マスク氏率いる米新興、ヒトの脳に小型デバイス計画

マスク氏率いる米新興、ヒトの脳に小型デバイス計画
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0128V0R01C22A2000000/

『2022年12月1日 17:30

【ラスベガス=白石武志】起業家のイーロン・マスク氏が率いる米新興のニューラリンクは11月30日、脳とコンピューターをつないで情報をやりとりする小型デバイスを半年以内にヒトに移植する臨床試験(治験)を始める計画を明らかにした。脳卒中の後遺症で体が不自由になった患者らが、装置を介してコミュニケーションすることなどを目指している。

ニューラリンクが開発中の技術は「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれる。専用ロボットでヒトの頭蓋骨の一部を切り取って硬貨ほどの大きさのデバイスを埋め込み、脳の信号を読み取って外部と無線通信することを目指している。

サルを使った実験では脳に埋め込んだデバイスを介して簡単なテレビゲームを操作することなどに成功したとしている。その後にサルが死んだことが判明して動物愛護団体などから批判を浴びた。ヒトへの治験開始に向けた米食品医薬品局(FDA)との協議は順調に進んでいると説明している。

ニューラリンクでは脳のほかにも、脊髄などに埋め込むデバイスの開発を進めていることも明らかにした。30日にオンラインで開いた技術説明会に登壇したマスク氏は「脊髄を損傷した患者が全身の機能を回復することも可能だと確信している」と述べた。

BMIは大学などを中心に長年研究が続けられてきた分野だが、マスク氏が2016年にニューラリンクを設立して本格参入したことで後を追う企業が相次いでいる。ベンチャーキャピタル(VC)などからの投資も拡大し、実用化に向けた開発が加速している。

【関連記事】

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ニューズレター
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最相葉月のアバター
最相葉月
ノンフィクションライター
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別の視点

脊髄損傷からパーキンソン病、認知症、自閉症、精神疾患まで、彼らがターゲットとする病はとても幅広いです。ロボット手術で開頭してデバイスを埋め込むわけですから様々なリスクが想定されますが、早晩、被験者は現れるでしょう。医療は、同じ病や障害に苦しむ人のためには自らを差し出すこともいとわないという患者たちの勇気と自己犠牲の精神によって進歩してきました。このデバイスを埋め込んだ人が会社で働いたり、パラリンピックで活躍したりする日もくるでしょう。
2022年12月1日 20:59

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竹内薫
サイエンスライター
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分析・考察

「脊髄を損傷した患者が全身の機能を回復することも可能だと確信している」。これが実現できれば、まさに夢の技術といえるでしょう。ブレイン・マシン・インターフェースは、われわれホモ・サピエンスの「生き物としてのデジタル化」において、きわめて大きな役割を担うと考えています。マスク氏は常に話題を集めるとともに、その分野に大きな投資を呼び込むことができるので、研究開発が一気に進む可能性があります。
2022年12月1日 19:24

岡島礼奈のアバター
岡島礼奈
ALE 代表取締役CEO
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別の視点

ちょうどこの中継を見ていたのだけれど、イーロン・マスクが、
”Prototype is easy, production is hard.”といっていたのがとても印象的であった。
月に行くというアイディアは簡単なんだけど、実際に月に行くのは難しい、とも続けていた。テスラ・SpaceXを手掛けるイーロンの言葉が身に染みた会見であった。

ちなみにこのデバイスはロボット手術により自動で埋め込まれるらしい。そしてそれにかかる時間がたったの15分とのこと。まだこれに手を出す勇気は出ない、、
2022年12月2日 23:59

蛯原健のアバター
蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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分析・考察

BMI、ブレインマシンインターフェイスは日本も含めて永らく研究が進んでおり特に医療向け用途のそれが顕著であるが、その殆どはいわゆる非侵襲タイプ、つまり頭皮などに何らかのデバイスを接触させて脳内の電極を読み取り出力デバイスに活かすものである。本件はいわゆる侵襲タイプ、つまり脳みそ直付けで接触するものでありそのタイプにおいては世界最先端を走っており人体での本格的治験は世界初だろう。但しサルにおける実験も一定の成果を見たものの結果としては成功したとは言い難く、仮に人体実験に進んだとて実用化までには今後年、十年単位のロングランゲームとなるだろう。
2022年12月1日 18:57』

Theranos

Theranos
https://ja.wikipedia.org/wiki/Theranos

『セラノス(英: Theranos)は、血液検査を手がけていたアメリカ合衆国カリフォルニア州の企業。2018年9月に解散を決定した[3]。 』

『概要

スタンフォード大学の化学工学科の2年生だったエリザベス・ホームズは、2003年に大学を中退、「少量の血液で200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に出来る」というふれ込みで、医療ベンチャー企業『Theranos』を創業した[4]。

2014年6月に約3億5千万ドル(約380億円)を調達したことでTheranosの時価総額は約800億ドル(約9000億円)になったとされ、株式の過半を所有するホームズは「自力でビリオネアになった最年少の女性」として話題になった[5]。オラクルのラリー・エリソンも投資しており、社外取締役にはジョージ・シュルツ元国務長官を始め、ウィリアム・ペリー元国防長官、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官等、錚々たる面々が揃っていた[5]。Appleの影響を多分に受けた同社は徹底した秘密主義で、全ての決済権はホームズが握っていた[6]。

事業内容は、被験者の指先から採取した少量の血液を診断センターに輸送し、「エジソン」という自社開発の診断器を使って迅速に検査結果を出すというもので、1滴の血液で30種類の検査項目を実施できるという。大手ドラッグストア・チェーンであるウォルグリーンの、全米数十カ所の店舗に血液採取センターを設置していた[5]。

しかし、2015年にウォール・ストリート・ジャーナルが、Theranosによる血液検査の信憑性に疑問を投げかける記事を掲載してから、投資家の評価は下がり[5]、さらにTheranosの年商が1億ドル(約110億円)に達していないことが、フォーブスの調査で明らかになった[7]。

2016年夏に、医療保険当局によって臨床検査の免許を取り消され、2016年10月5日、3カ所の検査施設を閉鎖すると共に、従業員のおよそ40%に当たる340人を解雇すると発表した[8]。

2017年、2年間にわたる臨床検査ラボの運営停止を受け入れて、連邦機関のメディケア&メディケイド・サービスセンター(CMS)と和解。今後は自社で検査ラボを運営するのではなく、小型検査機器「ミニラボ」を医師や病院に売るとしている[9]。

2018年4月、従業員125人の内、新たに100人を解雇[1]。

2018年6月、連邦検察は、創業者で最高経営責任者だったエリザベス・ホームズと、元ナンバー2でホームズと恋人関係にあった最高執行責任者のサニー・バルワニを、詐欺罪で起訴[10]。

2018年9月、株主に対して会社の解散をメールで通知。残った資金は同日から数ヵ月以内に債権者に対して返済される予定[3]。

2022年1月3日、カリフォルニア州サンノゼの裁判所の陪席は、エリザベス・ホームズに対し、投資家に対する詐欺罪と通信詐欺罪3件の計4件について有罪評決を出した[11]。
主な株主

2018年5月に開示された資料によると、Theranosが集めた投資総額は6億8630万ドル。この投資で100万ドル以上を失った人物は、最低でも10名に上るとしている[12]。

名称 出資額 出資時期

ウォルトン家 1億5000万ドル 2014年
ルパート・マードック 1億2500万ドル 不明
ベッツィ・デヴォス 1億ドル 2013年 – 2015年
コックス家 1億ドル 不明
カルロス・スリム 3000万ドル 不明
オッペンハイマー家 2000万ドル 不明
ライリー・ベクトル 600万ドル 不明

関連項目

Quest Diagnostics
LabCorp
i-Stat 』

電磁パルスによる被害の仕組み・原理と対策

電磁パルスとは?HEMPなど電磁パルスによる被害の仕組み・原理と対策
https://www.rd.ntt/se/media/article/0036.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

『電磁パルス(EMP)とは、電子機器を損傷・破壊する、強力なパルス状の電磁波です。大規模な太陽フレアにより発生するほか、電磁パルス爆弾や、上空30km~400kmの高高度での核爆発による発生が現実的な脅威となっています。この記事では、電磁パルスによる被害の仕組みや原理、技術的な対策などを解説します。

目次

電磁パルスとは
EMPの種類と特性
EMPの影響
EMPへの技術面での対策
まとめ

電磁パルス(EMP)とは、強力なパルス状の電磁波であり、電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信・電力などの重要インフラを使用不能にする可能性があるものです。
大規模な太陽フレアにより発生するほか、昨今の国際情勢の悪化により、電磁パルス爆弾や、上空30km~400kmの高高度での核爆発による発生が現実的な脅威となっており、対策が求められています。
この記事では、電磁パルスによる被害の仕組みや原理、想定される被害、技術的な対策について詳しく解説していきます。

  1. 電磁パルスとは

電磁パルス(EMP: ElectroMagnetic Pulse)とは、強力なパルス状の電磁波です。大規模な太陽フレアに伴って発生するほか、上空30km~400kmの高高度での核爆発や高強度電磁界(HPEM: High-Power Electro-Magnetics)発生器などにより人為的に発生させることも可能です。いずれも人体に直接の影響はないものの、電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信や電力、ガス、上下水道、交通などのインフラに障害を生じさせます。
1859年には大規模な太陽フレアの発生により、カナダのケベック州全体で9時間もの停電が起きました。また、昨今の国際情勢の悪化に伴い、HPEM発生器や「高高度核爆発電磁パルス」(HEMP: High altitude ElectroMagnetic Pulse)による攻撃が現実的な脅威となっており、対策が求められています。

現状ではほとんどの電子機器が、太陽フレアによる磁気嵐被害やHPEM発生器、HEMPによる攻撃を想定せずに作製されています。そのため、仮にこれらの被害や攻撃を受けた場合は壊滅的な打撃を受け、復旧までに数か月~数年かかるともいわれています。

  1. EMPの種類と特性

次に、EMPの種類と特性を、太陽フレア、HEMP、HPEMのそれぞれについて見ていきましょう。

2-1. 太陽フレア

太陽フレアとは太陽表面の大爆発で、大きな黒点の周りで発生します。黒点の磁場が変化する際、そのエネルギーがまわりのガスに伝わって起こると考えられており、電波やX線、および電子や陽子などの電荷を帯びた素粒子が飛び出してきます。
太陽フレアによって引き起こされる電磁パルスはkHz以下の低周波数帯のもので、短いときは数分間、長いものでは数時間にわたって続きます。この電磁パルスによって地球の磁場の振動や動揺が引き起こされ、高圧送電線などの非常に長い伝導体に大電流が発生します。

