は発電に使い、トルエンはブルネイに戻して再び水素の運搬に使う循環の仕組みを整えた。

運んだ水素は「売る」企業に渡される。販売場所の代表格は水素ステーションだ。水素を動力源にする燃料電池車(FCV)の普及をにらみ、水素ステーションを建てる動きが国内外で広がってきた。

ENEOSホールディングスは20年10月時点で44カ所の水素ステーションを持つ。22年春からは愛知県と神奈川県の2つの給油所内に水素充塡設備を導入する方針だ。既存の給油所を生かしてコストを抑える。岩谷産業は20年度末で約50カ所に展開する。コンビニエンスストア併設型や移動式など立地条件に合わせて今後も増設していく。
ENEOSホールディングスが横浜市内で運営する水素ステーション

韓国SKグループは1兆6000億ウォン(約1550億円)で水素関連企業の米プラグパワーの株式9.9%を取得した。プラグパワーは1997年設立。液化水素プラントや水素ステーションといった水素燃料の供給網の構築でノウハウを持つ。これを取り込み、25年までに水素ステーションを100カ所整備する。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは独ダイムラー・トラックやスウェーデンのボルボなどとインフラ整備などで手を組む。

中国では手厚い補助金を受け、上海舜華(上海市)などが整備に力を入れる。国有石油大手の中国石油化工(シノペック)は3月末、25年までに1000カ所の水素ステーションを設置する計画を表明した。

「使う」先は主にFCVだ。水素と酸素の反応で発生する電気で走り、走行時に出るのは水だけ。技術の先頭をトヨタ自動車が走る。14年に世界初のFCV「ミライ」を世に送り出した。ホンダは16年に「クラリティ フューエル セル」を発売した。欧米や中国メーカーが電気自動車(EV)に注力する中、日本勢は実用化で一歩先を行く。

トヨタとホンダの国内販売台数は合計でも数千台にとどまる。今のペースでは、政府が掲げる「30年に80万台」との目標には遠く及ばない。中国は35年までにFCV100万台の普及をめざす。欧州連合(EU)は30年までにEVやFCVなどで3000万台の普及を打ち出す。

供給網は市場が大きい地域を軸につくられる。技術で先を行く日本勢がいつの間にか海外勢に追い越される――。童話「ウサギとカメ」のウサギに日本がならないように、企業は技術革新を推進する。政府は効果的な補助金や国際連携で普及を支える。技術革新のうねりを超え、水素先進国になるために待ったなしの課題だ。

カーボンゼロ
クリックすると「WE THINK」ページへWE THINK https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/about/creative/?n_cid=DSBNWETK

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説

CO2フリー水素のサプライチェーン構築を巡っては、記事の通り、日米欧中国の4軸が主導権争いの鎬を削る激しい競争状況にある。ただ日本にとって、世界にとって、水素の国際サプライチェーン構築に関しては、資源国とアジアという別の軸も極めて重要である。CO2フリー水素は様々な方法で製造可能だが、化石燃料由来のブルー水素・アンモニアの供給力確保という面で、中東・ロシア・豪州等の資源国は重要な役割を果たす。また石炭火力への依存が高いアジア諸国において、ブルー水素・アンモニアの混焼・専焼化で火力のゼロエミッション化に向かうことはアジアの脱炭素化のコスト効率的推進にとって重要で世界的にも極めて有意義だ。
2021年4月12日 8:16

中国で「48万円のEV」が大ヒット、裏にある納得の理由。

中国で「48万円のEV」が大ヒット、裏にある納得の理由。なぜ“突然”売れ始めたのか
https://www.sbbit.jp/article/cont1/56804

『2020年後半から、中国で突如として電気自動車(EV)が売れ始めている。その背景には、コロナ禍を契機にした意識とライフスタイルの変化がある。市場をリードしているのは、「代歩車」と呼ばれる小型で低価格のEV。ただ、テスラなどの400万円前後の高級車も売れている。代歩車では「クルマの玩具化」、高級車では「クルマのデバイス化」が売れる鍵になっている。中国政府が掲げる「2025年にEV化率20%前後」までには、まだまだ乗り越えなければならない課題はあるが、目標達成への道筋が確実に見え始めている。

ITジャーナリスト 牧野武文

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中国のEVの好調ぶりをリードする「宏光MINI EV(ホングワンミニ EV)」。「約48万円」という驚きの価格で、生産が追いつかないほど大ヒット商品になっている
(出典:上汽通用五菱)

<目次>

中国で「突如として」売れ始めたEV
「EVを買って後悔」、消費者の心は離れていたのになぜ?
EVの欠点を打ち消せたワケ
約48万円のEVが大ヒット、「クルマの玩具化」が進行中
テスラなど400万前後でも売れるEV、カギは「デバイス化」
「2025年に20%前後」達成も見えてきた

中国で「突如として」売れ始めたEV

 中国で2020年7月から電気自動車(EV)を中心にした新エネルギー車が売れている。その事実を多くの中国メディアが「突如として」という形容詞を使って報道している。

 自動車産業の業界団体である乗用車市場信息聯席会(CPCA)の統計によると、2020年2月から6月まではコロナ禍の影響により、新エネルギー車の販売台数は前年割れとなっていたが、7月から売れ始め、中国政府が事実上の新型コロナ終息宣言を行った9月以降、記録を更新し続けている。

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2020年の前半は、コロナ禍の影響で、前年割れが続いたが、7月から前年超えとなり、9月以降は販売記録を更新し続けている
(出典:乗用車市場信息聯席会(CPCA)の統計より作成)

 新エネルギー車とは、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)、その他の新エネルギー車の総称だが、85%程度がEV、15%程度がPHEVでほとんどを占める。

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 コロナ前、中国の自動車市場、新エネルギー車市場の前途は明るいものではなかった。自動車全体は、2017年の2887.9万台をピークに減少傾向が続いている。一方、これに入れ替わるようにして増えるはずだった新エネルギー車も2019年は前年割れとなり、EVシフトに黄色信号がともった。それが2020年後半の需要急増で、2020年は136.7万台と記録を更新することになった。

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ガソリン車を含めた自動車販売全体は、2017年をピークに下降の一途をたどっている。新エネルギー車(乗用車)の販売台数も2019年に前年割れとなり、EVシフトに黄色信号がともった
(出典:自動車は、中国汽車工業協会(CAAM)の統計より作成。新エネルギー車は、乗用車市場信息聯席会(CPCA)の統計より作成)

「EVを買って後悔」、消費者の心は離れていたのになぜ?

 突如としてEVが売れ始めた理由は、何よりもコロナ禍による消費者の意識とライフスタイルが変化したことが大きい。他人と接触することなく移動できるマイカーという移動手段が再評価されている。

 コロナ禍以前、消費者の自動車に対する関心は薄れていた。特に若者の車離れが進んでいた。中国の若い世代は1日に7.5時間もスマートフォンを使うとも言われる。運転をする時は、スマホが使えないというのが最大の問題だった。

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 一方で、公共交通はQRコードやNFC(非接触通信)を使ってスマホで乗れるようになり、シェアリング自転車やタクシー配車、ライドシェアもスマホから利用でき、簡易的なMaaS(マース)環境が実現できている。

 さらに、大都市では、曜日によってナンバー末尾による乗り入れ規制、深刻な駐車場難などの問題もあり、多くの若者が公共交通を使って、スマホを使う時間にあてたいと考えるようになっていた。

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連載「中国イノベーション事情」の記事一覧はこちらからご覧いただけます

画像をクリックすると特集ページに移動します

 また、EVは航続距離の問題、バッテリー発火事故に対する不安などもあり、ガソリン車もEVも売れないというのが、コロナ前の中国における車市場だった。

 中国の自動車関係メディアは、「EVを買って後悔している」というオーナーの声を頻繁に取り上げている。最大の理由は、自動車特有の自由さが失われることだ。

 ガソリン車であれば、「今日は天気がいいから山の方に行ってみよう」という気ままなドライブが楽しめる。しかし、EVではそうはいかない。事前に、充電ステーションの場所を調べておき、ドライブルートをある程度決めておかないと、バッテリー切れで立ち往生することになる。多くのオーナーが「遠出をする回数が減った」と言う。

【次ページ】EVの欠点を打ち消せたワケ
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EVの欠点を打ち消せたワケ

 これがコロナ以降、変わった。中国では新型コロナは終息したものの、長距離移動は制限がかけられ続けている。多くの都市で、省外などの長距離移動に関しては、出発7日以内に検査を受けて陰性証明を取得することや、帰ってきてからは7~14日間の自己隔離を、接触頻度の高い公務員や教員に課している。

 このような状況により「内循環」と呼ばれる現象が起きている。本来は、貿易の外循環と国内経済の内循環の二本立てで経済を回復させていくという意味だが、移動制限のない同一省内、市内でのレジャーで地元経済を回す意味でも使われる。旅行アプリ「飛猪(フリギー)」の春節休みの間の観光地情報検索ランキングを見ると、「上海ディズニーランド」「霊隠寺(杭州市)」「広州長隆野生動物世界」など、大都市を抱えている観光地が上位にきている。

 この他、フィールドアスレチック施設やスポーツアクティビティ施設なども人気で、多くの人が近隣の観光施設を訪ねるようになっている。当初は仕方なくだったのかもしれないが、それが、近隣スポットを再発見することにつながっている。

 このような近距離移動であれば、EVの航続距離の問題はあまり考える必要がなくなり、EVの欠点が打ち消される。アフターコロナの意識変化とライフスタイルの変化が、EVの特性とうまく噛み合うようになったのだ。

 EVとガソリン車は、見た目は似ているが、本質的には異なるツールで、使い方も異なったものになるはずだが、私たち消費者はそうは考えない。ガソリン車でできることで、EVではできない点を見つけては、それをEVの欠点として考えがちだ。それは、スマートフォンをPCと比較して、「画面は小さいし、キーボードもついていない」と嘆くようなものだ。

 多くの自動車関係メディアが、EVメーカーの企業努力も評価している。コロナ以前は、どのメーカーもセダン1車種というパターンが多かった。これでは、消費者はEVと同クラスのガソリン車を比較検討することになる。どうしても、EVの欠点が目立ってしまう。

