トヨタが22年組織再編、ソフト第一へ 統合ECUで後押し

トヨタが22年組織再編、ソフト第一へ 統合ECUで後押し
日経クロステック取材班
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04578/

 ※ これ、投稿にしていなかったようだな…。ちょっと、古いが、貼っておく…。

 ※ メカ+エレクトロニクスで、「メカトロニクス」になったように、「ハード」と「ソフト」が融合して、車も「ある別のもの」になって行くんだろう…。

 ※ ただ、日本の場合、あくまで「ハード寄り」「ハードを生かす(さらに進化させる)」ための「ソフト」…、というスタンスにするのがいいような気がする…。分厚い「ハードの製造業」の蓄積・基盤があるからな…。

 ※ 買う側の「消費者サイド」からすれば、「お題目」なんか、どうでもいい…。しっかり、「作動してくれて、購入費用に見合うだけの『価値』が手に入れば、それで御の字」だ…。

『(2020.09.15)
 トヨタ自動車が2022年度にかけて、ソフトとハードの開発を分離しやすい組織に再編することが日経クロステックの調べで分かった。ソフトの開発周期を短くし、車両改良を待たないで頻繁に機能を高められる「ソフトウエアファースト(第一)」の体制にする。さらに車載電子アーキテクチャー(基盤)を刷新し、ソフト重視の開発を後押しする。ハードの脇役だったソフトを自動車開発の主役に据え、IT企業など新興勢との競争に備える。

移動サービス会社への転換にソフト重視の考えを採り入れる。写真は2019年に発表した試作車で、健康サービスを見据えたもの(撮影:日経クロステック)
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 トヨタはこのほど、幹部社員を集めてソフトを重視した開発体制に移る方針を示した。ソフトとハードの開発体制を分けることで、ハードに先行してソフトを開発し、実装できる組織にする。22年度から本格化させる無線通信によるソフト更新(OTA:Over The Air)と組み合わせ、新しい機能を頻繁に投入する仕組みを実現する考えだ。

 20年3月、トヨタ社長の豊田章男氏はNTTとの提携発表の場で、「ソフトウエアファースト」の開発体制に移行することを宣言した。ソフトとデータを活用し、自動車の機能向上を実現する構想だ。「ソフトを先行して実装し、自動車の走行時にデータを収集する。AI(人工知能)をレベルアップさせて、ある段階でソフトを更新して機能を追加できるようにする」(豊田氏)。組織再編は、ソフト第一を実現する手段の1つになる。

 従来の車両開発は、ハードとソフトの一体開発が基本だった。車両の全面改良に併せて、電子制御ユニット(ECU)とソフトをセットで開発するものだった。ECUの能力に見合うムダの少ないソフトを開発しやすい一方で、進化の遅いハードにソフト開発がしばられる課題があった。

 ソフト第一の開発体制への移行で鍵を握るのが、18年に設立した自動運転ソフト子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)である。「Arene(アリーン)」と呼ぶソフト基盤を開発する。同基盤は、安全で信頼性の高い車載ソフトの統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)と言えそうなもの。この自動車版IDEの出来栄えが、トヨタ全体の今後のソフト開発効率を左右するだろう。

TRI-ADで開発する様子(撮影:日経クロステック)
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電子基盤にテスラ採用方式の検討
 ソフト第一の開発を後押しするため、23年度に電子基盤の次世代版を投入する計画だ。一部のECUを統合し、分散していた主要ソフトを集約していく。ソフトを更新しやすくなる。

 統合ECUの導入と併せて、「ゾーン(区域)型」と呼ばれる新しいネットワーク構成を一部に採用する検討も進める。従来の「ドメイン型」に比べて、ECUの統合を実現しやすくなるとされる。

 統合ECUに主要機能を集約していくと、車両の各部位に分散した部品のECUと統合ECUを結ぶ配線が複雑で長くなる。短く単純にするため、車両の前や中央、後ろといったゾーン(区域)ごとに信号線や電源線を束ねる「ゾーンECU」を配置する。同ECUは入出力機能などに絞り、統合ECUとゾーンECUを高速で少数の信号線とつなげることで、車両全体の配線を短く単純にする。ゾーン型は米Tesla(テスラ)が採用するとされる構成で、自動車業界で注目が高まっている。

 トヨタが19年に導入した現行電子基盤はドメイン型で、シャシーやパワートレーン、ボディーなどの機能群(ドメイン)ごとにECUを設けるもの。主要機能がドメインECUに分散するため、ドメイン間で連動したソフトを更新しにくい。トヨタの次世代電子基盤はドメイン型を併用しつつ、ゾーン型を一部に採り入れる検討を進めている。

 ソフト第一の開発体制を目指すトヨタだが、ハードルは高い。かねて車載ソフトはECUメーカーが手掛けるもので、完成車メーカーのトヨタが自らソフトを開発することは少なかった。

