ロシアで航空機墜落、16人死亡 エンジン故障か

ロシアで航空機墜落、16人死亡 エンジン故障か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM110TF0R11C21A0000000/

『【モスクワ=共同】ロシア中部タタルスタン共和国のメンゼリンスクで10日、航空機が墜落した。乗員2人のほか、落下傘降下をする人々20人が搭乗しており、16人が死亡、6人が負傷した。ロシアメディアが伝えた。共和国のミンニハノフ大統領によると、離陸後間もなく、高度70メートルでエンジンの一つが故障し、緊急着陸を試みていた。

同機は旧チェコスロバキアの会社が開発したL-410で、軍関連組織が運用していた。インタファクス通信によると1987年製。定員超過だったとの情報もある。

ロシアでは7月、極東カムチャツカ半島でアントノフ26旅客機が墜落、乗客乗員28人が全員死亡した。その後も同型機が墜落するなど航空事故が多発している。』

ロシア中銀、6.75%に利上げ

ロシア中銀、6.75%に利上げ インフレ懸念で5会合連続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB10CEK0Q1A910C2000000/

『【モスクワ=石川陽平】ロシア中央銀行は10日の金融政策決定会合で、政策金利を年6.50%から6.75%に引き上げると決めた。13日に実施する。利上げは3月から5会合連続で、インフレ率の高まりを抑える狙いだ。

ロシアでは新型コロナウイルス対策で実施していた行動規制などの緩和や世界経済の回復を背景に、消費者物価が上昇傾向を強めている。中銀によると、8月の消費者物価は前年同月比で6.68%上昇。7月にはさらに高まった。中銀が目標とする年4%を大きく上回っている。

中銀は10日の発表文で「次回以降の会合でさらに政策金利を引き上げる可能性がある」と述べた。ナビウリナ中銀総裁も同日の記者会見で「政策金利が7%を超えることもありうる」と述べ、一段の利上げを示唆した。

ナビウリナ氏は会見で、10月の金融政策決定会合で2021年のインフレ率の予想値を現在の5.7~6.2%から見直す可能性に言及した。同年の実質成長率の予想はこれまでの4.0~4.5%から上方修正することもあると指摘した。』

ロシアの非常事態相が死亡

ロシアの非常事態相が死亡
北極圏で訓練の視察中
https://nordot.app/808321006287486976?c=39546741839462401

『【モスクワ共同】ロシア非常事態省は8日、エブゲニー・ジニチェフ非常事態相(55)がロシア北極圏のノリリスクで、緊急事態を想定した訓練の視察中に死亡したと明らかにした。ロシア主要メディアが伝えた。

 訓練の様子を撮影していた男性が足を滑らせて水中に落ち、ジニチェフ氏は助けようとして飛び込んだが、石にぶつかり死亡したという。男性も助からなかった。

 ジニチェフ氏はソ連国家保安委員会(KGB)出身。2018年に非常事態相に就任した。

 ロシア大統領府は8日、ジニチェフ氏の悲報を受け、プーチン大統領が深い哀悼の意を表したとの声明を発表した。』

ロシア極東でヘリ墜落

ロシア極東でヘリ墜落、8人死亡
観光客ら17人が搭乗
https://nordot.app/798364004742070272?c=39546741839462401

『【ウラジオストク共同】タス通信などによると、ロシア極東カムチャツカ半島で12日、観光客ら17人が乗った民間のMi8ヘリコプターがクロノツキー自然保護区の湖に墜落し、8人が死亡した。

 観光客14人と乗組員3人が乗っていたとみられ、9人は救出された。

 Mi8はロシア国内で民間、軍用ともに広く使われている。近年は墜落事故が相次いでいる。』

2つの東京五輪またぎ中国が操る「北方領土カード」

2つの東京五輪またぎ中国が操る「北方領土カード」
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK022T30S1A800C2000000/

『東京五輪の開催中も国際政治を巡る厳しいせめぎ合いが続いている。話題になっているのは、日本の北方領土を巡る中国政府のスタンスの微妙な変化である。「中国外務省が表明した最新の見解と、北方四島に関する中国の地図表示には統一性がない。中国は一体、どうするつもりなのか」「これは今後の日中関係、そして米中関係をも左右する」。アジアの外交関係者らはこう指摘する。

問題となったのは、中国外務省の副報道局長、趙立堅による7月27日の記者会見だ。日本政府がロシア首相のミシュスチンによる北方領土訪問に抗議したことについて「世界反ファシズム戦争勝利の成果は適切に尊重され、遵守(じゅんしゅ)されるべきだ」と一歩、踏み込んだ見解を示した。

 7月26日、北方領土の択捉島で水産加工施設を訪れたロシアのミシュスチン首相=タス共同

この前段で「これはロシアと日本の2国間問題であり、双方の話し合いで解決すべきだ」と従来の立場を述べているものの、後段と合わせると、ロシア側に寄り添った雰囲気を醸し出すよう工夫されている。

「台湾で手を出せばロシアに肩入れ」示唆

そもそも「反ファシズム戦争(第2次世界大戦)勝利の成果」という表現は、ロシアが実効支配を正当化する際に使う表現である。これを「適切に尊重・遵守(じゅんしゅ)せよ」というなら間接的ながらロシアの主張を認めていることになる。

中国外務省の記者会見で、ロシア首相の北方領土訪問、関税を免除する特別区の設置提案について質問した共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙である環球時報は、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」公式アカウントで「(中国が)誰を支持しているのかは既に明確だ」などとする記事を掲載した。

2018年に中国企業代表団が択捉島を訪れ、旅行や養殖業での協力の可能性を検討した経緯に触れ、最後は「もし日本が続けて台湾、新疆ウイグル自治区など中国の内政問題に手を出すなら、中国企業は完全にロシアとともにさらに大きな一歩を踏み出す」と締めくくった。

「中国は時が来れば南千島の開発に参画する」。踏み込んだ見出しの記事は中国内で広く転載されている。中国政府が直接言わない意図の恣意的な解説は、宣伝当局の意向に沿って国際的な宣伝戦を有利に運ぶ「ポジショントーク」を含んでいる。

台湾を巡って日本は米バイデン政権と連携を強めている。21年版の防衛白書は「台湾をめぐる情勢の安定は、わが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要」と初めて明記し、中国への警戒感を前面に出している。

握手する習近平・中国国家主席㊨とプーチン・ロシア大統領(2019年11月、ブラジリア)=AP

中国としては、北方領土問題でロシア寄りの姿勢を示すことで日本側をけん制する狙いがあるもようだ。一部で「半同盟関係」と評される中国とロシアの両軍は、東京五輪閉幕直後の8月9~13日に中国・寧夏で合同演習を予定している。一連の動きにはロシアへの配慮もある。9日はソ連が日ソ中立条約を破って旧満州(現中国東北部)に攻め込んだ日でもある。

中国の地図は今もロシア占拠を明記

とはいえ、中国の地図では今も北方四島について、本来、日本の領土である場所をロシアが占拠しているという意味のかっこ書きが付いている。日ロの国境線も択捉島とウルップ島の間に描かれている。日本政府の主張通りだ。

これらは大手IT企業、百度(バイドゥ)のサイトで検索できる地図でも確認できる。中国の国土資源省が管轄する国家測絵地理情報局が指示する統一表記だという。中国はいつでもこれを変えることができる。そういう脅しを日本にかけ始めた。

しかし、これは言葉でいうほど簡単ではない。中国による北方領土を巡る日本の立場支持には長い経緯がある。その起源が、1972年の日中国交正常化よりはるか前、建国の指導者、毛沢東による明言にあることはあまり知られていない。

話は64年の前回東京五輪の直前に遡る。「毛沢東主席が(日本への)南千島(北方領土)返還を支持」。64年7月13日付の日本経済新聞1面は香港発の記事でこう伝えている。

毛沢東主席が社会党訪中団に北方領土の日本返還を支持したと伝えた1964年7月13日付の日経新聞1面

毛沢東は同7月10日に佐々木更三ら社会党訪中団と会談。「社会党は南千島返還を要求しているが、どう思うか」との質問に、毛沢東は「ソ連は領土を取りすぎているので南千島を日本に返すことに賛成だ」と明言した。

1964年の毛沢東発言以来、中国の一貫した政策

続いて同8月1日付朝刊各紙は、社会党訪中団に参加した岡田春夫の話を香港電で伝えた。「(当時の首相である)周恩来も日本の対ソ領土返還要求を原則的に支持した毛主席の発言は、日本に対する一時的な戦術的考慮ではなく、中国の一貫した政治的主張である、と述べた」という。これは毛沢東発言が報道された後、日本国内で「日本に対する戦術的な考えに過ぎず、警戒すべきだ」という論評が出たのを気にしたものだった。