2-2. HEMP

HEMPは以下のように、初期HEMP(E1)、中間期HEMP(E2)、終期HEMP(E3)の3種類の電磁パルスを発生します。

  1. E1

E1はHEMPの最初に発生する強力なパルス状の電磁波です。核爆発によって放出されたガンマ線が大気中の分子(窒素や酸素など)に衝突すると、そのエネルギーにより分子中の電子がはじき出されます。はじき出された無数の電子により、数ナノ秒で数万ボルト毎メートルに達する強力なEMPが発生し、地上に到達します。
周波数はMHz以上の高周波数帯となり、爆発地点から見通せる範囲の電気器具や電子機器、あるいはそれらを使用したシステムに電磁波として直接侵入するほか、電話線や電線経由でも侵入します。

  1. E2

E2は核爆発のガンマ線によって発生します。E1の次に地上に到達し、kHz~MHzの中周波数帯の電磁パルスが数ミリ秒間(1,000分の数秒)継続します。電話線や電線経由で電子機器に入り込み、E1が破壊した箇所を中心にさらなる損傷や破壊を引き起こします。

  1. E3

E3は核爆発で発生する火球によって引き起こされます。太陽フレアと同程度の低周波数帯(kHz以下)の電磁パルスで、やはり高圧送電線などに大電流を発生させます。

2-3. HPEM

HPEM発生器はバッテリーの電力や化学反応、爆発などにより、高周波数帯(MHz以上)のEMPを発生します。HEMPのように数千kmの範囲ではなく、数十m~数百mの近距離での電子機器の破壊や機能停止を目的とした装置です。

  1. EMPの影響

EMPは実際にどのような影響をおよぼすのでしょうか? EMPにより機器が破壊されるメカニズム、および発生する社会的被害を見てみましょう。

3-1. EMPにより機器が破壊されるメカニズム

高周波数帯、中周波数帯、低周波数帯のEMPが機器を破壊するメカニズムはそれぞれ次のとおりです。

  1. 高周波数帯のもの

高周波数帯のEMPは、数十センチ程度の短いケーブルにも侵入し、高電圧を発生させることが特徴です。発生した高電圧は電子デバイスや部品などを耐性許容限度以上の電圧がかかる「過電圧状態」にし、絶縁破壊・短絡させて故障させます。

  1. 中周波数帯のもの

中周波数帯のEMPは、電線や電話線など数十メートル以上のケーブルに侵入して高電圧を発生します。それにより、これらケーブルに接続された電子機器を過電圧状態にし、絶縁破壊・短絡させて故障させます。
E2の場合にはE1に続いて地上に到達するため、E1で破壊されなかった電子機器も破壊されることになり、電子機器を使用したインフラなどのシステムはさらなる回復不能状態に陥ります。

  1. 低周波数帯のもの

低周波数帯のEMPは、長大な送電線など数十メートル以上のケーブルに高電圧や大電流を発生させます。電流の大きさは送電線の長さに比例するため、非常に長い送電線では1,000アンペア以上にもなるといわれます。

この大電圧や大電流は変電設備などの故障を引き起こすため、広域での停電が発生する可能性があります。

3-2. EMPにより発生する社会的被害

HEMP、HPEM発生器および太陽フレアにより発生する被害はそれぞれ以下のとおりです。

  1. HEMPによる被害

HEMPによる被害は、以下のように甚大なものが想定されています。

(1)被害の範囲

HEMPの被害を受ける地表の範囲は、下表のように、爆発の高度が高くなるほど広くなります。

爆発高度 被害範囲(半径)

30km 602km
100km 1,100km
200km 1,556km
300km 1,905km
400km 2,200km

(参考:CISTEC Journal 『高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題として対応が必要―』HEMPによる被害状況より作成。HEMPの爆発高度と被害を受ける地表の範囲)

上の表によれば、北端から南端までの直線距離が約1,200kmとなる日本の本州は、爆心高度100kmで被害範囲としてほぼ覆われてしまうことがわかります。

(2)想定される被害状況

米国の国土安全保障調査会が描き、米国議会EMP議員団(Congressional EMP Caucus)が認定したシナリオによれば、10ktの核爆弾がニューヨーク真北上空135kmで爆発した際に発生するHEMPの被害状況は、下表のとおりとされています。

項目 被害規模
死傷者 数百万人(復旧長期化の結果として)

インフラ被害 米国東部の全域
停電地帯からの
避難民数 数百万人
汚染状況 米国東部全体、おそらく64平方km以上にわたって数州に散在する原子炉、工場、製油所、パイプライン、燃料貯蓄所、その他工業施設の、火災や爆発などによる放射能と化学物質の脅威

経済的な影響 数兆米ドル
復旧予定期間 数年

※ HEMPは人体には直接の影響を与えないとされます。死傷者数や経済的影響は、復旧長期化の影響(食糧不足や病気、インフラ再建のための費用など)によるものです。
(図表出典:CISTEC Journal『高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題として対応が必要― HEMPによる被害状況』)

(3)想定される事態

HEMPによる攻撃を受けた場合、次のような事態が発生するといわれています。
まず、発電所や送電システムなどの電力供給インフラが損傷・破壊されます。使用されている電子機器の電子素子や部品、あるいは変圧器などは、高電圧がかかることで物理的に壊れます。

また、情報・通信システム、鉄道・航空・船舶・バスなどの運輸・輸送システム、金融・銀行システム、医療システム、上下水道システム、建造物・施設の維持管理システム(電気、上下水道、エレベーターなど)など、電力を使用するその他のインフラも損傷・破壊されます。

すなわち、以下のシステムも使用不能になると予想されているのです。

政府・各省庁・自治体などの管理業務用システム
企業の各種業務処理用システム
自衛隊の指揮・統制・運用システム
警察などの犯罪捜査システム
出入国管理システム

国や自治体、企業など、すべての活動が麻痺し、大混乱に陥る可能性があるというわけです。

さらには、原子力発電所が送電線からの外部電源を利用し、内部の非常用電源や発電機などを利用できない場合には、福島原発事故のような事態に陥る可能性があるといわれています。

  1. HPEM発生器による被害

これまで、高出力な電磁パルスを発生する種々の試験装置が開発されてきました。また、試験装置に限らず、レーダなども高出力な電磁パルスを発生させることがあります。
レーダによる被害の事例として、サンディエゴ水道事業で使用されている自動制御システムが、船舶レーダの影響で誤作動し、断水故障が発生したことがあります。

  1. 太陽フレアによる被害

記録に残るなかで最大の太陽フレアは1859年に発生したものだといわれています。その際には欧米で、電信機などの火花放電による火災が多発しました。
当時と比べてさらに大幅に電気に頼っている現在で同じ規模の太陽フレアが発生すると、1兆~2兆ドルの損害が発生し、復旧に4~10年ほどかかるとの試算もあります。

また、前述した1989年に発生した太陽フレアでは、カナダ・ケベック州で発生した9時間にもおよぶ大停電の影響を600万人が被りました。経済的損失は100億円超と見られています。

2003年の10月~11月にかけても太陽フレアによる大規模な磁気嵐が発生し、日本の科学衛星を含む宇宙機の約59%が影響を受け、約24%のミッションが安全策を取ったこともあります。

  1. EMPへの技術面での対策

EMPへの対策は、技術的な取組みが進んでいます。ここでは、そのなかから通信装置のHEMP対策、および太陽フレアやHEMPの影響を考慮した次世代エネルギー供給技術を見てみましょう。

4-1. 通信装置のHEMP対策

HEMPに対する技術的な取組みは、1990年代から国際電気標準会議(IEC)や国際電気通信連合(ITU)などの国際機関や組織が中心となって進められており、IEC、ITUのそれぞれが電子機器や通信装置のHEMP対策に関する標準・規格をまとめています。

2009年には、通信センタやデータセンタの機器をHEMPから防護する指針として、ITU-T勧告K.78「HEMPに対する通信装置の耐力要件」が制定されました。この規格では、高度数十kmで核爆発が起きた場合を想定し、通信装置に対するHEMPの7種類の侵入形態ごとに、通信装置に要求される耐力が規定されています。

ただし、装置に要求される耐力は、装置が実際に設置される環境(建物の構造や雷害対策の有無など)によっても変わってきます。そのため、標準工法や過去の電磁波測定結果などを参考に、装置設置環境の耐力評価が行われています。

また、装置の耐力を測定するにあたっては、HEMPを模した電磁パルスの装置への印加が必要です。強力な模擬電磁パルスをどのように発生させるか、あるいはどのように装置に印加するかが研究課題となっています。

4-2. 次世代エネルギー供給技術

太陽フレアによる宇宙線やHEMPによる電磁パルスの影響により想定される、電子機器や電力供給機器の破損や停止、誤作動などのリスクに備えるため、さまざまな事象の影響があっても電力供給が途絶えない、次世代エネルギー供給システムの研究が進んでいます。

次世代エネルギー供給システムでは、直流380Vの高電圧直流給電システムが導入された地域の拠点となり得るビルと、周辺地域の複数の発電装置や、定置・車載の蓄電池、および電力の需要家とを直流の電力網で結びます。直流給電システムは交流給電システムと比較して、直流で動作するITC機器などに変換なしで電力を供給でき、またバックアップ用の蓄電池も直流のメイン配線に直結するため、変換ロスの少ない高効率なシステムといえます。

太陽フレアやHEMPの影響を受けた際には、交流給電システムの場合には、交流システムに必要な同期制御を行うソフトウェアがエラーを起こし、同期が外れて電力供給が途絶えるリスクがあります。それに対して直流システムでは、同期制御の必要がないこと、および直流メイン配線に蓄電池が直結していることにより、電力供給の途絶リスクが低減します。

この、直流システムであることが、次世代エネルギー供給技術が太陽フレアやHEMPなどに強い理由といえます。

直流電力網は、災害時に電力会社からの電力供給が途絶えても、周辺地域の再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせることにより、電力の融通が可能です。また、通常時に周辺地域の再生可能エネルギーが余剰となれば、拠点ビルの蓄電池に効率よく蓄えることも可能となります。

  1. まとめ 電磁パルス(EMP)は電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信や電力、ガス、上下水道、交通などのインフラに障害を生じさせる。 EMPは太陽フレアや高強度電磁界(HPEM)発生器、高高度核爆発などにより発生する。
    EMPには高周波数帯(MHz以上)、中周波数帯(kHz~MHz)、低周波数帯(kHz以下)と大きく3種類ある。 高周波数帯のEMPは数十センチ程度の短いケーブルから、中周波数帯のEMPは電線や電話線などから侵入し、電子機器を過電圧状態にして故障させる。 低周波数帯のEMPは送電線に大電流を発生させ、変電設備を故障させることにより広域での停電を引き起こす可能性がある。 EMPの発生により大きな社会的被害が発生する可能性がある。 通信装置のHEMP対策や次世代エネルギー供給システムなど、大規模なEMPに対する技術的な対策も進められている。