 近年、トヨタはソフト技術者の採用を強化するが、急激な増加に「寄せ集め」との不安の声が漏れる。「Dojo(道場)」と呼ぶ育成システムなどを用意するものの、育成には時間がかかる。競合の独Volkswagen(フォルクスワーゲン)は、最新の電気自動車開発で主要ソフトの内製化を目指したものの、開発にてこずり発売時期が遅れたとされる。ハードが主役だった自動車メーカーで、ソフト重視の開発体制への転換には社内の反発もある。

Dojoと呼ぶ教育の場を設ける(撮影:日経クロステック)
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 「全ての人に移動の自由と幸せを提供する」――。自動車の製造販売から移動サービスへ事業の軸を移すと宣言したトヨタ。ソフト重視の開発への移行は避けて通れない。

 トヨタがVWと異なり優位に立つのは、ソフト技術者がいるECUメーカーを系列に多く抱えることだ。社内の組織改革とともにグループを巻き込む総力戦で、ソフト第一を実現する考えだ。』

火星、木星間の準惑星 地底に塩水、氷火山も活動か

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO63021560V20C20A8000000

 ※ 引用、転載に問題がある場合は、Word Press.comの方に連絡してください。

『火星と木星の間の小惑星帯にある準惑星ケレスは、その小さな天体の中に大きな秘密を隠し持っていた。米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ドーン」がもたらした数々のデータを分析した結果、ケレスには氷の火山と古代の海があり、今も地質活動が続いていることを示唆するさらなる証拠が見つかった。

ドーン探査機が2017年末から18年末までケレスを周回して得た約1年分のデータは、ケレスの地表に塩水が浸出していることを示していた。また、約2000万年前にケレスに天体が衝突した後、氷が解けて再び凍りついたときにできた小さな山や丘も発見された。

直径が月の3分の1もないケレスには、これまで液体の水は存在しないとされてきたが、人類は今、それを間近で観測し、小さな氷の準惑星が地質学的に活発であることを明らかにした。

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ケレスにおける最も大きな謎は、天体の衝突によってできた直径92キロのオッカトル・クレーターだ。このクレーターの中に、塩でできたいくつもの明るい点がある。これは、つい120万年前まで、冷たい塩水が地下からオッカトルの表面へ浸出して堆積したものだと、最新の論文は示唆している。

山や丘の存在は、ケレスに氷の火山活動があることを示している。氷火山は、溶岩ではなく、塩水を含んだ泥や半解けの氷を噴出させる。ドーン探査機は、オッカトル・クレーターの内側に、過去数十年以内に氷火山から塩水がちょろちょろと流れ出ていたと思われる箇所を発見した。

「ケレスで今も地質活動が続いていることを示す有力な証拠が見つかりました。たとえ現在ではなくても、かなり最近まで活動していたと言えるでしょう」と話すのは、米カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所の小天体プログラムの責任者で、ドーン探査機の主任調査員であるキャロル・レイモンド氏だ。

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また、ケレスは誕生から現在に至るまでのある一定期間に、生命の存在に必要な条件を全て備えていたことも、最新の研究で明らかになった。その条件とは、液体の水、エネルギー、炭素を持つ有機分子で、これらすべてがそろっていたとされる天体の数は、日に日に増えている。ケレスは、天体の衝突によって生じた熱のおかげで、短期間、生命が存在できる星になっていたかもしれないと、科学者たちは考えている。ただし、実際に生命がいたかどうかはまた別の話だ。

最接近
ドーン探査機は、15年から18年までケレスを周回した。その最後の1年間で収集したデータの分析結果をまとめた7本の論文が、20年8月10日付で3つの学術誌「Nature Astronomy」「Nature Communications」「Nature Geoscience」に発表された。探査計画のグランドフィナーレとして、ドーンはケレスの地表から35キロの距離まで接近して、1ピクセルにつき3メートルという高解像度で地表を撮影した。これは、400メートル以上先にあるゴルフボールを撮影できるほどの鮮明さだ。

15年にドーンが発見したオッカトル・クレーターの明るい点は、その後間もなく塩でできていることが判明した。地中から塩水が浸出して堆積したものと思われたが、その塩水がどこから来たのかは謎だった。

オッカトル・クレーターは、およそ2000万年前に天体が衝突してできたと考えられている。その衝撃で大量の熱が発生し、氷の世界は沸き立つ塩水風呂と化した。だが、コンピューターシミュレーションによると、衝撃の熱は500万年のうちにほとんどが失われたという。

2018年7月26日に、ドーン探査機が高度152キロから撮影したオッカトル・クレーターの中の亀裂(IMAGE BY NASA/JPL-CALTECH/UCLA/MPS/DLR/IDA)
今ある塩の堆積物の一部は、過去400万年以内に形成されていることから、衝撃によってできたのではなく、はるか昔から地下に存在していた液体の塩水が外に出てきた可能性が高い。

今回、ケレスの重力調査によってその塩水の出所が判明した。惑星の重力は、場所によって変化する。これは、地形や地殻の厚さの違いによるものだ。この変化を、研究者たちはドーンの飛行速度の微妙な変化を計測することによって明らかにした。