ちなみに中華人民共和国は、国交がない日本で64年10月10日開幕した前回東京五輪に参加していない。そして開幕から6日後の10月16日には、新疆で初の核実験に踏み切り、アジア唯一の核保有を宣言した。

前日の10月15日には毛沢東が敵視したソ連の第1書記兼首相のフルシチョフが辞職願に署名して失脚し、北京では「修正主義反対闘争の偉大な勝利」という歓呼の声が広がった。華やかな東京五輪の裏で中ソ対立を含む国際政治は風雲急を告げていた。

最高指導者、毛沢東の対日発言を受けて、人民日報はソ連の覇権主義を背景にした北方領土の占領を非難する記事を繰り返し掲載する。そして日中関係は72年の国交正常化に向けた道を歩み始める。ソ連への対抗は、対米関係の正常化という大きな決断にもつながった。

だが、その後のソ連崩壊は大きな転機になった。中国とロシアは国益を重視する戦略的な協調関係に動く。北方領土問題で日本を支持する利点は小さくなった。そこに目下の激しい米中対立も関係してくる。

中国共産党創建100年の祝賀大会を終えて参加者に手を振る、党総書記の習近平国家主席(前列左から2人目)ら。下は毛沢東の肖像画(7月1日、北京の天安門)=共同

毛沢東が日本への返還支持を明言してから57年。毛のような確固たる地位を目指す国家主席の習近平(シー・ジンピン)が、64年と2021年の2つの東京五輪をまたぐ形で毛と逆の決断に踏み込むのか。

周恩来がわざわざ「一時的な戦術ではない」と説明した歴史的な政策を覆すなら、中国の地図の表記は1950年代の中ソ蜜月時代に戻り、この50年、発展してきた日中関係も大きな転機を迎える。そして日本の同盟国である米国と中国の関係にも影響を与えるだろう。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

ソ連クーデター未遂首謀者、死去

ソ連クーデター未遂首謀者、死去
オレク・バクラノフ氏、89歳
https://nordot.app/793440323854106624?c=39546741839462401

ソ連8月クーデター
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E9%80%A38%E6%9C%88%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC

『背景
ゴルバチョフの3代前の書記長レオニード・ブレジネフの政策は1970年代後半以降徐々に破綻をきたし、中ソ関係や米ソ関係のさらなる悪化を招いた。特に米ソ関係は1979年のアフガニスタンへの軍事介入で決定的に悪化し、デタントは消え去った。

ゴルバチョフ(左)とアメリカのロナルド・レーガン大統領

こうした状況の中で1982年にブレジネフが死去した。その後任となったユーリ・アンドロポフは病弱であったため、1年3ヶ月後の1984年に死去。さらにアンドロポフの後を継いだコンスタンティン・チェルネンコも病弱であり、書記長就任の翌1985年に死去した。チェルネンコの後任の書記長には54歳だったゴルバチョフが就任し、ペレストロイカ(再構築)やグラスノスチ(情報公開)といった国内改革を進めることとなる。

就任直後の1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故への対応を巡っては、ソ連指導層に混乱が生じた。事故を隠蔽すべきと考えていた保守派は、現場の自己保身に同調する形で、グラスノスチで情報公開を推し進める改革派のゴルバチョフに対して事故を過少報告した。ところが、スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所でRBMK由来の放射性核種が発見されたニュースがゴルバチョフに知られるに至り、隠し通せなくなった。だが必ずしもソ連の栄誉すべてをかなぐり捨てるつもりではなかったゴルバチョフは、調査に当たったワレリー・レガソフらと協議の末、「事故の事実は認めるが、RBMKの設計上の問題は認めない」という保守派にも改革派にも不満の残る対応をとった。レガソフは2年後にこれらの事実を踏まえた告発文を発表、また回顧録を肉声テープで残したうえ、自殺している。

こうした中、ソ連共産党内の改革派からボリス・エリツィンが台頭してくる。エリツィンはゴルバチョフが保守派と妥協していることを批判したため、1987年にモスクワ市党委第一書記を解任され、さらに1988年2月には政治局員候補から外される。保守派と改革派の対立の土台は1988年のゴルバチョフによる過去の政治批判によりできあがっていた。1988年10月にはアンドレイ・グロムイコ最高会議幹部会議長が辞任し、ゴルバチョフが兼任する。

翌1989年には改革派からはみ出した民主綱領派が結成され、エリツィンがリーダーとなった。これに刺激されるかのように1990年2月に保守派が政策集団「ソユーズ」を結成する。7月の党大会でゴルバチョフが書記長に再選されるが、エリツィンがゴルバチョフの書記長続投に反発し離党。1991年1月にソビエト連邦軍がバルト三国に軍事介入し13人の死者が出た。ソ連軍のバルト三国軍事介入に反発するソ連国民がゴルバチョフの退陣を要求するようになり、軍部に頼るようになったことで国民の支持という点での政権基盤が崩れつつあった。また、経済政策も行き詰まりつつあった。

経済政策の行き詰まりの原因はアメリカ合衆国にあった。アメリカのロナルド・レーガン大統領によるソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗するムジャヒディンの支援とスターウォーズ計画でソ連の軍事費はかさむ一方で、民需による技術開発がなされなかった。宇宙開発競争でアメリカをリードしたニキータ・フルシチョフ時代には「科学先進国」ともされていたソ連だったが、戦勝と資源投入によって得た技術的優位はこの頃にはすっかり失われ、日本やアメリカと比べると10年から20年は遅れている(西側ではどんな貧乏人でも買えるようなカセットテープレコーダーが、ソ連では高級官僚ですら入手不可能だった)という無残な状況となっていた。アメリカに融和的なゴルバチョフは軍民転換(コンヴェルシア)を掲げて従来の計画経済を改革しようとするも、マルタ会談での冷戦終結に伴う大規模な軍縮はアメリカと軍拡競争を行ってきた軍産複合体の既得権益を脅かすこととなり、クーデター側に軍需産業の代表が名を連ねる原因となった。

ゴルバチョフはエリツィンと4月に和睦し、ソ連邦の基本条約に調印した。しかし、ゴルバチョフ政権を支えていた軍部と保守派は、この動きに抵抗した。この頃、ソ連の国民世論はエリツィンら急進改革派支持に傾いていった。1990年4月にはエリツィンら急進改革派が結成した地域間代議員グループに所属するガブリール・ポポフがモスクワ市長に、1991年6月にはアナトリー・サプチャークがレニングラード市長に当選した(ポポフ、サプチャークは後にブレジネフの流れを汲む保守派と一線を画し、後に共産党を離党する)。また同年6月20日のロシア大統領選では、保守派が擁立したニコライ・ルイシコフ前ソ連首相がエリツィンに惨敗したことも保守派を追い詰め、クーデターを引き起こすきっかけとなった。

1991年8月20日に各主権共和国は独立した共和国として共通の大統領、外交、軍事政策下に連合するという新連邦条約に署名する予定だった。保守派は新連邦条約がいくつかの小さな共和国、特にエストニア、ラトビア、リトアニアといった国々の完全独立に向けた動きを促進するだろうという恐れから同条約に反対した。彼らは、新連邦条約は各主権共和国へ権力を過度に分散させすぎたものだと見なした。』

『経緯

クーデター前夜

1991年8月19日、ゴルバチョフ大統領と各主権共和国指導者が新連邦条約に調印する前日、「国家非常事態委員会」を称するグループがモスクワでの権力奪取を試みた。ゲンナジー・ヤナーエフ副大統領を始めとする保守派グループによる体制維持が目的の反改革クーデターはウラジーミル・クリュチコフKGB議長が計画し、ゴルバチョフの別荘の暗号名をとって「あけぼの作戦」とよばれた。委員会の8人のメンバーはヤナーエフ副大統領、クリュチコフKGB議長、ボリス・プーゴ内相、ドミトリー・ヤゾフ国防相、ヴァレンチン・パヴロフ首相、オレグ・バクラーノフ国防会議第一副議長、ワシリー・スタロドゥプツェフソ連農民同盟リーダー、アレクサンドル・チジャコフ国営企業・産業施設連合会会長であった。また、同委員会の正式なメンバーでは無かったが、アナトリー・ルキヤノフソ連最高会議議長は同委員会と密接な関係にあり、謀議に関与していた。

