35年のガソリン車販売禁止認める 施行へ前進―EU加盟国

35年のガソリン車販売禁止認める 施行へ前進―EU加盟国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062901110&g=int

『【マドリード時事】欧州連合(EU)加盟国は29日、環境相理事会で、域内で販売する新車の乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を2035年までに「ゼロ」とし、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を事実上禁じるEUの規制案を認めた。禁止の施行に向け大きく前進した。

EV事業、独立採算に 生産・競争力を強化―米フォード

 欧州委員会が昨年7月に提案した原案の内容をほぼ踏襲した。これを基に欧州議会と交渉し、最終的な法案を決定する。議会も35年禁止案を支持しており、成立する公算が大きい。 』

石炭需要、世界で再拡大 アジアや欧州で価格高騰

石炭需要、世界で再拡大 アジアや欧州で価格高騰
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR21DDP0R20C22A6000000/

『石炭の需要が世界で再び増えている。ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギーの供給不安を受け、欧州で石炭回帰が急速に進む。クリーンエネルギーへの転換が遅れるアジアの新興国でも需要が伸び続ける。需給逼迫で価格が上昇し、国際エネルギー機関(IEA)は2022年に石炭への投資が前年比約10%増えるとの見通しを示した。

足元で石炭消費が上向いているのが、脱炭素の先進地である欧州だ。ドイツは19日、ロシア産ガスの供給削減を受けて石炭火力を拡大する準備に入った。オランダやポーランド、オーストリアもガス供給の途絶に備えて石炭の利用拡大策を検討している。

ウクライナ危機以前から、世界の石炭消費の伸びはアジアの新興国がけん引している。インドなどは石炭火力が主力電源で、新型コロナウイルス禍からの経済回復も重なり電力消費が拡大。中国は国外で石炭火力発電所の建設は停止すると宣言したものの、国内では新規に多くの発電所がつくられている。IEAは昨年末時点で、世界の石炭需要が24年までの3年間で1%近く増えると予想する。

ロシアは世界有数の産炭国でもあり、ウクライナ侵攻が供給不安に拍車をかけた。需給逼迫で発電用石炭(一般炭)の価格は一段と上昇。アジアと欧州の指標価格はともに1トン370ドル前後と、1年前の3倍超の水準で推移する。アジアの指標となるオーストラリア産のスポット価格は、5月下旬に一時425ドル弱と過去最高値を付けた。

夏にかけて電力消費は増える。「石炭の供給はタイトな局面が続いており、今後さらに高騰するリスクもある」(Jパワー)との見方が多い。

需給逼迫と価格の高騰を受け、石炭供給への投資も活発化している。IEAが22日公表したエネルギー投資に関する報告書によると、石炭への投資は22年に10%程度増える。すでに21年も10%増え、1050億ドルに達した。中国は昨年夏以降の深刻な電力不足の再来を避けようと、国内で石炭の生産増強を支援する政策を打ち出している。

IEAはガスや石油の上流部門への投資も22年に10%程度増えるとみる。エネルギー価格の高騰が恩恵となり、21年も10%近く伸びた。世界の石油・ガス業界の収入は22年に4兆ドルと過去5年間の平均の2倍以上となる見通しだ。

エネルギー全体への投資は22年に8%増え、2.4兆ドル(326兆円)とコロナ禍の水準を大きく上回る。再生可能エネルギーや原子力といったクリーンエネルギーとともに、化石燃料への投資が全体を押し上げている。

クリーンエネルギーへの投資は1.4兆ドルと見込む。15年からの5年間は年2%程度の増加で推移していたが、21年から急増している。欧米と中国の伸びが目立ち、各国の政策や財政面の支援措置が支えている。太陽光や蓄電池、電気自動車への投資は、50年までに世界の温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標に合致する割合で増えているという。

一方、先進国や中国以外の新興・途上国ではクリーンエネルギー投資が進んでおらず、15年から横ばいが続く。公的資金が乏しく十分な政策措置がとられていないうえ、借り入れコストが上昇しているためだ。IEAのビロル事務局長は声明で「足元のエネルギー危機も気候危機も無視できる余裕はない」と訴え、2つの問題に同時に取り組むべきだと表明した。

(ブリュッセル=竹内康雄、コモディティーエディター 浜美佐)

【関連記事】

・ドイツ、苦肉の石炭回帰 化学・ガラスで生産停止危機
・オランダも石炭火力増加へ ロシア依存低下へ制限解除

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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理想と現実のギャップが鮮明になり、各国が苦慮している構図である。温暖化ガス排出をできるだけ抑制して地球全体を守るという中長期的な理想に逆行する形で、足元の経済を回すために、あるいは北半球の冬場を乗り切るために必要な電力需要を満たすために、化石燃料の利用が加速しつつある。だが、それは温暖化ガスの排出量を増やすことにつながる。日本で実施されているガソリンなどの価格上昇抑制策も、同じ文脈で賛否が分かれる。バイデン米大統領が議会に提案した連邦ガソリン税の一時停止も同様である。こうしたジレンマを、理想と現実のどちらか1つだけを選ぶことで解消するのはまずい。当面の現実対応を必要最小限にするのが最善だろう。

2022年6月23日 7:50 (2022年6月23日 9:09更新)

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説

気候変動対策が重要であることは、誰しも、どの国も、十分に認識してはいるが、エネルギー安定供給が脅かされエネルギー価格が高騰している時、相対的に安価で安定的なエネルギー源が選択されるのはある意味では当然のことだ。とりわけ供給途絶や価格急騰のような「有事」に対応するためにはドイツでさえもCO2排出増を覚悟して石炭活用を選択することになる。まして新興国・途上国ではなおさらだ。特に国内に豊富な資源を有する国にとっては、「有事」対応のみならず、安定供給対策上、国産資源活用が重視されていく可能性もある。ウクライナ危機を経た中長期将来像において脱炭素化の取組みがどう進んでいくのか、不透明感が増している。

2022年6月23日 8:10 』

ドイツだけでなく、イタリア、オーストリー、オランダも、石炭火力発電所をバンバン燃やす…。

ドイツだけでなく、イタリア、オーストリー、オランダも、石炭火力発電所をバンバン燃やす…。
https://st2019.site/?p=19823

『Vera Eckert 記者による2022-6-21記事「Europe may shift back to coal as Russia turns down gas flows」。
   ドイツだけでなく、イタリア、オーストリー、オランダも、石炭火力発電所をバンバン燃やすことで次の冬を乗り切るつもりだ。』

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR194200Z10C22A6000000/

 ※ 「天に唾すれば、還って己が身を汚す。」だ…。

 ※ だから、「物の言い方」には、極力気をつけた方がいい…。

 ※ 「頭が高い物言い」は、外した時、バツが悪いことこの上ない…。

 ※ まあ、そういうことは、気にしないほど、「面の皮が厚く」できているんだろうが…。

『【ベルリン=南毅郎】ドイツのハベック経済・気候相は19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、ガス消費量を抑える緊急措置を発表した。代替策として石炭火力発電の稼働を増やし、産業界にガス節約を促す新たな仕組みも導入する。家庭の暖房需要が高まる冬に向けてガスの貯蔵を積み増し、ロシアの揺さぶりに対抗する。

19日の声明で明らかにした。発電に利用するガスの消費量を減らす代わりに、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進める。

ガス節約を促すため、消費量を減らした企業ほど有利になる新たな仕組み「ガスオークション」の導入も計画する。足元では、ドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。夏場にガスを節約し、暖房需要が高まる冬までに貯蔵量を最大能力の9割まで引き上げる目標だ。