このデータをケレスの地形に重ね合わせてみると、オッカトルの地下が周囲の地殻と比較して薄くなっていることがわかった。クレーターの下に、巨大なマーブルチョコレートのような形の大小2つの塩水貯留層が存在しているようだった。大きな方は直径420キロで、クレーターの真下、深さ48キロの地殻の底にあり、小さい方は直径193キロで、クレーターの南西、深さ約20キロの地下にある。

「ドリルで穴を掘れば、帯水層に到達し、非常に冷たい塩水が湧き出すかもしれません」と、米セントルイス・ワシントン大学の惑星科学者ビル・マッキノン氏は言う。同氏は、今回の研究には関わっていない。

古代の海の名残
地下にある塩水の貯留層は、過去にケレスに存在していた、より大きな海の名残であると、チームは結論付けた。ケレス全体が海で覆われていた可能性もある。凍結防止のために道路にまかれる塩を見れば分かるように、水に溶けた塩は水の凍結する温度を下げて、液体の状態を保つことができる。ケレスの塩水はマイナス30度と推測されているが、この温度で液体の状態を保つには、大量の塩と、粒子が細かく泥状になった鉱物を必要とする。

ケレスの塩水は「ダイビングに適していないことは確かです。おそらく、泥の深い沼のような状態でしょう」と、ジェット推進研究所の惑星科学者で、ドーンのチームメンバーとして今回の論文を共同執筆したジュリー・カスティーヨ・ロジェス氏は語る。

ケレスに衝突したものが何であれ、それによって氷火山の活動が活発になり、塩水が地表に湧き出たと思われる。地球上の火山と違って、ケレスの氷火山は地殻の水が凍って膨張し、地下の貯留槽に圧力がかかることで生まれる。

オッカトルの衝撃でケレスの地殻に亀裂が入り、その割れ目を通じて地下の塩水が地表へあふれ出た。外へ出た水は蒸発し、写真に見られる塩の堆積物だけがあとに残された。

ケレスの活動が今も続いていることを示唆する観測結果もある。7本の論文のうちの1本を執筆したイタリア国立天体物理学研究所の惑星科学者マリア・クリスティーナ・デ・サンクティス氏の研究チームは、オッカトルの明るい部分に、水和した塩化ナトリウムが含まれている証拠を発見した。この塩水の水分は、地表へ出てから100年以内に蒸発するはずだと、研究者たちは言う。だが、今はまだ水分が残っている。つまり、ケレスの氷の火山は今も活動している可能性がある。

高まる期待
ドーンや、15年に冥王星のフライバイ(接近通過)に成功したNASAのニューホライズンズ探査機のおかげで、小さな氷の天体がこれまで考えられていたよりもはるかに活動的であることが示された。これを見た科学者たちは、他の天体についても大きく想像を膨らませた。

ケレスで発見された明るい点のように、「どの惑星も、何か特別なものを持っているようです」と、ニューホライズンズの研究員も務めたマッキノン氏は言う。「共通点はあっても、どれもみな全く同じというわけではありません」

カスティーヨ・ロジェス氏の率いるチームは、ケレスへのサンプルリターン計画をNASAへ提案している。計画の承認、探査機の設計、建設に何年もかかるため、打ち上げは31年以降になるが、オッカトルから100グラムの鉱物を採取して、地球へ送り返す計画だ。

100グラムと聞くと大した量ではないように思えるが、ケレスのサンプルは過去に研究されたどんな鉱物よりも原始のままの状態であるはずだと、レイモンド氏は言う。「その研究が実現すれば、私たちは膨大な知識を得ることでしょう」

(文 MICHAEL GRESHKO、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年8月21日付]』

台湾では1か月で500台以上!低価格化で高齢化する海外狙うアシストスーツ

https://newswitch.jp/p/23697

『イノフィス(東京都新宿区、折原大吾社長、03・5225・1083)は、腰の負担を軽減するアシストスーツ「マッスルスーツEvery=写真」の海外輸出を拡大する。7月に台湾輸出を始めたのに続き、年末に中国、2021年初頭に欧州、同年春をめどに北米へも輸出を始める。同社では5年後をめどに海外売上高比率を5割程度に高めたい考えだ。

海外でも高齢化に伴う介護作業の負担軽減に加え、製造現場での需要も見込めると判断した。すでに台湾では輸出開始から1カ月弱で500台以上を販売した実績がある。従来のアシストスーツの価格は約50万円していたが、同社が19年11月に発売したマッスルスーツEveryでは、本体のフレームをアルミニウムから樹脂に変え、リコーグループに生産を委託することなどで15万円以下と3分の1以下に引き下げた。国内では低価格化によって、それまで購入をためらっていた農業や工場の生産ライン、物流関係からも注文が拡大し、「市場の裾野が広がった」(折原社長)。海外でも、これら業務用での需要が見込めるとし、国際展開を急ぐことにした。

中国など海外では類似商品との競合も予想されるが、折原社長は「空気圧制御によるなめらかさや身体へのフィット感、耐久性など多くのノウハウがあり、差別化できる」と見ている。代理店販売だけでなく、ネット通販も検討している。

