習近平政権の「思想学習」

現代中国96号
特集
建党-00年と「社会
毒」中国のゆくえ
習近平政権の「思想学習」
——社会の領域を中心に
中央大学及川淳子
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwiFsJ_40t_-AhXAglYBHfX6A00QFnoECAQQAQ&url=https%3A%2F%2Fspc.jst.go.jp%2Fcad%2Fliteratures%2Fdownload%2F12926&usg=AOvVaw0xgz8CEjAISc_PqayW65Wk 

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中国共産党の建党100年を迎えた中国は、今
後いかなる変貌を遂げていくのだろうか。

「社
会主義」を掲げる中国のゆくえを展望するため
には多様な専門領域からの考察が必要不可欠で
あり、党の思想宣伝工作に対する研究は現代中
国研究における古くて新しい課題といえよう。

党100年の歴史は、思想宣伝工作のあゆみでも
ある。政治権力の闘争は言わばイデオロギーを
めぐる対立と闘争でもあり、中華人民共和国の
建国から現在にいたるまで数多の政治運動は思
想宣伝工作と表裏一体である。

習近平政権は思想統制の強化や政治指導者に
対する個人崇拝など毛沢東時代との近似性が指
摘されているが、その実態はいかなるものだろ
うか。

「習近平新時代中国特色社会主義思想」
を掲げる現政権の思想宣伝工作に対する考察を
通して、「社会主義現代化強国」の建設を目指
す党と社会の関係性について、その特性や構造
的な変容を読み解くことは可能だろうか。

小論は以上の問題意識に基づき、習近平政権
の思想宣伝工作の現状について、その諸様相を
社会の領域から考察するものである⑴。

ここ
では、党内における思想教育とは視点を変えて、
党内外の社会全般に対する思想宣伝工作を「思
想学習」と定義して議論したい。

筆者が社会の
領域に着目するのは、近年の思想宣伝工作が社
会全般に向けて強力に推進されている傾向を重
視する所以による⑵。

2021年9月からは学校
教育における思想学習が強化され、新たなガイ
ドラインの制定や教科書の使用が日本のメディ
アでも取り上げられた⑶。

そこで、小論では
社会の領域、特に学校教育の現場における動向
に着目し、広範な社会の領域において展開され
ている思想学習の被覆性や浸透性の強化を「社
会実装」という視点で議論し、習近平政権下で
推進されている思想宣伝工作の意義およびその
機能的役割について検討する。

「社会主義」中
国のゆくえを展望する際の留意点として、習近
平政権の思想学習が中国社会全般に及ぼす中長
期的な影響についても指摘したい。

!習近平政権の思想宣伝工作

1.「習近平思想」の概要

2017年に開催された中国共産党第19回代表
大会において、中国共産党が長期にわたり堅持
しなければならない指導思想として「習近平新
時代中国特色社会主義思想」(以下、「習近平思想」
と略記)が「中国共産党党規約」に明記された⑷。

2018年の第13期全国人民代表大会では「中華
人民共和国憲法」にも記載され、「党と国家の
重要思想」として定義された。

習近平総書記の
報告や講話などを時系列で編纂した『談治国理
政』によれば、「習近平思想」とは「新時代の
中国共産党の思想の旗印であり、国家の政治生
33
活と社会生活の根本的な指針であり、現代中国
のマルクス主義、21世紀のマルクス主義であ
り、中華民族の偉大なる復興を実現させるため
の行動指針を提供する」と記されている⑸。

政治指導者の名前を付した指導思想の提起
は、「毛沢東思想」以来の重大な変化である。

また、「現代中国のマルクス主義、21世紀のマ
ルクス主義」という位置づけは、圧倒的な権威
性を象徴するものといえよう。

習近平総書記は、
自らの名前を刻んだ「習近平思想」を「21世
紀のマルクス主義」と規定するにあたり、いか
なる認識を有していたのか。

この点については、
習近平総書記が2018年にマルクス生誕200周
年記念大会で発表した談話を参照したい⑹。

「現代中国のマルクス主義、ニ^一世紀のマル
クス主義の新たな境地を絶えず切り開こう」と
題した講話で、習近平総書記は「マルクスの世
界観全体は教義ではなく方法である。

それが提
示したのは既成の教条ではなく、さらなる研究
への出発点とその研究に用いる方法である」と
いうエンゲルスの言葉を引用した上で、

「現代
中国の偉大なる社会変革は、中国の歴史・文化
の単純な延長でもなく、マルクス主義の原典の
著者が構想した枠に単純に当てはめることでも
なく、他国の社会主義をめぐる実践の重版でも
なく、海外の近代化の発展の模倣でもない」、
「理論の生命力は絶えざる革新にあり、マルク
ス主義の絶え間ない発展を推進することは中国
共産党員の神聖なる職責である。