ロシア産の天然ガスを巡っては、同国国営ガスプロムが15日、ドイツに送る主要パイプライン「ノルドストリーム」の供給量を従来計画から60%削減する方針を示した。14日に40%減を公表していたが、矢継ぎ早に削減率を高めた。ロシア側の揺さぶりが強まっている。ドイツはロシアが侵攻を続けるウクライナに重火器などの武器供与を進める一方で、天然ガスの調達をロシアに依存してきた。

ハベック氏は19日の声明で「ガス供給の安定性は保証されているものの、状況は深刻だ」と指摘した。供給不安を受けて資源価格が高騰しており「我々を分裂させようとするプーチン大統領の明確な戦略であり、許すことはできない」とロシアを強く非難した。

ショルツ政権は石炭火力について、「理想的」な目標として、2030年に廃止することを打ち出してきた。メルケル前政権では38年だったものの、前倒しした。35年にほぼ全ての電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーで賄う計画で、4月に新たなエネルギー戦略を採択したばかりだった。

2月の侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。安全保障の観点から、天然資源のロシア依存脱却は急務だ。ただし、再エネの発電能力を積み増すには時間を要する。「脱炭素」に逆行する石炭に一時的に頼らざるを得なくなっている。
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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ひとこと解説

欧州各国のエネルギー策はなかなかの困難に直面している。EUタクソノミーへの正式採択を待つ天然ガス、原子力に対して、反対するNGOの声は大きい。ドイツは原子力からの撤退を撤回していない。ドイツが脱ロシアを急げば、石炭火力を維持することになり、カーボンニュートラルの達成が遠のく。寒い冬が来る前に、ドイツはエネルギーミックスを整えなければならない。現実と理想の狭間で、国民にリスクを転嫁しないよう対策が必要になる。日本も他人事ではない。
2022年6月20日 11:24

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

以前から何度か言っているが、ドイツがこれまで「脱炭素」のチャンピオンとして、石炭を「悪魔化」してきたにもかかわらず、ここにきて、ロシア産の天然ガスに代わる燃料として、あえて石炭を選択したことは多くの人を失望させたであろう。しかし、ドイツが「脱原発」を維持する限り、選択肢が石炭しかない、というところが「脱炭素」の難しさを感じさせる。再生可能エネルギーを増やそうにも増やせないインフラ上の問題や安定供給の問題がある、ということなのだろう。ドイツを模範に再エネ推進を主張してきた人にとってははしごを外された形。「脱炭素」「脱ロシア」「脱原発」は同時に成立しないトリレンマ。
2022年6月20日 15:39

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

「背に腹は代えられない」ということで、一時的な動きだと説明しながら、石炭火力発電所をドイツが再稼働させる。ちなみに、この措置を発表したハベック副首相・気候相は、地球温暖化対策の緊急性・必要性を前面に掲げて躍進してきた緑の党に所属している。ロシアが天然ガス供給を絞り込んで、ウクライナへの武器支援を強化しているドイツを揺さぶっている(というより脅している)。ドイツ経済はロシア産天然ガスへの依存度が高い。ロシアはそこを突いてきたわけである。温暖化ガス発生が短期的に増えてしまうことはやむを得ないと、ドイツのショルツ連立内閣は判断した形。資源を武器に攻めるロシアに対し、ドイツはかなりの程度、守勢である。
2022年6月20日 7:30 (2022年6月20日 14:15更新)

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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緊急対策として石炭火力の拡大ですって…。対策を発表したハベック経済・気候相は、何と環境政党である緑の党の所属です。歴代政権が脱炭素、脱原発を進めるための安全弁として、天然ガスなどのロシア依存度を高め、プーチン氏に塩を送った結果が、これとあっては目も当てられません。
ロシアに傾斜したシュレーダー、メルケル政権。そのエネルギー政策と外交・安全保障政策の矛盾が一気に爆発したわけで、現政権はそのツケ払いに追われているのです。今年のG7サミットの議長国はドイツです。脱炭素という大目標とエネルギー危機という足元の課題に、どのような折り合いをつけるのでしょう。
2022年6月20日 11:55 (2022年6月20日 14:08更新)

小山堅のアバター
小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説

東日本大震災と福島原発事故の後、日本が節電と火力発電総動員で電力供給を守ったのと同じで、ドイツ経済と市民生活を守るためエネルギー安定供給が最優先になった。短期的にはこうした「有事対応」でCO2排出量増加など、脱炭素化に逆行することも出て来ようが、中長期的にはむしろエネルギーミックスの脱炭素化を急速に進める政策が強化されるだろう。ただ世界的にはエネルギー価格が高騰し安定供給が最優先となれば、国産エネルギーとして相対的に安価で、豊富なエネルギー源に頼る場合が多くなる。特に途上国・新興国ではそうしたケースが増えてくるのではないか。世界の脱炭素化取組みは「まだら模様」で進展していくのではないか。
2022年6月20日 9:26

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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欧州では温室効果ガス排出量を2030年までに55%削減するため石炭からガスへ代替を進めてきました。しかしウクライナ問題で一時的とはいえ逆にしなければならず、その分排出量は増えます。世界ではウクライナ問題でエネルギー不足が加速しており、化石燃料の生産が増えており世界の排出量も一段と拡大しています。この結果、すでに温暖化の影響で大自然災害の影響が世界各地で起きておりアフリカの食料不足や世界各地の農産物の収穫を不安定にしている状況を悪化させるでしょう。難民や紛争も起きやすくなります。一時的な排出量拡大後に世界はどう温暖化に対応するのか、現状放置することが将来にもたらすリスクは大きくなっています。
2022年6月20日 7:29 』

三菱商事の総取り許すな 洋上風力発電、政官絡むバトル

三菱商事の総取り許すな 洋上風力発電、政官絡むバトル
洋上風力バトル(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC012TV0R00C22A6000000/

『会議は荒れ模様だった。

5月、洋上風力の推進を議論する審議会。経済産業省と国土交通省が1企業連合の落札可能区域を制限する具体案を示したのがきっかけだった。

政府は洋上風力をエネルギー安全保障のカギを握る発電と位置づけ、2020年11月に秋田県沖と千葉県沖の計3カ所の公募を開始。21年末、3区域全ての事業者に三菱商事連合を選んだ。経産・国交省案が実現すれば三菱商事のように複数落札を狙うとみられる事業展開は制約を受ける。

政府案より踏み込んだのが、約500の企業・自治体が加盟する日本風力発電協会(JWPA)副代表理事の祓川清だ。「(前回と次の公募の)累積で例えば3割に制限してはどうか」。政府案にない独自案で、企業が権益を分け合う寡占防止条項の導入を迫った。

「見たのはきょうが初めてだ」。三菱商事エナジーソリューションズ社長の岩崎芳博は資料を一読すると言い放った。同社はJWPAの正会員。にもかかわらず事前の相談はなかった。「三菱商事の総取りは許せない」。そんな業界の雰囲気を岩崎は感じ取った。

日本で洋上風力の歴史が幕を開けたのは19年4月。政府が「再エネ海域利用法」を施行し、事業者が一般海域を30年間占有できる環境を整えた。40年までに最大4500万キロワットをつくる。原子力発電所45基分に相当する巨大事業だ。

初の大規模案件の公募となる3区域の入札で三菱商事が示したのは1キロワット時11~16円台。2番手以下より約3割低く、政府が設けた29円という上限価格を大きく下回る驚きの低価格だった。

