米、伸び低迷で薄れる人口優位 移民問題は政権の急所に

米、伸び低迷で薄れる人口優位 移民問題は政権の急所に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240190U2A221C2000000/

『米国の強さを支えてきた「人口優位」が薄らいでいる。2022年の人口の伸びはやや持ち直したものの、前年に続く歴史的な低水準にとどまった。構造的な人手不足で労働市場の熱は冷めず、インフレを退治する利上げ局面の出口はかすむ。人口優位の柱である移民をめぐる党派間の対立は激しく、バイデン米政権の急所となっている。

「米国人は再び技術革新し、再び夢をみる」。バイデン大統領は22日、クリスマス前の演説に臨み、新型コロナウイルス禍を乗り越えて日常を取り戻したことに自信をみせた。だが、現実は厳しい。

米国勢調査局の22日の発表によると、22年7月1日時点の推計人口は3億3328万7557人と前年比0.4%増にとどまった。過去最低の0.1%台に沈んだ21年から上向いたとはいえ、年1%超で伸び続けた1990年代や年200万人超の増加を重ねた2000年代以降と比べれば、「崖」に近い低迷に直面している。

21年に38万人弱まで縮小した移民の純増幅は100万人超へと6年ぶりに拡大した。それでも16年の120万人超には届かず、人手不足から米失業率は3%台後半の完全雇用の水準にある。米連邦準備理事会(FRB)が強烈な利上げを続けても賃上げを伴う雇用の過熱が続き、どこまで引き締めればインフレが2%目標に落ち着くか見通せない。

米国は先進国の中でも例外といえる安定した人口増で社会の新陳代謝を進め、経済成長と競争力向上の源泉としてきた。「アワー・ワールド・イン・データ」によると、米国人の中位年齢は20年で37.5歳。日本の48歳、英国の39.5歳より若く、中国の37.4歳と並ぶ。40年に中国が48歳に高まっても、米国は41.5歳にとどまるとされる。

こうした優位の循環が揺らぐ。米国の合計特殊出生率は2010年代以降、2を下回り、低下傾向が続く。コロナ禍と薬物中毒のまん延で米国人の21年の平均寿命は76.4歳と20年より0.6年短くなった。2年連続で縮まり、96年以来の短さだ。

日本総研は、移民の頭打ちなど労働投入量の伸びの横ばいが続けば「2%弱と推計されている米潜在成長率は26年にかけて1.5%台に低下する」とみる。

22年にカリフォルニアやニューヨークなど18州が人口減となるなか、2%近く急増したフロリダ州では「デサンティス知事のおかげで経済が好調だ」(同州オーランドの観光業者)との声があがる。同知事は11月の中間選挙で民主党の対立候補に20ポイント近い大差で再選を決め、24年次期大統領選の共和党の有力候補に躍り出た。

米国がライバルとみる中国は今後、高齢化と人口減が急ピッチで進む。米国にとって人口優位を保つことは安全保障上も重要となるが、子供を持つかどうかという個人の究極の選択を政策で誘導することはただでさえ難しく、短期に効果は上がらない。

移民国家への回帰には高い政治の壁が立ちはだかる。メキシコと接する南西部国境での不法移民の拘束は22会計年度(21年10月~22年9月)に約238万人と前年度より4割増えた。中南米の政情不安などからかつてない規模の人々が米国に押し寄せている。

野党・共和党は「国境の安全を守る」と公約した。有効な対策を講じることが難しく、治安悪化などへの不安に駆られる米有権者の支持を得やすい移民問題は、共和党が狙うバイデン政権の格好の急所となっている。

バイデン政権は民主党内の左派に押され、不法移民を即時送還する「タイトル42」と呼ばれる措置の撤廃に動いている。ところが民主党の地盤であるテキサス州の国境の町、エルパソは不法移民があふれ、緊急事態を宣言した。

打つ手を誤れば、中間選挙での「敗北回避」で得た政権の勢いなど簡単に消し飛ぶ。バイデン大統領が意欲をみせる再選出馬に向けた戦略も狂わせるだろう。米国はこれまで正面から取り組んだことのない人口問題という難問に直面している。

(ワシントン支局長 大越匡洋)

【関連記事】米国人の平均寿命76.4歳、25年ぶり短さ コロナ・薬物で

米中Round Trip https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B001&n_cid=DSREA_roundtrip 』

図録▽主要国における生産年齢人口増減率の長期推移
https://honkawa2.sakura.ne.jp/1158.html

人口削減を急ぐ理由は「地球寒冷化」

人口削減を急ぐ理由は「地球寒冷化」
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/e8bc998c2fbcf27df14635383c101678

 ※ こういう話しを、「トンデモ」と切り捨てるか、「真実のかけら」と受け止めるかは、君の自由だ…。

 ※ まあ、この人は、基本的に「反ワク」で、盛んに「コロナワクチンの危険性」に関する情報を発信してる人だ…。

 (※ 著作権的に問題ある場合は、WordPress.comの方に連絡してください。)

『■ 世界な経営者が拙速な「人口削減」を選択した本当の理由は「地球寒冷化」 ■

私は陰謀論者ですが、基本的には「世界の経営者」を尊敬しています。第二次世界大戦以降、世界で大きな戦乱が起きる事無く、多くの国の人達は健康で文化的な生活を享受して来た。それは、世界の経営者の経営手腕による所が大きい。

ところが、ダボス会議が打ち出す「グレートリセット」は、今までの世界の「拡大」の流れを否定し「縮小」を強く指向しています。「民主主義の不効率性」とか「資本主義の限界」など抽象的な理由を挙げてはいますが、その対策がCO2の削減や、SDG’s(持続可能社会)などしか具体的に提示されていな事に不可解さを覚える。

この違和感は「新型コロナウイルス&ワクチン」の登場でさらに強まります。ウイルスが人造のものかどうかは別として、ワクチンは明らかに「人口削減」の道具に思えます。しかし、多くの研究者が指摘する様に、ワクチンの危険性は統計的にも、その作用機序からも容易にバレます。各国でワクチンの薬害訴訟が起こされていますが、マスコミがいくら隠そうとしても、これだけ多くの被害を出していれば、ワクチンの危険性はやがて多くの一般人の知る所となり、「危険なワクチン」を推奨した政府に批判の矛先が向かうのは時間の問題です。

ここで私は強い違和感を覚えました。「何故世界の経営者は、すぐにバレる様な方法で人口削減を急いだのか」という疑問です。

最初は、ダボスの発言を真に受けて、「資本主義の崩壊」や「民主主義からの転換」の為に仕込まれたイベントの可能性を疑いました。さらには「AI化による大量失業社会」への対処だと推測もしてみました。

しかし、そのいずれも「しっくりこない」・・・。

そこで、一度「グレートリセット」を頭の隅にしまって、「世界の経営者が「拙速な人口削減」をせざるを得ない理由」をニュートラルに考えてみました。その結果、思い当たったのが「地球寒冷化」です。

■ 地球は「寒冷化」している ■

「温暖化」が問題になっているのに「地球寒冷化」とは如何に?

実は最新の科学的観測データは地球の寒冷化を示唆しています。

冒頭に乗せたグラフは太陽黒点の数です(2019年の産経新聞かは拝借)。黒点の出現数がだんだんと減っているのがお分かりになるかと思います。太陽黒点は11年周期で増減を繰り返しますが、1960年代の19サイクルをピークに太陽黒点の出現数は減り始めています。1970年代はイレギュラーに黒点の出現数が少ないサイクルですが、この当時、地球の気温は低く「氷河期が来る」と話題になりました。

太陽黒点は太陽の活動のバロメーターです。黒点数が多い時は活動が活発で、黒点数が少ない時は活動が低下します。黒点数は11年周期で推移し、作物の収量などにも影響を与えますが、黒点がゼロの年に急激に寒冷化する様な事はありません。地球は容積の大きな複雑系なので、11年周期の変動をある程度吸収してしまうと考えられます。

但し、太陽活動の低下が30年、50年と続くと、巨大な容積を持つ地球も徐々に冷えて来ます。

■ 2030年頃から寒冷化が始まると予測するノーザンブリア大学のザーコバ教授 ■

気象変動予測で世界で最も高確率で的中を続けるノーザンブリア大学の天才物理学者バレンチナ・ザーコバ教授によれば、「地球は中長期的には温暖化に向う一方で短期的には小氷期に向かってる」と予測しています。

1)ザコーバ教授は太陽表面付近での発電効果と、太陽内部の異なる2層での電磁波を発見

2)それを元に計算すると、黒点数が今後大きく減少する事が予測出来る

3)2030年には太陽の活動量は現在より60%減少し、マウンダー極小期に近いミニ氷河期がやって来る

4)ミニ氷河期は200年~250年続く

5)97%の確率でこの予想は的中する

上のグラフは太陽黒点数の長期グラフです。14世紀半ばから19世紀半まで黒点数が少ない事が分かります。特に1645~1715年は太陽黒点数は極端に少なく、これを「マウンダー極小期」と呼びます。この間、地球は寒冷化しており、この時期のヨーロッパ、北米大陸、その他の温帯地域において冬は著しい酷寒に震え、夏らしさが訪れない年が続いた。地球の平均気温は今よりも1度~2度低下したのではないかとされている。

■ 農業生産を低下させ食糧難を引き起こす寒冷化 ■

1度ー2度の気温低下はたいした事が無い様に思えますが、鎌倉時代から江戸時代には飢饉が頻繁に起きていますが、これは寒冷化でコメが不作だった影響と考えられます。

葛飾北斎の富岳三十六景には雪の絵が多い。上は江戸小石川で雪見宴をする人々を描いたものですが、この江戸時代の日本は今よりも寒く雪が多かった。

上の絵は「片喰と黄金」という漫画の表紙です。この作品はアイルランド移民の少女がアメリカに渡り、ゴールドラッシュの西部を目指すという内容ですが、少女がアメリカに渡った理由は1845年~1849年にアイルランドで発生した「ジャガイモ大飢饉」。当時のアイルランドの主食はジャガイモでしたが、そのジャガイモに疫病が流行り100万人も餓死します。

