トルコ・ロシア、中央アジアで勢力争い 地域機構構想も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01ESK0R00C21A4000000/

『【モスクワ=石川陽平】トルコとロシアが旧ソ連・中央アジアを巡って勢力争いを繰り広げている。トルコは民族的に近い中央アジア諸国との協力の枠組みを、正式な地域機構に格上げすると表明。これに対して「旧宗主国」のロシアは旧ソ連諸国の外相会議で協調を演出し、影響力の保持に懸命だ。中央アジアは天然資源も豊富で、中国や米国も関心を寄せる。

「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要な…

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「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要なものに変えている」。トルコのエルドアン大統領は3月31日、オンラインで開いたチュルク評議会(トルコのほか、アゼルバイジャンと中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの旧ソ連4カ国)の首脳会議でこう強調した。

チュルク評議会は「チュルク語系諸国協力会議」とも呼ばれ、民族・文化・歴史的に近いチュルク語系5カ国が作る緩やかな協力の枠組みだ。2009年の発足で、トルコが主導する。エルドアン氏は今回の首脳会議で、評議会を国際的機構に衣替えする方針を示し、今夏に開く次回サミットで決定すると表明した。

トルコは20年秋にアゼルバイジャン軍を支援してアルメニアに対する勝利を導いたナゴルノカラバフ紛争で求心力を高めた。エルドアン氏はこの機を逃さず、旧ソ連・中央アジアのチュルク語系諸国に外交攻勢をかけた。ソ連崩壊で独立30周年の中央アジア諸国も、国家基盤の強化のためトルコの経済・政治的支援を期待する。

トルコはカスピ海地域に豊富に埋蔵される石油や天然ガスにも注目する。アゼルバイジャンとトルクメニスタンはソ連崩壊後、カスピ海海底にある石油・ガス田の帰属を巡って争ってきたが、21年1月に共同開発することで歴史的な合意に達した。トルコは直ちに共同開発への参加と自国のパイプラインを通じた輸出を提案し、エネルギー輸送のハブになる考えだ。

トルコは中央アジアのトルクメニスタンにもチュルク評議会への加盟も強く働きかけている。「永世中立国」の同国をまずは「オブザーバー」などの資格で取り込む狙いだ。地域で影響力拡大を目指すトルコの動きは「新オスマン主義」とも呼ばれ、「経済低迷への国内の不満をそらす」(独立国家共同体研究所のアンドレイ・グロージン氏)との思惑もあるとみられる。

一方、ロシアは「裏庭」とみなす中央アジアで北大西洋条約機構(NATO)加盟国でもあるトルコが影響力を拡大することに神経をとがらしている。

2日にはモスクワでロシア主導で旧ソ連9カ国がつくる地域協力機構、独立国家共同体(CIS)の外相会議を開いた。ウクライナやモルドバなど旧ソ連圏でロシア離れが広がる中、強権的な国が多い中央アジアで「勢力圏」の後退を食い止める考えだ。

トルコが触手を伸ばすトルクメニスタンのつなぎ留めにもロシアは動く。3月31日にモスクワで2国間経済協力委員会を開き、21~23年の経済協力プログラムを協議した。

トルクメニスタンは天然ガスを豊富に埋蔵し、パイプラインで中国に輸出している。国家収入の大半をガスの対中輸出でまかない、中国依存が強い。ロシアのラブロフ外相は、バイデン米政権が中央アジア5カ国との協力の枠組み「C5+1」を活性化させようとしているとも指摘している。

[FT]ロシア製ワクチン EUが治験の倫理性など調査へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB091080Z00C21A4000000/

『欧州連合(EU)の医薬品規制当局は、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の臨床試験(治験)において倫理的・科学的基準に反する行為がなかったか、来週から調査を開始する。

欧州医薬品庁(EMA)が調査するのは、スプートニクVの治験が「医薬品の臨床試験に関する基準(GCP)」に基づいて実施されたかどうかだ。EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところ…

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EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところによると、同ワクチンの治験は非倫理的な方法で進められた疑いがあるという。GCPは医薬品の臨床試験を適切に計画および実施するための国際的に認められた基準だ。
軍人らの治験参加を強制か

ロシアの説明によれば、スプートニクVは、同国の政府系ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)が資金を提供して国営研究所が開発し、治験には軍人と公務員が協力した。だがロイター通信の報道によると、一部の参加者は上司から治験に参加するよう圧力をかけられたという。