日刊工業新聞2020年9月7日』

マッスルスーツ® 原理と特徴

https://katsuta-ind.co.jp/wearable/about2.html

 ※ 昔(むかし)、「帝都物語」というLDを所有していて、視聴したことがある…。
 それに、「膨圧」で動く「學天則」というロボが登場する…。「へえ…。」と思って観ていたが、もはや「実用化」されていたんだな…。
 LDの方は、プレーヤーが故障して、視聴できなくなった…。総数で、50枚近くあると思うのだが、単なる「思い出のよすが」になってしまったな…。
 ちなみに、これの続編めいたもので、「帝都大戦」というものがあるのだが、レンタル・ビデオで借りてきて観た…。
 相当、期待していたものと違った…。非常にソンした気分に、なったよ…。あれは、残念だったな…。

帝都物語
 ※(嶋田久作氏の、デビュー作だったはず…。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E9%83%BD%E7%89%A9%E8%AA%9E

「リアル+VR」は未来の展示会スタイルになるか、ユアサ商事の挑戦

https://newswitch.jp/p/23564

『ユアサ商事は、リアルとバーチャルの両空間を組み合わせた展示会を11月と12月に関東・関西の2地域で開催する。人工知能(AI)を活用した最先端商材などを紹介する商品展示ブースと、ウェブ上の仮想空間で商品などを紹介する仮想現実(VR)ブースを会場内に併設する。こうした形式の展示会は機械商社業界では初めて。ウィズコロナ時代を見据え、「3密(密閉・密集・密接)」状態を回避しつつ効果的な情報発信を行える新たな展示スタイルの確立を目指す。

展示会「YUASA Growingフェア」を11月13、14の両日に幕張メッセ(千葉市美浜区)、12月11、12の両日にインテックス大阪(大阪市住之江区)でそれぞれ開催する。百数十社の出展を見込む。

リアルブースでは、AIやIoT(モノのインターネット)を活用した未来のビジネス創出に向けた最先端の商材などを展示。ユアサ商事が資本提携するAIベンチャーのコネクトーム・デザイン(東京都千代田区)のAI技術・サービスを中心に、実機を交えたAIの活用事例や関連商材などを幅広く提案する。

バーチャル展では、会場内のパソコンからアクセスする「仮想展示場」を設け、出展各社の商品画像や動画、説明パネルを閲覧可能。また単独で出展する企業のブースも設け、パソコンからの仮想ショールーム訪問など特別コンテンツの体験や、個別説明などを受けられるようにする。

昨年の「グランドフェア」
ユアサ商事では例年、販売店で構成する組織主催の「グランドフェア」を全国5カ所で毎年開催し、6万人以上の来場者が訪れている。しかし今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、それに代わる新たな展示会として開催を決めた。

今回、VRの活用方法や展示形式などについて来場者の声を集め、2021年以降の展示会にもフィードバックすることで、より訴求効果の高い展示スタイルの確立を図る。』

「しんかい6500」運用30周年!

「しんかい6500」運用30周年! 日本には海底地図作りのプロチームがいる
https://newswitch.jp/p/23558

『2020年は海底探査のアニバーサリーイヤーだ。世界最古の潜水艇が作られてから400年が経過し、海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」が運用開始30周年を迎える。文学でも150年前にジュール・ヴェルヌのSF冒険小説『海底二万里』が発表され、多くの人が海底への夢を膨らませた。現在は、海底地図の作製や海洋プラスチック問題などで、さまざまな海底探査を利用した研究が進んでいる。海底探査の最新研究を追った。(飯田真美子)

資源・環境基盤技術確立

日本の近海は水深7000メートル以上の深い海が多い世界的にもまれな地域であり、海洋機構だけでもさまざまな海底探査船を所有している。

地球深部探査船「ちきゅう」(海洋機構提供)

地球深部探査船「ちきゅう」は、約1万メートルの長さのドリルを海上から下ろし、海底を掘削して地球内部を調査する。「おとひめ」や「じんべい」などに代表される無人の深海探査機は3000メートルまで潜水可能で、母船から遠隔で操作して海底資源の採取や海中の二酸化炭素(CO2)濃度などを調べられる。3人乗船できる有人潜水調査船「しんかい6500」は、6500メートルまで潜水でき、ロボットアームやカメラなどを操作し探査する。

海洋調査・研究のため海底の泥などを一気にかき集める「パワークラブ」

探査の条件に合わせて船を使い分ける。世界でも海底探査船が開発され、さまざまな分野に研究成果を発展させている。近年、月や火星など宇宙探査プロジェクトが注目を集めているが地球の海はまだ完全に解明されていないことが多い。世界の海底地形もその一つ。海底探査を利用した海底地図作りが進められている。海底地図が完成すれば海底資源の調査などに役立つ基盤技術確立が期待される。

全地球海底地図30年完成 太古の氷河融解過程推測

日本財団(東京都港区)は、30年までに全地球の海底地形図を100%完成することを目指す国際プロジェクトに取り組んでいる。同プロジェクトが始まった17年には海底地形は全体の6%しか解明されていなかったが、20年には19%の地図化に成功。100%を達成するため、地図を作製できる専門家の育成にも力を入れている。

