面子で生きる共産国の正体を良く表す出来事
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31454429.html
『上の動画は、トルコで行われた黒海経済会議で、ロシアの外交官がウクライナ外交官からウクライナ国旗を奪うという騒動が起きた様子を映したものです。しかしウクライナの外交官はすぐさま掴み掛り、国旗を取り戻すことに成功する映像が話題になっています。
「まぁ、なんて卑劣な事をするんだ」という感想を持つと思いますが、実は、この行動に「思想的な正しさ」で国を作った共産国の本質が出ています。いわゆる、民主国家や資本主義国家の場合、実際の運用がちゃんとされているかは、置いておいて、システムとしては、民意の反映で政治をやっています。色々と言いたい事があるのは判りますが、それが機能していないのであれば、それはシステムの問題ではなく、運営している我々の問題です。
ところが、共産国というのは、「正しい思想」が国家の根幹を成していて、それを擁立している唯一の集団が共産党という位置づけです。なので、独裁国家になりやすいのです。「正しい思想」が決まっているので、それ以外の事を検討するという事が、罪になるような考え方をするわけです。国の成り立ちって、数十年も続くと、国民の思考パターンにすら影響を与えるのですね。なので、ロシアの外交官は、黒海経済会議という場で、ウクライナの旗を強奪するという行為であっても、旗が隠されればロシアの面子が立つと、恐らくある程度マジで考えています。「ウクライナという民族と国は、存在してはいけない」とロシアが大真面目に考えて、それを履行する事を、本気で考えているのが判る場面です。実は、プーチン氏が核爆弾を落とすとか言うよりも、政府側とは言え、ロシア人(スラブ民族)が、ナチュラルに、こういう行動に出るほうが恐ろしいのです。つまり、これが、多くのロシア国民の中で一般化しているという事です。
なぜ、ウクライナという国が領土を奪還するまで、戦争を続ける必要があるかという理由が、ここにあります。停戦しても、準備が整えば、いずれロシアは「ウクライナ人とウクライナを地上から抹殺する為」に攻めてきます。それが、ロシアの指導者が決めた判断であり、その後ろには「正しい思想」があるからです。まぁ、だから、私は思想と宗教は、国にとって時に有害と考えています。それを成し遂げる事が、ロシアという国の目標になり、面子になっちゃっているのですね。ウクライナ語廃して、文化的な建造物や物品は破壊し、歴史の教科書を書き換え、地理の地図からウクライナを消す。代わりにロシア語を植え付け、ロシア人と交配させ、ロシア人が入植し、ロシアの指導者を讃えさせる。そうする事で、ウクライナという国が存在した事すら、歴史から消すまでロシアは戦争を止めません。停戦しても、いずれイチャモンをつけて、侵攻してきます。その為には、全てを犠牲にするでしょう。良い悪いの問題ではなく、彼らにとっては、そうしなければならない問題だからです。
先日、ロシアで10歳の女児が、平和を望む絵を授業で描いたら、父親が懲役20年の刑罰を受けて、その子供は孤児として施設に出されるという事件が起きました。ロシアにおいて、ウクライナを支配下に置くという事は、このレベルで国家が成すべき事と考えられていて、そこに妥協は無いという事です。「人命が大事だぁ。停戦しよう」みたいな、いかにもな方々による集会が日本でも行われていますが、「話し合いが成立する相手と、そうでない相手」が世界にはいるという事です。それが、行動として現れているのが前出の動画です。「これだから、ロシアは。あはは」で済ませられない、無意識に行われたロシア人の意識が現れた映像なんですよ。
共産国の基本的な考え方は、どんな歪んだ形でも、思想的正しさと彼らが考える事に、現実を合わせるという事です。なので、一度始まった国家事業は、いかに間違っていても、最後まで続けるし、その結果として消滅したのが、世界4位の淡水湖だったアラル海です。灌漑計画で環境に甚大な被害が出ても、一度計画したら止められる人がいなかったからです。丁度、一年位前に、ウクライナ侵攻が始まった頃、このブログで「プーチンは既に戦争に勝利している」みたいな事を書きました。ロシアにとって、戦勝とは、具体的な事実よりは、そう考えられる根拠を何点か押さえてしまえば、成立するんですよね。なので、現実がどうであろうと、「プーチンが勝った」と言えば、ロシアの戦勝は確定なのです。そういう意味で、「プーチンが戦争を始めた時点で、結果がどうなろうと、ロシアという国家が消滅しない限り、戦勝は規定事実として記録される」という意味で言いました。外交の舞台というのは、そういう国家の本質が垣間見える場所でもあります。』