参考文献

CISTEC Journal『高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題として対応が必要―』鬼塚隆志 著
NTT技術ジャーナル『環境負荷ゼロの実現に向けた、エネルギー流通基盤技術』
国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター『電磁パルスに対するレジリエンスの向上のための研究開発の必要性』
富永哲欣『高硬度電磁パルスと高出力電磁界』電学誌、138巻10号、2018年

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宇宙線・電磁パルス対策・評価技術』

量子コンピューターに革新 ノーベル賞技術の先駆者挑む

量子コンピューターに革新 ノーベル賞技術の先駆者挑む
編集委員 吉川和輝
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD316GJ0R31C22A0000000/

『今年のノーベル物理学賞は欧米の量子情報科学の研究者3人に授与される。その1人、アントン・ツァイリンガー博士(オーストリア)の業績は、光の粒(光子)の状態を離れた場所に移す「量子テレポーテーション」の実験に成功したことだ。この分野で世界的な成果をあげてきたのが古沢明東京大学教授。今、量子テレポーテーションを駆使した独自方式の光量子コンピューターの開発にまい進し、他の量子マシンの斜め上を行く「スーパー量子コンピューター」を目指す。

量子テレポーテーションの研究でノーベル物理学賞を受賞するアントン・ツァイリンガー氏(10月、ウィーン)=ロイター

「テレポーテーション」というとSFに登場する「瞬間移動」を連想する。電子や光子といったミクロなものを扱う量子力学の世界では「量子もつれ」という状態にある2つの粒子は、観測するまで状態が定まっていないが、一方を観測すると同時にもう一方の状態が確定する。離れた場所にある光子が量子もつれを起こしていることを示し、量子力学の正しさを実証したのが1997年のツァイリンガー氏の実験だった。

完全な量子テレポーテーションに成功

ツァイリンガー氏の実験が、転送後の測定操作が必要な「条件付き」の量子テレポーテーションだったのに対し、古沢氏は米国留学中の98年に「条件なし」の量子テレポーテーションに世界で初めて成功。2013年には量子コンピューターで扱う情報の基本単位である「量子ビット」を完全な形でテレポーテーションした。

古沢氏が量子ビットの完全な量子テレポーテーションを達成した2013年当時の東京大学の実験装置。こうした複雑な装置を大幅にコンパクト化する技術にメドをつけている=東京大学提供

ツァイリンガー氏の成果が今の量子暗号技術などにつながっているのに対し、古沢氏による完全な形での量子テレポーテーションは量子コンピューターの基本技術になっているとされる。ツァイリンガー氏の受賞で、古沢氏はノーベル賞を惜しくも逃したという見方も出たが、古沢氏は10月末開いた記者会見でこれを否定してみせた。
ノーベル賞で関心高く

今回の授賞は「条件付きの量子テレポーテーションに限定されたものだった」(古沢氏)というのが理由だ。授賞理由も古沢氏らの研究には言及しておらず、ノーベル委員会は古沢氏の研究を「別個の業績」とみなしている可能性がある。古沢氏は「これまでノーベル賞を意識したことはなかったが、むしろ(次の)受賞が近づいてきたようだ」と述べた。
ノーベル物理学賞を(スクリーン左から)アラン・アスペ、ジョン・クラウザー、アントン・ツァイリンガーの3氏に授与すると発表した記者会見=10月4日、ストックホルム=スウェーデン通信提供・AP

古沢氏は自らが切り開いた量子テレポーテーションを駆使して新方式の光量子コンピューターをつくろうとしている。2021年からは理化学研究所・量子コンピュータ研究センターの副センター長を兼任。中村泰信センター長が取り組む超電導型・量子コンピューターなどと並んで研究開発を進める。実機完成の目標は2030年だ。

量子コンピューターの開発は、量子ビット実装の違いによって米IBMなども採用する「超電導」、欧米のスタートアップが主導する「イオントラップ」、大森賢治・分子科学研究所教授らが手掛ける「冷却原子」など複数の技術候補がひしめいている。

古沢氏の光量子コンピューターがこれらと異なるのは、超電導回路などを用いる「静止した」量子ビットではなく、飛んでくる光パルスを測定し、その結果に基づいて量子もつれ状態にある次の光パルスに操作を加える「測定誘起型」と呼ばれる技術を使っていることだ。

ゲームチェンジ狙う

この方式だと量子ビットを常温で、しかも桁違いの規模で扱える。10月の記者会見で古沢氏は「量子ビットを100億近くの規模で使える技術を手にした」と説明した。今回NTTと共同で「量子光」と呼ばれる微細で特殊な光の波形を自在に作り出せる光源技術を開発。これを使うことで扱える量子ビットの数を増やせるという。

他方式での量子ビットの数は、超電導型で100を超えた程度。この規模では計算の誤り(エラー)が避けられないため、各方式とも今後より多くの量子ビットを実装することで誤り訂正ができるようにしようとしている。
理化学研究所(埼玉県和光市)に新設された研究室で実験装置を説明する古沢明氏

そのため超電導型の実用機で100万量子ビット程度必要とされる。急には実現できないため当面は「NISQ(ノイズのある中規模の量子コンピューター)」と呼ばれる誤り耐性のない量子コンピューターを、通常のコンピューターとハイブリッドで使う時代が続くとされる。これに対して古沢氏は「誤り耐性を持つマシンを最初から目指す」とし、この世界でのゲームチェンジを構想する。

古沢氏は記者会見で、光量子コンピューターでもあらゆるタイプの演算を実行できるメドがたっていることも明らかにし、実機開発への道具立てが整いつつあることを印象付けた。

古沢氏らの光量子コンピューターは、コンピューターの開発史上ユニークな位置を占める可能性がある。今のコンピューターや他の量子コンピューターと異なり、コンピューターチップや量子ビットの集積化を進める必要がないためだ。

「光コンピューター」実現へ膨らむ期待

情報処理を電気信号ではなく光によって行う「光コンピューター」が実現するとの期待も膨らむ。光コンピューターはチップの動作周波数を上げられるなどの期待から1980年代に盛んに研究されたがいまだに実用化していない。古沢氏によると「光を使うアナログコンピューターでは、実用的な誤り訂正の方法がなかったため開発が行き詰まった」という。それが量子技術を使って実現するシナリオが見えてきた。

古沢氏が描く万能型の超高速コンピューターの構想は「良いことずくめ」に聞こえなくもない。当面の課題である誤り訂正の実証など開発実績を積み上げていくことで、「ノーベル賞が近付いた」という自身の言葉は現実味を帯びてくる。

Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

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https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/?n_cid=DSREA_nikkeiviews 』

Cordless Tesla (I Drive 1800 miles without charging)

Cordless Tesla (I Drive 1800 miles without charging)
https://www.youtube.com/watch?v=hHhf223jGIE

『I built the first ever Cordless Tesla and did a 1600 Mile Road Trip without ever charging the car.
It just made perfect sense to me to adapt a power plant generator to my modified Model S Tesla and do a road trip.』

【EV】米国YouTuber、「テスラ」にガソリンで動く発電機を搭載 航続距離を大幅に伸ばすことに成功 | 保守速報
view-source:https://hosyusokuhou.jp/archives/48935718.html

 ※ それをスマートに実現したのが、いわゆる一つの「ハイブリッド車」なんでは…。
 ※ トヨタのプリウスとか、日産のノートとか、「仕組み」がよく理解されてはいないんだな…。

電磁パルス

電磁パルス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%A3%81%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9

『電磁パルス(でんじパルス、英: electromagnetic pulse)は、パルス状の電磁波であり、EMPと略されることがある。』

『概要

原理的にはパルス状の大電流によって発生させることができるが、特に地球の高層大気において核爆発により発生するものが、地上に著しい影響をもたらすものとして議論されるため、特にそれについて扱う。

核爆発の強烈なガンマ線や、β線やα線などの粒子線が高層大気中を通過すると、その相互作用によって、広域にわたって光電効果や電離作用を発現させ、光電子やオージェ電子、イオンが多量に生成される。生成された電子は電子拡散を生じ、地磁気によって回転運動してシンクロトロン放射をしたり、物質との衝突によって制動放射を起こす事によって広い帯域の電磁波が放出される。また、一部の電子は地表に達してサージ電流を発生させる。これは低エネルギーの宇宙線による空気シャワーと同様の原理による。また影響範囲と強度に関しては、おおよそ、影響範囲の半径の逆二乗で弱くなるというトレードオフがある。すなわち、低高度の核爆発では電磁パルスの強度は強いが範囲が限定される。一方、高高度核爆発であれば広範囲に影響が出るが、その範囲のほとんどで強度は弱い。

電磁パルスは、ケーブル・アンテナ類に高エネルギーのサージ電流を発生させ、それらに接続された電子機器などに流れる過剰な電流によって、半導体や電子回路に損傷を与えたり、一時的な誤動作を発生させる。軍事用の電子装置には、金属箔などでケーブルをシールドする、過負荷が予想される箇所に半導体の代わりの真空管を使うなど、電磁パルスに対する防護措置がされているものもある。特に、爆撃機や核ミサイルは、自らの発射した核爆弾や、同じ目標に先行する核爆弾に破壊されないよう、防護措置がされていることが多い。

原理的には、核爆発を起こさなくとも、コンデンサなどを使い電磁パルスを発生させることが可能である。そのため、非破壊・非殺傷兵器として敵の電子装備を麻痺させるEMP爆弾などが考案されているが、21世紀初頭の技術では核爆発によるものと違って小さな規模の電磁パルスしか発生できず、有効半径はせいぜい100 m程度だと言われている。なおアメリカ軍が開発を進めているといわれるが、公式には実用化はされていない。
高度別EMP
爆発分類 高度 発生機構 電界強度 到達範囲 周波数範囲
高々度 >40km 地磁気の影響 50kV/m 大 DC – 数10MHz
高度 2 – 20km 空気密度の非対称性 10kV/m 中間 1MHz以下
地表 0 – 2km 空/地面の非対称性 100kV/m 局地的 1MHz以下

雷の場合は周波数は1MHz以下で電界強度は10 – 数100kV/m程度である。パルスの立ち上がりは高高度核爆発の3桁ほど遅い。[1]
一般的な特性

電磁パルスは電磁エネルギーの瞬間的なバーストによって引き起こされる。その持続時間が短いため、ある周波数の範囲で伝搬すると考えることができる。

電磁パルスは以下によって種類分けすることができる。

エネルギーの種類 (電磁波、電場、磁場、電気伝導)。
周波数の範囲またはスペクトル。
パルス波形:形状、持続時間、振幅。

これらの内最後の二つ、つまり周波数の範囲あるいはスペクトルとパルス波形はフーリエ変換を介して相互に関係しているため、同じパルスを記述する2つの異なる方法と見なすことができる。
エネルギーの種類
詳細は「電磁気学」を参照

