この3月に中共がロシアから輸入した原油の量は新記録になった。

この3月に中共がロシアから輸入した原油の量は新記録になった。
https://st2019.site/?p=21124

『Markus Garlauskas, Joseph Webster, and Emma C. Verges 記者による2023-5-8記事「China’s support may not be ‘lethal aid,’ but it’s vital to Russia’s aggression in Ukraine」。

    この3月に中共がロシアから輸入した原油の量は新記録になった。その増加の傾向は今後も続くだろう。

 この取引は、ロシアをものすごく助けている。

 というのも、もし中共が原油を買ってくれないと、ロシアの油井や精油所では、貯蔵タンクがたちまち満杯になってしまう。そうなると、油井での採掘そのものをストップしなければならない。これは容易ならざる事態で、後日に採掘を再開しようとする時に巨額の余計なコストを、掘削会社にかけるからである。

 石油とひきかえにロシアは中共から、「トラック」を大量に輸入している。
 これらのトラック類はデュアル・パーパスなので、外見が民間仕様でも、露軍の補給を支えるのに動員されている。

 特に伸びがいちじるしいのは「スーパー・ヘヴィ」クラスのトレーラートラクタートラックだ。2022-12時点で、輸入量はその1年前の11倍に爆増したという。この重輸送車で、露軍は装軌式のAFVを長距離運搬するのである。

 また、一国内にトラックがなくなってしまうと、それは経済のインフレを招く。中共が巨大トラックをどんどん輸出してくれるおかげで、ロシアの消費者物価は破滅的なインフレから免れられるのである。トラックなしでは、当局が物価統制しようとしても、無駄な努力だ。

 中共の通関統計によれば、2022年のメイドインチャイナの集積回路の対露輸出額は、1億7900万ドルになった。これは2021年の2倍以上。

 しかしこの数字は全容を示していない。2021年に中共はトルコへ7300万ドルの集積回路を輸出していたが、22年にはそれが1億2500万ドルに増えた。トルコにそれだけのチップを使う産業などない。これはロシアへの迂回輸出の増加――ほぼ1.5倍化――をあらわしているのである。

 迂回密輸に使われている国はトルコだけではあるまい。全容は闇に包まれている。

 『NYT』が報じたところでは、中共の70社に近いメーカーが、総計で26品目の「ドローン」を、2022-2-24以降にロシアに輸出しているという。

 ドローンの世界ではすでに軍用と民間用の区別の意味がなくなっている。業務用のクォッドコプターが、爆薬を投下、もしくは特攻自爆している。ペイロードに余裕のない、レジャー専用の超軽量ドローンは、そのままで、最前線の偵察監視任務に役立てられている。

 ようするに中共は、砲弾やミサイルを1発もロシアに供給しなくとも、すでに大々的にロシアの継戦能力を下支えしているのである。』