気候サミットに出席へ ロシア大統領

『【モスクワ時事】ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が22日に、米国がオンラインで主催する気候変動サミット(首脳会議)に出席すると発表した。
 バイデン米大統領はプーチン氏を招待。しかし、米国は15日に対ロシア制裁を発動し、ロシアも16日に報復措置を取っていたことから、米ロ対立の中でプーチン氏が出席するかに関心が集まっていた。
 ロシア大統領府はプーチン氏が「地球規模の気候変動の悪影響を克服するため、幅広い国際協力の確立に向けたロシアの取り組みを述べる」と説明した。』

武装勢力200人殺害 ロシア軍空爆―シリア

『【モスクワ時事】ロシア国防省は19日、ロシア軍の戦闘機がシリア中部パルミラの北東にある武装勢力の拠点を空爆し、最大200人の戦闘員を殺害したと発表した。ロシアは2015年にシリア内戦に軍事介入し、アサド政権の後ろ盾となっている。
 国防省関係者は、5月26日のシリア大統領選を前に「非合法な武装勢力が国内情勢を不安定にするため、主要都市でのテロ攻撃を計画している」と主張。武装勢力の拠点に関する情報を確認後に空爆を行い「二つの隠れ家、最大200人の戦闘員、機銃搭載の小型トラック24台、弾薬約500キロを破壊した」と述べた。武装勢力はテロのための爆発物を製造していたと指摘した。』

ロシア兵は「10万人」 EU、外相発言を訂正

『【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は19日、ロシアがウクライナの国境地帯や併合した南部クリミア半島に集結させている兵力数について、「15万人以上」だと説明したボレル外交安全保障上級代表(外相)の同日の記者会見での発言を「10万人以上」に訂正した。会見後に公表した発言録で、理由を示さないまま該当部分の数字を置き換えた。
 ボレル氏は会見で「ロシア軍によるウクライナ国境での過去最大の派兵だ」と指摘。強い懸念を表明したが、数字の出所に関しては説明を拒んでいた。』

ミャンマー政変なぜ起きた? やさしい3分解説

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM094UN0Z00C21A4000000/

『東南アジアのミャンマーで国軍によるクーデター発生からもうすぐ3カ月となります。国軍は反発する国民に容赦なく銃口を向ける一方、自制を求める周辺各国の思惑が入り乱れ、混乱に拍車がかかっています。日本企業の主戦場であるアジアの政治情勢への理解はビジネスに欠かせません。ゆっくりながらも着実に民主化の道を歩んでいたと思われていたミャンマーで何が起きているのか。やさしく解説します。

Q:ミャンマーってどんな国?

インドシナ半島西部に位置します。面積は日本の約1.8倍にあたる68万平方キロメートルほどで、推計約5600万人の人口を抱えています。「建国の父」として今も国民の尊敬を集める故アウン・サン将軍(1947年に暗殺)の指導のもと、48年に英国の植民地から独立しました。当初は民主制を採用しましたが、62年に国軍がクーデターで政権を掌握し、89年には国名をビルマからミャンマーに変更しました。

ミン・アウン・フライン総司令官率いるミャンマー国軍はクーデターに抗議する民衆に銃口を向ける(3月27日、ネピドー)=ロイター

軍事政権下で経済成長が遅れ、民主化後は「アジア最後のフロンティア」として外国の投資を集めています。繊維産業などが育っていますが、日用品やガソリンなど多くの物資を輸入に依存しています。仏教徒が9割近くを占める一方、多民族国家でイスラム教徒の少数民族ロヒンギャへの迫害が国際問題になっています。

Q:なぜまたクーデターが起こったの?

民主化の流れが強まり国軍が影響力の低下に危機感を持ったからとみられています。軍事政権は民主化を求める国内外の声に押され、2010年に20年ぶりの総選挙を実施しました。当初、民主化運動の指導者、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)は国軍が主導した選挙をボイコットしましたが、15年総選挙に参加して圧勝、政権を獲得しました。20年11月の総選挙で、NLDはさらに議席を伸ばし、国軍系政党の不人気を浮き彫りにしました。焦った国軍は「選挙の不正」を理由にクーデターに打って出ました。

Q:アウン・サン・スー・チーさんはどんな人?

アウン・サン将軍の娘で、当初は英国で研究生活を送り、英国人男性と結婚して家庭を築くなど政治の表舞台からは離れて暮らしていました。軍事政権下、1988年に学生を中心に民主化運動に火がつくと、帰国していたスー・チー氏が先頭に立ち、NLDを結成しました。90年の総選挙でNLDは圧勝しましたが、軍は政権移譲を拒否し、民主化運動を弾圧し続けました。

スー・チー氏は89年から計3度、15年間自宅軟禁されました。その間、91年にノーベル平和賞を受賞しました。2015年の総選挙後、NLDは政権を握り、軟禁を解かれていたスー・チー氏は外相兼国家顧問として事実上、国のトップに就きました。軍事政権が08年に制定した憲法の規定で、英国籍の息子がいるスー・チー氏は大統領になれません。

抗議デモに参加する民衆と治安当局の衝突で煙が上がるミャンマー北部のタゼ。国軍のデモ弾圧でこれまでに全土で700人以上が死亡した(4月7日、タゼ)=ロイター

Q:日本を含む国際社会とのかかわりは?

映画「ビルマの竪琴」が描いたように、旧日本軍は第2次世界大戦中、当時のビルマを占領していた時期があります。戦後、日本は政府開発援助(ODA)を通じて積極的に国家建設を支援し関係を強めました。スー・チー氏も1980年代に京都大で研究経験があります。
97年、ミャンマーは東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟を果たしました。近年では中国が広域経済圏構想「一帯一路」の一環のインフラ支援などを通じて急速に影響力を強めています。中国とインド洋をつなぐ安全保障上の要衝だからです。

Q:弾圧は止められないの?これからの展望は?

国軍はクーデターに抗議する国民に武力による弾圧を続けています。死者は700人以上に達したとされ、事態は悪化の一途をたどっています。ASEANは盟主を自任するインドネシアが主導して対話による解決をめざしていますが、ASEAN内でも軍事政権の流れを組むタイや共産党独裁のベトナムなどは、内政不干渉の原則を持ち出して、静観を続け、一枚岩ではありません。国連は安全保障理事国内で米英仏と中ロの対立を抱え十分機能していないうえ、東南アジアへの影響力を確保しようとする大国の利害が絡み、ミャンマーの民主主義の回復への道筋は描けていません。=おわり

(ジャカルタ=地曳航也)』

バイデン氏、対ロ強硬姿勢をアピール 首脳会談も探る

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN164YE0W1A410C2000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は15日の演説で、ロシアによる選挙介入やサイバー攻撃に対して追加制裁を警告した。対ロ強硬姿勢をアピールし、政権の理念である民主主義の防衛に向けて譲れない一線を明確にした。米ロ首脳会談も探り、決定的な対立を避けたい思惑が透ける。

バイデン氏は15日、ホワイトハウスで演説し「ロシアが我々の民主主義への介入を続けるのであれば追加の対抗措置の用意がある」と強調した。「それは大統領としての責務だ」とも語り、民主主義に反する選挙介入や武力による国境線の変更に断固として対抗する方針を示した。ロシアの対応次第では、15日公表した制裁にさらに追加する意向を示した発言だ。

これに先立ち、米財務省は15日、2020年11月の米大統領選での工作活動を理由にロシアなどの16個人・16団体に制裁を科した。工作活動を担う連邦保安局や軍参謀本部情報総局が関与する団体を制裁対象とした。財務省によると、連邦保安局とつながりのある団体が運営するサイト「サウスフロント」は大統領選後に選挙不正があったとの見方を拡散した。

ロシアが14年にウクライナ領クリミア半島を併合したことに関連しても、5個人・3団体を制裁対象に指定した。ロシア軍がウクライナとの国境付近に部隊を最近増強しており、新たな武力行使をけん制する効果を狙った。制裁対象の一部には欧州連合(EU)や英国、カナダ、オーストラリアも最近、制裁を科しており国際社会との協調も演出した。

バイデン氏は民主主義防衛という明確な政策目標を示し、そこから逸脱したロシアの行動に一貫して制裁を科している。ロシアとの融和姿勢が目立ったトランプ前大統領の方針から軌道修正している。

トランプ氏はロシアの選挙介入を一時否定した。クリミア併合についても当時のオバマ米大統領の弱腰姿勢が原因だとして、ロシアの責任を曖昧にすることがあった。こうした言動が議会やメディアから痛烈な批判を招き、結果的に対抗措置を発動したが「首尾一貫しないトランプ氏の姿勢がロシアに対する抑止力を弱めている」(元ホワイトハウス高官)との見方があった。

一方、バイデン氏は演説で「いまこそ緊張を緩和するときだ」とも訴えた。今夏に欧州で米ロ首脳会談を調整していると説明し、対話のシグナルを鮮明にした。核軍縮などを議論する「戦略的安定に向けた対話」を呼びかけ、イラン政策や北朝鮮政策、気候変動対策も協力分野にあげた。