8月19日

前日の8月18日の午後5時頃ワレリー・ボルジン大統領府長官ら代表団がクリミア半島フォロス(ロシア語版)の別荘で休暇中のゴルバチョフに面会を要求、ヤナーエフ副大統領への全権委譲と非常事態宣言の受入れ、大統領辞任を迫ったがゴルバチョフはいずれも拒否、別荘に軟禁された。

国家非常事態委員会は8月19日の午前6時半にタス通信を通じて「ゴルバチョフ大統領が健康上の理由で執務不能となりヤナーエフ副大統領が大統領職務を引き継ぐ」という声明を発表する。反改革派が全権を掌握、モスクワ中心部に当時ソ連の最新鋭戦車であったT-80UDの戦車部隊が出動し[7]、モスクワ放送は占拠された。(当時、アナウンサーは背中に銃を突きつけられた状態で放送をしていたという[8])。

午前11時になるとエリツィンロシア共和国大統領が記者会見を行い「クーデターは違憲、国家非常事態委員会は非合法」との声明を発表する。エリツィンはゴルバチョフ大統領が国民の前に姿を見せること、臨時人民代議員大会の招集などを要求、自ら戦車の上で旗を振りゼネラル・ストライキを呼掛け戦車兵を説得、市民はロシア共和国最高会議ビル(別名:ホワイトハウス)周辺にバリケードを構築した。また市民は銃を持ち火炎瓶を装備、クーデター派ソ連軍に対し臨戦態勢を整えた。クーデターには陸軍最精鋭部隊と空軍は参加しなかった。

海外の反応

このニュースは世界各国にも伝わった。リビアのカダフィ大佐[9]、イラクのサダム・フセイン大統領[10][11]、セルビア(ユーゴスラビア)のスロボダン・ミロシェヴィッチ幹部会議長、パレスチナのヤーセル・アラファート議長は国家非常事態委員会の支持を表明した。

一方、アメリカ合衆国のジョージ・H・W・ブッシュ大統領は国家非常事態委員会を否定し、エリツィンとゴルバチョフらの改革派を支持した。イギリスのジョン・メージャー首相とフランスのフランソワ・ミッテラン大統領も同じだった。日本の海部俊樹首相は、ソ連内の情報ルートがなかったことによりクーデターの先行きを把握できなかったため、保守派が政権を奪取した場合を考慮しクーデター発生当初は態度を明確にしなかったが、後にクーデターを非難し、改革派への支持を表明した。

午後10時をすぎると戦車10台がエリツィン側に寝返った。1万人の市民がロシア最高会議ビル前に篭城した。KGBのアルファ部隊は保守派からロシア最高会議ビル奪取命令を下されたがそれに従わなかった。北部ロシアの炭鉱でも改革派を支持する労働者によるストライキが発生し、エストニアでは独立宣言が出された。レニングラードでは改革派のアナトリー・サプチャーク市長が市のコントロールを奪回した。

国家非常事態委員会の狼狽

翌8月20日12時頃、ロシア政府ビル前に市民10万人が集結し「エリツィン!、ロシア!、エリツィン!、ロシア!」のシュプレヒコールをあげた。労働者ストライキが全国で発生し、市民デモも多発。一部では流血事態が発生した。21日の午前0時になると戦車隊がロシア政府ビルへ前進、市民と衝突し火炎瓶を装甲車に投げつけるも、装甲車に飛び乗った市民を振り落とす等で3名が死亡する。午前4時頃、軍とKGBの150戦車隊の一部がバリケードの突破で小競合いとなる。ロシア側は発砲を許可し戦車2台を破壊、10数名の市民が死亡した。午前5時に国家非常事態委員会は戦車部隊の撤収を決定。交渉により軍は当面事態を静観すると確約する。午前11時頃、ロシア最高会議は国家非常事態委員会に対して夜10時までに権力の放棄を求める最終通告を行う。この通告に動揺したせいかは定かではないが国家非常事態委員会の一部メンバーが辞任を表明、ヤナーエフ副大統領は飲酒の果てに泥酔して執務不能の状態にあった。午前11時40分、国家非常事態委員会の実質的リーダーであるクリュチコフKGB議長がエリツィンにゴルバチョフ大統領との話し合いを申し出る。ロシア最高会議はイワン・シラーエフ首相を代表に任命、ゴルバチョフ救出のためクリミアに派遣することを決定した。

クーデター失敗と共産党の失墜

午後1時53分、エリツィンはクーデターが未遂に終わったことを宣言した。午後2時になると国家非常事態委員会のメンバーがソ連国内から逃亡を始め(プーゴ内相は拳銃・アフロメーエフ元参謀総長は首吊り自殺)、エリツィンはメンバーの拘束指令を発する。午後4時20分にはヤゾフ国防相が全部隊のモスクワへの撤退命令をニュース放送で行う。午後4時55分にロシア代表団がクリミア半島に到着してゴルバチョフと面会、午後9時にはモスクワ放送が復活した。

8月22日の午前2時55分に攻撃を避けるための人質としてクリュチコフを帯同したゴルバチョフが搭乗したアエロフロートの特別機がモスクワのブヌコヴォ空港に到着した。クーデターの関係者は逮捕されたが、その首謀者たちはゴルバチョフの側近だったため、皮肉にもゴルバチョフ自身を含むソ連共産党の信頼は失墜していた。午後0時にエリツィンはクーデターに対する勝利宣言を行う。これには市民20万人が参加したが、ゴルバチョフが姿を見せることはなかった。夕方にゴルバチョフは外務省のプレスセンターで記者会見を行う。同日夜になると、モスクワ中心街で共産党の活動禁止を要求するデモが行われた。

ソ連共産党解体

翌日の8月23日、ゴルバチョフはロシア最高会議で今後のソビエト連邦と共産党に関する政見演説を行うが、議員たちは彼の演説に耳を傾けることはなかった。エリツィンはソ連共産党系のロシア共産党の活動停止を命じる大統領令に署名を行う。翌8月24日、ゴルバチョフはソ連共産党書記長を辞任、資産を凍結し党中央委員会の自主解散を要求。ロシアはエストニアとラトビアの独立を承認した。

クーデターからおよそ10日後の8月28日、ソ連最高会議の臨時両院(連邦会議・民族会議)合同会議がパヴロフ首相の不信任案を可決し、共産党の活動全面停止を決定。クーデターを支持した「プラウダ」等の共産党系新聞5紙が発禁処分となった。また、クーデターを支持したとしてタス通信やノーボスチ通信の社長も解任された。

余波

エリツィン(右)とアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領(左)

クーデターの後、新連邦条約についての交渉がまた新たに始まった。ソ連およびアメリカは、9月にバルト三国の独立を承認。ゴルバチョフはモスクワ帰還後数か月の間、なおも政権の安定と合法性を取り戻す為の努力を行ったがそれは不発に終わることとなる。11月に7共和国が主権共和国連邦結成の条約に合意したが、ソ連内でも有数の工業国であるウクライナが参加しなかったため、エリツィンはロシアの利益を優先し合意を破棄した。エリツィンはロシアが他の共和国の厳しい経済に対する責任を負うことになると考えたため、ロシアの新条約への参加は考えられなかった。ソ連共産党が存在しない状態では、もはや連邦を構成する共和国を協調させることはできなかった。

12月8日にエリツィンおよびベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ最高会議議長、ウクライナのレオニード・クラフチュク大統領が、ベラルーシのベロヴェーシの森の旧フルシチョフ別荘で秘密裏に会合をもった。ここで彼らは、3国がソ連邦を設立した1922年の連合条約からの離脱と、独立国家共同体(CIS)を創設に合意した(ベロヴェーシ合意)。中央アジア、アルメニアおよびアゼルバイジャンの5共和国を含め独立国家共同体を拡張するための署名式は、12月21日にアルマアタで執り行われた。他方グルジアは、ゴルバチョフの親友であったエドゥアルド・シェワルナゼがグルジア大統領となる1993年(ただし、1992年に国家評議会議長に就任しており、正式に大統領となったのは1995年)まで、これに参加しなかった。

構成国の相次ぐ独立により、ソビエト連邦は1991年12月25日に消滅した。ゴルバチョフが1985年12月25日にエリツィンをモスクワ市党委員会第一書記に任命してからちょうど6年後のことだった。

インターネットによる変革の先駆け

この8月クーデターが失敗に終わった原因として、当時はまだ普及していなかったインターネットがもたらしたとAFPは分析している[12]。

放送局も新聞社も保守派によって占拠され情報統制されている中、エリツィン率いる改革派は打つ手なしだった。しかし1990年に、当時ソ連の専門家が開発していた電子メールシステム「RelCom」から、電子ファイルを電話回線を用いてフィンランドに送信する際、何らかの原因でUsenetに漏洩していたという経緯があった。そこでまず誰かがエリツィンの声明をファックスで受け取り、このネットワークを介して西側諸国に流した。