RDIFのドミトリエフ総裁は、強制があったことを否定し、FTの取材に対し「(治験参加者が)圧力をかけられた事実はなく、スプートニクVはすべての臨床基準を満たしている」と回答した。またEMAによる調査は来週から開始される予定であることも明らかにした。

ロシアはスプートニクVを欧州のワクチン問題に対する解決策として売り込んでいる。だがEUの欧州委員会でワクチン接種プログラムを担当するブルトン委員は3月、欧州は「スプートニクVを全く必要としていない」と発言した。ロシア政府はこれに反発し、欧州委員会はロシア製ワクチンに偏見を持っていると批判した。

EMAはスプートニクVを審査中であり、EU圏内での使用を許可するか否かの結論はまだ出ていない。EMAは、臨床試験がGCPに合致していることを承認の条件としている。

EMAは「基準が順守されていれば、治験参加者の権利、安全や健康が守られており、臨床試験のデータが信頼できるという保証になる」と述べ、順守状況について懸念があれば、調査を命じる場合があると付け加えた。ロシアでの調査を含め、現在予定されている、または進行中の調査についてはコメントを控えた。
「59カ国で審査済み」とロシア側反論

ドミトリエフ氏は、すでにスプートニクVを承認した59カ国の規制当局は「治験データを非常に厳密に審査し、GCPの順守状況に満足している」と指摘した。

同氏は続けて、「我々はEMAがGCPについて懸念しているとの情報は把握していない。そのような情報をリークすることは、公平・無差別とされるEMAの承認プロセスの信頼性を損なおうとする人間がやりそうなことだ」と述べた。

またこれとは別に、EMAはロシアにあるスプートニクVの生産施設を5月に調査する計画だが、ドミトリエフ氏によれば、ワクチンを発注した国の調査官の視察を受け入れるため、数日間延期されるという。「我々はワクチンを購入すると約束した国の調査官を優先する。欧州委員会とは違う」

難航するワクチン接種プログラムを巡り、EUへの批判は高まりつつある。人口比で見たEUのワクチン接種率は英国や米国を大きく下回っており、当局はその原因の一つとして、ワクチンの不足問題をあげる。

EU加盟国であるハンガリーとスロバキアは、EMAの承認を待たず、緊急規則を利用してスプートニクVワクチンを購入した。だがスロバキアの首相は、ロシア製ワクチンの購入を決定したことで閣僚からの反発に遭い、3月に辞任に追い込まれた。

EU加盟国の大半が感染「第3波」への対応に追われ、欧州諸国の多くで新規感染者数、入院者数、死亡者数が増加するなか、ワクチン不足は切実な問題となっている。

By Donato Paolo Mancini and Henry Foy

(2021年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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[FT]ロシアが「国家インターネット」で米SNSに対抗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB061IJ0W1A400C2000000/

『ロシアの通信監督当局は最近、ツイッターの通信速度を制限し始めた。この動きはシリコンバレーに対するロシア政府の対決姿勢の表れであり、西側ハイテク企業への依存度が低い「ソブリン(国家)インターネット」に向けた新たなインフラを運用するテストになった。

外国のSNS(交流サイト)はロシア最大の反対意見発信の場となっている。服役中の野党活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者が2021年1月、外国SNSを使っ…

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服役中の野党活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者が2021年1月、外国SNSを使って全国規模の抗議デモを組織化した後は、こうしたSNSに対する統制の強化が大統領府にとって一段と喫緊の課題になった。

ロシア政府は、「違法な活動を促した」3168件の投稿を17年までさかのぼって削除しなければツイッターの使用を禁止すると迫った。こうした警告が出されたのは、プーチン大統領が、インターネットが「公式な法的ルールと社会の道徳律に従わない」なら社会は「内側から崩壊する」と語った後のことだ。

通信監督当局は5日、ツイッターが問題となっている投稿1900件を削除したとして、使用禁止の脅しを撤回した。そして同社に法律を完全順守させるために5月半ばまで通信速度の制限を延長すると表明した。

ツイッター側は、ロシア当局と「建設的な会話」を先週交わし、そのなかで「いかなる不法行為目的や違法な活動の推進にツイッターが利用されることを当社は許さないということを改めて主張した」と表明した。同社はインターネットの遮断と公の会話を封じようとする国家主導の取り組みを批判している。
対抗措置にはリスクも