米政府高官によると、バイデン氏は13日のロシアのプーチン大統領との電話協議で、制裁措置を講じることを通告した。米国の想定を超えてロシアが反発し米ロ対立が制御不能にならないよう配慮したものだ。

金融制裁では、米金融機関に対してロシアの中央銀行や財務省のルーブル建て新発債券の購入を禁じたが、発行済み債券の取引禁止には踏み込まなかった。国際的な決済ネットワークの国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除も見送った。市場では「想定の範囲内」として、制裁発表後にロシア国債は買われた。

ロシアとの決裂回避は米政権が最大の脅威とみなす中国への対抗を進めるうえでも必要だ。米国では「中国やロシアと同時に戦争はできない」(共和党関係者)との見方が多い。仮にロシアがウクライナへ再び侵攻すれば米軍は欧州で大幅な戦力増強が必要になる。

ロシアは新たな対ロ制裁を発表した米国への反発を強めている。外務省は「対抗措置をとる」と通告した。プーチン政権は米ロ関係が悪化するなかでウクライナとの緊張をあおり、バイデン米大統領の反応を探ってきた。バイデン氏が制裁強化で応じたことで、同氏が提案した首脳会談にむけて揺さぶりを強めることも予想される。

「しかるべき対抗措置が発動されるだろう」。米政権が新たな対ロ制裁を発表した15日、スルツキー下院外交委員長はこう警告した。

米ロ首脳は13日に電話でウクライナ情勢を協議したばかりだ。同国東部ではロシアが支援する親ロ派武装勢力との紛争が続き、ロシアが国境付近に軍を集めて緊張が高まっていた。バイデン氏が米ロ首脳会談を呼びかけ、ロシアが米国を対話の場に引き出すのに成功したと目された直後の追加制裁となった。

ロシアは制裁は「想定の範囲内」だと主張する。今回購入が禁じられたのはロシア財務省や中央銀行が新規に発行する債券だけが対象で、影響は限定的だとの指摘がある。ただ制裁の長期化で、外国からの直接投資は低迷し、経済は停滞している。

ロシアは対ロ制裁のさらなる強化を防ぐため、かねて米国との対話を探ってきた。米中対立が激しくなるなか、米国と対等な「大国」としてのロシアの存在感が薄れることへの警戒もある。米ロ首脳会談をにらみ、ロシアに歩み寄る必要性を認めさせようと、ウクライナ情勢で緊張緩和に応じない可能性も出てくる。

ロシアはバイデン政権の外交課題であるアフガニスタンやイラン情勢にも一定の影響力を持つ。プーチン氏は米国が22、23日に主催する気候変動に関するオンラインの首脳会合の招待を受けるかも明らかにしていない。米ロ首脳会談にむけて、駆け引きが一段と激しくなりそうだ。

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ロシアが米国への対抗措置発表 米政権高官ら8人に制裁

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16E840W1A410C2000000/

『【モスクワ=石川陽平】ロシア外務省は16日、声明を発表し、米国が15日に発表した新たな対ロシア制裁への対抗措置を明らかにした。米政権の反ロシア的な高官ら8人を制裁リストに加え、ロシア駐在の米外交官10人を追放する。ただ、ラブロフ外相は16日、バイデン米大統領が提案した米ロ首脳会談の開催について「肯定的に見ている」と語った。

外務省は声明で、米国への対抗措置について「我が国に対する新たな攻撃に対抗せざるをえない」と強調した。制裁リストには、オバマ政権で要職を務めたスーザン・ライス国内政策会議(DPC)委員長やトランプ前政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏ら8人を加えた。ロシアへの入国を禁じる。

対抗措置にはまた、ロシアで内政に介入しているとみなす米基金と非政府組織(NGO)の活動禁止や、米政府職員のロシアへの短期出張を制限することも盛り込んだ。対抗措置についてプーチン政権幹部は「相互主義」に基づくとしているが、米国の対ロ制裁に比べて厳しいとは言えない内容だ。

バイデン米政権は15日、ロシア政府が米政府機関へのサイバー攻撃や2020年11月の大統領選での工作活動に関わったとして新たな制裁措置を発表した。駐米外交官10人に国外退去を命じたほか、米金融機関によるロシア債券取引の制限を拡大するなど広範で厳しい内容となった。

これに対し、ロシアは直ちに対抗措置を取ると表明し、米ロ関係の緊張が一段と高まる懸念が出ていた。ラブロフ外相は16日の記者会見で、将来米企業に打撃を与える措置を取る可能性に言及しながらも、米国に比べて有効な経済制裁の手段を持たないと認めた。ロシアは外交の手段としての制裁の発動に反対しており、米国をさらに刺激するのを避けた可能性もある。

米国の厳しい対ロ制裁を巡っては、プーチン政権内でバイデン米大統領が提案した第三国での米ロ首脳会談の開催に悪影響を及ぼすとの懸念が出ていた。ただ、ラブロフ外相は「いくつかの分野では協力できる」と述べ、前向きに検討していることを明らかにした。提案を受け入れるかどうかは、プーチン氏が最終的に決定する。

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ミャンマー国軍「友人」は8カ国 ロシアが兵器で急接近

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB151V70V10C21A4000000/

『【バンコク=ドミニク・フォルダー、ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー国軍記念日の3月27日、首都ネピドーで開かれた式典に参加したのはロシア、中国、インド、バングラデシュ、ラオス、パキスタン、タイ、ベトナムの8カ国だけだった。それまでに国軍のソー・ウィン副司令官が国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)に述べた言葉の通りになった。欧米の非難を受けるなかで国軍は「わずかな友好国と歩むことを学ばなくて…

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欧米の非難を受けるなかで国軍は「わずかな友好国と歩むことを学ばなくてはならない」。

目立ったのは唯一、本国からの参加者としてフォミン国防次官を派遣したロシアだった。ミン・アウン・フライン国軍総司令官は式典での演説でロシアを「遠く離れているが、国軍への支援は多大だ」とたたえた。ロシアはミャンマーと地理上の距離があるからこそ、国軍には脅威を与えていない。

ロシアのショイグ国防相は2月1日のクーデターの約1週間前、ミャンマーへの兵器輸出契約に署名するためネピドーに滞在していた。ロシアはクーデター後、ミャンマーに経済制裁を発動しても市民が困るだけだと主張している。

クーデター後に配備された装甲戦闘車の多くはロシア製だ。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、ミャンマーは2019年までに8億700万ドル(約880億円)のロシア製兵器を購入したと推定できる。ジェット戦闘機、戦闘ヘリ、地対空ミサイルシステムなどだ。

ロシアで科学や工学の学位を得た国軍将校は6000人を超える。ミャンマーはロシア製兵器への依存を強めており、中国の存在感は相対的に低下している。国軍は、中国がカチン族やワ族など一部の少数民族の武装組織に手を貸していると疑っている。

東部のシャン州復興評議会(RCSS)はクーデターを非難。タイ国境付近のカレン民族同盟(KNU)は3月27日の軍事パレードのさなかに国軍の拠点を襲撃し、兵士10人を殺害したもようだ。国軍は同日夜、KNUの支配地域を空爆し、数千人の住民が避難を余儀なくされた。KNUはクーデターに抗議する市民デモを支持し、参加者を保護している。

中国国境沿いのカチン独立軍(KIA)も3月下旬、中国国境近くの国軍の拠点を襲撃した。米国平和研究所(USIP)のジェイソン・タワー氏は、別の少数民族も加わり、国軍との武力衝突はさらに拡大するとみている。

ミン・アウン・フライン氏は全権掌握後、隣国タイのプラユット首相に書簡を送ってクーデターへの理解を求めた。プラユット氏は9日、日本経済新聞に「かねてミャンマーに人道支援を提供しており、今回もすでに実施した」と説明した。

ミン・アウン・フライン氏が政変後に表立って接触した外国首脳はプラユット氏だけだ。

ミャンマー情勢に詳しいタイの元外交官は「国軍は中国への全面的な依存を望まず、ロシアは遠い。(軍事政権の流れをくむプラユット政権の)タイを勝手口として維持する必要がある」と指摘した。

プラユット氏は19年、軍政下で制定された憲法に基づく総選挙を経て正式な首相に就任した。その前に、ミン・アウン・フライン氏はネピドーでタイ軍代表団の訪問を受けた。当時、事実上の政府トップだった民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏との関係は冷え込んでいた。

タイ将校からクーデターを起こす可能性を聞かれたミン・アウン・フライン氏は「実行するなら、タイはプラユット首相でないと」と答えた。

プラユット氏は3月下旬、タイ国境付近のミャンマー国軍部隊にコメ700袋を供給したとの報道を強く否定した。コメは地域の住民向けで、従来の支援の一環だと主張した。タイの元外交官は「(ミャンマー国軍にとって)タイは重要だが、問題はタイが(ミャンマーに対して何らかの)行動を起こしたいと考えるかどうかだ」と話した。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/The-Big-Story/Failed-state-Myanmar-collapses-into-chaos