電磁パルスのエネルギーは以下の4つの形態で伝搬される。

電場
磁場
電磁波
電気伝導

電磁エネルギーのほとんどの形態のパルスは常にほかの形態のパルスを伴うが、類型的なパルスでは一つの形態が支配的になる。一般的には長距離では電磁波のみが作用し、他は短距離でのみ作用する。ただし太陽フレアなどの例外もある。
周波数の範囲

電磁エネルギーのパルスはDC(振動数ゼロ)から発信源の上限値までの多くの周波数が含まれている。電磁パルスとして定義される範囲は非電離放射線(赤外線、可視、紫外線)および電離放射線(X線およびガンマ線)範囲を除く。いくつかのタイプの電磁パルスは雷や閃光などの余波を残すがこれは空気を流れる電流による副作用であり、電磁パルスそのものの一部ではない。
パルスの波形

パルスの波形は、その瞬間での振幅(電場の強さまたは電流)が時系列的にどのように変化するかを記述するものである。 実際のパルスはかなり複雑になる傾向があるので、単純化されたモデルがしばしば用いられる。 そのようなモデルは基本的にダイアグラム(線図)または数学的方程式のいずれかで示される。
” “
方形波パルス ” “
二重指数(臨界減衰)パルス ” “
減衰正弦波(減衰振動(不足減衰))パルス

ほとんどの電磁パルスは非常に鋭い尖りを持ち、素早く最大レベルの振幅まで達する。古典的なモデルは急峻に上昇し、急速にピークに達し、その後ゆっくりと減衰する二重指数曲線である。しかしながら制御されたスイッチング回路からのパルスはしばしば矩形(方形)または「正方形」パルスの形態に近似する。またデジタルクロック回路などのパルス列では、波形は規則的な間隔で繰り返される。

人為的な電磁パルス発生では通常、発信源と被害装置の間のカップリング(英語版)(容量性カップリングなど)のために被害装置に適応する信号を発信する。カップリングは通常、比較的狭い周波数帯域で最も強く発生し、被害装置に特徴的な減衰正弦波(減衰振動)信号をもたらす。視覚的には一般的な減衰振動(不足減衰)と同様に正弦波を描きながら指数関数的に減衰する。減衰正弦波パルスは典型的には、カップリングの伝達特性のために以前のパルスよりもはるかに低いエネルギーと狭い周波数での伝搬という特徴を持つ。実際に電磁パルステスト装置は高エネルギーの脅威的なパルスを再現しようとするのではなく、これらの減衰正弦波を直接注入することがよくある。
影響

軽度な電磁パルス、特にパルス列は低レベルの電気的ノイズまたは干渉を引き起こし、影響を受けやすい機器の動作に影響を与える。

1859年の太陽嵐では、ヨーロッパおよび北アメリカ全土の電報システムが停止、電信用の鉄塔から火花が発生するなどの被害が発生した。また20世紀半ばの一般的な問題としてガソリンエンジンの点火システムによって引き起こされる干渉がある。これはラジオにぱちぱちと音を鳴らし、テレビのスクリーン上にストライプを表示させた。 そのため国によっては車両メーカーに対して干渉低減抑制システムに適合させるための法律が導入された。

高電圧の電磁パルスでは火花を誘発させることがある。例えばガソリンエンジン車に燃料を供給する際に静電気放電から生じることがある。このような火花は気化した燃料によって爆発を引き起こすことが知られており、それらを防ぐために予防措置を講じなければならない。[2]

エネルギーの大きい電磁パルスは被害装置に大きな電流や電圧を誘発させ、その機能を一時的に中断させたり、破壊することができる。

落雷のような非常に大きな電磁パルスでは加熱効果や電流によって生成された非常に大きな磁場の破壊的効果のどちらかによって、樹木、建物および航空機などの物体に直接損傷を与えることもできる。 間接的な影響としては加熱による電気火災である。ほとんどの構造物およびシステムの設計には、雷に対する何らかの形の保護を必要とする。

高エネルギーの電磁パルスの破壊力を利用するため、核戦争での先制攻撃用で、効果範囲の小さい戦略ミサイルや効果範囲を最大限まで大きくした戦略ミサイルを、それぞれ調整されて作られた核弾頭による電磁パルス兵器が、開発・製造された。
登場作品
映画・テレビドラマ

『007 ゴールデンアイ』
劇中のキーアイテムとなる秘密衛星兵器「ゴールデンアイ」は、内蔵した小型核爆弾を爆発させ、それによって発生した高出力EMPを目標地点に照射するというシステムとなっている。
『オーシャンズ11』
ラスベガス全体を電磁パルスで一時的に停電させるために「ピンチ」と呼ばれる装置が使われている。同様な装置でZマシンと呼ばれるものが実在するが、映画で登場するピンチは発生させる停電の規模に比べ小さすぎる。
『仮面ライダーW RETURNS』
仮面ライダーWのVシネマ、仮面ライダーエターナルの中に登場。クオークス指数の低い人間を殺す為に使用された。
ヘブンズフォールと称されていた。
『ゴジラシリーズ』

『ゴジラ』(1984年公開)
    終盤、ゴジラに向け誤って発射されたソ連の核ミサイルをアメリカの弾道弾迎撃ミサイルが撃墜した際に発生。東京で大規模停電を引き起こし、ゴジラ迎撃に当たっていた自衛隊のスーパーXなどに計器トラブルなどの悪影響をもたらした上、スーパーXによって一旦は沈黙していたゴジラの復活を招いてしまう。
『GODZILLA ゴジラ』
    作中に登場する怪獣ムートーは体内から電磁パルスを発生させる能力を持っており、周辺の軍用機の電子機器や、ホノルル、ラスベガス、サンフランシスコなどの大都市の電力網を一時的に無力化させている。
『GODZILLA (アニメ映画)』
    作中に登場する怪獣ゴジラは桁外れの高周波電磁パルスを放射し、ありとあらゆる物理干渉を遮断する電磁メタマテリアルの非対称性透過シールドを展開する能力を持っている。

『ザ・デイ・アフター』
高高度核爆発による電磁パルス攻撃で車などが動かなくなる場面がある。
『サバイバルファミリー』
太陽フレアの影響でEMPが発生し大規模停電や電子機器の故障が起こる。
『チャーリーズ・エンジェル(2019)』
手のひらサイズの電磁パルス発生装置が登場する。
『ブロークン・アロー』
地下で爆発した核兵器の影響でEMPが発生しヘリがコントロールを失う様子が描かれる。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』
電磁パルス砲が登場する。

アニメ・漫画

『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』
中国から発射された核弾頭型DF-21ミサイルが、日本上空で高高度核爆発を経て電磁パルスを発生させる。これにより、電磁パルス対策を取っていなかった車両や電子機器は使用不能になった。
『機動戦士ガンダムSEED』
電磁パルスを発生させる兵器「グングニール」により基地の兵器が使用不能となり陥落する。

小説

『A君(17)の戦争』
4巻で主人公・剛士が放り込まれたもう一つの日本(『レッドサン・ブラッククロス』の世界)にて、東西アメリカの全面武力衝突を受けた日本を主力とする太平洋条約機構軍が、東アメリカ各地に電磁パルス弾による電子制圧攻撃を行ったことをNHKのラジオが報じている。
『空の中』
成層圏に棲息する謎の知的生命体「白鯨」が、さまざまな波長を利用するという自身の能力を応用し、体表から指向的な電磁パルス攻撃を放つ。このほかECM・雷撃・高出力レーザー・メーザーなどの波長による攻撃も行っている。
『遙かなる星』
合衆国のエクスレイ作戦発動に端を発する第三次世界大戦の中で、ソ連が部分軌道爆撃システムを転用し、合衆国本土上空の大気圏で数発の反応弾頭型を起爆させることで電磁パルスを発生させる。これにより空中待機中だったB-52などの合衆国軍機はほとんどが撃墜された。

ゲーム

『コール オブ デューティ』シリーズ
いくつかのシリーズ作品のマルチプレイにて、「ストライク・パッケージ」でEMPを発動可能。
『エーペックスレジェンズ』
ゲーム内キャラ「クリプト」のアルティメットスキルとして発動可能

出典
[脚注の使い方]

^ 『防衛用ITのすべて (防衛技術選書―兵器と防衛技術シリーズ) 』防衛技術ジャーナル編集部 防衛技術協会 ISBN 4-9900298-1-X[要ページ番号]
^ "Fundamentals of Electrostatic Discharge", Compliance Magazine, 2015年5月1日

関連項目

電子戦
電磁波爆弾 』

マックス・プランク協会

マックス・プランク協会
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E5%8D%94%E4%BC%9A

『マックス・プランク学術振興協会(独: Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e. V.〈マックス=プランク・ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エーファオ〉)は、ドイツの非政府・非営利学術団体。一般にマックス・プランク協会(Max-Planck-Gesellschaft)と呼ばれる。略称はMPG(エムペーゲー)。世界最高峰の学術研究機関であり、前身のカイザー・ヴィルヘルム協会時代も含め、37人のノーベル賞受賞者を輩出している(2021年10月現在)。84の独立したマックス・プランク研究所(Max-Planck-Institut)を傘下に収める。 』

『概要

マックス・プランク協会の研究対象は、下記の3分野に大別される。

生物・医学分野
化学・物理学・工学分野
精神科学・社会学・人間科学分野

年間予算は18億ユーロ。連邦政府および州政府の公的資金で賄われている。マックス・プランク協会は戦前のカイザー・ヴィルヘルム協会の後継機関であり、高名な物理学者であるマックス・プランクに因んで名付けられた。

マックス・プランク協会は旧東ドイツのドレスデンに自然科学、生化学関係の基礎研究のための研究所を3つ置いている。資金や人的資源において、大学の枠組を超えた最新かつ将来性のある分野の基礎研究に取り組み、大学での研究を補完する役割を担っている。ドレスデンにある研究所はいずれも最新鋭の施設を備えている。

組織

マックス・プランク研究所
詳細は「マックス・プランク研究所の一覧」を参照

マックス・プランク協会は、84の独立したマックス・プランク研究所(Max-Planck-Institut)を傘下に収める。

著名なマックス・プランク研究所にはアインシュタインが所長を務めたマックス・プランク物理学研究所などがある。

ノーベル賞受賞者

マックスプランク協会時代(1948年 – )