我々はマルク
ス主義を用いて時代を観察し、時代を読み解き、
時代を先導することを堅持し、現代中国の生き
生きとした豊富な実践によってマルクス主義の
発展を推進する」と強調した。

このように、「習
近平思想」は「21世紀のマルクス主義」とし
ての権威性が確立されたのである。

「習近平新時代中国特色社会主義思想」を換
言すれば、その特性から「新時代思想」あるい
は「強国思想」と概括できる。

建国以来の毛沢
東時代を経て、登&小平、江沢民、胡錦濤が率い
た改革開放政策の時期とは明確に画期されたの
が「習近平の新時代」である。

第19回党大会
で三時間余りに及んだ習近平総書記の重要講話
では、「長期にわたる努力を経て、中国の特色
ある社会主義は新時代に入った」、

「近代以来、
長期にわたり苦難を味わった中華民族が立ち上
がり、豊かになり、強くなることで偉大な飛躍
を成し遂げ、中華民族の偉大な復興への実現に
向けて明るい前途を迎えたことを意味する」と
強調した⑺。

習近平総書記が自らの名を冠し
た「習近平思想」は、新たな時代に強い中国を
目指すための「党と国家の重要思想」として規
定されたのである。

2.思想宣伝工作の方針

習近平政権は、いかなる方針に基づいて思想
宣伝工作を展開しているのだろうか。

ここでは、
全国宣伝思想工作会議に注目したい。

政権発足
後の2013年に開催された全国宣伝思想工作会
議において、習近平総書記は重要講話を発表し
て以下のように述べた(8>。

思想宣伝工作を強化するには、必ず全党
を挙げて着手しなければならない。

各級の
党委員会は政治責任と指導責任を果たすべ
く、思想宣伝分野の重要な問題に対する分
析、研究、判断と重大な戦略的任務への包
括的指導を強化し、絶えず思想宣伝工作の
指導の能力とレベルを高めなければならな
い。

包括的宣伝という工作理念を打ち立て、
各戦線の各部門が共に取り組むように働き
かけ、思想宣伝工作と各分野の行政管理、
業種管理、社会管理をさらに緊密に結びっ
34
現代中国96号
けなければならない。

「包括的指導」と「包括的宣伝」の原文は、
それぞれ「統警指導」と「大宣伝」である。

「統
警」は「統合的な」という意味もあるが、ここ
では外文出版社の公式訳から「包括的」という
訳語を引用した。

2013年の重要講話から読み
取ることができるのは、党内にとどまらず社会
全般に対して思想宣伝工作を「包括的に」徹底
するという方針である。

第19回党大会後、2018年に開催された全国
宣伝思想工作会議では、「新たな情勢下におけ
る思想宣伝工作の使命と任務を自ら進んで担お
う」と題した重要講話が発表された(9>。

習近
平総書記は「中国の特色ある社会主義は新時代
に入り、思想を統一し、力を凝集させることを
思想宣伝工作の中心部分としなければならな
い」と強調した。

2013年の方針で「包括的指導」
と「包括的宣伝」が提起された点と比較すれば、
2018年の方針は「戦略的な任務」の実践が具
体化されたことが特徴だ。

重要講話では以下の
ように言及されている(10)〇

強い結束力と牽引力を備えた社会主義イ
デオロギーの構築は、全党とりわけ思想宣
伝戦線が必ずや担わなければならない戦略
的な任務である。

マルクス主義の宣伝教育
工作をしっかりと行い、とりわけ習近平新
時代中国特色社会主義思想の学習、理解、
実践に力を入れなければならない。

ここでは思想宣伝工作という「戦略的な任務」
の実践について、「学習、理解、実践」の各段
階で強調されている。

さらに注目すべきは、「思
想宣伝工作は人を対象とする仕事であり、民族
復興という大任を担う時代の新人育成を重要な
職責としなければならない」、「青少年の価値観
の形成と確立のカギとなる時期をしっかりとつ
かみ、青少年が人生の最初のボタンをきちんと
かけるように導く必要がある」という記述であ
る(11>。

全国宣伝思想工作会議の重要講話を参照する
と、習近平政権の思想宣伝工作は、包括的かつ
戦略的な方針に基づいて推進されている点が明
瞭だ。

近年、社会全般に対する思想宣伝工作が
強化されている実態について、「習近平新時代
中国特色社会主義思想」という新たな思想を掲
げるだけでなく、その実践が極めて戦略的に展
開されている点を指摘したい。

π習近平思想の「社会実装」

1.「社会実装」の視点による議論の試み

習近平政権が包括的かつ戦略的に思想宣伝工
作を推進する中で、近年は特に党の内外を越え
た広範な社会の領域で思想学習が強化されてい
る。

社会の広範囲における思想学習の被覆性や
浸透性の強化について考察することが本節の課
題であり、社会の実像を構造的に理解し、その
特徴を解明するには多種多様な観点からの分析
が必要だと考える。