〔ミャンマー情勢の混沌…。〕

ミャンマー  市民と少数民族の共闘の可能性 「どんな道を選んでも待つのは血まみれの未来だ」 – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/43dd7fd1dec9367b56a519833e85552d

『【雑草を除去しなければならない 迫撃砲などの重火器を使用 見たものすべてに発砲】

ミャンマー情勢の混迷は報道のとおり。

****ミャンマー治安部隊が迫撃砲で攻撃、包囲された抗議デモの82人死亡****
ミャンマーの地元メディア「ミャンマー・ナウ」は10日、中部バゴーで9日に治安部隊が抗議デモ参加者らを銃撃などで鎮圧し、市民の少なくとも82人が死亡したと報じた。
3月27日に全土で市民100人以上が殺害されるなど、デモ鎮圧の犠牲者が増加する中、単独の地域での1日の犠牲としては最悪の規模とみられる。

 報道によると、鎮圧は9日早朝に始まった。治安部隊は地域を包囲し、迫撃砲などの重火器を使用して攻撃した。爆発音を聞いた住民もいたという。

目撃者によると、近くの学校やパゴダ(仏塔)に遺体や負傷者が集められた。僧侶らが治療を申し出たが、治安部隊は許可しなかったという。行方不明となっている人もいるといい、死者数はさらに増える可能性がある。

 クーデターを強行した国軍は、国際社会からの非難も顧みずに弾圧を続けている。国内の人権団体「政治犯支援協会」は、デモ鎮圧などによる死者は、9日時点で618人としていた。

国軍の報道官は9日の記者会見で、「木が育つためには、雑草を除去しなければならない」と述べ、市民への武力行使をためらわない姿勢を鮮明にしていた。【4月11日 読売】

*************************

迫撃砲というのは下のような武器です。常識的には抵抗市民に使用するような武器には思えませんが・・・。

(ウィキペディア)

国軍報道官は、「雑草を除去しなければならない」とか、害虫を駆除するには殺虫剤をまく必要があるとか・・・。

同じ国民を「雑草」「害虫」と表現する発想には驚きを禁じえません。

市民の抵抗を抑えるというより、敵を殲滅する内戦の発想のようにも。

軍は抑制的に対応しているとも主張していますが、下記のような報道を見ると、「(治安部隊は)見たものすべてに発砲・・・」とか、あまり抑制的でもなさそうです。

****「見たもの全てに発砲」ミャンマー市民の死者700人超****

クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、市民の犠牲が700人を超えた。国軍側は9日に中部バゴーで80人以上を殺害。その方法は残虐さを増している。国軍への反発は少数民族武装組織にも広がり、10日には複数の地域で国軍との戦闘が起きた。

 現地の人権団体「政治犯支援協会」によると、2月1日のクーデター以降、4月11日までに706人の市民が犠牲になった。「国軍記念日」の3月27日には、全土で100人以上が殺害された。4月9日にはバゴーで82人が殺害され、一地域での1日あたりの犠牲としては最悪とみられている。

 地元メディアによると治安部隊は9日、バゴーの四つの地域を襲撃。弾着後に炸裂(さくれつ)する小銃てき弾などの重火器が使われたという。

住民の一人は「(治安部隊は)見たものすべてに発砲し、抗議を取り締まる行動ではなかった。ジェノサイド(集団殺害)を犯していた」と語った。

積み上がる遺体、うめき声…住民は治療もできず

地域の仏塔(パゴダ)の入り口付近には遺体が積み上げられ、中には負傷者も交じり、うめき声が聞こえていたという。住民らは負傷者の治療も遺体の引き取りもできなかった。
治安部隊はまた、地域を捜索して市民らを連行。翌日に遺体で見つかるケースもあった。11日夜の時点で、多くの住民が地域から逃げ出しているという。

 国軍の報道官は9日の会見で「機関銃や自動小銃を使えば、数時間で500人を殺せるが、実際には(500人が犠牲になるのに)何日もかかっている」と話し、国軍側は対応を自重していると強調。武力による弾圧を正当化しており、今後、さらに対応が激化する恐れがある。それでも市民らは、各地でデモを続けている。

 一方、地元メディアによると、10日午前に北東部シャン州で少数民族武装組織が警察署を襲撃し、警官ら14人が死亡した。西部ラカイン州を拠点とするアラカン軍などによる攻撃とみられている。アラカン軍は3月30日、他の二つの武装組織と声明を発表し、市民への弾圧をやめるよう国軍に求めていた。

 10日午後にはインド国境にある北西部タムで、別の少数民族武装組織の攻撃で少なくとも治安部隊18人が死亡した。軍車両に手投げ弾が投げ込まれたという。治安部隊が市民を殺害したことへの報復とみられる。

 東部カレン州の「カレン民族同盟」(KNU)や、北部カチン州の「カチン独立軍」(KIA)も国軍と戦闘を続けている。国軍側は空爆などで反撃し、多くの住民が家を焼け出される事態となっている。ミャンマーは独立以来、内戦が続いているが、クーデターを機に混迷がさらに深まる可能性が指摘されている。【4月12日 朝日】

*********************

「機関銃や自動小銃を使えば・・・・」

実際に“1988年の民主化運動のはじまりから鎮圧に至る過程で軍は学生・仏僧を含む数千人の市民を殺害したといわれる(軍事政権は、犠牲者数は20~30人にすぎないと主張している)。”【ウィキペディア】という過去がありますので、国軍の大量犠牲者を厭わない対応が懸念されます。

その他にも

“襲撃後に銃強奪とミャンマー国軍 市民19人死刑判決”【4月10日 共同】

“死刑判決、さらに7人=反国軍勢力への弾圧強化―ミャンマー”【4月14日 時事】

と、一切の歩み寄りを拒否し、武力で封じ込める姿勢が強まっています。

【抵抗市民勢力と少数民族武装勢力の共闘の可能性 弾圧されて知る差別されるものの痛み】

そうしたなかで、現実味を増してきているのが、4月1日ブログ“ミャンマー 少数民族武装勢力と国軍の衝突・対立、抵抗市民勢力との共闘で内戦の危険性も”でも取り上げた、抵抗勢力と少数民族武装勢力の共闘による内戦の可能性。

中国・ロシアの消極姿勢もあって、国際的圧力による解決が期待できない以上、徹底武力鎮圧に進む国軍に対抗するには、そうした方向しかない・・・という考えも。

ただ、抵抗市民勢力とはいっても、その多くはこれまで少数民族を差別して側。その両者が連携できるのか?

あるいは、少数民族側からすれば、そういう抵抗市民を信用できるのか?

仮に国軍を取り除けたとして、その後にどういう政治体制を想定しているのか?

等々の疑問も。

そうした疑問に答える活動家や少数民族幹部へのインタビュー記事が。

長い記事ですが、非常に興味深い点が含まれていますので全文を引用します。

****ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数民族 「内戦勃発」が最後の希望****

<国際社会に幻滅した市民らが一縷の望みを託す「少数民族連合軍vs国軍」の構図。当事者たちが語るその可能性>

国軍による弾圧が激しさを増すミャンマー(ビルマ)で抵抗手段を奪われた国民たちは今、少数民族の軍隊と国軍との全面戦争を求め始めている。

かつては敵視すらしていた少数民族を救世主扱いするほど期待は高いが、どれくらい現実味がある戦略なのか。

ミャンマーのエリート軍家系出身で民主活動家のモンザルニ、

少数民族であるカチン民族機構(KNO)ロンドン本部のクントイラヤン事務局長、

在日ビルマ・ロヒンギャ協会のゾーミントゥット副代表の3人に、本誌・前川祐補が聞いた。

――少数民族軍連合vs国軍という対立構図が浮上した経緯を教えてほしい。

モンザルニ デモを行っていた市民らは当初、諸外国からの外圧を期待していた。軍事的圧力でなくとも、国軍が弾圧から手を引くような効果的な懲罰を求めていた。

だが(アメリカなどが部分的に制裁を発動したものの)ミャンマー国民を満足させるような動きは起きていない。国軍への制裁を決議できなかった国連安全保障理事会も含めて国民は外圧に幻滅し、よりどころを少数民族の軍隊にシフトさせた。国民の中には少数民族軍を救世主と呼ぶ者もいる。

クントイラヤン われわれカチン族は都市部でのデモ弾圧とは別に国軍から攻撃を受け、彼らを返り討ちにした「実績」もあった。

――少数民族軍の連合はどのように形成されるのか。

モンザルニ 1つは、「統一政府」の樹立を目指す民主派議員らで構成する連邦議会代表委員会(CRPH)が、少数民族の軍隊を「連邦軍」として取りまとめる方法だ。

だが、少数民族側はCRPHの中心にアウンサンスーチーや彼女が率いる国民民主連盟(NLD)を据えることに対して非常に否定的だ。彼らはクーデターを防ぐこともできず、その後の対応でも失敗したからだ。

CRPHは国民の支持を得ているが、将来的な政府組織においてスーチーとNLDの影響力をどれだけ排除できるかがカギになる。

クントイラヤン 少数民族の間では、CRPH憲章は現在の憲法から国軍の議会枠(国会議員定数の4分の1は軍人)を定めた条項を取り除いただけ(つまりNLDの影響力が色濃く残る)との批判が多い。

私たちはこれまで少数民族に差別的だった「ビルマ人愛国主義者」たちへの警戒を解いておらず、NLDに対する不信感も根強い。

――統一政府の将来像は時間のかかりそうな議論だ。CRPHと少数民族の交渉がまとまらなければ全面戦争のシナリオは消える?