人々は、なけなしのお金で家族をアメリカに移住させ、アメリカで働いたお金を送金して家族をアメリカの呼び寄せた。アメリカにアイルランド移民が多いのはその為です。移民船とは名ばかりの奴隷船の様な環境で、アメリカの地を見る前に息絶えた人も多い。アメリカに渡ってからの暮らしも楽ではありませんでした・・・。そんな移民の一人の少女が力で強くアメリカで生き抜く話が「片喰と黄金」です。「片喰」は草花の「カタバミ」。荒地でも花を咲かせるカタバミはアイルランドの国花とされています。英語では「シャムロック」と言う。

話が大幅に逸れてしまいましたが、当時のヨーロッパは寒冷で小麦の不作が続きました。16世紀末頃に南米大陸からジャガイモがヨーロッパ各地に広がります。ジャガイモは寒冷に強く、単位面積当たりの収量も小麦やライ麦よりも多いので、ヨーロッパで度々発生した飢饉から人々を救いました。ヨーロッパ北部やロシアなどではジャガイモが主食となりました。アイルランドはジャガイモの単一栽培となったので、ジャガイモの疫病で大飢饉が起きてしまったのです。

ドイツ、ポーランド、ウクライナ、ロシアなども寒冷なので、今でもジャガイモの消費の多い国です。肥沃な国土で小麦の大穀倉地帯とされるウクライナの郷土料理のボルシチに入っているのはジャガイモです。

■ 地球寒冷化を指摘したNASA ■

実はNASAも「地球寒冷化」を予測しています。

この予測の元となったのは、NASA の人工衛星タイムド(TIMED)に搭載されている放射線測定器 SABER による測定結果。

衛星に搭載されている放射線測定器 SABER は、大気圏の最も上層にある「熱圏」のエネルギー出力に重要な役割を果たす 2つの物質である二酸化炭素(CO2)と一酸化窒素(NO)からの赤外線を監視している。

 NASA ラングレー研究所のマーティン・ムリンザック(Martin Mlynczak)氏は、次のように述べている。

「私たちはすでに地球の寒冷化の傾向を観測しています。地球の高層上空の宇宙に近い場所において、私たちの地球の大気は熱エネルギーを失いつつあるのです。現在の傾向が続くならば、宇宙時代からのすべての時代の寒冷傾向の記録を更新する可能性があります」

■ 二酸化炭素は地球を冷やすというNASAの研究 ■

地球を温暖化するとして目の敵にされている二酸化炭素ですが、大気上層の二酸化炭素は地球を冷やす事がNASAによって発表されている。

NASAのラングリー研究センターが行った分析結果によると、温室効果ガスは、人体に有害な太陽光線が地上に降り注ぐのを、95%カットしており、同時に太陽熱の温度を下げていることが分かった。

1)SABERモニターは、地球の上層大気、特に大気中のエネルギー・バランスに影響を与えている二酸化炭素や一酸化窒素の量と地上に降り注いでいる赤外線の量を測定

2)最近の太陽バーストにより、熱圏は260億キロワットものエネルギーを受けていることが分かりました。しかし、上層大気圏に存在する二酸化炭素や一酸化窒素の微粒子により、その95%が宇宙に跳ね返されている

二酸化炭素による太陽の赤外線は宇宙空間への放出は反射では無く「ラマン散乱」によるものと思われます。太陽の赤外線は直射光として地球に入射しますが、上層大気の二酸化炭素が分子振動として赤外線を一度吸収します。そして再度赤外線として放出しますが、この時に射出ベクトルは全方向に変換されます。要は太陽からの赤外線は上層大気の二酸化炭素で散乱を受けて95%は宇宙空間へと拡散しているのです。

同様に地球の下層大気の二酸化炭素も赤外線の吸収と放出を行っていますが、赤外線を吸収して分子振動に返る事で温度上層を引き起こす。これが温室効果ガスと呼ばれる理由ですが、上層大気中の二酸化炭素が増加すると、下層大気に到達する太陽からの赤外線自体が減るので、二酸化炭素の増加は寒冷化を引き起こす可能性がある事を、NASAの最新の研究は示唆している。

ここで私は一つの疑念を抱く。地球温暖化で二酸化炭素を削減する真の目的は、実は「寒冷化阻止」なのでは無いのかと・・・。

■ 太陽風が減ると、火山が噴火する? ■

寒冷化絡みで、もう一つ面白い予測を見付けました。太陽活動が低下すると火山が噴火するというものです。

1)太陽の活動が低下して、太陽風(電離物質)が弱まる

2)地球の上昇の電離層が薄くなる

3)電離層に囚われる宇宙線の量が減り、地上に到達する宇宙線が増える

4)宇宙線(放射線)は透過性が高く、地下のマントルで吸収され、その温度を上げる

5)マントルの温度上昇でマグマが上昇して火山が噴火する

6)火山灰が大気を多い、太陽光が遮られて地球が寒冷化する

ちょっと「とんでも」な匂いのする説ではありますが、江戸時代には火山噴火も多かった。富士山は宝永年間に噴火していますし、浅間山も噴火していた。フィリピンのフィナツボ火山の噴火で地球の気温低下が観測されていあすが、太陽風の低下が複数の火山が大噴火を起こすならば、寒冷化に拍車が掛かります。

■ 寒冷化が不可避ならば、人口は速やかに減らす必要がある ■

ここで本題に戻ります。

寒冷化が不可避ならば、世界の経営者はどの様な判断をするでしょうか?

1)寒冷化が進み、食料生産が低下する

2)世界が食糧難に陥り、インフレにより政治不安が高まる

3)暖房用のエネルギーの争奪戦が起きる

この様な「カオス」の未来を回避する方法は、人口を削減して少量需要とエネルギー需要を減らす方法が一番有効で確実です。そして、寒冷化が2030年から進行するならば、それまでにある程度の人口を減らす必要がある。

■ 昆虫やブルーフィッシュを食べろと言い始めたダボスやロックフェラー ■

ダボス会議では「食糧難」が到来すると危機感が高まっています。昆虫食や人造肉が注目されていますが、これは穀物の利用効率を高める狙いがあります。牛や豚の肉を生産するには、その5倍の穀物を必要とします。食糧難に時代にこれは不効率です。穀物をそのまま食べた方が効率が良い。

しかし、肉食人種の方達は肉を食べたいという衝動に勝てないでしょう。だから大豆から肉そっくりの人造肉を作ったり、遺伝子組み換えで肉の細胞を工場で生産する研究が盛んになっています。

昆虫も家畜に比べると、植物から動物性タンパク質の変換効率は高い。イナゴを食べた事がある人はお分かりかと思いますが、昆虫の味はエビに似ていて、見た目程悪くはありません。長野県民などは伝統的に昆虫食が大好きです!!

ロックフェラーも「ブルーフィッシュを食べよう」と盛んに宣伝しています。ブルーフィッシュやイワシやサバなの青魚で、西洋ではあまり見向きもされない。肥料や飼料にされる事の方が多い。これらの魚を直接食べれば、タンパク質の利用効率は肥料や飼料にするよりも高まります。

私はニワカに「昆虫食」が注目される事に違和感を覚えていましたが、寒冷化が予測されるのであれば、さも在りなんと思います。

■ 「地球の人口が90億人になる」というキャンペーン ■

最近TVなどでは「地球の人口がこのままでは90億人になり、食糧難になる」という番組が放送されている様ですが(TV無いので詳しくは無い)、これも寒冷化を絡めると、結構深刻な問題です。

「食糧難」は昔から問題とされて来ましたが、化学肥料と収量の多い品種の栽培によって、食料生産は着実に伸びて来ました。F1シードなど、「アグリビジネスの陰謀」の様に言われて来ましたが、飢餓の克服に貢献している事も確かです。しかし、寒冷化によって農業生産が確実に低下するならば、これから増える人口どころか、現在の人口でも食糧難が発生する可能性は高い。

■ ウクライナ戦争をエネルギーの囲い込みとロシアの南進と捉える事も出来る ■

寒冷化というキーワードで捉えると、ウクライナ戦争の別の側面も見えて来ます。

ロシアはヨーロッパへのガスの供給を停止しつつ在りますが、寒冷化が進行すればガスは重要な戦略物資です。ガスの供給を条件にロシアへのNATO諸国の敵対を止めさせる事が可能です。

寒冷化の影響を最も受けるロシアは、耕作可能な土地も必要になります。ウクライナ戦争は、肥沃なウクライナの土地を狙った「南進政策」と捉える事も可能です。』

『荒唐無稽とお思いになるかも知れませんが、「寒冷化」を中心に考えると、「グレートリセット」や「ウクライナ戦争」や「コロナによる人工削減」が強引に進められている理由に合点が行く。実は最近は「googoleの禁則ワード」と「DackDackGo」が役に立ちます。

「NASA 地球寒冷化」でgoogoleとDackDackGoで検索を掛けると、googoleではNASAが温暖化を予測した記事しか出て来ません。温暖化推進派にとってNASAが寒冷化を予測しているという事実は「不都合な事実」の様ですが、はたして「それだけ」でしょうか・・・。

別に「人口削減」を責める気はありません。全員で飢えるより、情報力で生き残る道を私は模索したい。現在が「サバイバル」であるという認識を持つ人が生き残る。私は家族と私が死なない為に、あらゆる可能性を否定しません。』