巨大ハイテク企業への対抗措置にはそれなりのリスクが伴う。3月のツイッターの速度制限では、そのドミノ効果で、開始から数時間内にロシアの大統領府や議会のほか、検閲を担う通信監督当局ロスコムナドゾル自体を含む複数の政府機関のウェブサイトが接続不能になり、外国のインターネットインフラへの依存が浮き彫りになった。

国家インターネット(実質的に完全にロシアのサーバーだけで運営されている並行ウェブ)は、巻き添え被害を出すリスクを伴わずに禁止コンテンツへのアクセスを選択的に制限する技術を持つとされる。ロシアの検閲担当者は、18年に通信アプリ「テレグラム」の使用を禁止しようとして悲惨な目に遭った試みから教訓を学んだと話している。当時は禁止措置の影響で1600万以上の無関係なサイトがダウンする一方、なお容易にアクセスできたテレグラムが利用者数を1000万人から3000万人に伸ばした。

ツイッターに対する制限措置は、「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」として知られる技術によって国家インターネットを利用した初の主要ケースだ。理論上、数千もの無関係なサイトに影響を与えずに個別ページをフィルターにかける能力を検閲担当者に与える仕組みだ。

ドイツ外交政策協会(本部ベルリン)のアリョーナ・エピファノワ研究員は「たとえまだ完全にはコントロールできないとしても、インターネットインフラすべてを掌握できたことは、国家にとって一歩前進だ。『このウェブサイトを遮断してもらえますか』と(企業に)求めるような、アドホック(その場しのぎ)なコンテンツ管理だけではない。今では、当局がこうした制御レバーを手にしている」と指摘する。
ロシアのネットサービス大手、メール・ドット・ルーの本社(2019年6月、モスクワ)=ロイター

当初の結果は、システムに不備がある可能性を示唆している。通信速度の制限は、ツイッターが短縮版ウェブアドレスに採用している「t.co」という文字列をドメイン名に使っている複数のウェブサイトにも影響したようだ。

「ツイッターは世界中のコンテンツ配信ネットワーク用にさまざまなサーバーを使っているため、彼ら(ロシア当局)はまだ、ツイッターが使うすべてのサーバーをコントロールできていない」とエピファノワ氏は言う。

ロシア政府が16年に米リンクトインに対して実行したようになSNSの全面禁止をちらつかせても、シリコンバレーの巨大企業はデータのローカリゼーション(現地化)と禁止コンテンツに関するロシアの法律に従ってこなかった。

また、米国のフェイスブックやグーグルは、ロシアが地元ハイテク企業にかけたような圧力に弱くない。ロシアの検索エンジン「ヤンデックス」は、米国を拠点とする投資家が経営権を握ろうとした場合に会社のガバナンス(統治)に対する事実上の拒否権を大統領府に与えた。動画配信プラットフォーム「ivi(イビ)」は、ロシアの議員が同じような考えから娯楽系サイトの外国からの資金調達の制限に動いたのを受けて、新規株式公開の計画を棚上げにしたと報じられている。

ナワリヌイ氏が国営テレビ局より数百万人も多い登録者を誇っているユーチューブなどのプラットフォームで強固な足場を築くことができないため、ロシアの議員は、大統領府寄りのメディアを「差別」するサイトを禁止すると明言している。

「西側のメディアと社会は、まるで我々がすべてをブロックするかのように、非常に政治的バイアスがかかった形でこの問題を描こうとしている。だが、実際には、ここでは我々が被害者なのだ」。ロシア下院の議員で、外国ハイテク企業を規制する包括的法案を準備しているアントン・ゴレルキン氏はインタビューでこう語った。「外国企業はここで働き、何十億も稼ぐが、税金も払わなければ、妥当このうえない我々の要求にも協力しない」
シリコンバレーの屈服を期待

ロシアは新技術に裏付けられた禁止の脅しで、シリコンバレーもついにロシアの法を順守せざるをえなくなると期待している。

ゴレルキン氏は、自身が起草した新法に米アップルが従ったことを引き合いに出す。スマートフォンメーカーに対し、ロシア製アプリ一式をプレインストールすることを義務付ける内容だ。アプリにはグーグルの電子メールやクラウドストレージと競合するヤンデックスのサービスのほか、「ICQ」のような忘れ去られたインスタントメッセンジャーを含む。

「ロシアは競争が非常に激しい市場だ。西側の主要企業がいずれどこかの段階でロシア市場撤退を決めたとしても、何も破滅的なことは起きない。市場はほかのプレーヤーの間で分割されるだろう」

