アラブ連盟、シリアの復帰を決定 12年ぶり関係改善へ

アラブ連盟、シリアの復帰を決定 12年ぶり関係改善へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0724S0X00C23A5000000/

『【テヘラン=福冨隼太郎】アラブ連盟は7日、カイロで外相会合を開き、2011年に連盟の参加資格を停止したシリアの復帰を決めた。シリアのアサド政権は内戦で反体制派を弾圧したのを機に国際社会から孤立していたが、12年ぶりにアラブ諸国との関係改善が進む見通しだ。

19日にはサウジの首都リヤドでアラブ連盟の首脳会議が開かれる予定だ。サウジはアサド大統領を首脳会議に招待したい意向だとされる。ロイター通信によ…

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『ロイター通信によると、同連盟のアブルゲイト事務局長は7日の記者会見で、アサド氏が希望すれば首脳会議に出席できるとの見方を示した。

サウジはイランと3月に外交正常化を決め、イランの支援を受けるシリアとの関係改善も進めている。中東での緊張緩和を進める動きになりそうだ。外相会合での決議によると、シリアの内戦の解決に向けてヨルダンやサウジ、エジプトなどによる閣僚級の連絡委員会を設置することを決めた。

ただ、カタールなど一部の加盟国は、シリアとの関係正常化になお否定的な立場を取っているもようだ。

11年に始まったシリア内戦では、サウジなどアラブ諸国が、イランが支持するアサド政権と対立し、欧米とともに反体制派の支援にまわった。シリアとアラブ諸国は外交関係が事実上断絶した状態になっていた。

その後、アサド政権はイランやロシアの支援で首都ダマスカスを含む主要地域をおさえて事実上優位を固めた。サウジなどアラブ諸国はシリアとの対立路線を転換している。アラブ首長国連邦(UAE)は22年3月にアサド氏を首都アブダビに招き、首脳会談で連携を確認した。

長年対立を続けてきたイランとサウジが3月に外交正常化を決め、その後、サウジはイランが後ろ盾のアサド政権のシリアを連盟に復帰させる姿勢に転じた。5月1日にはヨルダンの首都アンマンでシリアとサウジやエジプトなどアラブ5カ国が外相会合を開き、シリアの復帰について協議した。

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