日韓ともに、人口動態的には、未来はそんなに明るくない…。

 ※ どうも、「地方自治体」が人口的に維持できず、「消滅」していく可能性が高い…。

消滅可能性都市とは?896の市町村区が2040年に消える?
https://say-g.com/disappearance-potential-city-2941#i

『 目次

消滅可能性都市とは、少子化や都市部への人口流出をきっかけに、今後自治体として存続できない可能性のある地域です。

2040年までに896の市町村区が消滅するという予測が立てられています。

そこで今回の記事では

消滅可能性都市とは
消滅可能性都市の原因
消滅可能性都市への政府の対策

についてわかりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、消滅可能性都市とは

消滅可能性都市

消滅可能性都市とは、少子化や人口流出により消滅する可能性のある自治体を指します。
2014年に、896の市町村区が日本創成会議によって消滅可能性都市に指定されました。

日本創成会議とは、元総務相の増田寛也氏が座長を務め、専門家や学者などの有識者で構成される民間組織です。

参考:日本創成会議、元総務相・増田氏が座長の民間組織 日本経済新聞

消滅可能性都市には厳密な定義があり

『2010年から2040年にかけて、20歳~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市町村が消滅可能性都市である』

引用:国土交通政策研究所

とされています。

子どもを産む可能性の高い女性が減少してしまうと、人口の維持が難しいと考えられ、消滅可能性都市に指定されることが一般的です。

過疎化とは?過疎化の現状・問題・対策を簡単解説

過疎化とは、ある地域で急激に人口が減少し、コミュニティや生活の維持が難しくなる現象です。 高度経済成長期の都市への人の移動をきっかけに過疎化がはじまり、現在は少子高齢化によって過疎化が進行しています。 そこで本記事では 過疎化とは 過疎化の現状 過疎化がもたらす悪影響 過疎化に対する対策 についてご紹介します。 本記事がお役に立てば幸いです。

1、…

2、消滅可能性都市の原因

消滅可能性都市の最大の原因は、人口減少です。
人口が減れば、自治体を維持することは非常に難しくなります。

そして人口減少の要因としては

20歳から39歳の若い女性の減少
大都市圏(特に東京)への若者の流出

の2つが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。

(1)20歳から39歳の女性人口の減少

上述したように子どもを産む可能性の高い女性が減り続けることは人口減少の大きな要因として挙げられます。

人口減少を回避するためには出生率の増加が必要です。
9割以上の子どもが20歳から39歳の女性から生まれている傾向にあり、特に地方ではこうした女性の人口が減少しています。

参考:「地域消滅時代」を見据えた今後の国土交通戦略のあり方について 国土交通省

ここで静岡県の例を見てみましょう。

静岡県では1995年以降、転出者(人口流出)が転入者(人口流入)を上回る状況が続き、特に女性人口の流出が顕著です。

消滅可能性都市

画像出典:若年女性の流出問題を考える 首相官邸

女性人口が流出している原因には

大学や専門学校が少ない
女性が就職したい企業が少ない
生活全般の満足度が低い

などが挙げられ、近年の女性の社会進出に伴う、女性の進学率と就職率の高さも関係していると言われています。

(2)人口の偏り|東京一極集中について

進学や就職をきっかけとした都市部への若者の移動も地方における人口減少の要因の1つです。

「東京一極集中」は地方の過疎化を加速させています。
東京一極集中とは、政治・経済など国の機能の大部分が東京に集中している現象です。

東京一極集中の背景にある

女性の移動
若者の意識の変化

について見ていきましょう。

① 女性の移動

女性の高学歴化とともに、短大よりも大学に進学する女性は増加傾向にあります。

消滅可能性都市
画像出典:女性の大学等への進学状況 首相官邸

進学をきっかけに東京へ移動し、東京圏の学生の9割が東京に本社を置く企業に就職することから、地方に戻るケースが少なくなっているようです。

② 若者の意識の変化

首相官邸が発表している「東京圏に転入した若年者の『働き方』に関する意識調査」によると、地方から東京へ移動する理由として、男性は就職や仕事関係が多く

女性は

地元や親元から離れたかった
一都三県で暮らしてみたかった
育児と介護の制度が充実しているから

などの理由が挙げられました。

女性の場合、従来のように「進学・就職」などの単純な動機ではなく、地元に不満を抱き、東京へ移動しているという意識の変化があると言われています。

参考: 東京一極集中の動向と要因について 首相官邸

こうした意識の変化により、女性の東京への移動が増えていることが、地方の過疎化が進行し、東京一極集中が加速している原因であると考えられています。

消滅可能性都市

画像出典:人口移動の状況(東京圏・男女別) 首相官邸

東京一極集中とは?コロナで見直される地方と東京の関係

「東京一極集中」とは、政治・経済など国の高次中枢機能の大部分が日本の首都である東京に集中する現象です。 少子高齢化とともに地方の過疎化が進む一方、開催予定だったオリンピック効果もあいまって、今や東京には多くの人や上記の主要機能の大半が集中している状態です。 そのような状況で、2020年〜2021年の新型コロナウイルスの流行もあり不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 …

3、消滅可能性都市の推計と分布

全国の市町村1799のうち、896の市町村が2040年までに消滅する可能性があると推計されています。

具体的には、全国の自治体の49.8%が、2040年以降に存在していないかもしれないと言われています。

以下は消滅可能性都市の分布図です。

消滅可能性都市

画像出典:全国の「消滅可能性都市」の分布 国土交通省

濃い黒色の部分は2040年に人口が1万人未満となる消滅可能性都市を表し、グレーの部分は人口が1万人以上の消滅可能性都市を表しています。

分布図を見てみると、地方に消滅可能性都市が集中しているわけではなく、都市周辺においても消滅の可能性がある市町村区が点在していることがわかります。

また、以下のグラフは都道府県別の消滅可能性都市の比率を表しています。

消滅可能性都市

画像出典:都道府県別・「消滅可能性都市」の比率 国土交通省

最も消滅可能性都市の市町村が多い県は秋田県で、大潟村以外のすべての自治体が消滅可能性都市として指定されています。

2位は青森県(87.5%)、3位は島根県(84.2%)です。

また、これらの数値は2014年11月の資料作成時点のデータに基づいています。

参考:「地域消滅時代」を見据えた今後の国土交通戦略のあり方について 国土交通省

4、消滅可能都市への政府の対策

政府は消滅可能性都市を減少させるためにさまざまな政策を実施しています。

地方移住の促進
地方への人材還流
遠隔勤務の整備
地方での子育て支援

などの対策について見ていきましょう。

(1)地方移住の促進

消滅可能性都市の発生を防ぐためには、東京から地方へ新しい人の流れが必要です。

そのため都内には

移住交流情報ガーデン(旧全国移住促進センター)
ふるさと回帰支援センター

などが設置され、地方移住が促進されています。

① 移住交流ガーデン(旧全国移住促進センター)

移住交流情報ガーデンとは、東京駅に位置する地方移住に関する相談窓口です。

消滅可能性都市
画像出典:移住・交流情報ガーデン 一般社団法人 移住・交流推進機構

移住の相談や情報の検索、自治体によるイベントなどが開催されています。

空き家や仕事の情報など個人向けのサービスから、企業と自治体のマッチングも実施されており、地域おこし協力隊の募集も行っています。

② ふるさと回帰支援センター

消滅可能性都市
画像出典:ふるさと回帰支援センターのご紹介 認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター

ふるさと回帰支援センターとは、移住交流情報ガーデンと同じく、東京有楽町にある移住相談センターです。

地方自治体の担当者と直接話せるサービスもあり、オンラインでのセミナーも行われています。

参考:移住・交流ガーデン 一般社団法人 移住・交流推進機構
    ふるさと回帰支援センター 認定NPO法人

(2)地方への人材還流

東京へ上京した人口を地方へ戻すこと(人材還流)も消滅可能都市の発生を防ぐ方法の1つです。

政府は人材還流を促すために、

UJIターンを考えている人をターゲットとした「地域しごと支援センター」
魅力的な労働環境を実現するために地方企業の手助けをする「プロフェッショナル人材センター」

などを整備しています。

UJIターンとは

Uターン:出身地に戻ること
Jターン:出身地近くの地方に戻ること
Iターン:都市部出身者が地方に移り住むこと

これら3つの言葉をまとめたものです。

参考:地域しごと支援センターで職業紹介等を実施 鳥取県
   Uターン/Jターン/Iターン 一般社団法人 移住・交流推進機構

(3)遠隔勤務の整備

遠隔地での勤務や就学などの制度を整えることで、地方での人口増加を期待することができます。

2020年5月の内閣府による、20歳〜59歳の東京圏在住者を対象とした、地方移住に関するアンケートによると、49.8%が地方暮らしに関心を持っていることが判明しました。

また、地方暮らしに関心を持つ人の大半が、地方での仕事環境への不安を理由に移住できていないことがわかりました。

政府はこうした課題に対して

本社から離れた地方にオフィスを設置するサテライトオフィス
自宅を含めた本社から離れた場所で働くテレワーク
校舎以外の場所で授業が受けられるサテライトキャンパス

などの推進を対策として発表しました。

これらの対策が推進されれば、東京でなくとも様々な仕事ができ、多くの人が地方に生活拠点を移すことで、地方の活性化も期待できます。

参考:東京圏在住者の約半数が、地方圏での暮らしに関心あり 首相官邸
 おためしサテライトオフィス 総務省 

(4)地方での子育て支援

地方での子育て支援を促進することで、地方都市の活発化につながります。

都市部に住む親の中には、「子どもの自然体験が不足している」という理由から地方移住を検討している人も多くいると言われています。

子育て世代にとっても魅力的な地方都市にしていくために、政府は「子育て世代包括支援センター」を通して、どの地域に住んでいても親子が安心して暮らせる環境づくりに取り組んでいます。