西側のテレビが情報源を明らかにしたにもかかわらず、KGBは全く動かなかったという。クーデターの数週間前にはKGBがRelCom制作チームのオフィスに乗り込んだものの、モデムなどの役割がわからず、機材の押収やメンバーの逮捕なども行なわずに立ち去っていた。

クーデターから数ヶ月後に、RelCom制作チームの一人から事の次第を知ったエリツィンが、「新聞もラジオもテレビも機能していなかった。それでも国民は(自分の声明を)知っていた。君たちのおかげだったのか!」と驚き感謝している。』

[FT]内向き強めるプーチン氏

[FT]内向き強めるプーチン氏
脱炭素、石油・ガス輸出に打撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB195JC0Z10C21A7000000/

『高炭素鋼は強いがもろく、非常に硬くても衝撃が突然加わると折れたりする。低炭素鋼は弾力があるため曲がりやすいが、折れにくい。権威主義と民主主義の政府を比較する際、この2つの金属を使った例え方は、2つの体制の対照的な特徴を説明する上でわかりやすいのではないだろうか。

プーチン氏が唯一懸念していることは、自身の権力を維持できるかどうかだ=AP
世界の豊かな民主主義国の政治は最近、力ずくでゆがめられてきた。米国をみると、共和党が投票を制限しようと法整備を進めようとしており、トランプ前大統領時代のゆがみがまだ残っていることが分かる。

欧州では、ポピュリスト(大衆迎合主義者)が民主主義の重要な要素である多様な価値観と規範の尊重に対して様々な攻撃を仕掛けている。

だが、どれほどゆがめられても、民主主義の制度機構は政権交代によって打撃に耐えており、折れないしなやかさを持っていることが証明されている。

一方、独裁国家をみてみると、ロシアのプーチン大統領は今もクレムリン(大統領府)の主だ。トルコのエルドアン大統領も、首都アンカラにあるベルサイユ宮殿のような豪華な大統領官邸で暮らし続けている。

そして中国・北京では、事実上の皇帝である習近平(シー・ジンピン)国家主席が、西側諸国が設計した国際秩序を取り壊そうと、対立的な姿勢を一層強めている。

政治弾圧の正当化へ外敵が不可欠

だが、権勢が全盛を誇っているようにみえても、突如無力になるのが、独裁者による支配の特徴だ。

ある英国人外交官がかつて、英外務省のソ連担当部門で見習いとして務めていたころの話をしてくれたことがあった。それは1980年代初頭のことで、ソ連は軍事的には絶頂を極めているようにみえた。

西側から見ると、ソ連の計画経済体制は持続不能に思えた。その一方で、ソ連国内で計画の行方に口をはさむ人はおらず、体制は永遠に続くと想定されていた。

プーチン体制のロシアは、ソ連のように崩壊するのか、それとも永続するのか。西側諸国の見解は割れている。

ロシア政府は今月、「国家安全保障戦略」の改訂版を公表した。クレムリンの世界観に多少なりとも興味を持ったことがある人にとっては、全体的な要旨はなじみがあるものだ。

国家主義の独裁者は、国内での政治弾圧を正当化するために海外に敵を作らざるをえない。ロシア大統領は以前から、西側諸国を自分の敵だとみなしてきた。

国家安全保障戦略は、窮地に立つロシアは敵対的な米国と北大西洋条約機構(NATO)同盟国に包囲されている、と記している。

さらに、敵対勢力(米国など一部の国は今、正式に「非友好国」に指定されている)が軍隊をロシア国境付近へ移動させている。米政府は国際的な経済力を駆使してロシアを攻撃している。西側諸国にとって、経済制裁はロシアの主権・領土を脅かす重要な手段である――などと説明している。

また、脅威は軍事的、経済的なものにとどまらず、攻撃はロシアの文化・文明に対するものでもあるとも論じている。

西側諸国は、「ロシア連邦の国民の伝統、信念、意見に反する」社会観、倫理観を世に広めている。だから西側が広めようとしているイデオロギーと価値観から国を守らなければならない、というわけだ。

1980年代の再来というには時期尚早

当然だが、こうした分析をみると、プーチン氏が西側との関係を根本的に変えようとはしていないことがわかる。スイスのジュネーブで6月に開かれたバイデン米大統領との首脳会談で、米ロ関係は仕切り直しとなったかもしれないが、関係は完全にリセットされたわけではない。

さらに、ロシアの有力シンクタンク、カーネギー財団モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長は、ロシアのこの最新の国家安全保障戦略に一つ重要な事項が追加されたことに気づいた。脅威が国外のみならず、国内にもあると認識するに至っている点だ。

ここには、厳しい経済状況、石油・ガスに大きく依存している経済構造、減少傾向にある人口、他国と比べて遅れている技術などが含まれる。トレーニン氏の見立てでは、「国内の社会問題や地域格差、経済格差などが際立つなか、ロシアの指導部には今、内向きにならざるを得ない理由が山積している」と言う。

さらに、政府中枢にまで広がっている汚職を加えると、収監されている反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対してプーチン氏が不安を抱く理由がわかる。国民の生活水準の低下だけでなく国家の汚職まで海外のせいにすることはできないのだ。

また、外貨獲得で石油・ガス輸出に依存していることもあり、世界各国が進めつつあるエネルギーの脱炭素化は、今後ロシアの国庫に入る収入がしぼんでいくことを意味する。

こうなるとつい、1980年代の再来かと考えたくもなる。つまり、体制に入ったひびがさらに広がり、ソ連のように崩壊する日がくるのではないか、ということだ。

筆者の考えでは、そうみるのは時期尚早だ。プーチン氏が唯一懸念していることは、自身の権力を維持できるかどうかだからだ。

自身の地位を守るためなら、プーチン氏は喜んでロシアの未来を盗むような行為にも手を染めるだろう。習氏の中国と手を組むことがこれにあたる。なにしろ、ロシアがその代償を払うころには、プーチン氏はもういなくなっている。

独裁国家、崩壊するまで形とどめ続ける

だが、世界の権威主義的国家の軌道が定まっていて変わらないと思い込むことも、体制が崩壊間近だと考えるのと同じくらい間違っている。

現代における「ポチョムキン村(帝政ロシア時代、体面を保つために作られた張りぼての村)」を作るような国の独裁者は、自分の支配のもろさをよく理解しているからだ。

「習皇帝」にとって、弾圧は統制の道具だが、同時に体制転覆をどれほど恐れているかも示している。こうした独裁国家は、どのタイミングで崩壊するかが最大の課題だ。しかし、こうした国は高炭素鋼のように、パキッと音を立てて折れる瞬間まで、その形をとどめ続けるのだ。

By Philip Stephens

(2021年7月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

英フィナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の記者が、アジアのテクノロジー業界の「いま」を読み解くニュースレター「#techAsia」の日本語版をお届けします。配信は原則、毎週金曜。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053 』

モルドバ議会選 親欧米派政党が勝利

モルドバ議会選 親欧米派政党が勝利
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR111NB0R10C21A7000000/

『【モスクワ=石川陽平】旧ソ連南西部のモルドバで11日、議会選(定数101)が実施され、即日開票の結果、サンドゥ大統領が創設した親欧米派政党「行動と連帯」が過半数の議席を獲得して勝利することが確実になった。親ロシア派から議会での主導権を奪い、大統領を支えて欧州への統合の進展をめざすことになる。

サンドゥ大統領は12日未明までに、交流サイト(SNS)のフェイスブックを通じて「投票所に来て、モルドバの民主主義強化のために力を貸してくれた人々に感謝する」とコメントした。できるだけ早く政府を発足させる考えも表明した。

議会選は政党別の比例代表制で実施され、任期は4年。中央選挙管理委員会によると、開票率約90%の時点で「行動と連帯」の得票率は47%となり、過半数の議席を獲得する可能性が出てきた。親ロ派の社会党と共産党の政党連合は31%にとどまっている。保守派政党「ショル」も6%を超え、議席を得る見通しだ。

モルドバは人口約310万(出稼ぎ労働者を除く)の小国だが、米欧とロシアが勢力争いをしてきた地政学的要衝にある。2020年11月の大統領選ではサンドゥ氏が親ロ派のドドン前大統領に勝利し、同国初の女性大統領に就いた。21年4月に親ロ派が多数を占める議会の解散に踏み切った。』

