ソ連クーデター未遂首謀者、死去

ソ連クーデター未遂首謀者、死去
オレク・バクラノフ氏、89歳
https://nordot.app/793440323854106624?c=39546741839462401

ソ連8月クーデター
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E9%80%A38%E6%9C%88%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC

『背景
ゴルバチョフの3代前の書記長レオニード・ブレジネフの政策は1970年代後半以降徐々に破綻をきたし、中ソ関係や米ソ関係のさらなる悪化を招いた。特に米ソ関係は1979年のアフガニスタンへの軍事介入で決定的に悪化し、デタントは消え去った。

ゴルバチョフ(左)とアメリカのロナルド・レーガン大統領

こうした状況の中で1982年にブレジネフが死去した。その後任となったユーリ・アンドロポフは病弱であったため、1年3ヶ月後の1984年に死去。さらにアンドロポフの後を継いだコンスタンティン・チェルネンコも病弱であり、書記長就任の翌1985年に死去した。チェルネンコの後任の書記長には54歳だったゴルバチョフが就任し、ペレストロイカ(再構築)やグラスノスチ(情報公開)といった国内改革を進めることとなる。

就任直後の1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故への対応を巡っては、ソ連指導層に混乱が生じた。事故を隠蔽すべきと考えていた保守派は、現場の自己保身に同調する形で、グラスノスチで情報公開を推し進める改革派のゴルバチョフに対して事故を過少報告した。ところが、スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所でRBMK由来の放射性核種が発見されたニュースがゴルバチョフに知られるに至り、隠し通せなくなった。だが必ずしもソ連の栄誉すべてをかなぐり捨てるつもりではなかったゴルバチョフは、調査に当たったワレリー・レガソフらと協議の末、「事故の事実は認めるが、RBMKの設計上の問題は認めない」という保守派にも改革派にも不満の残る対応をとった。レガソフは2年後にこれらの事実を踏まえた告発文を発表、また回顧録を肉声テープで残したうえ、自殺している。

こうした中、ソ連共産党内の改革派からボリス・エリツィンが台頭してくる。エリツィンはゴルバチョフが保守派と妥協していることを批判したため、1987年にモスクワ市党委第一書記を解任され、さらに1988年2月には政治局員候補から外される。保守派と改革派の対立の土台は1988年のゴルバチョフによる過去の政治批判によりできあがっていた。1988年10月にはアンドレイ・グロムイコ最高会議幹部会議長が辞任し、ゴルバチョフが兼任する。

翌1989年には改革派からはみ出した民主綱領派が結成され、エリツィンがリーダーとなった。これに刺激されるかのように1990年2月に保守派が政策集団「ソユーズ」を結成する。7月の党大会でゴルバチョフが書記長に再選されるが、エリツィンがゴルバチョフの書記長続投に反発し離党。1991年1月にソビエト連邦軍がバルト三国に軍事介入し13人の死者が出た。ソ連軍のバルト三国軍事介入に反発するソ連国民がゴルバチョフの退陣を要求するようになり、軍部に頼るようになったことで国民の支持という点での政権基盤が崩れつつあった。また、経済政策も行き詰まりつつあった。

経済政策の行き詰まりの原因はアメリカ合衆国にあった。アメリカのロナルド・レーガン大統領によるソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗するムジャヒディンの支援とスターウォーズ計画でソ連の軍事費はかさむ一方で、民需による技術開発がなされなかった。宇宙開発競争でアメリカをリードしたニキータ・フルシチョフ時代には「科学先進国」ともされていたソ連だったが、戦勝と資源投入によって得た技術的優位はこの頃にはすっかり失われ、日本やアメリカと比べると10年から20年は遅れている(西側ではどんな貧乏人でも買えるようなカセットテープレコーダーが、ソ連では高級官僚ですら入手不可能だった)という無残な状況となっていた。アメリカに融和的なゴルバチョフは軍民転換(コンヴェルシア)を掲げて従来の計画経済を改革しようとするも、マルタ会談での冷戦終結に伴う大規模な軍縮はアメリカと軍拡競争を行ってきた軍産複合体の既得権益を脅かすこととなり、クーデター側に軍需産業の代表が名を連ねる原因となった。

ゴルバチョフはエリツィンと4月に和睦し、ソ連邦の基本条約に調印した。しかし、ゴルバチョフ政権を支えていた軍部と保守派は、この動きに抵抗した。この頃、ソ連の国民世論はエリツィンら急進改革派支持に傾いていった。1990年4月にはエリツィンら急進改革派が結成した地域間代議員グループに所属するガブリール・ポポフがモスクワ市長に、1991年6月にはアナトリー・サプチャークがレニングラード市長に当選した(ポポフ、サプチャークは後にブレジネフの流れを汲む保守派と一線を画し、後に共産党を離党する)。また同年6月20日のロシア大統領選では、保守派が擁立したニコライ・ルイシコフ前ソ連首相がエリツィンに惨敗したことも保守派を追い詰め、クーデターを引き起こすきっかけとなった。

1991年8月20日に各主権共和国は独立した共和国として共通の大統領、外交、軍事政策下に連合するという新連邦条約に署名する予定だった。保守派は新連邦条約がいくつかの小さな共和国、特にエストニア、ラトビア、リトアニアといった国々の完全独立に向けた動きを促進するだろうという恐れから同条約に反対した。彼らは、新連邦条約は各主権共和国へ権力を過度に分散させすぎたものだと見なした。』

『経緯

クーデター前夜

1991年8月19日、ゴルバチョフ大統領と各主権共和国指導者が新連邦条約に調印する前日、「国家非常事態委員会」を称するグループがモスクワでの権力奪取を試みた。ゲンナジー・ヤナーエフ副大統領を始めとする保守派グループによる体制維持が目的の反改革クーデターはウラジーミル・クリュチコフKGB議長が計画し、ゴルバチョフの別荘の暗号名をとって「あけぼの作戦」とよばれた。委員会の8人のメンバーはヤナーエフ副大統領、クリュチコフKGB議長、ボリス・プーゴ内相、ドミトリー・ヤゾフ国防相、ヴァレンチン・パヴロフ首相、オレグ・バクラーノフ国防会議第一副議長、ワシリー・スタロドゥプツェフソ連農民同盟リーダー、アレクサンドル・チジャコフ国営企業・産業施設連合会会長であった。また、同委員会の正式なメンバーでは無かったが、アナトリー・ルキヤノフソ連最高会議議長は同委員会と密接な関係にあり、謀議に関与していた。

8月19日

前日の8月18日の午後5時頃ワレリー・ボルジン大統領府長官ら代表団がクリミア半島フォロス(ロシア語版)の別荘で休暇中のゴルバチョフに面会を要求、ヤナーエフ副大統領への全権委譲と非常事態宣言の受入れ、大統領辞任を迫ったがゴルバチョフはいずれも拒否、別荘に軟禁された。

国家非常事態委員会は8月19日の午前6時半にタス通信を通じて「ゴルバチョフ大統領が健康上の理由で執務不能となりヤナーエフ副大統領が大統領職務を引き継ぐ」という声明を発表する。反改革派が全権を掌握、モスクワ中心部に当時ソ連の最新鋭戦車であったT-80UDの戦車部隊が出動し[7]、モスクワ放送は占拠された。(当時、アナウンサーは背中に銃を突きつけられた状態で放送をしていたという[8])。

午前11時になるとエリツィンロシア共和国大統領が記者会見を行い「クーデターは違憲、国家非常事態委員会は非合法」との声明を発表する。エリツィンはゴルバチョフ大統領が国民の前に姿を見せること、臨時人民代議員大会の招集などを要求、自ら戦車の上で旗を振りゼネラル・ストライキを呼掛け戦車兵を説得、市民はロシア共和国最高会議ビル(別名:ホワイトハウス)周辺にバリケードを構築した。また市民は銃を持ち火炎瓶を装備、クーデター派ソ連軍に対し臨戦態勢を整えた。クーデターには陸軍最精鋭部隊と空軍は参加しなかった。

海外の反応

このニュースは世界各国にも伝わった。リビアのカダフィ大佐[9]、イラクのサダム・フセイン大統領[10][11]、セルビア(ユーゴスラビア)のスロボダン・ミロシェヴィッチ幹部会議長、パレスチナのヤーセル・アラファート議長は国家非常事態委員会の支持を表明した。

一方、アメリカ合衆国のジョージ・H・W・ブッシュ大統領は国家非常事態委員会を否定し、エリツィンとゴルバチョフらの改革派を支持した。イギリスのジョン・メージャー首相とフランスのフランソワ・ミッテラン大統領も同じだった。日本の海部俊樹首相は、ソ連内の情報ルートがなかったことによりクーデターの先行きを把握できなかったため、保守派が政権を奪取した場合を考慮しクーデター発生当初は態度を明確にしなかったが、後にクーデターを非難し、改革派への支持を表明した。

午後10時をすぎると戦車10台がエリツィン側に寝返った。1万人の市民がロシア最高会議ビル前に篭城した。KGBのアルファ部隊は保守派からロシア最高会議ビル奪取命令を下されたがそれに従わなかった。北部ロシアの炭鉱でも改革派を支持する労働者によるストライキが発生し、エストニアでは独立宣言が出された。レニングラードでは改革派のアナトリー・サプチャーク市長が市のコントロールを奪回した。

国家非常事態委員会の狼狽

翌8月20日12時頃、ロシア政府ビル前に市民10万人が集結し「エリツィン!、ロシア!、エリツィン!、ロシア!」のシュプレヒコールをあげた。労働者ストライキが全国で発生し、市民デモも多発。一部では流血事態が発生した。21日の午前0時になると戦車隊がロシア政府ビルへ前進、市民と衝突し火炎瓶を装甲車に投げつけるも、装甲車に飛び乗った市民を振り落とす等で3名が死亡する。午前4時頃、軍とKGBの150戦車隊の一部がバリケードの突破で小競合いとなる。ロシア側は発砲を許可し戦車2台を破壊、10数名の市民が死亡した。午前5時に国家非常事態委員会は戦車部隊の撤収を決定。交渉により軍は当面事態を静観すると確約する。午前11時頃、ロシア最高会議は国家非常事態委員会に対して夜10時までに権力の放棄を求める最終通告を行う。この通告に動揺したせいかは定かではないが国家非常事態委員会の一部メンバーが辞任を表明、ヤナーエフ副大統領は飲酒の果てに泥酔して執務不能の状態にあった。午前11時40分、国家非常事態委員会の実質的リーダーであるクリュチコフKGB議長がエリツィンにゴルバチョフ大統領との話し合いを申し出る。ロシア最高会議はイワン・シラーエフ首相を代表に任命、ゴルバチョフ救出のためクリミアに派遣することを決定した。