子育て世代包括支援センターの整備により、出産から育児まで切れ目のない支援を提供することで、全国的な少子化問題を解決に導く狙いがあります。

参考:地方への多様な支援と「切れ目」のない施策の展開 首相官邸
まとめ

今回は消滅可能性都市について解説しました。

健康的なライフスタイルが人気を集める中、自然豊かな地方の魅力は新たな強みになる可能性があります。

2040年までにどの市区町村も消滅させないために、サテライトキャンパスやテレワークなど多様性のある生活様式の拡大に期待していきたいですね。』

政治ドットコム運営者情報
https://say-g.com/organizations

ドイツが移民で圧倒されており、ほとんどの州で受け入れ停止の状態に

ドイツが移民で圧倒されており、ほとんどの州で受け入れ停止の状態に
https://earthreview.net/germany-overwhelmed-by-migrants-now/

『投稿日:2022年10月1日

難民危機が半端ではなくなっているヨーロッパ

夏に以下のような「ヨーロッパへの難民がこれ以上増加すると、ヨーロッパ崩壊の引き金ともなりかねない」というようなことを述べている人たちが多数いることについて書きました。

[記事] すでにアフリカの飢餓人口は2億8000万人に。これ以上飢餓が進行した時に起きる可能性がある「数千万人の移民によるヨーロッパの壊滅」
 地球の記録 2022年8月5日

実際、8月の時点で、アフリカ等からの難問の数は、過去最高に達していることがわかっていました。

[記事] イギリス海峡を渡るアフリカ等からの不法移民の1日の人数が過去最高に
 地球の記録 2022年8月24日

ここにあるような中東やアフリカ諸国からの難民とは別に、今は「ウクライナからの難民」というのが大量に発生していまして、ヨーロッパの難民の問題は、ついに「大きな懸念の最初の段階に達した」といえそうです。

特に移民や難民が殺到している国のひとつであるドイツでは、9月下旬になり、

「もはや難民を受け入れられる余裕がない」

として、ドイツ 16州のうち 12州が、「難民の受け入れを停止した」と報じられていました。

それを伝えていたハンガリーの報道をご紹介します。

皮肉な話ですが、移民と難民により、2021年のドイツは、「大幅に人口が増えた」と報じられてもいました。

出生率が大幅に下がっているのにかかわらず、です。

2022年には、ドイツの出生率は、さらに大幅に下がっています。

2022年第一四半期の出生率の比較

In Deep (グラフを参照した元のツイッターはアカウントが凍結されています)

本来のドイツ人と移民の人口の比率に異常が起き始めているようです。

ドイツの移民に関しての記事はここからです。

ドイツは移民に圧倒され、16州のうち12州が難民の受け入れ停止を開始

Germany overwhelmed by migrants, 12 out of 16 federal states begin blocking refugees
rmx.news 2022/09/30

ドイツの州の大半は、もはや難民を受け入れることができないと言う

ドイツ連邦政府は、より多くの移民の必要性を主張しているが、ドイツの州の現場の現実は、まったく異なる状況を示している。

ドイツには現在、ウクライナでの戦争から大量の難民が押し寄せている上に、アフリカや中東からの移民が劇的に増加しているため、ドイツの 16の連邦州のうち 12州が難民のさらなる受け入れを停止した。

難民への門戸を閉ざしたドイツの州は、幼稚園や学校を含むサービスの緊張を指摘している。しかし、最大の課題は、おそらく住宅の問題だ。バーデン・ヴュルテンベルク州のような州では、2015年から 2016年の移民危機のときよりも多くの移民が押し寄せている。

「高い移民の数を背景に、12の州が現在、初受け入れの停止をアクティブにしています」と、連邦内務省の広報担当者は、ドイツ RND メディアの新聞に語った。

「連邦州への負担は、ウクライナからの難民と一般的な移民の結果です」と広報担当者は述べた。

「現在、バルカン半島ルートの移民数も増加しています」という。

ドイツの 4つの州はまだ難民を受け入れているが、これらの州も援助を求めている。たとえばバイエルン州では、難民の収容能力が 102.8%に達しており、予備のベッドはすべて現在占有されていると報道機関RNDのレポートは述べる。

推定 980,000人がウクライナからドイツに逃れた。

ドイツ連邦政府は、これらの難民を州に引き渡したが、彼らは現在、ドイツ政府に向かっている。現在、ドイツでは毎日平均 875人のウクライナ難民が入国している。ドイツの州は、バルカン半島からのルートに沿ったヨーロッパ以外の移民の流入による極度の負担に直面しており、漏洩したレポートによると、不法移民が今年47%増加したことが明らかになった。

バイエルン州の内務大臣であり、内務大臣会議の議長である Joachim Herrmann 氏は、移民問題に関する連邦政府の方針に抗議している。

「バイエルン州では、亡命希望者のための宿泊施設の選択肢が次第に定員に達しつつありますが、バイエルン州は現在も受け入れています」

「しかし、戦争勃発後の最初の数ヶ月でドイツに逃げた多くのウクライナ人が避難所にいまだにいるのです」

Herrmann 氏は、ドイツ政府の移民前のスタンスを批判しており、「連邦政府がますます多くの人々を受け入れているのに、州だけに任せて仕事を任せているということはあり得ない」と述べている。

与党ドイツ政府は、10万人の不法移民に対する恩赦、より迅速な帰化プロセス、およびドイツの雇用主の要求をサポートするために移民を年間 50万人増やすよう求めるなど、移民を自由化するプログラムを長らく提唱してきた。

それにもかかわらず、データは、ドイツにいる移民が統合されておらず、不釣り合いな量の重大な犯罪を犯し、数百億ドルの国家資金を必要とし、非常に高い失業率を特徴としていることを示している。

バイエルン州の内務大臣は、州が「圧倒される」脅威にさらされていると警告し、次のように述べた。

「難民の数が多い時期に、アフガニスタンからの地元労働者のための新しい入国許可プログラムを開始したり、イタリアやその他の EUの国境を越えた州から追加の難民を受け入れることは、ドイツのすべての人たちを圧倒し、誰にとっても役に立たず、最終的には難民にとっても役に立たない」

ドイツの世論調数は、現在の政権が対ロシア制裁を終了し、ロシアとのエネルギー関係を回復するよう求めていることを示しているが、移民圧力の高まりも一因となっている可能性がある。

ドイツでは。インフレが家計を圧迫しており、進行中の危機を考えると、ドイツ人はますます移民を受け入れなくなる可能性がある。』

大量流出した個人情報で判明「中国の人口はある時点から急減している」 | 人口学者が詳しく解説

大量流出した個人情報で判明「中国の人口はある時点から急減している」 | 人口学者が詳しく解説
https://courrier.jp/news/archives/299911/

『6min2022.9.8

中国は人口統計の数値を捏造していると指摘されており、異議を唱える者は取り締まりの対象となってきた。そのため同国が「公式」としている人口に関しては、さまざまな議論がある。

そんななか、中国の公安当局が管理する10億人分の個人情報が流出した可能性があると7月に報じられた。氏名や住所、犯罪歴、病歴記録までが含まれており、史上最大規模の情報流出とされている。

著名な人口学者である易富賢によれば、この事件によって漏洩した情報が中国の「数値捏造」を裏付けているという。

人口減少を頑なに認めない

中国政府公認の人口統計数値が意図的にかさ増しされていることなど、誰もが知っていることだ。にもかかわらず、当局はこれらのデータに疑義を呈する者たちを次々と弾圧している。

たとえば拙著『大國空巣』は、2007年の出版直後に発禁となった。同書が中国の一人っ子政策への懸念を表明し、人口の減少が始まるのが、中国当局と国連が「世界人口予測2006」で推定した2033〜34年頃ではなく、2017年であると予測したからである。

そして2019年、中国の人口が2014年時点でインドに追いつかれており、2018年時点ですでに減少に転じていると私は主張した(二人っ子政策導入の影響で、最初の予測年よりも1年遅れている)。

これに対し中国国家統計局長官は、中国中央テレビの放送で私をデマ発信者として告発し、さらに『人民日報オンライン』は私の主張を「2019年デマTOP10」第3位にランクインさせた。

そして国連は「世界人口予測2022」を発表し、中国の人口は今年から減少し始めたと述べ(2019年時点での予測より10年早い)、さらにインドの人口が中国の人口を2023年に追い抜くと予測した(2019年時点での予測より7年遅い)。

しかし、これまでの予測と同様、「世界人口予測」はいまだ中国の人口を実際より多く見積もっている。「世界人口予測2022」も中国国家統計局も、2020年の人口センサス(政府による人口に関する国勢調査)も、1991年以降の出生数を多く見積もっているのだ。

2020年人口センサスと「世界人口予測2022」は出生数のピークを2004年とし、国家統計局は2011年をピークとしている。またこれら3つのデータは、2011年以降に関しては概ね同じ数値を発表している。

中国が一人っ子政策に代えて、限定的な二人っ子政策を導入したのは2014年のことだ。そして全面的な二人っ子政策の施行は2016年であったことを思い出そう。

一人っ子政策が中国における出産の概念を不可逆的に変え、中国経済の形をも組み替えてしまったために、(二人っ子政策の導入後にもかかわらず)2015年にも2017年にもベビーブームが起こることはなかった。その後もまた同様である。

この状況で、2004年や2011年に出生数のピークがあったなどという話を聞いて、どうしろというのか。

2010年における3〜14歳の総人口は、同年の戸籍記録によればわずか1億6900万人、同年の人口センサスによれば1億7600万人だ。しかし国家統計局によれば、1996年から2007年までに生まれた子供は2億1000万人である。