ロシアはヤンデックスの検索エンジンと「Mail.ru(メール・ドット・ルー)」のSNSを擁し、シリコンバレーと競う強力な地元企業を抱えている数少ない国の1つだが、こうした企業は西側に支配され続けている市場において例外的な存在だ。

しかし、もし国家インターネットにより、西側サイトへのアクセスが十分厄介になれば、期待通りの効果を得られるかもしれないと、米プリンストン大学の情報技術政策センター(CITP)の博士研究員、セルゲイ・サノビッチ氏は話す。

「ただし、ロシア政府が尊重する市場原理が1つあり、それは、消費者は常に正しいということだ。この点が彼らをソ連時代の前任者と区別し、むしろ中国人に似せている」

同氏はさらにこう続けた。

「彼らはこの原理を可能な限り最もシニカルな形で解釈している。重要なのは平均的な消費者だけで、それなりに楽しめて、非常にアクセスが容易である限り、こうした消費者は与えられるものを何でも消費する、と考えている」

「情報があふれ返っているために、あるプラットフォームにアクセスする障壁が極めて低ければ、自分たちがコントロールする別のプラットフォームにとって多大な後押しになることを正しく理解している」

By Max Seddon

(2021年4月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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イラン核合意協議、6日にウィーンで継続へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02C9G0S1A400C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】イラン核合意の当事国高官らは2日、オンラインで合同委員会を開き、米国の復帰に向けた新提案を協議した。イラン国営メディアによると、協議は6日にウィーンで再開する。

議長役を務めた欧州連合(EU)は会合後の声明で、ウィーンでは米国とも個別に協議を行うと明らかにした。ロイター通信によると、イランのアラグチ外務次官は米国が全体の会合に加わる可能性は否定した。

2日の会合は、仲介役のEUのほか、核合意に残った英国、ドイツ、フランス、ロシア、中国の5カ国とイランの外務次官級が出席した。ロシアの高官は終了後、ツイッターで「議論は良い方向に進んでいるが、この先は簡単ではなく、非常な努力が必要という印象だ」と語った。

米国はトランプ前政権時代の2018年、一方的に核合意から離脱し、対イラン制裁を復活させた。これに対し、イランは合意で定めた範囲を逸脱してウラン濃縮を進めるなど核活動を拡大した。バイデン政権は核合意への復帰意欲をみせているが、制裁の解除と核活動の縮小のどちらを先に履行するかなどで平行線が続いている。

米国務省のプライス報道官は1日、2日の会合開催を歓迎する姿勢を示したうえ、「(核合意の)約束をイランが守れば、我々も復帰しようとする用意がある」と述べていた。』

米、核合意会合に参加へ イランと直接対話せず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0306J0T00C21A4000000/

『【ワシントン=中村亮】米国務省のプライス報道官は2日の声明で、イラン核合意への復帰をめぐり英独仏中ロとの6日の会合に参加すると発表した。イランとの直接対話は予定していないが、核合意参加国を介して米国の対イラン方針を伝達する。経済制裁の緩和も提案する。

米国は6日にウィーンで開く会合に参加する。バイデン政権は核合意への復帰に向けて英独仏と協議してきたが、中ロを含む枠組みで核合意について議論するのは初めて。これとは別に欧州連合(EU)は同日、ウィーンで英独仏中ロとイランの会合を開く。国交を持たない米国とイランの直接接触はない見通しだが、対話が活発になり核合意の存続に向けて一歩前進する。

プライス氏は当面の課題として、イランによる核合意の義務再履行に向けた具体策とその見返りとなる米国による対イラン制裁の緩和をあげた。プライス氏は「難しい議論が待ち受けており、迅速に解決策を見いだせるとは予想していない」と指摘。核合意復帰に向けた議論は時間がかかるとの見通しを示した。

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中ロ共闘、新たな東西対立に 秩序乱す同盟傾斜

中ロ共闘、新たな東西対立に 秩序乱す同盟傾斜
編集委員 坂井光
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※ 「大戦略」的には、中ロをあまり「締め上げすぎて」、接近を図らせない方がいいんだが…。

※ 適当にあしらって、中ロを対立させるように持っていく方が、いいんだが…。

『中国とロシアの関係が新たな段階に入ろうとしている。これまで「便宜的なパートナー」といわれてきたが、米欧などからの圧力を受け、外相がそろって米国批判を繰り広げるなど共闘態勢を築き始めている。民主主義陣営への対抗軸として、今後先鋭化する懸念をはらむ。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