三菱商事は自他共に認める名門企業だ。三菱グループの中核企業として産業界をリードすることはあっても、手荒な価格破壊は仕掛けない。そんな下馬評を覆した応札価格にライバル各社は驚き、「辻つまが合わない」との疑念が相次いだ。

三菱商事も引けない。業績を支えてきた資源事業はいずれ脱炭素の波にのみ込まれる。4月に社長に就任した中西勝也は「脱炭素は転換点。転換はチャンスだ」と説く。風車で米ゼネラル・エレクトリック、運営で子会社のオランダ再生エネ大手エネコ、地域共生で米アマゾン・ドット・コムと手を組む。グローバルな連携で市場を席巻する覚悟を価格に映した。

ライバル企業は急きょ、巻き返しに動く。

2月22日。JWPAは経産省と国交省に提言書を送った。応札した企業の計画の審査で、稼働時期の早さをより重視するよう変更を求めた。同時にこのルール変更を公募済みの案件にも適用するよう訴えた。三菱商事連合の稼働時期が28~30年とほかの陣営より数年遅かった点を突いた。

「正直、言いがかりに近い」。提言書を見た経産官僚は感じた。価格が安ければ消費者に恩恵がいく。すでに公募を始めている案件にもルール変更を適用すれば、一からやり直さざるをえなくなる。それは早期導入という目標と矛盾する。

それでも業界団体は政界へのロビー活動も織り交ぜて圧力を強めた。3月18日、政府は唐突に6月10日だった次の公募の締め切り延期を決めた。

公募延期決定と同日、自民党本部で再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の会合があった。JWPA代表理事で日本風力開発(東京・千代田)副会長の加藤仁も姿をみせた。「1社(三菱商事)独占は無しにしましょう」。公募延期とルール変更を達成した、さながら祝勝会のようだった。

ルール見直しは洋上風力の先進地、欧州でもある。大事なのはなぜ見直すのか、きちんと国民に説明することだ。供給者を増やす大義名分に見え隠れするのは権益分配の下の平等主義。ルール変更や公募延期が頻発すれば開発は遅れる。市場の透明性も保てない。

国際再生可能エネルギー機関は、世界の洋上風力の発電能力は18年の2300万キロワットから30年には2億2800万キロワットに育つとみる。21年の新設量は中国だけで世界全体の8割を占めた。風車製造では中国勢と欧州勢がしのぎを削る。日本が市場育成に手間取るほど、世界の潮流から遠のく。

(敬称略)

日本で洋上風力発電の開発がようやく始まった。巨大市場を巡る内外の動きを追う。
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村上芽
日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
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ルール変更はビジネスでもスポーツでもよくある話ですが、「公募済案件への適用」案には驚きました。ワールドカップ予選をやり直すようなことです。脱炭素経済へのスピーディな転換を、公正な経済取引で貫徹するよう、「ムラ」にしない・ならない決意表明を聞きたいものです。
2022年6月21日 8:26 』

「邪悪な黒幕から、やっと解放された」環境活動家グレタさん意味深ツイートの真意は?

「邪悪な黒幕から、やっと解放された」環境活動家グレタさん意味深ツイートの真意は?(2021/1/6(水) 11:50)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210106-00216258

 ※ この人、今現在、何をやっているんだろうな…。

 ※ ロシアのウクライナ侵攻について、「ご意見」を伺ってみたい気がする…。

 ※ スウェーデンも、「中立政策」捨てて、NATOに加盟申請したしな…。

『「How dare you!(よくもそんなことを!)」―国連気候行動サミット(2019年9月)で、口先だけは立派なことを言いながら温暖化対策に後ろ向きな世界の政治家達に対し、憤りを露わにした演説を行ったことで、「怒れる少女」として、日本でも話題となったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん。そのグレタさんが今月3日に18歳の誕生日を迎えた際のツイッターでの「意味深な」投稿が、CNNやELLE等の各国のメディアが取り上げるなど話題となっている。

○痛烈な皮肉でありジョーク

 その「意味深」なツイートとは、以下のようなものだ。

「皆さん、私の18歳の誕生日を祝ってくれてありがとうございます。今夜、皆さんは私を地元のパブで見つけ、私が隠された闇深い秘密について、温暖化と学校ストライキの陰謀を、私を支配してきた黒幕がもう私をコントロールできないことを、全て暴露するのを目にするでしょう。私はやっと解放された!」

 この投稿には、「FLAT MARS SOCIETY (平面火星協会)」と書かれたTシャツを着て、親指を立て微笑んでいるグレタさんの写真もアップされている。一体、どうしたことかと思うような投稿であるが、心配無用。これは彼女なりの痛烈な皮肉でありジョークである。

 グレタさんは、心無い人々、とりわけ温暖化に懐疑的な陰謀論者たちから「温暖化対策を利権とする大人たちに操られている」と誹謗中傷されてきた。だから、そうした陰謀論を皮肉り、欧州での成人年齢である18歳を迎えたことで「大人に利用される子ども」というレッテルから解放されると喜んでいるのである。

 これまでも米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領、ブラジルのボルソナロ大統領などから批判されたり、揶揄されたりする度に、グレタさんはウィットに富む返しをツイッター上でしてきた。今回の投稿も、自身を誹謗中傷する陰謀論者たちへの返しというわけだ。

○「平面火星協会」Tシャツはアンチテーゼ

 「平面火星協会」というTシャツのロゴも、痛快なアンチテーゼだ。米国では「神が世界を作った」として科学を否定するキリスト教原理主義と、政府やメディア等に人々が騙されているという陰謀論が結びつく、一種の社会現象がある。その一つが「地球は球体ではなく平面だ」だとする”フラット・アース(平面地球論)”であり、こうした主張を信じる人々によって”Flat Earth Society(平面地球協会)”なる団体までもある。いわゆる「平面地球論者」の人々は、温暖化懐疑論との親和性も高く、実際、「温暖化は嘘」だと主張する「平面地球論者」も少なくない。

 そうした科学を軽視し、温暖化は嘘だとして対策を行うことを拒む人物の最たる者が、ドナルド・トランプ米国大統領その人である。そして、その支持層として、キリスト教原理主義者や「Qアノン」等の陰謀論者が、近年、存在感を増してきている。つまり、グレタさんのTシャツの「平面火星協会」―地球ではなく火星とのロゴは、科学を軽んじ温暖化の現実から背を向ける風潮をおちょくったもの、というわけだ。

○笑えるけど笑えないし、日本も他人事ではない

 今回のグレタさんの投稿には、筆者も大いに笑わせてもらったが、非科学的で後ろ向きな姿勢は、日本でも他人事ではない。今なお根拠に乏しい温暖化懐疑論をメディアが取り上げたりするし、「原発や高効率な日本の石炭火力発電は温暖化防止に役立つ」なる欺瞞を、政府や大手電力、プラントメーカー等が主張し続けている。また、主に右派・保守系のコメンテーターやYahoo!利用者を含むインターネットユーザーには、グレタさんへ露骨に反発し、罵る人々も少なくない。

 だが、温暖化が進行すれば、日本の人々も当然、危機に直面するし、温暖化対策は単なる負担だけではなく、新たな雇用やイノベーションを生むチャンスでもある。現実に向き合わず、社会がより良い方向へ向かうチャンスを逃してしまうのでは、全く笑えないということだ。

(了)

志葉玲
フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、入管による在日外国人への人権侵害、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。』