スバンテ・ペーボ(生理学・医学賞、2022年)
クラウス・ハッセルマン(物理学賞、2021年)
ベンジャミン・リスト(化学賞、2021年)
エマニュエル・シャルパンティエ(化学賞、2020年)
ラインハルト・ゲンツェル(物理学賞、2020年)
シュテファン・ヘル(化学賞、2014年)
ゲルハルト・エルトル(化学賞、2007年)
テオドール・ヘンシュ(物理学賞、2005年)
クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト(生理学・医学賞、1995年)
パウル・クルッツェン(化学賞、1995年)
エルヴィン・ネーアー(生理学・医学賞、1991年)
ベルト・ザクマン(生理学・医学賞、1991年)
ロベルト・フーバー(化学賞、1988年)
ハルトムート・ミヒェル(化学賞、1988年)
ヨハン・ダイゼンホーファー(化学賞、1988年)
エルンスト・ルスカ(物理学賞、1986年)
クラウス・フォン・クリッツィング(物理学賞、1985年)
ゲオルク・ケーラー(生理学・医学賞、1984年)
コンラート・ローレンツ(生理学・医学賞、1973年
マンフレート・アイゲン(化学賞、1967年)
フェオドル・リュネン(生理学・医学賞、1964年)
カール・ツィーグラー(化学賞、1963年)
ヴァルター・ボーテ(物理学賞、1954年)

カイザーウィルヘルム協会時代(1914年 – 1948年)

オットー・ハーン(化学賞、1944年)
アドルフ・ブーテナント(化学賞、1939年)
リヒャルト・クーン(化学賞 1938年)
ピーター・デバイ(化学賞、1936年)
ハンス・シュペーマン(生理学・医学賞、1935年)
ヴェルナー・ハイゼンベルク(物理学賞、1932年)
オットー・ワールブルク(生理学・医学賞、1931年)
カール・ボッシュ(化学賞、1931年)
ジェームズ・フランク(物理学賞、1925年)
オットー・マイヤーホフ(生理学・医学賞、1922年)
アルベルト・アインシュタイン(物理学賞、1921年)
マックス・プランク(物理学賞、1918)
フリッツ・ハーバー(化学賞、1918年)
リヒャルト・ヴィルシュテッター(化学賞、1915年)
マックス・フォン・ラウエ(物理学賞、1914年) 』

とくべつに低温に強く、人工衛星素材にできる合金や、特別に錆び難く、艦船の部材に向いている合金…。

とくべつに低温に強く、人工衛星素材にできる合金や、特別に錆び難く、艦船の部材に向いている合金…。
https://st2019.site/?p=20527

『ammy Xu 記者による2022-10-25記事「Machine learning could vastly speed up the search for new metals」。

    とくべつに低温に強く、人工衛星素材にできる合金や、特別に錆び難く、艦船の部材に向いている合金。

 マシンラーニングによってデータをフィードバックさせることによって次々と改善・発見ができるそうである。

 マックス・プランク研究所は17種類の新合金をこれによって得たと。

 とにかく熱膨張係数の小さい鉄・ニッケル合金を探そうとした。液化天然ガスの貯蔵施設などにそれは使える。』

https://af.moshimo.com/af/c/click?a_id=1637377&p_id=170&pc_id=185&pl_id=4062&url=https%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2Fdp%2F4198655405

量子計算機に道 ノーベル物理学賞3氏、「もつれ」実証

量子計算機に道 ノーベル物理学賞3氏、「もつれ」実証
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC043I30U2A001C2000000/

『2022年のノーベル物理学賞を仏エコール・ポリテクニークのアラン・アスペ教授ら米欧の3人の研究者が受賞する。半導体や化学、製薬など現代科学に不可欠な量子力学の発展に貢献し、世界で進行中の「量子革命」と呼ばれる技術革新に道を開いた。3氏の研究をもとに、次世代の高速計算機である量子コンピューターなどの技術が開花の時を迎えている。

【関連記事】ノーベル物理学賞に米欧3氏 量子技術革新の土台築く

アスペ氏とともに、米カリフォルニア大学バークレー校などで研究に励んだジョン・クラウザー博士、オーストリア・ウィーン大学のアントン・ツァイリンガー名誉教授が受賞する。

量子力学はアインシュタインの相対性理論とともに現代物理学の土台を形成する理論だ。量子は物質やエネルギーの極めて小さな単位のことで、原子や電子、光子(光の粒)が代表例だ。20世紀前半にその特殊な性質や振る舞いの理解が進み、化学反応の仕組みの研究や半導体技術の発展に大きく貢献した。

未決着の課題として残っていたのが「量子もつれ」と呼ばれる不思議な特性の解明だ。「量子もつれ」は双子のような関係にある2つの粒子がもつ結びつきのことを指す。例えば電子は「スピン」と呼ぶ磁気的な性質をもつが、ペアになった電子の一方のスピンを測定して結果が「上向き」になると、その瞬間に離れた場所にあるもう一方が自動的に「下向き」に決まるといった特性がある。

アインシュタインは見えない糸のようなこのつながりを「不気味な遠隔作用」と表現し、ありえないと否定的にとらえ、1935年に2人の共同研究者と論文を発表した。その主張は「EPRパラドックス」という通称で専門家には広く知られる。

量子を操り、観測する技術が発達した20世紀後半になって、アインシュタインが提示した謎は解決に向かう。1964年にEPRパラドックスの検証に道を開く数式が提唱され、その後のクラウザー氏、アスペ氏らの研究や実験が「量子もつれ」の存在証明に重要な役割を果たした。

「量子もつれ」の特性は現在、世界が開発にしのぎを削る量子技術に欠かせないものになった。2019年に米グーグルが最先端のスーパーコンピューターで1万年かかる問題を約3分で解くなど、技術が急速に進展する量子コンピューターが典型だ。「量子もつれ」は高速計算の根幹を支え、最大の課題ともいわれる計算時の「エラー」を克服するうえでも鍵を握る。

量子コンピューターは素材や薬の開発、金融のリスク評価、人工知能(AI)の利用に革新をもたらすと期待を集める。将来の産業競争力に影響を与える見通しだ。

日本では21年に米IBM製の商用量子コンピューターが稼働し、トヨタ自動車などが事業での活用をめざして研究に着手した。富士通が23年度に国内企業として初めて汎用型の国産量子コンピューターの整備を計画するほか、NECや日立製作所も開発に本腰を入れ始めるなど競争が加速している。

「量子もつれ」を応用する技術として1990年代以降、ツァイリンガー氏らにより「量子テレポーテーション」の研究が活発化した。量子そのものではなく、量子がもつ「情報」を離れた場所に転送する技術だ。現在は光を用いて計算する量子コンピューターなど、最先端の研究に取り入れられている。

米政府が20年に構想を掲げた「量子インターネット」でも、量子もつれや量子テレポーテーションは重要な役割を果たす。量子コンピューターや量子通信・暗号を融合させた次世代ネットワークの実現に向け、世界で研究が加速するとみられる。実現すれば安全性の極めて高い通信網を構築できる。

量子力学は20世紀に半導体やレーザーの技術の発展をもたらした。21世紀に入り、アスペ氏らの成果をもとに技術開発は新たな段階を迎え、現在はコンピューターや通信・暗号、センサーなどに革新を起こす「第2次量子革命」が進行中といわれる。その行方は企業のビジネスや生活にとどまらず、国家の安全保障にも影響を与える可能性がある。

(AI量子エディター 生川暁)

【関連記事】
・量子計算機、Google・IBMに挑む イオン方式で新興台頭
・量子計算機、国産で反転攻勢 富士通や日立が開発に本腰
・量子テレポーテーション、米大学が長距離で初成功

ノーベル賞特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=18092500&n_cid=DSREA_nobel2021 

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

国家安全保障評議会の共同議長として訴える

国家安全保障評議会の共同議長として訴える
自身で創設の技術動向シンクタンクでの研究など紹介
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-09-14

 ※ この人、確か、「インターネットは、将来、二分(米欧中心の陣営のものと、中ロ陣営中心のもの)されることになるかもしれない…。」というような発言した人だと思ったが…。

インターネットは、二つに分断されることになるのでは、という予測が出てるようだ…
(10月 8, 2018)
https://http476386114.com/2018/10/08/%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%af%e3%80%81%e4%ba%8c%e3%81%a4%e3%81%ab%e5%88%86%e6%96%ad%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b/ 

『国家安全保障評議会の共同議長として訴える
自身で創設の技術動向シンクタンクでの研究など紹介

Eric Schmidt5.jpg9月12日、元グーグルCEOで国家安全保障評議会(National Security Commission)の共同議長を務めるEric Schmidt氏が記者団に、彼が同評議会メンバー有志をメンバーに立ち上げたシンクタンクの研究レポートに言及し、AIが生物学や化学データーベースを利用して生物兵器開発に使用された場合、毒性の高い新たな病原体やウイルスや生み出される懸念が近未来にリスクとして顕在化すると訴えました

レポート「Mid-Decade Challenges to National Competitiveness」では、生物学者も製薬会社も安全保障関係者もあまり意識していないが、最近の生物学とAI技術の発展により、悪意ある者が生物&化学データベースとAIを結び付け、人類を傷つける新たなものを生み出す可能性が高まっていることに警鐘を鳴らしているようです

Eric Schmidt4.jpg一例としてSchmidt氏の発言を紹介した12日付Defense-Newsは、最近製薬会社「Collaborations Pharmaceuticals」が、新薬開発時に毒性を排除するために作成されたAIアルゴリズムを改良し、毒物を生み出すようなアルゴリズムに変更して走らせてみると、製薬会社担当者たちが驚くほど容易に危険物質を生み出すことが可能だと判明したと報じています

実際に担当した製薬会社技術者たちは、病原菌や毒物を生み出す危険性をぼんやりとしか意識していなかったが、化学兵器や生物兵器問題を議論する会議に招待されたことを契機に上記のようなAI「逆利用」を試み、大変危険な悪用の可能性を秘めていることに改めて気づかされたと吐露し、

Eric Schmidt3.jpg「我々はエボラ出血熱など危険なプロジェクトに関与していながら、意識が薄かった」とか、「市販のAIアルゴリズムを少し改良し、公に利用可能な分子データベースと組み合わせ、20世紀最強の神経ガスと呼ばれるVX生成に取り組んだところ、6時間以内に基準レベルの分子40,000 moleculesをサーバー内で生成し、その中には既知の化学兵器物質の他、より毒性の強い可能性が分子も含まれていた」と述べています