そこで、議論の試みとして
援用するのが「社会実装」の視点だ。

「社会実装(Social implementation) J は、最新科
学技術のイノベーションを社会で実用する際の
実証過程や社会的課題の解決を目指すための変
革について用いられることが多い用語である(12))

日本では、平成28年(2016年)に内閣府が公
表した「第5期科学技術基本計画(平成28〜平
成32年度)」において、科学技術イノベーショ
ン推進の必要性を強調した際に「社会実装」と
いう用語が多用されている(13)。国立研究開発
35

法人科学技術振興機構(JST)の社会技術研究
開発センター (RISTEX)では、企業の研究開
発で成果を確認するために行われる「現場実験」
を例にして、社会のための研究開発を実証する
過程を「社会実装」と定義している(14)〇

また、
テクノロジーによる社会変革に関する研究と実
践に取り組む東京大学産学協創推進本部の馬田
隆明の著作によれば、「テクノロジーそのもの
のイノベーションだけでなく、組織や法制度、
慣習といった社会的な仕組みにもイノベーショ
ンが必要」であるとして、「社会的な仕組みの
イノベーションとしての法整備や教育システ
ム」についての指摘がある。

「テクノロジーの
社会実装とは、テクノロジーの力によって社会
を変えようとする営みであると同時に、社会の
仕組みを変えることによってテクノロジーが活
用される社会を作り出す営み」でもあるという
指摘は極めて示唆に富むものだ(15)。

「社会実装」の類語としては、「社会実験」が
挙げられるだろう。

筆者の理解では、期間や地
域などの範囲を限定化して新たな技術や制度を
試行した上で、その有効性を検証して評価する
ことが「社会実験」であるのに対し、「社会実装」
は研究開発によって得られた新たな技術やシス
テムが機能するように社会に組み込んで実用化
や普及を図るという相違がある。

「組み込む」
と言えば、イメージとしては「インストール
(install)Jに近いところもあるが、ここで「社
会実装」を暫定的に定義すれば、何らかの社会
的課題の解決を目的とした研究成果や知的財産
の具現化や実用化、あるいは一般化といえるだ
ろう。

最新の科学技術やイノベーションに限ら
ず、例えばある思想を「社会実装」すると考え
た場合、思想を専門性の高い学術的領域に留め
るのではなく、社会の広範囲に普及させて社会
的な課題解決のために思想を実践するという意
味合いになる。

最新の科学技術やイノベーションなどと親和
性の高い「社会実装」を思想の領域に援用し、
さらには習近平政権の思想学習について検討す
ることの有効性については限界や批判もあるだ
ろう。

しかしながら、「社会実装」によって広
く社会全般に対して一般化されるという点につ
いて検討すれば、社会に対する被覆性や浸透性
という観点から、思想学習の目的やその機能的
役割について構造的にとらえることができるの
ではないだろうか。

2.「社会実装」としての思想学習

それでは、習近平政権が社会の領域における
思想学習を強化している現状を「習近平思想の
社会実装」と仮定した場合、その目的や方策と
はいかなるものだろうか。

まず、目的について筆者が想起するのは、「主
要な社会矛盾」の解決である。

習近平総書記は、
第19回党大会の重要講話で「中国の特色ある
社会主義が新時代に入り、我が国の主要な社会
矛盾は、人民の日ごとに増大する素晴らしい生
活への需要と不均衡で不十分な発展との間の矛
盾へと変化している」、「主要な社会矛盾の変化
は全体の局面に関わる歴史的な変化である」
と強調した(16)。

「主要な社会矛盾の変化」に
ついては、党の重要文献においても大きく取り
上げられており、習近平政権の重要な政策課題
として位置づけられている(17)。

新時代の主要
な社会矛盾を解決するのは習近平総書記率いる
中国共産党であり、社会矛盾の解決において重
要な成果が示されれば、それはすなわち中国共
産党による統治の正統性が確保され、現体制を
維持し、さらには党の求心力強化に繋がるだろ
う。それこそが習近平政権の最重要課題であり、
最終的な目的だといえよう。

広範な社会に対す
36
現代中国96号
る習近平思想の学習という「社会実装」は、強
力な実行力によって推進され、党の権威性を高
めるために社会に対する党の影響力を拡大し、
強化しているものと考えられる。

筆者が本稿で「社会実装」の観点から思想学
習について考察するのは、党と社会の関係性を
明らかにするためでもある。

習近平政権の発足
後、党は言論や思想に対する統制を強化し、AI
やビッグデータなどの最新科学技術を用いた社
会管理によって中国共産党が社会を一元的に管
理するという社会体制が確立され、「デジタル・
レーニン主義」、「ビッグデータ独裁」と言わ
れるように、さらに厳格化の傾向にある(18>。