クーデター失敗と共産党の失墜

午後1時53分、エリツィンはクーデターが未遂に終わったことを宣言した。午後2時になると国家非常事態委員会のメンバーがソ連国内から逃亡を始め(プーゴ内相は拳銃・アフロメーエフ元参謀総長は首吊り自殺)、エリツィンはメンバーの拘束指令を発する。午後4時20分にはヤゾフ国防相が全部隊のモスクワへの撤退命令をニュース放送で行う。午後4時55分にロシア代表団がクリミア半島に到着してゴルバチョフと面会、午後9時にはモスクワ放送が復活した。

8月22日の午前2時55分に攻撃を避けるための人質としてクリュチコフを帯同したゴルバチョフが搭乗したアエロフロートの特別機がモスクワのブヌコヴォ空港に到着した。クーデターの関係者は逮捕されたが、その首謀者たちはゴルバチョフの側近だったため、皮肉にもゴルバチョフ自身を含むソ連共産党の信頼は失墜していた。午後0時にエリツィンはクーデターに対する勝利宣言を行う。これには市民20万人が参加したが、ゴルバチョフが姿を見せることはなかった。夕方にゴルバチョフは外務省のプレスセンターで記者会見を行う。同日夜になると、モスクワ中心街で共産党の活動禁止を要求するデモが行われた。

ソ連共産党解体

翌日の8月23日、ゴルバチョフはロシア最高会議で今後のソビエト連邦と共産党に関する政見演説を行うが、議員たちは彼の演説に耳を傾けることはなかった。エリツィンはソ連共産党系のロシア共産党の活動停止を命じる大統領令に署名を行う。翌8月24日、ゴルバチョフはソ連共産党書記長を辞任、資産を凍結し党中央委員会の自主解散を要求。ロシアはエストニアとラトビアの独立を承認した。

クーデターからおよそ10日後の8月28日、ソ連最高会議の臨時両院(連邦会議・民族会議)合同会議がパヴロフ首相の不信任案を可決し、共産党の活動全面停止を決定。クーデターを支持した「プラウダ」等の共産党系新聞5紙が発禁処分となった。また、クーデターを支持したとしてタス通信やノーボスチ通信の社長も解任された。

余波

エリツィン(右)とアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領(左)

クーデターの後、新連邦条約についての交渉がまた新たに始まった。ソ連およびアメリカは、9月にバルト三国の独立を承認。ゴルバチョフはモスクワ帰還後数か月の間、なおも政権の安定と合法性を取り戻す為の努力を行ったがそれは不発に終わることとなる。11月に7共和国が主権共和国連邦結成の条約に合意したが、ソ連内でも有数の工業国であるウクライナが参加しなかったため、エリツィンはロシアの利益を優先し合意を破棄した。エリツィンはロシアが他の共和国の厳しい経済に対する責任を負うことになると考えたため、ロシアの新条約への参加は考えられなかった。ソ連共産党が存在しない状態では、もはや連邦を構成する共和国を協調させることはできなかった。

12月8日にエリツィンおよびベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ最高会議議長、ウクライナのレオニード・クラフチュク大統領が、ベラルーシのベロヴェーシの森の旧フルシチョフ別荘で秘密裏に会合をもった。ここで彼らは、3国がソ連邦を設立した1922年の連合条約からの離脱と、独立国家共同体(CIS)を創設に合意した(ベロヴェーシ合意)。中央アジア、アルメニアおよびアゼルバイジャンの5共和国を含め独立国家共同体を拡張するための署名式は、12月21日にアルマアタで執り行われた。他方グルジアは、ゴルバチョフの親友であったエドゥアルド・シェワルナゼがグルジア大統領となる1993年(ただし、1992年に国家評議会議長に就任しており、正式に大統領となったのは1995年)まで、これに参加しなかった。

構成国の相次ぐ独立により、ソビエト連邦は1991年12月25日に消滅した。ゴルバチョフが1985年12月25日にエリツィンをモスクワ市党委員会第一書記に任命してからちょうど6年後のことだった。

インターネットによる変革の先駆け

この8月クーデターが失敗に終わった原因として、当時はまだ普及していなかったインターネットがもたらしたとAFPは分析している[12]。

放送局も新聞社も保守派によって占拠され情報統制されている中、エリツィン率いる改革派は打つ手なしだった。しかし1990年に、当時ソ連の専門家が開発していた電子メールシステム「RelCom」から、電子ファイルを電話回線を用いてフィンランドに送信する際、何らかの原因でUsenetに漏洩していたという経緯があった。そこでまず誰かがエリツィンの声明をファックスで受け取り、このネットワークを介して西側諸国に流した。

西側のテレビが情報源を明らかにしたにもかかわらず、KGBは全く動かなかったという。クーデターの数週間前にはKGBがRelCom制作チームのオフィスに乗り込んだものの、モデムなどの役割がわからず、機材の押収やメンバーの逮捕なども行なわずに立ち去っていた。

クーデターから数ヶ月後に、RelCom制作チームの一人から事の次第を知ったエリツィンが、「新聞もラジオもテレビも機能していなかった。それでも国民は(自分の声明を)知っていた。君たちのおかげだったのか!」と驚き感謝している。』

[FT]内向き強めるプーチン氏

[FT]内向き強めるプーチン氏
脱炭素、石油・ガス輸出に打撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB195JC0Z10C21A7000000/

『高炭素鋼は強いがもろく、非常に硬くても衝撃が突然加わると折れたりする。低炭素鋼は弾力があるため曲がりやすいが、折れにくい。権威主義と民主主義の政府を比較する際、この2つの金属を使った例え方は、2つの体制の対照的な特徴を説明する上でわかりやすいのではないだろうか。

プーチン氏が唯一懸念していることは、自身の権力を維持できるかどうかだ=AP
世界の豊かな民主主義国の政治は最近、力ずくでゆがめられてきた。米国をみると、共和党が投票を制限しようと法整備を進めようとしており、トランプ前大統領時代のゆがみがまだ残っていることが分かる。

欧州では、ポピュリスト(大衆迎合主義者)が民主主義の重要な要素である多様な価値観と規範の尊重に対して様々な攻撃を仕掛けている。

だが、どれほどゆがめられても、民主主義の制度機構は政権交代によって打撃に耐えており、折れないしなやかさを持っていることが証明されている。

一方、独裁国家をみてみると、ロシアのプーチン大統領は今もクレムリン(大統領府)の主だ。トルコのエルドアン大統領も、首都アンカラにあるベルサイユ宮殿のような豪華な大統領官邸で暮らし続けている。

そして中国・北京では、事実上の皇帝である習近平(シー・ジンピン)国家主席が、西側諸国が設計した国際秩序を取り壊そうと、対立的な姿勢を一層強めている。

政治弾圧の正当化へ外敵が不可欠

だが、権勢が全盛を誇っているようにみえても、突如無力になるのが、独裁者による支配の特徴だ。

ある英国人外交官がかつて、英外務省のソ連担当部門で見習いとして務めていたころの話をしてくれたことがあった。それは1980年代初頭のことで、ソ連は軍事的には絶頂を極めているようにみえた。

西側から見ると、ソ連の計画経済体制は持続不能に思えた。その一方で、ソ連国内で計画の行方に口をはさむ人はおらず、体制は永遠に続くと想定されていた。

プーチン体制のロシアは、ソ連のように崩壊するのか、それとも永続するのか。西側諸国の見解は割れている。

ロシア政府は今月、「国家安全保障戦略」の改訂版を公表した。クレムリンの世界観に多少なりとも興味を持ったことがある人にとっては、全体的な要旨はなじみがあるものだ。

国家主義の独裁者は、国内での政治弾圧を正当化するために海外に敵を作らざるをえない。ロシア大統領は以前から、西側諸国を自分の敵だとみなしてきた。

国家安全保障戦略は、窮地に立つロシアは敵対的な米国と北大西洋条約機構(NATO)同盟国に包囲されている、と記している。

さらに、敵対勢力(米国など一部の国は今、正式に「非友好国」に指定されている)が軍隊をロシア国境付近へ移動させている。米政府は国際的な経済力を駆使してロシアを攻撃している。西側諸国にとって、経済制裁はロシアの主権・領土を脅かす重要な手段である――などと説明している。

また、脅威は軍事的、経済的なものにとどまらず、攻撃はロシアの文化・文明に対するものでもあるとも論じている。

西側諸国は、「ロシア連邦の国民の伝統、信念、意見に反する」社会観、倫理観を世に広めている。だから西側が広めようとしているイデオロギーと価値観から国を守らなければならない、というわけだ。

1980年代の再来というには時期尚早

当然だが、こうした分析をみると、プーチン氏が西側との関係を根本的に変えようとはしていないことがわかる。スイスのジュネーブで6月に開かれたバイデン米大統領との首脳会談で、米ロ関係は仕切り直しとなったかもしれないが、関係は完全にリセットされたわけではない。

さらに、ロシアの有力シンクタンク、カーネギー財団モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長は、ロシアのこの最新の国家安全保障戦略に一つ重要な事項が追加されたことに気づいた。脅威が国外のみならず、国内にもあると認識するに至っている点だ。

ここには、厳しい経済状況、石油・ガスに大きく依存している経済構造、減少傾向にある人口、他国と比べて遅れている技術などが含まれる。トレーニン氏の見立てでは、「国内の社会問題や地域格差、経済格差などが際立つなか、ロシアの指導部には今、内向きにならざるを得ない理由が山積している」と言う。

さらに、政府中枢にまで広がっている汚職を加えると、収監されている反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対してプーチン氏が不安を抱く理由がわかる。国民の生活水準の低下だけでなく国家の汚職まで海外のせいにすることはできないのだ。

また、外貨獲得で石油・ガス輸出に依存していることもあり、世界各国が進めつつあるエネルギーの脱炭素化は、今後ロシアの国庫に入る収入がしぼんでいくことを意味する。

こうなるとつい、1980年代の再来かと考えたくもなる。つまり、体制に入ったひびがさらに広がり、ソ連のように崩壊する日がくるのではないか、ということだ。

筆者の考えでは、そうみるのは時期尚早だ。プーチン氏が唯一懸念していることは、自身の権力を維持できるかどうかだからだ。

自身の地位を守るためなら、プーチン氏は喜んでロシアの未来を盗むような行為にも手を染めるだろう。習氏の中国と手を組むことがこれにあたる。なにしろ、ロシアがその代償を払うころには、プーチン氏はもういなくなっている。