3月22~23日、中国の広西チワン族自治区桂林市で中ロ外相会談が開かれた。

「米国はグルー…

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「米国はグループをつくって対抗するのをやめるべきだ」「民主主義のモデルには統一された基準はない。どれを選ぶかは主権国が持つ権利だ」――。王毅、ラブロフ両外相がことさら強調したのは米国をはじめとする西側批判だった。

それには次のような伏線があった。

▼3月12日、日米豪印の4カ国からなる「Quad(クアッド)」オンライン首脳協議。中国及びロシアを念頭にした包囲網を形成

▼17日、バイデン米大統領がプーチン・ロシア大統領を「人殺し」と発言した米テレビインタビューの放映

▼18~19日、米アラスカで米中外交トップ協議。非難の応酬に

▼22日、人権問題を巡り欧米諸国が対中制裁を決定

ロシアの内心は複雑だ。相手はもともと同じ共産党国家の弟分。1960年代には、国境紛争が起こり、武力衝突に発展したこともある。ソ連崩壊後の96年に「戦略的パートナーシップ」を表明し、2001年にはプーチン大統領が江沢民国家主席(当時)をモスクワに迎え、中ロ善隣友好協力条約に調印した。

その過程で優位性は薄れ、立場は逆転した。国際通貨基金(IMF)によると、経済成長を続ける中国の19年の国内総生産(GDP)はロシアの8倍強に拡大。一方で、ロシアは輸出入とも中国が最大の相手国となり、依存度が高まっている。

ロシアが憂慮するのは「格下」として中国に取り込まれることだ。大国意識が強いプーチン政権の原理原則は、どの国からも内政面で影響を受けないこと。メンツや尊厳が傷つけられるのは絶対に許さない。

中央アジアなど勢力圏と位置づける旧ソ連諸国の中には経済的に中国の影響下に入ったところもあり、プーチン氏は苦々しく思っているはずだ。そんな懸念をよそに中国はロシアに秋波を送る。

「ユーラシア地域において中国、ロシアのいずれとも付き合わずにすむ国はないし、ましてや2国と同時にたたかえる国はない」「中ロはクアッドに対抗できる」。中国共産党系のメディア、環球時報はこう論評する。米国が最大の脅威とみなす中国にとって背後にいる軍事大国ロシアを味方につければ心強いとの思惑がにじむ。

両国関係のベクトルは軍事的な同盟を目指すのか。今年、試金石になりうる出来事がある。

7月に中ロ善隣友好協力条約が20年という期限を迎える。3月下旬の外相会談では延長することを確認するとともに、内容も拡充する方向で一致した。両首脳が共同声明を発表する方針も明らかにした。5年前の15周年式典で習近平(シー・ジンピン)国家主席が「同盟もせず対立もせず」と位置づけた両国関係をどう表現するか注目される。

もうひとつは、ロシアが4つの軍管区持ち回りで毎年秋に実施している大規模軍事演習だ。中国人民解放軍が初めて参加したのは地理的に近い18年の「ボストーク(東)」演習。これ以降、3年続けて招待されたが、今年は欧州をにらむ「ザーパト(西)」。これに中国が参加すれば欧州を刺激するのは必至で、中ロの軍事的接近を印象づけることになる。

中ロは軍事的にも接近している(2020年6月、モスクワ赤の広場での軍事パレードに参加した中国人民解放軍の兵士ら)=ロイター

欧米型の民主主義国家を「西側(中国語で西方)」と呼び、それに対抗する陣営を自認し始めた中ロ。さらに軍事分野での「同盟」に傾けば、世界を二分する東西対立に発展する懸念がある。

プーチン大統領は昨年10月、中国との軍事同盟について問われ「理論的には十分想像できる」と含みを持たせた。本音はどこにあるのか。

ロシアの外交戦略はしたたかで、成熟している。核管理、対テロ、エネルギー、科学技術、中東問題など米欧との交渉カードは多い。西側との対話の意思を隠さず、常に関係改善の機会をうかがっている。中国との蜜月ぶりも西側との対話再開を呼びかけるポーズとの裏読みもできなくはない。

とはいえ、国内経済は低迷し、国民の不満が高まるなか、権力維持こそがプーチン政権の最優先課題だ。西側から無視され続け、追い込まれたと感じたとき、同盟締結という一線を越えることも否定できない。

編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へ https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/