一方、党と社会の関係性という構造に着目する
と、一定の変化が生じていると見ることもでき
る。

すなわち、党が社会を一元的に管理してい
ると同時に、中国共産党による統治の正統性を
確保し証明するという現政権の政治目的が、実
際のところ社会との関係性において追求され、
その為に規制や統制がさらに強化されていると
いう構造である。

ここで、前述した馬田隆明の指摘について再
考してみよう。

「テクノロジーの社会実装とは、
テクノロジーの力によって社会を変えようとす
る営みであると同時に、社会の仕組みを変える
ことによってテクノロジーが活用される社会を
作り出す営み」でもあるという指摘の部分だ。

逆説的に考えれば、新たなテクノロジーが活用
できない社会は、社会の側に変革が迫られると
同時に、テクノロジー自体の真価が問われ、イ
ノベーションを迫られ、場合によっては淘汰さ
れる可能性もあるだろう。

このように「社会実
装」の視点を援用して考察すると、習近平思想
の学習という「社会実装」の推進は、党が社会
を変革するだけでなく、党自体もまた変革を迫
られるという双方向性を有し、今後はその傾向
が次第に表出され、顕著になる可能性もあるの
ではないだろうか「。

習近平思想の社会実装」は、
社会に対する党の影響力を拡大させ、その被覆
性や浸透性を強化しているが、同時に、社会の
側は常に受け身の状態にあるばかりではなく、
党は社会の側からその真価が問われるという可
能性についても指摘しておきたい。

習近平政権
の徹底した思想統制は強権的な統治の象徴だ
が、視点を変えれば、思想学習が徹底されれば
徹底されるほど、党と社会の関係性に構造的な
変化が生じる可能性もあるといえよう。

m社会に対する「思想学習」の現状

1.「人民」に対する思想学習

前項では、習近平政権による思想学習強化の
現状を「習近平思想の社会実装」と仮定し、そ
の目的や今後の可能性について議論した。

ここ
では、習近平政権が広範な社会において推進し
ている思想学習の具体的な方針や方策について
検討する。

前述した全国宣伝思想工作会議の方針に基づ
き、近年は思想学習に関する重要文献が相次い
で発表されている(19)〇

中央宣伝部や中共中央
党校が発行した重要文献を概観して想起される
のは、重要文献の発行後に各級の党組織におい
て党員の思想学習が徹底的に実施されるという
キャンペーンの展開だ。

党員の思想学習ではス
マートフォンのアプリなども活用されており、
党員生活の変化も興味深い話題であるが、それ
らについてはいずれ稿を改めて論じたい。

ここ
では社会全般に対する思想学習に焦点を絞り、
その方針および方策について検討しよう。

2021年7月、中国共産党100周年を盛大に
祝う記念式典が開催された数日後、党中央と国
37
務院は「新時代における思想宣伝工作の強化と
改善に関する意見」(以下、「意見」と略記)を
公表した(20)〇

「思想宣伝工作の強化と改善」
とは、つまり具体的な方針と方策について言及
したものである。

「意見」では、思想宣伝工作
について「党を治め、国を治めるための重要な
方法とし、思想政治教育を深く掘り下げて展開
し、基層レベルにおける思想政治工作の質と水
準を引き上げ、新時代における思想政治工作の
正しさと革新的な発展を推進」するという方針
が強調され、以下のように記述されている(21)〇

人民を中心とする旨を堅持し、党の大衆
路線を実践し、人民のより良い生活に対す
る憧れを奮闘目標とし、大衆を組織し、大
衆を宣伝し、大衆を教育し、大衆に奉仕し、
自信を強め、民心を集め、人々の心を温め、
団結を築くことを堅持する。

「意見」の中で筆者が注目したのは、思想宣
伝工作が党と国を治めるための「重要な方法」
として規定されていることである。

つまり、思
想学習は「党を治め、国を治める」ことに加え
て社会を統治して管理するための「重要な方法」
でもあるということだ。

もうひとつ指摘してお
くべきは、「人民」という用語である。

思想宣
伝工作は「党員」のみならず「人民を中心とす
る」ものでなければならず、「人民のより良い
生活に対する憧れを奮闘目標」とすることが明
記されている。

「人民のより良い生活に対する憧れ」を党の
奮闘目標として掲げたのは、習近平総書記の就
任演説に遡る。

2012年開催の第18回党大会第
1期全体会議終了後、就任したばかりの習近平
総書記が内外記者会見で特に強調したものだっ
た(22>。

以下、当時の講話から「人民」につい
て言及した箇所を一部抜粋してみよう。

「人民
の幸せな生活への憧れこそ我々の奮闘目標であ
る」、「この大きな責任は、党に対する責任であ
る。わが党は誠心誠意人民に奉仕する政党であ
る」、「人民は歴史の創設者であり、大衆は真の
英雄である。人民大衆は我々の力の源である」、
「我々は必ず人民と心を一つにし、人民と苦楽
を共にし、人民と団結奮闘し、日々怠りなく勤
勉に働くことで、歴史と人民に対して合格点の
答案を示さなければならない」。