モンザルニ そうでもない。既にCRPHを抜きにした少数民族による「連合軍」構想が持ち上がっている。実際、シャン州軍の創設者であるヨートスックが、ワ州連合軍などと共に独自の連合軍の立ち上げを呼び掛けている。

クントイラヤン CRPHが少数民族の要求を断ったところで軍事的には空っぽの政府組織が生まれるだけだ。連邦軍は構想段階だが、カチン族だけでなくカレン族の居住地域を含めて局地的には既に戦いが始まっている。

ゾーミントゥット 国民は、これまでさげすんできたアラカン・ロヒンギャ救世軍ですら歓迎している。CRPHがどう判断するかは分からないが、何らかの形で内戦が始まるのは不可避だと思う。

――「連邦軍」であれ「連合軍」であれ、国軍と対峙する軍事力はあるのか?

モンザルニ 少数民族の武装勢力は最大で14ほどが参加し得るが、それでも「通常の戦闘」を想定するなら国軍を打ち破ることは難しいだろう。兵力の差は数字以上に大きい。

だが少数民族軍の戦略はいわゆるpositional war(陣地戦)ではなく都市型ゲリラ戦だ。例えばヤンゴンには軍事訓練を受けた「見た目は普通の人」が数千人もいるとされる。彼らは特定の日時に集まり、標的とする軍事施設に攻撃を加える準備ができている。

連合軍の戦いは内戦と言うよりは革命抗争だ。革命軍はたいてい武器に乏しく兵士の数も少ない。キューバ革命の時、フィデル・カストロはわずか82人の同志を率いて革命抗争を始めた。数の比較で戦闘を考えると展望を見誤る。

クントイラヤン ミャンマーの内戦にアメリカが軍隊を派遣することはないだろうが、資金提供やロジスティクスなどの側面支援は交渉可能なはずだ。それができれば、カチンやカレンの軍隊は地上戦で国軍をしのぐことができる。

「統一政府」の議論がまとまらないにせよ、国軍による虐殺を止めるためにCRPHの国連大使に選ばれたササは早急に欧米諸国へ支援要請をするべきだ。

――少数民族はこれまで差別や迫害を受けてきた。少数民族の軍隊に期待する国民は今だけ軍事力にすがり、後で裏切るという懸念はないのか?

ゾーミントゥット 今回のクーデターに対して抵抗を続ける中心はZ世代と呼ばれる若者世代だ。彼らは1988年のクーデターを戦った当時の若者世代とは違い、教育水準も高く多様性に対して寛容だ。

実際、クーデターが勃発してからこんなことがあった。ある商業系と医科系の大学の学生自治会が、過去のロヒンギャ弾圧に対して公に謝罪声明を発表したのだ。虐殺を知りながら声を上げなかったことへの謝罪だ。

自らも軍の弾圧の犠牲者となって初めてロヒンギャの置かれた状況を知ったからなのかどうか経緯は分からないが、彼らの謝罪は誠実なものと受け止めている。

(編集部注:CRPHで広報担当も務めるササはCRPHの国家構想でロヒンギャを国民として認めると4月9日の記者会見で断言した)

クントイラヤン 同じ思いだ。繰り返すが、われわれ少数民族はこの状況下でも愛国主義的ビルマ人への警戒心は強い。それでもZ世代への期待は大きい。

弾圧を受け行き場を失った若者世代は今、少数民族軍を支持するだけでなく自ら参加しようとしている。実際、カチン軍は彼らに対する軍事訓練を行っており、(カチン)軍幹部の話によれば訓練し切れないほどの若者たちが集まっている。

――周辺国は内戦に対してどう反応するだろうか?

モンザルニ 中国、インド、タイがその中心だが、彼らは基本的にミャンマー国軍を支持しているので懸念するだろう。

だが彼らはあくまで勝ち馬に乗るはずだ。今のところ国軍に賭けているが、「革命抗争」で少数民族軍連合やCRPHが優位な立場になれば、考えを変える可能性はある。周辺国とミャンマー国軍の関係に定まった「方程式」は存在せず、流動的だ。

クントイラヤン カチン族の主な居住地域は中国と国境を接しているが、今回の騒乱はカチン族が引き起こしたのではない。中国がミャンマーで安定した経済活動を行いたいのなら、彼らが国軍を支援し続けるのは得策でないはずだ。

モンザルニ CRPHは「連邦軍」構想を進めると同時に、国軍に影響を及ぼす中国に対して立場を表明するべきだ。つまり、CRPHは中国を重要な国家として認めると。

その上で、現在の国軍に対する無条件の支援をやめるよう求めるのだ。中国が応じなければ、世論の圧倒的支持を受けるCRPHが実質的な政権を取ったときに、ミャンマーはアメリカや日米豪印らで構成するクアッドに強く傾倒し、中国がこれまでミャンマーで進めていた石油のパイプライン事業をはじめとする経済活動が思うようにいかなくなるという「警告」も忘れずにだ。

――内戦や革命抗争はミャンマーにとって本当に望ましいシナリオなのだろうか?

モンザルニ 望ましいシナリオでもなければ、最も前向きな目標でもない。

だが今のミャンマーには連邦軍(やその他の連合軍)構想以外にいいシナリオがない。国民はデモに参加しようが家でおとなしくしていようが殺されている。5400万人の国民が人質になっているというのが現実で、「向こう側」を殺すしかないという機運が高まっている。

クントイラヤン 今の状況を変えるためには、国民は国軍に対して強いメッセージを出す必要がある。軍幹部らに対して弾圧から手を引くことを促すような、強固な心理戦を展開する必要がある。

少数民族連合軍による「宣戦布告」はその意味で強いメッセージになる。軍幹部が動じずとも、兵士らを可能な限り多く投降させることができれば弾圧を弱める効果は期待できる。
モンザルニ 投降した兵士らを受け入れる新しい軍組織がなければ、ミャンマーはサダム・フセイン亡き後のイラクになり、兵士らは過激派イスラム組織「イスラム国」(IS)のようになってしまう。その意味でも連邦軍は必要だ。

ゾーミントゥット 革命抗争は起きた後の状況が懸念されるが、不可避だと思う。そのなかで望むとすれば、CRPHはできるだけ構成民族に共通認識を持たせてほしい。

――非常に複雑な思いだ。

モンザルニ それは私たちも同じだ。残念ながら、どんな道を選んでもミャンマーを待つのは血まみれの未来だ。【4月13日 Newsweek】

************************

両者の共同戦線の実現の可能性は別にしても、

“大学の学生自治会が、過去のロヒンギャ弾圧に対して公に謝罪声明を発表”

“CRPHで広報担当も務めるササはCRPHの国家構想でロヒンギャを国民として認めると4月9日の記者会見で断言”

というのは、これまでのロヒンギャに対するミャンマー国内の冷淡な対応を考えると驚くべき変化です。

弾圧されて、始めて知る差別されるものの痛みでしょうか。

ロヒンギャ対応を含めて、少数民族との和解が国民一般にどこまで共有されるのかについては、まだ疑問もありますが。

中国などが“勝ち馬に乗る”というのは、そのとおりでしょう。もともと国軍には中国への警戒感が強く、中国はどんな政権にしても、自分たちの権益が保護されればいいという考えでしょうから。

それにしても、“どんな道を選んでもミャンマーを待つのは血まみれの未来だ”というのは重苦しい結論です。』

米国務長官、2カ月続け訪欧へ ロシア・アフガン協議

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12C710S1A410C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米国務省は12日、ブリンケン国務長官が13~15日の日程でベルギーの首都ブリュッセルを訪問すると発表した。訪欧は2カ月連続で、同じタイミングでブリュッセルを訪れるオースティン国防長官と合流する。ロシアやアフガニスタン情勢について欧州の同盟国と協議する。

ブリンケン氏は3月下旬、北大西洋条約機構(NATO)外相理事会に出席するためブリュッセルを訪れたばかりで、異例のペースでの訪欧となる。オースティン氏は14日にNATOのストルテンベルグ事務総長と会談する予定で、ブリンケン氏も同席するとみられる。

国務省は声明で、NATOの同盟国と「幅広い優先課題」を協議すると説明した。主要テーマはロシアへの対応だ。ウクライナとの国境付近にロシア軍が集結しており、米欧は警戒を強めている。アフガンでは外国部隊の撤収期限が5月1日に迫る。バイデン米大統領は予定通りの撤収について「厳しい」との認識を示しており、駐留延長をめぐり詰めの協議をする見込みだ。

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集結のロシア兵力、8万人超か G7は批判声明―ウクライナ情勢