親EU対親ロシア激突 モルドバで総選挙
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM112FS0R10C21A7000000/

『【キシニョフ=AFP時事】旧ソ連構成国の一つ、東欧モルドバで11日、総選挙(定数101、任期4年)の投票が行われた。昨年11月の大統領選で、親ロシア派のドドン前大統領を破った親欧州連合(EU)のサンドゥ現大統領が4月、親EU派の基盤強化を狙い議会を解散していた。自称独立国家の東部「沿ドニエストル共和国」からロシア軍撤収を呼び掛けるサンドゥ氏とロシアの関係は緊迫している。

首都キシニョフの投票所で、サンドゥ氏の与党「行動と連帯(PAS)」に入れたというナタリヤさん(29)は「ロシアの金で権力に居座る泥棒たちをいつか追い出して、誠実に国に奉仕する人を選ぶ日が来ると希望を抱き続けてきた」と語った。一方、ドドン氏が率いる親ロ派に投票したリュドミラさん(70)は「共産主義時代は秩序があった」とソ連時代を懐かしんだ。』

脱炭素へプーチン氏の深謀

脱炭素へプーチン氏の深謀 課税警戒も探る商機
上級論説委員 坂井光
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK022FB0S1A700C2000000/

『世界が脱炭素に大きくかじを切るなか、産油国が対応を余儀なくされている。サウジアラビアは太陽光や風力など再生可能エネルギーへの投資を始めた。そんななか石油生産3位(2019年)、温暖化ガスの排出量4位のロシアが独自の道を歩み出している。』

『「ロシアの温暖化ガス排出量(二酸化炭素=CO2=換算)は1990年の31億トンから16億トンに半減した」「地球規模の問題の解決に向けた国際協力を強化する」――。今年4月、米バイデン大統領が主催した気候変動に関する首脳会議(サミット)で演説したプーチン大統領は自国の積極的な取り組みと協調姿勢をアピールした。』

『かつては「石器時代に後戻りする」と石油離れを皮肉り、環境活動家らに翻弄される西側指導者にも冷ややかだったプーチン氏。何が変わったのか。』

『大きなきっかけは、欧州連合(EU)が環境対策に後ろ向きな域外諸国を対象に導入を検討している「国境炭素税」だ。詳細は未定だが、アルミ、鉄鋼などを輸出するロシアは最も多くの税を納める国になる可能性がある。その額は米S&Pグローバルの試算では年最大60億ユーロ(約8000億円)になるという。

国際的に孤立していたプーチン氏がサミットで演説し、6月にはバイデン氏との会談を実現したのもロシアの立場を示す必要があったのだろう。EU首脳との会談が実現していないのは誤算かもしれないが、今後は独仏などとの直接交渉に乗り出すに違いない。』

『EUとの交渉をにらみロシアが唱え始めたのが、森林の吸収効果だ。同国には世界の森林面積の約2割が存在する。それを念頭にプーチン氏は「生態系による吸収能力はCO2換算で年間推定25億トンに及ぶ」と環境問題への貢献を強調している。

「これはロシアが享受すべき『排出権』に等しく、炭素税を課される筋合いはないという論理」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構=JOGMEC)だ。現存する森林による吸収は、新規の削減にはつながらない。認められる可能性は低いが、ロシアはEUの譲歩を引き出す戦略だろう。』

『EUの炭素税に危機感を示すロシア。ただ、歳入の約4割を石油・ガス産業に依存し、産業構造の転換も進んでいないだけに、脱炭素を巡る立場は欧州とは異なる。』

『プーチン政権が2020年に11年ぶりに改定したエネルギー戦略。そこでは18年実績に比べた35年の化石燃料の生産予測を次のように定めた。▼石油 横ばい~12%減▼天然ガス 18%増~38%増▼石炭 10%増~52%増

減少を見込む石油も、補助金などで開発を支援する北極圏での生産が国内生産の17%から26%に高まる。できるだけ生産を維持するため投資は続けるという判断だ。

その意味するところは、プーチン氏の盟友でもある国営石油会社のセチン社長の度重なる発言にうかがえる。「再生可能エネルギーだけでは世界の需要をまかないきれない。石油・ガスには新たな開発の可能性がある」

願望を含むかもしれないが、脱炭素社会がそんなに急速に実現するのかという懐疑心が背景にある。あわよくば石油価格の上昇やシェアの拡大につなげる思惑がある。』

『一方で、プーチン氏はエネルギー戦略に急きょ、新エネルギーとして期待される水素を盛り込んだ。現在、世界で生産される水素の約8割が天然ガスを原料とするだけにロシアには優位性がある。さらに、原子力発電を利用した水素生産も視野に入れ、日本への供給も目指している。

その原発もロシアは輸出に積極的だ。今年に入り中国、インドで新規建設が始まった。日本や米国が原発技術や人材を失いつつあるなか、着実にシェアを拡大している。

弱点は太陽光や風力など再生可能エネルギーの技術で大きく出遅れていることだ。実際、国内の発電量シェアはほぼゼロで、電気自動車も普及していない。

脱炭素に戸惑いながらも、新たな商機を探るロシア。その成否はプーチン体制だけでなく国の命運を左右する。』

ロシアとの関係を考慮?韓国、米国が要請した黒海連合海上訓練に「不参加」表明

ロシアとの関係を考慮?韓国、米国が要請した黒海連合海上訓練に「不参加」表明=韓国ネット「正しい判断」
https://news.livedoor.com/article/detail/20415407/

『2021年6月23日、韓国・MBNによると、米国が黒海でウクライナ海軍と実施する連合海上訓練に韓国を招待したが、韓国国防部は「不参加」の立場を示している。

記事によると、今回の訓練は32カ国から約5000人の兵力、32隻の艦艇、40機の航空機が参加し、上陸作戦、陸上機動作戦、水中浸透作戦、対潜水艦作戦、捜索・救助作戦が実施される。世界各地で発生し得る戦場の状況に対応することを目的とするため、参加する戦力の規模は過去最大だという。

米海軍は21日(現地時間)に発表した資料で韓国を参加国として明記したが、韓国の国防部と海軍は「参加・参観の計画はない」と明らかにした。

韓国が参加要請を拒否した理由について、記事は「ロシアとの関係など朝鮮半島の戦略的環境を考慮した。さらに黒海まで艦艇を送る条件も整っていないため」と分析している。軍事専門家らは同訓練を「軍事活動を強化するロシアをけん制するための措置」とみているという。

これに韓国のネットユーザーからは「いい判断。大国のけんかには関わらないのが一番」「シベリア横断鉄道など韓国の北方政策に致命的だ。不参加が正しい」「黙っていれば中立の立場にいられる」「日本と中国、そして北朝鮮をけん制するためにはロシアとの協力が米国と同じくらい大切」「韓国がそこまで行く理由は全くない」「外交とはこうやって行うものだ」など、韓国政府の決定に賛同する声が数多く上がっている。一方、一部では「仲間外れになる」「素晴らしい経験ができる機会を逃した」と指摘する声も見られた。(翻訳・編集/堂本)』

ウクライナ情勢緊迫化に懸念 米軍トップ、ロシアと電話会談

『【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は31日、同省での記者会見で、「ロシアがウクライナ東部で侵略行為を強めている」と懸念を表明した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はロシア、ウクライナ両国の軍トップと電話で会談した。

「恐ろしいこと」に責任 カナダ首相もプーチン氏非難

 カービー報道官は「ウクライナ国境地帯でロシア軍に動きがあるという情報は承知している」と指摘。「緊迫化するウクライナ情勢やロシアによる停戦違反について、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協議している」と語った。
 一方、米軍はミリー統参議長のロシア側との会談について「共に懸念を有する議題について意見を交換した」と述べるにとどめた。ウクライナ側との会談内容は明らかにされていない。』

プーチン氏、旧ソ連の「勝利」美化 政治の道具に

プーチン氏、旧ソ連の「勝利」美化 政治の道具に
編集委員 池田元博
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH0282H0S1A300C2000000/

『ロシアのプーチン大統領が旧ソ連の歴史を美化しようと懸命になっている。国内には超大国だったソ連に郷愁を覚える人々がいまだに多い。プーチン氏の支持率が低下傾向にある中、国民の愛国心を鼓舞し、権力基盤の維持につなげようとする政権の思惑が透けてみえる。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。 https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/

「大祖国戦争におけるソ連国民の勝利を不朽化せよ」。ロシアでは第2次世界大戦の対独戦を大祖国戦…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1684文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