 しかし、2020年になると、どのメーカーも、セダン、SUVなど数車種をそろえるようになった。すると、消費者はEVの車種、EVメーカー間で比較検討をすることになる。EVというカテゴリーの中で、車種やグレードを選んでいけるようになった。

約48万円のEVが大ヒット、「クルマの玩具化」が進行中

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五菱新能源鄭州体験センターでは、中国版Tik Tok「抖音」(ドウイン)などでライブコマースをしている。購入予約ができ、優待クーポンも配信されている。他の販売店も、それぞれにドウインや快手(クワイショウ)などのショートムービー、SNSでの配信を積極的に行っている
 EVの好調ぶりをリードしているのは、A00級と呼ばれる小型車と、中型車以上の2つのカテゴリーだ。

 A00級は、ホイールベースが2.0~2.2mという小型車で、日本の軽自動車(ホイールベースは1.8~2.5m程度)とよく似たクラスのEVだ。

 このクラスでは、上汽通用五菱の「宏光MINI EV(ホングワンミニ EV)」が、生産が追いつかないほどの大ヒット商品になっている。カタログ航続距離は約120kmと短いが、2.88万元(約48万円)という価格が歓迎されている。販売店のサイトでは、頭金0.86万元(約14万円)、月々602元(約1万円)の36回払いのプランも用意されている。

 エントリーモデルでは、暖房のみで冷房がついていないなど、いろいろ割り切ってはいるが、上汽通用五菱は米ゼネラルモーターズ(GM)、上海汽車、五菱の合弁会社であるため、品質に関してもGMの技術が活かされている。

 外装、内装はシンプルだが、デザインレベルは高い。それが若者に受け入れられ、大胆な改造がちょっとしたブームになっている。アニメキャラクターをあしらったいわゆる「痛車」や、六輪車に改造した宏光MINI EVが、SNSやTikTokに大量に公開されている。まさに、ミニカーの改造と同じで、それを実車で行っている感覚だ。いうなれば、「クルマの玩具化」が起きている。

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五菱新能源鄭州体験センターでは、中国版TikTokを通じて、宏光MINI EVの改造車のムービーを盛んに配信している。改造が一種のブームになっており、各地で改造車オーナーの集会や、SNSへのアップロードが行われている

 このような小型車は、「代歩車」と呼ばれている。「歩く代わりに使う車」という意味だ。宏光MINI EV以外にも、長城汽車の「欧拉黒猫」(猫をモチーフにした外観デザイン)、長安汽車の「奔奔EV」、合衆汽車の「哪吒V」(SUVスタイルの小型車)なども人気になっている。このような小型EVが、公共交通の発達していない地方都市では通勤、買い物用に、大都市では改造アイテムとして売れている。

テスラなど400万前後でも売れるEV、カギは「デバイス化」

 新エネルギー車市場を台数ベースでリードしているのは代歩車だが、販売額ベースでけん引をしているのが、中級車から高級車のカテゴリーのEVだ。このクラスでは、テスラのモデル3を筆頭に、テスラ、BYD、ニーオの3社に人気が集中している。テスラは25万元(約410万円)から、BYDは22.98万元(約380万円)から、ニーオは35万元(約580万円)からと決して安くない。だが、それが売れている。その鍵になっているのが「クルマのデバイス化」だ。

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大ヒット商品となっている宏光MINI EVを筆頭に、黒猫、奔奔などの代歩車が健闘している一方、テスラ、BYD、ニーオなどの中型車から高級車のクラスのEVも売れている
(出典:乗用車市場信息聯席会(CPCA)の統計より作成)

 人気の的になっているのが、3社ともに「オートパイロット機能」だ。テスラのモデル3にオートパイロットオプションをつけると6万元(約100万円)の追加出費となるが、多くの人がこのオプションを選択する。BYDもDiPilot、ニーオもNIO Pilotというオートパイロット機能を搭載し、一定条件下でのオートステアリングなどが可能になっている。

 テスラのモデル3では、ドライバーポジションを10人まで記憶する機能がある。ワンタップで、その人のシート位置、ミラー位置などに設定してくれる。乗り降りするときは、シートを下げ、ハンドルを引っ込め、乗り降りしやすくしてくれる。さらに、話題になっているのが、スマートサモン機能(召喚機能)だ。駐車場などで、スマホから呼び出せば、自動運転で車の方が自分の目の前にきてくれるというものだ。

 今、EVを購入している消費者は、本革シートや天然木ステアリングではなく、排気量や空力特性でもなく、こういう「機能」に高級感を感じている。

 また、大型タッチディスプレイを搭載し、5G通信、車内Wi-Fi、音声操作によるSNS、音楽、映像サブスク、ARナビ(カメラ撮影した実風景にナビルートをオーバーラップ表示する)も常識になっている。機能を割り切って、価格を抑えている代歩車ですら、専用スマホアプリからバッテリー残量を見られたり、上位モデルでは音声操作可能なタッチディスプレイが装備されている。

 Z世代(中国では95年以降生まれの20代前半)に対して行った、自動車に関するアンケート調査「中国Z世代自動車購入傾向調査」(OPPO他)には、面白い設問がある(調査時期は2020年10月)。それは「あなたにとっての自動車を表すのに適している言葉を選んでください」という質問で、「移動ツール」という言葉が最も多くなった。

 しかし、他の世代の回答よりもZ世代の回答が多い順に並べると、1位が「テクノロジーデバイスのひとつ」、2位が「スマート機能のある移動空間」になる。つまり、Z世代は、自動車を自動車ではなく、スマホの延長線上にあるデバイスとして見ている。「走るスマホ」だという認識なのだ。

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「あなたにとっての自動車を表すのにふさわしい言葉は?」を選択肢から選ぶ設問の答えで、Z世代の回答割合が他世代に比較して大きいものから並べた
(出典:「中国Z世代自動車購入傾向調査」(OPPO他)より作成)

「2025年に20%前後」達成も見えてきた

 EVが「突如として」売れたのは、コロナ後の消費者の意識の変化と、EVの特性がうまくシンクロをしたことも大きいが、EVメーカーが車種を増やし選択肢を広げ、デバイス化を進めるなどの努力をした面も大きい。各EVメーカーは、ガソリン車とEVは似て非なるものと位置付け、EVを商品として成熟させようとしている。

 2020年11月、国務院は「新エネルギー車産業発展規則の配布について(2021-2035)」を発表し、その中で新エネルギー車販売割合目標を「2025年に20%前後」としている。

 新エネルギー車(乗用車)を自動車販売台数で割ったものを仮に「EV化率」(注1)として計算してみると、現在のEV化率は5.40%となる。あと5年で、20%に乗せるためには、さらにEVシフトを加速させていく必要がある。

注1:商用EVの販売台数の統計がないため、ここで算出した「EV化率」は公式なものではなく、あくまでも目安となる。

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分子に「新エネルギー車乗用車販売台数」、分母に「自動車販売台数」として計算した「EV化率」の推移。2018年から自動車販売台数が減少し始めたため、EV化率があがり、2020年後半の販売増により、さらにEV化率があがった
(出典:中国汽車工業協会(CAAM)、乗用車市場信息聯席会(CPCA)の統計より作成)

 EVが売れていると言っても、それは20台に1台程度のこと。まだまだ、新しい物好きな人が代歩車を買い、経済的に余裕のある人がテスラなどのEVを購入している状態にすぎない。これを5台に1台がEVの状態にするには、一般の消費者にEVをいかに普及させるかにかかっている。それにはまだまだいくつものハードルを越えなければならない。とは言え、中国で本格的なEVシフトが始まる起点になる可能性は十二分にある。

 特に注目をしておく必要があるのは、2019年までの中国のEVシフトは補助金やEV製造割合の義務付けなど政策誘導による部分が大きかったが、アフターコロナのEVシフトは、消費者が自らの意思で選び始めているということだ。あるメディアは、このEV需要の急増は「突如として」ではなく、EVメーカーの企業努力が実り始めたもので、必然なのだと論評している。

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アフリカ諸国、EV生産目指す エジプト「22年にも」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR22BZX0S1A320C2000000/

『【カイロ=久門武史】アフリカで電気自動車(EV)生産を目指す国が広がっている。エジプトは来年にも始めるとし、ウガンダはEVバス量産を狙う。ともに中国企業と組む。EVは新興国が一足飛びに国産車を育てる手段になる。中国企業がアフリカの成長市場に浸透する糸口にもなる。

エジプトの国営自動車会社ナスルは1月、中国の東風汽車の傘下企業とEVの生産協力で合意した。東風のEVセダン「E70」を首都カイロ郊外のナ…

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東風のEVセダン「E70」を首都カイロ郊外のナスルの工場でつくる計画だ。同社は1960年設立で、伊フィアットの乗用車を組み立てていたが休止状態にある。

国営企業を統括するエジプトのヒシャム・タウフィーク公共事業相は日本経済新聞の取材に、同工場でのEV生産開始は「来年半ば」との見通しを示し、まず年2万5千台を目指すとした。バッテリーなど基幹部品は輸入するが「国産部品を50%使う」と語った。「我々のデザインで車をつくるチャンスで、いずれ自国のブランドも非現実的ではない」と述べた。

アラブ圏で最大の1億人を抱えるエジプトは人口が年2%のペースで増えるアフリカ有数の市場だ。日本や韓国、欧州のメーカーが現地生産しているが、国産ブランドは育っていない。

一方、アフリカ東部の内陸国ウガンダでは、国営の新興自動車会社キイラがアフリカ初のEVバス量産を目指している。ロイター通信によると、中国恒天集団から技術移転を受けている。同社は傘下企業がEVバスを手掛け、輸出実績もある。

EVはアフリカ諸国にとって産業振興だけでなく、大気汚染の軽減につながる。人口増と経済成長で交通渋滞が悪化し、排ガスによる健康被害は無視できない。

ケニアの首都ナイロビではEVタクシーが走り始め、モロッコでは国産の充電スタンドが登場した。ルワンダでは電動バイクをつくるスタートアップ企業が現れた。

アフリカでエンジンで走るクルマの生産は、欧州や日本の自動車大手が先行した。所得水準の高い南アフリカや欧州市場に近いモロッコに工場が集まり、ガーナなどアフリカ西部で生産するメーカーも増えてきた。中国勢は知名度が低く、EVは出遅れを挽回する手掛かりになる。