『【モスクワ、ロンドン時事】AFP通信によると、ウクライナ大統領報道官は12日、ロシアがウクライナとの国境地帯に4万1000人、ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島に4万2000人の兵力を集結させていると明らかにした。ロシア軍の部隊増強の動きにより、ウクライナ情勢は緊迫した状況が続いている。
G7、ロシア軍増強を批判 ウクライナ情勢で緊張緩和要求

 緊張の高まりを受け、ウクライナ東部では政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が激化。12日もウクライナ軍兵士の死亡が発表された。ロシアはウクライナ支援の方針を明確にしているバイデン米政権をけん制するため、部隊増強の動きを続けているとみられる。米国の後ろ盾を得て強気の姿勢を示すウクライナのゼレンスキー政権を抑え込む狙いもありそうだ。

 ウクライナ大統領報道官は、ゼレンスキー大統領が緊張緩和のため、3月下旬にロシアのプーチン大統領との首脳会談をロシア側に提案したが、回答を得られていないと説明した。これに対しロシアのペスコフ大統領報道官は12日、「最近、そのような要請は受けていない」と反論した。

 一方、先進7カ国(G7)の外相は12日、ロシアの軍増強をめぐり、「深く懸念する」と批判する共同声明を発表した。共同声明はウクライナ支持を表明した上で、ロシアの最近の動きが「脅威を与え、不安定化させるものだ」と強調。「挑発をやめ、国際的な義務に従って緊張を直ちに緩和するよう求める」と呼び掛けた。』

天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網

天然ガスの憂鬱、米独ロの摩擦を横目にEUが包囲網
フランクフルト支局 深尾幸生
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR068U30W1A400C2000000/

『ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐってドイツと米国の摩擦が続く。だが、欧州全体を俯瞰(ふかん)すると、このパイプラインだけでなく天然ガスそのものへの風当たりが強くなっている。つい数年前までクリーンなエネルギーとして期待された天然ガスだが、世界が炭素ゼロへ急加速するなかで「化石」のラベルを貼られつつある。世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大…

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世界一の液化天然ガス(LNG)輸入国である日本への影響も大きい。

「直ちにパイプラインの作業を放棄すべきだ」。3月、米バイデン政権は明確にノルドストリーム2に反対する意向を打ち出した。トランプ前政権からの懸案はバイデン政権にも引き継がれ、制裁を排除しない構えだ。ノルドストリーム2は年内の完工をめざし9割以上が建設済みだ。ドイツは原子力発電と石炭火力の終了を決めており、天然ガスの重要性は増すとして米国との妥協を模索する。

だが、独米ロの政治的思惑とは別のところでもその意味合いは変わりつつある。
「ガスは終わった」とEIB総裁

「控えめに言って、ガスは終わった」。1月、欧州連合(EU)の政策金融機関、欧州投資銀行(EIB)のベルナー・ホイヤー総裁は記者会見で言い切った。「(ノルドストリーム2のことは)ベルリンが決めること」と述べたものの、「脱ガスは過去からの重大な離別だが化石燃料の使用をやめなければ気候目標を達成できない」と強調した。

EUは2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)を目指すべく、30年の削減目標を強化している。インフラは耐用年数が長いため今から化石燃料への投資をやめないと50年のゼロは達成できないというのがホイヤー氏の発言の趣旨だ。

発電や都市ガスに使われる天然ガスは燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が石炭より約4割、石油より約3割少ない。温暖化対策の有力な選択肢として期待が集まり開発やインフラ整備が進んだが、早くもその地位が揺らぎ始めた。

ノルドストリーム2が領海を通るデンマークは20年12月、北海での石油・ガス開発・生産を50年までに終了すると発表し、新たな入札を中止した。スウェーデンやフランスの公的金融部門でもガス開発プロジェクトなどへの支援の終了時期を定める動きが広がる。

ガスの将来性に決定的な影響を与えかねないのが、EUが近く立法する「タクソノミー規制」だ。タクソノミーは持続可能な経済活動を分類し定義する。つまり、気候変動の緩和の目標に照らしてどの技術が投資対象などとしてふさわしいかを定めるものだ。

20年11月に公表された原案では、ガス火力発電はCO2排出の基準値を満たすものだけ適格と見なされると記載された。そのための基準値が発電1キロワット時あたり100グラム未満と非常に厳しい。最新鋭のガスタービンコンバインドサイクルシステムでも310~340グラムと、既存技術では不可能な水準だ。まだ確立していないCO2を回収・貯蔵する技術(CCS)などと組み合わせるしかない。

原案の公表以降、ガス業界や一部の加盟国から見直しを求める意見が噴出し、利害を反映するための最終調整が進められている。3月下旬にはガス火力の基準は緩和される方向で検討されていることが明らかになり、一部の欧州議会議員などが「科学的ではない」と反発している。EUは4月末にも最終案をまとめる見通しだ。
理想と現実のバランスは

企業の間でも、とりわけ新設に対しては対応が分かれる。独シーメンスの火力発電機部門が分離したシーメンス・エナジーは、石炭火力の新設からの撤退を決めた。だが、ガス火力は今後も新設需要は旺盛とみる。同社の取締役会を監督する監査役会のジョー・ケーザー会長は日本経済新聞のインタビューに対し、「ガスはエネルギーと電力を確保するための中期的に現実的なソリューションだ。企業は現実と理想のバランスをとる必要がある」と述べた。

一方、独電力大手のRWEは40年までにガス火力発電からも撤退する。次期社長のマルクス・クレッバー氏は取材に「ガスへの需要は北米や欧州、アジアの主要市場では30年ごろ縮小に転じる」と語った。風力などの再生可能エネルギーの方が発電コストが安いためで原則、新設はしない。ガスは冬場に数週間、風力と太陽光の電力が足りなくなることなど緊急時に備えるためだけに残るとみている。

日本企業にとっても対岸の火事ではない。EUのタクソノミーは、EU域内で操業する外国企業も適用対象との議論もあり、日本企業が開示義務の対象となる可能性がある。機関投資家の銘柄選定に影響を及ぼすことも必至だ。また、EUは19年に持続可能なファイナンスについての国際的なプラットフォームを立ち上げており、国際的な基準作りへも影響を及ぼそうとしている。

ガスが化石燃料であることは避けようがない事実だ。一方でエネルギーの多様化と安定供給の重要性は変わらない。例えばCCSのような、CO2を確実に回収し閉じ込められる技術を、競争力のあるコストで確立できるかどうかがガスの将来を左右する。いずれは再エネ由来の水素に置き換わるとしても、過渡的な役割がいつまで続くのかの見極めも重要になる。

トルコ・ロシア、中央アジアで勢力争い 地域機構構想も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01ESK0R00C21A4000000/

『【モスクワ=石川陽平】トルコとロシアが旧ソ連・中央アジアを巡って勢力争いを繰り広げている。トルコは民族的に近い中央アジア諸国との協力の枠組みを、正式な地域機構に格上げすると表明。これに対して「旧宗主国」のロシアは旧ソ連諸国の外相会議で協調を演出し、影響力の保持に懸命だ。中央アジアは天然資源も豊富で、中国や米国も関心を寄せる。

「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要な…

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「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要なものに変えている」。トルコのエルドアン大統領は3月31日、オンラインで開いたチュルク評議会(トルコのほか、アゼルバイジャンと中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの旧ソ連4カ国)の首脳会議でこう強調した。

チュルク評議会は「チュルク語系諸国協力会議」とも呼ばれ、民族・文化・歴史的に近いチュルク語系5カ国が作る緩やかな協力の枠組みだ。2009年の発足で、トルコが主導する。エルドアン氏は今回の首脳会議で、評議会を国際的機構に衣替えする方針を示し、今夏に開く次回サミットで決定すると表明した。

トルコは20年秋にアゼルバイジャン軍を支援してアルメニアに対する勝利を導いたナゴルノカラバフ紛争で求心力を高めた。エルドアン氏はこの機を逃さず、旧ソ連・中央アジアのチュルク語系諸国に外交攻勢をかけた。ソ連崩壊で独立30周年の中央アジア諸国も、国家基盤の強化のためトルコの経済・政治的支援を期待する。

トルコはカスピ海地域に豊富に埋蔵される石油や天然ガスにも注目する。アゼルバイジャンとトルクメニスタンはソ連崩壊後、カスピ海海底にある石油・ガス田の帰属を巡って争ってきたが、21年1月に共同開発することで歴史的な合意に達した。トルコは直ちに共同開発への参加と自国のパイプラインを通じた輸出を提案し、エネルギー輸送のハブになる考えだ。

トルコは中央アジアのトルクメニスタンにもチュルク評議会への加盟も強く働きかけている。「永世中立国」の同国をまずは「オブザーバー」などの資格で取り込む狙いだ。地域で影響力拡大を目指すトルコの動きは「新オスマン主義」とも呼ばれ、「経済低迷への国内の不満をそらす」(独立国家共同体研究所のアンドレイ・グロージン氏)との思惑もあるとみられる。