別の視点としてSchmidt氏らのレポートは、生物学データベースの強化と同時に、管理を強化することの必要性も訴えています。

Eric Schmidt2.jpg例えば、米国防省の「統合病原菌センター」は、数十年蓄積した世界で最も広範な病理細胞サンプルを保管貯蔵していますが、現在これらをデジタル化し、AIにより診断や治療方針決定に利用するプロジェクトが進められている中で、このデジタルデータベースの強化&活用と同時に、セキュリティー強化も重視されているようです
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新型コロナウイルスの起源については全く議論が煮詰まっていませんが、その影響の大きさについては全人類が身に染みて感じたところです。

Eric Schmidt.jpgそんな中でのAI活用による新たな生物兵器や化学兵器の開発話に、ぞっとする思いがいたしました。なお厳密には、Schmidt氏は「biological warfare」や「biological conflict」との言葉を使っているので、生物兵器「biological weapons」より意味するところが広いのかもしれません。

でも元グーグルCEOのEric Schmidt氏はえらいですね。現在67歳で、ご経歴からすると十二分に悠々自適な暮らしができる余裕のある方でしょうが、今も最前線の課題にリーダーとして挑まれている姿に感心いたします。』

米モデルナ、中国での販売交渉で知財移転を拒否、破談に

米モデルナ、中国での販売交渉で知財移転を拒否、破談に=FT
https://news.yahoo.co.jp/articles/aeaa425fc529c159f73f91a5e421bc23231277ee

 ※ いずれ、中国の基本戦略は、「市場を、技術に替える。」というものだ…。

 ※ 「長期のスパン」で、もの事を考える必要がある…。

『[1日 ロイター] – 米モデルナは中国と2020年から21年にかけて新型コロナウイルスのメッセンジャーRNAワクチンを中国内で販売する交渉に当たってきたが、前提条件として中核的な知的財産を中国に渡すよう求められ、これを拒否していた。その結果、交渉は破談になったという。

1日付英紙フィナンシャル・タイムズが交渉に関わった関係者の話として伝えた。

モデルナ側が技術移転を断ったのは、商業上と安全性の懸念が理由という。同社には今も中国内で販売する意向はあるとしている。

中国は現状で外国のコロナワクチンを一切承認していない。』

京大スタートアップが拓く、核融合発電の時代

京大スタートアップが拓く、核融合発電の時代
https://www.technologyreview.jp/s/285517/kyoto-university-startup-pioneers-the-era-of-fusion-power-generation/

『究極のエネルギーと言われ、長年にわたって研究されてきた核融合発電。この実用化に向けて関連技術の開発に取り組むのが、京都大学発のスタートアップ企業、京都フュージョニリングだ。同社のビジネスモデルと展望について、長尾昂CEOに聞いた。

by Keiichi Motohashi2022.09.13 』

『融合の産業化が必ず来るのは間違いない。問題は誰がいつやるのか。もちろんこの『誰』と言うのは1つの企業や国ではなく複数です。そして、日本はその複数の中の1つとして、核融合を新たな産業として受け入れられるようにしたい」

脱炭素イノベーション
この記事はマガジン「脱炭素イノベーション」に収録されています。
マガジンの紹介

究極のエネルギーと言われる核融合技術のスタートアップ、京都フュージョニアリングの最高経営責任者(CEO)である長尾昂氏は、このように語る。技術開発の先に、核融合産業のエコシステムの構築があり、日本はその中で大きな役割を果たしていくようになる、というのが、長尾CEOの考える未来だ。

そもそも、なぜ核融合が究極のエネルギーと言われるのだろうか。原子力発電とは何が異なるのだろうか。

核融合は水素など軽い元素の原子核がぶつかって融合し、別の原子核になる反応で、この時に莫大なエネルギーを放出する。対して、原子力発電では、ウランなど重い元素の原子核が分裂して複数の原子核になるときに、やはり莫大なエネルギーを放出する(核分裂)。

「一般的に、核融合炉では、重水素と三重水素の原子核を衝突させて、ヘリウムの原子核にしますが、このときに中性子が放出されます」と長尾CEOは説明する。こうした反応が連続的に発生し、エネルギーを生み出していくということだ。一般的な水素の原子核は陽子1個で構成されているが、重水素の原子核は陽子1個と中性子1個、三重水素の原子核は陽子1個と中性子2個で構成されている。いずれも、水素の同位体である。これらが衝突して融合し、陽子2個と中性子2個で構成されているヘリウムの原子核となり、余った中性子が放出されるという仕組みである。

核融合で生み出されるエネルギーは核分裂と比較してもはるかに大きい。核融合炉の場合、燃料1グラム当たり石油8トン分のエネルギーを取り出せる。これは、一般家庭の約10年分に相当する。それに対し、ウラン燃料の核分裂では1グラム当たり石油1.8トン分にすぎない。

また、三重水素は、リチウムが核融合炉で核分裂すると発生する。したがって、実質的な燃料はリチウムということになる。リチウムはレアメタルに分類される希少金属だが、海水中には2330億トンものリチウムが存在すると言われている。このリチウムで核融合発電した場合、全人類の7万年分のエネルギーを生み出せるという。これが、核融合が究極のエネルギーと言われる所以である。

京都フュージョニアリングのラボに設置された真空装置。実際の核融合炉内は真空のため、その核融合環境をこの装置で再現する。この中を重水素と三重水素のプラズマが飛び交う。同社が強みとしているブランケットなどの機器の実験に利用されている。(同社提供)
核融合の歴史

核融合炉の研究の歴史は決して浅くはない。1900年代にはすでに核融合が発見されており、これは核分裂の発見よりも早い。太陽のエネルギーがまさに核融合によるものだということもあるだろう。太陽の場合、一般的な水素が融合してヘリウムに変化するので、核融合炉での反応とは少し異なるが、同じ核融合反応である。

「1930年代には、後にノーベル物理学賞を受賞する湯川秀樹博士も、日本でも核融合の利用について研究すべきだと発言されていました。本格的に核融合炉の研究が進むようになったのが、1950年代から60年代。旧ソ連や米国が研究を進めました。とはいえ、巨額の費用がかかり、国ごとに研究していくのは負担が大きい。そこで、1985年に国際熱核融合実験炉(ITER=イーター)という計画が持ち上がりました」

ITER計画はその後、2001年から2006年にかけて設計のための協議が進み、現在はフランス南部において建設中となっている。2025年に運転開始となり、2035年から発電の実証が始まる予定だ。

核分裂炉の研究開発の歴史はおよそ100年におよぶ。核分裂の発見から発電までは、およそ15年しかかかっていないのと比較すると、核分裂エネルギーの利用には長い時間がかかっていることになる。

一般的な原子炉(軽水炉)では、ウラン燃料を水に沈めて直接お湯を沸かす仕組みであるのに対し、核融合炉では、高温のプラズマとなった重水素と三重水素を衝突させるために、構造的にははるかに高い技術が必要とされる。プラズマを閉じ込めた上で、核融合によるエネルギーを熱として取り出す必要があるからだ。
「ITERなど、トカマク型と呼ばれる核融合炉では、磁力でプラズマを集めて閉じ込めます。重水素や三重水素が高密度で飛び回ることで、原子核の衝突が起こり、核融合が発生します。この時に中性子も発生しますが、これが炉を包むブランケットにあるリチウムの核分裂反応を引き起こし、熱を発生させます。この熱で蒸気を作り、タービンを回して発電するという点は、原子力発電と同じです。一方、リチウムは核分裂後にヘリウムと三重水素となり、このうち三重水素は核融合炉の燃料として回収して使われます」

トカマク型とは、強力な電磁石をドーナツ型の核融合炉に多数配置し、磁力でプラズマを閉じ込める形式のものである。同じく電磁石を核融合炉に巻き付けるように取り付けたものを、ヘリカル型という。他にもレーザー核融合炉があり、360度全方向からレーザーを照射して重水素と三重水素を球状に圧縮し、核融合を起こす仕組みだ。いずれにせよ、核融合によって発生した中性子を通じてエネルギーを熱に変え、その熱で発電する。

実用化に長い年月がかかってきた核融合だが、近年になって多くのスタートアップが登場し、活発な動きを見せている。そこにはもちろん、カーボンゼロを目指すという、気候変動対策がより重要になってきたということもあるだろう。

とりわけ目立つのが、米国のスタートアップだ。実は米国は近年までは核融合炉には積極的ではなかった。だが、ここ数年で巨額の民間マネーが流入。ビル・ゲイツが投資するMIT発のスタートアップ企業、コモンウェルス・フュージョン・システムズ(Commonwealth Fusion Systems)が18億ドルもの資金調達に成功するなど、民間主導で商用化を目指す動きが加速している。北海油田の枯渇が見えてきた英国も、エネルギー安全保障の観点から、核融合炉の開発には積極的になっている。こうした状況もあり、核融合炉関連は現在、投資を集めやすい状況だ。

「地道な研究開発を続けてきたにもかかわらず、ダイナミックな局面では、日本が乗り遅れるのが今までのパターンでした。我々としても受け継がれた技術があり、乗り遅れないようにようにしたい」

原子力発電ではせいぜい300°Cの熱を取り出して発電しているが、核融合炉ではおよそ1000°Cとなる。当然、物質の挙動や使用する部材も変わってくる。熱の媒体には水ではなく液体金属を使用し、配管の金属もステンレスではなく1000°Cに耐える素材を使う。

その点、日本はこれまで継続的に核融合炉の研究開発を積み重ねてきた実績がある。

「長い間、地道な研究開発を続けてきたにもかかわらず、世界におけるダイナミックな局面では、日本が乗り遅れるのが今までのパターン。ただ、我々としても受け継がれた技術があり、乗り遅れないようにようにしたい」と長尾CEOは強く思っている。

リーバイスのビジネスモデル

世界中で核融合のスタートアップが立ち上がる中、京都フュージョニアリングの強みとは何か。長尾CEOはマネタイズを意識した会社だと強調する。

「我々は科学技術にとどまらず、核融合という新たな産業を作っていきたいと考えています。これまでの研究開発は、B to G、いわゆる政府の研究開発の下請けでした。しかし我々はBtoB、すなわち政府をあてにすることなく事業として成り立つことを目指しています。我々のビジネスは、ゴールドラッシュにおけるリーバイスのビジネスモデルによく例えられます。つまり、核融合炉の中心部ではなく、前後の工程を支えていくコンポーネントを提供するということです」

19世紀後半のカリフォルニア州はゴールドラッシュで賑わった。そこで金を採掘するためには、丈夫なズボンなどの衣類が必要とされた。これを供給したのがジーンズ・メーカーのリーバイスである。金の採掘そのものではなく、その作業を支える製品を提供することで大きな利益を上げる仕組みがリーバイスのビジネスモデルと呼ばれるものであり、京都フュージョニアリングもこれにならうという。