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR194200Z10C22A6000000/

『【ベルリン=南毅郎】ドイツのハベック経済・気候相は19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、ガス消費量を抑える緊急措置を発表した。代替策として石炭火力発電の稼働を増やし、産業界にガス節約を促す新たな仕組みも導入する。家庭の暖房需要が高まる冬に向けてガスの貯蔵を積み増し、ロシアの揺さぶりに対抗する。

19日の声明で明らかにした。発電に利用するガスの消費量を減らす代わりに、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進める。

ガス節約を促すため、消費量を減らした企業ほど有利になる新たな仕組み「ガスオークション」の導入も計画する。足元では、ドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。夏場にガスを節約し、暖房需要が高まる冬までに貯蔵量を最大能力の9割まで引き上げる目標だ。

ロシア産の天然ガスを巡っては、同国国営ガスプロムが15日、ドイツに送る主要パイプライン「ノルドストリーム」の供給量を従来計画から60%削減する方針を示した。14日に40%減を公表していたが、矢継ぎ早に削減率を高めた。ロシア側の揺さぶりが強まっている。ドイツはロシアが侵攻を続けるウクライナに重火器などの武器供与を進める一方で、天然ガスの調達をロシアに依存してきた。

ハベック氏は19日の声明で「ガス供給の安定性は保証されているものの、状況は深刻だ」と指摘した。供給不安を受けて資源価格が高騰しており「我々を分裂させようとするプーチン大統領の明確な戦略であり、許すことはできない」とロシアを強く非難した。

ショルツ政権は石炭火力について、「理想的」な目標として、2030年に廃止することを打ち出してきた。メルケル前政権では38年だったものの、前倒しした。35年にほぼ全ての電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーで賄う計画で、4月に新たなエネルギー戦略を採択したばかりだった。

2月の侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。安全保障の観点から、天然資源のロシア依存脱却は急務だ。ただし、再エネの発電能力を積み増すには時間を要する。「脱炭素」に逆行する石炭に一時的に頼らざるを得なくなっている。
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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欧州各国のエネルギー策はなかなかの困難に直面している。EUタクソノミーへの正式採択を待つ天然ガス、原子力に対して、反対するNGOの声は大きい。ドイツは原子力からの撤退を撤回していない。ドイツが脱ロシアを急げば、石炭火力を維持することになり、カーボンニュートラルの達成が遠のく。寒い冬が来る前に、ドイツはエネルギーミックスを整えなければならない。現実と理想の狭間で、国民にリスクを転嫁しないよう対策が必要になる。日本も他人事ではない。
2022年6月20日 11:24

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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緊急対応として石炭火力の拡大ですって…。脱炭素、脱原発を進めるための安全弁として、天然ガスなどのロシア依存度を高め、プーチン氏に塩を送った結果が、これとあっては目も当てられません。
ロシアに傾斜したシュレーダー、メルケルの歴代の政権。そのエネルギー政策と外交・安全保障政策の矛盾が一気に爆発したわけで、現政権はそのツケ払いに追われているのです。今年のG7サミットの議長国はドイツです。脱炭素という大目標とエネルギー危機という足元の課題に、どのような折り合いをつけるのでしょう。
2022年6月20日 11:55

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小山堅
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東日本大震災と福島原発事故の後、日本が節電と火力発電総動員で電力供給を守ったのと同じで、ドイツ経済と市民生活を守るためエネルギー安定供給が最優先になった。短期的にはこうした「有事対応」でCO2排出量増加など、脱炭素化に逆行することも出て来ようが、中長期的にはむしろエネルギーミックスの脱炭素化を急速に進める政策が強化されるだろう。ただ世界的にはエネルギー価格が高騰し安定供給が最優先となれば、国産エネルギーとして相対的に安価で、豊富なエネルギー源に頼る場合が多くなる。特に途上国・新興国ではそうしたケースが増えてくるのではないか。世界の脱炭素化取組みは「まだら模様」で進展していくのではないか。
2022年6月20日 9:26

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上野泰也
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ひとこと解説

「背に腹は代えられない」ということで、一時的な動きだと説明しながら、石炭火力発電所をドイツが再稼働させる。ちなみに、この措置を発表したハベック副首相・気候相は、地球温暖化対策の緊急性・必要性を前面に掲げて躍進してきた緑の党に所属している。ロシアが天然ガス供給を絞り込んで、ウクライナへの武器支援を強化しているドイツを揺さぶっている(というより脅している)。ドイツ経済はロシア産天然ガスへの依存度が高い。ロシアはそこを突いてきたわけである。温暖化ガスの発生が短期的に増えてしまうことはやむを得ないと、ドイツのショルツ連立内閣は判断したわけである。資源を武器に攻めるロシアに対し、ドイツは守勢である。
2022年6月20日 7:30

白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

欧州では温室効果ガス排出量を2030年までに55%削減するため石炭からガスへ代替を進めてきました。しかしウクライナ問題で一時的とはいえ逆にしなければならず、その分排出量は増えます。世界ではウクライナ問題でエネルギー不足が加速しており、化石燃料の生産が増えており世界の排出量も一段と拡大しています。この結果、すでに温暖化の影響で大自然災害の影響が世界各地で起きておりアフリカの食料不足や世界各地の農産物の収穫を不安定にしている状況を悪化させるでしょう。難民や紛争も起きやすくなります。一時的な排出量拡大後に世界はどう温暖化に対応するのか、現状放置することが将来にもたらすリスクは大きくなっています。
2022年6月20日 7:29 』

「30年電動車5割」目標 米大統領、各国に導入呼びかけ

「30年電動車5割」目標 米大統領、各国に導入呼びかけ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1806H0Y2A610C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は17日、主要国で気候変動問題を話し合う首脳会議をオンラインで開いた。新車販売に占める電気自動車(EV)など電動車の比率を2030年に50%に引き上げる米国の目標を改めて強調し、他国も同様の目標を掲げるよう呼びかけた。

今回開かれたのは、オバマ政権が創設した「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム」。バイデン政権下では3回目の開催となり、日本や中国、欧州連合(EU)など20カ国・地域以上の首脳らが参加した。

バイデン氏は会議の冒頭で「(温暖化ガス)排出ゼロの自動車を増やすことで、変動の大きいガソリン価格の痛みを取り除き、運輸部門の排出量を減らすことができる」と述べ、電動車の販売を増やす目標を導入するよう参加国に促した。

バイデン政権はこのほか、温暖化ガスの一種、メタンに関する新たな取り組みを発表した。石油・ガスの生産で漏れ出るメタンの排出を減らすため、350万ドル(約5億円)の技術支援を各国に提供する。

温暖化ガス排出を50年に実質ゼロにする目標の実現に向け、技術開発に最低900億ドルを投じる取り組みに加わるよう求めた。ロシアのウクライナ侵攻で肥料価格が高騰するなか、肥料の効率的な利用への研究開発に資金を投じる枠組みも立ち上げた。

11月にエジプトで第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が開かれる。バイデン氏はCOP27に向け、脱炭素政策を巡る各国の機運を高めたい考えだ。』

テスラ、米国で主力SUV40万円値上げ 資源高を転嫁

テスラ、米国で主力SUV40万円値上げ 資源高を転嫁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170GU0X10C22A6000000/