一方、ロシアは「裏庭」とみなす中央アジアで北大西洋条約機構(NATO)加盟国でもあるトルコが影響力を拡大することに神経をとがらしている。

2日にはモスクワでロシア主導で旧ソ連9カ国がつくる地域協力機構、独立国家共同体(CIS)の外相会議を開いた。ウクライナやモルドバなど旧ソ連圏でロシア離れが広がる中、強権的な国が多い中央アジアで「勢力圏」の後退を食い止める考えだ。

トルコが触手を伸ばすトルクメニスタンのつなぎ留めにもロシアは動く。3月31日にモスクワで2国間経済協力委員会を開き、21~23年の経済協力プログラムを協議した。

トルクメニスタンは天然ガスを豊富に埋蔵し、パイプラインで中国に輸出している。国家収入の大半をガスの対中輸出でまかない、中国依存が強い。ロシアのラブロフ外相は、バイデン米政権が中央アジア5カ国との協力の枠組み「C5+1」を活性化させようとしているとも指摘している。

[FT]ロシア製ワクチン EUが治験の倫理性など調査へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB091080Z00C21A4000000/

『欧州連合(EU)の医薬品規制当局は、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の臨床試験(治験)において倫理的・科学的基準に反する行為がなかったか、来週から調査を開始する。

欧州医薬品庁(EMA)が調査するのは、スプートニクVの治験が「医薬品の臨床試験に関する基準(GCP)」に基づいて実施されたかどうかだ。EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところ…

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EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところによると、同ワクチンの治験は非倫理的な方法で進められた疑いがあるという。GCPは医薬品の臨床試験を適切に計画および実施するための国際的に認められた基準だ。
軍人らの治験参加を強制か

ロシアの説明によれば、スプートニクVは、同国の政府系ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)が資金を提供して国営研究所が開発し、治験には軍人と公務員が協力した。だがロイター通信の報道によると、一部の参加者は上司から治験に参加するよう圧力をかけられたという。

RDIFのドミトリエフ総裁は、強制があったことを否定し、FTの取材に対し「(治験参加者が)圧力をかけられた事実はなく、スプートニクVはすべての臨床基準を満たしている」と回答した。またEMAによる調査は来週から開始される予定であることも明らかにした。

ロシアはスプートニクVを欧州のワクチン問題に対する解決策として売り込んでいる。だがEUの欧州委員会でワクチン接種プログラムを担当するブルトン委員は3月、欧州は「スプートニクVを全く必要としていない」と発言した。ロシア政府はこれに反発し、欧州委員会はロシア製ワクチンに偏見を持っていると批判した。

EMAはスプートニクVを審査中であり、EU圏内での使用を許可するか否かの結論はまだ出ていない。EMAは、臨床試験がGCPに合致していることを承認の条件としている。

EMAは「基準が順守されていれば、治験参加者の権利、安全や健康が守られており、臨床試験のデータが信頼できるという保証になる」と述べ、順守状況について懸念があれば、調査を命じる場合があると付け加えた。ロシアでの調査を含め、現在予定されている、または進行中の調査についてはコメントを控えた。
「59カ国で審査済み」とロシア側反論

ドミトリエフ氏は、すでにスプートニクVを承認した59カ国の規制当局は「治験データを非常に厳密に審査し、GCPの順守状況に満足している」と指摘した。

同氏は続けて、「我々はEMAがGCPについて懸念しているとの情報は把握していない。そのような情報をリークすることは、公平・無差別とされるEMAの承認プロセスの信頼性を損なおうとする人間がやりそうなことだ」と述べた。

またこれとは別に、EMAはロシアにあるスプートニクVの生産施設を5月に調査する計画だが、ドミトリエフ氏によれば、ワクチンを発注した国の調査官の視察を受け入れるため、数日間延期されるという。「我々はワクチンを購入すると約束した国の調査官を優先する。欧州委員会とは違う」

難航するワクチン接種プログラムを巡り、EUへの批判は高まりつつある。人口比で見たEUのワクチン接種率は英国や米国を大きく下回っており、当局はその原因の一つとして、ワクチンの不足問題をあげる。

EU加盟国であるハンガリーとスロバキアは、EMAの承認を待たず、緊急規則を利用してスプートニクVワクチンを購入した。だがスロバキアの首相は、ロシア製ワクチンの購入を決定したことで閣僚からの反発に遭い、3月に辞任に追い込まれた。

EU加盟国の大半が感染「第3波」への対応に追われ、欧州諸国の多くで新規感染者数、入院者数、死亡者数が増加するなか、ワクチン不足は切実な問題となっている。

By Donato Paolo Mancini and Henry Foy

(2021年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
英フィナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の記者が、アジアのテクノロジー業界の「いま」を読み解くニュースレター「#techAsia」の日本語版をお届けします。配信は原則、毎週金曜。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053

[FT]ロシアが「国家インターネット」で米SNSに対抗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB061IJ0W1A400C2000000/

『ロシアの通信監督当局は最近、ツイッターの通信速度を制限し始めた。この動きはシリコンバレーに対するロシア政府の対決姿勢の表れであり、西側ハイテク企業への依存度が低い「ソブリン(国家)インターネット」に向けた新たなインフラを運用するテストになった。

外国のSNS(交流サイト)はロシア最大の反対意見発信の場となっている。服役中の野党活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者が2021年1月、外国SNSを使っ…

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服役中の野党活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者が2021年1月、外国SNSを使って全国規模の抗議デモを組織化した後は、こうしたSNSに対する統制の強化が大統領府にとって一段と喫緊の課題になった。

ロシア政府は、「違法な活動を促した」3168件の投稿を17年までさかのぼって削除しなければツイッターの使用を禁止すると迫った。こうした警告が出されたのは、プーチン大統領が、インターネットが「公式な法的ルールと社会の道徳律に従わない」なら社会は「内側から崩壊する」と語った後のことだ。

通信監督当局は5日、ツイッターが問題となっている投稿1900件を削除したとして、使用禁止の脅しを撤回した。そして同社に法律を完全順守させるために5月半ばまで通信速度の制限を延長すると表明した。

ツイッター側は、ロシア当局と「建設的な会話」を先週交わし、そのなかで「いかなる不法行為目的や違法な活動の推進にツイッターが利用されることを当社は許さないということを改めて主張した」と表明した。同社はインターネットの遮断と公の会話を封じようとする国家主導の取り組みを批判している。
対抗措置にはリスクも

巨大ハイテク企業への対抗措置にはそれなりのリスクが伴う。3月のツイッターの速度制限では、そのドミノ効果で、開始から数時間内にロシアの大統領府や議会のほか、検閲を担う通信監督当局ロスコムナドゾル自体を含む複数の政府機関のウェブサイトが接続不能になり、外国のインターネットインフラへの依存が浮き彫りになった。

国家インターネット(実質的に完全にロシアのサーバーだけで運営されている並行ウェブ)は、巻き添え被害を出すリスクを伴わずに禁止コンテンツへのアクセスを選択的に制限する技術を持つとされる。ロシアの検閲担当者は、18年に通信アプリ「テレグラム」の使用を禁止しようとして悲惨な目に遭った試みから教訓を学んだと話している。当時は禁止措置の影響で1600万以上の無関係なサイトがダウンする一方、なお容易にアクセスできたテレグラムが利用者数を1000万人から3000万人に伸ばした。

ツイッターに対する制限措置は、「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」として知られる技術によって国家インターネットを利用した初の主要ケースだ。理論上、数千もの無関係なサイトに影響を与えずに個別ページをフィルターにかける能力を検閲担当者に与える仕組みだ。

ドイツ外交政策協会(本部ベルリン)のアリョーナ・エピファノワ研究員は「たとえまだ完全にはコントロールできないとしても、インターネットインフラすべてを掌握できたことは、国家にとって一歩前進だ。『このウェブサイトを遮断してもらえますか』と(企業に)求めるような、アドホック(その場しのぎ)なコンテンツ管理だけではない。今では、当局がこうした制御レバーを手にしている」と指摘する。
ロシアのネットサービス大手、メール・ドット・ルーの本社(2019年6月、モスクワ)=ロイター

当初の結果は、システムに不備がある可能性を示唆している。通信速度の制限は、ツイッターが短縮版ウェブアドレスに採用している「t.co」という文字列をドメイン名に使っている複数のウェブサイトにも影響したようだ。

「ツイッターは世界中のコンテンツ配信ネットワーク用にさまざまなサーバーを使っているため、彼ら(ロシア当局)はまだ、ツイッターが使うすべてのサーバーをコントロールできていない」とエピファノワ氏は言う。

ロシア政府が16年に米リンクトインに対して実行したようになSNSの全面禁止をちらつかせても、シリコンバレーの巨大企業はデータのローカリゼーション(現地化)と禁止コンテンツに関するロシアの法律に従ってこなかった。

また、米国のフェイスブックやグーグルは、ロシアが地元ハイテク企業にかけたような圧力に弱くない。ロシアの検索エンジン「ヤンデックス」は、米国を拠点とする投資家が経営権を握ろうとした場合に会社のガバナンス(統治)に対する事実上の拒否権を大統領府に与えた。動画配信プラットフォーム「ivi(イビ)」は、ロシアの議員が同じような考えから娯楽系サイトの外国からの資金調達の制限に動いたのを受けて、新規株式公開の計画を棚上げにしたと報じられている。

