[FT]マレーシア、ファーウェイの5G採用も 欧米は警告
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『マレーシア政府が高速通信規格「5G」の導入に向けた通信インフラの整備で、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の技術を採用する可能性が出てきた。これに対し、欧州連合(EU)と米国が国家安全保障や外国投資上のリスクが大きいと警鐘を鳴らしている。
マレーシア政府は2021年、110億リンギ(約3400億円)規模の5Gネットワーク整備計画の入札で、国営企業のパートナーにスウェーデンの通信機器大手…
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『マレーシア政府は2021年、110億リンギ(約3400億円)規模の5Gネットワーク整備計画の入札で、国営企業のパートナーにスウェーデンの通信機器大手エリクソンを選んだ。だが、22年12月に発足したアンワル新政権がその見直しを表明していた。
これを受けて米国とEUの駐マレーシア大使が4月、マレーシア政府に送った書簡をフィナンシャル・タイムズ(FT)が入手した。
5Gの見直し作業はアンワル首相が安定政権を築けるかどうかの試金石であると同時に、マレーシアが欧米と中国との関係を両立できるかを試される場にもなっている。
米国は事実上の禁輸措置を科すエンティティー・リストにファーウェイを加えたが、ファーウェイはマレーシアの5G参入を目指し激しいロビー活動を展開している。
駐マレーシア米国大使のブライアン・マクフィーターズ氏は書簡の中で、マレーシアが当初の計画を見直せば「国家安全保障上のリスクが高まる」と警告した。
同氏は「当初計画を覆せば新たな通信産業は競争力を失い、5Gの成長が遅れる上、企業を優遇するというマレーシアの国際的イメージにも傷が付く」と記した。
EU大使のミカリス・ロカス氏は、契約を変更すれば「当初の公開入札時の契約条項に違反する可能性が高い」と述べた上で、EUの対マレーシア投資は250億ユーロ(約3兆7700億円)を超え、欧州企業は「政策の透明性を最重要視している」とクギを刺した。
さらに、いかなる契約変更も「入札で選ばれた企業に悪影響が及ぶだけでなく、EUの投資家、とりわけ信頼できる5G運営業者が不可欠なハイテク企業にとってマレーシアの魅力が大きく損なわれる」とけん制した。
By Mercedes Ruehl
(2023年5月2日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
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