ロシアでは第2次世界大戦の対独戦を大祖国戦争と呼ぶ。プーチン氏は議会に対し、6月末までに法案を準備するよう求めている。

3千万人近い犠牲者を出しながらナチス・ドイツに勝った戦争は、ロシア人にとってソ連時代の誇るべき歴史だ。プーチン政権も5月9日の対独戦勝記念日を大々的に祝い、国威発揚の場としてきた。ただ単に戦勝を誇示するなら、いまさら新たな法律をつくる必要はない。

実はプーチン氏が法案に盛り込むよう求めた項目がある。第2次大戦でのソ連とナチス・ドイツの役回りについて「同一視」することを禁じる条項だ。

欧米では、ソ連とナチス・ドイツが1939年8月に結んだモロトフ・リッベントロップ協定と呼ばれる不可侵条約が第2次大戦の引き金になったとの見方が一般的だ。独ソが秘密議定書でポーランド分割を含めた東欧・バルト地域の勢力圏を取り決め、ドイツがポーランドに侵攻して大戦の火ぶたが切られたからだ。プーチン氏は欧米流の歴史観を見直し、ソ連の開戦責任を否定して大祖国戦争を完全に美化する狙いを持っているとみられる。

プーチン氏は昨年、自ら第2次世界大戦に関する論文を公表し、ソ連の責任を否定するような主張を繰り広げた(2月下旬撮影)=ロイター
ソ連の開戦責任論を振り払おうとするプーチン氏は昨年6月、「偉大な勝利から75年――歴史と未来に対する共通の責務」と題する論文を内外で発表した。昨年末には、当時の外交文書や公電などを注釈として加えた小冊子も発行。第2次大戦は「第1次大戦の戦後処理が多分に要因となった」と主張し、敗戦国ドイツに「実質的な国家収奪」ともいえる過剰な賠償金を科したベルサイユ条約を問題視した。

さらに1938年9月のミュンヘン会談でドイツによるチェコスロバキアの地方割譲を認めた英仏、チェコスロバキア分割でドイツと手を組んだポーランドの対応も開戦を誘発したとの見方を示した。

過去にはプーチン氏自身が「独ソの不可侵条約は当然、非難されるべきだ」とし、開戦責任の一部を認めたこともある。ここにきての路線修正について、ロシアの歴史学者イワン・クリラ氏は「プーチン氏にとって歴史は、国民感情を刺激する政治の道具」と警鐘を鳴らす。国民の愛国心をくすぐり、政権の求心力を維持しようとしているとの見立てだ。

それだけではない。政権は「歴史」を反政府勢力の排除にも利用し始めている。まず標的にされたのは政権による毒殺未遂疑惑で内外の注目を浴び、プーチン氏の最大の政敵となった反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏だ。

同氏は過去の事件の実刑判決で刑務所に収監中だ。だが、モスクワの裁判所は2月末、大祖国戦争に従軍したある退役軍人の名誉を傷つけたとして、ナワリヌイ氏に85万ルーブル(約120万円)の罰金支払いを命じた。

この退役軍人は昨年、プーチン氏の大統領再選に道を開く憲法改正を支持するテレビCMに出演。ナワリヌイ氏はツイッターに「裏切り者」「国家の恥」などと非難する書き込みをしていた。

そのナワリヌイ氏がプーチン氏の汚職疑惑を指摘したこともあり、国民のプーチン人気には陰りが見え始めている。政権は次なる政権浮揚策として、「歴史」の政治利用を一段と強めるとみられる。

ただ、行き過ぎた懐古主義は国内を不安定にするリスクをはらむ。首都モスクワでは、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の前身の秘密警察を創設したフェリクス・ジェルジンスキーの銅像を、KGB本部のあったルビャンカ広場に復活すべきかで騒動が起きた。

保守勢力の要請で2月下旬には、オンライン形式の住民投票が始まったが、ソビャニン・モスクワ市長は「社会分裂の火種になる」と投票中止を決めた。住民投票は中止までの2日間で30万人以上が参加。中世ロシアの英雄アレクサンドル・ネフスキー大公との二者択一で、約45%がジェルジンスキー像の復活を支持したという。

モスクワで、倒されたKGB創設者ジェルジンスキーの像の頭部を踏みつける人々(1991年8月)=AP・共同

ルビャンカ広場のジェルジンスキー像はソ連末期、保守派クーデターの失敗直後に民主化を求める市民によって倒された経緯がある。今回、ソ連の暗い歴史で粛清の象徴とされる同氏の像をめぐり、肯定派と否定派がほぼ拮抗する事態にプーチン政権は市民の間で対立が深まりかねないとみて、側近のソビャニン市長に投票中止を命じたとみられる。

プーチン氏が進めるソ連の美化は、欧米との対立を深めるだけでなく、国内でも社会分断を助長しかねない。

アルメニア内政混乱、軍が首相に辞任要求

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25EJ40V20C21A2000000/

 ※ 負けると、どこもこういう体たらくになる…。

 ※ 特に、下記の記事にもある通り、「ロシア製の防空ミサイル体制は、鉄壁だ。」みたいな前評判だったらしい…。

 ※ 何事も、「絶対」「完璧」「100%」なんてものは、存在しない…。

『【モスクワ=小川知世】旧ソ連のアルメニアでパシニャン首相の進退をめぐって内政が混乱している。軍参謀総長らが25日に辞任を要求し、パシニャン氏は「クーデターの試みだ」と参謀総長の解任を提案した。同国では2020年にアゼルバイジャンとの紛争に敗北してから首相への退陣要求がくすぶっており、緊張が高まる可能性がある。

パシニャン氏は同日の演説で、クーデターは「国民が許さない」と述べ、事態は統制下にあると強調した。国防省からも軍は政治的なプロセスに関与すべきではないとの声明が発表された。

首都エレバンではパシニャン氏の支持者と、辞任を訴える野党の支持者らそれぞれ数千人が集会を開いた。野党側は議会で首相の弾劾を協議する臨時会議の招集が認められなかったなどとして、抗議継続を呼びかけた。

辞任要求はガスパリャン参謀総長ら約40人の軍高官が声明で発表した。「首相は危機的な状況で適切な判断を下せない」などと批判した。現地報道によると、警察高官からも首相辞任を支持する意見が出ている。

背景にはアゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフをめぐる紛争で、アルメニアが事実上の敗北に追い込まれたことへの不満がある。パシニャン氏は紛争時にロシア製の短距離弾道ミサイルが十分に機能しなかったと釈明していたが、これに疑義を示したとされる軍高官が24日に解任され、参謀総長らが反発した。

アルメニアと軍事同盟を結ぶロシアは動向を注視している。プーチン大統領は25日にパシニャン氏と電話協議し、法に基づいて状況を解決するように促した。「内政問題」(大統領報道官)と一方への肩入れは避けつつも、対ロ関係に悪影響を与えないかを見極めるとみられる。

アルメニア系住民がアゼルバイジャンからの独立を主張するナゴルノカラバフ地域をめぐる紛争は20年に再燃した。アルメニア側は苦戦し、実効支配地域の大半をアゼルバイジャンに引き渡す内容で11月に停戦合意した。野党側はロシアから支援を引き出せなかったなどとして、パシニャン氏に敗北の責任があると非難していた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

アルメニア首相の失言にロシア激怒、政治的にも道徳的にもミサイルを扱う資格はない
https://grandfleet.info/european-region/russia-rages-at-armenian-prime-ministers-misrepresentation/

『アルメニアがロシアから調達した短距離弾道ミサイル「イスカンデル」は変則軌道で目標に接近するため通常の弾道ミサイルよりも迎撃が難しく、アゼルバイジャン軍に対して人員や装備面で劣勢なアルメニア軍にとって切り札的な存在だったのだが、これをナゴルノ・カラバフ紛争の初期段階から使用しなかったことをサルキシャン大統領に咎められたパシニャン首相は「イスカンデルは役に立たなかった」という趣旨の発言を行いロシアを怒らせてしまった。』

『すでに複数の露メディアがパシニャン首相の発言を報じて「国内の政治闘争にロシア製兵器を持ち出してイスカンデルを性能を貶めるな」と言っているが、旧ソ連空軍の元大佐でロシア国防省の公会議メンバーとしても活動を行い現在は軍事評論家として活躍しているイゴール・コロチェンコ氏は「アルメニアの政治対立に否定的な意味合いでロシア製兵器を持ち出されたことは非常に悲しい、ロシアがアルメニアに供給したイスカンデルミサイルを含むロシア製兵器は非常に効果的な21世紀戦争の道具だ」と述べている。