独裁国家、崩壊するまで形とどめ続ける

だが、世界の権威主義的国家の軌道が定まっていて変わらないと思い込むことも、体制が崩壊間近だと考えるのと同じくらい間違っている。

現代における「ポチョムキン村(帝政ロシア時代、体面を保つために作られた張りぼての村)」を作るような国の独裁者は、自分の支配のもろさをよく理解しているからだ。

「習皇帝」にとって、弾圧は統制の道具だが、同時に体制転覆をどれほど恐れているかも示している。こうした独裁国家は、どのタイミングで崩壊するかが最大の課題だ。しかし、こうした国は高炭素鋼のように、パキッと音を立てて折れる瞬間まで、その形をとどめ続けるのだ。

By Philip Stephens

(2021年7月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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モルドバ議会選 親欧米派政党が勝利

モルドバ議会選 親欧米派政党が勝利
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR111NB0R10C21A7000000/

『【モスクワ=石川陽平】旧ソ連南西部のモルドバで11日、議会選(定数101)が実施され、即日開票の結果、サンドゥ大統領が創設した親欧米派政党「行動と連帯」が過半数の議席を獲得して勝利することが確実になった。親ロシア派から議会での主導権を奪い、大統領を支えて欧州への統合の進展をめざすことになる。

サンドゥ大統領は12日未明までに、交流サイト(SNS)のフェイスブックを通じて「投票所に来て、モルドバの民主主義強化のために力を貸してくれた人々に感謝する」とコメントした。できるだけ早く政府を発足させる考えも表明した。

議会選は政党別の比例代表制で実施され、任期は4年。中央選挙管理委員会によると、開票率約90%の時点で「行動と連帯」の得票率は47%となり、過半数の議席を獲得する可能性が出てきた。親ロ派の社会党と共産党の政党連合は31%にとどまっている。保守派政党「ショル」も6%を超え、議席を得る見通しだ。

モルドバは人口約310万(出稼ぎ労働者を除く)の小国だが、米欧とロシアが勢力争いをしてきた地政学的要衝にある。2020年11月の大統領選ではサンドゥ氏が親ロ派のドドン前大統領に勝利し、同国初の女性大統領に就いた。21年4月に親ロ派が多数を占める議会の解散に踏み切った。』

親EU対親ロシア激突 モルドバで総選挙
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM112FS0R10C21A7000000/

『【キシニョフ=AFP時事】旧ソ連構成国の一つ、東欧モルドバで11日、総選挙(定数101、任期4年)の投票が行われた。昨年11月の大統領選で、親ロシア派のドドン前大統領を破った親欧州連合(EU)のサンドゥ現大統領が4月、親EU派の基盤強化を狙い議会を解散していた。自称独立国家の東部「沿ドニエストル共和国」からロシア軍撤収を呼び掛けるサンドゥ氏とロシアの関係は緊迫している。

首都キシニョフの投票所で、サンドゥ氏の与党「行動と連帯(PAS)」に入れたというナタリヤさん(29)は「ロシアの金で権力に居座る泥棒たちをいつか追い出して、誠実に国に奉仕する人を選ぶ日が来ると希望を抱き続けてきた」と語った。一方、ドドン氏が率いる親ロ派に投票したリュドミラさん(70)は「共産主義時代は秩序があった」とソ連時代を懐かしんだ。』

脱炭素へプーチン氏の深謀

脱炭素へプーチン氏の深謀 課税警戒も探る商機
上級論説委員 坂井光
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK022FB0S1A700C2000000/

『世界が脱炭素に大きくかじを切るなか、産油国が対応を余儀なくされている。サウジアラビアは太陽光や風力など再生可能エネルギーへの投資を始めた。そんななか石油生産3位(2019年)、温暖化ガスの排出量4位のロシアが独自の道を歩み出している。』

『「ロシアの温暖化ガス排出量(二酸化炭素=CO2=換算)は1990年の31億トンから16億トンに半減した」「地球規模の問題の解決に向けた国際協力を強化する」――。今年4月、米バイデン大統領が主催した気候変動に関する首脳会議(サミット)で演説したプーチン大統領は自国の積極的な取り組みと協調姿勢をアピールした。』

『かつては「石器時代に後戻りする」と石油離れを皮肉り、環境活動家らに翻弄される西側指導者にも冷ややかだったプーチン氏。何が変わったのか。』

『大きなきっかけは、欧州連合(EU)が環境対策に後ろ向きな域外諸国を対象に導入を検討している「国境炭素税」だ。詳細は未定だが、アルミ、鉄鋼などを輸出するロシアは最も多くの税を納める国になる可能性がある。その額は米S&Pグローバルの試算では年最大60億ユーロ(約8000億円)になるという。

国際的に孤立していたプーチン氏がサミットで演説し、6月にはバイデン氏との会談を実現したのもロシアの立場を示す必要があったのだろう。EU首脳との会談が実現していないのは誤算かもしれないが、今後は独仏などとの直接交渉に乗り出すに違いない。』

『EUとの交渉をにらみロシアが唱え始めたのが、森林の吸収効果だ。同国には世界の森林面積の約2割が存在する。それを念頭にプーチン氏は「生態系による吸収能力はCO2換算で年間推定25億トンに及ぶ」と環境問題への貢献を強調している。

「これはロシアが享受すべき『排出権』に等しく、炭素税を課される筋合いはないという論理」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構=JOGMEC)だ。現存する森林による吸収は、新規の削減にはつながらない。認められる可能性は低いが、ロシアはEUの譲歩を引き出す戦略だろう。』

『EUの炭素税に危機感を示すロシア。ただ、歳入の約4割を石油・ガス産業に依存し、産業構造の転換も進んでいないだけに、脱炭素を巡る立場は欧州とは異なる。』

『プーチン政権が2020年に11年ぶりに改定したエネルギー戦略。そこでは18年実績に比べた35年の化石燃料の生産予測を次のように定めた。▼石油 横ばい~12%減▼天然ガス 18%増~38%増▼石炭 10%増~52%増

減少を見込む石油も、補助金などで開発を支援する北極圏での生産が国内生産の17%から26%に高まる。できるだけ生産を維持するため投資は続けるという判断だ。

その意味するところは、プーチン氏の盟友でもある国営石油会社のセチン社長の度重なる発言にうかがえる。「再生可能エネルギーだけでは世界の需要をまかないきれない。石油・ガスには新たな開発の可能性がある」

願望を含むかもしれないが、脱炭素社会がそんなに急速に実現するのかという懐疑心が背景にある。あわよくば石油価格の上昇やシェアの拡大につなげる思惑がある。』

『一方で、プーチン氏はエネルギー戦略に急きょ、新エネルギーとして期待される水素を盛り込んだ。現在、世界で生産される水素の約8割が天然ガスを原料とするだけにロシアには優位性がある。さらに、原子力発電を利用した水素生産も視野に入れ、日本への供給も目指している。

その原発もロシアは輸出に積極的だ。今年に入り中国、インドで新規建設が始まった。日本や米国が原発技術や人材を失いつつあるなか、着実にシェアを拡大している。

弱点は太陽光や風力など再生可能エネルギーの技術で大きく出遅れていることだ。実際、国内の発電量シェアはほぼゼロで、電気自動車も普及していない。

脱炭素に戸惑いながらも、新たな商機を探るロシア。その成否はプーチン体制だけでなく国の命運を左右する。』

ロシアとの関係を考慮?韓国、米国が要請した黒海連合海上訓練に「不参加」表明

ロシアとの関係を考慮?韓国、米国が要請した黒海連合海上訓練に「不参加」表明=韓国ネット「正しい判断」
https://news.livedoor.com/article/detail/20415407/

『2021年6月23日、韓国・MBNによると、米国が黒海でウクライナ海軍と実施する連合海上訓練に韓国を招待したが、韓国国防部は「不参加」の立場を示している。

記事によると、今回の訓練は32カ国から約5000人の兵力、32隻の艦艇、40機の航空機が参加し、上陸作戦、陸上機動作戦、水中浸透作戦、対潜水艦作戦、捜索・救助作戦が実施される。世界各地で発生し得る戦場の状況に対応することを目的とするため、参加する戦力の規模は過去最大だという。

米海軍は21日(現地時間)に発表した資料で韓国を参加国として明記したが、韓国の国防部と海軍は「参加・参観の計画はない」と明らかにした。

韓国が参加要請を拒否した理由について、記事は「ロシアとの関係など朝鮮半島の戦略的環境を考慮した。さらに黒海まで艦艇を送る条件も整っていないため」と分析している。軍事専門家らは同訓練を「軍事活動を強化するロシアをけん制するための措置」とみているという。

これに韓国のネットユーザーからは「いい判断。大国のけんかには関わらないのが一番」「シベリア横断鉄道など韓国の北方政策に致命的だ。不参加が正しい」「黙っていれば中立の立場にいられる」「日本と中国、そして北朝鮮をけん制するためにはロシアとの協力が米国と同じくらい大切」「韓国がそこまで行く理由は全くない」「外交とはこうやって行うものだ」など、韓国政府の決定に賛同する声が数多く上がっている。一方、一部では「仲間外れになる」「素晴らしい経験ができる機会を逃した」と指摘する声も見られた。(翻訳・編集/堂本)』

ウクライナ情勢緊迫化に懸念 米軍トップ、ロシアと電話会談

『【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は31日、同省での記者会見で、「ロシアがウクライナ東部で侵略行為を強めている」と懸念を表明した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はロシア、ウクライナ両国の軍トップと電話で会談した。

「恐ろしいこと」に責任 カナダ首相もプーチン氏非難

 カービー報道官は「ウクライナ国境地帯でロシア軍に動きがあるという情報は承知している」と指摘。「緊迫化するウクライナ情勢やロシアによる停戦違反について、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協議している」と語った。
 一方、米軍はミリー統参議長のロシア側との会談について「共に懸念を有する議題について意見を交換した」と述べるにとどめた。ウクライナ側との会談内容は明らかにされていない。』

