ロシアはどうしてカスピ海を好き勝手に利用できるのか…。
https://st2019.site/?p=21140
『※ロシアはどうしてカスピ海を好き勝手に利用できるのかについて、補足説明したい。
カスピ海は、ソ連時代には、ソ連とイランの2ヵ国だけで、好き勝手に利用してきた。この歴史が重いのである。
ソ連の解体によって沿岸国は5ヵ国に増えたのだが、新参の3ヵ国にはロシアと同等の権利は、事実上、与えられていない。
ロシアもイランも、たとえばカザフスタンとアゼルバイジャンを直結する海底パイプラインの敷設企画に拒否権を行使できる。
それでしかたなくカザフはUAEの造船所に、8000トン級の小型タンカー×2隻を建造させた。8000トンを超えると、もはやカスピに搬入することすら不可能。カスピ海もぜんたいとして浅海なので、船が沿岸で座礁しないためには、効率の悪い小型船で我慢するしかないのだ。
2018-8-12に、5ヵ国は、「カスピ海の法的地位に関する条約(Convention on the Legal Status of the Caspian Sea)」に署名した。ロシア批准は2019-10-1。イランは批准でゴネている。この条約中、「アーティクル3のパラグラフ2」にて、カスピは軍事利用しない旨、定めてある。
しかるに、2022-4-23に、露軍機がカスピ上空よりミサイルを発射してオデーサを空襲。アパートの三世代を殺した。2022-5-3にもツポレフ95が、カスピ上空から巡航ミサイルを放ち、リビウなどを攻撃している。これが不問に付されているのは、5ヵ国同士の紛争でないかぎり、内政不干渉問題となるためである。
ついでながら、カスピ沖合い油田は、とても深いところにある。3000mも掘削しなければならない。高温高圧に耐える器材と特殊技術が必要である。それをカザフなどは持ちあわせていない。またカスピ海の一部は冬に結氷する。』