米国の人口ピラミッド

米国の人口ピラミッド(2005年11月8日収録、2015年4月6日更新)
https://honkawa2.sakura.ne.jp/8720.html

『米国の人口ピラミッドを日本と比較した。人種別・民族別の人口ピラミッドは図録8730参照。

 日本と比較して、米国の人口ピラミッドの特長としては、2つの点が目立っている。

 第1に、日本ほど末すぼまりになっておらず、若年層がかなり確保されている点が目立っている。

これは日本ほど出生率が低下してきていないためであり、その要因としては、比較的若い世代が多い移民流入(図録1170参照)、及びヒスパニック系や1990年代までの黒人の高い出生率が上げられる(図録8650参照)。

 第2に、日本のベビーブーマー(団塊の世代)より10~15年若い層(現在40代後半~50代前半)がベビーブーマーとなっている点が目立っている。戦後の出生率のピークが、その分、ずれていたためである(図録8650参照)。

 米国の高齢化率は、余り、上昇していない(図録1900)。出生率がなお維持されているためとベビーブーマーが65歳以上に達するにはなお猶予があるからである。

高齢化率がそれほど高くないのに医療費は日本の2倍かかっている(図録1890)。

15年後ぐらいになって、ベビーブーマーが65歳以上に達すれば米国でも高齢化率は確実に高まる。そのとき、米国の医療はどうなるのだろうか。』

ブラジル(人口ピラミッドなど)

ブラジル(人口ピラミッドなど)
https://population-pyramid.net/ja/pp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB

『2022 年のブラジルの人口分布は

総人口数 215,353,588 100%
少年人口数 43,505,408 20.20%
労働年齢人口数 149,683,589 69.51%
高齢者数 22,164,591 10.29%

労働年齢人口は、2058 年には総人口の 60% 未満になります。高齢者人口は、2061 年に少年人口の二倍以上になります。総人口は 2045 年で最高点 229,604,529 に達しました。

2050 では、高齢者人口がブラジル総人口の 22.72% を占めており、人口の高齢化の問題は深刻です。』

プーチン大統領、ソ連の「母親英雄」復活へ 人口減対策

プーチン大統領、ソ連の「母親英雄」復活へ 人口減対策
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB020LJ0S2A600C2000000/

 ※ 『7人以上なら勲章と10万ルーブル(約20万5千円)の一時金』…。

 ※ 7人の子持ちとなっても、一人頭2.93万円くらいの一時金だ…。

 ※ 大体、今産んでも、兵役年令を16才とすれば、あと16年後だ…。

 ※ プーチン氏は、86才くらいとなる…。

 ※ それまで、権力の座にいるつもりなんだろうか…。

『ロシアのプーチン大統領は1日、10人以上の子どもを持つ女性に「母親英雄」の称号を贈っていたソ連時代の制度を復活する意向を示した。多くの子どもを抱える家族らとのオンライン会合で明らかにした。

徴兵制を取るロシアでは伝統的に人口減少を国防上の重大な懸念ととらえている。タス通信は、ソ連で「母親英雄」制度が始まったのはナチス・ドイツとの激戦で多数の犠牲者を出した第2次大戦中の1944年だったと伝えた。

1日の会合でプーチン氏は、4人以上の子どもを育てる女性に記念メダルを、7人以上なら勲章と10万ルーブル(約20万5千円)の一時金を授与する現行制度の拡充に言及した。

メダル受賞者には新たに20万ルーブルを支給し、勲章を受けた者への一時金を50万ルーブルに引き上げるよう指示。「母親英雄」には100万ルーブルの支給を提案した。

ロシアでは先月、契約軍人が最初に契約を結ぶ際の年齢上限を撤廃する法改正が成立。侵攻したウクライナでの軍事作戦長期化で死傷者の増大が伝えられる中、兵員不足を補う目的と指摘された。(共同)』

縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず

縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず
人口と世界 衰退が招く危機(下)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM3026U0Q2A330C2000000/