プーチン氏、旧ソ連の「勝利」美化 政治の道具に

プーチン氏、旧ソ連の「勝利」美化 政治の道具に
編集委員 池田元博
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH0282H0S1A300C2000000/

『ロシアのプーチン大統領が旧ソ連の歴史を美化しようと懸命になっている。国内には超大国だったソ連に郷愁を覚える人々がいまだに多い。プーチン氏の支持率が低下傾向にある中、国民の愛国心を鼓舞し、権力基盤の維持につなげようとする政権の思惑が透けてみえる。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。 https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/

「大祖国戦争におけるソ連国民の勝利を不朽化せよ」。ロシアでは第2次世界大戦の対独戦を大祖国戦…

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ロシアでは第2次世界大戦の対独戦を大祖国戦争と呼ぶ。プーチン氏は議会に対し、6月末までに法案を準備するよう求めている。

3千万人近い犠牲者を出しながらナチス・ドイツに勝った戦争は、ロシア人にとってソ連時代の誇るべき歴史だ。プーチン政権も5月9日の対独戦勝記念日を大々的に祝い、国威発揚の場としてきた。ただ単に戦勝を誇示するなら、いまさら新たな法律をつくる必要はない。

実はプーチン氏が法案に盛り込むよう求めた項目がある。第2次大戦でのソ連とナチス・ドイツの役回りについて「同一視」することを禁じる条項だ。

欧米では、ソ連とナチス・ドイツが1939年8月に結んだモロトフ・リッベントロップ協定と呼ばれる不可侵条約が第2次大戦の引き金になったとの見方が一般的だ。独ソが秘密議定書でポーランド分割を含めた東欧・バルト地域の勢力圏を取り決め、ドイツがポーランドに侵攻して大戦の火ぶたが切られたからだ。プーチン氏は欧米流の歴史観を見直し、ソ連の開戦責任を否定して大祖国戦争を完全に美化する狙いを持っているとみられる。

プーチン氏は昨年、自ら第2次世界大戦に関する論文を公表し、ソ連の責任を否定するような主張を繰り広げた(2月下旬撮影)=ロイター
ソ連の開戦責任論を振り払おうとするプーチン氏は昨年6月、「偉大な勝利から75年――歴史と未来に対する共通の責務」と題する論文を内外で発表した。昨年末には、当時の外交文書や公電などを注釈として加えた小冊子も発行。第2次大戦は「第1次大戦の戦後処理が多分に要因となった」と主張し、敗戦国ドイツに「実質的な国家収奪」ともいえる過剰な賠償金を科したベルサイユ条約を問題視した。

さらに1938年9月のミュンヘン会談でドイツによるチェコスロバキアの地方割譲を認めた英仏、チェコスロバキア分割でドイツと手を組んだポーランドの対応も開戦を誘発したとの見方を示した。

過去にはプーチン氏自身が「独ソの不可侵条約は当然、非難されるべきだ」とし、開戦責任の一部を認めたこともある。ここにきての路線修正について、ロシアの歴史学者イワン・クリラ氏は「プーチン氏にとって歴史は、国民感情を刺激する政治の道具」と警鐘を鳴らす。国民の愛国心をくすぐり、政権の求心力を維持しようとしているとの見立てだ。

それだけではない。政権は「歴史」を反政府勢力の排除にも利用し始めている。まず標的にされたのは政権による毒殺未遂疑惑で内外の注目を浴び、プーチン氏の最大の政敵となった反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏だ。

同氏は過去の事件の実刑判決で刑務所に収監中だ。だが、モスクワの裁判所は2月末、大祖国戦争に従軍したある退役軍人の名誉を傷つけたとして、ナワリヌイ氏に85万ルーブル(約120万円)の罰金支払いを命じた。

この退役軍人は昨年、プーチン氏の大統領再選に道を開く憲法改正を支持するテレビCMに出演。ナワリヌイ氏はツイッターに「裏切り者」「国家の恥」などと非難する書き込みをしていた。

そのナワリヌイ氏がプーチン氏の汚職疑惑を指摘したこともあり、国民のプーチン人気には陰りが見え始めている。政権は次なる政権浮揚策として、「歴史」の政治利用を一段と強めるとみられる。

ただ、行き過ぎた懐古主義は国内を不安定にするリスクをはらむ。首都モスクワでは、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の前身の秘密警察を創設したフェリクス・ジェルジンスキーの銅像を、KGB本部のあったルビャンカ広場に復活すべきかで騒動が起きた。

保守勢力の要請で2月下旬には、オンライン形式の住民投票が始まったが、ソビャニン・モスクワ市長は「社会分裂の火種になる」と投票中止を決めた。住民投票は中止までの2日間で30万人以上が参加。中世ロシアの英雄アレクサンドル・ネフスキー大公との二者択一で、約45%がジェルジンスキー像の復活を支持したという。

モスクワで、倒されたKGB創設者ジェルジンスキーの像の頭部を踏みつける人々(1991年8月)=AP・共同

ルビャンカ広場のジェルジンスキー像はソ連末期、保守派クーデターの失敗直後に民主化を求める市民によって倒された経緯がある。今回、ソ連の暗い歴史で粛清の象徴とされる同氏の像をめぐり、肯定派と否定派がほぼ拮抗する事態にプーチン政権は市民の間で対立が深まりかねないとみて、側近のソビャニン市長に投票中止を命じたとみられる。

プーチン氏が進めるソ連の美化は、欧米との対立を深めるだけでなく、国内でも社会分断を助長しかねない。

アルメニア内政混乱、軍が首相に辞任要求

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25EJ40V20C21A2000000/

 ※ 負けると、どこもこういう体たらくになる…。

 ※ 特に、下記の記事にもある通り、「ロシア製の防空ミサイル体制は、鉄壁だ。」みたいな前評判だったらしい…。

 ※ 何事も、「絶対」「完璧」「100%」なんてものは、存在しない…。

『【モスクワ=小川知世】旧ソ連のアルメニアでパシニャン首相の進退をめぐって内政が混乱している。軍参謀総長らが25日に辞任を要求し、パシニャン氏は「クーデターの試みだ」と参謀総長の解任を提案した。同国では2020年にアゼルバイジャンとの紛争に敗北してから首相への退陣要求がくすぶっており、緊張が高まる可能性がある。

パシニャン氏は同日の演説で、クーデターは「国民が許さない」と述べ、事態は統制下にあると強調した。国防省からも軍は政治的なプロセスに関与すべきではないとの声明が発表された。

首都エレバンではパシニャン氏の支持者と、辞任を訴える野党の支持者らそれぞれ数千人が集会を開いた。野党側は議会で首相の弾劾を協議する臨時会議の招集が認められなかったなどとして、抗議継続を呼びかけた。

辞任要求はガスパリャン参謀総長ら約40人の軍高官が声明で発表した。「首相は危機的な状況で適切な判断を下せない」などと批判した。現地報道によると、警察高官からも首相辞任を支持する意見が出ている。

背景にはアゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフをめぐる紛争で、アルメニアが事実上の敗北に追い込まれたことへの不満がある。パシニャン氏は紛争時にロシア製の短距離弾道ミサイルが十分に機能しなかったと釈明していたが、これに疑義を示したとされる軍高官が24日に解任され、参謀総長らが反発した。

アルメニアと軍事同盟を結ぶロシアは動向を注視している。プーチン大統領は25日にパシニャン氏と電話協議し、法に基づいて状況を解決するように促した。「内政問題」(大統領報道官)と一方への肩入れは避けつつも、対ロ関係に悪影響を与えないかを見極めるとみられる。

アルメニア系住民がアゼルバイジャンからの独立を主張するナゴルノカラバフ地域をめぐる紛争は20年に再燃した。アルメニア側は苦戦し、実効支配地域の大半をアゼルバイジャンに引き渡す内容で11月に停戦合意した。野党側はロシアから支援を引き出せなかったなどとして、パシニャン氏に敗北の責任があると非難していた。

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アルメニア首相の失言にロシア激怒、政治的にも道徳的にもミサイルを扱う資格はない
https://grandfleet.info/european-region/russia-rages-at-armenian-prime-ministers-misrepresentation/

『アルメニアがロシアから調達した短距離弾道ミサイル「イスカンデル」は変則軌道で目標に接近するため通常の弾道ミサイルよりも迎撃が難しく、アゼルバイジャン軍に対して人員や装備面で劣勢なアルメニア軍にとって切り札的な存在だったのだが、これをナゴルノ・カラバフ紛争の初期段階から使用しなかったことをサルキシャン大統領に咎められたパシニャン首相は「イスカンデルは役に立たなかった」という趣旨の発言を行いロシアを怒らせてしまった。』

『すでに複数の露メディアがパシニャン首相の発言を報じて「国内の政治闘争にロシア製兵器を持ち出してイスカンデルを性能を貶めるな」と言っているが、旧ソ連空軍の元大佐でロシア国防省の公会議メンバーとしても活動を行い現在は軍事評論家として活躍しているイゴール・コロチェンコ氏は「アルメニアの政治対立に否定的な意味合いでロシア製兵器を持ち出されたことは非常に悲しい、ロシアがアルメニアに供給したイスカンデルミサイルを含むロシア製兵器は非常に効果的な21世紀戦争の道具だ」と述べている。

さらにコロチェンコ氏は「アゼルバイジャンとの戦いで負けた責任をロシアに負わせるのではなくプロフェッショナリズムの観点から見てアルメニア軍の準備は十分だったのか自問自答する必要があり、このような行動はロシアのパートナーとしてだけでなくCSTO(ロシア主導の集団安全保障条約機構)のメンバーとしても相応しくない。特にパシニャン首相のレトリックは誤りであるだけでなくロシアに対する敵対的言動だ」と強烈に批判した。』

鳥インフルH5N8亜型、ヒト感染確認 世界初とロシア

※ また、新たな「感染症」の発生か…。ヤレヤレだ…。

※ まだ、ヒトーヒト感染の事例は、報告されていないようだが…。

『【モスクワ時事】ロシア衛生当局は20日、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)について、世界で初めて鳥からヒトへの感染を確認したと発表した。ヒトからヒトへの感染は確認されていない。

 H5N8亜型は欧州や日本でも鳥からの検出例が相次いでおり、警戒感が強まっている。保健当局高官によると、ロシア南部の養鶏場で昨年12月に7人が感染した。現在は回復している。ロシアの研究機関が感染を確認し、世界保健機関(WHO)にも報告したという。』