これと同様に「世界人口予測2022」は、2022年時点での15〜26歳の総人口を1億9500万人と計測している。』

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人口減で国力の方程式一変 量から質、豊かさ競う

人口減で国力の方程式一変 量から質、豊かさ競う
人口と世界 成長神話の先に(5)

人口と世界
2021年8月26日 11:00 [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB28EFF0Y1A520C2000000/

『国力=(人口・領土+経済力+軍事力)×(戦略目的+国家意思)

米中央情報局(CIA)分析官だったレイ・クライン氏は1975年、国家が持つ力を算出する「国力方程式」を考案した。大国が人口増にこだわる理由がここにある。

【前回記事】富む前に迫る超高齢化 社会保障の崖、世界に火種

「実態に即して人口を公表すれば、中国は前代未聞の政治的な激震に直面するだろう」。米ウィスコンシン大の易富賢研究員は中国の人口統計の水増し疑惑を指摘する。

中国政府は2020年の人口を14.1億人と発表した。だが易氏によると実態は12.8億人ほどで「18年から人口減は始まった」と推定する。

中国・ロシアは増加固執

人口急減を認めれば産児制限の失敗があらわになる。当局は易氏の著書を発禁処分とし、疑惑に反論する。「中国の人口は増え続けており、欧米の合計より多い」(華春瑩外務省報道局長)

「戦争論」を著したクラウゼビッツは「全国民が勝敗の帰趨(きすう)を決定する」と説いた。産業革命で人口が急増した英国は、19世紀後半に500万超の移民を世界に送り出したとされる。

20世紀に英国の人口増が鈍ると、ドイツやロシアの人口が膨張した。隣国との緊張が高まり、列強は世界大戦へとなだれ込んだ。英人口学者ポール・モーランド氏は「人口の脅威が各国を戦争へと駆り立てる」と指摘、ソ連崩壊も「人口減速が要因」とみる。

ロシアの人口は2100年に約2千万人減る。「人口減は国家存亡の危機だ」とみるプーチン大統領は、25年までに最大1千万人の移民を招く目標を掲げる。

ロシアのパスポートを受け取ったウクライナ東部の住民=ロイター

ロシアの工業都市ノボシャフチンスクに、紛争が続くウクライナ東部の住民が乗る大型バスが続々と着いた。住民が移民局で受け取ったのは赤い表紙のロシアのパスポートだ。19年春に手続きを簡略化し、60万人超がロシア国籍を得た。

拡張戦略に転機

中国の台頭をにらみ米国も数での対抗を模索する。日米豪は外交・安全保障を協議する「Quad(クアッド)」にインドを招いた。世界最大の民主主義国インドが加われば、中国を圧倒する。

しかし米国を含む多くの国で働き手世代の比率が減る人口オーナス(重荷)期に突入するなか、人口に頼る国家拡張戦略は転機を迎えている。

米国経済の成長力に陰りが出たことで、富の偏在が加速。足元で民主主義が揺らぐなかで、20年に及んだテロとの戦いを投げ出しアフガニスタン撤収を余儀なくされた。

中国も焦りを隠せない。習近平(シー・ジンピン)国家主席は17日の共産党中央財経委員会で「共同富裕(ともに豊かになる)」と強調した。生産年齢人口が減り成長力が低下すれば、社会の安定が崩れかねないとの危機感がある。

軍事力も兵員や軍備の物量頼みからサイバー戦での技術力など質の争いに移った。人口が経済・軍事に直結する量の時代は過ぎ、人口は少なくても豊かでスマートな質を競う時代に入りつつある。

民主主義や資本主義がシステムの優位性で東西冷戦を勝ち抜いたように、人口という量に頼らず豊かさを実現するシステムを構築できるか。新たな国家間の競争が始まる。

【関連記事】

・経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界
・米中覇権どうなる? 少子化対策は? 人口減の未来を聞く

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蛯原健
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分析・考察

つい二百年程前まで中国とインドのGDPは欧州諸国より大きく米国に至っては出来たてほやほやの小国であった。その後産業革命が欧州で起き技術を手にした西側諸国が生産性革命を起こし経済覇権がアジアから西側に移った。そこから二百年経った今テクノロジーが世界に伝播しきってコモディティ化したため再び巨大な人口を持つアジア諸国が生産と需要両面において物量戦で台頭し、対する先進国の中間所得層が苦難に面している。今後の人口動態変化はこのモメンタムを変える一方で二百年前との違いはグローバリズム進展である。国家間のジオグラフィックな比較も重要だがそれ以上に同じ国でもデモグラフィックな格差がより困難な時代になるだろう。
2021年8月26日 15:18

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石塚由紀夫
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ひとこと解説

第2次世界大戦前は「人口=軍事力」の時代。例えば第1次世界大戦で敗れたドイツは人口増に政策の舵を切り、周辺国の脅威となりました。

日本も1941年に近衛文麿内閣が人口政策確立要綱を閣議決定。富国強兵を旗頭に、政府は国民に子どもを5人以上産むことを強く推奨しました。子どもを持つか持たないか、持つとしてもいつ何人くらい持ちたいのか――誰にも強制されずに自己決定できることは平和な社会の象徴ともいえます。

ただし、現状の少子化は子どもが持ちたくても持てない状況。少子化対策の目的は経済・国力増強のためだけではないはず。個人の希望をかなえるという視点も忘れず、対策拡充を。
2021年8月26日 11:50 (2021年8月26日 14:11更新)』

[FT]移民への魅力が薄れた英国、人材獲得競争でも不利に

[FT]移民への魅力が薄れた英国、人材獲得競争でも不利に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0282S0S2A800C2000000/

『われわれは今起きていることは昔から変わっていない、といとも容易に思い込みやすい。英国各地で観測される30度以上の気温、選挙でおおむね左派政党に投票する高学歴の人たち、高齢化で人口危機に直面している日本やイタリアーー。
出生率が高い移民のおかげで英国は長い間、国としての活力を維持してきた=AP

だから英国が1985年時点ではイタリアや日本よりもかなり高齢化が進んでいたことは意外に思えるかもしれない。当時の英国は65歳以上が人口の15%を占め、高齢化率が欧州で2番目に高かった。これに対しイタリアは13%で、日本はわずか10%だった。

それから37年。英国は欧州で4番目に若い国だ。欧州連合(EU)の平均よりおよそ2%高かった高齢化率は逆に2%低くなった。

何が若返りの秘薬になったのか? 主として移民だ。筆者の試算では、もし英国がこの間ずっと国境を閉じていたら、人口に占める年金受給者の割合は現在の19%ではなく22%に上がっていたとみられる。既に減っている労働人口は今よりさらに25%ほど少なかっただろうし、医療・社会制度はもっとガタガタで、働き盛りの5人に1人が抜け落ちていただろう。

実際はそうはならず、生産年齢にあたる人たちが常に国外から入ってきた。移民の出生率は数世代にわたって英国人より高い傾向にあるので、他の欧州諸国は人口ピラミッドが逆三角形に近づいても英国は40年以上、極めて安定感のある形を維持できた。
移住先としての人気、2位から7位へ

だが、英国がこの点でいかに恵まれていたか、あるいはこの恩恵を享受し続けることがいかに難しそうなことか、気づいている人はほとんどいない。

15年前、米調査会社ギャラップが別の国に恒久的に移住したいかどうかを尋ねる国際調査を始めた。最初の3回の調査では、英国は移住先として米国に次ぐ人気があった。ところが4回目はEU離脱の是非を問う国民投票を控え、移民排斥の主張がかまびすしくなっていた時期だったこともあり、英国はカナダやドイツにも抜かれて4位に甘んじた。直近の調査では7位に落ち込んだ。

英国は若い世代の起業家や発明家、科学者、医者にとって魅力が薄れつつある。一方、そうした高度人材の獲得競争は一段と激化している。

主に先進国の課題だった出生率の低下は、社会・経済発展の広がりとともに世界的な問題となった。出生率の低下が起こっていないのはアフリカのチャドだけだ。より多くの先進国で移民に対するニーズがこれまで以上に高まっているが、移民はいつまでも増え続けるわけではない。

これを踏まえると、2人の英首相候補が移民排除を訴え、互いをけん制しようとしているのは自殺行為といえる。

今のところ、英国は移民の流入が比較的高水準で、傾きかけた船は彼らのおかげで何とか沈まずにいる。ただ流入は頭打ちになった。移民への経済的な優遇策を減らし、国を率いる政治家が反移民の姿勢を強めても、国力を維持していけると考えるのは甘いだろう。移民への厳しい姿勢を言い募ろうとするなら、誰が聞いているか注意した方がいい。

By John Burn-Murdoch

(2022年8月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

英国国家統計局の試算によれば、21年6月までの1年間の累計で、EU市民の純流出入(流入−流出)は純流出に転じた。しかし、EU以外からの流入は増えたため、全体の純流入は前の1年間の26万人から24万人の微減にとどまる。
EU離脱以前から言われていたことだが、英国経済は、移民の流入で活力を維持してきた。労働需給の調整の面でもEUとの労働の自由移動の恩恵が大きかった反動で足もとの労働力不足は深刻だ。
保守党政権の移民政策を巡っては、難民をルワンダに移送する政策が物議を醸している。
「コントロールを取り戻す」というブレグジットの約束を実践しなければならないことが政策を縛り、問題解決を難しくしている。
2022年8月8日 12:38 (2022年8月8日 14:06更新) 』

ロシア・中国、衰退が招く危機 人口と世界・第3部

ロシア・中国、衰退が招く危機 人口と世界・第3部
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB17BAA0X10C22A6000000/

『突然のウクライナ侵攻で、世界を混乱に陥れたロシアのプーチン大統領。領土拡張をもくろむ野心の原点には、人口減少への危機感があるとみられています。冷戦期に超大国だった旧ソ連が衰えていった背景には、「ロシアの十字架」と呼ばれる人口の転換点がありました。