安保理、ミャンマー情勢で緊急会合 欧米は制裁に言及

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31EG20R30C21A3000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は31日、国軍によるデモ弾圧で悪化するミャンマー情勢を巡り、英国の要請で非公開の緊急会合を開いた。安保理外交筋によると、欧米の理事国は制裁の可能性について言及したが、中国とロシアが反対した。会合後に報道発表を出す準備も進めていたが、中国がさらなる時間を求めた。

会合終了後に英国のウッドワード国連大使は記者団に対し、ミャンマー国軍が27日に一日に100人以上を殺害したことを受け、「国軍による市民の殺害を最も強い言葉で非難する」と批判した。市民の弾圧が続くなか、「安保理が取れる次のステップについて協議を続ける」と述べた。

日本経済新聞が入手した国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)の演説内容によると、安保理に対して同氏は「民政への復帰を支援するのは我々の義務だ」と強調し、「手元にある全ての手段を検討し、団結して行動をとるよう呼びかける」と訴えた。

ブルゲナー氏は「2月上旬のクーデター以来、520人以上の人々が殺害された」とも述べ、「大量殺りくがいまにも起こりそうだ」と警鐘を鳴らした。同時に国民への弾圧を続ける国軍と少数民族武装勢力の緊張が高まっており、内戦につながる可能性も上昇していると警告した。

だが、国連の要求に安保理が応えるのは困難な情勢だ。中国やロシアなどミャンマーの内政問題だとする国々と欧米の理事国の意見の隔たりは続いている。中国の張軍国連大使は「一方的な圧力や制裁などの強制的な措置は緊張と対立をさらに高め、状況をさらに複雑にするだけだ」と述べた。

ロシアのポリャンスキー国連次席大使は記者会見で30日、「国軍に対して最終通告をしたい気持ちは分かるが、暴力行為を扇動することになる」と指摘し、「安保理は状況をさらに悪化させてはいけない」との見解を示した。

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ウクライナ情勢緊迫化に懸念 米軍トップ、ロシアと電話会談

『【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は31日、同省での記者会見で、「ロシアがウクライナ東部で侵略行為を強めている」と懸念を表明した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はロシア、ウクライナ両国の軍トップと電話で会談した。

「恐ろしいこと」に責任 カナダ首相もプーチン氏非難

 カービー報道官は「ウクライナ国境地帯でロシア軍に動きがあるという情報は承知している」と指摘。「緊迫化するウクライナ情勢やロシアによる停戦違反について、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協議している」と語った。
 一方、米軍はミリー統参議長のロシア側との会談について「共に懸念を有する議題について意見を交換した」と述べるにとどめた。ウクライナ側との会談内容は明らかにされていない。』

ロシア、対欧輸出に暗雲 脱炭素 資源大国揺さぶる 環境税で年6500億円損失も ガス管建設への米反対も鮮明に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR18AR20Y1A210C2000000/

 ※ こういう記事を読むと、「脱炭素」というものが、決して「温暖化対策」というだけの話しでは無く、「国家戦略」に基づいた「敵対陣営の封じ込め」策でもあることがよく分かる…。

 ※ そして、さらには、「敵対陣営」だけに向けられているものでは無く、「特定国の経済活動」を弱めようとするものでもあることにも、注意しておいた方がいい…。

 ※ おそらく、日本国も標的になっているはずだ…。

 ※ そういう中を、搔いくぐって、日本国の「国家戦略」を、策定・実行していく必要がある…。

『【モスクワ=石川陽平】資源大国ロシアの経済を支える対欧州輸出に暗雲が垂れこめてきた。バイデン米政権は欧州向け天然ガスパイプライン計画への反対の姿勢を鮮明にした。欧州連合(EU)が温暖化対策の不十分な国からの輸入品に対して導入する事実上の関税による損失は60億ドル(約6500億円)に達するとの試算もある。米国との対立激化と脱炭素化の潮流がガスや石油に依存するロシア経済を揺さぶっている。

「もし、これ…

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「もし、これ(ガスパイプラインの建設作業)が続くなら、制裁を科すかどうか決定を下す」。ブリンケン米国務長官は24日の記者会見で、ロシア産天然ガスを欧州に輸出するノルドストリーム2の完工を阻止する強い意思を強調した。前日のマース独外相との会談でも、建設に参加する欧州企業への制裁について警告したという。