ロシア経済5年ぶりマイナス成長、抗議拡大が回復に影

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29DY40Z20C21A1000000

 ※ 日本経済のGDP予測は、大体、「-5~-5.5%」というものが多い…。

『【モスクワ=小川知世】ロシア経済が低迷からの脱却が見通せなくなっている。2020年は5年ぶりのマイナス成長だった。大幅な悪化は回避し、政権は国主導で回復を目指すものの、消費の回復は鈍い。反体制派ナワリヌイ氏の拘束を機に広がった抗議の取り締まりに欧米は非難を強めており、対ロ制裁強化への懸念も逆風となっている。

連邦統計局が1日に発表した20年の実質国内総生産(GDP)は前年比3.1%減だった。新型コ…

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新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限や原油安が響いた。マイナス成長はウクライナ問題をめぐる欧米の対ロ制裁の影響が出た15年(同2%減)以来となった。

減少幅は経済発展省が予測した3.8%減より小さかった。国際通貨基金(IMF)が10%のマイナス成長を見込む英国など欧州に比べても打撃は限定的だった。悪影響を受けやすいサービス業や中小企業が経済に占める割合が小さく、軍需、資源産業などへの制限措置が厳しくなかったことが理由とされている。

子育て世帯や雇用対策に重点を置いた支援策や、最大の貿易相手国である中国の経済回復も寄与した。プーチン大統領は「ほかの先進国より経済の落ち込みは少ない」と成果を強調していた。

21年の実質GDPは経済発展省が3.3%増、IMFが3%増と予測する。政権はインフラ投資などを定めた30年までの国家事業を軸に、国主導で経済回復を目指す構えだ。プーチン氏は1月27日の講演で「さらなる経済発展は主に予算による刺激に基づくだろう」と述べた。

プーチン氏は国家主導で経済回復を目指す構えを示した(1月27日、モスクワ)=ロシア大統領府提供・ロイター

一方で財政の安定を優先させる姿勢も崩していない。連邦予算では21年にGDP比2.4%、22~23年も1%台の財政赤字を計画する。3年ぶりの財政赤字に転じた20年も同3.8%に抑えた。海外での資金調達を困難にする制裁強化や原油安など外部的な不安要因に備える狙いとみられる。

実質所得は20年に前年比3.5%減とコロナ前から低迷が長期化する。コロナ対策は縮小が予想され、個人消費の大幅な回復は見通せない。ロシアのシンクタンク政治技術センターのニキータ・マスレニコフ氏は「財政政策による効果は限られる。民間投資が伸びない構造が変わらなければ経済停滞が続く」と指摘する。

制裁強化への懸念が外国からの投資を減少させることも考えられる。ナワリヌイ氏の拘束や、釈放を訴える抗議デモの参加者の大量拘束を受け、欧米は批判を強めている。欧州連合(EU)は対ロ制裁の強化を示唆し、ナワリヌイ氏の陣営は政権関係者35人に制裁を科すようにバイデン米大統領に求めた。

ナワリヌイ氏の毒殺未遂疑惑やロシアに厳しい姿勢を示すバイデン政権の発足などをにらみ、金融市場でのロシア経済への信頼は低下していた。中銀によると、20年の資本流出は478億ドル(約5兆円)と前年から倍増。企業への外国からの直接投資は14億ドルと20分の1に急減した。

経済低迷への不満も背景に抗議が広がった(1月31日、サンクトペテルブルク)=AP

経済低迷による生活の悪化は抗議拡大の一因でもある。1月末の抗議デモに参加した女性(18)は「お金が国民に行き渡らず、貧しい人々が置き去りにされている」と述べ、政権周辺が利益を独占していると不満をあらわにした。9月に下院選、24年に次期大統領選を予定し、政権とって支持確保は急務となる。プーチン氏は経済面でも難題に直面している。

ロシア20年GDP3.1%減、コロナで消費振るわず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01C8C0R00C21A2000000

『【モスクワ=小川知世】ロシア連邦統計局は1日、2020年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年比3.1%減だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限や原油安が響き、GDPの約半分を占める消費も振るわなかった。政府はワクチンの接種を進め、経済の回復を急ぐ。

通年の経済成長率が前年比でマイナスとなるのはウクライナ問題を巡る欧米の対ロ制裁の影響が出た15年以来。産業部門別ではホテルや外食、運輸、鉱業などが大きく落ち込んだ。経済発展省は21年の実質GDPが前年比3.3%の増加に転じると予測している。

ロシアは国産ワクチンを最終段階の臨床試験の完了に先立って承認し、18歳以上の全ての希望者に対象を広げた大規模接種を1月に始めた。政府は21年中に国民の60%が接種を受けられるとしている。同国の感染者は1日1万8000人前後のペースで増えている。

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海軍だけでなく、経済的苦境もロシア人を抗議に駆り立てる

『(※ Google翻訳文)

海軍だけでなく、経済的苦境もロシア人を抗議に駆り立てる
ロシアの実質所得は昨年3.5%減少し、失業率は2011年以来の高水準である

2021年2月1日
ここ数年でロシアを掃討する最大の抗議行動のきっかけは、神経剤による中毒を生き延びた後、先月帰国した際に拘束された野党政治家でクレムリン評論家のアレクセイ・ナワリヌイ氏の逮捕だった。

しかし、怒りはより深く実行されます。老若男女を問う抗議者の中には、生活水準の低下と小さくて裕福なエリートと一般の人々の間の認識されたギャップに対する不満を発散するために街に連れて行った人もいると言う人もいます。

読み続ける
ロシア、海軍同盟国の弾圧が続く中、数千人を逮捕
写真で: 海軍の集会中にロシア全土で大量逮捕
米国はロシア、トルコ軍のリビアからの撤退を求める
ロシアの裁判所は、海軍の控訴を拒否します。同盟国を逮捕

実質所得は昨年3.5%減少し、失業率は2011年以来最高で、2020年の経済はコロナウイルス大流行で大きな打撃を受け、過去11年間で最も急激な縮小に見舞われたと推定されている。

不平等をめぐる不満は、拘禁直後に公開されたYouTube動画でNavalnyによって標的にされ、ロシア南部の1000億ルーブル($1.31億)の宮殿複合施設を展示した1億6000万回以上を視聴した。

海軍は、その最終的な所有者はウラジーミル・プーチン大統領であると主張した。それ以来、プーチンの元柔道スパーリングパートナーは、彼がそれを所有していると言いました。

1月23日にモスクワで抗議したアレクサンドラは、特にメディックがコロナウイルス大流行と戦っていた時期に、ビデオにショックを受けたと語った。

「私は医師がどのようなボーナスを得えるか想像できます:約17,000ルーブル($223)」と、24歳の学生は、当局との反響を恐れて彼女の姓を与えることを拒否しました。

「そして、それは本当に私に得た、それは最後のわらだった、と私は抗議することを決めました」と、アレクサンドラが付け加えました。

1月23日に何万人もの人々が全国の主要都市の通りに連れて行き、わずか1週間後に数は少なかった。当局は、群衆の抗議指導者の見積もりは誇張されたと言います。

警察は両日に何千人もの人々を逮捕し、モスクワ中心部の週末に、数百人の機動隊が配備され、異議申し立てを鎮圧しました。

「ここに私のおばあちゃんのために」

多くの抗議者がナワリヌイの旗の下で集会を開いたが、彼らはプーチンに対する彼の反対のために当局によって迫害されたと言うが、これは逮捕を危険にさらす唯一の理由ではなかった。ロシア政府は海軍の不当な扱いを否定している。

1月31日にモスクワで行われた若い抗議者ソーニャは、野党のファイアブランドを支持するが、経済的圧迫によっても動機づけられたと語った。

モスクワで投獄されたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイを支持する集会中に法執行官が男を拘束[File: マキシム・シェメトフ/ロイター]

「(私たちの)国は完全に混乱しています.「年金受給者がどのように生きているかを見てください」と、彼女は海軍が披露した財産にそのようなブラシが存在するという疑惑に触発された抗議の象徴である黄金のトイレブラシを振り回して、ロイターのニュースに語りました。

「私は私の家族のために、私のおばあちゃんのためにここにいます。私はこの国に何年も住む予定ですが、親戚には今より良い生活をしてほしいです。

ルーブルは、海軍事件に対する新たな西側制裁の恐れに落ちている。これは、昨年4.9%に達したインフレを押し上げる恐れがあり、中央銀行の目標である4%をさらに上回っている。

プーチン自身は、食料価格の上昇に懸念を表明しており、政府は国でそれらを維持し、価格を冷やすために、いくつかの食料品に輸出税を導入するきっかけとなった現象です。

プーチンは2018年に4度目の再選を果たし、実質可処分所得は着実に上昇し、貧困率は2024年までに6.5%に低下すると約束した。

この2つの目標は2030年まで6年延期され、当局はパンデミックを理由に挙げた。

昨年第3四半期の貧困ライン以下に住むロシアの人々の数は、ロシア全体の12.8百万人(ロシア全体の12.8%)に達したと公式データは示している。そのカテゴリーの人数は2019年に比べて70万人増加しました。

出典:ロイター 』

ロシア反体制派幹部ら一斉拘束

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM224HB0S1A120C2000000

『【モスクワ=共同】ロシア当局は21日、ドイツから帰国直後に逮捕された反体制派ナワリヌイ氏の陣営幹部らを「違法デモを呼び掛けた」として一斉に拘束した。同氏陣営は逮捕に抗議して23日にロシア全土で抗議行動を計画しており、恐れるプーチン政権が弾圧に乗り出したようだ。ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」などが伝えた。

一方、ナワリヌイ氏陣営が19日に公開したプーチン大統領所有とされる豪華な「宮殿」の動画の再生回数は21日夜に5千万回を突破した。インターネット上ではプーチン氏批判が渦巻いており、ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモがどれだけの規模になるか注目される。

ロシア警察は21日、ナワリヌイ氏陣営の女性幹部で、2019年のモスクワ市議選の不正疑惑に対する抗議行動を主導したソボリ氏、プーチン政権の不正を暴く調査チームを率いるアルブロフ氏、報道担当ヤルムイシ氏ら主要幹部らを次々と拘束した。

プーチン氏批判の急先鋒であるナワリヌイ氏は昨年8月にロシア国内で毒殺未遂に遭い、ドイツで5カ月の療養を経て、今月17日帰国した直後に逮捕された。

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プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム

プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム
 上級論説委員 坂井 光
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK062MT0W1A100C2000000