ナワリヌイ氏が国営テレビ局より数百万人も多い登録者を誇っているユーチューブなどのプラットフォームで強固な足場を築くことができないため、ロシアの議員は、大統領府寄りのメディアを「差別」するサイトを禁止すると明言している。

「西側のメディアと社会は、まるで我々がすべてをブロックするかのように、非常に政治的バイアスがかかった形でこの問題を描こうとしている。だが、実際には、ここでは我々が被害者なのだ」。ロシア下院の議員で、外国ハイテク企業を規制する包括的法案を準備しているアントン・ゴレルキン氏はインタビューでこう語った。「外国企業はここで働き、何十億も稼ぐが、税金も払わなければ、妥当このうえない我々の要求にも協力しない」
シリコンバレーの屈服を期待

ロシアは新技術に裏付けられた禁止の脅しで、シリコンバレーもついにロシアの法を順守せざるをえなくなると期待している。

ゴレルキン氏は、自身が起草した新法に米アップルが従ったことを引き合いに出す。スマートフォンメーカーに対し、ロシア製アプリ一式をプレインストールすることを義務付ける内容だ。アプリにはグーグルの電子メールやクラウドストレージと競合するヤンデックスのサービスのほか、「ICQ」のような忘れ去られたインスタントメッセンジャーを含む。

「ロシアは競争が非常に激しい市場だ。西側の主要企業がいずれどこかの段階でロシア市場撤退を決めたとしても、何も破滅的なことは起きない。市場はほかのプレーヤーの間で分割されるだろう」

ロシアはヤンデックスの検索エンジンと「Mail.ru(メール・ドット・ルー)」のSNSを擁し、シリコンバレーと競う強力な地元企業を抱えている数少ない国の1つだが、こうした企業は西側に支配され続けている市場において例外的な存在だ。

しかし、もし国家インターネットにより、西側サイトへのアクセスが十分厄介になれば、期待通りの効果を得られるかもしれないと、米プリンストン大学の情報技術政策センター(CITP)の博士研究員、セルゲイ・サノビッチ氏は話す。

「ただし、ロシア政府が尊重する市場原理が1つあり、それは、消費者は常に正しいということだ。この点が彼らをソ連時代の前任者と区別し、むしろ中国人に似せている」

同氏はさらにこう続けた。

「彼らはこの原理を可能な限り最もシニカルな形で解釈している。重要なのは平均的な消費者だけで、それなりに楽しめて、非常にアクセスが容易である限り、こうした消費者は与えられるものを何でも消費する、と考えている」

「情報があふれ返っているために、あるプラットフォームにアクセスする障壁が極めて低ければ、自分たちがコントロールする別のプラットフォームにとって多大な後押しになることを正しく理解している」

By Max Seddon

(2021年4月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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イラン核合意協議、6日にウィーンで継続へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02C9G0S1A400C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】イラン核合意の当事国高官らは2日、オンラインで合同委員会を開き、米国の復帰に向けた新提案を協議した。イラン国営メディアによると、協議は6日にウィーンで再開する。

議長役を務めた欧州連合(EU)は会合後の声明で、ウィーンでは米国とも個別に協議を行うと明らかにした。ロイター通信によると、イランのアラグチ外務次官は米国が全体の会合に加わる可能性は否定した。

2日の会合は、仲介役のEUのほか、核合意に残った英国、ドイツ、フランス、ロシア、中国の5カ国とイランの外務次官級が出席した。ロシアの高官は終了後、ツイッターで「議論は良い方向に進んでいるが、この先は簡単ではなく、非常な努力が必要という印象だ」と語った。

米国はトランプ前政権時代の2018年、一方的に核合意から離脱し、対イラン制裁を復活させた。これに対し、イランは合意で定めた範囲を逸脱してウラン濃縮を進めるなど核活動を拡大した。バイデン政権は核合意への復帰意欲をみせているが、制裁の解除と核活動の縮小のどちらを先に履行するかなどで平行線が続いている。

米国務省のプライス報道官は1日、2日の会合開催を歓迎する姿勢を示したうえ、「(核合意の)約束をイランが守れば、我々も復帰しようとする用意がある」と述べていた。』

米、核合意会合に参加へ イランと直接対話せず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0306J0T00C21A4000000/

『【ワシントン=中村亮】米国務省のプライス報道官は2日の声明で、イラン核合意への復帰をめぐり英独仏中ロとの6日の会合に参加すると発表した。イランとの直接対話は予定していないが、核合意参加国を介して米国の対イラン方針を伝達する。経済制裁の緩和も提案する。

米国は6日にウィーンで開く会合に参加する。バイデン政権は核合意への復帰に向けて英独仏と協議してきたが、中ロを含む枠組みで核合意について議論するのは初めて。これとは別に欧州連合(EU)は同日、ウィーンで英独仏中ロとイランの会合を開く。国交を持たない米国とイランの直接接触はない見通しだが、対話が活発になり核合意の存続に向けて一歩前進する。

プライス氏は当面の課題として、イランによる核合意の義務再履行に向けた具体策とその見返りとなる米国による対イラン制裁の緩和をあげた。プライス氏は「難しい議論が待ち受けており、迅速に解決策を見いだせるとは予想していない」と指摘。核合意復帰に向けた議論は時間がかかるとの見通しを示した。

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中ロ共闘、新たな東西対立に 秩序乱す同盟傾斜

中ロ共闘、新たな東西対立に 秩序乱す同盟傾斜
編集委員 坂井光
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※ 「大戦略」的には、中ロをあまり「締め上げすぎて」、接近を図らせない方がいいんだが…。

※ 適当にあしらって、中ロを対立させるように持っていく方が、いいんだが…。

『中国とロシアの関係が新たな段階に入ろうとしている。これまで「便宜的なパートナー」といわれてきたが、米欧などからの圧力を受け、外相がそろって米国批判を繰り広げるなど共闘態勢を築き始めている。民主主義陣営への対抗軸として、今後先鋭化する懸念をはらむ。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

3月22~23日、中国の広西チワン族自治区桂林市で中ロ外相会談が開かれた。

「米国はグルー…

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「米国はグループをつくって対抗するのをやめるべきだ」「民主主義のモデルには統一された基準はない。どれを選ぶかは主権国が持つ権利だ」――。王毅、ラブロフ両外相がことさら強調したのは米国をはじめとする西側批判だった。

それには次のような伏線があった。

▼3月12日、日米豪印の4カ国からなる「Quad(クアッド)」オンライン首脳協議。中国及びロシアを念頭にした包囲網を形成

▼17日、バイデン米大統領がプーチン・ロシア大統領を「人殺し」と発言した米テレビインタビューの放映

▼18~19日、米アラスカで米中外交トップ協議。非難の応酬に

▼22日、人権問題を巡り欧米諸国が対中制裁を決定

ロシアの内心は複雑だ。相手はもともと同じ共産党国家の弟分。1960年代には、国境紛争が起こり、武力衝突に発展したこともある。ソ連崩壊後の96年に「戦略的パートナーシップ」を表明し、2001年にはプーチン大統領が江沢民国家主席(当時)をモスクワに迎え、中ロ善隣友好協力条約に調印した。

その過程で優位性は薄れ、立場は逆転した。国際通貨基金(IMF)によると、経済成長を続ける中国の19年の国内総生産(GDP)はロシアの8倍強に拡大。一方で、ロシアは輸出入とも中国が最大の相手国となり、依存度が高まっている。

ロシアが憂慮するのは「格下」として中国に取り込まれることだ。大国意識が強いプーチン政権の原理原則は、どの国からも内政面で影響を受けないこと。メンツや尊厳が傷つけられるのは絶対に許さない。

中央アジアなど勢力圏と位置づける旧ソ連諸国の中には経済的に中国の影響下に入ったところもあり、プーチン氏は苦々しく思っているはずだ。そんな懸念をよそに中国はロシアに秋波を送る。

「ユーラシア地域において中国、ロシアのいずれとも付き合わずにすむ国はないし、ましてや2国と同時にたたかえる国はない」「中ロはクアッドに対抗できる」。中国共産党系のメディア、環球時報はこう論評する。米国が最大の脅威とみなす中国にとって背後にいる軍事大国ロシアを味方につければ心強いとの思惑がにじむ。

両国関係のベクトルは軍事的な同盟を目指すのか。今年、試金石になりうる出来事がある。

7月に中ロ善隣友好協力条約が20年という期限を迎える。3月下旬の外相会談では延長することを確認するとともに、内容も拡充する方向で一致した。両首脳が共同声明を発表する方針も明らかにした。5年前の15周年式典で習近平(シー・ジンピン)国家主席が「同盟もせず対立もせず」と位置づけた両国関係をどう表現するか注目される。