「彼らは準備が整っていた。欧州勢はそうではなかった」(タウフィーク氏)など、中国企業の意思決定の速さを評価する声は多い。他方で「後になってコストを詰める点が出てくるのでは」との見方も日本企業からは上がる。中国のEV大手、比亜迪(BYD)は17年にモロッコにEV工場を建設する意向を示したが、実現していない。

アフリカでは今年1月、大陸全体を共通市場にするアフリカ自由貿易圏(AfCFTA)が始動した。関税撤廃を掲げており、域内全体を視野に入れて製造拠点を構える外国メーカーは増える可能性が高い。

EVはエンジンが要らないため、参入障壁が低いとの期待もある。半面、アフリカで普及するには、電力供給の安定や充電設備の整備が課題だ。関税や補助金の見直しで消費者を誘導する仕掛けも欠かせない。

さらに先進国が地球温暖化対策でEVへの移行を急げば、だぶつくエンジン車の中古車が安くアフリカに流れ込む。結果として高値のEVが売れにくくなるとの懸念がある。

テスラのEV世界販売2.1倍 1~3月、中国生産車が好調

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02EPC0S1A400C2000000/

『【シリコンバレー=白石武志】米テスラが2日発表した2021年1~3月の電気自動車(EV)の世界販売台数は前年同期比2.1倍の18万4800台となり、四半期ベースで過去最多を更新した。中国生産を始めた新型車が好調で、事前の市場予想(17万2000台前後)を上回った。

車種別の販売台数は主力車「モデル3」と新型SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」が合計で前年同期比2.4倍の18万2780台だった。高級セダン「モデルS」と高級SUV「モデルX」は1~3月に生産しておらず、販売は在庫に限られたため83%減の2020台と振るわなかった。

テスラは19年末にモデル3の生産を始めた中国の上海工場で21年1月からモデルYの生産と納車も始めた。最安グレードについては20年夏時点で予告していた価格よりも3割低い約34万元(約570万円)で発売し、予約が殺到したと報じられている。旺盛な需要に応えるため、現在はフル生産体制への移行を急ピッチで進めている。

テスラは米カリフォルニア州の工場で生産する全4車種のうち、モデルSとモデルYについては近く大幅な改良を予定しており、一時的に生産を止めたとみられる。1~3月に製造工程に新しい装置を導入して試験を実施し、現在は生産再開の初期段階に入ったと説明している。

同社は21年の年間EV販売台数について具体的な数値目標を示していないが、20年実績(49万9647台)に比べ50%を上回る伸びを見込むとしている。21年中には独ベルリン郊外や米テキサス州で建設中の完成車工場も稼働させる。

自動車業界では半導体不足で車両生産を一時休止する動きが広がっており、テスラも影響を受けているとみられる。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は2月下旬、部品不足を理由にカリフォルニア州内の完成車工場の操業を2日間停止したと明らかにしている。

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[FT]インド、先進国の脱炭素目標を痛烈に批判

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB024QR0S1A400C2000000/

『インドは気候変動対策について話し合う国際会議の場で、先進国は温暖化ガスの排出を実質マイナスにする「ネットネガティブ」を目指すべきだと発言した。欧州連合(EU)や中国など、温暖化ガスを大量に排出する国・地域が掲げる削減目標も批判し、11月の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を控えて各国間の脱炭素をめぐる交渉が激しくなっている様子をうかがわせた。

先進国の目標は「絵空事」
インドの…

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インドのシン電力相兼新・再生可能エネルギー相は世界の主要排出国が気候変動対策について話し合うオンライン会議に出席し、2050~60年の温暖化ガス排出削減目標は「絵空事」にすぎないと突き上げた。インドのような途上国には、排出量を実質ゼロにする削減目標を強制すべきではないとも述べた。

3月にニューデリーで行われた気候変動対策を訴えるデモでメッセージを掲げる参加者=ロイター

この会議は国際エネルギー機関(IEA)とCOP26が主催した。米国のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)や中国国家エネルギー局の章建華局長、欧州委員会のフランス・ティメルマンス上級副委員長(気候変動担当)が出席するなか、シン氏は演説で主要国の脱炭素目標を厳しく非難した。

「2060年は遠い先だ。温暖化ガスの排出が現在のペースで続けば、60年になるころには地球は滅びているだろう」とシン氏は発言。そのうえで「これから5年間、あなた方はどんな行動をとるのか……いつになったら自国の排出量を世界平均あるいはそれ以下に削減するのか」と詰め寄った。

外交圧力にさらされるインド

総排出量の削減目標を設定していないインドは、11月に英グラスゴーで開催されるCOP26を控えて外交圧力にさらされている。

インドが代わりに掲げている目標は、国内総生産(GDP)当たりの排出量削減だ。30年までにGDP比の排出量を05年の水準から33%減らすとしているが、この目標を達成しても必ずしも総量が減るわけではない。

6月に英コーンウォールで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)では気候変動対策が主な議題となる見通しで、インドのモディ首相も出席する。

ネットネガティブとは、大気中に排出する温暖化ガスを削減し、吸収・回収分と相殺して排出量を実質マイナスにすることを指す。現時点でネットネガティブを実現している国は、森林に覆われ水力発電を幅広く利用しているブータンだけだ。

ティメルマンス氏はシン氏の発言に対し、電力が必要な途上国はすぐにでも再生可能エネルギーに移行できると反論した。

「国民の健康と経済状況を目標水準に引き上げるために、何もカーボンフットプリント(温暖化ガス排出量)を大幅に増やす必要などない。もっといい方法が他にある」とティメルマンス氏はIEAとCOP26のオンライン会議で述べた。

4月には米バイデン大統領が主催する気候変動サミットが開催される予定で、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領も招待されている。サミットを1カ月後に控え、ケリー氏は警鐘を鳴らした。

「母なる地球が悲鳴」と米大統領特使

「(脱炭素は)イデオロギーではない。政治的な目標でもない。1カ国だけ、2、3カ国だけが力を入れているプロジェクトでもない。科学者たちが何年も求め続けてきた現実であり、母なる地球も悲鳴を上げている。その叫びは来る日も来る日も繰り返し我々に脱炭素を迫っている」。ケリー氏はオンライン会議で述べた。

米中欧は今世紀半ばまでに温暖化ガス排出量を実質ゼロ近辺に削減することが重要だという点で大枠合意しているが、インドは今も距離を置く。

ニューデリーを拠点とするコンサルティング会社クライメート・トレンズのディレクター、アーティ・コスラ氏は「インドは『様子見』の状態だ。新たに対策を打ち出す前に、世界の主要排出国の動向を見極めたいと考えている」と指摘した。

インドの温暖化ガス総排出量は現時点では米国の半分以下にとどまるが、年々高まるエネルギー需要を背景に、今後は世界で排出量の増加を助長する主因になるとみられる。

シン氏はこう訴えた。「先進国が一堂に会して話し合うべき重要なテーマは、温暖化ガス排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラルではなく、排出量を超える温暖化ガスを大気中から回収・吸収することだ。ネットネガティブこそ協議すべきである」

By Leslie Hook

(2021年3月31日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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50年排出ゼロ宣言、自治体急増 総人口1億人超え

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG2645P0W1A220C2000000/

『温暖化ガスの排出を2050年までに実質ゼロとする目標を宣言した自治体が増えている。19年9月には4自治体だけだったが3月上旬には300を超え、総人口は1億人を上回った。長野県や横浜市など積極的に取り組む地域もある。ただ自治体ごとに取り組みには濃淡があり、今後は具体性が問われる。

菅義偉首相は20年10月26日に政府として「50年ゼロ」を宣言したが、一足早く地方で進んでいる。19年9月時点で宣言した…

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19年9月時点で宣言したのは東京都、横浜市など4自治体だけだったが、首相の宣言時には166自治体に増えていた。

「ゼロカーボン宣言をした自治体の人口カバー率は日本が世界最大ではないか」。21年2月、小泉進次郎環境相は米バイデン政権で気候変動対策を担うジョン・ケリー大統領特使とのオンライン会談で、旗振り役として取り組んだ成果を強調した。

先行するのは長野県だ。20年4月に「気候危機突破方針」を発表し、再生可能エネルギーの生産量を3倍以上にする工程表を作った。全ての建物に50年までに太陽光パネルを設置することを例として挙げる。河川や農業用水などを使う小水力発電も導入できる場所に全て設置するとした。

21年度予算で10億円規模の「ゼロカーボン基金」を新設した。太陽光や小水力、バイオマス発電の立ち上げ資金の貸し付けをする。ゼロカーボンに役立つ技術開発をする企業への補助金にもあてる。県立大学の電力を100%再生エネに切り替えた。県によると国公立大学では全国初となる。

京都市は3月、国内の自治体として初めて、英国やカナダ政府が主導する「脱石炭連盟」に加入した。石炭火力の廃止やクリーンなエネルギーへの転換を求める組織で約35カ国、約35自治体などが加盟している。

横浜市は青森県や岩手県など東北の13市町村と再生可能エネルギーを融通する連携を進めている。東北地方で生み出した電気を横浜市内に供給する予定だ。電気代の一部を東北地方の地域活性化に使う。

エネルギー消費量が大きい大都市は、域内の省エネや再生エネ導入だけで50年ゼロを達成することが難しい。温暖化ガスの排出量を上回る削減効果を実現する「カーボンマイナス」を達成した自治体との協力が重要だ。横浜市らの連携は先行例と注目されている。

東京都や横浜市など大都市の自治体は宣言によって再生エネを調達しやすいことをアピールし、企業誘致など投資を呼び込む狙いだ。過疎の進む自治体は、経済の域内循環や雇用創出、災害に強い街づくりにつなげる。企業からは工場やオフィスに再生エネを求める声が大きくなっている。