「前工程では、ジャイロトロン・システムというプラズマを加熱する装置、後工程であれば核融合炉を取り囲むブランケットなどを開発しています。また、後工程の実証設備として、核融合炉による発電システムを実証するプラント『UNITY』の開発にも着手しました」

UNITY(Unique Integrated Testing Facility、独自統合試験施設)とは、核融合発電システムによる発電を実証するための世界で初めてのプラントだ。核融合そのものではなく、核融合炉からいかにして熱を取り出し、発電していくのか、ということが、実証のテーマとなる。海外の実証試験が核融合炉にフォーカスすることに対し、その先の発電にフォーカスした点でも、ユニークな実証プラントだ。

全体の構成(下図参照)は、核融合炉の環境を再現した炉内環境試験装置を中心に、熱を取り出す「ブランケット」、取り出した熱を輸送する「熱交換器」、プラズマを加熱する「ジャイロトロン」、プラズマを排気する「ダイバータ」、リチウムが核分裂してできた三重水素などを回収する「トリチウム循環装置」、そして核融合燃料の循環を試験する「燃料サイクル実証系」を備えたものとなる。

多くの核融合スタートアップ企業が核融合炉の設計・開発を進めているのに対して、京都フュージョニアリングはさらにプラズマ加熱および排気、熱取り出しを含む、すべての工程に取り組んでいる。(同社提供)

「UNITYを構成する装置は、どれ1つとっても、当社の一級品といえる技術の結晶です。たとえば、液体金属を通じてブランケットから高温の熱を取り出す熱交換器は、世界最高水準の技術だと考えています。それでも、各コンポーネントを組み合わせて1つのプラントにしたときに、どのように作動するのかは、やってみなければ分かりません」

プラントそのものは、国内複数のパートナー企業との連携によって建設される。すでに基本設計は完了しており、2024年末の発電試験開始に向かって進んでいる状況だ。

さらに長尾CEOは同社の特徴として、「技術陣がしっかりしている」点を強調。メンバーには教授レベルが4名、助教・准教授レベルまで含めると10名弱、メンバーの過半数が博士号取得者だ。

とはいえ、日本の核融合研究には大きな問題がある。それは技術者の多くが60歳から65歳の間に集中しており、若い世代があまり育っていないことだ。実際の核融合の産業化を託すのは次の世代である。そのため、技術継承もまた重要なテーマとなっている。

「フランスや中国など、他の国でも核融合炉の技術に追いつくために、人材育成にも資金を投入しています。日本はこれまでQST(量子科学技術研究開発機構)を筆頭とした研究機関が研究開発を続けてきたことで世界的にリードしていますが、このままでは抜かれてしまうでしょう」

日本において、核融合炉が自動車産業のように産業化されれば、インフラ輸出にもつながっていく。なにも、最終製品だけが産業ではない。「アップル製品における日本のサプライヤーのように、重要な部品を供給するという立場もある」と長尾CEOは述べる。さらに、産業のエコシステムが確立されると、ロボティクスやサプライチェーンの高度化などにもつながる。

「核融合はさまざまな技術の集合体なので、すり合わせの技術でもあります。これもまた、日本が得意とするものです。また、核融合は発電に使えるだけでなく、熱そのものを利用して、海水の淡水化や水素の生成、大気中の二酸化炭素を直接回収することも可能です。さらに、核融合ロケットエンジンが開発されれば、火星への有人探査も、従来の3年から、往復6カ月の移動を含む約1年半程度に短縮されるでしょう」

UNITYは基本設計を終え、2023年3月までに液体金属ループの一次建設を完工し、2024年末に発電実証試験の開始を予定している。このような核融合発電システムの試験設備はこれまで世界に例がなく、同社は世界初の偉業に挑む。(同社提供)

核融合でロケットエンジンというのも驚きだ。また、長尾CEOは炉型式にもこだわりがないという。

「トカマク型やヘリカル型の核融合炉は比較的巨大発電所に向いていると思います。これに対し、ロケット用であればレーザー型核融合炉が向いている。成功する炉型式は1種類ではないでしょう。核融合はただの手段にすぎません。大切なのは、何を実現したいのか、ということです。そのためにどのような技術を使うのかについては、我々は柔軟な考え方をしています」

低コスト化と安全性

核融合炉の開発にあたって、課題はないのだろうか。

「ボトルネックとなる課題はないと考えています。技術的な課題はほぼクリアできます。問題があるとすれば、1つは低コスト化と安全性の確保です。そしてもう1つが、そのための資金の確保でしょう」

そのコストも、ITERに関して言えば、設計上では1キロワット時当たり100円と高い。初期の太陽光発電の発電コストもこのレベルだった。その後、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、固定価格買取制度など仕組みでコストが低下し、普及していった経緯がある。また、英国には原子力を対象とした類似の制度があり、新たな原子力発電の建設が進められている。

「技術的な課題はほぼクリアできます。問題があるとすれば、低コスト化と安全性の確保、そして、そのための資金の確保でしょう」

「長期にわたるプロジェクトでは金利のほうが高くなってしまうこともあります。固定価格買取制度のようなコスト面での政府の介入が普及のために必要ですし、これは社会的な課題だと言えます」

核融合炉もまた、放射性物質を伴う技術だ。そのため廃棄物は問題とならないのだろうか。

「核融合は、原子力発電の核分裂とは本質的に異なる技術です。核分裂の場合、高レベル放射性廃棄物が出ます。これは、地層中に10万年間貯留することや、あるいは核燃料サイクルを通じて廃棄物を減らしていくといった対策がとられます。その点、核融合の場合、低レベル放射性廃棄物しか出ません。放射線のレベルでいえば、桁違いに小さいのです。したがって、原子力発電所とは異なる、核融合に対する合理的な安全設計が必要です。もちろん放射性物質ですから、医療用X線がそうであるように、規制は必要です。英国ではすでにそうした規制が導入されています。日本でもまずは議論が必要です」

また、運転時に発生する中性子は透過性がとても高く、その遮蔽も簡単ではない。そのため、ブランケットなどの核融合炉を取り囲む部材には特殊な材料を利用し、かなりの厚みをもたせているという。

今後の展開について、「英国の核融合炉開発を担う英原子力公社(UKAEA)からサプライヤーとして認定されたことを受け、2021年には英国子会社を設立しました。また、米国も研究開発が盛んで大きな市場となっているので、進出の準備を進めています。さらに、グローバル・ディープテック・カンパニーの道を突き進むため、現在は新規メンバーを募集中です」と長尾CEOは話す。2035年までには核融合プラント機器市場はおよそ1兆円になるとも言われている。人材確保は急務となりそうだ。

さらに2022年8月15日、英原子力公社が主導する核融合炉開発プログラム「STEP(Spherical Tokamakfor Energy Production)」の概念設計の中心的役割を担う「Engineering Delivery Partner(EDP)」の1社にも選出された。STEPは2024年までに核融合原型炉の概念設計を完成させ、2040年までに原型炉からの発電の実現を目指しているという。EDPは5社のメンバーで構成されているが、京都フュージョニアリングは唯一の欧州以外に本拠を置く企業である。このプロジェクトにおいては、ブランケットやダイバータの概念設計を中心に取り組む予定だ。

核融合炉が実用化されれば、カーボンゼロ社会がより現実味を帯びてくる。しかし、長尾CEOが考えているのはそれだけではない。

「かつて、日本はエネルギー資源を求めて戦争をしました。現在でも、ロシアによるウクライナ侵攻もエネルギー問題に関係しています。しかし、エネルギーの奪い合いがなくなれば、未来永劫、争いがなくなるかもしれません。何十年も先の平和を見据えて取り組んでいくことが必要だと考えています」』

石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証試験を開始―CO2分離・回収した石炭由来の高濃度水素で燃料電池複合発電、究極の高効率発電を目指す―

石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証試験を開始
―CO2分離・回収した石炭由来の高濃度水素で燃料電池複合発電、究極の高効率発電を目指す―

2022年4月19日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
大崎クールジェン株式会社
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101534.html

『NEDOと大崎クールジェン(株)は、革新的な低炭素石炭火力発電技術の確立を目指す「大崎クールジェンプロジェクト」の第3段階に入りました。具体的には、CO2分離・回収型酸素吹石炭ガス化複合発電(CO2分離・回収型酸素吹IGCC)設備に、MW(メガワット)級の燃料電池設備(SOFC)を組み込んだCO2分離・回収型石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証試験を、4月18日に開始しました。

本実証試験では、第2段階のCO2分離・回収型酸素吹IGCC実証設備に燃料電池を組み合わせて、石炭をガス化したガスからCO2を分離・回収後、得られる高濃度水素ガスを燃料電池に供給し、燃料電池の発電特性や燃料電池内部の温度分布を把握します。また、燃料電池モジュールを並列運転した時の運用性、さらに高圧運転した場合の挙動を調べるなど、CO2分離・回収型IGFCシステムの実現に向けた試験を行います。

実証試験の目標は、本実証試験の成果を500MW級の商用機に適用した場合に、CO2回収率90%の条件で47%程度の送電端効率(高位発熱量基準)の見通しを得ることとします。

今後、高効率な石炭火力発電とCO2分離・回収が両立する技術を確立し、CO2排出量抑制(地球温暖化対策)への貢献を目指します。』

『2.実証試験の内容

(1)目標:
石炭ガス化ガスに対する燃料電池の発電特性や運用性を見極め、将来の500MW級商用機に適用した場合にCO2回収率90%の条件で、送電端効率47%程度(高位発熱量基準)の見通しを得る。
(2)実施期間:
2022年4月18日から2023年2月28日まで
(3)実施場所:
中国電力(株)大崎発電所構内(広島県豊田郡大崎上島町中野6208番1)
(4)実証試験項目:
下表参照

表 CO2分離・回収型IGFC実証試験の項目および実施内容
項目 実施内容
燃料電池の基本性能検証 燃料電池(SOFCモジュールを2基並列)において、高濃度水素ガスによる運転・制御方法を確立するとともに、発電特性を把握する。
燃料電池の運用性検証 燃料電池モジュールの並列拡張の検証、CO2分離・回収設備との連係運転に係る協調性の検証、ガスタービン連係を想定した高圧運転試験およびシステム全体効率に関する検討を行う。
燃料電池の信頼性検証 累積時間3000時間程度の運転を行い、高濃度水素ガス運転における電圧低下率を確認する。
CO2分離・回収型IGFC実現に向けての検討 CO2分離・回収型IGFCの技術確立および商用化に向けた課題や技術動向を整理するとともに、経済性を検討する。

本実証試験を実施し、さらに本事業とは別に開発が進められているCO2の利用※9・貯留技術と組み合わせることで、CO2をほとんど排出しない石炭火力発電が実現できます。本技術を確立させることで、CO2排出量抑制(地球温暖化対策)への貢献を目指します。