これらの発言
から、習近平政権が「人民」との関係性を極め
て重視していることが確認できる。

「国民」、「公民」、「市民」、「大衆」、「老百姓
(庶民)」とは異なり、「人民」は政治的な概念
だが、習近平政権は「人民」という存在をどの
ように認識しているのだろうか。

「人民」と言
えば、想起されるのはかって毛沢東が論じた「人
民内部の矛盾」である(23」。

毛沢東が指摘した
ように「人民内部の矛盾」は依然として存在し、
矛盾は拡大しているとも考えられるが、それ以
上に注視すべきは、「人民内部の矛盾」よりも「人
民と党の間の矛盾」ではないだろうか。

習近平
政権は、その点を熟知して警戒感を強めている
からこそ、「人民のより良い生活に対する憧れ
を奮闘目標」とする一方で、広範な社会におい
て「人民」を対象とした思想学習を徹底してい
ると考えられる。

2.学校教育における思想学習

習近平政権の思想学習が社会の領域で徹底さ
れる重要な契機となったのは、建党100周年を
迎えた2021年であり、同年9月の新学期にあ
わせた一連の改革である。

学校教育における新
たな方針として、国家教材委員会が「習近平新
時代中国特色社会主義思想をカリキュラムと教
材に組み込むガイドライン(以下、「ガイドライ
38
現代中国96号
ン」と略記)」を発表した(24)〇

ここでは「ガイ
ドライン」の記述を確認しながら、学校教育に
おける思想学習の動向について検討したい。

まず、「ガイドライン」が重要な意義として
強調しているのは、「習近平新時代中国特色社
会主義思想は、新時代における中国共産党の思
想の旗印であり、国家の政治生活と社会生活の
根本指針であり、現代のマルクス主義、21世
紀のマルクス主義である」という点だ。

これは
前述したように、党規約や憲法に明記された文
言と完全に一致するものだ。

それをふまえて強
調されているのが、以下の記述である。

習近平新時代中国特色社会主義思想を指
導思想として一貫して堅持し、教育教学力
リキュラムのすべての過程と段階において
貫徹させなければならない。

習近平新時代
中国特色社会主義思想を全てのカリキュラ
ムと教材において全面的に実行し、広範な
青少年がマルクス主義の信念を打ち立て、
中国の特色ある社会主義の道に対する自
信、理論の自信、制度の自信、文化の自信
を揺るぎないものとし、党の話を聞き、党
と共に歩むという志を立て、正しい世界観、
人生観、価値観を形成することに重大な意
義がある。

「国家の政治生活と社会生活の根本指針」と
して習近平思想が規定されたことにより、学校
教育の現場では思想学習を徹底して「党の話を
聞き、党と共に歩むという志を立て、正しい世
界観、人生観、価値観を形成する」ことが重要
な教育目標となった。

また、「ガイドライン」
では「習近平新時代中国特色社会主義思想を教
材に組み込み、教室へと前進させ、学生の頭に
浸透させ、系統的かつ全面的で生き生きとした
具体的なものにする」という記述もある(25」。

以前、学校教育の現場では主に「道徳」や「政
治」などの個別の科目で思想教育が行われてい
たが、前述した「意見」に続いて「ガイドライ
ン」が発表されたことにより、小学校から大学
院までのあらゆるカリキュラムと科目において
習近平思想の学習が重視されることになった。

3.教科書に見る「習近平思想」

学校教育における思想学習は、2021年9月
の新学期から新たな展開を迎えた。

その象徴と
して挙げられるのは、「習近平新時代中国特色
社会主義思想学生読本(以下、「学生読本」と略
記)」である。

小学校低学年用、高学年用、中
学校、高校用の合計4冊の教科書が発行され、
週1コマの授業が必修科目となった(26」。

これまで検討してきた思想宣伝工作の方針や
「ガイドライン」は、実際のところ教科書の中
でどのように具体化されているのだろうか。

4
冊の教科書はいずれもカラー刷りでイラストや
写真が多用されている。その中でも小学校用の
教科書は子どもたちのイラストや親しみやすい
デザインが特徴的だ。また、低学年の教科書で
はアクティブ・ラーニングの要素を取り入れて
いる点も興味深い。

ここでは、具体的に以下のニ点について教科
書の記述を確認しよう。

まず、2018年の全国
宣伝思想工作会議で習近平総書記が述べた「青
少年の価値観の形成と確立のカギとなる時期を
しっかりとっかみ、青少年が人生の最初のボタ
ンをきちんとかけるように導く必要がある」と
いう一文についてである。