政府は自治体の取り組みを後押しする。地球温暖化対策推進法改正案(温対法)では、自治体に再生エネ導入の目標設定を義務づける。20年末から始めた国・地方脱炭素実現会議で6月にも、地域の脱炭素の工程表を作るなど具体的な取り組みを急ぐ。

現状では、大多数の自治体は宣言しただけで具体策はこれからだ。早稲田大学の大塚直教授は「宣言によって自治体はスタートラインに立った。温対法に基づいて再生エネの導入計画を作り実行するといった具体的な取り組みが必要だ」と話す。

世界でも、自治体が気候変動対策で主要な役割をしている。米カリフォルニア州は独自にガソリン車を35年までに禁止する。同州バークリーでは新築住宅や商業施設で天然ガスを禁止するなど独自の取り組みを進めている。日本も自治体や企業の本気度が問われる。(気候変動エディター 塙和也、岩井淳哉)

「グリーン水素」へ東芝系など挑む 脱炭素の切り札に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ231ZP0T20C21A3000000/

『燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素は、カーボンゼロ実現に向けた有望なエネルギーだ。その製造過程でもCO2を一切、排出しない水素が「グリーン水素」だ。製造に必要な電力は再生可能エネルギーを使う。グリーン水素を作り出す水電解装置の開発・製造では日本、欧州を中心に世界各社がしのぎを削る。

従来型より電力を3割削減へ
横浜市の臨海工業地帯にある東芝エネルギーシステムズの京浜事業所。ここでは燃料電池の…

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ここでは燃料電池の技術を応用した次世代型の水素製造装置の開発が進む。目指しているのは省電力だ。装置が完成すれば、従来型より電力を3割削減できるようになる。

水素には様々な製造法があるが、グリーン水素は水を電気で分解して作る。水電解の方法は、水素の取り出しにイオン交換膜を使う「固体高分子形(PEM形)」と強アルカリの水溶液に電流を流す「アルカリ形」の2つが主流だ。

一方、東芝エネルギーシステムズが開発を進めるのは燃料電池の技術を応用した「固体酸化物形(SOEC)」と呼ぶ方式。水素と酸素を反応させて電気を生み出すのが燃料電池だ。これを逆にして水蒸気と電気から水素を作るのがSOEC方式の水電解装置だ。エネルギーシステム技術開発センター化学技術開発部の長田憲和氏は「PEM形やアルカリ形に比べ省電力に優位性がある。20年代後半には実用化したい」と話す。

製造システムの低コスト化を目指すのはPEM形を製造する日立造船だ。構造を簡素化し部材を減らすなどして、従来品よりも製造費用を抑える製品を開発している。

相次ぐ大規模プロジェクト

グリーン水素を製造する水電解装置の開発では、欧州メーカーが先行している。装置を大型化し、大規模なグリーン水素の製造プロジェクトを次々と打ち出している。

独シーメンス・エナジーは15年から欧州などで大型の水素製造装置の出荷を始めた。19年にはオーストリアで6000キロワットの再エネ電力を使った水素製造装置を納入した。現在は1万7500キロワットの電力で年間約2900トンの水素を製造できる装置の開発に着手している。対応する電力容量が増えれば増えるほど大量の水素を製造できる。

英ITMパワーは、2万4千キロワットの電力で水素を製造する装置を22年後半にも稼働させると発表。ノルウェーのネルもスペインなどで太陽光発電を利用した大規模な製造拠点を展開している。

一方、日本でもグリーン水素の大規模製造プラントの建設が始まっている。旭化成は福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」で1万キロワットの太陽光発電の電力に対応した製造設備を納入。年間900トンの水素を製造でき、現時点では世界最大規模だ。

地熱発電を利用する取り組みも始まる。21年7月をめどに大林組は大分県九重町で実証プラントを設置する。

ただ、日本国内ではプラントの大型化に課題がある。ボトルネックになるのが再生エネ電力の価格だ。火力発電が主力の日本では再生エネ電力の価格が高止まっている。一方、メガソーラーや大規模な洋上・陸上風力発電設備の設置が進んでいる欧州では安価で再生エネ電力が調達できる。建設費などを含めた再生エネの発電コストを比べると日本は英国やドイツの2~3倍にもなる。

一方、日欧メーカーでタッグを組む事例も出てきた。三菱重工業は20年10月、ノルウェーのハイドロジェンプロに出資。ハイドロジェンプロは、1日あたり水素を4.4トン製造できる9000キロワット級の水電解装置を開発している。

欧州が先行し、日本が技術に磨きをかけている水電解装置だが、北米でもグリーン水素製造に動き始めた。20年11月、エンジンメーカーの米カミンズはカナダの水素製造装置メーカー、ハイドロジェニックスを買収。

今後は中国メーカーの本格参入も見込まれる。上海電気は中国科学院大連化学物理研究所と提携してPEM形のR&Dセンターを新設すると発表。中国では大型プラントの開発計画もある。

日本政府も重視

日本政府は20年12月に発表した「グリーン成長戦略」で水素を重要な産業の一つに位置づけた。経済産業省は水電解装置は50年までに年間で約8800万キロワットの導入が進み、年間の市場規模が約4兆4000億円にまで及ぶと予測する。日本よりも再生エネの導入が先行する欧州市場への日本企業の参入を促す政策も打ち出している。

世界に先駆け水素に着目し、技術開発を続けてきた日本メーカー。だが実用化・大型化では欧州に遅れをとっている。今後は技術力を生かし、海外勢にない製品をスピーディーに市場に投入する開発体制が求められる。

水素は無色透明な気体だが、カーボンゼロの観点から色分けされている。

製造過程で完全に二酸化炭素(CO2)を排出しないのがグリーン水素。水を電気分解して水素を取り出す過程だけでなく、使用する電気も再生可能エネルギーを使う。もし火力発電など化石燃料由来の電力を使うとグリーン水素とは呼べなくなる。

一方、現在世界で作られる水素の9割以上は、もっともレベルの低いグレー水素だ。天然ガスや石炭など化石燃料を燃やしガス化して抽出する。その際、CO2が発生し、大気に放出するとグレーとなる。CO2を地中に埋めてとじ込め、大気中に放出しなければブルー水素になる。

ほかにターコイズ水素もある。天然ガスなどに含まれるメタンを電気で熱分解する製法で、炭素を固体化することでCO2を排出しない。使用する電気は再生エネルギーを使う。さらにはグリーン水素と同じ水電解で、原子力の電力を使うイエロー水素もある。

水素自体はエネルギー源として使うため燃焼させてもCO2を発生しない。だが、その製造過程でCO2を排出してしまってはクリーンエネルギーとは呼べない。最終的にはグリーン水素の製造を目指す動きが欧州を中心に活発になっている。

(柘植衛)

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脱炭素有識者会議が初会合 首相「国際社会の議論主導」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE312Q90R30C21A3000000/

『政府は31日、首相官邸で温暖化ガス削減を議論する有識者会議の初会合を開いた。菅義偉首相は「世界の脱炭素化に積極的に貢献し、国際社会の議論をリードする」と述べた。2050年の温暖化ガス排出実質ゼロの達成に向け、30年までの削減目標や炭素税のあり方を検討する。

学習院大の伊藤元重教授が会議の座長に就いた。ソニーの吉田憲一郎会長兼社長や三井住友フィナンシャルグループの国部毅会長、イオンの三宅香環境・社会貢献担当責任者ら各業界の代表や…

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ソニーの吉田憲一郎会長兼社長や三井住友フィナンシャルグループの国部毅会長、イオンの三宅香環境・社会貢献担当責任者ら各業界の代表や専門家ら10人が参加した。

政府は今夏をメドにまとめる30年までの排出削減目標など関連政策の計画を策定する。有識者会議の議論を政府の計画づくりに反映させる。

首相は「次なる大きな成長戦略を描くうえでも気候変動対策への取り組みは極めて重要だ」と指摘した。「国際的な潮流も踏まえつつ、日本の目指すべき方向性や将来ビジョンについてビジネスの現場や専門的な視点から忌憚(きたん)のない議論をお願いしたい」と語った。

首相は4月9日にバイデン米大統領との初めての首脳会談に臨む。22日には米国主催の気候変動サミットにオンライン形式で参加する。米国など主要国は30年の排出削減目標を重視する。有識者会議での議論を急ぐ。

温暖化ガス、30年目標のハードル高く 4割超の削減必要

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODB3153Y0R30C21A3000000/

『脱炭素に向けた議論が日本でも本格的に動き出した。2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするためには、30年時点で40%を大きく超える削減目標が必要だ。達成には、再生可能エネルギーの拡大や排出量取引制度の導入、技術投資などを急ぐ必要がある。

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31日に首相官邸で初会合を開いた政府の有識者会合の最大の焦点は「NDC」と呼ばれる30年の国別削減目標だ。日本の現時点の30年目標は13年度比で26%減とな…

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日本の現時点の30年目標は13年度比で26%減となる。50年に、森林による吸収分などと相殺して実質的な排出量を実質ゼロにするには、30年時点で4割を超す削減幅が必要だ。

パリ協定では気候変動の影響を抑えるため、気温上昇を1.5度以内に抑える目標を掲げる。国連はそのためには50年時点の脱炭素だけでなく、世界の温暖化ガス排出量を30年に10年比で45%減にする必要があるとした。

先進国として多くの温暖化ガスを既に排出してきた日本は、さらなる対策が求められるため、世界の研究者による組織「クライメート・アクション・トラッカー」は、日本は13年比60%以上の削減が必要とした。

削減には再生エネの大幅な拡大が欠かせない。現状での国の30年時点の導入目標は約2割だ。太陽光発電の拡大によって、20年時点でほぼ達成しているものの、4割を超える英独から見劣りする。経済同友会は30年に40%、再生エネ導入に積極的な大手企業が集まる日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は約50%を目指すべきだと指摘している。

経済同友会は「日本はさらに再生エネを導入する潜在能力がある」と主張する。世界で製造過程における再生エネの使用を求める企業は増えている。JCLPなどは現状の日本では再生エネの電源を調達することは困難で、将来的にサプライチェーン(供給網)から除外されかねないとして大幅な拡大を求めた。