 ※ 一つ前の記事や、こういう記事を読むと、つくづく「自由な言論の流通」、「自由な情報の流通」というものが、「統治・統制しようとする側」にとっての「鬼門」であることを感じる…。
 
 ※ しかし、そうなると、「玉石混交」となり、その「真贋を見抜く眼力」「取捨選択する力(ちから)」の強弱が決め手となってくる…。

 ※ そこへ持ってきて、その「情報流通の要石(かなめいし)」たる「プラットフォーム」自体が、独占・寡占体制になってしまって、そこを制している勢力の「意のまま…」という問題も生じている…。

 ※ いずれ、個人個人としてやれることは、せいぜいが、「真贋を見極める眼力」「背景を自分の頭で考える思考力」「全体構造を見通す洞察力」を、日々鍛錬して行くことだけだ…。

『2021年は1991年末のソ連崩壊から30年の節目にあたる。その後のロシアを10年ごとに大ざっぱに区切ると、債務不履行や通貨危機などを経験した最初の10年は喪失と混乱の時代だった。

それが、プーチン大統領が登場し権力基盤を固め始めた2001年からの10年は、大国への郷愁と自信回復の時代となった。06年に自らの故郷サンクトペテルブルクで主要8カ国首脳会議(G8サミット)を主催し、08年には旧ソ連のジ…

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・06年に自らの故郷サンクトペテルブルクで主要8カ国首脳会議(G8サミット)を主催し、08年には旧ソ連のジョージアに侵攻した。

・そして、11年から昨年までは孤立と停滞の10年だろうか。14年には隣国ウクライナ領のクリミア半島を武力で併合。国際的な経済制裁を受けたうえに、石油価格の低迷で経済成長が止まった。

・そのあいだ一貫していたのは、反体制派への弾圧と強権体質だ。ジャーナリストのポリトコフスカヤ氏、元スパイのリトビネンコ氏、元第1副首相のネムツォフ氏らが暗殺された。野党指導者ナワリヌイ氏が毒殺されかかったのは昨年のことだ。

・これらの事件の真相は不明だ。だが、治安機関の力が増し、表だった反対運動は起きにくくなっている。

・すべては「プーチン体制」温存のためだ。政界、財界、地方、治安機関……。あらゆる分野のエリート層はいずれもプーチン氏を支持することでその地位と利権を得た。つまり「体制」そのものだ。

・変化を求めないのは彼らの総意だ。守るべきはおのおのの利益であり、国益ではない。暗殺のような不可解な事件が起きるのもそのためだろうか。もはやプーチン氏の意志だけでは思い通りに動かない怪物のような存在となり、年々手に負えなくなっている。

・その怪物が24年に予定される大統領選に臨むためのゲームが21年に本格化する。ルールを決めるのはプーチン氏とその一部の側近だ。20年7月に憲法改正を決め、同年末にかけては約100もの立法措置を駆け込み的に導入した。

・プーチン氏は最長で36年までの続投が可能になり、終身免責も決まった。20年末の記者会見で「(24年の選挙に)出馬するか、しないか、まだ決めていない」と述べたが、仮に大統領でなくなっても、安心して院政を敷く選択肢をつくった。

・一連の立法措置では、警察などの建物付近での集会は禁止となり、インターネット上の中傷的な書き込みは規制対象となった。

・いわゆる外国エージェント(代理人)法では、外国から支援を受けて政治活動をする個人は当局に申告し、報告を求められる。現地の独立系メディアは、SNS(交流サイト)などで個人が情報を流す場合「支援の解釈や政治活動の範囲など運用のさじ加減でほとんどのロシア人が処罰の対象になりうる」と警告する。いずれも政権批判を封じ込めるのが狙いとみられる。

・今年9月には大統領選に次いで重要な下院選が実施される予定だ。体制側は最大限、新たな法律を活用し、24年に向けた教訓とするはずだ。

・ただ、このなりふり構わぬゲームは危険だ。国民を抑圧する代わりに、はけ口として外国との対立をあおることが予想される。米欧やウクライナなどとの火種は尽きない。日本の領土交渉も困難さを増しそうだ。

・国民の不満をやわらげることができるのは経済状況の改善だが、石油価格次第なので期待しづらい。長期的にも世界的な脱炭素化の流れが加速する一方、ロシアは石油・ガス産業以外にけん引する産業は育っていない。このままでは先細りが目に見えている。

・今後強権だけでゲームに勝ち続けられるかは不透明だ。極東ハバロフスクでは知事を解任した政権に抗議する運動が20年7月から続く。蓄積した不満への対応を誤れば、国民は牙をむきかねないことが浮き彫りとなった。

・この先の10年、ロシアはどういう時代になるのだろう――。昨年大みそか、新年を迎えるにあたりプーチン大統領は次のように国民に呼びかけた。「これからの10年にロシアが直面する課題を、我々はともに解決し続けると確信している」。怪物が生き永らえるには長い年月だ。

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坂井 光
プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム(2:00)
ロシア悩ます「不安定の弧」 周辺外交の限界あらわに(2020年11月18日)

大規模サイバー攻撃、米ロ対立の新たな火種に

大規模サイバー攻撃、米ロ対立の新たな火種に
米民主「事実上の宣戦布告」、ロシア政府「関与せず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN193YZ0Z11C20A2000000

『【ワシントン=中村亮、モスクワ=小川知世】米政府機関などが大規模なサイバー攻撃を受けた問題を巡り、トランプ政権がロシアの関与を断定した。米議会では「戦争行為」とみなし、強力な報復措置を講じるよう求める声が出る。バイデン次期米大統領も対ロ強硬に傾きやすく、今回のサイバー攻撃が米ロ対立の新たな火種に浮上してきた。

ポンペオ米国務長官は18日、米メディアのインタビューで実行犯が第三者のソフトウエアを使って米政府内のコンピューターシステムにプログラムを埋め込み、ハッキングを試みたと指摘。「この活動を行ったのはロシア人だと非常に明確に言えると思う」と述べた。米政府高官が実行犯を公の場で名指しするのは初めて。

米CNNテレビによると米政府のサイバー対策担当者は数カ月前に政府のネットワーク内で不審な活動をつかんでいたが、攻撃対象の範囲や高度な手口を明確に把握できたのは12月に入ってからだったという。国務省や国防総省、国土安全保障省、エネルギー省といった米主要省庁が攻撃を受けた。

米マイクロソフトは米国に加え、英国やカナダ、ベルギー、イスラエルなど計8カ国の40超の政府機関や企業が攻撃対象だと明らかにした。米政府が攻撃の全容をめぐる調査を完了するには数カ月かかるとの見方がある。

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ロシア政府は関与を一貫して否定している。ペスコフ大統領報道官は14日、「関与していない」と述べ、米国が根拠なくロシアを非難していると反発した。ロシアはサイバー空間での連携を訴え、攻撃疑惑をかわそうとしてきた。プーチン大統領は9月下旬、米国にサイバー攻撃で選挙に干渉しないことを互いに保証し、衝突を避けるための協定を結ぶように提案した。ペスコフ氏は米国が提案に応じていないと非難した。

米議会は党派を超えて今回のサイバー攻撃を「戦争行為」とする見方が出ている。民主党指導部のディック・ダービン上院議員は「米国に対する事実上の宣戦布告だ」と非難。バイデン氏の最側近の一人であるクリス・クーンズ上院議員も「戦争と認定できる攻撃的行為と今回の件を区別するのはとても難しい」と指摘した。

共和党でも重鎮のミット・ロムニー上院議員はサイバー攻撃を「ロシアの爆撃機が見つかることなく我が国の全土に繰り返し飛来したようなものだ」と懸念を表明した。マルコ・ルビオ上院情報特別委員長代行も「米国は反撃する必要がある。制裁だけではない」と強調した。サイバー分野での報復攻撃などを促す発言とみられる。

議会が強く反発するのは、安全保障の危機に直結しかねない外国政府による組織的攻撃である可能性が高いためだ。ハッカー集団は米エネルギー省傘下で核兵器を管理する国家核安全保障局に加え、核兵器開発を担うサンディア国立研究所やロスアラモス国立研究所のネットワークにアクセスした可能性がある。国務省や国防総省も安保をめぐる機密情報を扱っている。

サイバー攻撃は実行犯や被害の実態が公にはわかりにくい。軍事報復を受けることなく、平時から安保情報を収集し有事の際に活用して敵を圧倒する戦略を中ロが描いていると米政府や議会は警戒を強めている。軍事作戦と非軍事作戦の境界線を曖昧にするサイバー攻撃は相手国の疑心暗鬼を生みやすく、報復の応酬につながる恐れがある。

これまでに米政府へのサイバー攻撃で最大の被害を及ぼしたとされたのは、2015年ごろの個人情報流出だ。米連邦人事管理局がサイバー攻撃を受け、政府関係者ら約2200万人の個人情報が盗まれた。実行犯との疑いが出た中国がスパイ活動に活用し機密情報を盗むとの懸念が強まったが、必ずしも安保危機に直結するものとはみられなかった。

トランプ氏は19日、ツイッターで「ハッカー攻撃について実態よりもフェイク・ニュース・メディアが過大に報じている」と主張した。トランプ氏はロシアとの関係改善を掲げており、非難を避けた形だ。AP通信によると、ホワイトハウスは18日午後にロシアを非難する声明を準備したが発表を直前で取りやめた。トランプ氏が中止を指示した可能性がある。

サイバー攻撃はバイデン氏のロシア政策を複雑にする。バイデン氏は「悪意のある攻撃を仕掛けた者には相当の代償を払わせる」と断言している。サイバー攻撃を通じたロシアによる16年の大統領選への介入を一時否定したトランプ氏に対し、バイデン氏はロシアに弱腰だと批判してきた。議会の意向も踏まえ、ロシアに厳しい対抗措置を講じざるを得ない。

一方、21年1月20日の政権発足直後にはロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉がバイデン政権の外交政策で喫緊の課題になる。同条約は同2月5日に期限切れを迎え、交渉の時間は極めて少ない。バイデン氏は他国への核拡散を防止するためにも延長を訴え、軍縮分野ではロシアと協力する考えを示していた。』