小学校低学年用の教
科書では、第6講「新時代のよい少年になろう」
の単元で、次のようなイラストと記述がある(写
真2参照)。

教科書では「人生の第一ボタンをきちんとか
39
写真1「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本小学低年級」表紙
人民出版社・人民教育出版社、2021年
写真2 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本小学低年級

人民出版社•人民教育出版社、2021年、47頁
ける」と題して、以下の説明がある(27)〇

「習
近平おじいさんは言いました。価値観を作り上
げるのは服のボタンをかけるのと同じです。も
しも初めのボタンをかけ違えたら、残りのボタ
ンも全部かけ違えてしまいます。人生のボタン
は初めからきちんとかけなければいけません」。

教室にいる子どもたちの様子を描いたイラスト
の吹き出しには、「もし初めのボタンをかけ違
えたら、服が歪んでしまって、カッコ悪いよね」、
「僕たちは人生の第一ボタンをどうやってかけ
るのか今から理解しなければいけません」とい
うコメントがある。

青少年に対する思想宣伝エ
作を「人生の最初のボタンをきちんとかける」
と例えた習近平総書記の言葉は、小学校低学年
の子どもたちにも分かりやすい事例として教科
書で大きく取り上げられた。

次に参照するのは、習近平総書記が第19回
党大会の重要講話で述べた「主要な社会矛盾」
についてである。

中学校の教科書では、「我が国
の社会の主要な矛盾の変化」について次の記述
が見られる(写真4参照)。

1981年の第11期
六中全会当時の「人民の日ごとに増大する物質
文化の需要と立ち後れた社会生産との間の矛
盾」という指摘から、2017年第19回党大会で
提起された「人民の日ごとに増大する素晴らし
い生活への需要と不均衡で不十分な発展との間
の矛盾」が併記され、「主要な社会矛盾」が変
化している点が図表で強調されている(28。。

高校教科書では、「主要な社会矛盾」に関す
るイラストや図表は見られないが、第19回党
大会の習近平講話の文言を引用して以下のよう
に記述されている(写真6参照)(29。。

中国の特色ある社会主義が新時代に入
り、我が国の主要な社会矛盾は人民の日ご
とに増大する素晴らしい生活への需要と不
均衡で不十分な発展との間の矛盾へと変化
しており、これは中国の特色ある社会主義
の新時代における重要な特徴である。

新時
代の我が国の主要な社会矛盾の変化は、全
体の局面に関わる歴史的な変化であり、我
が国の社会のニーズと社会生産の新たな特
40
現代中国96号
写真3 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本初中」表紙
人民出版社・人民教育出版社、2021年
写真4 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本 初中」
写真5 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本高中」表紙
人民出版社・人民教育出版社、2021年
人民出版社・人民教育出版社、2021年、17頁
写真6 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生
読本高中」
徴を本質的に反映している

以上、学校教育における思想学習の新たな展
開について「ガイドライン」や実際の教科書に
注目したが、新カリキュラムの運用について
は、今後、教育現場についての考察やさらなる
分析が必要だ。

学校教育の現場で習近平思想の
人民出版社・人民教育出版社、2021年、5頁
学習が週1コマの必修科目になったため、他の
科目の学習や入試制度にいかなる影響が生じて
いるかという点も興味深い。

また、子どもたち
の学習負担と家庭の経済負担を軽減させるため
に宿題や塾を減らし、ひいては少子化問題の改
善も期待されているいわゆる「双減政策」との
関連など、学校教育における思想学習との関わ
41
りで議論すべき課題は多岐に及ぶといえよう。

2021年から新教科書で習近平思想を学ぶ学
生たちは、建国100周年を迎える2049年には
中国社会を担う年齢層となる。

習近平政権の思
想学習が中国社会に及ぼす中長期的な影響につ
いても、今後見極めていく必要があるだろう。

結びにかえて

小論は、習近平政権の思想宣伝工作の現状に
ついて社会の領域から考察した。

学校教育のガ
イドラインや新教科書が象徴するように、近年
の思想宣伝工作は社会全般に向けて強力に推進
されている。

広範な社会の領域で深化している
思想学習について、その被覆性や浸透性の強化
を「社会実装」という視点で議論するという試
みが果たして論理性や説得力をもつものであっ
たか否か、これについては読者からのご叱正を
乞うところである。

筆者が小論で指摘したのは、党と社会、党と
人民の関係性という構造的な問題の所在とその
変容についてである。

社会主義現代化強国を目
指す中国共産党政権のもと、党と社会、党と個
人は、いかなる関係を構築していくのだろうか。

思想学習の徹底は、強権的な政治手法によると
ころが大きく、社会に対する党の影響力拡大と
いう側面に目を奪われがちだが、社会の側は常
に受け身の状態にあるばかりでなく、党と社会
の関係性には常に構造的な変化が生じる可能性
も内包されている。