さらにコロチェンコ氏は「アゼルバイジャンとの戦いで負けた責任をロシアに負わせるのではなくプロフェッショナリズムの観点から見てアルメニア軍の準備は十分だったのか自問自答する必要があり、このような行動はロシアのパートナーとしてだけでなくCSTO(ロシア主導の集団安全保障条約機構)のメンバーとしても相応しくない。特にパシニャン首相のレトリックは誤りであるだけでなくロシアに対する敵対的言動だ」と強烈に批判した。』

鳥インフルH5N8亜型、ヒト感染確認 世界初とロシア

※ また、新たな「感染症」の発生か…。ヤレヤレだ…。

※ まだ、ヒトーヒト感染の事例は、報告されていないようだが…。

『【モスクワ時事】ロシア衛生当局は20日、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)について、世界で初めて鳥からヒトへの感染を確認したと発表した。ヒトからヒトへの感染は確認されていない。

 H5N8亜型は欧州や日本でも鳥からの検出例が相次いでおり、警戒感が強まっている。保健当局高官によると、ロシア南部の養鶏場で昨年12月に7人が感染した。現在は回復している。ロシアの研究機関が感染を確認し、世界保健機関(WHO)にも報告したという。』

ロシア経済5年ぶりマイナス成長、抗議拡大が回復に影

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29DY40Z20C21A1000000

 ※ 日本経済のGDP予測は、大体、「-5~-5.5%」というものが多い…。

『【モスクワ=小川知世】ロシア経済が低迷からの脱却が見通せなくなっている。2020年は5年ぶりのマイナス成長だった。大幅な悪化は回避し、政権は国主導で回復を目指すものの、消費の回復は鈍い。反体制派ナワリヌイ氏の拘束を機に広がった抗議の取り締まりに欧米は非難を強めており、対ロ制裁強化への懸念も逆風となっている。

連邦統計局が1日に発表した20年の実質国内総生産(GDP)は前年比3.1%減だった。新型コ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1146文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限や原油安が響いた。マイナス成長はウクライナ問題をめぐる欧米の対ロ制裁の影響が出た15年(同2%減)以来となった。

減少幅は経済発展省が予測した3.8%減より小さかった。国際通貨基金(IMF)が10%のマイナス成長を見込む英国など欧州に比べても打撃は限定的だった。悪影響を受けやすいサービス業や中小企業が経済に占める割合が小さく、軍需、資源産業などへの制限措置が厳しくなかったことが理由とされている。

子育て世帯や雇用対策に重点を置いた支援策や、最大の貿易相手国である中国の経済回復も寄与した。プーチン大統領は「ほかの先進国より経済の落ち込みは少ない」と成果を強調していた。

21年の実質GDPは経済発展省が3.3%増、IMFが3%増と予測する。政権はインフラ投資などを定めた30年までの国家事業を軸に、国主導で経済回復を目指す構えだ。プーチン氏は1月27日の講演で「さらなる経済発展は主に予算による刺激に基づくだろう」と述べた。

プーチン氏は国家主導で経済回復を目指す構えを示した(1月27日、モスクワ)=ロシア大統領府提供・ロイター

一方で財政の安定を優先させる姿勢も崩していない。連邦予算では21年にGDP比2.4%、22~23年も1%台の財政赤字を計画する。3年ぶりの財政赤字に転じた20年も同3.8%に抑えた。海外での資金調達を困難にする制裁強化や原油安など外部的な不安要因に備える狙いとみられる。

実質所得は20年に前年比3.5%減とコロナ前から低迷が長期化する。コロナ対策は縮小が予想され、個人消費の大幅な回復は見通せない。ロシアのシンクタンク政治技術センターのニキータ・マスレニコフ氏は「財政政策による効果は限られる。民間投資が伸びない構造が変わらなければ経済停滞が続く」と指摘する。

制裁強化への懸念が外国からの投資を減少させることも考えられる。ナワリヌイ氏の拘束や、釈放を訴える抗議デモの参加者の大量拘束を受け、欧米は批判を強めている。欧州連合(EU)は対ロ制裁の強化を示唆し、ナワリヌイ氏の陣営は政権関係者35人に制裁を科すようにバイデン米大統領に求めた。

ナワリヌイ氏の毒殺未遂疑惑やロシアに厳しい姿勢を示すバイデン政権の発足などをにらみ、金融市場でのロシア経済への信頼は低下していた。中銀によると、20年の資本流出は478億ドル(約5兆円)と前年から倍増。企業への外国からの直接投資は14億ドルと20分の1に急減した。

経済低迷への不満も背景に抗議が広がった(1月31日、サンクトペテルブルク)=AP

経済低迷による生活の悪化は抗議拡大の一因でもある。1月末の抗議デモに参加した女性(18)は「お金が国民に行き渡らず、貧しい人々が置き去りにされている」と述べ、政権周辺が利益を独占していると不満をあらわにした。9月に下院選、24年に次期大統領選を予定し、政権とって支持確保は急務となる。プーチン氏は経済面でも難題に直面している。

ロシア20年GDP3.1%減、コロナで消費振るわず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01C8C0R00C21A2000000

『【モスクワ=小川知世】ロシア連邦統計局は1日、2020年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年比3.1%減だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限や原油安が響き、GDPの約半分を占める消費も振るわなかった。政府はワクチンの接種を進め、経済の回復を急ぐ。

通年の経済成長率が前年比でマイナスとなるのはウクライナ問題を巡る欧米の対ロ制裁の影響が出た15年以来。産業部門別ではホテルや外食、運輸、鉱業などが大きく落ち込んだ。経済発展省は21年の実質GDPが前年比3.3%の増加に転じると予測している。

ロシアは国産ワクチンを最終段階の臨床試験の完了に先立って承認し、18歳以上の全ての希望者に対象を広げた大規模接種を1月に始めた。政府は21年中に国民の60%が接種を受けられるとしている。同国の感染者は1日1万8000人前後のペースで増えている。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

海軍だけでなく、経済的苦境もロシア人を抗議に駆り立てる

『(※ Google翻訳文)

海軍だけでなく、経済的苦境もロシア人を抗議に駆り立てる
ロシアの実質所得は昨年3.5%減少し、失業率は2011年以来の高水準である

2021年2月1日
ここ数年でロシアを掃討する最大の抗議行動のきっかけは、神経剤による中毒を生き延びた後、先月帰国した際に拘束された野党政治家でクレムリン評論家のアレクセイ・ナワリヌイ氏の逮捕だった。

しかし、怒りはより深く実行されます。老若男女を問う抗議者の中には、生活水準の低下と小さくて裕福なエリートと一般の人々の間の認識されたギャップに対する不満を発散するために街に連れて行った人もいると言う人もいます。

読み続ける
ロシア、海軍同盟国の弾圧が続く中、数千人を逮捕
写真で: 海軍の集会中にロシア全土で大量逮捕
米国はロシア、トルコ軍のリビアからの撤退を求める
ロシアの裁判所は、海軍の控訴を拒否します。同盟国を逮捕

実質所得は昨年3.5%減少し、失業率は2011年以来最高で、2020年の経済はコロナウイルス大流行で大きな打撃を受け、過去11年間で最も急激な縮小に見舞われたと推定されている。

不平等をめぐる不満は、拘禁直後に公開されたYouTube動画でNavalnyによって標的にされ、ロシア南部の1000億ルーブル($1.31億)の宮殿複合施設を展示した1億6000万回以上を視聴した。

海軍は、その最終的な所有者はウラジーミル・プーチン大統領であると主張した。それ以来、プーチンの元柔道スパーリングパートナーは、彼がそれを所有していると言いました。

1月23日にモスクワで抗議したアレクサンドラは、特にメディックがコロナウイルス大流行と戦っていた時期に、ビデオにショックを受けたと語った。

「私は医師がどのようなボーナスを得えるか想像できます:約17,000ルーブル($223)」と、24歳の学生は、当局との反響を恐れて彼女の姓を与えることを拒否しました。

「そして、それは本当に私に得た、それは最後のわらだった、と私は抗議することを決めました」と、アレクサンドラが付け加えました。

1月23日に何万人もの人々が全国の主要都市の通りに連れて行き、わずか1週間後に数は少なかった。当局は、群衆の抗議指導者の見積もりは誇張されたと言います。

警察は両日に何千人もの人々を逮捕し、モスクワ中心部の週末に、数百人の機動隊が配備され、異議申し立てを鎮圧しました。

「ここに私のおばあちゃんのために」

多くの抗議者がナワリヌイの旗の下で集会を開いたが、彼らはプーチンに対する彼の反対のために当局によって迫害されたと言うが、これは逮捕を危険にさらす唯一の理由ではなかった。ロシア政府は海軍の不当な扱いを否定している。