[FT]コロナ禍で疲弊するロシアの地方部

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1318N0T11C20A2000000

『シベリアの村に住むアリーナ・コソワさんの叔父が先月、急病で倒れたとき、近くの大都市オムスクから急行した救急車は、病人を搬送せず去った。仕方なく、家族が車で病院に運んだ。到着すると、病院は診療の順番を待つ患者であふれかえっており、10時間も待たされる羽目になった。それも、診療を受けられたのは同僚が裏で手を回してくれたおかげだった。

感染者が急増し、医療機関にかかる負担も大きくなっている(サンクトペテルブルクで新型コロナ患者の受け入れなどにあたる医療従事者)=AP
感染拡大で強まる政府への不満
コソワさんの叔父セルゲイ・コソフさんは、退院したら病院で受けたひどい扱いと、大混乱の様子を告発してやると親戚に息巻いていたが、結局、退院することなく亡くなった。

9つの時間帯にまたがる広大な国土を持つロシアで全国的に新型コロナウイルスの感染が急拡大していることで、18歳のブロガー、コソワさんのようなこれまで比較的無関心だったロシア人も、政府がパンデミック(世界的大流行)に対して有効な対策を取れないことに怒りを抱くようになった。

ロシアの累計感染者数は、世界で4番目に多く、6日には過去最高となる2万9093人の感染が確認された。この感染の第2波は、現感染者数の7割を占め、モスクワのように近代的な医療インフラの整っていない地方にとって特に大きな打撃となっている。

大統領府はロシアのワクチン「スプートニクV」の接種開始により、感染拡大を抑えることができるだろうと期待している。ワクチンの大規模接種は7日に、まずモスクワで教師や医師を対象に無料で始まった。その他の地域でも週内に接種が始まる予定だ。

政府の感染対策を指揮するゴリコワ副首相は先週、21万6千人の入院患者を治療するのに必要な専用病床数が確保されており、病床使用率が90%を超えているのは全国の85の地域のうち4つだけだと強調した。しかし、全国の医療従事者や一般市民は医薬品の不足や病院で治療を受けるまでに長時間待たされること、救急車が到着するのに何日もかかることなどに不満の声を上げている。

叔父を亡くしたコソワさんは、オムスク州のアレクサンドル・ブルコフ州知事を批判するラップを作った。ブルコフ氏が「故郷で人々が病院へたどり着く前に死んでいく」のを見ながら、モスクワの施設の整った病院で治療を受けていることを皮肉っている。

ブルコフ氏は、モスクワで受けた検査で最初に陽性が判明したので、対応ガイドラインに従って首都にとどまっていると発表した。しかし、オムスクの病院が対応能力の限界に近づいている中、知事の言動が批判の的になっている。

オムスク州では、病床に患者を搬送しても長く待たされることに抗議して、2人の救急隊員が新型コロナの患者を地元保健当局の庁舎に運び込む出来事が起こった。この患者たちのための病床は結局、確保されたが、この事件の後に2人の保健当局の幹部が更迭された。

コソワさんは本紙の取材に答えて、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の彼女のフォロワー150万人のうち何人かは、自分たちの経験を投稿してきたと語った。コソワさんは「医師たちは職業意識が足りず、医薬品やベッドが不足している。当局は、国民をなだめようとしているのだろうけど、ぬか喜びさせてるだけだわ」と語った。

厳しい行動制限に二の足
大統領府は不人気なロックダウン(都市封鎖)の判断を地方政府に委ねているが、地方の当局者たちは、秋に感染が急拡大し始めても、行動制限を再導入することに二の足を踏んだ。

市民や小規模ビジネスに対する政府の支援も少ない状況や、プーチン氏の言う「よく知られたロシア人の無鉄砲な態度」があることも背景に、パンデミックにうんざりしているロシア国民は外出を控えることを渋っている。

独立系世論調査機関レバダ・センターが11月に実施した調査では、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)に関する規則を守っていると回答した人の割合は57%にとどまった。公共のイベントへの不必要な参加を控えていると答えた人は、全体の45%にすぎなかった。

厳格なロックダウンの再実施を提案する当局者もいるが、大統領府は後ろ向きだ。プーチン氏の支持率が夏に過去最低まで落ち込んだ後、ようやく回復しつつある状況でそうした措置を取れば再び急落する恐れがあるとみているためだ。政策の失敗の犠牲にされているという不満を持つ飲食店などの経営者たちも反対の声を上げる。

最も厳しい状況に直面している地域の1つが、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクだ。市当局は病床は95%以上がすでに埋まっていると表明。7日には年末までに感染拡大の歯止めをかけられなければ、外出禁止令を出してすべての医療施設をコロナ患者の受け入れに使わざるをえなくなると警告した。

サンクトペテルブルク市当局は、新年のお祝いの時期に接客業の営業時間を制限する決定をしたが、100以上のバーやレストランの経営者がその措置を無視すると宣言した。

レストラン経営者のアレクサンダー・コノバロフ氏は「この措置は完全に不合理だ」と指摘。規制に従うことを拒否すると宣言している飲食店などの場所示す「抵抗地図」を作成した。「すべてのレストランが営業停止ということになれば、大部分は家賃の割引を受けられるので、なんとか生き残れる。(営業時間の制限より)ロックダウンの方がまだましだ」と語る。

さらに事態悪化の可能性も
モスクワの高等経済学院の疫学分野の教授であるワシリー・ウラソフ氏は、現在、新規感染者が急増しているのは、感染拡大がまだ十分に抑え込まれていない5月に行動制限を解除したことが原因だと語る。「ロックダウンは感染の急激な拡大を短期間に抑え込むのに有効だが、長期的に継続することは難しく、解除した途端に感染は再び拡大する」と指摘する。

夏までに感染拡大を十分に抑えられなかったことで、医療インフラの整っていない辺境部にもウイルスが広がっている。北極圏のすぐ南に位置する人口1千人ほどの村、ウスチ・ピネガに住むガリーナ・レートチキナさんは、地元の病院が昨年、閉鎖されてしまったため、新型コロナに感染した両親を医療の受けられる施設まで搬送してくれる救急車を見つけようとしたが、無駄だった。

レートチキナさんは「川がまだ凍っていないので、運転して行くこともできない」と嘆く。「医者を呼んでも、60キロも離れた所から来なければならないので難しい。(隣村に)医師が1人と、救急救命士が1人いるだけで、彼らは自分の村の患者でさえ診療しきれないのよ」

ウラソフ氏は、最悪の時期はこれから到来する可能性があると考えている。「ロシアでは感染の流行が完全に終息しなかった。夏にモスクワで新規感染者数が減ったとしても、感染はロシアの地方に広がり始めていた」と指摘する。「ロシアで、医療基盤を拡大できる資源を持っているのはモスクワだけだ。その他の地域にはそんな資源はない」とも語った。

By Max Seddon

(2020年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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ロシア悩ます「不安定の弧」 周辺外交の限界あらわに

ロシア悩ます「不安定の弧」 周辺外交の限界あらわに
上級論説委員 坂井 光
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66330800X11C20A1TCR000/

『ベラルーシでの反大統領デモ、アルメニアとアゼルバイジャンの紛争、キルギスの政変、モルドバの政治対立――。旧ソ連の国々で今夏以降、同時多発的に混乱が起きている。ロシアはこれらを「近い外国」と呼び、影響力を及ぼしてきた。それがいま「不安定の弧」となりプーチン大統領を悩ませている。

11月10日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領とアルメニアのパシニャン首相は9月下旬から続いていた戦闘の停止で合意した。アゼル領にもかかわらず、アルメニア系が実効支配するナゴルノカラバフを奪還するためアゼルが軍を投入し、複数の拠点を占領した。合意では、アルメニアは支配地域の多くから撤収を余儀なくされ、事実上アゼルの勝利となった。

仲介役を務めたのはロシアだ。国営テレビは「歴史的な和解」などと成果を強調するが、戦闘開始以降、三たび合意は破られた。今回の合意も同国にとってもろ刃の剣だ。

まず、アルメニア国民の多くは合意に反発しており、パシニャン政権の崩壊は時間の問題だ。同時に軍事同盟を結ぶロシアへの不満がくすぶっている。次期政権が親欧米に傾かないようロシアは神経をとがらせねばならない。

合意によりロシアは2000人近い平和維持部隊を現地に駐留させる。これは停戦が破られれば戦闘に巻き込まれることを意味する。少なからぬ政治的、軍事的リスクを抱えることになる。

この地域の勢力地図にも変化が起きそうだ。アゼルの軍事作戦を支援したのは、アルメニアを挟んで西側に位置するトルコだった。イスラム大国である同国の影響力が相対的に強まるのは確実だ。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国にもかかわらず、ロシアのミサイルシステムを導入した。その一方、両国はシリア内戦を巡って利害が対立するなど微妙な関係にある。そんなトルコにロシアはナゴルノカラバフという新たなカードを与えることになった。

他方、ロシアの兄弟国ベラルーシの情勢は不透明なままだ。「米国などは内政の緊張を故意に高めている」「ロシアとベラルーシの統合を妨害し、関係を分断しようとしている」。ロシアのショイグ国防相は10月下旬、ベラルーシで続く反大統領デモについてこう主張した。

そもそもデモは、8月に実施された大統領選の不正や、26年に及ぶ長期独裁に抗議するもので、親欧米を掲げたものではない。ロシアでも当初はルカシェンコ大統領への冷めた論調があったが、西側を攻撃する内容一色に転じた。

ロシアは西側をけん制することでベラルーシでの民主化の動きをはばむ戦略だろう。だが、頼ってきたルカシェンコ大統領の処遇をどうするかは読みとることができない。

両国は1999年、統合を目指す条約に署名した。だがエリツィン氏からプーチン氏に大統領が代わり、ロシアから事実上吸収されることを警戒したルカシェンコ氏はその後、曖昧な態度に終始してきた。これをプーチン氏が苦々しく思っているのは確かで、信頼もしていないはずだ。

立場が弱まったルカシェンコ氏を利用し、統合に向けたプロセスを前進させる選択肢はある。しかし、それが表面化すれば、ベラルーシのさらなる不安定化をもたらす可能性がある。プーチン氏は難しいかじ取りを迫られている。

それは、11月15日に大統領選があったモルドバでも似ている。親ロシア派で現職のドドン氏と親欧米派で前首相のサンドゥ氏という国を二分する対決は後者に軍配が上がった。ロシア離れが進みそうだが、ウクライナやジョージアなどのようになるのをロシアは食い止めたいところだ。