最近では、豪州の2倍の面積に相当する1450万平方キロメートルの海底データを取り込んで解析し、南極付近で氷河が溶けた痕跡が年輪のように残っていることを確認した。

グリーンランド北部の氷河の海底地図(日本財団提供)

太古からの氷河の融解過程が推測できる。今後は船舶が航行できない未開拓海域のマッピングや、小型船・漁船などと連携したデータ取得の仕組み作りを進める。

海底地図の作製は世界でも関心が高い。17―19年にかけて水深4000メートルの広範囲な海底地図を正確に作る国際競技が行われた。同財団の探査チームも参加。

自律型海中ロボット(AUV)などの潜水機を使い、ミス一つない完璧な海底地図を作り上げた。海底地図作りのプロフェッショナルが集まったチームは、国際プロジェクトが並行する中で優勝を手にした。

同財団の海野光行常務理事は「全世界の海底地形を解明するという人類の夢の実現に向けた大きな一歩となった」と語る。』

ソニーが消費電力9ミリワットのLSI…。

ソニーが消費電力9ミリワットのLSI、ウェアラブル端末の小型化・省電力化を両立
https://newswitch.jp/p/23469 

『ソニーは19日、全球測位衛星システム(GNSS)受信大規模集積回路(LSI)「CXD5610GF=写真左」「同GG=同右」を9月に、サンプル出荷すると発表した。同GFはL1帯とL5帯の同時受信時の消費電力が9ミリワットと、デュアルバンド測位で業界最小。位置情報を利用するウエアラブル端末やIoT(モノのインターネット)機器の小型化と省電力化を両立できる。

サンプル価格は1000円(消費税抜き)。量産開始時期や生産予定数は非公表。大きさは同GFで縦3・2ミリ×横3・7ミリ×高さ0・5ミリメートル。低電圧動作を実現する独自の高周波アナログ回路技術や、低いクロック周波数でソフトウエアを処理できるデジタル回路とアルゴリズムで省電力化した。独自の測位アルゴリズムで、受信の環境や条件が変わりやすい状況でも測位の精度や安定性が高い。

不揮発性メモリーも内蔵した。外付けメモリーを追加せず最新ファームウェアにアップデートできる。

日刊工業新聞2020年8月20日』

シャープがマイクロLEDディスプレー量産へ…。

シャープがマイクロLEDディスプレー量産へ、見据える新たな市場とは?
https://newswitch.jp/p/23456 

『シャープは2023年にも、1インチサイズ以下の高精細なフルカラーマイクロLEDディスプレーの量産を始める。画素密度はスマートフォンの3―6倍の3000ppi(1インチ当たりの画素数)。同ディスプレーはスマホやテレビ向けの次世代デバイスとして注目される。シャープは市場成長が期待できる眼鏡型のウエアラブルデバイスへの採用を想定し、半導体製造技術を応用した小型製品で事業化を目指す。

シャープでは、すでに子会社のシャープ福山セミコンダクター(広島県福山市)が0・38インチサイズで画素密度1053ppiのフルカラーディスプレーと、0・13インチサイズで同3000ppiの高精細な青色モノクロディスプレーを試作済み。独自の色変換技術で、高い純度の赤色や緑色が出せるとしている。23―24年の量産化を目指し、高精細品のカラー化や色むら低減などに取り組む。

採用を目指すのは眼鏡型の拡張現実(AR)/仮想現実(VR)デバイスで、ナビゲーションや工場の作業支援などで需要が見込まれる。

IDCジャパンによるとソフトウエアやサービスを含む関連市場は23年に19年比10倍近い17兆円規模に達すると予測され、シャープの主要顧客である米アップルも眼鏡型デバイスを開発している。

シャープは半導体の微細加工技術などを応用し、マイクロメートルサイズ(マイクロは100万分の1)の窒化ガリウム(GaN)製青色発光ダイオード(LED)素子を製造。フルカラーにするため、青色LED上に量子ドット(QD)という色変換層を形成し赤と緑の素子をつくる。その際に「LSW」と呼ぶ独自技術で色変換層からの光の漏れを防ぎ、純度の高い赤色や緑色を実現した。

マイクロLEDディスプレーでは複数の方式があるが、シャープでは素子が一つながりのアレイ状で、半導体製造技術によって駆動回路に一度に接合できる「モノリシック」と呼ばれる方式を採用。素子を一つずつ実装するより信頼性が高く、高密度に素子を配置できる。

日刊工業新聞2020年8月19日』

建設業界に近づくドコモを直撃

建設業界に近づくドコモを直撃、現場は5Gとクラウドの使い道が多い宝島か
川又 英紀 日経クロステック/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00933/081800049/ 

※ いよいよ5Gが、実用化されてきたか…。あのイラストにあった、「絵に描いた餅」「夢のような話し」は、現実化して行くことになるのか…。その片鱗は、見えて来た感じだな…。

『現場における人の生産性向上に主眼を置いたデジタル変革を、両社で一緒に進めるのもユニークだ。デジタル技術を活用した「デジタル朝礼」「デジタルKY(危険予知)」「工程進捗共有」「AI(人工知能)エージェント」「マストタスク管理」「パーソナル(健康)管理」などに、20年度内に順次着手する。