バルト海海底を通ってドイツ北東部に至るノルドストリーム2は輸送能力が年550億立方メートルで、ロシア政府系のガスプロムが年内の完工をめざしている。事業にはドイツなど欧州企業も多数参加する。9割以上が建設済みだが、トランプ前米政権に続いてバイデン政権も強硬に反対し、事業の行方は一段と不透明になってきた。

バイデン政権はノルドストリーム2の阻止で「敵対国」とみなすロシアの勢力封じ込めを狙う。ロシアはほぼ同じルートで稼働済みのノルドストリームと合わせて、ガスプロムの対欧(トルコを含む)ガス輸出量の約半分を担えるようになるとの目算が外れ、欧州への資源輸出戦略の修正を迫られる可能性がある。

さらに、パイプライン以上に対欧輸出の打撃になりそうな問題が、EUが加速する「脱炭素化」だ。EUは23年までに規制が緩い国からの輸入品に対して生産時に出した二酸化炭素(CO2)の量に応じて関税や排出枠の購入義務を課す「国境炭素調整」を導入する方針だ。EU向けが輸出総額の4割を占めるロシア経済には痛手となる。

特に輸出総額の4分の3を占める石油など化石燃料と素材産業への悪影響が懸念される。有力紙・独立新聞は、EUの「国境炭素調整」導入による企業の損失額が年30億~60億ドルになる可能性があるとの試算を伝えた。危機感を募らせるロシアは官民ともに温暖化対策の強化を急ぎ始めた。

政府は2月中旬、「温暖化ガス排出規制法案」を基本承認した。CO2の排出量が多い企業に排出量の算出と報告を義務付け、排出削減への投資を促進するための法的基盤も定める。国内での本格的な排出枠取引にもようやく道を開く内容だ。

クリーンな次世代エネルギーとして注目される水素の輸出にも乗り出す。エネルギー省幹部は日本経済新聞に対し、2035年に年200万トンを生産し、欧州やアジアに輸出する目標を明らかにした。原子力会社ロスアトムなど各社が開発に着手し、対日輸出も検討している。

民間ではアルミニウム世界大手のルサールが、50年に事業活動から排出されるCO2を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を実現する目標を明らかにした。水力発電の利用を広げ、製造工程で炭素を使わない新たな技術も年内に開発する。鉄鋼大手のセベルスターリは30年までの排出削減計画の策定に着手した。

温暖化対策は石油や天然ガス企業にも広がる。石油大手ルクオイル幹部は50年までに「カーボンニュートラル」を達成する長期目標の策定に着手した。ガスプロムも30年までのCO2排出管理の工程表を策定したとしている。

ただ、EUの「国境炭素調整」は、脱炭素化がロシア経済に与える脅威の始まりにすぎないとの見方が出ている。

化石燃料の利用を減らす動きは環境保護に積極的なバイデン政権が誕生した米国や中国、日本などアジア各国でも加速してきた。将来、連邦予算の約4割を担う化石燃料部門の利益が減少すれば、資源の富に頼ってきたプーチン政権の統治モデルは揺らぎかねない。

プーチン氏は世界での化石燃料の利用停止について「これから30~50年は非現実的だ」と指摘するが、政権は警戒を強めている。ノワク副首相は20年12月、石油ガスの利用減少は避けられず「いまある資源の現金化(生産・販売の拡大)にもっと注意を向けるべきだ」と述べ、開発を急ぐよう焦りをにじませた。

ミャンマー国軍と少数民族、衝突拡大 空爆で3000人越境

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM294720Z20C21A3000000/

 ※ こうなると、もはや、軍事クーデターvs.反対デモという構図じゃ、無くなって来たな…。

 ※ 内戦に突入の”目”も、出てきた…。

 ※ いずれ、どういう勢力が、「武器供給」しているのか、注視する必要がある…。

 ※ 某国の動きも、気になる…。パイプラインの確保のために、軍事介入する…、という可能性もあるからな…。

 ※ 下記宮崎さん情報によれば、某国も「一枚嚙んでる」らしいしな…。

『【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー国軍と、少数民族武装勢力の衝突が拡大している。武装勢力はクーデターに反対する市民の抵抗運動に呼応して、国軍への攻勢を強めている。

タイ国境に近い東部カイン州で27日午前、カレン民族同盟(KNU)の傘下組織が国軍拠点を制圧したのに対し、国軍は同日夜、戦闘機で空爆して対抗。28日には約3000人の住民が隣国タイに逃れる事態となった。北部カチン州でも別の少数民族の勢力が国…