『1871年に誕生したドイツ帝国。急速な工業化で、成立から半世紀弱の間に人口を約6割多い6700万人に増やし、世界の大国に成長した。だが急速な台頭を警戒する英仏やロシアに包囲網を築かれ、資源封じ込めなどで孤立していく。追い詰められた独は第1次世界大戦に突入し、敗戦とともに崩壊した――。

【前回記事】プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

「衰退に向かう大国は攻撃性を強める」。米ジョンズ・ホプキンス大のハル・ブランズ教授はドイツ帝国や戦前の日本を例に、そんな教訓を導く。同じ道をたどると懸念するのが中国だ。

人口14億人の市場で世界をひき付けてきた規模のメリットは徐々に失われる。2021年の出生数は1062万人と、1949年の建国以来最少となった。死亡者数を差し引いた人口の自然増加率は0.03%と増加はほぼ止まった。今年から公式統計でも人口減少に突入する公算が大きい。

急速な少子高齢化に焦る習近平(シー・ジンピン)指導部は21年、第3子の出産を認めた。ただ効果は乏しい。エコノミストの任沢平氏が5万人にアンケート調査したところ、9割が「3人目を望まない」と答えた。「子どもはいらない」との回答も25%に達した。

手薄な育児支援、GDPのわずか0.2%

子育てへの財政支援が弱いことが一因だ。国際労働機関(ILO)によると、中国の子ども向け社会保障支出は国内総生産(GDP)の0.2%で、世界平均の1.1%を大きく下回る。1月から3歳未満の子を育てる父母の個人所得税を軽減したが、直接給付はごく一部の都市に限られる。

子育てが重い負担になる社会は衰退を避けられない。「14億人いる総人口は100年後に4億人まで減る」(北京大の張俊妮副教授)

働き手の減少は成長に直接響く。人口学が専門の米ウィスコンシン大の易富賢研究員は、15~64歳の生産年齢人口は50年に7億5600万人となり、30年間で2億人減ると試算する。日本経済研究センターは中国の名目GDPが33年に米国を上回るものの、50年に再逆転を許すとはじく。

医療・社会保障支出、10%から30%に膨張

65歳以上の人口は同じ期間に2倍近くに膨れ上がる。GDPに対する医療・社会保障支出の割合は足元の10%から50年には30%まで高まるとの予測もある。社会保障費の膨張は成長に向けた投資ばかりか、共産党支配を支えてきた国防費や治安維持費の抑制も迫る。

少子化を放置すればいつか年金などへの不安は臨界点に達する。国内の危機に直面した指導者は外に敵を作り国民の不満をそらす――。歴史上、何度も見られた現象だ。

ブランズ氏は軍事的な対中包囲網が「20年代後半~30年代初頭にも実を結ぶ」として「(それ以前の)軍事バランスが有利なうちに習氏が動く選択肢が浮上する」と警告する。人口減への焦りが募れば、台湾の武力統一など強硬手段に出る時期は早まりかねない。

新型コロナウイルスのまん延や新疆ウイグル自治区での人権問題など、力ずくでことごとく封じてきた中国。だが、どんな強権をもってしても少子化の潮流は止められない。世界は縮小する覇権主義国家の暴発リスクと向き合うことになる。

川合智之、川手伊織、松尾洋平、小川知世、竹内弘文、今橋瑠璃華、松田崇、中島惇、勝野杏美、桑山昌代が担当しました。

【「人口と世界」まとめ読み】
・人口と世界・第1部「成長神話の先に」まとめ読み
・人口と世界・第2部「新常識の足音」まとめ読み

人口と世界特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 

多様な観点からニュースを考える

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中村奈都子
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