関連記事:ドコモと竹中工務店が建設DXで協業、デジタル朝礼やマストタスク管理を現場導入へ

 ここ2カ月ほどのドコモの活発な動きには、布石があった。6月30日、ドコモは同社のネットワークと接続したクラウド上の設備を使えるサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプション群を発表。端末とクラウド設備を結び、5G(第5世代移動通信システム)による低遅延で安全性が高い通信を提供する「クラウドダイレクト」を東京都、大阪府、神奈川県、大分県で開始した。

 クラウドダイレクトの中身を見てみると、建設業界をターゲットにしたものが多く含まれることが分かる。AR(拡張現実)対応のスマートグラスやVR(仮想現実)ゴーグルを用いた現場作業の支援、建築物の点群データ利用、MR(複合現実)を使った建築鉄骨の検査などである。

「クラウドダイレクト」で提供する主なサービス。建設業界向けのソリューションを多く取りそろえた(資料:NTTドコモ、6月30日時点)
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ARスマートグラスを使い、遠隔から現場担当者をサポートするソリューション「AceReal for docomo」。パートナー企業であるサン電子と共同で提供する(資料:NTTドコモ)

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関連記事:5GとARスマートグラスを活用した遠隔作業支援ソリューション
 これらのサービスはいずれも、先述したドコモオープンイノベーションクラウドの基盤上で提供する。

「ドコモオープンイノベーションクラウド」の全体像(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは8月4日に、XR(VRやAR、MRの総称)を使ったサービスの企画・開発をする新会社「複合現実製作所(東京・港)」も設立している。この会社はパートナー企業である宮村鉄工(高知県香美市)と共同開発している、XRを利用した建築鉄骨業向けの作業支援ソリューション「L’OCZHIT(ロクジット)」の提供を最初に手掛ける。そしてドコモオープンイノベーションクラウドとの連携を視野に入れているという。

XRを使った鉄骨の生産管理や検査をするサービス「L’OCZHIT」の利用場面(資料:NTTドコモ)
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 建設業界向けサービスのリリースが続く中、私が一番気になったのは点群データの活用サービス「Field Simulator(フィールドシミュレーター)」である。最近、点群の取材が多かった私にとって、通信会社のドコモが点群ビジネスに乗り出したのは少々意外だった。

関連記事:点群で建築の進捗と出来形を管理、竹中工務店が探る「原寸」データの使い道と人材像
関連記事:マンション改修前に「裸」を3Dスキャン、点群モデルと40年前の手書き図を重ねた

ドコモは6月末から、点群データ活用ソリューション「Field Simulator」の提供を開始した(資料:NTTドコモ)
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ドコモが点群ビジネスに乗り出した真の理由
 「なぜドコモが点群サービスを扱うのか?」

 それを確かめるため、私はドコモでField Simulatorを担当する5G・IoTビジネス部ソーシャルイノベーション推進・先進ソリューション第一担当主査の菅野崇亮氏に会いに行った。

 Field Simulatorは点群データの取得から、3次元モデルの生成、そして活用まで、トータルで支援するのが最大の特徴である。点群ビジネスで実績があるエリジオン(浜松市)と組み、同社の点群処理ソフト「InfiPoints(インフィポインツ)」とドコモオープンイノベーションクラウドを組み合わせて、一気通貫のサービスを提供する。InfiPointsは国内で利用実績が多いソフトだ。

点群データ活用のトータルサービス「Field Simulator」の利用場面例(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは主にクラウド設備を提供するわけだが、菅野氏によれば、「当社のクラウドと5Gの使い道を探るため、様々なクライアントにヒアリングをする中で、点群活用の話題が出てきたことに着目した」と明かす。そして法人向け5G適用サービスの先行案件の1つに選んだ。

 点群データは3Dレーザースキャナーなどを使って、空間全体を点の集合体として計測し、描写するものだ。1つの点には3次元座標と色の情報が含まれ、それを数万件、数億件と取得して空間を把握する。これからは新規物件の開発よりも改修・解体プロジェクトが増えていくのは確実なので、既存の建物の正確な計測や解体前のデータ保存に点群は欠かせなくなる。

 そんな点群はまさに、ビッグデータの塊だ。3Dレーザースキャナーでデータを取得したはいいが、それらを合成して立体モデルを作成するには、データ量が膨大なのでハイスペックなコンピューターが必要になる。点群データをネットワークで送信するときは、相当太い回線が必要だ。

 ここにドコモは目を付けた。現場で取得した点群データは3Dレーザースキャナーの機器内に保存するのではなく、5G回線で随時ドコモのクラウドに送ってもらう。大容量データの通信が求められる現場の1つが、点群の利用シーンだったわけだ。

 クラウド側には、InfiPointsが持つ点群の処理機能を用意する。ドコモのクラウド上で点群データを合成できれば、現場に点群データを処理するためのハイエンドパソコンを用意する必要がなくなる。