小論では「人民」という用語で議論したが、
もとより「人民」は個別具体的な「人」である。

中国の社会で逞しく、しなやかに、したたかに
生きる人々が、果たして思想学習を受容してい
くのか、あるいは面従腹背でやり過ごしていく
のか、中国社会の実相は極めて興味深い。

その
意味でも、中国社会の構造変容について考察す
る際に、社会を構成する人々の思想や行動につ
いて理解を深め、同時代を生きる隣人として中
国社会の諸様相に関心を寄せる視点を持ち続け
たいと考える。

注)

(1) 本稿は、2021年10月23日開催の日本現代中国学
会第71回全国学術大会共通論題「建党100年と「社
会主義」中国のゆくえ」における報告をもとに執筆
したものである。全国学術大会の開催校である西南
学院大学、全国理事会、西日本部会、共通論題のコ
メンテーター各位にあらためて感謝を申し上げたい。
また、投稿に際しては『現代中国』編集委員会、学
会事務局の各位より格別のご高配をいただいた。付
して感謝いたします。

(2) 思想宣伝工作に対する論考として、以下を参照さ
れたい。拙稿「『習近平時代』の思想宣伝工作——学
校教育と家庭教育における最新動向」(連載“習近平
の中国”:ヤヌス像のアナトミー 4)『東亜』一般財
団法人霞山会、2022年1月号。

(3) 例えば、以下など。「中国全教育課程で『習近平思
想』指導」『東京新聞』2021年8月26日。「小学校教
科書に登場する「習おじいさん」中国で進むある「変
革」」朝日新聞デジタル版、2021年10月4日。

(4) 外文出版社の刊行物や国営新華通訊社などの公式
日本語訳では、「習近平の新時代の中国の特色ある社
会主義思想」と記述されるが、小論では中国語の原
文「習近平新時代中国特色社会主義思想」のまま表
記し、本文中では「習近平思想」と略記する。

(5) 習近平『談治国理政第三巻』外文出版社、2020年、
巻頭「出版説明」より。なお、『談治国理政』の引用
箇所の日本語訳は筆者によるが、訳語については日
本語版『国政運営を語る』を適宜参照した。

(6) 「不断開辟当代馬克思主義、二十一世紀馬克思主義
新境界」(2018年5月4日)『談治国理政第三巻』外
文出版社、2020年、74-76頁。

(7) 「決勝全面建成小康社会、奪取新時代中国特色社会
主義偉大勝利」(2017年10月18日)前掲、『談治国
理政第三巻』外文出版社、2020年、8頁。

(8) 「把宣伝思想工作做得更好」(2013年8月19日)習
近平『論党的宣伝思想工作』中央文献出版社、2020年、
14-18頁。引用箇所は、18頁。なお、会議の名称は「全
国宣伝思想工作会議」のままとしたが、引用箇所で
は「宣伝思想工作」ではなく「思想宣伝工作」と訳
出した。

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現代中国96号
(9) 「自覚承担起新形勢下宣伝思想工作的使命任務」
(2018年8月21日)前掲『論党的宣伝思想工作』337
-342 頁。

(10) 同上、340頁。

(11) 同上。

(12) 中国語では> Social implementationの訳語として「社
会実施」の使用例が見られる。例えば以下など。趙
紅梅「経済法的私人実施與社会実施(〇n Private and
Social Implementation in Economic Law)」『中国法学』
中国政法大学民商経済法学院、2014年第1期、177-
195 頁。

(13) JST-RISTEX [研究開発成果実装支援プログラム]
『社会実装の手引き——研究開発成果を社会に届ける
仕掛け』工作舎、2019年、8頁。「第5期科学技術基
本計画(平成28〜平成32年度)」(平成28年1月22
日閣議決定)は、以下を参照。

内閣府、(https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index5.
html>(2021年8月31日閲覧)。

14」同上『社会実装の手引き——研究開発成果を社会
に届ける仕掛け』8-9頁。

(15) 馬田隆明『未来を実装するテクノロジーで社会を
変革する4つの原則』英治出版、2021年、68-69頁。

(16) 前掲「決勝全面建成小康社会、奪取新時代中国特
色社会主義偉大勝利」(2017年10月18日)『談治国理
政第三巻』9頁。

(17) 例えば、以下など。中共中央宣伝部『習近平新時
代中国特色社会主義思想三十講』学習出版社、2018
年、65-73頁「第六講」。

(18) この点については、以下を参照されたい。拙稿「中
国『デジタル•レーニン主義』の思想的背景」『国際
問題』公益財団法人日本国際問題研究所、No.705、
2022年2月。