少子化による人口減少で大変だという記事はしばしば目にしますが、人口が増えれば食糧問題などが深刻化します。

日々の暮らしでも、卒業した小学校が廃校になれば残念な気がする一方、少人数学級になって一人ひとりの子どもに目が向くようになったというメリットもあります。

どのくらいが適正なのか、本当に人口が増えることで幸せになれるのか、そのあたりの納得感がないから少子化対策も中途半端が続いているように感じます。

2022年5月31日 8:42

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

出産を制限することができるが、出産を強制することができない。どんな強権政治でもできないことがある。

ただ強権政治の指導者は権力を独占していることから、できないことがないと勘違いしがちである。

中国の政治は厳しくコントロールされている専制政治だが、社会と人々の意識はすでに変化している。

若者は政府の要請に応じて出産するというような時代でなくなった。子育てのコストも上昇しており、老後の生活を心配して、子供を産まない若者が一定の割合で存在する。

ポリシーメーカーは政策を決めるときに、社会の変化に直面すべきである

2022年5月31日 7:16 』

プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点
人口と世界 衰退が招く危機(上)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28C8S0Y2A220C2000000/

『プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

人口と世界 衰退が招く危機(上)
人口と世界
2022年5月30日 2:00 [有料会員限定]

「武器を捨てて!」。エレナ・オシポワさん(76)は3月、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(旧レニングラード)で反戦デモに参加し、当局に拘束された。

オシポワさんの両親は第2次世界大戦中の1941~44年、ナチス・ドイツ軍による「レニングラード包囲戦」を生き残った。当時人口320万人の同市は2年半にわたり包囲され、推定60万~150万人が死亡した。大半が餓死だったという。
ロシアのウクライナ侵攻に抗議するエレナ・オシポワさん(3月、サンクトペテルブルク)=ロイター
プーチン氏に「包囲戦」のトラウマ

かつてプーチン大統領はインタビューで、志願兵だった父もレニングラード包囲戦を生き延びたと語っている。凄惨な体験を経て反戦を訴えるようになったオシポワさんとは対照的に、プーチン氏は教訓としてこう断言する。「勝利を考え続けなければならない」

旧ソ連は第2次大戦で連合国側として勝利したが、人的被害は世界で最も大きかった。2660万人が死亡し、旧ソ連諸国を含む人口2億人弱(当時)の1割以上を失ったとされる。こうした経緯からか、プーチン氏は人口拡大に執着してきた。2020年の年次教書演説では「ロシアの運命は子供が何人生まれるかにかかっている」と主張した。
レニングラード包囲戦の献花式に出席したプーチン大統領(1月、サンクトペテルブルク)=ロイター

冷戦期を通じて超大国として君臨した旧ソ連の人口の転換点を、人口学者は「ロシアの十字架」と呼ぶ。体制崩壊直後の1992年、社会や経済の混乱で出生数が急落し、グラフ上で十字架を描くように死亡数と逆転した。ロシアの大国としての地位は年々低下し、国内総生産(GDP)でみた経済規模もすでにイタリアや韓国を下回る。

「人口減は国家存亡の危機だ」。プーチン氏は2000年の大統領就任以降、人口増を国家目標に掲げてきた。「母親資本」と呼ぶ給付制度を設け、第2子誕生以降の教育費や住宅購入費などを対象に、平均年収の1.5倍に相当する25万ルーブル(当時約115万円)の補助金制度を設けた。

こうした取り組みも背景にロシアの出生数は急激に回復し、98年の131万人から2015年には190万人に増えた。90年代に西欧より最大11歳以上低い64歳まで悪化していた平均寿命も、2000年代半ばから改善が進んだ。

ウクライナへ侵攻したプーチン氏の最終目標は何なのか。それが透けるのが、同氏が21年7月に発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的な一体性」だ。

「ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人はすべてルーシの子孫だ」。ルーシとは9世紀に建国されたキエフ大公国を指す。プーチン氏は各国が文化・民族的に一体だと主張し「統一」をもくろむ。プーチン氏は自らと同じ名前のキエフ大公国指導者、ウラジーミル大公の巨大な像を大統領府(クレムリン)近くに建てた。
クリミア半島併合で統計上260万人増加

ソ連崩壊後、減り続けていた人口が一時的に持ち直したのは2014年。同年にウクライナ南部クリミア半島の併合を宣言し、統計上の人口を約260万人増やしたためだ。ロシアの19年の移民数は1164万人と世界4位で、25年までに最大1000万人の移民を招く目標を掲げる。