【注釈】

※1 大崎クールジェン株式会社
中国電力株式会社と電源開発株式会社の共同出資会社です。
※2 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)
IGFCは、Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycleの略です。石炭をガス化して、燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンの3種類の発電形態を組み合わせて発電する方式のことです。
参照:NEDOニュースリリース 2019年4月17日「サイト内リンク 世界初、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証事業に着手」
※3 石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業

    事業名:次世代火力発電等技術開発/石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業/CO2分離・回収型酸素吹IGCC実証
    事業期間:2012年度~2022年度(2012年度~2015年度は経済産業省事業)
    事業規模:助成金約500億円、事業費約1300億円

※4 酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)実証(第1段階)
IGCCは、Integrated Coal Gasification Combined Cycleの略です。石炭をガス化して、ガスタービン、蒸気タービンの2種類の発電形態を組み合わせて発電する方式には、石炭ガス化炉に酸素を供給する酸素吹方式と空気を供給する空気吹方式があります。CO2分離・回収設備と組み合わせる場合には、エネルギー効率の面で酸素吹方式が優れているとされます。
参照:NEDOニュースリリース 2019年3月6日「サイト内リンク 「大崎クールジェンプロジェクト」の第1段階、酸素吹IGCCの実証試験を完了」
※5 CO2分離・回収型酸素吹IGCC実証(第2段階)
参照:NEDOニュースリリース 2016年4月4日「サイト内リンク CO2分離・回収型酸素吹石炭ガス化複合発電の実証事業を開始」
※6 高位発熱量基準
燃料が燃焼した時に発生するエネルギー(発熱量)を表示する際の条件を示すもので、燃料の燃焼によって生成された水蒸気の蒸発潜熱も発熱量として含めたものです。高位発熱量は、総発熱量とも呼ばれます。高位発熱量から燃料の燃焼によって生成された水蒸気の蒸発潜熱を除いた低位発熱量(真発熱量)に比べ、見かけ上の熱効率が低く表示されます。高位発熱量基準は、政府のエネルギー統計、電力会社の発電効率基準、都市ガスの取引基準などに用いられています。
※7 SOFC
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell)。電解質に固体酸化物を用いた高温作動タイプの燃料電池です。
※8 ガスタービン系統との連係
ガスタービンと燃料電池を連係運転して高効率発電するには、燃料電池で発電した後の排燃料と排空気をガスタービンに送るとともにガスタービンの圧縮機から燃料電池へ空気を供給するシステム構成が想定されます。その場合、ガスタービン系統と燃料電池を同じ圧力で運転する必要がありますが、現状の燃料電池はガスタービン系統より低い圧力での運転となっています。そのため、本実証試験では、燃料電池の圧力をこれまでより高めた運転をして、その挙動を確認します。
※9 CO2の利用
参照:NEDOニュースリリース 2020年8月5日「サイト内リンク カーボンリサイクル技術における実証研究拠点化と技術開発に着手」

3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:戸島、福原、吉田 TEL:044-520-5293

大崎クールジェン(株) 総務企画部 担当:森本、森安 TEL:0846-67-5250
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:橋本、坂本、鈴木、根本

TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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CO2を90%回収しつつ世界最高効率 “究極”石炭火力発電

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:CO2を90%回収しつつ世界最高効率 “究極”石炭火力発電
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5362417.html

『アントニオ・グテーレス国連事務総長は2022年8月8日に東京で記者会見を行い、日本は脱炭素化に向けて、石炭火力発電所を支援する予算配分をやめるべきだと発言した。また、「日本は気候問題をリードしていく大きなポテンシャルを秘めている。日本がこの方面において具体的な策をとると期待している。

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日本が石炭火力発電所のファイナンスを止めるよう求める。『クリーンな石炭』という概念はない」と述べ、何が何でも「石炭は悪だ」との原理主義者でもある。脱炭素に異論はないが、各国それぞれの事情があり、日本の火力発電の脱炭素化は世界のトップを行ってっている。参照記事

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また、今もなお、世界経済は石炭を含む化石燃料の上に成り立っているというのが現実です。 この理想と現実の間を埋めようと、日本は新技術の開発を続けており、大崎クールジェンでは”究極”の石炭火力発電の実現に向けた最終試験を開始しました。90%の二酸化炭素を回収しつつ、発電効率は世界最高クラスの47%を目指すとしています。 その発電の仕組みとは。また、実現に向けて超えなければいけないハードルとは。次の映像が詳しく解説します。映像:CO2を90%回収しつつ世界最高効率 “究極”石炭火力発電の実証試験が最終段階に【橋本幸治の理系通信】(2022年5月13日)』

観測ロケット「S-520-RD1」号機を打ち上げ 日本

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:観測ロケット「S-520-RD1」号機を打ち上げ 日本
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『宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年7月24日午前5時、鹿児島県肝付町の発射場から観測ロケット「S-520-RD1」号機を打ち上げた。日本のメディアが報じた。

RD1号機は全長約9.2メートル、重さ2.6トンで、空気吸い込みエンジン(スクラムジェットエンジン)の試験用機材を搭載。空気吸い込みエンジンは、搭載不要となった酸素の代わりにより多くの貨物を搭載できることから、将来の宇宙往還機や大陸間高速輸送機への適用が期待されている。

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飛行試験用の供試体は長さ約1.8m、直径約0.52m、質量は約300kgで、音速の5~6倍の「極超音速」で飛行しながら国内初の試験を行い、収集した燃焼に関するデータを極超音速誘導弾の研究などに活用するという。

これより前、日本の警察庁は、災害時の被害の迅速な把握や警備などに活用するため、JAXAと共同で、無人航空機の開発に着手することを決定したと報じられていた。

参照記事 JAXA参照記事』

世界初「ゴミ処理場CO2活用のメタネーション」、日立造船が実用化へ

世界初「ゴミ処理場CO2活用のメタネーション」、日立造船が実用化へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/d395d8deac986376ac62fd1d52a5d873b8c58ac9

『日立造船は、ゴミ処理場で排出される二酸化炭素(CO2)を水素と反応させてメタンを製造するメタネーションの実証を神奈川県小田原市で報道陣に公開した。ゴミ処理場のCO2によるメタネーションは世界初という。メタンは天然ガスの主成分のため、将来は都市ガスなどの代替利用が期待される。CO2の回収効率や水素の製造コストなど実用化に向けた課題を8月までの実証で検証する。

 小田原市の「環境事業センター」内に設備を構え実証を始めた。CO2を前処理設備と回収設備を経て、水素と反応させる。水素は液化石油ガス(LPG)を改質して製造する。メタンの製造能力は毎時125ノルマル立方メートル。1年間実施した場合、1650トンのCO2を回収できる。

 ゴミ処理場は同社の主力事業。大地佐智子理事環境事業本部開発センター長は「脱炭素社会でのゴミ処理場の存在感を高めたい」と意欲を示した。』

IHIがアンモニア専焼発電に成功、温室効果ガスを99%以上削減可能に

IHIがアンモニア専焼発電に成功、温室効果ガスを99%以上削減可能に
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2206/30/news155.html

『IHIは2022年6月16日、2000kW級ガスタービンで液体アンモニアのみを燃料とするCO2フリー発電を実現し、燃焼時に発生する温室効果ガスを99%以上削減することに成功したと発表した。

 アンモニアは炭素を含まないことから、燃焼時にCO2を排出しない新たな火力発電向け燃料として期待されている。しかしアンモニア混焼率を高めた場合、安定的なアンモニア燃焼と排気ガス中の温室効果ガスの排出抑制が課題となる。これまでは70%を超える高いアンモニア混焼率での運転時に、温室効果ガスの一種でありCO2の約300倍の温室効果を持つ亜酸化窒素が発生してしまう点が課題となっていた。

 今回IHIでは同社横浜事業所の2000kW級ガスタービンで、新たに開発した燃焼器による運転実証を行った。その結果、70~100%の高いアンモニア混焼率でも温室効果ガス削減率99%以上を達成し、液体アンモニアのみの燃焼で2000kWの発電ができることを実証したという。

実証で利用したガスタービン 出典:IHI

 今後はさらに窒素酸化物の排出量削減を目指すとともに、運用性の向上や長時間の耐久性評価を行い、2025年の液体アンモニア100%燃焼ガスタービンの実用化を目指す方針だ。』

人体にブタの臓器移植、米当局が治験承認へ 現地報道

人体にブタの臓器移植、米当局が治験承認へ 現地報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01E170R00C22A7000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】米食品医薬品局(FDA)がブタの臓器を人に移植する臨床試験(治験)を承認する見通しとなった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が1日、関係者の取材として報じた。実現すれば、米国で深刻になっている臓器移植のドナー不足の解消につながる可能性が期待される。

治験の開始時期については明らかになっていない。当面はFDAが個別の案件ごとに審査する予定だ。治験が承認されればより多くの患者に移植できるようになるが、データ収集や監視基準は厳しくなる。すでにブタ臓器の移植手術を手がけた実績のある病院が対象となりそうだ。

ブタと人の臓器は似ているとされ、心臓や腎臓などの移植研究が進んでいる。今年1月には米メリーランド大学メディカルセンターが世界で初めて、ブタの心臓を人体に移植する手術に成功した。男性は手術の2カ月後に死亡したが、短期間であっても生存できるのが明らかになった事例として注目を浴びた。

手術を受けた男性は人間の心臓移植に不適格と判断され、他の治療の選択肢がなかった。このためFDAが研究段階にあるブタの心臓移植を緊急承認していた。移植した心臓にはブタ由来のウイルスの感染が見つかり、男性の死因については調査が継続中だ。

米国では臓器移植のドナー不足が深刻な問題となっている。米保健資源事業局によると、現在10万人以上の米国人が腎臓などの臓器移植を待っており、毎年6千人以上の患者が移植を受ける前に命を落としている。』

スーパーキャパシタと充電式電池は何がどう違うのか。

スーパーキャパシタと充電式電池は何がどう違うのか。
https://st2019.site/?p=19627

『2022-5-20記事「Low-cost battery-like device absorbs CO2 emissions while it charges」。
   スーパーキャパシタと充電式電池は何がどう違うのか。

 電池は、ケミカル反応を利用して充電しまた放電する。
 キャパシタ(コンデンサ)は、ケミカル反応を利用しない。電極間の電子の挙動を利用する。
 このためキャパシタは、製品の寿命が長い。(連続給電時間が長いという意味ではない。)

 このたび発明された廉価な新デバイス。スーパーキャパシターなのだが、充電されるときに二酸化炭素を選別的に吸着する。そして放電するときにその二酸化炭素を解放するが、その発生ガスを集めて大気中に再び逃がさないような仕組みは簡単に作れる』