(19) 主要な文献として、以下などを参照されたい。中
共中央宣伝部『習近平新時代中国特色社会主義思想
学習綱要』学習出版社•人民出版社、2019年。中共
中央党校(国家行政学院)『習近平新時代中国特色社
会主義思想基本問題』人民出版社・中共中央党校出
版社、2020年。中共中央宣伝部『習近平新時代中国
特色社会主義思想学習問答』学習出版社、2021年など。

(20) 中共中央、国務院印発「関於新時代加強和改進思
想政治工作的意見」2021年7月12日、<http://www.
gov.cn/zhengce/2021-07/12/content_5624392.htm) (2021
年8月31日閲覧)。

21」同上。

(22) 「人民対美好生活的向往就是我イ門奮闘的目標」(2012
年11月15日)『談治国理政』外文出版社、2014年、
3-5頁。「人民」に関する引用箇所はこれによる。

(23) 毛沢東『人民内部の矛盾を正しく処理する問題に
ついて』外文出版社、1968年。

(24) 「国家教材委員会関於印発『習近平新時代中国特
色社会主義思想進課程教材指南』的通知」中華人民
共和国教育部、2021年7月21日、
(2021年8月31日閲覧)。以下、「ガイドライン」の
引用はこれによる。

(25) 同上。「教材に組み込み、教室へと前進させ、学
生の頭に浸透させ」の原文は、「進教材、進課堂、進
頭脳」。

(26) 「学生読本」の編集、審査、発行については、前
掲の拙稿「『習近平時代』の思想宣伝工作——学校教
育と家庭教育における最新動向」を参照されたい。
27。「習近平新時代中国特色社会主義思想 学生読本 小
学低年級」人民出版社•人民教育出版社、2021年、
47頁。

(28) 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生読本初
中」人民出版社•人民教育出版社、2021年、17頁。

(29) 「習近平新時代中国特色社会主義思想学生読本高
中」人民出版社•人民教育出版社、2021年、5頁。
参考資料(分野別・発行年順)
〔習近平著作(中国語版)〕
目近平«淡治国理政»外文出版社、2014年
目近平«淡治国理政第二卷»外文出版社、2017年
目近平«淡治国理政第三卷»外文出版社、2020年
目近平«^党的宣借思想工作»中央文献出版社、
2020 年
目近平«^中国共尹党折史»中央文献出版社、2021

〔習近平著作(日本語版))
習近平『国政運営を語る』外文出版社、2014年
習近平『国政運営を語る第二巻』外文出版社、2018

習近平『国政運営を語る 第三巻』外文出版社、2021

党主要文献〕

中共中央宣借部«目近平新吋代中国特色社会主又思
想三十供»学目出版社、2018年
全国干部培^教材編串指身委貝会組象編写«全国干
部学目培^教材新吋代新思想新征程»人民出版社・
党建^物出版社、2019年
中共中央宣借部«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学目察要»学目出版社•人民出版社、2019年
中共中央党校(国家行政学院)«目近平新吋代中国特
色社会主又思想基本|、可題»人民出版社•中共中央
党校出版社、2020年
中共中央党史和文献研究院編«目近平新吋代中国特
色社会主又思想学目名イ第一^〜第五^»中央文
献出版社、2020年
43
中共中央宣借部«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学目|、可答»学目出版社、2021年
〔学校教科書〕
教育部組象編写«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学生^本小学低年纖»人民出版社、人民教育出
版社、2021年
教育部組象編写«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学生^本小学高年纖»人民出版社、人民教育出
版社、2021年
教育部組象編写«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学生^本初中»人民出版社、人民教育出版社、
2021年
教育部組象編写«目近平新吋代中国特色社会主又思
想学生^本高中»人民出版社、人民教育出版社、
2021年
〔インターネット資料〕
中共中央国多院印失«夫于新吋代加強和改迸思想政
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8月31日閲覧)
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21日、<http://www.moe.gov.cn/srcsite/A26/s8001/202107/
t20210723_546307.html)(2021年 8 月 31日閲覧)
〔日本語文献〕
加藤隆則『習近平の政治思想「紅」と「黄」の正統』
勉誠出版、2015年
柴田哲雄『習近平の政治思想形成』渓流社、2016年
石川禎浩『中国共産党、その百年』筑摩書房、2021

高橋伸夫『中国共産党の歴史』慶應義塾大学出版会、
2021年
JST-RISTEX [研究開発成果実装支援プログラム]『社
会実装の手引き——研究開発成果を社会に届ける
仕掛け』工作舎、2019年
馬田隆明『未来を実装するテクノロジーで社会を変
革する4つの原則』英治出版、2021年
〔拙稿〕
「『習近平時代』の思想宣伝工作——学校教育と家庭
教育における最新動向」(連載“習近平の中国”:ヤ
ヌス像のアナトミー 4)『東亜』一般財団法人霞山会、
2022年1月号
「中国『デジタル•レーニン主義』の思想的背景」『国
際問題』公益財団法人日本国際問題研究所、
No.705、2022 年 2 月 44