その手段が「在外同胞」と呼ぶ旧ソ連諸国住民の移住だ。プーチン氏は19年、ウクライナ移民らがロシア国籍を得やすくする法律に署名した。AP通信によると、ウクライナ東部地域で人口の約18%にあたる72万人以上がロシア国籍を取得した。
ロシアのパスポートを取得したウクライナ東部の住民(2019年6月)=ロイター

1950年に世界4位だったロシアの人口も、現在は1億4000万人強と9位に転落した。国連予測では2050年に14位に下がる。ただ旧ソ連諸国を合わせれば7位となり、4位の米国と同じく3億人を超す規模に達する。

大国復活に固執するプーチン氏だが、戦況が膠着して混乱が長引けば犠牲者は増え続ける。制裁による経済低迷や資本・人材流出も加速する。衰退がさらなる暴発を招くリスクに世界が直面している。

【「人口と世界」まとめ読み】

・人口と世界・第1部「成長神話の先に」まとめ読み
・人口と世界・第2部「新常識の足音」まとめ読み

人口と世界特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 』

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2121X0R21C21A2000000/

『それは世界の人口動態にとって大きな出来事だった。2021年11月24日、インド政府は1人の女性が生涯に産む子供の数を示す同国の合計特殊出生率が2.0に低下したと発表した。現在の人口規模を維持するのに必要とされる人口置換水準を下回り、多数の富裕国と同じ領域に入った。

ロンドンからスコットランドを初めて訪れた孫との出会いを喜ぶ祖父母。世界的に少子高齢化が加速している=ロイター

実際のところ、現在すべてのBRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)で出生率が人口置換水準を下回っており、ロシアと中国では人口が減少に転じたとみられる。先進国がかつてたどった人口動態変化の道を新興国が後追いすること自体は驚くべきことではない。しかし、その変化のペースは加速しており、世界経済に深刻な影響を与える可能性がある。

多産多死から少産少死へ

社会科学者が「人口転換」と呼ぶ現象(多産多死から多産少死、少産少死に移行するプロセス)は長年にわたり、経済の近代化と切り離せない変化とみられてきた。産業革命以前の社会では普通出生率と一般死亡率(人口1000人当たりの出生数と死亡者数の比率)がともに非常に高く、人口増加率は不安定な状態にあって、増加のペースは概して緩慢だった。

だが18世紀には欧州北西部の一部で死亡率が下がり始めた。この変化はその後に続く劇的な人口動態の変化の第1段階となった。死亡率の低下によって人口は急増し、英国では人口が1760年から1830年の間に約2倍に膨らんだ。

だが、18世紀後期には出生率も低下し始めた。20世紀に入る頃には富裕国の出生率と死亡率はともに低水準で安定するようになった。移民がいない場合、人口増加率はおおむね低水準にとどまり、場合によってはマイナスに転じることもあった。

人口転換は様々な要素が絡み合う複雑な社会現象だ。死亡率が低下する理由は比較的説明しやすく、栄養状態や医療、公衆衛生の向上がその原因と考えられる。出生率の低下には、経済的な動機が関連している。例えば、身に付けた技能に対する収入が高くなれば、各家庭は子供の数を減らし、ひとりひとりの子供の教育により多くの投資をするようになる傾向がみられる。

その他に、文化的な要因も見逃すことはできない。米タフツ大学のエンリコ・スポラオーレ教授と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロメイン・ワチアーグ教授は近年の論文で、出生率の「新常態」が18世紀後半から19世紀前半のフランスで、最初に誕生したと指摘している。

その少子化の流れは、世俗主義や啓蒙思想を背景とする世界観の変化や家族計画に関する情報の普及に根ざしていると論文は分析している。その後、出生率の低下は欧州全域に拡大したが、特にフランスと言語的・文化的に結びつきが強い場所では、より早い段階で転換が始まり、しかもより速いペースで変化が進んだという。

米クレアモント・マッケナ大学のマシュー・デルベンサル准教授、米ペンシルベニア大学のヘスス・フェルナンデスビラベルデ教授、スペイン・バルセロナ自治大学のネジヘ・グネル教授は別の最近の論文で、現代の人口転換が先の論文が指摘している過去の変化に相当程度類似したパターンをたどっていると指摘している。