足かせになっているのは送配電網だ。再生エネに関する政府の会合では、中小の業者が送配電網につなぐ際に高額の費用を大手電力から求められるケースなどが相次いでいると報告された。太陽光発電などの高コスト構造の温床といわれる仕組みを変えるため、国は規制やルールを見直し、大量導入を促さなければならない。

技術開発も欠かせない。ビルの壁面や自動車の屋根など立地の制約を受けない新型の太陽電池の早期の商用化には支援がいる。水素や二酸化炭素を回収・利用(CCU)の技術の研究開発も継続して必要だ。再エネと蓄電池と組み合わせ、電力を有効活用するネットワークの構築もカギだ。

欧米は脱炭素の開発投資に積極的だ。米バイデン政権は4年間で2兆ドル(約200兆円)、欧州連合(EU)も10年間で官民合計で1兆ユーロ(約120兆円)の目標を掲げた。日本も2兆円の基金を立ち上げるが金額では見劣りする印象も否めない。

名古屋大の天野浩教授らによると日本の脱炭素には50年までに計165兆円の投資が必要という。世界で約3000兆円に上るというESG投資や国内企業の現預金約240兆円の誘導が不可欠だ。

炭素排出に価格付けを行うカーボンプライシングの導入も有効な手段だ。すでに本格的に導入した欧州では温暖化ガスの削減に実効性が上がっている。欧州委員会によると、EU域内排出量取引制度の対象となるすべての事業者の温暖化ガス排出量が、19年は18年と比較して8.7%減ったという。社会の変革に有用な手段であることは証明されている。

環境政策に詳しい早稲田大学の大塚直教授は「カーボンプライシングはすぐにでもやらないといけない。消費行動や企業の技術開発など、社会を脱炭素の方向に動かす推進力になる」と語る。

国際協調も重要だ。脱炭素は途上国にも大きな負担になる。温暖化ガス削減の国際枠組みである「パリ協定」は先進国、途上国の区別なく削減を求めている。しかしインドなど今後、排出の大幅増が見込まれる途上国、新興国への技術支援も日本など先進国には必須となる。国内企業の競争力の向上につなげるための国の支援も欠かせない。官邸主導の30年に向けた野心的な施策が期待される。

(気候変動エディター 塙和也)

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カーボンゼロ

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慎泰俊のアバター
慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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ひとこと解説 すべての温室効果ガスをCO2換算すると、世界の排出量は年間500億トンで、その内訳は製造業が31%(特に鋼鉄やセメントなど)、27%が電力、27%が農業(特に肥料)や畜産業(特に牛)、16%が輸送・移動、7%が冷暖房となっています。

電力を自然エネルギーか原子力に変え自動車をすべてEVにすれば相当なインパクトは出ますが、他の領域でのイノベーションも必須だと思います。CO2排出量がネットでプラスである限り、気候変動は速度の違いはあれ進むからです。EV同様、脱CO2化は往々にして産業構造そのものの変化を伴うので、今すぐ始めないと間に合いません。

2021年4月1日 8:53いいね
0

深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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別の視点 国内雇用の維持・拡大を脱炭素戦略の目標・目的とするのが排出削減量よりも重要だと考える。

自国の再エネ発電量が少ない日本企業は、再エネ利用を求めるグローバル顧客のサプライチェーンから弾き出されないために、再エネの調達がしやすい海外へ工場を移管することを検討せざるを得なくなる。産業の空洞化を回避し、中小企業を含めた国内雇用を維持するためには、再エネの導入を加速する必要がある。

排出量取引で獲得したカーボンクレジットの売却益の一部を消費者に還元する仕組みを企業が作れば、カーボンプライシングが消費者の脱炭素への行動変容を促し、企業収益(富)の分散が消費を喚起する。結果、雇用創出につなげることもできる。

2021年4月1日 6:01いいね
4

志田富雄のアバター
志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点 国際エネルギー機関(IEA)は昨年10月、2020年版の世界エネルギー見通し(WEO)を公表しました。今後の動向については、いくつかのシナリオで分析。そのうち「現在、各国が公表している(温暖化防止への)政策や目標を全面的に反映(総動員)した」シナリオでは30年まで石油需要の拡大が続き、そこから頭打ちになるものの、40年まで日量1億バレル強の消費が続きます。現在、公表されている政策や目標ではパリ協定の目標達成からほど遠いことが分かります。

2021年4月1日 7:30いいね
3

自動車業界、EV振興でバイデン政権に注文(NY特急便)

自動車業界、EV振興でバイデン政権に注文(NY特急便)
米州総局 中山修志
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN301Z60Q1A330C2000000/

 ※ 『国土が広く長距離移動が多い米国では、バッテリー切れのおそれがあるEVが普及しにくいという指摘がある。2月のGMの決算会見ではメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)が「35年時点でEVの普及率が5割にとどまっていたらどうするのか」と突っ込まれ、返答に窮する場面もあった。』…。

 ※ そういう問題は、いくら政権が「腕力使っても」、解決できるものじゃ無いだろう…。

 ※ 35年と言えば、14年後だ…。それで、半分も「電気自動車」に置き換わるものかね…。

『30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、104ドル安の3万3066ドルで引けた。米長期金利の上昇に伴いシスコシステムズやマイクロソフトなどハイテク株が売られた。北米の物流網の停滞がコスト要因となっているコカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も値を下げた。

ゼネラル・モーターズ(GM)など主要自動車メーカーで組織する米国自動車イノベーション協会(AAI)が30日、EVの振興…

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ゼネラル・モーターズ(GM)など主要自動車メーカーで組織する米国自動車イノベーション協会(AAI)が30日、EVの振興策をまとめたバイデン米大統領宛ての書簡を公表した。米国のEVの販売比率が足元2%にとどまっており、連邦政府の支援が不十分だと指摘。充電インフラの充実や、研究開発費の税控除、購入の優遇措置などを求めた。

ポイントはこの書簡が、AAIと米国部品工業会(MEMA)、全米自動車労組(UAW)との連名で出されたという点だ。EVシフトは、完成車メーカーと部品メーカー、労働組合で利害が異なる。EVはエンジンや吸排気系の部品が必要ないため部品数はガソリン車の半分程度に減るとされる。生産工程も減るため工場の従業員も少なくてすむ。

書簡では「米国の競争力と雇用を守るため、国家ビジョンとしてEV振興に取り組む必要がある」と明言した一方、「自動車市場の現状を考慮すれば、内燃機関への継続的な投資も必要だ」とも加えた。部品メーカーや労組への配慮も見て取れる。

31日にはバイデン氏がペンシルベニア州でインフラ投資の計画について発表する。同氏は大統領選の公約にEV振興を掲げたが、全米50万カ所への充電設備の導入計画を打ち出して以降は具体策を示していない。このタイミングで書簡を発表したのは、EV関連の支援を念押しする狙いがあったようだ。

AAIで中心的立場のGMは1月、2035年までにガソリン車とディーゼル車の生産・販売を全廃し、電動車に全面移行する目標を掲げた。だが、20年の米新車販売に占める電動車両のシェアはプラグインハイブリッド車(PHV)を加えても2%にとどまり、欧州連合(EU)の11%とは大きな開きがある。

国土が広く長距離移動が多い米国では、バッテリー切れのおそれがあるEVが普及しにくいという指摘がある。2月のGMの決算会見ではメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)が「35年時点でEVの普及率が5割にとどまっていたらどうするのか」と突っ込まれ、返答に窮する場面もあった。

10年ほど前の自動運転ブームでは大手メーカーがこぞって開発を競い、独自技術をうたう新興企業が相次ぎ登場した。当時の説明では21年にはレベル5の完全自動運転車が実現されているはずだったが、実際はホンダがレベル3に到達したばかりだ。

いまのEVブームも当時の状況と似ている。生産実績が無い新興メーカーがSPAC(特別買収目的会社)を通じて相次ぎ上場し、数年でテスラに匹敵する規模に成長する計画を掲げて投資マネーを呼び込む。だが、米国のEV需要は不透明で、サプライチェーンの再編にも時間とコストがかかる。早くも政権を頼り始めた自動車産業の姿勢が、EVシフトの難しさを物語っている。

(ニューヨーク=中山修志)

日EU、途上国の脱炭素支援で協力 今春にも枠組み

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE283OA0Y1A320C2000000/

 ※ こういう風に、絡めとられて、徐々に相手の思うがままの方向に誘導され、気づけばがんじがらめで、身動きが取れない状態にされて行く…。

 ※ 本来は、一国の「エネルギー政策」は、自国が「国内のエネルギー資源」「国外のエネルギー資源」「国内の外貨獲得能力」「自国の技術力」などを勘案して、自主的に決定していくべきもののはずだ…。

 ※ それが、「脱炭素」「温暖化対策」ということで、強力に「タガをはめられる」ことになる…。

 ※ 元来、人的つながり、金融上のつながり、技術上のつながりが深かった日本国も、間接的に「コントロールされる」ことになって行く…。

『日本と欧州連合(EU)が今春中にも脱炭素で包括的な協力を進める枠組みを創設する見通しになった。アジアなど途上国への再生可能エネルギーの導入支援や新技術の開発で連携する。2050年に温暖化ガスの実質排出量をゼロにする目標を掲げる両者で相乗効果を狙う。

EU側が日本政府に「アライアンス(連合)」を打診した。枠組みの形態や協力案件について当局間で詰めの協議をしている。

東南アジアや南アジアなどの新興国や…

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東南アジアや南アジアなどの新興国や途上国に再生エネや新エネルギーの導入を促すことを想定する。途上国や新興国は安価な石炭火力への引き合いがなお強い。日欧は政府開発援助(ODA)などで脱炭素の施策を後押しする。

日EUの得意分野を生かした新技術の共同開発も見据える。日本は二酸化炭素(CO2)を地下に埋め大気中への排出を減らす手法の研究を進めている。アンモニア燃料を活用した発電技術にも強みがある。欧州は再生エネの運用ノウハウで先行する。

アジアの新興国は温暖化ガスの排出削減で重要になる。例えばインドのCO2排出量は40年を越えても増加が続くと予測されている。安価な蓄電池の導入が広がれば30年の直後にピークを迎えるとの試算がある。