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北部カチン州でも別の少数民族の勢力が国軍拠点を攻撃した。

タイのプラユット首相兼国防相は29日、ミャンマーからの避難民の流入拡大に備えていると明かした。記者団に「避難民流入は好ましくないが、人権の観点から状況を注視している」と述べた。

ミャンマーでは1948年の独立直後から民族紛争が続き、約20の少数民族武装勢力が国軍と衝突を繰り返している。カレン族を主体とするKNUは有力な勢力の一つで、タイ国境に近い東部カイン州内に勢力圏を持つ。

KNUによると、27日夜に空爆を受けたのはKNU第5旅団の支配地域にある7つの村で、3人が死亡した。空爆は28日も続いた。約1万人の住民が避難を強いられ、このうち約3000人がタイに越境した。

第5旅団は27日午前にカイン州内の国軍拠点を制圧し、その後「クーデターに反対する市民の抵抗を支持する。KNUには国民を守る責務がある」との声明を出していた。同日は、国軍が重視する国軍記念日の軍事パレードがネピドーであり、国軍の統治に反発する市民が全土で抗議デモを行っていた。

KNUは3月初旬から、勢力圏近辺の抗議デモに武装要員を派遣し、治安部隊からデモ隊を保護していた。国軍への反発を強める都市部の一部の若者は、KNU支配地域に向かい、軍事訓練を受けているとされる。

北部カチン州でもカチン族の武装勢力、カチン独立軍(KIA)が国軍への攻勢を強めている。現地報道によると、KIAは3月中旬以降、国軍の拠点を相次いで攻撃しており、このうち複数の拠点を制圧した。

デモ隊に対する治安部隊の武力弾圧がやまないなか、市民らの間でも少数民族武装勢力への期待が高まっている。SNS(交流サイト)では「国軍を打倒するため、武装勢力の力を借りて戦うべきだ」と訴える市民らの声が相次ぐ。

拘束された民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)の議員らが組織した「連邦議会代表委員会(CRPH)」は17日、すべての武装勢力について非合法組織の指定を解除するという内容の声明を発表した。そのうえで「武装勢力が市民を保護してくれていることに感謝する」と述べた。

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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ひとこと解説

ミャンマーは100以上の民族からなる多民族国家(多数派であるビルマ族が7割弱)、今回のクーデター以前から各民族団体のごく一部の武装勢力が独立闘争を行っていました。この記事でも書かれているように、一部の若い人々はこの武装勢力から軍事訓練を受けていますが、その理由としてよく聞かれるのは「国際社会は結局何もしないので、最後は自分たちが武器を取って戦うしかない」というものです。この言葉を聞いて、自分の無力を思いました。

緊急事態であるのは理解しますが、「敵の敵は味方」の論理でこれまで否定してきた武装勢力と結託するのは、事態が落ち着いた後の処理を複雑にするのではないかと憂慮しています。
2021年3月30日 8:44

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月30日(火曜日)
   通巻第6842号  
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 ミャンマー国軍、血の弾圧やめないが、武器援助は誰が?
  伏兵ロシア、死者が増えているのは気になるが、武器供与は継続する
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 欧米はミャンマーへの経済制裁を強化した。それゆえミャンマーは中国に近付かざるを得ない。
 日本は独自の立場を確保出来るが、欧米の世論攻撃に晒されると、決断を迫られるだろう。

 過去十年間、じつは中国とミャンマーは対立関係にあった。ティン・セイン政権時代のダム建設中止により、寒風が吹きすさんでいた。この十年、ミャンマーに武器供与を続けてきたのはロシアだった。実績は8億700万ドル。

 中国が失地回復できたのはミャンマー国軍がロビンギャ62万をバングラデシュへ追いだして国際的な孤立を深めてからで、2020年1月17日に習近平はたくさんの土産をもってネピドーを訪問してからだ。

 3月25日、ネピドーを訪問した露西亜のアレクサンダー・フォミン国防副大臣は、ミン・アン・フレイン国軍司令官と会見し、「死者がふえていることを気にしているが、貴国は、アジア太平洋に於けるロシアの友好的なパートナーであり、今後もロシアは武器供与を続ける」とした。
 ロシア高官のミャンマー訪問はクーデター以後初めてだった

 クーデター直前にロシアはセルゲイ・シュイグ国防大臣が訪問しており、地対空ミサイルシステム、偵察用ドローン、レーダー基地システムなどの供与を約束していた。