 ※ 「電気自動車」は、「電池持ち」を良くするため、車体を軽量にするため、「アルミ部材」なんかの「新素材」を多用する…。

 ※ アルミは、「電気の缶詰」と言われるように、「多くの電気」を消費して、精錬される…。カーボンファイバーなんかも、「多くの電力」を使って作成される…。

 ※ エネルギー資源高が、直撃した形だな…。

 ※ こういうものも、「電気自動車」の「不都合な真実」だ…。

『【シリコンバレー=白石武志】米電気自動車(EV)メーカーのテスラが米国で主要車種を約3カ月ぶりに一斉値上げしたことが16日、明らかになった。値上げ率は3~5%で、車種やグレードによって異なる。主力SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」の一部グレードは価格を一気に3000ドル(約40万円)引き上げた。原材料価格の上昇などを小売価格に転嫁する狙いとみられる。

荷室が広くレジャーに向くため米国で売れ筋となっているモデルYについては2種類あるグレードのいずれも値上げした。テスラの米国向けのウェブサイトによると低価格な「ロングレンジ」の価格は5%引き上げて6万5990ドルに、上位グレードの「パフォーマンス」については3%値上げして6万9990ドルとした。

小型車「モデル3」については3種類あるグレードのうち、真ん中にあたる「ロングレンジ」の価格を4%引き上げて5万7990ドルとした。もっとも安価な「リアホイールドライブ」(価格は4万6990ドル)と上位グレードの「パフォーマンス」(同6万2990ドル)は価格を据え置いた。

ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安などを背景に、EV生産に不可欠なニッケルやリチウムなどの原材料価格は高止まりしている。米国ではインフレが約40年ぶりの水準となり、自動車メーカーは人件費や物流費の高騰にも直面している。

テスラが米国で主要車種を一斉に値上げしたのは3月以来とみられる。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4月の決算説明会で3月の値上げについて「今後6~12カ月の間に発生するサプライヤーや物流のコスト上昇を織り込んだものだ」と説明していた。

米国では一般に自動車メーカーが販売会社に対し希望小売価格を変更するのはモデルチェンジなどの機会に限られる。販売会社を介さずウェブサイトを通じて消費者に直販するテスラはこうした縛りを受けないため、同社は頻繁に車両価格を見直している。

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何に使うの?突如掲げた脱炭素への新国債20兆円

何に使うの?突如掲げた脱炭素への新国債20兆円
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26966

『脱炭素社会の実現に向けた産業振興のため、岸田文雄首相が新たな国債「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債(仮称)」を発行する方針を表明した。20兆円規模の資金を確保して民間資金を呼び込むとしているが、GX推進を話し合う委員からは「全く議論されていない数字」という声も聞こえてくる。実際、GXとは何で、いかなる事業に多額な予算がつぎ込まれるのか。経済産業省のグリーントランスフォーメーション推進小委員会の資料や新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)を基に紐解いてみたい。
(metamorworks/gettyimages)
突如出てきた「20兆円」という数字

 政府は、脱炭素社会を進めるために今後10年間で官民合わせて150兆円の投資が必要であると試算。これに対し、岸田首相は5月19日に首相官邸で開かれた「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会で「20兆円ともいわれている必要な政府資金をGX経済公債、これは仮称ではありますが、これを先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討してまいります」と明らかにした。

 脱炭素に移行するための投資といった使い道を限定する国債を発行し、必要とされる150兆円の一部を補填するとともに、民間投資の呼び水としている。今年夏にGX実行会議を設置し、議論を深めていく方針という。

 官民一体となって脱炭素という目標にまい進していくものと見えるが、この20兆円という数字について経済産業省のグリーントランスフォーメーション推進小委員会の1人は「議論してできあがった数字のように発表されているが、委員会では議論すらされていない。20兆円という数字を見て驚いた」と話す。実際、同じタイミングでまとめられた「クリーンエネルギー戦略 中間整理」では、10年間で150兆円の投資が必要であることは盛り込まれているものの、「脱炭素投資の一部を支援」と記載してあるのみで、「20兆円」いう数字は見られない。
(出所)クリーンエネルギー戦略 中間整理  写真を拡大』

『岸田首相がGX経済移行債を発表する2日前、日本経済団体連合会(経団連)が提言書「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」を発表し、「政府は、民間の継続的な投資を促すため、自ら中長期の財政支出にコミットすべきである」と指摘。欧米の投資事例を紹介し、「日本で必要となる政府負担額を、世界に占める各国の二酸化炭素(CO²)排出量割合(米国=約 14%、欧州連合(EU)=約9%、日本=約3%)に基づき機械的に計算すると、年平均で約2兆円程度となる」とし、「財源については、カーボンニュートラル(CN)に向けたトランジション及びイノベーションに関する技術の開発・社会実装に使途を限定した国債「GXボンド」の発行等で賄うべきである」と述べている。この一致を不思議に思うのは筆者だけではないだろう。
そもそもGXって?

 委員会で議論がなされていないのならば、何のための20兆円だかが見えてなくなってしまう。

 たしかに、世界各国では、脱炭素に向けた投資がなされている。「クリーンエネルギー戦略 中間整理」によると、米国が超党派のインフラ法案の中で5年間に約70兆円、EUが10年間に官民協調で約136兆円、ドイツが約7兆円のグリーン分野の景気刺激策、英国が2030年までに政府支出約4.2兆円と誘発民間投資約14.6兆円、韓国が5年間でグリーン分野に約4.3兆円の公共投資、をそれぞれ掲げている。

 こうした世界の動きは国債の発行の根拠となり得るが、他がやっているからと言って進めるべきということにはならないだろうし、世界で巨額の資金が動いているからこそ日本として何をやるか示さないといけないのではないだろうか。それがいつか返さないといけない国の借金を使うとならばなおさらだ。

 そもそもGXとは、何をすることなのだろうか。「トランスフォーメーション」は「変化、変換」といった意味なのだが、クリーンエネルギー戦略の中間整理ではGXという転換について「産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させるもの。また、この大転換に向け、世界規模で、先に新しい市場・ルールを作ったところが勝ち残る先行投資者優位の大競争が既に始まっている」と位置付けている。
 実は、このGXは、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」にも大きく関わる。5月末に発表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」では、重点投資の対象として、「人への投資と分配」「科学技術・イノベーションへの重点的投資」「スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進」に並ぶものとして、「GX及びDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資」が挙げられている。』

『手段のみしか見えてこない戦略

 では、どのように実現するのかという部分だが、クリーンエネルギー戦略の中間整理は「5本の柱」を示している。それは、①予算措置、②規制・制度的措置、③金融パッケージ、④GXリーグの段階的発展、⑤グローバル戦略(アジア・ゼロエミ共同体構想等)である。④のGXリーグとは、経産省が旗振り役となり、日本を代表する企業が手を取り合い未来像や市場の創造、ルールメイクを議論しながらCO₂の削減などを進めていくもの。したがって、5本の柱はすべて、〝手段〟でしかなく、中身が見えていないのだ。

 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画においても、この「5本の柱」が掲げられている。具体的な取り組み例として、「水素・アンモニア」「洋上風力等の再生可能エネルギー」「CCS(CO₂回収・貯留)」「カーボンリサイクル」「自動車」「住宅・建築物」「省電力性能に優れた半導体」「蓄電池」「その他産業部門の脱炭素化」「地域・くらしの脱炭素化」と多岐にわたっているが、ここにも国としての方針は示されていない。