インドは石炭への依存度が高いが、太陽光発電などの再生エネの拡大を計画している。一般に石炭火力発電と比べ高コストだが、安価な蓄電池を供給すれば同程度に抑制できるという。

菅義偉首相は20年秋、50年の温暖化ガスの実質排出ゼロ目標を打ち出した。EUからも脱炭素に前向きだと受け止められ、有力な連携相手として浮上した。

日本の気候変動の対策は欧州などから遅れが指摘されてきた。東日本大震災後に原子力発電所が相次ぎ停止した日本は化石燃料からの脱却が課題になっている。

米欧は日本による石炭火力の輸出支援も問題視していた。エネルギー需要の旺盛な東南アジアなどに輸出し、各国の排出量が高止まりする恐れがあった。政府が輸出支援の全面停止の検討に入り、足並みをそろえやすくなった。

6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は脱炭素が議題になる見込みだ。11月には第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が控える。米国を含めた日米欧で脱炭素の国際協調を主導する道筋を描く。

EUは温暖化対策が不十分な国からの輸入品に価格を上乗せする「国境調整措置」を検討している。透明性のある制度が構築できれば、世界全体での脱炭素に貢献できるといった狙いがある。日本に協議を持ちかける可能性もある。

日本は31日に初会合を開く有識者会議で国境調整措置を含めたカーボンプライシングの議論をテーマのひとつに据える。現時点で「新たな貿易摩擦を生む可能性がある」などとして慎重論が根強い。

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脱炭素に米中対立の影 ダニエル・ヤーギン氏

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Japan-and-EU-to-ally-on-aid-for-Asia-decarbonization?n_cid=DSBNNAR

ロシア、対欧輸出に暗雲 脱炭素 資源大国揺さぶる 環境税で年6500億円損失も ガス管建設への米反対も鮮明に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR18AR20Y1A210C2000000/

 ※ こういう記事を読むと、「脱炭素」というものが、決して「温暖化対策」というだけの話しでは無く、「国家戦略」に基づいた「敵対陣営の封じ込め」策でもあることがよく分かる…。

 ※ そして、さらには、「敵対陣営」だけに向けられているものでは無く、「特定国の経済活動」を弱めようとするものでもあることにも、注意しておいた方がいい…。

 ※ おそらく、日本国も標的になっているはずだ…。

 ※ そういう中を、搔いくぐって、日本国の「国家戦略」を、策定・実行していく必要がある…。

『【モスクワ=石川陽平】資源大国ロシアの経済を支える対欧州輸出に暗雲が垂れこめてきた。バイデン米政権は欧州向け天然ガスパイプライン計画への反対の姿勢を鮮明にした。欧州連合(EU)が温暖化対策の不十分な国からの輸入品に対して導入する事実上の関税による損失は60億ドル(約6500億円)に達するとの試算もある。米国との対立激化と脱炭素化の潮流がガスや石油に依存するロシア経済を揺さぶっている。

「もし、これ…

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「もし、これ(ガスパイプラインの建設作業)が続くなら、制裁を科すかどうか決定を下す」。ブリンケン米国務長官は24日の記者会見で、ロシア産天然ガスを欧州に輸出するノルドストリーム2の完工を阻止する強い意思を強調した。前日のマース独外相との会談でも、建設に参加する欧州企業への制裁について警告したという。

バルト海海底を通ってドイツ北東部に至るノルドストリーム2は輸送能力が年550億立方メートルで、ロシア政府系のガスプロムが年内の完工をめざしている。事業にはドイツなど欧州企業も多数参加する。9割以上が建設済みだが、トランプ前米政権に続いてバイデン政権も強硬に反対し、事業の行方は一段と不透明になってきた。

バイデン政権はノルドストリーム2の阻止で「敵対国」とみなすロシアの勢力封じ込めを狙う。ロシアはほぼ同じルートで稼働済みのノルドストリームと合わせて、ガスプロムの対欧(トルコを含む)ガス輸出量の約半分を担えるようになるとの目算が外れ、欧州への資源輸出戦略の修正を迫られる可能性がある。

さらに、パイプライン以上に対欧輸出の打撃になりそうな問題が、EUが加速する「脱炭素化」だ。EUは23年までに規制が緩い国からの輸入品に対して生産時に出した二酸化炭素(CO2)の量に応じて関税や排出枠の購入義務を課す「国境炭素調整」を導入する方針だ。EU向けが輸出総額の4割を占めるロシア経済には痛手となる。

特に輸出総額の4分の3を占める石油など化石燃料と素材産業への悪影響が懸念される。有力紙・独立新聞は、EUの「国境炭素調整」導入による企業の損失額が年30億~60億ドルになる可能性があるとの試算を伝えた。危機感を募らせるロシアは官民ともに温暖化対策の強化を急ぎ始めた。

政府は2月中旬、「温暖化ガス排出規制法案」を基本承認した。CO2の排出量が多い企業に排出量の算出と報告を義務付け、排出削減への投資を促進するための法的基盤も定める。国内での本格的な排出枠取引にもようやく道を開く内容だ。

クリーンな次世代エネルギーとして注目される水素の輸出にも乗り出す。エネルギー省幹部は日本経済新聞に対し、2035年に年200万トンを生産し、欧州やアジアに輸出する目標を明らかにした。原子力会社ロスアトムなど各社が開発に着手し、対日輸出も検討している。

民間ではアルミニウム世界大手のルサールが、50年に事業活動から排出されるCO2を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を実現する目標を明らかにした。水力発電の利用を広げ、製造工程で炭素を使わない新たな技術も年内に開発する。鉄鋼大手のセベルスターリは30年までの排出削減計画の策定に着手した。

温暖化対策は石油や天然ガス企業にも広がる。石油大手ルクオイル幹部は50年までに「カーボンニュートラル」を達成する長期目標の策定に着手した。ガスプロムも30年までのCO2排出管理の工程表を策定したとしている。

ただ、EUの「国境炭素調整」は、脱炭素化がロシア経済に与える脅威の始まりにすぎないとの見方が出ている。

化石燃料の利用を減らす動きは環境保護に積極的なバイデン政権が誕生した米国や中国、日本などアジア各国でも加速してきた。将来、連邦予算の約4割を担う化石燃料部門の利益が減少すれば、資源の富に頼ってきたプーチン政権の統治モデルは揺らぎかねない。

プーチン氏は世界での化石燃料の利用停止について「これから30~50年は非現実的だ」と指摘するが、政権は警戒を強めている。ノワク副首相は20年12月、石油ガスの利用減少は避けられず「いまある資源の現金化(生産・販売の拡大)にもっと注意を向けるべきだ」と述べ、開発を急ぐよう焦りをにじませた。

脱炭素に米中対立の影 ダニエル・ヤーギン氏 エネルギー問題の権威、英調査会社IHS副会長

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR274LB0X20C21A3000000/

 ※ 『世界各国の指導者は米中の対立に巻き込まれたくない。2021年の地政学の大問題だ」』…。

 ※ 「巻き込まれる」も何も、米中それぞれが「提供している」、「自国にとっての、利益」を、しっかり抽出して、利益衡量すべきだ…。

 ※ 再度言うが、国家の生き残り・国家戦略にとってのプライオリティは、安全保障>経済活動>文化活動だ…。

 ※ 自国の生き残りの観点から、「何を取って」「何を捨てる」のか、意思決定しないとな…。

 ※ 「国家戦略」において、「欲しいものを、すべて手に入れる。」ということは、不可能だ…。

『新型コロナ危機は経済のデジタル化をうながし、脱炭素社会への流れを加速させた。深まる米国と中国の対立は世界のエネルギー転換にどのような影響をおよぼすのか。エネルギー問題の権威であるダニエル・ヤーギン氏に聞いた。

――「新冷戦」ともいわれる米中の対立は気候変動対策にもおよびますか。

「米当局者は気候変動問題では中国と協力すると聞いているが、他の分野の協力はきわめて難しくなった。米バイデン政権のスタート…

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米バイデン政権のスタートは(対中関係で)順調とはいえない。バイデン政権は人権や香港をめぐり歯に衣(きぬ)を着せなくなっている。世界各国の指導者は米中の対立に巻き込まれたくない。2021年の地政学の大問題だ」

「中国は(冷戦時代の)ロシアと異なり、世界経済に深く組み込まれている。中国を孤立させる政策を出すのはとてもむずかしい。日本は慎重に対応すべきだ。米国との戦略的な関係を抱える一方、世界で最も危険な水域である南シナ海や東シナ海の状況も考える必要がある」

ーー中国の温暖化ガス削減のねらいは何でしょう。

「純粋に大気汚染や地球環境への懸念から出たものではない。原油輸入への依存度を減らし、米欧や日韓が支配する自動車市場に挑戦する戦略的な意図がある。内燃機関(エンジン)で外国に追いつけないとみた中国は一足飛びに電気自動車(EV)への道を選んだ」

――自動車産業の行方はどうみますか。

「トヨタ自動車は自らを『モビリティカンパニー』と位置づけ、独フォルクスワーゲンはソフトウエア中心の企業に脱皮しようとしている。日本の一部メーカーは燃料電池車のほうがEVより利点が多いと考えているかもしれない。世界最大市場である中国の政策決定にくわえ、欧州や米国がEVにシフトすれば、規制や制度が整えられ、EVへの追随は避けられなくなる」

――エネルギー自立を高めた米国が撤退する中東はどうなりますか。

「(イスラエルと湾岸アラブ諸国が20年に国交を正常化した)アブラハム合意の意味は理解されていない。イランとトルコの脅威、(中東の安全保障からの)米国の撤退という懸念を、イスラエルとアラブ諸国が共有した。(かつて米国は原油の主な買い手だったが)中東の産油国にとって主要市場はいまやアジアであり、世界のエネルギー市場のバランスは一変した」

――イラン核合意の修復は可能ですか。

「15年のイラン核合意をむすんだ米高官が政権にもどり、その立て直しを試みている。合意のリスクよりも合意がないリスクのほうがはるかに大きい。バイデン政権はイランとの対話を模索するだろう」