衰退する大国は攻撃性を強める――。米の歴史家は戦前のドイツや日本を例に、そう唱えています。歴史が繰り返すとすれば、いま人口減少への過渡期にある中国も暴発のリスクが高まっていると言えそうです。連載企画「人口と世界」の第3部「衰退が招く危機」では、世界の安全保障を脅かす人口の危機を取り上げました。

そして、近日公開の第4部「下り坂にあらがう」では、人口減少や出生率低下に向き合う世界の国々を取り上げます。

「人口と世界」第3部・衰退が招く危機 記事一覧

(1)プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

「武器を捨てて!」。エレナ・オシポワさん(76)は3月、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(旧レニングラード)で反戦デモに参加し、当局に拘束された。…続きはこちら
(2)縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず

1871年に誕生したドイツ帝国。急速な工業化で、成立から半世紀弱の間に人口を約6割多い6700万人に増やし、世界の大国に成長した。だが急速な台頭を警戒する英仏…続きはこちら
(インタビュー1)ロシア・中国に「衰退する大国のわな」

世界の安全保障体制を揺るがすロシアや中国が人口減少の危機に直面している。国力衰退に悩む覇権国家が、打開を図って暴発する安保リスクについて専門家に…続きはこちら
(インタビュー2)中国の一人っ子政策「共産党支配を弱体化」

――人口減は中国の軍事力や共産党支配にどんな影響を与えますか。「毛沢東はかつて、政治権力は銃口から生まれると言った。共産党から見れば、人民解放軍は…続きはこちら

【第4部「下り坂にあらがう」 ビジュアルコンテンツ先行公開】

・世界で出生率が低下 止まらぬ砂時計

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https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 』

EU域内人口、2年連続で減少 新型コロナ影響か

EU域内人口、2年連続で減少 新型コロナ影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11D2C0R10C22A7000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)統計局は11日、2022年1月1日時点の域内人口が4億4680万人となり、1年前から約17万人減ったと発表した。減少は2年連続で、統計局は新型コロナウイルスの感染拡大の影響とみている。

死亡数が出生数を上回る「自然減少」を、移民の増加で補えなかった。EU加盟27カ国のうち、10カ国の人口が減少した。減少数はイタリアが25万3千人減と最も多く、ポーランド(18万6千人減)、ルーマニア(16万4千人減)と続いた。一方、増加した国ではフランスが18万6千人増と最も伸びた。

EU統計局は、高齢化の影響や出生率が低水準にとどまることが予想されることから、今後数年間は死亡数が出生数を上回り続けるとの見解を示している。』

インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人

インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11C5H0R10C22A7000000/

『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連は11日、2023年にインドの人口が中国を上回り、世界最多になるとの人口推計を発表した。中国とインドは22年にそれぞれ14億人以上の人口を抱え、インドが中国を上回るのは1950年の調査開始以来初めてという。世界人口は11月中旬に80億人を突破するとの予測も明らかにした。

7月11日の世界人口デーに合わせて報告書をまとめた。世界人口は11年に70億人を突破し、現在は79億4200万人に上る。国連の最新の推計では、世界人口は30年に85億人、50年に97億人、80年代には104億人でピークに達すると予想する。

50年にはインドの人口は16億6800万人となり、中国の13億1700万人を大きく引き離す。22年時点でもインドの人口は14億1200万人で、中国の14億2600万人に迫る。インドは出生率の高さに加え、衛生環境の改善などで乳幼児死亡率が低下し寿命が延びたことも背景にある。

一方、中国は1970年代終盤に策定された一人っ子政策など産児制限の影響が大きい。21年には第3子の出産を認める方針を示すなど緩和してきたが、教育費負担の重さもネックとなり、出生数は5年連続で減少し、21年に1949年の建国以来最少となった。

人口の増減は国内総生産(GDP)の成長を支える働き手の確保を左右し、歴史上、国力を測る一つの指標とされてきた。人口規模の拡大は、国際社会における発言力を高めることにつながる。「インドが世界最大の国となれば、安保理の常任理事国に仲間入りさせるべきだとの主張が強まる可能性がある」と国連経済社会局(DESA)人口部門のジョン・ウィルモス部長は指摘する。

22年の地域別人口をみると、東・東南アジアの人口が23億人で最も多く、世界人口の29%を占める。中央・南アジアの21億人(26%)が続く。サハラ以南のアフリカ諸国は2100年まで人口増が続き、50年までの世界人口の増加分の半分以上を占める。欧州や北米などアフリカ以外の大半の地域の人口は今世紀末にピークを迎えるという。

50年までの人口増加の半分以上はコンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、米国の8カ国によるものだ。出生率の高いアフリカ諸国やインドなどに対し、米国は少子高齢化による自然減を移民の受け入れによる社会増で補っている。

世界全体でみると、米欧や日本など先進国を中心に出生率の低下が顕著だ。21年には女性一人が生涯産む子どもの数を示す合計特殊出生率が2.3人になった。11日の報告書には「50年までに2.1人まで低下する」との見通しを盛り込んだ。

20年には出生率の低下を背景に、年間の人口増加率が1950年以来初めて1%を下回った。共働き世帯の増加など社会の変化もあり、各国は経済成長の維持へ移民の受け入れ拡大やロボットなどの活用による生産性向上を急ぐ。

一方、後発発展途上国(LDC)46カ国の人口は22年~50年の間に11億1000万人から19億1000万人に増える。21年の世界平均寿命は71歳で、19年の72.8歳から減少した。国連は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に挙げている。

グテレス国連事務総長は声明で「われわれの多様性を祝し、健康の進歩に驚嘆する一方で、地球を大切にするという共通の責任があることを思い起こさせる機会だ」と述べた。

【関連記事】

・EU域内人口、2年連続で減少 新型コロナ影響か
・縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず
・ロシア・中国に「衰退する大国のわな」
・中国の一人っ子政策「共産党支配を弱体化」

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この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/India-to-surpass-China-as-most-populous-country-in-2023-U.N.-report?n_cid=DSBNNAR 

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

日本では人口減少ばかりがニュースになりますが、少子高齢化は先進国の共通の現象です。自然にゆるゆると進むなら、それを人々の幸福と両立させる方法はいくらでもある、と私は思います。
しかし人口激増こそは、人類史がかつて経験したことがない最大の危機でしょう。私達が子どもの頃、40億人でも過剰と言われた世界人口はいまや80億人です。それは気候変動や資源枯渇のすべての根幹に横たわっており、技術革新は、残念ながらそのどの問題も解決はして来ませんでした。
どこが勝ち組である無し以前に、世界がこの危機を直視して真剣に対処しなければ、2050年に待ち受けるのは混乱と貧困と衝突だけ、とならないでしょうか。

2022年7月12日 7:52

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

2022年版の人口推計は確かに興味深い。

①「2023年中にインドの人口は中国を抜き世界最大になる」とハッキリ書いてあります。中国が再逆転することはありません。

②それどころか、50年にはインドの16億6800万人に対し、中国は13億1700万人と、3億5000万人以上の差をつける姿となる。

③しかも、22年の中国の人口は14億2600万人ですから、50年までに中国は1億1000万人の人口減少。高齢化が加速します。

④人口からみればインドは上り坂、中国は下り坂です。中国に対抗するうえで、インドを取り込むことは欠かせません。そのインドへの道を開いた安倍晋三元首相の外交戦略の先見性が光ります。

2022年7月12日 0:37 (2022年7月12日 6:50更新)

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

人口は多ければいいというものではない。量の問題もあろうが、質の問題もある。経済学で人口ボーナスの議論がよくなされるが、過去50年間、世界の人口大国のうち、高成長を成し遂げたのは中国だけだった。それは良質な労働力と外国資本をハイブリッドできたからだった。インドは間違いなく人口大国である。しかし、これからの50年を展望すれば、AIなど生産性が上昇するにつれ、むしろ人口過剰の国にとって大きな負担になる可能性がある。何事もほどほどが一番

2022年7月12日 7:27』

図録▽世界の人口密度とGDP密度

図録▽世界の人口密度とGDP密度(地図)
https://honkawa2.sakura.ne.jp/9050.html

※ 地球上の夜の灯り。

『人口密度(面積当たりの人口)とGDP密度(面積当たりのGDP)を国別より細かい地理単位で描いた地図を掲げた。

 人口密度では、やはり、東アジア(中国、韓国、日本)とインド亜大陸(インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ)が人口密度の高い地域の広がりの点で目立っている。

 繁栄した地域の所在を示すGDP密度に関しては、世界の中で、3つの中心地域が目立っている。すなわち、米国東西海岸、ヨーロッパ中央部、東アジア沿岸部である。

 図録9412で示した地球上の夜の灯り画像とここで示したGDP密度とがほぼパラレルであるのがが印象的である。(地球上の夜の灯りの拡大図はhttp://www.solarviews.com/raw/earth/earthlights.jpg。)

 なお、GDPを密度でなく、形の大きさであらわした地図を図録4560に掲げた。

(2005年12月31日収録、2006月2月5日リンク追加、2009年11月2日地球上の夜の灯りの図録を分離独立させる)』

米国の人口ピラミッド

米国の人口ピラミッド(2005年11月8日収録、2015年4月6日更新)
https://honkawa2.sakura.ne.jp/8720.html

『米国の人口ピラミッドを日本と比較した。人種別・民族別の人口ピラミッドは図録8730参照。

 日本と比較して、米国の人口ピラミッドの特長としては、2つの点が目立っている。

 第1に、日本ほど末すぼまりになっておらず、若年層がかなり確保されている点が目立っている。

これは日本ほど出生率が低下してきていないためであり、その要因としては、比較的若い世代が多い移民流入(図録1170参照)、及びヒスパニック系や1990年代までの黒人の高い出生率が上げられる(図録8650参照)。