 もっとも、ドコモの想定通りに、建設会社などが点群サービスを利用したがるかはまだ分からない。Field Simulatorは6月30日にサービスの提供を開始したばかりで、8月中旬時点で正式契約に至った商談はまだない。

 それでも私にとって興味深かったのは、「現場で点群データを取得する作業を代行してほしいという依頼が複数寄せられた」(菅野氏)ということだ。3Dレーザースキャナーは高価なうえ、点群データの取得にはかなりのノウハウが要る。現場を回って漏れなくデータを集めるのは手間もかかる。そこでトータルサービスを提供するドコモに「データ取得作業をまずお願いしたい」というニーズが顕在化した。点群データの合成以前のフェーズにこそ、ビジネスチャンスがありそうだ。

 データ取得代行は、ドコモにとって決してもうかる商売ではないだろう。それでも、点群に関心を示す企業のデータ取得をサポートできれば、「入り口」を押さえられる。後工程である点群データの合成や活用につなげられる可能性が高まる。クラウドや5Gを有効活用できる場面が増えてくるはずである。

 しかも点群データだけでなく、図面データも大容量なことが多く、5Gは建設現場の仕事に親和性が高いといえる。完成した建物全体のセンシングデータをリアルタイムで収集するのにも向く。ドコモに限らず、通信会社と建設会社の関わりは今まで以上に密接になるのは間違いない。点群サービスは顧客開拓の「きっかけの1つ」と見ておくのがいいのかもしれない。』

スバル「新世代アイサイト」、姿消した“日の丸部品”

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01397/081800004/

 ※ 熾烈な自動運転の開発競争と、そこに「部品を納入する」サプライヤーの受注合戦の一端を示している記事だ…。

 ちょっとした「設計変更」が、何万点、何十万点、ヘタすると何百万点という失注(受注を失うこと)につながるという厳しい現実の姿を表している…。これが、「マイナー・チェンジ」「フルモデルチェンジ」と続いていくんだから、大変な話しだ…。

 しかも、その先の将来には、MaaSが控えていて、「自動車業界の先行き」は誰も見通せない…。そういう中で、完成車メーカー、サプライヤーは経営の舵取りをしていかないとならないわけだから、さらに大変な話しだ…。

『SUBARU(スバル)が先進運転支援システム(ADAS)を刷新する。「新世代アイサイト」と名付けた改良版の最大の驚きは、中核を担うステレオカメラをはじめとする主要部品を根本的に見直した点だ。これまで20年近くアイサイトの進化を支えてきた⽇⽴オートモティブシステムズ(以下、⽇⽴オートモティブ)やルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)の日本勢から、海外の大手部品メーカーに乗り換えた。

 スバルは、2020年末に納車を開始する予定の新型ステーションワゴン「レヴォーグ」から新世代アイサイトの搭載を始める(図1)。新世代品で目指したのは、(1)交差点での衝突など事故を回避できるシチュエーションを増やすことと、(2)高速道路での運転支援の拡大――の2つである。

図1 スバルの新型ステーションワゴン「レヴォーグ」

スバルは2020年8月上旬に、ADASの進化版である「新世代アイサイト」に関する取材会を開いた。(出所:スバル)
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 「もちろん相当悩んだ。それでも、交差点事故への対応と高速道路での高度な運転支援を両立させるためには、ステレオカメラをゼロから見直す必要があった」。初代からアイサイトの開発に携わってきた、スバル先進安全設計部主査の丸山匡氏が打ち明ける。

 スバルが初代のアイサイトを製品化したのは2008年のことだった。「ぶつからないクルマ」の実現に向けて、前方監視用のセンサーとしてステレオカメラを日立オートモティブと二人三脚で開発してきた。カメラで撮影したデータを処理する半導体は、ルネサスがASIC(特定用途向けIC)の開発・製造を手掛け続けた。

スウェーデンVeoneerが受注を獲得
 新世代アイサイトに搭載するステレオカメラを供給するのは、スウェーデンVeoneer(ヴィオニア)である(図2)。スウェーデンの大手自動車部品メーカーAutoliv(オートリブ)から分社化した企業で、ドイツDaimler(ダイムラー)などにステレオカメラを供給した実績を持つ。新型ステレオカメラに内蔵する処理半導体は、米Xilinx(ザイリンクス)のFPGA(Field Programmable Gate Array)を選択した。

関連記事:スバルのADAS半導体戦略、「FPGAで勝負する」

図2 新世代アイサイトに使うステレオカメラ
Veoneerが供給する。左右のカメラ間の距離である「基線長」は、日立オートモティブ製の従来品から変えていない。(撮影:日経Automotive)
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 スバルが新世代アイサイトで最も重視したのが、交差点での衝突事故を回避するためにステレオカメラを広角化することだった。従来のステレオカメラから検知距離を維持しつつ、「検知角度を約2倍に拡大した」(丸山氏)という。

 検知角度を2倍にするため、スバルはステレオカメラに搭載するCMOSイメージセンサーの画素数を、これまでの約120万から約230万に増やした。CMOSイメージセンサーを供給するのは米ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)である(図3)。