――過去にもブームがあった水素の利用機運が再び高まっています。

「われわれが4年前に水素の会議を開くと言った際には笑われた。その後、欧州が水素と(水素利用と併用される)炭素捕捉への関心を急速に高めた。水素が主要燃料となるには規模と技術、政治的実行力が必要だ。世界の石油ガス企業も水素について真剣に検討しはじめた」

――はやくから水素利用に取り組んだ日本は先行者利益を失いつつありますか。

「水素の知識を蓄積した利点は大きい。欧州はエネルギーシステム全体の複雑さに関する理解を欠くなかで、水素について政策が乱立する問題に直面している」

――新型コロナウイルス危機で温暖化対策は難しさを増しましたか。

「過去のエネルギー転換は数世紀かかって実現した。われわれはそれを30年で進めようとしている。(エネルギー転換よりはるかに容易な)新型コロナのワクチン接種すら欧州はこれほど手間取っている」

「新型コロナ対策で大型の財政出動をした結果ふくらんだ債務の重みは人々が考えるよりずっと大きい。各国政府は気候変動とともに経済の安定を保つ必要もある。環境政策を経済全体から切り離して考えることはできない」

(聞き手は岐部秀光)

Daniel Yergin 英調査会社IHSマークイット副会長。「石油の世紀」「市場対国家」などの著書で知られるエネルギー問題の権威。新著は「The New Map」。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Daniel-Yergin-China-has-strategic-calculation-on-zero-emissions?n_cid=DSBNNAR

〔電気自動車の現状…。〕

誰もが電気自動車は未来だと言っているが、ディーラーは売る方法を心配している
(原題 「人人都说电动汽车是未来,但是经销商发愁怎么卖出去」)
https://www.163.com/dy/article/G4HKGERO0534IP97.html

 ※ 『電池をカートリッジ式にしろってばよ
ボンネット開けて電池交換、バタンと閉めて出発
給油するより早いわ』

 ※ こういうことを、言っている人がいる…。

 ※ 全く、分かっていない…。

 ※ 大体、テスラの「バッテリー」は、シャシーに組み込んであるから、取り外しは「不可能」だ…。しかも、「発熱対策」で、「水冷式」にしてある…。

 ※ その他の、EVのバッテリーも、シートの下に仕込んである…。交換するには、シートを取り外す必要がある…。

 ※ そういうこと、全然知らないで、言っているんだね…。

 ※ 全部が全部、「アシスト式自転車」みたいになっていると、思ってはいかんよ…。ボンネット開けたって、EVの場合、駆動部分の「バッテリー」なんて、出てこない…。

※ 実は、「テスラのバッテリー」は、画像を検索しても、あまり出てこない…。

※ 前は、上記のような「シャシーをぶっ壊した画像」くらいしか、無かった…。

※ それでも、最近は、こういう画像が出てくるようになった…。

※ 例の、乾電池でよく見かける、円筒形の「充電できる電池」だ…。どうやら、それを縦にして、並べたもののようだ…。

※ 「水冷システムの概念図」だ…。やはり、発熱が凄いらしい…。

『(中国語。Google翻訳文)

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、電気自動車はアメリカの自動車産業の未来だと誰もが言っているが、ディーラーがそれらを販売する方法を考え出す場合にのみ。

自動車ディーラーのブラッド・ソーヤーズは、ゼネラル・モーターズ(GM)の今後の電気自動車の波に備えるにお金を費やしている。 彼はセントルイスのディーラーに充電ステーションを設置し、サービスコンパートメントをアップグレードし、技術的に異なる車について従業員を再訓練しています。

しかし、彼は昨年、実際に電気シボレーボルトの販売を考えると、少し躊躇し始めた – 全部で9とすべてのシボレーは4000を販売した。 電気自動車への移行については、「米国中部の消費者は、まだそのレベルに達していない」と彼は言った。 その理由は、彼のクライアントの多くは、毎日長い道のりを運転し、大都市の外に充電設備が不足している。

自動車業界の幹部や投資家が電気自動車の時代について語る中、多くのディーラーは、この熱意を現在の新車販売の現実に合わせるためには、まだ多くの努力が必要であると述べた。 昨年、バッテリー駆動車は米国の自動車販売の2%未満を占めた。

ディーラーや業界アナリストは、ほとんどの消費者は電気自動車を購入していないし、ガソリン価格が比較的低いため、ハイブリッド車でさえ販売が難しいかもしれない、と語る。

自動車メーカーは、電気自動車の供給拡大に積極的に取り組み、今後数年間で数十台の新モデルが投入される予定である。 ゼネラル・モーターズ(GM)などの企業は、燃料車を完全に廃止する明確な目標を設定している。

多くのディーラーは、彼らが微妙な状況に感じ始め、彼らは人々が時代と呼ぶものに追いつくために努力していますが、顧客が実際に変更を行うかどうか、そしてそれがどのくらい速く変化するのかは不明です。 約180のGMディーラー(全体の約20%)は、電気自動車を販売するためにGMが要求する高価なアップグレードに投資するのではなく、キャデラックのフランチャイズを放棄することを決定しました。

GMの広報担当者は、一部のキャデラックディーラーがオプトアウトすることを期待しており、残りの約700のディーラーが完全な電気目標に同意することを喜んでいる、と語った。

電気自動車の販売を拡大する自動車メーカーの過去の努力は、小売業者により多くの在庫をバックログさせるだけで、ほとんど失敗に終わった。 今でも、一部のディーラーは、電気自動車を大量に購入したくないと言います。

「最大の課題は、ディーラーがオオカミを叫んでいるという古い感覚です」と、マサチューセッツ州のディーラー、クリス・レムリーは言います。

彼は、自動車メーカーは何年もの間、電気自動車を主流にすることを約束してきたが、小さな小型車しか生産している、と語った。 彼は、フォード・モーター・カンパニーが発売した全電動フォックスは、販売が貧弱で販売が少なかったと振り返る。 車は2018年に生産中止となった。

「だから、誰かが『この時間は、我々は深刻だ』と言った時、私たちは簡単に疑いを持っています」と、ライムリーが付け加えました。

一部の買い物客も不明です。 科学者連合のエネルギーアナリスト、ダニエルは、電気自動車を購入することを決意したが、ワシントンD.C.のアパートの近くに十分な公共充電ステーションがないことを認識した後、最終的にあきらめた、と彼は付け加えた。

「電気自動車を離陸させるには、ガソリン車と同じくらい便利である必要がある」とダニエル氏は言う。

このような問題に対処するため、バイデン氏は、電気自動車の開発の一環として、米国の充電インフラのアップグレードに数十億ドルを費やしたいと述べた。

フォード、ゼネラルモーターズ、その他の大手自動車メーカーは、新しい電気自動車製品に自信を持っていると述べた。

しかし、一部の自動車小売業者は、それがビジネスに長期的な影響を懸念している、と言っている。

電気自動車市場におけるテスラの影響力は、オンライン取引と交渉なしで合理化されたXu販売ソリューションを提供する自動車購入者のための新しい基準を作成します。 Rivian や Lucid などの他の電気自動車のスタートアップも、従来のディーラーをバイパスして消費者に直接販売すると述べた。

一部の自動車メーカーは、現在、ディーラーで電気自動車をほとんど、あるいはまったく備蓄し、顧客がメーカーから直接より多くの電気自動車を注文できるように、彼らの例に従っています。

ボルボ・カーズのサム・エルソン最高経営責任者(CEO)は最近、すべての純粋な電気自動車は、今後、価格統一でオンラインで独占的に販売され、もはや交渉は行わなくなると述べた。 ディーラーは、顧客に車両を納入し、修理などの他のサービスを提供するのに役立ちます、と、彼が言いました。

「市場は店舗からオンラインへと移行しています。 「これは、今後10年間に起こることです」と、サムエルソンが言いました。

ロサンゼルスのゼネラル・モーターズ(GM)のディーラー、ドレイクは、ブランド別にモデルを販売するのではなく、電気自動車店とガス自動車店の2つの店舗をオープンし、2つのショールームを改装することを検討していると述べた。

「彼らは非常に異なる顧客です」と、ドレイクが言いました。 「ハマーの電気自動車を買う人は、燃費の良いピックアップを買う人の隣に座りたくないかもしれない」

ソールズは、彼が励みになる兆候を見たと言いました。 ゼネラル・モーターズ(GM)は最近、全電動ボルトの定価を引き下げ、2月の販売台数を引き上げた。 しかし、彼は、彼の電気自動車の在庫は、長期的な需要が不確実であるため、低いままであると言いました。

「まだ初期段階です」とソールズは言います。

ディーラーが電気自動車を販売する方法を考え出したら、別のビジネス上の問題は、サービスエリアで彼らを待っています。

電気自動車は、通常、機械部品が少なく、ガソリンエンジン車に必要なオイル交換などのサービスを必要としません。 ディーラーにとって、これらの仕事は巨大な利益の中心です。

「影響はあるが、真に包括的な影響が見られるまでには3~4年かかるだろう」とライムリーは言う。 「これは私が直面している最大の問題です。

(加米財経特集、盗作必修) 』

中国が排出量取引所、上海に6月新設 脱炭素へ加速

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM227BC0S1A320C2000000/

『【上海=張勇祥】中国は二酸化炭素(CO2)排出量の専門取引所を上海に創設する。6月の取引開始を目指す。習近平(シー・ジンピン)国家主席の2060年にCO2排出量を実質ゼロにする目標に向けて金融市場を活用し、脱炭素を加速する。

上海市政府系の上海連合産権交易所、上海環境能源交易所が管轄する。政府が企業にCO2排出量の枠を定め、それを超えた企業は取引所を通じて他社から排出枠を買う仕組み。中国は13年か…

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中国は13年から北京や上海、湖北省などで取引を試行していたが、今後は地域をまたいだ取引も可能になる。