 投資するという場合には、「目的のために必要なものは何で、それをするためにはこれだけのお金がかかるが、達成できれば投資額以上のメリットを出せる」という考えを持ち、検討するのが正しいやり方ではないのだろうか。金額とやり方だけをまず決めるというのは疑問でしかない。これが新しい資本主義の目玉の一つとなっているのならば、「数合わせの議論」にだけはなって欲しくない。』

https://note.com/wedge_op/m/me1dfc8d145ee

「脱炭素」なんて言っている場合か? 「脱ロシア」の次は「脱中国」だ

「脱炭素」なんて言っている場合か? 「脱ロシア」の次は「脱中国」だ 「ガス栓握る露」と「日本産業の喉元押さえる中国」は同じ
https://news.yahoo.co.jp/articles/78c030877e0ec0544d9a78e3004d7de4b2d496fa

『【エネルギー大問題】

地球環境問題が国際的に注目されるようになったのは、1992年の「地球サミット」からだ。これが91年のソ連崩壊による米ソ冷戦終結と同時期なのは偶然ではない。

「世界全体が欧米型の民主主義に収斂して、平和が達成される」というユートピア的な高揚感のもと、地球規模で協力して解決すべき課題として、地球環境問題が大きく取り上げられるようになったのだ。

ところが、ユートピアは実現しなかった。経済成長した中国は、欧米が期待したように民主主義になるのではなく、ますます独裁色を強め、世界の覇権をうかがうようになった。急激な民主化に失敗して混乱したロシアは、強権的な国家に戻った。そして、ついにウクライナに侵攻した。

いまや「新しい冷戦」の始まりは明らかとなった。つまり温暖化問題を考える前提は、根本から変わった。もはや、「地球規模での協力による解決」など望むべくもない。

例えば、経済制裁はどうか。

いま日本の報道では、ロシアだけが世界で孤立しているような印象だが、現実は違う。制裁しているのはEU(欧州連合)、G7(先進7カ国)諸国のほかには、韓国、オーストラリアなど、わずかだ。

中国、インドに加えて、中東、東南アジア、アフリカ、南米などのほとんどの国は制裁していない。中国は多角的にロシアと貿易・投資を進めているし、インドはロシアから石油を割引価格で買いつけている。

世界の国々は、欧米の言うことをハイハイと聞くのではなく、みなそれぞれの国益で動いているのだ。この構図は、これからの「脱炭素」についても当てはまるだろう。熱心なのは世界の一部に留まるということだ。

さて、欧州がロシアのエネルギー、特に天然ガスにどっぷりと依存していたことが脆弱(ぜいじゃく)性となり、ロシアを好戦的にしてしまった。この代償は、ウクライナへの侵略戦争という破滅的なものだった。この日本への教訓は何か。

電気自動車(EV)を大量導入すると、どうなるか。バッテリーに必要なコバルト、モーターに必要なレアアースの生産は、いま中国が世界市場の大半を支配している。この状態は少なくとも今後5年程度は変えられない。

中国の重要鉱物に依存すると、何が起きるか。ロシアが欧州のガス栓を握っていたように、中国が日本産業の喉元を押さえることになる。中国は日本への経済的・政治的影響力を増すだろう。その状態で、台湾や沖縄県・尖閣諸島での万一の有事の際に、日本は強い態度に出られるだろうか。

最近まとまった日本政府の「クリーンエネルギー戦略中間整理」は、まず「脱ロシア」をしてから「脱炭素」などと、のんきなことを言っているが、安全保障への認識が甘すぎる。「脱ロシア」の次は「脱中国」こそが重要だ。=おわり

■杉山大志(すぎやま・たいし) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1969年、北海道生まれ。東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員などのメンバーを務める。産経新聞「正論」欄執筆メンバー。著書に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『中露の環境問題工作に騙されるな!』(かや書房)、『SDGsの不都合な真実』(宝島社)など。 』

米商用EVメーカーのELMS、経営破綻へ

米商用EVメーカーのELMS、経営破綻へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13C270T10C22A6000000/

『【ニューヨーク=堀田隆文】商用電気自動車(EV)を手がける米新興企業エレクトリック・ラスト・マイル・ソリューションズ(ELMS)が米連邦破産法7条の適用を申請し、経営破綻することが分かった。同社は2021年夏に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場したが、その後、当時の経営陣の不透明な株式売買を巡って調査を受け、あわせて事業見通しも見直すと公表していた。

連邦破産法7条は清算型の破産手続きで、ELMSは12日に適用申請を発表した。理由について「新しい監査法人を確保し、追加資金を獲得することが極めて困難な状況となった」とし、会社の信用が毀損していると説明した。

旧経営陣への調査に伴い、過去の財務諸表についても信頼できないものになったと表明していた。経営陣を刷新し再建を目指したが、経営環境は厳しく、今回の申請を決めた。

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・SPACブーム終焉 宴の後始末始まる(NY特急便)』

次世代バイオ燃料、給油所で販売ユーグレナ、全国初の常設

次世代バイオ燃料、給油所で販売
ユーグレナ、全国初の常設
https://nordot.app/907923548531310592

 ※ 『BDFは通常の軽油にバイオ燃料を20%混ぜたもので、』…。

 ※ そんなんで、「二酸化炭素」が大幅に減るものなのか…。よく分からんな…。

 ※ まあ、「植物由来(食用油も、植物由来)」なんで、トータル的には「2割減る」という話しなんだろう…。

 ※ 『10日の販売価格は1リットル300円。』…。

 ※ そんなんで、「買う人」いるのか…。よく分からんな…。

『ベンチャー企業のユーグレナ(東京)は10日、藻類のミドリムシと使用済み食用油を原料の一部に使った次世代バイオディーゼル燃料(BDF)を名古屋市の給油所で一般向けに発売した。給油所でBDFを常時販売するのは全国で初めてという。自動車産業が盛んな東海地域で、環境に優しい燃料の普及を目指す。

 導入した給油所は名古屋港の工業地帯にあり、貨物トラックなどを中心に一般の乗用車も含めた顧客の利用を想定。自社の二酸化炭素(CO2)排出削減を進める企業の需要も見込む。BDFは通常の軽油にバイオ燃料を20%混ぜたもので、10日の販売価格は1リットル300円。』

トヨタ、家庭用蓄電池に参入 HVからも給電

トヨタ、家庭用蓄電池に参入 HVからも給電
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD025MM0S2A600C2000000/

『トヨタ自動車は2日、家庭用の蓄電池事業に参入すると発表した。家屋の外に置いた蓄電池に、駐車するハイブリッド車(HV)などの車載電池から電気を送ってためることができる。

家庭用蓄電池は、停電時の緊急電源など災害対策として需要が根強く、市場規模は拡大している。太陽光パネルやHVなど様々な電源から給電できる利便性を訴え、需要を開拓する。

HVや電気自動車(EV)で培った車載電池のノウハウを応用した。セ氏45度からマイナス20度の環境で稼働することができ、専用アプリでスマートフォンから蓄電量の確認や動作の設定ができる。蓄電池ユニット(容量は8.7キロワット時)や車両給電アダプターなどをセットにした「おうち給電システム」として、8月にも住宅会社などを通じて販売する。

災害時に住宅や事業所に電気を供給できる点などから、蓄電池の市場は拡大している。日本電機工業会によると、2020年度の定置用リチウムイオン電池システムの販売台数は12万6千台と、15年度比で3倍に増えた。そのうち、主に家庭で使われる10キロワット時未満のタイプが最も多かった。

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この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Toyota-unveils-home-batteries-that-hook-up-to-hybrids-EVs?n_cid=DSBNNAR 』

都市と気候危機

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/cities-and-climate-crisis/sea-level-rise-and-airports/