図3 新型ステレオカメラに内蔵するCMOSイメージセンサー
ON Semiconductorの「AR0231」という機種で、画素数は約230万。(撮影:日経Automotive)
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 ステレオカメラを広角化したいというスバルの意向は当然、旧知の日立オートモティブも理解していた。実際、従来品よりも検知距離を延ばしつつ、3倍以上の広角化を実現するステレオカメラを開発したと19年12月に発表済み。それでも失注したのはなぜか。

日立オートモティブの新型カメラの特徴は、左右のカメラで撮影する範囲をずらす方式に変えた点だ(図4)。具体的には左のカメラで右前方を撮影、右のカメラで左前方を撮影する。これにより広角化を果たしたが、結果的にはこの撮影方式の変更が仇(あだ)となった。

図4 従来方式と新方式の違い
映像の撮影方式を変更したことで、検知距離を維持しながら、従来の3倍以上の広角化を実現した。(出所:日立オートモティブ)
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関連記事:日立の次世代ステレオカメラ、コスト抑えて交差点に対応

 スバルのアイサイトは、ステレオカメラの左右の視差を利用して3次元の距離画像を作成。この画像上で同じ距離にあるものをグループ化し、輪郭形状や内部の特徴などから歩行者か車両かなどを判断する。

 日立オートモティブの新型カメラでは、撮影範囲の端部は1つのカメラでしか撮影できず、視差を取得できない。Veoneerのステレオカメラは、日立オートモティブのカメラよりも検知範囲は狭いが、スバルの要求に応え、撮影した全範囲で視差を取得できるようにした。

ミリ波レーダーを前側方に配置
 新世代アイサイトでは、車両周囲の360度の状況を正確に把握できるようにするため、ミリ波レーダーを追加した(図5)。これまでは後部バンパーの左右のみに24GHz帯の準ミリ波レーダーを搭載していたが、前部のバンパーの左右にも77GHz帯ミリ波レーダーを搭載する。後部の24GHz帯レーダーはドイツContinental(コンチネンタル)製。前部の77GHz帯レーダーは、ステレオカメラと同じくVeoneer製である。

図5 新型アイサイトのセンサー構成
前方監視用のステレオカメラ1個と、4個のレーダーを搭載する。(撮影:日経Automotive)
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 カメラとミリ波レーダーのデータを収集・処理するECU(電子制御ユニット)の機能は、ステレオカメラに内蔵する。カメラの高画素化とミリ波レーダーの追加によって、より高い処理能力を備える半導体が必要になった。さらに、半導体の発熱量が増えることへの対応策として、空冷ファンをステレオカメラのモジュールに備えるようにした。

 これまでの“日の丸連合”を解体して再構築した新世代アイサイト。隣接する車線まで検知できるようになり、見通しの悪い交差点での出合い頭や右左折時を含めて衝突被害軽減ブレーキを作動させられるようになった。さらに、ステアリングによる衝突の回避や被害軽減の機能も持たせる。

自動車専用道路でのADASとしては、新世代アイサイトのオプション機能として「アイサイトX」を用意する。複数車線における「レベル2」の運転支援機能を実現した。

 アイサイトXのオプション価格は35万円で、3次元(3D)高精度地図ロケーターや12.3型のセンターディスプレー、ドライバー・モニタリング・システム(DMS)、ステアリングホイールのタッチセンサーを追加で搭載する。自車位置の推定には、GPS(全地球測位システム)だけでなく準天頂衛星システム「みちびき」も使う。

 3D高精度地図やみちびきを活用することで、カーブの手前や料金所の手前で自動的に減速できるようにした。地図ロケーターは三菱電機製で、インクリメント・ピー(東京・文京)が作成した3D高精度地図データを内蔵した。アイサイトXはまずは日本市場に限定して導入することもあり、日本メーカーの部品を採用した。

 車線変更支援機能も備える。約70k~120km/hの車速域で車線変更のためのウインカー操作をすると、システムが周囲の安全を確認して自動で車線変更する(図6)。車線変更に関してはもう1つ、「エマージェンシーレーンキープアシスト」という機能を搭載する。車線変更・逸脱時に、隣接車線の車両接近を検知し、警告や車線変更を抑制する方向にステアリングに力を加える。こちらはアイサイトXではなく標準装備だ。

図6 車線変更支援機能の実演
運転者のウインカー操作をきっかけに、車線変更を開始する。(出所:スバル)
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 高速道路上の渋滞時は、ステアリングホイールから手を離せるハンズオフに対応する(図7)。DMSによって運転者の異常を確認した場合は、ディスプレーへの表示や音で警告する。それでも運転者が反応しないと、クラクションを鳴らすと同時にハザードランプを点滅させる。センサーで周囲の状況を確認しながら車両を自動で減速。カーブでは走行を続け、見通しのよい直線道路に入ったところで、走行車線内に自動的に停止させる。

図7 渋滞時はハンズオフが可能
車速が50km/h以下で、運転者が前方を向いていることが動作条件。(出所:スバル)
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 2030年までに自社の車両による死亡交通事故ゼロを目指すスバル――。新たな開発パートナーと生み出した新世代アイサイトを搭載する新型レヴォーグが重要な試金石になる。』