1月31日にモスクワで行われた若い抗議者ソーニャは、野党のファイアブランドを支持するが、経済的圧迫によっても動機づけられたと語った。

モスクワで投獄されたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイを支持する集会中に法執行官が男を拘束[File: マキシム・シェメトフ/ロイター]

「(私たちの)国は完全に混乱しています.「年金受給者がどのように生きているかを見てください」と、彼女は海軍が披露した財産にそのようなブラシが存在するという疑惑に触発された抗議の象徴である黄金のトイレブラシを振り回して、ロイターのニュースに語りました。

「私は私の家族のために、私のおばあちゃんのためにここにいます。私はこの国に何年も住む予定ですが、親戚には今より良い生活をしてほしいです。

ルーブルは、海軍事件に対する新たな西側制裁の恐れに落ちている。これは、昨年4.9%に達したインフレを押し上げる恐れがあり、中央銀行の目標である4%をさらに上回っている。

プーチン自身は、食料価格の上昇に懸念を表明しており、政府は国でそれらを維持し、価格を冷やすために、いくつかの食料品に輸出税を導入するきっかけとなった現象です。

プーチンは2018年に4度目の再選を果たし、実質可処分所得は着実に上昇し、貧困率は2024年までに6.5%に低下すると約束した。

この2つの目標は2030年まで6年延期され、当局はパンデミックを理由に挙げた。

昨年第3四半期の貧困ライン以下に住むロシアの人々の数は、ロシア全体の12.8百万人(ロシア全体の12.8%)に達したと公式データは示している。そのカテゴリーの人数は2019年に比べて70万人増加しました。

出典:ロイター 』

ロシア反体制派幹部ら一斉拘束

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM224HB0S1A120C2000000

『【モスクワ=共同】ロシア当局は21日、ドイツから帰国直後に逮捕された反体制派ナワリヌイ氏の陣営幹部らを「違法デモを呼び掛けた」として一斉に拘束した。同氏陣営は逮捕に抗議して23日にロシア全土で抗議行動を計画しており、恐れるプーチン政権が弾圧に乗り出したようだ。ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」などが伝えた。

一方、ナワリヌイ氏陣営が19日に公開したプーチン大統領所有とされる豪華な「宮殿」の動画の再生回数は21日夜に5千万回を突破した。インターネット上ではプーチン氏批判が渦巻いており、ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモがどれだけの規模になるか注目される。

ロシア警察は21日、ナワリヌイ氏陣営の女性幹部で、2019年のモスクワ市議選の不正疑惑に対する抗議行動を主導したソボリ氏、プーチン政権の不正を暴く調査チームを率いるアルブロフ氏、報道担当ヤルムイシ氏ら主要幹部らを次々と拘束した。

プーチン氏批判の急先鋒であるナワリヌイ氏は昨年8月にロシア国内で毒殺未遂に遭い、ドイツで5カ月の療養を経て、今月17日帰国した直後に逮捕された。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム

プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム
 上級論説委員 坂井 光
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK062MT0W1A100C2000000

 ※ 一つ前の記事や、こういう記事を読むと、つくづく「自由な言論の流通」、「自由な情報の流通」というものが、「統治・統制しようとする側」にとっての「鬼門」であることを感じる…。
 
 ※ しかし、そうなると、「玉石混交」となり、その「真贋を見抜く眼力」「取捨選択する力(ちから)」の強弱が決め手となってくる…。

 ※ そこへ持ってきて、その「情報流通の要石(かなめいし)」たる「プラットフォーム」自体が、独占・寡占体制になってしまって、そこを制している勢力の「意のまま…」という問題も生じている…。

 ※ いずれ、個人個人としてやれることは、せいぜいが、「真贋を見極める眼力」「背景を自分の頭で考える思考力」「全体構造を見通す洞察力」を、日々鍛錬して行くことだけだ…。

『2021年は1991年末のソ連崩壊から30年の節目にあたる。その後のロシアを10年ごとに大ざっぱに区切ると、債務不履行や通貨危機などを経験した最初の10年は喪失と混乱の時代だった。

それが、プーチン大統領が登場し権力基盤を固め始めた2001年からの10年は、大国への郷愁と自信回復の時代となった。06年に自らの故郷サンクトペテルブルクで主要8カ国首脳会議(G8サミット)を主催し、08年には旧ソ連のジ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1405文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

・06年に自らの故郷サンクトペテルブルクで主要8カ国首脳会議(G8サミット)を主催し、08年には旧ソ連のジョージアに侵攻した。

・そして、11年から昨年までは孤立と停滞の10年だろうか。14年には隣国ウクライナ領のクリミア半島を武力で併合。国際的な経済制裁を受けたうえに、石油価格の低迷で経済成長が止まった。

・そのあいだ一貫していたのは、反体制派への弾圧と強権体質だ。ジャーナリストのポリトコフスカヤ氏、元スパイのリトビネンコ氏、元第1副首相のネムツォフ氏らが暗殺された。野党指導者ナワリヌイ氏が毒殺されかかったのは昨年のことだ。

・これらの事件の真相は不明だ。だが、治安機関の力が増し、表だった反対運動は起きにくくなっている。

・すべては「プーチン体制」温存のためだ。政界、財界、地方、治安機関……。あらゆる分野のエリート層はいずれもプーチン氏を支持することでその地位と利権を得た。つまり「体制」そのものだ。

・変化を求めないのは彼らの総意だ。守るべきはおのおのの利益であり、国益ではない。暗殺のような不可解な事件が起きるのもそのためだろうか。もはやプーチン氏の意志だけでは思い通りに動かない怪物のような存在となり、年々手に負えなくなっている。

・その怪物が24年に予定される大統領選に臨むためのゲームが21年に本格化する。ルールを決めるのはプーチン氏とその一部の側近だ。20年7月に憲法改正を決め、同年末にかけては約100もの立法措置を駆け込み的に導入した。

・プーチン氏は最長で36年までの続投が可能になり、終身免責も決まった。20年末の記者会見で「(24年の選挙に)出馬するか、しないか、まだ決めていない」と述べたが、仮に大統領でなくなっても、安心して院政を敷く選択肢をつくった。

・一連の立法措置では、警察などの建物付近での集会は禁止となり、インターネット上の中傷的な書き込みは規制対象となった。

・いわゆる外国エージェント(代理人)法では、外国から支援を受けて政治活動をする個人は当局に申告し、報告を求められる。現地の独立系メディアは、SNS(交流サイト)などで個人が情報を流す場合「支援の解釈や政治活動の範囲など運用のさじ加減でほとんどのロシア人が処罰の対象になりうる」と警告する。いずれも政権批判を封じ込めるのが狙いとみられる。

・今年9月には大統領選に次いで重要な下院選が実施される予定だ。体制側は最大限、新たな法律を活用し、24年に向けた教訓とするはずだ。

・ただ、このなりふり構わぬゲームは危険だ。国民を抑圧する代わりに、はけ口として外国との対立をあおることが予想される。米欧やウクライナなどとの火種は尽きない。日本の領土交渉も困難さを増しそうだ。

・国民の不満をやわらげることができるのは経済状況の改善だが、石油価格次第なので期待しづらい。長期的にも世界的な脱炭素化の流れが加速する一方、ロシアは石油・ガス産業以外にけん引する産業は育っていない。このままでは先細りが目に見えている。

・今後強権だけでゲームに勝ち続けられるかは不透明だ。極東ハバロフスクでは知事を解任した政権に抗議する運動が20年7月から続く。蓄積した不満への対応を誤れば、国民は牙をむきかねないことが浮き彫りとなった。

・この先の10年、ロシアはどういう時代になるのだろう――。昨年大みそか、新年を迎えるにあたりプーチン大統領は次のように国民に呼びかけた。「これからの10年にロシアが直面する課題を、我々はともに解決し続けると確信している」。怪物が生き永らえるには長い年月だ。

【関連記事】
ソ連崩壊から30年 綻ぶロシアの求心力
ロシア大統領経験者に免責特権、プーチン氏が法案署名
ロシア反体制派「工作員が犯行認めた」 毒殺未遂疑惑で

坂井 光
プーチン体制という名の怪物 始まった危険なゲーム(2:00)
ロシア悩ます「不安定の弧」 周辺外交の限界あらわに(2020年11月18日)