ロシアは、相次ぎ表面化する不都合な状況をうまくコントロールできなくなっている。旧ソ連の盟主でなければならないという周辺外交の限界があらわになりつつあるといえそうだ。

プーチン政権がいまだに抱く大国への郷愁と旧ソ連諸国への優越感――。それらと現実とのギャップは広がる一方だ。ソ連崩壊から来年末で30年である。』

ロシアの「勢力圏」後退 モルドバで親欧米派大統領

ロシアの「勢力圏」後退 モルドバで親欧米派大統領
米次期政権も攻勢へ トルコ・中国も浸透
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66269400W0A111C2FF1000/

『【モスクワ=石川陽平】旧ソ連地域でロシアの勢力圏の後退が鮮明になってきた。15日のモルドバ大統領選で、親欧米派候補が現職の親ロ派への勝利を確実にした。アゼルバイジャンの紛争ではトルコの影響力拡大を許し、ベラルーシでは欧米が支持する反政権デモが続く。来年1月に発足する予定のバイデン米政権による「民主化外交」の攻勢も避けられない。

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旧ソ連西部のモルドバで15日、大統領選の決選投票があり、親欧米派のマイア・サンドゥ前首相が親ロ派のイーゴリ・ドドン現大統領に得票率で15ポイントの差をつけた。サンドゥ氏は16日未明、首都キシニョフで支持者に向けて勝利宣言をした。

サンドゥ氏は「欧州連合(EU)への接近」を掲げ、欧州からの経済支援取り付けを国民に約束していた。選挙運動では現地の米大使と連携していたとも報じられ、モルドバは今後、親欧米にかじを切る。

ロシアは1991年のソ連崩壊以降も旧ソ連地域を「裏庭」とみなし、政治や経済、文化的に強い影響下に置こうとしてきた。特に2000年に就任したプーチン大統領は「大国の復活」に向け勢力圏の維持と回復に取り組んだが、旧ソ連地域への浸透をめざす欧米などに押され、退潮に歯止めがかからない。

連合国家をつくるベラルーシでは8月、ルカシェンコ氏が6選を決めた大統領選をきっかけに、反政権の抗議運動が広がっている。反体制派幹部らは相次ぎ欧州諸国や親欧米の隣国に脱出し、欧米の支持で抗議運動を続けている。政変を阻みたいロシアは武力介入もちらつかせる。

アゼルバイジャンで再燃したアルメニアとのナゴルノカラバフ紛争は9日、ロシアの仲介で停戦に合意し、トルコが支援したアゼルバイジャンが事実上、勝利した。トルコは共同での停戦監視の要求もロシアに受け入れさせ、黒海とカスピ海の間のカフカス地域で影響力を広げた。

カフカス地域は帝政ロシアの支配下に入り、ソ連領となった。ソ連崩壊後もロシアが影響力を行使したが、今回の紛争で退潮が決定的となった。さらに「トルコが(民族的に近い)旧ソ連・中央アジアでも勢力バランスを有利に変化させる」(ロシア紙ベドモスチ)可能性が高まった。

ロシア勢力圏の後退は、04年にウクライナで親欧米派が親ロ派政権を倒した「オレンジ革命」で顕著になった。同国ではロシアの支援でいったんは親ロ派が政権に戻ったが、14年の政変で再び親欧米派が政権を奪取した。ジョージア(旧グルジア)でも04年、欧米の支援を受けたサーカシビリ政権が誕生した。

一方、中央アジア5カ国ではトルコが経済協力をてこに影響力を強め、中国も広域経済圏構想「一帯一路」で勢力を伸ばす。10月の議会選を機に政変が起きたキルギスは、対外債務の4割以上が中国向けで、政権を支えたロシアの影響力が低下していた。

プーチン大統領は11月10日、欧米によるベラルーシへの「内政干渉」を批判し、キルギスやモルドバでも「同じことが確かに起きている」と警戒をあらわにした。ただ、ロシアの地政学的後退の背景には、同国の経済力の低下と各国の欧米志向の高まりがある。

ロシアの13~19年の経済成長率は年平均で1%に届かず、周辺国に十分な援助はできない。地域統合へ「ユーラシア大国」になる方針を掲げるが、旧ソ連地域各国の国民は、強権的なロシアより、民主主義体制に魅力を感じている。

ロシアにとって新たな難題は、民主党のバイデン氏が次期大統領の座を確実にしたことだ。バイデン氏はロシアを「重大な脅威」と位置づけ、対ロ関係の改善も探ったトランプ政権を非難してきた。オバマ前政権時には副大統領として旧ソ連の民主化支援に関与しており、就任後は外交攻勢に転じるとの見方が多い。

米次期政権の外交幹部のポストも対ロ強硬派が占めそうだ。バイデン氏に近いスーザン・ライス元国連大使は「主要な敵対国」と呼ぶロシアの封じ込めを唱える。国家安全保障担当大統領補佐官にも名前が挙がるトニー・ブリンケン元米国務副長官は9月末、次期政権はウクライナやジョージアへの支援を大幅に増やすと発言した。』

中央アジア(1)—-キルギス、カザフスタン、ウズベキスタン(前半)の旅
   キルギス(アク・ベシ遺跡、プラナの塔、イシク・クル湖、ビシケク)、カザフスタン(アルマティ、タラス川古戦場)、
   ウズベキスタン前半(タシケント、ヒヴァ)、トルクメニスタンへ
http://www.nishida-s.com/main/categ2/51-central-asia-1/index.htm

モルドバ大統領選、決選投票へ 親ロシア対親欧州

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65738680S0A101C2EAF000/

『【モスクワ=小川知世】旧ソ連のモルドバで1日、大統領選(任期4年)の投票が実施された。中央選管によると、当選に必要な過半数の票を獲得した候補が出ず、現職の親ロシア派、イーゴリ・ドドン大統領(45)と親欧州派のマイア・サンドゥ前首相(48)が15日に予定する決選投票に進む見通しとなった。

開票率98%時点で得票率はドドン氏、サンドゥ氏ともに約34%だった。2016年の前回大統領選に続き、親ロシア派と親欧州派の両氏による一騎打ちとなる。サンドゥ氏が親欧州派の勢力を結集し、ドドン氏を引き離せるかが焦点となる。

選挙戦では再選で安定を訴えるドドン氏をロシアが支援するのに対し、欧州連合(EU)との統合推進を掲げる政党「行動と連帯」党首のサンドゥ氏を欧州が支持する。決選投票へロシアと欧州の水面下でのにらみ合いも激しくなりそうだ。

モルドバはウクライナとルーマニアの間に位置し、「欧州の最貧国」と呼ばれる。ウクライナと国境を接する東部の沿ドニエストル地方は親ロ派勢力が実効支配し、ロシア軍が駐留している。』

中・東欧諸国への企業進出の現状と今後の展望
https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.criser.jp%2Fdocument%2Fciac%2Fresearch%2F15%2Feu.pdf&psig=AOvVaw3_KLreAkyJVebIEo7UjBx4&ust=1604367009728000&source=images&cd=vfe&ved=0CAkQjhxqFwoTCLDr9Ybb4uwCFQAAAAAdAAAAABAV

【解説】ナワリヌイ氏の毒物反応、コリンエステラーゼ阻害薬とは?

https://www.afpbb.com/articles/-/3300980

『(2020年8月25日 17:40 発信地:ロンドン/英国)

【8月25日 AFP】ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)の治療を行っている病院は「コリンエステラーゼ阻害薬に分類される薬物による中毒症状」が認められると発表したが、同氏に使われたとみられる毒物について専門家らは24日、化学物質のグループに属している成分で、その仲間は殺虫剤から軍用の神経ガスまで多岐にわたると述べた。

 ドイツの首都ベルリンのシャリテ病院(Charite Hospital)でナワリヌイ氏の治療に当たっている専門家らは、「独立した研究所での複数回の臨床検査」によって、同氏に「コリンエステラーゼ阻害薬に分類される物質による中毒症状」が確認されたと発表した。ナワリヌイ氏に使用されたとみられる特定物質は「いまだ不明」で、現在、毒物を特定するための臨床検査を進めているという。

 コリンエステラーゼ阻害薬は、アルツハイマー病治療薬や特定の殺虫剤にも使用される薬剤の仲間だが、最も毒性の強い化学兵器「神経ガス」の仲間でもある。

 この物質には、サリンや神経剤VX、また2018年に英イングランド南部ソールズベリー(Salisbury)でロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏とその娘ユリア(Yulia Skripal)さんの暗殺計画に使用された神経剤ノビチョクも含まれる。同事件では、事件現場の近くに住んでいた英国人女性が後に死亡した。

■呼吸に影響する筋肉にも作用

 コリンエステラーゼ阻害薬は、神経から筋肉にメッセージを伝達する酵素の働きを阻止し、それによって筋肉は「けいれんしたような状態になる」と、英リーズ大学(University of Leeds)で環境毒性学を教えるアラステア・ハイ(Alastair Hay)教授は説明する。

「すべての筋肉が影響を受けるが、最も重要なのは呼吸に影響する筋肉だ。呼吸が阻害されると、意識不明になる可能性もある。コリンエステラーゼ阻害薬による脳への直接的な影響もある」とハイ氏は述べた。

■神経系への長期的な影響

 深刻なケースでは、窒息または心不全を起こすこともある。十分な量を投与された場合は意識不明になるだろうとハイ氏は付け加えた。

 シャリテ病院は、ナワリヌイ氏に対して解毒剤アトロピンによる治療を行っていることを明らかにしている。

 アトロピンは筋肉の収縮を担う神経伝達物質アセチルコリンを阻害することで、毒物による症状を緩和する。神経ガスはアセチルコリンをつかさどる酵素を攻撃し、アセチルコリンの過剰生産と筋肉の機能不全を引き起こす。

 シャリテ病院は、ナワリヌイ氏の予後は今のところ不明で、「特に神経系に対し」長期的に影響が出る可能性は否定できないと述べた。

 スクリパリ氏とその娘の場合は、2018年に治療の結果、一命を取り留めた。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)を批判する勢力に対しては、過去にも毒物を用いた悪名高い攻撃が複数発生している。

 ロシア連邦保安局(FSB)の元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏は2006年、英ロンドンで放射性ポロニウムが混入されたお茶を飲み、毒殺されている。ロシア政府は、事件の有力な容疑者、アンドレイ・ルゴボイ(AndreiLugovoi)氏の英当局への身柄引き渡しを拒否。同氏は事件後に国会議員になった。(c)AFP』