上海連合産権交易所の幹部は「計画通り準備が進めば6月中に取引を始めたい」と述べた。取り扱う商品は検討中とするが、スポット取引や先物が対象になる見込み。

中国は2月に「二酸化炭素排出権交易管理弁法(試行)」を施行した。まず発電事業者2225社に排出枠を定め、取引所に参加する第1陣になる見通し。政府は25年までに鉄鋼や建材、石油化学など7業種を加える方針で「排出枠の総量は50億トン、参加企業は8千~1万社に広がる」(上海環境能源交易所)。世界最大の取引市場の欧州連合(EU)の取引対象は年間で約20億トンとされる。

中国のCO2排出量は19年に98億トンと世界の3割近くを占める。習指導部は「30年までにCO2の排出量をピークアウトさせ、60年までに実質ゼロにする」との目標を掲げる。11日に閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告では「30年に向けた行動計画を策定する」としており、取引所も取り組みの一環となる。

外交面の材料になるとの思惑もある。米国と中国は19日までの外交トップによる初協議で、新疆ウイグルや香港、台湾などを巡り鋭く対立したが、歩み寄った数少ないテーマの一つが気候変動問題だった。取引所創設でCO2排出削減への積極姿勢をアピールする。

上海環境能源交易所の頼暁明・董事長は「できるだけ早く取引規模を年2億トンまで引き上げたい」とする。規模が大きくなれば流動性が増し、先物など派生商品の設定や、機関投資家や個人が投資するファンドへの組み込みも進むためだ。

現在、試行する地域によって排出量の価格に大きな開きが出る局面もあるが、取引の全国化で値動きが安定するとの期待もある。

課題は多い。まず挙げられるのが投機への対処だ。中国も欧米などと同様、景気下支えのため金融当局は十分な資金供給を続けている。流動性の一部は不動産や株式など投機的な売買に流れ込んでおり、排出量取引も巻き込まれかねない。

投機を抑えるため、当局は取引価格を低めに誘導する可能性が大きい。排出枠を多めに付与するのは手立ての一つだが、CO2の抑制効果は弱まる。市場関係者が見込む発足当初の平均価格は約50元(約840円)と、先物価格が40ユーロ(約5200円)を超えて推移する欧州との開きは大きい。

排出量取引への信頼を高める手立ても必要だ。これまでは地方景気や雇用への影響を恐れ、排出量を抑えられない企業への罰則を徹底しづらい状況があった。市場メカニズム重視にかじを切るか、従来通り指導や裁量に基づく行政を続けるか。取引所の制度設計や取引開始後の運営は、習指導部の真剣度合いを測る試金石になる。

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脱炭素で30年目標策定 削減幅拡大、首相が米に説明へ
政府、月内に有識者会議
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『政府は2030年までの温暖化ガス削減の新たな目標を策定する。従来目標より削減幅を広げ、50年に排出量を実質ゼロにする脱炭素社会の実現に向けた道筋を明確にする。30年の目標を重視する米欧の動きを意識し、遅くとも主要7カ国首脳会議(G7サミット)がある6月までに固める。

米欧は中長期だけでなく、30年の数値に重きを置く。昨年、欧州連合(EU)が90年比で55%減、英国は同68%減と高い目標を掲げた。4…

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昨年、欧州連合(EU)が90年比で55%減、英国は同68%減と高い目標を掲げた。4月には米国やカナダも30年の目途を打ち出す方向だ。

菅義偉首相が4月前半の訪米時にバイデン米大統領へ方針を説明する。1月に発足したバイデン政権は気候変動を重要政策と位置づける。

米国は4月22日に主要排出国などを集めた気候変動に関する首脳会議(サミット)を開く。英国が議長国を務める6月のG7サミットでも脱炭素が主要議題になる。

首相は9日、小泉進次郎環境相に気候変動担当を兼務させた。内閣官房には気候変動対策推進室を新設した。週内にも首相と関係閣僚が協議し、3月中に産業界の代表や専門家らによる有識者会議も立ち上げる。

日本の現時点の30年目標は、安倍晋三前政権が15年に掲げた「13年度比で26%減」だ。首相は就任直後の20年10月に50年の脱炭素社会の実現を表明しており、現行の計画のままでは達成は難しい。

具体的な目標値は今後詰める。世界の研究者による組織「クライメート・アクション・トラッカー」はパリ協定が掲げる気温1.5度以内の上昇抑制の目標達成には13年比60%以上の削減が必要とみる。

温暖化ガス削減のシナリオ分析に詳しい国立環境研究所の増井利彦・統合環境経済研究室長は「日本もEUの90年比55%削減のような思い切った数字を検討すべきだ」と話す。

政府内で米国との同盟強化に共同歩調は欠かせないとの意見が強まっている。首相は18日の記者会見で、日米首脳会談を巡り「気候変動などの様々な課題で連携するとお互いに確認しあいたい」と語った。

日本は当初、11月に英国で開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて示す方針だったが前倒しする。政府はエネルギー基本計画の改定に合わせ、夏までに30年度の再生可能エネルギーなど電源構成比率をまとめる。

現時点の計画では30年度の再生エネ比率は22~24%で、上乗せする必要が生じる。水素やアンモニアといった新たなエネルギーの導入や、石炭など化石燃料の削減も前倒しが欠かせない。

企業も追加の対応を迫られる。電力を全て再生エネで賄うことを目指す国際的な企業連合「RE100」に加盟する300社弱をみると、欧米企業は8割超が30年を達成時期にしているのに対し、日本企業は7割が50年だ。

米アップルは自ら太陽光発電所の建設に関わり、すでに自社事業の電力を100%再生エネにした。30年には供給網を含めた排出量実質ゼロを目指しており、部品を供給する企業に再生エネなどによる製造を促す。

米マイクロソフトは再生エネと植林、二酸化炭素除去の技術を組み合わせ、30年までに自社の排出量を上回る削減をめざす。

自動車産業は欧州勢を中心に急速な電気自動車(EV)シフトに動く。高級車大手のボルボ・カー(スウェーデン)は30年までに新車販売をすべてEVにする計画だ。

日本勢も日産自動車やホンダなどが排出量実質ゼロを掲げる。いずれも50年に設定しており、どこまで前倒しできるかが課題になる。

首相官邸が経済産業省や環境省など複数府省にまたがる課題の調整を主導する。

経産省などは根拠が固まらない段階で早期に国際社会に数値を示すのに慎重だった。電源構成比率を定める「エネルギーミックス」をまとめ、30年の具体的な目標の設定に取りかかる段取りを描いていた。

加藤勝信官房長官は一連の国際会議に向け「30年の削減目標を示す時期も決めていく必要がある」と説く。「水素、洋上風力などの最大限の導入をはじめ、エネルギー供給のあり方や地方の脱炭素化を幅広く議論したい」とも話した。

30年目標、再生エネ上積み焦点 「40%以上」に賛否

新しい温暖化ガス削減目標の設定では、発電量に占める再生可能エネルギーの比率を2030年度までにどこまで上積みできるかが大きな焦点になる。発電部門は日本の二酸化炭素(CO2)排出量の約4割を占める。原子力も含めた「脱炭素電源」の比率を高めることが、削減目標の深掘りには欠かせない。

今夏にも新しい電源構成を策定する経済産業省は22日までに、再生エネ比率の新目標について経済団体や事業者にヒアリングを実施した。経済同友会は30年に40%、再生エネ導入に積極的な大手企業が集まる日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は最低で約50%を目指すべきだと主張。足元の18%や今の政府目標である22~24%から大幅な上積みを求めた。

40~50%に引き上げる道のりはまだ見通せない。課題の一つが設置場所の制約。森林を除いた平地などの単位面積あたりの再生エネ発電量をみると日本はすでに世界最大になっている。

12年に始まった再生エネ電力を固定価格で買い取る制度(FIT)のもとで狭い国土に急速に導入した結果、事業者と地元住民との摩擦も目立つ。条例で設置を禁止する自治体も増え、新規案件の障害になっているとの声が事業者からあがる。ヒアリングで同友会は「(40%を目指す上での手段は)検討している最中」などとし、有識者から「裏付けがあってこその目標提示だ」などと指摘が出た。

家計や企業の負担も課題だ。FITの買い取り費用は20年度見込みで既に3・8兆円に上り、標準的な家庭で月800円弱を負担する。意欲的な再生エネ目標を示す経済団体側も一層の負担増には消極的だ。

ここ数年の導入量から見積もると、再生エネの比率はこのままだと「30年に3割に届くかどうか」(経産省幹部)という。

上積みには政府全体で普及を後押しすることが重要になる。農地の転用では農林水産省、環境アセスメントの効率化では環境省の役割が大きい。特に重要なのが住宅・建築物を所管する国土交通省だ。家庭部門は日本の排出量の15%を占める。住宅の省エネや再生エネ設備の設置を促す取り組みの強化が必要になる。

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深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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ひとこと解説 新産業育成と雇用創出の観点で脱炭素を推進できるか。
欧米での脱炭素政策では、雇用創出力の高い新産業としての再エネの育成に重きが置かれている。企業でのコスト負担を和らげるためのインセンティブとして、カーボンプライシングを導入しながら、環境投資への炭素税収の還元やカーボンクレジットの獲得機会を提供している。日本での脱炭素の議論はコストに目が行きがちで、特にそれは自動車産業で顕著だ。脱炭素を加速するためには、自動車政策と発電政策をセットにし、EV化で生まれる新しいエコシステム全体での雇用創出を見据えながら、カーボンプライシングの導入議論を加速すべきだ。まずは企業や省庁での縦割りの打破が必要となる。

2021年3月23日 7:28 (2021年3月23日 8:21更新)
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高村ゆかり
東京大学未来ビジョン研究センター 教授
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ひとこと解説 深尾さんのコメントに深く同意。日本の温室効果ガス排出量の約85%がエネルギー起源のCO2であることを考えると、2030年の温暖化目標は、2030年のエネルギーのあり方をどう描くかが鍵を握る。エネルギーインフラの整備・転換にかかる時間を考えると2030年の姿が透けて見えるのは確かだが、現状からの手堅い積み上げだけではなく、2050年カーボンニュートラルに向けたエネルギーと産業の構造転換を促す、そのための政策を動員する国の意思を示す目標設定が必要だろう。洋上風力の野心的な目標設定が、内外の企業の参入を促し、次世代の産業化の動きをつくっているようにである

2021年3月23日 8:21いいね
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