この論文では、186カ国のデータを分析した結果、11カ国を除くすべての国で死亡率が産業革命前より大幅に低く、安定した水準に移行する転換が起きていたことが判明したとしている。そのうち約70カ国は1960年から90年の間に出生率の低下が始まった。出生率の転換が始まっていないのはチャドの1カ国だけだった。なお、80カ国においては、死亡率と出生率の双方が新常態とされる低水準に移行するプロセスが既に完了しているという。

速まる人口転換

特に注目すべきなのは、各国が人口転換を遂げるペースが加速しているという重要な指摘だ。英国の転換は1790年代から1950年代にかけて約160年の間で緩やかに進展したが、チリでは1920年代から70年代の約50年のより短い期間で転換を完了した。20世紀終盤に変化が始まった国々にいたっては、20~30年で転換のプロセスを終えている。

この加速は、同論文の著者らが「人口動態伝染」と呼ぶ現象を反映しているとみられる。出生率の低下が進んだ場所に地理的・文化的に近い場所では人口転換が早期かつ急速に起きるということだ。この近接性に基づく波及効果は、人口転換が従来よりも低い所得水準で始まるという近年の傾向にもつながっているとみられている。

過去200年間に出生率転換が始まった国のその時点での1人当たり平均国内総生産(GDP、購買力平価ベース、2011年物価換算)は約2700ドル(約30万円)だった。だが、1990年代以降の数字を見ると、転換が始まる時点の水準は約1500ドルに低下している。

人口転換の加速が進むと、全世界で出生率と人口増加率が着実に低下する。実際に、1980年代半ばには世界の合計特殊出生率は3.5だったが2019年には2.4まで下がった。しかも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で富裕国の出生数が減少したとみられており、少なくとも一時的には世界全体の出生率は人口置換水準の近くまで低下した可能性がある。

ただし、出生率が人口置換水準まで下がったとしても、多数の人々が出産育児年齢に達したり近づいたりするため、世界の人口はその後もしばらくは増加を続けるとみられている。

例えばインドの人口は、最新の予測に基づけば今世紀半ばごろに約16億人に達すると見込まれている。だが、これは従来の予測に比べるとピーク時の人口が約1億人少なく、天井を打つ時期も10年程度早まっている。

国連は、現段階では2100年までに世界の人口が110億人に達すると予想している。しかし、世界全体で出生率が急速に低下する傾向があることから、インドの場合と同様に、いずれ予測の下方修正を余儀なくされる可能性がある。

経済に複雑な影響

世界的に人口転換が進展すると、派生的な問題が起きる可能性がある。例えば、米スタンフォード大学のエイドリアン・オークラート准教授とフレデリック・マルテネ氏、米ミネソタ大学のハンネス・マルムバーグ准教授、米ノースウエスタン大学のマシュー・ログンリー准教授による最近の論文は、人口動態の変化が長期的なマクロ経済に複雑な影響を及ぼしかねないと指摘している。

この論文は、高齢化が進むと貯蓄が増大し、インフレ率と金利の低下につながると分析している。世界の人口に占める50歳を上回る人々の割合が現状予測の通りに、直近の25%から2100年に40%に上昇した場合、低金利が定着して、資産の収益率が低下し、世界的な不均衡が一段と拡大する可能性があると指摘している。

その一方で、人口転換は様々な形の経済的なメリットをもたらす可能性もある。二酸化炭素の排出量削減は世界にのしかかる大きな課題だが、人口増加率が低下すれば、実現を後押しする要因になり得る。教育水準が高まったり、女性の労働参加が拡大したりする結果、少ない労働人口で生産性が高まる可能性も期待できる。

そのとき、従来は脅威と受け止められてきた移民の到来は、家族にとっての新生児の誕生と同じように特別な意味合いを持つようになるかもしれない。

(c) 2021 The Economist Newspaper Limited. December 11, 2021 All rights reserved.

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