 第2に、日本のベビーブーマー(団塊の世代)より10~15年若い層(現在40代後半~50代前半)がベビーブーマーとなっている点が目立っている。戦後の出生率のピークが、その分、ずれていたためである(図録8650参照)。

 米国の高齢化率は、余り、上昇していない(図録1900)。出生率がなお維持されているためとベビーブーマーが65歳以上に達するにはなお猶予があるからである。

高齢化率がそれほど高くないのに医療費は日本の2倍かかっている(図録1890)。

15年後ぐらいになって、ベビーブーマーが65歳以上に達すれば米国でも高齢化率は確実に高まる。そのとき、米国の医療はどうなるのだろうか。』

ブラジル(人口ピラミッドなど)

ブラジル(人口ピラミッドなど)
https://population-pyramid.net/ja/pp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB

『2022 年のブラジルの人口分布は

総人口数 215,353,588 100%
少年人口数 43,505,408 20.20%
労働年齢人口数 149,683,589 69.51%
高齢者数 22,164,591 10.29%

労働年齢人口は、2058 年には総人口の 60% 未満になります。高齢者人口は、2061 年に少年人口の二倍以上になります。総人口は 2045 年で最高点 229,604,529 に達しました。

2050 では、高齢者人口がブラジル総人口の 22.72% を占めており、人口の高齢化の問題は深刻です。』

プーチン大統領、ソ連の「母親英雄」復活へ 人口減対策

プーチン大統領、ソ連の「母親英雄」復活へ 人口減対策
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB020LJ0S2A600C2000000/

 ※ 『7人以上なら勲章と10万ルーブル(約20万5千円)の一時金』…。

 ※ 7人の子持ちとなっても、一人頭2.93万円くらいの一時金だ…。

 ※ 大体、今産んでも、兵役年令を16才とすれば、あと16年後だ…。

 ※ プーチン氏は、86才くらいとなる…。

 ※ それまで、権力の座にいるつもりなんだろうか…。

『ロシアのプーチン大統領は1日、10人以上の子どもを持つ女性に「母親英雄」の称号を贈っていたソ連時代の制度を復活する意向を示した。多くの子どもを抱える家族らとのオンライン会合で明らかにした。

徴兵制を取るロシアでは伝統的に人口減少を国防上の重大な懸念ととらえている。タス通信は、ソ連で「母親英雄」制度が始まったのはナチス・ドイツとの激戦で多数の犠牲者を出した第2次大戦中の1944年だったと伝えた。

1日の会合でプーチン氏は、4人以上の子どもを育てる女性に記念メダルを、7人以上なら勲章と10万ルーブル(約20万5千円)の一時金を授与する現行制度の拡充に言及した。

メダル受賞者には新たに20万ルーブルを支給し、勲章を受けた者への一時金を50万ルーブルに引き上げるよう指示。「母親英雄」には100万ルーブルの支給を提案した。

ロシアでは先月、契約軍人が最初に契約を結ぶ際の年齢上限を撤廃する法改正が成立。侵攻したウクライナでの軍事作戦長期化で死傷者の増大が伝えられる中、兵員不足を補う目的と指摘された。(共同)』

縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず

縮む中国「子ども不要」25% 脱少子化、強権も及ばず
人口と世界 衰退が招く危機(下)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM3026U0Q2A330C2000000/

『1871年に誕生したドイツ帝国。急速な工業化で、成立から半世紀弱の間に人口を約6割多い6700万人に増やし、世界の大国に成長した。だが急速な台頭を警戒する英仏やロシアに包囲網を築かれ、資源封じ込めなどで孤立していく。追い詰められた独は第1次世界大戦に突入し、敗戦とともに崩壊した――。

【前回記事】プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

「衰退に向かう大国は攻撃性を強める」。米ジョンズ・ホプキンス大のハル・ブランズ教授はドイツ帝国や戦前の日本を例に、そんな教訓を導く。同じ道をたどると懸念するのが中国だ。

人口14億人の市場で世界をひき付けてきた規模のメリットは徐々に失われる。2021年の出生数は1062万人と、1949年の建国以来最少となった。死亡者数を差し引いた人口の自然増加率は0.03%と増加はほぼ止まった。今年から公式統計でも人口減少に突入する公算が大きい。

急速な少子高齢化に焦る習近平(シー・ジンピン)指導部は21年、第3子の出産を認めた。ただ効果は乏しい。エコノミストの任沢平氏が5万人にアンケート調査したところ、9割が「3人目を望まない」と答えた。「子どもはいらない」との回答も25%に達した。

手薄な育児支援、GDPのわずか0.2%

子育てへの財政支援が弱いことが一因だ。国際労働機関(ILO)によると、中国の子ども向け社会保障支出は国内総生産(GDP)の0.2%で、世界平均の1.1%を大きく下回る。1月から3歳未満の子を育てる父母の個人所得税を軽減したが、直接給付はごく一部の都市に限られる。

子育てが重い負担になる社会は衰退を避けられない。「14億人いる総人口は100年後に4億人まで減る」(北京大の張俊妮副教授)

働き手の減少は成長に直接響く。人口学が専門の米ウィスコンシン大の易富賢研究員は、15~64歳の生産年齢人口は50年に7億5600万人となり、30年間で2億人減ると試算する。日本経済研究センターは中国の名目GDPが33年に米国を上回るものの、50年に再逆転を許すとはじく。

医療・社会保障支出、10%から30%に膨張

65歳以上の人口は同じ期間に2倍近くに膨れ上がる。GDPに対する医療・社会保障支出の割合は足元の10%から50年には30%まで高まるとの予測もある。社会保障費の膨張は成長に向けた投資ばかりか、共産党支配を支えてきた国防費や治安維持費の抑制も迫る。

少子化を放置すればいつか年金などへの不安は臨界点に達する。国内の危機に直面した指導者は外に敵を作り国民の不満をそらす――。歴史上、何度も見られた現象だ。

ブランズ氏は軍事的な対中包囲網が「20年代後半~30年代初頭にも実を結ぶ」として「(それ以前の)軍事バランスが有利なうちに習氏が動く選択肢が浮上する」と警告する。人口減への焦りが募れば、台湾の武力統一など強硬手段に出る時期は早まりかねない。

新型コロナウイルスのまん延や新疆ウイグル自治区での人権問題など、力ずくでことごとく封じてきた中国。だが、どんな強権をもってしても少子化の潮流は止められない。世界は縮小する覇権主義国家の暴発リスクと向き合うことになる。

川合智之、川手伊織、松尾洋平、小川知世、竹内弘文、今橋瑠璃華、松田崇、中島惇、勝野杏美、桑山昌代が担当しました。

【「人口と世界」まとめ読み】
・人口と世界・第1部「成長神話の先に」まとめ読み
・人口と世界・第2部「新常識の足音」まとめ読み

人口と世界特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 

多様な観点からニュースを考える

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中村奈都子
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

少子化による人口減少で大変だという記事はしばしば目にしますが、人口が増えれば食糧問題などが深刻化します。

日々の暮らしでも、卒業した小学校が廃校になれば残念な気がする一方、少人数学級になって一人ひとりの子どもに目が向くようになったというメリットもあります。

どのくらいが適正なのか、本当に人口が増えることで幸せになれるのか、そのあたりの納得感がないから少子化対策も中途半端が続いているように感じます。

2022年5月31日 8:42

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

出産を制限することができるが、出産を強制することができない。どんな強権政治でもできないことがある。

ただ強権政治の指導者は権力を独占していることから、できないことがないと勘違いしがちである。

中国の政治は厳しくコントロールされている専制政治だが、社会と人々の意識はすでに変化している。

若者は政府の要請に応じて出産するというような時代でなくなった。子育てのコストも上昇しており、老後の生活を心配して、子供を産まない若者が一定の割合で存在する。

ポリシーメーカーは政策を決めるときに、社会の変化に直面すべきである

2022年5月31日 7:16 』

プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点
人口と世界 衰退が招く危機(上)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28C8S0Y2A220C2000000/

『プーチン氏と「ロシアの十字架」 出生数減、野心の原点

人口と世界 衰退が招く危機(上)
人口と世界
2022年5月30日 2:00 [有料会員限定]

「武器を捨てて!」。エレナ・オシポワさん(76)は3月、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(旧レニングラード)で反戦デモに参加し、当局に拘束された。

オシポワさんの両親は第2次世界大戦中の1941~44年、ナチス・ドイツ軍による「レニングラード包囲戦」を生き残った。当時人口320万人の同市は2年半にわたり包囲され、推定60万~150万人が死亡した。大半が餓死だったという。
ロシアのウクライナ侵攻に抗議するエレナ・オシポワさん(3月、サンクトペテルブルク)=ロイター
プーチン氏に「包囲戦」のトラウマ

かつてプーチン大統領はインタビューで、志願兵だった父もレニングラード包囲戦を生き延びたと語っている。凄惨な体験を経て反戦を訴えるようになったオシポワさんとは対照的に、プーチン氏は教訓としてこう断言する。「勝利を考え続けなければならない」

旧ソ連は第2次大戦で連合国側として勝利したが、人的被害は世界で最も大きかった。2660万人が死亡し、旧ソ連諸国を含む人口2億人弱(当時)の1割以上を失ったとされる。こうした経緯からか、プーチン氏は人口拡大に執着してきた。2020年の年次教書演説では「ロシアの運命は子供が何人生まれるかにかかっている」と主張した。
レニングラード包囲戦の献花式に出席したプーチン大統領(1月、サンクトペテルブルク)=ロイター