 ※ 世界の首都は、「大河川の河口」に形成されているものが多い。

 ※ 第一には、「大人口」を養っていくための、「莫大な飲料水」を確保する必要があるから。
   第二には、その「大人口」に食わせていくため、「都市近郊の農作物」を耕作するための「灌漑用水」が必要だから。

   第三には、その「大人口」に物資を供給するために、「水運・舟運」が必要だから。

 ※ このビジュアル・データで取り上げている、東京、ロンドン、上海、ジャカルタ…、みんなそうだ…。

 ※ それらの「大都市」は、海面が「たった1m」上昇するだけで、多くの住民へ、多大な影響が生じる…。それが、「3m」「7m(そういう予測もあるのか…)」となれば、影響は計り知れない…。

 ※ そういう意味では、「戦争」とかやっている「余裕」なんか、無いんだ…。

 ※ しかし、ヒトはあほうだから、「目先の欲」に目が眩んで、本当に重要な「真実」、「見たくない真実」から、目をそむけて突き進む…。

 ※ そして、「滅びの道」を、「ひた走る」ことになる…。

 ※ まあ、ここで、このジジイが、いくら叫んだところで、空しい(むなしい)話しだがな…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

米S&P、ESG指数からテスラを除外 マスクCEOは猛反発

米S&P、ESG指数からテスラを除外 マスクCEOは猛反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18ENN0Y2A510C2000000/

『【シリコンバレー=白石武志】米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズがESG(環境・社会・企業統治)スコアの高い300社超の米企業で構成する株価指数「S&P500 ESG指数」から電気自動車(EV)大手の米テスラを除外したことが明らかになった。

従業員による人種差別被害の訴えや、米当局の事故調査への対応などを問題視した。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「ESGはとんでもない詐欺だ」と猛反発している。

S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは毎年この時期にESG指数の構成銘柄を入れ替えている。シニア・ディレクターのマーガレット・ドーン氏は17日付のブログ投稿でESG指数の評価方法について「サステナビリティー(持続可能性)を重視する投資家の変化する意見に対応することが重要だ」と述べた。

同氏はテスラを除外した具体的な要因として、米西部カリフォルニア州のEV工場における人種差別や劣悪な労働環境に対するクレームや、テスラ車が運転支援システムの作動中に起こした死傷事故を調査する米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)への対応を挙げた。

こうした事案がリスクと判断され、ESGスコアにマイナスの影響を及ぼしたと説明した。

マスク氏は18日、ツイッターに「テスラはどんな企業よりも環境のために多くのことを行っているにもかかわらず!」と投稿し、ESG指数の構成銘柄からの除外に驚きを示した。

同社と入れ替わりに石油・ガス会社5社が追加されたとのツイートに「正気でない」と返信し、「ESGはインチキ社会正義の戦士によって武器にされている」と批判した。

テスラは工場内における組織的な人種差別があった疑いで、カリフォルニア州の人権保護機関である公正雇用住宅局(DFEH)から2月に訴えを起こされた。テスラは事実に基づかないとして争う構えを示している。

NHTSAは2018年以降に運転支援システムの作動中に複数の衝突事故が報告されたとして、21年にテスラの正式な調査に乗り出している。

ESGスコアは投資家が企業のESG活動の良しあしを判断する材料の一つとなる一方で、重視する項目や判断の根拠となる情報源の違いによって評価機関ごとのばらつきが大きい。

注目企業であるテスラの有力株価指数からの除外は、ESGスコアの算定のあり方をめぐる議論にも一石を投じる可能性がある。

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

奇想天外な経営者だから何が起きて意外ではない。

彼の発想力を評価するが、彼のビジネスを評価できない。

一般的に日本人は環境を大切にする傾向が強いと思われているが、日本では、テスラの車はほとんど走っていない。

技術が発明されてから普及するまで、技術を完成させる期間が必要である。EVの将来を否定しないが、今はまだ道半ばにある。

こういう新興企業が時代の寵児にされがちだが、彗星のように去ってしまう会社は歴史的に多い。個人的に落ち着いて見守りたい。道教の教えでは、不変を以てあらゆる変化に対応していく、ということである

2022年5月19日 7:38

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

ESGをめぐりもうひとつ注目記事が日経の朝刊に。「米銀総会、『環境提案』否決相次ぐ」です。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220519&ng=DGKKZO60903440Y2A510C2EE9000
JPモルガン・チェースなど大手5行の今年の株主総会で、化石燃料企業への新規融資停止を求める株主提案が相次ぎ否決されたというのです。

しかも提案への賛成率は10%台どまり。ロシアのウクライナへの侵攻で深刻化したエネルギー危機で、大手機関投資家の支持が広がらなかったことが、大きな潮流変化をもたらしました。

環境問題が重要なのは確かであるにせよ、専制主義国家の台頭や安全保障への脅威にどう対処するかという難問と無縁ではありません。

その解を示せないESGは限界を露呈しています。環境にフリーライドしたテスラもまた。

2022年5月19日 8:02 (2022年5月19日 8:15更新) 』

ソーラー補助金、米で論争過熱 「格差助長」の声も

ソーラー補助金、米で論争過熱 「格差助長」の声も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25E7Z0V20C22A3000000/

『米カリフォルニア州で住宅用ソーラーパネルの余剰電力買い取り制度をめぐる論争が熱を帯びている。戸建てに住む富裕層への助成金を貧困層が負担しているとの批判を受け、州政府が約25年前にできた制度の見直しに着手したためだ。新旧電力産業の対立に環境保護に熱心なセレブらも加わり、先行きは混沌としている。

「太陽光発電システムを持たない人々は裕福な州民のシステムを補助するために毎年何百ドルもの費用を払っている」。消費者や環境関連など115の団体が参加する連合組織「アフォーダブル・クリーン・エナジー・フォー・オール」の広報担当者、ケイシー・フェアバンクス氏は制度改正は待ったなしだと訴える。

カリフォルニア州では1990年代にできた住宅用ソーラーパネルの余剰電力の買い取り制度が今も存続する。パネルの価格下落を十分に反映していないため、買い取り価格は1キロワット時当たり約0.25ドル(約30円)と高止まりしている。これは大規模太陽光発電施設からの買い取り価格の約8倍の水準だ。

余剰電力は送電網を運営する米PG&Eなどの地元電力大手が買い取り、費用は州内の電力契約者の料金に上乗せすることになっている。制度維持のための負担額は1世帯当たり年245ドルに上るとの試算もあり、同制度は「富裕層へのプレゼントだ」との批判を浴びてきた。

事態を重くみたカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は2021年末、余剰電力買い取り制度の改正案を公表した。買い取り価格を引き下げるとともに、送電網を維持するための費用としてソーラーパネルの所有者に発電能力に応じて毎月一定額を請求するのが柱だ。
新旧電力産業で反応は二分

改正案に対する新旧電力産業の反応は真っ二つに割れた。ソーラーパネル所有者から割高な電力を購入したくない電力大手が改正案を支持する一方、ソーラーパネル事業者などでつくる太陽エネルギー産業協会は「州のクリーンエネルギーの遺産に泥を塗る」と猛反発した。
テスラのマスクCEOは電力買い取り制度の改正案について「奇妙な反環境運動だ」と批判する=ロイター

16年に米ソーラーシティを買収し、ソーラーパネル事業に参入した米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は改正案について「奇妙な反環境運動だ」と批判する。1月に開かれたCPUCの会合の外ではソーラーパネル業界の労働者らを中心とする抗議デモも発生し、対立は先鋭化している。