もうひとつは、ロシアが4つの軍管区持ち回りで毎年秋に実施している大規模軍事演習だ。中国人民解放軍が初めて参加したのは地理的に近い18年の「ボストーク(東)」演習。これ以降、3年続けて招待されたが、今年は欧州をにらむ「ザーパト(西)」。これに中国が参加すれば欧州を刺激するのは必至で、中ロの軍事的接近を印象づけることになる。

中ロは軍事的にも接近している(2020年6月、モスクワ赤の広場での軍事パレードに参加した中国人民解放軍の兵士ら)=ロイター

欧米型の民主主義国家を「西側(中国語で西方)」と呼び、それに対抗する陣営を自認し始めた中ロ。さらに軍事分野での「同盟」に傾けば、世界を二分する東西対立に発展する懸念がある。

プーチン大統領は昨年10月、中国との軍事同盟について問われ「理論的には十分想像できる」と含みを持たせた。本音はどこにあるのか。

ロシアの外交戦略はしたたかで、成熟している。核管理、対テロ、エネルギー、科学技術、中東問題など米欧との交渉カードは多い。西側との対話の意思を隠さず、常に関係改善の機会をうかがっている。中国との蜜月ぶりも西側との対話再開を呼びかけるポーズとの裏読みもできなくはない。

とはいえ、国内経済は低迷し、国民の不満が高まるなか、権力維持こそがプーチン政権の最優先課題だ。西側から無視され続け、追い込まれたと感じたとき、同盟締結という一線を越えることも否定できない。

編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へ https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/

安保理、ミャンマー情勢で緊急会合 欧米は制裁に言及

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31EG20R30C21A3000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は31日、国軍によるデモ弾圧で悪化するミャンマー情勢を巡り、英国の要請で非公開の緊急会合を開いた。安保理外交筋によると、欧米の理事国は制裁の可能性について言及したが、中国とロシアが反対した。会合後に報道発表を出す準備も進めていたが、中国がさらなる時間を求めた。

会合終了後に英国のウッドワード国連大使は記者団に対し、ミャンマー国軍が27日に一日に100人以上を殺害したことを受け、「国軍による市民の殺害を最も強い言葉で非難する」と批判した。市民の弾圧が続くなか、「安保理が取れる次のステップについて協議を続ける」と述べた。

日本経済新聞が入手した国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)の演説内容によると、安保理に対して同氏は「民政への復帰を支援するのは我々の義務だ」と強調し、「手元にある全ての手段を検討し、団結して行動をとるよう呼びかける」と訴えた。

ブルゲナー氏は「2月上旬のクーデター以来、520人以上の人々が殺害された」とも述べ、「大量殺りくがいまにも起こりそうだ」と警鐘を鳴らした。同時に国民への弾圧を続ける国軍と少数民族武装勢力の緊張が高まっており、内戦につながる可能性も上昇していると警告した。

だが、国連の要求に安保理が応えるのは困難な情勢だ。中国やロシアなどミャンマーの内政問題だとする国々と欧米の理事国の意見の隔たりは続いている。中国の張軍国連大使は「一方的な圧力や制裁などの強制的な措置は緊張と対立をさらに高め、状況をさらに複雑にするだけだ」と述べた。

ロシアのポリャンスキー国連次席大使は記者会見で30日、「国軍に対して最終通告をしたい気持ちは分かるが、暴力行為を扇動することになる」と指摘し、「安保理は状況をさらに悪化させてはいけない」との見解を示した。

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ウクライナ情勢緊迫化に懸念 米軍トップ、ロシアと電話会談

『【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は31日、同省での記者会見で、「ロシアがウクライナ東部で侵略行為を強めている」と懸念を表明した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はロシア、ウクライナ両国の軍トップと電話で会談した。

「恐ろしいこと」に責任 カナダ首相もプーチン氏非難

 カービー報道官は「ウクライナ国境地帯でロシア軍に動きがあるという情報は承知している」と指摘。「緊迫化するウクライナ情勢やロシアによる停戦違反について、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協議している」と語った。
 一方、米軍はミリー統参議長のロシア側との会談について「共に懸念を有する議題について意見を交換した」と述べるにとどめた。ウクライナ側との会談内容は明らかにされていない。』

ロシア、対欧輸出に暗雲 脱炭素 資源大国揺さぶる 環境税で年6500億円損失も ガス管建設への米反対も鮮明に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR18AR20Y1A210C2000000/

 ※ こういう記事を読むと、「脱炭素」というものが、決して「温暖化対策」というだけの話しでは無く、「国家戦略」に基づいた「敵対陣営の封じ込め」策でもあることがよく分かる…。

 ※ そして、さらには、「敵対陣営」だけに向けられているものでは無く、「特定国の経済活動」を弱めようとするものでもあることにも、注意しておいた方がいい…。

 ※ おそらく、日本国も標的になっているはずだ…。

 ※ そういう中を、搔いくぐって、日本国の「国家戦略」を、策定・実行していく必要がある…。

『【モスクワ=石川陽平】資源大国ロシアの経済を支える対欧州輸出に暗雲が垂れこめてきた。バイデン米政権は欧州向け天然ガスパイプライン計画への反対の姿勢を鮮明にした。欧州連合(EU)が温暖化対策の不十分な国からの輸入品に対して導入する事実上の関税による損失は60億ドル(約6500億円)に達するとの試算もある。米国との対立激化と脱炭素化の潮流がガスや石油に依存するロシア経済を揺さぶっている。

「もし、これ…

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「もし、これ(ガスパイプラインの建設作業)が続くなら、制裁を科すかどうか決定を下す」。ブリンケン米国務長官は24日の記者会見で、ロシア産天然ガスを欧州に輸出するノルドストリーム2の完工を阻止する強い意思を強調した。前日のマース独外相との会談でも、建設に参加する欧州企業への制裁について警告したという。

バルト海海底を通ってドイツ北東部に至るノルドストリーム2は輸送能力が年550億立方メートルで、ロシア政府系のガスプロムが年内の完工をめざしている。事業にはドイツなど欧州企業も多数参加する。9割以上が建設済みだが、トランプ前米政権に続いてバイデン政権も強硬に反対し、事業の行方は一段と不透明になってきた。

バイデン政権はノルドストリーム2の阻止で「敵対国」とみなすロシアの勢力封じ込めを狙う。ロシアはほぼ同じルートで稼働済みのノルドストリームと合わせて、ガスプロムの対欧(トルコを含む)ガス輸出量の約半分を担えるようになるとの目算が外れ、欧州への資源輸出戦略の修正を迫られる可能性がある。

さらに、パイプライン以上に対欧輸出の打撃になりそうな問題が、EUが加速する「脱炭素化」だ。EUは23年までに規制が緩い国からの輸入品に対して生産時に出した二酸化炭素(CO2)の量に応じて関税や排出枠の購入義務を課す「国境炭素調整」を導入する方針だ。EU向けが輸出総額の4割を占めるロシア経済には痛手となる。

特に輸出総額の4分の3を占める石油など化石燃料と素材産業への悪影響が懸念される。有力紙・独立新聞は、EUの「国境炭素調整」導入による企業の損失額が年30億~60億ドルになる可能性があるとの試算を伝えた。危機感を募らせるロシアは官民ともに温暖化対策の強化を急ぎ始めた。

政府は2月中旬、「温暖化ガス排出規制法案」を基本承認した。CO2の排出量が多い企業に排出量の算出と報告を義務付け、排出削減への投資を促進するための法的基盤も定める。国内での本格的な排出枠取引にもようやく道を開く内容だ。

クリーンな次世代エネルギーとして注目される水素の輸出にも乗り出す。エネルギー省幹部は日本経済新聞に対し、2035年に年200万トンを生産し、欧州やアジアに輸出する目標を明らかにした。原子力会社ロスアトムなど各社が開発に着手し、対日輸出も検討している。

民間ではアルミニウム世界大手のルサールが、50年に事業活動から排出されるCO2を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を実現する目標を明らかにした。水力発電の利用を広げ、製造工程で炭素を使わない新たな技術も年内に開発する。鉄鋼大手のセベルスターリは30年までの排出削減計画の策定に着手した。

温暖化対策は石油や天然ガス企業にも広がる。石油大手ルクオイル幹部は50年までに「カーボンニュートラル」を達成する長期目標の策定に着手した。ガスプロムも30年までのCO2排出管理の工程表を策定したとしている。

ただ、EUの「国境炭素調整」は、脱炭素化がロシア経済に与える脅威の始まりにすぎないとの見方が出ている。

化石燃料の利用を減らす動きは環境保護に積極的なバイデン政権が誕生した米国や中国、日本などアジア各国でも加速してきた。将来、連邦予算の約4割を担う化石燃料部門の利益が減少すれば、資源の富に頼ってきたプーチン政権の統治モデルは揺らぎかねない。

プーチン氏は世界での化石燃料の利用停止について「これから30~50年は非現実的だ」と指摘するが、政権は警戒を強めている。ノワク副首相は20年12月、石油ガスの利用減少は避けられず「いまある資源の現金化(生産・販売の拡大)にもっと注意を向けるべきだ」と述べ、開発を急ぐよう焦りをにじませた。