冷戦期を通じて超大国として君臨した旧ソ連の人口の転換点を、人口学者は「ロシアの十字架」と呼ぶ。体制崩壊直後の1992年、社会や経済の混乱で出生数が急落し、グラフ上で十字架を描くように死亡数と逆転した。ロシアの大国としての地位は年々低下し、国内総生産(GDP)でみた経済規模もすでにイタリアや韓国を下回る。

「人口減は国家存亡の危機だ」。プーチン氏は2000年の大統領就任以降、人口増を国家目標に掲げてきた。「母親資本」と呼ぶ給付制度を設け、第2子誕生以降の教育費や住宅購入費などを対象に、平均年収の1.5倍に相当する25万ルーブル(当時約115万円)の補助金制度を設けた。

こうした取り組みも背景にロシアの出生数は急激に回復し、98年の131万人から2015年には190万人に増えた。90年代に西欧より最大11歳以上低い64歳まで悪化していた平均寿命も、2000年代半ばから改善が進んだ。

ウクライナへ侵攻したプーチン氏の最終目標は何なのか。それが透けるのが、同氏が21年7月に発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的な一体性」だ。

「ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人はすべてルーシの子孫だ」。ルーシとは9世紀に建国されたキエフ大公国を指す。プーチン氏は各国が文化・民族的に一体だと主張し「統一」をもくろむ。プーチン氏は自らと同じ名前のキエフ大公国指導者、ウラジーミル大公の巨大な像を大統領府(クレムリン)近くに建てた。
クリミア半島併合で統計上260万人増加

ソ連崩壊後、減り続けていた人口が一時的に持ち直したのは2014年。同年にウクライナ南部クリミア半島の併合を宣言し、統計上の人口を約260万人増やしたためだ。ロシアの19年の移民数は1164万人と世界4位で、25年までに最大1000万人の移民を招く目標を掲げる。

その手段が「在外同胞」と呼ぶ旧ソ連諸国住民の移住だ。プーチン氏は19年、ウクライナ移民らがロシア国籍を得やすくする法律に署名した。AP通信によると、ウクライナ東部地域で人口の約18%にあたる72万人以上がロシア国籍を取得した。
ロシアのパスポートを取得したウクライナ東部の住民(2019年6月)=ロイター

1950年に世界4位だったロシアの人口も、現在は1億4000万人強と9位に転落した。国連予測では2050年に14位に下がる。ただ旧ソ連諸国を合わせれば7位となり、4位の米国と同じく3億人を超す規模に達する。

大国復活に固執するプーチン氏だが、戦況が膠着して混乱が長引けば犠牲者は増え続ける。制裁による経済低迷や資本・人材流出も加速する。衰退がさらなる暴発を招くリスクに世界が直面している。

【「人口と世界」まとめ読み】

・人口と世界・第1部「成長神話の先に」まとめ読み
・人口と世界・第2部「新常識の足音」まとめ読み

人口と世界特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 』

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)

世界の高齢化が促す低金利(The Economist)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2121X0R21C21A2000000/

『それは世界の人口動態にとって大きな出来事だった。2021年11月24日、インド政府は1人の女性が生涯に産む子供の数を示す同国の合計特殊出生率が2.0に低下したと発表した。現在の人口規模を維持するのに必要とされる人口置換水準を下回り、多数の富裕国と同じ領域に入った。

ロンドンからスコットランドを初めて訪れた孫との出会いを喜ぶ祖父母。世界的に少子高齢化が加速している=ロイター

実際のところ、現在すべてのBRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)で出生率が人口置換水準を下回っており、ロシアと中国では人口が減少に転じたとみられる。先進国がかつてたどった人口動態変化の道を新興国が後追いすること自体は驚くべきことではない。しかし、その変化のペースは加速しており、世界経済に深刻な影響を与える可能性がある。

多産多死から少産少死へ

社会科学者が「人口転換」と呼ぶ現象(多産多死から多産少死、少産少死に移行するプロセス)は長年にわたり、経済の近代化と切り離せない変化とみられてきた。産業革命以前の社会では普通出生率と一般死亡率(人口1000人当たりの出生数と死亡者数の比率)がともに非常に高く、人口増加率は不安定な状態にあって、増加のペースは概して緩慢だった。

だが18世紀には欧州北西部の一部で死亡率が下がり始めた。この変化はその後に続く劇的な人口動態の変化の第1段階となった。死亡率の低下によって人口は急増し、英国では人口が1760年から1830年の間に約2倍に膨らんだ。

だが、18世紀後期には出生率も低下し始めた。20世紀に入る頃には富裕国の出生率と死亡率はともに低水準で安定するようになった。移民がいない場合、人口増加率はおおむね低水準にとどまり、場合によってはマイナスに転じることもあった。

人口転換は様々な要素が絡み合う複雑な社会現象だ。死亡率が低下する理由は比較的説明しやすく、栄養状態や医療、公衆衛生の向上がその原因と考えられる。出生率の低下には、経済的な動機が関連している。例えば、身に付けた技能に対する収入が高くなれば、各家庭は子供の数を減らし、ひとりひとりの子供の教育により多くの投資をするようになる傾向がみられる。

その他に、文化的な要因も見逃すことはできない。米タフツ大学のエンリコ・スポラオーレ教授と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロメイン・ワチアーグ教授は近年の論文で、出生率の「新常態」が18世紀後半から19世紀前半のフランスで、最初に誕生したと指摘している。

その少子化の流れは、世俗主義や啓蒙思想を背景とする世界観の変化や家族計画に関する情報の普及に根ざしていると論文は分析している。その後、出生率の低下は欧州全域に拡大したが、特にフランスと言語的・文化的に結びつきが強い場所では、より早い段階で転換が始まり、しかもより速いペースで変化が進んだという。

米クレアモント・マッケナ大学のマシュー・デルベンサル准教授、米ペンシルベニア大学のヘスス・フェルナンデスビラベルデ教授、スペイン・バルセロナ自治大学のネジヘ・グネル教授は別の最近の論文で、現代の人口転換が先の論文が指摘している過去の変化に相当程度類似したパターンをたどっていると指摘している。

この論文では、186カ国のデータを分析した結果、11カ国を除くすべての国で死亡率が産業革命前より大幅に低く、安定した水準に移行する転換が起きていたことが判明したとしている。そのうち約70カ国は1960年から90年の間に出生率の低下が始まった。出生率の転換が始まっていないのはチャドの1カ国だけだった。なお、80カ国においては、死亡率と出生率の双方が新常態とされる低水準に移行するプロセスが既に完了しているという。

速まる人口転換

特に注目すべきなのは、各国が人口転換を遂げるペースが加速しているという重要な指摘だ。英国の転換は1790年代から1950年代にかけて約160年の間で緩やかに進展したが、チリでは1920年代から70年代の約50年のより短い期間で転換を完了した。20世紀終盤に変化が始まった国々にいたっては、20~30年で転換のプロセスを終えている。

この加速は、同論文の著者らが「人口動態伝染」と呼ぶ現象を反映しているとみられる。出生率の低下が進んだ場所に地理的・文化的に近い場所では人口転換が早期かつ急速に起きるということだ。この近接性に基づく波及効果は、人口転換が従来よりも低い所得水準で始まるという近年の傾向にもつながっているとみられている。

過去200年間に出生率転換が始まった国のその時点での1人当たり平均国内総生産(GDP、購買力平価ベース、2011年物価換算)は約2700ドル(約30万円)だった。だが、1990年代以降の数字を見ると、転換が始まる時点の水準は約1500ドルに低下している。

人口転換の加速が進むと、全世界で出生率と人口増加率が着実に低下する。実際に、1980年代半ばには世界の合計特殊出生率は3.5だったが2019年には2.4まで下がった。しかも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で富裕国の出生数が減少したとみられており、少なくとも一時的には世界全体の出生率は人口置換水準の近くまで低下した可能性がある。

ただし、出生率が人口置換水準まで下がったとしても、多数の人々が出産育児年齢に達したり近づいたりするため、世界の人口はその後もしばらくは増加を続けるとみられている。

例えばインドの人口は、最新の予測に基づけば今世紀半ばごろに約16億人に達すると見込まれている。だが、これは従来の予測に比べるとピーク時の人口が約1億人少なく、天井を打つ時期も10年程度早まっている。

国連は、現段階では2100年までに世界の人口が110億人に達すると予想している。しかし、世界全体で出生率が急速に低下する傾向があることから、インドの場合と同様に、いずれ予測の下方修正を余儀なくされる可能性がある。

経済に複雑な影響

世界的に人口転換が進展すると、派生的な問題が起きる可能性がある。例えば、米スタンフォード大学のエイドリアン・オークラート准教授とフレデリック・マルテネ氏、米ミネソタ大学のハンネス・マルムバーグ准教授、米ノースウエスタン大学のマシュー・ログンリー准教授による最近の論文は、人口動態の変化が長期的なマクロ経済に複雑な影響を及ぼしかねないと指摘している。

この論文は、高齢化が進むと貯蓄が増大し、インフレ率と金利の低下につながると分析している。世界の人口に占める50歳を上回る人々の割合が現状予測の通りに、直近の25%から2100年に40%に上昇した場合、低金利が定着して、資産の収益率が低下し、世界的な不均衡が一段と拡大する可能性があると指摘している。

その一方で、人口転換は様々な形の経済的なメリットをもたらす可能性もある。二酸化炭素の排出量削減は世界にのしかかる大きな課題だが、人口増加率が低下すれば、実現を後押しする要因になり得る。教育水準が高まったり、女性の労働参加が拡大したりする結果、少ない労働人口で生産性が高まる可能性も期待できる。

そのとき、従来は脅威と受け止められてきた移民の到来は、家族にとっての新生児の誕生と同じように特別な意味合いを持つようになるかもしれない。

(c) 2021 The Economist Newspaper Limited. December 11, 2021 All rights reserved.

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