論争に拍車をかけたのが気候変動問題や環境保護に熱心な著名人らだ。映画「ファイト・クラブ」などで知られる米俳優のエドワード・ノートン氏は1月、ツイッターへの連続投稿のなかで改正案を支持するPG&Eなどの電力大手が「太陽光発電を潰すためにあらゆる機会を狙っている」との持論を展開した。

同州知事時代にソーラーパネル普及を推進したアーノルド・シュワルツェネッガー氏は米紙への寄稿のなかで改正案を「絶対に阻止すべきだ」と主張。代わりに「低所得者層にクリーンなエネルギーを提供するためのインセンティブをもっと高めるべきだ」と訴えた。
日本も買い取り価格下げ

電力買い取り制度がカリフォルニア州内の太陽光発電の普及を大きく後押ししてきたのは事実だ。州内では企業や政府機関の建物を含めて約130万の建物の屋根にソーラーパネルが設置されている。発電量は300万世帯の電力をまかなえる規模で、全米の約4割を占める。

日本でも12年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)によって住宅用ソーラーパネルの設置件数が急増したが、その後の買い取り価格の段階的な引き下げによってブームは下火になった。カリフォルニア州で改正案が成立すれば普及のブレーキとなるのは避けられない。

論争の行方は見通せておらず、CPUCは1月に予定していた改正案の採決を見送った。また太陽光発電産業を支持する団体が電力買い取り制度を維持する法律の制定を目指す計画であることも明らかになった。新旧電力産業の対立は長期化が必至の情勢だ。

(シリコンバレー=白石武志)』

英、原発30年までに8基建設 50年に原発比率25%に

英、原発30年までに8基建設 50年に原発比率25%に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR070L90X00C22A4000000/

『【ロンドン=中島裕介】英政府は6日、エネルギーの安定供給に向けた新たな中長期計画を公表した。2030年までに原子力発電所を最大8基建設し、50年時点の原発比率を足元の16%程度から25%に引き上げる。原子力も含めた「低炭素」電源の比率を足元の6割ほどから30年までに95%に引き上げることも「可能だ」とした。

新型コロナウイルス危機後の需要の急増やロシアの軍事侵攻に伴うエネルギー価格の高騰を受けて計画を策定した。英国は経済制裁の一環として、ロシア産原油の輸入を22年中に止め、天然ガスもその後早期にゼロにする。英国の総需要に占めるロシア産比率は原油が8%、ガスが5%と高くないが、同国産の化石燃料に依存しなくても安定供給が確保できる方策を並べた。

柱となるのが原発の発電量の増強だ。政府統計によると、総発電に占める原発比率は2020年時点で16%だが、これを原発の新規建設や技術革新で1割ほど引き上げる。現在稼働中の原発は30年代半ばには全て操業期間を終え、停止する可能性が高いため対策を急ぐ。

建設地として、すでに工事に入っている英南西部ヒンクリーポイントや、日立製作所が事業運営から撤退したウェールズのアングルシー島などの名前が挙がっている。50年に向けては小型モジュール炉の開発も急ぐ。

再生可能エネルギーでは洋上風力の30年時点での発電量の目標を10ギガワット引き上げ、50ギガワットとした。現状で14ギガワットの容量がある太陽光発電も35年までに5倍に増やすことを視野に入れる。商用ビルの屋上の積極活用など規制緩和も検討する方針だ。

これにより20年時点で4割強の再エネの比率を30年までに7割以上に引き上げ、原発も含めた「低炭素」電源を95%に近づける。

英国では4月に標準的な家庭でエネルギー価格が5割以上上がっており、ジョンソン政権への不満につながっている。ジョンソン首相は今回の計画について「安価でより多くのエネルギー自給を確保できる」と価格高騰対策の側面も強調する。英政府も新計画で10年間のエネルギー価格は安くなると指摘する。

ただ原発の増強や再エネの強化は足元の価格高騰にはほとんど効果はない。英野党からは「高額の請求に苦しむ家庭に、何の助けにもならない」との批判が出ている。

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竹内純子のアバター
竹内純子
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
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ひとこと解説

英国は電力自由化を進めたことで、原子力発電の新規建設が停滞しました(自由化市場では投資回収が不確実になるので資金調達コストが上昇し、原子力のように初期投資が巨額の事業は成立しづらくなる)。

状況を改善するために、再エネと同様の固定価格買取制度を導入するなどしていましたが、それだと建設期間中のキャッシュアウトが重すぎるので、原発建設中から投資回収を認める制度が導入される予定です。

風力・原子力・水素といった固定費が大きい電源が主になるという変化と、エネルギーを自由化した弊害への反省を踏まえ、英国は1990年代に世界に先駆けて始めた自由化を転換し、2030年低炭素電源95%達成を目指すと理解しています

2022年4月7日 11:38 (2022年4月7日 11:48更新)』

日米も抜けたが「脱石炭」に署名した韓国、海外メディア「驚く」

日米も抜けたが「脱石炭」に署名した韓国、海外メディア「驚く」…韓国政府「履行の約束でない」
(2021.11.08 08:07)
https://japanese.joins.com/JArticle/284569?sectcode=210&servcode=200

『英グラスゴーで開催されている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で韓国政府が4日に「グローバル脱石炭声明」に公式署名した後の説明が論議を呼んでいる。政府が「脱石炭加速化という方向性同意したのであって、合意事項すべて従うというわけではない」と説明すると、専門家らは「国際社会に約束しておいて履行できないこともあるというのは理解しがたい」と指摘している。

これに先立ち韓国はCOP26で約40カ国と共に「主要経済国は遅くとも2039年までに石炭火力発電を中断する」という内容の脱石炭声明に参加した。政府代表で文勝ウク(ムン・スンウク)産業部長官が、地域単位では丘満燮(ク・マンソプ)済州道(チェジュド)道知事権限代行がそれぞれ署名した。

しかし中国・インド・オーストラリアなど世界最大の石炭消費国と2035年までに発電部門で脱石炭をするという米国、そして日本は参加しなかった。米経済専門誌フォーブスは韓国の署名について「驚く発表」とし「韓国は2030年代に石炭発電を完全に廃止する」と伝えた。

ソウル大のホン・ジョンホ環境大学院教授は「現在、韓国は新規石炭発電所7基を建設中で、このうち江原道高城(コソン)と忠清南道舒川(ソチョン)の2基は稼働を始めた」とし「新規発電所に関する具体的な代案なしに国際会議で脱石炭時期を大幅に操り上げる宣言に参加したのは一貫性がない」と指摘した。

西江大のイ・ドクファン化学科教授は「『国際声明に参加だけして合意事項は遵守しなくてもよい』という態度は国の格を落とす」とし「脱原発を推進しながら脱石炭時期を操り上げるというのは最初から不可能な約束」と話した。

現在、韓国の石炭発電比率は40.4%(2019年基準)で、米国(24%)・日本(32%)・ドイツ(30%)よりも高い。これを中断するには大規模な代替エネルギー源の確保が必須だ。

産業部の関係者は「声明には『主要経済国は2030年代までに、残りの国は2040年代までに脱石炭をする』となっている」とし「我々はすでに2050年までに石炭火力発電を廃止することにしたので(主要経済国でなく)2040年代に脱石炭をすることにしたその他の国に該当するとみている」と話した。声明で韓国を「2030年代に脱石炭をする国」と明示してはいないという釈明だ。そして「脱石炭の時期を2030年代に繰り上げることも、そのような計画もない」と明らかにした。』